説明

11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型の阻害剤の合成

糖尿病、代謝性症候群、肥満、耐糖能異常、インスリン抵抗性、高血糖症、高血圧、高血圧関連の心血管障害、高脂血症、神経機能に及ぼす有害なグルココルチコイドの影響(例えば、認知機能障害、認知症、及び/又は鬱病)、眼圧亢進、種々の形態の骨疾患(例えば、骨粗鬆症)、結核、ライ病(ハンセン病)、乾癬、及び障害性創傷治癒(例えば、耐糖能及び/又は2型糖尿病を呈している患者において)などの様々な疾患状態の処置のために有望である、11β−HSD1阻害剤及び対応する中間体の合成が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型(11β−HSD1)の阻害剤は、その全てが参照により全体として本明細書に組み入れられる、2007年7月26日出願の米国仮特許出願第60/962,058号;2007年10月31日出願の米国仮特許出願第61/001,253号;2008年5月1日出願の米国仮特許出願第61/049,650号;及び国際出願第PCT/US2008/009017号に詳細に記載されているように多数の疾患及び障害の処置のために有望な薬剤である。
【0002】
例えば、11β−HSD1阻害剤は、糖尿病、代謝性症候群、肥満、耐糖能異常、インスリン抵抗性、高血糖症、高血圧、高血圧関連の心血管障害、高脂血症、神経機能に及ぼす有害なグルココルチコイドの影響(例えば、認知機能障害、認知症、及び/又は鬱病)、眼圧亢進、種々の形態の骨疾患(例えば、骨粗鬆症)、結核、ライ病(ハンセン病)、乾癬、及び障害性創傷治癒(例えば、耐糖能及び/又は2型糖尿病を呈している患者において)の処置のために有望である。
【0003】
11β−HSD1阻害剤の合成の改良法、例えばより経済的でより効率的な合成の必要がある。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、本明細書において開示するように、11β−HSD1阻害剤、例えばオキサジノン化合物及び第三級アルコールオキサジノン化合物の合成に関しての経済的で効率的な方法を提供する。
【0005】
本発明の一つの実施態様は、構造式(I):
【0006】
【化1】


[式中、
は、(a)存在しないか、或いは(b)場合により置換されている(C−C)アルキル、場合により置換されている(C−C)アルケニル、場合により置換されている(C−C)アルキニル、場合により置換されている(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ、及び場合により置換されている(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルから選択され;
Eは、(a)結合、或いは(b)(C−C)アルキレン又は(C−C)アルコキシ(ここで、Oは、Rに結合している)であり、これらの各々は、場合により、メチル、エチル、トリフルオロメチル及びオキソから独立して選択される1〜4個の基で置換されており;
は、場合により置換されている(C−C)アルキル、場合により置換されているアリール、場合により置換されているヘテロアリール、場合により置換されているシクロアルキル、又は場合により置換されているヘテロシクリルから選択され;
は、場合により置換されている(C−C)アルキル、場合により置換されている(C−C)アルケニル、場合により置換されている(C−C)アルキニル、場合により置換されている(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、場合により置換されている(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ、及び場合により置換されている(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルから選択され;
は、(a)結合、或いは(b)(C−C)アルキレン、CHCHO(ここで、酸素は、Cyに結合している)であり;
Cyは、場合により置換されているアリール、場合により置換されているヘテロアリール、場合により置換されている単環式シクロアルキル、又は場合により置換されている単環式ヘテロシクリルであり;
は、(a)結合、O、S又はNR(ここで、Rは、(C−C)アルキル又は(C−C)シクロアルキルである);或いは(b)(C−C)アルキレン又は(C−C)アルコキシであり、これらの各々は、場合により、メチル、エチル、又はトリフルオロメチルから独立して選択される1〜4個の基で置換されており;
Cyは、(a)水素、或いは(b)場合により置換されているアリール、場合により置換されているヘテロアリール、場合により置換されているシクロアルキル、又は場合により置換されているヘテロシクリルである]で表されるオキサジノン化合物の調製方法である。
【0007】
その方法は、β−ハロアルコール化合物を、例えば、構造式(II):
【0008】
【化2】


で表されるβ−ハロアルコール化合物を、構造式(III):
【0009】
【化3】


[式中、Xは、脱離基である]で表されるイソシアネート化合物と反応させる工程を含む。
【0010】
本発明の別の実施態様は、構造式(IV):
【0011】
【化4】


で表されるエポキシド化合物を調製する方法である。
その方法は、下記構造式(V):
【0012】
【化5】


[構造式(IV)及び(V)中のA、A、Cy、Cy、R、R、及びEは、構造式(I)と同義である]で表される2−メチル−3−プロペニル中間体を、エポキシ化試薬を用いて酸化させる工程を含む。
【0013】
本発明の別の実施態様は、構造式(VI):
【0014】
【化6】


で表される第三級アルコールオキサジノン化合物を調製する方法である。その方法は、構造式(IV)で表されるエポキシド化合物のエポキシド基を、還元剤を用いて還元する工程を含む。構造式(VI)中のA、A、Cy、Cy、R、R、及びEは、構造式(V)と同義である。
【0015】
代替実施態様において、構造式(VI)で表される第三級アルコールオキサジノン化合物は、構造式(VII):
【0016】
【化7】


で示される化合物を使用し、図2に記載されている合成スキームに従って調製することができる。実施例22は、(S)−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オンの調製に関する図2の合成工程の詳細を提供する。
【0017】
構造式(VII)中のA、A、Cy、Cy、R、R、及びEは、構造式(I)と同義である。
【0018】
本発明の別の実施態様は、構造式(IV)で表されるエポキシド化合物又はその塩である。
【0019】
更に本発明の別の実施態様は、構造式(V)で表される2−メチル−3−プロペニル中間体又はその塩である。
【0020】
本発明の他の実施態様は、本発明の方法を用いて調製する、エポキシド化合物及びその塩、ならびに2−メチル−3−プロペニル中間体及びその塩、具体的には、上記実施態様に対応するエポキシド化合物及び2−メチル−3−プロペニル中間体である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本明細書において開示されている方法を使用する、11β−HSD1阻害剤である、特定の第三級アルコールオキサジノン化合物の合成を示す概略図である。
【図2】本明細書において開示されている方法を使用する、11β−HSD1阻害剤である、特定の第三級アルコールオキサジノン化合物の合成を示す概略図である。
【0022】
発明の詳細な説明
本発明は、11β−HSD1阻害剤、例えば、本明細書において開示されているオキサジノン化合物及び第三級アルコールオキサジノン化合物の合成方法を提供する
【0023】
構造式(I)で表されるオキサジノン化合物、例えば化合物(5)及び(6)(図を参照)は、構造式(II)で表されるβ−ハロアルコール化合物を構造式(III)で表されるイソシアナート化合物と反応させることにより調製することができる。β−ハロアルコール化合物及びイソシアナート化合物のいずれも、当技術分野において公知の方法を使用して市販されている化合物から調製することができる(実施例の章を参照)。
【0024】
構造式(VI)で表される第三級アルコールオキサジノン化合物、例えば化合物(8)(図1を参照)は、まず構造式(V)で表される2−メチル−3−プロペニル中間体をエポキシ化試薬を用いて酸化して、構造式(IV)で表されるエポキシド化合物を得ることにより、調製される。2−メチル−3−プロペニル中間体は、先の段落で記載されている方法(ここで、Rは、2−メチル−3−プロペニルである)を使用して調製することができるオキサジノン化合物である。第2工程において、エポキシド化合物のエポキシド基を還元剤を用いて還元して第三級アルコールオキサジノン化合物を形成する。
【0025】
構造式(I)及び(VI)[式中、Cyは、フェニル(脱離基(例えば、−Br)で置換され、及び場合により、1個以上の更なる置換基で置換されている)である]で表される、それぞれオキサジノン化合物及び第三級アルコールオキサジノン化合物を使用して、例えば、2007年7月26日出願の米国仮特許出願第60/962,058号の実施例111に記載されている「鈴木」カップリング反応を使用することによって、ビアリール基を含有する11β−HSD1阻害剤を調製することができる。或いは、構造式(I)及び(VI)[式中、Cyは、フェニル(脱離基(例えば、−Br)で置換され、及び場合により、1個以上の更なる置換基で置換されている)である]で表されるそれぞれのオキサジノン化合物を使用して、脱離基(例えば、−Br)のボロン酸又はボロン酸エステルへの変換、続くCy−Cl又はCy−Brとの「鈴木」カップリング反応を使用することによって、ビアリール基を含有する11β−HSD1阻害剤を調製することができる(実施例23参照)。或いは、ビアリール基を含有する11β−HSD1阻害剤は、既にビアリール基を含有するイソシアナート化合物から本発明の方法を使用して得ることができる。様々なビアリール化合物の合成は、実施例の章に提供されている。
【0026】
合成における各反応の詳細な記載を、下記に提供する。下記の考察において、A、A、Cy、Cy、R、R及びEは、特記のない限り、先に示した意味を有する。下記の合成中間体及び最終生成物は、潜在的な反応性官能基、例えばアミノ基、ヒドロキシル基、チオール基、スルホンアミド基、アミド基及びカルボン酸基を含有する場合、それらは所望の反応を妨げることがあり得るので、中間体の保護した形態を用いるのが有利であり得る。保護基の選択、導入、その後の脱離の方法は、当業者に周知である(参照により全体として本明細書に組み入れられる、T.W. Greene and P. G. M. Wuts “Protective Groups in Organic Synthesis” John Wiley & Sons, Inc., New York 2007)。かかる保護基の処理手順は、下記考察において想定されており、明示されていない。化学基を意味する用語と組み合わせて本明細書で使用する「保護」という用語(例えば、保護ピペリジニル)は、官能基が所望の反応を妨げる可能性がある場合に、予め保護基と反応させられているその官能基を有する化学基を指す(例えば、ピペリジンの場合は環窒素原子)。
【0027】
オキサジノン化合物
構造式(I)で表されるオキサジノン化合物は、上記のように、構造式(II)で表されるβ−ハロアルコール化合物を構造式(III)で表されるイソシアナート化合物と反応させることにより調製する。典型的には、β−ハロアルコールとイソシアナート化合物の反応は、塩基の存在下で実施される。より典型的には、反応は非求核塩基の存在下で実施される。最も典型的には、反応は、非求核アミン塩基の存在下で実施される。適切な非求核アミド塩基には、非限定的に、リチウムアミド(LiNH)、ナトリウムアミド(NaNH)、リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムジシクロヘキシルアミド、ケイ素含有アミド(ナトリウム及びカリウムビス(トリメチルシリル)アミドなど)、リチウムテトラメチルピペリジド、及びリチウムテトラメチルピペリジンを含む。他の非求核塩基には、非限定的に、水素化ナトリウム、tert−五酸化ナトリウム及びナトリウムtert−ブトキシドを含む。適切な非求核アミン塩基の例には、非限定的に、ジイソプロピルエチルアミン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルピリジン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、2,8,9−トリメチル−2,5,8,9−テトラアザ−1−ホスファビシクロ[3.3.3]ウンデカン等を含む。最も典型的には、塩基は、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンである。過剰量のβ−ハロアルコール化合物又はイソシアナート化合物のいずれかを使用することができるが、イソシアナート化合物はより一般に過剰量で使用される。β−ハロアルコールに対して、典型的には約1〜約10当量、より典型的には約1〜約6当量、そしてより更に典型的には約1〜5当量の塩基が使用される。典型的には反応は、β−ハロアルコール化合物の約0.01M〜5Mの間の濃度で無水非プロトン性、非求核溶媒中で実施される。しかし、β−ハロアルコール化合物の濃度は、より典型的には約0.05M〜2Mである。適切な溶媒には、非限定的に、エーテル系溶媒(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、tert−ブチル−メチルエーテル及び1,4−ジオキサンなど)、及び非エーテル系溶媒(ジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシドなど)等を含む。適切な反応温度は、一般的に約0℃〜溶媒の沸騰点付近の範囲である。より典型的には、温度は、例えばテトラヒドロフランについては約68℃で、還流が可能なほど十分に高温である。
【0028】
エポキシド化合物
構造式(IV)で表されるエポキシド化合物は、構造式(V)で表される2−メチル−3−プロペニル中間体のプロペニル基をエポキシ化試薬で酸化させることにより調製する。2−メチル−3−プロペニル中間体は、オキサジノン化合物であり、これは、先の段落で記載した方法(例えば、式(II)の化合物と式(III)の化合物との反応)を使用して調製することができる。適切なエポキシ化試薬には、非限定的に、過酸化物(例えば、過酸化水素、t−ブチルヒドロペルオキシド)、ペルオキシカルボン酸(例えば、3−クロロ過安息香酸(MCPBA)、過酢酸、ペルトリフルオロ酢酸)、ビス(モノペルオキシフタル酸)マグネシウム六水和物、モノペルオキシ硫酸カリウム(場合により、1,2:4,5−ジ−O−イソプロピリデン−β−D−エリトロ−2,3−ヘキソジウロ−2,6−ピラノースの存在下で)、ジメチルジオキシラン等を含む。典型的には、エポキシ化試薬は、ペルオキシカルボン酸であり、そして最も典型的には、それは3−クロロ過安息香酸である。2−メチル−3−プロペニル中間体に対して、典型的には約1〜約10当量、より典型的には約1〜約6当量、そして最も典型的には約1〜約2当量のエポキシ化試薬が使用される。典型的には反応は、2−メチル−3−プロペニル中間体の約0.01M〜5Mの間の濃度で非プロトン性、非求核溶媒中で実施される。しかし、2−メチル−3−プロペニル中間体の濃度は、より典型的には約0.05M〜2Mの間である。適切な溶媒には、非限定的に、ハロゲン系溶媒(例えば、クロロホルム、ジクロロメタン及び1,2−ジクロロエタン)、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、又はヘキサメチルリン酸トリアミド、ならびにエーテル系溶媒(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)及び1,4−ジオキサンなど)を含む。典型的には、溶媒はハロゲン系溶媒である。より典型的には、溶媒は、ジクロロメタン又は1,2−ジクロロエタンである。最も典型的には、溶媒はジクロロメタンである。適切な反応温度は、一般的に約0℃〜使用する溶媒の沸騰点付近の範囲である。最も典型的には、反応は周囲温度で実施される。
【0029】
第三級アルコールオキサジノン化合物
構造式(VI)で表される第三級アルコールオキサジノン化合物は、構造式(IV)で表されるエポキシド化合物のエポキシド基の還元剤での還元により調製する。適切な還元剤には、非限定的に、水素化物の還元剤、例えば、水素化トリエチルホウ素リチウム、LiAlH、LiBH、水素化トリ−t−ブトキシアルミニウムリチウム(トリエチルボラン存在下)、水素化トリ−sec−ブチルホウ素カリウム、又は水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム等を含む。他の適切な還元剤には、非限定的に、BH.EtN−LiClO、リチウムジ−tert−ブチルビフェニル、又はパラジウム担持炭存在下での水素若しくはギ酸ナトリウムを含む。最も典型的には、還元剤は、水素化トリエチルホウ素リチウム(Super Hydride)である。典型的には、エポキシド化合物に対して約1〜約10当量、より典型的には約1〜約6当量、そして最も典型的には約1〜約2当量の還元剤が使用される。典型的には、反応は、エポキシド化合物の約0.01M〜5Mの濃度で無水非プロトン性、非求核溶媒中で実施される。しかし、エポキシド化合物の濃度は、より典型的には、約0.05M〜2Mである。適切な溶媒には、非限定的に、エーテル系溶媒(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、tert−ブチル−メチルエーテル及び1,4−ジオキサン等)、及び非エーテル系溶媒(ジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシド等)を含む。典型的には、溶媒は、エーテル系溶媒である。最も典型的には、溶媒は、無水テトラヒドロフランである。適切な反応温度は、一般的に約0℃〜周囲温度付近の範囲である。
【0030】
先の3つの段落に記載されている、構造式(I)で表されるオキサジノン化合物、構造式(IV)で表されるエポキシド化合物及び構造式(VI)で表される第三級アルコールオキサジノン化合物の調製方法、ならびに構造式(I)、(IV)、(V)、(VI)及び(VII)で表される化合物に関しては、以下の好ましい実施態様に従って更に記載することができる。R及びXは、オキサジノン化合物の調製の場合のみ言及することに留意されたい。
【0031】
第1の好ましい実施態様において、Cy、Cy、R、R及びXは、構造式(I)〜(VI)と同義であり(発明の概要を参照)、そしてRは、存在しないか、又は(C−C)アルキルであり;Aは、結合、CH、又はCHCHであるか、或いはRが存在する場合、CHであり;Aは、結合、O、OCHCO又はCHであり;Xは、Cl、Br、I又は−OSOR(ここで、Rは、場合により、1個以上のFで置換されている(C−C)アルキルである)、又はフェニル(場合により、ハロゲン、(C−C)アルキル又はNOで置換されている)であり;そしてEは、結合又は(C−C)アルキレンである。
【0032】
第2の好ましい実施態様において、R、R、R、X及びEは、第1の好ましい実施態様と同義であり、そしてAは、結合、又はRが存在する場合、CHであり;Aは、結合であり;Cyは、水素であり;Cyは、フェニル(Cl、Br、I又はOSOCFで置換されており、そして場合により、1個以上の更なる置換基で置換されている)である。
【0033】
第3の好ましい実施態様において、A、Cy、R、R、R、X及びEは、第2の好ましい実施態様と同義であり、そしてAは、−CHであり、Rは、存在しており、そしてCyは、下記構造式:
【0034】
【化8】


