説明

N−置換−N−(4−ピペリジニル)アミド誘導体

【課題】
鎮痛作用を有するN−置換−N−(4−ピペリジニル)アミド誘導体又はその塩を提供すること。
【解決手段】
次の一般式(I)、
【化1】


(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基又は置換基を有していても良い5若しくは6員環の複素環基等を表し、
は炭素数1〜6のアシルアミノ基、炭素数2〜6のアルキル(チオカルボニル)アミノ基、ウレイド基又はチオウレイド基等を表し、ここでRの置換位置はオルト又はメタ位であり、
は水素原子又は炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基等を表し、
は置換値を有していても良いフェニル基又は5若しくは6員環の複素環基を表し、
は水素原子等を表し、
は水素原子等を表し、
は水素原子又はメチル基を表し、
そして、mは1又は2を表す。)
で表される化合物又はその塩を鎮痛剤として使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はN−置換−N−(4−ピペリジニル)アミド誘導体又はその塩、並びにこれを有効成分として含有する鎮痛剤に関する。
【背景技術】
【0002】
N−置換−N−(4−ピペリジニル)アミド誘導体は、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4又は非特許文献1などに多くの化合物が報告されており、それらが鎮痛作用や麻酔作用を有することが知られている。
たとえば、特許文献1には、次式(A)、
【0003】
【化1】

特許文献4には、次式(B)、
【0004】
【化2】

で表されるN−置換−N−(4−ピペリジニル)アミド誘導体が鎮痛活性を有する薬物として記載されている。

一方、非特許文献1には、次式(C)、
【0005】
【化3】

で表されるN−置換−N−(4−ピペリジニル)アミド誘導体について麻酔作用への応用が検討された旨、記載されている。
また、N−置換−N−(4−ピペリジニル)アミド誘導体の代表的化合物であるフェンタニルは麻酔補助薬及び鎮痛薬として臨床上使用されている。これらN−置換−N−(4−ピペリジニル)アミド誘導体の鎮痛作用は、オピオイド受容体の一つであるμ−受容体に対するアゴニスト作用によるものと考えられている。
μ−受容体アゴニストとしては、フェンタニル等のN−置換−N−(4−ピペリジニル)アミド誘導体のほかにモルヒネがよく知られている。しかしながら、これらの薬物は依存性、徐脈、呼吸抑制、消化管運動抑制等の副作用があり、副作用を軽減した新たな鎮痛剤の提供が求められている。
【0006】
一方、μ−受容体を介する鎮痛作用は中枢性と考えられていたが、最近、末梢の知覚神経終末にもμ−受容体が存在し、これを介した鎮痛機構が存在することが報告されている(非特許文献2,3,4)。

そこで本発明者らは、末梢のμ−受容体に選択的に作用して鎮痛作用を有する薬物は、依存性等の中枢性の作用に基づく副作用がない鎮痛薬になる可能性があると考え、先に次の一般式(D)、
【0007】
【化4】

(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基等を表し、R及びRは置換基を有していても良いフェニル基を表し、Rは水素原子、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、又は炭素数1〜6のアルコキシ基で置換されたメチル基を表し、Rはグリシン、アラニン、ロイシン、又はフェニルアラニン等のアミノ酸残基を表し、そしてmは1又は2を表す。)
で表されるN−フェニル−N−(4−ピペリジニル)アミド誘導体に関する特許出願を行っている。(特許文献5)
【0008】
本発明者らは、更に継続してN−フェニル−N−(4−ピペリジニル)アミド誘導体に関する研究を鋭意行なった結果、後記の本発明化合物が中枢性の作用に基づく副作用を軽減し、良好な鎮痛作用を有することを見いだし、本発明を完成した。
なお、本発明化合物と構造類似する化合物として、
次式(E)、
【0009】
【化5】

で表される化合物、
次式(F)
【0010】
【化6】

で表される化合物(非特許文献5)、
次式(G)
【0011】
【化7】

で表される化合物(非特許文献6)
及び次式(H)
【0012】
【化8】

で表される化合物(非特許文献7)が挙げられる。

前記非特許文献5には、上記(E)で表される化合物に関しては、合成中間体としての記載があるのみで、薬理作用の記載はなく、また上記(F)で表される化合物に関しては、μ−レセプターに対する親和性を示し、鎮痛作用を有する旨の記載はあるが、このものの鎮痛作用が末梢性か否かの記載はない。
また、上記(G)で表される化合物についてはラットtail−withdrawal試験で鎮痛作用をほとんど示さなかったことが前記非特許文献6に記載されている。
さらにまた、非特許文献7には、上記(H)で表される化合物が、フェンタニルに対し1/4程度のμ−レセプターに対する親和性を示すとの記載があるのみである。

従って、これらの文献には、本発明化合物は記載されていない。
【0013】
【特許文献1】特開昭51−115478号
【特許文献2】特開昭53−149980号公報
【特許文献3】特開平2−292279号公報
【特許文献4】特開平2−300167号公報
【特許文献5】WO 03/082819
【非特許文献1】Zhongguo Yaoke Daxue Xuebao 1993年,24,p257−263
【非特許文献2】C.Stein,Anesth.Analg.,1993年,76,p182−191
【非特許文献3】C.Stein,The New England Journal of Medicine,1995年,332,p1685−1690
【非特許文献4】A.Herz,Progress in Brain Res.,1996年,110,p95−104
【非特許文献5】Bioorganic & Medicinal Chemistry 2002年,10,p1009−1018
【非特許文献6】Journal of Pharmacy and Pharmacology 1988年,40,p605−608
【非特許文献7】Tetrahedron Letters,1987年,28、p401−404
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は鎮痛作用を有する新規なN−置換−N−(4−ピペリジニル)アミド誘導体又はその塩を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
即ち、本発明は、次の一般式(I)、
【0016】
【化9】

(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、3〜8員環のシクロアルキル基、若しくは炭素数1〜6のアルコキシ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、又は置換基としてハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、若しくはハロゲン原子で置換された炭素数1〜6のアルキル基を1〜3個有していても良い5若しくは6員環の複素環基を表し、
は炭素数1〜6のアシルアミノ基、N−(炭素数1〜6のアシル)−N−(炭素数1〜6のアルキル)アミノ基、炭素数2〜6のアルキル(チオカルボニル)アミノ基、ウレイド基、チオウレイド基、炭素数2〜6のアルコキシカルボニルアミノ基、又は炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基を表し、ここでRの置換位置はオルト又はメタ位であり、
は水素原子、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、又は炭素数1〜6のアルコキシ基で置換されたメチル基を表し、
は置換基としてハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜6のアルキル基、ニトロ基、シアノ基、又はアミノ基を1〜3個有していても良いフェニル基又は5若しくは6員環の複素環基を表し、
は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ヒドロキシ基又はハロゲン原子を表し、
は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、
は水素原子又はメチル基を表し、
そして、mは1又は2を表す。)
で表される化合物、又はその塩に関する。
また、本発明は上記一般式(I)で表される化合物、又はその塩を有効成分として含有する鎮痛剤に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に本発明を詳細に説明する。
上記一般式(I)で、Rとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、若しくはペンチル基等の炭素数1〜6のアルキル基(好ましくは、エチル基)、シクロプロピル基、シクロペンチル基、若しくはシクロヘキシル基等の3〜7員環のシクロアルキル基(好ましくは、シクロプロピル基)、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、i−ブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、若しくはペンチルオキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基で置換されたメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、若しくはペンチル基等の炭素数1〜6のアルキル基(例えば、エトキシエチル基又はメトキシメチル基などで、メトキシメチル基が好ましい)、又は置換基として塩素原子、臭素原子若しくはフッ素原子等のハロゲン原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、若しくはペンチル基等の炭素数1〜6のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、i−ブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、若しくはペンチルオキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基、又は塩素原子、臭素原子若しくはフッ素原子等のハロゲン原子で置換されたメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、若しくはペンチル基等の炭素数1〜6のアルキル基を1〜3個有していても良いフリル基又はチエニル基等の5若しくは6員環の複素環基が挙げられる。

としては、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基若しくはプロピオニルアミノ基等の炭素数1〜6のアシルアミノ基、アセチルメチルアミノ基等のN−(炭素数1〜6のアシル)−N−(炭素数1〜6のアルキル)アミノ基、メチル(チオカルボニル)アミノ基若しくはエチル(チオカルボニル)アミノ基等の炭素数2〜6のアルキル(チオカルボニル)アミノ基、ウレイド基、チオウレイド基、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、プロピルオキシカルボニルアミノ基、ブトキシカルボニルアミノ基、若しくはt−ブトキシカルボニルアミノ基等の炭素数2〜6のアルコキシカルボニルアミノ基、又はメチルスルホニルアミノ基、エチルスルホニルアミノ基若しくはプロピルスルホニルアミノ基等の炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基等が挙げられる。
【0018】
としては、水素原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基若しくはプロピルオキシカルボニル基等の炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基(好ましくは、メトキシカルボニル基)、又はメトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、i−ブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、若しくはペンチル基オキシ等の炭素数1〜6のアルコキシ基で置換されたメチル基(例えば、メトキシメチル基など)が挙げられる。

としては、1〜3個の置換基を有していても良いフェニル基又はチエニル、ピラゾリル基又はピリジル基等の5若しくは6員環の複素環基が挙げられる。
かかる置換基の例として、フッ素原子、塩素原子若しくは臭素原子等のハロゲン原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、若しくはペンチル基等の炭素数1〜6のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、i−ブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、若しくはペンチルオキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基、1〜3個のフッ素原子、臭素原子若しくは塩素原子等のハロゲン原子で置換されたメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、若しくはペンチル基等の炭素数1〜6のアルキル基(例えば、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、又は2−フルオロエチル基など)、ニトロ基、シアノ基、又はアミノ基が挙げられる。

としては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、若しくはペンチル基等の炭素数1〜6のアルキル基、ヒドロキシ基又はフッ素原子、塩素原子若しくは臭素原子等のハロゲン原子が挙げられ、好ましくは水素原子である。
としては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、若しくはペンチル基等の炭素数1〜6のアルキル基、好ましくは水素原子、メチル基又はエチル基、より好ましくは水素原子が挙げられる。
は水素原子又はメチル基を表し、好ましくは水素原子が挙げられる
そして、mは1又は2を表し、好ましくは1である。
【0019】
(1)また、本発明化合物としては、Rが炭素数1〜6のアシルアミノ基、炭素数2〜6のアルキル(チオカルボニル)アミノ基、ウレイド基又はチオウレイド基である上記一般式(I)で表される化合物またはその塩が好ましい。
(2)また、本発明化合物としては、Rがアセチルアミノ基又はウレイド基である上記一般式(I)で表される化合物またはその塩が好ましい。
(3)また、本発明化合物としては、Rの置換位置がメタ位である上記一般式(I)で表される化合物又は上記(1)若しくは(2)に記載の化合物またはその塩が好ましい。
(4)また、本発明化合物としては、mが1である上記一般式(I)で表される化合物、又は上記(1)〜(3)の何れかに記載の化合物またはその塩が好ましい。
(5)また、本発明化合物としては、Rが水素原子である上記一般式(I)で表される化合物又は上記(1)〜(4)の何れかに記載の化合物またはその塩が好ましい。

(6)また、本発明化合物としては、Rが水素原子又は炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基である上記一般式(I)で表される化合物、又は上記(1)〜(5)の何れかに記載の化合物またはその塩が好ましい。
(7)また、本発明化合物としては、Rが水素原子である上記一般式(I)で表される化合物、又は上記(1)〜(5)の何れかに記載の化合物またはその塩が好ましい。
(8)また、本発明化合物としては、Rが炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基である上記一般式(I)で表される化合物、又は上記(1)〜(5)の何れかに記載の化合物またはその塩が好ましい。

(9)また、本発明化合物としては、Rが炭素数1〜6のアルキル基又は3〜8員環のシクロアルキル基である上記一般式(I)で表される化合物、又は上記(1)〜(8)の何れかに記載の化合物またはその塩が好ましい。
(10)また、本発明化合物としては、Rがフリル基又はチエニル基である上記一般式(I)で表される化合物、又は上記(1)〜(8)の何れかに記載の化合物またはその塩が好ましい。
(11)また、本発明化合物としては、Rの置換基を有していても良い5若しくは6員環の複素環基における、複素環基がチエニル基、ピラゾリル基、又はピリジル基である上記一般式(I)で表される化合物、又は上記(1)〜(10)の何れかに記載の化合物またはその塩が好ましい。
(12)また、本発明化合物としては、Rが置換基を有していても良いフェニル基である上記一般式(I)で表される化合物、又は上記(1)〜(10)の何れかに記載の化合物またはその塩が好ましい。

(13)また、本発明化合物としては、Rが水素原子である上記一般式(I)で表される化合物、又は上記(1)〜(12)の何れかに記載の化合物またはその塩が好ましい。
(14)また、本発明化合物としては、Rが水素原子であるである上記一般式(I)で表される化合物、又は上記(1)〜(13)の何れかに記載の化合物またはその塩が好ましい。
(15)本発明において、上記一般式(I)で表される化合物若しくは上記(1)〜(14)の何れかに記載の化合物またはその塩を有効成分として含有する鎮痛剤は、鎮痛作用が末梢性であることが好ましい。
【0020】
上記一般式(I)で表される本発明化合物には幾何異性体、ジアステレオマー、光学異性体等も存在する場合もあるが、これらの異性体も本発明に含まれる。
更にまた、本発明化合物としては塩酸若しくは硫酸等の無機酸、又はシュウ酸、クエン酸若しくは酒石酸等の有機酸との塩など、製薬学的に許容される塩も含まれる。
【0021】
次に本発明化合物である上記一般式(I)で表される化合物の製造方法を記載する。

上記一般式(I)の発明化合物は下記のA法、B法、またはC法によって製造される。
<A法>
【0022】
【化10】

(式中、R,R,R,R,R,R、R及びmは前記と同じ。)

上記一般式(I)で表され本発明化合物は、出発原料(a)をアシル化反応に付することで得られる。
アシル化反応は、ジクロロメタン、クロロホルム、トルエン等の反応に関与しない溶媒中、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン等の塩基存在下に、出発原料(a)に一般式(b)で表される酸クロリドを反応させることにより行われる。この場合、反応温度は0℃〜溶媒の還流温度が好ましい。また、出発原料(a)のアシル化反応は、一般式(c)で表される酸無水物を用いて、トルエン等の反応に関与しない溶媒の存在下または非存在下に、室温〜150℃の温度で行うこともできる。

なお、出発原料(a)は、公知の方法(P.G.H. Van Daele et al.,Arzneum.−Forsch.Drug Res.,1976,26,1521、M.W.Lobbezoo,and W.Soudijn,J.Med.Chem.,1981,24,777、A.Montero et al.,Bioorg.Med.Chem.,2002,10,1009など)、及びそれらに準じる方法により合成することができる。

<B法>
【0023】
【化11】

(式中、Zは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メシルオキシ基、又はトシルオキシ基等の脱離基を表し、そしてR,R,R,R,R,R、R及びmは前記と同じ。)

上記一般式(I)で表される本発明化合物は、出発原料(d)と一般式(e)で表される化合物とを反応させることで得られる。
反応は、アセトニトリル、4−メチル−2−ペンタノン、N,N−ジメチルホルムアミド等の反応に関与しない溶媒中、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の塩基存在下に、室温〜100℃で行われる。なお、一般式(e)で表される化合物で、Zが塩素原子または臭素原子である場合には、ヨウ化ナトリウムまたはヨウ化カリウムを共存させることが好ましい。

