アデノシンA2aレセプターアンタゴニストの使用
【課題】錐体外路症候群(EPS)、失調症、不穏下肢症候群(RLS)もしくは睡眠時周期性四肢運動(PLMS)の処置あるいは予防のための方法の提供。
【解決手段】アデノシンA2aレセプターアンタゴニストを単独でか、または錐体外路症候群(EPS)、失調症、不穏下肢症候群(RLS)、もしくは睡眠時周期性四肢運動(PLMS)処置のために有用な別の薬剤と組み合わせて投与する方法。
【解決手段】アデノシンA2aレセプターアンタゴニストを単独でか、または錐体外路症候群(EPS)、失調症、不穏下肢症候群(RLS)、もしくは睡眠時周期性四肢運動(PLMS)処置のために有用な別の薬剤と組み合わせて投与する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ほとんど全ての抗精神病薬の急性および慢性の使用の後に起こる錐体外路運動系(すなわち錐体外路症候群)を含む種々の神経学的症候群の処置のためのアデノシンA2aレセプターアンタゴニストの使用に関連する。本発明はまた、不穏下肢症候群(RLS)および睡眠時周期性四肢運動(PLMS)のような別の異常な運動障害の処置のためのアデノシンA2aレセプターアンタゴニストの使用にも関連する。
【背景技術】
【0002】
錐体外路症候群(EPS)は、抗精神病薬の使用に関連した一連の有害な神経学的反応についての全体的な用語である。6種類の異なる分類のEPS関連の神経学的症候群があり、そのうちの4つの失調症、静座不能、偽パーキンソン症(パーキンソン症候群)、および晩発性ジスキネジーは、抗精神病薬適用を受けている患者に特に蔓延している。失調症は、筋肉群(特に首、顎、背中、咽頭、および喉頭)の有痛性の痙攣である。それは、抗精神病薬を用いて治療されている若い男性に最も一般的であるが、コカイン、三環系抗鬱薬、リチウム、ならびに鎮痙薬(例えばフェニトインおよびカルバマゼピン)の使用にもまた関連し得る。偽パーキンソン病は、運動不能症(硬直、堅さおよびゆっくりとした自発的動作、前かがみになる、引きずって歩く)および震えとして現れる。これらの症状は、治療の開始後、数週間または数ヶ月内に発症する。静座不能は、動作不穏によって特徴づけられた窮迫または不快の強く主観的な内面の感情として、現れる。しばしば、動揺または不安と間違えられ、この一般の症候群は、頻繁に不十分な診断をされて、処置に対する応答性が最も少ない。晩発性ジスキネジーは、精神遮断薬の慢性的な使用に関連して晩期に現れる症候群である。それは老齢の患者においてより頻繁に起こり、顔、瞼、口、舌、四肢および体幹の型通りで、反復性で、不随意性の、速い舞踏病状の動作によって特徴づけられる。
【0003】
錐体外路症候群(EPS)は、定型抗精神病薬の使用とともに、より蔓延するが、非定型薬剤の使用に対してもまた、報告されている。定型抗精神病薬としては、ロクサピン、ハロペリドール、クロルプロマジン、プロクロルペラジンおよびチオチキセンが挙げられる。非定型抗精神病薬としては、クロザピン、オランザピン、ロクサピン、クエチアピン、ジプラシドンおよびリスペリドンが挙げられる。
【0004】
静座不能はまた、不穏下肢症候群(RLS)および睡眠時周期性四肢運動(PLMS)、ならびに周期性足(または四肢)運動障害(PLMD)に特有である。不穏下肢症候群(RLS)は、患者に彼らの足を動かすための抑えられない不愉快な欲求を有することを引き起こす一般の疾患であり;それは普通、無活動の時間および/または夜に現れ、睡眠を妨げ得る。睡眠に悪影響を及ぼす定期的な足の動作を示すが、代表的な不穏下肢症候群(RLS)症状を有さない患者は、睡眠時周期性四肢運動(PLMS)と診断される。不穏下肢症候群(RLS)および睡眠時周期性四肢運動(PLMS)のための処置としては、レボドパ/カルビドパ、レボドパ/ベンセラシド、ドパミンアゴニスト(例えば、プラミペキソールおよびロピニロール)、ベンゾジアゼピン、オピオイド、鎮痙薬ならびに鉄(硫化鉄)が挙げられている。RLSおよびPLMSは、文献、例えばSaletuら、Neuropsychobiology、41、4(2000)、190−9ページに広く記載されている。
【0005】
プリンヌクレオチドであるアデノシンは、中枢神経系(CNS)および末梢神経系における多くの生理的な機能の内因性の調節因子であることが公知である。
【0006】
アデノシンは、Gタンパク質と共役したレセプターのスーパーファミリーに属する膜特異的レセプターの種類を介して、その生物学的な作用を発揮する。分子生物学の進歩と一緒になって、生物学および薬理学の研究は、アデノシンレセプター:A1、A2a、A2bおよびA3の少なくとも4個のサブタイプの同定を可能にしている。アンタゴニストとしてA1レセプター、A2aレセプター、A2bレセプターおよびA3レセプターと相互に作用し得るアデノシンのアナログもまた、同定されている。
【0007】
中枢神経系(CNS)において、A2aレセプターが、運動動作の制御において重要であることが知られている脳幹神経節に高密度に存在していることを、データが示している。さらに、A2aレセプターについての選択的なアンタゴニストは、運動欠陥を低減し、それによって神経変性疾患(例えば、パーキンソン病および関連する運動障害(例えばハンティングトン病))の機能を改善する際のそれらの明らかにされた効力が原因で、薬理学的に関心を持たれている。A2aアンタゴニストは、改善された治療指数をもたらす現在のドパミン作用性の治療と比べて、低減された副作用障害(例えば、ジスキネジーがない)を示すように見える。A2aアンタゴニストはまた、抗鬱薬特性を有し得、認知機能を刺激させ得る。いくつかのキサンチン関連化合物は、A1レセプター選択的アンタゴニストであることが発見されており、キサンチン化合物および非キサンチン化合物は、種々の度合いのA2a対A1選択性で高いA2a親和性を有することが発見されている。アデノシンA2aレセプターアンタゴニストは、以前に、例えばWO95/01356およびUS6,630,475で開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第95/01356号
【特許文献2】米国特許第6,630,475号明細書
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Saletuら、Neuropsychobiology、41、4(2000)、p.190−9
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
(発明の要旨)
本発明は、錐体外路症候群(例えば、失調症、静座不能、偽パーキンソン病および晩発性ジスキネジー)の処置または予防のための方法に関連し、この方法は、それを必要とする患者に治療的に有効量のアデノシンA2aレセプターアンタゴニストを投与する工程を含む。特に、この方法は、錐体外路症候群(EPS)を誘導するという副作用を有する抗精神病薬を用いて処置される患者の錐体外路症候群(EPS)の処置または予防のためである。アデノシンA2aレセプターアンタゴニストは、錐体外路症候群(EPS)の症状が現れた後に投与され得、またはアデノシンA2aレセプターアンタゴニストは、錐体外路症候群(EPS)を発症することを予防するために抗精神病薬を投与し始めた時に投与され得る。従って、本発明はまた、抗精神病薬によって誘導される錐体外路症候群(EPS)を処置または予防する方法を含み、この方法は、それを必要とする患者に抗精神病薬およびアデノシンA2aアンタゴニストの組み合わせを投与する工程を含む。さらに特に、本発明は、単独療法または併用療法のための特定のアデノシンA2aアンタゴニストの使用の方法に関連する。
【0011】
本発明はまた、原発性(特発性)の失調症の処置、および三環形抗鬱薬、リチウムまたは鎮痙剤を用いる処置の結果として失調症を示す患者あるいはコカインを使用している患者における失調症の処置もしくは予防に関連し、この方法は、それを必要とする患者に治療的に有効量のアデノシンA2aレセプターアンタゴニストを投与する工程を含む。失調症が三環形抗鬱薬、リチウムまたは鎮痙薬を用いる処置によって引き起こされる場合、アデノシンA2aレセプターアンタゴニストは、失調症の症状が現れた後に投与され得、またはアデノシンA2aレセプターアンタゴニストは、失調症を発症することを予防するために三環形抗鬱薬、リチウムまたは鎮痙薬を投与し始めた時に投与され得る。従って、本発明はまた、三環形抗鬱薬、リチウムまたは鎮痙薬によって誘導される失調症を処置または防ぐ方法を含み、この方法はアデノシンA2aアンタゴニストおよび三環形抗鬱薬、リチウムまたは鎮痙薬の組み合わせを必要とする患者に投与する工程を含む。
【0012】
本発明はまた、不穏下肢症候群(RLS)または睡眠時周期性四肢運動(PLMS)の処置に関連し、この処置は、必要とする患者に治療的に有効量のアデノシンA2aレセプターアンタゴニストを投与する工程を含む。本発明はまた、不穏下肢症候群(RLS)または睡眠時周期性四肢運動(PLMS)を処置する方法を含む。この方法は、必要とする患者に不穏下肢症候群(RLS)または睡眠時周期性四肢運動(PLMS)を処置するのに有用な別の薬剤(例えば、レボドパ/カルビドパ、レボドパ/ベンセラジド、ドパミンアゴニスト、ベンゾジアゼピン、オピオイド、鎮痙薬または鉄)とアデノシンA2aアンタゴニストとの組み合わせを投与することを含む。
【0013】
別の局面において、本発明は、単一の包装の中の別々の容器に、抗精神病薬を用いる処置によって引き起こされる錐体外路症候群(EPS)を処置または予防するために組み合わせて使用するための薬学的組成物を備えるキットに関連し、ここで、1つの容器は、薬学的に受容可能なキャリア中に有効量のアデノシンA2aレセプターアンタゴニストを含む薬学的組成物を含み、別の容器は、有効量の抗精神病薬を含む薬学的組成物を含む。
【0014】
別の局面において、本発明は、単一の包装の中の別々の容器に、三環形抗鬱薬、リチウムまたは鎮痙薬を用いる処置によって引き起こされる失調症を処置または予防するために組み合わせて使用するための薬学的組成物を備えるキットに関連し、ここで、1つの容器は、薬学的に受容可能なキャリア中に有効量のアデノシンA2aレセプターアンタゴニストを含む薬学的組成物を含み、別の容器は、有効量の三環形抗鬱薬、リチウムまたは鎮痙剤を含む薬学的組成物を含む。
【0015】
別の局面において、本発明は、単一の包装の中の別々の容器に、不穏下肢症候群(RLS)または睡眠時周期性四肢運動(PLMS)を処置するために組み合わせて使用するための薬学的組成物を備えるキットに関連し、ここで、1つの容器は、薬学的に受容可能なキャリア中に有効量のアデノシンA2aレセプターアンタゴニストを含む薬学的組成物を含み、別の容器は、有効量のレボドパ/カルビドパ、レボドパ/ベンセラシド、ドパミンアゴニスト、ベンゾジアゼピン、オピオイド、鎮痙薬または鉄を含む薬学的組成物を含む。
【0016】
本発明はまた、錐体外路症候群(EPS)、失調症、不穏下肢症候群(RLS)もしくは睡眠時周期性四肢運動(PLMS)を、単独あるいは上記で議論した別の薬剤と組み合わせて処置もしくは予防するための医薬の調製のための、アデノシンA2aレセプターアンタゴニストの使用に関連する。
【0017】
(発明の詳細な説明)
任意のアデノシンA2aレセプターアンタゴニストが、本発明の方法における使用について企図されている。本発明の方法に有用で適切なアデノシンA2aレセプターアンタゴニストは、以下に記載された結合アッセイによって同定され得る。適切なアデノシンA2aアンタゴニストの具体的例としては、いくつかの特許および特許出願、例えばWO95/01356;US5,565,460;US6,630,475B2;US5,935,964;WO03/032996;WO03/048165;WO03/048164;WO03/048163;およびWO01/02409で開示された化合物が挙げられる。特に、これらの特許および出願は、以下の化合物を開示している。
【0018】
US6,630,475B2は、構造式I
【0019】
【化1】
を有する化合物またはその薬学的に受容可能な塩を開示しており、ここで
Rは、R1−フラニル、R1−チエニル、R1−ピリジル、R1−ピリジルN−オキシド、R1−オキサゾリル、R10−フェニル、R1−ピロリルまたはC4〜C6シクロアルケニルであり;
Xは、C2〜C6アルキレンまたは−C(O)CH2−であり;
Yは、−N(R2)CH2CH2N(R3)−、−OCH2CH2N(R2)−、−O−、−S−、−CH2S−、−(CH2)2−NH−、または
【0020】
【化2】
であり、そして
Zは、R5−フェニル、R5−フェニル(C1〜C6)アルキル、R5−ヘテロアリール、ジフェニルメチル、R6−C(O)−、R6−SO2−、R6−OC(O)−、R7−N(R8)−C(O)−、R7−N(R8)−C(S)−、
【0021】
【化3】
、フェニル−CH(OH)−、またはフェニル−C(=NOR2)−であるか;あるいはQが、
【0022】
【化4】
である場合、Zもまた、フェニルアミノまたはピリジルアミノであるか;あるいは
ZおよびYは、一緒になって、
【0023】
【化5】
であり;
R1は、水素、C1〜C6−アルキル、−CF3、ハロゲン、−NO2、−NR12R13、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6アルキルスルフィニル、およびC1〜C6アルキルスルホニルから独立して選択される1〜3個の置換基であり;
R2ならびにR3は、水素およびC1〜C6アルキルからなる群から独立して選択され;
mおよびnは、独立して2〜3であり;
Qは、
【0024】
【化6】
であり;
R4は、水素およびC1〜C6アルキルからなる群から独立して選択される1〜2個の置換基であるか、または同じ炭素上の2個のR4の置換基は、=Oを形成し得;
R5は、水素、ハロゲン、C1〜C6アルキル、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、−CN、ジ((C1〜C6)アルキル)アミノ、−CF3、−OCF3、アセチル、−NO2、ヒドロキシ(C1〜C6)アルコキシ、(C1〜C6)−アルコキシ(C1〜C6)アルコキシ、ジ((C1〜C6)−アルコキシ)(C1〜C6)アルコキシ、(C1〜C6)−アルコキシ(C1〜C6)アルコキシ−(C1〜C6)−アルコキシ、カルボキシ(C1〜C6)−アルコキシ、(C1〜C6)−アルコキシカルボニル(C1〜C6)アルコキシ、(C3〜C6)シクロアルキル(C1〜C6)アルコキシ、ジ((C1〜C6)アルキル)アミノ(C1〜C6)アルコキシ、モルホリニル、(C1〜C6)アルキル−SO2−、(C1〜C6)アルキル−SO2−(C1〜C6)アルコキシ、テトラヒドロピラニルオキシ、(C1〜C6)アルキルカルボニル(C1〜C6)−アルコキシ、(C1〜C6)−アルコキシカルボニル、(C1〜C6)アルキルカルボニルオキシ(C1〜C6)−アルコキシ、−SO2NH2、フェノキシ、
【0025】
【化7】
からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基であるか;あるいは隣接したR5の置換基は、一緒になって、−O−CH2−O−、−O−CH2CH2−O−、−O−CF2−O−または−O−CF2CF2−O−であり、そして上記R5の置換基が結合する炭素原子と環を形成し;
R6は、(C1〜C6)アルキル、R5−フェニル、R5−フェニル(C1〜C6)アルキル、チエニル、ピリジル、(C3〜C6)−シクロアルキル、(C1〜C6)アルキル−OC(O)−NH−(C1〜C6)アルキル−、ジ((C1〜C6)アルキル)アミノメチル、または
【0026】
【化8】
であり;
R7は、(C1〜C6)アルキル、R5−フェニルまたはR5−フェニル(C1〜C6)アルキルであり;
R8は、水素またはC1〜C6アルキルであるか;あるいはR7およびR8は、一緒になって、−(CH2)P−A−(CH2)qであり、ここでpおよびqは、独立して2または3であり、Aは、結合、−CH2−、−S−または−O−であり、そしてR7およびR8が結合する窒素と環を形成し;
R9は、水素、C1〜C6アルキル、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、ハロゲン、−CF3および(C1〜C6)アルコキシ(C1〜C6)アルコキシから独立して選択される1〜2個の基であり;
R10は、水素、ハロゲン、C1〜C6アルキル、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、−CN、−NH2、C1〜C6アルキルアミノ、ジ((C1〜C6)アルキル)アミノ、−CF3、−OCF3および−S(O)0〜2(C1〜C6)アルキルからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基であり;
R11は、H、C1〜C6アルキル、フェニル、ベンジル、C2〜C6アルケニル、C1〜C6アルコキシ(C1〜C6)アルキル、ジ((C1〜C6)アルキル)アミノ(C1〜C6)アルキル、ピロリジニル(C1〜C6)アルキルまたはピペリジノ(C1〜C6)アルキルであり;
R12は、HまたはC1〜C6アルキルであり;そして
R13は、(C1〜C6)アルキル−C(O)−または(C1〜C6)アルキル−SO2−である。
【0027】
式Iの好ましい化合物はRか、R1−フラニル、R1−チエニル、R1−ピロリルまたはR10−フェニル、より好ましくはR1−フラニルである化合物である。R1は、好ましくは水素またはハロゲンである。好ましい化合物の別の基は、Xかアルキレン、好ましくはエチレンである基である。Yは、好ましくは
【0028】
【化9】
であり、ここで、Qは、
【0029】
【化10】
であり、Qは好ましくは窒素である。好ましくは、mおよびnは、各々2であり、R4はHである。Zについての好ましい定義は、R5−フェニル、R5−ヘテロアリール、R6−C(O)−またはR6−SO2−である。R5は好ましくは、H、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルコキシまたはアルコキシアルコキシである。R6は好ましくはR5−フェニルである。
【0030】
式Iの好ましい具体的化合物は、式IA
【0031】
【化11】
の化合物であり、ここで、RおよびZ−Yは、以下の表:
【0032】
【表1】
に規定した通りである。
【0033】
別の有用なアデノシンA2aレセプターアンタゴニストは、構造式II
【0034】
【化12】
を有する化合物としてWO95/01356に開示されたものが挙げられ、ここで:
Aは、ピラゾール環、イミダゾール環またはトリアゾール環であり;
Rは、水素;C1〜C8アルキル;C3〜C7アルケニル;C3〜C7アルキニル;C3〜C7シクロアルキル;1つ以上のハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1〜C4アルコキシ、C3〜C7シクロアルキル、式−NR1R2、−CONR1R2の基で置換されたC1〜C5アルキル;ハロゲン原子、C1〜C4アルコキシ基、C1〜C4アルキル、ニトロ、アミノ、シアノ、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4ハロアルコキシ、カルボキシ、カルボキサミドで必要に応じて、置換されたアリール;アリール部分が、アリール基について上記に示された置換基のうちの1つ以上で置換され得るC7〜C10アラルキル;式−(CH2)m−Hetの基(Hetは、N、O、Sから選択された1つ以上のヘテロ原子を含む5〜6員の芳香族または非芳香族の複素環式環であり、mは1〜5までの整数である)である。
【0035】
同じまたは異なるR1、R2は、水素、C1〜C5アルキル、C7〜C10アラルキル、フェニルであるか、あるいは、R1、R2が結合する窒素と一緒になって、1つ以上のヘテロ原子(例えば、N、O、S)を含むアゼチジン環もしくは5〜6員環の複素環式環を形成し、nは2〜5までの整数である。
【0036】
好ましくは、式IIの化合物(好ましくは、ハロゲン原子で)はRか、水素、C1〜C8アルキル、アリール、または必要に応じて置換されたC7〜C10アラルキルである、化合物である。
【0037】
US5,935,964は、構造式III
【0038】
【化13】
を有する有用なアデノシンA2aレセプターアンタゴニスト化合物を開示している。
ここで、Aは、ピラゾール環、イミダゾール環またはトリアゾール環であり;
Rは、
【0039】
【化14】
であり;
