説明

PLL回路およびその制御方法

【課題】従来のPLL回路は発振周波数を精度良くかつ安定して制御することができないという問題があった。
【解決手段】本発明にかかるPLL回路は、2つのクロック信号の位相差を検出するPFD401と、PFD401の検出結果に基づいて電圧404を出力するLPF403と、電圧404に基づいて出力するVCO出力クロック406の周波数を制御するVCO405と、VCO出力クロック406を分周して出力クロック408を出力する分周器407と、電圧404に基づいて分周器407の分周比を調整する自動調整回路411と、を備える。さらに自動調整回路411は、分周器407を制御する制御信号419と基準電圧を制御する制御信号420とを出力する比較回路434と、基準電圧選択器413と、を備える。このような回路構成により、PLL回路の発振周波数を精度良くかつ安定して制御することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PLL回路およびその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、高速化の進展が目覚しいHDMI(High Definition Multimedia Interface)の送受信回路の最も重要な構成部品のひとつに、広帯域のPLL(Phase Locked Loop)がある。特に、HDMIの受信回路に使用されるPLLには、HDMI送信回路から供給される基準クロックがHDMIのクロックチャネルを介して入力される。そして、この基準クロックに基づいて逓倍された周波数のクロックがPLLから出力される。このとき、PLLから出力されるクロックの周波数は、HDMIのデータチャネルの伝送レートに相当する周波数である必要がある。ここで、HDMIのデータチャネルの周波数は数百MHzから数GHzまで変化する。したがって、HDMIの受信回路に使用されるPLLは、そのような幅広い周波数の出力クロックの周波数範囲において正確にロック(同期)することが要求される。さらに、出力クロックのランダムジッタを所望の伝送エラーレートによって設定される所定値以下に抑えることが要求される。
【0003】
図4に典型的なPLL回路のブロック図を示す。図4に示すPLL回路は、位相周波数検知回路101(Phase−Frequency Detector、以下PFDと称す)と、チャージポンプ102(Charge Pump、以下CPと称す)と、ループフィルタ103(Loop Filter、以下LPFと称す)と、電圧制御発振器105(Voltage Controlled Oscillator、以下VCOと称す)と、1/Nプログラマブル分周器107と、1/Mプログラマブル分周器109と、から構成される。
【0004】
外部から入力される基準クロック110と、PLL回路の出力クロックの周波数を1/Mに分周(Mは1以上の整数。分周比M)した比較クロックと、がPFD101に入力される。PFD101は、この2つの信号の位相差を比較してパルス信号として出力する。CP102は、PFD101から出力されたパルス信号に応じた電圧の信号を出力する。LPF103は、CP102から出力された信号を直流信号に変換し、コントロール電圧104として出力する。VCO105は、コントロール電圧104に応じた周波数のクロック信号を、VCO出力クロック106として出力する。1/Nプログラマブル分周器107は、VCO出力クロック106の周波数を1/Nに分周(Nは1以上の整数。分周比N)し、PLLの出力クロック108として出力する。1/Mプログラマブル分周器109は、出力クロック108の周波数を1/Mに分周(Mは1以上の整数。分周比M)し、PFD101の比較クロックとして出力する。ここで、1/Nプログラマブル分周器107の分周比が"1"の場合(N=1)を考える。このとき、PLL回路は基準クロック110の周波数をM倍に逓倍した出力クロック108を出力する。
【0005】
図5に、VCO105に入力されるコントロール電圧104と、VCO出力クロック106の周波数との典型的な関係を示す。図5に示すように、VCO105に入力されるコントロール電圧104が大きくなると、その電圧に比例してVCO出力クロック106の周波数が増加する。
【0006】
また、図6に、VCO出力クロック106の周波数と、そのランダムジッタと、の典型的な関係を示す。図6に示すように、一般的にVCO出力クロック106の周波数がある周波数範囲よりも高くなると、VCO出力クロック106のランダムジッタが急激に増加するような特性を示す。同様に、VCO出力クロック106の周波数がある周波数範囲よりも低くなると、VCO出力クロック106のランダムジッタが急激に増加するような特性を示す。図6の例では、VCO出力クロック106の周波数がF1よりも低い場合や、VCO出力クロック106の周波数がF2よりも高い場合には、ランダムジッタが急激に増加する様子を示している。例えば、このPLL回路に許容されるランダムジッタの上限値をR1とする。このとき、図6の例では、ランダムジッタの値がR1以下となるのはVCO出力クロック106の周波数がF1からF2の範囲である。
【0007】
