説明

p38MAPキナーゼ阻害剤

【化1】


とりわけ、治療、とりわけ炎症性疾患の処置での使用のための式(I)の化合物[ここでR、Ar、L、X、RおよびQは本明細で定義されるとおりである]が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、p38マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ酵素、とりわけそのαおよびγキナーゼサブタイプの阻害剤である化合物(本明細書でp38 MAPキナーゼ阻害剤と称される)、ならびに製薬学的組合せ中を包含する治療、とりわけCOPDのような肺の炎症性疾患を包含する炎症性疾患の処置におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
それぞれ組織特異的発現パターンを表す4種のp38 MAPKアイソフォーム(それぞれα、β、γおよびδ)が同定されている。p38 MAPKαおよびβアイソフォームは身体全体で遍在性に発現され、そして多くの異なる細胞型で見出される。p38 MAPKαおよびβアイソフォームはある種の既知の小分子p38 MAPK阻害剤により阻害される。古い世代の化合物は、これらのアイソフォームの遍在性の発現パターンおよび該化合物のオフターゲット効果により高度に毒性であった。より最近の阻害剤は、p38 MAPKαおよびβアイソフォームに高度に選択的でありかつより広範な安全の限界を有するように改良されている。
【0003】
p38 MAPKγおよびδアイソフォームについてより少なく既知である。これらのアイソフォームは(p38αおよびp38βアイソフォームと異なり)特定の組織/細胞で発現される。p38 MAPKδアイソフォームは、膵、精巣、肺、小腸および腎でより多く発現される。それはまたマクロファージ中でも豊富であり(非特許文献1)、かつ、好中球、CD4+ T細胞および内皮細胞で検出可能である(非特許文献2、非特許文献3)。p38 MAPKγの発現についてはほとんど知られていないが、しかしそれは脳および心、ならびにリンパ球およびマクロファージ中でより多く発現されている(非特許文献2)。
【0004】
p38 MAPKγおよびδの選択的小分子阻害剤は現在利用可能でないが、しかし1種の既存化合物、BIRB 796がパンアイソフォーム(pan−isoform)阻害活性を有することが既知である。p38γおよびp38δ阻害は、p38αおよびp38βを阻害するのに必要とされるものより高濃度の該化合物で観察される(非特許文献4)。BIRB 796はまた、上流のキナーゼMKK6若しくはMKK4によるp38 MAPK若しくはJNKのリン酸化も減少した。Kumaは、MAPKへの阻害剤の結合により引き起こされるコンホメ−ション変化が、そのリン酸化部位および上流の活性化因子のドッキング部位の双方の構造に影響を及ぼし、従ってp38 MAPK若しくはJNKのリン酸化を減少させうるという可能性を論じた。
【0005】
p38 MAPキナーゼは、ヒト疾患における慢性の持続性炎症、例えば重症の喘息およびCOPDの開始および維持に関与するシグナル伝達経路の多くで中枢的な役割を演じていると考えられている。現在、p38 MAPキナーゼが様々な炎症前サイトカインにより活性化されること、ならびに、その活性化がさらなる炎症前サイトカインの動員および放出をもたらすことを示す豊富な文献が存在する。事実、いくつかの臨床研究からのデータは、p38 MAPキナーゼ阻害剤で処置中の患者における疾患活動性の有益な変化を示している。例えば、非特許文献1は、ヒトマクロファージからのサイトカイン放出に対するp38 MAPキナーゼ阻害剤の阻害効果を記述している。慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置におけるp38 MAPキナーゼの阻害剤の使用が提案されている。p38 MAPKα/βを標的とする小分子阻害剤は、一般にコルチコステロイド非感受性であるCOPDを伴う患者から得た細胞および組織(非特許文献1)、ならびにin vivo動物モデル(非特許文献5;非特許文献6)における炎症の多様なパラメータの低下
において有効であることが判明している。Irusenらもまた、核中のグルココルチコイド受容体(GR)の結合親和性の低下を介するコルチコステロイド非感受性に対するp38 MAPKα/βの関与の可能性を示唆している(非特許文献7)。AMG548、BIRB 796、VX702、SCIO469およびSCIO323を包含する様々なp38 MAPキナーゼ阻害剤での臨床経験が、非特許文献8に記述されている。
【0006】
COPDは、根底にある炎症が、吸入コルチコステロイドの抗炎症効果に対し実質的に抵抗性であることが報告されている状態である。結果、COPDの効果的な一処置戦略は、固有の抗炎症効果を有しかつCOPD患者からの肺組織の吸入コルチコステロイドに対する感受性を増大させることが可能であるの双方の介入を開発することであろう。Mercadoらの最近の刊行物(非特許文献9)は、p38γを発現停止させることがコルチコステロイドに対する感受性を回復させる可能性を有することを示している。従って、COPDの処置のためのp38 MAPキナーゼ阻害剤の使用に対する「2方向の」利益が存在しうる。
【0007】
しかしながら、ヒトの慢性炎症性疾患の処置におけるp38 MAPキナーゼ阻害剤の潜在的利用性を妨害する主な障害物は、患者で観察される毒性であった。これは、上で特別に挙げられた全部のものを包含する進行された該化合物の多くの臨床開発からの撤退をもたらすのに十分に重篤であった。
【0008】
改良された治療可能性を有する、とりわけ適切な治療用量でより有効である、より長期間作用する、かつ/若しくはより少なく毒性であるp38 MAPキナーゼ阻害剤として治療上有用な新たな化合物を同定かつ開発する必要性が存続する。本発明の一目的は、ある種のサブタイプ特異性を伴いp38 MAPキナーゼを阻害する化合物を提供することであり、それは良好な抗炎症の可能性を示す。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Smith,S.J.(2006)Br.J.Pharmacol.149:393−404
【非特許文献2】www.genecard.org
【非特許文献3】Karin,K.(1999)J.Immunol.
【非特許文献4】Kuma,Y.(2005)J.Biol.Chem.280:19472−19479
【非特許文献5】Underwood,D.C.ら(2000)279:895−902
【非特許文献6】Nath,P.ら(2006)Eur.J.Pharmacol.544:160−167
【非特許文献7】Irusen,E.ら(2002)J.Allergy Clin.Immunol.、109:649−657
【非特許文献8】Leeら(2005)Current Med.Chem.12,:2979−2994
【非特許文献9】Mercadoら、2007;American Thoracic Society Abstract A56
【発明の概要】
【0010】
発明の要約
本発明により、式(I)の化合物
【0011】
【化1】

【0012】
[ここで、Rはヒドロキシル基により場合によっては置換されているC1−6アルキルであり;
はH、若しくはヒドロキシル基により場合によっては置換されているC1−6アルキルであり;
はH、C1−6アルキル、若しくはC0−3アルキルC3−6シクロアルキルであり;
Arはナフチル若しくはフェニル環であり、そのいずれも、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、アミノ、C1−4モノ若しくはジアルキルアミノから独立に選択される1個若しくはそれ以上の基により場合によっては置換されていることができ;
Lは、飽和若しくは不飽和分枝状若しくは非分枝状C1−8アルキレン鎖であり、ここで1個若しくはそれ以上の炭素が−O−により場合によっては置換されており、また、該鎖は1個若しくはそれ以上のハロゲン原子により場合によっては置換されており;
Xは、最低1個の窒素原子を含有しかつO、SおよびNから選択される1若しくは2個のさらなるヘテロ原子を場合によっては包含する5若しくは6員ヘテロアリール基であり;Qは
a)飽和若しくは不飽和、分枝状若しくは非分枝状C1−10アルキル鎖であって、ここで最低1個の炭素(例えば1、2若しくは3個の炭素、適しては1若しくは2個、とりわけ1個)がO、N、S(O)から選択されるヘテロ原子により置換されており、前記鎖が、オキソ、ハロゲン、アリール基、ヘテロアリール基若しくはヘテロシクリル基から独立に選択される1個若しくはそれ以上の基により場合によっては置換されており、
各アリール、ヘテロアリール若しくはヘテロシクリル基は、ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6ハロアルキル、アミノ、C1−4モノ若しくはジアルキルアミノから選択される0ないし3個の置換基を持つが、
但し、−NRC(O)−中のカルボニルに直接結合されている原子は酸素若しくはイオウ原子でなく;ならびに
b)C0−8アルキルC5−6複素環であって、前記ヘテロシクリル基は、O、NおよびSから選択される最低1個のヘテロ原子(例えば1、2若しくは3個、適しては1若しくは2個、とりわけ1個のヘテロ原子)を含んでなり、かつ、ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6ハロアルキル、アミノ、C1−4モノおよびジアルキルアミノから独立に選択される1若しくは2若しくは3個の基により場合によっては置換されており、
から選択され;ならびに
pは0、1若しくは2である];
またはその全部の立体異性体および互変異性体を包含するその製薬学的に許容できる塩若しくは溶媒和物が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0013】
発明の詳細な記述
本明細書で使用されるところのアルキルは、限定されるものでないがメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルおよびtert−ブチルを挙げることができる直鎖若しくは分枝状鎖アルキルを指す。一態様において、アルキルは直鎖アルキルを指す。
【0014】
本明細書で使用されるところのアルコキシは、直鎖若しくは分枝状鎖アルコキシ、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシを指す。本明細書で使用されるところのアルコキシは、酸素原子がアルキル鎖内に位置する態様、例えば−CHCHOCH若しくは−CHOCHにもまた及ぶ。一態様において、アルコキシは該分子の残部に酸素により結合されている。一態様において、該開示は直鎖アルコキシに関する。
【0015】
本開示の一態様において、Rがメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル若しくはtert−ブチル、とりわけtert−ブチルである式(I)の化合物が提供される。
【0016】
一態様において、Rは−C(CHCHOHである。
【0017】
一態様において、Rはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル若しくはtert−ブチル、とりわけメチルである。
【0018】
一態様において、Rは−CHOHである。
【0019】
一態様において、Rは2、3若しくは4位(すなわちオルト、メタ若しくはパラ位)、とりわけパラ(4)位にある。
【0020】
一態様において、Arはナフチルである。
【0021】
一態様において、Arは任意の置換基で置換されていない。
【0022】
一態様において、Arは1若しくは2個の基で置換されている。
【0023】
一態様において、Lは直鎖リンカー、例えば:
−(CH−、ここでnは1、2、3、4、5、6、7若しくは8であるか;あるいは
−(CHO(CH−、ここでnおよびmは独立に0、1、2、3、4、5、6若しくは7であるが、但し、n+mは0若しくは1から7までの整数であり、例えばnが0でありかつmが1若しくは2であるか、または、あるいは、例えばnが1若しくは2でありかつmが0である
である。
【0024】
一態様において、Lは分枝状鎖リンカーRO(CHであり、ここでmは0または整数1、2、3、4若しくは5であり、かつRはC2−7分枝状アルキルであるが、但し、R中の炭素の数+mは2から7までの整数であり、具体的にはmが0であり、とりわけ−CH(CH)O−である。
【0025】
一態様において、Lは分枝状鎖リンカー(CHORであり、ここでnは0または整数1、2、3、4若しくは5であり、かつRはC2−7分枝状アルキルであるが、但し、R中の炭素の数+nは2から7までの整数であり、とりわけ−OCH(CH)−若しくは−OC(CHCH−である。
【0026】
一態様において、Lは分枝状鎖リンカーRORであり、ここでRおよびRはC2−7分枝状アルキレンから独立に選択されるが、但し、R+R中の炭素の数は4から7までの整数である。
【0027】
一態様において、RはHである。
【0028】
一態様において、Rはメチル、エチル、プロピル若しくはイソプロピルである。
【0029】
ハロゲンは、フルオロ、クロロ、ブロモ若しくはヨード、とりわけフルオロ、クロロ若しくはブロモ、とりわけフルオロ若しくはクロロを包含する。
【0030】
一態様において、鎖Lは、フルオロ、クロロおよびブロモから独立に選択される1、2若しくは3個のハロゲン原子置換基を包含し、例えば、アルキレン炭素は1若しくは2個のクロロ若しくはフッ素原子を持つことができ、また、末端メチル基は、トリフルオロメチル若しくはトリクロロメチルのような基を提供するように1、2若しくは3個のフッ素原子または1、2若しくは3個の塩素原子を持つことができる。
【0031】
一態様において、Xは、ピロール、オキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、ピラゾール、イソキサゾール、オキサジアゾール、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、若しくは1,2,3および1,2,4トリアゾール、とりわけピリミジン、イミダゾール若しくはピリジン、ならびにとりわけピリジンから選択される。
【0032】
フラグメントQの一態様において、C1−10アルキル鎖、ここで最低1個の炭素(例えば1、2若しくは3個の炭素、とりわけ1若しくは2個の炭素)は、O、N、S(O)から選択されるヘテロ原子により置換されており、ここで、前記鎖は、オキソ、ハロゲン、アリール基、ヘテロアリール基若しくはヘテロシクリル基から選択される1個若しくはそれ以上の基により場合によっては置換されており、各アリール、ヘテロアリール若しくはヘテロシクリル基は、ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6ハロアルキル、アミノ、C1−4モノ若しくはジアルキルアミノから選択される0ないし3個の置換基を持つ。
【0033】
一態様において、Qは飽和若しくは不飽和、分枝状若しくは非分枝状C1−8アルキル鎖若しくはC1−6アルキル鎖であり、ここで、最低1個の炭素は−O、−N、S(O)から選択されるヘテロ原子により置換されている。
【0034】
一態様において、Qのアルキル鎖フラグメント中の炭素(1個若しくは複数)を置換するヘテロ原子(1個若しくは複数)はNおよびOから選択される。
【0035】
一態様において、Qのアルキル鎖フラグメントはいかなる任意の置換基も持たない。
【0036】
一態様において、Qのアルキル鎖フラグメントは、1、2若しくは3個、例えば1若しくは2個、とりわけ1個の任意の置換基を持つ。
【0037】
ヘテロ原子が、技術的に適切なように、一級、二級若しくは三級炭素すなわちCH、−CH−若しくは−CH−基を置換しうることが当業者に明らかであろう。
【0038】
一態様において、pは0若しくは2である。
【0039】
一態様において、本開示の化合物は、式I中のフラグメント−NRC(O)Qが:
−NRC(O)CHOC1−6アルキル、とりわけ−NRC(O)CHOCH
、とりわけ−NHC(O)CHOCH
−NRC(O)CHO(CHOCH、とりわけ−NHC(O)CHO(CHOCH
−NRC(O)CH(CH)OCH、とりわけ−NHC(O)CH(CH)OCH
−NRC(O)CHNHCH、とりわけ−NHC(O)CHNHCH
−NRC(O)CHNHCHCHOCH、とりわけ−NHC(O)CHNH(CHOCH
−NRC(O)CHSCH;とりわけ−NHC(O)CHSCH
−NRC(O)CHS(O)CH、とりわけ−NHC(O)CHS(O)CH
−NRC(O)NH、とりわけ−NHC(O)NH
−NRC(O)NHC1−7アルキル、とりわけ−NHC(O)NHCH
−NRC(O)N(C1−4アルキル)C1−5アルキル、とりわけ−NHC(O)N(CH;若しくは
−NRC(O)CHN[(CHOCH、とりわけ−NHC(O)CHN[(CHOCH
により表されるものを包含する。
【0040】
従って、一態様において、アルキル鎖中の窒素原子はフラグメント−NRC(O)のカルボニルに直接結合され、そして、加えて、例えば末端アミノ基、適しては−NRC(O)N(CH若しくは−NRC(O)NHCHでありうる。
【0041】
一態様において、Qは飽和若しくは不飽和、分枝状若しくは非分枝状C1−10アルキル鎖であり、ここで、最低1個の炭素がO、NおよびS(O)から選択されるヘテロ原子により置換されており、前記鎖は、ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6ハロアルキル、アミノおよびC1−4モノ若しくはジアルキルアミノから独立に選択される0ないし3個の置換基、例えば1若しくは2個のような1、2若しくは3個の置換基を持つアリール基により置換されている。一態様において、前記アリール基はフェニル、例えば置換フェニル若しくは未置換フェニルである。
【0042】
Qが置換フェニルを含んでなるフラグメント−NRC(O)Qの例は:
−NRC(O)CHNHCH(OCH)および−NRC(O)CHN(CH)CH(OCH)を包含する。
【0043】
一態様において、Qは飽和若しくは不飽和、分枝状若しくは非分枝状C1−10アルキル鎖であり、ここで、最低1個の炭素がO、NおよびS(O)から選択されるヘテロ原子により置換されており、前記鎖は、ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルアミノ、C1−4モノ若しくはジアルキルアミノから選択される0ないし3個の置換基、例えば1若しくは2個のような1、2若しくは3個の置換基を持つヘテロアリール基により置換されている。一態様において、前記ヘテロアリール基はチオフェン、オキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、ピラゾール、イソキサゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、1,2,3若しくは1,2,4トリアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ならびにとりわけピリジンおよびピリミジン、とりわけピリジンから選択される。
【0044】
一態様において、Qは、飽和若しくは不飽和、分枝状若しくは非分枝状C1−10アルキル鎖であり、ここで、最低1個の炭素がO、NおよびS(O)から選択されるヘテロ原子により置換されており、前記鎖は、ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6ハロアルキルアミノ、C1−4モノ若しくはジアルキルアミノから選択され
る0ないし3個の置換基、例えば1若しくは2個のような1、2若しくは3個の置換基を持つヘテロシクリル基により置換されている。
【0045】
一態様において、前記ヘテロシクリルは、O、NおよびSから独立に選択される1個若しくはそれ以上(例えば1、2若しくは3個、適しては1若しくは2個、とりわけ1個)のヘテロ原子を含んでなる5若しくは6員の飽和若しくは部分的に不飽和の環系、例えばピロリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリンおよび1,4−ジオキサンから選択される。
【0046】
一態様において、本開示の化合物は、フラグメント−NRC(O)C0−8アルキルヘテロシクリルが:
−NHC(O)−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)のような−NHC(O)−(テトラヒドロピラニル)、
−NHC(O)−(4−モルホリニル)のような−NHC(O)−(モルホリニル)、
−NHC(O)−(ピロリジン−1−イル)のような−NHC(O)−(ピロリジニル)、
−NHC(O)−(ピペラジン−1−イル)のような−NHC(O)−(ピペラジニル)、
−NHC(O)−(4−メチルピペラジン−1−イル)のような−NHC(O)−(メチルピペラジニル)、
−NHC(O)−[4−(2−メトキシエチル)ピペラジン−1−イル]のような−NHC(O)−[(メトキシエチル)ピペラジニル]、
−NHC(O)CH−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)のような−NHC(O)CH−(テトラヒドロピラニル)、
−NHC(O)CH−(4−モルホリニル)のような−NHC(O)CH−(モルホリニル)、
−NHC(O)CH−(ピロリジン−1−イル)のような−NHC(O)CH−(ピロリジニル)、
−NHC(O)CH−(ピペラジン−1−イル)のような−NHC(O)CH−(ピペラジニル)、および
−NHC(O)CH−(4−メチルピペラジン−1−イル)のような−NHC(O)CH−(メチルピペラジニル)。
−NHC(O)CH−[4−(2−メトキシエチル)ピペラジン−1−イル]のような−NHC(O)CH−[(メトキシエチル)ピペラジニル]
により表される式(I)の化合物を包含する。
【0047】
フラグメントQの一態様において、最低1個の炭素が−O、−N、S(O)から選択されるヘテロ原子により置換されている飽和若しくは不飽和、分枝状若しくは非分枝状C1−10アルキル鎖は、−CHOCH−、−CHNHCH−、−CHNH−および−CHOCHCH−から選択される。これらのフラグメントは、場合によっては、上でフラグメントQについて定義されたところのアリール基、ヘテロアリール基若しくはヘテロシクリル基中で終端しうる。
【0048】
一態様において、本開示は、式(IA)の化合物
【0049】
【化2】

