説明

つや効果を有する皮膚塗布用のグリコーゲンを含む化粧品組成物

本発明は皮膚につや効果を有する皮膚塗布用の化粧品的組成物であって、化粧品活性剤として、1000ppm未満の窒素および1重量%未満の還元糖を有するグリコーゲンを少なくとも1種類の化粧品的に受け入れられる媒体内に含むことに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、つや効果を有するとともに、化粧品活性成分としてグリコーゲンを含む皮膚塗布用の化粧品組成物に関する。これに加えて、本発明は皮膚塗布用の化粧品組成物内につや出し剤としてグリコーゲンの新規な化粧品への使用に関する。最後に、本発明は皮膚塗布用のつや効果を有する化粧品組成物の製造用のグリコーゲンの新規な化粧品への使用に関する。
【背景技術】
【0002】
グリコーゲンは動物由来の多糖類で、主に分枝を有するα−1−4グリコシド結合によって、グルコシドα−1−6結合を含む全ての5−10グルコース単位と結合するD−グルコースで構成される。グリコーゲンの分枝の頻度および度合は、それを得た動物の種との関連で異なる。天然のグリコーゲンの分子量は、10−10ダルトンの次数である。自然界において、グリコーゲンは細胞グリコーゲン合成の過程で関連しているタンパク質、グリコゲニン、酵素と常に結合している。
【0003】
天然資源から抽出されたグリコーゲンは化粧品産業で、特開昭62−178 505号公報および特開昭63−290 809号公報に記載されたように皮膚軟化剤および水和剤として、米国特許5.093.109号および特開2003−335651号公報に記載されたように老化防止剤として、および国際公開99/47120号に記載されように点眼薬内の保湿剤および粘稠剤として使用される。
【0004】
商業的なグリコーゲンの品質は、タンパク質残渣(窒素の量に換算して測定、ppmとして示す)および還元糖の多いか少ないかの量での存在に依存する。
【0005】
欧州特許654.048号は、とても少ない窒素の含有量(<60ppm)および還元糖の含有量(<0.25重量%)である高品質なグリコーゲンを記載する。
【0006】
定義:
本願明細書および次の請求項では、”つや(velvet)”または”つや効果”とは、なめらかでスムーズな皮膚の感覚を意味する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
出願人は、驚くべきことに、皮膚塗布用の化粧品製剤のグリコーゲンを使用することは、肌につや効果を与えることを見出した。
【0008】
したがって、第一態様において、本発明は肌につや効果を有し、皮膚塗布用の化粧品組成物であって、化粧活性有効成分として1000ppm未満の窒素および1重量%未満の還元糖を含有するグリコーゲンを、少なくとも一種の化粧品として受け入れられる媒体内に含む化粧品組成物に関するものである。
【0009】
第二態様において、本発明はグリコーゲンの化粧品への使用に関し、好ましくは低い窒素および還元糖の含有量であり、皮膚塗布用の組成物内のつや出し剤としての化粧品への使用に関する。
【0010】
第三態様において、本発明はグリコーゲンの化粧品への使用に関し、好ましくは低い窒素および還元糖の含有量で、皮膚塗布用の化粧品組成物の製造に関して、上記化粧品組成物が肌につや効果を有する、化粧品への使用に関する。
【発明の効果】
【0011】
出願者は、本発明による化粧品組成物の皮膚への塗布は処理した皮膚でつや効果を達成できることが分かった。
【0012】
特に、つや効果を、本発明による化粧品組成物を塗布してから、約3分後に処理した人によって認められる柔らかさおよびスムーズさによる感覚として明らかにした。
【0013】
また、出願人は本発明による化粧品組成物が皮膚に速やかに吸収され、皮膚に引き締まりとスムーズな引き締め(lifting)効果を与えることを認めた。
【0014】
さらに、出願人は、また、本発明による化粧品組成物が処理した皮膚で、優れた輝きおよび光沢が得られることを認めた。
【0015】
最後に、出願人は、本発明による化粧品組成物が産業上の利用において容易に製造することができ、長期にわたっても安定することを認めた。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1a】図1aは、実施例1の製品の評価を比較したグラフを示す。
【図1b】図1bは、実施例1の製品の評価を比較したグラフを示す。
