説明

X線トポグラフィー測定装置、および、その測定方法

【課題】 入射ビームのビーム厚みによる回折X線像のぼけを低減し、かつ、ダイナミックレンジの大きな画像を再生することにより、明度差のある鮮明なポトグラフ画像を得ること。
【解決手段】 ビーム厚みが経時的に変化した入射X線ビーム2を測定試料3に入射して回折させ、該回折した回折X線ビーム4を2次元の回折画像として画素単位で経時的に連続して画像検出部150にて検出し、演算処理部200において、該検出された2次元の回折画像の画素毎に、入射X線ビーム2の経時的なビーム厚みの変化量Δξに対する回折X線ビーム4のX線強度の明度変化率ΔM/Δξを算出し、該2次元の回折画像の算出値である明度変化率ΔM/Δξを画素毎に積算し、該積算した積算値マトリックスImをポトグラフ画像として生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線トポグラフィー装置、および、X線トポグラフィー測定方法に関し、より詳細には、より明度差のある鮮明なセクショントポグラフィー画像(以下、トポグラフ画像という)を得るための装置、および、測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近の半導体素子はますます微細化の傾向にあり、それに伴って微細加工により発生する局所歪が素子の性能を大きく左右するようになってきた。X線トポグラフィーは、このような歪を評価するために、広く用いられている測定方法である。X線による方法は、X線の透過力が大きいため、数百ミクロンの深部の歪評価が可能であること、および感度が高く10−7といった微小歪までも検出できるといった点でラマン分光等の他の手法より優れている。
【0003】
X線トポグラフィーの中でも、セクショントポグラフィーは試料断面の歪分布を測定できる手法として広く用いられている。その例としては、例えば、特許文献1に開示されている。
【0004】
図5は、従来のセクショントポグラフィー装置を示す。
図中、301は測定試料、302はトポグラフ画像を記録するための写真フィルム、原子核乾板、イメージングプレート、あるいは2次元CCD素子等のイメージ記録デバイス、303は入射X線ビーム304をX線ビーム305に整形するためのスリットである。
【0005】
X線ビーム305は、試料301を透過し、試料301の結晶格子面の一つに対して入射X線がブラッグ回折条件を満たすように、試料の角度(X線入射角度)を調節する。
【0006】
これにより、X線ビーム305の各部から発せられる回折X線306の像がイメージ記録デバイス302に記録され、試料断面の回折X線像が記録される。歪により格子面間隔、あるいは格子面の傾きが変化すると、ブラッグ回折条件を満たす試料の回転角が変化する。従って、試料301の微小回転により、各ポイントにおいて試料回転角と回折X線強度を求めることによって、断面内での歪の分布を求めることができる。
【0007】
図6は、試料301への入射X線ビーム304のビーム厚みの影響を説明するための図である。
【0008】
入射X線ビーム304に厚みがあると、図6の点Pから点Qの範囲で回折されたX線が記録面の1点Rに記録されることになり、鮮明な断面像が得られなくなる。従って、セクショントポグラフィーでは、入射X線ビーム305を薄いシート形状断面に整形する必要がある。ビーム厚みは、10μm程度が一般的である。シート状X線ビームを得るためには、上記の図5に示すようなスリット303を用いるのが一般的である。
【0009】
【特許文献1】特開平8−124983号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来のX線セクショントポグラフィーの課題の第1の理由は、シート状入射ビームの形成に関するものである。
【0011】
図6で説明したとおり、X線セクショントポグラフィーで鮮明な画像を得るためには、入射X線ビーム304を薄いシート状に整形する必要がある。
【0012】
しかし、一般に入射X線ビームのビーム厚みは、10μm程度が限界である。その理由の1つは、機械加工により10μm以下のスリットを製作するのが困難なためである。
【0013】
X線は、物質に対する透過率が高く、例えばセクショントポグラフィーでよく用いられるE=17.5keV付近のX線エネルギー領域において、ビーム厚み100μmの鋼板のX線透過率は約1%である。
【0014】
従って、このエネルギー領域の鋼製スリットの板厚は、100μm以上でなければならない。これにより、10μm以下のスリットでは、アスペクト比(厚みと開口幅の比)が10以上となり、均等な隙間を有するスリットを製作するのが困難になる。
