説明

LED発光装置による情報提供装置および車両制御装置

【課題】LED発光装置の表示により提供される情報とは異なる情報を提供できるLED発光装置による情報提供装置、提供された情報に基づいて車両の制御を行う車両制御装置を提供する。
【解決手段】LEDの発光および/または前記LEDの点滅により情報を提供する情報提供装置に、所定の条件に基づいて、LEDの発光を制御する発光制御手段と、前記LEDの発光により提供される情報とは異なる情報を生成する情報生成手段と、前記情報生成手段により生成した情報に基づいて、前記LEDを点滅させる点滅制御手段とを備えることにより達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDの発光により情報を提供する情報提供装置に関し、特に、LEDの点滅により光通信を行う装置および該光信号に基づいて車両の制御を行う車両制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示用等に使用されるLED発光手段を用いて補助の関連情報を提供する情報提供装置がある。この情報提供装置では、LED発光手段に第1の情報を表示し、加えてLED発光手段のLEDを人の目で判断できない高速で点滅させて光通信で第2の情報を送信し、受信者に情報を提供する。
【0003】
このような情報提供装置が道路標識に適用された場合、車を運転する者が、その道路標識の存在自体に気付かなかった場合にも、関連する情報を提供することができる。また、標識の存在に気付いている場合であっても、遠い位置にその標識が設置されており、その表示サイズが小さかったりする等の状況においても、その標識の内容を判別させることができる(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−202741号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した背景技術には以下の問題がある。
【0005】
上述したような情報提供装置では、LED発光手段の表示により提供される情報と、LED発光手段の輝度変化により提供される情報とが同様の内容であり、LED発光手段の輝度変化により提供される情報が冗長に提供される。
【0006】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、LED発光手段の表示により提供される情報とは異なる情報を提供できるLED発光装置による情報提供装置、提供された情報に基づいて車両の制御を行う車両制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の情報提供装置は、LEDの発光および/または前記LEDの点滅により情報を提供する情報提供装置において、所定の条件に基づいて、LEDの発光を制御する発光制御手段と、前記LEDの発光により提供される情報とは異なる情報を生成する情報生成手段と、前記情報生成手段により生成した情報に基づいて、前記LEDを点滅させる点滅制御手段とを備えることを特徴の1つとする。
【0008】
このように構成することにより、LEDの点滅による光信号により、LEDの発光により提供される情報とは異なる情報を提供することができる。
【0009】
また、別の構成例では、前記発光制御手段は、第1の信号機の各信号灯を構成するLED群の発光を制御し、前記情報生成手段は、前記第1の信号機の各信号灯の発光状態を示す状態信号と、前記第1の信号機の近傍に設置された第2の信号機の各信号灯の発光状態を示す状態信号とを生成するように構成される。
【0010】
このように構成することにより、第1の信号機の各信号灯を構成するLEDの点滅による光信号により、該第1の信号機の各信号灯の発光状態を示す状態信号と、第1の信号機の近傍に設置された第2の信号機の各信号灯の発光状態を示す状態信号とを通知できる。受信側では、通知された信号機の各信号灯の発光状態を示す状態信号に基づいて、車速の制御を行うことができる。
【0011】
さらに別の構成例では、前記情報生成手段は、前記第1の信号機の設置された位置と、前記第2の信号機の設置された位置との距離を示す情報を生成するように構成される。
【0012】
このように構成することにより、第1の信号機の設置された位置と、第2の信号機の設置された位置との距離を通知できる。受信側では、通知された第1および第2の信号機の各信号灯の発光状態を示す状態信号に加え、第1の信号機の設置された位置と、第2の信号機の設置された位置との距離に基づいて、車速の制御を行うことができる。
【0013】
また、別の構成例では、前記発光制御手段は、広告塔により提供される広告内容に基づいて、LEDの発光を制御し、前記情報生成手段は、広告に関する情報を生成するように構成される。
【0014】
このように構成することにより、LEDの点滅による光信号により、広告塔に表示する広告内容に関する情報を通知することができる。
