説明

アルキル−複素環のカルバメート誘導体、これらの調製およびこれらの使用

塩基のまたは酸との付加塩の形態での、一般式(I)に対応する化合物


(式中、Rは、水素もしくはフッ素原子またはヒドロキシル、シアノ、トリフルオロメチル、C1―6−アルキル、C1―6−アルコキシもしくはNR基であり;nは、1、2または3に等しい整数であり、およびmは、1または2に等しい整数であり;Aは、共有結合またはC1―8−アルキレン基であり;Rは、フェニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、ナフチル、キノリニル、イソキノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニルまたはナフチリジニル基であり、この基は、任意に置換されており;Rは、塩素もしくはフッ素原子、C1―6−アルキル基またはトリフルオロメチル基であり;Rは、フラニル、ピロリル、チエニル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾール、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾロン、オキサゾリジノン、イソオキサゾロン、イソオキサゾリジノン、イソチアゾロン、イソチアゾリジノン、イミダゾロン、イミダゾリジノン、ピラゾロン、ピラゾリジノン、オキサジアゾロン、チアジアゾロンおよびトリアゾロンから選択される基であり、この基は、任意に置換されており;塩基または酸付加塩の形態である。)。治療的使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルキル−複素環のカルバメート誘導体、これらの調製およびこれらの治療的使用に関する。
【背景技術】
【0002】
酵素FAAH(脂肪酸アミドヒドロラーゼ)を阻害する製品を見つけ、開発する必要が依然としてある。本発明の化合物は、この目的を満たす。これらの化合物は、薬剤としてのこれらの使用を可能にする代謝特性、薬物動態特性および毒物学的特性を有するはずである。これらの特性の中で、シトクロムP450、およびさらにアイソエンザイムCYP3A4に対する阻害作用を特に挙げることができる。
【0003】
文書WO 2004/099 176には、グリコールアミドカルバメート基を含有する、酵素FAAHに対して阻害活性を有する化合物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2004/099 176号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の化合物は、一般式(I):
【0006】
【化1】

(式中、
は、水素もしくはフッ素原子、またはヒドロキシル、シアノ、トリフルオロメチル、C1―6−アルキル、C1―6−アルコキシもしくはNR基を表し;
nは、1、2または3に等しい整数を表し、およびmは、1または2に等しい整数を表し;
Aは、共有結合または基C1―8−アルキレンを表し;
は、1つ以上の基Rおよび/またはRで任意に置換されている基Rを表し;
は、フェニル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、ナフチル、キノリニル、イソキノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニルおよびナフチリジニルから選択される基を表し;
は、ハロゲン原子またはシアノ、−CHCN、ニトロ、ヒドロキシル、C1―6−アルキル、C1―6−アルコキシ、C1―6−チオアルキル、C1―6−ハロアルキル、C1―6−ハロアルコキシ、C1―6−ハロチオアルキル、C3−7−シクロアルキル、C3−7−シクロアルキル−C1−3−アルキレン、C3−7−シクロアルキル−C1−3−アルキレン−O−、NR、NRCOR、NRCO、NRSO、NRSONR、COR、CO、CONR、SO、SONRもしくは−O−(C1−3−アルキレン)−O−基を表し;
は、フリル、ピロリル、チエニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、フェニル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、ナフチル、キノリニル、イソキノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、ナフチリジニル、イミダゾピリミジニル、チエノピリミジニル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ピロロピリジル、フロピリジル、チエノピリジル、イミダゾピリジル、ピラゾロピリジル、オキサゾロピリジル、イソオキサゾロピリジル、チアゾロピリジル、フェニルオキシ、ベンジルオキシおよびピリミジンオキシ;または互いに同一であるもしくは異なる場合がある1つ以上の基Rで置換され得る基Rから選択される基を表し;
は、水素もしくはフッ素原子、基C1―6−アルキルまたはトリフルオロメチル基を表し;
は、フリル、ピロリル、チエニル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリルおよびテトラゾリルから選択される基を表し;
この基は、ハロゲン原子、基C1―6−アルキル、C1―6−ハロアルキル、C3−7−シクロアルキル、C3−7−シクロアルキル−C1−3−アルキレン、C1―6−ハロアルコキシ、シアノ、NR、NRCOR、NRCO、NRSO、NRSONR、COR、CO、CONR、CON(R)(C1−3−アルキレン−NR1011)、SO、SONR、−O−(C1−3−アルキレン)−O−、フェニル、フェニルオキシ、ベンジルオキシ、ピリジル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニルまたはピリミジニルから選択される1つ以上の置換基で任意に置換されており;フェニル、フェニルオキシ、ピリジル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニルおよびピリミジニル基は、ハロゲン原子およびシアノ、ニトロ、C1―6−アルキル、C1―6−アルコキシ、C1―6−チオアルキル、C1―6−ハロアルキル、C1―6−ハロアルコキシ、C1―6−ハロチオアルキル、C3−7−シクロアルキルまたはC3−7−シクロアルキル−C1−3−アルキレン基から選択される1つ以上の置換基で置換され得るものであり;
、R、R10およびR11は、互いに独立して、水素原子もしくは基C1―6−アルキルを表し、
またはこれらを有する原子と共に、
NRの場合には、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、アゼピン、オキサゼピンおよびピペラジン環から選択され、この環は、基C1―6−アルキルもしくはベンジルで任意に置換されており;
NRCORの場合には、ラクタム環を形成し;
NRCOの場合には、オキサゾリジノン、オキサジノンもしくはオキサゼピノン環を形成し;
NRSOの場合には、スルタム環を形成し;
NRSONRの場合には、チアゾリジンジオキシドもしくはチアジアジナンジオキシド環を形成する。)に対応する。
【0007】
一般式(I)の化合物の中で、化合物の第一の部分群は、Rが、水素もしくはフッ素原子またはヒドロキシル、C1―6−アルキルもしくはNR基を表す化合物から構成される。さらに特には、RおよびRは、基C1―6−アルキルを表す。
【0008】
一般式(I)の化合物の中で、化合物の第二の部分群は、Rが水素原子を表す化合物から構成される。
【0009】
一般式(I)の化合物の中で、化合物の第三の部分群は、nが2に等しい整数を表し、およびmが2に等しい整数を表す化合物から構成される。
【0010】
一般式(I)の化合物の中で、化合物の第四の部分群は、Aが、基C1―8−アルキレン、さらに特にはエチレン、プロピレンまたはエチレン基を表す化合物から構成される。
【0011】
一般式(I)の化合物の中で、化合物の第五の部分群は、Aが共有結合を表す化合物から構成される。
【0012】
一般式(I)の化合物の中で、化合物の第六の部分群は、
が、1つ以上の基Rおよび/またはRで任意に置換されている基Rを表し;
が、フェニル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、キノリニル、フタラジニルまたはキノキサリニル基を表し;
が、ニトロ、C1―6−アルキル、C1―6−アルコキシ、C1―6−ハロアルキル、C1―6−ハロアルコキシもしくは−O−(C1−3−アルキレン)−O−基またはハロゲン原子、さらに特には塩素もしくはフッ素原子を表し;
が、互いに同一であるまたは異なることがある1つ以上の基Rで置換され得るフェニル基を表す
化合物から構成される。
【0013】
一般式(I)の化合物の中で、化合物の第七の部分群は、
が、1つ以上の基Rおよび/またはRで任意に置換されている基Rを表し;
が、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、キノリニル、フタラジニルまたはキノキサリニル基を表し;
が、ニトロ、C1―6−アルキル、C1―6−アルコキシ、C1―6−ハロアルキル、C1―6−ハロアルコキシもしくは−O−(C1−3−アルキレン)−O−基またはハロゲン原子、さらに特には塩素もしくはフッ素原子を表し;
が、互いに同一であるまたは異なることがある1つ以上の基Rで置換され得るフェニル基を表す
化合物から構成される。
【0014】
一般式(I)の化合物の中で、化合物の第八の部分群は、
が、1つ以上の基Rおよび/またはRで任意に置換されている基Rを表し;
が、フェニル、ピリジル、ピラジニルまたはキノリニル基を表し;
が、ハロゲン原子、さらに特には塩素またはフッ素原子を表し;
が、互いに同一であるまたは異なることがある1つ以上の基Rで置換され得るフェニル基を表す
化合物から構成される。
【0015】
一般式(I)の化合物の中で、化合物の第九の部分群は、Rが、トリフルオロメチル、C1―6−アルキル、さらに特にはイソブチル、またはハロゲン原子を表す化合物から構成される。
【0016】
一般式(I)の化合物の中で、化合物の第十の部分群は、Rが水素原子を表す化合物から構成される。
【0017】
一般式(I)の化合物の中で、化合物の第十一の部分群は、
が、オキサゾリル、イソオキサゾリル、フリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリルおよびトリアゾリル基から選択される基を表し;
この基が、基C1―6−アルキル、さらに特には、メチル、エチル、イソプロピルもしくはt−ブチル、COOR、CON(R)(C1−3−アルキレン−NR1011)、CONR、フェニルから選択される1つ以上の置換基で任意に置換されており;前記フェニル基は、ハロゲン原子、さらに特には塩素またはフッ素原子、基C1―6−アルコキシ、さらに特にはメトキシから選択される1つ以上の置換基で置換され得るものであり;
およびRが、互いに独立して、水素原子または基C1―6−アルキル、さらに特にはメチルもしくはエチルを表し、またはこれらを有する原子と共に、ピペラジン環を形成し;
10およびR11が、互いに独立して、水素原子または基C1―6−アルキルを表す
化合物から構成される。
【0018】
一般式(I)の化合物の中で、化合物の第十二の部分群は、
が、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリルおよびテトラゾリルから選択される基を表し;
この基が、基C1―6−アルキル、さらに特にはメチル、エチル、イソプロピルもしくはt−ブチル、COOR、CON(R)(C1−3−アルキレン−NR1011)、CONRまたはフェニルから選択される1つ以上の置換基で任意に置換されており;フェニル基が、ハロゲン原子、さらに特には塩素もしくはフッ素原子、または基C1―6−アルコキシ、さらに特にはメトキシから選択される1つ以上の置換基で置換され得るものであり;
およびRが、互いに独立して、水素原子または基C1―6−アルキル、さらに特にはメチルもしくはエチルを表し、またはこれらを有する原子と共に、ピペラジン環を形成し;
10およびR11が、互いに独立して、水素原子または基C1―6−アルキルを表す
化合物から構成される。
【0019】
一般式(I)の化合物の中で、化合物の第十三の部分群は、
が、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリルまたはトリアゾリルから選択される基を表し;この基が、基C1―6−アルキル、さらに特にはメチル、エチル、イソプロピルもしくはt−ブチル、CONR、フェニルから選択される1つ以上の置換基で任意に置換されており;フェニル基が、ハロゲン原子、さらに特には塩素またはフッ素原子、および基C1―6−アルコキシ、さらに特にはメトキシから選択される1つ以上の置換基で置換され得るものであり;
およびRが、互いに独立して、水素原子または基C1―6−アルキル、さらに特にはメチルを表す
化合物から構成される。
【0020】
一般式(I)の化合物の中で、化合物の第十四の部分群は、Rが、3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イル基を表す化合物から構成される。
【0021】
一般式(I)の化合物の中で、化合物の第十五の部分群は、Rが、2−メチル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル基を表す化合物から構成される。
【0022】
一般式(I)の化合物の中で、化合物の第十六の部分群は、Rが、3−(4−クロロフェニル)[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル基を表す化合物から構成される。
【0023】
一般式(I)の化合物の中で、化合物の第十七の部分群は、Rが、3−(4−クロロフェニル)イソオキサゾール−5−イル基を表す化合物から構成される。
【0024】
一般式(I)の化合物の中で、化合物の第十八の部分群は、Rが、3−エチル[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル基を表す化合物から構成される。
【0025】
一般式(I)の化合物の中で、化合物の第十九の部分群は、Rが、5−メチル−3−フェニルイソオキサゾール−4−イル基を表す化合物から構成される。
【0026】
一般式(I)の化合物の中で、化合物の第二十の部分群は、Rが、3−イソプロピル[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル基を表す化合物から構成される。
【0027】
一般式(I)の化合物の中で、化合物の第二十一の部分群は、Rが、1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル基を表す化合物から構成される。
【0028】
一般式(I)の化合物の中で、化合物の第二十二の部分群は、Rが、[1,2,3]チアジアゾール−4−イル基を表す化合物から構成される。
【0029】
一般式(I)の化合物の中で、化合物の第二十三の部分群は、Rが、5−t−ブチル[1,3,4]チアジアゾール−2−イル基を表す化合物から構成される。
【0030】
一般式(I)の化合物の中で、化合物の第二十四の部分群は、Rが、5−イソプロピル[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル基を表す化合物から構成される。
【0031】
一般式(I)の化合物の中で、化合物の第二十五の部分群は、Rが、5−(4−フルオロフェニル)[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル基を表す化合物から構成される。
【0032】
一般式(I)の化合物の中で、化合物の第二十六の部分群は、Rが、5−(4−クロロフェニル)[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル基を表す化合物から構成される。
【0033】
一般式(I)の化合物の中で、化合物の第二十七の部分群は、Rが、5−(4−メトキシフェニル)[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル基を表す化合物から構成される。
【0034】
一般式(I)の化合物の中で、化合物の第二十八の部分群は、Rが、3−(4−フルオロフェニル)[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル基を表す化合物から構成される。
【0035】
一般式(I)の化合物の中で、化合物の第二十九の部分群は、Rが、3−(3−フルオロフェニル)[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル基を表す化合物から構成される。
【0036】
一般式(I)の化合物の中で、化合物の第三十の部分群は、Rが、5−(4−クロロフェニル)[1,2,4]チアジアゾール−3−イル基を表す化合物から構成される。
【0037】
一般式(I)の化合物の中で、化合物の第三十一の部分群は、Rが、3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イル基を表す化合物から構成される。
【0038】
一般式(I)の化合物の中で、化合物の第三十二の部分群は、Rが、4−カルバモイルオキサゾール−2−イル基を表す化合物から構成される。
【0039】
一般式(I)の化合物の中で、化合物の第三十三の部分群は、Rが、3−ジメチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イル基を表す化合物から構成される。
【0040】
一般式(I)の化合物の中で、化合物の第三十四の部分群は、Rが、1つ以上の基Rおよび/またはRで任意に置換されている基Rを表し;
が、フェニル、ピリジル、ピラジニルまたはキノリニル基を表し;Rが、ハロゲン原子、さらに特には塩素またはフッ素原子を表し;
が、互いに同一であるまたは異なることがある1つ以上の基Rで置換され得るフェニル基を表し;
およびRが、水素原子を表し;Rが、3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イル基を表し;nが、2に等しい整数を表し、およびmが、2に等しい整数を表し;
Aが、アルキレン基を表す
化合物から構成される。
【0041】
一般式(I)の化合物の中で、化合物の第三十五の部分群は、Rが、1つ以上の基Rおよび/またはRで任意に置換されている基Rを表し;
が、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、キノリニル、フタラジニルまたはキノキサリニル基を表し;
が、ニトロ、C1―6−アルキル、C1―6−アルコキシ、C1―6−ハロアルキル、C1―6−ハロアルコキシもしくは−O−(C1−3−アルキレン)−O−基またはハロゲン原子、さらに特には塩素もしくはフッ素原子を表し;
が、互いに同一であるまたは異なることがある1つ以上の基Rで置換され得るフェニル基を表し;
およびRが、水素原子を表し;
が、CONRで任意に置換されている、フリル、ピロリル、チエニル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリルおよびテトラゾリルから選択される基を表し、任意のRおよびRは、互いに独立して、水素原子または基C1―6−アルキルを表し;
nが、2に等しい整数を表し、およびmが、2に等しい整数を表し;Aが、アルキレン基を表す
化合物から構成される。
【0042】
一般式(I)の化合物の中で、化合物の第三十六の部分群は、同時に、Rおよび/またはRおよび/またはRおよび/またはRおよび/またはnおよび/またはmおよび/またはAが、上の群において定義したとおりである、一般式(I)の化合物によって構成される。
【0043】
一般式(I)の化合物の中で、塩基または酸付加塩の形態である次の化合物を挙げることができる(AutoNomソフトウェアによって生成されたIUPAC学名):
1.2−[1−(6−クロロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチルカルバミン酸3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
2.2−[1−(6−クロロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチルカルバミン酸2−メチル−2H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメチル
3.2−[1−(6−クロロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチルカルバミン酸3−(4−クロロフェニル)イソオキサゾール−5−イルメチル
4.2−[1−(6−クロロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチルカルバミン酸3−(4−クロロフェニル)[1,2,4]オキサジアゾール−5−イルメチル
5.2−[5’−(4−フルオロフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチルカルバミン酸3−エチル[1,2,4]オキサジアゾール−5−イルメチル
6.2−[1−(6−クロロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−エチルカルバミン酸5−メチル−3−フェニルイソオキサゾール−4−イルメチル
7.2−[5’−(4−フルオロフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチルカルバミン酸3−イソプロピル[1,2,4]オキサジアゾール−5−イルメチル
8.2−[5’−(4−フルオロフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチルカルバミン酸1−メチル−1H−ピラゾール−3−イルメチル
9.2−[5’−(4−フルオロフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチルカルバミン酸[1,2,3]チアジアゾール−4−イルメチル
10.2−[5’−(4−フルオロフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチルカルバミン酸5−t−ブチル[1,3,4]チアジアゾール−2−イルメチル
11.2−[5’−(4−フルオロフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチルカルバミン酸5−イソプロピル[1,2,4]オキサジアゾール−3−イルメチル
12.2−[1−(6−クロロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチルカルバミン酸5−(4−フルオロフェニル)[1,3,4]オキサジアゾール−2−イルメチル
