説明

III族窒化物半導体発光素子

【課題】反射膜のマイグレーションを防止すること。
【解決手段】図1に示すフリップチップ型のIII 族窒化物半導体発光素子は、サファイア基板10と、サファイア基板10上に順に形成されたn型層11、発光層12、p型層13を有している。p型層13表面には、n型層11に達する深さの孔14が複数設けられている。p型層13表面のほぼ全面に、ITO電極15が設けられ、ITO電極15上にSiO2 からなる絶縁膜16が設けられている。また、絶縁膜16中に埋め込まれたAgからなる反射膜19を有している。反射膜19の上部には、絶縁膜16を介して導電膜23が形成されている。また、導電膜23は、p型層13上に設けられたITO電極15に接続されている。このような構成により、反射膜19は等電位な領域に位置することとなり、マイグレーションが防止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁膜中にAgまたはAgを含む合金からなる反射膜を有したIII 族窒化物半導体発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1、2のように、絶縁膜中にAgまたはAg合金からなる反射膜を設けたフリップチップ型のIII 族窒化物半導体発光素子が知られている。この反射膜によって、発光層からp型層側へと放射される光をn型層側へと反射して光取り出し効率を向上させている。Agはマイグレーションを起こしやすいため、このように反射膜を絶縁膜で覆うことでマイグレーションを抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−302747号公報
【特許文献2】特開2010−27824号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、反射膜が絶縁膜中に設けられ、絶縁された状態となっている場合であっても、絶縁膜を介してp電極とn配線電極との間に挟まれている領域の反射膜は、そのp電極−n配線電極間の電位差によってマイグレーションが生じてしまうことが発明者らの検討によりわかった。
【0005】
そこで本発明の目的は、絶縁膜中に設けられたAgまたはAg合金からなる反射膜にマイグレーションが生じるのを抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、絶縁膜中にAgまたはAg合金からなる反射膜が設けられ、その反射膜の少なくとも一部が絶縁膜を介してn配線電極と、光透過性を有するpコンタクト電極または、p型層とに挟まれた領域に位置するIII 族窒化物半導体発光素子において、その領域であって、n配線電極と反射膜との間に、絶縁膜を介して導電性を有した導電膜を設け、導電膜は、pコンタクト電極またはp型層に接続している、ことを特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子である。
【0007】
導電膜は、導電性を有した材料であれば任意の材料でよく、絶縁膜との密着性の高い材料であれば好ましい。たとえば、Al、Ti、Cr、ITOなどを用いることができる。pコンタクト電極は、p型層に直接接触する電極であり、III 族窒化物半導体発光素子の発光波長に対して光透過性を有する材料であれば任意の材料を用いることができる。たとえば、ITO(酸化インジウムスズ)、ICO(酸化インジウムセリウム)、IZO(酸化インジウム亜鉛)などの導電性透明酸化物や、Auなどの金属薄膜である。
【0008】
導電膜とpコンタクト電極またはp型層との接続は、直接に接続するものだけでなく、pコンタクト電極またはp型層と接続するp配線電極を設け、導電膜とp配線電極とを接続することで間接的に接続するものであってもよいし、pコンタクト電極とp配線電極との間に、pコンタクト電極の一部として中間電極を設け、導電膜と中間電極とを接続することで間接的に接続するものであってもよい。
【0009】
導電膜は、反射膜が絶縁膜を介してn配線電極とpコンタクト電極またはp型層とに挟まれた領域と同一の領域に、または、反射膜が絶縁膜を介してn配線電極とpコンタクト電極またはp型層とに挟まれた領域を含むより広い領域に形成されていることが望ましい。等電位な領域がさらに広くなるので、反射膜のマイグレーションがより抑制される。
【0010】
反射膜は単層であってもよいし多層であってもよい。また、絶縁膜との密着性を向上させるために、絶縁膜と反射膜との間にTiなどの膜を設けてもよい。
【0011】
第2の発明は、第1の発明において、pコンタクト電極はITOであることを特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子である。
