説明

PVDにより疎水性金属酸化物を被覆した非粘着性金属物品

非粘着性物品を示す。実質的にアモルファスの微細構造を有する疎水性酸化物層1を備えた金属基体2を含む。非粘着性物品は、好ましくはPVD法により作られる。用いる適切な方法は、電子ビーム蒸着(EB)法である。キャパシタもしくは電池のような電子部品の製造に用いてもよく、または低融点金属と接触する表面として用いてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の開示は、電子部品の製造工程で用いるまたは低融点金属と表面が接触するような、非粘着性(または非付着性、non-stick)を要する用途向けの金属製品に関する。より詳細には、少なくとも1つのコーティング層を有する金属基体より成る金属物品に関する。コーティング層は、アモルファスの微細構造(microstructure)を有する疎水性金属酸化物より成る。さらにこのような金属製品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
非粘着性物品および材料は、例えば輸送ベルト、とりわけベーキング、凍結乾燥等のような食品加工用のような多くの異なる用途に用いられている。他の例は、多くの種類の炉の床板(またはベースプレート)のような産業上の生産工程で用いる支持材料である。支持面であろうとガイド面であろうと、産業上の工程で接触面として機能する全ての表面は、基本的に、例えば製造する目的物が問題なく次の工程に輸送可能でなければならない場合、通常非粘着性を有する必要がある。非粘着性表面は、製造する目的物が表面から滑り落ちるまたは表面を滑る必要がある場合には、低摩擦であってもよく、目的物が表面に粘着せずに静止している必要がある場合には高摩擦であってもよい。
【0003】
非粘着性物品を提供するという課題を解決するのに、概して、2つの異なる方法がある。第1の方法は、表面に薄い閉じた水の膜(thin closed water film)を形成するものである。この解決策は、通常の温度、即ち室温近辺、に適している。他の解決策は、液体または他の物質により、濡らすまたは反応することのない表面を提供することである。この後者の解決策は、低温および高温の両方で用いてもよい。
【0004】
ポリマー、混合物またはセラミックスのような異なる種類の材料をベースにした様々な種類の非粘着性物品がある。一般的な、非粘着性ポリマー材料は、例えば国際公開公報第WO03/088796A1号に開示されているポリテトラフルオロエチレンがベースの材料(PTFE、またテフロン(登録商標)(Teflon)(登録商標)としても知られている)である。しかしながら、PTFEベースの材料は、用いるのが比較的高価(とりわけ、大規模の対象物には)である。さらに、産業上の環境でのPTFEベースの材料の寿命は、かなり限定される。非粘着性の用途に用いられる材料の他の例は、例えば米国特許公開公報第2004/253432号に開示されている、Al、TiO、ZrOである。この場合、液体の薄い閉じた幕が表面に形成することから、上記の酸化物は、それらが親水性を有することから使用され、これにより周囲の環境により粒子が表面を滑る。
【0005】
国際公開公報第WO99/36193号は、親水性または疎水性を有してもよい、伝導性のアモルファス非粘性コーティングを与える方法を開示する。このコーティングは、調理容器、カミソリの刃または医療機器のような多くの用途で用いることが可能である。基体は、金属でもよく、コーティングは、例えば窒化チタン、酸化アルミニウムまたは酸化ジルコニウムでもよい。これらの場合、コーティングはスパッタリングにより基体に付ける(または塗布する)。
【0006】
非粘着性は、濡れ角(接触角ともいう)を用いることにより測定できる。濡れ角は液体の液滴と固体表面との間の界面での接線の角度(tangent angle)である。完全な親水性表面では濡れ角は0°(しばしば、超親水性表面と言われる)であり、疎水性表面では濡れ角は90°以上である。図3は、濡れ角αを有する表面上の液滴Dを含む親水性の例と、濡れ角βを有する別の液滴Dを含む疎水性の例を示す。濡れ角は平衡状態において、Youngの式により求めてもよい。
【0007】
【数1】

【0008】
