説明

β2−アドレナリン受容体アゴニストとしての4−(2−アミノ−1−ヒドロキシエチル)フェノールの誘導体

本発明は、式(I)


[式中、Rは−CHOH、−MHCOHから選択される基であり、そしてRは水素原子であるか;またはRがRと一緒になって基−NHC(O)CH=CH−を形成する(式中の窒素原子はRを担持するフェニル環の炭素原子に結合し、炭素原子はRを担持するフェニル環の炭素原子に結合する);R3aおよびR3bは独立して、水素原子およびC1−4アルキル基からなる群より選択される;nは0ないし6から選択される整数である;Rは任意に置換されていてもよい単環式もしくは多環式C3−10シクロアルキル基、任意に置換されていてもよい単環式C5−10アリール基、およびC5−10アリールおよびC5−10アリールオキシ基から選択される1個以上の置換基が置換するメチル基からなる群より選択される;ただし、単環式もしくは多環式C3−10シクロアルキルおよび単環式C5−10アリール基は独立して、ハロゲン原子、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C5−10アリールおよびC5−10アリールオキシ基から選択される1個以上の置換基により置換されていてもよい]で示される化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物もしくは立体異性体を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規β2−アドレナリン受容体アゴニストを目的とする。また、本発明はかかる化合物を含有してなる医薬組成物、β2−アドレナリン受容体活性と関連する疾患を処置するためにかかる化合物を使用する方法、およびかかる化合物を製造するために有用な方法と中間体をも目的とする。
【背景技術】
【0002】
β2−アドレナリン受容体アゴニストは、喘息および慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎および肺気腫を含む)の処置に有効な薬物として認知されている。β2−アドレナリン受容体アゴニストはまた、早産、緑内障の処置にも有用であり、また神経障害および心臓障害の処置に有用である可能性がある。
【0003】
ある種のβ2−アドレナリン受容体アゴニストで達成されている成功例があるにもかかわらず、現在の薬剤はその効力、選択性、作用開始、および/または作用持続時間が所望のものよりも劣っている。従って、改良された性質をもつさらなるβ2−アドレナリン受容体アゴニストが必要とされている。好適な薬剤は、性質として、効力、選択性、作用開始が改善されていること、安全域が改善されていること、治療期間および/または作用持続時間が改善されていることである。
【発明の概要】
【0004】
発明の概要
本発明はβ2−アドレナリン受容体アゴニスト活性を有する新規化合物を提供する。従って、本発明により、式(I):
【化1】

[式中、
は−CHOH、−MHCOHから選択される基であり、そして
は水素原子であるか;または
がRと一緒になって基−NHC(O)CH=CH−を形成する(式中の窒素原子はRを担持するフェニル環の炭素原子に結合し、炭素原子はRを担持するフェニル環の炭素原子に結合する);
3aおよびR3bは独立して、水素原子およびC1−4アルキル基からなる群より選択される;
nは0ないし6から選択される整数である;
は任意に置換されていてもよい単環式もしくは多環式C3−10シクロアルキル基、任意に置換されていてもよい単環式C5−10アリール基、およびC5−10アリールおよびC5−10アリールオキシ基から選択される1個以上の置換基が置換するメチル基からなる群より選択される;ただし、単環式もしくは多環式C3−10シクロアルキルおよび単環式C5−10アリール基は独立して、ハロゲン原子、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C5−10アリールおよびC5−10アリールオキシ基から選択される1個以上の置換基により置換されていてもよい]
で示される化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物もしくは立体異性体が提供される。
【0005】
本発明はまた、本発明の化合物と薬学的に許容される担体とを含有してなる医薬組成物を提供する。さらに、本発明は、本発明化合物と1種以上の他の治療薬との組合せ、およびかかる組合せを含んでなる医薬組成物を提供する。
【0006】
また、本発明は哺乳動物におけるβ2−アドレナリン受容体活性と関連する疾患または症状(例えば、喘息もしくは慢性閉塞性肺疾患などの肺疾患、早産、緑内障、神経障害、心臓障害、または炎症)を処置する方法であって、治療有効量の本発明化合物を当該哺乳動物に投与することを特徴とする方法を提供する。さらに、本発明は本発明化合物と1種以上の他の治療薬との配合剤の治療有効量を投与することからなる処置方法を提供する。
【0007】
別のまったく異なる局面において、本発明はまた、本発明化合物の製造に有用な本明細書に記載の合成方法および中間体をも提供する。
【0008】
また、本発明は医学療法のための本明細書に記載の本発明化合物、並びに哺乳動物におけるβ2−アドレナリン受容体活性と関連する疾患または症状(例えば、喘息もしくは慢性閉塞性肺疾患などの肺疾患、早産、緑内障、神経障害、心臓障害、または炎症)を処置するための製剤または医薬の製造における本発明化合物の使用を提供する。
【0009】
発明の詳細な説明
本発明の化合物、組成物および方法について記載する場合、以下の専門用語は、特に断りのない限り、以下の意味を有する。
【0010】
本明細書にて使用する場合、用語のC1−4アルキルは、1ないし4個の炭素原子を有する任意に置換されていてもよい直鎖または分枝の遊離基を包含する。その例は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチルなどである。
【0011】
当該任意に置換されていてもよいアルキル基とは、典型的には、未置換であるか、または同一もしくは異なっていてもよい1、2もしくは3個の置換基により置換されている。特に特定しない限り、該置換基は、好ましくは、ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子、ヒドロキシ基、および1ないし4個の炭素原子を有するアルコキシ基から選択される。代表的なアルキル基上の置換基はそれ自体未置換である。好適な任意に置換されていてもよいアルキル基は未置換であるか、または1、2もしくは3個のフッ素原子で置換されている。特に特定しない限り、アルキル基は一般に未置換である。
【0012】
本明細書にて使用する場合、用語のC1−4アルコキシ(またはアルキルオキシ)とは、アルキル部分がそれぞれ1ないし4個の炭素原子を有し、任意に置換されていてもよい直鎖または分枝のオキシ含有遊離基を包含する。
【0013】
アルコキシ基は、典型的には、未置換であるか、または同一もしくは異なっていてもよい1、2もしくは3個の置換基により置換されている。特に特定しない限り、該置換基は好ましくは、ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子、ヒドロキシ基およびC1−4アルコキシ基から選択される。一般に、アルコキシ基上の置換基それ自体は未置換である。
【0014】
好適なアルコキシ遊離基は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、ヒドロキシメトキシ、2−ヒドロキシエトキシおよび2−ヒドロキシプロポキシである。
【0015】
本明細書にて使用する場合、用語のC−C10アリール遊離基は、C−C10単環式または多環式アリール遊離基、好ましくはC−C10単環式もしくは多環式アリール遊離基、例えば、フェニルおよびナフチルを包含する。フェニルが好ましい。
【0016】
本明細書にて使用する場合、用語のC3−10シクロアルキル基は、3ないし10個の炭素原子を有する飽和の単環式または多環式炭素環状遊離基を包含する。その例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびアダマンチルである。好ましくは、シクロプロピル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルである。
【0017】
本明細書にて使用する場合、アリールオキシ基とは、一般に、酸素原子に結合した当該アリール基である。
本明細書にて使用する場合、用語のハロゲン原子とは、塩素、フッ素、臭素またはヨウ素を包含し、典型的にはフッ素、塩素または臭素原子である。接頭辞として使用する場合、用語のハロは同じ意味を有する。
用語の“治療有効量”とは、処置を必要とする患者に投与した場合、処置が有効であるために充分な量をいう。
【0018】
本明細書にて使用する場合の用語“処置”とは、以下を包含するヒト患者の疾患または医学的症状の処置をいう:
(a)当該疾患または医学的症状の発症の予防、すなわち、患者の予防的処置;
(b)当該疾患または医学的症状の改善、すなわち、患者における当該疾患または医学的症状の退行を誘発;
(c)当該疾患または医学的症状の抑制、すなわち、患者における当該疾患または医学的症状の進行の遅延;または
(d)患者における疾患または医学的症状の症候の緩和。
【0019】
“β2−アドレナリン受容体活性と関連する疾患または症状”という文言は、β2−アドレナリン受容体活性と関連すると現在認められている、または将来判明する病的状態および/または症状のすべてを包含する。かかる病的状態は、限定されるものではないが、肺疾患、例えば、喘息および慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎および肺気腫を包含する)、並びに神経障害および心臓障害である。また、β2−アドレナリン受容体活性は、早産(国際特許出願公開番号WO98/09632参照)、緑内障およびある種タイプの炎症(国際特許出願公開番号WO99/30703および欧州特許公開番号EP1078629参照)と関係することも知られている。
【0020】
用語の“薬学的に許容される塩”とは、哺乳動物などの患者に投与することの許容される塩基または酸から調製される塩をいう。かかる塩は、薬学的に許容される無機または有機の塩基から、および薬学的に許容される無機または有機の酸から誘導し得る。
【0021】
薬学的に許容される酸から誘導される塩は、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、硝酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸、キシナフォン酸(1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸)、ナパジシル酸(1,5−ナフタレンジスルホン酸)などからの塩である。特に好適な塩は、フマル酸、臭化水素酸、塩酸、酢酸、硫酸、メタンスルホン酸、キシナフォン酸、および酒石酸などから誘導される塩である。
【0022】
薬学的に許容される無機塩基から誘導される塩は、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第一鉄、第二鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン、亜マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛などからの塩である。特に好適な塩は、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムおよびナトリウムの塩である。
【0023】
薬学的に許容される有機塩基から誘導される塩は、一級、二級および三級アミン、例えば、置換アミン、環状アミン、天然産アミンなど、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N'−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン類、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどである。
【0024】
用語の“溶媒和物”とは、1種以上の溶質分子、すなわち、本発明化合物またはその薬学的に許容される塩と、1種以上の溶媒分子により形成される複合体または凝集体についていう。かかる溶媒和物は一般に溶質と溶媒のモル比が実質的に固定している結晶性固体である。代表的溶媒を例示すると、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸などである。溶媒が水である場合、形成される溶媒和物は水和物である。
【0025】
認識すべきことは、用語の“またはその立体異性体の薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物”とは、式(I)で示される化合物の立体異性体の薬学的に許容される塩の溶媒和物など、塩、溶媒和物および立体異性体の組合せのすべてを包含するものとする。
【0026】
用語の“アミノ保護基”とは、アミノ窒素での不所望の反応を防止するのに適する保護基についていう。代表的なアミノ保護基は、限定されるものではないが、ホルミル;アシル基、例えば、アセチルなどのアルカノイル基;tert−ブトキシカルボニル(Boc)などのアルコキシカルボニル基;ベンジルオキシカルボニル(Cbz)および9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)などのアリールメトキシカルボニル基;ベンジル(Bn)、トリチル(Tr)、および1,1−ジ−(4'−メトキシフェニル)メチルなどのアリールメチル基;トリメチルシリル(TMS)およびtert−ブチルジメチルシリル(TBS)などのシリル基;などである。
【0027】
用語の“ヒドロキシ保護基”とは、ヒドロキシ基での不所望の反応を防止するのに適する保護基についていう。代表的なヒドロキシ保護基は、限定されるものではないが、アルキル基、例えば、メチル、エチル、およびtert−ブチル;アシル基、例えば、アセチルなどのアルカノイル基;アリールメチル基、例えば、ベンジル(Bn)、p−メトキシベンジル(PMB)、9−フルオレニルメチル(Fm)、およびジフェニルメチル(ベンズヒドリル、DPM);シリル基、例えば、トリメチルシリル(TMS)およびtert−ブチルジメチルシリル(TBS);などである。
【0028】
本発明化合物は少なくとも1つのキラル中心を含む。従って、本発明はラセミ混合物、エナンチオマー、および1種以上の立体異性体に富む混合物を包含する。本発明の範囲は、記載のように、また請求項に示すように、該化合物のラセミ体、並びに個々のエナンチオマー、ジアステレオマー、および立体異性体富化混合物を包含する。
【0029】
従って、本発明化合物は、水酸基が結合する分子の左手側のフェニル基に対しαの炭素原子に1個のキラル中心を含む(キラル中心1)。一実施態様において、キラル中心1はR−立体配置を有する。別の実施態様において、キラル中心1はS−立体配置を有する。
【0030】
また、本発明化合物はさらに、R3aおよびR3b部分が結合する炭素原子にさらなるキラル中心を含み得る(キラル中心2)。一実施態様において、キラル中心2はR−立体配置を有する。別の実施態様において、キラル中心2はS−立体配置を有する。
【0031】
一実施態様において、キラル中心1はR−立体配置を有し、キラル中心2はR−立体配置を有する。別の実施態様において、キラル中心1はR−立体配置を有し、キラル中心2はS−立体配置を有する。別の実施態様において、キラル中心1はS−立体配置を有し、キラル中心2はR−立体配置を有する。別の実施態様において、キラル中心1はS−立体配置を有し、キラル中心2はS−立体配置を有する。
【0032】
本発明の一実施態様において、RはRと共に、基−NH―C(O)−CH=CH−(式中の窒素原子はRを担持するフェニル環の炭素原子に結合し、炭素原子はRを担持するフェニル環の炭素原子に結合する)を形成する。
【0033】
本発明の別の実施態様において、R3aおよびR3bは独立して、水素原子およびメチル基からなる群より選択される。より好ましくは、R3aは水素原子を表わし、R3bは水素原子およびメチル基からなる群より選択される。
【0034】
式(I)で示される化合物のさらに別の実施態様において、nは0ないし3の値を有し、より好ましくは、nは0または1の値を有する。
典型的には、式(I)で示される化合物において、Rは−CH−C5−10アリール基を表わさない。
【0035】
典型的には、R位置のメチル基は、C5−10アリールおよびC5−10アリールオキシ基から選択される1個または2個の置換基、好ましくはC5−10アリール基から選択される2個の置換基、より好ましくは2個のフェニル基により置換されている。
典型的には、R位置のメチル基上の置換基はそれ自体未置換である。
【0036】
典型的には、R位置の単環式もしくは多環式C5−10シクロアルキルおよび単環式C5−10アリール基は、未置換であるか、またはハロゲン原子、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C5−10アリールおよびC5−10アリールオキシ基から選択される1個または2個の置換基により置換されている。
典型的には、R位置の単環式もしくは多環式C5−10シクロアルキルおよび単環式C5−10アリール基上の置換基は、それ自体は未置換である。
【0037】
本発明の別の実施態様において、Rは単環式もしくは多環式C4−10シクロアルキル、フェニル基、およびフェニルおよびフェニルオキシ基から選択される1個または2個の置換基により置換されたメチル基からなる群より選択され、その場合のシクロアルキルおよびフェニル基は独立してフッ素および塩素原子、メトキシ、フェニルおよびフェノキシ基から選択される1個以上の置換基により任意に置換されていてもよい。より好ましくは、Rは−CH(Ph)、シクロヘキシル、1−アダマンチル、およびフェニル基からなる群より選択され、その場合のフェニル基はメトキシ、フェニルおよびフェノキシ基から選択される1個以上の置換基により任意に置換されていてもよい;最も好ましくは、Rは−CH(Ph)およびフェニルからなる群より選択され、その場合のフェニル基はメトキシおよびフェニル基から選択される1個または2個の置換基により任意に置換されていてもよい。
【0038】
本発明の別の実施態様において、Rはシクロヘキシル、1−アダマンチル、−CHR'およびフェニル基からなる群より選択され、そのフェニル基は未置換であるか、またはメトキシ、フェニルおよびフェノキシ基から選択される1個以上の置換基により置換されており、その場合のR'は未置換のフェニル基である。好ましくは、Rは−CHR'およびフェニル基からなる群より選択され、そのフェニル基はメトキシおよびフェニル基から選択される1個または2個の置換基により任意に置換されており、その場合のR'は未置換のフェニル基である。
【0039】
別の実施態様において、本発明は式(IA):
【化2】

[式中、R、R、R3a、R3b、Rおよびnは上記定義のとおりである]
で示される化合物を提供する。
【0040】
さらに好適な実施態様において、本発明は式(IA)[式中、RはRと共に、基−NH―C(O)−CH=CH−(式中の窒素原子はRを担持するフェニル環の炭素原子に結合し、炭素原子はRを担持するフェニル環の炭素原子に結合する)を形成する;R3aは水素原子を表わし、R3bは水素原子およびメチル基からなる群より選択される;nは0または1の値を有する;Rはフェニル基および−CH(Ph)からなる群より選択される;ただし、フェニル基はメトキシおよびフェニル基から選択される1個または2個の置換基により任意に置換されていてもよい]で示される化合物を提供する。
【0041】
別の実施態様において、本発明は式(IA):
【化3】

[式中、
は−CHOH、−MHCOHから選択される基であり、そして
は水素原子であるか;または
がRと一緒になって基−NHC(O)CH=CH−を形成する(式中の窒素原子はRを担持するフェニル環の炭素原子に結合し、炭素原子はRを担持するフェニル環の炭素原子に結合する);
3aおよびR3bは独立して、水素原子およびメチル基からなる群より選択される;
nは0ないし4から選択される整数である;
は未置換の単環式もしくは多環式C3−10シクロアルキル基、任意に置換されていてもよいフェニル基、および−CHR'基からなる群より選択される;ただし、該フェニル基は、塩素原子、フッ素原意、メトキシ、フェニルおよびフェノキシ基から選択される1個または2個の置換基により任意に置換されていてもよい;ただし、R'は未置換のフェニル基である]
で示される化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物もしくは立体異性体が提供される。
【0042】
本発明の具体的な個々の化合物は以下のとおりである:
1.N−ベンジル−N'−{3−[(2R,S)−2−({(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−フェニル]エチル}アミノ)プロピル]フェニル}ウレア
2.N−ベンジル−N'−{4−[(2R,S)−2−({(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−フェニル]エチル}アミノ)プロピル]フェニル}ウレア
3.N−ベンジル−N'−[3−((2R,S)−2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}プロピル)フェニル]ウレア
4.N−{3−[(2R,S)−2−({(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]−エチル}アミノ)プロピル]フェニル}−N'−(2−メトキシベンジル)ウレア
5.N−(2,6−ジメトキシベンジル)−N'−{3−[(2R,S)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)プロピル]フェニル}ウレア
6.N−[3−((2R,S)−2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}プロピル)フェニル]−N'−(2−メトキシベンジル)ウレア
7.N−ベンジル−N'−{3−[2−({(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]−エチル}アミノ)エチル]フェニル}ウレア
8.N−ベンジル−N'−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
9.N−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]−アミノ}エチル)フェニル]−N'−(2−メトキシベンジル)ウレア
10.N−(4−フルオロベンジル)−N'−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
11.N−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]−アミノ}エチル)フェニル]−N'−(2−フェニルエチル)ウレア
12.N−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]−アミノ}エチル)フェニル]−N'−(3−フェニルプロピル)ウレア
13.N−{3−[2−({(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}−アミノ)エチル]フェニル}−N'−(3−フェニルプロピル)ウレア
14.N−(ジフェニルメチル)−N'−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
15.N−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]−アミノ}エチル)フェニル]−N'−フェニルウレア
16.N−1−アダマンチル−N'−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
17.N−(2,6−ジクロロベンジル)−N'−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
18.N−ビフェニル−2−イル−N'−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
19.N−シクロヘキシル−N'−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
20.N−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]−アミノ}エチル)フェニル]−N'−(4−フェニルブチル)ウレア
21.N−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]−アミノ}エチル)フェニル]−N'−(4−メトキシフェニル)ウレア
22.N−ビフェニル−4−イル−N'−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
23.N−(1−アダマンチルメチル)−N'−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
24.N−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]−アミノ}エチル)フェニル]−N'−(3−フェノキシフェニル)ウレア
25.N−[3−(2−{[(2R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]−アミノ}エチル)フェニル]−N'−(3−フェニルプロピル)ウレア
26.N−(ジフェニルメチル)−N'−[3−(2−{[(2R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
27.N−ビフェニル−2−イル−N'−[3−(2−{[(2R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
28.N−ビフェニル−2−イル−N'−{3−[2−({(2R)−2−[3−(ホルミルアミノ)−4−ヒドロキシフェニル]−2−ヒドロキシ−エチル}アミノ)エチル]フェニル}ウレア
29.N−ビフェニル−2−イル−N'−[3−(2−{[(2R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}プロピル)フェニル]ウレア(異性体A)
30.N−ビフェニル−2−イル−N'−{3−[2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]−エチル}アミノ)プロピル]フェニル}ウレア(異性体B)
31.N−ビフェニル−2−イル−N'−{3−[2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]−エチル}アミノ)プロピル]フェニル}ウレア(異性体A)
32.N−ビフェニル−2−イル−N'−[3−(2−{[(2R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}プロピル)フェニル]ウレア(異性体B)
33.N−(4−tert−ブチルベンジル)−N'−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
34.N−ビフェニル−2−イル−N'−[4−(2−{[(2R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
35.N−[4−(2−{[(2R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}−エチル)フェニル]−N'−(3−フェニルプロピル)ウレア
36.N−(ジフェニルメチル)−N'−[4−(2−{[(2R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
37.N−1−アダマンチル−N'−{3−[2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]−エチル}アミノ)プロピル]フェニル}ウレア、異性体a
38.N−ビフェニル−2−イル−N'−[3−(−{[2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)−エチル]アミノ}2−2メチルプロピル)フェニル]ウレア
および薬学的に許容されるその塩および溶媒和物。
【0043】
取分け興味の対象となる化合物は以下のとおりである:
N−ベンジル−N'−{4−[(2R,S)−2−({(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−フェニル]エチル}アミノ)プロピル]フェニル}ウレア
N−[3−((2R,S)−2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}プロピル)フェニル]−N'−(2−メトキシベンジル)ウレア
N−ベンジル−N'−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
N−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]−アミノ}エチル)フェニル]−N'−(2−メトキシベンジル)ウレア
N−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]−アミノ}エチル)フェニル]−N'−(2−フェニルエチル)ウレア
N−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]−アミノ}エチル)フェニル]−N'−(3−フェニルプロピル)ウレア
N−(ジフェニルメチル)−N'−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
N−1−アダマンチル−N'−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
N−(2,6−ジクロロベンジル)−N'−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
N−ビフェニル−2−イル−N'−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
N−シクロヘキシル−N'−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
N−(1−アダマンチルメチル)−N'−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
N−[3−(2−{[(2R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]−アミノ}エチル)フェニル]−N'−(3−フェニルプロピル)ウレア
N−(ジフェニルメチル)−N'−[3−(2−{[(2R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
N−ビフェニル−2−イル−N'−[3−(2−{[(2R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
N−ビフェニル−2−イル−N'−[3−(2−{[(2R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}プロピル)フェニル]ウレア(異性体B)
N−[4−(2−{[(2R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}−エチル)フェニル]−N'−(3−フェニルプロピル)ウレア
【0044】
本発明はまた上記定義の化合物の治療有効量と薬学的に許容される担体とを含有してなる医薬組成物を包含する。
本発明の一実施態様において、当該医薬組成物はさらに1種以上の他の治療薬、特に、コルチコステロイド、抗コリン作動薬およびPDE4インヒビターからな群より選択される1種以上の薬物の治療有効量を含有してなる。
【0045】
当該医薬組成物を吸入投与用に製剤化することも本発明の実施態様の一つである。
上記定義の本発明化合物は、1種以上の他の治療薬、特に、コルチコステロイド、抗コリン作動薬およびPDE4インヒビターからな群より選択される1種以上の薬物と組合わせ得る。
【0046】
本発明はまた肺疾患など、β2−アドレナリン受容体活性と関連する病理学的症状または疾患の処置に使用する式(I)で示される化合物をも目的とする。特に、該肺疾患は喘息または慢性閉塞性肺疾患である。
病理学的症状または疾患はまた、本発明の範囲内で、早産、緑内障、神経障害、心臓障害、および炎症からなる群より選択される疾患または症状の処置にも適用し得る。
【0047】
また、本発明は肺疾患など、β2−アドレナリン受容体活性と関連する病理学的症状または疾患、特に、喘息または慢性閉塞性肺疾患、早産、緑内障、神経障害、心臓障害、および炎症を処置するための医薬の製造のための式(I)で示される化合物の使用を目的とする。
【0048】
また本発明はこれらの疾患を処置する方法であって、本発明によるβ2−アドレナリン受容体アゴニストを含有してなる医薬組成物の治療有効量を投与することからなる方法をも目的とする。本方法はさらにコルチコステロイド、抗コリン作動薬およびPDE4インヒビターからな群より選択される1種以上の他の治療薬の治療有効量を投与することからなる。
【0049】
本発明はまたβ2−アドレナリン受容体の活性を変調する方法であって、該方法はβ2−アドレナリン受容体を式(I)で示される化合物の変調有効量で刺激することからなる方法をも目的とする。
【0050】
一般的合成手法
本発明化合物は、本明細書に記載の方法および手順により、または類似の方法および手順により調製し得る。認識すべきことは、その場合、典型的なまたは好適なプロセス条件(すなわち、反応温度、時間、反応物のモル比、溶媒、圧力など)が与えられることである。他のプロセス条件も使用する特定の反応物または溶媒と共に変り得るが、かかる条件は通常の最適化手法により当業者が決定し得る。
【0051】
さらに、当業者にとっては自明のように、ある種の官能基が不所望の反応を受けるのを防止するために、常套の保護基が必要となり得る。特定の官能基に適当な保護基並びに保護および脱保護に適当な条件の選択については、当該分野にて周知である。例えば、多くの保護基について、およびそれらの導入と除去については、文献(T. W. Greene and G. M. Wuts, Protecting Groups in Organic Synthesis(有機合成における保護基), Third Edition, Wiley, New York, 1999)およびその中の引用文献に記載されている。
【0052】
本発明化合物の製造方法は、本発明のさらなる実施態様として提供され、以下の手法により図示説明する。
式(I)で示される化合物製造の最も簡便な経路の一つを反応工程図1に示す。
反応工程図1
【化4】