【図1c】図1cは、実施例1の製品の評価を比較したグラフを示す。
【図1d】図1dは、実施例1の製品の評価を比較したグラフを示す。
【図1e】図1eは、実施例1の製品の評価を比較したグラフを示す。
【図1f】図1fは、実施例1の製品の評価を比較したグラフを示す。
【図2a】図2aは、実施例2の製品の評価を比較したグラフを示す。
【図2b】図2bは、実施例2の製品の評価を比較したグラフを示す。
【図2c】図2cは、実施例1の製品の評価を比較したグラフを示す。
【図2d】図2dは、実施例1の製品の評価を比較したグラフを示す。
【図2e】図2eは、実施例1の製品の評価を比較したグラフを示す。
【図2f】図2fは、実施例1の製品の評価を比較したグラフを示す。
【図3a】図3aは、実施例1の製品の評価を比較したグラフを示す。
【図3b】図3bは、実施例1の製品の評価を比較したグラフを示す。
【図3c】図3cは、実施例1の製品の評価を比較したグラフを示す。
【図3d】図3dは、実施例1の製品の評価を比較したグラフを示す。
【図3e】図3eは、実施例1の製品の評価を比較したグラフを示す。
【図3f】図3fは、実施例1の製品の評価を比較したグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明で使用されるグリコーゲンは動物または細菌から抽出される天然のグリコーゲンとして得られる。軟体動物、特にイガイ(Mytilus edulis and Mytilus gallus provincialis)は、低コストで大量利用でき相当な量のグリコーゲン(平均で2.5重量%および3.9重量%の間)を含有するため、特に有用な供給源である。グリコーゲンの他の天然の供給源は、他の二枚貝軟体動物、例えばハマグリ、カキ、数種の腹足類動物または海カタツムリ、例えばフナガイ(ネコゼフネガイ)、並びに、肝臓および筋肉のようなグリコーゲンに豊富な脊椎動物の器官を含む。
【0018】
本発明で使用されるグリコーゲンは抽出過程で得られるものを使用して、さらなる精製過程で処理することができる。すでに言及されるように、商業的なグリコーゲンの品質はタンパク質残基(ppmとして示される窒素の量に関して測定した)および還元糖の多量または少量の存在に依存する。
【0019】
本発明の目的のために、低含有量の還元糖および窒素を有するグリコーゲンを使用することが好ましい。本発明で好ましく使用される商品の例はSigma−Aldrichで製造され流通しているものである。
【0020】
好ましくは、本発明で使用されるグリコーゲンは、1重量%未満、さらに好ましくは0.25重量%未満の還元糖であり、F. D. Snell and Snell, “Colorimetric Methods of Analysis”, New York, 1954, vol. Ill, p. 204による方法で測定した。
【0021】
好ましくは、本発明で使用されるグリコーゲンは、ケルダールの測定方法を使用して測定して、窒素が1000ppm未満、さらに好ましくは100ppm未満を含む。
【0022】
好都合にも、本発明で使用するグリコーゲンは、Polglumyt(商標)グリコーゲンであり、除タンパク質のグリコーゲンの商品名はA.C.R.A.F.S.p.A.で、ローマ、イタリーで製造および流通していて、特許EP 654048で記載された精製方法に従って得られる。
【0023】
好ましくは、本発明による化粧品組成物は総製剤の重量に対して約0.1重量%から約15重量%の間、さらに好ましくは0.5重量%および10重量%、よりさらに好ましくは約1重量%および5重量%のグリコーゲンを含む。
【0024】
本発明による化粧品組成物は、液体または半固体の製剤を含む。
【0025】
本発明による液体製剤の化粧品用途の液体製剤は、溶液、エマルジョン、ミクロエマルジョン、ローション、発泡体、乳液、オイル、緩和剤または幅広い粘度の懸濁液を含む。
【0026】
前記液体製剤は、例えば水溶液類、含水アルコール溶液類、油性溶液類、油相を水相で分散することによって得られたエマルジョン(水中油型)、または逆に水相に油相で分散したエマルジョン(油中水型)、および、特定の粘度を有する水溶性または油性の液体で通常表される分散媒内に固体分子を含む分散相を分散させることによって得られた懸濁液である。
【0027】
本発明による化粧品用途の半固体の製剤は、クリーム、ジェル、軟膏剤、練り物、クリームジェル、粘着剤、およびワックスを含む。
