説明

高速充電可能な二次電池

本発明は、高速充電可能な二次電池、特にリチウムイオン二次電池に関する。前記二次電池は、少なくとも1つのガルバニセルと、電気的充電制御システムとを備えており、前記ガルバニセルは、少なくとも2つの電極と少なくとも1つのセパレータとを有し、前記充電制御システムは、前記二次電池の充電プロセスを制御するために、少なくとも一時的に充電電流値を有する相対充電電流が設けられるように構成されており、前記充電電流値は少なくとも1Cであり、前記セパレータはコーティングを有しており、前記コーティングは、少なくとも1つの無機成分を有するイオン伝導性材料を含んでいる。さらに、本発明は、特にリチウムイオン二次電池、二次電池のための充電制御システム、二次電池のためのガルバニセル、前記ガルバニセルのための少なくとも1つの電極とセパレータとから成るアセンブリ、および二次電池の高速充電プロセスを実施するための方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池、特にリチウムイオン二次電池と、二次電池のための充電制御システムと、二次電池のためのガルバニセルと、当該ガルバニセルのための少なくとも1つの電極およびセパレータから成るアセンブリと、二次電池の高速充電プロセスを実施するための方法と、に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池の供給に際して重要な側面は、二次電池が放電状態から再び充電され得るような充電期間または充電時間である。当該充電期間または充電時間は、特に高エネルギー二次電池および大容量二次電池、特にリチウムイオン蓄電池を、モータ付車両において駆動用電池として動作させる際に重要な役割を果たす。このような二次電池は、多くのエネルギーを貯蔵する必要があるので、それに対応して大容量を有する。充電の際、二次電池の容量が大きいことによって、受け入れ可能な充電時間、特に極力短い充電時間を実現するためには、充電電流は比較的大きくなければならないという問題が生じる。充電電流が大きいことによって、特に、各二次電池の電流導体の有限内部抵抗および電気抵抗ゆえに、二次電池、特にそのセルに対する熱的負荷がもたらされ、安全性に危険が生じる。したがって、製品として入手できる二次電池のほとんど、特にリチウムイオン二次電池には、安全上の理由から、上限が定められた低い充電電流が充電される。それに対応して、充電時間は例えば8時間以上にも亘る長さになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2004/021499号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2004/021477号パンフレット
【特許文献3】欧州特許第1017476号明細書
【特許文献4】欧州特許第0904607号明細書
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】”Handbook of Batteries”, David Linden, Thomas B. Reddy, Third Edition, 2002, MacGraw-Hill Verlag
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、高速充電を可能にすると同時に安全な、二次電池、特にリチウムイオン二次電池と、二次電池のための充電制御システムと、二次電池のためのガルバニセルと、当該ガルバニセルのための少なくとも1つの電極およびセパレータから成るアセンブリと、二次電池の高速充電プロセスを実施するための方法と、を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、独立請求項の対象によって、特に請求項1に記載の二次電池と、二次電池のための請求項12に記載の充電制御システムと、二次電池のための請求項13に記載のガルバニセルと、ガルバニセルのための少なくとも1つの電極およびセパレータから成る請求項14に記載のアセンブリと、二次電池の高速充電プロセスを実施するための請求項15に記載の方法と、によって本課題を解決する。本発明の好ましい構成は、従属請求項の対象である。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る二次電池は、特にリチウムイオン二次電池であるが、リチウムイオン二次電池以外のタイプの二次電池であっても良く、高速充電可能である。当該二次電池は、少なくとも1つのガルバニセルと電気的充電制御システムとを有しており、当該ガルバニセルは、少なくとも2つの電極と少なくとも1つのセパレータとを有しており、当該充電制御システムは、二次電池の充電プロセスを管理するために、少なくとも一時的に、充電電流値を有する相対充電電流を供給するように構成されており、当該相対充電電流とは、単位C(A/Ah)の、二次電池の容量に関連付けられた充電電流であり、当該充電電流値は少なくとも1Cであり、当該セパレータは、少なくとも1つの無機成分を含有するイオン伝導性材料を含むコーティングを有しており、当該コーティングは、当該充電電流が存在する場合に安定しているように構成されている。
