説明

3次元計測装置

【課題】装置構成の簡略化と低コスト化とを実現する。
【解決手段】3次元計測装置10は、被測定物105が載置された測定ステージ104と、複数の基準点を有する基準スケール部材101と、撮像部102と、駆動機構103と、高輝度検出部110と、3次元測定部111とを有する。撮像部102は、被測定物105の光学像と基準スケール部材101の複数の基準点の光学像とを同一視野で撮像する。高輝度検出部110は、駆動機構103が撮像部102を相対移動させる駆動期間内に撮像部102によって連続的に撮像された複数の画像から、撮像部102のN個の相対移動位置の各々に対して被測定物105の最大輝度部分を検出するとともに複数の基準点のうち最大輝度を示す基準点を検出する。3次元測定部111は、相対移動位置ごとに、前記最大輝度部分の高さを当該検出された基準点に対応付けられた高さに設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被測定物に光を照射し、その反射光を受光して被測定物の3次元形状を計測する技術に関し、特に、固体撮像素子で被測定物を撮像し、その撮像画像に基づいて被測定物の3次元形状を計測する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
CCDやCMOSなどの固体撮像素子で被測定物を撮像し、その撮像画像に基づいて被測定物の3次元形状を計測する技術(以下「3次元計測技術」と呼ぶ。)は、半導体装置などの電子部品の生産分野で広く使用されている。近年、電子部品の微細化に伴い、サブミクロン領域の計測精度が要求されている。たとえば、実装基板上にフリップチップ実装されるLSIチップの場合、このLSIチップを実装基板に接合するための多数の半田バンプがLSIチップ上にアレイ状に形成されている。このLSIチップの実装前に半田バンプの3次元形状を計測して欠陥の有無を検査することが行われている。
【0003】
3次元計測に関する先行技術文献としては、たとえば、特許文献1(特開2004−226331号公報)や特許文献2(特開2004−286533号公報)が挙げられる。特許文献1には、斜め方向から被測定物にレーザ光などの投影光を照射し、その反射光を受光センサで検出して被測定物の高さを検出するという三角測量法を用いた3次元計測技術が開示されている。また、特許文献2には、共焦点光学系を用いた3次元計測技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−226331号公報
【特許文献2】特開2004−286533号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されている3次元計測装置は、測定対象が配置された台座を、高さ方向とは垂直なX軸方向とY軸方向にそれぞれ移動させる移動機構を有しており、この移動機構により、測定対象上の投影光の照射位置が制御される。しかしながら、この3次元計測装置では、投影光を高精度に照射するための高価な照明手段が必要であり、また、三角測量法を用いた高さ検出を行っているために検出精度に限界があった。
【0006】
特許文献2に開示されている3次元計測装置は、被測定物(試料)をX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向(高さ方向)にそれぞれ移動させるXYZステージと、光源と、共焦点光学系と、CCDカメラと、スケールと、コンピュータとを有する。このスケールは、XYZステージのZ軸方向の移動位置を読み取り、この移動位置をスケール値として出力するものである。3次元計測装置では、被測定物からの反射光は、共焦点光学系を介してCCDカメラに入射する。XYZステージが被測定物をZ軸方向に等速で移動させる間、CCDカメラは被測定物を連続的に撮像して複数の撮像画像を生成する。コンピュータは、これら撮像画像の輝度分布とスケール値とを対応付けることにより、被測定物の高さを算出する。
【0007】
特許文献2の3次元計測装置は、共焦点光学系を使用するので、特許文献1の計測技術と比べると高い検出精度を実現することができる。しかしながら、Z軸方向の送り機構は、バックラッシュや摩擦抵抗の不均一さ、経年変化を有するので、制御パルスに応じた移動量を高精度に制御することに限界があった。0.1μmや0.01μmの測定精度を実現するには、このZ軸方向の移動量の正確さが要求される。それ故、光学式リニアスケールなどの精密測定機器を使用してZ軸方向の移動量を高精度に測定する必要があるが、これは、装置構成の複雑化と製造コストの上昇を招くという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、被測定物が載置された測定ステージと、複数の基準点を有する基準スケール部材と、前記測定ステージに対向して配置され、かつ前記被測定物の光学像と前記複数の基準点の光学像とを同一視野で撮像する撮像部と、前記測定ステージに対して離間または近接させる方向へ前記撮像部を相対移動させる駆動機構と、前記駆動機構が前記撮像部を相対移動させる駆動期間内に前記撮像部によって連続的に撮像された複数の画像から、前記撮像部のN個の相対移動位置(Nは2以上の整数)の各々に対して前記被測定物の最大輝度部分を検出するとともに前記複数の基準点のうち最大輝度を示す基準点を検出する高輝度検出部と、前記相対移動位置ごとに、前記最大輝度部分の高さを当該検出された基準点に対応付けられた高さに設定する3次元測定部と、を備えた3次元計測装置が提供される。