【0050】
ここで、R、R、Ar、L、RおよびQは上で定義されたとおりである、
に関する。
【0051】
さらなる一態様において、本開示は、式(IB)の化合物
【0052】
【化3】

【0053】
ここで、R、R、Ar、L、RおよびQは上で定義されたとおりである、
に関する。
【0054】
なお別の態様において、本開示は、式(IC)の化合物
【0055】
【化4】

【0056】
ここで、R、R、Ar、LおよびRは上で定義されたとおりであり、ならびに、p
は0、1若しくは2、とりわけ0若しくは2、とりわけ0であり、ならびにxは1から6までの整数(2、3、4および5を包含する)であり、ならびにyは0若しくは1から5までの整数(2、3および4を包含する)であるが、但し、x+yは1から6までの整数であり、例えばxは1でありかつyは1である、
に関する。
【0057】
一態様において、本開示は、式(ID)の化合物
【0058】
【化5】

【0059】
ここで、R、R、Ar、LおよびRは上で定義されたとおりであり、
xは1から6までの整数(2、3、4および5を包含する)であり、ならびにyは0若しくは1から5までの整数(2、3および4を包含する)であるが、
但し、x+yは1から6までの整数であり、例えばxは1でありかつyは0である、
に関する。
【0060】
式(ID)の化合物の一態様において、フラグメント−NRC(O)(CHO(CHCHは:−NRC(O)CHOCH、とりわけ−NHC(O)CHOCHである。
【0061】
一態様において、該化合物はN−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−メトキシアセトアミドでない。
【0062】
一態様において、該化合物は:
N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−メトキシアセトアミド;
メチル(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル尿素;
N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボキサミド;
(S)−N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−メトキシプロパンアミド;
(R)−N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イ
ル)−2−メトキシプロパンアミド;
N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−(メチルチオ)アセトアミド;
N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−モルホリノアセトアミド;
N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−(ピロリジン−1−イル)アセトアミド;
N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)アセトアミド;
N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−(4−(2−メトキシエチル)ピペラジン−1−イル)アセトアミド;
N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−(2−メトキシエチルアミノ)アセトアミド;
N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−(ジメチルアミノ)アセトアミド;
N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−(メチルアミノ)アセトアミド;
N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−((4−メトキシベンジル)(メチル)アミノ)アセトアミド;
1−(4−((3−メチルウレイドピリジン−4−イル)メトキシ)ナフタレン−1−イル)−3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)尿素;
N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−3−イル)−2−メトキシアセトアミド;
N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−3−イル)−2−(2−メトキシエトキシ)アセトアミド;
N−(4−(2−(4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)エチル)ピリジン−2−イル)−2−メトキシアセトアミド;
N−(4−(2−(4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)エチル)ピリジン−2−イル)−2−(2−メトキシエトキシ)アセトアミド;
4−(2−(4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)エチル)−1−メチル−3−(ピリジン−2−イル)尿素;
4−(2−(4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)エチル)−3−(ピリジン−2−イル)尿素;
N−(4−(2−(4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾ
ル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)エチル)ピリジン−3−イル)−2−(2−メトキシエトキシ)アセトアミド;
N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリミジン−2−イル)−2−メトキシアセトアミド;若しくは
N−(1−(2−(4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)エチル)−1H−イミダゾル−4−イル)−2−メトキシアセトアミド
である。
【0063】
化合物(I)の塩の例は、限定されるものでないがHClおよびHBr塩のような強無機酸の酸付加塩、ならびにメタンスルホン酸塩のような強有機酸の付加塩を挙げることができる全部の製薬学的に許容できる塩を包含する。
【0064】
溶媒和物の例は水和物を包含する。
【0065】
本明細書に記述される化合物は1個若しくはそれ以上のキラル中心を包含することができ、そして本開示はそれから生じるラセミ混合物、鏡像異性体および立体異性体を包含するように広がる。一態様において、1種の鏡像異性体が対応する鏡像異性体を実質的に含まない実質的に精製された形態で存在する。
【0066】
本開示は、定義される本明細書の化合物の全部の多形の形態にもまた及ぶ。
【0067】
式Iの化合物は、式(II)の化合物:
【0068】
【化6】

【0069】
ここで、Ar、L、XおよびRは式(I)の化合物について上で定義されたとおりである、
を、式(III)の化合物:
【0070】
【化7】

【0071】
ここで、Qは式(I)の化合物について上で定義されたとおりであり、およびLGは脱
離基、例えばクロロのようなハロゲンである、
と反応させることを含んでなる方法により製造し得る。
【0072】
該反応は、適しては、塩基(例えばジイソプロピルエチルアミン)の存在下で実施する。該反応は、適しては非プロトン性溶媒若しくは溶媒混合物、例えばDCMおよびDMF中で実施する。
【0073】
式(II)の化合物は、式(IV)の化合物
【0074】
【化8】

【0075】
ここで、RおよびRは式(I)の化合物について上で定義されたとおりである、
を、式(V)の化合物:
【0076】
【化9】

【0077】
ここで、Ar、L、XおよびRは式(I)の化合物について上で定義されたとおりである、
ならびに式(VI)の化合物:
【0078】
【化10】

【0079】
ここで、LGおよびLGはそれぞれ独立に脱離基を表す(例えばLGおよびLG双方がイミダゾリル若しくはクロロのようなハロゲンを表す)
と反応させることにより製造し得る。
【0080】
該反応は、適しては、化学的に感受性の基について適切な保護基を使用して、非プロトン性溶媒(例えばジクロロメタン)中で実施する。
【0081】
式(V)の化合物は、式(VII)の化合物
【0082】
【化11】

【0083】
ここで、Ar、L、XおよびRは式(I)の化合物について上で定義されたとおりである、
の還元により、
例えば炭素上に支持される白金のような触媒の存在下の水素化により製造しうる。
【0084】
該反応は、適しては極性のプロトン性溶媒若しくは溶媒の混合物(例えばメタノールおよび酢酸)中で実施する。
【0085】
Lが上で定義されたところの−(CHO(CH若しくは(CHORを表し、ここでnが0である式(VII)の化合物は、式(VIIIa)若しくは(VIIIb)の化合物
【0086】
【化12】

【0087】
または、アルキレン鎖が例えば1個若しくはそれ以上のハロゲン原子により置換されており、かつ、Xが式(I)の化合物について上で定義されたとおりであるその類似物の、
式(IX)若しくは(X)の化合物
【0088】
【化13】