【0008】
本明細書においては定義が行われるとともに、二次電池、特にリチウムイオン二次電池と、二次電池のための充電制御システムと、二次電池のためのガルバニセルと、当該ガルバニセルのための少なくとも1つの電極およびセパレータから成るアセンブリと、二次電池の高速充電プロセスを実施するための方法と、の本発明に係る好ましい実施形態が説明される。加えて、電池技術の領域における一般的な技術的定義は、非特許文献1から引用される。
【0009】
本発明に係る二次電池と、充電制御システムと、ガルバニセルと、ガルバニセルのための電極およびセパレータから成るアセンブリとは、好ましくは、特にモータ付車両の駆動用電池として使用するために構成されるか、または、当該使用のために最適化されている。本発明において、モータ付車両とは、その運動エネルギーが少なくとも部分的にモータから供給される、あらゆる種類の車両であると理解される。当該モータは、エネルギー源(エネルギー貯蔵装置)からエネルギーを取り出し、当該エネルギーを少なくとも部分的に、車両の運動エネルギーに変換する。このようなモータ付車両の典型的な例は、特に二輪車(自転車など)または四輪車などの道路交通用車両、機関車、船舶、および航空機である。特に内燃機関がモータとして考えられるが、内燃機関に限定されることなく、電気モータ、およびこのような駆動ユニットの組合せ、いわゆるハイブリッド駆動部も考慮に入れられる。
【0010】
本発明は、モータ付車両における使用に限定されるものではなく、特に、高速充電された電池が有益であるところであればどこででも使用可能である。例えば、携帯電話およびノートパソコン、ならびにその他の電子娯楽機器もしくは家電製品、または特に日曜大工もしくはプロのための工具などである。
【0011】
本発明においてリチウムイオン電池として理解されるのは、リチウムイオン蓄電池、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン電池、もしくはリチウムイオンセルであり、電池または蓄電池装置が各リチウムイオンセルの直列接続(Serienschaltung)もしくは直列接続(Reihenschaltung)によって形成される。つまり、ここではリチウムイオン電池という概念は、従来技術において用いられている上述の概念の集合概念として使用される。
【0012】
本発明において高速充電(英語ではfast charging)または高速充電が可能とは、全容量の好ましくは5%または好ましくは20%という放電状態から、好ましくは60%、または85%、または95%という充電状態への二次電池の充電が、充電時間内に行われ得る、または行われることと理解される。当該充電時間は、それぞれ、好ましくは最大240分、180分、120分、90分、およびより好ましくは最大60分、45分、30分、15分、5分、または1分である。このとき、「全容量」とは、二次電池がその使用状況に基づいて、その時点で得られる最大の容量であると理解される。つまり、当該全容量は、二次電池の公称容量もしくは初期最大容量よりも小さいか、または同じであり得る。
【0013】
二次電池に充電される相対充電電流は、一般的には、二次電池または電池セルの容量に関連する充電電流として定義されるので、例えば、10Aの絶対充電電流が充電された、10Ah(アンペア時)の容量を有する二次電池は、1C(単位C=A/Ah=1/h)の相対充電電流を有する。充電電流値は、好ましくは、少なくとも1C、2C、4C、6C、8C、10C、12C、15C、20C、40C、80C、または100Cである。充電電流値の選択は、特に電極の活物質の選択、および、特にセパレータの材料(=原材料)の選択に依存する。
【0014】
発明者は、セパレータに特定のコーティングを用いることによって、特に電極に既存の材料を用いて、高速充電可能な二次電池を提供すること、ならびに、対応して高速充電可能なガルバニセル、および、電極とセパレータとからなる高速充電可能なアセンブリを提供することが可能になることを確認している。結果として生じる二次電池の高速充電可能性は、一方ではセパレータの特段のイオン伝導特性に起因するが、さらに、コーティングも、対応するセパレータも、対応する電極およびセパレータから成るアセンブリも、対応するガルバニセルも、電池自体も、比較的高い耐熱性を有しているという事実に起因する。それによって、比較的大きな充電電流が許容され、したがって、より短い充電時間を実現できる。この優位性は、特に、例えばポリエチレンのみを主成分とするセパレータを備える従来の二次電池に対して示される。
【0015】
当該コーティングは、少なくとも1つの無機成分を有するイオン伝導性材料を含有する。セパレータの無機成分は、好ましくは、電解質をしみこませるための細孔層を有しており、その孔の大きさは、特に、略4μm、2μm、または1μmよりも小さい。さらに、当該コーティングまたは無機成分は、好ましくはセラミックであるか、または好ましくは、セラミック成分を有する。当該セラミックは、好ましくは酸化物セラミックであり、それぞれ酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、二酸化チタンを単独で、または任意の組合せで含有することができる。当該コーティングは、特に好ましくは酸化マグネシウムを有している。セパレータの無機成分は、好ましくは、製品として入手可能なセパレータ複合材料の無機成分に相当する。当該材料は、SEPARIONという商品名で、ドイツのEvonik AG社が販売している。さらに、当該コーティングは、好ましくはコーティング材料SPERIONに相当する。
