説明

アニメーション又は三次元画像を生成するマルチビュー装置

本発明は、第1視野角(211)において第1画像を生成し、第1視野角(211)と異なる第2視野角(221)において第2画像を生成するマルチビュー装置(100)に関する。マルチビュー装置(100)は、合成画像、細長い光学構造のアレイ(101)及び有機発光ダイオード装置(103)を有する。合成画像は、第1画像及び第2画像を有する副画像(210,220)の細長いストライプを有する。細長い光学構造のアレイ(101)は、第1視野角(211)の方に第1画像の光(212)を屈折させ、第2視野角(221)の方に第2画像の光(222)を屈折させるためのものである。有機発光ダイオード装置(103)は、細長い光学構造のアレイ(101)を介して合成画像を画像化する。有機発光ダイオード装置(103)は細長い光学構造のアレイ(101)に光学的に結合されている。細長い光学構造のアレイ(101)に光学的に結合されている有機発光ダイオード装置(103)を用いて、マルチビュー装置(100)は高光効率を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なる方向のビューアに対して異なる画像を生成するマルチビュー装置に関し、マルチビュー装置を有するアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
マルチビュー装置は当該技術分野において知られている。例えば、グリーティングカードの形式で、三次元ムービーに画像化する三次元画像又はディスプレイを提示することである。自動立体視効果を得るために、2つの画像が、人間が三次元ピクチャを体験するように、その人間の両眼に2つの僅かに異なる画像を画像化するように、2つの視野方向に提供される。他のアプリケーションにおいては、3つ以上の画像が複数の視野角において提供される。人、又は、例えば、カメラがマルチビュー装置に対して動く場合、異なる画像が見える。それらの画像は、映画シーンの次の画像であることが可能であり、その人はこの短い映画シーンを見る。その短い一連の画像はまた、アニメーション、若しくは、コミック、モルフ(morph)又はズーム等の特殊なアニメーションであり得る。
【0003】
米国特許第5695346号明細書においては、ユーザに自動立体視画像を提示する又アニメーションを提示するマルチビュー装置の複数の実施形態について開示されている。その特許文献に記載されている装置の1つはシェルフヘッダスライドインディスプレイアセンブリ(shelf header slide−in display assembly)である。そのシェルフヘッダスライドインアセンブリは半透明なものを有し、それに基づいて、二次元半透明画像及び特定のインターレース半透明画像が印刷されている。レンチキュラーレンズのアレイがインターレース画像の前に備えられている。シェルフヘッダスライドインアセンブリは光源により背後から照明される。
【0004】
インターレース画像は2つ又はそれ以上の画像の交互のストライプを有する。背後から照明される場合、シェルフヘッダスライドインアセンブリの表面は、店の客の方向に光を発する。背後から照明されない場合、環境光の一部が反射される。インターレース画像の領域で、発せられた光及び反射された光は、1つの画像のストライプからもたらされる光が1つの特定の視野方向に屈折され、他の画像のストライプからもたらされる光が他の特定の視野方向に屈折されるように、レンチキュラーレンズのアレイにより屈折される。
【0005】
インターレース画像及びレンチキュラーレンズのアレイは、棚の前に立って、棚のヘッダの方を見ている店の客がインターレース画像の位置で三次元画像を体験するように、デザインされている。代替として、シェルフヘッダスライドインアセンブリは、客が棚に沿って通り、棚のヘッダの方を見る場合に、その客が一連の連続的な画像を描写するアニメーションを見るように、デザインされている。
【0006】
その開示されているシェルフヘッダスライドインアセンブリの課題は、アセンブリが高光効率を有さないことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第5695346号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、より効果的なマルチビュー装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の特徴は、請求項1に記載されているマルチビュー装置を提供する。有利な実施形態について従属請求項に記載されている。
【0010】
本発明の第1の特徴に従ったマルチビュー装置は、合成画像と、細長い光学構造のアレイと、有機発光ダイオード装置とを有する。合成画像は複数の副画像の複数の細長いストライプを有する。副画像の細長いストライプは第1画像及び第2画像を有する。有機発光ダイオード装置からの光は合成画像を画像化する、細長い光学構造のアレイは、第1画像の光を第1視野角の方に屈折し、第2画像の光を第2視野角の方に屈折する。有機発光ダイオード装置は、細長い光学構造のアレイに光学的に結合されている、マルチビュー装置は、第1画像を第1視野角の方に生成する、供給する又は与え、第2画像を第2視野角の方に生成する、供給する又は与える。
【0011】