なお、出発原料(d)は、公知の方法(P.G.H.Van Daele et al., Arzneum.−Forsch. Drug Res.,1976,26,1521、P.L.Feldman and M.F.J.Brackeen, J.Org.Chem.,1990,55,4207、N.Lalinde et al.,J.Med.Chem.,1990,33,2876 など)、及びそれらに準じる方法により合成することができる。
<C法>
【0024】
【化12】

【0025】
【化13】

(式中、R,R,R,R,R,R、R及びmは前記と同じ。)

1)第1工程
出発原料(f)の一般式(b)で表される化合物または一般式(c)で表される化合物によるアシル化反応は、前記A法で述べた方法と同様にして行うことができる。

なお、出発原料(f)は、公知の方法(P.G.H. Van Daele et al.,Arzneum.−Forsch.Drug Res.,1976, 26,1521、M.W.Lobbezoo,and W.Soudijn, J.Med.Chem.,1981,24,777、A.Montero et al.,Bioorg.Med.Chem.,2002,10,1009 など)、及びそれらに準じる方法により合成することができる。

2)第2工程
一般式(g)で表される化合物から一般式(h)で表される化合物への変換は、メタノール、エタノール、水、酢酸等の反応に関与しない溶媒中、亜鉛、鉄、塩化スズ(II)等の金属及び金属塩による還元、ハイドロサルファイトナトリウム等のイオウ化合物による還元、またはパラジウムー炭素、酸化白金(IV)を触媒とした接触水素添加により行うことができる。反応温度は使用する還元剤の種類により異なるが、室温〜溶媒の還流温度である。

3)第3工程
一般式(h)で表される化合物から一般式(I)で表される本発明化合物への変換は、Rの種類に応じてそれぞれ以下のようにして行われる。
(1)Rが炭素数1〜6のアシルアミノ基の場合:一般式(h)で表される化合物に酸ハロゲン化物または酸無水物を反応させる。
(2)Rが炭素数1〜6のアルキル(チオカルボニル)アミノ基の場合:一般式(h)で表される化合物のアミノ基を炭素数1〜6のアシルアミノ基に変換後、Lawesson‘s 試薬(Tetrahedron,1985,41,5061など)等を反応させる。
(3)Rがウレイド基の場合:一般式(h)で表される化合物に酸性条件下、シアン酸ナトリウム等を反応させる。
(4)Rがチオウレイド基の場合:一般式(h)で表される化合物に酸性条件下、チオシアン酸ナトリウム等を反応させる。
(5)Rが炭素数1〜6のアルコキシカルボニルアミノ基の場合:一般式(h)で表される化合物にクロロ炭酸エステル等を反応させる。
(6)Rが炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基の場合:一般式(h)で表される化合物にアルキルスルホニルクロリドを反応させる。

また、本発明化合物の中間原料である化合物(h)で表される化合物は、下記のD法によっても製造することができる。

<D法>
【0026】
【化14】

【0027】
【化15】

(式中、Wはtert−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、トリチル基等の保護基を表し、そしてR、R、R、R、R、R及びmは前記と同じ。)

1)第1工程
出発原料(i)の1級アミノ基への保護基の導入は通常の方法により行うことができる。例えば、保護基がtert−ブトキシカルボニル基の場合にはテトラヒドロフラン、水の混合溶媒等を使用して、トリエチルアミン等の塩基存在下に二炭酸ジ−tert−ブチルを反応させることにより得ることができる。また、保護基がトリチル基の場合にはクロロホルム等の溶媒中、トリエチルアミン等の塩基存在下にトリチルクロリドを反応させることにより得ることができる。

なお、出発原料(i)はC法の出発原料(f)を還元することによって合成することができる。

2)第2工程
一般式(j)で表される化合物の一般式(b)で表される化合物または一般式(c)で表される化合物によるアシル化反応は、前記A法で述べた方法と同様にして行うことができる。

3)第3工程
一般式(k)で表される化合物のアミノ基の保護基(W)の脱離は、通常の方法により行うことができる。例えば、保護基がtert−ブトキシカルボニル基及びトリチル基の場合、トリフルオロ酢酸等を用いた酸処理により一般式(h)の化合物を得ることができる。

さらに本発明化合物のうち、Rが水素原子、mが1、Rがヒドロキシ基またはハロゲン原子である下記の一般式(q)及び(r)で表される化合物は、それぞれ下記のE法及びF法によって製造できる。

<E法>
【0028】
【化16】

(式中、R,R,R,R及びRは前記と同じ。)

1)第1工程
出発原料(m)とエポキシド(n)との反応は、反応に関与しない溶媒の存在下または非存在下に50〜120℃で行われる。

なお、出発原料(m)は、公知の方法(Zhi−Xian Wang et al.,J.Med.Chem.,1995,38,3652など)、及びそれらに準じる方法により合成することができる。

2)第2工程
一般式(o)で表される化合物の一般式(b)で表される化合物によるアシル化反応は、前記A法で述べた方法と同様にして行うことができる。

3)第3工程
一般式(p)で表される化合物の一般式(q)で表される本発明化合物への加水分解反応は、水と有機溶媒(メタノール、エタノールまたはテトラヒドロフラン)との混合溶媒中、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム等の塩基を室温〜60℃で作用させることにより行われる。

<F法>
【0029】
【化17】

(式中、Rはハロゲン原子を表し、そしてR,R,R,R及びRは前記と同じ。)

一般式(q)で表される化合物とハロゲン化試薬との反応は、Rのハロゲン原子の種類に応じて行われる。例えば、Rがフッ素原子の場合、ジクロロメタン等の溶媒中ジエチルアミノ硫黄トリフルオリド等を反応させることにより一般式(r)で表される本発明化合物を製造することができる。

かくして得られた本発明化合物の代表化合物例を次に示す。
(1)次の一般式で表される本発明化合物。
【0030】
【化18】

(式中、R、R、R11及びmは表1,2記載の通り)
【0031】
【表1】

【0032】
【表2】


(2)次の一般式で表される本発明化合物。
【0033】
【化19】

(式中、R、R及びR11は表3〜5記載の通り)
【0034】
【表3】

【0035】
【表4】

【0036】
【表5】


(3)次の一般式で表される本発明化合物。
【0037】
【化20】

(式中、R、R、R及びRは表6記載の通り)
【0038】
【表6】


(4)次の一般式で表される本発明化合物。
【0039】
【化21】

(式中、R、R、R及びRは表7記載の通り)
【0040】
【表7】


(5)次の一般式で表される本発明化合物。
【0041】
【化22】

(式中、R、R及びRは表8記載の通り)
【0042】
【表8】


(6)次の一般式で表される本発明化合物。
【0043】
【化23】

(式中、R、R及びRは表9、10記載の通り)
【0044】
【表9】

【0045】
【表10】


(7)次の一般式で表される本発明化合物。
【0046】
【化24】

(式中、R、R、R、R、R11及びmは表11記載の通り)
【0047】
【表11】


(8)次の一般式で表される本発明化合物。
【0048】
【化25】

(式中、R、R、R、R、R11及びmは表12〜14記載の通り)
【0049】
【表12】

【0050】
【表13】

【0051】
【表14】


(9)次の一般式で表される本発明化合物。
【0052】
【化26】

(式中、R、R、R、R及びRは表15記載の通り)
【0053】
【表15】


(10)次の一般式で表される本発明化合物。
【0054】
【化27】

(式中、R、R、R、R及びRは表16、17記載の通り)
【0055】
【表16】

【0056】
【表17】

【0057】
次に本発明の薬理実験について述べる。
本発明化合物について、[H]DAMGOを用いた結合実験によるμ−受容体に対する親和性及び酢酸ライジング試験による鎮痛作用に関する薬理実験を行ったところ、後記実施例32記載のように本発明化合物はμ−受容体に対する優れた結合親和性並びに優れた鎮痛作用を有することが明らかになった。(表18,19参照)
さらに酢酸ライジング試験による鎮痛作用について、末梢性及び中枢(全身)性μ−オピオイド受容体アンタゴニストによる拮抗試験を行ったところ、後記実施例2,19及び30記載の本発明化合物の鎮痛作用は末梢性であることが明らかになった。(表20)
従って、上記一般式(I)で表される本発明化合物は、優れた鎮痛作用を有することから、鎮痛剤として有用である。
特に本発明化合物のうち末梢のμ−受容体に選択的に作用する薬物は、中枢性の作用に基づく副作用(依存性等)がない鎮痛剤として期待される。

本発明化合物は、ヒトに対して経口投与により、又は非経口投与により投与することができる。
製剤化するためには、製剤の技術分野における錠剤、カプセル剤、散剤、注射剤、坐薬、又は経皮剤等の剤型に製造することができる。
投与量は通常成人においては、本発明化合物を経口剤の場合には1日約0.01mg〜1000mgを、注射剤の場合には約0.001mg〜100mgであるが、年齢、症状等により増減することができる。

次に、参考例及び実施例を挙げ本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0058】
参考例1
4−(2−アミノフェニル)アミノ−1−フェネチルピペリジン
4−(2−ニトロフェニル)アミノ−1−フェネチルピペリジン(2.24g,6.88mmol)のエタノール(150mL)溶液に、10%パラジウム−炭素(224mg)を加え、室温1気圧で20時間接触水素添加した。触媒を濾別後、濾液を減圧下に濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=30/1)により精製し、表題化合物を1.74g(収率86%)得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.5−1.6(2H,m),2.0−2.2(2H,m),2.22(2H,dt,J=2,12Hz),2.5−2.7(2H,m),2.7−2.9(2H,m),2.9−3.0(2H,m),3.1−3.4(4H,m),6.6−6.9(4H,m),7.1−7.4(5H,m).
【0059】
参考例2
4−(3−アセチルアミノフェニル)アミノ−1−フェネチルピペリジン
1−フェネチル−4−ピペリドン(1.00g,4.92mmol)及び3’−アミノアセトアニリド(850mg,5.66mmol)のトルエン(10mL)溶液に、p−トルエンスルホン酸・1水和物(10mg)を加え、Dean−Starkトラップを使用しながら、一晩加熱還流した。反応混合物を減圧下に濃縮後、残留物をメタノール(10mL)に溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(214mg,5.66mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。反応混合物を重曹水に注いでクロロホルムで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下に溶媒留去後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=96/4)により精製し、表題化合物を489mg(収率29%)得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.4−1.6(2H,m),2.0−2.3(4H,m),2.15(3H,s),2.5−2.7(2H,m),2.7−2.9(2H,m),2.9−3.0(2H,m),3.2−3.4(1H,m),3.5−3.7(1H,br),6.35(1H,br d,J=8Hz),6.54(1H,br d,J=7Hz),7.0−7.4(8H,m).
【0060】
参考例3
4−(2−アセチルアミノフェニル)アミノ−1−フェネチルピペリジン
1−フェネチル−4−ピペリドン及び2’−アミノアセトアニリドを用い、参考例2と同様にして表題化合物を白色結晶として得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.4−1.6(2H,m),1.87(1.2H,s),2.0−2.1(2H,m),2.1−2.3(2H,m),2.20(1.8H,s),2.5−2.7(2H,m),2.7−2.9(2H,m),2.9−3.0(2H,m),3.2−3.4(1H,m),3.8−4.1(1H,br),6.6−6.9(2.4H,m),7.0−7.4(7.6H,m).
【0061】
参考例4
4−(2−ホルミルアミノフェニル)アミノ−1−フェネチルピペリジン
98%ギ酸(270mg,5.75mmol)のジクロロメタン(6mL)溶液に氷冷下、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(552mg,2.88mmol)を加え、5℃で15分間攪拌した。この混合物にN−メチルモルホリン(0.32mL,2.91mmol)及び参考例1で得た4−(2−アミノフェニル)アミノ−1−フェネチルピペリジン(213mg,0.721mmol)を加えた。5℃で4時間攪拌後、反応混合物に酢酸エチル及び炭酸ナトリウム水溶液を加え、有機層を分取し、食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧下溶媒留去後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=25/1)により精製し、表題化合物の粗体を得た。これを酢酸エチル−ヘキサンから再結晶し、表題化合物を淡褐色結晶として175mg(収率75%)得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.5−1.7(2H,m),2.0−2.1(2H,m),2.1−2.3(2H,m),2.5−2.7(2H,m),2.7−2.9(2H,m),2.9−3.0(2H,m),3.2−3.4(1H,m),3.52(0.3H,br s),3.69(0.7H,br d,J=7Hz),6.7−6.9(2H,m),7.0−7.4(7.7H,m),7.48(0.3H,d,J=8Hz),8.33(0.7H,d,J=12Hz),8.43(0.3H,d,J=2Hz).
【0062】
参考例5
1−フェネチル−4−(2−プロピオニルアミノフェニル)アミノピペリジン
参考例1で得た4−(2−アミノフェニル)アミノ−1−フェネチルピペリジン(62mg,0.21mmol)のトルエン(0.5mL)溶液に無水プロピオン酸(26mg,0.20mmol)加えた。室温で一晩攪拌後、反応混合物に氷冷下、1N水酸化ナトリウム水溶液及びエーテルを加え、析出した結晶を濾取し、水及びエーテルで洗浄した。減圧下に乾燥後、表題化合物を淡褐色結晶として38mg(収率51%)得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.07(0.9H,br t),1.28(2.1H,t,J=7Hz),1.4−1.7(2H,m),1.9−2.3(4.6H,m),2.43(1.4H,q,J=7Hz),2.5−2.7(2H,m),2.7−2.9(2H,m),2.9−3.0(2H,m),3.2−3.4(1H,m),3.57(0.7H,br s),3.98(0.3H,br s),6.55(0.3H,br s),6.6−6.9(2H,m),7.0−7.4(7H,m),7.41(0.7H,d,J=8Hz)
【0063】
参考例6
4−(3−アセチルアミノフェニル)アミノピペリジン
(1)4−(3−アセチルアミノフェニル)アミノ−1−ベンジルピペリジン
1−ベンジル−4−ピペリドン及び3’−アミノアセトアニリドを用い、参考例2と同様にして表題化合物を得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.4−1.6(2H,m),1.9−2.2(4H,m),2.17(3H,s),2.7−2.9(2H,m),3.2−3.4(1H,m),3.4−3.8(1H,br),3.52(2H,s),6.33(1H,d,J=8Hz),6.54(1H,d,J=8Hz),7.0−7.4(8H,m).

(2)4−(3−アセチルアミノフェニル)アミノピペリジン
上記の4−(3−アセチルアミノフェニル)アミノ−1−ベンジルピペリジン(600mg,1.86mmol)のメタノール(6mL)溶液に、10%パラジウム−炭素(120mg)を加え、60℃で一晩接触水素添加した。触媒を濾別後、濾液を減圧下に濃縮し、表題化合物を326mg(収率99%)得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.2−1.4(2H,m),2.0−2.2(2H,m),2.14(3H,s),2.71(2H,dt,J=2,12Hz),3.10(2H,dt,J=2,13Hz),3.2−3.4(1H,m),3.5−3.8(1H,br),6.34(1H,br d,J=7Hz),6.54(1H,br d,J=7Hz),7.0−7.2(3H,m).
【0064】
参考例7
4−(2−アセチルアミノフェニル)アミノピペリジン
(1)4−(2−アセチルアミノフェニル)アミノ−1−ベンジルピペリジン
1−ベンジル−4−ピペリドン及び2’−アミノアセトアニリドを用い、参考例2と同様にして表題化合物を淡褐色結晶として得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.4−1.6(2H,m),1.86(1.2H,s),1.9−2.1(2H,m),2.1−2.3(2H,m),2.20(1.8H,s),2.7−2.9(2H,m),3.2−3.4(1H,m),3.52(2H,s),3.61(0.6H,br s),3.96(0.4H,br d,J=8Hz),6.55(0.4H,br s),6.6−6.8(2H,m),7.0−7.4(7.6H,m).