R1およびR2は、同じであるかまたは異なり、H、OH、ハロゲン、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4アルキル、ニトロ、アミノ、シアノ、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4ハロアルコキシ、カルボキシもしくはカルボキサミドであるか;あるいはR1もしくはR2の1つ、またはR1およびR2の1つとOH基が一緒になって、メチレンジオキシ基−O−CH2−O−を形成し得;そして
nは0〜4までの整数である。
【0040】
式IIIの好ましい化合物は、Aか、ピラゾロ[4,3−e]または1,2,3−トリアゾロ[5,4−e]である化合物である。
【0041】
US5,565,460は、構造式IVAおよびIVBを有する有用なアデノシンA2aレセプターアンタゴニスト化合物を開示しており、ここで、式IVAは、
【0042】
【化15】
であり、ここで、R1は、水素、置換低級アルキルまたは非置換低級アルキル、あるいは置換低級アルカノイルまたは非置換低級アルカノイルを表し;
R2は、水素、置換低級アルキルまたは非置換低級アルキル、置換低級アルケニルまたは非置換低級アルケニル、置換シクロアルキルまたは非置換シクロアルキル、置換アリールまたは非置換アリール、置換アラルキルまたは非置換アラルキル、あるいは置換複素環式基または非置換複素環式基を表し;
R3は、置換型複素環式基もしくは非置換型複素環式基を表し;
Xは、単結合、O、S、S(O)、S(O)2、あるいはNR4を表し(そのR4は、水素、または置換型低級アルキルもしくは非置換型低級アルキルを表すか;あるいはR2およびNR4は、置換型4〜6員飽和複素環式基もしくは非置換型4〜6員飽和複素環式基を形成するように結合される):そして
Aは、NあるいはCR5を表し(そのR5は、水素、または置換型低級アルキルもしくは非置換型低級アルキルを表す);そして
ここで式IVBは、
【0043】
【化16】
であり、ここでR6は、置換型アリールもしくは非置換型アリール、または置換型複素環式基もしくは非置換型複素環式基を表し;
Yは、O、S、あるいはNR7を表し(そのR7は、置換型低級アルキルもしくは非置換型低級アルキル、置換型シクロアルキルもしくは非置換型シクロアルキル、または置換型アリールもしくは非置換型アリールを表す);
R8は、水素、置換型低級アルキルもしくは非置換型低級アルキル、置換型低級アルケニルもしくは非置換型低級アルケニル、置換型低級アルキニルもしくは非置換型低級アルキニル、置換型シクロアルキルもしくは非置換型シクロアルキル、置換型アリールもしくは非置換型アリール、置換型アラルキルもしくは非置換型アラルキル、または置換型複素環式基もしくは非置換型複素環式基を表し;そして
Bおよび隣接した2個の炭素原子は、置換型または非置換型の、部分飽和または不飽和の、単環式または二環式の、炭素環式基または複素環式基を形成するように結合される。
【0044】
WO03/032996は、構造式V
【0045】
【化17】
を有する有用なアデノシンA2aレセプターアンタゴニスト化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を開示しており、ここで、
Rは、R1−ヘテロアリール、R10−フェニル、C4〜C6シクロアルケニル、−C(=CH2)CH3、−C≡C−CH3、−C≡C−CH2−OR2、−CH=C(CH3)2、
【0046】
【化18】
であり;
Xは、C1〜C6アルキレン、−C(O)CH2−または−C(O)N(R2)CH2−であり;
Yは、−N(R2)CH2CH2N(R3)−、−OCH2CH2N(R2)−、−O−、−S−、−CH2S−、−(CH2)2〜3−N(R2)−、R5−二価ヘテロアリール、
【0047】
【化19】
であり、そして
Zは、R5−フェニル、R5−フェニル(C1〜C6)アルキル、R5−ヘテロアリール、R5−二環式ヘテロアリール、R5−ベンゾ縮合ヘテロアリール、ジフェニルメチルまたはR6−C(O)−であるか;
あるいはYが
【0048】
【化20】
である場合、Zはまた、R6−SO2−、R7−N(R8)−C(O)−、R7−N(R8)−C(S)−またはR6OC(O)−であるか;
あるいはQが
【0049】
【化21】
である場合、Zはまたフェニルアミノまたはピリジルアミノであるか;
あるいはZおよびYは一緒になって、
【0050】
【化22】
であるか、
あるいはYおよびZは、一緒になって、単環式アリール環もしくは二環式アリール環または単環式ヘテロアリール環もしくは二環式ヘテロアリール環に縮合された、ピペリジニル環またはピロリジニル環を形成し、ここで、Xは、このピペリジニル環もしくはピロリジニル環のN原子に結合され;
R1は、水素、C1〜C6−アルキル、−CF3、ハロゲン、−NO2、−NR12R13、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、−COOR7または−C(O)NR2R3から独立して選択される1〜3個の置換基であり;
R2ならびにR3は、水素およびC1〜C6アルキルからなる群から独立して選択され;
mおよびnは、独立して2〜3であり;
pおよびqは、独立して0〜2であり;
QならびにQ1は、
【0051】
【化23】
からなる群から独立して選択され、但し、QならびにQ1のうちの少なくとも1つは、
【0052】
【化24】
であり;
R4は、水素、C1〜C6アルキル、R1−アリールおよびR1−ヘテロアリールからなる群から独立して選択される1〜2個の置換基であるか、または同じ炭素上の2個のR4の置換基が、=Oを形成し得;
R5は、水素、ハロゲン、C1〜C6アルキル、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、−CN、ジ((C1〜C6)アルキル)アミノ、−CF3、−OCF3、アセチル、−NO2、ヒドロキシ(C1〜C6)アルコキシ、(C1〜C6)−アルコシキ(C1〜C6)アルコキシ、ジ((C1〜C6)−アルコキシ)(C1〜C6)アルコキシ、(C1〜C6)−アルコキシ(C1〜C6)アルコキシ−(C1〜C6)−アルコキシ、カルボキシ(C1〜C6)−アルコキシ、(C1〜C6)−アルコキシカルボニル(C1〜C6)アルコキシ、(C3〜C6)シクロアルキル(C1〜C6)アルコキシ、ジ((C1〜C6)アルキル)アミノ(C1〜C6)アルコキシ、モルホリニル、(C1〜C6)アルキル−SO2−、(C1〜C6)アルキル−SO2−(C1〜C6)アルコキシ、テトラヒドロピラニルオキシ、(C1〜C6)アルキルカルボニル(C1〜C6)−アルコキシ、(C1〜C6)−アルコキシカルボニル、(C1〜C6)アルキルカルボニルオキシ(C1〜C6)−アルコキシ、−SO2NH2、フェノキシ、
【0053】
【化25】
、(R2O)2−P(O)−CH2−O−および(R2O)2−P(O)−であるか;あるいは隣接したR5置換基は、一緒になって、−O−CH2−O−、−O−CH2CH2−O−、−O−CF2−O−または−O−CF2CF2−O−であり、そしてこの隣接する置換基が結合する炭素原子と環を形成し;
R6は、(C1〜C6)アルキル、R5−フェニル、R5−フェニル(C1〜C6)アルキル、チエニル、ピリジル、(C3〜C6)−シクロアルキル、(C1〜C6)アルキル−OC(O)−NH−(C1〜C6)アルキル−、ジ((C1〜C6)アルキル)アミノメチル、または
【0054】
【化26】
であり;
R7は、(C1〜C6)アルキル、R5−フェニルまたはR5−フェニル(C1〜C6)アルキルであり;
R8は、水素またはC1〜C6アルキルであるか;あるいはR7およびR8は、一緒になって、−(CH2)p−A−(CH2)qであり、ここで、pおよびqは、独立して2または3であり、Aは、結合、−CH2−、−S−もしくは−O−であり、そしてR7およびR8が結合する窒素と環を形成し;
R9は、水素、C1〜C6アルキル、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、ハロゲン、−CF3および(C1〜C6)アルコキシ−(C1〜C6)アルコキシからなる群から独立して選択される1〜2個の置換基であり;
R10は、水素、ハロゲン、C1〜C6アルキル、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、−CN、−NH2、C1〜C6アルキルアミノ、ジ((C1〜C6)アルキル)アミノ、−CF3、−OCF3、−S(O)0〜2(C1〜C6)アルキルおよび−CH2−SO2−フェニルからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基であり;
R11は、H、C1〜C6アルキル、フェニル、ベンジル、C2〜C6アルケニル、C1〜C6アルコキシ(C1〜C6)アルキル、ジ((C1〜C6)アルキル)アミノ(C1〜C6)アルキル、ピロリジニル(C1〜C6)アルキルまたはピペリジノ(C1〜C6)アルキルであり;
R12は、HまたはC1〜C6アルキルであり;
R13は、H、(C1〜C6)アルキル−C(O)−または(C1〜C6)アルキル−SO2−であり;
R14は、H、ハロゲン、C1〜C6アルキル、ヒドロキシ(C1〜C6)アルキル、C1〜C6アルコキシ(C1〜C6)アルキル、チオ(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルキルチオ(C1〜C6)アルキルまたはNR2R3−(C1〜C6)アルキルであり;そして
R15は、H、ハロゲン、C1〜C6アルキルまたはC1〜C6アルコキシである。
【0055】
式Vの好ましい化合物はRか、R1−フラニル、R1−チエニル、R1−ピロリル、R1−ピリジルまたはR10−フェニル、より好ましくは、R1−フラニルまたはR10−フェニルである化合物である。R1は、好ましくは水素またはハロゲンである。R10は、好ましくは水素、ハロゲン、アルキルまたは−CF3である。好ましい化合物の別の基は、Xか、アルキレン、好ましくはエチレンである基である。Yは、好ましくは
【0056】
【化27】
であり、ここで、Qは、
【0057】
【化28】
であり、好ましくは、Qは窒素である。好ましくは、mおよびnは各々2であり、R4はHである。Zについての好ましい定義は、R5−フェニルまたはR5−ヘテロアリールである。R5は、好ましくは、H、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルコキシまたはアルコキシアルコキシである。R6は好ましくはR5−フェニルである。
【0058】
式Vの好ましい具体的化合物は、式VA
【0059】
【化29】
の化合物であり、ここで、RおよびZ−Yは、以下の表:
【0060】
【表2】
に規定した通りである。
【0061】
WO03/048165は、構造式VI
【0062】
【化30】
を有する有用なアデノシンA2aレセプターアンタゴニスト化合物またはこの化合物の薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒化合物を開示しており、ここで:
Rは、R1−フラニル−、R1−チエニル−、R1−ピリジル−、R1−オキサゾリル−、R1−ピロリル−およびR2−アリール−からなる群から選択され;
Xは、−(CH2)n−であり;
Yは、Y上の2個の隣接した炭素原子に融合されたアリール部分もしくはヘテロアリール部分を有するピペリジニル基、ピロリジニル基またはアゼパニル基であり、ここで、Xは、このピペリジニル基、ピロリジニル基またはアゼパニル基のN原子に結合し;
Qは、同じであっても異なっていてもよい1〜4個の置換基であり、そして、水素、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アミノ、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、アルキル、CF3、CN、ハロゲン、NO2、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、シクロアルキルアルコキシ、アシルオキシ、アルキルアミノ、アシルアミノ、アルキルスルホンアミノ、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、NH2SO2−、およびヒドロキシからなる群から独立して選択され;
nは、1〜4であり;
R1は、同じであっても異なっていてもよい1〜3個の置換基であり、そして、水素、アルキル、CF3、ハロゲンおよびNO2からなる群から独立して選択され;そして
R2は、同じであっても異なっていてもよい1〜3個の置換基であり、そして、水素、アルキル、CF3、ハロゲン、NO2、アルコキシ、アシルオキシ、アルキルアミノ、アシルアミノ、アルキルスルホンアミノ、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アミノスルホニル、およびヒドロキシからなる群から独立して選択される。
【0063】
式VIの化合物の好ましい実施形態において、Yは、
【0064】
【化31】
であり、ここで、A1は、N−Xであり、A2およびA3は、各々CR4R5であるか、または
A1およびA3は、各々CR4R5であり、A2は、N−Xであるか、または
A1およびA2は、各々CR4R5であり、A3は、N−Xであり;
A4は、CR4R5であり;
同じであっても異なっていてもよいZ1、Z2、Z3、およびZ4は、NおよびCR3からなる群から各々独立して選択され、但し、Z1、Z2、Z3、またはZ4のうちの0〜2個は、Nであり、残りはCR3であり;
Z5は、NR5、O、SまたはCR4R5であり;
Z6は、NまたはCR3であり;
Z7は、NまたはCR3であり;
mは、0〜2までの整数であり;
R3は、水素、シクロアルキル、アミノ、アリール、ヘテロアリール、C1〜C6−アルキル、CF3、CN、ハロゲン、NO2、C1〜C6−アルコキシ、C1〜C6−アシルオキシ、C1〜C6−アルキルアミノ、C1〜C6−アシルアミノ、C1〜C6−アルキルスルホンアミノ、C1〜C6−アルキルアミノスルホニル、C1〜C6−ジアルキルアミノスルホニル、NH2−SO2−、およびヒドロキシからなる群から選択され;
R4は、水素、ヒドロキシアルキル、アリール、アラルキル、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、CF3、CN、ハロゲン、ヒドロキシ、およびNO2からなる群から選択され;そして
R5は、水素またはC1〜C6アルキルである。
【0065】
式VIの化合物の好ましい具体例としては、式:
【0066】
【表3】
の化合物が挙げられる。
【0067】
WO03/048164は、構造式VII
【0068】
【化32】
を有する有用なアデノシンA2aレセプターアンタゴニス化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒化合物を開示しており;ここで:
Rは、R4−ヘテロアリール、R5−フェニル、(C4〜C6)シクロアルケニル、−C(=CH2)CH3、−C≡C−CH3、
【0069】
【化33】
からなる群から選択され;
R2は、−W−X、−NR19(CH2)m−W−X、および−NR19CH(CH3)−W−Xからなる群から選択されるか、あるいは
R2は、アルキル、アルケニルおよび−NR18R19からなる群から選択され、ここで、このアルキル、アルケニルまたは−NR18R19は、必要に応じて−W−Xによって置換され;
R3は、H、ハロ、アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノ、ジアルキルアミノアルキル、アミノアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびCNからなる群から選択され;
R4は、同じであっても異なっていてもよい1〜3個の置換基であり、そして、水素、(C1〜C6)−アルキル、−CF3、ハロゲン、−NO2、−NR15R16、(C1〜C6)アルコキシ、(C1〜C6)アルキルチオ、(C1〜C6)アルキルスルフィニル、(C1〜C6)アルキルスルホニル、−COOR17および−C(O)NR6R7からなる群から独立して選択され;
R5は、同じであっても異なっていてもよい1〜5個の置換基であり、そして、水素、ハロゲン、(C1〜C6)アルキル、ヒドロキシ、(C1〜C6)アルコキシ、−CN、−NH2、(C1〜C6)アルキルアミノ、ジ((C1〜C6)アルキル)アミノ、−CF3、−OCF3、−S(O)0〜2(C1〜C6)アルキルおよび−CH2−SO2−フェニルからなる群から独立して選択され;
同じであっても異なっていてもよいR6およびR7は、水素および(C1〜C6)アルキルからなる群から各々独立して選択され;
R8は、同じであっても異なっていてもよい1〜5個の置換基であり、そして、水素、ハロゲン、(C1〜C6)アルキル、ヒドロキシ、(C1〜C6)アルコキシ、−CN、アミノ、ジ((C1〜C6)アルキル)アミノ、−CF3、−OCF3、アセチル、−NO2、ヒドロキシ(C1〜C6)アルコキシ、(C1〜C6)−アルコキシ(C1〜C6)アルコキシ、ジ((C1〜C6)−アルコキシ)(C1〜C6)アルコキシ、(C1〜C6)−アルコキシ(C1〜C6)アルコキシ−(C1〜C6)−アルコキシ、カルボキシ(C1〜C6)−アルコキシ、(C1〜C6)−アルコキシカルボニル(C1〜C6)アルコキシ、(C3〜C6)シクロアルキル(C1〜C6)アルコキシ、ジ((C1〜C6)アルキル)アミノ(C1〜C6)アルコキシ、モルホリニル、(C1〜C6)アルキル−SO2−、(C1〜C6)アルキル−SO2−(C1〜C6)アルコキシ、テトラヒドロピラニルオキシ、(C1〜C6)アルキルカルボニル(C1〜C6)−アルコキシ、(C1〜C6)−アルコキシカルボニル、(C1〜C6)アルキルカルボニルオキシ(C1〜C6)−アルコキシ、−SO2NH2、フェノキシ、
【0070】
【化34】
からなる群から独立して選択されるか;あるいは
隣接したR8の置換基は、一緒になって、−O−CH2−O−、−O−CH2CH2−O−
、−O−CF2−O−または−O−CF2CF2−O−であり、そして、このR8置換基が結合する炭素原子と環を形成し;
R9は、(C1〜C6)アルキル、R8−アリール−、R8−アリール(C1〜C6)アルキル−、チエニル、ピリジル、(C3〜C6)−シクロアルキル、(C1〜C6)アルキル−OC(O)−NH−(C1〜C6)アルキル−、ジ((C1〜C6)アルキル)アミノメチル、シクロヘテロアルキル(C1〜C6)アルキル、アリールオキシ(C1〜C6)アルキル、アルコキシ(C1〜C6)アルキルおよび
【0071】
【化35】
からなる群から選択され;
R10は、同じであっても異なっていてもよい1〜2個の置換基であり、そして、水素、(C1〜C6)アルキル、R5−アリールおよびR4−ヘテロアリールからなる群から独立して選択されるか、あるいは同じ炭素上の2個のR10の置換基は、=Oを形成し得;
R11は、水素または(C1〜C6)アルキル;−C(O)アルキルであるか、またはR17およびR11は、一緒になって、−(CH2)p−A−(CH2)qであり、ここで、pおよびqは、各々独立して2または3であり、Aは、結合、−CH2−、−S−および−O−からなる群から選択され、そして、R17およびR11が結合する窒素と環を形成し;
R12は、同じであっても異なっていてもよい1〜2個の置換基であり、そして、水素、(C1〜C6)アルキル、ヒドロキシ、(C1〜C6)アルコキシ、ハロゲン、および−CF3からなる群から独立して選択され;
R13は、H、(C1〜C6)アルキル、フェニル、ベンジル、(C2〜C6)アルケニル、(C1〜C6)アルコキシ(C1〜C6)アルキル、ジ((C1〜C6)アルキル)アミノ(C1〜C6)アルキル、ピロリジニル(C1〜C6)アルキルおよびピペリジノ(C1〜C6)アルキルからなる群から選択され;
R14は、H、ハロゲン、(C1〜C6)アルキルまたは(C1〜C6)アルコキシからなる群から選択され;
R15は、Hおよび(C1〜C6)アルキルからなる群から選択され;
R16は、H、(C1〜C6)アルキル−C(O)−および(C1〜C6)アルキル−SO2−からなる群から選択され;
R17は、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)ヒドロキシアルキル、(C3〜C6)シクロアルキル、(C1〜C6)アルコキシ(C1〜C6)アルコキシ、(C1〜C6)アルコキシ、(C1〜C6)アルコキシ(C1〜C6)アルキル、アリル、プロパルギル、R8−ヘテロアリール−、R8−アリール−およびR8−アリール(C1〜C6)アルキル−からなる群から選択され;
R18は、結合、−CH2−、−CH(OH)−、−CH(CH3)−、−C(CH3)n−、−(CH2)n−、および−O(CH2)n−からなる群から選択され、
