説明

3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン

例えば、ヒトマクロファージ遊走阻害因子活性のメディエーターである3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ヒトマクロファージ遊走阻害因子(MIF)活性のメディエーターである3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オンに関する。
【背景技術】
【0002】
MIFは多種多様な細胞および生物学的活性を有するサイトカインである(例えば、Orita at al., Curr.Pharm.Design 8:1297-1317, 2002; Nishihira, J Interferon Cytokine Res 20:751-762, 2000; Swope & Lolis, Rev. Physiol. Biochem. Pharmacol. 139:1-32, 1999; Metz & Bucala, Adv. Immunol. 66:197-223, 1997;およびBucala, FASEB J. 14:1607-1613, 1996参照)。ヒトMIFの三次元結晶構造は、タンパク質がホモ三量体として存在することを示す(例えば、Lolis et al., Proc. Ass. Am. Phys. 108:415-419, 1996参照)。
【0003】
MIFがマクロファージのランダム遊走を阻害すること、および遅延型過敏反応と関連することが見いだされた(例えば、George & Vaughan, Proc. Soc. Exp. Biol. Med. 111:514-521, 1962; Weiser et al., J. Immunol. 126:1958-1962, 1981; Bloom & Bennett, Science, 153:80-82, 1966; David, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 56:72-77, 1966参照)。MIFはまたマクロファージ付着、ファゴサイトーシスおよび殺腫瘍活性を増強することが示された(例えば、Nathan et al., J. Exp. Med. 137:275-288, 1973; Nathan et al., J. Exp. Med. 133:1356-1376, 1971; Churchill et al., J. Immunol. 115:781-785, 1975参照)。
【0004】
組み換えヒトMIFは、初めはヒトT細胞ライブラリーからクローン化され(例えばWeiser et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86: 7522-7526, 1989参照)、インビトロにおいて細胞内寄生生物および腫瘍細胞を殺すために血液由来のマクロファージを活性化し、IL−1βおよびTNFα発現を刺激し、そして酸化窒素合成を誘導することが見いだされた(例えば、Weiser et al., J. Immunol. 147:2006-2011, 1991; Pozzi et al., Cellular Immunol. 145:372-379, 1992; Weiser et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:8049-8052, 1992; Cunha et al., J. Immunol. 150:1908-1912, 1993参照)。
【0005】
さらに最近、MIFは免疫系のサイトカイン生成物だけでなく、内分泌系、特に下垂体のホルモン様生成物でもあることが見いだされた。この試験は、炎症応答の重度を制限および抑制するためのグルココルチコイドの正常な活性がMIFにより阻害される効果により、グルココルチコイド(内在的に放出されたものおよび治療的に投与されたもの両方)の抗炎症性効果の対抗調節因子としてのMIFの強力な活性を強調し、したがって内在性MIF応答は様々な炎症性疾患および状態の原因因子または増悪因子として見られ得る(例えば、Donnelly and Bucala, Molecular Medicine Today 3:502-507, 1997参照)。
【0006】
現在、MIFが遅延型過敏反応との関連以外に数個の生物学的機能を有することは既知である。例えば、MIFはマクロファージにより放出され、T細胞はグルココルチコイドの生理学的濃度に応答する下垂体のメディエーターとして作用する(例えば、Bucala, FASEB J. 14:1607-1613, 1996参照)。これがTNF−α、IL−β、IL−6およびIL−8濃度の変化を介してグルココルチコイド免疫抑制活性の主要な効果を引き起こす。さらなる生物学的活性は、刺激されたT細胞の調節(例えば、Bacher et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93:7849-7854, 1996参照)、IgE合成の制御(例えば、Mikayama et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:10056-60, 1993参照)、p53腫瘍抑制タンパク質の機能的不活化(例えば、Hudson et al., J. Exp. Med. 190:1375-1382, 1999参照)、グルコースおよび炭水化物代謝の調節(例えば、Sakaue et al., Mol. Med. 5:361-371, 1999参照)、ならびに腫瘍細胞増殖および血管形成の調節(例えば、Chesney et al., Mol Med. 5:181-191, 1999; Shimizu et al., Biochem. Biophys. Res. Commun. 264:751-758, 1999; Mitchell & Bucala, Cancer Biol. 10:359-366, 2000参照)を含む。アテローム発生(例えば、Lin et al., Circulation Res. 8:1202-1208, 2000参照)、喘息(例えば、Yamaguchi et al., Clin.Exp.Allergy 30:1244-1249, 2000参照)、およびマラリア(例えば、Martiney et al., Infection Immunity 68:2259-2267, 2000参照)におけるMIFの役割も関係している。
【0007】
抗MIF抗体は下記の様々なモデルにおいて活性であることが示された:エンドトキシンおよびエキソトキシン誘導毒素ショック(例えば、Bernhagen et al., Nature, 365:756-759, 1993; Kobayashi et al., Hepatology, 29:1752-1759, 1999; Calandra et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 95:11383-11388, 1998; Makita et al., Am. J. Respir. Crit. Care Med. 158:573-579, 1998, Calandra et al., Nat. Med. 6:164-170, 2000参照)、T細胞活性化(例えば、Bacher et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 93:7849-7854, 1996参照)、リウマチ性関節炎を含む自己免疫性疾患(例えば、Leech et al., Arthritis Rheum., 42:1601-1608, 1999参照)、ぶどう膜網膜炎(例えば、Kitaichi et al., Curr. Eye Res., 20:109-114, 2000参照)、糸球体腎炎(例えば、Yang et al.Mol.Med. 4: 413-424, 1998参照)、大腸炎(例えば、de Jong et al., Nat.Immunol. 2:1061-1066, 2001; Ohkawara et al., Gastroenterol. 123: 256-270, 2002参照)、多発性硬化症(例えば、Denkinger et al.,J Immunol. 170:1274-82, 2003参照)、アテローム性動脈硬化症(例えば、Burger-Kentischer et al. Atherosclerosis. 184:28-38, 2006参照)および皮膚移植片破壊(例えば、Hou et al., Transplantation 72: 1890-1897, 2001参照)。
【0008】
さらに、抗MIF抗体が腫瘍増殖および血管形成を阻害することが示されている(例えば、Chesney et al., Mol.Med. 5:181-191, 1999; Ogawa et al., Cytokine 12:309-314, 2000; Mitchell & Bucala, Cancer Biol. 10:359-366, 2000参照)。抗MIF抗体の活性に基づき、低分子量のMIF−阻害剤の治療可能性は高い。
【0009】
MIFはD−ドーパクロムタウトメラーゼとかなりの配列相同性(36%同一)を共有しており、そして非生理学的基質、D−ドーパクロム(例えば、Rosengren et al., Mol. Med. 2:143-149, 1996参照)およびL−ドーパクロムメチルエステル(例えば、Bendrat et al., Biochemistry, 36:15356-15362, 1997参照)(図.1A)の互変異性化を触媒する酵素活性を有する。さらに、ピルビン酸フェニルおよびピルビン酸p−ヒドロキシフェニル(例えば、Rosengren et al., FEBS Letter, 417:85-88, 1997参照)ならびに3,4−ジヒドロキシフェニルアミンクロムおよびノルエピネフリンクロム(例えば、Matsunaga et al., J. Biol. Chem., 274:3268-3271, 1999参照)はMIF基質である。MIFタウトメラーゼ活性の様々な阻害剤が記載されている(例えば、Orita et al. J.Med.Chem. 44:540-547, 2001; Senter et al., Proc.Natl.Acad.Sci (USA) 99:144-149, 2002; Dios et al., J.Med.Chem. 45: 2410-2416, 2002参照)。
【発明の開示】
【0010】
今回驚くべきことにあるクラスの化合物がMIFのタウトメラーゼ活性の阻害によりMIF活性を介在すること、例えば、MIF活性を阻害することを見いだした。
【0011】
第1の局面において、本発明は、式
【化1】

