説明

2つの排出部を有する遠心ポンプ

本発明による遠心ポンプ(10)は、羽根車(20)と、それを包囲するケーシング(50)を有する。羽根車は、主通路(24)を有し、主通路(24)は、第1の通路(241)と第2の通路(242)に分岐し、第1の通路及び第2の通路(241,242)に共通する供給入口(22)を有する。第1の通路(241)は、半径方向に差し向けられた第1の出口(243)を有し、第2の通路(242)は、半径方向に差し向けられ且つ第1の出口(243)の後方に位置する第2の出口(244)を有する。羽根車(20)は、ケーシング(50)と協働して、軸線方向平衡システムを形成する。軸線方向平衡システムは、羽根車の後面(27)とケーシングのうちの上記後面(27)に面する部分(57)との間に形成されたチャンバ(90)を有する。チャンバ(90)への入口は、第2の出口(244)のレベルに位置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠心ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書において、用語「上流」及び「下流」は、ポンプ及び羽根車を通る流体の通常の流れ方向に対して定められている。
【0003】
ある宇宙適用例(例えば、ロケットエンジン用ターボポンプ)及びある工業適用例(例えば、液体天然ガス(LNG)ガス化サイクル)では、第1の流量及びある圧力の第1の流体流れと、第1の流量よりも少ない流量及び上記圧力よりも高い圧力の別の流体流れを利用することが必要である。
【0004】
一般に、直列に供給が行われる2つのポンプが、かかる用途に必要である。
【0005】
図4は、直列に配置された2つのポンプを有する先行技術のターボポンプを示し、その作動の概要を以下に説明する。
【0006】
ターボポンプ100は、回転軸線Aを中心に回転するのに適した回転シャフト180と、回転シャフト180を包囲するケーシング150を有している。ケーシング150は、回転しないように構成され、回転シャフト180は、ケーシング150を支持するボールベアリングに取付けられている。1次ポンプ110が、回転軸線Aの周りに取付けられ、回転シャフト180と一緒に回転するように拘束された1次羽根車112と、1次排出ボリュート115を有している。1次排出ボリュート115は、ケーシング150に組込まれ、不動である。
【0007】
流体がターボポンプの前方からその中に環状通路102を経て進入し、環状通路102内において、インデューサ又は誘導部104が、流体を回転軸線Aと平行な方向に流す。本明細書において、用語「前」及び「後」は、ポンプの複数の部分の互いに対する位置及び回転軸線Aに平行な方向に対する位置を定めるために用いられる。
【0008】
整流ノズル106が、誘導部104の下流側に設けられ、1次羽根車112が、整流ノズル106の下流側に設けられている。1次羽根車112は、複数の1次傾斜通路104を有し、1次傾斜通路104は、流体を回転シャフト180から半径方向に遠ざけるように移動させ、その結果、流体が引き続いて回転軸線Aに対して半径方向に流れる。かくして、流体は、1次排出ボリュート115の上流に位置し且つ1次傾斜通路114の下流に位置するディフューザ117に引込まれる。1次ボリュート115に進入した流体は、1次羽根車112を通過することによって圧縮されている。
【0009】
1次ボリュート115内を流れる流体の一部分がその下流で取出され、回転シャフト180に沿って1次ポンプ110の後方に位置する2次ポンプ120内に投入される。
【0010】
2次ポンプ120は、回転シャフト180と一緒に回転するよう拘束された2次羽根車122と、2次排出ボリュート125を有している。2次排出ボリュート125は、ケーシング150内に組込まれ、不動である。
【0011】
1次ボリュート115から来た流体は、2次ポンプ120の複数の2次傾斜通路124に流入し、2次ポンプ120は、流体を回転シャフト180から半径方向に遠ざけ、その結果、流体は、回転軸線Aに対して半径方向に流れる。かくして、流体は、2次排出ボリュート125の上流に位置し且つ2次傾斜通路124の下流に位置するディフューザ127に引込まれる。2次傾斜通路124の断面は、1次傾斜通路114の断面よりも小さい。2次ポンプ120は、1次ポンプ110によって送出された流体の流量よりも少ない流量で且つかかる流体の圧力レベルよりも高い圧力レベルで流体を送出する。
【0012】
しかしながら、2つのポンプを有していることにより、ターボポンプの構成が複雑になる。