(2)4−(2−アセチルアミノフェニル)アミノピペリジン
上記の4−(2−アセチルアミノフェニル)アミノ−1−ベンジルピペリジンを用い、参考例6(2)と同様にして表題化合物を淡褐色結晶として得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.2−1.8(3H,m),1.87(1.2H,s),1.9−2.1(2H,m),2.21(1.8H,s),2.6−2.8(2H,m),3.0−3.2(2H,m),3.2−3.5(1H,m),3.62(0.6H,br s),3.96(0.4H,br d,J=8Hz),6.5−6.9(2.4H,m),7.0−7.4(2.6H,m).
【0065】
参考例8
4−(3−アセチルアミノフェニル)アミノ−3−メチル−1−フェネチルピペリジン
(1)4−(3−アセチルアミノフェニル)アミノ−1−ベンジル−3−メチルピペリジン
1−ベンジル−3−メチル−4−ピペリドン及び3’−アミノアセトアニリドを用い、参考例2と同様にして表題化合物を得た。シス体とトランス体の分離はシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール=25/1)により行い、それぞれ黄色油状物として得た。
cis:
H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.97(3H,d,J=7Hz),1.6−1.9(2H,m),2.0−2.2(1H,m),2.14(3H,s),2.2−2.4(3H,m),2.4−2.6(1H,m),3.2−3.6(2H,br),3.46(1H,d,J=13Hz),3.52(1H,d,J=13Hz),6.35(1H,br d,J=8Hz),6.55(1H,br d,J=8Hz),7.07(1H,t,J=8Hz),7.1−7.4(7H,m).

trans:
H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.94(3H,d,J=7Hz),1.3−1.5(1H,m),1.5−1.7(1H,m),1.81(1H,t,J=11Hz),2.0−2.2(2H,m),2.13(3H,s),2.8−3.0(3H,m),3.2−3.6(1H,br),3.50(2H,s),6.31(1H,br d,J=8Hz),6.50(1H,br d,J=8Hz),7.0−7.2(3H,m),7.2−7.4(5H,m).

(2)4−(3−アセチルアミノフェニル)アミノ−3−メチルピペリジン
上記の4−(3−アセチルアミノフェニル)アミノ−1−ベンジル−3−メチルピペリジンのシス体及びトランス体を用い、参考例6(2)と同様にして表題化合物をそれぞれ得た。
cis:
H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.94(3H,d,J=7Hz),1.54(1H,br s),1.6−1.7(2H,m),2.0−2.2(1H,m),2.15(3H,s),2.7−2.8(2H,m),2.85(1H,dd,J=4,13Hz),2.98(1H,dt,J=13,5Hz),3.5−3.6(1H,m),3.6−3.8(1H,br),6.35(1H,br d,J=8Hz),6.52(1H,br d,J=8Hz),7.0−7.2(3H,m).
trans:
H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.97(3H,d,J=6Hz),1.1−1.3(1H,m),1.4−1.5(1H,m),1.58(1H,br s),2.0−2.2(1H,m),2.14(3H,s),2.38(1H,dd,J=11,13Hz),2.67(1H,dt,J=2,13Hz),2.9−3.2(3H,m),3.46(1H,br d),6.33(1H,br d,J=8Hz),6.51(1H,br d,J=8Hz),7.0−7.2(3H,m).

(3)4−(3−アセチルアミノフェニル)アミノ−3−メチル−1−フェネチルピペリジン
上記のcis−4−(3−アセチルアミノフェニル)アミノ−3−メチルピペリジン(272mg,1.10mmol)のアセトニトリル(6mL)溶液に(2−ブロモエチル)ベンゼン(203mg,1.10mmol),炭酸ナトリウム(467mg,4.49mmol)及びヨウ化ナトリウム(30mg,0.20mmol)を加え、一晩加熱還流した。室温まで冷却後、反応混合物を水に注いで酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下に溶媒留去後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール=20/1)により精製し、表題化合物のシス体を白色結晶として319mg(収率83%)得た。
同様にして、trans−4−(3−アセチルアミノフェニル)アミノ−3−メチルピペリジン(143mg)から、表題化合物のトランス体を淡黄色油状物として得た(158mg、収率78%)。
cis:
H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.97(3H,d,J=7Hz),1.7−1.9(2H,m),2.1−2.3(1H,m),2.13(3H,s),2.3−2.7(6H,m),2.7−2.9(2H,m),3.4−3.6(1H,m),3.72(1H,br s),6.35(1H,br d,J=8Hz),6.53(1H,br d,J=8Hz),7.06(1H,t,J=8Hz),7.1−7.4(7H,m).

trans:
H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.00(3H,d,J=6Hz),1.3−1.5(1H,m),1.6−1.8(1H,m),1.87(1H,t,J=11Hz),2.0−2.2(2H,m),2.14(3H,s),2.5−2.7(2H,m),2.7−2.8(2H,m),2.8−3.1(3H,m),3.2−3.7(1H,br),6.33(1H,br d,J=8Hz),6.51(1H,br d,J=8Hz),7.0−7.4(8H,m).
【0066】
参考例9
cis−4−(2−アセチルアミノフェニル)アミノ−3−メチル―l−フェネチルピペリジン
(1)cis―l−ベンジル−3−メチル−4−(2−ニトロフェニル)アミノピペリジン及びtrans―l−ベンジル−3−メチル−4−(2−ニトロフェニル)アミノピペリジン
4−アミノ−1−ベンジル−3−メチルピペリジン(646mg,3.16mmol)のn−プロパノール(16mL)溶液に1−フルオロ−2−ニトロベンゼン(669mg,4.74mmol)、炭酸ナトリウム(670mg)及びヨウ化カリウム(15mg)を加えた。30時間加熱還流後、反応混合物を濃縮し、水を加えた。酢酸エチルで抽出し、抽出液を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=1/3)により精製し、表題化合物のシス体をオレンジ色油状物として473mg(収率46%)、トランス体をオレンジ色油状物として241mg(収率23%)得た。
cis:
H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.00(3H,d,J=7Hz),1.8−2.0(2H,m),2.1−2.6(5H,m),3.48(1H,d,J=13Hz),3.54(1H,d,J=13Hz),3.7−3.8(1H,m),6.60(1H,ddd,J=1,7,9Hz),6.87(1H,d,J=9Hz),7.2−7.5(6H,m),8.18(1H,dd,J=1,8Hz),8.35(1H,br d,J=8Hz).
trans:
H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.97(3H,d,J=6Hz),1.5−1.7(1H,m),1.8−2.0(2H,m),2.0−2.2(2H,m),2.8−3.0(2H,m),3.1−3.2(1H,m),3.53(2H,s),6.59(1H,ddd,J=1,7,8Hz),6.85(1H,d,J=8Hz),7.2−7.5(6H,m),8.09(1H,br d,J=8Hz),8.17(1H,dd,J=1,9Hz).

(2)cis―4−(2−アミノフェニル)アミノ−l−ベンジル−3−メチルピペリジン
上記のcis―l−ベンジル−3−メチル−4−(2−ニトロフェニル)アミノピペリジン(473mg,1.45mmol)のエタノール(12mL)溶液に10%パラジウム−炭素(47mg)加え、室温1気圧で4.5時間接触水素添加した。触媒を濾別後、濾液を減圧下に濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=30/1)により精製し、表題化合物を茶褐色油状物として295mg(収率69%)得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.01(3H,d,J=7Hz),1.7−1.9(2H,m),2.1−2.2(1H,m),2.2−2.5(3H,m),2.5−2.7(1H,m),3.29(3H,br s),3.45(1H,d,J=14Hz),3.4−3.5(1H,m),3.53(1H,d,J=14Hz),6.6−6.9(4H,m),7.2−7.4(5H,m).

(3)cis―4−(2−アセチルアミノフェニル)アミノ−l−ベンジル−3−メチルピペリジン
上記のcis―4−(2−アミノフェニル)アミノ−l−ベンジル−3−メチルピペリジン(295mg,1.0mmol)のトルエン(3mL)溶液に無水酢酸(94μL,1.0mmol)加え、室温で25時間攪拌した。反応混合物を重曹水に注いでトルエンで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下に溶媒留去後、表題化合物を淡褐色結晶として323mg(収率96%)得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.94(1.2H,d,J=7Hz),1.01(1.8H,d,J=7Hz),1.6−1.9(2H,m),1.88(1.2H,s),2.1−2.5(4H,m),2.20(1.8H,s),2.5−2.7(1H,m),3.4−3.6(3H,m),3.81(0.6H,br s),4.08(0.4H,br d,J=8Hz),6.57(0.4H,br s),6.6−6.8(2H,m),7.0−7.4(7.6H,m).

(4)cis―4−(2−アセチルアミノフェニル)アミノ−3−メチル−1−フェネチルピペリジン
上記のcis―4−(2−アセチルアミノフェニル)アミノ−l−ベンジル−3−メチルピペリジンを用い、参考例6(2)と同様にして脱ベンジル化反応を行い、続いて参考例8(3)と同様にして(2−ブロモエチル)ベンゼンによるアルキル化反応を行った。このようにして得られた反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物を淡黄色油状物として得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.95(1.2H,d,J=7Hz),1.02(1.8H,d,J=7Hz),1.6−1.9(2H,m),1.89(1.2H,s),2.1−2.3(1H,m),2.21(1.8H,s),2.3−2.7(6H,m),2.7−2.9(2H,m),3.4−3.6(1H,m),3.7−4.2(1H,br),6.6−6.8(2.4H,m),7.0−7.3(7.6H,m).
【0067】
参考例10
trans−4−(2−アセチルアミノフェニル)アミノ−3−メチル―l−フェネチルピペリジン
参考例9(1)で得たtrans―l−ベンジル−3−メチル−4−(2−ニトロフェニル)アミノピペリジンを用い、参考例9(2)〜(4)に示した方法にしたがって表題化合物を薄紫色結晶として得た。
trans:
H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.97(1.2H,d,J=6Hz),1.04(1.8H,d,J=7Hz),1.3−1.5(1H,m),1.6−1.8(1H,m),1.8−1.9(0.6H,m),1.87(1.2H,s),2.0−2.2(2.4H,m),2.18(1.8H,s),2.5−2.7(2H,m),2.7−2.9(2H,m),2.9−3.1(3H,m),3.54(0.6H,br s),3.88(0.4H,br d,J=9Hz),6.6−6.8(2H,m),6.84(0.4H,br s),7.0−7.4(7.6H,m).
【0068】
参考例11
4−(3−アセチルアミノフェニル)アミノ−1−フェネチルピペリジン−4−カルボン酸メチル
(1)1−ベンジル−4−(3−ニトロフェニル)アミノピペリジン−4−カルボニトリル
3−ニトロアニリン(1.28g,9.27mmol)の酢酸(8mL)溶液に1−ベンジル−4−ピペリドン(1.59mL,8.58mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。さらに内温を35℃以下に保ちながらトリメチルシリルシアニド(1.16mL,8.70mmol)を滴下し、室温で一晩撹拌した。反応混合物を炭酸カリウム水溶液で中和し、ジエチルエーテルを加えて一晩撹拌した。析出した黄色結晶を濾取し、水およびn−ヘキサン/酢酸エチル(3/1)で洗浄した。50℃で一晩減圧乾燥し、表題化合物を黄色結晶として2.22g(収率77%)得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.9−2.0(2H,m),2.40(2H,dt,J=2,13Hz),2.4−2.6(2H,m),2.8−2.9(2H,m),3.57(2H,s),4.09(1H,s),7.19(1H,dd,J=2,8Hz),7.2−7.4(5H,m),7.38(1H,t,J=8Hz),7.6−7.7(2H,m).

(2)1−ベンジル−4−(3−ニトロフェニル)アミノピペリジン−4−カルボン酸アミド
氷冷下、97%硫酸(5.4mL)に1−ベンジル−4−(3−ニトロフェニル)アミノピペリジン−4−カルボニトリル(2.22g,6.60mmol)を徐々に加え、室温で一晩撹拌した。反応混合物を氷水に加え、炭酸カリウムで中和した。析出物を濾取し、温水で洗浄して無機塩を除いた。室温で風乾し、表題化合物を黄色結晶として1.95g(収率83%)得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.92(2H,d,J=13Hz),2.1−2.2(2H,m),2.3−2.4(2H,m),2.7−2.8(2H,m),3.50(2H,s),4.36(1H,s),5.47(1H,br s),6.65(1H,br s),6.89(1H,dd,J=2,8Hz),7.2−7.4(6H,m),7.4−7.5(1H,m),7.62(1H,dd,J=2,8Hz).

(3)1−ベンジル−4−(3−ニトロフェニル)アミノピペリジン−4−カルボン酸
上記の1−ベンジル−4−(3−ニトロフェニル)アミノピペリジン−4−カルボン酸アミド(1.95g,5.51mmol)に濃塩酸(10mL)および水(3mL)を加え、2.5時間加熱還流した。続いて、氷冷下、内温を40℃以下に保つようにして6N水酸化ナトリウム水溶液(11mL)を滴下した。反応混合物を室温まで冷却後、析出物を濾取し、水で十分に洗浄した。60℃で一晩減圧乾燥し、表題化合物を黄色結晶として1.39g(収率71%)得た。
H NMR(CDOD,400MHz)δ:2.0−3.8(4H,m),3.2−3.6(4H,m),4.37(2H,s),7.01(1H,d,J=8Hz),7.34(1H,t,J=8Hz),7.5−7.6(7H,m).

(4)1−ベンジル−4−(3−ニトロフェニル)アミノピペリジン−4−カルボン酸メチル
氷冷下、メタノール(4mL)に塩化チオニル(0.41mL,5.6mmol)を0.5時間かけて滴下し、得られた溶液に1−ベンジル−4−(3−ニトロフェニル)アミノピペリジン−4−カルボン酸(517mg,1.45mmol)を加えた。5.5時間加熱還流した後、室温で一晩撹拌した。反応混合物に炭酸カリウム水溶液を加えてクロロホルムで抽出し、抽出液を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下に溶媒を留去後、表題化合物を茶色油状物として532mg(収率99%)得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:2.0−2.1(2H,m),2.2−2.4(4H,m),2.6−2.7(2H,m),3.52(2H,s),3.72(3H,s),4.19(1H,s),6.81(1H,dd,J=2,8Hz),7.2−7.3(6H,m),7.40(1H,t,J=2Hz),7.56(1H,dd,J=2,8Hz).