【0009】
この3次元計測装置では、撮像部は、測定ステージに対して離間または近接させる方向へ相対移動しつつ、被測定物の光学像と基準スケール部材の複数の基準点の光学像とを同一視野で連続的に撮像する。高輝度検出部と3次元測定部は、相対移動位置ごとに、被測定物の最大輝度部分とこれに対応する最大輝度を示す基準点とを検出し、被測定物の最大輝度部分の高さを当該検出された基準点に対応付けられた高さに設定する。基準スケール部材の複数の基準点の位置を予め精密に測定し、その結果得られた測定値をそれぞれ基準点に対応付けしておけば、被測定物の高さ分布を高精度に計測することができる。それ故、光学式リニアスケールなどの精密測定機器を用いて撮像部の移動量を測定せずとも、被測定物の3次元形状を高精度に計測することができる。
【発明の効果】
【0010】
装置構成の簡略化と低コスト化とを実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る第1の実施形態の3次元計測装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】(A)は、基準スケール部材の第1の例を示す斜視図であり、(B)は、基準スケール部材の側面図である。
【図3】(A)は、基準スケール部材の第2の例を示す側面図であり、(B)は、(A)の基準スケール部材を構成する基準板の右側面図であり、(C)は、その基準板の正面図である。
【図4】(A)は、基準スケール部材の第3の例を示す側面図であり、(B)は、(A)の基準スケール部材を構成する基準板の右側面図であり、(C)は、その基準板の正面図である。
【図5】(A)は、基準スケール部材の第4の例を示す側面図であり、(B)は、(A)の基準スケール部材を構成するベース板および基準板の右側面図であり、(C)は、これらベース板および基準板の正面図である。
【図6】本発明に係る第2の実施形態の3次元計測装置の構成を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0013】
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係る第1の実施形態の3次元計測装置10の構成を概略的に示す図である。この3次元計測装置10は、測定ステージ104、基準スケール部材101、撮像部102、駆動機構103、検出制御部106および座標記憶部107を有している。検出制御部106は、高輝度検出部110と3次元測定部111とを有する。測定ステージ(台座部)104の載置面には、被測定物105と基準スケール部材101とが載置されている。
【0014】
撮像部102は、測定ステージ104に対向して配置されており、被測定物105の光学像と基準スケール部材101の複数の基準点λ,…,λ(Lは2以上の正整数)の光学像とを同一の撮像視野IAで撮像する機能を有する。この撮像部102で撮像されたN×M画素の2次元画像データ(N,Mは正整数)は、検出制御部106に転送され、処理される。
【0015】
撮像部102は、CCDやCMOSなどの固体撮像素子、固定焦点レンズおよび落射照明機構(いずれも図示せず)を内蔵しており、落射照明機構は、被測定物105と基準スケール部材101に光を均一に照射する。光を均一に照射して被測定物105の3次元形状の測定精度を向上させる観点からは、この落射照明機構は、同軸落射照明機構(撮像部102の光軸と略並行な光を照射する機構)であることが好ましい。撮像部102は、従来の顕微鏡が備える光学系を有してもよいし、光共焦点法や光干渉縞法などの原理による光検出を可能とする光学系を有していてもよい。
【0016】
駆動機構103は、検出制御部106からの制御信号に応じて、測定ステージ104に対して離間または近接させるZ軸方向へ撮像部102を相対移動させる機構を有する。この撮像部102の移動に応じて、撮像部102の合焦点もZ軸方向に移動する。撮像部102が被測定物105の或る表面部分に対して合焦したとき、撮像部102で撮像された画像では、その表面部分の輝度は、他の表面部分の輝度よりも大きくなり、被測定物105の中で最大輝度を示す部分として表示される。
【0017】
図2(A)は、基準スケール部材である三角柱部材101の一例を示す斜視図であり、図2(B)は、図2(A)の基準スケール部材101の側面120sa,120sbのうちの一方を示す図である。この基準スケール部材101は、測定ステージ104の載置面に接する底面120bを有し、この底面から鋭角で立ち上がる傾斜面すなわち測定基準面120rを有する。測定基準面120rは、面精度が高くなるように研磨されており、平滑な表面を有する。
【0018】
