説明

1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン

本発明は式(I)
【化1】


〔式中、置換基は明細書中に定義のとおりである〕
の1−アザ−ビシクロアルキル誘導体、それらの製造方法、医薬としてのそれらの使用、そしてそれらを含む医薬組成物に関する。
遊離塩基または酸付加塩形の式(I)
【化2】


〔式中、
AはOまたはN(R)を意味し;
Yは式
【化3】


[式中、左の結合手はA基と結合しており、そして右の結合手はR基と結合している]
の基を意味し;
Rは置換または非置換C−C10アリール、置換もしくは非置換ヘテロ−C−C10アリール、N(R)(R)基、またはN(R)(CHR)基を意味し;
は水素、C−Cアルキル、またはCFを意味し;
は水素、C−Cアルキル、またはCFを意味し;
は水素、C−CアルキルまたはCFを意味し;
は置換ましくは非置換C−C10アリールまたは置換もしくは非置換C−C10ヘテロアリールを意味する〕。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な1−アザ−ビシクロアルキル誘導体、それらの製造方法、それらの医薬としての使用、そしてそれらを含む医薬組成物に関する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0002】
より具体的には、本発明は第1の局面において、遊離塩基または酸付加塩形の式(I)
【化1】

〔式中、
AはOまたはN(R)を意味し;
Yは式
【化2】

[式中、左の結合手はA基と結合しており、そして右の結合手はR基と結合している]
の基を意味し;
Rは置換もしくは非置換C−C10アリール、置換もしくは非置換ヘテロ−C−C10アリール、N(R)(R)基、またはN(R)(CHR)基を意味し;
は水素、C−Cアルキル、またはCFを意味し;
は水素、C−Cアルキル、またはCFを意味し;
は水素、C−Cアルキル、またはCFを意味し;
は置換もしくは非置換C−C10アリールまたは置換もしくは非置換C−C10ヘテロアリールを意味する〕
の化合物を提供する。
【0003】
本明細書の全体において使用される一般的な用語は、他に記載がない限り、好ましくは本開示の範囲内において下記の意味を有する:
“置換または非置換”なる用語は、本明細書において使用するとき、それぞれの基が1個以上、好ましくは3個まで、とりわけ1または2個の置換基によって置換されていてもよいことを意味する。置換基は好ましくは、アミノ、C−Cアルキルアミノ、ジ(C−Cアルキル)−アミノ、C−Cシクロアルキルアミノ、ジ(C−C)シクロアルキルアミノ、N−C−Cアルキル−N−C−Cシクロアルキルアミノ、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、ヒドロキシ、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキルオキシ、C−CアルコキシC−Cアルコキシ、ジ(C−Cアルキル)−アミノC−Cアルコキシ、カルバモイル、N−C−Cアルキル−カルバモイル、N,N−ジ(C−Cアルキル)−カルバモイル、ニトロ、シアノ、カルボキシ、C−Cアルコキシカルボニル、C−Cアルカノイル、C−Cアルカノイルオキシ、ベンゾイル、アミジノ、グアニジノ、ウレイド、メルカプト、C−Cアルキルチオ、ピリジル、フェニル、フェノキシ、C−Cアルコキシフェニル、フェニルチオ、フェニル−C−Cアルキルチオ、C−Cアルキルスルホニル、フェニルスルホニル、C−Cアルキルフェニルスルホニル、C−Cアルケニル、C−Cアルカノイル、環の隣接炭素原子と結合したC−Cアルキレンジオキシ、およびハロゲン、ヒドロキシ、C−Cアルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、C−Cアルコキシカルボニル、C−CアルカノイルまたはC−Cアルカノイルオキシによって置換されたC−Cアルキルからなる群から選択される。
【0004】
“C−C10アリール”、“C−C10ヘテロアリール”なる用語は、各々の場合に、上記置換基によって置換されているかまたは置換されていない、好ましくは各々の場合に、ハロゲン、CNまたはハロゲンにより置換されていてもよいアルキル、例えばトリフルオロメチル;またはC−Cアルコキシから選択されるか、または例えばベンゾ[1,3]ジオキソールまたは2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシンへとおよび/またはさらなるヘテロ環式環へと縮合された1個以上の置換基によって置換されているかまたは置換されていない、芳香族性残基として理解されるべきである。C−C10ヘテロアリールは、1個以上の炭素原子がヘテロ原子によって置換された芳香族性ヘテロ環式系である。1、2または3個のヘテロ原子を含む5〜9員環系が好ましい。上記C−C10アリールまたはC−C10ヘテロアリール残基の例には、フェニル、ナフチル、イソベンゾフラニル、チエニル、インドリルが含まれる。
【0005】
“アルキル”なる用語は、直鎖または分枝鎖状アルキル基を意味し、好ましくは直鎖または分枝鎖状C1−7アルキルを意味し、とりわけ好ましくは直鎖または分枝鎖状C1−4アルキル;例えば、メチル、エチル、n−またはイソ−プロピル、n−、イソ−、sec−またはtert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、とりわけ好ましくはメチル、エチル、n−プロピルおよびイソ−プロピルを意味する。
【0006】
“アルコキシ”、“アルコキシアルキル”、“アルコキシカルボニル”、“アルコキシカルボニルアルキル”および“ハロゲンアルキル”の各アルキル部分は上記“アルキル”の定義と同じ意味を有するべきである。アルコキシはとりわけC−Cアルコキシ、とりわけメトキシ、エトキシまたはn−プロポキシである。
【0007】
“ヘテロ原子”は炭素および水素以外の原子、好ましくは窒素(N)、酸素(O)または硫黄(S)である。
【0008】
“ハロゲン”はフルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを意味し、好ましくはフルオロ、クロロまたはブロモを意味し、そしてとりわけ好ましくはクロロを意味する。
【0009】
式(I)の化合物およびその塩に存在する不斉炭素原子を考慮すると、化合物は光学的に活性な形態または光学異性体の混合物の形態で、例えばラセミ混合物の形態で存在し得る。全ての光学異性体およびラセミ混合物を含むそれらの混合物が本発明の一部である。
【0010】
遊離形の新規化合物と、例えば新規化合物の精製または同定において、中間体として使用され得る塩を含むそれらの塩の形態のものとの密接な関係の観点から、本明細書における遊離化合物についてのあらゆる記述が、適当および適切であるとき、対応する塩も言及されていると理解される。
【0011】
本明細書において、化合物、塩等が記載されるているとき、これは単一の化合物、塩等または複数の化合物、塩等を意味し得る。
【0012】
好ましい置換基、好ましい数の範囲、式(I)に存在する好ましい基の範囲、および対応する中間体化合物を以下に定義する。これらの好ましい置換基、好ましい数の範囲、または好ましい範囲は、独立して、集合的に、または任意の組合せもしくはサブコンビネーションであるのが好ましい:
Xは好ましくは酸素を意味する。
【0013】
Yは好ましくは下記の基:
【化3】