(5)4−(3−アミノフェニル)アミノ−1−ベンジルピペリジン−4−カルボン酸メチル
上記の1−ベンジル−4−(3−ニトロフェニル)アミノピペリジン−4−カルボン酸メチル(600mg,1.62mmol)のメタノール(6mL)溶液に10%パラジウム−炭素(60mg)加え、室温1気圧で4.5時間接触水素添加した。触媒を濾別後、濾液を減圧下に濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=97/3)により精製し、表題化合物を538mg(収率98%)得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.9−2.1(2H,m),2.1−2.3(2H,m),2.3−2.5(2H,m),2.5−2.7(2H,m),3.49(2H,s),3.52(2H,br s),3.68(3H,s),3.77(1H,br s),5.90(1H,t,J=2Hz),5.99(1H,dd,J=2,8Hz),6.09(1H,dd,J=2,8Hz),6.91(1H,t,J=8Hz),7.2−7.4(5H,m).

(6)4−(3−アセチルアミノフェニル)アミノ−1−ベンジルピペリジン−4−カルボン酸メチル
上記の4−(3−アミノフェニル)アミノ−1−ベンジルピペリジン−4−カルボン酸メチル(532mg,1.57mmol)のトルエン(5mL)溶液に無水酢酸(0.15mL,1.57mmol)加え、室温で一晩攪拌した。反応混合物を重曹水に注いでクロロホルムで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下に溶媒留去後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=97/3)により精製し、表題化合物を491mg(収率82%)得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.9−2.1(2H,m),2.14(3H,s),2.1−2.3(2H,m),2.3−2.5(2H,m),2.5−2.7(2H,m),3.50(2H,s),3.69(3H,s),3.93(1H,br s),6.28(1H,br d,J=8Hz),6.67(1H,br d,J=8Hz),6.9−7.1(3H,m),7.2−7.4(5H,m).

(7)4−(3−アセチルアミノフェニル)アミノピペリジン−4−カルボン酸メチル
上記の4−(3−アセチルアミノフェニル)アミノ−1−ベンジルピペリジン−4−カルボン酸メチル(482mg,1.26mmol)のメタノール(15mL)溶液に、10%パラジウム−炭素(240mg)を加え、加熱還流下、2時間接触水素添加した。触媒を濾別後、濾液を減圧下に濃縮し、表題化合物を358mg(収率97%)得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.8−2.0(2H,m),2.14(3H,s),2.0−2.2(2H,m),2.8−3.0(4H,m),3.70(3H,s),3.99(1H,br s),6.31(1H,dd,J=2,8Hz),6.68(1H,br d,J=8Hz),7.0−7.2(3H,m).

(8)4−(3−アセチルアミノフェニル)アミノ−1−フェネチルピペリジン−4−カルボン酸メチル
上記の4−(3−アセチルアミノフェニル)アミノピペリジン−4−カルボン酸メチル(175mg,0.601mmol)のアセトニトリル(4mL)溶液に(2−ブロモエチル)ベンゼン(122mg,0.661mmol),炭酸ナトリウム(255mg,2.40mmol)及びヨウ化ナトリウム(18mg,0.120mmol)を加え、一晩加熱還流した。反応混合物を水に注いでクロロホルムで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下に溶媒留去後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=94/6)により精製し、表題化合物を189mg(収率79%)得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:2.0−2.1(2H,m),2.14(3H,s),2.2−2.4(2H,m),2.4−2.9(8H,m),3.70(3H,s),3.94(1H,br s),6.31(1H,br d,J=8Hz),6.67(1H,br d,J=8Hz),6.9−7.1(3H,m),7.1−7.4(5H,m).
【0069】
実施例1
N−(2−アセチルアミノフェニル)−N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)プロピオン酸アミド シュウ酸塩
(1)N−(2−アセチルアミノフェニル)−N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)プロピオン酸アミド
参考例3で得た4−(2−アセチルアミノフェニル)アミノ−1−フェネチルピペリジン(85mg,0.25mmol)及びトリエチルアミン(0.21mL)のジクロロメタン(3mL)溶液に氷冷下、塩化プロピオニル(105mg,1.13mmol)を加えた。室温で17時間攪拌後、氷冷下にトリエチルアミン(0.28mL)及び塩化プロピオニル(140mg,1.51mmol)をさらに加え、5℃で2時間攪拌した。反応混合物を重曹水に注いでクロロホルムで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下に溶媒留去後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール=10/1)により精製し、表題化合物の粗体を得た。これを酢酸エチル−ヘキサンから再結晶し、表題化合物を白色結晶として29mg(収率29%)得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.03(3H,t,J=7Hz),1.38(1H,dq,J=4,12Hz),1.5−1.8(2H,m),1.8−2.1(3H,m),2.0−2.2(2H,m),2.17(3H,s),2.4−2.6(2H,m),2.6−2.8(2H,m),2.9−3.1(2H,m),4.5−4.7(1H,m),7.0−7.5(9H,m),8.4−8.6(1H,br).

(2)N−(2−アセチルアミノフェニル)−N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)プロピオン酸アミド シュウ酸塩
上記のN−(2−アセチルアミノフェニル)−N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)プロピオン酸アミド(29mg,0.074mmol)のメタノール(1mL)溶液にシュウ酸(7mg,0.078mmol)を加えた。減圧下に溶媒留去し、残留物をイソプロパノール(0.5mL)に溶解し、室温で2時間攪拌した。析出した結晶を濾取し、イソプロパノールで洗浄し、乾燥して、表題化合物を白色粉末として28mg(収率79%)得た。
H NMR(CDOD,400MHz)δ:1.01(3H,t,J=7Hz),1.5−1.7(1H,m),1.9−2.1(2H,m),1.98(2H,q,J=7Hz),2.1−2.3(1H,m),2.18(3H,s),2.9−3.0(2H,m),3.0−3.2(2H,m),3.2−3.4(2H,m),3.5−3.8(2H,m),4.5−4.7(1H,m),7.2−7.4(7H,m),7.45(1H,t,J=8Hz),7.94(1H,d,J=8Hz).
IR(cm−1,KBr):3348,2978,2941,1693,1653,1587,1522,1448,1392,1373,1292,1267,1240,1090,764,700.
【0070】
実施例2
N−(3−アセチルアミノフェニル)−N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)プロピオン酸アミド シュウ酸塩
(1)N−(3−アセチルアミノフェニル)−N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)プロピオン酸アミド
参考例2で得た4−(3−アセチルアミノフェニル)アミノ−1−フェネチルピペリジン(100mg,0.296mmol)に無水プロピオン酸(0.38mL)を加え、135℃で30分間攪拌した。反応混合物を重曹水に注いでクロロホルムで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下に溶媒留去後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=96/4)により精製し、表題化合物を22mg(収率19%)得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.02(3H,t,J=7Hz),1.3−1.6(2H,m),1.7−1.9(2H,m),1.9−2.1(2H,m),2.1−2.3(2H,m),2.19(3H,s),2.5−2.6(2H,m),2.6−2.8(2H,m),2.9−3.1(2H,m),4.6−4.8(1H,m),6.83(1H,d,J=8Hz),7.1−7.5(8H,m),7.8−8.0(1H,m).

(2)N−(3−アセチルアミノフェニル)−N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)プロピオン酸アミド シュウ酸塩
上記のN−(3−アセチルアミノフェニル)−N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)プロピオン酸アミドを用い、実施例1(2)と同様にして表題化合物を白色粉末として得た。
H NMR(CDOD,400MHz)δ:1.01(3H,t,J=7Hz),1.6−1.9(2H,br),2.03(2H,q,J=7Hz),2.0−2.2(2H,m),2.14(3H,s),2.9−3.0(2H,m),3.15(2H,br t),3.2−3.4(2H,m),3.64(2H,br d),4.7−4.9(1H,m),6.9−7.0(1H,m),7.2−7.5(7H,m),7.67(1H,br s).
IR(cm−1,KBr):3398,3030,1655,1601,1551,1489,1437,1387,1306,1277,1049,808,754,702.
【0071】
実施例3
N−(2−アセチルアミノフェニル)−N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)シクロプロパンカルボキサミド シュウ酸塩
4−(2−アセチルアミノフェニル)アミノ−1−フェネチルピペリジン(50mg,0.148mmol)およびトリエチルアミン(42μL,0.296mmol)のジクロロメタン(2.0mL)溶液に、氷冷下、シクロプロパンカルボニルクロリド(19mg,0.185mmol)を加え、1時間撹拌した。反応混合物を飽和重曹水で希釈し、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下に溶媒を留去した。残留物を酢酸エチル−ヘキサンから再結晶し、表題化合物の遊離塩基を白色結晶として得た。これを酢酸エチルに溶解し、シュウ酸(10.5mg,0.116mmol)の酢酸エチル溶液を加えた。得られた結晶を濾取、乾燥し、表題化合物を白色結晶として44mg(収率60%)得た。
mp:154−157℃
H NMR(CDOD,400MHz)δ:0.6−0.7(2H,m),0.8−0.9(1H,m),0.9−1.1(1H,m),1.1−1.2(1H,m),1.5−1.7(1H,m),1.9−2.1(2H,m),2.19(3H,s),2.2−2.3(1H,m),2.9−3.0(2H,m),3.0−3.2(2H,m),3.2−3.4(2H,m),3.5−3.7(2H,m),4.5−4.6(1H,m),7.2−7.4(7H,m),7.4−7.5(1H,m),7.95(1H,d,J=8Hz).
IR(cm−1,KBr):3398,3358,1695,1645,1589,1522,1450,1410,1294,1267,964,758,702.
【0072】
実施例4
N−(3−アセチルアミノフェニル)−N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)シクロプロパンカルボキサミド シュウ酸塩
4−(3−アセチルアミノフェニル)アミノ−1−フェネチルピペリジンを用い、実施例3と同様にして表題化合物を白色結晶として得た。
mp:173−181℃
H NMR(CDOD,400MHz)δ:0.6−0.7(2H,m),0.8−1.0(2H,m),1.2−1.3(1H,m),1.7−1.9(2H,br),2.0−2.2(2H,m),2.14(3H,s),2.9−3.0(2H,m),3.1−3.2(2H,m),3.2−3.4(2H,m),3.64(2H,br d),4.7−4.9(1H,m),7.03(1H,d,J=7Hz),7.2−7.4(5H,m),7.4−7.5(2H,m),7.71(1H,s).
IR(cm−1,KBr):3398,3323,1697,1651,1601,1552,1491,1416,1369,1313,1269,1203,1134,1057,1028,957,895,802,752,702.
【0073】
実施例5
N−(3−アセチルアミノフェニル)−N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミド シュウ酸塩
(1)N−(3−アセチルアミノフェニル)−N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミド
4−(3−アセチルアミノフェニル)アミノ−1−フェネチルピペリジン(100mg,0.296mmol)のクロロホルム(1mL)溶液にトリエチルアミン(0.08mL)及び2−フロイルクロリド(35μL,0.356mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。反応混合物を重曹水に注いでクロロホルムで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下に溶媒留去後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=97/3)により精製し、表題化合物を淡黄色結晶として85mg(収率66%)得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.4−1.6(2H,m),1.6−2.0(2H,m),2.0−2.3(2H,m),2.23(3H,s),2.4−2.6(2H,m),2.6−2.8(2H,m),2.9−3.1(2H,m),4.6−4.8(1H,m),5.53(1H,br s),6.14(1H,dd,J=1,3Hz),6.90(1H,d,J=8Hz),7.0−7.4(8H,m),7.92(1H,d,J=7Hz),8.34(1H,br s).

(2)N−(3−アセチルアミノフェニル)−N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミド シュウ酸塩
上記のN−(3−アセチルアミノフェニル)−N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミド(85mg,0.197mmol)の酢酸エチル(1mL)−メタノール(0.5mL)溶液にシュウ酸(19mg,0.21mmol)の酢酸エチル(0.8mL)溶液を加えた。室温で一晩攪拌後、析出した結晶を濾取し、酢酸エチル、エーテルで順次洗浄した。減圧乾燥し、表題化合物を白色結晶として79mg(収率77%)得た。
mp:207−210℃
H NMR(CDOD,400MHz)δ:1.8−2.0(2H,m),2.17(3H,s),2.25(2H,br d),2.9−3.1(2H,m),3.2−3.4(4H,m),3.73(2H,br d),4.9−5.0(1H,m),5.85(1H,d,J=3Hz),6.33(1H,dd,J=2,3Hz),7.05(1H,br d,J=8Hz),7.2−7.4(5H,m),7.48(1H,t,J=8Hz),7.53(1H,d,J=2Hz),7.61(1H,br d,J=8Hz),7.72(1H,br s).
IR(cm−1,KBr):1728,1684,1624,1603,1560,1491,1471,1419,1400,1369,1323,1236,1186,1132,1038,945,883,756,731,702,594,538,465.
【0074】
実施例6
N−(2−アセチルアミノフェニル)−N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミド シュウ酸塩
(1)N−(2−アセチルアミノフェニル)−N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミド
4−(2−アセチルアミノフェニル)アミノ−1−フェネチルピペリジンを用い、実施例5(1)と同様にして淡黄色結晶として得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.49(1H,dq,J=4,12Hz),1.73(1H,dq,J=4,12Hz),1.8−1.9(1H,m),2.0−2.1(1H,m),2.16(3H,s),2.1−2.3(2H,m),2.5−2.6(2H,m),2.7−2.8(2H,m),2.9−3.1(2H,m),4.70(1H,tt,J=4,12Hz),5.57(1H,br s),6.17(1H,dd,J=1,3Hz),7.0−7.3(8H,m),7.44(1H,dt,J=2,8Hz),7.80(1H,br s),8.46(1H,d,J=8Hz).