【0028】
本発明の製剤の化粧品用途は、化粧品製品の調製において役立ち、当業者に既知である種々の化粧品に受け入れられる添加物または媒体を含み、例えば、乳化剤、水和剤、溶媒、緩和剤、安定剤、粘性剤、防腐剤、潤滑剤、捕捉剤またはキレート剤、充填剤、芳香剤、香料、吸収剤、着色剤および乳白剤、酸化防止剤、植物エキスおよび油、ビタミン、保護物質、精油、ケラチン活性のある物質およびアミノ酸である。
【0029】
本発明による液体製剤の化粧品的用途は、好ましくは少なくとも一種の溶媒、少なくとも一種の水和剤、少なくとも一種の補捉剤、および少なくとも一種の防腐剤を含む。
【0030】
本発明による半固体製剤の化粧品的な用途は、好ましくは少なくとも一種の溶媒、少なくとも一種の乳化剤、少なくとも一種の粘性剤、少なくとも一種の水和剤、少なくとも一種の緩和剤、および少なくとも一種の防腐剤を含む。
【0031】
適切な溶媒添加物は、例えば、水、アルコール類、ケトン類(例えばアセトンおよびメチルイソブチルケトン)、グリコール類(例えばエチレングリコール、プロピレングリコールおよびブチレングリコール)、ポリエチレングリコール類(例えばPEG−40、PEG−50、PEG−60)、アルキル酢酸塩(例えば酢酸アミル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル)、パラフィン類およびイソパラフィン類、シクロアルキル類(例えばシクロヘキサン)、グリセリン、天然油および合成油、天然および合成のトリグリセリドを含む。
【0032】
使用した溶媒によって、我々は、水溶性製剤および非水系または水を含まない製剤に識別することができる。
【0033】
水溶性製剤において、水は化粧品組成物の主な成分に相当し、そしてさらに製剤全体の重量に対して、多くとも99重量%に相当することができる。水溶製剤は、製剤全体に対して水の量を好ましくは25重量%および95重量%の間、好ましくは50重量%および90重量%の間で含む。
【0034】
本発明による化粧品組成物の水溶製剤は製剤全体の重量に対して、好ましくは非水系溶媒の量を約0.1重量%および約60重量%の間、さらに好ましくは1重量%および40重量%の間、そしてよりさらに好ましくは5重量%および35重量%で含む。
【0035】
非水系または水を含まない製剤で、水が存在せず、水以外の溶媒添加物の総量は製剤全体の重量に対して、約1重量%および約99重量%の間、好ましくは25重量%および95重量%の間、好ましくは50重量%および90重量%の間である。“水が存在しない”という表現は水の量を製剤全体の重量に対して、0.01重量%未満を意味する。
【0036】
適切な乳化剤添加物は、非イオン性、陽イオン性、陰イオン性および両性の界面活性剤、またはその組合せである。乳化剤類の実用的な例は、例えばソルビタン、長鎖エトキシル化アルコール類、アルキルポリグリコシド類、石鹸類、硫酸ナトリウムセチルステアリルのようなアルキル硫酸塩類、モノアルキルおよびジアルキルリン酸塩類、アルキルスルホン酸塩類、水素化ヒマシ油、アシルイソチオン酸塩類、蔗糖エステル類、ベタイン、レシチン、第4級アンモニウム塩、アルキルオレイン酸塩類、カプリロカプロイル ポリオキシルグリセリド(カプリロカプロイル マクログリセリドマクロゴールグリセリド類)のようなグリセリド類、および、オリーブ油由来の乳化剤類である。
【0037】
本発明による化粧品組成物は、製剤全体の重量に対して、好ましくは乳化剤類の全体量の約0.1重量%から約60重量%の間、さらに好ましくは0.5重量%から25重量%の間、そしてよりさらに好ましくは0.5重量%から10重量%を含む。
【0038】
実用的な粘性剤類の例は、キサンタンゴム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボポール、カラゲーニン類、ポロキサマー類およびアカシアゴムに相当する。
【0039】
本発明による化粧品組成物は、製剤全体の重量に対して、好ましくは粘度性剤の総量の約0.1重量%および約25重量%の間、さらに好ましくは0.5重量%および25重量%の間、そしてよりさらに好ましくは0.5重量%および5重量%を含む。
【0040】
水和作用を有する添加物は、例えば、尿素、アラントイン、ヒアルロン酸およびその誘導体、グリセリン、アミノ酸、アセチルモノエタノラミド、ブトキシプロパノール、ブチルグリコール、低分子量のポリエチレングリコール(例えばPEG−40、PEG−50、PEG−60)、アロエ、ゼニアオイおよびソルビトールである。