の1個を意味する。
【0014】
Yはとりわけ好ましくは下記の基:
【化4】

を意味する。
【0015】
Rは好ましくは、ハロゲン;NO;CN;ハロゲンにより置換されているかまたは置換されていないC−Cアルコキシ;ハロゲンにより置換されているかまたは置換されていないC−Cアルキル、C−CアルキルC(O)NH、C−Cアルキルスルホニルからなる群から選択される、1個以上の置換基によって置換されているかまたは置換されていないC−C10アリールを意味する。
【0016】
Rは好ましくは、ハロゲン;C−Cアルコキシ;CNまたはハロゲンにより置換されているかまたは置換されていないC−Cアルキルからなる群から選択される、1個以上の置換基によって置換されているかまたは置換されていないヘテロ−C−C10アリールを意味する。
【0017】
Rは好ましくはN(R)(R)またはN(R)(CHR)を意味する。
【0018】
Rはとりわけ、好ましくはフェニルまたは塩素、フッ素、メチル、エチル、メトキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、アセトアミド、メチルスルホニルならなる群から選択される置換基で置換されたを意味する。
【0019】
Rはとりわけ好ましくは、ヘテロ−C−C10アリールがイミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、フラニル、チオフェニル、ベンゾ[b]チオフェニル、オキサゾリル、イソカゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1−イソベンゾフラニル、ベンゾ[1,3]−ジオキソリル、2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]−ジオキシニル、ベンゾ[1,2,5]オキサジアゾリル、ベンゾ[1,2,5]チアジアゾリル、チノリニル、イソチノリニルからなる群から選択されから選択され;置換基が塩素、フッ素、メチル、エチル、メトキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、アセトアミドならなる群から選択される、置換もしくは非置換ヘテロ−C−C10アリールを意味する。
【0020】
、RおよびRは好ましくは独立して、H、メチル、またはCFを意味する。
【0021】
は好ましくはハロゲン、C−Cアルコキシ、CNまたはハロゲンにより置換されているかまたは置換されていないC−Cアルキルからなる群から選択される、1個以上の置換基によって置換されているかまたは置換されていない、C−C10アリールまたはヘテロ−C−C10アリールを意味する。
【0022】
さらなる態様において、
Yが式
【化5】

の基であり;
Rが、ハロゲン、C−Cアルコキシ、CNまたはハロゲンにより置換されているかまたは置換されていないC−Cアルキルから選択される1個以上の置換基によって置換されているかまたは置換されていないC−C10アリール;ハロゲン、C−Cアルコキシ、CNもしくはハロゲンにより置換されているかまたは置換されていないC−Cアルキルから選択される1個以上の置換基によって置換されているかまたは置換されていないヘテロ−C−C10アリール;N(R)(R)またはN(R)(CHR)であり;
、RおよびRの各々が独立してH、C−CアルキルまたはCFであり;そして
が、ハロゲン、C−Cアルコキシ、CNまたはハロゲンにより置換されているかまたは置換されていないC−Cアルキルから選択される置換基によって置換されているかまたは置換されていないC−C10アリールであるか;またはハロゲン、C−Cアルコキシ、CNまたはハロゲンにより置換されているかまたは置換されていないC−Cアルキルから選択される1個以上の置換基によって置換されているかまたは置換されていないヘテロ−C−C10アリールである、
式(I)の化合物が好ましい。
【0023】
さらなる態様において、
Yが式
【化6】

の基であり、そして
Rがハロゲン、C−Cアルコキシ、CNまたはハロゲンにより置換されているかまたは置換されていないC−Cアルキルから選択される1個以上の置換基によって置換されているかまたは置換されていないフェニルである、
式(I)の化合物が好ましい。
【0024】
さらなる態様において、式(III)の出発物質が(−)アルコールである式(I)の化合物が好ましい。
【0025】
とりわけ好ましい本発明の化合物は実施例の化合物である。
【0026】
さらなる局面において、本発明はまた式(I)の化合物の製造方法であって式(II)
【化7】

〔式中、YおよびRは式(I)の化合物についての上記定義のとおりであり、そしてZは脱離基、例えばF、Cl、Br、IまたはOSOCFである〕
の化合物を、式(III)
【化8】

〔式中、Aは式(I)の化合物についての上記定義の意味を有する〕
の化合物と反応させ、そして得られた遊離塩基または酸付加塩形の式(I)の化合物を回収することを含んでなる方法を提供する。
【0027】
反応は標準的な方法、例えば実施例に記載のように行うことができる。
【0028】
式(II)の化合物は既知であるか、または対応する既知の化合物から、例えば実施例に記載のように、例えばCoates WJ, McKillop A (1992) Synthesis 334-342と同様に、製造することができる。式(III)の化合物は既知である(H. Stenbach, S. Kaiser (1952) J. Amer. Chem. Soc. 74, 2219; F.D. King et al (1993) J. Med. Chem. 36, 683)。さらに、AがOである式(III)の化合物はまた、AがNRである化合物へと、当業者に既知の方法により、例えばBull. Soc. Chim. Fr. 4368 (1971)に記載のとおり、アルコールを始めにアルキルオキシホスホニウムペルクロレートへと変換することにより、変換することができる。
【0029】
あるいは、式I’
【化9】

〔式中、Rは式(I)の化合物についての上記定義のとおりであり、そしてY’は
【化10】

である〕
の化合物を、
式(IV)
【化11】

〔式中、Y’は式(I’)の化合物についての上記定義のとおりであり、そしてZ’は脱離基を意味する〕
の化合物を式V
【化12】

〔式中、Rは式(I)の化合物についての上記定義のとおりである〕
の化合物と、所望により反応補助剤、例えばパラジウム触媒の存在下で反応させ、そして得られた遊離塩基または酸付加塩形の式(I’)の化合物を回収する工程を含む方法によって製造することができる。
【0030】
式(IV)の化合物は既知であるかまたは対応する既知の化合物から、例えば式(III)の化合物を式(II’)
【化13】

