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2軸方向にテクスチャを有するバッファ層を備えた超電導体物品、電力ケーブル、電源変圧器、発電機、電力網、及び電子的に活性な物品、並びに2軸方向にテクスチャを有する物品を製造する方法
説明

2軸方向にテクスチャを有するバッファ層を備えた超電導体物品、電力ケーブル、電源変圧器、発電機、電力網、及び電子的に活性な物品、並びに2軸方向にテクスチャを有する物品を製造する方法

【課題】
2軸方向にテクスチャを有するバッファ膜を備えた超電導体物品およびその製造方法を提供する。
【解決手段】
超電導体物品は、基板と、前記基板上に配置され、かつ単軸結晶テクスチャを有する第1のバッファ膜であって、前記単軸結晶テクスチャは、前記第1のバッファ膜の面内に延びる第1の結晶方向に沿ったテクスチャであり、前記第1のバッファ膜の面外に延びる第2の方向に有意のテクスチャを有さないことを特徴とする前記第1のバッファ膜と、 前記第1のバッファ膜上に配置されていて、2軸方向の結晶テクスチャを有する第2のバッファ膜であって、前記2軸方向の一方の結晶方向は前記第1の結晶方向に沿って配向される前記第2のバッファ膜と、前記第2のバッファ膜上に配置されている超電導体層とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2軸方向にテクスチャを有するバッファ層を備えた超電導体物品、電力ケーブル、電源変圧器、発電機、電力網、及び電子的に活性な物品、並びに2軸方向にテクスチャを有する物品を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高温超電導(HTS)ワイヤまたはテープを開発するための多くの努力は、2軸方向にテクスチャを有する表面を有するテープ上の高温超電導(HTS)膜のエピタキシャル成長をベースとするコーティングされた導体に焦点を当てられてきている。77Kで1MA/cm以上の臨界電流密度および自己フィールドを有する超電導膜が、イオン・ビーム・アシスト蒸着(IBAD)または加工熱的テクスチャ状金属により製造した2軸方向にテクスチャを有するテープ上のエピタキシャルなYBaCu膜用にすでに形成されている。
【0003】
IBADを含む以前の作業の場合には、大きな臨界電流密度を運ぶことができるHTS膜に適している2軸方向にテクスチャを有するバッファ層の合成は、面内のテクスチャおよび面外のテクスチャの両方を形成するためにイオン・アシスト・プロセスを使用している。2軸方向にテクスチャを有する基板上に大きな臨界電流を有するHTS膜形成するために、バッファ層アーキテクチャは厳しい要件を満足させなければならない。一番上のバッファ層構造物の粒子は、できれば、より優れた超電導物品を供給する10度以下のような低いモザイク的広がりを含む、通常20度以下のモザイク的広がりを含む共通の面内および面外の結晶テクスチャを供給することが望ましい。
【0004】
一番上の層は、通常、超電導体の堆積中に反応しないように、超電導体と化学的な互換性を有するものでなければならないし、HTS/バッファ層界面に微細な亀裂ができるのを防止するために機械的に丈夫なものでなければならない。現在まで、これらの目標に適合する2軸方向にテクスチャを有するバッファ層は、通常、面内および面外のテクスチャを決定する際に、イオン・アシスト(IBAD)プロセスを使用してきた。例えば、2軸方向にテクスチャを有するイットリアで安定させたジルコニウム(YSZ)バッファ層は、(001)方向に配向している立方形の材料に対する[111]方向に対応する表面の垂線からアルゴン+ビーム・フラックスを55度の方向に向けることにより、(100)面内および(001)面外のテクスチャを有するIBADにより形成することができる。
【0005】
上記IBADプロセスは、アルゴン+ビームの存在下で堆積したYSZ膜の使用によるような比較的厚い厚さ(>1μm)を必要とする所望の2軸方向のテクスチャを供給してきたが、このプロセスは、比較的速度が遅くそのためコストが高い。大規模な超電導テープの製造の際には、このようなプロセスの速度およびコストは重要な問題である。何故なら、速度およびコストは、低コストのHTSテープを製造する能力に影響するからである。第2のアプローチは、結晶テクスチャを制御するために、反射高エネルギー電子回折のような、その場での監視技術を通常使用する核形成プロセスの10nm未満の制御を必要とするMgOのIBAD蒸着を含む。このアプローチは、大規模製造の際に使用するのが難しい。また、IBADで堆積したMgO膜の品質は、この材料のために使用するプロセスおよび構造の僅かな変動に極度に影響を受けやすいことが分かっている。
【0006】
それ故、この業界においては、コーティングしたHTS導体、この導体の形成プロセス、およびこの導体を含む物品を含む超電導体構成要素を改善する必要がある。特に、大規模生産を改善する特性を有する商業的に実行可能なHTS導体、およびそれを形成するためのプロセスが求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
それ故、この業界においては、また、YSZのIBADのために必要な厚さより薄い厚さしか必要としないで、MgO用のIBADプロセスより丈夫で影響を受けにくい別の技術が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
