説明

RAC−1GTPaseのGTPase阻害因子とその使用方法およびその結晶構造

好ましい実施形態は、一般的に、RhoファミリーのGTPaseのメンバー(好ましくは、Rac(Rac1、Rac2、および/またはRac3)のGTP結合活性に影響を与える方法および組成物、そのような組成物には、GTP/GDP交換活性を調節する化合物が含まれて、加えて、Rac GTPaseを認識する化合物をスクリーニングする工程が含まれている化合物の使用、ならびに、Racが含まれるRhoファミリーのGTPaseに関連するかまたはそれに関係している生理学的症状を処置する方法に関する。好ましい実施形態はまた、例えば、治療用ツール、診断用ツール、および研究用ツールとして、そのような化合物あるいはその誘導体を使用する方法にも関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物のRhoファミリーのタンパク質によって媒介される適応症を処置するための方法であって、そのような処置が必要な被験体に対して、以下の式(IIa)を有している少なくとも1種類の化合物または式(IIa)の化合物の、塩の安全であり有効な量を投与する工程が含まれる、方法:
【化1】

(式中:
からRは、H、−X−Alk、−X−Alk−X’、および−X−Y−X’からなる群より別々に選択され;式中、
Xは、−CRであり;
X’は−CHRであり;
AlkはC〜C18の置換されているか、または未置換の炭化水素鎖であり;
Yは、C〜Cの置換されているか、または未置換のアルキレン鎖であり;
は、Hまたは(C1〜C4)アルキルであり;ならびに
およびRは、Hまたは(C1〜C4)アルキルからなる群より別々に選択される。)
【請求項2】
前記Alkが、ハロ、ハロ(C1〜C4)アルコキシ、(C3〜C8)シクロアルキル、ヒドロキシ、またはアセチルで置換される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記YがNR基で置換される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
哺乳動物のRhoファミリーのタンパク質によって媒介される適応症を処置するための方法であって、そのような処置が必要な被験体に対して、以下の式(III)を有している少なくとも1種類の化合物または式(III)の化合物の塩の、安全であり有効な量を投与する工程が含まれる、方法:
【化2】

(式中:
10からR12は、H、ハロ、(C1〜C4)アルキル、分岐した(C3〜C4)アルキル、ハロ(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルコキシ、NO、およびNHからなる群より別々に選択される。)
【請求項5】
10からR12が、H、(C1〜C4)アルキル、または分岐している(C3〜C4)アルキルからなる群より別々に選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
哺乳動物のRhoファミリーのタンパク質によって媒介される適応症を処置するための方法であって、そのような処置が必要な被験体に対して、以下の式(IV)を有している少なくとも1種類の化合物またはその薬学的に許容される塩の、安全であり有効な量を投与する工程が含まれる、方法:
【化3】

【請求項7】
前記化合物が、N6−(2−((4−(ジエチルアミノ)−1−メチルブチル)アミノ)−6−メチル−4−ピリミジニル)−2−メチル−4,6−キノリンジアミンである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記哺乳動物のRhoファミリーのGTPaseが、RhoA、RhoB、RhoC、RhoD、RhoE/Rnd3、Rnd1/Rho6、Rnd2/Rho7、RhoG、Rac1、Rac2、Rac3、Cdc42、TC10、TTF/RhoH、RhoL、Chp、WRCH1、TCL、RIF、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記Rho GTPaseが、Rac1、Rac2、Rac3、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記Rho