説明

アクチュエーター、液体噴射ヘッド、および液体噴射装置

【課題】複数の駆動部を低抵抗で接続することができるアクチュエーターを提供する。
【解決手段】本発明に係るアクチュエーター100は、振動板110と、振動板110の上方に形成された所定の方向に延びる第1導電層122と、第1導電層122を覆う圧電体層124と、圧電体層124の上方に形成された第2導電層126と、振動板110の上方および第2導電層126の上方に形成された金属層130,132と、金属層130,132と電気的に接続された電極140と、を含み、第1導電層122、第2導電層126、および第1導電層122と第2導電層126とで挟まれた圧電体層124は、駆動部120を構成し、駆動部120は、前記所定の方向に垂直な方向Aに複数配列され、金属層130,132は、複数の第2導電層126と交差し、複数の第2導電層126と電気的に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエーター、液体噴射ヘッド、および液体噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットプリンター等の液体噴射装置において、インク等の液滴を噴射するために、圧電素子を備えたアクチュエーターが知られている。圧電素子は、例えば、振動板を変位させる駆動部として機能することができる。このようなアクチュエーターでは、複数の圧力室が形成され、圧力室ごとに駆動部が振動板上に配置されている。
【0003】
複数の駆動部を備えるアクチュエーターでは、一般的に駆動部の一方の電極を個別電極とし、他方の電極を共通電極として複数の駆動部を電気的に接続している。例えば、特許文献1では、上電極膜を個別電極とし、下電極膜を圧力室の長手方向一端部側から周壁上まで延設させ、周壁上で連結させて共通電極とすることで、複数の圧電素子を電気的に接続している。このような複数の駆動部を備えるアクチュエーターでは、複数の駆動部を低抵抗で接続することが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−88441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、複数の駆動部を低抵抗で接続することができるアクチュエーターを提供することにある。また、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、上述のアクチュエーターを含む液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るアクチュエーターは、
振動板と、
前記振動板の上方に形成された所定の方向に延びる第1導電層と、
前記第1導電層を覆う圧電体層と、
前記圧電体層の上方に形成された第2導電層と、
前記振動板の上方および前記第2導電層の上方に形成された金属層と、
前記金属層と電気的に接続された電極と、
を含み、
前記第1導電層、前記第2導電層、および前記第1導電層と前記第2導電層とで挟まれた前記圧電体層は、駆動部を構成し、
前記駆動部は、前記所定の方向に垂直な方向に複数配列され、
前記金属層は、複数の前記第2導電層と交差し、複数の前記第2導電層と電気的に接続される。
【0007】
このようなアクチュエーターによれば、前記金属層により、複数の前記第2導電層を電気的に接続することができるため、複数の前記駆動部を低抵抗で接続することができる。
【0008】
なお、本発明にかかる記載では、「上方」という文言を、たとえば、「特定のもの(以下「A」という)の「上方」に他の特定のもの(以下「B」という)を形成する」などと用いている。本発明にかかる記載では、この例のような場合に、A上に直接Bを形成するような場合と、A上に他のものを介してBを形成するような場合とが含まれるものとして、「上方」という文言を用いている。
【0009】
本発明に係るアクチュエーターにおいて、
前記金属層は、複数形成されていることができる。
【0010】
このようなアクチュエーターによれば、複数の前記駆動部をより低抵抗で接続することができる。
【0011】
本発明に係るアクチュエーターにおいて、
複数の前記金属層のうちの第1金属層は、前記第2導電層の上方において、前記第2導電層の一方の端面側に位置し、
複数の前記金属層のうちの第2金属層は、前記第2導電層の上方において、前記第2導電層の他方の端面側に位置していることができる。
【0012】
このようなアクチュエーターによれば、前記第2導電層の端面近傍における前記圧電体層の変形を抑制することができる。
【0013】
本発明に係るアクチュエーターにおいて、
前記第1金属層は、隣り合う前記駆動部の間に形成され、前記一方の端面側に向かって延びる第1延出部を有し、
前記第1延出部は、前記電極と電気的に接続されていることができる。
【0014】
このようなアクチュエーターによれば、複数の前記駆動部をより低抵抗で接続することができる。
【0015】
本発明に係るアクチュエーターにおいて、
前記第2金属層は、隣り合う前記駆動部の間に形成され、前記他方の端面側に向かって延びる第2延出部を有することができる。
【0016】
このようなアクチュエーターによれば、前記振動板の前記第1延出部周辺のみの剛性が増すことでおこる応力の集中を抑制することができる。
【0017】
本発明に係るアクチュエーターにおいて、
前記電極、前記第1金属層、および前記第2金属層は、ニッケル−クロム合金と、金と、を積層した構造を有することができる。
【0018】
このようなアクチュエーターによれば、製造工程を簡易化することができる。
【0019】
