説明

P2X7受容体アンタゴニストおよび非ステロイド性抗炎症薬を含有してなる医薬組成物

本発明は、炎症性障害の処置に使用するための、P2X受容体アンタゴニストである第一有効成分、および非ステロイド性抗炎症薬である第二有効成分を含有してなる医薬組成物、医薬製品またはキットを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は炎症性症状/障害、とりわけ関節リウマチの処置に使用する医薬活性物質の組合わせに関する。
【背景技術】
【0002】
関節リウマチなどの慢性炎症性障害は多遺伝子性で、高度に複雑であり、多様な炎症性免疫性メカニズムが関わっている。これらの障害の処置は、様々な薬剤による多くのものが経験的なものであり、使用する薬剤もその関与するメカニズムはあまり理解されていない。最近の研究は、2種類の炎症メディエーター、サイトカインIL−1およびTNFアルファ(TNFα)が、関節リウマチの炎症性プロセスにおいて重要な役割を演じている可能性のあることを示唆している。
【0003】
炎症性症状/障害の処置に使用するために、新規の医薬を開発することが望ましい。
それ故、本発明によると、P2X受容体アンタゴニストである第一の有効成分、および非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)である第二の有効成分を混合し、含有してなる医薬組成物が提供される。
【0004】
P2X受容体(以前はP2Z受容体として知られる)は様々な細胞型、主として炎症/免疫プロセスに関与することの知られる細胞型、特に、マクロファージ、肥満細胞およびリンパ球(TおよびB)上に存在するリガンド−ゲートイオンチャンネルである。細胞外ヌクレオチド、特に、アデノシン三リン酸によるP2X受容体の活性化は、とりわけ、インターロイキン−1β(IL−1β)の放出に導くことが知られている。
P2X受容体のアンタゴニストは、P2X受容体の活性を完全に、または部分的にを問わず、防止し得る化合物または他の物質である。
【0005】
P2X受容体拮抗作用のアッセイ方法は技術上既知である;例えば、WO01/42194は、P2X受容体を臭化エチジウム(蛍光DNAプローブ)の存在下、受容体アゴニストにより活性化した場合、細胞内DNA−結合臭化エチジウムの蛍光の増大が認められるという観察に基づくアッセイについて記載している。従って、蛍光の増大はP2X受容体活性化の測定値として使用可能であり、それ故、P2X受容体に対する化合物または物質の作用を定量するために使用し得る。
【0006】
WO01/42194においては、96穴平底マイクロタイタープレートを使用し、そのウエルに250μlのテスト溶液[10−4M臭化エチジウム含有THP−1細胞(2.5×10細胞/ml)の懸濁液200μl、10−5Mベンゾイルベンゾイルアデノシン三リン酸(bbATP、既知P2X受容体アゴニスト)含有高カリウム緩衝溶液25μl、および3×10−5Mテスト化合物含有高カリウム緩衝溶液25μlを含有してなる]を容れることにより実施する。プレートはプラスチックシートで被い、37℃で1時間インキュベートする。次いで、パーキン−エルマー蛍光プレートリーダーにより、励起520nm、発光595nm、スリット幅:Ex15nm、Em20nmで、プレートを読み取る。比較を目的として、bbATP(P2X受容体アゴニスト)およびピリドキサール5−リン酸(P2X受容体アンタゴニスト)を別個にテストの対照として使用する。得られる読取値から、pIC50値をテスト化合物について計算する;この値はbbATPアゴニスト活性を50%低下させるために必要なテスト化合物の濃度の負の対数である。pIC50値が5.5を超えるものは、通常アンタゴニストであることを示唆している。
【0007】
P2X受容体アンタゴニストの例は、WO00/61569、WO01/42194、WO01/44170およびWO03/041707に記載された化合物である;これらの全文を参照により本明細書の一部とする。
【発明の開示】
【0008】
より具体的には、本発明の第一の態様において、P2X受容体アンタゴニストは式:
【化1】

[式中、
mは1、2または3を表す;
各R1aは独立して水素またはハロゲン原子を表す;
はC(O)NHまたはNHC(O)を表す;
Arは基:
【化2】

を表す;
【0009】
は結合、酸素原子、または基CO、(CH)1−6、CH=、(CH)1−6O、O(CH)1−6、O(CH)2−6O、O(CH)2−3O(CH)1−3、CR'(OH)、(CH)1−3O(CH)1−3、(CH)1−3O(CH)2−3O、NR5a、(CH)1−6NR5a、NR5a(CH)1−6、(CH)1−3NR5a(CH)1−3、O(CH)2−6NR5a、O(CH)2−3NR5a(CH)1−3、(CH)1−3NR5a(CH)2−3O、NR5a(CH)2−6O、NR5a(CH)2−3O(CH)1−3、CONR5a、NR5aCO、S(O)、S(O)CH、CHS(O)、SONR5aまたはNR5aSOを表す;
nは0、1または2である;
【0010】
R'は水素原子またはC−Cアルキル基を表す;
2aおよびR3aの一方はハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシル、または
(i) 所望により少なくとも1つのC−Cシクロアルキルによって置換されているC−Cアルキル、
(ii) C−Cシクロアルキル、
(iii) 所望により少なくとも1つのC−Cシクロアルキルによって置換されているC−Cアルキルオキシ、および
(iv) C−Cシクロアルキルオキシ、
から選択される基を表す;
これらの基のそれぞれは、所望により1個以上のフッ素原子によって置換されている;
2aおよびR3aの他方は水素またはハロゲン原子を表す;
【0011】
4aは、1個または2個の窒素原子および所望により酸素原子を含む3員ないし9員の飽和もしくは不飽和脂肪族へテロ環状環系を表し、該へテロ環状環系は、所望によりフッ素原子、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、C−Cアルキル、C−Cヒドロキシアルキル、−NR6a7a、−(CH)NR6a7aおよび−CONR6a7aから独立して選択される1つ以上の置換基によって置換されているか、または
4aは−NR6a7a、−(CH)NR6a7aおよび−CONR6a7aから独立して選択される1つ以上の置換基によって置換されている3員ないし8員の飽和炭素環状環系を表し、該環系は、所望によりフッ素原子、ヒドロキシルおよびC−Cアルキルから独立して選択される1つ以上の置換基によってさらに置換されている;
【0012】
rは1、2、3、4、5または6である;
5aは水素原子またはC−CアルキルもしくはC−Cシクロアルキル基を表す;
6aおよびR7aはそれぞれ独立して水素原子またはC−Cアルキル、C−CヒドロキシアルキルもしくはC−Cシクロアルキル基を表すか、またはR6aおよびR7aはそれらが結合する窒素原子と一緒になって、3員ないし8員の飽和へテロ環状環を形成する;
【0013】
ただし、
(a) AがC(O)NHを表し、R4aが1個の窒素原子を含む非置換の3員ないし8員の飽和脂肪族へテロ環状環系を表す場合、Xは結合以外のものである;また
(b) AがC(O)NHを表し、Xが基 (CH)1−6またはO(CH)1−6を表す場合、R4aは非置換イミダゾリル、非置換モルホリニル、非置換ピペリジニルまたは非置換ピロリジニル基を表さない;また
(c) AがNHC(O)を表し、R4aが1個の窒素原子を含む非置換の3員ないし8員の飽和脂肪族へテロ環状環系を表す場合、Xは結合以外のものである;また
(d) AがNHC(O)を表し、XがO(CH)1−6、NH(CH)1−6またはSCHを表す場合、R4aは非置換1−ピペリジニルまたは非置換1−ピロリジニル基を表さない;また
(e) AがNHC(O)を表し、XがO(CH)2−3NH(CH)を表す場合、R4aはイミダゾリル基を表さない]
で示される化合物、またはその医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物である。
【0014】
式(I)で示される化合物はWO00/61569に記載されている。
本発明の第二の態様において、P2X受容体アンタゴニストは、式:
【化3】

[式中、
はCHまたはCHCHを表す;
はC(O)NHまたはNHC(O)を表す;
1bおよびR2bはそれぞれ独立して水素もしくはハロゲン原子、またはアミノ、ニトロ、C−Cアルキルもしくはトリフルオロメチル基を表す;
3bは基:
【化4】

を表す;
【0015】
は酸素もしくは硫黄原子または基NH、SOもしくはSOを表す;
は酸素もしくは硫黄原子または基NR11b、SOもしくはSOを表す;
は基−OH、−SH、−COH、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、−NR6b7b、−C(O)NR8b9b、イミダゾリル、1−メチルイミダゾリル、−N(R10b)C(O)−C−Cアルキル、C−Cアルキルカルボニルオキシ、C−Cアルコキシカルボニルオキシ、−OC(O)NR12b13b、−OCHOC(O)R14b、−OCHOC(O)OR15bまたは−OC(O)OCHOR16bを表す;
4bはC−Cアルキル基を表す;
5bはC−Cアルキル基を表す;
6b、R7b、R8b、R9b、R10b、R12bおよびR13bはそれぞれ独立して水素原子を表すか、または所望により少なくとも1つのヒドロキシル基によって置換されているC−Cアルキル基を表す;
【0016】
11bは水素原子を表すか、または所望によりヒドロキシルおよびC−Cアルコキシから独立して選択される少なくとも1つの置換基によって置換されているC−Cアルキル基を表す;また
14b、R15bおよびR16bはそれぞれ独立してC−Cアルキル基を表す;
ただし、
(i) EがNHC(O)を表し、XがO、SまたはNHを表し、YがOを表す場合、Zは−NR6b7b(ここで、R6bは水素原子を表し、またR7bは水素原子を表すか、または少なくとも1つのヒドロキシル基によって置換されているC−Cアルキル基を表す)を表す;
(ii) EがNHC(O)を表し、XがO、SまたはNHを表し、YがNHを表し、R5bがCHCHを表す場合、Zは−OHまたはイミダゾリルではない]
で示される化合物、またはその医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物である。
式(II)で示される化合物はWO01/42194に記載されている。
【0017】
本発明の第三の態様において、P2X受容体アンタゴニストは、式:
【化5】

