説明

PLL周波数シンセサイザ

【課題】ループフィルタの容量素子の面積の増大を抑制しつつループフィルタの自然周波数ωを小さくすることができるPLL周波数シンセサイザを提供する。
【解決手段】PLL周波数シンセサイザ1Aでは、位相比較部12,ゲート部13,チャージポンプ14,容量素子15,電位調整部16,電圧制御発振器18および帰還分周部19によりループが構成されている。このループにおいて、ゲート部13およびチャージポンプ14と電位調整部16とは並列的に設けられている。位相比較部12に入力される基準発振信号RCLKと帰還発振信号PCLKとの位相差が小さくなるように、チャージポンプ14から容量素子15へ充放電電流Icpが入力され、また、電位調整部16により容量素子15の第1端の電位が調整される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PLL周波数シンセサイザに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、PLL周波数シンセサイザは、電圧制御発振器,位相比較部,チャージポンプおよびループフィルタを備え、基準発振信号の周波数を定数倍した周波数を有する発振信号を出力する。
【0003】
PLL周波数シンセサイザは以下のように動作する。電圧制御発振器に制御電圧値が入力され、この制御電圧値に応じた周波数を有する発振信号が電圧制御発振器から出力される。電圧制御発振器から出力される発振信号、または、この発振信号の周波数を分周した周波数を有する信号が、帰還発振信号として位相比較部に入力される。また、基準発振信号も位相比較部に入力される。位相比較部において、これら帰還発振信号と基準発振信号との位相差が検出されて、この検出された位相差を表す位相差信号が出力される。この位相差信号を入力するチャージポンプから、この位相差信号が表す位相差に応じた充放電電流が出力される。この充放電電流はループフィルタに入力される。そして、ループフィルタから出力される制御電圧値が電圧制御発振器に入力される。このようにして、PLL周波数シンセサイザからは、基準発振信号の周波数を定数倍した周波数を有する発振信号が出力される。
【0004】
一般に、ループフィルタは抵抗器および容量素子を含む。抵抗器の第1端は、チャージポンプの出力端に接続され、また、電圧制御発振器の入力端に接続されている。抵抗器の第2端は、容量素子を介して基準電位に接続される。このようなループフィルタの特性を表す時定数のうち、自然周波数ωは下記(1)式で表され、ダンピングファクタζは下記(2)式で表される。ここで、Ipmp[A]はチャージポンプから出力される充放電電流の大きさであり、Kvco[Hz/V]は電圧制御発振器のゲインであり、C[F]は容量素子の容量値であり、R[Ω]は抵抗器の抵抗値である。
【0005】
【数1】

【0006】
【数2】

【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−280898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
PLL周波数シンセサイザは、ループフィルタの帯域が狭いこと、すなわち、ループフィルタの自然周波数ωが小さいことが好ましい。ループフィルタの自然周波数ωを小さくするには、チャージポンプから出力される充放電電流の大きさIpmpを小さくすることや、ループフィルタの容量素子の容量値Cを大きくすることが考えられる。ただし、チャージポンプから出力される充放電電流の大きさIpmpを小さくすることは、製造精度の問題から限界がある。したがって、この観点からは、ループフィルタの容量素子の容量値Cを大きくすることが好ましい。しかし、容量値Cを大きくすることは、容量素子の面積の増大につながり、ひいてはコストアップの問題が生じる。このような問題は、PLL周波数シンセサイザがLSIに内蔵される場合に特に顕著である。
【0009】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、ループフィルタの容量素子の面積の増大を抑制しつつループフィルタの自然周波数ωを小さくすることができるPLL周波数シンセサイザを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るPLL周波数シンセサイザは、(1) 