説明

アラルキルおよびアラルキリデン複素環式ラクタムおよびイミド

本発明は、式(I)
【化1】


(式中、R1、R2、R3、X、Y及び破線は明細書中で定義されたとおりである)の化合物、それらの製造のための中間体、それらを含む医薬組成物、及び精神治療薬としてのそれらの医薬用途に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なアラルキルおよびアラルキリデン複素環式ラクタムおよびイミド、それらの製造のための中間体、それらを含む医薬組成物、ならびにそれらの医薬用途に関する。本発明の化合物は、セロトニン1(5−HT1)受容体、特に5−HT1A受容体および5−HT1B受容体の一方または両方の選択的作用薬および拮抗薬を含む。これらは、高血圧、うつ病の全ての形態(例えば、癌患者におけるうつ病、パーキンソン病患者におけるうつ病、心筋梗塞後うつ病、亜症候群症候性うつ病、不妊症女性におけるうつ病、小児うつ病、大うつ病性障害、単一エピソードのうつ病、反復性うつ病、幼児虐待誘発うつ病、分娩後うつ病、気分変調;非定型的特徴、メランコリーの特徴、精神病性の特徴、緊張病性の特徴を伴うか又は伴わない、軽症、中等症、又は重症のうつ病;季節性情動障害、老人性うつ病、慢性うつ病;抑うつ気分または不安及び抑うつ気分を伴う適応障害;混合型の不安及び抑うつ;物質誘発性気分障害;及び一般的な病状に続発する気分障害)、全般性不安障害、恐怖症(例えば、広場恐怖症、対人恐怖、および単純恐怖)、心的外傷後ストレス症候群、回避性人格障害、早漏、摂食障害(例えば、拒食症、及び神経性大食症)、肥満、薬物依存(例えば、アルコール、コカイン、ヘロイン、フェノバルビタール、ニコチン及びベンゾジアゼピン系薬に対する嗜癖)、群発性頭痛、片頭痛、疼痛、アルツハイマー病、強迫性障害、パニック障害、記憶障害(例えば、痴呆、健忘障害、及び加齢性認知低下(ARCD))、パーキンソン病(例えば、パーキンソン病における痴呆、神経遮断薬誘発性パーキンソニズム及び遅発性ジスキネジー)、内分泌障害(例えば、高プロラクチン血症)、血管けいれん(特に脳血管において)、小脳性運動失調、胃腸管障害(運動性及び分泌の変化を含む)、統合失調症の陰性症状、月経前症候群、線維筋肉痛症候群、緊張性尿失禁、ツレット症候群、抜毛癖、窃盗癖、男性不能症、癌(例えば、小細胞肺癌)、慢性発作性片側頭痛、頭痛(血管障害に関連)、双極性障害(抑うつ期にあるものを含む)、注意欠陥/過活動性障害(ADHD)、及び5−HT1作用薬または拮抗薬が必要とされる他の障害の処置において有用である。
【背景技術】
【0002】
欧州特許公報434,561(1991年6月26日公開)は、7−アルキル、アルコキシ、およびヒドロキシ置換−1−(4−置換−1−ピペラジニル)−ナフタレンに言及する。これらの化合物は、片頭痛、うつ病、不安、統合失調症、ストレスおよび疼痛の処置に有用な5−HT1作用薬および拮抗薬といわれる。
【0003】
欧州特許公報343,050(1989年11月23日公開)は、有用な5−HT1Aリガンド療法として7−非置換、ハロゲン化、およびメトキシ置換−1−(4−置換−1−ピペラジニル)−ナフタレンに言及する。
【0004】
PCT公報WO94/21619(1994年9月29日公開)は、5−HT1作用薬および拮抗薬としてナフタレン誘導体に言及する。
【0005】
PCT公報WO96/00720(1996年1月11日公開、現在では米国特許6,166,020号として2000年12月26日に発行される)は、有用な5−HT1作用薬および拮抗薬としてナフチルエーテルに言及する。
【0006】
欧州特許公報701,819(1996年3月20日公開、現在では米国特許5,597,826号として1997年1月28日に発行)は、5−HT再取り込み阻害剤と組み合わせた5−HT1作用薬および拮抗薬の使用に言及する。
【0007】
Glennonらは、かれらの文献「5−HT1B Serotonin Receptors」、Drug Dev.Res.,22,25−36(1991)において有用な5−HT1リガンドとして7−メトキシ−1−(1−ピペラジニル)−ナフタレンに言及する。
【0008】
Glennonの文献「Serotonin Receptors:Clinical Implications」,Neuroscience and Behavioral Reviews,14,35−47(1990)は、欲求抑制、体温調節、心臓血管/低血圧作用、睡眠、精神病、不安、うつ病、悪心、嘔吐、アルツハイマー病、パーキンソン病およびハンティングトン病を含むセロトニン受容体に関連する薬理作用に言及する。
【0009】
世界特許出願WO95/31988(1995年11月30日公開)は、うつ病、全般性不安、パニック障害、広場恐怖症、対人恐怖、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害、記憶障害、拒食症および神経性大食症、パーキンソン病、遅発性ジスキネジー、高プロラクチン血症のような内分泌障害、血管けいれん(特に脳血管において)及び高血圧、運動性及び分泌の変化が含まれる場合の胃腸管障害、さらに性的機能不全のようなCNS障害を処置するための、5−HT1A拮抗薬と組み合わせた5−HT1B拮抗薬の使用に言及する。
【0010】
G.Mauraら、J.Neurochem,66(1),203−209(1996)は、5−HT1A受容体または5−HT1A受容体および5−HT1B受容体の両方に対して選択的な作用薬の投与が、確立された治療法が利用可能ではない多重症候群であるヒト小脳性運動失調の処置において大きな改善を示し得ると述べた。
【0011】
欧州特許公報666,261(1995年8月9日公開)は、白内障の処置に有用であると主張されるチアジンおよびチオモルフォリン誘導体に言及する。
【0012】
前述の世界特許出願の全てが、米国を指定する。前述の特許及び特許出願は、全て参照により加入される。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、式I
【化1】

[式中、R1は以下に示される式G1、G2、G3、G4、G5、G6、G7、G8又はG9の基であり、
【化2】

aは0〜8であり;
各R13はそれぞれ独立して、(C1−C4)アルキル、又はそれぞれG1若しくはG2のピペラジン環若しくはピペリジン環の環炭素のうちの1つから、それぞれ利用可能な結合部位を有するG1若しくはG2のピペラジン環若しくはピペリジン環の同じか若しくは異なる環炭素若しくは環窒素へ又は利用可能な結合部位を有するR6の環炭素への(C1−C4)メチレン架橋であり;
Eは、酸素、硫黄、SO又はSO2であり;
Xは、水素、クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨード、シアノ、(C1−C6)アルキル、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、(C1−C6)アルコキシ、−SOt(C1−C6)アルキル[ここでtは0、1、又は2である]、−CO210若しくは−CONR1112であり;
Yは、それが結合している原子と共に6員モルホリン−3−オン−2−イル環を形成する場合により置換された(C1−C4)ヘテロアルキル架橋であり、ここでさらなる結合を支持し得る炭素原子のうちのいずれかにおける置換基は、フルオロ、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ、トリフルオロメチル又はシアノであり;
2は、水素、(C1−C4)アルキル、フェニル又はナフチルであり、ここで該フェニル又はナフチルは、クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨード、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ、トリフルオロメチル、シアノ および−SOk(C1−C6)アルキル[ここでkは、0、1又は2である]より独立して選択される1つ又はそれ以上の置換基で場合により置換され得;
3は−(CH2mBであり、ここでmは0、1、2又は3であり、そしてBは水素、フェニル、ナフチル又は環中に1〜4個のヘテロ原子を含む5員若しくは6員のヘテロアリール基であり、そしてここで前述のフェニル、ナフチルおよびヘテロアリール基の各々は、クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨード、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C6)アルコキシ−(C1−C6)アルキル−、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ヒドロキシ、−COOHおよび−SOn(C1−C6)アルキル[ここでnは0、1又は2である]より独立して選択される1つ又はそれ以上の置換基で場合により置換され得;
6は、水素、(C1−C6)アルコキシ若しくは1〜3個のフッ素原子で場合により置換された(C1−C6)アルキル、又は((C1−C4)アルキル)アリールからなる群より選択され、ここでアリール部分構造は、フェニル、ナフチル、又はヘテロアリール−(CH2q−であり、ここでヘテロアリール部分構造は、ピリジル、ピリミジル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソオキサゾリルおよびベンゾイソチアゾリルからなる群より選択され、そしてqは0、1、2、3又は4であり、そしてここで該アリール部分構造およびヘテロアリール部分構造は、クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨード、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ、トリフルオロメチル、シアノおよび−SOg(C1−C6)アルキル[ここでgは0、1若しくは2である]からなる群より独立して選択される1つ又はそれ以上の置換基で場合により置換され得;
7は、水素、(C1−C6)アルキル、((C1−C4)アルキル)アリールからなる群より選択され、ここでアリール部分構造は、フェニル、ナフチル、又はヘテロアリール−(CH2r−であり、ここでヘテロアリール部分構造は、ピリジル、ピリミジル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソオキサゾリルおよびベンゾイソチアゾリルからなる群より選択され、そしてrは0、1、2、3又は4であり、そしてここで該アリール部分構造およびヘテロアリール部分構造は、クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨード、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ、トリフルオロメチル、−C(=O)−(C1−C6)アルキル、シアノおよび−SOj(C1−C6)アルキル[ここでjは0、1若しくは2である]からなる群より独立して選択される1つ又はそれ以上の置換基で場合により置換され得;
又はR6およびR7は一緒になって2〜4個の炭素鎖を形成し;
8は水素又は(C1−C3)アルキルであり;
9は水素又は(C1−C6)アルキルであり;
又はR6およびR9は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、窒素、硫黄および酸素より選択される0〜4個のヘテロ原子を含み得る5〜7員のヘテロアルキル環を形成し;
そしてpは1、2、又は3であり;
10、R11およびR12の各々は、R2の定義において記載されるラジカルより独立して選択され;又はR11およびR12は、それらが結合している窒素と共に、窒素、硫黄および酸素より選択される0〜4個のヘテロ原子を含み得る5〜7員のヘテロアルキル環を形成し;そして
破線は、任意の二重結合を示し、ただしG2における破線が二重結合である場合、R8は存在しない]
の化合物、又はその薬学的に許容しうる塩に関する。
【0014】
以下は基G1およびG2の特定のより詳細な実施態様である。
【化3】

【0015】
本発明はまた、式Iの化合物の薬学的に許容しうる酸付加塩に関する。本発明の前述の塩基化合物の薬学的に許容しうる酸付加塩を製造するために使用される酸は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、酒石酸水素塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、サッカリン酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、およびパモエート[すなわち1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエート)]塩のような非毒性酸付加塩、すなわち薬理学的に許容しうるアニオンを含有する塩を形成する酸である。
【0016】
本発明はまた、式Iの塩基付加塩に関する。事実上酸性である式Iの化合物の薬学的に許容しうる塩基塩を製造するために試薬として使用され得る化学塩基は、このような化合物と非毒性塩基塩を形成する塩基である。このような非毒性塩基塩としては、アルカリ金属カチオン(例えば、カリウムおよびナトリウム)及びアルカリ土類金属カチオン(例えば、カルシウム及びマグネシウム)のような薬理学的に許容しうるカチオンから誘導される塩、N−メチルグルカミン−(メグルミン)のようなアンモニウムまたは水溶性アミン付加塩、及び低級アルカノールアンモニウム塩並びに他の薬学的に許容しうる有機アミンの塩基塩が挙げられるがこれらに限定されない。
【0017】
本発明の化合物には、式Iの化合物の全ての立体異性体(例えば、シス(Z)及びトランス(E)異性体)及び全ての光学異性体(例えば、R及びS鏡像体)、並びにこのような異性体のラセミ混合物、ジアステレオマー混合物及びその他の混合物が含まれる。本発明の化合物はオレフィン様二重結合を含有し得る。このような結合が存在する場合、本発明の化合物はシス配置及びトランス配置として、ならびにその混合物として存在する。
【0018】
他に指示がなければ、本明細書中で言及されるアルキル基及びアルケニル基、並びに本明細書中で言及される他の基(例えば、アルコキシ)のアルキル部分構造は、直鎖でも分枝鎖でもよく、それらは環式(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシル)でも、または直鎖もしくは分枝鎖でもよく、そして環式部分構造を含んでもよい。他に指示がなければ、ハロゲンにはフッ素、塩素、臭素及びヨウ素が含まれる。
【0019】
式Iの好ましい化合物には、R1が、
【化4】

[式中、R6はメチルであり、そしてR13およびR2がそれぞれ水素である]である化合物が含まれる。
【0020】
他の好ましい化合物は、R1がG6である化合物である。
【0021】
式Iの好ましい化合物には、Yが、それが結合している原子と共に、場合により置換されたモルホリン−3−オン−2−イルを形成する化合物が含まれる。
【0022】
式Iの好ましい化合物には、R3が、場合により置換されたフェニル又は−(CH2)−場合により置換されたフェニルである化合物も含まれる。
【0023】
式Iの好ましい化合物は、式IA:
【化5】

[式中、X、Y、R1、R2およびR3は上で定義した通りであるが、ベンジル基をラクタム環に接続する二重結合が存在する場合は、ベンジル芳香環及びラクタム環のカルボニル基が二重結合に対して互いに関してトランスである]の化合物である。
【0024】
式Iの化合物の個々の鏡像体は、種々の障害または状態の処置においてこれらの化合物のラセミ混合物と比較した場合利点を有し得る。
【0025】
本発明はまた、同位体で標識した化合物を含み、これらは、1つ又はそれ以上の原子が、通常天然に見いだされる原子量または質量数と異なる原子量又は質量数を有する原子と置き換えられているという事実を除けば、式Iに記載される化合物と同一である。本発明の化合物中に組み込むことができる同位体の例としては、それぞれ2H、3H、13C、11C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、及び36Clのような水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素および塩素の同位体が挙げられる。前述の同位体及び/又は他の原子の他の同位体を含有する、本発明の化合物、そのプロドラッグ、及びこの化合物又はプロドラッグの薬学的に許容しうる塩は、本発明の範囲内である。特定の同位体で標識された本発明の化合物、例えば3H及び14Cのような放射性同位体が組み込まれた化合物は、薬物及び/又は基質組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム化(すなわち、3H)及び炭素−14(すなわち、14C)同位体は、それらの製造の容易さ及び検出能のために特に好ましい。さらに、重水素(すなわち2H)のようなより重い同位体での置換は、より高い代謝安定性、例えば増加したインビボ半減期または減少した投薬必要量の結果として生じる特定の治療的利点をもたらすことができ、それ故いくつかの状況において好ましいかもしれない。同位体で標識された本発明の式Iの化合物およびそのプロドラッグは、一般的には、容易に入手可能な同位体で標識された試薬を同位体で標識していない試薬の代わりに用いることにより、以下のスキーム及び/又は実施例及び製造において開示される手順を実行することにより製造することができる。
【0026】
式Iの具体的な好ましい化合物の例は以下である:
2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジリデン]−4−(4−イソプロピルフェニル)−モルホリン−3−オン、
2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジリデン]−4−フェニル−モルホリン−3−オン、
2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジリデン]−4−(4−tert−ブチルフェニル)−モルホリン−3−オン、
2−[2−(3,4,5−トリメチルピペラジン−1−イル)−ベンジリデン]−4−(4−tert−ブチルフェニル)−モルホリン−3−オン、
4−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−フェニル]−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジリデン]−モルホリン−3−オン、
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[4−フルオロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジリデン]−モルホリン−3−オン、
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[6−クロロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジリデン]−モルホリン−3−オン、
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[4−クロロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジリデン]−モルホリン−3−オン、
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[6−フルオロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジリデン]−モルホリン−3−オン、
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[3−フルオロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジリデン]−モルホリン−3−オン、
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−6−トリフルオロメチル−ベンジリデン]−モルホリン−3−オン、
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンジリデン]−モルホリン−3−オン、
【0027】
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[5−メチル−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジリデン]−モルホリン−3−オン、
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−(3−(R)−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ベンジリデン]−モルホリン−3−オン、
4−(4−tert−ブチル−ベンジル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジリデン]−モルホリン−3−オン、
4−(4−クロロベンジル)−5−メチル−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジリデン]−モルホリン−3−オン、
(±)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(+)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(−)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(±)−4−(4−イソプロピル−フェニル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(−)−4−(4−イソプロピル−フェニル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(+)−4−(4−イソプロピル−フェニル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(±)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−クロロ−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(+)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−クロロ−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
【0028】
(−)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−クロロ−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(±)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[4−クロロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(+)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[4−クロロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(−)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[4−クロロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(±)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−フルオロ−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(+)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−フルオロ−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(−)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−フルオロ−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(±)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[4−フルオロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(+)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[4−フルオロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(−)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[4−フルオロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(±)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[3−フルオロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(+)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[3−フルオロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
【0029】
(−)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[3−フルオロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(±)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[5−メチル−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(+)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[5−メチル−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(−)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[5−メチル−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(±)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(+)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(−)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(±)−4−ビフェニル−4−イル−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(±)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−(3,4,5−トリメチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(+)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−(3,4,5−トリメチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(−)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−(3,4,5−トリメチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(±)−4−(4−tert−ブチル−ベンジル)−2−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−モルホリン−3−オン
およびこのような化合物の薬学的に許容しうる塩。
【0030】
他の式Iの化合物としては、以下が挙げられる:
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−(3,5−ジメチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−(3,3,5,5−テトラメチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−{2−[メチル−(1−メチルピロリジン−3−イル)−アミノ]−ベンジル}−モルホリン−3−オン、
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−5−メチル−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[4−メトキシ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[4−ヒドロキシ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[4−メタンスルホニル−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
2−[4−ブロモ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−モルホリン−3−オン、
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[4−ヨード−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
4−(4−シクロプロピル−フェニル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
4−[4−(3−メチル−シクロブチル)−フェニル]−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
4−(4−シクロペンチル−フェニル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
【0031】
4−(4−シクロペンチル−フェニル)−2−[2−(4−エチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
4−[4−(4,4−ジメチル−シクロヘキシル)−フェニル]−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
4−[4−(1−メチル−シクロヘキシル)−フェニル]−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
4−(4−シクロヘキシル−3−メチル−フェニル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
4−(4−シクロヘキシル−3−メチル−フェニル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
4−{4−[2−(4−フルオロフェニル)−シクロプロピル]−フェニル}−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
4−[4−(4−フルオロベンジル)−フェニル]−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
4−(6−イソプロピル−ナフタレン−2−イル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
4−(6−tert−ブチル−ナフタレン−2−イル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
4−[1−(4−tert−ブチル−フェニル)−エチル]−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
4−(5−tert−ブチル−チオフェン−2−イルメチル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
4−(5−tert−ブチル−1−オキソ−1H−チオフェン−2−イルメチル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
【0032】
4−(5−tert−ブチル−1,1−ジオキソ−1H−チオフェン−2−イルメチル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
4−(4−tert−ブチル−ベンジル)−2−[4−クロロ−2−(3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
2−[4−クロロ−2−(3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ベンジル]−4−(4−イソプロピル−フェニル)−モルホリン−3−オン、
2−[2−(3−ジメチルアミノ−アゼチジン−1−イル)−4−フルオロベンジル]−4−(4−イソプロピル−フェニル)−モルホリン−3−オン、
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−(3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−4−フルオロ−5−イソプロピル−ベンジル]−モルホリン−3−オン及び
2−[2−(3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ベンジル]−4−[4−(1−メチル−シクロペンチル)−フェニル]−モルホリン−3−オン。
【0033】
本発明はまた、式V:
【化6】

