ごみの収集および選別方法、収集および選別装置
【課題】
輸送コストの増大を抑えつつ、ごみを簡易に分別することができるごみの収集および選別方法、収集および選別装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
ごみの種類ごとに分けた複数種のごみ袋にごみを分別し、該複数種のごみ袋を同一の車両にて収集し、収集された分別ごみを前記ごみ袋の種類毎に選別し、好ましくは、前記複数種のごみ袋が、ごみ袋の色によって区別されることを特徴とするごみの収集および選別方法、収集および選別装置。
輸送コストの増大を抑えつつ、ごみを簡易に分別することができるごみの収集および選別方法、収集および選別装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
ごみの種類ごとに分けた複数種のごみ袋にごみを分別し、該複数種のごみ袋を同一の車両にて収集し、収集された分別ごみを前記ごみ袋の種類毎に選別し、好ましくは、前記複数種のごみ袋が、ごみ袋の色によって区別されることを特徴とするごみの収集および選別方法、収集および選別装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ごみの収集および選別方法、収集および選別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
資源の有効利用の観点から、廃棄物からの有用物の回収率を向上させること、より高い効率でエネルギー回収を実施すること等が求められている。混ぜればごみ、分ければ資源といわれるとおり、性状が均質なものを抽出することができれば資源化が可能なものは多数ある。しかし、家庭での徹底したごみの分別は家庭での負荷が高いと共に、分別の精度が低く、異物が混入することが多かった。
【0003】
従来、家庭にて生ごみとその他の可燃ごみを分別し、各々を別々に回収し生ごみをメタン発酵する方法が一部の地域で行われていた。しかし、生ごみのみを分別回収していたため、1)生ごみの収集頻度が低下し、家庭での臭気の原因となる。2)1箇所での収集量が少なく、広範囲を回収する必要があり、回収コストの増大を招く。3)バケツ等での回収を実施した場合にはカラスや蝿等の発生があり、不衛生であった。また、収集日を多くせざるを得なくなり、収集コストの増大を招くと共に、燃料消費量が増大し、エネルギー消費も多くなったうえ、ごみを複数の日に出す必要があり、家庭からの排出に人手がかかるという問題点があった。
【0004】
また、一般ゴミを全て同じ袋で回収し、破砕・選別後生ごみの資源化を行うことは、国内では試験的に実施されていたが、実用化された例はない。欧州
では同一の袋で回収し、機械選別を行うMBTが普及しつつある。しかし、機械選別の装置が複雑になり、コストが高くなると共に、異物の巻きつき、詰まり、破砕機の故障等のトラブルが多く、安定的な運転が困難である。全ての廃棄物を処理するために、事前処理設備が複雑になりすぎる。また、紙等については生ごみ等の水分を含んだごみからの分別が難しいという問題点があった。
【0005】
そこで、生ごみとその他の可燃ごみを別々の袋に入れ、各々の袋を2室分別収集車で別々の室に分けて回収する方法が考えられる。しかし、2室分別収集車の製造に多大なコストがかかる、2室両方が同時にいっぱいになることがなく、収集が非効率的になるうえ、2種の分別が最大となるという問題点があった。
【0006】
また、生ごみの資源化では一般的に生ごみをバケツに入れて分別回収している自治体もあるが、臭気の問題、蝿、カラス等の問題があった。
また、特開2004−269150号公報(下記特許文献1)には、ごみ排出者は家庭識別カードを提示し、シール付きごみ収集袋に貼付されるごみ排出シールまたはごみ収集袋に貼付するためのごみ排出シールに家庭識別用のバーコードを印刷して、それらを購入してシール付きごみ収集袋やごみ排出シールを貼付したごみ収集袋にごみを投入してごみステーションに出すと、収集作業者が各袋毎にバーコードの読み取りとごみの計量をした結果を、携帯読取り端末に入力し、ネット通信を利用したデータ伝送により、ごみ処理管理センターに設けたホストコンピューターへ送信する。これにより、可燃ごみと資源ごみ、厨芥ごみおよび粗大ごみ等の排出元を特定することができ、ごみ処理料金請求・支払センターで一括して各家庭への請求・支払い事務を行うことにより、排出されたごみの種類や排出者を容易に特定でき、従って、課金も容易で、さらには、ごみ収集車の搬送管理を効率的に行うことができ、ごみ排出者の煩わしさを低減できるごみ収集システムが記載されている。しかし、この方法は、シール作成のためのコストがかかると共に、人力による読み取り、選別が必要となり大きな労力とコストが必要となる。また、ごみの分別数を増やして分別回収する場合には各ごみ毎に車両を分ける必要があり、分別の効率は向上しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−269150号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前述のような従来技術の問題点を解決し、輸送コストの増大を抑えつつ、ごみを簡易に分別することができるごみの収集および選別方法、収集および選別装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前述の課題を解決すべく鋭意検討の結果、ごみの種類ごとに分けた複数種のごみ袋にごみを分別し、該複数種のごみ袋を同一の車両にて収集し、収集された分別ごみを前記ごみ袋の種類毎に選別することにより、輸送コストの増大を抑えつつ、ごみを簡易に分別することができるごみの収集および選別方法、収集および選別装置を見出したものであり、その要旨とするところは特許請求の範囲に記載した通りの下記内容である。
(1)ごみの種類ごとに分けた複数種のごみ袋にごみを分別し、該複数種のごみ袋を同一の車両にて収集し、収集された分別ごみを前記ごみ袋の種類毎に選別することを特徴とするごみの収集および選別方法。
(2)前記複数種のごみ袋が、ごみ袋の色によって区別されることを特徴とする(1)に記載のごみの収集および選別方法。
(3)同一コンベアに投入されるごみ袋の種類が2種以上であることを特徴とする(1) または(2)に記載のごみの収集および選別方法。
(4)(1)乃至(3)のいずれか1項に記載のごみの収集および選別方法を実施する装 置であって、前記ごみ袋の選別がコンベア上で実施され、検出装置として、光を照射す る装置とゴミ袋で反射若しくは透過した光を検出する光学式の色検出装置を有すること を特徴とするごみの収集および選別装置。
(5)前記光学式の色検出装置が光電素子であることを特徴とする(4)に記載のごみの収集および選別装置。
(6)前記光学式の色検出装置と演算装置と選別装置とを備えていることを特徴とする(4)に記載のごみの収集および選別装置。
(7)前記光学式の色検出装置によって色の検出を行い、演算装置にて検出時間とコンベアの駆動速度から選別装置での当該ゴミ袋の通過時間を演算し、当該ゴミ袋が選別装置に入ったときに選別装置を駆動させることを特徴とする(6)に記載のごみの収集および選別装置。
(8)前記光を照射する装置を複数配置し、各々の光を照射する装置から異なるタイミングで光を照射し、色検出装置によって得られた検出結果の内最も強度の強い信号を用いて検出結果とし、ごみ袋の選別を行うことを特徴とする(4)乃至(7)のいずれか1項に記載のごみの収集および選別装置。
(9)前記選別したごみ袋以外のごみ袋に含まれるごみを焼却、溶融処理することを特徴とする(1)乃至(3)のいずれか1項に記載のごみの収集および選別方法。
(10)前記車両により収集したごみ袋は、混合ピットに貯留され、該混合ピットから選別コンベアに投入されたのちに色毎に選別され、選別ピットに投入されることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれか1項に記載のごみの収集および選別方法。
(11)前記車両により収集したごみ袋は、選別コンベアに投入されたのちに色毎に選別され、選別ピットもしくはヤードに貯留されることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれか1項に記載のごみの収集および選別方法。
(12)色によって選別した各ゴミ袋を破袋する工程を有し、その後資源化する工程を有することを特徴とする(1)乃至(3)のいずれか1項に記載のごみの収集および選別方法。
(13)前記選別コンベアの速度が5m/min以上、100m/min以下であることを特徴とする(10)または(11)に記載のごみの収集および選別方法。
(14)前記選別装置への搬送が、搬送速度の異なる2本以上のコンベアで搬送することを特徴とする(6)または(7)に記載のごみの収集および選別装置。
(15)前記選別コンベアへの投入ホッパに解砕装置を設けることを特徴とする(10)または(11)に記載のごみの収集および選別方法。
(16)前記選別したごみ袋以外のごみ袋に含まれるごみ並びに各種類ごみのリサイクルにおける残渣、異物等をシャフト式直接溶融処理システムで処理することを特徴とする(1)乃至(3)のいずれか1項に記載のごみの収集および選別方法。
