説明

アリールピペリジンアミド

本発明は:抗不安障害;損傷を受けた哺乳類神経組織の処置を必要とする状態;神経栄養因子の投与を介する処置の余地のある状態;神経学的障害;又は肥満;肥満−関連障害の調節、処置又は予防において有効である新規なGlyT2阻害性化合物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は2型グリシン輸送体(GlyT2)のモジュレーターに関する。さらに特定的には、本発明は筋肉痙性、耳鳴、てんかん及びニューロパシー性疼痛のような中枢神経系(CNS)状態の処置のための選択的GlyT2阻害剤として有用なある種のピペリジンアミドに関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
グリシンはγ−アミノ酪酸(GABA)とともに、CNSにおける神経伝達の阻止を主に担っている。さらにグリシンはN−メチル−D−アスパルテート(NMDA)受容体における必須の共−アゴニストであり、そこでそれはグルタメートの興奮作用を減じるように働く(非特許文献1)。
【0003】
放射性標識ストリキニーネ結合研究(非特許文献2;非特許文献3;非特許文献4;非特許文献5)は、グリシンが脊椎動物の脳幹及び脊髄において働く主要な阻害性アミノ酸であり、その効果をストリキニーネ−感受性グリシン作用性受容体においてシナプス後に及ぼすという強い証拠を与えている(非特許文献6)。
【0004】
グリシンのその特異的な受容体への結合はリガンド−ゲートクロリドチャンネルを開放させ、それはシナプス後ニューロン中へのクロリドイオンの流入を生ずる。このプロセスはニューロンを超分極させ、究極的にニューロン性シグナリングに関する閾値を上昇させる。グリシンの生理学的効果はグリシン輸送体により調節され、それはグリシンがシナプス間隙からシナプス前ニューロン及び回りのグリア細胞中に戻って再−吸収されるための機構を与える。
【0005】
現在、CNSにおいて発現される2つのグリシン輸送体:GlyT1及びGlyT2が既知である(非特許文献7;非特許文献8;非特許文献9)。別々の遺伝子が各輸送体をコードし、輸送体はサルコシン(N−メチルグリシン)へのそれらの感受性により証明される通り、明白に異なる薬理学を有する(非特許文献9)。ラット及びヒトGlyT2輸送体の両方がクローニングされ、アミノ酸レベルで〜93%の配列相同性を共有する(非特許文献10;非特許文献11)。かくして集められた生化学的証拠は、GlyT2輸送体が脳幹及び脊髄中のストリキニーネ−感受性グリシン受容体と密接に関連することをおおいに示唆している。
【0006】
GlyT2阻害剤はグリシンの吸収を妨げ、グリシン受容体(glycineric receptor)のシナプス後阻害活性を強めなければならず、かくしてグリシン作用性受容体機能不全と関連するCNS状態、例えば筋肉痙性、耳鳴、てんかん及びニューロパシー性疼痛の処置に有用であり得る(非特許文献12;非特許文献13;非特許文献14)。
【非特許文献1】L.L.Iverson著,Br.J.Pharmacol.41(4),1971年:571−591
【非特許文献2】A.B.Young and S.H.Snyder著,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.70(10),1973年:2832−2836
【非特許文献3】M.A.Zarbin et al.著,J.Neurosci.1(5),1981年:532−547
【非特許文献4】A.Probst et al.著,Neuroscience 17(1),1986年:11−35
【非特許文献5】H.Betz著,Nature 328(16),1987年:215−220
【非特許文献6】K.Krnjevic著,Physiol.Rev.54(2),1974年:418−540
【非特許文献7】J.Guastella et al.著,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89(15),1992年:7189−7193
【非特許文献8】Q.−R.Liu et al.著,J.Biol Chem.268(30),1993年:22802−22808
【非特許文献9】B.Lopez−Corcuera et al.著,J.Neurochem.71(5),1998年:2211−2219
【非特許文献10】M.J.Gallagher et al.著,Mol.Brain Res,70(1),1999年:101−115
【非特許文献11】J.Evans et al.著,FEBS Lett.463(3),1999年,301−306
【非特許文献12】E.Friauf et al.著,J.Comp.Neurol.412(1),1999年:17−37
【非特許文献13】R.K.Simpson et al.著,Neurochem.Res.21(10),1996年:1221−1226
【非特許文献14】W.Huang and R.K.Simpson著,Neurological Res.22,2000年:160−164
【発明の開示】
【0007】
発明の概略
本発明は式(I):
【0008】
【化1】

【0009】
[式中、
はHであるか、あるいは置換されたかもしくは非置換のC1−5アルキル、C1−5アルケニル又はC1−5アルキニルであり;
及びRは独立してH、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、C1−6アルキニルから選ばれるか、あるいはまたR及びRは結合している窒素と一緒になってピペリジニル、ピロリジニル、ピロリニル、テトラヒドロピリジニル、ジヒドロピリジニル、アゼパニル又はモルホリニルを形成することができ、ここで各R及びR置換基は別々にもしくは一緒になって、場合によりヒドロキシ又はC1−4アルコキシで置換されていることができ;
は場合により2もしくは3位において1もしくは2個のRで置換されていることができるフェニルであり;
Arは場合によりRで置換されていることができるフェニレン、ピリジンジイル、ピリミジンジイル、チオフェンジイル又はチアゾールジイルであり;
及びYは独立してC1−5アルカンジイル又はC1−5アルケンジイルから選ばれ;
XはS、Oであるか、あるいはNRであるか、あるいはまた共有結合であり;そして
は−OH、−C1−6アルキル、−OC1−6アルキル、−Ph、−PhOH、−ウレアPh、−OPh、ベンジル、−Oベンジル、−ウレアベンジル、チオフェニル、−C3−6シクロアルキル、−OC3−6シクロアルキル、−CN、−NO、−N(R)R(ここでR及びRは独立してH、C1−6アルキル及びC1−6アルケニルより成る群から選ばれるか、あるいはR及びRは結合している窒素と一緒になって、他の部分は脂肪族炭化水素環を形成することができ、該環は4〜7個のメンバーを有し、場合により1個の炭素がO、=N−、NH又はN(C1−4アルキル)で置き換えられていることができ、場合により1個の炭素が−OHで置換されていることができ、且つ場合により環中に1もしくは2個の不飽和結合を有していることができる)、−(C=O)N(R)R、−(N−R)COR、−(N−R)SO1−6アルキル(ここでRは独立してH又はC1−6アルキルであるか、あるいは同じ置換基中の2個のRは結合しているアミドと一緒になって、他の部分は脂肪族炭化水素環を形成することができ、該環は4〜6個のメンバーを有する)、−(C=O)C1−6アルキル、−(S=(O))−C1−6アルキル(ここでnは0、1又は2から選ばれる)、−SON(R)R、−SCF、ハロ、−CF、−OCF、−COOH及び−COOC1−6アルキルより成る群から選ばれる]
のGlyT2阻害剤ならびにその立体異性体、製薬学的に許容され得る塩、溶媒和物及び多形を提供する。
【0010】
本発明は、また、新規なGlyT2阻害剤に関連する製薬学的組成物、処置方法及び合成を提供する。
【0011】
発明の詳細な記述
好ましい態様において、本発明は独立して:
がHであり;R及びRが結合している窒素と一緒になってピペリジニルを形成し;Rがフェニルであり且つ2もしくは3位において−OC1−6アルキル又は−N(R)Rで置換されており、ここでR及びRは独立してC1−6アルキルであり;Arがフェニレンであり;Y及びYが同一であるかもしくは異なり、メチレン又はエチレンであり;そしてXがNH又はOである
式(I)の化合物を提供する。
【0012】
特に好ましい態様において、本発明は独立して:
がHであり;R及びRが結合している窒素と一緒になってピペリジニルを形成し;Rがフェニルであり且つ2もしくは3位においてプロポキシで置換されており;Arがフェニレンであり;Yがエチレンであり、Yがメチレンであり;そしてXがNH又はOである
式(I)の化合物を提供する。
【0013】
好ましい式(I)は式(Ia):
【0014】
【化2】

【0015】
[式中、mは1又は2である]
により示される。
【0016】
本発明の化合物には以下が含まれるが、これらに限られない:
(3−{[2−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[3−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−プロピルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
{3−[(2−フェニルアミノ−エチルアミノ)−メチル]−フェニル}−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[2−(2−ヒドロキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[2−(2−メトキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
[3−({2−[2−(1−エチル−プロポキシ)−フェニルアミノ]−エチルアミノ}−メチル)−フェニル]−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[2−(2−シクロペンチルオキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[2−(2−フェノキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[2−(3−メトキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[2−(3−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[2−(2−アミノ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[2−(2−イソプロピルアミノ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
N−(2−{2−[3−(ピペリジン−1−カルボニル)−ベンジルアミノ]−エチルアミノ}−フェニル)−メタンスルホンアミド;
1−フェニル−3−(2−{2−[3−(ピペリジン−1−カルボニル)−ベンジルアミノ]−エチルアミノ}−フェニル)−ウレア;
1−ベンジル−3−(2−{2−[3−(ピペリジン−1−カルボニル)−ベンジルアミノ]−エチルアミノ}−フェニル)−ウレア;
(3−{[2−(2−ブロモ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[2−(3−ブロモ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[2−(2−クロロ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[2−(3−クロロ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[2−(2−イソプロピル−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[2−(2’−メトキシ−ビフェニル−2−イルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
ピペリジン−1−イル−(3−{[2−(2−チオフェン−3−イル−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−メタノン;
(3−{[2−(2−イソプロポキシ−フェノキシ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[3−(2−イソプロポキシ−フェノキシ)−プロピルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[2−(3−イソプロポキシ−フェノキシ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
[3−({[2−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチル]−メチル−アミノ}−メチル)−フェニル]−ピペリジン−1−イル−メタノン;
[3−({2−[(2−イソプロポキシ−フェニル)−メチル−アミノ]−エチルアミノ}−メチル)−フェニル]−ピペリジン−1−イル−メタノン;
{3−[({2−[(2−イソプロポキシ−フェニル)−メチル−アミノ]−エチル}−メチル−アミノ)−メチル]−フェニル}−ピペリジン−1−イル−メタノン;
[3−({[2−(3−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチル]−メチル−アミノ}−メチル)−フェニル]−ピペリジン−1−イル−メタノン;
{3−[({2−[(3−イソプロポキシ−フェニル)−メチル−アミノ]−エチル}−メチル−アミノ)−メチル]−フェニル}−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[2−(2−イソプロポキシ−フェニルスルファニル)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[3−(2−イソプロポキシ−フェニル)−プロピルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(5−{[2−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−チオフェン−3−イル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(5−{[2−(2−アミノ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−チオフェン−3−イル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(5−{[2−(2−イソプロピルアミノ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−チオフェン−3−イル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
N,N−ジエチル−3−{[2−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−ベンズアミド;
(3−{[2−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピロリジン−1−イル−メタノン;
アゼパン−1−イル−(3−{[2−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−メタノン;
(3−{[2−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−モルホリン−4−イル−メタノン;及び
(4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−(3−{[2−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−メタノン、
ならびにそれらの立体異性体、光学的異性体、アノマー、製薬学的に許容され得る塩、溶媒和物及び多形。
【0017】
本発明の化合物は:抗不安障害(anxiolytic disorders);損傷
を受けた哺乳類神経組織の処置を必要とする状態;神経栄養因子の投与を介する処置の余地のある状態;神経学的障害;肥満;又は肥満−関連障害の調節(modulating)又は処置において有効である。これらの障害又は状態は下記に定義される。例えばある態様において、本発明の化合物を抗痙攣薬、抗てんかん薬、神経保護薬及び筋肉弛緩薬として用いることができる。
【0018】
本明細書で用いられる場合、以下の用語は以下のそれぞれの意味を有する。本発明を記載するために用いられる他の用語は、当該技術分野における熟練者が一般的に用いると同じ定義を有する。いずれかの定義において挙げられる特定の例は、制限であることは全く意図されていない。
【0019】
「炭化水素」は置換されたかもしくは非置換の有機化合物を指す。
【0020】
「アセタール」は、2個のエーテル酸素が同じ炭素に結合している化合物を指す。「ケタール」はケトンから誘導されるアセタールである。
【0021】
「アシル」は式RCOの化合物を意味し、ここでRは脂肪族(炭素原子の直鎖を特徴とする)、脂環式(少なくとも1個の環を含有する飽和炭化水素)又は芳香族である。
【0022】
「アシルオキシ」は基アルキル−C(O)O−、置換されたアルキル−C(O)O−、シクロアルキル−C(O)O−、置換されたシクロアルキル−C(O)O−、アリール−C(O)O−、ヘテロアリール−C(O)O−及び複素環式−C(O)O−を指し、ここでアルキル、置換されたアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及び複素環式は本明細書で定義される通りである。
【0023】
「アルキル」は、炭素及び水素を含有する完全に飽和した1価の炭化水素基を指し、それは直鎖状、分枝鎖状又は環状であることができる。アルキル基の例はメチル、エチル、n−ブチル、n−ヘプチル、イソプロピル、2−メチルプロピル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンチルエチル及びシクロヘキシルである。「シクロアルキル」基は環状アルキル基、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルを指す。C−Cアルキル基は本発明において好適に用いられる。
【0024】
「置換されたアルキル」は、1個もしくはそれより多い官能基、例えば1〜6個の炭素原子を含有するアルキル、好ましくは1〜3個の炭素原子を含有する低級アルキル、アリール、置換されたアリール、アシル、ハロゲン(すなわちアルキルハロ類、例えばCF)、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシアルキル、アミノ、アルキル及びジアルキルアミノ、アシルアミノ、アシルオキシ、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、カルボキシアルキル、カルボキシアミド、チオ、チオエーテル、飽和及び不飽和の両方の環状炭化水素、複素環式基などを含む、記載したばかりのアルキルを指す。「置換されたシクロアルキル」という用語は、本発明の記述の目的のために、用語「置換されたアルキル」の下に包含されると本質的に同じ定義を有する。
【0025】
「アミン」は脂肪族アミン、芳香族アミン(例えばアニリン)、飽和複素環式アミン(例えばピペリジン)及び置換された誘導体、例えばアルキルモルホリンを指す。本明細書で用いられる「アミン」は窒素−含有芳香族複素環式化合物、例えばピリジン又はプリンを含む。
【0026】
「アラルキル」は、アリール置換基を有するアルキル基を指し、「アラルキレン」という用語は、アリール置換基を有するアルケニル基を指す。「アルカリール」という用語は
、アルキル置換基を有するアリール基を指し、「アルカリーレン」という用語は、アルキル置換基を有するアリーレン基を指す。「アリーレン」という用語は、1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、1,2−ナフチレンなどを例とするアリール(置換されたアリールを含む)から誘導されるジラジカルを指す。
【0027】
「アルケニル」は、必ずではないが典型的には2〜約24個の炭素原子及び少なくとも1個の二重結合を含有する分枝鎖状もしくは非分枝鎖状炭化水素基、例えばエテニル、n−プロペニル、イソプロペニル、n−ブテニル、イソブテニル、オクテニル、デセニルなどを指す。やはり必ずではないが一般に、本明細書でアルケニル基は2〜約12個の炭素原子を含有する。「低級アルケニル」という用語は2〜6個の炭素原子、好ましくは2〜4個の炭素原子のアルケニル基を意味する。
【0028】
「置換されたアルケニル」は1個もしくはそれより多い置換基で置換されたアルケニルを指し、「ヘテロ原子−含有アルケニル」及び「ヘテロアルケニル」という用語は、少なくとも1個の炭素原子がヘテロ原子で置き換えられたアルケニルを指す。
【0029】
「アリール」は、1個の環(例えばフェニル)又は複数の縮合環(例えばナフチル)を有する置換されたかもしくは非置換の1価の芳香族基を指す。他の例には1個もしくはそれより多い窒素、酸素又は硫黄原子を環中に有する複素環式芳香環基、例えば中でもイミダゾリル、フリル、ピロリル、ピリジル、チエニル及びインドリルが含まれる。従って本明細書で用いられる「アリール」は、1〜15個の炭素原子及び1〜4個のヘテロ原子を含有し、且つ環系の少なくとも1個の環は芳香族である単−もしくは多環式環系を有する「ヘテロアリール」を含む。ヘテロ原子は硫黄、窒素又は酸素である。
【0030】
「置換されたアリール」は、1個もしくはそれより多い官能基、例えば低級アルキル、アシル、アリール、ハロゲン、アルキルハロ類(例えばCF)、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシアルキル、アミノ、アルキル及びジアルキルアミノ、アシルアミノ、アシルオキシ、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、カルボキシアルキル、カルボキシアミド、チオ、チオエーテル、飽和及び不飽和の両方の環状炭化水素、複素環式基などを含有する記載したばかりのアリールを指す。
【0031】
本明細書で用いられる「アルキニル」は、必ずではないが典型的には2〜約24個の炭素原子及び少なくとも1個の三重結合を含有する分枝鎖状もしくは非分枝鎖状炭化水素基、例えばエチニル、n−プロピニル、イソプロピニル、n−ブチニル、イソブチニル、オクチニル、デシニルなどを指す。やはり必ずではないが一般に、本明細書でアルキニル基は2〜約12個の炭素原子を含有する。「低級アルキニル」という用語は2〜6個の炭素原子、好ましくは3もしくは4個の炭素原子のアルキニル基を意味する。「置換されたアルキニル」は1個もしくはそれより多い置換基で置換されたアルキニルを指し、「ヘテロ原子−含有アルキニル」及び「ヘテロアルキニル」という用語は、少なくとも1個の炭素原子がヘテロ原子で置き換えられたアルキニルを指す。
【0032】
本明細書で用いられる「アルコキシ」は、エーテル結合を介して結合するアルキル基を指す;すなわち「アルコキシ」基を−O−アルキルとして示すことができ、ここでアルキルは上記で定義された通りである。「低級アルコキシ」基は1〜6個、より好ましくは1〜4個の炭素原子を含有するアルコキシ基を意味する。
【0033】
「アレニル」は本明細書で、構造−CH=C=CHを有する分子セグメントを指す通常の意味で用いられる。「アレニル」基は非置換であるか、又は1個もしくはそれより多い非−水素置換基で置換されていることができる。
【0034】
本明細書で用いられる「アノマー」は、アルデヒド又はケトン位置において原子の転位が起こる場合の新しい対称点の形成から生ずる環状炭水化物の1対の異性体の1つを意味する。
【0035】
「ハロ」及び「ハロゲン」は、クロロ、ブロモ、フルオロ又はヨード置換基を指す通常の意味で用いられる。「ハロアルキル」、「ハロアルケニル」又は「ハロアルキニル」(あるいは「ハロゲン化アルキル」、「ハロゲン化アルケニル」又は「ハロゲン化アルキニル」)という用語は、基中の水素原子の少なくとも1個がハロゲン原子で置き換えられたそれぞれアルキル、アルケニル又はアルキニル基を指す。
【0036】
「複素環」又は「複素環式」は、1個もしくはそれより多い炭素原子が1個もしくはそれより多いへテロ原子、例えば窒素、酸素又は硫黄で置き換えられた炭素環式環を指す。芳香族もしくは非−芳香族複素環式環上の置換可能な窒素は、場合により置換されていることができる。ヘテロ原子N又はSはNO、SO及びSOのような酸化された形態で存在することもできる。複素環の例には、多数の中でもピペリジン、ピロリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、2−ピロリジノン、δ−バレロラクタム、δ−バレロラクトン及び2−ケトピペラジンが含まれるが、これらに限られない。
【0037】
「ヘテロ原子−含有」は、1個もしくはそれより多い炭素原子が炭素以外の原子、例えば窒素、酸素、硫黄、リン又はケイ素で置き換えられた分子又は分子断片を指す。「置換された複素環」は、1個もしくはそれより多い官能基、例えば低級アルキル、アシル、アリール、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシアルキル、アミノ、アルキル及びジアルキルアミノ、アシルアミノ、アシルオキシ、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、カルボキシアルキル、カルボキシアミド、チオ、チオエーテル、飽和及び不飽和の両方の環状炭化水素、複素環などを含有する記載したばかりの複素環を指す。「置換された」という用語が用いられる他の場合、この定義に含まれる置換基を、明細書に示される他の置換基の定義及び与えられる化学化合物中にそのような置換基が存在する状況から容易に収集することができる。当該技術分野における通常の熟練者は、安定な化学的に可能な複素環式環中のヘテロ原子の最大数が、複素環式環が芳香族であっても又は非−芳香族であっても、環のサイズ、不飽和の程度及びヘテロ原子の原子価により決定されることを認識するであろう。一般に複素環式環は、複素環式環が化学的に可能且つ安定である限り、1〜4個のヘテロ原子を有することができる。
【0038】
「等配電子体」は、実質的に類似の電子配置を有する結果として実質的に類似の物理的性質を有する化合物を指す。
【0039】
「置換されたアルキル」又は「置換されたアルケニル」におけるような「置換された」は、ヒドロカルビル、ヒドロカルビレン、アルキル、アルケニル又は他の部分において、炭素原子に結合した少なくとも1個の水素原子がヒドロキシル、アルコキシ、チオ、アミノ、ハロ、シリルなどのような官能基である1個もしくはそれより多い置換基で置き換えられていることを意味する。「置換された」という用語が可能な置換基(possible substituted groups)のリストの前にある場合、用語はその群のすべてのメンバーに適用されることが意図されている。
【0040】
「有効量」は、意図される結果を生むために用いられる選ばれた化合物、中間体又は反応物の量を指す。用いられる化合物、中間体又は反応物の正確な量は、選ばれる特定の化合物及びその意図される使用、患者の年令及び体重、投与の経路などに依存して変るであろうが、日常的な実験により容易に決定され得る。状態又は疾患状態の処置の場合、有効量は、特定の状態又は疾患状態を有効に処置するために用いられる量である。
【0041】
「患者」という用語は、明細書全体を通じて、本発明に従う組成物を用いて予防的処置を含む処置が与えられる動物、好ましくは人間を記述するために用いられる。人間の患者のような特定の動物に特異的である感染、状態又は疾患状態の処置の場合、患者という用語はその特定の動物を指す。
【0042】
本発明は、式(I)の化合物の製薬学的に許容され得る酸付加塩を含む。前記の本発明の塩基化合物の製薬学的に許容され得る酸付加塩の製造に用いられる酸は、無毒性の酸付加塩、すなわち薬理学的に許容され得るアニオンを含有する塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、重酒石酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、サッカリン酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩及びパモ酸塩[すなわち1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3 ナフトエート)]を形成するものである。
【0043】
本発明は、式(I)の塩基付加塩も含む。酸性である式(I)の化合物の製薬学的に許容され得る塩基塩の製造のために試薬として用いられ得る化学的塩基は、そのような化合物と無毒性の塩基塩を形成するものである。そのような無毒性の塩基塩にはアルカリ金属カチオン(例えばカリウム及びナトリウム)ならびにアルカリ土類金属カチオン(例えばカルシウム及びマグネシウム)のような薬理学的に許容され得るカチオンから誘導されるもの、アンモニウムもしくは水溶性アミン付加塩、例えばN−メチルグルカミン(メグルミン)ならびに低級アルカノールアンモニウム及び他の製薬学的に許容され得る有機アミンの塩基塩が含まれるが、これらに限られない。
【0044】
本発明の化合物は、式(I)の化合物のすべての立体異性体(すなわちシス及びトランス異性体)ならびにすべての光学的異性体(例えばR及びSエナンチオマー)ならびにそのような異性体のラセミ、ジアステレオマー及び他の混合物ならびに化合物のすべての多形を含む。
【0045】
GlyT2受容体のモジュレーターとして、本発明の化合物は中枢神経系の状態に苦しむ患者においてそのような状態の処置のために有効量で有用である。特定の中枢神経系の状態には筋肉痙性、耳鳴、てんかん及びニューロパシー性疼痛のような状態が含まれる。
【0046】
1種もしくはそれより多い製薬学的に許容され得る担体を用い、通常の方法で本発明の組成物を調製することができ、放出制御調製物において投与することもできる。これらの製薬学的組成物中で用いられ得る製薬学的に許容され得る担体にはイオン交換物質、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質、例えばヒト血清アルブミン、緩衝物質、例えばリン酸塩、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分的グリセリド混合物、水、塩又は電解質、例えばプロラミンサルフェート、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイドシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースに基づく物質、ポリエチレングリコール、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、ポリエチレングリコール及び羊毛脂が含まれるが、これらに限られない。
【0047】
本発明の組成物を経口的に、非経口的に、吸入スプレーにより、局所的に、直腸的に、鼻的に、頬的に、膣的に、又は移植レザバー(implanted reservior)を介して投与することができる。本明細書で用いられる「非経口的」という用語は、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、髄膜内、胸骨内、包膜内、肝臓内、病巣内及び頭蓋内注入又は輸液法を含む。好ましくは、組成物は経口的に、腹膜内に、又は静脈内に投与される。
【0048】
本発明の組成物の無菌の注入可能な形態は、水性もしくは油脂性懸濁剤であることができる。適した分散剤又は湿潤剤及び懸濁化剤を用い、当該技術分野において既知の方法に従ってこれらの懸濁剤を調製することができる。無菌の注入可能な調製物は、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液のような、無毒性の非経口的に許容され得る希釈剤又は溶媒中の無菌の注入可能な溶液又は懸濁剤であることもできる。用いることができる許容され得るビヒクル及び溶媒の中には水、リンゲル液及び等張塩化ナトリウム溶液がある。さらに、無菌の固定油が溶媒又は懸濁化媒体として通常用いられる。この目的のために、合成モノ−もしくはジ−グリセリドを含むいずれの無刺激固定油を用いることもできる。オレイン酸のような脂肪酸及びそのグリセリド誘導体は注入可能なものの調製において有用であり、オリーブ油又はヒマシ油のような天然の製薬学的に許容され得る油も、特にそれらのポリオキシエチル化形においてそうである。これらの油溶液又は懸濁剤は、長−鎖アルコール希釈剤又は分散剤、例えばPh.Helvもしくは類似のアルコールも含有することができる。
【0049】
本発明の製薬学的組成物を、カプセル、錠剤、水性懸濁剤又は溶液を含むがこれらに限られないいずれの経口的に許容され得る投薬形態においても、経口的に投与することができる。経口的使用のための錠剤の場合、通常用いられる担体にはラクトース及びコーンスターチが含まれる。ステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤も典型的に加えられる。カプセル形態における経口的投与のために、有用な希釈剤にはラクトース及び乾燥されたコーンスターチが含まれる。経口的使用のために水性懸濁剤が必要な場合、活性成分を乳化剤及び懸濁化剤と合わせる。必要ならある種の甘味料、風味料又は着色剤も加えることができる。
【0050】
あるいはまた、本発明の製薬学的組成物を直腸的投与のための座薬の形態で投与することができる。室温で固体であるが直腸温度で液体であり、従って直腸で融解して薬剤を放出する適した無刺激性の賦形剤と薬剤を混合することにより、これらを調製することができる。そのような材料にはココアバター、蜜蝋及びポリエチレングリコールが含まれる。
【0051】
本発明の製薬学的組成物を、特に眼、皮膚又は下部腸管(lower intestinal tract)の疾患を含んで、処置の標的が局所的適用により容易に近づき得る領域又は器官を含む場合、局所的に投与することもできる。適した局所用調剤はこれらの領域又は器官のそれぞれのために容易に調製される。
【0052】
下部腸管のための局所的適用は、直腸座剤(rectal suppository formulation)(上記を参照されたい)において、あるいは適した浣腸調剤において行なうことができる。局所的に許容され得る経皮パッチも用いることができる。
【0053】
局所的適用のために、製薬学的組成物を1種もしくはそれより多い担体中に懸濁もしくは溶解された活性成分を含有する適した軟膏において調製することができる。本発明の化合物の局所的適用のための担体には鉱油、液体ペトロラタム、白ペトロラタム、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化性ワックス及び水が含まれるが、これらに限られない。あるいはまた、1種もしくはそれより多い製薬学的に許容され得る担体中に懸濁もしくは溶解された活性成分を含有する適したローション又はクリームにおいて、製薬学的組成物を調製することができる。適した担体には鉱油、ソルビタンモノステアレート、ポリソルベート 60、セチルエステルワックス、セテアリールアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコール及び水が含まれるが、これらに限られない。
【0054】
眼的使用のために、ベンジルアルコニウムクロリドのような防腐剤を含むかもしくは含まない等張のpHが調整された無菌の食塩水中の微細化懸濁剤(micronized suspensions)として、あるいは好ましくは等張のpHが調整された無菌の食塩水中の溶液として、製薬学的組成物を調製することができる。あるいはまた、眼的使用のために、ペトロラタムのような軟膏中で製薬学的組成物を調製することができる。
【0055】
鼻用エアゾール又は吸入により本発明の製薬学的組成物を投与することもできる。そのような組成物は製薬学的調剤の技術分野において周知の方法に従って調製され、ベンジルアルコール又は他の適した防腐剤、バイオアベイラビリティーを強化するための吸収促進剤、フルオロカーボン及び/又は他の通常の可溶化剤もしくは分散剤を用い、食塩水中の溶液として調製することができる。
【0056】
1個の投薬形態物の製造のために担体材料と合わせることができる本発明の新規なGlyT2阻害剤の量は、処置される宿主(host)及び特定の投与様式に依存して変るであろう。好ましくは、約10ミリグラム〜約500ミリグラムの活性成分を含有するように組成物を調製するべきである。
【0057】
いずれかの特定の患者のための特定の投薬量及び処置管理は、用いられる特定の化合物の活性、年令、体重、一般的健康、性別、食事、投与の時間、排泄の速度、薬剤の組み合わせ、処置する医師の判断及び処置されている特定の疾患もしくは状態の重度を含む多様な因子に依存するであろうことも理解されねばならない。
【0058】
一般的合成法
本発明の代表的な化合物は下記に記載される一般的合成法に従って合成することができ、且つ下記のスキームにさらに特定的に示される。スキームは例であるので、本発明は表現される化学反応及び条件により制限されるとみなされるべきではない。スキームにおいて用いられる種々の出発材料の製造は、十分に当該技術分野における熟練者の技術の範囲内である。
【0059】
そうでないと規定されなければ、本明細書における反応は大体大気圧及び約0℃〜反応で用いられる有機溶媒の沸点の温度で行なわれる。ジクロロメタン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、クロロホルム又はテトラヒドロフランのような不活性有機溶媒は本明細書で開示される反応における好ましい溶媒である。反応時間は約1時間〜約48時間の範囲であることができ、反応物は場合により攪拌されるか、振盪されるか、又は撹乱される(agitated)ことができる。そうでないと規定されなければ1容器で、又は数段階で反応を行なうことができる。
【0060】
下記で複数の代表的な態様において詳細に説明する通り、式:
【0061】
【化3】

