可溶性FcγR融合タンパク質およびその使用法
本発明は、FcγR細胞外可溶性領域を含む分子、好ましくは可溶性(すなわち非膜結合型)ポリペプチド、最も好ましくは可溶性融合ポリペプチド、その誘導体およびアナログ、ならびにそれをコードする核酸に関する。本発明の分子は、自己免疫疾患の治療、管理、もしくは予防、または1つまたは複数の症状の改善、特に免疫性血小板減少性紫斑病に関連する血清中血小板欠乏の改善にとりわけ有用である。本発明は、本発明の分子を投与することにより自己免疫疾患のための標準的な現行療法または実験的療法の治療効果を増強するための方法および組成物を提供する。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つのポリペプチド鎖を含む二量体融合タンパク質であって、前記鎖のそれぞれが、FcRnと結合する分子と連結した、Fc結合部位を含む活性化型FcγR細胞外領域を含み、前記分子がいずれのFcγRとも結合せず、前記二量体融合タンパク質が免疫複合体と特異的に結合することを特徴とする二量体融合タンパク質。
【請求項2】
前記活性化型FcγRがFcγRIIIAまたはFcγRIIAである、請求項1に記載の二量体融合タンパク質。
【請求項3】
2つのポリペプチド鎖を含む二量体融合タンパク質であって、前記鎖のそれぞれが、FcRnと結合する分子と連結した、Fc結合部位を含む抑制型FcγR細胞外領域を含み、前記分子がいずれのFcγRとも結合せず、前記二量体融合タンパク質が免疫複合体と特異的に結合することを特徴とする二量体融合タンパク質。
【請求項4】
FcRnと結合する前記分子がIgG分子のヒンジ−定常領域である、請求項1または3に記載の二量体融合タンパク質。
【請求項5】
前記抑制型FcγRがFcγRIIBである、請求項4に記載の二量体融合タンパク質。
【請求項6】
前記IgG分子がIgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4から成る群から選択される、請求項4に記載の二量体融合タンパク質。
【請求項7】
2つの同じポリペプチド鎖を含む二量体融合タンパク質であって、前記鎖のそれぞれが、IgG2のヒンジ−定常領域と連結した、Fc結合部位を含むFcγRIIIA細胞外領域を含み、前記二量体融合タンパク質が免疫複合体と特異的に結合することを特徴とする二量体融合タンパク質。
【請求項8】
2つの同じポリペプチド鎖を含む二量体融合タンパク質であって、前記鎖のそれぞれが、IgG2のヒンジ−定常領域と連結した、Fc結合部位を含むFcγRIIB細胞外領域を含み、前記二量体融合タンパク質が免疫複合体と特異的に結合することを特徴とする二量体融合タンパク質。
【請求項9】
自己免疫障害の1つまたは複数の症状を治療、予防、または改善するための方法であって、それを必要とする被験者に治療上有効な量の請求項1または3に記載の二量体融合タンパク質またはその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む方法。
【請求項10】
前記自己免疫障害が特発性血小板減少性紫斑病、慢性関節リウマチ、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、ライター症候群、乾癬、全身性エリテマトーデス、自己免疫性溶血性貧血、強皮症、自己抗体誘発じん麻疹、天疱瘡、血管炎症候群、グッドパスチャー症候群、多発性硬化症、シェーグレン症候群、川崎病、多発性筋炎、または皮膚筋炎である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記被験者に治療上有効な量の1つまたは複数の抗炎症剤を投与することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記被験者に治療上有効な量の1つまたは複数の免疫調節剤を投与することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つの免疫調節剤が有機小分子である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記有機小分子がメトトレキサート、レフルノミド、シクロホスファミド、シクロスポリンA、FK506、ミコフェノール酸モフェチル、ラパマイシン、ミゾリビン、デオキシスペルグアリン、ブレキナル、マロニトロールアミド、ステロイド、またはコルチコステロイドである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
少なくとも1つの抗炎症剤が非ステロイド系抗炎症薬である、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記非ステロイド系抗炎症薬がアスピリン、イブプロフェン、ジクロフェナク、ナブメトン、ナプロキセン、またはケトプロテンである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
