説明

GPS測位回路の電源オン/オフを調整する移動端末および方法

移動端末の位置を測定する方法であって、GPS信号を使用して移動端末の位置を測定するGPS受信機回路への電源オンと電オフを繰り返し切り替える工程を有する。GPS受信機回路の電源オン対電源オフのデューティ比が、移動端末が前の測定位置から移動した距離に対応して調整される。電源オン対電源オフのデューティ比は、GPS信号途絶の確認に対応して、GPS測定の前の位置からの加速度から算出の距離、移動端末の加速度から算出の速度、セルラシステムからの測位支援情報の入手性、WLAN/ブルートゥースデバイスからの信号の存在/不存在、および/または新しいセルラ基地局IDの検出に対応して、調整されてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動端末の位置を測定する移動端末および方法に関し、より詳細には、全地球測位システム(GPS)信号に基づき移動端末の位置を測定する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
セルラ移動端末、携帯情報端末(PDA)、ラップトップコンピュータおよび同種のものなどの多くの移動端末が、今ではGPS受信機を装備している。GPSは、地球の周りの軌道上にある一群の衛星を使用する宇宙ベースの無線三角測量システムである。GPS受信機は、衛星の中の種々の衛星から受信する無線信号のタイミングおよびそれらの衛星の既知の位置に基づき、自端末の位置を三角測量する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
GPS受信機の位置測定には、通常、4つ以上のGPS衛星からのナビゲーションデータ信号から、ナビゲーションパラメータセットの取得を必要とする。このプロセスは、GPS測位プロセスの期間が一般にGPS受信機が最初にどのくらい多くの情報を有しているかに依存するので、数分かかることがある。ほとんどのGPS受信機は、最大1年先の衛星予定位置を大雑把に描写するアルマナックデータを使用してプログラムされている。しかし、GPS受信機が自装置のおおよその位置を知らなくても、可視衛星からGPS信号を取得し、それに固定して自動追尾するのに、著しく多くの時間を必要としないことがある。GPS信号のモニタリングプロセスは、環境要因によって大きな影響を受けることがある。例えば、野外で容易に取得しうるGPS信号の取得が、受信機がビル内、車内および/または群葉の下にあるとき、たいてい難しくなるかまたは不可能になる。
【0004】
GPS受信機性能を改善するために、GPS受信機によるGPS信号の取得およびそれに関連した位置測定を促進させうる支援情報、例えば時間および位置の推定値、衛星エフェメリスおよびクロック情報、ならびに可視衛星リスト(これは一般に移動端末の位置で変わる)などを、GPS受信機に提供する技法が開発された。このような支援情報は、例えば地上セルラ通信システムから送信されてもよい。しかし、支援情報は必ずしも入手可能ではないことがある。例えばユーザが、ユーザのセルラプロバイダがサービスを提供していない地域を旅行しているときなどである。このような支援情報を入手可能でないとき、GPS受信機の応答時間が大幅に増加するのを、ユーザは経験するかもしれない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のいくつかの実施形態は、GPS信号を使用して移動端末の位置を測定するGPS受信機回路への電源オンと電源オフの繰り返し切り替え工程を有する移動端末の位置を測定する方法に関する。GPS受信機回路の電源オン対電源オフのデューティ比(デューティサイクル)は、前の測定位置から移動機が移動した距離に応じて調整される。
【0006】
いくつかのさらなる実施形態では、GPS受信機回路における電源オン対電源オフのデューティ比の調整は、GPS受信機回路が少なくとも閾時間長の間に移動端末の位置を測定するのに十分なGPS信号強度がないことを受けて、移動端末においてGPS信号が途絶しているのを検出する工程と、GPS受信機回路の電源オフサイクル中に移動端末の加速度計回路からの加速度情報を使用して、移動端末の加速度ベースの現在位置を測定する工程と、移動端末の加速度ベースの現在位置とGPS測定の前の位置との間の距離が閾距離を上回るまで、GPS受信機回路の電源オフサイクル期間を延長する工程と、GPS受信機回路の電源オン時に移動端末のGPS測定による現在位置の測定を試みる工程とを有する。
【0007】
GPS受信機回路を選択的に電源オフすることによって、かつ加速度回路からの加速度情報を使用し移動端末がどのくらい遠くまで移動したかを測定して、GPS受信機をいつ電源オンすべきかを決定することによって、移動端末の電力消費の大幅な削減を達成する。
【0008】
いくつかのさらなる実施形態では、方法は、移動端末の加速度ベースの現在位置とGPS測定の前の位置との間の距離が閾較正距離を上回るのに対応して、加速度計回路を較正(キャリブレーション)する工程をさらに有する。
【0009】
いくつかのさらなる実施形態では、方法は、GPS受信機回路が移動端末の位置を測定するのに十分なGPS信号強度がなく、移動端末においてGPS信号が途絶しているのを検出する工程と、GPS途絶位置を記録する工程と、それ以降、前に記録したGPS途絶位置に置かれている移動端末に対して、GPS受信機回路を電源オフすることによって対応する工程とをさらに有する。移動端末は、別の通信デバイスから無線エアインタフェースを通じて、移動端末においてGPS信号が途絶することになる少なくとも1つの場所について受信してもよく、受信した少なくとも1つのGPS途絶位置を記録に加えてもよい。
【0010】
いくつかのさらなる実施形態では、GPS受信機回路の電源オン対電源オフのデューティ比の調整は、電源オンサイクル中にGPS受信機回路を使用して移動端末のGPSベースの位置を測定する工程と、GPS受信機回路の電源オフサイクル中に移動端末の加速度計回路からの加速度情報を使用して移動端末の加速度ベースの現在位置を測定する工程と、移動端末の加速度ベースの現在位置とGPSベースの位置との間の距離が閾距離を上回るまで、GPS受信機回路の電源オフサイクル期間を延長する工程とを有する。
【0011】
いくつかのさらなる実施形態では、GPS受信機回路の電源オン対電源オフのデューティ比の調整は、電源オンサイクル中にGPS受信機回路を使用して移動端末のGPSベースの位置を測定する工程と、GPS受信機回路の電源オフサイクル中に移動端末の加速度計回路からの加速度情報を使用して移動端末の速度を測定する工程と、移動端末の測定速度に対応してGPS受信機回路の電源オン対電源オフのデューティ比を調整する工程とを有する。
【0012】
いくつかのさらなる実施形態では、移動端末の測定速度に対応したGPS受信機回路の電源オン対電源オフのデューティ比の調整は、移動端末の測定速度が閾速度を上回ることに対応してGPS受信機回路の電源オン対電源オフのデューティ比を増大する工程と、移動端末の測定速度が閾速度を下回ることに対応してGPS受信機回路の電源オン対電源オフのデューティ比を減少する工程とを有する。
【0013】
いくつかのさらなる実施形態では、GPS受信機回路の電源オン対電源オフのデューティ比の調整は、移動端末の位置を測定するためにGPS受信機回路が使用する測位支援情報のセルラシステムからの入手可能性を判定する工程と、セルラシステムからの測位支援情報が入手できることに対応してGPS受信機回路の電源オン対電源オフのデューティ比を増大する工程と、セルラシステムからの測位支援情報が入手できないことに対応してGPS受信機回路の電源オン対電源オフのデューティ比を減少する工程とを有する。
【0014】
いくつかのさらなる実施形態では、GPS受信機回路の電源オン対電源オフのデューティ比の調整は、移動端末が少なくとも閾時間の間は実質上静止していたと以前決められたおよび/または定められた位置に関連付けられた無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)デバイスからの信号の発見に応えて、GPS受信機回路の電源オン対電源オフのデューティ比を減少する工程を有する。
【0015】
