説明

3−(2−アルコキシフェニル)−置換テトラメート類

本発明は、式(I)


[式中、W、X、Y、G、m、n、A、B及びDは、上記で示されている意味を有する]で表される新規4−(2−アルコキシ−フェニル)−置換テトラメート類、それらを調製するための方法、並びに、殺有害生物剤及び/又は除草剤としてのそれらの使用に関する。本発明は、さらに、3−(2−アルコキシ−フェニル)−置換テトラメートと栽培植物の適合性を向上させる化合物を含んでいる選択的除草剤にも関する。本発明は、最後に、アンモニウム塩又はホスホニウム塩と場合により浸透促進剤を添加することにより、式(I)で表される化合物を含んでいる作物保護剤の効力を増強させる方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規3−(2−アルコキシフェニル)−置換テトラメート(tetramate)類、それらを調製するための複数の方法及びそれらの殺有害生物剤(pesticide)及び/又は除草剤としての使用に関する。本発明は、さらにまた、選択的除草剤組成物も提供し、ここで、該組成物は、第1に、当該3−(2−アルコキシフェニル)−置換テトラメート類を含んでおり、第2に、作物植物の適合性を改善する化合物も含んでいる。
【0002】
本発明は、さらに、アンモニウム塩又はホスホニウム塩を添加することにより(及び、場合により、浸透剤も添加することにより)作物保護組成物(特に、3−(2−アルコキシフェニル)−置換テトラメートを含んでいる作物保護組成物)の作用を増強すること、対応するその組成物、それらの調製方法、並びに、殺虫剤及び/若しくは殺ダニ剤としての作物保護におけるそれらの適用並びに/又は望ましくない植物の生長を防止するためのそれらの適用にも関する。
【背景技術】
【0003】
3−アシルピロリジン−2,4−ジオン類に関しては、医薬的特性が既に記述されている(S. Suzuki et al. Chem. Pharm. Bull. 15 1120 (1967))。さらに、N−フェニルピロリジン−2,4−ジオン類は、R. Schmierer 及び H. Mildenberger によって合成された(Liebigs Ann. Chem. 1985, 1095)。これらの化合物の生物学的な活性については、これまで記述されていない。
【0004】
EP-A-0262399 及び GB-A-2266888 には、類似した構造を有する化合物(3−アリールピロリジン−2,4−ジオン類)が開示されている。しかしながら、それら化合物に関して、除草作用、殺虫作用又は殺ダニ作用は、開示されていない。非置換二環式3−アリールピロリジン−2,4−ジオン誘導体(EP-A-355599、EP-A-415211 及び JP-A-12-053670)は、除草作用、殺虫作用又は殺ダニ作用を有する既知化合物であり、また、置換単環式3−アリールピロリジン−2,4−ジオン誘導体(EP-A-377893 及び EP-A-442077)も、除草作用、殺虫作用又は殺ダニ作用を有する既知化合物である。
【0005】
さらに、以下のものも知られている:多環式3−アリールピロリジン−2,4−ジオン誘導体(EP-A-442073)、及び、さらにまた、1H−アリールピロリジンジオン誘導体(EP-A-456063、EP-A-521334、EP-A-596298、EP-A-613884、EP-A-613885、WO 94/01997、WO 95/26954、WO 95/20572、EP-A-0668267、WO 96/25395、WO 96/35664、WO 97/01535、WO 97/02243、WO 97/36868、WO 97/43275、WO 98/05638、WO 98/06721、WO 98/25928、WO 99/24437、WO 99/43649、WO 99/48869、WO 99/55673、WO 01/17972、WO 01/23354、WO 01/74770、WO 03/013249、WO 03/062244、WO 2004/007448、WO 2004/024688、WO 04/065366、WO 04/080962、WO 04/111042、WO 05/044791、WO 05/044796、WO 05/048710、WO 05/049596、WO 05/066125、WO 05/092897、WO 06/000355、WO 06/029799、WO 06/056281、WO 06/056282、WO 06/089633、WO 07/048545、WO 07/073856、WO 07/096058、WO 07/121868、WO 07/140881 及び DE-A-1020006050148)。さらに、ケタール−置換1H−アリールピロリジン−2,4−ジオン類は、WO 99/16748 によって知られており、(スピロ)−ケタール−置換N−アルコキシアルコキシ−置換アリールピロリジンジオン類は、JP-A-14205984 及び「Ito M. et al., Bioscience, Biotechnology and Biochemistry 67, 1230-1238, (2003)」によって知られている。ケトエノール類に薬害軽減剤を添加することも、原則として、WO 03/013249 によって知られている。さらに、WO 06/024411 には、ケトエノールを含んでいる除草剤組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0262399号
【特許文献2】英国特許出願公開第2266888号
【特許文献3】欧州特許出願公開第355599号
【特許文献4】欧州特許出願公開第415211号
【特許文献5】特開平12−053670号
【特許文献6】欧州特許出願公開第377893号
【特許文献7】欧州特許出願公開第442077号
【特許文献8】欧州特許出願公開第442073号
【特許文献9】欧州特許出願公開第456063号
【特許文献10】欧州特許出願公開第521334号
【特許文献11】欧州特許出願公開第596298号
【特許文献12】欧州特許出願公開第613884号
【特許文献13】欧州特許出願公開第613885号
【特許文献14】国際公開第94/01997号
【特許文献15】国際公開第95/26954号
【特許文献16】国際公開第95/20572号
【特許文献17】欧州特許出願公開第0668267号
【特許文献18】国際公開第96/25395号
【特許文献19】国際公開第96/35664号
【特許文献20】国際公開第97/01535号
【特許文献21】国際公開第97/02243号
【特許文献22】国際公開第97/36868号
【特許文献23】国際公開第97/43275号
【特許文献24】国際公開第98/05638号
【特許文献25】国際公開第98/06721号
【特許文献26】国際公開第98/25928号
【特許文献27】国際公開第99/24437号
【特許文献28】国際公開第99/43649号
【特許文献29】国際公開第99/48869号
【特許文献30】国際公開第99/55673号
【特許文献31】国際公開第01/17972号
【特許文献32】国際公開第01/23354号
【特許文献33】国際公開第01/74770号
【特許文献34】国際公開第2003/013249号
【特許文献35】国際公開第2003/062244号
【特許文献36】国際公開第2004/007448号
【特許文献37】国際公開第2004/024688号
【特許文献38】国際公開第2004/065366号
【特許文献39】国際公開第2004/080962号
【特許文献40】国際公開第2004/111042号
【特許文献41】国際公開第2005/044791号
【特許文献42】国際公開第2005/044796号
【特許文献43】国際公開第2005/048710号
【特許文献44】国際公開第2005/049596号
【特許文献45】国際公開第2005/066125号
【特許文献46】国際公開第2005/092897号
【特許文献47】国際公開第2006/000355号
【特許文献48】国際公開第2006/029799号
【特許文献49】国際公開第2006/056281号
【特許文献50】国際公開第2006/056282号
【特許文献51】国際公開第2006/089633号
【特許文献52】国際公開第2007/048545号
【特許文献53】国際公開第2007/073856号
【特許文献54】国際公開第2007/096058号
【特許文献55】国際公開第2007/121868号
【特許文献56】国際公開第2007/140881号
【特許文献57】独国特許出願公開第1020006050148号
【特許文献58】国際公開第99/16748号
【特許文献59】特開平14−205984号
【特許文献60】国際公開第2003/013249号
【特許文献61】国際公開第2006/024411号
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】S. Suzuki et al. Chem. Pharm. Bull. 15 1120 (1967)
【非特許文献2】Liebigs Ann. Chem. 1985, 1095
【非特許文献3】Ito M. et al., Bioscience, Biotechnology and Biochemistry 67, 1230-1238,(2003)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特に作物植物に関して、上記既知化合物の除草活性及び/若しくは殺ダニ活性及び/若しくは殺虫活性、並びに/又は、活性スペクトル、並びに/又は、植物の適合性は、必ずしも満足のいくものではない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、式(I)
【0010】
【化1】

[式中、
Xは、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルコキシアルキルオキシ、アルコキシ−ビス−アルキルオキシ又は場合により置換されていてもよいシクロアルキル−アルカンジイル−オキシ(ここで、これらは、ヘテロ原子で場合により中断されていてもよい)を表し;
Wは、アルキルを表し;
Yは、塩素、臭素又はヨウ素を表し;
Gは、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属のイオン同等物、アルミニウムのイオン同等物又は遷移金属のイオン同等物を表し、
又は、さらに、
アンモニウムイオン〔ここで、場合により、1個、2個、3個又は4個全部の水素原子は、基水素、基C−C−アルキル、基C−C−イソアルキル又は基C−C−シクロアルキル(ここで、これらは、いずれの場合も、フッ素、塩素、臭素、シアノ、ヒドロキシルで1置換若しくは多置換されていてもよいか、又は、1以上の酸素原子若しくは硫黄原子で中断されていてもよい)から選択される同一であるか又は異なっているラジカルで置き換えられていてもよい〕を表し、
又は、さらに、
環状の第2級若しくは第3級の脂肪族若しくはヘテロ脂肪族のアンモニウムイオン、例えば、モルホリニウム、チオモルホリニウム、ピペリジニウム、ピロリジニウム、又は、いずれの場合にもプロトン化されている1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)若しくは1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ウンデク−7−エン(DBU)を表し、
又は、さらに、
ヘテロ環式アンモニウムカチオン、例えば、いずれの場合にもプロトン化されているピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2,4−ジメチルピリジン、2,5−ジメチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、5−エチル−2−メチルピリジン、ピロール、イミダゾール、キノリン、キノキサリン、1,2−ジメチルイミダゾール、1,3−ジメチルイミダゾリウムメチルスルフェートを表し、
又は、さらに、
スルホニウムイオンを表し、
又は、さらに、
ハロゲン化マグネシウムカチオンを表し;
mは、数1又は2を表し;
nは、数1又は2を表し;
Aは、水素を表すか、又は、いずれの場合にもハロゲンで場合により置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルコキシアルキル、アルキルチオアルキル若しくはシクロアルキルを表し;
Bは、水素、アルキル又はアルコキシアルキルを表し;
又は、
AとBは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、飽和又は不飽和の置換されていないか又は置換されている環(ここで、該環は、少なくとも1個のヘテロ原子を場合により含んでいてもよい)を表し;
Dは、水素を表すか、又は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシアルキル、飽和若しくは不飽和のシクロアルキル(ここで、場合により、1以上の環員はヘテロ原子で置き換えられていてもよい)、アリールアルキル、アリール、ヘタリールアルキル若しくはヘタリールからなる群から選択される場合により置換されていてもよいラジカルを表し;
又は、
AとDは、それらが結合している原子と一緒になって、飽和又は不飽和の環(ここで、該環は、少なくとも1個のヘテロ原子を場合により含んでいてもよく、及び、置換されていないか又はA,D−部分で置換されている)を表す]
で表される新規化合物を提供する。
【0011】
とりわけ、置換基の種類に応じて、式(I)で表される化合物は、幾何異性体及び/若しくは光学異性体又はさまざまな組成の異性体混合物として存在し得る。この異性体混合物は、適切な場合には、慣習的な方法で分離させることができる。本発明は、純粋な異性体及び互変異性体及び異性体混合物、それらの調製及び使用、並びに、それらを含んでいる組成物も提供する。しかしながら、簡単にすることを目的として、以下の記載では、式(I)の化合物についてのみ言及するが、それによって意味されているものは、純粋な化合物と、適切な場合には、異性体化合物及び互変異性体化合物のさまざまな比率の混合物の両方である。
【0012】
さらに、式(I)で表される新規化合物が以下に記載されている調製方法のうちの1つによって得られるということが分かった。
【0013】
(A) 式(I)
【0014】
【化2】

[式中、A、B、D、G、m、n、W、X及びYは上記で与えられている意味を有する]
で表される置換されている3−(2−アルコキシフェニル)−置換テトラメート類は、式(II)
【0015】
【化3】

[式中、
A、B、D、W、X及びYは上記で与えられている意味を有し;
及び、
は、アルキル(好ましくは、C−C−アルキル)を表す]
で表されるN−アシルアミノを、希釈剤の存在下、及び、金属塩基の存在下で、分子内縮合させれば得られる。
【0016】
(B) さらに、上記で示されている式(I)[式中、A、B、D、G、m、n、W、X及びYは上記で与えられている意味を有する]で表される化合物は、式(I’)
【0017】
【化4】

[式中、A、B、D、W、X及びYは上記で与えられている意味を有する]で表される化合物を、適切な場合には希釈剤の存在下で、いずれの場合にも、式(III)又は式(IV)
【0018】
【化5】

[式中、
Gは、一価又は二価の金属(好ましくは、アルカリ金属又はアルカリ土類金属、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム又はカルシウム)を表し;
nは、数1又は2を表し;及び、
は、水素又はアルキル(好ましくは、C−Cアルキル)を表す]
で表される金属化合物と反応させれば得られるということが分かった。
【0019】
さらに、式(I)で表される新規化合物が、殺有害生物剤として、好ましくは、殺虫剤、殺ダニ剤及び/又は除草剤として、非常に有効であるということが分かった。
【0020】
驚くべきことに、特定の置換環状ケトエノール類が、以下に記載されている作物植物の適合性を改善する化合物(薬害軽減剤/解毒剤)と一緒に使用されたときに、作物植物に対する損傷を効果的に防止し、及び、有用な植物の作物(例えば、穀類や、さらに、トウモロコシ、ダイズ及びイネなど)における望ましくない植物を選択的に防除するための広いスペクトルを有する組合せ調製物として特に有利に使用することが可能であるということも見いだされた。
【0021】
本発明は、さらにまた、有効量の活性化合物組合せを含んでいる選択的除草剤組成物も提供し、ここで、該組合せは、成分として、以下のものを含んでいる:
(a’) 式(I)[式中、A、B、D、G、m、n、W、X及びYは、上記で与えられている意味を有する]で表される少なくとも1種類の3−(2−アルコキシフェニル)−置換テトラメート;
及び、
(b’) 以下の化合物の群から選択される作物植物の適合性を改善する少なくとも1種類の化合物;
4−ジクロロアセチル−1−オキサ−4−アザスピロ[4.5]デカン(AD−67、MON−4660)、1−ジクロロアセチルヘキサヒドロ−3,3,8a−トリメチルピロロ[1,2−a]ピリミジン−6(2H)−オン(ジシクロノン(dicyclonon)、BAS−145138)、4−ジクロロアセチル−3,4−ジヒドロ−3−メチル−2H−1,4−ベンゾオキサジン(ベノキサコール)、1−メチルヘキシル 5−クロロキノリン−8−オキシアセテート(クロキントセット−メキシル − cf. さらに、EP-A-86750、EP-A-94349、EP-A-191736、EP-A-492366 の中の関連化合物)、3−(2−クロロベンジル)−1−(1−メチル−1−フェニルエチル)尿素(クミルロン)、α−(シアノメトキシイミノ)フェニルアセトニトリル(シオメトリニル(cyometrinil))、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4−D)、4−(2,4−ジクロロフェノキシ)酪酸(2,4−DB)、1−(1−メチル−1−フェニルエチル)−3−(4−メチルフェニル)尿素(ダイムロン(daimuron, dymron))、3,6−ジクロロ−2−メトキシ安息香酸(ジカンバ)、S−1−メチル−1−フェニルエチル ピペリジン−1−チオカルボキシレート(ジメピレート)、2,2−ジクロロ−N−(2−オキソ−2−(2−プロペニルアミノ)エチル)−N−(2−プロペニル)アセトアミド(DKA−24)、2,2−ジクロロ−N,N−ジ−2−プロペニルアセトアミド(ジクロルミド)、4,6−ジクロロ−2−フェニルピリミジン(フェンクロリム)、1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−トリクロロメチル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸エチル(フェンクロラゾール−エチル − cf. さらに、EP-A-174562 及び EP-A-346620 の中の関連化合物)、2−クロロ−4−トリフルオロメチルチアゾール−5−カルボン酸フェニルメチル(フルラゾール)、4−クロロ−N−(1,3−ジオキソラン−2−イルメトキシ)−α−トリフルオロアセトフェノンオキシム(フルキソフェニム)、3−ジクロロアセチル−5−(2−フラニル)−2,2−ジメチルオキサゾリジン(フリラゾール、MON−13900)、4,5−ジヒドロ−5,5−ジフェニル−3−イソオキサゾールカルボン酸エチル(イソキサジフェン−エチル − cf. さらに、WO-A-95/07897 の中の関連化合物)、1−(エトキシカルボニル)エチル 3,6−ジクロロ−2−メトキシベンゾエート(ラクチジクロル)、(4−クロロ−o−トリルオキシ)酢酸(MCPA)、2−(4−クロロ−o−トリルオキシ)プロピオン酸(メコプロップ)、1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−5−メチル−1H−ピラゾール−3,5−ジカルボン酸ジエチル(メフェンピル−ジエチル − cf. さらに、WO-A-91/07874 の中の関連化合物)、2−ジクロロメチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン(MG−191)、2−プロペニル−1−オキサ−4−アザスピロ[4.5]デカン−4−カルボジチオエート(MG−838)、1,8−ナフタル酸無水物、α−(1,3−ジオキソラン−2−イルメトキシイミノ)フェニルアセトニトリル(オキサベトリニル)、2,2−ジクロロ−N−(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)−N−(2−プロペニル)アセトアミド(PPG−1292)、3−ジクロロアセチル−2,2−ジメチルオキサゾリジン(R−28725)、3−ジクロロアセチル−2,2,5−トリメチルオキサゾリジン(R−29148)、4−(4−クロロ−o−トリル)酪酸、4−(4−クロロフェノキシ)酪酸、ジフェニルメトキシ酢酸、ジフェニルメトキシ酢酸メチル、ジフェニルメトキシ酢酸エチル、1−(2−クロロフェニル)−5−フェニル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチル、1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸エチル、1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸エチル、1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸エチル、1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−フェニル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸エチル(cf. さらに、EP-A-269806 及び EP-A-333131 の中の関連化合物)、5−(2,4−ジクロロベンジル)−2−イソオキサゾリン−3−カルボン酸エチル、5−フェニル−2−イソオキサゾリン−3−カルボン酸エチル、5−(4−フルオロフェニル)−5−フェニル−2−イソオキサゾリン−3−カルボン酸エチル(cf. さらに、WO-A-91/08202 の中の関連化合物)、1,3−ジメチルブト−1−イル 5−クロロキノリン−8−オキシアセテート、4−アリルオキシブチル 5−クロロキノリン−8−オキシアセテート、1−アリルオキシプロプ−2−イル 5−クロロキノリン−8−オキシアセテート、メチル 5−クロロキノキサリン−8−オキシアセテート、エチル 5−クロロキノリン−8−オキシアセテート、アリル 5−クロロキノキサリン−8−オキシアセテート、2−オキソプロプ−1−イル 5−クロロキノリン−8−オキシアセテート、ジエチル 5−クロロキノリン−8−オキシマロネート、ジアリル 5−クロロキノキサリン−8−オキシマロネート、ジエチル 5−クロロキノリン−8−オキシマロネート(cf. さらに、EP-A-582198 の中の関連化合物)、4−カルボキシクロマン−4−イル酢酸(AC−304415、cf. EP-A-613618)、4−クロロフェノキシ酢酸、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、1−ブロモ−4−クロロメチルスルホニルベンゼン、1−[4−(N−2−メトキシベンゾイルスルファモイル)フェニル]−3−メチル尿素(「N−(2−メトキシベンゾイル)−4−[(メチルアミノカルボニル)アミノ]ベンゼンスルホンアミド」としても知られている)、1−[4−(N−2−メトキシベンゾイルスルファモイル)フェニル]−3,3−ジメチル尿素、1−[4−(N−4,5−ジメチルベンゾイルスルファモイル)フェニル]−3−メチル尿素、1−[4−(N−ナフチルスルファモイル)フェニル]−3,3−ジメチル尿素、N−(2−メトキシ−5−メチルベンゾイル)−4−(シクロプロピルアミノカルボニル)ベンゼンスルホンアミド、
及び/又は、一般式で定義されている以下の化合物のうちの1種類:
一般式(IIa)
【0022】
【化6】

で表される化合物、若しくは、
一般式(IIb)
【0023】
【化7】

で表される化合物、若しくは、
一般式(IIc)
【0024】
【化8】

で表される化合物
[上記式中、
nは、数0〜5を表し;
は、以下に示されている二価ヘテロ環式基
【0025】
【化9】

のうちの1つを表し;
nは、数0〜5を表し;
は、C−C−アルキル−及び/又はC−C−アルコキシ−カルボニルで場合により置換されていてもよい、1個又は2個の炭素原子を有するアルカンジイルを表し;
14は、ヒドロキシル、メルカプト、アミノ、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルアミノ又はジ(C−C−アルキル)アミノを表し;
15は、ヒドロキシル、メルカプト、アミノ、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルアミノ又はジ(C−C−アルキル)アミノを表し;
16は、いずれの場合にもフッ素、塩素及び/又は臭素で場合により置換されていてもよいC−C−アルキルを表し;
17は、水素を表すか、又は、いずれの場合にもフッ素、塩素及び/若しくは臭素で場合により置換されていてもよいC−C−アルキル、C−C−アルケニル若しくはC−C−アルキニル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、ジオキソラニル−C−C−アルキル、フリル、フリル−C−C−アルキル、チエニル、チアゾリル、ピペリジニルを表すか、又は、フッ素、塩素及び/若しくは臭素若しくはC−C−アルキルで場合により置換されていてもよいフェニルを表し;
18は、水素を表すか、又は、いずれの場合にもフッ素、塩素及び/若しくは臭素で場合により置換されていてもよいC−C−アルキル、C−C−アルケニル若しくはC−C−アルキニル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、ジオキソラニル−C−C−アルキル、フリル、フリル−C−C−アルキル、チエニル、チアゾリル、ピペリジニルを表すか、又は、フッ素、塩素及び/若しくは臭素若しくはC−C−アルキルで場合により置換されていてもよいフェニルを表すか、又は、R17と一緒になって、C−C−アルカンジイル若しくはC−C−オキサアルカンジイル(ここで、これらは、それぞれ、C−C−アルキル、フェニル、フリル若しくは縮合ベンゼン環で場合により置換されていてもよいか、又は、2つの置換基で場合により置換されていてもよく、その際、該2つの置換基は、それらが結合しているC原子と一緒に5員又は6員の炭素環を形成している)を表し;
19は、水素、シアノ若しくはハロゲンを表すか、又は、いずれの場合にもフッ素、塩素及び/若しくは臭素で場合により置換されていてもよいC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル若しくはフェニルを表し;
20は、水素を表すか、又は、いずれの場合にもヒドロキシル、シアノ、ハロゲン若しくはC−C−アルコキシで場合により置換されていてもよいC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル若しくはトリ−(C−C−アルキル)−シリルを表し;
21は、水素、シアノ若しくはハロゲンを表すか、又は、いずれの場合にもフッ素、塩素及び/若しくは臭素で場合により置換されていてもよいC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル若しくはフェニルを表し;
は、ニトロ、シアノ、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ又はC−C−ハロアルコキシを表し;
は、水素、シアノ、ニトロ、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ又はC−C−ハロアルコキシを表し;
は、水素、シアノ、ニトロ、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ又はC−C−ハロアルコキシを表す]、
及び/又は、一般式で定義されている以下の化合物:
一般式(IId)
【0026】
【化10】

