説明

3D表示システム

【課題】3D表示システムにおいて、3D表示装置を見る観察者の位置の自由度を向上すること。
【解決手段】3D表示システム1は、複数のピクセルを備え、複数のピクセルの各ピクセルに複数視線の画像データに対応する複数の絵素が配列される3D表示装置本体10と、3D表示装置本体10と観察者との距離を検知する距離検知装置40と、3D表示装置本体10の前面に配置され、検知された距離に基づいて、焦点距離が変更可能な凸レンズが配列された凸レンズシート20と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様としての実施形態は、多視差画像を表示する3D(立体視)表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日、複数視線に相当する複数の画像データを用いて3D表示を行なう技術が開発されている。3D表示を行なう3D表示装置は、観察者の両眼に互いに異なる複数視線に相当する複数の画像データを印加することによって画像を3D表示することができる。つまり、観察者は両眼を通じて一対の2次元画像を見ることになり、脳で前記2次元画像を融合して立体感を視認することになる。
【0003】
3D表示装置は、観察者の特殊メガネの着用可否に応じて、裸眼式(パララックスバリア方式及びレンチキュラーレンズ方式等)や、眼鏡式(アナグリフ方式、フレームシーケンシャル方式、及び偏光方式等)に区分することができる。レンチキュラーレンズ方式は、レンズを利用して左側ピクセル及び右側ピクセルを通過する光を屈折させることによって、画像を3D表示することができる。レンチキュラーレンズ方式によると、レンズを通じて大部分通過するため、前記バリアー方式に比べて輝度の減少を最小化させることができる。
【0004】
裸眼式では、レンチキュラーレンズ等の光線制御子を用いて、複数視点で撮影された多視差画像を裸眼にて立体視可能なシステムが実用化されている。眼鏡式では、立体視用眼鏡等の専用機器を用いて、2つの視点から撮影された2視差画像(両眼視差画像)を立体視可能なシステムが実用化されている。なお、立体視可能な3D表示装置にて表示される2視差画像や3視差画像は、1視点から撮影された画像の奥行き情報を推定し、推定した情報を用いた画像処理により生成される場合もある。
【0005】
3D表示装置に関する従来技術として、表示パネルの解像度または視点数を増加させて表示品質を向上させる目的の3D表示装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
さらに、医療分野においても3D表示を行なう技術のニーズが高まってきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2011−53647号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
レンチキュラーレンズ等のレンズ方式を採用する3D表示装置には、レンズに対応する適切な焦点距離があり、その焦点距離に対応する位置から観察者が離れると、観察者は立体視できない。しかしながら、医療分野、特にIVR(Interventional radiology)等では、3D表示装置を備える手術室内で、3D表示装置を見る術者(観察者)が移動することが考えられる。従来技術によると、画像を立体視しようとすれば、術者の位置が制限されてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本実施形態の3D表示システムは、上述した課題を解決するために、複数のピクセルを備え、前記複数のピクセルの各ピクセルに前記複数視線の画像データに対応する複数の絵素が配列される3D表示手段と、前記3D表示手段の前面に配置され、前記3D表示手段と観察者との距離に基づいて、焦点距離が変更可能な凸レンズが配列された凸レンズアレイと、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1実施形態の3D表示システムの構成を示すブロック図。
【図2】(a)は、第1実施形態の3D表示システムの3D表示装置本体の構造を示す概略図であり、(b)は、(a)に示すI−I断面図。
【図3】第1実施形態の3D表示システムの凸レンズシートの第1の構造例を示すxz平面図及びxy平面図。
【図4】第1実施形態の3D表示システムの凸レンズシートの第2の構造例を示すxz平面図及びxy平面図。
【図5】第1実施形態の3D表示システムの機能を示すブロック図。
【図6】(a)は、レンチキュラーレンズシートの巻き取り/送り出しを行なう前における、3D表示装置本体の前面のレンズシート要素を示す図であり、(b)は、レンチキュラーレンズシートの巻き取り/送り出しを行なった後における、3D表示装置本体の前面のレンズシート要素を示す図。
【図7】第2実施形態の3D表示システムの構成を示すブロック図。
【図8】第2実施形態の3D表示システムのレンチキュラーレンズアレイ内の液体量の調整を説明するための図。
【図9】第2実施形態の3D表示システムの機能を示すブロック図。
【図10】第3実施形態の3D表示システムの構成を示すブロック図。
【図11】第3実施形態の3D表示システムの機能を示すブロック図。
【図12】(a)は、レンチキュラーレンズアレイのx方向に外部圧力を掛ける前における、3D表示装置本体の前面のレンチキュラーレンズアレイを示す図であり、(b)は、レンチキュラーレンズアレイのx方向に外部圧力を掛けた後における、3D表示装置本体の前面のレンチキュラーレンズアレイを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本実施形態の3D表示システムについて、添付図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