いくつかのさらなる実施形態では、GPS受信機回路の電源オン対電源オフのデューティ比の調整は、移動端末が少なくとも閾時間の間は実質上静止していたと以前決められたおよび/または定められた位置に関連付けられたWLANデバイスからの信号がないことの検出に応えて、GPS受信機回路の電源オン対電源オフのデューティ比を増大する工程を有する。
【0016】
いくつかのさらなる実施形態では、GPS受信機回路の電源オン対電源オフのデューティ比の調整は、移動端末が少なくとも閾時間の間は実質上静止していたと以前決められたおよび/または定められた位置に関連付けられたブルートゥースデバイスからの信号の発見に応えて、GPS受信機回路の電源オン対電源オフのデューティ比を減少する工程を有する。
【0017】
いくつかのさらなる実施形態では、GPS受信機回路の電源オン対電源オフのデューティ比の調整は、移動端末が少なくとも閾時間の間は実質上静止していたと以前決められたおよび/または定められた位置に関連付けられたブルートゥースデバイスからの信号がないことの検出に応えて、GPS受信機回路の電源オン対電源オフのデューティ比を増大する工程を有する。
【0018】
いくつかのさらなる実施形態では、GPS受信機回路の電源オン対電源オフのデューティ比の調整は、移動端末がセルラ基地局送信の新しいセルラ基地局IDを受信し確認するまで、GPS受信機回路の電源オフサイクル期間を延長する工程を有する。
【0019】
本発明のいくつかの他の実施形態は、GPS受信機回路およびコントローラ回路を有する移動端末に関する。GPS受信機回路は、GPS信号を使用して移動端末の位置を測定するように構成される。コントローラ回路は、GPS受信機回路への電源オンと電源オフを繰り返し切り替え、移動端末が前に測定した位置から移動した距離に対応してGPS受信機回路の電源オン対電源オフのデューティ比を調整するように構成される。
【0020】
いくつかのさらなる実施形態では、移動端末は、移動端末の加速度を示す加速度情報を生成する加速度計回路と、GPS受信機回路の電源オフサイクル中に加速度計回路からの加速度情報を使用して、移動端末の加速度ベースの現在位置を測定するように構成された加速度ベース位置測定回路とをさらに有する。GPS受信機回路は、少なくとも閾時間長の間に移動端末の位置を測定するのに十分なGPS信号強度がないことを受けて、移動端末においてGPS信号が途絶しているのを検出するように構成される。コントローラ回路は、移動端末においてGPS信号が途絶していることの検出に応えてGPS受信機回路を電源オフにし、移動端末の加速度ベースの現在位置とGPS測定の前の位置との間の距離が閾距離を上回るまでGPS受信機回路の電源オフサイクル期間を延長し、GPS受信機回路の電源オン時に移動端末のGPS測定による現在位置の測定を試みるように構成される。
【0021】
いくつかのさらなる実施形態では、移動端末は、移動端末の加速度を示す加速度情報を生成する加速度計回路と、GPS受信機回路の電源オフサイクル中に加速度計回路からの加速度情報を使用して、移動端末の加速度計ベースの現在位置を測定するように構成された加速度ベース位置測定回路とをさらに有する。GPS受信機回路は、電源オンサイクル中に移動端末のGPSベースの位置を測定する。コントローラ回路は、移動端末の加速度計ベースの現在位置とGPSベースの位置との間の距離が閾距離を上回るまで、GPS受信機回路の電源オフサイクル期間を延長する。
【0022】
いくつかのさらなる実施形態では、移動端末は、移動端末の加速度計ベースの現在位置とGPS測定の前の位置との間の距離が閾較正距離を上回るのに対応して、加速度計回路を較正するように構成された較正回路をさらに有する。
【0023】
いくつかのさらなる実施形態では、移動端末は、移動端末の加速度を示す加速度情報を生成する加速度計回路と、GPS受信機回路の電源オフサイクル中に加速度計回路からの加速度情報を使用して、移動端末の速度を測定するように構成された速度測定回路とをさらに有する。コントローラ回路は、移動端末の測定速度が閾速度を上回ることに対応して、GPS受信機回路の電源オン対電源オフのデューティ比を増大し、移動端末の測定速度が閾速度を下回ることに対応して、GPS受信機回路の電源オン対電源オフのデューティ比を減少するように構成される。
【0024】
いくつかのさらなる実施形態では、移動端末は、セルラシステムと通信し、セルラシステムから無線エアインタフェースを通じて測位支援情報を受信するように構成されたセルラ送受信機回路をさらに有する。GPS受信機回路は、受信測位支援情報を使用して、GPS信号に固定して自動追尾し、移動端末の位置を測定するように構成される。コントローラ回路は、セルラシステムからの測位支援情報の入手可能性を判定し、セルラシステムから測位支援情報を入手できることに対応して、GPS受信機回路の電源オン対電源オフのデューティ比を増大し、セルラシステムから測位支援情報を入手できないことに対応して、GPS受信機回路の電源オン対電源オフのデューティ比を減少するように構成される。
【0025】
いくつかのさらなる実施形態では、コントローラ回路は、移動端末が少なくとも閾時間の間は実質上静止していたと以前決められたおよび/または定められた位置に関連付けられたWLANデバイスからの信号の発見に応えて、GPS受信機回路の電源オン対電源オフのデューティ比を減少し、移動端末が少なくとも閾時間の間は実質上静止していたと以前決められたおよび/または定められた位置に関連付けられたWLANデバイスからの信号がないことの検出に応えて、GPS受信機回路の電源オン対電源オフのデューティ比を増大するように構成される。
【0026】
いくつかのさらなる実施形態では、コントローラ回路は、移動端末が少なくとも閾時間の間は実質上静止していたと以前決められたおよび/または定められた位置に関連付けられたブルートゥースデバイスからの信号の発見に応えて、GPS受信機回路の電源オン対電源オフのデューティ比を減少し、移動端末が少なくとも閾時間の間は実質上静止していたと以前決められたおよび/または定められた位置に関連付けられたブルートゥースデバイスからの信号がないことの検出に応えて、GPS受信機回路の電源オン対電源オフのデューティ比を増大するように構成される。
【0027】
本発明のいくつかの他の実施形態は、GPS受信機回路およびコントローラ回路を有する移動端末に関する。GPS受信機回路は、GPS信号を使用して移動端末の位置を測定するように構成される。コントローラ回路は、GPS信号を使用して前に測定した位置から移動端末が移動した距離に対応して、GPS受信機回路に供給する電力を調整するように構成される。
【0028】
いくつかのさらなる実施形態では、コントローラ回路は、移動端末が以前通信していたブルートゥースデバイスおよび/またはWLANデバイスからのRF信号がないことの発見に応えて、GPS受信機回路の電源をオンにするように構成される。
【0029】
いくつかのさらなる実施形態では、コントローラ回路は、セルラ基地局からの新しいセルラ基地局IDの受信および確認に応えて、GPS受信機回路の電源をオンにするように構成される。
【0030】
本発明の実施形態による他の電子デバイスおよび/または方法についても、以下の図面および詳細説明を精査するとき、当業者にとって明白であろう、または明白になるであろう。そのような付加的な電子デバイスおよび方法のすべてが、本明細書内に含まれ、本発明の範囲内に含まれ、添付の特許請求の範囲によって保護されることを意図している。
【0031】
本発明のさらなる理解を提供するために含まれ、本願に引用され、本願の一部を構成する添付の図面は、本発明の特定の実施形態を示す。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明のいくつかの実施形態による、GPS受信機回路への電力を調整する例示の移動端末を含む、地上および衛星通信システムの略ブロック図である。
【図2】本発明のいくつかの実施形態による、図1に示される例示の移動端末のさらなる態様を示す略ブロック図である。
【図3】本発明のいくつかの実施形態による、図2に示したGPS受信機回路における電源オン/電源オフをトリガするトリガイベントおよび関連方法や、GPS受信機回路における電源オン対電源オフのデューティ比の増大/減少をトリガするトリガイベントおよび関連方法を示すイベント図である。
