説明

5員の複素環式化合物のアザスピラニル−アルキルカルバメートの誘導体、この調製およびこの治療的使用

本発明は、塩基または酸付加塩の形態である、一般式(I)


[式中、Rは、水素またはフッ素原子またはヒドロキシル、シアノ、トリフルオロメチル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、NR基であり;m、n、oおよびpは独立して、0、1、2または3に等しい整数であり;Aは、共有結合またはC1−8−アルキレン基であり;Rは、任意に置換されているアリールまたはヘテロアリール基であり;Rは、水素またはフッ素原子またはC1−6−アルキル基またはトリフルオロメチル基であり;Rは、任意に置換されている5員の複素環式化合物である。]の化合物に関する。本発明はまた、この治療的使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、5員の複素環のアザスピラニルアルキルカルバメート誘導体、この調製およびこの治療的使用に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
酵素FAAH(脂肪酸アミド加水分解酵素)を阻害する生成物を見い出し、開発することがさらに必要である。本発明の化合物は、この目的を満たす。これらの化合物は、医薬としてのこの使用を可能にする代謝特性および薬物動態特性ならびに安全指数を有するべきである。
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の化合物は、一般式(I):
【0004】
【化1】

[式中、
は、水素またはフッ素原子またはヒドロキシル、シアノ、トリフルオロメチル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシまたはNR基を表し;
m、n、oおよびpは、互いに独立して、0、1、2または3に等しい整数を表し;
Aは、共有結合または基C1−8−アルキレンを表し;
は、1個以上の基Rおよび/またはRで任意に置換されている基Rを表し;
は、フェニル、ピリジル、ピラダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、ナフチル、キノリニル、イソキノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニルおよびナフチリジニルから選択される基を表し;
は、ハロゲン原子またはシアノ、−CHCN、ニトロ、ヒドロキシル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、C1−6−チオアルキル、C1−6−ハロアルキル、C1−6−ハロアルコキシ、C1−6−ハロチオアルキル、C3−7−シクロアルキル、C3−7−シクロアルキル−C1−3−アルキレン、C3−7−シクロアルキル−C1−3−アルキレン−O−、NR、NRCOR、NRCO、NRSO、NRSONR、COR、CO、CONR、SO、SONRまたは−O−(C1−3−アルキレン)−O−基を表し;
は、フリル、ピロリル、チエニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、フェニル、ピリジル,ピラダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、ナフチル,キノリニル、イソキノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、ナフチリジニル、イミダゾ−ピリミジニル、チエノピリミジニル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ピロロピリジル、フロピリジル、チエノピリジル、イミダゾピリジル、ピラゾロピリジル、オキサゾロピリジル、イソオキサゾロピリジル、チアゾロピリジル、フェニルオキシ、ベンジルオキシおよびピリミジンオキシから選択される基;または、互いに同一であっても異なっていてもよい1個以上の基Rで置換されている可能性がある基Rを表し;
は、水素またはフッ素原子、基C1−6−アルキルまたはトリフルオロメチル基を表し;
は、フリル、ピロリル、チエニル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリルおよびテトラゾリルから選択される基を表し;
この基は、ハロゲン原子、基C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、C3−7−シクロアルキル、C3−7−シクロアルキル−C1−3−アルキレン、C1−6−ハロアルコキシ、シアノ、NR、NRCOR、NRCO、NRSO、NRSONR、COR、CO、CONR、CON(R)(C1−3−アルキレン−NR1011)、SO、SONR、−O−(C1−3−アルキレン)−O−、フェニル、フェニルオキシ、ベンジルオキシ、ピリジル、ピラジニル、ピラダジニル、トリアジニルまたはピリミジニルから選択される1個以上の置換基で任意に置換され;フェニル、フェニルオキシ、ピリジル、ピラジニル、ピラダジニル、トリアジニルおよびピリミジニル基は、ハロゲン原子およびシアノ、ニトロ、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、C1−6−チオアルキル、C1−6−ハロアルキル、C1−6−ハロアルコキシ、C1−6−ハロチオアルキル、C3−7−シクロアルキルまたはC3−7−シクロアルキル−C1−3−アルキレン基から選択される1個以上の置換基で置換されている可能性があり;
およびRは、互いに独立して、水素原子または基C1−6−アルキルを表すか、またはこれらを担持する原子ととともに、NRの場合には、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、アゼピン、オキサゼピンおよびピペラジン環から選択される環を形成し、この環は、基C1−6−アルキルまたはベンジルで任意に置換され;
NRCORの場合には、ラクタム環;NRCOの場合には、オキサゾリジノン、オキサジノンまたはオキサゼピノン環;NRSOの場合Sには、スルタム環;NRSONRの場合には、二酸化チアゾリジンまたは二酸化チアジアジナン環を形成し;
10およびR11は、互いに独立して、水素原子または基C1−6−アルキルを表す。]
に対応する。
【0005】
一般式(I)の化合物の中でも、第1のサブグループの化合物は、Rが、水素原子を表す化合物から形成される。
【0006】
一般式(I)の化合物の中でも、第2のサブグループの化合物は、基
【0007】
【化2】

が、
【0008】
【化3】

を表し、
が、一般式(I)に定義されるとおりである化合物から形成される。
【0009】
一般式(I)の化合物の中でも、第3のサブグループの化合物は、基
【0010】
【化4】

が、
【0011】
【化5】

を表し、
が、一般式(I)に定義されるとおりである化合物から形成される。
【0012】
一般式(I)の化合物の中でも、第4のサブグループの化合物は、
Aが、共有結合または基C1−8−アルキレン、より詳しくは、メチレン基を表す化合物から形成される。
【0013】
一般式(I)の化合物の中でも、第5のサブグループの化合物は、
が、1個以上の基Rおよび/またはRで任意に置換されている基Rを表し;
が、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジニルまたはキノリニル基を表し;
が、ハロゲン原子、より詳しくは、臭素、フッ素もしくは塩素原子、基C1−6−ハロアルキル、より詳しくは、トリフルオロメチルまたは基C1−6−アルキル、より詳しくは、イソブチルを表し;
が、互いに同一であるか、異なっている1個以上の基Rで置換されていてもよいフェニルを表す化合物から形成される。
【0014】
一般式(I)の化合物の中でも、第6のサブグループの化合物は、
が、1個以上の基Rおよび/またはRで任意に置換されている基Rを表し;
が、ピリジルまたはキノリル基を表し;
が、ハロゲン原子、より詳しくは、臭素、フッ素もしくは塩素原子または基C1−6−ハロアルキル、より詳しくは、トリフルオロメチルを表し;
が、互いに同一であるか、異なっている1個以上の基Rで置換されていてもよいフェニルを表す化合物から形成される。
【0015】
一般式(I)の化合物の中でも、第7のサブグループの化合物は、
が、水素原子を表す化合物から形成される。
【0016】
一般式(I)の化合物の中でも、第8のサブグループの化合物は、
が、チアゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリルおよびイソオキサゾリルから選択される基を表し;
この基は、基C1−6−アルキル、CONR、CON(R)(C1−3−アルキレン−NR1011)またはフェニルから選択される1個以上の置換基で任意に置換され;フェニル基は、ハロゲン原子から選択される1個以上の置換基で任意に置換され;
、R、R10およびR11が、互いに独立して、水素原子または基C1−6−アルキル、より詳しくは、メチルを表す化合物から形成される。
【0017】
一般式(I)の化合物の中でも、第9のサブグループの化合物は、
が、チアゾリル、オキサゾリルおよびイソオキサゾリルから選択される基を表し;
この基は、1個以上の基CONRで任意に置換され;
およびRが、互いに独立して、水素原子または基C1−6−アルキル、より詳しくは、メチルを表す化合物から形成される。
【0018】
一般式(I)の化合物の中でも、第10のサブグループの化合物は、
および/またはRおよび/またはRおよび/またはRおよび/またはnおよび/またはmおよび/またはoおよび/またはpおよび/またはAがすべて、上記の基において定義される一般式(I)の化合物によって形成される。
【0019】
一般式(I)の化合物の中でも、以下の化合物を記載することができる(AutoNomソフトウェアによって作製されたIUPAC命名法):
1.チアゾール−4−イルメチル [7−(6−フルオロキノリン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]カルバメート
2.3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル [7−(6−フルオロキノリン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]カルバメート
3.3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル [7−(5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]カルバメート
4.3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル [7−(5−ブロモピリジン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]カルバメート
5.3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル {7−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル}カルバメート
6.3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル [7−(6−フルオロキノリン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]メチルカルバメート
7.3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル [7−(6−フルオロキノリン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]メチルカルバメート
8.3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル {7−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル}カルバメート
9.3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル [7−(6−フルオロキノリン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]カルバメート
10.3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル {6−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イル}カルバメート
11.3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル {6−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イル}カルバメート
12.3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル (6−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イルメチル}カルバメート(異性体I)
13.3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル {6−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イルメチル}カルバメート(異性体II)
14.4−カルバモイルオキサゾール−2−イルメチル [7−(6−フルオロキノリン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]カルバメート
15.3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル [2−(6−フルオロ−キノリン−2−イル)−2−アザスピロ[3.3]ヘプタ−6−イル]カルバメート
16.3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル [6−(6−フルオロ−キノリン−2−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イルメチル]カルバメート(1種の異性体)
17.3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル {6−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イル}カルバメート(異性体I)
18.3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル {6−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イル}カルバメート(異性体II)
19.3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル [7−(6−クロロキノリン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]カルバメート
20.3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル {2−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−2−アザスピロ[3.3]ヘプタ−6−イル}カルバメート
21.3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル [6−(5−ブロモピリジン−2−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イル]カルバメート(1種の異性体)
22.3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル [6−(4−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イル]カルバメート(1種の異性体)
23.3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル {2−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−2−アザスピロ[3.3]ヘプタ−6−イル}カルバメート
24.3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル [7−(4−トリフルオロメチル−ピリミジン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]カルバメート
25.3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル {7−[6−(4−フルオロフェニル)ピラジン−2−イル]−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル}カルバメート
26.3−(2−ジメチルアミノエチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル [7−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]−カルバメートおよびこの塩酸塩;
27.3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル {7−[4−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル}カルバメート
28.3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル [7−(4−クロロピリジン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]カルバメート
29.3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル [7−(4−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]カルバメート
30.3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル {7−[5−(3−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル}カルバメート
31.3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル [7−(5−イソブチルピリジン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]カルバメート
32.3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル [7−(6−クロロキノリン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]カルバメート
33.3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル [7−(6−クロロキノリン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イルメチル]カルバメート
34.3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル [7−(4−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]カルバメート
35.3−(4−フルオロフェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イルメチル [7−(4−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]−カルバメート
36.4−カルバモイルオキサゾール−2−イルメチル [7−(4−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]カルバメート
37.5−メチル−3−フェニルイソオキサゾール−4−イルメチル [7−(4−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]カルバメート
38.3−エチル [1,2,4]オキサジアゾール−5−イルメチル [7−(4−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]カルバメート
39.5−メチル [1,2,4]オキサジアゾール−3−イルメチル [7−(4−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]−カルバメート
40.3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル [6−(4−トリフルオロメチル−ピリミジン−2−イル)−6−アザスピロ[2.5]オクタ−l−イル]カルバメート
41.3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル [6−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)−6−アザスピロ[2.5]オクタ−l−イル]カルバメート。
【0020】
一般式(I)の化合物は、1個以上の不斉炭素を含み得る。これらは、鏡像異性体またはジアステレオ異性体の形態で存在し得る。一般式(I)の化合物はまた、シスまたはトランス立体異性体の形態で存在し得る。これらの立体異性体、鏡像異性体およびジアステレオ異性体ならびにラセミ混合物を含めたこれらの混合物も、本発明の一部を形成する。
【0021】
式(I)の化合物は、塩基または酸付加塩の形態で存在し得る。このような付加塩は、本発明の一部を形成する。
【0022】
これらの塩は、医薬的に許容される酸を用いて調製されることが有利であるが、例えば、式(I)の化合物を精製または単離するために有用であるその他の酸の塩も、本発明の一部を形成する。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の関連では、以下の定義が当てはまる:
−tおよびzが、1から8の値をとり得るCt−z、tからz個の炭素原子を含有する可能性がある炭素鎖、例えば、C1−3は、1から3個の炭素原子を含有し得る炭素鎖であり;
−アルキル、直鎖または分岐、飽和脂肪族基;例えば、C1−6−アルキル基は、1から6個の炭素原子の直鎖または分岐炭素鎖、より詳しくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチルまたはヘキシルを表し;
−アルキレン、直鎖または分岐、飽和二価アルキル基、例えば、C1−3−アルキレン基は、1から3個の炭素原子の直鎖または分岐二価炭素鎖、より詳しくは、メチレン、エチレン、1−メチル−エチレンまたはプロピレンを表し;
−シクロアルキル、環状アルキル基、例えば、C3−7−シクロアルキル基は、3から7個の炭素原子の環状の炭素ベースの基、より詳しくは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルを表し;
−アルコキシ、直鎖または分岐、飽和脂肪族鎖を含有する基−O−アルキル;
−チオアルキル、直鎖または分岐、飽和脂肪族鎖を含有する基−S−アルキル;
−ハロアルキル、1個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されているアルキル基;
−ハロアルコキシ、1個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されているアルコキシ基;
−ハロチオアルキル、1個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されているチオアルキル基;
−ハロゲン原子、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素。
【0024】
本発明の化合物は、以下のスキームによって例示される種々の方法に従って調製してよい。
【0025】
従って、第1の方法(スキーム1)は、室温と溶媒の還流温度の間の温度で、トルエンまたはジクロロエタンなどの溶媒中、トリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジンまたはジイソプロピルエチルアミンなどの塩基の存在下、A、R、R、m、n、oおよびpが、上記で定義される一般式(I)に定義されるとおりである一般式(II)のアミンを、zが水素原子またはニトロ基を表し、RおよびRが、上記で定義される一般式(I)において定義されるとおりである一般式(III)の炭酸塩と反応させるステップからなる。
【0026】
【化6】

一般式(I)の化合物を得るための1つの変法(スキーム1)は、0℃と室温の間の温度で、ジクロロメタンまたはテトラヒドロフランなどの溶媒中、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンなどの塩基の存在下で、上記で定義される一般式(II)のアミンを、フェニルまたは4−ニトロフェニルクロロホルマートと反応させて、A、R、R、m、n、oおよびpが、上記で定義される一般式(I)に定義されるとおりであり、zが、水素原子またはニトロ基を表す一般式(IV)のカルバメート誘導体を得るステップからなる。このように得られた一般式(IV)のカルバメート誘導体を、次いで、室温と溶媒の還流温度の間の温度で、トルエンまたはジクロロエタンなどの溶媒中、トリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジンまたはジイソプロピルエチルアミンなどの塩基の存在下で、RおよびRが、上記で定義される一般式(I)に定義されるとおりである一般式HOCHR(IIIa)のアルコールの作用によって、一般式(I)の化合物に変換する。
【0027】
第2の方法(スキーム2−経路A)は、第1の段階で、一般式(II)のアミンを、一般式(III)の炭酸塩との反応の際に上記で記載された条件下で、A、R、m、n、oおよびpが、上記で定義される一般式(I)に定義されるとおりであり、PGが、Boc(t−ブチルオキシカルボニル)、Cbz(ベンジルオキシカルボニル)、ベンジルまたはベンゾヒドリルなどの保護基を表す一般式(IIa)のアミンを、上記で定義される一般式(III)の炭酸と反応させて、スピラン窒素原子が保護基PGで保護されている式(Ia)の化合物に対応する一般式(Ic)の化合物を得るステップと、これに続く、A、R、R、R、m、n、oおよびpが、一般式(I)に定義されるとおりである一般式(Ia)の中間体を得るための、例えば、イソプロパノールまたはジオキサン中の、塩酸(5N)の溶液の存在下での脱保護反応とからなる。
【0028】
一般式(Ia)の中間体を得るための1つの変法(スキーム2−経路A変法)は、0℃と室温の間の温度で、ジクロロメタンまたはテトラヒドロフランなどの溶媒中、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンなどの塩基の存在下、上記で定義される一般式(IIa)のアミンを、フェニルまたは4−ニトロフェニルクロロホルマートと反応させて、A、R、m、n、oおよびpが、上記で定義される一般式(I)に定義されるとおりであり、PGが、上記で定義されるとおりであり、zが、水素原子またはニトロ基を表す一般式(IVa)のカルバメート誘導体を得るステップからなる。次いで、このように得られた一般式(IVa)のカルバメート誘導体を、室温と溶媒の還流温度の間の温度で、トルエンまたはジクロロエタンなどの溶媒中、トリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジンまたはジイソプロピルエチルアミンなどの塩基の存在下、上記で定義される一般式HOCHR(IIIa)のアルコールの作用によって、一般式(Ia)の化合物に変換し、例えば、イソプロパノールまたはジオキサン中、塩酸(5N)の溶液の存在下での脱保護反応を続ける。
【0029】
【化7】