で表される化合物、若しくは、
一般式(IIe)
【0027】
【化11】

で表される化合物
[上記式中、
nは、数0〜5を表し;
22は、水素又はC−C−アルキルを表し;
23は、水素又はC−C−アルキルを表し;
24は、水素を表すか、又は、いずれの場合にもシアノ、ハロゲン若しくはC−C−アルコキシで場合により置換されていてもよいC−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルアミノ若しくはジ(C−C−アルキル)アミノを表すか、又は、いずれの場合にもシアノ、ハロゲン若しくはC−C−アルキルで場合により置換されていてもよいC−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキルオキシ、C−C−シクロアルキルチオ若しくはC−C−シクロアルキルアミノを表し;
25は、水素を表すか、又は、シアノ、ヒドロキシル、ハロゲン若しくはC−C−アルコキシで場合により置換されていてもよいC−C−アルキルを表すか、又は、いずれの場合にもシアノ若しくはハロゲンで場合により置換されていてもよいC−C−アルケニル若しくはC−C−アルキニルを表すか、又は、シアノ、ハロゲン若しくはC−C−アルキルで場合により置換されていてもよいC−C−シクロアルキルを表し;
26は、水素を表すか、又は、シアノ、ヒドロキシル、ハロゲン若しくはC−C−アルコキシで場合により置換されていてもよいC−C−アルキルを表すか、又は、いずれの場合にもシアノ若しくはハロゲンで場合により置換されていてもよいC−C−アルケニル若しくはC−C−アルキニルを表すか、又は、シアノ、ハロゲン若しくはC−C−アルキルで場合により置換されていてもよいC−C−シクロアルキルを表すか、又は、ニトロ、シアノ、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ若しくはC−C−ハロアルコキシで場合により置換されていてもよいフェニルを表すか、又は、R25と一緒になって、いずれの場合にもC−C−アルキルで場合により置換されていてもよいC−C−アルカンジイル若しくはC−C−オキサアルカンジイルを表し;
は、ニトロ、シアノ、カルボキシル、カルバモイル、ホルミル、スルファモイル、ヒドロキシル、アミノ、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ又はC−C−ハロアルコキシを表し;
は、ニトロ、シアノ、カルボキシル、カルバモイル、ホルミル、スルファモイル、ヒドロキシル、アミノ、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ又はC−C−ハロアルコキシを表す]。
【発明を実施するための形態】
【0028】
式(I)は、本発明の化合物の一般的な定義を与えている。上記及び下記で記載されている式において挙げられている好ましい置換基又はラジカルの好ましい範囲について、以下で説明する:
Xは、好ましくは、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルキルオキシ、C−C−アルコキシ−ビス−C−C−アルキルオキシ又はC−C−シクロアルキル−C−C−アルカンジイルオキシ(ここで、これは、フッ素、塩素、C−C−アルキル又はC−C−アルコキシで場合により1置換〜3置換されていてもよく、及び、場合により、当該環の1のメチレン基は酸素又は硫黄で置き換えられていてもよい)を表し;
Wは、好ましくは、C−C−アルキルを表し;
Yは、好ましくは、塩素、臭素又はヨウ素を表し;
Gは、好ましくは、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、ハロゲン化マグネシウムカチオン、マグネシウム又はカルシウムを表し;
mは、好ましくは、数1又は2を表し;
nは、好ましくは、数1又は2を表し;
Aは、好ましくは、水素を表すか、又は、いずれの場合にもハロゲンで場合により置換されていてもよいC−C12−アルキル、C−C−アルケニル、C−C10−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C10−アルキルチオ−C−C−アルキル若しくはシクロプロピルを表し;
Bは、好ましくは、水素、C−C12−アルキル又はC−C−アルコキシ−C−C−アルキルを表し;又は、
A及びBとそれらが結合している炭素原子は、好ましくは、飽和C−C10−シクロアルキル又は不飽和C−C10−シクロアルキル(ここで、場合により、1の環員は酸素又は硫黄で置き換えられていてもよく、及び、該シクロアルキルは、C−C−アルキル、C−C10−シクロアルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−シクロアルキル−C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、ハロゲン又はフェニルで場合により1置換又は2置換されていてもよい)を表し;又は、
A及びBとそれらが結合している炭素原子は、好ましくは、C−C−シクロアルキル〔ここで、該シクロアルキルは、アルキレンジイル基(ここで、該アルキレンジイル基は、C−C−アルキルで場合により置換されていてもよく、及び、1個又は2個の直接には隣接していない酸素原子及び/又は硫黄原子を場合により含んでいてもよい)で置換されているか、又は、アルキレンジオキシル基若しくはアルキレンジチオイル基(ここで、これらは、それが結合している炭素原子と一緒に5〜8員のさらなる環を形成している)で置換されている〕を表し;又は、
A及びBとそれらが結合している炭素原子は、好ましくは、C−C−シクロアルキル又はC−C−シクロアルケニル〔ここで、2つの置換基は、それらが結合している炭素原子と一緒に、いずれの場合にもC−C−アルキル−、C−C−アルコキシ−又はハロゲンで場合により置換されていてもよいC−C−アルカンジイル、C−C−アルケンジイル又はC−C−アルカンジエンジイル(ここで、場合により、1のメチレン基は、酸素又は硫黄で置き換えられていてもよい)を表す〕を表し;
Dは、好ましくは、水素、いずれの場合にもハロゲンで場合により置換されていてもよいC−C12−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル若しくはC−C10−アルコキシ−C−C−アルキルを表すか、又は、ハロゲン−、C−C−アルキル−、C−C−アルコキシ−若しくはC−C−ハロアルキルで場合により置換されていてもよいC−C−シクロアルキル(ここで、場合により、1の環員は酸素又は硫黄で置き換えられていてもよい)を表し;又は、
A及びDは、一緒に、好ましくは、いずれの場合にも場合により置換されていてもよいC−C−アルカンジイル又はC−C−アルケンジイル(ここで、場合により、1のメチレン基はカルボニル基、酸素又は硫黄で置き換えられていてもよい)を表し、ここで、可能な置換基は、いずれの場合にも、以下のものである:ハロゲン、ヒドロキシル、メルカプト;又は、いずれの場合にもハロゲンで場合により置換されていてもよいC−C10−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−シクロアルキル、フェニル若しくはベンジルオキシ;又は、さらに、C−C−アルカンジイル基、C−C−アルケンジイル基若しくはブタジエニル基〔ここで、これは、C−C−アルキルで場合により置換されていてもよく、又は、場合により、2つの隣接している置換基は、それらが結合している炭素原子と一緒に、5個若しくは6個の環原子を有する飽和若しくは不飽和のさらなる環を形成し(この場合、A及びDは、それらが結合している原子と一緒に、例えば、以下に挙げられている基AD−1〜基AD−10を表す)、その際、該環は、酸素若しくは硫黄を含んでいてもよく、又は、以下の基のうちの1つを場合により含んでいてもよい〕
【0029】
【化12】

【0030】
好ましいものとして挙げられているラジカルの定義において、ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を表し、特に、フッ素、塩素及び臭素を表す。
【0031】
Xは、特に好ましくは、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルキルオキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルキルオキシ又はC−C−シクロアルキル−C−C−アルカンジイルオキシ(ここで、場合により、該環の1のメチレン基は酸素で置き換えられていてもよい)を表し;
Wは、特に好ましくは、C−C−アルキルを表し;
Yは、特に好ましくは、塩素又は臭素を表し;
Gは、特に好ましくは、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、塩化マグネシウムカチオン、臭化マグネシウムカチオン、ヨウ化マグネシウムカチオン、マグネシウム又はカルシウムを表し;
mは、特に好ましくは、数1又は2を表し;
nは、特に好ましくは、数1又は2を表し;
Aは、特に好ましくは、水素を表すか、又は、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル若しくはシクロプロピル(ここで、これらは、それぞれ、フッ素又は塩素で場合により1〜3置換されていてよい)を表し;
Bは、特に好ましくは、水素、C−C−アルキル又はC−C−アルコキシ−C−C−アルキルを表し;又は、
A及びBとそれらが結合している炭素原子は、特に好ましくは、飽和又は不飽和のC−C−シクロアルキル(ここで、場合により、1の環員は酸素又は硫黄で置き換えられていてもよく、及び、該シクロアルキルは、C−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ又はC−C−シクロアルキル−C−C−アルコキシで場合により1置換又は2置換されていてもよい)を表し;
A及びBとそれらが結合している炭素原子は、特に好ましくは、C−C−シクロアルキル〔ここで、該シクロアルキルは、アルキレンジイル基(ここで、該アルキレンジイル基は、メチル又はエチルで場合により置換されていてもよく、及び、1個又は2個の直接には隣接していない酸素原子又は硫黄原子を場合により含んでいてもよい)で置換されているか、又は、アルキレンジオキシル基若しくはアルキレンジチオール基(ここで、これらは、それが結合している炭素原子と一緒に5員又は6員のさらなる環を形成している)で置換されている〕を表し;
A及びBとそれらが結合している炭素原子は、特に好ましくは、C−C−シクロアルキル又はC−C−シクロアルケニル(ここで、2つの置換基は、それらが結合している炭素原子と一緒に、いずれの場合にもC−C−アルキル−又はC−C−アルコキシ−で場合により置換されていてもよいC−C−アルカンジイル、C−C−アルケンジイル又はブタジエンジイルを表す)を表し;
Dは、特に好ましくは、水素を表すか、又は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル若しくはC−C−アルコキシ−C−C−アルキル(ここで、これらは、それぞれ、フッ素で場合により1置換〜3置換されていてもよい)を表すか、又は、C−C−シクロアルキル(ここで、該シクロアルキルは、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ又はC−C−ハロアルキルで場合により1置換又は2置換されていてもよい)を表し;
A及びDは、一緒に、特に好ましくは、C−C−アルカンジイル(ここで、1のメチレン基は酸素又は硫黄で置き換えられていてもよく、及び、該アルカンジイルは、場合により1置換又は2置換されていてもよく、その際、可能な置換基は、C−C−アルキル又はC−C−アルコキシである)を表し;又は、
AとDは、それらが結合している原子と一緒に、基AD−1〜基AD−10:
【0032】
【化13】

のうちの1つを表す。
【0033】
特に好ましいものとして挙げられているラジカルの定義において、ハロゲンは、フッ素、塩素及び臭素を表し、特に、フッ素及び塩素を表す。
【0034】
Xは、極めて特に好ましくは、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、メトキシエチルオキシ、エトキシエチルオキシ、シクロプロピルメトキシ、シクロペンチルメトキシ又はシクロヘキシルメトキシを表し;
Wは、極めて特に好ましくは、メチル又はエチルを表し;
Yは、極めて特に好ましくは、塩素又は臭素を表し;
Gは、極めて特に好ましくは、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、臭化マグネシウムカチオン、マグネシウム又はカルシウムを表し;
mは、極めて特に好ましくは、数1又は2を表し;
nは、極めて特に好ましくは、数1又は2を表し;
Aは、極めて特に好ましくは、水素を表すか、又は、C−C−アルキル若しくはC−C−アルコキシC−C−アルキル(ここで、これらは、それぞれ、フッ素で場合により1〜3置換されていてもよい)を表すか、又は、シクロプロピルを表し;
Bは、極めて特に好ましくは、水素、メチル又はエチルを表し;又は、
A及びBとそれらが結合している炭素原子は、極めて特に好ましくは、飽和C−C−シクロアルキル(ここで、場合により、1の環員は酸素又は硫黄で置き換えられていてもよく、及び、該シクロアルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、トリフルオロメチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ又はシクロプロピルメトキシで場合により1置換されていてもよい)を表し;
A及びBとそれらが結合している炭素原子は、極めて特に好ましくは、C−シクロアルキル(ここで、該シクロアルキルは、直接には隣接していない2個の酸素原子を含んでいるC−C−アルキレンジオキシル基で場合により置換されていてもよい)を表し;
A及びBとそれらが結合している炭素原子は、極めて特に好ましくは、C−C−シクロアルキル又はC−C−シクロアルケニル(ここで、2つの置換基は、それらが結合している炭素原子と一緒に、C−C−アルカンジイル又はC−C−アルケンジイル又はブタジエンジイルを表す)を表し、但し、この場合、Qは、極めて特に好ましくは、水素を表し;
Dは、極めて特に好ましくは、水素を表すか、又は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル若しくはC−C−アルコキシ−C−C−アルキル(ここで、これらは、それぞれ、フッ素で場合により1〜3置換されていてもよい)を表すか、又は、シクロプロピル、シクロペンチル若しくはシクロヘキシルを表し;又は、
A及びDは、一緒に、極めて特に好ましくは、C−C−アルカンジイル(ここで、該アルカンジイルは、メチル又はメトキシで場合により1置換されていてもよく、及び、場合により、1個の炭素原子は酸素又は硫黄で置き換えられていてもよい)を表すか、又は、基AD−1を表し;
Xは、特に、メトキシ又はエトキシを表し;
Wは、特に、メチル又はエチルを表し;
Yは、特に、塩素を表し;
Gは、特に、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム又は臭化マグネシウムカチオンを表し;
mは、特に、数1又は2を表し;
nは、特に、数1又は2を表し;
Aは、特に、水素、メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、イソブチル、n−ブチル、t−ブチル、s−ブチル又はシクロプロピル(特に、メチル又はシクロプロピル)を表し;
Bは、特に、水素又はメチルを表し;
A及びBとそれらが結合している炭素原子は、特に、飽和C−C−シクロアルキル(ここで、場合により、1の環員は酸素で置き換えられていてもよく、及び、該シクロアルキルは、メチル、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、n−ブトキシ又はトリフルオロメチルで(特に、メトキシで)場合により1置換されていてもよい)を表し;
Dは、特に、水素、メチル、エチル、イソプロピル、シクロプロピル又はシクロヘキシル(特に、水素)を表し;又は、
A及びDは、一緒に、特に、C−C−アルカンジイルを表すか、又は、基AD−1を表す。
【0035】
上記で与えられているラジカルの一般的な又は好ましい定義又は実例は、必用に応じて互いに組み合わせることが可能であり、即ち、それぞれの範囲と好ましい範囲の間の組合せを包含する。それらは、最終生成物とそれに対応する前駆物質及び中間体の両方に適用される。
【0036】
本発明によれば、上記で好ましいものとして与えられている意味の組合せを含んでいる式(I)の化合物は、好ましい。
【0037】
本発明によれば、上記で特に好ましいものとして与えられている意味の組合せを含んでいる式(I)の化合物は、特に好ましい。
本発明によれば、上記で極めて特に好ましいものとして与えられている意味の組合せを含んでいる式(I)の化合物は、極めて特に好ましい。
本発明によれば、上記でとりわけ好ましいものとして与えられている意味の組合せを含んでいる式(I)の化合物は、とりわけ好ましい。
【0038】
飽和又は不飽和の炭化水素ラジカル、例えば、アルキル、アルカンジイル又はアルケニルなどは、いずれの場合にも、可能である限り直鎖又は分枝鎖であり得るが、これは、例えばアルコキシの場合のように、ヘテロ原子と組み合わされている場合も包含する。
【0039】
特に別途示されていない限り、場合により置換されていてもよいラジカルは、1置換又は多置換されることが可能であり、多置換の場合は、該置換基は同一であるか又は異なっていることが可能である。
【0040】
調製実施例において記載されている化合物に加えて、式(I−1−a)で表される以下の化合物を特に挙げることができる:
【0041】
【表1】





【0042】
表2: A、B及びDは表1に示されているとおりである;
W=OCH;X=CH;Y=Br;G(+)n=Na;m=1;
表3: A、B及びDは表1に示されているとおりである;
W=OCH;X=C;Y=Cl;G(+)n=Na;m=1;
表4: A、B及びDは表1に示されているとおりである;
W=OCH;X=C;Y=Br;G(+)n=Na;m=1;
表5: A、B及びDは表1に示されているとおりである;
W=OC;X=CH;Y=Cl;G(+)n=Na;m=1;
表6: A、B及びDは表1に示されているとおりである;
W=OC;X=C;Y=Cl;G(+)n=Na;m=1。
【0043】
式(IIa)、式(IIb)、式(IIc)、式(IId)及び式(IIe)で表される作物植物の適合性を改善する化合物(「除草剤薬害軽減剤」)に関連して上記で挙げた基の好ましい定義について、以下に記載する。
【0044】
nは、好ましくは、数0、1、2、3又は4を表す。
【0045】
は、好ましくは、以下に示されている2価ヘテロ環式基
【0046】
【化14】

のうちの1つを表す。
【0047】
は、好ましくは、いずれの場合にもメチル、エチル、メトキシカルボニル又はエトキシカルボニルで場合により置換されていてもよいメチレン又はエチレンを表す。
【0048】
14は、好ましくは、ヒドロキシル、メルカプト、アミノ、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、i−プロピルチオ、n−ブチルチオ、i−ブチルチオ、s−ブチルチオ、t−ブチルチオ、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、i−プロピルアミノ、n−ブチルアミノ、i−ブチルアミノ、s−ブチルアミノ、t−ブチルアミノ、ジメチルアミノ又はジエチルアミノを表す。
【0049】
15は、好ましくは、ヒドロキシル、メルカプト、アミノ、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、i−プロピルチオ、n−ブチルチオ、i−ブチルチオ、s−ブチルチオ、t−ブチルチオ、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、i−プロピルアミノ、n−ブチルアミノ、i−ブチルアミノ、s−ブチルアミノ、t−ブチルアミノ、ジメチルアミノ又はジエチルアミノを表す。
【0050】
16は、好ましくは、いずれの場合にもフッ素、塩素及び/又は臭素で場合により置換されていてもよいメチル、エチル、n−プロピル又はi−プロピルを表す。
【0051】
17は、好ましくは、水素を表すか、又は、いずれの場合にもフッ素及び/若しくは塩素で場合により置換されていてもよいメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、プロペニル、ブテニル、プロピニル、ブチニル、メトキシメチル、エトキシメチル、メトキシエチル、エトキシエチル、ジオキソラニルメチル、フリル、フリルメチル、チエニル、チアゾリル若しくはピペリジニルを表すか、又は、フッ素、塩素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル若しくはt−ブチルで場合により置換されていてもよいフェニルを表す。
【0052】
18は、好ましくは、水素を表すか、又は、いずれの場合にもフッ素及び/若しくは塩素で場合により置換されていてもよいメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、プロペニル、ブテニル、プロピニル、ブチニル、メトキシメチル、エトキシメチル、メトキシエチル、エトキシエチル、ジオキソラニルメチル、フリル、フリルメチル、チエニル、チアゾリル若しくはピペリジニルを表すか、又は、フッ素、塩素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル若しくはt−ブチルで場合により置換されていてもよいフェニルを表すか、又は、R17と一緒になって、ラジカル−CH−O−CH−CH−及び−CH−CH−O−CH−CH−(ここで、これらは、メチル、エチル、フリル、フェニル若しくは縮合ベンゼン環で場合により置換されていてもよいか、又は、2つの置換基(ここで、該2つの置換基は、それらが結合しているC原子と一緒に5員又は6員の炭素環を形成する)で場合により置換されていてもよい)のうちの1つを表す。
【0053】
19は、好ましくは、水素、シアノ、フッ素、塩素若しくは臭素を表すか、又は、いずれの場合にもフッ素、塩素及び/若しくは臭素で場合により置換されていてもよいメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル若しくはフェニルを表す。
【0054】
20は、好ましくは、水素を表すか、又は、ヒドロキシル、シアノ、フッ素、塩素、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ若しくはi−プロポキシで場合により置換されていてもよいメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル若しくはt−ブチルを表す。
【0055】
21は、好ましくは、水素、シアノ、フッ素、塩素若しくは臭素を表すか、又は、いずれの場合にもフッ素、塩素及び/若しくは臭素で場合により置換されていてもよいメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル若しくはフェニルを表す。
【0056】
は、好ましくは、ニトロ、シアノ、フッ素、塩素、臭素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、ジフルオロメチル、ジクロロメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、クロロジフルオロメチル、フルオロジクロロメチル、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、ジフルオロメトキシ又はトリフルオロメトキシを表す。
【0057】
は、好ましくは、水素、ニトロ、シアノ、フッ素、塩素、臭素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、ジフルオロメチル、ジクロロメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、クロロジフルオロメチル、フルオロジクロロメチル、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、ジフルオロメトキシ又はトリフルオロメトキシを表す。
【0058】
は、好ましくは、水素、ニトロ、シアノ、フッ素、塩素、臭素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、ジフルオロメチル、ジクロロメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、クロロジフルオロメチル、フルオロジクロロメチル、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、ジフルオロメトキシ又はトリフルオロメトキシを表す。
【0059】
22は、好ましくは、水素、メチル、エチル、n−プロピル又はi−プロピルを表す。
【0060】
23は、好ましくは、水素、メチル、エチル、n−プロピル又はi−プロピルを表す。
【0061】
24は、好ましくは、水素を表すか、又は、いずれの場合にもシアノ、フッ素、塩素、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ若しくはi−プロポキシで場合により置換されていてもよいメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、i−プロピルチオ、n−ブチルチオ、i−ブチルチオ、s−ブチルチオ、t−ブチルチオ、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、i−プロピルアミノ、n−ブチルアミノ、i−ブチルアミノ、s−ブチルアミノ、t−ブチルアミノ、ジメチルアミノ若しくはジエチルアミノを表すか、又は、いずれの場合にもシアノ、フッ素、塩素、臭素、メチル、エチル、n−プロピル若しくはi−プロピルで場合により置換されていてもよいシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロプロピルチオ、シクロブチルチオ、シクロペンチルチオ、シクロヘキシルチオ、シクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペンチルアミノ若しくはシクロヘキシルアミノを表す。
【0062】
25は、好ましくは、水素を表すか、又は、いずれの場合にもシアノ、ヒドロキシル、フッ素、塩素、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ若しくはi−プロポキシで場合により置換されていてもよいメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル若しくはs−ブチルを表すか、又は、いずれの場合にもシアノ、フッ素、塩素若しくは臭素で場合により置換されていてもよいプロペニル、ブテニル、プロピニル若しくはブチニルを表すか、又は、いずれの場合にもシアノ、フッ素、塩素、臭素、メチル、エチル、n−プロピル若しくはi−プロピルで場合により置換されていてもよいシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル若しくはシクロヘキシルを表す。
【0063】
26は、好ましくは、水素を表すか、又は、いずれの場合にもシアノ、ヒドロキシル、フッ素、塩素、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ若しくはi−プロポキシで場合により置換されていてもよいメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル若しくはs−ブチルを表すか、又は、いずれの場合にもシアノ、フッ素、塩素若しくは臭素で場合により置換されていてもよいプロペニル、ブテニル、プロピニル若しくはブチニルを表すか、又は、いずれの場合にもシアノ、フッ素、塩素、臭素、メチル、エチル、n−プロピル若しくはi−プロピルで場合により置換されていてもよいシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル若しくはシクロヘキシルを表すか、又は、ニトロ、シアノ、フッ素、塩素、臭素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、トリフルオロメチル、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、ジフルオロメトキシ若しくはトリフルオロメトキシで場合により置換されていてもよいフェニルを表すか、又は、R25と一緒になって、いずれの場合にもメチル若しくはエチルで場合により置換されていてもよいブタン−1,4−ジイル(トリメチレン)、ペンタン−1,5−ジイル、1−オキサブタン−1,4−ジイル若しくは3−オキサペンタン−1,5−ジイルを表す。
【0064】
は、好ましくは、ニトロ、シアノ、カルボキシル、カルバモイル、ホルミル、スルファモイル、ヒドロキシル、アミノ、フッ素、塩素、臭素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、トリフルオロメチル、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、ジフルオロメトキシ又はトリフルオロメトキシを表す。
【0065】
は、好ましくは、ニトロ、シアノ、カルボキシル、カルバモイル、ホルミル、スルファモイル、ヒドロキシル、アミノ、フッ素、塩素、臭素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、トリフルオロメチル、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、ジフルオロメトキシ又はトリフルオロメトキシを表す。
【0066】
本発明による除草剤薬害軽減剤として極めて特に好ましい式(IIa)で表される化合物の例を、以下の表に記載する。
【0067】
【表2】



【0068】
本発明による除草剤薬害軽減剤として極めて特に好ましい式(IIb)で表される化合物の例を、以下の表に記載する。
【0069】
【表3】


【0070】
本発明による除草剤薬害軽減剤として極めて特に好ましい式(IIc)で表される化合物の例を、以下の表に記載する。
【0071】
【表4】


【0072】
本発明による除草剤薬害軽減剤として極めて特に好ましい式(IId)で表される化合物の例を、以下の表に記載する。
【0073】
【表5】


【0074】
本発明による除草剤薬害軽減剤として極めて特に好ましい式(IIe)で表される化合物の例を、以下の表に記載する。
【0075】
【表6】

【0076】
作物植物の適合性を改善する化合物[成分(b’)]として最も好ましいものは、クロキントセット−メキシル、フェンクロラゾール−エチル、イソキサジフェン−エチル、メフェンピル−ジエチル、フリラゾール、フェンクロリム、クミルロン、ダイムロン、ジメピレート、並びに、化合物IIe−5及び化合物IIe−11であり、イソキサジフェン−エチル、クロキントセット−メキシル及びメフェンピル−ジエチルは、特に重要である。
【0077】
本発明により薬害軽減剤として使用される一般式(IIa)で表される化合物は、公知であり、及び/又は、自体公知の方法で調製することができる(cf. WO-A-91/07874, WO-A-95/07897)。
【0078】
本発明により薬害軽減剤として使用される一般式(IIb)で表される化合物は、公知であり、及び/又は、自体公知の方法で調製することができる(cf. EP-A-191736)。
【0079】
本発明により薬害軽減剤として使用される一般式(IIc)で表される化合物は、公知であり、及び/又は、自体公知の方法で調製することができる(cf. DE-A-2218097, DE-A-2350547)。
【0080】
本発明により薬害軽減剤として使用される一般式(IId)で表される化合物は、公知であり、及び/又は、自体公知の方法で調製することができる(cf. DE-A-19621522/US-A-6235680)。
【0081】
本発明により薬害軽減剤として使用される一般式(IIe)で表される化合物は、公知であり、及び/又は、自体公知の方法で調製することができる(cf. WO-A-99/66795/US-A-6251827)。
【0082】
いずれの場合にも式(I)で表される1種類の活性化合物と上記で定義した薬害軽減剤のうちの1種類を含んでいる、本発明の選択性除草剤組合せの例を、以下の表に記載する。
【0083】
【表7】







