説明

アトピー性湿疹緩和剤組成物

【課題】陰イオンを多量放出し、皮膚を補湿し、アトピー性湿疹症状を抑制または緩和できるアトピー性湿疹緩和剤組成物を提供する。
【解決手段】アルカリイオン水に絹雲母又は貴陽石からなる群から選択される10,000メッシュの天然鉱石物粉末と、10,000メッシュの松葉粉末と、4,000メッシュの抗菌剤粉末と、緑茶葉粉末と、玉ネギ皮粉末と、エタノールとが含まれる。したがって、アトピー性湿疹緩和剤組成物は、天然植物性及び鉱物性材料からなって、アトピー性湿疹の促進因子であるオゾン分子を陰イオン化し、アトピー性湿疹の患部を補湿し、葡萄状球菌などとアトピーを発生させる細菌に対する坑菌力を提供することによって、皮膚のアトピー性湿疹症状を抑制または緩和する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天然植物性及び鉱物性材料からなり、皮膚に塗布されて、アトピー性湿疹症状を緩和するアトピー性湿疹緩和剤組成物に関し、さらに詳細には、陰イオンを多量放出してアトピー性湿疹の促進因子であるオゾン分子を陰イオン化し、アトピー性皮膚を補湿し、アトピー患部に坑菌力を提供することによって、アトピー性湿疹症状を総合的に抑制、緩和させる天然材料を利用したアトピー性湿疹緩和剤組成物及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近来、アトピー又は湿疹(アトピー性湿疹)患者が大きく増加しており、特に、皮膚が弱くて抵抗力が不足した子供アトピー性湿疹患者が急増し、患者の症状も悪化している。アトピー性湿疹は、各種汚染物質及び葡萄状球菌などの細菌に皮膚が過敏反応を起こして発生する皮膚疾患であるが、特に、乾燥した皮膚又は皮膚が乾燥した状態で発病しやすい。
アトピー性湿疹を引き起こす、または、進行させる要因は様々であるが、大気中のオゾン濃度が増加するほど、アトピー性湿疹患者の発病率もともに増加し、かつ患者の症状も深刻に悪化するという相関関係が発見されている。これにより、大気中のオゾンがアトピー性湿疹の発病を促進し、発病したアトピー性湿疹の症状を急激に悪化させるものとして知られている。
【0003】
大気中のオゾンは、自動車排気ガスや工場などから排出される汚染物質が太陽光線と光化学反応を起こして発生する2次汚染物質であるから、産業化と経済開発が進むにつれて、アトピー性湿疹患者が急増している。
具体的に、大気汚染の深刻な都市でのアトピー性湿疹発病率は農漁村でのアトピー性湿疹発病率よりはるかに高く、特に、大気中のオゾン濃度が50ppb増加する時ごとに、子供アトピー性湿疹患者の入院率が73%増加すると報告されている。ここで、アトピー性湿疹患者が病院に入院する程であれば、既にアトピー性湿疹の症状が深刻に進行したということを意味するので、病院に入院しない程度の症状を有するアトピー性湿疹患者の発病率は極めて高い割合で増加するものと推定されている。
【0004】
また、重症のアトピー性湿疹患者を空気の清らかな田舎で療養させた結果、アトピー性湿疹が完治し、又は、最小限外形上のアトピー性湿疹症状が発見されない程度に治癒したという多数事例の報告から推察すると、オゾンがアトピー性湿疹の症状を促進して悪化させるということは定説として認められている。
したがって、理論的にアトピー性湿疹の患部からオゾンを遮断すると、アトピー性湿疹の症状を大きく抑制、緩和することができる。しかしながら、実際にアトピー性湿疹の患部からオゾンを遮断するということは、前記アトピー性湿疹の患部から空気を遮断するのを意味し、これは、アトピー性湿疹の抑制、緩和に効果がなく、かつ、他の皮膚疾患を引き起こす恐れがある。
【0005】
