説明

HCV阻害剤

本発明は、フラビウイルス属、ペスチウイルス属、およびヘパシウイルス属を含むフラビウイルス科に属するウイルスの治療に有用な化合物に関する。本発明は、デング熱、黄熱病、西ナイルウイルスおよびHCVの治療または予防に有用な化合物を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、抗ウイルス剤として有用な化合物に関する。本発明は、フラビウイルス属、ペスチウイルス属、およびヘパシウイルス属を含むフラビウイルス科に属するウイルスの治療に有用な化合物に関する。本発明は、デング熱、黄熱病、西ナイルウイルスおよびHCVの治療または予防に有用な化合物を含む。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
HCVによる感染は、世界中でヒト肝疾患の主要な原因である。米国においては、推定450万人の米国人が慢性的にHCV感染している。症状があるのは急性感染のわずか30%だが、感染個体の85%より多くの人が慢性の持続性感染を患う。HCV感染の治療費は、1997年の米国で54.6億ドルと推定されている。世界中で2億を超える人が慢性的に感染していると推定されている。HCV感染は、全慢性肝疾患の40〜60%の原因であり、全肝臓移植の30%の原因である。慢性HCV感染は、米国における全ての肝硬変、末期肝疾患、および肝臓癌の30%を占めている。CDCは、HCVを原因とする死者数が2010年までに最低でも38,000人/年へと上昇すると推定している。
【0003】
ウイルス表面抗原の高度な可変性、複数のウイルス遺伝子型の存在、および実証された免疫の特異性ゆえに、近い将来にワクチン開発が成功する見込みは低い。α-インターフェロン(単独またはリバビリンと併用)は、慢性HCV感染の治療に認可されて以来、広く使われてきた。しかしこの治療は頻繁に有害な副作用、すなわち、インフルエンザ様症状、白血球減少症、血小板減少症、インターフェロンによる鬱病、ならびにリバビリン誘発貧血などを伴う(Lindsay, K.L. (1997) Hepatology 26 (suppl 1): 71S-77S)。この療法は、他の5種の主要なHCV遺伝子型に起因する感染症と比較して、依然としてHCV遺伝子型1(これは先進市場における全HCV感染の約75%を構成する)に起因する感染症に対して効果が低い。残念なことに、患者の50〜80%しかこの治療に応答せず(血清HCV RNAレベルの減少および肝酵素の正常化により測定)、治療された人の50〜70%が治療中止から6カ月以内に再発する。最近、peg化インターフェロンの導入により、初期および持続応答率は大幅に改善され、Peg-IFNとリバビリンの併用療法は、最も標準的な治療を構成するようになった。しかしながら、併用療法に伴う副作用および遺伝子型1を有する患者の低い応答ゆえに、この疾患の管理には改善の余地がある。
【0004】
1989年に分子クローニングにより同定(Choo, Q-Lら (1989) Science 244:359-362)されたC型肝炎ウイルス(HCV)は、今日では輸血後の非A非B型肝炎(NANBH)の最も一般的な原因因子として受け入れられている (Kuo, G ら (1989) Science 244:362-364)。そのゲノム構造および配列相同性から、このウイルスはフラビウイルス科ファミリーにおける新しい属を割り当てられた。フラビウイルス科の他のメンバー、例えばフラビウイルス属(例えば黄熱病ウイルスおよびデングウイルス1〜4型)およびペスチウイルス属(例えばウシウイルス性下痢ウイルス、ボーダー病ウイルス、および古典的ブタコレラウイルス) (Choo, Q-L ら (1989) Science 244:359-3; Miller, R.H. and R.H. Purcell (1990) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:2057-2061)と同様に、HCVは正の極性の一本鎖RNA分子を含有するエンベロープ型ウイルスである。HCVゲノムは約9.6キロベース(kb)であり、内部リボソーム侵入部位(IRES)として機能する、長い、高度に保存された、キャップ構造をもたない約340塩基の5'非翻訳領域(NTR)を有する(Wang CY ら ‘An RNA pseudoknot is an essential structural element of the internal ribosome entry site located within the hepatitis C virus 5' noncoding region’ RNA- A Publication of the RNA Society. 1(5): 526-537, 1995 Jul.)。このエレメントの下流には、構造タンパク質と非構造タンパク質の両ウイルスタンパク質を含む約3000アミノ酸のポリペプチドをコードする単一の長いオープンリーディングフレーム(ORF)が続く。
【0005】
細胞の細胞質に侵入すると、このRNAは構造タンパク質と非構造タンパク質の両方を含む約3000アミノ酸のポリペプチドへと直接翻訳される。この大きなポリペプチドはその後、宿主およびウイルスによりコードされるプロテイナーゼの組み合わせにより、個々の構造タンパク質および非構造タンパク質へとプロセシングされる(B.N. Fields, D.M.Knipe and P.M. Howley (編) Virology 第2版, p931-960; Raven Press, N.Y.中のRice, C.M. (1996))。長いORFの終わりの終止コドンの後に、大まかに次の3つの領域からなる3'NTRが続く:種々の遺伝子型同士でほとんど保存されてない約40塩基の領域、可変長ポリ(U)/ポリピリミジントラクト、および高度に保存された98塩基エレメント(「3'X-尾部」とも称される) (Kolykhalov, A. ら (1996) J. Virology 70:3363-3371; Tanaka, T. ら (1995) Biochem Biophys. Res. Commun. 215:744-749; Tanaka, T. ら (1996) J. Virology 70:3307-3312; Yamada, N. ら (1996) Virology 223:255-261)。3' NTRは、チンパンジーにおけるHCV増殖に必須であり、ウイルスRNA複製の開始と調節に機能すると考えられている安定な二次構造を形成すると予測されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記に基づき、合成化合物または生物学的化合物をそのHCV阻害能力について確認する必要性が強く存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の概要
本発明は、式(I)で表される化合物ならびにその製薬上許容可能な塩、溶媒和物、および生理学的に機能性の誘導体の投与を介した、フラビウイルス科ウイルスの治療方法または予防方法を含む。
【化1】

【0008】
[式中、
nは0、1、または2であり、
XはNH、O、またはS(O)mであり、
各Rは同一または異なっており、かつハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、Ay、-NHR10Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-OR2、-OAy、-OHet、-R10OR2、-NR2R3、-NR2Ay、-R10NR2R3、-R10NR2Ay、-R10C(O)R2、-C(O)R2、-CO2R2、-R10CO2R2、-C(O)NR2R3、-C(O)Ay、-C(O)NR2Ay、-C(O)Het、-C(O)NHR10Het、-R10C(O)NR2R3、-C(S)NR2R3、-R10C(S)NR2R3、-R10NHC(NH)NR2R3、-C(NH)NR2R3、-R10C(NH)NR2R3、-S(O)2NR2R3、-S(O)2NR2Ay、-R10SO2NHCOR2、-R10SO2NR2R3、-R10SO2R2、-S(O)mR2、シアノ、ニトロ、およびアジドからなる群より独立に選択され、
各R1は同一または異なっており、かつハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、Ay、-NHR10Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-OR2、-OAy、-OHet、-R10OR2、-NR2R3、-NR2Ay、-R10NR2R3、-R10NR2Ay、-R10C(O)R2、-C(O)R2、-CO2R2、-R10CO2R2、-C(O)NR2R3、-C(O)Ay、-C(O)NR2Ay、-C(O)Het、-C(O)NHR10Het、-R10C(O)NR2R3、-C(S)NR2R3、-R10C(S)NR2R3、-R10NHC(NH)NR2R3、-C(NH)NR2R3、-R10C(NH)NR2R3、-S(O)2NR2R3、-S(O)2NR2Ay、-R10SO2NHCOR2、-R10SO2NR2R3、-R10SO2R2、-S(O)mR2、シアノ、ニトロ、およびアジドからなる群より独立に選択され、
各mは独立に0、1、または2であり、
各R10は同一または異なっており、かつアルキレン、シクロアルキレン、アルケニレン、シクロアルケニレン、またはアルキニレンから独立に選択され、
pおよびqはそれぞれ独立に0、1、2、3、4、または5から選択され、
R2およびR3の各々は同一または異なっており、かつH、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、-R10OH、-R10(OR10)w、および-R10NR4R5からなる群より独立に選択され、
wは1〜10であり、
R4およびR5の各々は同一または異なっておりかつ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、およびアルキニルからなる群より独立に選択され、
Ayはアリール基を表し、
Hetは5-または6-員環のヘテロシクリルまたはヘテロアリール基を表し、
環Aはアリールまたはヘテロアリールである]。
【0009】
好ましくは、フラビウイルス科ウイルスは、フラビウイルス属、ペスチウイルス属、またはヘパシウイルス属である。より詳細には、ウイルスは、デング熱、黄熱病、西ナイルウイルスまたはHCVから選択されるヒト疾患と関連する。さらに、好ましくは、前記方法は、HCV感染の治療または予防のための方法である。
【0010】
好ましくはXはNHである、
好ましくは、アルキルはC1-C6アルキルであり、アルコキシはC1-C6アルコキシであり、かつハロアルキルはC1-C6ハロアルキルである。
【0011】
好ましくは、pまたはqの少なくとも一方は0ではない。より好ましくはpとqはどちらも1である。
【0012】
好ましくは、nは1または2である。より好ましくはnは1である。
【0013】
好ましくはRは、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、-R10シクロアルキル、Ay、Het、-OR2、-R10OR2、-NR2R3、-COR2、-CO2R2、-CONR2R3、-S(O)2NR2R3、シアノ、ニトロ、またはアジドから選択される。より好ましくはRは、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、-R10シクロアルキル、Ay、Het、-R10OR2、-NR2R3、-COR2、-CONR2R3、-S(O)2NR2R3、またはシアノから選択される。さらにより好ましくはRは、ハロゲン、アルキル、またはハロアルキルから選択される。好ましくはRはClまたはBrから選択される。好ましくはRは描写したN原子に対してパラ位に置換されている。
【0014】
好ましくはR1は、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、Ay、Het、-OR2、-R10OR2、-NR2R3、-COR2、-CO2R2、-CONR2R3、-S(O)2NR2R3、-S(O)mR2、シアノ、ニトロ、またはアジドから選択される。好ましくはR1はハロゲン、アルキル、ハロアルキル、-OR2、シアノ、またはニトロから選択される。好ましくはR1は、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、-OR2から選択される。好ましくはqは1または2である。
【0015】
ある実施形態において、好ましくはA環はアリールである。より好ましくはA環はフェニルである。
【0016】
ある実施形態において好ましくはA環はヘテロアリールである。好ましくはヘテロアリールは、ピリミジニル、ピリジル、またはベンゾチアゾリルである。より好ましくはヘテロアリールはピリミジニルまたはピリジルである。好ましくはqは0、1、または2である。
【0017】
ある実施形態においてpは0ではなく、かつ各Rは同一または異なっており、ハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、Ay、-NHR10Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-R10OR2、-NR2R3、-NR2Ay、-R10NR2R3、-R10NR2Ay、-R10C(O)R2、-C(O)R2、-CO2R2、-R10CO2R2、-C(O)NR2R3、-C(O)Ay、-C(O)NR2Ay、-C(O)Het、
-C(O)NHR10Het、-R10C(O)NR2R3、-C(S)NR2R3、-R10C(S)NR2R3、-R10NHC(NH)NR2R3、-C(NH)NR2R3、-R10C(NH)NR2R3、-S(O)2NR2R3、-S(O)2NR2Ay、-R10SO2NHCOR2、-R10SO2NR2R3、-R10SO2R2、-S(O)mR2、シアノ、ニトロ、およびアジドからなる群より独立に選択される。
【0018】
本発明は、フラビウイルス科に属するウイルスの治療用または予防用の医薬の製造における、式(I)[式中の可変記号は上に定義したとおりである]で表される化合物の使用を包含する。
【化2】