超電導体物品は、基板および基板上に配置され、かつ単軸結晶テクスチャを有する第1のバッファ膜を含む。単軸結晶テクスチャは、第1のバッファ膜の面内に延びる第1の結晶方向に沿ったテクスチャであり、第1のバッファ膜の面外に延びる第2の方向に有意のテクスチャを有さない。第2のバッファ膜は、第1のバッファ膜上に配置され、第2のバッファ膜は、2軸方向の結晶テクスチャを有する。2軸方向の一方の結晶方向は第1の結晶方向に沿って配向される。超電導体層は、第2のバッファ膜上に配置することができる。本明細書で使用する場合、「の上に配置した」という用語は、物品内の要素の相対的位置を意味し、(別段の指示がない限り)上記要素または構成要素は必ずしも直接接触していなくてもよいし、介在する層または膜を含むことができる。それ故、この用語は、図全体を通して示すように、方向または位置に関して一般的な意味で使用している。例えば、保護層を基板と第1のバッファ膜との間に配置することができる。
【0009】
第1のバッファ膜の単軸方向にテクスチャを有する結晶の方向は、面内に位置していても、面外に位置していてもよい。面外のテクスチャの場合には、面外の結晶テクスチャは、[001]結晶方向に沿ってほぼ整合することができる。面外のテクスチャは、約30度程度の、好適には約20度程度、より好適には約10度程度のモザイク的広がりを有することができる。
【0010】
第1のバッファ膜は、岩塩状の結晶構造を有することができるし、または異方性成長傾向を有することができる。第1のバッファ膜は、REBaCu、BiTi12、MgOまたはNiOを含むことができる。基板は、ニッケル系合金のような金属合金であってもよい。
【0011】
2軸方向にテクスチャを有する第2のバッファ膜は、[001]結晶方向に沿った第1の軸に沿って、また[111]、[101]、[113]、[100]および[010]からなるグループから選択した結晶方向を有する第2の軸に沿って整合することができる。第2のバッファ膜は、岩塩状の結晶構造を有することができる。この実施形態の場合には、第2のバッファ膜は、MgO、NiO、YSZ、CeO、Y、TiO、SnO、Mn、Fe、CuOまたはREであってもよい。この場合、REは希土類元素である。
【0012】
超電導体物品は、77Kで少なくとも0.5MA/cmのJcおよび自己フィールドを供給することができ、好適には77Kで少なくとも1.0MA/cmのJcおよび自己フィールドを供給することができることが好ましい。超電導体層は、REBaCuを含むことができる。この場合、REは希土類元素である。REはYを含むことができる。超電導体物品は、超電導体テープを含むことができる。
【0013】
電力ケーブルは、複数の超電導テープを含むことができ、各テープは、基板、基板上に配置している第1のバッファ膜を有し、第1のバッファ膜は、単軸結晶テクスチャを有し、単軸結晶テクスチャは第1のバッファ膜の面内に延びる第1の結晶方向に沿ったテクスチャであり、第1のバッファ膜の面外に延びる第2の方向に有意のテクスチャを有さない。第2のバッファ膜は、第1のバッファ膜上に配置され、第2のバッファ膜は、2軸方向の結晶テクスチャを有する。2軸方向の一方の結晶方向は第1の結晶方向に沿って配向される。超電導体層は、第2のバッファ膜上に配置される。ケーブルを通して冷媒流体を流すためにコンジットを設けることができる。コンジットの周囲に超電導テープを巻くことができる。電力ケーブルは、送電ケーブルまたは配電ケーブルを含むことができる。
【0014】
電源変圧器は、一次巻線および二次巻線を含む。この場合、一次巻線および二次巻線の少なくとも一方は、上記の超電導テープの巻いたコイルを含む。二次巻線は、一次巻線と比較した場合、もっと少ないかもっと多い巻線を含むことができる。
【0015】
発電機は、ロータ・コイルを備える電磁石を有するロータと結合しているシャフト、およびロータを囲む導電性巻線を含むステータを含む。巻線およびロータ・コイルのうちの少なくとも一方は、上記の超電導テープを含む。ロータ・コイルのうちの少なくとも1つは、超電導テープを含むことができる。
【0016】
電力発電所を備える電力網は、発電機、電力発電所から電力の供給を受け、送電のために電圧を昇圧するための複数の電源変圧器を備える送電変電所、送電変電所から電力を送電するための複数の送電ケーブル、および送電ケーブルから電力の供給を受ける電力変電所を含む。電力変電所は、配電のために電圧を降圧するための複数の電源変圧器を備える。複数の配電ケーブルは、エンドユーザに電力を配電するためのものである。配電ケーブル、送電ケーブル、電力変電所の変圧器、送電変電所の変圧器、および発電機のうちの少なくとも1つは、複数の上記超電導テープを含む。
【0017】
電子的に活性な物品は、基板および基板上に配置されている第1のバッファ膜を含む。第1のバッファ膜は、単軸結晶テクスチャを有し、単軸結晶テクスチャは、第1のバッファ膜の面内に延びる第1の結晶方向に沿ったテクスチャであり、第1のバッファ膜の面外に延びる第2の方向に有意のテクスチャを有さない。第2のバッファ膜は第1のバッファ膜上に配置され、第2のバッファ膜は、2軸方向の結晶テクスチャを有する。2軸方向の一方の結晶方向は第1の結晶方向に沿って配向される。電子的に活性な層は、第2のバッファ膜上に配置される。電子的に活性な層は、半導体層であっても、光起電性層であっても、強誘電性層であっても、または光誘電性層であってもよい。
【0018】
