説明

ZnO透明導電膜製造装置及びZnO透明導電膜製造方法

【課題】基板上にZnO透明導電膜を高効率で製造するZnO透明導電膜製造装置を提供する。
【解決手段】ZnO透明導電膜製造装置(100)は、真空状態に維持されたチャンバー(110)と、チャンバー(110)内を通過するように基板(50)を一方向(A)に搬送するとともに、任意の箇所において停止可能な基板搬送手段(120)と、一方向(A)及びその逆方向(B)に移動可能であるようにチャンバー(100)内に配置されたノズル(130)と、を備え、ノズル(130)から基板(50)に対してDEZnの気体と水蒸気とが噴霧される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば太陽電池の一構成要素であるZnOからなる透明導電膜を製造する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年においては、枯渇しつつある原油の代替エネルギー源として、無尽蔵のエネルギー源である太陽発電への期待が高まっている。太陽発電は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する装置としての太陽電池により実現され、太陽電池の開発が活発化している。太陽電池はその構造に応じて数種類に分類されるが、Cu(In1-x,Gax)Se2(CIGS)薄膜を用いたCIGS太陽電池が薄膜太陽電池の中でも最も変換効率が高いとされている。Cu(In1-x,Gax)Se2(CIGS)は、CuInSe2のInサイトをGaで置換した混晶半導体である。
【0003】
図10はCIGS太陽電池の基本構造を示す断面図である。
CIGS太陽電池1500は、ソーダライムガラスからなる基板1501(厚さ1−4mm)と、基板1501の上に形成されたMo裏面電極1502(厚さ約1.0μm)と、Mo裏面電極1502上に形成されたCIGS光吸収層1503(厚さ約2.0μm)と、CIGS光吸収層1503上に形成された溶液成長(CBD:Chemical Bath Deposition)−CdSバッファ層1504(厚さ50−100nm)と、CBD−CdSバッファ層1504上に形成されたZnO高抵抗バッファ層1505(厚さ10−100nm)と、ZnO高抵抗バッファ層1505上に形成されたZnO透明導電膜1506(厚さ約0.6μm)と、ZnO透明導電膜1506上に形成されたMgF2反射防止膜1507と、Mo裏面電極1502上に形成された陽極1508と、ZnO透明導電膜1506上に形成された陰極1509と、からなる積層構造として構成されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「CIGS太陽電池の基礎技術」中田時夫著、2010年9月発行、日刊工業新聞社
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ZnO透明導電膜1506の製膜方法としては数種類あり、現在では、蒸着法、スパッタ法またはMO−CVD法が主流である。
しかしながら、これらの製膜方法の何れによっても、ZnO透明導電膜1506を製膜する効率(製膜効率)は高くはなく、CIGS太陽電池の製造効率の上昇を阻害する一因となっている。
【0006】
本発明は、このような従来のZnO透明導電膜製造方法における問題点に鑑みてなされたものであり、ZnO透明導電膜を高効率で製膜することを可能にするZnO透明導電膜製造装置及びZnO透明導電膜製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明は、基板上にZnOからなる透明導電膜を製造する装置であって、真空状態に維持された少なくとも一つのチャンバーと、前記チャンバー内を通過するように前記基板を一方向に搬送するとともに、任意の箇所において停止可能な基板搬送手段と、前記一方向及びその逆方向に移動可能であるように前記チャンバー内に配置された少なくとも一つのノズルと、を備え、前記ノズルから前記基板に対してDEZn(Zn(C252)の気体と水蒸気とが噴霧されるものであるZnO透明導電膜製造装置を提供する。
【0008】
本発明は、さらに、基板上にZnOからなる透明導電膜を製造する装置であって、導入用チャンバーと、前記導入用チャンバーに隣接して配置された少なくとも一つの薄膜形成用チャンバーと、前記薄膜形成用チャンバーに隣接して配置された取り出し用チャンバーと、前記導入用チャンバー、前記薄膜形成用チャンバー及び前記取り出し用チャンバー内を通過するように前記基板を一方向に搬送するとともに、任意の箇所において停止可能な基板搬送手段と、前記一方向及びその逆方向に移動可能であるように前記薄膜形成用チャンバー内に配置された少なくとも一つのノズルと、を備え、前記導入用チャンバーの内部においては大気状態から真空状態に移行され、前記薄膜形成用チャンバーの内部は真空状態に維持され、前記取り出し用チャンバーの内部においては真空状態から大気状態に移行され、前記ノズルから前記基板に対してDEZn(Zn(C252)の気体と水蒸気とが噴霧されるものであるZnO透明導電膜製造装置を提供する。
【0009】
本発明に係るZnO透明導電膜製造装置においては、前記ノズルは前記一方向と直交する方向に移動可能であることが好ましい。
【0010】
本発明は、さらに、基板上にZnOからなる透明導電膜を製造する装置であって、真空状態に維持された少なくとも一つのチャンバーと、前記チャンバー内を通過するように前記基板を一方向に搬送する基板搬送手段と、前記チャンバー内において前記一方向に列状に配置された複数個のノズルと、を備え、前記ノズルから前記基板に対してDEZn(Zn(C252)の気体と水蒸気とが噴霧されるものであるZnO透明導電膜製造装置を提供する。
【0011】
本発明は、さらに、基板上にZnOからなる透明導電膜を製造する装置であって、導入用チャンバーと、前記導入用チャンバーに隣接して配置された少なくとも一つの薄膜形成用チャンバーと、前記薄膜形成用チャンバーに隣接して配置された取り出し用チャンバーと、前記導入用チャンバー、前記薄膜形成用チャンバー及び前記取り出し用チャンバー内を通過するように前記基板を一方向に搬送する基板搬送手段と、前記薄膜形成用チャンバー内において前記一方向に列状に配置された複数個のノズルと、を備え、前記導入用チャンバーの内部においては大気状態から真空状態に移行され、前記薄膜形成用チャンバーの内部は真空状態に維持され、前記取り出し用チャンバーの内部においては真空状態から大気状態に移行され、前記ノズルから前記基板に対してDEZn(Zn(C252)の気体と水蒸気とが噴霧されるものであるZnO透明導電膜製造装置を提供する。