【図4】本発明のいくつかの実施形態による、図2に示したGPS受信機回路における電源オン対電源オフのデューティ比の調整を示すタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明について、本発明の実施形態を示す添付の図面を参照して、より十分に以下に説明する。しかし、本発明は、多くの代替形態で具体化されうるので、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。
【0034】
従って、本発明は種々の変更形態および代替形態を受け入れる余地があるが、その特定の実施形態を例として図面に示しており、本明細書で詳細に説明する。しかし、開示する特定の形態に本発明を限定する意図がないどころか、本発明が、特許請求の範囲に規定される本発明の精神および範囲内に入るすべての変更形態、均等物、代替形態を網羅することは理解されるべきである。図の描写のすべてにわたって、同様の数は同様の要素に言及する。
【0035】
本明細書で使用する専門用語は、特定の実施形態を説明する目的のためだけであり、本発明を限定する意図はない。本明細書で使用する限り、単数形の「1つの」(“a”“an”)および「その」(“the”)は、文脈の中で明白に違うように示されない限り、複数の形態も含むことを意図している。用語「備える」(“comprises”“comprising”)および/または「有する、含む」(“includes”“including”)は、本明細書で使用するとき、述べられた特徴、数、ステップ、動作、要素および/またはコンポーネントの存在を指定するが、1つ以上の他の特徴、数、ステップ、動作、要素、コンポーネントおよび/またはこれらのグループの存在または追加を除外しないことが、さらに理解されるであろう。さらに、要素が別の要素に「反応する」(“responsive”)または「接続されている」(“connected”)と言及されるとき、他の要素に直接反応するかまたは直接接続されてもよいし、介在要素が存在してもよい。それに対して、要素が別の要素に「直接反応する」(“directly responsive”)または「直接接続されている」(“directly connected”)と言及されるとき、介在要素は存在しない。本明細書で使用する限り、用語「および/または」(“and/or”)は、関係する1つ以上の列挙項目の任意およびすべての組み合わせを含み、「/」(“/”)と略されてもよい。
【0036】
種々の要素を説明するために、第1、第2などの用語を本明細書で使用することがあるが、これらの要素がこれらの用語によって限定されるべきでないことは理解されるであろう。これらの用語は、ある要素を別の要素から区分するためだけに使用される。本開示の教示から逸脱することなしに、例えば、第1の要素を第2の要素と称することができ、同様に、第2の要素を第1の要素と称することができよう。いくつかの図面は、通信の主な方向を示す通信パスの矢印を有するが、通信が描かれた矢印の反対方向に起こってもよいことは理解されるべきである。
【0037】
いくつかの実施形態は、ブロック図および動作フロー図に関して記述されており、各ブロックは、指定の(1つ以上の)論理機能を実施する1つ以上の実行命令を備える回路要素、モジュールまたはコードの一部分を表す。他の実施では、ブロックに言及されている(1つ以上の)機能が、言及されている順序とは異なって起こってもよいことにも注目すべきである。例えば、関与する機能によっては、連続して示される2つのブロックは、実際のところ、実質上同時に実行されてもよいし、またブロックは、時には逆の順序で実行されてもよい。
【0038】
例示および説明だけの目的で、本発明の種々の実施形態について、セルラ通信(例えば、セルラ音声および/またはデータ通信)を実施するように構成された移動端末の文脈で本明細書に記述する。しかし、本発明がそのような実施形態に限定されず、GPS信号を使用して移動端末の位置を測定するGPS受信機回路を有し、種々の定められたトリガイベントに対応してGPS受信機回路への電源オンと電源オフを切り替えるように構成されたどんな移動端末においても、一般的に具体化されうることは理解されるであろう。
【0039】
本発明の種々の実施形態について、GPS衛星に関連して本明細書に記述するが、これらが疑似衛星または衛星と疑似衛星の組み合わせを利用する測位システムに適用可能であることは、理解されるであろう。疑似衛星は、Lバンドキャリア信号で変調された従来の衛星ソースのGPS信号に類似で、一般にGPS時間に同期している信号をブロードキャストする地上ベースの送信機である。本明細書での使用では、用語「衛星」は、疑似衛星または疑似衛星の均等物を含むことを意図しており、本明細書で使用する限り、GPS信号という用語は、疑似衛星または疑似衛星の均等物からのGPSのような信号を含むことを意図している。同様に、以下の検討は米国のGPSシステムを参照するが、本明細書の種々の実施形態は、GLONASSシステムまたはGALILEOシステムなどの類似の衛星測位システムに適用しうる。本明細書で使用する限り、用語「GPS」は、GLONASSシステムおよびGALILEOシステムを含むそのような代替衛星測位システムを含む。従って、用語「GPS信号」は、そのような代替衛星測位システムからの信号を含んでもよい。
【0040】
図1は、GPS受信機回路を有する例示の移動端末100を含む、地上および衛星通信システムの略ブロック図である。図2は、図1に示される移動端末100のさらなる態様を示す略ブロック図である。
【0041】
図1および2を参照すると、移動端末100は、1群のGPS衛星110から受信するGPS無線信号を使用して移動端末100の地理的位置を測定するGPS受信機回路200を有する。GPS受信機回路200は、可視衛星からGPS無線信号を受信し、無線信号がそれぞれのGPS衛星から移動端末100まで伝わるのにかかる時間を測定する。伝達時間に伝播速度を掛けることによって、GPS受信機回路200は、視野内の各衛星までの距離を計算する。GPS無線信号の中で提供されるエフェメリス情報が衛星の軌道および速度を描写し、それによって、GPS受信機回路200は、三角測量処理によって移動端末100の位置の計算が可能になる。
【0042】
GPS受信機回路200の立ち上げには、4つ以上のGPS衛星のナビゲーションデータ信号からのナビゲーションパラメータセットの取得が一般的に必要となる。GPS受信機回路200のこの初期設定プロセスは、GPS受信機回路200が自装置のおおよその位置および/または時間についての知識などの情報をどのくらい多く最初に持っているか次第で、最大数分かかることがある。
【0043】
移動端末100は、複数のセルラ基地局120a〜cと通信しうるセルラ送受信機230を有してもよく、各セルラ基地局120a〜cは、それぞれのセル130a〜c内にセルラ通信を提供する。セルラ送受信機230は、1つ以上のセルラプロトコルに従って通信をエンコード/デコードおよび制御するように構成されてもよく、それらのセルラプロトコルには、GSM(Global Standard for Mobile)通信、GPRS(General Packet Radio Service)、EDGE(Enhanced Data rates for GSM Evolution)、符号分割多元接続(CDMA)、広帯域CDMA、CDMA2000および/またはUMTS(Universal Mobile Telecommunications System)を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0044】
セルラ送受信機230は、1つ以上の基地局120a〜c経由でセルラシステムから測位支援情報を受信しうる。セルラシステムは、移動通信交換局(MTSO、Mobile Telephone Switching Office)および1つ以上の基地局120a〜cを通して通信される測位支援情報を生成する測位支援部140を有してもよい。MTSO150は、インターネット、別のパケット交換ネットワーク、および/または公衆交換電話網(PSTN)などのネットワーク152に接続されてもよい。測位支援部140は、例えば、移動端末100が送信し、位置が分かっている複数の基地局120a〜cが受信した信号から、三角測量に基づき移動端末100の位置を測定してもよい。代替または追加で、移動端末100が測位支援情報から自装置の位置を三角測量できるように、測位支援部140は、複数の基地局120a〜cを通して移動端末100に送信されるタイミング信号および関連基地局位置情報などの測位支援情報を生成してもよい。代替または追加で、測位支援部140は、移動端末100の予定または計算された位置に基づき、GPSカバレッジデータを配信してもよい。