【0053】
一般式(II)で示される既知のN−保護ニトロフェネチルアミンは、還元により一般式(III)で示される相当するアミノ誘導体とする。この変換は触媒としてパラジウム/炭素を用いる水素化分解により、0.05ないし0.3MPaの範囲の圧力下、室温で最良に実施される。
【0054】
一般式(III)で示されるアミンは、次いで、式(XIV)で示される適切なイソシアン酸エステルとの反応により対応するウレア(IV)に変換する。この反応はTHFまたはジクロロメタンなどの不活性溶媒中、10ないし40℃の温度で実施する。
【0055】
別途方法において、式(IV)で示される化合物は、対応する式(III)の化合物から、ジクロロメタンなどの不活性溶媒中、三級アミンの添加と共に、式(III)のアミンをトリホスゲンなどのホスゲン様物質で処理することにより、対応する式(IIIa)で示されるイソシアン酸エステルに変換することにより得ることもできる。式(IIIa)のイソシアン酸エステルは、式(III)の中間体と式(XIV)の中間体との反応について記載したのと同様の条件下で、適切なアミンR(CHNHと反応させる。
【0056】
このようにして得られた式(IV)のウレアは、保護基Pの性質に従って脱保護し、式(V)で示される対応するアミンとする。ベンジルオキシカルボニル基の場合、脱保護は触媒としてパラジウム/炭素を用いる水素化分解により、0.05ないし0.3MPaの範囲の圧力下、室温で実施するのが最良である。PがBOC基である場合、脱保護は触媒としての塩化水素/ジオキサンまたはトリフルオロ酢酸/ジクロロメタンを用いて、室温、酸性媒体中で実施するのが最良である。
【0057】
式(VI)で示されるグリオキサールによる式(V)のアミンの還元的アルキル化反応は、ある種溶媒中または溶媒混合物中、例えば、メタノール、THFもしくはDMSO中、0℃ないし30℃の温度範囲で、また水素化ホウ素ナトリウムもしくは水素化トリアセトキシホウ素ナトリウムなどの還元剤を用いて実施する。
【0058】
このようにして得られた式(VII)のアミノアルコールは、Pがベンジル基である場合、MeOHなどの溶媒またはTHFとの混合物中、中性または弱酸性条件下、室温と0.1ないし0.3MPaの水素圧で、例えば、パラジウム/炭素を用いる水素化分解により脱保護して、一般式(I)で示される目的化合物とする。
【0059】
式(VI)で示されるグリオキサールは市販品として入手し得るか、または既知の方法との類似方法で調製し得る。
一般式(I)で示される化合物がキラル中心をもつ特別の場合、それらは反応工程図2に示す合成経路に従って調製し得る。
【0060】
反応工程図2
【化5】

【0061】
すでに記載されている式(V)のアミン誘導体は、式(IX)で示される保護されたブロモヒドリンでアルキル化して、式(VIII)の中間体とする。この工程は、N−メチルピロリドン、DMSO、ジオキサンまたはトルエンなどの様々な溶媒を用いて、三級アミンまたは重炭酸ナトリウムなどの酸スカベンジャーの存在下に、80ないし140℃の温度範囲で実施する。
【0062】
式(VIII)の中間体は、例えば、Pとしてトリアルキルシリル保護基を用いる場合、THF中、フッ化イオンの存在下に脱保護して、式(VII)で示される中間体とする。得られる式(VII)で示される中間体は、次いで、すでに記載した方法と同様の方法で脱保護し、目的の式(I)の化合物とする。
【0063】
工程図3として図示した以下の合成反応工程図は、一般式(V)の中間体のアルキル化の一部の事例にて得られる低収率(この中間体の熱分解に関係する)を迂回するために図示したものである。
反応工程図3
【化6】

【0064】
ここで、式(X)で示される既知のニトロアミンは、中間体(V)と中間体(IX)とから式(VIII)で示される中間体を得るための工程図2に記載した条件と同様の条件で、対応する式(IX)の保護されたブロモヒドリンでアルキル化する;これによって工程図2に図示した先の合成経路での収率が改善される。
【0065】
式(XI)で示されるニトロ誘導体は、次いで、例えば、BOCまたはCBz基を用い、水酸化ナトリウム、炭酸カリウムまたはトリエチルアミンなどの塩基性触媒の存在下に、対応するアシル化剤で処理することにより、N−保護化する。
【0066】
次工程は式(XII)のニトロ基を式(XIII)のアニリンに還元することからなる。この変換は、ラネーニッケルなどの触媒を使用し、室温、0.05ないし0.3MPaの圧力の範囲での水素化により実施する。
式(XV)で示されるウレア誘導体は、式(XIII)のアニリンを、式(XIV)のイソシアン酸エステルで、THFなどの不活性溶媒中、室温ないし若干高い温度で処理することにより容易に調製される。
【0067】
式(XV)で示される中間体の式(I)で示される目的化合物への変換は、基P、PおよびPを連続的に脱保護することからなる。PがBOC基である場合、脱保護は酸処理により、通常は不活性溶媒中、塩酸またはトリフルオロ酢酸と室温で処理することにより実施する。PがCBz基である場合、脱保護は上記の条件と同様の条件で、触媒としてPd/炭素を使用して水素化分解により実施するのが最良である。
【0068】
式(IX)で示される保護されたブロモヒドリンは市販品として入手し得るか、または既知の方法と類似の方法で調製し得る。
3aがメチル基である特定の事例において、式(Ib)で示される化合物は反応工程図4に従って調製する。
反応工程図4
【化7】

【0069】
式(XVI)で示される既知の出発原料ニトロフェニルアセトンは、非環式または環式ケタールによって保護し、式(XVII)で示される中間体に変換する。この変換は、例えば、不活性溶媒中、p−トルエンスルホン酸などの酸触媒の存在下に、水を除去しながら、エチレングリコールなどのジオールと処理することにより実施する。
【0070】
式(XVII)で示されるニトロ誘導体は、次いで、常套的な方法により、例えば、パラジウム/炭素などの触媒の存在下に、水素化することによって式(XVIII)で示されるアニリンに変換する。
【0071】
式(XIX)で示される相当するウレアは、例えば、THFなどの不活性溶媒中、10℃ないし40℃の温度範囲にて、式(VIII)で示される中間体から、式(XIV)のイソシアン酸エステルと処理することにより容易に入手し得る。
【0072】
式(XIX)の中間体は、例えば、室温ないし60℃の温度で、エタノール中の塩酸水で処理することにより、式(XX)のフェニルアセトンに変換する。
【0073】
次の合成工程においては、式(XXI)で示される既知アミノアルコールを式(XX)のケトンにより還元的にアルキル化する。この工程は、メタノールまたはTHFもしくはDMSOとの混合物などの溶媒中、水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤の存在下に、通常、室温で実施する。式(VIIa)から式(Ib)の化合物への最終の脱保護は、工程図1に記載の方法と同様に、式(I)で示される化合物を得るために実施する。
【実施例】
【0074】
一般原則:
試薬類、出発原料、および溶媒は、市販品供給者から購入し、受領したものをそのまま使用した。濃縮とはビュッキーロータリーエバポレーターにより減圧下に蒸発させることをいう。反応生成物は、必要な場合、シリカゲル(40〜63μm)上、指定された溶媒系を使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。スペクトルデータはバリアンジェミニ300分光計およびバリアンイノバ400分光計で記録した。HPLC−MSは、ギルソンピストンポンプ321、ギルソン864真空脱気装置、ギルソン液体ハンドラー215、ギルソン189インジェクションモジュール、ギルソンバルブメイト7000、1/1000スプリッター、ギルソン307メイクアップポンプ、ギルソン170ダイオードアレイ検出計、およびサーモクエストフィンニガンaQa検出計を装備したギルソン装置により実施した。
【0075】
中間体1:1−(3−ニトロフェニル)アセトン
ピリジン(12.5mL)中、3−ニトロフェニル酢酸(5.4g、29.8mmol)の溶液に、無水酢酸(28mL)を加えた。反応混合物を窒素下に室温で4時間攪拌した。溶媒を減圧下に除去し、粗生成物をエタノール(30mL)と濃塩酸(3mL)で処理した。混合物を1時間還流した。反応粗生成物をシクロヘキサンと水で処理し、有機層を水と1N−水酸化ナトリウムで洗浄し、乾燥して、溶媒を減圧下に除去した。標題化合物を黄色固体(4g、75%)として得、これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0076】
中間体2:2−メチル−2−(3−ニトロベンジル)−1,3−ジオキソラン
トルエン(15mL)中、中間体1(1.5g、8.4mmol)の溶液に、エチレングリコール(0.57g、8.4mmol)およびp−トルエンスルホン酸(0.05g、0.29mmol)を加えた。反応混合物をディーン−スターク中で4時間攪拌した。この混合物にヘキサンを加え、水、1N−水酸化ナトリウムおよび水で洗った。有機層を乾燥し、溶媒を減圧下に除去し、標題化合物を油(1.61g、86%)として得た;これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0077】
中間体3:{3−[(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)メチル]フェニル}アミン
メタノール(32mL)中、中間体2(1.61g、7.2mmol)の溶液に、パラジウム/炭素(0.32g、10%)を加えた。反応混合物を30psiで2時間水素化した。触媒をセライト(Celite;登録商標)で濾過し、溶媒を減圧下に除去し、標題化合物を固体(1.4g、99%)として得た;これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0078】
中間体4:N−ベンジル−N'−{3−[(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)メチル]フェニル}ウレア
テトラヒドロフラン(8mL)中、中間体3(0.8g、4.1mmol)の溶液に、イソシアン酸ベンジル(0.51mL、4.1mmol)をゆっくりと加えた。反応混合物を室温で2時間攪拌した。溶媒を減圧下に除去し、油状物を得て、これを結晶化した。標題化合物を固体(1.4g、99%)として取得した。
【0079】
中間体5:N−ベンジル−N'−[3−(2−オキソプロピル)フェニル]ウレア
酢酸(14mL)中、中間体4(1.4g、4.3mmol)の溶液に、水(7mL)を加えた。混合物を80℃で4時間攪拌した。反応粗生成物を室温に冷却し、水(28mL)をゆっくり加えた。沈殿を濾取し、エーテルで洗った。標題化合物を固体(1.2g、99%)として得た。
【0080】
中間体6:N−ベンジル−N'−[3−((2R,S)−2−{[(2R,S)−2−(2,2−ジメチル−4H−1,3−ベンゾジオキシン−6−イル)−2−ヒドロキシエチル]アミノ}プロピル)フェニル]ウレア
ジメチルスルホキシド(7.3mL)中、中間体5(0.6g、2.12mmol)および2−アミノ−1−(2,2−ジメチル−4H−ベンゾ[d][1,3]ジオキシン−6−イル)エタノール(0.47g、2.12mmol)からなる溶液を室温で2時間攪拌した。次いで、反応混合物にメタノール(7.3mL)を加え、水素化ホウ素ナトリウム(0.1g、2.3mmol)を0℃でゆっくり加えた。反応混合物を室温で2時間攪拌した。反応粗生成物を酢酸エチルと水に分配し、その有機層を水で数回洗浄し、乾燥し、溶媒を減圧下に除去した。標題化合物を油(1g、97%)として取得した;これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0081】
実施例1:N−ベンジル−N'−{3−[(2R,S)−2−({(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−フェニル]エチル}アミノ)プロピル]フェニル}ウレア
【化8】

酢酸(10mL)中、中間体6(1g、2.04mmol)の溶液に、水(5mL)を加えた。反応混合物を80℃で30分間攪拌した。減圧下に溶媒を除去し、粗生成物を酢酸エチルと1N−HClに分配した。水相を炭酸水素ナトリウムで飽和させ、中和して、次いで有機層をテトラヒドロフランと酢酸エチルの混合物で抽出し、水洗、乾燥して蒸発させた。粗生成物を油として得、それをエーテルで処理して、沈殿物を濾取し、標題化合物を固体として得た(0.28g、63%)。
H−NMR(300MHz,ジメチルスルホキシド−D6):0.96(d,J=6.41Hz,3H);2.58−2.61(m,1H);2.69−2.76(m,2H);2.83−2.89(m,1H);3.44(bs,1H);4.34(bs,2H);4.51(s,2H);4.97(bs,1H);6.62−6.65(m,1H);6.71−6.78(m,2H);7.01−7.04(m,1H);7.13−7.19(m,1H);7.27−7.43(m,7H);8.54(d,J=7.27Hz,1H);9.21(bs,1H)。
MS(M+):450。
【0082】
中間体7:1−(4−ニトロフェニル)アセトン
4−ニトロフェニル酢酸(5.4g、29.8mmol)、ピリジン(12.5mL)および無水酢酸(28mL)から、中間体1に記載した方法と同じ方法で取得した。標題化合物は黄色固体(4.5g、81%)として得て、これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0083】
中間体8:2−メチル−2−(4−ニトロベンジル)−1,3−ジオキソラン
中間体7(1.5g、8.4mmol)、エチレングリコール(0.57g、8.4mmol)およびp−トルエンスルホン酸(0.05g、0.29mmol)から、中間体2に記載した方法と同じ方法で取得した。標題化合物は油(1.4g、75%)として得て、これを精製することなく次工程で使用した。
【0084】
中間体9:{4−[(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)メチル]フェニル}アミン
中間体8(1.3g、5.8mmol)およびパラジウム/炭素(0.25g、10%)から、中間体3に記載した方法と同じ方法で取得した。標題化合物は固体(0.9g、75%)として得て、これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0085】
中間体10;N−ベンジル−N'−{4−[(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)メチル]フェニル}ウレア
中間体9(0.9g、4.6mmol)およびイソシアン酸ベンジル(0.57mL、4.6mmol)から、中間体4に記載した方法と同じ方法で取得した。標題化合物は白色固体(1.5g、99%)として得て、これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0086】
中間体11:N−ベンジル−N'−[4−(2−オキソプロピル)フェニル]ウレア
中間体10(1.5g、4.6mmol)、酢酸(17mL)および水(10mL)から、中間体5に記載した方法と同じ方法で取得した。標題化合物は黄色固体(1.3g、99%)として得て、これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0087】
中間体12:N−ベンジル−N'−[4−((2R,S)−2−{[(2R,S)−(2,2−ジメチル−4H−1,3−ベンゾジオキシン−6−イル)−2−ヒドロキシエチル]アミノ}プロピル)フェニル]ウレア
中間体11(0.6g、2.12mmol)、2−アミノ−1−(2,2−ジメチル−4H−ベンゾ[d][1,3]ジオキシン−6−イル)エタノール(0.47g、2.12mmol)および水素化ホウ素ナトリウム(0.1g、2.3mmol)から、中間体6に記載した方法と同じ方法で取得した。標題化合物は油(0.8g、77%)として得て、これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0088】
実施例2:N−ベンジル−N'−{4−[(2R,S)−2−({(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)プロピル]フェニル}ウレア
【化9】

中間体12(0.55g、1.12mmol)、酢酸(5mL)および水(2.5mL)から、実施例1に記載の方法と同じ方法で取得した。粗生成物をエーテルで処理し、標題化合物を白色固体(0.29g、63%)として得た。
H−NMR(300MHz,ジメチルスルホキシド−D6):0.96(d,J=6.04Hz,3H);2.55−2.83(m,4H);4.29(d,J=5.50Hz,2H);4.46(bs,3H);4.96(bs,1H);6.58(bs,1H);6.68(d,J=8.24Hz,1H);6.96−7.04(m,3H);7.25−7.33(m,7H);8.48(s,1H);9.18(bs,1H)。
MS(M+):450。
【0089】
中間体13:N−ベンジル−N'−{3−[(2R,S)−2−({(2R,S)−2−[8−(ベンジルオキシ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)プロピル]フェニル}ウレア
中間体5(0.4g、1.41mmol)、5−(2−アミノ−1−ヒドロキシエチル)−8−(ベンジルオキシ)キノリン−2(1H)−オン(0.44g、1.41mmol)および水素化ホウ素ナトリウム(0.1g、2.3mmol)から、中間体6に記載した方法と同じ方法で取得した。標題化合物は固体(0.072g、9%)として得て、これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0090】
実施例3:N−ベンジル−N'−[3−((2R,S)−2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}プロピル)フェニル]ウレア
【化10】

メタノール(35mL)中の中間体13(0.072g、0.125mmol)の溶液に、パラジウム/炭素(0.12g、10%)を加えた。この反応混合物を30psiで20時間水素化した。触媒をセライト(Celite;登録商標)で濾過し、減圧下に溶媒を除去した。得られた粗生成物をアセトニトリルとエーテルで処理し、標題化合物を固体(0.045g、70%)として得た。
H−NMR(300MHz,ジメチルスルホキシド−D6):0.96(d,J=6.4Hz,3H);2.58−2.61(m,1H);2.69−2.76(m,2H);2.83−2.89(m,1H);3.44(bs,1H);4.51(s,2H);5.3(bs,1H);6.62(d,J=9.89Hz,1H);6.86(bs,1H);7.05(bs,1H);7.15−7.21(m,6H);7.27−7.43(m,2H);7.6(m,1H);8.27(d,J=9.89Hz,1H);9.89(bs,1H)。
MS(M+):487。
【0091】
中間体14:N−(2−メトキシベンジル)−N'−{3−[(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)メチル]フェニル}ウレア
中間体3(0.55g、2.8mmol)およびイソシアン酸2−メトキシベンジル(0.46mL、2.94mmol)から、中間体4に記載した方法と同じ方法で取得した。標題化合物は油(0.99g、99%)として得て、これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0092】
中間体15:N−(2−メトキシベンジル)−N'−[3−(2−オキソプロピル)フェニル]ウレア
中間体14(1.3g、3.6mmol)、酢酸(13mL)および水(6.5mL)から、中間体5に記載した方法と同じ方法で取得した。標題化合物は褐色固体(0.85g、75%)として得て、これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0093】
中間体16:N−[3−((2R,S)−2−{[(2R,S)−2−(2,2−ジメチル−4H−1,3−ベンゾジオキシン−6−イル)−2−ヒドロキシエチル]アミノ}プロピル)フェニル]−N'−(2−メトキシベンジル)ウレア
中間体15(0.45g、1.4mmol)、2−アミノ−1−(2,2−ジメチル−4H−ベンゾ[d][1,3]ジオキシン−6−イル)エタノール(0.32g、1.4mmol)および水素化ホウ素ナトリウム(0.06g、1.68mmol)から、中間体6に記載した方法と同じ方法で取得した。標題化合物は固体(0.76g、43%)として得て、これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0094】
実施例4:N−{3−[(2R,S)−2−({(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−フェニル]エチル}アミノ)プロピル]フェニル}−N'−(2−メトキシベンジル)ウレア
【化11】

中間体16(0.76g、1.46mmol)、酢酸(7.6mL)および水(3.8mL)から、実施例1に記載の方法と同じ方法で取得した。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、塩化メチレン/メタノール/アンモニア水(40:4:0.2)で溶出精製して、標題化合物を固体(0.17g、54%)として取得した。
H−NMR(300MHz,ジメチルスルホキシド−D6):1.10(d,J=6.04Hz,3H);2.74−2.98(m,4H);4.03(s,3H);4.44(bs,1H);4.65(s,2H);5.18(bs,1H);6.61(bs,1H);6.85−6.92(m,2H);7.09−7.20(m,3H);7.26−7.33(m,1H);7.39−7.46(m,4H);8.73(d,J=5.49Hz,1H);9.37(bs,1H)。
MS(M+):580。
【0095】
中間体17:N−(2,6−ジメトキシベンジル)−N'−{3−[(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)メチル]フェニル}ウレア
中間体3(0.8g、4.1mmol)および2−(イソシアナトメチル)−1,3−ジメトキシベンゼン(0.8g、4.1mmol)から、中間体4に記載した方法と同じ方法で取得した。標題化合物は黄色固体(1.37g、85%)として得て、これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0096】
中間体18:N−(2,6−ジメトキシベンジル)−N'−[3−(2−オキソプロピル)フェニル]ウレア
中間体17(1.4g、3.6mmol)、酢酸(14mL)および水(7mL)から、中間体5に記載した方法と同じ方法で取得した。標題化合物(0.9g、69%)を得て、これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0097】
中間体19:N−(2,6−ジメトキシベンジル)−N'−[3−(2R,S)−2−{[(2R)−(2,2−ジメチル−4H−1,3−ベンゾジオキシン−6−イル)−2−ヒドロキシエチル]アミノ)プロピル}フェニル]ウレア
中間体18(0.5g、1.46mmol)、(R)−2−アミノ−1−(2,2−ジメチル−4H−ベンゾ[d][1,3]ジオキシン−6−イル)エタノール(0.33g、1.47mmol)、酢酸(0.043mL)、および水素化ホウ素ナトリウム(0.066g、1.75mmol)から、中間体6に記載した方法と同じ方法で取得した。粗生成物を油(0.73g、47%)として得て、これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0098】
実施例5:N−(2,6−ジメトキシベンジル)−N'−{3−[(2R,S)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)プロピル]フェニル}ウレア
【化12】