【0041】
本発明による化粧品組成物は、製剤全体の重量に対して、好ましくは水和剤の総量の約0.05重量%および約25重量%の間、さらに好ましくは0.5重量%および10重量%の間、そしてよりさらに好ましくは0.1重量%および5重量%を含む。
【0042】
適切な緩和剤は、例えば、ラノリン、アーモンド油、オリーブ油、水素化ヒマシ油、微結晶ワックス、ポリジメチルシロキサン(ジメチコン)、ポリメチルフェニルシロキサン、グリコールおよびシリコーンのポリマー、鉱油、パラフィン、オゾケライト、セレシン、トリグリセリドエステル類、モノグリセリドアセチレート類、エトキシ化グリセリド類、脂肪酸のアルキルエステル類、脂肪酸、長鎖アルコール類、ステロール類、蜜蝋、多価アルコール、ポリエステル類および脂肪酸アミドを含む。
【0043】
本発明による化粧品組成物は、製剤全体の重量に対して、好ましくは乳化剤類の総量の約0.1%重量および約25重量%の間、さらに好ましくは0.5重量%および10重量%の間、そしてよりさらに好ましくは0.5および5重量%を含む。
【0044】
適切な防腐剤の添加物の例は、エタノール、フェノキシエタノールおよびベンジルアルコールのようなアルコール類、メチルおよびプロピルパラオキシ安息香酸塩、ヒドロキシアニソールブチル(BHA)、ソルビン酸塩、尿素誘導体およびイソチアゾリノン類を含む。
【0045】
本発明による化粧品組成物は、製剤全体の重量に対して、好ましくは防腐剤類の総量の約0.01重量%および約2.00重量%の間、さらに好ましくは0.05重量%および1.00重量%の間、そしてよりさらに好ましくは0.1重量%および5重量%を含む。
【0046】
補捉剤またはキレート剤の添加物は、EDTA、HEDTA、アルキルシュウ酸塩類、リチウムまたはカリウムシュウ酸塩、ナトリウムまたはカリウムピロリン酸塩を含む。本発明による化粧品組成物は、製剤全体の重量に対して、好ましくは捕捉剤またはキレート剤の総量の約0.01重量%および約20重量%の間、さらに好ましくは0.05重量%および10重量%の間、そしてさらにより好ましくは0.1重量%および5重量%を含む。
【0047】
適切な安定剤の添加物は、例えば、長鎖アルコール類(例えばセチルアルコール、ステアリルアルコール)およびその混合物、高分子量ポリエチレングリコール(例えばPEG−9000およびPEG−14000)およびポリビニルピロリドン(例えばポビドン)である。
【0048】
本発明による化粧品組成物は、製剤全体の重量に対して、好ましくは安定剤の総量の約0.1重量%および約25重量%の間、さらに好ましくは0.5重量%および15重量%の間、そしてよりさらに好ましくは1重量%および10重量%を含む。
【0049】
乳白剤類は例えば、亜鉛または酸化アルミニウム、チタンまたは二酸化亜鉛、アルミナ、マイカ、脂肪酸のアルミニウム塩類およびチョークである。
【0050】
好ましく使用される着色剤類は、皮膚を染色せず、また残留物を残さない、容易に水で落ちる水溶性の着色剤であり、例えばAcid Blue 3 C.1.42051 , Acid Blue 9 C.I.42090, Acid Blue 74 C.1.73015, Pigment Blue 15 C.1.74160, Acid Yellow 3 C.I.47005, Food Grade Yellow 3 C.1.15985, Acid Yellow 23 C.1.19140, Acid Yellow 73 C.1.45350, Acid Red 14 C.1.14720, Acid Red 18 C.1.16255, Acid Red 27 C.1.16185, Acid Red 51 C.I.45430, Acid Green 1 C.1.10020, Acid Green 25 C.1.61570,およびそれらの混合物である。
【0051】
本発明による化粧品組成物は、製剤全体の重量に対して、好ましくは着色剤および乳白剤の総量の約0.01重量%および約15重量%の間、さらに好ましくは0.05重量%および5重量%の間を含む。
【実施例】
【0052】
以下の実施例は本発明を例示するが、これに限定されるものではない。
【0053】
実施例1
二つのボディクリームの製剤は以下の表1にある成分を用いて調整した。表1に記載の量は重量パーセント(g/100g)で示したものある。
【0054】
【表1】

