説明

アイドリングストップ装置

【課題】運転者の煩わしさを低減する。
【解決手段】車両が信号待ちにより停車したと判定された場合、車両のエンジンを自動で停止させるアイドリングストップ装置において、車両が上り坂で停車したと判定された場合(S102:YES)、車両が信号機の存在しない場所で右左折するために停車したと判定された場合(S104:YES)、車両が駐車スペースに停車したと判定された場合(S106:YES)には、車両のエンジンの停止を禁止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両停車時に車両のエンジンを自動で停止させるアイドリングストップ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の装置として、信号灯の信号制御情報を無線送信機より無線送信させ、車両に搭載された車載器は、信号待ちで停車する停車時間を信号灯の信号制御情報から取得し、停車時間が閾値より短いときはアイドリングストップを行わないようにしたものがある(例えば、特許文献1〜3参照)。
【特許文献1】特開2001−188991号公報
【特許文献2】特開2001−207883号公報
【特許文献3】特開2000−18059号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記した装置は、車両が信号待ちにより停車したのか、信号待ち以外の要因で停車したのかに関わらずアイドリングストップを実施するようになっているので、運転者の意図しない状況で車両のエンジンを停止させてしまうといった状況が生じるといった問題がある。
【0004】
本発明は上記問題に鑑みたもので、運転者の意図しない状況で車両のエンジンが停止されてしまうことを低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、車両停車時に当該車両のエンジンを自動で停止させるアイドリングストップ装置であって、車両が上り坂で停車したか否かを判定する上り坂停車判定手段を備え、上り坂停車判定手段により車両が上り坂で停車したと判定された場合には、車両のエンジンの停止を禁止することを特徴としている。
【0006】
このような構成によれば、車両が上り坂で停車したと判定された場合には、車両のエンジンの停止が禁止されるので、運転者の意図しない状況で車両のエンジンが停止されてしまうことを低減することができる。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、上り坂停車判定手段により車両が上り坂で停車したと判定された場合、ユーザ操作に応じて上り坂停車判定手段により車両が上り坂で停車したと判定された場合に車両のエンジンを自動停止する設定となっているか否かを判定する上り坂停車時自動停止設定判定手段を備え、上り坂停車時自動停止設定判定手段により車両のエンジンを自動停止しない設定となっていると判定された場合、車両のエンジンの停止を禁止することを特徴としている。
【0008】
このように、車両が上り坂で停車したと判定された場合であっても、車両のエンジンを自動停止しない設定となっていると判定された場合、車両のエンジンの停止を禁止することができる。
【0009】
また、上記目的を達成するため、請求項3に記載の発明は、車両停車時に当該車両のエンジンを自動で停止させるアイドリングストップ装置であって、車両が信号機の存在しない場所で右左折するために停車したか否かを判定する右左折停車判定手段を備え、右左折停車判定手段により車両が信号機の存在しない場所で右左折するために停車したと判定された場合には、車両のエンジンの停止を禁止することを特徴としている。
【0010】
このような構成によれば、車両が信号機の存在しない場所で右左折するために停車したと判定された場合には、車両のエンジンの停止が禁止されるので、運転者の意図しない状況で車両のエンジンが停止されてしまうことを低減することができる。
【0011】
また、上記目的を達成するため、請求項4に記載の発明は、車両停車時に当該車両のエンジンを自動で停止させるアイドリングストップ装置であって、車両が駐車スペースに停車したか否かを判定する駐車スペース停車判定手段を備え、駐車スペース停車判定手段により車両が駐車スペースに停車したと判定された場合には、車両のエンジンの停止を禁止することを特徴としている。
【0012】
このような構成によれば、車両が駐車スペースに停車したと判定された場合には、車両のエンジンの停止が禁止されるので、運転者の意図しない状況で車両のエンジンが停止されてしまうことを低減することができる。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、車両が渋滞により停車したか否かを判定する渋滞停車判定手段を備え、車両のエンジンの停止が禁止されていない場合で、かつ、渋滞停車判定手段により車両が渋滞により停車したと判定された場合には、車両のエンジンを停止させることを特徴としている。
【0014】
このような構成によれば、車両のエンジンの停止が禁止されていない場合で、かつ、車両が渋滞により停車したと判定された場合には、車両のエンジンを停止させることができる。
【0015】
また、請求項6に記載の発明は、車両が信号待ちにより停車したか否かを判定する信号待ち停車判定手段と、ユーザ操作に応じて信号待ち停車判定手段により車両が信号待ちにより停車したと判定された場合に車両のエンジンを自動停止する設定となっているか否かを判定する信号待ち停車時自動停止設定判定手段と、を備え、信号待ち停車時自動停止設定判定手段により車両のエンジンを自動停止しない設定となっていると判定された場合には、車両のエンジンの停止が禁止されていない場合で、かつ、信号待ち停車判定手段により車両が信号待ちにより停車したと判定された場合であっても、車両のエンジンの自動停止を禁止することを特徴としている。