一方、PLL回路の出力クロック108に要求される最小周波数をFLとする。また、PLLに要求される出力クロック108の最大周波数をFHとする(ただし、FL<FH)。このとき、1/Nプログラマブル分周器107の分周比をN=1に保持したまま、PLLの出力クロック108の全周波数が、FLからFHの周波数範囲内を動作することが理想的である。しかし、現実にはこのような広い周波数範囲において低ランダムジッタを満足させることは非常に難しい。
【0008】
図5及び図6において、例えば、1/Nプログラマブル分周器107の分周比が"1"の場合(N=1)を考える。即ち、出力クロック108の周波数とVCO出力クロック106の周波数が同じである場合を考える。このとき、図6に示すように、VCO出力クロック106の周波数がFHのとき、ランダムジッタは許容値R1以下である。しかし、VCO出力クロックの周波数がFLのとき、ランダムジッタは許容値R1を超えてしまう。ここで、図5に示すように、VCO出力クロック106の最小周波数FLをF1以上に設定するには、コントロール電圧104を大きくする必要がある。そのため、PLL回路は、1/Nプログラマブル分周器107等の分周比を制御する機能を備えることが望ましい。それにより、コントロール電圧104を常にV1からV2の間の値を示すように自動調整することができる。このような制御方法の例として、特許文献1が開示されている。
【0009】
図8に、特許文献1に開示されているPLLクロック信号生成回路を示す。図9の回路は、位相比較器(PFD)101と、チャージポンプ(CP)102と、フィルタ(LPF)103と、電圧制御発振器(VCO)104と、第1分周器105と、第2分周器106と、逓倍率制御回路107と、から構成される。更に、逓倍率制御回路107は、図9に示すように、リファレンス電圧の上限値検出用の第1シュミットトリガ回路201、リファレンス電圧の下限値検出用の第2シュミットトリガ回路202、状態検出用のANDゲート203、状態検出用のNORゲート204、分周器切り換え用Dフリップフロップ205、ANDゲート206、ORゲート207から構成されている。
【0010】
フィルタ103から出力されるリファレンス電圧(コントロール電圧)LPFINは、電圧制御発振器104に入力されるとともに、逓倍率制御回路107に備えられた2個のシュミットトリガ回路201、202に入力される。また、図10に示すように、シュミットトリガ回路201は、レファレンス電圧LPFINが、電圧制御発振器104が正常に動作する電圧範囲の上限値VCHを上回ると、出力信号がL状態からH状態に変化する。一方、図11に示すように、シュミットトリガ回路202は、電圧制御発振器104のレファレンス電圧LPFINが、電圧制御発振器104が正常に動作する電圧範囲の下限値VCLを下回ると、出力信号がH状態からL状態に変化する。
【0011】
この特許文献1に示すPLLクロック信号生成回路は、電圧制御発振器104が正しく動作する入力電圧範囲が狭い場合において、基準クロックの周波数範囲を広げても正しいロック(同期)状態を維持することを目的としている。
【0012】
それを実現するために、逓倍率制御回路107は、レファレンス電圧LPFINの値が常に電圧制御発振器104が正常に動作する電圧範囲(下限値VCLから上限値VCHの間。以下、単に下限値VCL、上限値VCHと称す)を維持するように、第1分周器105と第2分周器106の分周比を制御している。具体的には、リファレンス電圧LPFINが上限値VCHを上回ったことがシュミットトリガ回路201によって検知されると、第1分周器105と第2分周器106の分周比をそれぞれ1段階小さくする。つまり、位相比較器101に入力される比較クロックDIVOUTの周波数を1段階大きくする。ここで、位相差比較器101の補正が働くことにより、電圧制御発振器104の発振周波数が小さくなる。それにより、リファレンス電圧LPFINが低下する。一方、リファレンス電圧LPFINが下限値VCLを下回ったことがシュミットトリガ回路202によって検知されると、第1分周器105と第2分周器106の分周比をそれぞれ1段階大きくする。つまり、位相比較器101に入力される比較クロックDIVOUTの周波数を1段階小さくする。ここで、位相差比較器101の補正が働くことにより、電圧制御発振器104の発振周波数が大きくなる。それにより、リファレンス電圧LPFINが上昇する。
【0013】
ここで、電圧制御発振器104に入力されるリファレンス電圧LPFINは、PLLが正常にロックして動作している場合でも、フィルタ103から出力されるリップル電圧成分によって常に微小電圧だけ変動している。そのため、リファレンス電圧LPFINが上限値VCHもしくは下限値VCL付近の値を示した場合、PLLの動作が不安定になる可能性がある。そのような現象を回避するため、特許文献1の回路では、ヒステリシス特性を有するシュミットトリガ回路201、202によりリファレンス電圧LPFINを制御している。それにより、リップル電圧の影響によりリファレンス電圧LPFINが変動しても、逓倍率制御回路107から安定した制御信号LPFOUTを出力することができる。したがって、PLLの動作を安定させることができる。
