説明

はんだ印刷方法

【課題】はんだプリント基板電極に対してはんだ搭載を行う場合において、電極上にはんだが存在しない搭載エラーを防止し、一定量のはんだを確実に搭載することが可能なはんだ印刷方法を提供する。
【解決手段】プリント基板101電極部に対して、選択的にフラックス104を塗布した後、はんだ粉末を散布することで、フラックス104塗布部に選択的にはんだ粉末を付着させ、はんだ及びフラックス104を搭載する。プリント配線基板101電極部に対してフラックス104を選択的に塗布する方法として、プリント基板電極部と同一の位置に穴の空いている孔版マスクをプリント基板101に密着させる工程と、スキージ103の摺動によって孔版にフラックス104を孔部よりプリント配線基板101電極部に付着させるスクリーン印刷方法を用い、その後、はんだ粉末をフラックス104塗布部に付着させることで、はんだ及びフラックス104を搭載することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品類の配線回路部金属表面に電子部品の実装を行うために、はんだ及びフラックスを塗布・定着させるはんだ印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子部品類、例えばプラスチック基板、セラミック基板、或はプラスチック等をコートした金属基板等の絶縁基板上に、適当な方法により電子回路を形成したプリント配線基板(プリント基板或は印刷配線板)が開発され、その配線面上にIC素子、半導体チップ、抵抗、コンデンサ等の電子部品をはんだ付けして電子機器を構成させる手段が広く採用されている。
【0003】
上記実装回路装置の製造において、電子部品のリード端子を所定の電極部にはんだ付けするためには、前記電極部に予めフラックスを含むクリームはんだを印刷しておき、所要の電子部品を位置決め配置した後、クリームはんだをリフローさせてはんだ付けを行う方法が一般的である。
【0004】
近年では、電子回路に微細な部品が増えたことや高密度実装化に伴って、スクリーンに形成される貫通孔のサイズが非常に小さなものになり、貫通孔内の印刷材料をプリント配線基板に完全に転写するのが困難になってきている。即ち、被印刷体とスクリーンとを離間させるときに、貫通孔内面に印刷材料が付着して残り、被印刷体上の印刷材料の量が不足したり、印刷材料により形成されるパターンの欠けが生じる等の問題があった。
【0005】
この問題を解決するため、例えばスクリーン印刷方法及びスクリーン印刷補助装置(特許文献1)や、スクリーン印刷法(特許文献2)等では、スクリーンと被印刷体との離間に先だってスクリーンに超音波振動を与える、或は超音波振動を与えながらスクリーンと被印刷体とを離間させて、微細な貫通孔部分における印刷材料の抜け性を良くするようにしている。
【0006】
又、特許文献1では、作業者又はロボットが、超音波振動ユニットの振動ヘッドを把持操作によりスクリーンに直接当てるようにしており、特許文献2では、スクリーン印刷機に、超音波振動ヘッド(超音波振動子とホーンから成る)が上下左右に移動可能に取り付けられ、超音波振動子の振動はホーンを介してスクリーンに伝えられる。
【0007】
印刷手法を用いないはんだ回路形成法の中で、高精細なパターンのはんだ回路に適用可能な方法としてはめっき装置(特許文献3)がある。
【0008】
又、表面をフラックスでコーティングしたはんだ粉末を静電塗装法により回路部分に塗布する方法(特許文献4)の提案があるが、高精細なパターンのはんだ回路形成には問題がある。
【0009】
又、電極或は配線上にNi等をメタライズを施し、メタライズされた部分に選択的に粘着膜を形成し、この粘着膜上に所定体積のはんだプリフォームをステンシルマスク或は吸着マスクを用いて付着させる方法(特許文献5)は、高精細なはんだ回路形成が行える方法として提案として提案されている。
【0010】
【特許文献1】特開平5−246005号公報
【特許文献2】特開平6−106705号公報
【特許文献3】特開平10−275811号公報
【特許文献4】特開平3−050853号公報
【特許文献5】特開2001−267731号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1(特開平5−246005号公報)や特許文献2(特開平6−106705号公報)の手法は、クリームはんだ内のはんだ粉末が均一に分布している場合において定量的にはんだを供給することが可能な手法である。そのため、クリームはんだの均一性を精密に制御しなければならないという問題がある。
