DRR発生及び画像登録のための画像セグメント化
セグメント化脊椎データから導かれたデジタル再構成X線写真により2D−3D登録を向上させるシステム、方法及び装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施態様は、画像誘導放射線治療システム、及び特には画像誘導放射線治療システムにおけるデジタル再構成X線写真の有用性を改善するためのセグメント化の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
画像誘導放射線外科及び放射線治療システム(集合的に、画像誘導放射線治療システム)は、周囲組織及び重大な解剖学的構造(例えば脊髄)への放射線被曝を最小限に抑えながら、病理構造(例えば、腫瘍、病変、血管奇形、神経障害等)に処方量の放射線(例えばX線又はガンマ線)を送達(デリバー)することによって病理構造を治療するために外部放射線ビームを使用する放射線治療システムである。放射線外科及び放射線治療の両方は、健常組織及び重大な構造に危害を加えずにおきながら、病理構造を壊死させる、又は損傷を与えるように設計されている。放射線治療は、治療1回当たりの低い放射線量(治療1回当たり1〜2グレイ)及び多くの治療(例えば30〜45回の治療)を特徴とする。放射線外科は、1〜5回の治療における比較的高い放射線量(概して治療当たり5グレイ以上)を特徴とする(1グレイは、1キログラム当たり1ジュールに等しい)。
【0003】
放射線治療及び放射線外科の両方において、放射線量は、複数の角度から病理構造の部位に送達される。各放射線ビームの角度が異なるので、各ビームは、標的領域へ又は標的領域からの途中で、健常組織の異なる領域を通過しながら、病理構造が占める標的領域を横断できる。結果として、標的領域内の累積放射線量は、高く、かつ健常組織及び重大な組織への平均放射線量は、低い。
【0004】
(剛性の、侵襲性フレームが、画像診断、治療計画及びその後の治療送達を通して患者を固定化するために患者に固定される)フレーム式放射線治療及び放射線外科システムと対照的に、画像誘導放射線外科及び放射線治療システムは、治療中に患者の姿勢(位置及び方向)を追跡することによって侵襲性フレーム固定を不要にする。その上、フレーム式システムは、一般的に頭蓋内治療に限定される一方で、画像誘導システムは、そのように限定されない。
【0005】
画像誘導放射線治療及び放射線外科システムは、ガントリー式システム及びロボット式システムを含む。ガントリー式システムにおいて、放射線源は、単一面内の回転中心(アイソセンタ)の周りを動くガントリーに取り付けられる。放射線ビームが治療中に送達される度に、ビーム軸はアイソセンタを通過する。従って、治療角度は、放射線源の回転範囲及び患者測位システムの自由度によって限定される。カリフォルニアのAccuray,Inc.によって製造されるCyberKnife(登録商標)定位的放射線外科システムのようなロボット式システムにおいて、放射線源は、5以上の自由度を有し、単一の回転面に制約されない。
【0006】
従来の画像誘導放射線治療システムにおいて、治療中の患者追跡は、患者の二次元(2D)の治療中X線画像(in-treatment x-ray images )を、診断及び治療計画に使用される三次元(3D)治療前撮像データから導かれる2Dのデジタル再構成X線写真(DRR, digitally reconstructed radiographs )と比較することによって達成される。治療前撮像データは、例えばコンピュータ断層撮影法(CT)データ、磁気共鳴映像法(MRI)データ、陽電子射出断層撮影法(PET, positron emission tomography)データ又は3D回転血管撮影法(3DRA, 3D rotational angiography)であっても良い。概して、治療中X線撮像システムは立体視的であり、患者の画像を(例えば、直交する)2つ以上の異なる視点から生成し、かつ対応するDRRは、各視点に関して発生する。
【0007】
DRRは、3D画像を通して光線を投じる(数学的に投影する)ことによって発生する合成X線画像であり、治療中X線撮像システムの形状をシミュレートする。結果として生じたDRRは、その場合治療中X線撮像システムと同じ規模及び視点を有する。DRRを発生させるために、3D撮像データは、ボクセル(ボリュームエレメント)に分割され、かつ各ボクセルは、3D撮像データから導かれる減衰(損失)値が割り当てられる。DRR内の各ピクセルの相対強度は、その場合3D画像を通して投影される各光線に関するボクセル損失の合計である。異なる患者の姿勢は、DRRが発生する前に3D撮像データ上で3D変換(回転及び平行移動)を実行することによってシミュレートされる。
【0008】
幾つかの画像誘導システムにおいて、3D変換及びDRR発生は、治療中に反復してリアルタイムで実行される。カリフォルニア州サニーベイルのAccuray,Inc.によって製造されるCyberKnife(登録商標)定位的放射線外科システムのような他のシステムにおいて、予期される患者の姿勢の範囲に対応する(各投影での)DRR一式は、治療が開始する前に事前計算される。
【0009】
治療中X線画像の、DRRとの各比較は、治療中X線画像への高い類似度(類似性測定度)によってDRRを生成する3D変換を探索する(又は上記のように事前計算されたDRRを直接探索する)ために使用できる類似度、又は同等に差異測度(例えば、相互相関、エントロピー、相互情報、勾配相関、パターン強度、勾配差、画像強度勾配)を生成する。類似度が十分に最大化される(又は同等に、差異測度が最小化される)時、DRRに対応する3D変換は、放射線源及び患者の相対位置を治療計画に一致させるために、治療計画の3D座標系を、治療送達(デリバリー)システムの3D座標系と位置合わせするために使用できる。事前計算されたDRRの場合、最大類似度は、2つの最も近いDRRの間の差分3D変換を計算するために使用できる。図1は、治療中DRR発生の場合の上記プロセスを示す。
【0010】
登録及び追跡アルゴリズムの精度の1つの制限因子は、3D撮像データから導かれたDRRの品質である。(例えばCT又はMRIスキャンのような)三次元走査処置は、時間がかかり、多くの場合何分もかかる。理想的には、最良の画像品質のために、患者は処置中に絶対的に静止したままでなければならないが、このことは、常に可能でない。特に、患者は呼吸を止めることができず、かつ多くの場合長期間、呼吸を詰めることができない。高齢患者又は損傷した呼吸器系を有する他の人々は、全く呼吸を停止できないことがある。例えば脊椎が撮像される時、肺、肋骨及び横隔膜のような身体構造は、脊椎に対して運動しているので、呼吸は3D撮像データ内に動きアーチファクトを作る。3D撮像データが、DRRを発生させるためにその後に使用される時、3D内の動きアーチファクトは、DRR及びX線画像の間の差に対する類似度の感度を減少させる、真の詳細の損失並びに偽の詳細及びDRR内のノイズの存在を含む2D内の画像アーチファクトとして現れる。その上、動きアーチファクトがない場合でも、他の骨構造及び軟組織の単なる存在が、画像比較を低下させるために十分な、DRR内の画像アーチファクトを作ることがある。
【0011】
本発明は、添付図面の図において、限定としてでなく、例として示される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】従来の画像誘導放射線治療システムにおける2D−3D登録を示す。
【図2】一実施態様における画像誘導ロボット放射線外科システムを示す。
【図3】一実施態様における座標系の表示を示す。
【図4】一実施態様における2D−2D登録を示す。
【図5A−5B】従来の画像誘導放射線治療システムにおけるワークフローを示すフローチャートである。
【図6A】一実施態様におけるワークフローを示すフローチャートである。
【図6B】代替的実施態様におけるワークフローを示すフローチャートである。
【図7】一実施態様における関心ボリュームの幾何学的表示を示す。
【図8】一実施態様における関心ボリュームのボリューム表示を示す。
【図9】一実施態様におけるセグメント化ツールを示す。
【図10】一実施態様における輪郭作成(contouring)を示す。
【図11】動きアーチファクトを示す非セグメント化3D画像データからの2つの投影におけるDRRである。
【図12】一実施態様におけるセグメント化3D画像データからの図11A及び11Bの2つの投影におけるDRRである。
【図13】骨及び軟組織アーチファクトを示す非セグメント化3D画像データからの2つの投影におけるDRRである。
【図14】一実施態様におけるセグメント化3D画像データからの図13A及び13Bの2つの投影におけるDRRである。
【図15】一実施態様における方法を示すフローチャートである。
【図16】本発明の実施態様を実施できるシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の記載において、本発明の実施態様の徹底的な理解を提供するために、具体的な部品、装置、方法等の例のような多数の具体的な詳細が示される。しかしながら、当業者にとってこれらの具体的な詳細は、本発明の実施態様を実施するために用いられる必要がないことが明らかであろう。他の例において、周知の材料又は方法は、本発明の実施態様を不必要に曖昧にすることを避けるために、詳細に記載されなかった。本明細書で使用するような用語「X線画像」は、(例えばビデオスクリーンに表示された)可視X線画像、又はX線画像のデジタル表示(例えばX線検出器のピクセル出力に対応するファイル)を意味しても良い。本明細書で使用するような用語「治療中画像」は、放射線源がオンか、オフである時間を含み得る、放射線外科及び放射線治療処置の治療送達(デリバリー)段階中のいずれかの時点で捕捉された画像を指しても良い。時折、記載の都合上でCT撮像データは、代表的3D撮像様式として本明細書において使用されることがある。CTデータ、MRIデータ、PETデータ、3DRAデータ等のような、いずれかのタイプの3D撮像様式からのデータが、本発明の種々の実施態様においても使用できることが認められるであろう。
【0014】
以下の考察から明らかなように、特に明記しない限り、「セグメント化する」、「発生させる」、「登録する」、「決定する」、「位置合わせする」、「位置決めする」、「処理する」、「計算する」、「選択する」、「推定する」、「追跡する」等のような用語は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内の物理(例えば電子)量として表されるデータを、コンピュータシステムメモリ若しくはレジスタ、又は他のかかる情報記憶、伝送若しくは表示装置内の物理量として同様に表される他のデータに変換及び操作するコンピュータシステム、又は類似する電子計算装置の作用及びプロセスを指し得る。本明細書に記載された方法の実施態様は、コンピュータソフトウェアを使用して実行できる。認識される標準に従ってプログラミング言語で書かれるならば、方法を実行するように設計された命令シーケンスは、種々のハードウェアプラットフォームでの実行のために、かつ種々の操作システムへのインタフェースのためにまとめることができる。その上、本発明の実施態様は、いかなる特定のプログラミング言語に関連しても記載されない。種々のプログラミング言語が、本発明の実施態様を実施するために使用できることが認められるであろう。
【0015】
図2は、カリフォルニア州サニーベイルのAccuray,Inc.によって製造されるCyberKnife(登録商標)定位的放射線外科システムのような画像誘導ロボット式放射線治療システム100の構成を示す。図2で、放射線治療源は、多くの角度から、多くの面で、患者の周りの操作ボリューム内で送達されるビームによって病理構造(標的領域又はボリューム)を照射するために線形加速器(LINAC)101を位置決めするために、複数(例えば5以上)の自由度を有するロボットアーム102の端部に取り付けられたLINAC101である。治療は、単一のアイソセンタ、複数のアイソセンタを有するか、又は非アイソセンタアプローチによりビーム経路を伴うことがある。
【0016】
図2の治療送達システムは、X線源103A及び103Bと、X線検出器(イメージャ)104A及び104Bとを含むことができる治療中撮像システムを含む。2つのX線源103A及び103Bは、手術室の天井の固定位置に取り付けることができ、かつ(治療中、患者を治療台106に位置決めするための基準点を提供する)機械のアイソセンタ105で交差し、かつ患者を通過した後にそれぞれの検出器104A及び104Bの撮像面を照らすために、(例えば90度離された)2つの異なる角度位置から撮像X線ビームを投影するために位置合わせできる。他の実施態様において、システム100は、2つを超える又は2つ未満のX線源と、2つを超える又は2つ未満の検出器とを含むことができ、かつ検出器のいずれも、固定されるよりもむしろ可動であっても良い。更に他の実施態様において、X線源及び検出器の位置は、交換できる。
【0017】
検出器104A及び104Bは、X線を可視光に変換する発光物質(例えば非晶質シリコン)、及び登録プロセス中に基準画像と比較できるデジタル画像に光を変換するCMOS(相補型金属酸化物シリコン)又はCCD(電荷結合素子)撮像セルのアレイから製造できる。
【0018】
図3は、(治療送達システム100のような)治療送達システムの3D座標系、(治療送達システム100内の治療中撮像システムのような)治療中撮像システムの2D座標系、及び(例えば治療前CT画像のような)3D画像の3D座標系の間の幾何学的関係を示す。図3で、座標系xyz(ここでxは図3の面に垂直である)は、3D画像に関連し、座標系x’y’z’(ここでx’は図3の面に垂直である)は、治療送達システムに関連し、かつ投影A及びBは、SA及びSBが、(X線源103A及び103Bのような)X線源を表し、かつOA及びOBが、(X線検出器104A及び104Bのような)X線検出器の撮像面の中心である、治療中撮像システムと関連する。図3で、投影A及びBは、それぞれ方向OASA及びOBSBから見られる。
【0019】
3D変換は、図3に示すような、3つの平行移動(Δx、Δy、Δz)及び3つの回転(Δθx、Δθy、Δθz)に関して、座標系xyzから座標系x’y’z’に定義できる。反対に、3D変換は、3つの平行移動(Δx’、Δy’、Δz’)及び3つの回転(Δθx'、Δθy'、Δθz')に関して、座標系x’y’z’から座標系xyzに定義できる。投影Aの座標内の軸の方向xAは、3D画像座標系内の軸xのそれに対向する。投影Bの座標内の軸の方向xBは、3D画像座標系内の軸xのそれと同じである。2つの3D座標系の間の3D剛体変換は、
x=x’、y=(y’−z’)/√2、z=(y’+z’)/√2、
θx=θx'、θy=(θy'−θz')/√2、θz=(θy'+θz')/√2 (1)
のような基本三角法から導くことができる。
【0020】
投影Aの2D座標系(xAyA)において、3D剛体変換は、面内変換(xA、yA、θA)及び2つの面外回転(θxA、θy')に分解される。同様に、投影Bの2D座標系(xByB)において、分解は、面内変換(xB、yB、θB)及び2つの面外回転(θxB、θz')からなる。図4A〜4Dは、本明細書に記載された面内変換及び面外回転を示し、ここで2D・X線画像は、面201によって表され、かつ2D・DRRは、面201によって表される。式(1)の3D剛体変換は、2つの投影の使用が、3D剛体変換の6つのパラメータの解を過度に制約することに注目することによって簡略化できる。投影Aにおける平行移動xAは、投影BにおけるxBと同じパラメータであり、かつ投影Aにおける面外回転θxAは、投影BにおけるθxBと同じである。αA及びαBが、それぞれ投影A及びBの幾何学的増幅係数(例えば源から患者、及び患者から検出器の距離に関するスケール係数)であるならば、座標系(x’y’z’)及び2D座標系の間の平行移動は、以下の関係を有する:
x’=(αBxB−αAxA)/2、y’=αAyA、z’=αByB。 (2)
【0021】
投影Aに関して、2つの面外回転(θxA、θy')の異なる組み合わせに対応するDRR画像一式を考慮すると、2D面内変換(xA、yA、θA)は、2Dから2D画像比較によって推定でき、かつ2つの面外回転(θxA、θy')は、類似度(類似性測定度)を使用して、下記のようにX線画像をDRR画像一式に最も一致させることによって計算できる。同様に、同じプロセスが、投影Bに関して2D面内変換(xB、yB、θB)及び面外回転(θxB、θz')を解くために使用できる。下記のように、面内変換及び面外回転は、投影A及び投影B両方に関して独立して、X線画像及びDRR画像一式の間の登録によって得ることができる。一致する面外回転を有するDRR画像が識別される時、面内回転及び面外回転は、以下の関係を有する:
θy'=θB、θz'=θA。 (3)
【0022】
面外回転θy'が、投影Aの基準DRR画像一式において無視されるならば、面内変換は、θy'が小さい時(例えば5°未満)、(xA、yA、θA)によってほぼ表現できる。一旦この簡略化仮定が立てられ、かつ種々の面外回転θxAに対応する基準DRR画像一式を考慮すると、面内変換(xA、yA、θA)及び面外回転θxAは、両方とも参照によって本明細書に組み込まれる、2004年6月30日に出願された「Fiducial−less Tracking with Non−rigid Image Registration」という題名の米国特許出願第10/880486号及び2004年6月30日に出願された「Image Enhancement Method and System for Fiducial−less Tracking of Treatment Targets」という題名の米国特許出願第10/881208号に記載されたような、1つ以上の多相登録方法によって解くことができる。対応する簡略化が、投影Bに関してなされ得る。一実施態様において、面外回転が、初期の患者位置合わせ後に小さいことが予期できるので、基準DRR画像に関して定義された面外回転範囲は、約±5°に限定できる。
【0023】
投影Aにおける結果(xA、yA、θA、θxA)及び投影Bにおける(xB、yB、θB、θxB)を考慮すると、3D画像座標系内の3D剛体変換の近似値は、以下の式を使用して得ることができる
x=(−αAxA+αBxB)/2、y=(αAyA−αByB)/√2、z=(αAyA+αByB)/√2、θx=(θxA+θxB)/2、θy=(θB−θA)/√2、θz=(θB+θA)/√2。 (4)
それ故に、2つの投影は、2組の4つのパラメータ(xA、yA、θA、θxA)及び(xB、yB、θB、θxB)によって完全に定義できる。類似度は、それぞれのパラメータ:SA=f(xA、yA、θA、θxA)及びSB=f(xB、yB、θB、θxB)に応じて各投影に関して定義できる。しかしながら、2つの投影を共同で定義するために必要とされるパラメータの総数は、最初に
θxA=θxB=θx (4)
であることに注目することによって6に減少できる。
【0024】
次に、それぞれ投影A及びBの幾何学的増幅係数αA及びαBを考慮すると、座標系(x’y’z’)及び2D投影座標系の間の平行移動は、以下の関係を有する:
x’=−αAxA=αBxB、y’=αAyA、z’=αByB。 (5)
前述の等価を式セット(1)に代入することによって
x=−αAxA=αBxB、
y=(αAyA−αByB)/√2、
z=(αAyA+αByB)/√2、θx=θxA=θxB、
θy=(θB−θA)/√2、θz=(θB+θA)/√2 (6)
が生じる。
【0025】
従って、2つの投影における一対のDRR及び一対のX線画像を考慮すると、組み合わされた類似度Stotal=SA+SB=f(x、yA、yB、θx、θA、θB)は、2つの4パラメータ検索空間か、1つの6パラメータ検索空間で検索することによって、全体的に最大化できる。その後、登録結果は、式セット(6)を使用して治療送達システムの座標系にマッピングできる。
【0026】
前述の記載は、本発明の実施態様が実施できる、1つの代表的な画像誘導放射線治療システムにおける3D治療前撮像、3D剛体変換、DRR及び治療中X線画像の間の関係の理解を提供することが意図される。しかしながら、本発明の実施態様は、ガントリー型画像誘導放射線治療システム及び/又はDRR画像を、治療中リアルタイム又はほぼリアルタイムで発生させる放射線治療システムを含む他のタイプの放射線治療システムにおいても実施できることが認められるであろう。
【0027】
医療画像セグメント化は、(CT、MRI、PET又は3DRA画像のような)3D医療画像を、1つ以上の特性又は特徴(例えば組織型、密度)に対して均質である領域に区分化するプロセスである。(フレーム式及び画像誘導の両方を含む)放射線治療システムにおいて、セグメント化は、標的病理構造(例えば腫瘍又は病変)及び重要な解剖学的構造(例えば脊髄)の境界及びボリュームが定義され、かつ治療計画にマッピングされる治療計画における重大なステップである。セグメント化の正確さは、健常組織に不必要な放射線が及ばないようにしながら、病理構造の治療中、放射線量の高度な等角性及び均質性を得るために重大である。
【0028】
従来の画像誘導放射線治療システムにおいて、治療計画中に画像セグメント化に使用される3D撮像データは、DRR発生にも使用される。図5Aは、上記のような治療中にDRR画像を発生させる従来の画像誘導放射線治療システムにおけるワークフローを示す。図5Aに示すように、画像セグメント化及びDRR発生は、治療計画及び治療送達の異なる経路で実行される。図5Aに示すように、治療前3D撮像データが発生した後、画像セグメント化は、標的病理構造及び回避すべき重大な解剖学的構造(例えば脊髄)を区別するために使用される。画像セグメント化の結果は、病理構造への放射線の送達を計画するための治療計画に使用される。
【0029】
しかしながらDRRは、上記のような動きアーチファクト及び他のアーチファクトを含むことがある、事前セグメント化3D撮像データの3D剛体変換から発生する。治療時に、2D治療中X線画像は、2D・DRRと比較され、かつ比較結果(上記のような類似度)は、治療中X線画像と非常に類似するDRRを生成する3D撮像データの3D剛体変換を見出すために、反復して使用される。類似度が最大化される時、対応する3D剛体変換は、(例えば放射線源及び/又は患者を動かすことによって)3D撮像データの座標系を治療送達システムの3D座標系と位置合わせするために選択される。
【0030】
図5Bは、上記のような治療前にDRR画像を発生させる画像誘導放射線治療システムにおけるワークフローを示す。図5Bのワークフローは、2D−2D画像比較の結果が3D変換機能を推進するよりもむしろ事前計算されたDRRから選択するために使用されることを除き、あらゆる点で図5Aのワークフローと同じである。図5Bで一旦最大類似度が、(最も一致する事前計算されたDRRに基づき)見出されると、3D変換は、3D−3D位置合わせプロセスのためにDRRから外挿又は補間できる。しかしながらここでもまた、DRRは、事前セグメント化3D撮像データの3D剛体変換から発生する。
【0031】
DRRを、治療中X線画像と比較し、かつ類似度を計算するために使用される方法及びアルゴリズムは、非常にロバストであることができ、かつ埋め込み基準マーカなしに、脊椎のような、剛性及び非剛性(変形可能な)両方の解剖学的構造を追跡することが可能である。脊椎のような、非剛性かつ/又は変換可能な解剖学的構造に関して、登録及び追跡は、(例えば治療前撮像中の患者の姿勢に対する脊椎の捻れ又は屈曲を反映する)治療前撮像から導かれたDRR及び治療中に得られるX線画像の間の減少できない差によって複雑にされる。かかる画像から平均剛体変換パラメータを計算する方法は、非剛体の登録及び追跡に取り組むように開発された。DRR及び治療中X線画像の間のベクトル変位場の計算を含むかかる方法、並びに2D−2D登録、及び2D−3D登録及び追跡方法は、米国特許出願第10/880486号及び米国特許出願第10/881208号に詳細に記載されている。しかしながらDRRが非セグメント化3D撮像データから発生し、かつ偽の詳細を含むか、真の詳細を欠く限りにおいて、DRR画像及び治療中X線画像の間で計算されるいかなる類似度も、画像差に対する感度低下を有するであろう。
【0032】
図6Aは、DRR発生前に3D撮像データから望ましくないアーチファクトを除去するために、リアルタイムDRRを発生させる放射線治療システムで画像セグメント化がどのように使用できるかを示す、一実施態様における方法300を示す。図6Aで、3D撮像データは、操作301で従来の方法(例えばCT、MRI、PET、3DRA等)で得られる。操作302で、3D撮像データは、治療計画目的で、標的病理構造(例えば脊髄腫瘍又は病変)及び重大な解剖学的構造の線引きをするためにセグメント化される。操作303で、3D撮像データの関心ボリューム(VOI, volume of interest)は、DRR発生のためにセグメント化される。関心ボリュームは、脊椎のような解剖学的構造を含むことができ、かつ若干の直接隣接した組織も含むことができ、かつ手動か、自動的に(例えば医療撮像輪郭ツールを使用して)定義することが容易な輪郭(例えば円筒形輪郭)を有することができる。例えば頭蓋骨又は骨盤のような脊椎以外の解剖学的構造も、セグメント化できた。画像セグメント化(302)は、上記のような治療計画(304)において使用される。操作303からのセグメント化VOIデータは、操作310で上記のように3D変換され、かつ治療中撮像システムの各投影で、操作306で「セグメント化」DRRを発生させるために使用される。操作307で、DRRは、固定又は適応治療計画304に従って操作305で獲得された治療中X線画像と比較される。上記のように、比較は、各投影で新規なDRRを発生させるために、VOIセグメント化データの3D変換にフィードバックされる類似度を発生させ得る。類似度が最大化される時(311)、現在の3D変換は、放射線治療システム内の患者の姿勢と、3D治療前画像の3D座標の間で3D−3D位置合わせ(308)のために選択及び使用される。
【0033】
図6Bは、DRR発生前に3D撮像データから望ましくないアーチファクトを除去するために、事前計算DRRを使用する放射線治療システムで画像セグメント化がどのように使用できるかを示す、一実施態様における方法400を示す。図6Bで、3D撮像データは、操作401で従来の方法(例えばCT、MRI、PET、3DRA等)で得られる。操作402で、3D撮像データは、上記のように治療計画目的で、標的病理構造及び重大な解剖学的構造の線引きをするためにセグメント化される。操作403で、3D撮像データの関心ボリューム(VOI)は、上記のようにDRR発生のためにセグメント化される。画像セグメント化(402)は、上記のような治療計画(404)において使用される。操作403からのセグメント化VOIデータは、放射線治療システム内の患者の姿勢の予期される範囲をカバーする複数の3D変換を介して3D変換される(410)。複数3D変換は、上記のように治療中撮像システムの各投影において複数の「セグメント化」DRRを発生させるために使用される(406)。操作412で、初期DRRが、各投影で選択され、かつ固定又は適応治療計画404に従って操作405で獲得された治療中X線画像と比較される。上記のように、比較は、各投影で新規なDRRを選択するために、DRR選択操作412にフィードバックされる類似度を発生させ得る。最も一致するDRRに基づき最大類似度がある時(411)、3D変換は、予め選択された3D変換から補間又は外挿でき、かつ放射線治療システム内の患者の姿勢と、3D治療前画像の3D座標の間で3D−3D位置合わせ(408)のために使用される。
【0034】
VOIセグメント化は、(例えば脊椎のような)解剖学的構造と、任意に望ましくないアーチファクトなしにDRRを発生させるために使用できる解剖学的構造を直接取り囲む領域とを単離するために患者の3D治療前画像空間(例えばCT又は他の3D画像ボリューム)内の三次元幾何学的構造を定義する。関心ボリュームは、通常多量の平行な輪郭からなる幾何学的表示、又は下記のような本質的にバイナリマスクボリュームであるボリューム表示の、2つのフォーマットで表すことができる。2つのフォーマットは、一方から他方に変換可能である。関心ボリュームは、記憶スペースを残すために、幾何学的フォーマットで記憶できる。
【0035】
図7は、多量の輪郭402によって定義されるVOI401を含むCT画像ボリューム400の簡略化した幾何学的表示を示す。各輪郭は、CT画像ボリューム400のスライスに平行な対応する面403上で定義される。輪郭は、図7に示すように閉輪郭を得るために補間できる、一連の点として通常表される。
【0036】
図8は、図7のVOI401の幾何学的表示が、どのようにVOI401のボリューム表示に変換できるかを示す。図8で、CT画像ボリューム400は、元のCT撮像データと同じ解像度を有する(代表的ボクセル501のような)ボクセルに分割される。CT画像ボリューム400内のボクセルは、3Dバイナリマスク(すなわち3D・CT画像ボリューム内の各ボクセルのマスク)によってマスクできる。3Dバイナリマスクは、CT画像ボリューム内の各ボクセルに関して1ビットマスクを有する1ビットバイナリマスクセット、又はCT画像ボリューム内の各ボクセルに関して複数ビットマスクを有する複数ビットマスクセットと定義できる。1ビットバイナリマスクは、単一VOIを定義するためにCT画像ボリューム内のボクセルを選択又は非選択にすることができる。例えば、単一ビット値は、輪郭402によって定義されるVOI内部に位置するボクセルに関して1、及び輪郭402によって定義されるVOI外部に位置するボクセルに関して0に設定できる。複数ビットマスクは、1つの3Dバイナリマスク内でコード化されるべき複数関心ボリュームを可能にし、各ビットが1つのVOIに対応する。例えば、8ビットマスクは、8の関心ボリュームを表すことができる。図5で代表的複数ビットマスク502及び503によって示すような、32ビットマスクは、32の異なる関心ボリュームの各々でそのボクセルの状態(すなわち選択又は非選択)を表すことが可能である。
【0037】
上記プロセスは、カリフォルニア州サニーベイルのAccuray,Inc.から入手可能なMultiPlan(商標)治療計画システムで提供されるツールのような脊椎セグメント化ツールによって自動化できる。セグメント化ツールは、患者の医療画像(例えばCT、又はMRI、PET等のような他の画像ボリューム)を操作するために使用できる。図9は、セグメント化ツールにより、ユーザがどのようにして医療画像の3つの切断面:軸方向面601、矢状面602及び前頭面603から関心脊椎ボリュームを同時に線引きできるようになるかを示すスクリーンショット600である。
【0038】
軸方向面601上に、二次元輪郭が表示される。輪郭は、ユーザによって定義される時に実線輪郭であっても良いか、又はコンピュータによって隣接輪郭から補間された破線輪郭であっても良い。ユーザは、輪郭のサイズを変更すること、輪郭を拡大縮小すること、又は動かすことによって輪郭を修正できる。ユーザは、形状モーフィングパラメータを微調整することによって表示されている画像スライス上の実際の脊椎を一致させるために輪郭の形状を同様に修正できる。形状モーフィングパラメータは、輪郭が楕円にどのように近接しているかを定義する。形状モーフィングパラメータが例えば0に設定される時、輪郭は、標準楕円であり得る。形状モーフィングパラメータが1に設定される時、輪郭は、例えば同時係属の米国特許出願第10/880486号及び第10/881208号に記載されたような自動縁部認識方法を使用して、脊柱の外形を取ることができる。モーフィングパラメータを[0,1]の範囲で調整することにより、輪郭の形状は、図10Aに示すような楕円701から図10Bに示すような例えば脊柱702にスムーズにモーフィングできる。ユーザは、輪郭702の境界ボックス704上の(制御点703のような)制御点を例えば使用して、輪郭702の形状も調整できる。
