HCV遺伝子型の分析
HCV−1aに感染した患者のインターフェロン処置に対する応答を予測するための方法。本発明の一局面において、本発明は、HCV−1aに感染した患者を、インターフェロンベースの処置で治療するための方法を包含する。上記方法は、a)上記患者の部分的もしくは完全なHCV NS5A遺伝子を分析する工程;およびb)上記インターフェロンベースの処置に対する陽性応答の可能性を推定するための基準を決定する工程であって、上記基準は、以下の要素:i)標準的NS5Aアミノ酸配列と比較した場合、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列のインターフェロン感受性決定領域(ISDR)における変化の数;およびii)上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の226位におけるアミノ酸残基の配列、のうちの1つ以上を含む、工程を包含する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2008年8月28日に出願された米国出願第61/092,503号に対する優先権を主張し、この出願の内容は、その全体が本明細書において参照として援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、HCV−1aに感染した患者の、インターフェロンを含む処置レジメンに対する応答を推定するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
C型肝炎ウイルス(「HCV」)による感染は、人を動かさずにはおれない医学的問題である。HCVは、非A型、非B型肝炎の大部分の症例の原因因子として認識されており、全世界で3%のヒト血清有病率と概算されている(A.Albertiら,「Natural History of Hepatitis C」,J.Hepatology,31(Suppl.1),pp.17−24(1999))。ほぼ400万人の個体が、米国単独で感染している可能性がある(M.J.Alterら,「The Epidemiology of Viral Hepatitis in the United States」,Gastroenterol.Clin.North Am.,23,pp.437−455(1994);M.J.Alter「Hepatitis C Virus Infection in the United States」,J.Hepatology,31(Suppl.1),pp.88−91(1999))。1990年代半ばにおける抗HCVスクリーニングを導入する前に、米国では、HCVは、輸血後肝炎症例の80〜90%を占めていた。HCV感染の高い割合はまた、血液および血液製剤に頻繁に曝されている出血障害もしくは慢性腎不全の群の個体において認められる。
【0004】
HCVに最初に曝されると、感染した個体のうちの約20%が、急性の臨床的肝炎を発症するに過ぎない一方で、他は、上記感染を自然に解決しているようである。しかし、実例のうちのほぼ70%において、上記ウイルスは、数十年間続き得る慢性感染を確立する(S.Iwarson,「The Natural Course of Chronic Hepatitis」,FEMS Microbiology Reviews,14,pp.201−204(1994);D.Lavanchy,「Global Surveillance and Control of Hepatitis C」,J.Viral Hepatitis,6,pp.35−47(1999))。長期化した慢性感染は、再発しかつ徐々に悪化する肝臓の炎症を悪化させ得る。上記炎症は、しばしば、より重篤な疾患状態(例えば、肝硬変および肝細胞癌)をもたらす(M.C.Kew,「Hepatitis C and Hepatocellular Carcinoma」,FEMS Microbiology Reviews,14,pp.211−220(1994);I.Saitoら,「Hepatitis C Virus Infection is Associated with the Development of Hepatocellular Carcinoma」,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87,pp.6547−6549(1990))。
【0005】
HCVは、約9.5kbの+センスの一本鎖RNAゲノムを含むエンベロープに包まれたウイルスである。そのゲノムの組織化およびビリオン特性に基づいて、HCVは、フラビウイルス科(ペスチウイルスおよびフラビウイルスもまた含む科)ファミリーの中の別個の属として分類されてきた(Alter,1995,Semin.Liver Dis.15:5−14)。上記ウイルスゲノムは、長い5’非翻訳領域(UTR)、約3011アミノ酸のポリプロテイン前駆体をコードする長いオープンリーディングフレーム、および短い3’UTRからなる。上記ポリプロテイン前駆体は、宿主およびウイルス両方のプロテアーゼによって切断されて、成熟したウイルス構造タンパク質および非構造タンパク質を生じる。HCVは、2つのプロテイナーゼ、亜鉛依存性メタロプロテイナーゼ(NS2−NS3領域によってコードされる)およびセリンプロテイナーゼ(NS3/NS4領域においてコードされる)をコードする。これらプロテイナーゼは、成熟ペプチドへ、上記前駆体ポリプロテインの特定の領域を切断するために必要とされる。非構造タンパク質5B、NS5Bのカルボキシル側半分は、RNA依存性RNAポリメラーゼを含む。残りの非構造タンパク質NS4BおよびNS5Aのウイルス複製における正確な機能は、未知のままである。
【0006】
インターフェロン−α(インターフェロン)は、慢性HCV感染のためのFDAが承認した治療薬である。インターフェロンの効果は、異なる細胞誘導性タンパク質(二本鎖RNA活性化プロテインキナーゼ(PKR)が挙げられる)を介して媒介される(Galeら,1997,Virology 230:217−227)。HCV遺伝子型1を有する患者のうちの8〜12%が、インターフェロン治療に対して継続した臨床ウイルス学的な応答(SVR)を有するに過ぎない(Carithersら,1997,Hepatology 26:83S−88S;Lindsay,1997,Heptatology 26:71S−77S)。インターフェロンとグアノシンアナログであるリバビリン(RBV)との組み合わせ治療は、継続した生化学的応答およびウイルス学的応答を生じることにおいて、インターフェロン単一療法より優れていることが示された(Poynardら,1998,Lancet 352:1426−1432)。しかし、継続した応答の割合の顕著な改善にも拘わらず、高力価HCV遺伝子型1感染を有する患者のうちの60%程度が、peg化インターフェロンおよびリバビリン治療に対して非応答性である。例えば、HCV−1に感染した患者における応答率は、40%未満である。プロトタイプ遺伝子型1aに感染した米国の患者の応答率が同様に低いこともまた、報告された(Mahaneyら 1994,Hepatology 20:1405−1411)。対照的に、HCV遺伝子型2に感染した患者の応答率は、ほぼ80%である(Friedら,1995,Semin.Liver Dis.15:82−91)。完全なHCVポリプロテインの発現は、ヒトU2−OS骨肉腫細胞におけるインターフェロン誘導性シグナル伝達を阻害することが示された(Heimら,1999,J.Virol.73:8469−8475)。どのHCVタンパク質がこの作用を担うかどうかということは報告されなかった。
【0007】
インターフェロン応答とHCVの上記非構造5A(NS5A)配列との間の関係は、論議の的である。インターフェロン治療に対する応答は、HCVサブタイプの中でも違っており、HCV−1bサブタイプは、インターフェロン処置に対して特に抵抗性である(Alterら,1998,MMWR Recomm.Rep.47(RR−19):1−39)。HCV感染患者に由来するインターフェロン抵抗性ウイルスおよびインターフェロン感受性ウイルスの全長HCV核酸配列の比較から、上記NS5Aタンパク質のカルボキシ末端に対応するミスセンス置換が明らかになった(Enomotoら,1995,J.Clin.Invest.96:224−230)。NS5Aの対応する40アミノ酸領域(上記HCVポリプロテインのアミノ酸2209〜2248)は、インターフェロン感受性決定領域、すなわち、ISDRと称されてきた(Enomotoら,1995)。上記ISDRは、インビトロでPKRに結合し、その機能を阻害することが示された、上記NS5Aタンパク質における領域内に囲まれている(Galeら,Mol.Cell Biol.,1998,18:5208−5218)。Enomotoら(1996,N.Eng.J.Med.334:77−81)は、インターフェロン治療に応答する患者が、(インターフェロン抵抗性HCV 1b−Jプロトタイプ配列と比較して)上記ISDRにおいて複数の置換があるウイルスを有するモデルを提唱したのに対して、インターフェロン治療に失敗している患者は、上記ISDRにおいてほとんど置換がないウイルスを有する。
【0008】
インターフェロン抵抗性ウイルスおよびインターフェロン感受性ウイルスに由来するISDR配列を発表した研究のうち、9つが、上記Enomotoモデルを支持し、5%有意レベルにおいて、データから、インターフェロン応答および上記ISDRにおける置換が依存性であるという十分な証拠が提供されると結論づける(Enomotoら,1995,1996;Chayamaら,1997,Hepatology,25:745−749;Kurosakiら,1997,Hepatology 25:750−753;Fukudaら,1998,J.Gastroenterol.Hepatol.13:412−418;Saizら,1998,J.Infect.Dis.177:839−847;Murashimaら,1999,Scand.J.Infect.Dis.31:27−32;Sarrazinら 1999,J.Hepatol.30:1004−1013;Sakumaら,1999,J.Infect.Dis.180:1001−1009)。他の16の研究は、相関があると結論づけられなかった(Hofgartnerら,1997,J.Med.Virol.53:118−126;Khorsiら,1997,J.Hepatol.27:72−77;Squadritoら,1997,Gastroenterology 113:567−572;Zeuzemら,1997,Hepatology 25:740−744;Duverlieら,1998,J.Gen.Virol.79:1373−1381;Franguelら,1998,Hepatology 28:1674−1679;Odebergら,1998,J.Med.Virol.56:33−38;Pawlotskyら,1998,J.Virol.72:2795−2805;Polyakら,1998,J.Virol.72:4288−4296;Rispeterら,1998,J.Hepatol.29:352−361;Chungら,1999,J.Med.Virol.58:353−358;Sarrazinら 1999,J.Hepatol.30:1004−1013;Squadritoら,1999,J.Hepatol.30:1023−1027;Ibarrolaら,1999,Am.J.Gastroenterol.94:2487−2495;Mihmら,1999,J.Med.Virol.58:227−234;Araseら,1999,Intern.Med.38:461−466)。興味深いことに、相関を裏付ける9つの研究のうちの7つは、日本からのHCV単離株に基づくのに対して、相関を裏付けない16の研究のうちの15は、欧州および北米の単離株に基づく。北米および欧州の研究において、インターフェロン応答とISDR配列との間の統計的に有意な相関は、一般に見いだされないが、関係性が存在するという証拠はある。ある個体研究のISDR配列の中間および変異クラスが組み合わされる場合、インターフェロンに対する応答率は、ISDR配列の野生型クラスを有する患者におけるものより高い(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Herion and Hoofnagle,1997,Hepatology 25:769−771
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
(発明の要旨)
本発明は、HCV−1aサブタイプに感染したヒト被験体において、上記被験体に影響を与える上記ウイルスNS5A配列と、インターフェロンを含む処置レジメンに対する彼もしくは彼女の最終的応答との間に顕著な関連性があるという発見に基づく。
【0011】
本発明の一局面において、本発明は、HCV−1aに感染した患者を、インターフェロンベースの処置で治療するための方法を包含する。上記方法は、
a)上記患者の部分的もしくは完全なHCV NS5A遺伝子を分析する工程;および
b)上記インターフェロンベースの処置に対する陽性応答の可能性を推定するための基準を決定する工程であって、上記基準は、以下の要素:
i)標準的NS5Aアミノ酸配列と比較した場合、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列のインターフェロン感受性決定領域(ISDR)における変化の数;および
ii)上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の226位におけるアミノ酸残基の配列、
のうちの1つ以上を含む、工程
を包含する。
【0012】
具体的には、上記ISDRにおいて高い変異性(例えば、コンセンサスからの3個以上の変化)および/または上記NS5Aアミノ酸の226位においてメチオニン(M)もしくはグルタミン酸(E)を有するウイルスを含む患者は、peg化インターフェロンおよびリバビリン治療に対して迅速なウイルス学的応答(RVR)を達成する可能性が高い。例えば、IFN/RBV治療が、治療の4週間において現在の検出限界(10IU/ml)未満に上記ウイルスを減少させる能力(RVR)は、継続したウイルス学的応答(SVR)の達成を非常に推定するものである。逆に言えば、ISDR変化も、上記NS5Aアミノ酸の226位において他のアミノ酸も有さないウイルスに感染した患者は、RVRを達成する可能性が低い。
【0013】
特定の実施形態において、上記方法は、HCV−1a感染患者の集団の配列分析および上記インターフェロンベースの処置に対する該患者それぞれの応答に基づいて、b)の下での基準の要素全てについて重み付けパラメーターを割り当てる工程をさらに包含する。
【0014】
特定の実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の226位におけるアミノ酸残基の配列は、A、L、V、EもしくはMである。一実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の226位におけるアミノ酸残基の配列は、Aである。一実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の226位におけるアミノ酸残基の配列は、Lである。一実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の226位におけるアミノ酸残基の配列は、Eである。一実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の226位におけるアミノ酸残基の配列は、Mである。一実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の226位におけるアミノ酸残基の配列は、Vである。
【0015】
特定の実施形態において、上記基準は、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の311位におけるアミノ酸残基の配列の要素をさらに含む。上記基準は、3つの要素のうちの1つ以上を含む。特定の実施形態において、上記方法は、HCV−1a感染患者の集団の配列分析および上記インターフェロンベースの処置に対する該患者それぞれの応答に基づいて、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の311位におけるアミノ酸残基の配列の要素に重み付けパラメーターを割り当てる工程をさらに包含する。
【0016】
繰り返すと、上記ISDRにおける特定の変化数および上記NS5Aアミノ酸配列の226位においてメチオニン(M)もしくはグルタミン酸(E)を有することに加えて、ある患者が、上記NS5Aアミノ酸配列の311位においてQ、RもしくはAを含むウイルスに感染した場合、上記患者は、peg化インターフェロンおよびリバビリン治療に対して迅速なウイルス学的応答(RVR)を達成する可能性が高い。反対に、上記NS5Aアミノ酸配列の311位においてQ、RもしくはAを含まないウイルスに感染した患者は、インターフェロンベースの処置に対してウイルス学的に非応答性である可能性が増大する。
【0017】
一実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の311位におけるアミノ酸残基の配列は、S、P、Q、RもしくはAである。特定の実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の311位におけるアミノ酸残基の配列は、Sである。特定の実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の311位におけるアミノ酸残基の配列は、Pである。特定の実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の311位におけるアミノ酸残基の配列は、Qである。特定の実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の311位におけるアミノ酸残基の配列は、Rである。特定の実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の311位におけるアミノ酸残基の配列は、Aである。
【0018】
特定の実施形態において、上記標準的NS5Aアミノ酸配列は、H77である。
【0019】
特定の実施形態において、上記方法は、上記患者の遺伝的多型性を分析する工程をさらに包含する。一実施形態において、上記患者の遺伝的多型性は、rs12979860である。
【0020】
特定の実施形態において、上記患者の部分的もしくは完全なHCV NS5A遺伝子を分析する工程は、ポリメラーゼ連鎖反応機械を使用して、上記部分的もしくは完全なHCV NS5A遺伝子の一部を増幅する工程を包含する。
【0021】
特定の実施形態において、上記方法は、上記患者が、上記インターフェロンベースの処置に対して陽性に応答するか否かを決定する工程をさらに包含する。
【0022】
特定の実施形態において、上記方法は、上記患者が上記インターフェロンベースの処置に対して応答することが決定された場合に、上記インターフェロンベースの処置を上記患者に施す工程をさらに包含する。
【0023】
本発明の別の局面において、本発明は、上記インターフェロンベースの処置に対する陽性応答の可能性を推定するための基準に従って、HCV−1aに感染した患者の処置のための医薬を調製するためのインターフェロンの使用を提供し、ここで上記基準は、以下の要素:
a)上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の226位におけるアミノ酸;および
b)標準的NS5Aアミノ酸配列と比較した場合、上記患者のNS5Aアミノ酸配列の中のインターフェロン感受性決定領域における変化の数、
のうちの1つ以上を含む。
【0024】
一実施形態において、上記基準の要素は、HCV−1a感染患者の集団の配列分析および上記インターフェロンベースの処置に対する該患者それぞれの応答に基づいて、重み付けパラメーターを割り当てられる。
【0025】
一実施形態において、上記NS5Aアミノ酸配列の226位におけるアミノ酸は、A、L、V、MもしくはEである。一実施形態において、上記NS5Aアミノ酸配列の226位におけるアミノ酸は、Aである。一実施形態において、上記NS5Aアミノ酸配列の226位におけるアミノ酸は、Lである。一実施形態において、上記NS5Aアミノ酸配列の226位におけるアミノ酸は、Eである。一実施形態において、上記NS5Aアミノ酸配列の226位におけるアミノ酸は、Mである。一実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の226位におけるアミノ酸残基の配列は、Vである。
【0026】
特定の実施形態において、上記基準は、上記患者のNS5Aアミノ酸配列の311位におけるアミノ酸残基の要素をさらに含み、ここで上記基準は、3つの要素のうちの1つ以上を含む。特定の実施形態において、上記基準の要素は、HCV−1a感染患者の集団の配列分析および上記インターフェロンベースの処置に対する該患者それぞれの応答に基づいて、重み付けパラメーターが割り当てられる。
【0027】
特定の実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の311位におけるアミノ酸残基は、S、P、Q、RもしくはAである。一実施形態において、上記311位におけるアミノ酸残基は、Sである。一実施形態において、上記311位におけるアミノ酸残基は、Pである。一実施形態において、上記311位におけるアミノ酸残基は、Qである。一実施形態において、上記311位におけるアミノ酸残基は、Rである。一実施形態において、上記311位におけるアミノ酸残基は、Aである。
【0028】
一実施形態において、上記医薬は、1種以上の抗HCV薬剤を含む。
【0029】
一実施形態において、上記医薬は、リバビリン、HCVプロテアーゼインヒビターおよびHCVポリメラーゼインヒビターを含む。一実施形態において、上記HCVプロテアーゼインヒビターは、BMS−790052、MK 7009、BI 201335、SCH900518、VX−985、SCH503034、VX−950、R7227、ITMN−191、ACH−1095もしくはTMC435350である。別の実施形態において、上記HCVプロテアーゼインヒビターは、VX−950である。さらに別の実施形態において、上記HCVプロテアーゼインヒビターは、SCH50303である。別の実施形態において、上記HCVポリメラーゼインヒビターは、VCH−916、IDX−184、VX−222、フィリブビル、ABT−033、ABT−072、GS190、ANA598、MK−3281、BMS−650032、もしくはR7128である。
【0030】
一実施形態において、上記医薬は、NS4Aインヒビター、NS4Bインヒビター、サイクロフィリンインヒビターおよびこれらの組み合わせを含む。上記NS4Aインヒビター、NS4Bインヒビターおよびサイクロフィリンインヒビターの例は、それぞれ、ACH−806;クレミゾール;ならびにDebio−025およびNIM811である。
【0031】
一実施形態において、上記インターフェロンベースの処置は、Roferon(登録商標)−A、Pegasys(登録商標)、Intron(登録商標)、およびPeg−Intronからなる群より選択される。
【0032】
一実施形態において、上記標準的NS5Aアミノ酸配列は、H77である。
【0033】
特定の実施形態において、上記基準は、上記患者の遺伝的多型性をさらに含む。一実施形態において、上記患者の上記遺伝的多型性は、rs12979860である。
【0034】
本発明のさらに別の局面において、本発明は、HCV−1aに感染した患者について治療レジメンおよび/もしくは継続期間(duration)を指示するための方法を提供する。上記方法は、
a)上記患者の部分的もしくは完全なHCV NS5A遺伝子を分析する工程;および
b)インターフェロンベースの処置に対する陽性応答の可能性を推定するための基準を決定する工程であって、ここで上記基準は、以下の要素:
i)標準的NS5Aアミノ酸配列と比較した場合、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列のインターフェロン感受性決定領域における変化の数;および
ii)上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の226位におけるアミノ酸残基の配列;
のうちの1つ以上を含む工程、ならびに
c)上記患者の治療レジメンおよび/もしくは継続期間を決定する工程、
を包含する。
【0035】
特定の実施形態において、上記方法は、HCV−1a感染患者の集団の配列分析および上記インターフェロンベースの処置に対する該患者それぞれの応答に基づいて、b)の下での上記基準の上記要素全てについて重み付けパラメーターを割り当てる工程をさらに包含する。
【0036】
特定の実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の226位におけるアミノ酸残基の配列は、A、L、V、EもしくはMである。一実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の226位におけるアミノ酸残基の配列は、Aである。一実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の226位におけるアミノ酸残基の配列は、Lである。一実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の226位におけるアミノ酸残基の配列は、Eである。一実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の226位におけるアミノ酸残基の配列は、Mである。一実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の226位におけるアミノ酸残基の配列は、Vである。
【0037】
特定の実施形態において、上記方法は、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の311位におけるアミノ酸残基の配列の要素をさらに含む基準を含む。上記基準は、上記3つの要素のうちの1つ以上を含む。特定の実施形態において、上記方法は、HCV−1a感染患者の集団の配列分析および上記インターフェロンベースの処置に対する該患者それぞれの応答に基づいて、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の311位におけるアミノ酸残基の配列の上記要素に重み付けパラメーターを割り当てる工程を包含する。
【0038】
特定の実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の311位におけるアミノ酸残基の配列は、S、P、Q、RもしくはAである。一実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の311位におけるアミノ酸残基の配列は、Sである。一実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の311位におけるアミノ酸残基の配列は、Pである。一実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の311位におけるアミノ酸残基の配列は、Qである。一実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の311位におけるアミノ酸残基の配列は、Rである。一実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の311位におけるアミノ酸残基の配列は、Aである。
【0039】
特定の実施形態において、上記標準的NS5Aアミノ酸配列は、H77である。
【0040】
特定の実施形態において、上記患者の治療のレジメンおよび/もしくは継続期間を決定する工程は、HCVプロテアーゼインヒビター、第2のSTAT−C、インターフェロン、リバビリンもしくはこれらの組み合わせを上記患者に投与する工程を包含する。一実施形態において、上記患者に投与する工程は、12週間、36週間もしくは48週間の継続期間にわたって、インターフェロンおよびリバビリンを上記患者に投与する工程を包含する。一実施形態において、上記患者に投与する工程は、12週間の継続期間にわたって上記患者に投与する工程を包含する。一実施形態において、上記患者に投与する工程は、36週間の継続期間にわたって上記患者に投与する工程を包含する。一実施形態において、上記患者に投与する工程は、48週間の継続期間にわたって上記患者に投与する工程を包含する。
【0041】
特定の実施形態において、上記HCVプロテアーゼインヒビターは、SCH503034、VX−950、R7227、ITMN−191、ACH−1095もしくはTMC435350である。一実施形態において、上記HCVプロテアーゼインヒビターは、SCH503034である。一実施形態において、上記HCVプロテアーゼインヒビターは、VX−950である。
【0042】