【0013】
さらに、1次羽根車112は、ロータに作用する流体によって生じる軸線方向力(回転軸線Aに沿う力)を補償するのに役立つ軸線方向平衡システムを含んでいる。軸線方向平衡システムは、1次羽根車112の後方に位置し且つ1次羽根車112とケーシング150との間に位置するチャンバ190を含む。1次傾斜通路114の出口から取出された流体は、チャンバ190の中を半径方向に流れ、1次羽根車112のうちの回転シャフト180の最も近くに位置する部分を経てチャンバ190から出る。チャンバ190の中を通る流体の上記流れは、ロータに作用する流体によって生じる軸線方向力に対抗するクッションとして作用する。この軸線方向平衡システムの作動は、ロータがケーシング150に対して軸線方向に動くことが可能でなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
残念ながら、1次羽根車112は、中くらいの圧力を送出するので、チャンバ190内の圧力は、同様に中くらいである。軸線方向平衡システムの取出し能力は、チャンバ190の寸法に依存し、1次羽根車112の回転速度の関数である。この回転速度は、速すぎてはならず、その理由は、そうでないと、ロータに作用する流体が及ぼす軸線方向力が強すぎて、軸線方向平衡システムによってバランスをとることができず、その結果、ターボポンプに損傷を生じさせるからである。
【0015】
かくして、かかるターボポンプは、有効性が制限されたものである。
【0016】
本発明は、これらの欠点に対処することを目的とする。
【0017】
本発明は、寸法、重量及びコストを減少させ且つ性能を向上させたポンプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この目的は、ポンプが、羽根車と、羽根車を包囲するケーシングと、を有し、羽根車は、主通路を有し、主通路は、第1の通路と第2の通路に分岐し、第1の通路と第2の通路に共通する供給入口を有し、供給入口は、ポンプの回転軸線と平行であり、主通路の入口であり、第1の通路は、半径方向に差し向けられた第1の出口を有し、回転軸線に対して第1の直径で開口し、流体を第1の圧力で供給するのに適し、第2の通路は、半径方向に差し向けられ且つ第1の出口の後方に位置する第2の出口を有し、第1の直径よりも大きな第2の直径で開口し、流体を第1の圧力よりも高い第2の圧力で供給するのに適し、羽根車は、ケーシングと協働して、軸線方向平衡システムを形成し、軸線方向平衡システムは、羽根車の後面とケーシングのうちの後面に面する部分との間に形成されたチャンバを有し、チャンバへの入口は、第2の出口のレベルに位置することによって達成される。
【0019】
これらの構成によって、1次ポンプ及び2次ポンプが、2つの排出部を有する単一のポンプに置き換えられているので、ターボポンプは、より小さい寸法及びより少ない重量しか有しない。かくして、2次ポンプに供給するための流体を1次ポンプの出口から取出す必要はもはやない。その結果、ターボポンプの構成が簡単化され、製造コストを減少させる。更に、羽根車の直径がより大きくなるので、2つの排出部を有するポンプと関連した軸線方向平衡システムの性能が、後で説明するように向上する。
【0020】
有利には、第1の通路と前記第2の通路は、シュラウドによって分離され、シュラウドは、少なくとも第1の出口と第2の出口の間を延びる部分を有する。
【0021】
非限定的な例として与えられる実施形態の以下の詳細な説明を考慮すると、本発明をより良く理解でき、その利点がより明らかになろう。以下の説明は、添付図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の遠心ポンプを含むターボポンプの長手方向断面図である。
【図2】本発明の遠心ポンプの長手方向断面図である。
【図3】本発明の遠心ポンプの別の実施形態の長手方向断面図である。
【図4】先行技術のターボポンプの長手方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、ターボポンプ1を示し、ターボポンプ1は、回転軸線Aを中心として回転するのに適した回転シャフト80と、回転シャフト80に取付けられたポンプ10を有している。ポンプ10は、回転シャフト80と一緒に回転するように拘束された羽根車20と、回転シャフト80を包囲するケーシング50を有し、ケーシング50は、回転しないように構成されている。回転シャフト80は、ケーシング50を支持するボールベアリングに取付けられている。
【0024】
