説明

(1)水素酸素ガス発生装置における電解槽内の電解水を効率的且均一に循環冷却できる電解板。(2)水を電気分解した低圧ガス中の水分、アルカリ分を除去し、又低圧で使用中の逆火現象を防止する機能をもつ水タンク。(3)パイプ内にセラミックス素材の壁を設け、両側をフランジで固定した逆火防止器。(4)低圧ガスと高圧ガスの2系統のガスを同一バーナーで同時に使用できるリング式ガスバーナー。

【課題】水を電気分解し、酸素及び水素を生成するに際し、電解水の温度上昇を抑えて連続運転を可能とし、生成ガスのアルカリ分を除去し電気機器への悪影響を防止でき、低圧ガス使用時の逆火を防止可能とし、高いガス燃焼効率を実現できる水電解槽の周辺装置を提供する。
【解決手段】電解板の上下に中心から両側に向け冷却水誘導穴を設けた。生成ガスのアルカリ分を除去でき、逆火防止機能を持つ水タンク3を設けた。ガスパイプ内をセラミック壁とし、両端をフランジ固定する逆火防止器を設けた。リング式バーナーを用いて低圧、高圧2系統のガスを同時に同一バーナー5で燃焼可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水を電気分解して、水素と酸素を取り出す装置を低圧で使用し実用化するための周辺機器に関するもので、化石燃料にかわるクリーンで、安全で、低コストの次世代エネルギーとして、金属の溶接、溶断のみならず、幅広く業務用使用できるボイラー、焼却炉等の燃料として、連続して使用できるシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
水素ガスの使用は従来大型のボンベに圧力で充填されたものを使用するのが主流となっている。
しかしこれは製造コストと管理コストがかかり、実用化は進んでいない。又低圧ガスとして使用されているこの種の装置では、金属の溶接、溶断に使用されている程度であった。その理由として第一に、電解槽内の冷却方法が不充分で電解水の温度が上昇すると一時運転を停止するか、又は冷えるまで一時休止して再度運転する方法が取られていた。(特許文献1参照)
第二は生成されたガスは水分とアルカリ分を含み、使用時に電気機器(例えば電磁弁)に影響があるため、これを除去する必要があり、有効なものはなかった。
第三は低圧の水素と酸素の混合ガスは使用時に逆火現象が起り、これを有効に防止するものはなかった。
第四は低圧ガスと高圧ガスの2系統のガスを同一バーナーで同時に使用して燃焼できるガスバーナーはなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとするものは、第一に水の電気分解して、水素と酸素を取り出すとき、電解槽内の電解水は高温となり、冷却しなければ連続使用することができなかった。
【0004】
本発明が解決しようとする第二は水を電気分解して水素と酸素を取り出すとき、水分と電解溶液のアルカリ分を含み、そのガスが電気機器内(例えば電磁弁)を通過するとき、機器の機能に影響を与え故障の原因となっていた。
【0005】
本発明が解決しようとする第三は水を電気分解して水素と酸素を取り出し、低圧でこのガスを燃焼させると逆火現象が起り、これを解決する必要があった。
【0006】
本発明が解決しようとする第四は本装置で生成された水素と酸素の混合ガスを低圧と高圧ガスの2系統のガスを同一バーナーで同時に燃焼させ燃焼効率を良くする必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明が課題を解決するための第一の手段は、電解槽内の電解水を効率的且均一に冷却する必要から電解板の上下に、中心から両側方向へ細い水の誘導穴を設け、冷却水が広く、早く循環して冷却できる方法を取った。
【0008】
本発明が課題を解決するための第二の手段は電解槽から生成された水素酸素ガスは水分と電解溶液のアルカリ分を含み、これを除去するため及び低圧ガスが燃焼するとき逆火現象が起ることを防止するための3つの機能を持たせる水タンクを設けることで解決した。
【0009】
本発明が課題を解決するための第三の手段は低圧で使用する水素と酸素の混合ガスは逆火する可能性が高いため、パイプ内にセラミックス素材壁を設け、両側をフランジで固定した逆火防止器を設けた。
【0010】
本発明が課題を解決しようとする第四の手段は、低圧の水素酸素混合ガスと高圧ガスの2系統のガスを同一バーナーで同時に使用できるリング式ガスバーナーも使用することにより燃焼効率を上げる手段を取った。
【発明の効果】
【0011】
第一に電解水が電解板の形状により効率的且均一に冷却循環することができた。
【0012】
第二に電解槽で生成されたガス中の水分、アルカリ分は水タンクを通り除去され又低圧ガスの逆火防止機能を果すことができた。
【0013】
第三は低圧で使用する水素酸素混合ガスは化学分子が小さく、燃焼が早いため、容易に逆火することがあり、これを防止するためにパイプ内にセラミックス素材の壁を設け、両側をフランジで固定した逆火防止器により完全に逆火を防ぐことができた。
【0014】
第四は低圧で使用する水素酸素混合ガスと高圧ガスの2系統のガスを同一バーナーで同時に使用することのできるリング式ガスバーナーにより燃焼効率がよくなり、大幅にコストダウンができる様になった。
【発明が実施するための最良の形態】
【0015】
本発明における水タンクは水素酸素の混合ガスの水分、アルカリ分を除去できると同時に逆火防止機能をもつ最良の形態である。
[図1]により説明する。
【実施例】
【0016】
図1は本発明のシステム図の一部である。
水を電気分解する電解槽(1)から生成された水素と酸素ガスは各々分離されたガスタンク(2)に入り、そこから次の分離された水タンク(3)を通って、混合器(4)で水素と酸素が混合され、バーナー(5)のところで点火燃焼する。燃焼中逆火が生じても二次的に火は水タンク中で完全に消火されるシステムとなっている。
【産業上の利用可能性】
【0017】
本発明により水を電気分解して低圧で水素と酸素を取り出し使用するとき、従来利用できなかった、産業分解の次世代エネルギーとして、クリーンで、安全で、安価な燃料として使用することができ、社会的に大きく貢献することが可能です。これは地球環境に優しい燃料として期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】水分、アルカリ分の除去及び逆火防止機能をもつ水タンクのシステム図である。
【符号の説明】
【0019】
1.電解槽
2.ガスタンク
3.水タンク
4.混合器
5.バーナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を電気分解して水素と酸素を取り出すに当り、電解槽内の温度が上昇するのを防止するため、電解槽内の電解板の形状を電解板の上下に、中心から両側方向へ細かい誘導穴を設け、冷却水が容易に循環し、効率的且均一的に冷却できる特徴をもつ電解板。
【請求項2】
電解槽で生成された水素と酸素ガスは水タンク内を通すことにより、ガス中に含む、水分及びアルカリ分を除去できると同時に低圧ガスで使用中、逆火現象が起きても消火することのできる特徴をもった水タンク。
【請求項3】
水素分子は空気より軽く、小さいため、低圧ガスで使用するとき逆火現象が起き、これを防止するため、パイプ内に低圧で使用できるセラミックス素材の壁を設け、両側をフランジで固定した器具を特徴とする逆火防止器。
【請求項4】
低圧ガスと高圧ガスの2系統のガスを同一バーナーで同時に使用することのできるリング式ガスバーナーであることを特徴とする。

【図1】
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【公開番号】特開2008−45199(P2008−45199A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−246107(P2006−246107)
【出願日】平成18年8月16日(2006.8.16)
【出願人】(503274052)
【Fターム(参考)】