次いで、スキーム2、経路Aに従って、0℃と溶媒の還流温度の間の温度で、ジクロロメタン、ジクロロエタン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジオキサンまたはテトラヒドロフランなどの溶媒中、芳香族または複素芳香族求核置換反応条件を使用して、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジンまたはN,N−ジメチルアミノピリジンなどの塩基を用いて、一般式(Ia)の化合物を、Rが一般式(I)に定義されるとおりであり、Uが、ハロゲン原子またはO−トリフラート基を表す一般式R−U(V)の誘導体と反応させることによって、一般式(I)の化合物が、次いで得られる。この変換はまた、ブッフバルトN−アリール化またはN−ヘテロアリール化条件を使用して、例えば、パラジウムまたは銅触媒を用いて実施され得る。
【0030】
スキーム2、経路Bに従って、Rが、C1−6−アルキル、C3−7−シクロアルキルまたはC3−7−シクロアルキル−C1−3−アルキレン型の基Rで、または上記で定義される一般式(I)において定義されるRで特に置換された基Rを表す一般式(I)の化合物はまた:
例えば、アルキル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールボロン酸を使用するSuzuki型の反応によって、
または例えば、アリールもしくはヘテロアリールトリアルキルスズ誘導体を使用するStille型の反応に従って、
または、例えば、アルキル、シクロアルキル、アリールもしくはハロゲン化ヘテロアリールジンカートを使用するNegishi型の反応によってのいずれかで、
A、R、R、R、R、m、n、oおよびpが一般式(I)で定義されるとおりであり、Uが、塩素、臭素もしくはヨウ素原子またはトリフラート基を表し、Uが、基RまたはRを導入することが望ましい位置にある、一般式(Ib)の化合物で実施される、遷移金属、例えば、パラジウム(0)によって触媒されるカップリング反応に従って調製してもよい。
【0031】
次いで、スキーム2経路Bに従って、芳香族または複素芳香族求核置換反応または例えば、パラジウムもしくは銅触媒を使用するブッフバルトN−アリール化またはN−ヘテロアリール化反応を使用して、上記で定義される一般式(Ia)のアミンを、R、UおよびUが上記で定義されるとおりである一般式U−R−U(Va)の誘導体と反応させることによって、上記で定義される一般式(Ib)の中間体が事前に得られる。
【0032】
一般式(Ib)の中間体を得るための1つの変法(スキーム2−経路B変法)は、第1の段階において、一般式(II)のアミンの、一般式(III)の炭酸塩との反応の際に上記の条件下で、A、R、R、m、n、oおよびpが、上記で定義される一般式(I)に定義されるとおりであり、Uが、上記で定義されるとおりである一般式(IIb)のアミンを、上記で定義される一般式(III)の炭酸塩と反応させて、A、R、R、R、R、m、n、oおよびpが、一般式(I)で定義されるとおりであり、Uが上記で定義のとおりである一般式(Ib)の中間体を得るステップからなる。
【0033】
本発明の別の主題は、上記の式(Ia)の化合物に関する。
【0034】
本発明の別の主題は、上記の式(Ic)の化合物に関する。
【0035】
本発明の別の主題は、上記の式(II)の化合物に関する。
【0036】
本発明の別の主題は、上記の式(IV)の化合物に関する。
【0037】
一般式(Ila)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(V)および(Va)の化合物およびまた、その他の試薬は、市販されているか、または文献に記載されているか、またはこれに記載されているか、もしくは当業者に公知である方法に従って調製してもよい。
【0038】
特に、一般式(III)の炭酸塩は、文献に記載されている任意の方法に従って、例えば、0℃から室温の間の温度で、ジクロロメタンまたはテトラヒドロフランなどの溶媒中、トリエチルアミン、N−メチルモルホリンまたはジイソプロピルエチルアミンなどの塩基の存在下、RおよびRが、上記の一般式(I)に記載されるとおりである一般式HOCHR(IIIa)のアルコールを、フェニルまたは4−ニトロフェニルクロロホルマートと反応させることによって調製してもよい。
【0039】
以下の実施例は、本発明の幾つかの化合物の調製を例示する。これらの実施例は、制限するものではなく、単に、本発明を例示するのに役立つ。微量分析およびIR、NMRおよび/またはLC−MS(質量分析と接続される液体クロマトグラフィー)スペクトルによって、得られた化合物の構造および純度が確認される。
【0040】
LC−MS法(M+H):
UPLC/TOF−勾配3分−HO/ACN/TFA T0:98% A−Tl.6からT2.1分:100% B−T2.5からT3分:98% A経路A:HO+0.05% TFA;経路B:ACN+0.035% TFA流速:1.0mL/分−T°=40℃−注入2μL Acquity BEH C18(50×2.1mm;1.7μm)カラム;220nm。
【0041】
m.p.(℃)は、摂氏温度での融点を表す。
【0042】
は、TLC(薄層クロマトグラフィー)分析によって得られた保持時間を示す。
【0043】
実施例標題中の括弧内に与えられた数は、本明細書中、以下の表の第1列のものに対応する。
【0044】
IUPAC(国際純正応用化学連合)命名法を使用して、以下の実施例において化合物を命名した。
【実施例1】
【0045】
(化合物1)
チアゾール−4−イルメチル [7−(6−フルオロキノリン−2−イル)−7−アザスピロ−[3.5]ノナ−2−イル]カルバメート
【0046】
【化8】

1.1. ベンジル (チアゾール−4−イルメトキシカルボニルアミノ)−7−アザスピロ[3.5]ノナン−7−カルボキシラート
5mLのジクロロメタン中の、0.32g(1.15mmol)のベンジル 2−アミノ−7−アザスピロ[3.5]ノナン−7−カルボキシラート(WO92/22550)、0.36g(1.26mmol)のチアゾール−4−イルメチル 4−ニトロフェニルカルボナート(WO2008/013834)、0.45g(3.44mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンおよび0.014g(0.11mmol)のN,N−ジメチルアミノピリジンを含有する溶液を、50℃で2時間加熱する。
【0047】
水を反応媒体に加え、水相を分離し、ジクロロメタンで数回抽出し、合わせた有機相を、水酸化ナトリウム水溶液(1N)、次いで飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄する。得られた相を硫酸ナトリウムで脱水し、濾液を減圧下で濃縮する。
【0048】
溶媒を蒸発除去した後、得られた残渣を、ジクロロメタンおよびメタノールの95/5混合物を用いて溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。
【0049】
このようにして、0.345gの純粋な生成物、白色の粉末が得られる。
【0050】
LC−MS:M+H=416
m.p.(℃):91−93℃
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.80(s,1H);7.50−7.30(m,6H);5.30(s,2H);5.15(s,2H);4.90(broad s,1H);4.15(m,1H);3.50(m,2H);3.30(m,2H);2.30(t,2H);1.70−1.40(m,6H)。
【0051】
1.2. チアゾール−4−イルメチル (7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル)カルバメート
酢酸中の5.7N臭化水素酸溶液1.22mL(6.98mmol)を、1mLの酢酸中の、ステップ1.1.で得たベンジル (チアゾール−4−イルメトキシカルボニルアミノ)−7−アザスピロ[3.5]ノナン−7−カルボキシラート0.29g(0.70mmol)の溶液にゆっくりと加え、氷/水浴を用いて冷却する。室温で1時間、攪拌を続ける。
【0052】
減圧下で蒸発させた後、残渣を水に溶解し、水酸化ナトリウム水溶液(30%)を用いて塩基性化する。得られた混合物をジクロロメタンで数回抽出し、合わせた有機相を、次いで、硫酸ナトリウムで脱水し、濾液を減圧下で濃縮する。0.138gの生成物が無色の油状物質として得られ、これを、さらなる精製を行わずに、次のステップに使用する。
【0053】
H NMR(CDCl)δ(ppm):8.80(s,1H);7.30(s,1H);5.20(s,2H);4.80(m,1H);4.50(broad s,1H);4.00(m,1H);2.90−2.70(m,3H);2.40−2.10(m,3H);1.70−1.40(m,6H)。
【0054】
1.3. チアゾール−4−イルメチル [7−(6−フルオロキノリン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]カルバメート
ステップ1.2.で得たチアゾール−4−イルメチル (7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル)カルバメート0.135g(0.48mmol)、2−ブロモ−6−フルオロキノリン0.141g(0.62mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン0.186g(1.44mmol)を、密閉試験管において、1.5mLのアセトニトリル中に入れる。次いで、混合物を100℃で12時間加熱する。反応媒体を、室温に放冷し、次いで、酢酸エチルに溶解し、水相を分離し、酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機相を、飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水する。溶媒を蒸発除去した後、得られた残渣を、ジクロロメタン、メタノールおよび28%アンモニア水の95/5/0.5混合物を用いて溶出する分取プレートでのクロマトグラフィーによって精製する。
【0055】
このようにして、0.100gの純粋な生成物が白色の粉末として得られる。
【0056】
LC−MS:M+H=427
m.p.(℃):107−109℃
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.80(s,1H);7.80(d,1H);7.60(m,1H);7.35(s,1H);7.30−7.15(m,2H);7.00(d,1H);5.30(s,2H);4.90(broad s,1H);4.20(m,1H);3.70−3.50(m,4H);2.35(t,2H);1.80−1.60(m,6H)。
【実施例2】
【0057】
(化合物5)
3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル {7−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル}カルバメート
【0058】
【化9】

2.1. tert−ブチル 2−アジド−7−アザスピロ[3.5]ノナン−7−カルボキシラート
27mLのN,N−ジメチルホルムアミド中の、5.90g(18.47mmol)のtert−ブチル 2−メタンスルホニルオキシ−7−アザスピロ[3.5]ノナン−7−カルボキシラート(WO2003/084 948)および3.60g(55.41mmol)のアジ化ナトリウムの溶液を、12時間、不活性雰囲気下で還流する。
【0059】
反応媒体を、室温に放冷し、次いで、ジクロロメタンおよび水に溶解し、水相を分離し、ジクロロメタンで2回抽出し、合わせた有機相を、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水する。溶媒を蒸発除去した後、4.78gの生成物が橙色の油状物質として得られ、これを、さらなる精製を行わずに、次のステップに使用する。
【0060】
H NMR(CDCl)δ(ppm):3.80(m,1H);3.20(m,4H);2.30−2.10(m,2H);1.90−1.70(m,2H);1.50(m,4H);1.35(s,9H)。
【0061】
2.2. tert−ブチル 2−アミノ−7−アザスピロ[3.5]ノナン−7−カルボキシラート
1.85g(8.97mmol)のリンドラー触媒(PdCaCO)を、70mLのエタノール中、ステップ2.1.で得たtert−ブチル 2−アジド−7−アザスピロ[3.5]ノナン−7−カルボキシラート4.78g(17.95mmol)の溶液に加える。反応媒体を、Parrフラスコにおいて、水素雰囲気(20psi)下、室温で5時間静置する。得られた混合物を、セライトを通して濾過し、濾液を、次いで、減圧下で濃縮する。水およびジクロロメタンを加える。水相を分離し、次いで、ジクロロメタンで3回抽出し、合わせた有機相を、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水する。溶媒を蒸発除去した後、3.62gの生成物が油状物質として得られ、これを、さらなる精製を行わずに、次のステップに使用する。
【0062】
H NMR(DMSO)δ(ppm):3.40(m,1H);3.30−3.10(m,4H);2.25−2.15(m,2H);1.70(broad s,2H);1.50−1.35(m,6H);1.30(m,9H)。
【0063】
2.3. tert−ブチル 2−(4−ニトロフェノキシカルボニルアミノ)−7−アザスピロ[3.5]ノナン−7−カルボキシラート
0.922g(4.58mmol)のクロロギ酸4−ニトロフェニルを、約0℃に冷却した、40mLのジクロロメタン中、ステップ2.2.で調製したtert−ブチル 2−アミノ−7−アザスピロ[3.5]ノナン−7−カルボキシラート1.00g(4.16mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン1.34g(10.40mmol)およびN,N−ジメチルアミノピリジン0.05g(0.42mmol)の溶液に少量ずつ加える。0℃で3時間、次いで室温で3時間、攪拌を続ける。水を反応媒体に加え、水相を分離し、ジクロロメタンで数回抽出し、合わせた有機相を、飽和塩化アンモニウム水溶液、次いで飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾液を減圧下で濃縮する。このようにして、1.8gの生成物が、非晶質の、ベージュ色の固体として得られ、これを、さらなる精製を行わずに、次のステップに使用する。
【0064】
H NMR(CDCl)δ(ppm):8.20(d.2H);7.30(d.2H);5.30(broad S,1H);4.10(m,1H);3.25(m,4H);2.30−2.10(m,2H);1.70(m,2H);1.50(m,4H);1.40(s,9H)。
【0065】
2.4. tert−ブチル 2−(3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメトキシカルボニル−アミノ)−7−アザスピロ[3.5]ノナン−7−カルボキシラート
20mLの1,2−ジクロロエタン中の、ステップ2.3.で調製したtert−ブチル 2−(4−ニトロ−フェノキシカルボニルアミノ)−7−アザスピロ[3.5]ノナン−7−カルボキシラート1.70g(4.19mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン1.08g(8.39mmol)、N,N−ジメチルアミノピリジン0.033g(0.27mmol)および3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメタノール0.05g(0.42mmol)の溶液を、密閉試験管において、90℃で12時間加熱する。反応媒体を室温に放冷し、水を加え、水相を分離し、ジクロロメタンで数回抽出し、合わせた有機相を、水酸化ナトリウム水溶液(1N)、次いで飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾液を減圧下で濃縮する。得られた油状物質をエーテルから結晶化させ、このようにして得られた固体を濾別し、次いで、エーテルでよく洗い流す。真空下、約40℃で乾燥させた後、0.910gの純粋な生成物が白色の粉末として得られる。
【0066】
LC−MS:M+H=409
m.p.(℃):123−125℃
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.15(broad s,1H);7.80(broad s,1H);7.70(d,1H);6.80(s,1H);5.20(s,2H);4.00(m,1H);3.30−3.10(m,4H);2.10(m,2H);1.85(m,2H);1.50(m,2H);1.40(s,9H);1.30(m,2H)。
【0067】
2.5. 3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル (7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル)カルバメートヒドロクロリド
ジオキサン中4N塩酸溶液8mL(32mmol)を、氷/水浴を用いて冷却した2mLのジオキサン中、ステップ2.4.で得たtert−ブチル 2−(3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメトキシカルボニル−アミノ)−7−アザスピロ[3.5]ノナン−7−カルボキシラート0.87g(2.13mmol)の溶液にゆっくりと加える。室温で12時間、攪拌を続ける。減圧下で蒸発させた後、0.77gの生成物が塩酸塩形態で得られ、これを、さらなる精製を行わずに、次のステップに使用する。
【0068】
H NMR(DO)δ(ppm):6.80(s,1H);5.20(s,2H);4.00(m,1H);3.10(m,4H);2.20(m,2H);1.80(m,6H)。
【0069】
2.6. 3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル [7−(5−ブロモピリジン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]カルバメート
5−ブロモ−2−フルオロピリジン0.265g(1.51mmol)、ステップ2.5.で調製した3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル (7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル)カルバメートヒドロクロリド0.40g(1.16mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン0.60g(4.64mmol)を3.5mLのアセトニトリル中に入れ、密閉試験管中で静置する。2mLのDMFを加え、次いで、混合物を100℃で12時間加熱する。反応混合物を室温に放冷し、次いで、ジクロロメタンおよび水に溶解する。水相を分離し、ジクロロメタンで2回抽出し、合わせた有機相を、飽和塩化アンモニウム水溶液、次いで飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾液を減圧下で濃縮する。得られた油状物質をジイソプロピルエーテル中で粉砕する。このようにして得られた固体を濾別し、次いで、エーテルでよく洗い流す。真空下、約40℃で乾燥させた後、0.195gの純粋な生成物がベージュ色の粉末として得られる。
【0070】
LC−MS:M+H=465
m.p.(℃):165−167℃
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.10(s,2H);7.80(s,1H);7.70(d,1H);7.60(d,1H);6.85(d,1H);6.75(s,1H);5.20(s,2H);4.00(m,1H);3.55(t,2H);3.45(t,2H);2.20(m,2H);1.75(m,2H);1.65−1.45(m,4H)。
【0071】
2.7. 3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル {7−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル}カルバメート
テトラヒドロフランおよび水の9/1混合物3mLに懸濁した、ステップ2.6.で得た3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル [7−(5−ブロモピリジン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]カルバメート0.160g(0.34mmol)、4−フルオロフェニルボロン酸0.058g(0.41mmol)および炭酸セシウム0.349g(1.03mmol)を、不活性雰囲気下に静置する。次いで、0.028g(0.03mmol)のPdCldppf.CHClを加える。次いで、混合物を約75℃で12時間加熱する。得られた混合物を室温に放冷し、セライト上での濾過によって塩を分離し、次いで、濾液を、ジクロロメタンおよび水に溶解する。水相を分離し、ジクロロメタンで2回抽出し、合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水する。溶媒を蒸発除去した後、得られた残渣を、ジクロロメタン/メタノールおよび28%アンモニア水の90/10/1混合物を用いて溶出する分取プレートでのクロマトグラフィーによって精製する。
【0072】
このようにして、0.084gの純粋な生成物が白色の粉末として得られる。
【0073】
LC−MS:M+H=480
m.p.(℃):216−218℃
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.40(s,1H);8.20(broad s,1H);7.90−7.70(m,3H);7.60(m,2H);7.25(m,2H);6.90(d,1H);6.75(s,1H);5.20(s,2H);4.00(m,1H);3.55(t,2H);3.45(t,2H);2.20(m,2H);1.75(m,2H);1.65−1.45(m,4H)。
【実施例3】
【0074】
(化合物2)
3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル [7−(6−フルオロキノリン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]カルバメート
【0075】
【化10】