【0012】
第3の発明は、第1の発明または第2の発明において、pコンタクト電極は、その一部に中間電極を有し、導電膜は、中間電極を介してpコンタクト電極に接続していることを特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子である。
【0013】
第4の発明は、第1の発明から第3の発明において、導電膜は、前記領域と同一の領域、または、前記領域を含んでより広い領域に形成されていることを特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子である。
【0014】
第5の発明は、第1の発明から第4の発明において、pコンタクト電極またはp型層に接続するp配線電極を有し、導電膜をp配線電極に接続することで、p配線電極を介して導電膜をpコンタクト電極またはp型層に接続している、ことを特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子である。
【0015】
第6の発明は、第1の発明から第5の発明において、導電膜は、Al、Ti、Cr、またはITOであることを特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子である。
【0016】
第7の発明は、第1の発明から第6の発明において、フリップチップ型の素子であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、反射膜とn配線電極との間に挟まれた領域における絶縁膜中に導電膜を設け、導電膜をp型層またはpコンタクト電極と接続しているため、p型層またはpコンタクト電極とn配線電極との間に挟まれた領域の反射膜は等電位な領域に位置することとなり、反射膜のマイグレーションを防止することができる。
【0018】
特に本発明はフリップチップ型の素子に用いるのが有効である。フリップチップ型の素子では、p電極あるいはp型層とn配線電極との間の領域にも、絶縁膜を介して反射膜を設けることが、構造的に必要なためである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施例1のIII 族窒化物半導体発光素子の構成を示した断面図。
【図2】実施例1のIII 族窒化物半導体発光素子の製造工程を示した図。
【図3】実施例1の変形例のIII 族窒化物半導体発光素子の構成を示した図。
【図4】実施例1の変形例のIII 族窒化物半導体発光素子の構成を示した図。
【図5】実施例1の変形例のIII 族窒化物半導体発光素子の構成を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の具体的な実施例について図を参照に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0021】
図1は、実施例1のIII 族窒化物半導体発光素子の断面図である。図1のように、実施例1のIII 族窒化物半導体発光素子は、フリップチップ型の素子であり、サファイア基板10と、サファイア基板10上に順に形成されたn型層11、発光層12、p型層13を有している。これらn型層11、発光層12、p型層13は、従来知られた任意の構成でよい。n型層11は、たとえばサファイア基板11側から順に、nコンタクト層、ESD層、nクラッド層で構成される。発光層12は、たとえばMQW構造であり、InGaNからなる井戸層とGaNからなる障壁層とが繰り返し積層された構造である。p型層13は、たとえば発光層12側から順に、pクラッド層、pコンタクト層で構成される。p型層13表面には、そのp型層13表面からn型層11に達する深さの孔14(n型層11が積層構造である場合にはnコンタクト層に達する深さ、以下において同様)が複数設けられている。また、p型層13表面の孔14が設けられた領域以外のほぼ全面に、ITO(Indium Tin Oxide;酸化インジウムスズ)電極15が設けられている。ITO電極15は、p型層13にコンタクトをとるpコンタクト電極であり、素子の発光波長に対して透明である。さらに、ITO電極15の表面、孔14の側面および底面、p型層13表面のうちITO電極15が形成されていない領域、に連続してSiO2 からなる絶縁膜16が設けられている。絶縁膜16の材料には、SiO2 以外にも、Si3 4 、Al2 3 、TiO2 、などのIII 族窒化物半導体発光素子の発光波長に対して透光性を有した絶縁材料を用いることができる。
【0022】