【0055】
実施例2
二つのボディクリームの製剤は以下の表2にある成分を用いて調製した。表2に記載の量は重量パーセント(g/100g)で示したものである。
【0056】
【表2】

【0057】
実施例3
二種の顔用トニック(face tonic)の製剤は以下の表3にある成分を用いて調製した。表3に記載の量は重量パーセント(g/100g)で示したものである。
【0058】
【表3】

【0059】
実施例4
実施例1から3の製剤を以下の方法で評価した。
【0060】
20歳から50歳の間の20人の女性を選択した。下記の表4において特定された知覚感覚の質的な定義のための説明書を、研究に携わる人に規定した。
【0061】
【表4】

【0062】
研究に携わる人を、下記の表5に示される評価スケールを基準として量的に上述した知覚を定めるように指示した。
【0063】
【表5】

【0064】
研究に携わる人をまた、下記の表6に従う試験に基づいて製剤の吸収の容易さを定めるように指示した。
【0065】
【表6】

【0066】
最後に、研究に携わる人をまた、下記の表7に従って製品の全体の評価および製品の外観を規定するよう要求した。
【0067】
【表7】

【0068】
吸収の感覚のパラメーターおよび製品の全体的外観を評価するために、2つの製剤に関する評価を、ウィルコクソン符号順位検定を使用して比較した。
【0069】
本発明によるPolglumytTMグリコーゲン製剤類を含有する製剤A1、B1およびC1を、グリコーゲンを含まない製剤A2、B2およびC2と、完全に無作為の交差二重盲検試験計画に従って比較した。三回の実験セッションを各々の製剤に対して一回実行した。それぞれの実験セッションは一日続いた。製剤は個々の前腕の上部に塗布した。クリーム製剤は、約3グラムの量を手で広げて塗布した。トニック製剤は約4mLの溶液で浸漬した綿の小さな塊を使用して塗布した。処理した部位は、3分を超えない時間で、製品が完全に吸収されるまでマッサージする。
【0070】
各々のパラメーターに関する研究に関わる人によって定めた評価の統計分析のパーセント結果およびp値を以下の表に示す。表8は実施例1の体用クリーム製品の結果に関する。表9は実施例2の顔用クリーム製品の結果に関する。表10は実施例3の顔用トニック製品の結果に関する。
【0071】
【表8】

【0072】
全ての値(輝度感覚を除いて)は、本発明による製剤によって、統計学的に優位な差を示した。
【0073】
【表9】

【0074】
全ての値は、本発明による製剤が、統計学的に優位な差を示した。
【0075】
【表10】

NS :有意でない
【0076】
つやおよび引き締め感覚および製品の外観に関する全体的な値は、本発明による製剤が、統計学的に優位な差を示した。
【0077】
実施例5
ある口紅用製剤を、下記の表11の成分を用いて調製した。表11に記載の量は重量パーセント(g/100g)で示したものである。
【0078】
【表11】

【0079】
実施例6
アフターシェーブ製剤を、下記の表12の成分を用いて調製した。表12に記載の量は重量パーセント(g/100g)で示したものである。
【0080】
【表12】

【0081】
実施例7
ボディフォーム製剤(ムースタイプ)を、下記の表13の成分を使用して調製した。表13に記載の量は重量パーセント(g/100g)で示したものである。
【0082】
【表13】

【0083】
実施例8
髪用のローション製剤を、下記の表14の成分を使用して調製した。表14に記載の量は重量パーセント(g/100g)で示したものである。
【0084】
【表14】