本発明に係る液体噴射ヘッドは、
本発明に係るアクチュエーターと、
ノズル孔と連通し、アクチュエーターの動作によって容積が変化する圧力室と、
を含む。
【0020】
このような液体噴射ヘッドによれば、本発明に係るアクチュエーターを含むため、複数の前記駆動部を低抵抗で接続することができる。
【0021】
本発明に係る液体噴射装置は、
本発明に係る液体噴射ヘッドを含む。
【0022】
このような液体噴射装置によれば、本発明に係る液体噴射ヘッドを含むため、複数の前記駆動部を低抵抗で接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施形態に係る液体噴射ヘッドを模式的に示す分解斜視図。
【図2(A)】本実施形態に係る液体噴射ヘッドの要部を模式的に示す平面図。
【図2(B)】本実施形態に係る液体噴射ヘッドの要部を模式的に示す断面図。
【図2(C)】本実施形態に係る液体噴射ヘッドの要部を模式的に示す断面図。
【図2(D)】本実施形態に係る液体噴射ヘッドの要部を模式的に示す断面図。
【図3】本実施形態に係る液体噴射ヘッドの製造工程を模式的に示す断面図。
【図4】本実施形態に係る液体噴射ヘッドの製造工程を模式的に示す断面図。
【図5】本実施形態に係る液体噴射ヘッドの製造工程を模式的に示す断面図。
【図6】本実施形態に係る液体噴射ヘッドの製造工程を模式的に示す断面図。
【図7】本実施形態に係る液体噴射ヘッドの製造工程を模式的に示す断面図。
【図8】本実施形態に係る液体噴射装置を模式的に示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0025】
1. アクチュエーターおよび液体噴射ヘッド
まず、本実施形態に係るアクチュエーター100および液体噴射ヘッド1000について説明する。ここでは、アクチュエーター100の例として、アクチュエーター100を液体噴射ヘッド1000に用いた場合について説明する。なお、アクチュエーター100の用途は、液体噴射ヘッドに限定されない。
【0026】
図1は、本実施形態に係るアクチュエーター100を用いた液体噴射ヘッド1000を模式的に示す分解斜視図である。図2(A)は、液体噴射ヘッド1000の要部である流路形成板10、アクチュエーター100を模式的に示す平面図である。図2(B)は、図2(A)のIIB−IIB線断面図である。図2(C)は、図2(A)のIIC−IIC線断面図である。図2(D)は、図2(A)のIID−IID線断面図である。
【0027】
液体噴射ヘッド1000は、図1および図2に示すように、アクチュエーター100と、ノズル孔21と連通しアクチュエーター100の動作によって容積が変化する圧力室11と、を含む。液体噴射ヘッド1000は、例えば、さらに、流路形成板10と、ノズル板20と、封止板40と、を含むことができる。アクチュエーター100は、振動板110と、駆動部120と、金属層(第1金属層130,第2金属層132)と、電極(以下「共通電極」ともいう)140と、リード電極160と、を含むことができる。駆動部120は、第1導電層122と、第2導電層126と、第1導電層122と第2導電層126とで挟まれた圧電体層124と、を含むことができる。
【0028】
流路形成板10は、圧力室11を有する。流路形成板10は、図1に示すように、圧力室11の側壁を構成する壁部12を有する。また、流路形成板10は、圧力室11と供給路13および連通路14を介して連通したリザーバー15を有していてもよい。リザーバー15には、貫通孔16が形成されてもよく、貫通孔16を通って外部からリザーバー15内に液体が供給されてもよい。リザーバー15に液体を供給することによって、供給路13および連通路14を介して圧力室11に液体を供給することができる。圧力室11の形状は、特に限定されない。圧力室11の形状は、例えば、平面視において平行四辺形であってもよく、矩形であってもよい。圧力室11の数は特に限定されず、1つであってもよいし、複数設けられていてもよい。流路形成板10の材質は、特に限定されない。流路形成板10は、例えば、単結晶シリコン、ニッケル、ステンレス、ステンレス鋼、ガラスセラミックス等から形成されてもよい。
【0029】
ノズル板20は、図1に示すように、流路形成板10の下方に形成される。ノズル板20は、プレート状の部材であって、ノズル孔21を有する。ノズル孔21は、圧力室11に連通するように形成される。ノズル孔21の形状は、液体を吐出することができれば、特に限定されない。ノズル孔21を介することで、圧力室11内の液体を、例えば、ノズル板20の下方に向けて吐出することができる。また、ノズル孔21の数は特に限定されず、1つであってもよいし、複数設けられていてもよい。ノズル板20の材質は、特に限定されない。ノズル板20は、例えば、単結晶シリコン、ニッケル、ステンレス、ステンレス鋼、ガラスセラミックス等から形成されてもよい。
【0030】
アクチュエーター100は、図1に示すように流路形成板10の上に形成されている。アクチュエーター100の駆動部120は、第1導電層122と、第2導電層126と、第1導電層122と第2導電層126とで挟まれた圧電体層124と、で構成されている。アクチュエーター100では、駆動部120は、外部駆動回路50に電気的に接続され、外部駆動回路50の信号に基づいて動作(振動、変形)することができる。振動板110は、駆動部120の動作によって変位し、圧力室11の内部圧力を適宜変形させることができる。駆動部120は、複数の圧力室11に1対1に対応して複数配列されている。駆動部120は、図2(A)に示すように、第1導電層122の長手方向に垂直な第1方向Aに複数配列されている。