【0012】
又、特許文献5(特開平10−275811号公報)のめっき装置では、電子部品類のはんだ回路部となる対象部分が独立したパターンとして存在する場合が多く、電解メッキの適用は電気導通の点で困難を伴う。一方、無電解メッキは上記電解メッキにおける電気導通の問題点は解決されるが、はんだ薄層の厚さが必要な厚さを得ることが困難であるという技術上の問題がある。又、特許文献6(特開平3−050853号公報)の方法では、高精細なパターンのはんだ回路形成には問題がある。
【0013】
又、特許文献7(特開2001−267731号公報)ではプリント基板電極に対してはんだ搭載を行う場合、電極上にはんだが全く存在しない、はんだプリフォームの搭載エラーが発生してしまう場合がある。そのため、このようなプリント基板に対して部品実装を行った場合には、確実に部品の接合不良が発生してしまう。実装基板の高機能化・高精細化に伴い、部品点数の増加が見込まれており、このようなはんだプリフォームの搭載エラーがプリント基板1枚当たりに発生する確率は高くなる傾向にある。そのため、量産工程においてこの方法を用いた場合、良品率の歩留まりが低くなってしまうという問題がある。
【0014】
又、はんだを付着させるための粘着膜の形成を行う必要があり、生産プロセスの工程数の増加に伴う歩留まりの低下・コストの増加が発生してしまう。
【0015】
本発明の目的は、はんだプリント基板電極に対してはんだ搭載を行う場合において、電極上にはんだが存在しない搭載エラーを防止し、一定量のはんだを確実に搭載することが可能なはんだ印刷方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するため、本発明のはんだ印刷法は、プリント基板電極部に対して、選択的にフラックスを塗布した後に、はんだ粉末を散布することで、フラックス塗布部に選択的にはんだ粉末を付着させ、はんだ及びフラックスを搭載することを特徴とする。
【0017】
ここで本発明は、プリント配線基板電極部に対してフラックスを選択的に塗布する方法として、プリント基板電極部と同一の位置に穴の空いている孔版マスクをプリント基板に密着させる工程と、スキージの摺動によって孔版にフラックスを孔部よりプリント配線基板電極部に付着させるスクリーン印刷方法を用い、その後、はんだ粉末をフラックス塗布部に付着させることで、はんだ及びフラックスを搭載することを含む。
【0018】
又、本発明は、プリント配線基板電極部に対してフラックスを選択的に塗布する方法として、プリント配線基板電極部のパターンと同様の凹パターンの角が施されている凹版に対して、ディスペンサーによって前記凹版の凹部にフラックスを注入した後、凹部よりはみ出した余分なフラックスをドクターブレードによって除去し、凹版上のフラックス塗布パターンをブランケット表面に対して転写させ、ブランケットに転写されたフラックスパターンをプリント配線基板電極部に対して転写させるオフセット印刷方法を用い、その後、はんだ粉末をフラックス塗布部に付着させることで、はんだ及びフラックスを搭載することを含む。
【0019】
又、本発明は、プリント配線基板電極部に対してフラックスを選択的に塗布する方法として、インクジェットヘッドのインクとしてフラックスを用い、このインクジェットヘッドをXY駆動機構によってプリント配線基板電極部の位置に移動させ、インクジェットからフラックスを吐出させることによってフラックスパターンを直接描画するインクジェット印刷方法を用い、その後、はんだ粉末をフラックス塗布部に付着させることで、はんだ及びフラックスを搭載することを含む。
【0020】
又、本発明は、フラックス印刷パターンにはんだ粉末を供給する方法として、フラックスパターンの印刷されたプリント配線基板の表面にはんだ粉末を均一に散布した後、フラックスに付着しないで基板表面に残留しているはんだ粉末をエアーブローによって除去することによって、はんだ粉末をプリント配線基板電極部分にのみ供給することを含む。
【0021】