【0012】
図1は、第1実施形態の3D表示システムの構成を示すブロック図である。
【0013】
図1は、第1実施形態の3D(立体視)表示システム1を示す。3D表示システム1は、多視差画像、例えば、3視差画像を観察者が裸眼にて立体視可能である構成である。3D表示システム1は、両眼視差による立体視を可能とし、さらに、観察者の視点移動に合わせて観察される映像も変化する運動視差による立体視も可能である。3D表示システム1は、3D表示装置本体10、凸レンズシート20、シート変換装置30、距離検知装置40、及び画像処理装置50を備える。
【0014】
3D表示装置本体10は、バックライト11、液晶パネル12、穴センサ13、バックライト駆動回路14、液晶パネル駆動回路15、センサ駆動回路16、及び制御部17を備える。
【0015】
図2(a)は、第1実施形態の3D表示システム1の3D表示装置本体10の構造を示す概略図である。図2(b)は、図2(a)に示すI−I断面図である。
【0016】
図2(a),(b)に示す3D表示装置本体10は、画像を表示することが可能なディスプレイ、例えば液晶ディスプレイである。3D表示装置本体10は、バックライト11と、水平方向(x方向)の幅W及び上下方向(y方向)の長さLを有する液晶パネル(液晶シャッタ)12とを備える。なお、3D表示装置本体10は、液晶ディスプレイに限定されるものではなく、有機EL(electro luminescence)ディスプレイや、プラズマディスプレイ等であってもよい。
3D表示装置本体10のバックライト11は、複数の白色LED(light emitting diode)を含んでおり、液晶パネル12の背面に配置される。バックライト11は、バックライト駆動回路(図示しない)から電源電圧が印加されると点灯し、液晶パネル12に光を照明する。なお、バックライト11は、白色LEDに限定されるものではなく、他の色のLEDを含んでいてもよい。また、バックライト11は、LEDに代えて、例えば、冷陰極管(CCFL:cold cathode fluorescent lamp)を含むものであってもよい。
【0017】
液晶パネル12は、液晶パネル12のx方向及びy方向にマトリクス状に複数備えられるピクセルPを有する。ピクセルPは、偏光板Pa、ガラス基板Pb、画素電極(透明導電膜)Pc、配向膜Pd、液晶Pe、対向電極(透明導電膜)Pf、及びカラーフィルタPgを備える。
【0018】
ピクセルPには、液晶パネル12のx方向に、複数、例えば3種類の画像データ(3視差画像)を表示するための3個の絵素が配列される。絵素には、絵素の配列方向に垂直な方向であるy方向に、R(red)、G(green)及びB(blue)の各カラーフィルタPgが配列されることで、RGBの各画素が形成される。なお、絵素の配列方向は、液晶パネル12のx方向に限定されるものではない。また、RGBの表面(xy面)形状は、長方形に限定されるのもではない。例えば、RBの表面形状が右(または左)に傾斜した平行四辺形であり、かつ、Gの表面形状が逆に左(または右)に傾斜した平行四辺形であってもよい。
【0019】
偏光板Paは、ガラス基板Pb上に設けられ、バックライト11からの光のうち特定方向の光のみを通過させる機能を有する。
【0020】
画素電極Pcは、ガラス基板Pb上に設けられる。画素電極Pcは、液晶Peを挟む電極のうちTFT(thin film transistor)側に設けている、画素を構成する電極である。
【0021】
配向膜Pdは、電極Pc,Pf上にそれぞれ設けられ、液晶分子を特定方向に整列させる機能を有する。
【0022】
液晶Peは、外部電圧が印加されると、分子配列の並び方が変わる機能を有する。
【0023】
対向電極Pfは、ガラス基板Pb上に設けられる。対向電極Pfは、液晶Peを挟む電極のうちTFTに対向する側に設けている電極である。
【0024】
カラーフィルタPgは、TFTに対向する側のガラス基板Pb上に設けられ、各画素に対して、各RGBが配列される。
【0025】
穴センサ13は、液晶パネル12の横に装着され、凸レンズシート20に設けた穴H(図3及び図4に図示)を検知する。ここで、凸レンズシート20の各レンズと液晶パネル12の各ピクセルPとの位置関係は非常に重要である。したがって、精細な位置合わせを実現するために、穴センサ13が液晶パネル12の横に装着される。例えば、穴センサ13は、液晶パネル12の横からレーザ光をz方向の前面に照射し、レーザ光が穴Hを通過した時に制御部17にセンサ出力信号を送信する。
【0026】
図1に示すバックライト駆動回路14は、制御部17による制御に従ってバックライト11に電圧を印加してバックライト11を駆動させる。
【0027】
液晶パネル駆動回路15は、制御部17による制御に従って液晶パネル12のピクセルPの画素回路を駆動させる。
【0028】
センサ駆動回路16は、制御部17による制御に従って穴センサ13に電圧を印加して穴センサ13を駆動させる。
【0029】
制御部17は、画像処理装置50の処理部51からの指示に従ってバックライト駆動回路14、液晶パネル駆動回路15、及びセンサ駆動回路16を制御する。また、制御部17は、穴センサ13から受信したセンサ出力信号に基づいてレンチキュラーシート21の巻き取り/送り出しの動作を停止させるための停止信号を発生して、停止信号を処理部51に送信する。
【0030】