【0031】
振動板110は、図1〜図2に示すように、流路形成板10の上に形成されている。振動板110は、例えば、プレート状の部材である。振動板110の構造及び材料は、特に限定されない。図2(B)の例では、振動板110は、第1層110aと、第2層110bと、からなる。第1層110aとしては、例えば、酸化ジルコニウムを用いることができる。第2層110bとしては、例えば、酸化シリコンを用いることができる。振動板110としては、これに限定されず、例えば、酸化ジルコニウムや酸化シリコンなどの絶縁膜、ニッケルなどの金属膜、ポリイミドなどの高分子材料膜、からなる単層構造、または複数の材料を積層した構造であってもよい。振動板110は、駆動部120が変形することによって振動(変位)することができる。これにより、下方に形成された圧力室11の容積を変化させることができる。
【0032】
第1導電層122は、振動板110の上方に形成されている。第1導電層122は、図2(A)に示すように、第2方向Bに延びるように形成されている。第1導電層122の材質としては、たとえば、ニッケル、イリジウム、白金などの各種の金属、それらの導電性酸化物(たとえば酸化イリジウムなど)、ストロンチウムとルテニウムの複合酸化物(SrRuO:SRO)、ランタンとニッケルの複合酸化物(LaNiO:LNO)などを例示することができる。第1導電層122は、例示した材料の単層構造でもよいし、複数の材料を積層した構造であってもよい。また、第1導電層122と振動板110との間には、たとえば、密着層等が形成されていてもよい。この場合の密着層としては、たとえばチタン層などが挙げられる。第1導電層122の厚みは、たとえば、50nm以上300nm以下とすることができる。第1導電層122は、図2(C)に示すように、駆動部120を構成する第1導電部123aを有する。第1導電部123aの機能の一つとしては、圧電体層124に電圧を印加するための一方の電極(圧電体層124の下部に形成された下部電極)となることが挙げられる。第1導電部123aは、振動板110の厚み方向から見て、圧電体層124を介して第2導電層126と重なる領域であることができる。第1導電層122は、さらに、第2導電部123bを有することができる。第2導電部123bの機能の一つとしては、リード電極160と第1導電部123aとを電気的に接続することが挙げられる。図示の例では、第2導電部123bは、第1導電部123aから開口部150側に向かって延びている。なお、アクチュエーター100は、例えば、振動板110の厚み方向から見て、共通電極140と重なる領域に金属膜101(図2(C)および図2(D)参照)を有していてもよい。金属膜101は、例えば、いずれの部材とも電気的に接続されていなくてもよい。
【0033】
圧電体層124は、第1導電層122を覆うように形成されている。圧電体層124は、図2(B)に示すように、第1導電層122の上面および側方、並びに振動板110の上方を覆っている。圧電体層124と第1導電層122との間には、他の層が形成されてもよい。この場合の他の層としては、たとえば圧電体層124の結晶の配向を制御するための配向制御層(たとえばチタン層)などが挙げられる。圧電体層124の厚さは、たとえば、300nm以上3000nm以下とすることができる。圧電体層124の厚みが前記範囲を外れると、振動板110を変形させるために必要な伸縮が得られなくなる場合がある。
【0034】
圧電体層124は、上面124aと、上面124aに接続する側面124bと、を有する。図2(B)の例では、圧電体層124の上面124aは、平坦な面(平面)であり、振動板110の上面と略平行となっている。圧電体層124の上面124aは、必ずしも平坦な面には限定されず、下地の第1導電層122の形状を反映した凸形状を有してもよい。圧電体層124の側面124bは、圧電体層124の上面124aと、振動板110の上面とを接続する面である。圧電体層124の側面124bは、一つの平坦な面で構成されてもよいし、複数の平坦な面によって構成されてもよい。また、圧電体層124の側面124bは、曲面を含んで構成されてもよい。
【0035】
圧電体層124は、圧電材料によって形成される。そのため圧電体層124は、第1導電層122および第2導電層126によって電界が印加されることで変形することができる。この変形により振動板110は、たわんだり振動したりすることができる。圧電体層124は、振動板110の厚み方向から見て、第1導電層122と、第2導電層126とで挟まれた第1領域125aを有する。圧電体層124の第1領域125a、第1導電層122、および第2導電層126は、駆動部120を構成する。駆動部120は、圧電体層124を2つの導電層122,126で挟むことでキャパシタを構成し、圧電素子となることができる。圧電体層124は、さらに、第2領域125bを有することができる。第2領域125bは、圧電体層124の第1領域125a以外の領域であることができる。すなわち、第2領域125bは、第1導電層122および第2導電層126によって電界が印加されない領域であることができる。第2領域125bには、例えば、図2(C)に示すように、開口部150が設けられる。これにより、第1導電層122とリード電極160とを電気的に接続することができる。
【0036】
圧電体層124の材質としては、一般式ABOで示されるペロブスカイト型酸化物(たとえば、Aは、Pbを含み、Bは、ZrおよびTiを含む。)が好適である。このような材料の具体例としては、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O)(以下、「PZT」と略記することがある)、チタン酸バリウム(BaTiO)、ニオブ酸カリウムナトリウム((K,Na)NbO)などが挙げられる。これらのうち、圧電体層124の材質としてPZTは、圧電特性が良好であるため特に好適である。