又、本発明は、フラックス印刷パターンにはんだ粉末を供給する方法として、フラックス印刷パターンと同一形状の貫通孔の設けられた孔版マスクを、フラックス印刷パターンと孔版のパターンが重なるように配置した後、はんだ粉末を孔版パターンの上に均一に散布した後、フラックスに付着せずに孔版上に残留しているはんだ粉末をドクターブレードによって掻き取ることではんだ粉末をプリント配線基板電極部分にのみ供給することを含む。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、プリント基板電極部に対して、選択的にフラックスを塗布した後に、はんだ粉末を散布することで、フラックス塗布部に選択的にはんだ粉末を付着させ、はんだ及びフラックスを搭載することにより、フラックス印刷部表面に対して選択的にはんだ粉末か吸着されることから、はんだの不要な流出を防止でき、リフロープロセスに際してブリッジ等の不良発生を低減することができる。
【0023】
又、はんだ粉末を散布・付着させる工程では、一塊のはんだプリフォームをマウントする場合と比較して、基板電極部に対してはんだが全く付着しないという状況を回避し易い。
【0024】
又、その際に付着するはんだ粉末の総量は、フラックス塗布部の表面積の大きさに依存するため、フラックスの印刷面積を高精度に制御することで、はんだ供給量を高精度に制御することができる。
【0025】
更に、プリント配線基板電極部に対してフラックスを選択的に塗布する方法として、プリント基板電極部と同一の位置に穴の空いている孔版マスクをプリント基板に密着させる工程と、スキージの摺動によって孔版にフラックスを孔部よりプリント配線基板電極部に付着させるスクリーン印刷方法を用い、その後、はんだ粉末をフラックス塗布部に付着させることで、はんだ及びフラックスを搭載することをにより、孔版マスクの孔部の面積分だけプリント配線基板電極部に印刷を施すことができるため、孔版マスクの孔部サイズを制御することで、フラックス印刷面積の制御を行うことができる。そのため、はんだ供給量の制御を実現することが可能となる。
【0026】
又、プリント配線基板電極部に対してフラックスを選択的に塗布する方法として、プリント配線基板電極部のパターンと同様の凹パターンの角が施されている凹版に対して、ディスペンサーによって前記凹版の凹部にフラックスを注入した後、凹部よりはみ出した余分なフラックスをドクターブレードによって除去し、凹版上のフラックス塗布パターンをブランケット表面に対して転写させ、ブランケットに転写されたフラックスパターンをプリント配線基板電極部に対して転写させるオフセット印刷方法を用い、その後、はんだ粉末をフラックス塗布部に付着させることで、はんだ及びフラックスを搭載することにより、凹版の凹部に充填されたフラックスがプリント配線基板電極部に印刷されるため、凹版の凹部サイズを制御することで、フラックス印刷面積の制御を行うことができる。そのため、はんだ供給量の制御を実現することが可能となる。
【0027】
又、プリント配線基板電極部に対してフラックスを選択的に塗布する方法として、インクジェットヘッドのインクとしてフラックスを用い、このインクジェットヘッドをXY駆動機構によってプリント配線基板電極部の位置に移動させ、インクジェットからフラックスを吐出させることによってフラックスパターンを直接描画するインクジェット印刷方法を用い、その後、はんだ粉末をフラックス塗布部に付着させることで、はんだ及びフラックスを搭載することにより、インクジェットヘッドのXY位置を制御することでフラックスの印刷パターンの制御が行える。そのため、はんだ供給量の制御を実現することが可能となる。
【0028】
又、フラックス印刷パターンにはんだ粉末を供給する方法として、フラックスパターンの印刷されたプリント配線基板の表面にはんだ粉末を均一に散布した後、フラックスに付着せずに基板表面に残留しているはんだ粉末を、エアーブローによって除去することによって、はんだ粉末をプリント配線基板電極部分にのみ供給することにより、フラックスに付着しないで基板上に残留しているはんだ粉末を、エアーブローによって選択的に除去することが可能である。そのため、高精細な印刷パターンでのはんだ供給を実現することが可能となる。
【0029】
又、フラックス印刷パターンにはんだ粉末を供給する方法として、フラックス印刷パターンと同一形状の貫通孔の設けられた孔版マスクを、フラックス印刷パターンと孔版のパターンが重なるように配置した後、はんだ粉末を孔版パターンの上に均一に散布した後、フラックスに付着しないで孔版上に残留しているはんだ粉末をドクターブレードによって掻き取ることではんだ粉末をプリント配線基板電極部分にのみ供給することにより、フラックスに付着しなかったはんだ粉末をドクターブレードによって選択的に除去することが可能となるため、高精細な印刷パターンでのはんだ供給を実現することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明の実施の形態について以下に述べる。本発明は、プリント配線基板電極部に対してフラックスを塗布する工程と、フラックス印刷部分に対してはんだ粉末を選択に付着させる工程から構成されるはんだ印刷方法である。