有機発光ダイオードと細長い光学構造との間の光学的結合とは、例えば、有機発光ダイオード装置の複数の層の1つにおいて実質的に一部を捕捉されることなく、細長い光学構造のアレイに有機発光ダイオード装置から光が自在に進むことができることを意味する。有機発光ダイオード装置は典型的には、例えば、透明又は半透明であるガラスの層又はシートである基板上に作製される。基板は特定の屈折率を有し、基板に隣接して位置付けられる更なる光媒体は他の特定の屈折率を有する。基板の屈折率と他の光媒体の屈折率との間の屈折率差がかなり大きい場合、光は、知られている全内部屈折(TIRとしても知られている)により基板内に捕捉される又は閉じ込められることが可能である。有機発光ダイオード装置を用いるときの光の閉じ込めは、有機発光ダイオードが実質的にランバーシアン分布状に光を発するために、重要である。その屈折率差が比較的大きいとき、例えば、基板に隣接する他の光媒体が空気であるとき、ランバーシアン分布により生成される光の重要な部分は、基板と空気との間の界面に臨界角より大きい角度で入射する、従って、基板内に戻るように反射されて、基板内に閉じ込められる。この閉じ込められた光は、第1画像及び第2画像の生成に寄与しない。2つの隣接する光媒体は、それらの2つの光媒体の屈折率間の絶対屈折率差がかなり小さい、例えば、その絶対屈折率差が0.1より小さい場合に、光学的に結合される、そのような構成においては、実質的に全ての光が2つの隣接する光媒体間を自在に進むことが可能である。
【0012】
有機発光ダイオード装置及び細長い光学構想のアレイが光学的に結合しているとき、有機発光ダイオードの発光層により発せられる光は、有機発光ダイオード装置の基板のみによっては、又は有機発光ダイオード装置と細長い光学構想のアレイとの間の何れかの他の光学媒体によっては、実質的に捕捉されない。従って、有機発光ダイオードにより発せられる実質的に全ての光は、細長い光学構造のアレイの方に自在に進む。有機発光ダイオード装置と細長い光学構造のアレイとの間の空隙は、有機発光ダイオード装置の媒体の屈折率と空気の屈折率との間の屈折率差が大き過ぎるために、有機発光ダイオード装置と細長い光学構造のアレイとの間の光学的結合とみなされないことに留意する必要がある。
【0013】
有機発光ダイオード装置と細長い光学構造のアレイとの光学結合のために、細長い光学構造のアレイは、異なる視野方向に異なる画像の光のみを屈折せず、また、マルチビュー装置内の光の捕捉を低減する。細長い光学構造のアレイは、細長い光学構造を構成する異なる角度を有する表面を有する。異なる角度を有する表面は、細長い光学構造のアレイと環境との境界の界面における内部反射量を減少させる。これは、有機発光ダイオード装置の光がマルチビュー装置の環境に、より多く進むことを可能にし、マルチビュー装置に、より少ない光が捕捉される効果をもたらす。従って、効率が改善される。
【0014】
マルチビュー装置のエネルギー効率は、かなり高効率の光源である有機発光ダイオード光源を用いることにより、及び有機発光ダイオード装置と細長い光学構造のアレイとの光学的結合により、従来のマルチビュー装置に比べて高くなる。
【0015】
細長い光学構造のアレイは2つの機能を有することに留意する必要がある。第1の機能は、第1視野方向に第1画像の光を屈折し、第2視野方向に第2画像の光を屈折することである。第2の機能は、マルチビュー装置内の光の閉じ込めを低減し、故に、有機発光ダイオード装置からマルチビュー装置の環境へのより良好な光の透過をもたらすことである。
【0016】
マルチビュー装置の更なる有利点は、比較的薄い光源である有機発光ダイオード装置を用いるために、そのマルチビュー装置は比較的薄いことである。そのコンパクトなデザインのために、マルチビュー装置は、本のカバーに、若しくはグリーティングカード又は名刺の不可欠な部分として備えられることが可能である。更に、マルチビュー装置へのエネルギー供給は、マルチビュー装置が効率的であり、小さいバッテリのみを必要とするために、問題ではない。
【0017】
本発明の第1の特徴に従ったマルチビュー装置は複数のアプリケーションで使用されることが可能である。装置は、プッシュボタンの上部にマルチビュー装置を有する三次元プッシュボタンを備えることが可能である。他のアプリケーションにおいては、高い付加価値の企業ロゴが、展示用の靴において提示される、又は、例えば、店の棚又は棚ヘッダにアニメーション化された企業ロゴを提示することが可能である。
【0018】
実施形態においては、有機発光ダイオード装置はパターニングされた有機発光ダイオードを有する。合成画像の少なくとも一部がパターニングされた有機発光ダイオードにおいてパターニングされる。パターニング技術を用いて、合成画像の少なくとも一部が有機発光ダイオードにおいてパターニングされることが可能である。この実施形態においては、有機発光ダイオードにより合成画像の少なくとも一部の画像化は、有機発光ダイオード装置において合成画像の少なくとも一部を生成する又は作成することにより実行される。パターニングされる有機発光ダイオードのパターニングは、パターニングされる有機発光ダイオードの1つ又はそれ以上の層の特徴を局所的に変えることにより行われる。これは、例えば、基板又は有機発光ダイオードの光反射層においてスクラッチを付けることによりなされ得る。パターニングの他の実施形態は、例えば、有機発光ダイオード材料を有する層を局所的に破壊することによる、又は、有機発光ダイオード層の材料の局所的変化による。
【0019】
例えば、黒色画素がパターニングされた位置で光が発せられないように、パターニングが実行される、又は、黒色画素の位置で生成される光が、黒色画素がパターニングされていない位置の方向に散乱されるように、パターニングが実行されるために、そのパターニングは、有機発光ダイオード光源の効率の損失をもたらさない。従って、光は生成されずに、発せられない、又は光は生成されるが、他の位置において環境に発せられない。故に、光は吸収されない又は損失されない。
【0020】
更なる実施形態においては、合成画像の少なくとも一部は、パターニングされた有機発光ダイオード装置の電流サポート層にパターニングされる。代替として、合成画像の少なくとも一部は、有機発光ダイオード装置の光反射層にパターニングされる。この実施形態においては、有機発光ダイオードによる合成画像の少なくとも一部の画像化は、有機発光ダイオード装置の光反射層又は有機発光ダイオード装置の電流サポート層において画像を生成する又は作成することにより実行される。