GTPaseがRac1である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記化合物が、Rac GTPaseとの相互作用を通じてRho調節経路と相互作用する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記Rac GTPaseが、Rac1、Rac2、およびRac3からなる群より選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記Rac GTPaseがRac1である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記適応症が、白血病、前立腺ガン、卵巣ガン、膵臓ガン、肺ガン、乳ガン、肝臓ガン、頭頸部ガン、結腸ガン、膀胱ガン、非ホジキンリンパ腫、および黒色腫からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記適応症が異常な細胞増殖である、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記適応症がガン細胞の増殖である、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記適応症が、高血圧、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、脳虚血、脳血管痙攣、神経変性、脊髄損傷、乳ガン、結腸ガン、前立腺ガン、卵巣ガン、脳腫瘍、または肺ガン、血栓疾患、喘息、緑内障、骨粗鬆症、および勃起不全からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
N6−(2−((4−(ジエチルアミノ)−1−メチルブチル)アミノ)−6−メチル−4−ピリミジニル)−2−メチル−4,6−キノリンジアミンと薬学的に許容される担体が含まれている、医薬組成物。
【請求項19】
N6−(2−((4−(ジエチルアミノ)−1−メチルブチル)アミノ)−6−メチル−4−ピリミジニル)−2−メチル−4,6−キノリンジアミン化合物が、少なくとも1重量%である、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項20】
さらに別の薬学的有効成分が含まれている、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項21】
前記第2の薬学的有効成分が、ファルネシルプロテイントランスフェラーゼ阻害因子、プレニル−プロテイントランスフェラーゼ阻害因子、ゲラニルゲラニル−プロテイントランスフェラーゼ阻害因子、毒素、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項22】
空間基P2と、a=約41.8オングストローム、b=約40.0オングストローム、c=約52.1オングストローム、およびβ=約105.93°の単位格子を有している、Rac−1 GTPaseの結晶。
【請求項23】
Rac−1 GTPaseが、以下の式(IIa)を有している化合物または式(IIa)の化合物の塩と複合体を形成する、請求項22に記載の結晶:
【化4】

(式中:
からRは、H、−X−Alk、−X−Alk−X’、および−X−Y−X’からなる群より別々に選択され;式中、
Xは、−CRであり;
X’は−CHRであり;
AlkはC〜C18の置換されているか、または未置換の炭化水素鎖であり;
Yは、C〜Cの置換されているか、または未置換のアルキレン鎖であり;
は、Hまたは(C1〜C4)アルキルであり;ならびに
およびRは、Hまたは(C1〜C4)アルキルからなる群より別々に選択される。)
【請求項24】
前記結晶が、表1の原子構造座標を特徴とする三次元構造を有している、結晶Rac−1 GTPase。
【請求項25】
Rac−1 GTPaseが、以下の式(IIa)を有している化合物または式(IIa)の化合物の塩と複合体を形成する、請求項24に記載の結晶:
【化5】

(式中:
からRは、H、−X−Alk、−X−Alk−X’、および−X−Y−X’からなる群より別々に選択され;式中、
Xは、−CRであり;
X’は−CHRであり;
AlkはC〜C18の置換されているか、または未置換の炭化水素鎖であり;
Yは、C〜Cの置換されているか、または未置換のアルキレン鎖であり;