【0045】
移動端末100は、代替または追加で、WLANデバイス(例えば、WLANルータ)および/またはブルートゥース対応通信デバイスからWLAN/ブルートゥース送受信機240によって測位支援情報を受信してもよく、それらのデバイスについては、測位支援部140から測位支援情報を受信してもよい。
【0046】
GPS受信機回路200は、より迅速におよび/またはより確実にGPS信号に固定して自動追尾し、その位置を測定するために、測位支援情報を使用してもよい。例えば、GPS受信機回路200がそのおおよその位置についての事前知識なしに電源オンされると、GPS信号を取得するのに1分から数分かかるかもしれない。対照的に、GPS受信機回路200が電源オンされ、セルラシステムから測位支援情報を提供されると、たぶん2、3秒内にGPS信号を取得できるだろう。
【0047】
移動端末100は、コントローラ回路210をさらに有してもよく、コントローラ回路210は、無線ローカルエリアネットワーク/ブルートゥース送受信機240、キーパッド250、マイクロホン252、スピーカ254、メモリ256およびディスプレイ258に通信接続されている。コントローラ210は、本明細書に記載の種々の機能を実施する命令をメモリ256から実行しうる汎用プロセッサおよび/またはデジタル信号プロセッサを有してもよい。コントローラ210は、GPS受信機回路200とは別に示されているが、その機能の少なくとも一部はGPS受信機回路200内に具体化されてもよいし、および/またはその逆も同様であることは、理解されるべきである。
【0048】
いくつかの実施形態によれば、コントローラ210は、GPS受信機回路200の電源オンおよび電源オフの状態を制御することによって、GPS受信機回路200の電力消費を管理する。例えば、コントローラ210は、移動端末100が前の測定位置から移動した距離に対応して、GPS受信機回路200への電源オンと電源オフを繰り返し切り替えて、GPS受信機回路200の電源オン対電源オフのデューティ比を調整してもよい。コントローラ210は、GPS受信機回路200全体への電力を供給と停止との間で切り替えるスイッチを制御してもよいし、および/またはGPS受信機回路200の少なくとも一部に電源オンと電源オフとの間で切り替えさせる信号を生成してもよい。
【0049】
例えば、移動端末100が比較的静止したままである間(例えば、無人の車に放置されているか、または一晩中サイドテーブルに置かれている間)、コントローラ210は、GPS受信機回路200の電源を自動的にオフにしてもよい。GPS測定の前の位置から十分な距離を移動しているとの移動端末100の感知に応えて、コントローラ210は、GPS受信機回路200の電源を自動的にオンにし、GPS信号を使用して移動端末100の位置の測定を試みてもよい。
【0050】
さらなる例として、移動端末100がビル内でGPS信号が途絶していて、その結果として、GPS受信機回路200を使用してその位置を測定できない場所にある間、コントローラ210は、GPS受信機回路200の電源を自動的にオフにすることによって対応してもよい。移動端末100がGPS測定の前の位置から十分な距離を移動(例えば、ビルの外に出るのに十分な距離を移動)したことに対応して、コントローラ210は、GPS受信機回路200の電源を自動的にオンにし、GPS信号を使用してその位置の測定を試みてもよい。
【0051】
図4は、本発明のいくつかの実施形態によるGPS受信機回路200の電源オン対電源オフのデューティ比の調整を示すタイミング図である。図4を参照すると、GPS受信機回路200は、第1の期間402の間電源オンされ、第2の期間404の間電源オフされ、次いで第3の期間406の間電源オンされる。第1、第2および第3の期間402、404および406の長さ(すなわち、電源オン対電源オフのデューティ比)は、種々のトリガイベントに対応して調整されるが、これについては以下でさらに説明する。例えば、GPS受信機回路200は、第4の期間408中は延長された時間(T_off_extended)の間電源オフのまま保持されて、それによって電源オン対電源オフのデューティ比を減少する。
【0052】
図3に関して以下で説明するように、GPS受信機回路200は、例えば移動端末100が実質上静止したままである、閾速度を下回っている、セルラ支援測位を利用できることの検出、移動端末が静止したままだったところを以前観察した/ところと以前定めた場所と関連付けられたWLANおよび/またはブルートゥースデバイスの存在の発見、および/または移動端末100がGPS途絶領域(例えばビル内)に位置していることの検出などのトリガイベントに対応して、電源オフされてもよく、それも延長された期間電源オフのまま持続されてもよい(例えば、電源オン対電源オフのデューティ比の減少)。
【0053】
以下で説明する他のトリガイベントに対応して、GPS受信機回路200は、第5の期間410の間電源オンされ、次いで第6の期間412の間電源オフされる。図示のように、GPS受信機回路200は、第7の期間414中は延長された時間(T_on_extended)の間電源オンのまま保持され、それによって電源オン対電源オフのデューティ比を増大する。図3に関して以下でさらに説明するように、GPS受信機回路200は、例えば移動端末100が最後のGPSベース測定位置から少なくとも閾距離を移動した、少なくとも閾速度を有する、セルラ支援測位を利用できないことの検出、移動端末が静止したままだったところを以前観察した/ところと以前定めた場所と関連付けられたWLANおよび/またはブルートゥースデバイスからの信号がないことの発見、および/または新しいセルラ基地局IDの検出などのトリガイベントに対応して、電源オンされてもよく、それも延長された期間電源オンのまま保持されてもよい(例えば、電源オン対電源オフのデューティ比の増大)。
【0054】
図3は、コントローラ210にGPS受信機回路200への電源を調整させうるトリガイベントおよび関連方法を示すイベント図である。コントローラ210は、1つ以上のトリガイベントに対して、定義されたただ1つの動作であるGPS受信機回路200の電源オンまたは電源オフの実施によって対応してもよい。あるいは、コントローラ210は、1つ以上のトリガイベントに対応して、GPS受信機回路200の電源オンと電源オフを繰り返して、GPS受信機回路200の電源オン対電源オフのデューティ比(すなわち、電源オン期間の電源オフ期間に対する比)を調整(増大/減少)してもよい。
【0055】
移動端末100とGPS信号に基づいて前に測定した位置との間の距離は、移動端末100が感知した加速度に基づき検出される。トリガイベント302を参照すると、前のGPS位置測定から閾時間の経過後、コントローラ210は、移動端末100が前に測定したGPS位置からまだ閾距離離れていないと判定する場合、GPS受信機回路200の電源オフにより対応してもよい。GPS受信機回路200が繰り返し直ぐにオン・オフされるとき、コントローラ210は、GPS受信機回路200の電源オフ時間の延長および/または電源オン時間の短縮によって、電源オン対電源オフのデューティ比を減少してもよい。
【0056】
それとは対照的に、トリガイベント304を参照すると、移動端末100が前に測定されたGPS位置から少なくとも閾距離離れていると判定する場合、コントローラ回路210は、GPS受信機回路200をオンにすることにより対応してもよい。GPS受信機回路200が繰り返し直ぐにオン・オフされるとき、コントローラ210は、GPS受信機回路200の電源オフ時間の短縮および/または電源オン時間の延長によって、電源オン対電源オフのデューティ比を増大してもよい。
【0057】
閾距離は静的である必要はないが、それは、例えば時間、移動端末100の速度、移動端末が検出する他の通信ネットワークの数および/またはタイプ(例えば、定められたセルラシステム/WLAN/ブルートゥースネットワークの存在/不存在)に対応して、コントローラ210が閾距離を変えるように調整してもよいからである。
【0058】