【0084】
驚くべきことに、一般式(I)で表される3−(2−アルコキシフェニル)−置換テトラメート類と上記群(b’)から選択される薬害軽減剤(解毒剤)からなる上記で定義された活性化合物組合せは、特に高い除草活性を有していながら、同時に、該組合せに対して有用な植物は極めて良好な耐性を示し、様々な作物(特に、禾穀類(とりわけ、コムギ)や、さらに、ダイズ、ジャガイモ、トウモロコシ及びイネ)において雑草を選択的に防除するために使用することができるということが見いだされた。
【0085】
ここで、作物植物に対する除草剤の有害な作用を相殺することが可能な多数の既知薬害軽減剤又は解毒剤のなかで、とりわけ上記群(b’)の化合物〔ここで、該化合物は、雑草に対する3−(2−アルコキシフェニル)−置換テトラメート類の除草活性に重大な悪影響を及ぼすことなく、作物植物に対するその3−(2−アルコキシフェニル)−置換テトラメート類の有害な作用を実質的に完全に除去する〕が適しているということは、驚くべきものであると思われる。
【0086】
作物植物としての禾穀類植物、例えば、コムギ、オオムギ及びライムギや、さらに、トウモロコシ及びイネなどに対して害を及ぼさないことに特に関連して、群(b’)から選択される特に好ましい組合せ相手及び最も好ましい組合せ相手が有する特に有利な効果は、本発明において重要であり得る。
【0087】
本発明の組成物の中に存在させる式(I)で表される全ての化合物は、従来技術において記載された方法で調製することができる(上記参考文献を参照されたい)。それら化合物の活性は良好である。しかしながら、特に低施用量及び低濃度において、該活性は必ずしも完全に満足のいくものであるとは限らない。さらに、これら化合物の植物との適合性は、必ずしも満足のいくものではない。従って、該化合物を含んでいる作物保護組成物の作物植物に関する植物適合性を改善すること及び/又は活性を増大させることが求められている。
【0088】
アンモニウム塩を添加することによってさまざまな活性化合物の効果がどのように増強され得るのかということについては、文献中に既に記載されている。しかしながら、当該塩は、洗浄効果を有するする塩(例えば、WO95/017817)であるか、又は、比較的長いアルキル置換基及び/若しくはアリール置換基を有していて、浸透効果を有するか若しくは活性化合物の溶解性を増大させる塩(例えば、EP-A 0453086、EP-A 0664081、FR-A 2600494、US 4844734、US 5462912、US 5538937、US-A 03/0224939、US-A 05/0009880、US-A 05/0096386)である。さらにまた、従来技術で記載されているのは、特定の活性化合物及び/又は対応する組成物の特定の施用についての効果のみである。例えば、硫酸アンモニウムによって作用が増強されることは、一例として、除草剤のグリホセート及びホスフィノトリシンに関して記載されている(US 6645914、EP-A2 0036106)。
【0089】
硫酸アンモニウムを製剤助剤として使用することも、特定の活性化合物及び施用に関して既に記載されている(WO92/16108)が、そこでは、硫酸アンモニウムの目的は、作用を増強することではなく、製剤を安定化することである。
【0090】
活性を増強するためにアンモニウム塩又はホスホニウム塩を含んでいる環状ケトエノール類の除草剤組成物又は殺虫剤組成物は、WO 07/068427 及び WO 07/068428 に記載されている。
【0091】
全く驚くべきことに、施用する溶液にアンモニウム塩若しくはホスホニウム塩を添加することによって、又は、そのような塩を3−(2−アルコキシフェニル)−置換テトラメート類を含んでいる製剤の中に組み入れることによって、3−(2−アルコキシフェニル)−置換テトラメート類の殺虫剤及び/又は殺ダニ剤及び/又は除草剤の作用が有意に増強され得るということが分かった。従って、本発明は、殺虫活性及び/又は殺ダニ活性及び/又は除草活性を有する3−(2−アルコキシフェニル)−置換テトラメートを活性化合物として含んでいる作物保護組成物の作用を増強するための、アンモニウム塩類又はホスホニウム塩類の使用を提供する。本発明は、さらにまた、殺虫活性及び/又は殺ダニ活性及び/又は除草活性を有する3−(2−アルコキシフェニル)−置換テトラメート類とその作用を増強するアンモニウム塩類又はホスホニウム塩類を含んでいる組成物も提供し、ここで、そのような組成物には、製剤された活性化合物のみではなく、即時使用可能な(ready-to-use)組成物(散布液)も包含される。最後に、本発明は、望ましくない植生を防除するためのそのような組成物の使用も提供する。
【0092】
当該活性化合物は、本発明の組成物中において、広い濃度範囲で使用することが可能である。そのような製剤中における当該活性化合物の濃度は、典型的には、0.1重量%〜50重量%である。
【0093】
3−(2−アルコキシフェニル)−置換テトラメート類を含んでいる作物保護組成物の活性を本発明に従って増強するアンモニウム塩及びホスホニウム塩は、式(II’)
【0094】
【化15】

によって定義され、ここで、
Dは、窒素又はリンを表し;
Dは、好ましくは、窒素を表し;
26’、R27、R28及びR29は、互いに独立して、水素を表すか、又は、いずれの場合にも場合により置換されていてもよいC−C−アルキル又はモノ不飽和若しくはポリ不飽和の場合により置換されていてもよいC−C−アルキレン(ここで、該置換基は、ハロゲン、ニトロ及びシアノから選択され得る)を表し;
26’、R27、R28及びR29は、互いに独立して、好ましくは、水素を表すか、又は、いずれの場合にも場合により置換されていてもよいC−C−アルキル(ここで、該置換基は、ハロゲン、ニトロ及びシアノから選択され得る)を表し;
26’、R27、R28及びR29は、互いに独立して、特に好ましくは、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル又はtert−ブチルを表し;
26’、R27、R28及びR29は、極めて特に好ましくは、水素を表し;
26’、R27、R28及びR29は、さらにまた、極めて特に好ましくは、いずれもメチルを表すか、又は、いずれもエチルを表し;
nは、1、2、3又は4を表し;
nは、好ましくは、1又は2を表し;
30は、有機アニオン又は無機アニオンを表し;
30は、好ましくは、炭酸水素アニオン、四ホウ酸アニオン、フッ化物アニオン、臭化物アニオン、ヨウ化物アニオン、塩化物アニオン、リン酸一水素アニオン、リン酸二水素アニオン、硫酸水素アニオン、酒石酸アニオン、硫酸アニオン、硝酸アニオン、チオ硫酸アニオン、チオシアン酸アニオン、ギ酸アニオン、乳酸アニオン、酢酸アニオン、プロピオン酸アニオン、酪酸アニオン、ペンタン酸アニオン、クエン酸アニオン又はシュウ酸アニオンを表し;
30は、さらにまた、好ましくは、炭酸アニオン、五ホウ酸アニオン、亜硫酸アニオン、安息香酸アニオン、シュウ酸水素アニオン、クエン酸水素アニオン、メチル硫酸アニオン又はテトラフルオロホウ酸アニオンを表し;
30は、特に好ましくは、乳酸アニオン、硫酸アニオン、硝酸アニオン、チオ硫酸アニオン、チオシアン酸アニオン、クエン酸アニオン、シュウ酸アニオン又はギ酸アニオンを表し;
30は、さらにまた、特に好ましくは、酢酸アニオン、リン酸一水素アニオン又はリン酸二水素アニオンを表し;
30は、極めて特に好ましくは、硫酸アニオン、チオシアン酸アニオン、リン酸二水素アニオン又はリン酸一水素アニオンを表す。
【0095】
式(II’)で表されるアンモニウム塩類及びホスホニウム塩類は、ケトエノール類を含んでいる作物保護組成物の活性を増強するために、広い濃度範囲で使用することができる。一般に、該アンモニウム塩類又はホスホニウム塩類は、即時使用可能な作物保護組成物中で、0.5〜80mmol/L、好ましくは、0.75〜37.5mmol/L、さらに好ましくは、1.5〜25mmol/Lの濃度で使用する。製剤されている製品の場合、当該製剤中のアンモニウム塩及び/又はホスホニウム塩の濃度は、その製剤を所望の活性成分濃度に希釈した後で、上記で記載した一般的な範囲、好ましい範囲又は特に好ましい範囲の中に入っているように選択する。製剤中の該塩の濃度は、典型的には、1重量%〜50重量%である。
【0096】
本発明の好ましい一実施形態では、当該活性は、作物保護組成物にアンモニウム塩及び/又はホスホニウム塩のみを添加するのではなく、さらに浸透剤も添加することによって増強される。このような場合においてさえ、さらに大幅な活性の増強が観察されるということは、全く驚くべきことであると考えられる。従って、本発明は、さらに、除草活性を有する3−(2−アルコキシフェニル)−置換テトラメート類を活性化合物として含んでいる作物保護組成物の活性を増強するための、浸透剤とアンモニウム塩類及び/又はホスホニウム塩類の組合せの使用も提供する。本発明は、さらに、殺虫活性及び/又は殺ダニ活性及び/又は除草活性を有する3−(2−アルコキシフェニル)−置換テトラメート類と浸透剤とアンモニウム塩類及び/又はホスホニウム塩類を含んでいる組成物も提供し、ここで、そのような組成物には、特に、製剤された活性化合物のみではなく、即時使用可能な組成物(散布液)も包含される。最後に、本発明は、さらに、望ましくない植生を防除するためのそのような組成物の使用も提供する。
【0097】
本発明に関連して、適切な浸透剤には、植物体内中への農薬活性化合物の浸透を向上させるために一般的に使用される全ての物質が包含される。これに関連して、浸透剤は、水性散布液から及び/又は散布による被膜から植物のクチクラ中に浸透する能力、及び、それによって、活性化合物のクチクラ内での移動性を増強する能力によって定義される。この特性を確認するためには、文献(Baur et al., 1997, Pesticide Science 51, 131-152)に記載されている方法を用いることができる。
【0098】
適切な浸透剤の例としては、アルカノールアルコキシレート類を挙げることができる。本発明の浸透剤は、式
【0099】
【化16】

[式中、
Rは、4〜20個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキルを表し;
R’は、水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n−ペンチル又はn−ヘキシルを表し;
AOは、エチレンオキシドラジカル、プロピレンオキシドラジカル若しくはブチレンオキシドラジカルを表すか、又は、エチレンオキシドとプロピレンオキシドラジカル若しくはブチレンオキシドラジカルの混合物であり;及び、
vは、2〜30の数を表す]
で表されるアルカノールアルコキシレート類である。
【0100】
ここで、式中のR’が水素であるアルカノールアルコキシレート類は、「オープン」アルカノールアルコキシレートと称される。浸透剤の好ましい一つの群は、式
【0101】
【化17】

[式中、
Rは、上記で定義されているとおりであり;
R’は、上記で定義されているとおりであり;
EOは、−CH−CH−O−を表し;及び、
nは、2〜20の数を表す]
で表されるアルカノールアルコキシレート類である。
【0102】
浸透剤の好ましいさらなる群は、式
【0103】
【化18】

[式中、
Rは、上記で定義されているとおりであり;
R’は、上記で定義されているとおりであり;
EOは、−CH−CH−O−を表し;
POは、−CH−CH(CH)−O−を表し;
pは、1〜10の数を表し;及び
qは、1〜10の数を表す]
で表されるアルカノールアルコキシレート類である。
【0104】
浸透剤の好ましいさらなる群は、式
【0105】
【化19】

[式中、
Rは、上記で定義されているとおりであり;
R’は、上記で定義されているとおりであり;
EOは、−CH−CH−O−を表し;
POは、−CH−CH(CH)−O−を表し;
rは、1〜10の数を表し;及び、
sは、1〜10の数を表す]
で表されるアルカノールアルコキシレート類である。
【0106】
浸透剤の好ましいさらなる群は、式
【0107】
【化20】

[式中、
R及びR’は、上記で定義されているとおりであり;
EOは、CH−CH−O−を表し;
BOは、−CH−CH−CH(CH)−O−を表し;
pは、1〜10の数を表し;及び、
qは、1〜10の数を表す]
で表されるアルカノールアルコキシレート類である。
【0108】
浸透剤の好ましいさらなる群は、式
【0109】
【化21】

[式中、
R及びR’は、上記で定義されているとおりであり;
BOは、−CH−CH−CH(CH)−O−を表し;
EOは、CH−CH−O−を表し;
rは、1〜10の数を表し;及び、
sは、1〜10の数を表す]
で表されるアルカノールアルコキシレート類である。
【0110】
浸透剤の好ましいさらなる群は、式
【0111】
【化22】

[式中、
R’は、上記で定義されているとおりであり;
tは、8〜13の数を表し;
uは、6〜17の数を表す]
で表されるアルカノールアルコキシレート類である。
【0112】
上記で示されている式において、Rは、好ましくは、ブチル、イソブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、n−オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニル、デシル、n−ドデシル、イソドデシル、ラウリル、ミリスチル、イソトリデシル、トリメチルノニル、パルミチル、ステアリル又はエイコシルを表す。
【0113】
式(III’−c)で表されるアルカノールアルコキシレートの例としては、式
【0114】
【化23】

[式中、
EOは、−CH−CH−O−を表し;
POは、−CH−CH(CH)−O−を表し;及び、
数8及び6は、平均値を表している]
で表される2−エチルヘキシルアルコキシレートを挙げることができる。
【0115】
式(III’−d)で表されるアルカノールアルコキシレートの例としては、式
【0116】
【化24】

[式中、
EOは、CH−CH−O−を表し;
BOは、−CH−CH−CH(CH)−O−を表し;及び、
数10、6及び2は、平均値を表している]
を挙げることができる。
【0117】
式(III’−f)で表される特に好ましいアルカノールアルコキシレート類は、式中の、
tが、9〜12の数を表し;及び、
uが、7〜9の数を表す;
当該式の化合物である。
【0118】
式(III’−f−1)
【0119】
【化25】

[式中、
tは、平均値10.5を表し;及び、
uは、平均値8.4表す]
で表されるアルカノールアルコキシレートを、極めて特に好ましいものとして挙げることができる。
【0120】
当該アルカノールアルコキシレート類の一般的な定義は、上記式によって与えられる。これらの物質は、異なった鎖長を有する上記タイプの化合物の混合物である。従って、添え字は、平均値であって、整数とは異なることもあり得る。
【0121】
上記式で表されるアルカノールアルコキシレート類は、既知であり、場合によっては、商業的に入手可能であるか又は既知方法で調製可能である(cf. WO 98/35553、WO 00/35278 及び EP-A 0681865)。
【0122】
適切な浸透剤には、さらにまた、例えば、散布による被膜の中の式(I)の化合物の有用性を増進する物質も包含される。そのようなものとしては、例えば、鉱油又は植物油などがある。適切な油は、農薬組成物中で一般的に使用可能な全ての(変性されているか又は変性されていない)鉱油又は植物油である。ヒマワリ油、ナタネ油(rapeseed oil)、オリーブ油、ヒマシ油、ナタネ油(colza oil)、トウモロコシ油(maize seed oil)、綿実油及びダイズ油、又は、前記油のエステル類を、例として挙げることができる。ナタネ油(rapeseed oil)、ヒマワリ油及びそれらのメチルエステル又はエチルエステルが好ましい。
【0123】
本発明組成物中の浸透剤の濃度は、広い範囲内でさまざまであることができる。製剤された作物保護組成物の場合、該濃度は、一般に、1重量%〜95重量%、好ましくは、1重量%〜55重量%、さらに好ましくは、15重量%〜40重量%である。即時使用可能な組成物(散布液)においては、該濃度は、一般に、0.1g/L〜10g/L、好ましくは、0.5g/L〜5g/Lである。
【0124】
活性化合物と塩と浸透剤の本発明において重要な組合せについては、下記表に記載してある。ここで、「試験による(as per test)」は、クチクラ浸透性試験(Baur et al., 1997, Pesticide Science 51, 131-152)において浸透剤として作用する任意の化合物が適しているということを意味する。
【0125】
【表8】










【0126】
例えば、調製方法(A)に従い、N−(2−メチル−4−クロロ−6−メトキシフェニルアセチル)−N−シクロプロピルグリシン酸エチルを出発物質として使用する場合、本発明の調製方法の経過は以下の反応スキームにより表すことができる。
【0127】
【化26】

【0128】
例えば、調製方法(B)に従い、3−(2−エチル−4−クロロ−6−メトキシフェニル]−5,5−ジメチルピロリジン−2,4−ジオン及びNaOHを成分として使用する場合、本発明の調製方法の経過は以下の反応スキームにより表すことができる。
【0129】
【化27】