【0016】
このように、車両が信号待ちにより停車したと判定された場合に車両のエンジンを自動停止しない設定となっていると判定された場合には、車両のエンジンの停止が禁止されていない場合で、かつ、信号待ち停車判定手段により車両が信号待ちにより停車したと判定された場合であっても、車両のエンジンの自動停止を禁止することができる。
【0017】
また、請求項7に記載の発明は、ユーザ操作に応じて渋滞停車判定手段により車両が渋滞により停車したと判定された場合に車両のエンジンを自動停止する設定となっているか否かを判定する渋滞停車時自動停止設定判定手段を備え、渋滞停車時自動停止設定判定手段により車両のエンジンを自動停止しない設定となっていると判定された場合には、車両のエンジンの停止が禁止されていない場合で、かつ、渋滞停車判定手段により車両が渋滞により停車したと判定された場合であっても、車両のエンジンの自動停止を禁止することを特徴としている。
【0018】
このように、車両が渋滞により停車したと判定された場合に車両のエンジンを自動停止しない設定となっていると判定された場合には、車両のエンジンの停止が禁止されていない場合で、かつ、渋滞停車判定手段により車両が渋滞により停車したと判定された場合であっても、車両のエンジンの自動停止を禁止することができる。
【0019】
また、請求項8に記載の発明は、信号待ち停車時自動停止設定判定手段により車両のエンジンを自動停止する設定となっていると判定された場合、アイドリングストップする場合とアイドリングストップしない場合の各燃費を算出してアイドリングストップする場合とアイドリングストップしない場合の優劣を判定する優劣判定手段と、を備え、優劣判定手段によりアイドリングストップする場合の方がアイドリングストップしない場合よりも燃費が優れていると判定された場合、アイドリングストップを実施し、アイドリングストップする場合の方がアイドリングストップしない場合よりも燃費が劣っていると判定された場合、アイドリングストップを禁止することを特徴としている。
【0020】
このような構成によれば、アイドリングストップする場合の方がアイドリングストップしない場合よりも燃費が優れていると判定された場合、アイドリングストップを実施し、アイドリングストップする場合の方がアイドリングストップしない場合よりも燃費が劣っていると判定された場合、アイドリングストップを禁止するので、燃費特定の良好なアイドリングストップ制御を行うことができる。
【0021】
また、請求項9に記載の発明は、信号待ち停車時自動停止設定判定手段により車両のエンジンを自動停止する設定となっていると判定された場合、アイドリングストップする場合とアイドリングストップしない場合の各二酸化炭素排出量を算出してアイドリングストップする場合とアイドリングストップしない場合の優劣を判定する優劣判定手段と、を備え、優劣判定手段によりアイドリングストップする場合の方がアイドリングストップしない場合よりも二酸化炭素排出量が少ないと判定された場合、アイドリングストップを実施し、アイドリングストップする場合の方がアイドリングストップしない場合よりも二酸化炭素排出量が多いと判定された場合、アイドリングストップを禁止することを特徴としている。
【0022】
このような構成によれば、アイドリングストップする場合の方がアイドリングストップしない場合よりも二酸化炭素排出量が少ないと判定された場合、アイドリングストップを実施し、アイドリングストップする場合の方がアイドリングストップしない場合よりも二酸化炭素排出量が多いと判定された場合、アイドリングストップを禁止するので、二酸化炭素排出量が少なくするようなアイドリングストップ制御を行うことができる。
【0023】
また、請求項10に記載の発明は、アイドリンクストップを実施した場合、アイドリンクストップの要因を記憶媒体に記憶するようになっており、アイドリンクストップを実施したことを判定した場合、記憶媒体に記憶されたアイドリンクストップの要因を読み出して前回のアイドリングストップの要因と今回のアイドリングストップの要因が同一の信号機による信号待ちであるか否かを判定する同一信号待ち停車判定手段と、同一信号待ち停車判定手段により同一の信号機による信号待ちであると判定された場合、ユーザにアイドリングストップの許可または禁止を確認する第1の確認手段と、を備え、第1の確認手段によりアイドリングストップの禁止が確認された場合、同一の信号機を通過するまでアイドリングストップを禁止し、第1の確認手段によりアイドリングストップの許可が確認された場合、アイドリングストップを許可することを特徴としている。
【0024】
このような構成によれば、アイドリングストップの禁止が確認された場合、同一の信号機を通過するまでアイドリングストップが禁止され、アイドリングストップの許可が確認された場合、アイドリングストップが許可されるので、ユーザの意図に従ってアイドリングストップを実施することができる。
【0025】
また、請求項11に記載の発明は、アイドリンクストップを実施した場合、アイドリンクストップの要因を記憶媒体に記憶するようになっており、アイドリンクストップを実施したことを判定した場合、記憶媒体に記憶されたアイドリンクストップの要因を読み出して前回のアイドリングストップの要因と今回のアイドリングストップの要因が同一渋滞によるものであるか否かを判定する同一渋滞判定手段と、同一渋滞判定手段により前回のアイドリングストップの要因と今回のアイドリングストップの要因が同一渋滞によるものであると判定された場合、ユーザにアイドリングストップの許可または禁止を確認する第2の確認手段と、を備え、第2の確認手段によりアイドリングストップの禁止が確認された場合、同一渋滞を通過するまでアイドリングストップを禁止し、第2の確認手段によりアイドリングストップの許可が確認された場合、アイドリングストップを許可することを特徴としている。
【0026】
