説明

アクティブマトリクス型表示装置

【課題】表示装置の画素を構成する電荷保持容量の電流リーク電流を防止し、表示装置の表示画質低下を防止する技術を提供する。
【解決手段】表示装置は、ポリシリコン3とパッド電極8とが接続する第1のコンタクトホール7と、有機絶縁膜に開口した第2のコンタクトホール12と、パッド電極8と画素電極16とが接続する第3のコンタクトホール15と、共通電極13とを有する。これらを平面視した際に、第1のコンタクトホール7と第3のコンタクトホール15は第2のコンタクトホール12の内側に有り、第1のコンタクトホール7と第3のコンタクトホール15は互いに重ならず、ゲート線5に垂直な方向では第3のコンタクトホール15、第1のコンタクトホール7、第2のコンタクトホール12の端部、共通電極13の順に並び、かつ、ゲート線5に平行な方向では第2のコンタクトホール12の端部がパッド電極8の外側に位置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクティブマトリクス型表示装置に関し、特に有機絶縁膜を有し、前記有機絶縁膜の上部に電荷保持容量が形成される基板に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
インプレーン・スイッチング(IPS)方式(横電界方式、フリンジフィールド・スイッチング(FFS)方式とも言う)の液晶パネルは、画素電極と対向電極との間で、少なくとも一部において基板に平行な電界を発生させ、当該電界により液晶を駆動し、薄膜トランジスタ基板と対向基板との間に挟持された液晶を透過する光を変調させて画像を表示する。
【0003】
図3は、特許文献1に記載のIPS方式の液晶表表示装置を示す。この液晶表示装置では、薄膜トランジスタ117の活性層であるポリシリコン103に接続したパッド電極108を覆って下から順に絶縁膜110と有機絶縁膜111とが形成されている。有機絶縁膜111の上には、下から順に、共通電極113と無機絶縁膜114と画素電極116とが形成され、保持容量を形成している。そして、有機絶縁膜111に開口した第2のコンタクトホール112と、絶縁膜110と無機絶縁膜114とを一括でドライエッチして形成した第3のコンタクトホール115と、が形成されている。
【0004】
ここで、無機絶縁膜114としてSiNを用いることにより、容量が大きな保持容量を形成することができる。
【0005】
画素の開口率を上げる場合、共通電極と画素電極とのショートが問題となることがある。例えば、特許文献2では、FFS方式の液晶表示装置において、共通電位線のコンタクト部において画素電極と共通電極とのショートすることを防止する技術が開示されている。
【0006】
特許文献2には、層間絶縁膜に開口し、共通電位線とパッド電極とを接続するコンタクトホールのテーパー角度を60度以上とする構造が記載されている。これにより、コンタクトホールよりも上層にある感光性樹脂からなる平坦化層の露光時に乱反射防ぎ、平坦化層のくぼみと、それに起因した共通電極−画素電極間のショートと、を防ぐことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−328210号公報
【特許文献2】特開2008−64954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図3の従来技術では、絶縁膜110と無機絶縁膜114とは、SiNから成っており、無機絶縁膜114は有機絶縁膜111の上層に形成されているため、高温での成膜が行えず、無機絶縁膜114は絶縁膜110の成膜温度よりも低温で成膜される。その結果、無機絶縁膜114は、絶縁膜110よりも緻密な膜ではなくなる。そのため、無機絶縁膜114と絶縁膜110とをドライエッチする場合、無機絶縁膜114のエッチングレートが絶縁膜110のエッチングレートよりも速くなる。この場合、特許文献1で説明されているように、無機絶縁膜114の端部が絶縁膜110の端部よりも後退する場合がある。
【0009】
特に、前述の従来技術を用いて、液晶表示装置を高精細化させるために画素のサイズを小さくした場合、図3(b)中のdで示される第2のコンタクトホール112の共通電極113側の端部と第3のコンタクトホール115の共通電極113側の端部との距離dが小さくなり、次の問題が生ずる。
【0010】
すなわち、無機絶縁膜114のエッチングレートは絶縁膜110のエッチングレートよりも速いために、第2のコンタクトホール112の端部と第3のコンタクトホール115との距離が短い場合、無機絶縁膜114の端部が有機絶縁膜111まで後退する。
【0011】
この状況について図3(c)を用いて説明する。第3のコンタクトホール115の左側において、無機絶縁膜114が有機絶縁膜111まで後退しているために、有機絶縁膜の露出部分118が形成される。