【0130】
本発明による調製方法(a)のための出発物質として必要とされる、式(II)
【0131】
【化28】

[式中、A、B、D、W、X、Y及びRは、上記で定義されているとおりである]
で表される化合物の一部は、WO 04/080962 によって既知であるか、又は、WO 04/080962の中に記載されている方法によって調製することができる。
【0132】
本発明による調製方法(B)を実施するために出発物質としてさらに必要とされる式(III)及び式(IV)で表される金属水酸化物、金属アルコキシド又は金属水素化物は、一般的に知られている無機化学の化合物である。
【0133】
さらに、式(I’)及び式(II)で表される化合物は、冒頭で引用した特許出願により知られており、及び/又は、その特許出願の中に記載されている方法で調製することができる。
【0134】
調製方法(A)は、式(II)[式中、A、B、D、W、X、Y及びRは、上記で定義されているとおりである]で表される化合物を塩基の存在下で分子内縮合に付すことを特徴とする。
【0135】
本発明の調製方法(A)において希釈剤として使用するのに適しているのは、不活性な全ての有機溶媒である。以下のものを使用するのが好ましい:炭化水素類、例えば、トルエン及びキシレン、さらに、エーテル類、例えば、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、グリコールジメチルエーテル及びジグリコールジメチルエーテル、さらにまた、極性溶媒、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジメチルホルムアミド及びN−メチルピロリドン、さらに、アルコール類、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール及びtert−ブタノール。
【0136】
本発明の調製方法(A)を実施するのに適切な塩基(脱プロトン化剤)は、慣習的な全てのプロトン受容体である。以下のものを使用するのが好ましい:アルカリ金属及びアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物及び炭酸塩、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム及び炭酸カルシウム〔ここで、これらは、相間移動触媒、例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、Adogen 464(=メチルトリアルキル(C−C10)アンモニウムクロリド)又はTDA 1(=トリス(メトキシエトキシエチル)アミン)などの存在下で使用することもできる〕。さらにまた、アルカリ金属、例えば、ナトリウム又はカリウムなどを使用することも可能である。アルカリ金属及びアルカリ土類金属のアミド類及び水素化物、例えば、ナトリウムアミド、水素化ナトリウム及び水素化カルシウムなども使用することが可能であり、さらに、アルカリ金属アルコキシド類、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド及びカリウムtert−ブトキシドなども使用することが可能である。
【0137】
本発明の調製方法(A)を実施する場合、反応温度は、比較的広い範囲内で変えることができる。一般に、該調製方法は、0℃〜250℃の温度、好ましくは、50℃〜150℃の温度で実施する。
【0138】
本発明の調製方法(A)は、一般に、大気圧下で実施する。
【0139】
本発明の調製方法(A)を実施する場合、式(II)で表される反応成分及び脱プロトン性塩基は、一般に、約2倍モル量で使用する。しかしながら、一方の成分又は他方の成分を比較的大過剰量(3molまでの量)で用いることも可能である。
【0140】
調製方法(B)は、式(I’)で表される化合物を、適切な場合には希釈剤の存在下で、式(III)で表される金属水酸化物若しくは金属アルコキシド又は式(IV)で表される金属水素化物と反応させることを特徴とする。
【0141】
本発明の調製方法(B)において希釈剤として使用するのに適しているのは、好ましくは、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル類、又は、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類であり、さらに、水も適している。
【0142】
本発明の調製方法(B)は、一般に、大気圧下で実施する。
【0143】
その反応温度は、一般に、−20℃〜100℃、好ましくは、0℃〜50℃である。
【0144】
本発明の活性化合物/活性化合物組合せは、植物が良好な耐性を示し、温血動物に対する毒性は望ましい程度であり、また、環境に対しても充分に許容されるのと相まって、植物及び植物の器官を保護するのに適しており、収穫高を増大させるのに適しており、収穫物の質を向上させるのに適しており、並びに、農業において、園芸において、畜産業において、森林において、庭園やレジャー施設において、貯蔵生産物や材料物質(materials)の保護において、及び、衛生学の分野において遭遇する害虫(animal pest)、特に、昆虫類、クモ形類動物、蠕虫類、線虫類及び軟体動物を防除するのに適している。それらは、好ましくは、作物保護剤として使用することができる。それらは、通常の感受性種及び抵抗性種に対して有効であり、また、全ての発育段階又は一部の発育段階に対して活性を示す。上記害虫(pest)としては、以下のものを挙げることができる。
【0145】
シラミ目(Anoplura)(Phthiraptera)の、例えば、ダマリニア属種(Damalinia spp.)、ハエマトピヌス属種(Haematopinus spp.)、リノグナツス属種(Linognathus spp.)、ペジクルス属種(Pediculus spp.)、トリコデクテス属種(Trichodectes spp.)。
【0146】
クモ綱(Arachnida)の、例えば、アカルス・シロ(Acarus siro)、アセリア・シェルドニ(Aceria sheldoni)、アクロプス属種(Aculops spp.)、アクルス属種(Aculus spp.)、アンブリオンマ属種(Amblyomma spp.)、アルガス属種(Argas spp.)、ボオフィルス属種(Boophilus spp.)、ブレビパルプス属種(Brevipalpus spp.)、ブリオビア・プラエチオサ(Bryobia praetiosa)、コリオプテス属種(Chorioptes spp.)、デルマニスス・ガリナエ(Dermanyssus gallinae)、エオテトラニクス属種(Eotetranychus spp.)、エピトリメルス・ピリ(Epitrimerus pyri)、エウテトラニクス属種(Eutetranychus spp.)、エリオフィエス属種(Eriophyes spp.)、ヘミタルソネムス属種(Hemitarsonemus spp.)、ヒアロンマ属種(Hyalomma spp.)、イクソデス属種(Ixodes spp.)、ラトロデクツス・マクタンス(Latrodectus mactans)、メタテトラニクス属種(Metatetranychus spp.)、オリゴニクス属種(Oligonychus spp.)、オルニトドロス属種(Ornithodoros spp.)、パノニクス属種(Panonychus spp.)、フィロコプトルタ・オレイボラ(Phyllocoptruta oleivora)、ポリファゴタルソネムス・ラツス(Polyphagotarsonemus latus)、プソロプテス属種(Psoroptes spp.)、リピセファルス属種(Rhipicephalus spp.)、リゾグリフス属種(Rhizoglyphus spp.)、サルコプテス属種(Sarcoptes spp.)、スコルピオ・マウルス(Scorpio maurus)、ステノタルソネムス属種(Stenotarsonemus spp.)、タルソネムス属種(Tarsonemus spp.)、テトラニクス属種(tetranychus spp.)、バサテス・リコペルシシ(Vasates lycopersici)。
【0147】
ニマイガイ綱(Bivalva)の、例えば、ドレイセナ属種(Dreissena spp.)。
【0148】
キロポーダ目(Chilopoda)の、例えば、ゲオフィルス属種(Geophilus spp.)、スクチゲラ属種(Scutigera spp.)。
【0149】
コウチュウ目(Coleoptera)の、例えば、アカントセリデス・オブテクツス(Acanthoscelides obtectus)、アドレツス属種(Adoretus spp.)、アゲラスチカ・アルニ(Agelastica alni)、アグリオテス属種(Agriotes spp.)、アンフィマロン・ソルスチチアリス(Amphimallon solstitialis)、アノビウム・プンクタツム(Anobium punctatum)、アノプロフォラ属種(Anoplophora spp.)、アントノムス属種(Anthonomus spp.)、アントレヌス属種(Anthrenus spp.)、アポゴニア属種(Apogonia spp.)、アトマリア属種(Atomaria spp.)、アタゲヌス属種(Attagenus spp.)、ブルキジウス・オブテクツス(Bruchidius obtectus)、ブルクス属種(Bruchus spp.)、セウトリンクス属種(Ceuthorhynchus spp.)、クレオヌス・メンジクス(Cleonus mendicus)、コノデルス属種(Conoderus spp.)、コスモポリテス属種(Cosmopolites spp.)、コステリトラ・ゼアランジカ(Costelytra zealandica)、クルクリオ属種(Curculio spp.)、クリプトリンクス・ラパチ(Cryptorhynchus lapathi)、デルメステス属種(Dermestes spp.)、ジアブロチカ属種(Diabrotica spp.)、エピラクナ属種(Epilachna spp.)、ファウスチヌス・クバエ(Faustinus cubae)、ジビウム・プシロイデス(Gibbium psylloides)、ヘテロニクス・アラトル(Heteronychus arator)、ヒラモルファ・エレガンス(Hylamorpha elegans)、ヒロトルペス・バジュルス(Hylotrupes bajulus)、ヒペラ・ポスチカ(Hypera postica)、ヒポテネムス属種(Hypothenemus spp.)、ラクノステルナ・コンサングイネア(Lachnosterna consanguinea)、レプチノタルサ・デセムリネアタ(Leptinotarsa decemlineata)、リソロプトルス・オリゾフィルス(Lissorhoptrus oryzophilus)、リキスス属種(Lixus spp.)、リクツス属種(Lyctus spp.)、メリゲテス・アエネウス(Meligethes aeneus)、メロロンタ・メロロンタ(Melolontha melolontha)、ミグドルス属種(Migdolus spp.)、モノカムス属種(Monochamus spp.)、ナウパクツス・キサントグラフス(Naupactus xanthographus)、ニプツス・ホロレウクス(Niptus hololeucus)、オリクテス・リノセロス(Oryctes rhinoceros)、オリザエフィルス・スリナメンシス(Oryzaephilus surinamensis)、オチオリンクス・スルカツス(Otiorrhynchus sulcatus)、オキシセトニア・ジュクンダ(Oxycetonia jucunda)、ファエドン・コクレアリアエ(Phaedon cochleariae)、フィロファガ属種(Phyllophaga spp.)、ポピリア・ジャポニカ(Popillia japonica)、プレムノトリペス属種(Premnotrypes spp.)、プシリオデス・クリソセファラ(Psylliodes chrysocephala)、プチヌス属種(Ptinus spp.)、リゾビウス・ベントラリス(Rhizobius ventralis)、リゾペルタ・ドミニカ(Rhizopertha dominica)、シトフィルス属種(Sitophilus spp.)、スフェノホルス属種(Sphenophorus spp.)、ステルネクス属種(Sternechus spp.)、シンフィレテス属種(Symphyletes spp.)、テネブリオ・モリトル(Tenebrio molitor)、トリボリウム属種(Tribolium spp.)、トロゴデルマ属種(Trogoderma spp.)、チキウス属種(Tychius spp.)、キシロトレクス属種(Xylotrechus spp.)、ザブルス属種(Zabrus spp.)。
【0150】
トビムシ目(Collembola)の、例えば、オニキウルス・アルマツス(Onychiurus armatus)。
【0151】
ハサミムシ目(Dermaptera)の、例えば、フォルフィクラ・アウリクラリア(Forficula auricularia)。
【0152】
ジプロポーダ目(Diplopoda)の、例えば、ブラニウルス・グツラツス(Blaniulus guttulatus)。
【0153】
ハエ目(Diptera)の、例えば、アエデス属種(Aedes spp.)、アノフェレス属種(Anopheles spp.)、ビビオ・ホルツラヌス(Bibio hortulanus)、カリホラ・エリトロセファラ(Calliphora erythrocephala)、セラチチス・カピタタ(Ceratitis capitata)、クリソミイア属種(Chrysomyia spp.)、コクリオミイア属種(Cochliomyia spp.)、コルジロビア・アントロポファガ(Cordylobia anthropophaga)、クレキス属種(Culex spp.)、クテレブラ属種(Cuterebra spp.)、ダクス・オレアエ(Dacus oleae)、デルマトビア・ホミニス(Dermatobia hominis)、ドロソフィラ属種(Drosophila spp.)、ファンニア属種(Fannia spp.)、ガストロフィルス属種(Gastrophilus spp.)、ヒレミイア属種(Hylemyia spp.)、ヒポボスカ属種(Hyppobosca spp.)、ヒポデルマ属種(Hypoderma spp.)、リリロミザ属種(Liriomyza spp.)、ルシリア属種(Lucilia spp.)、ムスカ属種(Musca spp.)、ネザラ属種(Nezara spp.)、オエストルス属種(Oestrus spp.)、オシネラ・フリト(Oscinella frit)、ペゴミイア・ヒオシアミ(Pegomyia hyoscyami)、ホルビア属種(Phorbia spp.)、ストモキス属種(Stomoxys spp.)、タバヌス属種(Tabanus spp.)、タンニア属種(Tannia spp.)、チプラ・パルドサ(Tipula paludosa)。
【0154】
マキガイ綱(Gastropoda)の、例えば、アリオン属種(Arion spp.)、ビオムファラリア属種(Biomphalaria spp.)、ブリヌス属種(Bulinus spp.)、デロセラス属種(Deroceras spp.)、ガルバ属種(Galba spp.)、リムナエア属種(Lymnaea spp.)、オンコメラニア属種(Oncomelania spp.)、スクシネア属種(Succinea spp.)。
【0155】
ゼンチュウ綱(Helminths)の、例えば、アンシロストマ・ズオデナレ(Ancylostoma duodenale)、アンシロストマ・セイラニクム(Ancylostoma ceylanicum)、アシロストマ・ブラジリエンシス(Acylostoma braziliensis)、アンシロストマ属種(Ancylostoma spp.)、アスカリス・ルブリコイデス(Ascaris lubricoides)、アスカリス属種(Ascaris spp.)、ブルギア・マライ(Brugia malayi)、ブルギア・チモリ(Brugia timori)、ブノストムム属種(Bunostomum spp.)、カベルチア属種(Chabertia spp.)、クロノルキス属種(Clonorchis spp.)、コオペリア属種(Cooperia spp.)、ジクロコエリウム属種(Dicrocoelium spp)、ジクチオカウルス・フィラリア(Dictyocaulus filaria)、ジフィロボトリウム・ラツム(Diphyllobothrium latum)、ドラクンクルス・メジネンシス(Dracunculus medinensis)、エキノコックス・グラヌロスス(Echinococcus granulosus)、エキノコックス・ムルチロクラリス(Echinococcus multilocularis)、エンテロビウス・ベルミクラリス(Enterobius vermicularis)、ファシオラ属種(Faciola spp.)、ハエモンクス属種(Haemonchus spp.)、ヘテラキス属種(Heterakis spp.)、ヒメノレピス・ナナ(Hymenolepis nana)、ヒオストロングルス属種(Hyostrongulus spp.)、ロア・ロア(Loa Loa)、ネマトジルス属種(Nematodirus spp.)、オエソファゴストムム属種(Oesophagostomum spp.)、オピストロキス属種(Opisthorchis spp.)、オンコセルカ・ボルブルス(Onchocerca volvulus)、オステルタギア属種(Ostertagia spp.)、パラゴニムス属種(Paragonimus spp.)、シストソメン属種(Schistosomen spp.)、ストロンギロイデス・フエレボルニ(Strongyloides fuelleborni)、ストロンギロイデス・ステルコラリス(Strongyloides stercoralis)、ストロニロイデス属種(Stronyloides spp.)、タエニア・サギナタ(Taenia saginata)、タエニア・ソリウム(Taenia solium)、トリキネラ・スピラリス(Trichinella spiralis)、トリキネラ・ナチバ(Trichinella nativa)、トリキネラ・ブリトビ(Trichinella britovi)、トリキネラ・ネルソニ(Trichinella nelsoni)、トリキネラ・プセウドプシラリス(Trichinella pseudopsiralis)、トリコストロングルス属種(Trichostrongulus spp.)、トリクリス・トリクリア(Trichuris trichuria)、ウケレリア・バンクロフチ(Wuchereria bancrofti)。
【0156】
さらにまた、エイメリア(Eimeria)などの原生動物も防除することができる。
【0157】
ヘテロプテラ目(Heteroptera)の、例えば、アナサ・トリスチス(Anasa tristis)、アンテスチオプシス属種(Antestiopsis spp.)、ブリスス属種(Blissus spp.)、カロコリス属種(Calocoris spp.)、カムピロンマ・リビダ(Campylomma livida)、カベレリウス属種(Cavelerius spp.)、シメキス属種(Cimex spp.)、クレオンチアデス・ジルツス(Creontiades dilutus)、ダシヌス・ピペリス(Dasynus piperis)、ジケロプス・フルカツス(Dichelops furcatus)、ジコノコリス・ヘウェチ(Diconocoris hewetti)、ジスデルクス属種(Dysdercus spp.)、エウシスツス属種(Euschistus spp.)、エウリガステル属種(Eurygaster spp.)、ヘリオペルチス属種(Heliopeltis spp.)、ホルシアス・ノビレルス(Horcias nobilellus)、レプトコリサ属種(Leptocorisa spp.)、レプトグロスス・フィロプス(Leptoglossus phyllopus)、リグス属種(Lygus spp.)、マクロペス・エキスカバツス(Macropes excavatus)、ミリダエ(Miridae)、ネザラ属種(Nezara spp.)、オエバルス属種(Oebalus spp.)、ペントミダエ(Pentomidae)、ピエスマ・クワドラタ(Piesma quadrata)、ピエゾドルス属種(Piezodorus spp.)、プサルス・セリアツス(Psallus seriatus)、プセウダシスタ・ペルセア(Pseudacysta persea)、ロドニウス属種(Rhodnius spp.)、サールベルゲラ・シングラリス(Sahlbergella singularis)、スコチノホラ属種(Scotinophora spp.)、ステファニチス・ナシ(Stephanitis nashi)、チブラカ属種(Tibraca spp.)、トリアトマ属種(Triatoma spp.)。
【0158】
ホモプテラ目(Homoptera)の、例えば、アシルトシポン属種(Acyrthosipon spp.)、アエネオラミア属種(Aeneolamia spp.)、アゴノセナ属種(Agonoscena spp.)、アレウロデス属種(Aleurodes spp.)、アレウロロブス・バロデンシス(Aleurolobus barodensis)、アレウロトリクスス属種(Aleurothrixus spp.)、アムラスカ属種(Amrasca spp.)、アヌラフィス・カルズイ(Anuraphis cardui)、アオニジエラ属種(Aonidiella spp.)、アファノスチグマ・ピリ(Aphanostigma piri)、アフィス属種(Aphis spp.)、アルボリジア・アピカリス(Arboridia apicalis)、アスピジエラ属種(Aspidiella spp.)、アスピジオツス属種(Aspidiotus spp.)、アタヌス属種(Atanus spp.)、アウラコルツム・ソラニ(Aulacorthum solani)、ベミシア属種(Bemisia spp.)、ブラキカウズス・ヘリクリシイ(Brachycaudus helichrysii)、ブラキコルス属種(Brachycolus spp.)、ブレビコリネ・ブラシカエ(Brevicoryne brassicae)、カリジポナ・マルギナタ(Calligypona marginata)、カルネオセファラ・フルギダ(Carneocephala fulgida)、セラトバクナ・ラニゲラ(Ceratovacuna lanigera)、セルコピダエ(Cercopidae)、セロプラステス属種(Ceroplastes spp.)、カエトシフォン・フラガエホリイ(Chaetosiphon fragaefolii)、キオナスピス・テガレンシス(Chionaspis tegalensis)、クロリタ・オヌキイ(Chlorita onukii)、クロマフィス・ジュグランジコラ(Chromaphis juglandicola)、クリソムファルス・フィクス(Chrysomphalus ficus)、シカズリナ・ムビラ(Cicadulina mbila)、ココミチルス・ハリ(Coccomytilus halli)、コクス属種(Coccus spp.)、クリプトミズス・リビス(Cryptomyzus ribis)、ダルブルス属種(Dalbulus spp.)、ジアレウロデス属種(Dialeurodes spp.)、ジアホリナ属種(Diaphorina spp.)、ジアスピス属種(Diaspis spp.)、ドロシカ属種(Drosicha spp.)、ジサフィス属種(Dysaphis spp.)、ジスミコクス属種(Dysmicoccus spp.)、エンポアスカ属種(Empoasca spp.)、エリオソマ属種(Eriosoma spp.)、エリトロネウラ属種(Erythroneura spp.)、エウセリス・ビロバツス(Euscelis bilobatus)、ゲオコクス・コフェアエ(Geococcus coffeae)、ホマロジスカ・コアグラタ(Homalodisca coagulata)、ヒアロプテルス・アルンジニス(Hyalopterus arundinis)、イセリア属種(Icerya spp.)、イジオセルス属種(Idiocerus spp.)、イジオスコプス属種(Idioscopus spp.)、ラオデルファキス・ストリアテルス(Laodelphax striatellus)、レカニウム属種(Lecanium spp.)、レピドサフェス属種(Lepidosaphes spp.)、リパフィス・エリシミ(Lipaphis erysimi)、マクロシフム属種(Macrosiphum spp.)、マハナルバ・フィムブリオラタ(Mahanarva fimbriolata)、メラナフィス・サッカリ(Melanaphis sacchari)、メトカルフィエラ属種(Metcalfiella spp.)、メトポロフィウム・ジロズム(Metopolophium dirhodum)、モネリア・コスタリス(Monellia costalis)、モネリオプシス・ペカニス(Monelliopsis pecanis)、ミズス属種(Myzus spp.)、ナソノビア・リビスニグリ(Nasonovia ribisnigri)、ネホテチキス属種(Nephotettix spp.)、ニラパルバタ・ルゲンス(Nilaparvata lugens)、オンコメトピア属種(Oncometopia spp.)、オルテジア・プラエロンガ(Orthezia praelonga)、パラベミシア・ミリカエ(Parabemisia myricae)、パラトリオザ属種(Paratrioza spp.)、パルラトリア属種(Parlatoria spp.)、ペムフィグス属種(Pemphigus spp.)、ペレグリヌス・マイジス(Peregrinus maidis)、フェナコクス属種(Phenacoccus spp.)、フロエオミズス・パセリニイ(Phloeomyzus passerinii)、フォロドン・フムリ(Phorodon humuli)、フィロキセラ属種(Phylloxera spp.)、ピンナスピス・アスピジストラエ(Pinnaspis aspidistrae)、プラノコクス属種(Planococcus spp.)、プロトプルビナリア・ピリホルミス(Protopulvinaria pyriformis)、プセウダウラカスピス・ペンタゴナ(Pseudaulacaspis pentagona)、プセウドコクス属種(Pseudococcus spp.)、プシラ属種(Psylla spp.)、プテロマルス属種(Pteromalus spp.)、ピリラ属種(Pyrilla spp.)、クアドラスピジオツス属種(Quadraspidiotus spp.)、クエサダ・ギガス(Quesada gigas)、ラストロコクス属種(Rastrococcus spp.)、ロパロシフム属種(Rhopalosiphum spp.)、サイセチア属種(Saissetia spp.)、スカフォイデス・チタヌス(Scaphoides titanus)、シザフィス・グラミヌム(Schizaphis graminum)、セレナスピズス・アルチクラツス(Selenaspidus articulatus)、ソガタ属種(Sogata spp.)、ソガテラ・フルシフェラ(Sogatella furcifera)、ソガトデス属種(Sogatodes spp.)、スチクトセファラ・フェスチナ(Stictocephala festina)、テナラファラ・マラエンシス(Tenalaphara malayensis)、チノカリス・カリアエフォリアエ(Tinocallis caryaefoliae)、トマスピス属種(Tomaspis spp.)、トキソプテラ属種(Toxoptera spp.)、トリアレウロデス・バポラリオルム(Trialeurodes vaporariorum)、トリオザ属種(Trioza spp.)、チフロシバ属種(Typhlocyba spp.)、ウナスピス属種(Unaspis spp.)、ビテウス・ビチホリイ(Viteus vitifolii)。
【0159】
ハチ目(Hymenoptera)の、例えば、ジプリオン属種(Diprion spp.)、ホプロカンパ属種(Hoplocampa spp.)、ラシウス属種(Lasius spp.)、モノモリウム・ファラオニス(Monomorium pharaonis)、ベスパ属種(Vespa spp.)。
【0160】
ワラジムシ目(Isopoda)の、例えば、アルマジリジウム・ブルガレ(Armadillidium vulgare)、オニスクス・アセルス(Oniscus asellus)、ポルセリオ・スカベル(Porcellio scaber)。
【0161】
シロアリ目(Isoptera)の、例えば、レチクリテルメス属種(Reticulitermes spp.)。
【0162】
チョウ目(Lepidoptera)の、例えば、アクロニクタ・マジョル(Acronicta major)、アエジア・レウコメラス(Aedia leucomelas)、アグロチス属種(Agrotis spp.)、アラバマ・アルギラセア(Alabama argillacea)、アンチカルシア属種(Anticarsia spp.)、バラトラ・ブラシカエ(Barathra brassicae)、ブクラトリキス・ツルベリエラ(Bucculatrix thurberiella)、ブパルス・ピニアリウス(Bupalus piniarius)、カコエシア・ポダナ(Cacoecia podana)、カプア・レチクラナ(Capua reticulana)、カルポカプサ・ポモネラ(Carpocapsa pomonella)、ケイマトビア・ブルマタ(Cheimatobia brumata)、キロ属種(Chilo spp.)、コリストネウラ・フミフェラナ(Choristoneura fumiferana)、クリシア・アンビグエラ(Clysia ambiguella)、クナファロセルス属種(Cnaphalocerus spp.)、エアリアス・インスラナ(Earias insulana)、エフェスチア・クエーニエラ(Ephestia kuehniella)、エウプロクチス・クリソルホエア(Euproctis chrysorrhoea)、エウキソア属種(Euxoa spp.)、フェルチア属種(Feltia spp.)、ガレリア・メロネラ(Galleria mellonella)、ヘリコベルパ属種(Helicoverpa spp.)、ヘリオチス属種(Heliothis spp.)、ホフマノフィラ・プセウドスプレテラ(Hofmannophila pseudospretella)、ホモナ・マグナニマ(Homona magnanima)、ヒポノメウタ・パデラ(Hyponomeuta padella)、ラフィグマ属種(Laphygma spp.)、リトコレチス・ブランカルデラ(Lithocolletis blancardella)、リトファネ・アンテナタ(Lithophane antennata)、ロキサグロチス・アルビコスタ(Loxagrotis albicosta)、リマントリア属種(Lymantria spp.)、マラコソマ・ネウストリア(Malacosoma neustria)、マメストラ・ブラシカエ(Mamestra brassicae)、モシス・レパンダ(Mocis repanda)、ミチムナ・セパラタ(Mythimna separata)、オリア属種(Oria spp.)、オウレマ・オリザエ(Oulema oryzae)、パノリス・フラメア(Panolis flammea)、ペクチノホラ・ゴシピエラ(Pectinophora gossypiella)、フィロクニスチス・シトレラ(Phyllocnistis citrella)、ピエリス属種(Pieris spp.)、プルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella)、プロデニア属種(Prodenia spp.)、プセウダレチア属種(Pseudaletia spp.)、プセウドプルシア・インクルデンス(Pseudoplusia includens)、ピラウスタ・ニビラリス(Pyrausta nubilalis)、スポドプテラ属種(Spodoptera spp.)、テルメシア・ゲマタリス(Thermesia gemmatalis)、チネア・ペリオネラ(Tinea pellionella)、チネオラ・ビセリエラ(Tineola bisselliella)、トルトリキス・ビリダナ(Tortrix viridana)、トリコプルシア属種(Trichoplusia spp.)。
【0163】
バッタ目(Orthoptera)の、例えば、アケタ・ドメスチクス(Acheta domesticus)、ブラッタ・オリエンタリス(Blatta orientalis)、ブラッテラ・ゲルマニカ(Blattella germanica)、グリロタルパ属種(Gryllotalpa spp.)、レウコファエア・マデラエ(Leucophaea maderae)、ロクスタ属種(Locusta spp.)、メラノプルス属種(Melanoplus spp.)、ペリプラネタ・アメリカナ(Periplaneta americana)、シストセルカ・グレガリア(Schistocerca gregaria)。
【0164】
ノミ目(Siphonaptera)の、例えば、セラトフィルス属種(Ceratophyllus spp.)、キセノプシラ・ケオピス(Xenopsylla cheopis)。
【0165】
コムカデ目(Symphyla)、例えば、スクチゲレラ・イマクラタ(Scutigerella immaculata)。
【0166】