【0019】
好ましくはウイルスは、フラビウイルス属、ペスチウイルス属、またはヘパシウイルス属である。さらに好ましくは、疾患または症状は、デング熱、黄熱病、西ナイルウイルスまたはHCVである。さらに好ましくは症状または疾患はHCVである。
【0020】
本明細書に記載するように、pとqはそれぞれ独立に0、1、2、3、4、または5と定義される。特に、当業者に理解されるように、pおよび/またはqの値は、描写した環の置換可能な位置の数を超えてはならない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
好ましい実施形態の詳細な説明
用語はその一般に認められた意味で使用される。次の定義は、定義する用語を限定するのではなく、明確化することを意図したものである。
【0022】
本明細書において用いる「アルキル」という用語は、直鎖または分枝鎖の炭化水素、好ましくは1〜12個の炭素原子を有する炭化水素を言う。本明細書において用いる「アルキル」の例としては、限定するものではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、n-ブチル、tert-ブチル、イソペンチル、n-ペンチルなどが挙げられる。
【0023】
本明細書全体にわたり用いる、原子(炭素原子など)の好適な数は、例えば「Cx-Cy アルキル」という表現のように表され、これはその特定された数の炭素原子を有する、本明細書に定義したアルキル基を言う。他の好適な用語や範囲についても同じような術語を適用する。
【0024】
本明細書において用いる「アルケニル」という用語は、1以上の炭素−炭素二重結合を有する直鎖または分枝鎖の脂肪族炭化水素を言う。例としては、ビニル、アリルなどが挙げられるがこれに限らない。
【0025】
本明細書において用いる「アルキニル」という用語は、1以上の炭素−炭素三重結合を有する直鎖または分枝鎖の脂肪族炭化水素を言う。例としては、限定するものではないが、エチニルなどが挙げられる。
【0026】
本明細書において用いる「アルキレン」という用語は、好ましくは1〜10個の炭素原子を有する、直鎖または分枝鎖の二価の炭化水素基を言う。本明細書に定義するアルキレン基は、置換されても置換されていなくてもよい。本明細書に用いる「アルキレン」の例としては、限定するものではないが、メチレン、エチレン、n-プロピレン、n-ブチレンなどが挙げられる。
【0027】
本明細書において用いる「アルケニレン」という用語は、1以上の炭素−炭素二重結合を有し、好ましくは1〜10個の炭素原子を有し、置換されても置換されていなくてもよい、直鎖または分枝鎖の二価の炭化水素基を言う。例としては、限定するものではないが、ビニレン、アリレンまたは2-プロピレンなどが挙げられる。
【0028】
本明細書において用いる「アルキニレン」という用語は、1以上の炭素−炭素三重結合を有し、好ましくは1〜10個の炭素原子を有し、置換されても置換されていなくてもよい、直鎖または分枝鎖の二価の炭化水素基を言う。例としては、限定するものではないが、エチニレンなどが挙げられる。
【0029】
本明細書において用いる「シクロアルキル」という用語は、置換されたまたは置換されていない非芳香族環式炭化水素を言い、場合によりアルキレンリンカー(かかるリンカーを介してシクロアルキルが結合される)を含んでいてもよい。「シクロアルキル」基の例としては、限定するものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびこれらの置換された基が挙げられる。本明細書において用いる「シクロアルキル」という用語は、置換されたまたは置換されていない縮合型多環式炭化水素飽和環および芳香族環系、すなわち最大数よりも少ない非累積的二重結合を有する多環式炭化水素、例えば飽和炭化水素環(シクロペンチル環など)が芳香族環(本明細書では「アリール」、例えばベンゼン環)と縮合して例えばインダンのような基を形成した多環式炭化水素を含む。
【0030】
本明細書において用いる「シクロアルケニル」という用語は、1以上の炭素−炭素二重結合を有する置換されたまたは置換されていない非芳香族環式炭化水素を言い、場合によりアルキレンリンカー(かかるリンカーを介してシクロアルケニルが結合される)を含んでいてもよい。「シクロアルケニル」基の例としては、限定するものではないが、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、およびこれらの置換された基が挙げられる。
【0031】
本明細書において用いる「シクロアルキレン」という用語は、置換されたまたは置換されていない二価の非芳香族環式炭化水素を言う。「シクロアルキレン」基の例としては、限定するものではないが、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレン、シクロヘプチレンなどが挙げられる。
【0032】
本明細書において用いる「シクロアルケニレン」という用語は、1以上の炭素−炭素二重結合を有し、置換されたまたは置換されていない二価の非芳香族環式炭化水素を言う。「シクロアルケニレン」基の例としては、限定するものではないが、シクロプロペニレン、シクロブテニレン、シクロペンテニレン、シクロヘキセニレン、シクロヘプテニレンなどが挙げられる。
【0033】
本明細書において用いる「ヘテロ環」または「ヘテロシクリル」という用語は、1以上の不飽和度を有しかつ1個以上のヘテロ原子を含有する置換されたまたは置換されていない単環式または多環式環系を言う。好ましいヘテロ原子としては、N、O、および/またはSが挙げられ、これにはN-酸化物、硫黄酸化物および二酸化物も含まれる。好ましくは環は、3〜12員環であり、完全飽和であるかまたは1以上の不飽和度を有する。かかる環は1以上の他の「ヘテロ環式」環またはシクロアルキル環に縮合していてもよい。「ヘテロ環式」基の例としては、限定するものではないが、テトラヒドロフラン、ピラン、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキサン、ピペリジン、ピロリジン、モルホリン、テトラヒドロチオピラン、およびテトラヒドロチオフェンが挙げられる。
【0034】
本明細書において用いる「アリール」という用語は、置換されたもしくは置換されていないベンゼン環または置換されたもしくは置換されていない縮合型ベンゼン環系、例えばアントラセン、フェナントレン、またはナフタレン環系を言う。「アリール」基の例としては、限定するものではないが、フェニル、2-ナフチル、1-ナフチルなどが挙げられる。
【0035】
本明細書において用いる「ヘテロアリール」という用語は、置換されたまたは置換されていない単環式の5〜7員芳香族環、またはかかる芳香族環を2つ含む置換されたまたは置換されていない縮合型二環式芳香族環系を言う。こうしたヘテロアリール環は1個以上の窒素、硫黄、および/または酸素原子を有し、ここでN-酸化物、硫黄二酸化物、および二酸化物は許容されるヘテロ原子置換である。本明細書に使用する「ヘテロアリール」基の例としては、限定するものではないが、フラン、チオフェン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、イソチアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピラジン、ピリミジン、キノリン、イソキノリン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、インダゾール、ベンゾイミダゾリル、イミダゾピリジニル、ピラゾロピリジニル、ピラゾロピリミジニルなどが挙げられる。
【0036】
本明細書において用いる「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を言う。
【0037】
本明細書において用いる「ハロアルキル」という用語は、少なくとも1つのハロゲンで置換されているアルキル基(本明細書に定義)を言う。本発明に有用な分枝鎖または直鎖の「ハロアルキル」基の例としては、限定するものではないが、1個以上のハロゲン、例えば、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードで独立して置換された、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、およびt-ブチルが挙げられる。「ハロアルキル」という用語は、パーフルオロアルキル基などの置換基を含むものと解釈されるべきである。
【0038】
本明細書において用いる「アルコキシ」という用語は-ORa基を言い、ここでRaは先に定義したとおりのアルキルである。
【0039】
本明細書において用いる「アルコキシカルボニル」という用語は、次のような基を言う[式中、Raは本明細書に定義したアルキル基を表す]:
【化3】

【0040】
本明細書において用いる「アリールオキシカルボニル」という用語は、次のような基を言う[式中、Ayは本明細書に定義したアリール基を表す]:
【化4】

【0041】
本明細書において用いる「ヘテロアリールオキシカルボニル」という用語は、次のような基を言う[式中、Hetは本明細書に定義したヘテロアリール基を表す]:
【化5】