2軸方向にテクスチャを有する物品を製造する方法は、基板を供給するステップと、基板上の第1のバッファ膜を形成するステップとを含む。この場合、第1のバッファ膜は、単軸結晶テクスチャを有し、単軸結晶テクスチャは第1のバッファ膜の面内に延びる第1の結晶方向に沿ったテクスチャであり、第1のバッファ膜の面外に延びる第2の方向に有意のテクスチャを有さない。またこの方法は、第1のバッファ膜上にイオン・アシスト法により第2のバッファ膜を堆積するステップも含む。この場合、結果として得られる第2のバッファ膜は、2軸方向のテクスチャを有する。2軸方向の一方の結晶方向が第1の結晶方向に沿って配向されるように堆積する。この方法は、第2のバッファ膜上に超電導体層を堆積するステップを含むことができる。イオン・ビーム・アシスト蒸着(IBAD)は、第2のバッファ膜を堆積するために使用することができる。
【0019】
全図面を通して類似の参照番号が類似の部材を示す、添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明を読めば、本発明の上記および他の特徴、態様および利点をよりよく理解することができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態による超電導テープ物品。
【図2】本発明の一実施形態による電力ケーブル。
【図3】本発明の他の実施形態による1つの例示としての超電導ケーブルの詳細図。
【図4】本発明のさらに他の実施形態による電源変圧器。
【図5】本発明の一実施形態による発電機。
【図6】本発明の他の実施形態による電力網。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施形態は、新規のHTS物品、その形成方法、それを内蔵するデバイスおよびシステムを提供する。一つの特徴によれば、本方法は、2つのステップのプロセスにより2軸方向にテクスチャを有するバッファ層物品、関連する物品、デバイスおよびシステムを形成するための方法である。第1のステップは、(i)第1のバッファ膜の面内を延びる第2の方向に有意のテクスチャを有さない第1のバッファ膜の面外を延びる第1の結晶方向のテクスチャ、または(ii)第1のバッファ膜の面外を延びる第2の方向に有意のテクスチャを有さない第1のバッファ膜の面内を延びる第1の結晶方向のテクスチャを通常特徴とする単軸方向のテクスチャを有する第1のバッファ膜を供給するステップである。1つの結晶方向は、面内または面外のうちの一方であってもよい。この場合、他の結晶方向は、有意の結晶テクスチャを有さない。それ故、単軸方向にテクスチャを有する第1のバッファ膜は、2軸方向のテクスチャを供給しない。
【0022】
ある実施形態の場合には、単軸結晶テクスチャは、有意なテクスチャを面内に有さないで面外を延びる。通常、「面内」は、バッファ膜の面内の2つの相互に垂直な方向により形成されると考えられている。他の実施形態の場合には、単軸結晶テクスチャは、面内の方向のうちの1つの方向に延びていて、面外に有意なテクスチャを有さないし、相互に垂直な面内にテクスチャを有さない。本明細書で使用する場合、「テクスチャ」という用語は、面内のテクスチャであってもまたは面外のテクスチャであっても、各層の粒子間の結晶の方向のズレである「モザイク的広がり」を意味する。通常、テクスチャを有する層のモザイク的広がりは、約20度以下、約15度以下、約10度以下、または約5度以下のように約30度以下であるが、通常約1度より大きい有限の角度である。一実施形態の場合には、「有意なテクスチャを有さない」という用語は、通常、約30度以上で、全体的にランダムな多結晶配置を含む各層の粒子間の方向のズレである「モザイク的広がり」を意味する。
【0023】
面外の結晶テクスチャの場合には、モザイク的広がりは、通常、(001)極点図測定により入手するような、X線回折ピークの半値全幅で表される。この場合、粒子の(001)結晶面は整合していて、そのため約30度以下の角度的広がり内の膜への垂線に対して垂直な方向のテクスチャを有する。
【0024】
第2のバッファ膜は、第1のバッファ膜上に配置され、第2のバッファ膜は、2軸方向の結晶テクスチャを有する。定義による2軸方向にテクスチャを有する第2のバッファ膜は、面内の結晶テクスチャおよび面外の結晶テクスチャの両方を有する。本明細書においては、2軸方向にテクスチャを有する層は、一番上の層の結晶の面内および面外の両方の粒子間の方向のズレが、約20度以下、約15度以下、約10度以下、または約5度以下のように、約30度以下であるが、通常約1度以上の有限の角度である多結晶材料として定義される。X線回折により測定した粒子の面内および面外配向の分布を指定することにより、2軸方向のテクスチャの程度を表すことができる。面外(Δθ)および面内(Δφ)反射のロッキング曲線の半値全幅(FWHM)を測定することができる。それ故、2軸方向のテクスチャの程度を、所与のサンプルのΔθおよびΔφの範囲を指定することにより定義することができる。
【0025】
第1のバッファ膜は、通常、イオン・ビームを使用しないで形成されるが、第2のバッファ層膜を形成する第2のステップは、第1のバッファ層部分の頂部上に2軸方向にテクスチャを有する層部分を形成するために、イオン・ビーム・アシスト蒸着(IBAD)プロセスを使用する。全バッファ層に対してIBADの使用に関する関連する製造についての問題を起こさないで、IBADにより2軸方向にテクスチャを有するバッファ表面を入手することができるので、従来のIBAD処理と比較した場合、より一層効率的で経済的な高性能の物品を製造することができる。それ故、本発明の実施形態は、全バッファ層の厚さ内で2軸方向のテクスチャを形成するために、IBAD処理の一般的な使用を低減し、さらに高度に制御されたIBAD処理をそれほど使用しなくてすむ。何故なら、処理許容範囲が緩和されるからである。このことは製造環境内において好ましいことである。これは、結晶の核形成および成長の観点からいって、堆積中、単軸結晶方向に沿って堆積した材料が整合するのにエネルギー的に好都合であり、IBAD膜処理中、柔軟性が増すためであると考えられている。