アザミウマ目(Thysanoptera)の、例えば、バリオトリプス・ビフォルミス(Baliothrips biformis)、エネオトリプス・フラベンス(Enneothrips flavens)、フランクリニエラ属種(Frankliniella spp.)、ヘリオトリプス属種(Heliothrips spp.)、ヘルシノトリプス・フェモラリス(Hercinothrips femoralis)、リピフォロトリプス・クルエンタツス(Rhipiphorothrips cruentatus)、シロトトリプス属種(Scirtothrips spp.)、タエニオトリプス・カルダモニ(Taeniothrips cardamoni)、トリプス属種(Thrips spp.)。
【0167】
シミ目(Thysanura)の、例えば、レピスマ・サカリナ(Lepisma saccharina)。
【0168】
植物寄生性線虫としては、例えば、以下のものを挙げることができる:アフェレンコイデス属種(Aphelenchoides spp.)、ブルサフェレンクス属種(Bursaphelenchus spp.)、ジチレンクス・ジプサシ(Ditylenchus dipsaci)、グロボデラ属種(Globodera spp.)、ヘテロデラ属種(Heterodera spp.)、ロンギドルス属種(Longidorus spp.)、メロイドギネ属種(Meloidogyne spp.)、プラチレンクス属種(Pratylenchus spp.)、ラドホルス・シミリス(Radopholus similis)、トリコドルス属種(Trichodorus spp.)、チレンクルス・セミペネトランス(Tylenchulus semipenetrans)、キシフィネマ属種(Xiphinema spp.)。
【0169】
適切な場合には、本発明の化合物/活性化合物組合せは、特定の濃度又は特定の施用量において、除草剤、薬害軽減剤、成長調節剤若しくは植物の特性を改善する作用薬としても使用し得るか、又は、殺微生物剤(microbicide)として、例えば、殺菌剤(fungicide)、抗真菌剤(antimycotic)、殺細菌剤若しくは殺ウイルス剤(これは、ウイロイドに対する作用薬も包含する)としても使用し得るか、又は、MLO(マイコプラズマ様生物)及びRLO(リケッチア様生物)に対する作用薬としても使用し得る。適切な場合には、それらは、別の活性化合物を合成するための中間体又は前駆物質としても使用することができる。
【0170】
本発明に従って、全ての植物及び植物の全ての部分を処理することができる。本発明に関連して、植物は、望ましい野生植物及び望ましくない野生植物又は作物植物(天然に発生している作物植物を包含する)のような全ての植物及び植物個体群を意味するものと理解される。作物植物は、慣習的な植物育種法と最適化法によって得ることができる植物であり得るか、又は、生物工学的方法と遺伝子工学的方法によって得ることができる植物であり得るか、又は、前記方法の組合せによって得ることができる植物であることができる。そのような作物植物には、トランスジェニック植物も包含され、また、植物育種家の権利によって保護され得る植物品種又は保護され得ない植物品種も包含される。植物の部分は、苗条、葉、花及び根などの、植物の地上部及び地下部の全ての部分及び器官を意味するものと理解され、その例として挙げることができるのは、葉、針状葉、葉柄、茎、花、子実体、果実、種子、、根、塊茎及び根茎である。収穫物、並びに、栄養繁殖器官(vegetative propagation material)及び生殖繁殖器官(generative propagation material)、例えば、挿穂、塊茎、根茎、側枝及び種子なども、植物の部分に包含される。
【0171】
該活性化合物/活性化合物組合せを用いた植物及び植物の部分の本発明による処理は、慣習的な処理方法によって、例えば、浸漬、散布、気化、噴霧、ばらまき、塗布又は注入などによって、直接的に行うか、又は、化合物を植物及び植物の部分の周囲、生息環境若しくは貯蔵空間に作用させることにより行い、また、繁殖器官(propagation material)の場合、特に種子の場合は、さらに、1以上のコーティングを施すことによっても行う。
【0172】
該活性化合物/活性化合物組合せは、溶液剤、エマルション剤、水和剤、水性懸濁液剤、油性懸濁液剤、粉末剤(powders)、粉剤(dusts)、ペースト剤、可溶性粉末剤、可溶性顆粒剤、ばらまき用顆粒剤、サスポエマルション剤、活性化合物を含浸させた天然物質、活性化合物を含浸させた合成物質、肥料、及び、ポリマー物質中にマイクロカプセル化したもののような慣習的な製剤に変換することができる。
【0173】
これらの製剤は、既知方法で、例えば、場合により界面活性剤(即ち、乳化剤及び/又は分散剤及び/又は泡形成剤)を使用して、該活性化合物/活性化合物組合せを増量剤(即ち、液体溶媒及び/又は固体担体)と混合させることにより調製する。
【0174】
使用する増量剤が水である場合は、例えば、有機溶媒を補助溶媒として使用することもできる。適切な液体溶媒は、本質的に、芳香族化合物、例えば、キシレン、トルエン又はアルキルナフタレン類、塩素化芳香族化合物及び塩素化脂肪族炭化水素類、例えば、クロロベンゼン類、クロロエチレン類又は塩化メチレン、脂肪族炭化水素類、例えば、シクロヘキサン又はパラフィン類、例えば、石油留分、鉱油及び植物油、アルコール類、例えば、ブタノール又はグリコール及びそれらのエーテル類及びエステル類、ケトン類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びシクロヘキサノン、強極性溶媒、例えば、ジメチルスルホキシドなどであり、さらに、水も適している。
【0175】
適する固体担体は、例えば、アンモニウム塩、及び、粉砕された天然鉱物、例えば、カオリン、クレー、タルク、チョーク、石英、アタパルジャイト、モンモリロナイト又はケイ藻土、及び、粉砕された合成鉱物、例えば、高分散シリカ、アルミナ及びシリケートなどであり;顆粒剤に適する固体担体は、例えば、粉砕して分別した天然石、例えば、方解石、大理石、軽石、海泡石及びドロマイトなどであり、又は、無機及び有機の粗挽き粉からなる合成顆粒や、有機材料、例えば、おがくず、ココナッツ殻、トウモロコシ穂軸及びタバコの葉柄などからなる顆粒なども適しており;適する乳化剤及び/又は泡形成剤は、例えば、非イオン性及びアニオン性の乳化剤、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル類、例えば、アルキルアリールポリグリコールエーテル類、アルキルスルホネート類、アルキルスルフェート類、アリールスルホネート類などであり、又は、タンパク質加水分解物なども適しており;適する分散剤は、例えば、リグノスルファイト廃液及びメチルセルロースなどである。
【0176】
上記製剤において、粘着付与剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、粉末又は顆粒又はラテックスの形態にある天然及び合成ポリマー、例えば、アラビアゴム、ポリビニルアルコール及びポリ酢酸ビニル、又は、天然のリン脂質、例えば、セファリン及びレシチン、及び、合成リン脂質などを使用することができる。別の添加剤は、鉱油又は植物油であり得る。
【0177】
着色剤、例えば、無機顔料、例えば、酸化鉄、酸化チタン及びプルシアンブルー(Prussian blue)、並びに、有機染料、例えば、アリザリン染料、アゾ染料及び金属フタロシアニン染料、並びに、微量栄養素、例えば、鉄塩、マンガン塩、ホウ素塩、銅塩、コバルト塩、モリブデン塩及び亜鉛塩などを使用することができる。
【0178】
上記製剤は、一般に、0.1〜95重量%の活性化合物、好ましくは、0.5〜90重量%の活性化合物を含有する。
【0179】
本発明の活性化合物/活性化合物組合せは、その市販製剤中に、及び、そのような製剤から調製した使用形態中に、殺虫剤、誘引剤、不妊剤(sterilizer)、殺細菌剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、成長調節物質、除草剤、薬害軽減剤、肥料又は情報化学物質などの他の活性化合物との混合物として、存在させることが可能である。
【0180】
別の既知活性化合物(例えば、除草剤、肥料、成長調節剤、薬害軽減剤、情報化学物質)との混合物も可能であり、又は、植物の特性を改善する作用薬との混合物も可能である。
【0181】
市販されている製剤中の殺虫剤、及び、そのような製剤から調製された使用形態中の殺虫剤として使用する場合、本発明の活性化合物/活性化合物組合せは、さらにまた、協力剤との混合物の形態で存在させることもできる。協力剤は、活性化合物の活性を増大させる化合物であり、その際、加えられる協力剤自体は必ずしも活性を有する必要はない。
【0182】
市販されている製剤中の殺虫剤、及び、そのような製剤から調製された使用形態中の殺虫剤として使用する場合、本発明の活性化合物/活性化合物組合せは、さらにまた、抑制剤(inhibitor)との混合物の形態で存在させることも可能であり、ここで、該抑制剤は、施用された後で、植物の生息場所又は植物の部分の表面又は植物の組織内において該活性化合物の分解を低減する。
【0183】
市販されている製剤から調製した使用形態の上記活性化合物の含有量は、広い範囲で変えることができる。使用形態における上記活性化合物の濃度は、0.00000001重量%〜95重量%の活性化合物、好ましくは、0.00001重量%〜1重量%の活性化合物であることができる。
【0184】
施用は、その使用形態に適合させた慣習的な方法で行う。
【0185】
上記で既に述べたように、本発明により、全ての植物及びそれらの部分を処理することができる。好ましい実施形態では、野生の植物種、又は、伝統的な生物学的育種法(例えば、交雑又はプロトプラスト融合など)により得られた植物変種及び植物品種、並びに、それら変種及品種の部分を処理する。好ましいさらに別の実施形態では、適切な場合には慣習的な方法と組み合わせた組換え的方法により得られたトランスジェニック植物及び植物品種(遺伝子組換え生物)並びにそれらの部分を処理する。用語「部分(parts)」又は「植物の部分(parts of plants)」又は「植物の部分(plant parts)」については、既に上記で説明した。
【0186】
本発明によって特に好ましく処理される植物は、いずれの場合にも市販されているか又は使用されている植物品種の植物である。植物品種は、慣習的な育種又は突然変異誘発又は組換えDNA技術のいずれかによって品種改良された、新しい形質を有する植物を意味するものと理解される。これらは、品種、生物型及び遺伝子型の形態をとることができる。
【0187】
植物種又は植物品種、それらの生育場所及び生育条件(土壌、気候、生育期、養分)に応じて、本発明の処理により、相加効果を超える効果(「相乗効果」)が生じることもあり得る。かくして、例えば、本発明に従って使用し得る物質及び組成物の施用量の低減及び/又は活性スペクトルの拡大及び/又は活性の増強、植物の生育の向上、高温又は低温に対する耐性の向上、干ばつ又は水若しくは土壌中に含まれる塩分に対する耐性の向上、開花能力の向上、収穫の容易性の向上、より早い成熟、収穫量の増加、収穫された生産物の品質の向上及び/又は栄養価の増加、収穫された生産物の貯蔵特性の向上及び/又は加工性の向上などが可能であり、これらは、実際に予期された効果を超えるものである。
【0188】
本発明に従って処理される好ましいトランスジェニック植物又は植物品種(組換え法により得られたもの)には、特に有利で有益な形質を植物に付与する遺伝物質を組換え的修飾のプロセスによって与えられた全ての植物が包含される。そのような特質の例は、植物の向上した生育、高温又は低温に対する向上した耐性、干ばつ又は水若しくは土壌中に含まれる塩分に対する向上した耐性、向上した開花能力、向上した収穫の容易性、向上した成熟速度、増加した収穫量、収穫された生産物の向上した品質及び/又は向上した栄養価、収穫された生産物の向上した貯蔵特性及び/又は向上した加工性などである。そのような形質の特に言及すべきさらなる例は、害虫及び有害微生物に対する植物の向上した防御、例えば、昆虫類、ダニ類、植物病原性の菌類、細菌類及び/又はウイルス類に対する植物の向上した防御、並びに、特定の除草活性化合物に対する植物の向上した耐性である。挙げることができるトランスジェニック植物の例は、重要な作物植物、例えば、穀類(コムギ、イネ)、トウモロコシ、ダイズ、ジャガイモ、テンサイ、トマト、エンドウ及び他の野菜種、ワタ、タバコ、ナタネ、並びに、果実植物(果実のリンゴ、ナシ、柑橘類果実及びグレープを有する果実植物)などであり、トウモロコシ、ダイズ、ジャガイモ、ワタ、タバコ及びナタネは特に重要である。特に重要な形質は、植物体内で形成される毒素による、昆虫類、クモ形類動物、線虫類並びにナメクジ類及びカタツムリ類に対する植物の向上した防御であり、特に、バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)の遺伝物質(例えば、遺伝子CryIA(a)、CryIA(b)、CryIA(c)、CryIIA、CryIIIA、CryIIIB2、Cry9c、Cry2Ab、Cry3Bb及びCryIF並びにそれらの組合せ)により植物体内で生成された毒素による、昆虫類、クモ形類動物、線虫類並びにナメクジ類及びカタツムリ類に対する植物の向上した防御である(以下、「Bt植物」と称する)。特に重要な別の形質は、全身獲得抵抗性(SAR)、システミン(systemin)、フィトアレキシン、誘導因子並びに抵抗性遺伝子及びそれにより発現されるタンパク質及び毒素による、菌類、細菌類及びウイルス類に対する植物の向上した防御である。特に重要な別の形質は、特定の除草活性化合物、例えば、イミダゾリノン系、スルホニル尿素系、グリホセート又はホスフィノトリシンなどに対する植物の向上した耐性である(例えば、「PAT」遺伝子)。望まれる当該形質を付与する遺伝子は、いずれの場合にも、トランスジェニック植物内で、互いに組み合わせて存在させることも可能である。挙げることができる「Bt植物」の例は、YIELD GARD(登録商標)(例えば、トウモロコシ、ワタ、ダイズ)、KnockOut(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、StarLink(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、Bollgard(登録商標)(ワタ)、Nucotn(登録商標)(ワタ)、及び、NewLeaf(登録商標)(ジャガイモ)の商品名で市販されているトウモロコシ品種、ワタ品種、ダイズ品種及びジャガイモ品種などである。挙げることができる除草剤耐性植物の例は、Roundup Ready(登録商標)(グリホセートに対する耐性、例えば、トウモロコシ、ワタ、ダイズ)、Liberty Link(登録商標)(ホスフィノトリシンに対する耐性、例えば、ナタネ)、IMI(登録商標)(イミダゾリノン系に対する耐性)、及び、STS(登録商標)(スルホニル尿素系に対する耐性、例えば、トウモロコシ)の商品名で市販れているトウモロコシ品種、ワタ品種及びダイズ品種などである。さらにまた、挙げることができる除草剤抵抗性植物(除草剤耐性に関して慣習的な方法で品種改良された植物)としては、Clearfield(登録商標)(例えば、トウモロコシ)の名称で市販されている品種などがある。もちろん、ここで述べたことは、これらの遺伝形質又は今後開発される遺伝形質を有し、将来において開発及び/又は販売されるであろう植物品種にも適用される。
【0189】
上記で挙げた植物は、一般式(I)で表される化合物又は本発明の活性化合物混合物を用いて、本発明により、特に有利に処理することができる。該活性化合物及び混合物について上記で述べた好ましい範囲は、これらの植物の処理にも同様に適用される。特に重要なのは、本明細書内で具体的に言及されている化合物又は混合物による植物の処理である。
【0190】
本発明の活性化合物/活性化合物組合せは、植物、衛生及び貯蔵生産物の害虫(pest)に対してのみではなく、マダニ類(ixodid ticks)、ヒメダニ類(argasid ticks)、疥癬ダニ類(scab mites)、ツツガムシ類(trombiculid mites)、ハエ類(刺咬性(stinging)及び舐性(sucking))、寄生性のハエ幼虫、シラミ類、ケジラミ類(hair lice)、ハジラミ類(bird lice)及びノミ類などの獣医学の分野における動物寄生生物(外部寄生虫及び内部寄生虫)に対しても有効である。これらの寄生虫としては、以下のものを挙げることができる。
【0191】
アノプルリダ目(Anoplurida)の、例えば、ハエマトピヌス属種(Haematopinus spp.)、リノグナツス属種(Linognathus spp.)、ペジクルス属種(Pediculus spp.)、フチルス属種(Phtirus spp.)、ソレノポテス属種(Solenopotes spp.)。
【0192】
マロファギダ目(Mallophagida)並びにアンブリセリナ亜目(Amblycerina)及びイスクノセリナ亜目(Ischnocerina)の、例えば、トリメノポン属種(Trimenopon spp.)、メノポン属種(Menopon spp.)、トリノトン属種(Trinoton spp.)、ボビコラ属種(Bovicola spp.)、ウェルネキエラ属種(Werneckiella spp.)、レピケントロン属種(Lepikentron spp.)、ダマリナ属種(Damalina spp.)、トリコデクテス属種(Trichodectes spp.)、フェリコラ属種(Felicola spp.)。
【0193】
ハエ目(Diptera)並びにネマトセリナ亜目(Nematocerina)及びブラキセリナ亜目(Brachycerina)の、例えば、アエデス属種(Aedes spp.)、アノフェレス属種(Anopheles spp.)、クレキス属種(Culex spp.)、シムリウム属種(Simulium spp.)、エウシムリウム属種(Eusimulium spp.)、フレボトムス属種(Phlebotomus spp.)、ルトゾミイヤ属種(Lutzomyia spp.)、クリコイデス属種(Culicoides spp.)、クリソプス属種(Chrysops spp.)、ヒボミトラ属種(Hybomitra spp.)、アチロツス属種(Atylotus spp.)、タバヌス属種(Tabanus spp.)、ハエマトポタ属種(Haematopota spp.)、フィリポミイア属種(Philipomyia spp.)、ブラウラ属種(Braula spp.)、ムスカ属種(Musca spp.)、ヒドロタエア属種(Hydrotaea spp.)、ストモキシス属種(Stomoxys spp.)、ハエマトビア属種(Haematobia spp.)、モレリア属種(Morellia spp.)、ファンニア属種(Fannia spp.)、グロシナ属種(Glossina spp.)、カリフォラ属種(Calliphora spp.)、ルシリア属種(Lucilia spp.)、クリソミイア属種(Chrysomyia spp.)、ウォルファールチア属種(Wohlfahrtia spp.)、サルコファガ属種(Sarcophaga spp.)、オエストルス属種(Oestrus spp.)、ヒポデルマ属種(Hypoderma spp.)、ガステロフィルス属種(Gasterophilus spp.)、ヒポボスカ属種(Hippobosca spp.)、リポプテナ属種(Lipoptena spp.)、及び、メロファグス属種(Melophagus spp.)。
【0194】
シフォナプテリダ目(Siphonapterida)の、例えば、プレキス属種(Pulex spp.)、クテノセファリデス属種(Ctenocephalides spp.)、キセノプシラ属種(Xenopsylla spp.)、及び、セラトフィルス属種(Ceratophyllus spp.)。
【0195】
ヘテロプテリダ目(Heteropterida)の、例えば、シメキス属種(Cimex spp.)、トリアトマ属種(Triatoma spp.)、ロドニウス属種(Rhodnius spp.)、及び、パンストロンギルス属種(Panstrongylus spp.)。
【0196】
ブラッタリダ目(Blattarida)の、例えば、ブラッタ・オリエンタリス(Blatta orientalis)、ペリプラネタ・アメリカナ(Periplaneta americana)、ブラッテラ・ゲルマニカ(Blattela germanica)、及び、スペラ属種(Supella spp.)。
【0197】
アカリ亜綱(Acari(Acarina))並びにメタスチグマタ目(Metastigmata)及びメソスチグマタ目(Mesostigmata)の、例えば、アルガス属種(Argas spp.)、オルニトドルス属種(Ornithodorus spp.)、オトビウス属種(Otobius spp.)、イクソデス属種(Ixodes spp.)、アンブリオンマ属種(Amblyomma spp.)、ボオフィルス属種(Boophilus spp.)、デルマセントル属種(Dermacentor spp.)、ハエモフィサリス属種(Haemophysalis spp.)、ヒアロンマ属種(Hyalomma spp.)、リピセファルス属種(Rhipicephalus spp.)、デルマニスス属種(Dermanyssus spp.)、ライリエチア属種(Raillietia spp.)、プネウモニスス属種(Pneumonyssus spp.)、ステルノストマ属種(Sternostoma spp.)、及び、バロア属種(Varroa spp.)。
【0198】
アクチネジダ目(Actinedida(Prostigmata))及びアカリジダ目(Acaridida(Astigmata))の、例えば、アカラピス属種(Acarapis spp.)、ケイレチエラ属種(Cheyletiella spp.)、オルニトケイレチア属種(Ornithocheyletia spp.)、ミオビア属種(Myobia spp.)、プソレルガテス属種(Psorergates spp.)、デモデキス属種(Demodex spp.)、トロムビクラ属種(Trombicula spp.)、リストロホルス属種(Listrophorus spp.)、アカルス属種(Acarus spp.)、チロファグス属種(Tyrophagus spp.)、カログリフス属種(Caloglyphus spp.)、ヒポデクテス属種(Hypodectes spp.)、プテロリクス属種(Pterolichus spp.)、プソロプテス属種(Psoroptes spp.)、コリオプテス属種(Chorioptes spp.)、オトデクテス属種(Otodectes spp.)、サルコプテス属種(Sarcoptes spp.)、ノトエドレス属種(Notoedres spp.)、クネミドコプテス属種(Knemidocoptes spp.)、シトジテス属種(Cytodites spp.)、及び、ラミノシオプテス属種(Laminosioptes spp.)。
【0199】
本発明の式(I)で表される活性化合物/活性化合物組合せは、さらにまた、農業家畜(例えば、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ブタ、ロバ、ラクダ、スイギュウ、ウサギ、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、ガチョウ及びミツバチなど)、他のペット類(domestic animals)(例えば、イヌ、ネコ、籠のトリ及び水槽のサカナなど)及びいわゆる試験動物(例えば、ハムスター、モルモット、ラット及びマウスなど)を攻撃する節足動物を防除するのにも適している。これらの節足動物を駆除する(combat)ことにより、上記動物の死亡事例が低減し、また、生産性(肉、ミルク、羊毛、皮革、卵、蜂蜜などにおける生産性)の低下が軽減される。従って、本発明の活性化合物を使用することによって、より経済的で且つより容易な畜産業が可能である。
【0200】
獣医学の分野において、及び、畜産業において、本発明の活性化合物/活性化合物組合せは、既知方法で、例えば、錠剤、カプセル剤、頓服水剤(drink)、水薬(drench)、顆粒剤、ペースト剤、大型丸薬(boli)、フィードスルー法及び坐剤などの形態で腸内投与することにより、並びに、例えば、注射(筋肉内注射、皮下注射、静脈内注射、腹腔内注射など)及びインプラントなどにより非経口投与することにより、並びに、鼻内施用することにより、並びに、例えば、浸漬(dipping)又は薬浴(bathing)、スプレー、ポアオン及びスポットオン、洗浄及び散粉の形態で経皮投与することにより、並びに、活性化合物を含有する成形品、例えば、首輪、耳標、尾標、肢バンド(limb bands)、端綱、マーキング装置などを用いて、使用する。
【0201】
家畜、家禽及びペットなどに投与する場合、式(I)で表される活性化合物は、1〜80重量%の量の該活性化合物を含有する製剤(例えば、粉末剤、エマルション剤、フロアブル剤など)として、直接的に使用することができるか、又は、100倍〜10000倍に稀釈した後で使用することができるか、又は、それらは、薬浴の形態で使用することができる。
【0202】
さらに、本発明の化合物/活性化合物組合せは、工業材料を破壊する昆虫に対しても強い殺虫作用を示すことが見いだされた。
【0203】
以下に示す昆虫を、例として、及び、好ましいものとして挙げることができるが、何ら限定するものではない。
【0204】
甲虫類(beetles)、例えば、ヒロトルペス・バジュルス(Hylotrupes bajulus)、クロロホルス・ピロシス(Chlorophorus pilosis)、アノビウム・プンクタツム(Anobium punctatum)、キセストビウム・ルフォビロスム(Xestobium rufovillosum)、プチリヌス・ペクチコルニス(Ptilinus pecticornis)、デンドロビウム・ペルチネキス(Dendrobium pertinex)、エルノビウス・モリス(Ernobius mollis)、プリオビウム・カロピニ(Priobium carpini)、リクツス・ブルネウス(Lyctus brunneus)、リクツス・アフリカヌス(Lyctus africanus)、リクツス・プラニコリス(Lyctus planicollis)、リクツス・リネアリス(Lyctus linearis)、リクツス・プベセンス(Lyctus pubescens)、トロゴキシロン・アエクアレ(Trogoxylon aequale)、ミンテス・ルギコリス(Minthes rugicollis)、キシレボルス属種(Xyleborus spec.)、トリプトデンドロン属種(Tryptodendron spec.)、アパテ・モナクス(Apate monachus)、ボストリクス・カプシンス(Bostrychus capucins)、ヘテロボストリクス・ブルネウス(Heterobostrychus brunneus)、シノキシロン属種(Sinoxylon spec.)、ジノデルス・ミヌツス(Dinoderus minutus);
革翅類(Dermapterans)、例えば、シレキス・ジュベンクス(Sirex juvencus)、ウロセルス・ギガス(Urocerus gigas)、ウロセルス・ギガス・タイグヌス(Urocerus gigas taignus)、ウロセルス・アウグル(Urocerus augur);
シロアリ類(termite)、例えば、カロテルメス・フラビコリス(Kalotermes flavicollis)、クリプトテルメス・ブレビス(Cryptotermes brevis)、ヘテロテルメス・インジコラ(Heterotermes indicola)、レチクリテルメス・フラビペス(Reticulitermes flavipes)、レチクリテルメス・サントネンシス(Reticulitermes santonensis)、レチクリテルメス・ルシフグス(Reticulitermes lucifugus)、マストテルメス・ダルウィニエンシス(Mastotermes darwiniensis)、ズーテルモプシス・ネバデンシス(Zootermopsis nevadensis)、コプトテルメス・フォルモサヌス(Coptotermes formosanus);
シミ類(bristletails)、例えば、レピスマ・サッカリナ(Lepisma saccharina)。
【0205】
本発明に関連して、工業材料は、非生体材料、例えば、好ましくは、合成材料、膠、サイズ、紙及び厚紙、皮革、木材及び材木製品(timber product)、並びに、塗料などを意味するものと理解される。
【0206】
昆虫による攻撃に対して極めて特に好ましく保護すべき材料は、木材及び材木製品である。
【0207】
本発明の組成物又はそのような組成物を含有する混合物によって保護することができる木材及び材木製品は、例えば、建築用材木、木製の梁、鉄道枕木、橋構成材、桟橋、木製運搬具、箱、パレット、コンテイナー、電信柱、ウッドクラッド、木製の窓及びドア、合板、パーティクルボード、建具製品(joiner's articles)、又は、住宅建設若しくは建具類において極めて一般的に使用される木材製品などを意味するものと理解される。
【0208】
本発明の活性化合物は、それ自体で使用することが可能であり、又は、濃厚物の形態で使用することが可能であり、又は、粉末剤、顆粒剤、溶液剤、懸濁液剤、エマルション剤若しくはペースト剤などの概して慣習的な製剤の形態で使用することが可能である。
【0209】
上記で挙げた製剤は、自体公知の方法で、例えば、当該活性化合物を、少なくとも1種類の溶媒若しくは稀釈剤、乳化剤、分散剤、及び/又は、結合剤若しくは固定剤、撥水剤と混合させ、適切な場合には、さらに、乾燥剤及び紫外線安定剤と混合させ、適切な場合には、さらに、染料及び顔料、並びに、別の加工助剤と混合させることにより、調製することができる。
【0210】
木材及び木製材料を保護するために使用する殺虫剤組成物又は殺虫剤濃厚物は、本発明の活性化合物を、0.0001〜95重量%、特に、0.001〜60重量%の濃度で含有する。
【0211】
用いる組成物又は濃厚物の量は、昆虫の種類と発生量(occurrence)に依存し、また、その生息環境に依存する。最適な施用量は、いずれの場合も、使用に際して一連の試験によって決定することができる。しかしながら、一般に、保護対象の材料物質に基づいて、0.0001〜20重量%(好ましくは、0.001〜10重量%)の活性化合物を使用すれば充分である。
【0212】
使用する溶媒及び/又は稀釈剤は、有機化学的溶媒若しくは溶媒混合物、及び/又は、低揮発性の油性(oily)若しくは油様(oil-type)の有機化学的溶媒若しくは溶媒混合物、及び/又は、極性の有機化学的溶媒若しくは溶媒混合物、及び/又は、水であり、また、適切な場合には、乳化剤及び/又は湿潤剤である。
【0213】
使用するのが好ましい有機化学的溶媒は、35を超えるエバポレーションナンバーを有し、且つ、30℃を超える引火点、好ましくは、45℃を超える引火点を有する、油性溶媒又は油様溶媒である。低揮発性で水に不溶性のそのような油性及び油様の溶媒として使用される物質は、適切な鉱油若しくはその芳香族留分であるか、又は、鉱油を含有する溶媒混合物、好ましくは、ホワイトスピリット、石油及び/又はアルキルベンゼンである。
【0214】
有利に使用される物質は、170℃〜220℃の沸点範囲を有する鉱油、170℃〜220℃の沸点範囲を有するホワイトスピリット、250℃〜350℃の沸点範囲を有するスピンドル油、160℃〜280℃の沸点範囲を有する石油又は芳香族物質、並びに、テレビン精油(essence of turpentine)などである。
【0215】
好ましい実施形態では、180℃〜210℃の沸点範囲を有する液状の脂肪族炭化水素、又は、180℃〜220℃の沸点範囲を有する脂肪族炭化水素と芳香族炭化水素の高沸点混合物、及び/又は、スピンドル油、及び/又は、モノクロロナフタレン(好ましくは、α−モノクロロナフタレン)を使用する。
【0216】
35を超えるエバポレーションナンバーを有し、且つ、30℃を超える引火点、好ましくは、45℃を超える引火点を有する低揮発性の有機油性溶媒又は有機油様溶媒は、高揮発性又は中揮発性の有機化学的溶媒で部分的に置き換えることができるが、但し、得られた溶媒混合物が、同様に、35を超えるエバポレーションナンバーを有し、且つ、30℃を超える引火点、好ましくは、45℃を超える引火点を有し、さらに、そのような溶媒混合物中で、上記殺虫剤/殺菌剤混合物が溶解するか又は乳化できることを条件とする。
【0217】
好ましい実施形態では、有機化学的溶媒若しくは溶媒混合物の一部又は脂肪族の極性有機化学的溶媒若しくは溶媒混合物を置き換える。使用するのが好ましい物質は、ヒドロキシル基及び/又はエステル基及び/又はエーテル基を有する脂肪族の有機化学的溶媒、例えば、グリコールエーテル及びエステルなどである。
【0218】
本発明の範囲内で使用される有機化学的結合剤は、自体公知で、水で稀釈可能で、及び/又は、使用する有機化学的溶媒に溶解可能であるか若しくは分散可能であるか若しくは乳化可能である合成樹脂及び/又は結合性乾性油(binding drying oil)、特に、アクリル樹脂、ビニル樹脂(例えば、ポリ酢酸ビニル)、ポリエステル樹脂、重縮合若しくは重付加樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂若しくは変性アルキド樹脂、フェノール樹脂、炭化水素樹脂(例えば、インデン/クマロン樹脂)、シリコーン樹脂、乾性植物油、並びに/又は、乾性油、並びに/又は、天然及び/若しくは合成樹脂に基づく物理的に乾燥性の結合剤からなるか又はそれらを含んでなる結合剤である。
【0219】
結合剤として使用する合成樹脂は、エマルション、分散液又は溶液の形態で使用することができる。10重量%以下の量の瀝青又は瀝青質物質も、結合剤として使用することができる。さらに、自体公知の、染料、顔料、撥水剤、臭気マスキング物質及び阻害剤又は腐食防止剤なども使用することができる。
【0220】