この測定基準面120rには、底面120bから上方先端に亘って複数の基準点λ,…,λ(Lは2以上の正整数)が設けられている。基準点λ,…,λは、測定基準面120rに物理的に形成されていないので、基準点λ,…,λは、測定基準面120r内の位置座標によって特定される。
【0019】
基準点λ,…,λの載置面からの高さ(または底面120bからの高さ)は予め精密測定されている。これら精密測定された高さを表す座標は、それぞれ、基準点λ,…,λに対応付けされた状態で座標記憶部107に記憶されている。
【0020】
基準スケール部材101の材料としては、経年変化が少ない材料(たとえば、金属やガラス、セラミックス)を使用することが好ましい。基準点λ,…,λの高さが一度精密測定された後は、その測定データの精度がある温度範囲内で数年間は有効なものとして扱えるように基準スケール部材101は作製される。
【0021】
図2(A)の平滑な測定基準面120rを有する基準スケール部材101の代わりに、複数の凸条部によって構成された測定基準面を有する基準スケール部材を使用してもよい。図3(A)〜図3(C)は、鋸歯状の断面を形成する凸条部123,123,…を有する基準スケール部材101Aの概略構成を示す図である。また、図4(A)〜図4(C)は、波板状の表面をなす凸条部133,133,…を有する基準スケール部材101Bの概略構成を示す図である。
【0022】
これら基準スケール部材101A,101Bは、図2(A)および図2(B)に示した三角柱部材101の傾斜面に基準板122,132を貼り付けることで構成される。基準板122,132は、たとえば、フォトエッチングなどのエッチングにより石英ガラス板の表面を加工することで作製することができる。
【0023】
図3(A)は、基準スケール部材101Aの側面図であり、図3(B)は、基準スケール部材101Aを構成する基準板122の右側面図であり、図3(C)は、この基準板122の正面図である。図3(C)に示されるように、図3(B)の凸条部123,123,…の頂上123t,123t,…が一定の間隔をもって基準板122の一端から他端に向けて連続的に形成されている。また、凸条部123,123の頂上123t,123t間には溝124が形成されている。基準板122は、凸条部123,123,…が底面120bと並行な方向に沿って延びるように三角柱部材101の傾斜面に貼り付けられる。
【0024】
このような凸条部123,123,…の頂上123t,123t,…に、それぞれ、異なる高さ(底面120bからの距離)を有する基準点λ,λ,…を設けることができる。図1の測定ステージ104上に載置された基準スケール部材101Aを撮像部202で撮像したとき、その撮像画像からは、基準板122の表面に形成された複数の凸条部123,123,…を検出することができる。これら凸条部123,123,…は、底面120bからの高さ方向に、たとえば0.1μm〜0.01μmの段差をもつように形成されることが望ましい。
【0025】
また、図4(A)は、基準スケール部材101Bの側面図であり、図4(B)は、基準スケール部材101Bを構成する基準板132の右側面図であり、図4(C)は、この基準板132の正面図である。図4(C)に示されるように、図4(B)の凸条部133,133,…の頂上133t,133t,…が一定の間隔をもって基準板132の一端から他端に向けて連続的に形成されている。また、凸条部133,133の頂上133t,133t間には溝134が形成されている。基準板132は、凸条部133,133,…が底面120bと並行な方向に沿って延びるように三角柱部材101の傾斜面に貼り付けられる。
【0026】
このような凸条部133,133,…の頂上133t,133t,…に、それぞれ、異なる高さ(底面120bからの距離)を有する基準点λ,λ,…を設けることができる。これら凸条部133,133,…は、底面120bからの高さ方向に、たとえば0.1μm〜0.01μmの段差をもつように形成されることが望ましい。
【0027】
上記基準スケール部材101A,101Bの凸条部123,133は、底面120bと同じ方向に延びるように配置されているので、各凸条部123または133に、異なる高さを有する基準点を複数個設けることができない。そこで、凸条部123,133を底面120bに対して数度傾斜させて配置すれば、各凸条部123または133に、異なる高さを有する複数の基準点を設けることができる。図5(A)は、三角柱部材101の底面120bに対して傾斜する凸条部123,…を有する基準スケール部材101Cを概略的に示す側面図である。
【0028】
図5(B)は、基準スケール部材101Cを構成するベース板140および基準板122の右側面図であり、図5(C)は、これらベース板140および基準板122の正面図である。図5(B)と図5(C)に示されるように、基準板122はベース板140の上面に貼り付けられている。図5(A)に示されるように、このベース板140の裏面が三角柱部材101の傾斜面に貼り付けられ、凸条部123,123,…は、三角柱部材101の底面120bに対して傾斜する方向に沿って連続的に延びるように配置されることとなる。
【0029】