【0016】
セパレータ複合材料とは、電気化学的装置、特にリチウムイオン電池内で電極を隔離もしくは分離するための材料であると理解される。当該材料は、例えばSeparion(登録商標)という名称で知られているものか、または、例えば特許文献1もしくは特許文献2、および特に特許文献3に記載されたものである。
【0017】
本発明において、セパレータのコーティングもしくはセパレータとは、電気的絶縁装置であるとも理解される。当該装置は、アノードをカソードから分離し、離間する。好ましくは、セパレータ層はアノード層および/またはカソード層に塗布されている。選択的に、多孔機能層を電極に、例えば負極の活性層に直接塗布することもできる。セパレータ層もしくはセパレータは、電解質を少なくとも部分的に受容する。当該電解質は好ましくはリチウムイオンを含む。当該電解質は、電極スタックの隣接する層とも電気化学機能的に接続されている。好ましくは、セパレータのジオメトリ形状は、電極スタックのアノードの形状に略一致する。
【0018】
好ましくは、セパレータは薄肉に、例えば4μm〜25μmの厚さで形成され、特に好ましくは、細孔ホイルとして形成される。好ましくは、セパレータは非導電性繊維から成る不織布によって形成され、当該不織布は、少なくとも片側において、無機材料でコーティングされている。特許文献3は、このようなセパレータと、その製造方法とを開示している。好ましくは、セパレータ層もしくはセパレータは、添加剤で湿らされており、当該添加剤は、セパレータ層もしくはセパレータの移動度を高める。特に好ましくは、イオン添加剤によって湿らされる。好ましくは、セパレータ層もしくはセパレータは、少なくとも1つの電極の境界縁に亘って、少なくとも部分に延在している。特に好ましくは、セパレータ層もしくはセパレータは、隣接する電極の境界縁全体を超えて延在している。
【0019】
当該コーティングを備えたセパレータを本発明に基づいて使用することによって、特に二次電池の高速充電中の熱暴走(英語ではThermal Runaway)の危険が減少する。それによって、高速充電可能な二次電池の動作がより安全になる。熱暴走とは、圧力が著しく増大し、熱が放出されたときに、電極の活物質が高速かつ制御不能に放出および分解されることで、阻止することが難しい。例えば、内部電極を分離しているセパレータが、含まれている異質な粒子によって汚染されているゆえに、または、セパレータにその他の局所的な不均等性が存在するゆえに、例えばリチウムイオン蓄電池内で、内部電極の局所的な短絡が生じた場合、短絡電流は、破損箇所の比較的近い周囲を加熱し、周囲の領域にも損害を与えることがある。当該プロセスは拡大し、蓄電池内に貯蔵されたエネルギーを急激に放出する。当該効果は周囲のセルに移行し、カスケード効果が始まる。それによって、リチウム蓄電池の反応エネルギーも含めて、全てのエネルギーが放出され得る。
【0020】
熱暴走反応の機構は、180℃から現れるが、負極のSEI(固体電解質界面)層が破損しており、当該負極が例えば、電解質の発熱性還元において、リチウムが挿入されたグラファイトと反応する場合、すでに80℃〜150℃でも始まり得る。第1の段階、特に80℃〜150℃までの第1の温度レジームでは、一般的に熱暴走反応は始まらない。第2の段階、特に約180℃までとそれ以上の第2の温度レジームでは、カソード表面上で電解質の付加的な反応が開始するので、セルの内部で圧力が生じる。第3の段階、特に180℃および200℃を超える第3の温度レジームでは、著しい程度の発熱性反応によってカソードの活物質の分解が行われ得る。アノード保護層は完全に破壊され、遊離した電解質は発熱を伴って分解される。カソード材料の分解によって、非常に高い温度および激しい煙が生じる可能性がある。
【発明を実施するための形態】
【0021】
これは、本発明に係るセパレータを有するセルの場合、従来のようには引き起こされない。当該セルは、第1の段階および第2の段階において安定を保っており、熱暴走が引き起こされないからである。例えば約200℃かそれを超える温度における、セル内での短期的な温度影響および反応の開始は、局所的な熱暴走を引き起こすが、当該熱暴走は継続または拡大しない。セルは部分的に破損するのみである。二次電池、特にモータ付車両の駆動のための、特に高エネルギーおよび高出力に構成された二次電池における、この安定した挙動および当該層による反応の鎮静化によって、負の効果がカスケード状に隣接するセルに及ぼされることがない。このようにして、蓄電池全体の破壊が回避され、それによって、蓄電池の動作がより安全になる。
【0022】