特定の実施形態において、上記第2のSTAT−Cは、HCVポリメラーゼインヒビター、NS4Aインヒビター、NS4Bインヒビターもしくはサイクロフィリンインヒビターである。いくつかの実施形態において、上記第2のSTAT−Cは、VCH−916、IDX−184、VX−222、フィリブビル、ABT−033、ABT−072、GS190、ANA598、MK−3281、BMS−650032、ACH−806、クレミゾール、Debio−025、NIM811もしくはR7128である。
【0043】
特定の実施形態において、上記方法は、上記患者の遺伝的多型性を分析する工程をさらに包含する。一実施形態において、上記遺伝的多型性は、rs12979860である。
【0044】
特定の実施形態において、上記患者の部分的もしくは完全なHCV NS5A遺伝子を分析する工程は、ポリメラーゼ連鎖反応機械を使用して、上記部分的もしくは完全なHCV NS5A遺伝子の一部を増幅する工程を包含する。
【0045】
特定の実施形態において、上記方法は、上記患者が上記インターフェロンベースの処置に対して陽性に応答するか否かを決定する工程をさらに包含する。
【0046】
特定の実施形態において、上記方法は、上記患者が、上記インターフェロンベースの処置に対して応答することが決定された場合、上記インターフェロンベースの処置を上記患者に施す工程をさらに包含する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】図1は、上記被験体によるPeg−IFNおよびRBV応答のレベルを示すプロットである。ウイルスRNA負荷が4週目まで検出限界(LOD)未満であった被験体を、迅速ウイルス応答者(RVR)と称した一方で、12週目までにRNA負荷がLOD未満に低下した被験体を、完全初期ウイルス応答者(cEVR)と称した。部分的初期ウイルス応答者(pEVR)は、12週目までにRNA負荷において少なくとも2−log低下を有し、非応答者(NR)は、上記研究の間にRNA負荷において2−log未満の減少を有した。各患者群についてのトレンドラインは、各時点での平均±標準偏差を示す。
【図2】図2は、40アミノ酸の41個の重複ストレッチ(overlapping stretch)、アミノ酸6〜45までにわたる第1のウインドウ;アミノ酸16〜55までの第2のウインドウ;26〜65までの第3のウインドウなどへと切断されたNS5Aアミノ酸アラインメントを示すプロットである。ロジスティック回帰を使用して、IFN感受性(すなわち、順番にスコア付けされた患者転帰群)が、これらウインドウのうちのいずれか内の遺伝的バリエーションの関数であるか否かを決定した(α=0.05,タイプIエラーを制御するためにBoneferroni手順を使用した)。ロジスティック回帰から生じるp値(「有意レベル」)は、上記NS5Aアミノ酸の長さに対してプロットされ、各ウインドウの有意レベルは、その中間(mean)の残基に対してプロットされた(例えば、残基6〜45にわたるウインドウについてのp値0.6934は、残基26においてプロットされる)。「インターフェロン感受性決定領域」(ISDR;AA236〜275)であると示唆された40残基のストレッチが、灰色のボックスで囲まれている。このウインドウの中心に対応する点(p=0.0003)は、IFN感受性が、変異の数の関数である領域のみであり、顕著なことには、Bonferroni補正した0.05のαで有意である。
【図3】図3は、上記応答分類の各々におけるISDR変異の数のプロットである。迅速ウイルス応答者(RVR)内の感染性ビリオンのISDRは、互いの転帰群に対して変異が顕著に富化されている一方で、他の転帰群は、6つの独立したMann−Whitney U検定ペア様式の比較によって決定される場合、いかなる他のものとも顕著に異ならない(有意に異なる群は、グラフのいちばん上での「a」および「b」によって示される)。順位和に基づくノンパラメトリック比較を、統計学的検定に使用したが、各群についての平均値の菱形(means diamond)(それらの高さにおいては平均に対する95%信頼区間を示し、そしてそれらの幅においては相対的サンプルサイズに対する95%信頼区間を示す)が示される。灰白色のバーは、上記データセットの全体的な平均を表す。
【図4】図4は、上記ISDR内の0個、1個、2個、および3個以上の変異についてのウイルス学的転帰群の構成(composition)を示す円グラフ(pie graph)を示しており、各チャートについては、グラフの下に表示されている。各群についてのサンプルサイズは、上記チャートの上に示され、各群の相対的面積で表される。凡例は、上記チャートの左側にボックスで囲まれている(RVR,迅速ウイルス学的応答;cEVR,完全初期ウイルス学的応答;pEVR,部分的初期ウイルス学的応答;NR,非応答性)。
【図5】図5は、H77の核酸配列(図5a)およびアミノ酸配列(図5b)を示す。
【図6】図6は、上記インターフェロンベースの処置に対し様々な程度の応答を表す上記被験体からの核酸配列を示す。
【図7】図7は、図6の被験体からのアミノ酸配列を示す。
【発明を実施するための形態】
【0048】
(発明の詳細な説明)
米国の遺伝子型1a患者におけるインターフェロンおよびRBVに対する全長NS5Aアミノ酸のウイルス配列多様性の影響を調査した。
【0049】
上記NS5Aアミノ酸を、多種性(quasispecies)の誘導を通じてIFN応答に影響を及ぼすことが示された(Macdonald 2004、Tan 2001、Hofmann 2004において総説されている)。HCV生活環におけるNS5Aの正確な役割は未知である一方で、NS5Aが、HCVゲノムの複製を触媒するマルチタンパク質複合体の重要な部分であることが実証された(Egger 2002)。HCV複製におけるその直接的な役割とは無関係に、NS5Aはまた、多くの細胞シグナル伝達分子に結合し得、これは次に、細胞増殖の調節に影響を及ぼし得、細胞のアポトーシス応答を阻害し得る(Macdonald,総説2004)。
【0050】
さらに、NS5Aは、インターフェロン誘導性二本鎖RNA(dsRNA)活性化プロテインキナーゼPKRに結合することが実証された(Gale 1997)。PKRは、dsRNAへの結合によって活性化される。一旦活性化されると、PKRは、タンパク質合成開始因子2のαサブユニット2(eIF−2α)をリン酸化し、ウイルスタンパク質翻訳の抑制をもたらすことが公知である(Macdonald 2004)。eIF−2αに結合することによって、NS5Aは、PKRのダイマー化および自己リン酸化を妨害し、従って、IFN誘導性宿主ウイルス応答経路を阻害する(Gale 1997)。
【0051】
語句「NS5A遺伝子の676位、677位および678位のヌクレオチド」は、アラインメントのための参照配列として、図5および図6において示される配列を有するHCV−1a NS5A cDNAもしくはRNAの676ヌクレオチド位、677ヌクレオチド位および678ヌクレオチド位における位置(locus)を意味し、ここで図5および図6に示される配列は、HCV−1aゲノムヌクレオチド配列のヌクレオチド位置675とヌクレオチド位置679との間のNS5Aコード領域を表す。
【0052】
語句「NS5Aタンパク質の226位のアミノ酸」とは、アラインメントのための参照配列として、図5および図6において示される配列に示される配列を有するHCV−1a NS5Aタンパク質の226位のアミノ酸を意味し、ここで図5および図6に示される配列は、HCV−1aゲノムポリプロテインのアミノ酸位置225〜アミノ酸位置227にわたるNS5Aタンパク質のポリペプチド配列を表す。
【0053】
語句「NS5A遺伝子の931位、932位、および933位のヌクレオチド」とは、アラインメントのための参照配列として、図5および図6において示される配列に示される配列を有するHCV−1a NS5A cDNAもしくはRNAのヌクレオチド位置931、932、および933の位置を意味し、ここで上記図5および6:1に示される配列は、HCV−1aゲノムヌクレオチドのヌクレオチド位置930とヌクレオチド位置934との間のNS5Aコード領域を表す。
【0054】
語句「NS5Aタンパク質の311位のアミノ酸」とは、アラインメントのための参照配列として、図5および図7において示される配列を有するHCV−1a NS5Aタンパク質の311位のアミノ酸を意味し、ここで図5および7は、HCV−1aゲノムポリプロテインのアミノ酸位置310からアミノ酸位置312にわたるNS5Aタンパク質のポリペプチド配列を表す。
【0055】
語句「ISDR」とは、(1)アラインメントのための参照配列として、図5、図6、および図7において示される配列を有するHCV−1a NS5A cDNAもしくはRNAの705位と826位との間のヌクレオチド配列;および(2)図5、6および7に示される配列を有するHCV−1a NS5Aタンパク質の235位と276位との間のアミノ酸配列を意味する。しかし、上記ISDRについてのアミノ酸配列中の位置は、僅かに変化し得る。
【0056】
用語「ヌクレオチド置換(複数可)」および「ヌクレオチドバリエーション(複数可)」とは、交換可能に本明細書で使用され、特定の遺伝子の参照ヌクレオチド配列における位置のヌクレオチド変化(複数可)に言及する。
【0057】
用語「アミノ酸変異」および「アミノ酸置換」とは、上記参照タンパク質をコードする上記参照ヌクレオチド配列におけるヌクレオチド置換もしくはバリエーションから生じる、参照タンパク質配列における位置でのアミノ酸変化に言及するために、本明細書で交換可能に使用される。
【0058】
用語「遺伝子型決定」とは、特定の遺伝子座におけるヌクレオチド(複数可)を決定することを意味する。
【0059】
用語「インターフェロンベースの処置」とは、インターフェロンの投与を含むHCV処置をいう。
【0060】
インターフェロンでの処置に対する、用語「応答」とは、薬剤の投与に対する望ましい応答である。
【0061】
インターフェロンでの処置に対する、用語「継続したウイルス学的応答」(SVR)および「完全な応答」とは、本明細書で交換可能に使用され、処置終了のときおよび処置終了の24週間後の両方において、RT−PCRによって感染被験体のサンプル中に検出可能なHCV RNAが存在しないことをいう。あるいは、「継続したウイルス応答」もしくは「SVR」とは、投与が完了した後に、ウイルスRNAレベルが検出不能なままであることを意味する。「SVR12」とは、投与が完了した後12週間で、ウイルスRNAレベルが検出不能なままであることを意味する。「SVR24」とは、投与が完了した後24週間で、ウイルスRNAレベルが検出不能なままであることを意味する。
【0062】
用語「完全な初期ウイルス学的応答」(cEVR)とは、治療の12週目においてHCV負荷(血中のHCV粒子の数)の少なくとも99%(>2 log10)低下として定義される。
【0063】
本明細書で使用される用語「迅速ウイルス学的応答」(RVR)とは、治療の4週目以降に、血中のHCVが検出不能であることとして定義される。RVRの患者のうちの90%は、SVRを有し、いくらかの患者は、僅か24週間の処置しか要しない可能性がある。
【0064】
「部分的な初期ウイルス学的応答」(pEVR)を有する被験体は、HCV RNAレベルにおいて100分の1の低下を有するが、検出可能なHCV RNAを有し続ける。このような患者は、cEVRを有する被験体よりSVRを達成する可能性が低い。
【0065】
インターフェロンでの処置に対する、用語「ウイルス学的非応答」および「非応答」(NR)とは、本明細書で交換可能に使用され、処置全体を通じておよび処置の終了のときに、RT−PCRおよび他の公知の従来法によって、感染被験体のサンプル中に検出可能なHCV RNAが存在することに言及する。あるいは、本明細書で使用される場合「非応答性」とは、標準的なpeg−IFNとRBV処置に対して継続したウイルス学的応答(SVR)(処置の完了後24週目で、HCV RNAが検出不能)を達成もしくは維持しない患者、および応答が欠如した患者を包含する。応答の欠如とは、HCV RNAのベースラインからの<2−log10低下として、HCVウイルスの検出不能なレベルを達成できないとして、または処置の停止後の再発として定義される。上記で定義されるように、検出不能なHCV RNAは、現在市販されているアッセイによって決定される場合、例えば、Roche COBAS TaqManTM HCV/HPSアッセイによって決定される場合、HCV RNAが、10 IU/mL未満で存在することを意味する。例えば、「非応答性」は、上記標準的peg−IFNとRBV処置に対する「4週目非応答者(null responder)」、「12週目非応答者」、「24週目非応答者」、「26〜48週目非応答者」、「部分的応答者」、「ウイルスブレイクスルー応答者(viral breakthrough responder)」および「再発応答者(relapser responder)」を含む。「4週目非応答者」は、上記標準的peg−IFNとRBV処置の4週目において、HCV RNAの<1−log10低下(HCV RNAのベースラインからの≧1−log10低下を有さない)によって定義される。「12週目非応答者」は、上記標準的peg−IFNとRBV処置の12週目において、HCV RNAの<2−log10低下(初期ウイルス応答(EVR)を達成せず、12週目においてHCV RNAのベースラインからの≧2−log10低下)によって定義される。「24週目非応答者」は、上記標準的peg−IFNとRBV処置の24週目において、検出可能なHCV RNAを有した被験体として定義される。「26〜48週目非応答者」は、上記標準的peg−IFNとRBV処置の26〜48週目の間で検出可能なHCV RNAを有した被験体として定義される。「部分的応答者」とは、上記標準的peg−IFNとRBV処置の12週目において≧2−log10低下であるが、24週目において検出可能なHCV RNAによって定義される。「ウイルスブレイクスルー応答者」は、peg−IFNとRBV処置の間に検出不能なHCV−RNAを達成した後の、検出可能なHCV−RNAによって定義される。ウイルスブレイクスルーは、i)最低の記録された処置値と比較した場合、>1−log10のHCV RNAの増加、またはii)以前の時点でHCV RNAが検出不可能であった患者における>100 IU/mLのHCV RNAレベル、として定義される。ウイルスブレイクスルー応答者の特定の例は、4週目〜24週目の間にウイルスブレイクスルーを有する患者を含む。「再発応答者」とは、上記peg−IFNとRBV(事前処置(prior treatment))(一般に、最後の投薬後6週間以内)の完了のときに、HCV RNAが検出不能であったが、追跡の間(例えば、24週間の後追跡(post follow−up)の間)に再発した患者である。再発応答者は、48週間のpeg−IFNとRBV処置の後に、再発し得る。
【0066】
代表的なpeg−IFNおよびRBV処置レジメンは、12週間、24週間、36週間および48週間の処置を含む。種々のタイプのpeg−IFNが、例えば、調製され、予め測定された液剤として、または別個の希釈剤(混合流体)とともに凍結乾燥粉末として、バイアル中で、市販されている。Peg化インターフェロンα−2b(Peg−Intron(登録商標))およびPeg化インターフェロンα−2a(Pegasys(登録商標))は、代表的な例である。本発明において使用され得る種々のタイプのインターフェロン(種々の剤形および処方タイプが挙げられる)が、市販されている(例えば、上記のインターフェロンの具体例を参照のこと)。例えば、種々のタイプのインターフェロンは、調製され、予め測定された液剤として、もしくは別個の希釈剤(混合流体)とともに凍結乾燥粉末として、バイアル中で、市販されている。Peg化インターフェロンα−2b(Peg−Intron(登録商標))およびPeg化インターフェロンα−2a(Pegasys(登録商標))は、上記インターフェロンが結合したポリエチレングリコール(PEG)の分子を有することによって、他のインターフェロンとは異なる。上記PEGは、上記インターフェロンをより長期間身体中に残すと考えられているので、上記インターフェロンの効果およびその有効性を持続させる。Peg化インターフェロンは、一般に、皮膚の下に(皮下に)注射によって投与される。Pegasys(登録商標)は、予め充填されたシリンジもしくはバイアル中に注射用溶液として手に入る。Pegasys(登録商標)の通常の投与量は、180μgであり、1週間に1回投与される。PEG−Intron(登録商標)は、一般に、粉末および滅菌水を含む予め充填されたペンで使われる;上記ペンを押し下げて、それらを一緒に混ぜる。PEG−Intron(登録商標)の用量は、一般に、体重に依存し(1.5μg/kg(合計約50μg〜約150μgの間の範囲)であり、1週間に1回投与される。特定の実施形態において、peg化インターフェロン(例えば、peg化インターフェロン−α 2aもしくはpeg化インターフェロン−α 2b)は、本発明において使用される。代表的には、インターフェロンは、その市販の製品表示に記載される投与レジメンに従って投与され得る。
【0067】
リバビリンは、代表的には、経口投与され、リバビリンの錠剤形態が、現在市販されている。一般的基準、リバビリン錠剤の1日用量(例えば、約200mg錠剤)は、約800mg〜約1200mg(その市販の製品表示に記載される投与レジメンに従って)である。
【0068】
用語「STAT−C」とは、C型肝炎についての具体的に標的化された抗ウイルス治療(specifically targeted antiviral therapy for Hepatitis C)の略語である。この治療様式は、C型肝炎再生に必要とされる2つの酵素:セリンプロテアーゼおよびポリメラーゼを標的としている医薬(C型肝炎プロテアーゼインヒビターおよびポリメラーゼインヒビターとして公知)を含む。
【0069】
用語「サンプル」もしくは「生物学的サンプル」とは、個体から単離された組織もしくは流体のサンプルに言及し、これらとしては、例えば、組織生検、血漿、血清、全血、脊髄液、リンパ液、皮膚の外部切片、呼吸器、腸管および尿生殖器管、涙液、唾液、乳汁、血液細胞、腫瘍、器官が挙げられるが、これらに限定されない。インビトロの細胞培養物の構成要素のサンプル(細胞培地中の細胞の増殖から生じる馴化培地、推定上のウイルス感染細胞、組換え細胞、および細胞成分が挙げられるが、これらに限定されない)もまた、含まれる。
【0070】
本明細書で言及されるインターフェロンとしては、α−インターフェロン、β−インターフェロン、γ−インターフェロンおよびpeg化誘導体化インターフェロン−α化合物が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、用語「インターフェロン」および「インターフェロン−α」は、本明細書で交換可能に使用され、ウイルス複製および細胞増殖を阻害し、免疫応答を調節する、非常に相同の種特異的タンパク質のファミリーに言及する。代表的な適したインターフェロンとしては、組換えインターフェロンα−2b(例えば、Schering Corporation,Kenilworth,N.J.から入手可能なIntron TM A インターフェロン)、組換えインターフェロンα−2a(例えば、Hoffmann−La Roche,Nutley,N.J.から入手可能なRoferon TM −A インターフェロン)、組換えインターフェロンα−2C(例えば、Boehringer Ingelheim Pharmaceutical,Inc.,Ridgefield,Conn.から入手可能なBerofor TM alpha 2 インターフェロン)、インターフェロンα−n1(天然のαインターフェロンの精製ブレンド(例えば、Sumitomo,Japanから入手可能なSumiferon TM)もしくはWellferon TM インターフェロンα−n1(INS)(Glaxo−Wellcome Ltd.,London,Great Britainから入手可能な)、またはコンセンサスαインターフェロン(例えば、米国特許第4,897,471号および同第4,695,623号(特に、その実施例7、8もしくは9)に記載されるもの)およびAmgen,Inc.,Newbury Park,Calif.から入手可能な特定の生成物、あるいはインターフェロンα−n3、天然αインターフェロンの混合物(Interferon Sciencesによって作製されかつPurdue Frederick Co.,Norwalk,Conn.,から、Alferon商品名の下で入手可能)が挙げられるが、これらに限定されない。インターフェロンα−2aもしくはインターフェロンα−2bの使用が好ましい。
【0071】
用語「peg化インターフェロンα」は、本明細書で使用される場合、インターフェロンα、好ましくは、インターフェロンα−2aおよびインターフェロンα−2bのポリエチレングリコール改変結合体を意味する。代表的な適したpeg化インターフェロンαとしては、Pegasys TMおよびPeg−Intron TMが挙げられるが、これらに限定されない。
【0072】
本明細書で使用される場合、用語「核酸」、「ヌクレオチド」、「ポリヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド」とは、プライマー、プローブ、検出されるべきオリゴマーフラグメント、オリゴマーコントロールおよび非標識ブロッキングオリゴマーに言及し、ポリデオキシリボヌクレオチド(2−デオキシ−D−リボースを含む)、ポリリボヌクレオチド(D−リボースを含む)、およびプリンもしくはピリミジン塩基、または改変プリンもしくはピリミジン塩基のN−グリコシドである任意の他のタイプのポリヌクレオチドに対する包括的なものであるとする。
【0073】
用語「インターフェロン感受性決定領域における変化」とは、NS5Aの野生型と比較した場合、NS5Aをコードする遺伝子の代替形態を構成するNS5R遺伝子のアミノ酸配列における変化に言及する。変化は、挿入、付加、欠失、もしくは置換を含み得る。ヌクレオチド配列は、5’方向から3’方向に並べられる。
【0074】
用語「標準的NS5Aアミノ酸配列」とは、細胞培養系における最適な複製のために選択された十分に特徴付けられたHCV配列に由来する代表的アミノ酸配列をいう。標準的NS5Aアミノ酸配列の例は、H77である。
【0075】
核酸、ヌクレオチド、ポリヌクレオチドもしくはオリゴヌクレオチドは、ホスホジエステル結合もしくは改変された結合(例えば、ホスホトリエステル、ホスホルアミデート、シロキサン、カーボネート、カルボキシメチルエステル、アセトアミデート、カルバメート、チオエーテル、架橋ホスホルアミデート、架橋メチレンホスホネート、ホスホロチオエート、メチルホスホネート、ホスホロジチオエート、架橋ホスホロチオエート、もしくはスルホン結合、およびこのような結合の組み合わせを含み得る。
【0076】
核酸、ヌクレオチド、ポリヌクレオチドもしくはオリゴヌクレオチドは、5つの生物学的に存在する塩基(アデニン、グアニン、チミン、シトシンおよびウラシル)および/もしくは上記5つの生物学的に存在する塩基以外の塩基を含み得る。例えば、本発明のポリヌクレオチドは、以下が挙げられるが、これらに限定されない群から選択される少なくとも1つの改変塩基部分を含み得る:5−フルオロウラシル、5−ブロモウラシル、5−クロロウラシル、5−ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4−アセチルシトシン、5−(カルボキシヒドロキシメチル)ウラシル、5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオウリジン、5−カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、β−D−ガラクトシルクエオシン(queosine)、イノシン、N6−イソペンテニルアデニン、1−メチルグアニン、1−メチルイノシン、2,2−ジメチルグアニン、2−メチルアデニン、2−メチルグアニン、3−メチルシトシン、5−メチルシトシン、N6−メチルアデニン、7−メチルグアニン、5−メチルアミノメチルウラシル、5−メトキシアミノメチル−2−チオウラシル、β−D マンノシルクエオシン、5’−メトキシカルボキシメチルウラシル、5−メトキシウラシル、2−メチルチオ−N6−イソペンテニルアデニン、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、ワイブトキソシン、プソイドウラシル、クエオシン、2−チオシトシン、5−メチル−2−チオウラシル、2−チオウラシル、4−チオウラシル、5−メチルウラシル、ウラシル−5−オキシ酢酸メチルエステル、3−(3−アミノ−3−N−2−カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)w、2,6−ジアミノプリン、および5−プロピニルピリミジン。
【0077】
さらに、核酸、ヌクレオチド、ポリヌクレオチドもしくはオリゴヌクレオチドは、1つ以上の改変糖部分(例えば、アラビノース、2−フルオロアラビノース、キシルロース、およびヘキソース)を含み得る。
【0078】
本発明が核酸、ヌクレオチド、ポリヌクレオチドもしくはオリゴヌクレオチドの供給源によって限定されることは、意図されない。核酸、ヌクレオチド、ポリヌクレオチドもしくはオリゴヌクレオチドは、ヒトもしくは非ヒト哺乳動物、または任意の他の生物に由来し得るか、あるいは任意の組換え供給源に由来し得るか、あるいはインビトロでもしくは化学合成によって合成され得る。核酸、ヌクレオチド、ポリヌクレオチドもしくはオリゴヌクレオチドは、DNA、RNA、cDNA、DNA−RNA、ロックド核酸(locked nucleic acid)(LNA)、ペプチド核酸(PNA)、上記のハイブリッドもしくは任意の混合物であり得、二本鎖形態、一本鎖形態もしくは部分的に二本鎖形態で存在し得る。本発明の核酸は、精製形態もしくは非精製形態において、核酸およびそのフラグメントの両方(遺伝子、染色体、プラスミド、生物学的物質のゲノム(例えば、微生物(例えば、細菌、酵母、ウイルス、ウイロイド、糸状菌、真菌、植物、動物、ヒトなど))が挙げられる)を含む。
【0079】
用語核酸、ヌクレオチド、ポリヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチドの間の長さに意図された区別はなく、これら用語は、交換可能に使用される。これら用語は、二本鎖および一本鎖のDNA、ならびに二本鎖および一本鎖のRNAを含む。
【0080】
「対応する」とは、指定された配列に同一であるかもしくは相補的であることを意味する。
【0081】
モノヌクレオチドは、1つのモノヌクレオチドペントース環の5’ホスフェートが、ホスホジエステル結合を介して一方向にその隣の3’酸素に結合される様式で、オリゴヌクレオチドを作製するように反応し得るので、オリゴヌクレオチドの末端は、その5’ホスフェートがモノヌクレオチドペントース環の3’酸素に連結されていない場合に5’末端といわれ、その3’酸素がその後ろのモノヌクレオチドペントース環の5’ホスフェートに連結されていない場合、3’末端といわれる。本明細書で使用される場合、核酸配列はまた、より大きなオリゴヌクレオチドに対して内部にあるとしても、5’末端および3’末端を有するといわれる。
【0082】
2つの異なる重複しないオリゴヌクレオチドが、同じ直鎖状相補的核酸配列の異なる領域にアニールし、1つのオリゴヌクレオチドの3’末端が他方の5’末端に向いているので、前者は、「上流」オリゴヌクレオチド、後者は、「下流」オリゴヌクレオチドといわれ得る。
【0083】
用語「プライマー」とは、1つより多いプライマーもしくはプライマーの混合物に言及し得、精製された制限消化におけるように、天然に存在しようが、合成によって生成されようが、核酸鎖に対して相補的であるプライマー伸長生成物の合成が触媒される条件下で配置される場合に、相補鎖に沿ってポリヌクレオチド合成の開始点として作用し得るオリゴヌクレオチドをいう。このような条件は、代表的には、適切なバッファー(「バッファー」は、補因子あるか、pH、イオン強度に影響を及ぼす置換物(substituent)などを含む)中、および適切な温度において、4つの異なるデオキシリボヌクレオシドトリホスフェートおよび重合誘導剤(例えば、DNAポリメラーゼもしくは逆転写酵素)の存在を含む。上記プライマーは、好ましくは、増幅における最大効率のための一本鎖である。
【0084】
rs12979860は、第19染色体上の多型であり、上記多型は、HCV患者群においてSVRと関連することが報告されている。上記多型は、IL28B遺伝子(IFN−λ−3をコードする)の3キロベース(kb)上流にある。いくつかの実施形態において、インターフェロンベースの処置に対するHCV−1aに感染した患者の応答を推定するための本発明の方法は、以下の分析に基づき得る:
上記患者の部分的もしくは完全なHCV NS5A遺伝子;および
上記患者の第19染色体上の多型性。
【0085】
核酸配列の相補体は、本明細書で使用される場合、1つの配列の5’末端が他の配列の3’末端と対形成するように、上記核酸配列と整列される場合、「逆平行会合」にあるオリゴヌクレオチドをいう。天然の核酸において通常見いだされない特定の塩基は、本発明の核酸に含まれ得、例えば、イノシン、7−デアザグアニンおよび上記のものを含む。相補性は、完全である必要はない;安定な二重鎖は、ミスマッチ塩基対もしくはマッチしない塩基を含み得る。核酸技術の当業者は、いくつかの変数(例えば、上記オリゴヌクレオチドの長さ、塩基組成および上記オリゴヌクレオチドの配列、イオン強度、ならびにミスマッチ塩基対の発生率が挙げられる)を経験的に考慮することによって、二重鎖安定性を決定し得る。
【0086】