【0089】
ここで、化合物(IX)および(X)は式(I)の化合物について上で定義されたところの任意の置換基を持っていてもよい、
との反応により製造しうる。
【0090】
該反応は、トリフェニルホスフィンおよびアゾジカルボン酸ジイソプロピルの存在下のようなミツノブ条件下で実施しうる。該反応は、適しては極性の非プロトン性溶媒(例えばテトラヒドロフラン、とりわけ無水テトラヒドロフラン)中で実施する。
【0091】
式(III)、(IV)、(VI)、(VIIIa)、(VIIIb)、(IX)、(XI)および(X)の化合物は商業的に入手可能であるか若しくは既知であるか、または新規でありかつ慣習的方法により容易に製造し得る。例えば、Regan,J.ら;J.Med.Chem.、2003、46、4676−4686、第WO00/043384号明細書、第WO2007/087448号明細書、および第WO2007/089512号明細書を参照されたい。
【0092】
該方法が効率的であることを確実にするために、上述された反応の1種若しくはそれ以上の間に化学的に感受性の基を保護するための保護基を必要としうる。従って、所望の若しくは必要な場合は、中間体化合物を慣習的保護基の使用により保護しうる。保護基およびそれらの除去手段は、Theodora W.GreeneとPeter G.M.Wutsによる“Protective Groups in Organic Synthesis”、John Wiley & Sons Incにより刊行;第4版、2006、ISBN−10:0471697540に記述されている。
【0093】
新規中間体は本発明の一局面として特許請求される。
【0094】
一局面において、該化合物は治療、例えばCOPDおよび/若しくは喘息において有用である。
【0095】
今日までに開発された化合物は典型的に経口投与を意図している。この戦略は、適切な薬物動態プロファイルによりそれらの作用持続時間を達成する化合物を最適化することを必要とする。これは、臨床上の利益を提供するために投与の後および間に確立かつ維持される十分な薬物濃度が存在することを確実にする。このアプローチの必然的な結果は、全部の身体組織、とりわけ肝および消化管が、処置されている疾患によりそれらが悪影響を及ぼされていようといなかろうと、該薬物の治療的有効濃度に曝露されることがありそうであることである。
【0096】
代替の一戦略は、炎症を起こした器官に該薬物を直接投与する処置アプローチ(局所療法)を設計することである。このアプローチは全部の慢性炎症性疾患を処置するのに適しているわけではない一方、それは肺疾患(喘息、COPD)、皮膚疾患(アトピー性皮膚炎および乾癬)、鼻疾患(アレルギー性鼻炎)ならびに胃腸疾患(潰瘍性大腸炎)で広範囲に利用されている。
【0097】
局所療法において、有効性は、(i)該薬物が長期の作用持続期間を有しかつ適切な器官に保持されて全身毒性の危険性を最小限にすることを確実にすること、若しくは(ii)有効成分の所望の効果を持続するために利用可能である該薬物の「貯蔵所」を生成する製剤を製造することのいずれかにより達成し得る。アプローチ(i)は抗コリン作用薬チオトロピウム(Spiriva)により例示される。これは、COPDの処置として肺に局所投与され、かつ、その標的受容体に対する例外的高親和性を有して非常に遅いオフ速度(off rate)および必然的な長期の作用持続期間をもたらす。
【0098】
本開示の一局面において、本明細書の化合物は、とりわけCOPDの処置のための肺への局所送達のような局所送達にとりわけ適する。
【0099】
一局面において、該化合物はBIRB 796より長い作用持続期間を有する。
【0100】
一態様において、該化合物はコルチコステロイドでの処置に対し患者を感作するのに適する。
【0101】
本明細書の化合物は関節リウマチの処置にもまた有用でありうる。
【0102】
さらに、本発明は、場合によっては1種若しくはそれ以上の製薬学的に許容できる希釈剤若しくは担体とともに本開示の化合物を含んでなる製薬学的組成物を提供する。
【0103】
希釈剤および担体は非経口、経口、局所、粘膜および直腸投与に適するものを包含しうる。
【0104】
上で挙げられたとおり、こうした組成物は、例えば、とりわけ液体溶液若しくは懸濁液の形態で非経口、皮下、筋肉内、静脈内、動脈内若しくは動脈周囲投与のため;とりわけ錠剤若しくはカプセル剤の形態で経口投与のため;とりわけ散剤、点鼻薬若しくはエアゾル剤の形態で局所例えば肺若しくは鼻内投与、および経皮投与のため;例えば頬側、舌下若しくは膣粘膜への粘膜投与のため、ならびに例えば坐剤の形態で直腸投与のために製造しうる。
【0105】
該組成物は単位剤形で便宜的に投与することができ、また、例えばRemington’s Pharmaceutical Sciences、第17版、Mack Publishing Company、ペンシルバニア州イーストン(1985)に記述されるところの製薬学的技術分野で公知の方法のいずれによっても製造しうる。非経口投与のための製剤は、滅菌水若しくは生理的食塩水、プロピレングリコールのようなアルキレングリコール、ポリエチレングリコールのようなポリアルキレングリコール、植物起源の油、水素化ナフタレン(hydrogenated naphthalene)などを賦形剤として含有しうる。鼻投与のための製剤は固体であることができ、そして賦形剤、例えば乳糖若しくはデキストランを含有しうるか、または点鼻薬若しくは定量スプレー剤の形態での使用のために水性若しくは油性溶液であってもよい。頬側投与のためには、典型的な賦形剤は、糖、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、アルファ化デンプンなどを包含する。
【0106】
経口投与に適する組成物は1種若しくはそれ以上の生理学的に適合性の担体および/若しくは賦形剤を含むことができ、そして固体若しくは液体の形態であってよい。錠剤およびカプセル剤は、結合剤、例えば、シロップ、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビトール、トラガカント若しくはポリビニルピロリドン;乳糖、ショ糖、トウモロコシデンプン、リン酸カルシウム、ソルビトール若しくはグリシンのような増量剤;ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール若しくはシリカのような滑沢剤;およびラウリル硫酸ナトリウムのような界面活性剤とともに製造しうる。液体組成物は、懸濁化剤、例えばソルビトールシロップ、メチルセルロース、糖シロップ、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース若しくは可食脂肪;レシチン若しくはアラビアゴムのような乳化剤;アーモンド油、ココナッツ油のような植物油、タラ肝油若しくはラッカセイ油;ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)およびブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)のような保存剤のような慣習的な添加物を含有しうる。液体組成物は、単位剤形を提供するために例えばゼラチン中に被包化しうる。
【0107】
固体の経口剤形は、錠剤、2片硬殻カプセル剤および軟質弾性ゼラチン(SEG)カプセル剤を包含する。
【0108】
乾燥殻製剤は、典型的に、約40%ないし60%濃度のゼラチン、約20%ないし30
%濃度の可塑剤(グリセリン、ソルビトール若しくはプロピレングリコールのような)、および約30%ないし40%濃度の水から構成される。保存剤、色素、乳白剤および着香料のような他の材料もまた存在しうる。液体充填物質は、ベヒクル、または鉱物油、植物油、トリグリセリド、グリコール、多価アルコールおよび界面活性剤のようなベヒクルの組合せ中に溶解、可溶化または(ミツロウ、硬化ヒマシ油若しくはポリエチレングリコール4000のような懸濁化剤で)分散された固体の薬物あるいは液体の薬物を含んでなる。
【0109】
適しては、式(I)の化合物は肺に局所投与される。これゆえに、われわれは、本発明により、場合によっては1種若しくはそれ以上の局所で許容できる希釈剤若しくは担体とともに本開示の化合物を含んでなる製薬学的組成物を提供する。肺への局所投与はエアゾル製剤の使用により達成しうる。エアゾル製剤は、典型的には、クロロフルオロカーボン(CFC)若しくはハイドロフルオロカーボン(HFC)のような適するエアゾル噴射剤中に懸濁若しくは溶解された有効成分を含んでなる。適するCFC噴射剤は、トリクロロモノフルオロメタン(噴射剤11)、ジクロロテトラフルオロメタン(噴射剤114)およびジクロロジフルオロメタン(噴射剤12)を包含する。適するHFC噴射剤はテトラフルオロエタン(HFC−134a)およびヘプタフルオロプロパン(HFC−227)を包含する。噴射剤は、典型的には総吸入組成物の40%ないし99.5%、例えば40%ないし90重量%を含んでなる。該製剤は、補助溶媒(例えばエタノール)および界面活性剤(例えばレシチン、ソルビタントリオレエートなど)を包含する賦形剤を含みうる。エアゾル製剤はキャニスター中に包装され、そして適する一用量が(例えばBespak、Valois若しくは3Mにより供給されるところの)計量バルブによって送達される。
【0110】
肺への局所投与は、水性溶液若しくは懸濁液のような加圧されない製剤の使用によってもまた達成しうる。これはネブライザーによって投与しうる。肺への局所投与は乾燥粉末製剤の使用によってもまた達成しうる。乾燥粉末製剤は、典型的には1〜10ミクロンの質量平均径(MMAD)をもつ微粉形態の本開示の化合物を含有することができる。該製剤は、典型的には、通常大きな粒子径例えば100μm若しくはそれ以上の質量平均径(MMAD)の乳糖のような局所で許容できる希釈剤を含有することができる。例の乾燥粉末送達装置は、SPINHALER、DISKHALER、TURBOHALER、DISKUSおよびCLICKHALERを包含する。
【0111】
本開示の化合物は治療活性を有することを意図している。さらなる一局面において、本発明は医薬品としての使用のための本開示の化合物を提供する。
【0112】
本開示の化合物はまた、COPD(慢性気管支炎および肺気腫を包含する)、喘息、小児喘息、嚢胞性線維症、サルコイドーシス、特発性肺線維症、アレルギー性鼻炎、鼻炎、副鼻腔炎、とりわけ喘息、慢性気管支炎およびCOPDを包含する呼吸器障害の処置でも有用でありうる。
【0113】
本開示の化合物は、患者の状態がコルチコステロイドに対し不応性になった場合にコルチコステロイドでの処置に対し患者の状態を再感作もまたしうる。
【0114】
本開示の化合物は、アレルギー性結膜炎、結膜炎、アレルギー性皮膚炎、接触皮膚炎、乾癬、潰瘍性大腸炎、関節リウマチ若しくは変形性関節症に二次的な炎症を起こした関節を包含する局所(topical)若しくは局所(local)治療により処置されうるある種の状態の処置で有用であることもまた期待される。
【0115】
本開示の化合物は、関節リウマチ、膵炎、悪液質を包含するある種の他の状態の処置、
非小細胞肺癌、乳癌、胃癌、結腸直腸癌および悪性黒色腫を包含する腫瘍の増殖および転位の阻害で有用であることもまた期待される。
【0116】
従って、さらなる一局面において、本発明は、上で挙げられた状態の処置における使用のための本明細書に記述されるところの化合物を提供する。
【0117】
さらなる一局面において、本発明は、上で挙げられた状態の処置のための医薬品の製造のための本明細書に記述されるところの化合物の使用を提供する。
【0118】
さらなる一局面において、本発明は、有効量の本開示の化合物若しくはその製薬学的組成物を被験体に投与することを含んでなる、上で挙げられた状態の処置方法を提供する。
【0119】
「処置」という用語は予防的ならびに治療的処置を包含することを意図している。
【0120】
本開示の化合物は、1種若しくはそれ以上の他の有効成分、例えば上で挙げられた状態を処置するのに適する有効成分とともに投与してもまたよい。例えば、呼吸器障害の処置のための可能な組合せは、ステロイド(例えばブデソニド、ベクロメタゾンプロピオン酸エステル、フルチカゾンプロピオン酸エステル、モメタゾンフランカルボン酸エステル、フルチカゾンフランカルボン酸エステル)、βアゴニスト(例えばテルブタリン、サルブタモール、サルメテロール、ホルモテロール)、および/若しくはキサンチン(例えばテオフィリン)との組合せを包含する。
【0121】
略語
AcOH 氷酢酸
aq 水性
Ac アセチル
ATP アデノシン−5’−三リン酸
BALF 気管支肺胞洗浄液
br broad
BSA ウシ血清アルブミン
CatCart(R) 触媒カートリッジ
CDI 1,1−カルボニル−ジイミダゾール
COPD 慢性閉塞性肺疾患
d 二重項
DCM ジクロロメタン
DIAD アゾジカルボン酸ジイソプロピル
DIBAL−H 水素化ジイソブチルアルミニウム
DIPEA N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EtOAc 酢酸エチル
FCS ウシ胎児血清
hr 時間(1若しくは複数)
HRP ワサビペルオキシダーゼ
JNK c−Jun N末端キナーゼ
MAPK マイトジェンタンパク質活性化タンパク質キナーゼ
MeOH メタノール
min 分(1若しくは複数)
MTT 臭化3−(4,5−ジメチルチアゾル−2−イル)−2,5
−ジフェニルテトラゾリウム
PBS リン酸緩衝生理的食塩水
PPh トリフェニルホスフィン
RT 室温
RP HPLC 逆相高速液体クロマトグラフィー
s 一重項
SCX 固体支持陽イオン交換
SDS ドデシル硫酸ナトリウム
t 三重項
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TMB 3.3’,5.5’−テトラメチルベンジジン
TNFα 腫瘍壊死因子α
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】LPS誘発性好中球蓄積試験における実施例1の化合物のBALF中の好中球数に対する前投与時間を示す。
【図2】LPS誘発性好中球蓄積試験における実施例1の化合物の好中球の阻害%に対する前投与時間を示す。
【0123】
一般的手順
全部の出発原料および溶媒は商業的供給源から得たか、若しくは文献の引用に従って製造したかのいずれかであった。
【0124】
水素化は、述べられた条件下でThales H−cubeフローリアクターで実施した。
【0125】
有機溶液は硫酸マグネシウムで慣例に乾燥した。
【0126】
SCXはSupelcoで購入し、そして使用前に1M水性HClで処理した。精製されるべき反応混合物を最初にMeOHで希釈し、そして数滴のAcOHで酸性にした。この溶液をSCXに直接負荷しかつMeOHで洗浄した。所望の物質をその後、MeOH中1%NHで洗浄することにより溶出した。
【0127】
カラムクロマトグラフィーは、示される量を使用して、Silicycle充填済みシリカ(230〜400メッシュ、40〜63μM)カートリッジで実施した。
【0128】
調製的逆相高速液体クロマトグラフィー:
Agilent ScalarカラムC18、5μm(21.2×50mm)、215および254nmでのUV検出を使用する、10minにわたる0.1%v/vギ酸を含有するHO−MeCN勾配で溶出する流速28mL/min。勾配情報:0.0〜0.5min:95%HO−5%MeCN;0.5〜7.0min;95%HO−5%MeCNから5%HO−95%MeCNまで傾斜;7.0〜7.9min:5%HO−95%MeCNで保持;7.9〜8.0min:95%HO−5%MeCNに戻る;8.0〜10.0min:95%HO−5%MeCNで保持。
【0129】
分析法
逆相高速液体クロマトグラフィー:
Agilent ScalarカラムC18、5μm(4.6×50mm)若しくはW
aters XBridge C18、5μm(4.6×50mm)215および254nmでのUV検出を使用する、7minにわたる0.1%v/vギ酸を含有するHO−MeCN勾配で溶出する流速2.5mL/min。勾配情報:0.0〜0.1min:95%HO−5%MeCN;0.1〜5.0min:95%HO−5%MeCNから5%HO−95%MeCNまで傾斜;5.0〜5.5min:5%HO−95%MeCNで保持;5.5〜5.6min:5%HO−95%MeCNで保持、流速を3.5ml/minに増加;5.6〜6.6min:5%HO−95%MeCNで保持、流速3.5ml/min;6.6〜6.75min:95%HO−5%MeCNに戻る、流速3.5ml/min;6.75〜6.9min:95%HO−5%MeCNで保持、流速3.5ml/min:6.9〜7.0min:95%HO−5%MeCNで保持、流速を2.5ml/minに減少。
【0130】
H NMR分光法:
参照として残留非重水素化溶媒を使用するBruker Avance III 400MHz
【0131】
中間体A:1−(4−((2−アミノピリジン−4−イル)メトキシ)ナフタレン−1−イル)−3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)尿素
【0132】
【化14】

【0133】
2−アミノ−4−((4−ニトロナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン(2)
【0134】
【化15】

【0135】
THF(50mL)中の4−ニトロナフトール(5.17g、27.3mmol)、PPh(10.75g、41.0mmol)および2−アミノピリジン−4−メタノール(1)(5.09g、41.0mmol)の溶液にDIAD(8.07mL、41.0mmol)を−15℃で一滴ずつ添加した。該混合物をRTで一夜攪拌し、そして揮発性物質を真空中で除去した。粗生成物をEtOAc(150mL)から摩砕し、濾過分離しかつEtOAc(100mL)で洗浄した。MeOH(100mL)からの第2の摩砕が2−アミノ−4−((4−ニトロナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン(2)(4.54g、56%)を黄色固形物:m/z 296(M+H)(ES)として生じた。
【0136】
2−アミノ−4−((4−アミノナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン(3)
【0137】
【化16】

【0138】
MeOH(200mL)およびAcOH(200mL)中の2−アミノ−4−((4−ニトロナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン(2)(4.50g、15.24mmol)にThales H−cube(2.0mL/min、40℃、55mm 10%Pt/C Cat−Cart、全水素モード)を通過させ、そして揮発性物質を真空中で除去した。粗生成物を、MeOH中1%NH溶液で溶出するSCX捕捉および遊離にかけ、そして溶媒を真空中で除去して2−アミノ−4−((4−アミノナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン(3)(3.82g、94%)を紫色固形物:m/z 266(M+H)(ES)として生じた。
【0139】
(中間体A):1−(4−((2−アミノピリジン−4−イル)メトキシ)ナフタレン−1−イル)−3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)尿素
【0140】
【化17】

【0141】
DCM(15mL)中のCDI(4.18g、25.8mmol)の溶液に、DCM(15mL)中の3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−アミン(4)(第WO 2000043384号明細書)(5.91g、25.8mmol)の溶液を窒素下に一滴ずつ40minにわたり添加した。生じる溶液をRTで1hr攪拌し、その後2−アミノ−4−((4−アミノナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン(3)(3.80g、12.9mmol)の溶液に窒素下に一滴ずつ添加した。該混合物を一夜攪拌し、そして揮発性物質を真空中で除去した。粗物質を、DCM中0ないし6%MeOHで溶出するカラムクロマトグラフィー(120g)により精製して、1−(4−((2−アミノピリジン−4−イル)メトキシ)ナフタレン−1−イル)−3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)尿素(中間体A)を灰白色固形物(4.27g、63%):m/z 521(M+H)(ES)として生じた。
【実施例1】
【0142】
N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−メトキシアセトアミド
【0143】
【化18】

【0144】
DCM/DMF(10:1、11mL)中の1−(4−((2−アミノピリジン−4−イル)メトキシ)ナフタレン−1−イル)−3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)尿素(中間体A)(526mg、0.96mmol)およびDIPEA(184μL、1.06mmol)の混合物に塩化メトキシアセチル(92μL、1.01mmol)を添加した。RTで1hr攪拌した後に、さらなるDIPEA(184μL、1.06mmol)および塩化メトキシアセチル(92μL、1.01
mmol)を連続して添加し、そして攪拌を1hr継続した。MeOH中1%NHの溶液(40mL)の添加後に該混合物を15min攪拌しかつ真空中で蒸発させた。粗生成物を、DCM中0ないし6%MeOHで溶出するカラムクロマトグラフィー(40g)により精製して、N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−メトキシアセトアミド(実施例1)を白色固形物(286mg、49%):m/z 593(M+H)(ES)として提供した。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ:1.27(9H、s)、2.39(3H、s)、3.32(3H、s)、4.08(2H、s)、5.39(2H、s)、6.36(1H、s)、7.03(1H、d)、7.28(1H、dd)、7.36(2H、m)、7.44(2H、m)、7.56−7.64(3H、m)、7.93(1H、m)、8.30−8.35(3H、m)、8.58(1H、s)、8.79(1H、s)、10.02(1H、s)。
【実施例2】
【0145】
メチル4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル尿素
【0146】
【化19】

【0147】
無水ピリジン(1.5mL)中の1−(4−((2−アミノピリジン−4−イル)メトキシ)ナフタレン−1−イル)−3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)尿素(中間体A)(70mg、0.13mmol)の溶液にイソシアン酸メチル(14μL、0.24mmol)を添加し、そして該混合物をRTで72hr攪拌させた。ピリジンを真空下に除去し、そして残渣をDCM(3.0mL)とともに摩砕した。濾過が灰白色粉末、メチル4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル尿素(実施例2)(36mg、45%):m/z 578(M+H)(ES)を提供した。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ:1.27(9H、s)、2.39(3H、s)、2.74(3H、d)、5.30(2H、s)、6.36(1H、s)、6.99(1H、d)、7.05(d、1H)、7.35(2H、d)、7.44(2H、d)、7.54−7.64(4H、m)、7.93(1H、d)、8.19(1H、d)、8.23(1H、brs)、8.35(1H、d)、8.58(1H、s)、8.79(1H、s)、9.36(1H、s)。
【実施例3】
【0148】
N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボキサミド
【0149】
【化20】

【0150】
DMF(2滴)をDCM(1.0mL)中のテトラヒドロピラン−2H−4−カルボン酸および塩化オキザリル(21μL、0.25mmol)の攪拌溶液に添加し、そして生じる溶液をRTで1hr攪拌した。該溶液を真空中で蒸発させて無色油状物を生じ、これをDCM(1.0mL)に溶解し、そしてDCM(1.0mL)中の1−(4−((2−アミノピリジン−4−イル)メトキシ)ナフタレン−1−イル)−3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)尿素(中間体A)(50mg、0.10mmol)およびDIPEA(84μL、0.50mmol)の攪拌混合物に1滴ずつ添加した。攪拌を18hr継続した。反応混合物をMeOH中1%NH(20mL)中で30min攪拌し、真空中で蒸発させ、シリカに前吸着させ、そしてカラムクロマトグラフィー(12g、DCM中0〜5%MeOH、勾配溶出)により精製して、N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボキサミド(実施例3)を淡黄褐色固形物(18mg、28%):m/z 633(M+H)(ES)として生じた。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ:1.26(9H、s)、1.57−1.72(4H、m)、2.38(3H、s)、2.75(1H、m)、3.28−3.33(2H、m)、3.88(2H、m)、5.35(2H、s)、6.34(1H、s)、6.99(1H、d)、7.24(1H、dd)、7.35(2H、m)、7.43(2H、m)、7.55−7.64(3H、m)、7.92(1H、m)、8.27−8.33(3H、m)、8.58(1H、s)、8.78(1H、s)、10.50(1H、s)。
【実施例4】
【0151】
(S)−N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−メトキシプロパンアミド
【0152】
【化21】

【0153】
1−クロロ−N,N−ジメチルエテンアミン(50μL、0.48mmol)をDCM(1.0mL)中の(S)−2−メトキシプロピオン酸(50mg、0.48mmol)の攪拌溶液に添加し、そして生じる黄色溶液をRTで1hr攪拌した。該溶液をDCM(1.0mL)中の1−(4−((2−アミノピリジン−4−イル)メトキシ)ナフタレン−1−イル)−3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)尿素(中間体A)(50mg、0.10mmol)およびDIPEA(167μl、0.96mmol)の攪拌混合物に一滴ずつ添加した。攪拌を一夜継続した。該反応混合物をMeOH中1%NH(20mL)中で攪拌し、真空中で蒸発させ、シリカに前吸着させ、そしてカラムクロマトグラフィー(12g、イソヘキサン中10〜50%EtOAc、勾配溶出)により精製して、(S)−N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−メトキシプロパンアミド(実施例4)を無色固形物(18mg、30%):m/z 607(M+H)(ES)として生じた。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ:1.27(9H、d)、1.31(3H、s)、2.38(3H、s)、3.30(3H、s)、4.02(1H、q)、5.39(2H、s)、6.37(1H、s)、7.00(1H、d)、7.29(1H、dd)、7.35(2H、m)、7.45(2H、m)、7.56−7.64(3H、m)、7.93(1H、m)、8.30−8.37(3H、m)、8.58(1H、s)、8.79(1H、s)、10.06(1H、s)。
【実施例5】
【0154】
(R)−N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−メトキシプロパンアミド
【0155】
【化22】