コーティングは、特に高速充電を可能にするために極力大きな充電電流が存在している場合に安定しているように構成されている。「安定」とは、標準的な環境において、温度の他にさらなる障害が存在しない場合に、熱暴走が発生しないことを意味している。コーティングを安定的に保つために、好ましくは、当該コーティングが(イオン)流にとって極力小さな電気抵抗であり、特に生じる二次電池の内部抵抗が極力小さくなるように、当該コーティングが形成される。好ましくは、当該コーティングは、選択的に用いられる電解質に応じて、イオン伝導性、特にリチウムイオンの伝導性が極力大きくなるように構成される。コーティングの細孔の平均的な大きさが、コーティングが充電電流が存在する際に安定しているように選択することが可能であり、好ましい。このために、孔の大きさは極力大きく、特に直径1μm〜5μm、または1μm〜4μm、または2μm〜4μm、または3μm〜4μmに保たれる。さらに、コーティングは、好ましくは分子成分を含有しており、当該成分は非結晶質または結晶質の配置を形成し、(リチウム)イオン流を搬送し、特に(リチウム)イオン流が、単に2つの空間方向ではなく、3つの空間方向において流れることを可能にする。
【0023】
好ましくは、充電制御システムは、電池マネジメントシステム(BMS)の一部であるか、またはBMSであるか、またはBMSに含まれている。この種の電池マネジメントシステムは、(リチウムイオン)蓄電池の電気的動作パラメータだけではなく、その温度も、従来の、(リチウムイオン)蓄電池に配置された温度センサを用いて監視する。一般的に、温度センサは、(リチウムイオン)蓄電池のハウジングの外側に取り付けられているので、蓄電池のハウジング内に配置された、電流が通過する要素における、特に過度の加熱または局所的な過熱は、間接的にのみ、もしくはタイムラグを伴って検知される。
【0024】
好ましくは、二次電池の場合、充電制御システムに配設された温度センサが少なくとも1つ設けられているか、または、複数の温度センサが設けられている。それによって、ガルバニセルの温度または複数の温度が把握される。このようにして、セルの温度が測定され、それによって、電池はより安全になる。特に、充電電流がセル温度の許容境界値に応じて最大化されるように充電制御システムが構成される場合、充電時間を短縮することができる。当該境界温度は、好ましくは、セパレータまたはコーティングの材料に応じて、特に当該材料に最適化して、選択されており、好ましくは60℃〜180℃、好ましくは70℃〜100℃、好ましくは80℃〜150℃、好ましくは80℃〜120℃、または好ましくは100℃〜120℃である。境界温度は、純粋に材料技術上可能な境界温度に対する、温度の安全域を考慮しても良い。当該安全域は、経験的に予測された、または算出された確率データを考慮して、熱暴走の確率をさらに減少させる。
【0025】
好ましくは、充電制御システムは、ガルバニセルのセル温度および所定の境界温度を考慮して充電プロセスを制御するために構成されている。この目的のために、充電制御システムは電気回路、特にプログラム可能な電気回路を有しており、当該電気回路を用いて、特に二次電池の高速充電に関するプログラムが実行される。このようなプログラムを用いて、充電制御システムによって、二次電池の高速充電プロセスを実施するための方法、特に請求項15に記載の方法が実施される。
【0026】
好ましくは、充電制御システムは、充電プロセスをセル温度および境界温度に応じて制御するとともに、セル温度が境界温度に達した場合に、特に絶対充電電流を減少させるか、または、略(例えば一時的に一定な充電電流の初期値の5%未満まで)もしくは完全に遮断するように構成されている。
【0027】
さらに、好ましくは、充電制御システムは、充電が定電流充電法(CC)、パルス充電法、定電圧充電法(CV)、定電流‐定電圧充電法(CCCV)、またはこれらの方法を組み合わせた方法で行われるように構成されている。
【0028】
さらに、好ましくは、充電制御システムは、高速充電を行うように構成されている。特に、二次電池を、全容量の20%の放電状態から、好ましくは60%または85%の充電状態に、充電時間内に充電するように構成されている。当該充電時間は、それぞれ好ましくは、最大240分、180分、120分、90分、より好ましくは最大60分、45分、30分、15分、5分、または1分である。二次電池のための充電制御システムは、好ましくは、請求項15に記載の方法に係る高速充電プロセスを実施するために構成されている。
【0029】
さらに、好ましくは、充電制御システムは、充電電流値が好ましくは少なくとも2C、4C、6C、8C、10C、12C、15C、20C、40C、80C、もしくは100Cに、またはそれぞれこれらの値の内2つの値の中間になるように構成されている。
【0030】
二次電池の高速充電の際に生じる熱的負荷の問題は、特に、正極の活性層の材料に応じて程度が異なる。ガルバニセルの電極、特に正極(蓄電池の放電時はカソードに相当する)は、好ましくは活性層を有しており、当該活性層は、好ましくはリン酸化合物、特にリン酸鉄リチウムを含有している。活性層は、特に、特許文献4に記載され、実施されているように構成され得る。
【0031】
リチウムイオン電池の負極とは、充電プロセスの際に、対向電極(正極もしくはカソード)によって電解質を通して供給される、正電荷を有するリチウムイオンが集まる電極であり、かつ、放電の際に、当該リチウムイオンがそこから対向電極に戻る電極であると理解される。
【0032】
