説明

VCO周波数チューニングのための、オーバーラップする2セグメントキャパシタバンク

【解決手段】(例えばFM受信機中の)VCOは、LC共振タンクを含む。LC共振タンクは、粗同調キャパシタバンクおよび微同調キャパシタバンクを含む。粗同調キャパシタバンクは複数のデジタル制御粗同調キャパシタエレメントを含み、アクティブな際に各々は第1キャパシタンス値を供給する。微同調キャパシタバンクは複数のデジタル制御微同調キャパシタエレメントを含み、アクティブな際に各々は第2キャパシタンス値を供給する。キャパシタミスマッチの現実的な問題に対処するため、VCOチューニング範囲の全体にわたるキャパシタンスオーバーラップが、微キャパシタバンクのデジタル制御微同調キャパシタエレメントの全てがアクティブな場合に、微キャパシタバンクのキャパシタンス値が第1キャパシタンス値より大きくなるように第1及び第2キャパシタンス値を選択することによって生成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は無線通信システムに関し、より具体的には電圧制御発振器を含むモバイル通信機器に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信デバイスには、もともと音声コミュニケーションの能力だけが与えられていた。今日、無線通信デバイスは、より広い周波数帯域で通信されたコミュニケーション、情報、およびエンタテイメント能力を提供するよう、発展してきている。これらの追加の能力は、低いノイズ感度を有するますます広くチューニング可能な周波数帯域で動作可能な周波数シンセサイザを必要とする。追加機能の動作のために広くチューニング可能な周波数帯域を要求する点で、低いノイズ感度の達成は特に困難である。例えば、周波数変調(FM)無線信号を受信することは、FM周波数帯域全体上で受信された無線信号を処理するために広い周波数帯域にわたって信号を生成することを周波数シンセサイザに要求するコミュニケーション機能の1つである。世界中のマーケットで販売されるモバイル通信デバイスでは、アメリカ、カナダおよびヨーロッパで使用されるFMバンド(87.5MHzから108.0MHz)だけでなく、日本で使用されるFMバンド(76MHzから90MHz)での無線信号を受信することが望ましい。したがって、処理される無線信号の全体的な周波数範囲は、76.0MHzから108.0MHzまでである。
【0003】
音声及びデータ通信を処理する一般的な周波数シンセサイザは、位相ロックループ(PLL:Phase locked loop)を使用し、このPLLは、インダクタ−キャパシタ(LC)タンクを有する電圧制御発振器(VCO)を含む。76MHzから108Mhzの間の比較的低い周波数にわたって発振するVCOを備えた周波数シンセサイザを用いることは望ましくないだろう。そのようなVCOは大きく、事実上、単一の集積回路上にFM送受信機と共に集積することが出来なかった。よって、通信機能のための周波数シンセサイザは、典型的には除数で低周波数に分割される、より高い周波数信号を生成する。しかし、より高い周波数の絶対的な範囲(absolute range)は、除数に比例して増大する。例えば、2.736から3.127GHzまでチューニング可能な、FM無線信号に対応するのに使用可能なVCOは、391MHzのチューニング可能な周波数範囲を必要とする。
【0004】
大きなVCO利得が、比較的広い周波数チューニング範囲を実現するために一般的に求められる。しかしながら、大きなVCO利得はPLLのノイズ感度を増加させる傾向があり、そして電源ノイズに対するループ感度を増加させる。さらに、あるループ帯域幅について、大きなVCO利得は比較的大きなループフィルタキャパシタを必要とし、オンチップ集積化を複雑にする。したがって、VCOの設計には、広い周波数チューニング範囲の要求を満たし、比較的低いVCO利得を維持することによりPLLのノイズ感度を最小化することが望まれる。
【0005】
図1(先行技術)は、デジタル制御キャパシタバンクを有する典型的なVCO設計を例示する。VCO11は、VCO出力信号17の発振をアクティブに制御するため、電圧制御キャパシタ(バラクタ)15を用いる。制御電圧16に応じてバラクタ15のキャパシタンスを変えることによって、LC共振(LC resonant)タンク12の全体的なキャパシタンス及び結果として生じるVCO発振周波数が変更される。VCO利得を比較的低く維持するため、バラクタ15のキャパシタンスの範囲は最小化される。しかしながら、これは、バラクタ15単独の制御によって達成可能な発振周波数の範囲を制限する。これを補償するため、デジタル制御キャパシタバンク13がバラクタと並列に結合されて、バラクタ15のキャパシタンス値が加えられるデジタル制御キャパシタンス値が与えられる。デジタル制御キャパシタバンク13は、例示されるように並列に結合された同調キャパシタエレメント(tuning capacitor elements)を含む。各同調キャパシタエレメントは、キャパシタの対とスイッチング素子とを含む。デジタル制御線14は、選択的に各同調キャパシタエレメントをアクティブにする(activate)ことにより、デジタル制御キャパシタバンク13のキャパシタンス値を制御する。したがって、VCO11のチューニング可能な周波数の範囲が拡大される。
【0006】
成功したキャパシタバンク設計は、チューニング可能な周波数範囲内の各可能なターゲット周波数(及び対応するキャパシタンス)が、キャパシタバンク13及びバラクタ15内の同調キャパシタエレメントのあるコンビネーションによって対応可能であることを必要とする。キャパシタバンク13のキャパシタンスの各増加ステップは、バラクタ15によって補償できないキャパシタンスの対応する範囲内のギャップを残すべきでは無い。各増加ステップは、バラクタ15のサイズを制限するのに小さく一定であるべきである。現代の設計では、10ビットの分解能のキャパシタバンクが、設計要求を満たすために求められる。
【0007】
各同調キャパシタエレメントが同じキャパシタンスを提供するように設計されている場合、結果として得られるキャパシタバンクは一般に、サーモメータ符号化キャパシタバンク(thermometer-coded capacitor bank)と呼ばれる。各連続的な同調キャパシタエレメントがアクティブにされると共に、比較的線形で、キャパシタンスにおける段階的な(step-wise)な増加が得られる。しかし、単一のセグメントのサーモメータ符号化実装は、高い分解能を達成するために比較的多くのキャパシタを必要とする。例えば10ビットの分解能は、1023(2−1)個の個々のキャパシタを必要とするだろう。そのような多くのキャパシタをもたらし、そして制御するために必要なデコーダロジック及び物理的なルーティング(routing)のサイズ及び複雑さは禁じられる。これは、単一セグメントのサーモメータ符号化キャパシタバンクの実現性を制限する。
【0008】
チューニング可能な周波数を扱うのに必要なキャパシタの数を減らすために、バイナリ符号化アプローチが使用され得る。典型的な4ビットバイナリ符号化アプローチでは、第1の同調キャパシタエレメントは第1のキャパシタンス値を有し、第2の同調キャパシタエレメントは2倍のキャパシタンスを有し、第3の同調キャパシタエレメントは4倍のキャパシタンスを有し、第4の同調キャパシタエレメントは16倍のキャパシタンスを有する。バイナリ符号化アプローチは、比較的少ないキャパシタで広範囲のキャパシタンスを供給する。例えば、10ビットの分解能は、わずか10個の同調キャパシタエレメントしか必要としない。しかしながら、バイナリ符号化方法は、キャパシタのミスマッチに影響を受けやすい。実際には、個々のキャパシタの値はそれらの公称値と異なり、このミスマッチは、キャパシタバンクコードの各インクリメントにつき、キャパシタンスの不規則なステップの原因となる。
【0009】