【0015】
次に、第2の理由は、光の性質そのものにある。
スリットを通過した光の発散角θは、
θ=λ/D …(1)
で表される。
【0016】
ここで、λは光の波長、Dはスリットの開口幅である。E=17.5keVにおいて、λ=0.071nmであるから、D=10μmではθ=7.1×10−6radである。従って、スリットから試料までの距離を100mmとすると、試料位置でのビーム幅は10μm+(100000μm×7.1×10−6)=10.71μmとなり、スリットの幅がほぼ保存されたビームが試料に入射する。
【0017】
ところが、D=1μmにしようとすると、θ=7.1×10−5redとなり、試料位置でのビーム幅は1μm+(100000μm×7.1×10−5)=8.1μmとなって、仮に1μm幅のスリットが製作されたとしてもその意味がなくなる。
【0018】
また、検出できる歪みはθにほぼ等しいため、幅1μmのスリットを用いた場合の歪み検出感度は約10−4である。
【0019】
最近の半導体材料の評価では、10−6以下の歪みの測定が必要となっているため、幅1μmのスリットによる測定では、検出感度に対する要求を満たすことも難しい。
【0020】
次に、従来のX線トポグラフィーの他の課題として、2次元画像記録デバイスのダイナミックレンジに関する問題である。
【0021】
最近のX線トポグラフィーでは、CCDアレイ等の2次元記録デバイスが積極的に用いられるようになった。これらの素子では画像の各点の強度をデジタル信号に変換するため、そのビット数で明るさの階調が決定される。
【0022】
例えば、通常用いられる10ビットのCCD素子では階調は1024である。これは測定できる画像強度のダイナミックレンジが3桁であることを意味している。
【0023】
さらに、ノイズにより低強度部分が識別できなくなるケースでは、実質上のダイナミックレンジは2桁程度しか保証されない場合も生じる。イメージングプレート等の記録媒体が6桁のダイナミックレンジを有することを考えると、2次元デバイスのダイナミックレンジは極めて不十分なものと言わざるを得ない。
【0024】
そこで、本発明の目的は、入射ビームのビーム厚みによる回折X線像のぼけを低減し、かつダイナミックレンジの大きな画像を再生することにより、明度差のある鮮明なトポグラフ画像を得ることが可能な、X線トポグラフィー測定装置、および、その測定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明は、X線トポグラフィー測定装置であって、入射X線ビームのビーム厚みを経時的に変化させるビーム可変手段と、前記ビーム厚みが経時的に変化した入射X線ビームを測定試料に入射して回折させることにより、該回折した回折X線ビームを2次元の回折画像として画素単位で経時的に連続して検出する画像検出手段と、前記検出された2次元の回折画像の画素毎に、前記入射X線ビームの経時的なビーム厚みの変化に対する前記回折X線ビームのX線強度の変化率を算出し、該算出された2次元の回折画像の算出値を画素毎に積算することにより、該積算された積算値をポトグラフ画像として生成する画像処理手段とを具えることによって、X線トポグラフィー測定装置を構成する。
【0026】
ここで、ビーム可変手段は、前記入射X線ビームに対してブラッグ回折条件を満たすシリコン単結晶の部材により構成してもよい。
【0027】
本発明は、X線トポグラフィー測定方法であって、入射X線ビームのビーム厚みを経時的に変化させるビーム可変工程と、前記ビーム厚みが経時的に変化した入射X線ビームを測定試料に入射して回折させることにより、該回折した回折X線ビームを2次元の回折画像として画素単位で経時的に連続して検出する画像検出工程と、前記検出された2次元の回折画像の画素毎に、前記入射X線ビームの経時的なビーム厚みの変化に対する前記回折X線ビームのX線強度の変化率を算出し、該算出された2次元の回折画像の算出値を画素毎に積算することにより、該積算された積算値をポトグラフ画像として生成する画像処理工程とを具えることによって、X線トポグラフィー測定方法を提供する。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、ビーム厚みが経時的に変化した入射X線ビームを測定試料に入射して回折させ、該回折した回折X線ビームを2次元の回折画像として画素単位で経時的に連続して検出し、該検出された2次元の回折画像の画素毎に、入射X線ビームの経時的なビーム厚みの変化量Δξに対する回折X線ビームのX線強度の明度変化率ΔM/Δξを算出し、該2次元の回折画像の算出値である明度変化率ΔM/Δξを画素毎に積算し、該積算した積算値マトリックスImをトポグラフ画像として生成するようにしたので、従来よりもはるかに鮮明なトポグラフ画像を得ることができる。