【0026】
2軸方向にテクスチャを有する電子的に活性な層は、本発明の実施形態により形成した2軸方向にテクスチャを有するバッファ層上に配置することができる。電子的に活性な層は、超電導体層であっても、半導体層であっても、光起電性層であっても、強誘電性層であっても、または光誘電性層であってもよいし、粒子境界制御が重要な任意の他の電磁デバイスであってもよい。この点に関して、本発明の種々の態様は、電子的に活性な層が超電導材料から主として形成される高温超電導体構成要素を提供するのに特に適している。本発明の種々の態様は、2軸方向のテクスチャを有する電子的に活性なワイヤおよびテープ(以後「テープ」と呼ぶ)物品を形成するのに特に適している。本明細書で使用する場合、「テープ」という用語は、約1,000程度のアスペクト比を有する物品を意味する。このアスペクト比は、最も長い寸法(長さ)の、次に最も長い寸法(幅)に対する比率を意味する。通常、アスペクト比は、約10以上、また約10以上である場合もある。
【0027】
2軸方向にテクスチャを有するバッファ層は、約77Kで約0.5MA/cm以上の臨界電流密度および自己フィールドを提供し、好適には約1MA/cm以上の臨界電流密度を提供することが好ましい高温超電導物品の形成に適している。本発明の実施形態は、また、鋭角の結晶テクスチャが重要な種々の他の電子的用途にも役に立つ。
【0028】
図1は、その全長に沿って2軸方向のテクスチャを有する集合組織化された超電導体テープ18を含む多重層組成を有する本発明の一実施形態によるテープ物品10である。テープ物品10は、電流を運ぶ機能を増大し、送電線の交流抵抗損失を低減するのに特に役に立つと期待される。超電導体物品10は基板12からなる。基板12は、金属または多結晶セラミックであってもよい。金属の場合には、基板12は、ニッケル系合金のような合金であってもよい。基板12内のテクスチャは通常必要ない。それ故、基板12は、多結晶のものでもまたは非晶質のものであってもよい。多結晶基板は、高性能基板材料のハステロイ(登録商標)グループのような市販のニッケル系合金のような材料のある種の熱的、機械的および電気的特性を必要とするいくつかの用途に使用することができる。基板12は、超電導体物品10用のサポートとなり、本発明の種々の態様を使用する長くて、大きなエリア上で製造することができる。超電導体テープが長いもの(例えば、1km)である場合には、第1のバッファ層14および第2のバッファ層16は、リール間並進のような適当な並進プロセスにより、2軸方向にテクスチャを有する基板表面12上に堆積することができる。
【0029】
オプションとしての保護層13は、通常多結晶であり、基板12の頂部面上に配置される。好適には、保護層13は、バッファ層14が基板12と化学的に互換性を有さない場合に使用することが好ましい。好適には、多結晶保護層は、酸化セリウムまたはイットリアにより安定させたジルコニウム(YSZ)のような酸化物であることが好ましい。
【0030】
第2のバッファ層16は、第1のバッファ層14上に配置される。第1のバッファ層14は、(i)第1のバッファ膜の面内を延びる第2の方向に有意のテクスチャを有さない第1のバッファ膜の面外を延びる第1の結晶方向のテクスチャを供給し、または(ii)第1のバッファ膜の面外を延びる第2の方向に有意のテクスチャを有さない第1のバッファ膜の面内を延びる第1の結晶方向のテクスチャを供給する。一方、第2のバッファ層16は、2軸方向のテクスチャを供給する。エピタキシャルに成長した超電導層18は、2軸方向にテクスチャを有するバッファ層16上に配置される。
【0031】
図1には示してないが、少なくとも1つのエピタキシャル膜を、第2のバッファ層16と超電導体層18との間に設けることができる。さらに、貴金属層を銀のような超電導体層18の上に形成することができる。
【0032】
第1のバッファ層14内の高度の面外のテクスチャは、選択した材料の異方性成長の傾向により、または選択した材料のエネルギー的に好都合な成長の配向の優先的選択により形成することができる。この用途の場合、面外のテクスチャのような単軸方向のテクスチャを形成する膜を、イオン・アシスト法を使用しなくても供給することができ、この膜を層1と呼ぶ。例えば、層1は多結晶材料であってもよい。この場合、エネルギー的に好都合な成長方向は、膜の垂線に沿った<100>である。例としては、下に位置する基板の配向とは無関係に、<100>というエネルギー的に好都合な方向に優先的に整合する傾向を有するMgOおよびNiOのような岩塩構造がある。「非晶質表面上に堆積された岩塩状構造を有する薄膜」(Thin films having rock−salt−like structure deposited on amorphous surfaces)という名称のDo他の米国特許第6,190,752号は、岩塩構造および使用できる種類に関する詳細な情報を記載している。
【0033】