本発明によれば、上記組成物又は濃厚物は、有機化学的結合剤として、好ましくは、少なくとも1種類のアルキド樹脂若しくは変性アルキド樹脂及び/又は乾性植物油を含有する。本発明により使用するのが好ましいのは、45重量%を超える含油量、好ましくは、50〜68重量%の含油量を有するアルキド樹脂である。
【0221】
上記結合剤の一部又は全てを、固定剤(混合物)又は可塑剤(混合物)で置き換えることができる。これらの添加剤は、活性化合物の揮発を防止し、結晶化又は沈澱も防止することを目的としている。それらは、好ましくは、上記結合剤の0.01%〜30%(使用する結合剤を100%とする)と置き換える。
【0222】
上記可塑剤は、化学薬品クラスの、フタル酸エステル、例えば、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル又はフタル酸ベンジルブチル、リン酸エステル、例えば、リン酸トリブチル、アジピン酸エステル、例えば、アジピン酸ジ(2−エチルヘキシル)、ステアリン酸エステル、例えば、ステアリン酸ブチル又はステアリン酸アミル、オレイン酸エステル、例えば、オレイン酸ブチル、グリセロルエーテル又は比較的高分子量のグリコールエーテル、グリセロールエステル、及び、p−トルエンスルホン酸エステルから選択される。
【0223】
固定剤は、化学的に、ポリビニルアルキルエーテル(例えば、ポリビニルメチルエーテルなど)又はケトン(例えば、ベンゾフェノン又はエチレンベンゾフェノンなど)に基づくものである。
【0224】
さらにまた、水(適切な場合には、上記で記載した有機化学的溶媒又は稀釈剤、乳化剤及び分散剤の1種類以上との混合物としての水)も、溶媒又は稀釈剤として特に適している。
【0225】
特に効果的な木材の保護は、大規模の工業的な含浸処理、例えば、真空処理、二重真空処理又は加圧処理などによって達成される。
【0226】
適切な場合には、即時使用可能な組成物(ready-to-use composition)には、別の殺虫剤も付加的に含有させることが可能であり、また、適切な場合には、1種類以上の殺菌剤も付加的に含有させることが可能である。
【0227】
混合可能な適する付加的成分は、好ましくは、WO 94/29268において挙げられている殺虫剤及び殺菌剤である。この特許文献において言及されている化合物は、明らかに本出願の一部分である。
【0228】
混合可能な極めて特に好ましい成分は、殺虫剤、例えば、クロルピリホス、ホキシム、シラフルオフィン、アルファメトリン、シフルトリン、シペルメトリン、デルタメトリン、ペルメトリン、イミダクロプリド、NI−25、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、トランスフルトリン、チアクロプリド、メトキシフェノキシド(methoxyphenoxid)、トリフルムロン、クロチアニジン、スピノサド、テフルトリンなどであり、また、殺菌剤、例えば、エポキシコナゾール、ヘキサコナゾール、アザコナゾール、プロピコナゾール、テブコナゾール、シプロコナゾール、メトコナゾール、イマザリル、ジクロルフルアニド、トリルフルアニド、3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート、N−オクチル−イソチアゾリン−3−オン、及び、4,5−ジクロロ−N−オクチルイソチアゾリン−3−オンなどである。
【0229】
本発明の化合物は、さらに、海水又は淡海水と接触するもの、特に、船体、スクリーン、網、建造物、係留設備及び信号システムを、付着物から保護するために使用することもできる。
【0230】
カンザシゴカイ(Serpulidae)などの固着性の貧毛類(Oligochaeta)による付着物、並びに、様々なエボシガイ種(Lepas)及びミョウガガイ種(Scalpellum)などのレダモルファ群(Ledamorpha)(エボシガイ)の種及び貝殻による付着物、又は、シロスジフジツボ種(Balanus)又はポリシペス種(Pollicipes)などのフジツボ群(Balanomorpha)(フジツボ)の種による付着物によって、船の摩擦抵抗が増大し、結果として、より大きなエネルギーが消費されること及び乾ドックに入る回数が付加的に増えることに起因して、運転コストが著しく増大する。
【0231】
例えばシオミドロ属種(Ectocarpus sp.)及びイギス属種(Ceramium sp.)などの藻類による付着物のほかに、一般名フジツボ目(Cirripedia)(蔓脚類の甲殻類(cirriped crustaceans))に分類される固着性のエントモストラカ群(Entomostraca)による付着物は、特に重要である。
【0232】
驚くべきことに、本発明の化合物は、単独で、又は、別の活性化合物と組み合わせて、優れた防汚作用を有することが見いだされた。
【0233】
本発明化合物を、単独で使用するか、又は、別の活性化合物と組み合わせて使用することにより、例えば、ビス(トリアルキルスズ)スルフィド、ラウリン酸トリ−n−ブチルスズ、塩化トリ−n−ブチルスズ、酸化銅(I)、塩化トリエチルスズ、トリ−n−ブチル(2−フェニル−4−クロロフェノキシ)スズ、酸化トリブチルスズ、モリブデンジスルフィド、酸化アンチモン、高分子ブチルチタネート、塩化フェニル(ビスピリジン)ビスマス、フッ化トリ−n−ブチルスズ、エチレンビスチオカルバミン酸マンガン、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチレンビスチオカルバミン酸亜鉛、2−ピリジンチオール1−オキシドの亜鉛塩及び銅塩、エチレンビスチオカルバミン酸ビスジメチルジチオカルバモイル亜鉛、酸化亜鉛、エチレンビスジチオカルバミン酸銅(I)、チオシアン酸銅、ナフテン酸銅並びにハロゲン化トリブチルスズ中におけるような重金属を使用しないで済ますことが可能となるか、又は、これらの化合物の濃度を実質的に低減することができる。
【0234】
適切な場合には、即時使用可能な汚れ止めペイントには、さらに、別の活性化合物、好ましくは、殺藻剤、殺菌剤、除草剤、軟体動物駆除剤又は別の汚れ止め活性化合物を含有させることができる。
【0235】
好ましくは、本発明の汚れ止め組成物と組み合わせるのに適する成分は、以下の通りである:
殺藻剤、例えば、
2−tert−ブチルアミノ−4−シクロプロピルアミノ−6−メチルチオ−1,3,5−トリアジン、ジクロロフェン、ジウロン、エンドタール、酢酸トリフェニルスズ、イソプロツロン、メタベンズチアズロン、オキシフルオルフェン、キノクラミン、及び、テルブトリン;
殺菌剤、例えば、
ベンゾ[b]チオフェンカルボン酸シクロヘキシルアミド S,S−ジオキシド、ジクロフルアニド、フルオロフォルペット、3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート、トリルフルアニド、及び、アゾール類(例えば、アザコナゾール、シプロコナゾール、エポキシコナゾール、ヘキサコナゾール、メトコナゾール、プロピコナゾール及びテブコナゾール);
軟体動物駆除剤、例えば、
酢酸トリフェニルスズ、メタアルデヒド、メチオカルブ、ニクロサミド、チオジカルブ、及び、トリメタカルブ、Feキレート;
又は、
慣習的な汚れ止め活性化合物、例えば、
4,5−ジクロロ−2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、ジヨードメチルパラトリルスルホン、2−(N,N−ジメチルチオカルバモイルチオ)−5−ニトロチアジル、2−ピリジンチオール1−オキシドのカリウム塩、銅塩、ナトリウム塩及び亜鉛塩、ピリジントリフェニルボラン、テトラブチルジスタンノキサン、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)−ピリジン、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル、テトラメチルチウラムジスルフィド、及び、2,4,6−トリクロロフェニルマレイミド。
【0236】
使用する本発明の汚れ止め組成物は、本発明の活性化合物を、0.001〜50重量%の濃度、特に、0.01〜20重量%の濃度で含有する。
【0237】
さらに、本発明の汚れ止め組成物は、慣習的な成分、例えば、「Ungerer, Chem. Ind. 1985, 37, 730-732」、及び、「Williams, Antifouling Marine Coatings, Noyes, Park Ridge, 1973」に記載されている成分を含有する。
【0238】
殺藻活性化合物、殺菌活性化合物、軟体動物駆除活性化合物及び本発明の殺虫活性化合物に加えて、汚れ止めペイントは、特に、結合剤を含有する。
【0239】
認められている結合剤の例は、溶媒系中のポリ塩化ビニル、溶媒系中の塩素化ゴム、溶媒系(特に水系)中のアクリル樹脂、水性分散液の形態又は有機溶媒系の形態にある塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体系、ブタジエン/スチレン/アクリロニトリルゴム、アマニ油などの乾性油、タール又は瀝青、アスファルト及びエポキシ化合物と組み合わせた樹脂エステル又は変性硬化樹脂、少量の塩素ゴム(chlorine rubber)、塩素化ポリプロピレン、及び、ビニル樹脂である。
【0240】
適切な場合には、ペイントは、さらに、無機顔料、有機顔料又は染料を含有し、その際、これらは、好ましくは、海水に不溶性である。ペイントには、さらに、ロジンなどの物質を含有させて、該活性化合物の制御放出を可能とすることもできる。さらに、前記ペイントには、可塑剤、レオロジー特性に影響する調節剤、及び、別の慣習的な成分を含有させてもよい。本発明の化合物又は上記混合物は、さらに、自己研磨型(self-polishing)汚れ止め系に組み入れてもよい。
【0241】
本発明の活性化合物は、密閉空間(例えば、住居、工場の通路、オフィス及び車両の客室など)で見られる害虫、特に、昆虫類、クモ形類動物及びダニ類を防除するのにも適している。それらは、上記害虫を防除するための家庭用殺虫剤製品中に入れて、単独で使用することもできるし、又は、別の活性化合物及び補助剤と組み合わせて使用することもできる。それらは、感受性種及び抵抗性種に対して有効であり、さらに、全ての成育段階に対して有効である。これらの害虫としては、以下のものを挙げることができる。
【0242】
スコルピオニデア目(Scorpionidea)の、例えば、ブツス・オッシタヌス(Buthus occitanus)。
【0243】
ダニ目(Acarina)の、例えば、アルガス・ペルシクス(Argas persicus)、アルガス・レフレクスス(Argas reflexus)、ブリオビア属種(Bryobia ssp.)、デルマニスス・ガリナエ(Dermanyssus gallinae)、グリシファグス・ドメスチクス(Glyciphagus domesticus)、オルニトドルス・モウバト(Ornithodorus moubat)、リピセファルス・サングイネウス(Rhipicephalus sanguineus)、トロムビクラ・アルフレズゲシ(Trombicula alfreddugesi)、ネウトロムビクラ・アウツムナリス(Neutrombicula autumnalis)、デルマトファゴイデス・プテロニシムス(Dermatophagoides pteronissimus)、デルマトファゴイデス・フォリナエ(Dermatophagoides forinae)。
【0244】
クモ目(Araneae)の、例えば、アビクラリイダエ(Aviculariidae)、アラネイダエ(Araneidae)。
【0245】
ザトウムシ目(Opiliones)の、例えば、プセウドスコルピオネス・ケリフェル(Pseudoscorpiones chelifer)、プセウドスコルピオネス・ケイリジウム(Pseudoscorpiones cheiridium)、オピリオネス・ファランギウム(Opiliones phalangium)。
【0246】
ワラジムシ目(Isopoda)の、例えば、オニスクス・アセルス(Oniscus asellus)、ポルセリオ・スカベル(Porcellio scaber)。
【0247】
ジプロポーダ目(Diplopoda)の、例えば、ブラニウルス・グツラツス(Blaniulus guttulatus)、ポリデスムス属種(Polydesmus spp.)。
【0248】
キロポーダ目(Chilopoda)の、例えば、ゲオフィルス属種(Geophilus spp.)。
【0249】
シミ目(Zygentoma)の、例えば、クテノレピスマ属種(Ctenolepisma spp.)、レピスマ・サカリナ(Lepisma saccharina)、レピスモデス・インクイリヌス(Lepismodes inquilinus)。
【0250】
ゴキブリ目(Blattaria)の、例えば、ブラッタ・オリエンタリエス(Blatta orientalies)、ブラッテラ・ゲルマニカ(Blattella germanica)、ブラッテラ・アサヒナイ(Blattella asahinai)、レウコファエア・マデラエ(Leucophaea maderae)、パンクロラ属種(Panchlora spp.)、パルコブラタ属種(Parcoblatta spp.)、ペリプラネタ・アウストララシアエ(Periplaneta australasiae)、ペリプラネタ・アメリカナ(Periplaneta americana)、ペリプラネタ・ブルネア(Periplaneta brunnea)、ペリプラネタ・フリギノサ(Periplaneta fuliginosa)、スペラ・ロンギパルパ(Supella longipalpa)。
【0251】
サルタトリア目(Saltatoria)の、例えば、アケタ・ドメスチクス(Acheta domesticus)。
【0252】
ハサミムシ目(Dermaptera)の、例えば、フォルフィクラ・アウリクラリア(Forficula auricularia)。
【0253】
シロアリ目(Isoptera)の、例えば、カロテルメス属種(Kalotermes spp.)、レチクリテルメス属種(Reticulitermes spp.)。
【0254】
チャタテムシ目(Psocoptera)の、例えば、レピナツス属種(Lepinatus spp.)、リポセリス属種(Liposcelis spp.)。
【0255】
コレプテラ目(Coleptera)の、例えば、アントレヌス属種(Anthrenus spp.)、アタゲヌス属種(Attagenus spp.)、デルメステス属種(Dermestes spp.)、ラテチクス・オリザエ(Latheticus oryzae)、ネクロビア属種(Necrobia spp.)、プチヌス属種(Ptinus spp.)、リゾペルタ・ドミニカ(Rhizopertha dominica)、シトフィルス・グラナリウス(Sitophilus granarius)、シトフィルス・オリザエ(Sitophilus oryzae)、シトフィルス・ゼアマイス(Sitophilus zeamais)、ステゴビウム・パニセウム(Stegobium paniceum)。
【0256】
ハエ目(Diptera)の、例えば、アエデス・アエギプチ(Aedes aegypti)、アエデス・アルボピクツス(Aedes albopictus)、アエデス・タエニオリンクス(Aedes taeniorhynchus)、アノフェレス属種(Anopheles spp.)、カリフォラ・エリトロセファラ(Calliphora erythrocephala)、クリソゾナ・プルビアリス(Chrysozona pluvialis)、クレクス・クインクエファシアツス(Culex quinquefasciatus)、クレクス・ピピエンス(Culex pipiens)、クレクス・タルサリス(Culex tarsalis)、ドロソフィラ属種(Drosophila spp.)、ファニア・カニクラリス(Fannia canicularis)、ムスカ・ドメスチカ(Musca domestica)、フレボトムス属種(Phlebotomus spp.)、サルコファガ・カルナリア(Sarcophaga carnaria)、シムリウム属種(Simulium spp.)、ストモキス・カルシトランス(Stomoxys calcitrans)、チプラ・パルドサ(Tipula paludosa)。
【0257】
チョウ目(Lepidoptera)の、例えば、アクロイア・グリセラ(Achroia grisella)、ガレリア・メロネラ(Galleria mellonella)、プロジア・インテルプンクテラ(Plodia interpunctella)、チネア・クロアセラ(Tinea cloacella)、チネア・ペリオネラ(Tinea pellionella)、チネオラ・ビセリエラ(Tineola bisselliella)。
【0258】
ノミ目(Siphonaptera)の、例えば、クテノセファリデス・カニス(Ctenocephalides canis)、クテノセファリデス・フェリス(Ctenocephalides felis)、プレクス・イリタンス(Pulex irritans)、ツンガ・ペネトランス(Tunga penetrans)、キセノプシラ・ケオピス(Xenopsylla cheopis)。
【0259】
ハチ目(Hymenoptera)の、例えば、カムポノツス・ヘルクレアヌス(Camponotus herculeanus)、ラシウス・フリギノスス(Lasius fuliginosus)、ラシウス・ニゲル(Lasius niger)、ラシウス・ウムブラツス(Lasius umbratus)、モノモリウム・ファラオニス(Monomorium pharaonis)、パラベスプラ属種(Paravespula spp.)、テトラモリウム・カエスピツム(Tetramorium caespitum)。
【0260】
シラミ目(Anoplura)の、例えば、ペジクルス・フマヌス・カピチス(Pediculus humanus capitis)、ペジクルス・フマヌス・コルポリス(Pediculus humanus corporis)、フチルス・プビス(Phthirus pubis)。
【0261】
カメムシ亜目(Heteroptera)の、例えば、シメクス・ヘミプテルス(Cimex hemipterus)、シメクス・レクツラリウス(Cimex lectularius)、ロジヌス・プロリクスス(Rhodinus prolixus)、トリアトマ・インフェスタンス(Triatoma infestans)。
【0262】
それらは、家庭用殺虫剤分野においては、単独で使用されるか、又は、別の適切な活性化合物、例えば、リン酸エステル類、カーバメート類、ピレスロイド類、ネオニコチノイド類、成長調節剤又は別の既知のクラスの殺虫剤から選択される活性化合物などと組み合わせて使用される。
【0263】
それらは、エーロゾル、非加圧スプレー製品、例えば、ポンプスプレー及び噴霧スプレー、自動霧化システム(automatic fogging system)、噴霧器(fogger)、泡、ゲル、セルロース又はポリマー製のエバポレーター錠剤を有するエバポレーター製品、液体エバポレーター、ゲル及び膜エバポレーター、プロペラ駆動エバポレーター、エネルギーフリー型蒸発システム又は受動型蒸発システム、防虫紙(moth papers)、防虫バッグ(moth bags)及び防虫ゲル(moth gels)に入れて使用するか、又は、粒剤若しくは粉剤として使用するか、又は、ばらまき用の餌(baits for spreading)に入れて使用するか、又は、ベイトステーションで使用する。
【0264】
本発明の活性化合物/活性化合物組合せは、さらに、枯葉剤、乾燥剤、茎枯剤(haulm killer)としても使用可能であり、また、特に、除草剤としても使用可能である。雑草は、最も広い意味においては、望まれていない場所で生育している全ての植物を意味するものと理解される。本発明の物質が、非選択性除草剤として作用するか又は選択性除草剤として作用するかは、本質的に、施用量に依存する。
【0265】
本発明の活性化合物/活性化合物組合せは、例えば、以下の植物において使用することができる。
【0266】
以下の属の双子葉植物雑草:イチビ属(Abutilon)、ヒユ属(Amaranthus)、ブタクサ属(Ambrosia)、アノダ属(Anoda)、カミツレ属(Anthemis)、アファネス属(Aphanes)、ハマアカザ属(Atriplex)、ヒナギク属(Bellis)、センダングサ属(Bidens)、ナズナ属(Capsella)、ヒレアザミ属(Carduus)、カワラケツメイ属(Cassia)、ヤグルマギク属(Centaurea)、アカザ属(Chenopodium)、アザミ属(Cirsium)、セイヨウヒルガオ属(Convolvulus)、チョウセンアサガオ属(Datura)、ヌスビトハギ属(Desmodium)、エメクス属(Emex)、エゾスズシロ属(Erysimum)、トウダイグサ属(Euphorbia)、チシマオドリコソウ属(Galeopsis)、コゴメギク属(Galinsoga)、ヤエムグラ属(Galium)、フヨウ属(Hibiscus)、サツマイモ属(Ipomoea)、ホウキギ属(Kochia)、オドリコソウ属(Lamium)、マメグンバイナズナ属(Lepidium)、アゼトウガラシ属(Lindernia)、シカギク属(Matricaria)、ハッカ属(Mentha)、ヤマアイ属(Mercurialis)、ザクロソウ属(Mullugo)、ワスレナグサ属(Myosotis)、ケシ属(Papaver)、アサガオ属(Pharbitis)、オオバコ属(Plantago)、タデ属(Polygonum)、スベリヒユ属(Portulaca)、キンポウゲ属(Ranunculus)、ダイコン属(Raphanus)、イヌガラシ属(Rorippa)、キカシグサ属(Rotala)、ギシギシ属(Rumex)、オカヒジキ属(Salsola)、キオン属(Senecio)、セスバニア属(Sesbania)、キンゴジカ属(Sida)、シロガラシ属(Sinapis)、ナス属(Solanum)、ノゲシ属(Sonchus)、ナガボノウルシ属(Sphenoclea)、ハコベ属(Stellaria)、タンポポ属(Taraxacum)、グンバイナズナ属(Thlaspi)、シャジクソウ属(Trifolium)、イラクサ属(Urtica)、クワガタソウ属(Veronica)、スミレ属(Viola)、オナモミ属(Xanthium)。
【0267】
以下の属の双子葉植物作物:ラッカセイ属(Arachis)、フダンソウ属(Beta)、アブラナ属(Brassica)、キュウリ属(Cucumis)、カボチャ属(Cucurbita)、ヒマワリ属(Helianthus)、ニンジン属(Daucus)、ダイズ属(Glycine)、ワタ属(Gossypium)、サツマイモ属(Ipomoea)、アキノノゲシ属(Lactuca)、アマ属(Linum)、トマト属(Lycopersicon)、タバコ属(Nicotiana)、インゲンマメ属(Phaseolus)、エンドウ属(Pisum)、ナス属(Solanum)、ソラマメ属(Vicia)。
【0268】
以下の属の単子葉植物雑草:アエギロプス属(Aegilops)、カモジグサ属(Agropyron)、ヌカボ属(Agrostis)、スズメノテッポウ属(Alopecurus)、セイヨウヌカボ属(Apera)、カラスムギ属(Avena)、ビロードキビ属(Brachiaria)、スズメノチャヒキ属(Bromus)、クリノイガ属(Cenchrus)、ツユクサ属(Commelina)、ギョウギシバ属(Cynodon)、カヤツリグサ属(Cyperus)、タツノツメガヤ属(Dactyloctenium)、メヒシバ属(Digitaria)、ヒエ属(Echinochloa)、ハリイ属(Eleocharis)、オヒシバ属(Eleusine)、スズメガヤ属(Eragrostis)、ナルコビエ属(Eriochloa)、ウシノケグサ属(Festuca)、テンツキ属(Fimbristylis)、アメリカコナギ属(Heteranthera)、チガヤ属(Imperata)、カモノハシ属(Ischaemum)、アゼガヤ属(Leptochloa)、ドクムギ属(Lolium)、ミズアオイ属(Monochoria)、キビ属(Panicum)、スズメノヒエ属(Paspalum)、クサヨシ属(Phalaris)、アワガエリ属(Phleum)、イチゴツナギ属(Poa)、ツノアイアシ属(Rottboellia)、オモダカ属(Sagittaria)、ホタルイ属(Scirpus)、エノコログサ属(Setaria)、モロコシ属(Sorghum)。
【0269】
以下の属の単子葉植物作物:ネギ属(Allium)、アナナス属(Ananas)、クサスギカズラ属(Asparagus)、カラスムギ属(Avena)、オオムギ属(Hordeum)、イネ属(Oryza)、キビ属(Panicum)、サトウキビ属(Saccharum)、ライムギ属(Secale)、モロコシ属(Sorghum)、ライコムギ属(Triticale)、コムギ属(Triticum)、トウモロコシ属(Zea)。
【0270】
しかしながら、本発明の活性化合物/活性化合物組合せの使用は、決してこれらの属に限定されるものではなく、他の植物にも同じ方法で拡大適用される。
【0271】
本発明の活性化合物/活性化合物組合せは、その濃度に応じて、例えば、工業地域や線路、及び、樹木があるか又は樹木がない小道や区域における非選択的な雑草防除に適している。同様に、本発明の活性化合物は、多年生作物、例えば、森林、観賞用植林、果樹園、ブドウ園、柑橘類果樹園、ナッツ園、バナナ園、コーヒ園、茶園、ゴム園、油ヤシ園、カカオ園、小果樹園及びホップ畑、芝地、芝生及び牧草地などの雑草を防除するのにも使用できるし、また、1年生作物の中の雑草を選択的に防除するのにも使用できる。
【0272】
本発明の式(I)で表される化合物/活性化合物組合せは、土壌に使用した場合及び植物の地上部に使用した場合に、強力な除草活性と広い活性スペクトルを示す。それらは、発生前及び発生後のいずれにおいても、単子葉植物作物及び双子葉植物作物において、ある程度、単子葉植物雑草及び双子葉植物雑草を選択的に防除するのにも適している。
【0273】
本発明の活性化合物/活性化合物組合せは、特定の濃度又は施用量において、害虫(animal pest)及び真菌性又は細菌性の植物病害の防除にも使用することができる。適切な場合には、それらは、別の活性化合物を合成するための中間体又は前駆物質として使用することもできる。
【0274】
本発明の活性化合物/活性化合物組合せは、溶液剤、エマルション剤、水和剤、懸濁液剤、粉末剤(powder)、粉剤、ペースト剤、可溶性粉末剤、顆粒剤、サスポエマルション剤、活性化合物を含浸させた天然物質及び合成物質、並びに、ポリマー物質中の微細カプセルのような慣習的な製剤に変換することができる。
【0275】
これらの製剤は、既知方法で、例えば、場合により界面活性剤(即ち、乳化剤及び/又は分散剤及び/又は泡形成剤)を使用して、上記活性化合物を増量剤(即ち、液体溶媒及び/又は固体担体)と混合させることにより、製造する。
【0276】
使用する増量剤が水である場合は、例えば、有機溶媒を補助溶媒として使用することもできる。適する液体溶媒は、本質的に、芳香族化合物、例えば、キシレン、トルエン又はアルキルナフタレン類、塩素化芳香族化合物又は塩素化脂肪族炭化水素類、例えば、クロロベンゼン類、クロロエチレン類又は塩化メチレン、脂肪族炭化水素類、例えば、シクロヘキサン又はパラフィン類、例えば、石油留分、鉱油及び植物油、アルコール類、例えば、ブタノール又はグリコールとそれらのエーテル類及びエステル類、ケトン類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びシクロヘキサノン、強極性溶媒、例えば、ジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシドなどであり、さらに、水も適している。
【0277】
適する固体担体は、例えば、アンモニウム塩、及び、粉砕された天然鉱物、例えば、カオリン、クレー、タルク、チョーク、石英、アタパルジャイト、モンモリロナイト又はケイ藻土、及び、粉砕された合成鉱物、例えば、微粉化シリカ、アルミナ及びシリケートなどであり; 顆粒剤に適する固体担体は、例えば、粉砕して分別した天然石、例えば、方解石、大理石、軽石、海泡石及び苦灰岩などであり、さらに、無機及び有機の粗挽き粉からなる合成顆粒や、有機材料、例えば、おがくず、ココナッツ殻、トウモロコシ穂軸及びタバコの葉柄などからなる顆粒なども適しており; 適する乳化剤及び/又は泡形成剤は、例えば、非イオン性及びアニオン性の乳化剤、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル類、例えば、アルキルアリールポリグリコールエーテル類、アルキルスルホネート類、アルキルスルフェート類、アリールスルホネート類、及び、タンパク質加水分解物などであり; 適する分散剤は、例えば、リグノスルファイト廃液及びメチルセルロースなどである。
【0278】
上記製剤において、粘着付与剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、粉末又は顆粒又はラテックスの形態にある天然及び合成ポリマー、例えば、アラビアゴム、ポリビニルアルコール及びポリ酢酸ビニル、並びに、天然のリン脂質、例えば、セファリン及びレシチン、及び、合成リン脂質などを使用することができる。別の使用可能な添加剤は、鉱油又は植物油である。
【0279】
着色剤、例えば、無機顔料、例えば、酸化鉄、酸化チタン及びプルシアンブルー(Prussian Blue)、並びに、有機染料、例えば、アリザリン染料、アゾ染料及び金属フタロシアニン染料、並びに、微量栄養素、例えば、鉄塩、マンガン塩、ホウ素塩、銅塩、コバルト塩、モリブデン塩及び亜鉛塩などを使用することができる。
【0280】
上記製剤は、一般に、0.1〜95重量%の活性化合物、好ましくは、0.5〜90重量%の活性化合物を含有する。
【0281】
本発明の活性化合物/活性化合物組合せは、雑草を防除するために、それ自体で、又は、その製剤中に存在させて、既知の除草剤及び/又は作物植物の耐性を向上させる物質(「薬害軽減剤」)との混合物としても用いることができるが、その際、レディミックス又はタンクミックスが可能である。従って、薬害軽減剤と1種類以上の既知除草剤を含有する除草剤製品との混合物も可能である。
【0282】
殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、鳥忌避剤、植物栄養素及び土壌改良剤などの別の既知活性化合物との混合物も可能である。
【0283】
本発明の活性化合物/活性化合物組合せは、それ自体で、又は、その製剤の形態で、又は、その製剤からさらに希釈することにより調製した使用形態で、例えば、即時使用可能な溶液、懸濁液、エマルション、粉末、ペースト若しくは顆粒の形態で施用することが可能である。それらは、慣習的な方法で、例えば、流し込み、散布、噴霧又はばらまき(spreading)により施用する。
【0284】
本発明の活性化合物/活性化合物組合せは、植物の発生前及び発生後のいずれにおいても施用することが可能である。それらは、播種前に、土壌中に混和することもできる。
【0285】
本発明の活性化合物の施用量は、実質的な範囲で変えることができる。その施用量は、本質的に、所望される効果の質に依存する。一般に、該施用量は、土壌表面積1ヘクタール当たり、1g〜10kgの活性化合物、好ましくは、1ヘクタール当たり、5g〜5kgの活性化合物である。
【0286】
本発明の活性化合物組合せが有する作物植物との適合性の有利な効果は、特定の濃度比において特に顕著である。しかしながら、当該活性化合物組合せ中の活性化合物の重量比は、比較的広い範囲内で変えることができる。一般に、式(I)で表される活性化合物の1重量部当たり、0.001〜1000重量部、好ましくは、0.01〜100重量部、特に好ましくは、0.05〜20重量部の(b’)として上記で挙げられている作物植物の適合性を改善する化合物(解毒剤/薬害軽減剤)のうちの1種類を存在させる。
【0287】
本発明の活性化合物組合せは、一般に、完成された製剤の形態で施用する。しかしながら、当該活性化合物組合せに含まれている活性化合物は、個々の製剤として使用に際して混合させることも可能である。即ち、タンクミックスの形態で施用することが可能である。
【0288】
特定の施用に関し、特に、発生後処理方法による特定の施用に関し、製剤中のさらなる添加剤として、植物との適合性を示す鉱油若しくは植物油(例えば、市販品「Rako Binol」)又はアンモニウム塩(例えば、硫酸アンモニウム又はチオシアン酸アンモニウム)を含有させるのがさらに有利であり得る。
【0289】
該新規活性化合物組合せは、それ自体で、又は、その製剤の形態で、又は、その製剤からさらに希釈することにより調製した使用形態で、例えば、即時使用可能な溶液、懸濁液、エマルション、粉末、ペースト若しくは顆粒の形態で使用することが可能である。施用は、慣習的な方法で、例えば、潅水、散布、噴霧、散粉又はばらまき(scattering)により行う。
【0290】
本発明の活性化合物組合せの施用量は、特定の範囲内で変えることができる。その施用量は、とりわけ、天候及び土壌因子に左右される。一般に、その施用量は、1ha当たり0.001〜5kg、好ましくは、1ha当たり0.005〜2kg、特に好ましくは、1ha当たり0.01〜0.5kgである。
【0291】
本発明の活性化合物組合せは、植物の発生前及び発生後に施用することが可能である。即ち、発生前処理法及び発生後処理法によって施用することが可能である。
【0292】
本発明に従って使用される薬害軽減剤は、それらの特性に応じて、作物植物の種子を前処理(種子粉衣)するために使用し得るか、又は、播種前にまき溝内に導入し得るか、又は、植物の発生前若しくは発生後に除草剤より先に独立して若しくは除草剤と一緒に使用し得る。
【実施例】
【0293】
本発明による活性化合物/活性化合物組合せの調製及び使用について、下記実施例において例証する。
【0294】
調製実施例
実施例A.1
【0295】
【化29】