【0012】
有機絶縁膜の露出部を有する液晶表示装置を高湿度な環境下で動作させた場合、大気中の水分が図4に示される液晶20に侵入し、さらに、この有機絶縁膜の露出部分118より有機絶縁膜111中へ水分が浸入すると、有機絶縁膜111の電気抵抗が減少し、画素電極116と共通電極113との間で電流リークが発生する。その結果、液晶20に印加される電圧の保持が困難となり、液晶表示装置の表示画質が低下する問題が生ずる。また、高湿度な環境でない場合においても、長期に渡り動作させた場合、液晶20に大気中の水分が侵入し、上記と同様の問題が生ずる。
【0013】
特許文献2では、画素電極と共通電極とのショートを防止できるが、有機絶縁膜上に形成される絶縁膜に開口したコンタクトホールと有機絶縁膜に開口したコンタクトホールの端部との距離が短いため、有機絶縁膜の露出部分が形成されてしまう。そのため、高湿度な環境下での動作や、長期間の動作に対しては上記と同様の問題が生ずる。
【0014】
本発明により解決すべき課題は、表示装置の画素を構成する電荷保持容量の電流リーク電流を防止し、表示装置の表示画質低下を防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するため、本発明の液晶表示装置は、例えば、以下のような構成にすることができる。
【0016】
(1)、走査信号線によりスイッチングされるアクティブ素子と、前記アクティブ素子よりも上層に形成された層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜に開口された第1のコンタクトホールを介して前記アクティブ素子に接続された第1の電極と、前記第1の電極よりも上層に形成された有機絶縁膜上に形成され、第2の電極と無機絶縁膜と第3の電極により形成された保持容量と、前記有機絶縁膜に開口した第2のコンタクトホールと、前記無機絶縁膜に開口した第3のコンタクトホールとを有する基板を備えたアクティブマトリクス型表示装置であって、前記第3の電極は前記第3のコンタクトホールを介して前記第1の電極と電気的に接続されており、前記第1の基板を平面視した時に、前記第1のコンタクトホールと前記第3のコンタクトホールとが、前記第2のコンタクトホールの内側にあり、前記第1のコンタクトホールと前記第3のコンタクトホールとが互いに重ならず、前記走査信号線に垂直な方向での位置が、前記第3のコンタクトホール、前記第1のコンタクトホール、前記第2のコンタクトホールの端部、前記第2の電極の端部、画素開口の順に並んでおり、前記走査信号線に平行な方向において、前記第3のコンタクトホールの中心が、前記第2のコンタクトホールの中央部に位置し、前記走査信号線に平行な方向において、前記第2のコンタクトホールの端部が前記第1の電極の端部よりも外側に位置している。
【0017】
(2)、共通電位線と、前記共通電位線よりも上層に形成された層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜に開口された第1のコンタクトホールを介して前記共通電位線に接続された第1の電極と、前記第1の電極よりも上層に形成された有機絶縁膜上に形成され、第2の電極と無機絶縁膜と第3の電極により形成された保持容量と、前記有機絶縁膜に開口した第2のコンタクトホールと、前記無機絶縁膜に開口した第3のコンタクトホールとを有する基板を備えたアクティブマトリクス型表示装置であって、前記第3の電極は前記第3のコンタクトホールを介して前記第1の電極と電気的に接続されており、前記第1の基板を平面視した時に、前記第1のコンタクトホールと前記第3のコンタクトホールとが、前記第2のコンタクトホールの内側にあり、前記第1のコンタクトホールと前記第3のコンタクトホールとが互いに重ならず、前記共通電位線に垂直な方向での位置が、前記第3のコンタクトホール、前記第1のコンタクトホール、前記第2のコンタクトホールの端部、前記第2の電極の端部、画素開口の順に並んでおり、前記共通電位線に平行な方向において、前記第3のコンタクトホールの中心が、前記第2のコンタクトホールの中央部に位置し、前記共通電位線に平行な方向において、前記第2のコンタクトホールの端部が前記第1の電極の端部よりも外側に位置している。
【0018】
(3)、(1)または(2)において、前記基板である第1の基板と、前記第1の基板に対向して配置される第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に挟まれた液晶とを有し、前記第2の電極と前記第3の電極との間に発生する電界により、前記液晶を駆動する構成としても良い。
【0019】