【0021】
本出願人の第1の非公開の特許出願においては、パターニングされた発光ダイオード装置、パターニングを生成する方法、パターニングするためのシステム及びそのシステムを較正する方法について開示されている。第1の非公開の特許出願のパターニングされた発光ダイオード装置は、発光材料層を有し、パターニングされた発光ダイオード装置の発光窓を介して可視的である光反射層を有する。光反射層は、合成画像の少なくとも一部を有する光反射層の局所的な変形を構成するパターンを有する。
【0022】
合成画像が光反射層においてパターニングされる、パターニングされる有機発光ダイオードは、有機発光ダイオード装置がオン状態及びオフ状態にあるときに、合成画像を示す。オン状態において、有機発光ダイオード装置は光を発し、換言すれば、有機発光ダイオードは動作状態にある。オフ状態においては、有機発光ダイオードは光を発せず、動作状態にない。特定のアプリケーションについては、全ての動作条件下で可視的である合成画像の一部を有することは有利であり得る。例えば、昼光条件下では有機発光ダイオード装置はオフに切り換えられる一方、同時に、合成画像の一部は可視的である。これはエネルギーを節約する。夜間においては、有機発光ダイオード装置は、合成画像の一部が暗い中で可視的でもあるように、オンに切り換えられることが可能である。更に、光反射層が、光反射層のパターニングされていない部分に比べて局所的に異なって光を散乱するように、パターニングされる。異なって散乱される光は更に、パターンの位置においてのみではなく、ユーザの方に発せられる。光は、全内部屈折(TIR)を受けることが可能である角度で散乱されることが可能である。有機発光ダイオード装置が細長い光学構造のアレイに光学的に結合される場合、散乱光は、有機発光ダイオード装置の基板内に捕捉されない。従って、光はあまり損失されず、そのことは、有機発光ダイオード装置が動作中である場合に特に有利である。有機発光ダイオード装置がオン状態にある場合、散乱光はマルチビュー装置の輝度を高め、故に、マルチビュー装置は動作中、高エネルギー効率を有する。
【0023】
第1の非公開の特許出願においては、パターニング方法及びシステムについても開示されている。そのパターニングは、例えば、レーザの集光光ビームにより実行され、そのパターニングは、有機発光ダイオード装置の製造後に、実行されることが可能である。そのパターニングは、マルチビュー装置の製造後又は製造中に実行されることさえ可能である。これは、合成画像においてどの特定の第1の画像が用いられるか及びどの特定の第2の画像が用いられるかに関して高い自由度を可能にする。換言すれば、マルチビュー装置は、要求に応じて比較的容易にカスタマイズされることが可能であり、高価でないマルチビュー装置を得るように、複数のマルチビュー装置を製造する必要はない。高解像度は、集光光ビームを用いてパターニングすることにより得られ得る。最小サイズの画素は数μmである。これは、より高い分解能のために、より良好なユーザ体験をもたらす。
【0024】
本出願人の第2の非公開の特許出願においては、パターニングされた有機発光ダイオード装置、パターニングを生成する方法、パターニングのためのシステム及びそのシステムを較正する方法について開示されている。第2の非公開の特許出願に従ったパターニングされた有機発光ダイオード装置は、アノード層とカソード層との間に備えられた有機発光材料を有し、有機発光ダイオード装置は更に、動作中に、発光材料が光を発するようにする発光材料を介して、電流が流れることを可能にする、支援する及び/又はもたらすための少なくとも1つの電流サポート層であって、電流サポート層はアノード層、カソード層又は有機発光材料でない、電流サポート層を有する。少なくとも1つの電流サポート層の少なくとも一部は、少なくとも1つの電流サポート層の電流サポート特性を局所的に変化させることによりパターニングされる一方、有機発光材料、アノード層及びカソード層を実質的に変化させない。電流サポート特性は、動作中に有機発光材料を通って流れる電流を局所的に決定する。
【0025】
合成画像の一部が電流サポート層の1つにおいてパターニングされる、パターニングされる発光ダイオード装置は、黒色画素の位置で光が生成されないように、又は特定の階調を有する画素において少ない光が生成されるように、電子の流れが局所的に影響されるために、高エネルギー効率を有する。典型的には、そのパターンは、有機発光ダイオードのオン状態においてのみ可視的であり、オフ状態においては可視的でない。従って、オン状態とオフ状態との間で切り換えることにより、画像の一部を選択的に示す又は画像の一部を示さないマルチビュー装置が形成されることが可能である。第2の非公開の特許出願のパターニングされる有機発光ダイオードのパターニングは、集光光ビームにより、例えば、レーザ照射により生成されることが可能であり、それは、有機発光ダイオード装置の製造後に行われることが可能である。従って、それは、有機発光ダイオードがパターニングされる時間に関して、及びパターニングされる合成画像の一部の内容に関して、高フレキシビリティを有することが可能である。
【0026】
合成画像の少なくとも一部が、パターニングされた有機発光ダイオード装置の電流サポート層又は光反射層にパターニングされるこの特定の実施形態においては、有機発光ダイオード装置及び細長い光学構造のアレイが三次元画像又はアニメーション画像を生成するために光学的に結合されることは重要な特徴ではない。例えば、空隙が、有機発光ダイオード装置と細長い光学構造との間に備えられることが可能である。上記で定義された光学的結合を伴わない場合、上記の実施形態は既に、三次元画像又はアニメーション化画像を提供するための代替の実施形態となっている。
【0027】