入力される制御電圧値に応じた周波数を有する発振信号を出力する電圧制御発振器と、(2)電圧制御発振器から出力される発振信号または該発振信号の周波数を分周した周波数を有する信号を帰還発振信号として入力するとともに、基準発振信号をも入力し、これら帰還発振信号と基準発振信号との位相差を検出して、基準発振信号に対して帰還発振信号の位相が遅れているときに第1位相差信号を出力し、基準発振信号に対して帰還発振信号の位相が進んでいるときに第2位相差信号を出力する位相比較部と、(3)位相比較部から出力される第1位相差信号および第2位相差信号を入力して、基準発振信号のN周期(Nは2以上の整数)のうちM周期(Mは1以上N未満の整数)の割合で第1位相差信号および第2位相差信号を出力するゲート部と、(4) ゲート部から出力される第1位相差信号および第2位相差信号を入力して、これらの信号が表す位相差に応じた充放電電流を出力するチャージポンプと、(5)チャージポンプの出力端に接続される第1端と基準電位に接続される第2端とを有し、チャージポンプから出力される充放電電流を第1端に入力して充放電され、第1端の電位に応じた制御電圧値を電圧制御発振器へ出力する容量素子と、(6)位相比較部から出力される第1位相差信号および第2位相差信号を入力して、これらの信号が表す位相差に応じて容量素子の第1端の電位を上昇または下降させる電位調整部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
このPLL周波数シンセサイザでは、位相比較部,ゲート部,チャージポンプ,容量素子,電位調整部および電圧制御発振器によりループが構成されている。ただし、このループにおいて、ゲート部およびチャージポンプと電位調整部とは並列的に設けられている。このループにおいて、位相比較部に入力される基準発振信号と帰還発振信号との位相差が小さくなるように、チャージポンプから容量素子へ充放電電流が入力され、また、電位調整部により容量素子の第1端の電位が調整される。そして、このループの動作が安定した状態では、電圧制御発振器から出力される発振信号は、基準発振信号の周波数を定数倍した周波数を有する。
【0012】
本発明に係るPLL周波数シンセサイザは、容量素子の第1端と電圧制御発振器の入力端との間に設けられたローパスフィルタを更に備えるのが好適である。本発明に係るPLL周波数シンセサイザでは、電位調整部は、位相比較部から出力される第1位相差信号を入力する第1バッファと、この第1バッファの出力端と容量素子の第1端との間に設けられた第1容量素子と、位相比較部から出力される第2位相差信号を入力する第2バッファと、この第2バッファの出力端と容量素子の第1端との間に設けられた第2容量素子と、を含むのが好適である。このとき、電位調整部は、第1バッファの出力端と第1容量素子との間に設けられた第1抵抗器と、第2バッファの出力端と第2容量素子との間に設けられた第2抵抗器と、を含むのが好適である。また、電位調整部は、第1バッファおよび第2バッファそれぞれを駆動するLDO電源を含むのが好適である。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るPLL周波数シンセサイザは、ループフィルタの容量素子の面積の増大を抑制しつつ、ループフィルタの自然周波数ωを小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1比較例のPLL周波数シンセサイザ2Aの構成を示す図である。
【図2】第1比較例のPLL周波数シンセサイザ2Aに含まれるループフィルタ25Aの回路図である。
【図3】第1比較例のPLL周波数シンセサイザ2Aにおける第1位相差信号UP,第2位相差信号DN,充放電電流Icpおよび制御電圧値Vconそれぞれの波形の一例を示す図である。
【図4】第2比較例のPLL周波数シンセサイザ2Bの構成を示す図である。
【図5】第2比較例のPLL周波数シンセサイザ2Bに含まれるループフィルタ25Bの回路図である。
【図6】第1実施形態のPLL周波数シンセサイザ1Aの構成を示す図である。
【図7】第1実施形態のPLL周波数シンセサイザ1Aに含まれるゲート部13の回路図である。
【図8】第1実施形態のPLL周波数シンセサイザ1Aに含まれる電位調整部16の回路図である。
【図9】第1実施形態のPLL周波数シンセサイザ1Aに含まれる電位調整部16の詳細な回路図である。
【図10】第1実施形態のPLL周波数シンセサイザ1Aにおける各信号の波形の一例を示す図である。
【図11】第1実施形態のPLL周波数シンセサイザ1Aにおける各信号の波形の他の一例を示す図である。
【図12】第1比較例,第2比較例および第1実施形態の各PLL周波数シンセサイザにおける伝達関数モデルを示す図である。
【図13】第1比較例,第2比較例および第1実施形態の各PLL周波数シンセサイザのオープンループゲインの周波数依存性を示すグラフである。
【図14】第1比較例,第2比較例および第1実施形態の各PLL周波数シンセサイザのオープンループ位相の周波数依存性を示すグラフである。
【図15】第1比較例,第2比較例および第1実施形態の各PLL周波数シンセサイザのクローズループゲインの周波数依存性を示すグラフである。
【図16】第2実施形態のPLL周波数シンセサイザ1Bの構成を示す図である。
【図17】第2実施形態のPLL周波数シンセサイザ1Bに含まれるローパスフィルタ17の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、以下では、初めに比較例の構成を説明した後に、この比較例と対比しつつ本発明の実施形態の構成を説明する。
【0016】
(第1比較例)
【0017】