R19は、H、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルキル(C1〜C6)シクロアルキル、(C1〜C6)シクロアルキル(C1〜C6)アルキルおよび(C1〜C6)アルコキシ(C1〜C6)アルキルからなる群から選択され;
QおよびQ1は、同じであっても異なっていてもよい、そして、
【0072】
【化36】
からなる群から各々独立して選択され;
mおよびnは、各々独立して1〜3であり;
pおよびqは、各々独立して0〜2であり;
sは、0〜4であり;
Wは、同じであっても異なっていてもよい1〜3個のヘテロ原子を有するアリールもしくはヘテロアリールであり、そして、N、OおよびSからなる群から独立して選択され、ここで、このアリールもしくはヘテロアリールは、必要に応じて、同じであっても異なっていてもよい1〜3個の置換基で置換され、そして、アルキル、アリール、アルキルシクロアルキル、ハロ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルキルアルコキシ、アルコキシアルコキシ、−NR6R7、(C2〜C6)アルケン、および−CNからなる群から独立して選択されるか、あるいは
Xは、H、NH2、−N(R6)(CH2)S−アリール、−N(R6)(CH2)S−ヘテロアリール、−N(R6)(CH2)m+1−OH、および−N(CH3)2からなる群から選択されるか、あるいは
Xは、−R18−Y−Zであり;
Yは、−N(R6)CH2CH2N(R7)−、−N(R6)(CH2)nアリール、−OCH2CH2N(R6)−、−O−、−S−、−CH2S−、−(CH2)2〜3−N(R6)−、R8−二価ヘテロアリール、
【0073】
【化37】
からなる群から選択され、そして
Zは、H、アルキル、アルコキシアルキル、R8−アリール−、R8−アリール(C1〜C6)アルキル−、R8−ヘテロアリール−、R8−二環式アルキル−、アミノアルキル、アルキルアミノ、NH2、−N−(R6)(CH2)S−アリール、−N(R6)(CH2)S−ヘテロアリール、−N(R6)C(O)OR17、アルキルシクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、アルコキシシクロヘテロアルキル、ヘテロアリール;R8−ベンゾ縮合ヘテロアリール−、ジフェニルメチルおよびR9−C(O)−からなる群から選択されるか;あるいは
Yが、
【0074】
【化38】
である場合、Zはまた、−OH、R9−SO2−、R17−N(R11)(CH2)S−C(O)−、R17−OC(O)−、R17−O(CH2)nC(O)−、ベンゾ縮合ヘテロアリール(CH2)nC(O)−、ベンゾ縮合ヘテロアリール(CH2)n−またはR17−N(R11)−C(S)−であり得;あるいは
Qが、
【0075】
【化39】
である場合、Zはまた、R17R11N−、フェニルアミノまたはピリジルアミノであり得;あるいはZおよびYは、一緒になって、
【0076】
【化40】
からなる群から選択される。
【0077】
式VIIの好ましい化合物は、以下の構造
【0078】
【化41】
を有する化合物である。
【0079】
WO03/048163は、構造式VIII
【0080】
【化42】
を有する有用なアデノシンA2aレセプターアンタゴニスト化合物またはその薬学的に受容可能な塩を開示し、ここで:
Aは、C(R1)またはNであり;
R1およびR1aは、H、(C1〜C6)−アルキル、ハロ、CNおよび−CF3からなる群から独立して選択され;
Yは、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、R5−ヘテロアリールジイル、R5−アリーレンまたは
【0081】
【化43】
であり;
pおよびqは、独立して2〜3であり;
QおよびQ1は、
【0082】
【化44】
からなる群から独立して選択され、但し、QおよびQ1のうちの少なくとも1つは、
【0083】
【化45】
であり;
Rは、R5−アリール、R5−ヘテロアリール、R6−(C2〜C6)アルケニルまたはR6−(C2〜C6)アルキニルであり;
R2は、R5−アリール、R5−ヘテロアリール、R5−アリール(C1〜C6)アルキルまたはR5−ヘテロアリール(C1〜C6)アルキルであるか;あるいはR2−Yは、
【0084】
【化46】
であり;
U、V、およびWは、NおよびCR1からなる群から独立して選択され、但し、U、VおよびWのうちの少なくとも1つは、CR1であり;
nは、1、2または3であり;そして
(a)Aは、C(R1)であり、また、Xは、−C(R3)(R3a)−、−C(O)−、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、R4−アリーレン、R4−ヘテロアリールジイル、または−N(R9)−であるか;あるいはAは、C(R1)であり、Yは、結合であり、Xは、−C(R3)(R3a)−、−C(O)−、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、R4−アリーレン、−N(R9)−またはR4−ヘテロアリールジイルであり、但し、Xが、−N(R9)−またはR4−ヘテロアリールジイルである場合、R2は、フェニルでもフェニル−(C1〜C6)アルキルでもなく;あるいは
(b)AはNであり、Xは−N(R9)−であり、YはR5−アリーレンであり、R2は、
【0085】
【化47】
であるか;あるいはnは、2または3であり;そして
(c)AはNであり、Xは、−C(R3)(R3a)−、−C(O)−、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−N(R9)−、R4−アリーレンまたはR4−ヘテロアリールジイルであるか;あるいは、AはNであり、Yは結合であり、また、Xは、−C(O)−、−N(R9)−、R4−アリーレンまたはR4−ヘテロアリールジイルであるか;あるいは、AはNであり、Yは、−N(R9a)−、−C(O)N(R9a)−または−O−(CH2)2−N(R9a)−であり、Xは、−N(R9)−であるか;あるいは、AはNであり、Xは−N(R9)−であり、YおよびR2は、一緒になって、
【0086】
【化48】
であるか;
あるいは、nは0であり;そして
(d)AはNであり、Yは結合であり、Xは−N(R9)−であり、R2は、
【0087】
【化49】
であるか、あるいは
(e)AはNであり、Xは−N(R9)−であり、YおよびR2は一緒になって、
【0088】
【化50】
であり、ここでZは、−C(O)−CH2−、−C(O)−CH(C1〜C6アルキル)−、−CH2−CH(C1〜C6アルキル)−、または−CH(C1〜C6アルキル)−CH2−であり;
R3およびR3aは、H、−OH、C1〜C6アルキル、ヒドロキシ(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルコキシ(C1〜C6)アルキル、アミノ(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルキルアミノ(C1〜C6)アルキルおよびジ(C1〜C6)アルキルアミノ(C1〜C6)アルキルからなる群から独立して選択され;
R4は、H、(C1〜C6)アルキル、−OH、(C1〜C6)アルコキシ、(C1〜C6)アルコキシ(C1〜C6)アルコキシ、ハロ、−CF3、および−CNからなる群から選択される1〜3個の置換基であり;
R5は、H、(C1〜C6)アルキル、−OH、(C1〜C6)アルコキシ、(C1〜C6)アルコキシ(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルコキシ(C1〜C6)−アルコキシ、ハロ、−CF3、−CN、−NH2、(C1〜C6)アルキルアミノ、ジ(C1〜C6)アルキルアミノ、アミノ(C1〜C6)−アルキル、(C1〜C6)アルキルアミノ(C1〜C6)アルキル、ジ(C1〜C6)アルキルアミノ(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルカノイル−アミノ、(C1〜C6)アルカンスルホニルアミノ、(C1〜C6)アルキルチオ、(C1〜C6)アルキルチオ(C1〜C6)アルキル、R6−(C2〜C6)アルケニル、R6−(C2〜C6)アルキニル、ヒドロキシ(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルコキシ−C(O)−アミノ、またはヘテロシクロアルキル(C1〜C6)アルキルからなる群から独立して選択される1〜3個の置換基であり;
R6は、H、−OH、(C1〜C6)アルコキシおよびハロからなる群から独立して選択される1〜3個の置換基であり;
R7およびR7aは、H、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルコキシ(C1〜C6)アルキル、R8−アリールおよびR8−ヘテロアリールからなる群から独立して選択されるか、または同じ炭素上のR7およびR7aの置換基は、=Oを形成し得;
R8は、H、(C1〜C6)アルキル、−OH、(C1〜C6)アルコキシ、(C1〜C6)アルコキシ(C1〜C6)アルコキシ、ハロ、−CF3、および−CNから独立して選択される1〜3個の置換基であり;
R9およびR9aは、H、(C1〜C6)アルキル、ヒドロキシ(C2〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルコキシ(C2〜C6)アルキル、アミノ(C2〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルキルアミノ(C2〜C6)アルキル、ジ(C1〜C6)アルキルアミノ(C2〜C6)アルキル、ハロ−(C3〜C6)アルケニル、CF3−(C1〜C6)アルキル、(C3〜C6)アルケニル、(C3〜C6)シクロアルキル、および(C3〜C6)シクロアルキル−(C1〜C6)アルキルからなる群から独立して選択され;そして
R10は、H、−C(O)−O−(C1〜C6)アルキル、R5−アリール、−C(O)−(C1〜C6)アルキル、−C(O)−(R5−アリール)またはR5−アリール−(C1〜C6)アルキルである。
【0089】
式VIIIの好ましい化合物は、AかNである化合物である。Rは好ましくは、フリルである。R1aは好ましくは、水素である。好ましい化合物の別の基は、Xか、−O−、−S−、−N(R9)−、またはR4−アリーレンである化合物であり、ここで、Xか−N(R9)−である化合物がより好ましい。R9は好ましくはC1〜C6アルキルである。Yについての好ましい定義は、結合またはピペラジニルである。R2は好ましくは、R5−アリールである。Yおよび/またはR2が、
【0090】
【化51】
である場合、Qは好ましくはNであり、Q1は好ましくはNであり、pおよびqは、各々好ましくは2であり、各R7およびR7aは、好ましくは水素であり、R10は好ましくは、−C(O)−O−(C1〜C6)アルキル、−C(O)−(C1〜C6)アルキルまたは−C(O)−(R5−アリール)である。R5は好ましくは、H、(C1〜C6)アルコキシ、(C1〜C6)アルコキシ(C1〜C6)−アルコキシ、ハロおよび−CF3からなる群から選択される1〜2個の置換基である。R4は好ましくは、H、ハロまたは(C1〜C6)アルキルである。R3およびR3aは、好ましくは、Hおよび(C1〜C6)アルキルから独立して選択される。R9aは好ましくは、Hまたは(C1〜C6)アルキルである。R6は好ましくは水素である。
【0091】
式VIIIの化合物の好ましい具体的例としては、式
【0092】
【化52】
の化合物が挙げられ、ここで、R2−Y−(CH2)n−N(R9)−は、表:
【0093】
【表4】
に規定した通りである。
【0094】
WO01/02409は、構造式IX
【0095】
【化53】
を有する有用なアデノシンA2aレセプターアンタゴニスト化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはプロドラッグを開示しており、ここで、
XはOまたはSであり;
R1ならびにR2は、水素、アルキル、アリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、シアノ、ニトロ、CO2R7、COR7、OCOR7、CONR7R8、CONR7NR8R9、OCONR7R8、NR7R8、NR7COR8、NR7CONR8R9、NR7CO2R8、NR7SO2R8、NR7CONR8NR9R10、NR7NR8CO2R9、NR7NR8CONR9R10、NR7SO2NR8R9、SO2R7、SOR7、SR7およびSO2NR7R8から独立して選択されるか、あるいはR1ならびにR2は、一緒になって、カルボニル基(C=O)、オキシム基(C=NOR11)、イミン基(C=NR11)またはヒドラジン基(C=NNR11R12)を形成するか、あるいはR1ならびにR2は、一緒になって、5員、6員もしくは7員の炭素環式環または複素環式環を形成し;
R3は、アルキルまたはアリールであり;
R4、R5およびR6は、水素、アルキル、アリール、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アルコキシ、アリールオキシ、CO2R7、COR7、OCOR7、SO2R7、SOR7、SR7、SO2NR7R8、CONR7R8、CONR7NR8R9、OCONR7R8、NR7R8、NR7COR8、NR7CONR8R9、NR7CO2R8、NR7SO2R8、CR7=NOR8、NR7CONR8NR9R10、NR7NR8CO2R9、NR7NR8CONR9R10、SO2NR7NR8R9、NR7SO2NR8R9、NR7NR8SO2R9、NR7NR8CO2R9、NR7NR8R9およびNR7CSNR8R9から独立して選択されるか、あるいはR5およびR6は、一緒になって、5員、6員もしくは7員の炭素環式環または複素環式環を形成し;そして
R7、R8、R9、R10、R11ならびにR12は、水素、アルキルおよびアリールから独立して選択される。
【0096】
本明細書中に引用された米国特許および出願は、本明細書中で参考として援用される。アデノシンA2aレセプターアンタゴニストは、引用された特許および出願に記載されたような公知の方法によって調製される。
【0097】
本明細書中に使用される場合「患者」とは、哺乳動物、特にヒトを意味する。
【0098】
1個より多くのアデノシンA2aレセプターアンタゴニスト(例えば、2個または3個)が、錐体外路症候群(EPS)、失調症、不穏下肢症候群(RLS)または睡眠時周期性四肢運動(PLMS)を処置するために投与され得;好ましくは、1個のアデノシンA2aレセプターアンタゴニストが投与されることが、企図されている。
【0099】
アデノシンA2aレセプターアンタゴニストによって処置されるEPSを引き起こし、そしてアデノシンA2aレセプターアンタゴニストと組み合わせて使用するための抗精神病薬には、定型抗精神病薬ならびに非定型抗精神病薬がある。定型抗精神病薬としては、ロクサピン、ハロペリドール、クロルプロマジン、プロクロルペラジンおよびチオチキセンが挙げられる。非定型抗精神病薬としては、クロザピン、オランザピン、ロクサピン、クエチアピン、ジプラシドンおよびリスペリドンが挙げられる。
【0100】
アデノシンA2aレセプターアンタゴニストによって処置される失調症を引き起こす三環系抗鬱薬としては、パーフェナジン、アミトリプチン、デシプラミン、ドキセピン、トリミプラミンおよびプロトリプチリンが挙げられる。不穏下肢症候群(RLS)または睡眠時周期性四肢運動(PLMS)の処置にもまた有用であり得る失調症を引き起こし得るが、鎮痙薬としては、フェニトイン、カルバマゼピンおよびギャバペンチンが挙げられる。
【0101】
不穏下肢症候群(RLS)ならびに睡眠時周期性四肢運動(PLMS)の処置に有用なドパミンアゴニストとしては、ペルゴリド、プラミペキソール、ロピニロール、フェノルドパムおよびカベルゴリンが挙げられる。
【0102】
不穏下肢症候群(RLS)ならびに睡眠時周期性四肢運動(PLMS)の処置に有用なオピオイドとしては、コデイン、ヒドロコドン、オキシコドン、プロポキシフェンおよびトラマドルが挙げられる。
【0103】
不穏下肢症候群(RLS)ならびに睡眠時周期性四肢運動(PLMS)の処置に有用なベンゾジアゼピンとしては、クロナゼパム、トリアゾラムおよびテマゼパムが挙げられる。
【0104】
抗精神病薬、三環系抗鬱薬、鎮痙薬、ドパミンアゴニスト、オピオイドおよびベンゾジアゼピンは、市販されており、文献、例えば、The Physicians’ Desk Reference(Montvale:Medical Economics Co.,Inc.,2001)に記載されている件。
【0105】
1個以上の別の薬剤と組み合わせる1個以上のA2aアンタゴニストの投与が、各々の徴候について好ましいが、2個以上のA2aレセプターアンタゴニストが、1個以上の別の薬剤(例えば、抗精神病薬、三環系抗鬱薬、鎮痙薬、ドパミンアゴニスト、オピオイドまたはベンゾジアゼピン)と組み合わせて投与され得ることが、企図されている。A2aアンタゴニストおよび別の薬剤の別々の投薬形態の投与が好ましいが、別の薬剤が、錐体外路症候群(EPS)、失調症、不穏下肢症候群(RLS)または睡眠時周期性四肢運動(PLMS)の処置または予防のためにA2aレセプターアンタゴニストと単一の投薬形態で組み合わせ得ることもまた、企図されている。
【0106】
好ましいアデノシンA2aアンタゴニストは、US6,630,475に記載されたものである。
【0107】
本発明の特に好ましい化合物は、式
【0108】
【化54】
の化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒化合物であり、US6,630,475で開示されており、構造Iの化合物の表に最初の化合物として記載されている。
【0109】
本発明の方法に有用な化合物は、これらのアッセイにおいてアデノシンA2aレセプターアンタゴニストとしての有効性を示している。
【0110】
(ヒトアデノシンA2aおよびA1レセプター競合結合アッセイプロトコル)
膜の供給源:A2a:ヒトA2aアデノシンレセプター膜、カタログ#RB−HA2a、Receptor Biology,Inc.,Beltsville,MD。膜希釈緩衝液(以下参照)で17μg/100μlに希釈する。
【0111】
アッセイ緩衝液:膜希釈緩衝液:Dulbeccoリン酸緩衝化生理食塩水化合物(Gibco/BRL)+10mM MgCl2。
【0112】
化合物希釈緩衝液:1.6mg/mlメチルセルロースおよび16%DMSOを補充したDulbeccoリン酸緩衝化生理食塩水化合物(Gibco/BRL)+10mM MgCl2。毎日、新しく調製する。
【0113】
リガンド:A2a:注文合成である、[3H]−SCH58261、AmershamPharmacia Biotech,Piscataway,NJ。ストックを、膜希釈緩衝液で1nMに調製する。最終アッセイ濃度は、0.5nMである。
【0114】
A1:[3H]−DPCPX,AmershamPharmacia Biotech,Piscataway,NJ。ストックを、膜希釈緩衝液で2nMに調製する。最終アッセイ濃度は、1nMである。
【0115】
(非特異的結合)
A2a:非特異的結合を決定するために、100nM CGS 15923(RBI,Natick,MA)を加える。作業ストックを、化合物希釈緩衝液中で400nMに調製する。
【0116】
A1:非特異的結合を決定するために、100μM NECA(RBI,Natick,MA)を加える。作業ストックを、化合物希釈緩衝液中で400μMに調製する。
【0117】
(混合希釈)
100%DMSO中で化合物の1mMストック溶液を調製する。化合物希釈緩衝液で希釈する。3μM〜30pMの範囲にわたる10個の濃度で試験する。化合物希釈緩衝液で4X最終濃度に作業溶液を調製する。
【0118】
(アッセイ手順)
深ウェル96ウェルプレートでアッセイを行う。総アッセイ容量は、200μlである。50μl化合物希釈緩衝液(全リガンド結合)または50μlCGS 15923作業溶液(A2a非特異的結合)または50μlNECA作業溶液(A1非特異的結合)または50μlの薬剤作業溶液を加える。50μlリガンドストック(A2aについては[3H]−SCH58261、A1については[3H]−DPCPX)を加える。適切なレセプターを含む100μlの希釈された膜を加える。90分間室温でインキュベートする。Packard GF/Bフィルタープレート上のBrandel細胞収集器を使用して収集する。45μlのMicroscint20(Packard)を加え、Packard TopCount Microscintillation Counterを使用して数える。反復曲線適合プログラム(Excel)を使用して置換曲線を適合することによってIC50値を測定する。Cheng−Prusoff式を使用してKi値を測定する。