(17)生ごみを分別回収して廃棄物から生ごみを選別し、選別された生ごみをメタン発酵、エタノール化、コンポスト化の内のいずれかの方法で生物処理することを特徴とする(1)乃至(3)のいずれか1項に記載のごみの収集および選別方法。
(18)生ごみを分別回収して廃棄物から生ごみを選別し、選別された生ごみをメタン発酵、エタノール化、コンポスト化の内のいずれかの方法で生物処理した後、発生した汚泥、コンポストを単独若しくは、下水汚泥と混合し、造粒した後に乾燥して燃料を得ることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれか1項に記載のごみの収集および選別方法。
(19)紙ごみを分別回収して廃棄物から紙ごみを選別し、選別された紙ごみを製紙原料化、エタノール化、ボイラ燃料化として利用することを特徴とする(1)乃至(3)、(17)、(18)のいずれか1項に記載のごみの収集および選別方法。
(20)紙ごみ及び生ごみをそれぞれ分別回収して廃棄物から紙ごみ及び生ごみを選別し、選別された紙ごみを破砕し、破砕した紙ごみを選別された生ごみを生物処理して発生した汚泥、下水汚泥のいずれか若しくは両方と混合し、水分を調整したうえで乾燥し、燃料化することを特徴とする(1)乃至(3)、(17)、(18)のいずれか1項に記載のごみの収集および選別方法。
(21)布を分別回収して廃棄物から布を分離し、分離された布を再生繊維、ボイラ等の燃料として有効利用することを特徴とする(1)乃至(3)、(17)乃至(20)のいずれか1項に記載のごみの収集および選別方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、ごみの種類ごとに分けた複数種のごみ袋にごみを分別し、該複数種のごみ袋を同一の車両にて収集し、収集された分別ごみを前記ごみ袋の種類毎に選別することにより、輸送コストの増大を抑えつつ、ごみを簡易に分別することができるごみの収集および選別方法、収集および選別装置を提供することができるなど、産業上有用な著しい効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】(1)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
【図2】(4)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
【図3】(6)、(7)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
【図4】(8)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
【図5】(9)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
【図6】(10)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
【図7】(11)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
【図8】(12)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
【図9】(14)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
【図10】(15)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
【図11】(16)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
【図12】本発明の好ましい実施形態を例示する図である。
【図13】(17)(18)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
【図14】(19)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
【図15】(20)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
【図16】(21)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を実施するための形態について図1〜図16を用いて詳細に説明する。
図1は、(1)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
従来ごみの分別は、ビン、缶、ペットボトルの資源ごみ、容器包装プラスチック、粗大ゴミ等は分別収集されているが、その他の廃棄物については混合収集され、混合収集されたその他の廃棄物は焼却処理されているのが一般的である。混合収集されたその他の廃棄物には厨芥ゴミ、紙ごみ、プラスチック、金属、陶器類、布類等が含まれているが、それらが雑多に収集されているため、分別が難しく、焼却、溶融以外の処理が困難であった。
【0013】
これらのその他ゴミのうち、リサイクルを目的としていくつかのゴミを分別回収することが望ましいが、1)別々に回収すると収集コストが高くなる、2)収集日が増えるとゴミだし、分別の手間が増える等の課題があり、十分なリサイクルは進んでいない。雑多なその他ゴミを全量焼却することで、生ごみによる燃焼効率の低下に伴う熱回収効率の低下、資源化可能な資源の回収が困難 等施設側の課題も多い。
【0014】
そこで本発明は、図1に示すように、ごみの種類ごとに分けた複数種のごみ袋にごみを分別し、該複数種のごみ袋を同一の車両にて収集し、収集された分別ごみを前記ごみ袋の種類毎に選別することを特徴とする。即ち、家庭にて各種類の廃棄物を異なる袋に入れてごみを出し、同一の車両にて各種分けられた廃棄物を一括して収集することで、ゴミだしの手間、ごみ収集のコストを増大させることがなく、収集後に袋の種類別に選別することで、種類ごとのゴミに容易に分別が可能となる。分別された各種類の廃棄物は各々の性状により最適なリサイクル、資源化することができる。それにより、焼却量が削減でき、ゴミ処理に必要な経費を抑制することができる。また、生ごみを分離することで廃棄物の発熱量が増し、廃棄物発電の効率が向上する。
【0015】
ごみ袋の区分は収集時に回収する10L以上の大きな袋で区別するだけでなく、図1の右側に示すように、外袋の中に入れる小袋で区分することもできる。小袋で区分した場合には家庭からの排出時に運搬する袋の数は1種で良いためさらに負担を軽減することができる。
【0016】
一般的に家庭でゴミを捨てる際には生ごみは小袋に入れて密封した状態でゴミ袋に投入する、また居間等の各部屋のゴミ箱には紙ごみ以外のゴミは投入しないように配慮することで紙ごみの分離も容易にできる。それら生活の中で自然に分離したゴミを別の袋に入れる作業でごみの分別が容易に達成できる。生ごみなどは日々の排出量を更に小さな袋に入れ、それを区分用のゴミ袋に投入しても生ごみを複数の袋から分離することは容易であり、衛生面での対処も容易である。
【0017】
また、ごみ袋の種類を袋の色によって区分することで、機械的な選別、人の目視による選別、利用者の取扱いが容易になる。また、色による分別でなく、ICタグ利用も可能である。 選別はコンベアの搬送速度と検出した色の検出時間からの演算によって選別機を駆動させ、色毎に選別することができる。
【0018】
また、ごみの内、a)生ごみ、b)紙ごみ、c)金属類、d)陶器類、e)布類、f)電池、g)その他等を分別回収することでリサイクルが容易にできる。上記種類のうち、同一コンベアに投入されるごみ袋の種類は2種類以上の廃棄物に分けることが望ましい。分別の種類としては、a)生ごみ、b)紙ごみ等をその他ごみと分別回収し、リサイクルすることでごみの資源化が容易にでき、ごみの減量化、有効利用が効果的に行える。
【0019】
図2は、(4)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
図2に示すように、前記ごみ袋の選別がコンベア上で実施され、検出装置として、光を照射する装置とゴミ袋で反射若しくは透過した光を検出する光電素子を用いた光学式の色検出装置を有することが好ましく、光学式にすることでセンサを非接触式にでき、コンベアでの搬送中にコンベアを停止することなく検出することが可能となる。ICタグを利用する場合には非接触式のICタグ読み取り機の利用が好ましい。
【0020】
区分用の小袋を大袋に入れて収集した場合には大袋を破袋し、その後に小袋を選別することができる。また、赤外線を利用することで外乱が少なく、正確な検出が可能となる。光の検出が画像処理によってなされることも可能である。
【0021】
図3は、(6)、(7)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
図3に示すように、光学式の色検出装置と演算装置と選別装置とを備えており、光学式の色検出装置によって色の検出を行い、演算装置にて検出時間とコンベアの駆動速度から選別装置での当該ゴミ袋の通過時間を演算し、当該ゴミ袋が選別装置に入ったときに選別装置を駆動させることが好ましく、演算装置を備えることでコンベアの搬送速度等の設定値を任意に変更することができる。検出装置の検出結果とコンベアの駆動速度を用いて演算することで選別装置部に進入した時刻を正確に演算することが可能で、分離が可能となる。また、速度を用いて演算することで複数の選別を1箇所の検出装置で検出して選別することができる。コンベアの駆動速度を変更できる場合には駆動速度を検知し、通過時間の演算に利用する速度の値を自動で変更することが望ましい。