凸レンズシート20は、その一部(レンズシート要素)が液晶パネル12の前面に配置されるように構成され、焦点距離(レンズと焦点位置との距離)が異なる複数のレンズシート要素をx方向に連ねた構成を有する。3D表示装置本体10と、3D表示装置本体10の液晶パネル12の前面に配置されたレンズシート要素によって3D表示装置が形成される。凸レンズシート20は、軟質の透明素材、例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、及びスチレン樹脂等の透明樹脂材料によって成形される。
【0031】
図3は、第1実施形態の3D表示システム1の凸レンズシート20の第1の構造例を示すxz平面図及びxy平面図である。
【0032】
図3は、凸レンズシート20としてのレンチキュラーレンズシート21を示す。レンチキュラーレンズシート21は、曲面の曲率が異なる複数のレンズシート要素、例えば3個のレンズシート要素21a,21b,21cと、継手21dとを有する。レンズシート要素21a,21b,21cのx方向の幅は、液晶パネル12のx方向の幅Wに相当する。レンズシート要素21a,21b,21cのy方向の長さは、液晶パネル12のy方向の長さLに相当する。
【0033】
レンズシート要素21a,21b,21cは、継手21dによってそれぞれ接続されている。継手21dには、液晶パネル12の前面に所望のレンズシート要素がちょうど配置された時に穴センサ13によって検知されるための、数μmの穴Hが設けられる。
【0034】
レンチキュラーレンズシート21のレンズシート要素21a,21b,21cは、絵素の配列方向に垂直なy方向を軸とするレンチキュラーレンズ(かまぼこ型レンズ)が、絵素の配列方向であるx方向に複数配置されるレンチキュラーレンズアレイである。
【0035】
図4は、第1実施形態の3D表示システム1の凸レンズシート20の第2の構造例を示すxz平面図及びxy平面図である。
【0036】
図4は、凸レンズシート20としてのフライアイ(蝿の目)レンズシート22を示す。フライアイレンズシート22は、曲面の曲率が異なる複数のレンズシート要素、例えば3個のレンズシート要素22a,22b,22cと、継手22dとを有する。レンズシート要素22a,22b,22cのx方向の幅は、液晶パネル12のx方向の幅Wに相当する。レンズシート要素22a,22b,22cのy方向の長さは、液晶パネル12のy方向の長さLに相当する。
【0037】
レンズシート要素22a,22b,22cは、継手22dによってそれぞれ接続されている。継手22dには、液晶パネル12の前面に所望のレンズシート要素がちょうど配置された時に穴センサ13によって検知されるための、数μmの穴Hが設けられる。
【0038】
フライアイレンズシート22のレンズシート要素22a,22b,22cは、液晶パネル12のピクセルP毎に割り当てられたフライアイレンズを複数のピクセルPの分配列したフライアイレンズアレイである。
【0039】
以下、図3に示すように、凸レンズシート20として、レンチキュラーレンズシート21を備える場合について説明する。
【0040】
シート変換装置30は、3D表示装置本体10の横または後方に配置され、液晶パネル12の前面を経由するレンチキュラーレンズシート21を、そのx方向の両端で支持する。シート変換装置30は、画像処理装置50による制御によって、レンチキュラーレンズシート21のうち液晶パネル12の前面に配置されたレンズシート要素を、他のレンズシート要素に変更する(切り替える)。シート変換装置30は、レンチキュラーレンズシート21のx方向の左側(3D表示装置に向かって左側)を支持する左側支持回転部31と、レンチキュラーレンズシート21のx方向の右側(3D表示装置に向かって右側)を支持する右側支持回転部32とを有する。左側支持回転部31及び右側支持回転部32は、回転駆動機構(モータ等)31a,32aをそれぞれ備え、回転駆動機構31a,32aを介して軸を回転させることで、レンチキュラーレンズシート21の巻き取り/送り出しを行なう。
【0041】
シート変換装置30の左側支持回転部31は、画像処理装置50による制御に従って、レンチキュラーレンズシート21を巻き取ると同時に、右側支持回転部32は、巻き取られた分、レンチキュラーレンズシート21を送り出す。または、画像処理装置50による制御に従って、シート変換装置30の左側支持回転部31は、レンチキュラーレンズシート21を送り出すと同時に、右側支持回転部32は、送り出された分、レンチキュラーレンズシート21を巻き取る。
【0042】
距離検知装置40は、例えば画像センサ41を備える。距離検知装置40は、GPS(global positioning system)によって観察者位置を検知するものであってもよい。
【0043】
画像センサ41は、3D表示装置本体10の前面を撮像して画像データを取得し、その画像データを、パターンマッチング等を利用して解析して3D表示装置本体10の前面の観察者と3D表示装置本体10との距離を観察者距離データとして検知する。観察者距離データは、画像処理装置50に送信される。
【0044】
画像処理装置50は、処理部(CPU)51、メモリ52、HDD(hard disk drive)53、IF(interface)54、及び入力部55等の基本的なハードウェアから構成される。処理部51は、共通信号伝送路としてのバスを介して、画像処理装置50を構成する各ハードウェア構成要素に相互接続されている。なお、画像処理装置50は、図示しない記憶媒体ドライブを具備する場合もある。
【0045】