【0062】
[ここでYはメチレンである]
の本発明のベンゾイルアミン類似体を、式:
【0063】
【化4】

【0064】
のアルデヒドを用いる式:
【0065】
【化5】

【0066】
のアミンの還元的アミノ化(A.F.Abdel−Magid et al.著,J.Org.Chem.61,1996年:3849)により合成することができ、ここで該方法は1容器中で、又は数段階で行なわれ、且つここでR、X、Y、Ar、R及びRは前に定義された通りである。
【0067】
特定の態様において、本発明のベンゾイルアミン類似体を式
【0068】
【化6】

【0069】
[ここでAr、R及びRは前に定義された通りである]
のアルデヒドを用いる式:
【0070】
【化7】

【0071】
[ここでRは例えばC1−5アルキルであることができ、mは1又は2である]
のアミノ付加物の還元的アミノ化により合成することができる。本発明の化合物の製造のためのいくつかの代替的方法も下記に記載する。
【0072】
還元的アミノ化反応は一般に、当該技術分野における熟練者に既知であろう条件下で行なわれる。例えば不活性溶媒中で還元剤の存在下に、アミンを用いるアルデヒドの処理に
より還元的アミノ化を行なうことができる。適した還元剤には水素化ホウ素ナトリウムのような水素化ホウ素試薬(borohydride reagents)が含まれる。Loudon著,Organic Chemistry,Chp.23,p.1085(Fourth Ed.)(Oxford University Press 2002)を参照されたい。
【0073】
各プロセス段階のそれぞれの生成物を反応混合物の他の成分から分離し、続く段階における出発材料としてのその使用の前に精製に供するのが一般的に好ましい。分離法には、典型的には蒸発、抽出、沈殿及び濾過が含まれる。精製法には、典型的にはカラムクロマトグラフィー(W.C.Still et al.著,J.Org.Chem.43,1978年:2921)、薄−層クロマトグラフィー、結晶化及び蒸留が含まれる。最終的な生成物、中間体及び出発材料の構造は、核磁気共鳴(NMR)、質量分光測定(MS)及び液体クロマトグラフィー(HPLC)を含む分光分析、分光測定及び分析法により確かめられる。本発明の化合物の製造に関する記述において、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン及びジオキサンはエーテル性溶媒の通常の例であり;ベンゼン、トルエン、ヘキサン及びシクロヘキサンは典型的な炭化水素溶媒であり;そしてジクロロメタン及びジクロロエタンは代表的なハロ炭化水素溶媒である。生成物が酸付加塩として単離される場合、当該技術分野における熟練者に既知の方法により、遊離の塩基を得ることができる。生成物が酸付加塩として単離される場合、塩は1当量かもしくはそれより多い酸を含有することができる。
【0074】
以下のスキームは、本発明の化合物の合成を示す。スキーム中で用いられる化合物番号は、実施例番号に対応しない。
【0075】
反応スキーム1は、本発明の化合物4aの類似体の合成に用いられた2つの方法を示す。反応スキーム1において、2−アミノフェノール(5a)は、DMF中で炭酸カリウムの存在下に、ヨウ化イソプロピルで処理されるとイソプロピルエーテル(5b)に転換された。5bを還流イソプロパノール中で2−クロロエチルアミンと、又は還流2−(2−メトキシエトキシ)エタノール中でオキサゾリジノンと縮合させると、アミノエチル付加物6aを与えた。類似して、5bを3−クロロプロピルアミンと合わせると、アミノプロピル付加物6bを与えた。ピペリジンとカルボン酸(7)の間のカルボジイミド媒介カップリングはアルデヒド8を与え、それはNaBH(OAc)/ジクロロエタンの存在下で6a又は6bを用いる還元的アミノ化(A.F.Abdel−Magid,K.G.Carson,B.D.Harris,C.A.Maryanoff,D.Shah著,J.Org.Chem.61,1996年:3849)を経て、それぞれ付加物4a及び4bを与えた。スキーム1で用いられる試薬は:(a)ヨウ化イソプロピル、KCO、DMF(b)2−クロロエチルアミン、i−PrOH、還流(c)3−クロロプロピルアミン、i−PrOH、還流(d)5b−HCl塩、オキサゾリジノン、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、180℃(e)ピペリジン、EDCI、HOBT、DMF、EtN及び(f)NaBH(OAc)、1,2−ジクロロエタンである。
【0076】
【化8】

【0077】
反応スキーム2において、概述されている(A.I.Meyers,L.Snyder著,J.Org.Chem.58,1993年:36;D.L.Boger,S.R.Duff,J.S.Panek,M.Yasuda著,J.Org.Chem.50,1985年:5782)2−段階順序を用い、ニトロフェノール9a及び9bがアニリン10a−dに転換された。アニリン10e−gは商業的供給源から得られた。エチレンジアミン類似体12a−hの合成は、付加物4a−bに関してスキーム1に記載された通りに行なわれた。スキーム2で用いられる試薬は以下の通りである:(a)R−Br、KCO、DMF(b)Na、THF−HO(c)H、Pd−C、EtOH(d)10−HCl塩、オキサゾリジノン、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、180℃(e)2−クロロエチルアミン、i−PrOH、還流及び(f)化合物8、NaBH(OAc)、1,2−ジクロロエタン。
【0078】
【化9】

【0079】
本発明の置換されたアニリノ誘導体20a及び20bは、スキーム3aに概述される通りに合成された。2−フルオロニトロベンゼンとエチレンジアミンの間の縮合は付加物14を与え、それはアルデヒド8を用いる還元的アミノ化を経て中間体15を与えた。ベンジル窒素の選択的保護はカルバメート16を生じ、それを水素化条件に供してアニリノ誘導体17を与え、それを続いて化合物20a及び20bに転換した。スキーム3aにおいて用いられる試薬は以下の通りである:(a)エチレンジアミン又はN−ベンジルエチレンジアミン、CHCN、熱(b)化合物8、NaBH(OAc)、1,2−ジクロロエタン(c)(Boc)O、CHCl(d)H、Pd/C、EtOH、1時間(e)ヨウ化イソプロピル、KCO、DMF(f)適した塩化スルホニル、EtN、CHCl及び(h)TFA、CHCl
【0080】
【化10】

【0081】
本発明のウレア誘導体20c及び20dは、スキーム3bに概述される通りに合成された。スキーム3bで用いられる試薬は以下の通りである:(a)(Boc)O、CHCl(b)H、Pd/C、EtOH、1時間、(c)適したイソシアナート、EtN、CHCl(d)TFA、CHCl(e)H、Pd/C、EtOH−HOAc(5:1,v/v)、50psi、24時間及び(f)化合物8、NaB(OAc)H、1,2−ジクロロエタン。
【0082】
【化11】

【0083】
本発明のハロゲン化類似体23a−dは、反応スキーム4に描かれる通り、商業的に入手可能なハロアニリン21a−dから製造された。スキーム4で用いられる試薬は以下の通りである:(a)2−クロロエチルアミン、i−PrOH、還流及び(b)化合物8、NaBH(OAc)、1,2−ジクロロエタン。
【0084】
【化12】

【0085】
スキーム5に示される通り、本発明の2−チエニル、2−ナフチル及び2−メトキシフェニル類似体28a−cは、ブロミド24及び必要なボロン酸の間のSuzukiカップリングを介して組み立てられた。2−イソプロピル類似体28dは、2−(イソプロピルアミノ)フェノール(25)から出発して得られた。スキーム5で用いられる試薬は以下の通りである:(a)2−クロロエチルアミン、i−PrOH、還流(b)化合物8、NaBH(OAc)、1,2−ジクロロエタン及び(c)適したアリールボロン酸、Pd(PPh、EtOH−トルエン(1:4,v/v)、NaCO、還流。
【0086】
【化13】

【0087】
反応スキーム6に示される通り、THF中においてNaHを用いる2−(イソプロポキシ)フェノール(29)の処理、続くN−(3−ブロモプロピル)フタルイミドによる処理は、付加物30を与えた。ヒドラジンを用いるフタルイミド部分の加水分解、続く8を用いる還元的アミノ化は、酸素類似体31を与えた。Mitsunobu条件下における29のN−t−Boc−エタノールアミンとのカップリングは付加物31を与えた。続くCHCl中でTFAを用いる脱保護ならびに8及びNaBH(OAc)を用いる処理は、エーテル誘導体33を与えた。スキーム6で用いられる試薬は以下の通りである:(a)N−(3−ブロモプロピル)フタルイミド、KCO、DMF(b)NHNH、EtOH(c)化合物8、NaBH(OAc)、1,2−ジクロロエタン(d)N−t−Boc−エタノールアミン、DBAD、PhP、THF及び(e)CFCOH、CHCl
【0088】
【化14】

【0089】
反応スキーム7に示される通り、化合物33をMitsunobu条件下でN−t−Boc−エタノールアミンとカップリングさせて付加物33bを与え、それはTFAを用いて処理すると第1級アミン33cを与えた。続く還元的アミノ化条件下におけるアルデヒド8との縮合は化合物34を与えた。ベンゾエートエステルの加水分解、続くヨウ化イソプロピルを用いるフェノールのアルキル化は、化合物36を与えた。スキーム7で用いられる試薬は以下の通りである:(a)N−t−Boc−エタノールアミン、DBAD、PhP、THF(b)CFCOH、CHCl(c)化合物8、NaBH(OAc)、1,2−ジクロロエタン(d)NaOH、THF−HO及び(e)2−ヨードプロパン、KCO、DMF。
【0090】
【化15】