【0014】
前述のように、特許文献1に開示されているPLLクロック生成回路では、電圧制御発振器104に入力されるレファレンス電圧LPFINが、電圧制御発振器104が正常に動作する電圧範囲内の値(下限値VCL、上限値VCHの間)をとるように制御される。ここで、VCHおよびVCLの本来あるべき値(理想値)をそれぞれVCH_idealおよびVCL_idealと呼ぶことにする。VCH_idealおよびVCL_idealを決定する方法はいろいろと考えられる。例えば、電圧制御発振器104を回路シミュレーションして求める方法や、電圧制御発振器104を搭載したデバイスの実測結果から求める方法がある。
【0015】
このとき、VCHをVCH_idealに、VCLをVCL_idealに出来るだけ正確に一致させることが極めて重要である。仮にVCHがVCH_idealよりも高い値に設定された場合、自動調整の結果としてレファレンス電圧LPFINが電圧制御発振器104の正常動作範囲からはずれてしまう。同様に、VCLがVCL_idealよりも低い値に設定された場合、自動調整の結果としてレファレンス電圧LPFINが電圧制御発振器104の正常動作範囲からはずれてしまう。その結果、PLLが正しく動作しない可能性がある。一方、VCHがVCH_idealよりも低い値に設定された場合、レファレンス電圧LPFINが電圧制御発振器104の正常動作範囲の全域の値をとらないことになる。同様に、VCLがVCL_idealよりも高い値に設定された場合、レファレンス電圧LPFINが電圧制御発振器104の正常動作範囲の全域の値をとらないことになる。つまり、PLLの動作範囲に過剰な制約を加えることになってしまう。
【0016】
ここで、特許文献1では、実際の回路動作において生成される値がVCH_ideal、VCL_idealとして設定されたと考えられる。つまり、この例では、ヒステリシス特性を有するシュミットトリガ回路201、202の実際の動作おける閾値電圧が、それぞれVCH_ideal、VCL_idealとして設定されたと考えられる。しかし、一般的に、シュミットトリガ回路の閾値は、LSIの製造プロセス、動作電圧、動作温度等のばらつきの影響を受けやすい。したがって、それらのばらつきの影響によってシュミットトリガ回路の閾値は電源電圧の数十パーセントも変動することがある。したがって、特許文献1の回路では、電圧制御発振器104のレファレンス電圧LPFINが正常動作範囲内の値(VCH_idealからVCL_idealの範囲の値)を示していることを正確に検出することは困難である。つまり、特許文献1のPLL回路では、クロック周波数を正確に自動調整することは困難である。ここで、電圧制御発振器104の特性が電気シミュレーション結果と実LSIの間でずれが生じた場合等に対応するために、VCHおよびVCLの値を外部からの制御信号によって調整する機能があることが望ましい。しかし、前述のようにシュミットトリガ回路の閾値を正確に決定することが困難であるため、VCHおよびVCLの値自体を調整する機能を実現することも難しい。
【0017】
図12に、特許文献2に開示されているPLL回路を示す。図12に示す回路は、PFD14と、ループフィルタ(LPF)18と、VCO20と、CLK分周器22と、判定回路30と、制御ユニット32と、から構成される。特許文献2によると、このPLL回路に入力される基準クロックの周波数が幅広い周波数範囲をとる場合に、PLL回路の周波数逓倍率を自動的に調整する。それにより、PLL回路の出力クロック周波数を比較的一定に保つことを目的としている。図12に示すように、VCO20に入力される電圧(コントロール電圧)が、設定された電圧範囲内にあるかどうかを判定回路30で判定する。そして、この判定結果に基づいて制御ユニット32がCLK分周器22の逓倍率を制御する。それにより、PLL回路から出力されるクロック信号の周波数を安定させている。しかし、特許文献2には、ヒステリシス特性を有する回路によるコントロール電圧の制御方法については言及されていない。したがって、微小な電圧変動によりPLLの動作が不安定になる可能性がある。
【0018】
特許文献3に開示されているPLL回路及びその制御方法は、PLL回路の出力クロックの発振周波数範囲を自動調整することを目的としている。そこで、特許文献3のPLL回路は、発振周波数範囲を段階的に制御できる電圧制御可変発振器(図13)を備える。図13に示すように、LCタンク型の電圧制御発振器の発振ノードに付加する容量の大きさを制御信号CONT0、CONT1、CONT2、CONT3で切り替えることによって、電圧制御発振器の発振周波数を制御するものである。しかし、特許文献3においても、ヒステリシス特性を有する回路によるコントロール電圧の制御方法については言及されていない。したがって、微小な電圧変動によりPLLの動作が不安定になる可能性がある。
【特許文献1】特開2005−143030号公報
【特許文献2】特表2001−520471号公報
【特許文献3】特開2002−208857号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