絶縁膜16上(サファイア基板11側とは反対側の絶縁膜16表面)にはn配線電極17とp配線電極18が形成されている。n配線電極17およびp配線電極18は、素子面方向に広がる配線状に構成されている。絶縁膜16にはn型層11を露出させる孔20(n型層11が積層構造である場合にはnコンタクト層を露出させる深さの孔)、およびITO電極15を露出させる孔21が設けられ、孔20を通してn配線電極17とn型層11とがn中間電極24を介して接触し、孔21を通してp配線電極18とITO電極15とがp中間電極25を介して接触している。n中間電極24は、n型層11とコンタクトをとるnコンタクト電極である。n中間電極24、p中間電極25はNi/Au/Al(サファイア基板11に近い側から順にNi膜、Au膜、Al膜の3層で構成された積層構造、記号「/」は積層であることを意味し、A/BはAを成膜したのちBを成膜した積層構造であることを意味する。以下において同じ)からなり、Ni膜が50nm、Au膜が1500nm、Al膜が10nmである。
【0023】
絶縁膜16中には、反射膜19が埋め込まれている。反射膜19は、Al/Ag/Alの3層構造であり、Alの厚さは1〜30Åである。このように反射膜19を絶縁膜16で覆うことにより、反射膜19のマイグレーションを抑制している。反射膜19をAgの単層ではなく、Ag層をAl層で挟んだ構造としたのは、Agよりもイオン化傾向が大きなAlでAgを挟むことによりAgのマイグレーションを防止するためである。反射膜19の材料は、Al/Ag/Al以外でもよく、AgまたはAg合金からなる単層や、AgまたはAg合金からなる層を含む複層であればよい。
【0024】
絶縁膜16中であって、反射膜19の上部(ITO電極15側とは反対側)に当たる領域には、導電膜23が形成されている。導電膜23は、導電性を有した材料であればよく、絶縁膜16との密着性がよい材料が好ましい。たとえばAl、Ti、Cr、ITOなどを用いることができる。また、導電膜23の一部は、ITO電極15に接触している。接触位置は任意の位置でよいが、反射膜19の面積が狭くなって光取り出し効率が低下してしまわないよう接触範囲はなるべく狭くすることが望ましい。また、導電膜23は部分的に反射膜19に接触するようにしてもよい。
【0025】
n配線電極17、p配線電極18上は、絶縁膜22に覆われている。そして、n配線電極17上部(サファイア基板11側とは反対側)に位置する絶縁膜22上、およびp配線電極18上部(サファイア基板11側とは反対側)に位置する絶縁膜22上に、それぞれはんだ層26、27が形成されている。絶縁膜22にはn配線電極17、p配線電極18が底面に露出する孔28、29が設けられ、この孔28、29を介してn配線電極17とはんだ層26、およびp配線電極18とはんだ層27が接続されている。はんだ層26、27はTi/Ni/Au/AuSn/Auであり、膜厚はそれぞれ順に100nm、150nm、50nm、5000nm、50nmである。
【0026】
実施例1のIII 族窒化物半導体発光素子は、絶縁膜16中の反射膜19によって光をサファイア基板側へと反射して光を取り出すフリップチップ型の素子である。ここで、実施例1のIII 族窒化物半導体発光素子では、ITO電極15と接続された導電膜23を設けたことにより、ITO電極15と導電膜23がおよそ等電位となる。また、従来、絶縁膜16を介してn配線電極17とITO電極15とに挟まれた領域の反射膜19は、絶縁膜16を介して導電膜23とITO電極15に挟まれることとなる。そのため、絶縁膜16を介してn配線電極17とITO電極15とに挟まれた領域の反射膜19は、等電位の領域に位置することとなり、反射膜19には電界が生じず、マイグレーションが防止される。
【0027】
なお、導電膜23は、反射膜19が絶縁膜16を介してn配線電極17とITO電極15とに挟まれた領域と同一の領域、または、反射膜19が絶縁膜16を介してn配線電極17とITO電極15とに挟まれた領域を含むより広い領域に形成することが望ましい。等電位となる領域がより広がり、その等電位な領域に反射膜19がより確実に含まれるようになるため、反射膜19のマイグレーションをより抑制することができる。
【0028】
また、実施例1のIII 族窒化物半導体発光素子では、反射膜19の上部(サファイア基板11側とは反対側)に絶縁膜16を介して導電膜23を設ける構成としているが、反射膜19上部であって、n配線電極17の下部(サファイア基板11側)に当たる領域にのみ導電膜23を設けるようにしてもよい。
【0029】