実施例2(ステップ2.6.)に記載した手順に従って方法を行う。実施例2(ステップ2.5.)に記載した3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル (7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル)カルバメートヒドロクロリド0.20g(0.58mmol)、2−ブロモ−6−フルオロキノリン0.170g(0.75mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン0.30g(2.32mmol)から出発して、ジクロロメタン、メタノールおよび28%アンモニア水の90/10/1混合物を用いて溶出する分取プレートでのクロマトグラフィー後に、0.05gの純粋な生成物が白色の粉末として得られる。
【0076】
LC−MS:M+H=455
m.p.(℃):226−228℃
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.15(broad s,1H);8.00(d,1H);7.85(broad s,1H);7.70(d,1H);7.60(m,1H);7.50(m,1H);7.40(m,1H);7.30(d,1H);6.70(s,1H);5.20(s,2H);4.10(m,1H);3.70−3.50(m,4H);2.35(t,2H);1.80(t,2H);1.70−1.40(m,4H)。
【実施例4】
【0077】
(化合物9)
3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル [7−(6−フルオロキノリン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]カルバメート
【0078】
【化11】

4.1. 3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル 4−ニトロフェニル−カルボナート
クロロギ酸4−ニトロフェニル 2.58g(12.81mmol)を、約0℃に冷却した、15mLのジクロロメタン中、2.00g(12.81mmol)の3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメタノール、1.52g(19.21mmol)のピリジンおよび0.157g(1.28mmol)のN,N−ジメチルアミノピリジンの溶液に少量ずつ加える。0℃で1時間、次いで室温で1時間、攪拌を続ける。このようにして生成した沈殿物を濾別し、次いで、ジイソプロピルエーテルでよく洗い流す。真空下、約60℃で乾燥させた後、2.60gの生成物が白色の粉末として得られ、これを、さらなる精製を行わずに、次のステップに使用する。
【0079】
H NMR(CDCl)δ(ppm):8.40(d,2H);7.50(d,2H);7.0(s,1H);6.90(broad s,1H);5.50(s,2H);3.10(d,3H)。
【0080】
4.2. tert−ブチル 2−[3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメトキシ−カルボニルアミノ]−7−アザスピロ[3.5]ノナン−7−カルボキシラート
実施例1、ステップ1.1に記載した手順に従って方法を行う。実施例2(ステップ2.2.)に記載したtert−ブチル 2−アミノ−7−アザスピロ[3.5]ノナン−7−カルボキシラート0.3g(1.25mmol)、ステップ4.1.で得た4−3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチルニトロフェニルカルボナート0.481g(1.50mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン0.403g(3.12mmol)およびN,N−ジメチルアミノピリジン0.076g(0.62mmol)から出発して、エーテルを用いて沈澱させ濾過した後、0.364gの生成物が、非晶質の、ベージュ色の固体として得られ、これを、さらなる精製を行わずに、次のステップに使用する。
【0081】
LC−MS:M+H=423
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.80(broad s,1H);7.80(d,1H);6.80(d,1H);5.20(s,2H);4.00(m,1H);3.30−3.10(m,4H);2.80(s,3H);2.10(m,2H);1.70(m,2H);1.50(m,2H);1.40(s,9H);1.30(m,2H)。
【0082】
4.3. 3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル (7−アザスピロ−[3.5]ノナ−2−イル)カルバメートヒドロクロリド
実施例2、ステップ2.5に記載した手順に従って方法を行う。ステップ4.2.で得たtert−ブチル 2−[3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメトキシカルボニルアミノ]−7−アザスピロ[3.5]ノナン−7−カルボキシラート0.364g(0.86mmol)およびジオキサン中4N塩酸溶液3.25mL(12.92mmol)から出発して、0.32gの生成物が塩酸塩形態で得られ、これを、さらなる精製を行わずに、次のステップに使用する。
【0083】
LC−MS:M+H=359
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.80(broad s,2H);7.80(d,1H);6.80(s,1H);5.20(s,2H);4.0(m,1H);3.00−2.85(m,4H);2.75(s,3H);2.20(m,2H);1.70(m,4H);1.60(m,2H)。
【0084】
4.4. 3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル [7−(6−フルオロ−キノリン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]カルバメート
実施例1(ステップ1.3.)に記載した手順に従って方法を行う。ステップ4.3.で得た3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル (7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル)カルバメートヒドロクロリド0.163g(0.45mmol)、2−ブロモ−6−フルオロキノリン0.133g(0.59mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン0.234g(1.82mmol)から出発して、ジクロロメタン、メタノールおよび28%アンモニア水の92.5/7.5/0.75混合物を用いて溶出する分取プレートでのクロマトグラフィーによる精製後、0.068gの純粋な生成物が白色の粉末として得られる。
【0085】
LC−MS:M+H=468
m.p.(℃):193−195℃
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.70(broad s,1H);8.00(d,1H);7.85(d,1H);7.70(m,1H);7.60(m,1H);7.50(m,1H);7.40(m,1H);6.80(s,1H);5.20(s,2H);4.10(m,1H);3.70−3.50(m,4H);2.80(s,3H);2.20(t,2H);1.70(t,2H);1.70−1.50(m,4H)。
【実施例5】
【0086】
(化合物6)
3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル [7−(6−フルオロキノリン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]メチルカルバメート
【0087】
【化12】

5.1. tert−ブチル 2−(アミノメチル)−7−アザスピロ[3.5]ノナン−7−カルボキシラート
エタノール中1N水酸化ナトリウム溶液10mL中の、1.40g(5.59mmol)のtert−ブチル 2−シアノ−7−アザスピロ[3.5]ノナン−7−カルボキシラート(Chem.Pharm.Bull.;52(6),675−687,2004)の溶液に、0.164g(2.80mmol)のラネーニッケルを、次いで、加える。反応媒体を、Parrフラスコにおいて、水素雰囲気(60psi)下、室温で2時間静置する。得られた混合物を、ブフナー漏斗を通して濾過し、次いで、濾液を減圧下で濃縮する。ジクロロメタンを加え、水相を分離し、ジクロロメタンで3回抽出し、合わせた有機相を、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水する。溶媒を蒸発除去した後、1.212gの生成物が、無色の油状物質として得られ、これを、さらなる精製を行わずに、次のステップに使用する。
【0088】
LC−MS:M+H=255
H NMR(DMSO)δ(ppm):3.30−3.10(m,4H);2.50(d,2H);2.10(m,1H);1.80(m,2H);1.40(m,2H);1.30(m,13H)。
【0089】
5.2. tert−ブチル 2−[(4−ニトロフェノキシカルボニルアミノ)メチル]−7−アザスピロ[3.5]ノナン−7−カルボキシラート
実施例2(ステップ2.3.)に記載した手順に従って方法を行う。ステップ5.1.で調製したtert−ブチル 2−アミノメチル−7−アザスピロ[3.5]ノナン−7−カルボキシラート1.10g(4.32mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン1.40g(10.81mmol)、N,N−ジメチルアミノピリジン0.053g(0.43mmol)およびクロロギ酸4−ニトロフェニル0.959g(4.76mmol)から出発して、1.8gの生成物が黄色の油状物質として得られ、これを、さらなる精製を行わずに、次のステップに使用する。
【0090】
5.3. tert−ブチル 2−[(3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメトキシカルボニル−アミノ)メチル]−7−アザスピロ[3.5]ノナン−7−カルボキシラート
実施例2(ステップ2.4.)に記載した手順に従って方法を行う。ステップ5.2.で調製したtert−ブチル 2−[(4−ニトロフェノキシカルボニルアミノ)メチル]−7−アザスピロ[3.5]ノナン−7−カルボキシラート0.50g(1.19mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン0.337g(2.38mmol)、N,N−ジメチルアミノピリジン0.073g(0.60mmol)および3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメタノール0.169g(1.19mmol)から出発して、0.50gの生成物が油状物質として得られ、これを、さらなる精製を行わずに、次のステップに使用する。
【0091】
5.4. 3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル (7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イルメチル)カルバメートヒドロクロリド
実施例2、ステップ2.5に記載した手順に従って方法を行う。ステップ5.3.で得たtert−ブチル 2−[(3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメトキシカルボニルアミノ)メチル]−7−アザスピロ[3.5]ノナン−7−カルボキシラート0.50g(1.18mmol)およびジオキサン中4N塩酸溶液2.96mL(11.83mmol)から出発して、0.309gの生成物が塩酸塩形態で得られ、これを、さらなる精製を行わずに、次のステップに使用する。
【0092】
LC−MS:M+H=359
m.p.(℃):120−122
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.10(broad s,1H);7.80(broad s,1H);7.50(broad s,1H);6.80(s,1H);5.20(s,2H);3.10(m,2H);2.90(m,2H);2.80(m,2H);2.40(m,1H);1.90(t,2H);1.75(m,2H);1.60(m,2H);1.50(t,3H)。
【0093】
5.5. 3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル [7−(6−フルオロキノリン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]メチルカルバメート
実施例1(ステップ1.3.)に記載した手順に従って方法を行う。ステップ5.4.に記載した3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル (7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イルメチル)カルバメートヒドロクロリド0.167g(0.47mmol)、2−ブロモ−6−フルオロキノリン0.137g(0.60mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン0.180g(1.40mmol)から出発して、ジクロロメタン、メタノールおよび28%アンモニア水の90/10/1混合物を用いて溶出する分取プレートでのクロマトグラフィーによる精製後、0.05gの純粋な生成物が白色の粉末として得られる。
【0094】
LC−MS:M+H=468
m.p.(℃):190−192℃
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.15(broad s,1H);8.0(d,1H);7.85(broad s,1H);7.60−7.35(m,4H);7.25(d,1H);6.75(s,1H);5.20(s,2H);3.70(t,2H);3.60(t,2H);3.10(t,2H);2.40(m,1H);1.90(t,2H);1.70(m,2H);1.60(m,4H)。
【実施例6】
【0095】
(化合物10)
3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル {6−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イル}カルバメート(異性体の混合物)
【0096】
【化13】

6.1. tert−ブチル 2−ヒドロキシ−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシラート
0.89g(23.57mmol)の水素化ホウ素ナトリウムを、0℃で、40mLのメタノールで希釈した3.54g(15.71mmol)のtert−ブチル 2−オキソ−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシラート(WO98/06720)の溶液に少量ずつ加える。反応混合物を室温で1時間30分攪拌する。溶媒を蒸発除去した後、水を反応媒体に加え、水相を分離し、ジエチルエーテルで数回抽出し、合わせた有機相を、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾液を減圧下で濃縮する。溶媒を蒸発除去した後、3.10gの生成物が褐色の油状物質として得られ、これを、さらなる精製を行わずに、次のステップに使用する。
【0097】
H NMR(DMSO)δ(ppm):4.7(t,1H);4.1(m,1H);3.2(m,4H);2.2(m,2H);1.8(m,4H);1.4(s,9H)。
【0098】
6.2. tert−ブチル 2−メタンスルホニルオキシ−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシラート
0.76mL(5.49mmol)のトリエチルアミン、次いで0.43mL(5.49mmol)の塩化メシルを、45mLのジクロロメタン中の、ステップ6.1.で得たtert−ブチル 2−ヒドロキシ−6−アザスピロ[3.4]−オクタン−6−カルボキシラート1.52g(4.99mmol)の溶液に加える。反応媒体を室温で1時間30分攪拌する。溶媒を蒸発除去した後、水を反応媒体に加え、水相を分離し、ジクロロメタンで数回抽出し、合わせた有機相を、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾液を減圧下で濃縮する。溶媒を蒸発除去した後、1.90gの生成物が褐色の油状物質として得られ、これを、さらなる精製を行わずに、次のステップに使用する。
【0099】
6.3. tert−ブチル 2−アジド−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシラート
5mLのN,N−ジメチルホルムアミド中の、ステップ6.2.で調製したtert−ブチル 2−メタンスルホニルオキシ−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシラート0.46g(1.51mmol)およびアジ化ナトリウム0.19g(3.01mmol)の溶液を、12時間、不活性雰囲気下で還流する。反応媒体を室温に放冷し、次いで、酢酸エチルおよび水に溶解する。水相を分離し、酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機相を、飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水する。溶媒を蒸発除去した後、橙色の油状物質として0.380gの生成物が得られ、これを、さらなる精製を行わずに、次のステップに使用する。
【0100】
H NMR(DMSO)δ(ppm):4.0(m,1H);3.4(m,4H);2.4(m,2H);2.2(m,2H);1.9(m,2H);1.5(s,9H)。
【0101】
6.4. tert−ブチル 2−アミノ−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシラート
1.50g(7.27mmol)のリンドラー触媒(PdCaCO)を、60mLのエタノール中、ステップ6.3.で得たtert−ブチル 2−アジド−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシラート3.67g(14.54mmol)の溶液に加える。反応媒体を、Parrフラスコにおいて、20psiの水素雰囲気下、室温で5時間静置する。得られた混合物を、セライトを通して濾過し、濾液を、次いで、減圧下で濃縮する。溶媒を蒸発除去した後、得られた残渣を、ジクロロメタン、メタノールおよび28%アンモニア水の95/5/0.5混合物を用いて溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。
【0102】
このようにして、1.57gの純粋な生成物が褐色の油状物質として得られる。
【0103】
H NMR(DMSO)δ(ppm):3.35(m,1H);3.25−3.10(m,4H);2.2(m,2H);1.80(t,2H);1.6(m,2H);1.4(s,9H)。
【0104】
6.5. tert−ブチル 2−(3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメトキシカルボニル−アミノ)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシラート
5mLの1,2−ジクロロエタンに溶解した0.304g(1.51mmol)のクロロギ酸4−ニトロフェニルの溶液を、約0℃に冷却した、10mLの1,2−ジクロロエタン中の、エチル 5−ヒドロキシメチルイソオキサゾール−3−カルボキシラート0.284g(1.66mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン0.39g(3.02mmol)を含有する溶液に滴下する。0℃で1時間、次いで室温で1時間、攪拌を続ける。N,N−ジイソプロピルエチルアミン0.39g(3.02mmol)、次いで、ステップ6.4.で調製したtert−ブチル 2−アミノ−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシラート0.34g(1.51mmol)を加える。反応媒体を70℃で4時間攪拌する。これを室温に放冷する。水を反応媒体に加え、水相を分離し、ジクロロメタンで数回抽出し、合わせた有機相を、水酸化ナトリウム水溶液(1N)、次いで飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾液を減圧下で濃縮する。このようにして、0.44gの純粋な生成物が橙色の油状物質として得られ、これを、さらなる精製を行わずに、次のステップに使用する。
【0105】
LC−MS:M+H=424
H NMR(DMSO)δ(ppm):7.80(broad s,1H);6.90(s,1H);5.20(s,2H);4.40(q,2H);4.00(m,1H);3.40−3.10(m,4H);2.30(m,2H);2.00−1.70(m,4H);1.40(s,9H);1.30(t,3H)。
【0106】
6.6. エチル 5−(6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イルカルバモイルオキシメチル)−イソオキサゾール−3−カルボキシラートトリフルオロアセタート
0.88mL(10.39mmol)のトリフルオロ酢酸溶液を、氷/水浴を用いて冷却した、10mLのジクロロメタン中の、ステップ6.5.で得たtert−ブチル 2−(3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメトキシカルボニルアミノ)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシラート0.44g(1.04mmol)の溶液にゆっくりと加える。室温で4時間、攪拌を続ける。減圧下で蒸発させた後、0.45gのトリフルオロアセタート形態の生成物が得られ、これを、さらなる精製を行わずに、下のステップ6.8.に使用する。
【0107】
6.7. 2−フルオロ−5−(4−フルオロフェニル)ピリジン
2.51g(14.29mmol)の4−フルオロフェニルボロン酸、0.825g(0.71mmol)のPd(PPhおよび50mLの1M炭酸ナトリウム溶液を、トルエンおよびエタノールの4/1混合物140mL中の、5−ブロモ−2−フルオロピリジン2.0g(14.29mmol)の溶液に加える。混合物を90℃で2時間攪拌する。
【0108】
得られた混合物を室温に放冷する。これを酢酸エチルで数回抽出する。次いで、有機相を、硫酸ナトリウムで脱水し、蒸発乾固させる。2.3gの純粋な生成物が白色の粉末として得られる。
【0109】
m.p.(℃):98−100
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.55(m,1H)、8.28(dd,1H)、7.78(m,2H)、7.54(m,2H)、7.28(dd,1H)。
【0110】
6.8. エチル 5−{6−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−6−アザスピロ−[3.4]オクタ−2−イルカルバモイルオキシメチル}−イソオキサゾール−3−カルボキシラート
実施例1(ステップ1.3.)に記載した手順に従って方法を行う。ステップ6.6.に記載したエチル 5−(6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イルカルバモイルオキシメチル)イソオキサゾール−3−カルボキシラートトリフルオロアセタート0.45g(1.04mmol)、ステップ6.7.で調製した2−フルオロ−5−(4−フルオロフェニル)ピリジン0.198g(1.04mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン0.40g(3.12mmol)から出発して、ジクロロメタンおよびメタノールの96/4混合物を用いて溶出する分取プレートでのクロマトグラフィーによる精製後、0.10gの純粋な生成物が蝋状物質として得られ、これを、さらなる精製を行わずに、次のステップに使用する。
【0111】
6.9. 3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル {6−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イル}カルバメート
密閉試験管において、1.3mL(9.10mmol)の、メタノール中アンモニア溶液(7M)中の、ステップ6.8.で調製したエチル 5−{6−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イルカルバモイルオキシメチル}イソオキサゾール−3−カルボキシラート0.045g(0.09mmol)の溶液を、70℃で2時間攪拌する。
【0112】
混合物を、室温に放冷し、次いで、蒸発乾固させる。得られた残渣を熱メタノールから結晶化させる。このようにして生成した沈殿物を濾別し、次いで、エーテルでよく洗い流す。真空下、約40℃で乾燥させた後、0.01gの純粋な生成物が白色の粉末として得られる。
【0113】
m.p.(℃):216−218℃
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.40(s,1H);8.20(broad s,1H);7.80(broad s,3H);7.60(s,2H);7.30(s,2H);6.80(s,1H);6.50(t,1H);5.20(s,2H);4.10(m,1H);3.50−3.30(m,4H);2.30(m,2H);2.00(m,4H)。
【実施例7】
【0114】
(化合物11)
3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル {6−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イル}カルバメート(異性体の混合物)
【0115】
【化14】