[式中、
はCHまたはCHCHを表す;
はC(O)NHまたはNHC(O)を表す;
1cおよびR2cはそれぞれ独立して水素、ハロゲン、アミノ、ニトロ、C−Cアルキルまたはトリフルオロメチルを表すが、R1cおよびR2cは、両方同時に水素を表し得ない;
【0018】
3cは基:
【化6】

を表す;
4cはC−Cアルキル基を表す;
は酸素もしくは硫黄原子または基NR13c、SOもしくはSOを表す;
5cは水素を表すか、またはR5cはC−CアルキルまたはC−Cアルケニルを表し、それぞれは、所望によりハロゲン、ヒドロキシル、(ジ)−C−Cアルキルアミノ、−Y−R6c
【化7】

および窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1個ないし4個のヘテロ原子を含んでなる5員もしくは6員のヘテロ芳香環(ヘテロ芳香環は、それ自体、所望によりハロゲン、ヒドロキシルおよびC−Cアルキルから選択される少なくとも1つの置換基によって置換され得る)から選択される少なくとも1つの置換基によって置換されている;
は酸素もしくは硫黄原子または基NH、SOもしくはSOを表す;
6cは基−R7cを表す(ここで、R7cはC−Cアルキル基を表し、Zは−OH、−COH、−NR8c9c、−C(O)NR10c11cまたは−N(R12c)C(O)−C−Cアルキル基を表す;また
が酸素もしくは硫黄原子または基NHを表す場合には、R6cはさらに水素、C−Cアルキル、C−Cアルキルカルボニル、C−Cアルコキシカルボニル、−C(O)NR14c15c、−CHOC(O)R16c、−CHOC(O)OR17cまたは−C(O)OCHOR18cを表す;
【0019】
8c、R9c、R10c、R11cおよびR12cはそれぞれ独立して水素原子またはC−Cアルキル基を表す;
13cは水素、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキルメチルを表すか、またはR13cは所望によりヒドロキシルおよびC−Cアルコキシから選択される少なくとも1つの置換基によって置換されているC−Cアルキル基を表す;また
14c、R15c、R16c、R17cおよびR18cはそれぞれ独立してC−Cアルキル基を表す;
ただし、
がC(O)NHであり、XがO、NHまたはN(C−Cアルキル)である場合、R5cは水素原子または非置換C−Cアルキル基以外のものである]
で示される化合物、またはその医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物である。
【0020】
式(IV)で示される好適な化合物は、R5cが所望により置換されているC−Cアルキル基を表す化合物であり、好適な置換基は−Y−R6cである。R5cに1ないし4個のヘテロ原子を含んでなる5員または6員のヘテロ芳香環で置換されている場合、環内のヘテロ原子の数は2個を超えないことが好ましい。
式(IV)で示される化合物はWO01/44170に記載されている。
【0021】
本発明の第四の態様において、P2X受容体アンタゴニストは、式:
【化8】

[式中、
mは1、2または3を表す;
各R1dは独立して水素またはハロゲン原子を表す;
はC(O)NHまたはNHC(O)を表す;
Arは基:
【化9】

を表す;
【0022】
2dおよびR3dの一方はハロゲン、ニトロ、アミノ、ヒドロキシル、または
(i) 所望により少なくとも1個のハロゲン原子によって置換されているC−Cアルキル、
(ii) C−Cシクロアルキル、
(iii) 所望により少なくとも1個のハロゲン原子によって置換されているC−Cアルコキシ、および
(iv) C−Cシクロアルキルオキシ、
から選択される基であり、
2dおよびR3dの他方は水素またはハロゲン原子を表す;
4dは基:
【化10】

を表す;
【0023】
は酸素もしくは硫黄原子または基>N−R8dを表す;
nは0または1である;
5dは所望によりヒドロキシル、ハロゲンおよびC−Cアルコキシから選択される少なくとも1つの置換基によって置換されているC−Cアルキル基を表す;
6dおよびR7dはそれぞれ独立して水素原子、C−Cアルキル{所望によりヒドロキシル、ハロゲン、C−Cアルコキシ、および(ジ)−C−Cアルキルアミノ(それ自体、所望により少なくとも1つのヒドロキシル基によって置換されている)から選択される少なくとも1つの置換基によって置換されている}、またはC−Cシクロアルキル(所望によりヒドロキシル、ハロゲンおよびC−Cアルコキシから選択される少なくとも1つの置換基によって置換されている)を表す;また
8dは水素原子を表すか、または所望によりヒドロキシル、ハロゲンおよびC−Cアルコキシから選択される少なくとも1つの置換基によって置換されているC−Cアルキルを表す;
【0024】
ただし、
(a) nが0である場合、AはNHC(O)である;また
(b) nが1であり、Xが酸素を表し、AがNHC(O) である場合、R6dおよびR7dは両方が同時に水素原子を表すものではなく、または両方が同時に非置換C−Cアルキルを表すものではない;あるいはR6dおよびR7dの一方が水素原子を表す場合、R6dおよびR7dの他方は非置換C−Cアルキルを表すものではない;また
(c) nが1であり、Xが酸素、硫黄または>NHであり、AがNHC(O) である場合、R6dおよびR7dは両方が同時に水素原子を表すものではなく、または両方が同時に非置換C−Cアルキルを表すものではない;あるいはR6dおよびR7dの一方が水素原子を表す場合、R6dおよびR7dの他方は非置換C−Cアルキルまたは−CHCHOHを表すものではない]
で示される化合物、またはその医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物である。
【0025】
式(VI)で示される化合物はWO03/41707に記載されている。
本発明のもう一つの側面において、P2X受容体アンタゴニストは、式:
【化11】