[式中、R1、R2、R3、X、及びYは上で定義された通りである]の中間体に関する。
式Vの化合物の全ての光学異性体(例えば、R鏡像体及びS鏡像体)、並びにこのような異性体のラセミ混合物、ジアステレオマー混合物及びその他の混合物も含まれる。本発明の化合物は、オレフィン様二重結合を含み得る。このような結合が存在する場合、本発明の化合物は、シス配置及びトランス配置として、ならびにその混合物として存在する。
【0034】
式Vの特定の好ましい化合物の例は、以下である:
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−{ヒドロキシ−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−フェニル]−メチル}−モルホリン−3−オン、
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−{[4−フルオロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−フェニル]−ヒドロキシメチル}−モルホリン−3−オン、
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−{1−[4−フルオロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−フェニル]−1−ヒドロキシ−エチル}−モルホリン−3−オン、
4−[4−(1,1−ジメチルプロピル)−フェニル]−2−{1−ヒドロキシ−1−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−フェニル]−エチル}−モルホリン−3−オン、
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−{[6−フルオロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−フェニル]−ヒドロキシメチル}−モルホリン−3−オン、
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−{[4−クロロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−フェニル]−ヒドロキシメチル}−モルホリン−3−オン、
4−(4−イソプロピル−フェニル)−2−{[4−クロロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−フェニル]−ヒドロキシ−メチル}−モルホリン−3−オン及び
4−(4−イソプロピル−フェニル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−フェニル]−ヒドロキシメチル−モルホリン−3−オン。
【0035】
本発明の他の好ましい化合物は、式IB
【化7】

[式中、X、Y、R1、R2、及びR3は上で定義されたとおりである]の化合物である。式IBのこれらの化合物は、式IAの化合物の異性体であり、式中ベンジル基をラクタム環に接続する二重結合があり、そしてベンジル芳香環およびラクタム環のカルボニル基は、二重結合に対して互いに関してシスである。従って本発明は、式IBの幾何構造を有する上述のような化合物および種の群を包含する。
【0036】
本発明はまた、高血圧、うつ病の全ての形態(例えば、癌患者におけるうつ病、パーキンソン病患者におけるうつ病、心筋梗塞後うつ病、亜症候群症候性うつ病、不妊症女性におけるうつ病、小児うつ病、大うつ病性障害、単一エピソードのうつ病、反復性うつ病、幼児虐待誘発うつ病、分娩後うつ病、気分変調;非定型的特徴、メランコリーの特徴、精神病性の特徴、緊張病性の特徴を伴うか又は伴わない、軽症、中等症、又は重症のうつ病;季節性情動障害、老人性うつ病、慢性うつ病;抑うつ気分または不安及び抑うつ気分を伴う適応障害;混合型の不安及び抑うつ;物質誘発性気分障害;並びに一般的な病状に続発する気分障害)、全般性不安障害、恐怖症(例えば、広場恐怖症、対人恐怖、および単純恐怖)、心的外傷後ストレス症候群、回避性人格障害、早漏、摂食障害(例えば、拒食症、神経性大食症)、肥満、薬物依存(例えば、アルコール、コカイン、ヘロイン、フェノバルビタール、ニコチン及びベンゾジアゼピン系薬に対する嗜癖)、群発性頭痛、片頭痛、疼痛、アルツハイマー病、強迫性障害、パニック障害、記憶障害(例えば、痴呆、健忘障害、及び加齢性認知低下(ARCD))、パーキンソン病(例えば、パーキンソン病における痴呆、神経遮断薬誘発性パーキンソニズム及び遅発性ジスキネジー)、内分泌障害(例えば、高プロラクチン血症)、血管けいれん(特に脳血管において)、小脳性運動失調、胃腸管障害(運動性及び分泌の変化を含む)、統合失調症の陰性症状、月経前症候群、線維筋肉痛症候群、緊張性尿失禁、ツレット症候群、抜毛癖、窃盗癖、男性不能症、癌(例えば、小細胞肺癌)、慢性発作性片側頭痛、頭痛(血管障害に関連)、双極性障害(抑うつ期にあるものを含む)、及び注意欠陥/過活動性障害(ADHD)より選択される障害または状態を、哺乳動物、好ましくはヒトにおいて処置するための医薬組成物であって、(a)ある量の式Iの化合物又はその薬学的に許容しうる塩、(b)およびこのような障害または状態の処置において有効な薬学的に許容しうる担体を含む医薬組成物に関する。
【0037】
本発明はまた、哺乳動物、好ましくはヒトにおいてセロトニン神経伝達を増強することにより処置することができる障害または状態を処置するための、このような障害または状態の処置において有効な量の式Iの化合物またはその薬学的に許容しうる塩、及び薬学的に許容しうる担体を含む医薬組成物に関する。このような障害および状態の例は、先行する段落に列挙される障害および状態である。
【0038】
本発明はまた、哺乳動物、好ましくはヒトにおける注意欠陥/過活動性障害(ADHD)、双極性障害、双極性障害−抑うつ期;非定型的特徴、メランコリーの特徴、精神病性の特徴、緊張病性の特徴を伴うか又は伴わない、軽症、中等症、又は重症のうつ病;季節性情動障害、分娩後うつ病、老人性うつ病、慢性うつ病、気分変調、抑うつ気分を伴う適応障害、不安及び抑うつ気分を伴う適応障害、混合型の不安及び抑うつ、物質誘発性気分障害、及び一般的な病状に続発する気分障害より選択される障害または状態を処置するための、このような障害または状態の処置において有効な(a)量の式Iの化合物またはその薬学的に許容しうる塩、及び(b)薬学的に許容しうる担体を含む、医薬組成物に関する。
【0039】
本発明はまた、哺乳動物、好ましくはヒトにおいて、高血圧、うつ病の全ての形態(例えば、癌患者におけるうつ病、パーキンソン病患者におけるうつ病、心筋梗塞後うつ病、亜症候群症候性うつ病、不妊症女性におけるうつ病、小児うつ病、大うつ病性障害、単一エピソードのうつ病、反復性うつ病、幼児虐待誘発うつ病、分娩後うつ病、気分変調;非定型的特徴、メランコリーの特徴、精神病性の特徴、緊張病性の特徴を伴うか又は伴わない、軽症、中等症、又は重症のうつ病;季節性情動障害、老人性うつ病、慢性うつ病、気分変調、抑うつ気分または不安及び抑うつ気分を伴う適応障害;混合型の不安及び抑うつ;物質誘発性気分障害;並びに一般的な病状に続発する気分障害)、全般性不安障害、恐怖症(例えば、広場恐怖症、対人恐怖、および単純恐怖)、心的外傷後ストレス症候群、回避性人格障害、早漏、摂食障害(例えば、拒食症、神経性大食症)、肥満、薬物依存(例えば、アルコール、コカイン、ヘロイン、フェノバルビタール、ニコチン及びベンゾジアゼピン系薬に対する嗜癖)、群発性頭痛、片頭痛、疼痛、アルツハイマー病、強迫性障害、パニック障害、記憶障害(例えば、痴呆、健忘障害、及び加齢性認知低下(ARCD))、パーキンソン病(例えば、パーキンソン病における痴呆、神経遮断薬誘発性パーキンソニズム及び遅発性ジスキネジー)、内分泌障害(例えば、高プロラクチン血症)、血管けいれん(特に脳血管において)、小脳性運動失調、胃腸管障害(運動性及び分泌の変化を含む)、統合失調症の陰性症状、月経前症候群、線維筋肉痛症候群、緊張性尿失禁、ツレット症候群、抜毛癖、窃盗癖、男性不能症、癌(例えば、小細胞肺癌)、慢性発作性片側頭痛、頭痛(血管障害に関連)、双極性障害(抑うつ期にあるものを含む)、及び注意欠陥/過活動性障害(ADHD)より選択される障害または状態を処置するための方法であって、このような処置を必要とする哺乳動物に、このような障害又は状態の処置において有効な量の式Iの化合物、又はその薬学的に許容しうる塩を投与することを含む方法に関する。
【0040】
本発明はまた、哺乳動物、好ましくはヒトにおける注意欠陥/過活動性障害(ADHD)、双極性障害、双極性障害−抑うつ期;非定型的特徴、メランコリーの特徴、精神病性の特徴、緊張病性の特徴を伴うか又は伴わない、軽症、中等症、又は重症のうつ病;季節性情動障害、分娩後うつ病、老人性うつ病、慢性うつ病、気分変調、抑うつ気分を伴う適応障害、不安及び抑うつ気分を伴う適応障害、混合型の不安及び抑うつ、物質誘発性気分障害、一般的な病状に続発する気分障害より選択される障害または状態を処置するための方法であって、このような処置を必要とする哺乳動物に、このような障害又は状態の処置において有効な量の式Iの化合物、又はその薬学的に許容しうる塩を投与することを含む方法に関する。
【0041】
本発明はまた、哺乳動物、好ましくはヒトにおけるセロトニン神経伝達を増強することにより処置することができる障害または状態を処置するための方法であって、このような処置を必要とする哺乳動物に、このような障害又は状態の処置において有効な量の式Iの化合物、又はその薬学的に許容しうる塩を投与することを含む方法に関する。
【0042】
本発明はまた、哺乳動物、好ましくはヒトにおいて、高血圧、うつ病の全ての形態(例えば、癌患者におけるうつ病、パーキンソン病患者におけるうつ病、心筋梗塞後うつ病、亜症候群症候性うつ病、不妊症女性におけるうつ病、小児うつ病、大うつ病性障害、単一エピソードのうつ病、反復性うつ病、幼児虐待誘発うつ病、分娩後うつ病、気分変調;非定型的特徴、メランコリーの特徴、精神病性の特徴、緊張病性の特徴を伴うか又は伴わない、軽症、中等症、又は重症のうつ病;季節性情動障害、老人性うつ病、慢性うつ病;抑うつ気分または不安及び抑うつ気分を伴う適応障害;混合型の不安及び抑うつ;物質誘発性気分障害;並びに一般的な病状に続発する気分障害)、全般性不安障害、恐怖症(例えば、広場恐怖症、対人恐怖、および単純恐怖)、心的外傷後ストレス症候群、回避性人格障害、早漏、摂食障害(例えば、拒食症、神経性大食症)、肥満、薬物依存(例えば、アルコール、コカイン、ヘロイン、フェノバルビタール、ニコチン及びベンゾジアゼピン系薬に対する嗜癖)、群発性頭痛、片頭痛、疼痛、アルツハイマー病、強迫性障害、パニック障害、記憶障害(例えば、痴呆、健忘障害、及び加齢性認知低下(ARCD))、パーキンソン病(例えば、パーキンソン病における痴呆、神経遮断薬誘発性パーキンソニズム及び遅発性ジスキネジー)、内分泌障害(例えば、高プロラクチン血症)、血管けいれん(特に脳血管において)、小脳性運動失調、胃腸管障害(運動性及び分泌の変化を含む)、統合失調症の陰性症状、月経前症候群、線維筋肉痛症候群、緊張性尿失禁、ツレット症候群、抜毛癖、窃盗癖、男性不能症、癌(例えば、小細胞肺癌)、慢性発作性片側頭痛、頭痛(血管障害に関連)、双極性障害(抑うつ期にあるものを含む)、注意欠陥/過活動性障害(ADHD)より選択される障害または状態を処置するための医薬組成物であって、セロトニン受容体に拮抗するかまたは作用するのに有効な量の式Iの化合物、又はその薬学的に許容しうる塩、及び薬学的に許容しうる担体を含む医薬組成物に関する。
【0043】
本発明はまた、哺乳動物、好ましくはヒトにおいてセロトニン神経伝達を増強することにより処置することができる障害または状態を処置するための医薬組成物であって、セロトニン受容体に拮抗するかまたは作用するのに有効な量の式Iの化合物、又はその薬学的に許容しうる塩、及び薬学的に許容しうる担体を含む医薬組成物に関する。
【0044】
本発明はまた、哺乳動物、好ましくはヒトにおける注意欠陥/過活動性障害(ADHD)、双極性障害、双極性障害−抑うつ期;非定型的特徴、メランコリーの特徴、精神病性の特徴、緊張病性の特徴を伴うか又は伴わない、軽症、中等症、又は重症のうつ病;季節性情動障害、分娩後うつ病、老人性うつ病、慢性うつ病、気分変調、抑うつ気分を伴う適応障害、不安及び抑うつ気分を伴う適応障害、混合型の不安及び抑うつ、物質誘発性気分障害、一般的な病状に続発する気分障害より選択される障害または状態を処置するための医薬組成物であって、セロトニン受容体に拮抗するかまたは作用するのに有効な量の式Iの化合物、又はその薬学的に許容しうる塩、及び薬学的に許容しうる担体を含む医薬組成物に関する。
【0045】
本発明はまた、哺乳動物、好ましくはヒトにおいて、高血圧、うつ病の全ての形態(例えば、癌患者におけるうつ病、パーキンソン病患者におけるうつ病、心筋梗塞後うつ病、亜症候群症候性うつ病、不妊症女性におけるうつ病、小児うつ病、大うつ病性障害、単一エピソードのうつ病、反復性うつ病、幼児虐待誘発うつ病、分娩後うつ病、気分変調;非定型的特徴、メランコリーの特徴、精神病性の特徴、緊張病性の特徴を伴うか又は伴わない、軽症、中等症、又は重症のうつ病;季節性情動障害、老人性うつ病、慢性うつ病;抑うつ気分または不安及び抑うつ気分を伴う適応障害;混合型の不安及び抑うつ;物質誘発性気分障害;並びに一般的な病状に続発する気分障害)、全般性不安障害、恐怖症(例えば、広場恐怖症、対人恐怖、および単純恐怖)、心的外傷後ストレス症候群、回避性人格障害、早漏、摂食障害(例えば、拒食症、神経性大食症)、肥満、薬物依存(例えば、アルコール、コカイン、ヘロイン、フェノバルビタール、ニコチン及びベンゾジアゼピン系薬に対する嗜癖)、群発性頭痛、片頭痛、疼痛、アルツハイマー病、強迫性障害、パニック障害、記憶障害(例えば、痴呆、健忘障害、及び加齢性認知低下(ARCD))、パーキンソン病(例えば、パーキンソン病における痴呆、神経遮断薬誘発性パーキンソニズム及び遅発性ジスキネジー)、内分泌障害(例えば、高プロラクチン血症)、血管けいれん(特に脳血管において)、小脳性運動失調、胃腸管障害(運動性及び分泌の変化を含む)、統合失調症の陰性症状、月経前症候群、線維筋肉痛症候群、緊張性尿失禁、ツレット症候群、抜毛癖、窃盗癖、男性不能症、癌(例えば、小細胞肺癌)、慢性発作性片側頭痛、頭痛(血管障害に関連)、双極性障害(抑うつ期にあるものを含む)、注意欠陥/過活動性障害(ADHD)より選択される障害または状態を処置するための方法であって、このような処置を必要とする哺乳動物に、セロトニン受容体に拮抗するかまたは作用するのに有効な量の式Iの化合物、又はその薬学的に許容しうる塩を投与することを含む方法に関する。
【0046】
本発明はまた、哺乳動物、好ましくはヒトにおいてセロトニン神経伝達を増強することにより処置することができる障害または状態を処置するための方法であって、このような処置を必要とする哺乳動物に、セロトニン受容体に拮抗するかまたは作用するのに有効な量の式Iの化合物、又はその薬学的に許容しうる塩を投与することを含む方法に関する。
【0047】
本発明はまた、好ましくはヒトにおいて、注意欠陥/過活動性障害(ADHD)、双極性障害、双極性障害−抑うつ期;非定型的特徴、メランコリーの特徴、精神病性の特徴、緊張病性の特徴を伴うか又は伴わない、軽症、中等症、又は重症のうつ病;季節性情動障害、分娩後うつ病、老人性うつ病、慢性うつ病、気分変調、抑うつ気分を伴う適応障害、不安及び抑うつ気分を伴う適応障害、混合型の不安及び抑うつ、物質誘発性気分障害、一般的な病状に続発する気分障害より選択される障害または状態を処置するための方法であって、このような処置を必要とする哺乳動物に、セロトニン受容体に拮抗するかまたは作用するのに有効な量の式Iの化合物、又はその薬学的に許容しうる塩を投与することを含む方法に関する。
【0048】
本発明の化合物はまた、上記の障害のうちの2つまたはそれ以上に罹患した患者の処置において有用である。本発明の新規な化合物を使用して処置することができる上記の列挙された障害のうちのいくつかが、1つ又はそれ以上の他のこのような障害に罹患した患者において存在することは、珍しくはない。例えば、抑うつは、しばしば不安と併存し、両方とも本発明の化合物又は医薬組成物を使用して処置され得る。
【0049】
本発明のセロトニン1(5−HT1)受容体作用薬/拮抗薬化合物のさらなる特定の利点は、選択的セロトニン再取り込み阻害剤に通常付随する作用開始の遅延なしに、それらが薬理活性および治療活性を示すことである。
【0050】
本発明はさらに、哺乳動物、好ましくはヒトにおいてセロトニン神経伝達を増強することにより処置することができる状態又は障害を処置するための医薬組成物であって:
a) 式Iの化合物又はその薬学的に許容しうる塩;および
b) 5−HT再取り込み阻害剤、又はその薬学的に許容しうる塩;及び
c) 薬学的に許容しうる担体;
を含み、ここで上記の活性薬剤「a」及び「b」の量が、それぞれこのような障害または状態の処置においてこの組成物を有効にする量で存在する医薬組成物に関する。
【0051】
本発明はまた、哺乳動物、好ましくはヒトにおいてセロトニン神経伝達を増強することにより処置することができる障害又は状態を処置するための方法であって、このような処置を必要とする哺乳動物に:
a) 上で定義された式Iの化合物、又はその薬学的に許容しうる塩;及び
b) 5−HT再取り込み阻害剤、又はその薬学的に許容しうる塩;
を投与することを含み、ここで上記の活性薬剤「a」および「b」の量が、このような障害又は状態の処置において2つの薬剤の組み合わせを有効にする量で存在する方法に関する。
【0052】
本発明はまた、哺乳動物、好ましくはヒトにおいてセロトニン神経伝達を増強することにより処置することができる障害又は状態を処置するための方法であって、このような処置を必要とするこの哺乳動物に:
a) 5−HT1A拮抗薬又はその薬学的に許容しうる塩;及び
b) 式Iの5−HT1B拮抗薬又はその薬学的に許容しうる塩;
を投与することを含み、ここで各活性化合物「a」及び「b」の量が、それぞれこのような障害又は状態の処置において2つの薬剤の組み合わせを有効にする量で存在する方法に関する。
【0053】
本発明はまた、哺乳動物、好ましくはヒトにおいてセロトニン神経伝達を増強することにより処置することができる障害または状態を処置するための医薬組成物であって:
a) 5−HT1A拮抗薬又はその薬学的に許容しうる塩;及び
b) 式Iの5−HT1B拮抗薬又はその薬学的に許容しうる塩;及び
c) 薬学的に許容しうる担体;
を含み、ここで上記の各活性化合物「a」及び「b」の量が、それぞれこのような障害又は状態の処置においてこの組成物を有効にする量で存在する医薬組成物に関する。
【0054】
「処置すること」とは、疾患、障害若しくは状態、又はその1つ若しくはそれ以上の症状を、逆転すること、緩和すること、その進行を抑制すること、又は予防することを指し、かつこれらを包含し;そして「処置」および「治療的に」とは、上で定義されたように、処置するという行為を指す。
【0055】
本明細書中で使用される「増強されたセロトニン神経伝達」とは、シナプス前細胞が興奮した際にセロトニンが放出されてシナプスを横切り、シナプス後細胞を剌激または阻害するニューロンプロセスを、増大または改善することを指す。
【0056】
本明細書中で使用される「薬物依存」とは、薬物に対する異常な渇望若しくは欲求、又は嗜癖を意味する。このような薬物は一般に、経口、非経口、経鼻または吸入を含む種々の投与手段のいずれかにより罹患した個体に投与される。本発明の方法で治療しうる薬物依存の例は、アルコール、ニコチン、コカイン、ヘロイン、フェノバルビタールおよびベンゾジアゼピン系薬(たとえばValium(商標))に対する依存である。本明細書中で使用される「薬物依存を処置すること」は、このような依存を軽減または緩和することを意味する。
【0057】
本明細書中で使用される、好ましい5−HT再取込み阻害剤のセルトラリン、(1S−cis)−4−(3,4−ジクロロフェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−N−メチル−1−ナフタレンアミンは、以下の構造式:
【化8】