【0119】
(ラットにおけるハロペリドール誘導性カタレプシー)
175〜200gの重さがあるオスのSprague−Dawleyラット(Charles River,Calco,Italy)を、使用する。カタレプシーの状態と、垂直グリッド試験にて動物を試験する90分前に、ドパミンレセプターアンタゴニストであるハロペリドール(1mg/kg)の皮下投与によって誘導する。この試験のために、ラットを、ベンチテーブルと約70度の角度で置かれた25×43プレシキガラスケージのワイヤーメッシュカバーの上に置く。ラットを、4本全ての足を外転および伸展させて(「カエルの姿勢」)グリッドの上に置く。そのような不自然な姿勢の使用は、カタレプシーについてのこの試験の特異性にとって必須である。足の配置から、1本の足の最初の完全な除去までのタイムスパン(下降潜伏期)を、最大120秒間測定する。
【0120】
評価中の、選択的A2aアデノシンアンタゴニストを、動物をスコア付けする1時間前および4時間前に、0.03〜3mg/kgの間の範囲にわたる用量で経口的に投与する。
【0121】
別の実験において、抗カタレプシー効果を、参照化合物であるL−DOPA(25mg/kg、50mg/kgおよび100mg/kg、ip)について測定した。
【0122】
本発明の方法として有用な化合物から薬学的組成物を調製するために、不活性な薬学的に受容可能なキャリアは、固体または液体のいずれかであり得る。固体形態調製物は、散剤、錠剤、分散性顆粒、カプセル剤、カシェ剤および坐剤を包含する。散剤および錠剤は、約0.1〜約99パーセントの活性成分から構成され得る。適切な固体キャリアは、当該分野において公知であり、例えば、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、砂糖、ラクトースがある。錠剤、散剤、カシェ剤およびカプセル剤は、経口投与のために適切な固体投薬形態として使用され得る。
【0123】
坐薬を調製するために、脂肪酸グリセリドまたはカカオ脂の混合物のような低融点のロウが、最初に溶解され、そして、活性成分が、攪拌によってその中に均一に分散される。溶解された均一な混合物は、次いで、便利なサイズの型の中に注がれ、冷やされ、それによって固められる。
【0124】
液体形態調製物は、溶液、懸濁液および乳濁液を含む。例として、非経口の注入のための水または水−プロピレングリコール溶液が言及され得る。
【0125】
液体形態調製物はまた、鼻腔内投与のための溶液も含み得る。
【0126】
吸入のために適切なエアロゾル調製物は、溶液および散剤形態の固体を含み得、これらは不活性圧縮ガスのような、薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせ得る。
【0127】
使用直前に、経口投与または非経口投与のいずれかのための液体形態調製物に変換されることを意図される固体形態調製物もまた、含まれる。そのような液体形態は、溶液、懸濁液および乳濁液を含む。
【0128】
本発明の方法に有用な化合物はまた、経皮送達可能である。経皮組成物は、クリーム、ローション、エアロゾルおよび/または乳濁液の形状をとり得、この目的のために当該分野において慣例であるようなマトリックスタイプまたはレザーバタイプの経皮パッケを含み得る。
【0129】
好ましくは、アデノシンA2aレセプターアンタゴニストおよび抗精神病薬は、経口的に投与される。
【0130】
好ましくは、薬学的調製物は、単位投薬形態である。そのような形態において、この調製物は、適切な量の活性成分(例えば、所望の目的を達成するための有効量)を含む、単位用量に細分される。
【0131】
調製物の単位用量中のアデノシンA2aレセプターアンタゴニストの量は、特定の適用に従って、約0.1mg〜1000mg、より好ましくは、約1mg〜300mgに変化または調整され得る。
【0132】
使用される実際の投薬量は、患者の必要量および処置されている状態の重症度次第で変化し得る。特定の状況については適切な投薬量の決定は、当業者の技術範囲内である。一般に、処置は、化合物の最適用量より少ない投薬量で開始される。その後、投薬量は、その状況下で最適な効果が達せられるまで、少しずつ増加して増加される。便宜のため、一日の合計投薬量は、望まれるなら、その日の間、分けられて少しずつ投与され得る。
【0133】
本発明の方法において有用なアデノシンA2aレセプターアンタゴニストの投与の量および頻度は、患者の年齢、状態および大きさならびに、処置されている症状の重症度のような要因を検討して、主治医の判断によって調節される。アデノシンA2aレセプターアンタゴニストのための代表的な推薦される投与計画は、錐体外路症候群(EPS)、失調症、不穏下肢症候群(RLS)または睡眠時周期性四肢運動(PLMS)の影響からの解放を提供するために、2〜4回に分けられた用量で、1日につき約10mg〜2000mg、好ましくは1日につき10mg〜1000mgの経口投与である。この投薬量の範囲内で投与される場合、上記化合物は毒性がない。
【0134】
アデノシンA2aレセプターアンタゴニストと組み合わせて使用される別の薬剤(すなわち、抗精神病薬、三環系抗鬱薬、鎮痙薬、ドパミンアゴニスト、ベンゾジアゼピン、オピオイド、リチウムまたは鉄)の用量および投与計画は、患者の年齢、性別および状態ならびに疾患の重症度を考慮して、包装挿入物にある承認された用量および投与計画を考慮して、主治医によって決定される。組み合わせて投与される場合、アデノシンA2aレセプターアンタゴニストおよび別の薬剤は、同時にかまたは連続して投与され得る。組み合わせの成分が、好ましくは異なる投薬スケジュールで与えられる(例えば、1つの成分が毎日与えられ、別の成分が6時間ごとに投与される)場合、あるいは、好ましい薬学的組成物が異なる(例えば、1つは好ましくは錠剤であり、さらにもう1つはカプセル剤である)場合、これは特に有用である。従って、単一の包装の中の別々の容器に、錐体外路症候群(EPS)、失調症、不穏下肢症候群(RLS)または睡眠時周期性四肢運動(PLMS)を処置もしくは予防するために組み合わせて使用するための薬学的組成物を備えているキットにおいて、アデノシンA2aレセプターアンタゴニストおよび別の薬剤を提供することは有利であり、ここで、1つの容器は、薬学的に受容可能なキャリア中に有効量のアデノシンA2aレセプターアンタゴニストを含む薬学的組成物を含み、別の容器は、示された状態を処置するために適切な有効量の別の薬剤を含む薬学的組成物を含む。
【0135】
当業者は、上記組み合わせの成分のうちの1つについての投薬形態は、アデノシンA2aレセプターアンタゴニストならびに別の薬剤の両方(例えば、アデノシンA2aレセプターアンタゴニストおよび抗精神病薬、またはアデノシンA2aレセプターアンタゴニストおよびドパミンアゴニスト)を含むために改変され得ることを、理解する。
【0136】
以下の実施例は、ドパミンD2レセプターアンタゴニストであるハロペリドールに感作されたフサオマキザル(Cebusapella monkeys)において示された錐体外路症候群(EPS)を弱めるためのアデノシンA2aアンタゴニストの使用を示す。
【0137】
本発明のより完全な理解が、フサオマキザル(Cebusapella monkeys)におけるハロペリドール誘導性EPSに関連している添付された図と組み合わせて以下の説明を読むことによって、得られ得る。
【図面の簡単な説明】
【0138】
【図1A】図1Aは最大の錐体外路症候群(EPS)スコアに対する化合物Aの影響を示す。(経口1〜30mg/kg)
【図1B】図1Bはビヒクルコントロールグループと比較された各々の処置グループについての錐体外路症候群(EPS)の発症の平均遅れを表す。
【実施例】
【0139】
7匹のフサオマキザル(Cebus apella monkeys)の群体が、以前にハロペリドールの慢性効果に対して感作された、急性的に(経口0.3mg/kg)ハロペリドールを投与された場合、錐体外路症候群(EPS)を示す。化合物Aを、ハロペリドールと組み合わせて、0.3〜30mg/kgの用量で経口的に投与した。各サルに、重複するバランスのとれた計画で、6つ全ての処置(ビヒクルおよび5服用量の化合物A)を与えるような被験体内計画を使用して、この研究を行った。すべての研究において、ハロペリドールを投与した場合、7匹のサルのグループが、基本レベル錐体外路症候群(EPS)を示した。
【0140】
化合物Aは、最大錐体外路症候群(EPS)スコアにおいて用量依存性減少を生じ(図1A)、ならびに錐体外路症候群(EPS)の発症において用量依存性遅延を生じた(図1B)。1mg/kgの用量で、化合物Aは、1匹のサルにおいて錐体外路症候群(EPS)の発症を予防し、錐体外路症候群(EPS)の発症を1時間遅らせた。化合物Aは、3mg/kgの用量で、2匹のサルにおいて錐体外路症候群(EPS)の発症を予防し、残りのサルにおいて錐体外路症候群(EPS)の発症をほとんど2時間遅らせた。10mg/kgおよび30mg/kgで、化合物Aは、3匹のサルにおいて錐体外路症候群(EPS)の発症を予防し、錐体外路症候群(EPS)の発症を平均2.3〜2.9時間遅らせた。
【0141】
不穏下肢症候群(RLS)および睡眠時周期性四肢運動(PLMS)の処置のための臨床的指針は確立している:A.L.Chessonら、Sleep,22,7(1999),961−8ページ参照。不穏下肢症候群(RLS)および睡眠時周期性四肢運動(PLMS)の処置におけるアデノシンA2aアンタゴニストの効力は、Weimerskirchら、Annals of Pharmacotherapy,35,5(2001),627−30ページによるプラミペキソールおよびロピニロールについての文献に記載された臨床方法にと同様の方法によって決定され得る。
【0142】
本発明は、上記に示した具体的実施形態と組み合わせて記載されているが、その多くの代替法、改変および変更は、当該分野における通常の当業者に明白である。全てのそのような代替法、改変および変更は、本発明の趣旨および範囲内に収まると意図される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ほとんど全ての抗精神病薬の急性および慢性の使用の後に起こる錐体外路運動系(すなわち錐体外路症候群)を含む種々の神経学的症候群の処置のためのアデノシンA2aレセプターアンタゴニストの使用に関連する。本発明はまた、不穏下肢症候群(RLS)および睡眠時周期性四肢運動(PLMS)のような別の異常な運動障害の処置のためのアデノシンA2aレセプターアンタゴニストの使用にも関連する。
【背景技術】
【0002】
錐体外路症候群(EPS)は、抗精神病薬の使用に関連した一連の有害な神経学的反応についての全体的な用語である。6種類の異なる分類のEPS関連の神経学的症候群があり、そのうちの4つの失調症、静座不能、偽パーキンソン症(パーキンソン症候群)、および晩発性ジスキネジーは、抗精神病薬適用を受けている患者に特に蔓延している。失調症は、筋肉群(特に首、顎、背中、咽頭、および喉頭)の有痛性の痙攣である。それは、抗精神病薬を用いて治療されている若い男性に最も一般的であるが、コカイン、三環系抗鬱薬、リチウム、ならびに鎮痙薬(例えばフェニトインおよびカルバマゼピン)の使用にもまた関連し得る。偽パーキンソン病は、運動不能症(硬直、堅さおよびゆっくりとした自発的動作、前かがみになる、引きずって歩く)および震えとして現れる。これらの症状は、治療の開始後、数週間または数ヶ月内に発症する。静座不能は、動作不穏によって特徴づけられた窮迫または不快の強く主観的な内面の感情として、現れる。しばしば、動揺または不安と間違えられ、この一般の症候群は、頻繁に不十分な診断をされて、処置に対する応答性が最も少ない。晩発性ジスキネジーは、精神遮断薬の慢性的な使用に関連して晩期に現れる症候群である。それは老齢の患者においてより頻繁に起こり、顔、瞼、口、舌、四肢および体幹の型通りで、反復性で、不随意性の、速い舞踏病状の動作によって特徴づけられる。
【0003】
錐体外路症候群(EPS)は、定型抗精神病薬の使用とともに、より蔓延するが、非定型薬剤の使用に対してもまた、報告されている。定型抗精神病薬としては、ロクサピン、ハロペリドール、クロルプロマジン、プロクロルペラジンおよびチオチキセンが挙げられる。非定型抗精神病薬としては、クロザピン、オランザピン、ロクサピン、クエチアピン、ジプラシドンおよびリスペリドンが挙げられる。
【0004】
静座不能はまた、不穏下肢症候群(RLS)および睡眠時周期性四肢運動(PLMS)、ならびに周期性足(または四肢)運動障害(PLMD)に特有である。不穏下肢症候群(RLS)は、患者に彼らの足を動かすための抑えられない不愉快な欲求を有することを引き起こす一般の疾患であり;それは普通、無活動の時間および/または夜に現れ、睡眠を妨げ得る。睡眠に悪影響を及ぼす定期的な足の動作を示すが、代表的な不穏下肢症候群(RLS)症状を有さない患者は、睡眠時周期性四肢運動(PLMS)と診断される。不穏下肢症候群(RLS)および睡眠時周期性四肢運動(PLMS)のための処置としては、レボドパ/カルビドパ、レボドパ/ベンセラシド、ドパミンアゴニスト(例えば、プラミペキソールおよびロピニロール)、ベンゾジアゼピン、オピオイド、鎮痙薬ならびに鉄(硫化鉄)が挙げられている。RLSおよびPLMSは、文献、例えばSaletuら、Neuropsychobiology、41、4(2000)、190−9ページに広く記載されている。
【0005】
プリンヌクレオチドであるアデノシンは、中枢神経系(CNS)および末梢神経系における多くの生理的な機能の内因性の調節因子であることが公知である。
【0006】
アデノシンは、Gタンパク質と共役したレセプターのスーパーファミリーに属する膜特異的レセプターの種類を介して、その生物学的な作用を発揮する。分子生物学の進歩と一緒になって、生物学および薬理学の研究は、アデノシンレセプター:A1、A2a、A2bおよびA3の少なくとも4個のサブタイプの同定を可能にしている。アンタゴニストとしてA1レセプター、A2aレセプター、A2bレセプターおよびA3レセプターと相互に作用し得るアデノシンのアナログもまた、同定されている。
【0007】
中枢神経系(CNS)において、A2aレセプターが、運動動作の制御において重要であることが知られている脳幹神経節に高密度に存在していることを、データが示している。さらに、A2aレセプターについての選択的なアンタゴニストは、運動欠陥を低減し、それによって神経変性疾患(例えば、パーキンソン病および関連する運動障害(例えばハンティングトン病))の機能を改善する際のそれらの明らかにされた効力が原因で、薬理学的に関心を持たれている。A2aアンタゴニストは、改善された治療指数をもたらす現在のドパミン作用性の治療と比べて、低減された副作用障害(例えば、ジスキネジーがない)を示すように見える。A2aアンタゴニストはまた、抗鬱薬特性を有し得、認知機能を刺激させ得る。いくつかのキサンチン関連化合物は、A1レセプター選択的アンタゴニストであることが発見されており、キサンチン化合物および非キサンチン化合物は、種々の度合いのA2a対A1選択性で高いA2a親和性を有することが発見されている。アデノシンA2aレセプターアンタゴニストは、以前に、例えばWO95/01356およびUS6,630,475で開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第95/01356号
【特許文献2】米国特許第6,630,475号明細書
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Saletuら、Neuropsychobiology、41、4(2000)、p.190−9
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
(発明の要旨)
本発明は、錐体外路症候群(例えば、失調症、静座不能、偽パーキンソン病および晩発性ジスキネジー)の処置または予防のための方法に関連し、この方法は、それを必要とする患者に治療的に有効量のアデノシンA2aレセプターアンタゴニストを投与する工程を含む。特に、この方法は、錐体外路症候群(EPS)を誘導するという副作用を有する抗精神病薬を用いて処置される患者の錐体外路症候群(EPS)の処置または予防のためである。アデノシンA2aレセプターアンタゴニストは、錐体外路症候群(EPS)の症状が現れた後に投与され得、またはアデノシンA2aレセプターアンタゴニストは、錐体外路症候群(EPS)を発症することを予防するために抗精神病薬を投与し始めた時に投与され得る。従って、本発明はまた、抗精神病薬によって誘導される錐体外路症候群(EPS)を処置または予防する方法を含み、この方法は、それを必要とする患者に抗精神病薬およびアデノシンA2aアンタゴニストの組み合わせを投与する工程を含む。さらに特に、本発明は、単独療法または併用療法のための特定のアデノシンA2aアンタゴニストの使用の方法に関連する。
【0011】
本発明はまた、原発性(特発性)の失調症の処置、および三環形抗鬱薬、リチウムまたは鎮痙剤を用いる処置の結果として失調症を示す患者あるいはコカインを使用している患者における失調症の処置もしくは予防に関連し、この方法は、それを必要とする患者に治療的に有効量のアデノシンA2aレセプターアンタゴニストを投与する工程を含む。失調症が三環形抗鬱薬、リチウムまたは鎮痙薬を用いる処置によって引き起こされる場合、アデノシンA2aレセプターアンタゴニストは、失調症の症状が現れた後に投与され得、またはアデノシンA2aレセプターアンタゴニストは、失調症を発症することを予防するために三環形抗鬱薬、リチウムまたは鎮痙薬を投与し始めた時に投与され得る。従って、本発明はまた、三環形抗鬱薬、リチウムまたは鎮痙薬によって誘導される失調症を処置または防ぐ方法を含み、この方法はアデノシンA2aアンタゴニストおよび三環形抗鬱薬、リチウムまたは鎮痙薬の組み合わせを必要とする患者に投与する工程を含む。
【0012】
本発明はまた、不穏下肢症候群(RLS)または睡眠時周期性四肢運動(PLMS)の処置に関連し、この処置は、必要とする患者に治療的に有効量のアデノシンA2aレセプターアンタゴニストを投与する工程を含む。本発明はまた、不穏下肢症候群(RLS)または睡眠時周期性四肢運動(PLMS)を処置する方法を含む。この方法は、必要とする患者に不穏下肢症候群(RLS)または睡眠時周期性四肢運動(PLMS)を処置するのに有用な別の薬剤(例えば、レボドパ/カルビドパ、レボドパ/ベンセラジド、ドパミンアゴニスト、ベンゾジアゼピン、オピオイド、鎮痙薬または鉄)とアデノシンA2aアンタゴニストとの組み合わせを投与することを含む。
【0013】
別の局面において、本発明は、単一の包装の中の別々の容器に、抗精神病薬を用いる処置によって引き起こされる錐体外路症候群(EPS)を処置または予防するために組み合わせて使用するための薬学的組成物を備えるキットに関連し、ここで、1つの容器は、薬学的に受容可能なキャリア中に有効量のアデノシンA2aレセプターアンタゴニストを含む薬学的組成物を含み、別の容器は、有効量の抗精神病薬を含む薬学的組成物を含む。
【0014】
別の局面において、本発明は、単一の包装の中の別々の容器に、三環形抗鬱薬、リチウムまたは鎮痙薬を用いる処置によって引き起こされる失調症を処置または予防するために組み合わせて使用するための薬学的組成物を備えるキットに関連し、ここで、1つの容器は、薬学的に受容可能なキャリア中に有効量のアデノシンA2aレセプターアンタゴニストを含む薬学的組成物を含み、別の容器は、有効量の三環形抗鬱薬、リチウムまたは鎮痙剤を含む薬学的組成物を含む。
【0015】
別の局面において、本発明は、単一の包装の中の別々の容器に、不穏下肢症候群(RLS)または睡眠時周期性四肢運動(PLMS)を処置するために組み合わせて使用するための薬学的組成物を備えるキットに関連し、ここで、1つの容器は、薬学的に受容可能なキャリア中に有効量のアデノシンA2aレセプターアンタゴニストを含む薬学的組成物を含み、別の容器は、有効量のレボドパ/カルビドパ、レボドパ/ベンセラシド、ドパミンアゴニスト、ベンゾジアゼピン、オピオイド、鎮痙薬または鉄を含む薬学的組成物を含む。
【0016】
本発明はまた、錐体外路症候群(EPS)、失調症、不穏下肢症候群(RLS)もしくは睡眠時周期性四肢運動(PLMS)を、単独あるいは上記で議論した別の薬剤と組み合わせて処置もしくは予防するための医薬の調製のための、アデノシンA2aレセプターアンタゴニストの使用に関連する。
【0017】
(発明の詳細な説明)