は、Hまたは(C1〜C4)アルキルであり;
およびRは、Hまたは(C1〜C4)アルキルからなる群より別々に選択される。)
【請求項26】
Rac−1 GTPaseが含まれている結晶を作成する方法であって、前記結晶Rac−1 GTPaseには、配列番号1の配列のアミノ酸残基1から185が含まれ;ここでは、前記結晶は、5.0オングストロームより高い解像度での原子座標の決定のためのX線を効率よく回折し;前記結晶は、空間基P2と、a=約41.8オングストローム、b=約40.0オングストローム、c=約52.1オングストローム、およびβ=約105.93°の単位格子を有しており、
前記方法には、20%のPEG 8000、5%のエチレングリコール、15%のDMSO、0.1MのHEPES、pH7.0、10mMのDTT、および1mMのNSC23766が含まれている緩衝液を使用して、20℃で、ハンギングドロップ法によって結晶を成長させる工程;ならびに、
18%のPEG 8000、3.5%のエチレングリコール、10.7%のDMSO、0.1MのHEPES、pH7.0、10mMのDTT、14.3mMのNSC23766が含まれている液滴の中で、25%のPEG 8000、5%のエチレングリコール、15%のDMSO、0.1MのHEPES、pH7.0、10mMのDTTを含む緩衝液が含まれているレザーバー上で、結晶を平衡化させる工程
が含まれる、方法。
【請求項27】
Rac−1 GTPaseと相互作用する物質を同定する方法であって:
(a)Rac−1 GTPaseが含まれている複合体の結晶を得る工程;
(b)結晶の原子座標を得る工程;および
(c)Rac−1 GTPaseと相互作用する物質を同定するために、原子の座標と1つ以上の分子モデル化技術を使用する工程
が含まれる、方法。
【請求項28】
a)Rac−1 GTPase Trp−56、Lys−5、Val−7、Ser−71、Ile−36、Tyr−64、Arg−68、およびPro−73の構造座標によって定義される結合ポケットが含まれている分子または分子複合体;または
b)前記分子または分子複合体のホモログであって、約1.5オングストロームは超えない前記アミノ酸の骨格原子による標準偏差を有している結合ポケットが含まれているホモログ、
と会合する化学物質の能力を評価するための方法であって、
(i)化学物質と分子または分子複合体の結合ポケットとの間でフィッティング操作を行うために、コンピューターによる手段を使用する工程;および
(ii)化学物質と結合ポケットとの間での結合を定量するために、前記フィッティング操作の結果を分析する工程、
が含まれる、方法。
【請求項29】
Rac−1 GTPaseの活性を阻害するための化合物であって、その活性部位は、空間基P2と、a=約41.8オングストローム、b=約40.0オングストローム、c=約52.1オングストローム、およびβ=約105.93°の単位格子を有しているRac−1 GTPaseの結晶による三次元構造を示す、化合物。
【請求項30】
GDPに結合したRac−1 GTPaseの結晶。
【請求項31】
結晶Rac−1 GTPaseであって、ここでは、前記結晶は、表1または表2のアミノ酸30〜39および59〜73の原子と比較して、6Å以下、5Å以下、4Å以下、3Å以下、2Å以下、1Å以下の標準偏差を有している原子座標を有していることを特徴とする三次元構造を有する、結晶Rac−1 GTPase。
【請求項32】
表1または表2のアミノ酸30〜39および59〜73の原子が、ペプチド骨格原子である、請求項31に記載の結晶。
【請求項33】
表1または表2のアミノ酸30〜39および59〜73の原子と比較して、6Å以下、5Å以下、4Å以下、3Å以下、2Å以下、1Å以下の標準偏差を有している原子座標。
【請求項34】
表1または表2のアミノ酸30〜39および59〜73の原子がペプチド骨格原子である、請求項33に記載される座標。
【請求項35】
Rac−1 GTPaseの三次元構造を特性決定する方法であって:
(a)GDPが結合したRac−1 GTPaseの結晶を得る工程;および
(b)結晶化されたGDPが結合したRac−1 GTPaseの原子座標を得る工程
が含まれる、方法。
【請求項36】
Rac−1 GTPaseに結合させられたリガンドの三次元構造を特性決定する方法であって:
(a)GDPが結合したRac−1 GTPaseに結合させられたリガンドの結晶を得る工程;および