ここで、凸条部123,123,…の傾斜角を定める図5(C)の水平基準ラインHLが三角柱部材101の底面120bと並行となるように、ベース板140は三角柱部材101に貼り付けられる。図5(C)に示されるように、水平基準ラインHLは、隣り合う凸条部123,123の頂点123t,123tのうち下方の頂点123tの左方一端と、これら頂点123t,123tのうち上方の頂点123tの右方一端とを結ぶように形成されている。このため、図5(A)の凸条部123,123,…のうち任意のk番目凸条部(kは整数)の一端と底面120bとの間の距離は、当該k番目凸条部と隣り合うk+1番目凸条部の一端と底面120bとの間の距離に等しい。それ故、或る凸条部123のラインの高さの範囲が、別の凸条部123のラインの高さの範囲と重複することを避けることができる。
【0030】
上述したように基準点λ,…,λは、それぞれ、撮像部102の受光面から互いに異なる光学的距離(光路長)を有する。これにより、撮像部102は、当該撮像部102のZ軸方向の位置に応じて、基準点λ,…,λのいずれかに合焦することができる。撮像部102が基準点λに対して合焦したとき、撮像部102で撮像された画像では、基準点λの輝度は、他の基準点λ〜λの輝度よりも大きいので、基準点λは基準スケール部材101の測定基準面において最大輝度を示す点として表示される。図2(A)の基準スケール部材101の代わりに、図3(A),図4(A)および図5(A)のスケール部材101A,101B,101Cを用いた場合も同様である。
【0031】
駆動機構103は、測定ステージ104に対して撮像部102をZ軸方向に段階的または連続的に移動させる。このように撮像部102が駆動される期間中に、撮像部102は、検出制御部106からの指示に従って、被測定物105を設定範囲の上端から下端まで連続的に撮像して数十枚〜数百枚の撮像画像I,…,I(Pは正整数)を出力する。本実施形態では、撮像部102は、相対移動位置L,…,Lでそれぞれ撮像画像I,…,Iを出力する。
【0032】
高輝度検出部110は、撮像画像I,…,Iから、相対移動位置L,…,Lの各々に対して被測定物105の最大輝度部分を検出し、これに対応する点として、基準点λ,…,λの中から最大輝度を示す基準点λMLを検出する。すなわち、高輝度検出部110は、各相対移動位置Lに対応する撮像画像Iから、被測定物105の局所画像の中の最大輝度を示す画素領域を検出し、これに対応し最大輝度を示す基準点λMLの画素を検出する。
【0033】
そして、3次元測定部111は、基準点λMLに対応付けられた高さの値を座標記憶部107から取得し、最大輝度部分の高さを基準点λMLに対応付けられた高さに設定するという高さ計測処理を実行する。この高さ計測処理は、相対移動位置L,…,Lの各々に対して実行される。
【0034】
高輝度検出部110が被測定物105の最大輝度部分の検出に失敗する場合や、高輝度検出部110が最大輝度部分の検出をスキップする場合がある。このような場合、3次元測定部111は、被測定物105の最大輝度部分の高さを補間することができる。具体的には、i番目の相対移動位置Lに対して最大輝度部分が検出されないとき、3次元測定部111は、相対移動位置Lの近辺にある複数の相対移動位置に対して最大輝度を示す点として複数の基準点が検出されたとき、これら基準点に対応付けられた高さに基づいて、相対移動位置Lでの最大輝度部分の高さを補間し得る。たとえば、相対移動位置Lの近辺にある2つの相対移動位置Li−1,Li+1に対して最大輝度を示す基準点が検出され、これら基準点にそれぞれ対応付けされた高さがα,βであるとする。さらに、相対移動位置L,Li−1,Li+1を表すパルス値(撮像部102を移動させるパルス制御モータに供給される制御パルスの数)がP,Pi−1,Pi+1であるとする。このとき、次式(1)に従って、相対移動位置Lでの最大輝度部分の高さγを線形補間することができる。
【0035】
γ=β+(α−β)・(P−Pi−1)/(Pi+1−Pi−1) …(1)
【0036】
なお、上式(1)は、線形補間を行うための式であるが、線形補間の代わりに、多項式やスプライン曲線を使用した補間を行ってもよい。これにより、Z軸駆動機構103の非線形性を補償することが可能となる。
【0037】
なお、撮像部102の受光面では、撮像部102の方向を向いた表面からの反射光量は強く、撮像部102の方向を向かない表面からの反射光量は弱い。このため、撮像部102は、水平方向またはこれに近い傾きを持つ表面の高輝度画像を得ることができるが、垂直方向またはこれに近い傾きを持つ表面の高輝度画像を得ることは難しいので、そのような表面は、高さ検出不能な領域として記録される。
【0038】
以上に説明したように、3次元測定部111は、被測定物105の高さを画素単位で検出し、その検出結果をメモリ(図示せず)に記録するとともに、被測定物105の高さ検出不能領域を画素単位で判別し、その判別結果をメモリに記録することができる。被測定物105がBGA(Ball Grid Array)の場合、3次元測定部111は、アレイ状に配列された多数の半田バンプの各々の高さ、コプラナリティおよびパッケージの反りの状態を示す三次元データを得ることができる。
【0039】
上記第1の実施形態の3次元計測装置10が奏する効果は以下の通りである。