[式中、Zは、Cl、Br、I、OSOCF、OSOMe、又はOSOMeであり、rは、0、1、2又は3であり;そして各Gは、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、ハロゲン、シアノ及びニトロからなる群より独立に選択される]により表される。
【0035】
第4の好ましい実施態様において、A、A、Cy、Cy、R、R、X、E、r、G及びZは、第3の好ましい実施態様と同義であり、そしてRは、メチル又はエチルである。
【0036】
第5の好ましい実施態様において、A、A、Cy、Cy、R、X、E、r、G及びZは、第4の好ましい実施態様と同義であり、そしてRは、フェニル、チエニル、又はピリジル(各々、場合により、ハロゲン、ニトロ、シアノ、(C−C)アルキル,保護ヒドロキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、保護CONH、保護カルボン酸及びSOMeで置換されている)であり;そしてオキサジノン化合物の調製に関して、Rは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ビニル、アリル、2−メチル−3−プロペニル、又はエトキシエチル(各々、場合により、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、保護ヒドロキシ(C−C)アルキル、シアノ(C−C)アルキル、保護(C−C)アルキルアミノ、ジ(C−C)アルキルアミノ、ハロゲン、シアノ、オキソ、ニトロ、保護ヒドロキシ、保護アミノ、MeSO−、MeSON(Me)(C−C)アルキル、保護MeSONH(C−C)アルキル、保護HNC(=O)CMe(C−C)アルキル、保護HNC(=O)CHMe(C−C)アルキル、及び保護HNC(=O)CH(C−C)アルキルから独立に選択される2個以下の基で置換されている)である。
【0037】
第6の好ましい実施態様において、A、A、Cy、Cy、R、R、X、E、r、G及びZは、第5の好ましい実施態様と同義であり、そしてオキサジノン化合物の調製に関して、Rは、ビニル、アリル、2−メチル−3−プロペニル、MeSONHCHCHCH、保護HNC(=O)CHCH、保護HNC(=O)CMeCH、2−シアノ−2−メチルプロピル、2−オキソプロピル、又は(C−C)アルコキシカルボニルメチルである。
【0038】
第7の好ましい実施態様において、A、A、Cy、Cy、R、R、X、E、r、G及びZは、第6の好ましい実施態様と同義であり、そしてRは、フェニル(場合により、ハロ、シアノ、保護CONH、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ及びSOMeから選択される1、2又は3個の置換基で置換されている)である。
【0039】
第8の好ましい実施態様において、A、A、Cy、Cy、R、R、X、E、r、G及びZは、第7の好ましい実施態様と同義であり、そしてオキサジノン化合物の調製に関して、Rは、アリル、2−メチル−3−プロペニル、保護HNC(=O)CMeCH又は2−シアノ−2−メチルプロピルである。
【0040】
第9の好ましい実施態様において、A、A、Cy、Cy、R、R、X、E、r、G及びZは、第7の好ましい実施態様と同義であり、そしてオキサジノン化合物の調製に関して、Rは、2−メチル−3−プロペニル又は2−シアノ−2−メチルプロピルである。
【0041】
第10の好ましい実施態様において、A、A、Cy、Cy、R、R、X、E、r、G及びZは、第9の好ましい実施態様と同義であり、そしてRは、フェニル又はフルオロフェニルである。
【0042】
第11の好ましい実施態様において、A、A、R、R、R、X及びEは、第1の好ましい実施態様と同義であり、そしてCyは、フェニル、シクロプロピル、シクロヘキシル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼパニル、ピリジル、チアゾリル、ピリミジニル(各々、場合により、1〜4個の基で置換されている)であり;そしてCyは、フェニル、チエニル、ピリジル、シクロプロピル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピラゾリル、S,S−ジオキソチアジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、オキソジヒドロピリジル、オキソジヒドロピリダジニル、オキソジヒドロピリミジニル、及びオキソジヒドロピラジニル(各々場合により、1〜4個の基で置換されている)であり;ここで、Cy及びCyの環炭素原子の置換基は、ハロゲン、シアノ、オキソ、ニトロ、保護ヒドロキシ、保護アミノ、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシカルボニル、ベンゾオキシカルボニル、保護CONH、保護(C−C)アルキルアミノカルボニル、ジ(C−C)アルキルアミノカルボニル、保護(C−C)シクロアルキルアミノカルボニル、{(C−C)アルキル}{(C−C)シクロアルキル}アミノカルボニル、及び保護(C−C)アルキルカルボニルアミノから独立に選択され、ここでCy中の置換可能な環窒素原子の適切な置換基は、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシカルボニル、(C−C)アルキルカルボニル及びベンジルオキシカルボニルからなる群より選択される。オキサジノン化合物の調製方法に関して、Cyの各置換可能な環窒素原子は、存在する場合、Aに結合しているか、保護されているか、又は置換されているかのいずれかである。
【0043】
第12の好ましい実施態様において、A、A、Cy、Cy、R、R、X及びEは、第11の好ましい実施態様と同義であり、そしてRは、メチル又はエチルである。
【0044】
第13の好ましい実施態様において、A、A、Cy、Cy、R、X及びEは、第12の好ましい実施態様と同義であり、そしてRは、フェニル、チエニル、又はピリジル(各々、場合により、ハロゲン、ニトロ、シアノ、(C−C)アルキル、保護ヒドロキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、保護CONH、保護カルボン酸及びSOMeで置換されている)であり;そしてオキサジノン化合物の調製に関して、Rは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ビニル、アリル、2−メチル−3−プロペニル、又はエトキシエチル(各々、場合により、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、保護ヒドロキシ(C−C)アルキル、シアノ(C−C)アルキル、保護(C−C)アルキルアミノ、ジ(C−C)アルキルアミノ、ハロゲン、シアノ、オキソ、ニトロ、保護ヒドロキシ、保護アミノ、MeSO−、MeSON(Me)(C−C)アルキル、保護MeSONH(C−C)アルキル、保護HNC(=O)CMe(C−C)アルキル、保護HNC(=O)CHMe(C−C)アルキル、及び保護HNC(=O)CH(C−C)アルキルから独立に選択される2個以下の基で置換されている)である。
【0045】
第14の好ましい実施態様において、A、A、Cy、R、R、R、X及びEは、第13の好ましい実施態様と同義であり、そしてCyは、場合により置換されており、そしてベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、オキソジヒドロピリジル、オキソジヒドロピリダジニル、オキソジヒドロピリミジニル、オキソジヒドロピラジニル、ピペリジニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラゾリル、チアゾリル及びチアジアゾリルからなる群より選択される。
【0046】
第15の好ましい実施態様において、A、A、Cy、Cy、R、R、X及びEは、第14の好ましい実施態様と同義であり、そしてオキサジノン化合物の調製に関して、Rは、ビニル、アリル、3−プロペニル−2−メチル、MeSONHCHCHCH、保護HNC(=O)CHCH、保護HNC(=O)CMeCH、2−シアノ−2−メチルプロピル、2−オキソプロピル、又は(C−C)アルコキシカルボニルメチルである。
【0047】
第16の好ましい実施態様において、A、A、Cy、Cy、R、R、X及びEは、第15の好ましい実施態様と同義であり、そしてRは、フェニル(場合により、ハロ、シアノ、保護CONH、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ及びSOMeから選択される1、2又は3個の置換基で置換されている)である。
【0048】
第17の好ましい実施態様において、A、A、Cy、Cy、R、R、X及びEは、第16の好ましい実施態様と同義であり、そしてオキサジノン化合物の調製に関して、Rは、アリル、3−プロペニル−2−メチル、保護HNC(=O)CMeCH又は2−シアノ−2−メチルプロピルである。
【0049】
第18の好ましい実施態様において、A、A、Cy、Cy、R、R、X及びEは、第17の好ましい実施態様と同義であり、そしてオキサジノン化合物の調製に関して、Rは、3−プロペニル−2−メチル、又は2−シアノ−2−メチルプロピルである。
【0050】
第19の好ましい実施態様において、A、A、Cy、Cy、R、R、X及びEは、第18の好ましい実施態様と同義であり、そしてRは、フェニル又はフルオロフェニルである。
【0051】
第20の好ましい実施態様において、A、A、Cy、Cy、R、R、R、X及びEは、第19の好ましい実施態様と同義であり、そしてCyにより表される基中の置換可能な環窒素原子の適切な置換基は、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシカルボニル及び(C−C)アルキルカルボニルからなる群より選択され;そしてCy中の置換可能な環炭素原子の適切な置換基は、フッ素、塩素、シアノ、保護ヒドロキシ、保護アミノ、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、保護CONH、保護(C−C)アルキルアミノカルボニル、ジ(C−C)アルキルアミノカルボニル、保護(C−C)シクロアルキルアミノカルボニル、{(C−C)アルキル}{(C−C)シクロアルキル}アミノカルボニル及び保護(C−C)アルキルカルボニルアミノからなる群より選択される。
【0052】
第21の好ましい実施態様において、オキサジノン化合物の調製に関して、A、A、Cy、Cy、R、R、X及びEは、上記の好ましい実施態様のいずれか一つと同義であり、そしてRは、2−メチル−3−プロペニルである。
【0053】
第22の好ましい実施態様において、オキサジノン化合物の調製に関して、A、A、Cy、Cy、R、R、X及びEは、上記の好ましい実施態様のいずれか一つと同義であり、そしてRは、3−プロペニルである。
【0054】
第23の好ましい実施態様において、A、A、Cy、R、R、X及びEは、上記の好ましい実施態様のいずれか一つと同義であり、そしてCyは、下記構造式:
【0055】
【化9】


[式中、G2aは、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル又は(C−C)ハロアルキルであり;G2bは、水素、フッ素、塩素、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)ハロアルコキシ、CONH、(C−C)アルキルアミノカルボニル、ジ(C−C)アルキルアミノカルボニル、又は(C−C)アルキルカルボニルアミノである]の一つで表わされる。
【0056】
本発明の他の実施態様は、本発明の方法を用いて調製される、エポキシド化合物及びその塩、ならびに2−メチル−3−プロペニル中間体及びその塩であり、特に上記の好ましい実施態様に対応するエポキシド化合物及び2−メチル−3−プロペニル中間体である。
【0057】
下記個々の化合物を、出発物質の適切な選択により調製することができる:
(S)−3−((S)−1−(4−(1,5−ジメチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−3−((S)−1−(4−(1,4−ジメチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−3−((S)−1−(4−(1,2−ジメチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−イル)フェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(1−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−イル)フェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−3−((S)−1−(4−(1,2−ジメチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−イル)フェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−3−((S)−1−(4−(1−(シクロプロピルメチル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−3−((S)−1−(4−(1−シクロプロピル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−3−((S)−1−(4−(1−シクロプロピル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)フェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
2−(4−((S)−1−((S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)ニコチノニトリル
(S)−3−((S)−1−(4−(1−(シクロプロピルメチル)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
N−エチル−5−(4−((S)−1−((S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)ピコリンアミド
5−(4−((S)−1−((S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)−N−メチルピコリンアミド
5−(4−((S)−1−((S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)−N,N−ジメチルピコリンアミド
(S)−3−((S)−1−(4−(1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−6−イル)フェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(2−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−イル)フェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−3−((S)−1−(4−(1,5,6−トリメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)フェニル)エチル)−1,3−オキサジナン−2−オン
2−(4−((S)−1−((S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)ニコチノニトリル
2−(4−((S)−1−((S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)イソニコチノニトリル
N−tert−ブチル−6−(4−((S)−1−((S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)ニコチンアミド
(S)−3−((S)−1−(4−(2−エトキシ−6−メチルピリジン−4−イル)フェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−3−((S)−1−(4−(1−エチル−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)フェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−3−((S)−1−(4−(6−エトキシ−5−メチルピリジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−3−((S)−1−(4−(1−エチル−5−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
N−シクロプロピル−6−(4−((S)−1−((S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)ニコチンアミド
(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(1−イソプロピル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(6−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−3−((S)−1−(4−(1−エチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(1−イソプロピル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)フェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(6−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
6−(4−((S)−1−((S)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)ピラジン−2−カルボキサミド
2−(4−((S)−1−((S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)−N,N−ジメチルチアゾール−5−カルボキサミド
(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(2−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)フェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−3−((S)−1−(4−(1−エチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)フェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−3−((S)−1−(4−(1,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)フェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
6−(4−((S)−1−((S)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)ピラジン−2−カルボニトリル
(S)−3−((S)−1−(4−(1−エチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−3−((S)−1−(4−(1,5−ジメチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)フェニル)エチル)−1,3−オキサジナン−2−オン
6−(4−((S)−1−((S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)−N,N−ジメチルニコチンアミド
(S)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(6−メチルピリダジン−3−イル)フェニル)エチル)−1,3−オキサジナン−2−オン
4−(4−((S)−1−((S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−3−イル)プロピル)フェニル)−2,6−ジメチルピリジン 1−オキシド
5−(4−((S)−1−((S)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)ピラジン−2−カルボニトリル
5−フルオロ−2−(4−((S)−1−((S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)ピリジン 1−オキシド
(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(5−メチルピラジン−2−イル)フェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(1−イソプロピル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
6−(4−((S)−1−((S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)−N−メチルニコチンアミド
(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(2−メチルピリミジン−5−イル)フェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)フェニル)プロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)プロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−3−((S)−1−(4−(1−エチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−3−((S)−1−(4−(1−エチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)プロピル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
6−(4−((S)−1−((S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)ニコチンアミド
(S)−3−((S)−1−(4−(5−フルオロピリジン−2−イル)フェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(2−メチルピリミジン−4−イル)フェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−3−((S)−1−(4−(ピリミジン−4−イル)フェニル)エチル)−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(6−メチルピリダジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−3−((S)−1−(4−(ピラジン−2−イル)フェニル)エチル)−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)フェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
6−(4−((S)−1−((S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)ニコチノニトリル
(S)−3−((S)−1−(4−(2,6−ジメチルピリジン−4−イル)フェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−3−((S)−1−(4−(2,6−ジメチルピリジン−4−イル)フェニル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−1,3−オキサジナン−2−オン
4−(4−((S)−1−((S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)−2,6−ジメチルピリジン 1−オキシド
6−(4−((S)−1−((S)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)ニコチノニトリル
4−(4−((S)−1−((S)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)−2,6−ジメチルピリジン 1−オキシド
4−(4−((S)−1−((S)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)−2−メチルピリジン 1−オキシド
(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(ピリジン−2−イル)フェニル)エチル)−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(6−メトキシピリジン−3−イル)フェニル)エチル)−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−3−((S)−1−(4−(ピリジン−2−イル)フェニル)エチル)−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(6−メトキシピリジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(2−メチルピリジン−4−イル)フェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(2−メチルピリジン−4−イル)フェニル)エチル)−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−((S)−1−(4−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)エチル)−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−3−((S)−1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
(S)−3−((S)−1−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−4−イル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−1,3−オキサジナン−2−オン。
【0058】
本明細書で使用するように「β−ハロアルコール化合物」は、構造式(II):
【0059】
【化10】