図1は、第1比較例のPLL周波数シンセサイザ2Aの構成を示す図である。この図に示される第1比較例のPLL周波数シンセサイザ2Aは、発振器20,入力分周部21,位相比較部22,チャージポンプ24,ループフィルタ25A,電圧制御発振器28および帰還分周部29を備える。
【0018】
発振器20は、例えば水晶振動子を含み、高精度に安定化された一定周波数の発振信号RCLK0を入力分周部21へ出力する。入力分周部21は、発振器20から出力された発振信号RCLK0を入力し、この発振信号RCLK0を分周して基準発振信号RCLKを生成し、この基準発振信号RCLKを位相比較部22へ出力する。
【0019】
位相比較部22は、入力分周部21から出力される基準発振信号RCLKを入力し、また、帰還分周部29から出力される帰還発振信号PCLKを入力する。位相比較部22は、これら帰還発振信号PCLKと基準発振信号RCLKとの位相差を検出する。そして、位相比較部22は、基準発振信号RCLKに対して帰還発振信号PCLKの位相が遅れているときに第1位相差信号UPをパルスとしてチャージポンプ24へ出力する。また、位相比較部22は、基準発振信号RCLKに対して帰還発振信号PCLKの位相が進んでいるときに第2位相差信号DNをパルスとしてチャージポンプ24へ出力する。
【0020】
チャージポンプ24は、位相比較部22から出力される第1位相差信号UPおよび第2位相差信号DNを入力する。そして、チャージポンプ24は、これらの信号UP,DNが表す位相差に応じた充放電電流Icpをループフィルタ25Aへ出力する。ループフィルタ25Aは、チャージポンプ24から出力される充放電電流Icpを入力して、この充放電電流Icpに応じて増減される制御電圧値Vconを電圧制御発振器28へ出力する。
【0021】
電圧制御発振器28は、ループフィルタ25Aから出力される制御電圧値Vconを入力し、この制御電圧値Vconに応じた周波数を有する発振信号OutCLKを出力する。帰還分周部29は、電圧制御発振器28から出力される発振信号OutCLKを入力し、この発振信号OutCLKを分周して帰還発振信号PCLKを生成し、この帰還発振信号PCLKを位相比較部22へ出力する。
【0022】
このPLL周波数シンセサイザ2Aでは、位相比較部22,チャージポンプ24,ループフィルタ25A,電圧制御発振器28および帰還分周部29によりループが構成されている。このループにおいて、位相比較部22に入力される基準発振信号RCLKと帰還発振信号PCLKとの位相差が小さくなるように、チャージポンプ24からループフィルタ25Aへ充放電電流Icpが入力される。そして、このループの動作が安定した状態では、電圧制御発振器28から出力される発振信号OutCLKは、基準発振信号RCLKの周波数を定数倍した周波数を有する。
【0023】
図2は、第1比較例のPLL周波数シンセサイザ2Aに含まれるループフィルタ25Aの回路図である。第1比較例におけるループフィルタ25Aは、抵抗器R1A、容量素子C1Aおよび容量素子C2Aを含む。抵抗器R1Aの一端はチャージポンプ24の出力端および電圧制御発振器28の入力端に接続されており、抵抗器R1Aの他端は容量素子C1Aを介して接地電位に接続されている。容量素子C2Aの一端はチャージポンプ24の出力端および電圧制御発振器28の入力端に接続されており、容量素子C2Aの他端は接地電位に接続されている。
【0024】
チャージポンプ24から出力されてループフィルタ25Aに入力される充放電電流Icpは、抵抗器R1Aを経て容量素子C1Aに流れ込み、容量素子C1Aにおける蓄積電荷量を変化させる。そして、ループフィルタ25Aから出力されて電圧制御発振器28に入力される制御電圧値Vconは、容量素子C1Aにおける蓄積電荷量に応じた電圧値分、および、抵抗器R1Aを流れる電流による抵抗器R1Aにおける電圧降下分、を含む。
【0025】
図3は、第1比較例のPLL周波数シンセサイザ2Aにおける第1位相差信号UP,第2位相差信号DN,充放電電流Icpおよび制御電圧値Vconそれぞれの波形の一例を示す図である。ここでは、基準発振信号RCLKに対して帰還発振信号PCLKの位相が遅れているとし、位相比較部22から出力される第1位相差信号UPがパルスとしてチャージポンプ24へ入力されるものとする。また、この図ではループフィルタ25Aが容量素子C1Bを含まない場合の波形が示されているが、ループフィルタ25Aが容量素子C1Bを含む場合には制御電圧値Vconは鈍った波形となる。
【0026】
この図に示されるように、位相比較部22から出力される第1位相差信号UPのパルスは、基準発振信号RCLKに対する帰還発振信号PCLKの位相差に応じたパルス幅φeを有する。チャージポンプ24から出力されてループフィルタ25Aに入力される充放電電流Icpの値は、その第1位相差信号UPのパルス期間に亘って電流値Ipmpとなる。
【0027】
ループフィルタ25Aに含まれる抵抗器R1Aの抵抗値をRとし、容量素子C1Aの容量値をCとする。ループフィルタ25Aから出力されて電圧制御発振器28に入力される制御電圧値Vconは、第1位相差信号UPのパルス期間では、容量素子C1Aにおける蓄積電荷量に応じた電圧値分、および、抵抗器R1Aを流れる電流による抵抗器R1Aにおける電圧降下分(Ipmp・R)を含む。第1位相差信号UPのパルス期間の後では、制御電圧値Vconは、容量素子C1Aにおける蓄積電荷量に応じた電圧値分(Ipmp・φe/C)となる。