【0031】
プリント配線基板電極部にフラックスを塗布する方法として、図1に示すようなスクリーン方法を利用することが望ましい。図1の孔版マスク102にはプリント配線基板101電極部と同一のパターンを持った貫通孔が設けられている。この孔版マスク102を、プリント配線基板101電極部と孔版マスク102の孔部パターン位置が一致するようにプリント配線基板の上に密着させる。その後、孔版マスク表面に、ディスペンサーによってフラックス103を供給する。その後、孔版マスク102上をスキージ104が走行することによって、フラックス103が孔版マスク102孔部に充填される。このとき、プリント配線基板101と孔版マスク102が密着しているため、フラックスの漏れ出しが防止され、孔版マスク102上の孔部パターンと同一パターンを持ったフラックス印刷パターンを得ることが可能となる。
【0032】
又、プリント配線基板電極部にフラックスを塗布する方法として、図2に示すようなオフセット方法を利用しても良い。図2の凹版201には、プリント配線基板電極部と同一のパターンの凹部か加工されている。この凹版201の凹部に対して、ディスペンサー202によってフラックス203を供給する。ディスペンサー202によって供給されたフラックス203のうち、凹部に充填されない余分なフラックスは、凹版201表面をドクターブレード204で掃引することで除去する。
【0033】
ドクターブレード204によって余分なフラックスを除去した凹版201に、図に示すようにブランケット205を押し当てる。ブランケット205はドラム状の形状をしており、凹版201上を転がすことによって凹版凹部に充填されたフラックスパターン206がブランケット205表面に転写される。
【0034】
その後、フラックスパターン206が転写されたブランケット205をプリント配線基板上に配置する。このとき、フラックスパターン206とプリント配線基板の電極パターンとが一致するように位置決めをし、その後にブランケット205を押し付けながらプリント配線基盤上を転がす。このような工程を経ることによって、プリント配線基板電極上にフラックスを印刷することが可能になる。
【0035】
又、プリント配線基板上電極部にフラックスを塗布する方法として、図に示すようなインクジェット印刷方法を利用しても良い。
【0036】
先ず、プリント配線基板301にインクジェットヘッド302を配置する。このとき、インクジェットヘッド302はXYステージ303に設置されており、プリント配線301基板上の任意の位置に移動することができる。インクジェットヘッド302にはインクとしてフラックスが供給されており、ヘッドを駆動することによってプリント配線基板上にフラックス液滴が印刷される。従って、XYステージ303を駆動させることによって、プリント配線基板301電極部に対して選択的にフラックスを供給することが可能になる。
【0037】
上記のような方法によってフラックスパターンが印刷されたプリント配線基板を得ることができる。以下では、プリント配線基板電極部に印刷されたフラックスパターンに対して、はんだ粉末を選択的に供給する方法について説明する。
【0038】
フラックス塗布部に選択的にはんだ粉末を供給する方法としては、以下のような方法が望ましい。
【0039】
先ず、フラックスパターンの印刷されたプリント配線基板401上に隙間が生まれないよう密にはんだ粉末402を散布する。はんだ粉末402が散布された後、プリント配線基板401表面にはフラックスに付着し固定されたはんだ粉末と、フラックスに付着せず固定されていないはんだ粉末が存在する。このうち、固定されていないはんだ粉末を除去するための方法として、エアーブロー403によって吹き飛ばす方法が望ましい。このときのエアーブロー403の圧力は、塗布したフラックスの粘度に応じて調整することが望ましい。エアーブロー403によってフラックスに付着していないはんだ粉末を除去され、結果としてフラックス印刷部にのみはんだ粉末が残ることになる。はんだ粉末を隙間無く散布したことにより、フラックス塗布部分の表面に隙間無くはんだ粉末が付着することになる。そのため、フラックス塗布面積に応じて定量的にはんだを供給することが可能である。