上述のように、従来のPLL回路は発振周波数を精度良くかつ安定して制御することができないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明にかかるPLL回路は、基準信号とフィードバック信号との位相差を検出する位相差比較回路と、前記位相差比較回路の出力信号に基づいて制御電圧を出力するフィルタ回路と、前記制御電圧に基づいて出力するクロック信号の周波数を制御する電圧制御発振回路と、前記クロック信号を分周して前記フィードバック信号を出力する分周回路と、前記制御電圧に基づいて前記分周回路の分周比を調整する自動調整回路と、を備えたPLL回路であって、前記自動調整回路は、前記制御電圧と第1の基準電圧との電位差に基づいて前記分周比を制御するための第1の制御信号と、前記第1の基準電圧を制御するための第2の制御信号と、を出力する比較回路と、前記第2の制御信号に基づいて前記第1の基準電圧を選択し出力する基準電圧選択回路と、を備える。
【0021】
また、本発明にかかるPLL回路の制御方法は、基準信号とフィードバック信号との位相差を検出し、前記位相差に基づいて制御電圧を生成し、前記制御電圧に基づいて出力するクロック信号の周波数を制御し、前記制御電圧と第1の基準電圧との電位差に基づいて前記クロック信号の分周比を制御して前記フィードバック信号を生成し、前記制御電圧と前記第1の基準電圧との電位差に基づいて前記第1の基準電圧を制御するものである。
【0022】
上述のような回路構成により、PLL回路の発振周波数を精度良くかつ安定して制御することが可能である。
【発明の効果】
【0023】
本発明により、発振周波数を精度良くかつ安定して制御することが可能なPLL回路を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下では、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0025】
発明の実施の形態1
本発明の実施の形態1について図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態1のPLL回路のブロック図である。このPLL回路は、入力される2つのクロックの位相差を比較するPFD(位相差比較回路)401と、入力信号に応じた電圧を出力するCP(チャージポンプ)402と、パルス信号を直流成分に変換するLPF(フィルタ回路)403と、入力電圧に応じた周波数のクロック信号を出力するVCO(電圧制御発振回路)405と、入力されたクロック信号の周波数を1/Nに分周(Nは1以上の整数。分周比N)する1/Nプログラマブル分周器(分周回路)407と、入力されたクロック信号の周波数を1/Mに分周(Mは1以上の整数。分周比M)する1/Mプログラマブル分周器409と、入力電圧に応じた制御信号を出力する自動調整回路411と、を備える。さらに、自動調整回路411は、基準電圧発生器(基準電圧生成回路)412と、基準電圧選択器(基準電圧選択回路)413と、比較回路434と、を有する。なお、比較回路434は、第1の電圧コンパレータ(第1のコンパレータ)416と、第2の電圧コンパレータ(第2のコンパレータ)417と、コントローラ(コントロール回路)418と、を有する。
【0026】
PFD401の一方の入力端子は、外部入力端子に接続される。PFD401の他方の入力端子は、1/Mプログラマブル分周器409の出力端子に接続される。PFD401の出力端子は、CP402の入力端子に接続される。CP402の出力端子は、LPF403の入力端子に接続される。LPF403の出力端子は、VCO405の入力端子と、自動調整回路411の入力端子と、にそれぞれ接続される。VCO405の出力端子は、1/Nプログラマブル分周器407の一方の入力端子に接続される。自動調整回路411の出力端子は、1/Nプログラマブル分周器407の他方の入力端子に接続される。1/Nプログラマブル分周器407の出力端子は、外部出力端子と、1/Mプログラマブル分周器409の入力端子と、にそれぞれ接続される。
【0027】
基準電圧発生器412の各出力端子は、基準電圧選択器413の各入力端子にそれぞれ接続される。基準電圧選択器413の一方の出力端子は、第1の電圧コンパレータ416の一方の入力端子に接続される。基準電圧選択器413の他方の出力端子は、第2の電圧コンパレータ417の一方の入力端子に接続される。第1の電圧コンパレータ416の他方の入力端子と、第2の電圧コンパレータ417の他方の入力端子には、LPF403の出力端子が接続される。第1の電圧コンパレータ416の出力端子は、コントローラ418の一方の入力端子に接続される。第2の電圧コンパレータ417の出力端子は、コントローラ418の他方の入力端子に接続される。コントローラ418の一方の出力端子は、1/Nプログラマブル分周器407の入力端子に接続される。コントローラ418の他方の出力端子は、基準電圧選択器413の入力端子に接続される。
【0028】