【0022】
図4は、(8)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
図4に示すように、光を照射する装置を複数配置し、各々の光を照射する装置から異なるタイミングで光を照射し、色検出装置によって得られた検出結果の内最も強度の強い信号を用いて検出結果とし、ごみ袋の選別を行うことが好ましい。ごみ袋の配置、向きによって光の反射、透過状況が異なるため、廃棄物等の形状が一定でないものの検知は難しいが、複数の方向から光を照射することで検出制度を高めることができる。光の照射方向は3箇所以上が望ましく、9箇所以下であれば十分である。さらに、検出装置を複数設置することで選別精度が向上する。
【0023】
図5は、(9)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
図5に示すように、選別したごみ袋以外のごみ袋に含まれるごみを焼却、溶融処理することができる。この処理によって、収集時等で袋が破れて飛び出した廃棄物や、袋が汚れて色による選別が困難になった袋についてはその他ごみと共に焼却処理が可能で、個別に選別不能品の処理を行う必要がない。
【0024】
図6は、(10)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
図6に示すように、車両により収集したごみ袋は、混合ピットに貯留され、該混合ピットから選別コンベアに投入されたのちに色毎に選別され、選別ピットに投入されることが好ましい。ごみの収集量は日々の変動が大きく、全てを資源化プラントに流した場合に各資源化設備の容量は大きくならざるを得ない。一度ピットに貯留することで選別装置への投入変動を抑制し、設備を小さくすることができ、また、選別ピットに選別ゴミを投入・貯留することで、各資源化施設の設備容量を最適なものにすることができる。
【0025】
図7は、(11)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
図7に示すように、車両により収集したごみ袋は、選別コンベアに投入されたのちに色毎に選別され、選別ピットもしくはヤードに貯留されることが好ましい。選別装置を複数台(受入ホッパのみでも可能)設置することで、集荷後の廃棄物を直接ホッパに投入し、順次選別することで、設備費は高くなるが、受入ピットを削減することが可能となる。
【0026】
図8は、(12)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
図8に示すように、色によって選別した各ゴミ袋を破袋する工程を有し、その後資源化する工程を有することが好ましい。袋に入ったままの状態ではリサイクルが困難なため、破袋、除袋工程を経て袋を取り除きリサイクルする必要がある。
【0027】
また、前記選別コンベアの速度が5m/min以上、100m/min以下であることが好ましい。速度が小さく5m/min未満では袋同士が重なり合い、選別時に別の廃棄物の同伴や誤検出等が発生する。速度が100m/minを越える場合には風速によって軽い袋が搬送されなくなり、軽い袋と重い袋が密着し、誤検知や同伴による選別不良が発生する。
【0028】
図9は、(14)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
図9に示すように、選別装置への搬送が、搬送速度の異なる2本以上のコンベアで搬送することが好ましい。例えば、搬送速度の速い搬送コンベアAと搬送速度が遅い搬送コンベアBからなるコンベアの速度差によって色選別装置への投入時に袋を個別に隔離して送ることができる。速度差は50%以上が好ましい。
【0029】
図10は、(15)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
図10に示すように、選別コンベアへの投入ホッパに解砕装置を設けることが好ましい。例えば図10に示す回転式の解砕装置を設けることによって、コンベアで搬送するごみ袋の間隔をお互いが重ならないように配置でき、選別時に前後のものと干渉せず、単独で分離が可能となる。
【0030】
図11は、(16)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
図11に示すように、選別したごみ袋以外のごみ袋に含まれるごみ並びに各種類ごみのリサイクルにおける残渣、異物等を例えば、シャフト式直接溶融処理システムで処理することが好ましい。その他ごみ、残渣を溶融処理することでリサイクル困難な廃棄物、残渣を溶融し、スラグ、メタルとしてリサイクルできる。また、それにより最終処分量が最低限に抑えることができる。
【0031】
また、事前に生ごみ等の低カロリーゴミを事前に除去することで溶融に必要なエネルギーが低減され、溶融に必要なコークス等の副原料を削減でき、効率的な運用が可能となる。
【0032】
図12は、本発明の好ましい実施形態を例示する図である。
ごみの区別の種類の1つとして生ごみを分離することにより残りの廃棄物の発熱量が上がり、発電時の効率を向上できる。生ごみを紙ごみと合わせて色分けすることも可能である。その場合、メタン発酵に適したリサイクル原料となる。
【0033】
生ごみの袋を黄色にすることでカラスによるごみの散乱を防止する効果が期待できる。
また、生ごみを分別回収して廃棄物から生ごみを選別し、生ごみをメタン発酵、エタノール化、コンポスト化の内のいずれかの方法で処理することが好ましい。
【0034】
図13は、(17)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
生ごみは水分が高く発熱量が低いため、焼却処理した際に熱回収が出来ず、さらに量が多い場合には補助燃料を必要とする場合がある。これらの発熱量の低い廃棄物は熱処理ではなく、発酵等の湿式処理がエネルギーのロスを減らすことができ、最適である。生ごみの資源化としてはメタン発酵、エタノール化、コンポスト化が挙げられる。メタン発酵によって得られたメタンはガスエンジンやガスタービンで発電する、廃棄物発電の外部過熱器の燃料として利用する、車両等の燃料に利用する、一般家庭でのガスとして利用することが可能である。エタノールの場合、ボイラ等工業燃料として利用すること、車両等の燃料として利用することが可能である。コンポストの場合、農地利用等が出来る。
生ごみを一般ごみから機械的な選別をする場合、一般ごみを数回にわたって破砕、選別する必要があるが、破砕選別を繰り返す過程で、臭気の発生や、害虫の発生があり、衛生的な処理が困難になる。あらかじめ生ごみを袋で分別しておき、袋の選別方式を採用することで、資源化工程直前まで袋の中に維持することが可能で、臭気の発生や害虫の繁殖を抑制することが可能となる。
【0035】
メタン発酵する際には一般ごみに含まれるプラスチックや金属類が混入することで発酵阻害が起こり、ガスを得ることができない場合があるが、袋によって区別し、選別することで、発酵阻害を引き起こす阻害物質を確実に分離し、発酵を安定的に進めることができる。
【0036】
また、資源化としてエタノール化を実施する際、一般ごみから機械的に生ごみを分けると、布類や、紙類が多く含まれる。これらの異物は残渣として排出する必要があるが、排出時に水分を同時に排出することとなり、水分中に含まれる糖分やエタノール分が同時に流出し、収率が落ちる可能性がある。袋による分別を実施することで紙類や布類が混合することなく、高い収率が期待できる。
【0037】
コンポストの場合においては、一般ごみからの機械選別をした場合、コンポスト中にプラスチックやガラスの破片、金属分等が混入する可能性が高く、肥料として適さない恐れがあるが、袋による区別を行い、選別することで、これらの可能性を抑制することができる。
【0038】
図13は、(18)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
図13に示すように、生ごみを分別回収して廃棄物から生ごみを選別し、選別された生ごみをメタン発酵、エタノール化、コンポスト化の内のいずれかの方法で生物処理した後、発生した汚泥、コンポストを単独若しくは、下水汚泥と混合し、造粒した後に乾燥して燃料を得ることが好ましい。
【0039】
生ごみの発酵残渣は水分を多く含んでいるため、そのままでは廃棄物処理する必要があり、高水分のため発電効率を低下させるデメリットがあった。また、汚泥を焼却処理することで廃棄物処理量が多くなり、結果としての廃棄物処理費用が高くなる。汚泥を燃料化することで焼却量を増大させること無くリサイクル(熱回収)することが可能である。
【0040】
生ごみをメタン発酵することで、生ごみを破砕・乾燥して得られる燃料よりも化学的に安定化し、発火性が低くなり燃料として安全なものを製造することが出来る。
【0041】
図14は、(19)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