13.2−[1−(6−クロロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチルカルバミン酸5−(4−クロロフェニル)[1,3,4]オキサジアゾール−2−イルメチル
14.2−[1−(6−クロロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチルカルバミン酸5−(4−メトキシフェニル)[1,3,4]オキサジアゾール−2−イルメチル
15.2−[1−(6−クロロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチルカルバミン酸3−(4−フルオロフェニル)[1,2,4]オキサジアゾール−5−イルメチル
16.2−[1−(6−クロロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチルカルバミン酸3−(3−フルオロフェニル)[1,2,4]オキサジアゾール−5−イルメチル
17.2−[1−(6−クロロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチルカルバミン酸5−(4−クロロフェニル)[1,2,4]チアジアゾール−3−イルメチル
18.2−[1−(6−クロロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチルカルバミン酸[1,2,3]チアジアゾール−4−イルメチル
19.2−[5’−(4−フルオロフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチルカルバミン酸3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
20.2−[1−(6−クロロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチルカルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
21.2−[5’−(4−フルオロフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチルカルバミン酸4−カルバモイル−オキサゾール−2−イルメチル
22.2−[6’−(4−フルオロフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチルカルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
23.2−[1−(6−フルオロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチルカルバミン酸3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
24.2−[6’−(4−フルオロフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチルカルバミン酸3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
25.2−[1−(6−フルオロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチルカルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
26.2−[5’−(4−フルオロフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチルカルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
27.2−[6’−(4−フルオロフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチルカルバミン酸3−ジメチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
28.2−[5’−(3−フルオロフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチルカルバミン酸3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
29.2−[1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)ピペリジン−4−イル]エチルカルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
30.2−[5’−(4−フルオロフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチルカルバミン酸3−ジメチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
31.2−[1−(6−クロロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチルカルバミン酸3−ジメチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
32.2−{1−[6−(4−フルオロフェニル)ピラジン−2−イル]ピペリジン−4−イル]エチルカルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
33.(2−{1−[6−(4−フルオロフェニル)ピラジン−2−イル]ピペリジン−4−イル}−エチルカルバミン酸3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
34.(2−{1−[6−(4−フルオロフェニル)ピラジン−2−イル]ピペリジン−4−イル]エチルカルバミン酸3−ジメチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
35.(2−{1−[5−(4−フルオロフェニル)ピリミジン−2−イル]ピペリジン−4−イル]エチルカルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
36.(2−{1−[5−(4−フルオロフェニル)ピリミジン−2−イル]ピペリジン−4−イル]エチルカルバミン酸3−ジメチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
37.{2−[1−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチルカルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
38.{2−[1−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチルカルバミン酸3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
39.(2−{1−[5−(4−フルオロフェニル)ピリミジン−2−イル]ピペリジン−4−イル]エチルカルバミン酸3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
40.{2−[1−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチルカルバミン酸3−ジメチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
41.(2−{1−[6−(4−フルオロフェニル)ピリダジン−3−イル]ピペリジン−4−イル]エチルカルバミン酸3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
42.{2−[5’−(4−フルオロフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチルカルバミン酸3−(2−ジメチルアミノエチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル
43.[2−(5’−イソブチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチルカルバミン酸3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
44.{2−[5’−(2,2−ジメチルプロピル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチルカルバミン酸3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
45.[2−(5’−m−トリル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチルカルバミン酸3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
46.{2−[5’−(4−フルオロフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチルカルバミン酸3−(4−メチルピペラジン−1−カルボニル)イソオキサゾール−5−イルメチル
47.{2−[5’−(3−トリフルオロメトキシフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチルカルバミン酸3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
48.{2−[5’−(3−クロロフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチルカルバミン酸3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
49.{2−[5’−(3−フルオロ−5−メトキシフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチルカルバミン酸3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
50.[2−(5’−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチルカルバミン酸3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
51.5−[4−フルオロ−1−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルメチルカルバモイルオキシメチル]イソオキサゾール−3−カルボン酸エチル
52.{3−[1−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]プロピルカルバミン酸1−メチル−1H−ピラゾール−3−イルメチル
53.5−{2−[1−(6−クロロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−エチルカルバモイルオキシメチル}イソオキサゾール−3−カルボン酸
54.[1−(6−クロロキノキサリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]メチルカルバミン酸5−イソプロピル[1,2,4]オキサジアゾール−3−イルメチル
55.[1−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]メチルカルバミン酸5−イソプロピル[1,2,4]オキサジアゾール−3−イルメチル
56.5−[1−(6−クロロキノリン−2−イル)−4−フルオロピペリジン−4−イルメチルカルバモイルオキシメチル]イソオキサゾール−3−カルボン酸エチル
57.[4−フルオロ−1−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]メチルカルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
58.[1−(4−ニトロ−2−トリフルオロメチルフェニル)ピペリジン−4−イル]メチルカルバミン酸5−イソプロピル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イルメチル
59.[1−(4−クロロフタラジン−1−イル)ピペリジン−4−イル]メチルカルバミン酸5−イソプロピル[1,2,4]オキサジアゾール−3−イルメチル
60.{2−[3−ジメチルアミノ−1−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)アゼチジン−3−イル]エチルカルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
61.{2−[4−エチル−1−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチルカルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
62.{2−[4−ヒドロキシ−1−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチルカルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
63.{2−[1−(4−クロロフタラジン−1−イル)−3−ジメチルアミノアゼチジン−3−イル]−エチル}カルバミン酸2,2,2−トリフルオロ−1−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)エチル
64.{2−[1−(6−クロロキノキサリン−2−イル)−4−エチルピペリジン−4−イル]エチルカルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
65.{2−[1−(6−クロロキノキサリン−2−イル)−4−イソブチルピペリジン−4−イル]エチルカルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
66.{2−[4−イソブチル−1−(4−ニトロ−2−トリフルオロメチルフェニル)ピペリジン−4−イル]エチル}カルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
67.(1−イソキノリン−1−イルピペリジン−4−イルメチル)カルバミン酸5−イソプロピル[1,2,4]オキサジアゾール−3−イルメチル
68.(2−{1−[5−(4−フルオロフェニル)ピラジン−2−イル]ピペリジン−4−イル}エチル)カルバミン酸3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
69.(2−{1−[5−(4−フルオロフェニル)ピラジン−2−イル]ピペリジン−4−イル}エチル)カルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
70.[1−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]カルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
71.5−{2−[1−(6−クロロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−エチルカルバモイルオキシメチル}イソオキサゾール−3−カルボン酸エチル
72.{2−[4−メチル−1−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチル}カルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
73.{2−[1−(6−クロロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチル}カルバミン酸2,2,2−トリフルオロ−1−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)エチル
74.(±)[1−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)アゼパン−4−イル]カルバミン酸3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
75.[1−(4−クロロフタラジン−1−イル)ピペリジン−4−イル]カルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
76.[1−(4−ニトロ−2−トリフルオロメチルフェニル)ピペリジン−4−イル]カルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
77.[1−(6−クロロキノキサリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]カルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
78.{2−[1−(6−クロロキノキサリン−2−イル)−4−メチルピペリジン−4−イル]エチル}カルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
79.(±)[1−(4−クロロフタラジン−1−イル)ピロリジン−3−イルメチル]カルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
80.{2−[1−(6−クロロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチル}−カルバミン酸1−フラン−3−イル−3−メチルブチル
81.{2−[6’−(4−フルオロフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチル}カルバミン酸1−フラン−3−イル−3−メチルブチル
82.{2−[1−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)アゼチジン−3−イル]エチル}カルバミン酸3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
83.{2−[1−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)アゼチジン−3−イル]エチル}カルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
84.(−)[1−(4−クロロピリミジン−2−イル)ピロリジン−3−イルメチル]カルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
85.(+)[1−(4−クロロピリミジン−2−イル)ピロリジン−3−イルメチル]カルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル。
【0044】
一般式(I)の化合物は、1つ以上の不斉炭素を含むことがある。これらは、エナンチオマーの形態で存在することもあり、またはジアステレオマーの形態で存在することもある。一般式(I)の化合物は、シス(Z)立体異性体の形態で存在することもあり、またはトランス(E)立体異性体の形態で存在することもある。これらの立体異性体、エナンチオマーおよびジアステレオマーは、ならびにラセミ混合物をはじめとするこれらの混合物も、本発明の一部を構成する。
【0045】
式(I)の化合物は、塩基の形態で存在することもあり、または酸付加塩の形態で存在することもある。このような付加塩は、本発明の一部を構成する。
【0046】
これらの塩は、有利には医薬的に許容される酸を用いて調製されるが、例えば、式(I)の化合物の精製または単離に有用である他の酸の塩も本発明の一部を構成する。
【0047】
本発明に関連して、次の定義が適用される:
−Ct−z(この場合のtおよびzは、1から8の値をとることができる。)、tからz個の炭素原子を含有し得る炭素鎖、例えば、C1−3は、1から3個の炭素原子を含有することがある炭素鎖である;
−アルキル、直鎖または分岐、飽和脂肪族基;例えば、C1―6−アルキル基は、炭素原子数1から6の直鎖または分岐炭素鎖、さらに特には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチルまたはヘキシルを表す;
−アルキレン、直鎖または分岐、飽和二価アルキル基、例えば、C1−3−アルキレン基は、炭素原子数1から3の直鎖または分岐二価炭素鎖、さらに特には、メチレン、エチレン、1−メチル−エチレンまたはプロピレンを表す;
−シクロアルキル、環状アルキル基、例えば、C3−7−シクロアルキル基は、炭素原子数3から7の環状炭素に基づく基、さらに特にはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルを表す;
−アルコキシ、直鎖または分岐、飽和脂肪族鎖を含有する基−O−アルキル;
−チオアルキル、直鎖または分岐、飽和脂肪族鎖を含有する基−S−アルキル;
−ハロアルキル、1個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されているアルキル基;
−ハロアルコキシ、1個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されているアルコキシ基;
−ハロチオアルキル、1個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されているチオアルキル基;
−ハロゲン原子、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素。
【0048】
本発明の化合物は、後続のスキームによって例証される様々な方法に従って調製することができる。
【0049】
従って、第一の方法(スキーム1)は、一般式(II)のアミン化合物(この式中のA、R、R、mおよびnは、上で定義した一般式(I)に定義したとおりである。)と一般式(III)のカルボナート(この式中のzは、水素原子またはニトロ基を表し、ならびにRおよびRは、上で定義した一般式(I)に定義したとおりである。)とを、塩基、例えばトリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジンまたはジイソプロピルエチルアミンの存在下、溶媒、例えばトルエンまたは1,2−ジクロロエタン中で、室温と溶媒の還流温度の間の温度で反応させることに存する。
【0050】
【化2】

【0051】