任意のアデノシンA2aレセプターアンタゴニストが、本発明の方法における使用について企図されている。本発明の方法に有用で適切なアデノシンA2aレセプターアンタゴニストは、以下に記載された結合アッセイによって同定され得る。適切なアデノシンA2aアンタゴニストの具体的例としては、いくつかの特許および特許出願、例えばWO95/01356;US5,565,460;US6,630,475B2;US5,935,964;WO03/032996;WO03/048165;WO03/048164;WO03/048163;およびWO01/02409で開示された化合物が挙げられる。特に、これらの特許および出願は、以下の化合物を開示している。
【0018】
US6,630,475B2は、構造式I
【0019】
【化1】
を有する化合物またはその薬学的に受容可能な塩を開示しており、ここで
Rは、R1−フラニル、R1−チエニル、R1−ピリジル、R1−ピリジルN−オキシド、R1−オキサゾリル、R10−フェニル、R1−ピロリルまたはC4〜C6シクロアルケニルであり;
Xは、C2〜C6アルキレンまたは−C(O)CH2−であり;
Yは、−N(R2)CH2CH2N(R3)−、−OCH2CH2N(R2)−、−O−、−S−、−CH2S−、−(CH2)2−NH−、または
【0020】
【化2】
であり、そして
Zは、R5−フェニル、R5−フェニル(C1〜C6)アルキル、R5−ヘテロアリール、ジフェニルメチル、R6−C(O)−、R6−SO2−、R6−OC(O)−、R7−N(R8)−C(O)−、R7−N(R8)−C(S)−、
【0021】
【化3】
、フェニル−CH(OH)−、またはフェニル−C(=NOR2)−であるか;あるいはQが、
【0022】
【化4】
である場合、Zもまた、フェニルアミノまたはピリジルアミノであるか;あるいは
ZおよびYは、一緒になって、
【0023】
【化5】
であり;
R1は、水素、C1〜C6−アルキル、−CF3、ハロゲン、−NO2、−NR12R13、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6アルキルスルフィニル、およびC1〜C6アルキルスルホニルから独立して選択される1〜3個の置換基であり;
R2ならびにR3は、水素およびC1〜C6アルキルからなる群から独立して選択され;
mおよびnは、独立して2〜3であり;
Qは、
【0024】
【化6】
であり;
R4は、水素およびC1〜C6アルキルからなる群から独立して選択される1〜2個の置換基であるか、または同じ炭素上の2個のR4の置換基は、=Oを形成し得;
R5は、水素、ハロゲン、C1〜C6アルキル、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、−CN、ジ((C1〜C6)アルキル)アミノ、−CF3、−OCF3、アセチル、−NO2、ヒドロキシ(C1〜C6)アルコキシ、(C1〜C6)−アルコキシ(C1〜C6)アルコキシ、ジ((C1〜C6)−アルコキシ)(C1〜C6)アルコキシ、(C1〜C6)−アルコキシ(C1〜C6)アルコキシ−(C1〜C6)−アルコキシ、カルボキシ(C1〜C6)−アルコキシ、(C1〜C6)−アルコキシカルボニル(C1〜C6)アルコキシ、(C3〜C6)シクロアルキル(C1〜C6)アルコキシ、ジ((C1〜C6)アルキル)アミノ(C1〜C6)アルコキシ、モルホリニル、(C1〜C6)アルキル−SO2−、(C1〜C6)アルキル−SO2−(C1〜C6)アルコキシ、テトラヒドロピラニルオキシ、(C1〜C6)アルキルカルボニル(C1〜C6)−アルコキシ、(C1〜C6)−アルコキシカルボニル、(C1〜C6)アルキルカルボニルオキシ(C1〜C6)−アルコキシ、−SO2NH2、フェノキシ、
【0025】
【化7】
からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基であるか;あるいは隣接したR5の置換基は、一緒になって、−O−CH2−O−、−O−CH2CH2−O−、−O−CF2−O−または−O−CF2CF2−O−であり、そして上記R5の置換基が結合する炭素原子と環を形成し;
R6は、(C1〜C6)アルキル、R5−フェニル、R5−フェニル(C1〜C6)アルキル、チエニル、ピリジル、(C3〜C6)−シクロアルキル、(C1〜C6)アルキル−OC(O)−NH−(C1〜C6)アルキル−、ジ((C1〜C6)アルキル)アミノメチル、または
【0026】
【化8】
であり;
R7は、(C1〜C6)アルキル、R5−フェニルまたはR5−フェニル(C1〜C6)アルキルであり;
R8は、水素またはC1〜C6アルキルであるか;あるいはR7およびR8は、一緒になって、−(CH2)P−A−(CH2)qであり、ここでpおよびqは、独立して2または3であり、Aは、結合、−CH2−、−S−または−O−であり、そしてR7およびR8が結合する窒素と環を形成し;
R9は、水素、C1〜C6アルキル、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、ハロゲン、−CF3および(C1〜C6)アルコキシ(C1〜C6)アルコキシから独立して選択される1〜2個の基であり;
R10は、水素、ハロゲン、C1〜C6アルキル、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、−CN、−NH2、C1〜C6アルキルアミノ、ジ((C1〜C6)アルキル)アミノ、−CF3、−OCF3および−S(O)0〜2(C1〜C6)アルキルからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基であり;
R11は、H、C1〜C6アルキル、フェニル、ベンジル、C2〜C6アルケニル、C1〜C6アルコキシ(C1〜C6)アルキル、ジ((C1〜C6)アルキル)アミノ(C1〜C6)アルキル、ピロリジニル(C1〜C6)アルキルまたはピペリジノ(C1〜C6)アルキルであり;
R12は、HまたはC1〜C6アルキルであり;そして
R13は、(C1〜C6)アルキル−C(O)−または(C1〜C6)アルキル−SO2−である。
【0027】
式Iの好ましい化合物はRか、R1−フラニル、R1−チエニル、R1−ピロリルまたはR10−フェニル、より好ましくはR1−フラニルである化合物である。R1は、好ましくは水素またはハロゲンである。好ましい化合物の別の基は、Xかアルキレン、好ましくはエチレンである基である。Yは、好ましくは
【0028】
【化9】
であり、ここで、Qは、
【0029】
【化10】
であり、Qは好ましくは窒素である。好ましくは、mおよびnは、各々2であり、R4はHである。Zについての好ましい定義は、R5−フェニル、R5−ヘテロアリール、R6−C(O)−またはR6−SO2−である。R5は好ましくは、H、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルコキシまたはアルコキシアルコキシである。R6は好ましくはR5−フェニルである。
【0030】
式Iの好ましい具体的化合物は、式IA
【0031】
【化11】
の化合物であり、ここで、RおよびZ−Yは、以下の表:
【0032】
【表1】
に規定した通りである。
【0033】
別の有用なアデノシンA2aレセプターアンタゴニストは、構造式II
【0034】
【化12】
を有する化合物としてWO95/01356に開示されたものが挙げられ、ここで:
Aは、ピラゾール環、イミダゾール環またはトリアゾール環であり;
Rは、水素;C1〜C8アルキル;C3〜C7アルケニル;C3〜C7アルキニル;C3〜C7シクロアルキル;1つ以上のハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1〜C4アルコキシ、C3〜C7シクロアルキル、式−NR1R2、−CONR1R2の基で置換されたC1〜C5アルキル;ハロゲン原子、C1〜C4アルコキシ基、C1〜C4アルキル、ニトロ、アミノ、シアノ、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4ハロアルコキシ、カルボキシ、カルボキサミドで必要に応じて、置換されたアリール;アリール部分が、アリール基について上記に示された置換基のうちの1つ以上で置換され得るC7〜C10アラルキル;式−(CH2)m−Hetの基(Hetは、N、O、Sから選択された1つ以上のヘテロ原子を含む5〜6員の芳香族または非芳香族の複素環式環であり、mは1〜5までの整数である)である。
【0035】
同じまたは異なるR1、R2は、水素、C1〜C5アルキル、C7〜C10アラルキル、フェニルであるか、あるいは、R1、R2が結合する窒素と一緒になって、1つ以上のヘテロ原子(例えば、N、O、S)を含むアゼチジン環もしくは5〜6員環の複素環式環を形成し、nは2〜5までの整数である。
【0036】
好ましくは、式IIの化合物(好ましくは、ハロゲン原子で)はRか、水素、C1〜C8アルキル、アリール、または必要に応じて置換されたC7〜C10アラルキルである、化合物である。
【0037】
US5,935,964は、構造式III
【0038】
【化13】
を有する有用なアデノシンA2aレセプターアンタゴニスト化合物を開示している。
ここで、Aは、ピラゾール環、イミダゾール環またはトリアゾール環であり;
Rは、
【0039】
【化14】
であり;
R1およびR2は、同じであるかまたは異なり、H、OH、ハロゲン、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4アルキル、ニトロ、アミノ、シアノ、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4ハロアルコキシ、カルボキシもしくはカルボキサミドであるか;あるいはR1もしくはR2の1つ、またはR1およびR2の1つとOH基が一緒になって、メチレンジオキシ基−O−CH2−O−を形成し得;そして
nは0〜4までの整数である。
【0040】
式IIIの好ましい化合物は、Aか、ピラゾロ[4,3−e]または1,2,3−トリアゾロ[5,4−e]である化合物である。
【0041】
US5,565,460は、構造式IVAおよびIVBを有する有用なアデノシンA2aレセプターアンタゴニスト化合物を開示しており、ここで、式IVAは、
【0042】
【化15】
であり、ここで、R1は、水素、置換低級アルキルまたは非置換低級アルキル、あるいは置換低級アルカノイルまたは非置換低級アルカノイルを表し;
R2は、水素、置換低級アルキルまたは非置換低級アルキル、置換低級アルケニルまたは非置換低級アルケニル、置換シクロアルキルまたは非置換シクロアルキル、置換アリールまたは非置換アリール、置換アラルキルまたは非置換アラルキル、あるいは置換複素環式基または非置換複素環式基を表し;
R3は、置換型複素環式基もしくは非置換型複素環式基を表し;
Xは、単結合、O、S、S(O)、S(O)2、あるいはNR4を表し(そのR4は、水素、または置換型低級アルキルもしくは非置換型低級アルキルを表すか;あるいはR2およびNR4は、置換型4〜6員飽和複素環式基もしくは非置換型4〜6員飽和複素環式基を形成するように結合される):そして
Aは、NあるいはCR5を表し(そのR5は、水素、または置換型低級アルキルもしくは非置換型低級アルキルを表す);そして
ここで式IVBは、
【0043】
【化16】
であり、ここでR6は、置換型アリールもしくは非置換型アリール、または置換型複素環式基もしくは非置換型複素環式基を表し;
Yは、O、S、あるいはNR7を表し(そのR7は、置換型低級アルキルもしくは非置換型低級アルキル、置換型シクロアルキルもしくは非置換型シクロアルキル、または置換型アリールもしくは非置換型アリールを表す);
R8は、水素、置換型低級アルキルもしくは非置換型低級アルキル、置換型低級アルケニルもしくは非置換型低級アルケニル、置換型低級アルキニルもしくは非置換型低級アルキニル、置換型シクロアルキルもしくは非置換型シクロアルキル、置換型アリールもしくは非置換型アリール、置換型アラルキルもしくは非置換型アラルキル、または置換型複素環式基もしくは非置換型複素環式基を表し;そして
Bおよび隣接した2個の炭素原子は、置換型または非置換型の、部分飽和または不飽和の、単環式または二環式の、炭素環式基または複素環式基を形成するように結合される。
【0044】
WO03/032996は、構造式V
【0045】
【化17】
を有する有用なアデノシンA2aレセプターアンタゴニスト化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を開示しており、ここで、
Rは、R1−ヘテロアリール、R10−フェニル、C4〜C6シクロアルケニル、−C(=CH2)CH3、−C≡C−CH3、−C≡C−CH2−OR2、−CH=C(CH3)2、
【0046】
【化18】
であり;
Xは、C1〜C6アルキレン、−C(O)CH2−または−C(O)N(R2)CH2−であり;
Yは、−N(R2)CH2CH2N(R3)−、−OCH2CH2N(R2)−、−O−、−S−、−CH2S−、−(CH2)2〜3−N(R2)−、R5−二価ヘテロアリール、
【0047】
【化19】
であり、そして
Zは、R5−フェニル、R5−フェニル(C1〜C6)アルキル、R5−ヘテロアリール、R5−二環式ヘテロアリール、R5−ベンゾ縮合ヘテロアリール、ジフェニルメチルまたはR6−C(O)−であるか;
あるいはYが
【0048】
【化20】
である場合、Zはまた、R6−SO2−、R7−N(R8)−C(O)−、R7−N(R8)−C(S)−またはR6OC(O)−であるか;
あるいはQが
【0049】
【化21】
である場合、Zはまたフェニルアミノまたはピリジルアミノであるか;
あるいはZおよびYは一緒になって、
【0050】
【化22】
であるか、
あるいはYおよびZは、一緒になって、単環式アリール環もしくは二環式アリール環または単環式ヘテロアリール環もしくは二環式ヘテロアリール環に縮合された、ピペリジニル環またはピロリジニル環を形成し、ここで、Xは、このピペリジニル環もしくはピロリジニル環のN原子に結合され;
R1は、水素、C1〜C6−アルキル、−CF3、ハロゲン、−NO2、−NR12R13、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6アルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルスルホニル、−COOR7または−C(O)NR2R3から独立して選択される1〜3個の置換基であり;
R2ならびにR3は、水素およびC1〜C6アルキルからなる群から独立して選択され;
mおよびnは、独立して2〜3であり;
pおよびqは、独立して0〜2であり;
QならびにQ1は、
【0051】
【化23】
からなる群から独立して選択され、但し、QならびにQ1のうちの少なくとも1つは、
【0052】
【化24】
であり;
R4は、水素、C1〜C6アルキル、R1−アリールおよびR1−ヘテロアリールからなる群から独立して選択される1〜2個の置換基であるか、または同じ炭素上の2個のR4の置換基が、=Oを形成し得;
R5は、水素、ハロゲン、C1〜C6アルキル、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、−CN、ジ((C1〜C6)アルキル)アミノ、−CF3、−OCF3、アセチル、−NO2、ヒドロキシ(C1〜C6)アルコキシ、(C1〜C6)−アルコシキ(C1〜C6)アルコキシ、ジ((C1〜C6)−アルコキシ)(C1〜C6)アルコキシ、(C1〜C6)−アルコキシ(C1〜C6)アルコキシ−(C1〜C6)−アルコキシ、カルボキシ(C1〜C6)−アルコキシ、(C1〜C6)−アルコキシカルボニル(C1〜C6)アルコキシ、(C3〜C6)シクロアルキル(C1〜C6)アルコキシ、ジ((C1〜C6)アルキル)アミノ(C1〜C6)アルコキシ、モルホリニル、(C1〜C6)アルキル−SO2−、(C1〜C6)アルキル−SO2−(C1〜C6)アルコキシ、テトラヒドロピラニルオキシ、(C1〜C6)アルキルカルボニル(C1〜C6)−アルコキシ、(C1〜C6)−アルコキシカルボニル、(C1〜C6)アルキルカルボニルオキシ(C1〜C6)−アルコキシ、−SO2NH2、フェノキシ、
【0053】
【化25】
、(R2O)2−P(O)−CH2−O−および(R2O)2−P(O)−であるか;あるいは隣接したR5置換基は、一緒になって、−O−CH2−O−、−O−CH2CH2−O−、−O−CF2−O−または−O−CF2CF2−O−であり、そしてこの隣接する置換基が結合する炭素原子と環を形成し;
R6は、(C1〜C6)アルキル、R5−フェニル、R5−フェニル(C1〜C6)アルキル、チエニル、ピリジル、(C3〜C6)−シクロアルキル、(C1〜C6)アルキル−OC(O)−NH−(C1〜C6)アルキル−、ジ((C1〜C6)アルキル)アミノメチル、または
【0054】
【化26】
であり;
R7は、(C1〜C6)アルキル、R5−フェニルまたはR5−フェニル(C1〜C6)アルキルであり;
R8は、水素またはC1〜C6アルキルであるか;あるいはR7およびR8は、一緒になって、−(CH2)p−A−(CH2)qであり、ここで、pおよびqは、独立して2または3であり、Aは、結合、−CH2−、−S−もしくは−O−であり、そしてR7およびR8が結合する窒素と環を形成し;
R9は、水素、C1〜C6アルキル、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、ハロゲン、−CF3および(C1〜C6)アルコキシ−(C1〜C6)アルコキシからなる群から独立して選択される1〜2個の置換基であり;
R10は、水素、ハロゲン、C1〜C6アルキル、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、−CN、−NH2、C1〜C6アルキルアミノ、ジ((C1〜C6)アルキル)アミノ、−CF3、−OCF3、−S(O)0〜2(C1〜C6)アルキルおよび−CH2−SO2−フェニルからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基であり;
R11は、H、C1〜C6アルキル、フェニル、ベンジル、C2〜C6アルケニル、C1〜C6アルコキシ(C1〜C6)アルキル、ジ((C1〜C6)アルキル)アミノ(C1〜C6)アルキル、ピロリジニル(C1〜C6)アルキルまたはピペリジノ(C1〜C6)アルキルであり;
R12は、HまたはC1〜C6アルキルであり;
R13は、H、(C1〜C6)アルキル−C(O)−または(C1〜C6)アルキル−SO2−であり;
R14は、H、ハロゲン、C1〜C6アルキル、ヒドロキシ(C1〜C6)アルキル、C1〜C6アルコキシ(C1〜C6)アルキル、チオ(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルキルチオ(C1〜C6)アルキルまたはNR2R3−(C1〜C6)アルキルであり;そして
R15は、H、ハロゲン、C1〜C6アルキルまたはC1〜C6アルコキシである。
【0055】
式Vの好ましい化合物はRか、R1−フラニル、R1−チエニル、R1−ピロリル、R1−ピリジルまたはR10−フェニル、より好ましくは、R1−フラニルまたはR10−フェニルである化合物である。R1は、好ましくは水素またはハロゲンである。R10は、好ましくは水素、ハロゲン、アルキルまたは−CF3である。好ましい化合物の別の基は、Xか、アルキレン、好ましくはエチレンである基である。Yは、好ましくは
【0056】
【化27】
であり、ここで、Qは、
【0057】
【化28】
であり、好ましくは、Qは窒素である。好ましくは、mおよびnは各々2であり、R4はHである。Zについての好ましい定義は、R5−フェニルまたはR5−ヘテロアリールである。R5は、好ましくは、H、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルコキシまたはアルコキシアルコキシである。R6は好ましくはR5−フェニルである。
【0058】
式Vの好ましい具体的化合物は、式VA
【0059】
【化29】
の化合物であり、ここで、RおよびZ−Yは、以下の表:
【0060】
【表2】
に規定した通りである。
【0061】
WO03/048165は、構造式VI
【0062】
【化30】
を有する有用なアデノシンA2aレセプターアンタゴニスト化合物またはこの化合物の薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒化合物を開示しており、ここで:
Rは、R1−フラニル−、R1−チエニル−、R1−ピリジル−、R1−オキサゾリル−、R1−ピロリル−およびR2−アリール−からなる群から選択され;
Xは、−(CH2)n−であり;