他の実施形態においては、有機発光ダイオード装置は、単独の一画素の有機発光ダイオードにより構成される。有機発光ダイオードは、動作中に光を発する複数の層の連続的な積層構造により構成される単独の光源として製造されることが可能である。そのような有機発光ダイオードは、発光面の領域に比べて、比較的薄く、1つのカソード及び1つのアノードのみを有し、故に、2つの電源線のみを必要とする。一画素を用いて、マルチビュー装置の有機発光ダイオードは、2つ以上の一画素光源が用いられる装置に比べて、あまり複雑でないハードウェア構成がもたらされる。例えば、第2の画素への追加の電源線の必要はない。更に、複数の画素光源は一般に、画素間の小さい非発光境界を有する一方、一画素有機発光ダイオードは、均一な発光を有する大きい領域を有する。
【0028】
更なる実施形態においては、マルチビュー装置の有機発光ダイオード装置は基板を有する。基板は、アノード層、カソード層及び/又は有機発光ダイオードの有機発光層を支持するためのものである。有機発光ダイオードの光は典型的には、基板を通って発せられる。有機発光ダイオードから離れて対向する基板の一方側は、第1画像から第1視野角の方に光を屈折し、第2画像から第2視野角の方に光を屈折する細長い光学構造のアレイを有する。細長い光学構造のアレイは例えば、基板がガラスから成る場合に、基板においてエッチングされることが可能である。基板上に有機発光ダイオードを製造するためばかりでなく、細長い光学構造のアレイの製造のために基板を用いることは、有機発光ダイオードと細長い光学構造のアレイとの間の最適な光学的結合をもたらすために、有利である。更に、更なるこの実施形態のマルチビュー装置は、あまり構成要素を必要とせず、製造プロセス及び製造コストに関して有利である。合成画像の少なくとも一部が有機発光ダイオードにおいてパターニングされて、基板が細長い光学構造のアレイを有する場合に、単独要素のマルチビュー装置を製造することが可能である。
【0029】
実施形態のおいては、マルチビュー装置は光学シートを有する。光学シートは細長い光学構造のアレイを有し、光学シートは、有機発光ダイオード装置に光学的に結合される。光学シートは安価であり、製造が容易である。例えば、光学構造の形状に関連する凸部を有する熱ロールが、光学構造のアレイを得るように、そのシート上をローリングされることが可能である。更に、例えば、光学シートと有機発光ダイオード装置との間に良好な光学的結合を保障する透明な接着剤により、光学シートに有機発光ダイオード装置を接着させることは容易である。マルチビュー装置の一部として光学シートを製造する他の技術は、スピンコーティング技術により有機発光ダイオード装置の基板の上部に層を形成し、この層において細長い光学構造を形成するインプリント技術を用いることによる。
【0030】
更なる実施形態においては、マルチビュー装置は少なくとも特定の半透明なフィルムを有する。合成画像の少なくとも一部は、部分的に半透明なフィルム状に与えられる。部分的に半透明なフィルムは、有機発光ダイオード装置と細長い光学構造のアレイとの間に備えられる。この実施形態においては、有機発光ダイオード装置による合成画像の少なくとも一部を画像化することは、有機発光ダイオード装置と細長い光学構造のアレイとの間に備えられる合成画像の少なくとも一部を照明することにより実行される。特定の半透明なフィルム上に合成画像の一部を与えることは、例えば、従来の印刷技術によって、比較的容易である。更に、本実施形態は、印刷技術により合成画像の一部を与えることは個別にデザインされた合成画像の印刷を可能にするために、フレキシブルなカスタマイゼーションが可能である。更に、特定の半透明なフィルム上の合成画像の一部は、三次元カラー画像化アプリケーションを可能にするカラー画像であることが可能である。
【0031】
半透明なフィルムは、有機発光ダイオード装置と細長い光学構造のアレイとの間に備えられる。合成画像の一部が半透明なフィルム上に与えられる位置において、発せられた光の特徴が影響され、例えば、強度が減少される、又は光の一部が吸収されて、色を変化させる。更に、合成画像の他の部分又は同じ部分が、有機発光ダイオード装置においてパターニングされることが可能である。これは、例えば、完全な黒色画素を形成するために有利である。有機発光ダイオード装置は、黒色画素の位置で光を発しないように、パターニングされることが可能である。従って、有機発光ダイオード装置においてパターニングされた画像の一部が、異なる視野角においてユーザが見ることができる画像のコントラストを向上させ、更なる高エネルギー効率をもたらすように用いられることが可能である。合成画像の一部の暗い領域で半透明なフィルムにおいて光を吸収することに代えて、画像の暗い領域では少ない光が生成され、故に、暗い領域では少ない光が吸収される。
【0032】
「少なくとも部分的に半透明な」は、少なくとも光がシートを通るようにすると定義されることに留意する必要がある。その実施形態においては、少なくとも部分的に半透明なシートは、有機発光ダイオード装置により生成された光の少なくとも一部が細長い光学構造のアレイの方に進むようにする。従って、部分的に半透明なシートは、部分的に透明なシート及び/又は拡散シートを有することが可能である。
【0033】
更なる実施形態においては、細長い光学構造のアレイはレンチキュラーレンズを有し、及び/又は、細長い光学構造のアレイは細長い三角形状プリズムを有する。レンチキュラーレンズ及び矩形状プリズムは、異なる視野角に合成画像の異なる画像の光を屈折するためにうまく適合可能である。
【0034】
細長い光学構造のアレイは、レンチキュラーレンズ及び/又は三角形状プリズムの実施形態に限定されるものではないことに留意する必要がある。第1視野角に第1画像の光を屈折し、第2視野角に第2画像の光を屈折することが可能である光学構造も、本発明で用いられることが可能である、