(2)N−(2−アセチルアミノフェニル)−N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミド シュウ酸塩
上記のN−(2−アセチルアミノフェニル)−N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミドを用い、実施例1(2)と同様にして表題化合物を白色結晶として得た。
mp:177−182℃(分解)
H NMR(CDOD,400MHz)δ:1.7−1.9(1H,m),2.0−2.2(2H,m),2.13(3H,s),2.3−2.4(1H,m),2.9−3.1(2H,m),3.1−3.4(4H,m),3.6−3.8(2H,m),4.6−4.8(1H,m),5.91(1H,d,J=3Hz),6.30(1H,dd,J=1,3Hz),7.2−7.4(7H,m),7.4−7.6(2H,m),7.97(1H,d,J=8Hz).
IR(cm−1,KBr):3417,3230,3032,2962,1753,1686,1653,1624,1593,1556,1525,1468,1452,1400,1373,1342,1296,1190,1117,1088,1038,941,754,704,594.
【0075】
実施例7
N−(2−アセチルアミノフェニル)−N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−3−カルボン酸アミド シュウ酸塩
4−(2−アセチルアミノフェニル)アミノ−1−フェネチルピペリジン及び3−フロイルクロリドを用い、実施例3と同様にして表題化合物を白色結晶として得た。
mp:179−188℃
H NMR(CDOD,400MHz)δ:1.7−1.9(1H,m),2.0−2.2(2H,m),2.12(3H,s),2.3−2.4(1H,m),2.9−3.0(2H,m),3.0−3.2(2H,m),3.2−3.4(2H,m),3.6−3.8(2H,m),4.6−4.9(1H,m),6.19(1H,d,J=1Hz),6.77(1H,br s),7.2−7.4(8H,m),7.4−7.5(1H,m),7.96(1H,d,J=8Hz).
IR(cm−1,KBr):3408,3334,1734,1693,1618,1560,1522,1448,1398,1373,1344,1292,1244,1200,1161,1014,876,816,750,700,596.
【0076】
実施例8
N−(3−アセチルアミノフェニル)−N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−3−カルボン酸アミド シュウ酸塩
4−(3−アセチルアミノフェニル)アミノ−1−フェネチルピペリジン及び3−フロイルクロリドを用い、実施例3と同様にして表題化合物を白色結晶として得た。
mp:202−205℃
H NMR(CDOD,400MHz)δ:1.8−2.0(2H,m),2.12(3H,s),2.20(2H,br d),2.9−3.1(2H,m),3.1−3.4(4H,m),3.68(2H,br d),4.8−5.0(1H,m),6.17(1H,d,J=1Hz),6.87(1H,s),7.00(1H,d,J=8Hz),7.2−7.4(6H,m),7.43(1H,t,J=8Hz),7.55(1H,d,J=8Hz),7.67(1H,s).
IR(cm−1,KBr):3408,3265,1689,1601,1560,1491,1406,1404,1377,1346,1317,1259,1198,1155,1080,1049,1014,987,876,750,702,600.
【0077】
実施例9
N−(2−アセチルアミノフェニル)−N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)チオフェン−2−カルボン酸アミド シュウ酸塩
4−(2−アセチルアミノフェニル)アミノ−1−フェネチルピペリジン及び2−チオフェンカルボニルクロリドを用い、実施例3と同様にして表題化合物を白色結晶として得た。
mp:209−211℃
H NMR(CDOD,400MHz)δ:1.7−1.9(1H,m),2.0−2.2(2H,m),2.11(3H,s),2.3−2.4(1H,m),2.9−3.1(2H,m),3.1−3.4(4H,m),3.6−3.8(2H,m),4.7−4.8(1H,m),6.77(1H,dd,J=1,4Hz),6.83(1H,dd,J=4,5Hz),7.2−7.4(7H,m),7.4−7.6(2H,m),7.98(1H,d,J=8Hz).
IR(cm−1,KBr):3408,3304,1765,1697,1614,1593,1527,1452,1417,1385,1313,1294,1238,1119,1016,958,854,725,704,602.
【0078】
実施例10
N−(3−アセチルアミノフェニル)−N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)チオフェン−2−カルボン酸アミド シュウ酸塩
4−(3−アセチルアミノフェニル)アミノ−1−フェネチルピペリジン及び2−チオフェンカルボニルクロリドを用い、実施例3と同様にして表題化合物を白色結晶として得た。
mp:174−177℃(分解点)
H NMR(CDOD,400MHz)δ:1.8−2.0(2H,m),2.12(3H,s),2.24(2H,br d),2.9−3.0(2H,m),3.1−3.4(4H,m),3.68(2H,br d),4.8−5.0(1H,m),6.8−6.9(2H,m),7.04(1H,d,J=8Hz),7.2−7.4(5H,m),7.43(1H,t,J=8Hz),7.48(1H,dd,J=1,5Hz),7.55(1H,d,J=8Hz),7.72(1H,s).
IR(cm−1,KBr):3406,1686,1597,1552,1489,1421,1373,1313,1254,1207,1115,1043,742,702.
【0079】
実施例11
N−(2−アセチルアミノフェニル)−N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)イソキサゾール−5−カルボン酸アミド シュウ酸塩
4−(2−アセチルアミノフェニル)アミノ−1−フェネチルピペリジン及びイソキサゾール−5−カルボニルクロリドを用い、実施例3と同様にして表題化合物を白色結晶として得た。
mp:145−148℃(分解点)
H NMR(CDOD,400MHz)δ:1.7−1.9(1H,m),2.0−2.2(2H,m),2.15(3H,s),2.3−2.4(1H,m),2.9−3.1(2H,m),3.1−3.4(4H,m),3.6−3.8(2H,m),4.6−4.8(1H,m),5.91(1H,s),7.2−7.4(7H,m),7.4−7.5(1H,m),7.91(1H,d,J=8Hz),8.22(1H,s).
IR(cm−1,KBr):3589,3298,1686,1635,1591,1566,1525,1485,1452,1394,1371,1329,1294,1205,1163,1117,1051,987,953,920,812,758,710,596.
【0080】
実施例12
N−(3−アセチルアミノフェニル)−N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)イソキサゾール−5−カルボン酸アミド シュウ酸塩
4−(3−アセチルアミノフェニル)アミノ−1−フェネチルピペリジン及びイソキサゾール−5−カルボニルクロリドを用い、実施例3と同様にして表題化合物を白色結晶として得た。
H NMR(CDOD,400MHz)δ:1.8−2.0(1H,m),2.0−2.3(3H,m),2.12(3H,s),2.9−3.1(2H,m),3.1−3.4(4H,m),3.6−3.8(2H,m),4.8−5.0(1H,m),5.93(1H,s),7.01(1H,d,J=7Hz),7.2−7.4(5H,m),7.40(1H,t,J=8Hz),7.50(1H,d,J=8Hz),7.71(1H,s),8.21(1H,s).
【0081】
実施例13
N−(2−アセチルアミノフェニル)−N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)アセトアミド シュウ酸塩
4−(2−アセチルアミノフェニル)アミノ−1−フェネチルピペリジン及び塩化アセチルを用い、実施例3と同様に(ただし、塩基としてはピリジンを使用)して表題化合物を白色結晶として得た。
mp:180−183℃
H NMR(CDOD,400MHz)δ:1.5−1.7(1H,m),1.78(3H,s),1.9−2.1(2H,m),2.1−2.3(1H,m),2.19(3H,s),2.9−3.0(2H,m),3.0−3.2(2H,m),3.2−3.4(2H,m),3.5−3.7(2H,m),4.5−4.7(1H,m),7.2−7.4(7H,m),7.4−7.5(1H,m),7.92(1H,d,J=8Hz).
IR(cm−1,KBr):3408,3356,1693,1649,1589,1524,1450,1389,1294,1236,1119,957,760,700,615.
【0082】
実施例14
N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)−N−(2−プロピオニルアミノフェニル)フラン−2−カルボン酸アミド シュウ酸塩
(1)N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)−N−(2−プロピオニルアミノフェニル)フラン−2−カルボン酸アミド
参考例5で得た1−フェネチル−4−(2−プロピオニルアミノフェニル)アミノピペリジンを用い、実施例5(1)と同様にして表題化合物を白色結晶として得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.16(3H,t,J=7Hz),1.51(1H,dq,J=4,12Hz),1.6−1.9(2H,m),2.0−2.1(1H,m),2.1−2.3(2H,m),2.34(2H,q,J=7Hz),2.5−2.6(2H,m),2.7−2.8(2H,m),2.9−3.1(2H,m),4.72(1H,tt,J=4,12Hz),5.63(1H,d,J=3Hz),6.18(1H,dd,J=1,3Hz),7.0−7.4(8H,m),7.4−7.5(2H,m),8.46(1H,d,J=8Hz).
(2)N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)−N−(2−プロピオニルアミノフェニル)フラン−2−カルボン酸アミド シュウ酸塩
上記のN−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)−N−(2−プロピオニルアミノフェニル)フラン−2−カルボン酸アミドを用い、実施例1(2)と同様にして表題化合物を白色結晶として得た。
H NMR(CDOD,400MHz)δ:1.13(3H,t,J=7Hz),1.7−1.9(1H,m),2.0−2.2(2H,m),2.3−2.5(3H,m),2.9−3.1(2H,m),3.1−3.3(2H,m),3.6−3.8(2H,m),4.6−4.8(1H,m),5.89(1H,d,J=3Hz),6.30(1H,dd,J=1,3Hz),7.2−7.4(7H,m),7.4−7.6(2H,m),7.89(1H,d,J=8Hz).
IR(cm−1,KBr):3300,2966,1757,1691,1628,1589,1560,1522,1471,1450,1400,1348,1290,1188,1119,1074,1049,1030,955,856,752,729,698.
【0083】
実施例15
N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)−N−(3−プロピオニルアミノフェニル)フラン−2−カルボン酸アミド シュウ酸塩
(1)N−(3−ニトロフェニル)−N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミド
4−(3−ニトロフェニル)アミノ−1−フェネチルピペリジンを用い、実施例5(1)と同様にして表題化合物を得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.51(2H,dq,J=4,8Hz),1.9−2.0(2H,m),2.23(2H,dt,J=2,12Hz),2.5−2.6(2H,m),2.7−2.8(2H,m),3.0−3.1(2H,m),4.7−4.9(1H,m),6.2−6.3(2H,m),7.1−7.3(6H,m),7.4−7.6(1H,m),7.58(1H,t,J=8Hz),8.05(1H,t,J=2Hz),8.2−8.3(1H,m).

(2)N−(3−アミノフェニル)−N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミド
上記のN−(3−ニトロフェニル)−N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミド(614mg,1.46mmol)のメタノール(10mL)溶液に10%パラジウム−炭素(61mg)加え、室温1気圧で一晩接触水素添加した。触媒を濾別後、濾液を減圧下に濃縮し、酢酸エチル−ヘキサンから再結晶し、表題化合物を白色結晶として494mg(収率87%)得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.5−1.7(2H,m),1.8−2.0(2H,m),2.1−2.3(2H,m),2.5−2.6(2H,m),2.7−2.8(2H,m),2.9−3.1(2H,m),3.73(2H,s),4.7−4.9(1H,m),5.56(1H,d,J=3Hz),6.16(1H,dd,J=1,3Hz),6.46(1H,t,J=2Hz),6.56(1H,br d,J=8Hz),6.71(1H,dd,J=2,8Hz),7.1−7.3(6H,m),7.37(1H,d,J=1Hz).

(3)N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)−N−(3−プロピオニルアミノフェニル)フラン−2−カルボン酸アミド
上記のN−(3−アミノフェニル)−N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミド(100mg,0.257mmol)のクロロホルム(1.5mL)溶液にトリエチルアミン(0.08mL)及び塩化プロピオニル(27μL,0.308mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。反応混合物を重曹水に注いでクロロホルムで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下に溶媒留去後、残留物を酢酸エチル−ヘキサンより再結晶し、表題化合物を白色結晶として100mg(収率87%)得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.26(3H,t,J=7Hz),1.4−1.7(2H,m),1.8−2.0(2H,m),2.1−2.3(2H,m),2.42(2H,q,J=7Hz),2.5−2.6(2H,m),2.7−2.8(2H,m),2.9−3.1(2H,m),4.7−4.9(1H,m),5.61(1H,d,J=1Hz),6.15(1H,dd,J=1,3Hz),6.90(1H,br d,J=8Hz),7.1−7.4(9H,m),7.67(1H,br d,J=8Hz).

(4)N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)−N−(3−プロピオニルアミノフェニル)フラン−2−カルボン酸アミド シュウ酸塩
上記のN−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)−N−(3−プロピオニルアミノフェニル)フラン−2−カルボン酸アミドを用い、実施例5(2)と同様にして表題化合物を白色結晶として得た。
mp:202−206℃
H NMR(CDOD,400MHz)δ:1.23(3H,t,J=7Hz),1.8−2.0(2H,m),2.25(2H,br d),2.44(2H,q,J=7Hz),2.9−3.1(2H,m),3.1−3.4(4H,m),3.73(2H,br d),4.8−5.0(1H,m),5.85(1H,d,J=3Hz),6.33(1H,dd,J=1,3Hz),7.04(1H,dd,J=1,8Hz),7.2−7.4(5H,m),7.47(1H,t,J=8Hz),7.53(1H,d,J=1Hz),7.62(1H,dd,J=1,8Hz),7.74(1H,br s).
IR(cm−1,KBr):3269,2978,1680,1620,1605,1560,1471,1439,1406,1346,1321,1227,1190,1130,1032,947,756,723,706,592.
【0084】
実施例16
N−(2−ホルミルアミノフェニル)−N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミド シュウ酸塩
(1)N−(2−ホルミルアミノフェニル)−N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミド
参考例4で得た4−(2−ホルミルアミノフェニル)アミノ−1−フェネチルピペリジン(58mg,0.18mmol)のトルエン(3mL)溶液にトリエチルアミン(50μL)及び2−フロイルクロリド(33mg,0.25mmol)を加え、室温で19時間攪拌した。反応混合物を重曹水に注いで酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下に溶媒留去後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=30/1)により精製し、表題化合物を淡黄褐色結晶として37mg(収率50%)得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.2−1.5(1H,m),1.6−2.0(2H,m),2.0−2.3(3H,m),2.4−2.6(2H,m),2.6−2.8(2H,m),2.9−3.1(2H,m),4.6−4.8(1H,m),5.40(0.8H,d,J=3Hz),5.93(0.2H,br s),6.10(0.8H,dd,J=1,3Hz),6.21(0.2H,br s),7.0−7.5(9H,m),7.78(0.2H,br d,J=8Hz),8.5−8.7(2H,m),9.18(0.8H,br s).

(2)N−(2−ホルミルアミノフェニル)−N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミド シュウ酸塩
上記のN−(2−ホルミルアミノフェニル)−N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミドを用い、実施例1(2)と同様にして表題化合物を白色結晶として得た。
mp:126−133℃
H NMR(CDOD,400MHz)δ:1.6−1.9(1H,m),1.9−−2.2(2H,m),2.3−2.5(1H,m),2.9−3.1(2H,m),3.1−3.4(4H,m),3.6−3.8(2H,m),4.7−4.9(1H,m),5.91(0.8H,br s),6.00(0.2H,br s),6.3−6.4(1H,m),7.2−7.4(7H,m),7.4−7.6(2H,m),8.28(0.8H,s),8.37(1H,d,J=8Hz),8.55(0.2H,s).
IR(cm−1,KBr):3408,3030,1693,1637,1593,1560,1525,1454,1398,1342,1296,1234,1188,1132,754,702.
【0085】
実施例17
N−(3−アセチルメチルアミノフェニル)−N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミド シュウ酸塩
(1)N−(3−アセチルメチルアミノフェニル)−N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミド
実施例5(1)で得たN−(3−アセチルアミノフェニル)−N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミド(107mg,0.248mmol)の無水DMF(2mL)溶液に60%水素化ナトリウム(12mg,0.30mmol)を加え、室温で15分間攪拌した。得られた混合物にヨウ化メチル(30μL,0.48mmol)を加えて室温で2時間攪拌後、冷水を加えて酢酸エチルで抽出し、抽出液を水及び食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下に溶媒留去後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=30/1)により精製し、表題化合物を黄色油状物として34mg(収率31%)得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.4−1.7(2H,m),1.81(3H,br s),1.8−2.0(2H,m),2.43(2H,dt,J=2,12Hz),2.5−2.7(2H,m),2.7−2.8(2H,m),3.0−3.1(2H,m),3.25(3H,s),4.81(1H,tt,J=4,12Hz),6.00(1H,br s),6.20(1H,dd,J=2,3Hz),6.98(1H,br s),7.1−7.3(8H,m),7.46(1H,t,J=8Hz).