このような構成によれば、アイドリングストップの禁止が確認された場合、同一渋滞を通過するまでアイドリングストップが禁止され、アイドリングストップの許可が確認された場合、アイドリングストップが許可されるので、ユーザの意図に従ってアイドリングストップを実施することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明の一実施形態に係るアイドリングストップ装置の構成を図1に示す。本アイドリングストップ装置は、ナビゲーション装置100およびエンジン制御装置200により構成されている。ナビゲーション装置100は、角度センサ101、距離センサ102、GPS受信機103、地図データ入力器104、操作スイッチ群105、周辺監視センサ106、制御回路107、表示装置108、音声出力装置109、送受信機110、外部メモリ111を備えている。また、制御回路107には、車両より、パーキングブレーキの操作に応じたパーキングブレーキ信号、シフトギヤ位置を示すギヤポジション信号、右折ウィンカ操作を示す右折ウィンカ信号、左折ウィンカ操作を示す左折ウィンカ信号およびステアリング操作に応じた舵角信号が入力されるようになっている。
【0028】
角度センサ101は、ジャイロスコープ、地磁気センサおよび加速度センサを用いて構成され、車両の水平方向の回転角度及び前後方向の回転角度を検出する。距離センサ102は、車速に応じた車速信号を出力するものである。GPS受信機103は、GPS衛星からの電波に基づいて車両の現在位置を検出するものである。
【0029】
地図データ入力器104は、地図表示や経路探索用の地図データを取得するための装置である。地図データ入力器104は、制御回路107の要求に応じて、地図データが記憶されたハードディスクドライブ等の不揮発性記憶媒体から必要な地図データの読み出しを行う。
【0030】
地図データには、各リンクの距離、道路種別、車線数、信号機の位置等を表す道路データ、位置検出精度を向上するためのいわゆるマップマッチングデータ、川、湖、海、鉄道、施設、駐車スペースなどの位置、形状、名称を表す背景データ、各地の施設の名称、所在位置、施設種類等を示す施設データ等が含まれる。
【0031】
操作スイッチ群105は、表示装置108の表示画面の周囲に設けられた押ボタンスイッチや表示画面の前面に重ねて設けられたタッチスイッチ等によって構成され、ユーザのスイッチ操作に応じた信号を出力する。
【0032】
周辺監視センサ106は、カメラやミリ波レーダなどを用いて構成され、車両の前方方向や左右方向に存在する物体(例えば、車両)の有無を検出するとともに物体との距離を計測する。
【0033】
表示装置108は、液晶等のディスプレイを有し、制御回路107から入力される映像信号に応じた映像をディスプレイに表示させる。音声出力装置109は、制御回路107から入力される音声信号に応じた音声を出力する。
【0034】
送受信機110は、信号情報および渋滞情報を送信する路上機300とデータ通信するためのものである。なお、路上機300から送信される信号情報および渋滞情報はVICSセンタより提供される。本実施形態における送受信機110は、FM多重、光ビーコン、電波ビーコン、他の各メディアに対応している。
【0035】
外部メモリ111は、後述する制御回路107に設けられたRAMやROMとは別に設けられたメモリであり、フラッシュメモリ等の不揮発性記憶媒体によって構成されている。
【0036】
制御回路107は、CPU、RAM、ROM、I/O等を備えたコンピュータとして構成されており、CPUはROMに記憶されたプログラムに従って各種処理を実施する。制御回路107の処理としては、角度センサ101、距離センサ102およびGPS受信機103より入力される各種情報に基づいて車両の現在位置とともに車両の向き、水平方向の回転角度、前後方向の回転角度を特定する現在位置特定処理、自車位置周辺の地図データを地図データ入力器15から取得して自車位置周辺の地図上に自車位置マークを表示させる地図表示処理等がある。
【0037】
本アイドリングストップ装置には、図示しないバッテリ電源(+B)およびアクセサリ電源(ACC電源)が供給されるようになっている。バッテリ電源は、車両バッテリより常時供給され、アクセサリ電源は、エンジンキーがACC位置またはオン位置になされたときに供給され、エンジンキーがオフ位置になされると停止される。
【0038】
エンジン制御装置200は、CPU、メモリ、I/O等を備えたコンピュータとして構成されており、運転者の操作に応じて車両のエンジンの始動および停止を行う。本実施形態におけるエンジン制御装置200は、制御回路107より入力される信号に応じて車両のエンジンを自動で停止させる処理も行う。
【0039】
本アイドリングストップ装置は、アイドリング自動ストップ設定メニューに従って、ユーザがアイドリングを自動でストップさせる項目を事前に設定することができるようになっている。
【0040】
図2に、このアイドリング自動ストップ設定メニューの表示例を示す。ユーザは、メニューに従って「信号待ち」、「渋滞」、「上り坂停車時」の各項目に対し、「アイドリングストップする」または「アイドリングストップしない」の設定を行うようになっている。例えば、「信号待ち」の項目を「アイドリングストップする」に設定すると、車両が信号待ちで停車した場合にアイドリングストップを実施し、「信号待ち」の項目を「アイドリングストップしない」に設定すると、車両が信号待ちで停車した場合にアイドリングストップを実施しないようにすることが可能となる。なお、設定された情報は、外部メモリ111に記憶されるようになっている。
【0041】
図3に、制御回路107のフローチャートを示す。車両のイグニッションスイッチがオン位置になされると、制御回路107は、図3に示す処理を定期的に実施する。
【0042】