実施例6(ステップ6.9.)に記載した手順に従って方法を行う。実施例6(ステップ6.8.)に記載したエチル 5−{6−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イルカルバモイルオキシメチル}イソオキサゾール−3−カルボキシラート0.045g(0.09mmol)およびエタノール中メチルアミン溶液(8M)1.14mLから出発して、酢酸エチルを用いて溶出する分取プレートでのクロマトグラフィーによる精製後、0.009gの純粋な生成物が白色の粉末として得られる。
【0116】
m.p.(℃):184−186℃
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.70(s,1H);8.40(s,1H);7.80(m,2H);7.60(m,2H);7.30(m,2H);6.80(s,1H);6.50(t,1H);5.20(s,2H);4.10(m,1H);3.50−3.30(m,4H);2.80(s,3H);2.30(m,2H);2.00(m,4H)。
【実施例8】
【0117】
(化合物12)
3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル 6−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イルメチルカルバメート(異性体I)
【0118】
【化15】

8.1. tert−ブチル 2−シアノ−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシラート:異性体1aおよび1b
3.05g(62.21mmol)のシアン化ナトリウムを、20mLの無水ジメチルスルホキシド中の、実施例6(ステップ6.2.)で調製したtert−ブチル 2−メタンスルホニルオキシ−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシラート1.90g(6.22mmol)の溶液に加える。次いで、反応混合物を、130℃で12時間攪拌する。
【0119】
反応媒体を、室温に加温させ、次いで、エーテルに溶解し、水相を分離し、エーテルで2回抽出し、合わせた有機相を、次いで、硫酸ナトリウムで脱水する。溶媒を蒸発除去した後、得られた残渣を、酢酸エチルおよびシクロヘキサンの5/95混合物を用いて溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。このようにして、0.27gの異性体1aが白色の結晶として得られ、0.20gの異性体1bが黄色の油状物質として得られる。
【0120】
異性体1a
m.p.(℃):62−64℃
=0.49(50/50 酢酸エチル/シクロヘキサン)
H NMR(DMSO)δ(ppm):3.4(m,1H);3.1(m,4H);2.5(m,4H);2.3(t,2H);1.4(s,9H)。
【0121】
異性体1b
=0.42(50/50 酢酸エチル/シクロヘキサン)
H NMR(DMSO)δ(ppm):3.4(m,1H);3.3(m,2H);3.2(m,2H);2.5(s,4H);1.9(m,2H);1.4(s,9H)。
【0122】
8.2. tert−ブチル 2−アミノメチル−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシラート:異性体2a
ラネーニッケルを触媒量で、10mLの、エタノール中1N水酸化ナトリウム溶液中、ステップ8.1.で得たtert−ブチル 2−シアノ−6−アザスピロ[3.4]−オクタン−6−カルボキシラート(異性体1a)0.27g(1.14mmol)の溶液に加える。反応媒体を、Parrフラスコにおいて、水素雰囲気(4バール)下、室温で5時間静置する。
【0123】
得られた混合物を、セライトを通して濾過し、次いで、濾液を減圧下で濃縮する。ジクロロメタンを加え、水相を分離し、ジクロロメタンで3回抽出し、合わせた有機相を、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水する。溶媒を蒸発除去した後、0.24gの生成物が黄色の油状物質として得られ、これをさらなる精製を行わずに、次のステップに使用する。
【0124】
異性体2a
LC−MS:M+H=241
H NMR(DMSO)δ(ppm):3.2(m,2H);3.1(m,2H);2.5(m,2H);2.2(m,1H);1.9(m,2H);1.7(m,2H);1.6(m,2H);1.4(s,9H)。
【0125】
8.3. tert−ブチル 2−{[3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメトキシ−カルボニルアミノ]メチル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシラート
実施例1.ステップ1.1に記載した手順に従って方法を行う。実施例8(ステップ8.2.)に記載したtert−ブチル 2−アミノメチル−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシラート(異性体2a)0.22g(0.92mmol)、ステップ4.1.で得た3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル 4−ニトロフェニルカルボナート0.294g(0.92mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン0.236g(1.83mmol)およびN,N−ジメチルアミノピリジン0.011g(0.09mmol)から出発して、ジクロロメタンおよびメタノールの98/2混合物を用いて溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィーによる精製後に、0.310gの純粋な生成物が非晶質固体として得られる。
【0126】
LC−MS:M+H=423
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.80(broad s,1H);7.50(broad s,1H);6.80(s,1H);5.20(s,2H);3.25(m,2H);3.15(m,2H);3.10(m,2H);2.80(s,3H);2.40(m,1H);2.00−1.80(m,4H);1.70(m,2H);1.40(s,9H) 3.15(m,2H)。
【0127】
8.4. 3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル (6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イルメチル)カルバメートトリフルオロアセタート
実施例6、ステップ6.6に記載した手順に従って方法を行う。ステップ8.3.で得たtert−ブチル 2−{[3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメトキシカルボニルアミノ]メチル}−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシラート0.31g(0.73mmol)およびトリフルオロ酢酸溶液0.62mL(7.34mmol)から出発して、0.32gのトリフルオロアセタート形態の生成物が得られ、これを、さらなる精製を行わずに、下のステップ8.5.に使用する。
【0128】
8.5. 3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル 6−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イルメチルカルバメート(異性体I)
実施例1(ステップ1.3.)に記載した手順に従って方法を行う。ステップ8.4.に記載した3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル (6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イルメチル)カルバメートトリフルオロアセタート0.32g(0.73mmol)、ステップ6.7.で調製した2−フルオロ−5−(4−フルオロフェニル)ピリジン0.16g(0.88mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン0.38g(2.92mmol)から出発して、ジクロロメタンおよびメタノールおよびアンモニア水の98/2/0.2混合物を用いて溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィーによる精製後に、0.07gの純粋な生成物が白色の固体として得られる。
【0129】
m.p.(℃):171−173℃
LC−MS:M+H=494
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.70(broad s,1H);8.40(s,1H);7.80(m,1H);7.60(m,2H);7.50(m,1H);7.30(m,2H);6.80(s,1H);6.50(d,1H);5.20(s,2H);3.50(m,2H);3.35(m,2H);3.10(t,2H) 2.80(s,3H);2.40(m,1H);2.00(m,4H);1.80(m,2H)。
【実施例9】
【0130】
(化合物13)
3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル 6−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イルメチルカルバメート(異性体II)
【0131】
【化16】

9.1. tert−ブチル 2−アミノメチル−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシラート:異性体2b
実施例8(ステップ8.2.)に記載した手順に従って方法を行う。実施例8(ステップ8.1.)に記載したtert−ブチル 2−シアノ−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシラート、(異性体、1b)0.20g(0.85mmol)および触媒量のラネーニッケルから出発して、黄色の油状物質として0.22gの生成物が得られ、これを、さらなる精製を行わずに、次のステップに使用する。
【0132】
異性体2b
LC−MS:M+H=241
H NMR(DMSO)δ(ppm):3.2(m,2H);3.1(m,2H);2.5(m,2H);2.2(m,1H);1.9(m,4H);1.7(m,2H);1.4(s,9H)。
【0133】
9.2. tert−ブチル 2−[(3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメトキシ−カルボニルアミノ)メチル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシラート
実施例1、ステップ1.1に記載した手順に従って方法を行う。実施例9(ステップ9.1.)に記載したtert−ブチル 2−アミノメチル−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシラート(異性体2b)0.24g(1.00mmol)、ステップ4.1.で得た3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル 4−ニトロフェニルカルボナート0.321g(1.00mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン0.258g(2.00mmol)およびN,N−ジメチルアミノピリジン0.012g(0.10mmol)から出発して、ジクロロメタンおよびメタノールの98/2混合物を用いて溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィーによる精製後に、非晶質固体として0.320gの純粋な生成物が得られる。
【0134】
LC−MS:M+H=423
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.80(broad s,1H);7.50(broad s,1H);6.80(s,1H);5.20(s,2H);3.25(m,2H);3.15(m,2H);3.10(m,2H);2.80(s,3H);2.40(m,1H);2.00−1.80(m,4H);1.70(m,2H);1.40(s,9H) 3.15(m,2H)。
【0135】
9.3. 3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル (6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イルメチル)カルバメートトリフルオロアセタート
実施例6、ステップ6.6に記載した手順に従って方法を行う。ステップ9.2.で得たtert−ブチル 2−[(3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメトキシカルボニルアミノ)メチル]−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシラート0.32g(0.76mmol)およびトリフルオロ酢酸溶液0.64mL(7.57mmol)から出発して、トリフルオロアセタート形態で0.33gの生成物が得られ、これを、さらなる精製を行わずに、下のステップ9.4.に使用する。
【0136】
9.4. 3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル 6−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イルメチルカルバメート(異性体II)
実施例1(ステップ1.3.)に記載した手順に従って方法を行う。ステップ9.3.に記載した3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル (6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イルメチル)カルバメートトリフルオロアセタート0.33g(0.76mmol)、ステップ6.7.で調製した2−フルオロ−5−(4−フルオロフェニル)ピリジン0.174g(0.91mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン0.393g(3.04mmol)から出発して、ジクロロメタンおよびメタノールの98/2混合物を用いて溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィーによる精製後に、0.10gの純粋な生成物が白色の固体として得られる。
【0137】
m.p.(℃):180−182℃
LC−MS:M+H=494
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.70(broad s,1H);8.40(s,1H);7.80(m,1H);7.60(m,2H);7.50(m,1H);7.30(m,2H);6.80(s,1H);6.50(d,1H);5.20(s,2H);3.50(s,2H);3.40(m,2H);3.10(t,2H);2.80(s,3H);2.40(m,1H);2.10(t,2H);1.90(t,2H) 1.80(t,2H)。
【実施例10】
【0138】
(化合物8)
3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル 7−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イルカルバメート
【0139】
【化17】

10.1. 7−(5−ブロモピリジン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナン−2−オール
5−ブロモ−2−フルオロピリジン0.24g(1.35mmol)、7−アザスピロ[3.5]ノナン−2−オールヒドロクロリド(JP2003246780)0.20g(1.13mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン0.51g(3.94mmol)を、3mLのアセトニトリル中に入れ密閉試験管中に静置する。1mLのDMFを加え、次いで、混合物を95℃で12時間加熱する。反応混合物を、室温に放冷し、次いで、酢酸エチルおよび水に溶解する。水相を分離し、合わせた有機相を、次いで、飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾液を減圧下で濃縮する。ジクロロメタン、メタノールおよび28%アンモニア水の95/5/0.5混合物を用いて溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィーによる精製後に、0.138gの純粋な生成物が無色のゴムとして得られる。
【0140】
LC−MS:M+H=298
H NMR(CDCl)δ(ppm):8.10(s,1H);7.50(d,1H);6.50(d,1H);4.30(m,1H);3.30(m,4H);2.25(m,2H);1.65(m,2H);1.50(m,4H)。
【0141】
10.2. 7−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−7−アザスピロ[3.5]−ノナン−2−オール
実施例2(ステップ2.7.)に記載した手順に従って方法を行う。テトラヒドロフランおよび水の9/1混合物3mL中に懸濁した、ステップ10.1.で得た7−(5−ブロモピリジン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナン−2−オール0.138g(0.46mmol)、4−フルオロフェニルボロン酸0.078g(0.56mmol)、炭酸セシウム0.454g(1.39mmol)から出発。次いで、0.038g(0.05mmol)のPdCldppf.CHClを加える。このようにして、0.101gの純粋な生成物が灰色の粉末として得られる。
【0142】
m.p.(℃):139−141℃
LC−MS:M+H=313
H NMR(CDCl)δ(ppm):8.30(s,1H);7.60(d,1H);7.40(m,2H);7.10(m,2H);6.60(d,1H);4.30(m,1H);3.30(m,4H);2.30(m,2H);1.65(m,2H);1.50(m,4H)。
【0143】
10.3. 7−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イルメタンスルホナート
実施例6(ステップ6.2.)に記載した手順に従って方法を行う。トリエチルアミン3.25mL(23.34mmol)、次いで、塩化メシル0.91mL(11.67mmol)を、25mLのジクロロメタン中の、ステップ10.2.で得た7−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−7−アザスピロ[3.5]ノナン−2−オール 2.43g(7.78mmol)の溶液に加える。3.03gの生成物が黄色の油状物質として得られ、これを、さらなる精製を行わずに、次のステップに使用する。
【0144】
10.4. 2−アジド−7−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−7−アザスピロ−[3.5]ノナン
実施例6(ステップ6.3.)に記載した手順に従って方法を行う。N,N−ジメチルホルムアミド28mL中の、ステップ10.3.で調製した7−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イルメタンスルホナート7.66g(19.62mmol)およびアジ化ナトリウム3.83g(58.85mmol)から出発。溶媒を蒸発除去した後、6.60gの生成物が褐色の油状物質として得られる。
【0145】
10.5. 7−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イルアミン
実施例6(ステップ6.4.)に記載した手順に従って方法を行う。28mLのエタノール中の、ステップ10.4.で得た2−アジド−7−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−7−アザスピロ[3.5]ノナン6.60g(19.56mmol)から出発して、0.81g(3.91mmol)のリンドラー触媒(PdCaCO)を加える。このようにして、3.89gの純粋な生成物が黄色の粉末として得られる。
【0146】
m.p.(℃):120−122℃
LC−MS:M+H=312
H NMR(CDCl)δ(ppm):8.45(s,1H);7.70(m,1H);7.50(m,2H);7.20(m,2H);6.80(d,1H);3.70−3.40(m,5H);2.35(m,4H);1.80−1.50(m,6H)。
【0147】
10.6. 3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル 7−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イルカルバメート
実施例1、ステップ1.1に記載した手順に従って方法を行う。前述のステップ(ステップ10.5.)に記載した7−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イルアミン1.08g(3.47mmol)、ステップ4.1.で得た3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル 4−ニトロフェニルカルボナート1.34g(4.16mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン1.12g(8.67mmol)およびN,N−ジメチルアミノピリジン0.212g(1.73mmol)から出発して、ジクロロメタンおよびメタノールの98/2混合物を用いて溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィーによる精製後に、0.847gの純粋な生成物が白色の固体として得られる。
【0148】
m.p.(℃):219−221℃
LC−MS:M+H=493
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.70(broad s,1H);8.40(s,1H);7.90−7.70(m,2H);7.65(m,2H);7.25(m,2H);6.90(d,1H);6.80(s,1H);5.20(s,2H);4.00(m,1H);3.55(t,2H);3.45(t,2H);2.80(s,3H);2.20(m,2H);1.75(m,2H);1.65−1.45(m,4H)。
【実施例11】
【0149】
(化合物15)
3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル 2−(6−フルオロキノリン−2−イル)−2−アザスピロ[3.3]ヘプタ−6−イルカルバメート
【0150】
【化18】