【0042】
本明細書において用いる「ニトロ」という用語は、-NO2基を言う。
【0043】
本明細書において用いる「シアノ」という用語は、-CN基を言う。
【0044】
本明細書において用いる「アジド」という用語は、-N3基を言う。
【0045】
本明細書において用いる「アシル」という用語は、RbC(O)-基を言い、式中Rbは、それぞれ本明細書に定義したアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルである。
【0046】
本明細書において用いる「オキソ」という用語は、=O基を言う。
【0047】
本明細書全体にわたり使用する「置換されたまたは置換されていない(場合により置換された)」という用語またはその変形語は、1個以上の置換基による任意の置換(これには複数の置換度も含まれる)を意味する。この用語は本明細書に記載したまたは具体的に描写した置換パターンについて不明確であるまたは重複するように解釈されてはならない。むしろ、この用語は特許請求の範囲に包含される自明な修飾を提供するために加えられている、と当業者ならば理解するであろう。
【0048】
代表的な任意の置換基としては次のものが挙げられる:アシル; アルキル; アルケニル; アルキニル; アルキルスルホニル; アルコキシ; アルコキシカルボニル; シアノ; ハロゲン; ハロアルキル; ヒドロキシ; ニトロ; または、
アシル、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルスルホニル、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、もしくはニトロでさらに置換されていてもよいアリール;
アシル、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルスルホニル、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、もしくはニトロでさらに置換されていてもよいヘテロアリール;
アシル、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルスルホニル、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、もしくはニトロでさらに置換されていてもよいアリールスルホニル;
アシル、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルスルホニル、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、もしくはニトロでさらに置換されていてもよいヘテロアリールスルホニル;
アシル、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルスルホニル、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、もしくはニトロでさらに置換されていてもよいアリールオキシ;
アシル、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルスルホニル、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、もしくはニトロでさらに置換されていてもよいヘテロアリールオキシ;
アシル、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルスルホニル、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、もしくはニトロでさらに置換されていてもよいアリールオキシカルボニル;
アシル、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルスルホニル、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、もしくはニトロでさらに置換されていてもよいヘテロアリールオキシカルボニル;あるいは
-N(R*)2 [式中、各R* はH、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、もしくはヘテロアリールスルホニルから独立に選択され、ここでそれぞれの前記アリールもしくはヘテロアリールは1以上のアシル、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキルスルホニル、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、もしくはニトロで置換されていてもよく、または前記2つのR*は一緒になって環を形成し、追加のヘテロ原子を有しても有しなくてもよく、1以上の不飽和度を有しても有しなくてもよく、また、アシル、アルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルスルホニル、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、もしくはニトロでさらに置換されても置換されなくてもよい]。
【0049】
式(I)の化合物は2以上の形態で結晶化することがあり(これは多形として知られる特徴である)、かかる多形(「多形体」)は式(I)の範囲内にある。多形は一般に、温度、圧力またはその両方の変化に応じて生じうる。多形はまた、結晶化プロセスの変化からも生じうる。多形は、当技術分野で公知の種々の物理的特性、例えばX線回折パターン、溶解度、および融点などにより区別することができる。
【0050】
本明細書に記載の特定の化合物は1以上のキラル中心を有するか、または複数種の立体異性体として存在することができる。本発明の範囲は、立体異性体の混合物だけでなく、精製されたエナンチオマーまたはエナンチオマー富化/ジアステレオマー富化混合物をも包含する。式(I)で表される化合物の個々の異性体、ならびにその全体的にまたは部分的に平衡化された混合物もまた、本発明の範囲に含まれる。本発明はまた、先の式で表される化合物の個々の異性体を、1以上のキラル中心が反転しているその異性体との混合物として含む。
【0051】
典型的には、しかし絶対的ではないが、本発明の塩は製薬上許容される塩である。「製薬上許容される塩」という用語に包含される塩は、本発明の化合物の無毒性の塩を言う。本発明の化合物の塩には、酸付加塩が含まれうる。代表的な塩としては、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、エデト酸カルシウム塩、カンシル酸塩、炭酸塩、クラブラン酸塩(clavulanate)、クエン酸塩、二塩酸塩、エジシル酸塩、エストレート(estolate)、エシレート(esylate)、フマル酸塩、グルセプテート(gluceptate)、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン(hydrabamine)、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、マレイン酸一カリウム塩、ムチン酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、N-メチルグルカミン、シュウ酸塩、パモ酸塩(エンボネート)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、カリウム塩、サリチル酸塩、ナトリウム塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクレート(teoclate)、トシル酸塩、三ヨウ化エチル塩、トリメチルアンモニウム塩、および吉草酸塩が挙げられる。製薬上許容されるものではない他の塩は、本発明の化合物の製造に有用である可能性があり、これらは本発明のさらなる態様をなすと見なされるべきである。
【0052】
本明細書において用いる「溶媒和物」という用語は、溶質(本発明では式Iの化合物、またはその塩もしくは生理学的に機能性の誘導体)と溶媒から形成される、さまざまな化学量論的量の複合体を指す。かかる溶媒は、本発明においては、溶質の生物学的活性を妨害するものであってはならない。適当な溶媒の非限定的例としては、水、メタノール、エタノール、および酢酸が挙げられるがこれに限らない。好ましくは、用いる溶媒は製薬上許容される溶媒である。適当な製薬上許容される溶媒の非限定的例としては、水、エタノールおよび酢酸が挙げられる。最も好ましくは、使用する溶媒は水である。
【0053】
本明細書において用いる「生理学的に機能性の誘導体」という用語は、哺乳動物に投与した際に、本発明の化合物またはその活性な代謝産物を(直接または間接的に)提供することのできる本発明の化合物の製薬上許容される誘導体を言う。かかる誘導体(例えばエステルやアミドなど)は過度の実験を行うことなく当業者には明らかである。Burger's Medicinal Chemistry And Drug Discovery, 第5版, 第1巻: Principles and Practiceの教示を参照されたい。この文献は生理学的に機能性の誘導体を教示する程度に参照により本明細書に組み入れる。
【0054】
本明細書において用いる「有効量」という用語は、例えば研究者または臨床医が求めようとしている、組織、系、動物またはヒトの生物学的または医学的応答を引き出す薬物または薬剤の量を意味する。「治療上有効な量」という用語は、かかる量を投与されていない対応する被験者と比較して、疾患、障害または副作用の改善された治療、治癒、予防もしくは軽減、または疾患もしくは障害の進行速度の減少をもたらす任意の量を意味する。この用語はまた、正常な生理学的機能を強化するのに有効な量をその範囲内に包含する。治療に使用するために、治療上有効な量の式(I)で表される化合物、ならびにその塩、溶媒和物、および生理学的に機能性の誘導体はそのままの化学物質として投与することができる。さらに、活性成分を医薬組成物として提供することができる。
【0055】
従って、本発明はさらに、有効量の式(I)で表される化合物またはその塩、溶媒和物、もしくは生理学的に機能性の誘導体、および1種以上の製薬上許容される担体、希釈剤または賦形剤を含む医薬組成物を提供する。式(I)で表される化合物またはその塩、溶媒和物、もしくは生理学的に機能性の誘導体とは本明細書に記載したものである。担体、希釈剤または賦形剤は、製剤の他の成分と適合可能でありかつ医薬組成物の受容者に有害ではないという意味で、許容可能でなければならない。
【0056】
本発明の別の態様においては、式(I)で表される化合物またはその塩、溶媒和物、もしくは生理学的に機能性の誘導体を1種以上の製薬上許容される担体、希釈剤または賦形剤と混合することを含む、医薬製剤の製造方法もまた提供される。
【0057】
本発明の化合物の治療上の有効量は多数の要因に依存する。例えば、受容者の種、年齢、および体重、治療を要する厳密な症状とその重症度、製剤の性質、および投与経路はいずれも考慮すべき要因である。治療上の有効量は最終的には主治医または獣医が判断すべきである。ともあれ、障害に苦しむヒトの治療のための式(I)の化合物の有効量とは、一般に、0.1〜100 mg/kg(哺乳動物などの受容者の体重)/日の範囲であるべきである。より一般的には、有効量は1〜10 mg/kg(体重)/日の範囲にあるべきである。このことから、70 kgの成体哺乳動物については、1日当たりの実際量は通常70〜700 mgとなるであろう。この量は1日当たりの1回量として、または1日の合計量が同じになるように1日当たりいくつか(例えば2、3、4、または5回以上)の分割用量として与えることができる。化合物の塩、溶媒和物、または生理学的に機能性の誘導体の有効量は、式(I)の化合物それ自体の有効量に対する割合として決定することができる。本明細書に記載する他の症状の治療には同じような用量が妥当であろう。
【0058】
医薬製剤は、単位用量当たりに所定量の活性成分を含有する単位投与剤形として提供することができる。かかる単位は、非限定的例として、治療すべき症状、投与経路、ならびに患者の年齢、体重および状態に応じて0.5mg〜1gの式(I)で表される化合物を含有することができる。好適な単位用量製剤は、活性成分の本明細書で上に挙げた1日用量もしくは分割用量、またはその適当な一部を含有するものである。かかる医薬製剤は製薬分野で周知のどのような方法により調製してもよい。
【0059】
医薬製剤は任意の適当な経路で投与するために適合させることができ、該経路には例えば経口(バッカルまたは舌下を含む)、直腸、鼻、局所(バッカル、舌下または経皮を含む)、膣または非経口(皮下、筋肉内、静脈内または皮内を含む)経路がある。かかる製剤は製薬分野で公知のどのような方法で調製してもよく、例えば活性成分を担体または賦形剤と一緒にすることにより調製することができる。本発明を限定するためではなく一例としてであるが、本発明の化合物が有効であると考えられる特定の症状および疾患については、ある経路が他の経路よりも好ましいであろう。
【0060】
経口投与に適合させた医薬製剤は、分離した単位として、例えばカプセル剤または錠剤;粉剤または顆粒剤;溶液剤または懸濁液剤(それぞれ水性または非水性液体を使用);可食性のフォーム剤またはホイップ剤;水中油型液体エマルジョンまたは油中水型液体エマルジョンなどとして提供することができる。例えば、錠剤またはカプセル剤の形態での経口投与のためには、有効薬物成分を、経口用の、無毒性の製薬上許容される不活性担体(エタノール、グリセロール、水など)と組み合わせることができる。一般に粉剤は、化合物を適当な微細な大きさに細かく砕き、その後適当な製薬上の担体(可食性の炭水化物、例えばデンプンまたはマンニトール)と混合することにより調製する。香味剤、保存剤、分散化剤、および着色剤も存在してよい。
【0061】
カプセル剤は、粉末、液体または懸濁混合物を調製し、それをゼラチンまたは何らかの別の適当な外皮材料を用いてカプセル化することにより製造する。流動化剤および滑沢剤、例えばコロイド状のシリカ、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、または固形ポリエチレングリコールなどを混合物に加えてからカプセル化を行ってもよい。崩壊剤または可溶化剤、例えば寒天、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウムを添加すると、カプセルが摂取されたときの医薬の利用可能性を改善することができる。その上、所望によりまたは必要であれば、適当な結合剤、滑沢剤、崩壊剤、および着色剤もまた混合物に組み込むことができる。適当な結合剤の例としては、デンプン、ゼラチン、天然の糖類、例えばグルコースまたはβラクトース、トウモロコシ甘味料、天然および合成ゴム、例えばアカシア、トラガカントまたはアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどが挙げられる。こうした剤形に有用な滑沢剤としては例えば、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられる。崩壊剤としては、限定するものではないが、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどが挙げられる。
【0062】
錠剤は例えば、粉末混合物を調製し、顆粒またはスラッグを形成し、滑沢剤および崩壊剤を加え、ついで打錠することにより製剤化する。粉末混合物は適当に細かく砕かれた化合物を上に記載の希釈剤または基剤と混合することにより調製することができる。任意選択成分としては、結合剤(例えばカルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチンまたはポリビニルピロリドン)、溶解遅延剤(例えばパラフィン)、吸収促進剤(例えば四級塩)、および/または吸収剤(例えばベントナイト、カオリン、またはリン酸二カルシウム)が挙げられる。粉末混合物は、結合剤、例えばシロップ、デンプンペースト、アラビアゴム粘液、またはセルロース材料もしくはポリマー材料の溶液などを使用して湿式顆粒化し、ついでふるいを強制通過させることができる。顆粒化の代替方法として、粉末混合物を打錠機にかけることも可能であり、その結果得られるのは不完全に形成されたスラッグであり、これが壊れて顆粒となる。顆粒は、ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルクまたはミネラルオイルを添加することにより滑らかにして、錠剤成形金型への粘着を防止することができる。次に滑らかにした混合物を打錠する。本発明の化合物はまた、自由流動性の不活性担体と混合して、顆粒またはスラッグ形成工程を経ることなく、直接打錠することができる。シェラックのシーリングコート、糖またはポリマー材料のコーティング、およびワックスの光沢コーティングからなる透明または半透明の保護コーティングを施してもよい。異なる単位用量を区別するためにこれらのコーティングに着色料を添加してもよい。
【0063】
経口用の流動液剤(例えば溶液剤、シロップ剤、およびエリキシル剤)は、その所定量があらかじめ決められた量の化合物を含有するように、単位投与剤形に調製することができる。シロップ剤は例えば化合物を適当に香味付けした水溶液に溶解することにより調製することができ、またエリキシル剤は無毒性のアルコール性ビヒクルを使用することにより調製される。懸濁液剤は一般に化合物を無毒性ビヒクル中に分散させることにより製剤化することができる。可溶化剤や乳化剤(例えばエトキシ化イソステアリルアルコールおよびポリオキシエチレンソルビトールエステル)、保存剤、香味添加剤(ペパーミント油または天然甘味料、サッカリンや他の人工甘味料)などを添加してもよい。
【0064】
適当であれば、経口投与用の単位投与製剤をマイクロカプセル化することもできる。製剤はまた、放出を延長または持続するように調製することができ、これは例えば微粒子材料をポリマーやワックスなどでコーティングしたり、その中に包埋することにより行う。
【0065】
式(I)の化合物ならびにその塩、溶媒和物、および生理学的機能性誘導体はまた、リポソーム送達システム、例えば小さな一枚膜リポソーム、大きな一枚膜リポソームおよび多重膜リポソームの形態で投与することができる。リポソームは種々のリン脂質、例えばコレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリンなどから形成することができる。
【0066】
式(I)の化合物ならびにその塩、溶媒和物、および生理学的機能性誘導体はまた、モノクローナル抗体を個々の担体(これに該化合物分子がカップリングされる)として使用することにより送達することができる。
【0067】
化合物は、標的化可能な薬剤担体としての可溶性ポリマーにカップリングさせることもできる。かかるポリマーとしてはポリビニルピロリドン(PVP)、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド-フェノール、ポリヒドロキシエチル-アスパルトアミドフェノール、またはパルミトイル残基で置換されたポリエチレンオキシドポリリシンが挙げられる。その上、化合物を、薬剤の制御放出をもたらすのに有用な生分解性ポリマーの一群、例えばポリ乳酸、ポリε-カプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート、およびヒドロゲルの架橋型または両親媒性ブロックコポリマーにカップリングさせることもできる。
【0068】
経皮投与用に適合させた医薬製剤は、受容者の表皮と長時間にわたり密接に接触し続けるように意図した個別のパッチとして提供することができる。例えば、活性成分はパッチからイオン浸透法(iontophoresis)(Pharmaceutical Research, 3(6), 318 (1986)に大まかに記載されており、かかる送達システムに関係するので参照により本明細書に組み入れる)により送達することができる。
【0069】
局所投与用に適合させた医薬製剤は軟膏剤、クリーム剤、懸濁液剤、ローション剤、粉剤、溶液剤、ペースト剤、ゲル剤、スプレー剤、エアロゾル剤またはオイル剤として製剤化することができる。
【0070】
眼や他の外部組織(例えば口や皮膚)の治療のためには、製剤を局所用軟膏剤またはクリーム剤として塗布することができる。軟膏剤として製剤化される場合、活性成分はパラフィン系または水混和性の軟膏基剤のいずれかと共に使用されうる。あるいはまた、活性成分を、水中油型クリーム基剤または油中水型基剤を用いてクリーム剤として製剤化することもできる。
【0071】
眼への局所投与用に適合させた医薬製剤としては、点眼剤が挙げられ、この場合活性成分は適当な担体(特に水性溶媒)に溶解または懸濁される。
【0072】
口内への局所投与用に適合させた医薬製剤としては、ロゼンジ剤、芳香錠、および洗口剤が挙げられる。
【0073】
鼻腔投与用に適合させた医薬製剤としては、担体が固形物の場合、例えば20〜500ミクロンの範囲の粒径を有する、粗粉剤が挙げられる。粉剤は鼻から吸い込む様式で(すなわち鼻に接近させて保持した粉剤容器から鼻道への急激な吸入により)投与される。担体が液体の場合、鼻腔スプレーまたは点鼻剤として投与するための適当な製剤には、活性成分の水性または油性溶液が含まれる。
【0074】
吸入投与用に適合させた医薬製剤としては、微粒子の散剤またはミストが挙げられ、これらは種々のタイプの加圧式定量噴霧器、ネブライザーまたは吸入器により生成することができる。
【0075】
直腸投与用に適合させた医薬製剤は坐剤または浣腸剤として提供することができる。
【0076】
膣投与用に適合させた医薬製剤は、ペッサリー、タンポン、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、フォーム剤またはスプレー剤として提供することができる。
【0077】
非経口投与用に適合させた医薬製剤としては、水性および非水性の滅菌注射溶液剤(抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、および該製剤を意図する受容者の血液と等張にする溶質を含みうる)、ならびに水性および非水性の滅菌懸濁液剤(懸濁化剤および増粘剤を含みうる)が挙げられる。製剤は単回用量または複数回用量容器、例えば密封されたアンプルやバイアル中に提供することができ、また、使用の直前に無菌液状担体(例えば注射用の水)を添加するだけでよいフリーズドライ(凍結乾燥)状態で貯蔵することができる。即座の注射溶液および懸濁液は、無菌の粉剤、顆粒剤および錠剤から調製することができる。
【0078】
上に具体的に挙げた成分の他に、製剤は対象の製剤の種類を考慮して当技術分野で慣用の他の添加剤を含んでもよい。例えば経口投与に適した製剤は香味剤または着色剤を含みうる。
【0079】
本発明の化合物ならびにその塩、溶媒和物、および生理学的に機能性の誘導体は、単独でまたは他の治療薬と併用して使用することができる。式(I)の化合物および他種の製薬上の活性薬剤は、一緒にまたは別々に投与してもよく、別々に投与する場合は投与を同時または逐次的にどのような順で行ってもよい。式(I)の化合物と他種の製薬上の活性薬剤の量および投与の相対的タイミングは所望の併用治療効果を達成するように選択される。式(I)の化合物、その塩、溶媒和物、および生理学的に機能性の誘導体と他種の治療薬との併用投与は、(1)両方の化合物を含む単一医薬組成物、または(2)それぞれが1種の化合物を含む別々の医薬組成物、としての投与による併用でありうる。あるいは、併用は、一方の治療薬を最初に投与し、他方の治療薬を2番目に投与する(またはその逆も同様の)逐次的様式で、別々に投与することもできる。かかる逐次投与は時間が接近していてもよくまたは時間が離れていてもよい。
【0080】
本発明の化合物は種々の疾患および症状の治療に使用可能であり、そのため、本発明の化合物は、それらの疾患または症状の治療または予防に有用な種々の他の適当な治療薬と併用して使用することができる。治療はウイルス感染の性質と種類に依存する。本発明を他の薬物療法、例えば種々の細胞毒性または抗ウイルス性薬剤などと組み合わせることができる。一例として、本発明を限定する意図ではないが、本発明の化合物を他の治療薬剤、例えば次の治療薬剤と併用することができる:免疫療法剤(例えばインターフェロン)、治療用ワクチン、抗線維化薬剤、抗炎症剤(例えばコルチコステロイドまたはNSAID)、気管支拡張薬、例えばβ-2 アドレナリン作用性アゴニストやキサンチン(例えばテオフィリン)、粘液溶解性薬剤、抗ムスカリン様薬剤、抗ロイコトリエン類、細胞接着阻害剤(例えばICAMアンタゴニスト)、抗酸化剤(例えばN-アセチルシステイン)、サイトカインアゴニスト、サイトカインアンタゴニスト、肺サーファクタントおよび/または抗微生物剤ならびに抗ウイルス剤(例えばリバビリンおよびアマンチジン(amantidine))。本発明の組成物はまた、遺伝子置換療法と併用して使用することができる。
【0081】
本発明の化合物は、周知の標準的合成法を含む種々の方法により製造することができる。例示的な一般的合成法を以下で説明し、その後本発明の具体的な化合物を実施例において提供する。
【0082】
下記の実施例の全てにおいては、合成化学の一般原則に従い、必要に応じて、感受性基または反応性基のための保護基を使用する。保護基は有機合成の標準的な方法に従って操作される(T. W. Green and P. G. M. Wuts (1991) Protecting Groups in Organic Synthesis, John Wiley & Sons;保護基に関して参照することにより本明細書に組み入れる)。これらの基は、化合物合成の適当な段階で、当業者には自明な方法を用いて除去される。方法ならびにそれらを実施するための反応条件および順序の選択は、式(I)の化合物の製造と一致するであろう。
【0083】
当業者ならば式(I)の化合物に立体中心が存在するかを判断できるであろう。従って、本発明にはあらゆる可能な立体異性体が含まれ、ラセミ化合物のみならず個々のエナンチオマー(鏡像異性体)も含まれる。化合物を単一種のエナンチオマーとして所望するのであれば、かかる異性体は、当技術分野で知られているように、立体特異的合成により、最終生成物もしくは任意の都合のよい中間体の分割により、またはキラルクロマトグラフィー法により得ることができる。最終生成物、中間体または出発物質の分割は当技術分野で公知のどのような適当な方法で行ってもよい。例えばStereochemistry of Organic Compounds by E. L. Eliel, S. H. Wilen, and L. N. Mander (Wiley-Interscience, 1994)(立体化学に関して参照することにより本明細書に組み入れる)を参照されたい。
【0084】
実験の項
略語
本明細書で使用する場合、これらの方法、スキームおよび実施例に使用する記号および取り決めは、現代科学文献、例えばJournal of the American Chemical Societyまたはthe Journal of Biological Chemistryに使用されるものと一致する。特に次の略語を実施例および本明細書全体にわたり使用する:
g (グラム)、 mg (ミリグラム)、
L (リットル)、 mL (ミリリットル)、
μL (マイクロリットル)、 psi (平方インチ当たりのポンド数)、
M (モル濃度)、 mM (ミリモル濃度)、
Hz (ヘルツ)、 MHz (メガヘルツ)、
mol (モル)、 mmol (ミリモル)、
RT (室温)、 h (時間)、
min (分)、 TLC (薄層クロマトグラフィー)、
mp (融点)、 RP (逆相)、
Tr (保持時間)、 TFA (トリフルオロ酢酸)、
TEA (トリエチルアミン)、 THF (テトラヒドロフラン)、
TFAA (トリフルオロ酢酸無水物)、 CD3OD (重水素化メタノール)、
CDCl3 (重水素化クロロホルム)、 DMSO (ジメチルスルホキシド)、
SiO2 (シリカ)、 atm (気圧)、
EtOAc (酢酸エチル)、 CHCl3 (クロロホルム)、
HCl (塩酸)、 Ac (アセチル)、
DMF (N,N-ジメチルホルムアミド)、 Me (メチル)、
Cs2CO3 (炭酸セシウム)、 EtOH (エタノール)、
Et (エチル)、 tBu (tert-ブチル)、
MeOH (メタノール)。
【0085】
特に断らない限り、全ての温度は℃(摂氏温度)として表記する。全ての反応は特に記載がなければ室温で行う。
【0086】
1H-NMRスペクトルはVarian VXR-300、Varian Unity-300、Varian Unity-400装置、またはGeneral Electric QE-300で記録した。化学シフトは100万分の1(ppm、δ 単位)として表す。結合定数はヘルツ単位(Hz)で表す。分裂パターンは明らかな多重度を表し、s (一重項)、d (二重項)、t (三重項)、q (四重項)、m (多重項)、またはbr (幅広)で表される。
【0087】
質量スペクトルはMicromass Ltd., Altricham, UK社からのMicromass PlatformまたはZMD質量分析計を用いて、大気圧化学的イオン化法 (APCI)またはエレクトロスプレーイオン化法(ESI)により得た。
【0088】
分析薄層クロマトグラフィーは、単離することのできない中間体または完全に特徴決定するにはあまりにも不安定な中間体の純度を確認するため、ならびに反応の進行を追跡するために使用した。
【0089】
化合物の絶対配置はAb Initio振動円偏光二色性(VCD)分光法により割り当てた。実験VCDスペクトルは、CDCl3 中で、Bomem ChiralIRTM VCD分光計を使用し2000〜800 cm-1で作動させて得た。Gaussian 98パッケージソフトのコンピュータプログラムを使用してモデルVCDスペクトルを計算した。立体化学の割り当てはこの実験スペクトルと(R)または(S)体立体配置のモデル構造について計算したVCDスペクトルとを比較して行った。
【0090】
かかる分光法について参照により次の文献を本明細書に組み入れる: J.R. Chesseman, M.J. Frisch, F.J. Devlin and P.J. Stephens, Chem. Phys. Lett. 252 (1996) 211; P.J. Stephens and F.J. Devlin, Chirality 12 (2000) 172; およびGaussian 98, Revision A.11.4, M.J. Frisch ら, Gaussian, Inc., Pittsburgh PA, 2002。
【0091】
式(I)の化合物[式中、一般用語は上に定義されたものであり、LVは脱離基、例えばハロゲン(F、Cl、Br、I)、SOAy、SO2Ay、SORa、SO2Ra、であり、ここでRa はアルキル基である]は下のスキーム1に概略を示す方法により都合良く製造することができる。
【化6】