ところが、自動車排気ガスや工場などから排出される汚染物質が出発物質であるオゾンは、陽イオンオゾンと陰イオンオゾンに区分され、その中でも皮膚のアトピー性湿疹を促進するのは陽イオンオゾンと確認されている。
これにより、アトピー性湿疹の患部と接触するオゾンの中で、陽イオンオゾンのみを遮断するか、又は、アトピー性湿疹の患部と接触するオゾン自体を陰イオン化して陰イオンオゾンに転換すると、前記アトピー性湿疹を大きく抑制、緩和することができる。そして、アトピー性湿疹の患部と接触するオゾンを陰イオン化するとともに、前記患部を十分に補湿するとき、両機能が上昇作用を起こして、アトピー性湿疹の症状を大きく抑制、緩和し、さらに治療効果まで期待することができる。
【0006】
都市化、産業化が進むにつれて、皮膚のアトピー性湿疹の発病率が高くなり、症状が激しくなって、社会的な問題として台頭するのに伴い、各種植物材料、生薬材などの天然材料又は人体に無害な化合物を使用して、皮膚のアトピー性湿疹をある程度抑制、緩和する組成物が開発されているが、開発された組成物は、共通して皮膚のアトピー性湿疹を促進するオゾン分子を陰イオン化する機能が欠如しているため、アトピー性湿疹を十分に抑制緩和するのに限界があるという問題点がある。
【0007】
例えば、特許文献1では、天然非イオン界面活性剤、高級アルコール、保湿成分、抗炎成分、かゆみ症抑制成分が含有されるアトピー性皮膚炎改善用皮膚外用組成物が開示されている。
このようなアトピー性皮膚炎改善用皮膚外用組成物は、乾燥した皮膚を補湿して炎症とかゆみ症を緩和させてアトピー性皮膚炎を改善する効果を有しているが、皮膚のアトピー性湿疹を促進するオゾン分子を陰イオン化する機能が欠如しているため、アトピー性皮膚炎の治療に限界があるという問題点がある。
【0008】
また、特許文献2では、ケイ酸ナトリウム、ヒマシ油、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム及び精製水が含まれるアトピー性皮膚炎を改善させる組成物が開示されている。
このようなアトピー性皮膚炎を改善させる組成物は、生活細胞の代謝作用に関与してアトピー性皮膚炎を緩和する効果を有しているが、皮膚を補湿する機能が不足しており、皮膚のアトピー性湿疹を促進するオゾン分子を陰イオン化する機能が欠如しているから、アトピー性皮膚炎の治療に限界があるという問題点がある。
【0009】
また、特許文献3では、塩酸ドキセピンが溶解されたオイル状を水状に混合して均質化させた塩酸ドキセピンを有効成分として含有するアトピー疾患治療用外用剤組成物が開示されている。
このような塩酸ドキセピンを有効成分として含有するアトピー疾患治療用外用剤組成物は、皮膚に補湿効果を提供してアトピー疾患を治療し得る効果を有している。しかしながら、このようなアトピー疾患治療用外用剤組成物は、化合物である塩酸ドキセピンを主成分として含有しているから、副作用の発生の可能性があり、皮膚のアトピー性湿疹を促進するオゾン分子を陰イオン化することができないため、アトピー疾患の治療に限界があるという問題点がある。
【0010】
また、特許文献4では、イブキ葉抽出物を主成分とするアトピー性皮膚炎外用治療剤組成物が開示されている。
このようなアトピー性皮膚炎外用治療剤組成物は、イブキ葉の固有な漢方機能によってアトピー性皮膚炎をある程度緩和させる効果を有しているが、皮膚を補湿する機能が不足しており、皮膚のアトピー性湿疹を促進するオゾン分子を陰イオン化できないため、アトピー性皮膚炎の治療に限界があるという問題点がある。
【0011】
また、特許文献5では、決明子、藁本、ベトニーなどの各種生薬材を含有して構成されるアトピー性皮膚炎治療用組成物が開示されている。