図14に示すように、紙ごみを分別回収して廃棄物から紙ごみを選別し、選別された紙ごみを製紙原料化、エタノール化、ボイラ燃料化として利用することが好ましい。
【0042】
家庭ごみには古紙とは別に一般ゴミとして廃棄されている紙ごみが20%〜30%程度存在しており、紙ごみを分別し、資源化することで焼却炉の容量を大きく削減することが出来る。また、紙ごみは性状が安定しているため分離することが出来れば資源化が容易に出来る。製紙の原料化には溶解(リパルピング)工程、エタノール化には酵素による糖化、酵母による発酵、ボイラ燃料化では造粒工程を経て資源化できる。
【0043】
一般的に機械的に紙ごみを一般ごみから分離する場合、生ごみとともに処理されるため、紙ごみが生ごみと接触することで生ごみ水分、油分を吸収し、純度が大きく低減する。紙ごみを紙ごみとして区分することで、
1)油分、塩分等の混入を防止することでリパルビング時の汚れ、不均一性を抑制することが可能となる。
2)エタノール化の場合、油分、塩分が糖化、発酵を阻害するが、これらの発酵阻害物の混入を抑制することで高い収率でエタノール化が可能となる。
3)ボイラ燃料とする場合、紙ごみは乾燥状態では高い発熱量を持っているが、生ごみの水分を吸収することで発熱量が大幅に低下し、燃料としての利用が困難になるが、紙ごみを分離収集することで高い発熱量を維持し、ボイラ燃料として利用できるようになる。また、一般的に一般ごみからプラスチック、紙ごみを分離してボイラ燃料にしたり、一般ごみを乾燥して燃料とすることがあるが、プラスチックの混入や、生ごみ等の塩分によりボイラの腐食が発生する。紙ごみを個別に分離できることで、塩素分の混入を最小限にすることができ、ボイラの腐食を抑制できる。
4)ボイラの燃料にするのと同様、ガス化の燃料としても有効となる。塩素分の混入をおさえることで、ガスの品質が向上する。
【0044】
図15は、(20)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
図15に示すように、紙ごみ及び生ごみをそれぞれ分別回収して廃棄物から紙ごみ及び生ごみを選別し、選別された紙ごみを破砕し、破砕した紙ごみを選別された生ごみを生物処理して発生した汚泥、下水汚泥のいずれか若しくは両方と混合し、水分を調整したうえで乾燥し、燃料化することが好ましい。
【0045】
下水汚泥や生ごみを生物処理して得られた汚泥は含水率が高く、造粒するためには水分調整が必要となる。一般的には事前乾燥等のエネルギーが必要となるが、水分が少なく、かつ水分を吸収することができる紙ごみと混合することで水分調整が可能となり、燃料とするために造粒することが容易となる。
プラスチック等の場合、水分を吸収しないため、紙と同様の利用は出来ない。
【0046】
図16は、(21)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
図16に示すように、布を分別回収して廃棄物から布を分離し、分離された布を再生繊維、ボイラ等の燃料として有効利用することが好ましい。
【0047】
紙ごみと同様の理由で、一括収集したのちに機械選別した場合、塩分の混入や水分、油分の混入により資源化時の品質が確保できないが、本方式で分離することによりリサイクル品質を向上させることができる。
紙ごみの資源化方法として、プラスチックと混合・造粒することでRPPFとして燃料化することも可能である。紙類を破砕し、生ごみと混合してメタン発酵することが可能である。
【0048】
ごみの区別の種類の1つとして金属があることが好ましく、金属回収したものはスクラップ等の資源として再利用が可能である。金属の選別工程に磁力選別工程、渦電流による選別工程のいずれかを利用することができる。ごみの区別の種類の1つとしてプラスチックがあることが好ましい。プラスチックのリサイクル方法として発電用の燃料にすることが好ましい。分別されたプラスチックと各部分にて分離された袋を混合してリサイクルすることが好ましい。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ごみの収集および選別方法、収集および選別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
資源の有効利用の観点から、廃棄物からの有用物の回収率を向上させること、より高い効率でエネルギー回収を実施すること等が求められている。混ぜればごみ、分ければ資源といわれるとおり、性状が均質なものを抽出することができれば資源化が可能なものは多数ある。しかし、家庭での徹底したごみの分別は家庭での負荷が高いと共に、分別の精度が低く、異物が混入することが多かった。
【0003】
従来、家庭にて生ごみとその他の可燃ごみを分別し、各々を別々に回収し生ごみをメタン発酵する方法が一部の地域で行われていた。しかし、生ごみのみを分別回収していたため、1)生ごみの収集頻度が低下し、家庭での臭気の原因となる。2)1箇所での収集量が少なく、広範囲を回収する必要があり、回収コストの増大を招く。3)バケツ等での回収を実施した場合にはカラスや蝿等の発生があり、不衛生であった。また、収集日を多くせざるを得なくなり、収集コストの増大を招くと共に、燃料消費量が増大し、エネルギー消費も多くなったうえ、ごみを複数の日に出す必要があり、家庭からの排出に人手がかかるという問題点があった。
【0004】
また、一般ゴミを全て同じ袋で回収し、破砕・選別後生ごみの資源化を行うことは、国内では試験的に実施されていたが、実用化された例はない。欧州
では同一の袋で回収し、機械選別を行うMBTが普及しつつある。しかし、機械選別の装置が複雑になり、コストが高くなると共に、異物の巻きつき、詰まり、破砕機の故障等のトラブルが多く、安定的な運転が困難である。全ての廃棄物を処理するために、事前処理設備が複雑になりすぎる。また、紙等については生ごみ等の水分を含んだごみからの分別が難しいという問題点があった。
【0005】
そこで、生ごみとその他の可燃ごみを別々の袋に入れ、各々の袋を2室分別収集車で別々の室に分けて回収する方法が考えられる。しかし、2室分別収集車の製造に多大なコストがかかる、2室両方が同時にいっぱいになることがなく、収集が非効率的になるうえ、2種の分別が最大となるという問題点があった。
【0006】
また、生ごみの資源化では一般的に生ごみをバケツに入れて分別回収している自治体もあるが、臭気の問題、蝿、カラス等の問題があった。
また、特開2004−269150号公報(下記特許文献1)には、ごみ排出者は家庭識別カードを提示し、シール付きごみ収集袋に貼付されるごみ排出シールまたはごみ収集袋に貼付するためのごみ排出シールに家庭識別用のバーコードを印刷して、それらを購入してシール付きごみ収集袋やごみ排出シールを貼付したごみ収集袋にごみを投入してごみステーションに出すと、収集作業者が各袋毎にバーコードの読み取りとごみの計量をした結果を、携帯読取り端末に入力し、ネット通信を利用したデータ伝送により、ごみ処理管理センターに設けたホストコンピューターへ送信する。これにより、可燃ごみと資源ごみ、厨芥ごみおよび粗大ごみ等の排出元を特定することができ、ごみ処理料金請求・支払センターで一括して各家庭への請求・支払い事務を行うことにより、排出されたごみの種類や排出者を容易に特定でき、従って、課金も容易で、さらには、ごみ収集車の搬送管理を効率的に行うことができ、ごみ排出者の煩わしさを低減できるごみ収集システムが記載されている。しかし、この方法は、シール作成のためのコストがかかると共に、人力による読み取り、選別が必要となり大きな労力とコストが必要となる。また、ごみの分別数を増やして分別回収する場合には各ごみ毎に車両を分ける必要があり、分別の効率は向上しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−269150号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前述のような従来技術の問題点を解決し、輸送コストの増大を抑えつつ、ごみを簡易に分別することができるごみの収集および選別方法、収集および選別装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前述の課題を解決すべく鋭意検討の結果、ごみの種類ごとに分けた複数種のごみ袋にごみを分別し、該複数種のごみ袋を同一の車両にて収集し、収集された分別ごみを前記ごみ袋の種類毎に選別することにより、輸送コストの増大を抑えつつ、ごみを簡易に分別することができるごみの収集および選別方法、収集および選別装置を見出したものであり、その要旨とするところは特許請求の範囲に記載した通りの下記内容である。
(1)ごみの種類ごとに分けた複数種のごみ袋にごみを分別し、該複数種のごみ袋を同一の車両にて収集し、収集された分別ごみを前記ごみ袋の種類毎に選別することを特徴とするごみの収集および選別方法。
(2)前記複数種のごみ袋が、ごみ袋の色によって区別されることを特徴とする(1)に記載のごみの収集および選別方法。
(3)同一コンベアに投入されるごみ袋の種類が2種以上であることを特徴とする(1) または(2)に記載のごみの収集および選別方法。
(4)(1)乃至(3)のいずれか1項に記載のごみの収集および選別方法を実施する装 置であって、前記ごみ袋の選別がコンベア上で実施され、検出装置として、光を照射す る装置とゴミ袋で反射若しくは透過した光を検出する光学式の色検出装置を有すること を特徴とするごみの収集および選別装置。