【0092】
一般に、式(I)で表される化合物[式中LVは上に定義した脱離基であり、XはNHである(すべての式およびすべての他の可変記号は上に定義済みである)]の製造方法は、下記の工程を含む:
a) 式(II)の化合物をギ酸エチルと反応させる工程、
b) 式(III)の化合物を式(IV)のジアザ化合物と反応させる工程、
c) 式(V)の化合物をインドール化して式(VI)の化合物を製造する工程、
d) 式(VI)の化合物を還元的アミノ化することにより式(VII)の化合物を形成する工程、
e) 化合物(VII)から、求核置換により、またはパラジウム触媒カップリング条件を用いることにより、式(I)の化合物を形成する工程。
【0093】
あるいはまた、前記方法は下記の工程を含む:
f) 化合物(VI)の還元的アミノ化を経て式(I)の化合物を形成する工程。
【0094】
より詳細には、式(I)の化合物[式中、すべての可変記号は上に定義したとおりである]は、式(VI)の化合物と式(VIII)のアミンとを還元剤の存在下で反応させることにより製造することができ、
【化7】

【0095】
この場合も、式中のすべての可変記号は本明細書に定義したとおりである。
【0096】
反応は、水の除去を可能にする条件下でイミンを形成し、その後還元を行う2工程法として行うことができる。あるいはまた、この反応は、アミン(VIII)と還元剤を逐次または同時に添加することによりワンポットで行うこともできる。
【0097】
2工程法については、典型的には式(VI)の化合物を不活性溶媒(トルエンなど)に溶解させ、当量または過剰量の式(VIII)のアミンを添加し、その後酸触媒(パラトルエンスルホン酸など)を場合により添加する。反応を加熱還流して水を共沸的に除去する。場合によっては、モレキュラーシーブまたは脱水剤(トリメチルオルトギ酸など)を、水の除去のために使用してもよい。
【0098】
イミンを単離してもよく、または次の工程に直接使用してもよい。イミンを適当な溶媒に溶解させ、還元剤の添加により還元する。適当な溶媒としては、低級アルコール、例えばメタノール、エタノールなど、テトラヒドロフラン、または当業者に周知の類似の溶媒が挙げられる。適当な還元剤としては、シアノホウ水素化ナトリウム、トリアセトキシホウ水素化ナトリウム、ボラン-テトラヒドロフラン複合体、ホウ水素化ナトリウムなどが挙げられるが、これらに限らない。
【0099】
ワンポット法については、式(VI)の化合物を不活性溶媒に溶解させる。式(VIII)のアミンをこの溶液に添加し、ついで適当な還元剤を添加する。場合により反応を約50〜150℃に加熱してもよい。適当な溶媒としては、限定するものではないが、ジクロロメタン、ジクロロエタンなどが挙げられる。適当な還元剤としては、シアノホウ水素化ナトリウム、トリアセトキシホウ水素化ナトリウム、ホウ水素化ナトリウムなどが挙げられるが、これらに限らない。
【化8】

【0100】
あるいはまた、式(I)の化合物を、式(VII)のアミンから形成することができる。式(VI)の化合物を、不活性溶媒中でアンモニウム塩および還元剤を用いて、場合により加熱しながら処理すると、式(VII)のアミンが得られる。適当な溶媒としては、限定するものではないが、メタノール、エタノール、ジクロロメタン、ジクロロエタンなどが挙げられる。適当な還元剤としては、シアノホウ水素化ナトリウム、トリアセトキシホウ水素化ナトリウム、ホウ水素化ナトリウムなどが挙げられるが、これらに限らない。適当なアンモニウム塩としては、限定するものではないが、酢酸アンモニウム、ギ酸アンモニウムなどが挙げられる。式(VII)のアミンはまた、式(VI)の化合物をヒドロキシルアミンで処理し、その後適当な還元剤(水素化リチウムアルミニウムなどが挙げられるがこれに限らない)で還元することによっても形成することができる。
【0101】
式(VII)の化合物と式(IX)の化合物との縮合は、式(I)の化合物を生じる。この縮合反応は、溶媒を加えずにそのまま、または溶媒の存在下で、場合により加熱しながらまたはマイクロ波装置で、行うことができる。適当な溶媒としては、限定するものではないが、N,N-ジメチルホルムアミド、1-メチル-2-ピロリジノン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ニトロメタンなどが挙げられる。場合により縮合反応に塩基を添加してもよく、適当な塩基の例としては炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、トリエチルアミンなどが挙げられる。
【0102】
さらに、上のスキームに示すように、式(VII)のアミンを式(IX)の化合物とカップリングさせ、当技術分野で理解されているように適当なPd-触媒カップリングを行うことにより、式(I)の化合物を得ることができる。
【0103】
式(VI)の化合物は、文献 (J. Med. Chem. 1973, 16, 425 および J. Org. Chem. 1968, 32, 1265)に記載される方法と同様にして製造する。
【0104】
当業者に理解されるように、式(I)の化合物は、式(I)の別の化合物に変換することができる。
【化9】

【0105】
一般に、式(I)の化合物[式中、XはOである]の製造方法は下記の工程からなる:
1. 式(VI)の化合物を還元して、式VII-Bの化合物を得る工程、
2. 式VII-Bの化合物を式VIII-Bの化合物と反応させて、式Iの化合物(式中、すべての可変置換基は本明細書に定義したとおりである)を得る工程。
【0106】
より詳細には、式(VII-B)の化合物[式中、すべての可変記号は上に定義したとおりである]は、式(VI)の化合物を還元することにより製造することができる。適当な還元剤としては、限定するものではないが、ホウ水素化ナトリウム、ボラン-テトラヒドロフラン複合体などが挙げられる。適当な溶媒としてはメタノール、エタノール、テトラヒドロフランなどが挙げられる。式(I)の化合物は、式(VII-B)の化合物と式(VIII-B)の化合物とを、アゾジカルボン酸ジエチルまたはアゾジカルボン酸ジイソプロピルおよびトリフェニルホスフィンの存在下で反応させることにより形成することができる。適当な溶媒としてはテトラヒドロフランなどが挙げられる。
【実施例】
【0107】
実施例1: 6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン
【化10】

【0108】
a) シクロヘキサン-1,2-ジオン(4-クロロフェニル)ヒドラゾン
濃塩酸(5 mL)中の4-クロロアニリン(5.6 g, 44 mmol)の冷却(0℃)溶液に、水(10 mL)に溶解させた亜硝酸ナトリウム(3.0 g, 44 mmol)を20分にわたり少しずつ添加した。この混合物を0℃で30分撹拌した。別のフラスコにおいてメタノール(30 mL)中の2-(ヒドロキシメチレン)シクロヘキサノン(Organic Syntheses, Collective Vol 4, 1963, pg. 536) (5.0 g, 40 mmol)の冷却溶液を、水(25 mL)中の酢酸ナトリウム(8.3 g, 101 mmol)の溶液で処理した。この混合液を0℃で20分撹拌し、ついでジアゾニウム塩のスラリーを添加した。一緒にした混合液を10〜15分撹拌し、濾過により回収し、エタノールを用いて細かくすりつぶし(triturate)、次いで濾過により回収して、シクロヘキサン-1,2-ジオン(4-クロロフェニル)ヒドラゾン (4.6 g, 49%収率)を黄色い固形物として得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 9.93 (s, 1H), 7.29 (m, 4H), 2.55 (m, 2H), 2.40 (m, 2H), 1.84-1.75 (m, 4H)。
【0109】
b) 6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン
塩酸(2 mL)および酢酸(8 mL)中のシクロヘキサン-1,2-ジオン(4-クロロフェニル)ヒドラゾン(2.3 g, 9.7 mmol)の溶液を、120℃で20分加熱した。この混合液をわずかに冷まし、ついで氷水で処理した。得られた沈殿物を濾過により回収し、6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(1.9 g, 88%収率)を褐色の固形物として得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.78 (s, 1H), 7.75 (m, 1H), 7.38 (d, 1H), 7.28 (dd, 1H), 2.92 (t, 2H), 2.55 (t, 2H), 2.13 (q, 2H); MS m/z 220 (M+1)。
【0110】
実施例2: 6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化11】

【0111】
メタノール(9 mL)中の6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(500 mg, 2.3 mmol)および酢酸アンモニウム(1.8 g, 23 mmol)の溶液に、シアノホウ水素化ナトリウム(720 mg, 11.5 mmol)を添加した。60℃で15時間加熱し、その後混合物を冷却し、ついでpH = 1となるまで濃塩酸で処理した。有機物を減圧下で除き、その後得られた沈殿物を濾過により回収し、酢酸エチルとメタノールに溶解し、飽和炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。相を分離させ、ついで有機相を濃縮して、6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン(260 mg, 52%収率)を淡褐色の固形物として得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 10.90 (s, 1H), 7.34 (m, 1H), 7.27 (d, 1H), 6.97 (dd, 1H), 3.90 (t, 1H), 2.54 (m, 2H), 2.04-1.89 (m, 2H), 1.66 (m, 1H), 1.50 (m, 1H); MS m/z 221 (M+1)。
【0112】
実施例3: 6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン
【化12】

【0113】
実施例1に記載の方法と同様に、ブロモアニリンと2-(ヒドロキシメチレン)シクロヘキサノンから6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オンを製造し、褐色の固形物を得た。 1H-NMR (CDCl3): δ 8.79 (s, 1H), 7.80 (s, 1H), 7.44 (d, 1H), 7.30, (d, 2H), 2.97 (t, 2H), 2.66 (t, 2H), 2.27 (quint, 2H); MS m/z 265 (M+1)。
【0114】
実施例4: 6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化13】

【0115】
実施例2に記載の方法と同様に6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを製造し、固形物を得た。1H-NMR (CDCl3): δ 8.58 (s, 1H), 7.55 (s, 1H), 7.20 (m, 2H), 4.12 (t, 1H), 2.70 (t, 2H), 2.24 (m, 1H), 2.05 (m, 1H), 1.92 (m, 3H), 1.66 (m, 1H); MS m/z 266 (M+1)。
【0116】
実施例5: 6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン
【化14】

【0117】
実施例1に記載の方法と同様に、p-トルイジンと2-(ヒドロキシメチレン)シクロヘキサノンから6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オンを製造し、黄褐色の固形物を得た。 1H-NMR (CDCl3): δ 8.65 (s, 1H), 7.43 (s, 1H), 7.30 (d, 1H), 7.20 (d, 1H), 2.98 (t, 2H), 2.65 (t, 2H), 2.45 (s, 3H), 2.26 (quint, 2H); MS m/z 220 (M+1)。
【0118】
実施例6: 6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化15】