移動端末100は、加速に反応して加速度情報を生成する加速度測定回路220を使用して加速度を感知してもよい。GPS受信機200が電源オフである間、コントローラ210は、加速度情報を使用して、移動端末100とGPS信号からGPS受信機回路200が測定した前の位置との間の距離を測定する。例えば、コントローラ210は、GPS受信機回路200が電源オフされている間、移動端末の位置を測定するために加速度信号を時間に関して二重積分してもよい。加速度測定回路220は、移動端末100の少なくとも2次元方向の移動に対応しうる少なくとも2方向の加速度を感知する少なくとも2軸の加速度計を有してもよい。移動端末100は、地面に対して種々の角度で保持されることがあるので、3軸加速度計あるいは2軸加速度計および傾斜センサを有してもよく、これらは、移動端末100が地面に対してどの角度で保持されるかに関係なく、コントローラ210が地面に沿って移動した距離を測定するのを可能にする。
【0059】
GPS受信機回路200を選択的に電源オフすることによって、かつ移動端末100がどのくらい遠くまで移動したかを測定するために加速度測定回路220からの加速度情報を使用して、GPS受信機回路200をいつ電源オンすべきかを決定することによって、移動端末100の電力消費の大幅な節減を達成しうる。例えば、GPS受信機回路200は、少なくとも30mWの電力を消費するかもしれないのに対して、際立って対照的に、加速度計回路220は3mW未満の電力しか消費しないかもしれない。その結果として、位置をより継続的に測定するために加速度計回路220を使用し、移動端末の位置を更新するためにGPS受信機回路200の電源オン/オフを繰り返すことで、バッテリ駆動時の移動端末100の動作期間を大幅に延長することができる。
【0060】
トリガイベント306および308を参照すると、コントローラ210は、移動端末100の速度に対応して、GPS受信機回路200への電力を調整してもよい。コントローラ210は、加速度情報から速度を測定してもよい(すなわち、速度は加速度情報の時間に関する一重積分から測定されてもよい)。コントローラ210は、速度が閾速度を下回るとき、GPS受信機回路200を電源オフしてもよく、および/またはGPS受信機回路200のオン・オフを直ぐに繰り返すとき、GPS受信機回路200の電源オン対電源オフのデューティ比を減少してもよい。コントローラ210は、速度が閾速度を上回るとき、GPS受信機回路200を電源オンしてもよく、および/またはGPS受信機回路200のオン・オフを直ぐに繰り返すとき、電源オン対電源オフのデューティ比を増大してもよい。従って、GPS受信機回路200は、移動端末100が実質上静止しているとき、電源オフのまま保持されてもよく、移動端末100が移動しているとき直ぐにオン・オフを繰り返されてもよい。GPS受信機回路200は、移動端末100がゆっくり移動する歩行者に携行されるとき、より長い期間電源オフのまま保持されてもよいが、移動端末100が速く移動する走行中の車内にあるとき、より長い期間電源オンのまま保持されてもよい。
【0061】
閾速度は固定的である必要はないが、それは、例えば時間および/または移動端末が検出した他の通信ネットワークの数および/またはタイプ(例えば、定められたセルラシステム/WLAN/ブルートゥースネットワークの存在/不存在)に対応して、閾速度を変えるようにコントローラ210が調整してもよいからである。
【0062】
トリガイベント312の中の310を参照すると、コントローラ210は、測位支援情報をセルラ通信システムから入手できるか否かに対応して、GPS受信機回路200への電力を調整してもよい。コントローラ210は、セルラシステムからの測位支援情報の入手可能性を検出してもよく、その情報を入手できる場合(イベント310)、コントローラ210は、GPS受信機回路200の電源オン対電源オフのデューティ比を減少(例えば、電源オン期間を減少および/または電源オフ期間を増大)してもよい。対照的に測位支援情報が入手できない場合(イベント312)、コントローラ210は、GPS受信機回路200の電源オン対電源オフのデューティ比を増大(例えば、電源オン期間を増大および/または電源オフ期間を減少)してもよい。従って、測位支援情報が入手できるとき、GPS受信機回路200はその位置を迅速に測定しうるので、GPS受信機回路200は、測位支援情報とGPS信号を併用してその位置を測定するために十分な時間である短い時間電源オンされてもよく、次いで電源オフされて、再び電源オンされて素早くその位置を測定するまでに、より長い期間電源オフされたままでよい。
【0063】
トリガイベント314を参照すると、コントローラ210は、新しいセルラ基地局識別子(ID)の検出に、GPS受信機回路200を電源オンすることで対応してもよく、および/またはGPS受信機回路を繰り返しオン・オフするとき、コントローラ210は、GPS受信機回路200の電源オン対電源オフのデューティ比を増大してもよい。コントローラ210は、新しいセルラ基地局IDの検出を、移動機100が例えば最後のGPS測定位置および/またはGPS途絶位置から少なくとも閾距離だけ移動(例えば、ビル/道路のトンネルの外に移動)したことの表示として使用してもよい。例えば、図1を参照すると、移動端末100は、セル130a内で動作している間、基地局120aから第1の基地局IDを受信しうる。移動端末100が、基地局120bがサービスを提供するセル130bに移動すると、基地局120bから新しい基地局IDを受信する。コントローラ210は、GPS受信機回路200を電源オンして、GPS信号を使用してその現在位置を測定することで、新しい基地局IDの受信に対応してもよい。
【0064】
図2に関して、移動端末100は、WLANおよび/またはブルートゥース送受信機240を有してもよく、この送受信機240は、ブルートゥースおよび/またはIEEE802.11(例えば、IEEE802.11b〜g)などのWiFiを含んでもよいがこれらに限定されない短距離通信プロトコルの1つ以上に従って、通信をエンコード/デコードおよび制御する。WLAN/ブルートゥース送受信機240は、WLANルータ(例えば、WLANルータ242)および/またはブルートゥース対応通信デバイス(例えば、デスクトップコンピュータ/家庭用電気製品244)からのRF信号の存在を発見しうるし、それに続く、移動端末100がそれらの通信範囲の外に移動したことを示すそれらのRF信号の不存在を検出しうる。送受信機240は、代替または追加で、NFC(Near Field Communication)信号によって、および/または他の短距離通信信号(例えば、超広帯域通信信号、Zigbee、無線HDMI)によって、通信するように構成されてもよい。
【0065】
トリガイベント316および320を参照すると、移動端末100が比較的長い期間静止するだろう場所に関係があるとコントローラ210が以前確認した、および/またはコントローラ210の中に定められた無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)および/またはブルートゥースデバイスを送受信機240が発見することに応えて、コントローラ210は、GPS受信機回路200を電源オフしてもよい。コントローラ210は、確認済みのWLANルータおよび/または確認済みのブルートゥースデバイスからのRF信号の発見と、それに続く移動端末100の少なくとも閾時間の間の静止状態との間の関連性を学ぶように構成されてもよい。移動端末100の静止場所と関係がある種々のWLANルータおよび/またはブルートゥースデバイスのアイデンティティは、ユーザが、キーパッド250および/または移動端末100のコントローラ210の別のユーザインタフェースを使用して定めてもよい。その確認およびそれに伴う移動端末100が少なくとも閾時間の間実質上静止したままであろうとの予想に応えて、コントローラ210は、少なくとも定められた期間はGPS受信機回路200の電源を切ることによって電力を節約してもよい。
【0066】
GPS信号を使用して測定した前の位置から移動端末100が少なくとも閾較正距離移動したとの加速度情報からの判定に応えて、コントローラ210は、加速度測定回路220を較正してもよい。例えば、GPS測定の前の位置から少なくとも閾較正距離を移動後、コントローラ210は、GPS測定の前の位置とGPS測定の新しい位置を使用して、ならびにGPS測定の前の位置と移動中の加速度情報を使用して、どのくらいの距離を移動したかの2つの測定値を取得してもよい。コントローラ210は、2つの距離測定値の差を使用して、加速度情報を使用した位置測定の仕方を較正することができる。