本明細書で使用される場合、用語「プローブ」とは、該プローブ中の少なくとも1つの配列と、ある核酸のある領域中の配列との相補性に起因して、該核酸の該領域と二重鎖構造を形成し得、そして検出することができるオリゴヌクレオチドに言及する。上記プローブは、好ましくは、5’ヌクレアーゼ反応においてプライマーの配列(複数可)に相補的な配列を含まない。以下で議論されるように、上記プローブは、標識されていてもよいし、標識されていなくてもよい。上記プローブの3’末端は、上記プローブのプライマー伸長生成物への組込みを妨げるために、「ブロック」し得る。「ブロッキング」とは、非相補的な塩基を使用することによって、または最後のヌクレオチドの3’ヒドロキシルに化学的部分(例えば、ビオチンもしくはホスフェート基)を付加することによって、達成され得る。これは、上記選択された部分に依存して、標識に結合した核酸のその後の検出もしくは捕捉のための、標識としても作用させることによって、二重の目的を果たし得る。ブロッキングはまた、上記3’−OHを除去することによって、または3’−OHを欠いているヌクレオチド(例えば、ジデオキシヌクレオチド)を使用することによって、達成され得る。
【0087】
用語「標識」とは、本明細書で使用される場合、検出可能な(必要に応じて定量可能な)シグナルを提供するために使用され得、核酸もしくはタンパク質に結合され得る任意の原子もしくは分子をいう。標識は、蛍光、放射活性、比色分析、重量測定、X線回折もしくは吸収、磁性、酵素活性などによって検出可能なシグナルを提供する。本発明のための従来の標識としては、オリゴヌクレオチドフラグメントのサイズの検出を容易にするものが挙げられる。
【0088】
本発明の特定の実施形態において、「標識」は、蛍光色素である。蛍光標識としては、負に荷電した色素(例えば、フルオレセインファミリーの色素)、もしくは電荷が中性の色素(例えば、ローダミンファミリーの色素)、もしくは正に荷電した色素(例えば、シアニンファミリーの色素)が挙げられ得る。上記フルオレセインファミリーの色素としては、例えば、FAM、HEX、TET、JOE、NANおよびZOEが挙げられる。上記ローダミンファミリーの色素は、テキサスレッド、ROX、R110、R6G、およびTAMRAが挙げられる。FAM、HEX、TET、JOE、NAN、ZOE、ROX、R110、R6G、およびTAMRAは、Perkin−Elmer(Foster City,Calif.)によって市販されており、テキサスレッドは、Molecular Probes,Inc.(Eugene,OR)によって市販されている。上記シアニンファミリーの色素としては、Cy2、Cy3、Cy5、およびCy7が挙げられ、上記色素は、Amersham(Amersham Place,Little Chalfont,Buckinghamshire,England)によって市販されている。
【0089】
用語「クエンチャー」とは、本明細書で使用される場合、例えば、クエンチャーおよび蛍光色素の両方が共通のポリヌクレオチドに連結されている場合、蛍光色素から発せられるエネルギーを吸収する化学的部分に言及する。クエンチャーは、そのクエンチャーに特徴的なシグナル中に、蛍光色素から吸収されるエネルギーを再放出し得、従って、クエンチャーは、「標識」でもあり得る。この現象は、一般に、蛍光共鳴エネルギー移動すなわちFRETとして公知である。あるいは、クエンチャーは、蛍光色素から吸収されるエネルギーを熱として散逸させ得る。FRETにおいて一般に使用される分子としては、例えば、フルオレセイン、FAM、JOE、ローダミン、R6G、TAMRA、ROX、DABCYL、およびEDANSが挙げられる。蛍光色素が標識であるか否かに拘わらず、クエンチャーは、その励起および発光スペクトルによって定義され、上記蛍光色素は、クエンチャーと対形成される。例えば、FAMは、488nmの波長を有する光によって最も効率的に励起され、500〜650nmのスペクトルおよび525nmの発光最大を有する光を発する。FAMは、例えば、その励起最大を514nmに有するクエンチャーとしてのTAMRAとともに使用するための適切なドナー標識である。蛍光色素から吸収されるエネルギーを散逸させる例示的な非蛍光性クエンチャーとしては、Biosearch Technologies,Inc.(Novato,Calif.)から市販されるBlack Hole Quenchers TMが挙げられる。
【0090】
本明細書で定義される場合、「5’→3’ヌクレアーゼ活性」とは、テンプレート特異的核酸ポリメラーゼ(従来から、いくつかのDNAポリメラーゼと関連する5’→3’エキソヌクレアーゼ活性(これによって、ヌクレオチドが、逐次的な様式でオリゴヌクレオチドの5’末端から除去される)(例えば、E. coli DNAポリメラーゼIは、この活性を有するのに対して、Klenowフラグメントは有さない)、または切断が5’末端からの1つより多いホスホジエステル結合(ヌクレオチド)を発生させる5’→3’エンドヌクレアーゼ活性のいずれか、またはその両方を含む)の活性に言及する。いかなる特定の操作理論にも束縛されることを意図しないが、プローブ−テンプレートハイブリダイゼーション複合体に対する5’→3’エンドヌクレアーゼ活性依存性切断の好ましい基質は、置換された一本鎖核酸、フォーク様構造であり、加水分解は、Hollandら,1991,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:7276−80(その全体が本明細書に参考として援用される)において議論されるように、上記置換された領域と、上記鎖の塩基対形成した部分とを連結するホスホジエステル結合において生じる。
【0091】
用語「隣接している」とは、本明細書で使用される場合、上記テンプレート核酸の相補鎖に対する上記プロに関する上記プライマーの位置に言及する。上記プライマーおよびプローブは、20ヌクレオチドより大きく、1〜約20ヌクレオチド、より好ましくは、約1〜10ヌクレオチド離されていてもよいし、あるいは重合非依存性プロセスでの検出に望ましい可能性がある場合には、互いに直接隣り合っていてもよい。あるいは、重合依存性プロセスにおける使用には、本発明の方法が、本明細書で教示されるように、PCR増幅および検出法において使用される場合、「隣接(adjacency)」は、増幅されるべき配列内のどこでもよく、上記プローブの切断が起こるように、プライマー伸長が上記ポリメラーゼを位置づけるようにするプライマーの下流どこでもよい。
【0092】
本明細書で使用される場合、用語「熱安定性核酸ポリメラーゼ」とは、例えば、E.coli由来のヌクレオチドポリメラーゼと比較した場合に熱に対して比較的安定でありかつヌクレオシドトリホスフェートの重合を触媒する酵素をいう。一般に、上記酵素は、上記標的核酸にアニールした上記プライマーの3’末端で合成を開始し、上記テンプレートの5’末端に向かって新たな鎖の合成を継続する。そして5’→3’ヌクレアーゼ活性を有するのであれば、合成が終了するまでもしくはプローブフラグメントが上記標的核酸を融解する(melt off)まで、介在するアニールされたプローブを加水分解して、標識プローブフラグメントおよび非標識プローブフラグメントを放出する。Thermus aquaticusから単離された代表的な熱安定性酵素(Taq)は、米国特許第4,889,818号に記載され、従来のPCRにおいてそれを使用するための方法は、Saikiら,1988,Science 239:487−91に記載されている。
【0093】
Taq DNAポリメラーゼは、DNA合成依存性の鎖置換5’−3’エキソヌクレアーゼ活性を有する。PCR Technology Principles and Applications for DNA Amplification,Erlich,Ed.,Stockton Press,N.Y.(1989),第2章におけるGelfand,「Taq DNA Polymerase」を参照のこと。さらに、もしあるとしても、プローブの分解は、ほとんどない。
【0094】
核酸、プライマーおよびプローブの「5’ヌクレアーゼ反応」という用語は、以下に詳細に記載されるように、上記プライマーが5’→3’ヌクレアーゼ活性を有する核酸ポリメラーゼによって伸長される場合、上記核酸にハイブリダイズしたプローブの分解に言及する。このような反応は、米国特許第6,214,979号、同第5,804,375号、同第5,487,972号および同第5,210,015号(これは、それらの全体が本明細書に参考として援用される)に記載されるものに基づく。
【0095】
用語「標的核酸」とは、5’ヌクレアーゼ反応において、プライマーおよびプローブとハイブリダイズし得る核酸に言及し、1つ以上のヌクレオチドバリエーション部位を含む。
【0096】
用語「ストリンジェント」もしくは「ストリンジェントな条件」とは、本明細書で使用される場合、当該分野で周知であるように、低イオン強度かつ高温のハイブリダイゼーション条件を示す。例えば、Sambrookら,2001,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Third Edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,New York;Current Protocols in Molecular Biology(Ausubelら,ed.,J.Wiley & Sons Inc.,New York,1988);Tijssen,1993,Laboratory techniques in biochemistry and molecular biology:Hybridization with nucleic acid probes(Elsevier)の「Overview of principles of hybridization and the strategy of nucleic acid assays」(これらの各々は、本明細書に参考として援用される)を参照のこと。一般に、ストリンジェントな条件は、規定されたイオン強度およびpHにおいて特定の配列の熱融解点(thermal melting point)(Tm)より約5〜30℃低いように選択される。あるいは、ストリンジェントな条件は、規定されたイオン強度およびpHにおいて特定の配列のTmより約5〜15℃低いように選択される。上記Tmは、上記標的に相補的なプローブのうちの50%が、平衡状態で(上記標的配列がTmにおいて、過剰に存在する場合、上記プローブのうちの50%が平衡状態で占められる)、上記標的配列にハイブリダイズする(規定されたイオン強度、pHおよび核酸濃度の下での)温度である。例えば、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、塩濃度が約pH7.0〜約pH8.3において、約1.0M ナトリウム(もしくは他の塩)イオンより低い、代表的には、約0.01〜約1M ナトリウムイオン濃度であり、かつ温度が短いプローブ(例えば、10〜50ヌクレオチド)については少なくとも約25℃および長いプローブ(例えば、50ヌクレオチドより大きい)については少なくとも約55℃である条件である。ストリンジェントな条件はまた、ハイブリダイゼーション不安定化剤(例えば、ホルムアミド)の添加で改変され得る。長いプローブ(例えば、50ヌクレオチドより長い)についての例示的なストリンジェントでないかもしくは低いストリンジェンシーの条件は、20mM Tris,pH8.5、50mM KCl、および2mM MgCl2のバッファーおよび反応温度25℃を含む。
【0097】
本発明の実施は、別段示されなければ、分子生物学、微生物学および組換えDNA技術の従来技術(これらは、当業者の技術範囲内である)を使用する。このような技術は、文献中に十分に説明されている。例えば、Sambrookら,2001,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Third Edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,New York;Oligonucleotide Synthesis(M.J.Gait,ed.,1984);Nucleic Acid Hybridization(B.D.Hames & S.J.Higgins,eds.,1984);A Practical Guide to Molecular Cloning(B.Perbal,1984);およびシリーズ、Methods in Enzymology(Academic Press,Inc.)を参照のこと。
【0098】
完全なHCV−1aゲノムのアミノ酸配列は、図5および7として提供される。
【0099】
一実施形態において、本発明は、上記NS5A遺伝子の676位、677位もしくは678位におけるヌクレオチド置換を検出し得るアッセイを提供する。
【0100】
別の実施形態において、本発明は、上記NS5A遺伝子の931位、932位もしくは933位におけるヌクレオチド置換を検出し得るアッセイを提供する。
【0101】
ヌクレオチドもしくはアミノ酸のバリエーションを検出するための多くの技術は、当該分野で公知であり、本発明の方法を実施するために使用され得る。上記配列バリエーションを同定するために使用される特定の方法は、本発明の重要な局面ではない。性能、コスト、および便利さを考慮すると、特定の方法が他のものより望ましくなるが、ISDRにおいて変異体の数を決定し得、かつ図5および6の676位、677位、678位、931位、932位および933位におけるヌクレオチド、または図5および7の226位および/もしくは311位におけるアミノ酸を同定し得る任意の方法が、本発明を実施するために必要とされる情報を提供することが、望ましい。上記技術は、ポリヌクレオチドベースもしくはタンパク質ベースであり得る。いずれにしても、上記使用される技術は、単一のヌクレオチドもしくはアミノ酸のバリエーションを正確に検出するように、十分高感度でなければならない。上記技術の例としては、以下が挙げられ得るが、これらに限定されない:
・ポリヌクレオチドベースの検出法(すなわち、米国特許第5,310,625号;同第5,322,770号;同第5,561,058号;同第5,641,864号;および同第5,693,517号を参照のこと;Myers and Sigua,Myers and Sigua,Amplification of RNA:High−temperature reverse transcription and DNA amplification with Thermus thermophilus DNA polymerase.In:M.A.Innis,D.H.Gelfand and J.J.Sninsky,Editors,PCR Strategies,Academic Press,San Diego(1995),pp.58-68)もまた参照のこと)、DNA配列決定法(すなわち、PE Biosystems(Foster City,CA)によるDNA配列決定法;Sangerら,1977,Proc.Natl.Acad.Sci.74:5463−5467を参照のこと);
・増幅ベースの遺伝子型決定法(すなわち、米国特許第4,683,195号;同第4,683,202号;および同第4,965,188号を参照のこと;PCR Applications,1999,(Innisら,eds.,Academic Press,San Diego)、PCR Strategies,1995,(Innisら,eds.,Academic Press,San Diego);PCR Protocols,1990,(Innisら,eds.,Academic Press,San Diego);およびPCR Technology,1989,(Erlich,ed.,Stockton Press,New York)もまた参照のこと);
・リガーゼ連鎖反応(すなわち、Wu and Wallace 1988,Genomics 4:560−569);鎖置換アッセイ(Walkerら,1992,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:392−396、Walkerら 1992,Nucleic Acids Res.20:1691−1696、および米国特許第5,455,166号);およびいくつかの転写ベースの増幅系(米国特許第5,437,990号;同第5,409,818号;および同第5,399,491号に記載される方法を含む);転写増幅系(TAS)(Kwohら,1989,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:1173−1177);および自己持続配列複製(self−sustained sequence replication)(3SR)(Guatelliら,1990,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:1874−1878およびWO 92/08800);
・配列特異的増幅もしくはプライマー伸長法(すなわち、米国特許第5,137,806号;同第5,595,890号;同第5,639,611号;および米国特許第4,851,331号);
・動的PCR法(すなわち、Higuchiら,1992,Bio/Technology 10:413−417;Higuchiら,1993,Bio/Technology 11:1026−1030;Higuchi and Watson,in PCR Applications(前出),第16章;米国特許第5,994,056号;および欧州特許公開番号487,218および同第512,334号);
・プローブベースの方法(これは、上記プローブと上記ヌクレオチド変異体との間で形成されたハイブリダイゼーション二重鎖の不安定性の差異(これは、相補性の程度とは異なる)に基づく(すなわち、Connerら,1983,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80:278−282、および米国特許第5,468,613号;同第5,604,099号;同第5,310,893号;同第5,451,512号;同第5,468,613号;および同第5,604,099号));
・質量分析法(すなわち、MALDI−MS;米国特許第6,258,539号);
・タンパク質ベースの検出技術(すなわち、タンパク質配列決定、免疫親和性アッセイ、酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);イムノラジオメトリックアッセイ(IRMA)および免疫酵素アッセイ(IEMA);例えば、米国特許第4,376,110号および同第4,486,530号を参照のこと)
ポリヌクレオチドベースの検出法において、遺伝子型決定は、上記置換部位、図5および6のヌクレオチド931位、932位もしくは933位に存在するヌクレオチドを同定することによって達成される。HCV−1aポリヌクレオチドを含むHCV−1a感染個体に由来する生物学的サンプルの任意のタイプが、上記遺伝子型を決定するために使用されうる。遺伝子型決定は、当該分野で周知の標準的RNA抽出法を使用して、HCV RNAを単離することによって行われうる。RNAの増幅は、例えば、ウイルス逆転写酵素を使用して、上記標的RNAを最初に逆転写し、次いで、得られたcDNAを増幅するか、または米国特許第5,310,652号;同第5,322,770号;同第5,561,058号;同第5,641,864号;および同第5,693,517号;各々は本明細書に参考として援用される(Myers and Sigua,1995,PCR Strategies(前出),第5章もまた参照のこと)において記載されるように、組み合わされた高温逆転写−ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)を使用することによって、行われうる。単一のヌクレオチド位置に存在するヌクレオチドを同定するための多くの方法は、当該分野で公知である。
【0102】
本発明はまた、本発明の方法を実施するために有用な成分を含むキット、容器ユニットに関する。有用なキットは、上記NS5A遺伝子の676位、676位、678位、931位、932位および933位におけるヌクレオチド置換を検出するために使用されるオリゴヌクレオチドを含み得る。いくつかの場合において、検出プローブは、適切な支持膜に固定されうる。上記キットはまた、上記置換部位(複数可)を含むNS5A遺伝子座の領域を増幅するための増幅プライマーを含み得る。よって、プライマーは、本発明の好ましい実施形態において有用である。あるいは、有用なキットは、上記NS5A遺伝子の特異的増幅のための配列特異的プライマーを含む、プライマーセットを含み得る。上記キットの他の任意選択の成分は、本明細書に記載されるように、上記遺伝子型決定法において使用されるさらなる試薬を含む。例えば、キットはさらに、プライマー伸長生成物の合成を触媒する薬剤、基質ヌクレオシドトリホスフェート、核酸を標識および/もしくは検出するための手段(例えば、上記標識がビオチンである場合には、アビジン−酵素結合体および酵素基質および色原体)、増幅もしくはハイブリダイゼーション反応に適したバッファー、ならびに本発明の方法を実施するための説明書を含み得る。
【0103】
本明細書で開示される方法は、段階式の多変量オリジナルロジスティック回帰分析(stepwise multivariate original logistic regression analysis)から得た。
【0104】
以下にしめされる本発明の実施例は、例示目的で提供されるに過ぎず、本発明の趣旨を限定するために提供されるのではない。実施例に続く特許請求の範囲内の本発明の多くの実施形態は、前述の本分および以下の実施例を読めば、当業者に明らかである。
【実施例】
【0105】
臨床試験のコントロールアームに登録した米国人患者に由来する全長NS5Aタンパク質を、陽性のPeg−IFNおよびRBV応答を付与し得る領域を決定するために分析した。80名の処置未経験の患者に、48週間のPeg−IFNおよびRBVを受けさせた。ベースラインのウイルス遺伝子型は、集団配列決定(population sequencing)によって分析した。55名の患者は、遺伝子型1aのHCVに感染していた。患者を、処置に対する最初の応答によってグループ分けした(すなわち、迅速ウイルス応答(RVR)、完全初期ウイルス応答(cEVR)、部分的初期ウイルス応答(partial early viral))。
【0106】
(実施例1:被験体集団)
その研究は、慢性の遺伝子型1 HCV感染を有した250名の処置未経験の被験体を含んだ。全ての被験体は、18〜65歳の間であり、検出可能なベースライン血漿HCV RNAレベルを有し、HBsAgおよびHIV抗体陰性であった。血漿HCV RNAレベルを、Roche COBAS(登録商標) TaqMan HCV/HPSアッセイ(Roche Molecular Systems Inc.,Branchburg,NJ,USA)を使用して決定した。上記HCV RNAアッセイの定量の下限は、30 IU/mLであり、検出限界(LOD)は、10 IU/mLであった。
【0107】
被験体を無作為化して、TVR 750mg q8h、pegインターフェロン−α−2a(Peg−IFN) 180μg/週、および12週間にわたるリバビリン(RBV) 1000〜1200mg/日、その後0週間、12週間、もしくは36週間のPeg−IFNおよびRBV、または12週間にわたるTVR/Peg−IFN(RBVなし)を受けさせた。コントロール群には、48週間のプラセボ/Peg−IFNおよびRBVを与えた。最初の処置結果は、治療薬の最初の投与後の特定の間隔で定量された血漿HCV RNAレベルに基づいた。迅速ウイルス応答者(RVR)は、4週目において血漿中のHCV RNAが検出不能(<10 IU/mL)であることによって分類した。完全初期ウイルス応答者(cEVR)は、12週目においてHCV RNAが検出限界未満(<10 IU/mL)であった。部分的初期ウイルス応答者(pEVR)は、12週目にHCV RNAの2 log低下を有し、非応答者(NR)は、12週目にHCV RNAの0もしくは1 log低下を有した(Hoefs 2007,Pealman 2007)(図1)。
【0108】
(実施例2:被験体血漿由来のHCVの増幅および配列決定)
全長NS5Aの集団配列分析を、投与前に、遺伝子型1 HCVを有する250名の処置未経験被験体において行った(1日目)。4mLの血液サンプルを、前腕の静脈穿刺によって被験体からEDTA(K2)抗凝固剤を含むチューブへと採取した。血漿を、10分間の遠心分離によって分離し、アリコートに分け、−80℃において保存した。HCVの配列分析を、HCVポリプロテインコード領域にまたがる約9kbのHCV RNAフラグメントのネスト化逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)増幅によって行った。このPCRからのDNAを、QIAquick 96 PCR精製キット(Qiagen)を使用して精製し、アガロースゲル上で分析した。上記精製したPCR生成物の質および量を、EnVisionTM Multilabel Reader(PerkinElmer Waltham,MA)によって測定した。精製したPCR生成物の配列決定を、完全なNS5A領域にまたがるように設計されたプライマーを使用して、Agencourt(登録商標) Biosciences(Beverly,MA)によって行った。上記配列決定アッセイは、>1000 IU/mLのHCV RNAを含むサンプル中で成功した。上記インターフェロンベースの処置に対する応答の程度を表す上記被験体の核酸配列(図6A〜6Eに示される)を、アミノ酸配列(図7A〜7Eにおいて示される)へと翻訳した。
【0109】
配列を、ソフトウェアMutational Surveyor(SoftGenetics,State College,PA)を使用してアラインおよび分析した。
【0110】
(実施例3:配列非依存性分析)
配列を、ClustalXのデフォルトパラメーター(Gonnet Matrix,ギャップオープニングペナルティー=10、ギャップ伸長ペナルティー=0.2[Thompsonら,1997])を使用して、C型肝炎参照ゲノムH77(Genbank受託番号NC_004102)に対してアラインした。この配列を、Enomotoの1996年の研究における参照HCVゲノム D90208の使用と類似の様式で、各患者のアミノ酸配列における変異座位(variable locus)の同定における参照として使用した。各患者配列を、バイナリマトリクスへと記録し、変異性の位置を「1」で表し、参照と同じ残基を有する位置を「0」の値に割り当てた。変異の分布が転帰群(すなわち、RVR、EVR、pEVR、およびNR)にわたって通常に分布しているか否かを決定するために、χ2検定を、上記NS5Aタンパク質の各残基において使用した。さらに、各残基についての上記変異頻度を、各転帰群について計算した。この変異頻度を、各転帰群内の変異が豊富もしくは貧弱な残基を決定するために、非応答患者(NR)の変異頻度に対して正規化した。
【0111】
データを分析して、人口統計学(性別、人種)、初期ウイルス負荷、もしくはNS5A内の意図された機能的に顕著な多くのドメイン((i)細胞保持(cytoretention)を担う領域、(ii)過剰リン酸化ドメイン、(iii)インターフェロン感受性決定領域(ISDR)、(iv)PKR結合ドメイン、(v)核局在シグナル、および(vi)V3を含む)における変異数が、peg化インターフェロンに対するHCVの応答性を推定するために使用し得るか否かを決定した。これら変数の各々を、適切に独立変数タイプに基づいて、χ2検定もしくはロジスティック回帰を使用する単変量分析における独立変数として使用した。上記独立変数の全てをまた組み合わせ、段階式の多重順序回帰(multiple ordinal regression)混合(順方向および逆方向)モデルにおける予測変数として使用した。単変量統計学に基づくモデルへ入れるために必要とされるαレベルを、0.15に設定した。全てのロジスティック回帰のために、各患者の応答を、以下の順序で、順序尺度へと記録した:NR(n=9)、pEVR(n=11)、EVR(n=26)、RVR(n=9)。
【0112】
転帰群をまた、上記に規定した機能的ドメインにおける変異数に関して、それらの間での有意差について検定するために比較した。パラメトリック試験の仮定が満たされた場合、事後Tukey比較(post hoc Tukey comparison)での分散分析を、等しくないサンプルサイズ比較を可能にするために改変して使用した(Kramer,1956)。パラメトリック統計の仮定に違反が生じた場合、順位和検定(Kruskal−Wallis)を使用した。全ての統計分析を、SAS(v.9.1,Sas Institute,Cary,NC, USA)もしくはJMP(v.7.0,Sas Institute)のいずれかを使用して行った。
【0113】
(実施例4:配列依存性分析)
NS5Aクラスタ内のドメインの患者配列が、Peg−IFNおよびRBVに対する患者の応答に基づくか否かを決定するために、上記NS5A アミノ酸アラインメントを、Genedoc(Nichols and Nichols,1997)を使用して、予め規定したドメインに分けた。Kimura置換マトリクス(Kimura,1980)を使用して、プログラムprotdist(Phylipパッケージ、v.3.67の一部[Felsenstein,2007])のデフォルトパラメーターを使用して、各ドメインアラインメントについて、距離マトリクスを生成した。配列クラスタを、最隣接結合アルゴリズム(nearest neighbor−joining algorithm)(Saitou and Nei,1987)を使用して生成した。スター系統発生(Star phylogenies)を、上記ドメインにわたる配列類似性に基づいて配列がクラスタ化されたか否かを決定するために評価した。