[式中、Xは、ハロゲンだけでなく、本明細書において記載されている任意の適切な脱離基を含む]で表される化合物を指す。
【0060】
適切な脱離基には、非限定的に、ハライド、アルキルスルホナート、トリフルオロメタンスルホナート(トリフラート)及びフェニルスルホナート(これらは、場合により、メチル、ハロゲン、ニトロ等で置換されている)、例えば、メタンスルホナート(メシラート)、p−トルエンスルホナート(トシラート)、p−ブロモベンゼンスルホナート(ブロシラート)、p−ニトロベンゼンスルホナート(ノシラート)等を含む。典型的には、脱離基は、Cl、Br、I又は−OSOR(ここで、Rは、場合により、1個以上のFで置換されている(C−C)アルキルである)、又はフェニル(場合により、ハロゲン、(C−C)アルキル又はNOで置換されている)である。最も典型的には、脱離基は、Cl、Br、I又は−OSORである。
【0061】
本明細書で使用する「ビアリール基」という用語は、場合により置換されているアリール又は場合により置換されているヘテロアリールが、別の場合により置換されているアリール又は場合により置換されているヘテロアリールに結合されている基(例えば、ビフェニル)を指す。
【0062】
本明細書で使用する「アルキル」という用語は、1〜10個の炭素原子を有する直鎖又は分岐の飽和ヒドロカルビル基を指し、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル等を含む。
【0063】
「シクロアルキル」という用語は、3〜10個の炭素原子を有する単環式、二環式又は三環式の飽和炭化水素環を意味し、例えば、シクロプロピル(c−Pr)、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、スピロ[4.4]ノナン、アダマンチル等を含む。
【0064】
「アリール」という用語は、フェニル基、ナフチル基、インダニル基又はテトラヒドロナフタレン基である、芳香族基を意味する。アリール基は、場合により、1〜4個の置換基で置換されている。例示的置換基は、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、COH、CONH、N−モノアルキル置換アミド及びN,N−ジアルキル置換アミドを含む。
【0065】
「ヘテロアリール」という用語は、N、O、及びSから選択される0〜4個のヘテロ原子を含有し、場合により、飽和環又は不飽和環に縮合してもよい、5員及び6員ヘテロ芳香族基を意味し、例えば、2−又は3−チエニル、2−又は3−フラニル、2−又は3−ピロリル、2−、3−、又は4−ピリジル、2−ピラジニル、2−、4−、又は5−ピリミジニル、3−又は4−ピリダジニル、1H−インドール−6−イル、1H−インドール−5−イル、1H−ベンゾイミダゾール−6−イル、1H−ベンゾイミダゾール−5−イル、2−、4−、5−、6−、7−又は8−キナゾリニル、2−、3−、5−、6−、7−又は8−キノキサリニル、2−、3−、4−、5−、6−、7−又は8−キノリニル、1−、3−、4−、5−、6−、7−又は8−イソキノリニル、2−、4−、又は5−チアゾリル、2−、3−、4−、又は5−ピラゾリル、2−、3−、4−、又は5−イミダゾリルである、ヘテロ芳香族基を含む。ヘテロアリールは、場合により置換されている。例示的置換基は、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、COH、CONH、N−モノアルキル置換アミド及びN,N−ジアルキル置換アミドを含むか、又はオキソによりN−オキシドを形成する。
【0066】
「ヘテロシクリル」という用語は、N、O、及びSから独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する、4員、5員、6員及び7員の飽和又は部分不飽和複素環を意味する。例示的ヘテロシクリルは、ピロリジン、ピロリジン−2−オン、1−メチルピロリジン−2−オン、ピペリジン、ピペリジン−2−オン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ピペラジン、1−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピペラジン、1,2−ジヒドロ−2−オキソピリジン、1,4−ジヒドロ−4−オキソピリジン、ピペラジン−2−オン、3,4,5,6−テトラヒドロ−4−オキソピリミジン、3,4−ジヒドロ−4−オキソピリミジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロチオピラン、イソオキサゾリジン、1,3−ジオキソラン、1,3−ジチオラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,3−ジチアン、1,4−ジチアン、オキサゾリジン−2−オン、イミダゾリジン−2−オン、イミダゾリジン−2,4−ジオン、テトラヒドロピリミジン−2(1H)−オン、モルホリン、N−メチルモルホリン、モルホリン−3−オン、1,3−オキサジナン−2−オン、チオモルホリン、チオモルホリン 1,1−ジオキシド、テトラヒドロ−1,2,5−チアオキサゾール 1,1−ジオキシド、テトラヒドロ−2H−1,2−チアジン 1,1−ジオキシド、テトラヒドロ−1,2,6−チアジアジン 1,1−ジオキシド、テトラヒドロ−1,2,5−チアジアゾール 1,1−ジオキシド、イソチアゾリジン 1,1−ジオキシド、6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル、6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−4−イル、5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル及び5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イルを含む。ヘテロシクリルは、場合により1〜4個の置換基で置換されていることができる。例示的置換基は、アルキル、ハロアルキル、ハロゲン及びオキソを含む。
【0067】
本明細書で使用する「アルコキシ基」(本明細書において「アルコキシ」としても言及する)という用語は、アルキル−O−基又はシクロアルキル−O−基を指し、ここで、好ましいアルキル基及びシクロアルキル基、ならびにそれらに関する任意の置換基は、上記のそれらである。アルコキシ基は、非置換であることができるか又は1個以上の置換基で置換されていることができる。
【0068】
本明細書で使用する「アルケニル基」(本明細書において「アルケニル」としても言及する)という用語は、1個以上の二重結合を含有する、直鎖又は分岐鎖のヒドロカルビル基を指す。典型的には、アルケニル基は、2〜12個の炭素原子(即ち、(C−C12)−アルケニル)を含む。適切なアルケニル基は、非限定的に、n−ブテニル、シクロオクテニル等を含む。アルケニル基は、非置換であることができるか又は1個以上の置換基で置換されていることができる。
【0069】
本明細書で使用する「アルキニル」基(本明細書において「アルキニル」としても言及する)という用語は、1個以上の三重結合を含む、直鎖又は分岐鎖のヒドロカルビル基を指す。アルキニル基の三重結合は、非共役であることもできるか又は別の不飽和基と共役していることもできる。適切なアルキニル基は、非限定的に、(C−C)−アルキニル基、例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、メチルプロピニル、4−メチル−1−ブチニル、4−プロピル−2−ペンチニル−、及び4−ブチル−2−ヘキシニルを含む。アルキニル基は、非置換であることができるか又は1個以上の置換基で置換されていることができる。
【0070】
本明細書で使用する「アルキレン基」(本明細書において「アルキレン」としても言及する)という用語は、−[CH−(ここで、zは、正の整数、好ましくは1〜8、より好ましくは1〜4である)で表される基を指す。
【0071】
「シクロアルキルアルキル」、「アルコキシアルキル」等という用語は、つまり、上記と同義の用語の組み合わせからなる用語は、それらの用語で言及されている基を含有する基を指す。例えば、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルとは、c〜d個の炭素原子を有するアルキル基に、共有結合的に結合しているa〜b個の炭素原子を有するアルコキシを含む基である。
【0072】
上記の基は非置換であることもできるし、又は場合により置換されていることもできる。適切な置換基は、本明細書に記載されている反応を実質的に妨げない置換基であり、即ち、実質的に収率を低下させない(例えば、低下率が50%を超えない)、又はかなりの量の副生成物形成を生じない(例えば、副生成物が理論的収率の少なくとも50%を表す)。しかし「妨害する」置換基であっても、この置換基をまず保護形に変換するのであれば、使用することができる。適切な保護基は、当技術分野において公知であり、そして例えば、Greene and Wuts, “Protective Groups in Organic Synthesis”, John Wiley & Sons (2007)に開示されている。
【0073】
上記基の適切な置換基は、例えば、特に断りのない限り、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、ヒドロキシ(C−C)アルキル、シアノ(C−C)アルキル、(C−C)アルキルアミノ、ジ(C−C)アルキルアミノ、ハロゲン、シアノ、オキソ、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、MeSO−、MeSON(Me)(C−C)アルキル、MeSONH(C−C)アルキル、HNC(=O)CMe(C−C)アルキル、HNC(=O)CHMe(C−C)アルキル、HNC(=O)CH(C−C)アルキル、−OR、−NR、−COOR、−CONR、−SOR(kは、0、1又は2である)を含み、ここで、各Rは、独立に、−H、アルキル基、シクロアルキル基、又は任意のアリール基である。
【0074】
開示される化合物又はその薬学的に許容しうる塩が、命名又は構造により描写されるとき、当然のことながら、この化合物又はその生理学的に許容しうる塩の溶媒和物又は水和物もまた含まれる。「溶媒和物」とは、溶媒分子が、結晶化の間に結晶格子中に取り込まれた、結晶形のことをいう。溶媒和物は、水、又はエタノール、イソプロパノール、DMSO、酢酸、エタノールアミン、及びEtOAcのような非水性溶媒を含んでもよい。水が結晶格子中に取り込まれた溶媒分子である、溶媒和物は、典型的には「水和物」と呼ばれる。水和物は、化学量論量の水和物、更には種々の量の水を含有する組成物を含む。
【0075】
特定の開示化合物は、種々の立体異性体形で存在してもよい。立体異性体は、その空間的配置のみが異なる化合物である。エナンチオマーは、最も一般的にはキラル中心として作用する不斉置換炭素原子を含有するために、鏡像が重ね合わせできない立体異性体の対である。「エナンチオマー」は、互いに鏡像であって、重ね合わせできない、一対の分子の一つを意味する。ジアステレオマーは、最も一般的には2個以上の不斉置換炭素原子を含有するため、鏡像として関連付けられない立体異性体である。構造式中の記号「*」は、キラル炭素中心の存在を表す。「R」及び「S」は、1個以上のキラル炭素原子の周りの置換基の立体配置を表す。よって「R」及び「S」は、1個以上のキラル炭素原子の周りの置換基の相対立体配置を意味する。
【0076】
本発明の化合物は、異性体特異的合成法又は異性体混合物からの分割のいずれかにより、個々の異性体として調製することができる。従来の分割法は、光学活性酸を用いる異性体対の各異性体の遊離塩基の塩形成(後に分別再結晶及び遊離塩基の再生が続く)、光学活性アミンを用いる異性体対の各異性体の酸の形の塩形成(後に分別再結晶及び遊離酸の再生が続く)、光学的に純粋な酸、アミン若しくはアルコールを用いる異性体対の異性体のそれぞれのエステル若しくはアミド形成(後にクロマトグラフィー分離及びキラル助剤の除去が続く)、又は種々の周知のクロマトグラフィー法を用いる出発物質若しくは最終生成物のいずれかの異性体混合物の分割を含む。
【0077】
開示化合物の立体化学が命名又は構造により描写されるとき、命名又は描写される立体異性体は、他の立体異性体に対して、少なくとも60%、70%、80%、90%、99%又は99.9%(重量)の純度である。単一エナンチオマーが命名又は構造により描写されるとき、命名又は描写されるエナンチオマーは、少なくとも60%、70%、80%、90%、99%又は99.9%(重量)の光学純度である。重量%光学純度は、[エナンチオマーの重量+その光学異性体の重量]に対するエナンチオマーの重量の比である。
【0078】
開示化合物が、立体化学を示すことなく命名又は構造により描写され、かつ化合物が少なくとも1個のキラル中心を有するとき、当然のことながら、この名称又は構造は、対応する光学異性体を含まない化合物の一方のエナンチオマー、化合物のラセミ混合物、及びその対応する光学異性体に対して一方のエナンチオマーが富んでいる混合物を包含する。
【0079】
開示化合物が、立体化学を示すことなく命名又は構造により描写され、かつ少なくとも2個のキラル中心を有するとき、この名称又は構造は、他のジアステレオマーを含まない1つのジアステレオマー、他のジアステレオマー対を含まない一対のジアステレオマー、ジアステレオマーの混合物、ジアステレオマー対の混合物、他のジアステレオマーに対して1つのジアステレオマーが富んでいるジアステレオマーの混合物、及び一対のジアステレオマーが他のジアステレオマー対に対して富んでいるジアステレオマー対の混合物を包含することが理解されるべきである。
【0080】
本発明の化合物は、薬学的に許容しうる塩の形で存在してもよい。医薬中での使用について、本発明の化合物の塩とは、非毒性の「薬学的に許容しうる塩」のことをいう。薬学的に許容しうる塩の形は、薬学的に許容しうる酸性/アニオン性又は塩基性/カチオン性塩を含む。
【0081】
薬学的に許容しうる塩基性/カチオン性の塩には、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ジエタノールアミン、n−メチル−D−グルカミン、L−リシン、L−アルギニン、アンモニウム、エタノールアミン、ピペラジン及びトリエタノールアミンの塩が含まれる。
【0082】
薬学的に許容しうる酸性/アニオン性の塩には、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重酒石酸塩、臭化物、エデト酸カルシウム、カンシレート、炭酸塩、塩化物、クエン酸塩、二塩化水素化物、エデト酸塩、イデシレート、エストレート、エシレート、フマル酸塩、グリセプテート、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニレート、ヘキシルレゾルシネート、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシレート、硫酸メチル、粘液酸塩、ナプシレート、硝酸塩、パモ酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロ酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシレート及びトリエチルヨード塩が含まれる。
【0083】
ヒドロキシル基−OHの保護基ならびにヒドロキシル基の保護及び脱保護に関する反応及び条件は、当技術分野において周知であり、例えば、Greene and Wuts, “Protective Groups in Organic Synthesis”, John Wiley & Sons (2007)、第2章及び及びそこに引用された文献に開示されている。例えば、保護基は、ヒドロキシル基をエーテルとして保護してもよい。かかる保護基には、非限定的に、メチル、メトキシメチル、メチルチオメチル、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル、ベンジルオキシメチル、p−メトキシベンジルオキシメチル、[3,4−ジメトキシベンジル)オキシ]メチル、p−ニトロベンジルオキシメチル、o−ニトロベンジルオキシメチル、[(R)−1−(2−ニトロフェニル)エトキシ]メチル、(4−メトキシフェノキシ)メチル、グアイアコルメチル、[(p−フェニルフェニル)オキシ]メチル、t−ブトキシメチル、4−ペンテニルオキシメチル、シロキシメチル、2−メトキシエトキシメチル、2−シアノエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチル、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル、メントキシメチル、O−ビス(2−アセトキシエトキシ)メチル、テトラヒドロピラニル、フルオラステトラヒドロピラニル、3−ブロモテトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1−メトキシシクロヘキシル、4−メトキシテトラヒドロピラニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル、S,S−ジオキシド、1−[(2−クロロ−4−メチル)フェニル]−4−メトキシピペリジン−4−イル、1−(2−フルオロフェニル)−4−メトキシピペリジン−4−イル、1−(4−クロロフェニル)−4−メトキシピペリジン−4−イル、1,4−ジオキサン−2−イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−7,8,8−トリメチル−4,7−メタノベンゾフラン−2−イル、1−エトキシエチル、1−(2−クロロエトキシ)エチル、2−ヒドロキシエチル、2−ブロモエチル、1−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]エチル、1−メチル−1−メトキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシ−2−フルオロエチル、1−メチル−1−フェノキシエチル、2,2,2−トリクロロエチル、1,1,−ジアニシル−2,2,2,−トリクロロエチル、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−フェニルイソプロピル、1−(2−シアノエトキシ)エチル、2−トリメチルシリルエチル、2−(ベンジルチオ)エチル、2−(フェニルセレニル)エチル、t−ブチル、シクロヘキシル、1−メチル−1’−シクロプロピルメチル、アリル、プレニル、シンナミル、2−フェナリル、プロパルギル、p−クロロフェニル、p−メトキシフェニル、p−ニトロフェニル、2,4−ジニトロフェニル、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル、ベンジル、p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、2,6−ジメトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、ペンタジエニルニトロベンジル、ペンタジエニルニトロピペロニル、ハロベンジル、2,6−ジクロロベンジル、2,4−ジクロロベンジル、2,6−ジフルオロベンジル、p−シアノベンジル、フルオラスベンジル、4−フルオラスアルコキシベンジル、トリメチルシリルキシリル、p−フェニルベンジル、2−フェニル−2−プロピル(クミル)、p−アシルアミノベンジル、p−アジドベンジル、4−アジド−3−クロロベンジル、2−トリフルオロメチルベンジル及び4−トリフルオロメチルベンジル、p−(メチルスルフィニル)ベンジル、p−シレタニルベンジル、4−アセトキシベンジル、4−(2−トリメチルシリル)エトキシメトキシベンジル、2−ナフチルメチル、2−ピコリル及び4−ピコリル、3−メチル−2−ピコリルN−オキシド、2−キノリニルメチル、6−メトキシ−2−(4−メチルフェニル)−4−キノリンメチル、1−ピレニルメチル、ジフェニルメチル、4−メトキシジフェニルメチル、4−フェニルジフェニルメチル、p,p’−ジニトロベンズヒドリル、5−ジベンゾスベリル、トリフェニルメチル、トリス(4−t−ブチルフェニル)メチル、α−ナフチルジフェニルメチル、p−メトキシフェニルジフェニルメチル、ジ(p−メトキシフェニル)フェニルメチル、トリ(p−メトキシフェニル)メチル、4−(4’−ブロモフェナシルオキシ)フェニルジフェニルメチル、4,4’,4”−トリス(4,5−ジクロロフタルイミドフェニル)メチル、4,4’,4”−トリス(レブリノイルオキシフェニル)メチル、4,4’,4”トリス(ベンゾイルオキシフェニル)メチル、4,4’−ジメトキシ−3”−[N−(イミダゾリルメチル)トリチル、4,4’−ジメトキシ−3”−[N−(イミダゾリルエチル)カルバモイル]トリチル、ビス(4−メトキシフェニル)−1’−ピレニルメチル、4−(17−テトラベンゾ[a,c,g,i]フルオレニルメチル)−4,4”−ジメトキシトリチル、9−アントリル,9−(9−フェニル)キサンテニル、9−フェニルチオキサンチル、9−(9−フェニル−10−オキソ)アントリル、1,3−ベンゾジチオラン−2−イル、4,5−ビス(エトキシカルボニル−[1,3]−ジオキソラン−2−イル、ベンゾイソチアゾリルS,S−ジオキシド、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、ジメチルイソプロピルシリル、ジエチルイソプロピルシリル、ジメチルテキシルシリル、2−ノルボルニルジメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、トリベンジルシリル、トリ−p−キシリルシリル、トリフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル、ジ−t−ブチルメチルシリル、ビス(t−ブチル)−1−ピレニルメトキシシリル、トリス(トリメチルシリル)シリル、シシル、(2−ヒドロキシスチリル)ジメチルシリル、(2−ヒドロキシスチリル)ジイソプロピルシリル、t−ブチルメトキシフェニルシリル、t−ブトキシジフェニルシリル、1,1,3,3−テトライソプロピル−3−[2−(トリフェニルメトキシ)エトキシ]ジシロキサン−1−イル、フルオラスシリルが挙げられる。或いは、適切な保護基によって、ヒドロキシル基を以下のエステルとして保護する:例えば、ギ酸エステル、ベンゾイルギ酸エステル、酢酸エステル、クロロ酢酸エステル、ジクロロ酢酸エステル、トリクロロ酢酸エステル、トリクロロアセトアミダート、トリフルオロ酢酸エステル、メトキシ酢酸エステル、トリフェニルメトキシ酢酸エステル、フェノキシ酢酸エステル、p−クロロフェノキシ酢酸エステル、フェニル酢酸エステル、p−P−フェニル酢酸エステル、ジフェニル酢酸エステル、3−フェニルプロピオン酸エステル、二本鎖型フルオラスプロパノイル(Bfp−OR)、4−ペンテン酸エステル、4−オキソペンタン酸エステル(レブリン酸エステル)、4,4−(エチレンジチオ)ペンタン酸エステル、5−[3−ビス(4−メトキシフェニル)ヒドロキシメチルフェノキシ]レブリン酸エステル、ピバル酸エステル、1−アダマンタントエート、クロトン酸エステル、4−メトキシクロトン酸エステル、安息香酸エステル、p−フェニル安息香酸エステル、2,4,6−トリメチル安息香酸エステル(メシトエート)、4−ブロモ安息香酸エステル、2,5−ジフルオロ安息香酸エステル、p−ニトロ安息香酸エステル、ピコリン酸エステル、ニコチン酸エステル、2−(アジドメチル)安息香酸エステル、4−アジド酪酸エステル、(2−アジドメチル)フェニル酢酸エステル、2−{[(トリチルチオ)オキシ]メチル}安息香酸エステル、2−{[(4−メトキシトリチルチオ)オキシ]メチル}安息香酸エステル、2−{[メチル(トリチルチオ)アミノ]メチル}安息香酸エステル、2{{[4−メトキシトリチル)チオ]メチルアミノ}−メチル}安息香酸エステル、2−(アリルオキシ)フェニル酢酸エステル、2−(プレニルオキシメチル)安息香酸エステル、6−(レブリニルオキシメチル)−3−メトキシ−2−ニトロ安息香酸エステル及び6−(レブリニルオキシメチル)−3−メトキシ−4−ニトロ安息香酸エステル、4−ベンジルオキシ酪酸エステル、4−トリアルキルシロキシ酪酸エステル、4−アセトキシ−2,2−ジメチル酪酸エステル、2,2−ジメチル−4−ペンテン酸エステル、2−ヨード安息香酸エステル、4−ニトロ−4−メチルペンタン酸エステル、o−(ジブロモメチル)安息香酸エステル、2−ホルミルベンゼンスルホン酸エステル、4−メチルチオメトキシ)酪酸エステル、2−メチルチオメトキシメチル)安息香酸エステル、2−(クロロアセトキシメチル)安息香酸エステル、2[(2−クロロアセトキシ)エチル]安息香酸エステル、2−[2−(ベンジルオキシ)エチル]安息香酸エステル、2−[2−(4−メトキシベンジルオキシ)エチル]安息香酸エステル、2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシ酢酸エステル、2,6−ジクロロ−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシ酢酸エステル、2,4−ビス(1,1−ジメチルプロピル)フェノキシ酢酸エステル、クロロジフェニル酢酸エステル、イソ酪酸エステル、モノスクシノエート(monosuccinoate)、(E)−2−メチル−2−ブテン酸エステル(チグロ酸エステル)、o−(メトキシカルボニル)安息香酸エステル、p−P−安息香酸エステル、α−ナフトエ酸エステル、硝酸エステル、アルキルN,N,N’,N’−テトラメチルホスホロジアミダート、2−クロロ安息香酸エステル;スルホン酸エステル、スルフェン酸エステル及びスルフィン酸エステルとして、例えば、硫酸エステル、アリルスルホン酸エステル、エタンスルホン酸エステル(メシレート)、ベンジルスルホン酸エステル、トシル酸エステル、2−[(4−ニトロフェニル)エチル]スルホン酸エステル、2−トリフルオロメチルスルホン酸エステル、4−モノメトキシトリチルスルフェン酸エステル、アルキル2,4−ジニトロフェニルスルフェン酸エステル、2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−3−オン−1−スルフィン酸エステル、ホウ酸エステル、ジメチルホスフィノチオイル;炭酸エステルとして、例えば、炭酸アルキルメチル、メトキシメチルカルボナート、9−フルオレニルメチルカルボナート、炭酸エチル、炭酸ブロモエチル、2−(メチルチオメトキシ)エチルカルボナート、2,2,2−トリクロロエチルカルボナート、1,1−ジメチル−2,2,2−トリクロロエチルカルボナート、2−(トリメチルシリル)エチルカルボナート、2−[ジメチル(2−ナフチルメチル)シリル]エチルカルボナート、2−(フェニルスルホニル)エチルカルボナート、2−(トリフェニルホスホニオ)エチルカルボナート、cis−[4−[[(−メトキシトリチル)スルフェニル]オキシ]テトラヒドロフラン−3−イル]オキシカルボナート、炭酸イソブチル、炭酸t−ブチル、炭酸ビニル、炭酸アリル、炭酸シンナミル、炭酸プロパルギル、炭酸p−クロロフェニル、炭酸p−ニトロフェニル、4−エトキシル−1−ナフチルカルボナート、6−ブロモ−7−ヒドロキシクマリン−4−イルメチルカルボナート、炭酸ベンジル、o−ニトロベンジルカルボナート、p−ニトロベンジルカルボナート、p−メトキシベンジルカルボナート、3,4−ジメトキシベンジルカルボナート、アントラキノン−2−イルメチルカルボナート、2−ダンシルエチルカルボナート、2−(4−ニトロフェニル)エチル、2−(2,4−ニトロフェニル)エチル、2−(2−ニトロフェニル)プロピル、2−(3,4−メチレンジオキシ−6−ニトロフェニルプロピル、2−シアノ−1−フェニルエチルカルボナート、2−(2−ピリジル)アミノ−1−フェニルエチルカルボナート、2−[N−メチル−N−(2−ピリジル)]アミノ−1−フェニルエチルカルボナート、炭酸フェナシル、3’,5’−ジメトキシベンゾインカルボナート、メチルジチオカルボナー
ト、S−ベンジルチオカルボナート;カルバミン酸エステル、例えば、ジメチルチオカルバメート、N−フェニルカルバメート及びN−メチル−N−(o−ニトロフェニル)カルバメート。
【0084】
カルボニル基の保護基ならびにカルボニル基の保護及び脱保護に関する反応及び条件は、当技術分野において周知であり、例えば、Greene and Wuts, “Protective Groups in Organic Synthesis”, John Wiley & Sons (2007)、第4章及びそこに引用された文献に開示されている。例えば、保護基は、カルボニル基をアセタール又はケタールとして保護してもよい。このようなアセタール及びケタールの例としては、非環状のアセタール及び非環状のケタール(例えば、ジメチル、ジイソプロピル、ビス(2,2,2−トリクロロエチル))、環状アセタール及び環状ケタール(例えば、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサパン等)、キラルアセタール及びキラルケタール(例えば、(4R、5R)−ジフェニル−1,3−ジオキソラン、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン、trans−1,2−シクロヘキサンジオールケタール等)、ジチオアセタール及びジチオケタール(例えば、S,S'−ジメチル、S,S’−ジエチル、S,S’−ジプロピル、1,3−ジチアン等)、ならびにモノチオアセタール及びモノチオケタールが挙げられる。
【0085】
カルボキシル基の保護基ならびにカルボキシル基の保護及び脱保護に関する反応及び条件は、当技術分野において周知であり、例えば、Greene and Wuts, “Protective Groups in Organic Synthesis”, John Wiley & Sons (2007)、第5章及びそこに引用された文献に開示されている。例えば、保護基は、カルボキシル基をエステルとして保護してもよい。これらのエステルとしては、非限定的に、置換メチルエステル(例えば、9−フルオレニルメチル、メトキシメチル、メトキシエトキシメチル等)、二置換エチルエステル(例えば、2,2,2−トリクロロエチル、2−ハロエチル、2−(トリメチルシリル)エチル等)、2,6−ジアルキルフェニルエステル(例えば、2,6−ジメチルフェニル、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル、ペンタフルオロフェニル等)、置換ベンジルエステル(例えば、トリフェニルメチル、ジフェニルメチル、9−アントリルメチル等)、シリルエステル(例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリル等)が挙げられる。或いは、例えば、保護基は、カルボキシル基を、アミド(例えば、N,N−ジメチル、ピロリジニル、ピペリジニル等)又はヒドラジド(例えば、N−フェニル)として保護してもよい。
【0086】
アミノ基の保護基ならびにアミノ基の保護及び脱保護に関する反応及び条件は、当技術分野において周知であり、例えば、Greene and Wuts, “Protective Groups in Organic Synthesis”, John Wiley & Sons (2007)、第7章及びそこに引用された文献に開示されている。例えば、保護基は、アミノ基を、カルバメート(例えば、9−フルオレニルメチル、2,2,2−トリクロロエチル、4−フェニルアセトキシベンジル、2−メチルチオエチル、m−ニトロフェニル等)又はアミド(例えば、ホルムアミド、アセトアミド、3−フェニルプロパンアミド)として保護してもよい。
【0087】
芳香族複素環(例えば、イミダゾール、ピロール及びインドール)の保護基、ならびに芳香族複素環の保護及び脱保護に関する反応及び条件は、当技術分野において周知であり、例えば、Greene and Wuts, “Protective Groups in Organic Synthesis”, John Wiley & Sons (2007)、第7章及びそこに引用された文献に開示されている。例えば、保護基は、芳香族複素環を、N−スルホニル誘導体(例えば、N,N−ジメチルスルホンアミド、メタンスルホンアミド、メシチレンスルホンアミド等)、カルバメート(例えば、ベンジル、2,2,2−トリクロロエチル、2−(トリメチルシリル)エチル等)、N−アルキル誘導体及びN−アリール誘導体、N−トリアルキルシリル誘導体、N−アリル誘導体、N−ベンジル誘導体、アミノアセタール誘導体又はアミドとして保護してもよい。
【0088】
アミド基の保護基ならびにアミド基の保護及び脱保護に関する反応及び条件は、当技術分野において周知であり、例えば、Greene and Wuts, “Protective Groups in Organic Synthesis”, John Wiley & Sons (2007)、第7章及びそこに引用された文献に開示されている。例えば、保護基は、アミド基を、N−メチルアミド、N−アリルアミド、N−t−ブチルアミド等として保護してもよい。
【0089】
スルホンアミド基の保護基ならびにスルホンアミド基の保護及び脱保護に関する反応及び条件は、当技術分野において周知であり、例えば、Greene and Wuts, “Protective Groups in Organic Synthesis”, John Wiley & Sons (2007)、第7章及びそこに引用された文献に開示されている。例えば、保護基は、スルホンアミド基を、N−t−ブチルスルホンアミド、N−ジフェニルメチルスルホンアミド、N−ベンジルスルホンアミド等として保護してもよい。本発明の実施態様の例については以下に記載する。
【0090】
以下の略語は、表示された意味を有する:
【0091】
【表1】