特発性血小板減少性紫斑病の1つまたは複数の症状を治療、予防、または改善する方法であって、それを必要とする被験者に標準的な特発性血小板減少性紫斑病療法を投与することと組み合わせて、前記被験者に治療上有効な量の請求項1または3に記載の二量体融合タンパク質を投与することを含む方法。
【請求項18】
特発性血小板減少性紫斑病の1つまたは複数の症状を治療、予防、または改善する方法であって、それを必要とする被験者に治療上有効な量の請求項1または3に記載の二量体融合タンパク質を投与することを含み、前記被験者が標準的な特発性血小板減少性紫斑病療法に抗療性である方法。
【請求項19】
前記標準的な特発性血小板減少性紫斑病療法が静脈内免疫グロブリン療法、コルチコステロイド療法、脾摘出、またはプラスマフェレーシスである、請求項17または18に記載の方法。
【請求項20】
前記被験者がヒトである、請求項9、17、または18に記載の方法
【請求項21】
前記被験者が免疫無防備状態である、請求項17または18に記載の方法。
【請求項22】
前記被験者が癌を有する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
治療上有効な量の請求項1または3に記載の二量体融合タンパク質と、薬学的に許容可能な担体とを含む医薬組成物。
【請求項24】
2つの同じポリペプチド鎖を含む二量体融合タンパク質であって、前記鎖のそれぞれが、IgG2のヒンジ−定常領域と連結したFcγRIIIA変異型細胞外領域を有し、前記変異型細胞外領域がFcγRIIIA野生型細胞外領域に対して少なくとも1つのアミノ酸改変を含み、それによってモノクローナル3G8抗体が前記野生型細胞外領域と結合するよりも低い親和性で前記3G8モノクローナル抗体が前記二量体融合タンパク質と結合し、前記二量体融合タンパク質が免疫複合体と特異的に結合することを特徴とする二量体融合タンパク質。
【請求項25】
前記細胞外領域における前記少なくとも1つのアミノ酸改変がFcγRIIIAの3G8結合部位の置換を含む、請求項24に記載の二量体融合タンパク質。
【請求項26】
前記3G8結合部位がFcγRIIIAのBCループである、請求項25に記載の二量体融合タンパク質。
【請求項27】
前記3G8結合部位がFcγRIIIAのFGループである、請求項25に記載の二量体融合タンパク質。
【請求項28】
FcγRIIIAの細胞外領域における前記少なくとも1つのアミノ酸改変が位置112でのアスパラギン酸による置換、位置113でのリジンによる置換、および位置114でのプロリンによる置換を含む、請求項24に記載の二量体融合タンパク質。
【請求項29】
FcγRIIIAの細胞外領域における前記少なくとも1つのアミノ酸改変が位置160でのフェニルアラニンによる置換を含む、請求項24に記載の二量体融合タンパク質。
【請求項30】
FcγRIIIAの細胞外領域における前記少なくとも1つのアミノ酸改変が位置154でのアスパラギンによる置換、および位置155でのイソロイシンによる置換を含む、請求項24に記載の二量体融合タンパク質。
【請求項31】
2つの同じポリペプチド鎖を含む二量体融合タンパク質であって、前記鎖のそれぞれが、IgG2のヒンジ−定常領域と連結したFcγRIIIA変異型細胞外領域を有し、前記変異型細胞外領域がFcγRIIIA野生型細胞外領域に対して少なくとも1つのアミノ酸改変を含み、それによってFcγRIIIA抗体が前記野生型細胞外領域と結合するよりも低い親和性で前記抗体が前記二量体融合タンパク質と結合し、前記二量体融合タンパク質が免疫複合体と特異的に結合することを特徴とする二量体融合タンパク質。
【請求項32】
自己免疫障害の1つまたは複数の症状を治療、予防、または改善するための方法であって、それを必要とする被験者に治療上有効な量の請求項24または33に記載の二量体融合タンパク質、またはその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む方法。
【請求項33】
自己免疫障害の1つまたは複数の症状を治療、予防、または改善するための方法であって、それを必要とする被験者に、(i)Fcγ結合部位を含むFcγRIIIAの野生型細胞外領域と特異的に結合する治療上有効な量の分子と、(ii)2つの同じポリペプチド鎖を有する治療上有効な量の二量体融合タンパク質とを投与することを含み、前記鎖のそれぞれがFcγRIIIA変異型細胞外領域を含み、前記変異型細胞外領域は前記野生型細胞外領域に対して少なくとも1つのアミノ酸改変を含み、それによって前記分子が前記野生型細胞外領域と結合するよりも低い親和性で前記分子が前記二量体融合タンパク質と結合し、前記二量体融合タンパク質が免疫複合体と特異的に結合することを特徴とする方法。
【請求項34】