〔式中、Y’は下記の基
【化14】

の1個を意味し、そして
Zは上記のとおりである〕
の化合物と反応させることによって製造することができる。
【0031】
式(V)の化合物(例えば置換もしくは非置換フェニルボロン酸)は既知であるかまたは対応する既知の化合物から製造することができる。
【0032】
下記考察は上記個々の反応工程に適用される:
a)1個以上の官能基、例えばカルボキシ、ヒドロキシ、アミノまたはメルカプトは、出発物質において保護基によって保護される必要があるかもしれない。使用される保護基は既に文献中に存在し得、そしてアシル化、エーテル化、エステル化、酸化、加溶媒分解、および同様の反応のような望ましくない2次反応に関係する官能基を保護すべきである。保護基は容易に、すなわち望ましくない2次反応なしに、典型的には加溶媒分解、還元、光分解により、または例えば生理学的条件と類似の条件下での酵素活性により、それら自体が除去され、そしてそれらは最終生成物中には存在しないことに特徴がある。当業者は本明細書に記載の反応において好適な保護基を知っているかまたは容易に確立することができる。かかる保護基による官能基の保護、保護基それ自体、そしてそれの除去反応は、例えば標準的な参考書、例えばJ. F. W. McOmie, “Protective Groups in Organic Chemistry”, Plenum Press, London and New York 1973、T. W. Greene, “Protective Groups in Organic Synthesis”, Wiley, New York 1981、“The Peptides”; Volume 3 (editors: E. Gross and J. Meienhofer), Academic Press, London and New York 1981、“Methoden der organischen Chemie” (Methods of organic chemistry), Houben Weyl, 4th edition, Volume 15/I, Georg Thieme Verlag, Stuttgart 1974、H.-D. Jakubke and H. Jescheit, “Aminosaeuren, Peptide, Proteine” (Amino acids, peptides, proteins), Verlag Chemie, Weinheim, Deerfield Beach, and Basel 1982、そしてJochen Lehmann, “Chemie der Kohlenhydrate: Monosaccharide und Derivate” (Chemistry of carbohydrates: monosaccharides and derivatives), Georg Thieme Verlag, Stuttgart 1974に記載されている。
【0033】
b)酸付加塩は遊離塩基から既知の方法で製造することができ、その逆も可能である。あるいは、光学的に純粋な出発物質を使用することができる。本発明において使用するために好適な酸付加塩には、例えば塩酸塩が含まれる。
【0034】
c)立体異性体混合物、例えばジアステレオマーの混合物は、それらの対応する異性体へと、自体公知の方法で、好適な分離方法によって分離させることができる。ジアステレオマー混合物は、例えばそれらの個々のジアステレオマーへと、分画結晶化、クロマトグラフィー、溶媒分配、および同様の方法によって分離させることができる。この分離は出発化合物のレベルまたは式(I)の化合物自体で行うことができる。光学異性体は、例えば光学異性体−純キラル酸でジアステレオマー塩を形成させることによって、または例えばHPLCによる、キラルリガンドを有するクロマトグラフィー基質を使用したクロマトグラフィーによって、分離させることができる。あるいは、光学的に純粋な出発物質を使用することができる。
【0035】
d)上記を実行するための好適な希釈剤は、とりわけ不活性有機溶媒である。これらにはとりわけ、脂肪族、脂環族または芳香族族、所望によりハロゲン化された炭化水素、例えば、ベンジン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、石油エーテル、ヘキサン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、炭素テトラクロライド;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランまたはエチレングリコールジメチルエーテルもしくはエチレングリコールジエチルエーテルのようなエーテル;アセトン、ブタノンまたはメチルイソブチルケトンのようなケトン;アセトニトリルプロピオニトリルまたはブチロニトリルのようなニトリル;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−ホルムアニリド、N−メチル−ピロリドンまたはヘキサメチルリン酸トリアミドのようなアミド;酢酸メチルまたは酢酸エチルのようなエステル;ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド;メタノール、エタノール、n−またはi−プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルのようなアルコールが含まれる。さらに、希釈剤の混合物を使用することができる。出発物質、反応条件および補助剤に依存して、水または水を含む希釈剤が好適である。出発物質を希釈剤として同時に使用することができる。
【0036】
e)反応温度を比較的広い範囲で変化させることができる。一般的に、当該方法は0℃〜150℃、好ましくは10℃〜120℃の温度で行う。脱プロトン化反応を比較的広い範囲で変化させることができる。一般的に、当該方法は−150℃〜+50℃、好ましくは−75℃〜0℃の温度で行う。
【0037】
f)反応を一般的に、大気圧で行う。しかし、当該方法を上昇したまたは低下した圧力下で、一般的には0.1bar〜10barで行うこともできる。
【0038】
g)出発物質は一般的に、およそ等モル量を使用する。しかし、成分の1種を比較的大量に使用することもできる。反応は一般的に、好適な希釈剤中で、反応補助剤の存在下で行い、そして反応混合物を一般的に、所望の温度で数時間撹拌する。
【0039】
h)上記方法における反応混合物の後処理および得られた化合物の精製を、既知の方法(製造例参照)にしたがって行うことができる。
【発明の効果】
【0040】
本発明の化合物およびそれらの薬学的に許容される酸付加塩(以後、本発明の化合物と称する)は、インビトロおよび動物で試験したとき有用な薬理学的特徴を示し、したがって医薬として有用である。
【0041】
したがって、本発明の化合物はnAChRのコリン作動性リガンドであると見出される。さらに、好ましい本発明の化合物は選択的α7−nAChR活性を示す。本発明の化合物はとりわけ、アゴニスト、部分アゴニスト、アンタゴニストまたはレセプターのアロステリック調節剤であると見出すことができる。
【0042】
それらの薬理学的プロファイルのために、本発明の化合物はCNS関連疾患、PNS関連疾患、炎症、疼痛および化学物質の乱用によって引き起こされる禁断症状と関連した疾患、一般的な不安障害を含むCNS関連疾患または障害、認識障害、学習及び記憶欠損および障害、アルツハイマー病、ADHD、パーキンソン病、ハンチントン病、ALS、プリオン神経変性障害、例えばクロイツフェルト−ヤコブ病およびクル病、ギレス・デ・ラ・トゥレット症候群、精神病、鬱病および抑うつ障害、躁病、躁うつ病、統合失調症、統合失調症における認知障害、強迫神経障害、パニック障害、摂食障害、ナルコレプシー、侵害受容、AIDS−認知症、老年性認知症、年齢に関連した軽度認識障害、自閉症、失読症、遅発性ジスキネジー、てんかん、およびけいれん障害、外傷後ストレス障害、一過性無酸素症、偽認知症、月経前症候群、黄体後期症候群、慢性疲労症候群および時差ぼけのような様々な疾患または状態の処置に有用であると予期される。さらに、本発明の化合物は内分泌系障害、例えば甲状腺中毒症、褐色細胞腫、高血圧および不整脈、ならびに狭心症、運動亢進症、早漏および勃起不全の処置に有用であり得る。さらに、本発明の化合物は炎症性障害(Wang et al., Nature 2003, 421,384)、炎症性皮膚障害、クローン病、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎および下痢を含む障害または状態の処置に有用であり得る。本発明の化合物はさらに、タバコ、ニコチン、オピオイド、ベンゾジアゼピンおよびアルコールのような中毒性物質の使用の停止によって引き起こされる禁断症状の処置に有用であり得る。最後に、本発明の化合物は、例えば偏頭痛によって引き起こされる疼痛、術後疼痛、幻肢疼痛、またはがんに関連した疼痛の処置に有用であり得る。疼痛には炎症性または神経因性疼痛、中心性疼痛、慢性頭痛、糖尿病性神経障害に、術後神経痛に、または末梢神経損傷に関連した疼痛が含まれ得る。
【0043】
さらに、処置され得る変性眼障害には、一般的な虚血性網膜症、前部虚血性視神経症、あらゆる形態の視神経炎、加齢性黄斑変性症(AMD)、その乾燥形態(乾燥型AMD)および湿潤形態(湿潤型AMD)、糖尿病性網膜症、類嚢胞黄斑浮腫(CME)、網膜剥離、色素性網膜炎、スタルガルト病、ベスト卵黄様網膜変性、レーベル先天性黒内症および他の遺伝性網膜変性、病的近視、未熟児網膜症,およびレーベル遺伝性視神経症を含む、直接または間接的にレチン細胞の変性が含まれる眼疾患が含まれる。
【0044】
他の局面において、本発明の化合物を、例えば様々な組織におけるニコチン酸レセプターを同定および局所化するための診断薬および/またはPETリガンドとして使用する。適当に同位体標識された本発明の薬剤は、nAChRの選択的標識のための、組織病理標識薬剤、造影剤、および/またはバイオマーカー(以後、“マーカー”)として有益な特徴を示す。より具体的には、本発明の薬剤はインビトロまたはインビボにおけるアルファ7 nAChRレセプターを標識するマーカーとして有用である。とりわけ、適当に同位体標識された本発明の化合物はPETマーカーとして有用である。かかるPETマーカーは11C、13N、15O、18Fからなる群から選択される1個以上の原子で標識されている。