【0091】
反応スキーム8に示される通り、DMF中でKCO及びMeIを用い、4aをベンジル窒素において選択的にメチル化し、39を与えた。モノN−メチル誘導体42を得るには、より反応性のベンジル窒素のN−Boc保護を最初に必要とした。得られるカルバメート40を次いでDMF中でNaH及びMeIを用いて処理し、中間体41を与えた。TFAを用いる41の脱保護は42を生じた。ジアルキル化類似体43は、反応スキーム8に概述される通り、42を上記のメチル化条件に供することにより得られた。スキーム8で用いられる試薬は以下の通りである:(a)KCO、DMF、MeI(b)(Boc)O、CHCl(c)CFCOH、CHCl及び(d)NaH、DMF、MeI。
【0092】
【化16】

【0093】
反応スキーム9に示される通り、4aのアニリノ窒素を硫黄で置き換えることができる。最初にN−(2−ブロモエチル)フタルイミドを用い、次いで2−ヨードプロパンを用いるチオフェノール47の連続的アルキル化は化合物48を与えた。ヒドラジンを用いてフタルイミド部分を除去し、得られるアミンを8と縮合させて硫黄等配電子体49を与えた。スキーム9で用いられる試薬は以下の通りである:(a)N−(2−ブロモエチル)フタルイミド、KCO、DMF(b)2−ヨードプロパン、KCO、DMF(c)NHNH、EtOH及び(d)化合物8、NaBH(OAc)、1,2−ジクロロエタン。
【0094】
【化17】

【0095】
本発明の炭素等配電子体は、反応スキーム10に示される通りに製造された。KCO及び2−ヨードプロパンを用いる3−(2−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸50の処理は、ジイソプロピル付加物51aを与えた。メタノール性アンモニアを用いる51aの処理は対応するアミド51bを生じ、それをLiAlHで還元してアミン52を与えた。8を用いる還元的アミノ化は同族体53を与えた。スキーム10で用いられる試薬は以下の通りである:(a)2−ヨードプロパン、KCO、DMF(b)NH−MeOH(c)LAH、THF及び(d)化合物8、NaBH(OAc)、1,2−ジクロロエタン。
【0096】
【化18】

【0097】
反応スキーム11に概述される通り、商業的に入手可能な化合物54とピペリジンのカルボジイミド媒介カップリングは、チオフェン−2−カルボキシアルデヒド55を与えた。6aを用いる還元的アミノ化は、チオフェン等配電子体56を与えた。アニリン誘導体60及び62は中間体55により得られ、中間体55をアミン14とカップリングさせて化合物57を与えた。ベンジル窒素の保護及びニトロ基の還元に続き、得られるアニリン59は2−ヨードプロパンを用いるアルキル化を経て化合物61を与えた。Boc基の除去は所望の等配電子体62を与えた。スキーム11で用いられる試薬は以下通りである:(a)ピペリジン、DMF、HOBT、EDCI(b)NaBH(OAc)、1,2−ジクロロエタン(c)(Boc)O、EtN、CHCl(d)H、Pd/C、EtOH(e)2−ヨードプロパン、KCO、DMF及び(f)HCl−ジオキサン、CHCl
【0098】
【化19】

【0099】
本発明の代表的な化合物のGlyT2アンタゴニスト活性は実施例に記載されるアッセイに従って、且つヒトグリシン輸送体−2(GlyT2)を用いてトランスフェクションされたCOS−7細胞における[14C]−グリシンの吸収を阻止する化合物の能力を測定することにより決定された。これらの代表的な化合物のGlyT2アンタゴニスト活性を下記で表1に示す。
【0100】
下記の実施例は本発明をさらに詳細に記述し、本発明を例示することが意図されているが、本発明を制限することは意図されていない。すべての化合物は核磁気共鳴分光分析、質量分光測定ならびにいくつかの場合には赤外分光分析及び元素分析を含む多様な方法により同定された。他にことわらない限り、実施例で用いられる材料は容易に利用可能な商業的供給源から得たか、あるいは当該技術分野における熟練者に既知の標準的な方法により合成された。
【0101】
実施例
一般的な実験の詳細
NMRスペクトルはBrukerモデルDPX400(400MHz)又はDPX500(500MHz)分光計上で得た。下記のH NMRデータのフォーマットは:テトラメチルシラン参照よりppm低磁場における化学シフト(多重度、Hzにおけるカップリング定数J、積分)である。13C NMRデータはppmにおいて示される。
【0102】
質量スペクトルはAgilentシリーズ1100 MSD上で、エレクトロスプレーイオン化(ESI)を用い、示される通り正もしくは負モードで得た。分子式に関して「計算される質量」は、化合物のモノ同位体質量(monoisotopic mass)である。
【0103】
フラッシュカラムクロマトグラフィーは、ISCO Foxy 200システム及び以下の商業的に入手可能な予備充填カラム:Biotage 40S(SiO;40g),Biotage 40M(SiO;90g),Biotage 40L(SiO;120g),Biotage 65M(SiO;300g)又はISCO Redisep(SiO;10,12,35,40もしくは120g)の1つを用いて行なわれた。
【0104】
調製的TLCはPLCプレート(20X20cm シリカゲル 60 F254,0.5mm)を用いて行なわれた。
【実施例1】
【0105】
【化20】

【0106】
(3−{[2−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン
【0107】
A.1−イソプロポキシ−2−ニトロ−ベンゼン
DMF(2mL)中の2−ニトロフェノール(0.14g,1.0ミリモル)の溶液にKCO(0.69g,5.0ミリモル)を加え、得られる懸濁液を15分間攪拌した。2−ヨードプロパン(0.34g,2.0ミリモル)を加えた。反応混合物を25℃で終夜攪拌し、次いで酢酸エチル(EtOAc,20mL)で希釈し、HO(10mL)、1N NaOH(2X20mL)、飽和NaHCO(2X20mL)及び次いでブライン(20mL)で洗浄した。有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮して黄色の油を与えた(0.141g,77%)。H NMR(400MHz,CDCl):7.76(dd,J=8.0,1.5Hz,1H),7.48(dt,J=8.7,1.6Hz,1H),7.07(d,J=8.4Hz,1H),6.98(t,J=8.2Hz,1H),4.67(hept,J=6.1Hz,1H),1.39(d,J=6.1Hz,6H)。
【0108】
B.2−イソプロポキシ−フェニルアミン
THF(100mL)中の1−イソプロポキシ−2−ニトロ−ベンゼン(10g,55ミリモル)の溶液に、HO(200mL)中の亜硫酸水素ナトリウム(48g,280ミリモル)の溶液を加えた。反応混合物を25℃で1時間、次いで55℃で2時間攪拌し
た。混合物を1N HCl(50mL)で処理し、続いて1N NaOH(50mL)で処理して溶液を中和し、次いでEtOAc(3X100mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(CHCl)により精製し、淡褐色の油(2.2g,26%)を与えた。MS(ESI):C13NOに関して計算される質量,151.10;測定されたm/z,152.1[M+H]H NMR(400MHz,CDCl):6.81−6.68(m,4H),4.52(hept,J=6.1Hz,1H),3.64(br s,2H),1.35(d,J=6.1Hz,6H)。
【0109】
C.N−(2−イソプロポキシ−フェニル)−エタン−1,2−ジアミン
イソプロパノール(20mL)中の2−イソプロポキシ−フェニルアミン(2.18g,14.4ミリモル)の溶液に2−クロロエチルアミン塩酸塩(2.3g,20ミリモル)を加え、混合物を85℃で24時間攪拌した。トリエチルアミン(1.46g,14.4ミリモル)を加え、得られる混合物を85℃で24時間攪拌した。1N NaOH(40mL)を用いて反応混合物を塩基性とし、水層をEtOAc(3X100mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(1:10:150 NHOH/CHOH/CHCl,次いで10%CHOH/CHClを用いる)により精製して褐色の油(0.59g,21%)を与えた。MS(ESI):C1118Oに関して計算される質量,194.14;測定されたm/z,195.1[M+H]H NMR(400MHz,CDCl):6.84(dt,J=7.6,1.4Hz,1H),6.77(dd,J=8.0,1.4Hz,1H),6.65−6.61(m,2H),4.52(hept,J=6.1Hz,1H),3.22(t,J=5.8Hz,2H),2.94(t,J=6.0Hz,2H),1.61(br s,2H),1.35(d,J=6.1Hz,6H)。13C NMR(100MHz,CDCl):144.9,139.2,121.2,116.4,112.5,110.2,70.6,46.5,41.2,22.3。
【0110】
D.3−(ピペリジン−1−カルボニル)−ベンズアルデヒド
DMF(130mL)中の3−ホルミル−安息香酸(2.0g,13ミリモル)の溶液にピペリジン(1.25g,14.7ミリモル)を加え、得られる溶液を25℃で15分間攪拌した。溶液をHOBt(2.7g,20ミリモル)及びEDCI(3.8g,20ミリモル)で処理し、反応混合物を25℃で18時間攪拌した。混合物をHO(250mL)とEtOAc(300mL)を用いて分配し、有機層を1M NaOH(100mL)、1M HCl(100mL)次いでブライン(100mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮して無色の油(2.21g,76%)を与えた。MS(ESI):C1315NOに関して計算される質量,217.11;測定されたm/z,218.1[M+H]H NMR(400MHz,CDCl):10.04(s,1H),7.94−7.90(m,2H),7.68−7.57(m,2H),3.73(br s,2H),3.34(br s,2H),1.70−1.54(m,6H)。
【0111】
E.(3−{[2−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン
1,2−ジクロロエタン(2.8mL)中のN−(2−イソプロポキシ−フェニル)−エタン−1,2−ジアミン(0.228g,1.17ミリモル)の溶液に、3−(ピペリジン−1−カルボニル)−ベンズアルデヒド(0.213g,0.980ミリモル)の溶液を加え、混合物を25℃で15分間攪拌した。混合物をNaBH(OAc)(0.311g,1.47ミリモル)で処理し、得られる懸濁液を25℃で5時間攪拌した。1M NaOH(25mL)とEtOAc(50mL)を用いて懸濁液を分配し、有機層をブライン(25mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(0−5% CHOH/CHCl)により精製し、所望の生成物を無色の油(0.256g,66%)として与えた。MS(ESI):C2433に関して計算される質量,395.26;測定されたm/z,396.3[M+H],418.3[M+Na]H NMR(400MHz,CDCl):7.40−7.23(m,4H),6.85−6.76(m,2H),6.65−6.60(m,2H),4.51(hept,J=6.1Hz,1H),3.84(s,3H),3.69(br s,2H),3.31(br s,2H),3.27(t,J=5.9Hz,2H),2.91(t,J=6.0Hz,2H),1.66−1.49(br m,6H),1.35(d,J=6.1Hz,6H)。13C NMR(100MHz,CDCl):170.2,145.0,140.4,139.3,136.6,129.0,128.4,126.4,125.3,121.2,116.4,112.5,110.3,53.2,48.7,48.1,43.3,43.0,26.5,25.6,24.5,22.3。
【実施例2】
【0112】
【化21】

【0113】
(3−{[3−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−プロピルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン
【0114】
A.N−(2−イソプロポキシ−フェニル)−プロパン−1,2−ジアミン
イソプロパノール(7mL)中の2−イソプロポキシ−フェニルアミン(0.50g,3.3ミリモル)の溶液にEtN(0.67g,6.6ミリモル)及び3−クロロプロピルアミン塩酸塩(0.515g,3.96ミリモル)を加えた。反応混合物を50℃に24時間、次いで90℃に24時間加熱した。混合物を飽和NaHCO(20mL)、EtOAc(40mL)及びHO(20mL)で処理し、次いで水層をEtOAc(3X40mL)で逆抽出した(back−extracted)。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。得られる残留物をカラムクロマトグラフィー(50−100% EtOAc/ヘキサン)により精製し、琥珀色の油(0.10g,15%)を与えた。MS(ESI):C1220Oに関して計算される質量,208.16;測定されたm/z,209.1[M+H]H NMR(400MHz,CDCl):6.85−6.81(m,1H),6.77−6.60(m,1H),6.66−6.60(m,2H),4.51(hept,J=6.1Hz,1H),3.27(t,J=6.6Hz,2H),3.10(t,J=7.0Hz,2H),2.06(quint,J=6.7Hz,2H),1.34(d,J=6.1Hz,6H)。
【0115】
B.(3−{[3−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−プロピルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン
段階EにおけるN−(2−イソプロポキシ−フェニル)−エタン−1,2−ジアミンをN−(2−イソプロポキシ−フェニル)−プロパン−1,2−ジアミンに置き換え、実施例1、段階D及びEにおける通りに表題化合物を製造した。MS(ESI):C2535に関して計算される質量,409.27;測定されたm/z,410.3
[M+H]H NMR(400MHz,CDCl):7.37−7.32(m,3H),7.26−7.22(m,1H),6.87−6.82(m,1H),6.78−6.76(m,1H),6.64−6.60(m,2H),4.54−4.45(m,1H),3.84(br s,2H),3.71(br s,2H),3.32(br s,2H),3.21(t,J=6.7Hz,2H),2.78(t,J=6.8Hz,2H),1.90−1.84(m,2H),1.67(br s,4H),1.51(br s,2H),1.33(d,J=6.1Hz,6H)。
【実施例3】
【0116】
【化22】

【0117】
{3−[(2−フェニルアミノ−エチルアミノ)−メチル]−フェニル}−ピペリジン−1−イル−メタノン
段階EにおけるN−(2−イソプロポキシ−フェニル)−エタン−1,2−ジアミンをN−フェニルエタン−1,2−ジアミンに置き換え、実施例1、段階D及びEにおける通りに表題化合物を製造した。H NMR(400MHz,CDCl):7.38−7.32(m,3H),7.26−7.25(m,1H),7.19−7.14(m,2H),6.70(t,J=7.4Hz,1H),6.63(d,J=7.7Hz,2H),3.85(s,2H),3.70(br s,2H),3.31(br s,2H),3.25(t,J=5.7Hz,2H),2.93(t,J=5.7Hz,2H),1.67(br s,4H),1.50(br s,2H),1.26(br s,2H)。
【実施例4】
【0118】
【化23】

【0119】
(3−{[2−(2−ヒドロキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン
段階Cにおける2−イソプロポキシ−フェニルアミンを2−アミノフェノールに置き換えて、実施例1、段階C〜Eにおける通りに表題化合物を製造した。
【0120】
A.2−(2−アミノ−エチルアミノ)−フェノール
MS(ESI):C12Oに関して計算される質量,152.09;測定されたm/z,153.1[M+H]H NMR(400MHz,DO):6.77−6.71(m,2H),6.64−6.57(m,2H),3.31(t,J=6.1Hz,2H),3.05(t,J=6.0Hz,2H)。H NMR(400MHz,DMSO−d):9.35(br s,1H),8.21(br s,2H),6.72(dd,J=7.7,1.3Hz,1H),6.63(dt,J=7.7,1.3Hz,1H),6.55(dd,J=7.8,1.3Hz,1H),6.44(dt,J=7.5,1.4Hz,1H)。13C NMR(100MHz,DO):144.5,136.3,121.7,119.3,115.3,112.8,41.0,38.8.
【0121】
B.(3−{[2−(2−ヒドロキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン
MS(ESI):C2127に関して計算される質量,353.21;測定されたm/z,354.1[M+H],376.1[M+Na]H NMR(400MHz,CDCl):7.33−7.21(m,4H),6.74−6.70(m,1H),6.62−6.50(m,3H),3.79(s,3H),3.69(br s,2H),3.28(br s,2H),3.21(t,J=5.3Hz,2H),2.82(t,J=5.5Hz,2H),1.64(br s,4H),1.45(br s,2H)。13C NMR(100MHz,CDCl):170.4,145.3,139.6,137.4,136.2,129.5,128.4,126.7,125.4,120.3,117.9,114.8,112.5,52.9,48.7,47.7,43.9,43.2,26.4,25.5,24.4。
【実施例5】
【0122】
【化24】

【0123】
(3−{[2−(2−メトキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン
段階Cにおける2−イソプロポキシ−フェニルアミンを2−メトキシ−フェニルアミンに置き換えて、実施例1、段階C〜Eにおける通りに表題化合物を製造した。
【0124】
A.N−(2−メトキシ−フェニル)−エタン−1,2−ジアミン
MS(ESI):C14Oに関して計算される質量,166.11;測定されたm/z,167.1[M+H]H NMR(400MHz,CDCl):8.17(br s,2H),6.83−6.76(m,2H),6.62−6.56(m,2H),5.19(br t,J=4.3Hz,1H),3.76(s,3H),3.37−3.32(m,2H),2.95(t,J=4.8Hz,2H)。13C NMR(100MHz,DMSO−d):146.6,137.3,121.0,116.2,110.0,109.2,55.3,37.7。
【0125】
B.(3−{[2−(2−メトキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン
MS(ESI):C2229に関して計算される質量,367.23;測定されたm/z,368.3[M+H],390.2[M+Na]H NMR(400MHz,CDCl):7.38−7.31(m,3H),7.26−7.23(m,1H),6.85(dt,J=7.6,1.3Hz,1H),6.75(dd,J=7.9,1.3Hz,1H),6.65(dt,J=7.6,1.4Hz,1H),6.61(d,J=7.8Hz,2H),3.85−3.81(m,5H),3.69(br s,2H),3.31(br s,2H),3.26(t,J=5.8Hz,2H),2.91(t,J=6.0Hz,2H),1.65(br s,4H),1.49(br s,2H)。13C NMR(100MHz,CDCl):170.1,146.8,140.2,138.1,136.5,129.0,128.3,126.3,125.3,121.1,116.4,109.8,109.3,55.3,53.1,48.6,47.9,43.1,43.0,26.4,25.5,24.4。
【実施例6】
【0126】
【化25】

【0127】
[3−({2−[2−(1−エチル−プロポキシ)−フェニルアミノ]−エチルアミノ}−メチル)−フェニル]−ピペリジン−1−イル−メタノン
段階Aにおける2−ヨードプロパンを3−ヨードペンタンに置き換え、実施例1,段階A〜Eにおける通りに表題化合物を製造した。
【0128】
A.1−(1−エチル−プロポキシ)−2−ニトロ−ベンゼン
H NMR(400MHz,CDCl):7.77(dd,J=5.1,1.7Hz,1H),7.50−7.46(m,1H),7.08−7.06(m,1H),6.99−6.94(m,1H),4.92−4.88(m,1H),1.94−1.90(m,4H),1.87−1.81(m,2H),1.65−1.62(m,2H)。13C NMR(100MHz,CDCl):151.4,133.6,125.4,119.6,115.5,81.3,32.7,23.8。
【0129】
B.2−(1−エチル−プロポキシ)−フェニルアミン
MS(ESI):C1117NOに関して計算される質量,179.13;測定されたm/z,180.1[M+H]H NMR(400MHz,CDCl):6.78(m,4H),4.12(quint,J=5.8Hz,1H),3.55(br s,2H),1.73−1.66(m,4H),0.96(t,J=7.5Hz,6H)。13C NMR(100MHz,CDCl):145.9,137.1,120.8,118.3,115.2,113.2,80.5,26.1,9.6。
【0130】
C.N−[2−(1−エチル−プロポキシ)−フェニル]−エタン−1,2−ジアミン
MS(ESI):C1322Oに関して計算される質量,222.17;測定されたm/z,223.3[M+H]
【0131】
D.[3−({2−[2−(1−エチル−プロポキシ)−フェニルアミノ]−エチルアミノ}−メチル)−フェニル]−ピペリジン−1−イル−メタノン
MS(ESI):C2637に関して計算される質量,423.29;測定されたm/z,424.5[M+H],446.5[M+Na]H NMR(400MHz,CDCl):7.40−7.39(m,1H),7.34−7.31(m,2H),7.26−7.24(m,1H),6.85−6.81(m,1H),6.76−6.74(m,1H),6.64−6.60(m,2H),4.12(quint,J=5.8Hz,1H),3.85(br s,2H),3.70(br s,2H),3.30−3.27(m,4H),2.94(t,J=5.9Hz,2H),1.73−1.66(m,8H),1.49(br s,2H),0.95(t,J=7.4Hz,6H)。13C NMR(100MHz,CDCl):170.2,145.5,140.3,139.2,136.6,129.0,128.4,126.4,125.3,121.0,116.3,112.2,110.2,80.6,53.2,48.7,48.0,43.2,43.1,26.4,26.1,25.6,24.5,9.6。
【実施例7】
【0132】
【化26】