また、実施例1のIII 族窒化物半導体発光素子では、導電膜23の一部をITO電極15に接続する構成としているが、導電膜23の電位がp配線電極18とおよそ等電位となる構成であれば任意の構成でよい。たとえば、図3のように、導電膜23の一部をp中間電極25に接続する構成や、図4のように、導電膜23の一部をp型層13に接続する構成や、図5のように、導電膜23の一部をp配線電極18に接続する構成としてもよい。いずれの場合も、導電膜23とITO電極15またはp型層13とが間接的に接続される構成となるため、反射膜19が等電位の領域中に存在することとなり、反射膜19のマイグレーションを防止することができる。
【0030】
次に、実施例1のIII 族窒化物半導体発光素子の製造工程について、図2を参照に説明する。
【0031】
まず、サファイア基板10上に、MOCVD法によって、n型層11、発光層12、p型層13を順に形成する。原料ガスには、Ga源としてTMG(トリメチルガリウム)、In源としてTMI(トリメチルインジウム)、Al源としてTMA(トリメチルアルミニウム)、窒素源としてアンモニア、n型ドーピングガスとして、シラン、p型ドーピングガスとしてシクロペンタジエニルマグネシウム、キャリアガスには水素または窒素を用いる。そして、p型層13上の一部領域に、蒸着によって100nmのITO電極15を形成する(図2(a))。
【0032】
次に、フォトリソグラフィとドライエッチングによって、所定の領域にp型層13表面からn型層11に達する深さの孔14を形成し、孔14の底面に露出したn型層11の所定の領域、およびITO電極15上の所定の領域に、蒸着、リフトオフによってn中間電極24、p中間電極25をそれぞれ形成し、570℃で熱処理を行う(図2(b))。
【0033】
次に、上面全面、すなわち、ITO電極15表面、孔14の底面および側面、p型層13表面であってITO電極15の形成されていない領域、n中間電極24、p中間電極25上に連続して、CVD法によって、SiO2 からなる厚さ100nmの第1絶縁膜16a(絶縁膜16の一部)を形成する。そして、第1絶縁膜16a上であって、n中間電極24、p中間電極25上部に当たる領域および導電膜23とITO電極15とを接続する領域、を除いた領域に、蒸着によってAl膜、Ag膜、Al膜を順に積層してAl/Ag/Alからなる反射膜19を形成する(図2(c))。Al膜は1〜30Å、Ag膜は500〜5000Åである。
【0034】
次に、第1絶縁膜16a上および反射膜19上に、CVD法によって、SiO2 からなる厚さ100nmの第2絶縁膜16b(絶縁膜16の一部)を形成する。これにより、第1絶縁膜16aと第2絶縁膜16bとの間に反射膜19が埋め込まれるように形成される。そして、第2絶縁膜16b上の所定の領域(下部に反射膜19やn中間電極24、p中間電極25が位置していない領域)にドライエッチングによって孔30を形成し、その孔30底面にITO電極15を露出させる。そして、反射膜19の上部に位置する第2絶縁膜16b上と孔30に連続して、蒸着、リフトオフによって導電膜23を形成する(図2(d))。これにより、導電膜23とITO電極15とが孔30を通して接続される。
【0035】
次に、第2絶縁膜16b上および導電膜23上に、CVD法によって、SiO2 からなる厚さ100nmの第3絶縁膜16c(絶縁膜16の一部)を形成する。第1絶縁膜16a、第2絶縁膜16b、第3絶縁膜16cが一体として絶縁膜16を形成する(図2(e))。
【0036】
次に、絶縁膜16上であって、n中間電極24、p中間電極25の上部に位置する領域に、ドライエッチングによってn中間電極24を露出させる孔20、およびp中間電極25を露出させる孔21をそれぞれ形成する。その後、第3絶縁膜16c上の所定の領域および孔20、21に、蒸着、リフトオフによって、Ti/Ni/Au/Alからなる配線状のn配線電極17、p配線電極18を形成する(図2(f))。これにより、n配線電極17とn中間電極24、およびp配線電極18とp中間電極25とを接続する。n配線電極17とp配線電極18はそれぞれ別に形成してもよいし、同時に形成してもよい。
【0037】
次に、n配線電極17、p配線電極18上に、CVD法によって絶縁膜22を形成し、絶縁膜22の所定の領域にドライエッチングによって孔28、29を形成する。そして、絶縁膜22上であってn配線電極17の上部に当たる位置と孔28にはんだ層26、絶縁膜22上であってp配線電極18の上部に当たる位置と孔29にはんだ層27を形成し、孔28を介してn配線電極17とはんだ層26、孔29を介してp配線電極18とはんだ層27とを接続する。以上によって、図1に示す実施例1のIII 族窒化物半導体発光素子が製造される。
【0038】