【0092】
例証
図1の化合物8の合成
図1は、11β−HSD1阻害剤として公知の特定の第三級アルコールオキサジノン化合物(化合物(8))の好ましい合成を示す。図1の化合物(3)〜(8)を、実施例1〜4に記載のように合成した。
【0093】
実施例1:
【0094】
【化11】

【0095】
1−クロロ−5−メチル−3−フェニル−ヘキサ−5−エン−3−オール(3)
THF1500ml中のマグネシウムの削りくず(46.7g、1.94mol)の撹拌した懸濁液(KF<100ppm)に、ヘキサン中の1M DIBAL−H 53.0ml を、窒素下、室温で入れた。次に内部温度を30℃未満に維持しながら、β−メチルアリル酸クロリド(160g、1.77mol)を入れた。得られた溶液を室温で2時間撹拌した。この溶液を1.1’−ビピリジンの存在下で滴定すると、対応するグリニャール(Grignard)試薬の0.8M を示した。無水CeCl 307.0g(1.25mol)を含有する乾燥フラスコに、室温で窒素下、グリニャール試薬1556.8ml(0.8M 、1.25mol)を加えた。得られたスラリーを−10℃に冷却し、0.5時間撹拌した。スラリーに、内部温度を0℃未満に維持しながら、THF 200ml中のケトン200g(1.19mol)を加えた。混合物を0.5時間撹拌した後、内部温度を30℃未満に維持しながら、1M HCl 1200mlを加えて、清澄な溶液を得た。相を取り出し、水層をEtOAc(500ml)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、粗生成物を生成して、それをTHFで追跡して、KF<500ppmを達成した。粗生成物(306g、83wt%、収率95%)を、続くカップリングに直接使用した。(3)の分析データ:1H-NMR 分光測定法 (500 MHz, CDCl3) δ 7.38-7.37 (d. J= 7.8 Hz, 2H), 7.33 (t, J= 7.9 Hz, 2H), 7.24 (t, J= 7.4 Hz, 1 H), 4.91 (s, 1H), 4.76 (s, 1H), 3.57 (ddd, J= 5.6, 10.7, and 10.7, 1H), 3.13 (ddd, J= 4.7, 10.7 and 10.7 Hz, 1H), 2.66 (d, J= 13.3 Hz, 1H), 2.54 (d, J= 11.3 Hz, 1H), 2.53 (s, 1H), 2.36 (ddd, J= 5.4, 10.6 and 13.9 Hz. 1H), 2.29 (ddd, J=5.6, 11.3 and 13.3 Hz, 1H), 1.29 (s, 3H)。13C-NMR 分光測定法 (125 MHz, CDCl3) δ 144.3, 141.4, 128.0, 126.6, 124.8, 116.1, 74.2, 51.2, 46.0, 39.9, 23.9。
【0096】
実施例2:
【0097】
【化12】

【0098】
1−ブロモ−4−((S)−1−イソシアナト−エチル)−ベンゼン(4)
10Lのジャケット付き反応器に、重炭酸ナトリウム241g(2.87mol、2.30当量)及び脱イオン水5Lを入れた。得られた溶液を、固体が溶解するまで(均質)、10〜20分間撹拌した。清澄な溶液に、(S)−(−)−1−(4−ブロモフェニル)エチルアミン250g(1.25mol、1.00当量)をジクロロメタン1.00Lの溶液として入れた。更なるジクロロメタン4Lを反応器に入れた。二相性溶液を撹拌し、Tint=2〜3℃に冷却した。トリホスゲン(126g、424mmol、0.340当量)を、約6分間隔でおよそ2等分にして反応器に入れた。トリホスゲンの添加の際、僅かな発熱が見られたことに留意されたい。得られた濁った溶液をTint=2〜5℃で30分間撹拌し、この時点でHPLC分析は、>99A%変換(220nm)を示した。ジクロロメタン層を取り出し、無水硫酸で乾燥させた。得られた溶液をセライトプラグに通し、約1.5Lになるまで濃縮し、これから微細な白色の固体粒子を生成した。溶液を濾過し、減圧により濃縮して濃厚な油状物を、生成物239g(93.7wt%、収率79.4%)として生成した。物質を更に精製しないで次のカップリングに使用した。(4)の分析データ:1H-NMR 分光測定法 (400 MHz, CD2Cl2) δ 7.53 (d, J= 11.4 Hz, 2 H), 7.26 (d, J= 8.2 Hz, 2 H), 4.80 (q, J= 6.7 Hz, 1H), 1.59 (d, J= 6.7 Hz, 3 H)。
【0099】
実施例3:
【0100】
【化13】

【0101】
(R)−3−[(S)−1−(4−ブロモ−フェニル)−エチル]−6−(2−メチル−アリル)−6−フェニル−ペルヒドロ−1,3−オキサジン−2−オン(6)
乾燥した10Lのジャケット付き反応器に、窒素雰囲気下、1−クロロ−5−メチル−3−フェニル−ヘキサ−5−エン−3−オール((3)、167g、81.7wt%、610mmol、1.00当量)、1−ブロモ−4−((S)−1−イソシアナト−エチル)−ベンゼン(4、219g、93.7wt%、911mmol、1.50当量)、無水テトラヒドロフラン(3.00L)、そして次に1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU、409ml、2.73mol、4.50当量)を入れた。得られた溶液を撹拌し、19時間還流(Tint=67〜69℃、Text=75℃)し、この時点でHPLC分析は、1−クロロ−5−メチル−3−フェニル−ヘキサ−5−エン−3−オール(3)の約1A%(220nm)が残っていることを示した。暗色溶液をTint=20〜25℃に冷却した。テトラヒドロフランの2リットルを蒸留により減圧下で除去した。残りの暗色溶液を、酢酸エチル4.0L及びヘキサン1.0Lで希釈した。得られた溶液を塩化水素の1.0M 水溶液4.0Lで洗浄(注:洗浄は、僅かに発熱性である)した。水溶液を取り出し、残りの有機溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、次に減圧により濃縮して油状物とした。得られた物質をフラッシュシリカクロマトグラフィー(5〜30%酢酸エチル/ヘキサン、シリカ1.74kg)に付して、物質137.8g(59wt%、所望のジアステレオマー(6)が多い、3.1:1ジアステレオマー比、収率32.3%)を生成した。物質を更に精製しないで次のエポキシ化に使用した。
【0102】
(R)−3−[(S)−1−(4−ブロモ−フェニル)−エチル]−6−(2−メチル−アリル)−6−フェニル−ペルヒドロ−1,3−オキサジン−2−オン(6)の分析データ: 1H-NMR 分光測定法 (500 MHz, CD2Cl2) δ 7.42-7.35 (m, 3 H), 7.33-7.31 (m, 2H), 7.25-7.23 (m, 2H), 6.80-6.74 (m, 2), 5.55 (q, J= 7.1 Hz, 1 H), 5.37-5.36 (m, 1H), 4.89 (s, 1H), 4.69 (s, 1H), 2.96-2.93 (m, 1H), 2.61 (dd, J= 13.8 and 26.4 Hz, 2 H), 2.37-2.25 (m, 3H), 1.68 (s, 3H), 1.50 (d, J= 7.1 Hz, 3 H). 13C-NMR 分光測定法 (125 MHz, CD2Cl2) δ 152.5, 141.5, 140.1, 138.3, 130.6, 128.1, 128.0, 126.9, 124.4, 120.2, 115.3, 82.4, 52.1, 50.1, 35.6, 29.8, 23.4, 14.5。
【0103】
(S)−3−[(S)−1−(4−ブロモ−フェニル)−エチル]−6−(2−メチル−アリル)−6−フェニル−ペルヒドロ−1,3−オキサジン−2−オン(5)の分析データ: 1H-NMR 分光測定法 (400 MHz, CD2Cl2) δ 7.50-7.48 (m, 2H), 7.43-7.39 (m, 2H), 7.35-7.32 (m, 3H), 7.20-7.18 (m, 2H), 5.60 (q, J= 7.1 Hz, 1H), 4.85 (s, 1H), 4.66 (s, 1H), 2.73-2.67 (m, 2H), 2.60 (dd, J= 13.9 and 19.4 Hz, 2H), 2.28 (dt, J= 3.3 and 13.7 Hz, 1H), 2.14-2.05 (m, 1H), 1.66 (s, 3H), 1.24 (d, J= 7.2 Hz, 3 H). 13C-NMR 分光測定法 (100 MHz, CD2Cl2) δ 153.4, 142.5, 141.0, 140.1, 131.8, 129.3, 128.9, 127.8, 125.3, 121.5, 116.3, 83.9, 53.2, 51.0, 36.6, 31.3, 24.3, 15.4。
【0104】
実施例4:
【0105】
【化14】

【0106】
(S)−3−[(S)−1−(4−ブロモ−フェニル)−エチル]−6−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル)−6−フェニル−ペルヒドロ−1,3−オキサジン−2−オン((8);BI00135541)。
1.0Lの2口丸底フラスコに、(R)−3−[(S)−1−(4−ブロモ−フェニル)−エチル]−6−(2−メチル−アリル)−6−フェニル−ペルヒドロ−1,3−オキサジン−2−オン((6)、135.8g、59wt%、3.1:1 dr、193mmol、1.00当量)、ジクロロメタン(700ml)、そして次に3−クロロ過安息香酸(MCPBA、70%、95.3g、386mmol、2.0当量)を入れた。得られた溶液を室温で(Tint=20〜25℃)1時間撹拌し、このHPLC分析は、>99A%(220nm)変換を示した。得られた溶液をメチルtert−ブチルエーテル(MTBE)700mlで希釈し、チオ硫酸ナトリウムの30wt%溶液 1×500ml及び飽和重炭酸ナトリウム水溶液 1×500mlで洗浄した。MCPBAのHPLCサンプルピークに対応する有機溶液のHPLC痕跡量のピークが<2.5A%(220nm)になるまで、洗浄手順を繰り返し、この実施例においては、洗浄手順を3回繰り返した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、次に減圧により濃縮して油状物とした。得られた物質を無水テトラヒドロフラン200mlで希釈し、次に減圧により濃縮して濃厚な油状物とし、(S)−3−[(S)−1−(4−ブロモ−フェニル)−エチル]−6−(2−メチル−オキシラニルメチル)−6−フェニル−ペルヒドロ−1,3−オキサジン−2−オン(7)を生成して、これを次の還元に直接使用した。
【0107】
オーブンで乾燥させた2.0Lの3口丸底フラスコに、粗(S)−3−[(S)−1−(4−ブロモ−フェニル)−エチル]−6−(2−メチル−オキシラニルメチル)−6−フェニル−ペルヒドロ−1,3−オキサジン−2−オン(7)及び無水テトラヒドロフラン750mlを入れた。得られた溶液を撹拌し、Tint=2〜3℃に冷却した。撹拌した清澄な溶液に、テトラヒドロフラン中の1.0M トリエチル水素化ホウ素リチウム(Super Hydride、348ml、348mmol、1.8当量)を入れた。添加は、発熱性で、Tint=<8℃に維持するように添加を制御した。得られた溶液をTint=2〜3℃で1.5時間撹拌し、次に2.5時間かけてTint=10〜13℃に温まるにまかせ、このHPLC分析は、約94A%(220nm)変換を示した。撹拌した溶液に、過酸化水素の溶液(水400mlで希釈した35wt%水溶液95.7ml、1.08mol、5.60当量)を加えた。添加は、非常に発熱性で、Tint=<25℃に維持して添加を制御した。得られた溶液を、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)1.00Lで希釈し、水1.00Lで、続いて約30wt%チオ硫酸ナトリウム溶液500mlで洗浄した。有機溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、次に減圧により濃縮した。得られた物質フラッシュシリカクロマトグラフィー(10〜60%酢酸エチル、シリカ600g)に付して、両ジアステレオマーからなる物質68g(1.98:1 dr(ジアステロマー比))及び所望のジアステレオマー41g(>99:1 dr)を生成した。混合画分からなる物質を酢酸イソプロピル250ml(IPAC)及びヘプタン200ml(反溶媒)から再結晶化し、濾過して、生成物31.3g(220nmで95.7A%、74:1 dr)を得た。2つのサンプルを合わせて、生成物72.3g(2工程操作により収率83.6%)を得た。(8)の分析データ:1H-NMR 分光測定法 (400 MHz, CDCl3) δ 7.37-7.29 (m, 5H), 7.25-7.21 (m, 2H), 6.82-6.79 (m, 2H), 5.61 (q, J= 6.9 Hz, 1H), 2.83 (ddd, J= 2.5, 5.4 and 11.6 Hz, 1H), 2.39 (ddd, J= 5.7, 12.0 and 14.1 Hz, 1H), 2.27 (ddd, J= 2.6, 4.8 and 14.0 Hz, 1H), 2.21-2.14 (m, 3H), 2.08 (s, 1H), 1.49 (d, J= 7.0 Hz, 3H), 1.18 (s, 3H), 1.13 (s, 3H)。13C-NMR 分光測定法 (100 MHz, CDCl3) δ 153.2, 142.6, 138.5, 131.6, 129.13, 129.10, 128.0, 125.3, 121.6, 84.2, 71.4, 54.1, 53.3, 36.4, 33.6, 32.1, 30.8, 15.6。
【0108】
オキサジノンの合成: β−ハロアルコールとイソシアナートの反応
実施例5:
6−アリル−6−(4−フルオロフェニル)−3−((S)−1−フェニルエチル)−1,3−オキサジナン−2−オン
【0109】
【化15】

【0110】
工程1. 1−クロロ−3−(4−フルオロフェニル)ヘキサ−5−エン−3−オール
1,1’−ビ−2−ナフトール(0.2280g、0.80mmol、0.26当量)、CHCl(5ml)及びチタン(IV)イソプロポキシド(0.2243g、0.79mmol、0.26当量)の溶液に、2−プロパノール(3.1620g、52.6mmol、17当量)、テトラアリルスタンナン(1.2538g、4.43mmol、1.43当量)、及び3−クロロ−1−(4−フルオロフェニル)プロパン−1−オン(0.5760g、3.09mmol、1.0当量)を連続して加えた。反応混合物を室温にて窒素下で22時間撹拌した。反応物を飽和NHCl水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層をNaSOで乾燥させた。溶媒を蒸発させた後、残留物を、ヘキサン/酢酸エチルで溶離するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、1−クロロ−3−(4−フルオロフェニル)ヘキサ−5−エン−3−オールを油状物として得た。
【0111】
工程2. 6−アリル−6−(4−フルオロフェニル)−3−((S)−1−フェニルエチル)−1,3−オキサジナン−2−オン
THF(2ml)中の1−クロロ−3−(4−フルオロフェニル)ヘキサ−5−エン−3−オール(0.0889g、0.39mmol、1.0当量)、(S)−(−)α−メチルベンジルイソシアナート(0.0823g、0.56mmol、1.44当量)、及びDBU(0.1397g、0.92mmol、2.36当量)の混合物を、17時間加熱還流した。溶媒を除去した後、残留物を、ヘキサン/酢酸エチルで溶離するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、生成物0.0990g(75%)をジアステレオマーの混合物として得た。選択した画分には個々のジアステレオマーが含まれていた。
【0112】
異性体1: (R)−6−アリル−6−(4−フルオロフェニル)−3−((S)−1−フェニルエチル)−1,3−オキサジナン−2−オン。LC−MS法1、t=1.89分、m/z=340(M+1)。1H NMR (CDCl3) 7.36-7.27 (m, 7H), 7.10-7.05 (m, 2H), 5.79-5.67 (m, 2H), 5.09-4.98 (m, 2H), 2.72-2.68 (m, 2H), 2.64-2.53 (m, 2H), 2.22-2.16 (m, 1H), 2.09-2.01 (m, 1H), 1.26 (d, J = 7.3 Hz, 3H)。
異性体2: (S)−6−アリル−6−(4−フルオロフェニル)−3−((S)−1−フェニルエチル)−1,3−オキサジナン−2−オン。LC−MS法1、t=1.86分、m/z=340(M+1)。1H NMR (CDCl3) 7.29-7.24 (m, 2H), 7.14-7.08 (m, 3H), 7.05-7.00 (m, 2H), 6.88-6.85 (m, 2H), 5.77-5.63 (m, 2H), 5.10-5.00 (m, 2H), 2.93-2.88 (m, 1H), 2.65-2.52 (m, 2H), 2.32-2.17 (m, 3H), 1.51 (d, J = 7.0 Hz, 3H)。
【0113】
実施例6:
6−アリル−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン
【0114】
【化16】