を有し、通常はその塩酸塩の形態で使用される。セルトラリンの合成は、米国特許第4,536,518号(ファイザー社に譲渡)に記載されている。塩酸セルトラリンは、抗うつ薬および食欲抑制薬として有用であり、うつ病、薬物依存、不安、強迫性障害、恐怖症、パニック障害、外傷後ストレス症候群および早漏の処置にも有用である。前述の特許は、全て参照により加入される。
【0058】
式Iの化合物は、以下の反応スキームおよび考察に従って製造し得る。他に指示が無ければ、以下の反応スキーム及び考察におけるR1〜R3、R6〜R15、G1〜G9、X、B、E、Y、Z、g、j、k、m、n、p、q、rおよびt並びに構造式Iは、上で定義されたとおりである。
【0059】
【化9】

【0060】
【化10】

【0061】
スキーム1は、式中、破線が炭素−炭素二重結合を表し、そしてR1が式G1、G3、G4、G5、G6またはG7の基である式Iの化合物を合成する方法を図示する。スキーム1を参照して、式中、Qが適切な脱離基(例えば、クロロ、フルオロ、ブロモ、メシレート、トシレートなど)である式IIIの化合物を、式R1H[式中、Hは基E又はG1、G3、G5、G6若しくはG7からの窒素原子上の水素原子を指し、そしてR1は、式G1、G3、G4、G5、G6又はG7の基である]の化合物と塩基の存在下で反応させて対応する式IIの化合物を形成する。この反応は、一般的には約0℃〜約140℃の温度、好ましくは還流温度付近にて、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)又はN−メチル−2−ピロリジノン(NMP)、好ましくはDMFのような極性溶媒中で行う。適切な塩基としては、無水炭酸ナトリウム(Na2CO3)、炭酸カリウム(K2CO3)、水酸化ナトリウム(NaOH)及び水酸化カリウム(KOH)、並びにピロリジン、トリエチルアミン及びピリジンのようなアミンが挙げられる。無水炭酸カリウムが好ましい。
【0062】
式IIの化合物を、それらをアルドール縮合またはWittig反応にかけることにより、R3が水素以外である式Iの化合物に変換することができる。例えば、アルドール縮合の場合、式IIの化合物を、式IV:
【化11】

の化合物と、塩基の存在下で反応させて、式V
【化12】

のアルドール中間体を形成することができ、これを単離しても、直接的に同じ反応工程で式Iの化合物へと脱水することにより変換してもよい。式IIの化合物の式Iのアルドール生成物への変換についての完了の程度は、簿層クロマトグラフィー(tlc)又は質量分析のような1つ又はそれ以上の分析技術を使用して評価し得る。いくつかの場合には、式Vの中間体を単離することが可能であるかまたは望ましくあり得る。このような場合、式Vの化合物を、当業者によく知られた技術を使用して、例えばベンゼン、トルエンまたはキシレンのような溶媒中の式Vの化合物の溶液を、生成される水の除去に対する対策をして触媒量のベンゼンスルホン酸又はp−トルエンスルホン酸の存在下で還流温度に加熱することにより、水を排除して式Iの化合物へと変換し得る。このような水の除去技術は、モレキュラーシーブ又は溶媒との共沸混合物として生成した水を分離させるためのDean−Starkトラップの使用を含んでもよい。
【0063】
アルドール反応は、典型的にはDMSO、DMF、テトラヒドロフラン(THF)、メタノール又はエタノールのような極性溶媒中で、約−78℃〜約80℃の温度にて行う。好ましくは、この反応を、THF中約25℃で行う。アルドール形成工程における使用のために適切な塩基としては炭酸カリウム(K2CO3)、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、水素化ナトリウム(NaH)、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、リチウムジイソプロピルアミド、ピロリジン及びピペリジンが挙げられる。水素化ナトリウムが好ましい。アルドール縮合は、「Modern Synthetic Reactions,」Herbert O.House、2d.Edition、W.A.Benjamin、Menlo Park、California、629−682(1972)及びTetrahedron、38(20)、3059(1982)に記載される。
【0064】
3が水素以外である式Iの化合物もまた、式IV[式中R3が水素又は−(C=O)R13であり、ここでR13が(C1−C6)アルキル又はトリフルオロメチルである]の化合物との反応、続いて存在する場合は−C(=O)R13基の除去、そして式R3−L’[ここでL’は脱離基であり、そして上で定義されたQとして定義される]の化合物との反応により、式IIの化合物から製造することができる。これらの反応は、ジ−(アルキル)エーテル、THF、DMF、DMA又はDMSO、好ましくはDMFのような溶媒中、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム、好ましくは水素化ナトリウムのような塩基の存在下で行うことができる。反応温度は、約0℃〜約150℃、好ましくは約25℃〜溶媒の還流温度付近の範囲にすることができる。
【0065】
あるいは、式IVの化合物を、Helvetica Chimica Acta、46、1580(1963)に記載されるような、そして以下に示されるようなWittigオレフィン化により式Iの化合物へ変換することができる。
【化13】

【0066】
それ故、式IVの化合物を、標準的な臭素化条件を使用して式XIの対応する臭素化物に変換し、続いて無水THF中トリフェニルホスフィンで処理して、式XIIの中間体を形成することができる。次いで式XIIの化合物を塩基(例えば、水性Na2CO3)で処理して対応するホスホニウムイリドを生成することができ、次いでこれを式IIの適切な中間体と反応させて一般式Iの化合物を生成することができる。この変換は、A.Maercker、Organic Reactions、14、270(1965)に記載される。
【0067】
破線が炭素−炭素単結合を表す式Iの化合物を、当業者に周知の標準的技術を使用して、破線が炭素−炭素二重結合を表す対応する化合物を水素化することにより製造し得る。例えば、二重結合の還元は、Catalytic Hydrogenation in Organic Synthesis、Paul Rylander、Academic Press Inc.、San Diego、31−63(1979)に記載されるように、水素ガス(H2)を用いて、炭素担持パラジウム(Pd/C)、硫酸バリウム担持パラジウム(Pd/BaSO4)、炭素担持白金(Pt/C)、又はトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウムクロリド(Wilkinson触媒)のような触媒を使用して、メタノール、エタノール、THF、ジオキサン又は酢酸エチルのような適切な溶媒中で、約1〜約5気圧の圧力で、そして約10℃〜約60℃の温度にて達成し得る。以下の条件が好ましい:炭素担持Pd、メタノール、25℃及び50psiの水素ガス圧。この方法はまた、上記の手順において1222又は32で置き換えることにより水素同位体(すなわち、ジューテリウム、トリチウム)の導入をもたらす。
【0068】
還流温度にて不活性雰囲気下(例えば、窒素またはアルゴンガス)でのメタノール中のギ酸アンモニウム及びPd/Cのような試薬の使用を採用する代替の手順もまた、式Iの化合物の炭素−炭素二重結合の還元において有効である。別の代替の方法は、炭素−炭素二重結合の選択的還元を含む。これは、R.Yanadaら、Synlett.、443−4(1995)により記載されるように、メタノール又はエタノール中、室温付近でサマリウム及びヨウ素又はヨウ化サマリウム(SmI2)を使用して達成することができる。
【0069】
式IIIおよび式IVの出発物質は、市販されているかまたは当該分野で公知である。例えば、R2が水素である式IIIの化合物は、商業的供給源から容易に入手可能であるかまたは化学文献に開示される手順を使用して製造し得る。式IIIの化合物はまた、市販されている対応するカルボン酸又はエステル(すなわち、R2=OH又はO−アルキルである式III)から製造し得る。これらの酸またはエステルは、置換基Q及びXの性質によって種々の還元剤及び条件の1つ又はそれ以上を使用して、以下に示される式XIIIの対応するアルコール[ここでQは式IIIについて定義されたとおりである]に還元することがきる。
【化14】

【0070】
このような還元剤としては、メタノール、エタノール、THF、ジエチルエーテル及びジオキサンのような溶媒中のホウ水素化ナトリウム(NaBH4)、シアノホウ水素化ナトリウム(NaCNBH3)、水素化リチウムアルミニウム(LiAlH4)およびTHF中のボラン(BH3・THF)が挙げられる。対応する式IIのアルデヒドへの式XIIIのアルコールの酸化は、Jones試薬(クロム酸水素(H2CrO4))、ピリジニウムクロロクロメート(PCC)又は二酸化マンガン(MnO2)のような選択的酸化剤を使用して達成され得る。このような変換についての参考文献は容易に入手可能である(例えば、K.B.Wiberg、Oxidation in Organic Chemistry、Part A、Academic Press Inc、N.Y.、69−72(1965))。
【0071】
3が水素である式IVの化合物(式IVAの化合物)を、当業者に利用可能な標準的
技術を使用してアルキル化して、例えば、(a)約−30℃から溶媒の還流温度付近までの温度にて約5分〜約24時間の間、NaH/THF、NaH/DMF又はn−ブチルリチウム/THF(n−BuLi/THF)のような強塩基/極性溶媒系を使用して、所望の式IVAの化合物のアニオンを生成し、そして(b)アニオンを式R3L’[ここでL’は、クロロ、ブロモ、ヨード又はメシレートのような脱離基である]のアルキル化剤で処理することにより、R3が水素ではない対応する化合物を形成し得る。このプロセスは以下に示される。
【化15】

【0072】
式IVAの化合物の式IVBの化合物への前述の変換はまた、Takahataら、Heterocycles、1979、12(11)、pp.1449−1451により記載されるような相間移動触媒条件を使用して達成され得る。
【0073】
3がアリール又はヘテロアリールである式IVBの化合物を、銅(0)又は銅(l)のような触媒(例えば、銅、銅−青銅、又は臭化銅)及び水素化ナトリウム、炭酸カリウム、又は炭酸ナトリウムのような塩基の存在下で、式R3L’[ここでL’は、クロロ、ブロモ又はヨードのような脱離基である]のアリール又はヘテロアリール試薬と反応させることにより式IVAの化合物から製造することができる。この反応は、ニートか又はジメチルホルムアミド若しくはジメチルスルホキシドのような極性溶媒で行われ得る。Ullmann縮合と呼ばれるこの反応は、Yamamoto & Kurata、Chem.and Industry、737−738(1981)により記載される。
【0074】
あるいは、R3がアリール又はヘテロアリールである式IVBの化合物を、式IVDの化合物から製造することができ、この式IVDの化合物は、市販されているか又は式IVCの化合物(例えば、モルホリン)および適切な臭化アリール又は臭化ヘテロアリール(R3L’)で開始してJournal of Organic Chemistry、2000、65(4)、pp.1144−1157のS.L.Buchwaldらの方法に従って製造することができる。次いで式IVDのこの中間体を、J.H.Markgraf and C.A.Stickney in the Journal of Heterocyclic Chemistry、2000、37(11)、pp.109−110により記載される手順に従って、過マンガン酸カリウムのような適切な酸化剤を、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリドのような第4級アンモニウム化合物の存在下で、塩化メチレン、クロロホルム又はトルエンのような反応不活性溶媒中で使用して、式IVBの中間体へと酸化することができる。
【化16】

【0075】
式IIの中間体の製造において使用される式R1Hの化合物は、容易に入手可能であるか、当業者に公知でありそして化学文献に開示される手順から適合された有機合成の標準的方法を使用して製造し得る。例えば、R1がG1である式R1Hの化合物の製造は、市販のN−tert−ブトキシカルボニルピペラジン(VI)で開始して以下の反応手順を使用して達成し得る:
【化17】

【0076】
式R6L’[ここでL’は脱離基であり、そしてQが上で定義されたとおりに定義され、そしてR6は(C1−C6)アルキル、アリール−(C1−C4)アルキル[ここでアリール部分構造はフェニル又はナフチル]、又はヘテロアリール−(CH2q−であり、ここでqは0、1、2、3又は4であり、そしてヘテロアリール部分構造はピリジル、ピリミジル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、およびベンゾイソチアゾリルより選択される]の化合物を用いて、酸スカベンジャー(例えば、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)、炭酸水素カリウム(KHCO3)、炭酸ナトリウム(Na2CO3)又は炭酸カリウム(K2CO3))の存在下で、アセトンのような極性溶媒中、約10℃〜溶媒の還流温度付近の温度にて、式VIの化合物をアルキル化して、式VIIの中間体を得る。tert−ブトキシカルボニル基の除去は、反応が完了したと判断されるまで、酸性条件、例えば、酢酸中のHBr又はトリフルオロ酢酸を使用して達成することができる。
【0077】
式II[式中、R1はテトラヒドロピリジン又はピペリジン(すなわち式G2の化合物)であり、そしてR2が水素である]の化合物を、スキーム2に示される式IIIの2−ブロモベンズアルデヒド(これらの多くは市販されている)から製造することができる。スキーム2を参照して、式IIIの化合物は、当該分野で周知の方法を使用して、最初に式XIV[式中、Pは完全に保護されたアルデヒド又はケトン部分構造である]の保護されたアルデヒドに変換される。例えば、アルデヒドの1,3−ジオキソラン誘導体を、J.E.Coleら、J.Chem.Soc.、244(1962)により記載される方法に従って、無水ベンゼン中の式IIIのアルデヒドと1,3−プロパンジオールとの溶液を触媒量のp−トルエンスルホン酸と共に還流することにより製造し得る。式IIIのR2が水素でない場合、適切な保護基を使用してケトンを保護することができる。適切な保護基は、置換基Xの存在および性質に基づいて多くのこのような基から選択され得る。適切な保護基の例は、T.W.Greene and P.Wuts、Protecting Groups in Organic Synthesis、John Wiley & Sons、2nd Edition、New York、1991に見られ得る。最も好ましい保護基は、接触水素化に耐性の保護基(例えば、1、3−ジオキソラン)であり、従ってこれは必要な場合、その後の式XVIAのテトラヒドロピリジンの炭素−炭素二重結合の還元を可能にするであろう。
【0078】
次いで式XIVの化合物を、式VII
【化18】

のビニルスタナン、例えば、1−BOC−4−トリメチルスタニル−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン(ここでBOCはtert−ブチルオキシカルボニルを指す)を用いて触媒の存在下で処理して、対応する式XVIAの化合物を形成することができる。パラジウムが好ましい触媒である(例えば、((C653P)4Pd又はPd2(dba)3、ここでdbaはジベンジリデンアセトンを指す)。存在する場合、前述の反応に適切な溶媒としては、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノンが挙げられ、好ましくはジメチルホルムアミドである。この反応は、約20℃〜約160℃、好ましくは約60℃〜約130℃で都合良く進行する。この反応は、「Palladium−catalyzed Vinylation of Organic Halides」Organic Reactions、27、345−390、(W.G.Dauben、Ed.、John Wiley & Sons、Inc.、New York、New York 、1982)に記載されるように行われ得る。
【0079】
式XVIAの化合物を、アルデヒド又はケトン保護基の除去により、R1がテトラヒドロピリジンである式IIの化合物に変換することができる。アルデヒド又はケトンのための保護基Pを、Greeneに記載される1つ又はそれ以上の技術(例えば、式XVIの化合物のTHF溶液および5%塩酸を室温で20時間撹拌する)を使用して式−C(=O)R2の非保護ケトン又はアルデヒドに変換することができる。
【0080】
あるいは、式XVIAの化合物を、当該分野で公知の標準的な方法を使用して、一般的には触媒として炭素担持パラジウムを使用して、以前の段落からの式XVIAのテトラヒドロピリジンを接触水素化して対応する式XVIBの化合物を形成することにより、R1がピペリジン(G2)である式IIの化合物に変換することができる。この反応は、典型的にはエタノール又は酢酸エチルのような不活性溶媒中、酢酸又は塩酸(HCl)のようなプロトン酸を用いるか又は用いずに行われる。酢酸が好ましい。G2上の保護基(例えば、BOC)を、上で参照したGreeneに記載される1つ又はそれ以上の技術(例えば、式XVIの化合物を酢酸エチルおよび3モル濃度の塩酸中、室温付近で約30分撹拌する)を使用して除去することができる。アルデヒド又はケトンの保護基Pを、上記のように非保護ケトン又はアルデヒドに変換することができる。
【0081】
反応スキーム2からの式XIVの化合物もまた、スキーム3に示されるように不活性溶媒中でアルキルリチウム試薬、例えばn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム又はtert−ブチルリチウム、好ましくはn−ブチルリチウムで処理して、式XVIIの中間体リチウムアニオンを形成し得る。この反応に適切な溶媒としては、例えば、エーテル又はテトラヒドロフランが挙げられ、好ましくはテトラヒドロフランである。この反応の反応温度は、約−110℃〜約0℃の範囲に及び得る。次いで式XVIIの中間体リチウムアニオンをさらに適切な求電子剤(その選択は置換基の存在および性質に依存する)と反応させることができる。R1が式G2の基である式IIの化合物を製造する際の使用に適切な求電子剤としては、例えば、カルボニル誘導体又はアルキル化剤(例えば、1−BOC−4−ピペリドン)が挙げられる。アルデヒド又はケトンが求電子剤として使用される場合、対応する式IIの化合物を形成するために、以下に示されるようにヒドロキシ基が式XVIIIの中間体から除去されなければならない。
【化19】