更なる実施形態においては、合成画像がマルチビュー装置の細長い光学構造のアレイと共に、マルチビュー装置の方を見ているユーザに対して自動立体画像を生成するように構成される。ユーザは三次元画像を体験する。
【0035】
他の実施形態においては、合成画像がマルチビュー装置の細長い光学構造のアレイと共に、マルチビュー装置の方を見ているビューアに対して及びマルチビュー装置に対して動くビューアに対して、一連の画像を生成するように構成される。一連の画像が合成画像に統合される場合に、及びそれらの画像が異なる視野角において生成される場合に、ユーザは、異なる視野角において一連の画像を見ることができるように、マルチビュー装置に対して移動する必要がある。一連の画像が一連の相互に関連した連続的な画像を構成する場合、ユーザはアニメーションを体験する。そのアニメーションは、短い映画のシーン、モルフ(morph)又はズームであることが可能である。
【0036】
更なる実施形態においては、マルチビュー装置を有するアセンブリを提供する。そのアセンブリは、三次元画像を提供するためのプッシュボタン又はプッシュボタン上の一連の画像、三次元画像又は一連の画像により指示が与えられるインジケータ、三次元画像又は一連の画像を広告サインの一部として提供するための広告サイン、三次元の企業ロゴ提示を生成するための又は記号ロゴを有する一連の画像を生成するための企業ロゴ提示ボード、若しくは、光源において光を生成して三次元画像を又は光源において一連の画像を提示するための光源のうちの1つである。その実施形態に従ったアセンブリは、ビューアの注意を良好に引くものである。
【0037】
本発明の上記の特徴及び他の特徴については、以下に詳述する実施形態を参照することにより明確になる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】マルチビュー装置の実施形態の模式図である。
【図2】図1のマルチビュー装置のA−A′線に沿った断面の模式図である。
【図3】マルチビュー装置の他の実施形態の断面の模式図である。
【図4a】マルチビュー装置の実施形態の他の断面の模式図である。
【図4b】マルチビュー装置の他の実施形態の他の断面の模式図である。
【図5a】複数のマルチビュー装置を有するDVDプレーヤの模式図である。
【図5b】マルチビュー装置を有する照明装置の模式図である。
【図6】対向電極と封入手段との間に像担持体及び接触手段を有するEL装置の実施形態を示す図である。
【図7】基板電極の表面に備えられた像担持体を有するEL装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
第1実施形態を図1に示している。マルチビュー装置100を示している。マルチビュー装置100は、細長い光学構造のアレイ101と、合成画像の少なくとも一部を有する部分的に半透明なシート102と、有機発光ダイオード装置103とを有する。有機発光ダイオード103は、部分的に半透明なシート102に光学的に結合されている。部分的に半透明なシート102は、細長い光学構造のアレイ101に光学的に結合されている。光学構造のアレイ101、半透明なシート102及び有機発光ダイオード装置103の層の屈折率間の違いは小さく、例えば、0.1より小さい。光学的に結合する層は、屈折率整合接着剤又は屈折率整合オイルにより互いに接している。それにより、細長い光学構造のアレイ101に光学的に結合された有機発光ダイオード装置103を得、有機発光ダイオード103からの光は、細長い光学構造のアレイ101の方に自在に進むことが可能である。図に示しているように、本実施形態においては、細長い光学構造のアレイ101はレンチキュラーレンズのアレイ101である。合成画像は、複数の副画像の複数の細長いストライプを有する。副画像は第1画像及び第2画像を有する。
【0040】
有機発光ダイオード103の光は、部分的に透明なシート102を照明する。合成画像の少なくとも一部は、部分的に半透明なシート102上に備えられているため、部分的に半透明なシート102は、有機発光ダイオード装置103から受ける光の特性を局所的に変化させることが可能である。部分的に半透明なシート102の一部の位置においては、光はブロックされる又は一部が吸収されることが可能であり、他の位置においては、光は、レンチキュラーレンズのアレイ101の方向に自在に進むことが可能である。レンチキュラーレンズのアレイ101は、第1画像からの光が第1視野角の方に屈折され、第2画像からの光が第2視野角の方に屈折されるように、受け入れた光を屈折する。
【0041】
有機発光ダイオード装置103は単独の一画素有機発光ダイオードにより構成されることが可能であることに留意する必要があり、そのことは、有機発光ダイオード装置103は、有機発光ダイオードを構成する連続する層の積層構造として製造された1つの有機発光ダイオードのみを有することを意味する。
【0042】
図2は、AA′線の位置の、図1のマルチビュー装置100の断面図である。部分的に半透明なシート102は合成画像の少なくとも一部を有する。合成画像は、複数の副画像の複数の細長いストライプを有する。部分的に半透明なシート102の層において示されている黒色矩形210は、第1画像の副画像の細長いストライプの断面である。ハッチングされた矩形220は、第2画像の副画像の細長いストライプの断面である。第1画像210の細長いストライプは第2画像220の細長いストライプと交互に存在している。第1画像210の細長いストライプの1つからの及び第2画像の細長いストライプの隣接する1つからの実質的な光量が、第1視野角211(θ)の方にレンチキュラーレンズ101のアレイにより屈折されるように、第1画像210の1つの細長いストライプ及び第2画像220の1つの細長いストライプは、レンチキュラーレンズのアレイ101の単独のレンチキュラーレンズと共に配列される。第1画像210のストライプの光212は、第1視野角211(θ)の方にレンチキュラーレンズのアレイ101により屈折される。第2画像220のストライプの光222は、第2視野角221(θ)の方にレンチキュラーレンズのアレイ101により屈折される。