【0037】
第2導電層126は、圧電体層124の上方に形成されている。第2導電層126は、圧電体層124の上面124aに形成されていることができる。第2導電層126は、第2方向Bに延びるように形成されている。第2導電層126の第2方向Bの長さは、図2(C)に示すように、例えば、第1領域125aの第2方向Bの長さと同じである。第2導電層126の厚みは、特に限定されない。第2導電層126の厚みは、たとえば20nm以上200nm以下とすることができる。第2導電層126の機能の一つは、圧電体層124に電圧を印加するための他方の電極(圧電体層124の上部に形成された上部電極)となることが挙げられる。第2導電層126の材質は、例えば、ニッケル、イリジウム、白金、タングステン、金などの各種の金属、それらの導電性酸化物(たとえば酸化イリジウムなど)、SrRuO、LaNiOなどを例示することができる。また、第2導電層126は、単層でもよいし、複数の層を積層した構造であってもよい。
【0038】
第2導電層126は、圧電体層124の上方(上面124a)に形成されており、圧電体層124の側面124bおよび振動板110上には形成されていないことができる。アクチュエーター100において、電圧印加前の振動板110は、上方に位置していることが望ましい。これにより、同一の変位量を得るために必要な振動板110の変形を最小限に抑えることができるため、電圧印加時の振動板110の変形による破壊を防ぐことができる。しかしながら、ゾルゲル法等で形成された圧電体層124は、一般的に引っ張り応力を持つため、電圧印加前の振動板110は下方に位置しやすい。ここで、第2導電層126は、スパッタ法等で形成されることで、一般的に圧縮応力を持つ。このため、アクチュエーター100では、第2導電層126を、圧電体層124の上方に形成することで、圧電体層124の引っ張り応力を打ち消し、更には電圧印加前の振動板110を上方に位置させるように作用させることができる。さらに、第2導電層126を、圧電体層124の側面124bおよび振動板110上に形成しないことで、電圧印加前の振動板110を下方に位置させるように作用させないことができる。したがって、第2導電層126を、圧電体層124の上方に形成し、圧電体層124の側面124bおよび振動板110上には形成しないことで、電圧印加前の振動板110を上方に位置させることができ、電圧印加時の振動板110の変形による破壊を防ぐことができる。
【0039】
金属層130,132は、複数の駆動部120の第2導電層126と交差している。図2(A)の例では、金属層130,132は、第1方向Aに延びて複数の駆動部120の第2導電層126と交差している。また、金属層130,132は、導電性を有する層からなることができる。したがって、複数の駆動部120の第2導電層126を電気的に接続することができる。金属層130,132は、図1に示すように、金属層130,132の第1方向Aの端において、共通電極140と電気的に接続される。金属層130,132は、幅W(図2(A)参照)および厚さT(図2(B)参照)によって、抵抗を容易に制御することができる。すなわち、幅Wを大きくすることで、あるいは、厚さTを厚くすることで、金属層130,132の抵抗を小さくすることができる。金属層130,132は、複数設けることができる。金属層130,132の数を増やすことで、複数の第2導電層126をより低抵抗で接続することができる。ただし、金属層130,132を配置することにより、アクチュエーター100の変位が阻害されることから、金属層130,132の数は、変位量と抵抗値の調整により決定される。金属層130,132は、例えば、ニッケル−クロム合金(Ni−Cr)と、金(Au)と、を積層した構造を有することができる。これにより、後述するように、金属層130,132、共通電極140、およびリード電極160を同じ工程で形成することができるため、簡易な工程で製造することができる。金属層130,132は、ニッケル−クロム合金と、金と、の積層構造に限定されず、例えば、ニッケル−クロム合金、金、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、などの単層または積層であってもよい。
【0040】
金属層130,132は、振動板110の上方および第2導電層126の上方に形成されている。金属層130,132は、図2(B)の例では、振動板110上、圧電体層124の側面124b、および第2導電層126の上面に形成されている。金属層130,132が第2導電層126上に形成されることにより、圧電体層124の変形を抑えることができる。金属層130,132は、図示の例では、第1金属層130および第2金属層132の2つが形成されているが、その数は限定されない。第1金属層130は、図2(C)に示すように、第2導電層126上において、第2導電層126の一方の第1端面126a側に位置し、第2金属層132は、第2導電層126上において、第2導電層126の他方の第2端面126b側に位置している。これにより、圧電体層124の変形により過剰な応力が集中する領域である端面126a,126b近傍における圧電体層124の変位を抑えることができる。なお、第1金属層130と第1端面126aとの間の距離および第2金属層132と第2端面126bとの間の距離は、小さいことが望ましい。これにより、圧電体層124の変位をより抑えることができる。