【0039】
矢状面602及び前頭面603上で、関心脊椎ボリュームの投影されたシルエット輪郭605が、表示される。(例えば輪郭604のような)全てのユーザ定義された輪郭の中心は、脊椎606の中心軸として接続される。ユーザは、輪郭の中心を動かす、又は引っ張ることによって輪郭を動かす、追加する、又は除去することができる。輪郭の中心が、矢状又は前頭面上で動かされる時、軸方向画像スライス上に定義された実際の輪郭は、それに応じて動かされる。ユーザが、隣接軸方向輪郭の2つの中心点間のいずれかの点を選択する時、新規な輪郭が、その位置に追加され、輪郭は、2つの隣接軸方向輪郭の補間に自動的に設定される。ユーザが輪郭の中心点を2つの隣接輪郭の領域外部に、又は画像境界外部に引っ張り、かつ落とす時、輪郭は、関心ボリュームから除去される。一旦関心脊椎ボリュームが、線引きされ、かつ幾何学的フォーマット内に記憶されるならば、それは、関心ボリューム内にボクセルのみを含む三次元画像ボリュームとしてボリュームフォーマットに変換される。
【0040】
図11A及び11Bは、CT画像ボリューム内の非セグメント化3D撮像データから得られた患者の胸椎の2つの直交して投影されたDRRを示す。両方の画像は、CT画像獲得中の呼吸運動から生じる重度の画像アーチファクトを示すことが分かる。図12A及び12Bは、脊椎セグメント化が適用され、かつVOI外部の骨及び軟組織からの画像アーチファクトが除去された後に、図11A及び11Bによって表される同じ2つの直交する投影を示す。
【0041】
図13A及び13Bは、CT画像ボリューム内の非セグメント化3D撮像データから得られた患者の胸椎の2つの直交して投影されたDRRを示す。両方の画像は、骨構造及び軟組織からの干渉アーチファクトを示すことが分かる。図14A及び14Bは、脊椎セグメント化が適用され、かつVOI外部の骨及び軟組織からの画像アーチファクトが除去された後に、図13A及び13Bによって表される同じ2つの直交する投影を示す。
【0042】
セグメント化3D撮像データから導かれたDRRは、DRRと、治療中X線画像との間の小さい差に対して感度が高い類似度を提供するために、上記のように画像誘導放射線治療中に、治療中X線と比較できる。結果として、DRRと、治療中X線との間の登録は、より精密である。脊椎のような非剛性構造の場合に、精密な登録は、DRRと、治療中X線との間の撮像視野の各点で、ベクトル変位を表現する治療中撮像システムの各投影における改善された精度の2D変位場で現れることがある。各投影における変位場は、次に米国特許出願第10/880486号及び第10/881208号に記載されたような平均剛体変換を決定するために組み合わせ及び平均化できる(2D変位場は、非剛性構造の登録の類似度のタイプとして処理できる)。
【0043】
一旦剛体変換が得られると、放射線治療システム内の患者の姿勢は、3D治療前画像の座標と位置合わせでき、(例えば治療計画から導かれるような)標的病理構造の座標が特定でき、かつ放射線治療が、病理構造に適用できる。
【0044】
このように、DRR発生及び画像登録のためのVOIセグメント化方法が、記載された。一実施態様において、図15に示すように、方法1200は、関心ボリューム(VOI)及び病理構造を含む3D撮像データを得ること(操作1201)と、撮像アーチファクトを除去するために3D撮像データからの関心ボリュームをセグメント化すること(操作1202)と、2つ以上の投影におけるセグメント化VOIの3D変換からデジタル再構成X線写真(DRR)を発生させること(操作1203)と、各投影において類似度を発生させるために、DRRを、患者の2D治療中画像と比較すること(操作1204)と、患者の姿勢を3D撮像データと位置合わせし、かつ治療計画に対する病理構造の座標を特定するために、各投影において最大類似度に対応する3D剛体変換を計算すること(操作1205)と、病理構造及び放射線治療源の相対位置を、治療計画に一致させること(操作1206)とを含む。図15に示すように、操作1204〜1206(又は任意に上記のように1203〜1206)は、放射線治療セッション中のいかなる患者の動きも絶えず補正するために、反復できる。
【0045】
図16は、本発明の特徴が実施できる、放射線治療の実行に使用できるシステム1300の一実施態様を示す。下記のように、かつ図13に示すように、システム1300は、診断撮像システム1000と、治療計画システム2000と、治療送達システム3000とを含むことができる。
【0046】
診断撮像システム1000は、その後の医療診断、治療計画及び/又は治療送達に使用できる患者の医療診断画像を生成できるいかなるシステムであっても良い。例えば、診断撮像システム1000は、コンピュータ断層撮影法(CT)システム、磁気共鳴映像法(MRI)システム、陽電子射出断層撮影法(PET)システム、超音波システム等であっても良い。考察を容易にするために、診断撮像システム1000は、時折CT撮像様式に関連して以下で論じることがある。しかしながら、上記のような他の撮像様式も使用できる。
【0047】
診断撮像システム1000は、撮像ビーム(例えばX線、超音波、高周波等)を発生させる撮像源1010と、撮像源1010によって発生したビーム、又は(例えばMRI又はPETスキャンにおいて)撮像源からのビームによってシミュレートされた放射若しくは二次ビームを検出及び受ける撮像検出器1020とを含む。
【0048】
撮像源1010及び撮像検出器1020は、撮像操作を制御し、かつ画像データを処理するために、デジタル処理システム1030に結合できる。診断撮像システム1000は、デジタル処理システム1030、撮像源1010及び撮像検出器1020の間でデータ及び指令を転送するバス又は他の手段1035を含む。デジタル処理システム1030は、1つ以上の汎用プロセッサ(例えばマイクロプロセッサ)と、デジタル信号プロセッサ(DSP)のような専用プロセッサ又はコントローラ若しくはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)のような他のタイプの装置とを含むことができる。デジタル処理システム1030は、メモリ、記憶装置、ネットワークアダプタ等のような他の部品(図示せず)も含むことができる。デジタル処理システム1030は、例えばDICOM(医用におけるデジタル撮像及び通信)フォーマットのような標準フォーマットでデジタル診断画像を発生させるように構成できる。他の実施態様において、デジタル処理システム1030は、他の標準又は非標準デジタル画像フォーマットを発生させることができる。デジタル処理システム1030は、例えば直接リンク、ローカルエリアネットワーク(LAN)リンク、又はインターネットのような広域ネットワーク(WAN)リンクであっても良い、データリンク1500で診断画像ファイル(例えば前述のDICOMフォーマット済みファイル)を治療計画システム2000に伝送できる。その上、システム間で転送された情報は、遠隔診断又は治療計画形態でのような、システムを接続する通信媒体を通して引き出せるか、又は推し進めることができる。遠隔診断又は治療計画において、ユーザは、システムユーザ及び患者の間の物理的分離の存在にもかかわらず、診断又は治療計画に本発明の実施態様を利用できる。
【0049】
治療計画システム2000は、画像データを受信及び処理する処理装置2010を含む。処理装置2010は、1つ以上の汎用プロセッサ(例えばマイクロプロセッサ)と、デジタル信号プロセッサ(DSP)のような専用プロセッサ又はコントローラ若しくはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)のような他のタイプの装置とに相当し得る。処理装置2010は、本明細書に記載された脊椎セグメント化ツールのような、本明細書で論じられる治療計画及び/又は画像処理操作を実行するための命令を実行するように構成できる。
【0050】
治療計画システム2000は、処理装置2010によって実行されるべき情報及び命令を記憶するための、バス2055によって処理装置2010に結合された、ランダムアクセスメモリ(RAM)、又は他の動的記憶装置を含むことができるシステムメモリ2020も含むことができる。システムメモリ2020は、処理装置2010による命令の実行中に一時的変数又は他の中間情報を記憶するためにも使用できる。システムメモリ2020は、処理装置2010の静的情報及び命令を記憶するために、バス2055に結合されたリードオンリーメモリ(ROM)及び/又は他の静的記憶装置も含むことができる。
【0051】
治療計画システム2000は、情報及び命令を記憶するためにバス2055に結合された、1つ以上の記憶装置(例えば磁気ディスクドライブ又は光学ディスクドライブ)に相当する記憶装置2030も含むことができる。記憶装置2030は、本明細書に論じられた治療計画ステップを実行する命令を記憶するために、かつ/又は本明細書に論じられたような3D撮像データ及びDRRを記憶するために使用できる。
【0052】
処理装置2010は、ユーザに情報(例えばVOIの2D又は3D表示)を表示するための、陰極線管(CRT)又は液晶ディスプレイ(LCD)のような表示装置2040にも結合できる。キーボードのような入力装置2050は、処理装置2010に情報及び/又は指令選択を伝達するために処理装置2010に結合されても良い。1つ以上の他のユーザ入力装置(例えばマウス、トラックボール又はカーソル方向キー)は、方向情報を伝達し、処理装置2010の指令を選択し、かつディスプレイ2040上のカーソルの動きを制御するためにも使用できる。
【0053】
治療計画システム2000は、多くの異なる構成及びアーキテクチャを有することができ、治療計画システム2000よりも多くの部品又は少ない部品を含むことができ、かつ本発明によって用いることができる治療計画システムの一例のみに相当することが認められるであろう。例えば、幾つかのシステムは、多くの場合周辺バス、専用キャッシュバス等のような複数のバスを有する。治療計画システム2000は、ユーザが治療を計画し、かつ種々の撮像様式(例えばMRI、CT、PET等)のいずれかに対する線量分布を見ることを可能にする拡張した画像融合能力である、DICOMインポートを支援するためのMIRIT(医療画像検査及びインポートツール)も含むことができる(従って画像は、融合でき、かつ標的は、異なるシステム上で線引きされ、かつ次に計画及び線量計算のために治療計画システムにインポートされる)。治療計画システムは、当該技術分野において公知であり、従って更に詳細な考察は、提供されない。
【0054】
治療計画システム2000は、そのデータベース(例えば記憶装置2030に記憶されたデータ)を治療送達システム3000のような治療送達システムと共有でき、その結果治療送達前に治療計画システムからエクスポートすることが、必要でない場合がある。治療計画システム2000は、データリンク1500に対して以上で論じたような、直接リンク、LANリンク又はWANリンクであっても良い、データリンク2500を介して治療送達システム3000に結合できる。データリンク1500及び2500がLAN又はWAN接続として実施される時、診断撮像システム1000、治療計画システム2000、及び/又は治療送達システム3000のいずれかは、これらのシステムが物理的に互いから遠隔であり得るように、分散位置にあっても良いことに注目すべきである。あるいは、診断撮像システム1000、治療計画システム2000、及び/又は治療送達システム3000のいずれかは、1つ以上のシステムにおいて互いに統合され得る。
【0055】
治療送達システム3000は、治療計画と一致する標的ボリュームに処方された放射線量を投与する、治療及び/又は外科的放射線源3010を含む。治療送達システム3000は、放射線源に対して患者の位置決めをするために、上記の診断画像との相関又は登録のための(標的ボリュームを含む)患者ボリュームの治療中画像を捕捉する撮像システム3020も含むことができる。撮像システム3020は、上記の撮像システムのいずれかを含むことができる。治療送達システム3000は、放射線源3010を制御するデジタル処理システム3030と、撮像システム3020と、治療台3040のような患者支持装置とを同様に含むことができる。デジタル処理システム3030は、診断撮像システム1000内でデジタル処理システム1030によって発生した、デジタル再構成X線写真(例えばセグメント化3D撮像データからのDRR)及び/又は治療計画システム2000内の処理装置2010によって発生したDRRによって、2つ以上の立体視的投影から、撮像システム3020からの2D・X線画像を登録するように構成できる。デジタル処理システム3030は、1つ以上の汎用プロセッサ(例えばマイクロプロセッサ)と、デジタル信号プロセッサ(DSP)のような専用プロセッサ又はコントローラ若しくはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)のような他のタイプの装置とを含むことができる。デジタル処理システム3030は、メモリ、記憶装置、ネットワークアダプタ等のような他の部品(図示せず)も含むことができる。デジタル処理システム3030は、バス3045又は他のタイプの制御及び通信インタフェースによって放射線源3010、撮像システム3020、及び治療台3040に連結できる。
【0056】
デジタル処理システム3030は、治療送達システム3000内で治療台3040上に患者を位置合わせし、かつ標的ボリュームに対して放射線源を正確に位置決めするために、術前治療計画画像と、撮像システム3020から得られた画像を登録する(例えば上記の方法1200のような)方法を実施できる。
【0057】
治療台3040は、複数(例えば5以上)の自由度を有するもう1つのロボットアーム(図示せず)に連結できる。台アームは、5つの回転自由度、及び1つの実質的に垂直な線形自由度を有することができる。あるいは、台アームは、6つの回転自由度、及び1つの実質的に垂直な線形自由度、又は少なくとも4つの回転自由度を有することができる。台アームは、柱若しくは壁に垂直に取り付けられるか、又は台座、床若しくは天井に水平に取り付けられる。あるいは、治療台3040は、カリフォルニアのAccuray,Inc.によって開発されたAxum(登録商標)治療台のようなもう1つの機械的機序の部品、又は当業者に公知のもう1つのタイプの従来の治療台であっても良い。
【0058】
本明細書に記載された方法及び装置が、医療診断撮像及び治療のみによる使用に限定されないことに注目すべきである。代替的実施態様において、本明細書の方法及び装置は、工業的撮像及び材料の非破壊試験(例えば自動車産業におけるモータブロック、航空産業における機体、建設業における溶接、及び石油産業におけるボーリグコア)及び地震調査のような、医療技術分野以外での応用に使用できる。かかる応用において、例えば「治療」は、放射線ビームの適用を一般的に指すことができる。
【0059】
前述の記載から本発明の態様が、ソフトウェアで少なくとも部分的に具体化できることが明らかである。すなわち、技術は、例えばシステムメモリ2020のような、メモリ内に含まれる命令シーケンスを実行する、例えば処理装置2010のようなそのプロセッサに応答してコンピュータシステム又は他のデータ処理システムにおいて行なうことができる。種々の実施態様において、ハードウェア回路が、本発明を実施するためにソフトウェア命令と組み合わせて使用できる。それ故に技術は、ハードウェア回路及びソフトウェアのいかなる具体的な組み合わせ、又はデータ処理システムによって実行される命令のいかなる特定の源にも限定されない。その上、この記載を通じて、種々の機能及び操作は、記載を簡略にするために、ソフトウェアコードによって実行されるか、又は引き起こされるとして記載できた。しかしながら、当業者は、かかる表現によって意味されるものは、機能が、処理装置2010のようなプロセッサ又はコントローラによるコードの実行に由来することであることを認識するであろう。