【0028】
このような第1比較例のPLL周波数シンセサイザ2Aにおいて、前述したとおり、ループフィルタ25Aの帯域を狭くする(すなわち、ループフィルタ25Aの自然周波数ωを小さくする)には、チャージポンプ24から出力される充放電電流の大きさIpmpを小さくすることや、ループフィルタ25Aの容量素子C1Aの容量値を大きくすることが考えられる。ただし、チャージポンプ24から出力される充放電電流の大きさIpmpを小さくすることは、製造精度の問題から限界がある。一方、容量素子C1Aの容量値を大きくすることは、容量素子C1Aの面積の増大につながり、ひいてはコストアップの問題が生じる。そこで、この問題を解消するための構成として、図4に示される第2比較例の構成が考えられる。
【0029】
(第2比較例)
【0030】
図4は、第2比較例のPLL周波数シンセサイザ2Bの構成を示す図である。この図に示される第2比較例のPLL周波数シンセサイザ2Bは、発振器20,入力分周部21,位相比較部22,ゲート部23,チャージポンプ24,ループフィルタ25B,電圧制御発振器28および帰還分周部29を備える。
【0031】
図1に示された第1比較例のPLL周波数シンセサイザ2Aの構成と比較すると、この図4に示される第2比較例のPLL周波数シンセサイザ2Bは、ゲート部23を更に備える点で相違し、ループフィルタ25Aに替えてループフィルタ25Bを備える点で相違する。
【0032】
ゲート部23は、位相比較部22から出力される第1位相差信号UPおよび第2位相差信号DNを入力する。そして、ゲート部23は、基準発振信号RCLKのN周期(Nは2以上の整数)のうちM周期(Mは1以上N未満の整数)の割合で第1位相差信号UPおよび第2位相差信号DNを出力する。以降、N周期のうちM周期の割合でゲート部23から出力される第1位相差信号をUPFRQと記し、N周期のうちM周期の割合でゲート部23から出力される第2位相差信号をDNFRQと記す。ゲート部23は、これら第1位相差信号UPFRQおよび第2位相差信号DNFRQをチャージポンプ24へ出力する。以下では、M=1 とする。
【0033】
チャージポンプ24は、ゲート部23から出力される第1位相差信号UPFRQおよび第2位相差信号DNFRQを入力する。そして、チャージポンプ24は、これらの信号UPFRQ,DNFRQが表す位相差に応じた充放電電流Icpをループフィルタ25Bへ出力する。ループフィルタ25Bは、チャージポンプ24から出力される充放電電流Icpを入力して、この充放電電流Icpに応じて増減される制御電圧値Vconを電圧制御発振器28へ出力する。
【0034】
図5は、第2比較例のPLL周波数シンセサイザ2Bに含まれるループフィルタ25Bの回路図である。第2比較例におけるループフィルタ25Bは、抵抗器R1B、容量素子C1Bおよび容量素子C2Bを含む。抵抗器R1Bの一端はチャージポンプ24の出力端および電圧制御発振器28の入力端に接続されており、抵抗器R1Bの他端は容量素子C1Bを介して接地電位に接続されている。容量素子C2Bの一端はチャージポンプ24の出力端および電圧制御発振器28の入力端に接続されており、容量素子C2Bの他端は接地電位に接続されている。
【0035】
図2に示された第1比較例におけるループフィルタ25Aの構成と比較すると、この図5に示される第2比較例におけるループフィルタ25Bは、抵抗器の抵抗値および容量素子の容量値の点で相違する。すなわち、第1比較例において、抵抗器R1Aの抵抗値をRとし、容量素子C1Aの容量値をCとし、容量素子C2Aの容量値をCとすると、第2比較例においては、抵抗器R1Bの抵抗値はR・N であり、容量素子C1Bの容量値は C/N であり、容量素子C2Bの容量値はC/N である。
【0036】
このように第2比較例のPLL周波数シンセサイザ2Bでは、位相比較部22とチャージポンプ24との間に設けられたゲート部23を備えることにより、ループフィルタ25Bの容量素子C1Bの面積の増大を抑制しつつ、ループフィルタ25Bの自然周波数ωを小さくすることができる。しかし、第2比較例のPLL周波数シンセサイザ2Bにおいて設けられるゲート部23は平均して0.5・N・T_RCLK の遅延要素となるので、PLL周波数シンセサイザ2Bの動作が不安定になることが考えられる。T_RCLKは基準発振信号RCLKの周期である。そこで、このような問題を解消するための構成として、図6に示される第1実施形態の構成が考えられる。
【0037】
(第1実施形態)
【0038】
図6は、第1実施形態のPLL周波数シンセサイザ1Aの構成を示す図である。この図に示されるPLL周波数シンセサイザ1Aは、発振器10,入力分周部11,位相比較部12,ゲート部13,チャージポンプ14,容量素子15,電位調整部16,電圧制御発振器18および帰還分周部19を備える。
【0039】