(5)前記光学式の色検出装置が光電素子であることを特徴とする(4)に記載のごみの収集および選別装置。
(6)前記光学式の色検出装置と演算装置と選別装置とを備えていることを特徴とする(4)に記載のごみの収集および選別装置。
(7)前記光学式の色検出装置によって色の検出を行い、演算装置にて検出時間とコンベアの駆動速度から選別装置での当該ゴミ袋の通過時間を演算し、当該ゴミ袋が選別装置に入ったときに選別装置を駆動させることを特徴とする(6)に記載のごみの収集および選別装置。
(8)前記光を照射する装置を複数配置し、各々の光を照射する装置から異なるタイミングで光を照射し、色検出装置によって得られた検出結果の内最も強度の強い信号を用いて検出結果とし、ごみ袋の選別を行うことを特徴とする(4)乃至(7)のいずれか1項に記載のごみの収集および選別装置。
(9)前記選別したごみ袋以外のごみ袋に含まれるごみを焼却、溶融処理することを特徴とする(1)乃至(3)のいずれか1項に記載のごみの収集および選別方法。
(10)前記車両により収集したごみ袋は、混合ピットに貯留され、該混合ピットから選別コンベアに投入されたのちに色毎に選別され、選別ピットに投入されることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれか1項に記載のごみの収集および選別方法。
(11)前記車両により収集したごみ袋は、選別コンベアに投入されたのちに色毎に選別され、選別ピットもしくはヤードに貯留されることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれか1項に記載のごみの収集および選別方法。
(12)色によって選別した各ゴミ袋を破袋する工程を有し、その後資源化する工程を有することを特徴とする(1)乃至(3)のいずれか1項に記載のごみの収集および選別方法。
(13)前記選別コンベアの速度が5m/min以上、100m/min以下であることを特徴とする(10)または(11)に記載のごみの収集および選別方法。
(14)前記選別装置への搬送が、搬送速度の異なる2本以上のコンベアで搬送することを特徴とする(6)または(7)に記載のごみの収集および選別装置。
(15)前記選別コンベアへの投入ホッパに解砕装置を設けることを特徴とする(10)または(11)に記載のごみの収集および選別方法。
(16)前記選別したごみ袋以外のごみ袋に含まれるごみ並びに各種類ごみのリサイクルにおける残渣、異物等をシャフト式直接溶融処理システムで処理することを特徴とする(1)乃至(3)のいずれか1項に記載のごみの収集および選別方法。
(17)生ごみを分別回収して廃棄物から生ごみを選別し、選別された生ごみをメタン発酵、エタノール化、コンポスト化の内のいずれかの方法で生物処理することを特徴とする(1)乃至(3)のいずれか1項に記載のごみの収集および選別方法。
(18)生ごみを分別回収して廃棄物から生ごみを選別し、選別された生ごみをメタン発酵、エタノール化、コンポスト化の内のいずれかの方法で生物処理した後、発生した汚泥、コンポストを単独若しくは、下水汚泥と混合し、造粒した後に乾燥して燃料を得ることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれか1項に記載のごみの収集および選別方法。
(19)紙ごみを分別回収して廃棄物から紙ごみを選別し、選別された紙ごみを製紙原料化、エタノール化、ボイラ燃料化として利用することを特徴とする(1)乃至(3)、(17)、(18)のいずれか1項に記載のごみの収集および選別方法。
(20)紙ごみ及び生ごみをそれぞれ分別回収して廃棄物から紙ごみ及び生ごみを選別し、選別された紙ごみを破砕し、破砕した紙ごみを選別された生ごみを生物処理して発生した汚泥、下水汚泥のいずれか若しくは両方と混合し、水分を調整したうえで乾燥し、燃料化することを特徴とする(1)乃至(3)、(17)、(18)のいずれか1項に記載のごみの収集および選別方法。
(21)布を分別回収して廃棄物から布を分離し、分離された布を再生繊維、ボイラ等の燃料として有効利用することを特徴とする(1)乃至(3)、(17)乃至(20)のいずれか1項に記載のごみの収集および選別方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、ごみの種類ごとに分けた複数種のごみ袋にごみを分別し、該複数種のごみ袋を同一の車両にて収集し、収集された分別ごみを前記ごみ袋の種類毎に選別することにより、輸送コストの増大を抑えつつ、ごみを簡易に分別することができるごみの収集および選別方法、収集および選別装置を提供することができるなど、産業上有用な著しい効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】(1)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
【図2】(4)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
【図3】(6)、(7)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
【図4】(8)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
【図5】(9)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
【図6】(10)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
【図7】(11)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
【図8】(12)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
【図9】(14)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
【図10】(15)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
【図11】(16)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
【図12】本発明の好ましい実施形態を例示する図である。
【図13】(17)(18)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
【図14】(19)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
【図15】(20)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
【図16】(21)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を実施するための形態について図1〜図16を用いて詳細に説明する。
図1は、(1)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
従来ごみの分別は、ビン、缶、ペットボトルの資源ごみ、容器包装プラスチック、粗大ゴミ等は分別収集されているが、その他の廃棄物については混合収集され、混合収集されたその他の廃棄物は焼却処理されているのが一般的である。混合収集されたその他の廃棄物には厨芥ゴミ、紙ごみ、プラスチック、金属、陶器類、布類等が含まれているが、それらが雑多に収集されているため、分別が難しく、焼却、溶融以外の処理が困難であった。
【0013】
これらのその他ゴミのうち、リサイクルを目的としていくつかのゴミを分別回収することが望ましいが、1)別々に回収すると収集コストが高くなる、2)収集日が増えるとゴミだし、分別の手間が増える等の課題があり、十分なリサイクルは進んでいない。雑多なその他ゴミを全量焼却することで、生ごみによる燃焼効率の低下に伴う熱回収効率の低下、資源化可能な資源の回収が困難 等施設側の課題も多い。
【0014】
そこで本発明は、図1に示すように、ごみの種類ごとに分けた複数種のごみ袋にごみを分別し、該複数種のごみ袋を同一の車両にて収集し、収集された分別ごみを前記ごみ袋の種類毎に選別することを特徴とする。即ち、家庭にて各種類の廃棄物を異なる袋に入れてごみを出し、同一の車両にて各種分けられた廃棄物を一括して収集することで、ゴミだしの手間、ごみ収集のコストを増大させることがなく、収集後に袋の種類別に選別することで、種類ごとのゴミに容易に分別が可能となる。分別された各種類の廃棄物は各々の性状により最適なリサイクル、資源化することができる。それにより、焼却量が削減でき、ゴミ処理に必要な経費を抑制することができる。また、生ごみを分離することで廃棄物の発熱量が増し、廃棄物発電の効率が向上する。
【0015】
ごみ袋の区分は収集時に回収する10L以上の大きな袋で区別するだけでなく、図1の右側に示すように、外袋の中に入れる小袋で区分することもできる。小袋で区分した場合には家庭からの排出時に運搬する袋の数は1種で良いためさらに負担を軽減することができる。
【0016】