図2(先行技術)は、7ビットのバイナリ符号化設計のキャパシタバンクコードの各インクリメントでのキャパシタンスの変更の例を例示する。理想的な条件の下では、キャパシタンスの漸進的変化は、コードの各ステップにつき単一の値であるべきである。しかしながら実際には、図2に例示されるように、バイナリ符号化実装は、キャパシタンスの漸進的変化において広いばらつきを示す。チューニング可能な周波数範囲における各可能なターゲット周波数にアドレスするためには、比較的大きなチューニング可能なキャパシタンスを備えたバラクタ15が必要である。これは望ましくないことに、大きなVCO利得に帰着する。
【0010】
バイナリ符号化実装のこの制限を最小化する1つのアプローチは、2セグメントキャパシタバンクを導入することであり、1つのセグメントがバイナリ符号化され、第2のセグメントがサーモメータ符号化される。そのような2セグメントアプローチは、キャパシタバンク分解能の特定の値を得るのに必要な同調キャパシタエレメントの数を減らす可能性がある。更なる詳細は、2006年9月26日に発行され、“Corse Frequency Tuning In A Voltage Controlled Oscillator”と表題された、Jeremy D. Dunworthによる米国特許番号7,113,052を参照。
【0011】
キャパシタンスの漸進的変化におけるばらつきを低減する別のアプローチは、ミスマッチを最小化するために製造段階でキャパシタバンクのキャパシタをトリミングすることである。しかしながら、このアプローチは高価で、製造工程に複雑さを加える。別のアプローチは、個々のキャパシタバンクに関連付けられたコードをキャリブレーションして、各ステップのターゲット周波数に整合させることである。そのようなキャリブレーションされたコードは、将来の使用のために内蔵のルックアップテーブルに格納され得る。この場合もやはり、このアプローチは高価で、制御論理実装に複雑さを加える。したがって、広い範囲のキャパシタンス値を提供し、高い分解能で均一なステップでアドレス可能な、比較的少ない同調キャパシタエレメントのデジタル制御同調キャパシタバンクが望ましい。
【発明の概要】
【0012】
広い周波数範囲の周波数変調(FM)無線チューナは、モバイル通信デバイスで動作する。FM無線チューナは、電圧制御発振器(VCO)を含む送受信機を含む。VCOは、その周波数が周波数範囲にわたってチューニング可能な発振VCO出力信号を出力する。広範囲のチューニング可能な発振周波数及び低いノイズ感度を達成するために、VCOは、オーバーラップする2セグメントスイッチングキャパシタバンクを備えたLC共振タンク回路を含む。2セグメントスイッチングキャパシタバンクは、粗同調キャパシタバンクおよび微同調キャパシタバンクを含む。LC共振タンクはまた、粗同調キャパシタバンク及び微同調キャパシタバンクと並列に結合された電圧制御キャパシタ(バラクタ)を含む。これらの3つの要素(バラクタ、粗同調キャパシタバンク、および微同調キャパシタバンク)は共に、VCOのLC共振タンクのキャパシタンスを決定し、従ってVCOの発振周波数を決定する。
【0013】
粗同調キャパシタバンクは、多くのデジタル制御同調キャパシタエレメントを含む。これらのエレメントの各々は、VCOの2つの発振電圧ノード間に結合される。粗同調キャパシタがアクティブの場合、各粗同調キャパシタエレメントは、2つのノード間に実質的に同じキャパシタンス値を供給する。いくつの粗同調キャパシタエレメントがアクティブか、ひいては、粗同調キャパシタバンクのキャパシタンスはマルチビットの粗同調キャパシタバンクコードによって決定される。
【0014】
微同調キャパシタバンクは、多くのデジタル制御同調キャパシタエレメントを含む。これらのエレメントの各々は、VCOの2つの発振電圧ノード間に結合される。微同調キャパシタがアクティブの場合、各粗同調キャパシタエレメントは実質的に同じキャパシタンス値を供給する。しかしながら、微同調キャパシタエレメントによって与えられるキャパシタンス値は、粗同調キャパシタエレメントによって与えられるキャパシタンス値よりも小さい。いくつの微同調キャパシタエレメントがアクティブか、ひいては、微同調キャパシタバンクのキャパシタンスは、マルチビットの微同調キャパシタバンクコードによって決定される。
【0015】
各アクティブな同調キャパシタエレメントが実質的に同じキャパシタンス値を供給するキャパシタバンクは、一般にサーモメータ符号化キャパシタバンクと呼ばれる。サーモメータ符号化キャパシタバンクは概して、キャパシタバンクコードの各インクリメントについてのキャパシタンスの漸進的な変化における非線形性を低減する。これは、チューニング可能な周波数範囲における大きなギャップの可能性を縮小するが、そのリスクを完全には除去するものではない。キャパシタエレメントの製造プロセスにおけるばらつきによるキャパシタサイズのミスマッチは残っている。これらのミスマッチは、チューニング可能なVCOの周波数の範囲において、望ましくないギャップの原因となり得る。
【0016】
キャパシタサイズのミスマッチの影響を緩和するために、粗キャパシタバンクと微キャパシタバンクとの間にキャパシタンスのオーバーラップが生成される。オーバーラップが増加すると、プロセスばらつきとキャパシタサイズミスマッチについての許容範囲が増加される。オーバーラップは、微同調キャパシタエレメントの各々のキャパシタンス値を選択することによって、微同調キャパシタエレメントの全てがアクティブの際には、それらの合成キャパシタンスが単一のアクティブの粗同調キャパシタエレメントのキャパシタンスを超えるように、生成される。
【0017】
オーバーラップする2セグメントキャパシタバンクは、比較的少数のキャパシタエレメントで、広範囲のチューニング可能な周波数を達成する。粗同調キャパシタエレメントは比較的大きな範囲を定義し、微同調キャパシタエレメントは、粗いキャパシタンスの各増加ステップを、高分解能で補間する。よって、オーバーラップする2セグメントキャパシタバンクでは、そうでなければ単一セグメントのサーモメータ符号化キャパシタバンクが使用された際に求められるであろうよりも、より少ないキャパシタが求められる。LC共振タンクでより少数のキャパシタを使用することによって、より少数のスイッチがキャパシタを切り替えるために必要とされる。より少数のスイッチの使用によって、そうでなければチューニング可能な周波数の範囲を制限する、より少ない寄生容量は生成される。
【0018】
一実施形態では、モバイル通信デバイスは周波数変調(FM)受信機を含む。FM受信機は、位相ロックループ(PLL)の一部としてVCOを利用する周波数シンセサイザを含む。モバイル通信デバイスは、FM無線ステーションからの送信を受信するためにFM受信機を使用する。VCOは、そのLC共振タンクに、オーバーラップする2セグメントキャパシタバンクを含む。VCOにおいて、オーバーラップする2セグメントキャパシタバンクを使用することで、周波数シンセサイザは、低いノイズ感度の広範囲の発振周波数を生成することができる。2.736から3.127GHzまでのチューニング可能な周波数範囲は、6ビットの粗キャパシタバンクコードによってアドレスされた63個のキャパシタの粗同調キャパシタバンクと、4ビットの微キャパシタバンクコードによってアドレスされた15個のキャパシタの微同調キャパシタバンクとで達成される。合成した10ビットのデジタルキャパシタバンクコードは、粗同調キャパシタバンク及び微同調キャパシタバンクの両方についてのキャパシタバンクコードを決定する。
【0019】