【0115】
工程1. 1−クロロ−3−(4−フルオロフェニル)ヘキサ−5−エン−3−オール
250mlのフラスコに、無水CeCl(5.58g、22.6mmol)及びTHF(40ml)を入れた。混合物を3.5時間室温で激しく撹拌した。次に懸濁液を−78℃に冷却し、アリルマグネシウムブロミド(THF中1.0M、21ml、21.0mmol)の溶液を加えた。−78℃で2時間撹拌した後、THF(30ml)中の3−クロロ−1−(4−フルオロフェニル)プロパン−1−オン(2.522g、13.5mmol)の溶液を、カニューレを介して加えた。反応混合物を、一晩(18時間)撹拌している間に8℃にゆっくりと温まるにまかせた。次に反応物を飽和NaHCO水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出し、NaSOで乾燥させた。溶媒を蒸発させた後、残留物を、ヘキサン/酢酸エチルで溶離するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、1−クロロ−3−(4−フルオロフェニル)ヘキサ−5−エン−3−オール(3.0049g、97%)を油状物として得た。LC−MS法1、t=1.79分、m/z 213、211(M−OH)1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.37-7.32 (m, 2H), 7.07-7.02 (m, 2H), 5.57-5.47 (m, 1H), 5.20-5.19 (m, 1H), 5.16 (m, 1H), 3.59-3.52 (m, 1H), 3.24-3.18 (m, 1H), 2.70 (dd, J = 13.8, 5.9 Hz, 1H), 2.50 (dd, J = 13.8, 8.5 Hz, 1H), 2.29 (t, J = 7.9 Hz, 2H), 2.22 (s, 1H); 19F NMR (376 MHz, CDCl3) δ -116.52 (m)。
【0116】
工程2. (R)−6−アリル−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン及び(S)−6−アリル−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン
THF(10ml)中の1−クロロ−3−(4−フルオロフェニル)ヘキサ−5−エン−3−オール(0.4129g、1.8mmol、1.0当量)、(S)−(−)−1−(4−ブロモフェニル)エチルイソシアネート(0.5005g、2.2mmol、1.2当量)、及びDBU(0.7375g、4.8mmol、2.7当量)の混合物を、25時間加熱還流した。混合物をEtOAcで希釈し、1N HCl水溶液で洗浄した。水相をEtOAc(2×)で抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させた。溶媒を蒸発させた後、粗生成物を更に精製しないで次の工程で直接使用した。
【0117】
分析用のサンプルを、ヘキサン/酢酸エチルで溶離するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、6−アリル−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オンの2個のジアステレオマーを得た。
【0118】
異性体1: (S)−6−アリル−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン。LC−MS法1、t=2.03分、m/z 420、418(MH); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ7.46 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.31-7.28 (m, 2H), 7.17 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.07 (t, J = 8.5 Hz, 2H), 5.76-5.66 (m, 2H), 5.10-4.99 (m, 2H), 2.75-2.52 (m, 4H), 2.23-2.19 (m, 1H), 2.08-2.00 (m, 1H), 1.24 (d, J = 7.0 Hz, 3H); 19F NMR (376 MHz, CDCl3) δ-115.07 (m)。
異性体2: (R)−6−アリル−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン。LC−MS法1、t=1.98分、m/z 420、418(MH); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.25-7.20 (m, 4H), 7.05-7.01 (m, 2H), 6.71 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 5.74-5.64 (m, 1H), 5.58 (q, J = 7.0 Hz, 1H), 5.09-4.99 (m, 2H), 2.92-2.87 (m, 1H), 2.63-2.50 (m, 2H), 2.33-2.16 (m, 3H), 1.47 (d, J = 7.0 Hz, 3H); 19F NMR (376 MHz, CDCl3) δ -114.91 (m)。
【0119】
実施例7:
6−メチル−6−フェニル−3−m−トリル−1,3−オキサジナン−2−オン
【0120】
【化17】

【0121】
工程1. 2−フェニルペンタ−4−エン−2−オール
乾燥THF(250ml)中のアセトフェノン(30g、0.25mol)の溶液に、1M アリルマグネシウムブロミド(1.25L、1.25mol)を−78℃で滴下した。添加が完了した後、混合物を室温で3時間撹拌した。反応物を飽和NHCl水溶液(30ml)でクエンチした。混合物をEtOAc(200ml)で抽出した。有機層をブライン(30ml)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮して、2−フェニルペンタ−4−エン−2−オール(40.2g)を得て、これを精製せずに次の工程で使用した。
【0122】
工程2. 3−フェニルブタン−1,3−ジオール
乾燥CHCl(1L)中の2−フェニルペンタ−4−エン−2−オール(74g、0.457mol)の溶液を、混合物が青色に変わるまで、−78℃にてオゾンで処理した。次に過剰量のオゾンを除去するために、システムを酸素でフラッシュした。NaBH(42.8g、1.143mol)を混合物に、−20℃で少量ずつ加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を水でクエンチし、層を分離させた。水層をCHCl(2×)で抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮して、3−フェニルブタン−1,3−ジオール(67.8g)を得て、これを精製せずに次の工程で使用した。
【0123】
工程3. 3−ヒドロキシ−3−フェニルブチル4−メチルベンゼンスルホナート
乾燥CHCl(500ml)中の3−フェニルブタン−1,3−ジオール(68g、0.41mol)の溶液に、乾燥CHCl(500ml)中のTsCl(78g、0.41mol)及びトリエチルアミン(71ml、0.45mol)の溶液を0℃で滴下した。混合物を一晩撹拌した。混合物を水に注ぎ、分離させた。水層をCHCl(200ml)で2回抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーにより精製して、3−ヒドロキシ−3−フェニルブチル4−メチルベンゼンスルホナート(62g、42%)を得た。 1H NMR (400MHz, CDCl3): δ=1.55 (s, 3H), 1.93 (w, 1H), 2.19-2.24 (q, 2H), 2.45 (s, 3H), 3.87-4.01(m, 1H), 4.09-4.16 (m, 1H), 7.19-7.34 (m, 7H), 7.68-7.76 (d, 2H)。
【0124】
工程4. 6−メチル−6−フェニル−3−m−トリル−1,3−オキサジナン−2−オン
CHCl(15ml)中の3−ヒドロキシ−3−フェニルブチル 4−メチルベンゼンスルホナート(1g、3.12mmol)及びDBU(1.4g、9.26mmol)の溶液に、CHCl(5ml)中の3−メチルフェニルイソシアナート(623mg、4.68mmol)の溶液を0℃で0.5時間かけて加えた。混合を室温で一晩撹拌した。混合物を濃縮して、粗生成物を得て、これをカラムクロマトグラフィーにより、次に分取HPLCにより精製して、6−メチル−6−フェニル−3−m−トリル−1,3−オキサジナン−2−オンを得た。LC−MS法2、t=2.706分、m/z=282。1H NMR (CDCl3) 1.75 (s, 3H), 2.30 (s, 3H), 2.35-2.50 (m, 2H), 3.30 (m, 1H),3.50 (m, 1H), 6.95 (m, 2H), 7.05 (m, 1H), 7.20-7.30 (m, 1H), 7.35 (m, 1H), 7.42-7.50 (m, 4H)。
【0125】
工程5. 6−メチル−6−フェニル−3−m−トリル−1,3−オキサジナン−2−オンのエナンチオマー
キラル分取SFC[ChiralPak-AD、400×25mm(内径)、20μm(Daicel Chemical Industries, Ltd)カラムを使用、35℃に維持、MeOH中の70:30の超臨界CO/0.1%ジエチルアミンで溶離、流速:70ml/分、ノズル圧:100bar]により、2個の異性体を得た。
【0126】
異性体1(90mg)から下記のスペクトルデータを得た: 1H NMR (400MHz, CDCl3): δ=1.62 (m, 1H), 1.76 (s, 3H), 2.31 (s, 3H), 2.48 (m, 2H), 3.28 (m, 1H), 3.50 (m, 1H), 6.95 (m, 1H), 7.04 (m, 1H), 7.23 (t, 1H), 7.35 (m, 1H), 7.44 (m, 4H);
異性体2(100mg)から下記のスペクトルデータを得た: (400MHz, CDCl3): δ=1.62 (m, 1H), 1.76 (s, 3H), 2.31 (s, 3H), 2.48 (m, 2H), 3.28 (m, 1H), 3.50 (m, 1H), 6.95 (m, 1H), 7.04 (m, 1H), 7.23 (t, 1H), 7.35 (m, 1H), 7.44 (m, 4H)。
【0127】
実施例8:
6−アリル−3−((S)−1−シクロヘキシルエチル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン
【0128】
【化18】

【0129】
1−クロロ−3−(4−フルオロフェニル)ヘキサ−5−エン−3−オール(126mg、0.55mmol)、(S)−(+)−1−シクロヘキシルエチルイソシアナート(160mg、1.44当量.)及びプロトンスポンジ(271mg、2.3当量)を、乾燥THF(5ml)に溶解し、3時間加熱還流した。次に混合物を0℃に冷却し、NaH(22mg、1.0当量)をゆっくりと加えた。5分後、混合物を一晩加熱還流した。LC−MSは、反応が完了したことを示した。混合物をEtOAc(50ml)で希釈し、1% HCl水溶液(2×15ml)、飽和NaHCO水溶液(10ml)及びブライン(10ml)で洗浄し、NaSOで乾燥させた。濾過及び濃縮した後、残留物を、ヘキサン中の10〜45%EtOAcの勾配で溶離する12gのシリカカートリッジのクロマトグラフィーにより精製して、2個の異性体生成物を得た。
【0130】
異性体1: (R)−6−アリル−3−((S)−1−シクロヘキシルエチル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン(57.5mg、30%)。LC−MS法1、t=2.05分、m/z=346。1H NMR (CDCl3) 7.29 (m, 2H), 7.02 (m, 2H), 5.70 (m, 1H), 5.05 (dd, 2H), 3.94 (m, 1H), 3.06 (m, 1H), 2.68-2.49 (m, 3H), 2.33 (m, 1H), 2.14 (m, 1H), 1.17 (d, 3H), 0.78 (m, 2H)。
異性体2: (S)−6−アリル−3−((S)−1−シクロヘキシルエチル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン(56mg、29%)。LC−MS法1、t=2.06分、m/z=346。1H NMR (CDCl3) 7.27 (m, 2H), 7.03 (t, 2H), 5.71 (m, 1H), 5.05 (dd, 2H), 3.95 (m, 1H), 2.92 (m, 1H), 2.72 (m, 1H), 2.57 (m, 2H), 2.22 (m, 2H), 1.49 (d, 1H), 1.32 (m, 1H), 0.86 (d, 3H)。
【0131】
実施例9:
6−(3−ヒドロキシプロピル)−6−フェニル−3−(2−フェニルシクロプロピル)−1,3−オキサジナン−2−オン
【0132】
【化19】

【0133】
工程1
乾燥トルエン(20ml)中の2−フェニルシクロプロパンカルボン酸(1.0g、6.17mmol)の溶液に、トリエチルアミン(934mg、9.26mmol)及びDPPA(2.0g、7.41mmol)をN下で加えて、反応混合物3時間を還流した。溶液を濃縮して、(2−イソシアナトシクロプロピル)ベンゼン(800mg)を得て、これを更に精製しないで次の工程で使用した。
【0134】
工程2
THF(15ml)中の(2−イソシアナトシクロプロピル)ベンゼン(800mg、5.03mmol)の溶液に、DBU(1.61g、10.48mmol)及び1−クロロ−3−フェニルヘキサ−5−エン−3−オール(880mg、4.19mmol)を加え、混合物を一晩還流した。溶液をEtOAcで希釈し、1N HCl(2×15ml)で洗浄した。水相をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物を得て、これを、分取TLCにより精製して、6−アリル−6−フェニル−3−(2−フェニルシクロプロピル)−1,3−オキサジナン−2−オン(100mg、6%)を得た。1H NMR (CDCl3): 1.05-1.21 (m, 3H), 1.36-1.42 (m, 1H), 2.13-2.34 (m, 1H), 2.39-2.61 (m, 2H), 2.92-3.15 (m, 1H), 3.76-4.01 (m, 1H), 4.95-5.10 (m, 2H), 5.42-5.73 (m, 1H), 6.95-6.99 (m, 1H), 7.10-7.24 (m, 10H)。
【0135】
工程3
乾燥THF(5ml)中の6−アリル−6−フェニル−3−(2−フェニルシクロプロピル)−1,3−オキサジナン−2−オン(200mg、0.60mmol)の溶液に、1M BH/THF(1.8ml、1.8mmol)を0℃でN下、滴下した。室温で2時間撹拌した後、反応混合物をに0℃に再び冷却し、水(0.1ml)、3M NaOH水溶液(0.1ml)、及び30% H(0.3ml)を順次加えた。混合物を室温で更に2時間撹拌した後、1N HCl水溶液(0.5ml)を加えた。混合物をEtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物を得て、これを分取TLCにより、続いて分取HPLCにより精製して、2個の異性体を得た。
【0136】
異性体1(20mg、9%):LC−MS法3、t=1.151分、m/z=352.2;1H NMR (CDCl3) 0.83 (m, 2H), 1.12 (m, 1H), 1.23 (m, 4H), 1.68 (m, 1H), 1.97 (m, 2H), 2.16 (m, 1H), 2.21 (m, 1H), 2.84 (m, 1H), 3.13 (m, 1H), 3.52 (m, 2H), 4.14 (m, 1H), 7.03 (m, 2H), 7.11 (m, 1H), 7.17 (m, 2H), 7.29 (m, 4H), 7.46-7.63 (m, 1H)。
異性体2(15mg、7%):LC−MS法3、t=1.149分、m/z=352.2;1H NMR (CDCl3) 0.85 (m, 2H), 1.11 (m, 1H), 1.26 (m, 3H), 1.67 (m, 2H), 1.96 (m, 2H), 2.18 (m, 1H), 2.27 (m, 1H), 2.83 (m, 1H), 3.13 (m, 1H), 3.52 (m, 2H), 4.15 (m, 1H), 7.02 (m, 2H), 7.11 (m, 1H), 7.15 (m, 2H), 7.26 (m, 3H), 7.29 (m, 2H), 7.46-7.63 (m, 1H)。
【0137】
実施例10:
(R)−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)プロピル)−6−(3−ヒドロキシプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
【0138】
【化20】

【0139】
工程1
塩化メチレン(50ml)と飽和NaHCO(50ml)の混合物中の(S)−1−フェニルプロパン−1−アミン(3.00g、14mmol)の溶液に、トリホスゲン(1.40g、4.60mmol)を0℃で加えた。混合物を15分間撹拌した。有機相を分離させ、乾燥させ、濃縮して、(S)−(1−イソシアナトプロピル)ベンゼン(3.0g、88%)を得た。1H NMR (CDCl3): δ=0.93 (q, 3H), 1.81 (m, 2H), 4.50 (m, 1H), 7.13 (m, 2H), 7.22 (m, 1H), 7.50 (m, 2H)。
【0140】
工程2
テトラヒドロフラン(20ml)中の(S)−(1−イソシアナトプロピル)ベンゼン(3.0g、12.5mmol)、1−クロロ−3−フェニルヘキサ−5−エン−3−オール(3.6g、12.5mmol)及びDBU(3.80g、25mmol)の混合物を、一晩加熱還流した。混合物を1N HClで洗浄し、EtOAcで抽出した。有機相を濃縮して、粗生成物を得て、これをカラムクロマトグラフィーにより精製して、(R)−6−アリル−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)プロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(1.0g、20%)を得た。 1H NMR (400MHz, CDCl3): δ=0.92 (t, 3H), 1.72-2.00 (m, 4H), 2.06-2.31 (m, 4H), 2.53 (m, 2H), 2.82 (m, 1H), 4.99 (m, 2H), 5.32 (m, 1H), 5.69 (m, 1H), 6.72 (m, 1H), 7.12 (m, 4H), 7.25 (m, 4H)。
【0141】
工程3
テトラヒドロフラン(10ml)中の(R)−6−アリル−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)プロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(100mg、0.242mmol)の溶液に、BH THF(3ml、lmol/L)を、0℃で窒素下、加えた。形成された混合物を2時間撹拌した。次に反応物を、水で、続いて3mol/L NaOH及びH(3ml)でクエンチした。5%HClで混合物のpHを<7に調整した。有機相を分離させ、EtOAcで抽出し、濃縮して、粗生成物を得て、これを分取HPLCにより精製して、(R)−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)プロピル)−6−(3−ヒドロキシプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(15mg、15%)を得た。LC−MS法3 t=1.36分、m/z=432、434; 1H NMR (CDCl3): δ=0.99 (t, 3H), 1.29 (m, 1H), 1.63 (m, 1H), 1.98 (m, 4H), 2.20-2.42 (m, 2H), 2.48 (m, 1H), 3.08 (m, 1H), 3.49 (m, 1H), 5.30 (m, 1H), 6.92 (m, 2H), 7.26 (m, 4H), 7.35 (m, 2H)。
【0142】
実施例11:
(R)−3−((R)−1−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−4−イル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシエチル)−1,3−オキサジナン−2−オン
【0143】
【化21】

【0144】
工程1
TFAA(134ml、948mmol)をCHCl(600ml)に溶解し、氷水浴中で冷却した。CHCl(200ml)中の(S)−1−フェニルプロパン−1−アミン(112.8g、930mmol)の溶液を滴下し、次に氷浴を取り外した。反応混合物を周囲温度で3時間撹拌した。次に上記混合物を氷浴中で冷却し、MsOH(160ml、2.5mol)を、続いてDBDMH(130g、454mmol)を滴下した。反応混合物を室温で一晩撹拌したままにし、次に水及びブラインでクエンチした。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、(R)−N−(1−(4−ブロモフェニル)エチル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(120g、44%)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR (CDCl3): 1.56 (m, 3H), 1.86 (m, 2H), 5.11 (m, 1H), 6.63 (m, 1H), 7.18 (m, 2H), 7.50 (m, 2H)。
【0145】
工程2
(R)−N−(1−(4−ブロモフェニル)エチル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(20g、68mmol)を、メタノール(200ml)に溶解し、氷−水浴中で冷却した。次にNaOH水溶液(2M、100ml)を上記混合物に加えた。反応混合物を周囲温度で一晩撹拌した。反応混合物を濃縮し、次にCHClと水に分配した。水層をCHClの添加により抽出し、合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、(R)−1−(4−ブロモフェニル)エタンアミン(9.8g、73%)を得た。1H NMR (DMSO): 1.19 (m, 3H), 3.92 (m, 1H), 7.28 (m, 2H), 7.42 (m, 2H)。
【0146】
工程3
CHCl(10ml)中の(S)−1−(4−ブロモフェニル)プロパン−1−アミン(5g、25mmol)の溶液に、飽和NaHCO水溶液(10ml)を、次にトリホスゲン(2.45g、8mmol)を0℃で加えた。次に反応混合物を15分間0℃で窒素下、撹拌した。反応混合物をCHClで2回抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、(R)−1−ブロモ−4−(1−イソシアナトエチル)ベンゼン(2.5g、44%)を得て、これを精製せずに次の工程で使用した。
【0147】
工程4
無水THF(40ml)中の(R)−1−ブロモ−4−(1−イソシアナトエチル)ベンゼン(2.5g、11mmol)の溶液に、1−クロロ−3−(4−フルオロフェニル)ヘキサ−5−エン−3−オール(1.69g、7mmol)及びDBU(5.68g、33mmol)を周囲温度で加え、反応混合物を一晩還流した。反応混合物を1N HCl水溶液及びEtOAcで抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残留物を得て、これをカラムクロマトグラフィーにより精製して、2個の異性体を得た。
【0148】
異性体1: (R)−6−アリル−3−((R)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン(334mg、7%)。 1H NMR (CD3OD): 1.50 (m, 3H), 2.16-2.38 (m, 2H), 2.46 (m, 1H), 2.60 (m, 2H), 3.10 (m, 1H), 5.05 (m, 2H), 5.48 (m, 1H), 5.66 (m, 1H), 6.82 (m, 2H), 7.08 (m, 2H), 7.26 (m, 4H)。
異性体2: (S)−6−アリル−3−((R)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン。
【0149】
工程5
乾燥CHCl(20ml)中の(R)−6−アリル−3−((R)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン(334mg、0.80mmol)の溶液を、反応混合物が青色に変わるまで、オゾンで−78℃にて処理した。次に混合物を、過剰量のオゾンを除去するために酸素でフラッシした。上記混合物に、NaBH(273mg、7mmol)を0℃で加え、反応混合物を周囲温度で窒素下、4時間撹拌した。反応混合物を水で洗浄し、次にCHClで2回抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残留物を得て、これを分取HPLCにより精製して、(S)−3−((R)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシエチル)−1,3−オキサジナン−2−オン(118mg、35%)を得た。1H NMR (CD3OD): 1.50 (m, 3H), 2.12 (m, 2H), 2.29 (m, 2H), 2.50 (m, 1H), 3.10 (m, 1H), 3.33 (m, 1H), 3.68 (m, 1H), 4.56 (m, 1H), 5.50 (m, 1H), 6.86 (m, 2H), 7.10 (m, 2H), 7.30 (m, 4H)。
【0150】
工程6
ジオキサン(8ml)中の(S)−3−((R)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシエチル)−1,3−オキサジナン−2−オン(109mg、0.26mmol)、2,4−ジフルオロフェニルボロン酸(49mg、0.31mmol)及びPd(PPh(30mg、0.03mmol)の溶液に、CsCO(2M、1ml)の溶液を0℃で加えた。次に反応混合物を窒素下、一晩還流した。反応混合物を水で洗浄し、次にCHClで2回抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残留物を得て、これを分取HPLCにより精製して、(S)−3−((R)−1−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−4−イル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシエチル)−1,3−オキサジナン−2−オン(49mg、42%)を得た。LC−MS法3 tR=1.41分、m/z=456; 1H NMR (CD3OD): 1.55 (m, 3H), 2.12 (m, 2H), 2.22-2.46 (m, 3H), 2.52 (m, 1H), 3.12 (m, 1H), 3.33 (m, 1H), 3.68 (m, 1H), 5.56 (m, 1H), 7.08 (m, 6H), 7.08 (m, 2H), 7.35 (m, 5H)。443-155-3。
【0151】
(R)−3−((R)−1−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−4−イル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシエチル)−1,3−オキサジナン−2−オンを、直前の工程5及び6に記載されている手順と同様の手順に従って、(S)−6−アリル−3−((R)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オンから調製した。LC−MS法3 t=1.47分、m/z=456;1H NMR (CD3OD) 1.35 (m, 3H), 2.18 (m, 2H), 2.40 (m, 1H), 2.51 (m, 1H), 2.82 (m, 2H), 3.33 (m, 1H), 3.71 (m, 1H), 4.22-4.48 (m, 1H), 5.62 (m, 1H), 7.03 (m, 2H), 7.18 (m, 2H), 7.38 (m, 4H), 7.50 (m, 3H)。
【0152】
実施例12:
(R)−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(3−ヒドロキシプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
【0153】
【化22】