【0060】
機械可読媒体は、データ処理システムによって実行される時に、システムに本発明の種々の方法を実行させるソフトウェア及びデータを記憶するために、使用できる。この実行可能なソフトウェア及びデータは、例えばシステムメモリ2020及び記憶装置2030、又はソフトウェアプログラム及び/又はデータを記憶することが可能な他のいかなる装置も含む、種々の場所に記憶できる。
【0061】
それ故に機械可読媒体は、機械(例えばコンピュータ、ネットワーク装置、携帯情報端末、製造ツール、1つ以上のプロセッサ一式を有するいずれかの装置等)によってアクセス可能な形状で情報を提供する(すなわち記憶及び/又は伝送する)いかなる機構も含む。例えば、機械可読媒体は、記録可能な/記録不可能な媒体(例えばリードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)磁気ディスク記憶媒体、光学記憶媒体、フラッシュメモリ素子等)並びに電気、光学、音響又は他の形状の伝搬信号(例えば搬送波、赤外線信号、デジタル信号等)等を含む。
【0062】
本明細書を通じた、「一実施態様」、又は「実施態様」の参照は、実施態様と関連して記載された特定の特徴、構造又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施態様に含まれることが認められるべきである。従って、本明細書の種々の部分での「実施態様」、又は「一実施態様」、又は「代替的実施態様」への2つ以上の参照は、必ずしも全てが同じ実施態様を参照しないことが強調され、かつ認められるべきである。更に、特定の特徴、構造又は特性は、本発明の1つ以上の実施態様において適切な場合、組み合わせることができる。その上、本発明は、幾つかの実施態様の点から記載されたが、当業者は、本発明が記載された実施態様に限定されないことを認識するであろう。本発明の実施態様は添付の請求項の範囲内の、修正及び変更によって実施できる。それ故に明細書及び図面は、発明を限定するのではなく、例示的と見なされるべきである。
【符号の説明】
【0063】
1000 診断撮像システム、1010 撮像源、1020 撮像検出器、1030 デジタル処理システム、2000 治療計画システム、2010 処理装置、2020 システムメモリ、2030 記憶装置、2040 ディスプレイ、2050 入力装置、3000 治療送達システム、3010 放射線源、3020 撮像システム、3030 デジタル処理システム、3040 治療台
【技術分野】
【0001】
本発明の実施態様は、画像誘導放射線治療システム、及び特には画像誘導放射線治療システムにおけるデジタル再構成X線写真の有用性を改善するためのセグメント化の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
画像誘導放射線外科及び放射線治療システム(集合的に、画像誘導放射線治療システム)は、周囲組織及び重大な解剖学的構造(例えば脊髄)への放射線被曝を最小限に抑えながら、病理構造(例えば、腫瘍、病変、血管奇形、神経障害等)に処方量の放射線(例えばX線又はガンマ線)を送達(デリバー)することによって病理構造を治療するために外部放射線ビームを使用する放射線治療システムである。放射線外科及び放射線治療の両方は、健常組織及び重大な構造に危害を加えずにおきながら、病理構造を壊死させる、又は損傷を与えるように設計されている。放射線治療は、治療1回当たりの低い放射線量(治療1回当たり1〜2グレイ)及び多くの治療(例えば30〜45回の治療)を特徴とする。放射線外科は、1〜5回の治療における比較的高い放射線量(概して治療当たり5グレイ以上)を特徴とする(1グレイは、1キログラム当たり1ジュールに等しい)。
【0003】
放射線治療及び放射線外科の両方において、放射線量は、複数の角度から病理構造の部位に送達される。各放射線ビームの角度が異なるので、各ビームは、標的領域へ又は標的領域からの途中で、健常組織の異なる領域を通過しながら、病理構造が占める標的領域を横断できる。結果として、標的領域内の累積放射線量は、高く、かつ健常組織及び重大な組織への平均放射線量は、低い。
【0004】
(剛性の、侵襲性フレームが、画像診断、治療計画及びその後の治療送達を通して患者を固定化するために患者に固定される)フレーム式放射線治療及び放射線外科システムと対照的に、画像誘導放射線外科及び放射線治療システムは、治療中に患者の姿勢(位置及び方向)を追跡することによって侵襲性フレーム固定を不要にする。その上、フレーム式システムは、一般的に頭蓋内治療に限定される一方で、画像誘導システムは、そのように限定されない。
【0005】
画像誘導放射線治療及び放射線外科システムは、ガントリー式システム及びロボット式システムを含む。ガントリー式システムにおいて、放射線源は、単一面内の回転中心(アイソセンタ)の周りを動くガントリーに取り付けられる。放射線ビームが治療中に送達される度に、ビーム軸はアイソセンタを通過する。従って、治療角度は、放射線源の回転範囲及び患者測位システムの自由度によって限定される。カリフォルニアのAccuray,Inc.によって製造されるCyberKnife(登録商標)定位的放射線外科システムのようなロボット式システムにおいて、放射線源は、5以上の自由度を有し、単一の回転面に制約されない。
【0006】
従来の画像誘導放射線治療システムにおいて、治療中の患者追跡は、患者の二次元(2D)の治療中X線画像(in-treatment x-ray images )を、診断及び治療計画に使用される三次元(3D)治療前撮像データから導かれる2Dのデジタル再構成X線写真(DRR, digitally reconstructed radiographs )と比較することによって達成される。治療前撮像データは、例えばコンピュータ断層撮影法(CT)データ、磁気共鳴映像法(MRI)データ、陽電子射出断層撮影法(PET, positron emission tomography)データ又は3D回転血管撮影法(3DRA, 3D rotational angiography)であっても良い。概して、治療中X線撮像システムは立体視的であり、患者の画像を(例えば、直交する)2つ以上の異なる視点から生成し、かつ対応するDRRは、各視点に関して発生する。
【0007】
DRRは、3D画像を通して光線を投じる(数学的に投影する)ことによって発生する合成X線画像であり、治療中X線撮像システムの形状をシミュレートする。結果として生じたDRRは、その場合治療中X線撮像システムと同じ規模及び視点を有する。DRRを発生させるために、3D撮像データは、ボクセル(ボリュームエレメント)に分割され、かつ各ボクセルは、3D撮像データから導かれる減衰(損失)値が割り当てられる。DRR内の各ピクセルの相対強度は、その場合3D画像を通して投影される各光線に関するボクセル損失の合計である。異なる患者の姿勢は、DRRが発生する前に3D撮像データ上で3D変換(回転及び平行移動)を実行することによってシミュレートされる。
【0008】
幾つかの画像誘導システムにおいて、3D変換及びDRR発生は、治療中に反復してリアルタイムで実行される。カリフォルニア州サニーベイルのAccuray,Inc.によって製造されるCyberKnife(登録商標)定位的放射線外科システムのような他のシステムにおいて、予期される患者の姿勢の範囲に対応する(各投影での)DRR一式は、治療が開始する前に事前計算される。
【0009】
治療中X線画像の、DRRとの各比較は、治療中X線画像への高い類似度(類似性測定度)によってDRRを生成する3D変換を探索する(又は上記のように事前計算されたDRRを直接探索する)ために使用できる類似度、又は同等に差異測度(例えば、相互相関、エントロピー、相互情報、勾配相関、パターン強度、勾配差、画像強度勾配)を生成する。類似度が十分に最大化される(又は同等に、差異測度が最小化される)時、DRRに対応する3D変換は、放射線源及び患者の相対位置を治療計画に一致させるために、治療計画の3D座標系を、治療送達(デリバリー)システムの3D座標系と位置合わせするために使用できる。事前計算されたDRRの場合、最大類似度は、2つの最も近いDRRの間の差分3D変換を計算するために使用できる。図1は、治療中DRR発生の場合の上記プロセスを示す。
【0010】
登録及び追跡アルゴリズムの精度の1つの制限因子は、3D撮像データから導かれたDRRの品質である。(例えばCT又はMRIスキャンのような)三次元走査処置は、時間がかかり、多くの場合何分もかかる。理想的には、最良の画像品質のために、患者は処置中に絶対的に静止したままでなければならないが、このことは、常に可能でない。特に、患者は呼吸を止めることができず、かつ多くの場合長期間、呼吸を詰めることができない。高齢患者又は損傷した呼吸器系を有する他の人々は、全く呼吸を停止できないことがある。例えば脊椎が撮像される時、肺、肋骨及び横隔膜のような身体構造は、脊椎に対して運動しているので、呼吸は3D撮像データ内に動きアーチファクトを作る。3D撮像データが、DRRを発生させるためにその後に使用される時、3D内の動きアーチファクトは、DRR及びX線画像の間の差に対する類似度の感度を減少させる、真の詳細の損失並びに偽の詳細及びDRR内のノイズの存在を含む2D内の画像アーチファクトとして現れる。その上、動きアーチファクトがない場合でも、他の骨構造及び軟組織の単なる存在が、画像比較を低下させるために十分な、DRR内の画像アーチファクトを作ることがある。
【0011】
本発明は、添付図面の図において、限定としてでなく、例として示される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】従来の画像誘導放射線治療システムにおける2D−3D登録を示す。
【図2】一実施態様における画像誘導ロボット放射線外科システムを示す。
【図3】一実施態様における座標系の表示を示す。
【図4】一実施態様における2D−2D登録を示す。
【図5A−5B】従来の画像誘導放射線治療システムにおけるワークフローを示すフローチャートである。
【図6A】一実施態様におけるワークフローを示すフローチャートである。
【図6B】代替的実施態様におけるワークフローを示すフローチャートである。
【図7】一実施態様における関心ボリュームの幾何学的表示を示す。
【図8】一実施態様における関心ボリュームのボリューム表示を示す。
【図9】一実施態様におけるセグメント化ツールを示す。
【図10】一実施態様における輪郭作成(contouring)を示す。
【図11】動きアーチファクトを示す非セグメント化3D画像データからの2つの投影におけるDRRである。
【図12】一実施態様におけるセグメント化3D画像データからの図11A及び11Bの2つの投影におけるDRRである。
【図13】骨及び軟組織アーチファクトを示す非セグメント化3D画像データからの2つの投影におけるDRRである。
【図14】一実施態様におけるセグメント化3D画像データからの図13A及び13Bの2つの投影におけるDRRである。
【図15】一実施態様における方法を示すフローチャートである。
【図16】本発明の実施態様を実施できるシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の記載において、本発明の実施態様の徹底的な理解を提供するために、具体的な部品、装置、方法等の例のような多数の具体的な詳細が示される。しかしながら、当業者にとってこれらの具体的な詳細は、本発明の実施態様を実施するために用いられる必要がないことが明らかであろう。他の例において、周知の材料又は方法は、本発明の実施態様を不必要に曖昧にすることを避けるために、詳細に記載されなかった。本明細書で使用するような用語「X線画像」は、(例えばビデオスクリーンに表示された)可視X線画像、又はX線画像のデジタル表示(例えばX線検出器のピクセル出力に対応するファイル)を意味しても良い。本明細書で使用するような用語「治療中画像」は、放射線源がオンか、オフである時間を含み得る、放射線外科及び放射線治療処置の治療送達(デリバリー)段階中のいずれかの時点で捕捉された画像を指しても良い。時折、記載の都合上でCT撮像データは、代表的3D撮像様式として本明細書において使用されることがある。CTデータ、MRIデータ、PETデータ、3DRAデータ等のような、いずれかのタイプの3D撮像様式からのデータが、本発明の種々の実施態様においても使用できることが認められるであろう。
【0014】
以下の考察から明らかなように、特に明記しない限り、「セグメント化する」、「発生させる」、「登録する」、「決定する」、「位置合わせする」、「位置決めする」、「処理する」、「計算する」、「選択する」、「推定する」、「追跡する」等のような用語は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内の物理(例えば電子)量として表されるデータを、コンピュータシステムメモリ若しくはレジスタ、又は他のかかる情報記憶、伝送若しくは表示装置内の物理量として同様に表される他のデータに変換及び操作するコンピュータシステム、又は類似する電子計算装置の作用及びプロセスを指し得る。本明細書に記載された方法の実施態様は、コンピュータソフトウェアを使用して実行できる。認識される標準に従ってプログラミング言語で書かれるならば、方法を実行するように設計された命令シーケンスは、種々のハードウェアプラットフォームでの実行のために、かつ種々の操作システムへのインタフェースのためにまとめることができる。その上、本発明の実施態様は、いかなる特定のプログラミング言語に関連しても記載されない。種々のプログラミング言語が、本発明の実施態様を実施するために使用できることが認められるであろう。
【0015】
図2は、カリフォルニア州サニーベイルのAccuray,Inc.によって製造されるCyberKnife(登録商標)定位的放射線外科システムのような画像誘導ロボット式放射線治療システム100の構成を示す。図2で、放射線治療源は、多くの角度から、多くの面で、患者の周りの操作ボリューム内で送達されるビームによって病理構造(標的領域又はボリューム)を照射するために線形加速器(LINAC)101を位置決めするために、複数(例えば5以上)の自由度を有するロボットアーム102の端部に取り付けられたLINAC101である。治療は、単一のアイソセンタ、複数のアイソセンタを有するか、又は非アイソセンタアプローチによりビーム経路を伴うことがある。
【0016】
図2の治療送達システムは、X線源103A及び103Bと、X線検出器(イメージャ)104A及び104Bとを含むことができる治療中撮像システムを含む。2つのX線源103A及び103Bは、手術室の天井の固定位置に取り付けることができ、かつ(治療中、患者を治療台106に位置決めするための基準点を提供する)機械のアイソセンタ105で交差し、かつ患者を通過した後にそれぞれの検出器104A及び104Bの撮像面を照らすために、(例えば90度離された)2つの異なる角度位置から撮像X線ビームを投影するために位置合わせできる。他の実施態様において、システム100は、2つを超える又は2つ未満のX線源と、2つを超える又は2つ未満の検出器とを含むことができ、かつ検出器のいずれも、固定されるよりもむしろ可動であっても良い。更に他の実施態様において、X線源及び検出器の位置は、交換できる。
【0017】
検出器104A及び104Bは、X線を可視光に変換する発光物質(例えば非晶質シリコン)、及び登録プロセス中に基準画像と比較できるデジタル画像に光を変換するCMOS(相補型金属酸化物シリコン)又はCCD(電荷結合素子)撮像セルのアレイから製造できる。
【0018】