前記分子が抗体である、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記抗体がCLB−GRAN1、BW2−9/2、GRM1、DJ130c、LNK16である、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
自己免疫障害の1つまたは複数の症状を治療、予防、または改善するための方法であって、それを必要とする被験者に、(i)治療上有効な量の請求項24に記載の二量体融合タンパク質と、(ii)治療上有効な量の3G8モノクローナル抗体、または結合について3G8と競合する抗体、とを投与することを含む方法。
【請求項37】
前記3G8モノクローナル抗体または3G8と結合を競合する抗体がヒト化抗体である、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
自己免疫障害の1つまたは複数の症状を治療、予防、または改善するための方法であって、それを必要とする被験者に、(i)Fcγ結合部位を含むFcγRIIBの野生型細胞外領域と特異的に結合する治療上有効な量の抗体と、(ii)2つの同じポリペプチド鎖を含む治療上有効な量の二量体融合タンパク質とを投与することを含み、前記鎖のそれぞれがFcγRIIB変異型細胞外領域を含み、前記変異型細胞外領域が前記野生型細胞外領域に対して少なくとも1つのアミノ酸改変を含み、それによって前記抗体が前記野生型細胞外領域と結合するよりも低い親和性で前記抗体が前記二量体融合タンパク質と結合し、前記二量体融合タンパク質が免疫複合体と特異的に結合することを特徴とする方法。
【請求項39】
前記抗体がATCC受託番号PTA−4591を有するクローン2B6により産生される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記抗体がATCC受託番号PTA−4592を有するクローン3H7により産生される、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
特発性血小板減少性紫斑病の1つまたは複数の症状を治療、予防、または改善する方法であって、それを必要とする被験者に標準的な特発性血小板減少性紫斑病治療法を投与することと組み合わせて、前記被験者に治療上有効な量の請求項24または33に記載の二量体融合タンパク質を投与することを含む方法。
【請求項42】
前記標準的な特発性血小板減少性紫斑病療法が静脈内免疫グロブリン療法、コルチコステロイド療法、脾摘出、またはプラスマフェレーシスである、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
特発性血小板減少性紫斑病の1つまたは複数の症状を治療、予防、または改善する方法であって、それを必要とする被験者に治療上有効な量の3G8モノクローナル抗体または結合について3G8と競合する抗体と組み合わせて、治療上有効な量の請求項24に記載の二量体融合タンパク質を投与することを含む方法。
【請求項44】
特発性血小板減少性紫斑病の1つまたは複数の症状を治療、予防、または改善する方法であって、それを必要とする被験者に治療上有効な量の3G8モノクローナル抗体と組み合わせて、治療上有効な量の請求項24に記載の二量体融合タンパク質を投与することを含み、前記被験者が標準的な特発性血小板減少性紫斑病療法に抗療性であることを特徴とする方法。
【請求項45】
特発性血小板減少性紫斑病の1つまたは複数の症状を治療、予防、または改善する方法であって、それを必要とする被験者に治療上有効な量の3G8モノクローナル抗体と組み合わせて、治療上有効な量の請求項24に記載の二量体融合タンパク質を投与することを含み、標準的な特発性血小板減少性紫斑病療法の副作用をもたらさないことを特徴とする方法。
【請求項46】
前記副作用が好中球減少症またはサイトカイン放出症候群である、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記被験者に標準的な特発性血小板減少性紫斑病療法を投与することをさらに含む、請求項43に記載の方法。
【請求項48】
前記標準的な特発性血小板減少性紫斑病療法が静脈内免疫グロブリン療法(IVIG)である、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
治療上有効な量の請求項1または3のいずれかに記載の二量体融合タンパク質と薬学的に許容可能な担体とを含む医薬組成物。
【請求項50】
(i)Fcγ結合部位を含むFcγRIIIA野生型細胞外領域と特異的に結合する治療上有効な量の分子と、(ii)2つの同じポリペプチド鎖を含む治療上有効な量の二量体融合タンパク質と、(iii)薬学的に許容可能な担体とを含む医薬組成物であって、前記鎖のそれぞれがFcγRIIIA変異型細胞外領域を含み、前記変異型細胞外領域が前記野生型細胞外領域と対して少なくとも1つのアミノ酸改変を含み、それによって前記分子が前記野生型細胞外領域と結合するよりも低い親和性で前記分子が前記二量体融合タンパク質と結合し、前記二量体融合タンパク質が免疫複合体と特異的に結合することを特徴とする医薬組成物。