処理部51は、半導体で構成された電子回路が複数の端子を持つパッケージに封入されている集積回路(LSI)の構成をもつ制御装置である。観察者によって入力部55が操作等されることにより指令が入力されると、処理部51は、メモリ52に記憶しているプログラムを実行する。または、処理部51は、HDD53に記憶しているプログラム、ネットワークNから転送されてHDD53にインストールされたプログラム、または記憶媒体ドライブに装着された記憶媒体から読み出されてHDD53にインストールされたプログラムを、メモリ52にロードして実行する。
【0046】
メモリ52は、ROM(read only memory)及びRAM(random access memory)等の要素を兼ね備える構成をもつ記憶装置である。メモリ52は、IPL(initial program loading)、BIOS(basic input/output system)及びデータを記憶したり、処理部51のワークメモリやデータの一時的な記憶に用いられたりする。
【0047】
HDD53は、磁性体を塗布または蒸着した金属のディスクが着脱不能で内蔵されている構成をもつ記憶装置である。HDD53は、画像処理装置50にインストールされたプログラム(アプリケーションプログラムの他、OS(operating system)等も含まれる)や、データを記憶する記憶装置である。また、OSに、観察者に対する情報の表示にグラフィックを多用し、基礎的な操作を入力部55によって行なうことができるGUI(graphical user interface)を提供させることもできる。
【0048】
IF54は、パラレル接続仕様やシリアル接続仕様に合わせたコネクタによって構成され、各規格に応じた通信制御を行なう。IF54は、ネットワークNに接続することができる機能を有しており、これにより、画像処理装置50は、IF54からネットワークN網に接続することができる。
【0049】
入力部55は、観察者によって操作が可能なポインティングデバイスであり、操作に従った入力信号が処理部51に送られる。
【0050】
図5は、第1実施形態の3D表示システム1の機能を示すブロック図である。
【0051】
図1に示す処理部51がプログラムを実行することによって、図5に示すように、3D表示システム1の画像処理装置50は、シート記録部51a、シート要素選択部51b、並び位置認識部51c、シート要素変更部51d、及び画像生成部51eとして機能する。なお、画像処理装置50は、各部51a乃至51eの全部または一部をハードウェアとして備えるものであってもよい。
【0052】
シート記録部51aは、レンチキュラーレンズシート21を構成する各レンズシート要素21a,21b,21cの並び順データと、各レンズシート要素21a,21b,21cの焦点距離データとを、HDD53等の記憶装置に記録する機能を有する。
【0053】
シート要素選択部51bは、画像生成部51eによって生成された複数視線の画像データが表示されている間、または、画像データが表示される前に、距離検知装置40の画像センサ41から観察者距離データを受信すると、その観察者距離データに対応する(近い)、シート記録部51aによって記録された焦点距離データを選択し、レンチキュラーレンズシート21を構成するレンズシート要素21a,21b,21cのうち、選択された焦点距離を有する1つのレンズシート要素を選択する機能を有する。または、シート要素選択部51bは、画像生成部51eによって生成された複数視線の画像データが表示されている間、または、画像データが表示される前に、観察者が操作する入力部55からの入力信号に従って、レンチキュラーレンズシート21を構成するレンズシート要素21a,21b,21cのうち1つのレンズシート要素を選択する機能を有する。
【0054】
なお、距離検知装置40は必須の構成要素ではなく、観察距離データは、予め設定された複数の観察距離データから観察者が任意に選択するものであってもよい。
【0055】
並び位置認識部51cは、シート記録部51aによって記録された並び順データに基づいて、レンチキュラーレンズシート21を構成する、シート要素選択部51bによって選択されたレンズシート要素の並び位置を認識する機能を有する。
【0056】
シート要素変更部51dは、並び位置認識部51cによって認識された、選択されたレンズシート要素の並び位置と、液晶パネル12の前面に現在配置されるレンズシート要素の並び位置とに基づいて、シート変換装置30の回転駆動機構31a,32aを回転させて、レンチキュラーレンズシート21の巻き取り/送り出しを行なう機能を有する。シート要素変更部51dは、制御部17を介して穴センサ13から送信される停止信号に基づいて、レンチキュラーレンズシート21の巻き取り/送り出しを停止させ、液晶パネル12の前面の、選択されたレンズシート要素の位置を微調整する。シート要素変更部51dによって、シート要素選択部51bによって選択されたレンズシート要素が精度よく液晶パネル12の前面に配置される。
【0057】
画像生成部51eは、複数視線で撮像を行なって複数視線の画像データを生成し、制御部17を介して液晶パネル12に複数視線の画像データを表示させる。または、画像生成部51eは、ボリュームデータに基づいて複数視線の画像データを生成し、制御部17を介して液晶パネル12に複数視線の画像データを表示させる。液晶パネル12のピクセルPが、図2(a),(b)に示すように3個の絵素によって構成される場合、画像生成部51eによって生成された3個の視線の画像データのデータ信号は、液晶パネル駆動回路15を介して、ピクセルPを構成する3個の絵素に、視線の順にそれぞれ割り当てられて表示される。ピクセルPを構成する絵素の数は、画像データの視線の数以上となるような構成であればよい。3D表示装置本体10と観察者との距離に適した焦点距離を有するレンズシート要素を介して、観察者は、画像生成部51eによって表示された複数視線の画像データに基づく画像を立体視することができる。