【0156】
1−クロロ−N,N−ジメチルエテンアミン(38μL、0.36mmol)をDCM(1.0mL)中の(R)−2−メトキシプロピオン酸(37mg、0.36mmol)の攪拌溶液に添加し、そして生じる溶液をRTで1hr攪拌した。該溶液を、DCM(2.0mL)中の1−(4−((2−アミノピリジン−4−イル)メトキシ)ナフタレン−1−イル)−3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)尿素(中間体A)(75mg、0.14mmol)およびDIPEA(75μL、0.43mmol)の攪拌混合物に0℃で一滴ずつ添加した。攪拌をさらなる48hr継続した。該混合物をMeOH中1%NH(20mL)に注ぎかつ1hr攪拌し、そして真空中で蒸発させて黄色残差を生じた。カラムクロマトグラフィー(12g、イソヘキサン中20〜50%EtOAc)が(R)−N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ
)メチル)ピリジン−2−イル)−2−メトキシプロパンアミド(実施例5)を淡桃色固形物(39mg、43%):m/z 607(M+H)(ES)として生じた。
NMR(400MHz、DMSO−d)δ:1.27(9H、d)、1.30(3H、s)、2.39(3H、s)、3.31(3H、s)、4.02(1H、q)、5.39(2H、s)、6.35(1H、s)、7.02(1H、d)、7.29(1H、dd)、7.35(2H、m)、7.45(2H、m)、7.56−7.64(3H、m)、7.93(1H、m)、8.30−8.37(3H、m)、8.58(1H、s)、8.79(1H、s)、10.09(1H、s)。
【0157】
中間体B:N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−クロロアセトアミド
【0158】
【化23】

【0159】
DCM(40mL)およびDMF(8.0mL)中のDIPEA(1.37ml、7.68mmol)および1−(4−((2−アミノピリジン−4−イル)メトキシ)ナフタレン−1−イル)−3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)尿素(中間体A)(2.00g、3.84mmol)の溶液に塩化クロロアセチル(0.61mL、7.68mmol)を添加した。反応混合物をRTで1hr攪拌した。LC−MSは該出発原料のほぼ完全な消費を示した。塩化クロロアセチルのさらなる一部分(100μl、1.25mmol)を添加した。RTで1hr攪拌した後に該反応混合物をDCM(40mL)および飽和aq NaHCO溶液(40mL)の間で分配した。有機層を真空中で濃縮しかつカラムクロマトグラフィー(80g、DCM中0〜10%MeOH、勾配溶出)により精製した。生成物画分を真空中で濃縮し、そして残渣をジエチルエーテル(20mL)およびイソヘキサン(20mL)とともに摩砕した。固形物を濾過により収集して、N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−クロロアセトアミド(中間体B)を淡紫色固形物(1.07g、42%):m/z 597、599(M+H)(ES)として提供した。
【実施例6】
【0160】
N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−(メチルチオ)アセトアミド
【0161】
【化24】

【0162】
N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−クロロアセトアミド(中間体B)(100mg、0.17mmol)をMeOH(5.0mL)中のナトリウムチオメトキシド(35mg、0.50mmol)の攪拌混合物に一部分ずつ添加し、そして生じる混合物をRTで1hr攪拌した。該混合物を真空中で蒸発させ、そして塩水(20mL)とDCM(30mL)の間で分配した。有機層を真空中で濃縮し、残渣をシリカに前吸着させ、そしてカラムクロマトグラフィー(12g、イソヘキサン中10〜100%EtOAc、勾配溶出)により精製した。生成物画分を真空中で蒸発させて、N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−(メチルチオ)アセトアミド(実施例6)を淡黄色固形物(28mg、26%):m/z 610(M+H)(ES)として生じた。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ:1.27(9H、s)、2.16(3H、s)、2.39(3H、s)、3.53(2H、s)、5.37(2H、s)、6.35(1H、s)、7.01(1H、d)、7.26(1H、dd)、7.35(2H、m)、7.44(2H、m)、7.55−7.64(3H、m)、7.92(1H、m)、8.30−8.35(3H、m)、8.58(1H、s)、8.78(1H、s)、10.60(1H、s)。
【実施例7】
【0163】
N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−モルホリノアセトアミド
【0164】
【化25】

【0165】
DCM(1.0mL)、DMF(0.1mL)およびDIPEA(21.9μl、0.13mmol)中のN−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジ
ン−2−イル)−2−クロロアセトアミド(中間体B)(50mg、0.08mmol)の溶液にモルホリン(11.0μl、0.13mmol)を添加した。該反応混合物をRTで3hr攪拌した。LC−MSは生成物への20%転化を示した。該反応混合物を40℃に加熱しかつ12hr攪拌した。LC−MSは生成物への87%転化を示した。モルホリンのさらなる一部分(11.0μl、0.13mmol)を添加しかつ反応混合物を40℃で5hr攪拌した。LC−MSは生成物への94%転化を示した。粗反応混合物をカラムクロマトグラフィー(12g、DCM中0〜10%MeOH、勾配溶出)により精製した。生成物画分を真空中で濃縮し、そして残渣をMeOH(5.0mL)とともに摩砕した。固形物を濾過により収集して、N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−モルホリノアセトアミド(実施例7)を淡黄色固形物(11mg、20%):m/z 648(M+H)(ES)として提供した。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ:1.27(9H、s)、2.39(3H、s)、2.54(4H、m)、3.20(2H、s)、3.63(4H、m)、5.39(2H、s)、6.35(1H、s)、7.01(1H、d)、7.28(1H、d)、7.35(2H、d)、7.43(2H、d)、7.63−7.56(3H、m)、7.92(1H、d)、8.37−8.29(3H、m)、8.58(1H、s)、8.79(1H、s)、10.01(1H、s)。
【実施例8】
【0166】
N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−(ピロリジン−1−イル)アセトアミド
【0167】
【化26】

【0168】
DCM(1.0mL)、DMF(0.1mL)およびDIPEA(22μl、0.13mmol)中のN−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−クロロアセトアミド(中間体B)(50mg、0.08mmol)の溶液にピロリジン(7.0μl、0.08mmol)を添加した。該反応混合物をRTで3hr攪拌した。LC−MSは生成物への50%転化を示した。該反応混合物を40℃に加熱しかつ12hr攪拌した。LC−MSは生成物への95%転化を示した。ピロリジンのさらなる一部分(7.0μl、0.08mmol)を添加しかつ反応混合物を40℃で5hr攪拌することを継続した。LC−MSは生成物への完全な転化を示した。粗反応混合物をカラムクロマトグラフィー(12g、DCM中0〜10%MeOH、勾配溶出)により精製して、N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−(ピロリジン−1−イル)アセトアミド(実施例8)を淡橙色固形物(17mg、32%):m/z 632(M+H)(ES)として提供した。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ:1.27(9H、s)、1.76(4H、m)
、2.39(3H、s)、2.62(4H、m)、5.39(2H、s)、6.35(1H、s)、7.01(1H、d)、7.28(1H、d)、7.34(2H、d)、7.44(2H、d)、7.65−7.55(3H、m)、7.92(1H、d)、8.36−8.29(3H、m)、8.58(1H、s)、8.79(1H、s)、9.93(1H、s)。
【実施例9】
【0169】
N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)アセトアミド
【0170】
【化27】

【0171】
DCM(1.0mL)、DMF(0.1mL)およびDIPEA(22μl、0.13mmol)中のN−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−クロロアセトアミド(中間体B)(50mg、0.08mmol)の溶液にN−メチルピペラジン(9.3μl、0.08mmol)を添加した。該反応混合物をRTで3hr攪拌した。LC−MSは生成物への20%転化を示した。該反応混合物を40℃に加熱しかつ12hr攪拌した。LC−MSは生成物への91%転化を示した。N−メチルピペラジンのさらなる一部分(9.0μl、0.08mmol)を添加しかつ反応混合物を40℃で5hr攪拌することを継続した。LC−MSは生成物への98%転化を示した。粗反応混合物をカラムクロマトグラフィー(12g、DCM中0〜10%MeOH、勾配溶出)により精製した。生成物画分を真空中で濃縮し、そして残渣をジエチルエーテル、DCMおよびイソヘキサンの混合物(2:1:2、5.0mL)とともに摩砕して、N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)アセトアミド(実施例9)を淡橙色固形物(26mg、47%):m/z 661(M+H)(ES)として提供した。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ:1.27(9H、s)、2.39(3H、s)、2.69−2.60(3H、bm)、2.28−2.73(3H、bm)、3.17−2.95(4H、bm)、5.39(2H、s)、6.34(1H、s)、7.00(1H、d)、7.29(1H、d)、7.35(2H、d)、7.45(2H、d)、7.66−7.56(3H、m)、7.98(1H、d)、8.37−8.28(3H、m)、8.73(1H、s)、8.91(1H、s)、10.12(1H、s)。
【実施例10】
【0172】
N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−(4−(2−メトキシエチル)ピペラジン−1−イル)アセトアミド
【0173】
【化28】

【0174】
DCM(1.0mL)、DMF(0.1mL)およびDIPEA(22μl、0.13mmol)中のN−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−クロロアセトアミド(中間体B)(50mg、0.08mmol)の溶液にN−メトキシエチルピペラジン(12.5μl、0.08mmol)を添加した。該反応混合物をRTで3hr攪拌した。LC−MSは生成物への20%転化を示した。該反応混合物を40℃に加熱しかつ12hr攪拌した。LC−MSは生成物への78%転化を示した。N−メトキシエチルピペラジンのさらなる一部分(12.5μl、0.08mmol)を添加しかつ反応混合物を40℃で5hr攪拌することを継続した。LC−MSは生成物への89%転化を示した。粗反応混合物をカラムクロマトグラフィー(12g、DCM中0〜10%MeOH、勾配溶出)により精製して、N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−(4−(2−メトキシエチル)ピペラジン−1−イル)アセトアミド(実施例10)を淡橙色固形物(45mg、73%):m/z 705(M+H)(ES)として提供した。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ:1.27(9H、s)、2.39(3H、s)、2.46−2.48(3H、m、DMSOにより隠される)、2.57−2.50(4H、m)、3.17(2H、s)、3.23(3H、s)、3.42(2H、t)、5.39(2H、s)、6.35(1H、s)、7.01(1H、d)、7.29(1H、d)、7.35(2H、d)、7.43(2H、d)、7.65−7.55(3H、m)、7.93(1H、d)、8.36−8.30(3H、m)、8.58(1H、s)、8.79(1H、s)、9.92(1H、s)。
【実施例11】
【0175】
N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−(2−メトキシエチルアミノ)アセトアミド
【0176】
【化29】

【0177】
DCM(1.0mL)、DMF(0.1mL)およびDIPEA(17μl、0.10mmol)中のN−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−クロロアセトアミド(中間体B)(50mg、0.08mmol)の溶液に2−メトキシエチルアミン(7.0μl、0.08mmol)を添加した。該反応混合物を40℃に加熱しかつ12hr攪拌した。粗反応混合物をカラムクロマトグラフィー(12g、DCM中0〜10%MeOH、勾配溶出)により精製した。生成物画分を真空中で濃縮し、そして残渣をジエチルエーテル、DCMおよびイソヘキサンの混合物(2:1:2、5.0mL)とともに摩砕して、N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−(2−メトキシエチルアミノ)アセトアミド(実施例11)を灰白色固形物(6mg、11%):m/z 637(M+H)(ES)として提供した。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ:1.27(9H、s)、2.39(3H、s)、2.71(2H、t)、3.24(3H、s)、3.33(2H、m(DHOにより隠される))、3.40(2H、t)、5.38(2H、s)、6.35(1H、s)、7.01(1H、d)、7.27(1H、d)、7.36(2H、d)、7.43(2H、d)、7.64−7.57(3H、m)、7.92(1H、m)、8.36−8.30(3H、m)、8.59(1H、s)、8.79(1H、s)。
【実施例12】
【0178】
N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−(ジメチルアミノ)アセトアミド
【0179】
【化30】

【0180】
DCM(1.0mL)、DMF(0.1mL)およびDIPEA(17μl、0.1mmol)中のN−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−クロロアセトアミド(中間体B)(50mg、0.08mmol)の溶液にジメチルアミン(THF中2.0M溶液)(41μl、0.08mmol)を添加した。該反応混合物を40℃に加熱しかつ12hr攪拌した。粗反応混合物をカラムクロマトグラフィー(12gシリカ、DCM中0〜10%MeOH、勾配溶出)により精製した。生成物画分を真空中で濃縮し、そして残渣をジエチルエーテル、DCMおよびイソヘキサンの混合物(2:1:2、5.0mL)とともに摩砕して、N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−(ジメチルアミノ)アセトアミド(実施例12)を橙色油状物(18mg、35%):m/z 607(M+H)(ES)として提供した。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ:1.2
7(9H、s)、2.31(6H、s)、2.39(3H、s)、3.14(2H、s)、5.39(2H、s)、6.35(1H、s)、7.01(1H、d)、7.29(1H、d)、7.35(2H、d)、7.44(2H、d)、7.65−7.55(3H、m)、7.94(1H、m)、8.38−8.28(3H、m)、8.59(1H、s)、8.79(1H、s)、9.93(1H、s)。
【実施例13】
【0181】
N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−(メチルアミノ)アセトアミド
【0182】
【化31】

【0183】
DCM(1.0mL)、DMF(0.2mL)およびDIPEA(17μl、0.10mmol)中のN−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−クロロアセトアミド(中間体B)(50mg、0.08mmol)の溶液にメチルアミン(THF中2.0M溶液)(41μl、0.08mmol)を添加した。該反応混合物を40℃に加熱しかつ12hr攪拌した。粗反応混合物をカラムクロマトグラフィー(12g、DCM中0〜10%MeOH、勾配溶出)により精製した。生成物画分は不純物で汚染されており;粗物質をカラムクロマトグラフィー(12g、DCM中0〜10%MeOH、勾配溶出)により再精製して、N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−(メチルアミノ)アセトアミド(実施例13)を淡褐色固形物(6mg、12%):m/z 593(M+H)(ES)として提供した。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ:1.27(9H、s)、2.32(3H、s)、2.39(3H、s)、3.28(2H、s)、5.39(2H、s)、6.35(1H、s)、7.01(1H、d)、7.27(1H、d)、7.35(2H、d)、7.44(2H、d)、7.63−7.55(3H、m)、7.93(1H、m)、8.37−8.30(3H、m)、8.59(1H、s)、8.80(1H、s)。
【実施例14】
【0184】
N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−((4−メトキシベンジル)(メチル)アミノ)アセトアミド
【0185】
【化32】

【0186】
DCM(1.0mL)、DMF(0.2mL)およびDIPEA(17.5μl、0.10mmol)中のN−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−クロロアセトアミド(中間体B)(50mg、0.08mmol)の溶液にN−(4−メトキシベンジル)−N−メチルアミン(15.5μl、0.09mmol)を添加した。該反応混合物を55℃で12hr攪拌した。粗反応混合物をカラムクロマトグラフィー(12g、DCM中0〜10%MeOH、勾配溶出)により精製した。生成物画分を真空中で濃縮し、そして残渣をジエチルエーテル、DCMおよびイソヘキサンの混合物(2:1:2、5.0mL)とともに摩砕して、N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−((4−メトキシベンジル)(メチル)アミノ)アセトアミド(実施例14)を白色固形物(7mg、11%):m/z 713(M+H)(ES)として提供した。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ:1.27(9H、s)、2.25(3H、s)、2.39(3H、s)、3.22(2H、s)、3.59(2H、s)、3.72(3H、s)、5.38(2H、s)、6.35(1H、s)、6.90(2H、m)、7.01(1H、m)、7.27(3H、m)、7.35(2H、m)、7.43(2H、m)、7.64−7.55(3H、m)、7.94(1H、m)、8.37−8.28(3H、m)、8.58(1H、s)、8.79(1H、s)、9.97(1H、s)。
【0187】
中間体C:1−(4−((3−アミノピリジン−4−イル)メトキシ)ナフタレン−1−イル)−3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)尿素
【0188】
【化33】

【0189】
4−((4−ニトロナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−3−アミン(6)
【0190】
【化34】

【0191】
0℃の無水THF(160mL)中の(3−アミノ−ピリジン−4−イル)−メタノール(5)(4.00g、32.2mmol)の溶液に水素化ナトリウム(1.55g、38.7mmol、60重量%)を添加した。20min攪拌した後に1−フルオロ−4−ニトロナフタレン(6.16g、32.2mmol)を添加し、氷浴を除去し、そして反応混合物をRTに温まらせかつ12hr攪拌した。該反応混合物をEtOAc(200mL)と飽和aq NaHCO溶液(150mL)の間で分配した。残存する黄色固形物を濾過により収集し、そして水(50mL)、MeOH(50mL)およびジエチルエーテル(100mL)で連続して洗浄し、そしてLC−MSおよびH NMRにより所望の生成物と同定した。濾液を分液ロートに戻し;有機層を収集しかつ塩水(100mL)で洗浄し、乾燥しかつ真空中で濃縮して橙色残渣を提供した。該橙色残渣のMeOH(200mL)との摩砕が橙色固形物を提供し、これをジエチルエーテル(200mL)で洗浄した。該橙色固形物のLC−MSおよびH NMR分析は、先に得られた不溶性固形物について観察されたものと同一であった。該2生成物を合わせて、4−((4−ニトロナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−3−アミン(6)(7.80g、77
%):m/z 296(M+H)(ES)を提供した。
【0192】
4−((4−ニトロナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−3−イルイミノ二炭酸ジ−tert−ブチル(7)
【0193】
【化35】