【0114】
さらに、上記ISDR内での特定の残基における変異が、Peg−IFNおよびRBVに対するHCVのより高い感受性の付与を担い得るか否かを決定するために、本発明者らは、多変量段階的順序ロジスティック回帰で、ウイルス応答に対する各残基の特徴を回帰推定した(regressed)。人種を、この分析における変数として含めた。なぜなら、「配列非依存性」多変量モデル(結果を参照のこと)におけるウイルス応答に顕著に影響を及ぼすことが示されたからである。この分析は、順方向(forward)段階式回帰モデルを利用した;単変量統計に基づいて上記モデルへ入れるために必要とされる有意レベルを、0.15に設定した一方で、多変量モデルに残るために必要とされる有意レベルを、0.10に設定した。
【0115】
上記研究において55名の遺伝子型1a患者の初期処置応答は、RVRを達成した7名の患者、およびcEVRを達成した24名の患者、pEVRを達成した14名の患者、およびNRであった10名の患者を含めた。上記データセットは、これら55個のNS5A配列(合計すると、24695個のアミノ酸位置)の446残基のアラインメントを含む。これら残基のうちの大部分(約94.6%)は、H77と同一であり、275個のアラインした位置(約61%)は、上記アラインメントにわたって不変であった。本発明者らのデータセットにおいて認められた1338個の変異は、残りの174個のアラインされた位置の中に分布していた。
【0116】
NS5Aにわたって、転帰群の間には有意差があった(Krukal−Wallis非パラメトリック一元配置分散分析;p=0.0306)。RVR患者(患者1名あたりのNS5A変異のメジアン数=31)は、cEVR(メジアン=24)、pEVR(メジアン=21)、およびNR患者(メジアン=26.5)より多い変異を有していた。ロジスティック回帰を使用して、Peg−IFNおよびRBVに対するウイルス感受性が、上記NS5Aタンパク質の任意の領域内の変異数の関数であるか否かを試験した。回帰を、40個のアミノ酸残基が重複する41個のストレッチとは無関係に行った。Peg−IFNおよびRBV感受性を、上記ISDR内のウイルス不均一性の関数である(ロジスティック回帰;χ2=13.02、p=0.0003)が、任意の他のNS5A領域内の不均一性と有意に相関しない(図2)ことが分かった。
【0117】
上記ISDR内で、上記RVR転帰群(患者1名あたりのISDR変異のメジアン数=3)は、上記cEVR(メジアン=1;Mann−Whitney U検定,p=0.0018)、pEVR(メジアン=0.5;Mann−Whitney U検定,p=0.0009)、およびNR(メジアン=1;Mann−Whitney U検定,p=0.0031)群より有意に変異が多かった。上記他の転帰群のうちのいずれの間にも、有意差は検出されなかった(図3)。上記ISDR内の3個より少ない変異を有する1名の患者のみが、RVRを達成し、全ての他のRVR患者は、上記ISDR内に少なくとも3個の変異を有した(図4)。上記ISDRにおいて3個以上の変異を有する全ての患者(n=10)は、cEVRもしくはRVRのいずれかを達成した。
【0118】
Peg−IFNおよびRBVでの処置に対するウイルス感受性に影響を及ぼす他のパラメーターを同定するために、本発明者らは、患者人口統計学データ(性別、人種)、初期ウイルス負荷(範囲:1.4×105、3.1×107IU/ml)、および上記NS5Aタンパク質における各残基のアミノ酸組成を利用する多変量モデルを開発した。さらに、上記ISDR内の変異数を、この変数に対するPeg−IFNおよびRBV感受性の単変量依存性を考慮して、予測変数として含めた。上記混合多変量順序ロジスティック回帰は、順方向の選択および逆方向選択を利用し、上記モデルに入れるための有意レベルを、0.15に設定し、上記モデルに残るための変数に必要とされる有意レベル閾値を、0.10に設定した。上記結果は、性別、および初期ウイルス負荷が、本発明者らのデータセット内のPR感受性に影響を及ぼさないことを示す。重要なことに、上記ISDR内の変異数に加えて、NS5Aにおける446個のNS5Aアミノ酸位置のうちの2個以内の変化は、IFN感受性と相関することが分かった:AA226およびAA311(HCV参照H77に基づいた番号付け)。AA226の場合に、メチオニンおよびグルタミン酸は、HCVのPeg−IFNおよびRBV感受性表現型と関連した一方で、アラニンおよびロイシンは、Peg−IFNおよびRBV耐性表現型と関連した。バリンは、中間の表現型を表した。311位において、グルタミン、アルギニン、およびアラニンは、IFN感受性と関連したのに対して、セリンおよびプロリンは、Peg−IFNおよびRBV耐性と関連した(表1)。
【0119】
【表1】
上記ISDR内の変異数およびNS5Aの2つの位置における特定のアミノ酸組成に対するIFN感受性についての依存性は、本発明者らがPeg−IFNおよびRBVに対する患者応答性をモデル化することを可能にした。これら3つの変数に基づくモデルは、本発明者らのデータセットに適用される場合、55名の被験体のうちの31名(約56%)の応答は、正確に推定される。わずか1つの予測が1超の群に対して外れたが、そこでは、非応答者(NR)をcEVRであると予測したことが示されていた。
【0120】
この研究において、調査者は本発明者らのPROVE1(第2相)臨床試験のコントロールアームに登録される、55名の遺伝子型1aの米国人患者に由来する全長NS5Aタンパク質を分析して、陽性のPeg−IFNとRBV応答を付与し得る領域を決定した。ロジスティック回帰を使用して、Peg−IFNおよびRBVに対する感受性が、上記NS5Aタンパク質の任意の領域内の変異体の数の関数であるか否かを決定した。Peg−IFNおよびRBVに対するウイルス感受性は、上記ISDR内のみでのウイルス不均一性の関数であることが発見された(χ2=13.02,p=0.0003)。上記RVR転帰群における患者は、他の処置転帰群(cEVR=1、pEVR=0.5およびNR=1)と比較した場合、上記ISDRにおけるより有意に高い変異体の数を有した(メジアン=3)。本発明者らの結果は、遺伝子型1a患者において行った以前の研究(Hofgartner 1997、Dal Pero 2007、およびMurphy 2002)と矛盾する。この以前の研究において、調査者らは、IFN感受性と、上記ISDRにおける変異体の数との間に相関を見いだせなかった。本発明者らの結果は、Enomotoら(1996)(ここで上記ISDRにおいて高い配列変異性を有する被験体は、治療に対して感受性であり、その配列がコンセンサスと同一であった患者は、治療に応答しなかった)と一致している。
【0121】
Peg−IFNおよびRBVでの処置に対してウイルス感受性を付与し得る他の領域を同定するために、患者の人口統計学データ(性別、人種)、初期ウイルス負荷(initial viral load)および上記NS5Aタンパク質における各残基のアミノ酸組成、ならびに上記ISDRにおける変異体の数を利用する多変量モデルを、予測変数として含めた。人種、性別および初期ウイルス負荷を、IFN応答においてそれらの関与があるという報告があるため、分析中に含めた(Layden−Almer,Kemmer,Boulestin,Jessner,Nagaki,Dolin)。これら因子は、患者の大部分が白色人種家系であることに起因して、IFN応答に影響を有さず、ベースラインウイルス負荷は、2 logの範囲内であった。より大きくより多様な患者集団では、これらの因子は、処置応答に対してより顕著な影響を有した可能性がある。
【0122】
多変量解析からの結果は、Peg−IFNおよびRBV感受性を付与するとして上記ISDRにおける変異体の数を同定したのみならず;以前報告されなかった2つの残基AA226およびAA311をも同定した。残基226においてメチオニンもしくはグルタミン酸を有する患者は、Peg−IFNおよびRBVに対する感受性と関連し、この位置におけるアラニンもしくはロイシンは、Peg−IFNおよびRBV治療に対して応答なしを生じた。残基311におけるグルタミン、アルギニンもしくはアラニンは、Peg−IFNおよびRBV感受性と関連したのに対して、セリンもしくはプロリンは、Peg−IFNおよびRBV応答なしと関連した。残基226は、上記ISDRの下流の高度に保存されたリン酸化領域内であることが発見された。この領域は、NS5Aの過剰リン酸化に必要とされるセリン残基224、228および231(aa 2197、2201、2204)を含む(Tanji 1995)。NS5A過剰リン酸化がHCV生活環においてどんな役割を果たすかは不明であるが、HCV複製が、NS5Aのリン酸化によって調節されるということが示唆されている(Koch 1999)。
【0123】
NS5Aの別の示唆された機能は、宿主のIFN刺激抗ウイルス応答の調節(おそらく、PKRとのNS5A相互作用によって媒介される)である(Gale 1997)。NS5AとPKRとの間の相互作用は、NS5Aの中心における66残基を包含する(Koch 1999)。この相互作用に含まれるのは、NS5Aの過剰リン酸化に必要とされる3つのセリン残基のうちの2つである。この領域のいずれの隣り合う側も、新規の残基226および311が存在する。NS5Aのリン酸化が、PKRと相互作用するために必要とされるか否かは、未知である。上記ISDRの外側の変異は、細胞性の抗ウイルス応答に影響を及ぼし得ることが推測された(Koch 1999)。Sarasin−Filipowiczらによれば、Peg−IFNおよびRBV治療に不十分にしか応答しない患者は、彼らのIFN系の予備活性化(preactivation)を示す。上記IFN系のこの最初の予備活性化により、非応答者を推測し得、例えば、この患者集団を、内因性のIFNおよびIFN治療の両方に対して耐性にする(Sarasin−Filipowicz 2008)。
【0124】
上記分析に基づいて、上記調査者らは、高い基礎(basal)IFNに耐えるように最も適合したウイルスが、NS5Aにおける以下の配列識別特性(sequence signature):残基226におけるアラニンもしくはロイシン、残基311におけるセリンもしくはプロリンおよび上記ISDR中の<3の変異体、を有するものであると結論づけた。さらに、低基礎IFNレベルを有する患者が、Peg−IFNおよびRBV治療に十分応答することが結論づけられる。なぜなら上記ウイルスは、上記宿主細胞内の選択圧下になかったからである。そしてPeg−IFNおよびRBV治療が導入される場合に、上記ウイルスは排除される。低基礎IFNレベルを有する患者の配列識別特性は、以下である:残基226におけるメチオニンもしくはグルタミン、残基311におけるグルタミン、アルギニンもしくはアラニン、および上記ISDR中の≧3の変異体。上記調査者は、上記NS5A領域を配列決定するとともに、Peg−IFNおよびRBV治療の前にIFNレベルを試験することによって、本発明者らが、処置の最良の過程を決定するために、治療に対する上記患者の応答を推定し得ると考える。
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2008年8月28日に出願された米国出願第61/092,503号に対する優先権を主張し、この出願の内容は、その全体が本明細書において参照として援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、HCV−1aに感染した患者の、インターフェロンを含む処置レジメンに対する応答を推定するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
C型肝炎ウイルス(「HCV」)による感染は、人を動かさずにはおれない医学的問題である。HCVは、非A型、非B型肝炎の大部分の症例の原因因子として認識されており、全世界で3%のヒト血清有病率と概算されている(A.Albertiら,「Natural History of Hepatitis C」,J.Hepatology,31(Suppl.1),pp.17−24(1999))。ほぼ400万人の個体が、米国単独で感染している可能性がある(M.J.Alterら,「The Epidemiology of Viral Hepatitis in the United States」,Gastroenterol.Clin.North Am.,23,pp.437−455(1994);M.J.Alter「Hepatitis C Virus Infection in the United States」,J.Hepatology,31(Suppl.1),pp.88−91(1999))。1990年代半ばにおける抗HCVスクリーニングを導入する前に、米国では、HCVは、輸血後肝炎症例の80〜90%を占めていた。HCV感染の高い割合はまた、血液および血液製剤に頻繁に曝されている出血障害もしくは慢性腎不全の群の個体において認められる。
【0004】
HCVに最初に曝されると、感染した個体のうちの約20%が、急性の臨床的肝炎を発症するに過ぎない一方で、他は、上記感染を自然に解決しているようである。しかし、実例のうちのほぼ70%において、上記ウイルスは、数十年間続き得る慢性感染を確立する(S.Iwarson,「The Natural Course of Chronic Hepatitis」,FEMS Microbiology Reviews,14,pp.201−204(1994);D.Lavanchy,「Global Surveillance and Control of Hepatitis C」,J.Viral Hepatitis,6,pp.35−47(1999))。長期化した慢性感染は、再発しかつ徐々に悪化する肝臓の炎症を悪化させ得る。上記炎症は、しばしば、より重篤な疾患状態(例えば、肝硬変および肝細胞癌)をもたらす(M.C.Kew,「Hepatitis C and Hepatocellular Carcinoma」,FEMS Microbiology Reviews,14,pp.211−220(1994);I.Saitoら,「Hepatitis C Virus Infection is Associated with the Development of Hepatocellular Carcinoma」,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87,pp.6547−6549(1990))。
【0005】
HCVは、約9.5kbの+センスの一本鎖RNAゲノムを含むエンベロープに包まれたウイルスである。そのゲノムの組織化およびビリオン特性に基づいて、HCVは、フラビウイルス科(ペスチウイルスおよびフラビウイルスもまた含む科)ファミリーの中の別個の属として分類されてきた(Alter,1995,Semin.Liver Dis.15:5−14)。上記ウイルスゲノムは、長い5’非翻訳領域(UTR)、約3011アミノ酸のポリプロテイン前駆体をコードする長いオープンリーディングフレーム、および短い3’UTRからなる。上記ポリプロテイン前駆体は、宿主およびウイルス両方のプロテアーゼによって切断されて、成熟したウイルス構造タンパク質および非構造タンパク質を生じる。HCVは、2つのプロテイナーゼ、亜鉛依存性メタロプロテイナーゼ(NS2−NS3領域によってコードされる)およびセリンプロテイナーゼ(NS3/NS4領域においてコードされる)をコードする。これらプロテイナーゼは、成熟ペプチドへ、上記前駆体ポリプロテインの特定の領域を切断するために必要とされる。非構造タンパク質5B、NS5Bのカルボキシル側半分は、RNA依存性RNAポリメラーゼを含む。残りの非構造タンパク質NS4BおよびNS5Aのウイルス複製における正確な機能は、未知のままである。
【0006】
インターフェロン−α(インターフェロン)は、慢性HCV感染のためのFDAが承認した治療薬である。インターフェロンの効果は、異なる細胞誘導性タンパク質(二本鎖RNA活性化プロテインキナーゼ(PKR)が挙げられる)を介して媒介される(Galeら,1997,Virology 230:217−227)。HCV遺伝子型1を有する患者のうちの8〜12%が、インターフェロン治療に対して継続した臨床ウイルス学的な応答(SVR)を有するに過ぎない(Carithersら,1997,Hepatology 26:83S−88S;Lindsay,1997,Heptatology 26:71S−77S)。インターフェロンとグアノシンアナログであるリバビリン(RBV)との組み合わせ治療は、継続した生化学的応答およびウイルス学的応答を生じることにおいて、インターフェロン単一療法より優れていることが示された(Poynardら,1998,Lancet 352:1426−1432)。しかし、継続した応答の割合の顕著な改善にも拘わらず、高力価HCV遺伝子型1感染を有する患者のうちの60%程度が、peg化インターフェロンおよびリバビリン治療に対して非応答性である。例えば、HCV−1に感染した患者における応答率は、40%未満である。プロトタイプ遺伝子型1aに感染した米国の患者の応答率が同様に低いこともまた、報告された(Mahaneyら 1994,Hepatology 20:1405−1411)。対照的に、HCV遺伝子型2に感染した患者の応答率は、ほぼ80%である(Friedら,1995,Semin.Liver Dis.15:82−91)。完全なHCVポリプロテインの発現は、ヒトU2−OS骨肉腫細胞におけるインターフェロン誘導性シグナル伝達を阻害することが示された(Heimら,1999,J.Virol.73:8469−8475)。どのHCVタンパク質がこの作用を担うかどうかということは報告されなかった。
【0007】
インターフェロン応答とHCVの上記非構造5A(NS5A)配列との間の関係は、論議の的である。インターフェロン治療に対する応答は、HCVサブタイプの中でも違っており、HCV−1bサブタイプは、インターフェロン処置に対して特に抵抗性である(Alterら,1998,MMWR Recomm.Rep.47(RR−19):1−39)。HCV感染患者に由来するインターフェロン抵抗性ウイルスおよびインターフェロン感受性ウイルスの全長HCV核酸配列の比較から、上記NS5Aタンパク質のカルボキシ末端に対応するミスセンス置換が明らかになった(Enomotoら,1995,J.Clin.Invest.96:224−230)。NS5Aの対応する40アミノ酸領域(上記HCVポリプロテインのアミノ酸2209〜2248)は、インターフェロン感受性決定領域、すなわち、ISDRと称されてきた(Enomotoら,1995)。上記ISDRは、インビトロでPKRに結合し、その機能を阻害することが示された、上記NS5Aタンパク質における領域内に囲まれている(Galeら,Mol.Cell Biol.,1998,18:5208−5218)。Enomotoら(1996,N.Eng.J.Med.334:77−81)は、インターフェロン治療に応答する患者が、(インターフェロン抵抗性HCV 1b−Jプロトタイプ配列と比較して)上記ISDRにおいて複数の置換があるウイルスを有するモデルを提唱したのに対して、インターフェロン治療に失敗している患者は、上記ISDRにおいてほとんど置換がないウイルスを有する。
【0008】
インターフェロン抵抗性ウイルスおよびインターフェロン感受性ウイルスに由来するISDR配列を発表した研究のうち、9つが、上記Enomotoモデルを支持し、5%有意レベルにおいて、データから、インターフェロン応答および上記ISDRにおける置換が依存性であるという十分な証拠が提供されると結論づける(Enomotoら,1995,1996;Chayamaら,1997,Hepatology,25:745−749;Kurosakiら,1997,Hepatology 25:750−753;Fukudaら,1998,J.Gastroenterol.Hepatol.13:412−418;Saizら,1998,J.Infect.Dis.177:839−847;Murashimaら,1999,Scand.J.Infect.Dis.31:27−32;Sarrazinら 1999,J.Hepatol.30:1004−1013;Sakumaら,1999,J.Infect.Dis.180:1001−1009)。他の16の研究は、相関があると結論づけられなかった(Hofgartnerら,1997,J.Med.Virol.53:118−126;Khorsiら,1997,J.Hepatol.27:72−77;Squadritoら,1997,Gastroenterology 113:567−572;Zeuzemら,1997,Hepatology 25:740−744;Duverlieら,1998,J.Gen.Virol.79:1373−1381;Franguelら,1998,Hepatology 28:1674−1679;Odebergら,1998,J.Med.Virol.56:33−38;Pawlotskyら,1998,J.Virol.72:2795−2805;Polyakら,1998,J.Virol.72:4288−4296;Rispeterら,1998,J.Hepatol.29:352−361;Chungら,1999,J.Med.Virol.58:353−358;Sarrazinら 1999,J.Hepatol.30:1004−1013;Squadritoら,1999,J.Hepatol.30:1023−1027;Ibarrolaら,1999,Am.J.Gastroenterol.94:2487−2495;Mihmら,1999,J.Med.Virol.58:227−234;Araseら,1999,Intern.Med.38:461−466)。興味深いことに、相関を裏付ける9つの研究のうちの7つは、日本からのHCV単離株に基づくのに対して、相関を裏付けない16の研究のうちの15は、欧州および北米の単離株に基づく。北米および欧州の研究において、インターフェロン応答とISDR配列との間の統計的に有意な相関は、一般に見いだされないが、関係性が存在するという証拠はある。ある個体研究のISDR配列の中間および変異クラスが組み合わされる場合、インターフェロンに対する応答率は、ISDR配列の野生型クラスを有する患者におけるものより高い(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Herion and Hoofnagle,1997,Hepatology 25:769−771
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
(発明の要旨)
本発明は、HCV−1aサブタイプに感染したヒト被験体において、上記被験体に影響を与える上記ウイルスNS5A配列と、インターフェロンを含む処置レジメンに対する彼もしくは彼女の最終的応答との間に顕著な関連性があるという発見に基づく。
【0011】
本発明の一局面において、本発明は、HCV−1aに感染した患者を、インターフェロンベースの処置で治療するための方法を包含する。上記方法は、
a)上記患者の部分的もしくは完全なHCV NS5A遺伝子を分析する工程;および
b)上記インターフェロンベースの処置に対する陽性応答の可能性を推定するための基準を決定する工程であって、上記基準は、以下の要素:
i)標準的NS5Aアミノ酸配列と比較した場合、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列のインターフェロン感受性決定領域(ISDR)における変化の数;および
ii)上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の226位におけるアミノ酸残基の配列、
のうちの1つ以上を含む、工程
を包含する。
【0012】
具体的には、上記ISDRにおいて高い変異性(例えば、コンセンサスからの3個以上の変化)および/または上記NS5Aアミノ酸の226位においてメチオニン(M)もしくはグルタミン酸(E)を有するウイルスを含む患者は、peg化インターフェロンおよびリバビリン治療に対して迅速なウイルス学的応答(RVR)を達成する可能性が高い。例えば、IFN/RBV治療が、治療の4週間において現在の検出限界(10IU/ml)未満に上記ウイルスを減少させる能力(RVR)は、継続したウイルス学的応答(SVR)の達成を非常に推定するものである。逆に言えば、ISDR変化も、上記NS5Aアミノ酸の226位において他のアミノ酸も有さないウイルスに感染した患者は、RVRを達成する可能性が低い。
【0013】
特定の実施形態において、上記方法は、HCV−1a感染患者の集団の配列分析および上記インターフェロンベースの処置に対する該患者それぞれの応答に基づいて、b)の下での基準の要素全てについて重み付けパラメーターを割り当てる工程をさらに包含する。
【0014】
特定の実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の226位におけるアミノ酸残基の配列は、A、L、V、EもしくはMである。一実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の226位におけるアミノ酸残基の配列は、Aである。一実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の226位におけるアミノ酸残基の配列は、Lである。一実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の226位におけるアミノ酸残基の配列は、Eである。一実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の226位におけるアミノ酸残基の配列は、Mである。一実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の226位におけるアミノ酸残基の配列は、Vである。
【0015】
特定の実施形態において、上記基準は、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の311位におけるアミノ酸残基の配列の要素をさらに含む。上記基準は、3つの要素のうちの1つ以上を含む。特定の実施形態において、上記方法は、HCV−1a感染患者の集団の配列分析および上記インターフェロンベースの処置に対する該患者それぞれの応答に基づいて、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の311位におけるアミノ酸残基の配列の要素に重み付けパラメーターを割り当てる工程をさらに包含する。
【0016】
繰り返すと、上記ISDRにおける特定の変化数および上記NS5Aアミノ酸配列の226位においてメチオニン(M)もしくはグルタミン酸(E)を有することに加えて、ある患者が、上記NS5Aアミノ酸配列の311位においてQ、RもしくはAを含むウイルスに感染した場合、上記患者は、peg化インターフェロンおよびリバビリン治療に対して迅速なウイルス学的応答(RVR)を達成する可能性が高い。反対に、上記NS5Aアミノ酸配列の311位においてQ、RもしくはAを含まないウイルスに感染した患者は、インターフェロンベースの処置に対してウイルス学的に非応答性である可能性が増大する。
【0017】
一実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の311位におけるアミノ酸残基の配列は、S、P、Q、RもしくはAである。特定の実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の311位におけるアミノ酸残基の配列は、Sである。特定の実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の311位におけるアミノ酸残基の配列は、Pである。特定の実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の311位におけるアミノ酸残基の配列は、Qである。特定の実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の311位におけるアミノ酸残基の配列は、Rである。特定の実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の311位におけるアミノ酸残基の配列は、Aである。
【0018】
特定の実施形態において、上記標準的NS5Aアミノ酸配列は、H77である。
【0019】
特定の実施形態において、上記方法は、上記患者の遺伝的多型性を分析する工程をさらに包含する。一実施形態において、上記患者の遺伝的多型性は、rs12979860である。
【0020】
特定の実施形態において、上記患者の部分的もしくは完全なHCV NS5A遺伝子を分析する工程は、ポリメラーゼ連鎖反応機械を使用して、上記部分的もしくは完全なHCV NS5A遺伝子の一部を増幅する工程を包含する。
【0021】
特定の実施形態において、上記方法は、上記患者が、上記インターフェロンベースの処置に対して陽性に応答するか否かを決定する工程をさらに包含する。
【0022】