【0015】
また、別の構成例では、前記発光制御手段は、車両のヘッドランプを構成するLEDの発光を制御し、前記情報生成手段は、前記情報提供装置が搭載された車両の車速情報およびナンバープレートの車両番号のうち少なくとも一方を生成するように構成される。
【0016】
このように構成することにより、LEDの点滅による光信号により、車速情報、車両番号を通知することができ、受信側では、通知された車速情報、車両番号に基づいてスピード違反などの交通違反の車両を特定することができる。
【0017】
さらに別の構成例では、前記LEDの点滅を開始する時間を示す情報を生成するように構成される。
【0018】
このように構成することにより、自情報提供装置が搭載された車両に搭載された受信装置では、LEDの点滅を開始する時間を含む光信号の反射光が受信された時刻を検出することにより、前方の車両との距離を求めることができる。
【0019】
また、別の構成例では、前記発光制御手段は、車両の尾灯を構成するLEDの発光を制御し、前記情報生成手段は、前記情報提供装置が搭載された車両の車速情報、ブレーキ操作状態を示す情報、および方向指示器の操作による指示情報のうち少なくとも1つを生成するように構成される。
【0020】
このように構成することにより、後続車に、LEDの点滅による光信号により、車速情報、ブレーキ操作状態を示す情報、方向指示器の操作による指示情報を通知することができる。
【0021】
また、別の構成例では、前記発光制御手段は、車両の尾灯を構成するLEDの発光を制御し、前記情報生成手段は、信号機の各信号灯の発光状態を示す状態信号を示す情報を生成するように構成される。
【0022】
このように構成することにより、後続車に、LEDの点滅による光信号により、信号機の各信号灯の発光状態を通知することができる。
【0023】
また、別の構成例では、前記発光制御手段は、車両のインジケータを構成するLEDの発光を制御し、前記情報生成手段は、前記情報提供装置が搭載された車両の故障検出装置からの故障情報の通知に基づいて、該故障情報を生成するように構成される。
【0024】
このように構成することにより、LEDの点滅による光信号により、車両の故障状態を通知することができる。
【0025】
本発明の車両制御装置は、LEDの発光および/または前記LEDの点滅により情報を提供する情報提供装置が、第1の信号機の各信号灯を構成するLED群の発光を制御し、前記第1の信号機の各信号灯の発光状態を示す状態信号と、前記第1の信号機の近傍に設置された第2の信号機の各信号灯の発光状態を示す状態信号とを、前記LEDの点滅による光信号により提供し、前記情報提供装置から送信された光信号から、第1の信号機の各信号灯の発光状態を示す状態信号と、前記第2の信号機の各信号灯の発光状態を示す状態信号とを抽出する情報処理手段と、前記第1の信号機の各信号灯の発光状態を示す状態信号と、前記第2の信号機の各信号灯の発光状態を示す状態信号に基づいて、車速の制御を行う車速制御手段とを備えることを特徴の1つとする。
【0026】
このように構成することにより、LEDの点滅による光信号により、情報提供装置から通知された第1の信号機の各信号灯の発光状態を示す状態信号と、前記第1の信号機の近傍に設置された第2の信号機の各信号灯の発光状態を示す状態信号とに基づいて、車速の制御を行うことができる。
【0027】
さらに別の構成例では、地図情報が記録された記憶手段を備え、前記車速制御手段は、前記地図情報に基づいて、前記第1の信号機と、前記第2の信号機との距離を求め、第1の信号機の各信号灯の発光状態を示す状態信号と、前記第2の信号機の各信号灯の発光状態を示す状態信号とに基づいて、車速を制御するように構成される。
【0028】
このように構成することにより、地図情報に基づいて求められた第1の信号機と第2の信号機との距離と、第1の信号機の各信号灯の発光状態を示す状態信号と、第2の信号機の各信号灯の発光状態を示す状態信号とに基づいて、車速を制御することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の実施例によれば、LED発光装置の表示により提供される情報とは異なる情報を提供できるLED発光装置による情報提供装置、提供された情報に基づいて車両の制御を行う車両制御装置を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
次に、本発明を実施するための最良の形態を、以下の実施例に基づき図面を参照しつつ説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
【0031】
本発明の第1の実施例にかかる情報提供装置について、図1を参照して説明する。
【0032】