【0194】
THF(30mL)中の4−((4−ニトロナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−3−アミン(6)(3.00g、10.2mmol)およびDMAP(0.25g、2.03mmol)の懸濁液に、THF(15mL)中の二炭酸ジ−tert−ブチル(2.33g、10.7mmol)の溶液を添加した。2〜3min後に溶液が得られた。該反応混合物をRTで12hr攪拌し、それに際してさらなる二炭酸ジ−tert−ブチル(2.33g、10.7mmol)を添加しかつ該反応混合物をRTで12hr攪拌した。該反応をEtOAc(100mL)と飽和aq NaHCO溶液(50mL)の間で分配した。有機層を収集し、乾燥しかつ真空中で濃縮して橙色油状物を提供した。該油状物をカラムクロマトグラフィー(イソヘキサン中0〜50%EtOAc、勾配溶出)により精製して、4−((4−ニトロナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−3−イルイミノ二炭酸ジ−tert−ブチル(7)を、静置に際して結晶化した橙色油状物(2.33g、43%):m/z 496(M+H)(ES)として提供した。
【0195】
4−((4−アミノナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−3−イルイミノ二炭酸ジ−tert−ブチル(8)
【0196】
【化36】

【0197】
MeOH(100mL)およびAcOH(20mL)中の4−((4−ニトロナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−3−イルイミノ二炭酸ジ−tert−ブチル(7)(2.30g、4.64mmol)の溶液にThales H−cube(1.0mL/min、25℃、55mm 10%Pt/C Cat−Cart、完全水素モード)を通過させ、そして揮発性物質を真空中で除去して、4−((4−アミノナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−3−イルイミノ二炭酸ジ−tert−ブチル(8)を褐色油状物(2.12g、82%):m/z 466(M+H)(ES)として提供した。
【0198】
4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イ
ル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−3−イルイミノ二炭酸ジ−tert−ブチル(9)
【0199】
【化37】

【0200】
DCM(4.0mL)中の3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−アミン(4)(第WO 2000043384号明細書)(1.55g、6.77mmol)の溶液を、DCM(4.0mL)中のCDI(1.10g、6.77mmol)の懸濁液にRTで25minにわたり一滴ずつ添加した。該反応混合物をRTで80min攪拌し、そしてDCM(10mL)中の4−((4−アミノナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−3−イルイミノ二炭酸ジ−tert−ブチル(8)(2.10g、4.51mmol)の溶液を該反応混合物に一部分で添加しかつ12hr攪拌した。該反応混合物を飽和aq NaHCO溶液(20mL)とDCM(20mL)の間で分配した。有機層を収集し、乾燥しかつ真空中で濃縮して紫色残渣を提供した。該粗物質をカラムクロマトグラフィー(80g、イソヘキサン中0〜100%EtOAc、勾配溶出)により精製して、4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−3−イルイミノ二炭酸ジ−tert−ブチル(9)を紫色固形物(1.77g、53%):m/z 721(M+H)(ES)として提供した。
【0201】
中間体C:1−(4−((3−アミノピリジン−4−イル)メトキシ)ナフタレン−1−イル)−3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)尿素
【0202】
【化38】

【0203】
TFA(2.0mL)をDCM(10mL)中の4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−3−イルイミノ二炭酸ジ−tert−ブチル(9)(1.7
0g、2.36mmol)の溶液に添加した。RTで1hr攪拌した後にさらなるTFA(2.0mL)を添加し、そして反応混合物をRTで12hr攪拌した。溶媒を真空中で除去し、そして生成物をSCX捕捉および遊離により精製し、次いでDCM(20mL)とともに摩砕して、1−(4−((3−アミノピリジン−4−イル)メトキシ)ナフタレン−1−イル)−3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)尿素(中間体C)を淡黄色固形物(0.96g、77%):m/z 521(M+H)(ES)として提供した。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ:1.27(9H、s)、2.39(3H、s)、5.16(2H、s)、5.38(2H、s)、6.35(1H、s)、7.05(1H、d)、7.32(1H、d)、7.35(2H、d)、7.43(2H、m)、7.64−7.51(2H、m)、7.63(1H、d)、7.82(1H、d)、7.91(1H、m)、8.03(1H、s)、8.29(1H、m)、8.57(1H、s)、8.78(1H、s)。
【実施例15】
【0204】
1−(4−((3−メチルウレイドピリジン−4−イル)メトキシ)ナフタレン−1−イル)−3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)尿素
【0205】
【化39】

【0206】
イソシアン酸メチル(8.5μl、0.14mmol)をピリジン(1.0mL)中の1−(4−((3−アミノピリジン−4−イル)メトキシ)ナフタレン−1−イル)−3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)尿素(中間体C)(50mg、0.10mmol)の溶液に添加した。該反応混合物をRTで2hr攪拌し、そしてイソシアン酸メチルのさらなる一部分(8.5μl、0.14mmol)を添加しかつ攪拌をRTで72hr継続した。溶媒を真空中で除去し、そして粗生成物をカラムクロマトグラフィー(4g、DCM中10〜25%MeOH、勾配溶出)により精製した。粗生成物画分を合わせかつDCM(20mL)とともに摩砕した。該固形物を濾過分離して、1−(4−((3−メチルウレイドピリジン−4−イル)メトキシ)ナフタレン−1−イル)−3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)尿素(実施例15)(8mg、14%):m/z 578(M+H)(ES)を提供した。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ:1.27(9H、s)、2.39(3H、s)、2.68(3H、d)、5.27(2H、s)、6.35(1H、s)、6.53(1H、m)、6.98(1H、d)、7.35(2H、d)、7.45(2H、d)、7.65−7.52(4H、m)、7.92(1H、d)、8.16(1H、s)、8.28(2H、m)、8.61(1H、s)、8.82(1H、s)、8.88(1H、s)。
【実施例16】
【0207】
N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−3−イル)−2
−メトキシアセトアミド
【0208】
【化40】

【0209】
無水DCM(1.0mL)および無水DMF(0.1mL)中の1−(4−((3−アミノピリジン−4−イル)メトキシ)ナフタレン−1−イル)−3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)尿素(中間体C)(50mg、0.10mmol)およびDIPEA(33.5μl、0.19mmol)の溶液に塩化メトキシアセチル(10μl、0.11mmol)を添加した。該反応混合物をRTで12hr攪拌した。LC−MSは所望の生成物への50%転化を示した。塩化メトキシアセチル(10μl、0.11mmol)を添加しかつ反応混合物をRTでさらなる5hr攪拌し;LC−MSは該反応が終了に近づいていることを示した。塩化メトキシアセチルのさらなる一部分(8μl、0.09mmol)を添加し、そして2hr後にLC−MSが反応が終了に達したことを示した。MeOH中1%NH(10mL)を添加しかつ反応混合物をRTで20min攪拌した。溶媒を真空中で除去して紫色の油性固形物を提供した。これをMeOH(2.0mL)に溶解しかつ3滴のAcOHを添加した。該溶液をSCX捕捉および遊離にかけ、生成物をMeOH中1%NHで溶出した。溶媒を真空中で除去し、そして残渣をジエチルエーテル(10mL)とともに摩砕して、N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−3−イル)−2−メトキシアセトアミド(実施例16)を淡紫色固形物(24mg、41%)m/z 593(M+H)(ES)として提供した。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ:1.27(9H、s)、2.39(3H、s)、3.31(3H、s(DHOピークにより隠される))、4.06(2H、s)、5.34(2H、s)、6.35(1H、s)、6.96(1H、d)、7.35(2H、d)、7.43(2H、d)、7.64−7.54(4H、m)、7.93(1H、d)、8.29(1H、dd)、8.45(1H、d)、8.58(1H、s)、8.70(1H、s)、8.79(1H、s)、9.76(1H、s)。
【実施例17】
【0210】
N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−3−イル)−2−(2−メトキシエトキシ)アセトアミド
【0211】
【化41】

【0212】
無水DCM(1.0mL)および無水DMF(0.2mL)中の1−(4−((3−アミノピリジン−4−イル)メトキシ)ナフタレン−1−イル)−3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)尿素(中間体C)(50mg、0.10mmol)およびDIPEA(33.5μl、0.19mmol)の溶液に塩化2−(2−メトキシエトキシ)アセチル(15μl、0.11mmol)を添加した。該反応混合物をRTで12hr攪拌した。LC−MSは所望の生成物への50%転化を示した。塩化2−(2−メトキシエトキシ)アセチル(15μl、0.11mmol)を添加しかつ反応混合物をRTで攪拌した。6hr後にLC−MSは該反応が終了に進んでいたことを示した。MeOH(2.0mL)およびAcOH(5滴)を添加し、そして該反応混合物をSCX捕捉および遊離にかけ、MeOH中1%NHで溶出した。溶媒を真空中で除去し、そして粗物質をカラムクロマトグラフィー(4g、EtOAc中0〜10%MeOH、勾配溶出)により精製して、N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−3−イル)−2−(2−メトキシエトキシ)アセトアミド(実施例17)を白色固形物(27mg、43%):m/z 637(M+H)(ES)として提供した。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ:1.27(9H、s)、2.39(3H、s)、3.18(3H、s)、3.36(2H、m)、3.61(2H、m)、4.14(2H、s)、5.33(2H、s)、6.35(1H、s)、6.97(1H、d)、7.35(2H、d)、7.43(2H、d)、7.67−7.55(4H、m)、7.92(1H、d)、8.27(1H、d)、8.46(1H、d)、8.58(1H、s)、8.74(1H、s)、8.80(1H、s)、9.65(1H、s)。
【0213】
中間体D:1−(4−(2−(2−アミノピリジン−4−イル)エトキシ)ナフタレン−1−イル)−3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)尿素
【0214】
【化42】

【0215】
4−(2−ヒドロキシエチル)ピリジン−2−イルカルバミン酸tert−ブチル(11)
【0216】
【化43】

【0217】
−78℃のTHF(100mL)中の窒素下の2−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ピリジン−4−イル)酢酸エチル(10)(第WO 2007089512号明細書)(10.0g、35.7mmol)の溶液に、DIBAL(THF中1M溶液、71.3mL、71.3mmol)を1hrにわたり添加した。該反応混合物を−78ないし−60℃で40min攪拌し、そしてその後1hrにわたり−15℃に加温した。該溶液を−78℃に再冷却し、そしてさらなるDIBAL(THF中1M溶液、35mL、35.7mmol)で処理した。該混合物を−40℃に温まらせかつ1hr攪拌した。水(10mL)を注意深く添加して該反応をクエンチし、次いでMgSO(20g)を添加しかつ固形物を濾過により除去した。濾液を減圧下乾固まで濃縮し、そして残渣をヘキサン中65%EtOAcで溶出するカラムクロマトグラフィー(330g)にかけて、4−(2−ヒドロキシエチル)ピリジン−2−イルカルバミン酸tert−ブチル(11
)(6.00g、64%)を黄色固形物:m/z 239(M+H)(ES)として生じた。
【0218】
4−(2−(4−ニトロナフタレン−1−イルオキシ)エチル)ピリジン−2−イルカルバミン酸tert−ブチル(12)
【0219】
【化44】

【0220】
THF(70mL)中の4−(2−ヒドロキシエチル)ピリジン−2−イルカルバミン酸tert−ブチル(11)(6.00g、25.2mmol)の溶液に0℃で水素化ナトリウム(2.52g、63.0mmol、60重量%)を添加した。該鮮黄色懸濁液を、1−フルオロ−4−ニトロナフタレン(4.81g、25.2mmol)の単一部分での添加前に0℃で20min攪拌した。RTで2hr攪拌した後に水(100mL)次いでEtOAc(100mL)を添加した。層の間に形成される固形物を濾過により収集し、そして有機層を飽和aq NaHCO(100mL)、塩水(100mL)で洗浄しかつ乾燥した。揮発性物質を除去して橙色固形物を生じた。該固形物を合わせかつMeOH(50mL)から摩砕して、4−(2−(4−ニトロナフタレン−1−イルオキシ)エチル)ピリジン−2−イルカルバミン酸tert−ブチル(12)を黄色固形物(11.0g、98%):m/z 410(M+H)(ES)として生じた。
【0221】
4−(2−(4−アミノナフタレン−1−イルオキシ)エチル)ピリジン−2−イルカルバミン酸tert−ブチル(13)
【0222】
【化45】

【0223】
4−(2−(4−ニトロナフタレン−1−イルオキシ)エチル)ピリジン−2−イルカルバミン酸tert−ブチル(11)(5.20g、12.7mmol)および鉄網(4.30g、76mmol)をAcOHおよびEtOHの混合物(1:2、120mL)に懸濁した。該懸濁液を60℃で予め加熱した油浴に入れ、そして反応がLC−MSにより終了したと判定されるまで急速に攪拌した。該混合物をRTに冷却し、飽和aq NaHCO(1000mL)上に慎重に注ぎかつEtOAc(500mL×2)で抽出した。合わせた有機層をさらなる飽和aq NaHCO(1000mL)、水(1000mL)、塩水(1000mL)で洗浄しかつ乾燥した。これを濾過しかつ蒸発させて、4−(2−(4−アミノナフタレン−1−イルオキシ)エチル)ピリジン−2−イルカルバミン
酸tert−ブチル(13)を黄色油状物(5.00g、95%):m/z 380(M+H)(ES)として生じた。
【0224】
4−(2−(4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)エチル)ピリジン−2−イルカルバミン酸tert−ブチル(14)
【0225】
【化46】

【0226】
DCM(15mL)中のCDI(3.00g、18.18mmol)の懸濁液に、DCM(40mL)中の3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−アミン(4)(第WO 2000043384号明細書)(4.17g、18.18mmol)の溶液を1.5hrにわたり添加した。RTで2hr攪拌した後に、DCM(15mL)中の4−(2−(4−アミノナフタレン−1−イルオキシ)エチル)ピリジン−2−イルカルバミン酸tert−ブチル(13)(3.00g、7.91mmol)の溶液を添加した。一夜攪拌した後に該溶液をMeOH(10mL)で希釈しかつシリカゲル(30g)に吸着させ、そしてイソヘキサン中30%ないし100%EtOAc、およびその後EtOAc中0%ないし6%MeOHで溶出するカラムクロマトグラフィー(330g)にかけて、4−(2−(4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)エチル)ピリジン−2−イルカルバミン酸tert−ブチル(13)をベージュ色固形物(4.20g、80%):m/z 635(M+H)(ES)として生じた。
【0227】
中間体D:1−(4−(2−(2−アミノピリジン−4−イル)エトキシ)ナフタレン−1−イル)−3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)尿素
【0228】
【化47】

【0229】
DCM(10mL)中の4−(2−(4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−ト
リル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)エチル)ピリジン−2−イルカルバミン酸tert−ブチル(14)(1.35g、2.20mmol)の懸濁液にTFA(10mL)を添加した。RTで2hr攪拌した後に揮発性物質を蒸発させ、そして残渣をEtOAc(50mL)に溶解しかつ飽和aq NaHCO(50mL)で抽出した。層を分離し;有機物を塩水(50mL)で洗浄し、乾燥しかつ蒸発させて、1−(4−(2−(2−アミノピリジン−4−イル)エトキシ)ナフタレン−1−イル)−3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)尿素(中間体D)を淡桃色固形物(1.20g、100%):m/z 535(M+H)(ES)として生じた。
【実施例18】
【0230】
N−(4−(2−(4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)エチル)ピリジン−2−イル)−2−メトキシアセトアミド
【0231】
【化48】

【0232】
DCM(0.5mL)中の1−(4−(2−(2−アミノピリジン−4−イル)エトキシ)ナフタレン−1−イル)−3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)尿素(中間体D)(35mg、0.065mmol)の懸濁液にDIPEA(23μl、0.131mmol)および塩化メトキシアセチル(7μl、0.072mmol)を添加した。該混合物を、LC−MSにより終了したと判定されるまでRTで攪拌し;飽和aq NaHCO(1.5mL)で希釈し、そして層セパレーターカートリッジを通して層を分離した。有機物を収集し、減圧下に蒸発させかつ残渣をSCX捕捉および遊離にかけた。生じる残渣を調製的RP HPLCによりさらに精製して、N−(4−(2−(4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)エチル)ピリジン−2−イル)−2−メトキシアセトアミド(実施例18)を白色固形物(5mg、13%):m/z 607(M+H)(ES)として生じた。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ:1.26(9H、s)、2.37(3H、s)、3.20(2H、t)、3.37(3H、s)、4.06(2H、s)、4.38(2H、t)、6.33(1H、s)、6.95(1H、d)、7.19(1H、dd)、7.33(2H、m)、7.42−7.47(3H、m)、7.54(1H、m)、7.59(1H、d)、7.87(1H、d)、8.12(1H、d)、8.18(1H、bs)、8.23(1H、d)、8.67(1H、s)、8.84(1H、s)、9.89(1H、s)。
【実施例19】
【0233】
N−(4−(2−(4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)エチル)ピリジン−2−イル)−2−(2−メトキシエトキシ)アセトアミド
【0234】
【化49】