(b)結晶化されたリガンドとGDPが結合したRac−1 GTPaseの原子座標を得る工程
が含まれる、方法。
【請求項37】
Rac−1 GTPaseと相互作用する物質を同定する方法であって:
(a)GDPが結合したRac−1 GTPaseの結晶を得る工程;および
(b)結晶化されたGDPが結合したRac−1 GTPaseの原子座標を得る工程;および
(c)GDPが結合したRac−1 GTPaseと相互作用する物質を同定するために、原子座標と1つ以上の分子モデル化技術を使用する工程
が含まれる、方法。
【請求項38】
Rac−1 GTPase阻害因子を設計する方法であって、表1または表2のデータの少なくとも一部にアクセスする工程、および前記データを利用してRac−1 GTPaseに対する1つ以上の化合物の結合をモデル化する工程が含まれる、方法。
【請求項39】
前記モデル化工程が、化合物のRac−1 GTPase活性化部位との相互作用をモデル化することによって、Rac−1 GTPaseに結合する化合物の可能性を予想する工程が含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項40】
Rac−1 GTPaseとリガンドとの間での1つ以上の相互作用を同定するために、前記データを利用する工程がさらに含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項41】
前記1つ以上の相互作用が、リガンドとタンパク質との間での1種類以上の水素結合;リガンドとタンパク質との間での1種類以上の静電気的相互作用;1種類以上の疎水性相互作用;リガンドとタンパク質との間での1種類以上の共有結合;タンパク質原子の位置、例えば、リガンド結合するアミノ酸側鎖の中での1つ以上の変化;その位置が柔軟性を維持することができる立体構造に明確に定義される、原子のうちの1つ以上の変化;1つ以上の水素結合ネットワーク;水素結合ネットワークへの1つ以上の構造変化、Mg2+との相互作用への1つ以上の構造変化、GDPとの相互作用への1つ以上の構造変化、およびGTPとの相互作用への1つ以上の構造変化からなる群より選択される、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
Rac−1 GTPase阻害因子を同定する方法であって、請求項40に記載される1つ以上の相互作用が含まれるデータを得る工程、およびRac−1 GTPaseと相互作用するように化合物をモデル化する工程が含まれ、ここでは、化合物には、請求項40に記載される1つ以上の相互作用、または請求項40に記載される1つ以上の相互作用の改善が含まれる、方法。
【請求項43】
Rac−1 GTPase阻害因子を設計する方法であって、GDPが結合したRac−1 GTPaseのX線結晶構造の座標を得る工程、およびRac−1 GTPaseの活性化を阻害する化合物を同定する工程が含まれる、方法。
【請求項44】
Mg2のThr35結合を阻害する化合物を同定する工程が含まれる、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
アミノ酸残基60〜64が含まれているループの中での立体構造の変化を阻害する化合物を同定する工程が含まれる、請求項43または請求項44に記載の方法。
【請求項46】
Mg2を置換することによりAla59を阻害する化合物を同定する工程が含まれる、請求項43に記載の方法。
【請求項47】
前記化合物がAla59に水素結合する、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
RAC特異的GEFがRACに結合することを阻害する化合物を同定する工程が含まれる、請求項43に記載の方法。
【請求項49】
RAC特異的GEFがRACから解離することを阻害する化合物を同定する工程が含まれる、請求項43に記載の方法。
【請求項50】
スイッチIのアミノ酸の中での立体構造の変化を阻害する化合物を同定する工程が含まれる、請求項43に記載の方法。
【請求項51】
スイッチIIのアミノ酸の中での立体構造の変化を阻害する化合物を同定する工程が含まれる、請求項43に記載の方法。
【請求項52】
前記化合物が、Leu70またはSer71、あるいは両方に対する水素結合として同定される、請求項43に記載の方法。