さらに、金属層130,132が、平面視において、第1領域125aの中心部C(図2(C)参照)を避けて形成されるため、中心部C周辺の変位を妨げないことができる。ここで、端面126a,126bは、例えば、第2導電層126の第2方向Bの両端面であることができる。また、第2導電層126が他の層(図示しない)と連続して形成されている場合、第2導電層126の端面126a,126bは、露出していない面であってもよい。第1金属層130は、例えば、第2導電層126上において、第2導電層126の一方の端部近傍に位置し、第2金属層132は、例えば、第2導電層126上において、第2導電層126の他方の端部近傍に位置しているともいえる。金属層130,132は、金属層130,132の幅Wおよび厚さTによって、圧電体層124の変形の程度を制御することができる。すなわち、例えば、金属層130,132の幅Wをより大きく、あるいは厚さTをより厚くすることで、圧電体層124の変形をより抑制することができる。
【0041】
第1金属層130および第2金属層132は、図2(C)に示すように、中心部Cと各金属層130,132の間の距離が等しい位置に配置されていてもよい。これにより、駆動部120に対して金属層130,132をバランス良くに配置することができるため、アクチュエーター100の一部に応力が集中することがなく、剛性バランスの良いアクチュエーター100を得ることができる。図示の例では、上述の通り金属層130,132が、第2導電層126上において端面126a,126b側に形成されていたが、金属層130,132の第2導電層126上における形成位置は、特に限定されない。
【0042】
金属層130,132は、延出部131,133を有することができる。第1金属層130は、第1延出部131を有し、第2金属層132は、第2延出部133を有することができる。第1延出部131は、図2(A)に示すように、隣り合う駆動部120の間に形成されている。第1延出部131は、第1方向Aに延びる第1金属層130から第2導電層126の第1端面126a側に向かって延びている。第1延出部131は、平面視において(図2(A)参照)複数の駆動部120が形成された領域の外側に向かって、第1端面126aよりも外側に延びている。第1延出部131は、図2(D)に示すように、共通電極140と連続している。すなわち、第1金属層130は、第1延出部131によっても共通電極140と電気的に接続されていることができる。これにより、複数の第2導電層126をより低抵抗で接続することができる。第2延出部133は、図2(A)に示すように、隣り合う駆動部120の間に形成されている。第2延出部133は、第1方向Aに延びる第2金属層132から第2導電層126の第2端面126b側に向かって延びている。第2延出部133は、平面視において(図2(A)参照)、複数の駆動部120が形成された領域の外側に向かって、第2端面126bよりも外側に延びていることができる。すなわち、第1延出部131は、平面視において、第2金属層132とは、反対側に向かって延びており、第2延出部133は、第1金属層130とは、反対側に向かって延びている。第1延出部131および第2延出部133は、例えば、各金属層130,132から第2方向Bに沿って、互いに逆方向に向かって延びている。したがって、第1延出部131のみが形成されたことにより、振動板110の第1延出部131周辺のみの剛性が増すことでおこる応力の集中を抑制することができる。アクチュエーター100では、第1金属層130および第2金属層132の各々に延出部131,133が形成されるため、剛性のバランスをよくすることができる。なお、図示はしないが、第2延出部133の少なくとも一部は、共通電極140と電気的に接続されていてもよい。これにより、複数の第2導電層126をより低抵抗で接続することができる。
【0043】
共通電極140は、金属層130,132と電気的に接続されている。すなわち、共通電極140は、金属層130,132によって複数の第2導電層126と電気的に接続されている。共通電極140は、例えば、外部駆動回路50と電気的に接続されている。共通電極140は、例えば、図2(D)に示すように圧電体層124(第2領域125b)の上方に形成されている。共通電極140は、図1に示すように、駆動部120が配列された領域の周囲(外側の領域)に形成されていることができる。共通電極140は、例えば、金属層130,132と同じ材質の層からなることができる。共通電極140は、これに限定されず、導電性を有する層であればよい。共通電極140は、例えば、第2導電層126と同じ材質の層102と接していてもよい。
【0044】
リード電極160は、少なくとも開口部150を覆うように形成されている。リード電極160は、例えば、第1導電層122の第2導電部123bを介して、第1導電層122の第1導電部123aと、外部駆動回路50とを電気的に接続するための電極である。リード電極160は、金属層130,132と同様の材質であってもよいが、特に限定されない。開口部150の周囲には、第2導電層126と同様の材質からなる導電部162が形成されていてもよい。
【0045】
封止板40は、駆動部120を封止することができる。封止板40は、駆動部120を封止するための領域41を有している。封止板40の領域41は、駆動部120(圧電体層124)の変形を妨げなければ、その大きさおよび形状は特に限定されない。封止板40は、例えば、単結晶シリコン、ニッケル、ステンレス、ステンレス鋼、ガラスセラミック等から形成されていてもよい。
【0046】
液体噴射ヘッド1000は、さらに、各種樹脂材料、各種金属材料からなり、上述された構成を収納することができる筐体(図示しない)を有していてもよい。