キャパシタバンク選択ロジックの総計(ある量のキャパシタバンク選択ロジック、an amount of capacitor bank selection logic)は、マルチビットのチャネル選択入力値を受信し、それに基づき、VCOの発振周波数が、所望の対応する発振周波数を有するように、粗及び微キャパシタバンクを制御する10ビットデジタルワードを出力する。キャリブレーション動作では、キャパシタバンク選択ロジックは、リファレンスクロックの半周期で生じるVCOクロック信号の遷移回数をカウントし、カウント数をターゲット値と比較する。遷移のカウント数がターゲット番号より高いかかより低いかどうかによって、10ビットデジタルワードがそれに応じて変化され、そしてこのプロセスが繰り返される。わずかな繰り返しの後、ターゲット値に実質的に等しい遷移のカウント数に帰着する10ビットデジタルワードが決定される。各マルチビットチャネル選択入力値につき、1つのターゲット値があり、キャパシタバンク選択ロジックは、粗及び微キャパシタバンクをコントロールするための対応する10ビットデジタルワードを生成する。
【0020】
上記はサマリであり、よって必要に応じて詳細の単純化、一般化、および省略を含み、従って、このサマリが例示に過ぎず、多少なりとも限定されていることを意味しないことを当業者は理解するだろう。本明細書で述べられたデバイス及び/またはプロセスのその他の側面、進歩的な特長、及び利点は、もっぱら特許請求の範囲によって定義されるように、本明細書で説明された非制限的な詳細な説明において明白になるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1(先行技術)は、デジタル制御キャパシタバンクを有するVCOを例示するダイアグラム。
【図2】図2(先行技術)は、デジタル制御キャパシタバンクのバイナリ符号化実装の非線形性を例示するダイアグラムであり、キャパシタバンクコードがインクリメントされるとともに、キャパシタの対応する漸進的変化は一定ではない。
【図3】図3は、モバイル通信デバイス26のFM送受信機28のVCOの単純化されたブロックダイアグラム。
【図4】図4は、図3のFM送受信機28のより詳細なブロックダイアグラム。
【図5】図5は、図3のFM送受信機28のVCO56の単純化されたブロックダイアグラムであり、VCO56は、VCO周波数チューニングのための、オーバーラップする2セグメントキャパシタバンクを含む。
【図6】図6は、図5のVCO56の、オーバーラップする2セグメントキャパシタバンクの更に詳細なダイアグラム。
【図7】図7は、図4のキャパシタバンク選択ロジック73の単純化されたブロックダイアグラムであり、キャパシタバンク選択ロジック73は、ターゲット周波数とほぼ等しいVCO発振周波数を達成するために粗キャパシタバンク及び微キャパシタバンクのキャパシタエレメントを選択的にアクティブにする。
【図8】図8は、キャパシタバンク選択ロジック73が図4のVCO56の発振周波数をどのように測定するか例示する単純化された波形ダイアグラム。
【図9A】図9Aは、異なるキャパシタバンク制御コードについての、VCO発振周波数のオーバーラップのシミュレーションを例示する。
【図9B】図9Bは、図9Aの例示の拡大図。
【図10A】図10Aは、10ビットの制御コードでバイナリサーチを使用して、キャパシタバンク制御コードの繰り返し選択ステップを例示するテーブル。
【図10B】図10Bは、微キャパシタバンクの4ビットの制御コードでバイナリサーチが後続する粗キャパシタバンクの6ビットの制御コードでのバイナリサーチを使用して、キャパシタバンク制御コードの繰り返し選択ステップを例示するテーブル。
【図11】図11は、ターゲット周波数とほぼ等しいVCO発振周波数を達成するためにキャパシタバンク制御コードを選択する方法のフローチャート。
【図12】図12は、2セグメントキャパシタバンクを使用して、VCO発振周波数を制御する方法のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0022】
VCOチューニングに使用するためのオーバーラップする2セグメントキャパシタバンク(overlapping, two-segment capacitor bank)が、本明細書で開示される。アクティブな際に、第1セグメントの各同調キャパシタエレメント(tuning capacitor element)は、実質的に同じキャパシタンス値Aを有する。アクティブな際に、第2セグメントの各同調キャパシタエレメントは、実質的に同じキャパシタンス値Bを有する。各同調キャパシタエレメントが実質的に同じキャパシタンス値をするキャパシタバンクは、一般にサーモメータ符号化キャパシタバンク(thermometer-coded capacitor banks)と呼ばれる。サーモメータ符号化キャパシタバンクは、キャパシタのミスマッチに直面した際における各キャパシタバンクコードでのキャパシタンスの漸進的変化についての非線形性を低減する。2セグメントアプローチは、より少数の同調キャパシタエレメントにより、AとBとの間の差を利用して、キャパシタバンクのキャパシタンスの範囲を拡張する。LCタンクでより少数のキャパシタを使用することによって、キャパシタをスイッチングするために必要なスイッチも少なくなる。より少数のスイッチの使用により、そうでなければLCタンクの範囲を制限する寄生容量の生成を低減出来る。一実施形態では、63個のキャパシタの粗同調キャパシタバンクと15個のキャパシタの微同調キャパシタバンクとにより、2.736から3.127GHzのチューニング可能な周波数範囲が達成され得る。10ビットのキャパシタバンクコードは、粗同調及び微同調キャパシタバンクの両方をアドレス(address)する。
【0023】
図3は、オーバーラップする2セグメントキャパシタバンクを使用するモバイル通信機器26のダイアグラムである。この具体的な例では、モバイル通信機器26は携帯電話である。別の例では、モバイル通信機器26はRF対応の携帯情報端末(PDA)である。モバイル通信機器26は、RF送受信機集積回路(IC)27およびFM送受信機IC28を含む。受信機だけでなく送信機も含むため、送受信機27および28の各々は「送受信機(transceiver)」と呼ばれる。
【0024】
第1の信号29は、モバイル通信デバイス26上のRF受信機で受信される。一実施形態では、第1の信号29は、基地局によって送信された無線周波数信号である。第1の信号29はアンテナ30で受信され、整合ネットワーク(MN:matching network)をパススルーして、RF送受信機IC27の受信チェーンによって処理される。受信チェーンは、局部発振器31で生成されたLO信号を用いて、第1の信号29を、デジタルベースバンドIC33による引き続くデジタル信号処理のためのベースバンド信号32にダウンコンバートする。一実装では、RF受信チェーンの局部発振器31の一部として、オーバーラップする2セグメントキャパシタバンクが好適に使用され得る。
【0025】
デジタルベースバンドIC33は、図示されないその他の部分と共に、プロセッサ読み取り可能な媒体36に記憶された命令を実行するデジタルプロセッサ35を含む。例えば、プロセッサ読み取り可能な媒体36は、実行された時、オーバーラップする2セグメントキャパシタバンクを制御するコンピュータプログラム37の命令を格納するプログラムメモリを含む。一実施形態では、プロセッサ35は、並列のローカルバス38、シリアルバスインターフェース39、及びシリアルバスコンダクタ(SSBI:serial bus conductors)を介して、RF送受信機IC27のシリアルバスインターフェース41に情報を伝達する。よって、プロセッサ35は、局部発振器31の動作を制御する。
【0026】
第2の信号は、モバイル通信機器26のFM受信機49で受信される。第2の信号48は、76〜108MHzのFM無線帯域で無線ステーション(radio station)によって送信されたFM無線周波数信号である。モバイル通信機器26がアメリカ、カナダ、あるいはヨーロッパで使用される場合、第2の信号48の周波数は87.5MHzから108.0MHzまでの周波数の範囲内にある。モバイル通信機器26が日本で使用される場合、第2の信号48の周波数は、76MHzから90MHzの周波数の範囲内にある。
【0027】