本発明に係るZnO透明導電膜製造装置においては、前記ノズルは上下方向に移動可能であることが好ましい。
【0012】
本発明に係るZnO透明導電膜製造装置においては、前記ノズルはその鉛直中心軸の回りに回転可能であることが好ましい。
【0013】
本発明に係るZnO透明導電膜製造装置においては、前記一方向と直交する方向に複数個のノズルが設けられていることが好ましい。
【0014】
本発明に係るZnO透明導電膜製造装置は、前記チャンバー内または前記薄膜形成用チャンバー内において前記基板を載置する基板載置台をさらに備えることが可能であり、前記基板載置台は前記チャンバー内または前記薄膜形成用チャンバー内において上下動可能であることが好ましい。
【0015】
前記基板載置台は前記基板を加熱する加熱手段を内蔵するものであることが好ましい。
本発明に係るZnO透明導電膜製造装置においては、前記基板搬送手段は前記一方向と逆方向にも前記基板を搬送可能であることが好ましい
【0016】
本発明に係るZnO透明導電膜製造装置は、前記基板上に形成されたZnO透明導電膜の厚さを測定する薄膜厚さ測定手段と、前記ノズルからの前記DEZn及び前記水蒸気の噴霧量を制御する制御手段と、をさらに備えることができ、前記制御手段は前記薄膜厚さ測定手段の測定結果に応じて前記噴霧量を制御するものであることが好ましい。
【0017】
本発明に係るZnO透明導電膜製造装置は、前記ノズルの移動速度を制御する移動速度制御手段をさらに備えることが好ましい。
【0018】
本発明は、さらに、基板上にZnOからなる透明導電膜を製造する方法であって、真空状態に維持されたチャンバー内に前記基板を載置する第一の過程と、前記チャンバー内に配置された少なくとも一つのノズルを前記基板の上方において前記基板に沿って移動させる第二の過程と、前記第二の過程の実施中に前記ノズルから前記基板に対してDEZn(Zn(C252)の気体と水蒸気とを噴霧する第三の過程と、を備えるZnO透明導電膜製造方法を提供する。
【0019】
本発明は、さらに、基板上にZnOからなる透明導電膜を製造する方法であって、大気状態にある導入用チャンバーに前記基板を導入する第一の過程と、前記導入用チャンバーの内部を真空状態にする第二の過程と、真空状態を維持しながら、前記導入用チャンバーに隣接して配置され、真空状態に維持されている薄膜形成用チャンバーに前記基板を導入する第三の過程と、前記薄膜形成用チャンバー内に配置された少なくとも一つのノズルを前記基板の上方において前記基板に沿って移動させる第四の過程と、前記第四の過程の実施中に前記ノズルから前記基板に対してDEZn(Zn(C252)の気体と水蒸気とを噴霧する第五の過程と、真空状態を維持しながら、前記薄膜形成用チャンバーに隣接して配置され、真空状態に維持されている取り出し用チャンバーに前記基板を導入する第六の過程と、前記取り出し用チャンバーを真空状態から大気状態にする第七の過程と、前記取り出し用チャンバーから前記基板を取り出す第八の過程と、を備えるZnO透明導電膜製造方法を提供する。
【0020】
本発明に係るZnO透明導電膜製造方法は、前記ノズルを上下方向に移動させる過程をさらに備えることが好ましい。
【0021】
本発明に係るZnO透明導電膜製造方法は、前記ノズルをその鉛直中心軸の回りに回転させる過程をさらに備えることが好ましい。
【0022】
本発明に係るZnO透明導電膜製造方法は、前記薄膜形成用チャンバー内において前記基板を上下動させる過程をさらに備えることが好ましい。
【0023】
本発明に係るZnO透明導電膜製造方法は、前記チャンバー内または前記薄膜形成用チャンバー内において前記基板を一方向またはその逆方向に移動させる過程を備えることが好ましい。
【0024】
本発明に係るZnO透明導電膜製造方法は、前記基板上に形成されたZnO透明導電膜の厚さを測定する過程と、測定された前記ZnO透明導電膜の厚さに応じて前記ノズルからの前記DEZn及び前記水蒸気の噴霧量を制御する過程と、をさらに備えることが好ましい。
【0025】
本発明に係るZnO透明導電膜製造方法は、前記チャンバー内または前記薄膜形成用チャンバー内における前記ノズルの移動速度を制御する過程をさらに備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係るZnO透明導電膜製造装置またはZnO透明導電膜製造方法によれば、ノズルが基板の長さ方向に沿って基板の上方を移動し、基板上にZnO透明導電膜形成用の気体を噴霧するため、短時間で、すなわち、高効率で基板上にZnO透明導電膜を形成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第一の実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置の構造を示す概略的な縦断面図である。
【図2】本発明の第二の実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置の構造を示す概略的な縦断面図である。
【図3】図3(A)は本発明の第三の実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置の構造を示す概略的な縦断面図であり、図3(B)は図3(A)に示したZnO透明導電膜製造装置を上方から見た場合の平面図である。
【図4】図4(A)は本発明の第四の実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置の構造を示す概略的な縦断面図であり、図4(B)は図4(A)に示したZnO透明導電膜製造装置を上方から見た場合の平面図である。
【図5】本発明の第四の実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置の第一の変更例における基板載置台の断面図である。
