説明

Si−H官能性シロキサンオリゴマーの調製方法

【課題】反応における多分散性を改良するSi−H官能性シロキサンオリゴマーを調製するための新規な反応機構の提供。
【解決手段】水素化シリコン化合物と環状シロキサンオリゴマーとの間の反応に基づくSi−H官能性シロキサンオリゴマーの製造方法であって、水素化シリコン中の水素と相互に作用し、環状シロキサンオリゴマーの中の開環を促進できるルイス酸の存在下で、ケイ素原子と水素原子との間へのシロキサンオリゴマー部分を挿入させ、Si−H官能性シロキサンオリゴマーを形成させる方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水素化シリコン化合物と環状シロキサンオリゴマーとの間の反応に基づくSi−H官能性シロキサンオリゴマーの製造方法であって、水素化シリコン中の水素と相互作用し、環状シロキサンオリゴマーの中の開環を促進できるルイス酸の存在下で、ケイ素原子と水素原子との間へのシロキサンオリゴマー部分を挿入させ、Si−H官能性シロキサンオリゴマーを形成させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
Si−H官能性シロキサンオリゴマーは、産業において幅広く用いられる重要なシロキサン中間体の一種であり、有機官能性シロキサンオリゴマー、連鎖延長剤及び架橋剤などの調製用の前駆体が挙げられるが、これに限定されない。オリゴマーは通常、少数の複数のモノマー単位(例えば二量体、三量体あるいは十二量体)のみからなる短鎖ポリマー分子である。かかるSi−H官能性シロキサンオリゴマーを調製する典型的方法としては、クロロシランの共加水分解、有機官能性シランのヘテロ凝集、シクロシロキサンのカチオン重合が挙げられ、当該方法は、鎖停止剤としてのテトラメチルジシロキサンの存在下で、又はジメチルクロロシランを用いたシラノール末端オリゴシロキサンのエンドキャッピングにより行われる。Si−H官能性シロキサンオリゴマーを調製するかかる現行の手法では高多分散性のシロキサンオリゴマーが調製されるが、モノSi−H官能性若しくはテレケリックSi−H官能性シロキサンオリゴマー、又は低い多分散性のシロキサンオリゴマーの調製が困難である。
【0003】
低い多分散性のSi−H官能性シロキサンオリゴマーを生産する1つの方法として、ヘキサメチルシクロトリシロキサンのアニオンによる開環重合、及びそれに続くクロロジメチルシランとリチウムシラノレートとのクエンチングが挙げられる。しかしながら、この工程は産業的スケールでの実施が非常に困難である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の技術開発にもかかわらず、反応における多分散性を改良するSi−H官能性シロキサンオリゴマーを調製するための新規な反応機構の開発が現在も行われている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は水素化シリコン化合物と環状シロキサンオリゴマーとの間の反応に基づくSi−H官能性シロキサンオリゴマーの製造方法に関し、水素化シリコン中の水素と相互作用し、環状シロキサンオリゴマーの中の開環を促進できるルイス酸の存在下で、ケイ素原子と水素原子との間へのシロキサンオリゴマー部分を挿入させ、Si−H官能性シロキサンオリゴマーを形成させる方法に関する。
【0006】
すなわち本発明は、テロメリゼーション反応に基づくSi−H官能性シロキサンオリゴマーの製造方法の提供に関する。テロメリゼーション反応法では、(a)水素化シリコン又はSi−H官能性シロキサン、(b)環状シロキサンオリゴマー及び(c)ルイス酸を準備する。ルイス酸は水素化シリコンの中の水素原子と反応し、環状シロキサンオリゴマーの開環を促進し、それにより、ケイ素原子と水素原子との間へのシロキサンオリゴマー部分の挿入がなされ、Si−H官能性シロキサンオリゴマーが形成されうる。シロキサンオリゴマー部分は通常、少数の複数個のモノマー単位(例えば二量体、三量体、四量体あるいは十二量体まで)を含んでなる短鎖ポリマー分子である。
【0007】
更に、本発明のSi−H官能性シロキサンオリゴマーの製造方法を用いて、例えば発泡シロキサン、シロキサンコーティング、超分岐シリコーンポリマー、シロキサン架橋構造及びシロキサンゲル、並びに他の本願明細書に例証されるシリコーン及びシロキサン分子などの組成物が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、Si−H官能性シロキサンオリゴマーを生産するための、水素化シリコン含有分子を用いた新規な反応系の提供に関する。概略としては、当該反応は環状シロキサンオリゴマー化合物と水素化シリコン部分との間を特徴とする。この反応はいわゆるテロメリゼーション反応とも呼ばれる。本発明において有用な水素化シリコン化合物としては、トリアルキルシラン、ジアルキルアリールシラン、アルキルジアリールシラン、トリアリールシラン、ジアルキルシラン、アルキルアリールシラン、ジアリールシラン、アルキルシラン、アリールシラン及びそれらの混合物(例えばトリメチルシラン(MeSiH)、トリエチルシラン(EtSiH)、ジフェニルメチルシラン(PhMeSiH)、フェニルジメチルシラン(PhMeSiH)、ジメチルシラン(MeSiH)、ジエチルシラン(EtSiH)、ジフェニルシラン(PhSiH)、メチルシラン(MeSiH)、フェニルシラン(PhSiH)及びそれらの混合物)が挙げられるがこれらに限定されない。本発明において有用なシロキサンとしては、直鎖及び/又は分岐アルキルポリシロキサン、アリールポリシロキサン、アルキルアリールポリシロキサン及びそれらの混合物(例えば1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(HSiMeOSiMeH)、1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン(HSiPhOSiPhH)、1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジフェニル−トリシロキサン(HSiMeOSiPhOSiMeH)、ペンタメチルジシロキサン(SiMeOSiMeH)、トリス(ジメチルシロキシ)メチルシラン(MeSi(OSiMeH))、トリス(ジメチルシロキシ)フェニルシラン(PhSi(OSiMeH))、テトラキス(ジメチルシロキシ)シラン(Si(OSiMeH))及びそれらの混合物)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0009】
環状シロキサンオリゴマー化合物の例としては、例えばアルキルシクロポリシロキサン、アリールシクロポリシロキサン、アルキルアリールシクロポリシロキサン及びそれらの混合物(例えばヘキサメチルシクロトリシロキサン、トリメチルシクロトリシロキサン、トリフェニル−トリメチルシクロトリシロキサン ヘキサフェニルシクロトリシロキサン及びトリメチルトリス(トリフルオロプロピル)シクロトリシロキサン)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0010】
環状シロキサンオリゴマーは通常、以下の式で表される。
【化1】