ここでθは、濡れ角であり、γは対応する界面間の表面張力を示す。さらに、sは固体を、vは基体を、lは液体を示す。PTFEの水との濡れ角は概して、約110°であり、グラファイトは約85°、ところがリコンの場合は、約50°と考えられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明においては、とりわけ産業上の環境において用いることができる新しい種類の非粘着物品を開発することがゴールである。特定の産業上の用途によっては、非粘着性物品への要望は、概して高い。非粘着性に加え、物品は、長い使用期間を有する必要、腐食環境でも耐久性を有する必要、および約200℃のような高い温度および低い温度でも使用可能である必要がある。また、非粘着性物品は、しばしば例えば高負荷(特に高温において)で用いた場合に高い機械的強度を有する必要もある。さらに、市場において収益性を有するように容易に製造できる必要がある。従って、製造方法は、連続的で、例えば少なくとも長さ100メートルのストリップ状(または帯状)基体のような大きな物品を製造できなければならない。
【0010】
従って、本発明は、製造するのに費用効果が高く、電子部品の製造工程または低融点金属と接触する表面のような過酷な産業上の環境においてさえも使用するのに適した、非粘着性の金属基体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した目的は、アモルファス構造を有する、実質的に疎水性の金属酸化物より本質的に成る少なくとも1つのコーティング層を備えた金属基体を含む非粘着性物品を提供することにより達成される。コーティング層の金属酸化物は、好ましくは、Ti、Al、Si、Crおよび/またはZrをベースとする酸化物から選択される。コーティング層は好ましくは大変薄く、即ち、最大で500nmであり、薄く、均一な層を得るようにPVD法により製造する。コーティング層の基体への付着は極めて良好で、コーティングが剥離または剥がれることなしに、基体は、基体の厚さと同じ半径で少なくとも90°、通常180°曲げることが可能である。
【0012】
この非粘着性金属物品は、キャパシタもしくはバッテリーのような電子部品の製造に用いるのに、または低融点金属と接触する表面として適当である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
非粘着性金属物品およびこのような金属物品の製造方法を、図面を用いて、より詳細に説明する。これらの図は本発明を制限するものと解してならず、本発明の特定の例を示すものである。本発明をより明確にするためにいくつかの特徴部は拡大していることから、図は実際の縮尺ではないことに留意すべきである。
【0014】
本発明にかかる非粘着性金属製品は、図1および2に示すように、基体2と、非粘着性を有する、少なくとも1つの実質的に疎水性のアモルファスコーティング層とから成る。本明細書において、「実質的に疎水性」とは、少なくとも60°、より好ましくは少なくとも90°の水との濡れ角を有することを意味する。例え、中間結合層を有することが可能でも、主に経済的な理由により、非粘着性コーティングは、好ましくは下に配置された基体と直接接触する。非粘着コーティングは、全ての場合において、基体の最も外側のコーティングである。非粘着性金属物品は、基体と優れた接着力を有し、コーティングが如何なる剥離等の傾向を示すことなく、この金属製品の厚さと等しい半径で少なくとも90°、通常は180°曲げることが可能である。コーティングの基体への優れた接着力は、スタンピング、スリッティング(または裁断)またはカッティングのような従来の形成方法により意図した最終形状に金属製品を加工することを可能にする。
【0015】
この金属製品の非粘着性コーティング層は、少なくとも1つの金属酸化物Meを含む。ここで、Meは少なくとも1つの金属であり、好ましくはy≧xである。1つの実施形態では、Meは、Ti、Al、Si、Crおよび/またはZrから選択される。この金属酸化物は、実質的にアモルファスの微細構造を有する。好ましくは、MeがTi、Zrおよび/またはSiより選択される場合、y≧2xであり、MeがAl、および/またはCrから選択される場合、y≧1.5xである。
【0016】
必要に応じ適宜、コーティングは、コーティングまたはコーティングの表面を更に安定にする元素または化合物のような添加剤をも含んでもよい。本明細書において、安定にする(または安定化)とは、その最も広い意味で解釈しなければならず、従って、例えばアモルファス微細構造を安定にする、コーティングの耐食性を改善するおよび/またはコーティングを紫外線照射より保護する添加剤を含む。添加剤は、堆積工程(deposition process)の間に添加してもよく、または例えば、添加剤を含む溶液で表面を処理するように、堆積工程の後に添加してもよい。
【0017】
例えば、金属酸化物がTiOのようなTiの場合、安定にする添加剤は、Siまたは、SiO(xは、1〜2)もしくはシロキサンのようなSiを含む化合物でもよい。これら特定の添加剤は、とりわけ、より耐指紋性に優れたコーティングをもたらし、Tiの安定化をもたらす。