Yは、Y上の2個の隣接した炭素原子に融合されたアリール部分もしくはヘテロアリール部分を有するピペリジニル基、ピロリジニル基またはアゼパニル基であり、ここで、Xは、このピペリジニル基、ピロリジニル基またはアゼパニル基のN原子に結合し;
Qは、同じであっても異なっていてもよい1〜4個の置換基であり、そして、水素、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アミノ、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、アルキル、CF3、CN、ハロゲン、NO2、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、シクロアルキルアルコキシ、アシルオキシ、アルキルアミノ、アシルアミノ、アルキルスルホンアミノ、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、NH2SO2−、およびヒドロキシからなる群から独立して選択され;
nは、1〜4であり;
R1は、同じであっても異なっていてもよい1〜3個の置換基であり、そして、水素、アルキル、CF3、ハロゲンおよびNO2からなる群から独立して選択され;そして
R2は、同じであっても異なっていてもよい1〜3個の置換基であり、そして、水素、アルキル、CF3、ハロゲン、NO2、アルコキシ、アシルオキシ、アルキルアミノ、アシルアミノ、アルキルスルホンアミノ、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アミノスルホニル、およびヒドロキシからなる群から独立して選択される。
【0063】
式VIの化合物の好ましい実施形態において、Yは、
【0064】
【化31】
であり、ここで、A1は、N−Xであり、A2およびA3は、各々CR4R5であるか、または
A1およびA3は、各々CR4R5であり、A2は、N−Xであるか、または
A1およびA2は、各々CR4R5であり、A3は、N−Xであり;
A4は、CR4R5であり;
同じであっても異なっていてもよいZ1、Z2、Z3、およびZ4は、NおよびCR3からなる群から各々独立して選択され、但し、Z1、Z2、Z3、またはZ4のうちの0〜2個は、Nであり、残りはCR3であり;
Z5は、NR5、O、SまたはCR4R5であり;
Z6は、NまたはCR3であり;
Z7は、NまたはCR3であり;
mは、0〜2までの整数であり;
R3は、水素、シクロアルキル、アミノ、アリール、ヘテロアリール、C1〜C6−アルキル、CF3、CN、ハロゲン、NO2、C1〜C6−アルコキシ、C1〜C6−アシルオキシ、C1〜C6−アルキルアミノ、C1〜C6−アシルアミノ、C1〜C6−アルキルスルホンアミノ、C1〜C6−アルキルアミノスルホニル、C1〜C6−ジアルキルアミノスルホニル、NH2−SO2−、およびヒドロキシからなる群から選択され;
R4は、水素、ヒドロキシアルキル、アリール、アラルキル、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、CF3、CN、ハロゲン、ヒドロキシ、およびNO2からなる群から選択され;そして
R5は、水素またはC1〜C6アルキルである。
【0065】
式VIの化合物の好ましい具体例としては、式:
【0066】
【表3】
の化合物が挙げられる。
【0067】
WO03/048164は、構造式VII
【0068】
【化32】
を有する有用なアデノシンA2aレセプターアンタゴニス化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒化合物を開示しており;ここで:
Rは、R4−ヘテロアリール、R5−フェニル、(C4〜C6)シクロアルケニル、−C(=CH2)CH3、−C≡C−CH3、
【0069】
【化33】
からなる群から選択され;
R2は、−W−X、−NR19(CH2)m−W−X、および−NR19CH(CH3)−W−Xからなる群から選択されるか、あるいは
R2は、アルキル、アルケニルおよび−NR18R19からなる群から選択され、ここで、このアルキル、アルケニルまたは−NR18R19は、必要に応じて−W−Xによって置換され;
R3は、H、ハロ、アルキル、トリフルオロメチル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノ、ジアルキルアミノアルキル、アミノアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびCNからなる群から選択され;
R4は、同じであっても異なっていてもよい1〜3個の置換基であり、そして、水素、(C1〜C6)−アルキル、−CF3、ハロゲン、−NO2、−NR15R16、(C1〜C6)アルコキシ、(C1〜C6)アルキルチオ、(C1〜C6)アルキルスルフィニル、(C1〜C6)アルキルスルホニル、−COOR17および−C(O)NR6R7からなる群から独立して選択され;
R5は、同じであっても異なっていてもよい1〜5個の置換基であり、そして、水素、ハロゲン、(C1〜C6)アルキル、ヒドロキシ、(C1〜C6)アルコキシ、−CN、−NH2、(C1〜C6)アルキルアミノ、ジ((C1〜C6)アルキル)アミノ、−CF3、−OCF3、−S(O)0〜2(C1〜C6)アルキルおよび−CH2−SO2−フェニルからなる群から独立して選択され;
同じであっても異なっていてもよいR6およびR7は、水素および(C1〜C6)アルキルからなる群から各々独立して選択され;
R8は、同じであっても異なっていてもよい1〜5個の置換基であり、そして、水素、ハロゲン、(C1〜C6)アルキル、ヒドロキシ、(C1〜C6)アルコキシ、−CN、アミノ、ジ((C1〜C6)アルキル)アミノ、−CF3、−OCF3、アセチル、−NO2、ヒドロキシ(C1〜C6)アルコキシ、(C1〜C6)−アルコキシ(C1〜C6)アルコキシ、ジ((C1〜C6)−アルコキシ)(C1〜C6)アルコキシ、(C1〜C6)−アルコキシ(C1〜C6)アルコキシ−(C1〜C6)−アルコキシ、カルボキシ(C1〜C6)−アルコキシ、(C1〜C6)−アルコキシカルボニル(C1〜C6)アルコキシ、(C3〜C6)シクロアルキル(C1〜C6)アルコキシ、ジ((C1〜C6)アルキル)アミノ(C1〜C6)アルコキシ、モルホリニル、(C1〜C6)アルキル−SO2−、(C1〜C6)アルキル−SO2−(C1〜C6)アルコキシ、テトラヒドロピラニルオキシ、(C1〜C6)アルキルカルボニル(C1〜C6)−アルコキシ、(C1〜C6)−アルコキシカルボニル、(C1〜C6)アルキルカルボニルオキシ(C1〜C6)−アルコキシ、−SO2NH2、フェノキシ、
【0070】
【化34】
からなる群から独立して選択されるか;あるいは
隣接したR8の置換基は、一緒になって、−O−CH2−O−、−O−CH2CH2−O−
、−O−CF2−O−または−O−CF2CF2−O−であり、そして、このR8置換基が結合する炭素原子と環を形成し;
R9は、(C1〜C6)アルキル、R8−アリール−、R8−アリール(C1〜C6)アルキル−、チエニル、ピリジル、(C3〜C6)−シクロアルキル、(C1〜C6)アルキル−OC(O)−NH−(C1〜C6)アルキル−、ジ((C1〜C6)アルキル)アミノメチル、シクロヘテロアルキル(C1〜C6)アルキル、アリールオキシ(C1〜C6)アルキル、アルコキシ(C1〜C6)アルキルおよび
【0071】
【化35】
からなる群から選択され;
R10は、同じであっても異なっていてもよい1〜2個の置換基であり、そして、水素、(C1〜C6)アルキル、R5−アリールおよびR4−ヘテロアリールからなる群から独立して選択されるか、あるいは同じ炭素上の2個のR10の置換基は、=Oを形成し得;
R11は、水素または(C1〜C6)アルキル;−C(O)アルキルであるか、またはR17およびR11は、一緒になって、−(CH2)p−A−(CH2)qであり、ここで、pおよびqは、各々独立して2または3であり、Aは、結合、−CH2−、−S−および−O−からなる群から選択され、そして、R17およびR11が結合する窒素と環を形成し;
R12は、同じであっても異なっていてもよい1〜2個の置換基であり、そして、水素、(C1〜C6)アルキル、ヒドロキシ、(C1〜C6)アルコキシ、ハロゲン、および−CF3からなる群から独立して選択され;
R13は、H、(C1〜C6)アルキル、フェニル、ベンジル、(C2〜C6)アルケニル、(C1〜C6)アルコキシ(C1〜C6)アルキル、ジ((C1〜C6)アルキル)アミノ(C1〜C6)アルキル、ピロリジニル(C1〜C6)アルキルおよびピペリジノ(C1〜C6)アルキルからなる群から選択され;
R14は、H、ハロゲン、(C1〜C6)アルキルまたは(C1〜C6)アルコキシからなる群から選択され;
R15は、Hおよび(C1〜C6)アルキルからなる群から選択され;
R16は、H、(C1〜C6)アルキル−C(O)−および(C1〜C6)アルキル−SO2−からなる群から選択され;
R17は、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)ヒドロキシアルキル、(C3〜C6)シクロアルキル、(C1〜C6)アルコキシ(C1〜C6)アルコキシ、(C1〜C6)アルコキシ、(C1〜C6)アルコキシ(C1〜C6)アルキル、アリル、プロパルギル、R8−ヘテロアリール−、R8−アリール−およびR8−アリール(C1〜C6)アルキル−からなる群から選択され;
R18は、結合、−CH2−、−CH(OH)−、−CH(CH3)−、−C(CH3)n−、−(CH2)n−、および−O(CH2)n−からなる群から選択され、
R19は、H、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルキル(C1〜C6)シクロアルキル、(C1〜C6)シクロアルキル(C1〜C6)アルキルおよび(C1〜C6)アルコキシ(C1〜C6)アルキルからなる群から選択され;
QおよびQ1は、同じであっても異なっていてもよい、そして、
【0072】
【化36】
からなる群から各々独立して選択され;
mおよびnは、各々独立して1〜3であり;
pおよびqは、各々独立して0〜2であり;
sは、0〜4であり;
Wは、同じであっても異なっていてもよい1〜3個のヘテロ原子を有するアリールもしくはヘテロアリールであり、そして、N、OおよびSからなる群から独立して選択され、ここで、このアリールもしくはヘテロアリールは、必要に応じて、同じであっても異なっていてもよい1〜3個の置換基で置換され、そして、アルキル、アリール、アルキルシクロアルキル、ハロ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルキルアルコキシ、アルコキシアルコキシ、−NR6R7、(C2〜C6)アルケン、および−CNからなる群から独立して選択されるか、あるいは
Xは、H、NH2、−N(R6)(CH2)S−アリール、−N(R6)(CH2)S−ヘテロアリール、−N(R6)(CH2)m+1−OH、および−N(CH3)2からなる群から選択されるか、あるいは
Xは、−R18−Y−Zであり;
Yは、−N(R6)CH2CH2N(R7)−、−N(R6)(CH2)nアリール、−OCH2CH2N(R6)−、−O−、−S−、−CH2S−、−(CH2)2〜3−N(R6)−、R8−二価ヘテロアリール、
【0073】
【化37】
からなる群から選択され、そして
Zは、H、アルキル、アルコキシアルキル、R8−アリール−、R8−アリール(C1〜C6)アルキル−、R8−ヘテロアリール−、R8−二環式アルキル−、アミノアルキル、アルキルアミノ、NH2、−N−(R6)(CH2)S−アリール、−N(R6)(CH2)S−ヘテロアリール、−N(R6)C(O)OR17、アルキルシクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、アルコキシシクロヘテロアルキル、ヘテロアリール;R8−ベンゾ縮合ヘテロアリール−、ジフェニルメチルおよびR9−C(O)−からなる群から選択されるか;あるいは
Yが、
【0074】
【化38】
である場合、Zはまた、−OH、R9−SO2−、R17−N(R11)(CH2)S−C(O)−、R17−OC(O)−、R17−O(CH2)nC(O)−、ベンゾ縮合ヘテロアリール(CH2)nC(O)−、ベンゾ縮合ヘテロアリール(CH2)n−またはR17−N(R11)−C(S)−であり得;あるいは
Qが、
【0075】
【化39】
である場合、Zはまた、R17R11N−、フェニルアミノまたはピリジルアミノであり得;あるいはZおよびYは、一緒になって、
【0076】
【化40】
からなる群から選択される。
【0077】
式VIIの好ましい化合物は、以下の構造
【0078】
【化41】
を有する化合物である。
【0079】
WO03/048163は、構造式VIII
【0080】
【化42】
を有する有用なアデノシンA2aレセプターアンタゴニスト化合物またはその薬学的に受容可能な塩を開示し、ここで:
Aは、C(R1)またはNであり;
R1およびR1aは、H、(C1〜C6)−アルキル、ハロ、CNおよび−CF3からなる群から独立して選択され;
Yは、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、R5−ヘテロアリールジイル、R5−アリーレンまたは
【0081】
【化43】
であり;
pおよびqは、独立して2〜3であり;
QおよびQ1は、
【0082】
【化44】
からなる群から独立して選択され、但し、QおよびQ1のうちの少なくとも1つは、
【0083】
【化45】
であり;
Rは、R5−アリール、R5−ヘテロアリール、R6−(C2〜C6)アルケニルまたはR6−(C2〜C6)アルキニルであり;
R2は、R5−アリール、R5−ヘテロアリール、R5−アリール(C1〜C6)アルキルまたはR5−ヘテロアリール(C1〜C6)アルキルであるか;あるいはR2−Yは、
【0084】
【化46】
であり;
U、V、およびWは、NおよびCR1からなる群から独立して選択され、但し、U、VおよびWのうちの少なくとも1つは、CR1であり;
nは、1、2または3であり;そして
(a)Aは、C(R1)であり、また、Xは、−C(R3)(R3a)−、−C(O)−、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、R4−アリーレン、R4−ヘテロアリールジイル、または−N(R9)−であるか;あるいはAは、C(R1)であり、Yは、結合であり、Xは、−C(R3)(R3a)−、−C(O)−、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、R4−アリーレン、−N(R9)−またはR4−ヘテロアリールジイルであり、但し、Xが、−N(R9)−またはR4−ヘテロアリールジイルである場合、R2は、フェニルでもフェニル−(C1〜C6)アルキルでもなく;あるいは
(b)AはNであり、Xは−N(R9)−であり、YはR5−アリーレンであり、R2は、
【0085】
【化47】
であるか;あるいはnは、2または3であり;そして
(c)AはNであり、Xは、−C(R3)(R3a)−、−C(O)−、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−N(R9)−、R4−アリーレンまたはR4−ヘテロアリールジイルであるか;あるいは、AはNであり、Yは結合であり、また、Xは、−C(O)−、−N(R9)−、R4−アリーレンまたはR4−ヘテロアリールジイルであるか;あるいは、AはNであり、Yは、−N(R9a)−、−C(O)N(R9a)−または−O−(CH2)2−N(R9a)−であり、Xは、−N(R9)−であるか;あるいは、AはNであり、Xは−N(R9)−であり、YおよびR2は、一緒になって、
【0086】
【化48】
であるか;
あるいは、nは0であり;そして
(d)AはNであり、Yは結合であり、Xは−N(R9)−であり、R2は、
【0087】
【化49】
であるか、あるいは
(e)AはNであり、Xは−N(R9)−であり、YおよびR2は一緒になって、
【0088】
【化50】
であり、ここでZは、−C(O)−CH2−、−C(O)−CH(C1〜C6アルキル)−、−CH2−CH(C1〜C6アルキル)−、または−CH(C1〜C6アルキル)−CH2−であり;
R3およびR3aは、H、−OH、C1〜C6アルキル、ヒドロキシ(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルコキシ(C1〜C6)アルキル、アミノ(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルキルアミノ(C1〜C6)アルキルおよびジ(C1〜C6)アルキルアミノ(C1〜C6)アルキルからなる群から独立して選択され;
R4は、H、(C1〜C6)アルキル、−OH、(C1〜C6)アルコキシ、(C1〜C6)アルコキシ(C1〜C6)アルコキシ、ハロ、−CF3、および−CNからなる群から選択される1〜3個の置換基であり;
R5は、H、(C1〜C6)アルキル、−OH、(C1〜C6)アルコキシ、(C1〜C6)アルコキシ(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルコキシ(C1〜C6)−アルコキシ、ハロ、−CF3、−CN、−NH2、(C1〜C6)アルキルアミノ、ジ(C1〜C6)アルキルアミノ、アミノ(C1〜C6)−アルキル、(C1〜C6)アルキルアミノ(C1〜C6)アルキル、ジ(C1〜C6)アルキルアミノ(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルカノイル−アミノ、(C1〜C6)アルカンスルホニルアミノ、(C1〜C6)アルキルチオ、(C1〜C6)アルキルチオ(C1〜C6)アルキル、R6−(C2〜C6)アルケニル、R6−(C2〜C6)アルキニル、ヒドロキシ(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルコキシ−C(O)−アミノ、またはヘテロシクロアルキル(C1〜C6)アルキルからなる群から独立して選択される1〜3個の置換基であり;
R6は、H、−OH、(C1〜C6)アルコキシおよびハロからなる群から独立して選択される1〜3個の置換基であり;
R7およびR7aは、H、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルコキシ(C1〜C6)アルキル、R8−アリールおよびR8−ヘテロアリールからなる群から独立して選択されるか、または同じ炭素上のR7およびR7aの置換基は、=Oを形成し得;
R8は、H、(C1〜C6)アルキル、−OH、(C1〜C6)アルコキシ、(C1〜C6)アルコキシ(C1〜C6)アルコキシ、ハロ、−CF3、および−CNから独立して選択される1〜3個の置換基であり;
R9およびR9aは、H、(C1〜C6)アルキル、ヒドロキシ(C2〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルコキシ(C2〜C6)アルキル、アミノ(C2〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルキルアミノ(C2〜C6)アルキル、ジ(C1〜C6)アルキルアミノ(C2〜C6)アルキル、ハロ−(C3〜C6)アルケニル、CF3−(C1〜C6)アルキル、(C3〜C6)アルケニル、(C3〜C6)シクロアルキル、および(C3〜C6)シクロアルキル−(C1〜C6)アルキルからなる群から独立して選択され;そして
R10は、H、−C(O)−O−(C1〜C6)アルキル、R5−アリール、−C(O)−(C1〜C6)アルキル、−C(O)−(R5−アリール)またはR5−アリール−(C1〜C6)アルキルである。
【0089】
式VIIIの好ましい化合物は、AかNである化合物である。Rは好ましくは、フリルである。R1aは好ましくは、水素である。好ましい化合物の別の基は、Xか、−O−、−S−、−N(R9)−、またはR4−アリーレンである化合物であり、ここで、Xか−N(R9)−である化合物がより好ましい。R9は好ましくはC1〜C6アルキルである。Yについての好ましい定義は、結合またはピペラジニルである。R2は好ましくは、R5−アリールである。Yおよび/またはR2が、
【0090】
【化51】
である場合、Qは好ましくはNであり、Q1は好ましくはNであり、pおよびqは、各々好ましくは2であり、各R7およびR7aは、好ましくは水素であり、R10は好ましくは、−C(O)−O−(C1〜C6)アルキル、−C(O)−(C1〜C6)アルキルまたは−C(O)−(R5−アリール)である。R5は好ましくは、H、(C1〜C6)アルコキシ、(C1〜C6)アルコキシ(C1〜C6)−アルコキシ、ハロおよび−CF3からなる群から選択される1〜2個の置換基である。R4は好ましくは、H、ハロまたは(C1〜C6)アルキルである。R3およびR3aは、好ましくは、Hおよび(C1〜C6)アルキルから独立して選択される。R9aは好ましくは、Hまたは(C1〜C6)アルキルである。R6は好ましくは水素である。