【0045】
本発明の薬剤は、したがって、例えばnAChRで作用する薬剤の受容体占有レベルを測定するために、nAChRの不均衡または不全によりもたらされる疾患の診断目的に、およびかかる疾患の薬物療法の効果を観察するために有用である。
【0046】
上記のとおり、本発明は神経イメージングのためのマーカーとして使用するための本発明の薬剤を提供する。
【0047】
さらなる局面において本発明は、インビボおよびインビトロでのnAChRを含む脳および末梢神経系構造を標識するための、本発明の薬剤を含む組成物を提供する。
【0048】
さらなる局面において本発明は、インビボおよびインビトロでのAChRを含む脳および末梢神経系構造を標識するための方法であって、脳組織を本発明の薬剤と接触させることを含んでなる方法を提供する。
【0049】
本発明の方法は本発明の薬剤が標的構造を標識するか否かを決定するためのさらなる工程を含んでいてもよい。さらなる工程は陽電子放出断層撮影(PET)または単光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)、あるいは放射線の測定が可能な任意の装置を使用して観察することが有効であり得る。
【0050】
とりわけ、本発明の薬剤はα7 ニコチン酸アセチルコリンレセプター(α7 nAChR)アゴニストである。
【0051】
機能的アッセイにおいて、本発明の薬剤は下記試験に示すように、α7 nAChRに高い親和性を示す:
a)α7 nAChRの親和性についての機能的アッセイを安定的にα7 nAChRを発現しているラット下垂体細胞系で行う。簡潔に述べると、nAChR α7を組み換え的に発現するGH3細胞を72時間播種した後、黒色96ウェルプレートで実験を行い、そして37℃で湿潤雰囲気下(5%CO/95%空気)でインキュベートした。実験開始日に培地を、プレートをはじいて除去し、そして蛍光カルシウム感受性染料を含む100μlの成長培地と、2.5mMのプロベニシド(Sigma)の存在下で交換した。細胞を37℃にて、湿潤雰囲気下(5%CO2/95%空気)で、1時間インキュベートした。プレートをはじいて過剰のFluo−4を除去し、Hepes−緩衝化塩溶液(mMで:NaClを130、KClを5.4、CaClを2、MgSOを0.8、NaHPOを0.9、グルコースを25、Hepesを20、pH7.4;HBS)で2回洗浄し、そして適当であるときにはアンタゴニストを含む100μlのHBSを補充した。アンタゴニストの存在下におけるインキュベーションを3〜5分間続ける。次いで、プレートをイメージングプレートリーダーに付し、そして蛍光シグナルを記録した。このアッセイにおいて、本発明の化合物は約5〜約9のpEC50値を示す。この試験において部分および強力なアゴニストが好ましい。
【0052】
b)本発明の化合物のヒト神経nAChR α4β2に対するアンタゴニスト活性を評価するために、同様の機能的アッセイを、ヒトα4β2サブタイプを安定して発現するヒト上皮細胞系を使用して行う(Michelmore et al., Naunyn-Schmiedeberg’s Arch. Pharmacol. (2002) 366, 235)。このアッセイにおいて、好ましい本発明の化合物はα7 nAChRサブタイプに対する選択性を示す。
【0053】
c)本発明の化合物の“神経節サブタイプ”(α3β4)、ニコチン酸レセプターの筋肉タイプ(α1β1γδ)、および5−HTレセプターに対するアンタゴニスト活性を評価するために、a)に記載したものと同様の機能的試験を、ヒト神経節サブタイプを安定して発現するヒト上皮細胞系、ニコチン酸レセプターのヒト筋肉タイプを内因的に発現する細胞系、またはマウス5−HTレセプターを内因的に発現する細胞系で行う(Michelmore et al., Naunyn-Schmiedeberg's Arch. Pharmacol. (2002) 366, 235)。α3β4 nAChR、ニコチン酸レセプターの筋肉タイプ、ならびに5−HTレセプターにほとんどまたは全く活性を示さない化合物がとりわけ好ましい。
【0054】
感覚ゲート欠損(sensory gating deficit)(DBA/2マウス)を示す、S. Leonard et al.による、Schizophrenia Bulletin 22, 431-445 (1996)に記載のマウスモデルにおいて、本発明の化合物は約10〜約40μMの濃度で顕著な感覚ゲートを誘導する。
【0055】
本発明の化合物はげっ歯類の注意力試験(Robbins, J. Neuropsychiatry Clin. Neurosci. (2001) 13, 326-35)、すなわち5枝連続応答時間試験(5−CSRTT)において注意力の増加を示し得る。この試験において、ラットは5個の穴を有する壁を観察しなければならない。それらの1個に光が見えたとき、ラットは5秒以内に正しい穴に鼻をつきだして、反応しなければならない。フードペレットの報償を与えるために、えさ箱を反対側の壁に設置する。
【0056】
本発明の化合物はまた、マウスおよびラットの社会性認知試験(Ennaceur and Delacour, Behav. Brain Res. (1988) 31, 47-59)において、学習/記憶の上昇効果を示し得る。
【0057】
本発明の化合物は、したがって、様々な障害、とりわけ上記のものの、予防および処置(軽減及び予防を含む)に有用である。α7 nAChRアゴニストの神経変性における有用性は文献、例えば、Wang et al., J. Biol. Chem. 275, 5626-5632 (2000)に記載のとおりである。
【0058】
上記および他の障害の処置のための本発明の化合物(有効成分)の適当な投与量は、勿論、例えば宿主、投与形態および処置する状態の性質及び重症度、ならびに使用する特定の本発明の薬剤の相対的能力に依存して変化するであろう。例えば、必要な有効成分の量は既知のインビトロおよびインビボ技術に基づき、血漿中の特定の有効成分濃度がどれだけの期間治療効果に許容されるレベルで維持されるかを測定して、決定することができる。一般的に、動物において満足のいく結果が、約0.01〜約30.0mg/kgの日用量の経口投与で得られる。ヒトにおいては、望ましい日用量は約0.7〜約1400mg/日の経口投与、例えば約50〜200mg(70kgの男性)で、簡便には1日1回または1日4回まで別々に、または徐放形態で、投与する。したがって、経口投与形態は好ましくは約1.75または2.0〜約700または1400mgの本発明の化合物を、その適当な薬学的に許容される希釈剤または担体と共に含む。
【0059】
医薬組成物は、例えば約0.1%〜約99.9%、好ましくは約20%〜約60%の有効成分を含む。
【0060】
本発明の化合部を含む組成物の例は、例えば式Iの化合物の塩または式Iの化合物の遊離化合物の0.1〜1%、例えば0.5%の範囲での、例えば、固体分散体、例えば溶解剤を含む水溶液、ミクロエマルジョンおよび懸濁液を含む。組成物は例えばpH3.5〜9.5の範囲に、例えばpH4.5に、好適なバッファーにより緩衝化されていてもよい。
【0061】
本発明の化合物はまた、調査用化学物質として商業的に有用である。
【0062】
本発明の使用のために、式Iの化合物および/またはその薬学的に許容される塩を単一の活性剤として、または1種以上の式Iの他の有効成分および/またはその薬学的に許容される塩またはとりわけ、本明細書に記載の障害またはさらに他の障害の処置に一般的に使用されるとりわけ他の活性剤との組合せとして、任意の常套の方法、例えば経口的に、例えば錠剤、カプセル剤の形態で、もしくはは経鼻スプレーとして、または非経腸的に、例えば溶液または懸濁液の形態で投与することができる。かかる組合せに使用する他の活性剤は、好ましくは、ベンゾジアゼピン、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、選択的セロトニンおよびノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI)、常套の抗精神病薬、非定型抗精神病薬、ブスピロン、カルバマゼピン、オキシカルバゼピン、ガバペンチンおよびプレガバリンからなる群から選択される。
【0063】
本発明に好適なSSRIは、とりわけ、フルオキセチン、フボキサミン、セルトラリン、パロキセチン、シタロプラムおよびエスシタロプラムから選択される。本発明に好適なSNRIは、とりわけ、ベンラファクシンおよびデュロキセチンから選択される。“ベンゾジアゼピン”なる用語は、本明細書において使用するとき、限定されないが、クロナゼパム、ジアゼパムおよびロラゼパムを含む。“常套の抗精神病薬”なる用語は、本明細書において使用するとき、限定されないが、ハロペリドール、フルフェナジン、チオチキセンおよびフルペンチキソールが含まれる。“非定型抗精神病薬”なる用語は、本明細書において使用するとき、クロザリル、リスペリドン、オランザピン、クエチアピン、ジプラシドンおよびアリピプラゾールに関する。
【0064】