本実施例にかかる情報提供装置としての信号機100は、信号機制御部102と、信号機表示部104とを備える。信号機制御部102は、発光制御手段としての表示制御部106と、点滅制御部108と、情報生成部110と、データ変調部112と、記憶部114とを備える。
【0033】
信号機表示部104は、青色、黄色、赤色の信号灯により構成され、各信号灯は、例えばLED(Light Emitting Diode)などの光源の集合体(以下、LED群と呼ぶ)により構成される。また、信号機表示部104は、LEDを高速に点滅させることにより生成される光信号により、フレームデータを送信することができる。例えば、信号機表示部104は、64kHz程度から512kHz程度で、LEDを高速に点滅させることにより、フレームデータを送信する。
【0034】
表示制御部106は、信号機表示部104の各信号灯を、図2に示すようなタイミングで、例えば青色−黄色−赤色−青色の順序で点灯させる制御を行う。また、青色、黄色および赤色のうち少なくとも1つの点灯制御開始時に同期した信号を情報生成部110およびデータ変調部112に入力する。この場合、同期信号に点灯制御を行う信号灯、例えば色を示す情報を含めるようにしてもよい。例えば、点灯制御を行う信号灯に応じて同期信号を異なるようにする。
【0035】
記憶部114は、信号機100が設置されている位置を示す位置情報、信号機100が設置された交差点名などの交差点に関する情報、信号機100が設置された交差点の次の交差点に関する情報、例えば次の交差点までの距離を記憶する。
【0036】
情報生成部110は、表示制御部106により入力された同期信号に基づいて、記憶部114に記憶された情報を読み出し、読み出したデータに対応する特定フォーマットのフレームデータを生成し、データ変調部112に入力する。また、情報生成部110は、表示制御部106により入力された同期信号に基づいて、該同期信号に含まれる点灯制御を行う信号灯に基づいて信号状態を示す情報を生成し、生成した信号状態を示す情報に対応する特定フォーマットのフレームデータを生成し、データ変調部112に入力する。また、情報生成部110は、交通情報装置、例えば電波ビーコン及び光ビーコンにより通知される信号機情報、例えば信号機100の近傍に設置された次の信号機の信号状態を示す情報を生成し、生成した信号状態を示す情報に対応する特定フォーマットのフレームデータを生成し、データ変調部112に入力する。
【0037】
データ変調部112は、表示制御部106により入力された同期信号に基づいて、情報生成部110が生成したフレームデータを一定周波数のクロックに同期したシリアルデータに変調し、点滅制御部108に出力する。
【0038】
点滅制御部108は、信号機表示部104の信号灯を構成するLED群に電流を供給して発光させ、信号灯を点灯させる駆動回路と、表示制御部106およびデータ変調部112からの信号に基づいて、LEDごとに、供給する電流のON/OFF制御を行うスイッチ制御回路などから構成される。
【0039】
具体的には、表示制御部106からの表示データに基づいて、点灯させる対象となるLED群を特定するとともに、データ変調部112からのシリアルデータに基づいて、それらの対象となるLED群を点滅させる。
【0040】
図3Aは、図1に示された情報生成部110から出力されるフレームデータのフォーマット例を示し、図3Bは、データ変調部112から出力される点滅パターンを示すシリアルデータの信号波形の一例を示す。
【0041】
フレームデータは、同期符号「SYN」、フレームの先頭を示す「ヘッダ」、「データ」、フレームの終端を示す「フッタ」などから構成される。シリアルデータはフレームデータから生成されるビットシリアルな2値信号であり、例えば、62.5kbpsの伝送速度に対応した信号である。
【0042】
その結果、信号機100は、各信号灯を構成するLED群の点滅による光信号により、図4に示すように、信号状態、交差点名などの交差点に関する情報、次の信号機の信号状態を示す情報(次信号情報)を送信する。
【0043】
次に、受信装置200について、図5を参照して説明する。
【0044】
受信装置200は、例えばナビゲーション機能を有する携帯電話、車両、例えば車載ナビゲーションシステムに搭載され、受光部202と、情報処理部204と、記録部206とにより構成される。
【0045】
受光部202は、信号機100から送信される光変調信号を受光し、電気信号に変換し、情報処理部204に入力する。
【0046】
情報処理部204は、受光部202により入力された電気信号に基づいて、該電気信号を整形するとともに2値のデジタルデータに変換する。また、情報処理部204は、デジタルデータに含まれる同期符号による同期を確立させた状態で、「符号」、例えば「ヘッダ」、「フッタ」と、「データ」とを抽出し、抽出した「符号」および「データ」を復号する。その結果、信号機100の位置を示す位置情報、信号機100が設置された交差点に関する情報、信号機100の近傍に設置された次の交差点に関する情報、信号状態を示す情報が復元される。