【図6】本発明の第四の実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置の第二の変更例における基板載置台の断面図である。
【図7】本発明の第五の実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置の構造を示す概略的な縦断面図である。
【図8】本発明の第六の実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置の構造を示す概略的な縦断面図である。
【図9】本発明の第七の実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置の構造を示す概略的な縦断面図である。
【図10】CIGS太陽電池の基本構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(第一の実施形態)
図1は本発明の第一の実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置100の構造を示す概略的な縦断面図である。
【0029】
本実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置100は、内部に真空状態にすることが可能なチャンバー110と、ZnO透明導電膜を形成する基板50を搬送する基板搬送手段120と、チャンバー110の天井面に取り付けられたノズル130と、から構成されている。
【0030】
基板搬送手段120は、チャンバー110の底面に沿って配置された複数のローラー121と、ローラー121上に置かれ、ローラー121の回転とともにローラー121上を移動するトレイ122と、から構成されている。基板50はトレイ122上に載置され、ローラー121が時計回りの方向に回転することにより、矢印Aの方向に搬送される。具体的には、基板50は、基板搬送手段120によって、チャンバー110の外部からチャンバー110の内部に搬入され、チャンバー110の内部において停止し、この間に基板50上にZnO透明導電膜が形成され、その後、チャンバー110の外部に搬出される。すなわち、基板搬送手段120は基板50をチャンバー110の内部を通過するように方向Aに搬送し、さらに、チャンバー110の内外において任意の位置に停止する機能を有している。
【0031】
ノズル130は基板50が搬送される方向A及びその逆の方向Bに移動可能であるようにチャンバー110の天井面に取り付けられている。ノズル130の移動可能範囲はチャンバー110の左端から右端までである。すなわち、ノズル130はチャンバー110の左右方向における任意の位置に移動することができるように構成されている。
【0032】
ZnO透明導電膜は次の化学式に従って形成される。
Zn(C252(gas)+H2O(gas)→ZnO
このため、ノズル130からは気体状のDEZn(Zn(C252)と水蒸気(または酸素)とが噴霧されるように構成されている。
【0033】
上記のような構造を有する本実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置100は以下のような動作を行う。
【0034】
先ず、基板搬送手段120によって基板50がチャンバー110の外部から内部に搬入され、基板搬送手段120はチャンバー110の内部において停止する。これにより、基板50は、図1に示すように、チャンバー110の内部において静止した状態にある。
【0035】
次いで、チャンバー110の内部の空気を吸引し、チャンバー110の内部を真空状態にする。ノズル130をチャンバー110の左端に位置させる。次いで、ノズル130からの気体状のDEZn及び水蒸気の噴霧を開始する。気体状のDEZn及び水蒸気は基板50上に堆積し、基板50上にZnO透明導電膜を形成する。
【0036】
ノズル130からの気体状のDEZn及び水蒸気の噴霧を開始した後、ノズル130を方向Aに一定速度で移動させる。ノズル130の移動に伴い、基板50上にはZnO透明導電膜が形成されていく。ノズル130をチャンバー110の右端まで移動させることにより、基板50上には全面にわたってZnO透明導電膜が形成される。ZnO透明導電膜の厚さに応じて、必要がある場合には、ノズル130をさらに右端から左端へ、すなわち、方向Bに移動させ、基板50上にZnO透明導電膜を形成する。
【0037】
以上のように、本実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置100によれば、ノズル130が基板50の長さ方向に沿って基板50の上方を移動するため、短時間で、すなわち、高効率で基板50上にZnO透明導電膜を形成することが可能になる。
【0038】
さらに、必要がある場合には、ノズル130を方向Aに前進させるのみならず、逆方向Bに後進させることによっても、基板50上にZnO透明導電膜を形成することが可能であるため、ZnO透明導電膜の厚みを任意の値に制御することが可能である。
【0039】
本実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置100は上記の構造に限定されるものではなく、種々の改変を加えることが可能である。
【0040】
例えば、本実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置100においては、基板搬送手段120は方向Aに基板50を搬送するものとして構成されているが、逆方向Bに基板50を搬送することが可能であるようにも構成することが可能である。具体的には、ローラー121を時計回りの方向及び反時計回りの方向の双方に回転可能であるように構成することにより、基板50を方向A及び逆方向Bに搬送することが可能になる。さらには、ローラー121の回転速度を制御することにより、基板50の搬送速度を制御することも可能である。
【0041】
また、ノズル130をその鉛直中心軸の回りに回転可能であるように構成することも可能である。ノズル130を回転させることにより、DEZnの気体及び水蒸気をノズル130の周囲に均一に拡散させることが可能になる。また、ノズル130の移動速度を制御する移動速度制御手段を設けることも可能である。移動速度制御手段を設けることにより、例えば、ZnO透明導電膜の厚さを小さくする場合にはノズル130の移動速度を早く、ZnO透明導電膜の厚さを大きくする場合にはノズル130の移動速度を遅くすることができる。