[式中、
mは1、2または3を表す;
はC(O)NHまたはNHC(O)を表す;
はNまたはCHを表す;
は結合、CO、(CH)1−6、O(CH)1−6、(CH)1−6NH(CH)1−6、(CH)1−6O(CH)1−6、NH(CH)1−6を表す;
はNR2e3eを表す;
【0026】
1eはハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシル、C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルを表し、そのアルキルまたはシクロアルキル基は、所望により1個以上のフッ素原子によって置換され得る;
2eおよびR3eはそれぞれ独立して水素原子、C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルを表し、そのアルキルまたはシクロアルキル基は、所望によりヒドロキシル、ハロゲンまたはC−Cアルコキシから選択される1つ以上の基によって置換され得る;または
【0027】
2eおよびR3eはそれらが結合する窒素原子と一緒になって、1個ないし2個の窒素原子および所望により酸素原子を含んでなる3員ないし9員の飽和単環もしくは二環式へテロ環状環を形成し、そのヘテロ環状環は、所望によりヒドロキシル、ハロゲンまたはC−Cアルコキシから選択される1つ以上の基によって置換され得る]
で示される化合物、またはその医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物である。
式(XI)で示される化合物は、本明細書中にすでに引用した文献に従って、または同様に、化学的に調製され得る。
【0028】
本発明のさらなる側面において、P2X受容体アンタゴニストは以下の通りである:
2−クロロ−5−[[2−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−エチルアミノ]−メチル]−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)−ベンズアミド;
2−クロロ−5−[3−[(3−ヒドロキシプロピル)アミノ]プロピル]−N−(トリシクロ[3.3.1.1]デカ−1−イルメチル)−ベンズアミド;
(R)−2−クロロ−5−[3−[(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)アミノ]プロピル]−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)−ベンズアミド;
2−クロロ−5−[[2−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エトキシ]メチル]−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)−ベンズアミド;
2−クロロ−5−[3−[3−(メチルアミノ)プロポキシ]プロピル]−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)ベンズアミド;
2−クロロ−5−[3−(3−ヒドロキシ−プロピルアミノ)−プロポキシ]−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)−ベンズアミド;
2−クロロ−5−[2−(3−ヒドロキシプロピルアミノ)エチルアミノ]−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)−ベンズアミド;
2−クロロ−5−[2−(3−ヒドロキシプロピルスルホニル)エトキシ]−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)−ベンズアミド;
2−クロロ−5−[2−[2−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エトキシ]エトキシ]−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)−ベンズアミド;
2−クロロ−5−[[2−[[2−(1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)エチル]アミノ]エチル]アミノ]−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)−ベンズアミド;
【0029】
2−クロロ−5−ピペラジン−1−イルメチル−N−(トリシクロ[3.3.1.1]デカ−1−イルメチル)−ベンズアミド;
2−クロロ−5−(4−ピペリジニルオキシ)−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)−ベンズアミド;
2−クロロ−5−(2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イルメチル)−N−(トリシクロ[3.3.1.1]デカ−1−イルメチル)−ベンズアミド;
2−クロロ−5−(ピペリジン−4−イルスルフィニル)−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)−ベンズアミド;
5−クロロ−2−[3−[(3−ヒドロキシプロピル)アミノ]プロピル]−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)−4−ピリジンカルボキサミド;
2−クロロ−5−[3−[[(1R)−2−ヒドロキシ−1−メチルエチル]アミノ]プロピル]−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)−3−ピリジンカルボキサミド;
5−クロロ−2−[3−(エチルアミノ)プロピル]−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)−4−ピリジンカルボキサミド;
5−クロロ−2−[3−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]プロピル]−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)−4−ピリジンカルボキサミド;
5−クロロ−2−[3−[[(2S)−2−ヒドロキシプロピル]アミノ]プロピル]−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)−4−ピリジンカルボキサミド;
N−[2−メチル−5−(9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナ−3−イルカルボニル)フェニル]−トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−アセトアミド;
またはその医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物。
【0030】
医薬的に許容し得る塩は、適用し得る場合、医薬的に許容し得る無機酸および有機酸から誘導される酸付加塩(例えば、クロライド、ブロマイド、硫酸塩、リン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、4−メトキシ安息香酸塩、2−もしくは4−ヒドロキシ安息香酸塩、4−クロロ安息香酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、アスコルビン酸塩、酢酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、グルタル酸塩、グルコン酸塩、トリカルバリル酸塩、ヒドロキシナフタレンカルボン酸塩またはオレイン酸塩など)、および医薬的に許容し得る無機および有機塩基から調製される塩を含む。無機塩基から誘導される塩は、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン(III)、マンガン(II)、カリウム、ナトリウム、亜鉛およびビスマス塩を含む。とりわけ好適なのは、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムおよびナトリウム塩である。医薬的に許容し得る有機塩基から誘導される塩は、一級、二級および三級のアミン、アルギニンなどの環状アミン、ベタイン、コリンなどの塩である。医薬的に許容し得る溶媒和物は水和物である。
【0031】
本発明にて使用し得るP2X7受容体アンタゴニストの例は以下の通りである:
2−クロロ−5−[[2−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−エチルアミノ]−メチル]−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)−ベンズアミド・二塩酸塩;
2−クロロ−5−[3−[(3−ヒドロキシプロピル)アミノ]プロピル]−N−(トリシクロ[3.3.1.1]デカ−1−イルメチル)−ベンズアミド塩酸塩;
(R)−2−クロロ−5−[3−[(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)アミノ]プロピル]−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)−ベンズアミド塩酸塩;
2−クロロ−5−[[2−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エトキシ]メチル]−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)−ベンズアミド・酢酸(1:1)塩、 2−クロロ−5−[3−[3−(メチルアミノ)プロポキシ]プロピル]−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)ベンズアミド塩酸塩;
2−クロロ−5−[3−(3−ヒドロキシ−プロピルアミノ)−プロポキシ]−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)−ベンズアミド塩酸塩;
2−クロロ−5−[2−(3−ヒドロキシプロピルアミノ)エチルアミノ]−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)−ベンズアミド・酢酸(1:1)塩;
2−クロロ−5−[2−(3−ヒドロキシプロピルスルホニル)エトキシ]−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)−ベンズアミド;
2−クロロ−5−[2−[2−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エトキシ]エトキシ]−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)−ベンズアミド塩酸塩;
2−クロロ−5−[[2−[[2−(1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)エチル]アミノ]エチル]アミノ]−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)−ベンズアミド;
【0032】
2−クロロ−5−ピペラジン−1−イルメチル−N−(トリシクロ[3.3.1.1]デカ−1−イルメチル)−ベンズアミド・二塩酸塩;
2−クロロ−5−(4−ピペリジニルオキシ)−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)−ベンズアミド塩酸塩;
2−クロロ−5−(2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イルメチル)−N−(トリシクロ[3.3.1.1]デカ−1−イルメチル)−ベンズアミド塩酸塩;
2−クロロ−5−(ピペリジン−4−イルスルフィニル)−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)−ベンズアミド;
5−クロロ−2−[3−[(3−ヒドロキシプロピル)アミノ]プロピル]−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)−4−ピリジンカルボキサミド;
2−クロロ−5−[3−[[(1R)−2−ヒドロキシ−1−メチルエチル]アミノ]プロピル]−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)−3−ピリジンカルボキサミド;
5−クロロ−2−[3−(エチルアミノ)プロピル]−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)−4−ピリジンカルボキサミド塩酸塩;
5−クロロ−2−[3−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]プロピル]−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)−4−ピリジンカルボキサミド塩酸塩;
5−クロロ−2−[3−[[(2S)−2−ヒドロキシプロピル]アミノ]プロピル]−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)−4−ピリジンカルボキサミド・二塩酸塩;および
N−[2−メチル−5−(9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナ−3−イルカルボニル)フェニル]−トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−アセトアミド塩酸塩。
【0033】
本発明にて使用される有効成分は、立体異性体の形態で存在し得る。理解されることは、本発明が有効成分の幾何および光学異性体およびラセミ体などのその混合物をすべて包含することである。互変異性体およびその混合物も本発明の一側面を形成する。
【0034】
本発明第二の有効成分は非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)である。NSAIDは酵素シクロオキシゲナーゼ(COX)を完全にまたは部分的に阻害し得る化合物または物質である。該酵素はCOX−1(胃内膜および小腸にて構成的に発現され、それらを防御するように作用する)およびCOX−2(炎症プロセスにおいて誘発され、固有の役割を果たす)と言われる少なくとも2種類のイソ型を有する。選択的COX−2インヒビターはコキシブ(COXIB)としても知られる。
【0035】
本発明のNSAIDはCOX−1およびCOX−2の両方を阻害し得るが、好ましくはCOX−2について選択的である。
使用し得るNSAIDの例は、イブプロフェン、ナプロキセン、アスピリン、セレコキシブ(商標「セレブレックス(Celebrex)」として市販品入手可能)、ジクロフェナク(商標「ボルタレン」として市販品入手可能)、エトドラック(商標「ロジン(Lodine)」として市販品入手可能)、フェノプロフェン(商標「ナルフォン」として市販品入手可能)、インドメタシン(商標「インドシン」として市販品入手可能)、ケトプロフェン(商標「オルベイル」として市販品入手可能)、ケトララック(商標「トラドール」として市販品入手可能)、オキサプロジン(商標「デイプロ(Daypro)」として市販品入手可能)、ナブメトン(商標「リラフェン(Relafen)」として市販品入手可能)、スリンダク(商標「クリノリル」として市販品入手可能)、トルメチン(商標「トレクチン(Tolectin)」として市販品入手可能)、ロフェコキシブ(rofecoxib)(商標「ビオックス(Vioxx)」として市販品入手可能)、バルデコキシブ(valdecoxib)、ルマリコキシブ(lumaricoxib)、メロキシカム(meloxicam)、エトリコキシブ(etoricoxib)およびパレコキシブ(parecoxib)である。
【0036】
本発明の一態様において、第二の有効成分はCOX−2の選択的インヒビターである。この態様の状況において、COX−2の選択的インヒビターは、文献(Warner, T.D. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1999, 96, 7563-7568)記載の全血検定により測定した場合、少なくとも2:1のCOX−2対COX−1のインビトロ選択性を示す化合物である。好ましくは、COX−2の選択的インヒビターは、少なくとも5:1、より好ましくは少なくとも10:1、さらにより好ましくは少なくとも30:1、そして最も好ましくは100:1のCOX−2対COX−1のインビトロ選択性を有する。この態様に従って採用し得るCOX−2の選択的インヒビターの例は、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、ルマリコキシブ、エトリコキシブおよびパレコキシブである。
【0037】
本発明の一態様において、第二有効成分はCOX−2の選択的インヒビター、セレコキシブである。セレコキシブの化学名は、4−[5−(4−メチルフェニル)−3−(トリフェニルメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]ベンゼンスルホンアミドである(Penning, T. et al., J. Med. Chem., 1997, 40, 1347-1365)。セレコキシブはファイザーが「セレブレックス」の商標で上市している。
【0038】
本発明のもう一つの態様において、第二の有効成分はCOX−2の選択的インヒビター、ロフェコキシブである。ロフェコキシブの化学名は、4−[4'−(メチルスルホニル)フェニル]−3−フェニル−(5H)−フラノンである(Chan, C.C. et al., J. Pharmacol. Exp. Ther., 1999, 290, 551-560)。ロフェコキシブはメルク・シャープ・アンド・ドームが「ビオックス」の商標で上市している。
【0039】
本発明のもう一つの態様において、第二の有効成分はCOX−2の選択的インヒビター、バルデコキシブである。バルデコキシブの化学名は、4−(5−メチル−3−フェニル−4−イソキサゾリル)ベンゼンスルホンアミドである(Talley, J.J. et al, J. Med. Chem., 2000, 43, 775-777)。バルデコキシブはファイザーが「ベクストラ」の商標で上市している。
【0040】
本発明による有効成分の選択は、有益な抗炎症性作用をもたらす故に有利であり、従って、種々の急性および慢性の炎症性症状/障害、例えば、関節リウマチおよび骨関節症を処置するために使用し得ることが判明している。炎症性障害の処置はその症状と関連する腫脹の縮小および/または痛みの軽減を伴う。この点で、本発明の製品は炎症性関節障害が惹き起こす疼痛の低下または軽減にとりわけ有益であることが証明されている。
【0041】
本発明の医薬組成物は第一有効成分と第二有効成分とを混合することにより調製し得る。それ故、本発明のさらなる側面においては、P2X受容体アンタゴニストである第一有効成分と、非ステロイド性抗炎症剤である第二有効成分とを混合することを含む医薬組成物の製造法が提供される。
【0042】
第一および第二の有効成分は、別法として、同時に(上記のように混合せずに)、連続的に、または別々に、投与して炎症症状を処置することができる。連続的にとは、第一および第二有効成分を、いずれかの順序で一方の投与直後に他方を投与することを意味する。なお、これらの投与はその間隔が4時間未満、好ましくは2時間未満、より好ましくは30分未満であるならば、所望の効果を有する。
【0043】
従って、本発明はP2X受容体アンタゴニストである第一有効成分の製剤、および非ステロイド性抗炎症剤である第二有効成分の製剤とを組合わせて、同時に、連続的にまたは別々に治療に使用することを含む医薬製品を提供する。第二有効成分は、好ましくは、COX−2の選択的インヒビターである。
【0044】
もう一つの側面において、本発明はP2X受容体アンタゴニストである第一有効成分の製剤、非ステロイド性抗炎症剤である第二有効成分の製剤、およびそれを必要とする患者に、該製剤を同時に、連続的に、または別々に投与することを指示する説明書を含んでなるキットを提供する。第二有効成分は、好ましくは、COX−2の選択的インヒビターである。
【0045】
第一および第二有効成分は、常套の全身投与形態、例えば、錠剤、カプセル剤、ピル、粉末剤、水性または油性溶液または懸濁液、エマルジョンおよび無菌注射用水性または油性溶液または懸濁液として、経口または非経口投与により常套的に投与する。これらの投与形態は、通常、例えば、アジュバント、担体、結合剤、滑沢剤、希釈剤、安定化剤、緩衝剤、乳化剤、粘性調節剤、界面活性剤、保存剤、香味剤および着色剤などから選択され得る1種以上の医薬的に許容し得る成分を含む。好ましくは、第一および第二有効成分は、経口で送達される。
【0046】
上記の治療用途では、投与される薬用量は、勿論、採用される第一および第二有効成分、投与様式、所望の処置および適応される症状または障害により変わるであろう。しかし、一般に経口摂取の場合、第一および第二有効成分の組合わせ1日用量総量が、10ないし2000ミリグラム(mg)、とりわけ、10、20、30、40、50、100、150、200または300ないし1800、1500、1200、1000、800、700、600、500または400mgの範囲である場合、満足すべき結果が得られよう。
本発明による医薬組成物、医薬製品またはキットは、1日1〜4回、好ましくは、1日1回または2回、分割用量として投与され得る。
【0047】
本発明の一態様において、医薬組成物、製品またはキットにおける第一有効成分の1日投与量は、5ないし1000mg、5ないし800mg、5ないし600mg、5ないし500mg、5ないし400mg、5ないし300mg、5ないし200mg、5ないし100mg、5ないし50mg、20ないし1000mg、20ないし800mg、20ないし600mg、20ないし500mg、20ないし400mg、20ないし300mg、20ないし200mg、20ないし100mg、20ないし50mg、50ないし1000mg、50ないし800mg、50ないし600mg、50ないし500mg、50ないし400mg、50ないし300mg、50ないし200mg、50ないし100mg、100ないし1000mg、100ないし800mg、100ないし600mg、100ないし500mg、100ないし400mg、100ないし300mg、100ないし200mgの範囲である;一方、第二有効成分の1日用量は、1ないし200mg、1ないし100mg、1ないし50mg、1ないし25mg、5ないし200mg、5ないし100mg、5ないし50mg、5ないし25mg、10ないし200mg、10ないし100mg、10ないし50mgまたは10ないし25mgの範囲である;その第一および第二有効成分の1日用量は、1日1ないし4回、好ましくは1日1回または2回、分割用量として投与し得る;また、その第一および第二有効成分は、混合して、同時に、連続的に、または別々に投与され得る。この態様の投与計画は、第一および第二有効成分の両方を経口投与により送達する場合に、常套的に適合させ得る。この態様に従って使用され得る第二活性成分は、セレコキシブ、ロフェコキシブおよびバルデコキシブを含む。
【0048】
本発明はさらに炎症性障害、特に関節リウマチまたは骨関節症の処置用の医薬の製造における本発明による医薬組成物の用途を提供する。
また、本発明は炎症性障害の処置方法であって、特に炎症性障害が関節リウマチまたは骨関節症である場合に、その処置を必要とする患者に、治療有効量の本発明医薬組成物を投与することを含む方法を提供する。
【0049】
なおさらに、本発明は炎症性障害の処置方法であって、
(a)P2X受容体アンタゴニストである第一有効成分の(治療有効)用量;および
(b)非ステロイド性抗炎症剤である第二有効成分の(治療有効)用量;
をそれを必要とする患者に、同時に、連続して、または別々に投与することをを含む方法を提供する。
【0050】
本明細書の文面において、「治療」という用語は、それに反する特段の指摘がない限り、「予防」をも包含する。「治療的」および「治療的に」という用語も同様に解釈すべきである。
予防とは、問題の症状または障害の病歴を有する人、あるいは他の原因でその危険が増大していると思われる人の処置に、特に関連すると予測される。特定の症状または障害を発症する危険のある人とは、一般に、かかる症状または障害の家族病歴をもつもの、または当該症状または障害を特に発症し易いということが、遺伝子試験またはスクリーニングにより同定されている人を含む。
【0051】
本発明はさらに関節リウマチ、骨関節症、骨粗しょう症、乾癬、炎症性腸疾患、COPD、喘息、アレルギー性鼻炎または癌または神経変性疾患、例えば、多発性硬化症、アルツハイマー病もしくは卒中などのいずれか一つを処置するための三重組合わせ療法に関係する。
関節リウマチの処置には、本発明の医薬組成物は、IL−1受容体アンタゴニスト(例えば、アナキンラ)およびIL−1トラップ、IL−18受容体、抗−IL−6Ab、抗−CD20Ab、抗−IL−15AbおよびCTLA4Igなどの「生物薬剤」と組合わされ得る。
【0052】
本発明の医薬組成物と組合わせて使用すべき適切な薬剤は、シクロオキシゲナーゼ阻害性一酸化窒素ドナー(CINOD)、およびサイクロスポリンA、レフルノミドなどの「疾患修飾剤」(DMARD);シクレソニド(ciclesonide)を含み;ヒドロキシクロロキン、d−ペニシラミン、オーラノフィンまたは非経口もしくは経口金製剤も使用され得る。
【0053】
本発明はなおさらに本発明の医薬組成物と、ロイコトリエン生合成インヒビター、5−リポキシゲナーゼ(5−LO)インヒビターまたは5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)アンタゴニストとの組合わせに関し、以下の群から選択される:ジロートン(zileuton)、ABT−761;フェンレウトン(fenleuton);テポキサリン(tepoxalin);アボット−79175;アボット−85761;N−(5−置換)−チオフェン−2−アルキルスルホンアミド類;2,6−ジ−tert−ブチルフェノールヒドラゾン類;ゼネカZD−2138などのメトキシテトラヒドロピラン類;化合物SB−2100661;L−739,010などのピリジニル置換2nシアノナフタレン化合物;L−746,530などの2−シアノキノリン化合物;MK−591、MK−886、およびBAYx1005などのインドールおよびキノリン化合物。
【0054】
本発明はなおさらに本発明の医薬組成物と、以下の群から選択されるロイコトリエンLTB、LTC、LTD、およびLTEの受容体アンタゴニストとの組合わせに関する:L−651,392などのフェノチアジン−3−オン類;CGS−25019cなどのアミジノ化合物;オンタゾラストなどのベンゾキサラミン類;BIIL284/260などのベンゼンカルボキシドアミド類;およびザフィルルカスト、アブルカスト、モンテルカスト、プランルカスト、ベルルカスト(MK−679)、RG−12525、Ro−245913、イラルカスト(CGP45715A)、およびBAYx7195。
【0055】
本発明はなおさらにPDE4Dのアイソフォームのインヒビターを含むPDE4インヒビターと組合わせた本発明医薬組成物に関する。
本発明はなおさらに抗ヒスタミンH受容体アンタゴニスト、例えば、セチリジン、ロラタジン、デスロラタジン、フェキソフェナジン、アステミゾール、アゼラスチン、およびクロルフェニラミンなどと組合わせた本発明医薬組成物に関する。
本発明はなおさらに胃保護性H受容体アンタゴニストまたはプロトンポンプ・インヒビター(オメプラゾールなど)と組合わせた本発明医薬組成物に関する。
【0056】
本発明はなおさらに以下のα1−およびα2−アドレナリン受容体アゴニスト血管収縮神経交感神経刺激剤と組合わせた本発明医薬組成物に関する:プロピルヘキセドリン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、シュードエフェドリン、ナファゾリン塩酸塩、オキシメタゾリン塩酸塩、テトラヒドロゾリン塩酸塩、キシロメタゾリン塩酸塩、およびエチルノルエピネフリン塩酸塩。
【0057】
本発明はなおさらに、抗コリン作動性薬、例えば、臭化イプラトロピウム;臭化チオトロピウム;臭化オキシトロピウム;ピレンゼピン;およびテレンゼピンと組合わせた本発明医薬組成物に関する。
本発明はなおさらに、メチルキサンタニン、例えば、テオフィリンおよびアミノフィリン;クロモグリク酸ナトリウム;またはムスカリン受容体(M1、M2、およびM3)アンタゴニストなどと組合わせた本発明医薬組成物に関する。
【0058】
本発明はなおさらに、ケモカイン受容体機能のモジュレーター、例えば、CCR1、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CCR9、CCR10およびCCR11(C−Cファミリーについて);CXCR1、CXCR3、CXCR4およびCXCR5(C−X−Cファミリーについて)およびCXCR1(C−X−Cファミリーについて)と組合わせた本発明医薬組成物に関する。
本発明はなおさらに、インスリン様成長因子タイプI(IGF−1)模倣剤と組合わせた本発明医薬組成物に関する。
【0059】
本発明はなおさらに、(a)トリプターゼ・インヒビター;(b)血小板活性化因子(PAF)アンタゴニスト;(c)インターロイキン変換酵素(ICE)インヒビター;(d)IMPDHインヒビター;(e)VLA−4アンタゴニストなどの接着分子インヒビター;(f)カテプシン;(g)グルコース−6リン酸デヒドロゲナーゼインヒビター;(h)キニン−B−およびB−受容体アンタゴニスト;(i)抗痛風剤、例えば、コルヒチン;(j)キサンチンオキシダーゼ・インヒビター、例えば、アロプリノール;(k)尿酸排泄剤、例えば、プロベネシド、スルフィンピラゾン、およびベンズブロマロン;(l)成長ホルモン分泌促進剤;(m)トランスフォーミング成長因子(TGFβ);(n)血小板由来成長因子(PDGF);(o)線維芽細胞成長因子、例えば、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF);(p)顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF):(q)カプサイシンクリーム;(r)NKP−608C、SB−233412(タルネタント)、およびD−4418からなる群より選択されるタキキニンNKおよびNK受容体アンタゴニスト;および(s)UT−77およびZD−0892からなる群より選択されるエラスターゼインヒビター;(t)誘導型一酸化窒素合成酵素インヒビター(iNOS)または(u)TH2細胞上で発現される誘引物質受容体同族分子(CRTH2アンタゴニスト);と組合わせた本発明医薬組成物に関する。
【0060】
本発明の医薬組成物は、骨関節症処置用の既存の治療薬と組合わせて使用することもできる。組合わせに使用される適切な薬剤は、誘発性酸化窒素シンターゼインヒビター(iNOSインヒビター)、およびシクロオキシゲナーゼ阻害性一酸化窒素ドナー(CINOD)鎮痛剤(パラセタモールおよびトラマドールなど)、ジアセレイン、ドキシサイクリンおよびグルコサミンなどの軟骨維持剤、およびヒアルガンおよびシンビスクなどのヒアルロン酸類である。
【0061】
本発明の医薬組成物は、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎およびクローン病)処置用の既存の治療薬と組合わせて使用することもできる。使用される適切な薬剤は、5−アミノ−サリチレート類、チオプリン類、アザチオプリンおよび6−メルカプトプリンである。
本発明の医薬組成物は、抗癌剤(エンドスタチンおよびアンギオスタチンなど)または細胞傷害剤(アドリアマイシン、ダウノマイシン、シスプラチン、エトポシド、タキソール、タキソテレなど)およびファルネシルトランスフェラーゼインヒビター、VegFインヒビター、および代謝拮抗剤(抗悪性腫瘍剤など、特にビンブラスチンおよびビンクリスチンなどのビンカアルカロイドを含む有糸分裂阻害剤など)と組合わせて使用することもできる。
【0062】
本発明の医薬組成物は、ビラセプト、AZT、アシクロビルおよびファムシクロビルなどの抗ウイルス剤、およびバラント(Valant)などの敗血症用剤と組合わせて使用することもできる。
本発明の医薬組成物は、カルシウム・チャンネル遮断薬、フィブレートなどの脂質低下剤、β−遮断薬、ACEインヒビター、アンギオテンシン−2受容体アンタゴニストおよび血小板凝集インヒビターと組合わせて使用することもできる。
【0063】
本発明の医薬組成物は、抗うつ剤(セルトラリンなど)、抗パーキンソン薬(デプレニル、L−ドーパ、レキップ(Requip)、ミラペックス(Mirapex)、セレギンおよびラサギリンなどのMAOBインヒビター、タスマール(Tasmar)などのcomPインヒビター、A−2インヒビター、ドーパミン再吸収インヒビター、NMDAアンタゴニスト、ニコチンアゴニスト、ドーパミンアゴニストおよび神経型一酸化窒素シンターゼのインヒビターなど)、およびアルツハイマー用薬(ドネペジル、タクリン、プロペントフィリンまたはメトリフォネートなど)と組合わせて使用することもできる。
【0064】
本発明の医薬組成物は、骨粗しょう症用薬(ロロキシフェン、ドロロキシフェン、ラソフォキシフェンまたはホソマックスなど)、および免疫抑制剤(FK−506、ラパマイシン、シクロスポリン、およびアザチオプリンなど)と組合わせて使用することもできる。
本発明はここでさらに以下の説明例を参照することにより理解されよう。
【実施例】
【0065】
以下のP2Xアンタゴニストは実施例にて採用された:
1. N−[2−メチル−5−(9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナ−3−イルカルボニル)フェニル]−トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−アセトアミド塩酸塩
【化12】