一般式(I)の化合物を得るための1つの変型(スキーム1)は、上で定義したとおりの一般式(II)のアミンとクロロギ酸フェニルまたはクロロギ酸4−ニトロフェニルとを、塩基、例えばトリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンの存在下、溶媒、例えばジクロロメタンまたはテトラヒドロフラン中で、0℃と室温の間の温度で反応させて、一般式(IV)のカルバメート誘導体(この式中、A、R、R、mおよびnは、上で定義した一般式(I)に定義したとおりであり、ならびにzは、水素原子またはニトロ基を表す。)を得ることに存する。その後、このようにして得た一般式(IV)のカルバメート誘導態を、塩基、例えばトリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジンまたはジイソプロピルエチルアミンの存在下、溶媒、例えばトルエンまたはジクロロエタン中、室温と溶媒の還流温度の間の温度での、上で定義したとおりの一般式HOCHR(IIIa)のアルコールの作用により、一般式(I)の化合物に転化させる。
【0052】
第二の方法(スキーム2)は、一般式(I)の化合物(式中のRは、タイプC1―6−アルキル、C3−7−シクロアルキルまたはC3−7−シクロアルキル−C1−3−アルキレンの基Rでまたは上で定義した一般式(I)に定義したとおりの基Rでとりわけ置換されている、基Rを表す。)の生産を可能にする。
【0053】
【化3】

【0054】
従って、第一の工程は、芳香族もしくはヘテロ芳香族求核置換またはブッフバルト(Buchwald)N−アリール化もしくはN−ヘテロアリール化反応を用いて、例えばパラジウムもしくは銅触媒により、一般式(IIa)のアミン(この式中のA、R、mおよびnは、上で定義した一般式(I)に定義したとおりであり、およびPGは、保護基、例えば、Boc(t−ブチルオキシカルボニル)、CBz(ベンジルオキシカルボニル)、ベンジルまたはベンズヒドリルを表す。)と、一般式(V)の誘導体(この式中のRは、上で定義したとおりであり、およびUは、ハロゲン原子またはO−トリフラート基を表し、およびUは、塩素、臭素もしくはヨウ素原子またはO−トリフラート基を表す。)とを反応させて、一般式(IVa)の中間体(この式中のA、R、R、m、n、UおよびPGは上で定義したとおりである。)を得ることに存する。このようにして得た化合物(IVa)を、第一段階において、例えばトリフルオロ酢酸またはイソプロパノールもしくはジオキサン中の塩化水素(5N)の溶液の存在下、脱保護反応において使用し、その後、上のスキーム1について説明した条件下、上で定義したとおりの一般式(III)のカルボナートと縮合反応させて、一般式(IVb)のカルバメート誘導体(この式中、A、R、R、m、N、UおよびZは上で定義したとおりである。)を得る。次に、このようにして得た一般式(IVb)の化合物を、塩基、例えばトリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジンまたはN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下、溶媒、例えばトルエンまたはジクロロエタン中で、室温と溶媒の還流温度の間の温度で、上で定義したとおりの一般式HOCHR(IIIa)のアルコールの作用により、一般式(Ia)のカルバメート誘導体に転化させる。最終工程は、一般式(Ia)の中間体(この式中のA、R、R、R、R、m、nおよびUは、上で定義したとおりであり、Uは、基RまたはRを導入するために望ましい位置に存在する。)で、遷移金属、例えばパラジウム(0)で触媒されるカップリング反応を:
−例えばアルキル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールボロン酸を使用する、鈴木型反応により、または
−例えばアリールもしくはヘテロアリールトリアルキル第一スズ誘導体を使用する、スティル型反応に従って、または
−例えばハロゲン化アルキル、シクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール亜鉛酸塩誘導体を使用する、根岸型反応により、
行うことに存する。
【0055】
【化4】

【0056】
第三の方法(スキーム3)は、第一段階において、一般式(II)のアミンと一般式(III)のカルボナートの反応について上で説明した条件下で、一般式(IIb)のアミン(この式中のA、R、mおよびnは、上で定義した一般式(I)に定義したとおりであり、ならびにPGは、上で定義したとおりである。)と上で定義したとおりの一般式(III)のカルボナートとを反応させ、その後、例えばイソプロパノールまたはジオキサン中の塩化水素(5N)の溶液の存在下で、脱保護反応させ、一般式(Ia)の中間体(この式中のA、R、R、R、mおよびnは、一般式(I)に定義したとおりである。)を得ることに存する。
【0057】
一般式(Ib)の中間体を得るための1つの変型(スキーム3、経路A変型)は、式(II)の化合物が式(IV)の化合物と反応するとき(スキーム1、変型)の上で説明した条件下で、上で定義したとおりの一般式(IIa)のアミンと、クロロギ酸フェニルまたはクロロギ酸4−ニトロフェニルとを反応させて、一般式(IVc)のカルバメート誘導体(この式中のA、R、mおよびnは、上で定義した一般式(I)に定義したとおりであり、ならびにPGおよびzは、上で定義したとおりである。)を得ることに存する。次に、このようにして得た一般式(IVc)のカルバメート誘導体を、式(IV)の化合物が式(IIIa)の化合物と反応するとき(スキーム1、変型)の上で説明した条件下で、一般式HOCHR(IIIa)のアルコールの作用により、一般式(Ia)の化合物に転化させる。
【0058】
次に、芳香族またはヘテロ芳香族求核置換反応条件を用いて、例えば、溶媒、例えばジクロロメタン、ジクロロエタン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジオキサンまたはテトラヒドロフラン中で、0℃と溶媒の還流温度の間の温度で、塩基、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジンまたはN,N−ジメチルアミノピリジンにより、一般式(Ib)の化合物と一般式(Va)の誘導体(この式中のRおよびUは、一般式(I)に定義したとおりである。)とを反応させることよって一般式(I)の化合物を得る。ブッフバルトN−アリール化またはN−ヘテロアリール化条件を用いて、例えばパラジウムまたは銅触媒により、この転化を行うこともできる。
【0059】
スキーム3、経路Bに従って、式(Ia)の化合物を式(I)の化合物に転化させるために用いた反応条件(スキーム2参照)に従って、一般式(Ia)の化合物(この式中のA、R、R、R、R、m、n、oおよびpは、一般式(I)に定義したとおりであり、ならびにUは、塩素、臭素もしくはヨウ素原子またはトリフラート基を表し、Uは、基RまたはRを導入するために望ましい位置にある。)を用いて行われる、遷移金属、例えばパラジウム(0)で触媒される、カップリング反応(スキーム3、経路B)によって、一般式(I)の化合物(この式中Rは、タイプC1―6−アルキル、C3−7−シクロアルキルもしくはC3−7−シクロアルキル−C1−3−アルキレンの基Rでまたは上で定義した一般式(I)に定義したとおりの基Rでとりわけ置換されている、基Rを表す。)を調製することもできる。
【0060】
式(IIa)の化合物が式(V)の化合物と反応して式(IVa)の化合物をもたらすときのスキーム2に関して上で説明した条件下で、上で定義したとおりの一般式(Ib)のアミンと一般式(Vb)の誘導体(この式中のR、UおよびUは、上で定義したとおりである。)とを反応させることにより、上で定義したとおりの一般式(Ia)の中間体を、まず、得る。
【0061】
一般式(Ia)の中間体を得るための1つの変型(スキーム3、経路B変型)は、第一段階において、一般式(II)のアミンと一般式(III)のカルボナートの反応について上で説明した条件下で、一般式(IIb)のアミン(この式中のA、R、R、mおよびnは、上で定義した一般式(I)に定義したとおりであり、ならびにUは、上で定義したとおりである。)と、上で定義したとおりの一般式(III)のカルボナートとを反応させて、一般式(Ia)の中間体(この式中のA、R、R、R、R、mおよびnは、一般式(I)に定義したとおりであり、ならびにUは、上で定義したとおりである。)を得ることに存する。
【0062】
本発明のもう1つの主題は、下の式(Ib)の中間体に関する:
・ピロリジン−3−イルメチルカルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル塩酸塩
融点(℃):187−189、LC−MS:M+H=283
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.70(bs,1H);8.00(m,2H);6.80(m,1H);5.25(s,2H);3.60(m,1H);3.45(m,1H);3.30(m,1H);3.10(m,1H);2.90(m,2H);2.80(s,3H);2.50(m,1H);2.05(m,1H);1.70(m,1H)
・[2−(4−メチル−ピペリジン−4−イル)エチル]カルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
融点(℃):188−190、LC−MS:M+H=361
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.70(broad s,1H);8.50(broad s,1H);7.45(broad s,1H);6.80(s,1H);5.20(s,2H);3.00(m,6H);2.75(d,3H);1.60−1.40(m,6H);0.95(m,3H)
・[2−(4−イソブチル−ピペリジン−4−イル)エチル]カルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
LC−MS:M+H=367
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.70(broad s,1H);8.50(broad s,1H);7.40(m,1H);6.80(s,1H);5.20(s,2H);3.00(m,6H);2.75(d,3H);1.70(m,1H);1.50(m,6H);1.30(m,2H);0.90(d,6H)
・[2−(4−エチル−ピペリジン−4−イル)エチル]カルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル塩酸塩
融点(℃):222−224、LC−MS:M+H=339
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.70(broad s,2H);7.40(t,1H);6.80(s,1H);5.20(s,2H);2.95(m,6H);2.75(d,3H);1.55(q,2H);1.45(t,2H);1.35(m,4H);0.80(t,3H)。
【0063】
・ピペリジン−4−イル−カルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
LC−MS:M+H=283
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.80(bs,1H);8.70(m,1H);7.75(m,1H);6.80(s,1H);5.25(s,1H);3.65(m,1H);3.25(m,2H);3.00(m,2H);2.80(d,3H);1.95(m,2H);1.70(m,2H)。
【0064】
・ピペリジン−4−イルメチルカルバミン酸5−イソプロピル[1,2,4]オキサジアゾール−3−イルメチル
LC−MS:M+H=282
H NMR(DMSO)δ(ppm):7.25(bt,1H);4.90(s,2H);2.80(m,2H);2.70(m,2H);2.30(m,2H);1.40(m,2H);1.30(m,1H);1.10(d,6H);0.85(m,2H)。
【0065】
・[2−(3−ジメチルアミノアゼチジン−3−イル)エチル]カルバミン酸2,2,2−トリフルオロ−1−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)エチル塩酸塩
H NMR(DMSO)δ(ppm):12.50(broad s,1H);10.00(broad s,1H);9.20(broad s,1H);8.30(t,1H);7.60(s,1H);7.30(s,1H);6.80(m,1H);4.50(m,2H);4.10(m,2H);3.90(s,3H);3.40(m,2H);2.70(s,6H);2.15(m,2H)
・[2−(3−ジメチル−アミノアゼチジン−3−イル)エチル]カルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル塩酸塩
融点(℃):210−212°C
H NMR(DMSO)δ(ppm):12.50(broad s,1H);9.80(broad s,1H);9.20(broad s,1H);8.80(broad s,1H);7.80(broad s,1H);6.80(s,1H);5.20(s,2H);4.50(m,2H);4.10(m,2H);3.40(m,2H);2.80(s,3H);2.55(s,6H);2.10(t,2H)
・5−(4−フルオロピペリジン−4−イルメチルカルバモイルオキシメチル)イソオキサゾール−3−カルボン酸エチルトリフルオロ酢酸塩
・(3−ピペリジン−4−イル−プロピル)カルバミン酸1−メチル−1H−ピラゾール−3−イルメチル
LC−MS:M+H=281
H NMR(DMSO)δ(ppm):9.10(bs,1H);8.85(bs,1H);7.65(s,1H);7.15(bs,1H);6.20(s,1H);4.90(s,2H);3.80(s,3H);3.20(m,2H);3.00(m,2H);2.80(m,2H);1.80(m,2H);1.50−1.20(m,6H)。
【0066】
・アゼパン−4−イルカルバミン酸3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル。
【0067】
本発明のもう1つの主題は、下の式(II)の中間体に関する:
・[1−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)ピロリジン−3−イル]−メチルアミン
・4−(2−アミノエチル)−1−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)−ピペリジン−4−オール
H NMR(CDCl)δ(ppm):8.40(d,1H);6.60(d,1H);4.50(m,2H);3.50−3.20(m,2H);3.20(m,2H);2.90−2.60(broad s,2H);1.70(m,2H);1.50−1.30(m,4H)。
【0068】
・2−[5’−(3−フルオロフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチルアミン
・2−[1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)ピペリジン−4−イル]エチルアミン
LC−MS:M+H=299
H NMR(DMSO)δ(ppm):7.60(m,2H);7.50(d,2H);7.25(m,2H);7.00(d,2H);3.75(m,2H);2.85(m,2H);2.75(m,2H);1.70(m,2H)1.50(m,1H);1.35(m,2H);1.25(m,2H)
・2−(5’−イソブチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル)エチルアミン
LC−MS:M+H=262
H NMR(CDCl)δ(ppm):8.00(m,1H);7.30(m,1H);6.65(d,1H);4.25(m,2H);2.80(m,4H);2.35(d,2H);1.80(m,3H);1.60(m,1H);1.45(m,2H);1.30(m,4H);0.90(d,6H)
・2−{1−[6−(4−フルオロフェニル)ピリダジン−3−イル]ピペリジン−4−イル}エチルアミン
・2−[5’−(2,2−ジメチルプロピル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチルアミン
・2−[1−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]−エチルアミン
・2−{1−[6−(4−フルオロフェニル)ピラジン−2−イル]ピペリジン−4−イル}エチルアミン
・2−{1−[5−(4−フルオロフェニル)ピリミジン−2−イル]ピペリジン−4−イル}エチルアミン
・2−[1−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)アゼチジン−3−イル]−エチルアミン
LC−MS:M+H=247
H NMR(CDCl)δ(ppm):8.50(d,1H);6.80(d,1H);4.30(m,2H);3.90(m,2H);2.85(m,1H);2.75(m,2H);1.85(m,2H);1.30(bs,2H)。
【0069】
本発明のもう1つの主題は、下の式(IIa)の中間体に関する:
・4−(2−アミノエチル)−4−エチルピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル
・4−(2−アミノエチル)−4−イソブチルピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル
・3−(2−アミノエチル)−3−ジメチルアミノアゼチジン−1−カルボン酸t−ブチル。
【0070】
本発明のもう1つの主題は、下の式(IV)の中間体に関する。
・{2−[5’−(4−フルオロフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチル}カルバミン酸ニトロフェニル
・{2−[5’−(3−フルオロフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチル}カルバミン酸4−ニトロフェニル
・[2−(5’−ブロモ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル)エチル]カルバミン酸4−ニトロフェニル
・{2−[1−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)−ピペリジン−4−イル]エチル}カルバミン酸4−ニトロフェニル
・(2−{1−[6−(4−フルオロフェニル)ピラジン−2−イル]−ピペリジン−4−イル}エチル)カルバミン酸4−ニトロフェニル
・(2−{1−[5−(4−フルオロフェニル)ピリミジン−2−イル]−ピペリジン−4−イル}エチル)カルバミン酸4−ニトロフェニル
・[2−(5’−ブロモ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル)エチルカルバミン酸4−ニトロフェニル
一般式(II)、(IIa)、(III)、(IIIa)および(V)の他の化合物は、ならびに他の試薬も、市販されており、もしくは文献に記載されており、またはこの中に記載されているもしくは当業者に公知である方法に従って調製することができる。
【0071】
特には、一般式(III)のカルボナートは、前記文献に記載されている任意の方法に従って、例えば、一般式HOCHR(IIIa)のアルコール(この式中のRおよびRは、上で定義した一般式(I)に定義したとおりである。)とクロロギ酸フェニルまたはクロロギ酸4−ニトロフェニルとを、塩基、例えばトリエチルアミン、N−メチルモルホリンまたはジイソプロピルエチルアミンの存在下、溶媒、例えばジクロロメタンまたはテトラヒドロフラン中で、0℃と室温の間の温度で反応させることにより、調製することができる。
【0072】
次の実施例は、本発明の多数の化合物についての調製を例証するものである。これらの実施例は、限定的でものではなく、本発明の例証に役立つものに過ぎない。微量分析ならびにIR、NMRおよび/またはLC−MS(質量分析法に連結させた液体クロマトグラフィー)スペクトルにより、得られた化合物の構造および純度が裏付けられる。
【0073】
方法A:UPLC/TOF−勾配3分−HO/ACN/TFA T0:98%A−T1.6からT2.1分:100%B−T2.5からT3分:98%A経路A:HO+0.05TFA;経路B:ACN+0.035%TFA 流量:1.0mL/分−T°=40℃−注入2μL Acquity BEH C18(50×2.1mm;1.7μm)カラム;220nm。
【0074】
方法B:HPLC/ZQ−勾配10分−CHCOONH 5mM/ACN T0:100%A−T5.5からT7分:100%B−T7.1からT10分:100%A 経路A:CHCOONH+3%ACN;経路B:ACN 流量:0.8mL/分−T°=40℃−注入5μL Kromasil C18(50×2.1分;3.5μm)カラム;220nm。
【0075】
融点(℃)は、摂氏度での融点を表す。
【0076】
実施例表題中のカッコ内に与える番号は、本明細書中の下の表の第一列のものに対応する。
【0077】
IUPAC(International Union of Pure and Applied Chemistry:国際純正・応用化学連合)命名法を用いて、下の実施例における化合物を命名した。
【実施例1】
【0078】
(化合物9)
2−[5’−(4−フルオロフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチルカルバミン酸[1,2,3]チアジアゾール−4−イルメチル
1.1. 2−(5’−ブロモ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル)エタノール
11.00g(46.43mmol)の2,5−ジブロモピリジン、6.00g(46.43mmol)のピペリジン−4−イルエタノールおよび6.74g(48.76mmol)の炭酸カリウムを8mLのDMSO中オートクレーブの中に置く。その後、この混合物を160℃で20時間加熱する。
【0079】
この反応混合物を放置して室温に冷却し、その後、酢酸エチルおよび水に溶かす。水相を分離し酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機相を塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、この濾液を減圧下で濃縮する。
【0080】
このようにして11.00gの生成物を油の形態で得、これをさらに精製せずに次の工程で使用する。
【0081】
1.2. 2−[5’−(4−フルオロフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エタノール
不活性雰囲気下、工程1.1で調製した2−(5’−ブロモ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル)エタノール3.60g(12.62mmol)、3.53g(25.25mmol)の4−フルオロフェニルボロン酸、5.23g(37.87mmol)の炭酸カリウムおよび4.88g(15.15mmol)の臭化テトラブチルアンモニウムを、懸濁状態で20mLの水に導入する。その後、0.142g(0.63mmol)のPd(OAc)を添加する。この反応混合物を24時間還流させる。