【0042】
さらに、本実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置100は1個のノズル130を有するものとして構成されているが、本実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置100が有し得るノズル130の数は1には限定されない。例えば、基板50の幅方向(図1の紙面と直交する方向)において、基板の全幅をカバーし得る複数個のノズル130を並べることも可能である。あるいは、基板50の搬送方向Aにおいて複数個のノズル130を配置し、各ノズル130の可動範囲を隣接するノズル130の可動範囲に抵触しないように定めることも可能である。
【0043】
(第二の実施形態)
図2は本発明の第二の実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置200の構造を示す概略的な縦断面図である。
【0044】
本実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置200におけるノズル230には、第一の実施形態におけるノズル130と比較して、上下動可能な機能が追加されている。この点を除いて、本実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置200は第一の実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置100と同様の構造を有している。
【0045】
図2に示すように、ノズル230は、基板50と干渉しない範囲において、チャンバー110の天井面と天井面より低い所定の高さとの間において降下または上昇可能であるように構成されている。このように、ノズル230を上下動可能に構成することにより、ノズル230と基板50との間の距離を最適な距離に設定することが可能になる。
【0046】
(第三の実施形態)
図3(A)は本発明の第三の実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置300の構造を示す概略的な縦断面図であり、図3(B)はZnO透明導電膜製造装置300を上方から見た場合の平面図である。
【0047】
第一の実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置100におけるノズル130は方向A及びBにのみ移動可能であるのに対して、本実施形態におけるノズル330は方向A及びBのみならず、方向A及びBに直交する方向C及びD(図3(B)参照)においても移動可能であるように構成されている。すなわち、第一の実施形態におけるノズル130の移動可能範囲は一次元的であるのに対して、本実施形態におけるノズル330の移動可能範囲は二次元的になっている。この点を除いて、本実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置300は第一の実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置100と同様の構造を有している。
【0048】
図3(A)及び図3(B)に示すように、本実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置300は基板50の搬送方向A及びその逆方向Bに延びる第一レール310と、第一レール310と直交する方向C及びDに延びる3本の第二レール320と、を備えている。
【0049】
3本の第二レール320の各々はチャンバー110の天井面に当距離に取り付けられており、第一レール310は3本の第二レール320にスライド可能に取り付けられている。すなわち、第一レール310は第二レール320に沿って方向C及びDに移動可能である。ノズル330は第一レール310に取り付けられており、ノズル330は第一レール310に沿って方向A及びBに移動可能である。
【0050】
本実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置300によれば、ノズル330は第一レール310に沿って方向A及びBに移動可能であり、さらに、第一レール310は第二レール320に沿って方向C及びDに移動可能であるので、ノズル330はチャンバー110内の全ての位置に移動することが可能である。このため、ノズル330は基板50に対して任意の位置を取ることができ、基板50の全面に対して均一にDEZn及び水蒸気を噴霧することが可能である。
【0051】
(第四の実施形態)
図4(A)は本発明の第四の実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置400の構造を示す概略的な縦断面図であり、図4(B)はZnO透明導電膜製造装置400を上方から見た場合の平面図である。
【0052】
本実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置400は、第一の実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置100と比較して、チャンバー110内に配置された基板載置台410をさらに備えている。この点を除いて、本実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置400は第一の実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置100と同様の構造を有している。
【0053】
本実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置400においては、図4(B)に示すように、トレイ122はその両端においてローラー121上に支持されているとともに、その中央部分において基板載置台410上に支持されている。
【0054】