外部から入力される基準クロック(基準信号)410と、PLL回路の出力クロックの周波数を1/Mに分周した比較クロック(フィードバック信号)と、がPFD401に入力される。PFD401は、この2つの信号の位相差を比較してパルス信号として出力する。CP402は、PFD401から出力されたパルス信号に応じた電圧の信号を出力する。LPF403は、CP402から出力された信号を直流信号に変換し、コントロール電圧404として出力する。VCO405は、コントロール電圧404に応じた周波数のクロックを、VCO出力クロック406として出力する。1/Nプログラマブル分周器407は、VCO出力クロック406の周波数を1/Nに分周し、PLLの出力クロック408として出力する。1/Mプログラマブル分周器409は、出力クロック408の周波数を1/Mに分周し、PFD401の比較クロックとして出力する。
【0029】
また、自動調整回路411において、基準電圧発生器412から出力された複数の基準電圧が基準電圧選択器413に入力される。基準電圧選択器413には、さらにコントローラ418から出力された第2の制御信号420が入力される。基準電圧選択器413は、第2の制御信号420に基づいて複数の基準電圧のいずれかを選択的に指定し、それぞれ第1の基準電圧414、第2の基準電圧415として出力する。第1の電圧コンパレータ416の一方の入力端子には、第1の基準電圧414が入力される。また、第1の電圧コンパレータ416の他方の入力端子には、コントロール電圧404が入力される。第1の電圧コンパレータ416は、入力された2つの電圧を比較した結果をコントローラ418の一方の入力端子に出力する。同様に、第2の電圧コンパレータ417の一方の入力端子には、第2の基準電圧415が入力される。第2の電圧コンパレータ417の他方の入力端子には、コントロール電圧404が入力される。第2の電圧コンパレータ417は、入力された2つの電圧を比較した結果をコントローラ418の他方の入力端子に出力する。コントローラ418は、コンパレータ416、417から出力された信号に基づいて、1/Nプログラマブル分周器407を制御する第1の制御信号419を出力する。また、コントローラ418は、コンパレータ416、417から出力された信号に基づいて、基準電圧選択器413を制御する第2の制御信号420を出力する。
【0030】
次に、本発明の実施の形態1にかかるPLL回路の動作を説明する。なお、図5及び図6は、PLL回路の一般的な関係を示した図であるため、本発明の実施の形態1の例においても適用できる。したがって、図5はVCO405のコントロール電圧404とVCO出力クロック406の周波数の関係を表すものとする。また、図6はVCO出力クロック406の周波数とそのランダムジッタの関係を表すものとする。また、図5及び図6のその他の説明は前記と同様であるため省略する。
【0031】
まず、予めVCO405の回路シミュレーション等により、VCO出力クロック406のランダムジッタが許容値R1以下となるようなコントロール電圧404の下限値V1と上限値V2を求めておく。ここで求められたV1、V2が基準電圧発生器412に設定される。
【0032】
図2に基準電圧発生器412と基準電圧選択器413の回路構成の例を示す。基準電圧発生器412は、抵抗素子421〜425を有する。抵抗素子421〜425は、電源電圧端子(高電位側電源)VDDと接地電圧端子(低電位側電源)GNDとの間に直列に接続されている。具体的には、抵抗素子421の一方の端子は、電源電圧端子VDDに接続される。抵抗素子421の他方の端子は、ノード426を介して抵抗素子422の一方の端子に接続される。抵抗素子422の他方の端子は、ノード427を介して抵抗素子423の一方の端子に接続される。抵抗素子423の他方の端子は、ノード428を介して抵抗素子424の一方の端子に接続される。抵抗素子424の他方の端子は、ノード429を介して抵抗素子425の一方の端子に接続される。抵抗素子425の他方の端子は、接地電圧端子GNDに接続される。
【0033】
基準電圧選択器413は、Pチャネル型MOSトランジスタ(以下、PMOSと称す)431、432と、Nチャネル型MOSトランジスタ(以下、NMOSと称す)430、433と、を有する。NMOS430のドレインは、基準電圧発生器412のノード426に接続される。PMOS431のソースは、基準電圧発生器412のノード427に接続される。PMOS432のソースは、基準電圧発生器412のノード428に接続される。NMOS433のドレインは、基準電圧発生器412のノード429に接続される。NMOS430のソースと、PMOS431のドレインは、それぞれ共通のノードを介して第2の電圧コンパレータ417の一方の入力端子に接続される。PMOS432のドレインと、NMOS433のソースは、それぞれ共通のノードを介して第1の電圧コンパレータ416の一方の入力端子に接続される。ここで、各トランジスタ430〜433のゲートには第2の制御信号420が入力される。それにより、各トランジスタのオンオフが制御される。
【0034】
ここで、基準電圧発生器412において、抵抗素子412〜425の抵抗成分を調整することにより、ノード426〜429の電圧レベルを設定することができる。具体的には、ノード427はV2に相当する基準電圧502を示すように設定する。ノード426はV2より適当な値ΔVだけ大きい(ただし、ΔV>0)基準電圧501を示すように設定する。ノード428はV1に相当する基準電圧503を示すように設定する。ノード429はV1より適当な値ΔVだけ小さい基準電圧504を示すように設定する。