(2)N−(3−アセチルメチルアミノフェニル)−N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミド シュウ酸塩
上記のN−(3−アセチルメチルアミノフェニル)−N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミドを用い、実施例1(2)と同様にして表題化合物を淡黄色結晶として得た。
H NMR(CDOD,400MHz)δ:1.7−2.0(2H,m),1.81(3H,br s),2.1−2.3(2H,m),2.9−3.1(2H,m),3.1−3.5(7H,m),3.6−3.8(2H,m),4.8−5.0(1H,m),6.09(1H,br s),6.33(1H,br s),7.2−7.7(10H,m).
IR(cm−1,KBr):3419,3016,2966,1651,1645,1595,1556,1489,1468,1421,1398,1340,1317,1265,1188,1128,1082,1049,1030,966,947,885,849,768,750,725,706,623.
【0086】
実施例18
N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)−N−(2−ウレイドフェニル)フラン−2−カルボン酸アミド シュウ酸塩
(1)1−フェネチル−4−(2−ウレイドフェニル)アミノピペリジン
参考例1で得た4−(2−アミノフェニル)アミノ−1−フェネチルピペリジン(80mg,0.27mmol)の酢酸(0.5mL)−水(1mL)溶液にシアン酸ナトリウム(35mg,0.54mmol)の水(1mL)溶液を加え、35℃で15分間攪拌した。反応混合物を重曹水に注いでクロロホルムで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下に溶媒留去後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=92/8)により精製し、表題化合物を白色結晶として83mg(収率91%)得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.5−1.7(2H,m),2.0−2.2(2H,m),2.21(2H,br t),2.5−2.7(2H,m),2.7−2.9(2H,m),2.9−3.0(2H,m),3.2−3.4(1H,m),4.0−4.4(1H,br),4.83(2H,br s),6.36(1H,br s),6.67(1H,dt,J=1,7Hz),6.71(1H,d,J=7Hz),7.1−7.4(7H,m).

(2)N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)−N−(2−ウレイドフェニル)フラン−2−カルボン酸アミド
上記の1−フェネチル−4−(2−ウレイドフェニル)アミノピペリジンを用い、実施例5(1)と同様にして表題化合物を得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.3−1.5(1H,m),1.7−1.9(1H,m),2.0−2.3(4H,m),2.5−2.6(2H,m),2.7−2.8(2H,m),2.9−3.1(2H,m),4.4−4.8(1H,br),5.0−6.0(2H,br),5.30(1H,br s),6.06(1H,br s),6.9−7.3(8H,m),7.4−7.5(1H,m),8.5−8.7(2H,m).

(3)N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)−N−(2−ウレイドフェニル)フラン−2−カルボン酸アミド シュウ酸塩
上記のN−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)−N−(2−ウレイドフェニル)フラン−2−カルボン酸アミドを用い、実施例5(2)と同様にして表題化合物を白色結晶として得た。
mp:203−207℃
H NMR(CDOD,400MHz)δ:1.5−1.7(1H,m),1.8−2.0(1H,m),2.07(1H,br d),2.29(1H,br d),2.7−3.1(6H,m),3.4−3.6(2H,m),4.6−5.0(1H,m),5.82(1H,br s),6.32(1H,dd,J=1,3Hz),7.0−7.4(7H,m),7.4−7.5(1H,m),7.51(1H,d,J=1Hz),8.13(1H,d,J=8Hz).
IR(cm−1,KBr):3429,3348,1705,1589,1558,1525,1470,1452,1404,1338,1302,1232,1188,1134,1117,1088,1032,1014,958,943,762,723,700,594,447.
【0087】
実施例19
N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)−N−(3−ウレイドフェニル)フラン−2−カルボン酸アミド シュウ酸塩
(1)N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)−N−(3−ウレイドフェニル)フラン−2−カルボン酸アミド
実施例15(2)で得たN−(3−アミノフェニル)−N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミドを用い、実施例18(1)と同様にして表題化合物を得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.3−2.0(4H,m),1.8−2.0(2H,m),2.4−2.6(2H,m),2.6−2.8(2H,m),2.8−3.1(2H,m),4.6−4.8(1H,m),5.06(2H,s),5.51(1H,br s),6.14(1H,dd,J=1,3Hz),6.66(1H,br s),6.82(1H,dd,J=1,8Hz),7.1−7.4(7H,m),7.91(1H,d,J=8Hz),8.08(1H,br s).

(2)N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)−N−(3−ウレイドフェニル)フラン−2−カルボン酸アミド シュウ酸塩
上記のN−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)−N−(3−ウレイドフェニル)フラン−2−カルボン酸アミドを用い、実施例5(2)と同様にして表題化合物を白色結晶として得た。
mp:200−202℃
H NMR(CDOD,400MHz)δ:1.8−2.0(2H,m),2.17(2H,br d),2.9−3.1(2H,m),3.20(2H,br t),3.2−3.4(2H,m),3.68(2H,br d),4.8−5.0(1H,m),5.80(1H,d,J=3Hz),6.30(1H,dd,J=2,3Hz),6.8−7.0(1H,m),7.2−7.4(7H,m),7.51(1H,d,J=2Hz),7.56(1H,br s).
IR(cm−1,KBr):3427,3336,2970,1736,1680,1645,1620,1587,1556,1491,1466,1427,1408,1371,1321,1269,1186,1130,1030,947,906,762,748,725,698,594,476.
【0088】
実施例20
N−[2−(メトキシカルボニルアミノ)フェニル]−N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミド シュウ酸塩
(1)4−[2−(メトキシカルボニルアミノ)フェニル]アミノ−1−フェネチルピペリジン
参考例1で得た4−(2−アミノフェニル)アミノ−1−フェネチルピペリジン(80mg,0.27mmol)のジクロロメタン(1mL)−トリエチルアミン(0.1mL)溶液に、氷冷下、クロロ炭酸メチル(23μL,0.30mmol)を加え、同温度で1時間攪拌後、室温で一晩攪拌した。反応混合物を重曹水に注いでクロロホルムで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下に溶媒留去後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール=95/5)により精製し、表題化合物を21mg(収率22%)得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.5−1.7(2H,m),2.0−2.1(2H,m),2.20(2H,br t),2.5−2.7(2H,m),2.7−2.9(2H,m),2.9−3.1(2H,m),3.2−3.4(1H,m),3.4−3.8(1H,br),3.77(3H,s),6.2−6.5(1H,br),6.7−6.8(2H,m),7.08(1H,br t),7.1−7.4(6H,m).

(2)N−[2−(メトキシカルボニルアミノ)フェニル]−N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミド
上記の4−[2−(メトキシカルボニルアミノ)フェニル]アミノ−1−フェネチルピペリジンを用い、実施例5(1)と同様にして表題化合物を得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.4−1.6(1H,m),1.6−1.8(1H,m),1.8−1.9(1H,m),2.0−2.1(1H,m),2.1−2.3(2H,m),2.5−2.6(2H,m),2.7−2.8(2H,m),2.9−3.1(2H,m),3.73(3H,s),4.6−4.8(1H,m),5.64(1H,d,J=3Hz),6.18(1H,dd,J=1,3Hz),6.91(1H,s),7.0−7.5(9H,m),8.23(1H,d,J=8Hz).

(3)N−[2−(メトキシカルボニルアミノ)フェニル]−N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミド シュウ酸塩
上記のN−[2−(メトキシカルボニルアミノ)フェニル]−N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミドを用い、実施例5(2)と同様にして表題化合物を白色結晶として得た。
H NMR(CDOD,400MHz)δ:1.5−1.7(1H,m),1.9−2.2(2H,m),2.3−2.5(1H,m),2.9−3.4(6H,m),3.5−3.8(2H,m),3.72(3H,s),4.6−5.0(1H,m),5.90(1H,d,J=3Hz),6.30(1H,dd,J=1,3Hz),7.0−7.6(9H,m),8.06(1H,d,J=8Hz).
【0089】
実施例21
N−(3−メタンスルホニルアミノフェニル)−N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミド シュウ酸塩
実施例15(2)で得たN−(3−アミノフェニル)−N−(1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミド(53mg,0.14mmol)およびトリエチルアミン(29μL,0.20mmol)のジクロロメタン(1mL)溶液に、窒素雰囲気下、0℃でメタンスルホニルクロリド(11μL,0.14mmol)を加え、0℃で1時間、室温で一晩撹拌した。反応混合物を飽和重曹水で希釈し、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下に溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)により精製し、得られた白色粉末にシュウ酸(3mg,0.033mmol)のエタノール溶液を加えた。析出した結晶を濾取し、エタノールで洗浄後、乾燥して表題化合物を白色結晶として5mg(収率7%)得た。
H NMR(CDOD,400MHz)δ:1.7−1.9(1.3H,m),1.9−2.0(0.7H,m),2.1−2.2(1.3H,m),2.2−2.4(0.7H,m),2.8−3.0(2H,m),2.94(3H,s),3.0−3.2(2H,m),3.2−3.6(4H,m),4.7−5.0(1H,m),5.8−5.9(1H,m),6.31(1H,dd,J=2,3Hz),7.0−7.1(1H,m),7.1−7.4(7H,m),7.4−7.5(2H,m).
【0090】
実施例22
N−(2−アセチルアミノフェニル)−N−[1−[2−(2−チエニル)エチル]ピペリジン−4−イル]フラン−2−カルボン酸アミド シュウ酸塩
(1)4−(2−アセチルアミノフェニル)アミノ−1−[2−(2−チエニル)エチル]ピペリジン
参考例7で得た4−(2−アセチルアミノフェニル)アミノピペリジン(140mg,0.60mmol)のアセトニトリル(4mL)溶液に、メタンスルホン酸2−(2−チエニル)エチルエステル(130mg,0.63mmol)、炭酸ナトリウム(255mg,2.41mmol)及びヨウ化ナトリウム(18mg,0.12mmol)を加え、一晩加熱還流した。室温まで冷却後、反応混合物に水を加え、析出した結晶を濾取し、水及びヘキサンで洗浄した。減圧乾燥し、表題化合物を淡褐色結晶として163mg(収率79%)得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.4−1.7(2H,m),1.88(1.2H,s),2.0−2.1(2H,m),2.1−2.3(2H,m),2.21(1.8H,s),2.6−2.7(2H,m),2.8−3.0(2H,m),3.0−3.1(2H,m),3.2−3.4(1H,m),3.63(0.6H,br s),3.97(0.4H,br d,J=8Hz),6.5−7.3(6.4H,m),7.37(0.6H,d,J=7Hz).

(2)N−(2−アセチルアミノフェニル)−N−[1−[2−(2−チエニル)エチル]ピペリジン−4−イル]フラン−2−カルボン酸アミド
上記の4−(2−アセチルアミノフェニル)アミノ−1−[2−(2−チエニル)エチル]ピペリジンを用いて、実施例5(1)と同様にして表題化合物を淡黄色結晶として得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.49(1H,dq,J=4,12Hz),1.73(1H,dq,J=4,12Hz),1.8−1.9(1H,m),2.0−2.1(1H,m),2.16(3H,s)2.1−2.3(2H,m),2.5−2.7(2H,m),2.9−3.1(4H,m),4.68(1H,tt,J=4,12Hz),5.59(1H,br s),6.17(1H,dd,J=1,3Hz),6.78(1H,d,J=3Hz),6.89(1H,dd,J=3,5Hz),7.0−7.2(3H,m),7.29(1H,br s),7.44(1H,dt,J=2,8Hz),7.79(1H,br s),8.45(1H,d,J=8Hz).

(3)N−(2−アセチルアミノフェニル)−N−[1−[2−(2−チエニル)エチル]ピペリジン−4−イル]フラン−2−カルボン酸アミド シュウ酸塩
上記のN−(2−アセチルアミノフェニル)−N−[1−[2−(2−チエニル)エチル]ピペリジン−4−イル]フラン−2−カルボン酸アミドを用い、実施例1(2)と同様にして表題化合物を白色結晶として得た。
mp:185−191℃(分解)
H NMR(CDOD/DO=10/1,400MHz)δ:1.67(1H,dq,J=4,13Hz),1.9−2.1(2H,m),2.14(3H,s),2.2−2.3(1H,m),2.8−3.0(2H,m),3.0−3.3(4H,m),3.4−3.6(2H,m),4.6−4.7(1H,m),5.83(1H,br s),6.31(1H,dd,J=1,3Hz),6.9−7.0(2H,m),7.2−7.4(3H,m),7.48(1H,d,J=1Hz),7.52(1H,dt,J=1,8Hz),7.92(1H,d,J=8Hz).
IR(cm−1,KBr):3408,3317,2962,1676,1624,1593,1558,1525,1468,1452,1400,1371,1335,1296,1238,1188,1115,1036,1014,962,943,754,700,615,596.
【0091】
実施例23
N−(3−アセチルアミノフェニル)−N−[1−[2−(2−チエニル)エチル]ピペリジン−4−イル]フラン−2−カルボン酸アミド シュウ酸塩
(1)4−(3−アセチルアミノフェニル)アミノ−1−[2−(2−チエニル)エチル]ピペリジン
参考例6で得た4−(3−アセチルアミノフェニル)アミノピペリジンを用い、実施例22(1)と同様にして反応を行い、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール=20/1)により精製して表題化合物を淡黄色油状物として得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.4−1.6(2H,m),1.9−2.3(4H,m),2.13(3H,s),2.6−2.7(2H,m),2.8−3.0(2H,m),3.0−3.1(2H,m),3.2−3.4(1H,m),3.2−3.6(1H,br),6.34(1H,br d,J=8Hz),6.58(1H,br d,J=8Hz),6.82(1H,d,J=3Hz),6.92(1H,dd,J=3,5Hz),7.0−7.2(3H,m),7.3−7.5(1H,br).

(2)N−(3−アセチルアミノフェニル)−N−[1−[2−(2−チエニル)エチル]ピペリジン−4−イル]フラン−2−カルボン酸アミド
上記の4−(3−アセチルアミノフェニル)アミノ−1−[2−(2−チエニル)エチル]ピペリジンを用い、実施例5(1)と同様にして表題化合物を白色結晶として得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.52(2H,dq,J=4,12Hz),1.7−1.9(2H,m),2.1−2.3(2H,m),2.22(3H,s),2.5−2.7(2H,m),2.9−3.1(4H,m),4.73(1H,tt,J=4,12Hz),5.56(1H,d,J=3Hz),6.15(1H,dd,J=1,3Hz),6.78(1H,dd,J=1,3Hz),6.8−7.0(2H,m),7.10(1H,dd,J=1,5Hz),7.16(1H,br s),7.31(1H,d,J=1Hz),7.36(1H,t,J=8Hz),7.7−7.9(2H,m).