さらに、ガルバニセルの電極、特に正極の活性層が金属酸化物、特に金属ニッケルおよび/またはマンガンおよび/またはコバルトの金属酸化物を有することが可能かつ好ましい。好ましくは、当該活性層はNMC(リチウム化されたニッケル‐マンガン‐コバルト酸化物)を有しており、特にその重量割合は85%〜95%、特に1リチウム中の量の比は、それぞれ1/3がニッケル、1/3がマンガン、1/3がコバルトである。例えば、驚くべきことに、NMC電極と、例えばSEPARIONコーティングのような上述のコーティングを有するセパレータとの組合せにおいて、熱暴走反応は、高速充電に際して、180℃を越える温度領域でのみ発生し、180℃より低い温度領域では、当該組合せは安定を保つことが確認されている。この観察結果は、特に、好ましくは10Ahより大きい、好ましくは20Ahより大きい、好ましくは30Ahより大きい、好ましくは40Ahより大きい容量を有する二次電池(スタック)セルに有効であるとともに、例えば、特に、40Ahより大きく、公称3.6Vの容量を有する大型サイズのスタックセルに有効である。
【0033】
活性層は、粒子サイズが例えば5μm〜40μmの活物質粒子から形成され得る。負極の前記活性層とは、その内部で、充電時にリチウムイオンの付着の電気化学的プロセスが行われるか、もしくは放電時にリチウムイオンの電解質への再放出が行われる層であると理解される。
【0034】
このとき、当該活性層は例えば、グラファイト、いわゆる「ハードカーボン」(非結晶質の炭素修飾)から、またはナノ結晶質、非結晶質のケイ素から形成されており、前記材料内のリチウムイオンは、充電時のいわゆるインターカレーションによって集積する。負極がグラファイトから構成されている場合、リチウムイオンは充電時に、負極のグラファイト面(nC)の間を移動し、炭素と層間化合物(LinxnC)を形成する。
【0035】
活性層は、チタン酸リチウム(LiTi12)から形成することもできる。活性層を形成するためのさらなる材料としては、例えば、金属リチウムと、スズ合金と、CoN、NiN、CuN、もしくはFePなどの、リチウムを堆積できる金属窒化物もしくはリン化物と、窒化物LixMyNで、Mは例えばMo、Mn、またはFeであり、好ましくはx=0.01〜1、より好ましくはx=0.2〜0.9であり、y=1−xであるものと、窒化物Li3‐xMxNで、Mは遷移金属であり、好ましくはx=0.1〜0.9、より好ましくはx=0.2〜0.8であるものと、および/またはリン化物LixMyPzで、Mは例えばCu、Mn、もしくはFeなどの金属であり、好ましくはx=0.01〜1、より好ましくはx=0.2〜0.9であり、y=1−xであり、zは当該化合物が電荷を有さないような大きさで選ばれた全ての数であるものと、が挙げられる。当該活性層は、前記材料の任意の混合物から形成されていても良い。
【0036】
前記活物質粒子とは、例えば、活性層を形成する材料の結晶質の粒子であり、当該粒子の間に、充電の際にリチウムイオンが集積する粒子であると理解される。負極材料としてのグラファイトにとっては、活物質粒子はグラファイト面でもあり得る。リチウムイオンセルで使用するために製造された電極において、活物質粒子は、活性層を形成するために、結合剤を用いて互いに結合もしくは接着させられ得る。
【0037】
活性層は、略互いに接着した活物質粒子から形成され、当該活性層の外側表面は、略活性層の外側面に向かって露出した活物質粒子の表面によって形成されている。「活性層の外側面に向かって露出した表面」とは、リチウムイオンの集積のために利用可能な、活性層を形成する活物質粒子の表面であると理解される。当該活性層の外側表面は、少なくとも部分的に、ナノ粒子またはその他の形態のナノ微粒子によってコーティング可能である。
【0038】
電極および/またはセパレータは、担体または担体構造もしくは担体層を有していても良い。
【0039】
当該担体層は、略担体繊維から形成されており、担体層の外側表面は略担体層の外側面に向かって露出した担体繊維の表面によって形成されている。担体層が担体繊維から形成されていることによって、当該担体層は非担持になる。
【0040】
担体層を形成する担体繊維の、少なくとも最上層の繊維層は、略全面にナノ粒子をコーティングすることが可能である。当該実施形態は、ナノ粒子がコーティングされた繊維層が、ナノ粒子で処理をしていない繊維層の基盤上に、担体層を形成するために塗布される場合に有利である。
【0041】
担体層を形成する担体繊維も、略全面にナノ粒子をコーティングすることが可能である。当該実施形態は、繊維へのナノ粒子のコーティングが、特に例えば接着上の理由から、担体繊維の担体層への加工の前に行われる場合に有利である。
【0042】
担体層は、織り担体繊維または不織担体繊維から構成可能である。したがって、織物も不織布も使用できる。
【0043】
担体繊維は、ポリマー繊維か、または、織物を形成するのに適した鋼線、特に特殊鋼線であり得る。ポリマー繊維および鋼線は、入手しやすく、比較的安価な、セパレータ複合材料の担体層を形成するための出発材料である。好ましくは、担体層は、特殊鋼織物またはポリマー不織布である。これらは特に安価かつ選択肢が多様な、担体層の原材料である。
【0044】