【0035】
基準電圧選択器413において、第2の制御信号420がロウレベルを示す場合、PMOS431とPMOS432がオンする。また、NMOS430とNMOS433はオフする。それにより、基準電圧502(V2)が第2の基準電圧415として基準電圧選択器413から出力される。また、基準電圧503(V1)が第1の基準電圧414として基準電圧選択器413から出力される。一方、第2の制御信号420がハイレベルを示す場合、NMOS430とNMOS433がオンする。また、PMOS431とPMOS432がオフする。それにより、基準電圧501(V2+ΔV)が第2の基準電圧415として基準電圧選択器413から出力される。また、基準電圧504(V1−ΔV)が第1の基準電圧414として基準電圧選択器413から出力される。
【0036】
ここで、第1の電圧コンパレータ416において、コントロール電圧404が第1の基準電圧414より大きくなると、出力信号がロウレベルからハイレベルに遷移する。また、第1の電圧コンパレータ416において、コントロール電圧404が第1の基準電圧414より小さくなると、出力信号がハイレベルからロウレベルに遷移する。同様に、第2の電圧コンパレータ417において、コントロール電圧404が第2の基準電圧415より大きくなると、出力信号がロウレベルからハイレベルに遷移する。また、第2の電圧コンパレータ417において、コントロール電圧404が第2の基準電圧415より小さくなると、出力信号がハイレベルからロウレベルに遷移する。ここで、第1の電圧コンパレータ416では、コントロール電圧404の下限電圧を検出するものとする。また、第2の電圧コンパレータ417では、コントロール電圧404の上限電圧を検出するものとする。
【0037】
次に、1/Nプログラマブル分周器407の分周比を自動調整するコントローラ418の動作シーケンスについて図3を用いて説明する。まず、第2の制御信号420をロウレベルにセットすることにより、第1の基準電圧414として基準電圧503(V1)を、第2の基準電圧415として基準電圧502(V2)を選択する(S501)。
【0038】
次に、第1の制御信号419により1/Nプログラマブル分周器407の分周比を1(N=1)にセットする(S502)。そして、コントロール電圧404が安定するまで一定時間待機する(S503)。その後、第1の電圧コンパレータ416によりコントロール電圧404と第1の基準電圧414を比較するとともに、第2の電圧コンパレータ417によりコントロール電圧404と第2の基準電圧415を比較する(S504)。
【0039】
第1の電圧コンパレータ416の出力信号と、第2の電圧コンパレータ417の出力信号がともにロウレベルである場合、かつ、分周比Nが最大値Nmax(Nmaxは、1/Nプログラマブル分周器407が取り得る分周比Nの最大値)の場合(S505のNO)、S501に戻る。第1の電圧コンパレータ416の出力信号と、第2の電圧コンパレータ417の出力信号がともにロウレベルである場合、かつ、分周比Nが最大値Nmax以外の場合(S505のYES)、第1の制御信号419により1/Nプログラマブル分周器407の分周比Nを1段階大きくする(S507)。例えば、分周比N=1を分周比N=2にする。つまり、1/Nプログラマブル分周器407から出力されるクロック信号の周波数を1段階小さくする。その後、S503に戻る。
【0040】
第1の電圧コンパレータ416の出力信号と、第2の電圧コンパレータ417の出力信号がともにハイレベルである場合、かつ、分周比Nが"1"の場合(S506のNO)、S501に戻る。第1の電圧コンパレータ416の出力信号と、第2の電圧コンパレータ417の出力信号がともにハイレベルである場合、かつ、分周比Nが"1"以外の場合(S506のYES)、第1の制御信号419により1/Nプログラマブル分周器407の分周比Nを1段階小さくする(S508)。例えば、分周比N=2を分周比N=1にする。つまり、1/Nプログラマブル分周器407から出力されるクロック信号の周波数を1段階大きくする。その後、S503に戻る。
【0041】
第1の電圧コンパレータ416の出力信号がハイレベルであって、かつ、第2の電圧コンパレータ417の出力信号がともにロウレベルである場合(正常動作の範囲内)、第2の制御信号420をハイレベルにセットする(S509)。それにより、第1の基準電圧414として基準電圧504(V1−ΔV)を、第2の基準電圧415として基準電圧501(V2+ΔV)を選択する。つまり、第1の電圧コンパレータ416及び第2の電圧コンパレータ417の判定結果にヒステリシス特性を持たせる。その後、S503に戻る。
【0042】
このような自動調整回路411を常に動作させることにより、1/Nプログラマブル分周器407の分周比Nを最適な値に制御することができる。つまり、基準クロック410の周波数の変化によりPLLの出力クロック408の周波数が変化しても、1/Nプログラマブル分周器407の分周比を最適な値に制御することができる。その際、外部からの制御を一切加える必要がない。その結果、コントロール電圧404は常にPLL回路の正常動作範囲内の値を示す。つまり、出力クロック408のランダムジッタを常に許容値以下に抑えることができる。
