説明

1−フエニル−3−ジメチルアミノ−プロパン化合物の製造方法

【課題】 オピオイド及びトラマドールの投与で生じる副作用がなく、これらに比して著しく強い鎮痛作用を有する1−フエニル−3−ジメチルアミノ−プロパン化合物を見い出すことにある。
【解決手段】 1−フエニル−3−ジメチルアミノ−プロパン化合物、その製造方法及びこの物質を医薬有効物質として使用する方法を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1- フエニル -3- ジメチルアミノ- プロパン化合物、その製造方法並びにこの物質を医薬有効物質として使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
慢性及び非慢性苦痛症状の処置は、医療に於て極めて重要である。これは多くの文献中に開示されている。ヨーロッパ特許第176049号明細書から、たとえば鎮痛- 麻酔作用を有する1- ナフチル -3- アミノ- プロパン -1- オールが知られている。γ- 位のアミノ基を有する第二及び第三アルコールは、
J. Pharm. Sci.59,1038(1970)und J. Prakt. Chem. 323,793(1981)中にパラ置換されたフエニル基を有するフエニル- ジメチルアミノ- プロパノールは、Chem. Abstr.54,20963c(1960)und Chem. Abstr.63,6912e(1965)中に記載されている。この化合物も鎮痛性質を有する。これに対してドイツ特許第3242922号明細書中に記載された、2個のフエニル基を有する3- ジメチルアミノ- プロパン -1- オールは、抗うつ的に作用する。J. Pharm. Sci.57,1487(1968)中に記載された1- フエニル- プロパン -1- オールは、γ- 位のアザ環に依存して種々の薬理学的作用を有する。
【0003】
オピオイドは、一連の副作用、たとえば習慣性及び依存性、呼吸抑圧、胃腸阻害作用及び便秘を引き起こすにもかかわらず、これは数年来苦痛治療のための鎮痛剤として使用される。したがってこれは特別の予防措置、たとえば特別な処方箋下にしか比較的長い期間にわたって又は比較的高い投薬量で投与することができない(グッドマン(Goodmam) 、ギルマン(Gilman)、"The Pharmacological Basis of Therapeutics", Pergaman Press, New York(1990).
トラマドールハイドロクロライド──(1RS,2RS)-2- 〔(ジメチルアミノ)メチル〕 -1-(3- メトキシフエニル)シクロヘキサノール、ハイドロクロライド──は、中枢性鎮痛剤の中で特殊な立場をとる。というのはこの有効物質がオピオイドに対する公知の副作用を有せずに著しい苦痛阻害を引き起こすからである。(J. Pharmacol. Exptl. Ther.267,331(1993))。トラマドールはラセミ体であり、(+)-及び(−)-対掌体の同一量からなる。生体内で有効物質は、代謝物、o- デスメチル- トラマドールを生じる。このトラマドールも同様に対掌体混合物として存在する。試験から、トラマドールの対掌体及びトラマドール代謝物の対掌体は鎮痛作用に関与することが明らかである (J. Pharmacol.Exp. Ther.260,275(1992))。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明による課題は、鎮痛に有効な物質の開発にあり、この物質はオピオイドに典型的な副作用を生じない強い苦痛の治療に適することである。更に開発すべき物質は、トラマドールでの治療の間多くの場合生じる副作用、たとえば悪心及び嘔土を有しない。
【0005】
本発明者は、開発すべき物質にある多くの要求が特定の1- フエニル -3- ジメチルアミノ- プロパン化合物によって満足されることを見い出した。この物質は、トラマドールに比して明らかに強い際立った鎮痛作用の点で優れている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって本発明の対象は、ジアステレオマー又は対掌体としてその塩基又はその生理学的な相容な酸の塩の形で式I
【0007】
【化1】

【0008】
{式中、
XはOH、F、Cl、H又はOCOR6 基(R6 はC1-3 アルキル基を示す。)を示し、
1 はC1-C4-アルキル基、R2 はH又はC1-4-アルキル基、R3 はH又は直鎖状C1-4-アルキル基を示すか又はR2 及びR3 と一緒になってC4-7-シクロアルキル基を形成する、
5 がHである場合、R4 はメタ -O- Z〔ZはH、C1-3-アルキル基、PO(O- C1-4-アルキル)2 、CO(OC1-5-アルキル)、CONH- C6 4-(C1-3-アルキル)又はCO- C6 4-R7 を示し、この際R7 はオルト- OCOC1-3-アルキル基又はメタ- 又はパラ- CH2 N(R8)2(R8 はC1-4-アルキル基又は4- モルホリノ基である。)を示す。〕
を示すか又はR4 はメタ- S- C1-3-アルキル基、メタ- Cl、メタ- F、メタ- CR9 1011(R9,R10及びR11はH又はFを示す。)、オルト- OH、オルト- O- C2-3-アルキル基、パラ- F又はパラ- CR9 1011を示す、あるいはR5 はパラ- 位のCl、F、OH又はO- C1-3-アルキルを示す場合、R4 はメタ- 位のCl、F、OH又はO- C1-3-アルキル基を示す、あるいはR4 及びR5 は一緒になって3,4- OCH=CH- 又は3,4- OCH=CHO- を示す。}
の1- フエニル -3- ジメチルアミノ- プロパン化合物である。
【0009】
式Iの1- フエニル -3- ジメチルアミノ- プロパン化合物(式中XはOH、F、Cl又はHであり、R1 はC1-4-アルキル基、R2 はH又はCH3 、R3 はH又はCH3 を示す、R5 がHである場合、R4 はメタ- O- C1-3 -アルキル基、メタ- OH、メタ- S- C1-3-アルキル、メタ- F、メタ- Cl、メタ- CH3 、メタ- CF2 H又はメタ- CF3 、又はパラ- CF3 を示すか又はR5 がパラ位のCl又はFである場合、R4 はメタ- 位のCl又はFを示すか、又はR4 及びR5 は一緒になって3,4- OCH=CH- を示し。)が好ましい。
【0010】
式Iの1- フエニル -3- ジメチルアミノ- プロパン化合物(式中R2 及びR3 は種々の意味を有する。)は、立体配置Ia
【0011】
【化2】

【0012】
を有するそのジアステレオマーの形で存在するのが特に好ましい。
【0013】
更に本発明の対象は、式II
【0014】
【化3】

【0015】
のβ- ジメチルアミノケトンと式III
【0016】
【化4】

【0017】
(式中ZはMgCl、MgBr、MgI又はLiを示す。)
の金属有機化合物とを反応させて、式Iで表わされる化合物(X=OH)とする、式Iの1- フエニル -3- ジメチルアミノ- プロパン化合物(X=OH)を製造する方法である。
【0018】
β- ジメチルアミノケトンと式IIIのグリニヤール化合物(式中ZはMgCl、MgBr又はMgIを示す。)と又は式IIIのリチウム有機化合物との反応を、脂肪族エーテル、たとえばジエチルエーテル及び(又は)テトラヒドロフラン中で、−70 〜+60 の温度で実施することができる。式IIIのリチウム有機化合物を式IIIの化合物(ZはCl、Br又はIを示す。)とたとえばn- ブチルリチウム/ヘキサン- 溶液との反応によりハロゲン- リチウム- 置換によって得ることができる。式IIのβ- ジメチルアミノケトンを、式IV
【0019】
【化5】

【0020】
のケトンからジメチルアミンハイドロクロライド及びホルムアルデヒドを氷酢酸中で又はC1-4-アルキルアルコール中で反応させることによって又はジメチルアンモニウムメチレンクロライドとアセトニトリル中でアセチルクロライド- 触媒作用下に反応させることによって得ることができる(Synthesis 1973,703)。
【0021】
式IIのβ- ジメチルアミノケトン(式中、R2 及びR3 は種々の意味を有する。)と式IIIの金属有機化合物との反応に於て、式Ia
【0022】
【化6】