【0029】
また、本発明によれば、画像デバイスのダイナミックレンジの制約を超えた明度差のある画像を再生することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
[第1の例]
本発明の第1の実施の形態を、図1〜図3に基づいて説明する。
【0031】
図1は、X線トポグラフィー測定装置の構成例を示す。
本装置は、入射X線ビーム1のビーム厚みを経時的に変化させるビーム可変部100と、そのビーム厚みが加工整形されたシート状X線ビーム2を測定試料3に入射して回折した回折X線ビーム4を検出する画像検出部150と、その検出された画像データを画像処理してポトグラフ画像として生成する画像処理部200とに大別される。
【0032】
ビーム可変部100は、スリット101と、ブレード102と、パルスモータ103と、スリット101の開口幅を操作するための制御装置104とからなる。制御装置104によりパルスモータ103を駆動してブレード102を操作することにより、スリット101の開口幅を変化させる構造となっている。
【0033】
画像検出部150は、例えば、ピクセル数1024×1024の2次元CCDアレイからなる。
【0034】
画像処理部200は、演算装置201と、画像モニタ202とからなる。
演算装置201は、検出された2次元の回折画像の画素毎に、入射X線ビーム2の経時的なビーム厚みの変化に対する回折X線ビーム4のX線強度の変化率を算出する処理と、この算出された2次元の回折画像の算出値を画素単位で連続的に積算する処理とを実行する。
【0035】
画像モニタ202は、その画素毎に積算された積算値を、トポグラフ画像として画面上に表示する。
【0036】
(装置動作)
以下、本装置の動作について説明する。
本例は、放射光X線を利用するもので、図示しない放射光施設において発生したX線を単色化して入射X線ビーム1として用いる。入射X線ビーム1のフォトンエネルギーは、E=19keVである。
【0037】
このようにして発生した入射X線ビーム1は、スリット101においてシート状X線ビーム2に加工整形される。
【0038】
図2は、スリット101におけるブレード102の形状を示す。
図2は、ブレード102の正面図を示す。今、入射X線ビーム1の発生時点でのビーム形状として、Y方向のビーム厚みをAとし、X方向のビーム幅をBとする。そして、パルスモータ103によりブレード102をY方向すなわちビーム厚み方向に操作移動させることにより、スリット101のY方向の開口幅Cが調整される。従って、入射X線ビーム1がその開口幅Cのスリット101を通過することによって、ビーム厚みがAの入射X線ビーム1からビーム厚みがC(開口幅)へ変更されたシート状X線ビーム2が加工整形して得られることになる。
【0039】
本例では、シート状X線ビーム2のビーム厚みは、C=9μmから10μmの範囲で変化する。すなわち、ビーム厚みの変化量Δξ=1.0μmである。
【0040】
スリット101を通過してビーム厚みが加工整形されたシート状X線ビーム2は、試料3に入射することにより、回折X線像を得る。
【0041】
ここでの試料3としては、Si(100)ウエハを用いる。この試料3での回折条件は、Si(440)ラウエケース反射である。
【0042】
そして、このようにして得られた回折X線ビーム4の回折X線像は、2次元CCDアレイからなる画像検出部150に画像データとして検出された後、演算装置201に送られる。この演算装置201では、ビーム厚みの変化量Δξに対する明度変化率ΔM/Δξを求め、明度変化率ΔM/Δξを画素単位で積算した積算値、すなわち、画像データの差分画像強度の積算値マトリックスIm
Im=Σ(ΔM/Δξ) …(1)
を計算し、トポグラフ画像として出力する。この出力画像は、画像モニタ202にて表示される。
【0043】
なお、X線は、物質に対する透過力が大きいため、スリット101のブレード102は、X線を遮断し得る十分な厚みが要求される。
【0044】
例えば、銅製のブレード102を用いる場合、E=19keVにおいてX線の強度を1/100に減衰させるためには、ブレード102の厚みを130μm以上にする必要がある。
【0045】
ブレード102の端部は、ビーム幅に対して十分に平滑でかつビームに対して平行であることが要求されるため、厚いブレードでこの条件を満たすためには高度な工作技術が要求される。