式中、R及びRは、水素又は1〜12個の炭素原子数の一価の炭化水素ラジカル(ハロゲン(F、Cl、Br及びI)で置換されてもよく、非限定的な例としてはフルオロアルキル置換又はクロロアルキル置換が挙げられる)から独立に選択してもよい。上記の反応は通常、適当な触媒の存在下で実施する。この反応にとり有用な触媒はルイス酸触媒である。本願明細書では、「ルイス酸」とは電子対を取り込んで共有結合(すなわち「電子対アクセプター」)を形成しうる物質のことを指す。酸性に関するこの概念には、Lowry−Bronstedによる定義の「プロトン供与体」としての酸の概念も包含される。典型的なルイス酸は三フッ化ホウ素(BF)であり、その理由は最外殻電子が6個のみであるからである。本発明の新規な反応を生じさせる具体的なルイス酸の能力はまた、酸性の強さ、酸及び基質の立体障害、反応溶媒における化学安定性、並びに反応溶媒中でのルイス酸及び基質の可溶性に依存する。通常、以下のルイス酸:FeCl、AlCl、ZnCl、ZnBr及びBFはシロキサン溶媒中でやや溶解性が低く、この低い可溶性によりこれらの特定のルイス酸触媒が所望の反応を行う能力が妨げられる傾向がある。シロキサン溶媒中への溶解性が大きいルイス酸触媒はより有用性が高く、式(I)のルイス酸触媒として表される。
MR (I)
式中、MはB、Al、Ga、In又はTlであり、各Rは独立に同一又は異なる6〜14の炭素原子数の一価の芳香族炭化水素ラジカルを表し、かかる一価の芳香族炭化水素ラジカルは少なくとも1つの電子吸引性の部分又は基(例えば−CF、−NO、又は−CN)を有してもよく、又は少なくとも2つのハロゲン原子によって置換されてもよく、Xはハロゲン原子であり、xは1、2又は3であり、yは0、1又は2であり、x+y=3である。特に有用なルイス酸触媒は、式(II)で表されるルイス酸触媒を含んでなる。
BRXy (II)
式中、各Rは独立に同一若しくは異なる6〜14の炭素原子数の一価の芳香族炭化水素基を表し、かかる一価の芳香族炭化水素ラジカルは好ましくは少なくとも1つの電子吸引性の部分又は基(例えば−CF、−NO、又は−CN)を有し、又は少なくとも2つのハロゲン原子によって置換されてもよく、Xはハロゲン原子であり、xは1、2又は3であり、yは0、1又は2であり、x+y=3である。最後に、出願人はB(Cが好適な触媒であることを見出した。
【0011】
本発明の方法は、約1重量ppm(wppm)〜約10重量%(100,000重量ppm等量、反応するシロキサンの合計重量に対する)の濃度でルイス酸触媒を利用する。1つの適切なルイス酸触媒の濃度範囲は、約10重量ppm〜約5重量%である。他の適切なルイス酸触媒の濃度範囲は、約50wppm〜約10,000wppmである。更に別の適切なルイス酸触媒の濃度範囲は、約50wppm〜約5,000wppmである。
【0012】
テロメリゼーション反応は、溶媒の非存在下でも、又は溶媒の存在下でも実施できる。但し、粘性の制御の容易性、反応速度及び反応工程における発熱などの理由から、溶媒を存在させることが好ましい。好適な溶媒には、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、並びにヘキサメチルジシロキサン及びオクタメチルシクロテトラシロキサンなどのオリゴマー状のジオルガノシロキサンが含まれる。