発振器10は、例えば水晶振動子を含み、高精度に安定化された一定周波数の発振信号RCLK0を入力分周部11へ出力する。入力分周部11は、発振器10から出力された発振信号RCLK0を入力し、この発振信号RCLK0を分周して基準発振信号RCLKを生成し、この基準発振信号RCLKを位相比較部12へ出力する。
【0040】
位相比較部12は、入力分周部11から出力される基準発振信号RCLKを入力し、また、帰還分周部19から出力される帰還発振信号PCLKを入力する。位相比較部12は、これら帰還発振信号PCLKと基準発振信号RCLKとの位相差を検出する。そして、位相比較部12は、基準発振信号RCLKに対して帰還発振信号PCLKの位相が遅れているときに第1位相差信号UPをパルスとしてゲート部13および電位調整部16それぞれへ出力する。また、位相比較部12は、基準発振信号RCLKに対して帰還発振信号PCLKの位相が進んでいるときに第2位相差信号DNをパルスとしてゲート部13および電位調整部16それぞれへ出力する。
【0041】
ゲート部13は、位相比較部12から出力される第1位相差信号UPおよび第2位相差信号DNを入力する。そして、ゲート部13は、基準発振信号RCLKのN周期(Nは2以上の整数)のうちM周期(Mは1以上N未満の整数)の割合で第1位相差信号UPおよび第2位相差信号DNを出力する。以降、N周期のうちM周期の割合でゲート部13から出力される第1位相差信号をUPFRQと記し、N周期のうちM周期の割合でゲート部13から出力される第2位相差信号をDNFRQと記す。ゲート部13は、これら第1位相差信号UPFRQおよび第2位相差信号DNFRQをチャージポンプ14へ出力する。以下では、M=1 とする。
【0042】
チャージポンプ14は、ゲート部13から出力される第1位相差信号UPFRQおよび第2位相差信号DNFRQを入力する。そして、チャージポンプ14は、これらの信号UPFRQ,DNFRQが表す位相差に応じた充放電電流Icpを容量素子15へ出力する。
【0043】
容量素子15は、チャージポンプ14の出力端に接続される第1端と、接地電位に接続される第2端とを有する。容量素子15は、チャージポンプ14から出力される充放電電流Icpを第1端に入力して充放電され、第1端の電位に応じた制御電圧値Vconを電圧制御発振器18へ出力する。この容量素子15の容量値は、第2比較例におけるループフィルタ25Bの容量素子C1Bの容量値と同程度である。
【0044】
電位調整部16は、位相比較部12から出力される第1位相差信号UPおよび第2位相差信号DNを入力する。そして、電位調整部16は、これらの信号UP,DNが表す位相差に応じて容量素子15の第1端の電位を上昇または下降させる。
【0045】
電圧制御発振器18は、容量素子15の第1端から出力される制御電圧値Vconを入力し、この制御電圧値Vconに応じた周波数を有する発振信号OutCLKを出力する。帰還分周部19は、電圧制御発振器18から出力される発振信号OutCLKを入力し、この発振信号OutCLKを分周して帰還発振信号PCLKを生成し、この帰還発振信号PCLKを位相比較部12へ出力する。
【0046】
このPLL周波数シンセサイザ1Aでは、位相比較部12,ゲート部13,チャージポンプ14,容量素子15,電位調整部16,電圧制御発振器18および帰還分周部19によりループが構成されている。ただし、このループにおいて、ゲート部13およびチャージポンプ14と電位調整部16とは並列的に設けられている。このループにおいて、位相比較部12に入力される基準発振信号RCLKと帰還発振信号PCLKとの位相差が小さくなるように、チャージポンプ14から容量素子15へ充放電電流Icpが入力され、また、電位調整部16により容量素子15の第1端の電位が調整される。そして、このループの動作が安定した状態では、電圧制御発振器18から出力される発振信号OutCLKは、基準発振信号RCLKの周波数を定数倍した周波数を有する。
【0047】
図7は、第1実施形態のPLL周波数シンセサイザ1Aに含まれるゲート部13の回路図である。ゲート部13は、分周部130,論理積回路131および論理積回路132を含む。分周部130は、基準発振信号RCLKを入力し、基準発振信号RCLKのN周期のうち1周期の割合でハイレベルとなるゲート信号GATEを出力する。基準発振信号RCLKがハイレベルからローレベルに転じるタイミングで、ゲート信号GATEはローレベルからハイレベルに転じ、基準発振信号RCLKが次にハイレベルからローレベルに転じるタイミングで、ゲート信号GATEはハイレベルからローレベルに転じる。
【0048】
論理積回路131は、位相比較部12から出力される第1位相差信号UPを入力するとともに、分周部130から出力されるゲート信号GATEを入力する。そして、論理積回路131は、これら第1位相差信号UPとゲート信号GATEとの論理積を演算して、その演算結果である第1位相差信号UPFRQを出力する。
【0049】