【0018】
非粘着性コーティングの厚さは、概して、意図した最終物品で適合させる。しかしながら、主に経済的理由から可能な限り薄い方が好ましい。本発明にかかる1つの実施形態では、非粘着性コーティングの厚さは、最大で500nm、好ましくは最大250nm、より好ましくは最大150nm、最も好ましくは最大100nmである。
【0019】
別の実施形態では、コーティング層の金属酸化物は実質的に化学量論的組成を有し、コーティングの表面の原子と反応し得る、引力の作用(attracting)する原子および/または化合物へのより低い感受性(susceptibility)をもたらす。従って、化学量論的組成は、コーティングの非粘着性を改善する。
【0020】
別の実施形態では、金属酸化物は、化学量論的組成に対し酸素過剰の組成(oxygen-over stoichiometric composition)を有する。この場合、過剰の酸素は、組成物に置換型または侵入型で固溶しており、これにより、より高い確率で実際の表面の組成は化学量論的組成を有することを確かにする。
【0021】
非粘着性に影響を及ぼす他の特性は表面ポテンシャル(または表面電位)である。従って、一つの実施形態では、物品に粘着してはいけない物質と、物品の表面とは、互いにできるだけ近い電位を有しなければならない。
【0022】
本発明にかかる基体は金属である。意図した最終物品に適した如何なる幾何学的形状であってもよい。例えば、最終物品が輸送ベルトの場合、基体は、好ましくは図1に示すようなストリップ3の形態を有する、または最終物品がプラスチックシートを巻き付けるための支持ローラの場合、基体は、好ましくは図2に示すようなチューブ4の形態を有する。基体は、また、意図する用途および/または環境において必要であれば、例えば基体を厚い空気が通り抜けることが可能になるように穴を開けてもよい。基体の適切な厚さは、通常、0.1mm〜5mmであるが、しかしより厚い基体も用いてもよい。
【0023】
好ましくは、基体は、Fe、Al、Cu、Niまたはこれら元素のいずれかをベースにする合金よりなる。最終物品が十分な機械的強度を要する場合、例えば産業上の製造方法において支持体として用いる場合、炭素鋼またはステンレス鋼を基体として用いることはとりわけ有利である。ステンレス鋼は、基体の変形のリスクが小さいことから、例えば炉を通過する輸送ベルトのような高い温度において、非常に適している。
【0024】
好ましい実施形態では、キャパシタまたはバッテリーのような電子部品の高温における製造方法で非粘着性物品を用いる場合、非粘着性物品の膨張により電子部品にダメージを生じないように、好ましくは、基体は低い熱膨張率を有する。本明細書において低い熱膨張率とは、250℃で、10μm/m℃以下を意味する。
【0025】
より詳細には、UNS K93600のような実質的に、60〜70%のFeおよび30〜40%のNiより成り、250℃において約3μm/m℃の熱膨張を有する。
【0026】
金属酸化物コーティングは、アモルファスコーティングを生じる如何なる従来のコーティング法によっても製造することが可能である。しかしながら、比較的早く、比較的低い基体温度で実施することができる工程であるPVDを用いる。PVD法の低い温度のために、コーティングの元素の拡散は、抑制され、これにより元素は結晶層を形成しにくくなる。さらに、PVDを用いることにより、優れた接着性を有する非常に薄くて均一なコーティングが上述のように形成され得る。
【0027】
本発明の1つの実施形態では、コーティングは、連続的なPVD法により製造され、これにより、最終の長さを得るために溶接により一緒にする必要のない、長さが少なくとも20kmまでの非粘着性の被覆された基体を製造し得る。また、所望であれば、被覆した基体は、バッチ法に比べ、意図する最終物品のはるかに低い製造コストをもたらす、より短いピースに切断してもよい。
【0028】
この連続的なPVD法を図4に示す。基体5は、少なくとも1つの必要に応じ適宜適用できる、基体表面の残留油分をおよび/または初めからある(native)酸化物層を除去するような前処理チャンバー6と、少なくとも1つの堆積チャンバー7と、必要に応じ適宜適用できる、上述した安定化剤を有する付加的な表面処理のような、少なくとも1つの後処理用チャンバー8とを介して、2つのローラ9の間を通ることが可能である。コーティングが連続的なPVD法により形成された場合、基体はローラ9でコイルにできる必要があることから、基体は好ましくは、ストリップまたはワイヤーの形態である。この種類の方法での基体の適切な厚さは、通常3mm以下である。