図4(A)に示すように、基板載置台410は、ノズル130と干渉しない範囲において、チャンバー110内において上下動が可能であるように構成されている(なお、図4(A)においては、基板載置台410を見やすくするため、ローラー121は図示していない)。このように、上下動可能な基板載置台410を設けることにより、ノズル130と基板50との間の距離を最適な距離に設定することが可能になる。
【0055】
なお、本実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置400は上記の構造に限定されるものではなく、種々の改変を加えることが可能である。
【0056】
図5は本実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置400の第一の変更例における基板載置台410の断面図である。
【0057】
図5に示すように、第一の変更例における基板載置台410の内部には空洞420が形成されており、この空洞420には、ヒーター430により加熱されたオイルを貯留しているオイル源440からオイルが供給される。加熱されたオイルにより基板載置台410も加熱された状態にあり、このため、基板載置台410上に載置されている基板50を加熱することが可能である。
【0058】
図6は本実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置400の第二の変更例における基板載置台410の断面図である。図6に示すように、第二の変更例における基板載置台410の内部には基板載置台410の内部を網羅する循環路421が形成されている。ヒーター430により加熱されたオイルはオイル源440からポンプ450を介して循環路421の入り口421Aに供給され、循環路421を回って、出口421Bからオイル源440に戻る。このように、加熱されたオイルが常に基板載置台410の内部を循環することにより、基板載置台410は高温に維持され、ひいては、基板載置台410上に載置された基板50を高温に維持することが可能である。
【0059】
(第五の実施形態)
図7は本発明の第五の実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置500の構造を示す概略的な縦断面図である。
【0060】
本実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置500は、第一の実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置100と比較して、基板50上に形成されたZnO透明導電膜の厚さを測定する薄膜厚さ測定手段としてのセンサー510と、ノズル130からのDEZn及び水蒸気の噴霧量を制御する制御手段としての制御装置520と、をさらに備えている。センサー510及び制御装置520を追加的に備えている点を除いて、本実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置500は第一の実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置100と同様の構造を有している。
【0061】
チャンバー110の天井面には、ノズル130の移動と干渉しない位置において、複数個のセンサー510が取り付けられており、各センサー510は基板50の搬送方向Aにおいて等間隔に配置されている。各センサー510は基板50上のZnO透明導電膜に対してレーザーを照射し、ZnO透明導電膜から反射したレーザーを受光するとともに、照射したレーザー量及び受光したレーザー量を示す信号を制御装置520に送信する。
【0062】
制御装置520は各センサー510から受信した信号に基づいて、ZnO透明導電膜の厚さを計算する。制御装置520は以下のようにノズル130からのDEZn及び水蒸気の噴霧量を制御する。
【0063】
計算されたZnO透明導電膜の厚さが設計値通りのものである場合には、ノズル130からのDEZn及び水蒸気の噴霧量をそのまま維持する。計算されたZnO透明導電膜の厚さが設計値より小さい場合には、ノズル130からのDEZn及び水蒸気の噴霧量を増やす。計算されたZnO透明導電膜の厚さが設計値より大きい場合には、ノズル130からのDEZn及び水蒸気の噴霧量を減らす。
【0064】
以上のようにして、制御装置520はZnO透明導電膜の厚さが設計値通りになるように制御を行う。
【0065】
本実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置500によれば、ZnO透明導電膜が形成されている段階において、ZnO透明導電膜の厚さが測定されるため、ZnO透明導電膜の厚さが設計値の厚さになるように制御することが可能である。
【0066】
(第六の実施形態)
図8は本発明の第六の実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置600の構造を示す概略的な縦断面図である。
【0067】
本実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置600は、第一の実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置100と比較して、複数個のノズル630を備えており、さらに、各ノズル630は移動可能ではなく、チャンバー110の天井面に固定されている点が異なっている。この点を除いて、本実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置600は第一の実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置100と同様の構造を有している。
【0068】
複数個のノズル630は基板50の搬送方向Aにおいて列状に配置されている。第一の実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置100においては、基板50は静止し、ノズル130が移動していたのに対して、本実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置600においては、各ノズル630は静止し、基板50が方向Aに移動する。このため、第一の実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置100と同様の効果を得ることができる。