11.1. tert−ブチル 5,5−ジクロロ−6−オキソ−2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−2−カルボキシラート
70mLのジメトキシエタンに溶解した塩化トリクロロアセチル 28.42mL(254.65mmol)を、0℃で、200mLのエーテル中に懸濁した、tert−ブチル 3−メチレンアゼチジン−1−カルボキシラート(WO2008/124 085)7.98g(47.16mol)のおよび亜鉛−銅アマルガム36.48g(282.94mmol)を含有する混合物に滴下する。反応媒体を室温で12時間攪拌する。次いで、混合物を炭酸ナトリウム溶液中に0℃で少量ずつ注ぐ。得られた溶液を、セライトを通して濾過し、水およびエーテルでよく洗い流す。次いで、水相を分離し、エーテルで数回抽出する。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで脱水し、濾液を減圧下で濃縮する。溶媒を蒸発除去した後、褐色の油状物質として得られた生成物を、さらなる精製を行わずに、次のステップに使用する。
【0151】
11.2. tert−ブチル 6−オキソ−2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−2−カルボキシラート
15.13g(0.283mmol)の塩化アンモニウムを、250mLのメタノール中、前述のステップで得たtert−ブチル 5,5−ジクロロ−6−オキソ−2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−2−カルボキシラート13.21g(47.15mmol)を含有する溶液に加える。反応媒体を氷/水浴を用いて冷却し、30.83g(0.471mmol)の亜鉛を加える。室温で12時間攪拌した後、セライトを濾別し、メタノールで洗い流す。濾液を蒸発乾固させる。得られた残渣を、水に溶解し、酢酸エチルで数回抽出する。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで脱水し、濾液を減圧下で濃縮する。溶媒を蒸発除去した後、得られた残渣を、シクロヘキサンおよび酢酸エチルの90/10混合物を用いて溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。このようにして、1.78gの純粋な生成物が白色の粉末として得られる。
【0152】
m.p.(℃):117−119℃
LC−MS:M+H=212
H NMR(DMSO)δ(ppm):4.05(s,4H);3.30(s,4H);1.40(s,9H)。
【0153】
11.3. tert−ブチル 6−ヒドロキシ−2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−2−カルボキシラート
実施例6、ステップ6.1に記載した手順に従って方法を行う。17mLのメタノールに溶解した、ステップ11.2.で得たtert−ブチル 6−オキソ−2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−2−カルボキシラート1.40g(6.63mmol)および水素化ホウ素ナトリウム0.376g(9.94mmol)から出発。溶媒を蒸発除去し石油エーテルおよびジイソプロピルエーテルの70/30混合物から結晶化させた後、1.18gの予想される生成物が白色の粉末として得られる。
【0154】
m.p.(℃):131−133℃
LC−MS:M+H=214
H NMR(DMSO)δ(ppm):5.00(s,1H);3.95(m,1H);3.75(d,4H);2.40(m,2H);1.90(m,2H);1.40(s,9H)。
【0155】
11.4. tert−ブチル 2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−2−カルボキシラート6−メタンスルホナート
実施例6、ステップ6.2に記載した手順に従って方法を行う。40mLのジクロロメタンに溶解した、ステップ11.3.で得たtert−ブチル 6−ヒドロキシ−2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−2−カルボキシラート0.97g(4.55mmol)、トリエチルアミン0.70mL(5.00mmol)および塩化メシル0.39mL(5.00mmol)から出発して、シクロヘキサンおよび酢酸エチルの混合物の90/10から70/30勾配を用いて溶出するシリカゲルのカラムでの精製後、0.790gの生成物が得られ、これを、さらなる精製を行わずに、次のステップに使用する。
【0156】
11.5. tert−ブチル 6−アジド−2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−2−カルボキシラート
実施例2、ステップ2.1に記載した手順に従って方法を行う。8mLのN,N−ジメチルホルムアミド中の、ステップ11.4.で得たtert−ブチル 2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−2−カルボキシラート6−メタンスルホナート0.780g(2.68mmol)およびアジ化ナトリウム0.350g(5.35mmol)から出発して、0.63gの生成物が得られ、これを、さらなる精製を行わずに、次のステップに使用する。
【0157】
11.6. tert−ブチル 6−アミノ−2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−2−カルボキシラート
実施例6(ステップ6.4.)に記載した手順に従って方法を行う。11mLのエタノール中の、ステップ11.5.で得たtert−ブチル 6−アジド−2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−2−カルボキシラート0.638g(2.68mmol)から出発して、0.276g(1.34mmol)のリンドラー触媒(PdCaCO)を加える。ジクロロメタン、メタノールおよび28%アンモニア水の98/2/0.2混合物を用いて溶出するシリカゲルのカラムでの精製後、0.330gの純粋な生成物が白色の粉末として得られる。
【0158】
m.p.(℃):50−53℃
LC−MS:M+H=213
H NMR(DMSO+DO)δ(ppm):3.80(s,2H);3.70(s,2H);3.10(m,1H);2.30(t,2H);1.75(t,2H);1.40(s,9H)。
【0159】
11.7. tert−ブチル 6−(3−エトキシカルボニルイソオキサゾール−5−イルメトキシ−カルボニルアミノ)−2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−2−カルボキシラート
0.341g(2.64mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンおよび0.265g(1.32mmol)のクロロギ酸4−ニトロフェニルを、10mLのジクロロエタン中、0.226g(1.32mmol)のエチル 5−ヒドロキシメチルイソオキサゾール−3−カルボキシラートの溶液に加える。室温で2時間、攪拌を続け、次いで、4mLのジクロロエタンに溶解したステップ11.6.で得たtert−ブチル 6−アミノ−2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−2−カルボキシラート0.280g(1.32mmol)を加える。室温で4時間、攪拌を続ける。水を反応媒体に加え、水相を分離し、ジクロロメタンで数回抽出し、合わせた有機相を、水酸化ナトリウム水溶液(1N)、次いで飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄する。得られた相を硫酸ナトリウムで脱水し、濾液を減圧下で濃縮する。溶媒を蒸発除去した後、得られた残渣を、ジクロロメタンおよびメタノールの98/2混合物を用いて溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。このようにして、0.42gの純粋な生成物が非晶質固体として得られる。
【0160】
LC−MS:M+H=410
H NMR(DMSO)δ(ppm):7.70(d,1H);6.90(s,1H);5.20(s,2H);4.40(m,3H);3.85(m,2H);3.75(s,2H);2.40(t,2H);2.10(t,2H);1.40−1.20(m,12H)。
【0161】
11.8. エチル 5−(2−アザスピロ[3.3]ヘプタ−6−イルカルバモイルオキシメチル)−イソオキサゾール−3−カルボキシラートトリフルオロアセタート
実施例6、ステップ6.6に記載した手順に従って方法を行う。ステップ11.7.で得たtert−ブチル 6−(3−エトキシカルボニルイソオキサゾール−5−イルメトキシカルボニルアミノ)−2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−2−カルボキシラート0.42g(1.03mmol)およびトリフルオロ酢酸溶液0.86mL(10.26mmol)から出発して、0.43gのトリフルオロアセタート形態の生成物が得られ、これを、さらなる精製を行わずに、下のステップ11.9.に使用する。
【0162】
11.9. エチル 5−[2−(6−フルオロキノリン−2−イル)−2−アザスピロ[3.3]ヘプタ−6−イルカルバモイルオキシメチル]イソオキサゾール−3−カルボキシラート
実施例2(ステップ2.6.)に記載した手順に従って方法を行う。ステップ11.8.で得たエチル 5−(2−アザスピロ[3.3]ヘプタ−6−イルカルバモイル−オキシメチル)イソオキサゾール−3−カルボキシラートトリフルオロアセタート0.43g(1.03mmol)、2−クロロ−6−フルオロ−キノリン0.187g(1.03mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン0.399g(3.09mmol)から出発して、ジクロロメタンおよびメタノールの98/2混合物を用いて溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィー後に、0.15gのベージュ色の固体形態の純粋な生成物が得られる。
【0163】
LC−MS:M+H=455
m.p.(℃):107−109℃
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.05(d,1H);7.80(d,1H);7.60(m,1H);7.50(m,1H);7.40(m,1H);6.90(s,1H);6.70(d,1H);5.25(s,2H);4.40(q,2H);4.10(s,2H);4.00(s,2H);3.90(m,1H);2.50(t,2H);2.20(t,2H);1.35(t,3H)。
【0164】
11.10. 3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル 2−(6−フルオロキノリン−2−イル)−2−アザスピロ[3.3]ヘプタ−6−イルカルバメート
密閉試験管において、エタノール中メチルアミン溶液(8M)4.13mL(28.01mmol)中、ステップ11.9.で調製したエチル 5−[2−(6−フルオロキノリン−2−イル)−2−アザスピロ[3.3]ヘプタ−6−イルカルバモイルオキシメチル]イソオキサゾール−3−カルボキシラート0.130g(0.28mmol)の溶液を、室温で5時間攪拌する。混合物を蒸発乾固させる。得られた残渣を、熱エーテルから結晶化させる。このようにして生成した沈殿物を濾別し、エーテルでよく洗い流す。真空下、約60℃で乾燥させた後、0.05gの純粋な生成物が白色の粉末として得られる。
【0165】
m.p.(℃):167−169℃
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.70(broad s,1H);8.05(d,1H);7.80(d,1H);7.60(m,1H);7.50(m,1H);7.40(m,1H);6.80(s,1H);6.75(d,1H);5.25(s,2H);4.15(s,2H);4.05(s,2H);3.95(m,1H);2.80(s,3H);2.50(t,2H);2.20(t,2H)。
【実施例12】
【0166】
(化合物17)
3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル {6−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イル}カルバメート(異性体I)
【0167】
【化19】

12.1 tert−ブチル 2−メタンスルホニルオキシ−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシラート(異性体1および1’)。
【0168】
実施例6(ステップ6.2.)に記載した方法によって調製したtert−ブチル 2−メタンスルホニルオキシ−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシラートの異性体1および1’を、100/0から80/20シクロヘキサン/酢酸エチル混合物を用いて溶出するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって分離する。このようにして、1.69gの白色の固体形態の異性体1、および1.62gの白色の固体形態の異性体1’が得られる。
【0169】
異性体1
m.p.(℃):76−78℃
LC−MS:M+H=306
Rf=0.35(50/50 酢酸エチル/シクロヘキサン)
H NMR(DMSO)δ(ppm):5.08(m,1H);3.28(m,2H);3.20(m,2H);3.15(s,3H);2.42(m,2H);2.22(m,2H);1.85(m,2H);1.40(s,9H)。
【0170】
異性体1’
m.p.(℃):79−82℃
LC−MS:M+H=306
Rf=0.29(50/50 酢酸エチル/シクロヘキサン)
H NMR(DMSO)δ(ppm):5.00(m,1H);3.22(m,4H)、3.12(s,3H)、2.36(m,2H);2.22(m,2H)、1.80(m,2H);1.35(s,9H)。
【0171】
12.2 tert−ブチル 2−アジド−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシラート(異性体2’)
実施例6(ステップ6.3.)に記載した手順に従って方法を行う。実施例12(ステップ12.1.)に記載したtert−ブチル 2−メタンスルホニルオキシ−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシラート(異性体1’)1.62g(5.30mmol)およびアジ化ナトリウム0.68g(10.61mmol)から出発して、本生成物が黄色の油状物質として得られ、これを、さらなる精製を行わずに、次のステップに使用する。
【0172】
12.3 tert−ブチル 2−アミノ−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシラート(異性体3’)
実施例6(ステップ6.4.)に記載した手順に従って方法を行う。1.33g(5.30mmol)のtert−ブチル 2−アジド−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシラート(異性体2’)および0.54g(2.65mmol)のリンドラー触媒(PdCaCO)から出発して、0.70gの生成物が油状物質として得られる。
【0173】
LC−MS:M+H=227
H NMR(DMSO+DO)δ(ppm):3.24(m,1H);3.15(m,4H);2.12(m,2H);1.74(m,2H);1.60(m,2H);1.36(s,9H)。
【0174】
12.4 tert−ブチル 2−(3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメトキシカルボニルアミノ)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシラート(異性体4’)
実施例4(ステップ4.2)に記載した手順に従って方法を行う。0.70g(3.09mmol)のtert−ブチル 2−アミノ−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシラート(異性体3’)および1.04g(3.09mmol)のエチル 5−(4−ニトロフェノキシカルボニルオキシメチル)イソオキサゾール−3−カルボキシラートから出発して、1.10gの生成物がゴムとして得られる。
【0175】
LC−MS:M+H=424
H NMR(DMSO)δ(ppm):7.80(bd,1H);6.92(s,1H);5.21(s,2H);4.35(q,2H);3.98(m,1H);3.21(m,2H);3.15(m,2H);2.21(m,2H);1.90(m,2H);1.75(m,2H);1.40(s,9H);1.30(t,3H)。
【0176】
12.5. エチル 5−(6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イルカルバモイルオキシメチル)−イソオキサゾール−3−カルボキシラートトリフルオロアセタート(異性体5’)
実施例6(ステップ6.6.)に記載した手順に従って方法を行う。1.10g(2.60mmol)のtert−ブチル 2−(3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメトキシカルボニルアミノ)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシラート(異性体4’)および2.19mL(25.98mmol)のトリフルオロ酢酸から出発して、本生成物が得られ、これを、次のステップに使用する。
【0177】
12.6 エチル 5−[6−(5−ブロモピリジン−2−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イルカルバモイルオキシメチル]−イソオキサゾール−3−カルボキシラート(異性体6’)
実施例2(ステップ2.6.)に記載した手順に従って方法を行う。ステップ12.5.で得たエチル 5−(6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イルカルバモイルオキシメチル)イソオキサゾール−3−カルボキシラートトリフルオロアセタート(異性体5’)0.43g(1.03mmol)および2−フルオロ−5−ブロモピリジン0.45g(2.60mmol)から出発して、ジクロロメタンおよびメタノールの97/3混合物を用いて溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィー後、0.68gの純粋な生成物が油状物質として得られる。
【0178】
12.7 エチル 5−{6−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イルカルバモイルオキシメチル}−イソオキサゾール−3−カルボキシラート(異性体7’)
実施例2(ステップ2.7.)に記載した手順に従って方法を行う。エチル 5−[6−(5−ブロモピリジン−2−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イルカルバモイルオキシメチル]イソオキサゾール−3−カルボキシラート(異性体6’)0.68g(1.42mmol)および4−フルオロフェニルボロン酸0.23g(1.70mmol)、炭酸セシウム1.38g(4.26mmol)およびPdCldppf.CHCl0.11g(0.14mmol)から出発して、0.32gの白色の固体が得られる。
【0179】
m.p.(℃)=164−166
LC−MS:M+H=495
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.40(s,1H);7.80(m,2H);7.62(m,2H);7.22(t,2H);6.89(s,1H);6.50(d,1H);5.21(s,2H);4.35(q,2H);4.05(m,1H);3.50(s,2H);3.40(m,2H);2.30(m,2H);2.00(m,4H);1.30(t,3H)。
【0180】
12.8 3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル {6−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イル}カルバメート(異性体I)
実施例6(ステップ6.9.)に記載した手順に従って方法を行う。室温にて、0.3g(0.61mmol)のエチル 5−{6−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イルカルバモイルオキシメチル}イソオキサゾール−3−カルボキシラート(異性体7’)および15mLのテトラヒドロフラン中メチルアミン溶液(1M)から出発して、0.21gの生成物が白色の固体として得られる。
【0181】
LC−MS:M+H=480
m.p.(℃):203−205
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.70(broad s,1H);8.40(s,1H);7.81(m,2H);7.62(m,2H);7.25(t,2H);6.78(s,1H);6.50(d,1H);5.20(s,2H);4.08(m,1H);3.50(s,2H);3.40(m,2H);2.78(s,3H);2.30(m,2H);1.99(m,4H)。
【実施例13】
【0182】
(化合物18)
3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル {6−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イル}カルバメート(異性体II)
【0183】
【化20】