特定の実施形態において、上記方法は、上記患者が上記インターフェロンベースの処置に対して応答することが決定された場合に、上記インターフェロンベースの処置を上記患者に施す工程をさらに包含する。
【0023】
本発明の別の局面において、本発明は、上記インターフェロンベースの処置に対する陽性応答の可能性を推定するための基準に従って、HCV−1aに感染した患者の処置のための医薬を調製するためのインターフェロンの使用を提供し、ここで上記基準は、以下の要素:
a)上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の226位におけるアミノ酸;および
b)標準的NS5Aアミノ酸配列と比較した場合、上記患者のNS5Aアミノ酸配列の中のインターフェロン感受性決定領域における変化の数、
のうちの1つ以上を含む。
【0024】
一実施形態において、上記基準の要素は、HCV−1a感染患者の集団の配列分析および上記インターフェロンベースの処置に対する該患者それぞれの応答に基づいて、重み付けパラメーターを割り当てられる。
【0025】
一実施形態において、上記NS5Aアミノ酸配列の226位におけるアミノ酸は、A、L、V、MもしくはEである。一実施形態において、上記NS5Aアミノ酸配列の226位におけるアミノ酸は、Aである。一実施形態において、上記NS5Aアミノ酸配列の226位におけるアミノ酸は、Lである。一実施形態において、上記NS5Aアミノ酸配列の226位におけるアミノ酸は、Eである。一実施形態において、上記NS5Aアミノ酸配列の226位におけるアミノ酸は、Mである。一実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の226位におけるアミノ酸残基の配列は、Vである。
【0026】
特定の実施形態において、上記基準は、上記患者のNS5Aアミノ酸配列の311位におけるアミノ酸残基の要素をさらに含み、ここで上記基準は、3つの要素のうちの1つ以上を含む。特定の実施形態において、上記基準の要素は、HCV−1a感染患者の集団の配列分析および上記インターフェロンベースの処置に対する該患者それぞれの応答に基づいて、重み付けパラメーターが割り当てられる。
【0027】
特定の実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の311位におけるアミノ酸残基は、S、P、Q、RもしくはAである。一実施形態において、上記311位におけるアミノ酸残基は、Sである。一実施形態において、上記311位におけるアミノ酸残基は、Pである。一実施形態において、上記311位におけるアミノ酸残基は、Qである。一実施形態において、上記311位におけるアミノ酸残基は、Rである。一実施形態において、上記311位におけるアミノ酸残基は、Aである。
【0028】
一実施形態において、上記医薬は、1種以上の抗HCV薬剤を含む。
【0029】
一実施形態において、上記医薬は、リバビリン、HCVプロテアーゼインヒビターおよびHCVポリメラーゼインヒビターを含む。一実施形態において、上記HCVプロテアーゼインヒビターは、BMS−790052、MK 7009、BI 201335、SCH900518、VX−985、SCH503034、VX−950、R7227、ITMN−191、ACH−1095もしくはTMC435350である。別の実施形態において、上記HCVプロテアーゼインヒビターは、VX−950である。さらに別の実施形態において、上記HCVプロテアーゼインヒビターは、SCH50303である。別の実施形態において、上記HCVポリメラーゼインヒビターは、VCH−916、IDX−184、VX−222、フィリブビル、ABT−033、ABT−072、GS190、ANA598、MK−3281、BMS−650032、もしくはR7128である。
【0030】
一実施形態において、上記医薬は、NS4Aインヒビター、NS4Bインヒビター、サイクロフィリンインヒビターおよびこれらの組み合わせを含む。上記NS4Aインヒビター、NS4Bインヒビターおよびサイクロフィリンインヒビターの例は、それぞれ、ACH−806;クレミゾール;ならびにDebio−025およびNIM811である。
【0031】
一実施形態において、上記インターフェロンベースの処置は、Roferon(登録商標)−A、Pegasys(登録商標)、Intron(登録商標)、およびPeg−Intronからなる群より選択される。
【0032】
一実施形態において、上記標準的NS5Aアミノ酸配列は、H77である。
【0033】
特定の実施形態において、上記基準は、上記患者の遺伝的多型性をさらに含む。一実施形態において、上記患者の上記遺伝的多型性は、rs12979860である。
【0034】
本発明のさらに別の局面において、本発明は、HCV−1aに感染した患者について治療レジメンおよび/もしくは継続期間(duration)を指示するための方法を提供する。上記方法は、
a)上記患者の部分的もしくは完全なHCV NS5A遺伝子を分析する工程;および
b)インターフェロンベースの処置に対する陽性応答の可能性を推定するための基準を決定する工程であって、ここで上記基準は、以下の要素:
i)標準的NS5Aアミノ酸配列と比較した場合、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列のインターフェロン感受性決定領域における変化の数;および
ii)上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の226位におけるアミノ酸残基の配列;
のうちの1つ以上を含む工程、ならびに
c)上記患者の治療レジメンおよび/もしくは継続期間を決定する工程、
を包含する。
【0035】
特定の実施形態において、上記方法は、HCV−1a感染患者の集団の配列分析および上記インターフェロンベースの処置に対する該患者それぞれの応答に基づいて、b)の下での上記基準の上記要素全てについて重み付けパラメーターを割り当てる工程をさらに包含する。
【0036】
特定の実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の226位におけるアミノ酸残基の配列は、A、L、V、EもしくはMである。一実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の226位におけるアミノ酸残基の配列は、Aである。一実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の226位におけるアミノ酸残基の配列は、Lである。一実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の226位におけるアミノ酸残基の配列は、Eである。一実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の226位におけるアミノ酸残基の配列は、Mである。一実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の226位におけるアミノ酸残基の配列は、Vである。
【0037】
特定の実施形態において、上記方法は、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の311位におけるアミノ酸残基の配列の要素をさらに含む基準を含む。上記基準は、上記3つの要素のうちの1つ以上を含む。特定の実施形態において、上記方法は、HCV−1a感染患者の集団の配列分析および上記インターフェロンベースの処置に対する該患者それぞれの応答に基づいて、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の311位におけるアミノ酸残基の配列の上記要素に重み付けパラメーターを割り当てる工程を包含する。
【0038】
特定の実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の311位におけるアミノ酸残基の配列は、S、P、Q、RもしくはAである。一実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の311位におけるアミノ酸残基の配列は、Sである。一実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の311位におけるアミノ酸残基の配列は、Pである。一実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の311位におけるアミノ酸残基の配列は、Qである。一実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の311位におけるアミノ酸残基の配列は、Rである。一実施形態において、上記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の311位におけるアミノ酸残基の配列は、Aである。
【0039】
特定の実施形態において、上記標準的NS5Aアミノ酸配列は、H77である。
【0040】
特定の実施形態において、上記患者の治療のレジメンおよび/もしくは継続期間を決定する工程は、HCVプロテアーゼインヒビター、第2のSTAT−C、インターフェロン、リバビリンもしくはこれらの組み合わせを上記患者に投与する工程を包含する。一実施形態において、上記患者に投与する工程は、12週間、36週間もしくは48週間の継続期間にわたって、インターフェロンおよびリバビリンを上記患者に投与する工程を包含する。一実施形態において、上記患者に投与する工程は、12週間の継続期間にわたって上記患者に投与する工程を包含する。一実施形態において、上記患者に投与する工程は、36週間の継続期間にわたって上記患者に投与する工程を包含する。一実施形態において、上記患者に投与する工程は、48週間の継続期間にわたって上記患者に投与する工程を包含する。
【0041】
特定の実施形態において、上記HCVプロテアーゼインヒビターは、SCH503034、VX−950、R7227、ITMN−191、ACH−1095もしくはTMC435350である。一実施形態において、上記HCVプロテアーゼインヒビターは、SCH503034である。一実施形態において、上記HCVプロテアーゼインヒビターは、VX−950である。
【0042】
特定の実施形態において、上記第2のSTAT−Cは、HCVポリメラーゼインヒビター、NS4Aインヒビター、NS4Bインヒビターもしくはサイクロフィリンインヒビターである。いくつかの実施形態において、上記第2のSTAT−Cは、VCH−916、IDX−184、VX−222、フィリブビル、ABT−033、ABT−072、GS190、ANA598、MK−3281、BMS−650032、ACH−806、クレミゾール、Debio−025、NIM811もしくはR7128である。
【0043】
特定の実施形態において、上記方法は、上記患者の遺伝的多型性を分析する工程をさらに包含する。一実施形態において、上記遺伝的多型性は、rs12979860である。
【0044】
特定の実施形態において、上記患者の部分的もしくは完全なHCV NS5A遺伝子を分析する工程は、ポリメラーゼ連鎖反応機械を使用して、上記部分的もしくは完全なHCV NS5A遺伝子の一部を増幅する工程を包含する。
【0045】
特定の実施形態において、上記方法は、上記患者が上記インターフェロンベースの処置に対して陽性に応答するか否かを決定する工程をさらに包含する。
【0046】
特定の実施形態において、上記方法は、上記患者が、上記インターフェロンベースの処置に対して応答することが決定された場合、上記インターフェロンベースの処置を上記患者に施す工程をさらに包含する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】図1は、上記被験体によるPeg−IFNおよびRBV応答のレベルを示すプロットである。ウイルスRNA負荷が4週目まで検出限界(LOD)未満であった被験体を、迅速ウイルス応答者(RVR)と称した一方で、12週目までにRNA負荷がLOD未満に低下した被験体を、完全初期ウイルス応答者(cEVR)と称した。部分的初期ウイルス応答者(pEVR)は、12週目までにRNA負荷において少なくとも2−log低下を有し、非応答者(NR)は、上記研究の間にRNA負荷において2−log未満の減少を有した。各患者群についてのトレンドラインは、各時点での平均±標準偏差を示す。
【図2】図2は、40アミノ酸の41個の重複ストレッチ(overlapping stretch)、アミノ酸6〜45までにわたる第1のウインドウ;アミノ酸16〜55までの第2のウインドウ;26〜65までの第3のウインドウなどへと切断されたNS5Aアミノ酸アラインメントを示すプロットである。ロジスティック回帰を使用して、IFN感受性(すなわち、順番にスコア付けされた患者転帰群)が、これらウインドウのうちのいずれか内の遺伝的バリエーションの関数であるか否かを決定した(α=0.05,タイプIエラーを制御するためにBoneferroni手順を使用した)。ロジスティック回帰から生じるp値(「有意レベル」)は、上記NS5Aアミノ酸の長さに対してプロットされ、各ウインドウの有意レベルは、その中間(mean)の残基に対してプロットされた(例えば、残基6〜45にわたるウインドウについてのp値0.6934は、残基26においてプロットされる)。「インターフェロン感受性決定領域」(ISDR;AA236〜275)であると示唆された40残基のストレッチが、灰色のボックスで囲まれている。このウインドウの中心に対応する点(p=0.0003)は、IFN感受性が、変異の数の関数である領域のみであり、顕著なことには、Bonferroni補正した0.05のαで有意である。
【図3】図3は、上記応答分類の各々におけるISDR変異の数のプロットである。迅速ウイルス応答者(RVR)内の感染性ビリオンのISDRは、互いの転帰群に対して変異が顕著に富化されている一方で、他の転帰群は、6つの独立したMann−Whitney U検定ペア様式の比較によって決定される場合、いかなる他のものとも顕著に異ならない(有意に異なる群は、グラフのいちばん上での「a」および「b」によって示される)。順位和に基づくノンパラメトリック比較を、統計学的検定に使用したが、各群についての平均値の菱形(means diamond)(それらの高さにおいては平均に対する95%信頼区間を示し、そしてそれらの幅においては相対的サンプルサイズに対する95%信頼区間を示す)が示される。灰白色のバーは、上記データセットの全体的な平均を表す。
【図4】図4は、上記ISDR内の0個、1個、2個、および3個以上の変異についてのウイルス学的転帰群の構成(composition)を示す円グラフ(pie graph)を示しており、各チャートについては、グラフの下に表示されている。各群についてのサンプルサイズは、上記チャートの上に示され、各群の相対的面積で表される。凡例は、上記チャートの左側にボックスで囲まれている(RVR,迅速ウイルス学的応答;cEVR,完全初期ウイルス学的応答;pEVR,部分的初期ウイルス学的応答;NR,非応答性)。
【図5】図5は、H77の核酸配列(図5a)およびアミノ酸配列(図5b)を示す。
【図6】図6は、上記インターフェロンベースの処置に対し様々な程度の応答を表す上記被験体からの核酸配列を示す。
【図7】図7は、図6の被験体からのアミノ酸配列を示す。
【発明を実施するための形態】
【0048】
(発明の詳細な説明)
米国の遺伝子型1a患者におけるインターフェロンおよびRBVに対する全長NS5Aアミノ酸のウイルス配列多様性の影響を調査した。
【0049】
上記NS5Aアミノ酸を、多種性(quasispecies)の誘導を通じてIFN応答に影響を及ぼすことが示された(Macdonald 2004、Tan 2001、Hofmann 2004において総説されている)。HCV生活環におけるNS5Aの正確な役割は未知である一方で、NS5Aが、HCVゲノムの複製を触媒するマルチタンパク質複合体の重要な部分であることが実証された(Egger 2002)。HCV複製におけるその直接的な役割とは無関係に、NS5Aはまた、多くの細胞シグナル伝達分子に結合し得、これは次に、細胞増殖の調節に影響を及ぼし得、細胞のアポトーシス応答を阻害し得る(Macdonald,総説2004)。
【0050】
さらに、NS5Aは、インターフェロン誘導性二本鎖RNA(dsRNA)活性化プロテインキナーゼPKRに結合することが実証された(Gale 1997)。PKRは、dsRNAへの結合によって活性化される。一旦活性化されると、PKRは、タンパク質合成開始因子2のαサブユニット2(eIF−2α)をリン酸化し、ウイルスタンパク質翻訳の抑制をもたらすことが公知である(Macdonald 2004)。eIF−2αに結合することによって、NS5Aは、PKRのダイマー化および自己リン酸化を妨害し、従って、IFN誘導性宿主ウイルス応答経路を阻害する(Gale 1997)。
【0051】
語句「NS5A遺伝子の676位、677位および678位のヌクレオチド」は、アラインメントのための参照配列として、図5および図6において示される配列を有するHCV−1a NS5A cDNAもしくはRNAの676ヌクレオチド位、677ヌクレオチド位および678ヌクレオチド位における位置(locus)を意味し、ここで図5および図6に示される配列は、HCV−1aゲノムヌクレオチド配列のヌクレオチド位置675とヌクレオチド位置679との間のNS5Aコード領域を表す。
【0052】
語句「NS5Aタンパク質の226位のアミノ酸」とは、アラインメントのための参照配列として、図5および図6において示される配列に示される配列を有するHCV−1a NS5Aタンパク質の226位のアミノ酸を意味し、ここで図5および図6に示される配列は、HCV−1aゲノムポリプロテインのアミノ酸位置225〜アミノ酸位置227にわたるNS5Aタンパク質のポリペプチド配列を表す。
【0053】
語句「NS5A遺伝子の931位、932位、および933位のヌクレオチド」とは、アラインメントのための参照配列として、図5および図6において示される配列に示される配列を有するHCV−1a NS5A cDNAもしくはRNAのヌクレオチド位置931、932、および933の位置を意味し、ここで上記図5および6:1に示される配列は、HCV−1aゲノムヌクレオチドのヌクレオチド位置930とヌクレオチド位置934との間のNS5Aコード領域を表す。
【0054】
語句「NS5Aタンパク質の311位のアミノ酸」とは、アラインメントのための参照配列として、図5および図7において示される配列を有するHCV−1a NS5Aタンパク質の311位のアミノ酸を意味し、ここで図5および7は、HCV−1aゲノムポリプロテインのアミノ酸位置310からアミノ酸位置312にわたるNS5Aタンパク質のポリペプチド配列を表す。
【0055】
語句「ISDR」とは、(1)アラインメントのための参照配列として、図5、図6、および図7において示される配列を有するHCV−1a NS5A cDNAもしくはRNAの705位と826位との間のヌクレオチド配列;および(2)図5、6および7に示される配列を有するHCV−1a NS5Aタンパク質の235位と276位との間のアミノ酸配列を意味する。しかし、上記ISDRについてのアミノ酸配列中の位置は、僅かに変化し得る。
【0056】
用語「ヌクレオチド置換(複数可)」および「ヌクレオチドバリエーション(複数可)」とは、交換可能に本明細書で使用され、特定の遺伝子の参照ヌクレオチド配列における位置のヌクレオチド変化(複数可)に言及する。
【0057】
用語「アミノ酸変異」および「アミノ酸置換」とは、上記参照タンパク質をコードする上記参照ヌクレオチド配列におけるヌクレオチド置換もしくはバリエーションから生じる、参照タンパク質配列における位置でのアミノ酸変化に言及するために、本明細書で交換可能に使用される。
【0058】
用語「遺伝子型決定」とは、特定の遺伝子座におけるヌクレオチド(複数可)を決定することを意味する。
【0059】
用語「インターフェロンベースの処置」とは、インターフェロンの投与を含むHCV処置をいう。
【0060】
インターフェロンでの処置に対する、用語「応答」とは、薬剤の投与に対する望ましい応答である。
【0061】
インターフェロンでの処置に対する、用語「継続したウイルス学的応答」(SVR)および「完全な応答」とは、本明細書で交換可能に使用され、処置終了のときおよび処置終了の24週間後の両方において、RT−PCRによって感染被験体のサンプル中に検出可能なHCV RNAが存在しないことをいう。あるいは、「継続したウイルス応答」もしくは「SVR」とは、投与が完了した後に、ウイルスRNAレベルが検出不能なままであることを意味する。「SVR12」とは、投与が完了した後12週間で、ウイルスRNAレベルが検出不能なままであることを意味する。「SVR24」とは、投与が完了した後24週間で、ウイルスRNAレベルが検出不能なままであることを意味する。
【0062】
用語「完全な初期ウイルス学的応答」(cEVR)とは、治療の12週目においてHCV負荷(血中のHCV粒子の数)の少なくとも99%(>2 log10)低下として定義される。
【0063】
本明細書で使用される用語「迅速ウイルス学的応答」(RVR)とは、治療の4週目以降に、血中のHCVが検出不能であることとして定義される。RVRの患者のうちの90%は、SVRを有し、いくらかの患者は、僅か24週間の処置しか要しない可能性がある。
【0064】
「部分的な初期ウイルス学的応答」(pEVR)を有する被験体は、HCV RNAレベルにおいて100分の1の低下を有するが、検出可能なHCV RNAを有し続ける。このような患者は、cEVRを有する被験体よりSVRを達成する可能性が低い。
【0065】
インターフェロンでの処置に対する、用語「ウイルス学的非応答」および「非応答」(NR)とは、本明細書で交換可能に使用され、処置全体を通じておよび処置の終了のときに、RT−PCRおよび他の公知の従来法によって、感染被験体のサンプル中に検出可能なHCV RNAが存在することに言及する。あるいは、本明細書で使用される場合「非応答性」とは、標準的なpeg−IFNとRBV処置に対して継続したウイルス学的応答(SVR)(処置の完了後24週目で、HCV RNAが検出不能)を達成もしくは維持しない患者、および応答が欠如した患者を包含する。応答の欠如とは、HCV RNAのベースラインからの<2−log10低下として、HCVウイルスの検出不能なレベルを達成できないとして、または処置の停止後の再発として定義される。上記で定義されるように、検出不能なHCV RNAは、現在市販されているアッセイによって決定される場合、例えば、Roche COBAS TaqManTM HCV/HPSアッセイによって決定される場合、HCV RNAが、10 IU/mL未満で存在することを意味する。例えば、「非応答性」は、上記標準的peg−IFNとRBV処置に対する「4週目非応答者(null responder)」、「12週目非応答者」、「24週目非応答者」、「26〜48週目非応答者」、「部分的応答者」、「ウイルスブレイクスルー応答者(viral breakthrough responder)」および「再発応答者(relapser responder)」を含む。「4週目非応答者」は、上記標準的peg−IFNとRBV処置の4週目において、HCV RNAの<1−log10低下(HCV RNAのベースラインからの≧1−log10低下を有さない)によって定義される。「12週目非応答者」は、上記標準的peg−IFNとRBV処置の12週目において、HCV RNAの<2−log10低下(初期ウイルス応答(EVR)を達成せず、12週目においてHCV RNAのベースラインからの≧2−log10低下)によって定義される。「24週目非応答者」は、上記標準的peg−IFNとRBV処置の24週目において、検出可能なHCV RNAを有した被験体として定義される。「26〜48週目非応答者」は、上記標準的peg−IFNとRBV処置の26〜48週目の間で検出可能なHCV RNAを有した被験体として定義される。「部分的応答者」とは、上記標準的peg−IFNとRBV処置の12週目において≧2−log10低下であるが、24週目において検出可能なHCV RNAによって定義される。「ウイルスブレイクスルー応答者」は、peg−IFNとRBV処置の間に検出不能なHCV−RNAを達成した後の、検出可能なHCV−RNAによって定義される。ウイルスブレイクスルーは、i)最低の記録された処置値と比較した場合、>1−log10のHCV RNAの増加、またはii)以前の時点でHCV RNAが検出不可能であった患者における>100 IU/mLのHCV RNAレベル、として定義される。ウイルスブレイクスルー応答者の特定の例は、4週目〜24週目の間にウイルスブレイクスルーを有する患者を含む。「再発応答者」とは、上記peg−IFNとRBV(事前処置(prior treatment))(一般に、最後の投薬後6週間以内)の完了のときに、HCV RNAが検出不能であったが、追跡の間(例えば、24週間の後追跡(post follow−up)の間)に再発した患者である。再発応答者は、48週間のpeg−IFNとRBV処置の後に、再発し得る。
【0066】
代表的なpeg−IFNおよびRBV処置レジメンは、12週間、24週間、36週間および48週間の処置を含む。種々のタイプのpeg−IFNが、例えば、調製され、予め測定された液剤として、または別個の希釈剤(混合流体)とともに凍結乾燥粉末として、バイアル中で、市販されている。Peg化インターフェロンα−2b(Peg−Intron(登録商標))およびPeg化インターフェロンα−2a(Pegasys(登録商標))は、代表的な例である。本発明において使用され得る種々のタイプのインターフェロン(種々の剤形および処方タイプが挙げられる)が、市販されている(例えば、上記のインターフェロンの具体例を参照のこと)。例えば、種々のタイプのインターフェロンは、調製され、予め測定された液剤として、もしくは別個の希釈剤(混合流体)とともに凍結乾燥粉末として、バイアル中で、市販されている。Peg化インターフェロンα−2b(Peg−Intron(登録商標))およびPeg化インターフェロンα−2a(Pegasys(登録商標))は、上記インターフェロンが結合したポリエチレングリコール(PEG)の分子を有することによって、他のインターフェロンとは異なる。上記PEGは、上記インターフェロンをより長期間身体中に残すと考えられているので、上記インターフェロンの効果およびその有効性を持続させる。Peg化インターフェロンは、一般に、皮膚の下に(皮下に)注射によって投与される。Pegasys(登録商標)は、予め充填されたシリンジもしくはバイアル中に注射用溶液として手に入る。Pegasys(登録商標)の通常の投与量は、180μgであり、1週間に1回投与される。PEG−Intron(登録商標)は、一般に、粉末および滅菌水を含む予め充填されたペンで使われる;上記ペンを押し下げて、それらを一緒に混ぜる。PEG−Intron(登録商標)の用量は、一般に、体重に依存し(1.5μg/kg(合計約50μg〜約150μgの間の範囲)であり、1週間に1回投与される。特定の実施形態において、peg化インターフェロン(例えば、peg化インターフェロン−α 2aもしくはpeg化インターフェロン−α 2b)は、本発明において使用される。代表的には、インターフェロンは、その市販の製品表示に記載される投与レジメンに従って投与され得る。
【0067】
リバビリンは、代表的には、経口投与され、リバビリンの錠剤形態が、現在市販されている。一般的基準、リバビリン錠剤の1日用量(例えば、約200mg錠剤)は、約800mg〜約1200mg(その市販の製品表示に記載される投与レジメンに従って)である。
【0068】
用語「STAT−C」とは、C型肝炎についての具体的に標的化された抗ウイルス治療(specifically targeted antiviral therapy for Hepatitis C)の略語である。この治療様式は、C型肝炎再生に必要とされる2つの酵素:セリンプロテアーゼおよびポリメラーゼを標的としている医薬(C型肝炎プロテアーゼインヒビターおよびポリメラーゼインヒビターとして公知)を含む。
【0069】
用語「サンプル」もしくは「生物学的サンプル」とは、個体から単離された組織もしくは流体のサンプルに言及し、これらとしては、例えば、組織生検、血漿、血清、全血、脊髄液、リンパ液、皮膚の外部切片、呼吸器、腸管および尿生殖器管、涙液、唾液、乳汁、血液細胞、腫瘍、器官が挙げられるが、これらに限定されない。インビトロの細胞培養物の構成要素のサンプル(細胞培地中の細胞の増殖から生じる馴化培地、推定上のウイルス感染細胞、組換え細胞、および細胞成分が挙げられるが、これらに限定されない)もまた、含まれる。
【0070】