【0043】
さらに、図3のS509に示すように、コントロール電圧404が正常動作範囲内で動作することを確認した後は、電圧コンパレータ416、417の判定結果にヒステリシス特性を持たせている。それにより、リップル電圧等による微小なコントロール電圧404の変動に対して自動調整回路411が過敏に応答することを防ぐことができる。
【0044】
一例として、図6に示すように、このPLLに許容されるVCO出力クロック406のランダムジッタの上限値をR1とする。また、許容値R1以下を示すVCO出力クロック406の周波数の最小値をF1とする。許容値R1以下を示すVCO出力クロック406の周波数の最大値をF2とする。ここで、1/Nプログラマブル分周器407の分周比を1に設定(N=1)した場合に、このPLLを使用するアプリケーションから要求されるVCO出力クロック406の最小周波数をFLとする。また、そのときのVCO出力クロック406の最大周波数をFHとする。なお、FH>FL、F2>FH、F1>FL、F2>(F1×2)という関係があるものと仮定する。
【0045】
このとき、VCO出力クロック406の周波数がFL付近では、明らかにランダムジッタが許容値R1を超過してしまう。この場合に、自動調整回路411によって1/Nプログラマブル分周器407の分周比が例えば"2"(N=2)に制御される。このときのPLL回路の出力クロック408の周波数とそのランダムジッタの関係を図7に示す。なお、N=2の場合に、ランダムジッタが許容値R1以下を示すVCO出力クロック406の周波数の最小値をF3とする。また、そのときのVCO出力クロック406の最大値をF4とする。図7の例に示すように、F3はFLよりも小さな値(FL>F3)を示す。そのため、PLL回路の出力クロック408の周波数がFLからFHまでのいずれの値を示した場合でも、ランダムジッタを許容値R1以下に制御することができる。したがって、このPLL回路を使用するアプリケーションの要求を満たすことが出来る。
【0046】
以上のように、本発明の実施の形態のPLL回路では、基準電圧発生器412および基準電圧選択器413によって、コントロール電圧404の下限値V1と上限値V2に相当する2個の基準電圧414、415を発生させる。例えば、この下限値V1と上限値V2の電圧範囲は、VCO出力クロック406のランダムジッタが許容値R1以下を示す電圧範囲である。この2つの基準電圧414、415とVCOコントロール電圧404とをそれぞれ比較することにより、コントロール電圧404が設定した電圧範囲内にあることを精度よく検出することができる。また、1/Nプログラマブル分周器の分周比がいったん適切な値に設定された後は、第1の基準電圧414をV1からV1−ΔVに、第2の基準電圧415をV2からV2+ΔVに変化させる。それにより、リップル電圧等による微小なコントロール電圧404の変動に対して自動調整回路411が過敏に応答することを防ぐことができる。それにより、PLLの動作を安定させることができる。
【0047】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、本実施の形態では2個の基準電圧と2個のコンパレータを用いた例について説明したが、これに限られない。例えば、3個以上の基準電圧と、3個以上のコンパレータを用いた回路構成も可能である。あるいは、1個の基準電圧と1個のコンパレータを用いた回路構成も可能である。また、本実施の形態では、自動調整回路411を常に動作させた場合の例について説明したが、これに限られず、外部からの制御信号により自動調整回路411を一時的に停止させるような回路構成も可能である。
【0048】
また、本発明の実施の形態では、基準電圧選択器413にMOSトランジスタが備えられた場合の例について説明したが、これに限られず、他のスイッチ素子を備えても良い。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施の形態1にかかるPLL回路を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかる自動調整回路の一部を示す回路図である。
【図3】本発明の実施の形態1にかかる自動調整回路の処理を示すフローチャートである。
【図4】従来技術のPLL回路のブロック図である。
【図5】典型的なVCOのコントロール電圧とVCO出力クロック周波数の関係を示す図である。
【図6】典型的なVCO出力クロック周波数とそのランダムジッタの関係を示す図である。
【図7】PLL出力クロックの周波数とそのランダムジッタの関係を示す図である。
【図8】特許文献1のPLL回路を示すブロック図である。
【図9】特許文献1の逓倍率制御回路の例を示す回路図である。
【図10】特許文献1のシュミットトリガ回路の入出力特性を示す図である。
【図11】特許文献1のシュミットトリガ回路の入出力特性を示す図である。
【図12】特許文献2のPLL回路を示すブロック図である。