【0085】
実施例9
サンオイル製剤を、下記の表15の成分を使用して調製した。表15に記載の量は重量パーセント(g/100g)で示したものである。
【0086】
【表15】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚でつや効果を有する皮膚塗布用の化粧品組成物であって、
少なくとも一つの化粧品で受け入れられる媒体内に、1000ppm未満の窒素および1重量%未満の還元糖を含有するグリコーゲンを含む化粧品組成物。
【請求項2】
前記グリコーゲンが100ppm未満の窒素および0.25重量%未満の還元糖を含むことを特徴とする、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項3】
前記組成物が製剤全体の重量に対して、約0.1重量%から約15重量%の間の前記グリコーゲンの量を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の化粧品組成物。
【請求項4】
前記組成物が製剤全体の重量に対して、0.5%から10%の間の前記グリコーゲンの量を含むことを特徴とする、請求項3に記載の化粧品組成物。
【請求項5】
前記組成物が製剤全体の重量に対して、約1%から5%の間の前記グリコーゲンの量を含むことを特徴とする、請求項3に記載の化粧品組成物。
【請求項6】
前記化粧品で受け入れられる媒体が乳化剤類、水和剤類、溶媒類、皮膚軟化剤類、安定剤類、粘度剤類、防腐剤類、潤滑剤類、捕捉剤類およびキレート剤類、充填剤類、芳香剤類、香料類、吸収剤類、着色料類および乳白剤類、酸化防止剤類、植物のエキス類およびオイル類、ビタミン類、保護物質類、精油類、角質活性成分類およびアミノ酸類を含む群から選択されることを特徴とする、前記請求項のいずれかに記載の化粧品組成物。
【請求項7】
前記組成物は液体または半固形の製剤類を含むことを特徴とする、前記請求項のいずれかに記載の化粧品組成物。
【請求項8】
前記液体製剤が少なくとも一種の溶媒、少なくとも一種の水和剤、少なくとも一種の捕捉剤、および少なくとも一種の防腐剤を含むことを特徴とする、請求項7に記載の化粧品組成物。
【請求項9】
前記半固形製剤は少なくとも一種の溶媒、少なくとも一種の乳化剤、少なくとも一種の粘度剤、少なくとも一種の水和剤、少なくとも一種の皮膚軟化剤および少なくとも一種の防腐剤を含むことを特徴とする、請求項7に記載の化粧品組成物。
【請求項10】
前記溶媒は水、アルコール類、ケトン類、グリコール類、ポリエチレングリコール類、アルキル酢酸塩類、イソパラフィン類、シクロアルキル類、グリセリン、天然および合成の油類、天然および合成のトリグリセリド類から選択されることを特徴とする、請求項6から9のいずれかに記載の化粧品組成物。
【請求項11】
前記乳化剤はソルビタン類、エトキシ化長鎖アルコール類、アルキルポリグリコシド類、石鹸類、アルキル硫酸類、モノアルキルフォスフェイト類およびジアルキルフォスフェイト類、アルキルスルホン酸類、硬化ヒマシ油類、アシルイソシアネート類、蔗糖エステル類、ベタイン、レシチン、四級アンモニウム塩類、アルキルオレイン酸塩類、グリセリド類およびオリーブ油乳化剤類の群から選択されることを特徴とする、請求項6から9のいずれかに記載の化粧品組成物。
【請求項12】
前記粘性薬剤はキサンタンガム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボポール、カラゲーニン類、ポロキサマー類およびアカシアゴム類の群から選択されることを特徴とする、請求項6から9のいずれかに記載の化粧品組成物。
【請求項13】
前記水和剤は尿素、アラントイン、ヒアルロン酸およびその誘導体類、グリセリン、アミノ酸類、アセチルモノエタノラマイド、ブトキシプロパノール、ブチルグリコール、低分子量のポリエチレングリコール類、アロエ、アオイおよびソルビトールの群から選択されることを特徴とする、請求項6から9のいずれかに記載の化粧品組成物。
【請求項14】
前記皮膚軟化剤はラノリン、アーモンド油、オリーブ油、水素化されたヒマシ油、微結晶ワックス、ポリジメチルシロキサン(ジメチコン)、ポリメチルフェニルシロキサン、グリコールおよびシリコーンのポリマー、鉱油、パラフィン、オゾケライト、セレシン、トリグリセリドエステル類、グリセリン酢酸脂肪酸エステル類、エトキシ化グリセリド類、脂肪酸のアルキルエステル類、脂肪酸類、長鎖アルコール類、ステロール類、蜜蝋、多価アルコール類、ポリエステル類および脂肪酸アミド類の群から選択されることを特徴とする、請求項6から9のいずれかに記載の化粧品組成物。
【請求項15】
前記防腐剤はエタノール、フェノキシエタノールおよびベンジルアルコールのようなアルコール類、メチルプロピルパラハイドロキシル安息香酸エステルおよびプロピルパラハイドロキシル安息香酸エステル、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ソルビン酸塩類、尿素誘導体類、およびイソチアゾリノン類から選択されることを特徴とする、請求項6から9のいずれかに記載の化粧品組成物。
【請求項16】