一実装では、第2の信号48は、FM送受信機IC28が実装されるプリント回路基板(PCB)上にプリントされたアンテナ50で受信される。プリント回路基板のサイズはモバイル通信機器26内に制限され、従ってアンテナ50の長さも制限されている。より長いアンテナを使用することによってより良いFM無線受信が望まれる場合、モバイル通信機器26のユーザは、モバイル通信機器26にヘッドセットまたはイヤプラグを接続するワイヤに統合、より長いヘッドセットワイヤアンテナ(headset wire antenna)52を使用してもよい。第2の信号48がPCBアンテナ50で受信されると、第2の信号48は整合ネットワーク(MN)53をパススルーして、TRスイッチ54で受信される。第2の信号48がワイヤアンテナ52で受信されると、第2の信号48は整合ネットワーク55をパススルーして、TRスイッチ54で受信される。TRスイッチ54で受信された後は、第2の信号48はFM送受信機49で処理される。
【0028】
第2の信号48を処理するため、FM受信機49は、VCO56及び周波数シンセサイザ42のプログラマブルな出力分周器(programmable output divider)57によって生成されたVCO信号を使用する。一実装では、FM受信機49によって使用されるVCO56の一部として、オーバーラップする2セグメントキャパシタバンクが好適に使用され得る。一実施形態では、プロセッサ35は、FM送受信機IC28の周波数シンセサイザ42の動作を制御する。プロセッサ35は、並列ローカルバス38を介し、シリアルバスインターフェース43を介し、シリアルバス44を介して、FM送受信機IC28のシリアルバスインターフェース47に情報を伝達する。別の実施形態では、FM送受信機IC28にある第2のプロセッサ45及び第3のプロセッサ46が、周波数シンセサイザ42の動作のいくつかを制御する。例えば、プロセッサ35は、ユーザによって指定された無線ステーションにFM受信機を同調する命令を実行し、他方でFM送受信機IC28内のプロセッサは、FM送受信機のVCO56についてのキャパシタバンクコードを計算する命令を実行する。
【0029】
別の例では、FM送受信機IC28はまた、I2Cシリアルバス44を介してデジタルベースバンドIC33から受信された音声信号を送信することができるFM送信機58を有する。FM送信機58は、周波数シンセサイザ42のVCO56によって生成されたVCO信号を使用する。一実装では、FM送信機58によって使用されるように、VCO56の一部として、オーバーラップする2セグメントキャパシタバンクが好適に使用され得る。
【0030】
用語「コンピュータ」は、メモリ36(コンピュータ読み取り可能な媒体)に格納された命令の「コード」(コンピュータプログラム37)を実行するプロセッサ35を包含する。用語「コンピュータ」はさらに、FM送受信機IC28にある第、第3のプロセッサ45〜46を包含する。
【0031】
図4はFM送受信機IC28をより詳細に示し、周波数範囲の特定の値にチューニングされるVCO信号59をFM受信機49がどのように生成するかを示す。一例において周波数シンセサイザ42はシンセサイザ信号70を出力し、シンセサイザ信号70は、プログラマブルな出力分周器によって32の因数で低周波数側に分周された(divided down)VCO信号59である。この場合、シンセサイザ信号70は、85.50から97.71MHzの周波数範囲にわたって変化するシンセサイザ周波数を有する。例えば、32で分周された2.736GHzの下限VCO周波数は85.50MHzである。同様に、30で分周された3.127GHzの上限VCO周波数は、97.71MHzである。モバイル通信機器26のユーザがこの周波数範囲内にある周波数で送信された無線ステーションを聞くことを望む場合、32で低周波数側に分周された時に所望のFM無線ステーションの周波数と等しくなるある周波数にセットされる。例えばユーザが、96.5MHzで送信されたサンフランシスコベイアリアFM無線ステーションKOITを聞くことを望めば、VCO信号59は3,088MHzにセットされる。
【0032】
VCO信号59は、周波数分周器(frequency divider)64の除数(N+f)をセットすることにより、所望の周波数にセットされる。プロセッサ35は、FM送受信機IC28の第3のプロセッサ46内のチャネル選択ブロック71を制御することによって、除数(N+f)をセットする。チャネル選択ブロック71は、整数出力(N)とフラクショナル(fractional)出力(f)とを出力し、これらは適切な(N+f)値をセットする除数設定信号に組み合わせられる。周波数分周器64で受信された(N+f)の値を調節することで、VCO56のLCタンクによって生成された周波数は、位相ロックループ(PLL)60の動作によって変更される。PLL60は、位相周波数検出器(PFD:phase frequency detector)61、チャージポンプ62、ループフィルタ63、VCO56、および周波数分周器64を含む。位相周波数検出器61は、リファレンスクロック信号65の位相をフィードバック信号66の位相と比較し、フェーズ・エラー信号を生成する一実施形態では、リファレンスクロック信号は19.2MHzの周波数を有する。フィードバック信号66は、周波数分周器64によって出力された「N分周された」信号(”divide-by-N” signal)である。周波数分周器64は、VCO信号59の周波数を分割する。フィードバック信号66の位相がリファレンスクロック信号65のそれより遅れる場合、位相周波数検出器61は、チャージポンプ62に加速制御信号(accelerate control signal)を送る。フィードバック信号66の位相がリファレンスクロック信号65のそれより先行する場合、位相周波数検出器61は、チャージポンプ62に減速制御信号(decelerate control signal)を送る。チャージポンプ62は加速制御信号を受け取ると、その出力リードからチャージを放出(drain)し、減速制御信号を受け取ると、その出力リードにチャージを加える(add)。VCO56の入力ポートはチャージポンプ62の出力リードに結合され、チャージポンプ62によって放出され、そして加えられたチャージは、VCO56によって受信される制御電圧67を構成する。ループフィルタ63も、VCO56の入力ポートおよびチャージポンプ62の出力リードを結合するノードに結合される。一実施形態では、ループフィルタ63は帯域制御のために調節される。制御電圧67が増加すると、VCO56によって出力されたVCO信号59の周波数が低下する。
【0033】
キャパシタバンク選択ロジック73の総量(ある量のキャパシタバンク選択ロジック、an amount of capacitor bank selection logic)は、VCO56によって生成された周波数を、所望の周波数に近い値にチューニングするために使用される。キャパシタバンク選択ロジック73は、チャネル選択78を示すマルチビットのデジタル信号、VCO56の出力信号59、及びリファレンスクロック信号65を受信する。キャパシタバンク選択ロジック73は、これらの信号を処理して、VCO56のLCタンクのキャパシタンスをチューニングするデジタル制御信号を生成する。チューニングされたLCタンクの結果として生じる発振周波数は、所望の周波数に接近している。これは、所望の周波数が広範囲の周波数にわたって選択されるかもしれない場合にさえ、所望の周波数を達成するのに必要な制御電圧67の範囲を最小化する。これは、低いノイズ感度の低利得VCO設計を可能とする。
【0034】