図3は、(治療送達システム100のような)治療送達システムの3D座標系、(治療送達システム100内の治療中撮像システムのような)治療中撮像システムの2D座標系、及び(例えば治療前CT画像のような)3D画像の3D座標系の間の幾何学的関係を示す。図3で、座標系xyz(ここでxは図3の面に垂直である)は、3D画像に関連し、座標系x’y’z’(ここでx’は図3の面に垂直である)は、治療送達システムに関連し、かつ投影A及びBは、SA及びSBが、(X線源103A及び103Bのような)X線源を表し、かつOA及びOBが、(X線検出器104A及び104Bのような)X線検出器の撮像面の中心である、治療中撮像システムと関連する。図3で、投影A及びBは、それぞれ方向OASA及びOBSBから見られる。
【0019】
3D変換は、図3に示すような、3つの平行移動(Δx、Δy、Δz)及び3つの回転(Δθx、Δθy、Δθz)に関して、座標系xyzから座標系x’y’z’に定義できる。反対に、3D変換は、3つの平行移動(Δx’、Δy’、Δz’)及び3つの回転(Δθx'、Δθy'、Δθz')に関して、座標系x’y’z’から座標系xyzに定義できる。投影Aの座標内の軸の方向xAは、3D画像座標系内の軸xのそれに対向する。投影Bの座標内の軸の方向xBは、3D画像座標系内の軸xのそれと同じである。2つの3D座標系の間の3D剛体変換は、
x=x’、y=(y’−z’)/√2、z=(y’+z’)/√2、
θx=θx'、θy=(θy'−θz')/√2、θz=(θy'+θz')/√2 (1)
のような基本三角法から導くことができる。
【0020】
投影Aの2D座標系(xAyA)において、3D剛体変換は、面内変換(xA、yA、θA)及び2つの面外回転(θxA、θy')に分解される。同様に、投影Bの2D座標系(xByB)において、分解は、面内変換(xB、yB、θB)及び2つの面外回転(θxB、θz')からなる。図4A〜4Dは、本明細書に記載された面内変換及び面外回転を示し、ここで2D・X線画像は、面201によって表され、かつ2D・DRRは、面201によって表される。式(1)の3D剛体変換は、2つの投影の使用が、3D剛体変換の6つのパラメータの解を過度に制約することに注目することによって簡略化できる。投影Aにおける平行移動xAは、投影BにおけるxBと同じパラメータであり、かつ投影Aにおける面外回転θxAは、投影BにおけるθxBと同じである。αA及びαBが、それぞれ投影A及びBの幾何学的増幅係数(例えば源から患者、及び患者から検出器の距離に関するスケール係数)であるならば、座標系(x’y’z’)及び2D座標系の間の平行移動は、以下の関係を有する:
x’=(αBxB−αAxA)/2、y’=αAyA、z’=αByB。 (2)
【0021】
投影Aに関して、2つの面外回転(θxA、θy')の異なる組み合わせに対応するDRR画像一式を考慮すると、2D面内変換(xA、yA、θA)は、2Dから2D画像比較によって推定でき、かつ2つの面外回転(θxA、θy')は、類似度(類似性測定度)を使用して、下記のようにX線画像をDRR画像一式に最も一致させることによって計算できる。同様に、同じプロセスが、投影Bに関して2D面内変換(xB、yB、θB)及び面外回転(θxB、θz')を解くために使用できる。下記のように、面内変換及び面外回転は、投影A及び投影B両方に関して独立して、X線画像及びDRR画像一式の間の登録によって得ることができる。一致する面外回転を有するDRR画像が識別される時、面内回転及び面外回転は、以下の関係を有する:
θy'=θB、θz'=θA。 (3)
【0022】
面外回転θy'が、投影Aの基準DRR画像一式において無視されるならば、面内変換は、θy'が小さい時(例えば5°未満)、(xA、yA、θA)によってほぼ表現できる。一旦この簡略化仮定が立てられ、かつ種々の面外回転θxAに対応する基準DRR画像一式を考慮すると、面内変換(xA、yA、θA)及び面外回転θxAは、両方とも参照によって本明細書に組み込まれる、2004年6月30日に出願された「Fiducial−less Tracking with Non−rigid Image Registration」という題名の米国特許出願第10/880486号及び2004年6月30日に出願された「Image Enhancement Method and System for Fiducial−less Tracking of Treatment Targets」という題名の米国特許出願第10/881208号に記載されたような、1つ以上の多相登録方法によって解くことができる。対応する簡略化が、投影Bに関してなされ得る。一実施態様において、面外回転が、初期の患者位置合わせ後に小さいことが予期できるので、基準DRR画像に関して定義された面外回転範囲は、約±5°に限定できる。
【0023】
投影Aにおける結果(xA、yA、θA、θxA)及び投影Bにおける(xB、yB、θB、θxB)を考慮すると、3D画像座標系内の3D剛体変換の近似値は、以下の式を使用して得ることができる
x=(−αAxA+αBxB)/2、y=(αAyA−αByB)/√2、z=(αAyA+αByB)/√2、θx=(θxA+θxB)/2、θy=(θB−θA)/√2、θz=(θB+θA)/√2。 (4)
それ故に、2つの投影は、2組の4つのパラメータ(xA、yA、θA、θxA)及び(xB、yB、θB、θxB)によって完全に定義できる。類似度は、それぞれのパラメータ:SA=f(xA、yA、θA、θxA)及びSB=f(xB、yB、θB、θxB)に応じて各投影に関して定義できる。しかしながら、2つの投影を共同で定義するために必要とされるパラメータの総数は、最初に
θxA=θxB=θx (4)
であることに注目することによって6に減少できる。
【0024】
次に、それぞれ投影A及びBの幾何学的増幅係数αA及びαBを考慮すると、座標系(x’y’z’)及び2D投影座標系の間の平行移動は、以下の関係を有する:
x’=−αAxA=αBxB、y’=αAyA、z’=αByB。 (5)
前述の等価を式セット(1)に代入することによって
x=−αAxA=αBxB、
y=(αAyA−αByB)/√2、
z=(αAyA+αByB)/√2、θx=θxA=θxB、
θy=(θB−θA)/√2、θz=(θB+θA)/√2 (6)
が生じる。
【0025】
従って、2つの投影における一対のDRR及び一対のX線画像を考慮すると、組み合わされた類似度Stotal=SA+SB=f(x、yA、yB、θx、θA、θB)は、2つの4パラメータ検索空間か、1つの6パラメータ検索空間で検索することによって、全体的に最大化できる。その後、登録結果は、式セット(6)を使用して治療送達システムの座標系にマッピングできる。
【0026】
前述の記載は、本発明の実施態様が実施できる、1つの代表的な画像誘導放射線治療システムにおける3D治療前撮像、3D剛体変換、DRR及び治療中X線画像の間の関係の理解を提供することが意図される。しかしながら、本発明の実施態様は、ガントリー型画像誘導放射線治療システム及び/又はDRR画像を、治療中リアルタイム又はほぼリアルタイムで発生させる放射線治療システムを含む他のタイプの放射線治療システムにおいても実施できることが認められるであろう。
【0027】
医療画像セグメント化は、(CT、MRI、PET又は3DRA画像のような)3D医療画像を、1つ以上の特性又は特徴(例えば組織型、密度)に対して均質である領域に区分化するプロセスである。(フレーム式及び画像誘導の両方を含む)放射線治療システムにおいて、セグメント化は、標的病理構造(例えば腫瘍又は病変)及び重要な解剖学的構造(例えば脊髄)の境界及びボリュームが定義され、かつ治療計画にマッピングされる治療計画における重大なステップである。セグメント化の正確さは、健常組織に不必要な放射線が及ばないようにしながら、病理構造の治療中、放射線量の高度な等角性及び均質性を得るために重大である。
【0028】
従来の画像誘導放射線治療システムにおいて、治療計画中に画像セグメント化に使用される3D撮像データは、DRR発生にも使用される。図5Aは、上記のような治療中にDRR画像を発生させる従来の画像誘導放射線治療システムにおけるワークフローを示す。図5Aに示すように、画像セグメント化及びDRR発生は、治療計画及び治療送達の異なる経路で実行される。図5Aに示すように、治療前3D撮像データが発生した後、画像セグメント化は、標的病理構造及び回避すべき重大な解剖学的構造(例えば脊髄)を区別するために使用される。画像セグメント化の結果は、病理構造への放射線の送達を計画するための治療計画に使用される。
【0029】
しかしながらDRRは、上記のような動きアーチファクト及び他のアーチファクトを含むことがある、事前セグメント化3D撮像データの3D剛体変換から発生する。治療時に、2D治療中X線画像は、2D・DRRと比較され、かつ比較結果(上記のような類似度)は、治療中X線画像と非常に類似するDRRを生成する3D撮像データの3D剛体変換を見出すために、反復して使用される。類似度が最大化される時、対応する3D剛体変換は、(例えば放射線源及び/又は患者を動かすことによって)3D撮像データの座標系を治療送達システムの3D座標系と位置合わせするために選択される。
【0030】
図5Bは、上記のような治療前にDRR画像を発生させる画像誘導放射線治療システムにおけるワークフローを示す。図5Bのワークフローは、2D−2D画像比較の結果が3D変換機能を推進するよりもむしろ事前計算されたDRRから選択するために使用されることを除き、あらゆる点で図5Aのワークフローと同じである。図5Bで一旦最大類似度が、(最も一致する事前計算されたDRRに基づき)見出されると、3D変換は、3D−3D位置合わせプロセスのためにDRRから外挿又は補間できる。しかしながらここでもまた、DRRは、事前セグメント化3D撮像データの3D剛体変換から発生する。
【0031】
DRRを、治療中X線画像と比較し、かつ類似度を計算するために使用される方法及びアルゴリズムは、非常にロバストであることができ、かつ埋め込み基準マーカなしに、脊椎のような、剛性及び非剛性(変形可能な)両方の解剖学的構造を追跡することが可能である。脊椎のような、非剛性かつ/又は変換可能な解剖学的構造に関して、登録及び追跡は、(例えば治療前撮像中の患者の姿勢に対する脊椎の捻れ又は屈曲を反映する)治療前撮像から導かれたDRR及び治療中に得られるX線画像の間の減少できない差によって複雑にされる。かかる画像から平均剛体変換パラメータを計算する方法は、非剛体の登録及び追跡に取り組むように開発された。DRR及び治療中X線画像の間のベクトル変位場の計算を含むかかる方法、並びに2D−2D登録、及び2D−3D登録及び追跡方法は、米国特許出願第10/880486号及び米国特許出願第10/881208号に詳細に記載されている。しかしながらDRRが非セグメント化3D撮像データから発生し、かつ偽の詳細を含むか、真の詳細を欠く限りにおいて、DRR画像及び治療中X線画像の間で計算されるいかなる類似度も、画像差に対する感度低下を有するであろう。
【0032】
図6Aは、DRR発生前に3D撮像データから望ましくないアーチファクトを除去するために、リアルタイムDRRを発生させる放射線治療システムで画像セグメント化がどのように使用できるかを示す、一実施態様における方法300を示す。図6Aで、3D撮像データは、操作301で従来の方法(例えばCT、MRI、PET、3DRA等)で得られる。操作302で、3D撮像データは、治療計画目的で、標的病理構造(例えば脊髄腫瘍又は病変)及び重大な解剖学的構造の線引きをするためにセグメント化される。操作303で、3D撮像データの関心ボリューム(VOI, volume of interest)は、DRR発生のためにセグメント化される。関心ボリュームは、脊椎のような解剖学的構造を含むことができ、かつ若干の直接隣接した組織も含むことができ、かつ手動か、自動的に(例えば医療撮像輪郭ツールを使用して)定義することが容易な輪郭(例えば円筒形輪郭)を有することができる。例えば頭蓋骨又は骨盤のような脊椎以外の解剖学的構造も、セグメント化できた。画像セグメント化(302)は、上記のような治療計画(304)において使用される。操作303からのセグメント化VOIデータは、操作310で上記のように3D変換され、かつ治療中撮像システムの各投影で、操作306で「セグメント化」DRRを発生させるために使用される。操作307で、DRRは、固定又は適応治療計画304に従って操作305で獲得された治療中X線画像と比較される。上記のように、比較は、各投影で新規なDRRを発生させるために、VOIセグメント化データの3D変換にフィードバックされる類似度を発生させ得る。類似度が最大化される時(311)、現在の3D変換は、放射線治療システム内の患者の姿勢と、3D治療前画像の3D座標の間で3D−3D位置合わせ(308)のために選択及び使用される。
【0033】
図6Bは、DRR発生前に3D撮像データから望ましくないアーチファクトを除去するために、事前計算DRRを使用する放射線治療システムで画像セグメント化がどのように使用できるかを示す、一実施態様における方法400を示す。図6Bで、3D撮像データは、操作401で従来の方法(例えばCT、MRI、PET、3DRA等)で得られる。操作402で、3D撮像データは、上記のように治療計画目的で、標的病理構造及び重大な解剖学的構造の線引きをするためにセグメント化される。操作403で、3D撮像データの関心ボリューム(VOI)は、上記のようにDRR発生のためにセグメント化される。画像セグメント化(402)は、上記のような治療計画(404)において使用される。操作403からのセグメント化VOIデータは、放射線治療システム内の患者の姿勢の予期される範囲をカバーする複数の3D変換を介して3D変換される(410)。複数3D変換は、上記のように治療中撮像システムの各投影において複数の「セグメント化」DRRを発生させるために使用される(406)。操作412で、初期DRRが、各投影で選択され、かつ固定又は適応治療計画404に従って操作405で獲得された治療中X線画像と比較される。上記のように、比較は、各投影で新規なDRRを選択するために、DRR選択操作412にフィードバックされる類似度を発生させ得る。最も一致するDRRに基づき最大類似度がある時(411)、3D変換は、予め選択された3D変換から補間又は外挿でき、かつ放射線治療システム内の患者の姿勢と、3D治療前画像の3D座標の間で3D−3D位置合わせ(408)のために使用される。
【0034】
VOIセグメント化は、(例えば脊椎のような)解剖学的構造と、任意に望ましくないアーチファクトなしにDRRを発生させるために使用できる解剖学的構造を直接取り囲む領域とを単離するために患者の3D治療前画像空間(例えばCT又は他の3D画像ボリューム)内の三次元幾何学的構造を定義する。関心ボリュームは、通常多量の平行な輪郭からなる幾何学的表示、又は下記のような本質的にバイナリマスクボリュームであるボリューム表示の、2つのフォーマットで表すことができる。2つのフォーマットは、一方から他方に変換可能である。関心ボリュームは、記憶スペースを残すために、幾何学的フォーマットで記憶できる。
【0035】
図7は、多量の輪郭402によって定義されるVOI401を含むCT画像ボリューム400の簡略化した幾何学的表示を示す。各輪郭は、CT画像ボリューム400のスライスに平行な対応する面403上で定義される。輪郭は、図7に示すように閉輪郭を得るために補間できる、一連の点として通常表される。
【0036】