【0040】
上述の通り、撮像部102は、測定ステージ104に対して離間または近接させるZ軸方向へ相対移動しつつ、被測定物105の光学像と基準スケール部材101の複数の基準点の光学像とを同一撮像視野IAで連続的に撮像する。そして、高輝度検出部110と3次元測定部111は、相対移動位置ごとに、被測定物105の最大輝度部分とこれに対応する最大輝度を示す基準点とを検出し、被測定物105の最大輝度部分の高さを、当該検出された基準点に対応付けられた高さに設定する。よって、基準スケール部材101の複数の基準点の位置を予め精密に測定し、その測定結果である測定値をそれぞれ基準点に対応付けしておけば、被測定物105の高さ分布を高精度に計測することができる。それ故、光学式リニアスケールなどの精密測定機器を用いて撮像部102の移動量を精密に測定せずとも、被測定物105の3次元形状をサブミクロン領域で高精度に計測することができる。よって、光学式リニアスケールの目盛部分を高精度に刻むための加工コストが不要である。したがって、装置構成の簡略化と低コスト化とを実現することが可能である。
【0041】
また、駆動機構103のメカ部分にバックラッシュや摩擦抵抗の不均一さ、経年変化があったとしても、基準スケール部材101の基準点λ,…,λの位置は常に変化しないため、高い計測精度を得ることが可能である。
【0042】
さらに、図3(A),図4(A)および図5(A)に示すような複数の凸条部を有する測定基準面をもつ基準スケール部材を使用することで、これら凸条部に設けられた基準点λ,λ,…を撮像画像から高精度に検出することが可能である。これにより、被測定物105の3次元形状をより高精度に計測することができる。
【0043】
特に、図5(A)に示すように、三角柱部材101の底面120bに対して傾斜した方向に延びる凸条部123,123,…を有する基準スケール部材101Cを使用することで、各凸条部123に複数の基準点を設けることができる。これにより、異なる高さを有する基準点の数が増えるので、合焦可能な基準点が増えることとなる。よって、被測定物105の3次元形状をより高精度に計測することが可能となる。
【0044】
(第2の実施形態)
次に、本発明に係る第2の実施形態について説明する。図2は、第2の実施形態の3次元計測装置20の構成を概略的に示す図である。この3次元計測装置20は、基準スケール部材201、撮像部202、Z軸駆動機構203、測定ステージ204、検出制御部206、座標記憶部207、ミラー素子215、X軸駆動機構220およびY軸駆動機構221を有する。検出制御部206は、駆動制御部209、画像データ記憶部210、高輝度検出部211および3次元測定部212を有する。測定ステージ(台座部)204の載置面には被測定物205が載置されている。
【0045】
本実施形態では、3次元計測装置20は、基準スケール部材201の光学像を撮像部202の受光面に結像させる光学素子215を有する。この光学素子215は、たとえば、基準スケール部材201からの反射光を撮像部202の受光面に導くミラー素子で構成すればよい。
【0046】
撮像部202は、測定ステージ204に対向して配置され、かつ被測定物205の光学像との光学像と基準スケール部材201の複数の基準点λ,…,λの光学像とを同一の撮像視野IAで撮像する機能を有する。この撮像部202で撮像されたN×M画素の2次元画像データ(N,Mは正整数)は、検出制御部206に転送され、処理される。
【0047】
撮像部202は、CCDやCMOSなどの固体撮像素子、固定焦点レンズおよび同軸落射照明機構(いずれも図示せず)を内蔵している。同軸落射照明機構は、直下の被測定物205に光を均一に照射する。被測定物205で反射した戻り光は、撮像部202の受光面で検出される。同時に、同軸落射照明機構は、光学素子215を介して基準スケール部材201に光を照射する。基準スケール部材201の表面で反射した戻り光は、撮像部202の受光面で検出される。撮像部202は、従来の顕微鏡が備える光学系を有してもよいし、光共焦点法や光干渉縞法などの原理による光検出を可能とする光学系を有していてもよい。
【0048】
Z軸駆動機構203は、検出制御部206からの制御信号に応じて、測定ステージ204に対して離間または近接させるZ軸方向へ撮像部202を相対移動させる機構を有する。この撮像部202の移動に応じて、撮像部202の合焦点もZ軸方向に移動する。撮像部202が被測定物205の或る表面部分に対して合焦したとき、撮像部202で撮像された画像では、その表面部分の輝度は、他の表面部分の輝度よりも大きいので、被測定物205の表面の中で最大輝度を示す部分として表示される。
【0049】
基準スケール部材201は、図2に示した基準スケール部材101と同じ構成を有し、基準スケール部材101と同じ材料で構成されている。本実施形態では、基準スケール部材201の底面が撮像部202の光軸に対して垂直な方向に向くように基準スケール部材201は固定配置されている。また、基準スケール部材201は、撮像部202とは独立して配置されている。
【0050】