【0058】
図6(a),(b)は、レンチキュラーレンズシート21の巻き取り/送り出しを行なう前後における、3D表示装置本体10の前面のレンズシート要素を示す図である。
【0059】
図6(a)は、シート要素変更部51dによってレンチキュラーレンズシート21の巻き取り/送り出しを行なう前における、3D表示装置本体10の前面のレンズシート要素21aを示す。図6(b)は、シート要素変更部51dによってレンチキュラーレンズシート21の巻き取り/送り出しを行なった後における、3D表示装置本体10の前面のレンズシート要素21cを示す。左側支持回転部31が、レンチキュラーレンズシート21を巻き取ると同時に、右側支持回転部32が、巻き取られた分、レンチキュラーレンズシート21を送り出すと、3D表示装置本体10の前面は、図6(a)に示すレンズシート要素21aから図6(b)に示すレンズシート要素21cに切り替わる。
【0060】
3D表示装置本体10の前面に位置する観察者が移動して3D表示装置本体10と観察者との距離が小さくなると、3D表示装置本体10の前面のレンズシート要素が、図6(a)に示す、焦点距離が遠いレンズシート要素21aから、図6(b)に示す、焦点距離が近いレンズシート要素21cに変更される。
【0061】
第1実施形態の3D表示システム1によると、3D表示装置本体10と、3D表示装置本体10を見る観察者の位置との距離に応じて適切な焦点距離のレンズシート要素を3D表示装置本体10の前面に配置できるので、3D表示装置本体10を見る観察者の位置の自由度を向上させることができる。
(第2実施形態)
【0062】
第2実施形態の3D表示システムにおいて、図1乃至図6に示す3D表示システム1と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
【0063】
図7は、第2実施形態の3D表示システムの構成を示すブロック図である。
【0064】
図7は、第2実施形態の3D表示システム1Aを示す。3D表示システム1Aは、3D表示装置本体10A、距離検知装置40、画像処理装置50A、レンチキュラーレンズアレイ60、及び焦点距離調整装置70を備える。
【0065】
3D表示装置本体10Aは、バックライト11、液晶パネル12、バックライト駆動回路14、液晶パネル駆動回路15、及び制御部17を備える。
【0066】
画像処理装置50Aの処理部51Aは、処理部51と同様の構成を有する。観察者によって入力部55が操作等されることにより指令が入力されると、処理部51Aは、メモリ52に記憶しているプログラムを実行する。または、処理部51Aは、HDD53に記憶しているプログラム、ネットワークNから転送されてHDD53にインストールされたプログラム、または記憶媒体ドライブに装着された記憶媒体から読み出されてHDD53にインストールされたプログラムを、メモリ52にロードして実行する。
【0067】
レンチキュラーレンズアレイ60は、液晶パネル12の前面に配置されるように構成される。3D表示装置本体10A及びレンチキュラーレンズアレイ60によって3D表示装置が形成される。レンチキュラーレンズアレイ60は、軟質の透明素材で製造される可変焦点レンズである。レンチキュラーレンズアレイ60は、内部に液体(ジェル状を含む)を収容可能である。
【0068】
焦点距離調整装置70は、画像処理装置50Aによる制御に従って、レンチキュラーレンズアレイ60を構成するレンチキュラーレンズの焦点距離を調整する。例えば、焦点距離調整装置70は、レンチキュラーレンズアレイ60内の液体量を調整することでレンチキュラーレンズの焦点距離を調整する液体量調整装置71である。また、例えば、焦点距離調整装置70は、内部に液体がを封入されたレンチキュラーレンズアレイ60内を加圧又は減圧してレンチキュラーレンズアレイ60を変形させることでレンチキュラーレンズの焦点距離を調整する内部圧力調整装置72である。以下、焦点距離調整装置70として、液体量調整装置71を備える場合について説明する。
【0069】
図8は、第2実施形態の3D表示システム1Aのレンチキュラーレンズアレイ60内の液体量の調整を説明するための図である。
【0070】
液体量調整装置71は、レンチキュラーレンズアレイ60を構成する複数のレンチキュラーレンズの各レンチキュラーレンズ内の液体量が同一となるように、各レンチキュラーレンズに液体を注入可能である。また、各レンチキュラーレンズ内の液体量が同一となるように、各レンチキュラーレンズから液体を注出可能である。
【0071】
図9は、第2実施形態の3D表示システム1Aの機能を示すブロック図である。
【0072】
図7に示す処理部51Aがプログラムを実行することによって、図9に示すように、3D表示システム1Aの画像処理装置50Aは、距離/液体量記録部51f、液体量設定部51g、液体量変更部51h、及び画像生成部51eとして機能する。なお、画像処理装置50Aは、各部51e乃至51hの全部または一部をハードウェアとして備えるものであってもよい。
【0073】
距離/液体量記録部51fは、3D表示装置本体10Aと観察者との距離である観察者距離データと、レンチキュラーレンズアレイ60内の液体量(焦点距離)である液体量データとを対応付けたデータを、HDD53等の記憶装置に記録する機能を有する。
【0074】