【請求項51】
請求項1または3に記載のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸。
【請求項52】
請求項51に記載の核酸を含むベクター。
【請求項53】
発現ベクターである、請求項52に記載のベクター。
【請求項54】
請求項51に記載の核酸を含む宿主細胞。
【請求項55】
請求項1または3に記載のポリペプチドを組換え産生するための方法であって、(i)前記ポリペプチドの発現に適した条件で前記ポリペプチドをコードする核酸を含む宿主細胞を培地中で培養すること、および(ii)前記培地から前記ポリペプチドを回収することを含む方法。
【請求項56】
配列番号1〜4、34、36、38、40または42のうちの1つのアミノ酸配列を有する、単離されたポリペプチド。
【請求項57】
請求項58に記載のポリペプチドのいずれかの断片であって、免疫複合体と結合する断片。
【請求項58】
配列番号1〜4、34、36、38、40、および42のいずれかからのアミノ酸配列と少なくとも75%相同であり、かつ免疫複合体と結合するがFcγRと結合しないアミノ酸配列を有する、単離されたポリペプチド。
【請求項59】
配列番号1〜4、34、36、38、40および42のいずれかからのアミノ酸配列を含むタンパク質をコードし、かつ免疫複合体と結合するがFcγRと結合しないヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子。
【請求項60】
二量体融合タンパク質をコードし、配列番号7、8、35、37、39または41のヌクレオチド配列と高度にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を有する単離された核酸分子。
【請求項61】
前記ポリペプチド鎖が同じである、請求項1または3に記載の二量体融合タンパク質。
【請求項1】
2つのポリペプチド鎖を含む二量体融合タンパク質であって、前記鎖のそれぞれが、FcRnと結合する分子と連結した、Fc結合部位を含む活性化型FcγR細胞外領域を含み、前記分子がいずれのFcγRとも結合せず、前記二量体融合タンパク質が免疫複合体と特異的に結合することを特徴とする二量体融合タンパク質。
【請求項2】
前記活性化型FcγRがFcγRIIIAまたはFcγRIIAである、請求項1に記載の二量体融合タンパク質。
【請求項3】
2つのポリペプチド鎖を含む二量体融合タンパク質であって、前記鎖のそれぞれが、FcRnと結合する分子と連結した、Fc結合部位を含む抑制型FcγR細胞外領域を含み、前記分子がいずれのFcγRとも結合せず、前記二量体融合タンパク質が免疫複合体と特異的に結合することを特徴とする二量体融合タンパク質。
【請求項4】
FcRnと結合する前記分子がIgG分子のヒンジ−定常領域である、請求項1または3に記載の二量体融合タンパク質。
【請求項5】
前記抑制型FcγRがFcγRIIBである、請求項4に記載の二量体融合タンパク質。
【請求項6】
前記IgG分子がIgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4から成る群から選択される、請求項4に記載の二量体融合タンパク質。
【請求項7】
2つの同じポリペプチド鎖を含む二量体融合タンパク質であって、前記鎖のそれぞれが、IgG2のヒンジ−定常領域と連結した、Fc結合部位を含むFcγRIIIA細胞外領域を含み、前記二量体融合タンパク質が免疫複合体と特異的に結合することを特徴とする二量体融合タンパク質。
【請求項8】
2つの同じポリペプチド鎖を含む二量体融合タンパク質であって、前記鎖のそれぞれが、IgG2のヒンジ−定常領域と連結した、Fc結合部位を含むFcγRIIB細胞外領域を含み、前記二量体融合タンパク質が免疫複合体と特異的に結合することを特徴とする二量体融合タンパク質。
【請求項9】
自己免疫障害の1つまたは複数の症状を治療、予防、または改善するための方法であって、それを必要とする被験者に治療上有効な量の請求項1または3に記載の二量体融合タンパク質またはその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む方法。
【請求項10】