【0091】
式VIIIの化合物の好ましい具体的例としては、式
【0092】
【化52】
の化合物が挙げられ、ここで、R2−Y−(CH2)n−N(R9)−は、表:
【0093】
【表4】
に規定した通りである。
【0094】
WO01/02409は、構造式IX
【0095】
【化53】
を有する有用なアデノシンA2aレセプターアンタゴニスト化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはプロドラッグを開示しており、ここで、
XはOまたはSであり;
R1ならびにR2は、水素、アルキル、アリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、シアノ、ニトロ、CO2R7、COR7、OCOR7、CONR7R8、CONR7NR8R9、OCONR7R8、NR7R8、NR7COR8、NR7CONR8R9、NR7CO2R8、NR7SO2R8、NR7CONR8NR9R10、NR7NR8CO2R9、NR7NR8CONR9R10、NR7SO2NR8R9、SO2R7、SOR7、SR7およびSO2NR7R8から独立して選択されるか、あるいはR1ならびにR2は、一緒になって、カルボニル基(C=O)、オキシム基(C=NOR11)、イミン基(C=NR11)またはヒドラジン基(C=NNR11R12)を形成するか、あるいはR1ならびにR2は、一緒になって、5員、6員もしくは7員の炭素環式環または複素環式環を形成し;
R3は、アルキルまたはアリールであり;
R4、R5およびR6は、水素、アルキル、アリール、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アルコキシ、アリールオキシ、CO2R7、COR7、OCOR7、SO2R7、SOR7、SR7、SO2NR7R8、CONR7R8、CONR7NR8R9、OCONR7R8、NR7R8、NR7COR8、NR7CONR8R9、NR7CO2R8、NR7SO2R8、CR7=NOR8、NR7CONR8NR9R10、NR7NR8CO2R9、NR7NR8CONR9R10、SO2NR7NR8R9、NR7SO2NR8R9、NR7NR8SO2R9、NR7NR8CO2R9、NR7NR8R9およびNR7CSNR8R9から独立して選択されるか、あるいはR5およびR6は、一緒になって、5員、6員もしくは7員の炭素環式環または複素環式環を形成し;そして
R7、R8、R9、R10、R11ならびにR12は、水素、アルキルおよびアリールから独立して選択される。
【0096】
本明細書中に引用された米国特許および出願は、本明細書中で参考として援用される。アデノシンA2aレセプターアンタゴニストは、引用された特許および出願に記載されたような公知の方法によって調製される。
【0097】
本明細書中に使用される場合「患者」とは、哺乳動物、特にヒトを意味する。
【0098】
1個より多くのアデノシンA2aレセプターアンタゴニスト(例えば、2個または3個)が、錐体外路症候群(EPS)、失調症、不穏下肢症候群(RLS)または睡眠時周期性四肢運動(PLMS)を処置するために投与され得;好ましくは、1個のアデノシンA2aレセプターアンタゴニストが投与されることが、企図されている。
【0099】
アデノシンA2aレセプターアンタゴニストによって処置されるEPSを引き起こし、そしてアデノシンA2aレセプターアンタゴニストと組み合わせて使用するための抗精神病薬には、定型抗精神病薬ならびに非定型抗精神病薬がある。定型抗精神病薬としては、ロクサピン、ハロペリドール、クロルプロマジン、プロクロルペラジンおよびチオチキセンが挙げられる。非定型抗精神病薬としては、クロザピン、オランザピン、ロクサピン、クエチアピン、ジプラシドンおよびリスペリドンが挙げられる。
【0100】
アデノシンA2aレセプターアンタゴニストによって処置される失調症を引き起こす三環系抗鬱薬としては、パーフェナジン、アミトリプチン、デシプラミン、ドキセピン、トリミプラミンおよびプロトリプチリンが挙げられる。不穏下肢症候群(RLS)または睡眠時周期性四肢運動(PLMS)の処置にもまた有用であり得る失調症を引き起こし得るが、鎮痙薬としては、フェニトイン、カルバマゼピンおよびギャバペンチンが挙げられる。
【0101】
不穏下肢症候群(RLS)ならびに睡眠時周期性四肢運動(PLMS)の処置に有用なドパミンアゴニストとしては、ペルゴリド、プラミペキソール、ロピニロール、フェノルドパムおよびカベルゴリンが挙げられる。
【0102】
不穏下肢症候群(RLS)ならびに睡眠時周期性四肢運動(PLMS)の処置に有用なオピオイドとしては、コデイン、ヒドロコドン、オキシコドン、プロポキシフェンおよびトラマドルが挙げられる。
【0103】
不穏下肢症候群(RLS)ならびに睡眠時周期性四肢運動(PLMS)の処置に有用なベンゾジアゼピンとしては、クロナゼパム、トリアゾラムおよびテマゼパムが挙げられる。
【0104】
抗精神病薬、三環系抗鬱薬、鎮痙薬、ドパミンアゴニスト、オピオイドおよびベンゾジアゼピンは、市販されており、文献、例えば、The Physicians’ Desk Reference(Montvale:Medical Economics Co.,Inc.,2001)に記載されている件。
【0105】
1個以上の別の薬剤と組み合わせる1個以上のA2aアンタゴニストの投与が、各々の徴候について好ましいが、2個以上のA2aレセプターアンタゴニストが、1個以上の別の薬剤(例えば、抗精神病薬、三環系抗鬱薬、鎮痙薬、ドパミンアゴニスト、オピオイドまたはベンゾジアゼピン)と組み合わせて投与され得ることが、企図されている。A2aアンタゴニストおよび別の薬剤の別々の投薬形態の投与が好ましいが、別の薬剤が、錐体外路症候群(EPS)、失調症、不穏下肢症候群(RLS)または睡眠時周期性四肢運動(PLMS)の処置または予防のためにA2aレセプターアンタゴニストと単一の投薬形態で組み合わせ得ることもまた、企図されている。
【0106】
好ましいアデノシンA2aアンタゴニストは、US6,630,475に記載されたものである。
【0107】
本発明の特に好ましい化合物は、式
【0108】
【化54】
の化合物Aまたはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒化合物であり、US6,630,475で開示されており、構造Iの化合物の表に最初の化合物として記載されている。
【0109】
本発明の方法に有用な化合物は、これらのアッセイにおいてアデノシンA2aレセプターアンタゴニストとしての有効性を示している。
【0110】
(ヒトアデノシンA2aおよびA1レセプター競合結合アッセイプロトコル)
膜の供給源:A2a:ヒトA2aアデノシンレセプター膜、カタログ#RB−HA2a、Receptor Biology,Inc.,Beltsville,MD。膜希釈緩衝液(以下参照)で17μg/100μlに希釈する。
【0111】
アッセイ緩衝液:膜希釈緩衝液:Dulbeccoリン酸緩衝化生理食塩水化合物(Gibco/BRL)+10mM MgCl2。
【0112】
化合物希釈緩衝液:1.6mg/mlメチルセルロースおよび16%DMSOを補充したDulbeccoリン酸緩衝化生理食塩水化合物(Gibco/BRL)+10mM MgCl2。毎日、新しく調製する。
【0113】
リガンド:A2a:注文合成である、[3H]−SCH58261、AmershamPharmacia Biotech,Piscataway,NJ。ストックを、膜希釈緩衝液で1nMに調製する。最終アッセイ濃度は、0.5nMである。
【0114】
A1:[3H]−DPCPX,AmershamPharmacia Biotech,Piscataway,NJ。ストックを、膜希釈緩衝液で2nMに調製する。最終アッセイ濃度は、1nMである。
【0115】
(非特異的結合)
A2a:非特異的結合を決定するために、100nM CGS 15923(RBI,Natick,MA)を加える。作業ストックを、化合物希釈緩衝液中で400nMに調製する。
【0116】
A1:非特異的結合を決定するために、100μM NECA(RBI,Natick,MA)を加える。作業ストックを、化合物希釈緩衝液中で400μMに調製する。
【0117】
(混合希釈)
100%DMSO中で化合物の1mMストック溶液を調製する。化合物希釈緩衝液で希釈する。3μM〜30pMの範囲にわたる10個の濃度で試験する。化合物希釈緩衝液で4X最終濃度に作業溶液を調製する。
【0118】
(アッセイ手順)
深ウェル96ウェルプレートでアッセイを行う。総アッセイ容量は、200μlである。50μl化合物希釈緩衝液(全リガンド結合)または50μlCGS 15923作業溶液(A2a非特異的結合)または50μlNECA作業溶液(A1非特異的結合)または50μlの薬剤作業溶液を加える。50μlリガンドストック(A2aについては[3H]−SCH58261、A1については[3H]−DPCPX)を加える。適切なレセプターを含む100μlの希釈された膜を加える。90分間室温でインキュベートする。Packard GF/Bフィルタープレート上のBrandel細胞収集器を使用して収集する。45μlのMicroscint20(Packard)を加え、Packard TopCount Microscintillation Counterを使用して数える。反復曲線適合プログラム(Excel)を使用して置換曲線を適合することによってIC50値を測定する。Cheng−Prusoff式を使用してKi値を測定する。
【0119】
(ラットにおけるハロペリドール誘導性カタレプシー)
175〜200gの重さがあるオスのSprague−Dawleyラット(Charles River,Calco,Italy)を、使用する。カタレプシーの状態と、垂直グリッド試験にて動物を試験する90分前に、ドパミンレセプターアンタゴニストであるハロペリドール(1mg/kg)の皮下投与によって誘導する。この試験のために、ラットを、ベンチテーブルと約70度の角度で置かれた25×43プレシキガラスケージのワイヤーメッシュカバーの上に置く。ラットを、4本全ての足を外転および伸展させて(「カエルの姿勢」)グリッドの上に置く。そのような不自然な姿勢の使用は、カタレプシーについてのこの試験の特異性にとって必須である。足の配置から、1本の足の最初の完全な除去までのタイムスパン(下降潜伏期)を、最大120秒間測定する。
【0120】
評価中の、選択的A2aアデノシンアンタゴニストを、動物をスコア付けする1時間前および4時間前に、0.03〜3mg/kgの間の範囲にわたる用量で経口的に投与する。
【0121】
別の実験において、抗カタレプシー効果を、参照化合物であるL−DOPA(25mg/kg、50mg/kgおよび100mg/kg、ip)について測定した。
【0122】
本発明の方法として有用な化合物から薬学的組成物を調製するために、不活性な薬学的に受容可能なキャリアは、固体または液体のいずれかであり得る。固体形態調製物は、散剤、錠剤、分散性顆粒、カプセル剤、カシェ剤および坐剤を包含する。散剤および錠剤は、約0.1〜約99パーセントの活性成分から構成され得る。適切な固体キャリアは、当該分野において公知であり、例えば、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、砂糖、ラクトースがある。錠剤、散剤、カシェ剤およびカプセル剤は、経口投与のために適切な固体投薬形態として使用され得る。
【0123】
坐薬を調製するために、脂肪酸グリセリドまたはカカオ脂の混合物のような低融点のロウが、最初に溶解され、そして、活性成分が、攪拌によってその中に均一に分散される。溶解された均一な混合物は、次いで、便利なサイズの型の中に注がれ、冷やされ、それによって固められる。
【0124】
液体形態調製物は、溶液、懸濁液および乳濁液を含む。例として、非経口の注入のための水または水−プロピレングリコール溶液が言及され得る。
【0125】
液体形態調製物はまた、鼻腔内投与のための溶液も含み得る。
【0126】
吸入のために適切なエアロゾル調製物は、溶液および散剤形態の固体を含み得、これらは不活性圧縮ガスのような、薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせ得る。
【0127】
使用直前に、経口投与または非経口投与のいずれかのための液体形態調製物に変換されることを意図される固体形態調製物もまた、含まれる。そのような液体形態は、溶液、懸濁液および乳濁液を含む。
【0128】
本発明の方法に有用な化合物はまた、経皮送達可能である。経皮組成物は、クリーム、ローション、エアロゾルおよび/または乳濁液の形状をとり得、この目的のために当該分野において慣例であるようなマトリックスタイプまたはレザーバタイプの経皮パッケを含み得る。
【0129】
好ましくは、アデノシンA2aレセプターアンタゴニストおよび抗精神病薬は、経口的に投与される。
【0130】
好ましくは、薬学的調製物は、単位投薬形態である。そのような形態において、この調製物は、適切な量の活性成分(例えば、所望の目的を達成するための有効量)を含む、単位用量に細分される。
【0131】
調製物の単位用量中のアデノシンA2aレセプターアンタゴニストの量は、特定の適用に従って、約0.1mg〜1000mg、より好ましくは、約1mg〜300mgに変化または調整され得る。
【0132】
使用される実際の投薬量は、患者の必要量および処置されている状態の重症度次第で変化し得る。特定の状況については適切な投薬量の決定は、当業者の技術範囲内である。一般に、処置は、化合物の最適用量より少ない投薬量で開始される。その後、投薬量は、その状況下で最適な効果が達せられるまで、少しずつ増加して増加される。便宜のため、一日の合計投薬量は、望まれるなら、その日の間、分けられて少しずつ投与され得る。
【0133】
本発明の方法において有用なアデノシンA2aレセプターアンタゴニストの投与の量および頻度は、患者の年齢、状態および大きさならびに、処置されている症状の重症度のような要因を検討して、主治医の判断によって調節される。アデノシンA2aレセプターアンタゴニストのための代表的な推薦される投与計画は、錐体外路症候群(EPS)、失調症、不穏下肢症候群(RLS)または睡眠時周期性四肢運動(PLMS)の影響からの解放を提供するために、2〜4回に分けられた用量で、1日につき約10mg〜2000mg、好ましくは1日につき10mg〜1000mgの経口投与である。この投薬量の範囲内で投与される場合、上記化合物は毒性がない。
【0134】
アデノシンA2aレセプターアンタゴニストと組み合わせて使用される別の薬剤(すなわち、抗精神病薬、三環系抗鬱薬、鎮痙薬、ドパミンアゴニスト、ベンゾジアゼピン、オピオイド、リチウムまたは鉄)の用量および投与計画は、患者の年齢、性別および状態ならびに疾患の重症度を考慮して、包装挿入物にある承認された用量および投与計画を考慮して、主治医によって決定される。組み合わせて投与される場合、アデノシンA2aレセプターアンタゴニストおよび別の薬剤は、同時にかまたは連続して投与され得る。組み合わせの成分が、好ましくは異なる投薬スケジュールで与えられる(例えば、1つの成分が毎日与えられ、別の成分が6時間ごとに投与される)場合、あるいは、好ましい薬学的組成物が異なる(例えば、1つは好ましくは錠剤であり、さらにもう1つはカプセル剤である)場合、これは特に有用である。従って、単一の包装の中の別々の容器に、錐体外路症候群(EPS)、失調症、不穏下肢症候群(RLS)または睡眠時周期性四肢運動(PLMS)を処置もしくは予防するために組み合わせて使用するための薬学的組成物を備えているキットにおいて、アデノシンA2aレセプターアンタゴニストおよび別の薬剤を提供することは有利であり、ここで、1つの容器は、薬学的に受容可能なキャリア中に有効量のアデノシンA2aレセプターアンタゴニストを含む薬学的組成物を含み、別の容器は、示された状態を処置するために適切な有効量の別の薬剤を含む薬学的組成物を含む。
【0135】
当業者は、上記組み合わせの成分のうちの1つについての投薬形態は、アデノシンA2aレセプターアンタゴニストならびに別の薬剤の両方(例えば、アデノシンA2aレセプターアンタゴニストおよび抗精神病薬、またはアデノシンA2aレセプターアンタゴニストおよびドパミンアゴニスト)を含むために改変され得ることを、理解する。
【0136】
以下の実施例は、ドパミンD2レセプターアンタゴニストであるハロペリドールに感作されたフサオマキザル(Cebusapella monkeys)において示された錐体外路症候群(EPS)を弱めるためのアデノシンA2aアンタゴニストの使用を示す。
【0137】
本発明のより完全な理解が、フサオマキザル(Cebusapella monkeys)におけるハロペリドール誘導性EPSに関連している添付された図と組み合わせて以下の説明を読むことによって、得られ得る。
【図面の簡単な説明】
【0138】
【図1A】図1Aは最大の錐体外路症候群(EPS)スコアに対する化合物Aの影響を示す。(経口1〜30mg/kg)
【図1B】図1Bはビヒクルコントロールグループと比較された各々の処置グループについての錐体外路症候群(EPS)の発症の平均遅れを表す。
【実施例】
【0139】
7匹のフサオマキザル(Cebus apella monkeys)の群体が、以前にハロペリドールの慢性効果に対して感作された、急性的に(経口0.3mg/kg)ハロペリドールを投与された場合、錐体外路症候群(EPS)を示す。化合物Aを、ハロペリドールと組み合わせて、0.3〜30mg/kgの用量で経口的に投与した。各サルに、重複するバランスのとれた計画で、6つ全ての処置(ビヒクルおよび5服用量の化合物A)を与えるような被験体内計画を使用して、この研究を行った。すべての研究において、ハロペリドールを投与した場合、7匹のサルのグループが、基本レベル錐体外路症候群(EPS)を示した。
【0140】
化合物Aは、最大錐体外路症候群(EPS)スコアにおいて用量依存性減少を生じ(図1A)、ならびに錐体外路症候群(EPS)の発症において用量依存性遅延を生じた(図1B)。1mg/kgの用量で、化合物Aは、1匹のサルにおいて錐体外路症候群(EPS)の発症を予防し、錐体外路症候群(EPS)の発症を1時間遅らせた。化合物Aは、3mg/kgの用量で、2匹のサルにおいて錐体外路症候群(EPS)の発症を予防し、残りのサルにおいて錐体外路症候群(EPS)の発症をほとんど2時間遅らせた。10mg/kgおよび30mg/kgで、化合物Aは、3匹のサルにおいて錐体外路症候群(EPS)の発症を予防し、錐体外路症候群(EPS)の発症を平均2.3〜2.9時間遅らせた。
【0141】
不穏下肢症候群(RLS)および睡眠時周期性四肢運動(PLMS)の処置のための臨床的指針は確立している:A.L.Chessonら、Sleep,22,7(1999),961−8ページ参照。不穏下肢症候群(RLS)および睡眠時周期性四肢運動(PLMS)の処置におけるアデノシンA2aアンタゴニストの効力は、Weimerskirchら、Annals of Pharmacotherapy,35,5(2001),627−30ページによるプラミペキソールおよびロピニロールについての文献に記載された臨床方法にと同様の方法によって決定され得る。
【0142】
本発明は、上記に示した具体的実施形態と組み合わせて記載されているが、その多くの代替法、改変および変更は、当該分野における通常の当業者に明白である。全てのそのような代替法、改変および変更は、本発明の趣旨および範囲内に収まると意図される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
錐体外路症候群または失調症の処置または予防のための医薬の調製のためのアデノシンA2aレセプターアンタゴニストの使用。
【請求項2】
請求項1に記載の使用であって、前記アデノシンA2aアンタゴニストが、式:
【化1】
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩であり、ここで
Rは、R1−フラニル、R1−チエニル、R1−ピリジル、R1−ピリジルN−オキシド、R1−オキサゾリル、R10−フェニル、R1−ピロリルまたはC4〜C6シクロアルケニルであり;
Xは、C2〜C6アルキレンまたは−C(O)CH2−であり;
Yは、−N(R2)CH2CH2N(R3)−、−OCH2CH2N(R2)−、−O−、−S−、−CH2S−、−(CH2)2−NH−、または
【化2】
であり、そして