一般的に家庭でゴミを捨てる際には生ごみは小袋に入れて密封した状態でゴミ袋に投入する、また居間等の各部屋のゴミ箱には紙ごみ以外のゴミは投入しないように配慮することで紙ごみの分離も容易にできる。それら生活の中で自然に分離したゴミを別の袋に入れる作業でごみの分別が容易に達成できる。生ごみなどは日々の排出量を更に小さな袋に入れ、それを区分用のゴミ袋に投入しても生ごみを複数の袋から分離することは容易であり、衛生面での対処も容易である。
【0017】
また、ごみ袋の種類を袋の色によって区分することで、機械的な選別、人の目視による選別、利用者の取扱いが容易になる。また、色による分別でなく、ICタグ利用も可能である。 選別はコンベアの搬送速度と検出した色の検出時間からの演算によって選別機を駆動させ、色毎に選別することができる。
【0018】
また、ごみの内、a)生ごみ、b)紙ごみ、c)金属類、d)陶器類、e)布類、f)電池、g)その他等を分別回収することでリサイクルが容易にできる。上記種類のうち、同一コンベアに投入されるごみ袋の種類は2種類以上の廃棄物に分けることが望ましい。分別の種類としては、a)生ごみ、b)紙ごみ等をその他ごみと分別回収し、リサイクルすることでごみの資源化が容易にでき、ごみの減量化、有効利用が効果的に行える。
【0019】
図2は、(4)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
図2に示すように、前記ごみ袋の選別がコンベア上で実施され、検出装置として、光を照射する装置とゴミ袋で反射若しくは透過した光を検出する光電素子を用いた光学式の色検出装置を有することが好ましく、光学式にすることでセンサを非接触式にでき、コンベアでの搬送中にコンベアを停止することなく検出することが可能となる。ICタグを利用する場合には非接触式のICタグ読み取り機の利用が好ましい。
【0020】
区分用の小袋を大袋に入れて収集した場合には大袋を破袋し、その後に小袋を選別することができる。また、赤外線を利用することで外乱が少なく、正確な検出が可能となる。光の検出が画像処理によってなされることも可能である。
【0021】
図3は、(6)、(7)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
図3に示すように、光学式の色検出装置と演算装置と選別装置とを備えており、光学式の色検出装置によって色の検出を行い、演算装置にて検出時間とコンベアの駆動速度から選別装置での当該ゴミ袋の通過時間を演算し、当該ゴミ袋が選別装置に入ったときに選別装置を駆動させることが好ましく、演算装置を備えることでコンベアの搬送速度等の設定値を任意に変更することができる。検出装置の検出結果とコンベアの駆動速度を用いて演算することで選別装置部に進入した時刻を正確に演算することが可能で、分離が可能となる。また、速度を用いて演算することで複数の選別を1箇所の検出装置で検出して選別することができる。コンベアの駆動速度を変更できる場合には駆動速度を検知し、通過時間の演算に利用する速度の値を自動で変更することが望ましい。
【0022】
図4は、(8)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
図4に示すように、光を照射する装置を複数配置し、各々の光を照射する装置から異なるタイミングで光を照射し、色検出装置によって得られた検出結果の内最も強度の強い信号を用いて検出結果とし、ごみ袋の選別を行うことが好ましい。ごみ袋の配置、向きによって光の反射、透過状況が異なるため、廃棄物等の形状が一定でないものの検知は難しいが、複数の方向から光を照射することで検出制度を高めることができる。光の照射方向は3箇所以上が望ましく、9箇所以下であれば十分である。さらに、検出装置を複数設置することで選別精度が向上する。
【0023】
図5は、(9)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
図5に示すように、選別したごみ袋以外のごみ袋に含まれるごみを焼却、溶融処理することができる。この処理によって、収集時等で袋が破れて飛び出した廃棄物や、袋が汚れて色による選別が困難になった袋についてはその他ごみと共に焼却処理が可能で、個別に選別不能品の処理を行う必要がない。
【0024】
図6は、(10)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
図6に示すように、車両により収集したごみ袋は、混合ピットに貯留され、該混合ピットから選別コンベアに投入されたのちに色毎に選別され、選別ピットに投入されることが好ましい。ごみの収集量は日々の変動が大きく、全てを資源化プラントに流した場合に各資源化設備の容量は大きくならざるを得ない。一度ピットに貯留することで選別装置への投入変動を抑制し、設備を小さくすることができ、また、選別ピットに選別ゴミを投入・貯留することで、各資源化施設の設備容量を最適なものにすることができる。
【0025】
図7は、(11)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
図7に示すように、車両により収集したごみ袋は、選別コンベアに投入されたのちに色毎に選別され、選別ピットもしくはヤードに貯留されることが好ましい。選別装置を複数台(受入ホッパのみでも可能)設置することで、集荷後の廃棄物を直接ホッパに投入し、順次選別することで、設備費は高くなるが、受入ピットを削減することが可能となる。
【0026】
図8は、(12)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
図8に示すように、色によって選別した各ゴミ袋を破袋する工程を有し、その後資源化する工程を有することが好ましい。袋に入ったままの状態ではリサイクルが困難なため、破袋、除袋工程を経て袋を取り除きリサイクルする必要がある。
【0027】
また、前記選別コンベアの速度が5m/min以上、100m/min以下であることが好ましい。速度が小さく5m/min未満では袋同士が重なり合い、選別時に別の廃棄物の同伴や誤検出等が発生する。速度が100m/minを越える場合には風速によって軽い袋が搬送されなくなり、軽い袋と重い袋が密着し、誤検知や同伴による選別不良が発生する。
【0028】
図9は、(14)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
図9に示すように、選別装置への搬送が、搬送速度の異なる2本以上のコンベアで搬送することが好ましい。例えば、搬送速度の速い搬送コンベアAと搬送速度が遅い搬送コンベアBからなるコンベアの速度差によって色選別装置への投入時に袋を個別に隔離して送ることができる。速度差は50%以上が好ましい。
【0029】
図10は、(15)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
図10に示すように、選別コンベアへの投入ホッパに解砕装置を設けることが好ましい。例えば図10に示す回転式の解砕装置を設けることによって、コンベアで搬送するごみ袋の間隔をお互いが重ならないように配置でき、選別時に前後のものと干渉せず、単独で分離が可能となる。
【0030】
図11は、(16)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
図11に示すように、選別したごみ袋以外のごみ袋に含まれるごみ並びに各種類ごみのリサイクルにおける残渣、異物等を例えば、シャフト式直接溶融処理システムで処理することが好ましい。その他ごみ、残渣を溶融処理することでリサイクル困難な廃棄物、残渣を溶融し、スラグ、メタルとしてリサイクルできる。また、それにより最終処分量が最低限に抑えることができる。
【0031】
また、事前に生ごみ等の低カロリーゴミを事前に除去することで溶融に必要なエネルギーが低減され、溶融に必要なコークス等の副原料を削減でき、効率的な運用が可能となる。
【0032】
図12は、本発明の好ましい実施形態を例示する図である。
ごみの区別の種類の1つとして生ごみを分離することにより残りの廃棄物の発熱量が上がり、発電時の効率を向上できる。生ごみを紙ごみと合わせて色分けすることも可能である。その場合、メタン発酵に適したリサイクル原料となる。
【0033】
生ごみの袋を黄色にすることでカラスによるごみの散乱を防止する効果が期待できる。
また、生ごみを分別回収して廃棄物から生ごみを選別し、生ごみをメタン発酵、エタノール化、コンポスト化の内のいずれかの方法で処理することが好ましい。
【0034】
図13は、(17)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
生ごみは水分が高く発熱量が低いため、焼却処理した際に熱回収が出来ず、さらに量が多い場合には補助燃料を必要とする場合がある。これらの発熱量の低い廃棄物は熱処理ではなく、発酵等の湿式処理がエネルギーのロスを減らすことができ、最適である。生ごみの資源化としてはメタン発酵、エタノール化、コンポスト化が挙げられる。メタン発酵によって得られたメタンはガスエンジンやガスタービンで発電する、廃棄物発電の外部過熱器の燃料として利用する、車両等の燃料に利用する、一般家庭でのガスとして利用することが可能である。エタノールの場合、ボイラ等工業燃料として利用すること、車両等の燃料として利用することが可能である。コンポストの場合、農地利用等が出来る。