P2Xアンタゴニスト1.(N−[2−メチル−5−(9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナ−3−イルカルボニル)フェニル]−トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−アセトアミド塩酸塩)は以下のように調製した。
【0066】
a) 3−(4−メチル−3−ニトロベンゾイル)−7−(フェニルメチル)−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン
DMF(0.1ml)含有の4−メチル−3−ニトロ安息香酸(10.0g)とジクロロメタン(320ml)からなる氷冷溶液に、ジクロロメタン(30ml)中の塩化オキサリル(9.6ml)を45分かけて滴下した。反応混合物を室温で1時間攪拌し、次いで減圧濃縮した。酸塩化物をTHF(320ml)に取り、水浴で冷却し、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(38ml)を加え、次いで、3−(フェニルメチル)−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン塩酸塩(16.0g)(WO01/028992の記載どおりに調製した)を少しずつ加えた。反応液を18時間攪拌し、次いで、酢酸エチル(600ml)で希釈し、水洗し(2×200ml)、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(3×150ml)で洗い、次いで、乾燥(MgSO)、濾過し、濃縮して副題化合物(18.5g)を得た。
m/z = 382。
【0067】
b) 3−(3−アミノ−4−メチルベンゾイル)−7−(フェニルメチル)−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン
工程a)の生成物(18.0g)、塩化アンモニウム(7.5g)およびエタノール/水(3:1、320ml)からなる攪拌溶液に、70℃で15分かけて還元鉄粉末(7.9g)を加えた。反応混合物を2時間加熱還流し、次いで、濾過し、減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル(400ml)に取り、水洗し(2×150ml)、次いで、有機相を乾燥(MgSO)、減圧濃縮して、副題化合物(14.5g)を得た。
m/z = 352
【0068】
c) N−[2−メチル−5−[[7−(フェニルメチル)−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナ−3−イルカルボニル]フェニル]−トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−アセトアミド
1−アダマンタン酢酸および工程b)の生成物を使用し、工程a)の方法で調製。再結晶(酢酸エチル)により副題化合物を得た。
m/z 528
【0069】
d) N−[2−メチル−5−(9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナ−3−イルカルボニル)フェニル]−トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−アセトアミド塩酸塩
工程c)の生成物(13.0g)と酢酸エチル(300ml)の溶液に、4M−HCl/1,4−ジオキサン(8ml)を加えた。生成する沈殿を濾過によって単離し、次いで、エタノール(300ml)に懸濁し、5%パラジウム/炭素(1.2g)を加えた。反応混合物を3気圧の水素気流下、36時間攪拌した。次いで、窒素気流下にメタノールを加え、次いで、触媒を濾去し、濾液を減圧濃縮した。再結晶(イソプロパノール:メタノール、25:1、800ml)により標題化合物(9.1g)を得た。
m/z 438 (M+H)+
δH (400MHz, d6-DMSO, Me4Si, 90℃) 9.06 (1H, s), 7.64 (1H, s), 7.25 (1H, m), 7.19 (1H, m), 4.15 (2H, s), 3.96 (2H, d, J 14Hz), 3.35-3.23 (6H, m), 2.26 (3H, s), 2.14 (2H, s), 1.96 (3H, br s), 1.69-1.62 (12H, m)。
【0070】
実施例1
NSAID/P2Xアンタゴニスト組合わせの効果を決定する薬理学的分析(P2Xアゴニスト不添加)
ヒト末梢血単球は、健常人ボランティアからEDTA血液管に集め、調製した。単球は連続勾配遠心分離により単離し、洗浄して純粋な細胞集団を得た。リポ多糖(LPS)を次いで組織培養中の細胞懸濁液に加え、これを37度(摂氏)で4〜12時間インキュベートした。次いで、NSAIDおよび/またはP2Xアンタゴニストまたはビークルを細胞に加えた。インキュベーション後、細胞上清のサンプルを96穴プレートに移し、引き続くサイトカインとメディエーター測定用とした。炎症性メディエーターの形成は、細胞上清中、サイトカインIL−1、IL−18、TNFα用、およびPGE2、NOおよびマトリックスメタロプロティナーゼ(MMP)などの他のメディエーター用の特異ELISAアッセイにより測定した。P2X受容体アンタゴニストのみの存在下、またはNSAIDのみの存在下、またはP2X受容体アンタゴニストとNSAIDとを組合わせての存在下に放出されるメディエーターのレベルを決定した。P2X受容体アンタゴニスト/NSAIDのみの効果および組合わせの効果を比較した。単一のメディエーター(IL−1またはTNFα)に対する阻害活性またはP2Xアンタゴニスト/NSAID組合わせによる複数メディエーターに対する阻害活性の統計的に有意なレベルを、P2XアンタゴニストまたはNSAID単独によって達成される阻害活性と比較して、疾患処置における上昇した有効性の指標とする。
【0071】
実施例2
NSAID/P2Xアンタゴニスト組合わせの効果を決定する薬理学的分析(P2Xアゴニスト添加)
ヒト末梢血単球は、健常人ボランティアからEDTA血液管に集め、調製した。単球は連続勾配遠心分離により単離し、洗浄して純粋な細胞集団を得た。リポ多糖(LPS)を次いで組織培養中の細胞懸濁液に加え、これを37度(摂氏)で4〜12時間インキュベートした。試験混合物を添加し、次いで、P2X受容体アゴニストBzATPを添加した。テスト混合物は対照としてのビークル、P2Xアンタゴニスト、またはP2XアンタゴニストとNSAIDとの組合わせから構成される。インキュベーション後、細胞上清のサンプルを96穴プレートに移し、引き続くサイトカインとメディエーター測定用とした。炎症性メディエーターの形成は、細胞上清中、サイトカインIL−1、IL−18、TNFα用、およびPGE2、NOおよびマトリックスメタロプロティナーゼ(MMP)などの他のメディエーター用の特異ELISAアッセイにより測定した。P2X受容体アンタゴニストのみの存在下、またはP2X受容体アンタゴニストとNSAIDとを組合わせての存在下に放出されるメディエーターのレベルを決定した。P2X受容体アンタゴニストのみにより得られる効果と、NSAIDとの組合わせにおける効果とを次いで比較した。単一のメディエーター(IL−1またはTNFα)に対する阻害活性またはP2Xアンタゴニスト/NSAID組合わせによる複数メディエーターに対する阻害活性の統計的に有意なレベルを、P2Xアンタゴニスト単独によって達成される阻害活性と比較して、疾患処置における上昇した有効性の指標とする。
【0072】
実施例3A
連鎖球菌細胞壁誘発関節炎におけるCOX−2インヒビター、セレコキシブ/P2Xアンタゴニスト組合わせの抗炎症活性の評価
連鎖球菌細胞壁(SCW)誘発関節炎は、メスのルイスラットの左踵に誘発した。動物は左踵に5μg(20μL中)のSCW(リー・ラボラトリーズ)を関節内注射により感作した。踵の腫脹は注射後3日目に評価し、非応答対象(明らかな腫脹のない動物)は除いた。応答動物は無作為に試験群に割り振った。
関節炎はSCW(100μg、500μL食塩水中)の静脈内注射により感作後21日目に誘発させた。動物をモニターし、誘発6日後の終了まで毎日評価した。ラットは大鋸屑上に収容し、食餌と水は無制限に供給した。
【0073】
この例では、P2Xアンタゴニスト1を30mg/kg(4mL/kg、1日2回)の用量で経口投与した。該化合物は脱イオン水中1%(w/v)メチルセルロース中の懸濁液として投与し、毎日新たに調製した。投与は関節炎誘発の1日前に開始し、誘発後6日目の終了時まで毎日続けた。P2Xアンタゴニスト1についてと同じ投与計画のもと、セレコキシブ(3mg/kg)を経口投与した;セレコキシブの投与はP2Xアンタゴニスト1の投与後直ちに始めた。
【0074】
踵の直径は第一日目から毎日バーニアキャリーパースにより測定した。機械的閾値はホンフレイフィラメントにより、第1、1、3および5日目に評価した。フィラメントは両足の足蹠上の踵領域に重量を増して当てる。引き込め応答を誘発する最初のフィラメントを閾値と考えた。
【0075】
踵の腫脹に対する影響と機械的閾値は、曲線下面積(AUC)に基づき、個々の日−1の差違の合計値として計算した。相互作用の大きさと方向を計算し、データ解析はAUCデータに基づき、ANOVAにより、次いでダンネット検定により実施した(SASバージョン8.01)。結果を表1に要約する。
【表1】