【0119】
実施例2に記載の方法と同様に6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを製造し、固形物を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 10.5 (s, 1H), 7.15 (d, 1H), 7.11 (s, 1H), 6.81 (d, 1H), 3.98 (t, 1H), 3.30 (s, 2H), 2.53 (t, 2H), 2.32 (s, 3H), 2.02 (m, 1H), 1.90 (m, 1H), 1.68 (m, 1H), 1.65 (m, 1H); MS m/z 201 (M+1)。
【0120】
実施例7a: 2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン
【化16】

【0121】
実施例1に記載の方法と同様に、アニリン(2.9 g, 31 mmol)と2-(ヒドロキシメチレン)シクロヘキサノン(3.5 g, 28 mmol)から2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オンを製造し、2.5 g (49%)の褐色の固形物を得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.6 (s, 1H), 7.66 (d, 1H), 7.38 (d, 1H), 7.30 (t, 1H), 7.07 (t, 1H), 2.90 (t, 2H), 2.56 (t, 2H), 2.15 (quint, 2H); MS m/z 186 (M+1)。
【0122】
実施例7b: 2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化17】

【0123】
エタノール(20 mL)中の2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(1.5 g, 8.10 mmol)の溶液に、水(10 mL)中のヒドロキシルアミン塩酸塩(1.13 g, 16.2 mmol)の溶液および水(10 mL)中の酢酸ナトリウム(2.19 g, 26.7 mmol)の溶液を加えた。反応混合物を2時間加熱還流し、冷却し、ついで濃縮した。残留物を水で希釈し、酢酸エチル(2 x 100 mL)で抽出した。有機相を硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、濾過し、濃縮して褐色の固形物とした。このオキシムをTHF (80 mL)に溶解し、LAH(THF中1.0 M、24.3 mL)を滴下した。この反応を7時間加熱還流し、ついで氷浴を用いて冷却した。発泡が止むまでメタノールを滴下した。混合物を酒石酸Na/K水溶液で希釈し、15分激しく撹拌し、酢酸エチル(2 x 100 mL)で抽出した。抽出物をプールして、硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、濾過して濃縮した。粗製のアミンを、シリカを用いたフラッシュクロマトグラフィー(2%から5%までのメタノール/塩化メチレン濃度勾配)により精製して、2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを褐色の油状物として得た。この油状物をジエチルエーテルに希釈し、ついでHCl(ジエチルエーテル中1.0 M)を添加した。生じた沈殿物を濾過により回収して、2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩(760 mg, 42%)を淡褐色の固形物として得た。 1H-NMR (CD3OD): δ 7.54 (d, 1H), 7.42 (d, 1H), 7.22 (t, 1H), 7.09 (t, 1H), 4.66 (t, 1H), 2.95-2.73 (m, 2H), 2.39-2.28 (m, 1H), 2.18-2.03 (m, 3H); MS m/z (M + 1) 170。
【0124】
実施例8: 6-メトキシ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン
【化18】

【0125】
実施例1に記載の方法と同様に、p-アニシジンと2-(ヒドロキシメチレン)シクロヘキサノンから6-メトキシ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オンを製造し、黄褐色の固形物を得た。 1H-NMR (CDCl3): δ 8.77 (br s, 1H), 7.32 (d, 1H), 7.06 (d, 1H), 7.03 (s, 1H), 3.88 (s, 3H), 2.98 (t, 2H), 2.66 (t, 2H), 2.28 (quint, 2H); MS m/z 216 (M+1)。
【0126】
実施例9: 6-メトキシ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化19】

【0127】
上に記載の方法と同様に6-メトキシ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを製造し、固形物を得た。 1H-NMR (CDCl3): δ 8.38 (s, 1H), 7.20 (d, 1H), 6.92 (s, 1H), 6.80 (d, 1H), 4.06 (t, 1H), 3.85 (s, 3H), 2.67 (t, 2H), 2.18 (m, 1H), 2.00 (m, 1H), 1.83 (m, 1H), 1.60 (m, 1H); MS m/z 217 (M+1)。
【0128】
実施例10: 6-(トリフルオロメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン
【化20】

【0129】
上に記載の方法と同様に、4-(トリフルオロメチル)アニリン(5.5 g, 34 mmol)と2-(ヒドロキシメチレン)シクロヘキサノン(3.9 g, 31 mmol)から6-(トリフルオロメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オンを製造し、2.25 g (29%)の暗褐色の固形物を得た。 1H-NMR (DMSO-d6): δ 12.05 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.56 (s, 2H), 3.00 (t, 2H), 2.58 (t, 2H), 2.19-2.13 (m, 2H)。
【0130】
実施例11: 2-ブロモ-7,8,9,10-テトラヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6(5H)-オン
【化21】

【0131】
実施例1に記載の方法と同様に、4-ブロモアニリン(7.8 g, 46 mmol)と2-(ヒドロキシメチレン)シクロヘプタノン(5.8 g, 41 mmol)から2-ブロモ-7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6(5H)-オンを製造し、3.5 g (31%)の暗褐色の固形物を得た。 1H-NMR (DMSO-d6): δ 8.95 (s, 1H), 7.79 (s, 1H), 7.41 (d, 1H), 7.25 (d, 1H), 3.09 (t, 2H), 2.85 (t, 2H), 2.12-2.06 (m, 2H), 2.02-1.96 (m, 2H); MS m/z (M+1) 278, 280。
【0132】
実施例12: 2-ブロモ-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミン塩酸塩
【化22】

【0133】
上に記載の方法と同様に、2-ブロモ-7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6(5H)-オン(1.5 g, 5.4 mmol)から2-ブロモ-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミン塩酸塩を製造し、0.98 g (57%)の淡褐色の固形物を得た。 1H-NMR (CD3OD): δ 7.65 (s, 1H), 7.28-7.21 (m, 2H), 4.67 (t, 1H), 3.07-3.02 (m, 1H), 2.84-2.76 (m, 1H), 2.31-2.25 (m, 1H), 2.14-1.93 (m, 4H), 1.65-1.55 (m, 1H)。
【0134】
実施例13: 6-ブロモ-N-フェニル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化23】

【0135】
トルエン(15 mL)中の6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(500 mg, 1.9 mmol)、アニリン(350 mg, 3.8 mmol)およびp-トルエンスルホン酸(触媒量)の溶液を、ディーン・スタークトラップ(Dean-Stark trap)を設置して16時間加熱還流した。反応を冷まし、濃縮し、その後イミンを、シリカを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(濃度勾配5%〜50% 酢酸エチル/ヘキサン)により精製した。このイミンをメタノール(10 mL)に溶解し、ついでホウ水素化ナトリウム(140 mg, 3.8 mmol)を少しずつ添加した。反応を30分撹拌し、ついで水を加えて反応停止させ、濃縮し、酢酸エチルで希釈した。有機相を分離し、珪藻土に吸着させ、シリカを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(濃度勾配2%〜20%の酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、6-ブロモ-N-フェニル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを褐色の油状物として得た。 1H-NMR (DMSO-d6): δ 8.04 (s, 1H), 7.61 (s, 1H), 7.25-7.21 (m, 4H), 6.80-6.72 (m, 3H), 4.84-4.78 (m, 1H), 3.86-3.82 (m, 1H), 2.27-2.21 (m, 2H), 2.08-2.00 (m, 1H), 1.89-1.78 (m, 3H)。この油状物をジエチルエーテルに溶解し、ついでHCl(ジエチルエーテル中1.0 M)を添加した。生じた沈殿物を濾過により回収して、6-ブロモ-N-フェニル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩(352 mg, 51%)を黄色い固形物として得た。 1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.12 (s, 1H), 7.58 (s, 1H), 7.26 (d, 1H), 7.15-7.13 (m, 3H), 6.88-6.78 (m, 2H), 6.72-6.64 (m, 1H), 4.82-4.79 (m, 1H), 2.69-2.45 (m, 2H), 1.96-1.90 (m, 2H), 1.83-1.73 (m, 2H); MS m/z (M-1) 339, 341。
【0136】
実施例14: 6-クロロ-N-フェニル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化24】

【0137】
実施例13に記載の方法と同様に、6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オンとアニリンから6-クロロ-N-フェニル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを製造し、200 mg (74%収率)の黄色い固形物を得た。 1H-NMR (CDCl3): δ 8.04 (s, 1H), 7.46 (d, 1H), 7.27-7.20 (m, 2H), 7.17 (dd, 1H), 7.10 (dd, 1H), 6.79 (m, 1H), 6.74 (m, 2H), 4.81 (m, 1H), 3.85 (s, 1H), 2.70 (m, 2H), 2.25 (m, 1H), 2.03 (m, 1H), 1.93-1.78 (m, 2H); MS m/z 295 (M-1)。
【0138】
実施例15: 6-クロロ-N-(4-メトキシフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化25】

【0139】
実施例13に記載の方法と同様に、6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オンと4-メトキシアニリンから6-クロロ-N-(4-メトキシフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを製造し、32 mg (21%収率)の褐色の固形物を得た。 1H-NMR (CDCl3): δ 8.13 (s, 1H), 7.50 (d, 1H), 7.23 (dd, 1H), 7.14 (dd, 1H), 6.92-6.84 (m, 2H), 6.79-6.73 (m, 2H), 4.76 (m, 1H), 3.83 (s, 3H), 2.74 (m, 2H), 2.28 (m, 1H), 2.08 (m, 1H), 1.98-1.75 (m, 2H); MS m/z 325 (M-1)。
【0140】
実施例16: 6-クロロ-N-(4-クロロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化26】

【0141】
実施例13に記載の方法と同様に、6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オンと4-クロロアニリンから6-クロロ-N-(4-クロロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを製造し、25 mg(16%収率)の黄褐色の固形物を得た。 1H-NMR (CDCl3): δ 8.01 (m, 1H), 7.46 (d, 1H), 7.21-7.14 (m, 3H), 7.11 (dd, 1H), 6.65 (d, 2H), 4.76 (m, 1H), 2.70 (m, 2H), 2.22 (m, 1H), 2.01 (m, 1H), 1.94-1.75 (m, 2H); MS m/z 329 (M-1)。
【0142】
実施例17: 6-クロロ-N-(4-フルオロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化27】

【0143】
実施例13に記載の方法と同様に、6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オンと4-フルオロアニリンから6-クロロ-N-(4-フルオロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを製造し、63 mg (43%収率)の黄色い固形物を得た。 1H-NMR (CDCl3): δ 8.03 (s, 1H), 7.46 (m, 1H), 7.23-7.05 (m, 2H), 6.95 (m, 2H), 6.66 (m, 2H), 4.72 (s, 1H), 3.70 (s, 1H), 2.70 (m, 2H), 2.21 (m, 1H), 2.01 (m, 1H), 1.93-1.71 (m, 2H); MS m/z 313 (M-1)。
【0144】
実施例18: 6-クロロ-N-(4-メチルフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化28】

【0145】
実施例13に記載の方法と同様に、6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オンとp-トルイジンから6-クロロ-N-(4-メチルフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを製造し、59 mg (41%収率)の黄色い固形物を得た。 1H-NMR (CDCl3): δ 8.10 (s, 1H), 7.51 (m, 1H), 7.22 (d, 1H), 7.17-7.06 (m, 3H), 6.72 (d, 2H), 4.82 (m, 1H), 3.74 (s, 1H), 2.74 (m, 2H), 2.33 (s, 3H), 2.27 (m, 1H), 2.07 (m, 1H), 1.98-1.76 (m, 2H); MS m/z 309 (M-1)。
【0146】
実施例19: 6-ブロモ-N-(4-メトキシフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化29】

【0147】
実施例13に記載の方法と同様に、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(100 mg, 0.38 mmol)とp-アニシジン(94 mg, 0.76 mmol)から6-ブロモ-N-(4-メトキシフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを製造し、41 mg (29%)の淡褐色の固形物を得た。 1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.05 (s, 1H), 7.54 (s, 1H), 7.22 (d, 1H), 7.11 (d, 1H), 6.73-6.66 (m, 4H), 5.48 (d, 1H), 4.70-4.65 (m, 1H), 3.63 (s, 3H), 2.66-2.53 (m, 2H), 1.98-1.89 (m, 2H), 1.79-1.71 (m, 2H); MS m/z (M-1) 369, 371。
【0148】
実施例20: 6-ブロモ-N-(4-クロロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化30】

【0149】
実施例13に記載の方法と同様に、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(100 mg, 0.38 mmol)と4-クロロアニリン(97 mg, 0.76 mmol)から6-ブロモ-N-(4-クロロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを製造し、29 mg (20%)の灰色がかった白色の固形物を得た。 1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.07 (s, 1H), 7.56 (s, 1H), 7.23 (d, 1H), 7.13-7.08 (m, 3H), 6.71 (d, 2H), 6.20 (d, 1H), 4.76-4.72 (m, 1H), 2.68-2.54 (m, 2H), 1.99-1.85 (m, 2H), 1.80-1.74 (m, 2H); MS m/z (M-1) 373, 375。
【0150】
実施例21: 6-ブロモ-N-(4-フルオロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化31】

【0151】
実施例13に記載の方法と同様に、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(100 mg, 0.38 mmol)と4-フルオロアニリン (84 mg, 0.76 mmol)から6-ブロモ-N-(4-フルオロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを製造し、26mg(19%)の灰色がかった白色の固形物を得た。 1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.07 (s, 1H), 7.55 (d, 1H), 7.23 (d, 1H), 7.12 (dd, 1H), 6.92 (t, 2H), 6.70-6.68 (m, 2H), 5.89 (d, 1H), 4.73-4.71 (m, 1H), 2.68-2.53 (m, 2H), 1.99-1.73 (m, 4H); MS m/z (M-1) 357, 359。
【0152】
実施例22: 6-ブロモ-N-ピリミジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化32】