【0235】
DCM(0.5mL)中の1−(4−(2−(2−アミノピリジン−4−イル)エトキシ)ナフタレン−1−イル)−3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)尿素(中間体D)(35mg、0.065mmol)の懸濁液にDIPEA(23μl、0.131mmol)および塩化2−(2−メトキシ)エトキシアセチル(11mg、0.072mmol)を添加した。該混合物を、LC−MSにより終了したと判定されるまでRTで攪拌し;飽和aq NaHCO(1.5mL)で希釈し、そして層セパレーターカートリッジを通して層を分離した。有機物を収集し、減圧下に蒸発させかつ残渣をSCX捕捉および遊離にかけた。生じる残渣を調製的RP HPLCによりさらに精製して、N−(4−(2−(4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)エチル)ピリジン−2−イル)−2−(2−メトキシエトキシ)アセトアミド(実施例19)を灰白色固形物(13mg、31%):m/z 651(M+H)(ES)として生じた。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ:1.26(9H、s)、2.38(3H、s)、3.21(2H、t)、3.28(3H、s)、3.49−3.51(2H、m)、3.66−3.68(2H、m)、4.13(2H、s)、4.38(2H、t)、6.34(1H、s)、6.95(1H、d)、7.19(1H、dd)、7.34(2H、m)、7.41−7.48(3H、m)、7.51−7.56(1H、m)、7.59(1H、d)、7.87(1H、d)、8.11−8.14(1H、dd)、8.20(1H、bs)、8.23−8.25(1H、dd)、8.55(1H、s)、8.75(1H、s)、9.83(1H、s)。
【実施例20】
【0236】
4−(2−(4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)エチル)−1−メチル−3−(ピリジン−2−イル)尿素
【0237】
【化50】

【0238】
ピリジン(1.0mL)中の1−(4−(2−(2−アミノピリジン−4−イル)エトキシ)ナフタレン−1−イル)−3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)尿素(7)(中間体D)(50mg、0.094mmol)の溶液にイソシアン酸メチル(5.34mg、0.094mmol)を添加した。該混合物をR
Tで72hr攪拌し、そして溶媒を減圧下に蒸発させた。生じる残渣をMeOH(5.0mL)から摩砕して、4−(2−(4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)エチル)−1−メチル−3−(ピリジン−2−イル)尿素(実施例20)を灰白色固形物(7mg、13%):m/z 592(M+H)(ES)として生じた。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ:1.26(9H、s)、2.38(3H、s)、3.13(2H、t)、3.31(3H、s、HOにより隠される)、4.32(2H、t)、6.34(1H、s)、6.93(1H、d)、7.34(2H、m)、7.40−7.48(6H、m)、7.53−7.57(1H、m)、7.61(1H、d)、7.81−7.83(2H、d)、7.86−7.89(1H、d)、8.02−8.04(1H、dd)、8.55(1H、s)、8.75(1H、s)。
【実施例21】
【0239】
4−(2−(4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)エチル)−3−(ピリジン−2−イル)尿素
【0240】
【化51】

【0241】
ピリジン(1.0mL)中の1−(4−(2−(2−アミノピリジン−4−イル)エトキシ)ナフタレン−1−イル)−3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)尿素(7)(中間体D)(50mg、0.094mmol)の溶液にイソシアン酸トリクロロアセチル(12μl、0.103mmol)を添加した。該混合物を、LC−MSにより終了したと判定されるまでRTで攪拌し、そして溶媒を減圧下に蒸発させた。生じる残渣をSCX捕捉および遊離にかけ、そしてDCM(10mL)から摩砕して、4−(2−(4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)エチル)−3−(ピリジン−2−イル)尿素(実施例21)を灰白色固形物(25mg、44%):m/z 578(M+H)(ES)として生じた。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ:1.26(9H、s)、2.38(3H、s)、3.12(2H、t)、4.35(2H、t)、6.34(1H、s)、6.94−6.99(2H、m)、7.19(1H、dd)、7.33−7.35(2H、m)、7.41−7.50(5H、m)、7.52−7.56(1H、m)、7.60(1H、d)、7.87(1H、d)、8.09−8.13(2H、m)、8.54(1H、s)、8.75(1H、s)、9.08(1H、s)。
【0242】
中間体E:1−(4−(2−(3−アミノピリジン−4−イル)エトキシ)ナフタレン−1−イル)−3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)尿素
【0243】
【化52】

【0244】
2−(3−アミノピリジン−4−イル)エタノール(16)
【0245】
【化53】

【0246】
MeOH(150mL)中の2−(3−ニトロピリジン−4−イル)エタノール(15)(第WO 2006136562号明細書)(2.00g、11.89mmol)に、30℃、30barで制御された様式でPd/C Cat−Cart(55mm)を使用し2.0mL/minでThales H−cubeを通過させた。LC−MSによる分析が、かなりの量の出発原料がなお存在することを示した。該溶液に、RTで完全水素モードで2.0mL/minでH−cubeを2回目、そして40℃で完全水素モードで2.0mL/minで再度通過させた。揮発性物質の蒸発が2−(3−アミノピリジン−4−イル)エタノール(16)を紫色油状物(1.30g、81%):m/z 139(M+H)(ES)として生じた。
【0247】
4−(2−(4−ニトロナフタレン−1−イルオキシ)エチル)ピリジン−3−アミン(17)
【0248】
【化54】

【0249】
THF(20mL)中の4−ニトロナフトール(0.95g、5.00mmol)、PPh(1.97g、7.50mmol)および2−(3−アミノピリジン−4−イル)エタノール(16)(1.04g、7.50mmol)の溶液に、−15℃でDIAD(590μl、3.75mmol)を一滴ずつ添加した。該混合物をRTで1hr攪拌し、そして揮発性物質を真空中で除去した。残渣をシリカ(20g)に吸着させ、そしてカラムクロマトグラフィー(80g)50〜100%EtOAc/イソヘキサンでの勾配溶出および5%MeOH/EtOAcでの最終溶出により精製して、4−(2−(4−ニトロナフタレン−1−イルオキシ)エチル)ピリジン−3−アミン黄色固形物(17)(1.36g、88%):m/z 310(M+H)(ES)を生じた。
【0250】
4−(2−(4−アミノナフタレン−1−イルオキシ)エチル)ピリジン−3−アミン(18)
【0251】
【化55】

【0252】
MeOH(50mL)、EtOAc(25mL)およびDCM(25mL)の混合物中の4−(2−(4−ニトロナフタレン−1−イルオキシ)エチル)ピリジン−3−アミン(17)(700mg、2.263mmol)の溶液にThales H−cube(10%Pt/C 30mm、40℃で1.0mL/min、完全水素モード)を通過させた。溶媒を真空中で除去して、4−(2−(4−アミノナフタレン−1−イルオキシ)エチル)ピリジン−3−アミン(18)を褐色固形物(612mg、92%)として生じた。m/z 280(M+H)(ES)。
【0253】
3−tert−ブチル−5−イソシアナト−1−p−トリル−1H−ピラゾール(19)
【0254】
【化56】

【0255】
DCM(90mL)中の3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−アミン(4)(第WO 2000043384号明細書)(1.00g、4.36mmol)の溶液にNaHCOの飽和aq溶液(60mL)を添加した。該混合物を活発に攪拌し、0℃に冷却し、そしてジホスゲン(2.1mL、17.4mmol)を単一部分で添加した。RTで1hr攪拌した後に層を分離し、そして有機物を乾燥しかつ蒸発させて褐色油状物を生じた。該油状物をイソヘキサン(5.0mL)とともに摩砕しかつ固形物を濾過した。濾液を真空中で濃縮して、3−tert−ブチル−5−イソシアナト−1−p−トリル−1H−ピラゾール(19)を淡褐色油状物(1.00g、3.92mmol、90%)として生じた。m/z 288(MeOH中)(M+H+MeOH)(ES)。
【0256】
中間体E:1−(4−(2−(3−アミノピリジン−4−イル)エトキシ)ナフタレン−1−イル)−3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)尿素
【0257】
【化57】

【0258】
THF(2.0mL)中の3−tert−ブチル−5−イソシアナト−1−p−トリル−1H−ピラゾール(19)(530mg、2.076mmol)の溶液を、THF(10mL)およびMeCN(1.0mL)中の4−(2−(4−アミノナフタレン−1−イルオキシ)エチル)ピリジン−3−アミン(18)(580mg、2.076mmol)およびDIPEA(1085μl、6.23mmol)の溶液に添加し該反応混合物をRTで一夜攪拌した。該混合物を塩水(25mL)中に注ぎ、そしてEtOAc(2×25mL)で抽出し、乾燥し、濾過しかつ溶媒を真空中で除去した。生成物をハイフロー(hyflo)(10g)に前吸着させ、そして逆相カラムクロマトグラフィー(40g、C18(Silicycleから)、アセトニトリル/水、0ないし100%)により精製し、そして生成物画分を真空中で濃縮して、1−(4−(2−(3−アミノピリジン−4
−イル)エトキシ)ナフタレン−1−イル)−3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)尿素(中間体E)を灰白色固形物(410mg、36%)として生じた。m/z 535(M+H)(ES)。
【実施例22】
【0259】
N−(4−(2−(4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)エチル)ピリジン−3−イル)−2−(2−メトキシエトキシ)アセトアミド
【0260】
【化58】

【0261】
DCM(3.0mL)中の1−(4−(2−(3−アミノピリジン−4−イル)エトキシ)ナフタレン−1−イル)−3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)尿素(中間体E)(50mg、0.094mmol)およびDMAP(5.71mg、0.047mmol)に0℃で塩化2−(2−メトキシエトキシ)アセチル(30μl、0.281mmol)を添加し、そして該反応混合物をRTで1.5hr攪拌した。溶媒を真空中で除去し、そして残渣をMeOH中1%NH溶液で溶出するSCX捕捉および遊離にかけた。残渣をカラムクロマトグラフィー(4.0g)DCM中0〜8%MeOHでの勾配溶出により精製し、そして生成物画分を真空中で濃縮して、N−(4−(2−(4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)エチル)ピリジン−3−イル)−2−(2−メトキシエトキシ)アセトアミド(実施例22)を淡紫色固形物(35mg、56%):m/z 651(M+H)(ES)として生じた。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ:1.25(9H、s)、2.40(3H、s)、3.26(5H、m)、3.50(2H、m)、3.70(2H、m)、4.15(2H、s)、4.40(2H、t)、6.35(1H、s)、6.98(1H、d)、7.35(2H、m)、7.42(2H、m)、7.50(3H、m)、7.62(1H、d)、7.87(1H、d)、8.07(1H、dd)、8.36(1H、d)、8.56(1H.br s)、8.60(1H、s)、8.76(1H、br s)、9.55(1H、br
s)。
【0262】
中間体F:1−(4−(1−(2−アミノピリジン−4−イル)エトキシ)ナフタレン−1−イル)−3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)尿素
【0263】
【化59】

【0264】
1−(2−アミノピリジン−4−イル)エタノン(21)
【0265】
【化60】

【0266】
−78℃で窒素下のTHF(100mL)中の2−アミノピリジン−4−カルボン酸メチル(20)(1.00g、6.57mmol)の攪拌溶液にメチルリチウム(ジエチルエーテル中1.6M、16.43ml、26.3mmol)を10minにわたり添加した。−78℃でさらなる30min後に粘性の反応混合物を0℃に加温した。さらなる3hr後に、該反応をイソプロパノール(8.0mL)の慎重な添加により0℃でクエンチした。該混合物をRTに加温し、塩水(200mL)およびEtOAc(150mL)を添加しかつ層を分離した。水層をEtOAc(100mL×3)で抽出し、そして合わせた有機抽出液を乾燥しかつ溶媒を減圧下に除去した。粗残渣を、EtOAc中0ないし8%MeOHで溶出するカラムクロマトグラフィー(80g)により精製して、1−(2−アミノピリジン−4−イル)エタノン(21)(176mg、20%)を黄色粉末:m/z 137(M+H)(ES)として生じた。
【0267】
1−(2−アミノピリジン−4−イル)エタノール(20)
【0268】
【化61】

【0269】
0℃で窒素下のMeOH(10mL)中の1−(2−アミノピリジン−4−イル)エタノン(21)(168mg、1.234mmol)の混合物にホウ水素化ナトリウム(46.7mg、1.234mmol)を添加した。生じる反応混合物をRTで2hr攪拌し、そしてその後溶媒を減圧下に除去した。残渣をEtOAc(25mL)に溶解しかつ飽和aq NaHCO溶液(30mL)で抽出しかつ層を分離した。水層をEtOAc(20mL×2)で抽出し、そして合わせた有機抽出液を塩水(30mL)で洗浄し、乾燥しかつ溶媒を減圧下に除去して、1−(2−アミノピリジン−4−イル)エタノール(22)(77mg、45%)を黄色油状物:m/z 139(M+H)(ES)として生じた。
【0270】
4−(1−(4−ニトロナフタレン−1−イルオキシ)エチル)ピリジン−2−アミン(23)
【0271】
【化62】

【0272】
0℃で窒素下のDMF(1.5mL)中の1−(2−アミノピリジン−4−イル)エタノール(22)(73mg、0.528mmol)の攪拌溶液に水素化ナトリウム(32mg、0.793mmol、60重量%)を添加した。生じる混合物を0℃で40min攪拌し、そしてDMF(1.5mL)中の1−フルオロ−4−ニトロナフタレン(101mg、0.528mmol)の溶液を一滴ずつ添加した。生じる暗赤色混合物を0℃でさらなる5min、そしてその後RTで攪拌した。さらなる40min後に該反応を1.0mLのNHCl溶液の添加によりクエンチした。水(20mL)およびEtOAc(20mL)を添加しかつ層を分離した。水層をEtOAc(15mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出液を塩水で洗浄し、乾燥しかつ溶媒を減圧下に除去した。粗物質をイソヘキサン中0ないし80%EtOAcで溶出するカラムクロマトグラフィー(12g)により精製して、4−(1−(4−ニトロナフタレン−1−イルオキシ)エチル)ピリジン−2−アミン(23)(94.6mg、57%)を橙色ガム状物:m/z 310(M+H)(ES)として生じた。
【0273】
4−(1−(4−アミノナフタレン−1−イルオキシ)エチル)ピリジン−2−アミン(24)
【0274】
【化63】

【0275】
MeOH(15mL)およびAcOH(3.0mL)中の4−(1−(4−ニトロナフタレン−1−イルオキシ)エチル)ピリジン−2−アミン(23)(91mg、0.294mmol)にThales H−cube(1.0mL/min、30℃、55mm 10%Pt/C Cat−Cart、完全水素モード)を通過させた。揮発性物質を減圧下に除去し、紫色固形物を残し、それをその後SCX捕捉および遊離にかけて、4−(1−(4−アミノナフタレン−1−イルオキシ)エチル)ピリジン−2−アミン(24)(81mg、99%)を紫色油状物:m/z 280(M+H)(ES)として生じた。
【0276】
中間体F:1−(4−(1−(2−アミノピリジン−4−イル)エトキシ)ナフタレン−1−イル)−3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)尿素
【0277】
【化64】

【0278】
DCM(6.0mL)中の3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−アミン(4)(第WO 2000043384号明細書)(57mg、0.250mmol)の溶液に飽和aq NaHCO溶液(4.0mL)を添加し、そして該混合物を活発に攪拌した。該混合物を0℃に冷却し、そしてその後クロロギ酸トリクロロメチル(0.091ml、0.750mmol)を一部分で添加した。生じる混合物を0℃で1.5hr攪拌した。層を分離し、有機抽出液を乾燥しかつ溶媒を減圧下で除去して油状物を提供し、これを35℃で高真空下にさらなる35min乾燥させた。生じる油状物をTHF(5.0mL)に溶解し、そしてその後4−(1−(4−アミノナフタレン−1−イルオキシ)エチル)ピリジン−2−アミン(24)(81mg、0.290mmol)に添加した。DIPEA(179μl、1.029mmol)を添加し、そして反応混合物をRTで16hr攪拌した。水(15mL)およびEtOAc(10mL)を該反応混合物に添加しかつ層を分離した。水層をEtOAc(15mL)で抽出した。合わせた有機抽出液を塩水(20mL)で洗浄し、乾燥しかつ溶媒を減圧下に除去した。生じる残渣を
MeOH(5.0mL)およびAcOH(2.0mL)に溶解しかつSCX捕捉および遊離にかけた。粗混合物をDCM中0ないし10%MeOHで溶出するカラムクロマトグラフィー(12g)により精製して、1−(4−(1−(2−アミノピリジン−4−イル)エトキシ)ナフタレン−1−イル)−3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)尿素(中間体F)(63mg、38%)をベージュ色粉末:m/z 535(M+H)(ES)として生じた。
【0279】
中間体G:1−(4−(1−(2−アミノピリジン−4−イル)−2−メチルプロパン−2−イルオキシ)ナフタレン−1−イル)−3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)尿素
【0280】
【化65】