図5は、VCO56をより詳細に示す。VCO56は、LC共振タンク(LC resonant tank)83の一部として、オーバーラップする2セグメント同調キャパシタバンク(overlapping, two-segment tuning capacitor bank)を含む。第1のセグメントは粗同調キャパシタバンク(coarse tuning capacitor bank)80である。粗同調キャパシタバンク80は、X個の粗同調キャパシタエレメント85を含む。第2のセグメントは、微同調キャパシタバンク(fine tuning capacitor bank)81である。微同調キャパシタバンク81は、Y個の微同調キャパシタエレメント86を含む。LC共振タンク83はまた、バラクタ82を含む。バラクタ82のキャパシタンスは、制御電圧入力信号67によって制御される。VCO出力信号59は、LC共振タンク83の共振周波数によってその発振周波数が決定される発振信号である。共振周波数は、インダクタL1、並びに粗同調キャパシタバンク80、微同調キャパシタバンク81、及びバラクタ82のキャパシタンスの相対的な値によって決定される。インダクタL1、粗同調キャパシタバンク80、微同調キャパシタバンク81およびバラクタ82は、図示されるように、第1の発振ノード87と第2の発振ノード88との間に電気的に並列に接続される。キャリブレーション信号CTCCALは、粗同調キャパシタバンク80の各一連の同調キャパシタエレメント(tuning capacitor element)を接続し、または非接続とする。個々の粗同調キャパシタエレメント85が接続される場合、それはキャパシタンス値AをLC共振タンク83に供給する。キャリブレーション信号FTCCALは、微同調キャパシタバンク81の各一連の同調キャパシタエレメントを接続し、または非接続とする。個々の微同調キャパシタエレメント86が接続される場合、それはキャパシタンス値BをLC共振タンク83に供給する。したがって、LC共振タンク83のキャパシタンスは、キャリブレーション信号CTCCAL及びFTCCAL、並びに制御電圧信号67によってアクティブに制御される。
【0035】
図6は、粗同調キャパシタバンク80および微同調キャパシタバンク81をより詳細に示す。一実装では、VCO56の粗同調キャパシタエレメント85および微同調キャパシタエレメント86の両方は、スイッチング素子89に接続されたキャパシタから成り、このスイッチング素子は更に別のキャパシタに接続される。同調キャパシタエレメントのキャパシタは、発振ノード87及び88の両方における容量性負荷を等しくするように、実質的に同じキャパシタンスを有するように選択される。一例において、粗同調キャパシタバンク80は、63個の粗同調キャパシタエレメント85を含む。単一のデジタルビットを通信するデジタル制御線が、個々に各キャパシタエレメント85をアドレスする。例えば、第1の粗同調キャパシタエレメントをアドレスする第1のデジタル制御線は、第1のデジタルビットCTCCAL[1]を通信する。このデジタルビットの第1の値では、粗同調キャパシタエレメントのスイッチング素子89は導通しており、よってこのエレメントはアクティブとされ、並列に接続された同調キャパシタエレメントの回路にそれを電気的に接続する。デジタルビットの第2の値では、粗同調キャパシタエレメントのスイッチング素子89は非導通であり、よってこのエレメントは非アクティブとされ、並列に接続された同調キャパシタエレメントの回路から電気的にそれを非接続とする。スイッチング素子が導通して、粗同調キャパシタエレメントを回路に電気的に接続する場合、粗同調キャパシタエレメントは、LC共振タンク83の回路にそのキャパシタンスを供給する。スイッチング素子が非導通であり、並列に接続された同調用可変キャパシタエレメントの回路からこのエレメントを非接続とする場合、粗同調キャパシタエレメントは実質的に、LC共振タンク83の回路にキャパシタンスを供給しない。微同調キャパシタバンク81は、15個の微同調キャパシタエレメント86を含む。単一のデジタルビットを通信するデジタル制御線が、個々に各キャパシタエレメント86をアドレスする。例えば、第1の微同調キャパシタエレメントをアドレスする第1のデジタル制御線は、第1のデジタルビットFTCCAL[1]を通信する。このデジタルビットの第1の値では、微同調キャパシタエレメントのスイッチング素子89は導通しており、よってこのエレメントをアクティブとし、並列に接続された同調キャパシタエレメントの回路にそれを電気的に接続する。デジタルビットの第2の値では、微同調キャパシタエレメントのスイッチング素子89は非導通であり、よってこのエレメントは非アクティブとされ、並列に接続された同調キャパシタエレメントの回路から電気的にそれを非接続とする。スイッチング素子が導通して、微同調キャパシタエレメントを回路に電気的に接続する場合、微同調キャパシタエレメントは、LC共振タンク83の回路にそのキャパシタンスを供給する。スイッチング素子が非導通であり、並列に接続された同調用可変キャパシタエレメントの回路からこのエレメントを非接続とする場合、微同調キャパシタエレメントは実質的に、LC共振タンク83の回路にキャパシタンスを供給しない。
【0036】
この例において、それぞれがキャパシタンス値Aの63個の粗同調キャパシタエレメントが、共振タンク83のインダクタL1と共に選択されて、所望の範囲の発振周波数、例えば2.736GHzから3.127GHzが得られる。別の実装では、粗同調キャパシタエレメント85は単一のキャパシタおよびスイッチング素子、あるいは複数のキャパシタおよびスイッチング素子を含むことが出来る。各微同調キャパシタエレメント86は、キャパシタンス値Bを有する。キャパシタンス値Bは、粗同調キャパシタバンク80のキャパシタ値のミスマッチによるLC共振タンク83のキャパシタンスの範囲のギャップを埋めるように選択される。この例では、微同調キャパシタバンク81の15のステップが、粗同調キャパシタバンク80のキャパシタンスの2インクリメントにほぼ等しくなるように、15個の微同調キャパシタエレメントが選択されている。これは、微同調キャパシタバンク81のキャパシタンス値の範囲と、粗同調キャパシタバンク80のキャパシタンスの漸進的変化(incremental change)との間に実質的なオーバーラップを生成する。このオーバーラップは、キャパシタミスマッチによる粗同調キャパシタバンク80のキャパシタンスの漸進的変化における不確実性にもかかわらず、LCタンク83のキャパシタンスの全範囲が到達され得る可能性を増加させる。別の実装では、微同調キャパシタエレメント86は、単一のキャパシタおよびスイッチング素子、あるいは複数のキャパシタおよびスイッチング素子を含み得る。他の実装では、AとBの他の組み合わせが、キャパシタンスの範囲の変動及びオーバーラップ量の変動が得られるように、選択され得る。
【0037】
図7は、キャパシタバンク選択ロジック73をより詳細に示すダイアグラムである。一実装では、キャパシタバンク選択ロジック73は、チャネル選択78を示すマルチビットデジタル信号、VCO56の出力信号59、およびリファレンスクロック信号65を受信する。キャパシタバンク選択ロジック73は、これらの信号を処理してデジタル制御信号CTCCALおよびFTCCALを生成する。CTCCAL[63:1]は、粗同調キャパシタバンク80の各粗同調キャパシタエレメント85を制御し、FTCCAL[15:1]は、微同調キャパシタバンク81の各微同調キャパシタエレメント86を制御する。VCO出力信号59は、例えば32の因数で、低周波数側に分周される(divided-down)。図8に示すように、カウンタ90は、低周波数側に分周されたVCO出力信号59の各立ち上がりエッジでイネーブルとされる。その後カウンタ回路90は、低周波数側に分周されたVCO出力信号59の次の立ち下がりエッジが到達するまで、リファレンスクロック信号65のサイクル数をカウントする。したがって、カウンタ90は、図8に示すように、VCO_OUT/32信号のhighの部分でカウントする。カウンタ90は、測定されたカウント96を出力し、次にVCO_OUT/32の次の立ち上がりエッジが到達するまで、クリアされた状態で維持される。ターゲットカウントテーブル92(図7参照)は、マルチビットのデジタルチャネル選択信号78を受信し、チャネル選択に関連付けられたターゲットカウント数95を出力する。