* p<0.01、** p<0.001 対関節炎ビークル対照
*** 組合わせのさらなる有益性を示す相互作用スコア
【0076】
上記の結果から見えることは、P2Xアンタゴニスト1とセレコキシブの組合わせがプラスの相互作用を示し、機械的な閾値の減少を生じたことである。
さらなる研究において、P2Xアンタゴニスト1はセレコキシブの1、3および10mg/kgと組合わせて、10および30mg/kgの投与量とした;この場合、2種の有効成分は単一の製剤として同時投与した。実験の終末点はすでに記載したとおりとした。これらの研究結果は、上記のように、機械的な閾値の減少を生じるプラスの相互作用を確認するものである。さらに、これらの研究からの血液サンプルを分析すると、2種の薬物を組合わせて投与したときの薬物動態学的プロフィールは、これらを個々に投与したときのプロフィールと一致することが証明された。このことは、観察されたプラスの効果が薬物の薬物動態学的プロフィールの変化によるものではなく、薬理学的相互作用の結果であることを示している。
【0077】
P2Xアンタゴニスト1とセレコキシブが踵の腫脹にあまり有益性を示さない組合せで、ホンフレイ閾値にプラスの効果をもつという知見は、この薬物の組合わせが炎症性関節痛に顕著な予想外のプラスの効果を有することを示している。
【0078】
1.カールソン(Carlson)らの文献記載に基づく実験手法;Carlson RP, Jacobsen PB; 「ラットにおけるアジュバントおよび連鎖球菌細胞壁誘発関節炎の比較;Morgan DW, Marshall LA, editors; インビトロ炎症モデル、Basel: Birkhauser Verlag; 1999。
【0079】
実施例3B
連鎖球菌細胞壁誘発関節炎におけるCOX−2インヒビター、ロフェコキシブ/P2Xアンタゴニスト組合わせの抗炎症活性の評価
P2Xアンタゴニストと組合わせたCOX−2インヒビター、ロフェコキシブの抗炎症活性を、実施例3Aに記載のプロトコールを用いて評価した。P2Xアンタゴニスト1は、ロフェコキシブ(メルク・シャープ・アンド・ドーム)(1mg/kg)と組合わせて、脱イオン水中1%(w/v)メチルセルロース中の懸濁液とし、30mg/kg(4mL/kg、1日2回)を単一製剤として経口投与した。投与は関節炎誘発の1日前に開始し、誘発後6日目の終了まで毎日続けた。結果を表2に要約する。
【表2】