まず、車両が停車したか否かを判定する(S100)。具体的には、距離センサ102より入力される車速信号に基づいて車両が走行状態から停車状態となったか否かを判定する。
【0043】
ここで、車両が走行状態から停車状態となると、S100の判定はYESとなり、S102へ進む。
【0044】
S102では、車両が上り坂で停車したか否かを判定する。なお、上り坂か否かの判定は、図4に示すように、現在位置特定処理により特定された車両の進行方向における水平方向に対する回転角度が、予め定められた閾値角度θ1以上か否かに基づいて判定することができる。
【0045】
ここで、車両の進行方向における水平方向に対する回転角度が閾値角度θ1以上となっていない場合、S102の判定はNOとなり、次に、右左折するために停車したかもしくは施設への進入待ち状態で停車したか否かを判定する(S104)。具体的には、図5(a)、(b)に示すように、車両が信号機の無い交差点を右左折するために停車したか、もしくは沿道の施設への進入待ち状態で停車したかを判定する。すなわち、車両が信号機の存在しない場所で右左折するために停車したか否かを判定する。
【0046】
この判定は、図6に示す判定ロジックに従って行うことができる。すなわち、信号機のない交差点もしくは右左折路、施設への進入路があり、かつ、右側もしくは左側へ寄って停車もしくは右左折帯で停車し、かつ、前方の一定距離以内に停車車両(先行車)が存在せず、かつ、右折もしくは左折のウィンカを出している場合に、右左折もしくは施設への進入待ちで停車していると判定することができる。
【0047】
ここで、車両が信号機の無い交差点を右左折するために停車した場合でもなく施設への進入待ち状態で停車した場合でもない場合、S104の判定はNOとなり、次に、駐車スペースへの駐車か否かを判定する(S106)。すなわち、図7に示すような駐車可能スペースに車両が駐車したか否かを判定する。
【0048】
この判定は、図8に示す判定ロジックに従って行うことができる。すなわち、本線脇の駐車可能スペースへ停車した場合、または、左へ寄って停車した場合に、駐車スペースへの駐車であると判定することができる。
【0049】
ここで、本線脇の駐車可能スペースへ停車した場合でもなく、左へ寄って停車してもいない場合、S106の判定はNOとなり、次に、信号待ちの停車か否かを判定する(S108)。すなわち、図9(a)に示すように、信号機のある交差点より手前の一定距離D1未満の位置に停車した場合、あるいは図9(b)に示すように、信号機のある交差点の手前に位置し、前方の一定距離D2以内に停車車両(先行車)が存在する場合、信号待ちの停車であると判定する。
【0050】
この判定は、図10に示す判定ロジックに従って行うことができる。すなわち、信号機のある交差点の手前一定距離D1未満に停車した場合、信号機のある交差点の手前一定距離D1以上に停車した場合、前方の一定距離D2以内に停車車両(先行車)が存在する場合、赤信号の場合を各条件とした論理組合せにより判定することができる。
【0051】
ここで、信号待ちによる停車でない場合、S108の判定はNOとなり、次に、渋滞による停車か否かを判定する(S110)。すなわち、図11に示すように、渋滞区間内に位置し、前方の一定距離D2以内に停車車両(先行車)が存在する場合、渋滞による停車であると判定する。
【0052】
この判定は、図12に示す判定ロジックに従って行うことができる。すなわち、車両が渋滞区間内に停車し、かつ、前方の一定距離D2以内に停車車両(先行車)が存在し、かつ、交差点内や緊急施設前など停車禁止区間でない場合に、渋滞による停車であると判定することができる。なお、渋滞区間内で停車したかどうかは、VICS情報と自車位置から判定することができる。
【0053】
ここで、車両が渋滞により停車した場合、S110の判定はYESとなり、次に、渋滞による停車時におけるアイドリング自動ストップ設定が車両のエンジンを自動停止する設定となっているか否かを判定する(S111)。
【0054】
ここで、渋滞による停車時におけるアイドリング自動ストップ設定が車両のエンジンを自動停止しない設定となっている場合、S111の判定はNOとなり、アイドリングストップを実施することなく、本処理を終了する。
【0055】
また、渋滞による停車時におけるアイドリング自動ストップ設定が車両のエンジンを自動停止する設定となっている場合には、S111の判定はYESとなり、次に、アイドリングストップを実施する(S112)。具体的には、エンジン制御装置200に車両のエンジンの停止を指示する信号を送信する。なお、エンジン制御装置200は、この車両のエンジンの停止を指示する信号に応じて車両のエンジンを停止させる。
【0056】
また、車両が上り坂で停車した場合には、S102の判定はYESとなり、次に、上り坂停車時におけるアイドリング自動ストップ設定が車両のエンジンを自動停止する設定となっているか否かを判定する(S103)。
【0057】
ここで、上り坂停車時におけるアイドリング自動ストップ設定が車両のエンジンを自動停止しない設定となっている場合、S103の判定はNOとなり、アイドリングストップを実施することなく、本処理を終了する。
【0058】
また、「上り坂停車時」におけるアイドリング自動ストップ設定が車両のエンジンを自動停止する設定となっている場合には、S103の判定はYESとなり、S104へ進む。
【0059】
また、車両が右左折するために停車したかもしくは沿道の施設への進入待ち状態で停車した場合には、S104の判定はYESとなり、アイドリングストップを実施することなく、本処理を終了する。
【0060】
このように、車両が右左折するために停車したかもしくは沿道の施設への進入待ち状態で停車した場合、車両のエンジンを停止させるのに適した状況でないものとし、車両のエンジンの停止を禁止するようになっている。
【0061】
また、車両が駐車スペースに停車した場合には、S106の判定はYESとなり、アイドリングストップを実施することなく、本処理を終了する。