[式中、Rは水素、または1個またはそれ以上の、例えば1個のヒドロキシ、メルカプト、SR、ORもしくはハロゲンであり、
は非ヘテロ環式基の場合少なくとも6個、例えば6から24個の炭素原子を含み、ヘテロ環式基の場合少なくとも6個、例えば6から24個の環員を含む、脂肪族またはアリール、所望によりヘテロ環式基であり、
例えば、ここでヘテロ環式基は縮合ヘテロ環式環(系)、例えば、N、O、Sから選択される1から6個のヘテロ原子を含むヘテロシクリルに縮合している他の環である環(系)を含み;
例えば、Rは好ましくは6から24個の炭素原子または環状基を含む脂肪族またはアリール基であり、
例えば、非置換であるかまたは置換された
−(C6−22)アルキル、(C6−22)アルケニルまたは(C6−22)アルキニル、例えば、n−ヘキシル、
−(C6−12)シクロアルキル(C0−4)アルキル、例えば、シクロヘキシル、
−(C6−18)アリール(C0−4)アルキル、例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニリル、ベンジル、
−(C6−12)シクロアルキル(C0−4)アルキルまたは(C6−12)アリール(C0−4)アルキル(ここでシクロアルキルまたはアリールは所望により他の環(系)と縮環(anellated)または縮合(fused)しており、例えば、脂肪族環(系)または脂肪族もしくは芳香族ヘテロ環式環(系)と縮環または縮合しており、ここで縮環または縮合アリールまたはシクロアルキルは6から24個の環員を含み、ここでヘテロシクリルはS、O、Nから選択される1から4個のヘテロ原子を含む);例えば、クラウンエーテルと縮環または縮合しているアリール
−ヘテロシクリル(C0−4)アルキル(ここでヘテロシクリルは所望により他の環(系)で縮合または融合されており、例えば、3から18個の環員を有し、N、O、Sから選択される1から4個のヘテロ原子を有する芳香族および脂肪族ヘテロシクリルである)
を含み;
そして
は脂肪族または芳香族、所望により1から16個の、例えば1から12個の炭素原子を含むヘテロ環式基であり、Rの意味におけるORの場合、RはさらにNHSOであり、
例えば、ここで脂肪族または芳香族、所望により、ヘテロ環式基は非置換であるかまたは置換されている
−(C1−8)アルキル、(C2−8)アルケニルまたは(C2−8)アルキニル、例えば、メチル、
−(C3−12)シクロアルキル(C0−4)アルキル、
−(C6−12)アリール(C0−4)アルキル、例えば、ベンジル、または
−ヘテロシクリル(C0−4)アルキルを含み、
ここでヘテロシクリルは3から12個の環員およびN、O、Sから選択される1から4個のヘテロ原子の芳香族または脂肪族ヘテロシクリルを含み;
例えば、置換基は所望により(C6−18)アリール、例えば、1−フェニルエチル、(C1−4)アルコキシ、例えば、メトキシ、ハロ(C1−4)アルコキシ、例えば、トリフルオロメトキシ、(C6−18)アリール(C1−4)アルコキシ、例えば、ベンジルオキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、トリ(C1−6)アルキルシリルオキシ、例えば、(ジメチル)(tert−ブチル)シリルオキシ、(C1−4)アルコキシカルボニル、例えば、エトキシカルボニル、ハロゲンまたはNHSOにより置換されていてもよいアルキルである1個またはそれ以上の、例えば、1または2個の(C1−4)アルキルを含む。
ただしRが水素または1もしくは2個のクロロもしくはブロモであるときRがフェニルまたは2−メチルフェニルである化合物を除く]
の化合物を提供する。
【0012】
式Iの化合物において、好ましくは
Rが水素、NHSO、ハロゲン、または(C1−4)アルコキシであり(ここで、アルキル部分は非置換または置換されており、例えば、非置換または(C6−12)アリール、例えば、ベンジルオキシにより置換されている)、
が(C6−22)アルキル、(C6−12)シクロアルキル、例えば、シクロヘキシル、(C6−18)アリール、例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニリル、クラウンエーテルで縮合または融合しているフェニル、(C1−4)アルキル(C6−18)アリール、例えば、ベンジル、6から12個の環員およびN、O、Sから選択される1から4個のヘテロ原子を含むヘテロシクリル、例えば、ピペリジンであり、
ここで、シクロアルキル、アリールまたはヘテロシクリルは非置換であるか、または置換されており、例えば、非置換であるか、または1個またはそれ以上の、例えば、1または2個の(C1−4)アルキルにより置換されており、ここで、該アルキルは所望により(C6−18)アリール、例えば、1−フェニルエチル、(C1−4)アルコキシ、例えば、メトキシ、ハロ(C1−4)アルコキシ、例えば、トリフルオロメトキシ、(C6−18)アリール(C1−4)アルコキシ、例えば、ベンジルオキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、トリ(C1−6)アルキルシリルオキシ、例えば、(ジメチル)(tert−ブチル)シリルオキシ、(C1−4)アルコキシカルボニル、例えば、エトキシカルボニルまたはNHSOにより置換されているが、
ただしRが水素または1もしくは2個のクロロであるときRがフェニルまたは2−メチルフェニルである化合物を除くものである。
【0013】
式Iの化合物において、Rは好ましくは3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン環の7位である。
【0014】
別の局面において、本発明は、式
【化2】

[式中、
はRに対して定義のとおりであり、そして
1Pは上記Rに対して定義のとおりである。
ただし、Rが水素、クロロまたはブロモのとき、R1Pがフェニルまたは2−メチルフェニルである化合物を除く]
の化合物である式Iの化合物を提供する。
【0015】
式Iまたは式Iの化合物において、それぞれの定義された置換基は例えば、それぞれ他の定義された置換基に独立して好ましい置換基であり得る。
【0016】
別の局面において、本発明は、
3−シクロヘキシル−7−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、
7−ヒドロキシ−3−(4−メトキシ−フェニル)−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、
7−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、
7−ヒドロキシ−3−フェニル−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、
7−ヒドロキシ−3−(3−ヒドロキシ−フェニル)−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、
7−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシ−フェニル)−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、
スルファミン酸4−(7−ヒドロキシ−2−オキソ−4H−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−3−イル)−フェニルエステル、
3−[4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−フェニル]−7−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、
3−(6,7,9,10,12,13,15,16,18,19−デカヒドロ−5,8,11,14,17,20−ヘキサオキサ−ベンゾシクロオキシデカン−2−イル)−7−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、
3−ベンジル−7−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、
7−ヒドロキシ−3−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、
スルファミン酸2−オキソ−3−(3−スルファモイルオキシ−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−7−イルエステル、
3−(4−メトキシ−フェニル)−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、
スルファミン酸3−シクロヘキシル−2−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−7−イルエステル、
スルファミン酸2−オキソ−3−(4−スルファモイルオキシ−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−7−イルエステル、
3−ビフェニル−4−イル−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、
スルファミン酸3−(4−メトキシ−フェニル)−2−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−7−イルエステル、
スルファミン酸2−オキソ−3−フェニル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−7−イルエステル、
3−ヘキシル−7−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、
スルファミン酸3−(4−ヒドロキシ−フェニル)−2−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−7−イルエステル、
7−ヒドロキシ−3−ナフタレン−1−イル−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、
3−(4−ブロモ−フェニル−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、
スルファミン酸3−ベンジル−2−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−7−イルエステル、
4−(7−ベンジルオキシ−2−オキソ−4H−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−3−イル)−安息香酸メチルエステル、
スルファミン酸4−(7−メトキシ−2−オキソ−4H−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−3−イル)−フェニルエステル、
3−(4−ヒドロキシ−フェニル)−7−メトキシ−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、
7−フルオロ−3−(4−メトキシ−フェニル)−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、
7−フルオロ−3−(3−メトキシ−フェニル)−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、
3−(3−ベンジルオキシ−フェニル)−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オンおよび
4−(2−オキソ−4H−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−3−イル)−1−(1−フェニル−エチル)−ピペリジン−2−カルボン酸エチルエステル、例えば
(S)−4−(2−オキソ−4H−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−3−イル)−1−((R)−1−フェニル−エチル)−ピペリジン−2−カルボン酸エチルエステルからなる群から選択される式Iの化合物を提供する。
【0017】
別の局面において、本発明は、式
【化3】