さらに、基準スケール部材201の測定基準面の基準点λ,…,λは、撮像部202の受光面から互いに異なる光学的距離(光路長)を有するように配置されているので、撮像部202は、当該撮像部202のZ軸方向の位置に応じて、基準点λ,…,λのいずれかに合焦することができる。撮像部202が基準点λに対して合焦したとき、撮像部202で撮像された画像では、基準点λの輝度は、他の基準点λ〜λの輝度よりも大きいので、基準点λは測定基準面において最大輝度を示す点として表示される。
【0051】
X軸駆動機構220は、駆動制御部209からの制御信号に応じてX軸方向(Z軸とは垂直な方向)に測定ステージ204を移動させることができる。一方、Y軸駆動機構221は、駆動制御部209からの制御信号に応じてY軸方向(X軸およびY軸とは垂直な方向)に測定ステージ204を移動させることができる。X軸駆動機構220とY軸駆動機構221とは協働して、被測定物205の所望の表面領域を撮像部202の撮像視野IA内に移動させることができる。
【0052】
被測定物205の被測定領域全体は複数の検査領域CA,…,CA(Qは正整数)に分割されており、撮像部202は、1度に1つの検査領域CAを撮像視野IAに収めて撮像することができる。駆動制御部209は、X軸駆動機構220とY軸駆動機構221を制御して検査領域CA〜CAを撮像視野IA内に順番に移動させる。これと同期して、撮像部202は、検査領域CA〜CAを順番に撮像する。
【0053】
また、各検査領域CAについて、Z軸駆動機構203は、測定ステージ204に対して撮像部202をZ軸方向に段階的または連続的に移動させる。この検査領域CAに対する駆動期間中に、撮像部202は、検出制御部206からの指示に従って、被測定物205の検査領域CAを設定範囲の上端から下端まで連続的に撮像して数十枚〜数百枚の撮像画像I(1,k),…,I(P,k)を出力する。画像データ記憶部210は、撮像部202から転送された撮像画像I(1,k),…,I(P,k)のデータを蓄積する。
【0054】
高輝度検出部211は、画像データ記憶部210から読み出した撮像画像I(1,k),…,I(P,k)から、所定数の画素単位ごとの、相対移動位置に関する離散的な輝度分布を連続曲線g(x)で近似する(ここで、xは、相対移動位置を表す連続変数である)。連続曲線g(x)として、公知のガウス曲線やローレンツ曲線を使用するのが好適であるが、これらに限定されるものではない。そして、高輝度検出部211は、このガウス曲線のピーク値g(x=x)を最大輝度部分の輝度値として利用する。
【0055】
たとえば、検査領域CAの撮像画像I(1,k)〜I(P,k)から、1画素単位の離散的な輝度分布をガウス曲線g(x)で近似する場合、各画素について、離散的な相対移動位置L,…,Lに関する離散的な輝度値Bi,j(1,k),…,Bi,j(P,k)の分布をガウス曲線g(x)で近似することとなる。ここで、Bi,j(n,k)は、n番目の相対移動位置に対応した検査領域CAの撮像画像におけるi行j列目画素の輝度値を表している。このガウス曲線g(x)のピーク値g(x=x)は、i行j列目画素の最大輝度として、離散的な輝度値の中の最大値よりも正確な値を表している。
【0056】
上記のようにして高輝度検出部211は、連続曲線g(x)のピーク値g(x=)に対応する相対移動位置xを得る。高輝度検出部211は、さらに、この相対移動位置xに対応する基準点として、基準点λ,…,λの中から最大輝度を示す基準点λMLを検出する。
【0057】
そして、3次元測定部212は、基準点λMLに対応付けられた高さの値を座標記憶部207から取得し、被測定物205の最大輝度部分の高さを基準点λMLに対応付けられた高さに設定する。
【0058】
なお、画像データ記憶部210は、撮像部202から転送された撮像画像I(1,k),…,I(P,k)を合成して1枚または複数枚の合成画像を生成し、当該合成画像を蓄積してもよい。この場合、高輝度検出部211は、合成画像から被測定物205の最大輝度部分を検出すればよい。ここで、事前の検証結果に基づいて、X軸駆動機構220のX軸方向と水平面との間の角度の誤差と、Y軸駆動機構221のY軸方向と水平面との間の角度の誤差とが補正されるように合成画像を生成することが望ましい。
【0059】
高輝度検出部211が被測定物205の最大輝度部分の検出に失敗する場合や、高輝度検出部211が最大輝度部分の検出をスキップする場合がある。このような場合、第1の実施形態と同様に、3次元測定部212は、被測定物205の最大輝度部分の高さを補間することができる。すなわち、i番目の相対移動位置Lに対して最大輝度部分が検出されないが、相対移動位置Lの近辺にある複数の相対移動位置に対して最大輝度を示す点として複数の基準点が検出された場合、3次元測定部212は、これら基準点に対応付けられた高さに基づいて、相対移動位置Lでの最大輝度部分の高さを補間し得る。たとえば、相対移動位置Lの近辺にある2つの相対移動位置Li−1,Li+1に対して最大輝度を示す基準点が検出され、これら基準点にそれぞれ対応付けされた高さがα,βであり、相対移動位置L,Li−1,Li+1に対応するパルス値がP,Pi−1,Pi+1であるとする。このとき、次式(2)に従って、相対移動位置Lでの最大輝度部分の高さγを線形補間することができる。