【0062】
このように、車両が駐車スペースに停車した場合には、車両のエンジンを停止させるのに適した状況でないものとし、車両のエンジンの停止を禁止するようになっている。
【0063】
また、車両が信号待ちにより停車した場合には、S108の判定はYESとなり、次に、信号待ち停車時におけるアイドリング自動ストップ設定が車両のエンジンを自動停止する設定となっているか否かを判定する(S113)。
【0064】
ここで、信号待ち停車時におけるアイドリング自動ストップ設定が車両のエンジンを自動停止しない設定となっている場合、S113の判定はNOとなり、アイドリングストップを実施することなく、本処理を終了する。
【0065】
また、信号待ち停車時におけるアイドリング自動ストップ設定が車両のエンジンを自動停止する設定となっている場合には、S113の判定はYESとなり、次に、アイドリングあり/なしの場合の燃費を算出する(S114)。すなわち、アイドリングストップする場合とアイドリングストップしない場合の各燃費を算出する。
【0066】
具体的には、アイドリング状態で1秒間に消費する燃料値とエンジン再始動に消費する燃料値を定数として外部メモリ111に保持しておき、このエンジン再始動に消費する燃料値をアイドリングストップする場合の燃費とするとともに、1秒間に消費する燃料値にエンジンを停止させてからエンジンを始動させるまでの時間を乗算してアイドリングストップしない場合の燃費を算出する。ここで、信号で停止してから走行を開始するまでの時間は、送受信機110を介して信号機専用の路上機から受信した信号情報に基づいて推定することができる。なお、周辺監視センサ102により交差点の手前に停車車両(先行車両)があると判定された場合には、自車位置および交差点の位置情報から自車と交差点との距離を計算し、この自車と交差点との距離に基づいて信号機が青信号に変わってから自車が実際に走り始めることができるまでの時間を推定し、信号で停止してから走行を開始するまでの時間を補正するようにしてもよい。
【0067】
次に、アイドリングストップした方が燃費が向上するか否かを判定する(S116)。具体的には、S114にて算出したアイドリングストップする場合とアイドリングストップしない場合の各燃費の大小を比較してアイドリングストップした方が燃費が向上するか否かを判定する。
【0068】
アイドリングストップする場合の燃費の方が少ない場合、S116の判定はYESとなり、アイドリングストップを実施する。
【0069】
また、アイドリングストップしない場合の燃費の方が少ない場合には、S116の判定はNOとなり、アイドリングストップを実施することなく、本処理を終了する。すなわち、この場合、アイドリングストップが禁止される。
【0070】
また、S110にて渋滞による停車でないと判定された場合には、アイドリングストップを実施することなく、本処理を終了する。
【0071】
また、本実施形態における制御回路107は、アイドリンクストップを実施した場合、アイドリンクストップの要因を外部メモリ111に記憶させる処理を実施するとともに、前回のアイドリンクストップの要因と今回のアイドリンクストップの要因を比較して、同一の信号機の信号待ちにより停車する場合と、同一渋滞により停車する場合には、図3に示した処理よりも優先してアイドリングストップを禁止する処理を実施する。
【0072】
図13に、この処理のフローチャートを示す。制御回路107は、図3に示した処理と並行して、図13に示す処理を定期的に実施する。
【0073】
まず、アイドリングストップを実施したか否かを判定する(S200)。
【0074】
アイドリングストップを実施していない場合には、本処理を終了する。また、アイドリングストップを実施した場合、S200の判定はYESとなり、次に、前回のアイドリングストップの要因と今回のアイドリングストップの要因が、同一の信号機による信号待ちか否かを判定する(S202)。この判定は、外部メモリ111に記憶された前回のアイドリングストップを読み出して前回と今回のアイドリングストップを実施した地点が同一交差点の手前か否かに基づいて判定することができる。
【0075】
前回と今回のアイドリングストップを実施した地点が同一交差点の手前である場合、S202の判定はYESとなり、次に、アイドリングの停止の許可または禁止を確認する画面を表示装置108のディスプレイに表示させる(S204)。具体的には、図14に示すように、「信号待ちのため、アイドリングを停止します。次回以降も継続しますか?」といったメッセージとともに「はい」および「いいえ」のいずれかの選択を促す画面を表示装置108のディスプレイに表示させる。
【0076】
次に、ユーザ操作により「はい」と「いいえ」のいずれかが選択されたかに基づいてアイドリングの停止が許可されたか否かを判定する(S206)。
【0077】
ユーザ操作により「いいえ」が選択された場合、アイドリングの停止が禁止されたものと判定し、信号機を通過するまでアイドリングストップを禁止する(S208)。これにより、仮に、図3に示したフローチャートのS112においてアイドリングストップを実施するようになっていても、信号機を通過するまでアイドリングストップが禁止される。
【0078】
また、ユーザ操作により「はい」が選択された場合、アイドリングの停止が許可されたものと判定し、例えば、図3に示したフローチャートのS112においてアイドリングストップを実施するようになっている場合には、アイドリングストップを実施する。
【0079】
また、前回と今回のアイドリングストップを実施した地点が同一交差点の手前でない場合には、S202の判定はNOとなり、次に、前回のアイドリングストップの要因と今回のアイドリングストップの要因が、同一渋滞によるものか否かを判定する(S210)。この判定は、外部メモリ111に記憶された前回のアイドリングストップを読み出して前回と今回のアイドリングストップを実施した地点が同一渋滞区間内か否かに基づいて判定することができる。