の化合物または式
【化4】

の化合物または式
【化5】

の化合物を提供する。
【0018】
別の局面において、本発明は、
−7−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、例えば
−3−(C6−12)アルキル−7−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、例えば
−3−ヘキシル−7−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、
3−(C6−12)アリール(C1−4)アルキル−7−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、例えば
−3−ベンジル−7−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、
−3−(C6−12)シクロアルキル−7−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、例えば
−3−(シクロヘキシル−7−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、
−3−(ヒドロキシ−シクロヘキシル−7−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、
−3−(C6−18)アリール−7−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、例えば
−3−ナフタレニル−7−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、
−3−フェニル−7−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、例えば
−3−(トリフルオロメトキシ−フェニル)−7−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、
−3−[トリ(C1−6)アルキル−シラニルオキシ)−フェニル]−7−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、
−3−(アミノスルホニル(sulfonoyl)−フェニル)−7−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、
−3−(メトキシ−フェニル)−7−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、
−3−(ヒドロキシ−フェニル)−7−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、
−3−(クラウンエーテル−縮合フェニル)−7−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、
【0019】
−7−(C1−6)アルコキシ−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、例えば
−7−メトキシ−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、例えば
−3−(ヒドロキシ−フェニル)−7−メトキシ−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、
−3−(アミノスルホニル−フェニル)−7−メトキシ−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、
【0020】
−7−ハロ−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、例えば
−3−(C6−18)アリール−7−ハロ−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、例えば
−3−フェニル−7−ハロ−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、
【0021】
−3−[(C6−18)アリール(C1−4)アルコキシ]−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、例えば
−3−(ベンジルオキシ−フェニル)−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、
【0022】
−3−[(C12−18)アリール]−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、例えば
−3−ビフェニリル−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、
【0023】
−3−[(C1−4)アルコキシ−フェニル)]−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、例えば
−3−(メトキシ−フェニル)−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、
【0024】
−3−ヘテロシクリル−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン(例えば、ここで、ヘテロシクリルは、例えば、N、O、Sから選択される1から6個、例えば1個のヘテロ原子、例えば、Nを有する例えば1つのヘテロ環式環を含む、例えば脂肪族および芳香族ヘテロシクリル、例えば、脂肪族ヘテロシクリル、例えば縮合ヘテロシクリル環系、例えば、他の脂肪族、芳香族またはヘテロ環式環(系)で縮合されたヘテロシクリルおよび1つのヘテロシクリル環を含む、6から18個の環員、例えば6個を有する);例えば
−3−ピペリジニル−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、および
【0025】
−スルファミン酸2−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−7−イルエステル、例えば
−スルファミン酸3−[(C6−18)アリール(C1−4)アルキル]−2−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−7−イルエステル、例えば
−スルファミン酸3−ベンジル−2−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−7−イルエステル、
−スルファミン酸3−(C6−12)シクロアルキル−2−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−7−イルエステル、例えば
−スルファミン酸3−シクロヘキシル−2−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−7−イルエステル、
−スルファミン酸3−[(C6−18)アリール]−2−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−7−イルエステル、例えば
−スルファミン酸2−オキソ−3−フェニル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−7−イルエステル
−スルファミン酸3−(ヒドロキシ−フェニル)−2−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−7−イルエステル、
−スルファミン酸3−[4−(C1−4)アルコキシ−フェニル]−2−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−7−イルエステル、例えば
−スルファミン酸3−(メトキシ−フェニル)−2−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−7−イルエステル、
−スルファミン酸2−オキソ−3−(スルファモイルオキシ−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−7−イルエステルからなる群から選択される化合物を提供する。
【0026】
本明細書に定義の全ての基は1から24個の炭素原子を含み得る。
本明細書に定義の全ての基は非置換であるか、または例えば、1個またはそれ以上で置換されていてもよい。
置換基はR、R、RおよびR1Pの意味において例えば上記したものを含む。
【0027】
本発明により提供される化合物は、“本発明の(による)化合物”として下記されている。式Iの化合物は式Iの化合物を含む。本発明の化合物は、何らかの形態、例えば、遊離形、塩形、溶媒和物形ならびに塩および溶媒和物形の化合物を含む。
【0028】
別の局面において、本発明は、塩形の本発明の化合物を提供する。
【0029】
このような塩は、好ましくは、薬学的に許容される塩であるが、例えば、製造/単離/精製目的のために、薬学的に許容されない塩も含む。
【0030】
遊離形の本発明の化合物は塩形の対応する化合物に変換し得る;逆も同様である。遊離形または塩形および溶媒和物形の本発明の化合物は遊離形または塩形および非溶媒和物形の対応する化合物に変換し得る;逆も同様である。
【0031】
本発明の化合物は、それらの異性体および混合物;例えば、光学異性体、ジアステレオマー、シス/トランス配座異性体の形態で存在し得る。本発明の化合物は例えば、不斉炭素原子を含み得、したがってエナンチオマーまたはジアステレオマーおよびそれらの混合物、例えばラセミ体の形態で存在し得る。本発明の化合物は、化合物の特定の位置に関して(R)−、(S)−または(R,S)−配置、好ましくは(R)−または(S)−配置で存在し得る。
【0032】
例えば、本発明により提供される化合物は、シクロアルキルまたはピペリジニル基に結合している置換基に関して(R)−および(S)−配置、例えばそれらの混合物を含み得、好ましくは、(R)−または(S)−配置である。
【0033】
純粋な異性体を得るため、異性体混合物を慣用の方法に、例えば、したがって、例えば、準じて、適当に分離し得る。本発明は、全ての異性体形および全ての異性体混合物の本発明の化合物を含む。
【0034】
本発明はまた、互変異性体が存在できるとき、本発明の化合物の互変異性体を含む。
【0035】
別の局面において、本発明は、塩基、例えば、トリエチルアミンの存在下で式
【化6】

[式中、RおよびRは上記定義のとおりである]の化合物をカルボニルジイミダゾールと反応させ、反応混合物から得られる式Iの化合物を単離する段階を含む式Iの化合物の製造のための方法を提供する。
【0036】
式IIIの化合物は、例えば式
【化7】

[式中、Rは上記定義のとおりである]の化合物を式
【化8】

の化合物と反応させ、反応混合物から得られる式IIIの化合物を単離することにより得ることができる。
【0037】
式IIまたは式IIIの中間体(出発物質)において、存在するとき、官能基は所望により保護されている形態または塩形成基が存在するとき塩形態であり得る。所望により存在する保護基は、例えば、慣用の方法に例えば、したがって、または準じて適当な段階で除去され得る。
【0038】
したがって、得られる式Iの化合物は他の式Iの化合物に変換でき、例えば、または遊離形の得られる式Iの化合物は式Iの化合物の塩に変換でき、逆も同様である。
【0039】
式Iの化合物は、例えば
a.還元剤、例えば、NaBHの存在下で式
【化9】

の化合物または式
【化10】

の化合物(PROTは保護基、例えば、ベンジルであるか、PROTは(C1−4)アルキル、ハロ(C1−4)アルキルまたは(C6−18)アリール(C1−4)アルキルであり、XはSまたはOであり、そしてR’は水素またはハロである)を

【化11】

[式中、R1Pは上記定義のとおりである]の化合物と反応させ、式
【化12】

の化合物または式
【化13】

の化合物(PROT、XおよびR1Pは上記定義のとおりである)を得て、
b.塩基、例えば、トリエチルアミンの存在下で、段階aで得られた式IIIまたはIII’の化合物をカルボニルジイミダゾールと反応させ、式
【化14】