(4)、(1)において、前記基板である第1の基板と、前記第1の基板に対向して配置される第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に挟まれた液晶とを有し、前記第2の基板は対向電極を有し、前記第3の電極と前記対向電極との間に発生する電界により前記液晶を駆動する構成としても良い。
【0020】
(5)、(1)から(4)の何れかにおいて、前記第3の電極は少なくとも一部に透明伝導膜を有する構成としても良い。
【0021】
(6)、(1)から(5)の何れかにおいて、前記第2の電極は少なくとも一部に透明伝導膜を有する構成としても良い
尚、(1)〜(6)に記載した構成は、あくまで一例であり、これに限定されるものではない。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、有機絶縁膜の露出部分の形成を防ぐことができる。このため、電荷保持容量の電流リークを防止でき、表示装置の表示画質低下を防止させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1(a)】本発明の実施例1における薄膜トランジスタ基板の1画素部を説明する平面図である。
【図1(b)】本発明の実施例1を説明する図であり、図1(a)のA−A’線に沿った断面図である。
【図1(c)】本発明の実施例1を説明する図であり、図1(a)のB−B’線に沿った断面図である。
【図2(a)】本発明の実施例2における、薄膜トランジスタ基板の1画素部を説明する平面図である。
【図2(b)】本発明の実施例2を説明する図であり、図2(a)のC−C’線に沿った断面図である。
【図2(c)】本発明の実施例2を説明する図であり、図2(a)のD−D’線に沿った断面図である。
【図3(a)】従来の液晶表示装置における、薄膜トランジスタ基板の1画素部を説明する平面図である。
【図3(b)】従来の液晶表示装置を説明する図であり、図3(a)のE−E’線に沿った断面図である。
【図3(c)】従来の液晶表示装置を説明する図であり、図3(a)のE−E’線に沿った断面の一例を示す図である。
【図4】本発明の実施例1における、液晶表示装置の断面を説明する図である。
【図5】本発明の実施例1における、薄膜トランジスタ基板の恒温恒湿環境処理時間と、保持容量のリーク電流との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0025】
実施例1では、IPS方式の液晶表示装置の画素において、アクティブ素子に接続したコンタクトホール周辺の構造に本発明を適用した例を説明する。
【0026】
図1は、本発明の実施例1を説明する図であり、図1(a)は、薄膜トランジスタ基板の1画素部を説明する平面図である。図1(b)は、図1(a)のA−A’線に沿った断面図である。図1(c)は、図1(a)のB−B’線に沿った断面図である。また、図4は、液晶表示装置の断面図である。
【0027】
本実施例の液晶表示装置は、アクティブマトリクス方式の液晶表示装置であり、図4に示すように、ガラス等の透明な絶縁性の基板上にスイッチング素子としての薄膜トランジスタを含む薄膜トランジスタ基板21と、薄膜トランジスタ基板21に対向する対向基板19と、薄膜トランジスタ基板21と対向基板19の間に挟持された液晶20と、から構成されている。
【0028】
薄膜トランジスタ基板21上には、複数の画素がマトリクス状に配置されている。薄膜トランジスタ基板21は、複数のゲート線と複数のゲート線に交差する複数のドレイン線とを有している。各交点近傍には、画素のスイッチング素子として薄膜トランジスタを有している。図1(a)にはマトリクス状に配置された複数の画素のうち1画素分を示した。
【0029】
本実施例の薄膜トランジスタ基板には、図1に示すように、ガラス基板1と、ガラス基板1上に成膜された、例えば、窒化シリコン(SiN)と酸化シリコン(SiO)の積層膜等から成る下地絶縁膜2と、下地絶縁膜2上にパタニングされたポリシリコン3と、が形成されている。
【0030】
下地絶縁膜2とポリシリコン3とを被覆するように、ゲート絶縁膜4が形成されている。また、ゲート絶縁膜4上にパタニングされたゲート線(走査信号線)5が形成され、ゲート絶縁膜4とゲート線5とを被覆する層間絶縁膜6が形成されている。
【0031】
ここで、ゲート絶縁膜4は、例えば、CVDにより成膜されたSiOとする。ゲート線5は、例えば、モリブデンから成る。層間絶縁膜6は、例えば、CVDで成膜されたSiOまたはSiNまたはこれらの積層膜から成る。
【0032】
ゲート絶縁膜4と層間絶縁膜6とに第1のコンタクトホール7が開口されている。層間絶縁膜6上には第1のコンタクトホール7を介してポリシリコン3に電気的に接続したパッド電極8がパタニングされている。
【0033】