中間体19(0.38g、0.69mmol)、酢酸(4.3mL)および水(3.65mL)から、実施例1に記載の方法と同じ方法で取得した。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、塩化メチレン/メタノール/アンモニア水(40:8:1)およびクロロホルム/メタノール(95:5)で溶出精製して、標題化合物を固体(0.048g、12%)として得た。
H−NMR(300MHz,ジメチルスルホキシド−D6):0.95(bs,6H);2.39−2.85(m,4H);4.17(bs,1H);4.33(s,2H);4.51(s,2H);5.06(bs,1H);6.09(s,1H);6.72−6.74(m,4H);7.03−7.3(m,6H);8.47(bs,1H)。
MS(M+):510。
【0099】
中間体20:N−{3−[(2R,S)−2−({(2R,S)−2−[8−(ベンジルオキシ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)プロピル]フェニル}−N'−(2−メトキシベンジル)ウレア
中間体15(0.36g、1.15mmol)、5−(2−アミノ−1−ヒドロキシエチル)−8−(ベンジルオキシ)キノリン−2(1H)−オン(0.39g、1.15mmol)、水素化ホウ素ナトリウム(0.06g、1.6mmol)および酢酸(0.06mL)から、中間体6に記載の方法と同じ方法で取得した。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、クロロホルム/メタノール(95:5)で溶出精製して、標題化合物を泡状物(0.25g、34%)として得た。
【0100】
実施例6:N−[3−((2R,S)−2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}プロピル)フェニル]−N'−(2−メトキシベンジル)ウレア
【化13】

メタノール(25mL)中、中間体20(0.25g、0.41mmol)の溶液にパラジウム/炭素(0.05g、10%)を加えた。反応混合物を風船圧下に20時間水素化した。触媒をセライト(Celite;登録商標)で濾過し、溶媒を減圧下に除去した。粗生成物を塩化メチレンで処理し、沈殿を濾取し、酢酸エチルで洗浄して、標題化合物を黄色固体(0.183g、82%)を得た。
H−NMR(300MHz,ジメチルスルホキシド−D6):1.09(bs,3H);2.49−2.55(m,2H);2.96(bs,3H);3.88(s,3H);4.3(d,J=4.67Hz,2H);5.24(bs,1H);6.60(d,J=7.97Hz,1H);6.76(t,J=6.87Hz,1H);6.94−7.05(m,3H);7.15−7.35(m.6H);8.25(bs,1H);8.75(bs,1H)。
MS(M+):517。
【0101】
中間体21:(3−ニトロフェニル)アセトニトリル
メタノール(120mL)中、塩化3−ニトロベンジル(20.6g、0.12mol)の溶液に、シアン化カリウム(11g、0.15mol)と水(20mL)からなる溶液を加えた。反応混合物を室温で4時間攪拌した。減圧下に溶媒を除去し、粗生成物をエーテルと水に分配した。有機層を乾燥し、蒸発させた。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、クロロホルムで溶出精製して、標題化合物(11g、56%)を得た。
【0102】
中間体22:[2−(3−ニトロフェニル)エチル]アミン
中間体21(10g、0.061mmol)およびボラン−硫化メチル複合体(40mL、0.42mol)から、文献(Journal of Medicinal Chemistry, 2003, 46, 9, p1668)に記載された方法と同様の方法で取得した。粗生成物をジオキサン中飽和した塩化水素で処理し、沈殿物を濾取し、酢酸エチルおよびエーテルで洗浄した。標題化合物を固体(4.9g、47%)として得た。
【0103】
中間体23:[2−(3−ニトロフェニル)エチル]カルバミン酸tert−ブチル
テトラヒドロフラン(77mL)中、中間体22(4.9g、29.4mmol)の溶液に、Boc無水物(6.43g、29.4mmol)とテトラヒドロフラン(38mL)からなる溶液を0℃で滴下した。反応混合物を室温で2時間攪拌した。溶媒を減圧下に除去し、粗生成物を塩化メチレンと水に分配した。有機層を数回水洗し、乾燥して、蒸発させた。標題化合物を7.5g(95%)取得し、さらに精製することなく次工程で使用した。
【0104】
中間体24:[2−(3−アミノフェニル)エチル]カルバミン酸tert−ブチル
メタノール(300mL)中、中間体23(7.5g、28.1mmol)の溶液にパラジウム/炭素(1.5g、10%)を加えた。反応混合物を風船圧下に室温で3時間水素化した。触媒をセライト(Celite;登録商標)で濾過し、溶媒を減圧下に除去して、標題化合物(6g、90%)を取得し、これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0105】
中間体25:[2−(3−{[(ベンジルアミノ)カルボニル]アミノ}フェニル)エチル]カルバミン酸tert−ブチル
中間体24(0.75g、2.8mmol)およびイソシアン酸ベンジル(0.4mL、2.8mmol)から、中間体4に記載した方法と同じ方法で取得した。粗生成物を固体(0.6g、50%)として取得し、これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0106】
中間体26:N−[3−(2−アミノエチル)フェニル]−N'−ベンジルウレア
ジオキサン(8mL)中、中間体25(0.6g、2.5mmol)の溶液に、ジオキサン中飽和塩化水素(8mL)を添加した。反応混合物を室温で2時間攪拌した。減圧下に溶媒を除去し、粗生成物をジイソプロピルエーテル中で破砕し、沈殿物を濾取して標題化合物を固体(0.4g、47%)として取得し、これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0107】
中間体27:N−ベンジル−N'−{3−[2−({(2R,S)−2−[4−(ベンジルオキシ)−3−(ヒドロキシメチル)−フェニル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)エチル]フェニル}ウレア
テトラヒドロフラン/メタノール(1:1)混合物(6mL)中、中間体26(0.22g、0.8mmol)および1−(4−(ベンジルオキシ)−3−(ヒドロキシメチル)フェニル)−2,2−ジヒドロキシエタノン(0.2g、0.72mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.145mL、0.93mmol)を加えた。反応混合物を室温で2時間攪拌した。次いで、混合物を0℃に冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(77mg、2.24mmol)をゆっくりと反応混合物に加え、室温で2時間攪拌した。粗生成物をエーテルと水に分配し、有機層を数回水洗し、乾燥して蒸発させた。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、塩化メチレン/メタノール/アンモニア水(40:4:0.2)で溶出精製して、標題化合物(0.32g、82%)を得た。
【0108】
実施例7:N−ベンジル−N'−{3−[2−({(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]−エチル}アミノ)エチル]フェニル}ウレア
【化14】

中間体27(0.32g、0.6mmol)およびパラジウム/炭素(0.064g、10%)から、実施例3に記載した方法と同じ方法で取得した。粗生成物をエーテルで処理し、標題化合物を固体(0.18g、68%)として得た。
H−NMR(300MHz,ジメチルスルホキシド−D6):2.59−2.65(m,3H);2.70−2.79(m,3H);4.29(d,J=5.87Hz,2H);4.45(s,2H);4.95(bs,1H);6.60(d,J=5.87Hz,1H);6.68(d,J=8.22Hz,1H);6.74(d,J=7.43Hz,1H);6.97(d,J=8.61Hz,1H);7.11(t,J=7.83Hz,1H);7.22−7.35(m,7H);8.52(s,1H)。
MS(M+):436。
【0109】
中間体28:N−ベンジル−N'−{3−[2−({(2R,S)−2−[8−(ベンジルオキシ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−キノリン−5−イル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)エチル]フェニル}ウレア
テトラヒドロフラン/メタノール(1:1)混合物(5mL)中、中間体26(0.17g、0.63mmol)および8−(ベンジルオキシ)−5−(2,2−ジヒドロキシアセチル)キノリン−2(1H)−オン(0.23g、0.7mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.088mL、0.63mmol)を加えた。反応混合物を室温で2時間攪拌した。次いで、混合物を0℃に冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(0.08mg、2.1mmol)をゆっくりと反応混合物に加え、室温で2時間攪拌した。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、塩化メチレン/メタノール/アンモニウム(40:2.5:0.1)で溶出精製して、標題化合物(0.24g、67%)を得た。
【0110】
実施例8:N−ベンジル−N'−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
【化15】

中間体28(0.24g、0.42mmol)およびパラジウム/炭素(0.06g、10%)から、実施例6に記載した方法と同じ方法で取得した(反応時間:15時間)。粗生成物をエーテルで処理し、標題化合物を固体(0.174g、80%)として得た。
H−NMR(300MHz,ジメチルスルホキシド−D6):2.93−3.24(m,6H);4.34(d,J=5.77Hz,2H);5.46(bs,1H);6.24(bs,1H);6.62(d,J=9.89Hz,1H);6.86(dd,J=7.96,8.5Hz,2H);7.05(d,J=8.24Hz,1H);7.2−7.38(m,7H);7.47(s,1H);8.27(d,J=9.89Hz,1H);8.87(s,1H);10.57(bs,1H)。
MS(M+):473。
【0111】
中間体29:{2−[3−({[(2−メトキシベンジル)アミノ]カルボニル}アミノ)フェニル]−エチル}カルバミン酸tert−ブチル
中間体24(0.8g、3.39mmol)およびイソシアン酸2−メトキシフェニル(0.58g、3.55mmol)から、中間体4に記載した方法と同じ方法で取得した。粗生成物は単離せずに、さらに精製することなく次工程で使用した。
【0112】
中間体30:N−[3−(2−アミノエチル)フェニル]−N'−(2−メトキシベンジル)ウレア
中間体29および塩化水素飽和ジオキサン(12mL)から、中間体26に記載した方法と同じ方法で取得した。粗生成物をジイソプロピルエーテルで処理し、混合物を30分間攪拌した。沈殿を濾取し、エーテルと酢酸エチルで洗浄して、標題化合物を固体(0.9g、46%総収率)として得た。
【0113】
中間体31:N−{3−[2−({(2R,S)−[8−(ベンジルオキシ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)エチル]フェニル}−N'−(2−メトキシベンジル)ウレア
中間体30(0.21g、0.70mmol)、8−(ベンジルオキシ)−5−(2,2−ジヒドロキシアセチル)キノリン−2(1H)−オン(0.24g、0.74mmol)および水素化ホウ素ナトリウム(0.078g、2.06mmol)から、中間体28に記載した方法と同じ方法で取得した。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、塩化メチレン/メタノール/アンモニウム(40:2.5:0.1)で溶出精製して、標題化合物(0.28g、56%)を得た。
【0114】
実施例9:N−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]−アミノ}エチル)フェニル]−N'−(2−メトキシベンジル)ウレア
【化16】

中間体31(0.28g、0.47mmol)およびパラジウム/炭素(0.056g、10%)から、実施例6に記載した方法と同じ方法で取得した(反応時間:48時間)。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、塩化メチレン/メタノール/アンモニウム(40:5:0.5)で溶出精製して、標題化合物を黄色固体(0.102g、42%)を得た。
H−NMR(300MHz,ジメチルスルホキシド−D6):2.69−2.85(m,8H);4.32(s,3H);6.5(bs,1H);6.57(d,J=9.61Hz,1H);6.79(d,J=6.60Hz,1H);6.96−7.00(m,2H);7.05−7.20(m,3H);7.26−7.32(m,4H);8.23(d,J=9.62Hz,1H);8.61(s,1H)。
MS(M+):503。
【0115】
中間体32:[2−(3−イソシアナトフェニル)エチル]カルバミン酸tert−ブチル
塩化メチレン(2.6mL)中、トリホスゲン(0.23g、0.78mmol)の溶液に、0℃で、先ず、中間体24(0.5g、2.12mmol)と塩化メチレン(1mL)の溶液を、次いで、トリエチルアミン(0.6mL)と塩化メチレン(1.7mL)との溶液を滴下した。反応混合物を室温で2.5時間攪拌した。粗反応物をペンタン(16mL)で希釈し、該溶液に滴下した。沈殿をセライト(Celite;登録商標)で濾過し、濾液から標題化合物を得た;これを溶液のまま次工程にて使用した。
【0116】
中間体33:{2−[3−({[(4−フルオロベンジル)アミノ]カルボニル}アミノ)フェニル]−エチル}カルバミン酸tert−ブチル
中間体32(0.4g、1.5mmol)の溶液に4−フルオロベンジルアミン(0.17mL、1.58mmol)を加え、その系を室温で一夜攪拌した。減圧下に溶媒を除去し、標題化合物を得た;このものをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0117】
中間体34:N−[3−(2−アミノエチル)フェニル]−N'−(4−フルオロベンジル)ウレア
ジオキサン4mL中、中間体33の溶液に、塩化水素飽和ジオキサン8mLを加えた。反応混合物を室温で1時間攪拌した。減圧下に溶媒を除去し、粗生成物を炭酸カリウムで塩基性として、酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥し、蒸発させて標題化合物を油として得た。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、塩化メチレン/メタノール/アンモニウム(40:2.5:0.1ないし40:8:1)で溶出精製して、標題化合物(0.242g、56%)を得た。
【0118】
中間体35:N−{3−[2−({(2R,S)−2−[8−(ベンジルオキシ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)エチル]フェニル}−N'−(4−フルオロベンジル)ウレア
ジメチルスルホキシド(4mL)中、中間体34(0.24g、0.84mmol)および8−(ベンジルオキシ)−5−(2,2−ジヒドロキシアセチル)キノリン−2(1H)−オン(0.31g、0.95mmol)の溶液を室温で3時間攪拌した。次いで、混合物にメタノール(4mL)を加え、0℃に冷却し、水素化ホウ素ナトリウムをゆっくり加えた。反応混合物を室温で一夜攪拌した。粗反応物を水で希釈し、沈殿を濾取した。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、塩化メチレン/メタノール/アンモニウム(40:2.5:0.1)で溶出精製して、標題化合物を固体(0.3g、52%)として得た。
【0119】
実施例10:N−(4−フルオロベンジル)−N'−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
【化17】

中間体35(0.17g、0.23mmol)およびパラジウム/炭素(0.017g、10%)から、実施例6に記載した方法と同じ方法で取得した(反応時間:4時間)。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、塩化メチレン/メタノール/アンモニウム(40:2.5:0.1ないし40:5:0.5)で溶出精製して、標題化合物を固体(0.07g、59%)として得た。
H−NMR(300MHz,ジメチルスルホキシド−D6):2.6−3.26(m,6H);4.26(s,2H);4.96(bs,1H);6.5(d,J=9.75Hz,1H);6.62(bs,1H);6.73(d,J=7.02Hz,1H);6.91(d,J=7.8Hz,1H);7.04−7.37(m.7H);8.17(d,J=9.60Hz,1H);8.52(bs,1H)。
MS(M+):491。
【0120】
中間体36:{2−[3−({[(2−フェニルエチル)アミノ]カルボニル}アミノ)フェニル]−エチル}カルバミン酸tert−ブチル
中間体32(0.4g、1.5mmol)の溶液に、中間体33に記載した方法と同じ方法で、フェネチルアミン(0.188mL、1.58mmol)を加えた。減圧下に溶媒を除去して標題化合物を得た;これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0121】
中間体37:N−[3−(2−アミノエチル)フェニル]−N'−(2−フェニルエチル)ウレア
中間体36および塩化水素飽和ジオキサンから、中間体34に記載した方法と同じ方法で取得した。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、塩化メチレン/メタノール/アンモニウム(40:2.5:0.1ないし40:8:1)で溶出精製して、標題化合物(0.32g、75%)を得た。
【0122】
中間体38:N−{3−[2−({(2R,S)−2−[8−(ベンジルオキシ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)エチル]フェニル}−N'−(2−フェニルエチル)ウレア
中間体37(0.32g、1.13mmol)、8−(ベンジルオキシ)−5−(2,2−ジヒドロキシアセチル)キノリン−2(1H)−オン(0.373g、1.15mmol)および水素化ホウ素ナトリウム(0.13g、3.44mmol)から、中間体35に記載した方法と同じ方法で取得した。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、塩化メチレン/メタノール/アンモニウム(40:2.5:0.1)で溶出精製して、標題化合物を固体(0.16g、23%)として得た。
【0123】
実施例11:N−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)−エチル]アミノ}エチル)フェニル]−N'−(2−フェニルエチル)ウレア
【化18】

中間体38(0.16g、0.28mmol)およびパラジウム/炭素(0.032g、10%)から、実施例6に記載した方法と同じ方法で取得した。得られた粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、クロロホルム/メタノール(15:1ないし8:1)で溶出精製して、標題化合物を固体(0.085g、62%)として得た。
H−NMR(300MHz,ジメチルスルホキシド−D6):1.07−1.27(m,2H);2.71−2.93(m,8H);5.13(bs,1H);6.16(bs,1H);6.53(d,J=9.7Hz,1H);6.74(bs,1H);6.94(bs,1H);7.09−7.31(m,8H);8.18(d,J=9.62Hz,1H);8.50(bs,1H)。
MS(M+):487。
【0124】
中間体39:{2−[3−({[(3−フェニルプロピル)アミノ]カルボニル}アミノ)フェニル]−エチル}カルバミン酸tert−ブチル
中間体32(0.4g、1.5mmol)および3−フェニルプロピルアミン(0.213mL、1.58mmol)から、中間体33に記載した方法と同じ方法で取得した。減圧下に溶媒を除去して標題化合物を得た;これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0125】
中間体40:N−[3−(2−アミノエチル)フェニル]−N'−(3−フェニルプロピル)ウレア
中間体39および塩化水素飽和ジオキサンから、中間体34に記載した方法と同じ方法で取得した。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、塩化メチレン/メタノール/アンモニウム(40:2.5:0.1ないし40:8:1)で溶出精製して、標題化合物(0.21g、47%)を得た。
【0126】
中間体41:N−{3−[2−({(2R,S)−2−[8−(ベンジルオキシ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)エチル]フェニル}−N'−(3−フェニルプロピル)ウレア
中間体40(0.21g、0.71mmol)、8−(ベンジルオキシ)−5−(2,2−ジヒドロキシアセチル)キノリン−2(1H)−オン(0.253g、0.78mmol)および水素化ホウ素ナトリウム(0.087g、2.3mmol)から、中間体35に記載した方法と同じ方法で取得した。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、クロロホルム/メタノール(50:1ないし25:1)で溶出精製して、標題化合物を固体(0.193g、46%)として得た。
【0127】
実施例12:N−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]−アミノ}エチル)フェニル]−N'−(3−フェニルプロピル)ウレア
【化19】

中間体41(0.19g、0.33mmol)およびパラジウム/炭素(0.038g、10%)から、実施例6に記載した方法と同じ方法で取得した。粗生成物をエーテルで処理し、標題化合物を固体(0.064g、38%)として得た。
H−NMR(300MHz,ジメチルスルホキシド−D6):1.03−1.10(m,4H);2.86−3.22(m,8H);5.38(bs,1H);6.16(bs,1H);6.35(bs,1H);6.59(bs,1H);6.78(bs,1H);7.01(bs,1H);7.18−7.43(m,7H);8.22(bs,1H)。
MS(M+):501。
【0128】
中間体42:N−{3−[2−({(2R,S)−2−[4−(ベンジルオキシ)−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)エチル]フェニル}−N'−(3−フェニルプロピル)ウレア
中間体40(0.33g、1.11mmol)、1−(4−(ベンジルオキシ)−3−(ヒドロキシメチル)フェニル)−2,2−ジヒドロキシエタノン(0.30g、1.11mmol)および水素化ホウ素ナトリウム(0.2g、4.49mmol)から、中間体35に記載した方法と同じ方法で取得した。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、クロロホルム/メタノール(90:5)で溶出精製して、標題化合物を油(0.18g、29%)として得た。
【0129】
実施例13:N−{3−[2−({(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}−アミノ)エチル]フェニル}−N'−(3−フェニルプロピル)ウレア
【化20】

中間体42(0.18g、0.33mmol)およびパラジウム/炭素(0.05g、10%)から、実施例3に記載した方法と同じ方法で取得した(圧力:40psi、反応時間:3時間)。粗生成物をエーテルで処理し、標題化合物を固体(0.09g、60%)として得た。
H−NMR(300MHz,メタノール):0.89(bs,2H);1.34(bs,2H);2.66−2.90(m,7H);3.22(bs,1H);4.69(bs,1H);6.71−6.84(m,3H);7.06−7.27(m,9H)。
MS(M+):464。
【0130】
中間体43:{2−[3−({[(ジフェニルメチル)アミノ]カルボニル}アミノ)フェニル]−エチル}カルバミン酸tert−ブチル
中間体32(0.4g、1.5mmol)および1,1−ジフェニルメチルアミン(0.259mL、1.58mmol)から、中間体33に記載した方法と同じ方法で取得した。減圧下に溶媒を除去し、標題化合物を得た;これをさらに特別の操作をすることなく次工程で使用した。
【0131】
中間体44:N−[3−(2−アミノエチル)フェニル]−N'−(ジフェニルメチル)ウレア
中間体43および塩化水素飽和ジオキサンから、中間体34に記載した方法と同じ方法で取得した。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、塩化メチレン/メタノール/アンモニウム(40:2.5:0.1ないし40:8:1)で溶出精製して、標題化合物(0.24g、46%)を得た。
【0132】
中間体45:N−{3−[2−({(2R,S)−2−[8−(ベンジルオキシ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)エチル]フェニル}−N'−(ジフェニルメチル)ウレア
中間体44(0.24g、0.69mmol)、8−(ベンジルオキシ)−5−(2,2−ジヒドロキシアセチル)キノリン−2(1H)−オン(0.233g、0.72mmol)および水素化ホウ素ナトリウム(0.082g、2.17mmol)から、中間体35に記載した方法と同じ方法で取得した。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、クロロホルム/メタノール(50:1ないし30:1)で溶出精製して、標題化合物を固体(0.33g、72%)として得た。
【0133】
実施例14:N−(ジフェニルメチル)−N'−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
【化21】

中間体45(0.33g、0.52mmol)およびパラジウム/炭素(0.06g、10%)から、実施例6に記載した方法と同じ方法で取得した(反応時間:一夜)。粗生成物をエーテルで処理して、標題化合物を固体(0.2g、69%)として得た。
H−NMR(300MHz,ジメチルスルホキシド−D6):2.88−2.95(m,2H);3.05−3.16(m,4H);5.39(bs,1H);5.95(d,J=8.24Hz,1H);6.17(bs,1H);6.57(d,J=9.89Hz,1H);6.78(bs,1H);7.00(d,J=7.97Hz,1H);7.14−7.26(m,4H);7.31−7.40(m,10H);7.48(d,J=8.24Hz,1H);8.21(d,J=10.116Hz,1H);8.86(bs,1H)。
MS(M+):549。
【0134】
中間体46:(2−{3−[(アニリノカルボニル)アミノ]フェニル}エチル)カルバミン酸tert−ブチル
中間体32(0.4g、1.5mmol)およびアニリン(0.137mL、1.575mmol)から、中間体33に記載した方法と同じ方法で取得した。減圧下に溶媒を除去して標題化合物を得た;これをさらに特別の操作をすることなく次工程で使用した。
【0135】
中間体47:N−[3−(2−アミノエチル)フェニル]−N'−フェニルウレア
中間体46および塩化水素飽和ジオキサンから、中間体34に記載した方法と同じ方法で取得した。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、塩化メチレン/メタノール/アンモニウム(40:2.5:0.1ないし40:8:1)で溶出精製して、標題化合物(0.2g、52%)を得た。
【0136】
中間体48:N−{3−[2−({(2R,S)−2−[8−(ベンジルオキシ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)エチル]フェニル}−N'−フェニルウレア
中間体47(0.2g、0.78mmol)、8−(ベンジルオキシ)−5−(2,2−ジヒドロキシアセチル)キノリン−2(1H)−オン(0.27g、0.83mmol)および水素化ホウ素ナトリウム(0.088g、2.32mmol)から、中間体35に記載した方法と同じ方法で取得した。得られた粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、クロロホルム/メタノール(4:1)で溶出精製して、標題化合物を固体(0.24g、47%)として得た。
【0137】
実施例15:N−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]−アミノ}エチル)フェニル]−N'−フェニルウレア
【化22】