電極および/またはセパレータまたは担体の活性層は、それぞれ全体または部分的に、ナノ粒子(例えば、酸化アルミニウム(Al)、酸化ジルコニウム(ZrO)、もしくは酸化ケイ素(SiO)、またはこれらの混合物、またはNMC)によってコーティングされていても良い。本発明においてナノ粒子とは、好ましくは寸法が、例えば直径または厚さが500nmよりも小さい微粒子である。ナノ粒子に対して選択的または付加的に、ナノロッド、ナノプレート、またはこのようなナノサブ微粒子から構成される、より複雑なジオメトリを有する、テトラポッドなどの微粒子もコーティングに使用することができる。このような微粒子をコーティングすることによって、負極(放電時のアノード)の機能は、実験で示されたように、特に当該微粒子が活性層にくし状に配置される場合に改善される。熱暴走反応に対する耐性および高速充電の可能性も、このような微粒子のコーティングによって改善され得る。
【0045】
高速充電可能な二次電池のための本発明に係るガルバニセルは、少なくとも2つの電極と少なくとも1つのセパレータとを有しており、当該セパレータは、特に180℃までの温度において、略構造的な損害を受けることがない。
【0046】
本発明においてガルバニセルとは、電気的エネルギーの放出にも、化学的エネルギーの電気的エネルギーへの変換にも用いられる装置であると理解される。そのために、ガルバニセルは、極性の異なる少なくとも2つの電極と電解質とを有している。当該ガルバニセルは、構造に応じては、充電時に電気的エネルギーを受容し、化学的エネルギーに変換し、貯蔵することもできる。電気的エネルギーから化学的エネルギーへの変換は、損失を免れず、不可逆的化学反応を伴う。ガルバニセルに流入する電流またはガルバニセルから流出する電流は、電気加熱を生じさせる。当該電気加熱は、ガルバニセルの温度を上昇させる。温度の上昇とともに、不可逆的化学反応は増大する。当該不可逆的化学反応によって、ガルバニセルの領域が、エネルギーの変換および/または貯蔵にはもはや利用できなくなる。充電プロセスの数が増加すると、当該領域の範囲も大きくなる。それによって、ガルバニセルもしくは装置の利用可能な充電容量は低下する。1つのガルバニセルが1つの電極スタックを含むこと、または、複数のガルバニセルが1つの電極スタックを形成することが可能である。
【0047】
本発明において電極スタックとは、ガルバニセルのアセンブリとして、化学的エネルギーの貯蔵にも、電気的エネルギーの放出にも用いられる装置であると理解される。電気的エネルギーが放出される前に、貯蔵された化学的エネルギーが電気的エネルギーに変換される。充電の間、電極スタックもしくはガルバニセルに供給された電気的エネルギーは化学的エネルギーに変換され、貯蔵される。このために、電極スタックは複数の層を有している。少なくとも1つのアノード層、カソード層、およびセパレータ層である。当該層は重ねて配置されるか、もしくは積層され、当該セパレータ層は、少なくとも部分的にアノード層とカソード層との間に配置されている。好ましくは、この層の連なりは、電極スタック内で複数回繰り返される。好ましくは、いくつかの電極が互いに特に電気的に接続されており、特に並列に接続されている。好ましくは、当該層は1つの電極巻線に巻き上げられている。以下、「電極スタック」との概念は、電極巻線にも用いられる。
【0048】
高速充電可能な本発明に係るアセンブリは、ガルバニセルのための少なくとも1つの電極とセパレータとを有しており、当該セパレータはコーティングを有しており、当該コーティングは特に、180℃までの温度において、略構造上に破損を生じず、選択的に電極上に塗布されている。
【0049】
二次電池、特に本発明に係る二次電池であって、当該二次電池は少なくとも2つの電極を備えた少なくとも1つのガルバニセルと少なくとも1つのセパレータとを有しており、当該セパレータはコーティングを有しており、当該コーティングは少なくとも1つの無機成分を有するイオン伝導性材料を含有しており、当該コーティングは、充電電流が存在する場合に安定しているように構成されている二次電池、の高速充電プロセスを実施するための本発明に係る方法は、以下のステップを有している。すなわち、少なくとも一時的に、特に少なくとも1Cの充電電流値を有する相対充電電流を準備するステップと、好ましくは、セパレータのコーティング材料の選択に応じて選ばれることが好ましい境界温度を使用するステップ、およびガルバニセルのセル温度を測定するステップと、好ましくは、セル温度と境界温度とに応じて、充電プロセスを制御するステップ、および、セル温度が境界温度に達した場合に、特に絶対充電電流を減少させるか、または充電電流を遮断するステップと、である。当該方法のさらなる好ましいステップは、当業者が、二次電池とその構成要素に関する本明細書の説明から容易に想到し得るものである。
【0050】
本発明に係る装置および方法のさらなる好ましい構成は、以下の実施例の説明から明らかになる。
【実施例1】
【0051】
本発明に係るリチウムイオン二次電池は、実施例においては、40Ahより大きく、公称電圧3.6Vの大型サイズのガルバニスタックセルを有する。当該ガルバニスタックセルは、電極スタックを有する。ガルバニセルは、グラファイトベースの負極と、NMC(リチウム化されたニッケル‐マンガン‐コバルト酸化物)ベースの正極と、アルキルカーボネート、添加剤、およびリチウム伝導性塩を含む電解質とを有する。