【0080】
前回と今回のアイドリングストップを実施した地点が同一渋滞区間内である場合、S210の判定はYESとなり、次に、アイドリングの停止の許可または禁止を確認する画面を表示装置108のディスプレイに表示させる(S212)。具体的には、図15に示すように、「渋滞のため、アイドリングを停止します。次回以降も継続しますか?」といったメッセージとともに「はい」および「いいえ」のいずれかの選択を促す画面を表示装置108のディスプレイに表示させる。
【0081】
次に、ユーザ操作により「はい」と「いいえ」のいずれかが選択されたかに基づいてアイドリングの停止が許可されたか否かを判定する(S214)。
【0082】
ユーザ操作により「いいえ」が選択された場合、アイドリングの停止が禁止されたものと判定し、渋滞を通過するまでアイドリングストップを禁止する(S216)。これにより、仮に、図3に示したフローチャートのS112においてアイドリングストップを実施するようになっていても、渋滞を通過するまでアイドリングストップが禁止される。
【0083】
また、ユーザ操作により「はい」が選択された場合、アイドリングの停止が許可されたものと判定し、例えば、図3に示したフローチャートのS112においてアイドリングストップを実施するようになっている場合には、アイドリングストップを実施する。
【0084】
上記した構成によれば、車両が上り坂で停車したと判定された場合には、車両のエンジンの停止が禁止されるので、運転者の意図しない状況で車両のエンジンが停止されてしまうことを低減することができる。
【0085】
また、車両が上り坂で停車したと判定された場合であっても、車両のエンジンを自動停止しない設定となっていると判定された場合、車両のエンジンの停止を禁止することができる。
【0086】
また、車両が信号機の存在しない場所で右左折するために停車したと判定された場合には、車両のエンジンの停止が禁止されるので、運転者の意図しない状況で車両のエンジンが停止されてしまうことを低減することができる。
【0087】
また、車両が駐車スペースに停車したと判定された場合には、車両のエンジンの停止が禁止されるので、運転者の意図しない状況で車両のエンジンが停止されてしまうことを低減することができる。
【0088】
また、車両のエンジンの停止が禁止されていない場合で、かつ、車両が渋滞により停車したと判定された場合には、車両のエンジンを停止させることができる。
【0089】
また、車両が信号待ちにより停車したと判定された場合に車両のエンジンを自動停止しない設定となっていると判定された場合には、車両のエンジンの停止が禁止されていない場合で、かつ、信号待ち停車判定手段により車両が信号待ちにより停車したと判定された場合であっても、車両のエンジンの自動停止を禁止することができる。
【0090】
また、車両が渋滞により停車したと判定された場合に車両のエンジンを自動停止しない設定となっていると判定された場合には、車両のエンジンの停止が禁止されていない場合で、かつ、渋滞停車判定手段により車両が渋滞により停車したと判定された場合であっても、車両のエンジンの自動停止を禁止することができる。
【0091】
また、アイドリングストップする場合の方がアイドリングストップしない場合よりも燃費が優れていると判定された場合、アイドリングストップを実施し、アイドリングストップする場合の方がアイドリングストップしない場合よりも燃費が劣っていると判定された場合、アイドリングストップを禁止するので、燃費特定の良好なアイドリングストップ制御を行うことができる。
【0092】
また、ユーザによりアイドリングストップの禁止が確認された場合、同一の信号機を通過するまでアイドリングストップが禁止され、第1の確認手段によりアイドリングストップの許可が確認された場合、アイドリングストップが許可されるので、ユーザの意図に従ってアイドリングストップを実施することができる。
【0093】
また、ユーザによりアイドリングストップの禁止が確認された場合、同一渋滞を通過するまでアイドリングストップが禁止され、ユーザによりアイドリングストップの許可が確認された場合、アイドリングストップが許可されるので、ユーザの意図に従ってアイドリングストップを実施することができる。
【0094】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々なる形態で実施することができる。
【0095】
例えば、上記実施形態では、車両停車時に、車両の進行方向における水平方向に対する回転角度が、予め定められた閾値角度θ1以上か否かに基づいて車両が上り坂で停車したか否かを判定したが、このような判定手法に限定されるものではなく、例えば、車両が位置する道路上の地点の勾配情報に基づいて車両が位置する道路上の地点の勾配が予め定められた閾値以上であることを判定した場合に、車両が上り坂で停車したか否かを判定するようにしてもよい。
【0096】
また、上記実施形態では、図6に示した判定ロジックに従って車両が信号機の存在しない場所で右左折するために停車したか否かを判定したが、このような判定手法に限定されるものではない。
【0097】
また、上記実施形態では、図8に示した判定ロジックに従って車両が駐車スペースに停車したか否かを判定したが、このような判定手法に限定されるものではない。
【0098】
また、上記実施形態では、図10に示した判定ロジックに従って車両が信号待ちで停車したか否かを判定したが、このような判定手法に限定されるものではない。
【0099】
また、上記実施形態では、図12に示した判定ロジックに従って車両が渋滞により停車したか否かを判定したが、このような判定手法に限定されるものではない。
【0100】