13.1 tert−ブチル 2−アジド−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシラート(異性体2)
実施例6(ステップ6.3.)に記載した手順に従って方法を行う。実施例12(ステップ12.1.)に記載したtert−ブチル 2−メタンスルホニルオキシ−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシラート(異性体1)2.49g(8.15mmol)およびアジ化ナトリウム1.07g(16.31mmol)から出発して、本生成物が得られ、これを、次のステップに使用する。
【0184】
13.2 tert−ブチル 2−アミノ−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシラート(異性体3)
実施例6(ステップ6.4.)に記載した手順に従って方法を行う。2.05g(8.15mmol)のtert−ブチル 2−アジド−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシラート(異性体2)および0.84g(4.08mmol)のリンドラー触媒(PdCaCO)から出発して、1.11gの生成物が黄色の油状物質として得られる。
【0185】
LC−MS:M+H=227
H NMR(DMSO+DO)δ(ppm):3.25(m,1H);3.20(m,2H);3.10(m,2H);2.10(m,2H);1.75(m,2H);1.65(m,2H);1.40(s,9H)。
【0186】
13.3 tert−ブチル 2−(3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメトキシカルボニルアミノ)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシラート(異性体4)
実施例4(ステップ4.2)に記載した手順に従って方法を行う。1.11g(4.90mmol)のtert−ブチル 2−アミノ−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシラート(異性体3)および1.64g(4.90mmol)のエチル 5−(4−ニトロフェノキシカルボニルオキシメチル)イソオキサゾール−3−カルボキシラートから出発して、1.65gの生成物がゴムとして得られる。
【0187】
LC−MS:M+H=424
H NMR(DMSO)δ(ppm):7.75(broad t,1H);6.90(s,1H);5.20(s,2H);4.35(q,2H);3.99(m,1H);3.21(m,2H);3.11(m,2H);2.19(m,2H);1.92(m,2H);1.81(m,2H);1.41(s,9H);1.32(t,3H)。
【0188】
13.4 エチル 5−(6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イルカルバモイルオキシメチル)イソオキサゾール−3−カルボキシラートトリフルオロアセタート(異性体5)
実施例6(ステップ6.6.)に記載した手順に従って方法を行う。1.65g(3.90mmol)のtert−ブチル 2−(3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメトキシカルボニルアミノ)−6−アザスピロ[3.4]オクタン−6−カルボキシラート(異性体4)および3.28mL(38.96mmol)のトリフルオロ酢酸から出発して、本生成物が得られ、これを、次のステップに使用する。
【0189】
13.5 エチル 5−[6−(5−ブロモピリジン−2−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イルカルバモイルオキシメチル]イソオキサゾール−3−カルボキシラート(異性体6)
実施例2(ステップ2.6.)に記載した手順に従って方法を行う。1.7g(3.90mmol)のエチル 5−(6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イルカルバモイルオキシメチル)イソオキサゾール−3−カルボキシラートトリフルオロアセタート(異性体5)および0.68g(3.90mmol)の2−フルオロ−5−ブロモピリジンから出発して、ジクロロメタンおよびメタノールの98/2混合物を用いて溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィー後に、1.00gの純粋な生成物がゴムとして得られる。
【0190】
LC−MS:M+H=479
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.11(s,1H);7.80(broad d,1H);7.60(d,1H);6.90(s,1H);6.40(d,1H);5.21(s,2H);4.39(q,2H);4.01(m,1H);3.39(m,2H);3.31(m,2H);2.25(m,2H);2.01(m,4H);1.30(t,3H)。
【0191】
13.6 エチル 5−{6−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イルカルバモイルオキシメチル}イソオキサゾール−3−カルボキシラート(異性体7)
実施例2(ステップ2.7.)に記載した手順に従って方法を行う。1.00g(2.09mmol)のエチル 5−[6−(5−ブロモピリジン−2−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イルカルバモイルオキシメチル]イソオキサゾール−3−カルボキシラート(異性体6)および0.29g(2.09mmol)の4−フルオロフェニルボロン酸、2.03g(6.26mmol)の炭酸セシウムおよび0.17g(0.21mmol)のPdCldppf.CHClから出発して、シクロヘキサンおよび酢酸エチルの90/10混合物を用いて溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィー後、0.50gのゴムが得られる。
【0192】
LC−MS:M+H=495
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.39(s,1H);7.80(m,2H);7.60(m,2H);7.22(t,2H);6.90(s,1H);6.50(d,1H);5.20(s,2H);4.38(q,2H);4.06(m,1H);3.45(m,2H);3.38(m,2H);2.28(m,2H);2.00(m,4H);1.32(t,3H)。
【0193】
13.7 3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル {6−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イル}カルバメート(異性体II)
実施例6(ステップ6.9.)に記載した手順に従って方法を行う。室温にて、0.50g(1.01mmol)のエチル 5−{6−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イルカルバモイルオキシメチル}イソオキサゾール−3−カルボキシラート(異性体7)および25mLのテトラヒドロフラン中メチルアミン溶液(1M)から出発して、0.32gの生成物が白色の固体として得られる。
【0194】
m.p.(℃):194−196
LC−MS:M+H=480
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.70(broad s,1H);8.38(s,1H);7.80(m,2H);7.60(m,2H);7.23(t,2H);6.78(s,1H);6.48(d,1H);5.18(s,2H);4.08(m,1H);3.45(m,2H);3.40(m,2H);2.78(d,3H);2.25(m,2H);2.00(m,4H)。
【実施例14】
【0195】
(化合物19)
3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル [7−(6−クロロキノリン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]カルバメート
【0196】
【化21】

14.1 tert−ブチル 2−ヒドロキシイミノ−7−アザスピロ[3.5]ノナン−7−カルボキシラート
塩酸ヒドロキシルアミン0.58g(8.36mmol)および炭酸カリウム1.15g(8.36mmol)を、60mLのエタノール中の、tert−ブチル 2−オキソ−7−アザスピロ[3.5]ノナン−7−カルボキシラート(US 6 498 159)1.00g(4.18mmol)の溶液に加え、次いで、混合物を室温で12時間、攪拌したままにする。溶媒を減圧下で蒸発除去した後、残渣をジクロロメタンおよび水に溶解し、水相を分離し、ジクロロメタンで2回抽出し、合わせた有機相を硫酸ナトリウムで脱水する。溶媒を蒸発除去した後、得られた残渣を、ジクロロメタン、メタノールおよび28%アンモニア水の99/1/0.1混合物を用いて溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。このようにして、0.831gの純粋な生成物が白色の粉末として得られる。
【0197】
LC−MS:M+H=255
m.p.(℃):117−119
H NMR(CDCl)δ(ppm):3.30(m,4H);2.60(d,4H);1.55(m,4H);1.40(s,9H)。
【0198】
14.2 tert−ブチル 2−アミノ−7−アザスピロ[3.5]ノナン−7−カルボキシラート
32mLの、メタノール中7Nアンモニア溶液中、前述のステップで得たtert−ブチル 2−ヒドロキシイミノ−7−アザスピロ[3.5]ノナン−7−カルボキシラート0.50g(1.97mmol)の溶液に、0.11g(1.97mmol)のラネーニッケルを、次いで、加える。反応媒体を、Parrフラスコにおいて、水素雰囲気(20psi)下、室温で2時間30分静置する。得られた混合物を、ブフナー漏斗を通して濾過し、次いで、濾液を減圧下で濃縮する。残渣をジクロロメタンおよび水に溶解し、水相を分離し、ジクロロメタンで2回抽出し、合わせた有機相を、飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで脱水する。溶媒を蒸発除去した後、得られた残渣を、ジクロロメタン、メタノールおよび28%アンモニア水の90/10/1混合物を用いて溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。このようにして、0.39gの純粋な生成物が無色の油状物質として得られる。
【0199】
LC−MS:M+H=241
H NMR(DMSO)δ(ppm):3.40(m,1H);3.30−3.10(m,4H);2.25−2.15(m,2H);1.70(broad s,2H);1.50−1.35(m,6H);1.30(m,9H)。
【0200】
14.3 tert−ブチル 2−エトキシカルボニルアミノ−7−アザスピロ[3.5]ノナン−7−カルボキシラート
4.96g(45.77mmol)のクロロギ酸エチルを、約0℃に冷却した、300mLの1,2−ジクロロエタン中、前述のステップで得たtert−ブチル 2−アミノ−7−アザスピロ[3.5]ノナン−7−カルボキシラート10.00g(41.61mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン13.44g(104.02mmol)およびN,N−ジメチルアミノピリジン0.51g(4.16mmol)を含有する溶液に加える。0℃で1時間、次いで室温で12時間、攪拌を続ける。水を反応媒体に加え、水相を分離し、ジクロロメタンで数回抽出し、合わせた有機相を、飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾液を減圧下で濃縮する。溶媒を蒸発除去した後、得られた残渣を、ジクロロメタン、メタノールおよび28%アンモニア水の99/1/0.1混合物を用いて溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。このようにして、8.728gの純粋な生成物が褐色の油状物質として得られる。
【0201】
LC−MS:M+H=313
H NMR(CDCl)δ(ppm):4.80(broad s,1H);4.10(m,3H);3.30(m,4H);2.30(m,2H);1.60(m,6H);1.50(s,9H);1.25(t,3H)。
【0202】
14.4 エチル (7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル)カルバメートヒドロクロリド
実施例2(ステップ2.5.)に記載した手順に従って方法を行う。前述のステップで得たtert−ブチル 2−エトキシカルボニルアミノ−7−アザスピロ[3.5]ノナン−7−カルボキシラート8.63g(27.62mmol)およびジオキサン中4N塩酸溶液27.62mL(110.50mmol)から出発して、焼結漏斗を通して濾過しエーテルで洗浄した後、塩酸塩形態で5.18gの生成物が得られる。
【0203】
LC−MS:M+H=249
m.p.(℃):238−240
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.80(broad s,1H);7.40(d,1H);3.90(m,3H);2.80(m,4H);2.10(m,2H);1.60(m,6H);1.25(t,3H)。
【0204】
14.5 エチル [7−(6−クロロキノリン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]カルバメート
2mLのDMSO中の、前述のステップで得た、塩基形態で使用するエチル (7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル)−カルバメート0.166g(0.78mmol)、2−クロロ−6−クロロキノリン0.155g(0.78mmol)および炭酸カリウム0.113g(0.82mmol)を、密閉試験管中に静置する。次いで、混合物を130℃で12時間加熱する。反応混合物を、室温に放冷し、次いで、ジクロロメタンおよび水に溶解する。水相を分離し、ジクロロメタンで2回抽出し、合わせた有機相を、飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾液を減圧下で濃縮する。溶媒を蒸発除去した後、得られた残渣を、ジクロロメタン、メタノールおよび28%アンモニア水の98/2/0.2混合物を用いて溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。このようにして、0.151gの純粋な生成物が粉末として得られる。
【0205】
LC−MS:M+H=374
m.p.(℃):137−139
H NMR(CDCl)δ(ppm):7.80(d,1H);7.70(m,1H);7.60(m,1H);7.50(m,1H);7.10(d,1H);4.80(broad s,1H);4.20(m,3H);3.70(m,4H);2.50(m,2H);1.90−1.60(m,6H);1.30(t,3H)。
【0206】
14.6 7−(6−クロロキノリン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イルアミン
0.726g(12.95mmol)の水酸化カリウムを、室温で、3.25mLのエタノール/水(1/1)中の、ステップ12.5.で得たエチル [7−(6−クロロキノリン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]−カルバメート0.242g(0.65mmol)の溶液に加える。次いで、混合物を110℃で12時間加熱する。0.363g(6.47mmol)の水酸化カリウムを加え、混合物を3時間、攪拌したままにする。得られた混合物を、室温に放冷し、次いで、減圧下で濃縮する。残渣をジクロロメタンおよび1N塩酸溶液に溶解する。酸性水相を、ジクロロメタンで洗浄し、次いで、1N水酸化ナトリウム水溶液を用いて塩基性化し、これを、ジクロロメタンで数回抽出する。次いで、合わせた有機相を、硫酸ナトリウムで脱水し、濾液を減圧下で濃縮する。このようにして、0.188gの予想される生成物が油状物質として得られる。
【0207】
LC−MS:M+H=302
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.00(d,1H);7.80(d,1H);7.50(m,2H);7.30(d,1H);3.60(m,4H);3.30(m,2H);2.10(m,2H);1.50−1.30(m,6H)。
【0208】
14.7 3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル [7−(6−クロロキノリン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]カルバメート
実施例1、ステップ1.1に記載した手順に従って方法を行う。6mLの1−2ジクロロエタン中の、前述のステップ(ステップ12.6.)に記載した7−(6−クロロキノリン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イルアミン0.181g(0.60mmol)、ステップ4.1.で得た3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル 4−ニトロフェニルカルボナート0.231g(0.72mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン0.194g(1.50mmol)およびN,N−ジメチルアミノピリジン0.037g(0.30mmol)から出発して、エーテルから結晶化させた後、生成物を、焼結漏斗で濾別し、エーテルで洗い流し、真空下、約70℃で乾燥させる。このようにして、0.220gの純粋な生成物が白色の粉末として得られる。
【0209】
LC−MS:M+H=484
m.p.(℃):194−196
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.70(broad s,1H);8.00(d,1H);7.80(m,2H);7.50(m,2H);7.30(d,1H);6.80(s,1H);5.20(s,2H);4.10(m,1H);3.75−3.55(m,4H);2.80(s,3H);2.20(m,2H);1.70(m,2H);1.70−1.50(m,4H)。
【実施例15】
【0210】
(化合物31)
3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル [7−(5−イソブチルピリジン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]カルバメート
【0211】
【化22】