【0047】
例えば、受信装置200がナビゲーション機能を有する携帯電話、車載ナビゲーションシステムに搭載されている場合には、復元された信号機の位置を示す位置情報に基づいて正確な現在位置の確認や進行方向の確認行うことができるため、GPS(Global Positioning System)による測位機能、すなわち複数の人工衛星から送信されるGPS信号を受信して、該GPS信号に基づいて測位処理を行い、位置確認処理を行う機能を省略できる。
【0048】
また、例えば、受信装置200が車両に搭載されている場合には、復元された信号状態を示す情報、交差点に関する情報を記録部206に記録することにより、記録された信号状態を示す情報を確認することにより、交通違反した車両を特定でき、交通違反者を摘発できる。例えば、事故が発生した場合に、記録された信号状態を示す情報を確認することにより、該事故が目撃者のいない交差点で発生した場合であっても、信号無視を行った車両を特定できる。
【0049】
また、例えば、受信装置200が車両に搭載されている場合に、赤色である信号状態を示す情報が復元され、運転者がそのまま通過しようとしている場合に、運転者に赤信号であることを通知するようにしてもよい。このようにすることにより、運転者に信号無視を行おうとしていることを警告することができる。
【0050】
また、信号機100が設置された交差点の信号状態を示す情報、すなわち信号機100の各信号灯の発光状態を示す状態情報と、次の交差点の信号状態を示す情報、すなわち次の信号機の各信号灯の発光状態を示す状態情報とが復元された場合、復元された情報を運転者に通知するようにしてもよい。このようにすることにより、運転者は、次の信号の情報を事前に知ることができ、その情報に基づいて車速を制御することができるため、不必要な加速などを減少させることができ、燃費を向上させることができる。
【0051】
また、受信装置200を、図6に示すように、受光部202と、情報処理部204と、車速制御部208と、記憶部210とにより構成するようにしてもよい。この車両制御装置としての受信装置200では、信号機100の信号状態を示す状態情報と、信号機100の近傍に設置された信号機、例えば次の交差点に設置された信号機の信号状態を示す状態情報を示す光信号が受光部202に受信される。情報処理部204において復元された信号機100の信号状態を示す状態情報と、次の交差点の信号機の信号状態を示す状態情報が車速制御部208に入力される。
【0052】
車速制御部208では、記録部210に記憶された地図情報から、信号機100と次の交差点の信号機との距離、すなわち次の信号機までの距離を算出し、信号機100が設置された交差点の信号状態を示す状態情報と、次の交差点の信号状態を示す状態情報とに基づいて車速を制御する。
【0053】
また、信号機100が設置された交差点の次の交差点に関する情報として、次の交差点までの距離を、光信号により通知するようにし、受信装置200は、通知された次の交差点までの距離に基づいて、車速を制御するようにしてもよい。例えば、車速制御部208は、次交差点までの距離と信号状態、すなわち信号機100の信号状態を示す状態情報と、信号機100の近傍に設置された信号機、例えば次の交差点に設置された信号機の信号状態を示す状態情報および自車両の車速から、次の交差点を通過できる車速を求め、この車速を最適な車速として制御する。また、最適な車速を運転者に案内するようにしてもよい。このようにすることにより、運転者は、次の信号までの最適な車速を認識できる。
【0054】
次に、本発明の第2の実施例にかかる情報提供装置について、図7を参照して説明する。
【0055】
本実施例にかかる情報提供装置としての広告塔300は、広告塔制御部302と、表示部304とを備える。広告塔制御部302は、発光制御手段としての表示制御部306と、点滅制御部308と、情報生成部310と、データ変調部312と、記憶部314と、表示データ記憶部316とを備える。
【0056】
表示部304は、LEDから構成される光源が複数配置され、該光源から指向性を有する光束が照射される。また、表示部304は、LEDを高速に点滅させることにより生成される光信号により、フレームデータを送信することができる。例えば、表示部304は、64kHz程度から512kHz程度で、LEDを高速に点滅させることにより、フレームデータを送信する。
【0057】
表示データ記憶部316は、表示部304に表示すべき広告のパターンを特定する表示データを予め記憶する。
【0058】
表示制御部306は、表示データ記憶部316に記憶されている表示データを呼び出し、点滅制御部308に出力する。また、表示データの点灯制御開始時に同期した信号を情報生成部310およびデータ変調部312に入力する。この場合、同期信号に表示データに対応する情報を含めるようにしてもよい。例えば、表示データに応じて同期信号を異なるようにする。このようにすることにより、表示データ、すなわち広告のパターンに応じて、光信号により提供する情報を変えることができる。