【0281】
4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)ピリジン−2−イルカルバミン酸tert−ブチル(26)
【0282】
【化66】

【0283】
−78℃で窒素下のTHF(140mL)中の2−(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ピリジン−4−イル)酢酸エチル(25)(第WO 2007089512号明細書)(1.56g、5.58mmol)の溶液にメチルリチウム(ジエチルエーテル中1.6M、17.44ml、27.9mmol)を12minにわたり添加した。該反応混合物を−78℃で3hr攪拌し、そして該反応を5.0mLのイソプロパノールの慎重な添加によりクエンチした。水(200mL)およびEtOAc(150mL)を添加しかつ層を分離した。水層をEtOAc(100mL×2)で抽出し、そして合わせた有機抽出液を塩水(200mL)で洗浄し、乾燥しかつ溶媒を減圧下に除去した。該粗物質をイソヘキサン中0ないし80%EtOAcで溶出するカラムクロマトグラフィー(80g)により精製して、4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)ピリジン−2−イルカルバミン酸tert−ブチル(26)(293mg、19%)をベージュ色粉末:m/z 267(M+H)(ES)として生じた。
【0284】
4−(2−メチル−2−(4−ニトロナフタレン−1−イルオキシ)プロピル)ピリジン−2−イルカルバミン酸tert−ブチル(27)
【0285】
【化67】

【0286】
0℃で窒素下のDMF(5.0mL)中の4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)ピリジン−2−イルカルバミン酸tert−ブチル(26)(292mg、1.10mmol)の攪拌溶液に水素化ナトリウム(132mg、3.29mmol、60重量%)を添加した。生じる橙色混合物を0℃で45min攪拌し、そしてその後DMF(5.0mL)中の1−フルオロ−4−ニトロナフタレン(210mg、1.10mmol)の溶液を2minにわたり一滴ずつ添加した。該暗褐色混合物を0℃で5min、そしてその後RTで攪拌した。90min後に該反応を4.0mLの水性NHCl溶液の添加によりクエンチした。ジエチルエーテル(40mL)、EtOAc(40mL)および水(40mL)を添加しかつ層を分離した。水層をジエチルエーテルおよびEtOAcの混合物(1:1、30mL×2)で抽出した。合わせた有機抽出液を塩水(50mL)で洗浄し、乾燥しかつ溶媒を減圧下に除去した。粗混合物を、イソヘキサン中0ないし70%EtOAcで溶出するカラムクロマトグラフィー(40g)により精製して、4−(2−メチ
ル−2−(4−ニトロナフタレン−1−イルオキシ)プロピル)ピリジン−2−イルカルバミン酸tert−ブチル(27)(79mg、15%)を橙色泡状物:m/z 438(M+H)(ES)として生じた。
【0287】
4−(2−(4−アミノナフタレン−1−イルオキシ)−2−メチルプロピル)ピリジン−2−イルカルバミン酸tert−ブチル(28)
【0288】
【化68】

【0289】
MeOH(30mL)およびAcOH(8.0mL)中の4−(2−メチル−2−(4−ニトロナフタレン−1−イルオキシ)プロピル)ピリジン−2−イルカルバミン酸tert−ブチル(27)(100mg、0.229mmol)にThales H−cube(1.0mL/min、30℃、55mm 10%Pt/C Cat−Cart、完全水素モード)を通過させた。揮発性物質を減圧下に除去して、4−(2−(4−アミノナフタレン−1−イルオキシ)−2−メチルプロピル)ピリジン−2−イルカルバミン酸tert−ブチル(28)(92mg、99%)を紫色油状物:m/z 408(M+H)(ES)として生じた。
【0290】
4−(2−(4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)−2−メチルプロピル)ピリジン−2−イルカルバミン酸tert−ブチル(29)
【0291】
【化69】

【0292】
DCM(25mL)中の3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−アミン(4)(第WO 2000043384号明細書)(250mg、1.090mmol)の溶液にaq NaHCOの飽和溶液(17mL)を添加し、そして該混合物を活発に攪拌した。該混合物を0℃に冷却し、そしてその後クロロギ酸トリクロロメチル(395μl、3.27mmol)を一部分で添加した。生じる混合物を0℃で90min攪拌した。層をその後分離し、有機抽出液を乾燥しかつ溶媒を減圧下で蒸発させて褐橙色油状物を提供し、これを高真空下30℃で30min乾燥した。生じる油状物をその後THF(4.0mL)に溶解し、そして4−(2−(4−アミノナフタレン−1−イルオ
キシ)−2−メチルプロピル)ピリジン−2−イルカルバミン酸tert−ブチル(28)(92mg、0.23mmol)に添加した。DIPEA(118μl、0.677mmol)をその後添加し、そして該反応混合物をRTで17hrにわたり攪拌した。水(15mL)およびEtOAc(15mL)を該紫色混合物に添加しかつ層を分離した。水層をEtOAc(10mL)で抽出した。合わせた有機抽出液を塩水(20mL)で洗浄し、乾燥しかつ溶媒を減圧下に除去した。粗物質を、イソヘキサン中0ないし50%EtOAcで溶出するカラムクロマトグラフィー(40g)により精製して、4−(2−(4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)−2−メチルプロピル)ピリジン−2−イルカルバミン酸tert−ブチル(29)(24mg、14%)を紫色泡状物:m/z 663(M+H)(ES)として生じた。
【0293】
中間体G:1−(4−(1−(2−アミノピリジン−4−イル)−2−メチルプロパン−2−イルオキシ)ナフタレン−1−イル)−3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)尿素
【0294】
【化70】

【0295】
TFA(1.0mL)をDCM(2.0mL)中の4−(2−(4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)−2−メチルプロピル)ピリジン−2−イルカルバミン酸tert−ブチル(29)(24.4mg、0.031mmol)の攪拌溶液に添加した。該反応混合物を0℃でさらに15min、およびその後RTで攪拌した。2hr後に溶媒を減圧下に除去して暗色残渣を残し、これをMeOH(3.0mL)中に戻しかつその後SCX捕捉および遊離にかけて、1−(4−(1−(2−アミノピリジン−4−イル)−2−メチルプロパン−2−イルオキシ)ナフタレン−1−イル)−3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)尿素(中間体G)を紫色固形物(20mg、98%):m/z 563(M+H)(ES)として生じた。
【0296】
中間体H:1−(4−((2−アミノピリミジン−4−イル)メトキシ)ナフタレン−1−イル)−3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)尿素
【0297】
【化71】

【0298】
(2−アミノピリミジン−4−イル)メタノール(31)
【0299】
【化72】

【0300】
水性HCl(2M、207mL、828mmol)を4−(ジメトキシメチル)ピリミジン−2−アミン(30)(第WO 2007096764号明細書)(14.0g、83mmol)に添加した。該混合物を48℃の予め加熱した油浴に16hr入れた。該混合物をRTに冷却しかつ固体のNaCOで中和し、それはpH7で沈殿物を生じた。EtOAc(300mL)を添加しそして該固形物を濾過により除去した。有機層の分離後に水層をTHF中1%MeOH(4×300mL)で抽出した。有機物を合わせ、乾燥し、濾過しかつ蒸発させて粗アルデヒド(約4.0g)を生じた。この物質をMeOH(100mL)、THF(100mL)および水(100mL)に懸濁しかつNaBH(1.565g、41.4mmol)で処理した。1hr攪拌した後にNaOH(1M、20mL)を添加し、そして該混合物をRTで48hr静置させた。溶媒を蒸発させて黄色固形物を生じ、これを水(50mL)とEtOAc(100mL)の間で分配した。境界に形成される固形物を濾過により除去し、そして水層をTHF(3×300mL)で抽出し、乾燥し、濾過しかつ蒸発させて黄色固形物を生じた。該物質をTHF(100mL)およびMeOH(50mL)に懸濁しかつシリカゲル(20g)に吸着させ、そしてDCM中15%MeOHで溶出するカラムクロマトグラフィー(80g)にかけて、(2−アミノピリミジン−4−イル)MeOH(31)を灰白色固形物(720mg、7%):m
/z 126(M+H)(ES)として生じた。
【0301】
4−((4−ニトロナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリミジン−2−アミン(32)
【0302】
【化73】

【0303】
THF(20mL)中の4−ニトロナフトール(741mg、3.92mmol)、(2−アミノピリミジン−4−イル)メタノール(31)(700mg、3.92mmol)およびPPh(1233mg、4.70mmol)の混合物を窒素下−50℃に冷却し、そしてDIAD(996μl、4.70mmol)で5minにわたり一滴ずつ処理した。添加の終了後に該混合物をRTに温まらせかつ1hr攪拌した。黄色沈殿物がこの時間に形成する。一夜攪拌した後に揮発性物質を蒸発させ、そして残渣をMeOH(50mL)から摩砕した。淡黄色固形物を濾過により収集しかつジエチルエーテル(50mL)で洗浄して、4−((4−ニトロナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリミジン−2−アミン(32)(1.1g、93%):m/z 297(M+H)(ES)を生じた。
【0304】
4−((4−アミノナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリミジン−2−アミン(33)
【0305】
【化74】

【0306】
DCM(50mL)およびAcOH(40mL)中の4−((4−ニトロナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリミジン−2−アミン(32)(1.10g、3.71mmol)の溶液に1.0mL/minでThales H−cube(完全水素モード、55mm 10%Pt/C、40℃)を通過させた。溶液のLC−MS分析は主に出発原料および約20%の生成物を示した。DCMを蒸発させ、そして該溶液をRTでの上の還元条件に再度かけた。分析は約20%の過剰還元および約10%の出発原料と一緒に約70%の生成物を示した。揮発性物質を蒸発させて粗4−((4−アミノナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリミジン−2−アミン(33)を紫色固形物(0.90g、64%収率):m/z 267(M+H)(ES)として生じた。
【0307】
中間体H:1−(4−((2−アミノピミリジン−4−イル)メトキシ)ナフタレン−1−イル)−3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)尿素
【0308】
【化75】

【0309】
DCM(4.0mL)中の3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−アミン(4)(第WO 2000043384号明細書)(0.98g、4.26mmol)の溶液を、DCM(3.0mL)中のCDI(0.69g、4.26mmol)の懸濁液に1hrにわたり一滴ずつ添加し、そして該溶液をRTで2hr攪拌した。この溶液をDCM(10mL)中の4−((4−アミノナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリミジン−2−アミン(33)(0.9g、2.366mmol)の溶液に一滴ずつ添加した。各1.0mLのアリコートを添加した後に該反応を1hr攪拌させ、そして、該混合物を、過剰アシル化を伴わない、CDIで活性化される3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−アミンの消費を確認するために、LC−MSによりモニターした。該反応をMeOH(20mL)でクエンチし、シリカを添加し(20g)かつ揮発性物質を蒸発させた。該残渣をイソヘキサン中50ないし100%EtOAcで溶出するカラムクロマトグラフィー(100g)にかけた。合わせた画分をDCM(20mL)から摩砕しかつ固形物を収集し、そしてジエチルエーテル(50mL)で洗浄して、1−(4−((2−アミノピリミジン−4−イル)メトキシ)ナフタレン−1−イル)−3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)尿素(中間体H)を紫色固形物(0.48g、38%):m/z 523(M+H)(ES)として生じた。
【実施例23】
【0310】
N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリミジン−2−イル)−2−メトキシアセトアミド
【0311】
【化76】

【0312】
DCM(1.0mL)およびDMF(100μl)中の1−(4−((2−アミノピリミジン−4−イル)メトキシ)ナフタレン−1−イル)−3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)尿素(中間体H)(52mg、0.100mmol)の懸濁液を塩化メトキシアセチル(27μl、0.299mmol)次いでDIPEA(52.μl、0.299mmol)で処理した。RTで一夜攪拌した後に揮発性物質を蒸発させ、そして該残渣をMeOH(2.0mL)およびAcOH(2.0mL)の混合物に懸濁した。該懸濁液をSCX捕捉および遊離にかけた。物質がほとんど溶出分離せず、これゆえにカートリッジからSCXを取り外しかつMeOH(50mL)で抽出した。蒸発後に灰白色固形物を得、そしてこれをMeOH(1.0mL)およびジエチルエーテル(5.0mL)から摩砕して、N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリミジン−2−イル)−2−メトキシアセトアミド(実施例23)を白色固形物(12mg、19%収率):m/z 594(M+H)(ES)として生じた。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ:1.27(9H、s)、2.40(3H、s)、3.34(3H、s)、4.24(2H、s)、5.34(2H、s)、6.35(1H、s)、7.02(1H、d)、7.35(2H、d)、7.44(3H、m)、7.60(3H、m)、7.95(1H、m)、8.36(1H、m)、8.59(1H、br s)、8.68(1H、d)、8.80(1H、br s)、10.44(1H、br s)。
【0313】
中間体I:1−(4−(2−(4−アミノ−1H−イミダゾル−1−イル)エトキシ)ナフタレン−1−イル)−3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)尿素
【0314】
【化77】

【0315】
1−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)−3−(4−(2−(4−ニトロ−1H−イミダゾル−1−イル)エトキシ)ナフタレン−1−イル)尿素(35)
【0316】
【化78】

【0317】
DMF(2.0mL)中の1−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)−3−(4−(2−ヨードエトキシ)ナフタレン−1−イル)尿素(J.Med.Chem.、2003、46、4676−4686)(400mg、0.704mmol)、炭酸カリウム(292mg、2.111mmol)および4−ニトロイミダゾール(88mg、0.774mmol)の混合物を、50℃の予め加熱した油浴に入れかつ16hr攪拌した。該混合物をRTに冷却し、水(5.0mL)中に注ぎかつEtOAc(5.0mL×2)で抽出した。合わせた有機層を乾燥し、濾過しかつ蒸発させ、そして、生じる残渣を、EtOAcで溶出するカラムクロマトグラフィー(40g)にかけて、1−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)−3−(4−(2−(4−ニトロ−1H−イミダゾル−1−イル)エトキシ)ナフタレン−1−イル)尿素(35)を褐色固形物(276mg、60%):m/z 554(M+H)(ES)として生じた。
【0318】
中間体I:1−(4−(2−(4−アミノ−1H−イミダゾル−1−イル)エトキシ)ナフタレン−1−イル)−3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル
−5−イル)尿素
【0319】
【化79】

【0320】
DCM/MeOH/AcOH(1:1:2、6.0mL)中の1−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)−3−(4−(2−(4−ニトロ−1H−イミダゾル−1−イル)エトキシ)ナフタレン−1−イル)尿素(30)(158mg、0.253mmol)の溶液に、50℃で完全水素モードで1.0mL/minでThales H−cube(10%Pt/C Cat−Cart.、30mm)を通過させた。溶媒を減圧下に蒸発させて、1−(4−(2−(4−アミノ−1H−イミダゾル−1−イル)エトキシ)ナフタレン−1−イル)−3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)尿素(中間体I)を淡褐色油状物(150mg、100%):m/z 524(M+H)(ES)として生じた。
【実施例24】
【0321】
N−(1−(2−(4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)エチル)−1H−イミダゾル−4−イル)−2−メトキシアセトアミド
【0322】
【化80】

【0323】
DCM(2.0mL)中の1−(4−(2−(4−アミノ−1H−イミダゾル−1−イル)エトキシ)ナフタレン−1−イル)−3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)尿素(中間体I)(50mg、0.095mmol)の懸濁液に、DIPEA(33μl、0.191mmol)および塩化2−メトキシアセチル(10μl、0.105mmol)を添加した。該混合物をRTで一夜攪拌し、そしてその後飽和aq NaHCO溶液(5.0mL)とDCM(2.0mL)の間で分配した。層セパレーターカートリッジを通して層を分離し、そして有機物を収集しかつ減圧下に蒸発させた。生じる残渣を、SCX捕捉および遊離、ならびにEtOAc中0ないし10%MeOHで溶出するカラムクロマトグラフィー(12g)にかけた。EtOAc(5.0mL)との摩砕がN−(1−(2−(4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)エチル)−
1H−イミダゾル−4−イル)−2−メトキシアセトアミド(実施例24)を白色固形物(8mg、14%):m/z 596(M+H)(ES)として生じた。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ:1.26(9H、s)、2.38(3H、s)、3.29(3H、s)、3.93(2H、s)、4.37(2H、t)、4.47(2H、t)、6.34(1H、s)、6.93(1H、d)、7.34(2H、m)、7.41−7.45(3H、m)、7.48−7.62(4H、m)、7.88(1H、d)、8.13−8.15(1H、dd)、8.54(1H、s)、8.75(1H、s)、9.84(1H、s)。
【0324】
生物学的試験
全部の化合物実施例は、分化U937細胞中でLPS誘発性TNFα放出に対し1μM未満のEC50値を示した(アッセイの詳細については下を参照されたい)。in vitroおよびin vivo双方のアッセイを使用して確立された実施例1の特性の要約を下に提示する。
【0325】
実施例1のin vitro試験
【0326】
【表1】