【0023】
の相対配置を有する、式Iの1- フエニル -3- ジメチルアミノ- プロパン化合物が得られ、X及びジメチルアミノメチル基はスレオ形で互いに配置される。これに対してドイツ民主共和国特許第124521号明細書中に開示された1- フエニル -1- ヒドロキシ -3- アミノプロパンの製造方法に従って反応を実施した場合、すなわち式V
【0024】
【化7】

【0025】
のβ- アミノケトンとアルキルグリニヤール化合物R1 MgHalとを反応させた場合、相対配置Ib
【0026】
【化8】

【0027】
を有する化合物が得られ、OH- 基及びジメチルアミノメチル基がエリスロの形で互いに配置される。
【0028】
式Iの1- フエニル -3- ジメチルアミノ- プロパン化合物(式中R4 及び(又は)R5 はOH- 基である。)を対応する1-(4(5)-メトキシフエニル)-3- ジメチルアミノ- プロパン化合物からジイソブチルアルミニウムヒドリドを用いて芳香族炭化水素、たとえばトルエン中で、60〜130℃の温度で選択的エーテル分解することによって製造することができる(合成1975,67)。
【0029】
更なる本発明の対象は、式Iで表わされる化合物(X=Cl)と水素化ホウ素亜鉛、水素化シアノホウ素亜鉛及び(又は)水素化シアノホウ素錫とを反応させることを特徴とする、式Iの1- フエニル -3- ジメチルアミノ- プロパン化合物(X=H)を製造する方法である。
【0030】
通常、反応を溶剤、たとえばジエチルエーテル及び(又は)テトラヒドロフラン中で0〜30℃の温度で実施する。
【0031】
式Iで表わされる化合物(X=H及びR4 及び(又は)R5 =OH- 基)を、対応するメトキシフエニル- 化合物から濃い臭化水素酸と共に数時間加熱して得ることができる(Chem. Rev.54,615(1954);J. Am. Chem. Soc. 74,1316(1952)).
更に本発明の対象は、式Iで表わされる化合物(X=OH)とジメチルアミノ- 三フッ化イオウとを溶剤中で反応させることを特徴とする、式Iの1- フエニル -3- ジメチルアミノ- プロパン化合物(X=F)を製造する方法である。
【0032】
溶剤としてジクロロメタン、1,1,2- トリクロロエタン及び(又は)トルエンが適する。常に反応を−50℃〜+30℃の温度で実施する(Org. React.
35,513(1988)).式Iで表わされる化合物(X=OH、R4 及び(又は)R5 =OH- 基)を使用する場合、このOH- 基をフッ素化合物との反応の前に、たとえばベンゾイルクロライドとの反応によって保護しなければならない。
【0033】
更に、本発明の対象は、式Iで表わされる化合物(X=OH)とチオニルクロライドを反応させることを特徴とする式Iの1- フエニル -3- ジメチルアミノ- プロパン化合物(X=Cl)を製造する方法である。
【0034】
一般に反応を溶剤の不在下0〜20℃の温度で実施する。OH/Cl- 置換は、立体配置の維持下に行われる。
【0035】
更に、本発明の対象は、式Iで表わされる化合物(X=OH)と酸クロライド(Cl- COOR6 )とを反応させることを特徴とする、式Iの1- フエニル -3- ジメチルアミノ- プロパン化合物〔X=OCR6 (式中R6 はC1-C3 アルキル基を示す。)〕を製造する方法である。
【0036】
反応を、溶剤、たとえばジクロロメタン、トルエン及び(又は)テトラヒドロフラン中で10℃〜+30℃の温度で実施するのが好ましい。
【0037】
式Iの1- フエニル -3- ジメチルアミノ- プロパン化合物(式中R5 はH、R4 はメタ- 位のホスフアート- 、カルボナート- 、カルバマート- 又はカルボキシラート基である。)が対応する式Iの1-(3- ヒドロキシフエニル)-3- ジメチルアミノ- プロパン化合物をそのアルカリ塩の形でジアルキルクロロホスフアートと、アルキルクロロホルミアートと、アリールイソシアナートと又はカルボン酸クロライドとの反応によって得られる。この反応を常法で溶剤、たとえばトルエン、ジクロロメタン、ジエチルエーテル及び(又は)テトラヒドロフラン中で- 15℃〜+110℃の温度で実施する(Drugs of the Future 16,443(1991);J. Med. Chem. 30,2008(1987)und 32,2503(1989);J. Org. Chem. 43,4797(1978);Tetrahedron Lett. 1977,1571;J. Pharm. Sci.57,774(1968)).
式Iで表わされる化合物を生理学的に相容な酸、たとえば塩酸、臭化水素酸、硫酸、メタンスルホン酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸、マンデル酸、フマール酸、乳酸、クエン酸、グルタミン酸及び(又は)アスパラギン酸を用いて公知方法でその塩に変えることができる。塩形成を溶剤、たとえばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、酢酸アルキルエステル、アセトン及び(又は)2- ブタノン中で実施するのが好ましい。更に塩酸塩の製造に水性溶液の形でトリメチルクロロシランが適する。
【0038】
式Iの1- フエニル -3- ジメチルアミノ- プロパン化合物は毒物学上危険がないので、薬剤中の医薬有効物質として適する。
【0039】
したがって更なる本発明の対象は、式Iの1- フエニル -3- ジメチルアミノ- プロパン化合物を医薬有効物質として使用する方法である。
【0040】
式Iで表わされる化合物を苦痛の治療に使用するのが好ましい。
【0041】
本発明の鎮痛剤は、少なくとも1個の1- フエニル -3- ジメチルアミノ- プロパン化合物と共に、賦形剤、増量剤、溶剤、希釈剤、染料及び(又は)結合剤を含有する。助剤の選択及びその使用量は、薬剤が経口、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、鼻腔内又は局所に、たとえば皮膚、粘膜及び眼の感染に投与しなければならないかによる。経口投与に、錠剤、糖衣丸、カプセル、顆粒、滴剤、液剤及びシロップの形の腸管外、外用及び吸入投与に、溶液、懸濁液、容易に再構成される乾燥製剤及びスプレーの形の製剤が適する。デポー製剤の形で溶解された形で又は場合により主な浸透を促進する剤の添加下に硬膏剤の形での式Iで表わされる本発明による化合物は、適する経皮適用製剤である。経口又は経皮適用の製剤形態は、式Iの本発明の化合物を徐々に遊離することができる。
【0042】
患者に投与すべき有効量は、患者の体重、投与の種類、病気の徴候及び重さの度合に従って変化する。一般に少なくとも1種の式Iの1- フエニル -3- ジメチルアミノ- プロパン化合物50〜500mg/kgを投与する。
【実施例】
【0043】
製造された化合物の収量は、最善のものではない。
【0044】
すべての温度は未修正である。
【0045】
他に明記しない限り、沸騰範囲50〜70℃を有する石油エーテルを使用する。エーテルの記載は、ジエチルエーテルを示す。
【0046】
カラムクロマトグラフィーの固定相としてイー.メルク社(グルムシュタット)のシリカゲル60(0.040〜0.063mm)を使用する。
【0047】
薄層- クロマトグラフィー試験をHPTLC- 既製プレート、シリカゲル60F254、イー.メルク社(ダルムシュタット)を用いて実施する。
【0048】
ラセミ体分離をキラセルODカラムで実施する。
【0049】
すべてのクロマトグラフィー試験に対する展開剤の混合割合を容量/容量で記載する。RTは室温である。
〔例1〕
【0050】
【化9】