また、実施例1のIII 族窒化物半導体発光素子では、ITO電極15を用いたが、III 族窒化物半導体発光素子の発光波長に対して光透過性を有し、p型層13とオーミック接触する材料であれば他の材料を用いてもよい。そのような材料として、10nm程度の厚さのCo/Auなどからなる金属薄膜や、ICO(Indium Cerium Oxide;酸化インジウムセリウム)などからなる導電性透明酸化物が挙げられる。
【0039】
また、実施例1のIII 族窒化物半導体発光素子では、絶縁膜16の材料としてSiO2 を用いたが、III 族窒化物半導体発光素子の発光波長に対して光透過性を有する絶縁材料であれば他の材料を用いてもよい。そのような材料として、Al2 3 、TiO2 などの酸化物、Si3 4 などの窒化物、SiOx y などの酸窒化物が挙げられる。
【0040】
また、実施例1のIII 族窒化物半導体発光素子では、n型層11とn配線電極17とを、n中間電極24を介して接続させた構造としたが、n中間電極24を介さずに直接n型層11とn配線電極17とを接続させた構造としてもよい。同様に、実施例1のIII 族窒化物半導体発光素子では、p型層13またはITO電極15とp配線電極18とを、p中間電極25を介して接続させた構造としたが、p中間電極25を介さずにp型層13またはITO電極15とp配線電極18とを直接接続させた構造としてもよい。
【0041】
また、実施例1はフリップチップ型のIII 族窒化物半導体発光素子であったが、本発明はフェイスアップ型のIII 族窒化物半導体発光素子においても適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明のIII 族窒化物半導体発光素子は、照明装置や表示装置などの光源として利用することができる。
【符号の説明】
【0043】
10:サファイア基板
11:n型層
12:発光層
13:p型層
14、20、21:孔
15:ITO電極
16:絶縁膜
17:n配線電極
18:p配線電極
19:反射膜
23:導電膜
24:n中間電極
25:p中間電極
26、27:はんだ層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁膜中にAgまたはAg合金からなる反射膜が設けられ、その反射膜の少なくとも一部が前記絶縁膜を介してn配線電極と、光透過性を有するpコンタクト電極または、p型層とに挟まれた領域に位置するIII 族窒化物半導体発光素子において、
前記領域であって、前記n配線電極と前記反射膜との間に、前記絶縁膜を介して導電性を有した導電膜を設け、
前記導電膜は、前記pコンタクト電極または前記p型層に接続している、
ことを特徴とするIII 族窒化物半導体発光素子。
【請求項2】
前記pコンタクト電極は、ITOであることを特徴とする請求項1に記載のIII 族窒化物半導体発光素子。
【請求項3】
前記pコンタクト電極は、その一部に中間電極を有し、前記導電膜は、前記中間電極を介して前記pコンタクト電極に接続していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のIII 族窒化物半導体発光素子。
【請求項4】
前記導電膜は、前記領域と同一の領域、または、前記領域を含んでより広い領域に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のIII 族窒化物半導体発光素子。
【請求項5】
前記pコンタクト電極または前記p型層に接続するp配線電極を有し、
前記導電膜を前記p配線電極に接続することで、前記p配線電極を介して前記導電膜を前記pコンタクト電極または前記p型層に接続している、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のIII 族窒化物半導体発光素子。
【請求項6】
前記導電膜は、Al、Ti、Cr、またはITOであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のIII 族窒化物半導体発光素子。
【請求項7】
フリップチップ型の素子であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のIII 族窒化物半導体発光素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−212846(P2012−212846A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231453(P2011−231453)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【Fターム(参考)】