中間体48(0.24g、0.44mmol)およびパラジウム/炭素(0.048g、10%)から実施例6に記載した方法と同じ方法で取得した(反応時間:48時間)。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによりクロロホルム/メタノール(6:1)で溶出精製した。標題化合物は黄色固体(0.067g、32%)として得た。
H−NMR(300MHz,ジメチルスルホキシド−D6):2.92−3.18(m,4H);5.37(bs,1H);6.63(d,J=9.71Hz,1H);6.9(d,J=6.87Hz,1H);7.03(m,2H);7.19−7.35(m,5H);7.51(bs,3H);8.26(d,J=9.88Hz,1H);9.00(bs,1H)。
MS(M+):459。
【0138】
中間体49:[2−(3−{[(1−アダマンチルアミノ)カルボニル]アミノ}フェニル)−エチル]カルバミン酸tert−ブチル
テトラヒドロフラン(3mL)中、中間体24(0.3g、1.27mmol)の溶液に、1−イソシアナート−アダマンタン(0.23g、1.3mmol)をゆっくりと加えた。反応混合物をアルゴン下に室温で一夜、次いで92℃で4時間攪拌した。減圧下に溶媒を除去し、標題化合物を固体(0.52g、94%)として得た;これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0139】
中間体50:N−1−アダマンチル−N'−[3−(2−アミノエチル)フェニル]ウレア
中間体49(0.52g、1.26mmol)および塩化水素飽和ジオキサン(2.4mL)から、中間体34に記載した方法と同じ方法で取得した(反応時間:3時間)。粗生成物を泡状物(0.219g、54%)として取得し、さらに精製することなく次工程で使用した。
【0140】
中間体51:N−1−アダマンチル−N'−{3−[2−({(2R,S)−2−[8−(ベンジルオキシ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)エチル]フェニル}ウレア
中間体50(0.21g、0.67mmol)、8−(ベンジルオキシ)−5−(2,2−ジヒドロキシアセチル)キノリン−2(1H)−オン(0.22g、0.68mmol)および水素化ホウ素ナトリウム(0.077g、2.04mmol)から、中間体35に記載した方法と同じ方法で取得した。標題化合物を固体(0.35g、81%)として得た;これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0141】
実施例16:N−1−アダマンチル−N'−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
【化23】

中間体51(0.35g、0.58mmol)およびパラジウム/炭素(0.07g。10%)から、実施例6に記載した方法と同じ方法で取得した(反応時間:72時間)。
粗生成物をエーテルで処理し、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、クロロホルム/メタノール(10:1ないし6:1)で溶出精製して、標題化合物を固体(0.138g、44%)を得た。
H−NMR(300MHz,ジメチルスルホキシド−D6):1.64(bs,5H);1.93(bs,7H);2.02(bs,3H);2.61−2.81(m,6H);5.03(bs,1H);5.86(s,1H);6.51(d,J=9.62Hz,1H);6.70(bs,1H);6.91(d,J=8.24Hz,1H);7.08(bs,2H);7.27(bs,1H);8.17(d,J=9.06Hz,1H)。
MS(M+):517。
【0142】
中間体52:{2−[3−({[(2,6−ジクロロベンジル)アミノ]カルボニル}アミノ)−フェニル]エチル}カルバミン酸tert−ブチル
中間体32(0.68g、2.6mmol)および(2,6−ジクロロフェニル)メタナミン(0.503mL、2.86mmol)から、中間体33に記載した方法と同じ方法で取得した。減圧下に溶媒を除去し、標題化合物を得て、これをさらに特別の操作をすることなく次工程で使用した。
【0143】
中間体53:N−[3−(2−アミノエチル)フェニル]−N'−(2,6−ジクロロベンジル)ウレア
中間体52および塩化水素飽和ジオキサンから、中間体34に記載した方法と同じ方法で取得した。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、塩化メチレン/メタノール/アンモニウム(40:2.5:0.1ないし40:4:2)で溶出精製して、標題化合物(0.416g、47%)を得た。
【0144】
中間体54:N−{3−[2−({(2R,S)−2−[8−(ベンジルオキシ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)エチル]フェニル}−N'−(2,6−ジクロロベンジル)ウレア
中間体53(0.41g、1.23mmol)、8−(ベンジルオキシ)−5−(2,2−ジヒドロキシアセチル)キノリン−2(1H)−オン(0.36g、1.11mmol)および水素化ホウ素ナトリウム(0.139g、3.67mmol)から、中間体35に記載した方法と同じ方法で取得した。粗生成物を逆相カラムクロマトグラフィーにより、アセトニトリル/水(1:1)で溶出精製して、標題化合物を固体(0.193g、27%)として得た。
【0145】
実施例17:N−(2,6−ジクロロベンジル)−N'−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
【化24】

中間体54(0.19g、0.3mmol)およびパラジウム/炭素(0.02g、10%)から、実施例6に記載した方法と同じ方法で取得した(反応時間:一夜)。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、クロロホルム/メタノール(4:1)で溶出精製して、標題化合物を固体(0.041g、25%)として得た。
H−NMR(300MHz,ジメチルスルホキシド−D6):1.58−1.87(m,2H);1.96−2.17(m,2H);2.40−2.47(m,2H);3.45(s,2H);4.76−4.9(m,1H);6.88(bs,1H);7.19(bs,1H);7.29−7.43(m,5H);7.49−7.54(m,3H);8.25(bs,1H);9.61(bs,1H)。
MS(M+):542。
【0146】
中間体55:[2−(3−{[(ビフェニル−2−イルアミノ)カルボニル]アミノ}フェニル)エチル]−カルバミン酸tert−ブチル
中間体32(0.68g、2.6mmol)およびビフェニル−2−アミン(0.483g、2.86mmol)から、中間体33に記載した方法と同じ方法で取得した。
減圧下に溶媒を除去し、標題化合物を得た;これをさらに特別の操作をすることなく次工程で使用した。
【0147】
中間体56:N−[3−(2−アミノエチル)フェニル]−N'−ビフェニル−2−イルウレア
中間体55および塩化水素飽和ジオキサンから、中間体34に記載した方法と同じ方法で取得した。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、塩化メチレン/メタノール/アンモニウム(40:2.5:0.1)で溶出精製して、標題化合物(0.513g、59%)を得た。
【0148】
中間体57:N−{3−[2−({(2R,S)−2−[8−(ベンジルオキシ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)エチル]フェニル}−N'−ビフェニル−2−イルウレア
中間体56(0.513g、1.55mmol)、8−(ベンジルオキシ)−5−(2,2−ジヒドロキシアセチル)キノリン−2(1H)−オン(0.503g、1.55mmol)および水素化ホウ素ナトリウム(0.175g、4.63mmol)から、中間体35に記載した方法と同じ方法で取得した。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、クロロホルム/メタノール(25:1)で溶出精製して、標題化合物を黄色泡状物(0.759g、76%)として得た。
【0149】
実施例18:N−ビフェニル−2−イル−N'−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
【化25】

中間体57(0.56g、0.9mmol)およびパラジウム/炭素(0.05g、10%)から、実施例6に記載した方法と同じ方法で取得した(反応時間:32時間)。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、クロロホルム/メタノール(4:1)で溶出精製して、標題化合物を固体(0.258g、52%)として得た。
H−NMR(300MHz,ジメチルスルホキシド−D6):2.92−3.24(m,6H);5.41(bs,1H);6.63(d,J=9.61Hz,1H);6.89(bs,1H);7.04(d,J=8.24Hz,1H);7.17−7.29(m,4H);7.36−7.50(m,5H);7.53−7.58(m,2H);7.77(s,1H);7.96(d,J=8.24Hz,1H);8.27(d,J=9.61Hz,1H);9.15(bs,1H)。
MS(M+):535。
【0150】
中間体58:[2−(3−{[(シクロヘキシルアミノ)カルボニル]アミノ}フェニル)エチル]−カルバミン酸tert−ブチル
中間体32(0.708g、2.7mmol)およびシクロヘキサンアミン(0.56g、5.6mmol)から、中間体33に記載した方法と同じ方法で取得した。減圧下に溶媒を除去し、標題化合物を得た;これをさらに特別の操作をすることなく次工程で使用した。
【0151】
中間体59:N−[3−(2−アミノエチル)フェニル]−N'−シクロヘキシルウレア
中間体58および塩化水素飽和ジオキサンから、中間体34に記載した方法と同じ方法で取得した。粗生成物をアセトニトリル、イソプロピルエーテルおよびエーテルで処理して沈殿とし、濾取した。標題化合物を固体(0.3g、42%)として得て、これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0152】
中間体60:N−{3−[2−({(2R,S)−[8−(ベンジルオキシ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)エチル]フェニル}−N'−シクロヘキシルウレア
テトラヒドロフラン/メタノール(1:1)混合物(7mL)中、中間体59(0.3g、1.15mmol)および8−(ベンジルオキシ)−5−(2,2−ジヒドロキシアセチル)キノリン−2(1H)−オン(0.4g,1.23mmol)の溶液を室温で3時間攪拌した。この混合物を0℃に冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(0.12g、3.17mmol)をゆっくりと加えた。反応液を室温で一夜攪拌した。粗反応物を酢酸エチルで希釈し、水洗した。減圧下に溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、クロロホルム/メタノール(1:0ないし8:1)で溶出精製して、標題化合物(0.3g、43%)を得た。
【0153】
実施例19:N−シクロヘキシル−N'−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
【化26】

中間体60(0.3g、0.54mmol)およびパラジウム/炭素(0.075g、10%)から、実施例6に記載した方法と同じ方法で取得した(反応時間:48時間)。粗生成物を逆相カラムクロマトグラフィーにより、アセトニトリル/水で溶出精製して、標題化合物を固体(0.08g、32%)として得た。
H−NMR(300MHz,ジメチルスルホキシド−D6):1.14−1.40(m,5H);1.53−1.86(m,5H);2.75−3.03(m,7H);5.23(bs,1H);6.33(d,J=7.24Hz,1H);6.58(d,J=9.88Hz,1H);6.78(d,J=7.69Hz,1H);7.00(d,J=8.24Hz,1H);7.14−7.19(m,2H);7.24(d,J=7.96Hz,1H);7.35(s,1H);8.23(d,J=9.89Hz,1H);8.41(s,1H);8.53(s,1H)。
MS(M+):465。
【0154】
中間体61:{2−[3−({[(4−フェニルブチル)アミノ]カルボニル}アミノ)フェニル]−エチル}カルバミン酸tert−ブチル
中間体32(0.708g、2.7mmol)および4−フェニルブタン−1−アミン(0.42g、2.97mmol)から、中間体33に記載した方法と同じ方法で取得した。減圧下に溶媒を除去し、標題化合物を得た;これをさらに特別の操作をすることなく次工程で使用した。
【0155】
中間体62:N−[3−(2−アミノエチル)フェニル]−N'−(4−フェニルブチル)ウレア
中間体61および塩化水素飽和ジオキサンから、中間体34に記載した方法と同じ方法で取得した。粗生成物をアセトニトリル、イソプロピルエーテルおよびエーテルで処理し、沈殿を得て、濾取した。標題化合物を固体(0.36g、43%)として得て、さらに精製することなく次工程で使用した。
【0156】
中間体63:N−{3−[2−({(2R,S)−2−[8−(ベンジルオキシ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)エチル]フェニル}−N'−(4−フェニルブチル)ウレア
中間体62(0.36g、1.16mmol)、8−(ベンジルオキシ)−5−(2,2−ジヒドロキシアセチル)キノリン−2(1H)−オン(0.4g、1.23mmol)および水素化ホウ素ナトリウム(0.1g、3.2mmol)から、中間体35に記載した方法と同じ方法で取得した。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、クロロホルム/メタノール(1:0ないし8:1)で溶出精製して、標題化合物(0.44g、59%)を得た。
【0157】
実施例20:N−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]−アミノ}エチル)フェニル]−N'−(4−フェニルブチル)ウレア
【化27】

中間体63(0.4g、0.66mmol)およびパラジウム/炭素(0.1g、10%)から、実施例6に記載した方法と同じ方法で取得した(反応時間:48時間)。粗生成物を逆相カラムクロマトグラフィーにより、アセトニトリル/水で溶出精製して、標題化合物を固体(0.085g、25%)として得た。
H−NMR(300MHz,ジメチルスルホキシド−D6):1.42−1.52(m,2H);1.57−1.67(m,2H);2.59−2.65(m,2H);2.74−2.79(m,2H);2.86−2.97(m,4H);3.9−3.16(m,2H);5.18(bs,1H);6.55(d,J=9.89Hz,1H);6.60(bs,1H);6.75(d,J=7.15Hz,1H);6.99(d,J=8.24Hz,1H);7.13(d,J=9.06Hz,1H);7.17−7.33(m,7H);8.22(d,J=9.89Hz,1H);8.79(bs,1H)。
MS(M+):515。
【0158】
中間体64:{2−[3−({[(4−メトキシフェニル)アミノ]カルボニル}アミノ)−フェニル]エチル}カルバミン酸tert−ブチル
中間体32(0.708g、2.7mmol)および4−メトキシアニリン(0.34g、2.97mmol)から、中間体33に記載した方法と同じ方法で取得した。減圧下に溶媒を除去し、標題化合物を得た;これをさらに特別の操作をすることなく次工程で使用した。
【0159】
中間体65:N−[3−(2−アミノエチル)フェニル]−N'−(4−メトキシフェニル)ウレア
中間体64および塩化水素飽和ジオキサンから、中間体34に記載した方法と同じ方法で取得した。粗生成物をアセトニトリル、イソプロピルエーテルおよびエーテルで処理し、沈殿を得て、濾取した。標題化合物を固体(0.33g、43%)として得た;これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0160】
中間体66:N−{3−[2−({(2R,S)−2−[8−(ベンジルオキシ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)エチル]フェニル}−N'−(4−メトキシフェニル)ウレア
中間体65(0.33g、1.16mmol)、8−(ベンジルオキシ)−5−(2,2−ジヒドロキシアセチル)キノリン−2(1H)−オン(0.4g、1.23mmol)および水素化ホウ素ナトリウム(0.12g、3.2mmol)から、中間体35に記載した方法と同じ方法で取得した。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、クロロホルム/メタノール(1:0ないし8:1)で溶出精製して、標題化合物(0.4g、58%)を得た。
【0161】
実施例21:N−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]−アミノ}エチル)フェニル]−N'−(4−メトキシフェニル)ウレア
【化28】

中間体66(0.4g、0.69mmol)およびパラジウム/炭素(0.1g、10%)から、実施例6に記載した方法と同じ方法で取得した(反応時間:24時間)。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、塩化メチレン/メタノール/アンモニウム(40:5:0.5)で溶出精製して、標題化合物を黄色固体(0.22g、64%)として得た。
H−NMR(300MHz,ジメチルスルホキシド−D6):2.68−2.85(m,6H);3.76(s,3H);5.08(bs,1H);6.56(d,J=9.88Hz,1H);6.83(d,J=7.14Hz,1H);6.90−6.97(m,3H);7.11(d,J=7.97Hz,1H);7.18−7.31(m,2H);7.36−7.42(m,3H);8.22(d,J=9.89Hz,1H);8.52(bs,1H);8.58(bs,1H)。
MS(M+):489。
【0162】
中間体67:[2−(3−{[(ビフェニル−4−イルアミノ)カルボニル]アミノ}フェニル)エチル]−カルバミン酸tert−ブチル
中間体32(0.708g、2.7mmol)およびビフェニル−4−アミン(0.47g、2.97mmol)から、中間体33に記載した方法と同じ方法で取得した。減圧下に溶媒を除去し、標題化合物を得た;これをさらに特別に操作することなく次工程で使用した。
【0163】
中間体68:N−[3−(2−アミノエチル)フェニル]−N'−ビフェニル−4−イルウレア
中間体67および塩化水素飽和ジオキサンから、中間体34に記載した方法と同じ方法で取得した。粗生成物をアセトニトリル、イソプロピルエーテルおよびエーテルで処理し、沈殿を得て、これを濾取した。標題化合物を固体(0.54g、60%)として得て、これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0164】
中間体69:N−{3−[2−({(2R,S)−2−[8−(ベンジルオキシ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)エチル]フェニル}−N'−ビフェニル−4−イルウレア
中間体68(0.54g、1.47mmol)、8−(ベンジルオキシ)−5−(2,2−ジヒドロキシアセチル)キノリン−2(1H)−オン(0.4g、1.23mmol)、トリエチルアミン(0.192mL、1.38mmol)および水素化ホウ素ナトリウム(0.12g、3.2mmol)から、中間体35に記載した方法と同じ方法で取得した。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、クロロホルム/メタノール(10:0ないし8:1)で溶出精製して、標題化合物を固体(0.69g、77%)として得た。
【0165】
実施例22:N−ビフェニル−4−イル−N'−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
【化29】

中間体69(0.69g、1.10mmol)およびパラジウム/炭素(0.17g、10%)から、実施例6に記載した方法と同じ方法で取得した(反応時間:48時間)。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、塩化メチレン/メタノール/アンモニニウム(40:5:0.5)で溶出精製した。標題化合物を固体(0.344g、57%)として得た。
H−NMR(300MHz,ジメチルスルホキシド−D6):2.67−2.81(m,6H);4.05(bs,1H);6.51(d,J=9.9Hz,1H);6.81(d,J=7.15Hz,1H);6.91(d,J=7.97Hz,1H);7.08(d,J=8.24Hz,1H);7.15−7.21(m,1H);7.27−7.34(m,3H);7.42−7.46(m,2H);7.54−7.66(m,6H);8.18(d,J=9.89Hz,1H);8.69(bs,1H);8.81(bs,1H)。
MS(M+):535。
【0166】
中間体70:{2−[3−({[(1−アダマンチルメチル)アミノ]カルボニル}アミノ)−フェニル]エチル}カルバミン酸tert−ブチル
中間体32(0.661g、2.5mmol)および2−アダマンチル−1−イル−メチルアミン(0.44g、2.62mmol)から、中間体33に記載した方法と同じ方法で取得した。減圧下に溶媒を除去し、標題化合物を得た;これをさらに特別に操作することなく次工程で使用した。
【0167】
中間体71:N−(1−アダマンチルメチル)−N'−[3−(2−アミノエチル)フェニル]ウレア
中間体70および塩化水素飽和ジオキサンから、中間体34に記載した方法と同じ方法で取得した。粗生成物をアセトニトリル、イソプロピルエーテルおよびエーテルで処理し、沈殿を得て、濾取した。標題化合物を固体(0.426g、49%)として得て、これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0168】
中間体72:N−(1−アダマンチルメチル)−N'−{3−[2−({(2R,S)−2−[8−(ベンジルオキシ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)エチル]フェニル}ウレア
中間体71(0.426g、1.1mmol)、8−(ベンジルオキシ)−5−(2,2−ジヒドロキシアセチル)キノリン−2(1H)−オン(0.4g、1.23mmol)、水素化ホウ素ナトリウム(0.1g、3.2mmol)およびトリエチルアミン(0.154mL、1.1mmol)から、中間体35に記載した方法と同じ方法で取得した。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、クロロホルム/メタノール(10:0ないし10:1)で溶出精製した。標題化合物を黄色泡状物(0.31g、44%)として得た。
【0169】
実施例23:N−(1−アダマンチルメチル)−N'−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
【化30】

メタノール中、中間体72(0.31g、0.5mmol)の溶液に、1.25M塩化水素/メタノールを加えて、pH=5とした。次いで、10%パラジウム/炭素(0.08g)を加えた。反応混合物を風船圧下に室温で一夜水素化した。触媒をセライト(Celite;登録商標)で濾過し、減圧下に溶媒を除去した。粗生成物をエーテルで処理し、沈殿を濾取し、酢酸エチルとアセトニトリルで洗浄して、標題化合物を固体(0.258g、87%)として得た。
H−NMR(300MHz,ジメチルスルホキシド−D6):1.45(bs,5H);1.57−1.6(m,5H);1.93(bs,3H);2.78(bs,2H);2.89−3.20(m,6H);5.40(bs,1H);6.19(bs,1H);6.32(bs,1H);6.58(d,J=9.7Hz,1H);6.75(bs,1H);6.99(d,J=7.7Hz,1H);7.15−7.18(m,3H);7.39(s,1H);8.22(d,J=9.89Hz,1H);8.67(s,1H);8.78(bs,1H);9.1(bs,1H);10.47(bs,1H);10.52(bs,1H)。
MS(M+):568。
【0170】
中間体73:{2−[3−({[(3−フェノキシフェニル)アミノ]カルボニル}アミノ)−フェニル]エチル}カルバミン酸tert−ブチル
中間体32(0.661g、2.5mmol)および3−フェノキシアニリン(0.49g、2.62mmol)から、中間体33に記載した方法と同じ方法で取得した。減圧下に溶媒を除去し、標題化合物を得た;これをさらに特別に操作することなく次工程で使用した。
【0171】
中間体74:N−[3−(2−アミノエチル)フェニル]−N'−(3−フェノキシフェニル)ウレア
中間体73および塩化水素飽和ジオキサンから、中間体34に記載した方法と同じ方法で取得した。粗生成物をアセトニトリル、イソプロピルエーテルおよびエーテルで処理し、沈殿を得て、これを濾取した。標題化合物を固体(0.45g、52%)として得て、さらに精製することなく次工程で使用した。
【0172】
中間体75:N−{3−[2−({(2R,S)−2−[8−(ベンジルオキシ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)エチル]フェニル}−N'−(3−フェノキシフェニル)ウレア
中間体74(0.45g、1.22mmol)、8−(ベンジルオキシ)−5−(2,2−ジヒドロキシアセチル)キノリン−2(1H)−オン(0.4g、1.23mmol)、水素化ホウ素ナトリウム(0.1g、3.2mmol)およびトリエチルアミン(0.147mL、1.05mmol)から、中間体35に記載した方法と同じ方法で取得した。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、クロロホルム/メタノール(10:0ないし10:1)で溶出精製して、標題化合物を黄色泡状物(0.59g、66%)として得た。
【0173】
実施例24:N−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]−アミノ}エチル)フェニル]−N'−(3−フェノキシフェニル)ウレア
【化31】