【0047】
アクチュエーター100は、例えば、以下の特徴を有する。
【0048】
アクチュエーター100では、金属層130,132は、複数の駆動部120の第2導電層126と交差して、複数の第2導電層126と共通電極140とを電気的に接続することができる。金属層130,132は、該金属層130,132の幅Wあるいは厚さTを容易に制御することができるため、複数の第2導電層126を低抵抗で接続することができる。また、金属層130,132の本数を増やすことにより、複数の第2導電層126をより低抵抗で接続することができる。アクチュエーター100によれば、複数の駆動部120を低抵抗で接続することができる。
【0049】
アクチュエーター100では、第2導電層126の上方に形成された金属層130,132を有することができる。これにより、金属層130,132の形成された領域周辺の圧電体層124の変位を制御することができる。したがって、アクチュエーター100によれば、例えば、圧電体層124の過剰変位による破壊を防止することができるため、信頼性を向上させることができる。また、第1金属層130を第2導電層126の第1端面126a側に形成し、第2金属層132を第2導電層126の第2端面126b側に形成することができる。これにより、圧電体層124の変形により過剰な応力が集中する領域の圧電体層124の変位を抑えることができ、かつ圧電体層124の第1領域125aの中心部C周辺の変位を妨げないことができる。
【0050】
アクチュエーター100では、第1金属層130が共通電極140に電気的に接続する第1延出部131を有することができる。これにより、複数の第2導電層126をより低抵抗で接続することができる。さらに、アクチュエーター100では、第2金属層132が第2延出部133を有することができる。これにより、アクチュエーター100では、第1金属層130および第2金属層132の各々に延出部131,133が形成されるため、第1金属層130にのみ延出部131が形成された場合と比較して、振動板110の剛性のバランスをよくすることができる。したがって、アクチュエーター100によれば、信頼性を向上させることができる。
【0051】
アクチュエーター100は、上述のような特徴を有する。したがって、アクチュエーター100を含む液体噴射ヘッド1000によれば、複数の駆動部120を低抵抗で接続することができる。また、液体噴射ヘッド1000によれば、金属層130,132によって、振動板110の変位量を制御することができるアクチュエーター100を用いることができるため、例えば、所望の液滴を噴射することができ、信頼性を向上させることができる。
【0052】
2. アクチュエーターおよび液体噴射ヘッドの製造方法
次に、本実施形態に係るアクチュエーター100および液体噴射ヘッド1000の製造方法について、図面を参照しながら説明する。図3から図7は、アクチュエーター100および液体噴射ヘッド1000の製造方法を模式的に示す断面図である。
【0053】
まず、図3に示すように、例えば、シリコン基板1上に振動板110を形成する。振動板110は、例えば、スパッタ法などの公知の成膜技術によって形成される。振動板110は、例えば、複数の層を成膜して形成してもよい。次に、振動板110上に第1導電層122を形成する。第1導電層122は、例えば、スパッタ法、めっき法、真空蒸着法などにより形成されることができる。より具体的には、振動板110上の全面に、導電層(図示せず)を形成し、該導電層をパターニングすることにより、第1導電層122を形成することができる。ここで、第1導電層122を形成するための導電層がエッチングによってパターニングされる前に、該導電層の上にエッチング保護膜(図示しない)を形成してもよい。エッチング保護膜は、後述される圧電体層124と同じ圧電材料から形成された圧電体層であってもよい。エッチング保護膜は、少なくとも、所望の形状にパターニングされる第1導電層122が形成される領域に形成されてもよい。これによれば、第1導電層122をパターニングするエッチング工程において、使用されるエッチャントによる化学的なダメージから第1導電層122の表面を保護することができる。
【0054】
図4に示すように、第1導電層122を覆うように圧電体層124dを形成する。圧電体層124dは、圧電体層124と同じ材料からなることができる。圧電体層124dは、例えば、ゾルゲル法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、MOD(Metal Organic Deposition)法、スパッタ法、レーザーアブレーション法などにより形成されることができる。ここで圧電体層124dの材質が、たとえば、PZTである場合、酸素雰囲気で700℃程度のアニールを行うことにより、圧電体層124dを結晶化することができる。なお、結晶化は、圧電体層124dをパターニングした後に行ってもよい。なお、エッチング保護膜が圧電体層124dと同じ材料で形成されている場合、アニールを行うことにより圧電体層124dと一体化させることができる。次に、圧電体層124dの上の全面に導電層126dを形成する。導電層126dは、例えば、第2導電層126dと同じ材料からなる。第2導電層126dは、たとえば、スパッタ法、めっき法、真空蒸着法などにより形成されることができる。
【0055】
図5に示すように、導電層126dおよび圧電体層124dをパターニングする。パターニングは、例えば、公知のフォトリソグラフィ技術、エッチング技術によって行うことができる。これにより、圧電体層124が形成される。また、圧電体層124には、開口部150が形成される。次に、導電層126dをさらにパターニングする。これにより、第2導電層126が形成される。