【0133】
(3−{[2−(2−シクロペンチルオキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン
段階Aにおける2−ヨードプロパンをヨードシクロペンタンに置き換え、実施例1,段階A〜Eにおける通りに表題化合物を製造した。
【0134】
A.1−シクロペンチルオキシ−2−ニトロ−ベンゼン
H NMR(400MHz,CDCl):7.77(dd,J=8.7,1.7Hz,1H),7.50−7.46(m,1H),7.08−7.06(m,1H),6.99−6.94(m,1H),4.92−4.88(m,1H),1.94−1.90(m,4H),1.87−1.81(m,2H),1.65−1.62(m,2H)。
【0135】
B.2−シクロペンチルオキシ−フェニルアミン
エタノール(EtOH,95mL)中の1−シクロペンチルオキシ−2−ニトロ−ベンゼン(5.0g,24ミリモル)の溶液に炭素上のPd(Pd/C;10重量%,5.14g)を加え、得られる懸濁液をH(50psi)下で25℃において6時間攪拌した。懸濁液を濾過し(珪藻土)、濾液を減圧下で濃縮した。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(5−10% EtOAc/ヘキサン)により精製し、所望の生成物(3.6g,84%)を与えた。MS(ESI):C1115NOに関して計算される質量,177.12;測定されたm/z,178.1[M+H]H NMR(400MHz,CDCl):6.80−6.68(m,4H),4.80−4.76(m,1H),1.94−1.85(m,4H),1.83−1.73(m,2H),1.68−1.58(m,2H)。
【0136】
C.N−(2−シクロペンチルオキシ−フェニル)−エタン−1,2−ジアミン
H NMR(400MHz,CDCl):6.82(dt,J=7.6,1.3Hz,1H),6.76−6.74(m,1H),6.66−6.61(m,2H),4.78−4.74(m,1H),3.38(br s,2H),3.29(t,J=5.7Hz,2H),3.06−2.91(m,2H),1.96−1.87(m,4H),1.86−1.75(m,2H),1.69−1.55(m,2H)。
【0137】
D.(3−{[2−(2−シクロペンチルオキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン
MS(ESI):C2635に関して計算される質量,421.27;測定されたm/z,422.3[M+H]H NMR(400MHz,CDCl):7.41−7.39(m,1H),7.35−7.32(m,2H),7.26−7.24(m,1H),6.83(dt,J=7.6,1.4Hz,1H),6.76(dd,J=7.6,1.2Hz,1H),6.65−6.61(m,2H),4.80−4.75(m,1H),3.85(s,2H),3.70(br s,2H),3.32(br s,2H),3.27(t,J=5.8Hz,2H),2.92(t,J=5.8Hz,2H),1.96−1.73(m,7H),1.67−1.57(m,6H),1.50(br s,2H)。
【実施例8】
【0138】
【化27】

【0139】
(3−{[2−(2−フェノキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン
段階Cにおける2−イソプロポキシ−フェニルアミンを2−フェノキシ−フェニルアミンに置き換えて、実施例1,段階C〜Eにおける通りに表題化合物を製造した。
【0140】
A.N−(2−フェノキシ−フェニル)−エタン−1,2−ジアミン
MS(ESI):C1416Oに関して計算される質量,228.13;測定されたm/z,229.2[M+H]H NMR(400MHz,CDCl):8.19(br s,1H),7.28−6.67(m,9H),3.55−3.15(m,4H)。13C NMR(100MHz,CDCl):144.2,137.7,129.6,124.5,123.1,118.7,118.6,118.0,112.7,41.5,39.0。
【0141】
B.(3−{[2−(2−フェノキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン
MS(ESI):C2731に関して計算される質量,429.24;測定されたm/z,430.4[M+H]H NMR(400MHz,CDCl):7.36−7.22(m,6H),7.05−6.95(m,4H),6.84(dd,J=7.8,1.4Hz,1H),6.75(dd,J=8.0,1.4Hz,1H),6.64(dt,J=7.8,1.4Hz,1H),4.54(br s,1H),3.76(s,2H),3.69(br s,2H),3.39−3.25(m,tを含有,J=5.8Hz,4H),2.85(t,J=6.0Hz,2H),1.85(br s,1H),1.65(br s,4H),1.48(br s,2H)。13C NMR(100MHz,CDCl):170.2,157.5,143.1,141.7,140.5,140.5,136.6,136.5,129.6,128.9,128.4,127.7,126.3,125.6,125.3,124.9,122.6,119.3,117.3,116.7,111.6,64.5,53.1,48.7,47.9,43.1,26.4,25.5,24.5。
【実施例9】
【0142】
【化28】

【0143】
(3−{[2−(3−メトキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン
段階Cにおける2−イソプロポキシ−フェニルアミンを3−メトキシ−フェニルアミンに置き換えて、実施例1、段階C〜Eにおける通りに表題化合物を製造した。
【0144】
A.N−(3−メトキシ−フェニル)−エタン−1,2−ジアミン
MS(ESI):C14Oに関して計算される質量,166.11;測定されたm/z,167.1[M+H]H NMR(400MHz,DMSO−d,HCl塩):8.18(br s,2H),7.00−6.96(m,1H),6.22−6.15(m,3H),5.93(br s,1H),3.67(s,3H),3.35−3.26(m,2H),5.93(br s,2H)。13C NMR(100MHz,DMSO−d):160.4,149.4,129.7,105.4,101.9,98.0,54.7,25.5。
【0145】
B.(3−{[2−(3−メトキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン
MS(ESI):C2229に関して計算される質量,367.23;測定されたm/z,368.3[M+H],390.3[M+Na]H NMR(400MHz,CDCl):7.37−7.23(m,4H),7.06(t,J=8.1Hz,1H),6.25(dt,J=8.0,2.2Hz,2H),6.18(t,J=2.2Hz,1H),2.10(s,2H),3.75(s,3H),3.69(br s,2H),3.31(br s,2H),3.21(t,J=5.6Hz,2H),2.89(t,J=5.9Hz,2H),1.66(br s,4H),1.49(br s,2H)。13C NMR(100MHz,CDCl):170.1,160.7,149.7,140.1,136.6,129.9,129.0,128.4,126.4,125.4,106.0,102.5,98.8,55.0,53.1,48.7,47.8,43.1,26.4,25.5,24.5。
【実施例10】
【0146】
【化29】

【0147】
(3−{[2−(3−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン
段階Cにおける2−イソプロポキシフェニルアミンを3−イソプロポキシフェニルアミンに置き換えて、実施例1、段階C〜Eにおける通りに表題化合物を製造した。
【0148】
A.N−(3−イソプロポキシ−フェニル)−エタン−1,2−ジアミン
MS(ESI):C1118Oに関して計算される質量,194.14;測定されたm/z,195.2[M+H]H NMR(400MHz,CDCl):7.04(t,J=8.1Hz,1H),6.27−6.19(m,2H),6.19(br s,1H),4.51(hept,J=6.1Hz,1H),3.41−3.22(m,6H),2.93(br s,2H),1.31(d,J=6.1Hz,6H)。13C NMR(100MHz,CDCl):158.9,149.3,129.8,105.8,104.4,100.8,69.5,44.8,40.1,21.9。
【0149】
B.(3−{[2−(3−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン
MS(ESI):C2433に関して計算される質量,395.26;測定されたm/z,396.4[M+H],418.4[M+Na]H NMR(4
00MHz,CDCl):7.34−7.23(m,4H),7.03(t,J=8.0Hz,1H),4.49(hept,J=6.1Hz,1H),3.80(s,2H),3.69(br s,2H),3.30(br s,2H),3.18(t,J=5.5Hz,2H),2.85(t,J=5.5Hz,2H),1.65−1.45(m,6H),1.30(d,J=6.0Hz,6H)。13C NMR(100MHz,CDCl):170.1,158.9,149.7,140.4,136.4,129.7,128.9,126.2,125.1,105.8,104.2,100.6,69.3,53.1,48.6,47.8,43.2,42.9,26.4,25.4,24.4,22.0。
【実施例11】
【0150】
【化30】

【0151】
(3−{[2−(2−ニトロ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン
【0152】
A.N−(2−ニトロ−フェニル)−エタン−1,2−ジアミン
70℃に加熱された無水CHCN(300mL)中のエチレンジアミン(1.05g,17.5ミリモル)及びKCO(2.44g,17.7ミリモル)の混合物に、CHCN(50mL)中のo−フルオロニトロベンゼン(1.25g,8.87ミリモル)の溶液を2時間かけて滴下した。得られる懸濁液を70℃で1時間攪拌し、次いで25℃に冷まし、18時間攪拌した。懸濁液を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。粗残留物をHO(200mL)とCHCl(200mL)に分配し、有機層をHO(2X200mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮して明黄色の半固体(1.5g,78%)を与えた。MS(ESI):C11に関して計算される質量,181.09;測定されたm/z,182.1[M+H]H NMR(400MHz,CDCl):8.26(br s,1H),8.17(dd,J=8.6Hz,1H),7.46−7.41(m,1H),6.86(dd,J=8.7,0.81Hz,1H),6.63−6.62(m,1H),3.39(q,J=5.7Hz,2H),3.06(t,J=5.7Hz,2H)。13C NMR(100MHz,CDCl):40.8,45.7,113.4,115.3,127.1,136.2,145.6。
【0153】
B.(3−{[2−(2−ニトロ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン
段階EにおけるN−(2−イソプロポキシ−フェニル)−エタン−1,2−ジアミンをN−(2−ニトロ−フェニル)−エタン−1,2−ジアミンに置き換えて、実施例1,段階D及びEにおける通りに表題化合物を製造し、明黄色の半固体を与えた(2.18g,89%)。MS(ESI):C2126に関して計算される質量,382.20;測定されたm/z,383.2[M+H],405.2[M+Na]H NMR(400MHz,CDCl):8.38(br s,1H),8.15(dd,J=8.6,1.6Hz,1H),7.44−7.33(m,4H),7.29−7.25(m,1H),6.83(dd,J=8.6,0.7Hz,1H),6.64−6.60(m,1H),3.87(s,2H),3.70(br s,2H),3.38(q,J=5.8Hz,2H),3.33(br s,2H),3.06(t,J=5.8Hz,2H),1.67(br s,4H),1.50(br s,2H)。13C NMR(100MHz,CDCl):170.2,145.4,140.5,136.7,136.2,131.9,129.0,128.5,126.8,126.4,125.4,115.2,113.9,53.5,48.8,47.3,43.1,42.6,26.5,25.6,24.6。
【実施例12】
【0154】
【化31】

【0155】
(3−{[2−(2−アミノ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン
EtOH(1.6mL)中の(3−{[2−(2−ニトロ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン(実施例11;0.060g,0.16ミリモル)の溶液に、シクロヘキサジエン(0.55mL)を加え、続いてPd/C(10重量%,0.02g)を加え、得られる懸濁液を100℃に45分間加熱した。懸濁液を濾過し(珪藻土)、濾液を減圧下で濃縮した。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(0−5% CHOH/CHCl)により精製し、所望の生成物を無色の油(0.034g,61%)として与えた。MS(ESI):C2128Oに関して計算される質量,352.23;測定されたm/z,353.2[M+H],375.2[M+Na]H NMR(400MHz,CDCl):7.38−7.32(m,3H),7.26−7.24(m,1H),6.80(dt,J=5.4,1.9Hz,1H),6.72−6.64(m,3H),3.84(br s,2H),3.70(br s,2H),3.32(br s,2H),3.21(t,J=5.7Hz,2H),2.94(t,J=5.7Hz,2H),1.67(br s,4H),1.50(br s,1H)。13C NMR(100MHz,CDCl):170.3,140.7,137.7,136.7,134.6,129.1,128.4,126.5,125.3,120.5,118.7,116.3,112.0,53.3,48.1,43.8,29.7,26.5,24.6。
【実施例13】
【0156】
【化32】

【0157】
(3−{[2−(2−イソプロピルアミノ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン
【0158】
A.[2−(2−ニトロ−フェニルアミノ)−エチル]−[3−(ピペリジン−1−カルボニル)−ベンジル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
CHCl(25mL)中の(3−{[2−(2−ニトロ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン(実施例11;2.18g,5.70ミリモル)の溶液に、CHCl(32mL)中のジ−tert−ブチル−ジカーボネート(1.24g,5.68ミリモル)の溶液を加え、得られる溶液を25℃で2時間攪拌した。真空中で溶媒を除去し、残留物をHO(100mL)とEtOAc(100mL)に分配した。有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(0−8% CHOH/CHCl)により精製し、明黄色の半固体(2.36g,86%)を与えた。MS(ESI):C2634に関して計算される質量,482.25;測定されたm/z,483.2[M+H],505.2[M+Na]H NMR(400MHz,CDCl):8.24(br s,1H),8.09(d,J=8.5Hz,1H),7.44−7.27(m,5H),6.88−6.83(m,1H),6.61(t,J=7.6Hz,1H),4.50−4.54(m,2H),3.68−3.30(m,8H),1.65(br s,4H),1.48(br s,11H)。13C NMR(100MHz,CDCl):170.1,156.0,145.6,139.0,137.2,136.5,132.2,129.0,128.3,126.9,126.4,126.0,115.7,114.0,80.8,51.6,50.3,49.0,46.1,45.6,43.3,41.5,28.6,26.7,25.9,24.8。
【0159】
B.[2−(2−アミノ−フェニルアミノ)−エチル]−[3−(ピペリジン−1−カルボニル)−ベンジル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
(3−{[2−(2−ニトロ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノンを[2−(2−ニトロ−フェニルアミノ)−エチル]−[3−(ピペリジン−1−カルボニル)−ベンジル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルに置き換えて、実施例12における通りに表題中間体を製造し、淡褐色の半固体(1.4g,62%)を与えた。MS(ESI):C2636に関して計算される質量,452.28;測定されたm/z,453.3[M+H],475.2[M+Na]H NMR(400MHz,CDCl):8.24(br s,1H),8.09(d,J=8.5Hz,1H),7.44−7.27(m,5H),6.88−6.83(m,1H),6.61(t,J=7.6Hz,1H),4.54−4.50(m,2H),3.68−3.30(m,8H),1.65(br s,4H),1.48(br s,11H)。13C NMR(100MHz,CDCl):170.1,145.6,139.0,137.2,136.5,132.2,129.0,128.3,126.9,126.4,126.0,115.7,114.0,80.8,51.6,50.3,49.0,46.1,45.6,43.3,41.5,28.6,26.7,25.9,24.8。
【0160】
C.[2−(2−イソプロピルアミノ−フェニルアミノ)−エチル]−[3−(ピペリジン−1−カルボニル)−ベンジル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
DMF(1.3mL)中の[2−(2−アミノ−フェニルアミノ)−エチル]−[3−(ピペリジン−1−カルボニル)−ベンジル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.060g,0.133ミリモル)の溶液にKCO(0.092g,0.67ミリモル)を加えた。得られる懸濁液に2−ヨードプロパン(0.112g,0.66ミリモル)を加え、混合物を50℃で6時間攪拌した。反応混合物をCHCl(30mL)と1N NaOH(30mL)を用いて分配し、有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(0−5% CHOH/CHCl)により精製し、無色の油(0.032g,49%)を与えた。MS(ESI):C2942に関して計算される質量,494.33;測定されたm/z,495.3[M+H],517.3[M+Na]H NMR(400MHz,CDCl):7.36−7.32(m,1H),7.28−7.24(m,4H),6.77−6.53(m,4H),4.51−4.46(m,2H),3.69(br s,2H),3.58(br s,2H),3.42(br s,1H),3.28(br s,2H),3.23(t,J=6.0Hz,2H),1.66(br s,4H),1.51−1.44(m,11H),1.22(d,J=6.3Hz,6H)。
【0161】
D.(3−{[2−(2−イソプロピルアミノ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン
CHCl(0.53mL)中の[2−(2−イソプロピルアミノ−フェニルアミノ)−エチル]−[3−(ピペリジン−1−カルボニル)−ベンジル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.026g,0.053ミリモル)の溶液に、ジオキサン中の1M HCl(0.10mL)を加え、混合物を25℃で1時間攪拌した。反応混合物を1M NaOH(20mL)とCHCl(20mL)を用いて分配し、有機層を乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮して所望の生成物を白色の固体(0.020g,96%)として与えた。MS(ESI):C2434NOに関して計算される質量,394.27;測定されたm/z,395.2[M+H],417.3[M+Na]H NMR(400MHz,CDCl):7.40−7.32(m,3H),7.27−7.24(m,1H),6.80−6.73(m,2H),6.69−6.66(m,2H),3.85(s,2H),3.70(br s,2H),3.58(hept,J=6.3Hz,1H),3.32(br s,2H),3.21(t,J=5.8Hz,2H),2.94(t,J=5.8Hz,2H),1.67(br s,4H),1.50(br s,2H),1.23(d,J=6.3Hz,6H)。
【実施例14】
【0162】
【化33】

【0163】
N−(2−{2−[3−(ピペリジン−1−カルボニル)−ベンジルアミノ]−エチルアミノ}−フェニル)−メタンスルホンアミド
【0164】
A.[2−(2−メタンスルホニルアミノ−フェニルアミノ)−エチル]−[3−(ピペリジン−1−カルボニル)−ベンジル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
CHCl(4mL)中の[2−(2−アミノ−フェニルアミノ)−エチル]−[3−(ピペリジン−1−カルボニル)−ベンジル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(実施例13,段階B;0.10g,0.22ミリモル)の溶液にEtN(0.033g,0.33ミリモル)及び塩化メタンスルホニル(0.028g,0.24ミリモル)を加え、得られる混合物を25℃で17時間攪拌した。反応混合物を飽和NHCl(10mL)、HO(10mL)及びCHCl(20mL)で処理し、水層をCHCl(3X20mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残留物を調製的TLC(30% アセトン/ヘキサン)により精製し、所望の生成物(0.060g,51%)を与えた。MS(ESI):C2738Sに関して計算される質量,530.26;測定されたm/z,531.2[M+H]
【0165】
B.N−(2−{2−[3−(ピペリジン−1−カルボニル)−ベンジルアミノ]−エチルアミノ}−フェニル)−メタンスルホンアミド
2−(2−イソプロピルアミノ−フェニルアミノ)−エチル]−[3−(ピペリジン−1−カルボニル)−ベンジル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルを[2−(2−メタンスルホニル−アミノ−フェニルアミノ)−エチル]−[3−(ピペリジン−1−カルボニル)−ベンジル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルに置き換え、実施例1
3,段階Dにおける通りに表題化合物を製造し、所望のスルホンアミド(0.020g,42%)を与えた。H NMR(400MHz,CDCl):7.47(br s,1H),7.33−7.28(m,2H),7.20−7.13(m,3H),6.68−6.64(m,2H),3.84(s,2H),3.74−3.71(m,2H),3.31(br s,2H),3.23(t,J=5.5Hz,2H),3.02(s,3H),2.88(t,J=5.5Hz,2H),1.67−1.50(m,6H)。
【実施例15】
【0166】
【化34】