0.42mLの30%濃度ナトリウムメトキシド溶液を最初に入れ、5mLのメタノール中の0.5gの実施例I−1−a−16(WO 04-080962)の化合物を添加する。その混合物を室温で1時間撹拌し、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒を除去し、得られた生成物を乾燥させる。
収量:0.52g(理論値の97%)
H−NMR(300MHz,DO):δ=3.93(m,1H,C(5)−N),6.92及び6.97(d,いずれの場合も 1H,Ar−)ppm。
【0296】
実施例A.1と同様にして、及び、式(I)で表される化合物の調製についての一般的な記述に従って、以下の化合物が得られる。
【0297】
【表9】





【0298】
使用実施例
実施例No.1
ミズス(Myzus)試験(噴霧処理)
溶媒: 78重量部のアセトン
1.5重量部のジメチルホルムアミド
乳化剤: 0.5重量部のアルキルアリールポリグリコールエーテル
活性化合物の適切な調製物を調製するために、1重量部の活性化合物を上記量の溶媒及び乳化剤と混合し、得られた濃厚物を乳化剤を含有している水で稀釈して所望の濃度とする。
【0299】
全ての成育段階のモモアカアブラムシ(Myzus persicae)が大量に寄生しているハクサイ(Brassica pekinensis)のディスクに、所望の濃度を有する活性化合物調製物を噴霧する。
【0300】
所望の時間が経過した後、効果(%)を求める。100%は、全てのアブラムシが死んだことを意味し、0%は、死んだアブラムシが無かったことを意味する。
【0301】
この試験において、例えば、調製実施例の以下の化合物は、500g/haの施用量で80%以上の効果を示す:
実施例番号 A.6、A.7、A.11、A.10、A.15、A.14、A.8、A.25、A.26、A.27。
【0302】
実施例No.2
テトラニクス(Tetranychus)試験,OP−抵抗性(噴霧処理)
溶媒: 78重量部のアセトン
1.5重量部のジメチルホルムアミド
乳化剤: 0.5重量部のアルキルアリールポリグリコールエーテル
活性化合物の適切な調製物を調製するために、1重量部の活性化合物を上記量の溶媒及び乳化剤と混合し、得られた濃厚物を乳化剤を含有している水で稀釈して所望の濃度とする。
【0303】
全ての成育段階のナミハダニ(greenhouse red spider mite)(Tetranychus urticae)が大量に寄生しているインゲンマメ(Phaseolus vulgaris)の葉のディスクに、所望の濃度を有する活性化合物調製物を噴霧する。
【0304】
所望の時間が経過した後、効果(%)を求める。100%は、全てのナミハダニが死んだことを意味し、0%は、死んだナミハダニが無かったことを意味する。
【0305】
この試験において、例えば、調製実施例の以下の化合物は、100g/haの施用量で80%以上の効力を示す:
実施例番号 A.4、A.5、A.9、A.7、A.13、A.11、A.17、A.15、A.8、A.12、A.25、A.27;
この試験において、例えば、調製実施例の以下の化合物は、20g/haの施用量で80%以上の効力を示す:
実施例番号 A.26。
【0306】
実施例No.3
トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)試験(水耕処理)
溶媒: 78重量部のアセトン
1.5重量部のジメチルホルムアミド
乳化剤: 0.5重量部のアルキルアリールポリグリコールエーテル
活性化合物の適切な調製物を調製するために、1重量部の活性化合物を上記量の溶媒及び乳化剤と混合し、得られた濃厚物を乳化剤を含有している水で稀釈して所望の濃度とする。
【0307】
活性化合物調製物をピペットで量って水の中に入れる。記載されている濃度は、水の単位容積当たりの活性化合物の量にもとづいている(mg/L=ppm)。次いで、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)を寄生させる。
【0308】
所望の時間が経過した後、効果(%)を求める。100%は、全てのトビイロウンカが死んだことを意味し、0%は、死んだトビイロウンカが無かったことを意味する。
【0309】
この試験において、例えば、調製実施例の以下の化合物は、100g/haの施用量で80%以上の効力を示す:
実施例番号 A.6。
【0310】
実施例No.4
ファエドン(Phaedon)試験(PHAECO噴霧処理)
溶媒: 78重量部のアセトン
1.5重量部のジメチルホルムアミド
乳化剤: 0.5重量部のアルキルアリールポリグリコールエーテル
活性化合物の適切な調製物を調製するために、1重量部の活性化合物を上記量の溶媒及び乳化剤と混合し、得られた濃厚物を乳化剤を含有している水で稀釈して所望の濃度とする。
【0311】
ハクサイ(Brassica pekinensis)のディスクに所望の濃度を有する活性化合物調製物を噴霧し、乾燥後、マスタードビートル(mustard beetle)(Phaedon cochleariae)の幼虫を寄生させる。
【0312】
所望の時間が経過した後、効果(%)を求める。100%は、全てのマスタードビートル幼虫が死んだことを意味し、0%は、死んだマスタードビートル幼虫が無かったことを意味する。
【0313】
この試験において、例えば、調製実施例の以下の化合物は、500g/haの施用量で80%以上の効力を示す:A.26;
この試験において、例えば、調製実施例の以下の化合物は、100g/haの施用量で80%以上の効力を示す:A.25.
【0314】
実施例No.5
テトラニクス(Tetranychus)試験,OP−抵抗性(TETRUR G)
溶媒: 7重量部のジメチルホルムアミド
乳化剤: 2重量部のアルキルアリールポリグリコールエーテル
活性化合物の適切な調製物を調製するために、1重量部の活性化合物を上記量の溶媒及び乳化剤と混合し、得られた濃厚物を乳化剤を含有している水で稀釈して所望の濃度とする。アンモニウム塩、浸透剤又はアンモニウム塩と浸透剤を加える必要がある場合、それらは、希釈後に1000ppmの濃度となるようにピペットで添加する。その添加は、当該生成物の完全な溶液に対して行う。
【0315】
全ての成育段階のナミハダニ(greenhouse red spider mite)(Tetranychus urticae)が大量に寄生しているインゲンマメ(Phaseolus vulgaris)植物に、所望の濃度を有する活性化合物調製物を用いて給水する。
【0316】
所望の時間が経過した後、効果(%)を求める。100%は、全てのナミハダニが死んだことを意味し、0%は、死んだナミハダニが無かったことを意味する。
【0317】
この試験において、例えば、調製実施例の以下の化合物は、20ppmの施用量で80%以上の効力を示す:
実施例番号 A.25、A.26。
【0318】
実施例No.6
ワタアブラムシ(Aphis gossypii)試験(APHIGO噴霧処理)
溶媒: 7重量部のジメチルホルムアミド
乳化剤: 2重量部のアルキルアリールポリグリコールエーテル
活性化合物の適切な調製物を調製するために、1重量部の活性化合物を上記量の溶媒及び乳化剤と混合し、得られた濃厚物を乳化剤を含有している水で稀釈して所望の濃度とする。アンモニウム塩及び浸透剤を加える必要がある場合、それらは、希釈後に1000ppmの濃度となるようにピペットで添加する。その添加は、当該生成物の完全な溶液に対して行う。
【0319】
ワタアブラムシ(Aphis gossypii)が大量に寄生しているワタ(Gossypium hirsutum)の葉に、所望の濃度を有する活性化合物調製物を噴霧する。
【0320】
所望の時間が経過した後、殺虫率(%)を求める。100%は、全てのアブラムシが死んだことを意味し、0%は、死んだアブラムシが無かったことを意味する。
【0321】
この試験において、例えば、調製実施例の以下の化合物は、100ppmの施用量で80%以上の効果を示す:
実施例番号 A.25、A.26、A.27。
【0322】
実施例No.7
1.発生前除草効果
木質繊維製ポット内の砂壌土に単子葉植物及び双子葉植物の雑草植物と作物植物の種子を配置し、土壌で被覆する。次いで、その被覆した土壌の表面に、水和剤(WP)の形態に又は乳剤(emulsion concentrate)(EC)として製剤した被験化合物を、種々の薬量で、0.2%の湿潤剤を添加した600L/ha(変換)の施用水量の水性懸濁液又はエマルションとして、施用する。処理後、ポットを温室内に置き、その被験植物にとって良好な成育条件下に維持する。3週間の試験期間が経過した後、未処理対照と比較することにより、当該被験植物に対するダメージを視覚的に評価する(除草活性(%):100%の活性=植物の枯死、0%の活性=対照植物と同様)。
【0323】
320g(a.i.)/haで発生前方法によって施用された場合、以下の化合物は、ノスズメノテッポウ(Alopecurus myosuroides)、カラスムギ(Avena fatua)、イヌビエ(Echinocloa crus-galli)、イタリアンライグラス(Lolium multiflorum)及びエノコログサ(Setaria viridis)に対して、90%以上の効力を示す:実施例 A.1、A.2、A.3、A.4、A.5、A.6、A.7、A.9、A.10、A.11、A.13、A.14、A.15、A.16、A.17、A.18、A.19、A.20、A.21、A.22、A.23、A.25、A.26、A.27。
【0324】
2.発生後除草効果
木質繊維製ポット内の砂壌土に単子葉植物及び双子葉植物の雑草植物と作物植物の種子を配置し、土壌で被覆し、良好な成育条件下に温室内で栽培する。播種後2〜3週間経過した後、被験植物を1葉期で処理する。当該植物の緑色の部分に、水和剤(WP)又は乳剤(emulsion concentrate)(EC)として製剤した被験化合物を、種々の薬量で、0.2%の湿潤剤を添加した600L/ha(変換)の施用水量で、散布する。該被験植物を、最適な成育条件下で、約3週間温室内に維持した後、該調製物の活性について、未処理対照との比較で視覚的に評価する(除草活性(%):100%の活性=植物の枯死、0%の活性=対照植物と同様)。
【0325】
80g(a.i.)/haで発生後方法によって施用された場合、以下の化合物は、ノスズメノテッポウ(Alopecurus myosuroides)、カラスムギ(Avena fatua)、イヌビエ(Echinocloa crus-galli)、イタリアンライグラス(Lolium multiflorum)及びエノコログサ(Setaria viridis)に対して、90%以上の効力を示す:実施例 A.1、A.2、A.3、A.4、A.5、A.6、A.7、A.8、A.9、A.10、A.11、A.12、A.13、A.14、A.15、A.16、A.17、A.18、A.19、A.20、A.21、A.22、A.23。
【0326】
実施例No.8
発生後除草効果
木質繊維製ポット内又はプラスチック製ポット内の砂壌土に単子葉植物及び双子葉植物の雑草植物と作物植物の種子を配置し、土壌で被覆し、良好な成育条件下に温室内で栽培する(生育期間中は、屋外、温室外でも栽培する)。播種後2〜3週間経過した後、被験植物を1〜3葉期で処理する。水和剤(WP)又は液剤(EC)として製剤した被験化合物を、種々の薬量で、湿潤剤(0.2%〜0.3%)を添加した300L/ha(変換)の施用水量で、当該植物及び当該土壌の表面に散布する。被験植物を処理してから3〜4週間経過した後、当該調製物の効果について、処理された対照との比較で視覚的に評価する(除草効果(%):100%の効果=植物の枯死、0%の効果=対照植物と同様)。
【0327】
薬害軽減剤の使用
さらに、作物植物の場合に、薬害軽減剤が被検物質の植物適合性を改善し得るか否かについても試験する場合、該薬害軽減剤の施用について以下のオプションを使用する:
・ 作物植物の種子を、播種前に、薬害軽減物質で粉衣する(薬害軽減剤の量は、当該種子の重量を基準とした百分率で示す);
・ 被験物質を施用する前に、作物植物に薬害軽減剤を1ヘクタール当たりの特定の施用量で噴霧する(通常、被験物質を施用する1日前);
・ 薬害軽減剤を被験物質と一緒にタンクミックスとして施用する(薬害軽減剤の量は、g/haで示すか、又は、除草剤を基準とした比率で示す)。
【0328】
薬害軽減剤の処理を行わずに又は行って、作物植物に対する被験物質の影響を比較することにより、当該薬害軽減物質の効果を評価することが可能である。
【0329】
禾穀類を用いた温室内容器試験
除草剤を施用する1日前にメフェンピル
【0330】
【表10】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

[式中、
Xは、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルコキシアルキルオキシ、アルコキシ−ビス−アルキルオキシ又は場合により置換されていてもよいシクロアルキル−アルカンジイル−オキシ(ここで、これらは、ヘテロ原子で場合により中断されていてもよい)を表し;
Wは、アルキルを表し;
Yは、塩素、臭素又はヨウ素を表し;
Gは、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属のイオン同等物、アルミニウムのイオン同等物又は遷移金属のイオン同等物を表し、
又は、さらに、
アンモニウムイオン〔ここで、場合により、1個、2個、3個又は4個全部の水素原子は、基水素、基C−C−アルキル、基C−C−イソアルキル又は基C−C−シクロアルキル(ここで、これらは、いずれの場合も、フッ素、塩素、臭素、シアノ、ヒドロキシルで1置換若しくは多置換されていてもよいか、又は、1以上の酸素原子若しくは硫黄原子で中断されていてもよい)から選択される同一であるか又は異なっているラジカルで置き換えられていてもよい〕を表し、
又は、さらに、
環状の第2級若しくは第3級の脂肪族若しくはヘテロ脂肪族のアンモニウムイオン、例えば、モルホリニウム、チオモルホリニウム、ピペリジニウム、ピロリジニウム、又は、いずれの場合にもプロトン化されている1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)若しくは1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ウンデク−7−エン(DBU)を表し、
又は、さらに、
ヘテロ環式アンモニウムカチオン、例えば、いずれの場合にもプロトン化されているピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2,4−ジメチルピリジン、2,5−ジメチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、5−エチル−2−メチルピリジン、ピロール、イミダゾール、キノリン、キノキサリン、1,2−ジメチルイミダゾール、1,3−ジメチルイミダゾリウムメチルスルフェートを表し、
又は、さらに、
スルホニウムイオンを表し、
又は、さらに、
ハロゲン化マグネシウムカチオンを表し;
mは、数1又は2を表し;
nは、数1又は2を表し;
Aは、水素を表すか、又は、いずれの場合にもハロゲンで場合により置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルコキシアルキル、アルキルチオアルキル若しくはシクロアルキルを表し;
Bは、水素、アルキル又はアルコキシアルキルを表し;
又は、
AとBは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、飽和又は不飽和の置換されていないか又は置換されている環(ここで、該環は、少なくとも1個のヘテロ原子を場合により含んでいてもよい)を表し;
Dは、水素を表すか、又は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシアルキル、飽和若しくは不飽和のシクロアルキル(ここで、場合により、1以上の環員はヘテロ原子で置き換えられていてもよい)、アリールアルキル、アリール、ヘタリールアルキル若しくはヘタリールからなる群から選択される場合により置換されていてもよいラジカルを表し;
又は、
AとDは、それらが結合している原子と一緒になって、飽和又は不飽和の環(ここで、該環は、少なくとも1個のヘテロ原子を場合により含んでいてもよく、及び、置換されていないか又はA,D−部分で置換されている)を表す]
で表される化合物。
【請求項2】
Xが、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルキルオキシ、C−C−アルコキシ−ビス−C−C−アルキルオキシ又はC−C−シクロアルキル−C−C−アルカンジイルオキシ(ここで、これは、フッ素、塩素、C−C−アルキル又はC−C−アルコキシで場合により1置換〜3置換されていてもよく、及び、場合により、当該環の1のメチレン基は酸素又は硫黄で置き換えられていてもよい)を表し;
Wが、C−C−アルキルを表し;
Yが、塩素、臭素又はヨウ素を表し;
Gが、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、ハロゲン化マグネシウムカチオン、マグネシウム又はカルシウムを表し;
mが、数1又は2を表し;
nが、数1又は2を表し;
Aが、水素を表すか、又は、いずれの場合にもハロゲンで場合により置換されていてもよいC−C12−アルキル、C−C−アルケニル、C−C10−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C10−アルキルチオ−C−C−アルキル若しくはシクロプロピルを表し;
Bが、水素、C−C12−アルキル又はC−C−アルコキシ−C−C−アルキルを表し;又は、
A及びBとそれらが結合している炭素原子が、飽和C−C10−シクロアルキル又は不飽和C−C10−シクロアルキル(ここで、場合により、1の環員は酸素又は硫黄で置き換えられていてもよく、及び、該シクロアルキルは、C−C−アルキル、C−C10−シクロアルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−シクロアルキル−C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、ハロゲン又はフェニルで場合により1置換又は2置換されていてもよい)を表し;又は、
A及びBとそれらが結合している炭素原子が、C−C−シクロアルキル〔ここで、該シクロアルキルは、アルキレンジイル基(ここで、該アルキレンジイル基は、C−C−アルキルで場合により置換されていてもよく、及び、1個又は2個の直接には隣接していない酸素原子及び/又は硫黄原子を場合により含んでいてもよい)で置換されているか、又は、アルキレンジオキシル基若しくはアルキレンジチオイル基(ここで、これらは、それが結合している炭素原子と一緒に5〜8員のさらなる環を形成している)で置換されている〕を表し;又は、
A及びBとそれらが結合している炭素原子が、C−C−シクロアルキル又はC−C−シクロアルケニル〔ここで、2つの置換基は、それらが結合している炭素原子と一緒に、いずれの場合にもC−C−アルキル−、C−C−アルコキシ−又はハロゲンで場合により置換されていてもよいC−C−アルカンジイル、C−C−アルケンジイル又はC−C−アルカンジエンジイル(ここで、場合により、1のメチレン基は、酸素又は硫黄で置き換えられていてもよい)を表す〕を表し;
Dが、水素、いずれの場合にもハロゲンで場合により置換されていてもよいC−C12−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル若しくはC−C10−アルコキシ−C−C−アルキルを表すか、又は、ハロゲン−、C−C−アルキル−、C−C−アルコキシ−若しくはC−C−ハロアルキルで場合により置換されていてもよいC−C−シクロアルキル(ここで、場合により、1の環員は酸素又は硫黄で置き換えられていてもよい)を表し;又は、
A及びDが、一緒に、いずれの場合にも場合により置換されていてもよいC−C−アルカンジイル又はC−C−アルケンジイル(ここで、場合により、1のメチレン基はカルボニル基、酸素又は硫黄で置き換えられていてもよい)を表し、
ここで、可能な置換基は、いずれの場合にも、以下のものである:ハロゲン、ヒドロキシル、メルカプト;又は、いずれの場合にもハロゲンで場合により置換されていてもよいC−C10−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−シクロアルキル、フェニル若しくはベンジルオキシ;又は、さらに、C−C−アルカンジイル基、C−C−アルケンジイル基若しくはブタジエニル基〔ここで、これは、C−C−アルキルで場合により置換されていてもよく、又は、場合により、2つの隣接している置換基は、それらが結合している炭素原子と一緒に、5個若しくは6個の環原子を有する飽和若しくは不飽和のさらなる環を形成し(この場合、A及びDは、それらが結合している原子と一緒に、例えば、以下に挙げられている基AD−1〜基AD−10を表す)、その際、該環は、酸素若しくは硫黄を含んでいてもよく、又は、以下の基:
【化2】