【0154】
工程1
塩化メチレン(600ml)及び飽和NaHCO水溶液(600ml)中の(S)−1−(4−ブロモフェニル)エタンアミン(40g、0.2mol)の溶液に、トリホスゲン(27g、0.025mol)を0℃で加えた。混合物を15分間撹拌した。有機相を分離させ、乾燥させ、濃縮して、1−ブロモ−4−(1−イソシアナト−エチル)−ベンゼン(35g、未精製)を得た。
【0155】
工程2
THF(400ml)中の1−クロロ−3−フェニル−ヘキサ−5−エン−3−オール(27.5g、130mmol)、(S)−(−)−1−(4−ブロモフェニル)エチルイソシアナート(35g、160mmol)、及びDBU(80g、325mmol)の混合物を、25時間加熱還流した。混合物をEtOAcで希釈し、1N HCl水溶液で洗浄した。水相をEtOAc(3×)で抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させた。溶媒を蒸発させた後、粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、(R)−6−アリル−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(30g、収率45%)を得た。
【0156】
工程3
標記化合物を、実施例78に記載されている手順と同様の手順に従って、(R)−6−アリル−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オンから調製した。LC−MS法2 t=1.36分、m/z=440.1; 1H NMR (CDCl3) 1.26-1.39 (m, 1H), 1.42 (d, 3H), 1.58-1.71 (m, 1H), 1.85-1.95 (m, 2H), 2.11-2.45 (m, 3H), 2.79 (m, 1H), 3.52 (m, 2H), 5.54 (m, 1H), 6.67 (d, 2H), 7.12-7.31 (m, 7H)。
【0157】
鈴木合成法によるビアリール類の合成
実施例13:
3−(ビフェニル−3−イル)−6−メチル−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
【0158】
【化23】

【0159】
THF(2ml)中の3−(3−ブロモフェニル)−6−メチル−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(50mg、0.14mmol)及びフェニルボロン酸(35mg、0.29mmol)の溶液に、HO(2ml)中のNaHCO(31mg、0.29mmol)の溶液を、続いてPd(PPh)Cl(9mg、0.01mmol)を加えた。混合物を一晩還流した。混合物を濃縮し、粗生成物を得て、これをカラムクロマトグラフィーにより、続いて分取HPLCにより精製して、3−(ビフェニル−3−イル)−6−メチル−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(10mg、20%)を得た。1H NMR: (400MHz, CDCl3): δ 1.71 (s, 3H), 2.40 (m, 1H), 2.48 (m, 1H), 3.31 (m, 1H), 3.54 (m, 1H), 7.08 (m, 1H), 7.30 (m, 3H), 7.7.32-7.42 (m, 8H), 7.46 (m, 2H). LC-MS法3, tR = 1.362 min, m/z = 344。1H NMR (CDCl3) 1.75 (s, 3H), 2.32-2.43 (m, 1H), 2.50 (m, 1H), 3.20 (m, 1H), 3.52 (m, 1H), 7.10 (d, 1H), 7.25-7.45 (m, 11H), 7.50 (d, 2H)。
【0160】
実施例14:
6−アリル−3−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−3−イル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
【0161】
【化24】

【0162】
工程1. 6−アリル−3−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−3−イル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
1,4−ジオキサン(1.5ml)中の6−アリル−3−(3−ブロモフェニル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(50mg、0.134mmol)及び2,4−ジフルオロフェニルボロン酸(40mg、0.215mmol)、KCO(0.5ml、2M)の溶液に、Pd(PhCl(10mg、20%)を0℃でN下、ゆっくりと加えた。混合物を一晩還流した。混合物を濃縮し、粗生成物を得て、これをTLC及び分取HPLCにより精製して、6−アリル−3−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−3−イル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(10mg、18%)を得た。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ=2.40 (m, 2H), 2.55-2.72 (m, 2H), 3.26 (m, 1H), 3.47 (m, 1H), 5.05 (m, 2H), 5.76 (m, 1H), 6.76-6.90 (m, 2H), 7.04 (m, 1H), 7.28 (m, 4H), 7.36 (m, 2H)。
【0163】
実施例15:
6−(2−アミノエチル)−3−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−3−イル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
【0164】
【化25】

【0165】
工程1. 3−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−3−イル)−6−(2−ヒドロキシエチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
1,4−ジオキサン(3ml)中の3−(3−ブロモフェニル)−6−(2−ヒドロキシエチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(200mg、0.538mmol)、4−フルオロフェニルボロン酸(128mg、0.806mmol)、及びKCO水溶液(1ml、2M)の溶液に、Pd(PhCl(20mg、10%)を0℃でN下、ゆっくりと加えた。混合物を一晩還流した。混合物を濃縮して、粗生成物を得て、これをTLC及び分取HPLCにより精製して、3−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−3−イル)−6−(2−ヒドロキシエチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(200mg、91%)を得た。1H-NMR (400MHz, CDCl3): δ=2.12-2.35 (m, 2H), 2.51(m, 2H), 3.26 (m, 1H), 3.47-3.6 (m, 2H), 4.25 (m, 1H), 6.83 (m, 2H), 7.06 (m, 1H), 7.26-7.51 (m, 8H)。
【0166】
工程2. メタンスルホン酸2−(3−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−3−イル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−6−イル)エチル
乾燥CHCl(4ml)中の3−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−3−イル)−6−(2−ヒドロキシエチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(200mg、0.49mmol)の溶液に、EtN(0.234ml、1.46mmol)を0〜−5℃で加えた。乾燥CHCl(1ml)中のメタンスルホニルクロリド(67mg、0.59mmol)の溶液を、同じ温度で滴下した。添加の後、混合物を徐々に室温に温まるにまかせた。反応が完了した時、水(10ml)を加え、混合物をCHCl(3×10ml)で抽出した。合わせた有機層を、10%クエン酸水溶液、飽和NaHCO水溶液及びブラインで洗浄し、次にNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、メタンスルホン酸2−(3−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−3−イル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−6−イル)エチル(230mg、97%)を得て、これを精製せずに次の工程で使用した。
【0167】
工程3. 6−(2−アジドエチル)−3−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−3−イル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
無水DMF(5ml)中のメタンスルホン酸2−(3−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−3−イル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−6−イル)エチル(230mg、0.47mmol)の溶液に、NaN(92mg、1.42mmol)を加えた。反応混合物を70℃に一晩加熱した。反応混合物を室温に冷まし、EtOAc(30ml)及び水(20ml)で希釈した。有機相を水(3×20ml)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、蒸発させて、6−(2−アジドエチル)−3−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−3−イル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(100mg、49%)を得た。
【0168】
工程4. 3−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−3−イル)−6−(2−ヒドロキシエチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
20:1のTHF/HO(3ml)中の6−(2−アジドエチル)−3−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−3−イル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(100mg、0.23mmol)の溶液に、PPh(72mg、0.28mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、6−(2−アミノエチル)−3−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−3−イル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(30mg、31%)を得た。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ=2.20-2.51 (m, 2H), 2.51-2.60 (m, 2H), 2.72 (m, 1H), 3.00 (m, 1H), 3.24 (m, 1H), 3.53 (m, 1H), 6.85-6.99 (m, 2H), 7.14 (m, 1H), 7.31-7.50 (m, 8H)。
【0169】
実施例16:
6−アリル−3−((S)−1−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−4−イル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン
【0170】
【化26】

【0171】
工程1. 6−アリル−3−((S)−1−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−4−イル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン
THF(10ml)中の6−アリル−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン(0.3860g、0.92mmol、1.0当量)の溶液に、窒素雰囲気下、2,4−ジフルオロフェニルボロン酸(0.2708g、1.71mmol、1.86当量)、2M NaCO水溶液(8ml)、及び(PhP)PdCl(0.0308g、0.0438mmol、0.047当量)を加えた。混合物を2日間100℃で撹拌した。次にブラインを加え、混合物をEtO(3´)で抽出し、合わせたエーテル抽出物をNaSOで乾燥させた。溶媒を蒸発させた後、粗生成物を更に精製しないで次の工程で直接使用した。LC−MS t=2.13分、3分間のクロマトグラフィーにおいて2.17分、m/z 452(MH)。
【0172】
分析用サンプルをシリカゲルクロマトグラフィーにより分離させた。
異性体1: (S)−6−アリル−3−((S)−1−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−4−イル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン。LC−MS法1、t=2.17分、m/z=452。1H NMR (CDCl3) 7.47 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.42-7.30 (m, 5H), 7.08 (t, J = 8.2 Hz, 2H), 6.98-6.88 (m, 2H), 5.82-5.68 (m, 2H), 5.08 (d, J = 10.2 Hz, 1H), 5.02 (d, J = 17.0 Hz, 1H), 2.78-2.71 (m, 2H), 2.66-2.54 (m, 2H), 2.25-2.20 (m, 1H), 2.13-2.05 (m, 1H), 1.30 (d, J = 7.0 Hz, 3H)。
異性体2: (R)−6−アリル−3−((S)−1−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−4−イル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン。LC−MS法1、t=2.13分、m/z=452。1H NMR (CDCl3) 7.33-7.23 (m, 5H), 7.03 (t, J = 8.2 Hz, 2H), 6.96-6.86 (m, 4H), 5.77-5.67 (m, 2H), 5.10 (d, J = 10.3 Hz, 1H), 5.04 (d, J = 17.3 Hz, 1H), 2.99-2.94 (m, 1H), 2.66-2.54 (m, 2H), 2.41-2.34 (m, 1H), 2.30-2.17 (m, 2H), 1.55 (d, J = 7.0 Hz, 3H)。
【0173】
実施例17:
3−((S)−1−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−4−イル)プロピル)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシエチル)−1,3−オキサジナン−2−オン
【0174】
【化27】

【0175】
ジオキサン(5ml)中の(S)−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)プロピル)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシエチル)−1,3−オキサジナン−2−オン(60mg、0.14mmol)、2,4−ジフルオロフェニルボロン酸(26mg、0.17mmol)及びPd(PPh(16mg、0.01mmol)の溶液に、CsCO(2M、1ml)の溶液を0℃で加えた。次に反応混合物を、窒素下で一晩還流した。反応混合物を水で洗浄し、次にCHClで2回抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残留物を得て、これを分取HPLCにより精製して、(S)−3−((S)−1−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−4−イル)プロピル)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシエチル)−1,3−オキサジナン−2−オン(17mg、26%)を得た。1H NMR (CD3OD): 0.96 (m, 3H), 2.01 (m, 2H), 2.12 (m, 2H), 2.30 (m, 2H), 2.48 (m, 1H), 3.10 (m, 1H), 3.33 (m, 1H), 3.65 (m, 1H), 5.38 (m, 1H), 7.02 (m, 4H), 7.08 (m, 2H), 7.28 (m, 4H), 7.42 (m, 1H)。 443-114-3。
【0176】
(R)−3−((S)−1−(2’,4’−ジフルオロビフェニル−4−イル)プロピル)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシエチル)−1,3−オキサジナン−2−オンを、直前に記載の手順と同様の手順に従って、(R)−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)プロピル)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(2−ヒドロキシエチル)−1,3−オキサジナン−2−オンから調製した。 1H NMR (CD3OD): 0.62 (m, 3H), 1.76 (m, 1H), 1.92 (m, 1H), 2.12 (m, 3H), 2.56 (m, 1H), 2.78 (m, 1H), 2.89 (m, 1H), 3.33 (m, 1H), 3.71 (m, 1H), 5.38 (m, 1H), 7.05 (m, 2H), 7.16 (m, 2H), 7.44 (m, 7H)。
【0177】
実施例18:
(S)−3−((S)−1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)エチル)−6−(2−ヒドロキシエチル)−6−(チオフェン−2−イル)−1,3−オキサジナン−2−オン
【0178】
【化28】

【0179】
工程1
Pd(PPhCl(100mg)を、1,4−ジオキサン中の(R)−6−アリル−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(チオフェン−2−イル)−1,3−オキサジナン−2−オン(1.0g、2.5mmol)、4−フルオロフェニルボロン酸(420mg、3.0mmol)の溶液に加えた。CsCO(5ml)をゆっくりと加えた。混合物を2時間加熱還流した。混合物を水でクエンチし、分離させ、EtOAcで2回抽出し、無水NaSOで乾燥させ、濃縮して、残留物を得て、これをTLCにより精製して、(R)−6−アリル−3−((S)−1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)エチル)−6−(チオフェン−2−イル)−1,3−オキサジナン−2−オン(768mg、73%)を得た。
【0180】
工程2
(R)−6−アリル−3−((S)−1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)エチル)−6−(チオフェン−2−イル)−1,3−オキサジナン−2−オン(300mg、0.71mmol)の溶液に、KMnO(66mg、0.42mmol)及びNaIO(537mg、2.52mmol)の水溶液を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を濾過し、濃縮し、次にCHClで抽出した。有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、2−((S)−3−((S)−1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)エチル)−2−オキソ−6−(チオフェン−2−イル)−1,3−オキサジナン−6−イル)酢酸(218mg、70%)を得た。
【0181】
工程3
無水THF(10ml)中の2−((S)−3−((S)−1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)エチル)−2−オキソ−6−(チオフェン−2−イル)−1,3−オキサジナン−6−イル)酢酸(218mg、0.5mmol)の溶液を、BH(3.0ml)に0℃で加え、次に還流下で2時間撹拌した。次に反応混合物を水クエンチし、分離させ、EtOAcで2回抽出した。有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残留物を得て、これをTLCにより精製して、(S)−3−((S)−1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)エチル)−6−(2−ヒドロキシエチル)−6−(チオフェン−2−イル)−1,3−オキサジナン−2−オン(85mg、40%)を得た。LC−MS法3 t=1.35分、m/z=426、448;1H NMR (CD3OD): 1.50 (m, 3H), 2.15 (m, 2H), 2.30 (m, 1H), 2.40 (m, 1H), 2.60 (m, 1H), 3.15 (m, 1H), 3.45 (m, 1H), 3.70 (m, 1H), 5.60 (m, 1H), 6.90 (m, 1H), 7.00 (m, 1H), 7.10 (m, 4H), 7.35 (m, 3H), 7.55 (m, 2H)。
【0182】
(R)−3−((S)−1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)エチル)−6−(2−ヒドロキシエチル)−6−(チオフェン−2−イル)−1,3−オキサジナン−2−オンを、直前に記載の手順と同様の手順に従って調製した。LC−MS法3 t=1.4分、m/z=426、448; 1H NMR (CD3OD) 1.38 (d, 3H), 2.01 (m, 1H), 2.18 (m, 3H), 2.41 (m, 1H), 2.86 (m, 1H), 3.02 (m, 1H), 3.41 (m, 1H), 3.72 (m, 1H), 5.62 (m, 1H), 6.98 (m, 1H), 7.03 (m, 1H), 7.15 (m, 1H), 7.36 (m, 3H), 7.58 (m, 4H)。
【0183】
実施例19:
(R)−6−(3−ヒドロキシプロピル)−3−((S)−1−(4−(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
【0184】
【化29】

【0185】
工程1
1,4−ジオキサン(10ml)中の(R)−6−アリル−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(150mg、0.375mmol)及び6−アミノピリジン−3−イルボロン酸(56mg、0.45mmol)、Pd(PhP)Cl(15mg)、及びCsCO水溶液(0.5ml、2M)の混合物を、撹拌し、2時間加熱還流した。有機相を分離させ、濃縮して、粗生成物を得て、これを分取HPLCにより精製して、(R)−6−アリル−3−((S)−1−(4−(6−アミノピリジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(90mg、60%)を得た。
【0186】
工程2
テトラヒドロフラン(10ml)中の(R)−6−アリル−3−((S)−1−(4−(6−アミノピリジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(90mg、0.23mmol)の溶液に、BH THF(3.0ml、lmol/L、4mmol)を0℃で窒素雰囲気下、加えた。形成された混合物を2時間撹拌した。反応物を水でクエンチした。次にNaOH(2ml、3mol/L)及びH(1ml)を上記混合物に加えた。反応が終わった時、混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機相を濃縮し、粗生成物を得て、これを分取HPLCにより精製して、(R)−3−((S)−1−(4−(6−アミノピリジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−3−ヒドロキシプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(40mg、41%)を得た。
【0187】
工程3
(R)−3−((S)−1−(4−(6−アミノピリジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−(3−ヒドロキシプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(40mg、0.09mmol)を、3.5M HSO(10ml)に溶解し、2M NaNO(10ml)を0℃で加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌し、NaOH溶液で処理した。混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ濃縮して、残留物を得て、これを分取HPLCにより精製して、(R)−6−(3−ヒドロキシプロピル)−3−((S)−1−(4−(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)フェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(10mg、20%)を得た。LC−MS法2 t=1.66分、m/z=433、455;1H NMR (CDCl3): 1.36 (m, 2H), 1.50 (m, 3H), 1.68 (m, 2H), 1.92 (m, 2H), 2.10-2.30 (m, 3H), 2.84 (m, 1H), 3.50 (m, 2H), 5.12 (m, 1H), 6.62 (m, 1H), 6.86 (m, 2H), 7.08 (m, 2H), 7.18-7.32 (m, 5H), 7.46 (m, 1H), 7.62 (m, 1H)。
【0188】
実施例20:
(S)−3−((S)−1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
【0189】
【化30】