【0051】
(2RS,3RS)-1- ジメチルアミノ -3-(3- メトキシ- フエニル)-2- メチル- ペンタン -3- オール、ハイドロクロライド(1)
乾燥テトラヒドロフラン150ml中のマグネシウムチップ26.99g(1.11モル)に、乾燥テトラヒドロフラン400ml中に溶解された3- ブロモアニソール207.63g(1.11モル)を、反応混合物が容易に沸騰する様に滴加する。3- ブロムアニソールの添加が終了した後、1時間還流加熱し、その後5〜10℃に冷却する。この温度でテトラヒドロフラン400ml中に溶解された1- ジメチルアミノ -2- メチル- ペンタン -3- オン128.30g(0.89モル)を加える。反応混合物を一晩放置し、次いで新たに5〜10℃に冷却する。20%塩化アンモニウム溶液300mlの添加によって、グリニヤール溶液を分解する。反応混合物をエーテル400mlで希釈し、有機相を分離し、水性相を2回エーテル250mlで抽出する。一緒にされた有機相を硫酸ナトリウムを介して乾燥する。溶液の蒸留による除去後、残留物(212g)を2- ブタノン3200ml中に取り、トリメチルクロルシラン120.60g(1.11モル)及び水20mlを加える。4〜5℃で融点198〜199℃のハイドロクロライド(1)121.5g(理論値の38%)が晶出する。
〔例2〕
【0052】
【化10】

【0053】
(1)の対掌体:
(−)-(2S,3S)-1- ジメチルアミノ -3-(3- メトキシ- フエニル)-2- メチル- ペンタン -3- オール、ハイドロクロライド(−1)
及び
(+)-(2R,3R)-1- ジメチルアミノ -3-(3- メトキシ- フエニル)-2- メチル- ペンタン -3- オール、ハイドロクロライド(+1)
(1)からジクロロメタン/苛性ソーダで塩基を遊離する。溶液の乾燥後、ジクロロメタンを減圧蒸留する。次いでラセミ体をキラルHPLC- カラム上で分離する。得られた対掌体から、2- ブタノン中でのトリメチルクロロシラン/水との反応によって融点150〜151℃を有するハイドロクロライドを製造する。
【0054】
(−1):収率:理論値の42%
〔α〕D RT=−31.8o (c=0.99;メタノール)
(+1):収率:理論値の41%
〔α〕D RT=+33.0o (c=0.96;メタノール)
〔例3〕
【0055】
【化11】

【0056】
(2RS,3RS)-3-(3,4- ジクロロフエニル)-1- ジメチルアミノ -2- メチル- ペンタン -3- オール、ハイドロクロライド(2)
例1と同様に、1- ジメチルアミノ -2- メチル- ペンタン -3- オン15g(105mmol)、4- ブロモ -1,2- ジクロロベンゼン35.5g(157mmol)及びマグネシウムチップ3.8g(157mmol)から粗混合物39gを製造する。これをシリカゲルで充填された7×40cmカラム上に加え、酢酸エチルエステル/メタノール4:1で溶離する。塩基14.9gが得られ、これから2- ブタノン/ジイソプロピルエーテル中でトリメチルクロロシラン/水を用いて融点183〜184℃を有するハイドロクロライド(2)11.2g(理論値の31%)が得られる。
〔例4〕
【0057】
【化12】

【0058】
(2RS,3RS)-3-(3- イソプロポキシ- フエニル)-1- ジメチルアミノ -2- メチル- ペンタン -3- オール、ハイドロクロライド(3)
例1に対応して、1- ジメチルアミノ -2- メチル- ペンタン -3- オン14.3g(100mmol)、1- ブロモ -3- イソプロポキシ- ベンゼン20.0g(157mmol)及びマグネシウムチップ2.79g(115mmol)から、粗混合物25gを製造する。これをシリカゲルで充填された7×40cmカラム上に加え、酢酸エチルエステル/メタノール15:1を溶離する。塩基9.0gが得られ、これから2- ブタノン中でトリメチルクロロシラン/水を用いて融点133〜134℃を有するハイドロクロライド(3)8.3g(理論値の26%)が得られる。
〔例5〕
【0059】
【化13】

【0060】
(2RS,3RS)-3-(3- クロロ- フエニル)-1- ジメチルアミノ -2- メチル- ペンタン -3- オール、ハイドロクロライド(4)
例1に記載された条件で、1- ジメチルアミノ -2- メチル- ペンタン -3- オン38.0g(270mmol)、1- ブロモ -3- ブロモベンゼン74.7g(390mmol)及びマグネシウムチップ9.50g(390mmol)から、粗混合物63gが得られる。これをシリカゲルで充填された7×45cmカラム上に加え、ジイソロピルエーテル/メタノール7:1で溶離する。塩基12.8gが得られ、これから2- ブタノン/エーテル中でトリメチルクロロシラン/水を用いて、融点160〜162℃を有するハイドロクロライド(4)10.8g(理論値の14%)が得られる。
〔例6〕
【0061】
【化14】

【0062】
(2RS,3RS)-1- ジメチルアミノ -2- メチル -3-(3- トリルオロメチル- フェニル)-ペンタン -3- オール、ハイドロクロライド(5)
例1に記載された条件下で1- ジメチルアミノ -2- メチル- ペンタン -3- オン14.3g(100mmol)、1- ブロモ -3- トリフルオロメチル- ベンゼン29.3g(130mmol)及びマグネシウムチップ3.2g(130mmol)から、粗混合物21.2gが得られる。これをシリカゲルで充填された6×40cmカラム上に加え、ジイソプロピルエーテル/メタノール10:1で溶離する。塩基9.1gが得られ、これから2- ブタノン中でトリメチルクロロシラン/水を用いて融点189〜190℃を有するハイドロクロライド(5)7.8g(理論値の18.5%)が得られる。
〔例7〕
【0063】
【化15】

【0064】
(2RS,3RS)-1- ジメチルアミノ -2- メチル -3-(m- トリル)-ペンタン -3- オール、ハイドロクロライド(6)
例1に従って、1- ジメチルアミノ -2- メチル- ペンタン -3- オン47.3g(330mmol)、3- ブロモ- トルエン64.6g(400mmol)及びマグネシウムチップ9.72g(400mmol)から、粗混合物75gが得られる。これをシリカゲルで充填された7×50cmカラム上に加え、ジイソプロピルエーテル/メタノール7:1で溶離する。塩基24.3gが得られ、これから2- ブタノン中でトリメチルクロロシラン/水を用いて融点154〜155℃を有するハイドロクロライド(6)21.5g(理論値の24%)が得られる。
〔例8〕
【0065】
【化16】

【0066】
(2RS,3RS)-1- ジメチルアミノ -3-(3- フルオロ- フエニル)-2- メチル- ペンタン -3- オール、ハイドロクロライド(7)
例1に記載された条件下で、1- ジメチルアミノ -2- メチル -ペンタン -3- オン54.0g(380mmol)、1- ブロモ -3- フルオロベンゼン82.5g(470mmol)及びマグネシウムチップ9.23g(470mmol)から、粗混合物70gが得られる。これをシリカゲルで充填された7×50cmカラム上に加え、酢酸エチルエステル/メタノール1:1で溶離する。塩基13.0gが得られ、これから2- ブタノン中でトリメチルクロロシラン/水を用いて融点145〜146℃を有するハイドロクロライド(7)11.2g(理論値の11.5%)が得られる。
〔例9〕
【0067】
【化17】