【0082】
この混合物を放置して室温に冷却し、Celiteでの濾過によって塩を分離し、その後、濾液を酢酸エチルに溶かし、水相を分離し、酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機相を塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水させる。溶媒を蒸発させた後、得られた残留物を、酢酸エチルとシクロヘキサンの50/50混合物で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製する。
【0083】
このようにして1.6gの生成物を白色粉末の形態で得る。
【0084】
融点(℃)=118−120℃
1.3. 2−{2−[5’−(4−フルオロフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチル}イソインドール−1,3−ジオン
工程1.2.で調製した2−[5’−(4−フルオロフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エタノール2.00g(6.66mmol)、2.096g(7.99mmol)のトリフェニルホスフィンおよび約−2℃に冷却した、40mLのテトラヒドロフラン中の、1.077g(7.32mmol)のフタルイミドの溶液に、不活性雰囲気下で、反応系の温度を−2℃と0℃の間に維持しながら、4mLのテトラヒドロフラン中の1.61g(7.99mmol)のアゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD)の溶液を滴加する。0℃で1時間、その後、室温で12時間、攪拌を継続する。この混合物を減圧下で濃縮し、残留物をジクロロメタンおよび水に溶かす。水相を分離し、その後、ジクロロメタンで2回抽出する。有機相を合わせ、塩酸水溶液(1N)で、次に炭酸水素ナトリウム飽和水溶液および塩化ナトリウム飽和水溶液で、順次洗浄する。有機相を硫酸ナトリウムで脱水させ、この濾液を減圧下で濃縮する。このようにして得た残留物を、酢酸エチルとシクロヘキサンの20/80混合物で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製する。
【0085】
このようにして2.1gの予期した生成物を白色粉末の形態で得る。
【0086】
融点(℃)=180−182℃。
【0087】
1.4. 2−[5’−(4−フルオロフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチルアミン
工程1.3.で調製した2−{2−[5’−(4−フルオロフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチル}イソインドール−1,3−ジオンの1.3g(3.03mmol)の30mLのエタノール溶液に、室温で、0.485g(15.13mmol)のヒドラジン一水和物をゆっくりと添加する。その後、この反応混合物を3時間還流させる。
【0088】
この混合物を放置して室温に冷却し、不溶物質を濾過により分離し、濾液を減圧下で濃縮する。残留物を20mLのエーテルに溶かし、室温で1時間攪拌する。不溶物質を再び分離し、この濾液を減圧下で濃縮する。
【0089】
このようにして0.70gの予期した生成物を白色粉末の形態で得る。
【0090】
融点(℃)=88−94℃
H NMR(CDCl)δ(ppm):8.3(d,1H);7.55(dd,1H);7.35(m,2H);7.05(d,1H);7.1(d,IH);6.65(d,1H);4.25(broad d,2H);3.0−2.8(m,4H);1.8(m,2H);1.6−1.1(m,5H)。
【0091】
1.5. 2−[5’−(4−フルオロフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチルカルバミン酸4−ニトロフェニル
工程1.4.で調製した2−[5’−(4−フルオロフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチルアミン5g(16.7mmol)、4.32g(33.40mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンおよび50mLのジクロロメタン中の0.10g(0.84mmol)のN,N−ジメチルアミノピリジンを0℃に冷却した溶液に、3.7g(18.37mmol)のクロロギ酸4−ニトロフェニルを少しずつ添加する。0℃で1時間、その後、室温で2時間、攪拌を継続する。
【0092】
反応系に水を添加し、水相を分離し、ジクロロメタンで数回抽出し、合わせた有機相を塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水させ、濾液を減圧下で濃縮する。
【0093】
このようにして4.6gの生成物をベージュ色の無定形固体として得、これをさらに精製せずに次の工程で使用する。
【0094】
LC−MS:M+H=465
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.40(s,1H);8.30(d,2H);8.10(bt,1H);7.80(m,1H);7.70(m,2H);7.45(d,2H);7.25(m,2H);6.90(d,1H);4.35(m,2H);3.20(m,2H);2.80(m,2H);1.80(m,2H);1.65(m,1H);1.50(m,2H);1.20(m,2H)。
【0095】
1.6. 2−[5’−(4−フルオロフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチルカルバミン酸[1,2,3]チアジアゾール−4−イル]メチル
工程1.5.で調製した2−[5’−(4−フルオロフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチルカルバミン酸4−ニトロフェニル0.50g(0.50mmol)、0.128g(0.99mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミン、0.030g(0.25mmol)のN,N−ジメチルアミノピリジンおよび0.079g(0.5mmol)の[1,2,3]チアジアゾール−4−イルメタノール(Acta Pharmaceutica Suecica(1973),10(4),285−96)の5mLの1,2−ジクロロエタン溶液を、反応菅の中で12時間、80℃で加熱する。
【0096】
この混合物を放置して室温に冷却する。残留物をジクロロメタンおよび1N水酸化ナトリウム水溶液に溶かし、水相を分離し、ジクロロメタンで2回抽出し、合わせた有機相を、1N水酸化ナトリウム水溶液、その後、塩化ナトリウム飽和水溶液で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水させる。溶媒を蒸発させた後、得られた残留物を、ジクロロメタンとメタノールと28%アンモニア水の99/1/0.1混合物で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製する。
【0097】
このようにして0.23gの純粋な生成物を白色粉末の形態で得る。
【0098】
融点(℃):139−141℃;LC−MS:M+H=442
H NMR(DMSO)δ(ppm):9.15(s,1H);8.4(s,1H);7.8(d,1H);7.7(dd,2H);7.40(broad t,1H);7.25(t,2H);6.90(d,1H);5.5(s,2H);4.35(broad d,2H);3.1(m,2H);2.85(broad t,2H);1.75(broad d,2H);1.55(m,1H);1.4(m,2H);1.15(m,2H)。
【実施例2】
【0099】
(化合物5)
2−[5’−(4−フルオロフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチルカルバミン酸3−エチル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イルメチル
この方法は、実施例1(工程1.6.)において説明した手順に従って行う。実施例1(工程1.5.)において説明した2−[5’−(4−フルオロフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチルカルバミン酸4−ニトロフェニル0.23g(0.5mmol)、0.128g(0.99mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミン、0.030g(0.25mmol)のN,N−ジメチルアミノピリジン、および0.067g(0.50mmol)の3−エチル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イルメタノールで出発し、ジクロロメタンとメタノールと28%アンモニア水の99/1/0.1混合物で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーの後、0.138gの純粋な生成物を白色粉末の形態で得る。
【0100】
融点(℃):110−112℃、LC−MS:M+H=454
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.40(s,1H);7.8(d,1H);7.7(dd,2H);7.65(broad t,1H);7.30(t,2H);6.90(d,1H);5.30(s,2H);4.35(broad d,2H);3.1(m,2H);2.85(broad t,2H);2.75(q,2H);1.75(broad d,2H);1.60(m,1H);1.45(m,2H);1.25(t,3H);1.15(m,2H)。
【実施例3】
【0101】
(化合物26)
2−[5’−(4−フルオロフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチルカルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
この方法は、実施例1(工程1.6.)において説明した手順に従って行う。実施例1(工程1.5.)において説明した2−[5’−(4−フルオロフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチルカルバミン酸4−ニトロフェニル0.20g(0.43mmol)、0.122g(0.95mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミン、0.026g(0.22mmol)のN,N−ジメチルアミノピリジン、および0.074g(0.47mmol)の3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメタノールで出発し、ジクロロメタンとメタノールと28%アンモニア水の98/2/0.2混合物で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーの後、0.170gの純粋な生成物を白色粉末の形態で得る。
【0102】
融点(℃):191−193℃、LC−MS:M+H=482
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.7(broad s,1H);8.40(s,1H);7.85(d,1H);7.65(dd,2H);7.45(broad t,1H);7.30(t,2H);6.90(d,1H);6.8(s,1H);5.20(s,2H);4.35(broad d,2H);3.10(m,2H);2.80(m,5H);1.75(broad d,2H);1.60(m,1H);1.40(m,2H);1.15(m,2H)。
【実施例4】
【0103】
(化合物19)
2−[5’−(4−フルオロフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチルカルバミン酸3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
工程1.5.において調製した2−[5’−(4−フルオロフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチルカルバミン酸4−ニトロフェニル0.25g(0.54mmol)、0.139g(1.08mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミン、0.033g(0.27mmol)のN,N−ジメチルアミノピリジンおよび0.084g(0.59mmol)の3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメタノールの5mLの1,2−ジクロロエタン溶液を、封菅の中で12時間、90℃で加熱する。
【0104】
この混合物を放置して室温に冷却する。反応系中の形成された沈殿を焼結式漏斗により濾過し、その後、エーテルおよび水で入念にすすぐ。その後、この固形物を真空下、約80℃で一晩乾燥させる。
【0105】
このようにして0.202gの純粋な生成物を白色粉末の形態で得る。
【0106】
融点(℃):202−204℃、LC−MS:M+H=468
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.45(s,1H);8.15(broad s,1H);7.85(m,2H);7.70(dd,2H);7.45(broad t,1H);7.30(t,2H);6.90(d,1H);6.8(s,1H);5.20(s,2H);4.40(broad d,2H);3.10(m,2H);2.85(broad t,2H);1.80(broad d,2H);1.60(m,1H);1.40(m,2H);1.15(m,2H)。
【実施例5】
【0107】
(化合物21)
2−[5’−(4−フルオロフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチルカルバミン酸4−カルバモイルオキサゾール−2−イルメチル
5.1. 2−アセトキシメチルオキサゾール−4−カルボン酸メチル
1.2g(4.20mmol)の2−ブロモメチル−オキサゾール−4−カルボン酸メチル(US 2005/215 577)の42mLのアセトニトリル溶液に、室温で、0.435g(4.62mmol)の酢酸カリウムを添加し、その後、室温で12時間、攪拌を継続する。
【0108】
減圧下で濃縮した後、残留物をジクロロメタンと水に溶かす。水相を分離し、その後、ジクロロメタンで2回抽出する。有機相を合わせ、塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄する。有機相を硫酸ナトリウムで脱水させ、この濾液を減圧下で濃縮する。
【0109】
このようにして1.1gの予期した生成物を油の形態で得、これをさらに精製せずに次の工程で使用する。
【0110】
5.2. 4−カルバモイルオキサゾール−2−イルメタノール
工程5.1.において調製した2−アセトキシメチルオキサゾール−4−カルボン酸メチル0.60g(3.01mmol)が入っている丸底フラスコに、20mL(352mL)の28%アンモニア水を添加し、その後、この反応系を24時間、室温で攪拌する。
【0111】
減圧下で濃縮した後、得られた残留物を、ジクロロメタンとメタノールと28%アンモニア水の90/10/0.1混合物で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製する。
【0112】
このようにして0.230gの純粋な生成物を白色粉末の形態で得る。
【0113】
融点(℃):148−150℃
5.3. 2−[5’−(4−フルオロフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチルカルバミン酸4−カルバモイルオキサゾール−2−イルメチル
この方法は、実施例4において説明した手順に従って行う。実施例1(工程1.5.)において説明した2−[5’−(4−フルオロフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチルカルバミン酸4−ニトロフェニル0.25g(0.54mmol)、0.139g(1.08mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミン、0.033g(0.27mmol)のN,N−ジメチルアミノピリジン、および工程5.2.において調製した4−カルバモイルイソオキサゾール−2−イルメタノール0.084g(0.59mmol)で出発して、0.162gの純粋な生成物を白色粉末の形態で得る。
【0114】
融点(℃):206−208℃、LC−MS:M+H=468
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.60(s,1H);8.40(s,1H);7.80(dd,1H);7.65(m,3H);7.45(m,2H);7.25(t,2H);6.85(d,1H);5.10(s,2H);4.30(broad d,2H);3.10(m,2H);2.75(broad t,2H);1.75(broad d,2H);1.55(m,1H);1.35(m,2H);1.10(m,2H)。
【実施例6】
【0115】
(化合物1)
2−[1−(6−クロロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチルカルバミン酸3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
6.1. メタンスルホン酸2−[1−(6−クロロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチル
4.00g(13.76mmol)の2−[1−(6−クロロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エタノール(WO 2004/099 176)、3.55g(27.51mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンおよび0.84g(6.88mmol)のN,N−ジメチルアミノピリジンの30mLのジクロロメタンを約0℃に冷却した溶液に、不活性雰囲気下で、3mLのジクロロメタン中の2.36g(20.63mmol)の塩化メチルの溶液を滴加する。0℃で2時間、その後、室温で1時間、攪拌を継続する。
【0116】
この反応系に水を添加し、水相を分離し、ジクロロメタンで数回抽出し、合わせた有機相を塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水させ、この濾液を減圧下で濃縮する。
【0117】
このようにして5.1gの生成物を油の形態で得、これをさらに精製せずに次の工程で使用する。
【0118】
6.2. 2−[4−(2−アジドエチル)ピペリジン−1−イル]−6−クロロキノリン
工程6.1.において調製したメタンスルホン酸2−[1−(6−クロロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチル5g(13.55mmol)および1.76g(27.11mmol)のアジ化ナトリウムの30mLのN,N−ジメチルホルムアミド溶液を、不活性雰囲気下で4時間、還流させる。
【0119】
この混合物を放置して室温に冷却し、その後、減圧下で濃縮する。残留物をジクロロメタンおよび水に溶かし、水相を分離し、ジクロロメタンで2回抽出し、合わせた有機相を塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水させる。溶媒を蒸発させた後、3.8gの生成物を油の形態で得、これをさらに精製せずに次の工程で用いる。
【0120】
6.3. 2−[1−(6−クロロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチルアミン
工程6.2において得た2−[4−(2−アジドエチル)ピペリジン−1−イル]−6−クロロキノリン3.50g(11.08mmol)の100mLのTHF/水(1/1)溶液に、室温で、4.36g(16.62mmol)のトリフェニルホスフィンを少しずつ添加する。室温で10時間、攪拌を継続する。この混合物を減圧下で濃縮する。酢酸エチルを添加し、水相を分離し、酢酸エチルで3回抽出し、合わせた有機相を塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水させ、この濾液を減圧下で濃縮する。ジクロロメタンとメタノールと28%アンモニア水の90/10/1混合物で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーの後、1.77gの純粋な生成物を、室温で結晶化する油の形態で得る。
【0121】
融点(℃):68−70℃
H NMR(CDCl)δ(ppm):7.70(d,1H);7.50(m,2H);7.35(m,1H);6.95(d,1H);4.45(broad d,2H);2.90(broad td,2H);2.70(t,2H);1.70(m,2H);1.60−1.10(m,5H)。
【0122】
6.4. 2−[1−(6−クロロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチルカルバミン酸4−ニトロフェニル
この方法は、実施例1(工程1.5.)において説明した方法に従って行う。工程6.3.において調製した2−[1−(6−クロロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチルアミン5.00g(17.25mmol)、3.825g(18.98mmol)のクロロギ酸4−ニトロフェニル、4.46g(34.51mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンおよび0.105g(0.86mmol)のN,N−ジメチルアミノピリジンで出発し、ジイソプロピルエーテルとヘキサンの混合物からの研和後、7.8gの純粋な生成物を白色粉末の形態で得る。
【0123】
融点(℃):80−84℃
6.5. 2−[1−(6−クロロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチルカルバミン酸3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