前記自己免疫障害が特発性血小板減少性紫斑病、慢性関節リウマチ、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、ライター症候群、乾癬、全身性エリテマトーデス、自己免疫性溶血性貧血、強皮症、自己抗体誘発じん麻疹、天疱瘡、血管炎症候群、グッドパスチャー症候群、多発性硬化症、シェーグレン症候群、川崎病、多発性筋炎、または皮膚筋炎である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記被験者に治療上有効な量の1つまたは複数の抗炎症剤を投与することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記被験者に治療上有効な量の1つまたは複数の免疫調節剤を投与することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つの免疫調節剤が有機小分子である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記有機小分子がメトトレキサート、レフルノミド、シクロホスファミド、シクロスポリンA、FK506、ミコフェノール酸モフェチル、ラパマイシン、ミゾリビン、デオキシスペルグアリン、ブレキナル、マロニトロールアミド、ステロイド、またはコルチコステロイドである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
少なくとも1つの抗炎症剤が非ステロイド系抗炎症薬である、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記非ステロイド系抗炎症薬がアスピリン、イブプロフェン、ジクロフェナク、ナブメトン、ナプロキセン、またはケトプロテンである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
特発性血小板減少性紫斑病の1つまたは複数の症状を治療、予防、または改善する方法であって、それを必要とする被験者に標準的な特発性血小板減少性紫斑病療法を投与することと組み合わせて、前記被験者に治療上有効な量の請求項1または3に記載の二量体融合タンパク質を投与することを含む方法。
【請求項18】
特発性血小板減少性紫斑病の1つまたは複数の症状を治療、予防、または改善する方法であって、それを必要とする被験者に治療上有効な量の請求項1または3に記載の二量体融合タンパク質を投与することを含み、前記被験者が標準的な特発性血小板減少性紫斑病療法に抗療性である方法。
【請求項19】
前記標準的な特発性血小板減少性紫斑病療法が静脈内免疫グロブリン療法、コルチコステロイド療法、脾摘出、またはプラスマフェレーシスである、請求項17または18に記載の方法。
【請求項20】
前記被験者がヒトである、請求項9、17、または18に記載の方法
【請求項21】
前記被験者が免疫無防備状態である、請求項17または18に記載の方法。
【請求項22】
前記被験者が癌を有する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
治療上有効な量の請求項1または3に記載の二量体融合タンパク質と、薬学的に許容可能な担体とを含む医薬組成物。
【請求項24】
2つの同じポリペプチド鎖を含む二量体融合タンパク質であって、前記鎖のそれぞれが、IgG2のヒンジ−定常領域と連結したFcγRIIIA変異型細胞外領域を有し、前記変異型細胞外領域がFcγRIIIA野生型細胞外領域に対して少なくとも1つのアミノ酸改変を含み、それによってモノクローナル3G8抗体が前記野生型細胞外領域と結合するよりも低い親和性で前記3G8モノクローナル抗体が前記二量体融合タンパク質と結合し、前記二量体融合タンパク質が免疫複合体と特異的に結合することを特徴とする二量体融合タンパク質。
【請求項25】
前記細胞外領域における前記少なくとも1つのアミノ酸改変がFcγRIIIAの3G8結合部位の置換を含む、請求項24に記載の二量体融合タンパク質。
【請求項26】
前記3G8結合部位がFcγRIIIAのBCループである、請求項25に記載の二量体融合タンパク質。
【請求項27】
前記3G8結合部位がFcγRIIIAのFGループである、請求項25に記載の二量体融合タンパク質。
【請求項28】
FcγRIIIAの細胞外領域における前記少なくとも1つのアミノ酸改変が位置112でのアスパラギン酸による置換、位置113でのリジンによる置換、および位置114でのプロリンによる置換を含む、請求項24に記載の二量体融合タンパク質。
【請求項29】
FcγRIIIAの細胞外領域における前記少なくとも1つのアミノ酸改変が位置160でのフェニルアラニンによる置換を含む、請求項24に記載の二量体融合タンパク質。
【請求項30】
FcγRIIIAの細胞外領域における前記少なくとも1つのアミノ酸改変が位置154でのアスパラギンによる置換、および位置155でのイソロイシンによる置換を含む、請求項24に記載の二量体融合タンパク質。
【請求項31】
2つの同じポリペプチド鎖を含む二量体融合タンパク質であって、前記鎖のそれぞれが、IgG2のヒンジ−定常領域と連結したFcγRIIIA変異型細胞外領域を有し、前記変異型細胞外領域がFcγRIIIA野生型細胞外領域に対して少なくとも1つのアミノ酸改変を含み、それによってFcγRIIIA抗体が前記野生型細胞外領域と結合するよりも低い親和性で前記抗体が前記二量体融合タンパク質と結合し、前記二量体融合タンパク質が免疫複合体と特異的に結合することを特徴とする二量体融合タンパク質。
【請求項32】