【0052】
それぞれ負極と正極との間にはセパレータが配置されており、当該セパレータには、例えばコーティング材料Separion(登録商標)から成るコーティングが設けられている。二次電池の動作において見られる、当該コーティングの特別な利点は、セルが熱的により安定しており、電解質による材料の湿潤性が良好であるという点にある。
【0053】
セパレータは、特殊鋼織物またはポリマー不織布を含む担体を有しており、セパレータとして、厚さ4μm〜45μmのセラミック薄膜の形態で、耐久性を有するセラミックが設けられている。
【0054】
負極の活物質には、くし状に、ナノ粒子(酸化アルミニウムおよび酸化ジルコニウム)がコーティングされている。
【0055】
正極の活物質はNMCを有している。
【0056】
ガルバニセルは導体を有している。当該導体は、導電装置の一部である。本発明において導電装置とは、放電時に電子をガルバニセルから電力利用部の方向に貫通させる装置であると理解される。好ましくは、少なくとも1つの導電装置は、ガルバニセルの複数の電極の内1つの電極に配設されており、当該電極と特に導電的に接続されている。導電装置は、反対の方向への電流フローも可能にする。好ましくは、少なくとも1つの導電装置は、ガルバニセルと導熱的にも接続されている。対応する温度勾配においては、本発明に係る導電装置は、ガルバニセルからの熱エネルギーの輸送も行う。好ましくは、導電装置は金属を有している。特に好ましくは、導電装置は銅またはアルミニウムを有している。
【0057】
当該ガルバニセルは、電極導体の近くに温度センサを有している。導体の近くでは、ガルバニセルの温度は極めて大きく上昇する。なぜなら、当該領域においては、高い充電電流が高い温度をもたらすからである。したがって、特に熱暴走反応を回避するためには、当該領域において温度の監視が特に有用である。
【0058】
二次電池は、BMSの一部である充電制御システムを有している。BMSは、温度センサに接続されており、ガルバニセルの導体近くの温度、特にセルの充電時および/または放電時の温度を測定する。BMSは、制御ソフトウェアコードでプログラミングすることによって、充電電流を、各温度センサにおいて150℃の境界温度を超過しない高さで維持するように構成されている。さらに、BMSは、境界温度が例えば130℃〜150℃の許容範囲内になり、それによって、極力短い充電時間を達成するための可能な充電電流も利用されるように充電電流を制御する。全容量の20%まで放電された二次電池を、全容量の60%まで充電するために、さしあたり相対充電電流1Cの定電流が用いられる。そのために、充電制御システムは、2時間の充電時間を必要とする。このようにして、高速充電の可能性が示される。
【0059】
さらに、この電極‐セパレータ‐アセンブリによって、従来のアセンブリでは全ての温度レジームで開始可能であった熱暴走が、最終的には180℃を超える温度領域でのみ発生可能になり、本実施例においては発生せず、二次電池の動作がより安全になった。この結果は驚くべきものであり、電極‐セパレータ‐アセンブリもしくは二次電池および本発明に係る方法の能力と改善された安全挙動とを示すものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのガルバニセルと、電気的充電制御システムとを備えた、高速充電可能な二次電池、特にリチウムイオン二次電池であって、
前記ガルバニセルは、少なくとも2つの電極と少なくとも1つのセパレータとを有し、
前記充電制御システムは、前記二次電池の充電プロセスを制御するために、少なくとも一時的に充電電流値を有する相対充電電流が設けられるように構成されており、前記相対充電電流は、前記二次電池の容量に関連する、単位C(A/Ah)の充電電流である二次電池において、
前記充電電流値は少なくとも1Cであり、
前記セパレータはコーティングを有しており、前記コーティングは、少なくとも1つの無機成分を有するイオン伝導性材料を含み、
前記コーティングは、前記充電電流が存在する場合に安定しているように構成されていることを特徴とする二次電池。
【請求項2】
前記充電制御システムに配設された温度センサが設けられており、前記温度センサは前記ガルバニセルの温度を測定することを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記充電制御システムは、前記ガルバニセルのセル温度および所定の境界温度を考慮して、前記充電プロセスを制御するために構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の二次電池。
【請求項4】
前記充電制御システムは前記充電プロセスを、前記セル温度および前記境界温度に応じて制御するとともに、前記セル温度が前記境界温度に達した場合に、特に絶対充電電流を減少させるか、または略/完全に遮断することを特徴とする請求項3に記載の二次電池。
【請求項5】
前記境界温度は、60℃〜180℃、好ましくは70℃〜100℃、好ましくは80℃〜150℃、好ましくは80℃〜120℃、または好ましくは100℃〜120℃であることを特徴とする請求項3または4に記載の二次電池。