また、上記実施形態では、アイドリングストップする場合とアイドリングストップしない場合の各燃費を算出してアイドリングストップする場合の方がアイドリングストップしない場合よりも燃費が優れていると判定された場合、アイドリングストップを実施し、アイドリングストップする場合の方がアイドリングストップしない場合よりも燃費が劣っていると判定された場合、アイドリングストップを禁止したが、例えば、アイドリングストップする場合とアイドリングストップしない場合の各二酸化炭素排出量を算出してアイドリングストップする場合とアイドリングストップしない場合の優劣を判定し、アイドリングストップする場合の方がアイドリングストップしない場合よりも二酸化炭素排出量が少ないと判定された場合、アイドリングストップを実施し、アイドリングストップする場合の方がアイドリングストップしない場合よりも二酸化炭素排出量が多いと判定された場合、アイドリングストップを禁止するようにしてもよい。
【0101】
また、上記実施形態では、S102、S104、S106の各判定ステップでNOと判定された場合に、S108の判定ステップを実施したが、例えば、S102、S104、S106のいずれかの判定ステップのみを実施し、NOと判定された場合にS108の判定ステップを実施するようにしてもよい。
【0102】
なお、上記実施形態における構成と特許請求の範囲の構成との対応関係について説明すると、S102が上り坂停車判定手段に相当し、S104が右左折停車判定手段に相当し、S106が駐車スペース停車判定手段に相当し、S110が渋滞停車判定手段に相当し、S108が信号待ち停車判定手段に相当し、S103が上り坂停車時自動停止設定判定手段に相当し、S113が信号待ち停車時自動停止設定判定手段に相当し、S111が渋滞停車時自動停止設定判定手段に相当し、S116が優劣判定手段に相当し、S202が同一信号待ち停車判定手段に相当し、S204、S206が第1の確認手段に相当し、S210が同一渋滞判定手段に相当し、S212、S214が第2の確認手段に相当する。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本発明の一実施形態に係るアイドリングストップ装置の構成を示す図である。
【図2】アイドリング自動ストップ設定メニューの表示例を示す図である。
【図3】制御回路のフローチャートである。
【図4】車両が上り坂で停車したか否かを判定する手法について説明するための図である。
【図5】車両が信号機の無い交差点を右左折するために停車した状況を示した図である。
【図6】S104の判定ステップの判定ロジックを示した図である。
【図7】駐車可能スペースに車両が駐車した状況を示した図である。
【図8】S106の判定ステップの判定ロジックを示した図である。
【図9】(a)は、信号機のある交差点より手前の一定距離未満の位置に停車した状況を示した図であり、(b)は、信号機のある交差点の手前に位置し、前方の一定距離以内に停車車両(先行車)が存在する状況を示した図である。
【図10】S108の判定ステップの判定ロジックを示した図である。
【図11】車両が渋滞区間内に位置し、前方の一定距離以内に停車車両(先行車)が存在する状況を示した図である。
【図12】S110の判定ステップの判定ロジックを示した図である。
【図13】制御回路のフローチャートである。
【図14】アイドリングの停止の許可または禁止を確認する画面の表示例である。
【図15】アイドリングの停止の許可または禁止を確認する画面の表示例である。
【符号の説明】
【0104】
1 アイドリングストップ装置
100 ナビゲーション装置
101 角度センサ
102 距離センサ
103 GPS受信機
104 地図データ入力器
105 操作スイッチ群
106 周辺監視センサ
107 制御回路
108 表示装置
109 音声出力装置
110 送受信機
111 外部メモリ
200 エンジン制御装置
300 路上機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両停車時に当該車両のエンジンを自動で停止させるアイドリングストップ装置であって、
前記車両が上り坂で停車したか否かを判定する上り坂停車判定手段を備え、
前記上り坂停車判定手段により前記車両が上り坂で停車したと判定された場合には、前記車両のエンジンの停止を禁止することを特徴とするアイドリングストップ装置。
【請求項2】
前記上り坂停車判定手段により前記車両が上り坂で停車したと判定された場合、ユーザ操作に応じて前記上り坂停車判定手段により前記車両が上り坂で停車したと判定された場合に前記車両のエンジンを自動停止する設定となっているか否かを判定する上り坂停車時自動停止設定判定手段を備え、
前記上り坂停車時自動停止設定判定手段により前記車両のエンジンを自動停止しない設定となっていると判定された場合、前記車両のエンジンの停止を禁止することを特徴とする請求項1に記載のアイドリングストップ装置。
【請求項3】
車両停車時に当該車両のエンジンを自動で停止させるアイドリングストップ装置であって、
前記車両が信号機の存在しない場所で右左折するために停車したか否かを判定する右左折停車判定手段を備え、
前記右左折停車判定手段により前記車両が信号機の存在しない場所で右左折するために停車したと判定された場合には、前記車両のエンジンの停止を禁止することを特徴とするアイドリングストップ装置。
【請求項4】
車両停車時に当該車両のエンジンを自動で停止させるアイドリングストップ装置であって、
前記車両が駐車スペースに停車したか否かを判定する駐車スペース停車判定手段を備え、
前記駐車スペース停車判定手段により前記車両が駐車スペースに停車したと判定された場合には、前記車両のエンジンの停止を禁止することを特徴とするアイドリングストップ装置。
【請求項5】
前記車両が渋滞により停車したか否かを判定する渋滞停車判定手段を備え、