液体量設定部51gは、画像生成部51eによって生成された複数視線の画像データが表示されている間、または、画像データが表示される前に、距離検知装置40の画像センサ41から観察者距離データを受信すると、その観察者距離データに対応する(近い)、距離/液体量記録部51fによって記録された液体量データを抽出し、レンチキュラーレンズアレイ60の液体量を設定する機能を有する。または、液体量設定部51gは、画像生成部51eによって生成された複数視線の画像データが表示されている間、または、画像データが表示される前に、観察者が操作する入力部55からの入力信号に従って、レンチキュラーレンズアレイ60の液体量を設定する機能を有する。
【0075】
液体量変更部51hは、液体量調整装置71を介して、レンチキュラーレンズアレイ60内を、液体量設定部51gによって設定された液体量に変更する機能を有する。
【0076】
画像生成部51eは、複数視線で撮像を行なって複数視線の画像データを生成し、制御部17を介して液晶パネル12に複数視線の画像データを表示させる。または、画像生成部51eは、ボリュームデータに基づいて複数視線の画像データを生成し、制御部17を介して液晶パネル12に複数視線の画像データを表示させる。液晶パネル12のピクセルPが、図2(a),(b)に示すように3個の絵素によって構成される場合、画像生成部51eによって生成された3個の視線の画像データのデータ信号は、液晶パネル駆動回路15を介して、ピクセルPを構成する3個の絵素に、視線の順にそれぞれ割り当てられて表示される。ピクセルPを構成する絵素の数は、画像データの視線の数以上となるような構成であればよい。3D表示装置本体10Aと観察者との距離に適した焦点距離を有する液体量のレンチキュラーレンズアレイ60を介して、観察者は、画像生成部51eによって表示された複数視線の画像データに基づく画像を立体視することができる。
【0077】
なお、焦点距離調整装置70が内部圧力調整装置72である場合、3D表示装置本体10Aと観察者との距離と、レンチキュラーレンズアレイ60の内部圧力(焦点距離)とを対応付けたデータを記憶装置に記録しておき、観察者距離データに応じた(近い)内部圧力を設定し、内部圧力調整装置72を介してレンチキュラーレンズアレイ60の内部圧力を、設定された内部圧力に変更する。
【0078】
第2実施形態の3D表示システム1Aによると、3D表示装置本体10Aと、3D表示装置本体10Aを見る観察者の位置との距離に応じてレンチキュラーレンズアレイ60の焦点距離を調整できるので、3D表示装置本体10Aを見る観察者の位置の自由度を向上させることができる。
(第3実施形態)
【0079】
第3実施形態の3D表示システムにおいて、図1乃至図6に示す3D表示システム1と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
【0080】
図10は、第3実施形態の3D表示システムの構成を示すブロック図である。
【0081】
図10は、第3実施形態の3D表示システム1Bを示す。3D表示システム1Bは、3D表示装置本体10B、距離検知装置40、画像処理装置50B、凸レンズアレイ80、及び焦点距離調整装置90を備える。
【0082】
3D表示装置本体10Bは、3D表示装置本体10Aと同様に、バックライト11、液晶パネル12、バックライト駆動回路14、液晶パネル駆動回路15、及び制御部17を備える。
【0083】
画像処理装置50Bの処理部51Bは、処理部51,51Aと同様の構成を有する。観察者によって入力部55が操作等されることにより指令が入力されると、処理部51Bは、メモリ52に記憶しているプログラムを実行する。または、処理部51Bは、HDD53に記憶しているプログラム、ネットワークNから転送されてHDD53にインストールされたプログラム、または記憶媒体ドライブに装着された記憶媒体から読み出されてHDD53にインストールされたプログラムを、メモリ52にロードして実行する。
【0084】
凸レンズアレイ80は、液晶パネル12の前面に配置されるように構成される。3D表示装置本体10B及び凸レンズアレイ80によって3D表示装置が形成される。凸レンズアレイ80は、軟質の透明素材で製造される可変焦点レンズである。例えば、凸レンズアレイ80は、絵素の配列方向に垂直なy方向を軸とするレンチキュラーレンズが、絵素の配列方向であるx方向に複数配置されるレンチキュラーレンズアレイ81である。または、例えば、凸レンズアレイ80は、液晶パネル12のピクセルP毎に割り当てられたフライアイレンズを複数のピクセルPの分配列したフライアイレンズアレイ82である。以下、凸レンズアレイ80として、レンチキュラーレンズアレイ81を備える場合について説明する。
【0085】
焦点距離調整装置90は、画像処理装置50Bによる制御に従って、レンチキュラーレンズアレイ81を構成するレンチキュラーレンズの焦点距離を調整する。例えば、焦点距離調整装置90は、レンチキュラーレンズアレイ81に対するx方向(図12に図示)の外部圧力を調整することでレンチキュラーレンズの焦点距離を調整する外部圧力調整装置91である。ここで、レンチキュラーレンズアレイ81の各レンズと液晶パネル12の各ピクセルPとの位置関係は非常に重要である。したがって、精細な位置合わせを実現するために、位置センサ(図12に図示)が備えらる。例えば、位置センサは、液晶パネル12のピクセルPのx方向の端部にレンチキュラーレンズアレイ81のx方向の端部がちょうど配置された状態を検知する。
【0086】
図11は、第3実施形態の3D表示システム1Bの機能を示すブロック図である。
【0087】
図10に示す処理部51Bがプログラムを実行することによって、図11に示すように、3D表示システム1Bの画像処理装置50Bは、距離/外部圧力記録部51i、外部圧力設定部51j、外部圧力変更部51k、及び画像生成部51lとして機能する。なお、画像処理装置50Bは、各部51i乃至51lの全部または一部をハードウェアとして備えるものであってもよい。