【0082】
この工程は、当該分野で公知のいくつかの標準的な方法の1つにより達成され得る。例えば、キサンテートのようなチオカルボニル誘導体を製造し、そしてフリーラジカルプロセスにより除去し得る。これらの両方が当業者に公知である。あるいは、ヒドロキシル基は、例えば、トリフルオロ酢酸又は三フッ化ホウ素を使用する、酸性条件下でトリエチルシランのようなヒドリド源を用いて還元することにより除去し得る。還元反応は、ニート又は塩化メチレンのような溶媒中で行うことができる。さらなる代替は、当該分野で公知の標準的な方法を使用して最初にヒドロキシル基をトシレート又はクロリドのような適切な脱離基に変換し、次いで例えば、水素化リチウムアルミニウムのような求核性ヒドリドを用いて脱離基を除去することである。後者の反応は、典型的にはエーテル又はテトラヒドロフランのような不活性溶媒中で行われる。また、還元剤を使用して、ベンジル型置換基を還元的に除去し得る。適切な還元剤としては、例えば、エタノール中のRaneyニッケル及び液体アンモニア中のナトリウム又はリチウムが挙げられる。ヒドロキシル基を除去するための別の代替の方法は、最初にBurgess塩(J.Org.Chem.、38、26(1973))のような試薬を用いて式XVIIIのアルコールを式XVIA(すなわちスキーム2を参照のこと)のオレフィンへと脱水し、次いで二重結合を標準的条件下で炭素担持パラジウムのような触媒を用いて接触水素化することである。アルコールはまた、p−トルエンスルホン酸のような酸で処置することによりオレフィンへと脱水され得る。
【0083】
式II[式中、R1はG2であり、そしてR6は水素である]の化合物を、式VIIの化合物の製造についてスキーム1において上で記載したように、式R6L’の化合物とそれらを反応させることにより、対応する式II[R1はG2であり、そしてR6は水素以外である]の化合物に変換することができる。
【0084】
他に指示がなければ、上記の各反応の圧力は重要ではない。一般的には、反応は約1〜約3気圧、好ましくは周囲圧力(約1気圧)で行われる。
【0085】
事実上塩基性である式Iの化合物は、種々の無機酸および有機酸と多様な塩を形成できる。このような塩は動物への投与のために薬学的許容しうるものでなければならないが、実際にはまず式Iの化合物を薬学的許容し得ない塩として反応混合物から単離し、次いでこれをアルカリ試薬で処理することによって簡単に遊離塩基化合物に戻し、続いてこの遊離塩基を薬学的許容しうる酸付加塩に変換することがしばしば望ましい。本発明の塩基化合物の酸付加塩は、塩基化合物を水性溶媒中またはメタノール若しくはエタノールのような適切な有機溶媒中で、実質的に当量の選択した鉱酸または有機酸で処理することにより、容易に製造される。溶媒を慎重に蒸発させると、目的の固体塩が得られる。
【0086】
本発明の塩基化合物の薬学的に許容しうる酸付加塩を製造するために使用される酸は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩または硫酸水素塩、リン酸塩または酸性リン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、クエン酸塩または酸性クエン酸塩、酒石酸塩または酒石酸水素塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、サッカリン酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、およびパモエート[すなわち1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエート)]塩のような非毒性酸付加塩、すなわち薬理学的に許容しうるアニオンを含有する塩を形成する酸である。
【0087】
事実上酸性でもある式Iの化合物、例えばR3がCOOHまたはテトラゾール部分構造を含む場合、種々の薬理学的に許容しうるカチオンと塩基塩を形成できる。このような塩の例としては、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、特にナトリウム塩およびカリウム塩が挙げられる。これらの塩は全て従来の技術により製造される。本発明の薬学的に許容しうる塩基塩を製造するための試薬として使用される化学塩基は、本明細書に記載される式Iの酸性化合物と非毒性塩基塩を形成する塩基である。これらの非毒性塩基塩には、ナトリウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウムなどのような、薬理学的に許容しうるカチオンから誘導されるものが含まれる。これらの塩は、目的とする薬理学的に許容しうるカチオンを含有する水溶液で対応する酸性化合物を処理し、次いで得られた溶液を好ましくは減圧下で蒸発乾固することにより、容易に製造することができる。あるいはそれらは、酸性化合物の低級アルカノール溶液と目的のアルカリ金属アルコキシドとを混和し、次いで得られた溶液を前と同じ方法で蒸発乾固することによっても製造し得る。いずれの場合も、反応の完了および最大の生成物収率を確実にするために、化学量論量の試薬が好ましく使用される。
【0088】
式Iの化合物およびそれらの薬学的に許容しうる塩(本明細書以下ではまとめて「活性化合物」とも呼ぶ)は、有用な精神療法であり、そしてセロトニン1A(5−HT1A)受容体及び/又はセロトニン1B(5−HT1B)受容体の強力な作用薬及び/又は拮抗薬である。活性化合物は、高血圧、うつ病の全ての形態(例えば、癌患者におけるうつ病、パーキンソン病患者におけるうつ病、心筋梗塞後うつ病、亜症候群症候性うつ病、不妊症女性におけるうつ病、小児うつ病、大うつ病性障害、単一エピソードのうつ病、反復性うつ病、幼児虐待誘発うつ病、分娩後うつ病、気分変調;非定型的特徴、メランコリーの特徴、精神病性の特徴、緊張病性の特徴を伴うか又は伴わない、軽症、中等症、又は重症のうつ病;季節性情動障害、老人性うつ病、慢性うつ病;抑うつ気分または不安及び抑うつ気分を伴う適応障害;混合型の不安及び抑うつ;物質誘発性気分障害;並びに一般的な病状に続発する気分障害)、全般性不安障害、恐怖症(例えば、広場恐怖症、対人恐怖、および単純恐怖)、心的外傷後ストレス症候群、回避性人格障害、早漏、摂食障害(例えば、拒食症、神経性大食症)、肥満、薬物依存(例えば、アルコール、コカイン、ヘロイン、フェノバルビタール、ニコチン及びベンゾジアゼピン系薬に対する嗜癖)、群発性頭痛、片頭痛、疼痛、アルツハイマー病、強迫性障害、パニック障害、記憶障害(例えば、痴呆、健忘障害、及び加齢性認知低下(ARCD))、パーキンソン病(例えば、パーキンソン病における痴呆、神経遮断薬誘発性パーキンソニズム及び遅発性ジスキネジー)、内分泌障害(例えば、高プロラクチン血症)、血管けいれん(特に脳血管において)、小脳性運動失調、胃腸管障害(運動性及び分泌の変化を含む)、統合失調症の陰性症状、月経前症候群、線維筋肉痛症候群、緊張性尿失禁、ツレット症候群、抜毛癖、窃盗癖、男性不能症、癌(例えば、小細胞肺癌)、慢性発作性片側頭痛、頭痛(血管障害に関連)、双極性障害(抑うつ期にあるものを含む)、注意欠陥/過活動性障害(ADHD)の処置において有用である。
【0089】
種々のセロトニン−1受容体に対する本発明の化合物の親和性は、文献に記載されるような標準的な放射性リガンド結合アッセイを使用して測定できる。5−HT1A親和性はHoyerら,(Brain Res.,376,85(1986))の手順を使用して測定できる。5−HT1B親和性はHeuringおよびPeroutka(J.Neurosci.,7,894(1987))の手順を使用して測定できる。
【0090】
5−HT1B結合部位における本発明の化合物のインビトロ活性は、以下の手順に従って測定し得る。ウシ尾状核組織をホモジナイズし、50mM TRIS・塩酸塩(塩酸トリス[ヒドロキシメチル]アミノメタン)を含有するpH7.7の緩衝液20容量に懸濁する。次いでホモジネートを45,000Gで10分間遠心分離する。次いで上清を廃棄し、得られたペレットを約20容量の50mM TRIS・塩酸塩緩衝液(pH7.7)に再懸濁する。次いでこの懸濁液を37℃で15分間プレインキュベートした後、この懸濁液を再び45,000Gで10分間遠心分離し、上清を廃棄する。得られたペレット(約1グラム)を、0.01パーセントのアスコルビン酸を含有し(最終pH7.7)、かつ10μMのパルジリンおよび4mMの塩化カルシウム(CaCl2)を含有する15mM TRIS・塩酸塩緩衝液150mlに再懸濁する。この懸濁液を使用前の少なくとも30分間、氷上に保持する。
【0091】
阻害剤、コントロール又は賦形剤を、次いで以下の手順に従ってインキュベートする。20パーセントのジメチルスルホキシド(DMSO)/80パーセントの蒸留水の溶液50μlに、0.01パーセントのアスコルビン酸を含有し(pH7.7)、かつ10μMのパルジリンおよび4μMの塩化カルシウム、ならびに100nMの8−ヒドロキシ−DPAT(ジプロピルアミノテトラリン)および100nMのメスレルギン(mesulergine)を含有する50mM TRIS・塩酸塩緩衝液中のトリチウム化5−ヒドロキシトリプタミン(2nM)200μlを添加する。この混合物にウシ尾状核組織750μlを添加し、得られた懸濁液を、均一な懸濁液を確実にするために渦撹拌する。次いでこの懸濁液を振とう式水浴中において25℃で30分間インキュベートする。インキュベーション完了後、懸濁液をガラス繊維フィルター(例えばWhatman GF/B−filtersTM)を使用してろ過する。次いでペレットを50mM TRIS・塩酸塩緩衝液(pH7.7)4mlで3回洗浄する。次いでシンチレーション液(aquasol 2TM)5mlを入れたシンチレーションバイアルにペレットを入れ、終夜静置する。各用量の化合物について阻害パーセントを計算できる。次いで阻害パーセント値からIC50値を計算できる。
【0092】
5−HT1A結合能に関する本発明の化合物の活性は、以下の手順に従って測定できる。ラット脳皮質組織をホモジナイズし、1グラムのロットのサンプルに分割し、そして10容量の0.32Mショ糖溶液で希釈する。次いでこの懸濁液を900Gで10分間遠心分離し、上清を分離し、70,000Gで15分間再遠心分離する。上清を廃棄し、ペレットを15mM TRIS・塩酸塩緩衝液(pH7.5)10容量に再懸濁する。この懸濁液を37℃で15分間インキュベートさせる。プレインキュベーションが完了した後、懸濁液を70,000Gで15分間遠心分離し、上清を廃棄する。得られた組織ペレットを、4mMの塩化カルシウムおよび0.01パーセントのアスコルビン酸を含有する50mM TRIS・塩酸塩緩衝液(pH7.7)に再懸濁する。実験の用意ができるまで組織を−70℃で保存する。この組織を使用直前に解凍し、10μmパルジリンで希釈し、氷上に保持することができる。
【0093】
次いで組織を以下の手順に従ってインキュベートする。コントロール50マイクロリットル、阻害剤又は賦形剤(最終濃度1パーセントDMSO)を種々の投薬量で調製する。この溶液に、4mMの塩化カルシウム、0.01パーセントのアスコルビン酸およびパルジリンを含有する50mM TRIS・塩酸塩緩衝液(pH7.7)中1.5nM濃度のトリチウム化DPAT 200μlを添加する。次いでこの溶液に組織750μlを添加し、得られた懸濁液を、均一性を確実にするために渦撹拌する。次いで懸濁液を振とう式水浴中、37℃で30分間インキュベートする。次いでこの溶液をろ過し、154mMの塩化ナトリウムを含有する10mM TRIS・塩酸塩(pH7.5)4mlで2回洗浄する。各用量の化合物、コントロール又は賦形剤について阻害パーセントを計算する。阻害パーセント値からIC50値を計算する。
【0094】
以下の実施例に記載される本発明の式Iの化合物を、前述の手順を使用して5−HT1Aおよび5−HT1B親和性についてアッセイした。試験をしたこのような本発明の化合物は全て、5−HT1B親和性については0.60μM未満のIC50、5−HT1A親和性については1.0μM未満のIC50を示した。
【0095】
5−HT1A受容体および5−HT1B受容体における本発明の化合物の作用薬活性および拮抗薬活性は、以下の手順に従って単一飽和濃度を使用して測定できる。雄性Hartleyモルモットを断頭し、海馬から5−HT1A受容体を切り取り、一方5−HT1B受容体はMcllwain組織細断機で350mMにスライスし、適切な切片から黒質を切り取ることにより得られる。1mM EGTAを含有する5mM HEPES緩衝液(pH7.5)中で手持ち式ガラス−Teflon(登録商標)ホモジナイザーを使用して個々の組織をホモジナイズし、4℃において35,000×gで10分間遠心分離する。1mMのEGTAを含有する100mM HEPES緩衝液(pH7.5)に、チューブ1つ当たりタンパク質20mg(海馬)または5mg(黒質)の最終タンパク質濃度になるようにペレットを再懸濁する。以下の薬剤を、各チューブ内の反応混合物が、2.0mMのMgCl2、0.5mMのATP、1.0mMのcAMP、0.5mMのIBMX、10mMのホスホクレアチン、0.31mg/mlのクレアチンホスホキナーゼ、100μMのGTPおよび0.5〜1マイクロキュリーの[32P]−ATP(30Ci/mmol:NEG−003−New England Nuclear)を含有するように添加する。シリコン処理したミクロチューブに組織を添加することにより(三重試験)、30℃で15分間のインキュベーションを開始する。各チューブに組織20μL、薬物または緩衝液(最終濃度の10倍)10μL、32nM作用薬または緩衝液(最終濃度の10倍)10μL、フォルスコリン(最終濃度3μM)20μL、および上記反応混合物40μLを入れる。カラムからのcAMP回収をモニタリングするために40,000dpmの[3H]−cAMP(30Ci/mmol:NET−275−New England Nuclear)を含有する、2%SDS、1.3mM cAMP、45mM ATPの溶液100μLを添加することにより、インキュベーションを停止する。[32P]−ATPおよび[32P]−cAMPの分離は、Salomonら,Analytical Biochemistry,1974,58,541−548の方法を使用して達成される。放射能を液体シンチレーション計数により定量する。最大阻害を、5−HT1A受容体に対する10μMの(R)−8−OH−DPAT、及び5−HT1B受容体に対する320nMの5−HTにより規定する。次いで試験化合物による阻害パーセントを、5−HT1A受容体に対する(R)−8−OH−DPAT、又は5−HT1B受容体に対する5−HTの阻害作用との関連により計算する。フォルスコリン剌激アデニラートシクラーゼ活性の作用薬誘発性阻害の逆転を、32nM作用薬の効果に関して計算する。
【0096】
本発明の化合物を、以下の手順に従ってモルモットにおける5−HT1B作用薬誘発低体温に拮抗するインビボ活性について試験することができる。
【0097】
Charles Riverから入手した雄性Hartleyモルモット(到着時体重250〜275グラム、試験時体重300〜600グラム)を実験に被験体として用いる。モルモットを実験前少なくとも7日間、午前7時から午後7時までの日照計画の標準的な実験室条件下に収容する。試験時まで食物と水を自由に摂取させる。
【0098】
本発明の化合物は、1ml/kgの容量で溶液として投与できる。使用する賦形剤を化合物の溶解度に応じて変更する。試験化合物を典型的には、[3−(1−メチルピロリジン−2−イルメチル)−1H−インドール−5−イル]−(3−ニトロピリジン−3−イル)−アミン(PCT公報WO93/11106(1993年6月10日公開)に記載されるように製造でき、5.6mg/kgの用量で皮下投与される)のような5−HT1B作用薬の、60分前に経口投与(p.o.)するか、または0分前に皮下投与(s.c.)する。1回目の体温読取りを行う前に、木屑を入れた金網床付きの透明なプラスチック製靴箱に各モルモットを入れて、周囲に30分間慣れさせる。次いでそれぞれの体温読取り後、動物を同じ靴箱に戻す。それぞれの体温測定前に、各動物を30秒間片手でしっかり持つ。体温測定には動物用小型探針を備えたデジタル体温計を用いる。探針はエポキシ製先端を有する半柔軟性のナイロン製である。体温探針を直腸に6cm挿入し、そこに30秒間、または安定な記録が得られるまで保持する。次いで体温を記録する。
【0099】
経口スクリーニング実験において、−90分に「薬物投与前」ベースライン体温の読取りを行い、−60分に試験化合物を投与し、さらに−30分に読取りを行う。次いで0分に5−HT1B作用薬を投与し、30、60、120および240分後に体温を測定する。
【0100】
皮下スクリーニング実験では、−30分に薬物投与前ベースライン体温の読取りを行う。試験化合物と5−HT1B作用薬を同時に投与し、30、60、120および240分後に体温を測定する。
【0101】
Newman−Keuls事後分析で反復測定して、二元配置分散分析によりデータを分析する。
【0102】
本発明の活性化合物は、それらがイヌの摘出された伏在静脈片の収縮においてスマトリプタンを模倣する程度を調べることにより、抗片頭痛薬として評価することができる(P.P.A.Humphreyら,Br.J.Pharmacol.,94,1128(1988))。この作用は、既知のセロトニン拮抗薬であるメチオテピンにより遮断できる。スマトリプタンは片頭痛の治療に有用であることが知られており、麻酔したイヌにおいて頸動脈血管抵抗を選択的に高める。スマトリプタン効力の薬理学的基準は、W.Fenwickら,Br.J.Pharmacol.,96,83(1989)で考察されている。
【0103】
セロトニン5−HT1作用薬活性は、受容体源としてラット皮質、及び放射性リガンドとして[3H]−8−OH−DPATを使用して5−HT1A受容体について記載されたように(D.Hoyerら,Eur.J.Pharm.,118,13(1985))、そして受容体源としてウシ尾状核、及び放射性リガンドとして[3H]セロトニンを使用して5−HT1B受容体について記載されたように(R.E.HeuringおよびS.J.Peroutka,J.Neuroscience,7,894(1987))、インビトロ受容体結合アッセイにより測定することができる。試験した活性化合物の全てが、いずれのアッセイにおいても1μMまたはそれ以下のIC50を示した。
【0104】
式Iの化合物は、他の1種またはそれ以上の治療剤、例えば、三環系抗うつ薬(例えば、アミトリプチリン、ドチエピン、ドキセピン、トリミプラミン、ブトリピリン(butripyline)、クロミプラミン、デシプラミン、イミプラミン、イプリンドール、ロフェプラミン、ノルトリプチリンまたはプロトリプチリン)、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(例えば、イソカルボキシアジド、フェネルジンまたはトラニルシクロプラミン(tranylcyclopramine))、若しくは5−HT再取込み阻害剤(例えば、フルボキサミン、セルトラリン、フルオキセチンまたはパロキセチン)のような種々の抗うつ薬と併用して、及び/又はドパミン作用性抗パーキンソン病薬のような抗パーキンソン病薬と併用して(例えば、レボドパ、好ましくは末梢デカルボキシラーゼ阻害剤、例えば、ベンセラジドもしくはカルビドパとの組み合わせ、またはドパミン作用薬、例えば、ブロモクリプチン、リスリド若しくはペルゴリドとの組み合わせ)、有利に使用され得る。本発明は、1種またはそれ以上の他の治療剤と組み合わせた、一般式(I)の化合物またはその生理学的に許容しうる塩もしくは溶媒和物の使用を包含するということが理解されるべきである。
【0105】
5−HT再取込み阻害剤(例えば、フルボキサミン、セルトラリン、フルオキセチンまたはパロキセチン)、好ましくはセルトラリン、またはその薬学的に許容しうる塩もしくは多形と組み合わせた、式Iの化合物及びその薬学的に許容しうる塩(式Iの化合物と5−HT再取込み阻害剤の組み合わせを、本明細書においては「活性な組み合わせ」と呼ぶ)は、有用な精神療法であり、そして増強されたセロトニン神経伝達によりその処置が促進される障害(例えば、高血圧、うつ病の全ての形態(例えば、癌患者におけるうつ病、パーキンソン病患者におけるうつ病、心筋梗塞後うつ病、亜症候群症候性うつ病、不妊症女性におけるうつ病、小児うつ病、大うつ病性障害、単一エピソードのうつ病、反復性うつ病、幼児虐待誘発うつ病、分娩後うつ病、気分変調;非定型的特徴、メランコリーの特徴、精神病性の特徴、緊張病性の特徴を伴うか又は伴わない、軽症、中等症、又は重症のうつ病;季節性情動障害、老人性うつ病、慢性うつ病;抑うつ気分または不安及び抑うつ気分を伴う適応障害;混合型の不安及び抑うつ;物質誘発性気分障害;並びに一般的な病状に続発する気分障害)、全般性不安障害、恐怖症(例えば、広場恐怖症、対人恐怖、および単純恐怖)、心的外傷後ストレス症候群、回避性人格障害、早漏、摂食障害(例えば、拒食症および神経性大食症)、肥満、薬物依存(例えば、アルコール、コカイン、ヘロイン、フェノバルビタール、ニコチン及びベンゾジアゼピン系薬に対する嗜癖)、群発性頭痛、片頭痛、疼痛、アルツハイマー病、強迫性障害、パニック障害、記憶障害(例えば、痴呆、健忘障害、及び加齢性認知低下(ARCD))、パーキンソン病(例えば、パーキンソン病における痴呆、神経遮断薬誘発性パーキンソニズム及び遅発性ジスキネジー)、内分泌障害(例えば、高プロラクチン血症)、血管けいれん(特に脳血管において)、小脳性運動失調、胃腸管障害(運動性及び分泌の変化を含む)、統合失調症の陰性症状、月経前症候群、線維筋肉痛症候群、緊張性尿失禁、ツレット症候群、抜毛癖、窃盗癖、男性不能症、癌(例えば、小細胞肺癌)、慢性発作性片側頭痛、頭痛(血管障害に関連)、双極性障害(抑うつ期にあるものを含む)、注意欠陥/過活動性障害(ADHD))の処置において使用され得る。
【0106】
セロトニン(5−HT)再取込み阻害剤、好ましくはセルトラリンは、ヒトを含む哺乳動物において、部分的にはセロトニンのシナプトソーム取込みを遮断するそれらの能力に起因して、うつ病;薬物依存;パニック障害、全般性不安障害、広場恐怖症、単純恐怖、対人恐怖および心的外傷後ストレス障害を含む不安障害;強迫性障害;回避性人格障害ならびに早漏に対してポジティブな活性を示す。
【0107】
米国特許第4,536,518号は、セルトラリンの合成、うつ病に対する医薬組成物および使用を記載し、全て参照により本明細書に加入される。
【0108】