【0153】
N,N-ジメチルホルムアミド (1.0 mL)中の6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン(43 mg, 0.16 mmol)および2-クロロピリミジン(56 mg, 0.49 mmol)の溶液を、マイクロ波用バイアル内に密閉し、Smith Synthesizerマイクロ波合成装置を用いて150℃で15分加熱した。この混合物を酢酸エチル(10 mL)で希釈し、その後水(2 x 10 mL)で洗浄した。有機相を濃縮し、ついでシリカを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(20%〜50%の濃度勾配の酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、6-ブロモ-N-ピリミジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを得た。このアミンをジエチルエーテル(3 mL)で希釈し、ついで塩化水素(ジエチルエーテル中1.0 M)を加えた。懸濁物を濃縮し、アセトニトリルと水を用いて希釈し、凍結乾燥させて、6-ブロモ-N-ピリミジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩(16 mg, 26%)を黄色い固形物として得た。 1H-NMR (DMSO-d6): δ 10.94 (s, 1H), 8.44-8.39 (m, 2H), 8.03-7.96 (m, 1H), 7.55 (s, 1H), 7.23 (d, 1H), 7.12 (d, 1H), 6.72 (t, 1H), 5.37-5.32 (m, 1H), 2.63-2.59 (m, 2H), 2.09-1.95 (m, 2H), 1.87-1.75 (m, 2H); MS m/z (M-1) 341, 343。
【0154】
実施例23: 6-クロロ-N-ピリミジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化33】

【0155】
N,N-ジメチルホルムアミド (0.50 mL)中の6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン(50 mg, 0.23 mmol)および2-メチルスルホニルピリミジン(69 mg, 0.44 mmol)の溶液を、Smith Synthesizerマイクロ波合成装置を用いて150℃で900秒加熱した。混合物を酢酸エチルで希釈し、ついで5%塩化リチウム水溶液を用いて抽出した。有機層を分離し、濃縮した。シリカを用いたフラッシュクロマトグラフィー(0〜30%酢酸エチル-ヘキサン)による精製により、6-クロロ-N-ピリミジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン(8 mg, 12%収率)を黄色い固形物として得た。
【0156】
別の方法として、N,N-ジメチルホルムアミド中の6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンと2-クロロスルホニルピリミジンの混合物を60℃で15時間加熱することにより、6-クロロ-N-ピリミジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを9%収率で製造することができた。
【0157】
1H-NMR (CDCl3): δ 8.88 (s, 1H), 8.37 (m, 2H), 7.46 (m, 1H), 7.19 (d, 1H), 7.09 (dd, 1H), 6.66 (t, 1H), 5.72 (s, 1H), 5.22 (m, 1H), 2.72 (m, 2H), 2.29 (m, 1H), 2.06-1.90 (m, 3H); MS m/z 297 (M-1)。
【0158】
実施例24: 6-クロロ-N-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化34】

【0159】
上に記載の方法と同様に、6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンと4,6-ジメトキシ-2-メチルスルホニルピリミジンから6-クロロ-N-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを製造し、8 mg (10%収率)の黄白色の固形物を得た。1H-NMR (CDCl3): δ 8.79 (s, 1H), 7.45 (s, 1H), 7.18 (dd, 1H), 7.08 (dd, 1H), 5.50 (s, 1H), 5.24 (m, 1H), 5.18 (m, 1H), 3.88 (2s, 6H), 2.70 (m, 2H), 2.28 (m, 1H), 2.04-1.83 (m, 3H); MS m/z 359 (M+1)。
【0160】
実施例25: 6-クロロ-N-(4-メチルピリミジン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化35】

【0161】
上に記載の方法と同様に、6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンと4-メチル-2-メチルスルホニルピリミジンから6-クロロ-N-(4-メチルピリミジン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを製造し、6 mg (7%収率)の黄色い固形物を得た。1H-NMR (CDCl3): δ 9.05 (s, 1H), 8.23 (d, 1H), 7.45 (m, 1H), 7.17 (d, 1H), 7.07 (dd, 1H), 6.52 (d, 1H), 5.36 (m, 1H), 5.20 (m, 1H), 2.70 (m, 2H), 2.38 (s, 3H), 2.29 (m, 1H), 2.02-1.85 (m, 3H); MS m/z 311 (M-1)。
【0162】
実施例26: 6-クロロ-N-(4,6-ジメチルピリミジン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化36】

【0163】
上に記載の方法と同様に、6-クロロ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンと2-クロロ-4,6-ジメチルピリミジンから6-クロロ-N-(4,6-ジメチルピリミジン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを製造し、6 mg (8%収率)の黄白色の固形物を得た。1H-NMR (CDCl3): δ 9.23 (s, 1H), 7.45 (s, 1H), 7.16 (d, 1H), 7.07 (d, 1H), 6.42 (s, 1H), 5.25 (m, 1H), 5.20 (m, 1H), 2.70 (m, 2H), 2.35 (s, 6H), 2.29 (m, 1H), 2.03-1.83 (m, 3H); MS m/z 327 (M+1)。
【0164】
実施例27: 6-ブロモ-N-ピリジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化37】

【0165】
上に記載の方法と同様に、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(150 mg, 0.57 mmol)と2-アミノピリジン(107 mg, 1.1 mmol)から6-ブロモ-N-ピリジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を製造し、10 mgの白色粉末を塩酸塩として得た。 1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.20 (s, 1H), 7.99 (d, 1H), 7.92-7.86 (m, 1H), 7.65 (s, 1H), 7.30 (d, 1H), 7.20 (d, 1H), 7.09-7.02 (m, 1H), 6.91-6.86 (m, 1H), 5.30-5.25 (m, 1H), 2.76-2.60 (m, 1H), 2.16-2.09 (m, 1H), 1.95-1.82 (m, 3H); MS m/z (M-1) 340, 342。
【0166】
実施例28: 6-ブロモ-N-(5-プロピルピリミジン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化38】

【0167】
上に記載の方法と同様に、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン(75 mg, 0.28 mmol)と5-プロピル-2-クロロピリミジン(0.5 mL)から6-ブロモ-N-(5-プロピルピリミジン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを製造し、5 mg (5%)の黄色い固形物を得た。 1H-NMR (DMSO-d6): δ 10.86 (s, 1H), 8.17 (s, 2H), 7.53 (s, 1H), 7.30 (d, 1H), 7.22 (d, 1H), 7.10 (d, 1H), 5.30-5.23 (m, 1H), 2.63-2.56 (m, 2H), 2.36 (t, 2H), 2.06-1.96 (m, 2H), 1.84-1.73 (m, 2H), 1.56-1.47 (m, 2H), 0.88 (t, 3H); MS m/z (M-1) 383, 385。
【0168】
実施例29: 6-メチル-N-ピリミジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化39】

【0169】
上に記載の方法と同様に、6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンと2-クロロピリミジンから6-メチル-N-ピリミジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを製造し、5 mg (4%)の黄色い固形物を得た。 1H-NMR (CDCl3): δ 8.63 (s, 1H), 8.40 (d, 1H), 7.32 (d, 2H), 7.24 (d, 1H), 7.01 (d, 1H), 6.64 (t, 1H), 5.47 (d, 1H), 5.24 (q, 1h), 2.74 (m, 2H), 2.44 (s, 3H), 2.36 (t, 1H), 2.00 (m, 3H); MS m/z 279 (M+1)。
【0170】
実施例30: 6-メトキシ-N-ピリミジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化40】

【0171】
上に記載の方法と同様に、6-メトキシ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンと2-クロロピリミジンから6-メトキシ-N-(5-プロピルピリミジン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを製造し、4 mg (4%)の黄色い固形物を得た。 1H-NMR (CDCl3): δ 8.72 (s, 1H), 8.40 (d, 2H), 7.25 (d, 1H), 7.00 (s, 1H), 6.84 (d, 1H), 6.64 (t, 1H), 5.47 (d, 1H), 5.24 (q, 1H), 3.85 (s, 3H), 2.74 (m, 2H), 2.36 (t, 1H), 2.00 (m, 3H); MS m/z 295 (M+1)。
【0172】
実施例31: N-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)-6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化41】

【0173】
実施例22に記載の方法と同様に、6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンと2-クロロ-4,6-ジメトキシピリミジンからN-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)-6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を製造し、12 mg (8%)の赤みがかった固形物を得た。1H-NMR (CDCl3): δ 10.4 (s, 1H), 7.40 (s, 1H), 7.13 (m, 2H), 6.82 (s, 1H), 5.46 (d, 1H), 5.30 (s, 1H), 4.08 (s, 6H), 2.65 (m, 2H), 2.33 (s, 3H), 2.06 (m, 2H), 1.80 (m, 2H); MS m/z 339 (M+1)。
【0174】
実施例32: 6-ブロモ-N-(4,6-ジメチルピリミジン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化42】

【0175】
実施例22に記載の方法と同様に、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン(50 mg, 0.19 mmol)と4,6-ジメチル-2-クロロピリミジン (134 mg, 0.94 mmol)から6-ブロモ-N-(4,6-ジメチルピリミジン-2-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を製造し、12 mg (16%)の黄色い固形物を得た。 1H-NMR (DMSO-d6): δ10.98 (s, 1H), 8.40 (br s, 2H), 7.59 (s, 1H), 7.26 (d, 1H), 7.16 (d, 1H), 6.77 (s, 1H), 5.52-5.48 (m, 1H), 2.68-2.61 (m, 2H), 2.41 (2s, 6H), 2.15-2.06 (m, 1H), 2.04-1.96 (m, 1H), 1.91-1.76 (m, 2H); MS m/z (M+1) 371, 373; (M-1) 369, 371。
【0176】
実施例33: 6-ブロモ-N-[5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化43】

【0177】
実施例22に記載の方法と同様に、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン(75 mg, 0.28 mmol)と2-クロロ-5-(トリフルオロメチル)-ピリミジン (0.5 mL)から6-ブロモ-N-[5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを製造し、5 mg (4%)の黄色い固形物を得た。80℃で測定した 1H-NMR (DMSO-d6) : δ 10.94-10.88 (m, 1H), 8.69-8.62 (m, 1H), 8.30-8.24 (m, 1H), 7.55 (s, 1H), 7.21 (d, 1H), 7.13-7.10 (m, 1H), 7.02 (d, 1H), 5.40-5.27 (m, 1H), 2.62-2.58 (m, 2H), 2.08-1.96 (m, 2H), 1.87-1.76 (m, 2H); MS m/z (M-1) 409, 411。
【0178】
実施例34: 6-ブロモ-N-[5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化44】

【0179】
実施例22に記載の方法と同様に、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン(75 mg, 0.28 mmol)と5-(トリフルオロメチル)-2-ブロモピリジン (192 mg, 0.85 mmol)から6-ブロモ-N-[5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを製造し、6.5 mg (6%)の灰白色の固形物を得た。 1H-NMR (DMSO-d6): δ 10.95 (s, 1H), 8.36 (s, 1H), 7.79 (d, 1H), 7.64 (dd, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.23 (d, 1H), 7.13 (dd, 1H), 6.62 (d, 1H), 5.40-5.36 (m, 1H), 2.70-2.55 (m, 2H), 2.06-1.78 (m, 4H); MS m/z (M-1) 408, 410。
【0180】
実施例35: 6-[(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)アミノ]ニコチノニトリル
【化45】

【0181】
実施例22に記載の方法と同様に、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン(75 mg, 0.28 mmol)と6-クロロニコチノニトリル (118 mg, 0.85 mmol)から6-[(6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)アミノ]ニコチノニトリルを製造し、6.5 mg (6%)の淡褐色の固形物を得た。 1H-NMR (DMSO-d6): δ 10.95 (s, 1H), 8.36 (s, 1H), 7.79 (d, 1H), 7.64 (dd, 1H), 7.57 (d, 1H), 7.23 (d, 1H), 7.13 (dd, 1H), 6.62 (d, 1H), 5.40-5.35 (m, 1H), 2.70-2.55 (m, 2H), 2.07-1.78 (m, 4H); MS m/z (M-1) 365, 367。
【0182】
実施例36: N-(1,3-ベンゾチアゾール-2-イル)-6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化46】

【0183】
実施例22に記載の方法と同様に、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン(75 mg, 0.28 mmol)と2-クロロベンゾチアゾール(143 mg, 0.84 mmol)からN-(1,3-ベンゾチアゾール-2-イル)-6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを製造し、11 mg (10%)の黄色い固形物を得た。 1H-NMR (CDCl3): δ 9.31 (s, 1H), 7.70-7.62 (m, 3H), 7.39 (t, 1H), 7.29-7.17 (m, 4H), 5.38-5.32 (m, 1H), 2.77-2.75 (m, 2H), 2.45-2.38 (m, 1H), 2.10-1.99 (m, 3H); MS m/z (M-1) 396, 398。
【0184】
実施例37: N-ピリミジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化47】

【0185】
実施例22に記載の方法と同様に、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン(150 mg, 0.81 mmol)と2-クロロピリミジン (184 mg, 1.62 mmol)からN-ピリミジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを製造し、16 mg (8%)の黄色い固形物を得た。 1H-NMR (DMSO-d6): δ 10.63 (s, 1H), 8.32 (d, 2H), 7.43 (d, 1H), 7.36 (d, 1H), 7.25 (d, 1H), 7.01-6.97 (m, 1H), 6.93-6.89 (m, 1H), 6.60 (t, 1H), 5.32-5.28 (m, 1H), 2.68-2.57 (m, 2H), 2.04-1.97 (m, 2H), 1.87-1.75 (m, 2H)。
【0186】
実施例38: 2-ブロモ-N-ピリミジン-2-イル-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミン
【化48】

【0187】
実施例22に記載の方法と同様に、2-ブロモ-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミン(150 mg, 0.54 mmol)と2-クロロピリミジン (123 mg, 1.07 mmol)から2-ブロモ-N-ピリミジン-2-イル-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール-6-アミンを製造し、18 mg (9%)の黄色い固形物を得た。 1H-NMR (DMSO-d6): δ 10.80 (s, 1H), 8.31 (d, 2H), 7.57 (s, 1H), 7.49 (d, 1H), 7.20 (d, 1H), 7.07-7.04 (m, 1H), 6.60 (t, 1H), 5.36-533 (m, 1H), 2.94-2.89 (m, 1H), 2.70-2.63 (m, 1H), 2.05-1.94 (m, 2H), 1.89-1.59 (m, 4H); MS m/z (M+1) 357, 359; (M-1) 355, 357。
【0188】
実施例39: 6-メチル-N-ピリジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化49】