流体がターボポンプ1の前方からその中に環状ダクト2を経て進入し、環状ダクト2は、インデューサ又は誘導部4に案内され、整流ノズル6が誘導部4に続き、羽根車20は、整流ノズル6の下流に位置している。誘導部4及び整流ノズル6は、ポンプ10の一部を形成している。
【0025】
羽根車20は、供給入口22を備えた主通路24を有し、誘導部4からの流体は、供給入口22に進入する。供給入口22は、回転軸線Aに沿って差し向けられている。主通路24は、ベンド又は曲り部を供給入口22の下流に形成し、曲り部は、回転軸線Aから遠ざかる方向に向かっており、主通路24は、曲り部のところで、第1の通路241と第2の通路242に分岐している。第1の通路241は、第1の出口243に通じ、かくして、第1の出口243は、回転軸線Aに対して実質的に垂直に差し向けられている。
【0026】
第1の通路241と第2の通路242の間の分離は、シュラウド40によって構成されている。
【0027】
図2に示すように、シュラウド40は、第1の通路241の後方に位置し、すなわち、第1の通路は、ターボポンプの前側の近くに位置し、従って、シュラウド40は、第1の出口243まで第1の通路241の後壁を形成している。
【0028】
シュラウド40は、第2の通路242の前方に位置し、かくして、第2の通路242の前壁を形成している。第2の通路242は、半径方向において、第1の出口243のレベルを越えて延び、第1の出口243よりも回転軸線Aから遠い第2の出口244で終端している。シュラウド40の外側部分48は、シュラウド40のうちの第1の出口243と第2の出口244の間に延びる部分である。
【0029】
図2に示すように、シュラウド40は、外側部分48の上流側延長部分である内側部分を有し、内側部分は、主通路24の傾斜領域の主要部分にわたっている。したがって、第1の通路241及び第2の通路242は、傾斜し、第1の通路241に沿う流れに対して垂直な第1の通路241の断面は、上流端部45と第1の出口243の間で僅かに先細りになり、第2の通路242に沿う流れに対して垂直な第2の通路242の断面は、上流端部45と第2の出口244の間で僅かに先細りになる。
【0030】
シュラウド40の内側部分の上流端部45は、供給入口22の下流に位置している。例えば、上流端部45は、第1の出口243よりも供給入口22の近くに位置している。
【0031】
理想的には、シュラウド40の厚さは、主通路24内の流体の分離を最適化するように可能な限り薄い。
【0032】
変形例として、図3に示すように、シュラウド40は、その外側部分48を越えて回転軸線Aに向かって延びていない。かかる状況において、シュラウド40の上流端部45は、回転軸線Aから第1の出口243までの距離と同じ回転軸線Aからの距離のところに位置している。
【0033】
シュラウド40はまた、シュラウド40がほぼ主通路24の入口22まで延びている図2に示す形態とシュラウド40が第1の出口243を越えて上流側に延びていない図3に示す形態との間の中間の距離にわたって、主通路24内を上流側に延びていてもよい。
【0034】
ケーシング50は、2つの排気部を有するボリュートを形成し、ボリュートは、第1の排出ボリュート51を含んでいる。第1の出口243は、第1の排出ボリュート51の第1のオリフィス513に面し、その結果、流体は、羽根車20によって、第1のオリフィス513を通して第1の排出ボリュート51に向かって押される。
【0035】
ケーシング50はまた、第2の排出ボリュート52を含む。第2の出口244は、第2の排出ボリュート52の一部分を形成する第2のオリフィス524に面するように位置しており、その結果、流体は、羽根車20によって、第2のオリフィス524を通して第2の排出ボリュート52に引込まれる。
【0036】
第2の通路242の断面は、第1の通路241の断面よりも小さい。
【0037】
かくして、第1の通路241は、流れを大きい流量及び中くらいの圧力で供給し、第2の通路242は、その断面が第1の通路241の通路よりも小さいので、流れを小さい流量で供給すると共に、第2の出口244が第1の出口243よりも回転軸線Aから半径方向に遠くに位置しているので、上記流れを第1の通路241の流れの圧力よりも高い圧力で供給する。
【0038】
したがって、先行技術の排出ボリュート115(図4)で行われていたように、流体を排出ボリュートの出口から取出す必要はもはや存在しない。その結果、第1の排出ボリュート51の断面は、排出ボリュート115の断面よりも小さいのがよい。
【0039】