【0013】
(≡Si−H)部分と環状シロキサン部分とのテロメリゼーション反応は常温若しくは高温条件において実施でき、その反応温度は反応物質及び触媒の化学構造、触媒の濃度並びに使用する溶媒に依存する。
【0014】
このテロメリゼーション反応は通常、ルイス酸触媒(例えば本願明細書に記載されているそれら)の存在下で実施できる。出願人はB(Cが好適な触媒であることを見出した。この反応工程は室温若しくは高温で生じうる。触媒濃度は上記の通りである。
【0015】
本発明の方法若しくは工程により生じるSi−H官能性シロキサンオリゴマーは、シロキサンエラストマー、シロキサンコーティング、絶縁材料及び美容製品の分野において有用な中間体である。シリコンが四価の元素である点が重要であり、本願明細書における説明の便宜上、本願明細書では非加水分解性のシリコン−酸素結合の形成に関係する化学反応を説明するために用いる略式の化学反応において、ケイ素原子の4つの全ての結合を記載しないこともある。シリコンがその慣習的な立体化学に対して低い価数若しくは高い価数である場合には、完全な構造を示す。
【0016】
以下は、本発明の反応生成物の調製のためのテロメリゼーションに関する一般的説明である。ハイドロシランとヘキサメチルシクロトリシロキサンとの反応は、複雑なテロメリゼーション工程として進行する。EtSiHの中の反応は徐々に進行し、第1テロマーが徐々に形成され、第1テロマーの連続的な反応が反応パターンの主流を占め、最終的に多くの生成物が得られる。
【0017】
より反応性の高いPhMeSiHの場合、ヘキサメチルシクロトリシロキサンとの反応により第1テロマーが比較的高濃度で形成される。
PhMeSiH+(MeSiO)→PhMeSi(OSiMe
第1テロマーはヘキサメチルシクロトリシロキサンと更に反応し、第2テロマーを提供しうる。
PhMeSi(OSiMeH+(MeSiO)→PhMeSi(OSiMe
【実施例】
【0018】
実験手順:
以下の実施例中における反応は、磁気撹拌器及びバブラーとつながる窒素ガス循環システムと連結した3コックのガラスコック栓を装備した、ガラス製の10ml反応器中で実施した。反応器をシリコーンオイルバス中で温度制御した。反応器を窒素パージし、既知の量の基質及びガスクロマトグラフィ用スタンダードを、窒素を循環させている3コックを使用し、精密作業用のハミルトンシリンジから導入した。ゼロサンプルをハミルトンシリンジで除去し、既知量のB(Cのトルエン中溶液を反応混合液に添加した。一定の時間間隔でサンプリングし、4−エチルピリジンを含有するEppendorfチューブに添加し反応をクエンチングした。アミンへのサンプル添加の時間を反応時間とした。反応混合物中の化学組成をガスクロマトグラフィによって分析した。
【0019】
実施例1:PhMeSiHとヘキサメチルシクロトリシロキサン(D)との反応
この反応は、実質的に上記の実験手順と同様に実施した。1.60gのDを高真空ラインで昇華させ、PhMeSiH試薬を2.93g含む反応器に注入した。1.01×10−4molのB(C触媒を含有する0.0517gのトルエン溶液([B(C]を1.87×10−2mol/kg溶液で含有)を、精密ハミルトンシリンジで注入した。反応温度を24.2℃とした。結果を表1に示す。
【0020】
表1:実施例1の結果
【表1】