中間体75(0.49g、0.72mmol)およびパラジウム/炭素(0.1g、10%)から、実施例6に記載した方法と同じ方法で取得した(反応時間:24時間)。粗生成物を逆相カラムクロマトグラフィーにより、アセトニトリル/水で溶出精製して、標題化合物を固体(0.06g、15%)として得た。
H−NMR(300MHz,ジメチルスルホキシド−D6):2.72−2.97(m,6H);5.14(bs,1H);6.52(d,J=9.61Hz,1H);6.59(d,J=9.07Hz,1H);6.8(d,J=7.42Hz,1H);6.93(d,J=8.24Hz,1H);7.02(d,J=8.51Hz,1H);7.08−7.2(m,5H);7.23−7.31(m,3H);7.37−7.43(m,3H);8.16(d,J=9.88Hz,1H);9.26(bs,1H);9.45(bs,1H)。
MS(M+):551。
【0174】
中間体76:1−(3−(2−((2R)−2−(8−(ベンジルオキシ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)−2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチルアミノ)エチル)フェニル)−3−(3−フェニルプロピル)ウレア
N−メチルピロリジノン(40mL)中、中間体40(5.02g、16.88mmol)、(R)−8−(ベンジルオキシ)−5−(2−ブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)キノリン−2(1H)−オン(5g、10.24mmol)の溶液に、炭酸水素ナトリウム(1.1g、12.5mmol)を加えた。反応混合物を110℃で8時間攪拌した。粗反応液を水中に注ぎ、沈殿を濾取した。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、塩化メチレン/メタノール(98:2ないし95:5)で溶出精製して、標題化合物を泡状物(3.3g、46%)として得た。
【0175】
中間体77:N−{3−[2−({(2R)−2−[8−(ベンジルオキシ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)エチル]フェニル}−N'−(3−フェニルプロピル)ウレア
テトラヒドロフラン(60mL)中、中間体76(3.31g、4.7mmol)の溶液に、フッ化テトラブチルアンモニウム三水和物(2.37g、7.51mmol)を加えた。反応混合物を48℃で4時間攪拌した。減圧下に溶媒を除去し、粗生成物を酢酸エチルと水に分配した。有機層を数回水洗し、乾燥して蒸発させた。標題化合物を固体(2.2g、79%)として得た。
【0176】
実施例25:N−[3−(2−{[(2R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]−N'−(3−フェニルプロピル)ウレア
【化32】

中間体77(2.2g、3.72mmol)およびパラジウム/炭素(0.4g、10%)から、実施例6に記載した方法と同じ方法で取得した(反応時間:一夜)。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、塩化メチレン/メタノール/アンモニウム(200:8:1ないし50:8:1)で溶出精製して、標題化合物を固体(0.64g、34%)として得た。
H−NMR(300MHz,ジメチルスルホキシド−D6):1.67−1.77(m,2H);2.57−2.80(m,7H);3.05−3.1(m,3H);5.00(bs,1H);6.17(bs,1H);6.49(d,J=9.89Hz,1H);6.71(d,J=7.41Hz,1H);6.90(d,J=8.24Hz,1H);7.04−7.12(m,2H);7.17−7.31(m,7H);8.16(d,J=9.89Hz,1);8.34(bs,1H)。
MS(M+):501。
【0177】
中間体78:(3−ニトロベンジル)マロン酸ジエチル
エタノール(250mL)中、ナトリウム(7g、0.3mol)の溶液に、マロン酸ジエチル(33mL、0.29mol)および1−(クロロメチル)−3−ニトロベンゼン(50g、0.29mol)をゆっくりと加えた。反応混合物を2時間還流した。粗反応液を冷却し、塩化アンモニウムの飽和溶液に注いだ。有機相をエーテルで抽出し、水と食塩水で洗った。減圧下に溶媒を除去し、標題化合物を油(77.4g、91%)として得た;これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0178】
中間体79:3−(3−ニトロフェニル)プロパン酸エチル
ジメチルスルホキシド(220mL)中、中間体78(77.46g、0.26mol)の溶液に、塩化リチウム(11g、0.26mol)および水を加えた。反応混合物を170℃で5時間攪拌した。粗反応液を氷水(1L)中に注入し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水と食塩水で洗い、乾燥し、減圧下に溶媒を除去し、標題化合物を油(48.76g、84%)として得た;これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0179】
中間体80:3−(3−ニトロフェニル)プロパン酸
エタノール(50mL)中、中間体79(48.76g、0.23mol)の溶液に、2N−水酸化ナトリウム(400mL)を加えた。混合物を一夜還流した。粗反応液を冷却し、水相を塩酸で処理し、エーテルで抽出した。減圧下に溶媒を除去し、油を得て、これをシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、塩化メチレン/メタノール(98:2)で溶出精製した。標題化合物を固体(8.13g、18%)として得た。
【0180】
中間体81:[2−(3−ニトロフェニル)エチル]アミン
硫酸(19mL)中、中間体80(7.75g、39.71mmol)の溶液に、クロロホルム(10mL)を加えた。混合物を50℃で攪拌し、アジ化ナトリウム(3.8g、58.45mmol)をゆっくりと加えた(添加時間:2時間)。反応液を50℃で2時間攪拌した。粗生成物を炭酸カリウム(40g)に注入して反応液を中和し、次いで、水(30mL)を加え、粗生成物を酢酸エチルで抽出した。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、塩化メチレン/メタノール(98:2ないし9:1)で溶出精製して、標題化合物を油(3.92g、59%)として得た。
【0181】
中間体82:8−(ベンジルオキシ)−5−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−{[2−(3−ニトロフェニル)エチル]アミノ}エチル)キノリン−2(1H)−オン
N−メチルピロリジノン(625mL)中、中間体81(3.27g、19.68mmol)および(R)−8−(ベンジルオキシ)−5−(2−ブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)キノリン−2(1H)−オン(5g、10.24mmol)の溶液に、ヨウ化ナトリウム(1.5g、10.21mmol)および炭酸水素ナトリウム(1.7g、19.64mmol)を加えた。反応混合物を封管中、110℃に4時間加熱した。粗反応液を水中に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水と食塩水で洗った。減圧下に溶媒を除去し、得られた粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、塩化メチレン/メタノール(98:2)で溶出精製し、標題化合物を油(3.76g、64%)として得た。
【0182】
中間体83:((2R)−2−[8−(ベンジルオキシ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル]−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)[2−(3−ニトロフェニル)エチル]カルバミン酸tert−ブチル
塩化メチレン(60mL)中、中間体82(3.76g、6.55mmol)の溶液に、ジ炭酸ジ−tert−ブチル(1.43g、6.55mmol)およびトリエチルアミン(0.9mL、6.53mmol)を加えた。反応混合物を室温で2時間攪拌した。減圧下に溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、塩化メチレン/メタノール(100:0ないし99:1)で溶出精製した。標題化合物を油(4.52g、72%)として得た。
【0183】
中間体84:[2−(3−アミノフェニル)エチル]((2R)−2−[8−(ベンジルオキシ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル]−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)カルバミン酸tert−ブチル
メタノール(80mL)中、中間体83(3.52g、5.22mmol)の溶液に、ラネーNiを加えた。反応混合物を風船圧下に1時間水素化した。触媒をセライト(Celite;登録商標)で濾過し、減圧下に溶媒を除去した。標題化合物を泡状物(3g、89%)として得て、これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0184】
中間体85:((2R)−2−[8−(ベンジルオキシ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル]−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル){2−[3−({[(ジフェニルメチル)アミノ]カルボニル}アミノ)−フェニル]エチル}カルバミン酸tert−ブチル
テトラヒドロフラン(130mL)中、中間体84(4.16g、5.62mmol)の溶液に、窒素下、イソシアン酸ベンズヒドリル(1.45mL、7.6mmol)を加えた。反応混合物を室温で24時間攪拌した。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、塩化メチレン/メタノール(100:0ないし95:1)で溶出精製して、標題化合物を泡状物(3.83g、73%)として得た。
【0185】
中間体86:N−{3−[2−({(2R)−2−[8−(ベンジルオキシ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)エチル]フェニル}−N'−(ジフェニルメチル)ウレア
4M−塩化水素/ジオキサン(90mL)中、中間体85(3.6g、4.25mmol)の溶液を室温で2.5時間攪拌した。得られた粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、クロロホルム/メタノール(50:1ないし15:1)で溶出精製して、標題化合物を黄色泡状物(2.3g、83%)として得た。
【0186】
実施例26:N−(ジフェニルメチル)−N'−[3−(2−{[(2R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
【化33】

中間体86(2.3g、3.60mmol)およびパラジウム/炭素(0.19g、10%)から、実施例6に記載した方法と同じ方法で取得した(反応時間:2日間)。得られた粗生成物をエーテルで処理して、沈殿物を濾取し、酢酸エチルで洗って、標題化合物を固体(1.3g、64%)として得た。
H−NMR(300MHz,ジメチルスルホキシド−D6):2.89−3.22(m,6H);5.40(bs,1H);5.95(bs,1H);6.18(bs,1H);6.58(d,J=9.89Hz,1H);6.78(bs,1H);7.00(d,J=7.96Hz,1H);7.16−7.25(m,3H);7.32−7.4(m,10H);7.51(d,J=8.51Hz,1H);8.21(d,J=9.89Hz,1H);8.77(bs,1H);8.9(bs,1H);9.08(bs,1H);10.5(bs,1H)。
MS(M+):549。
【0187】
中間体87:((2R)−2−[8−(ベンジルオキシ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル]−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)[2−(3−{[(ビフェニル−2−イルアミノ)カルボニル]アミノ}フェニル)エチル]カルバミン酸tert−ブチル
中間体84(1.8g、2.74mmol)および2−イソシアナトビフェニル(0.52mL、3.02mmol)から、中間体85に記載した方法と同じ方法で取得した。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、塩化メチレン/メタノール(100:1ないし99:1)で溶出精製して、標題化合物を固体(2g、85%)として得た。
【0188】
中間体88:N−{3−[2−({(2R)−2−[8−(ベンジルオキシ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)エチル]フェニル}−N'−ビフェニル−2−イルウレア
中間体87(2g、2.34mmol)および4M−塩化水素/ジオキサン(35mL)から、中間体86に記載した方法と同じ方法で取得した。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、塩化メチレン/メタノール(98:2ないし95:5)で溶出精製して、標題化合物を固体(1g、71%)として得た。
【0189】
実施例27:N−ビフェニル−2−イル−N'−[3−(2−{[(2R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
【化34】

中間体88(1.44g、2.30mmol)およびパラジウム/炭素(0.25g、10%)から、実施例6に記載した方法と同じ方法で取得した(反応時間:2時間)。得られた粗生成物を逆相カラムクロマトグラフィーにより、アセトニトリル/水で溶出精製した。標題化合物を固体(0.9g、73%)として得た。
H−NMR(300MHz,ジメチルスルホキシド−D6):2.69−2.88(m,6H);5.12(bs,1H);6.51(d,J=9.89Hz,1);6.78(d,J=7.42Hz,1H);6.96(d,J=7.96Hz,1H);7.07−7.35(m,7H);7.4−7.51(m,5H);7.89(bs,1H);8.19(d,J=9.89Hz,1H);9.23(bs,1H)。
MS(M+):535。
【0190】
中間体89:N−{3−[2−({(2R)−2−[4−(ベンジルオキシ)−3−(ホルミルアミノ)フェニル]−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)アミノ)エチル]フェニル}−N'−ビフェニル−2−イルウレア
ジメチルスルホキシド(3mL)中、中間体56(0.79g、2.38mmol)および(R)−N−(2−(ベンジルオキシ)−5−(2−ブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)フェニル)ホルムアミド(1.12g、2.41mmol)の溶液に、炭酸水素ナトリウム(0.6g、7.14mmol)およびヨウ化ナトリウム(0.4g、2.74mmol)を加えた。反応混合物を封管中110℃で1時間攪拌した。粗反応液を水に注ぎ入れ、沈殿を濾取した。得られた粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、塩化メチレン/メタノール(100:0ないし95:5)で溶出精製して、標題化合物を固体(0.65g、38%)として得た。
【0191】
中間体90:N−{3−[2−({(2R)−2−[4−(ベンジルオキシ)−3−(ホルミルアミノ)フェニル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)エチル]フェニル}−N'−ビフェニル−2−イルウレア
中間体89(0.65g、0.91mmol)およびテトラブチルアンモニウム三水和物(0.43g、1.64mmol)から、中間体77に記載した方法と同じ方法で取得した。得られた粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、塩化メチレン/メタノール(100:0ないし95:5)で溶出精製して、標題化合物を固体(0.25g、45%)として得た。
【0192】
実施例28:N−ビフェニル−2−イル−N'−{3−[2−({(2R)−2−[3−(ホルミルアミノ)−4−ヒドロキシフェニル]−2−ヒドロキシ−エチル}アミノ)エチル]フェニル}ウレア
【化35】

メタノール(10mL)中、中間体90(0.25g、0.42mmol)の溶液に、パラジウム/炭素(0.04g、10%)を加えた。反応混合物を室温、30psiで一夜水素化した。触媒をセライト(Celite;登録商標)で濾過し、減圧下に溶媒を除去した。粗生成物をエーテルで処理し、標題化合物を固体(0.136g、71%)を得た。
H−NMR(300MHz,ジメチルスルホキシド−D6):2.59−2.82(m,6H);4.5(bs,1H);6.78−6.87(m,3H);7.06−7.22(m,5H);7.3−7.52(m,6H);7.64(bs,1H);7.92(d,J=7.69Hz,1H);8.02(bs,1H);8.25(bs,1H);8.97(bs,1H);9.54(bs,1H)。
MS(M+):511。
【0193】
中間体91:メチル(3−ニトロベンジル)マロン酸ジエチル
1−(クロロメチル)−3−ニトロベンゼン(50g、0.29mol)、2−メチルマロン酸ジエチル(53g、0.3mol)およびナトリウム(7g、0.3mol)から、中間体78に記載した方法と同じ方法で取得した。粗生成物は油(87.99g、80%)として得た;これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0194】
中間体92:(2R,S)−2−メチル−3−(3−ニトロフェニル)プロパン酸エチル
中間体91(87.96g、0.23mol)および塩化リチウム(22.98g、0.54mol)から、中間体79に記載した方法と同じ方法で取得した(反応時間:5.5時間)。標題化合物は褐色油(55.25g、85%)として得て、これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0195】
中間体93:(2R,S)−2−メチル−3−(3−ニトロフェニル)プロパン酸
中間体92(55.24g、0.2mol)および2N−水酸化ナトリウム(468mL、0.94mol)から、中間体80に記載した方法と同じ方法で取得した。得られた粗生成物をヘキサンで処理し、沈殿物を濾取してヘキサンで洗い、標題化合物は黄褐色固体(42.31g、97%)として得た;これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0196】
中間体94:[(1R,S)−1−メチル−2−(3−ニトロフェニル)エチル]アミン
中間体93(30.3g、0.14mol)、アジ化ナトリウム(13.4g、0.21mol)および硫酸(130mL、95〜98%)から、中間体81に記載した方法と同じ方法で取得した。標題化合物は褐色油(24.7g、91%)として得た。
【0197】
中間体95:[1−メチル−2−(3−ニトロフェニル)エチル]アミン、D−エナンチオマー
メタノール(1140mL)中、中間体94(ラセミ体アミン)(27g、0.15mol)の溶液に、(L)−酒石酸(22.51g、0.15mol)を加えた。混合物を5分間還流し、室温で4.5時間攪拌した。沈殿1を濾取し、冷メタノール(100mL)およびエーテル(×2)で洗浄した。得られた粗生成物は白黄色の固体(33.9g)であり、これをメタノール(1150mL)から再結晶した。沈殿2を得て、これを濾取し、冷却メタノール(50mL)およびエーテル(×2)で洗浄した。沈殿2を水に溶解し、炭酸カリウムを加え、30分攪拌した後、粗生成物をクロロホルムで2回抽出し、標題化合物を右旋性アミン(15.13g;[α]=+19.2°;c=0.01g/mL)として得た。
【0198】
中間体96:[1−メチル−2−(3−ニトロフェニル)エチル]アミン、L−エナンチオマー
沈殿1および2(中間体95)からの濾液の溶媒を減圧下に除去し、白黄色固体を得、これを水中固形の炭酸カリウムで処理し、クロロホルムで2回抽出して、遊離塩基アミンを得た。メタノール(550mL)中、アミン(14.67g、0.08mol)の溶液に(D)−酒石酸(12.22g、0.08mol)を加えた。この混合物を5分間還流し、室温で一夜攪拌した。沈殿を濾取し、冷メタノール/エーテル(1:1)混合物(50mL)で洗浄し、淡黄色固体(18.1g)を得た。この固体を水に溶かし、炭酸カリウムを加え、30分攪拌した後に、粗生成物をクロロホルムで2回抽出し、標題化合物を左旋性アミン(14.7g、[α]=−18.3°;c=0.01g/mL)として得た。
【0199】
中間体97:8−(ベンジルオキシ)−5−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−{[1−メチル−2−(3−ニトロフェニル)エチル]アミノ}エチル)キノリン−2(1H)−オン、異性体a
中間体96(1.37g、7.6mmol)、(R)−8−(ベンジルオキシ)−5−(2−ブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキィ)エチル)キノリン−2(1H)−オン(3.1g、6.35mmol)、炭酸水素ナトリウム(0.6g、7.62mmol)およびヨウ化ナトリウム(1g、6.34mmol)から、中間体82に記載した方法と同じ方法で取得した(反応時間:6時間)。得られた粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、塩化メチレン/メタノール(100:0ないし97:1)で溶出精製して、標題化合物を固体(2.21g、59%)として得た。
【0200】
中間体98:((2R)−2−[8−(ベンジルオキシ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル]−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)[1−メチル−2−(3−ニトロフェニル)エチル]カルバミン酸tert−ブチル、異性体a
中間体97(2.2g、3.74mmol)、ジ炭酸ジ−tert−ブチル(0.82g、3.76mmol)およびトリエチルアミン(0.5mL、3.73mmol)から、中間体83に記載した方法と同じ方法で取得した。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、塩化メチレン/メタノール(100:0ないし99:1)で溶出精製し、標題化合物を泡状物(2g、78%)として得た。
【0201】
中間体99:[2−(3−アミノフェニル)−1−メチルエチル]((2R)−2−[8−(ベンジルオキシ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル]−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)カルバミン酸tert−ブチル、異性体a
中間体98(2.2g、3.2mmol)およびラネーNi(0.2g、3.41mmol)から、中間体84に記載した方法と同じ方法で取得した。減圧下に溶媒を除去し、標題化合物を泡状物(1.8g、85%)として得た;これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0202】
中間体100:((2R)−2−[8−(ベンジルオキシ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル]−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)[2−(3−{[(ビフェニル−2−イルアミノ)カルボニル]アミノ}−フェニル)−1−メチルエチル]カルバミン酸tert−ブチル、異性体a
中間体99(1.8g、2.74mmol)および2−イソシアナトビフェニル(0.52mL、3.02mmol)から、中間体85に記載した方法と同じ方法で取得した。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、塩化メチレン/メタノール(100:0ないし99:1)で溶出精製し、標題化合物を固体(2g、85%)として得た。
【0203】
中間体101:N−{3−[2−({(2R)−2−[8−(ベンジルオキシ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)プロピル]フェニル}−N'−ビフェニル−2−イルウレア、異性体a
中間体100(2g、2.34mmol)および4M−塩化水素/ジオキサン(35mL)から、中間体86に記載した方法と同じ方法で取得した(反応時間:3時間)。得られた粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、塩化メチレン/メタノール(98:2ないし95:5)で溶出精製して、標題化合物を固体(1g、71%)として得た。
【0204】
実施例29:N−ビフェニル−2−イル−N'−[3−(2−{[(2R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}プロピル)フェニル]ウレア(異性体a)
【化36】

中間体101(1g、1.57mmol)およびパラジウム/炭素(0.17g、10%)から、実施例6に記載した方法と同じ方法で取得した(反応時間:2時間)。粗生成物をエーテルで処理し、沈殿を濾取して、標題化合物を固体(0.8g、92%)として得た。
H−NMR(300MHz,ジメチルスルホキシド−D6):1.1(d,J=5.77Hz,3H);2.6−2.67(m,1H);3.06−3.28(m,4H);5.52(bs,1H);6.59(d,J=9.89Hz,1H);6.83(bs,1H);7.01(d,J=8.24Hz,1H);7.12−7.22(m,5H);7.3−7.52(m,7H);7.74(s,1H);7.91(d,J=7.96Hz,1H);8.31(d,J=9.89Hz,1H);8.73(bs,1H);9.14(s,1H);9.49(bs,1H);10.5(bs,1H)。
MS(M+):549。
【0205】
中間体102:[1−メチル−2−(3−ニトロフェニル)エチル]カルバミン酸tert−ブチル
テトラヒドロフラン(30mL)中、中間体95(2.1g、11.65mmol)の溶液に、テトラヒドロフラン(15mL)中のジ炭酸ジ−tert−ブチル(2.54g、11.64mmol)を滴下した。反応混合物を室温で一夜攪拌した。減圧下に溶媒を除去し、粗生成物をシクロヘキサン/水に分配した。有機層を水洗し(×3)、乾燥して蒸発させた。標題化合物を白色固体(3.3g、99%)として得、これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0206】
中間体103:[2−(3−アミノフェニル)−1−メチルエチル]カルバミン酸tert−ブチル、異性体b
メタノール(125mL)中、中間体102(3.3g、11.77mmol)の溶液に、パラジウム/炭素(0.31g、10%)を加えた。反応混合物を風船圧下に室温で4時間水素化した。触媒をセライト(Celite;登録商標)で濾過し、減圧下に溶媒を除去した。標題化合物を油(2.43g、79%)として得、これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0207】
中間体104:[2−(3−{[(ビフェニル−2−イルアミノ)カルボニル]アミノ}フェニル)−1−メチルエチル]カルバミン酸tert−ブチル、異性体b
中間体103(2g、8.19mmol)および2−イソシアナトビフェニル(1.4mL、8.18mmol)から、中間体4に記載した方法と同じ方法で取得した。粗生成物をヘキサンおよびエーテルで処理して沈殿を得、これを濾取して、標題化合物を灰白色固体(3.4g、93%)として得た。
【0208】
中間体105:N−{3−[2−アミノプロピル]フェニル}−N'−ビフェニル−2−イルウレア、異性体b
テトラヒドロフラン(31.6mL)中、中間体104(3.4g、7.73mmol)の溶液に、塩酸(31.6mL、35%)を加えた。混合物を室温で75分間攪拌した。減圧下に溶媒を除去し、水性残渣を炭酸カリウムで処理し、クロロホルム(×2)で抽出した。得られた粗生成物(3g)を1.25M塩化水素/エタノール(14mL)に溶かし、数分間攪拌した。減圧下に溶媒を除去し、標題化合物を塩(2.7g、91%)として得た。
【0209】
中間体106:N−ビフェニル−2−イル−N'−[3−(2−{[(2R)−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−(2,2−ジメチル−4H−1,3−ベンゾジオキシン−6−イル)エチル]アミノ}プロピル)フェニル]ウレア、異性体b
N−メチルピロリジノン(4.13mL)中、中間体105(0.9g、2.61mmol)、(R)−(2−ブロモ−1−(2,2−ジメチル−4H−ベンゾ[d][1,3]ジオキシン−6−イル)エトキシ)(tert−ブチル)ジメチルシラン(0.8g、2.09mmol)の溶液に、炭酸水素ナトリウム(0.22g、2.6mmol)を加えた。反応混合物を封管中、120℃で2.5時間攪拌した。粗反応液を水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。減圧下に溶媒を除去し、得られた粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、クロロホルム/メタノール(75:1ないし25:1)で溶出精製した。標題化合物を油(0.63g、39%)として得た。
【0210】
中間体107:N−ビフェニル−2−イル−N'−[3−(2−{[(2R)−2−(2,2−ジメチル−4H−1,3−ベンゾジオキシン−6−イル)−2−ヒドロキシエチル]アミノ}プロピル)フェニル]ウレア、異性体b
中間体106(0.87g、1.14mmol)およびテトラブチルアンモニウム三水和物(0.7g、2,23mmol)から、中間体77に記載した方法と同じ方法で取得した。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、クロロホルム/メタノール(25:1ないし15:1)で溶出精製して、標題化合物を黄色泡状物(0.59g、93%)として得た。
【0211】
実施例30:N−ビフェニル−2−イル−N'−{3−[2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]−エチル}アミノ)プロピル]フェニル}ウレア、異性体b
【化37】