【0327】
これらのアッセイの記述は後に続くとおりである。
【0328】
酵素阻害アッセイ
化合物の酵素阻害活性を、ドナーおよびアクセプター双方のフルオロフォア(Z−LYTE、Invitrogen)で標識した合成ペプチドを使用する蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)により測定した。簡潔には、組換えリン酸化p38 MAPKγ(MAPK12:Millipore)をHEPES緩衝液で希釈し、所望の最終濃度の化合物と混合し、そして室温で2時間インキュベートした。FRETペプチド(2μM)およびATP(100μM)を次に酵素/化合物の混合物に添加しかつ1時間インキュベートした。発色試薬(プロテアーゼ)は蛍光マイクロプレートリーダーでの検出前に1時間添加した。部位特異的プロテアーゼはリン酸化されていないペプチドのみを切断しかつFRETシグナルを除外する。各反応のリン酸化レベルを、フルオレセイン発光(アクセプター)に対するクマリン発光(ドナー)の比を使用して計算し、高い比は高リン酸化および低い比は低リン酸化レベルを示す。各反応の阻害パーセントを阻害されない対照に関して計算し、そして50%阻害濃度(IC50値)をその後濃度反応曲線から計算した。
【0329】
p38 MAPKα(MAPK14:Invitrogen)について、酵素活性を下流の分子MAPKAP−K2の活性化/リン酸化を測定することにより間接的に評価した
。p38 MAPKαタンパク質をその不活性標的MAPKAP−K2(Invitrogen)および化合物と室温で2時間混合した。MAPKAP−K2のリン酸化標的であるFRETペプチド(2μM)およびATP(10μM)をその後該酵素/化合物の混合物に添加しかつ1時間インキュベートした。発色試薬をその後添加し、そして、蛍光による検出がアッセイプロトコルを終了する前1時間、該混合物をインキュベートした。
【0330】
U937細胞におけるLPS誘発性TNFα放出:効力
ヒト単球細胞株U937細胞を、ホルボールミリステートアセテート(PMA;100ng/ml)との48ないし72時間のインキュベーションによりマクロファージ型細胞に分化させた。適切な場合は、細胞を最終濃度の化合物と2時間プレインキュベートした。細胞をその後0.1μg/mlのLPS(大腸菌(E.Coli):O111:B4、Sigmaから)で4hr刺激し、そしてサンドイッチELISA(Duo−set、R&D systems)によるTNFα濃度の測定のため上清を収集した。ヒト単球細胞株THP−1もまたこのアッセイに使用した。THP−1細胞を1μg/mlのLPS(大腸菌(E.Coli):O111:B4、Sigmaから)で4hr刺激し、そしてTNFα濃度の測定のため上清を収集した。TNFα産生の阻害を、ベヒクル対照との比較により試験化合物の各濃度で10μg/mlのBIRB796により達成されたもののパーセントとして計算した。50%有効濃度(EC50)を、結果として生じる濃度反応曲線から決定した。
【0331】
THP−1細胞におけるLPS誘発性TNFα放出:抗力
ヒト単球細胞株THP−1細胞を1μg/mlのLPS(大腸菌(E.Coli):0111:B4、Sigmaから)で4hr刺激し、そしてサンドイッチELISA(Duo−set、R&D systems)によるTNFα濃度の測定のため上清を収集した。TNFα産生の阻害をベヒクル対照との比較により各濃度で計算した。50%阻害濃度(IC50)を、結果として生じる濃度反応曲線から決定した。
【0332】
MTTアッセイ
分化U937細胞を化合物とともに5%FCS中4hr若しくは10% FCS 24hrおよび72hrプレインキュベートした。上清を200μlの新たな培地で置換し、そして10μlのMTTストック溶液(5mg/ml)を各ウェルに添加した。1hrのインキュベーション後に培地を除去し、200μlのDMSOを各ウェルに添加し、そしてプレートを550nmで吸光度を読み取る前1時間軽く振とうした。
【0333】
細胞生存率の低下パーセントを、ベヒクル(0.5%DMSO)処理に関して各ウェルについて計算した。結果、ベヒクルに関する薬物処理についての細胞生存率の明らかな増加を、負のパーセントとして表にする。
【0334】
実施例1のin vivo試験
マウスにおけるLPS誘発性好中球増加:作用持続時間
非絶食マウスに、LPS処置の開始に関して示された時点(「前投与」)にベヒクル若しくは試験物質いずれかを気管内経路により投与した。T=0で、マウスを曝露チャンバーに入れかつLPSに曝露した。LPS投与8時間後に動物を麻酔下にし、気管にカニューレ処置し、そして気管カテーテルを介して肺中に1mlのPBSを注入することおよび取り除くことによりBALFを抽出した。BALFサンプル中の総白血球数および白血球百分率をNeubaur血球計算器を使用して測定した。BALFサンプルのサイトスピンスメアを室温で200rpmで5分間の遠心分離により調製し、そしてDiffQuick染色系(Dade Behring)を使用して染色した。油浸顕微鏡検査を使用して細胞を計数した。
【0335】
結果を図1および2に示す。好中球数のデータはBALF1mLあたりの細胞の総数および百分率数(ベヒクルに関する試験物質)の平均±S.E.M.(n=8)として報告する。
【0336】
要約
in vitroの生物学的試験は、実施例1の化合物が、抗炎症活性のin vitroモデル(分化U937細胞およびTHP−1細胞からのLPS誘発性TNFα放出)で良好な有効性をもつp38 MAPキナーゼサブタイプαおよびγの強力な阻害剤であることを示す。MTT結果から、該化合物は使用される濃度で明白な細胞毒性を表さないと結論づけうる。
【0337】
in vivoの生物学的試験は、実施例1の化合物が、前投与が12時間若しくはそれ以上であっても有意の阻害により示されるところの長い効果持続時間を伴い、動物モデルでLPS誘発性好中球蓄積の阻害において有効であることを示す。
【0338】
本明細および後に続く請求の範囲を通じて、文脈が別の方法で必要としない限り、「含んでなる(comprise)」という語、ならびに「含んでなる(comprises)」および「含んでなること(comprising)」のような変形は、述べられた整数値、段階、整数値の群若しくは段階の群の包含を意味しているが、しかしいかなる他の整数値、段階、整数値の群若しくは段階の群の除外も意味していないことが理解されるであろう。
【0339】
本明細書で言及される全部の特許および特許出願はそっくりそのまま引用することにより組み込まれる。
【0340】
本記述および請求の範囲がその一部を形成する本出願は、いかなるその後の出願に関しても優先権の基礎として使用しうる。こうしたその後の出願の請求の範囲は、本明細書に記述されるいずれの特徴若しくは特徴の組合せにも向けられうる。それらは、製品、組成物、方法若しくは使用の請求項の形態をとることができ、そして例としてかつ制限を伴わずに、請求の範囲を包含しうる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物
【化1】

[ここで、Rはヒドロキシル基により場合によっては置換されているC1−6アルキルであり;
はH、若しくはヒドロキシル基により場合によっては置換されているC1−6アルキルであり;
はH、C1−6アルキル、若しくはC0−3アルキルC3−6シクロアルキルであり;
Arはナフチル若しくはフェニル環であり、そのいずれも、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、アミノ、C1−4モノ若しくはジアルキルアミノから独立に選択される1個若しくはそれ以上の基により場合によっては置換されていることができ;
Lは、飽和若しくは不飽和分枝状若しくは非分枝状C1−8アルキレン鎖であり、ここで1個若しくはそれ以上の炭素が−O−により場合によっては置換されており、また、該鎖は1個若しくはそれ以上のハロゲン原子により場合によっては置換されており;
Xは、最低1個の窒素原子を含有しかつO、SおよびNから選択される1若しくは2個のさらなるヘテロ原子を場合によっては包含する5若しくは6員ヘテロアリール基であり;Qは
a)飽和若しくは不飽和、分枝状若しくは非分枝状C1−10アルキル鎖であって、ここで最低1個の炭素(例えば1、2若しくは3個の炭素)がO、N、S(O)から選択されるヘテロ原子により置換されており、前記鎖が、オキソ、ハロゲン、アリール基、ヘテロアリール基若しくはヘテロシクリル基から選択される1個若しくはそれ以上の基により場合によっては置換されており、
各アリール、ヘテロアリール若しくはヘテロシクリル基は、ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6ハロアルキル、アミノ、C1−4モノ若しくはジアルキルアミノから選択される0ないし3個の置換基を持つが、
但し、−NRC(O)−中のカルボニルに直接結合されている原子は酸素若しくはイオウ原子でなく;ならびに
b)C0−8アルキルC5−6ヘテロシクリルであって、前記ヘテロシクリル基は、O、NおよびSから選択される最低1個のヘテロ原子を含んでなり、かつ、ハロゲン C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6ハロアルキル、アミノ、C1−4モノおよびジアルキルアミノから独立に選択される1若しくは2若しくは3個の基により場合によっては置換されており、
から選択され;ならびに
pは0、1若しくは2である];
またはその全部の立体異性体および互変異性体を包含するその製薬学的に許容できる塩若しくは溶媒和物。
【請求項2】
Arがナフチルである、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項3】
がtert−ブチルである、請求項1若しくは2に記載の式(I)の化合物。
【請求項4】
がメチルである、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の式(I)の化合物。
【請求項5】
がパラ位にある、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の式(I)の化合物。
【請求項6】
Lが−(CHO(CH−を表し、ここでnおよびmは独立に0、1、2、3、4、5、6若しくは7であるが、但し、n+mは0若しくは1から7までの整数である、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の式(I)の化合物。
【請求項7】
がHである、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の式(I)の化合物。
【請求項8】
Qが、−NRC(O)CHOC1−6アルキル、−NRC(O)CHO(CHOCH、−NRC(O)CH(CH)OCH、−NRC(O)CHNHCH、−NRC(O)CHNHCHCHOCH、−NRC(O)CHSCH、−NRC(O)NH、−NRC(O)CHS(O)CH、−NRC(O)NHC1−7アルキル、−NRC(O)N(C1−4アルキル)C1−5アルキル、および−NRC(O)CHN[(CHOCHから選択される、請求項1ないし7のいずれか1つに記載の式(I)の化合物。
【請求項9】
Qが、−NHC(O)CHOCH;−NHC(O)CHO(CHOCH;−NHC(O)CH(CH)OCH;−NHC(O)CHNHCH;−NHC(O)CHNH(CHOCH、−NHC(O)CHSCH;−NHC(O)NH;−NHC(O)CHS(O)CH;−NHC(O)NHCH;−NHC(O)N(CH;および−NHC(O)CHN[(CHOCHから選択される、請求項8に記載の式(I)の化合物。
【請求項10】
化合物が、式(IA)
【化2】

のもの、またはその全部の立体異性体および互変異性体を包含するその製薬学的に許容できる塩若しくは溶媒和物である、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項11】
化合物が、式(IB)
【化3】

のもの、またはその全部の立体異性体および互変異性体を包含するその製薬学的に許容できる塩若しくは溶媒和物である、請求項10に記載の式(I)の化合物。
【請求項12】
化合物が、式(IC)
【化4】

ここで、xは1から6までの整数であり、かつ、yは0若しくは1から5までの整数であるが、但し、x+yは1から6までの整数であり、例えばxが1でありかつyが1である、
のもの、またはその全部の立体異性体および互変異性体を包含するその製薬学的に許容できる塩若しくは溶媒和物である、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項13】
化合物が、式(ID)
【化5】

ここで、xは1から6までの整数であり、かつ、yは0若しくは1から5までの整数であるが、
但し、x+yは1から6までの整数であり、例えばxが1でありかつyが0である、
のもの、またはその全部の立体異性体および互変異性体を包含するその製薬学的に許容できる塩若しくは溶媒和物である、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項14】
化合物が、
N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−メトキシアセトアミド;
メチル4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル尿素;N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボキサミド;
(S)−N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−メトキシプロパンアミド;
(R)−N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−メトキシプロパンアミド;
N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−(メチルチオ)アセトアミド;
N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−モルホリノアセトアミド;
N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−(ピロリジン−1−イル)アセトアミド;
N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)アセトアミド;
N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−(4−(2−メトキシエチル)ピペラジン−1−イル)アセトアミド;
N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−(2−メトキシエチルアミノ)アセトアミド;
N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−(ジメチルアミノ)アセトアミド;
N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−(メチルアミノ)アセトアミド;
N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−2−イル)−2−((4−メトキシベンジル)(メチル)アミノ)アセトアミド;
1−(4−((3−メチルウレイドピリジン−4−イル)メトキシ)ナフタレン−1−イル)−3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)尿素;
N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−
5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−3−イル)−2−メトキシアセトアミド;
N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリジン−3−イル)−2−(2−メトキシエトキシ)アセトアミド;
N−(4−(2−(4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)エチル)ピリジン−2−イル)−2−メトキシアセトアミド;
N−(4−(2−(4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)エチル)ピリジン−2−イル)−2−(2−メトキシエトキシ)アセトアミド;
4−(2−(4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)エチル)−1−メチル−3−(ピリジン−2−イル)尿素;
4−(2−(4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)エチル)−3−(ピリジン−2−イル)尿素;
N−(4−(2−(4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)エチル)ピリジン−3−イル)−2−(2−メトキシエトキシ)アセトアミド;
N−(4−((4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)メチル)ピリミジン−2−イル)−2−メトキシアセトアミド;および
N−(1−(2−(4−(3−(3−tert−ブチル−1−p−トリル−1H−ピラゾル−5−イル)ウレイド)ナフタレン−1−イルオキシ)エチル)−1H−イミダゾル−4−イル)−2−メトキシアセトアミド
から選択される、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項15】
1種若しくはそれ以上の製薬学的に許容できる希釈剤若しくは担体とともに請求項1ないし14のいずれか1つに記載の化合物を含んでなる製薬学的組成物。
【請求項16】
医薬品としての使用のための請求項1ないし14のいずれか1つに記載の式(I)の化合物。
【請求項17】
COPD(慢性気管支炎および肺気腫を包含する)、喘息、小児喘息、嚢胞性線維症、サルコイドーシス、特発性肺線維症、アレルギー性鼻炎、鼻炎、副鼻腔炎、
アレルギー性結膜炎、結膜炎、アレルギー性皮膚炎、接触皮膚炎、乾癬、潰瘍性大腸炎、関節リウマチ若しくは変形性関節症に二次的な炎症を起こした関節、
関節リウマチ、膵炎、悪液質、非小細胞肺癌、乳癌、胃癌、結腸直腸癌および悪性黒色腫を包含する腫瘍の増殖および転移の阻害
から選択される状態の処置若しくは予防としての使用のための請求項1ないし14のいずれか1つに記載の式(I)の化合物。
【請求項18】
COPD(慢性気管支炎および肺気腫を包含する)、喘息、小児喘息、嚢胞性線維症、サルコイドーシス、特発性肺線維症、アレルギー性鼻炎、鼻炎、副鼻腔炎、
アレルギー性結膜炎、結膜炎、アレルギー性皮膚炎、接触皮膚炎、乾癬、潰瘍性大腸炎、関節リウマチ若しくは変形性関節症に二次的な炎症を起こした関節、
関節リウマチ、膵炎、悪液質、非小細胞肺癌、乳癌、胃癌、結腸直腸癌および悪性黒色腫を包含する腫瘍の増殖および転移の阻害
から選択される状態の処置若しくは予防のための医薬品の製造のための請求項1ないし1
4のいずれか1つに記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項19】
有効量の請求項1ないし14のいずれか1つに記載の式(I)の化合物若しくは請求項15に記載の製薬学的組成物を被験体に投与することを含んでなる、
COPD(慢性気管支炎および肺気腫を包含する)、喘息、小児喘息、嚢胞性線維症、サルコイドーシス、特発性肺線維症、アレルギー性鼻炎、鼻炎、副鼻腔炎、
アレルギー性結膜炎、結膜炎、アレルギー性皮膚炎、接触皮膚炎、乾癬、潰瘍性大腸炎、関節リウマチ若しくは変形性関節症に二次的な炎症を起こした関節、
関節リウマチ、膵炎、悪液質、非小細胞肺癌、乳癌、胃癌、結腸直腸癌および悪性黒色腫を包含する腫瘍の増殖および転移の阻害
から選択される状態の処置方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−504591(P2012−504591A)
【公表日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−529637(P2011−529637)
【出願日】平成21年10月2日(2009.10.2)
【国際出願番号】PCT/GB2009/051304
【国際公開番号】WO2010/038086
【国際公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(511079148)レスピバート・リミテツド (10)
【Fターム(参考)】