* p<0.05、** p<0.0001 対関節炎ビークル対照
*** 組合わせのさらなる有益性を示す相互作用スコア
【0080】
上記の結果から見えることは、P2Xアンタゴニスト1とロフェコキシブの組合わせがプラスの相互作用を示し、機械的な閾値の減少を生じたことである。2種の薬物が踵の腫脹にあまり有益性を示さない組合せで、ホンフレイ閾値にプラスの効果をもつという知見は、この薬物の組合わせが炎症性関節痛に顕著な予想外のプラスの効果を有することを示している。さらに、この研究からの血液サンプルを分析すると、2種の薬物を組合わせて投与したときの薬物動態学的プロフィールは、これらを個々に投与したときのプロフィールと一致することが証明された。このことは、観察されたプラスの効果が薬物の薬物動態学的プロフィールの変化によるものではなく、薬理学的相互作用の結果であることを示している。
【0081】
実施例3C
連鎖球菌細胞壁誘発関節炎におけるCOX−2インヒビター、バルデコキシブ/P2Xアンタゴニスト組合わせの抗炎症活性の評価
P2Xアンタゴニストと組合わせたCOX−2インヒビター、バルデコキシブの抗炎症活性を、実施例3Aに記載のプロトコールを用いて評価した。P2Xアンタゴニスト1は、バルデコキシブ(ファイザー)(1mg/kg)と組合わせて、脱イオン水中1%(w/v)メチルセルロース中の懸濁液とし、30mg/kg(4mL/kg、1日2回)を単一製剤として経口投与した。投与は関節炎誘発の1日前に開始し、誘発後6日目の終了まで毎日続けた。結果を表3に要約する。
【表3】