図8は、図7のVOI401の幾何学的表示が、どのようにVOI401のボリューム表示に変換できるかを示す。図8で、CT画像ボリューム400は、元のCT撮像データと同じ解像度を有する(代表的ボクセル501のような)ボクセルに分割される。CT画像ボリューム400内のボクセルは、3Dバイナリマスク(すなわち3D・CT画像ボリューム内の各ボクセルのマスク)によってマスクできる。3Dバイナリマスクは、CT画像ボリューム内の各ボクセルに関して1ビットマスクを有する1ビットバイナリマスクセット、又はCT画像ボリューム内の各ボクセルに関して複数ビットマスクを有する複数ビットマスクセットと定義できる。1ビットバイナリマスクは、単一VOIを定義するためにCT画像ボリューム内のボクセルを選択又は非選択にすることができる。例えば、単一ビット値は、輪郭402によって定義されるVOI内部に位置するボクセルに関して1、及び輪郭402によって定義されるVOI外部に位置するボクセルに関して0に設定できる。複数ビットマスクは、1つの3Dバイナリマスク内でコード化されるべき複数関心ボリュームを可能にし、各ビットが1つのVOIに対応する。例えば、8ビットマスクは、8の関心ボリュームを表すことができる。図5で代表的複数ビットマスク502及び503によって示すような、32ビットマスクは、32の異なる関心ボリュームの各々でそのボクセルの状態(すなわち選択又は非選択)を表すことが可能である。
【0037】
上記プロセスは、カリフォルニア州サニーベイルのAccuray,Inc.から入手可能なMultiPlan(商標)治療計画システムで提供されるツールのような脊椎セグメント化ツールによって自動化できる。セグメント化ツールは、患者の医療画像(例えばCT、又はMRI、PET等のような他の画像ボリューム)を操作するために使用できる。図9は、セグメント化ツールにより、ユーザがどのようにして医療画像の3つの切断面:軸方向面601、矢状面602及び前頭面603から関心脊椎ボリュームを同時に線引きできるようになるかを示すスクリーンショット600である。
【0038】
軸方向面601上に、二次元輪郭が表示される。輪郭は、ユーザによって定義される時に実線輪郭であっても良いか、又はコンピュータによって隣接輪郭から補間された破線輪郭であっても良い。ユーザは、輪郭のサイズを変更すること、輪郭を拡大縮小すること、又は動かすことによって輪郭を修正できる。ユーザは、形状モーフィングパラメータを微調整することによって表示されている画像スライス上の実際の脊椎を一致させるために輪郭の形状を同様に修正できる。形状モーフィングパラメータは、輪郭が楕円にどのように近接しているかを定義する。形状モーフィングパラメータが例えば0に設定される時、輪郭は、標準楕円であり得る。形状モーフィングパラメータが1に設定される時、輪郭は、例えば同時係属の米国特許出願第10/880486号及び第10/881208号に記載されたような自動縁部認識方法を使用して、脊柱の外形を取ることができる。モーフィングパラメータを[0,1]の範囲で調整することにより、輪郭の形状は、図10Aに示すような楕円701から図10Bに示すような例えば脊柱702にスムーズにモーフィングできる。ユーザは、輪郭702の境界ボックス704上の(制御点703のような)制御点を例えば使用して、輪郭702の形状も調整できる。
【0039】
矢状面602及び前頭面603上で、関心脊椎ボリュームの投影されたシルエット輪郭605が、表示される。(例えば輪郭604のような)全てのユーザ定義された輪郭の中心は、脊椎606の中心軸として接続される。ユーザは、輪郭の中心を動かす、又は引っ張ることによって輪郭を動かす、追加する、又は除去することができる。輪郭の中心が、矢状又は前頭面上で動かされる時、軸方向画像スライス上に定義された実際の輪郭は、それに応じて動かされる。ユーザが、隣接軸方向輪郭の2つの中心点間のいずれかの点を選択する時、新規な輪郭が、その位置に追加され、輪郭は、2つの隣接軸方向輪郭の補間に自動的に設定される。ユーザが輪郭の中心点を2つの隣接輪郭の領域外部に、又は画像境界外部に引っ張り、かつ落とす時、輪郭は、関心ボリュームから除去される。一旦関心脊椎ボリュームが、線引きされ、かつ幾何学的フォーマット内に記憶されるならば、それは、関心ボリューム内にボクセルのみを含む三次元画像ボリュームとしてボリュームフォーマットに変換される。
【0040】
図11A及び11Bは、CT画像ボリューム内の非セグメント化3D撮像データから得られた患者の胸椎の2つの直交して投影されたDRRを示す。両方の画像は、CT画像獲得中の呼吸運動から生じる重度の画像アーチファクトを示すことが分かる。図12A及び12Bは、脊椎セグメント化が適用され、かつVOI外部の骨及び軟組織からの画像アーチファクトが除去された後に、図11A及び11Bによって表される同じ2つの直交する投影を示す。
【0041】
図13A及び13Bは、CT画像ボリューム内の非セグメント化3D撮像データから得られた患者の胸椎の2つの直交して投影されたDRRを示す。両方の画像は、骨構造及び軟組織からの干渉アーチファクトを示すことが分かる。図14A及び14Bは、脊椎セグメント化が適用され、かつVOI外部の骨及び軟組織からの画像アーチファクトが除去された後に、図13A及び13Bによって表される同じ2つの直交する投影を示す。
【0042】
セグメント化3D撮像データから導かれたDRRは、DRRと、治療中X線画像との間の小さい差に対して感度が高い類似度を提供するために、上記のように画像誘導放射線治療中に、治療中X線と比較できる。結果として、DRRと、治療中X線との間の登録は、より精密である。脊椎のような非剛性構造の場合に、精密な登録は、DRRと、治療中X線との間の撮像視野の各点で、ベクトル変位を表現する治療中撮像システムの各投影における改善された精度の2D変位場で現れることがある。各投影における変位場は、次に米国特許出願第10/880486号及び第10/881208号に記載されたような平均剛体変換を決定するために組み合わせ及び平均化できる(2D変位場は、非剛性構造の登録の類似度のタイプとして処理できる)。
【0043】
一旦剛体変換が得られると、放射線治療システム内の患者の姿勢は、3D治療前画像の座標と位置合わせでき、(例えば治療計画から導かれるような)標的病理構造の座標が特定でき、かつ放射線治療が、病理構造に適用できる。
【0044】
このように、DRR発生及び画像登録のためのVOIセグメント化方法が、記載された。一実施態様において、図15に示すように、方法1200は、関心ボリューム(VOI)及び病理構造を含む3D撮像データを得ること(操作1201)と、撮像アーチファクトを除去するために3D撮像データからの関心ボリュームをセグメント化すること(操作1202)と、2つ以上の投影におけるセグメント化VOIの3D変換からデジタル再構成X線写真(DRR)を発生させること(操作1203)と、各投影において類似度を発生させるために、DRRを、患者の2D治療中画像と比較すること(操作1204)と、患者の姿勢を3D撮像データと位置合わせし、かつ治療計画に対する病理構造の座標を特定するために、各投影において最大類似度に対応する3D剛体変換を計算すること(操作1205)と、病理構造及び放射線治療源の相対位置を、治療計画に一致させること(操作1206)とを含む。図15に示すように、操作1204〜1206(又は任意に上記のように1203〜1206)は、放射線治療セッション中のいかなる患者の動きも絶えず補正するために、反復できる。
【0045】
図16は、本発明の特徴が実施できる、放射線治療の実行に使用できるシステム1300の一実施態様を示す。下記のように、かつ図13に示すように、システム1300は、診断撮像システム1000と、治療計画システム2000と、治療送達システム3000とを含むことができる。
【0046】
診断撮像システム1000は、その後の医療診断、治療計画及び/又は治療送達に使用できる患者の医療診断画像を生成できるいかなるシステムであっても良い。例えば、診断撮像システム1000は、コンピュータ断層撮影法(CT)システム、磁気共鳴映像法(MRI)システム、陽電子射出断層撮影法(PET)システム、超音波システム等であっても良い。考察を容易にするために、診断撮像システム1000は、時折CT撮像様式に関連して以下で論じることがある。しかしながら、上記のような他の撮像様式も使用できる。
【0047】
診断撮像システム1000は、撮像ビーム(例えばX線、超音波、高周波等)を発生させる撮像源1010と、撮像源1010によって発生したビーム、又は(例えばMRI又はPETスキャンにおいて)撮像源からのビームによってシミュレートされた放射若しくは二次ビームを検出及び受ける撮像検出器1020とを含む。
【0048】
撮像源1010及び撮像検出器1020は、撮像操作を制御し、かつ画像データを処理するために、デジタル処理システム1030に結合できる。診断撮像システム1000は、デジタル処理システム1030、撮像源1010及び撮像検出器1020の間でデータ及び指令を転送するバス又は他の手段1035を含む。デジタル処理システム1030は、1つ以上の汎用プロセッサ(例えばマイクロプロセッサ)と、デジタル信号プロセッサ(DSP)のような専用プロセッサ又はコントローラ若しくはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)のような他のタイプの装置とを含むことができる。デジタル処理システム1030は、メモリ、記憶装置、ネットワークアダプタ等のような他の部品(図示せず)も含むことができる。デジタル処理システム1030は、例えばDICOM(医用におけるデジタル撮像及び通信)フォーマットのような標準フォーマットでデジタル診断画像を発生させるように構成できる。他の実施態様において、デジタル処理システム1030は、他の標準又は非標準デジタル画像フォーマットを発生させることができる。デジタル処理システム1030は、例えば直接リンク、ローカルエリアネットワーク(LAN)リンク、又はインターネットのような広域ネットワーク(WAN)リンクであっても良い、データリンク1500で診断画像ファイル(例えば前述のDICOMフォーマット済みファイル)を治療計画システム2000に伝送できる。その上、システム間で転送された情報は、遠隔診断又は治療計画形態でのような、システムを接続する通信媒体を通して引き出せるか、又は推し進めることができる。遠隔診断又は治療計画において、ユーザは、システムユーザ及び患者の間の物理的分離の存在にもかかわらず、診断又は治療計画に本発明の実施態様を利用できる。
【0049】
治療計画システム2000は、画像データを受信及び処理する処理装置2010を含む。処理装置2010は、1つ以上の汎用プロセッサ(例えばマイクロプロセッサ)と、デジタル信号プロセッサ(DSP)のような専用プロセッサ又はコントローラ若しくはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)のような他のタイプの装置とに相当し得る。処理装置2010は、本明細書に記載された脊椎セグメント化ツールのような、本明細書で論じられる治療計画及び/又は画像処理操作を実行するための命令を実行するように構成できる。
【0050】
治療計画システム2000は、処理装置2010によって実行されるべき情報及び命令を記憶するための、バス2055によって処理装置2010に結合された、ランダムアクセスメモリ(RAM)、又は他の動的記憶装置を含むことができるシステムメモリ2020も含むことができる。システムメモリ2020は、処理装置2010による命令の実行中に一時的変数又は他の中間情報を記憶するためにも使用できる。システムメモリ2020は、処理装置2010の静的情報及び命令を記憶するために、バス2055に結合されたリードオンリーメモリ(ROM)及び/又は他の静的記憶装置も含むことができる。
【0051】
治療計画システム2000は、情報及び命令を記憶するためにバス2055に結合された、1つ以上の記憶装置(例えば磁気ディスクドライブ又は光学ディスクドライブ)に相当する記憶装置2030も含むことができる。記憶装置2030は、本明細書に論じられた治療計画ステップを実行する命令を記憶するために、かつ/又は本明細書に論じられたような3D撮像データ及びDRRを記憶するために使用できる。
【0052】
処理装置2010は、ユーザに情報(例えばVOIの2D又は3D表示)を表示するための、陰極線管(CRT)又は液晶ディスプレイ(LCD)のような表示装置2040にも結合できる。キーボードのような入力装置2050は、処理装置2010に情報及び/又は指令選択を伝達するために処理装置2010に結合されても良い。1つ以上の他のユーザ入力装置(例えばマウス、トラックボール又はカーソル方向キー)は、方向情報を伝達し、処理装置2010の指令を選択し、かつディスプレイ2040上のカーソルの動きを制御するためにも使用できる。
【0053】
治療計画システム2000は、多くの異なる構成及びアーキテクチャを有することができ、治療計画システム2000よりも多くの部品又は少ない部品を含むことができ、かつ本発明によって用いることができる治療計画システムの一例のみに相当することが認められるであろう。例えば、幾つかのシステムは、多くの場合周辺バス、専用キャッシュバス等のような複数のバスを有する。治療計画システム2000は、ユーザが治療を計画し、かつ種々の撮像様式(例えばMRI、CT、PET等)のいずれかに対する線量分布を見ることを可能にする拡張した画像融合能力である、DICOMインポートを支援するためのMIRIT(医療画像検査及びインポートツール)も含むことができる(従って画像は、融合でき、かつ標的は、異なるシステム上で線引きされ、かつ次に計画及び線量計算のために治療計画システムにインポートされる)。治療計画システムは、当該技術分野において公知であり、従って更に詳細な考察は、提供されない。
【0054】
治療計画システム2000は、そのデータベース(例えば記憶装置2030に記憶されたデータ)を治療送達システム3000のような治療送達システムと共有でき、その結果治療送達前に治療計画システムからエクスポートすることが、必要でない場合がある。治療計画システム2000は、データリンク1500に対して以上で論じたような、直接リンク、LANリンク又はWANリンクであっても良い、データリンク2500を介して治療送達システム3000に結合できる。データリンク1500及び2500がLAN又はWAN接続として実施される時、診断撮像システム1000、治療計画システム2000、及び/又は治療送達システム3000のいずれかは、これらのシステムが物理的に互いから遠隔であり得るように、分散位置にあっても良いことに注目すべきである。あるいは、診断撮像システム1000、治療計画システム2000、及び/又は治療送達システム3000のいずれかは、1つ以上のシステムにおいて互いに統合され得る。
【0055】
治療送達システム3000は、治療計画と一致する標的ボリュームに処方された放射線量を投与する、治療及び/又は外科的放射線源3010を含む。治療送達システム3000は、放射線源に対して患者の位置決めをするために、上記の診断画像との相関又は登録のための(標的ボリュームを含む)患者ボリュームの治療中画像を捕捉する撮像システム3020も含むことができる。撮像システム3020は、上記の撮像システムのいずれかを含むことができる。治療送達システム3000は、放射線源3010を制御するデジタル処理システム3030と、撮像システム3020と、治療台3040のような患者支持装置とを同様に含むことができる。デジタル処理システム3030は、診断撮像システム1000内でデジタル処理システム1030によって発生した、デジタル再構成X線写真(例えばセグメント化3D撮像データからのDRR)及び/又は治療計画システム2000内の処理装置2010によって発生したDRRによって、2つ以上の立体視的投影から、撮像システム3020からの2D・X線画像を登録するように構成できる。デジタル処理システム3030は、1つ以上の汎用プロセッサ(例えばマイクロプロセッサ)と、デジタル信号プロセッサ(DSP)のような専用プロセッサ又はコントローラ若しくはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)のような他のタイプの装置とを含むことができる。デジタル処理システム3030は、メモリ、記憶装置、ネットワークアダプタ等のような他の部品(図示せず)も含むことができる。デジタル処理システム3030は、バス3045又は他のタイプの制御及び通信インタフェースによって放射線源3010、撮像システム3020、及び治療台3040に連結できる。
【0056】