この方法は、実施例4において説明した手順に従って行う。工程6.4.において得た2−[1−(6−クロロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチルカルバミン酸4−ニトロフェニル0.50g(1.10mmol)、0.284g(2.2mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミン、0.067g(0.55mmol)のN,N−ジメチルアミノピリジンおよび0.156g(1.1mmol)の3−カルバモイル−イソオキサゾール−5−イルメタノールで出発し、0.250gの純粋な生成物を白色粉末の形態で得る。
【0124】
融点(℃):220−222℃、LC−MS:M+H=468
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.15(broad s,1H);8.0(d,1H);7.85(broad s,1H);7.75(d,1H);7.50(q,2H);7.45(broad t,1H);7.30(d,1H);6.80(s,1H);5.20(s,2H);4.50(broad d,2H);3.10(m,2H);2.90(broad t,2H);1.80(broad d,2H);1.60(m,1H);1.40(m,2H);1.15(m,2H)。
【実施例7】
【0125】
(化合物20)
2−[1−(6−クロロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチルカルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
7.1. 5−{2−[1−(6−クロロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル−エチルカルバモイルオキシメチル}イソオキサゾール−3−カルボン酸エチル
この方法は、実施例1(工程1.7.)において説明した手順に従って行う。実施例6(工程6.4.)において説明した2−[1−(6−クロロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチルカルバミン酸4−ニトロフェニル0.5g(1.1mmol)、0.311g(2.2mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミン、0.067g(0.55mmol)のN,N−ジメチルアミノピリジンおよび0.188g(1.1mmol)の5−ヒドロキシメチルイソオキサゾール−3−カルボン酸エチルで出発し、ジクロロメタンとメタノールの98/2混合物で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーの後、0.4gの純粋な生成物を白色粉末の形態で得る。
【0126】
融点(℃):113−115℃
H NMR(CDCl)δ(ppm):7.70(d,1H);7.50(m,1H);7.45(m,1H);7.35(m,1H);6.90(d,1H);6.65(s,1H);5.20(s,2H);4.70(m,2H);4.50−4.30(m,5H);3.20(m,2H);2.90(broad t,2H);1.80(broad d,2H);1.60−1.20(m,6H)。
【0127】
7.2. 2−[1−(6−クロロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチルカルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
工程7.1.において調製した5−{2−[1−(6−クロロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イルエチルカルバモイルオキシメチル}イソオキサゾール−3−カルボン酸エチル0.17g(0.35mmol)のメタノールとジクロロメタンの5/1混合物5mL溶液に、室温で、テトラヒドロフラン中のメチルアミン(7M)の溶液1mL(6.98mmol)を添加する。
【0128】
この混合物を放置して室温に冷却し、その後、氷浴で冷却する。このようにして形成された沈殿を濾別し、その後、エーテルで入念にすすぐ。真空下、約70℃で乾燥させた後、0.12gの純粋な生成物を白色粉末の形態で得る。
【0129】
融点(℃):200−202℃、LC−MS:M+H=472
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.70(broad s,1H);8.0(d,1H);7.80(s,1H);7.55(q,2H);7.45(broad t,1H);7.30(d,1H);6.80(s,1H);5.20(s,2H);4.50(broad d,2H);3.10(m,2H);2.90(broad t,2H);2.80(d,3H);1.80(broad d,2H);1.60(m,1H);1.40(m,2H);1.15(m,2H)。
【実施例8】
【0130】
(化合物23)
2−[1−(6−フルオロキノリン−2−イル)−ピペリジン−4−イル]エチルカルバミン酸3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
8.1. 2−[1−(6−フルオロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチルカルバミン酸t−ブチル
2.18g(9.64mmol)の2−ブロモ−6−フルオロキノリン、2.00g(8.76mmol)の2−ピリジン−4−イルエチルカルバミン酸t−ブチル、2.08g(26.28mmol)のピリジンおよび15mLのアセトニトリルを封管に導入する。その後、この混合物を12時間、80℃で加熱する。
【0131】
この混合物を放置して室温に冷却し、その後、氷浴で冷却する。このようにして形成された沈殿を濾別し、その後、エーテルで入念にすすぐ。真空下、約50℃で乾燥させた後、2.00gの純粋な生成物を白色粉末の形態で得る。
【0132】
融点(℃):127−129℃
8.2. 2−[1−(6−フルオロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチルアミン塩酸塩
工程8.1.において得た2−[1−(6−フルオロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチルカルバミン酸t−ブチル1.9g(5.09mmol)の氷/水浴で冷却した、6mLのジクロロメタン溶液に、ジオキサン中の塩化水素の4N溶液10mL(40mmol)をゆっくりと添加する。室温で2時間、攪拌を継続する。
【0133】
減圧下で蒸発させた後、0.9gの生成物を塩酸塩の形態で得、これをさらに精製せずに下の工程8.4.において使用する。
【0134】
8.3. 3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル4−ニトロフェニルカルボナート
2.00g(14.07mmol)の3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメタノール、1.71mL(21.11mmol)のピリジンおよび0.172g(1.41mmol)のN,N−ジメチルアミノピリジンを15mLのジクロロメタン中で約0℃に冷却した溶液に、2.84g(14.07mmol)のクロロギ酸4−ニトロフェニルを少しずつ添加する。0℃で1時間、その後、室温で1時間、攪拌を継続する。
【0135】
このようにして形成された沈殿を濾別し、その後、ジイソプロピルエーテルで入念にすすぐ。真空下、約60℃で乾燥させた後、3.12gの生成物を白色固体の形態で得、これをさらに精製せずに次の工程で使用する。
【0136】
融点(℃):143−145℃
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.40(d,2H);8.25(broad s,1H);7.90(broad s,1H);7.65(d,2H);7.0(s,1H);5.50(s,2H)。
【0137】
8.4. 2−[1−(6−フルオロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチルカルバミン酸3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
この方法は、実施例1において工程1.6で説明した手順に従って行う。工程8.2.で得た2−[1−(6−フルオロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチルアミン塩酸塩0.30g(0.87mmol)、工程8.3.において得た3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル4−ニトロフェニルカルボナート0.266g(0.87mmol)、0.367g(2.6mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンおよび0.053g(0.43mmol)のN,N−ジメチルアミノピリジンで出発し、0.026gの純粋な生成物を白色粉末の形態で得る。
【0138】
融点(℃):200−202℃、LC−MS:M+H=442
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.15(broad s,1H);8.05(d,1H);7.80(broad s,1H);7.55(dd,1H);7.50(dd,1H);7.40(m,2H);7.30(d,1H);6.75(s,1H);5.20(s,2H);4.50(broad d,2H);3.10(m,2H);2.90(broad t,2H);1.75(broad d,2H);1.60(m,1H);1.40(m,2H);1.15(m,2H)。
【実施例9】
【0139】
(化合物25)
2−[1−(6−フルオロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチルカルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
9.1. 3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル4−ニトロフェニルカルボナート
この方法は、実施例8(段階8.3.)において説明した手順に従って行う。2g(12.81mmol)の3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメタノール、2.58g(12.81mmol)のクロロギ酸4−ニトロフェニル、1.52g(19.21mmol)のピリジンおよび0.157g(1.28mmol)のN,N−ジメチルアミノピリジンで出発して、2.6gの純粋な生成物を白色粉末の形態で得る。
【0140】
融点(℃):166−168℃
H NMR(CDCl)δ(ppm):8.40(d,2H);7.50(d,2H);7.0(s,1H);6.90(broad s,1H);5.50(s,2H);3.10(d,3H)。
【0141】
9.2. 2−[1−(6−フルオロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチルカルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
この方法は、実施例1(工程1.6.)において説明した手順に従って行う。工程8.2.において得た2−[1−(6−フルオロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチルアミン0.310g(1.13mmol)、工程9.1.において得た3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル4−ニトロフェニルカルボナート0.383g(1.19mmol)、および0.32g(2.27mmol)N,N−ジイソプロピルエチルアミンで出発し、0.33gの純粋な生成物を白色粉末の形態で得る。
【0142】
融点(℃):180−182℃、LC−MS:M+H=456
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.70(broad s,1H);8.0(d,1H);7.55(dd,1H);7.50(dd,1H);7.40(m,2H);7.30(d,1H);6.80(s,1H);5.20(s,2H);4.50(broad d,2H);3.10(m,2H);2.85(broad t,2H);2.75(d,3H);1.75(broad d,2H);1.60(m,1H);1.40(m,2H);1.15(m,2H)。
【実施例10】
【0143】
(化合物28)
2−[5’−(3−フルオロフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチルカルバミン酸3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
10.1. 2−(5’−ブロモ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル)エチルカルバミン酸t−ブチル
10.37g(43.80mmol)の2,5−ジブロモピリジン、10.00g(43.80mmol)の2−ピペリジン−4−イルエチルカルバミン酸t−ブチルおよび6.05g(43.80mmol)の炭酸カリウムをオートクレーブの中に置く。その後、この混合物を12時間、130℃で加熱する。
【0144】
この反応混合物を放置して室温に冷却し、その後、クロロホルムおよび炭酸水素ナトリウム飽和水溶液に溶かす。水相を分離し、クロロホルムで2回抽出し、合わせた有機相を塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水させ、この濾液を減圧下で濃縮する。
【0145】
ジクロロメタンとメタノールの95/5混合物で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーの後、6.9gの純粋な生成物を白色粉末の形態で得る。
【0146】
融点(℃):108−110℃
10.2. 2−(5’−ブロモ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル)エチルアミン
工程10.1.において得た2−(5’−ブロモ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル)エチルカルバミン酸t−ブチル6.90g(17.95mmol)の100mLのジクロロメタンを氷/水浴で冷却した溶液に、20.47g(179.54mmol)のトリフルオロ酢酸をゆっくりと添加する。室温で2時間、攪拌を継続する。この反応混合物を氷水と28%アンモニア水の混合物に注入する。沈降により相を分離し、水相をジクロロメタンで2回抽出し、合わせた有機相を塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水させ、減圧下で濃縮する。
【0147】
4.9gの生成物を油の形態で得、これをさらに精製せずに次の工程で使用する。
【0148】
10.3. 2−[5’−ブロモ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル)エチルカルバミン酸4−ニトロフェニル
この方法は、実施例1(工程1.5.)において説明した方法に従って行う。工程10.2.において調製した2−(5’−ブロモ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル)エチルアミン3.00g(10.56mmol)、2.34g(11.61mmol)のクロロギ酸4−ニトロフェニル、3.41g(26.39mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンおよび0.129g(1.06mmol)のN,N−ジメチルアミノピリジンで出発し、ジイソプロピルエーテル中での研和後、3.27gの生成物を無定形固体の形態で得る。
【0149】
10.4. 2−(5’−ブロモ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル)エチルカルバミン酸3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
この方法は、実施例4において説明した手順に従って行う。工程10.3.において得た2−[5’−ブロモ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル)エチルカルバミン酸4−ニトロフェニル1.00g(2.23mmol)、0.575g(4.45mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミン、0.136g(1.11mmol)のN,N−ジメチルアミノピリジンおよび0.381g(2.67mmol)の5−ヒドロキシメチルイソオキサゾール−3−カルボキサミドで出発し、エチルエーテルでの研和後、0.740gの純粋な生成物を白色粉末の形態で得る。
【0150】
融点(℃):164−166℃
10.5. 2−[5’−(3−フルオロフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチルカルバミン酸カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
工程10.4.において得た2−(5’−ブロモ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル)エチルカルバミン酸3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル0.735g(1.63mmol)、0.256g(1.83mmol)の3−フルオロフェニルボロン酸および1.493g(4.58mmol)の炭酸セシウムをテトラヒドロフランと水の9/1混合物8mLに懸濁させ、不活性雰囲気下に置く。その後、0.125g(0.15mmol)のPdCldppf・CHClを添加する。その後、この混合物を約80℃で18時間加熱する。この混合物を放置して室温に冷却し、Celiteでの濾過によって塩を分離し、その後、この濾液を酢酸エチルおよび水に溶かし、水相を分離し、酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機相を塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水させる。溶媒を蒸発させた後、得られた褐色ゴムをジイソプロピルエーテル中で研和する。得られた緑色固体を濾別し、真空下、約80℃で乾燥させる。
【0151】
0.651gの生成物を得る。
【0152】
融点(℃):172−176℃、LC−MS:M+H=468
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.50(s,1H);8.15(broad s,1H);7.90(dd,1H);7.80(broad s,1H);7.70−7.40(m,4H);7.15(m,1H);6.90(d,1H);6.80(s,1H);5.20(s,2H);4.35(broad d,2H);3.10(m,2H);2.85(broad t,2H);1.80(broad d,2H);1.60(m,1H);1.40(m,2H);1.15(m,2H)。
【実施例11】
【0153】
(化合物53)
2−[1−(6−クロロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチルカルバモイルオキシメチル}イソオキサゾール−3−カルボン酸
11.1 {2−[1−(6−クロロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチル}−カルバミン酸t−ブチル
2.00g(8.76mmol)の2−ピペリジン−4−イルエチル)カルバミン酸t−ブチル(市販)、1.73g(8.76mmol)の2,6−ジクロロキノリン(市販)および1.27g(36.79mmol)の炭酸カリウムを11mLのDMSO中で封管に導入する。その後、この混合物を130℃で12時間加熱する。この反応混合物を放置して室温に冷却し、その後、ジクロロメタンおよび水に溶かす。水相を分離し、ジクロロメタンで2回抽出し、合わせた有機相を塩化アンモニウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水させ、この濾液を減圧下で濃縮する。溶媒を蒸発させた後、得られた残留物を、ジクロロメタンとメタノールと28%アンモニア水の98/2/0.2混合物で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製する。3.40gの純粋な生成物を粉末の形態で得る。
【0154】
LC−MS:M+H=390
融点(℃):120−122℃
H NMR(CDCl)δ(ppm):7.80(d,1H);7.65(d,1H);7.60(s,1H);7.40(d,1H);7.00(d,1H);4.50(broad d,3H)3.25(m,2H);2.90(m,2H);1.90(d,2H);1.65(m,1H);1.45(m,HH);1.25(m,2H)。
【0155】
11.2. 2−[1−(6−クロロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチルアミン
工程11.1.において得た{2−[1−(6−クロロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチル}カルバミン酸t−ブチル10.95g(28.08mmol)の氷/水浴で冷却した、10mLのジオキサン溶液に、ジオキサン中の塩化水素の4N溶液28mL(112.00mmol)をゆっくりと添加する。室温で3時間、攪拌を継続する。焼結式漏斗により濾過した後、生成物を塩酸塩形態で得、その後、35%水酸化ナトリウムでの処理により塩基性化する。ジクロロメタンで抽出し、硫酸ナトリウムで脱水させ、蒸発乾固させた後、8.13gの白色粉末を得る。
【0156】
LC−MS:M+H=290
融点(℃):118−120℃
H NMR(CDCl)δ(ppm):7.80(d,1H);7.65(d,1H);7.60(s,1H);7.45(d,1H);7.00(d,1H);4.50(broad d,2H)3.00(m,2H);2.80(t,2H);1.85(d,2H);1.65(m,1H);1.50(m,2H);1.30−1.10(m,4H)。
【0157】
11.3. 5−{2−[1−(6−クロロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチルカルバモイルオキシメチル}イソオキサゾール−3−カルボン酸エチル