論理積回路132は、位相比較部12から出力される第2位相差信号DNを入力するとともに、分周部130から出力されるゲート信号GATEを入力する。そして、論理積回路132は、これら第2位相差信号DNとゲート信号GATEとの論理積を演算して、その演算結果である第2位相差信号DNFRQを出力する。このように構成されるゲート部13は、基準発振信号RCLKのN周期のうち1周期の割合で第1位相差信号UPFRQおよび第2位相差信号DNFRQを出力することができる。
【0050】
図8は、第1実施形態のPLL周波数シンセサイザ1Aに含まれる電位調整部16の回路図である。電位調整部16は、第1バッファ161,第2バッファ162,第1抵抗器R161,第2抵抗器R162,第1容量素子C161および第2容量素子C162を含む。第1抵抗器R161および第2抵抗器R162それぞれの抵抗値は互いに等しい。第1容量素子C161および第2容量素子C162それぞれの容量値は互いに等しい。第1容量素子C161および第2容量素子C162それぞれは例えばメタルキャパシタとして実現され得る。
【0051】
第1バッファ161は第1位相差信号UPを入力する。第2バッファ162は第2位相差信号DNを入力する。第1抵抗器R161の一端は第1バッファ161の出力端に接続され、第1抵抗器R161の他端は第1容量素子C161を介して容量素子15に接続されている。第2抵抗器R162の一端は第2バッファ162の出力端に接続され、第2抵抗器R162の他端は第2容量素子C162を介して容量素子15に接続されている。
【0052】
このように構成される電位調整部16は、位相比較部12から出力される第1位相差信号UPおよび第2位相差信号DNが表す位相差に応じて容量素子15の第1端の電位を上昇または下降させることができる。
【0053】
図9は、第1実施形態のPLL周波数シンセサイザ1Aに含まれる電位調整部16の詳細な回路図である。この図では、第1バッファ161および第2バッファ162それぞれがトランジスタレベルの回路図で示されている。また、この図には、第1バッファ161および第2バッファ162それぞれを駆動するLDO(Low Drop Out)電源160も示されている。
【0054】
第1バッファ161および第2バッファ162それぞれを駆動する電源電圧の変動は、電位調整部16による容量素子15の第1端の電位調整におけるジッタの原因となる。そこで、第1バッファ161および第2バッファ162それぞれを駆動する電源として、安定した電圧値を供給することができるLDO電源160が用いられるのが好ましい。
【0055】
なお、電位調整部16において第1抵抗器R161および第2抵抗器R162は設けられなくてもよい。しかし、第1抵抗器R161が設けられない場合には、第1バッファ161が直接に第1容量素子C161を駆動するので、瞬間的な大電流が流れることになって、信頼性低下の原因となる可能性がある。第2抵抗器R162が設けられない場合も同様である。そこで、第1抵抗器R161および第2抵抗器R162が設けられることにより、信頼性が改善される。また、これらが設けられることにより、電位調整部16は、ローパスフィルタの機能をも有することになって、この点でも好都合である。
【0056】
図10および図11は、第1実施形態のPLL周波数シンセサイザ1Aにおける各信号の波形の一例を示す図である。これらの図には、上から順に、位相比較部12に入力される帰還発振信号PCLK、位相比較部12に入力される基準発振信号RCLK、位相比較部12から出力される第1位相差信号UP、位相比較部12から出力される第2位相差信号DN、電位調整部16の第1バッファ161からの出力信号UPPH、電位調整部16の第2バッファ162からの出力信号DNPHX、ゲート部13の分周部130から出力されるゲート信号GATE、ゲート部13から出力される第1位相差信号UPFRQ、ゲート部13から出力される第2位相差信号DNFRQ、および、電圧制御発振器18に入力される制御電圧値Vcon、それぞれの波形の一例が示されている。
【0057】
図10に示される例では、基準発振信号RCLKに対して帰還発振信号PCLKの位相が遅れているとし、位相比較部12から第1位相差信号UPがパルスとして出力されるものとする。また、N値を4としている。すなわち、位相比較部12から出力される第1位相差信号UPのパルスは基準発振信号RCLKの周期毎に現れるのに対して、ゲート部13から出力される第1位相差信号UPFRQのパルスは、基準発振信号RCLKの4周期のうち1周期の割合で現れる。
【0058】
したがって、基準発振信号RCLKの周期毎に位相比較部12から第1位相差信号UPがパルスとして出力される期間においては、電圧制御発振器18に入力される制御電圧値Vconは電位調整部16により調整される。また、基準発振信号RCLKの4周期のうち1周期の割合でゲート部13から第1位相差信号UPFRQがパルスとして出力される期間において容量素子15が充電され、それ以降において制御電圧値Vconは充電後の値を維持する。
【0059】