【0056】
図6に示すように、延出部131,133を有する金属層130,132、リード電極160、および共通電極140を形成する。具体的には、振動板110上、第1導電層122上、圧電体層124上、および第2導電層126上の露出した領域の全面に金属層(図示しない)をスパッタ法等の公知の方法で形成した後に、該金属層を公知のエッチング技術で所望の形状にパターニングすることで形成することができる。
【0057】
以上の工程により、アクチュエーター100を製造することができる。
【0058】
図示はしないが、図6に示す工程の前に、封止板40が接着される領域の第1導電層122を除去してもよい。また、リザーバー15が形成される領域の振動板110を除去してもよい。
【0059】
図7に示すように、封止板40をアクチュエーター100上に搭載する。これにより、駆動部120を封止することができる。封止板40は、例えば、接着剤により固定されることができる。次に、シリコン基板1を所定の厚さになるように薄くする、次に、シリコン基板1に圧力室11、供給路13、連通路14およびリザーバー15を形成する(図1および図7参照)。例えば、所望の形状にパターニングされるようにマスク(図示せず)を振動板110が形成された面とは反対側の面に形成し、エッチング処理することによって、圧力室11、壁部12、供給路13、連通路14およびリザーバー15を区画する。以上によって、振動板110の下方に圧力室11を有した流路形成板10を形成することができる。次に、ノズル孔21を有したノズル板20を、例えば接着剤等により所定の位置に接合する。これによって、ノズル孔21は、圧力室11と連通する。
【0060】
以上の工程により、液体噴射ヘッド1000を製造することができる。なお、液体噴射ヘッド1000の製造方法は、上述の製造方法に限定されない。例えば、流路形成板10およびノズル板20を、電鋳法等を用いて一体形成してもよい。
【0061】
液体噴射ヘッド1000の製造方法によれば、金属層130,132、リード電極160、および共通電極140を、金属層をパターニングする工程で形成することができる。したがって、金属層130,132、リード電極160、および共通電極140を簡易な工程で形成することができる。
【0062】
3. 液体噴射装置
次に、本実施形態に係る液体噴射装置について説明する。本実施形態に係る液体噴射装置は、本発明に係る液体噴射ヘッドを有する。ここでは、本実施形態に係る液体噴射装置1000がインクジェットプリンターである場合について説明する。図8は、本実施形態に係る液体噴射装置10000を模式的に示す斜視図である。
【0063】
液体噴射装置10000は、ヘッドユニット1030と、ヘッドユニット駆動部1010と、制御部1060と、を含む。また、液体噴射装置10000は、装置本体1020と、給紙部1050と、記録用紙Pを設置するトレイ1021と、記録用紙Pを排出する排出口1022と、装置本体1020の上面に配置された操作パネル1070と、を含むことができる。
【0064】
ヘッドユニット1030は、例えば、上述した液体噴射ヘッド300から構成されるインクジェット式記録ヘッド(以下単に「ヘッド」ともいう)を有する。ヘッドユニット1030は、さらに、ヘッドにインクを供給するインクカートリッジ1031と、ヘッドおよびインクカートリッジ1031を搭載した運搬部(キャリッジ)1032と、を備える。
【0065】
ヘッドユニット駆動部1010は、ヘッドユニット1030を往復動させることができる。ヘッドユニット駆動部1010は、ヘッドユニット1030の駆動源となるキャリッジモーター1041と、キャリッジモーター1041の回転を受けて、ヘッドユニット1030を往復動させる往復動機構1042と、を有する。
【0066】
往復動機構1042は、その両端がフレーム(図示せず)に支持されたキャリッジガイド軸1044と、キャリッジガイド軸1044と平行に延在するタイミングベルト1043と、を備える。キャリッジガイド軸1044は、キャリッジ1032が自在に往復動できるようにしながら、キャリッジ1032を支持している。さらに、キャリッジ1032は、タイミングベルト1043の一部に固定されている。キャリッジモーター1041の作動により、タイミングベルト1043を走行させると、キャリッジガイド軸1044に導かれて、ヘッドユニット1030が往復動する。この往復動の際に、ヘッドから適宜インクが吐出され、記録用紙Pへの印刷が行われる。
【0067】
制御部1060は、ヘッドユニット1030、ヘッドユニット駆動部1010および給紙部1050を制御することができる。
【0068】
給紙部1050は、記録用紙Pをトレイ1021からヘッドユニット1030側へ送り込むことができる。給紙部1050は、その駆動源となる給紙モーター1051と、給紙モーター1051の作動により回転する給紙ローラー1052と、を備える。給紙ローラー1052は、記録用紙Pの送り経路を挟んで上下に対向する従動ローラー1052aおよび駆動ローラー1052bを備える。駆動ローラー1052bは、給紙モーター1051に連結されている。制御部1060によって供紙部1050が駆動されると、記録用紙Pは、ヘッドユニット1030の下方を通過するように送られる。
【0069】
ヘッドユニット1030、ヘッドユニット駆動部1010、制御部1060および給紙部1050は、装置本体1020の内部に設けられている。
【0070】