ここで、第1のコンタクトホール7は、例えば、ドライエッチングにより開口される。パッド電極8は、例えば、下層のモリブデンと上層のアルミニウムとの2層構造、もしくは、下層のモリブデンと中層のアルミニウムと上層のモリブデンとの3層構造で構成されている。
【0034】
層間絶縁膜6とパッド電極8とが被覆されるように絶縁膜10が形成されている。また、絶縁膜10上に有機絶縁膜11が形成されている。
【0035】
ここで、絶縁膜10は、例えば、SiNにより形成されている。有機絶縁膜は、例えば、塗布型感光性材料を用いて、膜厚が、例えば、1.5μm〜3.0μmとなるように成膜されている。
【0036】
有機絶縁膜11には、第2のコンタクトホール12が開口されている。
【0037】
この第2のコンタクトホールについて、有機絶縁膜11が塗布型感光材料の場合、露光および現像によって形成される。
【0038】
また、第2のコンタクトホール12は、平面視(図1(a)参照)において第1のコンタクトホール7を内部に含み、かつ、ゲート線5に平行な方向では、端部がパッド電極8の外側にある特徴を持つように形成されている。
【0039】
有機絶縁膜11上に、例えば透明材料であるITOを用いて共通電極13が形成されている。
【0040】
ここで、共通電極13は、薄膜トランジスタ基板21を平面視(図1(a)参照)した際に端部が第2のコンタクトホール12の外部にある特徴を持つように形成されている。なお、共通電極13は、第2のコンタクトホール12のゲート線5側には存在しない。
【0041】
有機絶縁膜11と第2のコンタクトホール12とを被覆するように、例えば、SiNからなる無機絶縁膜14が形成されており、絶縁膜10と無機絶縁膜14とに第3のコンタクトホール15が開口されている。
【0042】
ここで、第3のコンタクトホール15は、例えば、ドライエッチングにより開口される。
【0043】
第3のコンタクトホール15は、薄膜トランジスタ基板21を平面視(図1(a)参照)した際に、第2のコンタクトホール12の内側に有り、かつ、第1のコンタクトホール7と重なり部分を持たず、かつ、ゲート線5に垂直な方向に関して、第1のコンタクトホール7とゲート線5との間に位置することを特徴とするように形成されている。
【0044】
無機絶縁膜14上には、第3のコンタクトホール15を介してパッド電極8に電気的に接続した画素電極16がパタニングされている。
【0045】
ここで、画素電極16は画素内において光が透過する領域である画素開口の部分が櫛歯状に形成されている。また、共通電極13は面状に形成されている。共通電極13は対向電極として働き、画素電極16と共通電極13との間に発生する電界により、液晶20を駆動して表示を行う。
【0046】
画素電極16と共通電極13とは、例えば酸化インジウムスズ(ITO)等の透明電極で形成されている。これにより、バックライト(図示しない)からの光を利用して透過型の表示を行うことができる。
【0047】
上記の構成によれば、第2のコンタクトホール12の共通電極13側の端部と第3のコンタクトホール15の共通電極13側の端部の距離dを増加させることができ(図1(b)参照)、有機絶縁膜の露出部分の形成を防ぐことができる。このため、保持容量の電流リークを防止でき、液晶表示装置の表示画質低下を防止させることができる。上記構成では、図1(b)において、第3のコンタクトホール15は有機絶縁膜11に開口した第2のコンタクトホールの右側の端部に近づくが、こちら側には共通電極13が存在しないため、仮に有機絶縁膜が露出したとしても、問題は生じない。
【0048】
また、平面視(図1(a)参照)において、ゲート線に平行な方向に関して、第3のコンタクトホール15の中心が、第2のコンタクトホール12の中央部に位置し、第2のコンタクトホール12の端部はパッド電極8の外側にあるから(図1(c)参照)、第2のコンタクトホール12の端部と第3のコンタクトホール15の端部の距離も十分にあり、ゲート線に平行な方向に関しても、有機絶縁膜の露出部分の形成を防ぐことができる。このため、保持容量の電流リークを防止でき、液晶表示装置の表示画質低下を防止させることができる。
【0049】
ここで、従来技術における薄膜トランジスタ基板と本実施例における薄膜トランジスタ基板とを高温高湿度環境に曝した場合の保持容量のリーク電流の変化について説明する。
【0050】
薄膜トランジスタ基板を温度60℃湿度90%RHの恒温恒湿環境に曝す処理を行い、処理時間と、保持容量のリーク電流、すなわち、共通電極−画素電極間リーク電流との関係を調べた。
【0051】
図5の横軸は処理時間を、縦軸は、保持容量のリーク電流を示す。また、プロット23は本実施例における薄膜トランジスタ基板を用いた場合の関係を示し、プロット22は従来技術における薄膜トランジスタ基板を用いた場合の関係を示す。
【0052】