種々の酸化物を含むいくつかの多結晶薄膜材料は、異方性成長傾向を有する。何故なら、これらの材料は、ある種の堆積条件の場合、基板の表面の垂線に沿って特定の結晶軸に整合する傾向があるからである。異方性成長の場合には、いくつかの多重カチオン酸化物を使用することができる。例えば、REBaCuを使用することができる。この場合、REはYBaCuおよびBiTi12のような希土類元素であり、この場合、両方ともランダムな方向に配向している基板上で面外(c軸)方向に配向した膜の成長を示す。単軸方向にテクスチャを有する膜は、2軸方向にテクスチャを有するバッファ層16を形成するために、エピタキシャル成長(IBAD膜を含む)用の初期テンプレートとしての働きをすることができるバッファ層14として使用することができる。バッファ層14は、一般に、約100〜約3000オングストローム(約10〜約300nm)の範囲内の厚さを有する。好適には、バッファ層14は、[100]方向に沿って整合することが好ましく、スパッタリング、パルス・レーザ蒸着、または蒸着により堆積することができる。
【0034】
第2のバッファ層16は、通常、面内テクスチャがイオン・ビームにより誘発される層であり、また、本明細書においてはこの層は層2と呼ばれる。エピタキシ中に全然イオンが存在しない状態で、単軸方向の面外のテクスチャを有するバッファ層14上でバッファ層16をエピタキシャル成長させると、バッファ層14内で達成した単軸方向のテクスチャを再現する。バッファ層16のエピタキシ中にバッファ層16の高度な対称方向に沿って、イオン・ビーム(例えば、アルゴン)を照射すると、イオン・ビームの方向に沿って整合している好適な軸の方向に配向している粒子の成長は、一般に、他の方向に配向しているこれらの粒子より好ましい。この以降のIBAD成長により、面外のテクスチャを依然として維持しながら、バッファ層14内に存在しないバッファ層16内の面内テクスチャ構成要素が誘発される。
【0035】
第2のバッファ層16は、通常、約100〜約5000オングストローム(約10〜約500nm)の範囲内の厚さを有する。超電導体層18の厚さは、通常、約500〜約10,000nmである。好適には、2軸方向にテクスチャを有する第2のバッファ層16は、[001]結晶方向を有する第1の軸に沿って、また[111]、[101]、[113]、[100]および[010]からなるグループから選択した結晶方向を有する第2の軸に沿って整合することが好ましい。第2のバッファ層16は、岩塩状の結晶構造を有することができ、MgO、NiOを含むことができ、またはYSZ、CeO、Y、TiO、SnO、Mn、Fe、CuOまたはREから選択することができる。この場合、REは希土類元素である。バッファ層16は、スパッタリングまたは蒸着により堆積することができる。
【0036】
好適には、超電導体層18は、酸化物超電導体であることが好ましい。好適には、酸化物超電導体は、REBaCuから選択することが好ましい。REはYのような希土類元素および関連する化合物である。超電導体物品10は、約77Kで少なくとも約0.5MA/cmのJcおよび自己フィールドを提供することができ、好適には約77Kで少なくとも約1MA/cmのJcを提供することができることが好ましい。
【0037】
c軸方向のテクスチャを有する第1のバッファ層14により本発明の種々の態様を全体的に説明してきたが、本発明はこの実施形態に限定されない。本発明の他の実施形態の場合には、第1のバッファ膜14内の単軸結晶構造は、また、膜の面内の1つの方向(a軸またはb軸)に沿って位置することができる。この実施形態の場合には、結晶が膜面(c軸)内にテクスチャを有する軸に垂直な面内に優先的なテクスチャを有さない。この実施形態の一例は、ファイバ・テクスチャの例であり、この場合、優先的な単軸方向のテクスチャがテープまたはワイヤの長手方向に沿って存在するが、この方向に垂直な面内には優先的テクスチャは存在しない。
【0038】
本発明の一般的な実施形態は、成膜のための基板を供給するステップを含む。基板は、アセトン、メタノールおよびトリクロロエチレンのような溶媒により清掃される。基板は薄膜堆積に適している堆積チャンバ内に装着される。次に、多結晶保護層が、オプションとして基板上に堆積される。多結晶層は、層1と基板間の化学反応を防止する。
【0039】
保護層でコーティングされた基板は、異方性薄膜またはそのエネルギー的に好都合な成長方向が<100>(層1)である薄膜の堆積に適している雰囲気内で加熱される。次に、層1が堆積され、イオン・アシスト法の必要性を伴わず、面外(c軸)テクスチャを提供する。次に、層1でコーティングされた基板は、イオン・ガンを備える薄膜堆積システムに転送される。基板は、層1上の層2のエピタキシャル成長に適している温度に加熱される。エピタキシ中に面内テクスチャを誘発するために、層2を形成している材料の好適な結晶方向に沿った方向を向いているイオン・ビームの存在下で、層1上に層2を堆積するために真空蒸着が使用される。
【0040】
本発明は、種々様々な用途、特に超電導体用途に有用である。超電導体用途に関しては、本発明は、送電線、モータ、発電機、または高フィールド磁石用に使用することができる高温超電導ワイヤまたはテープを形成するために使用することができる。
【0041】
図2は、本発明の一実施形態による電力ケーブル200である。図の電力ケーブル200は、3つすべての位相が同じ断熱コンジット230内に収容されている三つ葉状に配置されている3本の超電導ケーブル220を含む。この図はまたアース面240も示す。位相は物理的に可能な限りできるだけ相互に近接して位置している。図には示してないが、3本のケーブルが同心状に位置する同心配置を含む他の配置も使用することができる。
【0042】