【0189】
上に記載の方法と同様に、6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.10 g, 0.5 mmol)と2-アミノピリジン(0.51 g, 0.55 mmol)から6-メチル-N-ピリジン-2-イル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を製造し、褐色の固形物(0.002 g, 1.0%)を得た。 1H-NMR (CDCl3): δ 8.72 (s, 1H), 8.23 (d, 1H), 7.48 (t, 1H), 7.32 (s, 1H), 7.20 (d, 1H), 7.00 (d, 1H) 6.69 (t, 1H), 6.49 (d, 1H), 5.25 (d, 1H), 4.71 (d, 1H) 2.80-2.75 (m, 2H), 2.40-2.28 (m, 1H), 2.09-1.91 (m, 3H); MS m/z 183 (M-94)。
【0190】
実施例40: 1-アニリノ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-6-カルボン酸メチル
【化50】

【0191】
6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.05 g, 0.19 mmol)、酢酸パラジウム(0.04 g, 0.02 mmol)、dppf (1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン) (0.01 g, 0.02 mmol)およびトリエチルアミン (0.025 mL, 0.19 mmol)から1-アニリノ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-6-カルボン酸メチルを製造した。試薬を撹拌棒の入った丸底フラスコに加え、一緒にジメチルスルホキシド:メタノールの3:1混合物(5.0 mL)を加え、一酸化炭素の大気圧下で4時間、85℃に加熱した。この溶液を室温まで冷まし、水(5.0 mL)と酢酸エチル(25 mL)を添加し、層を分離させ、その後有機層を水(5.0 mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、蒸発させて油状物を得て、これをクロマトグラフィー(5〜50% 酢酸エチル/ヘキサン濃度勾配)により精製して、白色の固形物 (0.03 g, 65%)を得た。 1H-NMR (CDCl3): δ 9.35 (s, 1H), 8.46 (s, 1H), 8.05 (d, 1H), 7.45 (d, 1H), 3.95 (t, 3H), 3.06 (t, 2H), 2.69 (t, 2H) 2.30 (t, 2H); MS m/z 244 (M+1)。
【0192】
実施例41: 1-アニリノ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-6-カルボン酸メチル
【化51】

【0193】
上に記載の方法と同様に、6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(0.03 g, 0.11 mmol)とアニリン(0.13 mL, 0.13 mmol)から1-アニリノ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-6-カルボン酸メチルを製造した。逆相HPLCによるさならなる精製(Waters C18 Symmetry カラム、8.5分にわたる50〜90%アセトニトリル/水、35 mL/分)から、黄色い固形物(0.005 g, 13%)を得た。 1H-NMR (CDCl3): δ 8.27 (s, 1H), 8.25 (s, 1H), 7.86 (d, 1H), 7.27 (t, 2H), 7.23 (d, 1H), 6.79 (t, 1H) 6.75 (d, 2H), 4.83 (t 1H), 3.93 (s, 3H) 2.78 (t, 2H), 2.28-2.20 (m, 1H), 2.07-2.00 (m, 1H), 1.92-1.80 (m, 1H); MS m/z 228 (M-93)。
【0194】
実施例42: 6-[(6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)アミノ]ニコチノニトリル塩酸塩
【化52】

【0195】
上に記載の方法と同様に、6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン(0.10 g, 0.50 mmol)と6-クロロニコチノニトリル (0.138 g, 0.1 mmol)から6-[(6-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-イル)アミノ]ニコチノニトリル塩酸塩を製造し、淡褐色の固形物(0.005 g, 3.0%)を得た。 1H-NMR (CDCl3): δ 8.49 (s, 1H), 8.33 (s, 1H), 7.56 (d, 1H), 7.28 (s, 1H), 7.18 (d, 1H), 6.99 (d, 1H), 6.42 (d, 1H), 5.31 (d, 1H), 5.15 (d, 1H) 2.77-2.70 (m, 2H), 2.28-2.25 (m, 1H), 2.00-1.92 (m, 3H); MS m/z 301 (M-1)。
【0196】
実施例43: N-フェニル-6-(トリフルオロメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩
【化53】

【0197】
上に記載の方法と同様に、6-(トリフルオロメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(150 mg, 0.59 mmol)とアニリン(110 mg, 1.2 mmol)からN-フェニル-6-(トリフルオロメチル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン塩酸塩を製造し、15 mg(7%)の白色の固形物を得た。 1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.36 (s, 1H), 7.77 (s, 1H), 7.46-7.30 (m, 4H), 7.14-7.10 (m, 2H), 6.81-6.58 (m, 2H), 4.83-4.80 (m, 1H), 2.75-2.58 (m, 2H), 2.08-1.80 (m, 4H); MS m/z (M-1) 329。
【0198】
実施例44: N-フェニル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化54】

【0199】
上に記載の方法と同様に、2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン (150 mg, 0.81 mmol)とアニリン(1.0 g, 11 mmol)からN-フェニル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを製造し、24 mg (11%)の白色の固形物を得た。 1H-NMR (DMSO-d6): δ 10.83 (s, 1H), 7.40 (d, 1H), 7.28 (d, 1H), 7.09 (t, 2H), 7.03 (t, 1H), 6.94 (t, 1H), 6.72 (d, 2H), 6.54 (t, 1H), 5.91 (d, 1H), 4.79-4.75 (m, 1H), 2.73-2.67 (m, 1H), 2.64-2.57 (m, 1H), 2.01-1.73 (m, 4H); MS m/z (M-93) 170。
【0200】
実施例45: 6-ブロモ-N-(3-メトキシフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化55】

【0201】
上に記載の方法と同様に、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン (100 mg, 0.38 mmol)とm-アニシジン(94 mg, 0.76 mmol)から6-ブロモ-N-(3-メトキシフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを製造し、37 mg (26%)の白色の固形物を得た。 1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.04 (s, 1H), 7.55 (s, 1H), 7.23 (d, 1H), 7.12 (dd, 1H), 6.97 (t, 1H), 6.32-6.27 (m, 2H), 6.13 (dd, 1H), 5.96 (d, 1H), 4.76-4.72 (m, 1H), 3.65 (s, 3H), 2.68-2.52 (m, 2H), 2.00-1.87 (m, 2H), 1.82-1.74 (m, 2H); MS m/z (M-1) 369, 371。
【0202】
実施例46: 6-ブロモ-N-(3-フルオロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化56】

【0203】
上に記載の方法と同様に、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン (100 mg, 0.38 mmol)と3-フルオロアニリン(84 mg, 0.76 mmol)から6-ブロモ-N-(3-フルオロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを製造し、17 mg(12%)の白色の固形物を得た。 1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.08 (s, 1H), 7.56 (s, 1H), 7.23 (d, 1H), 7.14-7.04 (m, 2H), 6.53-6.48 (m, 2H), 6.36-6.26 (m, 2H), 4.78-4.76 (m, 1H), 2.69-2.53 (m, 2H), 2.00-1.85 (m, 2H), 1.81-1.76 (m, 2H); MS m/z (M+1) 357, 359。
【0204】
実施例47: 6-ブロモ-N-(1H-インドール-5-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化57】

【0205】
上に記載の方法と同様に、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン (100 mg, 0.76 mmol)と5-アミノインドール (100 mg, 0.76 mmol)から6-ブロモ-N-(1H-インドール-5-イル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを製造し、54 mg(37%)の白色の固形物を得た。 1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.08 (s, 1H), 10.61 (s, 1H), 7.55 (d, 1H), 7.23 (d, 1H), 7.14-7.11 (m, 2H), 7.10 (d, 1H), 6.84-6.83 (m, 1H), 6.65 (dd, 1H), 6.18-6.17 (m, 1H), 5.21 (d, 1H), 4.77-4.71 (m, 1H), 2.68-2.54 (m, 2H), 2.02-1.89 (m, 2H), 1.84-1.73 (m, 2H); MS m/z (M+1) 378, 380。
【0206】
実施例48: 6-ブロモ-N-(2-メトキシフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化58】

【0207】
上に記載の方法と同様に、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン (200 mg, 0.76 mmol)とo-アニシジン(187 mg, 1.52 mmol)から6-ブロモ-N-(2-メトキシフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを製造し、ついでアセトニトリルから再結晶化させて、黄色い結晶として30 mg (11%)を得た。 1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.07 (s, 1H), 7.56 (d, 1H), 7.22 (d, 1H), 7.13 (dd, 1H), 6.84-6.73 (m, 3H), 6.60-6.56 (m, 1H), 4.85-4.80 (m, 1H), 4.72 (d, 1H), 3.73 (s, 3H), 2.70-2.53 (m, 2H), 2.00-1.75 (m, 4H); MS m/z (M-1) 369, 371。
【0208】
実施例49: 6-ブロモ-N-(2-クロロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化59】

【0209】
上に記載の方法と同様に、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン (200 mg, 0.76 mmol)と2-クロロアニリン(193 mg, 1.51 mmol)から6-ブロモ-N-(2-クロロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを製造し、43 mg (15%)の白色の固形物を得た。 1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.08 (s, 1H), 7.57 (d, 1H), 7.27-7.23 (m, 2H), 7.16-7.12 (m, 2H), 6.92 (d, 1H), 6.64-6.60 (m, 1H), 5.12 (d, 1H), 4.95-4.90 (m, 1H), 2.71-2.56 (m, 2H), 2.04-1.76 (m, 4H); MS m/z (M-1) 373, 375。
【0210】
実施例50: 6-ブロモ-N-(2-フルオロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化60】

【0211】
上に記載の方法と同様に、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン (200 mg, 0.76 mmol)と2-フルオロアニリン (168 mg, 1.51 mmol)から6-ブロモ-N-(2-フルオロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを製造し、37 mg (14%)の白色の固形物を得た。 1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.04 (s, 1H), 7.55 (d, 1H), 7.23 (d, 1H), 7.12 (dd, 1H), 7.05-6.85 (m, 3H), 6.59-6.54 (m, 1H), 5.53 (m, 1H), 4.87-4.82 (m, 1H), 2.68-2.57 (m, 2H), 2.04-1.92 (m, 2H), 1.87-1.72 (m, 2H)。
【0212】
実施例51: 6-ブロモ-N-(3,4-ジクロロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミン
【化61】

【0213】
上に記載の方法と同様に、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン (200 mg, 0.76 mmol)と3,4-ジクロロアニリン(245 mg, 1.51 mmol)から6-ブロモ-N-(3,4-ジクロロフェニル)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-アミンを製造し、12mg(4%)の灰色がかった白色の固形物を得た。 1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.08 (s, 1H), 7.57 (d, 1H), 7.26 (d, 1H), 7.23 (d, 1H), 7.13 (dd, 1H), 6.92 (d, 1H), 6.70 (dd, 1H), 6.52 (d, 1H), 4.79-4.77 (m, 1H), 2.68-2.52 (m, 2H), 1.99-1.72 (m, 4H); MS m/z (M-1) 409。
【0214】
実施例52: 6-ブロモ-N-(4-フルオロフェノキシ)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール
【化62】