ブスピロンは遊離形または例えばその塩酸塩のような塩として、例えばBuspar(商標)またはBespar(商標)の商標名で市販されているような形態で投与することができる。これは例えばUS 3,717,634に記載のように製造および投与することができる。フルオキセチンは、例えばProzac(商標)の商標名で市販されている様な、例えばその塩酸塩の形態で投与することができる。これは例えばCA 2002182に記載のように製造および投与することができる。パロキセチン((3S,4R)−3−[(1,3−ベンゾジオキソル−5−イルオキシ)メチル]−4−(4−フルオロフェニル)ピペリジン)は、例えばPaxil(商標)の商標名で市販されているような形態で投与することができる。これは例えばUS 3,912,743に記載のように製造および投与することができる。セルトラリンは、例えばZoloft(商標)の商標名で市販されているような形態で投与することができる。これは例えばUS 4,536,518に記載のように製造および投与することができる。クロナゼパムは、例えばAntelepsin(商標)の商標名で市販されているような形態で投与することができる。ジアゼパムは、例えばDiazepam Desitin(商標)の商標名で市販されているような形態で投与することができる。ロラゼパムは、例えばTavor(商標)の商標名で市販されているような形態で投与することができる。シタロプラムは遊離形または例えばその臭素酸塩のような塩として、例えばCipramil(商標)の商標名で市販されているような形態で投与することができる。エスシタロプラムは、例えばCipralex(商標)の商標名で市販されているような形態で投与することができる。これは例えばAU623144に記載のように製造および投与することができる。ベンラファクシンは、例えばTrevilor(商標)の商標名で市販されているような形態で投与することができる。デュロキソチンは、例えばCymbalta(商標)の商標名で市販されているような形態で投与することができる。これは例えばCA 1302421に記載のように製造および投与することができる。カルバマゼピンは、例えばTegretal(商標)またはTegretol(商標)の商標名で市販されているような形態で投与することができる。オキシカルバゼピンは、例えばTrileptal(商標)の商標名で市販されているような形態で投与することができる。オキシカルバゼピンは文献からよく知られている[例えばSchuetz H. et al., Xenobiotica (GB), 16(8), 769-778 (1986)参照]。ガバペンチンは、例えばNeurontin(商標)の商標名で市販されているような形態で投与することができる。ハロペリドールは、例えばHaloperidol STADA(商標)の商標名で市販されているような形態で投与することができる。フルフェナジンは、例えばProlixin(商標)の商標名で市販されている様な、例えばそのジヒドロクロライド塩の形態で投与することができる。チオチキセンは、例えばNavane(商標)の商標名で市販されているような形態で投与することができる。これは例えば、US 3,310,553に記載のように製造することができる。フルペンチキソールは例えばそのジヒドロクロライド塩の形態で、例えばEmergil(商標)の商標名で市販されているような形態で、またはそのデカン酸塩の形態で、例えばDepixol(商標)の商標名で市販されているような形態で投与することができる。これは例えばBP 925,538に記載のように製造することができる。クロザリルは、例えばLeponex(商標)の商標名で市販されているような形態で投与することができる。これは例えばUS 3,539,573に記載のように製造することができる。リスペリドンは、例えばRisperdal(商標)の商標名で市販されているような形態で投与することができる。オランザピンは、例えばZyprexa(商標)の商標名で市販されているような形態で投与することができる。クエチアピンは、例えばSeroquel(商標)の商標名で市販されているような形態で投与することができる。ジプラシドンは、例えばGeodon(商標)の商標名で市販されているような形態で投与することができる。これは例えばGB 281,309に記載のように製造することができる。アリピプラゾールは、例えばAbilify(商標)の商標名で市販されているような形態で投与することができる。これは例えばUS 5,006,528に記載のように製造することができる。
【0065】
コード番号、一般名または商標名によって同定される有効成分の構造は標準的な大要 “The Merck Index”の現行版から、またはデータベース、例えばPatents International(例えばIMS World Publications)から得ることができる。それらの対応する内容を参照により本明細書の一部とする。当業者は有効成分を同定することが十分可能であり、そしてこれらの文献に基づいて、製造し、インビトロおよびインビボの両方での標準的な試験モデルにおいて医薬適応および特性を試験することが可能である。
【0066】
組合せの場合、組合せパートナーの個別投与のための医薬組成物および/または固定された組合せで投与するためのもの、すなわち少なくとも2種の組合せパートナーを含む単一ガレヌス組成物は、本発明によると、自体公知の方法で製造することができ、そしてヒトを含む哺乳類に、経口または直腸のような経腸、および非経腸投与に好適な、治療上有効量の少なくとも1種の薬理学的に活性な組合せパートナーを単独でまたはとりわけ経腸または非経腸適用に好適な1種以上の薬学的に許容される担体との組合せで含むものである。使用する組合せパートナーが単一薬剤として市販されているような形態で適用されるとき、それらの投与量および投与形態は、本明細書中に他に記載がない限り、本明細書に記載の有利な効果を得るために、それぞれ市販されている薬剤の中入書から得られる情報に従うことができる。
【0067】
経腸および非経腸投与用組合せ治療のための医薬製剤は、例えば、糖衣錠、錠剤、カプセル剤または座薬、あるいはアンプルのような単位投与形態のものである。他に記載がない限り、これらを自体公知の方法で、例えば常套の混合、造粒、糖コーティング、溶解または凍結乾燥手段により製造する。必要な有効量は1個の投与単位でなはく2個以上の投与単位の投与によって達成されるため、各投与形態の個々の用量に含まれる組合せパートナーの単位内容物は、それ自体が有効量を構成する必要がないことが理解される。
【0068】
とりわけ、治療上有効量の各組合せパートナーを同時にまたは任意の順番で逐次的に投与することができ、そして成分を別々に(例えば固定されたまたは変化し得る期間の後)、または固定された組合せとして投与することができる。例えば、本発明の障害の処置法(緩和を含む)は、遊離形または薬学的に許容される塩形の組合せパートナー(a)(本発明の化合物)を投与すること、そして(ii)遊離形または薬学的に許容される塩形の組合せパートナー(b)(例えば、異なる本発明の化合物か、または異なる式の有効成分)を、同時にまたは任意の順番で逐次的に、共同で治療有効量で、好ましくは相乗的に有効量で、例えば本明細書に記載の対応する1日用量で投与することを含み得る。個々の組合せパートナーを治療コースの間に異なる時点で別々に、または別々または単一の組合せ製剤で同時に登用することができる。さらに、“投与”なる用語はまた、インビボで組合せパートナーそれ自体へと変換される組合せパートナーのプロドラッグの使用を含む。本発明は、したがって、同時および/または交互処置の全てのかかるレジメンとして理解されるべきであり、そして“投与”なる用語はそれに応じて理解されるべきである。
【0069】
使用する組合せパートナーの有効投与量は、例えば使用する具体的な化合物または医薬組成物、投与形態、処置する障害、および/または処置する障害の重症度に依存して変化し得る。したがって、用量レジメンは投与経路、代謝ならびに患者の腎臓および肝臓機能のを含む様々な要因に従って選択される。通常の技術を有する医師、臨床医または獣医は障害を予防、緩和、反転または停止させるために必要な1種の有効成分の有効量を容易に決定および予測することができる。毒性を示さずに効果を達成する範囲内の有効成分の濃度を得る最適精度には、有効成分の標的部位への利用能の動力学に基づくレジメンが必要である。
【0070】
上記のとおり、本発明はまた下記を提供する:
(1)哺乳類、とりわけヒトの診断または治療に使用するための;とりわけアルファ−7レセプターアゴニストとして使用するための、例えば任意の1種以上の障害、とりわけ1種以上の本明細書に記載の障害の処置(緩和を含む)に使用するための、式Iの化合物および/またはその塩。
(2)式Iの化合物および/またはその薬学的に許容される塩を有効成分として、薬学的に許容される希釈剤または担体と共に含む医薬組成物。
(2’)アルファ−7レセプター活性化が役割を果たすかまたは含まれる、および/またはアルファ−7レセプター活性化が含まれる障害の処置において、とりわけ1種以上の本明細書に記載のいずれかの障害を処置または予防するための、式Iの化合物および/またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される希釈剤または担体を含む、医薬組成物。
(3)処置を必要とする対象における障害、とりわけ1種以上の本明細書に記載のいずれかの障害の処置法であって、薬学的に有効量の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含んでなる方法。
(3’)アルファ−7レセプター活性化が役割を果たすかまたは含まれる、および/またはアルファ−7レセプター活性化が含まれる障害の処置において、それを必要とする哺乳類に治療上有効量の式Iの化合物および/またはその薬学的に許容される塩を投与することを含んでなる、障害の処置または予防法。
(4)アルファ−7レセプター活性化が役割を果たすかまたは含まれる、および/またはアルファ−7レセプター活性が含まれる障害、とりわけ1種以上の上記障害の処置における、疾患または状態の処置または予防用医薬の製造のための式Iの化合物および/またはその薬学的に許容される塩の使用。
(5)同時にまたは連続して、治療上有効量の式Iのアルファ−7アゴニスト、および/またはその薬学的に許容される塩を、そしてとりわけ本明細書に記載の1種以上のいずれかの疾患の処置に使用するための第2の薬学的に活性な化合物および/またはその薬学的に許容される塩を、共投与することを含む上記定義の方法。
(6)治療上有効量の式Iのアルファ−7アゴニスト、および/またはその薬学的に許容される塩、ならびに第2の薬学的に活性な化合物および/またはその薬学的に許容される塩を含む組合せ剤、ここで、当該第2の薬学的に活性な化合物はとりわけ1種以上のいずれかの上記具体的な障害の処置に使用するためのまたは有用なものである。