図3は、1つの例示としての超電導ケーブル220の詳細図である。ケーブル220の外側から内側に、ケーブル220は、エンクロージャ366、スキッド・ワイヤ364、波状スチール362および断熱材360を含む。LNダクト358は、ケーブル220に冷却剤を供給し、中心のワイヤ356上に配置される。銅シールド354が供給され、超電導テープ層352上に配置される。誘電体テープ350は、テープ層352および銅シールド348間に配置される。もう1つの超電導体テープ層346は、銅シールド348の下に位置する。フォーマ/ダクト344は、(約63.3Kである)窒素の凍結温度より高い温度に安いコストで冷却することができる液体窒素(LN)冷却剤のような冷却流体用の通路を形成する。電力ケーブル200は、送電線または配電ケーブルとして使用することができる。
【0043】
図4は、本発明の他の実施形態による電源変圧器400である。電源変圧器400は、一次巻線472、二次巻線474およびコア476を含む。一次巻線472および二次巻線474のうちの少なくとも一方は、エポキシのような絶縁材料内に埋め込まれている上記超電導テープの巻いたコイルを含む。二次巻線474は、一次巻線472と比較した場合、もっと少ないまたはもっと多くの巻線を含むことができる。
【0044】
図5は、本発明の一実施形態による発電機500である。発電機500は、タービン582、およびロータ・コイルを備える電磁石を有するロータ586と結合しているシャフト584、およびロータを囲んでいる導電性巻線を備えるステータ588を含む。巻線およびロータ・コイルのうちの少なくとも一方は、上記の超電導テープを含む。
【0045】
図6は、本発明の他の実施形態による電力網600である。電力網600は、発電装置690、および電力を送電変電所694に送るための送電線692を備える電力発電所を含む。送電変電所694は、変圧器695を含む。送電ケーブル696は、送電変電所694から出ている。送電ケーブル696は、電力を送電変電所694から分電のために電圧を降圧するための複数の電源変圧器697を含む電力変電所698に送る。配電ケーブル610は、電力を電力変電所698からエンドユーザ602に送る。配電ケーブル610、送電ケーブル696、電力変電所698の変圧器697、送電変電所695の変圧器、および発電装置690のうちの少なくとも1つは、複数の上記超電導テープを有する。
【0046】
実施例
本明細書に記載する例および実施形態は、単に例示としてのものであって、当業者であればこれを見て種々の修正または変更を思い付くことができ、これら修正または変更は本出願の精神および範囲内に含まれることを理解されたい。本発明は、その精神または本質的な属性から逸脱することなしに、他の特定の形状をとることができる。
【実施例1】
【0047】
ニッケル系合金基板を成膜用に使用する。基板はアセトン、メタノールおよびトリクロロエチレンのような溶媒により清掃される。基板は、薄膜堆積用のパルス・レーザ蒸着チャンバ内に装着される。多結晶イットリアで安定しているジルコニウム(YSZ)保護層が、真空内で約25℃でパルス・レーザ蒸着により基板上に堆積される。この保護層は、層1と基板間の化学反応を防止する。
【0048】
コーティングした基板は、YBaCu薄膜(層1)を堆積するために真空内で約700℃に加熱される。厚さ約300nmのYBaCu膜が、約200ミリトル(約27Pa)の酸素内で約700℃で堆積される。膜はc軸方向に配向しているが、面内においてはランダムな方向に配向している。次に、基板はイオン・ガンを備える薄膜堆積システムに転送される。基板は、層1上でMgOまたはYBaCuのエピタキシャル成長に適している温度に加熱される。パルス・レーザ蒸着は、YBaCuテンプレート上にエピタキシャルMgOを堆積するために使用される。MgO層は(001)方向のテクスチャを有する。その後で、CeOの[111]または[110]結晶方向に沿う方向を向いているアルゴン・イオン・ビームの存在下でCeOが成長する。
【実施例2】
【0049】
ニッケル系合金基板を成膜用に使用する。基板はアセトン、メタノールおよびトリクロロエチレンのような溶媒により清掃される。基板は、薄膜堆積用のパルス・レーザ蒸着チャンバ内に装着される。厚さ約100nmのMgO膜(層1)が真空中で約25℃で堆積される。MgO層は(001)方向のテクスチャを有する。次に、コーティングした基板は、イオン・ガンを備える薄膜堆積システムに転送される。MgOの第2の層(層2)が、MgOの[111]または[110]結晶方向に沿う方向を向いているアルゴン・イオン・ビームの存在下で成長する。第2のMgO層(層2)は2軸方向にテクスチャを有する。
【0050】
本明細書に記載する例および実施形態は、単に例示としてのものであって、当業者であればこれを見て、本特許請求の範囲から逸脱することなしに種々の修正または変更を思い付くことができることを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超電導体物品であって、
基板と、
前記基板上に配置され、かつ単軸結晶テクスチャを有する第1のバッファ膜であって、前記単軸結晶テクスチャは、前記第1のバッファ膜の面内に延びる第1の結晶方向に沿ったテクスチャであり、前記第1のバッファ膜の面外に延びる第2の方向に有意のテクスチャを有さないことを特徴とする前記第1のバッファ膜と、
前記第1のバッファ膜上に配置されていて、2軸方向の結晶テクスチャを有する第2のバッファ膜であって、前記2軸方向の一方の結晶方向は前記第1の結晶方向に沿って配向される前記第2のバッファ膜と、
前記第2のバッファ膜上に配置されている超電導体層とを有する超電導体物品。
【請求項2】
前記第1のバッファ膜が、岩塩状の結晶構造を有する請求項1に記載の超電導体物品。