このような生薬材を含有するアトピー性皮膚炎治療用組成物は、生薬材によって皮膚の過敏症状を鎮静させて、アトピー性皮膚炎をある程度緩和させる効果を有しているが、皮膚のアトピー性湿疹を促進するオゾン分子を陰イオン化できないため、アトピー性皮膚炎の治療に限界があるという問題点がある。
上記のように皮膚に塗布する組成物の他にも、特許文献6では、緑豆粉、白附子、白及、白斂などの各種漢薬の材料を有効成分として含んで、血液不足による乾燥症状によるアトピー治療のための入浴剤組成物及びこれを含む入浴剤バッグが開示されている。
【0012】
このような血液不足による乾燥症状によるアトピー治療のための入浴剤組成物及びこれを含む入浴剤バッグは、人体の血液不足による乾燥症状を緩和して、アトピー性疾患をある程度緩和させる効果を有している。しかしながら、皮膚のアトピー性湿疹を促進するオゾン分子を陰イオン化させず、入浴時にだけ使用できるため、使用に制限があり、人体の乾燥症状を緩和する効果が一時的なことにすぎないという実用面での問題点がある。
また、特許文献7では、青紫蘇葉と赤紫蘇葉の水抽出液、塩を含むアトピー性皮膚炎治療用機能性食品が開示されている。
このようなアトピー性皮膚炎治療用機能性食品は、アトピー性皮膚炎の症状を緩和する効果は多少あるが、アトピー性皮膚炎の患部に直接作用できないという問題点がある。
【0013】
【特許文献1】大韓民国公開特許公報第10−2002−46329号
【特許文献2】大韓民国公開特許公報第10−2004−46776号
【特許文献3】大韓民国公開特許公報第10−2005−121107号
【特許文献4】大韓民国公開特許公報第10−2006−72673号
【特許文献5】大韓民国公開特許公報第10−2006−118809号
【特許文献6】大韓民国公開特許公報第10−2006−33608号
【特許文献7】大韓民国公開特許公報第10−2002−61964号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、天然植物性及び鉱物性材料からなって、アトピー性湿疹の促進因子であるオゾン分子を陰イオン化し、アトピー性湿疹の患部を補湿し、葡萄状球菌などとアトピーを発生させる細菌に対する坑菌力を提供することによって、皮膚のアトピー性湿疹症状を抑制、緩和するアトピー性湿疹緩和剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の目的を達成すべく、本発明は、アルカリイオン水100重量部を基準に、絹雲母又は貴陽石からなる群から選択される10,000メッシュの天然鉱石物粉末25〜35重量部と、10,000メッシュの松葉粉末35〜45重量部と、4,000メッシュの抗菌剤粉末0.5〜1重量部と、緑茶葉粉末7〜12重量部と、玉ネギ皮粉末0.5〜1重量部と、エタノール0.5〜1重量部とが含まれるアトピー性湿疹緩和剤組成物が提供される。
本発明によるアトピー性湿疹緩和剤組成物は、アトピー性皮膚を補湿し、陰イオンを多量放出してアトピー性湿疹の促進因子であるオゾン分子を陰イオン化することによって、アトピー性湿疹を緩和させる効果がある。
【発明の効果】
【0016】
本発明によるアトピー性湿疹緩和剤組成物は、陰イオンを多量放出して、アトピー性湿疹の促進因子であるオゾン分子を陰イオン化し、アトピー性皮膚を補湿し、アトピー患部に坑菌力を提供することによって、アトピー性湿疹症状を総合的に抑制、緩和させる効果を有している。
また、本発明のアトピー性湿疹緩和剤組成物は、自然香の松の香りを放出し続けて、組成物ユーザの満足感を向上させる効果を有している。
また、本発明のアトピー性湿疹緩和剤組成物は、製造過程が単純であるから、価格が低廉である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
本発明のアトピー性湿疹緩和剤組成物に対する一実施例を詳細に説明する。