【0059】
記憶部314は、広告塔300により提供される広告の広告主に関する情報、例えば広告情報に対応するインターネット上に存在する情報資源(文書や画像など)の場所を示す情報、例えばURL(Uniform Resource Locator)、広告主の店名、該店の営業時間などの情報を記憶する。
【0060】
情報生成部310は、表示制御部306により入力された同期信号に基づいて、記憶部314に記憶された情報を読み出し、読み出したデータに対応する特定フォーマットのフレームデータを生成し、データ変調部312に入力する。
【0061】
データ変調部312は、表示制御部306により入力された同期信号に基づいて、情報生成部310が生成したフレームデータを一定周波数のクロックに同期したシリアルデータに変調し、点滅制御部308に出力する。
【0062】
点滅制御部308は、表示部304を構成するLED群に電流を供給して発光させ、光源を点灯させる駆動回路と、表示制御部306およびデータ変調部312からの信号に基づいて、LEDごとに、供給する電流のON/OFF制御を行うスイッチ制御回路などから構成される。
【0063】
具体的には、表示制御部306からの表示データに基づいて、点灯させる対象となるLEDを特定するとともに、データ変調部312からのシリアルデータに基づいて、それらの対象となるLEDを点滅させる。
【0064】
その結果、広告塔300は、LEDの点滅による光信号により、図8に示すように、店名、営業時間、URL等の情報を送信する。図8には、情報提供装置を、LEDを使用している街路灯に適用し、LEDの点滅による光信号により、例えば、街路灯が設置されている住所が送信される場合も示す。
【0065】
次に、受信装置200について説明する。
【0066】
受信装置200は、例えば携帯電話に搭載され、その構成は、図5を参照して説明した受信装置と同様である。
【0067】
例えば、受信装置200はURLを復元し、携帯電話は復元されたURLにより、広告に関連する情報資源にアクセスできる。このため、広告塔により表示されたURLを入力する必要なくすことができる。また、受信装置200は街路灯により提供された住所を復元し、現在の位置の確認を行うことができる。
【0068】
次に、本発明の第3の実施例にかかる情報提供装置について、図9を参照して説明する。
【0069】
本実施例にかかる情報提供装置としてのヘッドランプ部400は、ヘッドランプ制御部402と、ヘッドランプ404とを備える。ヘッドランプ制御部402は、発光制御手段としての表示制御部406と、点滅制御部408と、情報生成部410と、データ変調部412と、記憶部414とを備える。
【0070】
ヘッドランプ404は、例えば白色LEDから構成される。また、ヘッドランプ404は、LEDを高速に点滅させることにより生成される光信号により、フレームデータを送信することができる。例えば、ヘッドランプ404は、64kHz程度から512kHz程度で、LEDを高速に点滅させることにより、フレームデータを送信する。
【0071】
表示制御部406は、運転者によるヘッドランプのオン/オフ操作による操作信号にしたがって、ヘッドランプ404を点灯/消灯する制御信号を点滅制御部408に出力する。また、ヘッドランプの点灯制御開始時に同期した信号を情報生成部410およびデータ変調部412に入力する。
【0072】
記憶部414は、ヘッドランプ部400が搭載された車両に関する情報、例えばナンバープレートの車両番号を記憶する。
【0073】
情報生成部410は、表示制御部406により入力された同期信号に基づいて、記憶部414に記憶された情報を読み出し、読み出したデータに対応する特定フォーマットのフレームデータを生成し、データ変調部412に入力する。また、情報生成部410は、入力された車速情報に基づいて、車速情報に対応する特定フォーマットのフレームデータを生成し、データ変調部412に入力する。また、情報生成部410は、発信時刻、すなわちLEDを点滅させることにより情報の提供を開始する時間を示す情報を含むフレームデータを生成するようにしてもよい。
【0074】
データ変調部412は、表示制御部406により入力された同期信号に基づいて、情報生成部410が生成したフレームデータを一定周波数のクロックに同期したシリアルデータに変調し、点滅制御部408に出力する。
【0075】
点滅制御部408は、ヘッドランプ404を構成するLEDに電流を供給して発光させ、ヘッドランプを点灯させる駆動回路と、表示制御部406およびデータ変調部412からの信号に基づいて、LEDごとに、供給する電流のON/OFF制御を行うスイッチ制御回路などから構成される。具体的には、表示制御部406からの表示データに基づいて、点灯させる対象となるLEDを特定するとともに、データ変調部412からのシリアルデータに基づいて、それらの対象となるLEDを点滅させる。