【0021】
実施例2:PhMeSiHとヘキサメチルシクロトリシロキサン(D)との反応
この反応は、実質的に上記の実験手順と同様に実施した。1.19gのDを高真空ラインで昇華させ、0.796gのPhMeSiH試薬及びB(C触媒2.42×10−2molkg−1を含む反応器に添加した。反応温度を25℃とした。反応をGCでモニターし、結果を表2に示す。
【0022】
表2:実施例2の結果
【表2】

【0023】
実施例3:1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(MM)とヘキサメチルシクロトリシロキサン(D)反応
MMとDの反応は、等モルの比率の基質及び過剰のDを使用し、濃縮トルエン溶液中で実施した。実施例3a及び3bにおける具体的な成分の量を表3に示す。反応は、磁気撹拌器及びバブラーとつながる窒素ガス循環システムと連結した3コックのガラスコック栓を装備した、ガラス製の10ml反応器中で実施した。次に一定量のDを高真空ラインで昇華させ、窒素ガスを反応器に充填し、一定量のMM、新しいCaH上での保存によって精製されたABCR(97%)、ドデカン及び予め精製されたトルエンを、窒素の陽圧下でハミルトンシリンジによって反応器に注入した。一定量のトルエン中の触媒(B(C)のストック溶液を、精密なハミルトンシリンジによって注入した。触媒の注入開始時を、反応におけるゼロ時間とした。ハミルトンシリンジによってサンプリングし、ガスクロマトグラフィ(GC)分析した。実施例3a及び3bの結果を表4及び5に示す。
【0024】
表3:実施例3a及び3bの反応物質
【表3】