抗うつ薬としての活性な組み合わせの活性及び関連する薬理学的特性は、以下の方法(1)〜(4)により判定することができ、これらの方法はKoe,B.ら,Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics,226(3),686−700(1983)に記載されている。詳細には、(1)マウスが水槽から逃げ出す努力に対し影響を及ぼすそれらの能力(Porsoltのマウス「行動絶望(behavior despair)」試験)、(2)マウスにおいてインビボで5−ヒドロキシトリプトファン誘発性行動状態を増強するそれらの能力、(3)ラットの脳においてインビボで塩酸p−クロロアンフェタミンのセロトニン枯渇活性に拮抗するそれらの能力、ならびに(4)インビトロでラット脳シナプトソーム細胞によるセロトニン、ノルエピネフリンおよびドパミンの取込みを遮断するそれらの能力を調べることにより活性を決定することができる。マウスにおいてインビボでレセルピン低体温に対抗する活性な組み合わせの能力は、米国特許第4,029,731号に記載の方法に従って決定することができる。
【0109】
本発明の組成物は、1種またはそれ以上の薬学的に許容しうる担体を使用して従来の方法により製剤化し得る。それ故、本発明の活性化合物を経口、口内、鼻腔内、非経口(例えば、静脈内、筋内または皮下)若しくは直腸投与用に、又は吸入または通気による投与に適した形態に製剤化し得る。
【0110】
経口投与については、医薬組成物は、結合剤(例えば、アルファ化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース);充填剤(例えば、乳糖、微結晶セルロースまたはリン酸カルシウム);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルクまたはシリカ);崩壊剤(例えば、バレイショデンプンまたはグリコールデンプンナトリウム);または湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)のような薬学的に許容しうる補形剤を用いて従来の方法により製造される、例えば、錠剤またはカプセル剤の形態をとり得る。錠剤は当該分野で周知の方法でコーティングされ得る。経口投与用の液体製剤は、例えば、液剤、シロップ剤若しくは懸濁剤の形態をとっても、又はそれらを使用前に水その他の適切な賦形剤で構成するための乾燥製品として提供してもよい。このような液体製剤は、懸濁化剤(例えば、ソルビトールシロップ、メチルセルロースまたは硬化食用油脂);乳化剤(例えば、レシチンまたはアラビアゴム);非水性賦形剤(例えば、アーモンド油、油性エステルまたはエチルアルコール);および保存剤(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸メチル若しくはプロピルまたはソルビン酸)のような薬学的に許容しうる添加物を用いて、従来の手段により製造し得る。
【0111】
口内投与については、組成物は従来の方法で配合された錠剤またはロゼンジの形態をとり得る。
【0112】
本発明の活性化合物を、注射(従来のカテーテル挿入法または注入を含む)により非経口投与用に配合し得る。注射用配合物は、単位投薬形態で、例えば、アンプル中で、又は複数回用量容器中に、添加された保存剤と共に提供され得る。これらの組成物は、油性または水性賦形剤中の懸濁液剤、液剤または乳剤のような形態をとり得、そして懸濁化剤、安定剤および/または分散剤のような製剤化剤を含有してもよい。あるいは活性成分は、使用前に適切な賦形剤(例えば、発熱物質を含有しない滅菌水)で再構成するための散剤の形態であってもよい。
【0113】
本発明の活性化合物はまた、例えば、カカオ脂その他のグリセリドのような従来の坐剤基剤を含有する坐剤または貯留浣腸剤のような直腸組成物で製剤化されてもよい。
【0114】
鼻腔内投与または吸入による投与については、本発明の活性化合物は、患者が吸い込むか若しくは圧入するポンプスプレー容器からの液剤若しくは懸濁液剤の形態で、又は適切な噴射剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素その他の適切なガスを用いて加圧容器またはネブライザーからエアゾールスプレーとして現れるもの(presentation)として都合良く送達される。加圧エアゾール剤の場合、投薬単位は定量送達弁を設けることにより確定できる。加圧容器またはネブライザーは、活性化合物の液剤または懸濁液剤を含有し得る。吸入器または注入器における使用のためのカプセルおよびカートリッジ(例えば、ゼラチン製)は、本発明の化合物および乳糖またはデンプンのような適切な粉末基剤の粉末混合物を含有するように配合し得る。
【0115】
上で言及した状態(例えば、うつ病)の処置のために平均的成人に経口、非経口または口内投与するための本発明の活性化合物の提案される用量は、単位用量当たり0.1〜200mgの活性成分であり、これを例えば、1日1〜4回投与し得る。
【0116】
平均的成人において上で言及された状態(例えば、片頭痛)の処置のためのエアゾール剤は、好ましくは、計量された各用量、すなわち「一吹き」のエアゾールが本発明の化合物20〜1000μgを含有するように調整される。エアゾールを用いた日用量は全体で100μg〜10mgの範囲内であろう。投与は1日数回、例えば、2、3、4または8回であり得、例えば、各回1、2または3用量を投与する。
【0117】
上記状態のいずれかを有する被験体の処置のために、5−HT再取込み阻害剤と共に本発明の活性化合物を使用することに関し、これらの化合物を単独で、または薬学的に許容しうる担体と組み合わせて、前記に示したいずれかの経路で投与し得ること、及びこのような投与が、単回投薬および複数回投薬の両方で行うことができることに留意するべきである。より詳細には、活性な組み合わせを多様な種々の剤形で投与することができ、すなわちそれらを、錠剤、カプセル剤、ロゼンジ、トローチ、ハードキャンデー、散剤、スプレー剤、水性懸濁剤、注射液、エリキシル剤、シロップ剤などの形態で、薬学的に許容しうる種々の不活性担体と組み合わせられ得る。このような担体としては、固体希釈剤または充填剤、滅菌水性媒体、および種々の非毒性有機溶剤などが挙げられる。さらに、このような経口医薬製剤は、甘味および/または芳香をつけるために一般に用いられている種類の種々の薬剤により適宜、甘味および/または芳香をつけることができる。一般に、式Iの化合物は、全組成の約0.5〜約90質量%の範囲の濃度レベルで、すなわち目的とする単位投薬量を提供するのに十分な量でこのような剤形中に存在し、そして5−HT再取込み阻害剤、好ましくはセルトラリンは、全組成の約0.5〜約90質量%の範囲の濃度レベルで、すなわち目的とする単位投薬量を提供するのに十分な量でこのような剤形中に存在する。
【0118】
上で言及した状態の処置のために平均的成人に経口、非経口、直腸または口内投与するための併用製剤(本発明の活性化合物および5−HT再取込み阻害剤を含有する製剤)中の本発明の活性化合物の提案される日用量は、単位用量当たり約0.01mg〜約2000mg、好ましくは約0.1mg〜約200mgの式Iの活性成分であり、これは例えば、1日に1〜4回投与され得る。
【0119】
上で言及した状態の処置のために平均的成人に経口、非経口または口内投与するための併用製剤中の5−HT再取込み阻害剤、好ましくはセルトラリンの提案される日用量は、単位用量当たり約0.1mg〜約2000mg、好ましくは約1〜約200mgの5−HT再取込み阻害剤であり、これは例えば、1日に1〜4回投与され得る
上で言及した状態の処置のために平均的成人に経口、非経口または口内投与するための併用製剤中の本発明の活性化合物に対するセルトラリンの好ましい用量比は、約0.00005〜約20,000、好ましくは約0.25〜約2,000である。
【0120】
平均的成人において上で言及した状態の処置のためのエアゾール併用製剤は、好ましくは、計量された各用量、すなわち「一吹き」のエアゾールが約0.01μg〜約100mgの本発明の活性化合物、好ましくは約1μg〜約10mgのこのような化合物を含有するように調整される。投与は1日数回、例えば、2、3、4または8回であり得、例えば、各回1、2または3用量を投与する。
【0121】
平均的成人において上で言及した状態の処置のためのエアゾール剤は、好ましくは、計量された各用量、すなわち「一吹き」のエアゾールが約0.01mg〜約2000mgの5−HT再取込み阻害剤(好ましくはセルトラリン)、好ましくは約1mg〜約200mgのセルトラリンを含有するように調整される。投与は1日数回、例えば、2、3、4または8回であり得、例えば、各回1、2または3用量を投与する。
【0122】
前記のように、式Iの化合物と組み合わせた5−HT再取込み阻害剤、好ましくはセルトラリンは、抗うつ薬としての治療用途に容易に適合され得る。一般に、5−HT再取込み阻害剤、好ましくはセルトラリン、および式Iの化合物を含有するこれらの抗うつ薬組成物は、通常は約0.01mg〜約100mg/kg体重/日の範囲の5−HT再取込み阻害剤(好ましくはセルトラリン)、好ましくは約0.1mg〜約10mg/kg体重/日の範囲のセルトラリンと;約0.001〜約100mg/kg体重/日の範囲の式Iの化合物、好ましくは約0.01〜約10mg/kg体重/日の範囲の式Iの化合物の投薬量で投与されるが、処置される被験体の状態および選択される特定の投与経路に依存して必然的に変動するであろう。
【実施例】
【0123】
以下の実施例は本発明の化合物の製造を説明する。融点は未補正である。NMRデータはppm(δ)で報告され、サンプル溶媒(他に明記されていなければ重クロロホルム)からの重水素ロックシグナルを基準にする。比旋光度は室温でナトリウムD線(589nm)を使用して測定した。市販の試薬をさらに精製せずに利用した。THFはテトラヒドロフランを指す。DMFはN,N−ジメチルホルムアミドを指す。クロマトグラフィーは、32〜63mmシリカゲルを使用して行い、そして窒素圧(フラッシュクロマトグラフィー)条件下で実行したカラムクロマトグラフィーを指す。室温または周囲温度は20〜25℃を指す。非水性反応はすべて、簡便さおよび収率最大化のため窒素雰囲気下で実施した。減圧濃縮はロータリーエバポレーターを使用したことを意味する。
【0124】
実施例1
2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジリデン]−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−モルホリン−3−オン
N2雰囲気下、NaH(0.118g、2.94mmolの60%油中分散)及び6ml無水THFのスラリーを、2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンズアルデヒド0.199g(0.98mmol)、0.300g(1.22mmol、製造1を参照のこと)及びTHF4mLで少しずつ処理した。いくらか発泡した。この混合物を室温で90分間撹拌し、次いで加熱還流させた。5日後、この反応液を室温まで冷却し、そしてこの混合物を水、次いで酢酸エチルを加えてクエンチし、次いで粘性のエマルジョンを生じた。2N HClを用いてこれを酸性にし、そしてEt2Oで抽出した。次いで水層を2N NaOHを用いて塩基性にし、そして塩化メチレンで再抽出した。有機抽出物を水、そして飽和NaCl水溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥し、そして真空で濃縮して黄褐色油状物とした(0.161g)。質量スペクトル 431(M+)。1H−NMR(CDCl3、250MHz) δ 8.04(1H,dd)、7.65(2H,m)、7.53(2H,m)、7.23(2H,m)、7.05(2H,m)、4.39(2H,m)、4.01(2H,m)、3.06(4H,bs)、2.72(4H,bs)、2.39(3H,s)。
【0125】
実施例2〜22における以下の化合物は、実施例1に記載される方法と同様の方法で作製した:
実施例2
2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジリデン]−4−(3−トリフルオロメチルフェニル)−モルホリン−3−オン塩酸塩
白色固体。質量スペクトル 432(M+1)。
1H−NMR(DMSO−d6、250MHz) δ 7.97(1H,d)、7.89(1H,s)、7.60(2H,m)、7.23(1H,dd)、7.07(2H,m)、7.01(1H,s)、4.37(2H,m)、4.05(2H,m)、3.43(2H,m)、3.12(4H,m)、3.00(2H,m)、2.80(3H,s)。
【0126】
実施例3
2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジリデン]−4−(4−イソプロピルフェニル)−モルホリン−3−オン
固体、M.P.155−156℃。質量スペクトル 406(M+1)。
1H−NMR(CDCl3、250MHz) δ 8.05(1H,dd)、7.33(1H,s)、7.24(4H,m)、7.03(2H,m)、4.36(2H,m)、3.96(2H,m)、3.10(4H,bs)、2.89(1H,m)、2.75(4H,bs)、2.36(3H,bs)、1.25(6H,d)。
【0127】
実施例4
2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジリデン]−4−フェニル−モルホリン−3−オン
淡褐色油状物。質量スペクトル 364(M+1)。
【0128】
実施例5
2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジリデン]−4−(4−tert−ブチルフェニル)−モルホリン−3−オン
オフホワイト固体。M.P.169−171℃。質量スペクトル 420(M+1)。
1H−NMR(CDCl3、250MHz) δ 8.06(1H,dd)、7.41(2H,m)、7.39(1H,s)、7.28(2H,m)、7.19(2H,m)、7.02(2H,m)、4.35(2H,m)、3.95(2H,m)、3.00(4H,bs)、2.63(4H,bs)、2.32(3H,s)、1.29(9H,s)。
元素分析 C263332・H2Oについての計算値:C,71.37,H,8.06,N,9.60。実測値:C,71.73,H,7.92,N,9.34。
【0129】
実施例6
2−[2−(3,4,5−トリメチルピペラジン−1−イル)−ベンジリデン]−4−(4−tert−ブチルフェニル)−モルホリン−3−オン
淡黄褐色固体。M.P.167−168℃。質量スペクトル 448(M+1)。
【0130】
実施例7
4−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−フェニル]−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジリデン]−モルホリン−3−オン
黄褐色油状物。質量スペクトル 422(M+1)。
1H−NMR(CDCl3、250MHz) δ 8.05(1H,dd)、7.51(2H,d)、7.33(3H,m)、7.20(1H,m)、7.01(2H,m)、4.35(2H,m)、3.95(2H,m)、3.00(4H,bs)、2.65(4H,bs)、2.33(3H,s)、1.55(6H,s)。
【0131】
実施例8
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[4−フルオロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジリデン]−モルホリン−3−オン
淡黄色油状物。質量スペクトル 438(M+1)。
1H−NMR(CDCl3、250MHz) δ 7.82(1H,dd)、7.38(3H,m)、7.28(2H,m)、6.94(1H,m)、6.90(1H,dt)、4.37(2H,m)、3.95(2H,m)、2.95(4H,bs)、2.58(4H,bs)、2.28(3H,s)、1.29(9H,2)。
【0132】
実施例9
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[6−クロロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジリデン]−モルホリン−3−オン塩酸塩
白色固体。M.P.139−142℃。質量スペクトル 454(M+)、456。
1H−NMR(CD3OD 250MHz) δ 7.48(2H,dd)、7.33(2H,d)、7.26(1H,t)、7.20(1H,m)、7.05(1H,dd)、6.84(1H,s)、4.31(2H,m)、3.95(2H,m)、3.53(2H,m)、3.26(4H,m)、3.08(2H,t)、2.93(3H,s)、1.32(9H,s)。
【0133】
実施例10
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[4−クロロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジリデン]−モルホリン−3−オン
ベージュ固体.M.P.209−210.8℃。質量スペクトル 454(M+)、456。
1H−NMR(DMSO−d6、250MHz) δ 7.93(1H,d)、7.39(2H,d)、7.30(2H,d)、7.05(1H,dd)、6.98(1H,d)、6.93(1H,s)、4.34(2H,dt)、3.94(2H,dt)、3.26(4H,s+m)、2.84(4H,bs)、2.17(3H,bs)、1.25(9H,s)。
【0134】
実施例11
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[6−フルオロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジリデン]−モルホリン−3−オン塩酸塩
浅黄色固体。M.P.187.5−192.6℃。質量スペクトル 438(M+1)。
1H−NMR(CD3OD、250MHz) δ 7.48(2H,dd)、7.32(2H,d)、6.90(2H,dd)、6.77(1H,s)、4.30(2H,m)、3.95(2H,m)、3.54(2H,d)、3.37(2H,m)、3.27(2H,m)、3.06(2H,t)、2.93(3H,s)、1.31(9H,s)。
【0135】
実施例12
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[3−フルオロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジリデン]−モルホリン−3−オン
黄褐色固体。M.P.184.3−187.1℃。質量スペクトル 438(M+1)。
【0136】
実施例13
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−6−トリフルオロメチル−ベンジリデン]−モルホリン−3−オン塩酸塩
オフホワイト固体。M.P.205℃分解 質量スペクトル 488(M+1)。
1H−NMR(CD3OD、250MHz) δ 7.47(4H,m)、7.41(1H,m)、7.34(2H,m)、6.91(1H,m)、4.21(2H,dd)、3.93(2H,dd)、3.56(2H,bd)、3.28(3H,d)、3.27(1H,m)、3.26(2H,m)、2.91(2H,s)、1.31(9H,s)。
【0137】
実施例14
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンジリデン]−モルホリン−3−オン
淡褐色固体。M.P.186.3−191.9℃。質量スペクトル 488(M+1)。
1H−NMR(CDCl3、250MHz) δ 8.14(1H,dd)、7.43(2H,m)、7.34(1H,m)、7.26(4H,m)、4.42(2H,m)、4.00(2H,m)、3.59(2H,t)、3.50(2H,d)、3.23(2H,d)、3.12(2H,m)、2.78(3H,s)。
【0138】
実施例15
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[5−メチル−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジリデン]−モルホリン−3−オン
淡黄褐色固体。M.P.209.2−211.0℃。質量スペクトル 434(M+1)。
1H−NMR(CDCl3、250MHz) δ 7.86(1H,s)、7.41(2H,d)、7.39(1H,s)、7.28(2H,d)、7.03(1H,dd)、6.92(1H,d)、4.36(2H,m)、3.97(2H,m)、3.04(4H,bs)、2.74(4H,bs)、2.39(3H,s)、2.30(3H,s)、1.29(9H,s)。
【0139】
実施例16
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−(3−(R)−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ベンジリデン]−モルホリン−3−オン
黄褐色固体。質量スペクトル 434(M+1)。
1H−NMR(CDCl3、250MHz) δ 7.85(1H,dd)、7.40(2H,dd)、7.28(1H,m)、7.14(2H,m)、6.89(2H,m)、4.33(2H,m)、3.94(2H,m)、3.22(5H,m)、2.98(1H,m)、2.28(6H,s)、2.10(1H,m)、1.84(1H,m)、1.29(9H,s)。
【0140】
実施例17
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンジリデン]−モルホリン−3−オン
黄色固体。質量スペクトル 488(M+1)。
【0141】
実施例18
4−ビフェニル−4−イル−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジリデン]−モルホリン−3−オン
琥珀色固体。質量スペクトル 440(M+1)。
【0142】
実施例19
4−ベンジル−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジリデン]−モルホリン−3−オン
黄褐色固体。質量スペクトル 378(M+1)。
【0143】
実施例20
4−(4−tert−ブチル−ベンジル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジリデン]−モルホリン−3−オン
白色泡状物質。M.P.68−70℃。質量スペクトル 434(M+1)。
1H−NMR(CDCl3、250MHz) δ 7.98(1H,dd)、7.34(2H,m)、7.22(4H,m)、7.03(2H,m)、4.67(2H,s)、4.15(2H,m)、3.47(2H,m)、3.12(6H,m)、2.67(3H,bs)、1.50(2H,bs)、1.28(9H,s)。