【請求項3】
前記第1のバッファ膜が、REBaCu、BiTi12、MgOおよびNiOからなるグループから選択した少なくとも1つを含む請求項1に記載の超電導体物品。
【請求項4】
前記基板が金属合金を含む請求項1に記載の超電導体物品。
【請求項5】
前記金属合金が、ニッケル系合金を含む請求項4に記載の超電導体物品。
【請求項6】
前記2軸方向にテクスチャを有する第2のバッファ膜が、[001]結晶方向に沿った第1の軸に沿って、および[111]、[101]、[113]、[100]および[010]からなるグループから選択した結晶方向を有する第2の軸に沿って整合している請求項1に記載の超電導体物品。
【請求項7】
前記第2のバッファ膜が、岩塩状の結晶構造を有する請求項1に記載の超電導体物品。
【請求項8】
前記第2のバッファ膜が、MgO、NiO、YSZ、CeO、Y、TiO、SnO、Mn、Fe、CuO、およびREが希土類元素であるREからなるグループから選択した少なくとも1つの材料を含む請求項7に記載の超電導体物品。
【請求項9】
前記超電導体物品が、77Kで少なくとも0.5MA/cmのJcおよび自己フィールドを供給する請求項1に記載の超電導体物品。
【請求項10】
前記超電導体層が、REが希土類元素であるREBaCuを含む請求項1に記載の超電導体物品。
【請求項11】
REがYを含む請求項10に記載の超電導体物品。
【請求項12】
前記物品が超電導体テープを含む請求項1に記載の超電導体物品。
【請求項13】
前記基板と前記第1のバッファ膜との間に配置されている保護層をさらに有する請求項1に記載の超電導体物品。
【請求項14】
電力ケーブルであって、
それぞれが基板を有する複数の超電導テープと、前記基板上に配置され、かつ単軸結晶テクスチャを有する第1のバッファ膜であって、前記単軸結晶テクスチャは前記第1のバッファ膜の面内に延びる第1の結晶方向に沿ったテクスチャであり、前記第1のバッファ膜の面外に延びる第2の方向に有意のテクスチャを有さないことを特徴とする前記第1のバッファ膜と、2軸方向の結晶テクスチャを有する前記第1のバッファ膜上に配置されている第2のバッファ膜であって、前記2軸方向の一方の結晶方向は前記第1の結晶方向に沿って配向される前記第2のバッファ膜と、前記第2のバッファ膜上に配置されている超電導体層とを備える電力ケーブル。
【請求項15】
冷却剤流体の通路のためのコンジットをさらに備える請求項14に記載の電力ケーブル。
【請求項16】
前記超電導テープが前記コンジットの周囲に巻かれている請求項15に記載の電力ケーブル。
【請求項17】
前記電力ケーブルが、送電ケーブルまたは配電ケーブルを含む請求項14に記載の電力ケーブル。
【請求項18】
電源変圧器であって、
一次巻線と、
二次巻線とを有し、前記一次巻線および二次巻線の少なくとも一方が、超電導テープの巻いたコイルを有し、前記超電導テープが、基板と、前記基板上に配置され、かつ単軸結晶テクスチャを有する第1のバッファ膜であって、前記単軸結晶テクスチャは、前記第1のバッファ膜の面内に延びる第1の結晶方向に沿ったテクスチャであり、前記第1のバッファ膜の面外に延びる第2の方向に有意のテクスチャを有さないことを特徴とする前記第1のバッファ膜と、前記第1のバッファ膜上に配置されていて、2軸方向の結晶テクスチャを有する第2のバッファ膜であって、前記2軸方向の一方の結晶方向は前記第1の結晶方向に沿って配向される前記第2のバッファ膜と、前記第2のバッファ膜上に配置されている超電導体層とを有する電源変圧器。
【請求項19】
前記二次巻線が、前記一次巻線と比較した場合、より少ない巻線を有する請求項18に記載の電源変圧器。
【請求項20】
前記二次巻線が、前記一次巻線と比較した場合、より多い巻線を有する請求項18に記載の電源変圧器。
【請求項21】
発電機であって、
ロータ・コイルを有する電磁石を備えるロータと結合しているシャフトと、
前記ロータを囲んでいる導電性巻線を有するステータとを備え、前記巻線および前記ロータ・コイルのうちの少なくとも一方が、基板を有する超電導テープと、前記基板上に配置され、かつ単軸結晶テクスチャを有する第1のバッファ膜であって、前記単軸結晶テクスチャは、前記第1のバッファ膜の面内に延びる第1の結晶方向に沿ったテクスチャであり、前記第1のバッファ膜の面外に延びる第2の方向に有意のテクスチャを有さないことを特徴とする前記第1のバッファ膜と、前記第1のバッファ膜上に配置されていて、2軸方向の結晶テクスチャを有する第2のバッファ膜であって、前記2軸方向の一方の結晶方向は前記第1の結晶方向に沿って配向される前記第2のバッファ膜と、前記第2のバッファ膜上に配置されている超電導体層とを備える発電機。
【請求項22】
前記ロータ・コイルのうちの少なくとも1つが前記超電導テープを含む請求項21に記載の発電機。
【請求項23】
電力網であって、
発電機を備える電力発電所と、
前記電力発電所から電力の供給を受け、送電のために電圧を昇圧するための複数の電源変圧器を備える送電変電所と、
電力を前記送電変電所から送電するための複数の送電ケーブルと、
前記送電ケーブルから電力の供給を受けるための電力変電所であって、配電のために電圧を降圧するための複数の電源変圧器を備える電力変電所と、