本発明の一実施例によるアトピー性湿疹緩和剤組成物は、溶媒であるアルカリイオン水に松葉粉末、絹雲母又は貴陽石からなる群から選択される天然鉱石物粉末、抗菌剤粉末、玉ネギ皮粉末、緑茶葉粉末、エタノール及びニンジン抽出液が混合されて構成される。
【0018】
上記のアトピー性湿疹緩和剤組成物の各種構成成分を溶解するために、アルカリイオン水を溶媒として使用する。水を電気分解すると、陰イオンが荷電されたアルカリイオン水と陽イオンが荷電された酸性イオン水に分離されるが、本発明では、アトピー性湿疹緩和剤組成物の陰イオン放出機能を向上させるために、アルカリイオン水を溶媒として使用する。このようなアルカリイオン水は、人体内部から発生する有害酸素(活性酸素)と結合して、人体外部に排出させ、かつ各種酸性の老廃物を引き寄せるエネルギーがあって、自然免疫力を高めることができる。
【0019】
水は、水分子が均一に分布している状態ではなく、複数の水分子がクラスター状態に固まっている状態で存在し、水分子のクラスターの大きさが減少するほど、人体に浸透する機能が向上する傾向を有している。
具体的に、水分子のクラスターの大きさは、核磁気共鳴測定機器(NMR)によって測定できる。一般的な水道水で核磁気共鳴測定機器を使用して水分子のクラスターの大きさを測定した結果、水道水の水分子のクラスターの大きさは120Hzである反面、人体の細胞の大きさは60Hzであるから、前記水道水の水分子が人体に浸透することは極めて困難である。上記のように、水道水の水分子が人体に浸透することが極めて困難であるから、人体の皮膚を補湿する機能が不足し、水道水又は水道水を単純精製した精製水は本発明のアトピー性湿疹緩和剤組成物を構成するのに使用することができない。
【0020】
ところが、水が高度に電気分解されて陰イオンが多量荷電されるほど、水分子のクラスターの大きさが減少する傾向を有している。したがって、本発明では、陰イオンが多量荷電されて、人体の細胞より小さな54Hzの水分子クラスターの大きさを有しているアルカリイオン水を溶媒として使用して、アトピー性湿疹緩和剤組成物を構成する。上記のように、水を高度に電気分解して陰イオンを多量荷電させることにより、人体の細胞より小さな54Hzのクラスターの大きさを有しているアルカリイオン水を溶媒として使用して構成されるアトピー性湿疹緩和剤組成物は、人体に対する浸透力が優れているから、人体の皮膚を補湿する効果が卓越している。
【0021】
また、陰イオンが多量荷電されて、54Hzのクラスターの大きさを有しているアルカリイオン水である溶媒と、陰イオン、遠赤外線を放出する天然鉱石物粉末、松葉粉末が相互上昇作用を起こして、アトピー性湿疹緩和剤組成物の陰イオン放出効果が大きく向上する効果を有している。
このようなアルカリイオン水100重量部を基準に絹雲母又は貴陽石からなる群から選択される10,000メッシュの天然鉱石物粉末25〜35重量部、10,000メッシュの松葉粉末35〜45重量部、4,000メッシュの抗菌剤粉末0.5〜1重量部、緑茶葉粉末7〜12重量部、玉ネギ皮粉末0.5〜1重量部、エタノール0.5〜1重量部及びニンジン抽出液0.5〜1重量部の混合物からアトピー性湿疹緩和剤組成物が構成される。
【0022】
まず、本発明の一実施例によるアトピー性湿疹緩和剤組成物は、絹雲母又は貴陽石からなる群から選択される天然鉱石物粉末が含まれる。
アトピー性湿疹緩和剤組成物に含まれる絹雲母は、粘土鉱物の一種であって、色合いは銀白色で絹糸光沢が強く現れる。鉱物学的には、雲母族に属し、化学組成と結晶構造は白雲母と似ており、多量の遠赤外線と陰イオンを放出し、各種有害物質を吸着する機能を有する。絹雲母から発散される遠赤外線は、人体に30〜50mmの深さまで深く浸透して、共振及び共鳴作用して磁気発熱を起こすことによって、人体内で血液循環を促進させ、細胞組織内の老廃物と有害重金属を汗腺を通じて皮膚の外に排出させる。これにより、人体内の新陳代謝を円滑にして、人体の自然治癒力を向上することにより、肩痛、腰痛、リューマチズムなどに効果があり、各種治療療法と上昇效果も期待することができる。