各チャネルにつき、VCO56の対応するターゲット発振周波数がある。リファレンスクロック信号65の特定の周波数値によって、各ターゲット発振周波数に関連付けられた対応するターゲットカウント数95がある。比較器91は、ターゲットカウント数95を、測定されたカウント数96と比較し、差分信号97をキャリブレーション制御ロジック93の総計に出力する。キャリブレーション制御ロジック93は、差分信号97に応じて、6ビットの粗キャパシタバンクコード(coarse capacitor bank code, CAL[9:4])および4ビットの微キャパシタバンクコード(fine capacitor bank code, CAL[3:0])を含む10ビットのデジタルワードを生成する。デコーダ94は、粗コード(coarse code)および微コード(fine code)を受信し、これらの信号をデコードし、そして対応するバイナリデジタル制御信号CTCCAL[63:1]およびFTCCAL[15:1]を、それぞれ粗同調キャパシタバンク80およびそれぞれ微同調キャパシタバンク81に出力する。キャパシタバンク選択ロジック73は、選択されたチャネルに関連付けられたターゲット周波数に可能な限り発振周波数が近づくまで、このプロセスを繰り返す。新たなチャネル選択がなされると、コードは再び反復して再計算される。この例において、選択されたチャネルに関連付けられたキャパシタバンクコードを格納する必要はなく、よってコードの広範囲なリストを各デバイスにつきメモリに格納する必要が除去される。更に、各デバイスにつき、オフラインキャリブレーション(off-line calibration)を行う必要はない。他の例では、選択されたチャネルに関連付けられた特定のキャパシタバンクコードが格納されて、各チャネル選択についてのターゲット周波数に収束するために必要な多くのキャリブレーションステップを低減または除去し得る。
【0038】
一例におけるキャパシタバンク選択ロジック73の設計では、ロジックはハードウェア記述言語で定義され、そしてこの記述は市販の合成ツールを使用して、ハードウェア論理を生成するために合成される。
【0039】
図9Aは、キャパシタバンクコードの関数としての粗同調及び微同調キャパシタバンクの間のキャパシタンス値のオーバーラップのシミュレーションを例示する。この例において、キャリブレーション制御ロジック93による10ビットのデジタルワード出力は、1024個のキャパシタバンクコードの値となる。各キャパシタバンクコード値は、一斉に動作する特定の数のアクティブな粗同調キャパシタエレメント85およびアクティブな微同調キャパシタエレメント86に相当する。より多くのキャパシタエレメントが活性化されるほど、LC共振タンク83のキャパシタンス値は増加され、VCO56の発振周波数は低下する。図9Aは、4ビットの微同調キャパシタバンクに結合された6ビットの粗同調キャパシタバンクの組み合わせで得られる発振周波数の範囲を例示する。チャネル選択がなされると、キャパシタバンク選択ロジック73は、図9Aに示す発振周波数の範囲となる一連のキャパシタバンクコードを反復して選択することにより応答する。一連のコードは、チャネル選択に関連付けられたターゲット周波数と発振周波数との間の整合に近づくように次第に移動するよう、選択される。全10ビット分解能のコードが使い尽くされると、サーチは終了する。
【0040】
図9Bは、図9Aのボックス99のキャパシタンスオーバーラップをより詳細に示す。各粗同調キャパシタエレメント85の連続の活性化は、発振周波数のジャンプの原因となる。粗同調キャパシタバンク80のこの粗な周波数インクリメントの大きさはキャパシタンス値Aによって決定され、他方で、粗同調キャパシタバンク80を使用して到達可能な発振周波数の範囲は、粗な周波数インクリメント及び粗同調キャパシタバンク80を構成する粗同調キャパシタエレメント85の数によって決定される。微同調キャパシタバンク81が無ければ、バラクタ82は、この大きい粗な周波数インクリメントを補償(span)しなければならず、これは上記議論したような望ましくない高いVCO利得に帰着するだろう。これは、微同調キャパシタバンクの周波数インクリメントの全範囲を、粗周波数インクリメント間を補間するように設計することで回避され得る。更に、微同調キャパシタバンクなしでは、バラクタ82は、キャパシタミスマッチによる粗周波数インクリメントのサイズの変動を補償しなければならないだろう。これは、微同調キャパシタバンクの周波数インクリメントの全範囲と、各粗周波数インクリメントとの間のオーバーラップを設計することにより回避される。各微同調キャパシタエレメント86の連続的な活性化はまた、発振周波数のジャンプの原因ともなる。微同調キャパシタバンク81のこの微周波数インクリメントの大きさはキャパシタンス値Bで決定される一方で、微同調キャパシタバンク81を使用して到達可能な発振周波数の範囲は、微周波数インクリメント及び微同調キャパシタバンク81を構成する微同調キャパシタエレメント86の数によって決定される。この好適な実施形態では、15個の微同調キャパシタエレメントのキャパシタンス値が、2つの粗同調キャパシタエレメントに実質的に同様となるよう、キャパシタンス値Bが選択される。これにより、微同調キャパシタバンク81の15個の微周波数インクリメントの全範囲が、粗同調キャパシタバンク80の2つの粗周波数インクリメントに実質的に等しくなるような、発振周波数におけるオーバーラップが得られる。
【0041】
図10Aは、キャリブレーション制御ロジック93の動作の一アプローチを例示する。図10Aは、全10ビットのキャパシタバンクコードでの反復バイナリサーチの例を示す。このサーチは、10ビットコードの中央(10進数の値512で)で開始する。各反復では、ターゲットVCO発振周波数とVCO出力信号59の振動数の間の差分信号97の表示(indication)が、次の10ビットのキャパシタバンクコード選択をガイドする。図10Aに示すように、VCO出力信号59の発振周波数は、最初の4回の反復のターゲットより大きい。したがって、最初の4回の反復では、キャリブレーション制御ロジック93は、キャパシタバンクコードを連続的に半減させて、VCO出力信号59の発振周波数をターゲット側へ動かす。5回目の反復では、VCO出力信号59の発振周波数はターゲットよりわずかに低くなる。よってキャリブレーション制御ロジック93は、前2回のコード間の差を分割する。6回目の反復では、VCO出力信号59の発振周波数はターゲットより再び大きくなる。よって、10ビットのキャパシタバンクコードの分解能が使い尽くされるまで、キャリブレーション制御ロジック93はバイナリサーチを下向きに継続する。
【0042】
図10Bは、キャリブレーション制御ロジック93の動作への別のアプローチを例示しており、反復するバイナリサーチが、まず6ビット粗同調キャパシタバンクコードに関して行なわれ、次に4ビット微同調キャパシタバンクコードに関して行なわれる。本例では、6ビットのコードおよび4ビットのコードの両方は、それぞれの範囲の中間に最初にセットされる。粗コードは、差分信号97の表示が変化するまで連続的に半分にされる。本例では、7回目の反復で、VCO出力信号59の発振周波数がターゲット未満に落ちる。結果として、キャリブレーション制御ロジック93は、6ビット粗同調キャパシタバンクコードを直前の値にセットして、そして4ビット微同調キャパシタバンクの分解能が使い尽くされるまで、4ビット微同調キャパシタバンクでのバイナリサーチを継続する。
【0043】