【0167】
1−フェニル−3−(2−{2−[3−(ピペリジン−1−カルボニル)−ベンジルアミノ]−エチルアミノ}−フェニル)−ウレア
【0168】
A.N−ベンジル−N’−(2−ニトロ−フェニル)−エタン−1,2−ジアミン
エチレンジアミンをN−ベンジル−エタン−1,2−ジアミンに置き換え、実施例11,段階Aにおける通りに表題中間体を製造した。MS(ESI):C1517に関して計算される質量,271.13;測定されたm/z,272.1[M+H]H NMR(400MHz,CDCl):8.40(br s,1H),8.20(dd,J=8.6,1.5Hz,1H),7.48−7.25(m,6H),6.85(d,J=8.5Hz,1H),6.65(t,J=8.3Hz,1H),3.88(s,2H),3.43(dd,J=11.4,5.5Hz,2H),3.02(t,J=6.0Hz,2H)。
【0169】
B.1−[2−(2−ベンジルアミノ−エチルアミノ)−フェニル]−3−フェニル−ウレア
実施例13,段階Aにおける(3−{[2−(2−ニトロ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノンのN−ベンジル−N’−(2−ニトロ−フェニル)−エタン−1,2−ジアミンへの置き換えは、ベンジル−[2−(2−ニトロ−フェニルアミノ)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルを与え、そのニトロ基を実施例7,段階Bにおける通りに還元して[2−(2−アミノ−フェニルアミノ)−エチル]−ベンジル−カルバミン酸tert−ブチルエステルを与えた。実施例14,段階Aの方法における[2−(2−アミノ−フェニルアミノ)−エチル]−[3−(ピペリジン−1−カルボニル)−ベンジル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル及び塩化メタンスルホニルの該エステル及びフェニルイソシアナートへの置き換えは、ベンジル−{2−[2−(3−フェニル−ウレイド)−フェニルアミノ]−エチル}−カルバミン酸tert−ブチルエステルを与え、それを実施例13,段階Dにおける通りに脱保護することにより、表題中間体に転換した。MS(ESI):C2224Oに関して計算される質量,360.20;測定されたm/z,361.2[M+H]H NMR(400MHz,CDCl):7.24−7.05(m,1H),6.94−6.90(m,J=7.3Hz,1H),6.66−6.62(m,3H),6.29(br s,1H),4.53(br s,1H),3.65(s,2H),3.12(t,J=5.7Hz,2H),2.80−2.75(m,2H)。
【0170】
C.1−[2−(2−アミノ−エチルアミノ)−フェニル]−3−フェニル−ウレア
1−シクロペンチルオキシ−2−ニトロ−ベンゼンを1−[2−(2−ベンジルアミノ−エチルアミノ)−フェニル]−3−フェニル−ウレアに置き換えて、実施例7,段階Bにおける通りに表題中間体を製造した。MS(ESI):C1518Oに関して計算される質量,370.15;測定されたm/z,371.1[M+H]H NMR(400MHz,CDCl):7.35(m,6H),7.03−6.99(m,1H),6.78−6.69(m,2H),3.20−3.10(m,2H),2.90−2.85(m,2H),2.00−2.40(br m,3H)。
【0171】
D.1−フェニル−3−(2−{2−[3−(ピペリジン−1−カルボニル)−ベンジルアミノ]−エチルアミノ}−フェニル)−ウレア
段階EにおけるN−(2−イソプロポキシ−フェニル)−エタン−1,2−ジアミンを1−[2−(2−アミノ−エチルアミノ)−フェニル]−3−フェニル−ウレアに置き換えて、実施例1,段階D及びEにおける通りに表題化合物を製造した。MS(ESI):C2833に関して計算される質量,471.26;測定されたm/z,472.2[M+H]H NMR(400MHz,CDCl):8.17(br s,1H),7.48−7.11(m,9H),7.05−6.95(m,1H),6.92−6.85(m,1H),6.64(dt,J=7.6,1.0Hz,1H),6.53(d,J=7.2Hz,1H),3.73(s,2H),3.65(br s,2H),3.28(br s,2H),3.08(dd,J=5.6,5.0Hz,2H),2.80(dd,J=5.5,5.1Hz,2H),2.60−2.40(br m,2H),1.60(br s,4H),1.44(br s,2H)。
【実施例16】
【0172】
【化35】

【0173】
1−ベンジル−3−(2−{2−[3−(ピペリジン−1−カルボニル)−ベンジルアミノ]−エチルアミノ}−フェニル)−ウレア
【0174】
A.1−[2−(2−アミノ−エチルアミノ)−フェニル]−3−ベンジル−ウレア
実施例14,段階Aにおける[2−(2−アミノ−フェニルアミノ)−エチル]−[3−(ピペリジン−1−カルボニル)−ベンジル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル及び塩化メタンスルホニルのN−(2−ベンジルアミノ−エチル)−ベンゼン−1,2−ジアミン及びベンジルイソシアナートへの置き換えは、ベンジル−{2−[2−(3−ベンジル−ウレイド)−フェニルアミノ]−エチル}−カルバミン酸tert−ブチルエステルを与え、実施例13,段階Dにけおるようなその脱保護は1−ベンジル−3−[2−(2−ベンジルアミノ−エチルアミノ)−フェニル]−ウレアを与えた。次いで実施例7,段階Bの方法における1−シクロペンチルオキシ−2−ニトロ−ベンゼンをそれに置き換えて、ベンジルアミン中間体を表題中間体に転換した。H NMR(400MHz,CDOD):7.35−7.30(m,3H),7.28−7.08(m,4H),6.80−6.76(m,1H),6.74−6.68(m,1H),4.38(s,2H),3.49(t,J=5.6Hz,2H),3.11(t,J=5.9Hz,2H)。
【0175】
B.1−ベンジル−3−(2−{2−[3−(ピペリジン−1−カルボニル)−ベンジル
アミノ]−エチルアミノ}−フェニル)−ウレア
段階EにおけるN−(2−イソプロポキシ−フェニル)−エタン−1,2−ジアミンを1−[2−(2−アミノ−エチルアミノ)−フェニル]−3−ベンジル−ウレアに置き換えて、実施例1,段階D及びEにおける通りに表題化合物を製造した。MS(ESI):C2936に関して計算される質量,485.28;測定されたm/z,486.3[M+H]H NMR(400MHz,CDOD):7.43−7.11(m,11H),6.75(d,J=7.6Hz,1H),6.67(dt,J=7.6,1.1Hz,1H),4.32(s,2H),3.84(s,2H),3.64(br s,2H),4.06(t,J=5.8Hz,2H),3.02(t,J=5.8Hz,2H),1.75−1.45(m,4H),1.47(br s,2H)。
【実施例17】
【0176】
【化36】

【0177】
(3−{[2−(2−ブロモ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン
段階Cにおける2−イソプロポキシ−フェニルアミンを2−ブロモ−フェニルアミンに置き換えて、実施例1,段階C〜Eにおける通りに表題化合物を製造した。
【0178】
A.N−(2−ブロモ−フェニル)−エタン−1,2−ジアミン
MS(ESI):C11BrNに関して計算される質量,214.01;測定されたm/z,215.0[M+H]H NMR(400MHz,CDCl):7.42(dd,J=7.8,1.5Hz,1H),7.18(dt,J=7.4,1.5Hz,1H),6.67(dd,J=8.1,1.3Hz,1H),6.58(dt,J=8.0,1.4Hz,1H),3.28(t,J=5.7Hz,2H),3.04(br s,3H),2.95(t,J=5.9Hz,2H)。13C NMR(100MHz,CDCl):144.5,132.5,128.7,117.7,111.4,108.8,41.2,37.4。
【0179】
B.(3−{[2−(2−ブロモ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン
MS(ESI):C2126BrNOに関して計算される質量,415.13;測定されたm/z,416.1[M+H]H NMR(400MHz,CDCl):7.41−7.38(m,4H),7.35−7.32(m,1H),7.27−7.24(m,1H),6.63−6.61(m,1H),6.55(t,J=7.5Hz,1H),4.85(br s,1H),3.84(br s,2H),3.69(br s,2H),3.31−3.23(m,4H),2.94−2.92(m,2H),1.83−1.48(m,7H)。13C NMR(100MHz,CDCl):170.2,145.1,140.5,136.6,132.3,128.9,128.4,126.3,125.3,117.6,111.3,109.8,53.0,48.7,47.5,43.1,26.4,25.5,24.5。
【実施例18】
【0180】
【化37】

【0181】
(3−{[2−(3−ブロモ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン
ジエチルエーテル(EtO,5mL)中の3−ブロモアニリン(0.50g,2.9ミリモル)の溶液に、ジオキサン中の4M HCl(1mL)を加え、混合物を25℃で1時間攪拌した。減圧下で溶媒を除去し、得られるHCl塩を2−(2−メトキシエトキシ)エタノール(2mL)中に溶解した。2−オキサゾリジノン(0.429g,4.93ミリモル)を加え、反応混合物を180℃に24時間加熱した。集められた粗固体をカラムクロマトグラフィー(0−10%(MeOH中の1%NHOH)/CHCl)により精製し、N−(3−ブロモ−フェニル)−エタン−1,2−ジアミン(0.10g,16%)を与えた。3−(ピペリジン−1−カルボニル)−ベンズアルデヒド(実施例1,段階D;0.091g,0.42ミリモル)を1,2−ジクロロエタン(10mL)中のフェニル−ジアミンの溶液に加え、反応混合物を25℃で15分間攪拌した。混合物をNaBH(OAc)(0.128g,0.604ミリモル)で処理し、得られる懸濁液を25℃で18時間攪拌した。懸濁液を飽和NHCl(20mL)とCHCl(20mL)を用いて分配し、水層をCHCl(3X20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(2−10% CHOH/CHCl)により、及び次いで調製的TLC(10% CHOH/CHCl)により精製し、所望の生成物(0.060g,34%)を与えた。MS(ESI):C2126BrNOに関して計算される質量,415.13;測定されたm/z,416.1[M+H]H NMR(400MHz,CDCl):7.28−7.26(m,3H),7.21−7.16(m,1H),6.93(t,J=8.0Hz,1H),6.74−6.71(m,1H),6.67(t,J=2.0Hz,1H),6.47−6.44(m,1H),4.23(br s,1H),3.75(s,2H),3.64(br s,2H),3.25(br s,2H),3.10(t,J=5.6Hz,2H),2.83−2.80(m,2H),1.60−1.43(m,6H)。
【実施例19】
【0182】
【化38】

【0183】
(3−{[2−(2−クロロ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン
3−ブロモアニリンを2−クロロアニリンに置き換えて、実施例18における通りに表題化合物を製造した。MS(ESI):C2623ClNOに関して計算される質量,371.18;測定されたm/z,372.2[M+H]H NMR(400MHz,CDCl):7.40−7.10(m,6H),6.91(dd,J=8.0,1.3Hz,1H),6.84(dt,J=7.8,1.3Hz,1H),6.66−6.59(m,2H),4.82(br s,1H),3.85(s,2H),3.66(br s,2H),3.40−3.25(m,4H),2.93(t,J=5.6Hz,2H),1.74−1.49(m,8H)。
【実施例20】
【0184】
【化39】

【0185】
(3−{[2−(3−クロロ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン
3−ブロモアニリンを3−クロロアニリンに置き換えて、実施例18における通りに表題化合物を製造した。MS(ESI):C2126ClNOに関して計算される質量,371.9;測定されたm/z,372.2[M+H]H NMR(400MHz,CDCl):7.29(br s,3H),7.19(br s,1H),6.98(br t,J=7.9Hz,1H),6.57(d,J=7.6Hz,1H),6.51(br s,1H),6.41(d,J=7.7Hz,1H),3.76(br s,2H),3.63(br s,2H),3.24(br s,2H),3.11(br s,2H),1.60−1.43(m,6H)。
【実施例21】
【0186】
【化40】

【0187】
(3−{[2−(2−イソプロピル−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン
段階Cにおける2−イソプロポキシ−フェニルアミンを2−イソプロピル−フェニルアミンに置き換えて、実施例1,段階C〜Eにおける通りに表題化合物を製造した。
【0188】
A.N−(2−イソプロピル−フェニル)−エタン−1,2−ジアミン
MS(ESI):C1118に関して計算される質量,178.15;測定されたm/z,179.2[M+H]H NMR(400MHz,CDCl):7.14(dd,J=7.6,1.4Hz,1H),7.09(dt,J=7.7,1.4Hz,1H),6.73(dt,J=7.5,1.0Hz,1H),6.64(d,J=8.0Hz,1H),3.25(t,J=5.5Hz,2H),2.99(t,J=6.0Hz,2H),2.94(hept,J=6.7Hz,1H),1.24(d,J=6.7Hz,6H)。13C NMR(100MHz,CDCl):144.7,132.6,126.6,125.0,117.5,110.5,45.8,40.7,27.0,22.3。
【0189】
B.(3−{[2−(2−イソプロピル−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン
MS(ESI):C2433Oに関して計算される質量,379.26;測定されたm/z,380.3[M+H],402[M+Na]H NMR(400MHz,CDCl):7.38−7.31(m,3H),7.26−7.24(m,1H),7.15−7.08(m,2H),6.73(dt,J=7.5,1.0Hz,1H),6.63(dd,J=7.8,1.0Hz,1H),3.84(s,2H),3.69(br s,2H),3.30−3.23(m,3.25におけるtを含有,J=5.4Hz,4H),2.97−2.89(m,3H),1.66(br s,4H),1.48(br s,2H),1.26(d,J=6.8Hz,6H)。13C NMR(100MHz,CDCl):145.1,140.4,136.6,132.5,128.9,128.4,126.6,126.4,125.3,124.9,117.2,110.5,53.0,48.7,47.8,43.3,27.1,26.5,25.6,24.5,22.3。
【実施例22】
【0190】
【化41】

【0191】
(3−{[2−(2’−メトキシ−ビフェニル−2−イルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン
2M NaCO/EtOH/トルエン(1:1:4,6mL)中の(3−{[2−(2−ブロモ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン(実施例17;0.051g,0.12ミリモル)及び2−メトキシベンゼンボロン酸(0.037g,0.25ミリモル)の溶液にPd(PPh(0.014g,0.012ミリモル)を加え、得られる溶液を還流において16時間攪拌した。溶液をEtOAc(20mL)と飽和NaHCO水溶液(20mL)を用いて分配し、水層をEtOAc(3X30mL)で逆抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残留物を調製的TLC(10% CHOH/CHCl)により精製し、淡褐色の油(0.0168g,28%)を与えた。MS(ESI):C2833に関して計算される質量,443.26;測定されたm/z,444.2[M+H],466.2[M+Na]H NMR(400MHz,CDCl):7.38−7.22(m,7H),7.08−6.97(m,3H),6.78−6.72(br s,2H),4.15(br s,1H),3.69−3.76(br m,4H),3.68(s,3H),3.29−3.24(br m,4H),2.86−2.76(m,2H),1.75−1.49(br m,8H)。13C NMR(100MHz,CDCl):170.2,156.8,145.8,140.4,136.5,131.9,130.7,129.0,128.9,128.6,128.4,128.0,126.4,125.3,124.9,121.1,116.8,111.2,110.5,55.6,53.2,48.7,47.8,43.5,43.6,26.5,25.6,24.5。
【実施例23】
【0192】
【化42】

【0193】
ピペリジン−1−イル−(3−{[2−(2−チオフェン−3−イル−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−メタノン
2−メトキシベンゼンボロン酸を3−チオフェンボロン酸に置き換え、実施例22における通りに表題化合物を製造した。MS(ESI):C2529OSに関して計算される質量,419.20;測定されたm/z,420.2[M+H]H NMR(400MHz,CDCl):7.35−7.16(m,10H),6.76−6.69(m,2H),3.79(br s,2H),3.70(br s,2H),3.30−3.24(m,4H),2.88(t,J=6.0Hz,2H),1.66−1.48(br m,6H)。
【実施例24】
【0194】
【化43】

【0195】
(3−{[2−(2−イソプロポキシ−フェノキシ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン
【0196】
A.[2−(2−イソプロポキシ−フェノキシ)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
THF(5mL)中の2−イソプロポキシ−フェノール(0.50g,3.3ミリモル)の溶液に、THF(2mL)中のポリマー−担持PPh(2.2g)及び(2−ヒドロキシ−エチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.53g,3.3ミリモル)の懸濁液を加えた。混合物を0℃に冷却し、アゾジカルボン酸ジ−tert−ブチル(1.1g,4.9ミリモル)で処理し、次いで18時間かけて25℃に温めた。得られる混合物を濾過し(珪藻土)、濾液を減圧下で濃縮した。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(5−20% EtOAc/ヘキサン)により精製し、所望の生成物(0.75g,78%)を与えた。H NMR(400MHz,CDCl):6.97−6.88(m,4H),4.49(hept,J=6.1Hz,1H),4.06(t,J=5.1Hz,2H),3.50−3.46(m,2H),1.45(s,9H),1.37(d,J=6.1Hz,6H)。
【0197】
B.(3−{[2−(2−イソプロポキシ−フェノキシ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン
実施例13,段階Dにおける[2−(2−イソプロピルアミノ−フェニルアミノ)−エチル]−[3−(ピペリジン−1−カルボニル)−ベンジル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルを[2−(2−イソプロポキシ−フェノキシ)−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルに置き換えると、2−(2−イソプロポキシ−フェノキシ)−エチルアミンを与えた。次いで実施例1,段階D及びEの方法を用い、アミン中間体を、段階Eにおける2−イソプロポキシ−フェニル−エタン−1,2−ジアミンをそれに置き換えることにより、表題化合物に転換した。MS(ESI):C2432に関して計算される質量,396.24;測定されたm/z,397.2[M+H]
NMR(400MHz,CDCl):7.43−7.34(m,3H),7.28−7.26(m,1H),6.96−6.89(m,4H),4.47(hept,J=6.1Hz,1H),4.13(t,J=5.04Hz,2H),3.91(br s,2H),3.70(br s,2H),3.34(br s,2H),3.03(t,J=5.0Hz,2H),1.67(br s,4H),1.51(br s,2H),2.63(d,J=6.1Hz,6H)。
【実施例25】
【0198】
【化44】

【0199】
(3−{[3−(2−イソプロポキシ−フェノキシ)−プロピルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン
【0200】
A.2−[3−(2−イソプロポキシ−フェノキシ)−プロピル]−イソインドール−1,3−ジオン
DMF(5mL)中の2−イソプロポキシ−フェノール(0.50g,3.3ミリモル)の溶液にKCO(2.3g,17ミリモル)を加え、得られる懸濁液を25℃で15分間攪拌した。DMF(2mL)中の2−(3−ブロモ−プロピル)−イソインドール−1,3−ジオン(0.97g,3.6ミリモル)の溶液を加え、反応混合物を80℃に18時間加熱した。混合物を濾過し、濾液を1:1 EtO/EtOAc(100mL)で希釈し、HO(2X20mL)、次いでブライン(20mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(5−20% EtOAc/ヘキサン)により精製し、所望の生成物(0.956g,87%)を与えた。H NMR(400MHz,CDCl):7.87−7.82(m,2H),7.73−7.69(m,2H),6.93−6.86(m,4H),4.46(hept,J=6.1Hz,1H),4.06(t,J=6.2Hz,2H),3.92(t,J=7.1Hz,2H),2.20(quint,J=6.4Hz,2H),1.33(d,J=6.1Hz,6H)。
【0201】
B.3−(2−イソプロポキシ−フェノキシ)−プロピルアミン
EtOH(6mL)中の2−[3−(2−イソプロポキシ−フェノキシ)−プロピル]−イソインドール−1,3−ジオンの溶液にヒドラジン(0.448g,14.0ミリモル)を加え、反応混合物を50℃に30分間加熱した。減圧下で溶媒を除去し、粗残留物をCHCl(50mL)とHO(50mL)に分配した。水層をCHCl(3X50mL)で抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。得られる残留物をカラムクロマトグラフィー(20−50% EtOAc/ヘキサン)により精製し、所望の生成物(0.267g,45%)を与えた。MS(ESI):C1219NOに関して計算される質量,209.29;測定されたm/z,210.2[M+H]H NMR(400MHz,CDCl):6.91−6.83(m,4H),4.46(hept,J=6.1Hz,1H),4.07(t,J=5.9Hz,2H),2.97(t,J=6.5Hz,2H),1.99(quint,J=6.2Hz,2H),1.32(d,J=6.1Hz,6H)。
【0202】
C.(3−{[3−(2−イソプロポキシ−フェノキシ)−プロピルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン
−(2−イソプロポキシ−フェニル)−エタン−1,2−ジアミンを3−(2−イソプロポキシ−フェノキシ)−プロピルアミンに置き換えて、実施例1段階D及びEにおける通りに表題化合物を製造した。MS(ESI):C2534に関して計算される質量,410.26;測定されたm/z,411.4[M+H]H NMR
(400MHz,CDCl):7.41−7.38(m,2H),7.33(t,J=7.5Hz,1H),7.27−7.25(m,1H),6.95−6.85(m,4H),4.45(hept,J=6.1Hz,1H),4.08(t,J=6.0Hz,2H),3.87(br s,2H),3.69(br s,2H),3.31(br s,2H),2.87(t,J=6.6Hz,2H),2.06−2.00(m,2H),1.65(br s,4H),1.48(br s,2H),1.31(d,J=6.1Hz,6H)。
【実施例26】
【0203】
【化45】