【0088】
距離/外部圧力記録部51iは、3D表示装置本体10Bと観察者との距離と、レンチキュラーレンズアレイ81に対するx方向の外部圧力(焦点距離)とを対応付けたデータを、HDD53等の記憶装置に記録する機能を有する。外部圧力は、レンチキュラーレンズアレイ81の各レンチキュラーレンズのx方向の幅が、ピクセルPのx方向の幅の2以上の整数倍の単位で設定される。すなわち、外部圧力は、x方向において、レンチキュラーレンズアレイ81の各レンチキュラーレンズに2以上の整数個のピクセルPが含まれるように設定される。
【0089】
外部圧力設定部51jは、画像生成部51lによって生成された複数視線の画像データが表示されている間、または、画像データが表示される前に、距離検知装置40の画像センサ41から観察者距離データを受信すると、その観察者距離データに対応する(近い)、距離/外部圧力記録部51iによって記録された外部圧力データを抽出して、レンチキュラーレンズアレイ60に対するx方向の外部圧力を設定する機能を有する。または、外部圧力設定部51jは、画像生成部51lによって生成された複数視線の画像データが表示されている間、または、画像データが表示される前に、観察者が操作する入力部55からの入力信号に従って、レンチキュラーレンズアレイ60に対するx方向の外部圧力を設定する機能を有する。
【0090】
外部圧力変更部51kは、外部圧力調整装置91を介して、レンチキュラーレンズアレイ81に対するx方向の外部圧力を、外部圧力設定部51jによって設定された外部圧力に変更する機能を有する。外部圧力変更部51kは、外部圧力調整装置91のセンサ(図12に図示)からのセンサ出力信号に基づいて、レンチキュラーレンズアレイ81の各レンチキュラーレンズが、x方向において、ピクセルP単位で伸縮するように外部圧力調整装置91を制御する。
【0091】
画像生成部51lは、複数視線で撮像を行なって複数視線の画像データを生成し、制御部17を介して液晶パネル12に複数視線の画像データを表示させる。または、画像生成部51lは、ボリュームデータに基づいて複数視線の画像データを生成し、制御部17を介して液晶パネル12に複数視線の画像データを表示させる。液晶パネル12のピクセルPが、図2(a),(b)に示すように3個の絵素によって構成される場合、画像生成部51lによって生成された3個の視線の画像データのデータ信号は、液晶パネル駆動回路15を介して、ピクセルPを構成する3個の絵素に、視線の順にそれぞれ割り当てられて表示される。ピクセルPを構成する絵素の数は、画像データの視線の数以上となるような構成であればよい。3D表示装置本体10Bと観察者との距離に適した焦点距離を有するような外部圧力のレンチキュラーレンズアレイ81を介して、観察者は、画像生成部51lによって表示された複数視線の画像データに基づく画像を立体視することができる。
【0092】
図12(a),(b)は、レンチキュラーレンズアレイ81のx方向に外部圧力を掛ける前後における、3D表示装置本体10Bの前面のレンチキュラーレンズアレイ81を示す図である。
【0093】
図12(a)は、外部圧力変更部51kによってレンチキュラーレンズアレイ81に対してx方向に外部圧力を掛ける前における、3D表示装置本体10Bの前面のレンチキュラーレンズアレイ81を示す。図12(b)は、外部圧力変更部51kによってレンチキュラーレンズアレイ81に対してx方向に外部圧力を掛けた後における、3D表示装置本体10Bの前面のレンチキュラーレンズアレイ81を示す。外部圧力調整装置91が、レンチキュラーレンズアレイ81のx方向の両側(または片側)から外部圧力を掛けると、図12(a)に示すレンチキュラーレンズアレイ81のx方向の幅Wは、図12(b)に示すように小さくなる。
【0094】
3D表示装置本体10Bの前面に位置する観察者が移動して3D表示装置本体10Bと観察者との距離が小さくなると、3D表示装置本体10Bの前面のレンチキュラーレンズアレイ81が、図12(a)に示す、焦点距離が遠い曲率から、図12(b)に示す、焦点距離が近い曲率に変更される。
【0095】
図12(a),(b)に示すように、レンチキュラーレンズアレイ81に対してx方向に外部圧力を掛けると、その前後で、レンチキュラーレンズアレイ81を構成する各レンチキュラーレンズに対応するピクセルPのx方向の数が変わる。例えば、図12(a)では、x方向において、1つのレンチキュラーレンズに対応するピクセルPの数は4個であるが、図12(b)では、3個である。よって、画像生成部51lは、複数視線で撮像を行なって複数視線の画像データを生成する場合、外部圧力の変更に従って表示ピッチを変更する。具体的には、立体視画像を表示するため、図12(a)に示す例では、4方向の視差画像で表示していたが、図12(b)に示す例では、3方向の視差画像で表示することになる。
【0096】
第3実施形態の3D表示システム1Bによると、3D表示装置本体10Bと、3D表示装置本体10Bを見る観察者の位置との距離に応じて凸レンズアレイ80の焦点距離を調整できるので、3D表示装置本体10Bを見る観察者の位置の自由度を向上させることができる。
【0097】
画像を立体視しようとすれば、3D表示装置と観察者の位置との距離に応じて適切な焦点距離のレンズを配置する必要がある。すなわち、観察者は、3D表示装置に配置されたレンズの焦点距離で決まる位置に居ないと、画像を立体視できない。医療分野、特にIVR(Interventional radiology)等では、3D表示装置を備える手術室内で、3D表示装置を見る術者(観察者)が移動することが考えられる。従来技術によると、画像を立体視しようとすれば、術者の位置が制限されてしまう。一方、本実施形態の3D表示システム1,1A,1Bによれば、術者の位置に従ってレンズの焦点距離が変更できるので、観察者の位置の自由度を向上できるのである。