デジタル処理システム3030は、治療送達システム3000内で治療台3040上に患者を位置合わせし、かつ標的ボリュームに対して放射線源を正確に位置決めするために、術前治療計画画像と、撮像システム3020から得られた画像を登録する(例えば上記の方法1200のような)方法を実施できる。
【0057】
治療台3040は、複数(例えば5以上)の自由度を有するもう1つのロボットアーム(図示せず)に連結できる。台アームは、5つの回転自由度、及び1つの実質的に垂直な線形自由度を有することができる。あるいは、台アームは、6つの回転自由度、及び1つの実質的に垂直な線形自由度、又は少なくとも4つの回転自由度を有することができる。台アームは、柱若しくは壁に垂直に取り付けられるか、又は台座、床若しくは天井に水平に取り付けられる。あるいは、治療台3040は、カリフォルニアのAccuray,Inc.によって開発されたAxum(登録商標)治療台のようなもう1つの機械的機序の部品、又は当業者に公知のもう1つのタイプの従来の治療台であっても良い。
【0058】
本明細書に記載された方法及び装置が、医療診断撮像及び治療のみによる使用に限定されないことに注目すべきである。代替的実施態様において、本明細書の方法及び装置は、工業的撮像及び材料の非破壊試験(例えば自動車産業におけるモータブロック、航空産業における機体、建設業における溶接、及び石油産業におけるボーリグコア)及び地震調査のような、医療技術分野以外での応用に使用できる。かかる応用において、例えば「治療」は、放射線ビームの適用を一般的に指すことができる。
【0059】
前述の記載から本発明の態様が、ソフトウェアで少なくとも部分的に具体化できることが明らかである。すなわち、技術は、例えばシステムメモリ2020のような、メモリ内に含まれる命令シーケンスを実行する、例えば処理装置2010のようなそのプロセッサに応答してコンピュータシステム又は他のデータ処理システムにおいて行なうことができる。種々の実施態様において、ハードウェア回路が、本発明を実施するためにソフトウェア命令と組み合わせて使用できる。それ故に技術は、ハードウェア回路及びソフトウェアのいかなる具体的な組み合わせ、又はデータ処理システムによって実行される命令のいかなる特定の源にも限定されない。その上、この記載を通じて、種々の機能及び操作は、記載を簡略にするために、ソフトウェアコードによって実行されるか、又は引き起こされるとして記載できた。しかしながら、当業者は、かかる表現によって意味されるものは、機能が、処理装置2010のようなプロセッサ又はコントローラによるコードの実行に由来することであることを認識するであろう。
【0060】
機械可読媒体は、データ処理システムによって実行される時に、システムに本発明の種々の方法を実行させるソフトウェア及びデータを記憶するために、使用できる。この実行可能なソフトウェア及びデータは、例えばシステムメモリ2020及び記憶装置2030、又はソフトウェアプログラム及び/又はデータを記憶することが可能な他のいかなる装置も含む、種々の場所に記憶できる。
【0061】
それ故に機械可読媒体は、機械(例えばコンピュータ、ネットワーク装置、携帯情報端末、製造ツール、1つ以上のプロセッサ一式を有するいずれかの装置等)によってアクセス可能な形状で情報を提供する(すなわち記憶及び/又は伝送する)いかなる機構も含む。例えば、機械可読媒体は、記録可能な/記録不可能な媒体(例えばリードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)磁気ディスク記憶媒体、光学記憶媒体、フラッシュメモリ素子等)並びに電気、光学、音響又は他の形状の伝搬信号(例えば搬送波、赤外線信号、デジタル信号等)等を含む。
【0062】
本明細書を通じた、「一実施態様」、又は「実施態様」の参照は、実施態様と関連して記載された特定の特徴、構造又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施態様に含まれることが認められるべきである。従って、本明細書の種々の部分での「実施態様」、又は「一実施態様」、又は「代替的実施態様」への2つ以上の参照は、必ずしも全てが同じ実施態様を参照しないことが強調され、かつ認められるべきである。更に、特定の特徴、構造又は特性は、本発明の1つ以上の実施態様において適切な場合、組み合わせることができる。その上、本発明は、幾つかの実施態様の点から記載されたが、当業者は、本発明が記載された実施態様に限定されないことを認識するであろう。本発明の実施態様は添付の請求項の範囲内の、修正及び変更によって実施できる。それ故に明細書及び図面は、発明を限定するのではなく、例示的と見なされるべきである。
【符号の説明】
【0063】
1000 診断撮像システム、1010 撮像源、1020 撮像検出器、1030 デジタル処理システム、2000 治療計画システム、2010 処理装置、2020 システムメモリ、2030 記憶装置、2040 ディスプレイ、2050 入力装置、3000 治療送達システム、3010 放射線源、3020 撮像システム、3030 デジタル処理システム、3040 治療台
【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元(3D)撮像データが病理構造を含む、セグメント化関心ボリューム(VOI)を得るために、前記3D撮像データからのVOIをセグメント化することと、
2つ以上の投影の各々において、前記セグメント化VOIの3D変換からデジタル再構成X線写真(DRR)を発生させることとを含む方法。
【請求項2】
各投影における類似度を生成するために、各投影におけるDRRを、対応する二次元(2D)治療中画像と比較することと、
各投影において最大類似度に対応する3D剛体変換を計算することとを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記最大類似度が、各投影における前記DRRと、対応する2D治療中画像との間の登録に対応し、各投影における前記DRRと、前記対応する2D治療中画像との間の変換から、前記3D剛体変換を計算することを更に含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
各投影における前記類似度が、前記DRRと、前記対応する2D治療中画像との間のベクトル変位場を含む請求項2に記載の方法。
【請求項5】
各投影における2D変位場からの前記セグメント化VOIの平均剛体変換を決定することを更に含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記病理構造及び放射線治療源の相対位置を、放射線治療計画に一致させることを更に含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記3D剛体変換を計算することは、
各投影における第1DRRと、対応する2D治療中画像との間の類似度を計算することと、
前記対応する2D治療中画像と、増加した類似度を有する、各投影において第2DRRを発生させる前記類似度から3Dセグメント化領域の変換を選択することとを含む請求項2に記載の方法。
【請求項8】
各投影における最大類似度を生成する3Dセグメント化領域データの変換を選択することを更に含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記3D剛体変換を計算することは、
各投影における複数のDRRの各々と、対応する2D治療中画像との間の類似度を計算することを含み、投影における各DRRは、前記セグメント化VOIの異なる3D変換に対応する請求項2に記載の方法。
【請求項10】
各投影における最大類似度を生成するセグメント化VOIの変換を選択することを更に含む請求項9に記載の方法。
【請求項11】
各投影における最大類似度を生成するセグメント化VOIの変換から、病理構造の3D座標を決定することを更に含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
放射線治療ビーム源から放出された放射線ビームが、前記病理構造に集中されるように、前記病理構造の前記3D座標を使用して、前記放射線治療ビーム源を位置決めすることを更に含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
放射線治療ビーム源から放出された放射線ビームが、前記病理構造に集中されるように、前記病理構造の前記3D座標を使用して、患者を位置決めすることを更に含む請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記VOIが、前記3D撮像データの1つ以上の図における2D輪郭一式を含む請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記VOIをセグメント化することは、3Dボクセルマスクを発生させることを含み、前記ボクセルマスクが、セグメント化領域を線引きし、かつ前記セグメント化領域の外側の全ての解剖学的構造を除外するように構成される請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記3Dボクセルマスクが、2D輪郭一式から発生する請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記3Dボクセルマスクが、複数の多重ビットボクセルマスクを含み、多重ビットボクセルマスク内の各ビットが、異なるVOIに対応する請求項15に記載の方法。
【請求項18】
医療撮像システムから前記3D撮像データを得ることを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記3D撮像データが、治療計画のためのコンピュータ断層撮影法(CT)画像データ、磁気共鳴(MR)画像データ、陽電子射出断層撮影法(PET)画像データ及び3D回転血管撮影法(3DRA)画像データの1つ以上を含む請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記3Dセグメント化領域が脊椎である請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記3Dセグメント化領域が頭蓋である請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記対応する二次元(2D)治療中画像が、治療中X線画像を含む請求項1に記載の方法。
【請求項23】
機械によってアクセスされる時、前記機械に、
3D撮像データが、病理構造を含む、セグメント化関心ボリューム(VOI)を得るために三次元(3D)撮像データからのVOIをセグメント化することと、
2つ以上の投影の各々において、前記セグメント化VOIの3D変換からデジタル再構成X線写真(DRR)を発生させることとを含む操作を実行させるデータを含む機械アクセス可能な媒体を含む製品。
【請求項24】
前記機械アクセス可能な媒体が、前記機械に、
各投影において類似度を生成するために、各投影におけるDRRを、対応する二次元(2D)治療中画像と比較することと、
各投影において最大類似度に対応する3D剛体変換を計算することとを含む操作を実行させるデータを更に含む請求項23に記載の製品。
【請求項25】
前記最大類似度が、各投影における前記DRRと、対応する2D治療中画像との間の登録に対応し、各投影における前記DRRと、前記対応する2D治療中画像との間の変換から、前記3D剛体変換を計算することを更に含む請求項24に記載の製品。
【請求項26】
前記DRRと、前記対応する2D治療中画像との間の前記変換が、各投影における2D変位場である請求項24に記載の製品。
【請求項27】
前記機械アクセス可能な媒体が、前記機械に、
各投影における前記2D変位場からの前記セグメント化VOIの平均剛体変換を決定することを含む操作を実行させるデータを更に含む請求項26に記載の製品。
【請求項28】
前記機械アクセス可能な媒体が、前記機械に、
前記病理構造及び放射線治療源の相対位置を、放射線治療計画に一致させることを含む操作を実行させるデータを更に含む請求項27に記載の製品。
【請求項29】
前記3D剛体変換を計算することは、
各投影における第1DRRと、対応する2D治療中画像との間の類似度を計算することと、
前記対応する2D治療中画像と、増加した類似度を有する、各投影において第2DRRを発生させる前記類似度から3Dセグメント化領域の変換を選択することとを含む請求項24に記載の製品。
【請求項30】
前記機械アクセス可能な媒体が、前記機械に、
各投影における最大類似度を生成する3Dセグメント化領域データの変換を選択することを含む操作を実行させるデータを更に含む請求項29に記載の製品。
【請求項31】
前記機械アクセス可能な媒体が、前記機械に、
各投影における複数のDRRの各々と、対応する2D治療中画像との間の類似度を計算し、投影における各DRRは、前記セグメント化VOIの異なる3D変換に対応することを含む操作を実行させるデータを更に含む請求項24に記載の製品。
【請求項32】
前記機械アクセス可能な媒体が、前記機械に、
各投影における最大類似度を生成するセグメント化VOIの変換を選択することを含む操作を実行させるデータを更に含む請求項31に記載の製品。
【請求項33】
前記機械アクセス可能な媒体が、前記機械に、
各投影における最大類似度を生成するセグメント化VOIの変換から、病理構造の3D座標を決定することを含む操作を実行させるデータを更に含む請求項32に記載の製品。
【請求項34】
前記機械アクセス可能な媒体が、前記機械に、
放射線治療ビーム源から放出された放射線ビームが、前記病理構造に集中されるように、前記病理構造の前記3D座標を使用して、前記放射線治療ビーム源を位置決めすることを含む操作を実行させるデータを更に含む請求項33に記載の製品。
【請求項35】
前記機械アクセス可能な媒体が、前記機械に、
放射線治療ビーム源から放出された放射線ビームが、前記病理構造に集中されるように、前記病理構造の前記3D座標を使用して、患者を位置決めすることを含む操作を実行させるデータを更に含む請求項33に記載の製品。
【請求項36】
前記セグメント化VOIが、前記3D撮像データの1つ以上の図における2D輪郭一式を含む請求項23に記載の製品。
【請求項37】
前記VOIをセグメント化することは、3Dボクセルマスクを発生させることを含み、前記ボクセルマスクが、前記VOIを線引きし、かつ前記VOIの外側の全ての解剖学的構造を除外するように構成される請求項23に記載の製品。
【請求項38】
前記3Dボクセルマスクが、2D輪郭一式から発生する請求項37に記載の製品。
【請求項39】
前記3Dボクセルマスクが、複数の多重ビットボクセルマスクを含み、多重ビットボクセルマスク内の各ビットが、異なるVOIに対応する請求項37に記載の製品。
【請求項40】
前記機械アクセス可能な媒体が、前記機械に、医療撮像システムから前記3D撮像データを得ることを含む操作を実行させるデータを更に含む請求項23に記載の製品。
【請求項41】
前記3D撮像データが、治療計画のためのコンピュータ断層撮影法(CT)画像データ、磁気共鳴(MR)画像データ、陽電子射出断層撮影法(PET)画像データ及び3D回転血管撮影法(3DRA)画像データの1つ以上を含む請求項23に記載の製品。
【請求項42】
前記3Dセグメント化領域が脊椎である請求項23に記載の製品。
【請求項43】
前記3Dセグメント化領域が頭蓋である請求項23に記載の製品。
【請求項44】
前記対応する二次元(2D)治療中画像が、治療中X線画像を含む請求項23に記載の製品。
【請求項45】
第1処理装置が、セグメント化VOIを得るために三次元(3D)走査データから関心ボリューム(VOI)をセグメント化するように構成され、3D撮像データが、病理構造を含み、かつ前記第1処理装置が、2つ以上の投影の各々において、前記セグメント化VOIから複数のデジタル再構成X線写真(DRR)を発生させるように更に構成される、前記第1処理装置を含む治療計画システムと、