【0204】
(3−{[2−(3−イソプロポキシ−フェノキシ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン
【0205】
A.安息香酸3−(2−アミノ−エトキシ)−フェニルエステル
0℃に冷却されたTHF(70mL)中のレゾルシノールモノベンゾエート(3.0g,14ミリモル)の溶液に、PPh(7.35g,28.0ミリモル)及び(2−ヒドロキシ−エチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(2.3g,14ミリモル)を加えた。アゾジカルボン酸ジイソプロピル(4.25g,21.0ミリモル)を加え、混合物を25℃で14時間攪拌した。減圧下で溶媒を除去した。残留物をEtO(100mL)で処理し、混合物を0℃に30分間冷却した。生成する沈殿を濾過により除去し、濾液を減圧下で濃縮した。粗残留物を1:1 TFA/CHCl(10mL)中に溶解し、溶液を25℃で3時間攪拌した。減圧下で溶媒を除去し、残留物をカラムクロマトグラフィー(10% CHOH/CHCl)により精製し、所望のエステルを与えた(1.3g,2段階を経て収率37%)。MS(ESI):C1515NOに関して計算される質量,257.1;測定されたm/z,258.1[M+H]H NMR(400MHz,CDCl):8.10−8.08(m,2H),7.82(br s,2H),7.60−7.56(m,1H),7.43(t,J=7.7Hz,2H),7.22(t,J=8.2Hz,1H),6.77−6.69(m,3H),4.06(br s,2H),3.22(br s,2H)。
【0206】
B.安息香酸3−{2−[3−(ピペリジン−1−カルボニル)−ベンジルアミノ]−エトキシ}−フェニルエステル
段階EにおけるN−(2−イソプロポキシ−フェニル)−エタン−1,2−ジアミンを安息香酸3−(2−アミノ−エトキシ)−フェニルエステルに置き換え、実施例1,段階D及びEにおける通りに表題化合物を製造した。MS(ESI):C2830に関して計算される質量,458.22;測定されたm/z,459.2[M+H],481.2[M+Na]
【0207】
C.(3−{[2−(3−イソプロポキシ−フェノキシ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン
THF(10mL)中の安息香酸3−{2−[3−(ピペリジン−1−カルボニル)−ベンジルアミノ]−エトキシ}−フェニルエステル(0.046g,0.10ミリモル)の溶液にNaOH(4M,1mL)を加え、得られる溶液を25℃で4時間攪拌した。減圧下で溶媒を除去し、粗残留物をEtOAc(40mL)と1N HCl(50mL)に
分配した。水層をEtOAc(3X50mL)で逆抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。DMF(0.05mL)中の残留物の溶液に炭酸カリウム(0.035g,0.25ミリモル)を加え、得られる懸濁液を25℃で30分間攪拌した。2−ブロモプロパン(0.018g,0.15ミリモル)を加え、混合物を25℃で14時間攪拌した。減圧下で溶媒を除去し、粗残留物をEtOAc(5mL)とHO(5mL)に分配した。水層をEtOAc(20mL)及びCHCl(3X20mL)で逆抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を調製的TLC(10% CHOH/CHCl)により精製し、所望の生成物(0.010g,25%)を与えた。MS(ESI):C2432に関して計算される質量,396.24;測定されたm/z,397.1[M+H]H NMR(400MHz,CDCl):7.42−7.34(m,3H),7.28−7.15(m,1H),7.19−7.15(m,1H),6.51−6.45(m,3H),4.52(hept,J=6.1Hz,1H),4.08(t,J=5.1Hz,2H),3.92(s,2H),3.70(br s,2H),3.33(br s,2H),3.04(t,J=5.1Hz,2H),1.67−1.45(m,6H),1.32(d,J=6.1Hz,6H)。
【実施例27】
【0208】
【化46】

【0209】
[3−({[2−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチル]−メチル−アミノ}−メチル)−フェニル]−ピペリジン−1−イル−メタノン
DMF(0.8mL)中の(3−{[2−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン(実施例1;0.032g,0.081ミリモル)の溶液に、KCO(0.022g,0.16ミリモル)及びヨードメタン(0.03g,0.2ミリモル)を加え、得られる懸濁液を25℃で45分間攪拌した。懸濁液をEtOAc(20mL)とHO(20mL)を用いて分配し、有機層をブライン(20mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残留物を調製的TLC(2% CHOH/CHCl)により精製し、無色の油(0.015g,47%)を与えた。MS(ESI):C2635に関して計算される質量,409.27;測定されたm/z,410.5[M+H],432.4[M+Na]H NMR(CDCl,400MHz):7.46(d,J=7.6Hz,1H),7.36−7.31(m,2H),7.27−7.25(m,1H),6.84(dt,J=7.8,1.3Hz,1H),6.78(dt,J=7.8,1.3Hz,1H),6.63(dt,J=7.8,1.6Hz,1H),6.58(dt,J=7.8,1.6Hz,1H),4.53(hept,J=6.1Hz,1H),3.70(br s,2H),3.60(br s,2H),3.31(br s,2H),3.20(t,J=6.1Hz,2H),2.73(t,J=6.1Hz,2H),2.20(s,3H),1.62−1.46(m,6H),1.37(d,J=6.1Hz,6H)。
【実施例28】
【0210】
【化47】

【0211】
[3−({2−[(2−イソプロポキシ−フェニル)−メチル−アミノ]−エチルアミノ}−メチル)−フェニル]−ピペリジン−1−イル−メタノン
【0212】
A.[2−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチル]−[3−(ピペリジン−1−カルボニル)−ベンジル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
CHCl(3.5mL)中の(3−{[2−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン(実施例1;0.133g,0.336ミリモル)の溶液に、ジ−tert−ブチルジカーボネート(0.073g,0.33ミリモル)を加え、得られる溶液を25℃で45分間攪拌した。減圧下で溶媒を除去し、粗残留物をカラムクロマトグラフィー(0−5% CHOH/CHCl)により精製し、無色の油(0.144g,86%)を与えた。
NMR(CDCl,400MHz):7.35(m,1H),7.28−7.22(m,4H),6.83−6.76(m,2H),6.64−6.57(m,2H),4.55−4.45(m,3H),3.68(br s,2H),3.50(br s,1H),3.37(br s,1H),3.31−3.26(m,5H),1.66−1.62(m,6H),1.50(br s,9H),1.34(d,J=6.1Hz,6H)。
【0213】
B.{2−[(2−イソプロポキシ−フェニル)−メチル−アミノ]−エチル}−[3−(ピペリジン−1−カルボニル)−ベンジル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
0℃に冷却されたDMF(1.6mL)中の[2−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチル]−[3−(ピペリジン−1−カルボニル)−ベンジル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.077g,0.16ミリモル)の溶液に、NaH(0.062g,1.6ミリモル)を加え、得られる懸濁液を30分かけて25℃に温めた。懸濁液を0℃に冷却し、ヨードメタン(0.22g,1.6ミリモル)を加えた。この懸濁液を4時間かけて25℃に温め、次いでEtOAc(25mL)とHO(25mL)を用いて分配した。水層をEtOAc(25mL)で逆抽出した。合わせた有機層をブライン(25mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。粗残留物を調製的TLC(5% CHOH/CHCl)により精製し、無色の油(0.028g,35%)を与えた。MS(ESI):C3043に関して計算される質量,509.33;測定されたm/z,510.5[M+H]
【0214】
C.[3−({2−[(2−イソプロポキシ−フェニル)−メチル−アミノ]−エチルアミノ}−メチル)−フェニル]−ピペリジン−1−イル−メタノン
2−(2−イソプロピルアミノ−フェニルアミノ)−エチル]−[3−(ピペリジン−1−カルボニル)−ベンジル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルを{2−[(2−イソプロポキシ−フェニル)−メチル−アミノ]−エチル}−[3−(ピペリジン−1−カルボニル)−ベンジル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルに置き換え、実施例13,段階Dにおける通りに表題化合物を製造した。MS(ESI):C2535に関して計算される質量,409.27;測定されたm/z,410.4[M+H],432.4[M+Na]H NMR(400MHz,CDCl):7.44−7.33(m,4H),7.06−7.00(m,2H),6.93−6.88(m
,2H),4.55(hept,J=6.0Hz,1H),4.02(s,2H),3.69(br s,2H),3.31(br s,2H),3.19(t,J=5.9Hz,2H),2.90(t,J=5.9Hz,2H),2.70(s,3H),1.66(br s,4H),1.49(br s,2H),1.29(d,J=6.0Hz,6H)。
【実施例29】
【0215】
【化48】

【0216】
{3−[({2−[(2−イソプロポキシ−フェニル)−メチル−アミノ]−エチル}−メチル−アミノ)−メチル]−フェニル}−ピペリジン−1−イル−メタノン
(3−{[2−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノンを[3−({2−[(2−イソプロポキシ−フェニル)−メチル−アミノ]−エチルアミノ}−メチル)−フェニル]−ピペリジン−1−イル−メタノンに置き換え、実施例27における通りに表題化合物を製造した。MS(ESI):C2637に関して計算される質量,323.29;測定されたm/z,324.5[M+H]H NMR(400MHz,CDCl):7.71(dd,J=5.9,3.3Hz,1H),7.53(dd,J=5.9,3.3Hz,1H),7.30−7.33(m,2H),6.93−6.82(m,4H),4.59(hept,J=6.1Hz,1H),3.70(br s,2H),3.52(s,2H),3.31(br s,2H),3.25(t,J=7.3Hz,2H),2.80(s,3H),2.63(t,J=7.3Hz,2H),2.19(s,3H),1.67(br s,6H),1.35(d,J=6.1Hz,6H)。
【実施例30】
【0217】
【化49】

【0218】
[3−({[2−(3−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチル]−メチル−アミノ}−メチル)−フェニル]−ピペリジン−1−イル−メタノン
CHCN(10mL)中の(3−{[2−(3−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン(実施例10;0.048g,0.12ミリモル)の溶液に、CHCN(5mL)中のホルムアルデヒド(0.0029g,0.097ミリモル)の溶液を加え、続いて水素化シアノホウ素ナトリウム(sodium cyanoborohydride)(0.006g,0.1ミリモル)及び酢酸(2滴)を加え、得られる溶液を25℃で15時間攪拌した。溶液を飽和NaHCO水溶液(20mL)、HO(20mL)及びEtOAc(30mL)で処理した。水層をEtOAc(3X40mL)で逆抽出し、合わせた有機層をブライン(40mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。粗残留物を調製的TLC(5% CHOH/CHCl)により精製し、淡褐色の油(0.0063g,13%)を与えた。MS(ESI):C2535に関し
て計算される質量,409.27;測定されたm/z,410.2[M+H]H NMR(400MHz,CDCl):7.39−7.26(m,4H),7.04(t,J=8.0Hz,1H),6.26−6.16(m,3H),4.15(hept,J=6.0Hz,1H),3.71−3.61(m,4H),3.31−3.20(m,4H),2.72(br s,2H),2.26(br s,2H),1.66−1.50(m,8H),1.32(d,J=6.0Hz,6H)。
【実施例31】
【0219】
【化50】

【0220】
{3−[({2−[(3−イソプロポキシ−フェニル)−メチル−アミノ]−エチル}−メチル−アミノ)−メチル]−フェニル}−ピペリジン−1−イル−メタノン
CHCN(10mL)中の(3−{[2−(3−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン(実施例10;0.048g,0.12ミリモル)の溶液に、CHCN(5mL)中のホルムアルデヒド(0.040g,1.3ミリモル)の溶液、水素化シアノホウ素ナトリウム(0.080g,1.3ミリモル)及び酢酸(2滴)を加え、得られる溶液を25℃で15時間攪拌した。反応混合物を飽和NaHCO水溶液(20mL)、HO(20mL)及びEtOAc(30mL)で処理した。水層をEtOAc(3X40mL)で逆抽出し、合わせた有機層をブライン(40mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。粗残留物を調製的TLC(5% CHOH/CHCl)により精製し、淡褐色の油(8.7mg,18%)を与えた。MS(ESI):C2637に関して計算される質量,423.29;測定されたm/z,424.5[M+H]H NMR(400MHz,CDCl):7.42−7.26(m,4H),7.08(t,J=8.1Hz,1H),6.29−6.21(m,3H),4.52(hept,J=6.0Hz,1H),3.70−3.31(br m,8H),2.92(br s,3H),2.68(br s,2H),2.33(br s,3H),1.67−1.50(br m,8H),1.32(d,J=6.0Hz,6H)。
【実施例32】
【0221】
【化51】

【0222】
(3−{[2−(2−イソプロポキシ−フェニルスルファニル)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン
【0223】
A.2−[2−(2−ヒドロキシ−フェニルスルファニル)−エチル]−イソインドール−1,3−ジオン
DMF(80mL)中の2−メルカプトフェノール(1.0g,7.9ミリモル)の溶液に、2−(2−ブロモ−エチル)−イソインドール−1,3−ジオン(1.8g,7.1ミリモル)、続いてKCO(1.1g,7.9ミリモル)を加え、懸濁液を25℃で2時間攪拌した。次いで懸濁液をHO(200mL)で希釈し、得られる混合物をEtOAc(2X100mL)で抽出した。合わせた有機層をHO(2X100mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。粗油をカラムクロマトグラフィー(0−30% EtOAc/ヘキサン)により精製し、明黄色の固体(1.8g,76%)を与えた。MS(ESI):C1613NOSに関して計算される質量,299.06;測定されたm/z,332.4[M+Na]H NMR(400MHz,CDCl):7.85(dd,J=5.4,3.0Hz,2H),7.73(dd,J=5.4,3.0Hz,2H),7.56(d,J=8.0Hz,1H),7.26−7.21(m,1H),7.00(s,1H),6.95(dd,J=7.9,1.3Hz,1H),6.88(dt,J=7.9,1.3Hz,1H),3.90(t,J=6.2Hz,2H),3.05(t,J=6.2Hz,2H)。
【0224】
B.2−[2−(2−イソプロポキシ−フェニルスルファニル)−エチル]−イソインドール−1,3−ジオン
2−ニトロフェノールを2−[2−(2−ヒドロキシ−フェニルスルファニル)−エチル]−イソインドール−1,3−ジオンに置き換え、実施例1,段階Aにおける通りに表題中間体を製造した。MS(ESI):C1919NOSに関して計算される質量,341.11;測定されたm/z,342.2[M+H],364.1[M+Na]H NMR(400MHz,CDCl):7.81(dd,J=5.6,3.1Hz,2H),7.70(dd,J=5.6,3.1Hz,2H),7.53(dd,J=7.8,1.7Hz,1H),7.14−7.09(m,1H),6.89−6.81(m,2H),4.58(hept,J−6.0Hz,1H),3.91(t,J=7.3Hz,2H),3.21(t,J=7.3Hz,2H),1.38(d,J=6.0Hz,6H)。
【0225】
C.2−(2−イソプロポキシ−フェニルスルファニル)−エチルアミン
2−[3−(2−イソプロポキシ−フェノキシ)−プロピル]−イソインドール−1,3−ジオンを2−[2−(2−イソプロポキシ−フェニルスルファニル)−エチル]−イソインドール−1,3−ジオンに置き換え、実施例25,段階Bにおける通りに表題中間体を製造した。H NMR(400MHz,CDCl):7.30(dd,J=7.6,1.5Hz,1H),7.15(dt,J=7.6,1.5Hz,1H),6.90−6.84(m,2H),4.57(hept,J=6.2Hz,1H),2.96(t,J=5.9Hz,2H),2.86(t,J=5.9Hz,2H),1.52(br s,2H),1.37(d,J=6.2Hz,6H)。
【0226】
D.(3−{[2−(2−イソプロポキシ−フェニルスルファニル)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン
段階DにおけるN−(2−イソプロポキシ−フェニル)−エタン−1,2−ジアミンを2−(2−イソプロポキシ−フェニルスルファニル)−エチルアミンに置き換え、実施例1,段階D及びEにおける通りに表題化合物を製造した。MS(ESI):C2432Sに関して計算される質量,412.22;測定されたm/z,413.2[M+H],435.2[M+Na]H NMR(400MHz,CDCl):7.35−7.23(m,5H),7.15(dt,J=7.7,1.5Hz,1H),6.89−6.84(m,2H),4.57(hept,J=6.2Hz,1H),3.80(s,2H),3.70(br s,2H),3.31(br s,2H),3.06(t,J=6.4Hz,2H),2.84(t,J=6.4Hz,2H),1.94(br s,1H),1.66(br s,4H),1.49(br s,2H),1.36(d,J=6.2Hz,6H)。
【実施例33】
【0227】
【化52】

【0228】
(3−{[3−(2−イソプロポキシ−フェニル)−プロピルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン
【0229】
A.3−(2−イソプロポキシ−フェニル)−プロピオン酸イソプロピルエステル
DMF(11.3mL)中の3−(2−ヒドロキシ−フェニル)−プロピオン酸(0.94g,5.7ミリモル)の溶液に、KCO(3.9g,28ミリモル)及び2−ヨードプロパン(1.9g,11ミリモル)を加え、得られる懸濁液を25℃で15時間攪拌した。懸濁液をEtOAc(75mL)とHO(50mL)を用いて分配し、有機層を1M NaOH(2X50mL)、次いでブライン(50mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過した。濾液を減圧下で濃縮して粗油を与え、それをカラムクロマトグラフィー(0−30% EtOAc/ヘキサン)により精製し、無色の油(0.51g,36%)を与えた。H NMR(400MHz,CDCl):7.17−7.12(m,2H),6.85−6.81(m,2H),4.99(hept,J=6.3Hz,1H),4.56(hept,J=6.1Hz,1H),2.91(t,J=7.8Hz,2H),2.57(t,J=7.8Hz,2H),1.34(d,J=6.1Hz,6H),1.20(d,J=6.3Hz,6H)。
【0230】
B.3−(2−イソプロポキシ−フェニル)−プロピオンアミド
CHOH(6.0mL)中の3−(2−イソプロポキシ−フェニル)−プロピオン酸イソプロピルエステル(0.19g,0.76ミリモル)の−78℃の溶液を介してアンモニアガスを5分間泡立てた。反応管を密封し、溶液を25℃に温め、24時間攪拌した。次いで溶液を−78℃に冷却し、管を開放した(unsealed)。減圧下で溶液を濃縮した。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(0−15% CHOH/CHCl)により精製し、白色の固体(0.10g,69%)を与えた。H NMR(400MHz,CDCl):7.19−7.15(m,2H),6.88−6.84(m,2H),5.47(br s,1H),5.27(br s,1H),4.58(hept,J=6.1Hz,1H),2.94(t,J=7.7Hz,2H),2.57(t,J=7.7Hz,2H),1.35(d,J=6.0Hz,6H)。
【0231】
C.3−(2−イソプロポキシ−フェニル)−プロピルアミン
THF(6.8mL)中の3−(2−イソプロポキシ−フェニル)−プロピオンアミド(0.070g,0.34ミリモル)の溶液に水素化アルミニウムリチウム(0.051g,1.34ミリモル)を加え、得られる懸濁液を還流において2時間攪拌した。懸濁液を0℃に冷却し、続いてHO(0.10mL)、10%NaOH(0.10mL)及びHO(0.15mL)で処理した。得られる固体を濾過し、EtOAc(50mL)で洗浄した。合わせた濾液を乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮して無色の油(0.050g,65%)を与えた。MS(ESI):C1219NOに関して計算される質量,193.15;測定されたm/z,194.2[M+H]
【0232】
D.(3−{[3−(2−イソプロポキシ−フェニル)−プロピルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン
段階EにおけるN−(2−イソプロポキシ−フェニル)−エタン−1,2−ジアミンを3−(2−イソプロポキシ−フェニル)−プロピルアミンに置き換え、実施例1,段階
D及びEにおける通りに表題化合物を製造した。MS(ESI):C2534に関して計算される質量,394.26;測定されたm/z,395.3[M+H],417.3[M+Na]H NMR(400MHz,CDCl):7.38−7.32(m,3H),7.27−7.24(m,1H),7.15−7.10(m,2H),6.86−6.82(m,2H),4.53(hept,J=6.1Hz,1H),3.81(s,2H),3.70(br s,2H),3.32(br s,2H),2.68−2.62(m,4H),1.85−1.77(m,2H),1.67(br s,4H),1.50(br s,2H),1.32(d,J=6.1Hz,6H)。
【実施例34】
【0233】
【化53】