【0076】
次に、受信装置200について説明する。
【0077】
受信装置200は、例えば車両が通行する道路、例えば交差点に設置され、その構成は、図5を参照して説明した受信装置と同様である。一例として、交差点に設置された信号機に設置された場合を図10に示す。
【0078】
例えば、受信装置200は、復元された車両に関する情報を記憶部206に記憶する。このようにすることにより、交通違反車両を特定することができる。例えば、信号無視車両を特定でき記憶できる。
【0079】
また、例えば、受信装置200は、復元された車速情報を信号機に通知するようにしてもよい。このようにすることにより、車速情報は交通情報装置に通知され、交通情報装置は通知された車速情報に基づいて、渋滞を推定し、信号の切替え操作を行うことができる。
【0080】
また、例えば、受信装置200は、復元された車速情報を記憶部206に記憶する。このようにすることにより、交通違反車両を特定することができる。また、信号無視車両を特定できる。
【0081】
また、図11に示すように、受信装置200を、情報提供装置としてのヘッドランプ部400が搭載された車両に搭載し、ヘッドランプ404から発信された発信時刻を含む光信号の反射波を受信装置200で受信するようにしてもよい。このようにすることにより、反射波を受信した時刻と、その反射波に含まれる発信時刻とから反射波の到達時間を計測することができ、車間距離の計測を行うことができる。このため、計測された車間距離に基づいて、先行車への追突に対する警告や、先行車と接近している場合に警報を発することができる。また速度に応じて一定の車間距離を保って走行する、すなわちクルーズ走行により追従制御を行うことができる。
【0082】
次に、本発明の第4の実施例にかかる情報提供装置について、図12を参照して説明する。
【0083】
本実施例にかかる情報提供装置としての尾灯500は、尾灯制御部502と、尾灯504とを備える。尾灯制御部502は、発光制御手段としての表示制御部506と、点滅制御部508と、情報生成部510と、データ変調部512とを備える。
【0084】
尾灯504は、例えばLEDから構成される。また、尾灯504は、LEDを高速に点滅させることにより生成される光信号により、フレームデータを送信することができる。例えば、尾灯504は、64kHz程度から512kHz程度で、LEDを高速に点滅させることにより、フレームデータを送信する。
【0085】
表示制御部506は、運転者による尾灯のオン/オフ操作にしたがって、尾灯504を点灯/消灯する制御信号を点滅制御部508に出力する。また、尾灯の点灯制御開始時に同期した信号を情報生成部510およびデータ変調部512に入力する。
【0086】
情報生成部510には、車速、ブレーキのオン/オフ情報、方向指示情報、後述する受信装置により受信された信号状態を示す状態情報が入力される。情報生成部510は、表示制御部506により入力された同期信号に基づいて、入力された情報に対応する特定フォーマットのフレームデータを生成し、データ変調部512に入力する。
【0087】
データ変調部512は、表示制御部506により入力された同期信号に基づいて、情報生成部510が生成したフレームデータを一定周波数のクロックに同期したシリアルデータに変調し、点滅制御部508に出力する。
【0088】
点滅制御部508は、尾灯504を構成するLEDに電流を供給して発光させ、尾灯を点灯させる駆動回路と、表示制御部506およびデータ変調部512からの信号に基づいて、LEDごとに、供給する電流のON/OFF制御を行うスイッチ制御回路などから構成される。
【0089】
具体的には、表示制御部506からの表示データに基づいて、点灯させる対象となるLEDを特定するとともに、データ変調部512からのシリアルデータに基づいて、それらの対象となるLEDを点滅させる。
【0090】
次に、受信装置200について説明する。
【0091】
受信装置200は、例えば車両に設置され、その構成は、図5を参照して説明した受信装置と同様である。
【0092】
例えば、受信装置200は、復元された信号情報を同車両に搭載された尾灯部500の情報生成部510に入力する。このようにすることにより、後続車に信号状態を示す情報を通知することができる。例えば、大型車の後方に位置する後続車は、前方の視界が遮られるため、信号機の状態が分からないが、大型車の尾灯により、信号情報を通知することができる。
【0093】
また、受信装置200を図6に示したように構成し、車両制御部208は、復元された車速、ブレーキのオン/オフを示す情報、方向指示情報に基づいて、追従制御を行うようにしてもよい。このようにすることにより、クルーズ走行が行われている場合に、前方の車両のブレーキ操作、方向指示および車速情報に基づいて、車両の制御を行うことができる。また、前方車両への追突に対する警報を行うことができる。