【0046】
(演算処理)
ここで、演算装置201での積算値マトリックスImの演算処理について説明する。
本例では、入射X線ビーム2のビーム厚みを少なくとも2段階に変化させる。
【0047】
今、画像検出部150で検出される回折X線像の明度データを、明度データマトリックスMとして表すものとする。ビーム厚みの変化量Δξに対する明度変化率ΔM/Δξは、入射X線ビーム2のビーム厚みの変化量Δξに相当する部分の回折X線像の明度に比例する。
【0048】
そして、ΔM/Δξを一定時間積算することにより、ビーム厚みの変化量Δξをもつ入射X線ビーム2を用いるのと同等の鮮明なX線トポグラフ画像を得ることができる。
【0049】
なお、実際の入射X線ビーム2のビーム厚みは十分大きく設定することができるため、発散角の増大による歪み検出感度の低下を招くことがない。
【0050】
また、実際に画像検出部150が受信するのは、入射X線ビーム2のビーム厚みによってボケを生じた回折X線像であるため、明度差の小さいものである。
【0051】
従って、画像検出部150のダイナミックレンジは、この明度差の小さい元画像を再現できるものであればよい。すなわち、本例では、画像検出部150のダイナミックレンジを越えるトポグラフ画像を再生することが可能である。
【0052】
(具体例)
ここで、演算処理の具体例について説明する。
本例における画像検出部150は、ピクセル数1024×1024の2次元CCDアレイである。従って、明度データマトリックスMおよび積算値マトリックスImは、2次元CCDアレイ150のピクセル数に対応した1024次元正方行列である。
【0053】
図3は、演算処理を示すフローチャートである。
【0054】
画像データである差分画像を得るための演算は、以下の手順で行う。
積算処理のための初期設定を行った後、まず、ステップS1では、ビーム厚みA=9μmに固定した状態で、例えば、1秒間だけ画像データ(すなわち、回折X線ビーム4の回折X線像)を取り込み、2次元CCDアレイ150の各ピクセル単位において平均化処理を施して、明度データマトリックスMを得る。
【0055】
ステップS2では、ビーム厚みA=10μmに変更し、同様にして1秒間だけ画像データを取り込み、各ピクセル単位において平均化処理を施して、明度データマトリックスMを得る。
【0056】
ステップS3では、D=(M−M)/Δξを算出する。この場合、Δξ=1である。
【0057】
ステップS4では、再度、ビーム厚みA=9μmに変更し、同様にして1秒間だけ画像データを取り込み、各ピクセル単位において平均化処理を施して、明度データマトリックスMを測定する。
【0058】
ステップS5では、D=(M−M)/Δξを算出する。この場合は、Δξ=−1である。
【0059】
ステップS6では、以上のビーム厚みの操作と、明度データマトリックスの演算とをn回繰り返すことによって、D,D,…,Dを求める。
【0060】
ステップS7では、D,D,…,Dを得た後、積算マトリックスIm、
【0061】
【数1】

【0062】
を計算する。
【0063】
上述したように、ビーム厚みが経時的に変化した入射X線ビーム2を測定試料3に入射して回折させ、該回折した回折X線ビーム4を2次元の回折画像として画素単位で経時的に連続して画像検出部150にて検出し、演算処理部200において、該検出された2次元の回折画像の画素毎に、入射X線ビーム2の経時的なビーム厚みの変化量Δξに対する回折X線ビーム4のX線強度の明度変化率ΔM/Δξを算出し、該2次元の回折画像の算出値である明度変化率ΔM/Δξを画素毎に積算し、該積算した積算値マトリックスImをトポグラフ画像として生成することにより、従来よりもはるかに鮮明なトポグラフ画像を得ることができる。
【0064】
[第2の例]
本発明の第2の実施の形態を図4に基づいて説明する。
【0065】
図4は、X線トポグラフィー測定装置の構成例を示す。
例えば、ブレード102の端面の凹凸は、変化量Δξに比べて十分小さい必要がある。従って、第1の例のごとく、Δξ=1μmとするためには、ブレード102の端面の凹凸は、少なくとも0.1μm以下でなければならない。
【0066】
また、通常の機械加工で可能な粗さは、この0.1μm程度であることから、第1の例ではΔξ=1μmが限界となる。
【0067】
しかし、より鮮明なトポグラフ画像を得るためには、変化量Δξをできる限り小さくする必要がある。
【0068】
そこで、本例では、加工整形された入射X線ビーム2のビーム厚みをさらに変化させるために、ビーム可変手段としてシリコン(Si)単結晶120を用いる。
【0069】