【0023】
また、貴陽石は、約6,500万年前の地殻変動による高温暖水作用により形成された鉱物であって、多量の遠赤外線を放出して人体の細胞を暖かくすることによって、血液循環を向上させ、新陳代謝を促進して細胞を活性化する。また、多量の陰イオンを放出して水クラスターを小さく割ることによって、水の浸透及び分散、油分の油化、発毛、育毛などの効果を示す。貴陽石から放出される陰イオンによりクラスターの大きさが小さくなった水は、人体に容易に吸収されてアクティブになって、皮膚に充分な水分を供給する補湿効果を提供する。
【0024】
本発明では、絹雲母粉末又は貴陽石粉末が単独で使用されて、天然鉱石物粉末が構成されるか、又は、混合されて、天然鉱石物粉末が構成される。
このような天然鉱石物粉末は、単位重量当りの表面積が大きければ大きいほど、すなわち、粉末の大きさが微細なほど、空気との接触面積が増加して、オゾンの陰イオン化機能と補湿機能が向上するという特性を有する。すなわち、天然鉱石物粉末の重量が同じ場合、サイズの大きい天然鉱石物粉末の方よりサイズの微細な天然鉱石物粉末の方が大気中のオゾン分子と接触する可能性が全体的により大きくなるため、前記オゾン分子を陰イオン化する機能が向上する。
【0025】
したがって、本発明では、絹雲母、貴陽石をナノ粉砕機で7,000rpmの超高速でナノ粉砕して形成される10,000メッシュの極めて微細な絹雲母粉末、貴陽石粉末が含まれて、アトピー性湿疹緩和剤組成物が構成される。
上記のように、10,000メッシュに極めて微細に粉砕されて、陰イオンと遠赤外線を放出する絹雲母粉末、貴陽石粉末からなる群から選択される天然鉱石物粉末が含まれたアトピー性湿疹緩和剤組成物は、空気中のオゾン分子と緊密に接触して、前記オゾン分子を陰イオン化させる。
【0026】
混合物に含まれる天然鉱石物粉末の含量が25重量部未満であると、前記混合物から構成されるアトピー性湿疹緩和剤組成物のオゾンの陰イオン化機能と補湿機能が低下し、天然鉱石物粉末の含量が35重量部を超過すると、前記混合物が過剰ゲル化し、製造されたアトピー性湿疹緩和剤組成物の触感が低下する。
また、本発明の一実施例によるアトピー性湿疹緩和剤組成物に陰イオン放出機能を提供するために、10,000メッシュの微細な松葉粉末が含まれる。
【0027】
松葉は、テルペン系のフィトンチッドが豊富に含まれているから、それ自体から陰イオンを発生し、人体に有益なビタミンとミネラルが多量に含まれている材料である。また、松葉は、アトピー性湿疹緩和剤組成物に松の香りを提供して、ユーザの満足感を向上させる。
このような松葉粉末は、単位重量当りの表面積が大きければ大きいほど、すなわち、粉末の大きさが微細なほど、空気との接触面積が増加されて空気中のオゾンを陰イオン化する機能が向上するという特性を有する。具体的に、松葉粉末の重量が同じ場合、サイズの大きい松葉粉末の方よりサイズの微細な松葉粉末の方が大気中のオゾン分子と接触する可能性が全体的により大きくなるため、前記オゾン分子を陰イオン化する機能が向上する。
【0028】
したがって、本発明では、松葉を洗浄し、その表面の水気が消えるまで自然乾燥し、前記乾燥した松葉をナノ粉砕機で7,000rpmの超高速でナノ粉砕して形成される10,000メッシュの極めて微細な松葉粉末が用いられる。
上記のように、10,000メッシュに極めて微細に粉砕されて陰イオンを放出する松葉粉末は、空気中のオゾン分子と緊密に接触して、前記オゾン分子を陰イオン化させる。
【0029】