【0094】
次に、本発明の第5の実施例にかかる情報提供装置について、図13参照して説明する。
【0095】
本実施例にかかる情報提供装置としての車両故障通知装置600は、インジケータ制御部602と、インジケータ604とを備える。インジケータ制御部602は、表示制御部606と、点滅制御部608と、情報生成部610と、データ変調部612とを備える。
【0096】
インジケータ604は、例えばLEDから構成される。また、インジケータ604は、LEDを高速に点滅させることにより生成される光信号により、フレームデータを送信することができる。例えば、インジケータ604は、64kHz程度から512kHz程度で、LEDを高速に点滅させることにより、フレームデータを送信する。
【0097】
表示制御部606は、図示しない故障検出装置により入力された故障情報に基づいて、インジケータ604を点灯/消灯する制御信号を点滅制御部608に出力する。また、インジケータ604の点灯制御開始時に同期した信号を情報生成部610およびデータ変調部612に入力する。
【0098】
情報生成部610は、表示制御部406により入力された同期信号に基づいて、故障検出装置により入力された故障情報に対応する特定フォーマットのフレームデータを生成し、データ変調部612に入力する。
【0099】
データ変調部612は、表示制御部606により入力された同期信号に基づいて、情報生成部610が生成したフレームデータを一定周波数のクロックに同期したシリアルデータに変調し、点滅制御部608に出力する。
【0100】
点滅制御部608は、インジケータ604を構成するLEDに電流を供給して発光させ、インジケータを点灯させる駆動回路と、表示制御部606およびデータ変調部612からの信号に基づいて、LEDごとに、供給する電流のON/OFF制御を行うスイッチ制御回路などから構成される。
【0101】
具体的には、表示制御部606からの表示データに基づいて、点灯させる対象となるLEDを特定するとともに、データ変調部612からのシリアルデータに基づいて、それらの対象となるLEDを点滅させる。
【0102】
その結果、車両故障通知装置600は、インジケータ604を構成するLEDの点滅による光信号により、図14に示すように、故障情報を送信する。
【0103】
次に、受信装置200について説明する。
【0104】
受信装置200は、例えば携帯電話などの通信装置に搭載され、その構成は、図5を参照して説明した受信装置と同様である。
【0105】
例えば、受信装置200は故障情報を復元し、該受信装置200が搭載された携帯電話は、復元された故障情報に基づいて、メーカのトラブルセンタやヘルプサーバへ、故障内容と通知する。このため、故障内容を正確に伝えることができ、迅速な対応を可能にできる。また、電気的接続法により故障情報を取り出すことをなくすことができるため、電気的配線などを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の一実施例にかかる情報提供装置を示す部分ブロック図である。
【図2】信号機の表示例を示す説明図である。
【図3A】フレームデータのフォーマットの一例を示す説明図である。
【図3B】点滅パターンにより示されるシリアルデータの信号波形の一例を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施例にかかる情報提供方法を示す模式図である。
【図5】本発明の一実施例にかかる受光装置を示す部分ブロック図である。
【図6】本発明の一実施例にかかる他の受光装置を示す部分ブロック図である。
【図7】本発明の一実施例にかかる情報提供装置を示す部分ブロック図である。
【図8】本発明の一実施例にかかる情報提供方法を示す模式図である。
【図9】本発明の一実施例にかかる情報提供装置を示す部分ブロック図である。
【図10】本発明の一実施例にかかる情報提供方法を示す模式図である。
【図11】本発明の一実施例にかかる情報提供方法を示す模式図である。
【図12】本発明の一実施例にかかる情報提供装置を示す部分ブロック図である。
【図13】本発明の一実施例にかかる情報提供装置を示す部分ブロック図である。
【図14】本発明の一実施例にかかる情報提供方法を示す模式図である。
【符号の説明】
【0107】
100 信号機
102 信号機制御部
104 信号機表示部
106、306、406、506、606 表示制御部
108、308、408、508、608 点滅制御部
110、310、410、510、610 情報生成部
112、312、412、512、612 データ変調部
114、314、414、 記憶部
200 受信装置
202 受光部
204 情報処理部
206 記憶部
208 車速制御部
210 記憶部
300 広告塔
302 広告塔制御部
304 表示部