3.54g(20.70mmol)の5−ヒドロキシメチルイソオキサゾール−3−カルボン酸エチル(市販)、7.88mL(41.41mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンおよび1.26g(10.35mmol)のN,N−ジメチルアミノピリジンの0℃に冷却した、120mLのジクロロメタン溶液に、4.17g(20.70mmol)のクロロギ酸p−ニトロフェニルを少しずつ添加する。この混合物を10℃で2時間攪拌し、その後、蒸発乾固させる。得られた残留物を120mLの1,2−ジクロロエタンに溶かし、その後、工程11.2.において得た2−[1−(6−クロロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチルアミン6.00g(20.70mmol)および5mL(26.27mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンを添加する。この混合物を70℃で12時間加熱する。
【0158】
室温に冷却した後、不溶性物質を濾別し、この濾液に1N水酸化ナトリウム水溶液を添加する。その後、この生成物をジクロロメタンで抽出する。合わせた有機相を塩化アンモニウム飽和水溶液で、次に塩化ナトリウム飽和水溶液で、順次洗浄する。有機相を硫酸ナトリウムで脱水させた後、得られた溶液を減圧下で濃縮する。ジクロロメタンとメタノールと28%アンモニア水の98/2/0.2混合物で溶離するシリカゲルカラムでの精製の後、生成物をジイソプロピルエーテル中で研和して、5.10gの予期した生成物を白色粉末の形態で得る。
【0159】
融点(℃):113−115℃
H NMR(CDCl)δ(ppm):7.70(d,1H);7.50(m,1H);7.45(m,1H);7.35(m,1H);6.90(d,1H);6.65(s,1H);5.20(s,2H);4.70(m,2H);4.50−4.30(m,5H);3.20(m,2H);2.90(broad t,2H);1.80(broad d,2H);1.60−1.20(m,6H)。
【0160】
11.4. 5−{2−[1−(6−クロロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチルカルバモイルオキシメチル}イソオキサゾール−3−カルボン酸
工程11.3.において得た5−{2−[1−(6−クロロキノリン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチルカルバモイルオキシメチル}イソオキサゾール−3−カルボン酸エチル1.00g(2.05mmol)の51mLのエタノール溶液に、10.27mL(10.27mmol)の水酸化ナトリウム水溶液(1N)を添加する。この混合物を室温で2時間攪拌する。蒸発乾固させた後、残留物を最少量の水に溶かし、その後、0℃で1N塩酸水溶液を添加してpH4−5にする。沈降により相を分離した後、得られた油をアセトン中で研和して、0.45gの予期した生成物を白色固体の形態で得る。
【0161】
融点(℃):180−182℃、LC−MS:M+H=459
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.40(broad s,1H);8.00(broad s,2H);7.85(broad s,1H);7.75(d,1H);7.55(d,1H);6.85(s,1H);5.20(s,2H);4.50(broad d,2H);3.55(m,2H);3.10(m,2H);1.90(m,2H);1.70(m,1H);1.40(m,2H);1.25(m,2H)。
【実施例12】
【0162】
(化合物60)
{2−[3−ジメチルアミノ−1−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)アゼチジン−3−イル]エチル}カルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
12.1. 3−シアノメチル−3−ジメチルアミノアゼチジン−1−カルボン酸t−ブチル
12.0g(6.18mmol)の3−シアノメチレンアゼチジン−1−カルボン酸t−ブチル(WO 2009/064 835)を封管の中で15mLのメタノールに溶解する。メタノール中のジメチルアミンの溶液6.18mL(12.36mmol)を添加し、この反応系を80℃で3時間攪拌する。
【0163】
この混合物を放置して室温に冷却し、その後、蒸発乾固させる。得られた残留物を、ジクロロメタンとメタノールと28%アンモニア水の97/3/0.3混合物で溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付して、1.32gの予期した生成物を油の形態で得る。
【0164】
LC−MS:M+H=240
H NMR(DMSO)δ(ppm):3.75(m,4H);2.90(s,2H);2.15(s,6H);1.40(s,9H)。
【0165】
12.2. 3−(2−アミノエチル)−3−ジメチルアミノアゼチジン−1−カルボン酸t−ブチル
前の工程で得た3−シアノメチル−3−ジメチルアミノアゼチジン−1−カルボン酸t−ブチル1.30g(5.43mmol)の27mLのメタノール溶液に、1.59g(27.16mmol)のラネーニッケルを添加する。この反応系を6時間、水素雰囲気(70psi)下、50℃のParrボンベの中に置く。得られた混合物をブフナー漏斗により濾過し、その後、濾液を減圧下で濃縮する。このようにして1.28gの予期した生成物を無色の油の形態で得る。
【0166】
H NMR(CDCl)δ(ppm):3.90(d,2H);3.60(d,2H);2.90(m,2H);2.25(s,6H);2.10(m,2H);1.90(m,2H);1.40(s,9H)。
【0167】
12.3. 3−ジメチルアミノ−3−[2−(3−メチルカルバモイル−イソオキサゾール−5−イルメトキシカルボニルアミノ)エチル]アゼチジン−1−カルボン酸t−ブチル
工程12.2.において得た3−(2−アミノエチル)−3−ジメチルアミノアゼチジン−1−カルボン酸t−ブチル0.60g(2.47mmol)、工程9.2.において得た4−ニトロフェニルカルボン酸3−(メチルカルバモイル)−イソオキサゾール−5−イルメチル0.87g(2.71mmol)、860μL(4.93mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンおよび0.15g(1.23mmol)のN,N−ジメチルアミノピリジンを含有する12mLの1,2−ジクロロエタン溶液を、80℃で3時間加熱する。
【0168】
水をこの反応系に添加し、水相を分離し、ジクロロメタンで数回抽出し、合わせた有機相を水酸化ナトリウム水溶液(1N)で洗浄し、その後、塩化アンモニウム飽和水溶液で洗浄する。得られた溶液を硫酸ナトリウムで脱水させ、この濾液を減圧下で濃縮する。
【0169】
溶媒を蒸発させた後、得られた残留物を、ジクロロメタンとメタノールと28%アンモニア水の97/3/0.3混合物で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、ワックスの形態である0.64gの予期した生成物を得る。
【0170】
LC−MS:M+H=426
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.70(broad s,1H);7.40(broad s,1H);6.80(s,1H);5.20(s,2H);3.80(m,2H);3.60(m,2H);3.10(m,2H);2.80(s,3H);2.15(s,6H);1.80(m,2H);1.40(s,9H)。
【0171】
12.4. [2−(3−ジメチルアミノアゼチジン−3−イル)エチル]カルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル塩酸塩(2:1)
この方法は、実施例11(工程11.2.)において説明した手順に従って行う。工程12.3.において得た3−ジメチルアミノ−3−[2−(3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメトキシカルボニルアミノ)エチル]アゼチジン−1−カルボン酸t−ブチル0.58g(1.36mmol)、およびジオキサン中の塩化水素の4N溶液4mL(16mmol)で出発し、エーテルでの研和後、1.27gの予期した生成物を白色粉末の形態で得る。
【0172】
融点(℃):210−212℃
H NMR(DMSO)δ(ppm):12.50(broad s,1H);9.80(broad s,1H);9.20(broad s,1H);8.80(broad s,1H);7.80(broad s,1H);6.80(s,1H);5.20(s,2H);4.50(m,2H);4.10(m,2H);3.40(m,2H);2.80(s,3H);2.55(s,6H);2.10(t,2H)。
【0173】
12.5 {2−[3−ジメチルアミノ−1−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)アゼチジン−3−イル]エチルカルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
前の工程で調製した[2−(3−ジメチルアミノアゼチジン−3−イル)エチル]カルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル塩酸塩(2:1)0.40g(1.00mmol)、0.20g(1.10mmol)の2−クロロ−4−トリフルオロメチルピリミジンおよび700μL(4.02mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンを、マイクロ波反応装置(Biotage Initiator(商標)2.0モデル)において5mLのアセトニトリルに溶解する。この反応系を10分間、130℃でのマイクロ波照射に付す。この混合物を放置して室温に冷却し、その後、この反応系に水を添加する。水相を分離し、ジクロロメタンで数回抽出し、合わせた有機相を塩化アンモニウム飽和水溶液で洗浄する。得られた溶液を硫酸ナトリウムで脱水させ、この濾液を減圧下で濃縮する。
【0174】
得られた残留物を、ジクロロメタンとメタノールと28%アンモニア水の97/3/0.3混合物で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、ジイソプロピルエーテル中での研和および濾過後に、0.38gの予期した生成物を白色粉末の形態で得る。
【0175】
融点(℃):154−156℃、LC−MS:M+H=472
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.70(broad s,2H);7.45(t,1H);7.10(m,1H);6.80(s,1H);5.20(s,2H);4.10(d,2H);3.80(d,2H);3.10(m,2H);2.80(s,3H);2.20(s,6H);1.90(m,2H)。
【実施例13】
【0176】
(化合物63)
{2−[1−(4−クロロフタラジン−1−イル)−3−ジメチルアミノアゼチジン−3−イル]エチル}カルバミン酸2,2,2−トリフルオロ−1−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)エチル
13.1. 3−ジメチルアミノ−3−{2−[2,2,2−トリフルオロ−1−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)エトキシカルバモイルアミノ]エチル}アゼチジン−1−カルボン酸t−ブチル
工程12.2.において調製した3−(2−アミノエチル)−3−ジメチルアミノアゼチジン−1−カルボン酸t−ブチル0.60g(2.47mmol)、0.95g(7.40mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンおよび0.06g(0.49mmol)のN,N−ジメチルアミノピリジンを12mLの1,2−ジクロロエタン中で約0℃に冷却した溶液に、3mLの1,2−ジクロロエタンに溶解した0.497g(2.47mmol)のクロロギ酸4−ニトロフェニルを少しずつ添加する。室温で1時間、攪拌を継続する。その後、0.488g(2.71mmol)の2,2,2−トリフルオロ−1−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)エタノール(市販)および0.47g(3.70mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンを添加する。この混合物を80℃で12時間加熱する。
【0177】
室温に冷却後、この反応系に水を添加し、水相を分離し、ジクロロメタンで数回抽出し、合わせた有機相を水酸化ナトリウム水溶液(1N)で洗浄し、その後、塩化アンモニウム飽和水溶液で洗浄する。得られた溶液を硫酸ナトリウムで脱水させ、この濾液を減圧下で濃縮する。
【0178】
ジクロロメタンとメタノールと28%アンモニア水の97/3/0.3混合物で溶離するシリカゲルカラムでの精製後、0.71gの予期した生成物をワックスの形態で得る。
【0179】
LC−MS:M+H=450
H NMR(DMSO)δ(ppm):7.85(t,1H);7.25(s,1H);7.00(s,1H);6.45(m,1H);3.75(m,5H);3.50(m,2H);3.10(m,2H);2.15(s,6H);1.85(t,2H);1.40(s,9H)。
【0180】
13.2.[2−(3−ジメチルアミノアゼチジン−3−イル)エチル]カルバミン酸2,2,2−トリフルオロ−1−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)エチル塩酸塩(2:1)
この方法は、実施例11(工程11.2.)において説明した手順に従って行う。工程13.1.において得た3−ジメチルアミノ−3−{2−[2,2,2−トリフルオロ−1−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)エトキシカルバモイルアミノ]エチル}アゼチジン−1−カルボン酸t−ブチル0.71g(1.58mmol)、およびジオキサン中の塩化水素の4N溶液3.90mL(15.75mmol)で出発し、エーテルで研和した後、0.84gの予期した生成物を無定形固体の形態で得る。
【0181】
H NMR(DMSO)δ(ppm):12.50(broad s,1H);10.00(broad s,1H);9.20(broad s,1H);8.30(t,1H);7.60(s,1H);7.30(s,1H);6.80(m,1H);4.50(m,2H);4.10(m,2H);3.90(s,3H);3.40(m,2H);2.70(s,6H);2.15(m,2H)。
【0182】
13.3. {2−[1−(4−クロロフタラジン−1−イル)−3−ジメチルアミノアゼチジン−3−イル]−エチル}カルバミン酸2,2,2−トリフルオロ−1−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)エチル
この方法は、実施例12(工程12.5.)において説明した手順に従って行う。前の工程13.2.において得た[2−(3−ジメチルアミノアゼチジン−3−イル)エチル]カルバミン酸2,2,2−トリフルオロ−1−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)エチル塩酸塩(2:1)0.50g(1.09mmol)、0.26g(1.31mmol)の1,4−ジクロロフタラジン(市販)、および0.70g(5.45mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンを、5.45mLのアセトニトリル中で出発して、0.185gの予期した生成物を粉末の形態で得る。
【0183】
融点(℃):168−170℃、LC−MS:M+H=512、
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.20(m,2H);8.05(m,1H);7.90(m,1H);7.80(broad s,1H);7.20(m,1H);6.90(s,1H);6.40(m,1H);4.40(broad s,2H);4.20(broad s,2H);3.70(s,3H);3.20(m,2H);2.30(m,6H);1.95(m,2H)。
【実施例14】
【0184】
(化合物56)
5−[1−(6−クロロキノリン−2−イル)−4−フルオロピペリジン−4−イルメチルカルバモイルオキシメチル]イソオキサゾール−3−カルボン酸エチル
14.1. 5−(4−ニトロフェノキシカルボニルオキシメチル)イソオキサゾール−3−カルボン酸エチル
この方法は、実施例8(工程8.3.)において説明した手順に従って行う。3.00g(17.53mmol)の5−ヒドロキシエチルイソオキサゾール−3−カルボン酸エチル、3.71g(18.40mmol)のクロロギ酸4−ニトロフェニル、2.07g(26.29mmol)のピリジンおよび0.214g(1.75mmol)のN,N−ジメチルアミノピリジンで出発して、3.80gの予期した生成物を白色粉末の形態で得る。
【0185】
融点(℃):85−87℃、LC−MS:M+H=337
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.40(d,2H);7.60(d,2H);7.10(s,1H);5.55(s,2H);4.40(q,2H);1.40(t,3H)。
【0186】
14.2. 4−[(3−エトキシカルボニルイソオキサゾール−5−イルメトキシカルボニルアミノ)メチル]−4−フルオロピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル
この方法は、実施例1(工程1.6.)において説明した手順に従って行う。0.70g(3.01mmol)の4−アミノメチル−4−フルオロピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル(市販)および工程14.1.において得た5−(4−ニトロフェノキシカルボニルオキシメチル)イソオキサゾール−3−カルボン酸エチル1.11g(3.31mmol)で出発して、0.33gの純粋な生成物をオレンジ色の油の形態で得る。
【0187】
H NMR(DMSO)δ(ppm):7.75(broad t,1H);6.90(s,1H);5.25(s,2H);4.40(q,2H);3.80(m,2H);3.00(m,2H);3.25(m,2H);1.75−1.45(m,4H);1.40(s,9H);1.30(t,3H)。
【0188】
14.3. 5−(4−フルオロピペリジン−4−イルメチルカルバモイルオキシメチル)イソオキサゾール−3−カルボン酸エチルトリフルオロ酢酸塩
段階14.2.で得た4−[(3−エトキシカルボニルイソオキサゾール−5−イルメトキシカルボニルアミノ)メチル]−4−フルオロピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル0.90g(2.10mmol)の氷/水浴で冷却した、10mLのジクロロメタン溶液を1.06mL(12.57mmol)のトリフルオロ酢酸溶液にゆっくりと添加する。3時間、室温で攪拌を継続する。
【0189】
減圧下で蒸発させた後、0.46gの生成物をトリフルオロ酢酸塩の形態で得、これをさらに精製せずに下の工程14.4.において使用する。
【0190】
14.4. 5−[1−(6−クロロキノリン−2−イル)−4−フルオロピペリジン−4−イルメチルカルバモイルオキシメチル]イソオキサゾール−3−カルボン酸エチル
工程14.3.において得た5−(4−フルオロピペリジン−4−イルメチルカルバモイルオキシメチル)イソオキサゾール−3−カルボン酸エチルトリフルオロ酢酸塩0.465g(1.05mmol)、0.23g(1.15mmol)の2.6−ジクロロキノリンおよび730μL(4.20mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンを、5mLのアセトニトリル中で、封管に導入する。その後、この混合物を12時間、12℃で加熱する。この混合物を放置して室温に冷却し、その後、この反応系を酢酸エチルに溶かし、水相を分離し、酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機相を塩化アンモニウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水させる。溶媒を蒸発させた後、得られた残留物を、ジクロロメタンとメタノールの99/1混合物で溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、このようにして0.07gの純粋な生成物を白色粉末の形態で得る。
【0191】
融点(℃):132−134℃、LC−MS:M+H=491、
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.05(d,1H);7.90−7.70(m,2H);7.60−7.50(m,2H);7.35(d,1H);6.90(s,1H);5.25(m,2H);4.45−4.30(m,4H);3.40−3.20(m,4H);1.90−1.60(m,4H);1.35(t,3H)。
【実施例15】
【0192】
(化合物57)
[4−フルオロ−1−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]メチルカルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
15.1. 5−[4−フルオロ−1−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]メチルカルバモイルオキシメチル]イソオキサゾール−3−カルボン酸エチル
この方法は、実施例14(工程14.4.)において説明した手順に従って行う。工程14.3.において得た5−(4−フルオロピペリジン−4−イルメチルカルバモイルオキシメチル)イソオキサゾール−3−カルボン酸エチルトリフルオロ酢酸塩0.46g(1.05mmol)、0.21g(1.15mmol)の2−クロロ−4−トリフルオロメチルピリミジンおよび730μL(4.20mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンを、5mLのアセトニトリル中で出発して、0.22gの純粋な生成物をこのようにして白色粉末の形態で得る。
【0193】
融点(℃):136−138℃、LC−MS:M+H=476
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.70(d,1H);7.75(t,1H);7.00(d,1H);6.90(s,1H);5.25(s,2H);4.50−4.30(m,4H);3.40−3.15(m,4H);1.90−1.50(m,4H);1.30(t,3H)。
【0194】
15.2.[4−フルオロ−1−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]メチルカルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