【0025】
表4:実施例3aの結果
【表4】

【0026】
表5:実施例3bの結果
【表5】

【0027】
比較実施例4:PhMeSiHとオクタメチルシクロトリシロキサン(D)の反応
この反応は、実質的に上記の実験手順と同様に実施した。2.87gのD及び1.31gのPhMeSiHを、窒素陽圧下でハミルトンシリンジによって反応器に添加した。その後、0.0556g(2.17×10−2molkg−1)のB(C触媒を添加した。反応温度を25℃とした。反応をGCによってモニターした。Si−H及びDの中の転換、並びに予想されるシロキサンオリゴマーの形成は20時間後でも観察されなかった。
【0028】
上記の実施例は単なる例示であり、本発明の幾つかの特徴のみを例示するものである。添付の特許請求の範囲は考えられる限り広い範囲で本発明の特許請求をすることを目的とし、一方本願明細書に示す実施例は全ての可能な実施態様のマニホールドから選択された実施態様を例示する。したがって、添付の特許請求の範囲が、本発明の特徴を例示するために利用される実施例の選択によって限定されることを出願人は意図するものではない。請求項において用いられる「含む」の用語、及びその文法的な活用形は、例えば限定されないが「基本的にそれのみを含む」及び「それのみを含む」のような様々な異なる範囲の用語を論理的に包含する。必要な場合、範囲を設定する場合、それらの範囲には両者間の全ての部分範囲も含まれる。これらの範囲の変形は当業者であれば自明であり、またそれらが公知となっていない場合には、そのバリエーションは可能な場合に添付の請求の範囲として記載される。また、科学及び技術の進歩が均等物及び置換候補者を生じさせることも予期されるが、それは現時点では用語の不確定の理由から考察されないに過ぎず、これらのバリエーションもまた可能な場合に添付の特許請求の範囲に包含されると解釈すべきである。本願明細書に引用した全ての米国の特許文献は、必要な場合具体的な形で本発明に援用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Si−H官能性シロキサンオリゴマーの製造方法であって、
(a)水素化シリコン又はSi−H官能性シロキサンを準備する工程と、
(b)環状シロキサンオリゴマーを準備する工程と、
(c)前記水素化シリコン中の水素原子と反応し、前記環状シロキサンオリゴマーの開環を促進することができるルイス酸を準備する工程からなり、
それによりケイ素原子と水素原子との間へのシロキサンオリゴマー部分の挿入がなされ、Si−H官能性シロキサンオリゴマーが形成される方法。
【請求項2】
前記ルイス酸触媒が以下の式で表される化合物を含んでなる、請求項1記載の方法。
MR
(式中、MはB、Al、Ga、In又はTlであり、各Rは独立に6〜14の炭素原子数の一価の芳香族炭化水素ラジカルから選択され、XはF、Cl、Br及びIからなる群から選択されるハロゲン原子であり、xは1、2又は3であり、yは0、1又は2であり、x+y=3である。)
【請求項3】
Mがホウ素である、請求項2記載の方法。
【請求項4】
各RがCであり、x=3である、請求項2記載の方法。
【請求項5】
前記ルイス酸触媒がトリ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素である、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記ルイス酸触媒の中の濃度が約10wppm〜約50,000wppmである、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記環状シロキサンオリゴマーが以下の式で表される、請求項1記載の方法。
【化1】

(式中、R及びRは水素、1〜12個の炭素原子数の一価の炭化水素ラジカル、1つ以上のハロゲンで置換された1〜12個の炭素原子数の一価の炭化水素ラジカル、並びにそれらの組合せから独立に選択されてもよい。)
【請求項8】
前記環状シロキサンオリゴマーが環状トリシロキサンオリゴマーの基から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記環状シロキサンオリゴマーが、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、トリフェニルトリメチルシクロトリシロキサン及びトリメチルトリス(トリフルオロプロピル)シクロトリシロキサン、ヘキサフェニルシクロトリシロキサンからからなる群より選択される、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記ポリシロキサン部分がトリシロキサン部分である、請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記ポリシロキサン部分がトリシロキサン部分である、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
加熱によって活性化する、請求項1記載の方法。
【請求項13】
請求項1の方法によって調製されるSi−H官能性シロキサンオリゴマー。
【請求項14】
請求項4の方法によって調製されるSi−H官能性シロキサンオリゴマー。
【請求項15】
テロメリゼーション反応に基づくSi−H官能性シロキサンオリゴマーの製造方法であって、前記テロメリゼーション反応が、
a)水素化シリコン又はSi−H官能性シロキサンを準備する段階と、
b)環状シロキサンオリゴマーを準備する段階と、
c)前記水素化シリコン中の水素原子と反応し、前記環状シロキサンオリゴマーの開環を促進できるルイス酸を準備し、
それにより、ケイ素原子と水素原子との間へのシロキサンオリゴマー部分の挿入がなされ、Si−H官能性シロキサンオリゴマーが形成される段階と、
d)処理a)の最初のSi−H官能性テロマーと、処理b)の環状シロキサンオリゴマーとを反応させる段階を含んでなる、前記方法。
【請求項16】
前記ルイス酸触媒が以下の式で表される化合物を含んでなる、請求項15記載の方法。MR
(式中、MはB、Al、Ga、In又はTlであり、各Rは独立に6〜14の炭素原子数の一価の芳香族炭化水素ラジカルから選択され、XはF、Cl、Br及びIからなる群から選択されるハロゲン原子であり、xは1、2又は3であり、yは0、1又は2であり、x+y=3である。)
【請求項17】
Mがホウ素である請求項16記載の方法。
【請求項18】
各RがCであり、x=3である、請求項16記載の方法。
【請求項19】
前記ルイス酸触媒がトリ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素である、請求項15記載の方法。
【請求項20】
前記ルイス酸触媒の中の濃度が約10wppm〜約50,000wppmである、請求項15記載の方法。
【請求項21】
前記環状シロキサンオリゴマーが以下の式で表される、請求項15記載の方法。
【化2】