316 表示データ記憶部
400 ヘッドランプ部
402 ヘッドランプ制御部
404 ヘッドランプ
500 尾灯
502 尾灯制御部
504 尾灯
600 車両故障通知装置
602 インジケータ制御部
604 インジケータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LEDの発光および/または前記LEDの点滅により情報を提供する情報提供装置において、
所定の条件に基づいて、LEDの発光を制御する発光制御手段と、
前記LEDの発光により提供される情報とは異なる情報を生成する情報生成手段と、
前記情報生成手段により生成した情報に基づいて、前記LEDを点滅させる点滅制御手段と
を備えることを特徴とする情報提供装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報提供装置において、
前記発光制御手段は、第1の信号機の各信号灯を構成するLED群の発光を制御し、
前記情報生成手段は、前記第1の信号機の各信号灯の発光状態を示す状態信号と、前記第1の信号機の近傍に設置された第2の信号機の各信号灯の発光状態を示す状態信号とを生成することを特徴とする情報提供装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報提供装置において、
前記情報生成手段は、前記第1の信号機の設置された位置と、前記第2の信号機の設置された位置との距離を示す情報を生成することを特徴とする情報提供装置。
【請求項4】
請求項1に記載の情報提供装置において、
前記発光制御手段は、広告塔により提供される広告内容に基づいて、LEDの発光を制御し、
前記情報生成手段は、広告に関する情報を生成することを特徴とする情報提供装置。
【請求項5】
請求項1に記載の情報提供装置において、
前記発光制御手段は、車両のヘッドランプを構成するLEDの発光を制御し、
前記情報生成手段は、前記情報提供装置が搭載された車両の車速情報およびナンバープレートの車両番号のうち少なくとも一方を生成することを特徴とする情報提供装置。
【請求項6】
請求項5に記載の情報提供装置において、
前記情報生成手段は、前記LEDの点滅を開始する時間を示す情報を生成することを特徴とする情報提供装置。
【請求項7】
請求項1に記載の情報提供装置において、
前記発光制御手段は、車両の尾灯を構成するLEDの発光を制御し、
前記情報生成手段は、前記情報提供装置が搭載された車両の車速情報、ブレーキ操作状態を示す情報、および方向指示器の操作による指示情報のうち少なくとも1つを生成することを特徴とする情報提供装置。
【請求項8】
請求項1に記載の情報提供装置において、
前記発光制御手段は、車両の尾灯を構成するLEDの発光を制御し、
前記情報生成手段は、信号機の各信号灯の発光状態を示す状態信号を示す情報を生成することを特徴とする情報提供装置。
【請求項9】
請求項1に記載の情報提供装置において、
前記発光制御手段は、車両のインジケータを構成するLEDの発光を制御し、
前記情報生成手段は、前記情報提供装置が搭載された車両の故障検出装置からの故障情報の通知に基づいて、該故障情報を生成することを特徴とする情報提供装置。
【請求項10】
LEDの発光および/または前記LEDの点滅により情報を提供する情報提供装置が、第1の信号機の各信号灯を構成するLED群の発光を制御し、前記第1の信号機の各信号灯の発光状態を示す状態信号と、前記第1の信号機の近傍に設置された第2の信号機の各信号灯の発光状態を示す状態信号とを、前記LEDの点滅による光信号により提供し、
前記情報提供装置から送信された光信号から、第1の信号機の各信号灯の発光状態を示す状態信号と、前記第2の信号機の各信号灯の発光状態を示す状態信号とを抽出する情報処理手段と、
前記第1の信号機の各信号灯の発光状態を示す状態信号と、前記第2の信号機の各信号灯の発光状態を示す状態信号に基づいて、車速の制御を行う車速制御手段と
を備えることを特徴とする車両制御装置。
【請求項11】
請求項10に記載の車両制御装置において、
地図情報が記録された記憶手段
を備え、
前記車速制御手段は、前記地図情報に基づいて、前記第1の信号機と、前記第2の信号機との距離を求め、第1の信号機の各信号灯の発光状態を示す状態信号と、前記第2の信号機の各信号灯の発光状態を示す状態信号とに基づいて、車速を制御することを特徴とする車両制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−27067(P2008−27067A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−197268(P2006−197268)
【出願日】平成18年7月19日(2006.7.19)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】