【0069】
(第七の実施形態)
図9は本発明の第七の実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置700の構造を示す概略的な縦断面図である。
【0070】
図9に示すように、本実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置700は、導入用チャンバー710と、導入用チャンバー710に隣接して配置された3個の薄膜形成用チャンバー720A、720B、720Cと、薄膜形成用チャンバー720Cに隣接して配置された取り出し用チャンバー730と、基板搬送手段740と、薄膜形成用チャンバーチャンバー720A、720B、720Cの各々の内部に配置されたノズル750と、導入用チャンバー710の内部に配置された加熱装置760と、取り出し用チャンバー730の内部に配置された冷却装置770と、各チャンバー710、720A、720B、720C、730の入り口側及び出口側に配置されたゲートバルブ780A、780B、780C、780D、780E、780Fと、を備えている。
【0071】
基板搬送手段740は、導入用チャンバー710の外部であって導入用チャンバー710に隣接した領域、導入用チャンバー710、薄膜形成用チャンバー720A、720B、720C及び取り出し用チャンバー730の底面並びに取り出し用チャンバー730の外部であって取り出し用チャンバー730に隣接した領域に配置された複数個のローラー741と、ローラー741上に置かれ、ローラー741の回転とともにローラー741上を移動するトレイ742と、から構成されている。
【0072】
基板50はトレイ742上に載置され、ローラー741が時計回りの方向に回転することにより、矢印Aの方向に搬送される。具体的には、基板50は、基板搬送手段740によって、導入用チャンバー710の外部から導入用チャンバー710の内部に搬入され、その後、薄膜形成用チャンバー720A、720B、720C及び取り出し用チャンバー730を通過し、取り出し用チャンバー730の外部に搬出される。基板搬送手段740は各チャンバーの内外において任意の位置に停止する機能を有しており、各チャンバーの内部に基板50を搬入した後、一定の時間、停止する。
【0073】
導入用チャンバー710、薄膜形成用チャンバー720A、720B、720C及び取り出し用チャンバー730の各々は内部を大気状態から真空状態に移行させる機能を有している。導入用チャンバー710の天井面に取り付けられている加熱装置760はランプヒーターからなり、基板50を加熱する機能を有している。
【0074】
ノズル750は基板50が搬送される方向A及びその逆の方向Bに移動可能であるように薄膜形成用チャンバー720A、720B、720Cの各々の天井面に取り付けられている。ノズル750の移動可能範囲は薄膜形成用チャンバー720A、720B、720Cの左端から右端までである。すなわち、ノズル750は薄膜形成用チャンバー720A、720B、720Cの左右方向における任意の位置に移動することができるように構成されている。ノズル750は、第一の実施形態におけるノズル130と同様に、気体状のDEZnと水蒸気とを噴霧する。
【0075】
冷却装置770は取り出し用チャンバー730の天井面に取り付けられており、乾燥した窒素ガスを放出し、加熱状態にある基板50を冷却する機能を有している。各ゲートバルブ780A−780Fは開閉する機能を有しており、各ゲートバルブ780A−780Fを開くことにより、各チャンバーの内部が外部に開放され、各ゲートバルブ780A−780Fを閉めることにより、各チャンバーの内部は密閉状態となる。
【0076】
なお、薄膜形成用チャンバー720A、720B、720Cの各々とノズル750と基板搬送手段740とは第一の実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置100と同様の構成を有している。すなわち、本実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置700は3個の列状に配置された第一の実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置100とその両側に配置された導入用チャンバー710及び取り出し用チャンバー730とから構成されている。
【0077】
以上のような構造を有する本実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置700は以下のような動作を行う。
【0078】
先ず、導入用チャンバー710の外部において、基板搬送手段740のトレイ742上に基板50を載置する。次いで、ゲートバルブ780Aを開き、基板搬送手段740を作動させ、基板50を導入用チャンバー710の内部に搬入する。その後、ゲートバルブ780Aを閉じる。これにより、導入用チャンバー710の内部は密閉状態となる(ゲートバルブ780Bは閉じたままである)。
【0079】
次いで、導入用チャンバー710の内部の空気を吸引し、導入用チャンバー710の内部を大気状態から真空状態にする。その後、加熱装置760を作動させ、基板50を加熱する。基板50が反応温度まで加熱された後、ゲートバルブ780Bを開き、さらに、基板搬送手段740を作動させ、基板50を薄膜形成用チャンバー720Aの内部に搬入する。薄膜形成用チャンバー720Aの内部は予め真空状態にされている。
【0080】
次いで、第一の実施形態の場合と同様に、ノズル750を作動させ、基板50上にZnO透明導電膜を形成する。薄膜形成用チャンバー720B及び720Cの内部においても同様のことが行われる。ZnO透明導電膜の形成が終了すると、ゲートバルブ780Eを開き、さらに、基板搬送手段740を作動させ、基板50を取り出し用チャンバー730の内部に搬入する。取り出し用チャンバー730の内部は予め真空状態にされている。
【0081】