図11に示される例では、基準発振信号RCLKに対して帰還発振信号PCLKの位相が進んでいるとし、位相比較部12から第2位相差信号DNがパルスとして出力されるものとする。また、N値を4としている。すなわち、位相比較部12から出力される第2位相差信号DNのパルスは基準発振信号RCLKの周期毎に現れるのに対して、ゲート部13から出力される第2位相差信号DNFRQのパルスは、基準発振信号RCLKの4周期のうち1周期の割合で現れる。
【0060】
したがって、基準発振信号RCLKの周期毎に位相比較部12から第2位相差信号DNがパルスとして出力される期間においては、電圧制御発振器18に入力される制御電圧値Vconは電位調整部16により調整される。また、基準発振信号RCLKの4周期のうち1周期の割合でゲート部13から第2位相差信号DNFRQがパルスとして出力される期間において容量素子15が放電され、それ以降において制御電圧値Vconは放電後の値を維持する。
【0061】
ここで、第1実施形態において、容量素子15の容量値をC15とし、電位調整部16に含まれる第1容量素子C161および第2容量素子C162それぞれの容量値をC16とし、電位調整部16に含まれる第1バッファ161および第2バッファ162それぞれの出力信号UPPH,DNPHXのパルスの大きさをVphfbとする。なお、図9,図10および図11に示されるように、信号UPPH,DNPHXの各パルスは互いに逆極性である。また、第1比較例において、ループフィルタ25Aに含まれる抵抗器R1Aの抵抗値をRとし、チャージポンプ24から出力される充放電電流Icpの大きさをIpmpとする。このとき、Vphfb・C16/C15=R・Ipmpなる関係式を満たすようにすれば、第1実施形態と第1比較例とで、電圧制御発振器18から出力される発振信号OutCLKの位相の調整に関して同様の効果が得られる。
【0062】
図12は、第1比較例,第2比較例および第1実施形態の各PLL周波数シンセサイザにおける伝達関数モデルを示す図である。同図(a)は第1比較例のPLL周波数シンセサイザ2Aの伝達関数モデルを示し、同図(b)は第2比較例のPLL周波数シンセサイザ2Bの伝達関数モデルを示し、また、同図(c)は第1実施形態のPLL周波数シンセサイザ1Aの伝達関数モデルを示す。同図(b),(c)の各伝達関数モデル中に登場するτは、遅延要素であるゲート部13,23による遅延時間を表し、τ=0.5・N・T_RCLK なる式で表される。T_RCLKは基準発振信号RCLKの周期である。
【0063】
同図(b)に示された第2比較例のPLL周波数シンセサイザ2Bの伝達関数モデルでは、遅延要素であるゲート部13による位相シフトがループ内に存在する。したがって、第2比較例のPLL周波数シンセサイザ2Bの動作は不安定になる。これに対して、同図(c)に示された第1実施形態のPLL周波数シンセサイザ1Aの伝達関数モデルでは、遅延要素であるゲート部13による位相シフトは、ループ内において互いに並列的に設けられている比例項および積分項のうち積分項に対して限定的に存在する。したがって、第1実施形態のPLL周波数シンセサイザ1Aの動作は安定である。
【0064】
図13は、第1比較例,第2比較例および第1実施形態の各PLL周波数シンセサイザのオープンループゲインの周波数依存性を示すグラフである。図14は、第1比較例,第2比較例および第1実施形態の各PLL周波数シンセサイザのオープンループ位相の周波数依存性を示すグラフである。また、図15は、第1比較例,第2比較例および第1実施形態の各PLL周波数シンセサイザのクローズループゲインの周波数依存性を示すグラフである。これらは、図12に示された伝達関数モデルに基づいて計算されたものである。
【0065】
図13に示されるように、オープンループゲインの周波数依存性については、第1比較例,第2比較例および第1実施形態の各PLL周波数シンセサイザの間で相違するところは殆ど無い。
【0066】
図14に示されるように、オープンループ位相の周波数依存性については、第2比較例のPLL周波数シンセサイザ2Bでは、遅延要素であるゲート部23による位相シフトの影響により、オープンループゲインが1となるクロスオーバー周波数の付近で位相が回転しているので、位相余裕が全く無い。これに対して、第1実施形態のPLL周波数シンセサイザ1Aは、第1比較例のPLL周波数シンセサイザ2Aと同様に、位相余裕を確保することができている。
【0067】
その結果、図15に示されるように、クローズループゲインの周波数依存性については、第2比較例のPLL周波数シンセサイザ2Bでは、不安定を示すピークが現れる。これに対して、第1実施形態のPLL周波数シンセサイザ1Aは、第1比較例のPLL周波数シンセサイザ2Aと同様に、安定な特性を示している。
【0068】
以上のように、第1実施形態のPLL周波数シンセサイザ1Aは、容量素子15の面積の増大を抑制しつつ、自然周波数ωを小さくすることができ、また、安定な動作をすることができる。
【0069】
(第2実施形態)
【0070】
図16は、第2実施形態のPLL周波数シンセサイザ1Bの構成を示す図である。この図に示されるPLL周波数シンセサイザ1Bは、発振器10,入力分周部11,位相比較部12,ゲート部13,チャージポンプ14,容量素子15,電位調整部16,ローパスフィルタ17、電圧制御発振器18および帰還分周部19を備える。