* p<0.01、** p<0.0001 対関節炎ビークル対照
*** 組合わせのさらなる有益性を示す相互作用スコア
【0082】
上記の結果から見えることは、P2Xアンタゴニスト1とバルデコキシブの組合わせがプラスの相互作用を示し、機械的な閾値の減少を生じたことである。2種の薬物が踵の腫脹にあまり有益性を示さない組合せで、ホンフレイ閾値にプラスの効果をもつという知見は、この薬物の組合わせが炎症性関節痛に顕著な予想外のプラスの効果を有することを示している。さらに、この研究からの血液サンプルを分析すると、2種の薬物を組合わせて投与したときの薬物動態学的プロフィールは、これらを個々に投与したときのプロフィールと一致することが証明された。このことは、観察されたプラスの効果が薬物の薬物動態学的プロフィールの変化によるものではなく、薬理学的相互作用の結果であることを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
P2X受容体アンタゴニストである第一の有効成分、および非ステロイド性抗炎症薬である第二の有効成分を混合し、含有してなる医薬組成物。
【請求項2】
P2X受容体アンタゴニストがアダマンチル誘導体である請求項1記載の化合物。
【請求項3】
P2X受容体アンタゴニストが式:
【化1】

[式中、
mは1、2または3を表す;
各R1aは独立して水素またはハロゲン原子を表す;
はC(O)NHまたはNHC(O)を表す;
Arは基:
【化2】

を表す;
は結合、酸素原子、または基CO、(CH)1−6、CH=、(CH)1−6O、O(CH)1−6、O(CH)2−6O、O(CH)2−3O(CH)1−3、CR'(OH)、(CH)1−3O(CH)1−3、(CH)1−3O(CH)2−3O、NR5a、(CH)1−6NR5a、NR5a(CH)1−6、(CH)1−3NR5a(CH)1−3、O(CH)2−6NR5a、O(CH)2−3NR5a(CH)1−3、(CH)1−3NR5a(CH)2−3O、NR5a(CH)2−6O、NR5a(CH)2−3O(CH)1−3、CONR5a、NR5aCO、S(O)、S(O)CH、CHS(O)、SONR5aまたはNR5aSOを表す;
nは0、1または2である;
R'は水素原子またはC−Cアルキル基を表す;
2aおよびR3aの一方はハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシル、または
(i) 所望により少なくとも1つのC−Cシクロアルキルによって置換されているC−Cアルキル、
(ii) C−Cシクロアルキル、
(iii) 所望により少なくとも1つのC−Cシクロアルキルによって置換されているC−Cアルキルオキシ、および
(iv) C−Cシクロアルキルオキシ、
から選択される基を表す;
これらの基のそれぞれは、所望により1個以上のフッ素原子によって置換されている;
2aおよびR3aの他方は水素またはハロゲン原子を表す;
4aは、1個または2個の窒素原子および所望により酸素原子を含む3員ないし9員の飽和もしくは不飽和脂肪族へテロ環状環系を表し、該へテロ環状環系は、所望によりフッ素原子、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、C−Cアルキル、C−Cヒドロキシアルキル、−NR6a7a、−(CH)NR6a7aおよび−CONR6a7aから独立して選択される1つ以上の置換基によって置換されているか、または
4aは−NR6a7a、−(CH)NR6a7aおよび−CONR6a7aから独立して選択される1つ以上の置換基によって置換されている3員ないし8員の飽和炭素環状環系を表し、該環系は、所望によりフッ素原子、ヒドロキシルおよびC−Cアルキルから独立して選択される1つ以上の置換基によってさらに置換されている;
rは1、2、3、4、5または6である;
5aは水素原子またはC−CアルキルもしくはC−Cシクロアルキル基を表す;
6aおよびR7aはそれぞれ独立して水素原子またはC−Cアルキル、C−CヒドロキシアルキルもしくはC−Cシクロアルキル基を表すか、またはR6aおよびR7aはそれらが結合する窒素原子と一緒になって、3員ないし8員の飽和へテロ環状環を形成する;
ただし、
(a) AがC(O)NHを表し、R4aが1個の窒素原子を含む非置換の3員ないし8員の飽和脂肪族へテロ環状環系を表す場合、Xは結合以外のものである;また
(b) AがC(O)NHを表し、Xが基 (CH)1−6またはO(CH)1−6を表す場合、R4aは非置換イミダゾリル、非置換モルホリニル、非置換ピペリジニルまたは非置換ピロリジニル基を表さない;また
(c) AがNHC(O)を表し、R4aが1個の窒素原子を含む非置換の3員ないし8員の飽和脂肪族へテロ環状環系を表す場合、Xは結合以外のものである;また
(d) AがNHC(O)を表し、XがO(CH)1−6、NH(CH)1−6またはSCHを表す場合、R4aは非置換1−ピペリジニルまたは非置換1−ピロリジニル基を表さない;また
(e) AがNHC(O)を表し、XがO(CH)2−3NH(CH)を表す場合、R4aはイミダゾリル基を表さない]
で示される化合物、またはその医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物である請求項1または請求項2記載の組成物。
【請求項4】
P2X受容体アンタゴニストが式:
【化3】

[式中、
はCHまたはCHCHを表す;
はC(O)NHまたはNHC(O)を表す;
1bおよびR2bはそれぞれ独立して水素もしくはハロゲン原子、またはアミノ、ニトロ、C−Cアルキルもしくはトリフルオロメチル基を表す;
3bは基:
【化4】

を表す;
は酸素もしくは硫黄原子または基NH、SOもしくはSOを表す;
は酸素もしくは硫黄原子または基NR11b、SOもしくはSOを表す;
は基−OH、−SH、−COH、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、−NR6b7b、−C(O)NR8b9b、イミダゾリル、1−メチルイミダゾリル、−N(R10b)C(O)−C−Cアルキル、C−Cアルキルカルボニルオキシ、C−Cアルコキシカルボニルオキシ、−OC(O)NR12b13b、−OCHOC(O)R14b、−OCHOC(O)OR15bまたは−OC(O)OCHOR16bを表す;
4bはC−Cアルキル基を表す;
5bはC−Cアルキル基を表す;
6b、R7b、R8b、R9b、R10b、R12bおよびR13bはそれぞれ独立して水素原子を表すか、または所望により少なくとも1つのヒドロキシル基によって置換されているC−Cアルキル基を表す;
11bは水素原子を表すか、または所望によりヒドロキシルおよびC−Cアルコキシから独立して選択される少なくとも1つの置換基によって置換されているC−Cアルキル基を表す;また
14b、R15bおよびR16bはそれぞれ独立してC−Cアルキル基を表す;
ただし、
(i) EがNHC(O)を表し、XがO、SまたはNHを表し、YがOを表す場合、Zは−NR6b7b(ここで、R6bは水素原子を表し、またR7bは水素原子を表すか、または少なくとも1つのヒドロキシル基によって置換されているC−Cアルキル基を表す)を表す;
(ii) EがNHC(O)を表し、XがO、SまたはNHを表し、YがNHを表し、R5bがCHCHを表す場合、Zは−OHまたはイミダゾリルではない]
で示される化合物、またはその医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物である請求項1または請求項2記載の組成物。
【請求項5】
P2X受容体アンタゴニストが式:
【化5】

[式中、
はCHまたはCHCHを表す;
はC(O)NHまたはNHC(O)を表す;
1cおよびR2cはそれぞれ独立して水素、ハロゲン、アミノ、ニトロ、C−Cアルキルまたはトリフルオロメチルを表すが、R1cおよびR2cは、両方同時に水素を表し得ない;
3cは基:
【化6】

を表す;
4cはC−Cアルキル基を表す;
は酸素もしくは硫黄原子または基NR13c、SOもしくはSOを表す;
5cは水素を表すか、またはR5cはC−CアルキルまたはC−Cアルケニルを表し、それぞれは、所望によりハロゲン、ヒドロキシル、(ジ)−C−Cアルキルアミノ、−Y−R6c
【化7】

および窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1個ないし4個のヘテロ原子を含んでなる5員もしくは6員のヘテロ芳香環(ヘテロ芳香環は、それ自体、所望によりハロゲン、ヒドロキシルおよびC−Cアルキルから選択される少なくとも1つの置換基によって置換されている)から選択される少なくとも1つの置換基によって置換されている;
は酸素もしくは硫黄原子または基NH、SOもしくはSOを表す;
6cは基−R7cを表す(ここで、R7cはC−Cアルキル基を表し、Zは−OH、−COH、−NR8c9c、−C(O)NR10c11cまたは−N(R12c)C(O)−C−Cアルキル基を表す;また
が酸素もしくは硫黄原子または基NHを表す場合には、R6cはさらに水素、C−Cアルキル、C−Cアルキルカルボニル、C−Cアルコキシカルボニル、−C(O)NR14c15c、−CHOC(O)R16c、−CHOC(O)OR17cまたは−C(O)OCHOR18cを表す;
8c、R9c、R10c、R11cおよびR12cはそれぞれ独立して水素原子またはC−Cアルキル基を表す;
13cは水素、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキルメチルを表すか、またはR13cは所望によりヒドロキシルおよびC−Cアルコキシから選択される少なくとも1つの置換基によって置換されているC−Cアルキル基を表す;また
14c、R15c、R16c、R17cおよびR18cはそれぞれ独立してC−Cアルキル基を表す;
ただし、
がC(O)NHであり、XがO、NHまたはN(C−Cアルキル)である場合、R5cは水素原子または非置換C−Cアルキル基以外のものである]
で示される化合物、またはその医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物である請求項1または請求項2記載の組成物。
【請求項6】
P2X受容体アンタゴニストが式:
【化8】

[式中、
mは1、2または3を表す;
各R1dは独立して水素またはハロゲン原子を表す;
はC(O)NHまたはNHC(O)を表す;
Arは基:
【化9】

を表す;
2dおよびR3dの一方はハロゲン、ニトロ、アミノ、ヒドロキシル、または
(i) 所望により少なくとも1個のハロゲン原子によって置換されているC−Cアルキル、
(ii) C−Cシクロアルキル、
(iii) 所望により少なくとも1個のハロゲン原子によって置換されているC−Cアルコキシ、および
(iv) C−Cシクロアルキルオキシ、
から選択される基であり、
2dおよびR3dの他方は水素またはハロゲン原子を表す;
4dは基:
【化10】

を表す;
は酸素もしくは硫黄原子または基>N−R8dを表す;
nは0または1である;
5dは所望によりヒドロキシル、ハロゲンおよびC−Cアルコキシから選択される少なくとも1つの置換基によって置換されているC−Cアルキル基を表す;
6dおよびR7dはそれぞれ独立して水素原子、C−Cアルキル{所望によりヒドロキシル、ハロゲン、C−Cアルコキシ、および(ジ)−C−Cアルキルアミノ(それ自体、所望により少なくとも1つのヒドロキシル基によって置換されている)から選択される少なくとも1つの置換基によって置換されている}、またはC−Cシクロアルキル(所望によりヒドロキシル、ハロゲンおよびC−Cアルコキシから選択される少なくとも1つの置換基によって置換されている)を表す;また
8dは水素原子を表すか、または所望によりヒドロキシル、ハロゲンおよびC−Cアルコキシから選択される少なくとも1つの置換基によって置換されているC−Cアルキルを表す;
ただし、
(d) nが0である場合、AはNHC(O) である;また
(e) nが1であり、Xが酸素を表し、AがNHC(O) である場合、R6dおよびR7dは両方が同時に水素原子を表すものではなく、または両方が同時に非置換C−Cアルキルを表すものではない;あるいはR6dおよびR7dの一方が水素原子を表す場合、R6dおよびR7dの他方は非置換C−Cアルキルを表すものではない;また
(f) nが1であり、Xが酸素、硫黄または>NHであり、AがNHC(O)である場合、R6dおよびR7dは両方が同時に水素原子を表すものではなく、または両方が同時に非置換C−Cアルキルを表すものではない;あるいはR6dおよびR7dの一方が水素原子を表す場合、R6dおよびR7dの他方は非置換C−Cアルキルまたは−CHCHOHを表すものではない]
で示される化合物、またはその医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物である請求項1または請求項2記載の組成物。
【請求項7】
P2X受容体アンタゴニストが式:
【化11】

[式中、
mは1、2または3を表す;
はC(O)NHまたはNHC(O)を表す;
はNまたはCHを表す;
は結合、CO、(CH)1−6、O(CH)1−6、(CH)1−6NH(CH)1−6、(CH)1−6O(CH)1−6、NH(CH)1−6を表す;
はNR2e3eを表す;
1eはハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシル、C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルを表し、そのアルキルまたはシクロアルキル基は、所望により1個以上のフッ素原子によって置換され得る;
2eおよびR3eはそれぞれ独立して水素原子、C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルを表し、そのアルキルまたはシクロアルキル基は、所望によりヒドロキシル、ハロゲンまたはC−Cアルコキシから選択される1つ以上の基によって置換され得る;または
2eおよびR3eはそれらが結合する窒素原子と一緒になって、1個ないし2個の窒素原子および所望により酸素原子を含んでなる3員ないし9員の飽和単環もしくは二環式へテロ環状環を形成し、そのヘテロ環状環は、所望によりヒドロキシル、ハロゲンまたはC−Cアルコキシから選択される1つ以上の基によって置換され得る]
で示される化合物、またはその医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物である請求項1または請求項2記載の組成物。
【請求項8】
P2X受容体アンタゴニストが:
2−クロロ−5−[[2−(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−エチルアミノ]−メチル]−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)−ベンズアミド;
2−クロロ−5−[3−[(3−ヒドロキシプロピル)アミノ]プロピル]−N−(トリシクロ[3.3.1.1]デカ−1−イルメチル)−ベンズアミド;
(R)−2−クロロ−5−[3−[(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)アミノ]プロピル]−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)−ベンズアミド;
2−クロロ−5−[[2−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エトキシ]メチル]−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)−ベンズアミド;
2−クロロ−5−[3−[3−(メチルアミノ)プロポキシ]プロピル]−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)ベンズアミド;
2−クロロ−5−[3−(3−ヒドロキシ−プロピルアミノ)−プロポキシ]−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)−ベンズアミド;
2−クロロ−5−[2−(3−ヒドロキシプロピルアミノ)エチルアミノ]−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)−ベンズアミド;
2−クロロ−5−[2−(3−ヒドロキシプロピルスルホニル)エトキシ]−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)−ベンズアミド;
2−クロロ−5−[2−[2−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エトキシ]エトキシ]−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)−ベンズアミド;
2−クロロ−5−[[2−[[2−(1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)エチル]アミノ]エチル]アミノ]−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)−ベンズアミド;
2−クロロ−5−ピペラジン−1−イルメチル−N−(トリシクロ[3.3.1.1]デカ−1−イルメチル)−ベンズアミド;
2−クロロ−5−(4−ピペリジニルオキシ)−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)−ベンズアミド;
2−クロロ−5−(2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イルメチル)−N−(トリシクロ[3.3.1.1]デカ−1−イルメチル)−ベンズアミド;
2−クロロ−5−(ピペリジン−4−イルスルフィニル)−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)−ベンズアミド;
5−クロロ−2−[3−[(3−ヒドロキシプロピル)アミノ]プロピル]−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)−4−ピリジンカルボキサミド;
2−クロロ−5−[3−[[(1R)−2−ヒドロキシ−1−メチルエチル]アミノ]プロピル]−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)−3−ピリジンカルボキサミド;
5−クロロ−2−[3−(エチルアミノ)プロピル]−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)−4−ピリジンカルボキサミド;
5−クロロ−2−[3−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]プロピル]−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)−4−ピリジンカルボキサミド;
5−クロロ−2−[3−[[(2S)−2−ヒドロキシプロピル]アミノ]プロピル]−N−(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルメチル)−4−ピリジンカルボキサミド;
N−[2−メチル−5−(9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナ−3−イルカルボニル)フェニル]−トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−1−アセトアミド;
またはその医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物である請求項1または請求項2記載の組成物。
【請求項9】
第二の有効成分がCOX−2の選択的インヒビターである請求項1ないし8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
第二の有効成分がセレコキシブである請求項9記載の組成物。
【請求項11】
第二の有効成分がロフェコキシブである請求項9記載の組成物。
【請求項12】
第二の有効成分がバルデコキシブである請求項9記載の組成物。
【請求項13】
経口投与用に製剤化されている請求項1ないし12のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
第一有効成分と第二有効成分とを混合することを含む請求項1ないし13のいずれか1項に記載の医薬組成物の製造法。
【請求項15】
炎症性障害処置用の医薬の製造における請求項1ないし13のいずれか1項に記載の組成物の使用。
【請求項16】
炎症性障害が関節リウマチまたは骨関節症である請求項15記載の使用。
【請求項17】
請求項1ないし13のいずれか1項に定義した医薬組成物の治療有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む炎症性障害の処置方法。
【請求項18】
炎症性障害が関節リウマチまたは骨関節症である請求項17記載の方法。
【請求項19】
P2X受容体アンタゴニストを第一有効成分とする製剤および非ステロイド性抗炎症薬を第二有効成分とする製剤とを組合わせて含有してなる医薬製品であって、治療に際し、同時に、連続的に、または別々に使用する医薬製品。
【請求項20】
P2X受容体アンタゴニストを第一有効成分とする製剤、非ステロイド性抗炎症薬を第二有効成分とする製剤、および説明書とを含んでなるキットであって、それを必要とする患者に同時に、連続的に、または別々に投与するためのキット。

【公表番号】特表2007−505900(P2007−505900A)
【公表日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526854(P2006−526854)
【出願日】平成16年9月15日(2004.9.15)
【国際出願番号】PCT/SE2004/001334
【国際公開番号】WO2005/025571
【国際公開日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】