【0234】
(5−{[2−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−チオフェン−3−イル)−ピペリジン−1−イル−メタノン
【0235】
A.4−(ピペリジン−1−カルボニル)−チオフェン−2−カルバルデヒド
3−ホルミル−安息香酸を5−ホルミル−チオフェン−3−カルボン酸に置き換え、実施例1,段階Dにおける通りに表題中間体を製造した。MS(ESI):C1113NOSに関して計算される質量,223.29;測定されたm/z,224.0[M+H],246.0[M+Na]H NMR(400MHz,CDCl):9.92(s,1H),7.83(s,1H),7.83(s,1H),3.68(br s,2H),3.50(br s,2H),1.71(br s,4H),1.63(br s,2H)。
【0236】
B.(5−{[2−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−チオフェン−3−イル)−ピペリジン−1−イル−メタノン
3−(ピペリジン−1−カルボニル)−ベンズアルデヒドを4−(ピペリジン−1−カルボニル)−チオフェン−2−カルバルデヒドに置き換え、実施例1,段階Eにおける通りに表題化合物を製造した。MS(ESI):C2231Sに関して計算される質量,401.21;測定されたm/z,402.2[M+H],424.2[M+Na]H NMR(400MHz,CDCl):7.32(d,J=1.4Hz,1H),6.97(s,J=1.4Hz,1H),6.84(dt,J=7.8,1.3Hz,1H),6.78(dd,J=8.4,1.1Hz,1H),6.65−6.60(m,2H),4.62(br s,1H),4.52(hept,J=6.2Hz,1H),3.99(s,2H),3.56(br s,4H),3.25(t,J=5.7Hz,2H),2.94(t,J=5.7Hz,2H),1.66(br s,3H),1.57(br s,3H),1.36(d,J=6.2Hz,6H)。
【実施例35】
【0237】
【化54】

【0238】
(5−{[2−(2−アミノ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−チオフェン−3−イル)−ピペリジン−1−イル−メタノン
【0239】
A.(5−{[2−(2−ニトロ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−チオフェン−3−イル)−ピペリジン−1−イル−メタノン
4−(ピペリジン−1−カルボニル)−チオフェン−2−カルバルデヒド及びN−(2−ニトロ−フェニル)−エタン−1,2−ジアミンを用い、実施例1,段階Eにおける通りに表題中間体を製造した。MS(ESI):C1924Sに関して計算される質量,388.49;測定されたm/z,389.1[M+H],411.1[M+Na]H NMR(400MHz,CDCl):8.33(br s,1H),8.17(dd,J=8.6,1.5Hz,1H),7.45−7.41(m,1H),7.34(d,J=1.2Hz,1H),7.01(d,J=1.2Hz,1H),6.58(d,J=7.8Hz,1H),6.67−6.62(m,1H),4.04(s,2H),3.57(br s,4H),3.42(dd,J=6.0,5.5Hz,1H),3.03(t,J=6.0Hz,2H),1.67(br s,4H),1.60(br s,2H)。
【0240】
B.[2−(2−ニトロ−フェニルアミノ)−エチル]−[4−(ピペリジン−1−カルボニル)−チオフェン−2−イルメチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
(3−{[2−(2−ニトロ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノンを(5−{[2−(2−ニトロ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−チオフェン−3−イル)−ピペリジン−1−イル−メタノンに置き換え、実施例13,段階Aにおける通りに表題中間体を製造した。H NMR(400MHz,CDCl):8.21−8.11(m,2H),7.44(t,J=7.6Hz,1H),7.35(d,J=1.0Hz,1H),7.02−6.84(m,2H),6.66(t,J=7.7Hz,1H),4.59−4.55(m,2H),3.62−3.44(m,8H),1.08(br s,4H),1.58(br s,2H),1.52(br s,9H)。
【0241】
C.[2−(2−アミノ−フェニルアミノ)−エチル]−[4−(ピペリジン−1−カルボニル)−チオフェン−2−イルメチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
[2−(2−ニトロ−フェニルアミノ)−エチル]−[3−(ピペリジン−1−カルボニル)−ベンジル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルを[2−(2−ニトロ−フェニルアミノ)−エチル]−[4−(ピペリジン−1−カルボニル)−チオフェン−2−イルメチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルに置き換え、実施例13,段階Bにおける通りに表題中間体を製造した。H NMR(400MHz,CDCl):7.33(br s,1H),6.90(br s,1H),6.78−6.74(m,1H),6.68−6.55(m,3H),4.57−4.49(m,2H),3.68−3.39(m,6H),3.25(br s,2H),1.65(br s,2H),1.55(br s,4H),1.50(br s,9H)。
【0242】
D.(5−{[2−(2−アミノ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−チオフェン−3−イル)−ピペリジン−1−イル−メタノン
[2−(2−イソプロピルアミノ−フェニルアミノ)−エチル]−[3−(ピペリジン−1−カルボニル)−ベンジル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルを[2−(2−アミノ−フェニルアミノ)−エチル]−[4−(ピペリジン−1−カルボニル)−チオフェン−2−イルメチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルに置き換え、実施例13,段階Dにおける通りに表題化合物を製造した。H NMR(400MHz,CDCl):7.32(d,J=1.5Hz,1H),6.99(d,J=1.5Hz,1H),6.82−6.77(m,1H),6.72−6.64(m,3H),3.98(s,2H),3.50(br s,4H),3.21(t,J=5.7Hz,2H),2.96(t,J=5.7Hz,2H),1.67(br s,2H),1.58(br s,4H)。
【実施例36】
【0243】
【化55】

【0244】
(5−{[2−(2−イソプロピルアミノ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−チオフェン−3−イル)−ピペリジン−1−イル−メタノン
段階Cにおける[2−(2−アミノ−フェニルアミノ)−エチル]−[3−(ピペリジン−1−カルボニル)−ベンジル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルを[2−(2−アミノ−フェニルアミノ)−エチル]−[4−(ピペリジン−1−カルボニル)−チオフェン−2−イルメチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(実施例35,段階C)に置き換え、実施例13,段階C及びDにおける通りに表題化合物を製造した。
【0245】
A.[2−(2−イソプロピルアミノ−フェニルアミノ)−エチル]−[4−(ピペリジン−1−カルボニル)−チオフェン−2−イルメチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
H NMR(400MHz,CDCl):7.34(d,J=1.5Hz,1H),6.97(br s,1H),6.77−6.57(m,4H),4.54−4.50(m,2H),3.62−3.43(s,8H),3.25(t,J=6.1Hz,2H),1.66(br s,2H),1.57(br s,4H),1.51(br s,9H),1.22(d,J=6.1Hz,6H)。
【0246】
B.(5−{[2−(2−イソプロピルアミノ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−チオフェン−3−イル)−ピペリジン−1−イル−メタノン
MS(ESI):C2232OSに関して計算される質量,400.58;測定されたm/z,401.2[M+H],423.2[M+Na]H NMR(400MHz,CDCl):7.34(d,J=1.5Hz,1H),6.99(br s,1H),6.80−6.73(m,2H),6.69−6.66(m,2H),4.01(s,2H),3.66−3.48(m,5H),3.21−3.18(m,2H),2.99−2.96(m,2H),1.68(br s,2H),1.59(br s,4H),1.25(d,J=6.2Hz,6H)。
【実施例37】
【0247】
【化56】

【0248】
N,N−ジエチル−3−{[2−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−ベンズアミド
【0249】
A.3−{[2−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル
1,2−ジクロロエタン(22mL)中のN−(2−イソプロポキシ−フェニル)−エタン−1,2−ジアミン(実施例1,段階C;0.432g,2.22ミリモル)及び3−ホルミル−安息香酸メチルエステル(0.33g,2.0ミリモル)の溶液に、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(sodium triacetoxyborohydride)(0.6g,3ミリモル)を加え、得られる懸濁液を25℃で2時間攪拌した。得られる溶液をEtOAc(50mL)、HO(20mL)及び1N NaOH(30mL)を用いて分配し、水層をEtOAc(3X50mL)で逆抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残留物をカラムクロマトグラフィー(5−10% CHOH/CHCl)により精製し、オレンジ色の油(0.32g,46%)を与えた。MS(ESI):C2026に関して計算される質量,342.19;測定されたm/z,343.2[M+H],365.2[M+Na]H NMR(400MHz,CDCl):7.99(br s,1H),7.94−7.91(m,1H),7.57−7.55(m,1H),7.39(t,J=7.7Hz,1H),6.82−6.76(m,2H),6.65−6.61(m,2H),4.51(hept,J=6.0Hz,1H),3.90(s,3H),3.88(s,2H),3.27(t,J=5.8Hz,2H),2.91(t,J=6.0Hz,2H),1.34(d,J=6.0Hz,6H),。13C NMR(100MHz,CDCl):167.1,145.0,140.7,139.3,132.661,130.2,129.4,128.4,128.3,121.2,116.4,112.6,110.3,53.2,52.0,48.1,43.4,39.2,23.3,22.3。
【0250】
B.N,N−ジエチル−3−{[2−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−ベンズアミド
トルエン(1mL)中のジエチルアミン(0.064g,0.88ミリモル)の溶液に、トルメチルアルミニウム(ヘキサン中の2.0M,0.044mL,0.88ミリモル)を加え、得られる溶液を25℃で5分間攪拌した。トルエン(1mL)中の3−{[2−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−安息香酸メチルエステル(0.05g,0.146ミリモル)の溶液を加え、反応混合物を70℃で18時間攪拌した。混合物をHO(10mL)とEtOAc(20mL)を用いて分配した。有機層を1N NaOH(10mL)、次いでブライン(10mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残留物を調製的TLC(10% CHOH/CHCl)により精製し、淡褐色の油(0.083g,15%)を与えた。MS(ESI):C2333に関して計算される質量,383.26;測定されたm/z,384.3[M+H],406.3[M+Na]H NMR(400MHz,CDCl):7.39(br d,J=7.5Hz,1H),7.35−7.31(m,2H),7.24(br d,J=7.6Hz,1H),6.83(dt,J=7.6,1.3Hz,1H),6.78−6.76(m,1H),6.65−6.61(m,2H),4.52(hept,J=6.1Hz,1H),3.85(s,3H),3.53(br s,2H),3.28(t,J=5.9Hz,2H),3.23(br s,2H),2.92(t,J=6.0Hz,2H),1.34(d,J=6.1Hz,6H),1.25−1.01(br m,6H)。13C NMR(100MHz,CDCl):171.2,145.0,140.0,139.2,137.4,128.9,128.5,126.1,124.9,121.2,116.5,112.6,110.3,70.6,53.2,48.0,43.1,39.2,22.3,14.2,12.9。
【実施例38】
【0251】
【化57】

【0252】
(3−{[2−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピロリジン−1−イル−メタノン
段階Bにおけるジエチルアミンをピロリジンに置き換え、実施例37における通りに表題化合物を製造した。MS(ESI):C2331に関して計算される質量,381.2;測定されたm/z,382.3[M+H],404.3[M+Na]H NMR(400MHz,CDCl):7.50(br s,1H),7.43(d,J=7.3Hz,1H),7.39−7.31(m,2H),6.83(dt,J=7.6,1.3Hz,2H),6.78−6.76(m,2H),6.65−6.61(m,2H),4.52(hept,6.0Hz,1H),3.88(s,3H),3.62(t,J=6.9Hz,2H),3.93(t,J=6.7Hz,2H),3.33(t,J=6.0Hz,2H),2.95(t,J=6.0Hz,2H),1.96−1.83(br m,4H),3.45(d,J=6.0Hz,6H)。13C NMR(100MHz,CDCl):169.5,145.0,139.0,137.4,129.9,128.5,127.1,126.1,121.2,116.6,112.6,110.3,70.6,52.9,49.6,47.6,46.2,42.6,26.3,24.4,22.3。
【実施例39】
【0253】
【化58】

【0254】
アゼパン−1−イル−(3−{[2−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−メタノン
段階Bにおけるジエチルアミンをアゼパンに置き換え、実施例37における通りに表題化合物を製造した。MS(ESI):C2535に関して計算される質量,409.27;測定されたm/z,410.3[M+H],432.3[M+Na]H NMR(400MHz,CDCl):7.40(br d,J=7.6Hz,1H),7.35−7.31(m,2H),7.25(br d,J=7.6Hz,1H),6.83(dt,J=7.7,1.3Hz,1H),6.78−6.76(m,1H),6.65−6.61(m,2H),4.52(hept,J=6.1Hz,1H),3.86(s,2H),3.66(t,J=5.9Hz,2H),3.35−3.28(m,4H),2.93(t,J=6.0Hz,2H),1.85−1.80(m,2H),1.64−1.58(m,6H),1.35(d,J=6.0Hz,6H)。13C NMR(100MHz,CDCl):171.5,145.0,139.6,137.4,128.9,128.5,126.3,125.2,121.2,116.5,112.6,110.3,70.6,53.1,49.7,47.9,46.3,43.0,29.5,27.3,26.5,22.3。
【実施例40】
【0255】
【化59】

【0256】
(3−{[2−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−モルホリン−1−イル−メタノン
段階Bにおけるジエチルアミンをモルホリンに置き換え、実施例37における通りに表題化合物を製造した。MS(ESI):C2331に関して計算される質量,397.24;測定されたm/z,398.3[M+H],420.3[M+Na]H NMR(400MHz,CDCl):7.45−7.26(m,4),6.83(dt,J=7.7,1.4Hz,1H),6.77(d,J=7.7Hz,1H),6.66−6.62(m,2H),4.52(hept,J=6.0Hz,1H),3.86(s,2H),3.75−3.42(br m,8H),3.29(t,J=5.9Hz,2H),2.93(t,J=5.9Hz,2H),1.35(d,J=6.0Hz,6H)。13C NMR(100MHz,CDCl):170.3,145.0,140.2,139.2,135.4,129.7,128.6,126.8,125.8,121.2,116.6,112.6,110.3,70.6,66.9,53.1,48.0,43.1,22.3。
【実施例41】
【0257】
【化60】

【0258】
(4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−(3−{[2−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−メタノン
【0259】
A.3−(4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−カルボニル)−ベンズアルデヒド
ピペリジンをピペリジン−4−オールに置き換え、実施例1,段階Dにおける通りに表題中間体を製造した。MS(ESI):C1315NOに関して計算される質量,233.11;測定されたm/z,234.1[M+H]H NMR(400MHz,CDCl):8.02(br s,1H),7.95−7.91(m,2H),7.68(d,J=7.5Hz,1H),7.60(t,J=7.5Hz,1H),4.19(br s,1H),4.04−4.10(m,1H),3.65(br s,1H),3.49(br s,1H),3.47(br s,1H),2.00−1.54(m,5H)。
【0260】
B.(4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−(3−{[2−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−メタノン
段階Eにおける3−(ピペリジン−1−カルボニル)−ベンズアルデヒドを3−(4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−カルボニル)−ベンズアルデヒドに置き換え、実施例1,段階A〜C及びEにおける通りに表題化合物を製造した。MS(ESI):C2433に関して計算される質量,411.25;測定されたm/z,412.3[M+H]H NMR(400MHz,CDCl):7.36−7.24(m,3H),7.18−7.16(m,1H),6.79−6.75(m,1H),6.72−6.70(m,1H),6.59−6.55(m,2H),4.45(hept,J=6.1Hz,1H),4.11(br s,1H),3.90−3.84(m,1H),3.80(s,2H),3.50(br s,1H),3.26−3.23(m,3H),3.09(br s,1H),2.89−2.86(m,2H),1.89−1.72(m,2H),1.53−1.40(m,2H),1.28(d,J=6.1Hz,6H)。
【実施例42】
【0261】
GlyT2阻害活性
アッセイ法
American Type Culture CollectionからのCos−7細胞(アフリカミドリザル,腎臓)を、10%胎児ウシ血清が補充されたDMEM中で生育させた。ヒトGlyT2 cDNAの全コード領域を哺乳類発現ベクターpClNeO中にクローニングし、次いでCos−7細胞中に安定にトランスフェクションした。トランスフェクションは本質的にT.W.Lovenberg et al.(Mol.Pharmacol.55,1999年:1101−1107)により記載された通りに行なわれた。細胞を70〜80%密集まで生育させ、トリプシンを用いてプレートから取り出し、臨床用遠心機でペレット化した。ペレットを400μLの完全培地中に再懸濁させ、電極間に0.4cmの間隙を有するエレクトロポレーションキュベット(Bio−Rad,165−2088)に移した。1マイクログラムの超コイル化(supercoiled)GlyT2 cDNAを細胞に加え、懸濁液を混合した。エレクトロポレーションのための電圧は0.25kVに設定され、キャパシタンスは960μFに設定された。エレクトロポレーションの後、完全培地を用いてキュベットの内容物を10mLに希釈し、0.5mL、1.0mL、2.0mL及び残り(〜6.5mL)の部分を4個の10−cmの皿上にプレート化した。細胞を24時間インキュベーションしてから600μg/mLのG418を加えた。選択で生き残るコロニーを単離し、GlyT2発現に関して調べた。
【0262】
アッセイの前日、GlyT2発現細胞を96−ウェルシンチレーションマイクロプレート(scintillating microplates)(Amersham,RPNQ 0160)中に、ウェル当たり約20,000個の細胞の密度でプレート化した。細胞を5% CO中で37℃において終夜生育させ、次いで37℃のHEPES緩衝食塩水(HBS:150mM NaCl,20mM HEPES,1mM CaCl,10mM グルコース,5mM KCl,1mM MgCl;pH7.4)で1回洗浄した。続いて80マイクロリットルの37℃のHBSを各ウェルに加えた。GlyT2阻害剤の試験溶液をDMSO倍液からHBS中で調製し、5μLの試験溶液を各試験ウェルに加えた。それぞれ5μLのHBS又は5μLの2M グリシンを適した標準ウェルに加えることにより、全輸送及び非−特異的バックグラウンドを決定した。次いでプレートを室温で5分間放置してから20μMの最終的濃度のために、20μLの100μM 14C−グリシン(NEN,NEC 048H)を各ウェルに加えた。プレートを37℃で5% COを用い、2時間インキュベーションした。2時間後、反応混合物を吸引により取り出し、プレートを氷−冷HBSで1回洗浄した。TopSeal(Packard,6005185)を用いてプレートを密封し、Packard TopCount シンチレーションカウンター上でカウントした。
【0263】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】