【0043】
第1視野角211及び第2視野角221は、マルチビュー装置100の方を見ているユーザの眼230の両方が異なる画像の光を受け、そのユーザが三次眼画像を体験するように、構成される。他の実施形態においては、ユーザ230の両眼は、第1視野角211により第1画像が方向付けられる第1位置を見ることが可能であり、ユーザ230の両眼は、第2視野角221により第2画像が方向付けられる第2位置を見ることが可能である。移動中231に、ユーザ230が受け入れた画像をアニメーションとして体験することが可能である。特定の実施形態においては、ユーザ230がマルチビュー装置100に対して移動する231場合に、ユーザが複数の画像のアニメーションを見ることができるように、複数の画像の光が複数の視野角において屈折されるように、半透明なシート102における複数の画像の交互の細長いストライプは、マルチビュー装置100において統合される。
【0044】
図3は、マルチビュー装置300の他の実施形態の断面図である。マルチビュー装置300は、この特定の実施形態においては三角形状プリズム301のアレイである細長い光学構造のアレイ301を有する。マルチビュー装置300は、図3の特定の実施形態においてはパターニングされた有機発光ダイオード装置303である有機発光ダイオード装置303を更に有する。有機発光ダイオード装置303は、三角形状プリズムのアレイ301に光学的に結合している。
【0045】
合成画像の少なくとも一部は、パターニングされた有機発光ダイオード装置303の層302においてパターン化される。合成画像の一部は、第1画像210の細長いストライプ及び第2画像220の細長いストライプである交互の副画像を有する。三角形状プリズムのアレイ301は、第1画像210のストライプからの光212が第1視野角の方に屈折され、第2画像220のストライプからの光222が第2視野角の方に屈折されるように構成される。
【0046】
図4aは、パターニングされた有機発光ダイオード装置403を有するマルチビュー装置400の実施形態の断面図である。パターニングされた有機発光ダイオード装置403は、有機発光ダイオードが製造される基板404を有する。基板404はレンチキュラーレンズのアレイ401を有する。基板404は、ガラス又は、例えば、合成材料から製造された部分的に透明なシートであることが可能である。基板404がガラスである場合、レンチキュラーレンズのアレイ401は、エッチングにより基板404において形成されることが可能である。基板404が、例えば、合成材料から形成された部分的に透明なシートである場合、レンチキュラーレンズのアレイ401は例えば、インプリント技術により形成されることが可能である。有機発光ダイオードは基板上に形成され、故に、有機発光ダイオードとレンチキュラーレンズのアレイ401との間に最適な光学的結合が存在する。
【0047】
有機発光ダイオード403は一般に、発光材料を有する複数の層406、407、408を有し、発光材料を有する層406を有し、アノード層408及びカソード層407を有し、それらのアノード層とカソード層との間に、層406が挟まれている。図4aは、アノード層408とカソード層407との間の1つの層を模式的に示しているが、この発光層406は、有機発光材料を有する層と、動作中に、発光材料が発光するように発光材料をを介して電流が流れることを可能にする及び/又は支援する及び/又はもたらすように用いられる複数の電流サポート層(図示せず)と、を有する。アノード層408は例えば、発光材料406中に生成される光が、有機発光ダイオード装置400の環境に発光するようにする光の特定範囲について透明である金属酸化物であるITO(Indium Tin Oxide)を有する。カソード層407は例えば、2nmのバリウム層と、良好な導電性を有し、半導体製造プロセスにおいて良好に適用されることが可能である100nmのアルミニウム層と、を有することが可能である。カソード層407は光反射性層407を有する。
【0048】
有機発光ダイオード装置403は、有機発光ダイオード装置のオン状態及びオフ状態の両方において永久に可視的であるパターン405を有する。パターン405は、カソード装置407のアルミニウムの変形により構成される。有機発光ダイオード装置400のオン状態中、電流は、実質的に全ての方向に発光する有機発光材料を有する層406を流れる。層406の有機発光材料において生成され、少なくとも部分的に透明なアノード層408の方に進む光は、少なくとも一部がアノード層408及び基板404を透過し、続いてマルチビュー装置400の周囲に発せられる。カソード層407の方に進む光の一部は、マルチビュー装置400の周囲に光が透過するようにする基板404の方に、カソード層407のアルミニウムにより反射される。カソード層407のパターン405の変形の位置において、観測者に明瞭に見える光が散乱される。観測者は、その散乱された光を局所的な輝度の差異として体験し、故に、そのパターンはユーザが見ることができる画像を形成する。
【0049】
有機発光ダイオード装置のパターニングは、図4aに示すように実行されることが可能である。有機発光ダイオード装置403は、基板に対して反対側である、有機発光ダイオード装置の一方側を有し、パターニングされた窓409は、集光光ビーム410がアノード層408の後側の方に自在に進むようにする。集光光ビーム410は、カソード層407が局所的に変形するために十分なパワーを与える。集光光ビーム410により与えられるパワー量は変形の高さを決定する。その変形の高さは散乱を決定し、故に、ユーザが体験する視覚的効果を決定する。
【0050】