【0144】
実施例21
4−(4−クロロベンジル)−5−メチル−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジリデン]−モルホリン−3−オン塩酸塩
白色固体。質量スペクトル 426(M+1)。
1H−NMR(DMSO−d6、250MHz) δ 7.97(1H,dd)、7.39(2H,m)、7.33(2H,m)、7.25(1H,m)、7.08(2H,m)、6.93(1H,s)、4.92(1H,dd)、4.33(1H,dd)、4.16(2H,dq)、3.64(1H,m)、3.58(2H,m)、3.31(4H,m)、3.27(2H,m)、2.86(3H,s)、1.23(3H,d)。
【0145】
実施例22
2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジリデン]−4−ピリジン−3−イル−モルホリン−3−オン
黄褐色ロウ状固体。質量スペクトル 365(M+1)。
1H−NMR(CDCl3、250MHz) δ 8.64(1H,d)、8.46(1H,dd)、8.03(1H,dd)、7.81(1H,m)、7.38(1H,s)、7.33(1H,m)、7.22(1H,m)、7.03(2H,m)、4.37(2H,m)、4.00(2H,m)、2.97(4H,m)、2.59(4H,bs)、2.30(3H,s)。
【0146】
実施例23
(±)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン
方法A
N2下、300mL無水エタノール中の10%炭素担持Pd(1.5g、Aldrich Chemical Company)のスラリーを、2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジリデン]−4−(4−tert−ブチルフェニル)−モルホリン−3−オン(9.0g、21.5mmol;実施例5の表題化合物)で室温にて処理し、続いてギ酸アンモニウム(13.55g、214.8mmol)で処理した。90分後、温度を50−55℃に上げて、このレベルに18時間維持した。室温まで冷却した後、この混合物を珪藻土(d.e.)に通して濾過し、このパッドをエタノール及び水で数回に分けて洗浄した。濾液を真空で濃縮して白色泡状物質とし、これを酢酸エチルと飽和Na2CO3水溶液との間で分配し、水層を酢酸エチルでさらに再抽出し、そして合わせた有機抽出物を水、そして飽和NaClで洗浄した。MgSO4で乾燥した後、溶媒を真空で除去してオフホワイト固体を得た(7.0g)。M.P.149.2−150.1℃。質量スペクトル 422(M+1)。
イソプロパノール3mL中の前出の遊離塩基(0.14g、0.277mmol)の混合物を、(+)−L−酒石酸(0.042g、0.277mmol)で処理し、そして沸騰するまで加熱し、次いで放冷させた。溶媒を真空で除去し、残留物を熱メチルエチルケトン(MEK)4.0mLから再結晶して半酒石酸塩を白色固体として得た(94mg)。M.P.119−120.6℃。
遊離塩基(0.153g)もまた(−)−D−酒石酸を用いて対応する半酒石酸塩の白色固体に変換した(172mg)、M.P.115.1−116.9℃。
【0147】
方法B
100mLガラスParr振盪瓶中で、2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジリデン]−4−(4−tert−ブチルフェニル)−モルホリン−3−オン(0.20g、0.48mmol)を無水エタノール20mlに溶解し、次いで10%炭素担持Pd200mgを添加した。この瓶をParr振盪式水素添加装置に取り付け、そして水素ガスを40psigに充填し、次いで6日間振盪し、時々新鮮な触媒(100mgずつ)を加え、そしてH2ガスを再充填した。質量スペクトルが目的の生成物への変換を示したとき、この混合物をN2下で珪藻土パッドに通して濾過し、そのフィルターをさらにエタノールで洗浄し、そして濾液を真空で濃縮して黄色油状物とした。この油状物をEt2Oで希釈し、そしてEt2O中1.0NのHClで室温にて撹拌しながら処理して、1時間後に表題生成物を塩酸塩として得た(白色固体、93mg)。M.P 179−180℃分解。質量スペクトル 422(M+1)。
元素分析 C263532・HCl・2H2Oについての計算値:C,63.21,H,8.16,N,8.50.実測値:C,63.19,H,7.59、N、8.19。
【0148】
方法C
2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジリデン]−4−(4−tert−ブチルフェニル)−モルホリン−3−オン(0.40g、0.95mmol)の無水メタノール(20ml)3ml中のスラリーを、ヨウ化サマリウム(II)(THF30ml中0.1M SmI2、Aldrich Chemical Co.、Milwaukee、WI)で処理し、そして5時間室温にて窒素雰囲気下で撹拌した。次いでこの混合物を10mLの水で希釈し、溶媒を真空で除去し、そして残留物を酢酸エチル/メタノールを使用してフラッシュクロマトグラフィーにかけて生成物の遊離塩基を溶出した。
【0149】
実施例24
ラセミ(±)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オンの(+)鏡像体および(−)鏡像体へのキラル分離
実施例23Aで作製したラセミ化合物の3.98gサンプルを、分取HPLC法(10cm×50cm Chiralcel ODカラム、275mL/分の流速、ヘプタン中5%エタノールで溶出)を使用して分離した。
1つ目の鏡像体を含有するフラクション(10.7分の保持時間、100%e.e.)を真空で濃縮して浅褐色油状物とした(1.88g)。この油状物を酢酸エチルに溶解し、そしてHClガスを飽和した等量の酢酸エチルで処理した。18時間後、沈殿した固体を濾過し、そしてEt2Oで洗浄し、そして真空乾燥して(+)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン一塩酸塩1.11gを得た。M.P.165.8−171.2℃。質量スペクトル 422(M+1)。[α]25D=+75.3°(c=1、MeOH)。
2つ目のより極性の鏡像体を含有するフラクション(14.6分の保持時間、98% e.e.)を真空で濃縮して浅褐色油状物(2.30g)とし、そして上記と同じ方法で変換して(−)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン一塩酸塩1.67gを得た。M.P.187.1−191.2℃.[α]25D=−85.9°(c=1、MeOH)。
【0150】
実施例25〜38の以下の化合物を、同様の方法で製造した:
実施例25
(±)−4−(4−イソプロピル−フェニル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン塩酸塩(方法A)
オフホワイト固体。M.P.185.7−188.1℃。質量スペクトル 408(M+1)。
1H−NMR(CD3OD、250MHz) δ 7.41(1H,dd)、7.24(4H,m)、7.14(3H,m)、4.52(1H,dd)、4.10(1H,m)、3.56(2H,dt+m)、3.51(4H,m)、3.26(7H,m)、2.91(3H,s)、2.90(1H,m)、1.22(6H,s)。
元素分析 C253332・HCl・3H2Oについての計算値:C,60.29、H,8.10,N,8.44.実測値:C,60.76,H,7.60,N,8.50。
(−)−4−(4−イソプロピル−フェニル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オンクエン酸塩。
白色固体。M.P.73−74℃。[α]25D=−66.93°(c=0.69、MeOH)
元素分析 C253332・C687・2H2Oについての計算値:C,58.57,H,7.14,N,6.61。実測値:C,58.71,H,7.21,N,6.55。
(+)−4−(4−イソプロピル−フェニル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オンクエン酸塩
白色固体。M.P.73−74℃.
元素分析 C253332・C687・2.5H2Oについての計算値:C,57.75,H,7.19,N,6.52。実測値:C,58.05,H,7.25,N,6.23。
【0151】
実施例26
(±)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−クロロ−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン塩酸塩(方法C)
黄褐色固体。M.P.215℃分解。質量スペクトル 456(M+)。
1H−NMR(CD3OD、250MHz) δ 7.48(2H,d)、7.24(2H,d)、7.22(3H,m)、4.65(1H,dd)、4.15(1H,m)、3.84(2H,m)、3.71(1H,m)、3.48(4H,m)、3.27(4H,m)、3.10(1H,dt)、2.92(3H,s)、1.30(9H,s)。
(+)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−クロロ−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン塩酸塩
白色固体。M.P.107−109℃。
[α]25D=+33.3°(c=0.66、MeOH)。
(−)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−クロロ−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン塩酸塩
白色固体。M.P.107−109℃。
[α]25D=−41.5°(c=0.53、MeOH)。
【0152】
実施例27
(±)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[4−クロロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン(方法C)
オフホワイト固体。M.P.161.9−163.5℃。質量スペクトル 456(M+)、458。
(+)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[4−クロロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン塩酸塩
浅黄色固体。M.P.159.5−161.7℃。
[α]25D=+78.3°(c=0.54、MeOH)。
(−)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[4−クロロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン塩酸塩
オフホワイト固体。M.P.159−161.8℃。
[α]25D=−79.1°(c=0.52、MeOH)。
【0153】
実施例28
(±)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−フルオロ−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン塩酸塩(方法C)
白色固体。M.P.190.5−192.1℃。質量スペクトル 440(M+1)。
1H−NMR(CD3OD、250MHz) δ 7.47(2H,d)、7.27(3H,m)、7.05(1H,d)、6.92(1H,t)、4.57(1H,dd)、4.09(1H,m)、3.84(2H,m)、3.68(1H,m)、3.56(2H,m)、3.32(6H,m)、3.18(1H,m)、2.96(1H,m)、2.93(3H,s)、1.31(9H,s)。
(+)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−フルオロ−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン塩酸塩.
白色固体。M.P.176.9−179.3℃。
元素分析 C2634FN32・HCl・1.5H2Oについての計算値:C,57.88,H,7.29,N,7.79.実測値:C,57.90,H,7.41,N,7.44。
[α]25D=+40.0°(c=0.68、MeOH)。
(−)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−フルオロ−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン塩酸塩.
白色固体。M.P.178−181.4℃。
元素分析 C2634FN32・HCl・3H2Oについての計算値:C,58.91,H,7.80,N,7.93。実測値:C,59.00,H,7.28,N,7.36。
[α]25D=−64.5°(c=0.65、MeOH)。
【0154】
実施例29
(±)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[4−フルオロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン塩酸塩(方法A)
白色固体。M.P.155.9−159.9℃。質量スペクトル 440(M+1)。
1H−NMR(CD3OD、250MHz) δ 7.45(2H,dd)、7.24(1H,dd)、7.17(3H,m)、6.98(1H,dt)、4.51(1H,dd)、4.10(1H,dt)、3.92(1H,dt)、3.84(1H,dt)、3.60(1H,m)、3.47(3H,m)、3.28(3H,m)、3.12(5H,m)、1.30(9H,s)。
元素分析 C2634FN32・HCl・2.5H2Oについての計算値:C,59.93,H,7.74,N,8.06.実測値:C,59.95,H,8.19,N,7.97。
(+)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[4−フルオロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン塩酸塩.
白色固体。M.P.157.4−159.6℃.質量スペクトル 440(M+1)。
元素分析 C2634FN32・HCl・3.5H2Oについての計算値:C,57.93,H,7.85,N,7.79。実測値:C,57.76,H,7.32,N,7.79。
[α]25D=+80.1°(c=1.11、MeOH)。
(−)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[4−フルオロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン塩酸塩.
白色固体。M.P.156.2−158.1℃.質量スペクトル 440(M+1)。
元素分析 C2634FN32・HCl・3.5H2Oについての計算値:C,57.93,H,7.85,N,7.79。実測値:C,57.89,H,7.88,N,7.44。
[α]25D=−88.9°(c=1.11、MeOH)。
【0155】
実施例30
(±)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[3−フルオロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン塩酸塩(方法C)
オフホワイト固体。M.P.107−108.7℃。質量スペクトル 440(M+1)。
1H−NMR(DMSO−d6、250MHz) δ 7.38(2H,dd)、7.21(2H,m)、7.16(2H,bt)、7.06(1H,m)、4.42(1H,dd、
3.99(1H,m)、3.83(1H,m)、3.73(1H,m)、3.56(1H,m)、3.38(8H,m)、3.10(4H,m)、2.79(1H,s)、1.23(9H,s)。
(+)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[3−フルオロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン塩酸塩.
白色固体。M.P.104.7℃分解。
元素分析 C2634FN32・HCl・3.5H2Oについての計算値:C,57.93,H,7.85,N,7.79.実測値:C,58.12,H,8.35,N,7.66。
[α]25D=+78.3°(c=0.55、MeOH)。
(−)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[3−フルオロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン塩酸塩.
白色固体。M.P.128.5−129.9℃
元素分析 C2634FN32・HCl・3H2Oについての計算値:C,58.91,H,7.80,N,7.93.実測値:C,59.10,H,7.85,N,7.66.
[α]25D=−82.4°(c=0.56、MeOH)。
【0156】
実施例31
(±)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[5−メチル−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン(方法A)
浅黄色油状物。質量スペクトル 436(M+1)。
1H−NMR(CDCl3、250MHz) δ 7.39(2H,d)、7.23(2H,d)、7.14(1H,s)、7.04(2H,m)、4.68(1H,dd)、4.11(2H,m)、3.59(2H,m)、2.99(4H,m)、2.87(2H,m)、2.59(4H,s)、2.33(3H,s)、2.28(3H,s)、1.29(9H,s)。
(+)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[5−メチル−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン
浅黄色固体。M.P.92−93℃。
元素分析 C273732についての計算値:C,74.48,H,8.50,N,9.65。実測値:C,74.31,H,8.64,N,9.49。
(−)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[5−メチル−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン
浅黄色固体。M.P.86−88℃。
元素分析 C273732についての計算値:C,74.48,H,8.50,N,9.65.実測値:C,73.98,H,8.50,N,9.50。
【0157】
実施例32
(±)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンジル]−モルホリン−3−オン(方法A)
オフホワイト固体。M.P.145.1−146.2℃。質量スペクトル 490(M+1)。
1H−NMR(CDCl3、250MHz) δ 7.66(1H,s)、7.50(1H,dd)、7.39(2H,d)、7.24(1H,m)、7.14(2H,d)、4.46(1H,dd)、4.10(1H,m)、3.87(2H,m)、3.58(2H,m)、3.20(6H,m)、3.03(2H,m)、2.71(3H,bs)、1.28(9H,s)。
(+)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンジル]−モルホリン−3−オン塩酸塩
オフホワイト固体。M.P.136−138℃。
元素分析 C2734332・HCl・H2Oについての計算値:C,59.61,H
,6.86,N,7.72。実測値:C,59.23,H,6.74,N,7.23。
[α]25D=+61.3°(c=0.89、MeOH)。
−)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンジル]−モルホリン−3−オン塩酸塩
白色固体。M.P.128−130℃。
元素分析 C2734332・HCl・2H2Oについての計算値:C,57.70,H,6.99,N,7.48。実測値:C,58.12,H,6.79,N,7.46。
[α]25D=−69.3°(c=0.76、MeOH)。
【0158】
実施例33
(±)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンジル]−モルホリン−3−オン(方法A)
白色固体。質量スペクトル 490(M+1)。
1H−NMR(CDCl3、250MHz) δ 7.47(1H,d)、7.41(4H,m)、7.15(2H,d)、4.40(1H,m)、3.87(2H,d)、3.56(6H,m)、3.21(1H,dt)、3.11(3H,m)、2.98(1H,m)、2.70(4H,m)、1.55(2H,bs)、1.29(9H,s)。
【0159】
実施例34
(±)−4−ビフェニル−4−イル−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン塩酸塩(方法A)
白色固体。M.P.219.4−222.2℃。質量スペクトル 442(M+1)。
1H−NMR(CD3OD、250MHz) δ 7.66(2H,dd)、7.59(2H,d)、7.42(3H,m)、7.34(3H,m)、7.25(2H,m)、7.14(1H,dt)、4.58(1H,dd)、4.11(1H,m)、3.90(2H,m)、3.65(1H,m)、3.50(3H,m)、3.19(4H,m)、3.06(1H,bt)、2.92(3H,s)。
【0160】
実施例35
(±)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−4−ピリジン−3−イル−モルホリン−3−オン塩酸塩(方法A)
白色固体。M.P.175.4℃分解。221.6−225.5℃で液化。質量スペクトル 366(M+1)。
1H−NMR(CD3OD、250MHz) δ 9.27(1H,d)、8.72(2H,m)、8.14(1H,dd)、7.36(1H,d)、7.23(2H,m)、7.12(1H,dt)、4.69(1H,dd)、4.16(1H,m)、4.08(1H,m)、4.00(1H,dt)、3.82(1H,m)、3.52(2H,m)、3.26(5H,m)、3.17(2H,m)、3.07(1H,m)、2.95(3H,s)。
【0161】
実施例36
(±)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−(3,4,5−トリメチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン塩酸塩(方法A)