または式
【化15】

の化合物を得て、
c.R1Pがヒドロキシである置換基を含むとき、所望により、例えば、イミダゾールの存在下で、該ヒドロキシ基を該置換基の反応誘導体と、例えば、トリ(C1−6)アルキルシリルオキシである置換基の場合、トリ(C1−6)アルキルシリルハロゲン化物、例えばクロライドと反応させ、置換ヒドロキシ基を得て、
d.所望により、例えば、触媒水素化により、段階b.または段階c.で得られる化合物中のPROTを脱保護、例えば除去し、Rがヒドロキシまたはメルカプトである式Iの化合物を得て、
e.所望により、段階dで得られた式IVの化合物の7位のヒドロキシ基をスルホニル化し、さらにNHと反応させ、RがNHSOである式Iの化合物を得、そして
f.反応混合物から式Iの化合物を単離する
段階を含む方法により得ることができる。
【0040】
本発明により提供される7−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、7−(C1−6)アルコキシ−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、7−ハロ−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、3−[(C6−18)アリール(C1−4)アルコキシ]−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、3−[(C6−18)アリール]−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、3−[(C1−4)アルコキシ−フェニル)]−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、3−ヘテロシクリル−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オンまたはスルファミン酸2−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−7−イルエステルは、式IまたはIの化合物の製造に関して記載のとおりの方法に準じて得ることができる。
【0041】
式II、II、II’、III、III、III’、IVまたはIV’の中間体(出発物質)は既知であるか、または慣用の方法にしたがって、例えば、準じて、もしくは本明細書に記載のとおりに製造できる。
【0042】
本明細書に記載の何らかの化合物、例えば、本発明の化合物、および式II、II、II’、III、III、III’、IVまたはIV’の中間体は適当な慣用の方法にしたがって、例えば、準じて、もしくは本明細書に記載のとおりに製造できる。
【0043】
例えば、式Iの化合物を含む本発明の化合物は、薬理学的活性を示し、したがって医薬として有用である。例えば、本発明の化合物は、MIF活性、例えば、MIF酵素活性を阻害することが示される。
【0044】
MIF酵素活性の天然基質はまだ確認されていない。しかし、MIFのタウトメラーゼ活性は容易に基質、D−ドーパクロムおよびピルビン酸p−ヒドロキシフェニル(HPP)で立証できる(例えば、Rosengren et al. Molec.Med. 2:143-149, 1996; Rosengren E, FEBS Lett. 417:85-88, 1997参照)。
【0045】
HPP−アッセイ
本明細書で使用される該アッセイはマイクロタイタープレートフォーマットを採用するようなHPPアッセイである:
−ヒトMIFタンパク質をBernhagen et al. Biochemistry, 33:14144-14155, 1994にしたがって精製する。酵素の希釈物を50mMのリン酸ナトリウムバッファー、1mMのEDTA、pH6.5中に調製する。
−HPPをAldrichから得る。エタノール中の60mMのHPPの貯蔵溶液を調製し、最大4時間氷上で維持する。基質の作業溶液(600μM)を50mMのリン酸ナトリウムバッファー、1mMのEDTA、pH6.5を有する一定量の貯蔵溶液で希釈することにより調製する。
−UV透過性マイクロタイタープレート(96ウェル)をCorning(Cat# 3635)から得る。阻害剤および酵素溶液をEppendorf 12-channel pipetteを使用して手動でピペットで移す。反応を開始するため基質の添加を、プレート上の96ウェル全てへの液体の同時の添加を可能にするIgel 96 pipetting station(OpalJena, Jena, Germany)で行う。
−光学濃度(OD)をSPECTRAmax 250リーダー(Molecular Devices)を使用して測定する。該リーダーはSoftmaxPro 2.6.1ソフトウェアで操作される。
−アッセイ:マイクロタイタープレートの3つのウェルをブランクのためにバッファーのみで満たす。試験ウェルの中へ連続して下記をピペットで移す:
−50μlの阻害剤希釈物(または対照のためのバッファー)、
−50μlの酵素溶液(55nM;アッセイの最終濃度:18.3nM)、
−50μlの新たに希釈した基質作業溶液(600μM;最終濃度:200μM)。
【0046】
最終段階を96-channel pipetting deviceを使用して行う。次いでプレートをすぐに(すなわち数秒以内)SPECTRAmax 250リーダーに手動で移し、光学濃度を測定する(310nm)。
得られたデータから、IC50値をExcelTMおよびXLfitTMソフトウェアを使用して計算する。
【0047】
本発明の化合物は、このHPPアッセイにおいて活性を示し(すなわち本発明の化合物はナノモル範囲のMIF−タウトメラーゼ活性を低マイクロモル範囲にまで阻害する)、したがってMIF活性が介在する障害(疾患)の処置に指示される:
【0048】
MIF活性が介在し、そしてMIFアンタゴニスト、例えば、本発明の化合物で十分に処置される傾向のある、例えば疾患を含む障害は、MIFの活性が原因であるまたは一つの役割を果たす障害を含む。
【0049】
このような障害(疾患)は限定しないが下記を含む:
−炎症と関連する障害、
例えば、(慢性)炎症性障害、気管支(例えば、気管支炎を含む)、頸部(例えば、子宮頸管炎を含む)、結膜(例えば、結膜炎)、食道(例えば、食道炎)、心筋(例えば、心筋炎)、直腸(例えば、直腸炎)、強膜(例えば、強膜炎)、骨を伴う歯肉の炎症、肺炎症(肺胞炎)、気道の炎症(例えば、喘息、例えば、気管支喘息、急性呼吸促迫症候群(ARDS))、炎症性皮膚障害(例えば、接触過敏症、アトピー性皮膚炎)が関連する疾患;線維症(例えば、肺線維症)、脳炎、炎症性骨溶解を含む、
【0050】
−免疫系の状態と関連する障害、
−例えば、グレーブス病、橋本病(慢性甲状腺炎)、多発性硬化症、リウマチ性関節炎、関節炎、痛風、骨関節症、強皮症、狼瘡症候群、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、乾癬、クローン病、大腸炎、例えば、潰瘍性大腸炎を含む炎症性腸疾患;敗血症、敗血症性ショック、自己免疫性溶血性貧血(AHA)、自己抗体誘発蕁麻疹、天疱瘡、腎炎、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、強直性脊椎炎、ライター症候群、多発筋炎、皮膚筋炎を含む、免疫、例えば、自己免疫性障害、
【0051】
−サイトカイン介在毒性と関連する障害
例えば、インターロイキン2毒性を含む、
【0052】
−骨と関連する障害、
例えば、骨粗鬆症、骨関節症を含む、
【0053】
−脳および神経と関連する障害、
−例えば、中枢神経系の障害ならびに末梢神経系の障害、例えば、中枢神経系感染を含むCNS障害、脳損傷、脳血管障害およびそれらの結果、パーキンソン病、大脳皮質基底核変性症、運動ニューロン疾患、ALSを含む認知症、多発性硬化症、外傷および外傷の結果による炎症を含む外傷性疾患、外傷性脳損傷、卒中、卒中後の、外傷性後の脳損傷を含む、神経変性障害、
小血管脳血管疾患、摂食障害;さらに、例えば、アルツハイマー病、血管性認知症、レビー小体型認知症、17番染色体と関連した前頭側頭骨性認知症およびパーキンソニズム、ピック病を含む前頭側頭骨性認知症、進行性核麻痺、大脳皮質基底核変性症、ハンチントン病、視床変性、クロイツフェルトヤコブ認知症、HIV認知症、認知症を伴う統合失調症、コルサコフ精神病、
認識関連障害、例えば、軽度認識障害、加齢による記憶障害、加齢による認識衰退、血管性認識機能障害、注意力欠如障害、注意欠陥過活動性障害、および学習障害を有する子供の記憶障害を含む、さらなる認知症;視床下部・下垂体・副腎系関連状態、
−例えば、神経細胞の遊走異常、低圧(減弱した筋緊張)、筋力低下、発作、発育遅延(肉体的または精神的発育障害)、知的障害、成長機能不全、採餌困難、リンパ水腫、小頭症、頭および脳に影響する症状、運動機能障害を含む神経障害;
【0054】
−眼と関連する障害、
例えば、ぶどう膜網膜炎、硝子体網膜症、角膜疾患、虹彩炎、虹彩毛様体炎、白内障、ブドウ膜炎、糖尿病網膜症、網膜色素変性、結膜炎を含む、
【0055】
−胃腸管と関連する障害、
例えば、大腸炎、炎症性腸疾患、大腸炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、胃潰瘍、胃炎、食道炎を含む、
【0056】
−心臓および血管状態と関連する障害、