【0098】
なお、本実施形態の3D表示システム1,1A,1Bは、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、本実施形態の3D表示システム1,1A,1Bに開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【符号の説明】
【0099】
1,1A,1B 3D表示システム
10,10A,10B 3D表示装置本体
13 穴センサ
20 凸レンズシート
21 レンチキュラーレンズシート
22 フライアイレンズシート
30 シート変換装置
40 距離検知装置
41 画像センサ
50,50A,50B 画像処理装置
51a シート記録部
51b シート要素選択部
51c 並び位置認識部
51d シート要素変更部
51e,51l 画像生成部
51f 距離/液体量記録部
51g 液体量設定部
51h 液体量変更部
51i 距離/外部圧力記録部
51j 外部圧力設定部
51k 外部圧力変更部
60 レンチキュラーレンズアレイ
70 焦点距離調整装置
71 液体量調整装置
72 内部圧力調整装置
80 凸レンズアレイ
81 レンチキュラーレンズアレイ
82 フライアイレンズアレイ
90 焦点距離調整装置
91 外部圧力調整装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のピクセルを備え、前記複数のピクセルの各ピクセルに前記複数視線の画像データに対応する複数の絵素が配列される3D表示手段と、
前記3D表示手段の前面に配置され、前記3D表示手段と観察者との距離に基づいて、焦点距離が変更可能な凸レンズが配列された凸レンズアレイと、
を有する3D表示システム。
【請求項2】
前記3D表示手段と前記観察者との距離を検知する検知手段をさらに有し、
前記凸レンズアレイは、前記検知された距離に基づいて、前記焦点距離が変更可能な凸レンズが配列される構成とする請求項1に記載の3D表示システム。
【請求項3】
前記凸レンズアレイは、複数の焦点距離を有する複数の凸レンズアレイが連なり前記3D表示手段の前面を経由するように配置される凸レンズシートの一部分であり、
前記距離に基づいて、前記凸レンズシートを巻き取り/送り出しを行なう回転手段をさらに有する請求項1または2に記載の3D表示システム。
【請求項4】
前記凸レンズシートは、前記複数の凸レンズアレイの各凸レンズアレイ間に穴が設けられ、
前記穴を検知する穴センサをさらに有し、
前記回転手段は、前記穴センサが前記穴を検知した位置で、前記凸レンズシートの巻き取り/送り出しを停止する請求項3に記載の3D表示システム。
【請求項5】
前記凸レンズアレイ及び前記複数の凸レンズアレイは、前記複数の絵素の配列方向に直交する方向に軸をもつレンチキュラーレンズによって構成されるレンチキュラーレンズアレイか、又は、前記複数のピクセルのピクセル毎のフライアイレンズによって構成されるフライアイレンズアレイである請求項1乃至4のうちいずれか一項に記載の3D表示システム。
【請求項6】
前記凸レンズアレイは、内部に液体又はジェルを収容可能であり、前記複数の絵素の配列方向に直交する方向に軸をもつレンチキュラーレンズによって構成されるレンチキュラーレンズアレイであり、
前記焦点距離が変更されるように、前記距離に基づいて、前記レンチキュラーレンズアレイ内の前記液体又はジェルの量を調整する調整手段をさらに有する請求項1または2に記載の3D表示システム。
【請求項7】
前記凸レンズアレイは、内部に液体又はジェルが封入され、前記複数の絵素の配列方向に直交する方向に軸をもつレンチキュラーレンズによって構成されるレンチキュラーレンズアレイであり、
前記焦点距離が変更されるように、前記距離に基づいて、前記レンチキュラーレンズアレイ内の圧力を調整する調整手段をさらに有する請求項1または2に記載の3D表示システム。
【請求項8】
前記焦点距離が変更されるように、前記距離に基づいて、前記凸レンズアレイに対する、前記複数の絵素の配列方向からの外部圧力を調整する調整手段をさらに有する請求項1または2に記載の3D表示システム。
【請求項9】
前記凸レンズアレイは、前記複数の絵素の配列方向に直交する方向に軸をもつレンチキュラーレンズによって構成されるレンチキュラーレンズアレイか、又は、前記複数のピクセルのピクセル毎のフライアイレンズによって構成されるフライアイレンズアレイである請求項8に記載の3D表示システム。
【請求項10】
複数視線で撮像を行なって前記複数視線の画像データを生成する場合、前記外部圧力の変更に従って表示ピッチを変更する請求項8または9に記載の3D表示システム。
【請求項11】
前記検知手段は、前記3D表示手段の前面を撮像して画像データを取得し、その画像データを解析して前記距離を検知する画像センサである請求項2に記載の3D表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−252276(P2012−252276A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−126655(P2011−126655)
【出願日】平成23年6月6日(2011.6.6)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】