本明細書で言及されるインターフェロンとしては、α−インターフェロン、β−インターフェロン、γ−インターフェロンおよびpeg化誘導体化インターフェロン−α化合物が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、用語「インターフェロン」および「インターフェロン−α」は、本明細書で交換可能に使用され、ウイルス複製および細胞増殖を阻害し、免疫応答を調節する、非常に相同の種特異的タンパク質のファミリーに言及する。代表的な適したインターフェロンとしては、組換えインターフェロンα−2b(例えば、Schering Corporation,Kenilworth,N.J.から入手可能なIntron TM A インターフェロン)、組換えインターフェロンα−2a(例えば、Hoffmann−La Roche,Nutley,N.J.から入手可能なRoferon TM −A インターフェロン)、組換えインターフェロンα−2C(例えば、Boehringer Ingelheim Pharmaceutical,Inc.,Ridgefield,Conn.から入手可能なBerofor TM alpha 2 インターフェロン)、インターフェロンα−n1(天然のαインターフェロンの精製ブレンド(例えば、Sumitomo,Japanから入手可能なSumiferon TM)もしくはWellferon TM インターフェロンα−n1(INS)(Glaxo−Wellcome Ltd.,London,Great Britainから入手可能な)、またはコンセンサスαインターフェロン(例えば、米国特許第4,897,471号および同第4,695,623号(特に、その実施例7、8もしくは9)に記載されるもの)およびAmgen,Inc.,Newbury Park,Calif.から入手可能な特定の生成物、あるいはインターフェロンα−n3、天然αインターフェロンの混合物(Interferon Sciencesによって作製されかつPurdue Frederick Co.,Norwalk,Conn.,から、Alferon商品名の下で入手可能)が挙げられるが、これらに限定されない。インターフェロンα−2aもしくはインターフェロンα−2bの使用が好ましい。
【0071】
用語「peg化インターフェロンα」は、本明細書で使用される場合、インターフェロンα、好ましくは、インターフェロンα−2aおよびインターフェロンα−2bのポリエチレングリコール改変結合体を意味する。代表的な適したpeg化インターフェロンαとしては、Pegasys TMおよびPeg−Intron TMが挙げられるが、これらに限定されない。
【0072】
本明細書で使用される場合、用語「核酸」、「ヌクレオチド」、「ポリヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド」とは、プライマー、プローブ、検出されるべきオリゴマーフラグメント、オリゴマーコントロールおよび非標識ブロッキングオリゴマーに言及し、ポリデオキシリボヌクレオチド(2−デオキシ−D−リボースを含む)、ポリリボヌクレオチド(D−リボースを含む)、およびプリンもしくはピリミジン塩基、または改変プリンもしくはピリミジン塩基のN−グリコシドである任意の他のタイプのポリヌクレオチドに対する包括的なものであるとする。
【0073】
用語「インターフェロン感受性決定領域における変化」とは、NS5Aの野生型と比較した場合、NS5Aをコードする遺伝子の代替形態を構成するNS5R遺伝子のアミノ酸配列における変化に言及する。変化は、挿入、付加、欠失、もしくは置換を含み得る。ヌクレオチド配列は、5’方向から3’方向に並べられる。
【0074】
用語「標準的NS5Aアミノ酸配列」とは、細胞培養系における最適な複製のために選択された十分に特徴付けられたHCV配列に由来する代表的アミノ酸配列をいう。標準的NS5Aアミノ酸配列の例は、H77である。
【0075】
核酸、ヌクレオチド、ポリヌクレオチドもしくはオリゴヌクレオチドは、ホスホジエステル結合もしくは改変された結合(例えば、ホスホトリエステル、ホスホルアミデート、シロキサン、カーボネート、カルボキシメチルエステル、アセトアミデート、カルバメート、チオエーテル、架橋ホスホルアミデート、架橋メチレンホスホネート、ホスホロチオエート、メチルホスホネート、ホスホロジチオエート、架橋ホスホロチオエート、もしくはスルホン結合、およびこのような結合の組み合わせを含み得る。
【0076】
核酸、ヌクレオチド、ポリヌクレオチドもしくはオリゴヌクレオチドは、5つの生物学的に存在する塩基(アデニン、グアニン、チミン、シトシンおよびウラシル)および/もしくは上記5つの生物学的に存在する塩基以外の塩基を含み得る。例えば、本発明のポリヌクレオチドは、以下が挙げられるが、これらに限定されない群から選択される少なくとも1つの改変塩基部分を含み得る:5−フルオロウラシル、5−ブロモウラシル、5−クロロウラシル、5−ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4−アセチルシトシン、5−(カルボキシヒドロキシメチル)ウラシル、5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオウリジン、5−カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、β−D−ガラクトシルクエオシン(queosine)、イノシン、N6−イソペンテニルアデニン、1−メチルグアニン、1−メチルイノシン、2,2−ジメチルグアニン、2−メチルアデニン、2−メチルグアニン、3−メチルシトシン、5−メチルシトシン、N6−メチルアデニン、7−メチルグアニン、5−メチルアミノメチルウラシル、5−メトキシアミノメチル−2−チオウラシル、β−D マンノシルクエオシン、5’−メトキシカルボキシメチルウラシル、5−メトキシウラシル、2−メチルチオ−N6−イソペンテニルアデニン、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、ワイブトキソシン、プソイドウラシル、クエオシン、2−チオシトシン、5−メチル−2−チオウラシル、2−チオウラシル、4−チオウラシル、5−メチルウラシル、ウラシル−5−オキシ酢酸メチルエステル、3−(3−アミノ−3−N−2−カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)w、2,6−ジアミノプリン、および5−プロピニルピリミジン。
【0077】
さらに、核酸、ヌクレオチド、ポリヌクレオチドもしくはオリゴヌクレオチドは、1つ以上の改変糖部分(例えば、アラビノース、2−フルオロアラビノース、キシルロース、およびヘキソース)を含み得る。
【0078】
本発明が核酸、ヌクレオチド、ポリヌクレオチドもしくはオリゴヌクレオチドの供給源によって限定されることは、意図されない。核酸、ヌクレオチド、ポリヌクレオチドもしくはオリゴヌクレオチドは、ヒトもしくは非ヒト哺乳動物、または任意の他の生物に由来し得るか、あるいは任意の組換え供給源に由来し得るか、あるいはインビトロでもしくは化学合成によって合成され得る。核酸、ヌクレオチド、ポリヌクレオチドもしくはオリゴヌクレオチドは、DNA、RNA、cDNA、DNA−RNA、ロックド核酸(locked nucleic acid)(LNA)、ペプチド核酸(PNA)、上記のハイブリッドもしくは任意の混合物であり得、二本鎖形態、一本鎖形態もしくは部分的に二本鎖形態で存在し得る。本発明の核酸は、精製形態もしくは非精製形態において、核酸およびそのフラグメントの両方(遺伝子、染色体、プラスミド、生物学的物質のゲノム(例えば、微生物(例えば、細菌、酵母、ウイルス、ウイロイド、糸状菌、真菌、植物、動物、ヒトなど))が挙げられる)を含む。
【0079】
用語核酸、ヌクレオチド、ポリヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチドの間の長さに意図された区別はなく、これら用語は、交換可能に使用される。これら用語は、二本鎖および一本鎖のDNA、ならびに二本鎖および一本鎖のRNAを含む。
【0080】
「対応する」とは、指定された配列に同一であるかもしくは相補的であることを意味する。
【0081】
モノヌクレオチドは、1つのモノヌクレオチドペントース環の5’ホスフェートが、ホスホジエステル結合を介して一方向にその隣の3’酸素に結合される様式で、オリゴヌクレオチドを作製するように反応し得るので、オリゴヌクレオチドの末端は、その5’ホスフェートがモノヌクレオチドペントース環の3’酸素に連結されていない場合に5’末端といわれ、その3’酸素がその後ろのモノヌクレオチドペントース環の5’ホスフェートに連結されていない場合、3’末端といわれる。本明細書で使用される場合、核酸配列はまた、より大きなオリゴヌクレオチドに対して内部にあるとしても、5’末端および3’末端を有するといわれる。
【0082】
2つの異なる重複しないオリゴヌクレオチドが、同じ直鎖状相補的核酸配列の異なる領域にアニールし、1つのオリゴヌクレオチドの3’末端が他方の5’末端に向いているので、前者は、「上流」オリゴヌクレオチド、後者は、「下流」オリゴヌクレオチドといわれ得る。
【0083】
用語「プライマー」とは、1つより多いプライマーもしくはプライマーの混合物に言及し得、精製された制限消化におけるように、天然に存在しようが、合成によって生成されようが、核酸鎖に対して相補的であるプライマー伸長生成物の合成が触媒される条件下で配置される場合に、相補鎖に沿ってポリヌクレオチド合成の開始点として作用し得るオリゴヌクレオチドをいう。このような条件は、代表的には、適切なバッファー(「バッファー」は、補因子あるか、pH、イオン強度に影響を及ぼす置換物(substituent)などを含む)中、および適切な温度において、4つの異なるデオキシリボヌクレオシドトリホスフェートおよび重合誘導剤(例えば、DNAポリメラーゼもしくは逆転写酵素)の存在を含む。上記プライマーは、好ましくは、増幅における最大効率のための一本鎖である。
【0084】
rs12979860は、第19染色体上の多型であり、上記多型は、HCV患者群においてSVRと関連することが報告されている。上記多型は、IL28B遺伝子(IFN−λ−3をコードする)の3キロベース(kb)上流にある。いくつかの実施形態において、インターフェロンベースの処置に対するHCV−1aに感染した患者の応答を推定するための本発明の方法は、以下の分析に基づき得る:
上記患者の部分的もしくは完全なHCV NS5A遺伝子;および
上記患者の第19染色体上の多型性。
【0085】
核酸配列の相補体は、本明細書で使用される場合、1つの配列の5’末端が他の配列の3’末端と対形成するように、上記核酸配列と整列される場合、「逆平行会合」にあるオリゴヌクレオチドをいう。天然の核酸において通常見いだされない特定の塩基は、本発明の核酸に含まれ得、例えば、イノシン、7−デアザグアニンおよび上記のものを含む。相補性は、完全である必要はない;安定な二重鎖は、ミスマッチ塩基対もしくはマッチしない塩基を含み得る。核酸技術の当業者は、いくつかの変数(例えば、上記オリゴヌクレオチドの長さ、塩基組成および上記オリゴヌクレオチドの配列、イオン強度、ならびにミスマッチ塩基対の発生率が挙げられる)を経験的に考慮することによって、二重鎖安定性を決定し得る。
【0086】
本明細書で使用される場合、用語「プローブ」とは、該プローブ中の少なくとも1つの配列と、ある核酸のある領域中の配列との相補性に起因して、該核酸の該領域と二重鎖構造を形成し得、そして検出することができるオリゴヌクレオチドに言及する。上記プローブは、好ましくは、5’ヌクレアーゼ反応においてプライマーの配列(複数可)に相補的な配列を含まない。以下で議論されるように、上記プローブは、標識されていてもよいし、標識されていなくてもよい。上記プローブの3’末端は、上記プローブのプライマー伸長生成物への組込みを妨げるために、「ブロック」し得る。「ブロッキング」とは、非相補的な塩基を使用することによって、または最後のヌクレオチドの3’ヒドロキシルに化学的部分(例えば、ビオチンもしくはホスフェート基)を付加することによって、達成され得る。これは、上記選択された部分に依存して、標識に結合した核酸のその後の検出もしくは捕捉のための、標識としても作用させることによって、二重の目的を果たし得る。ブロッキングはまた、上記3’−OHを除去することによって、または3’−OHを欠いているヌクレオチド(例えば、ジデオキシヌクレオチド)を使用することによって、達成され得る。
【0087】
用語「標識」とは、本明細書で使用される場合、検出可能な(必要に応じて定量可能な)シグナルを提供するために使用され得、核酸もしくはタンパク質に結合され得る任意の原子もしくは分子をいう。標識は、蛍光、放射活性、比色分析、重量測定、X線回折もしくは吸収、磁性、酵素活性などによって検出可能なシグナルを提供する。本発明のための従来の標識としては、オリゴヌクレオチドフラグメントのサイズの検出を容易にするものが挙げられる。
【0088】
本発明の特定の実施形態において、「標識」は、蛍光色素である。蛍光標識としては、負に荷電した色素(例えば、フルオレセインファミリーの色素)、もしくは電荷が中性の色素(例えば、ローダミンファミリーの色素)、もしくは正に荷電した色素(例えば、シアニンファミリーの色素)が挙げられ得る。上記フルオレセインファミリーの色素としては、例えば、FAM、HEX、TET、JOE、NANおよびZOEが挙げられる。上記ローダミンファミリーの色素は、テキサスレッド、ROX、R110、R6G、およびTAMRAが挙げられる。FAM、HEX、TET、JOE、NAN、ZOE、ROX、R110、R6G、およびTAMRAは、Perkin−Elmer(Foster City,Calif.)によって市販されており、テキサスレッドは、Molecular Probes,Inc.(Eugene,OR)によって市販されている。上記シアニンファミリーの色素としては、Cy2、Cy3、Cy5、およびCy7が挙げられ、上記色素は、Amersham(Amersham Place,Little Chalfont,Buckinghamshire,England)によって市販されている。
【0089】
用語「クエンチャー」とは、本明細書で使用される場合、例えば、クエンチャーおよび蛍光色素の両方が共通のポリヌクレオチドに連結されている場合、蛍光色素から発せられるエネルギーを吸収する化学的部分に言及する。クエンチャーは、そのクエンチャーに特徴的なシグナル中に、蛍光色素から吸収されるエネルギーを再放出し得、従って、クエンチャーは、「標識」でもあり得る。この現象は、一般に、蛍光共鳴エネルギー移動すなわちFRETとして公知である。あるいは、クエンチャーは、蛍光色素から吸収されるエネルギーを熱として散逸させ得る。FRETにおいて一般に使用される分子としては、例えば、フルオレセイン、FAM、JOE、ローダミン、R6G、TAMRA、ROX、DABCYL、およびEDANSが挙げられる。蛍光色素が標識であるか否かに拘わらず、クエンチャーは、その励起および発光スペクトルによって定義され、上記蛍光色素は、クエンチャーと対形成される。例えば、FAMは、488nmの波長を有する光によって最も効率的に励起され、500〜650nmのスペクトルおよび525nmの発光最大を有する光を発する。FAMは、例えば、その励起最大を514nmに有するクエンチャーとしてのTAMRAとともに使用するための適切なドナー標識である。蛍光色素から吸収されるエネルギーを散逸させる例示的な非蛍光性クエンチャーとしては、Biosearch Technologies,Inc.(Novato,Calif.)から市販されるBlack Hole Quenchers TMが挙げられる。
【0090】
本明細書で定義される場合、「5’→3’ヌクレアーゼ活性」とは、テンプレート特異的核酸ポリメラーゼ(従来から、いくつかのDNAポリメラーゼと関連する5’→3’エキソヌクレアーゼ活性(これによって、ヌクレオチドが、逐次的な様式でオリゴヌクレオチドの5’末端から除去される)(例えば、E. coli DNAポリメラーゼIは、この活性を有するのに対して、Klenowフラグメントは有さない)、または切断が5’末端からの1つより多いホスホジエステル結合(ヌクレオチド)を発生させる5’→3’エンドヌクレアーゼ活性のいずれか、またはその両方を含む)の活性に言及する。いかなる特定の操作理論にも束縛されることを意図しないが、プローブ−テンプレートハイブリダイゼーション複合体に対する5’→3’エンドヌクレアーゼ活性依存性切断の好ましい基質は、置換された一本鎖核酸、フォーク様構造であり、加水分解は、Hollandら,1991,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:7276−80(その全体が本明細書に参考として援用される)において議論されるように、上記置換された領域と、上記鎖の塩基対形成した部分とを連結するホスホジエステル結合において生じる。
【0091】
用語「隣接している」とは、本明細書で使用される場合、上記テンプレート核酸の相補鎖に対する上記プロに関する上記プライマーの位置に言及する。上記プライマーおよびプローブは、20ヌクレオチドより大きく、1〜約20ヌクレオチド、より好ましくは、約1〜10ヌクレオチド離されていてもよいし、あるいは重合非依存性プロセスでの検出に望ましい可能性がある場合には、互いに直接隣り合っていてもよい。あるいは、重合依存性プロセスにおける使用には、本発明の方法が、本明細書で教示されるように、PCR増幅および検出法において使用される場合、「隣接(adjacency)」は、増幅されるべき配列内のどこでもよく、上記プローブの切断が起こるように、プライマー伸長が上記ポリメラーゼを位置づけるようにするプライマーの下流どこでもよい。
【0092】
本明細書で使用される場合、用語「熱安定性核酸ポリメラーゼ」とは、例えば、E.coli由来のヌクレオチドポリメラーゼと比較した場合に熱に対して比較的安定でありかつヌクレオシドトリホスフェートの重合を触媒する酵素をいう。一般に、上記酵素は、上記標的核酸にアニールした上記プライマーの3’末端で合成を開始し、上記テンプレートの5’末端に向かって新たな鎖の合成を継続する。そして5’→3’ヌクレアーゼ活性を有するのであれば、合成が終了するまでもしくはプローブフラグメントが上記標的核酸を融解する(melt off)まで、介在するアニールされたプローブを加水分解して、標識プローブフラグメントおよび非標識プローブフラグメントを放出する。Thermus aquaticusから単離された代表的な熱安定性酵素(Taq)は、米国特許第4,889,818号に記載され、従来のPCRにおいてそれを使用するための方法は、Saikiら,1988,Science 239:487−91に記載されている。
【0093】
Taq DNAポリメラーゼは、DNA合成依存性の鎖置換5’−3’エキソヌクレアーゼ活性を有する。PCR Technology Principles and Applications for DNA Amplification,Erlich,Ed.,Stockton Press,N.Y.(1989),第2章におけるGelfand,「Taq DNA Polymerase」を参照のこと。さらに、もしあるとしても、プローブの分解は、ほとんどない。
【0094】
核酸、プライマーおよびプローブの「5’ヌクレアーゼ反応」という用語は、以下に詳細に記載されるように、上記プライマーが5’→3’ヌクレアーゼ活性を有する核酸ポリメラーゼによって伸長される場合、上記核酸にハイブリダイズしたプローブの分解に言及する。このような反応は、米国特許第6,214,979号、同第5,804,375号、同第5,487,972号および同第5,210,015号(これは、それらの全体が本明細書に参考として援用される)に記載されるものに基づく。
【0095】
用語「標的核酸」とは、5’ヌクレアーゼ反応において、プライマーおよびプローブとハイブリダイズし得る核酸に言及し、1つ以上のヌクレオチドバリエーション部位を含む。
【0096】
用語「ストリンジェント」もしくは「ストリンジェントな条件」とは、本明細書で使用される場合、当該分野で周知であるように、低イオン強度かつ高温のハイブリダイゼーション条件を示す。例えば、Sambrookら,2001,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Third Edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,New York;Current Protocols in Molecular Biology(Ausubelら,ed.,J.Wiley & Sons Inc.,New York,1988);Tijssen,1993,Laboratory techniques in biochemistry and molecular biology:Hybridization with nucleic acid probes(Elsevier)の「Overview of principles of hybridization and the strategy of nucleic acid assays」(これらの各々は、本明細書に参考として援用される)を参照のこと。一般に、ストリンジェントな条件は、規定されたイオン強度およびpHにおいて特定の配列の熱融解点(thermal melting point)(Tm)より約5〜30℃低いように選択される。あるいは、ストリンジェントな条件は、規定されたイオン強度およびpHにおいて特定の配列のTmより約5〜15℃低いように選択される。上記Tmは、上記標的に相補的なプローブのうちの50%が、平衡状態で(上記標的配列がTmにおいて、過剰に存在する場合、上記プローブのうちの50%が平衡状態で占められる)、上記標的配列にハイブリダイズする(規定されたイオン強度、pHおよび核酸濃度の下での)温度である。例えば、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、塩濃度が約pH7.0〜約pH8.3において、約1.0M ナトリウム(もしくは他の塩)イオンより低い、代表的には、約0.01〜約1M ナトリウムイオン濃度であり、かつ温度が短いプローブ(例えば、10〜50ヌクレオチド)については少なくとも約25℃および長いプローブ(例えば、50ヌクレオチドより大きい)については少なくとも約55℃である条件である。ストリンジェントな条件はまた、ハイブリダイゼーション不安定化剤(例えば、ホルムアミド)の添加で改変され得る。長いプローブ(例えば、50ヌクレオチドより長い)についての例示的なストリンジェントでないかもしくは低いストリンジェンシーの条件は、20mM Tris,pH8.5、50mM KCl、および2mM MgCl2のバッファーおよび反応温度25℃を含む。
【0097】
本発明の実施は、別段示されなければ、分子生物学、微生物学および組換えDNA技術の従来技術(これらは、当業者の技術範囲内である)を使用する。このような技術は、文献中に十分に説明されている。例えば、Sambrookら,2001,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Third Edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,New York;Oligonucleotide Synthesis(M.J.Gait,ed.,1984);Nucleic Acid Hybridization(B.D.Hames & S.J.Higgins,eds.,1984);A Practical Guide to Molecular Cloning(B.Perbal,1984);およびシリーズ、Methods in Enzymology(Academic Press,Inc.)を参照のこと。
【0098】
完全なHCV−1aゲノムのアミノ酸配列は、図5および7として提供される。
【0099】
一実施形態において、本発明は、上記NS5A遺伝子の676位、677位もしくは678位におけるヌクレオチド置換を検出し得るアッセイを提供する。
【0100】
別の実施形態において、本発明は、上記NS5A遺伝子の931位、932位もしくは933位におけるヌクレオチド置換を検出し得るアッセイを提供する。
【0101】
ヌクレオチドもしくはアミノ酸のバリエーションを検出するための多くの技術は、当該分野で公知であり、本発明の方法を実施するために使用され得る。上記配列バリエーションを同定するために使用される特定の方法は、本発明の重要な局面ではない。性能、コスト、および便利さを考慮すると、特定の方法が他のものより望ましくなるが、ISDRにおいて変異体の数を決定し得、かつ図5および6の676位、677位、678位、931位、932位および933位におけるヌクレオチド、または図5および7の226位および/もしくは311位におけるアミノ酸を同定し得る任意の方法が、本発明を実施するために必要とされる情報を提供することが、望ましい。上記技術は、ポリヌクレオチドベースもしくはタンパク質ベースであり得る。いずれにしても、上記使用される技術は、単一のヌクレオチドもしくはアミノ酸のバリエーションを正確に検出するように、十分高感度でなければならない。上記技術の例としては、以下が挙げられ得るが、これらに限定されない:
・ポリヌクレオチドベースの検出法(すなわち、米国特許第5,310,625号;同第5,322,770号;同第5,561,058号;同第5,641,864号;および同第5,693,517号を参照のこと;Myers and Sigua,Myers and Sigua,Amplification of RNA:High−temperature reverse transcription and DNA amplification with Thermus thermophilus DNA polymerase.In:M.A.Innis,D.H.Gelfand and J.J.Sninsky,Editors,PCR Strategies,Academic Press,San Diego(1995),pp.58-68)もまた参照のこと)、DNA配列決定法(すなわち、PE Biosystems(Foster City,CA)によるDNA配列決定法;Sangerら,1977,Proc.Natl.Acad.Sci.74:5463−5467を参照のこと);
・増幅ベースの遺伝子型決定法(すなわち、米国特許第4,683,195号;同第4,683,202号;および同第4,965,188号を参照のこと;PCR Applications,1999,(Innisら,eds.,Academic Press,San Diego)、PCR Strategies,1995,(Innisら,eds.,Academic Press,San Diego);PCR Protocols,1990,(Innisら,eds.,Academic Press,San Diego);およびPCR Technology,1989,(Erlich,ed.,Stockton Press,New York)もまた参照のこと);
・リガーゼ連鎖反応(すなわち、Wu and Wallace 1988,Genomics 4:560−569);鎖置換アッセイ(Walkerら,1992,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:392−396、Walkerら 1992,Nucleic Acids Res.20:1691−1696、および米国特許第5,455,166号);およびいくつかの転写ベースの増幅系(米国特許第5,437,990号;同第5,409,818号;および同第5,399,491号に記載される方法を含む);転写増幅系(TAS)(Kwohら,1989,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:1173−1177);および自己持続配列複製(self−sustained sequence replication)(3SR)(Guatelliら,1990,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:1874−1878およびWO 92/08800);
・配列特異的増幅もしくはプライマー伸長法(すなわち、米国特許第5,137,806号;同第5,595,890号;同第5,639,611号;および米国特許第4,851,331号);
・動的PCR法(すなわち、Higuchiら,1992,Bio/Technology 10:413−417;Higuchiら,1993,Bio/Technology 11:1026−1030;Higuchi and Watson,in PCR Applications(前出),第16章;米国特許第5,994,056号;および欧州特許公開番号487,218および同第512,334号);
・プローブベースの方法(これは、上記プローブと上記ヌクレオチド変異体との間で形成されたハイブリダイゼーション二重鎖の不安定性の差異(これは、相補性の程度とは異なる)に基づく(すなわち、Connerら,1983,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80:278−282、および米国特許第5,468,613号;同第5,604,099号;同第5,310,893号;同第5,451,512号;同第5,468,613号;および同第5,604,099号));
・質量分析法(すなわち、MALDI−MS;米国特許第6,258,539号);
・タンパク質ベースの検出技術(すなわち、タンパク質配列決定、免疫親和性アッセイ、酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELISA);ラジオイムノアッセイ(RIA);イムノラジオメトリックアッセイ(IRMA)および免疫酵素アッセイ(IEMA);例えば、米国特許第4,376,110号および同第4,486,530号を参照のこと)