(式中、R及びRは水素、1〜12個の炭素原子数の一価の炭化水素ラジカル、1つ以上のハロゲンで置換された1〜12個の炭素原子数の一価の炭化水素ラジカル、並びにそれらの組合せから独立に選択されてもよい。)
【請求項22】
前記環状シロキサンオリゴマーが環状トリシロキサンオリゴマーの基から選択される、請求項15記載の方法。
【請求項23】
前記環状シロキサンオリゴマーが、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、トリフェニルトリメチルシクロトリシロキサン及びトリメチルトリス(トリフルオロプロピル)シクロトリシロキサン、ヘキサフェニルシクロトリシロキサンからからなる群より選択される、請求項15記載の方法。
【請求項24】
前記ポリシロキサン部分がトリシロキサン部分である、請求項15記載の方法。
【請求項25】
前記ポリシロキサン部分がトリシロキサン部分である、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
加熱によって活性化する、請求項15記載の方法。
【請求項27】
請求項15の方法によって調製されるSi−H官能性シロキサンオリゴマー。
【請求項28】
請求項18の方法によって調製されるSi−H官能性シロキサンオリゴマー。
【請求項29】
請求項21の方法によって調製されるSi−H官能性シロキサンオリゴマー。
【請求項30】
請求項1記載の方法によって調製されるSi−H官能性シロキサンオリゴマーを用いて調製される、シロキサンエラストマーの中間体、シロキサンエラストマー、絶縁材料の中間体、絶縁材料、化粧品の中間体、化粧品、発泡シロキサン、シロキサンコーティング、超分岐シリコーンポリマー、シロキサン架橋構造及びゲル。
【請求項31】
請求項4記載の方法によって調製されるSi−H官能性シロキサンオリゴマーを用いて調製される、シロキサンエラストマーの中間体、シロキサンエラストマー、絶縁材料の中間体、絶縁材料、化粧品の中間体、化粧品、発泡シロキサン、シロキサンコーティング、超分岐シリコーンポリマー、シロキサン架橋構造及びゲル。
【請求項32】
請求項15記載の方法によって調製されるSi−H官能性シロキサンオリゴマーを用いて調製される、シロキサンエラストマーの中間体、シロキサンエラストマー、絶縁材料の中間体、絶縁材料、化粧品の中間体、化粧品、発泡シロキサン、シロキサンコーティング、超分岐シリコーンポリマー、シロキサン架橋構造及びゲル。
【請求項33】
請求項18記載の方法によって調製されるSi−H官能性シロキサンオリゴマーを用いて調製される、シロキサンエラストマーの中間体、シロキサンエラストマー、絶縁材料の中間体、絶縁材料、化粧品の中間体、化粧品、発泡シロキサン、シロキサンコーティング、超分岐シリコーンポリマー、シロキサン架橋構造及びゲル。
【請求項34】
請求項21記載の方法によって調製されるSi−H官能性シロキサンオリゴマーを用いて調製される、シロキサンエラストマーの中間体、シロキサンエラストマー、絶縁材料の中間体、絶縁材料、化粧品の中間体、化粧品、発泡シロキサン、シロキサンコーティング、超分岐シリコーンポリマー、シロキサン架橋構造及びゲル。

【公表番号】特表2008−538763(P2008−538763A)
【公表日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−507717(P2008−507717)
【出願日】平成18年4月12日(2006.4.12)
【国際出願番号】PCT/US2006/013680
【国際公開番号】WO2006/115788
【国際公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(507267193)モーメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・インク (23)
【Fターム(参考)】