【0068】
(2RS,3RS)-3-(3- ジフルオロメチル- フエニル)-1- ジメチルアミノ -2- メチル- ペンタン -3- オール、ハイドロクロライド(8)
Org. React. 35,513(1988)に従ってジクロロメタン中で3- ブロモベンズアルデヒド及びジエチルアミノ三フッ化イオウから製造された1- ブロモ -3- ジフルオロメチル- ベンゼン7.0g(34mmol)を、乾燥テトラヒドロフラン110ml中に溶解し、−75℃に冷却する。ヘキサン中の1.6モルn- ブチルリチウム溶液21.12ml(34mmol)の添加後、一時間−75℃で撹拌する。次いで乾燥テトラヒドロフラン15ml中に溶解された1- ジメチルアミノ -2- メチル- ペンタン -3- オン4.8g(34mmol)を滴下する。2.5時間以内に、反応混合物を室温に加熱する。
【0069】
後処理のために、氷浴冷却下に5%塩酸を滴下するが、内部温度は15℃を越えない。相分離後、有機相を5%塩酸40mlで抽出する。一緒にされた水性相を2回エーテル50mlで洗滌する。塩基の遊離後、濃苛性ソーダ溶液を加え、ジクロロメタンで抽出する。この方法で、粗生成物7.8gが得られ、これをシリカゲルで充填された7×40cmカラム上に加える。酢酸エチルエステル/メタノール1:1での溶離は、塩基4.89gが得られ、これから2- ブタノン中でトリメチルクロロシラン/水を用いて融点194〜195℃を有するハイドロクロライド(8)4.6g(理論値の44%)が得られる。
〔例10〕
【0070】
【化18】

【0071】
(2RS,3RS)-1- ジメチルアミノ -2- メチル -3-(3- メチルスルフアニル- フエニル)-ペンタン -3- オール、ハイドロクロライド(9)
例1に記載した条件下で、1- ジメチルアミノ -2- メチル -ペンタン -3- オン17.6g(123mmol)、1- ブロモ -3- メチルスルフアニル- ベンゼン25.0g(123mmol)及びマグネシウムチップ3.0g(123mmol)から、粗混合物38gが得られる。これをシリカゲルで充填された7×40cmカラム上に加え、酢酸エチルエステル/メタノール10:1で溶離する。塩基8.35gが得られ、これから2- ブタノン中でトリメチルクロロシラン/水を用いて融点159〜160℃を有するハイドロクロライド(9)7.2g(理論値の19%)が得られる。
〔例11〕
【0072】
【化19】

【0073】
(2RS,3RS)-3- ベンゾフラン -6- イル -1- ジメチルアミノ -2- メチル- ペンタン -3- オール、ハイドロクロライド(10)
乾燥エーテル30ml中にマグネシウムチップ2.12g(87mmol)に、乾燥エーテル60ml中に溶解された6- ブロモベンゾフラン(ヨーロッパ特許第355827号明細書に従って製造される)3.45g(18mmol)及び1,2- ジブロモ- エタン6mlを、1.5時間以内に滴下し、添加後30分還流加熱する。その後氷浴冷却下に内部温度5〜10℃でエーテル7.5ml中に溶解された1- ジメチルアミノ -2- メチル- ペンタン -3- オン2.5g(18mmol)を滴下する。反応混合物を室温で一晩放置し、次いで新たに5〜10℃に冷却し、20%水性塩化アンモニウム溶液35mlを添加する。相分離後、水性相を2回エーテル50mlで抽出する。一緒にされた有機相を硫酸ナトリウムを介して乾燥する。溶剤の蒸留による除去後、残留物(3.9g)をシリカゲルで充填された5×16cmカラム上に加える。ジイソプロピルエーテル/メタノール7:1での溶離によって、塩基0.95gが得られ、これから酢酸エチルエステル/2- ブタノン中でトリメチルクロロシラン/水を用いて融点162℃を有するハイドロクロライド(10)0.82g(理論値の15.5%)が得られる。
〔例12〕
【0074】
【化20】

【0075】
(2RS,3RS)-1- ジメチルアミノ -2- メチル -3-(4- トリフルオロメチル- フエニル)-ペンタン -3- オール、ハイドロクロライド(11)
例1に従って、1- ジメチルアミノ -2- メチル- ペンタン -3- オン20g(140mmol)、1- ブロモ -4- トリフルオロメチル- ベンゼン31.5g(140mmol)、マグネシウムチップ16.5g(680mmol)及び1,2- ジブロモ- エタン47mlから、粗混合物55gが得られる。これをシリカゲルで充填された7×50cmカラム上に加え、酢酸エチルエステル/メタノール5:1で溶離する。塩基16.4gが得られ、これから2- ブタノン中でトリメチルクロロシラン/水を用いて融点170〜171℃を有するハイドロクロライド(11)12.3g(理論値の27%)が得られる。
〔例13〕
(3RS)-1- ジメチルアミノ -3-(3- メトキシ- フエニル)-ヘキサン -3- オール、ハイドロクロライド(12)
例1に従って、1- ジメチルアミノ -ヘキサン -3- オン10g(70mmol)、1- ブロモ -3- メトキシ- ベンゼン18.7g(100mmol)及びマグネシウムチップ2.3g(100mmol)から、粗混合物18.5gが得られる。これをシリカゲルで充填された6×50cmカラム上に加え、酢酸エチルエステル/メタノール1:1で溶離する。塩基6.84gが得られ、これから2- ブタノン中でトリメチルクロロシラン/水を用いて融点179〜180℃を有するハイドロクロライド(12)6.15g(理論値の32%)が得られる。
〔例14〕
(3RS)-1- ジメチルアミノ -3-(3- メトキシ- フエニル)-ヘプタン -3- オール、ハイドロクロライド(13)
例1に従って、1- ジメチルアミノ -ペンタン -3- オン10g(64mmol)、1- ブロモ -3- メトキシ- ベンゼン15.9g(157mmol)及びマグネシウムチップ2.06g(85mmol)から、粗混合物17.3gが得られる。これをシリカゲルで充填された6×40cmカラム上に加え、酢酸エチルエステルで溶離する。塩基5.4gが得られ、これから2- ブタノン中でトリメチルクロロシラン/水を用いて融点150℃を有するハイドロクロライド(13)4.1g(理論値の21%)が得られる。
〔例15〕
(3RS)-1- ジメチルアミノ -3-(3- メトキシ- フエニル)-4,4- ジメチル- ペンタン -3- オール、ハイドロクロライド(14)
例1に従って、1- ジメチルアミノ -4,4- ジメチル- ペンタン -3- オン18.6g(118mmol)、1- ブロモ -3- メトキシ- ベンゼン28.4g(152mmol)及びマグネシウムチップ3.7g(152mmol)から、粗混合物37gを製造する。これをシリカゲルで充填された7×40cmカラム上に加え、酢酸エチルエステル/メタノール5:1で溶離する。塩基2.2gが得られ、これから2- ブタノン中でトリメチルクロロシラン/水を用いて融点213℃を有するハイドロクロライド(14)1.8g(理論値の5%)が得られる。
〔例16〕
【0076】
【化21】

【0077】
(2RS,3RS)-4- ジメチルアミノ -2-(3- メトキシ- フエニル)-3- メチル- ブタン -2- オール、ハイドロクロライド(15)
例1に従って、4- ジメチルアミノ -3- メチル- ブタン -2- オン5.3g(41mmol)、1- ブロモ -3- メトキシ- ベンゼン23.0g(123mmol)及びマグネシウムチップ3.0g(123mmol)から、粗混合物21gが得られる。これをシリカゲルで充填された4.5×27cmカラム上に加え、酢酸エチルエステル/メタノール4:1で溶離する。塩基4.0gが得られ、これから2- ブタノン中でトリメチルクロロシラン/水を用いて融点124℃を有するハイドロクロライド(15)3.6g(理論値の32%)が得られる。
〔例17〕
【0078】
【化22】