エンドユーザに電力を配電するための複数の電力分配ケーブルとを備え、前記電力分配ケーブル、送電ケーブル、前記電力変電所の変圧器、前記送電変電所の変圧器、および発電機のうちの少なくとも1つが複数の超電導テープを備え、各超電導テープが、基板と、前記基板上に配置され、かつ単軸結晶テクスチャを有する第1のバッファ膜であって、前記単軸結晶テクスチャは、前記第1のバッファ膜の面内に延びる第1の結晶方向に沿ったテクスチャであり、前記第1のバッファ膜の面外に延びる第2の方向に有意のテクスチャを有さないことを特徴とする前記第1のバッファ膜と、前記第1のバッファ膜上に配置されていて、2軸方向の結晶テクスチャを有する第2のバッファ膜であって、前記2軸方向の一方の結晶方向は前記第1の結晶方向に沿って配向される前記第2のバッファ膜と、前記第2のバッファ膜上に配置されている超電導体層とを備える電力網。
【請求項24】
電子的に活性な物品であって、
基板と、
前記基板上に配置され、かつ単軸結晶テクスチャを有する第1のバッファ膜であって、前記単軸結晶テクスチャは、前記第1のバッファ膜の面内に延びる第1の結晶方向に沿ったテクスチャであり、前記第1のバッファ膜の面外に延びる第2の方向に有意のテクスチャを有さないことを特徴とする前記第1のバッファ膜と、
前記第1のバッファ膜上に配置されていて、2軸方向の結晶テクスチャを有する第2のバッファ膜であって、前記2軸方向の一方の結晶方向は前記第1の結晶方向に沿って配向される前記第2のバッファ膜と、
前記第2のバッファ膜上に配置されている電子的に活性な層とを有する物品。
【請求項25】
前記電子的に活性な層が、半導体、光起電性、強誘電性、または光誘電性からなるグループから選択される請求項24に記載の物品。
【請求項26】
2軸方向にテクスチャを有する物品を製造するための方法であって、
基板を提供するステップと、
前記基板上に配置され、かつ単軸結晶テクスチャを有する第1のバッファ膜を形成するステップであって、前記単軸結晶テクスチャが前記第1のバッファ膜の面内に延びる第1の結晶方向に沿ったテクスチャであり、前記第1のバッファ膜の面外に延びる第2の方向に有意のテクスチャを有さないように形成するステップと、
イオン・アシスト法により、前記第1のバッファ膜上に、2軸方向にテクスチャを有する第2のバッファ膜を堆積するステップであって、前記2軸方向の一方の結晶方向が前記第1の結晶方向に沿って配向されるように堆積するステップとを含む方法。
【請求項27】
前記第2のバッファ膜上に超電導体層を堆積するステップをさらに含む請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記超電導体層が、77Kで少なくとも0.5MA/cmのJcおよび自己フィールドを提供する請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記物品がテープを含む請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記第2のバッファ膜を堆積するために、イオン・ビーム・アシスト蒸着(IBAD)を含むプロセスを使用する請求項26に記載の方法。
【請求項31】
超電導体物品であって、
基板と、
前記基板上に配置されていて、多結晶酸化物の薄膜材料を含む第1のバッファ膜であって、前記第1のバッファ膜は単軸結晶テクスチャを有し、前記単軸結晶テクスチャは、前記第1のバッファ膜の面内に延びる第1の結晶方向に沿ったテクスチャであり、前記第1のバッファ膜の面外に延びる第2の方向に有意のテクスチャを有さないことを特徴とする前記第1のバッファ膜と、
前記第1のバッファ膜上に配置されている第2のバッファ膜であって、IBAD MgO、IBAD CeO、またはIBAD REからなるグループからの材料を含み、REが希土類元素であり、2軸方向の結晶テクスチャを有し、かつ前記2軸方向の一方の結晶方向は前記第1の結晶方向に沿って配向される前記第2のバッファ膜と、
前記第2のバッファ膜上に配置されている超電導体層とを有する超電導体物品。
【請求項32】
前記第2のバッファ膜がIBAD MgOを含む請求項31に記載の物品。
【請求項33】
超電導体物品であって、
基板と、
前記基板上に配置されていて、岩塩状の結晶構造を有する多結晶材料を含む第1のバッファ膜であって、前記第1のバッファ膜は単軸結晶テクスチャを有し、前記単軸結晶テクスチャは、前記第1のバッファ膜の面内に延びる第1の結晶方向に沿ったテクスチャであり、前記第1のバッファ膜の面外に延びる第2の方向に有意のテクスチャを有さないことを特徴とする前記第1のバッファ膜と、
前記第1のバッファ膜上に配置されている第2のバッファ膜であって、IBAD MgO、IBAD CeO、またはIBAD REからなるグループからの材料を含み、REが希土類元素であり、2軸方向の結晶テクスチャを有し、かつ前記2軸方向の一方の結晶方向は前記第1の結晶方向に沿って配向される前記第2のバッファ膜と、
前記第2のバッファ膜上に配置されている超電導体層とを有する超電導体物品。
【請求項34】
前記多結晶材料が岩塩結晶構造を有する請求項33に記載の超電導体物品。
【請求項35】
前記第2のバッファ膜がIBAD MgOを含む請求項33に記載の超電導体物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−109265(P2012−109265A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−34564(P2012−34564)
【出願日】平成24年2月20日(2012.2.20)
【分割の表示】特願2006−533648(P2006−533648)の分割
【原出願日】平成16年6月9日(2004.6.9)
【出願人】(507371168)ユニバーシティ オブ フロリダ リサーチ ファンデーション インコーポレーティッド (38)
【Fターム(参考)】