【0071】
図6に示された第1実施形態のPLL周波数シンセサイザ1Aの構成と比較すると、この図16に示される第2実施形態のPLL周波数シンセサイザ1Bは、容量素子15の第1端と電圧制御発振器17の入力端との間に設けられたローパスフィルタ17を更に備える点で相違する。
【0072】
図17は、第2実施形態のPLL周波数シンセサイザ1Bに含まれるローパスフィルタ17の回路図である。ローパスフィルタ17は、抵抗器R17および容量素子C17を含む。抵抗器R17の一端は容量素子15の第1端と接続されている。抵抗器R17の他端は、電圧制御発振器17の入力端に接続され、また、容量素子C17を介して接地電位に接続されている。ローパスフィルタ17は、図17に示される構成のものが多段に接続されてなるものであってもよい。
【0073】
(変形例)
【0074】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、ゲート部13および電位調整部16は、上述した回路構成に限られず、他の回路構成であってもよい。入力分周部11は設けられていなくてもよいし、帰還分周部19も設けられていなくてもよい。
【符号の説明】
【0075】
1A,1B,2A,2B…PLL周波数シンセサイザ、10…発振器、11…入力分周部、12…位相比較部、13…ゲート部、14…チャージポンプ、15…容量素子、16…電位調整部、17…ローパスフィルタ、18…電圧制御発振器、19…帰還分周部、20…発振器、21…入力分周部、22…位相比較部、23…ゲート部、24…チャージポンプ、25A,25B…ループフィルタ、28…電圧制御発振器、29…帰還分周部。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力される制御電圧値に応じた周波数を有する発振信号を出力する電圧制御発振器と、
前記電圧制御発振器から出力される発振信号または該発振信号の周波数を分周した周波数を有する信号を帰還発振信号として入力するとともに、基準発振信号をも入力し、これら帰還発振信号と基準発振信号との位相差を検出して、前記基準発振信号に対して前記帰還発振信号の位相が遅れているときに第1位相差信号を出力し、前記基準発振信号に対して前記帰還発振信号の位相が進んでいるときに第2位相差信号を出力する位相比較部と、
前記位相比較部から出力される第1位相差信号および第2位相差信号を入力して、前記基準発振信号のN周期(Nは2以上の整数)のうちM周期(Mは1以上N未満の整数)の割合で前記第1位相差信号および前記第2位相差信号を出力するゲート部と、
前記ゲート部から出力される第1位相差信号および第2位相差信号を入力して、これらの信号が表す位相差に応じた充放電電流を出力するチャージポンプと、
前記チャージポンプの出力端に接続される第1端と基準電位に接続される第2端とを有し、前記チャージポンプから出力される充放電電流を前記第1端に入力して充放電され、前記第1端の電位に応じた前記制御電圧値を前記電圧制御発振器へ出力する容量素子と、
前記位相比較部から出力される第1位相差信号および第2位相差信号を入力して、これらの信号が表す位相差に応じて前記容量素子の第1端の電位を上昇または下降させる電位調整部と、
を備えることを特徴とするPLL周波数シンセサイザ。
【請求項2】
前記容量素子の前記第1端と前記電圧制御発振器の入力端との間に設けられたローパスフィルタを更に備えることを特徴とする請求項1に記載のPLL周波数シンセサイザ。
【請求項3】
前記電位調整部が、
前記位相比較部から出力される第1位相差信号を入力する第1バッファと、
この第1バッファの出力端と前記容量素子の前記第1端との間に設けられた第1容量素子と、
前記位相比較部から出力される第2位相差信号を入力する第2バッファと、
この第2バッファの出力端と前記容量素子の前記第1端との間に設けられた第2容量素子と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のPLL周波数シンセサイザ。
【請求項4】
前記電位調整部が、
前記第1バッファの出力端と前記第1容量素子との間に設けられた第1抵抗器と、
前記第2バッファの出力端と前記第2容量素子との間に設けられた第2抵抗器と、
を含むことを特徴とする請求項3に記載のPLL周波数シンセサイザ。
【請求項5】
前記電位調整部が、前記第1バッファおよび前記第2バッファそれぞれを駆動するLDO電源を含む、ことを特徴とする請求項3に記載のPLL周波数シンセサイザ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−272968(P2010−272968A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−121118(P2009−121118)
【出願日】平成21年5月19日(2009.5.19)
【出願人】(399011195)ザインエレクトロニクス株式会社 (61)
【Fターム(参考)】