【0029】
この用途に用いる適切なPVD法の一例は電子ビーム(EB)蒸着法である。EB蒸着法を用いる主な利点は、高速CVD法と比べ、コーティングが少なくとも100倍の速度で形成され得ることから、例えばCVDまたはスパッタリングと比べEB蒸着法は高速の方法であることである。電子ビーム蒸着法は、また、アモルファスコーティングを形成するのに、工程を制御するのが相当に容易な方法でもある。また、この方法は、大変高速であることから、基体が高温に曝される時間も比較的短い。このことは、アモルファスのコーティングを形成することを容易にし、また引張強さ、平坦度および幾何学的寸法のような基体の特性が低下するリスクを低減する。さらに、他の方法と比べ、例えば長さ1キロメートルの基体のような大規模の基体であっても、コーティングの厚さ変化の低い公差を比較的容易に達成する。
【0030】
本発明の非粘着性金属物品は、ポリマーベースの材料のような比較的軟らかい材料のプレス、クランプの際のように機械的強度が必要な産業上の製造工程の支持板もしくは支持ストリップまたはスペーシングプレート(または板状スペーサー)もしくはスペーシングストリップ(またはストリップ状スペーサー)として、適切に用いてもよい。このような例の1つは、フィルムキャパシタ(またはフィルムチップキャパシタ)の製造における使用である。図5は、メタライズしたポリマーのような、より薄くされるべき、ベルト状の2つの軟らかい材料の間に位置する支持ストリップとして粘着性金属物品を用いる例を示す。ベルトをコイラー12に導入し、非粘着性物品は、別のコイラー11に位置する。1組のガイドローラ13は、一緒にロールで延ばされるベルトが、この軟らかい材料の寸法を減少させるために用いる1組のローラ14にガイドすることを確かにする。
【0031】
さらに、非粘着性金属物品は、例えば電池用のリチウム箔(またはフォイル、foil)を圧延するためのローラのような、低融点金属の薄い箔の製造工程にも用いることが可能である。また、ボビンおよび中間プレートのような、リチウム電池の製造工程の他の装置にも非粘着性金属物品を用いてもよい。
【0032】
また更なる用途として、油または他の液体用の漏斗、錫の兵隊(tin soldier)のような低融点金属の鋳造物品用のモールド、キャパシタまたはバッテリーのような電子部品製造において、例えば圧延時のような、ポリマー加工時の補強基体(または補強基材)として用いてもよい。
【実施例1】
【0033】
0.68wt% C、13wt% Cr、0.4wt% Si、0.6wt% Mnの概略組成を有し、引張強さが1070MPaであるストリップ基体に、連続工程の電子ビーム蒸着PVDにより実質的に化学量論的組成のTiO層を被覆した。ストリップ基体の厚さは0.10mmであり、TiO層の厚さは、約60nmであった。X線回折による分析では、TiOの微細構造に結晶相は認められなかった。表面に対する水の濡れ角は71°〜75°の範囲であった。
【0034】
非粘着性被覆を被覆した金属物品に、SS−EN ISO 7438規格に従った曲げ試験を行い、ストリップは、基体の厚さと同じ、即ち0.10mmの半径で180°曲げられた。TiO被膜には、剥がれ等の傾向は認められなかった。
【0035】
非粘着性被膜を被覆した金属物品は、メタライズしたPETフィルムからのキャパシタの製造で、約200℃〜約220℃に加熱する際に、中間支持ストリップ(intermediate support strip)として首尾良く用いた。非粘着性の基体は、この用途において優れた機械的強度を備え、非粘着性被覆をした金属物品表面へのメタライズしたPETフィルムの固着の傾向は認められなかった。さらに、この非粘着性被覆をした金属物品は、この用途に用いる従来の材料よりも経済的方法により製造された。
【実施例2】
【0036】
0.09wt% C、16.3wt% Cr、1.15wt% Si、7.3wt% Ni、0.7wt% Mo、1.25wt% Mnの概略組成を有し、引張強さが2180MPaであるストリップ基体に、実質的に化学量論的組成のAl層を設けた。ストリップ基体の厚さは0.10mmであり、TiO層の厚さは、約50nmであった。X線回折による分析では、TiOの微細構造に結晶相は認められなかった。表面に対する水の濡れ角は85°〜90°の範囲であった。
【0037】
被覆をした基体は、高温とりわけ還元雰囲気下での使用に特に適していると考えられる。チップフィルムキャパシタの製造工程においても、首尾良く用いてもよい。
【実施例3】
【0038】