第2の排出ボリュート52は、第1の排出ボリュート51に隣接し、第1の排出ボリュート51の後方に位置し、第1の排出ボリュート51よりも回転軸線Aから遠くに位置する。この形態は、ケーシング50が占める容量を最小にするのに役立つ。
【0040】
羽根車20のシュラウド40の外側部分48は、ポンプの前方に向かう面を有している。外側部分48に面する中間壁58が、ケーシング51の一部分を形成し、第1の排出ボリュート50のディフューザ511を第2の排出ボリュート52のディフューザ522から分離している。中間壁58がケーシング50の一部分を形成しているので、中間壁58は、不動である。
【0041】
ポンプが作動状態にあるとき、シュラウド40の外側部分48は、回転軸線Aを中心に回転駆動され、従って、外側部分48は、中間壁58に対して移動する。かくして、羽根車の第1の出口243と第2の出口244の間の圧力差に起因して、望ましくない流体の漏れが、外側部分48と中間壁58の間のインターフェース又は対向部のところで起こる。
【0042】
この漏れ流量を最小にすることが望ましい。
【0043】
外側部分48と中間壁58の間の相対運動があれば、上記対向部のシールは、好ましくは、動的シールガスケット又は動的シール部によって行われる。例えば、動的シールガスケット又は動的シール部は、ラビリンスガスケット又はラビリンスシール部である。
【0044】
図2及び図3に示すように、主通路24の前壁29は、主通路24の供給入口22のところに且つ前壁29とケーシング50の間のインターフェース又は対向部のところに、動的ガスケット又は動的シール部を有する。動的ガスケット又は動的シール部は、漏れを制限するように設計され、かくして、第1の通路241の第1の出口243と供給入口22の間で再循環され且つ再圧縮される必要がある流れを制限するように設計されている。例を挙げると、動的ガスケット又は動的シール部は、ラビリンスガスケット又はラビリンスシール部である。
【0045】
変形例として、特にターボポンプの性能がそれほど重要ではない適用例では、第1の通路241の前壁29、及び/又は、シュラウド40及びその外側部分48を省略してもよい。
【0046】
単一の軸線方向平衡システムが、羽根車20の後面27の後方に設けられ、ポンプが作動中であるときにロータに作用する流体によって生じる軸線方向の(回転軸線Aに沿う)力を補償するために用いられる。
【0047】
第2の通路242の後壁は、羽根車20によって形成され、羽根車20の後面27は、その面積全体にわたってケーシング50の一部分57に面している。後面27と上記一部分57との間の空間は、チャンバ90を形成している。
【0048】
流体が第2の通路242から第2の出口244と同じレベルで取出され、軸線方向隙間が可変である環状通路93を経てチャンバ90に入り、羽根車20のうちの回転シャフト80に最も近くに位置する部分と同じレベルに位置する出口オリフィス96を通ってこのチャンバ90から出る。環状通路93及びチャンバ90を含む組立体は、軸線方向平衡システムを構成する。
【0049】
軸線方向隙間が可変である環状通路93の作動を以下に簡単に要約する。
【0050】
流体は、環状通路93を経てチャンバ90に進入する。環状通路93と出口オリフィス96の間の圧力差により、流体がチャンバ90に流入することを確保するので、チャンバ90は流体で満たされる。この流体は、羽根車20を前方に移動させようとする圧力を前方に向かって及ぼす。環状通路93の形状は、羽根車の前方運動によって通路を閉鎖させようとする形状である。したがって、チャンバ90内の圧力が減少し、それにより、羽根車20が後方に移動することを可能にする。
【0051】
かくして、軸線方向平衡システムにより、羽根車20を平衡点付近の軸線方向位置に維持することを可能にすることが理解できる。その結果、軸線方向平衡システムは、羽根車20(かくして、回転シャフト80)の軸線方向位置を調節する機能を有する。したがって、この軸線方向平衡システムは、羽根車20に対する補償力がロータ及び回転シャフトの軸線方向位置とは無関係である受動システムとは対照的である能動システムであるという利点を有する。
【0052】
図1〜図3において、環状通路93は、段部を有する。
【0053】
かくして、軸線方向平衡システムにより、羽根車20を平衡点付近の軸線方向位置に維持することを可能にすることが理解できる。
【0054】