【0040】
又、フラックス塗布部に選択的にはんだ粉末を供給する方法としては以下のような方法を用いても良い。
【0041】
先ず、フラックス印刷パターンと同様のパターンの貫通工の開いた孔版マスク501を用意する。この孔版マスク501をプリント配線基板502上に密着させる。このとき、フラックスの印刷パターンと孔版マスク501の孔部パターンとが一致するように孔版マスクを設置する。これにより、フラックス印刷部分以外は孔版によって覆われることになる。
【0042】
次に、孔版マスク501の上から、はんだ粉末507を隙間が生まれないよう密に散布する。このとき、孔版孔部のはんだ粉末はフラックスに付着して固定され、それ以外のはんだ粉末は固定されない。固定されない余分なはんだ粉末を除去する方法として、孔版マスク表面をドクターブレード508で掃引する方法が望ましい。このようにすることで、フラックスに付着しなかったはんだ粉末のみを除去することができる。その後、孔版マスク501をプリント配線基板502から分離すると、フラックス印刷部にのみはんだ粉末が付着したプリント配線基板502を得ることができる。このとき付着しているはんだ粉末の量はフラックス印刷部の面積に依存する。そのため、フラックス塗布面積に応じて定量的にはんだ粉末を供給することが可能である。
【実施例1】
【0043】
以下に具体的な実施例を述べる。本実施例では、ガラスエポキシ製の基板上に直径70μmの円形銅電極が100μm間隔でアレイ状に配置されたプリント電極基板に対してフラックス及びはんだの搭載を実施した。今回実施したプロセスの流れを図6に示す。
【0044】
先ず、フラックス印刷工程611〜613についての実施例を述べる。印刷は孔版マスク602を使用して行った。この際に使用した孔版マスク602はプリント配線基板601と同様に直径70μmの貫通孔が100μm間隔でアレイ状に設置されており、孔版の厚さは75μmである。
【0045】
前記のような孔版マスク602を使用してフラックス604の印刷を行った。印刷を行ったフラックス604はPbフリーはんだ用ロジン系フラックスである。フラックス604をディスペンサで供給した後、スキージ603を孔版マスク上で摺動させることで、フラックスを孔版孔部に対して充填させた。
【0046】
このときのスキージ603はウレタンゴム製でゴム硬度は60〜70度である。又、スキージの印圧は1kgf/cm2 である。このような状態でスキージを0.5mm/secで摺動させた。
【0047】
その結果、直径70μmの銅電極に、平均高さ40±5μmのフラックスが印刷された。フラックス印刷部は銅電極からはみ出ることはなく、直径67〜70μmの範囲内にフラックスの印刷が行われる。
【0048】
前記のフラックス印刷基板を用いて行った、はんだ粉末搭載工程615〜617の実施例について以下に述べる。はんだ粉末は直径2〜4μmの粉末を使用した。
【0049】
先ず、フラックスの印刷されたプリント配線基板上に上記のはんだ粉末605を散布した。その後、エアーブロー606によって余分なはんだ粉末を除去するプロセスを行った。エアーブロー606のエアー圧は0.5MPaである。その結果、フラックスに付着しなかったはんだ粉末を全て除去することができた。この際、はんだ粉末がフラックスに付着する際に、フラックスの側面部分への付着が見られた。そのため、はんだの搭載された電極間の最小間隔は、94μm程度となった。このことを踏まえると、フラックスを印刷する際に、電極よりも一回り小さいパターンでの印刷を行うことが望ましい。具体的にはφ70μmの電極については65μm程度の大きさに印刷を行うことが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明のフラックスのスクリーン印刷法を説明する図である。
【図2】本発明のフラックスのオフセット印刷法を説明する図である。
【図3】本発明フラックスのインクジェットプリント法を説明する図である。
【図4】本発明のはんだ粉末の供給法(エアーブロー)を説明する図である。
【図5】本発明のはんだ粉末の供給法(マスク)を説明する図である。
【図6】本発明の代表的な実施例を説明する図である。
【符号の説明】
【0051】
101 プリント配線基板
102 孔版マスク
103 スキージ