工程15.1.において調製した5−[4−フルオロ−1−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イルメチルカルバモイルオキシメチル]イソオキサゾール−3−カルボン酸エチル0.14g(0.29mmol)のエタノール中のメチルアミン1.10mL(8.83mmol)溶液を、封管の中で、1時間30分の間、室温で攪拌する。得られた混合物を蒸発乾固させる。得られた残留物をエーテル中で研和し、濾過する。真空下、約60℃で乾燥させた後、0.12gの純粋な生成物を白色粉末の形態で得る。
【0195】
融点(℃):187−189℃、LC−MS:M+H=461
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.70(m,2H);7.75(m,1H);7.00(m,1H);6.80(s,1H);5.20(m,2H);4.45(m,2H);3.40−3.20(m,4H);2.80(m,3H);1.90−1.55(m,4H)。
【実施例16】
【0196】
(化合物43)
[2−(5’−イソブチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチルカルバミン酸3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
16.1.[2−(5’−ブロモ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル)エチル]カルバミン酸エチル
この方法は、実施例1(工程1.5.)において説明した方法に従って行う。工程10.2.において調製した2−(5’−ブロモ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル)エチルアミン4.52g(15.90mmol)、1.89g(17.49mmol)のクロロギ酸エチル、5.13g(39.76mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミン、および0.19g(1.59mmol)のN,N−ジメチルアミノピリジンで出発し、ジクロロメタンとメタノールと28%アンモニア水の99/1/0.1混合物で溶離するシリカゲルカラムでの精製後、3.87gの予期した生成物を粉末の形態で得る。
【0197】
融点(℃):87−89℃
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.00(m,1H);7.30(m,1H);6.40(d,1H);4.45(broad s,1H);4.15−3.90(m,4H);3.10(m,2H);2.60(m,2H);1.65(m,2H);1.55−1.25(m,3H);1.20−0.95(m,5H)。
【0198】
16.2.{2−[5’−(2−メチルプロペニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチル}カルバミン酸エチル
この方法は、実施例10(工程10.5.)において説明した方法に従って行う。前の工程において調製した[2−(5’−ブロモ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル)エチル]カルバミン酸エチル1.00g(2.81mmol)、0.61g(3.37mmol)の2−メチル−1−プロペニルボロン酸ピナコール(市販)、2.74g(8.42mmol)の炭酸セシウムをテトラヒドロフランと水の9/1混合物18mLに懸濁させ、および0.23g(0.28mmol)のPdCldppf・CHClで出発し、ジクロロメタンとメタノールと28%アンモニア水の99/1/0.1混合物で溶離するシリカゲルカラムでの精製後、0.75gの予期した生成物をワックスの形態で得る。
【0199】
H NMR(CDCl)δ(ppm):8.10(m,1H);7.40(m,1H);6.65(d,1H);6.10(m,1H);4.65(broad s,1H);4.40−4.10(m,4H);3.25(m,2H);2.85(m,2H);1.90−1.75(m,8H);1.70−1.40(m,4H);1.35−1.20(m,4H)。
【0200】
16.3. [2−(5’−イソブチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル)エチル]カルバミン酸エチル
前の工程で得られた{2−[5’−(2−メチルプロペニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチル}カルバミン酸エチル0.74g(2.23mmol)の30mLのメタノール溶液に、0.10g(0.94mmol)のチャコール担持パラジウムを添加する。この反応系を1時間30分の間、水素雰囲気(10psi)下、室温のParrボンベの中に置く。得られた混合物をブフナー漏斗により濾過し、その後、濾液を減圧下で濃縮する。このようにして0.74gの予期した生成物を粉末の形態で得る。
【0201】
融点(℃):78−80℃
H NMR(CDCl)δ(ppm):8.00(m,1H);7.30(m,1H);6.65(d,1H);4.65(broad s,1H);4.35−4.05(m,4H);3.30(m,2H);2.80(m,2H);2.35(d,2H);1.90−1.75(m,2H);1.70−1.45(m,2H);1.35−1.20(m,3H);0.90(d,6H)。
【0202】
16.4. 2−(5’−イソブチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル)エチルアミン
工程16.3.において得た[2−(5’−イソブチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル)エチル]カルバミン酸エチル0.64g(1.93mmol)の9.70mLのエタノール/水(1/1)溶液に、室温下で、2.17g(38.68mmol)の水酸化カリウムを添加する。その後、この混合物を110℃で12時間加熱する。2.17g(38.68mmol)の水酸化カリウムおよびこの混合物を4時間攪拌しておく。この混合物を放置して室温に冷却し、減圧下で濃縮する。この反応系をジクロロメタンに溶かし、水相を分離し、ジクロロメタンで2回抽出し、合わせた有機相を塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水させる。減圧下で蒸発させた後、0.37gの予期した生成物を黄色のワックスの形態で得る。
【0203】
LC−MS:M+H=262
H NMR(CDCl)δ(ppm):8.00(m,1H);7.30(m,1H);6.65(d,1H);4.25(m,2H);2.80(m,4H);2.35(d,2H);1.80(m,3H);1.60(m,1H);1.45(m,2H);1.30(m,4H);0.90(d,6H)。
【0204】
16.5. [2−(5’−イソブチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル]エチルカルバミン酸3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
この方法は、実施例1における工程1.6.で説明した手順に従って行う。工程16.4.において得た2−(5’−イソブチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル)エチルアミン0.37g(1.42mmol)、工程8.3.において得た3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル4−ニトロフェニルカルボナート0.52g(1.70mmol)、0.62mL g(3.54mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンおよび0.087g(0.71mmol)のN,N−ジメチルアミノピリジンを、14mLの1,2−ジクロロエタンで出発して、0.42gの純粋な生成物を白色粉末の形態で得る。
【0205】
融点(℃):168−170℃、LC−MS:M+H=430
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.10(m,1H);7.95−7.75(m,2H);7.50−7.25(m,2H);6.75(m,2H);5.20(m,2H);4.20(m,2H);3.10(m,2H);2.70(m,2H);2.30(d,2H);1.85−1.65(m,3H);1.60−1.30(m,3H);1.10(m,2H);0.85(m,6H)。
【実施例17】
【0206】
(化合物72)
{2−[4−メチル−1−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチル}カルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
17.1. 4−(2−アミノエチル)−4−メチルピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル
この方法は、実施例12(工程12.2.)において説明した手順に従って行う。1.40g(5.87mmol)の4−シアノメチル−4−メチルピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル(WO 2006/001 752)および1.72g(29.37mmol)のラネーニッケルを20mLのメタノール中で水素雰囲気(70psi)下、45℃で出発して、1.35gの予期した生成物をワックスの形態で得る。
【0207】
LC−MS:M+H=243
H NMR(CDCl)δ(ppm):3.60−3.40(m,2H);3.30−3.10(m,2H);2.75(m,2H);1.50(s,9H);1.40−1.25(m,6H);0.95(s,3H)。
【0208】
17.2. 4−メチル−4−[2−(3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメトキシカルボニルアミノ)エチル]ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル
この方法は、実施例12(工程12.3.)において説明した手順に従って行う。0.54g(2.22mmol)の4−(2−アミノエチル)−4−メチルピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルおよび工程9.2.において得た3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル4−ニトロフェニルカルボナート0.78g(2.45mmol)、580μL(3.34mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンおよび0.13g(1.11mmol)のN,N−ジメチルアミノピリジンを、22mLの1,2−ジクロロエタン中で出発して、0.94gの予期した生成物をワックスの形態で得る。
【0209】
LC−MS:M+H=425
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.70(broad s,1H);7.40(broad s,1H);6.75(s,1H);5.20(s,2H);3.40(m,2H);3.20(m,2H);3.05(m,2H);2.80(d,3H);1.40(m,11H);1.25(m,4H);0.95(s,3H)。
【0210】
17.3. [2−(4−メチルピペリジン−4−イル)エチル]カルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル塩酸塩
この方法は、実施例11(工程11.2.)において説明した手順に従って行う。工程17.2.において得た4−メチル−4−[2−(3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメトキシカルボニルアミノ)エチル]ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル0.97g(2.30mmol)、および塩化水素の4N溶液5.74mL(22.97mmol)をジオキサン中で出発し、エーテルで研和後、0.73gの予期した生成物を白色粉末の形態で得る。
【0211】
融点(℃):188−190℃、LC−MS:M+H=361
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.70(broad s,1H);8.50(broad s,1H);7.45(broad s,1H);6.80(s,1H);5.20(s,2H);3.00(m,6H);2.75(d,3H);1.60−1.40(m,6H);0.95(m,3H)。
【0212】
17.4. {2−[4−メチル−1−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチル}カルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
この方法は、実施例12(工程12.5.)において説明した手順に従って行う。[2−(4−メチルピペリジン−4−イル)エチル]カルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル塩酸塩0.30g(0.83mmol)、0.23g(1.25mmol)の2−クロロ−4−トリフルオロメチルピリミジンおよび430μL(2.49mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンを2.77mLのアセトニトリルに溶解し出発して、0.29gの予期した生成物を粉末の形態で得る。
【0213】
融点(℃):160−162℃、LC−MS:M+H=471
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.80−8.60(m,2H);7.45(m,1H);6.95(m,1H);6.80(s,1H);5.20(s,2H);3.95(m,2H);3.60(m,2H);3.10(m,2H);2.80(s,3H);1.50(m,2H);1.40(m,4H);1.00(s,3H)。
【実施例18】
【0214】
(化合物64)
{2−[1−(6−クロロキノキサリン−2−イル)−4−エチルピペリジン−4−イル]エチルカルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
18.1. 4−(シアノエトキシカルボニルメチル)−4−エチルピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル
4−(シアノ−エトキシカルボニルメチレン)ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル2.00g(6.79mmol)(WO 2006/001 752)の33mLのテトラヒドロフラン溶液に、−5℃、アルゴン下で、エーテル中の臭化エチルマグネシウムの3M溶液4.53mL(13.59mmol)を滴加する。その後、この反応系を室温で12時間攪拌する。酢酸エチルを添加し、この媒質を氷/水の浴で冷却し、その後、塩化アンモニウム飽和溶液を添加する。水相を分離し、酢酸エチルで3回抽出し、合わせた有機相を塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水させ、この濾液を減圧下で濃縮する。残留物を、シクロヘキサンと酢酸エチルの95/5混合物で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーに付して、1.63gの純粋な生成物を白色粉末の形態で得る。
【0215】
LC−MS:M+H=325
H NMR(CDCl)δ(ppm):4.25(s,1H);4.20(q,2H);3.50−3.15(t,4H);1.60(q,2H);2.50−1.55(t,2H);1.40(s,9H);1.20(t,3H);0.85(t,3H)。
【0216】
18.2. 4−シアノメチル−4−エチルピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル
前の工程で得た4−(シアノエトキシカルボニルメチル)−4−エチルピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル1.30g(4.01mmol)の14mLのジメチルスルホキシド溶液に、0.09g(1.60mmol)の塩化ナトリウムおよび0.14g(8.01mmol)の水を添加する。この反応系を150℃で1時間攪拌する。ジエチルエーテルおよび水を添加する。水相を分離し、ジエチルエーテルで3回抽出し、合わせた有機相を塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水させ、この濾液を減圧下で濃縮する。残留物を、シクロヘキサンと酢酸エチルの95/5混合物で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーに付して、0.96gの純粋な生成物をワックスの形態で得る。
【0217】
LC−MS:M+H=253
H NMR(CDCl)δ(ppm):3.30(t,4H);2.60(s,2H);1.45(q,2H);1.40(t,4H);1.35(s,9H);0.80(t,3H)。
【0218】
18.3. 4−(2−アミノエチル)−4−エチルピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル
この方法は、実施例12(工程12.2.)において説明した手順に従って行う。0.96g(3.83mmol)の4−シアノメチル−4−エチルピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルおよび1.12g(19.15mmol)のラネーニッケルを50mLメタノール中で水素雰囲気(70psi)下、50℃で出発し、ジクロロメタンとメタノールと28%アンモニア水の95/5/0.5混合物で溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィーの後、0.71gの予期した生成物をワックスの形態で得る。
【0219】
LC−MS:M+H=257
H NMR(CDCl)δ(ppm):3.30(m,4H);2.50(m,2H);1.35(t,2H);1.40(s,9H);1.30(q,2H);1.25(m,4H);0.80(t,3H)。
【0220】
18.4. 4−エチル−4−[2−(3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメトキシカルボニルアミノ)エチル]ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル
この方法は、実施例12(工程12.3.)において説明した手順に従って行う。0.71g(2.78mmol)の4−(2−アミノエチル)−4−エチルピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル、工程9.1.において得た3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル4−ニトロフェニルカルボナート0.98g(3.06mmol)、730μL(4.17mmol)N,N−ジイソプロピルエチルアミンおよび0.17g(1.39mmol)のN,N−ジメチルアミノピリジンを27mLの1,2−ジクロロエタン中で出発し、0.94gの予期した生成物を粉末の形態で得る。
【0221】
LC−MS:M+H=439
H NMR(CDCl)δ(ppm):8.70(d,1H);7.40(t,1H);6.75(s,1H);5.20(s,2H);3.30(q,2H);3.25(m,4H);2.80(d,3H);1.50−1.20(m,8H);l.10(s,9H);0.80(t,3H)。
【0222】
18.5.[2−(4−エチルピペリジン−4−イル)エチル]カルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イル塩酸塩
この方法は、実施例11(工程11.2.)において説明した手順に従って行う。工程18.4.において得た4−エチル−4−[2−(3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメトキシカルボニルアミノ)エチル]ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル0.94g(2.14mmol)、およびジオキサン中の塩化水素の4N溶液2.68mL(10.72mmol)で出発し、エーテル中で研和後、0.76gの予期した生成物を白色粉末の形態で得る。
【0223】
融点(℃):222−224℃、LC−MS:M+H=339
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.70(broad s,2H);7.40(t,1H);6.80(s,1H);5.20(s,2H);2.95(m,6H);2.75(d,3H);1.55(q,2H);1.45(t,2H);1.35(m,4H);0.80(t,3H)。
【0224】
18.6.{2−[1−(6−クロロキノキサリン−2−イル)−4−エチルピペリジン−4−イル]エチルカルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
この方法は、実施例12(工程12.5.)において説明した手順に従って行う。0.30g(0.89mmol)の[2−(4−エチルピペリジン−4−イル)エチル]カルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イル塩酸塩、0.26g(1.33mmol)の2,6−ジクロロキノキサリンおよび460μL(2.66mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンを、3mLのアセトニトリルに溶解させて出発し、0.29gの予期した生成物を黄色粉末の形態で得る。
【0225】
融点(℃):158−160℃、LC−MS:M+H=501
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.80(s,1H);8.70(m,1H);7.90(s,1H);7.60(s,2H);7.40(m,1H);6.80(s,1H);5.20(s,2H);3.90−3.60(m,4H);3.00(m,2H);2.80(m,3H);1.50−1.30(m,8H);0.80(t,3H)。
【実施例19】
【0226】
(化合物65)