自己免疫障害の1つまたは複数の症状を治療、予防、または改善するための方法であって、それを必要とする被験者に治療上有効な量の請求項24または33に記載の二量体融合タンパク質、またはその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む方法。
【請求項33】
自己免疫障害の1つまたは複数の症状を治療、予防、または改善するための方法であって、それを必要とする被験者に、(i)Fcγ結合部位を含むFcγRIIIAの野生型細胞外領域と特異的に結合する治療上有効な量の分子と、(ii)2つの同じポリペプチド鎖を有する治療上有効な量の二量体融合タンパク質とを投与することを含み、前記鎖のそれぞれがFcγRIIIA変異型細胞外領域を含み、前記変異型細胞外領域は前記野生型細胞外領域に対して少なくとも1つのアミノ酸改変を含み、それによって前記分子が前記野生型細胞外領域と結合するよりも低い親和性で前記分子が前記二量体融合タンパク質と結合し、前記二量体融合タンパク質が免疫複合体と特異的に結合することを特徴とする方法。
【請求項34】
前記分子が抗体である、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記抗体がCLB−GRAN1、BW2−9/2、GRM1、DJ130c、LNK16である、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
自己免疫障害の1つまたは複数の症状を治療、予防、または改善するための方法であって、それを必要とする被験者に、(i)治療上有効な量の請求項24に記載の二量体融合タンパク質と、(ii)治療上有効な量の3G8モノクローナル抗体、または結合について3G8と競合する抗体、とを投与することを含む方法。
【請求項37】
前記3G8モノクローナル抗体または3G8と結合を競合する抗体がヒト化抗体である、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
自己免疫障害の1つまたは複数の症状を治療、予防、または改善するための方法であって、それを必要とする被験者に、(i)Fcγ結合部位を含むFcγRIIBの野生型細胞外領域と特異的に結合する治療上有効な量の抗体と、(ii)2つの同じポリペプチド鎖を含む治療上有効な量の二量体融合タンパク質とを投与することを含み、前記鎖のそれぞれがFcγRIIB変異型細胞外領域を含み、前記変異型細胞外領域が前記野生型細胞外領域に対して少なくとも1つのアミノ酸改変を含み、それによって前記抗体が前記野生型細胞外領域と結合するよりも低い親和性で前記抗体が前記二量体融合タンパク質と結合し、前記二量体融合タンパク質が免疫複合体と特異的に結合することを特徴とする方法。
【請求項39】
前記抗体がATCC受託番号PTA−4591を有するクローン2B6により産生される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記抗体がATCC受託番号PTA−4592を有するクローン3H7により産生される、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
特発性血小板減少性紫斑病の1つまたは複数の症状を治療、予防、または改善する方法であって、それを必要とする被験者に標準的な特発性血小板減少性紫斑病治療法を投与することと組み合わせて、前記被験者に治療上有効な量の請求項24または33に記載の二量体融合タンパク質を投与することを含む方法。
【請求項42】
前記標準的な特発性血小板減少性紫斑病療法が静脈内免疫グロブリン療法、コルチコステロイド療法、脾摘出、またはプラスマフェレーシスである、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
特発性血小板減少性紫斑病の1つまたは複数の症状を治療、予防、または改善する方法であって、それを必要とする被験者に治療上有効な量の3G8モノクローナル抗体または結合について3G8と競合する抗体と組み合わせて、治療上有効な量の請求項24に記載の二量体融合タンパク質を投与することを含む方法。
【請求項44】
特発性血小板減少性紫斑病の1つまたは複数の症状を治療、予防、または改善する方法であって、それを必要とする被験者に治療上有効な量の3G8モノクローナル抗体と組み合わせて、治療上有効な量の請求項24に記載の二量体融合タンパク質を投与することを含み、前記被験者が標準的な特発性血小板減少性紫斑病療法に抗療性であることを特徴とする方法。
【請求項45】
特発性血小板減少性紫斑病の1つまたは複数の症状を治療、予防、または改善する方法であって、それを必要とする被験者に治療上有効な量の3G8モノクローナル抗体と組み合わせて、治療上有効な量の請求項24に記載の二量体融合タンパク質を投与することを含み、標準的な特発性血小板減少性紫斑病療法の副作用をもたらさないことを特徴とする方法。
【請求項46】