羽根車20の半径方向高さが先行技術の羽根車の高さよりも大きければ、圧力が作用するチャンバ90の領域はより大きくなる。さらに、環状通路93と出口オリフィス96との間の圧力差は、より大きくなる。かくして、チャンバ90内の圧力を大きく変化させることができ、その結果、軸線方向平衡システムは、より大きい軸線方向力に順応させることができる。軸線方向平衡システムの能力のこの大幅な増大により、十分な取込み能力を保ちながらターボポンプの回転速度を増大させる。
【0055】
結果的に得られる利点は、ターボポンプの低減した寸法及び重量、かくして、低減したコストと、ターボポンプのより大きい効率を含む。
【0056】
さらに、軸線方向平衡システムの作動に順応させるために、先行技術におけるように羽根車20が回転シャフト80に結合される必要はない。ポンプ10が羽根車を1つしか有していないならば、図1に示すように、羽根車は、回転シャフト80と一緒に単一のブロックを形成し、軸線方向平衡システムの作動に順応させるために、回転シャフト80と羽根車20が、軸線方向に一緒に移動する。
【0057】
かくして、本発明のポンプが少ない部品しか有していないので、ポンプの製造が単純化される。
【0058】
図1〜図3において、第2の通路242の断面は、第1の通路241の断面よりも小さく示されている。これと逆の形態も、第2の通路242からの出口のところの圧力が第1の通路241からの出口のところの圧力よりも高いままであれば可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプ(10)であって、
羽根車(20)と、前記羽根車を包囲するケーシング(50)と、を有し、
前記羽根車は、主通路(24)を有し、前記主通路は、第1の通路(241)と第2の通路(242)に分岐し、前記第1の通路と前記第2の通路に共通する供給入口(22)を有し、前記供給入口は、前記ポンプの回転軸線(A)と平行であり、前記主通路(24)の入口であり、
前記第1の通路(241)は、半径方向に差し向けられた第1の出口(243)を有し、前記回転軸線(A)に対して第1の直径で開口し、流体を第1の圧力で供給し、
前記第2の通路(242)は、半径方向に差し向けられ且つ前記第1の出口(243)の後方に位置する第2の出口(244)を有し、前記第1の直径よりも大きな第2の直径で開口し、流体を前記第1の圧力よりも高い第2の圧力で供給し、
前記羽根車(20)は、前記ケーシング(50)と協働して、軸線方向平衡システムを形成し、前記軸線方向平衡システムは、前記羽根車の後面(27)と前記ケーシングのうちの前記後面(27)に面する部分(57)との間に形成されたチャンバ(90)を有し、前記チャンバ(90)への入口は、前記第2の出口(244)のレベルに位置する、ポンプ(10)。
【請求項2】
前記第1の通路(241)と前記第2の通路(242)は、シュラウド(40)によって分離され、前記シュラウドは、少なくとも、前記第1の出口(243)と前記第2の出口(244)の間を延びる部分を有する、請求項1に記載のポンプ(10)。
【請求項3】
前記シュラウド(40)は、前記主通路(24)内に前記供給入口(22)に向かって上流側に延長される、請求項2に記載のポンプ(10)。
【請求項4】
前記第1の出口(243)と前記第2の出口(244)との間を延びる前記シュラウド(40)の外側部分(48)は、前記ケーシング(50)の中間壁(58)との対向部のところに、動的シールガスケットを有する、請求項2又は3に記載のポンプ(10)。
【請求項5】
前記主通路(24)の前壁と前記ケーシング(50)の間の対向部は、動的シールガスケットを有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポンプ(10)。
【請求項6】
更に、前記供給入口(22)の上流に位置する誘導部(4)及び整流ノズル(6)を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のポンプ(10)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−526944(P2012−526944A)
【公表日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−510333(P2012−510333)
【出願日】平成22年5月7日(2010.5.7)
【国際出願番号】PCT/FR2010/050876
【国際公開番号】WO2010/130923
【国際公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(505277691)スネクマ (567)
【Fターム(参考)】