図4bは、パターニングされた有機発光ダイオード装置453を有するマルチビュー装置450の他の実施形態の断面図である。図4bに示すマルチビュー装置は、細長い光学構造のアレイ451を有する光学シート454を更に有する。その特定の実施形態においては、細長い光学構造のアレイは三角形状プリズムのアレイ451である。光学シートは例えば、パターニングされた有機発光ダイオード装置453と三角形状プリズムのアレイ451との間の光学的結合を得るように屈折率整合接着剤によりパターニングされた有機発光ダイオード装置に接着剤付けされる。
【0051】
パターニングされた有機発光ダイオード装置453は複数の層456,...,469を有する。層456,460,...,469の積層構造はアノード層458とカソード層457との間に挟まれている。有機発光ダイオード装置453は、例えば、15nmの厚さを有する銀の層を介して少なくとも一部が透過するカソードを通って周囲に光を発するトップエミッション型装置である。層456,460,...,469の積層構造は、有機ホスト材料中に埋め込まれた有機発光材料456の層を有する。この有機発光材料456は、電流が有機発光材料456の層を流れるときに、光を発するように構成される。パターニングされた有機発光ダイオード装置453は、各々が例えば、異なる色を発する発光材料の複数の層を有することが可能である、代替として、発光層456は、異なる色を発し、例えば、所定の色温度の白色光を一緒に発する複数の発光材料の混合を有することが可能である。パターニングされた有機発光ダイオード装置453は、動作中、発光材料456が光を発するようにする発光材料456を通って、電流が流れることを可能にする及び/又は支援する及び/又はもたらすように用いられる1つの又は複数の電流サポート層460,...,469を更に有する。図4bのマルチビュー装置450のパターニングされた有機発光ダイオード装置453においては、アノード458、カソード457又は発光材料456の層を実質的に変化させずに、パターンが、電流サポート層460,...,469の少なくとも1つの層において生成される。発光材料456を通って電流が流れることに影響する層は、アノード層458、カソード層457及び発光材料456を除いて、用語、電流サポート層460,...,469により表される。電流サポート層460,...,469の例としては、電流ブロック層469、電流ブロック層のインタフェース層(図示せず)、ホールブロック層464及び電子ブロック層(図示せず)、電子注入層461、電子注入層のインタフェース層(図示せず)、ホール注入層467、ホール注入層のインタフェース466、カソード層のインタフェース層460及びアノード層のインタフェース層468がある。上記の列挙した電流サポート層460,...,469の特徴の局所的変化455は、動作中に有機発光材料456を流れる電流を局所的に変化させ、故に、発光特性を局所的に変化させる。パターニングされた有機発光ダイオード装置453がオンに切り換えられるとき、そのような変化された発光特性455は、明瞭に可視的であり、パターニングされた有機発光ダイオード装置453がオンに切り換えられるときに明瞭に可視的である要求されたパターンにおいて適用されることが可能である。有機発光材料456、アノード層458又はカソード層457は影響されないために、そのパターンは、パターニングされた有機発光ダイオード装置453が例えば、紫外線を照射されたときでさえ、実質的に不可視的である。
【0052】
電流サポート層460,...,469の1つの局所的変化455は、図4bに示すように、有機発光ダイオード453に集光光ビーム459を入射させることにより生成することが可能である。集光光ビームは、電流サポート層460,...,469の1つにフォーカシングされ、電流サポート層460,...,469の1つの電流サポート特性を局所的に変化させるエネルギー量を局所的に与える。三角形状プリズムのアレイ451による集光光ビーム459の屈折を回避するように、三角形状プリズムのアレイ451を有する光学シート454及び有機発光ダイオード453がアセンブルされる前に、パターニングが実行されることが可能である。しかしながら、集光光ビーム459の入射は、三角形状プリズムのアレイ451による予定された屈折のために事前に補正されることが可能である。
【0053】
図5aは、本発明に従って、複数のマルチビュー装置501、502、503を有するDVDプレーヤ500を模式的に示している。
【0054】
企業ロゴ501が、DVDプレーヤ500のユーザに対して第1マルチビュー装置501により提示される。企業ロゴ501は、三次元画像又はアニメーションとして可視的であることが可能である。企業ロゴはパターニングされた有機発光ダイオード装置のオン情対及びオフ状態で可視的であるため、第1マルチビュー装置501においてパターニングされた光反射層を有するパターニングされた有機発光ダイオード装置を用いることは有利である。
【0055】
第2マルチビュー装置502は、エラーがDVDプレーヤ500の動作中に生じたことの指示をユーザに提供するエラーインジケータ502である。有機発光ダイオード装置を交互にオン及びオフに切り換えることにより、点滅エラー表示をもたらすことが可能である。パターニングされた電流サポート層を有するパターニングされた有機発光ダイオード装置を用いることは、エラー指示画像がパターニングされた有機発光ダイオード装置のオフ状態で可視的でなく、オン状態にのみ可視的であるため、エラーインジケータ502において有利であり得る。従って、パターニングされた電流サポート層を有するパターニングされた有機発光ダイオード装置を用いることは、エラー指示の選択的可視化を可能にする。
【0056】
第3マルチビュー装置503は、‘再生’プッシュボタン503がDVDの再生を開始するように押されることを三次元画像で表示するための‘再生’プッシュボタン503である。
【0057】