(3)N−(3−アセチルアミノフェニル)−N−[1−[2−(2−チエニル)エチル]ピペリジン−4−イル]フラン−2−カルボン酸アミド シュウ酸塩
上記のN−(3−アセチルアミノフェニル)−N−[1−[2−(2−チエニル)エチル]ピペリジン−4−イル]フラン−2−カルボン酸アミドを用い、実施例1(2)と同様にして表題化合物を白色結晶として得た。
mp:198−201℃(分解)
H NMR(CDOD,400MHz)δ:1.8−2.0(2H,m),2.13(3H,s),2.1−2.3(2H,m),3.1−3.4(6H,m),3.6−3.8(2H,m),4.8−5.0(1H,m),5.81(1H,d,J=3Hz),6.29(1H,dd,J=1,3Hz),6.9−7.1(3H,m),7.28(1H,dd,J=1,5Hz),7.43(1H,t,J=8Hz),7.48(1H,br s),7.56(1H,br d,J=8Hz),7.67(1H,br s).
IR(cm−1,KBr):3047,3022,1741,1680,1649,1605,1568,1490,1466,1406,1379,1321,1267,1234,1188,1149,1124,1082,1032,987,966,945,926,904,887,854,796,764,723,769.
【0092】
実施例24
N−(3−アセチルアミノフェニル)−N−[1−(1−メチル−2−フェニルエチル)ピペリジン−4−イル]フラン−2−カルボン酸アミド シュウ酸塩
(1)4−(3−アセチルアミノフェニル)アミノ−1−(1−メチル−2−フェニルエチル)ピペリジン
参考例6で得た4−(3−アセチルアミノフェニル)アミノピペリジン(150mg,0.643mmol)のアセトニトリル(3mL)溶液に2−ブロモ−1−フェニルプロパン(141mg,0.707mmol),炭酸ナトリウム(272mg,2.57mmol)及びヨウ化ナトリウム(19mg,0.129mmol)を加え、24時間加熱還流した。反応混合物を水に注いでクロロホルムで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下に溶媒留去後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=94/6)により精製し、表題化合物を55mg(収率24%)得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.97(3H,d,J=6Hz),1.4−1.6(2H,m),1.9−2.2(4H,m),2.15(3H,s),2.4−3.8(7H,m),6.34(1H,br d,J=7Hz),6.54(1H,br d,J=7Hz),7.0−7.4(8H,m).

(2)N−(3−アセチルアミノフェニル)−N−[1−(1−メチル−2−フェニルエチル)ピペリジン−4−イル]フラン−2−カルボン酸アミド
上記の4−(3−アセチルアミノフェニル)アミノ−1−(1−メチル−2−フェニルエチル)ピペリジンを用い、実施例5(1)と同様にして表題化合物を得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.90(3H,d,J=7Hz),1.4−1.6(2H,m),1.7−2.0(2H,m),2.23(3H,s),2.35(1H,dd,J=10,13Hz),2.4−2.6(2H,m),2.7−3.0(3H,m),2.94(1H,dd,J=4,13Hz),4.6−4.8(1H,m),5.54(1H,br s),6.14(1H,dd,J=2,3Hz),6.90(1H,d,J=8Hz),7.0−7.4(8H,m),7.91(1H,d,J=8Hz),8.19(1H,br s).

(3)N−(3−アセチルアミノフェニル)−N−[1−(1−メチル−2−フェニルエチル)ピペリジン−4−イル]フラン−2−カルボン酸アミド シュウ酸塩
上記のN−(3−アセチルアミノフェニル)−N−[1−(1−メチル−2−フェニルエチル)ピペリジン−4−イル]フラン−2−カルボン酸アミドを用い、実施例5(2)と同様にして表題化合物を白色結晶として得た。
H NMR(CDOD,400MHz)δ:1.22(3H,d,J=7Hz),1.9−2.1(2H,m),2.16(3H,s),2.2−2.4(2H,m),2.75(1H,t,J=13Hz),3.25(1H,dd,J=3,13Hz),3.3−3.5(2H,m),3.5−3.7(3H,m),4.9−5.1(1H,m),5.86(1H,d,J=3Hz),6.33(1H,dd,J=2,3Hz),7.07(1H,dd,J=1,8Hz),7.2−7.4(5H,m),7.48(1H,t,J=8Hz),7.52(1H,d,J=2Hz),7.59(1H,dd,J=1,8Hz),7.74(1H,br s).
IR(cm−1,KBr):3267,1686,1601,1556,1470,1437,1404,1302,1190,1032,754,727,704.
【0093】
実施例25
N−(3−アセチルアミノフェニル)−N−[1−(2−フルオロ−2−フェニルエチル)ピペリジン−4−イル]フラン−2−カルボン酸アミド シュウ酸塩
(1)N−(3−アセチルアミノフェニル)−N−[1−[2−(2−フロイル)オキシ−2−フェニルエチル]ピペリジン−4−イル]フラン−2−カルボン酸アミド
参考例6で得た4−(3−アセチルアミノフェニル)アミノピペリジン(157mg,0.673mmol)にスチレンオキシド(0.08mL,0.740mmol)を加え、90℃で一晩攪拌した。反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール=9/1)により精製し、4−(3−アセチルアミノフェニル)アミノ−1−(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)ピペリジンを混合物として185mg得た。この混合物をクロロホルム(2mL)に溶解し、トリエチルアミン(0.3mL)及び2−フロイルクロリド(0.12mL,1.26mmol)を加え、室温で5時間攪拌した。反応混合物を重曹水に注いでクロロホルムで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下に溶媒留去後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)により精製し、表題化合物を92mg(収率25%)得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.3−1.5(2H,m),1.6−1.8(2H,m),2.1−2.4(2H,m),2.21(3H,s),2.65(1H,dd,J=3,14Hz),2.95(1H,dd,J=9,14Hz),2.7−3.1(2H,m),4.6−4.8(1H,m),5.51(1H,br d,J=2Hz),6.09(1H,dd,J=3,9Hz),6.12(1H,dd,J=2,3Hz),6.48(1H,dd,J=2,3Hz),6.85(1H,d,J=8Hz),6.99(1H,br s),7.15(1H,d,J=3Hz),7.2−7.4(8H,m),7.54(1H,d,J=2Hz),7.94(1H,br d,J=7Hz),8.10(1H,br s).

(2)N−(3−アセチルアミノフェニル)−N−[1−(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)ピペリジン−4−イル]フラン−2−カルボン酸アミド
上記のN−(3−アセチルアミノフェニル)−N−[1−[2−(2−フロイル)オキシ−2−フェニルエチル]ピペリジン−4−イル]フラン−2−カルボン酸アミド(91mg,0.168mmol)のエタノール(1mL)溶液に1N水酸化ナトリウム水溶液(0.20mL)を加え、室温で4時間攪拌した。反応混合物を水に注いでクロロホルムで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下に溶媒留去し、表題化合物を75mg(収率100%)得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.4−1.7(2H,m),1.7−1.9(2H,m),2.1−2.3(1H,m),2.21(3H,s),2.39(1H,dd,J=10,12Hz),2.3−2.6(1H,m),2.48(1H,dd,J=3,12Hz),2.7−2.9(1H,br d),3.0−3.2(1H,br d),4.63(1H,dd,J=3,10Hz),4.6−4.8(1H,m),5.59(1H,d,J=3Hz),6.16(1H,dd,J=2,3Hz),6.91(1H,d,J=8Hz),7.2−7.5(8H,m),7.80(1H,br d,J=8Hz),7.86(1H,br s).

(3)N−(3−アセチルアミノフェニル)−N−[1−(2−フルオロ−2−フェニルエチル)ピペリジン−4−イル]フラン−2−カルボン酸アミド
ジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(DAST)(49μL,0.371mmol)のジクロロメタン(0.5mL)溶液に窒素気流下、−78℃でN−(3−アセチルアミノフェニル)−N−[1−(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)ピペリジン−4−イル]フラン−2−カルボン酸アミド(83mg,0.185mmol)のジクロロエタン(1mL)溶液を滴下し、同温度で30分間攪拌した。反応混合物を重曹水に注いでクロロホルムで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下に溶媒留去後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=97/3及びヘキサン/酢酸エチル=1/3)により精製し、表題化合物を16mg(収率19%)得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.4−2.0(4H,m),2.1−2.3(2H,m),2.23(3H,s),2.56(1H,ddd,J=2,14,35Hz),2.86(1H,ddd,J=9,14,17Hz),2.9−3.1(2H,m),4.6−4.8(1H,m),5.54(1H,br s),5.56(1H,ddd,J=2,9,49Hz),6.14(1H,dd,J=2,3Hz),6.90(1H,d,J=8Hz),7.11(1H,br s),7.2−7.4(7H,m),7.89(1H,br d,J=8Hz),8.19(1H,br s).

(4)N−(3−アセチルアミノフェニル)−N−[1−(2−フルオロ−2−フェニルエチル)ピペリジン−4−イル]フラン−2−カルボン酸アミド シュウ酸塩
上記で得たN−(3−アセチルアミノフェニル)−N−[1−(2−フルオロ−2−フェニルエチル)ピペリジン−4−イル]フラン−2−カルボン酸アミドを用い、実施例5(2)と同様にして表題化合物を白色粉末として得た。
H NMR(CDOD,400MHz)δ:1.8−2.1(2H,m),2.13(3H,s),2.1−2.4(2H,m),3.2−3.5(3H,m),3.5−3.9(3H,m),4.8−5.0(1H,m),5.82(1H,d,J=3Hz),5.96(1H,dd,J=9,49Hz),6.29(1H,dd,J=2,3Hz),7.03(1H,d,J=8Hz),7.3−7.6(8H,m),7.70(1H,br s).
【0094】
実施例26
cis−N−(2−アセチルアミノフェニル)−N−(3−メチル−1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミド シュウ酸塩
(1)cis−N−(2−アセチルアミノフェニル)−N−(3−メチル−1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミド
参考例9で得たcis−4−(2−アセチルアミノフェニル)アミノ−3−メチル−1−フェネチルピペリジンを用い、実施例5(1)と同様にして表題化合物を淡黄色結晶として得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.15(1.2H,d,J=7Hz),1.20(1.8H,d,J=7Hz),1.1−1.3(1H,m),1.5−1.7(1H,m),1.9−2.2(1H,m),2.13(1.8H,s),2.18(1.2H,s),2.2−2.4(1H,m),2.4−2.6(2H,m),2.6−3.1(5H,m),4.19(0.4H,tt,J=4,12Hz),4.53(0.6H,tt,J=4,12Hz),5.44(0.6H,d,J=3Hz),6.07(0.4H,d,J=3Hz),6.14(0.6H,dd,J=1,3Hz),6.21(0.4H,dd,J=1,3Hz),6.9−7.5(9.6H,m),7.90(0.4H,br s),8.22(0.6H,d,J=8Hz),8.43(0.4H,d,J=8Hz).

(2)cis−N−(2−アセチルアミノフェニル)−N−(3−メチル−1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミド シュウ酸塩
上記のcis−N−(2−アセチルアミノフェニル)−N−(3−メチル−1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミドを用い、実施例1(2)と同様にして表題化合物を白色結晶として得た。
mp:149−153℃
H NMR(CDOD,400MHz)δ:1.31(0.6H,d,J=7Hz),1.34(2.4H,d,J=8Hz),1.6−2.1(2H,m),2.04(2.4H,s),2.18(0.6H,s),2.7−3.4(7H,m),3.5−3.7(2H,m),4.0−4.1(0.2H,m),4.74(0.8H,tt,J=4,13Hz),5.84(0.8H,d,J=3Hz),6.03(0.2H,d,J=4Hz),6.27(0.8H,dd,J=2,3Hz),6.31(0.2H,dd,J=2,4Hz),7.1−7.5(9.8H,m),7.83(0.2H,br d,J=8Hz).
IR(cm−1,KBr):3433,3269,2968,1763,1699,1626,1589,1560,1527,1470,1452,1398,1369,1292,1232,1184,1147,1117,1088,1039,1009,885,849,777,752,719,700.
【0095】
実施例27
trans−N−(2−アセチルアミノフェニル)−N−(3−メチル−1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミド シュウ酸塩
(1)trans−N−(2−アセチルアミノフェニル)−N−(3−メチル−1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミド
参考例10で得たtrans−4−(2−アセチルアミノフェニル)アミノ−3−メチル−1−フェネチルピペリジンを用い、実施例5(1)と同様にして表題化合物を白色結晶として得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.11(3H,d,J=6Hz),1.4−1.7(0.8H,m),1.8−2.3(4.2H,m),2.10(0.6H,s),2.11(2.4H,s),2.5−2.6(2H,m),2.7−2.8(2H,m),2.9−3.1(2H,m)4.3−4.6(0.2H,br),4.6−4.9(0.8H,br),5.47(0.8H,br s),5.69(0.2H,br s),6.14(0.8H,br s),6.20(0.2H,br s),7.1−7.5(9.2H,m),7.76(0.8H,br s),8.3−8.5(1H,m).

(2)trans−N−(2−アセチルアミノフェニル)−N−(3−メチル−1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミド シュウ酸塩
上記のtrans−N−(2−アセチルアミノフェニル)−N−(3−メチル−1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミドを用い、実施例1(2)と同様にして表題化合物を白色結晶として得た。
mp:143−146℃
H NMR(CDOD,400MHz)δ:1.17(0.9H,d,J=6Hz),1.20(2.1H,d,J=6Hz),1.4−1.9(0.3H,br),2.0−2.5(1.7H,br),2.10(2.1H,s),2.13(0.9H,s),2.7−3.2(4H,m),3.2−3.4(3H,m),3.5−3.8(2H,m),4.7−5.2(1H,br),5.7−6.0(1H,m),6.2−6.4(1H,m),7.2−7.7(9.3H,m),7.93(0.7H,br d,J=7Hz).
IR(cm−1,KBr):3423,3304,2970,1691,1632,1589,1558,1524,1468,1450,1398,1335,1292,1238,1191,1136,1092,1039,1011,756,702.
【0096】
実施例28
cis−N−(3−アセチルアミノフェニル)−N−(3−メチル−1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミド シュウ酸塩
(1)cis−N−(3−アセチルアミノフェニル)−N−(3−メチル−1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミド
参考例8(3)で得たcis−4−(3−アセチルアミノフェニル)アミノ−3−メチル−1−フェネチルピペリジンを用い、実施例5(1)と同様にして表題化合物を白色結晶として得た。
H NMR(CDCl/CDOD=10/1,400MHz)δ:1.21(3H,d,J=7Hz),1.2−1.4(1H,m),1.65(1H,dq,J=4,13Hz),2.0−2.2(1H,m),2.15(3H,s),2.37(1H,dd,J=3,11Hz),2.4−2.6(2H,m),2.6−3.0(5H,m),4.53(1H,tt,J=4,13Hz),5.64(1H,br s),6.17(1H,dd,J=1,3Hz),6.6−7.5(9H,m),7.6−7.9(1H,br).

(2)cis−N−(3−アセチルアミノフェニル)−N−(3−メチル−1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミド シュウ酸塩
上記のcis−N−(3−アセチルアミノフェニル)−N−(3−メチル−1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミドを用い、実施例5(2)と同様にして表題化合物を淡黄色粉末として得た。
H NMR(CDOD,400MHz)δ:1.32(3H,d,J=7Hz),1.6−1.9(1H,br),1.9−2.2(1H,br),2.13(3H,s),2.9−3.4(7H,m),3.5−3.7(2H,m),4.7−4.9(1H,m),5.80(1H,d,J=3Hz),6.29(1H,dd,J=1,3Hz),6.9−7.6(9H,m),7.6−8.0(1H,br).
IR(cm−1,KBr):3425,2973,1736,1685,1637,1597,1560,1470,1437,1394,1371,1315,1246,1184,1128,1031,885,754,723,702.
【0097】
実施例29
trans−N−(3−アセチルアミノフェニル)−N−(3−メチル−1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミド シュウ酸塩
(1)trans−N−(3−アセチルアミノフェニル)−N−(3−メチル−1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミド
参考例8(3)で得たtrans−4−(3−アセチルアミノフェニル)アミノ−3−メチル−1−フェネチルピペリジンを用い、実施例5(1)と同様にして表題化合物を淡黄色油状物として得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.07(3H,d,J=5Hz),1.4−2.3(5H,m),2.20(3H,s),2.4−2.6(2H,m),2.6−2.8(2H,m),2.9−3.1(2H,m),4.5−4.8(1H,br),5.57(1H,br s),6.15(1H,br s),6.8−8.2(11H,m).