【0079】
(15)の対掌体:
(−)-(2S,3S)-4- ジメチルアミノ -2-(3- メトキシ- フエニル)-3- メチル- ブタン -2- オール、ハイドロクロライド(−15)
及び
(+)-(2R,3R)-4- ジメチルアミノ -2-(3- メトキシ- フエニル)-3- メチル- ブタン -2- オール、ハイドロクロライド(+15)
例16に従って製造されたハイドロクロライド(15)から、ジクロロメタン/苛性ソーダ溶液を用いて塩基を遊離させる。乾燥し、次いでジクロロメタンを蒸留により除去した後、ラセミ体をキラルHPLC- カラム上で対掌体の形に分離する。これから2- ブタノン中のトリメチルクロロシラン/水を用いてハイドロクロライドが得られる。
(−15):収率:理論値の41%
融点:117〜118℃
〔α〕D RT=−38.6o (c=1.05;メタノール)
(+15):収率:理論値の41%
融点:118〜119℃
〔α〕D RT=+41.0o (c=1.01;メタノール)
〔例18〕
【0080】
【化23】

【0081】
(2RS,3RS)-3-(3- ジメチルアミノ -1- エチル -1- ヒドロキシ -2- メチル- プロピル)-フエノール、ハイドロクロライド(16)
例1に従って得られた化合物(1)から、ジクロロメタン/苛性ソーダ溶液を用いて塩基を遊離し、溶液の乾燥後ジクロロメタンを蒸留により除去する。塩基4.3g(17mmol)を乾燥トルエン25ml中に溶解し、徐々に1.2モルトルエン性ジイソブチルアルミニウムヒドリド- 溶液71ml(85mmol)に滴下する。添加の終了後、8時間還流下に加熱し、次いで室温に冷却する。反応混合物をトルエン25mlで希釈する。氷浴冷却下にエタノール9.4ml、ついで水mlを滴下する。1時間の撹拌後、反応混合物からアルミニウム塩を濾過によって除去する。この際、残留物を3回夫々トルエン50mlで洗滌する。その後一緒にされた有機相を乾燥し、トルエンを蒸留により除去する。塩基からアセトン中で、アセトン中の水性塩酸溶液を用いて融点213〜214℃を有するハイドロクロライド(16)3.95g(理論値の85%)が得られる。
〔例19〕
【0082】
【化24】

【0083】
(16)の対掌体:
(−)-(1S,2S)-3-(3- ジメチルアミノ -1- エチル -2- ヒドロキシ -2- メチル- プロピル)-フエノール、ハイドロクロライド(−16)
及び
(+)(1R,2R)-3-(3- ジメチルアミノ -1- エチル -1- ヒドロキシ -2- メチル- プロピル)-フエノール、ハイドロクロライド(+16)
対掌体(−16)及び(+16)を例2に記載した条件下で製造する。
(−16):収率:理論値の85%
融点:208−209℃
〔α〕D RT=−34.6o (c=0.98;メタノール)
(+16):収率:理論値の85%
融点:206〜207℃
〔α〕D RT=+34.4o (c=1.06;メタノール)
〔例20〕
【0084】
【化25】

【0085】
(1RS,2RS)-3-(3- ジメチルアミノ -1- ヒドロキシ -1,2- ジメチル- プロピル)-フエノール、ハイドロクロライド(17)
例18に記載された条件下で、例16に従って得られたメトキシ化合物(15)から出発して、化合物(17)を製造する。
収率:理論値の85%
融点:232℃
〔例21〕
【0086】
【化26】

【0087】
(17)の対掌体:
(−)-(1S,2S)-3-(3- ジメチルアミノ -1- ヒドロキシ -1,2- ジメチル- プロピル)-フエノール、ハイドロクロライド(−17)
及び
(+)-(1R,2R)-3-(3- ジメチルアミノ -1- ヒドロキシ -1,2- ジメチル- プロピル)-フエノール、ハイドロクロライド(+17)
対掌体(−17)及び(+17)を例2に記載された条件下で製造する。
(−17):収率:理論値の82%
融点:204−205℃
〔α〕D RT=−42.0o (c=0.94;メタノール)
(+17):収率:理論値の83%
融点:204〜205℃
〔α〕D RT=+41.2o (c=1.01;メタノール)
〔例22〕
【0088】
【化27】

【0089】
(+)-(1R,2R)-3-(3- ジメチルアミノ -1- エチル -1- フルオロ -2- メチル- プロピル)-フエノール、ハイドロクロライド(+18)
第一段階:
【0090】
【化28】

【0091】
(+)-(1R,2R)-3-(3- ベンジルオキシ- フエニル)-1- ジメチルアミノ -2- メチル- ペンタン -3- オール(+19)
例19に従って得られた対掌体(+16)から、ジクロロメタン/苛性ソーダ溶液を用いて塩基を遊離し、溶液の乾燥後ジクロロメタンを蒸留により除去する。塩基5.3g(22mmol)を乾燥ジメチルホルムアミド27ml中に溶解し、50%水素化ナトリウム1.2gを数回に分けて加える。添加の終了後、3時間70℃で加熱する。次いで室温に冷却し、反応混合物を氷水上に注ぐ。この際3回夫々エーテル70mlで抽出する。その後一緒にされた有機相を硫酸ナトリウムを介して乾燥し、溶剤を蒸留し、残留物をシリカゲルで充填された4.5×30cmカラム上に加える。ジイソプロピルエーテル/メタノールで溶離して、塩基(19)6.8g(理論値の92%)が淡黄色の高粘性油状物として得られる。
第二段階:
【0092】
【化29】

【0093】
(+)-(2R,3R)-〔3-(3- ベンジルオキシ- フエニル)-3- フルオロ -2- メチル- ペンチル〕- ジメチルアミン(+20)
乾燥ジクロロメタン30ml中にジエチルアミノ- 三フッ化イオウ3.7g(23mmol)を有する溶液に、ジクロロメタン80ml中に溶解された(+19)6.8g(21mmol)を−20℃で滴下する。添加の終了後、30分この温度で撹拌し、次いで室温に加熱する。室温で更に1時間撹拌後、0〜5℃に冷却し、水50mlで加水分解する。相分離後、水性相を2回ジクロロメタン50mlで抽出する。一緒にされた有機相を乾燥し、減圧蒸留によって溶剤を除去する。得られた反応混合物(8.04g)を、シリカゲルで充填された6×50cmカラム上に加え、酢酸エチルエステル/メタノール1:1で溶離する。塩基(+20)3.04g(理論値の40%)が淡黄色の粘性油状物として得られる。
第三段階:
(+)-(1R,2R)-3-(3- ジメチルアミノ -1- エチル -1- フルオロ -2- メチル- プロピル)-フエノール、ハイドロクロライド(+18)
(+20)3.0g(91mmol)を、乾燥メタノール15ml中に溶解し、水素添加装置中で活性炭(10%Pd)に担持されたパラジウム0.44gを加える。室温で3時間撹拌後、水素215mlを消費する。触媒を濾過し、次いでメタノールを蒸留により除去する。塩基2.22gが得られ、これから2- ブタノン中でトリメチルクロロシラン/水を用いてハイドロクロライド(+18)2.0g(理論値の79%)が得られる。
融点:174〜176℃
〔α〕D RT=+29.5o (c=1.08;メタノール)
〔例23〕
【0094】
【化30】