取り出し用チャンバー730の内部においては、冷却装置770を作動させ、基板50を室温まで冷却するとともに、取り出し用チャンバー730の内部に空気を導入し、取り出し用チャンバー730の内部を真空状態から大気状態に移行させる。基板50が室温まで冷却された後、ゲートバルブ780Fを開き、さらに、基板搬送手段740を作動させ、基板50を取り出し用チャンバー730の外部に搬出する。
【0082】
以上のように、本実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置700によれば、薄膜形成用チャンバー720A、720B、720Cの各々において、短時間で、すなわち、高効率で基板50上にZnO透明導電膜を形成することが可能であるとともに、ZnO透明導電膜製造装置700を自動制御することにより、ZnO透明導電膜を大量に生産することも可能である。
【0083】
本実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置700は上記の構造に限定されるものではなく、種々の改変を加えることが可能である。
【0084】
前述のように、本実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置700は3個の列状に配置された第一の実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置100とその両側に配置された導入用チャンバー710及び取り出し用チャンバー730とから構成されているが、第一の実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置100に代えて、第二の実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置200乃至第六の実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置600の何れかを用いることも可能である。
【0085】
また、導入用チャンバー710と取り出し用チャンバー730との間に配置される第一の実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置100の数は3には限定されない。1以上の任意の数を選択することができる。
【符号の説明】
【0086】
100 本発明の第一の実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置
110 チャンバー
120 基板搬送手段
130 ノズル
200 本発明の第二の実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置
230 ノズル
300 本発明の第三の実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置
310 第一レール
320 第二レール
330 ノズル
400 本発明の第四の実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置
410 基板載置台
420 空洞
421 循環路
430 ヒーター
440 オイル源
500 本発明の第五の実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置
510 センサー
520 制御装置
600 本発明の第六の実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置
630 ノズル
700 本発明の第七の実施形態に係るZnO透明導電膜製造装置
710 導入用チャンバー
720A、720B、720C 薄膜形成用チャンバー
730 取り出し用チャンバー
740 基板搬送手段
750 ノズル
760 加熱装置
770 冷却装置
780A−780F ゲートバルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上にZnOからなる透明導電膜を製造する装置であって、
真空状態に維持された少なくとも一つのチャンバーと、
前記チャンバー内を通過するように前記基板を一方向に搬送するとともに、任意の箇所において停止可能な基板搬送手段と、
前記一方向及びその逆方向に移動可能であるように前記チャンバー内に配置された少なくとも一つのノズルと、
を備え、
前記ノズルから前記基板に対してDEZn(Zn(C252)の気体と水蒸気とが噴霧されるものであるZnO透明導電膜製造装置。
【請求項2】
基板上にZnOからなる透明導電膜を製造する装置であって、
導入用チャンバーと、
前記導入用チャンバーに隣接して配置された少なくとも一つの薄膜形成用チャンバーと、
前記薄膜形成用チャンバーに隣接して配置された取り出し用チャンバーと、
前記導入用チャンバー、前記薄膜形成用チャンバー及び前記取り出し用チャンバー内を通過するように前記基板を一方向に搬送するとともに、任意の箇所において停止可能な基板搬送手段と、
前記一方向及びその逆方向に移動可能であるように前記薄膜形成用チャンバー内に配置された少なくとも一つのノズルと、
を備え、
前記導入用チャンバーの内部においては大気状態から真空状態に移行され、
前記薄膜形成用チャンバーの内部は真空状態に維持され、
前記取り出し用チャンバーの内部においては真空状態から大気状態に移行され、
前記ノズルから前記基板に対してDEZn(Zn(C252)の気体と水蒸気とが噴霧されるものであるZnO透明導電膜製造装置。
【請求項3】
前記ノズルは前記一方向と直交する方向に移動可能であることを特徴とする請求項1または2に記載のZnO透明導電膜製造装置。
【請求項4】
基板上にZnOからなる透明導電膜を製造する装置であって、
真空状態に維持された少なくとも一つのチャンバーと、
前記チャンバー内を通過するように前記基板を一方向に搬送する基板搬送手段と、
前記チャンバー内において前記一方向に列状に配置された複数個のノズルと、
を備え、
前記ノズルから前記基板に対してDEZn(Zn(C252)の気体と水蒸気とが噴霧されるものであるZnO透明導電膜製造装置。
【請求項5】
基板上にZnOからなる透明導電膜を製造する装置であって、
導入用チャンバーと、
前記導入用チャンバーに隣接して配置された少なくとも一つの薄膜形成用チャンバーと、