混合物に含まれる松葉粉末の含量が35重量部未満であると、前記混合物から構成されるアトピー性湿疹緩和剤組成物のオゾンの陰イオン化機能と松の香りの放出量が低下し、松葉粉末の含量が45重量部を超過すると、アトピー性湿疹緩和剤組成物の機械的物性が低下する。
また、本発明の一実施例によるアトピー性湿疹緩和剤組成物は、葡萄状球菌などの各種細菌に対する坑菌機能を提供する4,000メッシュの抗菌剤粉末が含まれる。
【0030】
このような抗菌剤粉末は、単位重量当りの表面積が大きければ大きいほど、すなわち、粉末の大きさが微細なほど、空気及び皮膚との接触面積が増加して、坑菌機能が向上するという特性を有する。すなわち、抗菌剤粉末の重量が同じ場合、サイズの大きい抗菌剤粉末の方よりサイズの微細な抗菌剤粉末の方が空気及び皮膚との接触面積が全体的により大きくなるため、葡萄状球菌などの各種細菌に対する坑菌機能が向上する。
【0031】
したがって、本発明では、抗菌剤をナノ粉砕機で5、000rpmの高速でナノ粉砕して形成される4000メッシュの抗菌剤粉末が使用される。
混合物に含まれる抗菌剤粉末の含量が0.5重量部未満であると、前記混合物から構成されるアトピー性湿疹緩和剤組成物のオゾンの坑菌機能が低下し、抗菌剤粉末の含量が1重量部であると、アトピー性湿疹緩和剤組成物に充分な坑菌機能が提供される。
【0032】
また、本発明の一実施例によるアトピー性湿疹緩和剤組成物は、アルカリイオン水100重量部を基準に緑茶葉粉末7〜12重量部が含まれる。
緑茶葉は、カテキンが多量に含まれているから、各種成人病の予防機能、坑癌機能、殺菌機能が卓越しており、ビタミンC、ビタミンE、ベータカロチン、食物繊維、ミネラル及び葉緑素が豊富に含まれている。
【0033】
混合物に含まれる緑茶葉粉末の含量が7重量部未満であると、前記混合物から構成されるアトピー性湿疹緩和剤組成物の各種成人病の予防機能、坑癌機能、殺菌機能が低下し、緑茶葉粉末の含量が12重量部を超過すると、前記混合物が正しくゲル化しない。
また、本発明の一実施例によるアトピー性湿疹緩和剤組成物は、アルカリイオン水100重量部を基準に玉ネギ皮粉末0.5〜1重量部が含まれる。
【0034】
玉ネギ皮は、強力な殺菌及び防かび機能を有しているアリシン(allicin)を含んでいるから、天然食品類の中で防かび効果が最も卓越しているので、アトピー性湿疹緩和剤組成物に防かび機能を付与して、化学的な防かび剤の必要性を低減させる。
混合物に含まれる玉ネギ皮粉末の含量が0.5重量部未満であると、前記混合物から構成されるアトピー性湿疹緩和剤組成物の殺菌及び防かび機能が低下し、玉ネギ皮粉末の含量が1重量部を超過すると、アトピー性湿疹緩和剤組成物の機械的物性が低下する。
【0035】
また、本発明の一実施例によるアトピー性湿疹緩和剤組成物は、保存性を向上させるために、アルカリイオン水100重量部を基準にエタノール0.5〜1重量部が含まれる。
混合物に含まれるエタノールは、植物性材料が発酵して形成される天然エタノールを使用することがエタノールの不純物によってユーザの健康に影響を及ぼさないという側面で好ましい。
混合物に含まれるエタノールの含量が0.5重量部未満であると、前記混合物から構成されるアトピー性湿疹緩和剤組成物の保存性が低下し、エタノールの含量が1重量部であると、アトピー性湿疹緩和剤組成物に充分な保存性が提供される。
【0036】
また、本発明の一実施例によるアトピー性湿疹緩和剤組成物は、抗酸化機能を提供するために、アルカリイオン水100重量部を基準にニンジン抽出液0.5〜1重量部がさらに含まれることができる。
ニンジンは、ビタミンAの前物質であるベータカロチンが豊富に含まれており、発癌物質と毒性物質を無力化させ、抗酸化機能が極めて卓越しているから、有害酸素が細胞を損傷させるのを防止する。また、漢方では、ニンジンが心臓と胃腸を強くし、肺にも良いものとして知られている。