前記副作用が好中球減少症またはサイトカイン放出症候群である、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記被験者に標準的な特発性血小板減少性紫斑病療法を投与することをさらに含む、請求項43に記載の方法。
【請求項48】
前記標準的な特発性血小板減少性紫斑病療法が静脈内免疫グロブリン療法(IVIG)である、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
治療上有効な量の請求項1または3のいずれかに記載の二量体融合タンパク質と薬学的に許容可能な担体とを含む医薬組成物。
【請求項50】
(i)Fcγ結合部位を含むFcγRIIIA野生型細胞外領域と特異的に結合する治療上有効な量の分子と、(ii)2つの同じポリペプチド鎖を含む治療上有効な量の二量体融合タンパク質と、(iii)薬学的に許容可能な担体とを含む医薬組成物であって、前記鎖のそれぞれがFcγRIIIA変異型細胞外領域を含み、前記変異型細胞外領域が前記野生型細胞外領域と対して少なくとも1つのアミノ酸改変を含み、それによって前記分子が前記野生型細胞外領域と結合するよりも低い親和性で前記分子が前記二量体融合タンパク質と結合し、前記二量体融合タンパク質が免疫複合体と特異的に結合することを特徴とする医薬組成物。
【請求項51】
請求項1または3に記載のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸。
【請求項52】
請求項51に記載の核酸を含むベクター。
【請求項53】
発現ベクターである、請求項52に記載のベクター。
【請求項54】
請求項51に記載の核酸を含む宿主細胞。
【請求項55】
請求項1または3に記載のポリペプチドを組換え産生するための方法であって、(i)前記ポリペプチドの発現に適した条件で前記ポリペプチドをコードする核酸を含む宿主細胞を培地中で培養すること、および(ii)前記培地から前記ポリペプチドを回収することを含む方法。
【請求項56】
配列番号1〜4、34、36、38、40または42のうちの1つのアミノ酸配列を有する、単離されたポリペプチド。
【請求項57】
請求項58に記載のポリペプチドのいずれかの断片であって、免疫複合体と結合する断片。
【請求項58】
配列番号1〜4、34、36、38、40、および42のいずれかからのアミノ酸配列と少なくとも75%相同であり、かつ免疫複合体と結合するがFcγRと結合しないアミノ酸配列を有する、単離されたポリペプチド。
【請求項59】
配列番号1〜4、34、36、38、40および42のいずれかからのアミノ酸配列を含むタンパク質をコードし、かつ免疫複合体と結合するがFcγRと結合しないヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子。
【請求項60】
二量体融合タンパク質をコードし、配列番号7、8、35、37、39または41のヌクレオチド配列と高度にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を有する単離された核酸分子。
【請求項61】
前記ポリペプチド鎖が同じである、請求項1または3に記載の二量体融合タンパク質。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
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【図11】
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【図13】
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【図15】
【図16】
【公表番号】特表2007−525149(P2007−525149A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−500914(P2006−500914)
【出願日】平成16年1月13日(2004.1.13)
【国際出願番号】PCT/US2004/000725
【国際公開番号】WO2004/062619
【国際公開日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(504438727)マクロジェニクス,インコーポレーテッド (23)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年1月13日(2004.1.13)
【国際出願番号】PCT/US2004/000725
【国際公開番号】WO2004/062619
【国際公開日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(504438727)マクロジェニクス,インコーポレーテッド (23)
【Fターム(参考)】
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