104 フラックス
111 孔版設置工程
112 スキージ工程
113 フラックス塗布完了
114 孔版マスク除去工程
201 凹版
202 ディスペンサー
203 フラックス
204 ドクターブレード
205 ブランケット
206 フラックスパターン
211 工程開始
212 フラックス供給工程
213 フラックス除去工程
214 フラックス充填完了
215 ブランケット設置
216 ブランケットへの転写工程
217 プリント配線基板への転写工程
218 転写完了
301 プリント配線基板
302 インクジェットヘッド
303 XYステージ
311 プリント配線基板設置工程
312 フラックス吐出工程
313 パターン印刷完了
401 フラックス塗布済プリント配線基板
402 はんだ粉末
403 エアーブロー
411 はんだ粉末散布工程
412 エアーブロー工程
413 はんだ搭載完了
501 孔版マスク
502 プリント配線基板
503 電極部
504 フラックス
505 スキージ
506 はんだ粉末
507 ドクターブレード
511 孔版マスク設置工程
512 フラックス塗布工程
513 フラックス塗布完了
514 はんだ粉末散布工程
515 余剰はんだ粉末除去工程
516 はんだ搭載完了
601 プリント配線基板
602 孔版マスク
603 スキージ
604 フラックス
605 はんだ粉末
606 エアーブロー
611 孔版マスク設置工程
612 フラックス塗布工程
613 フラックス塗布完了
614 孔版マスク除去工程
615 はんだ粉末散布工程
616 エアーブロー工程
617 はんだ搭載完了

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品等を実装する配線基板上の電極部分に対して、選択的にフラックスを塗布するフラックス塗布工程と、
前記フラックス塗布工程で形成されたフラックス印刷部に対して選択的にはんだ粉末を供給するはんだ供給工程とを経ることを特徴とするはんだ印刷方法。
【請求項2】
前記フラックス印刷工程が、任意のパターンの貫通孔が設置されている孔版マスクを前記配線基板に密着させる工程と、
スキージを摺動させることで前記貫通孔部から配線基板の電極部分に選択的にフラックスを塗布させる工程とを経るスクリーン印刷方法で構成されていることを特徴とする請求項1記載のはんだ印刷方法。
【請求項3】
前記フラックス印刷工程が、任意のパターンが加工された凹版にディスペンサーを用いてフラックスを供給する工程と、
前記ディスペンサーで供給された余分なフラックスをドクターブレードによって掻き取る工程と、
前記凹版上のフラックスパターンをブランケットに転写する工程と、
前記ブランケットから配線基板上の電極部にフラックスパターンを転写させる工程とを経るオフセット印刷方法で構成されていることを特徴とする請求項1記載のはんだ印刷方法。
【請求項4】
前記フラックス印刷工程が、微小液滴を吐出するインクジェットヘッドによって、フラックスを配線基板上に直接描画するインクジェット印刷方法から構成されていることを特徴とする請求項1記載のはんだ印刷方法。
【請求項5】
前記はんだ供給工程が、フラックス塗布工程によってフラックスが塗布された配線基板表面にはんだ粉末を散布する工程と、
フラックス塗布部に付着しなかった余分なはんだ粉末をエアブローによって除去する工程とで構成されていることを特徴とする請求項1記載のはんだ印刷方法。
【請求項6】
前記はんだ供給工程が、フラックス塗布工程によってフラックスが塗布された配線基板表面に、フラックス塗布パターンと同様の位置に貫通孔の設けられた孔版マスクを設置する工程と、孔版表面にはんだ粉末を散布し孔版孔部にはんだ粉末を充填させる工程と、
前記はんだ粉末散布工程で孔版孔部に充填されなかった孔版上の余分なはんだ粉末をドクターブレードによって掻き取る工程とで構成されていることを特徴とする請求項1記載のはんだ印刷方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−165092(P2006−165092A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−350976(P2004−350976)
【出願日】平成16年12月3日(2004.12.3)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】