生ごみを一般ごみから機械的な選別をする場合、一般ごみを数回にわたって破砕、選別する必要があるが、破砕選別を繰り返す過程で、臭気の発生や、害虫の発生があり、衛生的な処理が困難になる。あらかじめ生ごみを袋で分別しておき、袋の選別方式を採用することで、資源化工程直前まで袋の中に維持することが可能で、臭気の発生や害虫の繁殖を抑制することが可能となる。
【0035】
メタン発酵する際には一般ごみに含まれるプラスチックや金属類が混入することで発酵阻害が起こり、ガスを得ることができない場合があるが、袋によって区別し、選別することで、発酵阻害を引き起こす阻害物質を確実に分離し、発酵を安定的に進めることができる。
【0036】
また、資源化としてエタノール化を実施する際、一般ごみから機械的に生ごみを分けると、布類や、紙類が多く含まれる。これらの異物は残渣として排出する必要があるが、排出時に水分を同時に排出することとなり、水分中に含まれる糖分やエタノール分が同時に流出し、収率が落ちる可能性がある。袋による分別を実施することで紙類や布類が混合することなく、高い収率が期待できる。
【0037】
コンポストの場合においては、一般ごみからの機械選別をした場合、コンポスト中にプラスチックやガラスの破片、金属分等が混入する可能性が高く、肥料として適さない恐れがあるが、袋による区別を行い、選別することで、これらの可能性を抑制することができる。
【0038】
図13は、(18)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
図13に示すように、生ごみを分別回収して廃棄物から生ごみを選別し、選別された生ごみをメタン発酵、エタノール化、コンポスト化の内のいずれかの方法で生物処理した後、発生した汚泥、コンポストを単独若しくは、下水汚泥と混合し、造粒した後に乾燥して燃料を得ることが好ましい。
【0039】
生ごみの発酵残渣は水分を多く含んでいるため、そのままでは廃棄物処理する必要があり、高水分のため発電効率を低下させるデメリットがあった。また、汚泥を焼却処理することで廃棄物処理量が多くなり、結果としての廃棄物処理費用が高くなる。汚泥を燃料化することで焼却量を増大させること無くリサイクル(熱回収)することが可能である。
【0040】
生ごみをメタン発酵することで、生ごみを破砕・乾燥して得られる燃料よりも化学的に安定化し、発火性が低くなり燃料として安全なものを製造することが出来る。
【0041】
図14は、(19)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
図14に示すように、紙ごみを分別回収して廃棄物から紙ごみを選別し、選別された紙ごみを製紙原料化、エタノール化、ボイラ燃料化として利用することが好ましい。
【0042】
家庭ごみには古紙とは別に一般ゴミとして廃棄されている紙ごみが20%〜30%程度存在しており、紙ごみを分別し、資源化することで焼却炉の容量を大きく削減することが出来る。また、紙ごみは性状が安定しているため分離することが出来れば資源化が容易に出来る。製紙の原料化には溶解(リパルピング)工程、エタノール化には酵素による糖化、酵母による発酵、ボイラ燃料化では造粒工程を経て資源化できる。
【0043】
一般的に機械的に紙ごみを一般ごみから分離する場合、生ごみとともに処理されるため、紙ごみが生ごみと接触することで生ごみ水分、油分を吸収し、純度が大きく低減する。紙ごみを紙ごみとして区分することで、
1)油分、塩分等の混入を防止することでリパルビング時の汚れ、不均一性を抑制することが可能となる。
2)エタノール化の場合、油分、塩分が糖化、発酵を阻害するが、これらの発酵阻害物の混入を抑制することで高い収率でエタノール化が可能となる。
3)ボイラ燃料とする場合、紙ごみは乾燥状態では高い発熱量を持っているが、生ごみの水分を吸収することで発熱量が大幅に低下し、燃料としての利用が困難になるが、紙ごみを分離収集することで高い発熱量を維持し、ボイラ燃料として利用できるようになる。また、一般的に一般ごみからプラスチック、紙ごみを分離してボイラ燃料にしたり、一般ごみを乾燥して燃料とすることがあるが、プラスチックの混入や、生ごみ等の塩分によりボイラの腐食が発生する。紙ごみを個別に分離できることで、塩素分の混入を最小限にすることができ、ボイラの腐食を抑制できる。
4)ボイラの燃料にするのと同様、ガス化の燃料としても有効となる。塩素分の混入をおさえることで、ガスの品質が向上する。
【0044】
図15は、(20)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
図15に示すように、紙ごみ及び生ごみをそれぞれ分別回収して廃棄物から紙ごみ及び生ごみを選別し、選別された紙ごみを破砕し、破砕した紙ごみを選別された生ごみを生物処理して発生した汚泥、下水汚泥のいずれか若しくは両方と混合し、水分を調整したうえで乾燥し、燃料化することが好ましい。
【0045】
下水汚泥や生ごみを生物処理して得られた汚泥は含水率が高く、造粒するためには水分調整が必要となる。一般的には事前乾燥等のエネルギーが必要となるが、水分が少なく、かつ水分を吸収することができる紙ごみと混合することで水分調整が可能となり、燃料とするために造粒することが容易となる。
プラスチック等の場合、水分を吸収しないため、紙と同様の利用は出来ない。
【0046】
図16は、(21)に記載した本発明の実施形態を例示する図である。
図16に示すように、布を分別回収して廃棄物から布を分離し、分離された布を再生繊維、ボイラ等の燃料として有効利用することが好ましい。
【0047】
紙ごみと同様の理由で、一括収集したのちに機械選別した場合、塩分の混入や水分、油分の混入により資源化時の品質が確保できないが、本方式で分離することによりリサイクル品質を向上させることができる。
紙ごみの資源化方法として、プラスチックと混合・造粒することでRPPFとして燃料化することも可能である。紙類を破砕し、生ごみと混合してメタン発酵することが可能である。
【0048】
ごみの区別の種類の1つとして金属があることが好ましく、金属回収したものはスクラップ等の資源として再利用が可能である。金属の選別工程に磁力選別工程、渦電流による選別工程のいずれかを利用することができる。ごみの区別の種類の1つとしてプラスチックがあることが好ましい。プラスチックのリサイクル方法として発電用の燃料にすることが好ましい。分別されたプラスチックと各部分にて分離された袋を混合してリサイクルすることが好ましい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ごみの種類ごとに分けた複数種のごみ袋にごみを分別し、該複数種のごみ袋を同一の車両にて収集し、収集された分別ごみを前記ごみ袋の種類毎に選別することを特徴とするごみの収集および選別方法。
【請求項2】
前記複数種のごみ袋が、ごみ袋の色によって区別されることを特徴とする請求項1に記載のごみの収集および選別方法。
【請求項3】
同一コンベアに投入されるごみ袋の種類が2種以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のごみの収集および選別方法。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のごみの収集および選別方法を実施する装置であって、前記ごみ袋の選別がコンベア上で実施され、検出装置として、光を照射する装置とゴミ袋で反射若しくは透過した光を検出する光学式の色検出装置を有することを特徴とするごみの収集および選別装置。
【請求項5】
前記光学式の色検出装置が光電素子であることを特徴とする請求項4に記載のごみの収集および選別装置。
【請求項6】
前記光学式の色検出装置と演算装置と選別装置とを備えていることを特徴とする請求項4に記載のごみの収集および選別装置。
【請求項7】
前記光学式の色検出装置によって色の検出を行い、演算装置にて検出時間とコンベアの駆動速度から選別装置での当該ゴミ袋の通過時間を演算し、当該ゴミ袋が選別装置に入ったときに選別装置を駆動させることを特徴とする請求項6に記載のごみの収集および選別装置。
【請求項8】
前記光を照射する装置を複数配置し、各々の光を照射する装置から異なるタイミングで光を照射し、色検出装置によって得られた検出結果の内最も強度の強い信号を用いて検出結果とし、ごみ袋の選別を行うことを特徴とする請求項4乃至請求項7のいずれか1項に記載のごみの収集および選別装置。
【請求項9】
前記選別したごみ袋以外のごみ袋に含まれるごみを焼却、溶融処理することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のごみの収集および選別方法。
【請求項10】
前記車両により収集したごみ袋は、混合ピットに貯留され、該混合ピットから選別コンベアに投入されたのちに色毎に選別され、選別ピットに投入されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のごみの収集および選別方法。
【請求項11】
前記車両により収集したごみ袋は、選別コンベアに投入されたのちに色毎に選別され、選別ピットもしくはヤードに貯留されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のごみの収集および選別方法。