各投影において2D変位場を発生させるために、各投影における1つ以上のDRRを、対応する二次元(2D)治療中画像と比較するように構成された第2処理装置を含む治療送達システムとを含むシステム。
【請求項46】
第3処理装置を含む画像獲得システムを更に含み、前記第3処理装置は、3D撮像データを得るように構成され、かつ第2プロセッサが3D画像データの平均剛体変換と、病理構造の3D変位とを決定し、かつ前記病理構造に画像誘導放射線治療を適用するように更に構成される請求項45に記載のシステム。
【請求項47】
前記第1処理装置、前記第2処理装置、及び前記第3処理装置が、同じ処理装置である請求項46に記載のシステム。
【請求項48】
前記第1処理装置、前記第2処理装置、及び前記第3処理装置が、異なる処理装置である請求項46に記載のシステム。
【請求項49】
撮像ボリュームから画像アーチファクトを除去する手段と、
画像アーチファクトのない前記撮像ボリュームの二次元(2D)投影を発生させる手段とを含む装置。
【請求項50】
前記画像アーチファクトが、動きアーチファクトである請求項49に記載の装置。
【請求項51】
前記画像アーチファクトが、干渉アーチファクトである請求項49に記載の装置。
【請求項52】
2D治療中画像と、前記撮像ボリュームとの間での2D−3D変換を決定するために、対応する2D治療中画像によって前記撮像ボリュームの前記2D投影を登録する手段を更に含む請求項49に記載の装置。
【請求項53】
類似度を発生させるために、対応する2D治療中画像と、前記撮像ボリュームの前記2D投影を比較する手段を更に含み、前記類似度が、前記撮像ボリュームの3D変換に対応する請求項49に記載の装置。
【請求項1】
三次元(3D)撮像データが病理構造を含む、セグメント化関心ボリューム(VOI)を得るために、前記3D撮像データからのVOIをセグメント化することと、
2つ以上の投影の各々において、前記セグメント化VOIの3D変換からデジタル再構成X線写真(DRR)を発生させることとを含む方法。
【請求項2】
各投影における類似度を生成するために、各投影におけるDRRを、対応する二次元(2D)治療中画像と比較することと、
各投影において最大類似度に対応する3D剛体変換を計算することとを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記最大類似度が、各投影における前記DRRと、対応する2D治療中画像との間の登録に対応し、各投影における前記DRRと、前記対応する2D治療中画像との間の変換から、前記3D剛体変換を計算することを更に含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
各投影における前記類似度が、前記DRRと、前記対応する2D治療中画像との間のベクトル変位場を含む請求項2に記載の方法。
【請求項5】
各投影における2D変位場からの前記セグメント化VOIの平均剛体変換を決定することを更に含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記病理構造及び放射線治療源の相対位置を、放射線治療計画に一致させることを更に含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記3D剛体変換を計算することは、
各投影における第1DRRと、対応する2D治療中画像との間の類似度を計算することと、
前記対応する2D治療中画像と、増加した類似度を有する、各投影において第2DRRを発生させる前記類似度から3Dセグメント化領域の変換を選択することとを含む請求項2に記載の方法。
【請求項8】
各投影における最大類似度を生成する3Dセグメント化領域データの変換を選択することを更に含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記3D剛体変換を計算することは、
各投影における複数のDRRの各々と、対応する2D治療中画像との間の類似度を計算することを含み、投影における各DRRは、前記セグメント化VOIの異なる3D変換に対応する請求項2に記載の方法。
【請求項10】
各投影における最大類似度を生成するセグメント化VOIの変換を選択することを更に含む請求項9に記載の方法。
【請求項11】
各投影における最大類似度を生成するセグメント化VOIの変換から、病理構造の3D座標を決定することを更に含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
放射線治療ビーム源から放出された放射線ビームが、前記病理構造に集中されるように、前記病理構造の前記3D座標を使用して、前記放射線治療ビーム源を位置決めすることを更に含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
放射線治療ビーム源から放出された放射線ビームが、前記病理構造に集中されるように、前記病理構造の前記3D座標を使用して、患者を位置決めすることを更に含む請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記VOIが、前記3D撮像データの1つ以上の図における2D輪郭一式を含む請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記VOIをセグメント化することは、3Dボクセルマスクを発生させることを含み、前記ボクセルマスクが、セグメント化領域を線引きし、かつ前記セグメント化領域の外側の全ての解剖学的構造を除外するように構成される請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記3Dボクセルマスクが、2D輪郭一式から発生する請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記3Dボクセルマスクが、複数の多重ビットボクセルマスクを含み、多重ビットボクセルマスク内の各ビットが、異なるVOIに対応する請求項15に記載の方法。
【請求項18】
医療撮像システムから前記3D撮像データを得ることを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記3D撮像データが、治療計画のためのコンピュータ断層撮影法(CT)画像データ、磁気共鳴(MR)画像データ、陽電子射出断層撮影法(PET)画像データ及び3D回転血管撮影法(3DRA)画像データの1つ以上を含む請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記3Dセグメント化領域が脊椎である請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記3Dセグメント化領域が頭蓋である請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記対応する二次元(2D)治療中画像が、治療中X線画像を含む請求項1に記載の方法。
【請求項23】
機械によってアクセスされる時、前記機械に、
3D撮像データが、病理構造を含む、セグメント化関心ボリューム(VOI)を得るために三次元(3D)撮像データからのVOIをセグメント化することと、
2つ以上の投影の各々において、前記セグメント化VOIの3D変換からデジタル再構成X線写真(DRR)を発生させることとを含む操作を実行させるデータを含む機械アクセス可能な媒体を含む製品。
【請求項24】
前記機械アクセス可能な媒体が、前記機械に、
各投影において類似度を生成するために、各投影におけるDRRを、対応する二次元(2D)治療中画像と比較することと、
各投影において最大類似度に対応する3D剛体変換を計算することとを含む操作を実行させるデータを更に含む請求項23に記載の製品。
【請求項25】
前記最大類似度が、各投影における前記DRRと、対応する2D治療中画像との間の登録に対応し、各投影における前記DRRと、前記対応する2D治療中画像との間の変換から、前記3D剛体変換を計算することを更に含む請求項24に記載の製品。
【請求項26】
前記DRRと、前記対応する2D治療中画像との間の前記変換が、各投影における2D変位場である請求項24に記載の製品。
【請求項27】
前記機械アクセス可能な媒体が、前記機械に、
各投影における前記2D変位場からの前記セグメント化VOIの平均剛体変換を決定することを含む操作を実行させるデータを更に含む請求項26に記載の製品。
【請求項28】
前記機械アクセス可能な媒体が、前記機械に、
前記病理構造及び放射線治療源の相対位置を、放射線治療計画に一致させることを含む操作を実行させるデータを更に含む請求項27に記載の製品。
【請求項29】
前記3D剛体変換を計算することは、
各投影における第1DRRと、対応する2D治療中画像との間の類似度を計算することと、
前記対応する2D治療中画像と、増加した類似度を有する、各投影において第2DRRを発生させる前記類似度から3Dセグメント化領域の変換を選択することとを含む請求項24に記載の製品。
【請求項30】
前記機械アクセス可能な媒体が、前記機械に、
各投影における最大類似度を生成する3Dセグメント化領域データの変換を選択することを含む操作を実行させるデータを更に含む請求項29に記載の製品。
【請求項31】
前記機械アクセス可能な媒体が、前記機械に、
各投影における複数のDRRの各々と、対応する2D治療中画像との間の類似度を計算し、投影における各DRRは、前記セグメント化VOIの異なる3D変換に対応することを含む操作を実行させるデータを更に含む請求項24に記載の製品。
【請求項32】
前記機械アクセス可能な媒体が、前記機械に、
各投影における最大類似度を生成するセグメント化VOIの変換を選択することを含む操作を実行させるデータを更に含む請求項31に記載の製品。
【請求項33】
前記機械アクセス可能な媒体が、前記機械に、
各投影における最大類似度を生成するセグメント化VOIの変換から、病理構造の3D座標を決定することを含む操作を実行させるデータを更に含む請求項32に記載の製品。
【請求項34】
前記機械アクセス可能な媒体が、前記機械に、
放射線治療ビーム源から放出された放射線ビームが、前記病理構造に集中されるように、前記病理構造の前記3D座標を使用して、前記放射線治療ビーム源を位置決めすることを含む操作を実行させるデータを更に含む請求項33に記載の製品。
【請求項35】
前記機械アクセス可能な媒体が、前記機械に、
放射線治療ビーム源から放出された放射線ビームが、前記病理構造に集中されるように、前記病理構造の前記3D座標を使用して、患者を位置決めすることを含む操作を実行させるデータを更に含む請求項33に記載の製品。
【請求項36】
前記セグメント化VOIが、前記3D撮像データの1つ以上の図における2D輪郭一式を含む請求項23に記載の製品。
【請求項37】
前記VOIをセグメント化することは、3Dボクセルマスクを発生させることを含み、前記ボクセルマスクが、前記VOIを線引きし、かつ前記VOIの外側の全ての解剖学的構造を除外するように構成される請求項23に記載の製品。
【請求項38】
前記3Dボクセルマスクが、2D輪郭一式から発生する請求項37に記載の製品。
【請求項39】
前記3Dボクセルマスクが、複数の多重ビットボクセルマスクを含み、多重ビットボクセルマスク内の各ビットが、異なるVOIに対応する請求項37に記載の製品。
【請求項40】
前記機械アクセス可能な媒体が、前記機械に、医療撮像システムから前記3D撮像データを得ることを含む操作を実行させるデータを更に含む請求項23に記載の製品。
【請求項41】
前記3D撮像データが、治療計画のためのコンピュータ断層撮影法(CT)画像データ、磁気共鳴(MR)画像データ、陽電子射出断層撮影法(PET)画像データ及び3D回転血管撮影法(3DRA)画像データの1つ以上を含む請求項23に記載の製品。
【請求項42】
前記3Dセグメント化領域が脊椎である請求項23に記載の製品。
【請求項43】
前記3Dセグメント化領域が頭蓋である請求項23に記載の製品。
【請求項44】
前記対応する二次元(2D)治療中画像が、治療中X線画像を含む請求項23に記載の製品。
【請求項45】
第1処理装置が、セグメント化VOIを得るために三次元(3D)走査データから関心ボリューム(VOI)をセグメント化するように構成され、3D撮像データが、病理構造を含み、かつ前記第1処理装置が、2つ以上の投影の各々において、前記セグメント化VOIから複数のデジタル再構成X線写真(DRR)を発生させるように更に構成される、前記第1処理装置を含む治療計画システムと、
各投影において2D変位場を発生させるために、各投影における1つ以上のDRRを、対応する二次元(2D)治療中画像と比較するように構成された第2処理装置を含む治療送達システムとを含むシステム。
【請求項46】
第3処理装置を含む画像獲得システムを更に含み、前記第3処理装置は、3D撮像データを得るように構成され、かつ第2プロセッサが3D画像データの平均剛体変換と、病理構造の3D変位とを決定し、かつ前記病理構造に画像誘導放射線治療を適用するように更に構成される請求項45に記載のシステム。
【請求項47】
前記第1処理装置、前記第2処理装置、及び前記第3処理装置が、同じ処理装置である請求項46に記載のシステム。
【請求項48】
前記第1処理装置、前記第2処理装置、及び前記第3処理装置が、異なる処理装置である請求項46に記載のシステム。
【請求項49】
撮像ボリュームから画像アーチファクトを除去する手段と、
画像アーチファクトのない前記撮像ボリュームの二次元(2D)投影を発生させる手段とを含む装置。
【請求項50】
前記画像アーチファクトが、動きアーチファクトである請求項49に記載の装置。
【請求項51】
前記画像アーチファクトが、干渉アーチファクトである請求項49に記載の装置。
【請求項52】
2D治療中画像と、前記撮像ボリュームとの間での2D−3D変換を決定するために、対応する2D治療中画像によって前記撮像ボリュームの前記2D投影を登録する手段を更に含む請求項49に記載の装置。
【請求項53】
類似度を発生させるために、対応する2D治療中画像と、前記撮像ボリュームの前記2D投影を比較する手段を更に含み、前記類似度が、前記撮像ボリュームの3D変換に対応する請求項49に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図10】
【図15】
【図16】
【図9】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図10】
【図15】
【図16】
【図9】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2010−500151(P2010−500151A)
【公表日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−524634(P2009−524634)
【出願日】平成19年8月10日(2007.8.10)
【国際出願番号】PCT/US2007/017809
【国際公開番号】WO2008/021245
【国際公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(505005625)アキュレイ・インコーポレーテッド (11)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月10日(2007.8.10)
【国際出願番号】PCT/US2007/017809
【国際公開番号】WO2008/021245
【国際公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(505005625)アキュレイ・インコーポレーテッド (11)
【Fターム(参考)】
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