Si単結晶120のような完全性の高い結晶では、表面でのX線回折によって100%に近い反射率を得ることができる。また、単結晶は、へき開により原子レベルで平坦な断面が得られる。
【0070】
そこで、入射X線ビーム2の片方からSi単結晶120を挿入して入射X線ビーム1に対してブラッグ回折条件を満たすように配置させ、このSi単結晶120の位置をパルスモータ103で制御することにより、シート状X線ビーム2のビーム厚みを変化させる。
【0071】
本例では、シート状X線ビーム2のビーム厚みを、9.8μmから10μmの範囲で変化させる。すなわち、変化量Δξ=0.2μmである。
【0072】
そして、図3のフローチャートで説明したような演算処理を行い、(2)式の積算マトリックスImを求めることによって、第1の例よりも一段と明度差のある鮮明なトポグラフ画像を得ることができる。
【0073】
上述したように、ビーム可変手段として、入射X線ビームのビーム厚みに対してブラッグ回折条件を満たすシリコン単結晶の部材を用いたことにより、画像デバイスのダイナミックレンジの制約を超えた明度差のある画像を再生することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の第1の実施の形態である、X線トポグラフィー測定装置の構成を示すブロック図である。
【図2】スリットにおけるブレードの形状を示す説明図である。
【図3】演算処理を示すフローチャートである
【図4】本発明の第2の実施の形態である、X線トポグラフィー測定装置の構成を示すブロック図である。
【図5】従来のトポグラフィー装置の構成を示すブロック図である。
【図6】セクショントポグラフィーにおける入射X線の厚みの影響を示す説明図である。
【符号の説明】
【0075】
1 入射X線ビーム
2 シート状X線ビーム
3 測定試料
4 回折X線ビーム
100 ビーム可変部
101 スリット
102 ブレード
103 パルスモータ
104 制御装置
110 ブレード
120 ビーム可変手段(シリコン単結晶)
150 画像検出部
200 画像処理部
201 演算装置
202 画像モニタ
301 測定試料
302 イメージ記録デバイス
303 スリット
304 入射X線ビーム
305 X線ビーム
305 スリット
306 回折X線


【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線トポグラフィー測定装置であって、
入射X線ビームのビーム厚みを経時的に変化させるビーム可変手段と、
前記ビーム厚みが経時的に変化した入射X線ビームを測定試料に入射して回折させることにより、該回折した回折X線ビームを2次元の回折画像として画素単位で経時的に連続して検出する画像検出手段と、
前記検出された2次元の回折画像の画素毎に、前記入射X線ビームの経時的なビーム厚みの変化に対する前記回折X線ビームのX線強度の変化率を算出し、該算出された2次元の回折画像の算出値を画素毎に積算することにより、該積算された積算値をポトグラフ画像として生成する画像処理手段と
を具えたことを特徴とするX線トポグラフィー測定装置。
【請求項2】
ビーム可変手段は、
前記入射X線ビームに対してブラッグ回折条件を満たすシリコン単結晶の部材からなることを特徴とする請求項1記載のX線トポグラフィー測定装置。
【請求項3】
X線トポグラフィー測定方法であって、
入射X線ビームのビーム厚みを経時的に変化させるビーム可変工程と、
前記ビーム厚みが経時的に変化した入射X線ビームを測定試料に入射して回折させることにより、該回折した回折X線ビームを2次元の回折画像として画素単位で経時的に連続して検出する画像検出工程と、
前記検出された2次元の回折画像の画素毎に、前記入射X線ビームの経時的なビーム厚みの変化に対する前記回折X線ビームのX線強度の変化率を算出し、該算出された2次元の回折画像の算出値を画素毎に積算することにより、該積算された積算値をポトグラフ画像として生成する画像処理工程と
を具えたことを特徴とするX線トポグラフィー測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−58241(P2006−58241A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−242776(P2004−242776)
【出願日】平成16年8月23日(2004.8.23)
【出願人】(000005234)富士電機ホールディングス株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】