液体噴射装置10000では、液体噴射ヘッド1000を有することができる。液体噴射ヘッド1000は、上述のように、複数の駆動部120を低抵抗で接続することができる。したがって、複数の駆動部120を低抵抗で接続することができる液体噴射装置10000を得ることができる。また、液体噴射ヘッド10000によれば、例えば、所望の液滴を噴射することができ、信頼性を向上させることができる。
【0071】
なお、ここでは、液体噴射ヘッドがインクジェット式記録ヘッドである場合について説明した。しかしながら、本発明の液体噴射ヘッドは、たとえば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッドなどとして用いられることもできる。
【0072】
また、上述した実施形態および変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
【0073】
上記のように、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できよう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0074】
1 シリコン基板、10 流路形成板、11 圧力室、12 壁部、13 供給路、
14 連通路、15 リザーバー、20 ノズル板、21 ノズル孔、40 封止板、
41 領域、100 アクチュエーター、101 金属膜、102 層、
110 振動板、120 駆動部、122 第1導電層、123a 第1導電部、
123b 第2導電部、124 圧電体層、124a 上面、124b 側面、
125a 第1領域、125b 第2領域、126 第2導電層、
126a 第1端面、126b 第2端面、130 第1金属層、131 第1延出部、
132 第2金属層、133 第2延出部、140 電極(共通電極)、
150 開口部、160 リード電極、162 導電部、1000 液体噴射ヘッド、
1010 ヘッドユニット駆動部、1020 装置本体、1021 トレイ、
1022 排出口、1030 ヘッドユニット、1031 インクカートリッジ、
1032 キャリッジ、1041 キャリッジモーター、1042 往復動機構、
1043 タイミングベルト、1044 キャリッジガイド軸、1050 給紙部、
1051 給紙モーター、1052 給紙ローラー、1060 制御部、
1070 操作パネル、10000 液体噴射装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動板と、
前記振動板の上方に形成された所定の方向に延びる第1導電層と、
前記第1導電層を覆う圧電体層と、
前記圧電体層の上方に形成された第2導電層と、
前記振動板の上方および前記第2導電層の上方に形成された金属層と、
前記金属層と電気的に接続された電極と、
を含み、
前記第1導電層、前記第2導電層、および前記第1導電層と前記第2導電層とで挟まれた前記圧電体層は、駆動部を構成し、
前記駆動部は、前記所定の方向に垂直な方向に複数配列され、
前記金属層は、複数の前記第2導電層と交差し、複数の前記第2導電層と電気的に接続される、アクチュエーター。
【請求項2】
請求項1において、
前記金属層は、複数形成されている、アクチュエーター。
【請求項3】
請求項2において、
複数の前記金属層のうちの第1金属層は、前記第2導電層の上方において、前記第2導電層の一方の端面側に位置し、
複数の前記金属層のうちの第2金属層は、前記第2導電層の上方において、前記第2導電層の他方の端面側に位置している、アクチュエーター。
【請求項4】
請求項2または3において、
前記第1金属層は、隣り合う前記駆動部の間に形成され、前記一方の端面側に向かって延びる第1延出部を有し、
前記第1延出部は、前記電極と電気的に接続されている、アクチュエーター。
【請求項5】
請求項4において、
前記第2金属層は、隣り合う前記駆動部の間に形成され、前記他方の端面側に向かって延びる第2延出部を有する、アクチュエーター。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項において、
前記電極、前記第1金属層、および前記第2金属層は、ニッケル−クロム合金と、金と、を積層した構造を有する、アクチュエーター。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1項に記載のアクチュエーターと、
ノズル孔と連通し、アクチュエーターの動作によって容積が変化する圧力室と、
を含む、液体噴射ヘッド。
【請求項8】
請求項7に記載の液体噴射ヘッドを含む、液体噴射装置。

【図1】
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【図2(A)】
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【図2(B)】
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【図2(C)】
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【図2(D)】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−110784(P2011−110784A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−268613(P2009−268613)
【出願日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】