白色固体。M.P.135℃(分解)。質量スペクトル 450(M+1)。
(+)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−(3,4,5−トリメチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン塩酸塩.
白色固体。M.P.103.5−105℃。
[α]25D=+69.1°(c=0.52、MeOH)。
(−)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−(3,4,5−トリメチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン塩酸塩.
白色固体。M.P.103.1−104.8℃。
[α]25D=−78.3°(c=0.59、MeOH)。
【0162】
実施例37
(±)−4−(4−tert−ブチル−ベンジル)−2−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン塩酸塩(方法A)
白色固体。M.P.215−216℃。質量スペクトル 436(M+1)。
1H−NMR(DMSO−d6、250MHz) δ 7.32(2H,d)、7.27(1H,dd)、7.13(4H,m)、7.00(1H,t)、4.45(1H,d)、3.87(1H,dt)、3.64(1H,dq)、3.33(5H,m)、3.07(9H,m)、2.77(3H,s)、2.44(9H,s)。
元素分析 C273732・HCl・1.5H2Oについての計算値:C,64.98,H,8.28,N,8.42。実測値:C,64.99,H,8.28,N,8.49。
【0163】
実施例38
2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−モルホリン−3−オン塩酸塩(方法C)
黄褐色固体。質量スペクトル 434(M+1)。
1H−NMR(DMSO−d6、250MHz) δ 7.78(2H,dd)、7.66(2H,dd)、7.35(1H,d)、7.23(1H,m)、7.10(2H,m)、5.74(2H,bs)、4.65(1H,d)、4.09(1H,m)、3.90(2H,m)、3.72(1H,m)、3.41(8H,m)、2.79(3H,s)。
【0164】
実施例39
(−)4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−(4−メチル−4−オキシ−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン
2下、尿素過酸化水素付加錯体(0.447g、4.72mmol、98%、Aldrich Chemical Co.)を、(+)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン(0.25g、0.59mmol、実施例24から)の無水エタノール5.0mL撹拌溶液に加えた。この混合物を32℃に一晩、次いでさらに6時間加温した。次いで反応液を水及び酢酸エチルで希釈し、そして水層を追加の酢酸エチルでさらに抽出し、次いで合わせた有機層を水、そして飽和NaCl溶液で洗浄した。酢酸エチル抽出物を最終的にNa2SO4で乾燥し、濾過し、そして真空で濃縮して白色泡状物質(0.213g)とした。この残留物を塩化メチレンに溶解し、そして水で数回洗浄し、乾燥及び濃縮して白色泡状物質(71mg)とした。M.P.89.3−92.8℃。
元素分析 C263535・2.5H2Oについての計算値:C,64.71,H,8.35,N,8.71.実測値:C,64.71,H,8.20,N,8.50。
(+)4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−(4−メチル−4−オキシ−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オンを、同様の方法で(−)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オンから製造してオフホワイト泡状物質を得た。M.P.110.9−115.2℃。
元素分析 C263535・3H2Oについての計算値:C,63.50,H,8.41,N,8.55.実測値:C,63.67,H,8.05,N,8.55。
【0165】
製造1
2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンズアルデヒド
この化合物は、W.Nijhuisら、Synthesis、641−645(1987)又はJ.Wattheyら、Journal of Medicinal Chemistry,26,1116−1122(1983)の方法を使用して製造した。
【0166】
同様の方法で、以下の類縁体も製造した:
4−クロロ 2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンズアルデヒド
黄褐色油状物として收率93%。質量スペクトル 239(M+1)、241.1H−NMR(CDCl3、250MHz) δ 10.12(1H,s)、7.7(1H,d)、7.05(2H,d)、3.15(4H,br s)、2.61(4H,br s)、2.4(3H,s)。
【0167】
6−フルオロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンズアルデヒド
淡褐色油状物として收率69%。質量スペクトル 223(M+1)。1H−NMR(CDCl3、250MHz) δ 10.27(1H,s)、7.45(1H,m)、7.86(1H,d)、6.75(1H,dd)、3.14(4H,t)、2.62(4H,t)、2.37(3H,s)。
【0168】
3−フルオロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンズアルデヒド
黄色油状物として收率45%。質量スペクトル 223(M+1)。
【0169】
2−(3,5−ジメチルピペラジン−1−イル)−ベンズアルデヒド
2−フルオロベンズアルデヒド及び2,6−ジメチルピペラジンから。淡琥珀色油状物として收率36%。質量スペクトル 219(M+1)。1H−NMR(CDCl3、250MHz) δ 10.25(1H,s)、7.8(1H,d)、7.5(1H,d)、7.05(2H,dd)、3.15(4H,m)、2.5(2H,t)、1.05(6H,t)。
【0170】
2−(3−(R)−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ベンズアルデヒド
2−フルオロベンズアルデヒド(0.828g)及び(3R)−(+)−ジメチルアミノ)−ピロリジン(1.1g)、K2CO3(2.3g)、H2O25mL及び1,4−ジオキサン2.5mLから100℃にて24時間で製造。淡琥珀色油状物として収量1.27g(87%)。質量スペクトル 219(M+1)。1H−NMR(CDCl3、250MHz) δ 10.05(1H,s)、7.68(1H,m)、7.36(1H,m)、6.80(2H,m)、3.57(1H,dq)、3.33(2H,m)、2.60(1H,dt)、2.47(1H,m)、2.27(6H,s)、2.18(1H,m)、1.87(1H,m)。
【0171】
製造2
5−メチル−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンズアルデヒド
この化合物は、4工程で市販の2−フルオロ−5−メチル安息香酸(Aldrich Chemical Company)から製造した。このように、無水エタノール100mL中の安息香酸(3.0g、19.5mmol)を、シリンジで塩化アセチル(1.5g、19.5mmole)で室温にて処理し、そして18時間後に5時間加熱還流させた。室温まで冷却した後、濃硫酸(0.5mL)を加え、そしてこの混合物を再び18時間加熱還流させた。室温まで冷却した後、容量を真空で約10mLに減らし、次いで飽和NaHCO3水溶液でpHが7.5を超えるまで希釈し、そして酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて水及び飽和NaClで洗浄し、MgSO4で乾燥し、そして濃縮して2−フルオロ−5−メチル安息香酸エチルを無色油状物(3.25g)として得た。質量スペクトル 182(M+)。
【0172】
N−メチルピペラジン15mL中の上記エステル(2.2g、12.1mmol)をN2
下で18時間加熱還流させて暗黄褐色溶液を生成した。過剰のN−メチルピペラジンを真空で除去し、そして残留物を酢酸エチルに溶解し、次いで水及び飽和NaClで洗浄した。MgSO4で乾燥した後、溶媒を真空で除去して黄褐色油状物(2.49g)を得た。塩化メチレン中5%メタノールを溶離液として使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより、純粋な5−メチル−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−安息香酸エチルを黄色油状物(2.04g)として得た。質量スペクトル 263(M+1)。
【0173】
無水THF30mL中の前出のエステル(1.4g、5.34mmol)を0℃に冷却し、そしてTHF8.0mL中1.0MのLiAlH4(8.0mmol、Aldrich Chemical Co.)でシリンジで15分かけて処理した。冷却を止め、そして黄色溶液をさらに3時間撹拌した後、反応液を氷浴で冷却し、そしてこの混合物をH2O300マイクロリットル、15%NaOH水溶液300マイクロリットル、次いでH2O900マイクロリットルでクエンチした。さらに1時間撹拌した後、この混合物をMgSO4で乾燥し、濾過し、そして真空で濃縮して5−メチル−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジルアルコールを無色油状物(1.06g)として得た。質量スペクトル 221(M+1)。
【0174】
無水THF25mL中の前出のアルコール(1.0g、4.54mmol)を、3.95g(45.4mmol)の二酸化マンガン(IV)で処理した。この混合物を室温で18時間撹拌し、次いで50℃に24時間加熱した後、tlc(シリカゲル、90クロロホルム:10メタノール)はより極性の低い生成物の形成を示した。この混合物を珪藻土(d.e.)に通して熱時濾過し、そのパッドをさらなるTHFで洗浄し、そして溶媒を真空で除去して5−メチル−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンズアルデヒドを黄色油状物(0.808g)として得た。質量スペクトル 219(M+1)。1H−NMR(CDCl3、400MHz) δ 10.28(1H,s)、7.58(1H,s)、7.30(1H,m)、7.10(1H,d)、3.09(4H,m)、2.66(4H,bs)、2.39(3H,s)、2.30(3H,s)。
【0175】
同様の方法で、2−フルオロ−4−トリフルオロメチル安息香酸を4−トリフルオロメチル−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンズアルデヒドに変換した。質量スペクトル 273(M+1)。1H−NMR(CDCl3、400MHz) δ 10.23(1H,s)、7.85(1H,d)、7.34(1H,dd)、7.29(1H,s)、3.23(4H,bs)、2.79(4H,bs)、2.47(3H,s)。
【0176】
製造3
2−(3,4,5−トリメチルピペラジン−1−イル)−ベンズアルデヒド
THF11.5mL及びH2O2mL中の2−(3,5−ジメチルピペラジン−1−イル)−ベンズアルデヒド(1.2g、5.5mmol)(上記の製造1に記載される)の溶液を、ギ酸0.524g、続いて37%ホルムアルデヒド水溶液0.535g(6.6mmol)で処理し、次いで室温で48時間撹拌した。次いでこの混合物を、NaHCO3水溶液を用いて塩基性のpHにし、そして塩化メチレンで注意深く抽出した。合わせた有機抽出物を水、飽和NaClで洗浄し、MgSO4で乾燥した。真空濃縮により粗製表題生成物を琥珀色油状物(0.696g)として得た。質量スペクトル 233(M+1)。1H−NMR(CDCl3、400MHz) δ 10.25(1H,s)、7.85(1H,d)、7.5(1H,m)、7.05(2H,m)、3.10(2H,m)、2.85(2H,bs)、2.60(2H,bs)、2.35(3H,bs)、1.12(6H,m)。
【0177】
製造4
4−ベンジル−モルホリン−3−オン
火力乾燥したフラスコ中、窒素雰囲気下で水素化ナトリウム(120mg、3.0mmol、60%油中分散)をヘキサンで洗浄し、次いで無水DMF20mLで処理し、そして0℃に冷却した。モルホリン−3−オン(253mg、2.5mmol)を撹拌しながら一度に加えた。ガスの発生が止んだ後(約30分)、塩化ベンジル(380mg、3.0mmol)をシリンジで加え、そして反応液を室温で終夜撹拌した。次いでこの混合物を1.0M HClで処理し、そして酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて、飽和塩化ナトリウムで洗浄し、そして硫酸マグネシウム(MgSO4)で乾燥した。真空濃縮により表題生成物672mgを無色油状物として得た。質量スペクトル 191(M+)。
1H−NMR(CDCl3、400MHz) δ 7.25(5H,m)、4.50(2H,s)、4.20(2H,s)、3.75(2H,m)、3.23(2H,m)。
同様の方法で、4−(4−tert−ブチルベンジル)−モルホリン−3−オンを收率75%で白色固体として製造した。質量スペクトル 247(M+)。1H−NMR(CDCl3、400MHz) δ 7.32(2H,d)、7.16(2H,d)、4.56(2H,s)、4.21(2H,s)、3.80(2H,dd)、1.27(9H,s)。
【0178】
製造5
4−(4−イソプロピルフェニル)−モルホリン−3−オン
この化合物を2工程で製造した:
工程A.N2下、磁気撹拌子及び冷却器を備えた丸底フラスコ中で、4−ブロモ−イソプロピルベンゼン(1.98g、10mmol)、モルホリン(1.74g、20mmol)、トルエン(75mL)、酢酸パラジウム(337mg、1.5mmol)及びBINAP(934mg、1.5mmol;BINAP=ラセミ−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル)を混合し、そしてナトリウムtert−ブトキシド(3.84g、40mmol)を加えながら撹拌した。この混合物を終夜加熱還流させて、室温まで冷却し、そして珪藻土を通して濾過し、フィルターパッドを追加のトルエン及び塩化メチレンで洗浄した。濾液を濃縮して黒色残留物とし、これをクロロホルムで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにかけた。生成物のフラクションを真空濃縮して4−(4−イソプロピルフェニル)−モルホリンを褐色油状物(これはゆっくりと凝固した)として得た。収量0.962g。質量スペクトル 205(M+)。1H−NMR(CDCl3、400MHz) δ 7.13(2H,d)、6.87(2H,bs)、3.84(4H,bs)、3.11(4H,bs)、2.62(1H,q)、1.19(6H,d)。
【0179】
同様の方法で、以下を製造した:
4−(4−tert−ブチルフェニル)−モルホリン。黄色固体。質量スペクトル 219(M+)。1H−NMR(CDCl3、400MHz) δ 7.28(2H,d)、6.87(2H,bs)、3.84(4H,bs)、3.12(4H,bs)、1.26(9H,s)。
4−(3−トリフルオロメチルフェニル)−モルホリン。收率92%。質量スペクトル 231(M+)。
4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−モルホリン。收率87%。ロウ状白色固体。質量スペクトル 231(M+)。
4−(3−ピリジル)−モルホリン。琥珀色油状物として收率85%。質量スペクトル 165(M+1)。
4−(2−ピリジル)−モルホリン。琥珀色油状物として收率98%。
4−(2−ピリミジニル)−モルホリン。黄色油状物として收率50%。質量スペクトル 166(M+1)。
4−(4−ビフェニリル)−モルホリン。白色固体。質量スペクトル 240(M+1)。
【0180】
工程B. J.H.Markgraf及びC.A.Stickney(Journal of Heterocyclic Chemistry、2000、37(11):109−110)により開示される方法を使用して、工程Aからの表題化合物(0.950g、4.63mmol)を塩化メチレン50mL中、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(3.15g、13.88mmol)及び過マンガン酸カリウム(2.19g、13.88mmol)で処理し、次いで終夜還流させた。室温まで冷却した後、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(0.787g)の2つ目の部分、続いてKMnO4(0.548g)を加え、そしてこの混合物を再び終夜還流させた。室温まで冷却して、この混合物を100mLの水に注ぎ、そして20%亜硫酸水素ナトリウム溶液で1時間撹拌しながら処理した。次いでこの混合物を珪藻土に通して濾過し、そのパッドを水および塩化メチレンで繰り返し洗浄し、そして有機濾液を最後に水及び飽和NaClで洗浄した。MgSO4で乾燥した後、有機溶媒を真空除去して4−(4−イソプロピルフェニル)−モルホリン−3−オンを橙色半固体(0.417g)として得た。質量スペクトル 219(M+)。1H−NMR(CDCl3、400MHz) δ 7.22(4H,m)、4.30(2H,s)、3.98(2H,m)、3.71(2H,m)、2.87(1H,m)、1.21(6H,d)。
【0181】
同じ方法で、以下のモルホリン−3−オン類を製造した:
4−(4−tert−ブチルフェニル)−モルホリン−3−オン.橙色油状物として收率76%。質量スペクトル 233(M+)。1H−NMR(CDCl3、400MHz)
δ 7.39(2H,dd)、7.21(2H,dd)、4.31(2H,s)、3.99(2H,m)、3.71(2H,m)。
4−(4−ビフェニリル)−モルホリン−3−オン。淡橙色固体として收率22%。質量スペクトル 254(M+1)。
4−(2−ピリジル)−モルホリン−3−オン。白色固体として收率56%。質量スペクトル 179(M+)。
4−(3−ピリジル)−モルホリン−3−オン。淡黄色固体として收率35%。質量スペクトル 179(M+)。
4−フェニル−モルホリン−3−オン。M.P.112−113℃の白色固体として收率45%。質量スペクトル 178(M+)。
4−(3−トリフルオロメチルフェニル)−モルホリン−3−オン。黄色油状物として收率38%。質量スペクトル 245(M+)。1H−NMR(CDCl3、400MHz) δ 7.58(1H,s)、7.52(3H,m)、4.33(2H,s)、4.03(2H,m)、3.78(2H,m)。
【0182】
製造6
4−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−フェニル]−モルホリン−3−オン
トルエン中1.4M 臭化メチルマグネシウム(9.0ml、12.5mmol、Aldrich Chemical Co.)及びTHF10mlを含む火力乾燥した丸底フラスコにN2下で5〜10℃にて、4−ブロモベンゾフェノン(1.99g、10mmol)のTHF10mL中の溶液をシリンジで加えた。この混合物を氷浴の中で1時間撹拌し、次いで終夜撹拌しながら室温まで昇温させた。次いでこの混合物を5時間加熱還流させ、その後反応液を室温まで冷却し、そしてさらに1.4M臭化メチルマグネシウム9.0mlで処理した。この混合物を再びさらに72時間還流させた。次いで反応液を室温まで冷却し、そして飽和塩化アンモニウムでクエンチし、次いで水及び酢酸エチルを加えて1時間撹拌した。有機層を分離し、水及び飽和NaClで洗浄し、MgSO4で乾燥し、そして真空濃縮して2−(4−ブロモフェニル)−プロパン−2−オールを無色透明油状物(2.09g)として得た。質量スペクトル 216、218.1H−NMR(CDCl3、400MHz) δ 7.38(2H,d)、7.30(2H,d)、1.98(1H,bs)。
【0183】
前出のアルコール(0.9g、4.18mmol)、モルホリン(0.766g、8.79mmol)、BINAP(0.393g、0.63mmol)及び酢酸パラジウム(0.141g、0.63mmol)のトルエン50mL中の混合物を、ナトリウムtert−ブトキシド(1.6g)で処理し、そして終夜加熱還流させた。室温まで冷却した後、この混合物を珪藻土のパッドを通して濾過し、そしてこのフィルターパッドを追加容量の酢酸エチルで洗浄した。合わせた濾液を真空で蒸発させて黒色残留物とし、これをクロロホルムで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにかけて粗製2−(4−モルホリン−4−イルフェニル)−プロパン−2−オールを褐色油状物として得た。0.259g。質量スペクトル 221(M+)。
【0184】
2下、前出の中間体(0.25g、1.1mmol)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(0.77g、3.39mol)及び過マンガン酸カリウム(0.536g、3.39mmol)の塩化メチレン20mL中の混合物を24時間加熱還流させた。次いで反応液を冷却し、20%亜硫酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、そして珪藻土のパッドを通して濾過し、追加の水および塩化メチレンで洗浄した。合わせた有機濾液を水及び飽和NaClで洗浄し、MgSO4で乾燥し、そして真空濃縮して粗製4−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−フェニル]−モルホリン−3−オンを褐色油状物(0.153g)として得た。1H−NMR(CDCl3、400MHz) δ 7.6(1H,m)、7.5(1H,m)、7.45(1H,m)、7.25(1H,m)、4.25(2H,s)、4.0(2H,m)、3.7(2H,m)、2.2(1H,bs)、1.5(6H,s)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