【0060】
γ=β+(α−β)・(P−Pi−1)/(Pi+1−Pi−1) …(2)
【0061】
なお、上式(2)は、線形補間を行うための式であるが、線形補間の代わりに、多項式やスプライン曲線を使用した補間を行ってもよい。これにより、Z軸駆動機構203の非線形性を補償することが可能となる。
【0062】
なお、撮像部202の受光面では、撮像部202の方向を向いた表面からの反射光量は強く、撮像部202の方向を向かない表面からの反射光量は弱い。このため、撮像部202は、水平方向に近い傾きを持つ表面の高輝度画像を得ることができる。一方、垂直方向に近い傾きを持つ表面の高輝度画像を得ることは難しいので、そのような表面は、高さ検出不能な領域として記録される。
【0063】
以上に説明したように、3次元測定部212は、被測定物205の高さを画素単位で検出し、その検出結果をメモリ(図示せず)に記録するとともに、被測定物105の高さ検出不能領域を画素単位で判別し、その判別結果をメモリに記録することができる。
【0064】
上記第2の実施形態の3次元計測装置20が奏する効果は以下の通りである。
【0065】
上述の通り、3次元計測装置20は光学素子215を有するので、駆動制御部209が撮像部202の撮像視野IAを被測定物205上で相対的に移動させても、撮像部202は、常に、基準スケール部材201の基準点λ〜λの光学像と被測定物205の一部領域とを同一の撮像視野IAで撮像することができる。よって、第1の実施形態と同様に、高輝度検出部211と3次元測定部212は、撮像部202の相対移動位置ごとに、被測定物205の最大輝度部分とこれに対応する最大輝度を示す基準点とを検出し、被測定物205の最大輝度部分の高さを、当該検出された基準点に対応付けられた高さに設定することができる。よって、基準スケール部材201の複数の基準点の位置を予め精密に測定し、その結果である測定値をそれぞれ基準点に対応付けしておけば、被測定物205の高さ分布を高精度に計測することができる。それ故、光学式リニアスケールなどの精密測定機器を用いて撮像部202の移動量を精密に測定せずとも、被測定物205の3次元形状を高精度に計測することができる。したがって、装置構成の簡略化と低コスト化とを実現することが可能である。
【0066】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。たとえば、上記第1および第2の実施形態では、基準スケール部材101,201は、被測定物の形状計測用にのみ使用される部材であるが、これに限定されるものではない。基準スケール部材101,201が、たとえば治具としての機能を有していてもよい。
【0067】
また、上記第2の実施形態では、被測定物205をX軸方向およびY軸方向に駆動するX軸駆動機構220およびY軸駆動機構221を使用したが、これらの代わりに、撮像部202と基準スケール部材201と光学素子215とをX軸方向およびY軸方向にそれぞれ駆動する駆動機構を使用してもよい。
【0068】
上記実施形態では、基準スケール部材101,101A〜101C,201の各々は単一の基準測定面を有し、この基準測定面に設けられた基準点λ,…,λは、互いに異なる高さを有していたが、かかる形態に限定されるものではない。並列に配列された同一構成の複数個の基準測定面を有する基準スケール部材を使用してもよい。このような基準スケール部材は、同一高さに複数の基準点を有するので、被測定物の3次元形状をより正確に計測することが可能である。
【0069】
基準スケール部材101,101A〜101C,201の基準点の位置については、たとえば、高精度な目盛(スケール)を有するリニアスケールを用いて各基準点の高さを予め精密測定しておけばよい。すなわち、基準スケール部材101が測定ステージ104上に配置され、リニアスケールがZ軸方向に沿って取り付けられる。この状態で、駆動機構103が撮像部102をZ軸方向に相対移動させる。このとき、撮像部102が各基準点に対して合焦したとき(基準点に対応する箇所が最も強く光ったとき)のリニアスケールの目盛の値を座標記憶部107に記録すればよい。その後の3次元形状の計測時にリニアスケールは不要なので、リニアスケールを取り外せばよい。
【符号の説明】
【0070】
10,20 3次元計測装置
101 基準スケール部材(三角柱部材)
101A〜101C,201 基準スケール部材
102,202 撮像部
103 駆動機構
104,204 測定ステージ(台座部)
105,205 被測定物
106 検出制御部
107 座標記憶部
122,132 基準板
123,133 凸条部
140 ベース板
203 Z軸駆動機構
206 検出制御部
207 座標記憶部
209 駆動制御部
210 画像データ記憶部
211 高輝度検出部
212 3次元測定部
215 光学素子
220 X軸駆動機構
221 Y軸駆動機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定物が載置された測定ステージと、
複数の基準点を有する基準スケール部材と、