従来技術における薄膜トランジスタ基板の場合、処理時間の増加とともにリーク電流が増加することが分かる。170時間処理した場合、リーク電流は約180倍に増加する。
【0053】
一方、本実施例における薄膜トランジスタの場合、処理時間を増加させてもリーク電流の増加はわずかであり、電流リークが防止されていることが分かる。
【実施例2】
【0054】
実施例2では、横電界方式の液晶表示装置の画素において、共通電位線18に接続したコンタクトホール周辺構造に本発明を適用する場合の一例を説明する。
【0055】
図2は、本発明の実施例2を説明する図であり、図2(a)は、薄膜トランジスタ基板の1画素部を説明する平面図である。図2(b)は、図2(a)のC−C’線に沿った断面図である。図2(c)は、図2(a)のD−D’線に沿った断面図である。
【0056】
前述の実施例1では共通電極13を有機絶縁膜11と無機絶縁膜14との間に形成させ、画素電極16を無機絶縁膜14よりも上層に形成したが、本実施例では、共通電極13と画素電極16とを入れ替えた構成、すなわち、図2(b)に示すように有機絶縁膜11上に画素電極16と無機絶縁膜14と共通電極13とを順に形成した構造となっている。
【0057】
また、共通電位線18上の層間絶縁膜6に開口される第1のコンタクトホール7を介して共通電位線18とパッド電極8とが接続している。また、パッド電極8よりも上層に形成された有機絶縁膜11に開口された第2のコンタクトホール12が形成されている。
【0058】
第1のコンタクトホール7と第2のコンタクトホール12と第3のコンタクトホール15は実施例1で説明した特徴をもつように形成されている。
【0059】
上記以外の点については実施例1と同様である。
【実施例3】
【0060】
実施例3では、横電界方式ではなく、縦電界方式の液晶表示装置に本発明を適用する場合の一例を説明する。
【0061】
この場合、実施例1の構成において、共通電位が印加された共通電極13が対向基板の液晶側に形成される。
【0062】
有機絶縁膜11と無機絶縁膜14との間に形成される電極(図1の共通電極13に対応する電極)は、画素電極16と無機絶縁膜14とともに保持容量を形成する。
【0063】
上記以外の点については実施例1と同様である。
【0064】
また、本発明の実施例は、液晶表示装置に限定されず、アクティブ素子と保持容量とを有するアクティブマトリクス型表示装置に対しても適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0065】
画素サイズを小さくした場合でも、保持容量のリーク電流を小さく抑えることができるため、高精細液晶ディスプレイに適用できる。
【符号の説明】
【0066】
1 ガラス基板
2 下地絶縁膜
3 ポリシリコン
4 ゲート絶縁膜
5 ゲート線
6 層間絶縁膜
7 第1のコンタクトホール
8 パッド電極
9 ドレイン線
10 絶縁膜
11 有機絶縁膜
12 第2のコンタクトホール
13 共通電極
14 無機絶縁膜
15 第3のコンタクトホール
16 画素電極
17 薄膜トランジスタ
18 共通電位線
19 対向基板
20 液晶
21 薄膜トランジスタ基板
22 従来技術における薄膜トランジスタ基板を用いた場合の恒温恒湿処理時間と保持容量のリーク電流との関係を示すプロット
23 本実施例における薄膜トランジスタ基板を用いた場合の恒温恒湿処理時間と保持容量のリーク電流との関係を示すプロット
101 ガラス基板
102 下地絶縁膜
103 ポリシリコン
104 ゲート絶縁膜
105 ゲート線
106 層間絶縁膜
107 第1のコンタクトホール
108 パッド電極
109 ドレイン線
110 絶縁膜
111 有機絶縁膜
112 第2のコンタクトホール
113 共通電極
114 無機絶縁膜
115 第3のコンタクトホール
116 画素電極
117 薄膜トランジスタ
118 有機絶縁膜露出部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走査信号線によりスイッチングされるアクティブ素子と、
前記アクティブ素子よりも上層に形成された層間絶縁膜と、
前記層間絶縁膜に開口された第1のコンタクトホールを介して前記アクティブ素子に接続された第1の電極と、
前記第1の電極よりも上層に形成された有機絶縁膜上に形成され、第2の電極と無機絶縁膜と第3の電極により形成された保持容量と、
前記有機絶縁膜に開口した第2のコンタクトホールと、
前記無機絶縁膜に開口した第3のコンタクトホールとを有する基板を備えたアクティブマトリクス型表示装置であって、
前記第3の電極は前記第3のコンタクトホールを介して前記第1の電極と電気的に接続されており、
前記第1の基板を平面視した時に、前記第1のコンタクトホールと前記第3のコンタクトホールとが、前記第2のコンタクトホールの内側にあり、
前記第1のコンタクトホールと前記第3のコンタクトホールとが互いに重ならず、