【0095】
(−)-(1S,2S)-3-(3- ジメチルアミノ -1- エチル -1- フルオロ -2- メチル- プロピル)-フエノール、ハイドロクロライド(−18)
例19に従って得られた対掌体(−16)から出発して、例22に記載された条件下で対掌体(−18)が、理論値の29%の収率で得られる。
融点:170−172℃
〔α〕D RT=−28.4o (c=1.03;メタノール)
〔例24〕
【0096】
【化31】

【0097】
(+)-(1S,2S)-3-(3- ジメチルアミノ -1- エチル -2- メチル- プロピル)-フエノール、ハイドロクロライド(+21)
第一段階:
【0098】
【化32】

【0099】
(+)-(2R,3R)-〔3- クロロ -3-(3- メトキシ- フエニル)-2- メチル- ペンチル〕- ジメチルアミン、ハイドロクロライド(+22)
例2に従って製造された(+1)10g(35mmol)に、室温でチオニルクロライド10mlを加える。次いで過剰のチオニルクロライドを除去するために、2時間窒素を反応混合物に添加する。2.5時間以内で過剰のチオニルクロライドを窒素流によって新たに除去する前にチオニルクロライド10mlを新たに加えた後、反応混合物を12時間放置する。乾燥後、残留物を氷冷された2- ブタノン1010ml中に溶解し、撹拌下でエーテル200ml、次いでジイソプロピルエーテル140mlを加える。そのままの状態の溶剤相をデカンテーションし、残存する油状物を新たに2- ブタノン10ml中に取る。結晶種の添加後、ジイソプロピルエーテル300mlを、3時間以内激しい撹拌下に滴下し、この際ハイドロクロライドが晶出する。(22)9.8g(理論値の91%)が得られる。
融点:120℃(分解)
〔α〕D RT=+24.7o (c=1.01;メタノール)
第二段階:
【0100】
【化33】

【0101】
(+)-(2S,3S)-〔3-(3- メトキシ- フエニル)-2- メチル- ペンチル〕- ジメチル- アミン、ハイドロクロライド(+23)
乾燥塩化亜鉛46gを、乾燥エーテル580ml中に溶解し、次いでエーテル1800ml中に水素化ホウ素ナトリウム31gを有する懸濁液に滴下する。12時間の撹拌後、得られた水素ホウ素亜鉛懸濁液から500mlをデカンテーションし、乾燥エーテル200ml中に(+22)9.8g(32mmol)に滴加する。反応混合物を72時間室温で撹拌し、次いで氷浴冷却下に飽和塩化アンモニウム溶液40mlを滴下する。相分離後、エーテル相を2回飽和食塩溶液で洗滌し、硫酸ナトリウムを介して乾燥後、溶剤を減圧蒸留する。アミン- ホウ素- 錯体7.3gが得られ、これを遊離塩基の単離のために乾燥メタノール100ml中に溶解する。トリフエニルホスフィン7.5gの添加後、18時間還流加熱する。溶剤の蒸留除去後、残留物に5%塩酸100mlを加える。次いで塩酸相を更に2回エーテル50mlで洗滌する。その後塩酸相を濃苛性ソーダ溶液で氷浴冷却下にアルカリ性にし、2回ジクロロメタン50mlで振出する。一緒にされた有機相を硫酸ナトリウムを介して乾燥した後、溶剤を減圧蒸留し、残存する残留物(5.2g)を2- ブタノン中に取る。トリメチルクロロシラン/水の添加後、ハイドロクロライド(+23)4.3g(理論値の50%)が晶出する。
融点:163〜164℃
〔α〕D RT=+25.2o (c=0.95;メタノール)
第三段階:
(+)-(1S,2S)-3-(3- ジメチルアミノ -1- エチル -2- メチル- プロピル)-フエノール、ハイドロクロライド(+21)
第二段階から得られた(+23)4.3g(15mmol)に、濃臭化水素酸100mlを加える。次いで2時間還流加熱する。室温に冷却後反応混合物を水流ポンプ減圧で蒸発する。残留物に濃炭酸水素ナトリウム溶液を加えてアルカリ性反応を生じさせる。各々ジクロロメタン50mlを用いて2回抽出した後、一緒にされた有機相を硫酸ナトリウムを介して乾燥する。次いでジクロロメタンを減圧蒸留し、残留物(4g)を2- ブタノン中に取る。トリメチルクロロシラン/水の添加後ハイドロクロライド(+21)3.8g(理論値の98%)が晶出する。
融点:194−196℃
〔α〕D RT=+24.5o (c=1.10;メタノール)
〔例25〕
【0102】
【化34】

【0103】
(−)-(1R,2R)-3-(3- ジメチルアミノ -1- エチル -2- メチル- プロピル)-フエノール、ハイドロクロライド(−21)
例2に従って製造された(−1)から出発して、対掌体(−21)が例24に記載された条件下で45%収率で得られる。
融点:168−170℃
〔α〕D RT=−27.5o (c=0.97;メタノール)
〔例26〕
【0104】
【化35】

【0105】
(+)-(1R,2R)-酢酸 -3- ジメチルアミノ -1- エチル -1-(3- メトキシ- フエニル)-2- メチル- プロピルエステル、ハイドロクライド(+24)
例2に従って製造された対掌体(+1)から、ジクロロメタン/苛性ソーダ溶液を用いて塩基を遊離する。溶液の乾燥後、ジクロロメタンを蒸留により除去する。得られた塩基10g(35mmol)──これを乾燥ジクロロメタン150ml中に取る──に、氷浴冷却下でアセチルクロライド3.0g(39mmol)を滴下する。アセチルクロライドの添加が終了した後、反応混合物を室温に加熱し、2時間攪拌後、飽和炭酸水素ナトリウム溶液100mlを加える。有機相を水性相から分離し、水性相を2回ジクロロメタン50mlで抽出する。有機相を一緒にして、硫酸ナトリウムを介して乾燥する。溶剤の蒸留除去後、粗混合物13.4gが得られ、これから2- ブタノン/酢酸エチル中でトリメチルクロロシラン/水を用いてハイドロクロライド(+24)10.7g(理論値の93%)が得られる。
融点:153℃
〔α〕D RT=+17.3o (c=1.04;メタノール)
〔例27〕
【0106】
【化36】

【0107】
(1RS)-1-(1- ジメチルアミノメチル- シクロヘキシル)-1-(3- メトキシ- フエニル)-プロパンン -1- オール、ハイドロクロライド(25)
第一段階:
【0108】
【化37】

【0109】
(1RS)-( 1- ジメチルアミノメチル- シクロヘキシル)-(3- メトキシ- フエニル)-メタノール、ハイドロクロライド(26)
例1に記載された条件下で、1- ジメチルアミノメチル- シクロヘキサン- カルボアルデヒド25g(150mmol)、1- ブロモ -3- メトキシ- ベンゼセン32.9g(180mmol)及びマグネシウムチップ4.3g(180mmol)から、粗混合物44gが得られる。これをシリカゲルで充填された7×40cmカラム上に加え、ジイソプロピルエーテル/メタノール4:1で溶離する。塩基38gが得られ、これから2- ブタノン中でトリメチルクロロシラン/水を用いて融点235℃を有するハイドロクロライド(26)40g(理論値の85%)が得られる。
第二段階:
【0110】
【化38】