【0190】
工程1
1,4−ジオキサン(50ml)中の(R)−6−アリル−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(5.83g、15mmol)、4−フルオロフェニルボロン酸(3g、22mmol)、PdCl(PPh(1g、1.4mmol)、及びCsCO水溶液(2M、8.0ml)の混合物を、2時間加熱還流した。混合物を濾過し、濾液をEtOAc(3×)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮して、粗生成物を得て、これを分取TLCにより精製して、(R)−6−アリル−3−((S)−1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(5.3g、88%)を得た。
【0191】
工程2
アセトン(20ml)中の(R)−6−アリル−3−((S)−1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(3g、7.23mmol)の溶液に、HO(15ml)中のKMnO(685mg、4.34mmol)及びNaIO(5.6g、26mmol)の溶液を0℃で滴下した。混合物を4時間撹拌した。TLCが出発物質の消失を示した時、沈殿物を濾過により除去し、アセトンを減圧下で除去した。得られた混合物を、1M NaOH水溶液の添加によりpH=13に塩基性化し、次にエーテル(3×50ml)で洗浄した。水相を1N HCl水溶液の添加によりpH=1に酸性化し、CHCl(3×15ml)で抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、2−((S)−3−((S)−1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)エチル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−6−イル)酢酸(2.8g、90%)を得た。
【0192】
工程3
MeOH(15ml)中の2−((S)−3−((S)−1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)エチル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−6−イル)酢酸(1g、2.3mmol)の溶液に、塩化チオニル(408mg、3.5mmol)を、0℃でN雰囲気下、滴下した。一晩還流した後、混合物を濃縮して、粗生成物を得て、これをクロマトグラフィーにより精製して、2−((S)−3−((S)−1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)エチル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−6−イル)酢酸メチル(680mg、68%)を得た。
【0193】
工程4
下、−78℃で乾燥THF(5ml)中の2−((S)−3−((S)−1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)エチル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−6−イル)酢酸メチル(180mg、0.4mmol)の溶液に、メチルマグネシウムブロミド(1.5ml、3M、4.5mmol)を−78℃で滴下した。添加の後、混合物を室温で1時間撹拌した。次に反応物を水でクエンチし、混合物を酢酸エチルで3回(3×5ml)抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を分取HPLCにより精製して、(S)−3−((S)−1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(2.48mg、1%)を得た。1H NMR (CDCl3): 1.05 (s, 1H), 1.13 (s, 3H), 1.50 (d, 3H), 2.14-2.23 (m, 2H), 2.25-2.40 (m, 1H), 2.80 (m, 1H), 5.63 (m, 1H), 6.94 (m, 2H), 7.02 (m, 2H), 7.18-7.30 (m, 7H), 7.38 (m, 2H)。LC−MS法3 t=1.51分、m/z=448、470。
【0194】
実施例21:
5−(4−((S)−1−((R)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(3−ヒドロキシプロピル)−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)ニコチンアミド
【0195】
【化31】

【0196】
工程1
乾燥THF(15ml)中の(R)−6−アリル−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン(1g、2.4mmol)の溶液に、BH.THF(5ml、1M)を0℃で滴下した。室温で2時間撹拌した後、反応混合物を0℃に冷却し、水(1ml)、NaOH水溶液(0.5ml、3M)及びH(0.5ml、30%)を連続して加えた。混合物を室温で2〜3時間撹拌し、水(8ml)で希釈した。0.5N HClでpHを6〜7に調整した。層を分離させ、水相をEtOAc(3×10ml)で抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO水溶液(20ml)及びブライン(20ml)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を得て、これを分取TLCにより精製して、(R)−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(3−ヒドロキシプロピル)−1,3−オキサジナン−2−オン(400mg、38%)を得た。
【0197】
工程2
1,4−ジオキサン(6ml)中の(R)−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(3−ヒドロキシプロピル)−1,3−オキサジナン−2−オン(250mg、0.6mmol)、5−(メトキシカルボニル)ピリジン−3−イルボロン酸(163mg、0.9mmol)、PdCl(PPh(50mg、20%)及びCsCO水溶液(2M、2ml)の混合物を、100℃でN下、一晩加熱還流した。混合物を濾過し、濾液をEtOAcで3回抽出した。合わせた有機層ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮して、粗生成物を得て、これを分取HPLCにより精製して、5−(4−((S)−1−((R)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(3−ヒドロキシプロピル)−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)ニコチン酸メチル(220mg、未精製)を得た。
【0198】
工程3
5−(4−((S)−1−((R)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(3−ヒドロキシプロピル)−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)ニコチン酸メチル(30mg、0.1mmol)を、EtOH(5ml)中の無水NHに溶解した。次に混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で除去して、粗生成物を得て、これを分取HPLCにより精製して、5−(4−((S)−1−((R)−6−(4−フルオロフェニル)−6−(3−ヒドロキシプロピル)−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)ニコチンアミド(10mg、34%)を得た。LC−MS法2 t=1.022分、m/z=478;1H NMR (CD3OD): 1.31 (m, 1H), 1.56 (m, 3H), 1.59 (m, 1H), 1.91 (m, 2H), 2.17-2.28 (m, 1H), 2.33 (m, 1H), 2.44 (m, 1H), 3.14 (m, 1H), 3.44 (m, 2H), 5.60 (m, 1H), 7.04-7.17 (m, 4H), 7.29 (m, 2H), 7.49 (m, 2H), 8.41 (m, 1H), 8.86 (m, 1H), 8.97 (m, 1H)。
【0199】
実施例22
(S)−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
【0200】
【化32】

【0201】
工程1: (S)−1−ブロモ−4−(1−イソシアナトエチル)ベンゼン
塩化メチレン(3L)及び飽和NaHCO水溶液(3L)中の(S)−1−(4−ブロモフェニル)エタンアミン(240g、1.2mol)の溶液に、トリホスゲン(118g、0.396mol)を0℃で加えた。混合物を15分間撹拌した。有機相を分離させ、NaSOで乾燥させ、濃縮して、1−ブロモ−4−(1−イソシアナト−エチル)−ベンゼン(170g、63%)を得た。
【0202】
工程2: 1−クロロ−3−フェニルヘキサ−5−エン−3−オール
無水THF(1200ml)中の3−クロロ−1−フェニルプロパン−1−オン(170g、1.01mol)の溶液に、アリルマグネシウムブロミド(1.2L、1mol/L)を−78℃で窒素下、加えた。形成された混合物を−78℃で30分間撹拌した。反応物をNaHCO水溶液でクエンチした。有機相を分離させ、NaSOで乾燥させ、濃縮して、粗生成物を得て、これをカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=100:1)により精製して、1−クロロ−3−フェニルヘキサ−5−エン−3−オール(180g、86%)を得た。1H NMR (CDCl3): 2.27 (m, 2H), 2.51 (m, 1H), 2.74 (m, 1H), 3.22 (m, 1H), 3.58 (m, 1H), 5.16 (m, 2H), 5.53 (m, 1H), 7.23 (m, 1H), 7.39 (m, 4H)。
【0203】
工程3: (R)−6−アリル−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
THF(1700ml)中の1−クロロ−3−フェニル−ヘキサ−5−エン−3−オール(105g、0.050mmol)、(S)−(−)−1−(4−ブロモフェニル)エチルイソシアネート(170g、0.752mol)、及びDBU(228g、1.5mol)の混合物を、一晩加熱還流した。混合物をEtOAcで希釈し、1N HCl水溶液で洗浄した。水相をEtOAc(3×)で抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させた。溶媒を蒸発させた後、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=20:1〜5:1)により精製して、(R)−6−アリル−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(100g、34%)を得た。1H NMR (CDCl3): 1.39 (d, 3H), 2.14 (m, 1H), 2.24 (m, 2H), 2.48-2.61 (m, 3H), 2.82 (m, 2H), 5.01 (m, 2H), 5.52 (q, 1H), 5.73 (m, 1H), 6.62 (d, 2H), 7.12 (m, 2H), 7.28 (m, 2H)。
【0204】
工程4: (S)−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(2−オキソプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン及び3−((R)−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−6−イル)プロパナール
乾燥DMF(150ml)中の(R)−6−アリル−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(31g、78mmol)及びCuCl(19.3g、195mmol)の溶液に、HO(50ml)及びPdCl(4.10g、23mmol)を室温で加えた。添加の後、混合物を一晩酸素下で撹拌した。TLCが出発物質の消失を示した後、固体を濾別した。水(200ml)及びEtOAc(200ml)を加え、有機層を分離させ、水層をEtOAc(3×40ml)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残留物を得て、これをカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=5:1〜1:1)により精製して、(S)−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(2−オキソプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オンと3−((R)−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−6−イル)プロパナールの混合物(26g、81%)を得た。
【0205】
工程5: (S)−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(2−オキソプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
t−BuOH(250ml)及び2−メチル−2−ブテン(50ml)中の(S)−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(2−オキソプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オンと3−((R)−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−6−イル)プロパナールの混合物(20g、48.2mmol)に、HO(300ml)中のNaClO(19.3g、0.213mol)及びNaHPO(28g、0.179mol)の溶液を0℃で加えた。形成された混合物を0℃で1時間撹拌した。混合物を水(100ml)で処理し、CHClで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮すると残留物が残り、これをカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=5:1〜2.5:1)により精製して、(S)−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(2−オキソプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(10.0g、83%)を得た。1H NMR (CDCl3): 1.49 (d, 3H), 2.12 (s, 3H), 2.33 (m, 2H), 2.63 (m, 1H), 2.86-3.08 (m, 3H), 5.57 (q, 1H), 6.66 (d, 2H), 7.19 (m, 2H), 7.33 (m, 5H)。
【0206】
工程6: (S)−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン
無水THF(200ml)中の(S)−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(2−オキソプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(20g、46.4mmol)の溶液に、メチルマグネシウムブロミド(31ml、144mmol)を−78℃で窒素下、滴下した。次に混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物をNaHCO水溶液(50ml)で氷水浴下、クエンチした。有機層を分離させた。水層をEtOAc(150ml)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を得て、これをカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc=5:1〜2:1)により精製して、(S)−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(13g、65%)を得た。EtOHからの再結晶化の後、純粋な化合物4gを得た。1H NMR (CDCl3): 1.06 (s, 3H), 1.12 (s, 3H), 1.44 (d, 3H), 2.14 (m, 3H), 2.21 (m, 1H), 2.33 (m, 1H), 2.76 (m, 1H), 5.54 (q, 1H), 6.74 (d, 2H), 7.16 (d, 2H), 7.28 (m, 5H)。
【0207】
実施例23: リバース鈴木(逆向きの鈴木反応)
6−(4−{1−[6−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル)−2−オキソ−6−フェニル−[1,3]オキサジナン−3−イル]−エチル}−フェニル)−N−メチル−ニコチンアミド
【0208】
【化33】

【0209】
工程1
乾燥DMSO(20ml)中の(S)−3−((S)−1−(4−ブロモフェニル)エチル)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−1,3−オキサジナン−2−オン(6.6g、15.2mmol)及び4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(6.1g、24.3mmol)の溶液に、KOAc(4.8g、48.6mmol)及びPd(dppf)Cl(372mg、0.46mmol)を加えた。添加の後、混合物を100℃に20時間温めた。TLCが出発物質の消失を示した後、固体を濾別した。水(60ml)及びEtOAc(20ml)を加え、層を分離させ、水層をEtOAc(3×15ml)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−3−((S)−1−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)エチル)−1,3−オキサジナン−2−オン(4.4g、60%)を得て、これをカラムにより精製した。1H NMR (CDCl3): 1.03 (s, 3H), 1.12 (s, 3H), 1.22 (s, 12H), 1.49 (d, 3H), 2.13 (m, 4H), 2.26 (m, 1H), 2.73 (m, 1H), 5.64 (q, 1H), 6.91 (d, 2H), 7.38 (m, 5H), 7.51 (d, 2H)。
【0210】
工程2
乾燥1,4−ジオキサン(5ml)中の(S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−フェニル−3−((S)−1−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)エチル)−1,3−オキサジナン−2−オン(500mg、1.04mmol)及び6−ブロモニコチン酸メチル(292mg、1.35mmol)の溶液に、CsCO(1ml、2mmol)及びPd(PPhCl(50mg)を加えた。添加の後、混合物をマイクロ波の下、110℃に30分間温めた。TLCが出発物質の消失を示した後、固体を濾別した。水(20ml)及びEtOAc(10ml)を加え、層を分離させ、水層をEtOAc(3×10ml)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、6−(4−((S)−1−((S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)ニコチン酸メチル(507mg、89%)を得て、これを分取TLCにより精製した。1H NMR (CDCl3): 1.13 (s, 3H), 1.19 (s, 3H), 1.61 (d, 3H), 2.24 (m, 4H), 2.37 (m, 1H), 2.88 (m, 1H), 4.02 (s, 3H), 5.76 (q, 1H), 7.11 (d, 2H), 7.29-7.47 (m, 6H), 7.78 (m, 1H), 7.82 (m, 2H), 8.38 (d, 1H), 9.31 (s, 1H)。
【0211】
工程3
6−(4−((S)−1−((S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)ニコチン酸メチル(150mg、0.307mmol)を、NHMe/MeOH(10ml)に溶解した。混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で除去して、粗生成物を得て、これを分取HPLC及びキラルHPLCにより精製して、6−(4−((S)−1−((S)−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−オキソ−6−フェニル−1,3−オキサジナン−3−イル)エチル)フェニル)−N−メチルニコチンアミド(54mg、36%)を得た。LC−MS法2 t=1.117分、m/z=430.1;1H NMR (CD3OD) 0.93 (s, 3H), 1.27 (s, 3H), 1.59 (d, 3H), 2.16 (s, 2H), 2.22-2.37 (m, 1H), 2.41-2.60 (m, 2H), 2.99 (s, 3H), 3.11 (m, 1H), 5.60 (m, 1H), 7.12 (d, 1H), 7.29 (m, 5H), 7.80 (m, 2H), 8.01 (d, 1H), 8.41 (d, 1H), 9.03 (s, 1H)。
【0212】
本明細書中に言及される全ての特許、公開特許出願及び参考文献の教示は、参照により全体として組み入れられる。
【0213】
本発明は、その例示的実施態様を参照して具体的に示し記載されているが、添付された特許請求に包含される本発明の範囲を逸することなく形態及び詳細に種々の変更を加えてもよいことが当業者に理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記構造式:
【化34】


[式中、
は、(a)存在しないか、或いは(b)場合により置換されている(C−C)アルキル、場合により置換されている(C−C)アルケニル、場合により置換されている(C−C)アルキニル、場合により置換されている(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ、又は場合により置換されている(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルから選択され;
Eは、(a)結合、或いは(b)(C−C)アルキレン又は(C−C)アルコキシ(ここで、Oは、Rに結合している)であり、これらの各々は、場合により、メチル、エチル、トリフルオロメチル又はオキソから独立して選択される1〜4個の基で置換されており;
は、場合により置換されている(C−C)アルキル、場合により置換されているアリール、場合により置換されているヘテロアリール、場合により置換されているシクロアルキル、又は場合により置換されているヘテロシクリルから選択され;
は、(a)結合、或いは(b)(C−C)アルキレン、CHCHO(ここで、酸素は、Cyに結合している)であり;
Cyは、場合により置換されているアリール、場合により置換されているヘテロアリール、場合により置換されている単環式シクロアルキル、又は場合により置換されている単環式ヘテロシクリルであり;
は、(a)結合、O、S又はNR(ここで、Rは、(C−C)アルキル又は(C−C)シクロアルキルである);或いは(b)(C−C)アルキレン又は(C−C)アルコキシであり、これらの各々は、場合により、メチル、エチル、又はトリフルオロメチルから独立して選択される1〜4個の基で置換されており;
Cyは、(a)水素、或いは(b)場合により置換されているアリール、場合により置換されているヘテロアリール、場合により置換されているシクロアルキル、又は場合により置換されているヘテロシクリルである]により表されるエポキシド化合物を製造する方法であって、下記構造式:
【化35】


で表される2−メチル−3−プロペニル中間体をエポキシ化試薬を用いて酸化させ、それによりエポキシド化合物を生成する工程を含む、方法。
【請求項2】
が、存在しないか、又は(C−C)アルキルであり;
が、結合、CH、又はCHCHであるか、或いはRが存在する場合、CHであり;
が、結合、O、OCHCO又はCHであり;そして
Eが、結合又は(C−C)アルキレンである、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
が、結合であるか、又はRが存在する場合、CHであり;
が、結合であり;
Cyが、水素であり;
Cyが、フェニル(Cl、Br、I又はOSOCFで置換されており、そして場合により、1個以上の更なる置換基で置換されている)である、
請求項2記載の方法。
【請求項4】
2−メチル−3−プロペニル中間体が、下記構造式:
【化36】


[式中、
Zは、Cl、Br、I、OSOCF、OSOMe又はOSOMeであり;
rは、0、1、2又は3であり;そして
各Gは、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、ハロゲン、シアノ及びニトロからなる群より独立に選択される]で表される、請求項3記載の方法。
【請求項5】
がメチル又はエチルである、請求項4記載の方法。
【請求項6】
が、フェニル、チエニル、又はピリジルであり、各々場合により、ハロゲン、ニトロ、シアノ、(C−C)アルキル、保護ヒドロキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、保護CONH、保護カルボン酸及びSOMeで置換されている、請求項5記載の方法。
【請求項7】
がフェニル(場合により、ハロ、シアノ、保護CONH、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ及びSOMeから選択される1、2又は3個の置換基で置換されている)である、請求項6記載の方法。
【請求項8】
がフェニル又はフルオロフェニルである、請求項7記載の方法。
【請求項9】
Cyが、フェニル、シクロプロピル、シクロヘキシル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼパニル、ピリジル、N−オキソ−ピリジル、チアゾリル、ピリミジニル、ピペリジニルであり、各々場合により、1〜4個の基で置換されており:そして
Cyが、フェニル、チエニル、ピリジル、N−オキソ−ピリジル、シクロプロピル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピラゾリル、S,S−ジオキソチアジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、オキソジヒドロピリジル、オキソジヒドロピリダジニル、オキソジヒドロピリミジニル及びオキソジヒドロピラジニルであり、各々場合により、1〜4個の基で置換されており;ここで、Cy及びCyの環炭素原子の置換基は、ハロゲン、シアノ、オキソ、ニトロ、保護ヒドロキシ、保護アミノ、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシカルボニル、ベンゾオキシカルボニル、保護CONH、保護(C−C)アルキルアミノカルボニル、ジ(C−C)アルキルアミノカルボニル、保護(C−C)シクロアルキルアミノカルボニル、{(C−C)アルキル}{(C−C)シクロアルキル}アミノカルボニル及び保護(C−C)アルキルカルボニルアミノから独立に選択され、ここで、Cy中の置換可能な環窒素原子の適切な置換基は、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシカルボニル、(C−C)アルキルカルボニル及びベンゾオキシカルボニルからなる群より選択される、
請求項2記載の方法。
【請求項10】
が、フェニル、チエニル、又はピリジルであり、各々場合により、ハロゲン、ニトロ、シアノ、(C−C)アルキル、保護ヒドロキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、保護CONH、保護カルボン酸及びSOMeで置換されており;そしてRが、メチル又はエチルである、請求項9記載の方法。
【請求項11】
Cyが、場合により置換されており、そしてベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、オキソジヒドロピリジル、オキソジヒドロピリダジニル、オキソジヒドロピリミジニル、オキソジヒドロピラジニル、ピペリジニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラゾリル、チアゾリル及びチアジアゾリルからなる群より選択される、請求項10記載の方法。
【請求項12】
が、フェニル(場合により、ハロ、シアノ、保護CONH、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ及びSOMeから選択される、1、2又は3個の置換基で置換されている)である、請求項11記載の方法。
【請求項13】
が、フェニル又はフルオロフェニルである、請求項12記載の方法。
【請求項14】
Cy中の置換可能な環窒素原子の適切な置換基が、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシカルボニル及び(C−C)アルキルカルボニルからなる群より選択され;そしてCy中の置換可能な環炭素原子の適切な置換基が、フッ素、塩素、シアノ、保護ヒドロキシ、保護アミノ、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、保護CONH、保護(C−C)アルキルアミノカルボニル、ジ(C−C)アルキルアミノカルボニル、保護(C−C)シクロアルキルアミノカルボニル、{(C−C)アルキル}{(C−C)シクロアルキル}アミノカルボニル及び保護(C−C)アルキルカルボニルアミノからなる群より選択される、請求項13記載の方法。
【請求項15】
エポキシ化剤が、ペルオキシド又はペルオキシカルボン酸である、請求項1〜14のいずれか一項記載の方法。
【請求項16】
エポキシ化剤が、3−クロロ過安息香酸である、請求項1〜14のいずれか一項記載の方法。
【請求項17】
下記構造式:
【化37】