−例えば、心機能不全、心筋梗塞、心臓肥大、心不全、例えば根底の原因に無関係に、高拍出および低拍出、急性および慢性、右側または左側、収縮期または拡張期のような全ての形態の心臓ポンプ機能不全を含む心不全を含む心血管障害;心筋梗塞(MI)、MI予防(一次および二次予防)、MIの急性処置、合併症の予防;心臓障害、増殖性血管障害、脈管炎、結節性多発動脈炎、虚血の結果である炎症、虚血性心臓疾患、心筋梗塞、卒中、末梢血管障害、肺高血圧、
例えば、心筋虚血、例えば、安定型狭心症、不安定型狭心症、狭心症、気管支炎を含む虚血性障害;無症候性不整脈、例えば、心房のおよび心室の頻脈性不整脈の全ての形態、心房性頻脈、心房粗動、心房細動、房室回帰性頻拍、興奮前症候群、心室頻拍、心室粗動、心室細動、不整脈の除脈形態;不整脈、慢性閉塞性肺疾患、
例えば、収縮期または拡張期高血圧、例えば一次性ならびに全ての種類の二次性動脈性高血圧、腎臓、内分泌、神経性およびその他のような高血圧性血管障害を含む高血圧;
例えば、アテローム性動脈硬化症、慢性末梢動脈閉塞性疾患(PAOD)、急性動脈血栓症および塞栓症、炎症性血管障害、レイノー現象および静脈障害を含む、動脈および/または静脈流の減少が血液供給および組織酸素要求間のアンバランスをもたらす末梢血管障害;アテローム性動脈硬化症、例えば、血管壁の脈管内膜における、細胞、平滑筋細胞および単球/マクロファージ炎症細胞両方の蓄積を含む血管壁がリモデリングされる疾患;
低血圧、
【0057】
−肝臓および腎臓と関連する障害、
例えば、腎臓障害(renal disorder)、腎臓障害(kidney disorder)、例えば、急性腎臓機能不全、急性腎臓疾患、肝臓障害、例えば、肝硬変症、肝炎、肝臓機能不全、胆汁うっ滞、肝炎、硬化性胆管炎、原発性胆汁性肝硬変を含む、
【0058】
−胃または膵臓状態と関連する障害、
胃の障害、例えば、胃潰瘍、消化器潰瘍、膵臓障害、膵臓疲労、
【0059】
−呼吸管および肺と関連する障害、
例えば、肺障害、慢性肺疾患、急性(成人)呼吸窮迫症候群(ARDS)、喘息、喘息気管支炎、気管支拡張症、びまん性間質性肺疾患、塵肺、線維化性肺胞炎、肺線維症、
【0060】
−皮膚および結合組織状態と関連する障害、
例えば、湿疹、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、乾癬、皮膚筋炎、シェーグレン症候群、チャーグ・ストラウス症候群、日やけ、皮膚癌、創傷治癒を含む、
【0061】
−アレルギー性状態と関連する障害、
例えば、遅延型過敏症、アレルギー性結膜炎、薬剤アレルギー、鼻炎、アレルギー性鼻炎、脈管炎、接触皮膚炎を含む;
【0062】
−血管形成と関連する障害、
例えば、血液供給の補充能力不足、修正血管形成により特徴付けられる障害、腫瘍関連血管形成を含む、
【0063】
−癌および細胞過増殖と関連する障害、
例えば、前癌状態、過増殖性障害、原発性または転移性のいずれかの癌、子宮頸および転移性癌、非制御の細胞増殖起源の癌、例えば、非小細胞肺癌、子宮頸癌を含む、WO02066019に記載のもののような固形腫瘍;腫瘍増殖、リンパ腫、B細胞またはT細胞リンパ腫、良性腫瘍、良性の異常増殖障害、腎臓癌腫、食道癌、胃の癌、腎臓癌腫、膀胱癌、乳癌、大腸癌、肺癌、黒色腫、鼻咽腔癌、骨癌、卵巣癌、子宮癌;前立腺癌、皮膚癌、白血病、腫瘍新血管形成、血管腫、骨髄異形成障害、正常細胞死誘導シグナルの非応答(不死化)、細胞運動性および侵襲性の増加、遺伝的不安定性、無調節な遺伝子発現、(神経)内分泌腺癌(カルチノイド)、血液癌、リンパ性白血病、神経芽腫;軟組織の癌、転移の予防を含む、
【0064】
−糖尿病状態と関連する障害、
例えば、糖尿病(I型糖尿病、II型糖尿病)、糖尿病性網膜症、インスリン依存糖尿病、真性糖尿病、妊娠性糖尿病)、インスリン分泌不全、肥満を含む;
【0065】
−子宮内膜症、精巣機能障害と関連する障害、
【0066】
−感染症、例えば、慢性感染状態と関連する障害、
例えば、細菌性障害、中耳炎、ライム病、甲状腺炎、ウイルス障害、寄生虫病、真菌病、マラリア、例えば、マラリア貧血、敗血症、重度の敗血症、敗血症性ショック、例えば、エンドトキシン誘導敗血症性ショック、エキソトキシン誘導毒素ショック、感染性(典型的な腐敗)ショック、グラム陰性菌により引き起こされる敗血症性ショック、骨盤内炎症性疾患、AIDS、腸炎、肺炎;髄膜炎、脳炎を含む、
【0067】
−重症筋無力症と関連する障害、
【0068】
−腎炎と関連する障害、
例えば、糸球体腎炎、間質性腎炎、ウェゲナー肉芽腫症を含む、
【0069】
-疼痛と関連する障害、
例えば、CNS障害、例えば、多発性硬化症、脊髄損傷、坐骨神経痛、腰椎手術後症候群(failed back surgery syndrome)、外傷性脳損傷、癲癇、パーキンソン病、卒中後、ならびに脳および脊髄の血管病変(例えば、梗塞、出血、血管奇形)と関連する;
非中枢神経障害性疼痛、例えば下記に関連する疼痛、乳腺切除後の痛み、錯覚障害、反射性交感神経性ジストロフィー(RSD)、三叉神経痛神経根障害、手術後の痛み、HIV/AIDS関連の痛み、癌の痛み、代謝性神経障害(例えば、糖尿病性神経障害、結合組織疾患後の脈管神経障害)、例えば、肺の癌腫、または白血病、またはリンパ腫、または前立腺、大腸または胃の癌腫に関連する腫瘍随伴性神経痛、三叉神経痛、頭蓋神経痛、およびヘルペス後神経痛;
末梢神経損傷と関連する疼痛、中心性疼痛(すなわち、脳虚血による)および様々な慢性疼痛すなわち、腰痛、背痛(腰痛)、炎症性および/またはリウマチ性疼痛;
頭痛(例えば、前兆有りの偏頭痛、前兆なしの偏頭痛、および他の偏頭痛障害)、一過性および慢性緊張性頭痛、緊張性頭痛、群発頭痛、ならびに慢性発作性偏頭痛;
内臓痛、例えば、膵炎、腸膀胱炎、月経困難症、過敏性腸症候群、クローン病、胆石疝痛、尿管疝痛、心筋梗塞および骨盤腔の疼痛症候群、例えば、陰部痛、精巣痛、尿道症候群15および前立腺痛;
急性の痛み、例えば、術後疼痛、および外傷後の痛み;
【0070】
−リウマチ性障害と関連する障害、
例えば、関節炎、リウマチ性関節炎、骨関節症、乾癬性関節炎、結晶性関節症、痛風、偽痛風、カルシウムピロリン酸沈着症、狼瘡症候群、全身性エリテマトーデス、硬化症、強皮症、多発性硬化症、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、脊椎関節症、全身性硬化症、反応性関節炎、ライター症候群、強直性脊椎炎、多発筋炎、
【0071】
−サルコイドーシスと関連する障害、
【0072】
−移植と関連する障害、
例えば、移植後の移植拒絶反応危機および他の障害、例えば、臓器または組織移植拒絶反応、例えば、心臓、肺、複合心肺、肝臓、腎臓、膵臓、皮膚、角膜移植レシピエントの、例えば処置のための、例えば、骨髄移植後の移植片対宿主拒絶反応、虚血性再還流傷害を含む。
【0073】
より好ましくは本発明の化合物は、炎症、免疫系、癌、アレルギー状態、移植、感染と関連する障害(疾患)、例えば、リウマチ性関節炎、炎症性腸疾患、例えば、大腸炎(例えば、クローン病および潰瘍性大腸炎)、アトピー性皮膚炎、乾癬、増殖性血管障害、急性呼吸促迫症候群(ARDS)、喘息、多発性硬化症、移植片対宿主拒絶反応、狼瘡症候群、腫瘍増殖および血管形成、マラリアの処置のために有用であり得る。
【0074】
医薬的使用のための、本発明の化合物は、所望により、薬学的に許容される塩形態のRが水素または1もしくは2個のクロロもしくはブロモであるときRがフェニルまたは2−メチルフェニルである式Iの化合物を含み、そして所望により薬学的に許容される塩形態のRが水素、クロロまたはブロモであるときR1Pはフェニルまたは2−メチルフェニルである式Iの化合物を含む。
【0075】
別の局面において、本発明は、
−例えば、MIF活性が介在する疾患を処置するための医薬として使用するための本発明の化合物;
−例えば、MIF活性が介在する疾患を処置するための医薬としての本発明の化合物の使用を提供し;
例えば、ここで本発明の化合物は、
−本発明の化合物
−所望により薬学的に許容される塩形態のRが水素または1もしくは2個のクロロもしくはブロモであるときRがフェニルまたは2−メチルフェニルである式Iの化合物、または
−所望により薬学的に許容される塩形態のRが水素、クロロまたはブロモであるときR1Pはフェニルまたは2−メチルフェニルである式Iの化合物を含む。
【0076】
医薬的使用のための、1種またはそれ以上の本発明の化合物を、例えば、1種、または2種もしくはそれ以上の本発明の化合物の組合せを使用でき、好ましくは1種の本発明の化合物を使用する。
【0077】
本発明の化合物は、医薬組成物の形態で医薬として使用し得る。
【0078】
別の局面において、本発明は、本発明の化合物、少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤、例えば、適当な担体および/または希釈剤、例えば、増量剤、結合剤、崩壊剤、フロー調節剤、滑剤、糖または甘味剤、芳香剤、防腐剤、安定化剤、湿潤剤および/または乳化剤、可溶化剤、浸透圧を調節するための塩および/またはバッファーを一緒に含む医薬組成物を提供し、
例えば、ここで本発明の化合物は、
−本発明の化合物、
−所望により薬学的に許容される塩形態のRが水素または1もしくは2個のクロロもしくはブロモであるときRがフェニルまたは2−メチルフェニルである式Iの化合物、または
−所望により薬学的に許容される塩形態のRが水素、クロロまたはブロモであるときR1Pはフェニルまたは2−メチルフェニルである式Iの化合物を含む。
【0079】
別の局面において、本発明は、