のうちの1つを場合により含んでいてもよい〕;
請求項1に記載の式(I)で表される化合物。
【請求項3】
Xが、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルキルオキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルキルオキシ又はC−C−シクロアルキル−C−C−アルカンジイルオキシ(ここで、場合により、該環の1のメチレン基は酸素で置き換えられていてもよい)を表し;
Wが、C−C−アルキルを表し;
Yが、塩素又は臭素を表し;
Gが、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、塩化マグネシウムカチオン、臭化マグネシウムカチオン、ヨウ化マグネシウムカチオン、マグネシウム又はカルシウムを表し;
mが、数1又は2を表し;
nが、数1又は2を表し;
Aが、水素を表すか、又は、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル若しくはシクロプロピル(ここで、これらは、それぞれ、フッ素又は塩素で場合により1〜3置換されていてよい)を表し;
Bが、水素、C−C−アルキル又はC−C−アルコキシ−C−C−アルキルを表し;又は、
A及びBとそれらが結合している炭素原子が、飽和又は不飽和のC−C−シクロアルキル(ここで、場合により、1の環員は酸素又は硫黄で置き換えられていてもよく、及び、該シクロアルキルは、C−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ又はC−C−シクロアルキル−C−C−アルコキシで場合により1置換又は2置換されていてもよい)を表し;
A及びBとそれらが結合している炭素原子が、C−C−シクロアルキル〔ここで、該シクロアルキルは、アルキレンジイル基(ここで、該アルキレンジイル基は、メチル又はエチルで場合により置換されていてもよく、及び、1個又は2個の直接には隣接していない酸素原子又は硫黄原子を場合により含んでいてもよい)で置換されているか、又は、アルキレンジオキシル基若しくはアルキレンジチオール基(ここで、これらは、それが結合している炭素原子と一緒に5員又は6員のさらなる環を形成している)で置換されている〕を表し;
A及びBとそれらが結合している炭素原子が、C−C−シクロアルキル又はC−C−シクロアルケニル(ここで、2つの置換基は、それらが結合している炭素原子と一緒に、いずれの場合にもC−C−アルキル−又はC−C−アルコキシ−で場合により置換されていてもよいC−C−アルカンジイル、C−C−アルケンジイル又はブタジエンジイルを表す)を表し;
Dが、水素を表すか、又は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル若しくはC−C−アルコキシ−C−C−アルキル(ここで、これらは、それぞれ、フッ素で場合により1置換〜3置換されていてもよい)を表すか、又は、C−C−シクロアルキル(ここで、該シクロアルキルは、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ又はC−C−ハロアルキルで場合により1置換又は2置換されていてもよい)を表し;
A及びDが、一緒に、C−C−アルカンジイル(ここで、1のメチレン基は酸素又は硫黄で置き換えられていてもよく、及び、該アルカンジイルは、場合により1置換又は2置換されていてもよく、その際、可能な置換基は、C−C−アルキル又はC−C−アルコキシである)を表し;又は、
AとDは、それらが結合している原子と一緒に、基AD−1〜基AD−10:
【化3】

のうちの1つを表す;
請求項1に記載の式(I)で表される化合物。
【請求項4】
Xが、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、メトキシエチルオキシ、エトキシエチルオキシ、シクロプロピルメトキシ、シクロペンチルメトキシ又はシクロヘキシルメトキシを表し;
Wが、メチル又はエチルを表し;
Yが、塩素又は臭素を表し;
Gが、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、臭化マグネシウムカチオン、マグネシウム又はカルシウムを表し;
mが、数1又は2を表し;
nが、数1又は2を表し;
Aが、水素を表すか、又は、C−C−アルキル若しくはC−C−アルコキシC−C−アルキル(ここで、これらは、それぞれ、フッ素で場合により1〜3置換されていてもよい)を表すか、又は、シクロプロピルを表し;
Bが、水素、メチル又はエチルを表し;又は、
A及びBとそれらが結合している炭素原子が、飽和C−C−シクロアルキル(ここで、場合により、1の環員は酸素又は硫黄で置き換えられていてもよく、及び、該シクロアルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、トリフルオロメチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ又はシクロプロピルメトキシで場合により1置換されていてもよい)を表し;
A及びBとそれらが結合している炭素原子が、C−シクロアルキル(ここで、該シクロアルキルは、直接には隣接していない2個の酸素原子を含んでいるC−C−アルキレンジオキシル基で場合により置換されていてもよい)を表し;
A及びBとそれらが結合している炭素原子が、C−C−シクロアルキル又はC−C−シクロアルケニル(ここで、2つの置換基は、それらが結合している炭素原子と一緒に、C−C−アルカンジイル又はC−C−アルケンジイル又はブタジエンジイルを表す)を表し、但し、この場合、Qは、極めて特に好ましくは、水素を表し;
Dが、水素を表すか、又は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル若しくはC−C−アルコキシ−C−C−アルキル(ここで、これらは、それぞれ、フッ素で場合により1〜3置換されていてもよい)を表すか、又は、シクロプロピル、シクロペンチル若しくはシクロヘキシルを表し;又は、
A及びDが、一緒に、C−C−アルカンジイル(ここで、該アルカンジイルは、メチル又はメトキシで場合により1置換されていてもよく、及び、場合により、1個の炭素原子は酸素又は硫黄で置き換えられていてもよい)を表すか、又は、基AD−1を表す;
請求項1に記載の式(I)で表される化合物。
【請求項5】
Xが、メトキシ又はエトキシを表し;
Wが、メチル又はエチルを表し;
Yが、塩素を表し;
Gが、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム又は臭化マグネシウムカチオンを表し;
mが、数1又は2を表し;
nが、数1又は2を表し;
Aが、水素、メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、イソブチル、n−ブチル、t−ブチル、s−ブチル又はシクロプロピルを表し;
Bが、水素又はメチルを表し;
A及びBとそれらが結合している炭素原子が、飽和C−C−シクロアルキル(ここで、場合により、1の環員は酸素で置き換えられていてもよく、及び、該シクロアルキルは、メチル、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、n−ブトキシ又はトリフルオロメチルで場合により1置換されていてもよい)を表し;
Dが、水素、メチル、エチル、イソプロピル、シクロプロピル又はシクロヘキシルを表し;又は、
A及びDが、一緒に、C−C−アルカンジイルを表すか、又は、基AD−1を表す;
請求項1に記載の式(I)で表される化合物。
【請求項6】
請求項1に記載の式(I)で表される化合物を調製する方法であって、
(A) 式(I)
【化4】

[式中、A、B、D、m、n、W、X及びYは上記で与えられている意味を有する]
で表される化合物を得るために、式(II)
【化5】

[式中、
A、B、D、W、X及びYは上記で与えられている意味を有し;
及び、
は、アルキルを表す]
で表される化合物を、希釈剤の存在下、及び、金属塩基の存在下で、分子内縮合させること;
(B) 上記で示されている式(I)[式中、A、B、D、m、n、W、X及びYは上記で与えられている意味を有する]で表される化合物を得るために、式(I’)
【化6】

[式中、A、B、D、W、X及びYは上記で与えられている意味を有する]で表される化合物を、適切な場合には希釈剤の存在下で、いずれの場合にも、式(III)又は式(IV)
【化7】

[式中、
Gは、一価又は二価の金属を表し;
nは、数1又は2を表し;及び、
は、水素又はアルキルを表す]
で表される金属化合物と反応させること;
を特徴とする、前記方法。
【請求項7】
害虫及び/又は望ましくない植生を防除するための組成物であって、請求項1に記載の式(I)で表される少なくとも1種類の化合物を含んでいることを特徴とする、前記組成物。
【請求項8】
害虫及び/又は望ましくない植生を防除する方法であって、請求項1に記載の式(I)で表される化合物を、害虫、望ましくない植生及び/又はそれらの生息環境に作用させることを特徴とする、前記方法。
【請求項9】
害虫及び/又は望ましくない植生を防除するための、請求項1に記載の式(I)で表される化合物の使用。
【請求項10】
害虫及び/又は望ましくない植生を防除するための組成物を調製する方法であって、請求項1に記載の式(I)で表される化合物を増量剤及び/又は界面活性剤と混合させることを特徴とする、前記方法。
【請求項11】
害虫及び/又は望ましくない植生を防除するための組成物を調製するための、請求項1に記載の式(I)で表される化合物の使用。
【請求項12】
有効量の活性化合物組合せを含んでいる組成物であって、該組合せが、成分として、
(a’) 式(I)[式中、A、B、D、G、m、n、W、X及びYは、上記で与えられている意味を有する]で表される少なくとも1種類の化合物;
及び、
(b’) 以下の化合物の群:
4−ジクロロアセチル−1−オキサ−4−アザスピロ[4.5]デカン(AD−67、MON−4660)、1−ジクロロアセチルヘキサヒドロ−3,3,8a−トリメチルピロロ[1,2−a]ピリミジン−6(2H)−オン(ジシクロノン(dicyclonon)、BAS−145138)、4−ジクロロアセチル−3,4−ジヒドロ−3−メチル−2H−1,4−ベンゾオキサジン(ベノキサコール)、1−メチルヘキシル 5−クロロキノリン−8−オキシアセテート(クロキントセット−メキシル − cf. さらに、EP-A-86750、EP-A-94349、EP-A-191736、EP-A-492366 の中の関連化合物)、3−(2−クロロベンジル)−1−(1−メチル−1−フェニルエチル)尿素(クミルロン)、α−(シアノメトキシイミノ)フェニルアセトニトリル(シオメトリニル(cyometrinil))、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4−D)、4−(2,4−ジクロロフェノキシ)酪酸(2,4−DB)、1−(1−メチル−1−フェニルエチル)−3−(4−メチルフェニル)尿素(ダイムロン(daimuron, dymron))、3,6−ジクロロ−2−メトキシ安息香酸(ジカンバ)、S−1−メチル−1−フェニルエチル ピペリジン−1−チオカルボキシレート(ジメピレート)、2,2−ジクロロ−N−(2−オキソ−2−(2−プロペニルアミノ)エチル)−N−(2−プロペニル)アセトアミド(DKA−24)、2,2−ジクロロ−N,N−ジ−2−プロペニルアセトアミド(ジクロルミド)、4,6−ジクロロ−2−フェニルピリミジン(フェンクロリム)、1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−トリクロロメチル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸エチル(フェンクロラゾール−エチル − cf. さらに、EP-A-174562 及び EP-A-346620 の中の関連化合物)、2−クロロ−4−トリフルオロメチルチアゾール−5−カルボン酸フェニルメチル(フルラゾール)、4−クロロ−N−(1,3−ジオキソラン−2−イルメトキシ)−α−トリフルオロアセトフェノンオキシム(フルキソフェニム)、3−ジクロロアセチル−5−(2−フラニル)−2,2−ジメチルオキサゾリジン(フリラゾール、MON−13900)、4,5−ジヒドロ−5,5−ジフェニル−3−イソオキサゾールカルボン酸エチル(イソキサジフェン−エチル − cf. さらに、WO-A-95/07897 の中の関連化合物)、1−(エトキシカルボニル)エチル 3,6−ジクロロ−2−メトキシベンゾエート(ラクチジクロル)、(4−クロロ−o−トリルオキシ)酢酸(MCPA)、2−(4−クロロ−o−トリルオキシ)プロピオン酸(メコプロップ)、1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−5−メチル−1H−ピラゾール−3,5−ジカルボン酸ジエチル(メフェンピル−ジエチル − cf. さらに、WO-A-91/07874 の中の関連化合物)、2−ジクロロメチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン(MG−191)、2−プロペニル−1−オキサ−4−アザスピロ[4.5]デカン−4−カルボジチオエート(MG−838)、1,8−ナフタル酸無水物、α−(1,3−ジオキソラン−2−イルメトキシイミノ)フェニルアセトニトリル(オキサベトリニル)、2,2−ジクロロ−N−(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)−N−(2−プロペニル)アセトアミド(PPG−1292)、3−ジクロロアセチル−2,2−ジメチルオキサゾリジン(R−28725)、3−ジクロロアセチル−2,2,5−トリメチルオキサゾリジン(R−29148)、4−(4−クロロ−o−トリル)酪酸、4−(4−クロロフェノキシ)酪酸、ジフェニルメトキシ酢酸、ジフェニルメトキシ酢酸メチル、ジフェニルメトキシ酢酸エチル、1−(2−クロロフェニル)−5−フェニル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチル、1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸エチル、1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸エチル、1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸エチル、1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−フェニル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸エチル(cf. さらに、EP-A-269806 及び EP-A-333131 の中の関連化合物)、5−(2,4−ジクロロベンジル)−2−イソオキサゾリン−3−カルボン酸エチル、5−フェニル−2−イソオキサゾリン−3−カルボン酸エチル、5−(4−フルオロフェニル)−5−フェニル−2−イソオキサゾリン−3−カルボン酸エチル(cf. さらに、WO-A-91/08202 の中の関連化合物)、1,3−ジメチルブト−1−イル 5−クロロキノリン−8−オキシアセテート、4−アリルオキシブチル 5−クロロキノリン−8−オキシアセテート、1−アリルオキシプロプ−2−イル 5−クロロキノリン−8−オキシアセテート、メチル 5−クロロキノキサリン−8−オキシアセテート、エチル 5−クロロキノリン−8−オキシアセテート、アリル 5−クロロキノキサリン−8−オキシアセテート、2−オキソプロプ−1−イル 5−クロロキノリン−8−オキシアセテート、ジエチル 5−クロロキノリン−8−オキシマロネート、ジアリル 5−クロロキノキサリン−8−オキシマロネート、ジエチル 5−クロロキノリン−8−オキシマロネート(cf. さらに、EP-A-582198 の中の関連化合物)、4−カルボキシクロマン−4−イル酢酸(AC−304415、cf. EP-A-613618)、4−クロロフェノキシ酢酸、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、1−ブロモ−4−クロロメチルスルホニルベンゼン、1−[4−(N−2−メトキシベンゾイルスルファモイル)フェニル]−3−メチル尿素(「N−(2−メトキシベンゾイル)−4−[(メチルアミノカルボニル)アミノ]ベンゼンスルホンアミド」としても知られている)、1−[4−(N−2−メトキシベンゾイルスルファモイル)フェニル]−3,3−ジメチル尿素、1−[4−(N−4,5−ジメチルベンゾイルスルファモイル)フェニル]−3−メチル尿素、1−[4−(N−ナフチルスルファモイル)フェニル]−3,3−ジメチル尿素、N−(2−メトキシ−5−メチルベンゾイル)−4−(シクロプロピルアミノカルボニル)ベンゼンスルホンアミド、
及び/又は、一般式で定義されている以下の化合物のうちの1種類:
一般式(IIa)
【化8】

で表される化合物、若しくは、
一般式(IIb)
【化9】

で表される化合物、若しくは、
一般式(IIc)
【化10】

で表される化合物
[上記式中、
nは、数0〜5を表し;
は、以下に示されている二価ヘテロ環式基
【化11】

のうちの1つを表し;
nは、数0〜5を表し;
は、C−C−アルキル−及び/又はC−C−アルコキシ−カルボニルで場合により置換されていてもよい、1個又は2個の炭素原子を有するアルカンジイルを表し;
14は、ヒドロキシル、メルカプト、アミノ、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルアミノ又はジ(C−C−アルキル)アミノを表し;
15は、ヒドロキシル、メルカプト、アミノ、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルアミノ又はジ(C−C−アルキル)アミノを表し;
16は、いずれの場合にもフッ素、塩素及び/又は臭素で場合により置換されていてもよいC−C−アルキルを表し;
17は、水素を表すか、又は、いずれの場合にもフッ素、塩素及び/若しくは臭素で場合により置換されていてもよいC−C−アルキル、C−C−アルケニル若しくはC−C−アルキニル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、ジオキソラニル−C−C−アルキル、フリル、フリル−C−C−アルキル、チエニル、チアゾリル、ピペリジニルを表すか、又は、フッ素、塩素及び/若しくは臭素若しくはC−C−アルキルで場合により置換されていてもよいフェニルを表し;
18は、水素を表すか、又は、いずれの場合にもフッ素、塩素及び/若しくは臭素で場合により置換されていてもよいC−C−アルキル、C−C−アルケニル若しくはC−C−アルキニル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、ジオキソラニル−C−C−アルキル、フリル、フリル−C−C−アルキル、チエニル、チアゾリル、ピペリジニルを表すか、又は、フッ素、塩素及び/若しくは臭素若しくはC−C−アルキルで場合により置換されていてもよいフェニルを表すか、又は、R17と一緒になって、C−C−アルカンジイル若しくはC−C−オキサアルカンジイル(ここで、これらは、それぞれ、C−C−アルキル、フェニル、フリル若しくは縮合ベンゼン環で場合により置換されていてもよいか、又は、2つの置換基で場合により置換されていてもよく、その際、該2つの置換基は、それらが結合しているC原子と一緒に5員又は6員の炭素環を形成している)を表し;
19は、水素、シアノ若しくはハロゲンを表すか、又は、いずれの場合にもフッ素、塩素及び/若しくは臭素で場合により置換されていてもよいC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル若しくはフェニルを表し;
20は、水素を表すか、又は、いずれの場合にもヒドロキシル、シアノ、ハロゲン若しくはC−C−アルコキシで場合により置換されていてもよいC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル若しくはトリ−(C−C−アルキル)−シリルを表し;
21は、水素、シアノ若しくはハロゲンを表すか、又は、いずれの場合にもフッ素、塩素及び/若しくは臭素で場合により置換されていてもよいC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル若しくはフェニルを表し;
は、ニトロ、シアノ、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ又はC−C−ハロアルコキシを表し;
は、水素、シアノ、ニトロ、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ又はC−C−ハロアルコキシを表し;
は、水素、シアノ、ニトロ、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ又はC−C−ハロアルコキシを表す]、
及び/又は、一般式で定義されている以下の化合物:
一般式(IId)
【化12】

で表される化合物、若しくは、
一般式(IIe)
【化13】

で表される化合物
[上記式中、
nは、数0〜5を表し;
22は、水素又はC−C−アルキルを表し;
23は、水素又はC−C−アルキルを表し;
24は、水素を表すか、又は、いずれの場合にもシアノ、ハロゲン若しくはC−C−アルコキシで場合により置換されていてもよいC−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルアミノ若しくはジ(C−C−アルキル)アミノを表すか、又は、いずれの場合にもシアノ、ハロゲン若しくはC−C−アルキルで場合により置換されていてもよいC−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキルオキシ、C−C−シクロアルキルチオ若しくはC−C−シクロアルキルアミノを表し;
25は、水素を表すか、又は、シアノ、ヒドロキシル、ハロゲン若しくはC−C−アルコキシで場合により置換されていてもよいC−C−アルキルを表すか、又は、いずれの場合にもシアノ若しくはハロゲンで場合により置換されていてもよいC−C−アルケニル若しくはC−C−アルキニルを表すか、又は、シアノ、ハロゲン若しくはC−C−アルキルで場合により置換されていてもよいC−C−シクロアルキルを表し;
26は、水素を表すか、又は、シアノ、ヒドロキシル、ハロゲン若しくはC−C−アルコキシで場合により置換されていてもよいC−C−アルキルを表すか、又は、いずれの場合にもシアノ若しくはハロゲンで場合により置換されていてもよいC−C−アルケニル若しくはC−C−アルキニルを表すか、又は、シアノ、ハロゲン若しくはC−C−アルキルで場合により置換されていてもよいC−C−シクロアルキルを表すか、又は、ニトロ、シアノ、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ若しくはC−C−ハロアルコキシで場合により置換されていてもよいフェニルを表すか、又は、R25と一緒になって、いずれの場合にもC−C−アルキルで場合により置換されていてもよいC−C−アルカンジイル若しくはC−C−オキサアルカンジイルを表し;
は、ニトロ、シアノ、カルボキシル、カルバモイル、ホルミル、スルファモイル、ヒドロキシル、アミノ、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ又はC−C−ハロアルコキシを表し;
は、ニトロ、シアノ、カルボキシル、カルバモイル、ホルミル、スルファモイル、ヒドロキシル、アミノ、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ又はC−C−ハロアルコキシを表す]
から選択される作物植物の適合性を改善する少なくとも1種類の化合物;
を含んでいる、前記組成物。
【請求項13】
作物植物の適合性を改善する前記化合物が、以下の化合物の群:
クロキントセット−メキシル、フェンクロラゾール−エチル、イソキサジフェン−エチル、メフェンピル−ジエチル、フリラゾール、フェンクロリム、クミルロン、ダイムロン、又は、化合物
【化14】

から選択される、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
作物植物の適合性を改善する前記化合物がクロキントセット−メキシルである、請求項12又は13に記載の組成物。
【請求項15】
作物植物の適合性を改善する前記化合物がメフェンピル−ジエチルである、請求項12又は13に記載の組成物。
【請求項16】
作物植物の適合性を改善する前記化合物がイソキサジフェン−エチルである、請求項12又は13に記載の組成物。
【請求項17】
組成物であって、
・ 請求項1に記載の式(I)で表される少なくとも1種類の化合物又は請求項12に記載の組成物、
及び、
・ 式(II’)
【化15】

[式中、
Dは、窒素又はリンを表し;
26’、R27、R28及びR29は、互いに独立して、水素を表すか、又は、いずれの場合にも場合により置換されていてもよいC−C−アルキル又はモノ不飽和若しくはポリ不飽和の場合により置換されていてもよいC−C−アルキレン(ここで、該置換基は、ハロゲン、ニトロ及びシアノから選択され得る)を表し;
nは、1、2、3又は4を表し;
30は、無機アニオン又は有機アニオンを表す]
で表される少なくとも1種類の塩;
を含んでいる、前記組成物。
【請求項18】
少なくとも1種類の浸透剤を含んでいることを特徴とする、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
望ましくない植生を防除する方法であって、請求項12に記載の組成物を当該植物又はその生息環境に作用させることを特徴とする、前記方法。
【請求項20】
望ましくない植生を防除するための、請求項12に記載の組成物の使用。
【請求項21】
望ましくない植生を防除する方法であって、請求項1に記載の式(I)で表される化合物及び請求項12に記載の作物植物の適合性を改善する化合物を、当該植物又はそれらの周囲に、短時間の間に続けて別々に作用させることを特徴とする、前記方法。
【請求項22】
請求項1に記載の式(I)で表される活性化合物又は請求項12に記載の組成物を含んでいる殺有害生物剤及び/又は除草剤の活性を向上させる方法であって、請求項17に記載の式(II’)で表される塩を用いて即時使用可能な組成物(散布液)を調製することを特徴とする、前記方法。
【請求項23】
浸透剤を用いて前記散布液を調製することを特徴とする、請求項22に記載の方法。

【公表番号】特表2010−526842(P2010−526842A)
【公表日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−507830(P2010−507830)
【出願日】平成20年5月9日(2008.5.9)
【国際出願番号】PCT/EP2008/003730
【国際公開番号】WO2008/138551
【国際公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(302063961)バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト (524)
【Fターム(参考)】