Zは、R5−フェニル、R5−フェニル(C1〜C6)アルキル、R5−ヘテロアリール、ジフェニルメチル、R6−C(O)−、R6−SO2−、R6−OC(O)−、R7−N(R8)−C(O)−、R7−N(R8)−C(S)−、
【化3】
、フェニル−CH(OH)−、またはフェニル−C(=NOR2)−であり;あるいはQが、
【化4】
である場合、Zもまた、フェニルアミノまたはピリジルアミノであり;あるいは
ZおよびYは、一緒になって、
【化5】
であり;
R1は、水素、C1〜C6−アルキル、−CF3、ハロゲン、−NO2、−NR12R13、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6アルキルスルフィニル、およびC1〜C6アルキルスルホニルから独立して選択される1〜3個の置換基であり;
R2ならびにR3は、水素およびC1〜C6アルキルからなる群から独立して選択され;
mおよびnは、独立して2〜3であり;
Qは、
【化6】
であり;
R4は、水素およびC1〜C6アルキルからなる群から独立して選択される1〜2個の置換基であるか、または同じ炭素上の2個のR4の置換基は、=Oを形成し得;
R5は、水素、ハロゲン、C1〜C6アルキル、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、−CN、ジ((C1〜C6)アルキル)アミノ、−CF3、−OCF3、アセチル、−NO2、ヒドロキシ(C1〜C6)アルコキシ、(C1〜C6)−アルコキシ(C1〜C6)アルコキシ、ジ((C1〜C6)−アルコキシ)(C1〜C6)アルコキシ、(C1〜C6)−アルコキシ(C1〜C6)アルコキシ−(C1〜C6)−アルコキシ、カルボキシ(C1〜C6)−アルコキシ、(C1〜C6)−アルコキシカルボニル(C1〜C6)アルコキシ、(C3〜C6)シクロアルキル(C1〜C6)アルコキシ、ジ((C1〜C6)アルキル)アミノ(C1〜C6)アルコキシ、モルホリニル、(C1〜C6)アルキル−SO2−、(C1〜C6)アルキル−SO2−(C1〜C6)アルコキシ、テトラヒドロピラニルオキシ、(C1〜C6)アルキルカルボニル(C1〜C6)−アルコキシ、(C1〜C6)−アルコキシカルボニル、(C1〜C6)アルキルカルボニルオキシ(C1〜C6)−アルコキシ、−SO2NH2、フェノキシ、
【化7】
からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基であるか;あるいは隣接したR5の置換基は、一緒になって、−O−CH2−O−、−O−CH2CH2−O−、−O−CF2−O−または−O−CF2CF2−O−であり、そして該R5の置換基が結合する炭素原子と環を形成し;
R6は、(C1〜C6)アルキル、R5−フェニル、R5−フェニル(C1〜C6)アルキル、チエニル、ピリジル、(C3〜C6)−シクロアルキル、(C1〜C6)アルキル−OC(O)−NH−(C1〜C6)アルキル−、ジ((C1〜C6)アルキル)アミノメチル、または
【化8】
であり;
R7は、(C1〜C6)アルキル、R5−フェニルまたはR5−フェニル(C1〜C6)アルキルであり;
R8は、水素またはC1〜C6アルキルであり;あるいはR7およびR8は、一緒になって、−(CH2)p−A−(CH2)qであり、ここでpおよびqは、独立して2または3であり、Aは、結合、−CH2−、−S−または−O−であり、そしてR7およびR8が結合する窒素と環を形成し;
R9は、水素、C1〜C6アルキル、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、ハロゲン、−CF3および(C1〜C6)アルコキシ(C1〜C6)アルコキシから独立して選択される1〜2個の基であり;
R10は、水素、ハロゲン、C1〜C6アルキル、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、−CN、−NH2、C1〜C6アルキルアミノ、ジ((C1〜C6)アルキル)アミノ、−CF3、−OCF3および−S(O)0〜2(C1〜C6)アルキルからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基であり;
R11は、H、C1〜C6アルキル、フェニル、ベンジル、C2〜C6アルケニル、C1〜C6アルコキシ(C1〜C6)アルキル、ジ((C1〜C6)アルキル)アミノ(C1〜C6)アルキル、ピロリジニル(C1〜C6)アルキルまたはピペリジノ(C1〜C6)アルキルであり;
R12は、HまたはC1〜C6アルキルであり;そして
R13は、(C1〜C6)アルキル−C(O)−または(C1〜C6)アルキル−SO2−である、
使用。
【請求項3】
請求項2に記載の使用であって、前記アデノシンA2aレセプターアンタゴニストが、式
【化9】
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒化合物からなる群から選択され、ここでRおよびZ−Yは、以下の表:
【表1】
に規定した通りである、使用。
【請求項4】
請求項3に記載の使用であって、前記アデノシンA2aレセプターアンタゴニストが、
【化10】
またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒化合物である、使用。
【請求項5】
請求項1に記載の使用であって、前記錐体外路症候群が、定型抗精神病薬または非定型抗精神病薬を用いる処置によって引き起こされている、使用。
【請求項6】
請求項5に記載の使用であって、前記定型抗精神病薬が、ロクサピン、ハロペリドール、クロルプロマジン、プロクロルペラジンおよびチオチキセンからなる群から選択され、前記非定型抗精神病薬が、クロザピン、オランザピン、ロクサピン、クエチアピン、ジプラシドンおよびリスペリドンからなる群から選択される、使用。
【請求項7】
請求項5に記載の使用であって、前記アデノシンA2aレセプターアンタゴニスト医薬と組み合わせて使用するための医薬の調製のための抗精神病薬の使用をさらに包含する、使用。
【請求項8】
請求項7に記載の使用であって、前記抗精神病薬が、ロクサピン、ハロペリドール、クロルプロマジン、プロクロルペラジンおよびチオチキセンからなる群から選択される定型抗精神病薬、またはクロザピン、オランザピン、ロクサピン、クエチアピン、ジプラシドンおよびリスペリドンからなる群から選択される非定型抗精神病薬である、使用。
【請求項9】
キットであって、該キットは、単一の包装の中の別々の容器に、抗精神病薬を用いる処置によって引き起こされる錐体外路症候群(EPS)を処置または予防するために組み合わせて使用するための薬学的組成物を備え、ここで、1つの容器は、薬学的に受容可能なキャリア中に有効量のアデノシンA2aレセプターアンタゴニストを含む薬学的組成物を含み、別の容器は、有効量の抗精神病薬を含む薬学的組成物を含む、キット。
【請求項10】
請求項1に記載の使用であって、特発性失調症またはコカインの使用によって引き起こされる失調症の処置のための、使用。
【請求項11】
請求項1に記載の使用であって、三環系抗鬱薬、リチウムまたは鎮痙剤を用いる処置によって引き起こされる失調症の処置または予防のための、使用。
【請求項12】
請求項11に記載の使用であって、前記アデノシンA2aレセプターアンタゴニスト医薬と組み合わせて使用するための医薬の調製のための三環系抗鬱薬、リチウムまたは鎮痙剤の使用をさらに包含する、使用。
【請求項13】
請求項12に記載の使用であって、前記三環系抗鬱薬が、パーフェナジン、アミトリプチリン、デシプラミン、ドキセピン、トリミプラミンおよびプロトリプチリンからなる群から選択され、前記鎮痙薬が、フェニトイン、カルバマゼピンおよびギャバペンチンからなる群から選択される、使用。
【請求項14】
キットであって、該キットは、単一の包装の中の別々の容器に、三環系抗鬱薬、リチウムまたは鎮痙薬を用いる処置によって引き起こされる失調症を処置または予防するために組み合わせて使用するための薬学的組成物を備え、ここで、1つの容器は、薬学的に受容可能なキャリア中に有効量のアデノシンA2aレセプターアンタゴニストを含む薬学的組成物を含み、別の容器は、有効量の三環形抗鬱薬、リチウムまたは鎮痙薬を含む薬学的組成物を含む、キット。
【請求項15】
不穏下肢症候群または睡眠時周期性四肢運動を処置するための医薬の調製のためのアデノシンA2aレセプターアンタゴニストの使用。
【請求項16】
請求項15に記載の使用であって、前記アデノシンA2aアンタゴニストが、請求項2に規定した通りである、使用。
【請求項17】
請求項15に記載の使用であって、前記アデノシンA2aレセプターアンタゴニスト医薬と組み合わせて使用するための医薬の調製のための、レボドパ/カルビドパ、レボドパ/ベンセラジド、ドパミンアゴニスト、ベンゾジアゼピン、オピオイド、鎮痙薬または鉄の使用をさらに包含する、使用。
【請求項18】
キットであって、該キットは、単一の包装の中の別々の容器に、不穏下肢症候群または睡眠時周期性四肢運動を処置または予防するために組み合わせて使用するための薬学的組成物を備え、ここで、1つの容器は、薬学的に受容可能なキャリア中に有効量のアデノシンA2aレセプターアンタゴニストを含む薬学的組成物を含み、別の容器は、有効量のドパミンアゴニスト、ベンゾジアゼピン、オピオイド、鎮痙薬または鉄を含む薬学的組成物を含む、キット。
【請求項1】
錐体外路症候群または失調症の処置または予防のための医薬の調製のためのアデノシンA2aレセプターアンタゴニストの使用。
【請求項2】
請求項1に記載の使用であって、前記アデノシンA2aアンタゴニストが、式:
【化1】
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩であり、ここで
Rは、R1−フラニル、R1−チエニル、R1−ピリジル、R1−ピリジルN−オキシド、R1−オキサゾリル、R10−フェニル、R1−ピロリルまたはC4〜C6シクロアルケニルであり;
Xは、C2〜C6アルキレンまたは−C(O)CH2−であり;
Yは、−N(R2)CH2CH2N(R3)−、−OCH2CH2N(R2)−、−O−、−S−、−CH2S−、−(CH2)2−NH−、または
【化2】
であり、そして
Zは、R5−フェニル、R5−フェニル(C1〜C6)アルキル、R5−ヘテロアリール、ジフェニルメチル、R6−C(O)−、R6−SO2−、R6−OC(O)−、R7−N(R8)−C(O)−、R7−N(R8)−C(S)−、
【化3】
、フェニル−CH(OH)−、またはフェニル−C(=NOR2)−であり;あるいはQが、
【化4】
である場合、Zもまた、フェニルアミノまたはピリジルアミノであり;あるいは
ZおよびYは、一緒になって、
【化5】
であり;
R1は、水素、C1〜C6−アルキル、−CF3、ハロゲン、−NO2、−NR12R13、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、C1〜C6アルキルスルフィニル、およびC1〜C6アルキルスルホニルから独立して選択される1〜3個の置換基であり;
R2ならびにR3は、水素およびC1〜C6アルキルからなる群から独立して選択され;
mおよびnは、独立して2〜3であり;
Qは、
【化6】
であり;
R4は、水素およびC1〜C6アルキルからなる群から独立して選択される1〜2個の置換基であるか、または同じ炭素上の2個のR4の置換基は、=Oを形成し得;
R5は、水素、ハロゲン、C1〜C6アルキル、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、−CN、ジ((C1〜C6)アルキル)アミノ、−CF3、−OCF3、アセチル、−NO2、ヒドロキシ(C1〜C6)アルコキシ、(C1〜C6)−アルコキシ(C1〜C6)アルコキシ、ジ((C1〜C6)−アルコキシ)(C1〜C6)アルコキシ、(C1〜C6)−アルコキシ(C1〜C6)アルコキシ−(C1〜C6)−アルコキシ、カルボキシ(C1〜C6)−アルコキシ、(C1〜C6)−アルコキシカルボニル(C1〜C6)アルコキシ、(C3〜C6)シクロアルキル(C1〜C6)アルコキシ、ジ((C1〜C6)アルキル)アミノ(C1〜C6)アルコキシ、モルホリニル、(C1〜C6)アルキル−SO2−、(C1〜C6)アルキル−SO2−(C1〜C6)アルコキシ、テトラヒドロピラニルオキシ、(C1〜C6)アルキルカルボニル(C1〜C6)−アルコキシ、(C1〜C6)−アルコキシカルボニル、(C1〜C6)アルキルカルボニルオキシ(C1〜C6)−アルコキシ、−SO2NH2、フェノキシ、
【化7】
からなる群から独立して選択される1〜5個の置換基であるか;あるいは隣接したR5の置換基は、一緒になって、−O−CH2−O−、−O−CH2CH2−O−、−O−CF2−O−または−O−CF2CF2−O−であり、そして該R5の置換基が結合する炭素原子と環を形成し;
R6は、(C1〜C6)アルキル、R5−フェニル、R5−フェニル(C1〜C6)アルキル、チエニル、ピリジル、(C3〜C6)−シクロアルキル、(C1〜C6)アルキル−OC(O)−NH−(C1〜C6)アルキル−、ジ((C1〜C6)アルキル)アミノメチル、または
【化8】
であり;
R7は、(C1〜C6)アルキル、R5−フェニルまたはR5−フェニル(C1〜C6)アルキルであり;
R8は、水素またはC1〜C6アルキルであり;あるいはR7およびR8は、一緒になって、−(CH2)p−A−(CH2)qであり、ここでpおよびqは、独立して2または3であり、Aは、結合、−CH2−、−S−または−O−であり、そしてR7およびR8が結合する窒素と環を形成し;
R9は、水素、C1〜C6アルキル、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、ハロゲン、−CF3および(C1〜C6)アルコキシ(C1〜C6)アルコキシから独立して選択される1〜2個の基であり;
R10は、水素、ハロゲン、C1〜C6アルキル、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、−CN、−NH2、C1〜C6アルキルアミノ、ジ((C1〜C6)アルキル)アミノ、−CF3、−OCF3および−S(O)0〜2(C1〜C6)アルキルからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基であり;
R11は、H、C1〜C6アルキル、フェニル、ベンジル、C2〜C6アルケニル、C1〜C6アルコキシ(C1〜C6)アルキル、ジ((C1〜C6)アルキル)アミノ(C1〜C6)アルキル、ピロリジニル(C1〜C6)アルキルまたはピペリジノ(C1〜C6)アルキルであり;
R12は、HまたはC1〜C6アルキルであり;そして
R13は、(C1〜C6)アルキル−C(O)−または(C1〜C6)アルキル−SO2−である、
使用。
【請求項3】
請求項2に記載の使用であって、前記アデノシンA2aレセプターアンタゴニストが、式
【化9】
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒化合物からなる群から選択され、ここでRおよびZ−Yは、以下の表:
【表1】
に規定した通りである、使用。
【請求項4】
請求項3に記載の使用であって、前記アデノシンA2aレセプターアンタゴニストが、
【化10】
またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒化合物である、使用。
【請求項5】
請求項1に記載の使用であって、前記錐体外路症候群が、定型抗精神病薬または非定型抗精神病薬を用いる処置によって引き起こされている、使用。
【請求項6】
請求項5に記載の使用であって、前記定型抗精神病薬が、ロクサピン、ハロペリドール、クロルプロマジン、プロクロルペラジンおよびチオチキセンからなる群から選択され、前記非定型抗精神病薬が、クロザピン、オランザピン、ロクサピン、クエチアピン、ジプラシドンおよびリスペリドンからなる群から選択される、使用。
【請求項7】
請求項5に記載の使用であって、前記アデノシンA2aレセプターアンタゴニスト医薬と組み合わせて使用するための医薬の調製のための抗精神病薬の使用をさらに包含する、使用。
【請求項8】
請求項7に記載の使用であって、前記抗精神病薬が、ロクサピン、ハロペリドール、クロルプロマジン、プロクロルペラジンおよびチオチキセンからなる群から選択される定型抗精神病薬、またはクロザピン、オランザピン、ロクサピン、クエチアピン、ジプラシドンおよびリスペリドンからなる群から選択される非定型抗精神病薬である、使用。
【請求項9】
キットであって、該キットは、単一の包装の中の別々の容器に、抗精神病薬を用いる処置によって引き起こされる錐体外路症候群(EPS)を処置または予防するために組み合わせて使用するための薬学的組成物を備え、ここで、1つの容器は、薬学的に受容可能なキャリア中に有効量のアデノシンA2aレセプターアンタゴニストを含む薬学的組成物を含み、別の容器は、有効量の抗精神病薬を含む薬学的組成物を含む、キット。
【請求項10】
請求項1に記載の使用であって、特発性失調症またはコカインの使用によって引き起こされる失調症の処置のための、使用。
【請求項11】
請求項1に記載の使用であって、三環系抗鬱薬、リチウムまたは鎮痙剤を用いる処置によって引き起こされる失調症の処置または予防のための、使用。
【請求項12】
請求項11に記載の使用であって、前記アデノシンA2aレセプターアンタゴニスト医薬と組み合わせて使用するための医薬の調製のための三環系抗鬱薬、リチウムまたは鎮痙剤の使用をさらに包含する、使用。
【請求項13】
請求項12に記載の使用であって、前記三環系抗鬱薬が、パーフェナジン、アミトリプチリン、デシプラミン、ドキセピン、トリミプラミンおよびプロトリプチリンからなる群から選択され、前記鎮痙薬が、フェニトイン、カルバマゼピンおよびギャバペンチンからなる群から選択される、使用。
【請求項14】
キットであって、該キットは、単一の包装の中の別々の容器に、三環系抗鬱薬、リチウムまたは鎮痙薬を用いる処置によって引き起こされる失調症を処置または予防するために組み合わせて使用するための薬学的組成物を備え、ここで、1つの容器は、薬学的に受容可能なキャリア中に有効量のアデノシンA2aレセプターアンタゴニストを含む薬学的組成物を含み、別の容器は、有効量の三環形抗鬱薬、リチウムまたは鎮痙薬を含む薬学的組成物を含む、キット。
【請求項15】
不穏下肢症候群または睡眠時周期性四肢運動を処置するための医薬の調製のためのアデノシンA2aレセプターアンタゴニストの使用。
【請求項16】
請求項15に記載の使用であって、前記アデノシンA2aアンタゴニストが、請求項2に規定した通りである、使用。
【請求項17】
請求項15に記載の使用であって、前記アデノシンA2aレセプターアンタゴニスト医薬と組み合わせて使用するための医薬の調製のための、レボドパ/カルビドパ、レボドパ/ベンセラジド、ドパミンアゴニスト、ベンゾジアゼピン、オピオイド、鎮痙薬または鉄の使用をさらに包含する、使用。
【請求項18】
キットであって、該キットは、単一の包装の中の別々の容器に、不穏下肢症候群または睡眠時周期性四肢運動を処置または予防するために組み合わせて使用するための薬学的組成物を備え、ここで、1つの容器は、薬学的に受容可能なキャリア中に有効量のアデノシンA2aレセプターアンタゴニストを含む薬学的組成物を含み、別の容器は、有効量のドパミンアゴニスト、ベンゾジアゼピン、オピオイド、鎮痙薬または鉄を含む薬学的組成物を含む、キット。
【図1A】
【図1B】
【図1B】
【公開番号】特開2011−6431(P2011−6431A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−177518(P2010−177518)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【分割の表示】特願2005−510511(P2005−510511)の分割
【原出願日】平成15年12月17日(2003.12.17)
【出願人】(596129215)シェーリング コーポレイション (785)
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−177518(P2010−177518)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【分割の表示】特願2005−510511(P2005−510511)の分割
【原出願日】平成15年12月17日(2003.12.17)
【出願人】(596129215)シェーリング コーポレイション (785)
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【Fターム(参考)】
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