【0215】
a) 6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オール
メタノール(20 mL)中の6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オン(500 mg, 1.9 mmol)の溶液に、ホウ水素化ナトリウム(144 mg, 3.8 mmol)を少しずつ添加した。この反応混合物を1時間撹拌し、ついで水(5 mL)を用いて反応停止させた。反応物を濃縮し、塩化メチレンを用いて希釈し、ついで水で洗浄した。有機相を濃縮し、その後、粗アルコールをシリカによるフラッシュクロマトグラフィー(5%〜30%酢酸エチル/ヘキサン濃度勾配)で精製して、6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オール(255 mg, 50%)を淡褐色の固形物として得た。1H-NMR (DMSO-d6): δ 10.99 (s, 1H), 7.54 (d, 1H), 7.25 (d, 1H), 7.12 (dd, 1H), 5.18 (d, 1H), 4.75-4.70 (m, 1H), 2.64-2.53 (m, 2H), 2.02-1.91 (m, 2H), 1.77-1.66 (m, 2H); MS m/z (M-1) 339, 341。
【0216】
b) 6-ブロモ-N-(4-フルオロフェノキシ)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール
THF (5 mL)中の6-ブロモ-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-1-オール(50 mg, 0.19 mmol)の溶液に、p-フルオロフェノール(43 mg, 0.38 mmol)、ポリマー担持トリフェニルホスフィン (1.67 mmol/g, 228mg, 0.38 mmol)およびアゾジカルボン酸ジイソプロピル(77 mg, 0.38 mmol)を加えた。この反応物を室温で16時間撹拌し、追加のアゾジカルボン酸ジイソプロピル (77 mg, 0.38 mmol)を添加した。この反応物を16時間撹拌し、濾過しついで濃縮した。粗生成物をシリカによるフラッシュクロマトグラフィー(2%〜20% 酢酸エチル/ヘキサン濃度勾配)で精製して、6-ブロモ-N-(4-フルオロフェノキシ)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール(8 mg, 12%)を白色の固形物として得た。 1H-NMR (DMSO-d6): δ 11.20 (s, 1H), 7.61 (d, 1H), 7.26 (d, 1H), 7.16-7.06 (m, 5H), 5.53 (t, 1H), 2.75-2.69 (m, 1H), 2.57-2.50 (m, 1H), 2.02-1.76 (m, 4H)。
【0217】
生物学的実験およびデータ
本発明の化合物は、HCV感染と関連した症状および疾患の治療および/または予防に有用であると考えられる。ETレプリコン細胞株を用いて、HCVを介した活性を測定した。
【0218】
次の材料を用いた: DMEM (1X 液体, 高グルコース)、Invitrogenカタログ番号11965-092;100 x ペニシリン/ストレプトマイシン溶液(10, 000 単位/mL)、Invitrogen カタログ番号15140-122;100 x 非必須アミノ酸溶液(10 mM)、Invitrogen カタログ番号11140-050;ウシ胎仔血清、JRH Biosciences カタログ番号12107-500M;ジェネティシン(Geneticin) (50 mg/mL)、Invitrogen カタログ番号10131-035からなる培地。
【0219】
ルシフェラーゼアッセイ試薬には、Steady-Glo ルシフェラーゼアッセイ系、カタログ番号E2550 (Promega)が含まれる。
【0220】
ETレプリコン細胞株(Lohmann ら (1999), Replication of subgenomic hepatitis C virus RNAs in a hepatoma cell line. Science 285: 110-113; Kriegerら(2001), Enhancement of hepatitis C virus RNA replication by cell culture-adaptive mutations. J. Virol. 75: 4614-4624; およびVrolijkら(2003), A replicon-based bioassay for the measurement of interferons in patients with chronic hepatitis C. J. Virol. Meth. 110: 201-209を参照されたい。それぞれETレプリコン系列に関して参照により本明細書に組み入れる)としては、HCV 遺伝子型1b株Con1レプリコンにより安定的にトランスフェクトされたHuh7細胞が挙げられる。このレプリコンは、ホタルルシフェラーゼを発現し、ネオマイシン遺伝子の上流にユビキチンのコード領域が挿入されており、共同してRNA複製を促進する3つの細胞培養適合性突然変異(E1202G、T1280I、およびS2197P)を有する。ET細胞株はReBLikon GmbH (Nach dem alten Schloss 22, 55239 Gau-Odernheim, Germany)からライセンスを受けて入手した。
【0221】
細胞を、10%FCS、1xペニシリン/ストレプトマイシン、1x非必須アミノ酸、0.5 mg/mL ジェネティシンを含むDMEM中で37℃、5%CO2で維持する。継代のために、細胞をPBSで1回洗浄し、細胞単層を覆うのに十分なトリプシン(0.05%)/ベルセンと共に37℃でインキュベートする。細胞をフラスコから剥がし取ったら、数mLのDMEM+10%FBSと混合してトリプシンを不活性化し、ついで十分な培地で適当に(通常は1:5または1:10)希釈して、新しいフラスコに継代する。T225フラスコの場合は、典型的には細胞+培地の全容量40〜50 mLを用いる。レプリコンRNAの密度依存性減少を防止するために、ET細胞株をサブコンフルエント(60〜80%)のレベルに維持する。
【0222】
化合物は、Costar V底型96ウェルプレートの最初の10個のウェルに、Biomek 2000自動分注機(Beckman-Coulter)を用いて、0.5 log10の希釈間隔でDMSO中に希釈する。プレートの最後の2列にはDMSOのみを加える。このマスタープレートにおける薬物の最高濃度は典型的には2.5 mMである。マルチチャネル・ピペッターを用いてDMEM+10%FBSを添加することにより化合物の1/5希釈物を調製し、500μMの最高濃度を得る。5μLの希釈化合物を、RapidPlate自動分注機(Zymark)を用いて、黒色Costar平底型96ウェルの娘プレート(daughter plate)に移した。
【0223】
細胞を約80%コンフルエント状態にまで増殖させ、上記のようにトリプシン処理する。レビー血球計(Levy Hemocytometer)を用いて細胞をカウントし、ついで10%FBS、1xペニシリン/ストレプトマイシン、1x NEAAを含有するDMEMにより20,000細胞/mlまで希釈する。(注記:このアッセイではジェネティシンを省く)。
【0224】
245μLの細胞懸濁物を、上記のように作製した娘プレートの最初の11列にMultidrop自動分注機(Titertek)を用いて添加する。このようにして、ウェル当たり5,000個の細胞を添加し、各化合物の最終的な最高濃度を10μMとする。各プレートの12列目は、アッセイのバックグラウンド測定値を得るために使用する。プレートを37℃、5%CO2で72時間インキュベートする。
【0225】
ルシフェラーゼアッセイ
Steady-Glo 試薬を製造業者の説明書に従って調製するために、Steady-GloバッファーおよびSteady-Glo基質バッファーを室温で混合する。マルチチャネル・アスピレーターを用いて、化合物で処理したET細胞を含有する96ウェルプレートから培地を除く。マルチチャネル・ピペッターまたはMultidrop分注機を用いて、100μlのSteady-Glo試薬を各ウェルに添加する。完全な細胞溶解を確実にするために、プレートを室温で5分インキュベートし、穏やかに振とうしながら混合する。
【0226】
Topcount (PE Biosystems)を用いてルシフェラーゼ活性を測定するが、このときウェル当たりの読み取り時間を1秒とする。データを解析して、RoboFitソフトウェアを用いてIC50曲線を作成する。
【0227】
本明細書に記載の化合物は、上記のアッセイにより測定したとき、有用なHCV活性を示すと考えられる。いくつかの本発明の化合物について具体的なIC50値を示すが、これらの値は例示的なものとみなすべきである。当業者ならば、本明細書に記載の生物学的活性アッセイを実施し、これを用いてデータを記録するにあたって変動性があることを理解するであろう。
【表1】

【0228】
試験化合物は遊離形態または塩形態で用いた。
【0229】
すべての研究は、実験動物管理の規則(NIH 出版番号第85-23号, 1985改訂)およびGlaxoSmithKline社の動物使用に関する方針に則って行った。
【0230】
本発明の特定の実施形態を本明細書に例示し詳細に記載したが、本発明はこれに限定されない。上記詳細な説明は本発明の典型例として提供されたものであり、何ら本発明の限定を構成するものと解釈されてはならない。改変は当業者に明らかであろうし、また、本発明の精神を逸脱しない全ての改変は、特許請求の範囲に含まれるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で表される化合物またはその製薬上許容可能な塩、溶媒和物、もしくは生理学的に機能性の誘導体を投与することによる、フラビウイルス科ウイルスの治療方法または予防方法。
【化1】

[式中、
nは0、1、または2であり、
XはNH、O、またはS(O)mであり、
各Rは同一または異なっており、かつハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、Ay、-NHR10Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-OR2、-OAy、-OHet、-R10OR2、-NR2R3、-NR2Ay、-R10NR2R3、-R10NR2Ay、-R10C(O)R2、-C(O)R2、-CO2R2、-R10CO2R2、-C(O)NR2R3、-C(O)Ay、-C(O)NR2Ay、-C(O)Het、-C(O)NHR10Het、-R10C(O)NR2R3、-C(S)NR2R3、-R10C(S)NR2R3、-R10NHC(NH)NR2R3、-C(NH)NR2R3、-R10C(NH)NR2R3、-S(O)2NR2R3、-S(O)2NR2Ay、-R10SO2NHCOR2、-R10SO2NR2R3、-R10SO2R2、-S(O)mR2、シアノ、ニトロ、およびアジドからなる群より独立に選択され、
各R1は同一または異なっており、かつハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、Ay、-NHR10Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-OR2、-OAy、-OHet、-R10OR2、-NR2R3、-NR2Ay、-R10NR2R3、-R10NR2Ay、-R10C(O)R2、-C(O)R2、-CO2R2、-R10CO2R2、-C(O)NR2R3、-C(O)Ay、-C(O)NR2Ay、-C(O)Het、-C(O)NHR10Het、-R10C(O)NR2R3、-C(S)NR2R3、-R10C(S)NR2R3、-R10NHC(NH)NR2R3、-C(NH)NR2R3、-R10C(NH)NR2R3、-S(O)2NR2R3、-S(O)2NR2Ay、-R10SO2NHCOR2、-R10SO2NR2R3、-R10SO2R2、-S(O)mR2、シアノ、ニトロ、およびアジドからなる群より独立に選択され、
各mは独立に0、1、または2であり、
各R10は同一または異なっており、かつアルキレン、シクロアルキレン、アルケニレン、シクロアルケニレン、およびアルキニレンから独立に選択され、
pおよびqはそれぞれ独立に0、1、2、3、4、または5から選択され、
R2およびR3の各々は同一または異なっており、かつH、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、-R10OH、-R10(OR10)w、および-R10NR4R5からなる群より独立に選択され、
wは1〜10であり、
R4およびR5の各々は同一または異なっており、かつアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、およびアルキニルからなる群より独立に選択され、
Ayはアリール基を表し、
Hetは5-または6-員環のヘテロシクリルまたはヘテロアリール基を表し、
環Aはアリールまたはヘテロアリールである。]
【請求項2】
ウイルスが、フラビウイルス属、ペスチウイルス属、またはヘパシウイルス属である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ウイルスが、デング熱、黄熱病、西ナイルウイルスまたはHCVから選択されるヒト疾患と関連する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
HCV感染の治療または予防のための方法である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
XがNHである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
アルキルがC1-C6アルキルであり、アルコキシがC1-C6アルコキシであり、かつハロアルキルがC1-C6ハロアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
少なくともpまたはqの一方が0ではない、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
pおよびqがどちらも1である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
nが1または2である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
nが1である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
Rが、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、-R10シクロアルキル、Ay、Het、-OR2、-R10OR2、-NR2R3、-COR2、-CO2R2、-CONR2R3、-S(O)2NR2R3、シアノ、ニトロ、またはアジドから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
Rがハロゲン、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、-R10シクロアルキル、Ay、Het、-R10OR2、-NR2R3、-COR2、-CONR2R3、-S(O)2NR2R3、またはシアノから選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
Rがハロゲン、アルキル、またはハロアルキルから選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
RがClまたはBrから選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
Rが、描写したN原子に対してパラ位に置換されている、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
R1がハロゲン、アルキル、ハロアルキル、Ay、Het、-OR2、-R10OR2、-NR2R3、-COR2、-CO2R2、-CONR2R3、-S(O)2NR2R3、-S(O)mR2、シアノ、ニトロ、またはアジドから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
R1がハロゲン、アルキル、ハロアルキル、-OR2、シアノ、またはニトロから選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
R1がハロゲン、アルキル、ハロアルキル、-OR2から選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
qが1または2である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
A環がアリールである、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
A環がフェニルである、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
A環がヘテロアリールである、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
ヘテロアリールがピリミジニル、ピリジル、またはベンゾチアゾリルである、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
ヘテロアリールがピリミジニルまたはピリジルである、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
qが0、1、または2である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
pが0ではないときに、各Rが同一または異なりかつハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、Ay、-NHR10Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-R10OR2、-NR2R3、-NR2Ay、-R10NR2R3、-R10NR2Ay、-R10C(O)R2、-C(O)R2、-CO2R2、-R10CO2R2、-C(O)NR2R3、-C(O)Ay、-C(O)NR2Ay、-C(O)Het、-C(O)NHR10Het、-R10C(O)NR2R3、-C(S)NR2R3、-R10C(S)NR2R3、-R10NHC(NH)NR2R3、-C(NH)NR2R3、-R10C(NH)NR2R3、-S(O)2NR2R3、-S(O)2NR2Ay、-R10SO2NHCOR2、-R10SO2NR2R3、-R10SO2R2、-S(O)mR2、シアノ、ニトロ、またはアジドからなる群より独立に選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
フラビウイルス科に属するウイルスの治療用または予防用の医薬の製造における、式(I)で表される化合物またはその製薬上許容可能な塩、溶媒和物、もしくは生理学的に機能性の誘導体の使用。
【化2】

[式中、
nは0、1、または2であり、
XはNH、O、またはS(O)mであり、
各Rは同一または異なっており、かつハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、Ay、-NHR10Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-OR2、-OAy、-OHet、-R10OR2、-NR2R3、-NR2Ay、-R10NR2R3、-R10NR2Ay、-R10C(O)R2、-C(O)R2、-CO2R2、-R10CO2R2、-C(O)NR2R3、-C(O)Ay、-C(O)NR2Ay、-C(O)Het、-C(O)NHR10Het、-R10C(O)NR2R3、-C(S)NR2R3、-R10C(S)NR2R3、-R10NHC(NH)NR2R3、-C(NH)NR2R3、-R10C(NH)NR2R3、-S(O)2NR2R3、-S(O)2NR2Ay、-R10SO2NHCOR2、-R10SO2NR2R3、-R10SO2R2、-S(O)mR2、シアノ、ニトロ、およびアジドからなる群より独立に選択され、
各R1は同一または異なっており、かつハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、Ay、-NHR10Ay、Het、-NHHet、-NHR10Het、-OR2、-OAy、-OHet、-R10OR2、-NR2R3、-NR2Ay、-R10NR2R3、-R10NR2Ay、-R10C(O)R2、-C(O)R2、-CO2R2、-R10CO2R2、-C(O)NR2R3、-C(O)Ay、-C(O)NR2Ay、-C(O)Het、-C(O)NHR10Het、-R10C(O)NR2R3、-C(S)NR2R3、-R10C(S)NR2R3、-R10NHC(NH)NR2R3、-C(NH)NR2R3、-R10C(NH)NR2R3、-S(O)2NR2R3、-S(O)2NR2Ay、-R10SO2NHCOR2、-R10SO2NR2R3、-R10SO2R2、-S(O)mR2、シアノ、ニトロ、およびアジドからなる群より独立に選択され、
各mは独立に0、1、または2であり、
各R10は同一または異なっており、かつアルキレン、シクロアルキレン、アルケニレン、シクロアルケニレン、またはアルキニレンから独立に選択され、
pとqはそれぞれ独立に0、1、2、3、4、または5から選択され、
R2およびR3の各々は同一または異なっており、かつH、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、-R10シクロアルキル、-R10OH、-R10(OR10)w、および-R10NR4R5からなる群より独立に選択され、
wは1〜10であり、
R4およびR5の各々は同一または異なっており、かつアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、およびアルキニルからなる群より独立に選択され、
Ayはアリール基を表し、
Hetは5-または6-員環のヘテロシクリルまたはヘテロアリール基を表し、
環Aはアリールまたはヘテロアリールである。]
【請求項28】
ウイルスが、フラビウイルス属、ペスチウイルス属、またはヘパシウイルス属である、請求項27に記載の使用。
【請求項29】
疾患または症状が、デング熱、黄熱病、西ナイルウイルスまたはHCVである、請求項28に記載の使用。
【請求項30】
症状または疾患がHCVである、請求項29に記載の使用。

【公表番号】特表2008−520675(P2008−520675A)
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−543150(P2007−543150)
【出願日】平成17年11月14日(2005.11.14)
【国際出願番号】PCT/US2005/041091
【国際公開番号】WO2006/121467
【国際公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(597173680)スミスクライン ビーチャム コーポレーション (157)
【Fターム(参考)】