前記薄膜形成用チャンバーに隣接して配置された取り出し用チャンバーと、
前記導入用チャンバー、前記薄膜形成用チャンバー及び前記取り出し用チャンバー内を通過するように前記基板を一方向に搬送する基板搬送手段と、
前記薄膜形成用チャンバー内において前記一方向に列状に配置された複数個のノズルと、
を備え、
前記導入用チャンバーの内部においては大気状態から真空状態に移行され、
前記薄膜形成用チャンバーの内部は真空状態に維持され、
前記取り出し用チャンバーの内部においては真空状態から大気状態に移行され、
前記ノズルから前記基板に対してDEZn(Zn(C252)の気体と水蒸気とが噴霧されるものであるZnO透明導電膜製造装置。
【請求項6】
前記ノズルは上下方向に移動可能であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のZnO透明導電膜製造装置。
【請求項7】
前記ノズルはその鉛直中心軸の回りに回転可能であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載のZnO透明導電膜製造装置。
【請求項8】
前記一方向と直交する方向に複数個のノズルが設けられていることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載のZnO透明導電膜製造装置。
【請求項9】
前記チャンバー内または前記薄膜形成用チャンバー内において前記基板を載置する基板載置台をさらに備えており、前記基板載置台は前記チャンバー内または前記薄膜形成用チャンバー内において上下動可能であることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載のZnO透明導電膜製造装置。
【請求項10】
前記基板載置台は前記基板を加熱する加熱手段を内蔵するものであることを特徴とする請求項9に記載のZnO透明導電膜製造装置。
【請求項11】
前記基板搬送手段は前記一方向と逆方向にも前記基板を搬送可能であることを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載のZnO透明導電膜製造装置。
【請求項12】
前記基板上に形成されたZnO透明導電膜の厚さを測定する薄膜厚さ測定手段と、
前記ノズルからの前記DEZn及び前記水蒸気の噴霧量を制御する制御手段と、
をさらに備え、
前記制御手段は前記薄膜厚さ測定手段の測定結果に応じて前記噴霧量を制御するものであることを特徴とする請求項1乃至11の何れか一項に記載のZnO透明導電膜製造装置。
【請求項13】
前記ノズルの移動速度を制御する移動速度制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至12の何れか一項に記載のZnO透明導電膜製造装置。
【請求項14】
基板上にZnOからなる透明導電膜を製造する方法であって、
真空状態に維持されたチャンバー内に前記基板を載置する第一の過程と、
前記チャンバー内に配置された少なくとも一つのノズルを前記基板の上方において前記基板に沿って移動させる第二の過程と、
前記第二の過程の実施中に前記ノズルから前記基板に対してDEZn(Zn(C252)の気体と水蒸気とを噴霧する第三の過程と、
を備えるZnO透明導電膜製造方法。
【請求項15】
基板上にZnOからなる透明導電膜を製造する方法であって、
大気状態にある導入用チャンバーに前記基板を導入する第一の過程と、
前記導入用チャンバーの内部を真空状態にする第二の過程と、
真空状態を維持しながら、前記導入用チャンバーに隣接して配置され、真空状態に維持されている薄膜形成用チャンバーに前記基板を導入する第三の過程と、
前記薄膜形成用チャンバー内に配置された少なくとも一つのノズルを前記基板の上方において前記基板に沿って移動させる第四の過程と、
前記第四の過程の実施中に前記ノズルから前記基板に対してDEZn(Zn(C252)の気体と水蒸気とを噴霧する第五の過程と、
真空状態を維持しながら、前記薄膜形成用チャンバーに隣接して配置され、真空状態に維持されている取り出し用チャンバーに前記基板を導入する第六の過程と、
前記取り出し用チャンバーを真空状態から大気状態にする第七の過程と、
前記取り出し用チャンバーから前記基板を取り出す第八の過程と、
を備えるZnO透明導電膜製造方法。
【請求項16】
前記ノズルを上下方向に移動させる過程をさらに備えることを特徴とする請求項14または15に記載のZnO透明導電膜製造方法。
【請求項17】
前記ノズルをその鉛直中心軸の回りに回転させる過程をさらに備えることを特徴とする請求項14乃至16の何れか一項に記載のZnO透明導電膜製造方法。
【請求項18】
前記薄膜形成用チャンバー内において前記基板を上下動させる過程をさらに備えることを特徴とする請求項14乃至17の何れか一項に記載のZnO透明導電膜製造方法。
【請求項19】
前記チャンバー内または前記薄膜形成用チャンバー内において前記基板を一方向またはその逆方向に移動させる過程を備えることを特徴とする請求項14乃至18の何れか一項に記載のZnO透明導電膜製造方法。
【請求項20】
前記基板上に形成されたZnO透明導電膜の厚さを測定する過程と、
測定された前記ZnO透明導電膜の厚さに応じて前記ノズルからの前記DEZn及び前記水蒸気の噴霧量を制御する過程と、
をさらに備えることを特徴とする請求項14乃至19の何れか一項に記載のZnO透明導電膜製造方法。
【請求項21】
前記薄膜形成用チャンバー内における前記ノズルの移動速度を制御する過程をさらに備えることを特徴とする請求項14乃至20の何れか一項に記載のZnO透明導電膜製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−36064(P2013−36064A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−171157(P2011−171157)
【出願日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(511078233)コアテクノロジー株式会社 (5)
【出願人】(511190823)カーン エナジー エンタープライズ カンパニー リミティド (2)
【Fターム(参考)】