(7)(−)−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン−4−オールを出発物質として使用することに特徴を有する、上記方法によって得られた生成物。
【0071】
下記実施例を本発明の範囲を限定することなく説明するために供する。
【実施例】
【0072】
下記略語を使用する:
AcOEt 酢酸エチル
aq. 水溶液
DEAD ジエチルアゾジカルボキシレート
DMF ジメチルホルムアミド
EtOH エタノール
FC フラッシュクロマトグラフィー
HV 高真空
MeOH メタノール
RP−HPLC 逆相高速液体クロマトグラフィー
rt 室温
rac. ラセマート
soln. 溶液
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
【0073】
温度を摂氏℃で測定する。他に記載がない限り、反応は室温で行う。最終生成物、中間体および出発物質の構造を標準的な分析方法、例えば微量分析および分光学的特性(例えばMS、IR、NMR)によって確認する。
【0074】
実施例1(方法A):(rac.)−4−[6−(2−フルオロ−4−メチル−フェニル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン
DMF(5ml)中の(rac.)−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン−4−オール(1.3mmol)溶液を水素化ナトリウム(鉱物油中60%;1.3mmol)で処理する。室温で1時間後、DMF(30ml)中の3−クロロ−6−(2−フルオロ−4−メチル−フェニル)−ピリダジン(1mmol)の溶液を加え、そして反応混合物を50℃で16時間加熱する。室温に冷却後、DMF溶液を10%NaCl溶液でクエンチし、酢酸エチル(2×15ml)、次いで塩化ナトリウム溶液(20ml)で抽出する。酢酸エチルを無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発堅固し、そして残った油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤:酢酸エチル−メタノール−トリエチルアミン(50:10:2))により精製して、(rac.)−4−[6−(2−フルオロ−4−メチル−フェニル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナンを無色の溶液として得る。MS (ES+): m/e = 328 (MH+)
【0075】
実施例2(方法B):(rac.)−4−[6−(2,5−ジフルオロ−4−メチル−フェニル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ [3.3.1]ノナン
カリウムトリメチルシリルアミン(5.25mmol)をTHF(20ml)中の(rac.)−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン−4−オール(5.0mmol)の溶液に室温で加え、溶液を30分間撹拌する。得られたカリウムアルコラートを予め冷却したTHF(50ml)中の3,6−ジクロロピリダジン(7.5mmol)の溶液へとゆっくりと加え、そして得られた混合物をさらに20分間撹拌する。溶液を0℃に温め、塩水でクエンチし、そしてジエチルエーテルで抽出する。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させる。褐色の油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl:MeOH:NH、9:1:0.1)により精製して、(rac.)−4−(6−クロロ−ピリダジン−3−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン(320mg)を得る。
(Rac.)−4−(6−クロロ−ピリダジン−3−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン(1.4mmol)、2,5−ジフルオロ−4−メチル−フェニル−ボロン酸(1.8mmol)をトルエン(7.3ml)、エタノール(1ml)およびNaCO溶液(7.3ml、2M)中に溶解する。溶液を超音波洗浄機中でアルゴンで脱気し、その後パラジウム(II)アセテート(0.003mmol)およびトリフェニルホスフィン(0.14mmol)を加えた。得られた混合物を100℃で1.5時間加熱し、その後加熱を停止し、懸濁液をHyfloで濾過し、そして濾液を酢酸エチルで抽出する。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、そして蒸発させる。油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl:MeOH:EtOH:NH、90:5:5:1)によって精製して(rac.)−4−[6−(2,5−ジフルオロ−4−メチル−フェニル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナンを得る。MS (ES+): m/e = 346 (MH+)
【0076】
実施例3
下記化合物を、方法AまたはBを使用して、適当な出発物質を使用して、製造する:
3a)(4S,5S)−4−[6−(2−フルオロ−4−メチル−フェニル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン、MS (ES+): m/e = 328 (MH+)
3b)(4R,5R)−4−[6−(2−フルオロ−4−メチル−フェニル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン、MS (ES+): m/e = 328 (MH+)
3c)(4SR,5SR)−4−[6−(2,5−ジフルオロ−4−メチル−フェニル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン、MS (ES+): m/e = 346 (MH+)
3d)N−(3−{6−[(4S,5S)−(1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノン−4−イル)オキシ]−ピリダジン−3−イル}−フェニル)−アセトアミド、MS (ES+): m/e = 353 (MH+)
3e)N−(3−{6−[(4R,5R)−(1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノン−4−イル)オキシ]−ピリダジン−3−イル}−フェニル)−アセトアミド、MS (ES+): m/e = 353 (MH+)
3f)N−(3−{6−[(4SR,5SR)−(1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノン−4−イル)オキシ]−ピリダジン−3−イル}−フェニル)−アセトアミド、MS (ES+): m/e = 353 (MH+)、キラルクロマトグラフィー:[カラム:Chiralcel OD IMMOB (FA−2359/37) 12μm; 溶離剤:ヘキサン/CHCl/MeOH 60:30:10 1 0.1%TFA; 流速:1.5ml/分; 検出:UV254nm]、ピーク1:15.470分、ピーク2:20.826分
【0077】
3g)(4SR,5SR)−4−[5−(1H−インドール−5−イル)−ピリジン−2−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン、MS (ES+): m/e = 334.1 (MH+)
3h)(4S,5S)−4−[5−(1H−インドール−5−イル)−ピリジン−2−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン、MS (ES+): m/e = 334 (MH+), m.p. 234-238℃
3i)(4R,5R)−4−[5−(1H−インドール−5−イル)−ピリジン−2−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン
3j)(4SR,5SR)−4−[5−(1H−インドール−5−イル)−ピリミジン−2−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン、MS (ES+): m/e = 335 (MH+), m.p. 211℃ (分解)
3k)(4S,5S)−4−[5−(1H−インドール−5−イル)−ピリミジン−2−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン、MS (ES+): m/e = 335 (MH+)
3l)(4R,5R)−4−[5−(1H−インドール−5−イル)−ピリミジン−2−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン
3m)(4SR,5SR)−4−[6−(1H−インドール−5−イル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン、MS (ES+): m/e = 335 (MH+)
3n)(4SR,5SR)−4−[6−(3−ニトロ−フェニル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン、MS (ES+): m/e = 341 (MH+)
3o)(4SR,5SR)−4−(6−p−トリル−ピリダジン−3−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン、MS (ES+): m/e = 310 (MH+)
3p)(4SR,5SR)−4−(6−m−トリル−ピリダジン−3−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン、MS (ES+): m/e = 310 (MH+)