[式中、
はHであるか、あるいは置換されたかもしくは非置換のC1−5アルキル、C1−5アルケニル又はC1−5アルキニルであり;
及びRは独立してH、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、C1−6アルキニルから選ばれるか、あるいはまたR及びRは結合している窒素と一緒になってピペリジニル、ピロリジニル、ピロリニル、テトラヒドロピリジニル、ジヒドロピリジニル、アゼパニル又はモルホリニルを形成することができ、ここで各R及びR置換基は別々にもしくは一緒になって、場合によりヒドロキシ又はC1−4アルコキシで置換されていることができ;
は場合により2もしくは3位において1もしくは2個のRで置換されていることができるフェニルであり;
Arは場合によりRで置換されていることができるフェニレン、ピリジンジイル、ピリミジンジイル、チオフェンジイル又はチアゾールジイルであり;
及びYは独立してC1−5アルカンジイル又はC1−5アルケンジイルから選ばれ;
XはS、Oであるか、あるいはNRであるか、あるいはまた共有結合であり;そして
は−OH、−C1−6アルキル、−OC1−6アルキル、−Ph、−PhOH、−ウレアPh、−OPh、ベンジル、−Oベンジル、−ウレアベンジル、チオフェニル、−C3−6シクロアルキル、−OC3−6シクロアルキル、−CN、−NO、−N(R)R(ここでR及びRは独立してH、C1−6アルキル及びC1−6アルケニルより成る群から選ばれるか、あるいはR及びRは結合している窒素と一緒になって、他の部分は脂肪族炭化水素環を形成することができ、該環は4〜7個のメンバーを有し、場合により1個の炭素がO、=N−、NH又はN(C1−4アルキル)で置き換えられていることができ、場合により1個の炭素が−OHで置換されていることができ、且つ場合により環中に1もしくは2個の不飽和結合を有していることができる)、−(C=O)N(R)R、−(N−R)COR、−(N−R)SO1−6アルキル(ここでRは独立してH又はC1−6アルキルであるか、あるいは同じ置換基中の2個のRは結合しているアミドと一緒になって、他の部分は脂肪族炭化水素環を形成することができ、該環は4〜6個のメンバーを有する)、−(C=O)C1−6アルキル、−(S=(O))−C1−6アルキル(ここでnは0、1又は2から選ばれる)、−SON(R)R、−SCF、ハロ、−CF、−OCF、−COOH及び−COOC1−6アルキルより成る群から選ばれる]
の化合物ならびにその立体異性体、製薬学的に許容され得る塩、溶媒和物及び多形。
【請求項2】
がHであり;R及びRが結合している窒素と一緒になってピペリジニルを形成し;Rがフェニルであり且つ2もしくは3位において−OC1−6アルキル又は−N(R)Rで置換されており、ここでR及びRは独立してC1−6アルキルであり;Arがフェニレンであり;Y及びYが同一であるかもしくは異なり、メチレン又はエチレンであり;そしてXがNH又はOである請求項1の化合物。
【請求項3】
がHであり;R及びRが結合している窒素と一緒になってピペリジニルを形成し;Rがフェニルであり且つ2もしくは3位においてプロポキシで置換されており;Arがフェニレンであり;Yがエチレンであり、Yがメチレンであり;そしてXがNH又はOである請求項1の化合物。
【請求項4】
式:
【化2】

[式中、mは1又は2である]
の請求項1の化合物。
【請求項5】
化合物が:
(3−{[2−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[3−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−プロピルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
{3−[(2−フェニルアミノ−エチルアミノ)−メチル]−フェニル}−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[2−(2−ヒドロキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[2−(2−メトキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
[3−({2−[2−(1−エチル−プロポキシ)−フェニルアミノ]−エチルアミノ}−メチル)−フェニル]−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[2−(2−シクロペンチルオキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[2−(2−フェノキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[2−(3−メトキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[2−(3−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[2−(2−アミノ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[2−(2−イソプロピルアミノ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
N−(2−{2−[3−(ピペリジン−1−カルボニル)−ベンジルアミノ]−エチルアミノ}−フェニル)−メタンスルホンアミド;
1−フェニル−3−(2−{2−[3−(ピペリジン−1−カルボニル)−ベンジルアミノ]−エチルアミノ}−フェニル)−ウレア;
1−ベンジル−3−(2−{2−[3−(ピペリジン−1−カルボニル)−ベンジルアミノ]−エチルアミノ}−フェニル)−ウレア;
(3−{[2−(2−ブロモ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[2−(3−ブロモ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[2−(2−クロロ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[2−(3−クロロ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[2−(2−イソプロピル−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[2−(2’−メトキシ−ビフェニル−2−イルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
ピペリジン−1−イル−(3−{[2−(2−チオフェン−3−イル−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−メタノン;
(3−{[2−(2−イソプロポキシ−フェノキシ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[3−(2−イソプロポキシ−フェノキシ)−プロピルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[2−(3−イソプロポキシ−フェノキシ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
[3−({[2−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチル]−メチル−アミノ}−メチル)−フェニル]−ピペリジン−1−イル−メタノン;
[3−({2−[(2−イソプロポキシ−フェニル)−メチル−アミノ]−エチルアミノ}−メチル)−フェニル]−ピペリジン−1−イル−メタノン;
{3−[({2−[(2−イソプロポキシ−フェニル)−メチル−アミノ]−エチル}−メチル−アミノ)−メチル]−フェニル}−ピペリジン−1−イル−メタノン;
[3−({[2−(3−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチル]−メチル−アミノ}−メチル)−フェニル]−ピペリジン−1−イル−メタノン;
{3−[({2−[(3−イソプロポキシ−フェニル)−メチル−アミノ]−エチル}−メチル−アミノ)−メチル]−フェニル}−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[2−(2−イソプロポキシ−フェニルスルファニル)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[3−(2−イソプロポキシ−フェニル)−プロピルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(5−{[2−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−チオフェン−3−イル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(5−{[2−(2−アミノ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−チオフェン−3−イル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(5−{[2−(2−イソプロピルアミノ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−チオフェン−3−イル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
N,N−ジエチル−3−{[2−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−ベンズアミド;
(3−{[2−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピロリジン−1−イル−メタノン;
アゼパン−1−イル−(3−{[2−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−メタノン;
(3−{[2−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−モルホリン−4−イル−メタノン;及び
(4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−(3−{[2−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−メタノン、
ならびにそれらの立体異性体、光学的異性体、アノマー、製薬学的に許容され得る塩、溶媒和物及び多形より成る群から選ばれる請求項1の化合物。
【請求項6】
製薬学的に許容され得る担体及び式:
【化3】

[式中、
はHであるか、あるいは置換されたかもしくは非置換のC1−5アルキル、C1−5アルケニル又はC1−5アルキニルであり;
及びRは独立してH、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、C1−6アルキニルから選ばれるか、あるいはまたR及びRは結合している窒素と一緒になってピペリジニル、ピロリジニル、ピロリニル、テトラヒドロピリジニル、ジヒドロピリジニル、アゼパニル又はモルホリニルを形成することができ、ここで各R及びR置換基は別々にもしくは一緒になって、場合によりヒドロキシ又はC1−4アルコキシで置換されていることができ;
は場合により2もしくは3位において1もしくは2個のRで置換されていることができるフェニルであり;
Arは場合によりRで置換されていることができるフェニレン、ピリジンジイル、ピリミジンジイル、チオフェンジイル又はチアゾールジイルであり;
及びYは独立してC1−5アルカンジイル又はC1−5アルケンジイルから選ばれ;
XはS、Oであるか、あるいはNRであるか、あるいはまた共有結合であり;そして
は−OH、−C1−6アルキル、−OC1−6アルキル、−Ph、−PhOH、−ウレアPh、−OPh、ベンジル、−Oベンジル、−ウレアベンジル、チオフェニル、−C3−6シクロアルキル、−OC3−6シクロアルキル、−CN、−NO、−N(R)R(ここでR及びRは独立してH、C1−6アルキル及びC1−6アルケニルより成る群から選ばれるか、あるいはR及びRは結合している窒素と一緒になって、他の部分は脂肪族炭化水素環を形成することができ、該環は4〜7個のメンバーを有し、場合により1個の炭素がO、=N−、NH又はN(C1−4アルキル)で置き換えられていることができ、場合により1個の炭素が−OHで置換されていることができ、且つ場合により環中に1もしくは2個の不飽和結合を有していることができる)、−(C=O)N(R)R、−(N−R)COR、−(N−R)SO1−6アルキル(ここでRは独立してH又はC1−6アルキルであるか、あるいは同じ置換基中の2個のRは結合しているアミドと一緒になって、他の部分は脂肪族炭化水素環を形成することができ、該環は4〜6個のメンバーを有する)、−(C=O)C1−6アルキル、−(S=(O))−C1−6アルキル(ここでnは0、1又は2から選ばれる)、−SON(R)R、−SCF、ハロ、−CF、−OCF、−COOH及び−COOC1−6アルキルより成る群から選ばれる]
の化合物ならびにその立体異性体、製薬学的に許容され得る塩、溶媒和物及び多形の有効量を含んでなる製薬学的組成物。
【請求項7】
該化合物が:
(3−{[2−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[3−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−プロピルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
{3−[(2−フェニルアミノ−エチルアミノ)−メチル]−フェニル}−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[2−(2−ヒドロキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェ
ニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[2−(2−メトキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
[3−({2−[2−(1−エチル−プロポキシ)−フェニルアミノ]−エチルアミノ}−メチル)−フェニル]−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[2−(2−シクロペンチルオキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[2−(2−フェノキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[2−(3−メトキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[2−(3−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[2−(2−アミノ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[2−(2−イソプロピルアミノ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
N−(2−{2−[3−(ピペリジン−1−カルボニル)−ベンジルアミノ]−エチルアミノ}−フェニル)−メタンスルホンアミド;
1−フェニル−3−(2−{2−[3−(ピペリジン−1−カルボニル)−ベンジルアミノ]−エチルアミノ}−フェニル)−ウレア;
1−ベンジル−3−(2−{2−[3−(ピペリジン−1−カルボニル)−ベンジルアミノ]−エチルアミノ}−フェニル)−ウレア;
(3−{[2−(2−ブロモ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[2−(3−ブロモ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[2−(2−クロロ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[2−(3−クロロ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[2−(2−イソプロピル−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[2−(2’−メトキシ−ビフェニル−2−イルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
ピペリジン−1−イル−(3−{[2−(2−チオフェン−3−イル−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−メタノン;
(3−{[2−(2−イソプロポキシ−フェノキシ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[3−(2−イソプロポキシ−フェノキシ)−プロピルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[2−(3−イソプロポキシ−フェノキシ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
[3−({[2−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチル]−メチル−アミノ}−メチル)−フェニル]−ピペリジン−1−イル−メタノン;
[3−({2−[(2−イソプロポキシ−フェニル)−メチル−アミノ]−エチルアミノ}−メチル)−フェニル]−ピペリジン−1−イル−メタノン;
{3−[({2−[(2−イソプロポキシ−フェニル)−メチル−アミノ]−エチル}−メチル−アミノ)−メチル]−フェニル}−ピペリジン−1−イル−メタノン;
[3−({[2−(3−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチル]−メチル−アミノ
}−メチル)−フェニル]−ピペリジン−1−イル−メタノン;
{3−[({2−[(3−イソプロポキシ−フェニル)−メチル−アミノ]−エチル}−メチル−アミノ)−メチル]−フェニル}−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[2−(2−イソプロポキシ−フェニルスルファニル)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(3−{[3−(2−イソプロポキシ−フェニル)−プロピルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(5−{[2−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−チオフェン−3−イル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(5−{[2−(2−アミノ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−チオフェン−3−イル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
(5−{[2−(2−イソプロピルアミノ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−チオフェン−3−イル)−ピペリジン−1−イル−メタノン;
N,N−ジエチル−3−{[2−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−ベンズアミド;
(3−{[2−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−ピロリジン−1−イル−メタノン;
アゼパン−1−イル−(3−{[2−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−メタノン;
(3−{[2−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−モルホリン−4−イル−メタノン;及び
(4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−(3−{[2−(2−イソプロポキシ−フェニルアミノ)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−メタノン、
ならびにそれらの立体異性体、光学的異性体、アノマー、製薬学的に許容され得る塩、溶媒和物及び多形より成る群から選ばれる請求項6の製薬学的組成物。
【請求項8】
抗不安障害に苦しむ患者に、式:
【化4】

[式中、
はHであるか、あるいは置換されたかもしくは非置換のC1−5アルキル、C1−5アルケニル又はC1−5アルキニルであり;
及びRは独立してH、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、C1−6アルキニルから選ばれるか、あるいはまたR及びRは結合している窒素と一緒になってピペリジニル、ピロリジニル、ピロリニル、テトラヒドロピリジニル、ジヒドロピリジニル、アゼパニル又はモルホリニルを形成することができ、ここで各R及びR置換基は別々にもしくは一緒になって、場合によりヒドロキシ又はC1−4アルコキシで置換されていることができ;
は場合により2もしくは3位において1もしくは2個のRで置換されていることができるフェニルであり;
Arは場合によりRで置換されていることができるフェニレン、ピリジンジイル、ピリミジンジイル、チオフェンジイル又はチアゾールジイルであり;
及びYは独立してC1−5アルカンジイル又はC1−5アルケンジイルから選ばれ;
XはS、Oであるか、あるいはNRであるか、あるいはまた共有結合であり;そして
は−OH、−C1−6アルキル、−OC1−6アルキル、−Ph、−PhOH、−ウレアPh、−OPh、ベンジル、−Oベンジル、−ウレアベンジル、チオフェニル、−C3−6シクロアルキル、−OC3−6シクロアルキル、−CN、−NO、−N(R)R(ここでR及びRは独立してH、C1−6アルキル及びC1−6アルケニルより成る群から選ばれるか、あるいはR及びRは結合している窒素と一緒になって、他の部分は脂肪族炭化水素環を形成することができ、該環は4〜7個のメンバーを有し、場合により1個の炭素がO、=N−、NH又はN(C1−4アルキル)で置き換えられていることができ、場合により1個の炭素が−OHで置換されていることができ、且つ場合により環中に1もしくは2個の不飽和結合を有していることができる)、−(C=O)N(R)R、−(N−R)COR、−(N−R)SO1−6アルキル(ここでRは独立してH又はC1−6アルキルであるか、あるいは同じ置換基中の2個のRは結合しているアミドと一緒になって、他の部分は脂肪族炭化水素環を形成することができ、該環は4〜6個のメンバーを有する)、−(C=O)C1−6アルキル、−(S=(O))−C1−6アルキル(ここでnは0、1又は2から選ばれる)、−SON(R)R、−SCF、ハロ、−CF、−OCF、−COOH及び−COOC1−6アルキルより成る群から選ばれる]
の化合物ならびにその立体異性体、製薬学的に許容され得る塩、溶媒和物及び多形の有効量を投与することを含んでなる抗不安障害の処置方法。
【請求項9】
損傷を受けた哺乳類神経組織に苦しむ患者に、請求項1の化合物あるいはその製薬学的に許容され得る塩、溶媒和物又は多形の有効量を投与することを含んでなる損傷を受けた哺乳類神経組織の処置方法。
【請求項10】
神経栄養因子の投与を介する処置の余地のある状態に苦しむ患者に、請求項1の化合物あるいはその製薬学的に許容され得る塩、溶媒和物又は多形の有効量を投与することを含んでなる方法。
【請求項11】
神経学的障害に苦しむ患者に、請求項1の化合物あるいはその製薬学的に許容され得る塩、溶媒和物又は多形の有効量を投与することを含んでなる神経学的障害の処置方法。
【請求項12】
肥満又は肥満−関連障害に苦しむ患者に、請求項1の化合物あるいはその製薬学的に許容され得る塩、溶媒和物又は多形の有効量を投与することを含んでなる肥満又は肥満−関連障害の処置方法。
【請求項13】
不活性有機溶媒及び還元剤を含んでなる反応媒体中で式
【化5】

のアミンを式
【化6】

のアルデヒドを用いて還元的にアミノ化して式
【化7】

のアミンを与えることを含んでなり、
ここで、
はHであるか、あるいは置換されたかもしくは非置換のC1−5アルキル、C1−5アルケニル又はC1−5アルキニルであり;
及びRは独立してH、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、C1−6アルキニルから選ばれるか、あるいはまたR及びRは結合している窒素と一緒になってピペリジニル、ピロリジニル、ピロリニル、テトラヒドロピリジニル、ジヒドロピリジニル、アゼパニル又はモルホリニルを形成することができ、ここで各R及びR置換基は別々にもしくは一緒になって、場合によりヒドロキシ又はC1−4アルコキシで置換されていることができ;
は場合により2もしくは3位において1もしくは2個のRで置換されていることができるフェニルであり;
Arは場合によりRで置換されていることができるフェニレン、ピリジンジイル、ピリミジンジイル、チオフェンジイル又はチアゾールジイルであり;
は独立してC1−5アルカンジイル又はC1−5アルケンジイルから選ばれ;
はメチレンであり;
XはS、Oであるか、あるいはNRであるか、あるいはまた共有結合であり;そして
は−OH、−C1−6アルキル、−OC1−6アルキル、−Ph、−PhOH、−ウレアPh、−OPh、ベンジル、−Oベンジル、−ウレアベンジル、チオフェニル、−C3−6シクロアルキル、−OC3−6シクロアルキル、−CN、−NO、−N(R)R(ここでR及びRは独立してH、C1−6アルキル及びC1−6アルケニルより成る群から選ばれるか、あるいはR及びRは結合している窒素と一緒になって、他の部分は脂肪族炭化水素環を形成することができ、該環は4〜7個のメンバーを有し、場合により1個の炭素がO、=N−、NH又はN(C1−4アルキル)で置き換えられていることができ、場合により1個の炭素が−OHで置換されていることができ、且つ場合により環中に1もしくは2個の不飽和結合を有していることができる)、−(C=O)N(R)R、−(N−R)COR、−(N−R)SO1−6アルキル(ここでRは独立してH又はC1−6アルキルであるか、あるいは同じ置換基中の2個のRは結合しているアミドと一緒になって、他の部分は脂肪族炭化水素環を形成することができ、該環は4〜6個のメンバーを有する)、−(C=O)C1−6アルキル、−(S=(O))−C1−6アルキル(ここでnは0、1又は2から選ばれる)、−SON(R)R、−SCF、ハロ、−CF、−OCF、−COOH及び−COOC1−6アルキルより成る群から選ばれ、
且つワンポットで又は数段階で行なう方法。
【請求項14】
がHであり;R及びRが結合している窒素と一緒になってピペリジニルを形成し;Rがフェニルであり且つ2もしくは3位において−OC1−6アルキル又は−N(R)Rで置換されており、ここでR及びRは独立してC1−6アルキルであり;Arがフェニレンであり;Yがメチレン又はエチレンであり;Yがメチレンであり;そしてXがNH又はOである請求項13の方法。
【請求項15】
がHであり;R及びRが結合している窒素と一緒になってピペリジニルを形成し;Rがフェニルであり且つ2もしくは3位においてプロポキシで置換されており;A
がフェニレンであり;Y及びYがメチレンであり;そしてXがNH又はOである請求項13の方法。

【公表番号】特表2007−503440(P2007−503440A)
【公表日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524716(P2006−524716)
【出願日】平成16年8月17日(2004.8.17)
【国際出願番号】PCT/US2004/026753
【国際公開番号】WO2005/021525
【国際公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(390033008)ジヤンセン・フアーマシユーチカ・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ (616)
【氏名又は名称原語表記】JANSSEN PHARMACEUTICA NAAMLOZE VENNOOTSCHAP
【Fターム(参考)】