前記測定ステージに対向して配置され、かつ前記被測定物の光学像と前記複数の基準点の光学像とを同一視野で撮像する撮像部と、
前記測定ステージに対して離間または近接させる方向へ前記撮像部を相対移動させる駆動機構と、
前記駆動機構が前記撮像部を相対移動させる駆動期間内に前記撮像部によって連続的に撮像された複数の画像から、前記撮像部のN個の相対移動位置(Nは2以上の整数)の各々に対して前記被測定物の最大輝度部分を検出するとともに前記複数の基準点のうち最大輝度を示す基準点を検出する高輝度検出部と、
前記相対移動位置ごとに、前記最大輝度部分の高さを当該検出された基準点に対応付けられた高さに設定する3次元測定部と、
を備える3次元計測装置。
【請求項2】
請求項1に記載の3次元計測装置であって、前記複数の基準点は、前記撮像部の受光面から互いに異なる光学的距離を有する、3次元計測装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の3次元計測装置であって、前記複数の基準点にそれぞれ対応付けられた高さを表す座標が記憶されている座標記憶部をさらに備え、
前記3次元測定部は、当該検出された基準点に対応付けられた高さの値を前記座標記憶部から取得する、3次元計測装置。
【請求項4】
請求項1から3のうちのいずれか1項に記載の3次元計測装置であって、前記3次元測定部は、前記N個の相対移動位置の中のi番目の相対移動位置近辺の相対移動位置に対して前記最大輝度を示す点として検出された複数の基準点にそれぞれ対応付けられた高さに基づいて、前記i番目の相対移動位置での前記最大輝度部分の高さを補間する機能を有する、3次元計測装置。
【請求項5】
請求項4に記載の3次元計測装置であって、前記3次元測定部は、前記i番目の相対移動位置での当該最大輝度部分の高さを線形補間する、3次元計測装置。
【請求項6】
請求項1から5のうちのいずれか1項に記載の3次元計測装置であって、前記高輝度検出部は、前記駆動期間内に前記撮像部によって連続的に撮像された複数の画像を用いて、所定数の画素単位ごとの前記相対移動位置に関する離散的な輝度分布を連続曲線で近似し、前記連続曲線のピーク値を前記最大輝度部分の輝度値として使用する、3次元計測装置。
【請求項7】
請求項1から6のうちのいずれか1項に記載の3次元計測装置であって、前記基準スケール部材は、前記測定ステージ上に前記被測定物とともに載置されている、3次元計測装置。
【請求項8】
請求項1から6のうちのいずれか1項に記載の3次元計測装置であって、前記基準スケール部材の光学像を前記撮像部の受光面に結像させる光学素子をさらに備え、
前記基準スケール部材は、前記撮像部の視野の外に配置されている、3次元計測装置。
【請求項9】
請求項8に記載の3次元計測装置であって、前記光学素子は、前記基準スケール部材からの反射光を前記受光面に導くミラー素子を含む、3次元計測装置。
【請求項10】
請求項1から9のうちのいずれか1項に記載の3次元計測装置であって、前記撮像部の光軸と直交する方向へ前記撮像部に対して前記測定ステージを相対移動させる水平駆動機構をさらに備える3次元計測装置。
【請求項11】
請求項1から10のうちのいずれか1項に記載の3次元計測装置であって、
前記基準スケール部材は、底面と、この底面から鋭角で立ち上がる測定基準面とを有しており、
前記複数の基準点は前記測定基準面に設けられている、3次元計測装置。
【請求項12】
請求項11に記載の3次元計測装置であって、前記測定基準面は平滑な表面を有する、3次元計測装置。
【請求項13】
請求項11に記載の3次元計測装置であって、
前記測定基準面には、前記複数の基準点をそれぞれ有する互いに並行な複数の凸条部が形成されており、
前記凸条部は前記底面と並行な方向に沿って連続的に形成されている、3次元計測装置。
【請求項14】
請求項11に記載の3次元計測装置にあって、
前記測定基準面には、前記複数の基準点をそれぞれ有する互いに並行な複数の凸条部が形成されており、
前記凸条部は、前記底面に対して傾斜する方向に沿って連続的に形成されている、3次元計測装置。
【請求項15】
請求項14に記載の3次元計測装置であって、前記複数の凸条部のうちk番目凸条部(kは整数)の一端と前記底面との間の距離は、前記複数の凸条部のうち当該k番目凸条部と隣り合うk+1番目凸条部の一端と前記底面との間の距離に等しい、3次元計測装置。
【請求項16】
請求項13から15のうちのいずれか1項に記載の3次元計測装置であって、前記複数の凸条部は鋸歯状の断面を有する、3次元計測装置。
【請求項17】
請求項13から15のうちのいずれか1項に記載の3次元計測装置であって、前記複数の凸条部は波板状の表面を有する、3次元計測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−33507(P2011−33507A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−181059(P2009−181059)
【出願日】平成21年8月3日(2009.8.3)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】