実施例1に示した非粘着性物品とは、選択した基体が異なるだけで製造された。本実施例ではUNS K93600ストリップ基体を用いた。メタライズしたPETフィルムからのキャパシタの製造において、約250℃まで加熱する際に、非粘着性被覆をした金属物品を中間支持ストリップとして用いた。実施例1の非粘着性物品と比較し、低膨張率の基体の使用は、250℃より高い製造温度において製造される部品のダメージのリスクが低減することが明らかになった。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】コーティングを含む、ストリップ、板またはバーの形態の金属基体を示す図である。
【図2】コーティングを含む、チューブの形態の金属基体を示す図である。
【図3】親水性表面、疎水性表面それぞれの濡れ角を示す図である。
【図4】可能なコーティング方法の例を示す図である。
【図5】本発明にかかる非粘着性金属製品である中間支持ストリップを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属基体と少なくとも1つのコーティング層とを含む、電子部品の製造に用いる、または表面が低融点金属と接触する、非粘着性金属物品であって、コーティング層が、アモルファスの微細構造を有する実質的に疎水性の金属酸化物より本質的に成ることを特徴とする非粘着性金属物品。
【請求項2】
コーティング層が厚さ500nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の非粘着性金属物品。
【請求項3】
金属酸化物の金属がTi、Al、Si、Cr、および/またはZrから選択されることを特徴とする請求項1または2に記載の非粘着性金属物品。
【請求項4】
金属酸化物が本質的にTiOより成ることを特徴とする請求項3に記載の非粘着性金属物品。
【請求項5】
TiOが、必要に応じ適宜、SiまたはSiOもしくはシロキサンのようなSi含有化合物により安定化されることを特徴とする請求項4に記載の非粘着性金属物品。
【請求項6】
金属基体が炭素鋼またはステンレス鋼より成ることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の非粘着性金属物品。
【請求項7】
金属基体が、250℃での熱膨張率が10μm/m℃以下の合金であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の非粘着性金属物品。
【請求項8】
金属基体が、本質的に60〜70%Feおよび30〜40%Niより成ることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の非粘着性金属物品。
【請求項9】
PVD法により金属基体にアモルファスの微細構造を有する実質的に疎水性の金属酸化物層を少なくとも1つ備えることを特徴とする請求項1に記載の非粘着性物品の製造方法。
【請求項10】
電子ビーム蒸着PVD法により金属酸化物層を備えることを特徴とする請求項9に記載の製造方法。
【請求項11】
請求項1〜8のいずれかに記載の非粘着性金属物品を含むことを特徴とする、リチウム電池製造工程でLi金属箔を運ぶためのボビン。
【請求項12】
請求項1〜8のいずれかに記載の非粘着性金属物品を含むことを特徴とする、産業上の製造工程で用いる支持板またはスペーシングプレート。
【請求項13】
請求項1〜8のいずれかに記載の非粘着性金属物品を含むことを特徴とする、電池用のリチウム箔の圧延ローラ。
【請求項14】
請求項1〜8のいずれかに記載の非粘着性金属物品を含むことを特徴とする、電子部品の製造工程の支持ストリップ。
【請求項15】
請求項1〜8のいずれかに記載の非粘着性金属物品を含むことを特徴とする、産業上の製造工程のポリマー材料のための支持ストリップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−532802(P2008−532802A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−500675(P2008−500675)
【出願日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際出願番号】PCT/SE2006/000313
【国際公開番号】WO2006/096127
【国際公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【出願人】(505277521)サンドビック インテレクチュアル プロパティー アクティエボラーグ (284)
【Fターム(参考)】