ポリヌクレオチドベースの検出法において、遺伝子型決定は、上記置換部位、図5および6のヌクレオチド931位、932位もしくは933位に存在するヌクレオチドを同定することによって達成される。HCV−1aポリヌクレオチドを含むHCV−1a感染個体に由来する生物学的サンプルの任意のタイプが、上記遺伝子型を決定するために使用されうる。遺伝子型決定は、当該分野で周知の標準的RNA抽出法を使用して、HCV RNAを単離することによって行われうる。RNAの増幅は、例えば、ウイルス逆転写酵素を使用して、上記標的RNAを最初に逆転写し、次いで、得られたcDNAを増幅するか、または米国特許第5,310,652号;同第5,322,770号;同第5,561,058号;同第5,641,864号;および同第5,693,517号;各々は本明細書に参考として援用される(Myers and Sigua,1995,PCR Strategies(前出),第5章もまた参照のこと)において記載されるように、組み合わされた高温逆転写−ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)を使用することによって、行われうる。単一のヌクレオチド位置に存在するヌクレオチドを同定するための多くの方法は、当該分野で公知である。
【0102】
本発明はまた、本発明の方法を実施するために有用な成分を含むキット、容器ユニットに関する。有用なキットは、上記NS5A遺伝子の676位、676位、678位、931位、932位および933位におけるヌクレオチド置換を検出するために使用されるオリゴヌクレオチドを含み得る。いくつかの場合において、検出プローブは、適切な支持膜に固定されうる。上記キットはまた、上記置換部位(複数可)を含むNS5A遺伝子座の領域を増幅するための増幅プライマーを含み得る。よって、プライマーは、本発明の好ましい実施形態において有用である。あるいは、有用なキットは、上記NS5A遺伝子の特異的増幅のための配列特異的プライマーを含む、プライマーセットを含み得る。上記キットの他の任意選択の成分は、本明細書に記載されるように、上記遺伝子型決定法において使用されるさらなる試薬を含む。例えば、キットはさらに、プライマー伸長生成物の合成を触媒する薬剤、基質ヌクレオシドトリホスフェート、核酸を標識および/もしくは検出するための手段(例えば、上記標識がビオチンである場合には、アビジン−酵素結合体および酵素基質および色原体)、増幅もしくはハイブリダイゼーション反応に適したバッファー、ならびに本発明の方法を実施するための説明書を含み得る。
【0103】
本明細書で開示される方法は、段階式の多変量オリジナルロジスティック回帰分析(stepwise multivariate original logistic regression analysis)から得た。
【0104】
以下にしめされる本発明の実施例は、例示目的で提供されるに過ぎず、本発明の趣旨を限定するために提供されるのではない。実施例に続く特許請求の範囲内の本発明の多くの実施形態は、前述の本分および以下の実施例を読めば、当業者に明らかである。
【実施例】
【0105】
臨床試験のコントロールアームに登録した米国人患者に由来する全長NS5Aタンパク質を、陽性のPeg−IFNおよびRBV応答を付与し得る領域を決定するために分析した。80名の処置未経験の患者に、48週間のPeg−IFNおよびRBVを受けさせた。ベースラインのウイルス遺伝子型は、集団配列決定(population sequencing)によって分析した。55名の患者は、遺伝子型1aのHCVに感染していた。患者を、処置に対する最初の応答によってグループ分けした(すなわち、迅速ウイルス応答(RVR)、完全初期ウイルス応答(cEVR)、部分的初期ウイルス応答(partial early viral))。
【0106】
(実施例1:被験体集団)
その研究は、慢性の遺伝子型1 HCV感染を有した250名の処置未経験の被験体を含んだ。全ての被験体は、18〜65歳の間であり、検出可能なベースライン血漿HCV RNAレベルを有し、HBsAgおよびHIV抗体陰性であった。血漿HCV RNAレベルを、Roche COBAS(登録商標) TaqMan HCV/HPSアッセイ(Roche Molecular Systems Inc.,Branchburg,NJ,USA)を使用して決定した。上記HCV RNAアッセイの定量の下限は、30 IU/mLであり、検出限界(LOD)は、10 IU/mLであった。
【0107】
被験体を無作為化して、TVR 750mg q8h、pegインターフェロン−α−2a(Peg−IFN) 180μg/週、および12週間にわたるリバビリン(RBV) 1000〜1200mg/日、その後0週間、12週間、もしくは36週間のPeg−IFNおよびRBV、または12週間にわたるTVR/Peg−IFN(RBVなし)を受けさせた。コントロール群には、48週間のプラセボ/Peg−IFNおよびRBVを与えた。最初の処置結果は、治療薬の最初の投与後の特定の間隔で定量された血漿HCV RNAレベルに基づいた。迅速ウイルス応答者(RVR)は、4週目において血漿中のHCV RNAが検出不能(<10 IU/mL)であることによって分類した。完全初期ウイルス応答者(cEVR)は、12週目においてHCV RNAが検出限界未満(<10 IU/mL)であった。部分的初期ウイルス応答者(pEVR)は、12週目にHCV RNAの2 log低下を有し、非応答者(NR)は、12週目にHCV RNAの0もしくは1 log低下を有した(Hoefs 2007,Pealman 2007)(図1)。
【0108】
(実施例2:被験体血漿由来のHCVの増幅および配列決定)
全長NS5Aの集団配列分析を、投与前に、遺伝子型1 HCVを有する250名の処置未経験被験体において行った(1日目)。4mLの血液サンプルを、前腕の静脈穿刺によって被験体からEDTA(K2)抗凝固剤を含むチューブへと採取した。血漿を、10分間の遠心分離によって分離し、アリコートに分け、−80℃において保存した。HCVの配列分析を、HCVポリプロテインコード領域にまたがる約9kbのHCV RNAフラグメントのネスト化逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)増幅によって行った。このPCRからのDNAを、QIAquick 96 PCR精製キット(Qiagen)を使用して精製し、アガロースゲル上で分析した。上記精製したPCR生成物の質および量を、EnVisionTM Multilabel Reader(PerkinElmer Waltham,MA)によって測定した。精製したPCR生成物の配列決定を、完全なNS5A領域にまたがるように設計されたプライマーを使用して、Agencourt(登録商標) Biosciences(Beverly,MA)によって行った。上記配列決定アッセイは、>1000 IU/mLのHCV RNAを含むサンプル中で成功した。上記インターフェロンベースの処置に対する応答の程度を表す上記被験体の核酸配列(図6A〜6Eに示される)を、アミノ酸配列(図7A〜7Eにおいて示される)へと翻訳した。
【0109】
配列を、ソフトウェアMutational Surveyor(SoftGenetics,State College,PA)を使用してアラインおよび分析した。
【0110】
(実施例3:配列非依存性分析)
配列を、ClustalXのデフォルトパラメーター(Gonnet Matrix,ギャップオープニングペナルティー=10、ギャップ伸長ペナルティー=0.2[Thompsonら,1997])を使用して、C型肝炎参照ゲノムH77(Genbank受託番号NC_004102)に対してアラインした。この配列を、Enomotoの1996年の研究における参照HCVゲノム D90208の使用と類似の様式で、各患者のアミノ酸配列における変異座位(variable locus)の同定における参照として使用した。各患者配列を、バイナリマトリクスへと記録し、変異性の位置を「1」で表し、参照と同じ残基を有する位置を「0」の値に割り当てた。変異の分布が転帰群(すなわち、RVR、EVR、pEVR、およびNR)にわたって通常に分布しているか否かを決定するために、χ2検定を、上記NS5Aタンパク質の各残基において使用した。さらに、各残基についての上記変異頻度を、各転帰群について計算した。この変異頻度を、各転帰群内の変異が豊富もしくは貧弱な残基を決定するために、非応答患者(NR)の変異頻度に対して正規化した。
【0111】
データを分析して、人口統計学(性別、人種)、初期ウイルス負荷、もしくはNS5A内の意図された機能的に顕著な多くのドメイン((i)細胞保持(cytoretention)を担う領域、(ii)過剰リン酸化ドメイン、(iii)インターフェロン感受性決定領域(ISDR)、(iv)PKR結合ドメイン、(v)核局在シグナル、および(vi)V3を含む)における変異数が、peg化インターフェロンに対するHCVの応答性を推定するために使用し得るか否かを決定した。これら変数の各々を、適切に独立変数タイプに基づいて、χ2検定もしくはロジスティック回帰を使用する単変量分析における独立変数として使用した。上記独立変数の全てをまた組み合わせ、段階式の多重順序回帰(multiple ordinal regression)混合(順方向および逆方向)モデルにおける予測変数として使用した。単変量統計学に基づくモデルへ入れるために必要とされるαレベルを、0.15に設定した。全てのロジスティック回帰のために、各患者の応答を、以下の順序で、順序尺度へと記録した:NR(n=9)、pEVR(n=11)、EVR(n=26)、RVR(n=9)。
【0112】
転帰群をまた、上記に規定した機能的ドメインにおける変異数に関して、それらの間での有意差について検定するために比較した。パラメトリック試験の仮定が満たされた場合、事後Tukey比較(post hoc Tukey comparison)での分散分析を、等しくないサンプルサイズ比較を可能にするために改変して使用した(Kramer,1956)。パラメトリック統計の仮定に違反が生じた場合、順位和検定(Kruskal−Wallis)を使用した。全ての統計分析を、SAS(v.9.1,Sas Institute,Cary,NC, USA)もしくはJMP(v.7.0,Sas Institute)のいずれかを使用して行った。
【0113】
(実施例4:配列依存性分析)
NS5Aクラスタ内のドメインの患者配列が、Peg−IFNおよびRBVに対する患者の応答に基づくか否かを決定するために、上記NS5A アミノ酸アラインメントを、Genedoc(Nichols and Nichols,1997)を使用して、予め規定したドメインに分けた。Kimura置換マトリクス(Kimura,1980)を使用して、プログラムprotdist(Phylipパッケージ、v.3.67の一部[Felsenstein,2007])のデフォルトパラメーターを使用して、各ドメインアラインメントについて、距離マトリクスを生成した。配列クラスタを、最隣接結合アルゴリズム(nearest neighbor−joining algorithm)(Saitou and Nei,1987)を使用して生成した。スター系統発生(Star phylogenies)を、上記ドメインにわたる配列類似性に基づいて配列がクラスタ化されたか否かを決定するために評価した。
【0114】
さらに、上記ISDR内での特定の残基における変異が、Peg−IFNおよびRBVに対するHCVのより高い感受性の付与を担い得るか否かを決定するために、本発明者らは、多変量段階的順序ロジスティック回帰で、ウイルス応答に対する各残基の特徴を回帰推定した(regressed)。人種を、この分析における変数として含めた。なぜなら、「配列非依存性」多変量モデル(結果を参照のこと)におけるウイルス応答に顕著に影響を及ぼすことが示されたからである。この分析は、順方向(forward)段階式回帰モデルを利用した;単変量統計に基づいて上記モデルへ入れるために必要とされる有意レベルを、0.15に設定した一方で、多変量モデルに残るために必要とされる有意レベルを、0.10に設定した。
【0115】
上記研究において55名の遺伝子型1a患者の初期処置応答は、RVRを達成した7名の患者、およびcEVRを達成した24名の患者、pEVRを達成した14名の患者、およびNRであった10名の患者を含めた。上記データセットは、これら55個のNS5A配列(合計すると、24695個のアミノ酸位置)の446残基のアラインメントを含む。これら残基のうちの大部分(約94.6%)は、H77と同一であり、275個のアラインした位置(約61%)は、上記アラインメントにわたって不変であった。本発明者らのデータセットにおいて認められた1338個の変異は、残りの174個のアラインされた位置の中に分布していた。
【0116】
NS5Aにわたって、転帰群の間には有意差があった(Krukal−Wallis非パラメトリック一元配置分散分析;p=0.0306)。RVR患者(患者1名あたりのNS5A変異のメジアン数=31)は、cEVR(メジアン=24)、pEVR(メジアン=21)、およびNR患者(メジアン=26.5)より多い変異を有していた。ロジスティック回帰を使用して、Peg−IFNおよびRBVに対するウイルス感受性が、上記NS5Aタンパク質の任意の領域内の変異数の関数であるか否かを試験した。回帰を、40個のアミノ酸残基が重複する41個のストレッチとは無関係に行った。Peg−IFNおよびRBV感受性を、上記ISDR内のウイルス不均一性の関数である(ロジスティック回帰;χ2=13.02、p=0.0003)が、任意の他のNS5A領域内の不均一性と有意に相関しない(図2)ことが分かった。
【0117】
上記ISDR内で、上記RVR転帰群(患者1名あたりのISDR変異のメジアン数=3)は、上記cEVR(メジアン=1;Mann−Whitney U検定,p=0.0018)、pEVR(メジアン=0.5;Mann−Whitney U検定,p=0.0009)、およびNR(メジアン=1;Mann−Whitney U検定,p=0.0031)群より有意に変異が多かった。上記他の転帰群のうちのいずれの間にも、有意差は検出されなかった(図3)。上記ISDR内の3個より少ない変異を有する1名の患者のみが、RVRを達成し、全ての他のRVR患者は、上記ISDR内に少なくとも3個の変異を有した(図4)。上記ISDRにおいて3個以上の変異を有する全ての患者(n=10)は、cEVRもしくはRVRのいずれかを達成した。
【0118】
Peg−IFNおよびRBVでの処置に対するウイルス感受性に影響を及ぼす他のパラメーターを同定するために、本発明者らは、患者人口統計学データ(性別、人種)、初期ウイルス負荷(範囲:1.4×105、3.1×107IU/ml)、および上記NS5Aタンパク質における各残基のアミノ酸組成を利用する多変量モデルを開発した。さらに、上記ISDR内の変異数を、この変数に対するPeg−IFNおよびRBV感受性の単変量依存性を考慮して、予測変数として含めた。上記混合多変量順序ロジスティック回帰は、順方向の選択および逆方向選択を利用し、上記モデルに入れるための有意レベルを、0.15に設定し、上記モデルに残るための変数に必要とされる有意レベル閾値を、0.10に設定した。上記結果は、性別、および初期ウイルス負荷が、本発明者らのデータセット内のPR感受性に影響を及ぼさないことを示す。重要なことに、上記ISDR内の変異数に加えて、NS5Aにおける446個のNS5Aアミノ酸位置のうちの2個以内の変化は、IFN感受性と相関することが分かった:AA226およびAA311(HCV参照H77に基づいた番号付け)。AA226の場合に、メチオニンおよびグルタミン酸は、HCVのPeg−IFNおよびRBV感受性表現型と関連した一方で、アラニンおよびロイシンは、Peg−IFNおよびRBV耐性表現型と関連した。バリンは、中間の表現型を表した。311位において、グルタミン、アルギニン、およびアラニンは、IFN感受性と関連したのに対して、セリンおよびプロリンは、Peg−IFNおよびRBV耐性と関連した(表1)。
【0119】
【表1】
上記ISDR内の変異数およびNS5Aの2つの位置における特定のアミノ酸組成に対するIFN感受性についての依存性は、本発明者らがPeg−IFNおよびRBVに対する患者応答性をモデル化することを可能にした。これら3つの変数に基づくモデルは、本発明者らのデータセットに適用される場合、55名の被験体のうちの31名(約56%)の応答は、正確に推定される。わずか1つの予測が1超の群に対して外れたが、そこでは、非応答者(NR)をcEVRであると予測したことが示されていた。
【0120】
この研究において、調査者は本発明者らのPROVE1(第2相)臨床試験のコントロールアームに登録される、55名の遺伝子型1aの米国人患者に由来する全長NS5Aタンパク質を分析して、陽性のPeg−IFNとRBV応答を付与し得る領域を決定した。ロジスティック回帰を使用して、Peg−IFNおよびRBVに対する感受性が、上記NS5Aタンパク質の任意の領域内の変異体の数の関数であるか否かを決定した。Peg−IFNおよびRBVに対するウイルス感受性は、上記ISDR内のみでのウイルス不均一性の関数であることが発見された(χ2=13.02,p=0.0003)。上記RVR転帰群における患者は、他の処置転帰群(cEVR=1、pEVR=0.5およびNR=1)と比較した場合、上記ISDRにおけるより有意に高い変異体の数を有した(メジアン=3)。本発明者らの結果は、遺伝子型1a患者において行った以前の研究(Hofgartner 1997、Dal Pero 2007、およびMurphy 2002)と矛盾する。この以前の研究において、調査者らは、IFN感受性と、上記ISDRにおける変異体の数との間に相関を見いだせなかった。本発明者らの結果は、Enomotoら(1996)(ここで上記ISDRにおいて高い配列変異性を有する被験体は、治療に対して感受性であり、その配列がコンセンサスと同一であった患者は、治療に応答しなかった)と一致している。
【0121】
Peg−IFNおよびRBVでの処置に対してウイルス感受性を付与し得る他の領域を同定するために、患者の人口統計学データ(性別、人種)、初期ウイルス負荷(initial viral load)および上記NS5Aタンパク質における各残基のアミノ酸組成、ならびに上記ISDRにおける変異体の数を利用する多変量モデルを、予測変数として含めた。人種、性別および初期ウイルス負荷を、IFN応答においてそれらの関与があるという報告があるため、分析中に含めた(Layden−Almer,Kemmer,Boulestin,Jessner,Nagaki,Dolin)。これら因子は、患者の大部分が白色人種家系であることに起因して、IFN応答に影響を有さず、ベースラインウイルス負荷は、2 logの範囲内であった。より大きくより多様な患者集団では、これらの因子は、処置応答に対してより顕著な影響を有した可能性がある。
【0122】
多変量解析からの結果は、Peg−IFNおよびRBV感受性を付与するとして上記ISDRにおける変異体の数を同定したのみならず;以前報告されなかった2つの残基AA226およびAA311をも同定した。残基226においてメチオニンもしくはグルタミン酸を有する患者は、Peg−IFNおよびRBVに対する感受性と関連し、この位置におけるアラニンもしくはロイシンは、Peg−IFNおよびRBV治療に対して応答なしを生じた。残基311におけるグルタミン、アルギニンもしくはアラニンは、Peg−IFNおよびRBV感受性と関連したのに対して、セリンもしくはプロリンは、Peg−IFNおよびRBV応答なしと関連した。残基226は、上記ISDRの下流の高度に保存されたリン酸化領域内であることが発見された。この領域は、NS5Aの過剰リン酸化に必要とされるセリン残基224、228および231(aa 2197、2201、2204)を含む(Tanji 1995)。NS5A過剰リン酸化がHCV生活環においてどんな役割を果たすかは不明であるが、HCV複製が、NS5Aのリン酸化によって調節されるということが示唆されている(Koch 1999)。
【0123】
NS5Aの別の示唆された機能は、宿主のIFN刺激抗ウイルス応答の調節(おそらく、PKRとのNS5A相互作用によって媒介される)である(Gale 1997)。NS5AとPKRとの間の相互作用は、NS5Aの中心における66残基を包含する(Koch 1999)。この相互作用に含まれるのは、NS5Aの過剰リン酸化に必要とされる3つのセリン残基のうちの2つである。この領域のいずれの隣り合う側も、新規の残基226および311が存在する。NS5Aのリン酸化が、PKRと相互作用するために必要とされるか否かは、未知である。上記ISDRの外側の変異は、細胞性の抗ウイルス応答に影響を及ぼし得ることが推測された(Koch 1999)。Sarasin−Filipowiczらによれば、Peg−IFNおよびRBV治療に不十分にしか応答しない患者は、彼らのIFN系の予備活性化(preactivation)を示す。上記IFN系のこの最初の予備活性化により、非応答者を推測し得、例えば、この患者集団を、内因性のIFNおよびIFN治療の両方に対して耐性にする(Sarasin−Filipowicz 2008)。
【0124】
上記分析に基づいて、上記調査者らは、高い基礎(basal)IFNに耐えるように最も適合したウイルスが、NS5Aにおける以下の配列識別特性(sequence signature):残基226におけるアラニンもしくはロイシン、残基311におけるセリンもしくはプロリンおよび上記ISDR中の<3の変異体、を有するものであると結論づけた。さらに、低基礎IFNレベルを有する患者が、Peg−IFNおよびRBV治療に十分応答することが結論づけられる。なぜなら上記ウイルスは、上記宿主細胞内の選択圧下になかったからである。そしてPeg−IFNおよびRBV治療が導入される場合に、上記ウイルスは排除される。低基礎IFNレベルを有する患者の配列識別特性は、以下である:残基226におけるメチオニンもしくはグルタミン、残基311におけるグルタミン、アルギニンもしくはアラニン、および上記ISDR中の≧3の変異体。上記調査者は、上記NS5A領域を配列決定するとともに、Peg−IFNおよびRBV治療の前にIFNレベルを試験することによって、本発明者らが、処置の最良の過程を決定するために、治療に対する上記患者の応答を推定し得ると考える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
HCV−1aに感染した患者を、インターフェロンベースの処置で処置するための方法であって、該方法は、
a)該患者の部分的もしくは完全なHCV NS5A遺伝子を分析する工程;および
b)該インターフェロンベースの処置に対する陽性応答の可能性を推定するための基準を決定する工程であって、ここで該基準は、以下の要素:
i)標準的NS5Aアミノ酸配列と比較した場合、該患者のNS5Aアミノ酸配列のインターフェロン感受性決定領域(ISDR)における変化の数;および
ii)該患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の226位におけるアミノ酸残基の配列
のうちの1つ以上を含む、工程、
を包含する、方法。
【請求項2】
HCV−1a感染患者の集団の配列分析および前記インターフェロンベースの処置に対する該患者それぞれの応答に基づいて、前記b)の下での前記基準の前記要素全てについて重み付けパラメーターを割り当てる工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記226位におけるアミノ酸残基の配列は、A、L、V、EもしくはMである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記226位におけるアミノ酸残基の配列は、Mである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記226位におけるアミノ酸残基の配列は、Eである、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記226位におけるアミノ酸残基の配列は、Aである、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記226位におけるアミノ酸残基の配列は、Lである、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記226位におけるアミノ酸残基の配列は、Vである、請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記基準は、前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記311位におけるアミノ酸残基の配列の要素をさらに含み、該基準は、前記3つの要素のうちの1つ以上を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記HCV−1a感染患者の集団の配列分析および前記インターフェロンベースの処置に対する該患者の応答および該患者の応答に基づいて、重み付けパラメーターを、前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記311位におけるアミノ酸残基の配列の前記要素に割り当てる工程をさらに包含する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記311位におけるアミノ酸残基の配列は、S、P、Q、RもしくはAである、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記311位におけるアミノ酸残基の配列は、Sである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記311位におけるアミノ酸残基の配列は、Pである、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記311位におけるアミノ酸残基の配列は、Qである、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記311位におけるアミノ酸残基の配列は、Rである、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記311位におけるアミノ酸残基の配列は、Aである、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記標準的NS5Aアミノ酸配列は、H77である、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記患者の遺伝的多型性を分析する工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記患者の前記遺伝的多型性は、rs12979860である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記患者の前記部分的もしくは完全なHCV NS5A遺伝子を分析する工程は、ポリメラーゼ連鎖反応機械を使用して、該部分的もしくは完全なHCV NS5A遺伝子の一部を増幅する工程を包含する、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記インターフェロンベースの処置に対して前記患者が陽性に応答するか否かを決定する工程をさらに包含する、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記患者が、前記インターフェロンベースの処置に対して応答性であることが決定された場合、該インターフェロンベースの処置を該患者に施す工程をさらに包含する、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
インターフェロンベースの処置に対する陽性応答の可能性を推定するための基準に従って、HCV−1aに感染した患者の処置のための医薬を調製物するためのインターフェロンの使用であって、ここで該基準は、以下の要素:
a)該患者のHCV NS5Aアミノ酸配列のアミノ酸226位;および
b)標準的なNS5Aアミノ酸配列と比較した場合、該患者の該NS5Aアミノ酸配列の該インターフェロン感受性決定領域における変化の数、
のうちの1つ以上を含む、使用。
【請求項24】
前記基準の前記要素は、HCV−1a感染患者の集団の配列分析および該患者それぞれの前記インターフェロンベースの処置に対する応答に基づいて、重み付けパラメーターを割り当てられる、請求項23に記載の使用。
【請求項25】
前記NS5Aアミノ酸配列の前記アミノ酸226位は、A、L、V、MもしくはEである、請求項23に記載の使用。
【請求項26】
前記NS5Aアミノ酸配列の前記アミノ酸226位は、Aである、請求項25に記載の使用。
【請求項27】
前記NS5Aアミノ酸配列の前記アミノ酸226位は、Lである、請求項25に記載の使用。
【請求項28】
前記NS5Aアミノ酸配列の前記アミノ酸226位は、Eである、請求項25に記載の使用。
【請求項29】
前記NS5Aアミノ酸配列の前記アミノ酸226位は、Mである、請求項25に記載の使用。
【請求項30】
前記NS5Aアミノ酸配列の前記アミノ酸226位は、Vである、請求項25に記載の使用。
【請求項31】
前記基準は、前記患者の前記NS5Aアミノ酸配列の前記311位におけるアミノ酸残基の要素をさらに含み、該基準は、前記3つの要素のうちの1つ以上を含む、請求項25〜30のいずれか1項に記載の使用。
【請求項32】
前記患者の前記NS5Aアミノ酸配列の前記311位におけるアミノ酸残基は、S、P、Q、RもしくはAである、請求項31に記載の使用。
【請求項33】
前記患者の前記NS5Aアミノ酸配列において、前記311位におけるアミノ酸残基は、Sである、請求項32に記載の使用。
【請求項34】