(2)trans−N−(3−アセチルアミノフェニル)−N−(3−メチル−1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミド シュウ酸塩
上記のtrans−N−(3−アセチルアミノフェニル)−N−(3−メチル−1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミドを用い、実施例1(2)と同様にして表題化合物を白色結晶として得た。
H NMR(CDOD,400MHz)δ:1.21(3H,d,J=6Hz),1.6−2.0(1H,br),2.0−2.3(1H,br),2.13(3H,s),2.8−3.4(7H,m),3.6−3.8(2H,m),4.9−5.1(1H,br),5.85(1H,br s),6.30(1H,dd,J=2,3Hz),6.9−7.2(1H,br),7.2−7.6(8H,m),7.6−7.9(1H,br).
IR(cm−1,KBr):3398,3304,3270,3138,2964,1738,1686,1651,1620,1601,1558,1470,1435,1398,1371,1319,1286,1242,1186,1134,1090,1036,976,937,885,754,727,704.
【0098】
実施例30
cis−N−(3−メチル−1−フェネチルピペリジン−4−イル)−N−(3−ウレイドフェニル)フラン−2−カルボン酸アミド シュウ酸塩
(1)cis−4−(3−アミノフェニル)アミノ−3−メチル−1−フェネチルピペリジン
参考例8(3)で得たcis−4−(3−アセチルアミノフェニル)アミノ−3−メチル−1−フェネチルピペリジン(211mg,0.60mmol)のエタノール(4mL)溶液に85%水酸化カリウム(238mg,3.62mmol)及び水(1mL)を加え、51時間加熱還流した。室温まで冷却後、反応混合物を水に注いでクロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下に溶媒留去後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=20/1)により精製し、表題化合物を茶色油状物として155mg(収率83%)得た。。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.97(3H,d,J=7Hz),1.6−1.9(2H,m),2.1−2.2(1H,m),2.2−2.7(6H,m),2.7−2.9(2H,m),3.4−3.5(1H,m),3.2−3.7(3H,br),5.95(1H,t,J=2Hz),6.0−6.1(2H,m),6.94(1H,t,J=8Hz),7.1−7.3(5H,m).

(2)cis−4−[3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)フェニル]アミノ−3−メチル−1−フェネチルピペリジン
上記のcis−4−(3−アミノフェニル)アミノ−3−メチル−1−フェネチルピペリジン(73mg,0.24mmol)のテトラヒドロフラン(3mL)−水(1mL)溶液にトリエチルアミン(0.10mL)及び二炭酸ジ−tert−ブチル(63mg,0.29mmol)を加え、室温で一晩攪拌した。反応混合物を炭酸ナトリウム水溶液に注いで酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下に溶媒留去後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=30/1)により精製し、表題化合物を淡黄色油状物として97mg(収率100%)得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:0.96(3H,d,J=7Hz),1.51(9H,s),1.7−1.9(2H,m),2.1−2.2(1H,m),2.2−2.7(6H,m),2.7−2.9(2H,m),3.5−3.6(1H,m),3.69(1H,br s),6.28(1H,dd,J=2,8Hz),6.4−6.5(2H,m),6.93(1H,br s),7.03(1H,t,J=8Hz),7.1−7.3(5H,m).

(3)cis−N−[3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)フェニル]−N−(3−メチル−1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミド
上記のcis−4−[3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)フェニル]アミノ−3−メチル−1−フェネチルピペリジンを用い、実施例5(1)と同様にして、表題化合物を黄色油状物として得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.19(3H,d,J=7Hz),1.2−1.3(1H,m),1.51(9H,s),1.6−1.7(1H,m),2.0−2.1(1H,m),2.3−2.4(1H,m),2.4−2.6(2H,m),2.6−2.9(5H,m),4.53(1H,tt,J=4,13Hz),5.64(1H,d,J=2Hz),6.16(1H,dd,J=2,4Hz),6.66(1H,br s),6.7−7.3(9H,m),7.48(1H,br d,J=8Hz).

(4)cis−N−(3−アミノフェニル)−N−(3−メチル−1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミド
上記のcis−N−[3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)フェニル]−N−(3−メチル−1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミド(105mg,0.208mmol)に4mol/L塩化水素/ジオキサン(1mL)を加え、室温で3時間攪拌した。反応混合物に炭酸ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、水及び食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に溶媒留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)により精製し、表題化合物を淡黄橙色結晶として81mg(収率97%)得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.19(3H,d,J=7Hz),1.3−1.4(1H,m),1.72(1H,dq,J=4,13Hz),2.0−2.2(1H,m),2.38(1H,dd,J=3,12Hz),2.4−2.6(2H,m),2.6−3.0(5H,m),3.85(2H,br s),4.51(1H,tt,J=4,13Hz),5.63(1H,d,J=3Hz),6.17(1H,dd,J=1,3Hz),6.3−6.8(2H,br),6.68(1H,dd,J=1,8Hz),7.0−7.3(6H,m),7.34(1H,d,J=1Hz).

(5)cis−N−(3−メチル−1−フェネチルピペリジン−4−イル)−N−(3−ウレイドフェニル)フラン−2−カルボン酸アミド
上記のcis−N−(3−アミノフェニル)−N−(3−メチル−1−フェネチルピペリジン−4−イル)フラン−2−カルボン酸アミドを用い、実施例18(1)と同様にして表題化合物を白色結晶として得た。
H NMR(CDCl/CDOD=1/10,400MHz)δ:1.23(3H,d,J=7Hz),1.4−1.6(1H,m),1.7−1.9(1H,m),2.2−2.4(1H,m),2.4−3.1(8H,m),4.5−4.6(1H,m),5.69(1H,d,J=3Hz),6.25(1H,dd,J=1,3Hz),6.6−7.8(10H,m).

(6)cis−N−(3−メチル−1−フェネチルピペリジン−4−イル)−N−(3−ウレイドフェニル)フラン−2−カルボン酸アミド シュウ酸塩
上記のcis−N−(3−メチル−1−フェネチルピペリジン−4−イル)−N−(3−ウレイドフェニル)フラン−2−カルボン酸アミドを用い、実施例1(2)と同様にして表題化合物を淡黄色結晶として得た。
H NMR(CDOD/DO=10/1,400MHz)δ:1.29(3H,d,J=6Hz),1.6−1.8(1H,m),1.8−2.1(1H,m),2.6−3.5(9H,m),4.6−4.7(1H,m),5.73(1H,br s),6.30(1H,dd,J=2,3Hz),6.6−7.4(8H,m),7.50(1H,d,J=2Hz),7.5−7.9(1H,br).
【0099】
実施例31
4−[N−(3−アセチルアミノフェニル)−N−(2−フロイル)アミノ]−1−フェネチルピペリジン−4−カルボン酸メチル シュウ酸塩
(1)4−[N−(3−アセチルアミノフェニル)−N−(2−フロイル)アミノ]−1−フェネチルピペリジン−4−カルボン酸メチル
参考例11で得た4−(3−アセチルアミノフェニル)アミノ−1−フェネチルピペリジン−4−カルボン酸メチルを用い、実施例5(1)と同様にして表題化合物を得た。
H NMR(CDCl,400MHz)δ:1.6−1.9(2H,m),2.19(3H,s),2.3−2.7(6H,m),2.7−2.9(4H,m),3.78(3H,s),5.44(1H,d,J=3Hz),6.1−6.2(1H,m),7.0−7.5(9H,m),7.8−8.0(2H,m).

(2)4−[N−(3−アセチルアミノフェニル)−N−(2−フロイル)アミノ]−1−フェネチルピペリジン−4−カルボン酸メチル シュウ酸塩
上記の4−[N−(3−アセチルアミノフェニル)−N−(2−フロイル)アミノ]−1−フェネチルピペリジン−4−カルボン酸メチルを用い、実施例5(2)と同様にして表題化合物を白色結晶として得た。
H NMR(CDOD,400MHz)δ:2.0−2.2(2H,m),2.14(3H,s),2.61(2H,br d),2.9−3.1(2H,m),3.2−3.7(6H,m),3.85(3H,s),5.63(1H,d,J=3Hz),6.29(1H,dd,J=1,3Hz),7.18(1H,br d,J=8Hz),7.2−7.4(5H,m),7.48(1H,t,J=8Hz),7.51(1H,d,J=1Hz),7.64(1H,br d,J=8Hz),7.84(1H,br s).
IR(cm−1,KBr):3381,3032,1740,1686,1637,1597,1552,1468,1433,1396,1356,1332,1279,1236,1213,1184,1142,1092,1034,999,954,916,885,802,758,712.
【0100】
実施例32
(薬理実験)
I.測定方法
(1)ヒトμオピオイド受容体に対する結合親和性
μオピオイド受容体に対する結合実験は、遺伝子導入によりCHO−K1細胞に発現させたヒトμオピオイド受容体 (GenBank Accession No. L25119)の膜標品(RECEPTOR BIOLOGY INC.)を用いて行った。放射性リガンドには「H」DAMGOを用いた。
被験物質存在下、膜標品と終濃度5nMの「H」DAMGOとを加え、22℃で2.5時間インキュベーションした。セルハーベスターを用いてGF/Bフィルターで吸引濾過し反応を止め、Tris−HCl緩衝液で洗浄した。膜に残存する放射活性を液体シンチレーションカウンターにて測定した。なお、「H」DAMGOの特異的結合量は、全結合量と非放射性naloxone 100nMの存在下での結合量の差として算出した。
H」DAMGOの特異的結合に対する被験物質各濃度存在下での結合率を算出し、GraphPad Prism にてIC50値を求めた。
【0101】
(2)鎮痛作用(酢酸ライジング法)
ICR系雄性マウスを1群8匹として用いた。被験物質を皮下投与30分後に 0.6%酢酸水溶液(0.1mL/10g体重)を腹腔内投与した。以後20分間に発現するライジング数を計測した。コントロール群の発現数に対する抑制率よりED50値を算出した。

(3)末梢性および中枢(全身)性μ-オピオイド受容体アンタゴニストによる拮抗試験
ICR系雄性マウスを1群8匹として用いた。血液脳関門を通過しない末梢性μ-オピオイド受容体アンタゴニストであるナロキソンメチオダイドあるいは全身性μ-オピオイド受容体アンタゴニストである塩酸ナロキソンの5mg/kgを腹腔内投与し、その10分後に被験物質を皮下投与した。20分後に 0.6%酢酸水溶液を腹腔内投与(0.1mL/10g体重)し、以後の20分間に発現するライジング数を計測した。被験物質単独群のライジング抑制率とナロキソンメチオダイドあるいは塩酸ナロキソン前処置群の抑制率を比較した。

II.試験結果
試験結果
(1)μ−受容体に対する結合実験
【0102】
【表18】



(2)鎮痛作用
【0103】
【表19】



(3)末梢性および中枢(全身)性μ-オピオイド受容体アンタゴニストによる拮抗試験
【0104】
【表20】

【0105】
上記の表18及び19から本発明化合物はμ−受容体に対する優れた結合親和性を有し、優れた鎮痛作用を有することが明らかになった。また、表20から、本発明化合物の鎮痛作用は末梢性μ−オピオイド受容体アンタゴニストによってほぼ完全に拮抗される(鎮痛作用がほぼ消失する)ことが明らかとなった。

尚、上記(3)の拮抗試験において、フェンタニルの鎮痛作用は末梢性アンタゴニストの前処置で何ら影響を受けなかったが、全身性アンタゴニストの前処置により完全に消失した。一方、ロペラミドの鎮痛作用は末梢性アンタゴニストによってほぼ完全に拮抗された。以上の結果より、フェンタニルの鎮痛作用は末梢のμ-オピオイド受容体に起因するのではなく、中枢のμ−オピオピオイド受容体を介して発現することが確認された。また、ロペラミドの鎮痛作用は末梢のμ−オピオイド受容体を介して発現することが確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の一般式(I)、
【化1】

(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、3〜8員環のシクロアルキル基、若しくは炭素数1〜6のアルコキシ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基、又は置換基としてハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、若しくはハロゲン原子で置換された炭素数1〜6のアルキル基を1〜3個有していても良い5若しくは6員環の複素環基を表し、
は炭素数1〜6のアシルアミノ基、N−(炭素数1〜6のアシル)−N−(炭素数1〜6のアルキル)アミノ基、炭素数2〜6のアルキル(チオカルボニル)アミノ基、ウレイド基、チオウレイド基、炭素数2〜6のアルコキシカルボニルアミノ基、又は炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基を表し、ここでRの置換位置はオルト又はメタ位であり、
は水素原子、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、又は炭素数1〜6のアルコキシ基で置換されたメチル基を表し、
は置換基としてハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜6のアルキル基、ニトロ基、シアノ基、又はアミノ基を1〜3個有していても良いフェニル基又は5若しくは6員環の複素環基を表し、
は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ヒドロキシ基又はハロゲン原子を表し、
は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、
は水素原子又はメチル基を表し、
そして、mは1又は2を表す。)
で表される化合物又はその塩。
【請求項2】
が炭素数1〜6のアシルアミノ基、炭素数2〜6のアルキル(チオカルボニル)アミノ基、ウレイド基又はチオウレイド基である請求項1記載の化合物又はその塩。
【請求項3】
がアセチルアミノ基又はウレイド基である請求項1記載の化合物又はその塩。
【請求項4】
の置換位置がメタ位である請求項1〜3の何れかの項に記載の化合物又はその塩。
【請求項5】
mが1である請求項1〜4の何れかの項に記載の化合物又はその塩。
【請求項6】
が水素原子である請求項1〜5の何れかの項に記載の化合物又はその塩。
【請求項7】
が水素原子又は炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基である請求項1〜6の何れかの項に記載の化合物又はその塩。
【請求項8】
が水素原子である請求項1〜6の何れかの項に記載の化合物又はその塩。
【請求項9】
が炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基である請求項1〜6の何れかの項に記載の化合物又はその塩。
【請求項10】
が炭素数1〜6のアルキル基又は3〜8員環のシクロアルキル基である請求項1〜9の何れかの項に記載の化合物又はその塩。
【請求項11】
がフリル基又はチエニル基である請求項1〜9の何れかの項に記載の化合物又はその塩。
【請求項12】
の置換基を有していても良い5若しくは6員環の複素環基における、複素環基がチエニル基、ピラゾリル基、又はピリジル基である請求項1〜11の何れかの項に記載の化合物又はその塩。
【請求項13】
が置換基を有していても良いフェニル基である請求項1〜11の何れかの項に記載の化合物又はその塩。
【請求項14】
が水素原子である請求項1〜13の何れかの項に記載の化合物又はその塩。
【請求項15】
が水素原子である請求項1〜14の何れかの項に記載の化合物又はその塩。
【請求項16】
請求項1〜15の何れかの項に記載の化合物又はその塩を有効成分として含有する鎮痛剤。
【請求項17】
鎮痛作用が末梢性である請求項16記載の鎮痛剤。



【公開番号】特開2008−88057(P2008−88057A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−83653(P2005−83653)
【出願日】平成17年3月23日(2005.3.23)
【出願人】(000228590)日本ケミファ株式会社 (33)
【Fターム(参考)】