【請求項12】
色によって選別した各ゴミ袋を破袋する工程を有し、その後資源化する工程を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のごみの収集および選別方法。
【請求項13】
前記選別コンベアの速度が5m/min以上、100m/min以下であることを特徴とする請求項10または請求項11に記載のごみの収集および選別方法。
【請求項14】
前記選別装置への搬送が、搬送速度の異なる2本以上のコンベアで搬送することを特徴とする請求項6または請求項7に記載のごみの収集および選別装置。
【請求項15】
前記選別コンベアへの投入ホッパに解砕装置を設けることを特徴とする請求項10または請求項11に記載のごみの収集および選別方法。
【請求項16】
前記選別したごみ袋以外のごみ袋に含まれるごみ並びに各種類ごみのリサイクルにおける残渣、異物等をシャフト式直接溶融処理システムで処理することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のごみの収集および選別方法。
【請求項17】
生ごみを分別回収して廃棄物から生ごみを選別し、選別された生ごみをメタン発酵、エタノール化、コンポスト化の内のいずれかの方法で生物処理することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のごみの収集および選別方法。
【請求項18】
生ごみを分別回収して廃棄物から生ごみを選別し、選別された生ごみをメタン発酵、エタノール化、コンポスト化の内のいずれかの方法で生物処理した後、発生した汚泥、コンポストを単独若しくは、下水汚泥と混合し、造粒した後に乾燥して燃料を得ることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のごみの収集および選別方法。
【請求項19】
紙ごみを分別回収して廃棄物から紙ごみを選別し、選別された紙ごみを製紙原料化、エタノール化、ボイラ燃料化として利用することを特徴とする請求項1乃至請求項3、請求項17、請求項18のいずれか1項に記載のごみの収集および選別方法。
【請求項20】
紙ごみ及び生ごみをそれぞれ分別回収して廃棄物から紙ごみ及び生ごみを選別し、選別された紙ごみを破砕し、破砕した紙ごみを選別された生ごみを生物処理して発生した汚泥、下水汚泥のいずれか若しくは両方と混合し、水分を調整したうえで乾燥し、燃料化することを特徴とする請求項1乃至請求項3、請求項17、請求項18のいずれか1項に記載のごみの収集および選別方法。
【請求項21】
布を分別回収して廃棄物から布を分離し、分離された布を再生繊維、ボイラ等の燃料として有効利用することを特徴とする請求項1乃至請求項3、請求項17乃至請求項20のいずれか1項に記載のごみの収集および選別方法。
【請求項1】
ごみの種類ごとに分けた複数種のごみ袋にごみを分別し、該複数種のごみ袋を同一の車両にて収集し、収集された分別ごみを前記ごみ袋の種類毎に選別することを特徴とするごみの収集および選別方法。
【請求項2】
前記複数種のごみ袋が、ごみ袋の色によって区別されることを特徴とする請求項1に記載のごみの収集および選別方法。
【請求項3】
同一コンベアに投入されるごみ袋の種類が2種以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のごみの収集および選別方法。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のごみの収集および選別方法を実施する装置であって、前記ごみ袋の選別がコンベア上で実施され、検出装置として、光を照射する装置とゴミ袋で反射若しくは透過した光を検出する光学式の色検出装置を有することを特徴とするごみの収集および選別装置。
【請求項5】
前記光学式の色検出装置が光電素子であることを特徴とする請求項4に記載のごみの収集および選別装置。
【請求項6】
前記光学式の色検出装置と演算装置と選別装置とを備えていることを特徴とする請求項4に記載のごみの収集および選別装置。
【請求項7】
前記光学式の色検出装置によって色の検出を行い、演算装置にて検出時間とコンベアの駆動速度から選別装置での当該ゴミ袋の通過時間を演算し、当該ゴミ袋が選別装置に入ったときに選別装置を駆動させることを特徴とする請求項6に記載のごみの収集および選別装置。
【請求項8】
前記光を照射する装置を複数配置し、各々の光を照射する装置から異なるタイミングで光を照射し、色検出装置によって得られた検出結果の内最も強度の強い信号を用いて検出結果とし、ごみ袋の選別を行うことを特徴とする請求項4乃至請求項7のいずれか1項に記載のごみの収集および選別装置。
【請求項9】
前記選別したごみ袋以外のごみ袋に含まれるごみを焼却、溶融処理することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のごみの収集および選別方法。
【請求項10】
前記車両により収集したごみ袋は、混合ピットに貯留され、該混合ピットから選別コンベアに投入されたのちに色毎に選別され、選別ピットに投入されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のごみの収集および選別方法。
【請求項11】
前記車両により収集したごみ袋は、選別コンベアに投入されたのちに色毎に選別され、選別ピットもしくはヤードに貯留されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のごみの収集および選別方法。
【請求項12】
色によって選別した各ゴミ袋を破袋する工程を有し、その後資源化する工程を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のごみの収集および選別方法。
【請求項13】
前記選別コンベアの速度が5m/min以上、100m/min以下であることを特徴とする請求項10または請求項11に記載のごみの収集および選別方法。
【請求項14】
前記選別装置への搬送が、搬送速度の異なる2本以上のコンベアで搬送することを特徴とする請求項6または請求項7に記載のごみの収集および選別装置。
【請求項15】
前記選別コンベアへの投入ホッパに解砕装置を設けることを特徴とする請求項10または請求項11に記載のごみの収集および選別方法。
【請求項16】
前記選別したごみ袋以外のごみ袋に含まれるごみ並びに各種類ごみのリサイクルにおける残渣、異物等をシャフト式直接溶融処理システムで処理することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のごみの収集および選別方法。
【請求項17】
生ごみを分別回収して廃棄物から生ごみを選別し、選別された生ごみをメタン発酵、エタノール化、コンポスト化の内のいずれかの方法で生物処理することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のごみの収集および選別方法。
【請求項18】
生ごみを分別回収して廃棄物から生ごみを選別し、選別された生ごみをメタン発酵、エタノール化、コンポスト化の内のいずれかの方法で生物処理した後、発生した汚泥、コンポストを単独若しくは、下水汚泥と混合し、造粒した後に乾燥して燃料を得ることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のごみの収集および選別方法。
【請求項19】
紙ごみを分別回収して廃棄物から紙ごみを選別し、選別された紙ごみを製紙原料化、エタノール化、ボイラ燃料化として利用することを特徴とする請求項1乃至請求項3、請求項17、請求項18のいずれか1項に記載のごみの収集および選別方法。
【請求項20】
紙ごみ及び生ごみをそれぞれ分別回収して廃棄物から紙ごみ及び生ごみを選別し、選別された紙ごみを破砕し、破砕した紙ごみを選別された生ごみを生物処理して発生した汚泥、下水汚泥のいずれか若しくは両方と混合し、水分を調整したうえで乾燥し、燃料化することを特徴とする請求項1乃至請求項3、請求項17、請求項18のいずれか1項に記載のごみの収集および選別方法。
【請求項21】
布を分別回収して廃棄物から布を分離し、分離された布を再生繊維、ボイラ等の燃料として有効利用することを特徴とする請求項1乃至請求項3、請求項17乃至請求項20のいずれか1項に記載のごみの収集および選別方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−50949(P2011−50949A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−173239(P2010−173239)
【出願日】平成22年8月2日(2010.8.2)
【出願人】(306022513)新日鉄エンジニアリング株式会社 (897)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月2日(2010.8.2)
【出願人】(306022513)新日鉄エンジニアリング株式会社 (897)
【Fターム(参考)】
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