15.1 エチル [7−(5−ブロモピリジン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]カルバメート
2mLのジメチルスルホキシド中の、ステップ14.4.(実施例14)で得たエチル (7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル)−カルバメートヒドロクロリド0.60g(2.41mmol)、2,5−ジブロモピリジン0.57g(2.41mmol)および炭酸カリウム0.70g(5.07mmol)を、密閉試験管中に静置する。次いで、混合物を130℃で15時間加熱する。反応媒体を室温に放冷し、次いで、飽和塩化ナトリウム溶液に溶解し、ジクロロメタンで抽出し、合わせた有機相を硫酸ナトリウムで脱水する。溶媒を蒸発除去した後、得られた残渣を、ジクロロメタン、メタノールおよび28%アンモニア水の100/0/0から99/1/0.1混合物を用いて溶出する分取プレートでのクロマトグラフィーによって精製する。
【0212】
このようにして、0.75gの純粋な生成物が粉末として得られる。
【0213】
m.p.(℃):113−115℃
【0214】
15.2 エチル {7−[5−(2−メチル−プロペニル)ピリジン−2−イル]−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル}カルバメート
実施例2(ステップ2.7.)に記載した方法によって方法を行う。テトラヒドロフランおよび水の9/1混合物9mL中に懸濁した、前述のステップで調製したエチル [7−(5−ブロモピリジン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]−カルバメート0.50g(1.36mmol)、ピナコール 2−メチル−1−プロペニルボロナート(市販品)0.33mL(1.63mmol)および炭酸セシウム1.33g(4.07mmol)ならびにPdCldppf.CHCl0.11g(0.14mmol)から出発して、ジクロロメタン、メタノールおよび28%アンモニア水の100/0/0から99/1/0.1混合物を用いて溶出するシリカゲルのカラムで精製した後、0.39gの予想される生成物が蝋状物質として得られる。
【0215】
15.3 エチル [7−(5−イソブチルピリジン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]カルバメート
0.05g(0.45mmol)のパラジウム炭を、15mLのメタノール中の、前述のステップで得たエチル {7−[5−(2−メチル−プロペニル)ピリジン−2−イル]−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル}カルバメート0.37g(1.08mmol)の溶液に加える。反応媒体を、Parrフラスコにおいて、水素雰囲気下(10psi)、室温で2時間静置する。得られた混合物を、ブフナー漏斗を通して濾過し、次いで、濾液を減圧下で濃縮する。このようにして、0.37gの予想される生成物が黄色の蝋状物質として得られる。
【0216】
15.4 7−(5−イソブチルピリジン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イルアミン
1.21g(21.65mmol)の水酸化カリウムを、室温で、5mLのエタノール/水(1/1)中の、エチル [7−(5−イソブチルピリジン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]−カルバメート0.37g(1.08mmol)の溶液に加える。次いで、混合物を110℃で15時間加熱する。得られた混合物を、室温に放冷し、次いで、減圧下で濃縮する。反応媒体を飽和塩化ナトリウム溶液およびジクロロメタンに溶解し、水相を分離し、ジクロロメタンで抽出し、合わせた有機相を硫酸ナトリウムで脱水する。減圧下で蒸発させジクロロメタン、メタノールおよび28%アンモニア水の100/0/0から96/4/0.4混合物を用いて溶出するシリカゲルのカラムで精製した後、0.27gの予想される生成物が蝋状物質として得られる。
【0217】
LC−MS:M+H=274
H NMR(CDCl)δ(ppm):8.00(s,1H);7.30(d,1H);6.60(d,1H);3.50(m,3H);3.40(m,2H);2.30(m,4H);1.80(m,1H);1.70(m,4H);1.50(m,4H);0.90(d,6H)。
【0218】
15.5 3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル 4−ニトロフェニルカルボナート
2.84g(14.07mmol)のクロロギ酸4−ニトロフェニルを、約0℃に冷却した、15mLのジクロロメタン中の、3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメタノール 2.00g(14.07mmol)、ピリジン1.71mL(21.11mmol)およびN,N−ジメチルアミノピリジン0.17g(1.41mmol)の溶液に少量ずつ加える。媒体を0℃で1時間、次いで室温で1時間攪拌する。生成した沈殿物を濾別し、次いで、ジイソプロピルエーテルでよく洗い流す。真空下、約60℃で乾燥させた後、3.12gの予想される生成物が白色の固体として得られ、これを、さらなる精製を行わずに、次のステップに使用する。
【0219】
m.p.(℃):143−145
H NMR(DMSO,400MHz)δ(ppm):8.40(d,2H);8.25(broad s,1H);7.90(broad s,1H);7.65(d,2H);7.0(s,1H);5.50(s,2H)。
【0220】
15.6 3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル [7−(5−イソブチルピリジン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]カルバメート
実施例1、ステップ1.1に記載した手順に従って方法を行う。9mLの1,2−ジクロロエタン中の、ステップ15.4で得た7−(5−イソブチルピリジン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イルアミン0.26g(0.95mmol)、ステップ15.5で得た3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル 4−ニトロフェニルカルボナート0.35g(1.15mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン0.42mL(2.39mmol)およびN,N−ジメチルアミノピリジン0.06g(0.48mmol)から出発して、0.35gの純粋な生成物が白色の粉末として得られる。
【0221】
m.p.(℃):178−180℃
LC−MS:M+H=442
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.15(m,1H);7.90(m,1H);7.85(m,1H);7.75(m,1H);7.30(m,1H);6.75(m,2H);5.20(s,2H);4.00(m,1H);3.40(m,2H);3.35(m,2H);2.30(m,2H);2.20(m,2H);1.75(m,3H);1.55(m,4H);0.85(s,6H)。
【実施例16】
【0222】
(化合物40)
3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル [6−(4−トリフルオロメチル−ピリミジン−2−イル)−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル]カルバメート
16.1 tert−ブチル 1−ベンジルオキシカルボニルアミノ−6−アザスピロ[2.5]−オクタン−6−カルボキシラート
6−tert−ブチル 6−アザスピロ[2.5]オクタン−1,6−ジカルボキシラート(市販品)5.00g(19.58mmol)を11mLのトルエンに溶解し、次いで、2.99mL(21.54mmol)のトリエチルアミンおよび4.66mL(21.54mmol)のジフェニルホスホン酸アジドを、0℃、アルゴン下で加える。混合物を、室温に加温させ、1時間30分、110℃で攪拌する。次いで、ベンジルアルコール (2.23mL;21.54mmol)を加え、混合物を110℃で15時間攪拌する。
【0223】
室温に冷却した後、飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加え、次いで、混合物をジエチルエーテルで抽出し、合わせた有機相を、飽和炭酸水素ナトリウム溶液、次いで飽和塩化ナトリウム溶液で逐次洗浄する。有機相を硫酸ナトリウムで脱水する。減圧下で蒸発させジクロロメタン、メタノールおよび28%アンモニア水の100/0/0から98/2/0.2混合物を用いて溶出するシリカゲルのカラムで精製した後、5.50gの予想される生成物が油状物質として得られる。
【0224】
LC−MS:M+H=361
H NMR(DMSO)δ(ppm):7.40(m,5H);5.10(s,2H);3.45−3.20(m,4H);2.40(m,1H);1.40(s,9H);1.30(m,3H);1.20(m,1H);1.75(m,1H);1.45(m,1H)。
【0225】
16.2 ベンジル (6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)カルバメート
実施例2(ステップ2.5.)に記載した手順に従って方法を行う。前述のステップで得たtert−ブチル 1−ベンジルオキシカルボニルアミノ−6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−カルボキシラート5.50g(15.28mmol)およびジオキサン中4N塩酸溶液15.28mL(61.10mmol)から出発して、塩基抽出後に、3.56gの生成物が淡黄色の粉末として得られる。
【0226】
LC−MS:M+H=261
m.p.(℃):223−225
H NMR(DMSO)δ(ppm):7.40(m,6H);5.10(s,2H);3.00(m,3H);2.40(m,2H);1.60(m,1H);1.40(m,3H);1.70−1.40(m,2H)。
【0227】
16.3 ベンジル [6−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル]カルバメート
17mLのアセトニトリルおよび3mLのジメチルホルムアミド中の、前述のステップで得たベンジル (6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)カルバメート0.60g(2.30mmol)、2−クロロ−4−トリフルオロメチルピリミジン0.36mL(3.00mmol)およびジイソプロピルエチルマイン(diisopropylethylmaine)0.80mL(4.61mmol)を、丸底フラスコ中に静置する。次いで、混合物を95℃で15時間加熱する。反応混合物を、室温に放冷し、次いで、ジクロロメタンおよび水に溶解する。水相を分離し、ジクロロメタンで2回抽出し、合わせた有機相を、飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾液を減圧下で濃縮する。溶媒を蒸発除去した後、得られた残渣を、ジクロロメタン、メタノールおよび28%アンモニア水の100/0/0から99/1/0.1混合物を用いて溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。このようにして、0.88gの生成物が油状物質として得られる。
【0228】
LC−MS:M+H=407
H NMR(CDCl)δ(ppm):8.70(d,1H);7.50(m,1H);7.40(m,4H);7.20(m,1H);7.00(d,1H);5.10(s,2H);3.95(m,2H);3.70(m,2H);2.50(m,1H);1.50(m,2H);1.30(m,2H);1.75(m,1H);1.50(m,1H)
【0229】
16.4 6−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イルアミン
実施例2(ステップ2.5.)に記載した手順に従って方法を行う。前述のステップで得たベンジル [6−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル]カルバメート0.86g(2.13mmol)および酢酸中35%臭化水素酸溶液3.74mL(21.33mmol)から出発して、塩基抽出およびジエチルエーテルでの取込み後、0.32gの生成物が白色の粉末として得られる。
【0230】
m.p.(℃):243−245℃
LC−MS:M+H=273
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.70(d,1H);8.15(broad s,2H);7.00(d,1H);4.10(m,1H);4.00(m,1H);3.70(m,2H);2.50(m,1H);1.70(m,2H);1.50(m,1H);1.35(m,1H);1.90(m,1H);1.80(m,1H)。
【0231】
16.5 3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル [6−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル]カルバメート
実施例1、ステップ1.1に記載した手順に従って方法を行う。5mLの1,2−ジクロロエタン中の、ステップ16.4で得た6−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イルアミン0.15g(0.55mmol)、ステップ15.5で得た3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル 4−ニトロフェニルカルボナート0.20g(0.66mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン0.24mL(1.38mmol)およびN,N−ジメチルアミノピリジン0.03g(0.28mmol)から出発して、ジクロロメタン、メタノールおよび28%アンモニア水の100/0/0から98/2/0.2混合物を用いて溶出するシリカゲルでのクロマトグラフィーによる精製後、0.15gの純粋な生成物が白色の粉末として得られる。
【0232】
m.p.(℃):183−185℃
LC−MS:M+H=441
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.70(d,1H);8.15(broad s,1H);7.85(broad s,1H);7.70(broad s,1H);7.00(d,1H);6.80(s,1H);5.20(s,2H);3.90(m,2H);3.75(m,2H);2.50(m,1H);1.40(m,3H);1.30(m,1H);1.70(m,1H);1.50(m,1H)
【0233】
以下の表1は、本発明の幾つかの化合物の化学構造および物理的特性を例示する。この表では:
−すべての化合物は、遊離塩基の形態である;
−化合物10および11は、異性体の混合物である。化合物12は、異性体Iの形態にあるが、化合物13は、異性体IIの形態にある。化合物17は、異性体Iの形態にあるが、化合物18は異性体IIの形態にある。化合物16、21および22は、異性体の形態にある。これらの異性体は、鎖−(CHN−に対して鎖−A−NH−の位置異性体に対応する。
【0234】
−「m.p.(℃)」の列は、摂氏温度(℃)での生成物の融点を与える。
【0235】
−化合物26は、塩の形態にある。
【0236】
【表1】





以下の表2は、表1の化合物のH NMR分析の結果を与える。
【0237】
【表2】





以下の表3は、表1の化合物のLC−MS分析の結果を与える。
【0238】
LC−MS法(M+H):
UPLC/TOF−勾配3分−HO/ACN/TFA T0:98%A−T1.6からT2.1分:100% B−T2.5からT3分:98% A経路A:HO+0.05% TFA;経路B:ACN+0.035% TFA流速:1.0mL/分−T°=40℃−注入2μL−Acquity BEH C18;(50*2.1mm;1.7μm)カラム」;220nm
【0239】
【表3】


【0240】
本発明の化合物は、酵素FAAH(脂肪酸アミド加水分解酵素)に対するこの阻害効果を調べるために薬理試験を受けた。
【0241】
阻害活性は、FAAHを用いるアナンドアミド[エタノールアミン1−H]の加水分解の生成物を測定することに基づく放射酵素試験で実証された(Life Sciences(1995年),56,1999から2005頁およびJournal of Biochemical and Biophysical Methods(2004年),60(2),171から177頁)。従って、マウス脳(小脳を除く。)を採取し、−80℃で保存した。膜ホモジネートは、反応バッファー(10mM Tris−HCl、pH=8、150mM NaClおよび1mMエチレンジアミン四酢酸(EDTA))中でPrecellys(登録商標)機器を使用して組織をホモジネートすることによって即時調製する。酵素反応は、最終容積70μL中、96ウェルMultiscreen濾過プレートで実施する。酵素反応ならびに化合物およびアナンドアミド[エタノールアミン1−H]の希釈には、脂肪酸を含まないウシ血清アルブミン(BSA、1mg/ml)を補給した反応バッファーを使用する。BSA(43μL/ウェル)を含有する反応バッファー、種々の濃度の希釈された試験化合物(1% DMSOを含有する7μL/ウェル)および膜調製物(10μL/ウェル、即ち、試験あたり200μgの組織)を、ウェルに連続的に加える。25℃で化合物を、酵素とともに20分間プレインキュベーションした後、コールドアナンドアミドで希釈したアナンドアミド[エタノールアミン1−H](15から20Ci/mmolの比活性)(10μL/ウェル、最終濃度10μM、試験あたり0.01μCi)を添加することによって、反応を開始する。25℃で20分間インキュベートした後、1.5M NaClバッファーおよび0.5M HC1(50μL/ウェル)で調製した活性炭の5M溶液を添加することによって酵素反応を停止する。混合物を10分間攪拌し、次いで、エタノールアミン[1−H]を含有する水相を、真空下で濾過によって回収し、液体シンチレーションによってカウントする。
【0242】
これらの条件下で、本発明の最も活性な化合物は、0.001から1μMの間のIC50値(FAAHの対照酵素活性の50%を阻害する濃度)を有する;例えば、化合物4、6、8、10、12、19、25、31および40は、それぞれ0.0082、0.00025、0.00072、0.0023、0.00085、0.0018、0.0017、0.0043および0.0005μMのIC50値を有する。
【0243】
従って、本発明による化合物は、酵素FAAHに対して阻害活性を有すると思われる。
【0244】
本発明の化合物のin vivo活性は、鎮痛の試験において評価した。
【0245】
従って、25から30gの体重の雄のOF1マウスへの、PBQ(フェニルベンゾキノン、5%エタノールを含有する0.9%塩化ナトリウム溶液中2mg/kg)の腹膜内(i.p.)投与は、平均30ねじれでの腹部伸張または注射後5から15分の期間内の収縮を引き起こす。試験化合物は、PBQの投与の60分または120分前に、Tween80で0.5%で懸濁して、経口(p.o.)または腹膜内に(i.p.)投与する。これらの条件下で、最も強力である本発明の化合物は、1から30mg/kg間の用量範囲にわたって、PBQを用いて誘導される伸張の数を35%から80%低減する。
【0246】
例えば、表1の化合物5は、30mg/kg p.o.の用量で、120分で、PBQを用いて誘導される伸張の数を50%低減する。
【0247】
酵素FAAH(Chemistry and Physics of Lipids,(2000年),108,107から121頁)は、N−アラキドノイルエタノールアミン(アナンドアミド)、N−パルミトイル−エタノールアミン、N−オレオイルエタノールアミン、オレアミドまたは2−アラキドノイルグリセロールなどの種々の脂肪酸のアミドおよびエステルの内因性誘導体の加水分解を触媒する。これらの誘導体は、とりわけ、カンナビノイドおよびバニロイド受容体と相互作用することによって種々の薬理活性を発揮する。
【0248】
本発明の化合物は、この分解経路を遮断し、これらの内因性物質の組織含量を高める。この点について、これらは、内因性カンナビノイドおよび/または酵素FAAHによって代謝される任意のその他の物質が関与している病態の予防および治療において使用してもよい。例えば、以下の疾患および愁訴:疼痛、特に、神経原性型の急性または慢性疼痛:片頭痛、ヘルペスウイルスと関連している形態をはじめとする神経因性疼痛および糖尿病および化学療法、炎症性疾患と関連している急性または慢性疼痛:関節炎、関節リウマチ、変形性関節症、脊椎炎、痛風、血管炎、クローン病、過敏性腸炎、急性または慢性末梢性疼痛、回転性めまい、嘔吐、悪心、特に、化学療法後悪心、摂食障害、特に、拒食症および多様な性質の悪液質、神経学的病変および精神医学的病変:振戦、ジスキネジア(dyskinaesia)、ジストニア、痙縮、強迫行動(compulsive and obsessive behaviour)、トゥレット症候群、すべての形態のうつ病および任意の性質または起源の不安症、気分障害、精神病、急性および慢性神経変性疾患:パーキンソン病、アルツハイマー病、老年認知症、ハンチントン舞踏病、脳虚血ならびに頭蓋および髄質外傷と関連している病変、てんかん、睡眠時無呼吸をはじめとする睡眠障害、心血管疾患、特に、高血圧、不整脈、動脈硬化症、心臓発作、心虚血、腎虚血、癌:良性皮膚腫瘍、乳頭腫および脳腫瘍、前立腺腫瘍、脳腫瘍(神経膠芽腫(gliobastomas)、髄上皮腫、髄芽腫、神経芽細胞腫、胚起源の腫瘍、星状細胞腫、星状芽細胞腫、上衣腫(ependyomas)、乏突起神経膠腫、神経叢腫瘍、神経上皮腫、松果体腫瘍、上衣芽腫、悪性髄膜腫、肉腫翔(sarcomatoses)、悪性黒色腫、シュワン腫(schwennomas))、免疫系障害、特に、自己免疫疾患:乾癬、エリテマトーデス、結合組織疾患、シェーグレン症候群、強直性脊椎炎、未分化脊椎炎、ベーチェット病、溶血性自己免疫貧血、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、穀粉症、移植片拒絶、形質細胞系に影響を及ぼす疾患、アレルギー性疾患:即時性または遅延性過敏症、アレルギー性リウマチまたはアレルギー性結膜炎、接触皮膚炎、寄生生物、ウイルスまたは細菌感染性疾患:AIDS、髄膜炎、炎症性疾患、特に、関節疾患:関節炎、関節リウマチ、変形性関節症、脊椎炎、痛風、血管炎、クローン病、過敏性腸症候群、骨粗鬆症、眼の愁訴:高眼圧症、緑内障、肺の愁訴:呼吸経路疾患、気管支痙攣、咳、喘息、慢性気管支炎、呼吸経路の慢性閉塞、肺気腫、胃腸疾患:過敏性腸症候群、腸の炎症性障害、潰瘍、下痢、尿失禁および膀胱の炎症を言及できる。
【0249】
上記の病態を治療するための医薬品の調製のための塩基の形態の本発明による化合物または医薬的に許容される酸付加塩、水和物または溶媒和物の使用は、本発明の不可欠な部分を形成する。
【0250】
本発明の主題はまた、式(I)の化合物または酸付加塩または式(I)の化合物の医薬的に許容される水和物または溶媒和物を含む医薬品である。これらの医薬品は、特に、上記の病態の治療において、この治療的用途がある。
【0251】
この態様の別のものによれば、本発明は、有効成分(active principal)として、少なくとも1種の本発明による化合物を含有する医薬組成物に関する。これらの医薬化合物は、本発明による化合物または前記化合物の医薬的に許容される酸付加塩、水和物または溶媒和物の有効な用量と、必要に応じて1種以上の医薬的に許容される賦形剤とを含有する。
【0252】
前記賦形剤は、当業者に公知である通常の賦形剤から、医薬形態および所望の投与形態に従って選択される。
【0253】
経口、舌下、皮下、筋肉内の、静脈内、局所(topical)、局所(local)、くも膜下腔内、鼻腔内、経皮、肺、眼または直腸投与のための本発明の医薬組成物では、上記の式(I)の有効成分またはこの可能性のある酸付加塩、溶媒和物または水和物は、上記の障害または疾患の予防または治療のためにヒトおよび動物に、標準的な医薬賦形剤との混合物として単位投与形で投与され得る。
【0254】
適当な単位投与形は、錠剤、ソフトまたはハードゲルカプセル、散剤、顆粒剤、チューインガムおよび経口溶液または懸濁液、舌下、頬側などの経口形態、器官内、眼内および吸入による投与のための鼻腔内投与形態、皮下、筋肉内または静脈内投与形態および直腸または経膣投与形態を含む。局所投与には、本発明による化合物は、クリーム、軟膏またはローションで使用してもよい。
【0255】
例として、錠剤の形態の本発明による化合物の単位投与形態は、以下の成分を含み得る:
本発明による化合物 50.0mg
マンニトール 223.75mg
クロスカルメロースナトリウム 6.0mg
コーンスターチ 15.0mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 2.25mg
ステアリン酸マグネシウム 3.0mg
前記単位形態は、提示形態に応じて、体重1kgあたり0.01から20mgの有効成分の連日投与を可能にするよう投薬される。
【0256】
より高用量または低用量が適している特定の場合があり得、このような用量も、本発明の一部を形成する。通常のプラクティスに従って、各患者に適している用量は、投与様式ならびに前記患者の体重および反応に従って医師によって決定される。
【0257】
この態様の別のものによれば、本発明はまた、本発明による化合物、前記化合物のこの医薬的に許容される酸付加塩または溶媒和物または水和物の有効な用量を投与することを含む、上記の病態を治療する方法に関する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩基もしくは酸付加塩の形態の、式(I)
【化1】