前記患者の前記NS5Aアミノ酸配列において、前記311位におけるアミノ酸残基は、Pである、請求項32に記載の使用。
【請求項35】
前記患者の前記NS5Aアミノ酸配列において、前記311位におけるアミノ酸残基は、Qである、請求項32に記載の使用。
【請求項36】
前記患者の前記NS5Aアミノ酸配列において、前記311位におけるアミノ酸残基は、Rである、請求項32に記載の使用。
【請求項37】
前記患者の前記NS5Aアミノ酸配列において、前記311位におけるアミノ酸残基は、Aである、請求項32に記載の使用。
【請求項38】
前記医薬は、1種以上の抗ウイルス薬を含む、請求項24〜37のいずれか1項に記載の使用。
【請求項39】
前記1種以上の抗ウイルス薬は、リバビリン、HCVプロテアーゼインヒビター、もしくはHCVポリメラーゼインヒビターを含む、請求項38に記載の使用。
【請求項40】
前記HCVプロテアーゼインヒビターは、BMS−790052、MK7009、BI 201335、SCH900518、VX−985、SCH503034、VX−950、VX−500、R7227、ITMN−191、ACH−1095もしくはTMC435350である、請求項39に記載の使用。
【請求項41】
前記HCVプロテアーゼインヒビターは、VX−950である、請求項39に記載の使用。
【請求項42】
前記HCVプロテアーゼインヒビターは、SCH50303である、請求項39に記載の使用。
【請求項43】
前記HCVポリメラーゼインヒビターは、VCH−916、IDX−184、VX−222、フィリブビル、ABT−033、ABT−072、GS190、ANA598、MK−3281、BMS−650032、もしくはR7128である、請求項39に記載の使用。
【請求項44】
前記医薬は、NS4Aインヒビター、NS4Bインヒビター、サイクロフィリンインヒビターおよびこれらの組み合わせをさらに含む、請求項39〜43のいずれか1項に記載の使用。
【請求項45】
前記医薬は、ACH−806、クレミゾール、Delbio−025もしくはNIM811をさらに含む、請求項38〜44のいずれか1項に記載の使用。
【請求項46】
前記標準的NS5Aアミノ酸配列は、H77である、請求項23〜45のいずれか1項に記載の使用。
【請求項47】
前記基準は、前記患者の遺伝的多型性をさらに含む、請求項23に記載の使用。
【請求項47】
前記患者の前記遺伝的多型性は、rs12979860である、請求項47に記載の方法。
【請求項48】
HCV−1aに感染した患者に治療レジメンおよび/もしくは継続期間を指示するための方法であって、該方法は、
a)該患者の部分的もしくは完全なHCV NS5A遺伝子を分析する工程;および
b)インターフェロン処置に対する陽性応答の可能性を推定するための基準を決定する工程であって、ここで該基準は、以下の要素:
i)標準的NS5Aアミノ酸配列と比較した場合、該患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の該インターフェロン感受性決定領域における変化の数;および
ii)該患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の226位におけるアミノ酸残基の配列;
のうちの1つ以上を含む、工程;ならびに
c)該患者の該治療レジメンおよび/もしくは継続期間を決定する工程、
を包含する、方法。
【請求項49】
HCV−1a感染患者の集団の配列分析および前記インターフェロンベースの処置に対する該患者それぞれの応答に基づいて、前記b)下で前記基準の前記要素全てについて重み付けパラメーターを割り当てる工程をさらに包含する、請求項49に記載の方法。
【請求項50】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記226位におけるアミノ酸残基の配列は、A、L、V、EもしくはMである、請求項49または50に記載の方法。
【請求項51】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記226位におけるアミノ酸残基の配列は、Aである、請求項51に記載の方法。
【請求項52】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記226位におけるアミノ酸残基の配列は、Lである、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記226位におけるアミノ酸残基の配列は、Mである、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記226位におけるアミノ酸残基の配列は、Eである、請求項51に記載の方法。
【請求項55】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記226位におけるアミノ酸残基の配列は、Vである、請求項51に記載の方法。
【請求項56】
前記基準は、前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記311位におけるアミノ酸残基の配列の要素をさらに含み、該基準は、前記3つの要素のうちの1つ以上を含む、請求項49〜56のいずれか1項に記載の方法。
【請求項57】
HCV−1a感染患者の集団の配列分析および前記インターフェロンベースの処置に対する該患者それぞれの応答に基づいて、該患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記311位におけるアミノ酸残基の配列の前記要素に重み付けパラメーターを割り当てる工程をさらに包含する、請求項48〜56のいずれか1項に記載の方法。
【請求項58】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記311位におけるアミノ酸残基の配列は、S、P、Q、RもしくはAである、請求項58に記載の方法。
【請求項59】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記311位におけるアミノ酸残基の配列は、Sである、請求項59に記載の方法。
【請求項60】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の311位におけるアミノ酸残基の配列は、Pである、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記311位におけるアミノ酸残基の配列は、Qである、請求項59に記載の方法。
【請求項62】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記311位におけるアミノ酸残基の配列は、Rである、請求項59に記載の方法。
【請求項63】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記311位におけるアミノ酸残基の配列は、Aである、請求項59に記載の方法。
【請求項64】
前記標準的NS5Aアミノ酸配列は、H77である、請求項49〜64のいずれか1項に記載の方法。
【請求項65】
前記患者の治療のレジメンおよび/もしくは継続期間を決定する工程は、HCV−プロテアーゼインヒビター、第2のSTAT−C、インターフェロン、リバビリンもしくはこれらの組み合わせを該患者に投与する工程を包含する、請求項49〜65のいずれか1項に記載の方法。
【請求項66】
前記患者に投与する工程は、12週間、36週間もしくは48週間の継続期間にわたって、該患者に投与する工程を包含する、請求項66に記載の方法。
【請求項67】
前記患者に投与する工程は、12週間の継続期間にわたって該患者に投与する工程を包含する、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記患者に投与する工程は、36週間の継続期間にわたって該患者に投与する工程を包含する、請求項66に記載の方法。
【請求項69】
前記患者に投与する工程は、48週間の継続期間にわたって該患者に投与する工程を包含する、請求項66に記載の方法。
【請求項70】
前記HCVプロテアーゼインヒビターは、SCH503034、VX−950、VX−500、R7227、ITMN−191、ACH−1095もしくはTMC435350である、請求項66〜70のいずれか1項に記載の方法。
【請求項71】
前記HCVプロテアーゼインヒビターは、SCH503034である、請求項71に記載の方法。
【請求項72】
前記HCVプロテアーゼインヒビターは、VX−950である、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記第2のSTAT−Cは、HCVポリメラーゼインヒビター、NS4Aインヒビター、NS4Bインヒビターもしくはサイクロフィリンインヒビターである、請求項66に記載の方法。
【請求項74】
前記第2のSTAT−Cは、VCH−916、IDX−184、VX−222、フィリブビル、ABT−033、ABT−072、GS190、ANA598、MK−3281、BMS−650032、ACH−806、クレミゾール、Delbio−025、NIM811もしくはR7128である、請求項74に記載の方法。
【請求項75】
前記患者の遺伝的多型性を分析する工程をさらに包含する、請求項49に記載の方法。
【請求項76】
前記患者の前記遺伝的多型性は、rs12979860である、請求項76に記載の方法。
【請求項77】
前記患者の前記部分的もしくは完全なHCV NS5A遺伝子を分析する工程は、ポリメラーゼ連鎖反応機械を使用して、該部分的もしくは完全なHCV NS5A遺伝子の一部を増幅する工程を包含する、請求項49〜77のいずれか1項に記載の方法。
【請求項78】
前記インターフェロンベースの処置を前記患者に施す工程をさらに包含する、請求項49〜78のいずれか1項に記載の方法。
【請求項1】
HCV−1aに感染した患者を、インターフェロンベースの処置で処置するための方法であって、該方法は、
a)該患者の部分的もしくは完全なHCV NS5A遺伝子を分析する工程;および
b)該インターフェロンベースの処置に対する陽性応答の可能性を推定するための基準を決定する工程であって、ここで該基準は、以下の要素:
i)標準的NS5Aアミノ酸配列と比較した場合、該患者のNS5Aアミノ酸配列のインターフェロン感受性決定領域(ISDR)における変化の数;および
ii)該患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の226位におけるアミノ酸残基の配列
のうちの1つ以上を含む、工程、
を包含する、方法。
【請求項2】
HCV−1a感染患者の集団の配列分析および前記インターフェロンベースの処置に対する該患者それぞれの応答に基づいて、前記b)の下での前記基準の前記要素全てについて重み付けパラメーターを割り当てる工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記226位におけるアミノ酸残基の配列は、A、L、V、EもしくはMである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記226位におけるアミノ酸残基の配列は、Mである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記226位におけるアミノ酸残基の配列は、Eである、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記226位におけるアミノ酸残基の配列は、Aである、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記226位におけるアミノ酸残基の配列は、Lである、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記226位におけるアミノ酸残基の配列は、Vである、請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記基準は、前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記311位におけるアミノ酸残基の配列の要素をさらに含み、該基準は、前記3つの要素のうちの1つ以上を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記HCV−1a感染患者の集団の配列分析および前記インターフェロンベースの処置に対する該患者の応答および該患者の応答に基づいて、重み付けパラメーターを、前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記311位におけるアミノ酸残基の配列の前記要素に割り当てる工程をさらに包含する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記311位におけるアミノ酸残基の配列は、S、P、Q、RもしくはAである、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記311位におけるアミノ酸残基の配列は、Sである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記311位におけるアミノ酸残基の配列は、Pである、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記311位におけるアミノ酸残基の配列は、Qである、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記311位におけるアミノ酸残基の配列は、Rである、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記311位におけるアミノ酸残基の配列は、Aである、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記標準的NS5Aアミノ酸配列は、H77である、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記患者の遺伝的多型性を分析する工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記患者の前記遺伝的多型性は、rs12979860である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記患者の前記部分的もしくは完全なHCV NS5A遺伝子を分析する工程は、ポリメラーゼ連鎖反応機械を使用して、該部分的もしくは完全なHCV NS5A遺伝子の一部を増幅する工程を包含する、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記インターフェロンベースの処置に対して前記患者が陽性に応答するか否かを決定する工程をさらに包含する、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記患者が、前記インターフェロンベースの処置に対して応答性であることが決定された場合、該インターフェロンベースの処置を該患者に施す工程をさらに包含する、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
インターフェロンベースの処置に対する陽性応答の可能性を推定するための基準に従って、HCV−1aに感染した患者の処置のための医薬を調製物するためのインターフェロンの使用であって、ここで該基準は、以下の要素:
a)該患者のHCV NS5Aアミノ酸配列のアミノ酸226位;および
b)標準的なNS5Aアミノ酸配列と比較した場合、該患者の該NS5Aアミノ酸配列の該インターフェロン感受性決定領域における変化の数、
のうちの1つ以上を含む、使用。
【請求項24】
前記基準の前記要素は、HCV−1a感染患者の集団の配列分析および該患者それぞれの前記インターフェロンベースの処置に対する応答に基づいて、重み付けパラメーターを割り当てられる、請求項23に記載の使用。
【請求項25】
前記NS5Aアミノ酸配列の前記アミノ酸226位は、A、L、V、MもしくはEである、請求項23に記載の使用。
【請求項26】
前記NS5Aアミノ酸配列の前記アミノ酸226位は、Aである、請求項25に記載の使用。
【請求項27】
前記NS5Aアミノ酸配列の前記アミノ酸226位は、Lである、請求項25に記載の使用。
【請求項28】
前記NS5Aアミノ酸配列の前記アミノ酸226位は、Eである、請求項25に記載の使用。
【請求項29】
前記NS5Aアミノ酸配列の前記アミノ酸226位は、Mである、請求項25に記載の使用。
【請求項30】
前記NS5Aアミノ酸配列の前記アミノ酸226位は、Vである、請求項25に記載の使用。
【請求項31】
前記基準は、前記患者の前記NS5Aアミノ酸配列の前記311位におけるアミノ酸残基の要素をさらに含み、該基準は、前記3つの要素のうちの1つ以上を含む、請求項25〜30のいずれか1項に記載の使用。
【請求項32】
前記患者の前記NS5Aアミノ酸配列の前記311位におけるアミノ酸残基は、S、P、Q、RもしくはAである、請求項31に記載の使用。
【請求項33】
前記患者の前記NS5Aアミノ酸配列において、前記311位におけるアミノ酸残基は、Sである、請求項32に記載の使用。
【請求項34】
前記患者の前記NS5Aアミノ酸配列において、前記311位におけるアミノ酸残基は、Pである、請求項32に記載の使用。
【請求項35】
前記患者の前記NS5Aアミノ酸配列において、前記311位におけるアミノ酸残基は、Qである、請求項32に記載の使用。
【請求項36】
前記患者の前記NS5Aアミノ酸配列において、前記311位におけるアミノ酸残基は、Rである、請求項32に記載の使用。
【請求項37】
前記患者の前記NS5Aアミノ酸配列において、前記311位におけるアミノ酸残基は、Aである、請求項32に記載の使用。
【請求項38】
前記医薬は、1種以上の抗ウイルス薬を含む、請求項24〜37のいずれか1項に記載の使用。
【請求項39】
前記1種以上の抗ウイルス薬は、リバビリン、HCVプロテアーゼインヒビター、もしくはHCVポリメラーゼインヒビターを含む、請求項38に記載の使用。
【請求項40】
前記HCVプロテアーゼインヒビターは、BMS−790052、MK7009、BI 201335、SCH900518、VX−985、SCH503034、VX−950、VX−500、R7227、ITMN−191、ACH−1095もしくはTMC435350である、請求項39に記載の使用。
【請求項41】
前記HCVプロテアーゼインヒビターは、VX−950である、請求項39に記載の使用。
【請求項42】
前記HCVプロテアーゼインヒビターは、SCH50303である、請求項39に記載の使用。
【請求項43】
前記HCVポリメラーゼインヒビターは、VCH−916、IDX−184、VX−222、フィリブビル、ABT−033、ABT−072、GS190、ANA598、MK−3281、BMS−650032、もしくはR7128である、請求項39に記載の使用。
【請求項44】
前記医薬は、NS4Aインヒビター、NS4Bインヒビター、サイクロフィリンインヒビターおよびこれらの組み合わせをさらに含む、請求項39〜43のいずれか1項に記載の使用。
【請求項45】
前記医薬は、ACH−806、クレミゾール、Delbio−025もしくはNIM811をさらに含む、請求項38〜44のいずれか1項に記載の使用。
【請求項46】
前記標準的NS5Aアミノ酸配列は、H77である、請求項23〜45のいずれか1項に記載の使用。
【請求項47】
前記基準は、前記患者の遺伝的多型性をさらに含む、請求項23に記載の使用。
【請求項47】
前記患者の前記遺伝的多型性は、rs12979860である、請求項47に記載の方法。
【請求項48】
HCV−1aに感染した患者に治療レジメンおよび/もしくは継続期間を指示するための方法であって、該方法は、
a)該患者の部分的もしくは完全なHCV NS5A遺伝子を分析する工程;および
b)インターフェロン処置に対する陽性応答の可能性を推定するための基準を決定する工程であって、ここで該基準は、以下の要素:
i)標準的NS5Aアミノ酸配列と比較した場合、該患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の該インターフェロン感受性決定領域における変化の数;および
ii)該患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の226位におけるアミノ酸残基の配列;
のうちの1つ以上を含む、工程;ならびに
c)該患者の該治療レジメンおよび/もしくは継続期間を決定する工程、
を包含する、方法。
【請求項49】
HCV−1a感染患者の集団の配列分析および前記インターフェロンベースの処置に対する該患者それぞれの応答に基づいて、前記b)下で前記基準の前記要素全てについて重み付けパラメーターを割り当てる工程をさらに包含する、請求項49に記載の方法。
【請求項50】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記226位におけるアミノ酸残基の配列は、A、L、V、EもしくはMである、請求項49または50に記載の方法。
【請求項51】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記226位におけるアミノ酸残基の配列は、Aである、請求項51に記載の方法。
【請求項52】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記226位におけるアミノ酸残基の配列は、Lである、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記226位におけるアミノ酸残基の配列は、Mである、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記226位におけるアミノ酸残基の配列は、Eである、請求項51に記載の方法。
【請求項55】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記226位におけるアミノ酸残基の配列は、Vである、請求項51に記載の方法。
【請求項56】
前記基準は、前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記311位におけるアミノ酸残基の配列の要素をさらに含み、該基準は、前記3つの要素のうちの1つ以上を含む、請求項49〜56のいずれか1項に記載の方法。
【請求項57】
HCV−1a感染患者の集団の配列分析および前記インターフェロンベースの処置に対する該患者それぞれの応答に基づいて、該患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記311位におけるアミノ酸残基の配列の前記要素に重み付けパラメーターを割り当てる工程をさらに包含する、請求項48〜56のいずれか1項に記載の方法。
【請求項58】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記311位におけるアミノ酸残基の配列は、S、P、Q、RもしくはAである、請求項58に記載の方法。
【請求項59】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記311位におけるアミノ酸残基の配列は、Sである、請求項59に記載の方法。
【請求項60】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の311位におけるアミノ酸残基の配列は、Pである、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記311位におけるアミノ酸残基の配列は、Qである、請求項59に記載の方法。
【請求項62】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記311位におけるアミノ酸残基の配列は、Rである、請求項59に記載の方法。
【請求項63】
前記患者のHCV NS5Aアミノ酸配列の前記311位におけるアミノ酸残基の配列は、Aである、請求項59に記載の方法。
【請求項64】
前記標準的NS5Aアミノ酸配列は、H77である、請求項49〜64のいずれか1項に記載の方法。
【請求項65】
前記患者の治療のレジメンおよび/もしくは継続期間を決定する工程は、HCV−プロテアーゼインヒビター、第2のSTAT−C、インターフェロン、リバビリンもしくはこれらの組み合わせを該患者に投与する工程を包含する、請求項49〜65のいずれか1項に記載の方法。
【請求項66】
前記患者に投与する工程は、12週間、36週間もしくは48週間の継続期間にわたって、該患者に投与する工程を包含する、請求項66に記載の方法。
【請求項67】
前記患者に投与する工程は、12週間の継続期間にわたって該患者に投与する工程を包含する、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記患者に投与する工程は、36週間の継続期間にわたって該患者に投与する工程を包含する、請求項66に記載の方法。
【請求項69】
前記患者に投与する工程は、48週間の継続期間にわたって該患者に投与する工程を包含する、請求項66に記載の方法。
【請求項70】
前記HCVプロテアーゼインヒビターは、SCH503034、VX−950、VX−500、R7227、ITMN−191、ACH−1095もしくはTMC435350である、請求項66〜70のいずれか1項に記載の方法。
【請求項71】
前記HCVプロテアーゼインヒビターは、SCH503034である、請求項71に記載の方法。
【請求項72】
前記HCVプロテアーゼインヒビターは、VX−950である、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記第2のSTAT−Cは、HCVポリメラーゼインヒビター、NS4Aインヒビター、NS4Bインヒビターもしくはサイクロフィリンインヒビターである、請求項66に記載の方法。
【請求項74】
前記第2のSTAT−Cは、VCH−916、IDX−184、VX−222、フィリブビル、ABT−033、ABT−072、GS190、ANA598、MK−3281、BMS−650032、ACH−806、クレミゾール、Delbio−025、NIM811もしくはR7128である、請求項74に記載の方法。
【請求項75】
前記患者の遺伝的多型性を分析する工程をさらに包含する、請求項49に記載の方法。
【請求項76】
前記患者の前記遺伝的多型性は、rs12979860である、請求項76に記載の方法。
【請求項77】
前記患者の前記部分的もしくは完全なHCV NS5A遺伝子を分析する工程は、ポリメラーゼ連鎖反応機械を使用して、該部分的もしくは完全なHCV NS5A遺伝子の一部を増幅する工程を包含する、請求項49〜77のいずれか1項に記載の方法。
【請求項78】
前記インターフェロンベースの処置を前記患者に施す工程をさらに包含する、請求項49〜78のいずれか1項に記載の方法。
【図2】
【図3】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図1】
【図4】
【図3】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図1】
【図4】
【公表番号】特表2012−501345(P2012−501345A)
【公表日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−525239(P2011−525239)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【国際出願番号】PCT/US2009/055385
【国際公開番号】WO2010/025380
【国際公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(598032106)バーテックス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (414)
【氏名又は名称原語表記】VERTEX PHARMACEUTICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】130 Waverly Street, Camridge, Massachusetts 02139−4242, U.S.A.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【国際出願番号】PCT/US2009/055385
【国際公開番号】WO2010/025380
【国際公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(598032106)バーテックス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (414)
【氏名又は名称原語表記】VERTEX PHARMACEUTICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】130 Waverly Street, Camridge, Massachusetts 02139−4242, U.S.A.
【Fターム(参考)】
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