【0111】
(1RS)-(1- ジメチルアミノメチル- シクロヘキシル)-(3- メトキシ- フエニル)-メタノン、ハイドロクロライド(27)
(26)からジクロロメタン/苛性ソーダ溶液を用いて塩基を遊離し、溶液の乾燥後、ジクロロメタンを蒸留により除去する。塩基8.3g(30mmol)をn- ヘキサン30ml中に溶解し、中性酸化アルミニウム上に吸収されたピリジニウムクロロクロマート95g(Synthesis 1980,223に従って製造される)から成る懸濁液に滴下する。室温で72時間撹拌後、反応混合物にジクロロメタン120mlを加え、更に2時間撹拌し、次いで酸化アルミルウム30gを介して濾過する。フィルター残留物を3回夫々ジクロロメタン及びエーテル50mlでデカンテーションにより洗滌する。濾液と一緒にされた有機相から溶剤を蒸留により除去し、得られた残留物を2N苛性ソーダ溶液60ml中に取り、4回夫々酢酸エチル20mgで抽出する。一緒にされた有機相を乾燥した後、溶剤を蒸留により除去する。粗混合物4.8gが得られ、これをシリカゲルで充填された6×30cmカラム上に加え、先ず酢酸エチルで、次いで酢酸エチル/メタノール9:1次いで酢酸エチル/メタノール4:1で溶離する。塩基3.8gが得られ、これから2- ブタノン中でトリメチルクロロシラン/水を用いて融点174℃を有するハイドロクロライド(27)3.1g(理論値の33%)が得られる。
第三段階:
(1RS)-1-(1- ジメチルアミノメチル- シクロヘキシル)-1-(3- メトキシ- フエニル)-プロハン -1- オール、ハイドロクロライド(25)
例1に記載された条件下で、塩基の形で(27)2.8g(10mmol)、ブロモエタン1.4g(13mmol)及びマグネシウムチップ 0.32g(13mmol)から溶剤としてエーテルの使用下に粗混合物3.0gが得られる。これをシリカゲルで充填された3×20cmカラム上に加え、ジイソプロピルエーテル/メタノール19:1で溶離する。塩基2.1gが得られ、これから2- ブタノン/酢酸エチル中でトリメチルクロロシラン/水を用いて融点230℃を有するハイドロクロライド(25)1.9g(理論値の55%)が得られる。
〔例28〕
【0112】
【化39】

【0113】
(−)-(2R,3S)-{3〔3-(p- イソプロピル- フエニル- カルバモイル)-オキシ- フエニル〕 -2- メチル- ペンチル}- ジメチルアミン、ハイドロクロライド(−28)
例24に従って製造された対掌体(+21)から、ジクロロメタンン/苛性ソーダ溶液を用いて塩基を遊離し、溶液の乾燥後、ジクロロメタンを蒸留により除去する。得られた塩基2.2g(10mmol)を乾燥トルエン20ml中に溶解し、4- イソプロピルエニルイソシアナート1.8g(11mmol)を加える。室温で20時間撹拌した後、トルエンを蒸留により除去する。残留物をn- プロピルアセタート中のトリメチルクロロシラン/水と反応ささせ、ハイドロクロライド(−28)3.2g(理論値の76%)が得られる。
融点:151〜152℃
〔α〕D RT=−5.2o (c=1.11;メタノール)
【薬理学的試験】
【0114】
マウスでのライジング(Writhing)テスト
本発明による化合物の鎮痛作用をフエニルキノン- 誘発されたライジング- テスト──これはI.C.ヘンダーショット(Hendershot)、J.フォーサイス(Forsaith)、J. Pharmacol. Exptl. Ther.125,237(1959)に従って変えられている──でマウスで試験する。体重25〜30gを有する雄性NMRI- マウスを使用する。物質投薬量につき各10匹の動物は、本発明による化合物の経口投与30分後にマウス1匹につき0.02%水性フエニルキノン- 溶液0.3ml(フエニルベンゾキノン、シグマ社、ダイスホ−フエン;5%エタノールの添加下に溶液を製造し、45℃で水浴中で保存する)を腹腔内投与して保つ。その後動物を個々に観察かご中に入れる。押ボタン係数器を用いてフエニルキノン投与5〜20分後、苦痛誘発された伸展運動(ライジング- 反応=後足の伸展と共に体をまっすぐ伸ばす)を数える。フエニルキノンのみが投与された比較試験マウスに比してライジング- 反応の投薬量に依存する減少を退行分析(評価プログラムマルテンスEDV- サービス、エッケンタル)を用いてED50- 値(ライジング反応の50%阻害を有する有効量)を95%信頼範囲で算出する。すべてのテストされた本発明による化合物は、際立った鎮痛作用を示す。結果を次表にまとめて示す。
表:ライスング- 阻害
例 本発明による ED50 21.5mg/kg
化合物 〔mg/kg経口投与〕 で%阻害(経口投与)
1 (1) 5.8
2 (−1) 22.3
2 (+1) 1.1
3 (2) 13.2
4 (3) −81.3
5 (4) 15.5
6 (5) 8.3
7 (6) 11.8
8 (7) 27.3
9 (8) 12.9
10 (9) 12.8
11 (10) 12.9
13 (12) 19.9
15 (14) 10.5
16 (15) 3.8
17 (+15) −95.2
18 (16) −100.0
19 (−16) 16.1
19 (+16) 1.0
20 (17) −87.0
21 (−17) −58.3
21 (+17) −97.2
22 (+18) 15.7
24 (+21) 1.9

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジアステレオマー又は対掌体としてその塩基又はその生理学的に相容な酸の塩基又は塩の形で式I
【化1】

{式中、
XはOHを示し、
1 はC1-4-アルキル基を示し、
2 はH又はC1-4-アルキル基、R3 はH又は直鎖状C1-4-アルキル基を示すか又はR2 及びR3 と一緒になってC4-7-シクロアルキル基を形成する、
5 がHである場合、R4 はメタ -O- Z〔ZはH、C1-3-アルキル基、PO(O- C1-4-アルキル)2、CO(OC1-5-アルキル)、CONH- C6 4-(C1-3-アルキル)又はCO- C6 4-R7 を示し、この際R7 はオルト- OCOC1-3-アルキル基又はメタ- 又はパラ- CH2 N(R8)2(R8 はC1-4-アルキル基又は4- モルホリノ基である。)を示す。〕
を示すか又はR4 はメタ -S- C1-3-アルキル基、メタ- Cl、メタ- F、メタ- CR9 1011(R9,R10及びR11はH又はFを示す。)、オルト- OH、オルト- O- C2-3-アルキル基、パラ- F又はパラ- CR9 1011を示す、あるいは
5 はパラ- 位のCl、F、OH又はO- C1-3-アルキルを示す場合、R4 はメタ- 位のCl 、F、OH又はO- C1-3-アルキル基を示す、あるいはR4 及びR5 は一緒になって3,4- OCH=CH- 又は3,4- OCH=CHO- を示す。}
で表わされる1- フエニル -3- ジメチルアミノ- プロパン化合物を製造するにあたり、
式II
【化2】

(式中、R1 、R2 及びR3 は上記に定義された通りの意味を有する。)
のβ- ジメチルアミノケトンと式III
【化3】

(式中、R4 及びR5 は上記に定義された通りの意味を有し、ZはMgCl、MgBr、MgI又はLiを示す。)
の金属有機化合物を反応させて、上記式Iで表わされる化合物(X=OH)を生じさせる、上記1- フエニル -3- ジメチルアミノ- プロパン化合物の製造方法。
【請求項2】
ジアステレオマー又は対掌体としてその塩基又はその生理学的に相容な酸の塩基又は塩の形で式I
【化4】