[式中、
は、水素またはフッ素原子またはヒドロキシル、シアノ、トリフルオロメチル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシまたはNR基を表し;
m、n、oおよびpは、互いに独立して、0、1、2または3に等しい整数を表し;
Aは、共有結合または基C1−8−アルキレン−を表し;
は、1個以上の基Rおよび/またはRで任意に置換されている基Rを表し;
は、フェニル、ピリジル、ピラダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、ナフチル、キノリニル、イソキノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニルおよびナフチリジニルから選択される基を表し;
は、ハロゲン原子またはシアノ、−CHCN、ニトロ、ヒドロキシル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、C1−6−チオアルキル、C1−6−ハロアルキル、C1−6−ハロアルコキシ、C1−6−ハロチオアルキル、C3−7−シクロアルキル、C3−7−シクロアルキル−C1−3−アルキレン、C3−7−シクロアルキル−、C1−3−アルキレン−O−、NR、NRCOR、NRCO、NRSO、NRSONR、COR、CO、CONR、SO、SONRまたは−O−(C1−3−アルキレン)−O−基を表し;
は、フリル、ピロリル、チエニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、フェニル、ピリジル,ピラダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、ナフチル,キノリニル、イソキノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、ナフチリジニル、イミダゾピリミジニル、チエノピリミジニル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ピロロピリジル、フロピリジル、チエノピリジル、イミダゾピリジル、ピラゾロピリジル、オキサゾロピリジル、イソオキサゾロピリジル、チアゾロピリジル、フェニルオキシ、ベンジルオキシおよびピリミジンオキシから選択される基;または、互いに同一であっても異なっていてもよい1個以上の基Rで置換されている可能性がある基Rを表し;
は、水素またはフッ素原子、基C1−6−アルキルまたはトリフルオロメチル基を表し;
は、フリル、ピロリル、チエニル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリルおよびテトラゾリルから選択される基を表し;
この基は、ハロゲン原子、基C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、C3−7−シクロアルキル、C3−7−シクロアルキル−C1−3−アルキレン、C1−6−ハロアルコキシ、シアノ、NR、NRCOR、NRCO、NRSO、NRSONR、COR、CO、CONR、CON(R)(C1−3−アルキレン−NR1011)、SO、SONR、−O−(C1−3−アルキレン)−O−、フェニル、フェニルオキシ、ベンジルオキシ、ピリジル、ピラジニル、ピラダジニル、トリアジニルまたはピリミジニルから選択される1個以上の置換基で任意に置換され;フェニル、フェニルオキシ、ピリジル、ピラジニル、ピラダジニル、トリアジニルおよびピリミジニル基は、ハロゲン原子およびシアノ、ニトロ、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、C1−6−チオアルキル、C1−6−ハロアルキル、C1−6−ハロアルコキシ、C1−6−ハロチオアルキル、C3−7−シクロアルキルまたはC3−7−シクロアルキル−C1−3−アルキレン基から選択される1個以上の置換基で置換されている可能性があり;
およびRは、互いに独立して、水素原子または基C1−6−アルキルを表すか、またはこれらを担持する原子ととともに、
NRの場合には、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、アゼピン、オキサゼピンおよびピペラジン環から選択される環を形成し、この環は、基C1−6−アルキルまたはベンジルで任意に置換され;
NRCORの場合には、ラクタム環;NRCOの場合には、オキサゾリジノン、オキサジノンまたはオキサゼピノン環;NRSOの場合には、スルタム環;NRSONRの場合には、二酸化チアゾリジンまたは二酸化チアジアジナン環を形成し;
10およびR11は、互いに独立して、水素原子または基C1−6−アルキルを表す。]
に対応する化合物。
【請求項2】
が、水素原子を表すことを特徴とする、塩基または酸付加塩の形態の、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項3】

【化2】


【化3】

を表し、
が、請求項1に記載の一般式(I)に定義されるとおりであることを特徴とする、塩基または酸付加塩の形態の、請求項1または2に記載の式(I)の化合物。
【請求項4】
Aが、共有結合または基C1−8−アルキレンを表すことを特徴とする、塩基または酸付加塩の形態の、請求項1から3のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
【請求項5】
が、1個以上の基Rおよび/またはRで任意に置換されている基Rを表し、
が、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジニルまたはキノリニル基を表し;
が、ハロゲン原子、基C1−6−ハロアルキルまたは基C1−6−アルキルを表し;
が、互いに同一であるか、異なっている1個以上の基Rで置換されていてもよいフェニルを表すことを特徴とする、塩基または酸付加塩の形態の、請求項1から4のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
【請求項6】
が、水素原子を表すことを特徴とする、塩基または酸付加塩の形態の、請求項1から5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
【請求項7】
が、チアゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリルおよびイソオキサゾリルから選択される基を表し;
この基が、基C1−6−アルキル、CONR、CON(R)(C1−3−アルキレン−NR1011)またはフェニルから選択される1個以上の置換基で任意に置換され;フェニル基が、ハロゲン原子から選択される1個以上の置換基で任意に置換され;
8、R9、R10およびR11が、互いに独立して、水素原子または基C1-6−アルキルを表すことを特徴とする、塩基または酸付加塩の形態の、請求項1から6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
【請求項8】
チアゾール−4−イルメチル [7−(6−フルオロキノリン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]カルバメート
3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル [7−(6−フルオロキノリン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]カルバメート
3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル [7−(5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]カルバメート
3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル [7−(5−ブロモピリジン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]カルバメート
3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル {7−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル}カルバメート
3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル [7−(6−フルオロキノリン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]メチルカルバメート
3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル [7−(6−フルオロキノリン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]メチルカルバメート
3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル {7−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル}カルバメート
3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル [7−(6−フルオロキノリン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]カルバメート
3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル {6−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イル}カルバメート
3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル {6−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イル}カルバメート
3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル {6−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イルメチル}カルバメート
3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル {6−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イルメチル}カルバメート
4−カルバモイルオキサゾール−2−イルメチル [7−(6−フルオロキノリン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]カルバメート
3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル [2−(6−フルオロキノリン−2−イル)−2−アザスピロ[3.3]ヘプタ−6−イル]カルバメート
3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル [6−(6−フルオロキノリン−2−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イルメチル]カルバメート
3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル {6−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イル}カルバメート
3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル {6−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イル}カルバメート
3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル [7−(6−クロロキノリン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]カルバメート
3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル {2−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−2−アザスピロ[3.3]ヘプタ−6−イル}カルバメート
3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル [6−(5−ブロモピリジン−2−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イル]カルバメート
3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル [6−(4−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−6−アザスピロ[3.4]オクタ−2−イル]カルバメート
3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル {2−[5−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−2−アザスピロ[3.3]ヘプタ−6−イル}カルバメート
3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル [7−(4−トリフルオロメチル−ピリミジン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]カルバメート
3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル {7−[6−(4−フルオロフェニル)ピラジン−2−イル]−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル}カルバメート
3−(2−ジメチルアミノエチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル [7−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]−カルバメートおよびこの塩酸塩;
3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル {7−[4−(4−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル}カルバメート
3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル [7−(4−クロロピリジン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]カルバメート
3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル [7−(4−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]カルバメート
3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル {7−[5−(3−フルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル}カルバメート
3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル [7−(5−イソブチルピリジン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]カルバメート
3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル [7−(6−クロロキノリン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]カルバメート
3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル [7−(6−クロロキノリン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イルメチル]カルバメート
3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル [7−(4−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]カルバメート
3−(4−フルオロフェニル)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イルメチル [7−(4−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]−カルバメート
4−カルバモイルオキサゾール−2−イルメチル [7−(4−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]カルバメート
5−メチル−3−フェニルイソオキサゾール−4−イルメチル [7−(4−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]カルバメート
3−エチル [1,2,4]オキサジアゾール−5−イルメチル [7−(4−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]カルバメート
5−メチル [1,2,4]オキサジアゾール−3−イルメチル [7−(4−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナ−2−イル]−カルバメート
3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル [6−(4−トリフルオロメチル−ピリミジン−2−イル)−6−アザスピロ[2.5]オクタ−l−イル]カルバメート
3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル [6−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)−6−アザスピロ[2.5]オクタ−l−イル]カルバメート
から選択されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の式(I)の化合物を調製する方法であって、
一般式(II)
【化4】

[式中、A、R、R、m、n、oおよびpが、請求項1に記載の一般式(I)に定義されるとおりである。]
のアミンを、
一般式(III)
【化5】

[式中、Zは、水素原子またはニトロ基を表し、RおよびRが、請求項1に記載の一般式(I)に定義のとおりである。]
の炭酸塩と、室温と溶媒の還流温度の間の温度で、溶媒中、塩基の存在下で反応させること;
またはフェニルもしくは4−ニトロフェニルクロロホルマートと、0℃と室温の間の温度で、溶媒中、塩基の存在下で反応させて、
一般式(IV)
【化6】

[式中、A、R、R、m、n、oおよびpは、請求項1に記載の一般式(I)に定義されるとおりであり、ならびにzは、水素原子またはニトロ基を表す。]
のカルバメート誘導体を得ること、
次いで、室温から溶媒の還流温度の間の温度で、溶媒中、塩基の存在下、RおよびRが、請求項1に記載の一般式(I)に定義されるとおりである一般式HOCHR(IIIa)のアルコールの作用によって、このように得られた一般式(IV)のカルバメート誘導体を、一般式(I)の化合物に変換すること
からなるステップを含む、方法。
【請求項10】
請求項1から8のいずれか一項に記載の式(I)の化合物を調製する方法であって、
芳香族または複素芳香族求核置換条件を使用して、またはブッフバルトN−アリール化もしくはN−ヘテロアリール化条件を使用して、
一般式(Ia)
【化7】

[式中、A、R、R、R、m、n、oおよびpが、請求項1に記載の一般式(I)に定義されるとおりである。]
の化合物を、
が、請求項1に記載の一般式(I)に定義されるとおりであり、ならびにUが、ハロゲン原子またはO−トリフラート基を表す、一般式R−U(V)の誘導体と反応させること、
からなるステップを含む、方法。
【請求項11】
が、C1−6−アルキル、C3−7−シクロアルキルまたはC3−7−シクロアルキル−C1−3−アルキレン型の基Rで、または請求項1に記載の一般式(I)において定義されるRで特に置換された基Rを表す、請求項1から8のいずれか一項に記載の式(I)の化合物を調製する方法であって、
一般式(Ib)
【化8】

[式中、R、R、R、R、m、n、oおよびpは、請求項1に記載の一般式(I)において定義されるとおりであり、ならびにUは、塩素、臭素もしくはヨウ素原子またはトリフラート基を表し、Uは、基RまたはRを導入することが望ましい位置にある。]
の化合物について、
−例えば、アルキル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールボロン酸を使用するSuzuki型の反応によって、
−またはStille型の反応に従って、
−または、Negishi型の反応によってのいずれかで、
遷移金属によって触媒されるカップリング反応を実施することからなるステップを含む、方法。
【請求項12】
医薬としてのこの使用のための、塩基または医薬的に許容される酸付加塩の形態の、請求項1から8のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
【請求項13】
塩基または医薬的に許容される酸付加塩の形態の、請求項1から8のいずれか一項に記載の少なくとも1種の式(I)の化合物および、必要に応じて1種以上の医薬的に許容される賦形剤を含有する医薬組成物。
【請求項14】
内因性カンナビノイドおよび/または酵素FAAHによって代謝される任意のその他の物質が関与している病態を予防または治療するための医薬の調製のための、塩基または医薬的に許容される酸付加塩の形態の、請求項1から8のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項15】
急性または慢性疼痛、回転性めまい、嘔吐、悪心、摂食障害、神経学的病変および精神医学的病変、急性または慢性神経変性性疾患、てんかん、睡眠障害、心血管疾患、腎虚血、癌、免疫系障害、アレルギー性疾患、寄生生物、ウイルスまたは細菌感染性疾患、炎症性疾患、骨粗鬆症、眼の愁訴、肺の愁訴、胃腸疾患または尿失禁を予防または治療するための医薬を調製するための、塩基または医薬的に許容される酸付加塩の形態の、請求項1から8のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の使用。

【公表番号】特表2012−516881(P2012−516881A)
【公表日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−548754(P2011−548754)
【出願日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際出願番号】PCT/FR2010/050183
【国際公開番号】WO2010/089510
【国際公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(504456798)サノフイ (433)
【Fターム(参考)】