【請求項53】
前記化合物が、Leu67、Gln74、Asp57、またはSer71、あるいはそれらの組み合わせに対する水素結合として同定される、請求項43に記載の方法。
【請求項54】
前記化合物が、Val36、Trp56、Ala59、Tyr64、Leu67、Leu70、Ser71、またはPro73、あるいはそれらの組み合わせとファンデルワールス接触しているとして同定される、請求項43に記載の方法。
【請求項55】
プロテアソーム阻害因子を同定する方法であって、表1または表2の座標の1つ以上にアクセスする工程、および表1または表2のリガンドの座標の1つ以上の、約1.0から2.0オングストロームまたは約2.5から5.0オングストローム以内の範囲の位置を占めている化合物を同定する工程が含まれる、方法。
【請求項56】
前記化合物は、表1〜5の少なくとも1つのリガンドの1つ以上の座標の、約1.2から1.7オングストローム、または約2.6から3.5オングストローム以内の位置を占めている、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
プロテアソーム阻害因子を同定する方法であって:
(a)リガンドとRac−1 GTPaseとの間での1つ以上の相互作用を同定する工程;および
(b)前記リガンドとサブユニットとの間での相互作用を修飾するために、前記リガンド上の置換基を変化させる工程
が含まれる、方法。
【請求項58】
リガンドがNSC23766である、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
Rac−1 GTPaseに結合する可能性がもっとも高い化合物を同定するために、1つ以上の化合物のセットをスクリーニングする方法であって、
(a)Rac−1 GTPaseの活性化部位の中での、1つ以上の化合物のそれぞれについてのドッキングエネルギーをコンピューターによって決定する工程であって、ここでは、個々のそれぞれのドッキングエネルギーは、前記Rac−1 GTPase活性化部位に対する前記化合物の結合の可能性を示す工程;および、
(b)閾値を上回る前記Rac−1 GTPase活性化部位に対する結合の可能性を有していると示された1つ以上の化合物を選択する工程、
が含まれる、方法。
【請求項60】
Rac−1 GTPaseの活性化部位に結合する可能性がある化合物を同定する方法であって、
(a)Rac−1 GTPaseの活性化部位の中での、1つ以上の化合物のそれぞれについてのドッキングエネルギーをコンピューターによって決定する工程であって、ここでは、個々のそれぞれのドッキングエネルギーは、前記Rac−1 GTPase活性化部位に対する前記化合物の結合の可能性を示す工程;および、
(b)閾値を上回る前記Rac−1 GTPase活性化部位に対する結合の可能性を有していると示された1つ以上の化合物を選択する工程、
が含まれる、方法。
【請求項61】
前記活性化部位が、表1または表2のタンパク質原子の1つ以上を含む、請求項59〜60のいずれかに記載の方法。
【請求項62】
表1または表2に提供される原子座標の原子と比較して、6.0Å以下、5.5Å以下、5.0Å以下、4.5Å以下、4.0Å以下、3.5Å以下、3.0Å以下、2.5Å以下、2.0Å以下、1.7Å以下、1.5Å以下、1.4Å以下、1.3Å以下、1.2Å以下、1.1Å以下、1.0Å以下、0.9Å以下、0.8Å以下、0.7Å以下、0.6Å以下、0.5Å以下、0.4Å以下、0.3Å以下、0.2Å以下、または0.1Å以下の標準偏差を有している、原子座標。
【請求項63】
前記活性化部位が、表1または表2に提供される原子座標の原子と比較して、6.0Å以下、5.5Å以下、5.0Å以下、4.5Å以下、4.0Å以下、3.5Å以下、3.0Å以下、2.5Å以下、2.0Å以下、1.7Å以下、1.5Å以下、1.4Å以下、1.3Å以下、1.2Å以下、1.1Å以下、1.0Å以下、0.9Å以下、0.8Å以下、0.7Å以下、0.6Å以下、0.5Å以下、0.4Å以下、0.3Å以下、0.2Å以下、または0.1Å以下の標準偏差を有する原子座標を有しているタンパク質原子を含む、請求項59に記載の方法。
【請求項64】
表1または表2に提供される原子座標の原子が、スイッチIのアミノ酸に由来する少なくとも1つの原子と、スイッチIIのアミノ酸に由来する少なくとも1つの原子を含む、請求項62に記載の原子座標または請求項63に記載の方法。