【請求項6】
前記境界温度は、前記セパレータの前記コーティングの材料の選択に応じて選択されていることを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項7】
前記充電制御システムは、前記二次電池を、全容量の20%である放電された状態から、好ましくは60%または85%である充電された状態まで、充電時間内に充電するために構成されており、前記充電時間は、それぞれ好ましくは最大240分、180分、120分、90分、およびより好ましくは最大60分、45分、30分、15分、5分、または1分であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項8】
前記充電電流値は、好ましくは少なくとも2C、4C、6C、8C、10C、12C、15C、20C、40C、80C、または100Cであることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項9】
電池マネジメントシステムが設けられており、前記電池マネジメントシステムには、前記充電制御システムが配設されているか、または、前記電池マネジメントシステム内に前記充電制御システムが含まれていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項10】
前記ガルバニセルの電極は活性層を有しており、前記活性層は好ましくはリン酸塩化合物、特にリン酸鉄リチウム、または金属酸化物、特に金属ニッケル、マンガン、およびコバルトの金属酸化物を有していることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項11】
前記セパレータの無機成分は、電解質をしみこませるための細孔セラミック層を有しており、前記細孔セラミック層の孔の大きさは、特に、略4μmよりも小さく、前記細孔セラミック層は特に酸化マグネシウムを有していることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項12】
前記セパレータの前記無機成分は、SEPARIONという商標を有する材料の無機成分に相当するか、または特に前記コーティングは、前記コーティング材料SEPARIONに相当することを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項13】
少なくとも一時的に充電電流値を有する相対充電電流を供給することによって、高速充電プロセスを実施するために構成されている、請求項1から12のいずれか一項に記載の二次電池のための充電制御システム。
【請求項14】
高速充電可能であり、少なくとも2つの電極と少なくとも1つのセパレータとを有し、前記セパレータは特に180℃までの温度において、特に略構造的な損害を受けることがない、請求項1から12のいずれか一項に記載の二次電池のためのガルバニセル。
【請求項15】
高速充電の可能性を有し、請求項14に記載のガルバニセルのための少なくとも1つの電極とセパレータとから構成されるアセンブリにおいて、前記セパレータはコーティングを有しており、前記コーティングは特に180℃までの温度において、特に略構造的な損害を受けることがなく、選択的に電極に塗布されていることを特徴とするアセンブリ。
【請求項16】
二次電池、特に請求項1から12のいずれか一項に記載の二次電池であって、前記二次電池は少なくとも2つの電極を備えた少なくとも1つのガルバニセルと少なくとも1つのセパレータとを有しており、前記セパレータはコーティングを有しており、前記コーティングは少なくとも1つの無機成分を有するイオン伝導性材料を含有しており、前記コーティングは、充電電流が存在する場合に安定しているように構成されている二次電池、の高速充電プロセスを実施するための方法において、
‐少なくとも一時的に、特に少なくとも1Cの充電電流値を有する相対充電電流を準備するステップと、
‐好ましくは、セパレータのコーティング材料の選択に応じて選ばれることが好ましい境界温度を使用するステップ、および前記ガルバニセルのセル温度を測定するステップと、
‐好ましくは、前記セル温度と前記境界温度とに応じて、前記充電プロセスを制御するプロセス、および、前記セル温度が前記境界温度に達した場合に、特に絶対充電電流を減少させるか、または前記充電電流を遮断するステップと、
を有することを特徴とする方法。

【公表番号】特表2012−532428(P2012−532428A)
【公表日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−518781(P2012−518781)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【国際出願番号】PCT/EP2010/003810
【国際公開番号】WO2011/003513
【国際公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(511173550)リ−テック・バッテリー・ゲーエムベーハー (85)
【Fターム(参考)】