酢酸/水(4.45mL/2.32mL)混合物中、中間体107(0.48g、0.88mmol)の溶液を80℃で30分間攪拌した。減圧下に溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、クロロホルム/メタノール/アンモニウム(90:10/0.5ないし90/10/1)で溶出精製した。標題化合物を白色固体(0.37g、83%)として得た。
H−NMR(300MHz,ジメチルスルホキシド−D6):0.91(d,J=5.76Hz,3H);2.38−2.45(m,1H);2.61−2.68(m,3H);2.76−2.82(m,1H);4.93(bs,1H);5.01(bs,1H);6.67(d,J=8.24Hz,1H);6.76(d,J=6.59Hz,1H);6.96(d,J=8.24Hz,1H);7.1−7.25(m,6H);7.33(t,J=6.32Hz,1H);7.39−7.44(m,3H);7.49−7.54(m,2H);7.63(s,1H);7.94(d,J=8.24Hz,1H);8.98(bs,1H);9.17(bs,1H)。
MS(M+):512。
【0212】
中間体108:[1−メチル−2−(3−ニトロフェニル)エチル]カルバミン酸tert−ブチル、異性体a
中間体96(2.14g、11.88mmol)およびジ炭酸ジ−tert−ブチル(2.59g、11.87mmol)から、中間体102に記載した方法と同じ方法で取得した。標題化合物を淡黄色固体(3.1g、93%)として得て、これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0213】
中間体109:[2−(3−アミノフェニル)−1−メチルエチル]カルバミン酸tert−ブチル、異性体a
中間体108(3.1g、11.12mmol)およびパラジウム/炭素(0.31g、10%)から、中間体103に記載した方法と同じ方法で取得した。標題化合物を固体(2.78g、96%)として得て、これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0214】
中間体110:[2−(3−{[(ビフェニル−2−イルアミノ)カルボニル]アミノ}フェニル)−1−メチルエチル]カルバミン酸tert−ブチル、異性体a
中間体109(2.7g、11.1mmol)および2−イソシアナトビフェニル(1.9mL、11.1mmol)から、中間体4に記載した方法と同じ方法で取得した(反応時間:一夜)。標題化合物を泡状物(4.1g、84%)として得て、これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0215】
中間体111:N−{3−[2−アミノプロピル]フェニル}−N'−ビフェニル−2−イルウレア、異性体a
中間体110(4.1g、9.4mmol)および塩酸(38mL、35%)から、中間体105に記載した方法と同じ方法で取得した。標題化合物を固体(2.9g、89%)として得て、これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0216】
中間体112:N−ビフェニル−2−イル−N'−[3−(2−{[(2R)−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−(2,2−ジメチル−4H−1,3−ベンゾジオキシン−6−イル)エチル]アミノ}プロピル)フェニル]ウレア、異性体a
中間体111(1.2g、3.6mmol)、(R)−(2−ブロモ−1−(2,2−ジメチル−4H−ベンゾ[d][1,3]ジオキシン−6−イル)エトキシ)(tert−ブチル)ジメチルシラン(1.1g、2.91mmol)および炭酸水素ナトリウム(0.3g、3.63mmol)から、中間体106に記載した方法と同じ方法で取得した。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、塩化メチレン/メタノール(75:1ないし25:1)で溶出精製して、標題化合物を固体(0.9g、44%)として得た。
【0217】
中間体113:N−ビフェニル−2−イル−N'−[3−(2−{[(2R)−2−(2,2−ジメチル−4H−1,3−ベンゾジオキシン−6−イル)−2−ヒドロキシエチル]アミノ}プロピル)フェニル]ウレア、異性体a
中間体112(0.9g、1.35mmol)およびテトラブチルアンモニウム三水和物(0.85g、2.71mmol)から、中間体77に記載した方法と同じ方法で取得した。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、クロロホルム/メタノール(15:1)で溶出精製して、標題化合物を白色泡状物(0.59g、79%)として得た。
【0218】
実施例31:N−ビフェニル−2−イル−N'−{3−[2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)プロピル]フェニル}ウレア、異性体a
【化38】

中間体113(0.59g、1.07mmol)から、酢酸/水(5.4mL/2.7mL)混合物中、実施例30に記載した方法と同じ方法で取得した。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、クロロホルム/メタノール/アンモニウム(90/10/0.5ないし80/20/2)で溶出精製して、標題化合物を白色固体(0.49g、90%)として得た。
H−NMR(300MHz,ジメチルスルホキシド−D6):0.91(d,J=6.04Hz,3H);2.31−2.39(m,1H);2.61−2.83(m,4H);4.46(s,2H);4.97(bs,1H);6.68(d,J=8.24Hz,1H);6.74(d,J=7.4Hz,1H);6.99(d,J=8.24Hz,1H);7.11−7.15(m,2H);7.2−7.25(m,4H);7.33(t,J=8.24Hz,1H);7.40−7.45(m,3H);7.49−7.54(m,1H);7.63(s,1H);7.94(d,J=8.24Hz,1H);8.97(s,1H);9.17(bs,1H)。
MS(M+):512。
【0219】
中間体114:N−(3−{2−[((2R)−2−[8−(ベンジルオキシ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル]−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)アミノ]プロピル}フェニル)−N'−ビフェニル−2−イルウレア、異性体b
中間体105(0.71g、2.06mmol)、(R)−8−(ベンジルオキシ)−5−(2−ブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)キノリン−2(1H)−オン(1g、2.05mmol)、炭酸水素ナトリウム(0.2g、2.62mmol)およびヨウ化ナトリウム(0.3g、2.07mmol)から、中間体82に記載した方法と同じ方法で取得した(反応時間:7時間)。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、塩化メチレン/メタノール(100:0ないし95:5)で溶出精製して、標題化合物を泡状物(0.58g、36%)として得た。
【0220】
中間体115:N−(3−{2−[((2R)−2−[8−(ベンジルオキシ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル]−2−ヒドロキシエチル)アミノ]プロピル}フェニル)−N'−ビフェニル−2−イルウレア、異性体b
中間体114(0.58g、0.77mmol)およびテトラブチルアンモニウム三水和物(0.4g、1.53mmol)から、中間体77に記載した方法と同じ方法で取得した。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、塩化メチレン/メタノール(98:2ないし95:5)で溶出精製して、標題化合物を固体(0.38g、77%)として得た。
【0221】
実施例32:N−ビフェニル−2−イル−N'−[3−(2−{[(2R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}プロピル)フェニル]ウレア、異性体b
【化39】

中間体115(0.38g、0.59mmol)およびパラジウム/炭素(0.15g、10%)から、実施例6に記載した方法と同じ方法で取得した。得られた粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、塩化メチレン/メタノール(98:2ないし95:5)で溶出精製して、標題化合物を固体(0.16g、51%)として得た。
H−NMR(300MHz,ジメチルスルホキシド−D6):0.92(d,J=6.04Hz,3H);2.39−2.47(m,1H);2.65−2.89(m,4H);4.99(bs,1H);6.51(d,J=9.89Hz,1H);6.75(d,J=6.86Hz,1H);6.9(d,J=8.24Hz,1H);7.005(d,J=8.24Hz,1H);7.1−7.25(m,5H);7.33(t,J=7.14Hz,1H);7.4−7.53(m,4H);7.64(s,1H);7.94(d,J=8.24Hz,1H);8.16(d,J=9.82Hz,1H);8.99(s,1H)。
MS(M+):549。
【0222】
中間体116:{2−[3−({[(4−tert−ブチルベンジル)アミノ]カルボニル}アミノ)フェニル]エチル}カルバミン酸tert−ブチル
中間体32(0.6g、2.5mmol)および(3−tert−ブチルフェニル)メタナミン(0.43g、2.6mmol)から、中間体33に記載した方法と同じ方法で取得した。溶媒を除去し、粗生成物をさらに精製することなく次工程で使用した。
【0223】
中間体117:N−[3−(2−アミノエチル)フェニル]−N'−(4−tert−ブチルベンジル)ウレア
中間体116から、中間体34に記載した方法と同じ方法で取得した。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、塩化メチレン/メタノール/アンモニウム(40:2.5:0.1ないし40:8:1)で溶出精製して、標題化合物(0.35g、32%)を得た。
【0224】
中間体118:N−{3−[2−({2−[8−(ベンジルオキシ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)エチル]フェニル}−N'−(4−tert−ブチルベンジル)ウレア
中間体117(0.35g、1.07mmol)、8−(ベンジルオキシ)−5−(2,2−ジヒドロキシアセチル)キノリン−2(1H)−オン(0.33g、1.01mmol)、トリエチルアミン(0.141mL、1.12mmol)および水素化ホウ素ナトリウム(0.1g、1.17mmol)から、中間体35に記載した方法と同じ方法で取得した。標題化合物をさらに精製することなく次工程で使用した(0.19g、40%)。
【0225】
実施例33:N−(4−tert−ブチルベンジル)−N'−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
【化40】

中間体118(0.19g、0.31mmol)およびパラジウム/炭素(0.04g、10%)から、実施例6に記載した方法と同じ方法で取得した(反応時間:6時間)。得られた粗生成物を酢酸エチルで処理し、固体を濾過分取し、標題化合物(0.142g、82%)を得た。
H−NMR(300MHz,ジメチルスルホキシド−D6):1.26(bs,9H);2.89−3.19(m,6H);4.24(s,2H);5.42(bs,1H);6.56(d,J=9.89Hz,1H);6.78(bs,2H);7.01(d,J=8.24Hz,1H);7.14−7.23(m,6H);7.33−7.4(m,3H);8.23(d,J=9.82Hz,1H);8.8(s,1H);9.19(bs,1H);10.51(bs,1H)。
MS(M+):529。
【0226】
中間体119:8−(ベンジルオキシ)−5−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−{[2−(4−ニトロフェニル)エチル]アミノ}エチル)キノリン−2(1H)−オン
ジメチルスルホキシド(14.4mL)中、4−ニトロフェネチルアミンHCl(3g、14.8mmol)の溶液に、炭酸水素ナトリウム(6.18g、73.56mmol)を加え、その混合物を15時間攪拌した。次いで、ヨウ化ナトリウム(2.76g、18.41mmol)および(R)−8−(ベンジルオキシ)−5−(2,2−ジヒドロキシアセチル)キノリン−2(1H)−オン(6g、12.28mmol)を混合物に加えた。反応液を窒素気流下に120℃で2時間攪拌した。粗生成物をエーテルと水に分配し、有機層を数回水洗し、乾燥して減圧下に溶媒を除去した。得られた粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、クロロホルムで溶出精製して、標題化合物を橙色油(3.8g、47%)として得た。
【0227】
中間体120:((2R)−2−[8−(ベンジルオキシ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル]−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)[2−(4−ニトロフェニル)エチル]カルバミン酸tert−ブチル
中間体119(3.8g、6.62mmol)、ジ炭酸ジ−tert−ブチル(1.6g、7.33mmol)およびトリエチルアミン(1.01mL、7.25mmol)から、中間体83に記載した方法と同じ方法で取得した(反応時間:4時間)。減圧下に溶媒を除去し、粗生成物をシクロヘキサン:塩化メチレン/水に分配した。有機層を数回水洗し、乾燥、蒸発させて、標題化合物を黄色泡状物(4.35g、69%)として得て、これをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0228】
中間体121:[2−(4−アミノフェニル)エチル]((2R)−2−[8−(ベンジルオキシ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル]−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)カルバミン酸tert−ブチル
中間体120(4.35g、6.46mmol)およびラネーNi(1g、17.04mmol)から、中間体84に記載した方法と同じ方法で取得した。減圧下に溶媒を除去し、標題化合物を固体(3.66g、67%)として得て、それをさらに精製することなく次工程で使用した。
【0229】
中間体122:((2R)−2−[8−(ベンジルオキシ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル]−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)[2−(4−{[(ビフェニル−2−イルアミノ)カルボニル]アミノ}フェニル)エチル]カルバミン酸tert−ブチル
中間体121(0.9g、1.4mmol)および2−ビフェニルイソシアナート(0.3g、1.54mmol)から、中間体85に記載した方法と同じ方法で取得した。減圧下に溶媒を除去し、標題化合物は単離せずに、さらに精製することなく次工程で使用した。
【0230】
中間体123:N−{4−[2−({(2R)−2−[8−(ベンジルオキシ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)エチル]フェニル}−N'−ビフェニル−2−イルウレア
中間体122および4M−塩化水素/ジオキサンから、中間体86に記載した方法と同じ方法で取得した。得られた粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、クロロホルム/メタノール(8:1)で溶出精製して、標題化合物を固体(0.6g、68%)として得た。
【0231】
実施例34:N−ビフェニル−2−イル−N'−[4−(2−{[(2R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
【化41】

中間体123(0.6g、0.96mmol)、パラジウム/炭素(0.15g、10%)および1.25M−塩化水素/エタノール(2mL)から、実施例6に記載した方法と同じ方法で取得した。得られた粗生成物を酢酸エチルで処理し、固体を得て、これを濾取し、アセトニトリルで洗浄して、標題化合物を白色固体(0.5g、31%)として得た。
H−NMR(300MHz,ジメチルスルホキシド−D6):2.87−3.15(m,6H);5.39(bs,1H);6.15(bs,1H);6.57(d,J=9.89Hz,1H);6.99(d,J=8.24Hz,1H);7.11−7.22(m,5H);7.3−7.53(m,8H);7.69(s,1H);7.89(d,J=8.51Hz,1H);8.22(d,J=9.89Hz,1H);9.0(s,1H);10.5(bs,1H)。
MS(M+):535。
【0232】
中間体124:((2R)−2−[8−(ベンジルオキシ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル]−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル){2−[4−({[(3−フェニルプロピル)アミノ]カルボニル}アミノ)フェニル]エチル}カルバミン酸tert−ブチル
中間体121(1g、1.55mmol)およびイソシアン酸3−フェニルプロピル(0.27g、1.67mmol)から、中間体85に記載した方法と同じ方法で取得した。減圧下に溶媒を除去し、得られた粗生成物をさらに特別の操作を加えることなく次工程で使用した。
【0233】
中間体125:N−{4−[2−({(2R)−2−[8−(ベンジルオキシ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)エチル]フェニル}−N'−(3−フェニルプロピル)ウレア
中間体124および4M−塩化水素/ジオキサン(90mL)から、中間体86に記載した方法と同じ方法で取得した。得られた粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、クロロホルム/メタノール(10:0ないし8:1)で溶出精製して、標題化合物を固体(0.4g、44%)として得た。
【0234】
実施例35:N−[4−(2−{[(2R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}−エチル)フェニル]−N'−(3−フェニルプロピル)ウレア
【化42】

中間体125(0.4g、0.68mmol)およびパラジウム/炭素(0.08g、10%)から、実施例6に記載した方法と同じ方法で取得した(反応時間:3時間)。粗生成物を酢酸エチルで処理し、固形物を濾取し、アセトニトリルで数回洗浄した。標題化合物を固体(0.32g、90%)として得た。
H−NMR(300MHz,ジメチルスルホキシド−D6):1.71(q,J=7.41hz,2H);2.6(t,J=7.42Hz,2H);2.84−3.18(m,8H);5.42(bs,1H);6.37(bs,1H);6.57(d,J=9.89Hz,1H);7.0(d,J=7.97Hz,1H);7.09(d,J=8.51Hz,2H);7.15−7.31(m,6H);7.35(d,J=8.51Hz,2H);8.23(d,J=9.89Hz;1H);8.65(bs,1H);8.77(bs,1H);9.14(bs,1H);10.51(bs,1H)。
MS(M+):501。
【0235】
中間体126:((2R)−2−[8−(ベンジルオキシ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル]−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル){2−[4−({[(ジフェニルメチル)アミノ]カルボニル}アミノ)−フェニル]エチル}カルバミン酸tert−ブチル
中間体121(0.9g、1.4mmol)および(イソシアナトメチレン)ジベンゼン(0.3g、1.43mmol)から、中間体85に記載した方法と同じ方法で取得した(反応時間:40時間)。減圧下に溶媒を除去し、得られた固形物をヘキサンで処理した。沈殿を濾去し、濾液を蒸発させて標題化合物を得た;これをさらに特別の操作を加えることなく次工程で使用した。
【0236】
中間体127:N−{4−[2−({(2R)−2−[8−(ベンジルオキシ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)エチル]フェニル}−N'−(ジフェニルメチル)ウレア
中間体126および4M−塩化水素/ジオキサン(50mL)から、中間体86に記載した方法と同じ方法で取得した(反応時間:2時間)。得られた粗生成物をイソプロピルエーテルで処理し、得られた固形物を濾取、エーテルで洗って、標題化合物を固体(0.35g、36%)として得た;これをさらに特別の操作を加えることなく次工程で使用した。
【0237】
実施例36:N−(ジフェニルメチル)−N'−[4−(2−{[(2R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
【化43】

中間体127(0.35g、0.52mmol)およびパラジウム/炭素(0.07g、10%)から、実施例6に記載した方法と同じ方法で取得した(圧力:35psi;反応時間:3時間)。得られた粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、クロロホルム/メタノール(10:0ないし8:1)で溶出精製して、標題化合物を固体(0.12g、41%)として得た。
H−NMR(300MHz,ジメチルスルホキシド−D6):2.87−3.16(m,6H);5.41(bs,1h);6.00(d,J=8.24Hz,1H);6.59(d,J=9.61Hz,1H);7.19(d,J=8.55Hz,2H);7.26−7.4(m,10H);7.47(d,J=8.51Hz,2H);8.26(d,9.89Hz,1H);8.85(bs,1H)。
MS(M+):549。
【0238】
中間体128:[2−(3−{[(1−アダマンチルアミノ)カルボニル]アミノ}フェニル)−1−メチルエチル]カルバミン酸tert−ブチル、異性体a
中間体109(2.6g、10.5mmol)および1−シアナートアダマンタン(2.2g、12.6mmol)から、中間体85に記載した方法と同じ方法で取得した(反応時間:2時間)。得られた粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、クロロホルム/メタノール(150:1ないし75:1)で溶出精製して、標題化合物を泡状物(3.9g、85%)として得た。
【0239】
中間体129:N−1−アダマンチル−N'−{3−[2−アミノプロピル]フェニル}ウレア、異性体a
中間体128(3.9g、9.15mmol)および4M−塩化水素/ジオキサン(46mL)から、中間体34に記載した方法と同じ方法で取得した(反応時間:2時間)。標題化合物を泡状物(2.9g、99%)として得て、さらに精製することなく次工程で使用した。
【0240】
中間体130:N−1−アダマンチル−N'−[3−(2−{[(2R)−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−(2,2−ジメチル−4H−1,3−ベンゾジオキシン−6−イル)エチル]アミノ}プロピル)フェニル]ウレア、異性体a
中間体129(0.67g、2.07mmol)、(R)−(2−ブロモ−1−(2,2−ジメチル−4H−ベンゾ[d][1,3]ジオキシン−6−イル)エトキシ)(tert−ブチル)ジメチルシラン(0.55g、1.38mmol)およびエチルジイソプロピルアミン(0.48mL、2.76mmol)からなる混合物を封管に容れた。反応混合物を80℃で16時間攪拌した。反応混合物に水を注入し、塩化メチレンで抽出した。有機層を水および食塩水で数回洗い、乾燥して、減圧下に溶媒を除去した。得られた粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、クロロホルム/メタノール(50:1ないし40:1)で溶出精製し、標題化合物を泡状物(0.36g、40%)として得た。
【0241】
中間体131:N−1−アダマンチル−N'−[3−(2−{[(2R)−2−(2,2−ジメチル−4H−1,3−ベンゾジオキシン−6−イル)−2−ヒドロキシエチル]アミノ}プロピル)フェニル]ウレア、異性体a
中間体130(0.6g、0.94mmol)およびフッ化テトラブチルアンモニウム三水和物(0.59g、1.87mmol)から、中間体77に記載した方法と同じ方法で取得した。得られた粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、クロロホルム/メタノール(4:1)で溶出精製して、標題化合物を無色油(0.45g、92%)として得た。
【0242】
実施例37:N−1−アダマンチル−N'−{3−[2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]−エチル}アミノ)プロピル]フェニル}ウレア、異性体a
【化44】

中間体131(0.4g、0.76mmol)および酢酸/水(3.8mL/1.9mL)から、実施例30に記載した方法と同じ方法で取得した。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、クロロホルム/メタノール/アンモニウム(90:10:1ないし90:15:1)で溶出精製した。標題化合物を白色固体(0.27g、75%)として得た。
H−NMR(300MHz,ジメチルスルホキシド−D6):0.9(d,J=6.7Hz,3H);1.06(t,J=6.76Hz,1H);1.63(bs,6H);1.93(bs,6H);2.02(bs,3H);2.62−2.82(m,4H);4.46(s,1H);4.97(bs,1H);5.84(s,1H);6.65−6.69(m,2H);6.97−7.01(m,1H);7.06−7.11(m,2H);7.19(bs,1H);7.36(bs,1H);8.17(s,1H)。
MS(M+):494。
【0243】
中間体132:[2−(3−{[(ビフェニル−2−イルアミノ)カルボニル]アミノ}フェニル)−1,1−ジメチルエチル]カルバミン酸tert−ブチル
6mlのTHF中、0.385g(1.46mmol)の[2−(3−アミノフェニル)−1,1−ジメチルエチル]カルバミン酸tert−ブチル(米国特許US6,150,373、実施例84nの記載に従って入手)および0.25ml(1.46mmol)のイソシアン酸2−ビフェニルからなる混合物を20時間攪拌する。溶媒を除去し、残渣をn−ヘキサン中で30分間破砕し、濾過し、ジエチルエーテルで洗って乾燥する。標題化合物を白色固体(0.52g、77%)として得た。
【0244】
中間体133:N−[3−(2−アミノ−2−メチルプロピル)フェニル]−N'−ビフェニル−2−イルウレア
中間体132(1.13mmol)からの化合物を5mlのTHFに溶解する。35%HCl水5mlを加え、混合物を室温で90分間攪拌する。THFを除去し、水性残渣を炭酸カリウムで中和し、ジクロロメタンで抽出する。乾燥と蒸発後、黄色固体を得る(0.370g、90%)。
【0245】
中間体134:N−{3−[2−({2−[8−(ベンジルオキシ)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)−2−メチルプロピル]フェニル}−N'−ビフェニル−2−イルウレア
5mlのDMSOと4mlのメタノール中、0.265g(0.81mmol)の8−(ベンジルオキシ)−5−(2,2−ジヒドロキシアセチル)キノリン−2(1H)−オンおよび中間体133からの化合物0.293g(0.82mmol)からなる混合物を室温で3時間攪拌する。この系を氷浴で冷却し、水素化ホウ素ナトリウム0.093g(2.46mmol)を分割して加える。室温で2.5時間攪拌した後、過剰の水を加え、黄色の固体を濾過し、水洗し、乾燥する。ジクロロメタン/メタノール(50:1ないし12:1)によるクロマトグラフィー精製の後、標題化合物(0.309g、58%)を得る。
【0246】
実施例38:N−ビフェニル−2−イル−N'−[3−(−{[2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)−エチル]アミノ}2−2メチルプロピル)フェニル]ウレア
【化45】