【0037】
このようなニンジンを洗浄して、表面の水気が消えるまで自然乾燥し、前記乾燥したニンジンを粉砕してニンジン粉砕物を形成し、前記ニンジン粉砕物をろ過して液状成分であるニンジン抽出液が回収して得られる。
混合物に含まれるニンジン抽出液の含量が0.5重量部未満であると、前記混合物から構成されるアトピー性湿疹緩和剤組成物の抗酸化機能、解毒機能が低下し、ニンジン抽出液の含量が1重量部であると、アトピー性湿疹緩和剤組成物に充分な抗酸化機能が提供される。
【0038】
上記のような構成成分と含量で製造される混合物を80〜90℃で110〜130分間撹拌してゲル化し、常温に急冷し、120時間の間で熟成してゲル形態をなすアトピー性湿疹緩和剤組成物を構成する。
混合物のゲル化過程で蒸発されるアルカリイオン水を回収して再投入しながらゲル化させることによって、前記混合物の構成成分をそのまま維持する。
【0039】
上記のように、本発明によるアトピー性湿疹緩和剤組成物は、製造過程が単純であるから、製造原価は低コストである。
上記のように製造されたアトピー性湿疹緩和剤組成物をアトピー性皮膚やアトピー性湿疹が発生した皮膚部位に塗布して、前記皮膚部位と接触するオゾンを陰イオン化することによって、アトピー性湿疹症状を緩和させる。
【0040】
特に、本発明によって構成されるアトピー性湿疹緩和剤組成物は、10,000メッシュに極めて微細にナノ粉砕された絹雲母粉末、貴陽石粉末が含まれて、前記絹雲母粉末、貴陽石粉末と大気中のオゾン分子との間の接触面積が極めて大きいため、前記オゾン分子を陰イオン化して陰イオンオゾンに転換させる機能が極めて卓越している。
以下、本発明の好ましい一実施例を参照して、詳細に説明する。但し、以下の実施例は、本発明を具体的に例示するためのものであって、これに限定されるものではない。
【0041】
(実施例)
1.絹雲母をナノ粉砕機で7,000rpmの超高速でナノ粉砕して、10,000メッシュの絹雲母粉末を形成した。
また、松葉を洗浄して、表面の水気が消えるまで自然乾燥し、前記乾燥した松葉をナノ粉砕機で7,000rpmの超高速でナノ粉砕して、10,000メッシュの松葉粉末を形成した。
【0042】
2.アルカリイオン水1,000g、10,000メッシュの絹雲母粉末300g、10,000メッシュの松葉粉末400g、4,000メッシュの抗菌剤粉末50g、緑茶葉粉末100g、玉ネギ皮粉末5g、天然エタノール5g及びニンジン抽出液5gを液状蒸発分を回収し得る反応器で混合して、混合物を形成した。
3.前記混合物を85℃で500rpmで120分間撹拌してゲル化し、蒸発されるアルカリイオン水を回収して再投入しながらゲル化して、ゲル組成物を形成した。
4.前記ゲル組成物を急冷器に入れて常温に強制急冷した。
5.前記急冷したゲルを常温で120時間の間熟成して、黄銀色のアトピー性湿疹緩和剤組成物を得た。
【0043】
(実験例1)
前記実施例によって構成されたアトピー性湿疹緩和剤組成物と比較例である従来のステロイド系のアトピー性湿疹治療剤に対する陰イオン放出実験を行った。前記陰イオン放出実験は、韓国建資材試験研究院で一般に用いられる陰イオン放出実験方法であるKICM−FIR−1042に基づいて行った。
前記本発明の実施例と比較例に対する陰イオン放出実験の結果を、以下の表1に示した。
【0044】
【表1】

【0045】
前記表1に示されたように、陰イオン放出量測定実験の結果、本発明のアトピー性湿疹緩和剤組成物は、350Ion/ccの陰イオンを放出すると示された。
これにより、本発明のアトピー性湿疹緩和剤組成物は、多量の陰イオンを放出することによって、アトピー性湿疹が発生した皮膚と接触するオゾンを陰イオン化して、アトピー性湿疹に影響を及ぼさない陰イオンオゾンに転換するものと判明した。