図5bは、マルチビュー装置511を有する照明装置510を模式的に示している。照明装置510は、マルチビュー装置511により提供される三次元画像により強化されることが可能である。マルチビュー装置511により画像化される画像は、球状発光面を有する照明装置510を意味することが可能である。
【0058】
図5cは、マルチビュー装置521を有する広告サイン520を模式的に示している。マルチビュー装置521は、例えば、自動車で通過するビューアに三次元広告を又はアニメーション化された広告を提示する。広告サイン520は、二次元画像のみを提示する広告サインに比べて、かなり早くユーザの関心を引き付けることができる。
【0059】
上記の実施形態は例示であって、本発明を限定するものではなく、当業者は、特許請求の範囲における範囲から逸脱することなく、多くの代替の実施形態を案出することができることに留意する必要がある。
【0060】
用語“を有する”及びその派生語は、特許請求の範囲における要素又はステップ以外の要素又はステップの存在を排除するものではない。要素の単数表現は、その要素の複数の存在を排除するものではない。本発明は、複数の別個の要素を有するハードウェアにより、及び適切にプログラムされたコンピュータにより実施することが可能である。複数の手段を列挙している装置請求項においては、それらの手段の幾つかはハードウェアの同一のアイテムにより具現化されることが可能である。特定の複数の手段が互いに異なる従属請求項に記載されているということは、それらの手段の組み合わせが有利に用いられないことを意味するものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1視野角において第1画像を生成し、前記第1視野角と異なる第2視野角において第2画像を生成するマルチビュー装置であって:
前記第1画像及び前記第2画像を有する副画像の細長いストライプを有する合成画像;
前記第1視野角の方に前記第1画像の光を屈折させ、前記第2視野角の方に前記第2画像の光を屈折させる細長い光学構造のアレイ;並びに
前記細長い光学構造のアレイを介して前記合成画像を画像化する有機発光ダイオード装置であって、前記有機発光ダイオード装置は前記細長い光学構造のアレイに光学的に結合されている、有機発光ダイオード装置;
を有するマルチビュー装置。
【請求項2】
前記有機発光ダイオード装置は、パターニングされた有機発光ダイオード装置を構成するパターンを有し、前記パターニングされた有機発光ダイオード装置を構成する前記パターンは前記合成画像の少なくとも一部を有する、請求項1に記載のマルチビュー装置。
【請求項3】
前記パターニングされた有機発光ダイオード装置の電流サポート層又は前記パターニングされた有機発光ダイオード装置の光反射層は前記合成画像の少なくも一部を有する、請求項2に記載のマルチビュー装置。
【請求項4】
前記有機発光ダイオード装置は単独の一画素有機発光ダイオードを有する、請求項1に記載のマルチビュー装置。
【請求項5】
前記有機発光ダイオード装置は、アノード層、カソード層及び/又は前記有機発光ダイオードの有機発光層を支持する基板を有し、前記有機発光ダイオードから離れて対向する前記基板の一方側は、第1視野角の方に前記第1画像の光を屈折し、第2視野角の方に前記第2画像の光を屈折する細長い光学構造のアレイを有する、請求項1に記載のマルチビュー装置。
【請求項6】
光学シートを更に有し、前記光学シートは、前記細長い光学構造のアレイを有し、前記光学シートは、前記有機発光ダイオード装置に光学的に結合されている、請求項1に記載のマルチビュー装置。
【請求項7】
少なくとも特定の半透明フィルムを更に有し、前記合成画像の少なくとも一部は少なくとも部分的に半透明フィルム上に備えられ、前記特定の半透明フィルムは、前記有機発光ダイオード装置と前記細長い光学構造のアレイとの間に備えられている、請求項1又は2に記載のマルチビュー装置。
【請求項8】
前記細長い光学構造のアレイはレンチキュラーレンズを有し、及び/又は、前記細長い光学構造のアレイは細長い三角形状プリズムを有する、請求項1に記載のマルチビュー装置。
【請求項9】
前記合成画像は前記細長い光学構造のアレイと共に、前記マルチビュー装置の方を見ているビューアに対して自動立体視画像を生成する、請求項1に記載のマルチビュー装置。
【請求項10】
前記合成画像は前記細長い光学構造のアレイと共に、前記マルチビュー装置の方を見ていて、前記マルチビュー装置に対して動いているビューアに対して一連の画像を生成する、請求項1に記載のマルチビュー装置。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか一項に記載のマルチビュー装置を有するアセンブリであって:
プッシュボタンに三次元画像又は一連の画像を生成するためのプッシュボタン;
三次元画像又は一連の画像による指示を生成するインジケータ;
三次元画像又は一連の画像を広告サインとして生成するための広告サイン;
三次元企業ロゴ提示を生成するための又は合成画像を構成する一連の画像を生成するための企業ロゴ提示ボード;又は
光源において、光を生成して、三次元画像又は一連の画像を提示するための光源;
であるアセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【公表番号】特表2012−530272(P2012−530272A)
【公表日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−515607(P2012−515607)
【出願日】平成22年6月14日(2010.6.14)
【国際出願番号】PCT/IB2010/052635
【国際公開番号】WO2010/146521
【国際公開日】平成22年12月23日(2010.12.23)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】