メタノール(10ml)中、中間体134(0.336g、0.51mmol)および10%パラジウム/炭素(34mg)の混合物を大気圧下、室温で24時間、水素化する。触媒を濾過し、濾液を濃縮する。残渣をジクロロメタン/メタノール(5:1)で溶出するクロマトグラフィーに付して、標題化合物(170mg、58%)を得る。
H−NMR(300MHz,ジメチルスルホキシド−d6):0.94(s,6H);2.54(s,2H);2.70−2.81(m,2H);4.94(m,1H);6.50(d,J=9Hz,1H);6.69(d,J=9Hz,1H);6.91(d,J=9Hz,1H);7.07−7.15(m,3H);7.19−7.24(m,3H);7.29−7.35(m,1H);7.38−7.45(m,3H);7.48−7.54(m,2H);7.64(bs,1H);7.94(d,J=6Hz,1H);8.20(dJ=9Hz,1H);8.95(s,1H)。
MS(M+):563。
【0247】
テストA
ヒト・アドレナリンβおよびβ受容体結合アッセイ
ヒト・アドレナリンβおよびβ受容体に対する結合の検討は、それらを過剰発現するSf9細胞から調製した市販の膜を用いて実施した(パーキン・エルマー)。
アッセイバッファー(75mM−トリス/HCl;12.5mM−MgCl2および2mM−EDTA含有;pH=7.4)中の膜懸濁液(βについては16μg/ウエル;βについては5μg/ウエル)を、0.14nM−3H−CGP12177(アマシャム)および異なる濃度の試験化合物と、最終容量250μlとして、予め+0.3%PEIで処理したGFCマルチスクリーン96穴プレート(ミリポア)中でインキュベートした。非特異的結合は1μM−プロパノールの存在下に測定した。室温で60分間、ゆるやかに振盪しながらインキュベートした。結合反応は濾過と2.5倍容量の50mM−トリス/HCl(pH=7.4)での洗浄により終了させた。受容体に対する各試験化合物の親和性は、二重測定による少なくとも6段階の異なる濃度を用いて測定した。IC50値はSASを用いる非線形回帰により取得した。
【0248】
表1は、これらの化合物が強力な選択的β2アドレナリン受容体アゴニストであることを示す本発明化合物の一部について、ヒト・アドレナリンβおよびβ受容体結合アッセイにおける活性を示す。
【表1】

【0249】
選択した本発明化合物は、β受容体について10nM未満のIC50値、β受容体については20nMを超えるIC50値を示し、β/β比が2.5ないし13であることが判明した。
【0250】
テストB
摘出したモルモットの気管輪に対するアゴニスト活性および作用相殺の測定(静止緊張)
試験化合物および製品
試験化合物を蒸留水に溶解した。それらの一部は溶解させるために、10%ポリエチレングリコール300と数滴の0.1N−HClを使用することが必要であった。イソプレナリン半硫酸塩(シグマI5752)を蒸留水に溶解した。次いで、保存液をクレブス−ヘンゼライト溶液(118mM−NaCl、4.7mM−KCl、2.52mM−CaCl2、1.66mM−MgSO4、24.9mM−NaHCO3、1.18mM−KH2PO4、5.55mM−グルコース、2mM−ピルビン酸ナトリウム)で希釈し、各化合物につき異なる濃度範囲を用意した。
【0251】
実験手法
気管輪における化合物の活性は、すでに記載されている手法(Cortijo et al., Eur J Pharmacol. 1991, 198, 171-176)に従って評価した。簡単に説明すると、成体オスのモルモット(400〜500g)を頭部強打により屠殺し、直ちに瀉血した(腹部大動脈)。気管を摘出し、ペトリ皿中、クレブス溶液に収容した。付着した結合組織を切除し、管腔をクレブス液でゆるやかに洗浄した。各気管を単一の輪に切断した。先ず、綿糸を平滑筋の両側で軟骨に結びつけた。平滑筋靭帯の反対側の軟骨を経て輪を切断して開いた。次いで、輪の一端を歪みゲージに結びつけ、他端を1gの静止張力下に臓器浴に結びつけ、輪の張力の変化を等張トランスデューサーにより測定した。浴にはクレブス液を容れ、30℃で5%CO2/酸素を吹き込んだ。組織は次いで1時間安定に保持した。
【0252】
実験の開始時に、輪弛緩を試験するためにイソプレナリンを0.1μMの濃度で投与した。次いで、輪をクレブス溶液で2回洗い、15〜30分間回復させた。各化合物について、増大、蓄積する濃度範囲(0.01nMないし0.1μM)で、各投与間30分の最大待ち時間で投与した。最大濃度(完全弛緩の達成)とした後、輪標品を1時間、15分ごとに洗浄した。実験終了点で、0.1μMのイソプレナリンを各標品に投与し、最大弛緩状態に戻した。
【0253】
アゴニスト活性および作用相殺の定量
アゴニスト活性は、クレブス溶液中で調製した試験化合物の蓄積増大濃度をアッセイすることにより定量した。各応答の大きさを測定し、イソプレナリンにより誘発される最大弛緩に対するパーセントとして表わした。試験化合物に対する効力値は定数項で表わした(50%弛緩を誘発するために必要な濃度、EC50)。
作用の50%相殺に至るまでの時間を試験化合物の投与終了から50%の回復が得られるまでの時間と定義する。回復時間は試験化合物投与1時間後に到達した回復のパーセント(弛緩喪失)として表わした。
【0254】
本発明で選択した化合物は、1nM未満のEC50値を示し、60分目の回復は10%未満であった。
【0255】
テストC
モルモットにおけるアセチルコリン誘発気管支狭窄
試験化合物および製品
試験化合物を蒸留水に溶解した。それらの一部は溶解させるために、最大10%のポリエチレングリコール300を使用することが必要であった。アセチルコリンHClはシグマ(コードA6625)から供給されたものであり、食塩水に溶解した。
【0256】
実験手法
オスのモルモット(450〜600g)はハーラン(Harlan;オランダ)から供給されたものを、一定温度22±2℃、湿度40〜70%で、室内空気を1時間につき10サイクルとして維持した。モルモットは12時間のサイクル(午前7時から午後7時まで)で人工光で照らした。動物に試験化合物を投与する前に、最少5日間の環境順化期間を置いた。動物は実験前18時間絶食としたが、水への接近は自由とした。
【0257】
モルモットに試験化合物または媒体のエーロゾルを浴びせた。これらのエーロゾルはデビルビス(Devilbiss)ネブライザー(モデル・ウルトラネブ2000、ソマーセット、PA、SA)により水溶液から発生させた。ガス混合物(CO2=5%、O2=21%、N2=74%)はネブライザーから3L/分の割合で放出した。このネブライザーをメタクリル樹脂の箱(17×17×25cm)に接続し、その中にセッション当たり1匹の動物を収容した。それぞれのモルモットは箱の中に合計10分間そのままとした。エーロゾルは0時および5分時にそれぞれ60秒間発生させた(約5mLの溶液を噴霧した)。
【0258】
該化合物は0.1ないし300μg/mlのエーロゾル濃度で投与した。試験化合物の気管支保護作用は、投与1時間後または24時間後に、マムド(Mumed)PR800システムにより評価した。
【0259】
気管支保護作用の測定と計算
モルモットにケタミン(43.75mg/kg)、キシラジン(83.5mg/kg)およびアセプロマジン(1.05mg/kg)を1ml/kgの容量で筋肉内注射して麻酔した。手術部位の毛を剃った後、頚部に2〜3cmの正中切開を入れた。頚静脈を取り出し、ポリエチレンカテーテル(ポルテックス(Portex)(株))によりカニューレ挿入し、4分間隔でアセチルコリン(10および30μg/kg、iv)の静脈内ボーラスができるようにした。頚動脈にカニューレ挿入し、ベントレイ・トレーサー・ドランスデューサーにより血圧を測定した。気管を切開し、テフロンチューブでカニューレ挿入し、呼吸気流測定フライシュに接続して、空気の流れを測定した。動物はウゴ・バシル(Ugo Basile)ポンプにより、1分当たり60回の呼吸の割合で、10ml/kgの容量の換気を行った。経肺圧は、セレスコ(Celesco)トランスデューサーに連結した食道カニューレ(ベノカス(Venocath)−14、ベニシステムズ)により測定した。カニューレ挿入が完了したところで、マムド(Mumed)肺測定コンピュータプログラムが肺測定値を収集し得るようにした。ベースライン値は、適合のために0.3〜0.9mL/cmH2Oの範囲とし、肺抵抗性(RL)については1秒当たり0.1〜0.199cmH2O/mLの範囲とした。
【0260】
吸入した化合物の気管支同時保護作用は、アセチルコリン30μg/kg(iv)で誘発される気管支狭窄の50%阻害(EC50)を惹き起こす試験化合物の濃度により測定した。
【0261】
作用持続時間の測定
選択した本発明化合物は、24時間目のED50/4時間目のED50の比が3未満という長時間の作用持続時間を示す。
【0262】
医薬組成物
医薬製剤は単位投与形態で便益的に提供可能であり、薬学の技術分野にて周知のいずれかの方法により調製し得る。方法はすべて有効成分を担体と会合させる工程からなる。一般に、該製剤は有効成分と、液状担体または微粉末化固体状担体または両方と均一に緊密に会合させ、次いで、要すれば、その生成物を所望の製剤に形状化することにより調製する。
【0263】
経口投与に適する本発明の製剤は、個別の単位として、例えば、それぞれが所定量の有効成分を含有するカプセル、カシェ剤または錠剤として;粉末剤または顆粒剤として;水性液体または非水性液体の溶液または懸濁液として;または水中油型液状エマルジョンもしくは油中水型液状懸濁液として提供し得る。有効成分はまたボーラス、舐剤またはペーストとしても提供し得る。
【0264】
シロップ製剤は一般に、液状担体、例えば、エタノール、ラッカセイ油、オリーブ油、グリセリンまたは水中の該化合物もしくは塩の懸濁液または溶液からなり、芳香剤または着色剤を含む。
【0265】
該組成物が錠剤の形状である場合は、固形製剤を調製するために常套的に使用する医薬担体を使用し得る。かかる担体の例は、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ゼラチン、アラビアゴム、ステアリン酸、デンプン、ラクトースおよびスクロースである。
【0266】
錠剤は、選択肢として、1種以上の補助成分と共に、圧縮または成型することにより製造し得る。圧縮錠剤は、適当な機械装置にて、粉末または顆粒などの流動性形状の有効成分を、選択肢として、結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、潤滑性、界面活性または分散性剤などと混合して圧縮することにより、調製し得る。
【0267】
成型錠剤は、適当な機械装置にて、不活性液状希釈剤で湿潤した粉末化化合物の混合物を成型することにより製造し得る。該錠剤は選択肢として被覆するか、または切れ目を入れ、製剤中の有効成分の放出が遅延または制御されるように製剤化し得る。
【0268】
該組成物がカプセルの形状である場合、常套の被包形成法、例えば、硬ゼラチンカプセルにおける上記の担体を用いる方法が適当である。該組成物が軟ゼラチンカプセルの形状である場合には、分散液または懸濁液を調製するために常套的に使用する医薬担体、例えば、水性ガム、セルロース、ケイ酸塩または油が考えられ、これらを軟ゼラチンカプセルに取り込む。
【0269】
吸入により局所的に肺に送達する乾燥粉末組成物は、例えば、ゼラチンのカプセルとカートリッジとして、または、例えば、ラミネートアルミフォイルのPTP剤として提供され、吸入器または吹入器で使用する。製剤は一般に本発明化合物およびラクトースまたはデンプンなどの適切な粉末基剤(担体物質)の吸入用粉末混合物を含む。ラクトースの使用が好ましい。
各カプセルまたはカートリッジは、一般に、2μgないし150μgの各治療有効成分を含み得る。あるいは、該有効成分は添加剤なしに提供してもよい。
【0270】
製剤の包装は単位投与または多回投与送達に適するものとする。多回投与送達の場合、該製剤は予め計量するか、または用時に計量することができる。乾燥粉末吸入器は、従って、3つのグループ分類される:(a)単回投与量、(b)多回単位投与量、および(c)多回投与用装置。
【0271】
第一のタイプの吸入器の場合、単回投与量を製造者が小型の容器に秤量しており、その容器は殆どの場合、硬ゼラチンカプセルである。カプセルは別個の箱または容器から取り出し、吸入器の貯留領域に挿入しなければならない。次に、カプセルは吸息気流の一部がカプセルを通過して粉末の飛沫同伴を可能とするように、または吸入に際して、遠心力により粉末が穿孔を通してカプセルから放出されるように、ピンまたは切刃により開封または穿孔しなければならない。吸入後、空になったカプセルは、再び吸入器から取り出さねばならない。殆どの場合、吸入器の分解がカプセルの挿入および取り出しのために必要であるが、その操作は一部の患者にとって難しく、また負担となる。
【0272】
吸入粉末用硬ゼラチンカプセルの使用に関連するその他の欠点は、(a)周囲の空気から取り込まれる湿気に対する保護が劣ること;(b)カプセルが極端な相対湿度にすでに晒されてしまった後の開封または穿孔に伴う問題であり、これはフラグメンテーションまたは刻み目の原因となること;および(c)カプセル断片の吸入を起こし得ること;などである。さらに、吸入器中の多くのカプセルについて、不完全な放出が報告されている(例:Nielsen et al, 1997)。
【0273】
一部のカプセル吸入器は、個々のカプセルを受容チャンバーに移送し得るマガジンを有し、そこで穿孔と中身の放出が起こる(記載例:WO92/03175)。他のカプセル吸入器は、薬用量放出用の空気導管と同調し得るカプセルチャンバーを備える分割マガジンを有する(例:WO91/02558およびGB2242134)。それらはPTP型吸入器と共に多回単位投与の吸入器のタイプを構成し、ディスク上またはストリップ上に限定数の単位投与量を保持する。
【0274】
PTP型吸入器は、カプセル型吸入器よりも医薬に対する湿潤防御が良好である。粉末への接近は、カバー並びにPTPフォイルを穿孔することにより、またはカバーフォイルを剥ぎ取ることにより得られる。PTPストリップをディスクの代わりに使用する場合、投与回数を増やすことができるが、患者にとっては空のストリップを取り替えることが不便である。それ故、かかる装置は合体した投与システムと共に、ストリップを移送し、PTPポケットの開口に使用する技術を含め、使い捨てである。
【0275】
多回投与吸入器は予め測定した量の粉末製剤を含んでいない。それらは比較的大きな容器と患者が操作しなければならない用量測定原理からなる。該容器は容積測定置換により粉末のバルクから個々に単離する複数の投与量を担っている。様々な投与量測定原理として、回転式メンブラン(Ex.EP0069715)もしくはディスク(Ex.GB2041763;EP0424790;DE4239402およびEP0674533)、回転式シリンダー(Ex.EP0166294;GB2165159およびWO92/09322)および回転式単位円筒(Ex.WO92/00771)などが存在し、それらすべてが容器から粉末を充填するための空洞を有する。他の多回投与装置は、測定スライド(Ex.US5201308およびWO97/00703)または容器から送達チャンバーもしくは空気導管に特定容量の粉末を移す局所または周辺に凹所を有する測定プランジャ(Ex.EP0505321、WO92/04068およびWO92/04928)、またはゲヌエア(Genuair;登録商標)(以前はノボライザー(Novolizer)SD2FLとして知られる)(以下の特許出願に記載されている:WO97/000703、WO03/000325およびWO03/061742)などの測定スライドを有する。
【0276】
再現性のある投与量測定は、多回投与吸入装置にとっての主要な関心事の一つである。粉末製剤は、投与量測定キャップまたは空洞の充填が殆どの場合に重力の影響下にあるため、良好かつ安定的な流動性をもたなければならない。再充填単回投与量および多回単位投与量吸入器の場合、投与量測定の精度と再現性は製造業者が保障し得る。他方、多回投与量吸入器は、相当に多くの回数の投与量を含み得るが、一方、投与量を用意する操作回数は一般には少ない。
【0277】
多回投与装置における吸気空気流が、多くの場合に、投与量測定空洞に垂直交差するため、また多回投与吸入器の嵩張って固定した投与量測定システムがこの吸気空気流によって撹乱され得ないため、粉末の塊が空洞から簡単に飛沫同伴し、凝集塊の崩壊が殆ど得られないまま放出される。
【0278】
結局、別個の崩壊手段が必要である。しかし、実際には、それらが常に吸入器設計の一部であるわけではない。多回投与装置における投与量の数値が高いため、空気導管の内壁への粉末付着および凝集塊の崩壊手段を最少としなければならないか、および/または装置内の残りの投与量に影響せずに、これらのパーツの通常の清浄化が可能でなければならない。一部の多回投与装置は、処方回数の投与量を摂取した後に取替え可能な、廃棄し得る薬物容器を有している(例:WO97/000703)。このような廃棄し得る薬物容器をもつ半永久的多回投与装置の場合は、薬物の蓄積を防止するための要件がさらにより厳格なものとなる。
【0279】
乾燥粉末吸入器による適用に加えて、本発明組成物は推進ガスを介して操作するエーロゾルとして、またはいわゆるアトマイザーにより投与することが可能であり、これにより薬理学的に活性な物質の溶液を吸入可能な微粒子のミストとなるように、高圧下で噴霧することができる。これらアトマイザーの利点は、推進ガスの使用が完全に施用し得ることである。
【0280】
かかるアトマイザーについては、例えば、PCT特許出願W091/14468および国際特許出願WO97/12687に記載されているが、ここでの参照はその内容に対しなされる。
【0281】
吸入による肺への局所送達用スプレー組成物は、水性溶液もしくは懸濁液として、または適当な液化推進薬を使用する計量した投与量吸入器などの加圧箱から送達されるエーロゾルとして製剤化し得る。吸入に適するエーロゾル組成物は懸濁液かまたは溶液であり、一般に1種または複数の有効成分と適当な推進薬を含み得る;該推進薬は、フルオロ炭素または水素含有クロロフルオロ炭素またはその混合物、特に、ヒドロフルオロアルカン類、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、取分け、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−n−プロパンまたはその混合物である。二酸化炭素または他の適当なガスも推進薬として使用し得る。
【0282】
エーロゾル組成物は添加物なしでもよく、または選択肢として当該技術分野で周知の製剤用添加物、例えば、オレイン酸またはレシチンなどの界面活性剤およびエタノールなどの共溶媒を含んでいてもよい。加圧製剤は一般にバルブ(例えば、計量バルブ)で閉鎖したキャニスター(例えば、アルミ缶)に保持し、マウスピースを備えた作動装置に装着する。
【0283】
吸入により投与する医薬は、制御された粒子径を有するのが望ましい。気管支系へ吸入するための最適な粒子径は、通常、1〜10μ、好ましくは、2〜5μである。20μ以上の径をもつ粒子は、一般に、小気道に到達するように吸入した場合、大きすぎる。これらの粒子径を達成するためには、製造時の有効成分の粒子を通常の手段により、例えば、微粉化によりサイズ縮小させるとよい。所望のフラクションは空気分級または篩い分けにより分別し得る。好ましくは、粒子は結晶性である。
【0284】
微粒子化粉末により高い投与量再現性を達成することは、それらの乏しい流動性と極端な凝集傾向のために困難である。乾燥粉末組成物の効率を改善するために、粒子は吸入器中にある間は大きくあるべきであるが、呼吸気道に放出されるときには小さくあるべきでる。従って、ラクトースまたはグルコースなどの添加物が一般に使用される。添加物の粒子径は通常、本発明内の吸入すべき医薬よりもかなり大きい。添加物がラクトースである場合、典型的には製粉ラクトース、好ましくは、結晶性アルファラクトース一水和物として存在する。
加圧エーロゾル組成物は、一般に、バルブ付き、取分け、計量バルブ付きのキャニスターに充填する。キャニスターは選択肢として、W096/32150に記載されているように、樹脂材料、例えば、フルオロ炭素ポリマーにより被覆してあってもよい。キャニスターは口腔内送達のために備えた作動装置に装着する。
【0285】
鼻腔送達用の典型的な組成物は、上記の吸入用のものを含み、さらに水などの不活性媒体中の溶液または懸濁液の形状の非加圧組成物を含む;選択肢としてこれらは通常の添加物、例えば、バッファー、抗微生物剤、張性修飾剤および粘性修飾剤などと組合わせて、鼻腔用ポンプにより投与し得る。
【0286】
典型的な皮膚および経皮製剤は通常の水性または非水性媒体からなり、例えば、クリーム、ローションもしくはペーストであるか、または医療用プラスター、パッチまたはメンブランの形状である。
【0287】
好ましくは、該組成物は単位投与形態、例えば、錠剤、カプセルまたは計量エーロゾル投与体であり、患者は単回の投与量を投与し得る。
【0288】
各投与単位は、1μgないし100μgの、好ましくは、50μgの本発明によるβ2−アゴニストを含有するのが適当である。
【0289】
治療効果を達成するために必要とされる各活性体の量は、勿論、特定の活性体、投与経路、処置の対象、および処置すべき特定の障害または疾患により変動する。
【0290】
有効成分は所望の活性を示すために充分な、1日1回ないし6回投与するのがよい。好ましくは、有効成分は1日1回または2回投与する。
【0291】
β2−アゴニストと組合わせ得る適切なPDE4インヒビターの例は以下のとおりである:ジマレイン酸ベナフェントリン(benafentrine dimaleate)、エタゾラート(etazolate)、デンブフィリン(denbufylline)、ロリプラム(rolipram)、シパムフィリン(cipamfylline)、ザルダベリン(zardaverine)、アロフィリン(arofylline)、フィラミナスト(filaminast)、チペルカスト(tipelukast)、トフィミラスト(tofimilast)、ピクラミラスト(piclamilast)、トラフェントリン(tolafentrine)、メソプラム(mesopram)、塩酸ドロタベリン(drotaverine hydrochloride)、リリミラスト(lirimilast)、ロフルミラスト(roflumilast)、シロミラスト(cilomilast)、オグレミラスト(oglemilast)、アプレミラスト(apremilast)、テトミラスト(tetomilast)、フィラミナスト(filaminast)、(R)−(+)−4−[2−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)−2−フェニルエチル]ピリジン(CDP−840)、N−(3,5−ジクロロ−4−ピリジニル)−2−[1−(4−フルオロベンジル)−5−ヒドロキシ−1H−インドール−3−イル]−2−オキソアセトアミド(GSK−842470)、9−(2−フルオロベンジル)−N6−メチル−2−(トリフルオロメチル)アデニン(NCS−613)、N−(3,5−ジクロロ−4−ピリジニル)−8−メトキシキノリン−5−カルボキサミド(D−4418)、3−[3−(シクロペンチルオキシ)−4−メトキシベンジル]−6−(エチルアミノ)−8−イソプロピル−3H−プリン塩酸塩(V−11294A)、6−[3−(N,N−ジメチルカルバモイル)フェニルスルホニル]−4−(3−メトキシフェニルアミノ)−8−メチルキノリン−3−カルボキサミド塩酸塩(GSK−256066)、4−[6,7−ジエトキシ−2,3−ビス(ヒドロキシメチル)ナフタレン−1−イル]−1−(2−メトキシエチル)ピリジン−2(1H)−オン(T−440)、(−)−トランス−2−[3'−[3−(N−シクロプロピルカルバモイル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−1−イル]−3−フルオロビフェニル−4−イル]シクロプロパンカルボン酸(MK−0873)、CDC−801、UK−500001、BLX−914、2−カルボメトキシ−4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オン、シス[4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オール、CDC−801、5(S)−[3−(シクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]−3(S)−(3−メチルベンジル)ピペリジン−2−オン(IPL−455903)、ONO−6126(Eur Respir J 2003, 22(Suppl. 45): Abst 2557)およびPCT特許出願番号WO03/097613、WO2004/058729、WO2005/049581、WO2005/123693およびWO2005/123692中の請求項に記載の塩。
【0292】
β2−アゴニストと組合わせ得る適切なコルチコステロイドおよびグルココルチコイドの例は以下のとおりである:プレドニソロン、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン、シペシル酸デキサメタゾン、ナフロコルト(naflocort)、デフラザコルト(deflazacort)、酢酸ハロプレドン(halopredone acetate)、ブデソニド、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ヒドロコルチゾン、トリアムシノロンアセトニド、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、ピバリン酸クロコルトロン(clocortolone pivalate)、メチルプレドニソロン・アセポナート(methylprednisolone aceponate)、パルミチン酸デキサメタゾン、チプレダン(tipredane)、ヒドロコルチゾンアセポナート、プレドニカルバート(prednicarbate)、ジプロピオン酸アルクロメタゾン、ハロメタゾン、メチルプレドニゾロン・スレプタナート(methylprednisolone suleptanate)、フロ酸モメタゾン、リメキソロン(rimexolone)、ファルネシル酸プレドニゾロン、シクレソニド、プロピオン酸ブチキソコルト(butixocort propionate)、RPR−106541、プロピオン酸デプロドン、プロピオン酸フルチカゾン、フロ酸フルチカゾン、プロピオン酸ハロベタゾール(halobetasol propionate)、ロテプレドノール・エタボナート(loteprednol etabonate)、酪酸プロピオン酸ベタメタゾン、フルニソリド(flunisolide)、プレドニゾン、リン酸デキサメタゾンナトリウム、トリアムシノロン、17−吉草酸ベタメタゾン、ベタメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、21−クロロ−11ベータ−ヒドロキシ−17アルファ−[2−(メチルスルファニル)アセトキシ]−4−プレグネン−3,20−ジオン、デスイソブチリルシクレソニド(Desisobutyrylciclesonide)、酢酸ヒドロコルチゾン、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、NS−126、リン酸プレドニゾロンナトリウム、およびヒドロコルチゾン・プロブタート(hydrocortisone probutate)、メタスルホ安息香酸プレドニゾロンおよびプロピオン酸クロベタゾール。
【0293】
β2−アゴニストと組合わせ得る適切なM3アンタゴニスト(抗コリン作動薬)の例は以下のとおりである:チオトロピウム塩、オキシトロピウム塩、フルトロピウム塩、イプラトロピウム塩、グリコピロニウム塩、トロスピウム塩、ザミフェナシン(zamifenacin)、レバトロパート(revatropate)、エスパトロパート(espatropate)、NPC−14695、BEA−2108、3−[2−ヒドロキシ−2,2−ビス(2−チエニル)アセトキシ]−1−(3−フェノキシプロピル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン塩(特に、アクリジニウム塩、より好ましくは、臭化アクリジニウム)、1−(2−フェニルエチル)−3−(9H−キサンテン−9−イルカルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン塩、2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキナゾリン−3−カルボン酸エンド−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルエステル塩(DAU−5884)、3−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−1−シクロブチル−1−ヒドロキシ−1−フェニルプロパン−2−オン(NPC−14695)、N−[1−(6−アミノピリジン−2−イルメチル)ピペリジン−4−イル]−2(R)−[3,3−ジフルオロ−1(R)−シクロペンチル]−2−ヒドロキシ−2−フェニルアセトアミド(J−104135)、2(R)−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−N−[1−[4(S)−メチルヘキシル]ピペリジン−4−イル]−2−フェニルアセトアミド(J−106366)、2(R)−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−N−[1−(4−メチル−3−ペンテニル)−4−ピペリジニル]−2−フェニルアセトアミド(J−104129)、1−[4−(2−アミノエチル)ピペリジン−1−イル]−2(R)−[3,3−ジフルオロシクロペント−1(R)−イル]−2−ヒドロキシ−2−フェニルエタン−1−オン(万有−280634)、N−[N−[2−[N−[1−(シクロヘキシルメチル)ピペリジン−3(R)−イルメチル]カルバモイル]エチル]カルバモイルメチル]−3,3,3−トリフェニルプロピオンアミド(万有CPTP)、2(R)−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−フェニル酢酸4−(3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル)−2−ブチニルエステル(ランバクシイ364057)、ヨウ化3(R)−[4,4−ビス(4−フルオロフェニル)−2−オキソイミダゾリジン−1−イル]−1−メチル−1−[2−オキソ−2−(3−チエニル)エチル]ピロリジニウム、トリフルオロ酢酸N−[1−(3−ヒドロキシベンジル)−1−メチルピペリジニウム−3(S)−イル]−N−[N−[4−(イソプロポキシカルボニル)フェニル]カルバモイル]−L−チロシンアミド、UCB−101333、メルクOrM3、7−エンド−(2−ヒドロキシ−2,2−ジフェニルアセトキシ)−9,9−ジメチル−3−オキサ−9−アゾニアトリシクロ[3.3.1.0(2,4)]ノナン塩、ヨウ化3(R)−[4,4−ビス(4−フルオロフェニル)−2−オキソイミダゾリジン−1−イル]−1−メチル−1−(2−フェニルエチル)ピロリジニウム、臭化トランス−4−[2−[ヒドロキシ−2,2−(ジチエン−2−イル)アセトキシ]−1−メチル−1−(2−フェノキシエチル)ピペリジニウム(ノバルティスから(412682))、7−(2,2−ジフェニルプロピオニルオキシ)−7,9,9−トリメチル−3−オキサ−9−アゾニアトリシクロ[3.3.1.02,4]ノナン塩、7−ヒドロキシ−7,9,9−トリメチル−3−オキサ−9−アゾニアトリシクロ[3.3.1.02,4]ノナン9−メチル−9H−フルオレン−9−カルボン酸エステル塩;これらはすべて選択肢としてそのラセミ体、そのエナンチオマー、そのジアステレオマーおよびその混合物の形状にあり、また選択肢としてその薬理学的に互換性のある酸付加塩の形状であってもよい。塩としては、塩化物、臭化物、ヨウ化物およびメタンスルホン酸塩が好適である。
【0294】
本発明による特に好適な医薬組成物は、式(I)で示される化合物と以下からなる群より選択される1種以上のさらなる治療薬の治療有効量を含有してなる:フロ酸モメタゾン、シクレソニド、ブデソニド、プロピオン酸フルチカゾン、フロ酸フルチカゾン、チオトロピウム塩、グリコピロニウム塩、3−[2−ヒドロキシ−2,2−ビス(2−チエニル)アセトキシ]−1−(3−フェノキシプロピル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン塩(特に、アクリジニウム塩、好ましくは、臭化アクリジニウム)、1−(2−フェニルエチル)−3−(9H−キサンテン−9−イルカルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン塩、ロリプラム、ロフルミラスト、シロミラスト、およびPCT特許出願番号WO03/097613、WO2004/058729、WO2005/049581、WO2005/123693およびWO2005/123692の請求項に記載された化合物。
【0295】
さらに特に好適な本発明の医薬組成物は、式(I)で示される化合物と以下からなる群より選択される1種以上のさらなる治療薬の治療有効量を含有してなる:フロ酸モメタゾン、シクレソニド、ブデソニド、プロピオン酸フルチカゾン、フロ酸フルチカゾン、チオトロピウム塩、グリコピロニウム塩、3−[2−ヒドロキシ−2,2−ビス(2−チエニル)アセトキシ]−1−(3−フェノキシプロピル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン塩(特に、アクリジニウム塩、好ましくは、臭化アクリジニウム)、1−(2−フェニルエチル)−3−(9H−キサンテン−9−イルカルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン塩、ロリプラム、ロフルミラスト、およびシロミラスト。
【0296】
従って、本発明の一側面において、該組成物は式(I)で示される化合物とコルチコステロイドを含有してなる。特に好適なコルチコステロイドは、フロ酸モメタゾン、シクレソニド、ブデソニド、フロ酸フルチカゾンおよびプロピオン酸フルチカゾンからなる群より選択されるものである。
【0297】
本発明の別の側面において、該組成物は式(I)で示される化合物と抗コリン作動薬を含有してなる。特に好適な抗コリン作動薬は、チオトロピウム塩、グリコピロニウム塩、3−[2−ヒドロキシ−2,2−ビス(2−チエニル)アセトキシ]−1−(3−フェノキシプロピル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン塩および1−(2−フェニルエチル)−3−(9H−キサンテン−9−イルカルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン塩からなる群より選択されるものである。該組成物はさらに、フロ酸モメタゾン、シクレソニド、ブデソニド、フロ酸フルチカゾンおよびプロピオン酸フルチカゾンからなる群より選択されるコルチコステロイドを含有してなる。
【0298】
本発明のさらに他の側面において、該組成物は式(I)で示される化合物とPDE4インヒビターを含有してなる。特に好適なPDE4インヒビターは、ロリプラム、ロフルミラスト、シロミラストおよびPCT特許出願番号WO03/097613、WO2004/058729、WO2005/049581、WO2005/123693およびWO2005/123692の請求項に記載されている化合物からなる群より選択されるものである。該組成物はさらにフロ酸モメタゾン、シクレソニド、ブデソニド、フロ酸フルチカゾンおよびプロピオン酸フルチカゾンからなる群より選択されるコルチコステロイドを含有し得る。本発明化合物に加えて、またPDE4インヒビターに加えて、該組成物はさらに、チオトロピウム塩、グリコピロニウム塩、3−[2−ヒドロキシ−2,2−ビス(2−チエニル)アセトキシ]−1−(3−フェノキシプロピル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン塩および1−(2−フェニルエチル)−3−(9H−キサンテン−9−イルカルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン塩からなる群より選択される抗コリン作動薬を含有し得る。
【0299】
本発明の好適な実施態様において、該組成物は式(I)で示される化合物と治療有効量の3−[2−ヒドロキシ−2,2−ビス(2−チエニル)アセトキシ]−1−(3−フェノキシプロピル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン塩を含有してなる。選択肢として、該組成物はさらにコルチコステロイドおよび/またはPDE4インヒビターを含有してなる。
【0300】
本発明の別の好適な実施態様において、該組成物は式(I)で示される化合物と治療有効量のフロ酸モメタゾンを含有してなる。選択肢として、該組成物はさらに抗コリン作動薬および/またはPDE4インヒビターを含有してなる。
【0301】
本発明の別の実施態様において、該組成物は式(I)で示される化合物、コルチコステロイド、抗コリン作動薬およびPDE4インヒビターを含有してなる。
【0302】
本発明組成物は呼吸器系疾患の処置に使用し得る;その場合、気管支拡張剤の使用が、例えば、喘息、急性または慢性の気管支炎、気腫、または慢性閉塞性肺疾患(COPD)などに対して有益な作用を示すと期待される。
【0303】
組合せにおける活性化合物、すなわち、本発明のβ2−アゴニストおよびPDE4インヒビター、コルチコステロイドもしくはグルココルチコイドおよび/または抗コリン作動薬は、同じ医薬組成物と一緒に、または別個の、同時の、付随する、もしくは連続的投与を企図する異なる組成物として、同じ経路で、または異なる経路で投与し得る。
【0304】
すべての活性剤は同時に、または時間的に非常に接近して投与することを考慮すべきである。あるいは、1種または2種の活性剤を朝に服用し、他方をその日の後半に服用してもよい。または、別の予定の計画では、1種または2種の活性剤を1日2回服用し、他方を1日1回服用してもよく、1日2回投与の1回は同時に、または別個に行う。好ましくは、活性剤の少なくとも2種、より好ましくはすべてを同時に一緒に服用する。好ましくは、少なくとも2種、より好ましくはすべての活性剤は混合物として投与する。
【0305】
本発明による活性物質の組成物は、好ましくは、吸入器、取分け、乾燥粉末吸入器の助けを借りて送達される吸入用組成物の形状で投与するが、しかし、他の形状または非経口もしくは経口適用も可能である。ここで、吸入用組成物の適用は、取分け、閉塞性肺疾患の治療において、または喘息の処置のために好適な適用形態を具現化する。
【0306】
本発明活性化合物の製剤化のために添加する適切な担体については、レミントンの薬剤学テキスト(Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 20th Edition, Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia, Pa., 2000)に見出し得る。以下の非限定的実施例は本発明の代表的医薬組成物を説明するものである。
【0307】
製剤例1(経口用懸濁液)
【表2】