前記走査信号線に垂直な方向での位置が、前記第3のコンタクトホール、前記第1のコンタクトホール、前記第2のコンタクトホールの端部、前記第2の電極の端部、画素開口の順に並んでおり、
前記走査信号線に平行な方向において、前記第3のコンタクトホールの中心が、前記第2のコンタクトホールの中央部に位置し、
前記走査信号線に平行な方向において、前記第2のコンタクトホールの端部が前記第1の電極の端部よりも外側に位置することを特徴としたアクティブマトリクス型表示装置。
【請求項2】
共通電位線と、
前記共通電位線よりも上層に形成された層間絶縁膜と、
前記層間絶縁膜に開口された第1のコンタクトホールを介して前記共通電位線に接続された第1の電極と、
前記第1の電極よりも上層に形成された有機絶縁膜上に形成され、第2の電極と無機絶縁膜と第3の電極により形成された保持容量と、
前記有機絶縁膜に開口した第2のコンタクトホールと、
前記無機絶縁膜に開口した第3のコンタクトホールとを有する基板を備えたアクティブマトリクス型表示装置であって、
前記第3の電極は前記第3のコンタクトホールを介して前記第1の電極と電気的に接続されており、
前記第1の基板を平面視した時に、前記第1のコンタクトホールと前記第3のコンタクトホールとが、前記第2のコンタクトホールの内側にあり、
前記第1のコンタクトホールと前記第3のコンタクトホールとが互いに重ならず、
前記共通電位線に垂直な方向での位置が、前記第3のコンタクトホール、前記第1のコンタクトホール、前記第2のコンタクトホールの端部、前記第2の電極の端部、画素開口の順に並んでおり、
前記共通電位線に平行な方向において、前記第3のコンタクトホールの中心が、前記第2のコンタクトホールの中央部に位置し、
前記共通電位線に平行な方向において、前記第2のコンタクトホールの端部が前記第1の電極の端部よりも外側に位置することを特徴としたアクティブマトリクス型表示装置。
【請求項3】
前記基板である第1の基板と、前記第1の基板に対向して配置される第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に挟まれた液晶とを有し、
前記第2の電極と前記第3の電極との間に発生する電界により、前記液晶を駆動することを特徴とする請求項1または2に記載のアクティブマトリクス型表示装置。
【請求項4】
前記基板である第1の基板と、前記第1の基板に対向して配置される第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に挟まれた液晶とを有し、
前記第2の基板は対向電極を有し、前記第3の電極と前記対向電極との間に発生する電界により前記液晶を駆動することを特徴とする請求項1に記載のアクティブマトリクス型表示装置。
【請求項5】
前記第3の電極は少なくとも一部に透明伝導膜を有することを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のアクティブマトリクス型表示装置。
【請求項6】
前記第2の電極は少なくとも一部に透明伝導膜を有することを特徴とする請求項1から5の何れかに記載のアクティブマトリクス型表示装置。

【図1(a)】
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【図1(b)】
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【図1(c)】
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【図2(a)】
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【図2(b)】
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【図2(c)】
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【図3(a)】
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【図3(b)】
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【図3(c)】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−256517(P2010−256517A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−104953(P2009−104953)
【出願日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【Fターム(参考)】