−MIF活性が介在する疾患の処置に使用するための本発明の医薬組成物、
−MIF活性が介在する疾患を処置するための本発明の医薬組成物の使用を提供し、
例えば、ここで本発明の化合物は、
−本発明の化合物、
−所望により薬学的に許容される塩形態のRが水素または1もしくは2個のクロロもしくはブロモであるときRがフェニルまたは2−メチルフェニルである式Iの化合物、または
−所望により薬学的に許容される塩形態のRが水素、クロロまたはブロモであるときR1Pはフェニルまたは2−メチルフェニルである式Iの化合物を含む。
【0080】
別の局面において、本発明は、例えば、医薬組成物の形態の有効量の本発明の化合物を処置の必要な対象に投与することを含む上記のとおりのMIF活性が介在する疾患、例えば上記のとおりの疾患を処置するための方法を提供し;
例えば、ここで本発明の化合物は、
−本発明の化合物、
−所望により薬学的に許容される塩形態のRが水素または1もしくは2個のクロロもしくはブロモであるときRがフェニルまたは2−メチルフェニルである式Iの化合物、または
−所望により薬学的に許容される塩形態のRが水素、クロロまたはブロモであるときR1Pはフェニルまたは2−メチルフェニルである式Iの化合物を含む。
【0081】
別の局面において、本発明は、
−MIF活性が介在する疾患を処置するための薬剤、例えば、医薬組成物を製造するための本発明の化合物
MIF活性が介在する疾患を処置するための薬剤、例えば、医薬組成物を製造するための本発明の化合物の使用を提供し、
例えば、ここで本発明の化合物は、
−本発明の化合物、
−所望により薬学的に許容される塩形態のRが水素または1もしくは2個のクロロもしくはブロモであるときRがフェニルまたは2−メチルフェニルである式Iの化合物、または
−所望により薬学的に許容される塩形態のRが水素、クロロまたはブロモであるときR1Pはフェニルまたは2−メチルフェニルである式Iの化合物を含む。
【0082】
処置は処置および予防(防止)を含む。
このような処置に関して、適当な用量はもちろん、例えば、使用される本発明の化合物の化学的性質および薬物動態学的データ、宿主、投与経路および処置される状態の性質および重症度に依存して変化する。しかし、一般に、大型哺乳類、例えばヒトにおいて満足のいく結果のための指示される1日用量は
−約0.001gから約1.5g、例えば0.001gから1.5g、
−約0.01mg/kg体重から約20mg/kg体重、例えば0.01mg/kg体重から20mg/kg体重、
の範囲を含み
例えば1日に4回までの分割用量で投与される。
【0083】
本発明の化合物は、MIF活性の他のメディエーター、例えば、低分子量の阻害剤で慣用に使用される同量で同様の投与形態により大型哺乳類、例えば、ヒトに投与し得る。
【0084】
本発明の化合物は、例えば、被覆または素錠剤、カプセル、(注射)溶液、固溶体、懸濁液、分散剤、固体分散剤の形態;例えば、アンプル剤、バイアルの形態、クリーム、ゲル、ペースト、吸入用粉末、泡状物、チンキ剤、リップスティック、ドロップ、スプレーの形態、または坐剤の形態で、何らかの慣用の経路、例えば、経腸的、例えば、経鼻、経口内、経直腸、経口投与;非経腸的、例えば、静脈内、筋肉内、皮下投与;または局所的;例えば、経皮、鼻腔内、気管内投与;局所送達用医薬用デバイス、例えば、ステントを介することにより投与し得る。
【0085】
本発明の化合物は、薬学的に許容される塩形または遊離形;所望により溶媒和物の形態で投与し得る。塩形および/または溶媒和物の形態の本発明の化合物は、遊離形の本発明の化合物と同程度の活性を示す。
【0086】
本発明の化合物は、単独でまたは1種またはそれ以上の、少なくとも1種の、他の第2の薬剤と一緒に本明細書に記載のとおりのいずれかの方法または使用のために使用され得る。
【0087】
他の局面において、本発明は、
−少なくとも1種の第2の薬剤と本発明の化合物の組合せ;
−本発明の化合物を少なくとも1種の第2の薬剤と一緒に含む医薬的組合せ;
−本発明の化合物を少なくとも1種の第2の薬剤および1種またはそれ以上の薬学的に許容される賦形剤(複数も含む)と一緒に含む医薬組成物;
−本明細書で定義のいずれかの方法で使用するための、例えば、医薬的組合せまたは組成物の形態の少なくとも1種の第2の薬剤と組み合わせた本発明の化合物、例えば
−医薬として使用するための本発明の化合物および少なくとも1種の第2の薬剤を含む組合せ、医薬的組合せまたは医薬組成物;
−例えば、医薬的組合せまたは組成物の形態の少なくとも1種の第2の薬剤と本発明の化合物の医薬としての使用;
−例えば、医薬的組合せまたは組成物の形態の治療有効量の本発明の化合物および少なくとも1種の第2の薬剤を共投与、同時投与または連続して投与することを含む処置を必要とする対象のMIF活性が介在する疾患の処置法;
−MIF活性が介在する疾患に使用するための医薬の製造における使用のための、例えば、医薬的組合せまたは組成物の形態の少なくとも1種の第2の薬剤と本発明の化合物を提供し;
例えば、ここで本発明の化合物は、
−本発明の化合物
−所望により薬学的に許容される塩形態のRが水素または1もしくは2個のクロロもしくはブロモであるときRがフェニルまたは2−メチルフェニルである式Iの化合物または
−所望により薬学的に許容される塩形態のRが水素、クロロまたはブロモであるときR1Pはフェニルまたは2−メチルフェニルである式Iの化合物を含む。
【0088】
組合せは、本発明の化合物および少なくとも1種の第2の薬剤が同じ製剤である固定された組合せ;別々の製剤の本発明の化合物および少なくとも1種の第2の薬剤が例えば、共投与のための指示書と一緒に同じパッケージ中で提供されるキット;ならびに本発明の化合物および少なくとも1種の第2の薬剤が別々にパッケージングされるが、同時にまたは別々に投与するための指示書を付与する自由な組合せを含む。
【0089】
他の局面において、本発明は、
−本発明の化合物および少なくとも1種の第2の薬剤である第1の薬剤に加えて組合せ投与のための指示書を含む医薬パッケージ;
−本発明の化合物に加えて少なくとも1種の第2の薬剤との組合せ投与のための指示書を含む医薬パッケージ;
−少なくとも1種の第2の薬剤に加えて本発明の化合物と組み合わせて投与するための指示書を含む医薬パッケージを提供し;
例えば、ここで本発明の化合物は、
−本発明の化合物
−所望により薬学的に許容される塩形態のRが水素または1もしくは2個のクロロもしくはブロモであるときRがフェニルまたは2−メチルフェニルである式Iの化合物または
−所望により薬学的に許容される塩形態のRが水素、クロロまたはブロモであるときR1Pはフェニルまたは2−メチルフェニルである式Iの化合物を含む。
【0090】
本発明の組合せでの処置は、単剤処置と比較して改善を提供し得る。
【0091】
他の局面において、本発明は、
−相乗治療効果を製造するための量の本発明の化合物および第2の薬剤を含む医薬的組合せ;
−治療有効量の本発明の化合物および第2の薬剤の共投与、例えば、同時投与または連続した投与を含む本発明の化合物の治療有効性を改善するための方法、
−治療有効量の本発明の化合物および第2の薬剤の共投与、例えば、同時投与または連続した投与を含む第2の薬剤の治療有効性を改善するための方法を提供し
例えば、ここで本発明の化合物は、
−本発明の化合物
−所望により薬学的に許容される塩形態のRが水素または1もしくは2個のクロロもしくはブロモであるときRがフェニルまたは2−メチルフェニルである式Iの化合物または
−所望により薬学的に許容される塩形態のRが水素、クロロまたはブロモであるときR1Pはフェニルまたは2−メチルフェニルである式Iの化合物を含む。
【0092】
本発明の組合せおよび組合せパートナーとしての第2の薬剤は例えば、本発明の化合物に対して上記のいずれかの慣用の経路により投与し得る。第2の薬剤は適当な用量、例えば、単剤処置に対して使用される量と同様の用量範囲、または、例えば、相乗効果の場合、慣用の用量範囲より少なくさえある用量で投与し得る。
【0093】
本発明の医薬組成物は、慣用の方法、例えば、混合、造粒、被覆、溶解または凍結乾燥方法にしたがって、例えば、準じて製造され得る。単位用量形は、例えば、約0.1mgから約1500mg、例えば1mgから約1000mgを含み得る。
【0094】
本発明の組合せを含む医薬組成物、および本明細書に定義のとおりの第2の薬剤を含む医薬組成物は、適当な慣用の方法または本発明の医薬組成物に対して本明細書で定義のとおりの方法に例えば、したがって、例えば、準じて提供され得る。
【0095】
“第2の薬剤”なる用語は、本発明の化合物以外の化学療法剤、とりわけ何らかの化学療法剤を意味し、
例えば、ここで本発明の化合物は、
−本発明の化合物
−所望により薬学的に許容される塩形態のRが水素または1もしくは2個のクロロもしくはブロモであるときRがフェニルまたは2−メチルフェニルである式Iの化合物または
−所望により薬学的に許容される塩形態のRが水素、クロロまたはブロモであるときR1Pはフェニルまたは2−メチルフェニルである式Iの化合物を含む。
【0096】
例えば、本明細書で使用される第2の薬剤は、例えば、抗炎症および/または免疫調節剤、抗癌剤、麻酔薬を含み、
例えば、本発明の化合物以外のMIF活性の他の(アンタゴニスト)アゴニスト、例えば、抗体および低分子量の化合物を含む。
【0097】
本発明の化合物と組み合わせて有用な傾向がある抗炎症および/または免疫調節剤は、例えば
−例えば、ラパマイシン、例えば、式
【化16】