【0308】
製剤例2(経口投与用硬ゼラチンカプセル)
【表3】

【0309】
製剤例3(吸入用ゼラチンカートリッジ)
【表4】

【0310】
製剤例4(DPIによる吸入用製剤)
【表5】

【0311】
製剤例5(MDI用製剤)
【表6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
は−CHOH、−MHCOHから選択される基であり、そして
は水素原子であるか;または
がRと一緒になって基−NHC(O)CH=CH−を形成する(式中の窒素原子はRを担持するフェニル環の炭素原子に結合し、炭素原子はRを担持するフェニル環の炭素原子に結合する);
3aおよびR3bは独立して、水素原子およびC1−4アルキル基からなる群より選択される;
nは0ないし6から選択される整数である;
は任意に置換されていてもよい単環式もしくは多環式C3−10シクロアルキル基、任意に置換されていてもよい単環式C5−10アリール基、およびC5−10アリールおよびC5−10アリールオキシ基から選択される1個以上の置換基が置換するメチル基からなる群より選択される;
ただし、単環式もしくは多環式C3−10シクロアルキルおよび単環式C5−10アリール基は独立して、ハロゲン原子、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C5−10アリールおよびC5−10アリールオキシ基から選択される1個以上の置換基により置換されていてもよい]
で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物もしくは立体異性体。
【請求項2】
がRと一緒になって基−NHC(O)CH=CH−を形成し、式中の窒素原子がRを担持するフェニル環の炭素原子に結合し、炭素原子がRを担持するフェニル環の炭素原子に結合する請求項1記載の化合物。
【請求項3】
3aおよびR3bが独立して、水素原子およびメチル基からなる群より選択される請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
3aが水素原子を表わし、R3bが水素原子およびメチル基からなる群より選択される請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
nが0ないし3の値を有する請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
【請求項6】
nが0または1の値を有する請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
が単環式もしくは多環式C4−10シクロアルキル、フェニル基、およびフェニル基およびフェニルオキシ基から選択される1個または2個の置換基が置換するメチル基からなる群より選択され;該シクロアルキルおよびフェニル基が、独立して、フッ素および塩素原子、メトキシ、フェニルおよびフェノキシ基から選択される1個以上の置換基により任意に置換されていてもよい請求項1〜7のいずれかに記載の化合物。
【請求項8】
が、−CH(Ph)、シクロヘキシル、1−アダマンチル、およびフェニル基からなる群より選択され;該フェニル基がメトキシ、フェニルおよびフェノキシ基から選択される1個以上の置換基により任意に置換されていてもよい請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
が、−CH(Ph)およびフェニル基からなる群より選択され;該フェニル基がメトキシ、およびフェニル基から選択される1個または2個の置換基により任意に置換されていてもよい請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
式(IA):
【化2】

(式中、R、R、R3a、R3b、Rおよびnは請求項1〜9のいずれか1項に定義したとおりである)
で示される請求項1〜9のいずれかに記載の化合物。
【請求項11】
式(IA):
【化3】

(式中、
はRと一緒になって基−NHC(O)CH=CH−を形成する(式中の窒素原子はRを担持するフェニル環の炭素原子に結合し、炭素原子はRを担持するフェニル環の炭素原子に結合する);
3aは水素原子を表わし、R3bは水素原子およびメチル基からなる群より選択される;そして
nは0または4の値をもつ;
はフェニル基および−CH(Ph)基からなる群より選択され;該フェニル基がメトキシ、およびフェニル基から選択される1個または2個の置換基により任意に置換されていてもよい)
を有する請求項1〜10のいずれかに記載の化合物。
【請求項12】
以下の化合物の一つである請求項1記載の化合物:
N−ベンジル−N'−{3−[(2R,S)−2−({(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−フェニル]エチル}アミノ)プロピル]フェニル}ウレア
N−ベンジル−N'−{4−[(2R,S)−2−({(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−フェニル]エチル}アミノ)プロピル]フェニル}ウレア
N−ベンジル−N'−[3−((2R,S)−2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}プロピル)フェニル]ウレア
N−{3−[(2R,S)−2−({(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]−エチル}アミノ)プロピル]フェニル}−N'−(2−メトキシベンジル)ウレア
N−(2,6−ジメトキシベンジル)−N'−{3−[(2R,S)−2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)プロピル]フェニル}ウレア
N−[3−((2R,S)−2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}プロピル)フェニル]−N'−(2−メトキシベンジル)ウレア
N−ベンジル−N'−{3−[2−({(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]−エチル}アミノ)エチル]フェニル}ウレア
N−ベンジル−N'−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
N−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]−アミノ}エチル)フェニル]−N'−(2−メトキシベンジル)ウレア
N−(4−フルオロベンジル)−N'−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
N−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]−アミノ}エチル)フェニル]−N'−(2−フェニルエチル)ウレア
N−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]−アミノ}エチル)フェニル]−N'−(3−フェニルプロピル)ウレア
N−{3−[2−({(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}−アミノ)エチル]フェニル}−N'−(3−フェニルプロピル)ウレア
N−(ジフェニルメチル)−N'−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
N−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]−アミノ}エチル)フェニル]−N'−フェニルウレア
N−1−アダマンチル−N'−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
N−(2,6−ジクロロベンジル)−N'−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
N−ビフェニル−2−イル−N'−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
N−シクロヘキシル−N'−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
N−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]−アミノ}エチル)フェニル]−N'−(4−フェニルブチル)ウレア
N−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]−アミノ}エチル)フェニル]−N'−(4−メトキシフェニル)ウレア
N−ビフェニル−4−イル−N'−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
N−(1−アダマンチルメチル)−N'−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
N−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]−アミノ}エチル)フェニル]−N'−(3−フェノキシフェニル)ウレア
N−[3−(2−{[(2R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]−アミノ}エチル)フェニル]−N'−(3−フェニルプロピル)ウレア
N−(ジフェニルメチル)−N'−[3−(2−{[(2R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
N−ビフェニル−2−イル−N'−[3−(2−{[(2R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
N−ビフェニル−2−イル−N'−{3−[2−({(2R)−2−[3−(ホルミルアミノ)−4−ヒドロキシフェニル]−2−ヒドロキシ−エチル}アミノ)エチル]フェニル}ウレア
N−ビフェニル−2−イル−N'−[3−(2−{[(2R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}プロピル)フェニル]ウレア(異性体A)
N−ビフェニル−2−イル−N'−{3−[2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]−エチル}アミノ)プロピル]フェニル}ウレア(異性体B)
N−ビフェニル−2−イル−N'−{3−[2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]−エチル}アミノ)プロピル]フェニル}ウレア(異性体A)
N−ビフェニル−2−イル−N'−[3−(2−{[(2R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}プロピル)フェニル]ウレア(異性体B)
N−(4−tert−ブチルベンジル)−N'−[3−(2−{[(2R,S)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
N−ビフェニル−2−イル−N'−[4−(2−{[(2R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
N−[4−(2−{[(2R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}−エチル)フェニル]−N'−(3−フェニルプロピル)ウレア
N−(ジフェニルメチル)−N'−[4−(2−{[(2R)−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)エチル]アミノ}エチル)フェニル]ウレア
N−1−アダマンチル−N'−{3−[2−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]−エチル}アミノ)プロピル]フェニル}ウレア、異性体a
N−ビフェニル−2−イル−N'−[3−(−{[2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル)−エチル]アミノ}2−2メチルプロピル)フェニル]ウレア
および薬学的に許容されるその塩および溶媒和物。
【請求項13】
請求項1ないし12のいずれか1項に記載の化合物の治療有効量および薬学的に許容される担体を含有してなる医薬組成物。
【請求項14】
該組成物がさらに1種以上の他の治療薬の治療有効量を含有してなる請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項15】
該他の治療薬がコルチコステロイド、抗コリン作動薬、またはPDE4インヒビターである請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項16】
該組成物が吸入による投与用に製剤化したものである請求項13ないし15のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項17】
請求項1ないし12のいずれか1項に記載の化合物および請求項14または15に定義した1種以上の他の治療薬を含んでなる組合せ。
【請求項18】
β2アドレナリン受容体活性と関連する病理学的症状または疾患の処置に使用する請求項1ないし12のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項19】
該病理学的症状または疾患が、肺疾患から選択される請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
該肺疾患が喘息または慢性閉塞性肺疾患である請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
該病理学的症状または疾患が、早産、緑内障、神経障害、心臓障害および炎症からなる群より選択される請求項18に記載の化合物。
【請求項22】
請求項18ないし21のいずれか1項に定義した病理学的症状または疾患の処置用の医薬の製造のための請求項1ないし12のいずれか1項に定義した化合物の使用。
【請求項23】
請求項18ないし21のいずれか1項に定義した病理学的症状または疾患に罹患した患者の処置方法であって、請求項1ないし12のいずれか1項に定義した化合物の有効量を当該患者に投与することからなる方法。
【請求項24】
請求項14または15に定義した1種以上の他の治療薬の治療有効量をさらに投与することからなる請求項23に記載の方法。
【請求項25】
β2アドレナリン受容体活性の変調方法であって、請求項1ないし12のいずれか1項に記載した化合物の変調量でβ2アドレナリン受容体を刺激することからなる方法。

【公表番号】特表2011−517316(P2011−517316A)
【公表日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−548032(P2010−548032)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【国際出願番号】PCT/EP2009/001431
【国際公開番号】WO2009/106351
【国際公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(598032139)アルミラル・ソシエダッド・アノニマ (69)
【氏名又は名称原語表記】Almirall, S.A.
【Fターム(参考)】