【請求項65】
表1または表2に提供される原子座標の原子に、Rac−1 GTPase(配列番号1を参照のこと)のアミノ酸30〜39から選択されるアミノ酸に由来する少なくとも1つの原子と、Rac−1 GTPase(配列番号1を参照のこと)のアミノ酸56〜74から選択されるアミノ酸に由来する少なくとも1つの原子が含まれる、請求項62に記載の原子座標または請求項63に記載の方法。
【請求項66】
表1または表2に提供される原子座標の原子に、Rac−1 GTPaseのGly30、Tyr32、Ile33、Pro34、Thr35、Val36、Phe37、およびAsp38から選択されるアミノ酸に由来する少なくとも1つの原子と、Rac−1 GTPaseのアミノ酸56〜74から選択されるアミノ酸に由来する少なくとも1つの原子が含まれる、請求項62に記載の原子座標または請求項63に記載の方法。
【請求項67】
表1または表2に提供される原子座標の原子に、Rac−1 GTPaseのGly30、Tyr32、Ile33、Pro34、Val36、およびPhe37から選択されるアミノ酸に由来する少なくとも1つの原子と、Rac−1 GTPaseのアミノ酸56〜74から選択されるアミノ酸に由来する少なくとも1つの原子が含まれる、請求項62に記載の原子座標または請求項63に記載の方法。
【請求項68】
表1または表2に提供される原子座標の原子に、Rac−1 GTPaseのThr35およびVal36から選択されるアミノ酸に由来する少なくとも1つの原子と、Rac−1 GTPaseのアミノ酸56〜74から選択されるアミノ酸に由来する少なくとも1つの原子が含まれる、請求項62に記載の原子座標または請求項63に記載の方法。
【請求項69】
表1または表2に提供される原子座標の原子に、Rac−1 GTPaseのTrp56に由来する少なくとも1つの原子と、Rac−1 GTPaseのアミノ酸30〜39から選択されるアミノ酸に由来する少なくとも1つの原子が含まれる、請求項62に記載の原子座標または請求項63に記載の方法。
【請求項70】
表1または表2に提供される原子座標の原子に、Rac−1 GTPaseのTrp56およびLeu70から選択されるアミノ酸に由来する少なくとも1つの原子と、Rac−1 GTPaseのアミノ酸30〜39から選択されるアミノ酸に由来する少なくとも1つの原子が含まれる、請求項62に記載の原子座標または請求項63に記載の方法。
【請求項71】
表1または表2に提供される原子座標の原子に、Rac−1 GTPaseのTrp56、Leu70、およびSer71から選択されるアミノ酸に由来する少なくとも1つの原子と、Rac−1 GTPaseのアミノ酸30〜39から選択されるアミノ酸に由来する少なくとも1つの原子が含まれる、請求項62に記載の原子座標または請求項63に記載の方法。
【請求項72】
表1または表2に提供される原子座標の原子に、Rac−1 GTPaseのTrp56、Tyr64、Leu67、およびLeu70から選択されるアミノ酸に由来する少なくとも1つの原子と、Rac−1 GTPaseのアミノ酸30〜39から選択されるアミノ酸に由来する少なくとも1つの原子が含まれる、請求項62に記載の原子座標または請求項63に記載の方法。
【請求項73】
表1または表2に提供される原子座標の原子に、Trp56、Ala59、Tyr64、Leu67、Leu70、Ser71、およびPro73から選択されるアミノ酸に由来する少なくとも1つの原子と、Rac−1 GTPaseのアミノ酸30〜39から選択されるアミノ酸に由来する少なくとも1つの原子が含まれる、請求項62に記載の原子座標または請求項63に記載の方法。
【請求項74】
表1または表2に提供される原子座標の原子に、Rac−1 GTPaseのGly30、Tyr32、Ile33、Pro34、Thr35、Val36、Phe37、またはAsp38から選択されるアミノ酸に由来する少なくとも1つの原子と、Rac−1 GTPaseのアミノ酸56〜70から選択されるアミノ酸に由来する少なくとも1つの原子が含まれる、請求項62に記載の原子座標または請求項63に記載の方法。
【請求項75】