図11は、オーバーラップする2セグメントキャパシタバンクの10ビットキャパシタ制御コードをキャリブレーションする方法を例示する単純化されたフローチャートである。最初のステップ(ステップ100)で、キャパシタバンク選択ロジック73は、新しく選択されたチャネル値を受信するのを待つ。第2ステップ(ステップ101)では、キャパシタバンク選択ロジック73は、選択されたチャネル値に関連付けられたリファレンスクロックサイクルのターゲットカウントを検索する。第3のステップ(ステップ102)では、キャパシタバンク選択ロジック73のキャリブレーション制御ロジック93は、最初の10ビットキャパシタバンクコードをセットする。第4のステップ(ステップ103)では、キャパシタバンク選択ロジック73は、VCO出力信号59の低周波数に分周されたウィンドウ(divided down window of VCO output signal)内で、リファレンスクロックサイクル数をカウントする。第5のステップ(ステップS104)でキャパシタバンク選択ロジック73は、VCO出力信号59の低周波数側に分周されたウィンドウ内のリファレンスクロックサイクル数がターゲットカウントと等しいかを判断する。等しければ、キャリブレーションは完了し、キャパシタバンク選択ロジック73は、新しく選択されたチャネル値の受信を待つ(ステップ100)。等しくなければ、キャパシタバンク選択ロジック73は、サーチが10ビットキャパシタバンクコード分解能を使い尽くしたかどうか判断する(ステップ105)使い尽くしていれば、キャリブレーションは完了し、キャパシタバンク選択ロジック73は、新しく選択されたチャネル値の受信を待つ(ステップ100)。使い尽くしていなければ、キャパシタバンク選択ロジック73のキャリブレーション制御ロジック93は、バイナリサーチアルゴリズムに従って、オーバーラップする2セグメントキャパシタバンクについての修正された10ビットキャパシタバンクコードを生成する。イグジット条件(ステップ104あるいはステップ105)のいずれかが満たされるまで、ステップ103〜106が繰り返される。一例では、イグジット条件(ステップ104あるいはステップ105)のいずれかが満たされるまでのステップ103〜106の繰り返しにはおよそ1マイクロ秒かかる。
【0044】
図12は、オーバーラップする2セグメントキャパシタバンクを使用したVCO発振周波数の制御方法を例示する。第1のステップ(ステップ110)で、マルチビットデジタルワードが受信され、このワードは粗キャパシタバンクコードおよび微キャパシタバンクコードを含む。第2のステップ(ステップ111)では、粗同調キャパシタバンクの粗同調キャパシタエレメントの状態は、粗キャパシタコードに応じてスイッチングされる。第3のステップ(ステップ112)では、微同調キャパシタバンクの微同調キャパシタエレメントの状態は、微キャパシタコードに応じてスイッチングされる。
【0045】
1つまたはそれ以上の典型的な実施形態では、述べられた機能はハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはその任意の組合せで実装され得る。ソフトウェアで実装される場合、この機能は1つまたはそれ以上の命令またはコードとして、コンピュータ読み取り可能な媒体に記憶され、或いは伝送され得る。コンピュータ読み取り可能な媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの持ち運びを助ける任意の媒体を含むコンピュータ記憶媒体及び通信媒体の双方を含む。記録媒体は、汎用または特殊用途のコンピュータによってアクセスできる任意の利用可能な媒体であって良い。例として、これに限定するもので無いものとして、このようなコンピュータ読み取り可能な媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMまたは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置または他の磁気記録デバイス、または命令またはデータ構造の形で所望のプログラムコードを搬送または保持するために使用され、そして汎用または特殊用途のコンピュータまたは汎用または特殊用途のプロセッサによってアクセスできる他の任意の媒体を含むことが出来る。また、あらゆる接続が、適切にコンピュータ読み取り可能な媒体と呼ばれる。例えば、そのソフトウェアが同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、或いは赤外線、無線、及びマイクロ波といった無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、または他の遠隔源から送信されるならば、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、或いは赤外線、無線、及びマイクロ波といった無線技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用されるディスク(disk and disc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(登録商標)、光学ディスク、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、及びブルーレイディスクを含み、ディスク(disk)は、一般的に、磁気によってデータを再生し、ディスク(disc)はレーザによって光学的にデータを再生する。上記の組合せもまたコンピュータ読み取り可能な媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0046】
説明的な目的である具体的な実施形態が上で述べられたが、この特許訴求面との教示は一般的な適用可能性を有し、そして上記の具体的な実施形態に限定されない。上記のRF送受信機IC27及びFM送受信機IC28は別個の集積回路として述べられた。しかし、別の実施形態では、RF送受信機IC27およびFM送受信機IC28は同じ集積回路上に集積される。更に別の実施形態では、通信機器26のアナログおよびモバイル機能の両方は、システムオンチップ(SOC)と呼ばれる単一の集積回路上で実行される。SOC実装では、RF送受信機IC27、FM送受信機IC28、およびデジタルベースバンドIC33はすべて同じ集積回路上に集積される。従って、述べられた具体的な実施形態の様々な特徴の様々な修正、適応、及び組み合わせは、以下で説明される特許請求の範囲の範囲を逸脱することなく実行出来る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1発振ノードと、
第2発振ノードと、
第1の複数の第1同調キャパシタエレメント(tuning capacitor elements)であって、第1状態において各第1同調キャパシタエレメントが前記第1及び前記第2発振ノード間に第1キャパシタンスを供給し、第2状態において各第1同調キャパシタエレメントが前記第1及び前記第2発振ノード間に実質的にキャパシタンスを供給しない、前記第1の複数の第1同調キャパシタエレメントと、
第2の複数の第2同調キャパシタエレメントであって、第1状態において各第2同調キャパシタエレメントが前記第1及び前記第2発振ノード間に第2キャパシタンスを供給し、第2状態において各第2同調キャパシタエレメントが前記第1及び前記第2発振ノード間に実質的にキャパシタンスを供給せず、前記第2キャパシタンスが前記第1キャパシタンスよりも小さい、前記第2の複数の第2同調キャパシタエレメントと
を備える発振器。
【請求項2】
前記第1同調キャパシタエレメントの各々は、
第1リード及び第2リードを有し、前記第1リードが前記第1発振ノードに結合された第1キャパシタと、
第1リード及び第2リードを有し、前記第1リードが前記第2発振ノードに結合された第2キャパシタと、
前記第1状態で導通され、前記第1キャパシタの前記第2リードを前記第2キャパシタの前記第2リードに結合し、前記第2状態では実質的に非導通とされるスイッチングエレメントと
を備える請求項1の発振器。
【請求項3】