のラパマイシン、40−O−(2−ヒドロキシエチル)−ラパマイシン、32−デオキソラパマイシン、16−O−置換ラパマイシン、例えば、16−ペンタ−2−イニルオキシ−32−デオキソラパマイシン、16−ペンタ−2−イニルオキシ−32(SまたはR)−ジヒドロ−ラパマイシン、16−ペンタ−2−イニルオキシ−32(SまたはR)−ジヒドロ−40−O−(2−ヒドロキシエチル)−ラパマイシン、40−[3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシ−メチル)−2−プロピオン酸メチル]−ラパマイシン(CCI779としても既知)、40−エピ−(テトラゾリル)−ラパマイシン(ABT578としても既知)、例えば、WO9802441、WO0114387およびWO0364383、例えば、AP23573に記載のいわゆるラパログ(rapalogs)、ならびにTAFA−93およびバイオリムス(バイオリムスA9)の名の下に記載されている化合物を含むmTOR活性のメディエーター、例えば、阻害剤;
−カルシニューリンのメディエーター、例えば、阻害剤、例えば、シクロスポリンA、FK506;
−免疫抑制特性を有するアスコマイシン、例えば、ABT−281、ASM981;
−コルチコステロイド;シクロホスファミド;アザチオプレン;レフルノミド;ミゾルビン;
−ミコフェノール酸または塩;ミコフェノール酸モフェチル;
−15−デオキシスペルグリンまたはその免疫抑制同族体、類似体または誘導体;
−bcr−ablチロシンキナーゼ活性のメディエーター、例えば、阻害剤;
−c−kit受容体チロシンキナーゼ活性のメディエーター、例えば、阻害剤;
−PDGF受容体チロシンキナーゼ活性のメディエーター、例えば、阻害剤、例えば、Gleevec(イマチニブ);
−p38MAPキナーゼ活性のメディエーター、例えば、阻害剤、
−VEGF受容体チロシンキナーゼ活性のメディエーター、例えば、阻害剤、
−PKC活性のメディエーター、例えば、阻害剤、例えば、WO0238561またはWO0382859に記載のもの、例えば、実施例56または70の化合物;
−JAK3キナーゼ活性のメディエーター、例えば、阻害剤、例えば、N−ベンジル−3,4−ジヒドロキシ−ベンジリデン−シアノアセトアミドα−シアノ−(3,4−ジヒドロキシ)−]N−ベンジルケイ皮酸アミド(チルホスチン AG 490)、プロジギオシン25−C(PNU156804)、[4−(4’−ヒドロキシフェニル)−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン](WHI−P131)、[4−(3’−ブロモ−4’−ヒドロキシルフェニル)−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン](WHI−P154)、[4−(3’,5’−ジブロモ−4’−ヒドロキシルフェニル)−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン]WHI−P97、KRX−211、遊離形または薬学的に許容される塩形の3−{(3R,4R)−4−メチル−3−[メチル−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−アミノ]−ピペリジン−1−イル}−3−オキソ−プロピオニトリル、例えば、モノクエン酸のもの(CP−690,550とも呼ばれる)、またはWO2004052359またはWO2005066156に記載の化合物;
−S1P受容体活性のメディエーター、例えば、アゴニストまたはモジュレーター、例えば、所望によりリン酸化されたFTY720またはその類似体、例えば、所望によりリン酸化された2−アミノ−2−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]エチル−1,3−プロパンジオールまたは1−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−エチル−ベンジル}−アゼチジン−3−カルボン酸またはその薬学的に許容される塩;
−免疫抑制モノクローナル抗体、例えば、白血球受容体、例えば、Blys/BAFF受容体、MHC、CD2、CD3、CD4、CD7、CD8、CD25、CD28、CD40、CD45、CD52、CD58、CD80、CD86、IL−12受容体、IL−17受容体、IL−23受容体またはそれらのリガンドに対するモノクローナル抗体;
−他の免疫調節化合物、例えば、少なくともCTLA4の細胞外ドメインの部分またはその変異体を有する、例えば、非CTLA4タンパク質配列またはその変異体に結合した少なくともCTLA4の細胞外部分またはその変異体を有する組み換え結合分子、例えば、CTLA4Ig(例えば、ATCC 68629で示される)またはその変異体、例えば、LEA29Y;
−接着分子活性のメディエーター、例えば、阻害剤、例えば、LFA−1アンタゴニスト、ICAM−1もしくは−3アンタゴニスト、VCAM−4アンタゴニストまたはVLA−4アンタゴニスト、
−CCR9活性のメディエーター、例えば、アンタゴニスト、
−例えば、阻害剤、例えば、他の低分子量の化合物または抗体を含む、本発明の化合物とは異なるMIF活性のメディエーター、
−5−サリチル酸アミノ(5−ASA)剤、例えばスルファサラジン、Azulfidine(登録商標)、Asacol(登録商標)、Dipentum(登録商標)、Pentasa(登録商標)、Rowasa(登録商標)、Canasa(登録商標)、Colazal(登録商標)、例えば、メサラミンを含む剤;例えば、ヘパリンと組み合わせたメサラジン;
−例えば、TNF−αに結合する抗体を含む、TNF−α活性のメディエーター、例えば、阻害剤、例えば、インフリキシマブ(Remicade(登録商標))、
−例えば、一酸化窒素供与型COX阻害剤(CINOD)を含む、酸化窒素遊離型非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、;
−ホスホジエステラーゼ、例えば、PDE4B活性のメディエーター、例えば、阻害剤、
−カスパーゼ活性のメディエーター、例えば、阻害剤、
−’多機能性抗炎症’剤(MFAID)、例えば、サイトゾルホスホリパーゼA2(cPLA2)阻害剤、例えば、グリコサミノグリカンに結合した膜固定型ホスホリパーゼA2阻害剤;
−抗生物質、例えば、ペニシリン、セファロスポリン、エリスロマイシン、テトラサイクリン、スルホンアミド、例えば、スルファジアジン、スルフイソキサゾール;スルホン、例えば、ダプソーン;プレウロムチリン、フルオロキノロン、例えば、メトロニダゾール、キノロン、例えば、シプロフロキサシン;レポフロキサシン;プロバイオティクスおよび共生細菌、例えば、乳酸菌、乳酸菌ロイテリ;
−抗ウイルス剤、例えば、リビビリン、ビダラビン、アシクロビル、ガンシクロビル、ザナミビル、リン酸オセルタミビル、ファムシクロビル、アタザナビル、アマンタジン、ディダノシン、エファビレンツ、ホスカネット、インディナビル、ラミブジン、ネルフィナビル、リトナビル、サクイナビル、スタブジン、バラシクロビル、バルガンシクロビル、ジドブジンを含む。
【0098】
本発明の化合物と組合せパートナーとして有用であろう抗癌剤は、例えば、
オキサリプラチン、トリシリビン、パルメトレックスド(permetrexed)(Alimta(登録商標))、スニチニブ(SU11248)、テモゾリジン(temozolidine)、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、ドキソルビシン、ブレオマイシン、マイトマイシン、ナイトロジェンマスタード、クロラムブシル、メルファラン、シクロホスファミド、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、シタラビン(CA)、5−フルオロウラシル(5−FU)、フロクスウリジン(5−FUdR)、メトトレキサート(MTX)、コルヒチン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、エトポシド、テニポシド、シスプラチン、ジエチルスチルベストロール(DES)、ティピファニブ、ボルテゾミブおよび例えば、WO02066019の例えば、5および6頁、より詳細には6から11頁のi)からx)に“化学療法剤”として記載のような薬剤、すなわち固形腫瘍の組合せ処置において有用であると記載されている薬剤を含む。
【0099】
本発明の化合物と組合せパートナーとして有用であろう麻酔剤は、例えば、エタノール、ブピバカイン、クロロプロカイン、レボブピバカイン、リドカイン、メピバカイン、プロカイン、ロピバカイン、テトラカイン、デスフルラン、イソフルラン、ケタミン、プロポフォール、セボフルラン、コデイン、フェンタニル、ヒドロモルフォン、マーカイン、メペリジン、メタドン、モルヒネ、オキシコドン、レミフェンタニル、スフェンタニル、ブトルファノール、ナルブフィン、トラマドール、ベンゾケイン、ジブカイン、エチルクロライド、キシロカイン、およびフェナゾピリジンを含む。
【0100】
本発明を説明するための下記実施例において、温度は摂氏(℃)である。
【0101】
下記の略語を使用する:
EX.:実施例 EtOH:エタノール
EtOAc:酢酸エチル m.p.:融点
RT:室温
【実施例】
【0102】
実施例1
式の3−シクロヘキシル−7−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン
A.3−シクロヘキシル−7−メトキシ−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン
40gのシクロヘキシルアミンを800mlの無水EtOH中の26gの2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンズアルデヒドの溶液にRTで加える。得られた混合物を1.5時間撹拌し、0°に冷却し、20gのNaBHを少しずつ加える。得られた混合物を3時間RTで撹拌し、HO中に注ぎ、得られた混合物をCHClで抽出する。2相が形成され、分離する。得られた有機層を乾燥させ、42gのカルボニル−ジイミダゾールを加え、得られた混合物を16時間RTで撹拌する。得られた混合物にさらに21.5gのカルボニル−ジイミダゾールを加え、得られた混合物を3時間撹拌し、1NのHCl、NaHCO飽和水溶液および塩水で洗浄し、乾燥させ、真空濃縮する。3−シクロヘキシル−7−メトキシ−3,4−ジヒドロベンゾ[e][1,3]−オキサジン−2−オンを得る。m.p.:76-77°; 1H-NMR (CDCl3): δ 6.99 (d, J = 8.4 Hz, 1 H), 6.66 (dd, J = 2.5 +8.4 Hz, 1 H), 6.57 (d, J = 2.5 Hz, 1 H), 4.30 (s, 2 H), 4.24 (tt, J = 3.6 + 11.6 Hz, 1 H); 3.78 (s, 3 H), 1.33-1.90 (m, 9 H), 1.02-1.20 (m, 1H).
【0103】
a)にしたがって得られた化合物のサンプルをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーに付し、精製した3−シクロヘキシル−7−メトキシ−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オンを含む画分をHClで処理する。塩酸塩形態の3−シクロヘキシル−7−メトキシ−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オンを得る。m.p.: 169-172°, 1H-NMR (CDCl3) δ 6.86 (d, J = 8.25 Hz, 1 H), 6.41 (d, J = 2.55 Hz, 1 H), 6.33 (dd, J = 2.55 + 8.25 Hz, 1 H), 3.96 (s, 2 H), 3.76 (s, 3 H), 2.53 (tt, J = 3.7 + 10 Hz, 1 H), 1.92-2.03 (m, 2 H), 1.56-1.80 (m, 3 H), 1.03-1.37 (m, 5 H).
【0104】
B.3−シクロヘキシル−7−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オンの製造
66gの3−シクロヘキシル−7−メトキシ−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オンおよび200gのHClピリジニウムの混合物を溶媒なしで金属浴上で220℃に45分間撹拌しながら加熱する。発生するHClガスを排気する。得られた混合物をRTに冷却し、得られた溶解物をHOおよびEtOAc中に溶解させ、得られた2相を分離する。得られた水性層をEtOAcで抽出し、1NのHClで洗浄し、乾燥させ、真空濃縮する。得られた濃縮残渣をシリカゲルで濾過し、得られた濾過残渣を濃縮する。3−シクロヘキシル−7−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オンを結晶形態で得る。m.p. 193-196°.
1H-NMR (CDCl3) δ 7.19(br.s, 1 H), 6.95 (d, J = 8.3 Hz, 1 H), 6.65 (dd, J = 2.4 + 8.3 Hz, 1 H), 4.30 (s, 2 H), 4.23 (tt, J = 3.6 + 11.6 Hz, 1 H), 1.30-1.90 (m, 9 H), 1.02-1.20 (m, 1 H).
【0105】
適当な出発物質を使用するが実施例1の記載に準じて、下記の表1に記載の融点および/またはH−NMR−データ(特に記載のない限り、H−NMR−データまたは13C−NMRデータはCDClにおいて測定する)を有する式
【化17】