表1または表2に提供される原子座標の原子に、Rac−1 GTPaseのGly30、Tyr32、Ile33、Pro34、Val36、およびPhe37から選択されるアミノ酸に由来する少なくとも1つの原子と、Rac−1 GTPaseのTrp56、Ala59、Tyr64、Leu67、Leu70、Ser71、およびPro73から選択されるアミノ酸に由来する少なくとも1つの原子が含まれる、請求項62に記載の原子座標または請求項63に記載の方法。
【請求項76】
表1または表2に提供される原子座標の原子に、Rac−1 GTPaseのThr35およびVal36から選択されるアミノ酸に由来する少なくとも1つの原子と、Rac−1 GTPaseのTrp56、Ala59、Tyr64、Leu67、Leu70、Ser71、およびPro73から選択されるアミノ酸に由来する少なくとも1つの原子が含まれる、請求項62に記載の原子座標または請求項63に記載の方法。
【請求項77】
表1または表2に提供される原子座標の原子にMg2+原子が含まれる、請求項62に記載の原子座標。
【請求項78】
前記原子が、選択されたアミノ酸の全ての原子、選択されたアミノ酸の骨格原子のみ、および選択されたアミノ酸のα炭素原子のみからなる群より選択される、請求項62に記載の原子座標。
【請求項79】
前記活性化部位の中での前記化合物の立体構造を決定する工程がさらに含まれる、請求項63に記載の方法。
【請求項80】
前記ドッキングエネルギーを決定する工程に、さらに、前記活性化部位の格子に基づく受容体のフィールドの説明を作成する工程が含まれる、請求項63に記載の方法。
【請求項81】
前記ドッキングエネルギーを決定する工程に、さらに、前記活性化部位の中での前記化合物の最適な立体構造を決定する工程が含まれる、請求項63に記載の方法。
【請求項82】
前記ドッキングエネルギーを決定する工程に、さらに、前記活性化部位の中に前記化合物の原子を組み立て、それによって前記活性化部位に適合させる工程が含まれる、請求項63に記載の方法。
【請求項83】
請求項62に記載される原子座標が含まれている、コンピューターで読み取ることができる媒体。
【請求項84】
表1または表2のタンパク質原子の原子座標が含まれている、請求項83に記載のコンピューターで読み取ることができる媒体。
【請求項85】
表1または表2のリガンドについての原子座標が含まれている、コンピューターで読み取ることができる媒体。
【請求項86】
リガンドがNSC23766である、請求項85に記載のコンピューターで読み取ることができる媒体。
【請求項87】
GDPが結合したRac−1 GTPaseについての原子座標の少なくとも一部が含まれている、コンピューターで読み取ることができる媒体。
【請求項88】
Rac−1 GTPaseのアミノ酸1〜185が含まれている、請求項87に記載のコンピューターで読み取ることができる媒体。
【請求項89】
Rac−1 GTPaseのGDP以外のリガンドの原子座標の少なくとも一部がさらに含まれている、請求項87に記載のコンピューターで読み取ることができる媒体。
【請求項90】
座標が、Rac−1 GTPaseのアミノ酸1〜185についての座標に満たない、請求項87または請求項88に記載のコンピューターで読み取ることができる媒体。
【請求項91】
請求項62に記載される座標が含まれている、コンピューターシステム。
【請求項92】
プロテアソーム/リガンド複合体についての構造を作成すること、および/またはそれについての合理的な薬物の設計を行うことができる、請求項91に記載のコンピューターシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−508809(P2009−508809A)
【公表日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−524275(P2008−524275)
【出願日】平成18年7月31日(2006.7.31)
【国際出願番号】PCT/US2006/029873
【国際公開番号】WO2007/016539
【国際公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
2.WINDOWS
3.UNIX
【出願人】(508030604)チルドレンズ ホスピタル メディカル センター (1)
【出願人】(508029756)ザ ステイト ユニバーシティ オブ ニューヨーク、ストニー ブルック ユニバーシティ (1)
【Fターム(参考)】