3q)(4SR,5SR)−4−(6−ベンゾ[1,3]ジオキソル−5−イル−ピリダジン−3−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン、MS (ES+): m/e = 340 (MH+)
3r)(4SR,5SR)−4−[6−(3,4−ジメチル−フェニル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン、MS (ES+): m/e = 324.5 (MH+)
3s)(4SR,5SR)−4−(6−p−トリル−ピリジン−3−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン、MS (ES+): m/e = 309 (MH+)
3t)(4SR,5SR)−4−[6−(3−フルオロ−フェニル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン、MS (ES+): m/e = 314 (MH+)
3u)(4SR,5SR)−4−[6−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン、MS (ES+): m/e = 332 (MH+)
3v)(4SR,5SR)−4−(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾル−2−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン、MS (ES+): m/e = 302 (MH+)
3w)(4SR,5SR)−5−[6−(1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノン−4−イルオキシ)−ピリダジン−3−イル]−キノリン、MS (ES+): m/e = 347 (MH+)
3x)(4SR,5SR)−4−[6−(3,5−ジメチル−フェニル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン、MS (ES+): m/e = 324 (MH+)
3z)(4SR,5SR)−4−(6−フェニル−ピリダジン−3−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン、MS (ES+): m/e = 296 (MH+)
3aa)(4SR,5SR)−4−[6−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン、MS (ES+): m/e = 332 (MH+)
【0078】
3ab)(4SR,5SR)−4−[6−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン、MS (ES+): m/e = 380 (MH+)
3ac)(4SR,5SR)−3−[6−(1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノン−4−イルオキシ)−ピリダジン−3−イル]−ベンゾニトリル、MS (ES+): m/e = 321 (MH+)
3ad)(4SR,5SR)−4−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン、MS (ES+): m/e = 380 (MH+)
3ae)(4SR,5SR)−4−[6−(3−フルオロ−4−メチル−フェニル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン、MS (ES+): m/e = 328 (MH+)
3af)(4SR,5SR)−4−[6−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン、MS (ES+): m/e = 332 (MH+)
3ag)(4SR,5SR)−4−[6−(2−メチル−ベンゾチアゾール−5−イル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン、MS (ES+): m/e = 367.4 (MH+)
3ah)(4SR,5SR)−4−[6−(1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノン−4−イルオキシ)−ピリダジン−3−イル]−ベンゾニトリル、MS (ES+): m/e = 321 (MH+)
3ai)(4SR,5SR)−4−[6−(4−フルオロ−3−メチル−フェニル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン、MS (ES+): m/e = 328 (MH+)
3aj)(4SR,5SR)−4−[6−(4−エチル−フェニル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン、MS (ES+): m/e = 324 (MH+)
3ak)(4SR,5SR)−4−[6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン、MS (ES+): m/e = 364 (MH+)
3al)(4SR,5SR)−4−[6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン、MS (ES+): m/e = 364 (MH+)
3am)(4SR,5SR)−4−[6−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン、MS (ES+): m/e = 432 (MH+)
3an)(4SR,5SR)−4−[6−(5−メチル−チオフェン−2−イル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン、MS (ES+): m/e = 316.4 (MH+)
3ao)(4SR,5SR)−4−[5−(1H−インドール−5−イル)−ピリジン−2−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン、MS (ES+): m/e = 334.4 (MH+)
【0079】
3ap)(4SR,5SR)−4−[6−(2,3−ジメチル−1H−インドール−5−イル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン、MS (ES+): m/e = 363.4 (MH+)
3aq)(4SR,5SR)−4−(5−ベンゾ[1,3]ジオキソル−5−イル−ピリミジン−2−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン
3ar)(4SR,5SR)−4−(5−ベンゾ[1,3]ジオキソル−5−イル−ピリジン−2−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン
3as)(4SR,5SR)−4−(6−ベンゾ[1,3]ジオキソル−5−イル−ピリジン−3−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン
3at)(4SR,5SR)−4−[5−(2−フルオロ−4−メチル−フェニル)−ピリミジン−2−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン
3au)(4SR,5SR)−4−[5−(2−フルオロ−4−メチル−フェニル)−ピリジン−2−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン
3av)(4SR,5SR)−4−[6−(2−フルオロ−4−メチル−フェニル)−ピリジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン
3aw)(4SR,5SR)−4−(5−p−トリル−ピリミジン−2−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン
3ay)(4SR,5SR)−4−(5−p−トリル−ピリジン−2−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン
3az)(4SR,5SR)−4−[5−(5−メチル−チオフェン−2−イル)−ピリミジン−2−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン
3ba)(4SR,5SR)−4−[5−(5−メチル−チオフェン−2−イル)−ピリジン−2−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン
3bb)(4SR,5SR)−4−[6−(5−メチル−チオフェン−2−イル)−ピリジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン
3bc)(4SR,5SR)−(1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノン−4−イル)−(6−p−トリル−ピリジン−3−イル)−アミン、MS (ES+): m/e = 308 (MH+)
【0080】
実施例4:軟プセル剤
各々有効成分として0.05gの上記実施例に記載した1種の式Iの化合物を含む5000個の軟ゼラチンカプセル剤を、下記のように製造する:
組成物
有効成分 250g
ラウログリコール 2リットル
製造方法:粉砕した有効成分をLauroglykol(登録商標)(プロピレングリコールラウレート、Gattefosse S.A., Saint Priest, France)中に懸濁し、そして湿潤粉砕機中で砕いて、約1〜3μmの粒子径とする。0.419g部の混合物を、次いで、カプセル充填機を使用して軟ゼラチンカプセル中に導入する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊離塩基または酸付加塩形の式(I)
【化1】