[式中、
は、(a)存在しないか、或いは(b)場合により置換されている(C−C)アルキル、場合により置換されている(C−C)アルケニル、場合により置換されている(C−C)アルキニル、場合により置換されている(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ、又は場合により置換されている(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルから選択され;
Eは、(a)結合、或いは(b)(C−C)アルキレン又は(C−C)アルコキシ(ここで、Oは、Rに結合している)であり、これらの各々は、場合により、メチル、エチル、トリフルオロメチル又はオキソから独立して選択される1〜4個の基で置換されており;
は、場合により置換されている(C−C)アルキル、場合により置換されているアリール、場合により置換されているヘテロアリール、場合により置換されているシクロアルキル、又は場合により置換されているヘテロシクリルから選択され;
は、(a)結合、或いは(b)(C−C)アルキレン、CHCHO(ここで、酸素は、Cyに結合している)であり;
Cyは、場合により置換されているアリール、場合により置換されているヘテロアリール、場合により置換されている単環式シクロアルキル、又は場合により置換されている単環式ヘテロシクリルであり;
は、(a)結合、O、S又はNR(ここで、Rは、(C−C)アルキル又は(C−C)シクロアルキルである);或いは(b)(C−C)アルキレン又は(C−C)アルコキシであり、これらの各々は、場合により、メチル、エチル、もしくはトリフルオロメチルから独立して選択される1〜4個の基で置換されており;
Cyは、(a)水素、或いは(b)場合により置換されているアリール、場合により置換されているヘテロアリール、場合により置換されているシクロアルキル、又は場合により置換されているヘテロシクリルである]で表される第三級アルコールオキサジノン化合物の製造方法であって、下記構造式:
【化38】


で表されるエポキシド化合物のエポキシド基を還元剤を用いて還元し、それにより第三級アルコールオキサジノン化合物を生成する工程を含む、方法。
【請求項18】
が、存在しないか、又は(C−C)アルキルであり;
が、結合、CH、又はCHCHであるか、或いはRが存在する場合、CHであり;
が、結合、O、OCHCO又はCHであり、そして
Eが、結合又は(C−C)アルキレンである、
請求項17記載の方法。
【請求項19】
が、結合であるか、又はRが存在する場合、CHであり;
が、結合であり;
Cyが、水素であり;
Cyフェニル(Cl、Br、I又はOSOCFで置換されており、そして場合により、1個以上の更なる置換基で置換されている)である、
請求項18記載の方法。
【請求項20】
エポキシド化合物が、下記構造式:
【化39】


[式中、
Zは、Cl、Br、I、OSOCF、OSOMe又はOSOMeであり;
rは、0、1、2又は3であり;そして
各Gは、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、ハロゲン、シアノ及びニトロからなる群より独立に選択される]で表される、請求項19記載の方法。
【請求項21】
が、メチル又はエチルである、請求項20記載の方法。
【請求項22】
が、フェニル、チエニル、又はピリジルであり、各々場合により、ハロゲン、ニトロ、シアノ、(C−C)アルキル、保護ヒドロキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、保護CONH、保護カルボン酸及びSOMeで置換されている、請求項21記載の方法。
【請求項23】
が、フェニル(場合により、ハロ、シアノ、保護CONH、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ及びSOMeから選択される1、2又は3個の置換基で置換されている)である、請求項22記載の方法。
【請求項24】
がフェニル又はフルオロフェニルである、請求項23記載の方法。
【請求項25】
Cyが、フェニル、シクロプロピル、シクロヘキシル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼパニル、ピリジル、N−オキソ−ピリジル、チアゾリル、ピリミジニル、ピペリジニルであり、各々場合により、1〜4個の基で置換されており;そして
Cyが、フェニル、チエニル、ピリジル、N−オキソ−ピリジル、シクロプロピル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピラゾリル、S,S−ジオキソチアジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、オキソジヒドロピリジル、オキソジヒドロピリダジニル、オキソジヒドロピリミジニル及びオキソジヒドロピラジニルであり、各々場合により、1〜4個の基で置換されており;ここで、Cy及びCyの環炭素原子の置換基は、ハロゲン、シアノ、オキソ、ニトロ、保護ヒドロキシ、保護アミノ、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシカルボニル、ベンゾオキシカルボニル、保護CONH、保護(C−C)アルキルアミノカルボニル、ジ(C−C)アルキルアミノカルボニル、保護(C−C)シクロアルキルアミノカルボニル、{(C−C)アルキル}{(C−C)シクロアルキル}アミノカルボニル及び保護(C−C)アルキルカルボニルアミノから独立に選択され、ここで、Cy中の置換可能な環窒素原子の適切な置換基は、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシカルボニル、(C−C)アルキルカルボニル及びベンゾオキシカルボニルからなる群より選択される、
請求項18記載の方法。
【請求項26】
が、フェニル、チエニル、又はピリジルであり、各々場合により、ハロゲン、ニトロ、シアノ、(C−C)アルキル、保護ヒドロキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、保護CONH、保護カルボン酸及びSOMeで置換されており;そしてRが、メチル又はエチルである、請求項25記載の方法。
【請求項27】
Cyが、場合により置換されており、そしてベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、オキソジヒドロピリジル、オキソジヒドロピリダジニル、オキソジヒドロピリミジニル、オキソジヒドロピラジニル、ピペリジニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラゾリル、チアゾリル及びチアジアゾリルからなる群より選択される、請求項26記載の方法。
【請求項28】
が、フェニル(場合により、ハロ、シアノ、保護CONH、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ及びSOMeから選択される1、2又は3個の置換基で置換されている)である、請求項27記載の方法。
【請求項29】
がフェニル又はフルオロフェニルである、請求項28記載の方法。
【請求項30】
Cy中の置換可能な環窒素原子の適切な置換基が、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシカルボニル及び(C−C)アルキルカルボニルからなる群より選択され;そしてCy中の置換可能な環炭素原子の適切な置換基が、フッ素、塩素、シアノ、保護ヒドロキシ、保護アミノ、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、保護CONH、保護(C−C)アルキルアミノカルボニル、ジ(C−C)アルキルアミノカルボニル、保護(C−C)シクロアルキルアミノカルボニル、{(C−C)アルキル}{(C−C)シクロアルキル}アミノカルボニル及び保護(C−C)アルキルカルボニルアミノからなる群より選択される、請求項29記載の方法。
【請求項31】
還元剤が、水素化トリエチルホウ素リチウム、LiAlH、LiBH、トリエチルボランの存在下での水素化トリ−t−ブトキシアルミニウムリチウム、水素化トリ−sec−ブチルホウ素カリウム、又は水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムのうちの一つ又は組み合わせである、請求項17〜30記載の方法。
【請求項32】
還元剤が、水素化トリエチルホウ素リチウムである、請求項17〜30のいずれか一項記載の方法。
【請求項33】
下記構造式:
【化40】


[式中、
は、(a)存在しないか、或いは(b)場合により置換されている(C−C)アルキル、場合により置換されている(C−C)アルケニル、場合により置換されている(C−C)アルキニル、場合により置換されている(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ、又は場合により置換されている(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルから選択され;
Eは、(a)結合、或いは(b)(C−C)アルキレン又は(C−C)アルコキシ(ここで、Oは、Rに結合している)であり、これらの各々は、場合により、メチル、エチル、トリフルオロメチル又はオキソから独立して選択される1〜4個の基で置換されており;
は、場合により置換されている(C−C)アルキル、場合により置換されているアリール、場合により置換されているヘテロアリール、場合により置換されているシクロアルキル、又は場合により置換されているヘテロシクリルから選択され;
は、(a)結合、或いは(b)(C−C)アルキレン、CHCHO(ここで、酸素は、Cyに結合している)であり;
Cyは、場合により置換されているアリール、場合により置換されているヘテロアリール、場合により置換されている単環式シクロアルキル、又は場合により置換されている単環式ヘテロシクリルであり;
は、(a)結合、O、S又はNR(ここで、Rは、(C−C)アルキル又は(C−C)シクロアルキルである);或いは(b)(C−C)アルキレン又は(C−C)アルコキシであり、これらの各々は、場合により、メチル、エチル、もしくはトリフルオロメチルから独立して選択される1〜4個の基で置換されており;
Cyは、(a)水素、或いは(b)場合により置換されているアリール、場合により置換されているヘテロアリール、場合により置換されているシクロアルキル、又は場合により置換されているヘテロシクリルである]で表されるエポキシド化合物、又はその塩。
【請求項34】
が、存在しないか、又は(C−C)アルキルであり;
が、結合、CH、又はCHCHであるか、或いはRが存在する場合、CHであり;
が、結合、O、OCHCO又はCHであり;そして
Eが、結合又は(C−C)アルキレンである、
請求項33記載の化合物。
【請求項35】
が、結合であるか、又はRが存在する場合、CHであり;
が、結合であり;
Cyが、水素であり;
Cyがフェニル(Cl、Br、I又はOSOCFで置換されており、そして場合により、1個以上の更なる置換基で置換されている)である、
請求項34記載の化合物。
【請求項36】
エポキシド化合物が、下記構造式:
【化41】


[式中、
Zは、Cl、Br、I、OSOCF、OSOMe又はOSOMeであり;
rは、0、1、2又は3であり;そして
各Gは、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、ハロゲン、シアノ及びニトロからなる群より独立に選択される]で表される、請求項35記載の化合物。
【請求項37】
がメチル又はエチルである、請求項36記載の化合物。
【請求項38】
が、フェニル、チエニル、又はピリジルであり、各々場合により、ハロゲン、ニトロ、シアノ、(C−C)アルキル、保護ヒドロキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、保護CONH、保護カルボン酸及びSOMeで置換されている、請求項37記載の化合物。
【請求項39】
が、フェニル(場合により、ハロ、シアノ、保護CONH、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ及びSOMeから選択される1、2又は3個の置換基で置換されている)である、請求項38記載の化合物。
【請求項40】
がフェニル又はフルオロフェニルである、請求項39記載の化合物。
【請求項41】
Cyが、フェニル、シクロプロピル、シクロヘキシル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼパニル、ピリジル、N−オキソ−ピリジル、チアゾリル、ピリミジニル、ピペリジニルであり、各々場合により、1〜4個の基で置換されており;そして
Cyが、フェニル、チエニル、ピリジル、N−オキソ−ピリジル、シクロプロピル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピラゾリル、S,S−ジオキソチアジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、オキソジヒドロピリジル、オキソジヒドロピリダジニル、オキソジヒドロピリミジニル及びオキソジヒドロピラジニルであり、各々場合により、1〜4個の基で置換されており;ここで、Cy及びCyの環炭素原子の置換基は、ハロゲン、シアノ、オキソ、ニトロ、保護ヒドロキシ、保護アミノ、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシカルボニル、ベンゾオキシカルボニル、保護CONH、保護(C−C)アルキルアミノカルボニル、ジ(C−C)アルキルアミノカルボニル、保護(C−C)シクロアルキルアミノカルボニル、{(C−C)アルキル}{(C−C)シクロアルキル}アミノカルボニル及び保護(C−C)アルキルカルボニルアミノから独立に選択され、ここで、Cy中の置換可能な環窒素原子の適切な置換基は、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシカルボニル、(C−C)アルキルカルボニル及びベンゾオキシカルボニルからなる群より選択される、
請求項34記載の化合物。
【請求項42】
が、フェニル、チエニル、又はピリジルであり、各々場合により、ハロゲン、ニトロ、シアノ、(C−C)アルキル、保護ヒドロキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、保護CONH、保護カルボン酸及びSOMeで置換されており;そしてRが、メチル又はエチルである、請求項41記載の化合物。
【請求項43】
Cyが、場合により置換されており、そしてベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、オキソジヒドロピリジル、オキソジヒドロピリダジニル、オキソジヒドロピリミジニル、オキソジヒドロピラジニル、ピペリジニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラゾリル、チアゾリル及びチアジアゾリルからなる群より選択される、請求項42記載の化合物。
【請求項44】
が、フェニル(場合により、ハロ、シアノ、保護CONH、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ及びSOMeから選択される1、2又は3個の置換基で置換されている)である、請求項43記載の化合物。
【請求項45】
がフェニル又はフルオロフェニルである、請求項44記載の化合物。
【請求項46】
Cy中の置換可能な環窒素原子の適切な置換基が、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシカルボニル及び(C−C)アルキルカルボニルからなる群より選択され;そしてCy中の置換可能な環炭素原子の適切な置換基が、フッ素、塩素、シアノ、保護ヒドロキシ、保護アミノ、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、保護CONH、保護(C−C)アルキルアミノカルボニル、ジ(C−C)アルキルアミノカルボニル、保護(C−C)シクロアルキルアミノカルボニル、{(C−C)アルキル}{(C−C)シクロアルキル}アミノカルボニル、及び保護(C−C)アルキルカルボニルアミノからなる群より選択される、請求項45記載の化合物。
【請求項47】
下記構造式:
【化42】


[式中、
は、(a)存在しないか、或いは(b)場合により置換されている(C−C)アルキル、場合により置換されている(C−C)アルケニル、場合により置換されている(C−C)アルキニル、場合により置換されている(C−C)アルコキシ(C−C)アルコキシ、又は場合により置換されている(C−C)アルコキシ(C−C)アルキルから選択され;
Eは、(a)結合、或いは(b)(C−C)アルキレン又は(C−C)アルコキシ(ここで、Oは、Rに結合している)であり、これらの各々は、場合により、メチル、エチル、トリフルオロメチル又はオキソから独立して選択される1〜4個の基で置換されており;
は、場合により置換されている(C−C)アルキル、場合により置換されているアリール、場合により置換されているヘテロアリール、場合により置換されているシクロアルキル、又は場合により置換されているヘテロシクリルから選択され;
は、(a)結合、或いは(b)(C−C)アルキレン、CHCHO(ここで、酸素は、Cyに結合している)であり;
Cyは、場合により置換されているアリール、場合により置換されているヘテロアリール、場合により置換されている単環式シクロアルキル、又は場合により置換されている単環式ヘテロシクリルであり;
は、(a)結合、O、S又はNR(ここで、Rは、(C−C)アルキル又は(C−C)シクロアルキルである);或いは(b)(C−C)アルキレン又は(C−C)アルコキシであり、これらの各々は、場合により、メチル、エチル、もしくはトリフルオロメチルから独立して選択される1〜4個の基で置換されており;
Cyは、(a)水素、或いは(b)場合により置換されているアリール、場合により置換されているヘテロアリール、場合により置換されているシクロアルキル、又は場合により置換されているヘテロシクリルである]で表される2−メチル−3−プロペニル中間体又はその塩。
【請求項48】
が、存在しないか、又は(C−C)アルキルであり、;
が、結合、CH,又はCHCHであるか、或いはRが存在する場合、CHであり;
が、結合、O、OCHCO又はCHであり;そして
Eが、結合又は(C−C)アルキレンである、
請求項47記載の化合物。
【請求項49】
が、結合であるか、又はRが存在する場合、CHであり;
が、結合であり;
Cyが、水素であり;
Cyが、フェニル(Cl、Br、I又はOSOCFで置換されており、そして場合により1個以上の更なる置換基で置換されている)である、
請求項48記載の化合物。
【請求項50】
2−メチル−3−プロペニル中間体が、下記構造式:
【化43】


[式中、
Zは、Cl、Br、I、OSOCF、OSOMe、又はOSOMeであり;
rは、0、1、2又は3であり;そして
各Gは、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、ハロゲン、シアノ及びニトロからなる群より独立に選択される]で表される、請求項49記載の化合物。
【請求項51】
がメチル又はエチルである、請求項50記載の化合物。
【請求項52】
が、フェニル、チエニル、又はピリジルであり、各々場合により、ハロゲン、ニトロ、シアノ、(C−C)アルキル、保護ヒドロキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、保護CONH、保護カルボン酸及びSOMeで置換されている、請求項51記載の化合物。
【請求項53】
が、フェニル(場合により、ハロ、シアノ、保護CONH、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ及びSOMeから選択される1、2又は3個の置換基で置換されている)である、請求項52記載の化合物。
【請求項54】
がフェニル又はフルオロフェニルである、請求項53記載の化合物。
【請求項55】
Cyが、フェニル、シクロプロピル、シクロヘキシル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼパニル、ピリジル、N−オキソ−ピリジル、チアゾリル、ピリミジニル、ピペリジニルであり、各々場合により、1〜4個の基で置換されており;そして
Cyが、フェニル、チエニル、ピリジル、N−オキソ−ピリジル、シクロプロピル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピラゾリル、S,S−ジオキソチアジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、オキソジヒドロピリジル、オキソジヒドロピリダジニル、オキソジヒドロピリミジニル及びオキソジヒドロピラジニルであり、各々場合により、1〜4個の基で置換されており;ここで、Cy及びCyの環炭素原子の置換基は、ハロゲン、シアノ、オキソ、ニトロ、保護ヒドロキシ、保護アミノ、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシカルボニル、ベンゾオキシカルボニル、保護CONH、保護(C−C)アルキルアミノカルボニル、ジ(C−C)アルキルアミノカルボニル、保護(C−C)シクロアルキルアミノカルボニル、{(C−C)アルキル}{(C−C)シクロアルキル}アミノカルボニル及び保護(C−C)アルキルカルボニルアミノから独立に選択され、ここで、Cy中の置換可能な環窒素原子の適切な置換基は、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシカルボニル、(C−C)アルキルカルボニル及びベンゾオキシカルボニルからなる群より選択される、
請求項48記載の化合物。
【請求項56】
が、フェニル、チエニル,又はピリジルであり、各々場合により、ハロゲン、ニトロ、シアノ、(C−C)アルキル、保護ヒドロキシ(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、保護CONH、保護カルボン酸及びSOMeで置換されており;そしてRが、メチル又はエチルである、請求項55記載の化合物。
【請求項57】
Cyが、場合により置換されており、そしてベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、オキソジヒドロピリジル、オキソジヒドロピリダジニル、オキソジヒドロピリミジニル、オキソジヒドロピラジニル、ピペリジニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラゾリル、チアゾリル及びチアジアゾリルからなる群より選択される、請求項56記載の化合物。
【請求項58】
が、フェニル(場合により、ハロ、シアノ、保護CONH、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ及びSOMeから選択される1、2又は3個の置換基で置換されている)である、請求項57記載の化合物。
【請求項59】
がフェニル又はフルオロフェニルである、請求項58記載の化合物。
【請求項60】
Cy中の置換可能な環窒素原子の適切な置換基が、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシカルボニル及び(C−C)アルキルカルボニルからなる群より選択され;そしてCy中の置換可能な環炭素原子の適切な置換基が、フッ素、塩素、シアノ、保護ヒドロキシ、保護アミノ、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、保護CONH、保護(C−C)アルキルアミノカルボニル、ジ(C−C)アルキルアミノカルボニル、保護(C−C)シクロアルキルアミノカルボニル、{(C−C)アルキル}{(C−C)シクロアルキル}アミノカルボニル及び保護(C−C)アルキルカルボニルアミノからなる群より選択される、請求項59記載の化合物。

【公表番号】特表2011−528697(P2011−528697A)
【公表日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−519172(P2011−519172)
【出願日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際出願番号】PCT/EP2009/059496
【国際公開番号】WO2010/010150
【国際公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】