[式中、R1は以下に示される式G1、G2、G3、G4、G5、G6、G7、G8又はG9の基であり、
【化2】

aは0〜8であり;
13はそれぞれ独立して、(C1−C4)アルキル、又はそれぞれG1若しくはG2のピペラジン環若しくはピペリジン環の環炭素のうちの1つから、それぞれ利用可能な結合部位を有するG1若しくはG2のピペラジン環若しくはピペリジン環の同じか若しくは異なる環炭素若しくは環窒素へ又は利用可能な結合部位を有するR6の環炭素への(C1−C4)メチレン架橋であり;
Eは、酸素、硫黄、SO又はSO2であり;
Xは、水素、クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨード、シアノ、(C1−C6)アルキル、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、(C1−C6)アルコキシ、−SOt(C1−C6)アルキル(ここでtは0、1、又は2である)、−CO210又は−CONR1112であり;
Yは、それが結合している原子と共に6員モルホリン−3−オン−2−イル環を形成する場合により置換された(C1−C4)ヘテロアルキル架橋であり、ここでさらなる結合を支持し得る炭素原子のうちのいずれかにおける置換基は、フルオロ、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ、トリフルオロメチル又はシアノであり;
2は、水素、(C1−C4)アルキル、フェニル又はナフチルであり、ここで該フェニル又はナフチルは、クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨード、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ、トリフルオロメチル、シアノ および−SOk(C1−C6)アルキル(ここでkは、0、1又は2である)より独立して選択される1つ又はそれ以上の置換基で場合により置換され得;
3は−(CH2mBであり、ここでmは0、1、2又は3であり、そしてBは水素、フェニル、ナフチル又は環中に1〜4個のヘテロ原子を含む5員若しくは6員のヘテロアリール基であり、そしてここで前述のフェニル、ナフチルおよびヘテロアリール基の各々は、クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨード、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C6)アルコキシ−(C1−C6)アルキル−、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ヒドロキシ、−COOHおよび−SOn(C1−C6)アルキル(ここでnは0、1又は2である)より独立して選択される1つ又はそれ以上の置換基で場合により置換され得;
6は、水素、(C1−C6)アルコキシ若しくは1〜3個のフッ素原子で場合により置換された(C1−C6)アルキル、又は((C1−C4)アルキル)アリールからなる群より選択され、ここでアリール部分構造は、フェニル、ナフチル、又はヘテロアリール−(CH2q−であり、ここでヘテロアリール部分構造は、ピリジル、ピリミジル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソオキサゾリルおよびベンゾイソチアゾリルからなる群より選択され、そしてqは0、1、2、3又は4であり、そしてここで該アリール部分構造およびヘテロアリール部分構造は、クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨード、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ、トリフルオロメチル、シアノおよび−SOg(C1−C6)アルキル(ここでgは0、1若しくは2である)からなる群より独立して選択される1つ又はそれ以上の置換基で場合により置換され得;
7は、水素、(C1−C6)アルキル、((C1−C4)アルキル)アリールからなる群より選択され、ここでアリール部分構造は、フェニル、ナフチル、又はヘテロアリール−(CH2r−であり、ここでヘテロアリール部分構造は、ピリジル、ピリミジル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソオキサゾリルおよびベンゾイソチアゾリルからなる群より選択され、そしてrは0、1、2、3又は4であり、そしてここで該アリール部分構造およびヘテロアリール部分構造は、クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨード、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ、トリフルオロメチル、−C(=O)−(C1−C6)アルキル、シアノおよび−SOj(C1−C6)アルキル(ここでjは0、1又は2である)からなる群より独立して選択される1つ又はそれ以上の置換基で場合により置換され得;
又はR6およびR7は一緒になって2〜4個の炭素鎖を形成し;
8は水素又は(C1−C3)アルキルであり;
9は水素又は(C1−C6)アルキルであり;
又はR6およびR9は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、窒素、硫黄および酸素より選択される0〜4個のヘテロ原子を含み得る5〜7員のヘテロアルキル環を形成し;
そしてpは1、2、又は3であり;
10、R11およびR12の各々は、R2の定義において記載されるラジカルより独立して選択され;又はR11およびR12は、それらが結合している窒素と共に、窒素、硫黄および酸素より選択される0〜4個のヘテロ原子を含み得る5〜7員のヘテロアルキル環を形成し;そして
破線は、任意の二重結合を示し、ただしG2における破線が二重結合である場合、R8は存在しない]
の化合物、又はその薬学的に許容しうる塩。
【請求項2】
1が、以下の基:
【化3】

のいずれかである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
1が、
【化4】

(式中、R6はメチルであり、そしてR13およびR2がそれぞれ水素である)で表わされる、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
Yが、それが結合している原子と共に、場合により置換されたモルホリン−3−オン−2−イルを形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
3が、場合により置換されたフェニル又は−(CH2)−場合により置換されたフェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
化合物が、
2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジリデン]−4−(4−イソプロピルフェニル)−モルホリン−3−オン、
2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジリデン]−4−フェニル−モルホリン−3−オン、
2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジリデン]−4−(4−tert−ブチルフェニル)−モルホリン−3−オン、
2−[2−(3,4,5−トリメチルピペラジン−1−イル)−ベンジリデン]−4−(4−tert−ブチルフェニル)−モルホリン−3−オン、
4−[4−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−フェニル]−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジリデン]−モルホリン−3−オン、
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[4−フルオロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジリデン]−モルホリン−3−オン、
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[6−クロロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジリデン]−モルホリン−3−オン、
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[4−クロロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジリデン]−モルホリン−3−オン、
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[6−フルオロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジリデン]−モルホリン−3−オン、
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[3−フルオロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジリデン]−モルホリン−3−オン、
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−6−トリフルオロメチル−ベンジリデン]−モルホリン−3−オン、
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンジリデン]−モルホリン−3−オン、
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[5−メチル−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジリデン]−モルホリン−3−オン、
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−(3−(R)−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ベンジリデン]−モルホリン−3−オン、
4−(4−tert−ブチル−ベンジル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジリデン]−モルホリン−3−オン、
4−(4−クロロベンジル)−5−メチル−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジリデン]−モルホリン−3−オン、
(±)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(+)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(−)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(±)−4−(4−イソプロピル−フェニル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(−)−4−(4−イソプロピル−フェニル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(+)−4−(4−イソプロピル−フェニル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(±)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−クロロ−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(+)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−クロロ−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(−)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−クロロ−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(±)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[4−クロロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(+)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[4−クロロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(−)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[4−クロロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(±)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−フルオロ−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(+)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−フルオロ−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(−)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−フルオロ−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(±)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[4−フルオロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(+)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[4−フルオロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(−)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[4−フルオロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(±)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[3−フルオロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(+)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[3−フルオロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(−)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[3−フルオロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(±)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[5−メチル−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(+)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[5−メチル−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(−)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[5−メチル−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(±)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(+)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(−)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(±)−4−ビフェニル−4−イル−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(±)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−(3,4,5−トリメチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(+)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−(3,4,5−トリメチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(−)−4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−[2−(3,4,5−トリメチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
(±)−4−(4−tert−ブチル−ベンジル)−2−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンジル]−モルホリン−3−オン、
2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−ベンジル]−4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−モルホリン−3−オン
およびこのような化合物の薬学的に許容しうる塩からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
式V:
【化5】

[式中、R1は、以下に示される式G1、G2、G3、G4、G5、G6若しくはG7の基であり、
【化6】

aは0〜8であり;
13は、それぞれ独立して(C1−C4)アルキル、又はそれぞれG1若しくはG2のピペラジン環若しくはピペリジン環の環炭素のうちの1つから、それぞれG1若しくはG2のピペラジン環若しくはピペリジン環の利用可能な結合部位を有する同じか若しくは別の環炭素若しくは環窒素へ又は利用可能な結合部位を有するR6の環炭素への(C1−C4)メチレン架橋であり;
Eは酸素、硫黄、SO又はSO2であり;
Xは、水素、クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨード、シアノ、(C1−C6)アルキル、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、(C1−C6)アルコキシ、−SOt(C1−C6)アルキル(ここでtは0、1又は2である)、−CO210又は−CONR1112であり;
Yは、それが結合している原子と一緒になって6員モルホリン−3−オン−2−イル環を形成する、場合により置換された(C1−C4)ヘテロアルキル架橋であり、ここで該(C1−C4)ヘテロアルキル架橋のさらなる結合を支持し得る炭素原子のうちのいずれかにおける置換基は、フルオロ、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ、トリフルオロメチル又はシアノであり;
2は水素、(C1−C4)アルキル、フェニル又はナフチルであり、ここで該フェニル又はナフチルは、クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨード、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ、トリフルオロメチル、シアノおよび−SOk(C1−C6)アルキル(ここでkは0、1又は2である)より独立して選択される1つ又はそれ以上の置換基で場合により置換され得;
3は−(CH2mBであり、ここでmは0、1、2又は3であり、そしてBは水素、フェニル、ナフチル又は環中に1〜4個のヘテロ原子を含む5員若しくは6員のヘテロアリール基であり、そしてここで前述のフェニル基、ナフチル基およびヘテロアリール基の各々は、クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨード、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C6)アルコキシ−(C1−C6)アルキル−、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ヒドロキシ、−COOHおよび−SOn(C1−C6)アルキル(ここでnは0、1又は2である)より独立して選択される1つ又はそれ以上の置換基で場合により置換され得;
6は、水素、(C1−C6)アルコキシ若しくは1〜3個のフッ素原子で場合により置換された(C1−C6)アルキル、又は((C1−C4)アルキル)アリールからなる群より選択され、ここでアリール部分構造はフェニル、ナフチル、又はヘテロアリール−(CH2q−であり、ここでヘテロアリール部分構造は、ピリジル、ピリミジル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソオキサゾリルおよびベンゾイソチアゾリルからなる群より選択され、そしてqは0、1、2、3又は4であり、そしてここで該アリール部分構造およびヘテロアリール部分構造は、クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨード、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ、トリフルオロメチル、シアノおよび−SOg(C1−C6)アルキル(ここでgは0、1又は2である)からなる群より独立して選択される1つ又はそれ以上の置換基で場合により置換され得;
7は、水素、(C1−C6)アルキル、((C1−C4)アルキル)アリールからなる群より選択され、ここでアリール部分構造は、フェニル、ナフチル、又はヘテロアリール−(CH2r−であり、ここでヘテロアリール部分構造は、ピリジル、ピリミジル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソオキサゾリルおよびベンゾイソチアゾリルからなる群より選択され、そしてrは0、1、2、3又は4であり、そしてここで該アリール部分構造およびヘテロアリール部分構造は、クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨード、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ、トリフルオロメチル、−C(=O)−(C1−C6)アルキル、シアノおよび−SOj(C1−C6)アルキル(ここでjは0、1又は2である)からなる群より独立して選択される1つ又はそれ以上の置換基で場合により置換され得;
又はR6およびR7は一緒になって2〜4個の炭素鎖を形成し;
8は水素又は(C1−C3)アルキルであり;
9は水素又は(C1−C6)アルキルであり;
又はR6およびR9は、それらが結合している窒素原子と共に、窒素、硫黄および酸素より選択される0〜4個のヘテロ原子を含み得る5〜7員ヘテロアルキル環を形成し;
そしてpは1、2、若しくは3であり;
10、R11およびR12の各々は、R2の定義において記載されるラジカルから独立して選択され;又はR11およびR12は、それらが結合している窒素と共に、窒素、硫黄および
酸素より選択される0〜4個のヘテロ原子を含み得る5〜7員のヘテロアルキル環を形成し;そして
破線は任意の二重結合を示し、ただしG2における破線が二重結合である場合、R8は存在しない]
の化合物。
【請求項8】
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−{ヒドロキシ−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−フェニル]−メチル}−モルホリン−3−オン、
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−{[4−フルオロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−フェニル]−ヒドロキシメチル}−モルホリン−3−オン、
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−{1−[4−フルオロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−フェニル]−1−ヒドロキシ−エチル}−モルホリン−3−オン、
4−[4−(1,1−ジメチルプロピル)−フェニル]−2−{1−ヒドロキシ−1−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−フェニル]−エチル}−モルホリン−3−オン、
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−{[6−フルオロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−フェニル]−ヒドロキシメチル}−モルホリン−3−オン、
4−(4−tert−ブチル−フェニル)−2−{[4−クロロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−フェニル]−ヒドロキシメチル}−モルホリン−3−オン、
4−(4−イソプロピル−フェニル)−2−{[4−クロロ−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−フェニル]−ヒドロキシ−メチル}−モルホリン−3−オンおよび
4−(4−イソプロピル−フェニル)−2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)−フェニル]−ヒドロキシメチル−モルホリン−3−オン
からなる群より選択される、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
哺乳動物におけるセロトニン神経伝達を増強することにより処置することができる障害又は状態を処置するための医薬組成物であって、(a)このような障害又は状態の処置において有効な量の請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容しうる塩、および(b)薬学的に許容しうる担体を含む、上記医薬組成物。
【請求項10】
哺乳動物におけるセロトニン神経伝達を増強することにより処置することができる障害又は状態を処置するための方法であって、このような処置を必要とする哺乳動物に、このような障害又は状態の処置において有効な量の請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容しうる塩を投与することを含む、上記方法。
【請求項11】
哺乳動物における、高血圧、うつ病の全ての形態、癌患者におけるうつ病、パーキンソン病患者におけるうつ病、心筋梗塞後うつ病、亜症候群症候性うつ病、不妊症女性におけるうつ病、小児うつ病、大うつ病性障害、単一エピソードのうつ病、反復性うつ病、幼児虐待誘発うつ病、分娩後うつ病、気分変調;非定型的特徴、メランコリーの特徴、精神病性の特徴、緊張病性の特徴を伴うか又は伴わない、軽度、中度、又は重度のうつ病、;季節性情動障害、老人性うつ病、慢性うつ病;抑うつ気分または不安及び抑うつ気分を伴う適応障害;混合型の不安及び抑うつ;物質誘発性気分障害;及び一般的な病状に続発する気分障害、全般性不安障害、恐怖症、広場恐怖症、対人恐怖、単純恐怖、心的外傷後ストレス症候群、回避性人格障害、早漏、摂食障害、拒食症、神経性大食症、肥満;薬物依存及びアルコール、コカイン、ヘロイン、フェノバルビタール、ニコチン及びベンゾジアゼピン系薬に対する嗜癖;群発性頭痛、片頭痛、疼痛、アルツハイマー病、強迫性障害、パニック障害、記憶障害、痴呆、健忘障害、及び加齢性認知低下(ARCD)、パーキンソン病、パーキンソン病における痴呆、神経遮断薬誘発性パーキンソニズム及び遅発性ジスキネジー、内分泌障害、高プロラクチン血症、血管けいれん、脳血管における血管けい
れん、小脳性運動失調;運動性及び分泌の変化を含む胃腸管障害;統合失調症の陰性症状、月経前症候群、線維筋肉痛症候群、緊張性尿失禁、ツレット症候群、抜毛癖、窃盗癖、男性不能症、癌、小細胞肺癌、慢性発作性片側頭痛、血管障害に関連する頭痛、双極性障害、双極性障害−抑うつ期、並びに注意欠陥/過活動性障害(ADHD)からなる群より選択される障害または状態を処置するための方法であって、このような処置を必要とする哺乳動物に、このような障害または状態の処置において有効な量の請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩を投与することを含む、上記方法。
【請求項12】
哺乳動物における、注意欠陥/過活動性障害(ADHD)、双極性障害、双極性障害−抑うつ期;非定型的特徴、メランコリーの特徴、精神病性の特徴、緊張病性の特徴を伴うか又は伴わない、軽度、中度、又は重度のうつ病;季節性情動障害、分娩後うつ病、老人性うつ病、慢性うつ病、気分変調、抑うつ気分を伴う適応障害、不安及び抑うつ気分を伴う適応障害、混合型の不安及び抑うつ、物質誘発性気分障害、並びに一般的な病状に続発する気分障害より選択される障害又は状態を処置するための方法であって、このような処置を必要とする哺乳動物に、このような障害又は状態の処置において有効な量の請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩を投与することを含む、上記方法。
【請求項13】
哺乳動物においてセロトニン神経伝達を増強することにより処置することができる障害または状態を処置するための方法であって、このような処置を必要とする哺乳動物に、セロトニン受容体に拮抗するかまたは作用するのに有効な量の請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容しうる塩を投与することを含む、上記方法。
【請求項14】
哺乳動物における、高血圧、うつ病の全ての形態、癌患者におけるうつ病、パーキンソン病患者におけるうつ病、心筋梗塞後うつ病、亜症候群症候性うつ病、不妊症女性におけるうつ病、小児うつ病、大うつ病性障害、単一エピソードのうつ病、反復性うつ病、幼児虐待誘発うつ病、分娩後うつ病、気分変調;非定型的特徴、メランコリーの特徴、精神病性の特徴、緊張病性の特徴を伴うか又は伴わない、軽度、中度、又は重度のうつ病;季節性情動障害、老人性うつ病、慢性うつ病;抑うつ気分または不安及び抑うつ気分を伴う適応障害;混合型の不安及び抑うつ;物質誘発性気分障害;並びに一般的な病状に続発する気分障害、全般性不安障害、恐怖症、広場恐怖症、対人恐怖、単純恐怖、心的外傷後ストレス症候群、回避性人格障害、早漏、摂食障害、拒食症、神経性大食症、肥満;薬物依存及びアルコール、コカイン、ヘロイン、フェノバルビタール、ニコチン及びベンゾジアゼピン系薬に対する嗜癖;群発性頭痛、片頭痛、疼痛、アルツハイマー病、強迫性障害、パニック障害、記憶障害、痴呆、健忘障害、及び加齢性認知低下(ARCD)、パーキンソン病、パーキンソン病における痴呆、神経遮断薬誘発性パーキンソニズム及び遅発性ジスキネジー、内分泌障害、高プロラクチン血症、血管けいれん、脳血管における血管けいれん、小脳性運動失調;運動性及び分泌の変化を含む胃腸管障害;統合失調症の陰性症状、月経前症候群、線維筋肉痛症候群、緊張性尿失禁、ツレット症候群、抜毛癖、窃盗癖、男性不能症、癌、小細胞肺癌、慢性発作性片側頭痛、血管障害に関連する頭痛、双極性障害、双極性障害−抑うつ期、並びに注意欠陥/過活動性障害(ADHD)からなる群より選択される障害または状態を処置するための方法であって、このような処置を必要とする哺乳動物に、
a) 請求項1に記載の化合物;及び
b) 5−HT再取り込み阻害剤又はその薬学的に許容しうる塩;
の組み合わせ[ここで、(a)及び(b)の量は、該組み合わせがこのような障害または状態の処置において有効であるような量である]を投与することを含む、上記方法。
【請求項15】
5−HT再取り込み阻害剤が、セルトラリンまたはその薬学的に許容しうる塩である、請求項14に記載の方法。

【公表番号】特表2007−513995(P2007−513995A)
【公表日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−544572(P2006−544572)
【出願日】平成16年12月3日(2004.12.3)
【国際出願番号】PCT/IB2004/003994
【国際公開番号】WO2005/061491
【国際公開日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(397067152)ファイザー・プロダクツ・インク (504)
【Fターム(参考)】