〔式中、
AはOまたはN(R)を意味し;
Yは式
【化2】

[式中、左の結合手はA基と結合しており、そして右の結合手はR基と結合している]
の基を意味し;
Rは置換もしくは非置換C−C10アリール、置換もしくは非置換ヘテロ−C−C10アリール、N(R)(R)基、またはN(R)(CHR)基を意味し;
は水素、C−Cアルキル、またはCFを意味し;
は水素、C−Cアルキル、またはCFを意味し;
は水素、C−Cアルキル、またはCFを意味し;
は置換もしくは非置換C−C10アリールまたは置換もしくは非置換C−C10ヘテロアリールを意味する〕
の化合物。
【請求項2】
Aが酸素を意味する、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項3】
Yが下記の基
【化3】

の1個を意味する、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項4】
請求項1に定義の式Iの化合物またはその塩の製造方法であって、式(II)
【化4】

〔式中、YおよびRは請求項1に定義のとおりであり、そしてZは脱離基である〕
の化合物を、式(III)
【化5】

の化合物と反応させ、そして得られた遊離塩基または酸付加塩形の式(I)の化合物を回収することを含んでなる方法。
【請求項5】
薬剤として使用するための、請求項1〜3のいずれかに記載の遊離塩基または薬学的に許容される酸付加塩形の化合物。
【請求項6】
精神障害および神経変性障害の予防または処置に使用するための、請求項1〜3のいずれかに記載の遊離塩基または薬学的に許容される酸付加塩形の化合物。
【請求項7】
請求項1〜3のいずれかに記載の遊離塩基または薬学的に許容される酸付加塩形の化合物を、医薬担体または希釈剤とともに含む医薬組成物。
【請求項8】
請求項1〜3のいずれかに記載の遊離塩基または薬学的に許容される酸付加塩形の化合物の、精神障害および神経変性障害の予防および処置用医薬としての使用。
【請求項9】
請求項1〜3のいずれかに記載の遊離塩基または薬学的に許容される酸付加塩形の化合物の、精神障害および神経変性障害の予防および処置用薬剤の製造のための使用。
【請求項10】
処置を必要とする対象における精神障害および神経変性障害の予防および処置法であって、かかる対象に治療上有効量の請求項1〜3のいずれかに記載の遊離塩基または薬学的に許容される酸付加塩形の化合物を投与することを含んでなる方法。
【請求項11】
α7 nAChR活性が役割を果たすかもしくは関係する疾患または状態の処置または予防において使用するための、請求項1〜3のいずれかに記載の遊離塩基または薬学的に許容される酸付加塩形の化合物。
【請求項12】
請求項1〜3のいずれかに記載の遊離塩基または薬学的に許容される酸付加塩形の化合物の、α7 nAChR活性が役割を果たすかもしくは関係する疾患または状態の処置または予防のための医薬としての使用。
【請求項13】
処置を必要とする対象におけるα7 nAChR活性が役割を果たすかもしくは関係する疾患または状態の処置または予防法であって、かかる対象に治療上有効量の請求項1〜3のいずれかに記載の遊離塩基または薬学的に許容される酸付加塩形の化合物を投与することを含んでなる方法。
【請求項14】
(−)−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン−4−オールを出発物質として使用することに特徴を有する、請求項2に記載の方法によって得られる生成物。

【公表番号】特表2008−502642(P2008−502642A)
【公表日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−515897(P2007−515897)
【出願日】平成17年6月17日(2005.6.17)
【国際出願番号】PCT/EP2005/006566
【国際公開番号】WO2005/123732
【国際公開日】平成17年12月29日(2005.12.29)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】