前記第1の複数の第1同調キャパシタエレメントは第1のサーモメータ符号化キャパシタバンク(thermometer-coded capacitor bank)であり、前記第2の複数の第2同調キャパシタエレメントは第2のサーモメータ符号化キャパシタバンク(thermometer-coded capacitor bank)である、請求項1の発振器。
【請求項4】
Y個の第2同調キャパシタエレメントが設けられ、Yと前記第2キャパシタンスとの積は、前記第1キャパシタンスよりも大きい、請求項1の発振器。
【請求項5】
前記発振器は、周波数変調(FM)無線受信機の電圧制御発振器である、請求項1の発振器。
【請求項6】
前記スイッチングエレメントはデジタルビットにより制御され、
前記スイッチングエレメントは、前記デジタルビットの第1の値で前記第1状態とされ、前記デジタルビットの第2の値で前記第2状態とされる、請求項2の発振器。
【請求項7】
前記第1の複数の第1同調キャパシタエレメントに結合された、ある量のキャパシタバンク選択ロジックを更に備え、
前記ある量のキャパシタバンク選択ロジックはキャパシタバンクコード(capacitor bank code)を生成し、
前記キャパシタバンクコードは、各第1同調キャパシタエレメントが前記第1状態であるか否か、及び各第1同調キャパシタエレメントが前記第2状態であるか否か、を決定する、請求項1の発振器。
【請求項8】
第1キャパシタバンクコードに応じて第1同調キャパシタエレメント(tuning capacitor element)の状態をスイッチングすることと、
第2キャパシタバンクコードに応じて第2同調キャパシタエレメントの状態をスイッチングすることと
を備え、前記第1同調キャパシタエレメントは第1の複数の第1同調キャパシタエレメントの1つであり、第1状態において各第1同調キャパシタエレメントが発振器の第1及び第2発振ノード間に第1キャパシタンスを供給し、第2状態において各第1同調キャパシタエレメントが前記第1及び前記第2発振ノード間に実質的にキャパシタンスを供給せず、
前記第2同調キャパシタエレメントは第2の複数の第2同調キャパシタエレメントの1つであり、第1状態において各第2同調キャパシタエレメントが前記第1及び前記第2発振ノード間に第2キャパシタンスを供給し、第2状態において各第2同調キャパシタエレメントが前記第1及び前記第2発振ノード間に実質的にキャパシタンスを供給しない、方法。
【請求項9】
前記第2の複数の第2同調キャパシタエレメントの各々が前記第1状態の際、前記第1キャパシタンスは、前記第2の複数の第2同調キャパシタエレメントの各々のキャパシタンスの和よりも小さい、請求項8の方法。
【請求項10】
前記発振器の発振周波数とターゲット発振周波数との差に応じて、前記第1キャパシタバンクコード及び前記第2キャパシタバンクコードを生成すること
を更に備える請求項8の方法。
【請求項11】
いずれかのビットが前記第1同調キャパシタエレメントの前記状態を決定する第1の複数のデジタルビットを生成するために第1キャパシタバンクコードをデコードすることと、
いずれかのビットが前記第2同調キャパシタエレメントの前記状態を決定する第2の複数のデジタルビットを生成するために第2キャパシタバンクコードをデコードすることと
を更に備える請求項8の方法。
【請求項12】
前記第1の複数の第1同調キャパシタエレメントの各々の前記キャパシタンス、及び前記第2の複数の第2同調キャパシタエレメントの各々の前記キャパシタンスは、電圧制御発振器(VCO)の発振周波数を決定する、請求項8の方法。
【請求項13】
前記VCOの前記発振周波数は、2.736ギガヘルツから3.127ギガヘルツまで変動する、請求項12の方法。
【請求項14】
コンピュータに対して、第1キャパシタバンクコードに応じて第1サーモメータ符号化キャパシタバンク(thermometer-coded capacitor bank)のキャパシタンスを制御させるためのコードと、
前記コンピュータに対して、第2キャパシタバンクコードに応じて第2サーモメータ符号化キャパシタバンクのキャパシタンスを制御させるためのコードと
を備えるコンピュータ読み取り可能な媒体を備え、前記第1サーモメータ符号化キャパシタバンクの前記キャパシタンスと前記第2サーモメータ符号化キャパシタバンクの前記キャパシタンスは、電圧制御発振器(VCO)の発振周波数を制御する、コンピュータプログラム製品。
【請求項15】
前記コンピュータ読み取り可能な媒体は、
前記コンピュータに対して、前記VCOの前記発振周波数を備える前記VCOの出力信号を受信させるためのコードと、
前記コンピュータに対して、チャネル選択信号を受信させるためのコードと、
前記コンピュータに対して、前記発振周波数と、前記チャネル選択信号に関連付けられたターゲット発振周波数との間の差の表示(indication)を生成させるためのコードと、
前記コンピュータに対して、前記表示に応じて第1キャパシタバンクコードと第2キャパシタバンクコードとを備えるデジタルワードを生成させるためのコードと
を更に備える請求項14のコンピュータプログラム製品。
【請求項16】
前記第1キャパシタバンクコードは、前記第1サーモメータ符号化キャパシタバンクの第1の複数の第1同調キャパシタエレメント(tuning capacitor elements)をアドレス(address)し、前記第2キャパシタバンクコードは、前記第2サーモメータ符号化キャパシタバンクの第2の複数の第2同調キャパシタエレメントをアドレスし、
前記第1同調キャパシタエレメントの各々は、アクティブ状態において第1キャパシタンス値を供給し、前記第2同調キャパシタエレメントの各々は、アクティブ状態において第2キャパシタンス値を供給する、請求項14のコンピュータプログラム製品。
【請求項17】
前記第2サーモメータ符号化キャパシタバンクの前記第2同調キャパシタエレメントの各々がアクティブの際、前記第2サーモメータ符号化キャパシタバンクの前記キャパシタンス値は、前記第1キャパシタンス値よりも大きい、請求項16のコンピュータプログラム製品。
【請求項18】
第1発振ノードと、
第2発振ノードと、
第1の複数の第1同調キャパシタエレメント(tuning capacitor elements)であって、第1状態において各第1同調キャパシタエレメントが前記第1及び前記第2発振ノード間に第1キャパシタンスを供給し、第2状態において各第1同調キャパシタエレメントが前記第1及び前記第2発振ノード間に実質的にキャパシタンスを供給しない、前記第1の複数の第1同調キャパシタエレメントと、
第2の複数の第2同調キャパシタエレメントであって、第1状態において各第2同調キャパシタエレメントが前記第1及び前記第2発振ノード間に第2キャパシタンスを供給し、第2状態において各第2同調キャパシタエレメントが前記第1及び前記第2発振ノード間に実質的にキャパシタンスを供給しない、前記第2の複数の第2同調キャパシタエレメントと、
各第1同調キャパシタエレメントの前記第1状態と前記第2状態との間をスイッチングし、各第2同調キャパシタエレメントの前記第1状態と前記第2状態との間をスイッチングする手段と
を備える発振器。
【請求項19】
Y個の第2同調キャパシタエレメントが設けられ、Yと前記第2キャパシタンスとの積は、前記第1キャパシタンスよりも大きい、請求項18の発振器。
【請求項20】
前記スイッチングする手段は、デジタルワードを変えることを備える、請求項18の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2012−526492(P2012−526492A)
【公表日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−510031(P2012−510031)
【出願日】平成22年5月7日(2010.5.7)
【国際出願番号】PCT/US2010/034129
【国際公開番号】WO2010/129925
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】