【0067】
例えば、コントローラ210は、加速度情報を(例えば、スケーリング、スムージングおよび/または既知の値/機能上の関係の組み合わせで)フィルタリングすることによって、および/または加速度情報を時間に関して二重積分するために使用するクロックタイミングを調節することによって、加速度測定回路220を較正してもよい。コントローラ210は、時間間隔(dt)を数えるためにクロックを使用し、時間間隔にわたる平均加速度(ベクトルA(i))を測定する。間隔dt内の速度の変化(ベクトルdV)、すなわちdVは、A(i)×dtである。次いで、位置の変化(ベクトルdP)は、dV×dtまたはA(i)×dt×dtである。時間の経過に伴う、位置P1から位置P2への位置Pの変化は、P1とP2との間の移動に使用された時間にわたるすべてのdP(i)の合計に等しい。P2がGPS信号を使用して測定された観察位置P’2と一致しない場合、コントローラ210は、位置P2とP’2の値が等しくなるように加速度情報に補正率を掛けて、それによって加速度測定回路220を較正してもよい。
【0068】
コントローラ210は、移動端末100が前に測定した静止位置から少なくとも閾距離移動したことを示すそれに続くイベントを検出するまで、GPS受信機回路200を電源オフのまま保持してもよい。例えば、トリガイベント318および322に関して、WLAN/ブルートゥース送受信機240が前に確認済みのWLANルータ(例えば、WLANルータ242)および/または前に確認済みのブルートゥースデバイス(例えば、デスクトップコンピュータ/家庭用電気製品244)が送信するRF信号の不存在を検出するまで、GPS受信機回路200は電源オフのまま保持されてもよい。代替または追加で、コントローラ210は、移動端末100が前の静止位置から少なくとも閾距離移動したと加速度情報から判定するまで、GPS受信機回路200を電源オフのまま保持してもよく、閾距離移動したとの判定に応えて、GPSベースの位置を測定するために、GPS受信機回路200を電源オンしてもよい。
【0069】
例として、移動端末100がユーザ宅に到着すると、WLAN/ブルートゥース送受信機240は、コントローラ回路210がユーザ宅にあると確認している、ユーザ宅内の既知のWLANルータおよび/またはブルートゥースデバイスの存在を発見しうる。ユーザ宅にあると認識されてもよい例示のWLAN/ブルートゥースデバイスには、WLAN/ブルートゥース設定済みのデスクトップコンピュータ、冷蔵庫、サーモスタット、テレビ受像機および/または別の家庭用電気製品を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0070】
トリガイベント324を参照すると、移動端末100が以前決められたおよび/または定められた場所に現在あるとき、コントローラ210は、移動端末100が少なくとも閾時間の間は静止のまま留まるだろう場所と識別してもよい。例えば、移動端末100が職場および/またはユーザ宅に到着すると、コントローラ210がGPS受信機回路200の電源をオフすることによって多大な電力節約を達成しうるに十分に長い期間、その場所に実質上静止したまま留まるだろうことを、コントローラ210は学習してもよい。次いで、コントローラ210は、その場所から少なくとも閾距離移動したことを(例えば、加速度情報、新しいセルラ基地局IDの感知および/または前に確認済みのWLAN/ブルートゥースデバイスからのRF信号の不存在の検出によって)感知するまで、GPS受信機回路200の電源をオフにしたまま保持してもよい。GPS信号を使用してその場所の検出を束の間試みるためにGPS受信機回路200が電源オンされるその電源オンと電源オンとの間に、GPS受信機回路200をより長い期間電源オフのまま保持するために、コントローラ210は、GPS受信機回路200の電源オン対電源オフのデューティ比を減少してもよい。
【0071】
トリガイベント326を参照すると、コントローラ210は、GPS受信機回路200が少なくとも閾時間長の間にその位置を測定するのに十分なGPS信号強度がないことから判定されうるような、移動端末100においてGPS信号が途絶していることを識別してもよい。閾時間長は、ユーザの一時的な身体の位置、他の一時的な信号パスの妨害、および/またはGPS信号の信号干渉/マルチパス信号フェージング効果などの他の原因によるGPS信号の短い中断により起こることがある、GPS途絶の誤判定を減少/除去するように定められてもよい。
【0072】
コントローラ210は、GPS受信機回路200のアンテナがユーザの身体の近く(例えば、衣服のポケット内)にあるために、遮蔽(GPS信号途絶)されることになりかねないかどうかを検出する近接センサとして動作するようにさらに構成されてもよい。コントローラ210は、近接センサでそのような近接性を判定してもよい。コントローラ210は、追加または代替で、ユーザの身体または移動端末100が置かれているテーブルなどの別の対象物と、GPSアンテナが新しいインピーダンス結合を行っていることを示すGPSアンテナインピーダンスの不整合および/またはGPSアンテナインピーダンスの変化を検出することによって、そのような近接性を判定してもよい。コントローラ210は、追加または代替で、例えば移動端末210が衣服のポケット、ハンドバッグまたは車のグローブボックスに置かれていることを示しうる明るさの大幅な変化などを感知するカメラを使用して、近接性および潜在的なGPS信号途絶を判定してもよい。
【0073】
コントローラ210は、移動端末100がその途絶位置から少なくとも閾距離移動したと判定されるまで、GPS受信機回路200を電源オフすることによってGPS信号途絶の表示に対応してもよい。コントローラ210は、追加/代替で、GPS信号を使用してその位置を測定する電源オンの試みと試みの間に、より長い期間電源オフのまま留まるように、GPS受信機回路200のGPS電源オン対電源オフのデューティ比を減少してもよい。
【0074】
コントローラ210はまた、メモリ256にその位置を書き込み、記録したGPS途絶位置を使用して、移動端末100が既知のGPS途絶位置にあると判定することによって、GPS信号途絶の表示に対応してもよい。移動端末100が既知のGPS途絶位置にあるとき、移動端末100がその場所から少なくとも閾距離移動したと判定されるまで、トリガイベント326によって、GPS受信機回路200を電源オフすることによって対応してもよい。コントローラ210は、追加/代替で、GPS信号を使用してその位置を測定するための電源オンの試みと試みの間に、より長い期間電源オフのまま留まるように、GPS受信機回路200のGPS電源オン対電源オフのデューティ比を減少してもよい。
【0075】
移動端末100は(コントローラ210によって)、確認し、たぶんメモリ256に書き込んでもよいGPS途絶位置を、他の移動端末と共有するように構成されてもよい。例えば、移動端末100は、セルラ送受信機230および/またはWLAN/ブルートゥース送受信機240を通して、他の移動端末および/または既知のGPS途絶位置の中央収納庫の役目を果たす中央データベースに既知のGPS途絶位置を伝達してもよい。移動端末100は、同様に別の移動端末および/または既知のGPS途絶位置の中央収納庫から既知のGPS途絶位置を受信してもよい。GPS途絶位置は、例えば、位置測定を可能にするのに十分なGPS信号強度がないビル内の範囲を特定してもよいし、同様に、位置測定を可能にするのに十分なGPS信号強度があるビル内の他の範囲を特定してもよい。
【0076】
中央収納庫および/またはメモリ256の中で確認されるGPS途絶位置は、デジタル地図および/または衛星写真の上にオーバーレイした図として、移動端末100上に表示されてもよい。それによってユーザは、GPS信号のカバレッジが遮られるか、または別の理由で位置測定に不十分である場所を目で観察しうる。例えば、ユーザがビル内で移動端末100を操作しているとき、ビルを示す衛星イメージが移動端末上に表示されてもよく、表示されたビルの上に既知のGPS途絶位置がオーバーレイされてもよい。それによってユーザは、位置測定のためにGPS受信機回路200を使用するのに十分なGPS信号強度を取得しうるビル内の場所を視覚的に識別しうる。同様に、中央収納庫にアクセスしうるおよび/または移動端末100から直接/間接にGPS途絶位置を取得しうる他の電子デバイスが、デジタル地図および/または衛星写真の上にオーバーレイした図として、それらの場所を表示してもよい。