【0046】
(実験例2)
前記実施例によって製造されたアトピー性湿疹緩和剤組成物に対して、一般に用いられる遠赤外線放出量測定実験方法であるKCIM−FIR−1005に基づいて遠赤外線放出量測定実験を行った。
このような遠赤外線放出量測定実験の結果、本発明のアトピー性湿疹緩和剤組成物は、波長5〜20μmでの遠赤外線放射率が0.918、放射エネルギーが3.70×102W/m2で示された。
これにより、本発明のアトピー性湿疹緩和剤組成物は、オゾンを陰イオン化する作用を促進する遠赤外線を多量放出するものと判明した。
【0047】
前記実験例1、実験例2に示されたように、本発明のアトピー性湿疹緩和剤組成物は、陰イオンと遠赤外線を多量放出して、アトピー性湿疹の促進因子であるオゾン分子をアトピー性湿疹に影響を及ぼさない陰イオンオゾンに転換することによって、アトピー性湿疹症状を抑制、緩和させる。
上述した本発明の好ましい実施の形態は、例示の目的のために開示されたものであり、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で、様々な置換、変形及び変更が可能であり、このような置換、変更などは特許請求の範囲に属するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルカリイオン水100重量部を基準に、
絹雲母又は貴陽石からなる群から選択される10,000メッシュの天然鉱石物粉末25〜35重量部と、
10,000メッシュの松葉粉末35〜45重量部と、
4,000メッシュの抗菌剤粉末0.5〜1重量部と、
緑茶葉粉末7〜12重量部と、
玉ネギ皮粉末0.5〜1重量部と、
エタノール0.5〜1重量部と、
が含まれることを特徴とするアトピー性湿疹緩和剤組成物。
【請求項2】
前記アルカリイオン水100重量部を基準に、
ニンジン抽出液0.5〜1重量部がさらに含まれることを特徴とする請求項1に記載のアトピー性湿疹緩和剤組成物。
【請求項3】
前記ニンジン抽出液は、ニンジンを粉砕してニンジン粉砕物を形成し、前記ニンジン粉砕物をろ過して液状成分であるニンジン抽出液を回収して構成されることを特徴とする請求項2に記載のアトピー性湿疹緩和剤組成物。
【請求項4】
前記アルカリイオン水は、水を電気分解して酸性イオン水と分離して構成されることを特徴とする請求項1に記載のアトピー性湿疹緩和剤組成物。
【請求項5】
前記アルカリイオン水は、54Hzのクラスターの大きさを有するように水を電気分解して形成されるアルカリイオン水であることを特徴とする請求項4に記載のアトピー性湿疹緩和剤組成物。
【請求項6】
前記天然鉱石物粉末は、絹雲母、貴陽石を7,000rpmでナノ粉砕して、平均粒度が10,000メッシュになるように構成されることを特徴とする請求項1に記載のアトピー性湿疹緩和剤組成物。
【請求項7】
前記松葉粉末は、松葉を洗浄して自然乾燥し、前記乾燥した松葉を7,000rpmでナノ粉砕して、平均粒度が10,000メッシュになるように構成されることを特徴とする請求項1に記載のアトピー性湿疹緩和剤組成物。
【請求項8】
前記エタノールは、植物性材料が発酵して形成される天然エタノールであることを特徴とする請求項1に記載のアトピー性湿疹緩和剤組成物。

【公開番号】特開2008−179594(P2008−179594A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−46721(P2007−46721)
【出願日】平成19年2月27日(2007.2.27)
【出願人】(507063403)株式會社東洋リビンクエスツ (2)
【Fターム(参考)】