前記車両のエンジンの停止が禁止されていない場合で、かつ、前記渋滞停車判定手段により前記車両が渋滞により停車したと判定された場合には、前記車両のエンジンを停止させることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載のアイドリングストップ装置。
【請求項6】
前記車両が信号待ちにより停車したか否かを判定する信号待ち停車判定手段と、
ユーザ操作に応じて前記信号待ち停車判定手段により前記車両が信号待ちにより停車したと判定された場合に前記車両のエンジンを自動停止する設定となっているか否かを判定する信号待ち停車時自動停止設定判定手段と、を備え、
前記信号待ち停車時自動停止設定判定手段により前記車両のエンジンを自動停止しない設定となっていると判定された場合には、前記車両のエンジンの停止が禁止されていない場合で、かつ、前記信号待ち停車判定手段により前記車両が信号待ちにより停車したと判定された場合であっても、前記車両のエンジンの自動停止を禁止することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載のアイドリングストップ装置。
【請求項7】
ユーザ操作に応じて前記渋滞停車判定手段により前記車両が渋滞により停車したと判定された場合に前記車両のエンジンを自動停止する設定となっているか否かを判定する渋滞停車時自動停止設定判定手段を備え、
前記渋滞停車時自動停止設定判定手段により前記車両のエンジンを自動停止しない設定となっていると判定された場合には、前記車両のエンジンの停止が禁止されていない場合で、かつ、前記渋滞停車判定手段により前記車両が渋滞により停車したと判定された場合であっても、前記車両のエンジンの自動停止を禁止することを特徴とする請求項5に記載のアイドリングストップ装置。
【請求項8】
前記信号待ち停車時自動停止設定判定手段により前記車両のエンジンを自動停止する設定となっていると判定された場合、アイドリングストップする場合とアイドリングストップしない場合の各燃費を算出してアイドリングストップする場合とアイドリングストップしない場合の優劣を判定する優劣判定手段と、を備え、
前記優劣判定手段によりアイドリングストップする場合の方がアイドリングストップしない場合よりも燃費が優れていると判定された場合、前記アイドリングストップを実施し、アイドリングストップする場合の方がアイドリングストップしない場合よりも燃費が劣っていると判定された場合、前記アイドリングストップを禁止することを特徴とする請求項6に記載のアイドリングストップ装置。
【請求項9】
前記信号待ち停車時自動停止設定判定手段により前記車両のエンジンを自動停止する設定となっていると判定された場合、アイドリングストップする場合とアイドリングストップしない場合の各二酸化炭素排出量を算出してアイドリングストップする場合とアイドリングストップしない場合の優劣を判定する優劣判定手段と、を備え、
前記優劣判定手段によりアイドリングストップする場合の方がアイドリングストップしない場合よりも二酸化炭素排出量が少ないと判定された場合、前記アイドリングストップを実施し、アイドリングストップする場合の方がアイドリングストップしない場合よりも二酸化炭素排出量が多いと判定された場合、前記アイドリングストップを禁止することを特徴とする請求項6に記載のアイドリングストップ装置。
【請求項10】
前記アイドリンクストップを実施した場合、前記アイドリンクストップの要因を記憶媒体に記憶するようになっており、
前記アイドリンクストップを実施したことを判定した場合、前記記憶媒体に記憶されたアイドリンクストップの要因を読み出して前記前回のアイドリングストップの要因と今回のアイドリングストップの要因が同一の信号機による信号待ちであるか否かを判定する同一信号待ち停車判定手段と、
前記同一信号待ち停車判定手段により前記同一の信号機による信号待ちであると判定された場合、ユーザにアイドリングストップの許可または禁止を確認する第1の確認手段と、を備え、
前記第1の確認手段によりアイドリングストップの禁止が確認された場合、前記同一の信号機を通過するまでアイドリングストップを禁止し、前記第1の確認手段によりアイドリングストップの許可が確認された場合、前記アイドリングストップを許可することを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1つ記載のアイドリングストップ装置。
【請求項11】
前記アイドリンクストップを実施した場合、前記アイドリンクストップの要因を記憶媒体に記憶するようになっており、
前記アイドリンクストップを実施したことを判定した場合、前記記憶媒体に記憶されたアイドリンクストップの要因を読み出して前回のアイドリングストップの要因と今回のアイドリングストップの要因が同一渋滞によるものであるか否かを判定する同一渋滞判定手段と、
前記同一渋滞判定手段により前記前回のアイドリングストップの要因と今回のアイドリングストップの要因が同一渋滞によるものであると判定された場合、ユーザにアイドリングストップの許可または禁止を確認する第2の確認手段と、を備え、
前記第2の確認手段によりアイドリングストップの禁止が確認された場合、前記同一渋滞を通過するまでアイドリングストップを禁止し、前記第2の確認手段によりアイドリングストップの許可が確認された場合、アイドリングストップを許可することを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1つに記載のアイドリングストップ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−264289(P2009−264289A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−115987(P2008−115987)
【出願日】平成20年4月25日(2008.4.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】