【0077】
コントローラ210は、移動端末100が既知のGPS途絶位置から定められた距離内にある間は、GPS受信機回路200を電源オフのまま保持してもよく、(例えば、加速度情報によって)そこから十分な距離を移動したと判定した時に、その位置を測定するためにGPS受信機回路200を電源オンにしてもよい。
【0078】
例示のGPS受信機回路200はGPS信号を使用して移動端末100の地理的位置を測定するように構成されていると説明したが、それ自体で位置測定の全部を実行するとは限定されない。例えば、GPS受信機回路200は、GPS信号を受信するRF受信機回路を含んでもよいし、GPS受信機回路200と対応するGPS衛星との間のタイミング測定値を生成するためにGPS信号を使用する第1の処理回路と、そのタイミング測定値を(タイミング測定値にGPS信号伝播速度を掛けることによって)GPS受信機回路200と対応するGPS衛星との間の距離測定値に変換する第2の処理回路と、GPS衛星の既知の位置および距離測定値に基づき移動端末の位置座標を決定するために変換するか、または他の同様な数学技法を使用する第3の処理回路を追加で含んでもよい。第1、第2および/または第3の処理回路が全部、GPS受信機回路200内にあってもよいし、またその回路の少なくとも一部が、コントローラ回路210内および/または移動端末100の他の回路内に具体化されてもよい。それに応じて、コントローラ回路210は、RF受信機回路を電源オンおよび電源オフしてもよいし、GPS受信機回路200内および/または移動端末100内のどこかの、そのような位置測定機能を実行する他の処理回路への電源をさらに調整してもよい。
【0079】
図面および本明細書において、本発明の実施形態を開示しており、特定の用語を使用しているが、それらは一般的説明的意味だけで使用されており、限定のためではない。本発明の範囲は、次の特許請求の範囲に記載されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動端末の位置を測位する方法であって、
GPS信号を使用して前記移動端末の位置を測位するGPS受信機回路の電源オンと電源オフとを繰り返し切り替える切替ステップと、
前記移動端末の位置を前回測位したときからの前記移動端末の移動距離に応じて前記GPS受信機回路の前記電源オンと前記電源オフとの間のデューティ比を調整する調整ステップと
を有する方法。
【請求項2】
前記調整ステップは、
少なくとも閾値としての時間長にわたって、前記GPS受信機回路への前記GPS信号の強度が前記移動端末の位置を測位するためには不適切な強度になってしまったことに応じて、前記移動端末においていつGPS信号が途絶したかを検出するステップと、
前記移動端末においてGPS信号が途絶すると、前記GPS受信機回路への電源をオフに切り替えるステップと、
加速度に基づいて測位された現在の前記移動端末の位置と前記GPS信号に基づいて前回測位された位置との間の距離が閾値距離を越えるようになるまで、前記GPS受信機回路の電源オフサイクルの継続期間を延長するステップと、
前記GPS受信機回路への電源がオンに切り替わると、前記移動端末の現在位置をGPS信号に基づいて測位することを試行するステップと
を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
加速度に基づいて測位された現在位置と、前記GPS信号に基づいて前回測位された位置との間の距離が閾値であるキャリブレーション距離を越えたことに応じて、加速度計回路のキャリブレーションを実行するステップ
をさらに有することを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記調整ステップは、
前記GPS信号の強度が前記移動端末の位置を測位するためには不適切な強度になってしまったことに応じて、前記移動端末においていつGPS信号が途絶したかを検出するステップと、
前記移動端末においてGPS信号が途絶した位置の履歴を記録するステップと、
前記履歴に記録されている過去に前記移動端末においてGPS信号が途絶したことのある位置に前記移動端末が到着したことに応じて、前記GPS受信機回路の電源をオフに切り替えるステップと
を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記移動端末においてGPS信号が途絶することになる少なくとも一つの位置を示す情報を他の通信装置から無線インタフェースを介して受信するステップと、
受信した前記移動端末においてGPS信号途絶することになる少なくとも一つの位置を示す情報を前記履歴に追加するステップと
をさらに有することを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記調整ステップは、
前記GPS受信機回路が電源オンとなるサイクルの間は前記GPS受信機回路を用いてGPSに基づいた前記移動端末の現在の位置を測位するステップと、
前記GPS受信機回路が電源オフとなるサイクルの間は前記移動端末に備えられた加速度計回路から取得された加速度の情報を用いて加速度に基づいた前記移動端末の位置を測位するステップと、
加速度に基づいて測位された前記移動端末の現在の位置と前記GPS信号に基づいて前回測位された位置との間の距離が閾値距離を越えるようになるまで、前記GPS受信機回路の電源オフサイクルの継続期間を延長するステップと
を有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記調整ステップは、
前記GPS受信機回路が電源オンとなるサイクルの間は前記GPS受信機回路を用いてGPSに基づいた前記移動端末の現在の位置を測位するステップと、
前記GPS受信機回路が電源オフとなるサイクルの間は前記移動端末に備えられた加速度計回路から取得された加速度の情報を用いて前記移動端末の移動速度を決定するステップと、
前記移動端末の移動速度に応じて前記GPS受信機回路の前記電源オンと前記電源オフとの間のデューティ比を調整するステップと
を有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記移動端末の移動速度に応じて前記GPS受信機回路の前記電源オンと前記電源オフとの間のデューティ比を調整するステップは、
前記移動端末の移動速度が閾値速度を超えていることに応じて前記GPS受信機回路の前記電源オフに対する前記電源オンのデューティ比を増加させるステップと、
前記移動端末の移動速度が閾値速度を下回っていることに応じて前記GPS受信機回路の前記電源オフに対する前記電源オンのデューティ比を減少させるステップと
を有することを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記調整ステップは、
前記移動端末の位置を測位する際に前記GPS受信機回路によって使用されるセルラシステムからの測位支援情報の利用可能性を判定するステップと、
前記セルラシステムからの測位支援情報が利用可能であれば、前記GPS受信機回路の前記電源オフに対する前記電源オンのデューティ比を増加させるステップと、
前記セルラシステムからの測位支援情報が利用可能でなければ、前記GPS受信機回路の前記電源オフに対する前記電源オンのデューティ比を減少させるステップと
を有することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記調整ステップは、
前記移動端末が予め定められた時間にわたって実質的に静止していた位置であって過去に測位した位置と過去に定義した位置との少なくとも一方に関連付けられたWLAN装置からの信号を発見したことに応じて、前記GPS受信機回路の前記電源オフに対する前記電源オンのデューティ比を減少させるステップと、
前記移動端末が予め定められた時間にわたって実質的に静止していた位置であって過去に測位した位置と過去に定義した位置との少なくとも一方に関連付けられた前記WLAN装置からの信号を検知していないことに応じて、前記GPS受信機回路の前記電源オフに対する前記電源オンのデューティ比を増加させるステップと
を有することを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記調整ステップは、