前記捕捉剤類はEDTA、HEDTA、アルキルオキサレート、リチウムまたはカリウムのシュウ酸エステル、ナトリウムまたはカリウムのピロリン酸塩から選択されることを特徴とする、請求項6から9のいずれかに記載の化粧品組成物。
【請求項17】
前記組成物は水の量を製剤全体の重量に対して99重量%以下で含むことを特徴とする、請求項6から16のいずれかに記載の化粧品組成物。
【請求項18】
前記組成物は製剤全体の重量に対して、水量を25重量%から95重量%の間、好ましくは50重量%から90重量%の間で含むことを特徴とする、請求項17に記載の化粧品組成物。
【請求項19】
前記組成物は製剤全体の重量に対して、非水溶性溶媒を約0.1重量%から約60重量%の間、さらに好ましくは1重量%から40重量%の間で含むことを特徴とする、請求項17および18のいずれかに記載の化粧品組成物。
【請求項20】
前記組成物は製剤全体の重量に対して、水の量を約0.01重量%未満および、製剤全体の重量に対して、非水溶性溶媒を約1重量%から約99重量%の間、好ましくは25重量%から95重量%の間で含むことを特徴とする、請求項6から16のいずれかに記載の化粧品組成物。
【請求項21】
前記組成物は製剤全体の重量に対して、前記乳化剤の量を約0.1重量%から約60重量%の間、好ましくは0.5重量%から25重量%の間で含むことを特徴とする、請求項6から16のいずれかに記載の化粧品組成物。
【請求項22】
前記組成物は製剤全体の重量に対して、前記粘性剤の量を約0.1重量%から約25重量%の間、好ましくは0.5重量%から10重量%の間で含むことを特徴とする、請求項6から16のいずれかに記載の化粧品組成物。
【請求項23】
前記組成物は製剤全体の重量に対して、前記水和剤の量を重量で約0.05重量%から約25重量%の間、好ましくは0.5重量%から10重量%の間で含むことを特徴とする、請求項6から16のいずれかに記載の化粧品組成物。
【請求項24】
前記組成物は製剤全体の重量に対して、前記皮膚軟化剤を約0.1重量%から約25重量%の間、好ましくは0.5重量%から10重量%の間で含むことを特徴とする、請求項6から16のいずれかに記載の化粧品組成物。
【請求項25】
前記組成物は製剤全体の重量に対して、前記防腐剤の量を約0.01重量%から約2.00重量%の間、好ましくは0.05重量%から1.00重量%の間で含むことを特徴とする、請求項6から16のいずれかに記載の化粧品組成物。
【請求項26】
前記組成物は製剤全体の重量に対して、前記皮膚軟化剤の量を約0.01重量%から約20重量%の間、好ましくは0.05重量%から10重量%の間を含むことを特徴とする、請求項6から16のいずれかに記載の化粧品組成物。
【請求項27】
請求項1〜26のいずれに記載の皮膚塗布用の化粧品組成物内に、つや出し剤としてグリコーゲンの化粧品への使用。
【請求項28】
請求項1〜26のいずれに記載の皮膚塗布用の化粧品組成物の製造のために、グリコーゲンの化粧品的使用において、前記化粧品組成物が皮膚につや効果を有する化粧品への使用。
【請求項29】
皮膚につや効果を得るための請求項1〜26のいずれに記載の皮膚塗布用の化粧品組成物の使用。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図1d】
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【図1e】
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【図1f】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図2e】
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【図2f】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図3e】
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【図3f】
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【公表番号】特表2011−510945(P2011−510945A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−544665(P2010−544665)
【出願日】平成21年1月21日(2009.1.21)
【国際出願番号】PCT/EP2009/050632
【国際公開番号】WO2009/095341
【国際公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【出願人】(592160973)アジェンデ・キミケ・リウニテ・アンジェリニ・フランチェスコ・ア・チ・エレ・ア・エフェ・ソシエタ・ペル・アチオニ (36)
【氏名又は名称原語表記】AZIENDE CHIMICHE RIUNITE ANGELINI FRANCESCO A.C.R.A.F.SOCIETA PER AZIONI
【Fターム(参考)】