{式中、
XはHを示し、
1 はC1-4-アルキル基を示し、
2 はH又はC1-4-アルキル基、R3 はH又は直鎖状C1-4-アルキル基を示すか又はR2 及びR3 と一緒になってC4-7-シクロアルキル基を形成する、
5 がHである場合、R4 はメタ -O- Z〔ZはH、C1-3-アルキル基、PO(O- C1-4-アルキル)2、CO(OC1-5-アルキル)、CONH- C6 4-(C1-3-アルキル)又はCO- C6 4-R7 を示し、この際R7 はオルト- OCOC1-3-アルキル基又はメタ- 又はパラ- CH2 N(R8)2(R8 はC1-4-アルキル基又は4- モルホリノ基である。)を示す。〕
を示すか又はR4 はメタ -S- C1-3-アルキル基、メタ- Cl、メタ- F、メタ- CR9 1011(R9,R10及びR11はH又はFを示す。)、オルト- OH、オルト- O- C2-3-アルキル基、パラ- F又はパラ- CR9 1011を示す、あるいは
5 はパラ- 位のCl、F、OH又はO- C1-3-アルキルを示す場合、R4 はメタ- 位のCl 、F、OH又はO- C1-3-アルキル基を示す、あるいはR4 及びR5 は一緒になって3,4- OCH=CH- 又は3,4- OCH=CHO- を示す。}
で表わされる1- フエニル -3- ジメチルアミノ- プロパン化合物を製造するにあたり、
上記式Iで表わされる化合物(X=Cl)と水素化ホウ素亜鉛、水素化シアノホウ素亜鉛及び(又は)水素化シアノホウ素錫を反応させて、上記式Iで表わされる化合物(X=H)を生じさせる、上記1- フエニル -3- ジメチルアミノ- プロパン化合物の製造方法。
【請求項3】
ジアステレオマー又は対掌体としてその塩基又はその生理学的に相容な酸の塩基又は塩の形で式I
【化5】

{式中、
XはF を示し、
1 はC1-4-アルキル基を示し、
2 はH又はC1-4-アルキル基、R3 はH又は直鎖状C1-4-アルキル基を示すか又はR2 及びR3 と一緒になってC4-7-シクロアルキル基を形成する、
5 がHである場合、R4 はメタ -O- Z〔ZはH、C1-3-アルキル基、PO(O- C1-4-アルキル)2、CO(OC1-5-アルキル)、CONH- C6 4-(C1-3-アルキル)又はCO- C6 4-R7 を示し、この際R7 はオルト- OCOC1-3-アルキル基又はメタ- 又はパラ- CH2 N(R8)2(R8 はC1-4-アルキル基又は4- モルホリノ基である。)を示す。〕
を示すか又はR4 はメタ -S- C1-3-アルキル基、メタ- Cl、メタ- F、メタ- CR9 1011(R9,R10及びR11はH又はFを示す。)、オルト- OH、オルト- O- C2-3-アルキル基、パラ- F又はパラ- CR9 1011を示す、あるいは
5 はパラ- 位のCl、F、OH又はO- C1-3-アルキルを示す場合、R4 はメタ- 位のCl 、F、OH又はO- C1-3-アルキル基を示す、あるいはR4 及びR5 は一緒になって3,4- OCH=CH- 又は3,4- OCH=CHO- を示す。}
で表わされる1- フエニル -3- ジメチルアミノ- プロパン化合物を製造するにあたり、
式Iで表わされる化合物(X=OH)とジメチルアミノ- 三フッ化イオウを溶剤中で反応させて、上記式I で表わされる化合物(X=F)を生じさせる、上記1- フエニル -3- ジメチルアミノ- プロパン化合物の製造方法。
【請求項4】
ジアステレオマー又は対掌体としてその塩基又はその生理学的に相容な酸の塩基又は塩の形で式I
【化6】

{式中、
XはClを示し、
1 はC1-4-アルキル基を示し、
2 はH又はC1-4-アルキル基、R3 はH又は直鎖状C1-4-アルキル基を示すか又はR2 及びR3 と一緒になってC4-7-シクロアルキル基を形成する、
5 がHである場合、R4 はメタ -O- Z〔ZはH、C1-3-アルキル基、PO(O- C1-4-アルキル)2、CO(OC1-5-アルキル)、CONH- C6 4-(C1-3-アルキル)又はCO- C6 4-R7 を示し、この際R7 はオルト- OCOC1-3-アルキル基又はメタ- 又はパラ- CH2 N(R8)2(R8 はC1-4-アルキル基又は4- モルホリノ基である。)を示す。〕
を示すか又はR4 はメタ -S- C1-3-アルキル基、メタ- Cl、メタ- F、メタ- CR9 1011(R9,R10及びR11はH又はFを示す。)、オルト- OH、オルト- O- C2-3-アルキル基、パラ- F又はパラ- CR9 1011を示す、あるいは
5 はパラ- 位のCl、F、OH又はO- C1-3-アルキルを示す場合、R4 はメタ- 位のCl 、F、OH又はO- C1-3-アルキル基を示す、あるいはR4 及びR5 は一緒になって3,4- OCH=CH- 又は3,4- OCH=CHO- を示す。}
で表わされる1- フエニル -3- ジメチルアミノ- プロパン化合物を製造するにあたり、
式Iで表わされる化合物(X=OH)とチオニルクロライドを反応させて、上記式I で表わされる化合物(X=Cl)を生じさせる、上記1- フエニル -3- ジメチルアミノ- プロパン化合物の製造方法。
【請求項5】
ジアステレオマー又は対掌体としてその塩基又はその生理学的に相容な酸の塩基又は塩の形で式I
【化7】

{式中、
XはOCOR6 基(式中R6 はC1-3 アルキル基を示す。)を示し、
1 はC1-4-アルキル基を示し、
2 はH又はC1-4-アルキル基、R3 はH又は直鎖状C1-4-アルキル基を示すか又はR2 及びR3 と一緒になってC4-7-シクロアルキル基を形成する、
5 がHである場合、R4 はメタ -O- Z〔ZはH、C1-3-アルキル基、PO(O- C1-4-アルキル)2、CO(OC1-5-アルキル)、CONH- C6 4-(C1-3-アルキル)又はCO- C6 4-R7 を示し、この際R7 はオルト- OCOC1-3-アルキル基又はメタ- 又はパラ- CH2 N(R8)2(R8 はC1-4-アルキル基又は4- モルホリノ基である。)を示す。〕
を示すか又はR4 はメタ -S- C1-3-アルキル基、メタ- Cl、メタ- F、メタ- CR9 1011(R9,R10及びR11はH又はFを示す。)、オルト- OH、オルト- O- C2-3-アルキル基、パラ- F又はパラ- CR9 1011を示す、あるいは
5 はパラ- 位のCl、F、OH又はO- C1-3-アルキルを示す場合、R4 はメタ- 位のCl 、F、OH又はO- C1-3-アルキル基を示す、あるいはR4 及びR5 は一緒になって3,4- OCH=CH- 又は3,4- OCH=CHO- を示す。}
で表わされる1- フエニル -3- ジメチルアミノ- プロパン化合物を製造するにあたり、
式Iで表わされる化合物(X=OH)と酸クロライド(Cl- COOR6)を反応させて、上記式I で表わされる化合物〔X=OCOR6 基(式中R6 はC1-3 アルキル基を示す。)〕を生じさせる、上記1- フエニル -3- ジメチルアミノ- プロパン化合物を製造する方法。

【公開番号】特開2007−84574(P2007−84574A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−342354(P2006−342354)
【出願日】平成18年12月20日(2006.12.20)
【分割の表示】特願平7−186031の分割
【原出願日】平成7年7月21日(1995.7.21)
【出願人】(390035404)グリュネンタール・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (127)
【Fターム(参考)】