【図13】特許文献3の電圧制御可変周波数発振器の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
【0050】
401 PFD
402 CP
403 LPF
404 コントロール電圧
405 VCO
406 VCO出力クロック
407 1/Nプログラマブル分周器
408 出力クロック
409 1/Mプログラマブル分周器
410 基準クロック
411 自動調整回路
412 基準電圧発生器
413 基準電圧選択器
414 第1の基準電圧
415 第2の基準電圧
416 第1の電圧コンパレータ
417 第2の電圧コンパレータ
418 コントローラ
419 第1の制御信号
420 第2の制御信号
421 抵抗素子
422 抵抗素子
423 抵抗素子
424 抵抗素子
425 抵抗素子
426 ノード
427 ノード
428 ノード
429 ノード
430 Pチャネル型MOSトランジスタ
431 Pチャネル型MOSトランジスタ
432 Nチャネル型MOSトランジスタ
433 Nチャネル型MOSトランジスタ
434 比較回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準信号とフィードバック信号との位相差を検出する位相差比較回路と、
前記位相差比較回路の出力信号に基づいて制御電圧を出力するフィルタ回路と、
前記制御電圧に基づいて出力するクロック信号の周波数を制御する電圧制御発振回路と、
前記クロック信号を分周して前記フィードバック信号を出力する分周回路と、
前記制御電圧に基づいて前記分周回路の分周比を調整する自動調整回路と、を備えたPLL回路であって、
前記自動調整回路は、
前記制御電圧と第1の基準電圧との電位差に基づいて前記分周比を制御するための第1の制御信号と、前記第1の基準電圧を制御するための第2の制御信号と、を出力する比較回路と、
前記第2の制御信号に基づいて前記第1の基準電圧を選択し出力する基準電圧選択回路と、を備えたPLL回路。
【請求項2】
前記第1の制御信号は、前記制御電圧と前記第1の基準電圧との電位差に加え、前記制御電圧と第2の基準電圧との電位差に基づき、
前記第2の制御信号は、前記第1の基準電圧に加え、前記第2の基準電圧を制御するものであって、
前記基準電圧選択回路は、前記第2の制御信号に基づいて前記第1及び前記第2の基準電圧を選択し出力することを特徴とする請求項1に記載のPLL回路。
【請求項3】
前記基準電圧選択回路は、
前記制御電圧が前記第1の基準電圧と前記第2の基準電圧との電圧範囲内である場合において、前記電圧範囲を広げるように前記第1及び前記第2の基準電圧を選択し出力することを特徴とする請求項2に記載のPLL回路。
【請求項4】
前記比較回路は、
前記第1の基準電圧と前記制御電圧との電位差を比較する第1のコンパレータと、
前記第2の基準電圧と前記制御電圧との電位差を比較する第2のコンパレータと、
前記第1及び前記第2のコンパレータの比較結果に基づいて前記第1及び前記第2の制御信号を出力するコントロール回路と、を備えた請求項2または3に記載のPLL回路。
【請求項5】
前記自動調整回路は、
高電位側電源と低電位側電源との間に直列に接続された抵抗素子の電圧降下に基づいて基準電圧を生成する基準電圧生成回路をさらに備え、
前記基準電圧選択回路は、前記基準電圧生成回路から出力された複数の基準電圧のいずれかを選択し出力することを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載のPLL回路。
【請求項6】
基準信号とフィードバック信号との位相差を検出し、
前記位相差に基づいて制御電圧を生成し、
前記制御電圧に基づいて出力するクロック信号の周波数を制御し、
前記制御電圧と第1の基準電圧との電位差に基づいて前記クロック信号の分周比を制御して前記フィードバック信号を生成し、
前記制御電圧と前記第1の基準電圧との電位差に基づいて前記第1の基準電圧を制御するPLL回路の制御方法。
【請求項7】
前記制御電圧と前記第1の基準電圧との電位差に加え、前記制御電圧と第2の基準電圧との電位差に基づいて前記フィードバック信号の分周比を制御して前記フィードバック信号を生成し、
前記制御電圧と前記第1の基準電圧との電位差に加え、前記制御電圧と前記第2の基準電圧との電位差に基づいて前記第1及び前記第2の基準電圧を制御する請求項6に記載のPLL回路の制御方法。
【請求項8】
前記制御電圧が前記第1の基準電圧と前記第2の基準電圧との電圧範囲内である場合において、前記第1及び前記第2の基準電圧との電圧範囲を広げるように、前記第1及び前記第2の基準電圧を制御することを特徴とする請求項6または7に記載のPLL回路の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−135956(P2010−135956A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−308131(P2008−308131)
【出願日】平成20年12月3日(2008.12.3)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】