前記移動端末が予め定められた時間にわたって実質的に静止していた位置であって過去に測位した位置と過去に定義した位置との少なくとも一方に関連付けられたブルートゥース装置からの信号を発見したことに応じて、前記GPS受信機回路の前記電源オフに対する前記電源オンのデューティ比を減少させるステップと、
前記移動端末が予め定められた時間にわたって実質的に静止していた位置であって過去に測位した位置と過去に定義した位置との少なくとも一方に関連付けられた前記ブルートゥース装置からの信号を検知していないことに応じて、前記GPS受信機回路の前記電源オフに対する前記電源オンのデューティ比を増加させるステップと
ことを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記調整ステップは、
前記移動端末が、セルラ基地局から送信される新しいセルラ基地局IDを受信して識別するようになるまで、前記GPS受信機回路の電源オフサイクルの継続時間を延長するステップ
を有することを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
移動端末であって、
GPS信号を使用して前記移動端末の位置を測位するGPS受信機回路と、
前記GPS受信機回路の電源オンと電源オフとを繰り返し切り替えるとともに、前記移動端末の位置を前回測位したときからの前記移動端末の移動距離に応じて前記GPS受信機回路の前記電源オンと前記電源オフとの間のデューティ比を調整する制御回路と
を備えることを特徴とする移動端末。
【請求項14】
前記移動端末の加速度を示す加速度情報を生成する加速度計回路と、
前記GPS受信機回路が電源オフとなるサイクルの間、前記加速度計回路からの加速度情報を用いて加速度に基づいた前記移動端末の現在の位置を測位する加速度ベース測位回路と
をさらに備え、
前記GPS受信機回路は、少なくとも閾値としての時間長にわたって、前記GPS受信機回路への前記GPS信号の強度が前記移動端末の位置を測位するためには不適切な強度になってしまったことに応じて、前記移動端末においていつGPS信号が途絶したかを検出し、
前記制御回路は、前記移動端末においてGPS信号が途絶すると、前記GPS受信機回路への電源をオフに切り替えるとともに、加速度に基づいて測位された現在の前記移動端末の位置と前記GPS信号に基づいて前回測位された位置との間の距離が閾値距離を越えるようになるまで、前記GPS受信機回路の電源オフサイクルの継続期間を延長し、前記GPS受信機回路への電源がオンに切り替わると、前記移動端末の現在位置をGPS信号に基づいて測位することを試行する
ことを特徴とする請求項13に記載の移動端末。
【請求項15】
前記移動端末の加速度を示す加速度情報を生成する加速度計回路と、
前記GPS受信機回路が電源オフとなるサイクルの間、前記加速度計回路からの加速度情報を用いて加速度に基づいた前記移動端末の現在の位置を測位する加速度ベース測位回路と
をさらに備え、
前記GPS受信機回路は、電源オンとなるサイクルの間、GPSに基づいた前記移動端末の現在の位置を測位し、
前記制御回路は、加速度に基づいて測位された前記移動端末の現在の位置と前記GPS信号に基づいて測位された位置との間の距離が閾値距離を越えるようになるまで、前記GPS受信機回路の電源オフサイクルの継続期間を延長する
ことを特徴とする請求項13または14に記載の移動端末。
【請求項16】
加速度に基づいて測位された現在位置と前記GPS信号に基づいて測位された位置との間の距離が閾値であるキャリブレーション距離を越えたことに応じて、前記加速度計回路のキャリブレーションを実行するキャリブレーション回路
をさらに備えることを特徴とする請求項15に記載の移動端末。
【請求項17】
前記移動端末の加速度を示す加速度情報を生成する加速度計回路と、
前記GPS受信機回路が電源オフとなるサイクルの間、前記加速度計回路から取得された加速度情報を用いて前記移動端末の移動速度を決定する移動速度決定回路と
を備え、
前記制御回路は、前記移動端末の移動速度が閾値速度を超えていることに応じて前記GPS受信機回路の前記電源オフに対する前記電源オンのデューティ比を増加させ、前記移動端末の移動速度が閾値速度を下回っていることに応じて前記GPS受信機回路の前記電源オフに対する前記電源オンのデューティ比を減少させる
ことを特徴とする請求項13ないし16のいずれか1項に記載の移動端末。
【請求項18】
セルラシステムと通信するとともに、無線インタフェースを介して前記セルラシステムから測位支援情報を受信するセルラ通信回路をさらに備え、
前記GPS受信機回路は、前記受信した測位支援情報を使用して前記GPS信号を捕捉し、前記移動端末の位置を測位し、
前記制御回路は、前記セルラシステムからの前記測位支援情報の利用可能性を判定し、前記セルラシステムからの前記測位支援情報が利用可能であれば前記GPS受信機回路の前記電源オフに対する前記電源オンのデューティ比を増加させ、前記セルラシステムからの前記測位支援情報が利用可能でなければ前記GPS受信機回路の前記電源オフに対する前記電源オンのデューティ比を減少させる
ことを特徴とする請求項13ないし17のいずれか1項に記載の移動端末。
【請求項19】
前記制御回路は、前記移動端末が予め定められた時間にわたって実質的に静止していた位置であって過去に測位した位置と過去に定義した位置との少なくとも一方に関連付けられたWLAN装置からの信号を発見したことに応じて、前記GPS受信機回路の前記電源オフに対する前記電源オンのデューティ比を減少させ、前記移動端末が予め定められた時間にわたって実質的に静止していた位置であって過去に測位した位置と過去に定義した位置との少なくとも一方に関連付けられた前記WLAN装置からの信号を検知していないことに応じて、前記GPS受信機回路の前記電源オフに対する前記電源オンのデューティ比を増加させる
ことを特徴とする請求項13ないし18のいずれか1項に記載の移動端末。
【請求項20】
前記制御回路は、前記移動端末が予め定められた時間にわたって実質的に静止していた位置であって過去に測位した位置と過去に定義した位置との少なくとも一方に関連付けられたブルートゥース装置からの信号を発見したことに応じて、前記GPS受信機回路の前記電源オフに対する前記電源オンのデューティ比を減少させ、前記移動端末が予め定められた時間にわたって実質的に静止していた位置であって過去に測位した位置と過去に定義した位置との少なくとも一方に関連付けられた前記ブルートゥース装置からの信号を検知していないことに応じて、前記GPS受信機回路の前記電源オフに対する前記電源オンのデューティ比を増加させる
ことを特徴とする請求項13ないし19のいずれか1項に記載の移動端末。
【請求項21】
移動端末であって、
GPS信号を使用して前記移動端末の位置を測位するGPS受信機回路と、
前記GPS信号を用いて前記移動端末の位置を前回測位したときからの前記移動端末の移動距離に応じて前記GPS受信機回路に供給される電力を調整する制御回路と
を備えることを特徴とする移動端末。
【請求項22】
前記制御回路は、前記移動端末が過去に通信したブルートゥース装置とWLAN装置とのすくなくとも一方からのRF信号を検知できないことに応じて、前記GPS受信機回路の電源をオンに切り替える
ことを特徴とする請求項21に記載の移動端末。
【請求項23】
前記制御回路は、セルラ基地御局から新しいセルラ基地局IDを受信して識別したことに応じて、前記GPS受信機回路の電源をオンに切り替える
ことを特徴とする請求項21または22に記載の移動端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−504578(P2011−504578A)
【公表日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−529306(P2010−529306)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【国際出願番号】PCT/EP2008/053726
【国際公開番号】WO2009/049924
【国際公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
2.ZIGBEE
【出願人】(502087507)ソニー エリクソン モバイル コミュニケーションズ, エービー (823)
【Fターム(参考)】