[式中、Rはヒドロキシであり、R1Pは表1に記載のとおりである]の化合物を得る。
【表1】


【表2】

表1に記載のすべての化合物に対して得られたHNMRデータはそれらの化学構造を確認する。
【0106】
適当な出発物質を使用するが実施例1の記載の方法に準じて、下記の表2に記載の融点を有する式
【化18】

[式中、RおよびR1Pは表2に定義のとおりである]の化合物を得る。
【表3】

【表4】


【表5】

【表6】

表2に記載のすべての化合物に対して得られたHNMRデータはそれらの化学構造を確認する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化1】

[式中、Rは水素、または1個またはそれ以上のヒドロキシ、メルカプト、SR、ORもしくはハロゲンであり、
は非ヘテロ環式基の場合6から24個の炭素原子を含み、ヘテロ環式基の場合6から24個の環員を含む、脂肪族またはアリール、所望によりヘテロ環式基であり、
そして
は1から16個の炭素原子を含む脂肪族または芳香族、所望によりヘテロ環式基であり、ここでヘテロシクリルは3から12個の環員およびN、O、Sから選択される1から4個のヘテロ原子の芳香族または脂肪族ヘテロシクリルを含み;Rの定義中のORの場合、RはさらにNHSOであり、
ここで脂肪族またはアリール、所望によりヘテロ環式基は、非置換または置換されている(置換基は1個またはそれ以上の(C1−4)アルキルを含み、該アルキルは所望により(C6−18)アリール、メトキシのような(C1−4)アルコキシ、ハロ(C1−4)アルコキシ、(C6−18)アリール(C1−4)アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、トリ(C1−6)アルキルシリルオキシ、エトキシカルボニルのような(C1−4)アルコキシカルボニル、ハロゲンまたはNHSOにより置換されていてもよい)。
ただしRが水素または1もしくは2個のクロロもしくはブロモであるときRがフェニルまたは2−メチルフェニルである化合物を除く]
の化合物。
【請求項2】
Rが水素、NHSO、ハロゲン、または(C1−4)アルコキシであり(ここで、アルキル部分は非置換または(C6−12)アリールにより置換されている)、
が(C6−22)アルキル、(C6−12)シクロアルキル、(C6−18)アリール、クラウンエーテルと縮環(anellated)または縮合(fused)しているフェニル、(C1−4)アルキル(C6−18)アリール、6から12個の環員およびN、O、Sから選択される1から4個のヘテロ原子を含むヘテロシクリルであり、
ここで、シクロアルキル、アリールまたはヘテロシクリルは非置換または、所望により(C6−18)アリール、(C1−4)アルコキシ、ハロ(C1−4)アルコキシ、ベンジルオキシのような(C6−18)アリール(C1−4)アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、トリ(C1−6)アルキルシリルオキシ、(C1−4)アルコキシカルボニルまたはNHSOにより置換されていてもよいアルキルである1個またはそれ以上の(C1−4)アルキルにより置換されているが、
ただしRが水素または1もしくは2個のクロロもしくはブロモであるときRがフェニルまたは2−メチルフェニルである化合物を除く
請求項1に記載の化合物。
【請求項3】

【化2】

[式中、
はRに対して定義のとおりであり、そして
1PはRに対して定義のとおりである。
ただし、Rが水素、クロロまたはブロモのとき、R1Pがフェニルまたは2−メチルフェニルである化合物を除く]
の化合物である請求項1または2のいずれかに記載の化合物。
【請求項4】
7−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、
7−(C1−6)アルコキシ−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、
7−ハロ−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、
3−[(C6−18)アリール(C1−4)アルコキシ]−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、
3−[(C12−18)アリール]−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン
3−[(C1−4)アルコキシ−フェニル)]−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オン、および
3−ヘテロシクリル−3,4−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2−オンからなる群から選択される化合物。
【請求項5】
塩形態の請求項1から4のいずれかに記載の化合物。
【請求項6】
医薬として使用するための、請求項1から5のいずれかに記載の化合物、またはRが水素または1もしくは2個のクロロもしくはブロモであるときRがフェニルまたは2−メチルフェニルである、所望により、薬学的に許容される塩形態の式Iの化合物、またはRが水素、クロロまたはブロモであるときR1Pがフェニルまたは2−メチルフェニルである、所望により薬学的に許容される塩形態の式Iの化合物。
【請求項7】
−請求項1から5のいずれかに記載の化合物、または
−Rが水素または1もしくは2個のクロロもしくはブロモであるときRがフェニルまたは2−メチルフェニルである、所望により、薬学的に許容される塩形態の式Iの化合物、または
−Rが水素、クロロまたはブロモであるときR1Pがフェニルまたは2−メチルフェニルである、所望により薬学的に許容される塩形態の式Iの化合物と
少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤を一緒に含む医薬組成物。
【請求項8】
MIF活性が介在する疾患を処置するための方法であって、処置の必要な対象に有効量の
−請求項1から5のいずれかに記載の化合物、または
−Rが水素または1もしくは2個のクロロもしくはブロモであるときRがフェニルまたは2−メチルフェニルである、所望により、薬学的に許容される塩形態の式Iの化合物、または
−Rが水素、クロロまたはブロモであるときR1Pがフェニルまたは2−メチルフェニルである、所望により薬学的に許容される塩形態の式Iの化合物
を投与することを含む方法。
【請求項9】
MIF活性が介在する疾患の処置のための薬剤を製造するための、請求項1から5のいずれかに記載の化合物、または
−Rが水素または1もしくは2個のクロロもしくはブロモであるときRがフェニルまたは2−メチルフェニルである、所望により、薬学的に許容される塩形態の式Iの化合物、または
−Rが水素、クロロまたはブロモであるときR1Pがフェニルまたは2−メチルフェニルである、所望により薬学的に許容される塩形態の式Iの化合物。
【請求項10】
−請求項1から5のいずれかに記載の化合物、または
−Rが水素または1もしくは2個のクロロもしくはブロモであるときRがフェニルまたは2−メチルフェニルである、所望により、薬学的に許容される塩形態の式Iの化合物、または
−Rが水素、クロロまたはブロモであるときR1Pがフェニルまたは2−メチルフェニルである、所望により薬学的に許容される塩形態の式Iの化合物と
少なくとも1種の第2の薬剤との組合せ剤。
【請求項11】
請求項6、8または9のいずれかに記載の使用のための請求項10に記載の組合せ剤。

【公表番号】特表2008−536841(P2008−536841A)
【公表日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−505827(P2008−505827)
【出願日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際出願番号】PCT/EP2006/003445
【国際公開番号】WO2006/108671
【国際公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】