{2−[1−(6−クロロキノキサリン−2−イル)−4−イソブチルピペリジン−4−イル]エチル}カルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
19.1. 4−(シアノエトキシカルボニルメチル)−4−イソブチルピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル
この方法は、実施例18(工程18.1.)において説明した手順に従って行う。5.00g(16.99mmol)の4−(シアノエトキシカルボニルメチレン)ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル(WO 2006/001 752)を56mLのテトラヒドロフランに、および臭化イソブチルマグネシウムの2M溶液16.99mL(33.97mmol)をエーテル中で出発して、1.46gの純粋な生成物をワックスの形態で得る。
【0227】
LC−MS:M+H=353
H NMR(CDCl)δ(ppm):4.25(q,2H);3.80(s,1H);3.45(m,2H);3.30(m,2H);1.75(m,5H);1.60(m,2H);1.40(s,9H);1.30(t,3H);0.90(d,6H)。
【0228】
19.2. 4−シアノメチル−4−イソブチルピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル
この方法は、実施例18(工程18.2.)において説明した手順に従って行う。前の工程で得た4−(シアノエトキシカルボニルメチル)−4−イソブチルピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル1.46g(4.16mmol)を14mLのジメチルスルホキシド中、0.097g(1.66mmol)の塩化ナトリウムおよび0.15g(8.31mmol)の水で出発して、1.10gの純粋な生成物をワックスの形態で得る。
【0229】
LC−MS:M+H=281
H NMR(CDCl)δ(ppm):3.50−3.30(m,4H);2.45(m,2H);2.40(s,2H);1.70(m,2H);1.60(m,3H);1.40(s,9H);0.90(d,6H)。
【0230】
19.3. 4−(2−アミノエチル)−4−イソブチルピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル
この方法は、実施例12(工程12.2.)において説明した手順に従って行う。1.10g(3.95mmol)の4−シアノメチル−4−イソブチルピペリジン−1−カルボン酸t−ブチルおよび1.16g(19.75mmol)のラネーニッケルを13mLのメタノール中で、水素雰囲気(70pis)下、45℃で出発し、ジクロロメタンとメタノールと28%アンモニア水の96/4/0.4混合物で溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィーの後、0.50gの予期した生成物を油の形態で得る。
【0231】
LC−MS:M+H=285
H NMR(CDCl)δ(ppm):3.50−3.30(m,4H);2.45(m,2H);1.70(m,1H);1.60(m,4H);1.40(s,9H);1.35(m,4H);1.25(m,2H);0.90(d,6H)。
【0232】
19.4. 4−イソブチル−4−[2−(3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメトキシカルボニルアミノ)エチル]ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル
この方法は、実施例12(工程12.3.)において説明した手順に従って行う。0.49g(1.73mmol)の4−(2−アミノエチル)−4−イソブチルピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル、工程9.2.において得た3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル4−ニトロフェニルカルボナート0.61g(1.91mmol)、450μL(2.60mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンおよび0.10g(0.87mmol)のN,N−ジメチルアミノピリジンを17mLの1,2−ジクロロエタン中で出発して、0.73gの予期した生成物をワックスの形態で得る。
【0233】
LC−MS:M+H=467
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.70(broad s,1H);7.40(m,1H);6.80(s,1H);5.20(s,2H);3.40−3.15(m,4H);3.00(m,2H);2.80(d,3H);1.70(m,1H);1.50(m,2H);1.40(s,9H);1.30(m,4H);1.20(m,2H);0.90(d,6H)。
【0234】
19.5.[2−(4−イソブチル−ピペリジン−4−イル)エチル]カルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
この方法は、実施例11(工程11.2.)において説明した手順に従って行う。工程19.4.において得た4−エチル−4−[2−(3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメトキシカルボニルアミノ)イソブチル]ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル0.71g(1.53mmol)、および塩化水素の4N溶液3.83mL(15.30mmol)をジオキサン中で出発し、エーテルでの研和後、0.60gの予期した生成物を油の形態で得る。
【0235】
LC−MS:M+H=367
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.70(broad s,1H);8.50(broad s,1H);7.40(m,1H);6.80(s,1H);5.20(s,2H);3.00(m,6H);2.75(d,3H);1.70(m,1H);1.50(m,6H);1.30(m,2H);0.90(d,6H)。
【0236】
19.6. {2−[1−(6−クロロキノキサリン−2−イル)−4−イソブチルピペリジン−4−イル]エチル}カルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
この方法は、実施例12(工程12.5.)において説明した手順に従って行う。前の工程で得た[2−(4−エチルピペリジン−4−イル)イソブチル]カルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル塩酸塩0.30g(0.74mmol)、0.22g(1.12mmol)の2,6−ジクロロキノキサリンおよび390μL(2.33mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンを、2.50mLのアセトニトリルに溶解させて出発し、0.29gの予期した生成物を黄色粉末の形態で得る。
【0237】
融点(℃):144−146℃、LC−MS:M+H=530
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.80(s,1H);8.70(m,1H);7.90(s,1H);7.60(s,2H);7.40(m,1H).6.80(s,1H);5.20(s,2H);3.90(m,2H);3.70(m,2H);3.10(m,2H);2.80(m,3H);l.80(m,1H);1.60−1.40(m,6H);1.30(m,2H);0.90(d,6H)。
【実施例20】
【0238】
(化合物62)
{2−[4−ヒドロキシ−1−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチル}カルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
20.1. 4−エトキシカルボニルメチル−4−ヒドロキシピリジン−1−カルボン酸ベンジル
140mLのジエチルエーテル中の5.00g(56.75mmol)の酢酸エチルの溶液に、−78℃、アルゴン下で、28.38mL(56.75mmol)のリチウムジイソプロピルアミド(2N)の溶液を添加する。30分攪拌した後、140mLのジエチルエーテルに溶解した12.57g(53.91mmol)の4−オキソピペリジン−1−カルボン酸ベンジルを、−78℃、アルゴン下で滴加する。その後、この反応系を室温で2時間攪拌する。酢酸エチルを添加し、この系を氷/水の浴で冷却し、その後、塩化アンモニウム飽和溶液を添加する。水相を分離し、酢酸エチルで3回抽出し、合わせた有機相を塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水させ、この濾液を減圧下で濃縮する。残留物を、シクロヘキサンと酢酸エチルの85/15混合物で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーに付して、油の形態の13.00gの純粋な生成物を得る。
【0239】
LC−MS:M+H=322
H NMR(DMSO)δ(ppm):7.50−7.30(m,5H);5.10(s,2H);4.70(s,1H);4.10(q,2H);3.70(m,2H);3.20(broad s,2H);2.40(s,2H);1.60(m,4H);1.20(t,3H)。
【0240】
20.2.(4−ヒドロキシピペリジン−4−イル)酢酸エチル臭化水素酸塩
前の工程において得た4−エトキシカルボニルメチル−4−ヒドロキシピリジン−1−カルボン酸ベンジル2.00g(6.22mmol)の氷/水浴で冷却した、31mLのジクロロメタン溶液に、酢酸中で臭化水素の5.7N溶液5.46mL(31.12mmol)をゆっくりと添加する。室温で2時間、攪拌を継続する。50mLのトルエンを添加し、得られた混合物を蒸発乾固させる。残留物をエーテル中で研和する。焼結式漏斗による濾過後、1.50gの予期した生成物を臭化水素酸塩の形態で得る。
【0241】
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.45(broad s,2H);4.10(q,2H);3.40(broad s,1H);3.10(m,4H);2.40(m,2H);1.80(m,4H);1.20(t,3H)。
【0242】
20.3.[4−ヒドロキシ−1−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]酢酸エチル
この方法は、実施例12(工程12.5.)において説明した手順に従って行う。前の工程で得た(4−ヒドロキシピペリジン−4−イル)酢酸エチル臭化水素酸塩1.21g(4.51mmol)、0.90gの(4.96mmol)の2−クロロ−4−トリフルオロメチルピリミジンおよび1.65mL(9.48mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンを10mLのアセトニトリルに溶解させて出発し、ジクロロメタンとメタノールと28%アンモニア水の99/1/0.1混合物で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製後、1.33gの予期した生成物をワックスの形態で得る。
【0243】
H NMR(CDCl)δ(ppm):8.40(d,1H);6.60(d,2H);4.45(m,2H);4.10(q,2H);3.65(broad s,1H);3.40−3.20(m,2H);2.40(s,2H);1.75(m,2H);1.60−1.30(m,2H);1.20(t,3H)。
【0244】
20.4.4−(2−ヒドロキシエチル)−1−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−オール
前の工程で得た[4−ヒドロキシ−1−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]酢酸エチル1.30gの39mLのテトラヒドロフラン溶液に、−10℃で、0.15gの水素化アルミニウムリチウムを少しずつ添加する。その後、この混合物を室温で1時間攪拌する。この反応系を約0℃に冷却し、その後、15mLの水酸化ナトリウム水溶液(1M)をゆっくりと添加する。得られた混合物を室温で30分間攪拌し、その後、湿った硫酸ナトリウムを少しずつ添加する。これらの塩をセライトによる濾過によって分離し、その後、沈降によって相を分離する。水相を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機相を硫酸ナトリウムで脱水させ、この濾液を減圧下で濃縮する。このようにして得た残留物を、ジクロロメタンとメタノールと28%アンモニア水の97/3/0.3混合物で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製する。0.64gの予期した生成物をワックスの形態で得る。
【0245】
H NMR(CDCl)δ(ppm):8.40(d,1H);6.60(d,1H);4.45(m,2H);4.00(q,2H);3.60−3.30(m,2H);3.20(broad s,1H);2.50(broad s,1H);1.80(m,4H);1.65−1.40(m,2H)。
【0246】
20.5. 4,5,6,7−テトラクロロ−2−{2−[4−ヒドロキシ−1−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチル}イソインドール−1,3−ジオン
この方法は、実施例1(工程1.3.)において説明した手順に従って行う。前の工程で得た4−(2−ヒドロキシエチル)−1−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−オール0.63g(2.16mmol)、0.62g(2.38mmol)のトリフェニルホスフィン、0.69g(2.38mmol)の4,5,6,7−テトラクロロソインドール−1,3−ジオン(4,5,6,7−tetrachlorosoindole−1,3−dione)および0.41g(2.38mmol)のアゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)の10mLのテトラヒドロフラン溶液で出発して、0.38gの予期した生成物を得る。
【0247】
H NMR(CDCl)δ(ppm):8.40(d,1H);6.70(d,1H);4.50(m,2H);3.90(m,2H);3.60−3.30(m,2H);1.90(m,2H);1.70−1.40(m,4H)。
【0248】
20.6. 4−(2−アミノエチル)−1−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−オール
この方法は、実施例1(工程1.4.)において説明した手順に従って行う。前の工程において得た4,5,6,7−テトラクロロ−2−{2−[4−ヒドロキシ−1−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチル}イソインドール−1,3−ジオン0.38g(0.68mmol)をアセトニトリル/テトラヒドロフラン/水混合物(2/1/1)に溶解し、および0.18g(3.06mmol)のエチレンジアミンを4.50mLのエタノール中で出発し、ジクロロメタンとメタノールと28%アンモニア水の90/10/1混合物で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーの後、0.15gの予期した生成物をワックスの形態で得る。
【0249】
H NMR(CDCl)δ(ppm):8.40(d,1H);6.60(d,1H);4.50(m,2H);3.50−3.20(m,2H);3.20(m,2H);2.90−2.60(broad s,2H);1.70(m,2H);1.50−1.30(m,4H)。
【0250】
20.7. {2−[4−ヒドロキシ−1−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−イル]エチル}カルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
この方法は、実施例12(工程12.3.)において説明した手順に従って行う。前の工程で得た4−(2−アミノエチル)−1−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)ピペリジン−4−オール0.13g(0.45mmol)、工程9.1.において得た3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル4−ニトロフェニルカルボナート0.187g(0.58mmol)、200μL(1.12mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンおよび0.027g(0.22mmol)のN,N−ジメチルアミノピリジンを2.20mLの1,2−ジクロロエタン中で出発して、0.165gの予期した生成物を粉末の形態で得る。
【0251】
融点(℃):138−140℃、LC−MS:M+H=473
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.70(m,2H);7.35(t,1H);6.95(m,1H);6.80(s,1H);5.20(m,2H);4.50(s,1H);4.30(m,2H);3.40(m,2H);3.20(m,2H);2.80(m,3H);1.90(m,4H);1.45(m,2H)。
【実施例21】
【0252】
(化合物29)
{2−[1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)ピペリジン−4−イル]エチル}カルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
21.1.{2−[1−(4−ブロモ−フェニル)ピペリジン−4−イル]エチル}カルバミン酸t−ブチル
6.19g(21.90mmol)の1−ブロモ−4−ヨードベンゼン、5.00g(21.90mmol)の(2−ピペリジン−4−イルエチル)カルバミン酸t−ブチル、9.98g(60.66mmol)の炭酸セシウムおよび0.54g(0.88mmol)のBINAP(2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル)を100mLのトルエンに懸濁させて、不活性雰囲気下に置く。その後、0.098g(0.44mmol)の二酢酸パラジウムを添加する。その後、この反応混合物を6時間還流させる。0.045g(0.20mmol)の二酢酸パラジウムおよび0.25g(0.40mmol)のBINAPを添加し、この混合物を12時間、還流下で攪拌しておく。この反応系を放置して冷却し、酢酸エチルおよび水を添加する。水相を分離し、酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機相を塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水させる。溶媒を蒸発させた後、得られた残留物を、ジクロロメタンとメタノールと28%アンモニア水の98/2/0.2混合物で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、1.66gの予期した生成物を白色固体の形態で得る。
【0253】
融点(℃):120−122℃、LC−MS:M+H=384
H NMR(DMSO)δ(ppm):7.30(d,2H);6.90(d,2H);6.70(broad s,1H);3.70(m,2H);2.95(m,2H);2.60(m,2H);1.70(m,2H);1.40(s,9H);1.35(m,3H);1.20(m,2H)。
【0254】
21.2.{2−[1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)ピペリジン−4−イル]エチル}カルバミン酸t−ブチル
この方法は、実施例10(工程10.5.)において説明した手順に従って行う。前の工程で得た{2−[1−(4−ブロモフェニル)ピペリジン−4−イル]エチル}カルバミン酸t−ブチル1.50g(3.91mmol)、0.66g(4.70mmol)の4−フルオロフェニルボロン酸、3.82g(11.74mmol)の炭酸セシウムをテトラヒドロと水の9/1混合物40mL中で、0.32g(0.39mmol)のPdCldppf・CHClとで出発し、ジクロロメタンとメタノールと28%アンモニア水の98/2/0.2混合物で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製の後、1.23gの予期した生成物を白色固体の形態で得る。
【0255】
融点(℃):173−175℃、LC−MS:M+H=399
H NMR(DMSO)δ(ppm):7.60(m,2H);7.50(d,2H);7.20(m,2H);6.95(d,2H);6.75(broad s,1H);3.70(m,2H);2.95(m,2H);2.70(m,2H);1.70(m,2H);1.40(s,9H);1.35(m,3H);1.20(m,2H)。
【0256】
21.3.2−[1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)ピペリジン−4−イル]エチルアミン
この方法は、実施例14(工程14.3.)において説明した手順に従って行う。前の工程で得た{2−[1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)ピペリジン−4−イル]エチル}カルバミン酸t−ブチル1.10g(2.76mmol)、および2.11mL(25.09mmol)のトリフルオロ酢酸を20mLのジクロロメタン中で出発し、35%水酸化ナトリウムでの処理による塩基性化、ジクロロメタンでの抽出、硫酸ナトリウムでの脱水、および蒸発乾固の後、0.74gの予期した生成物をオレンジ色の無定形固体の形態で得る。
【0257】
LC−MS:M+H=299
H NMR(DMSO)δ(ppm):7.60(m,2H);7.50(d,2H);7.25(m,2H);7.00(d,2H);3.75(m,2H);2.85(m,2H);2.75(m,2H);1.70(m,2H);1.50(m,1H);1.35(m,2H);1.25(m,2H)。
【0258】
21.4.{2−[1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)ピペリジン−4−イル]エチル}カルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
この方法は、実施例12(工程12.3.)において説明した手順に従って行う。前の工程で得た2−[1−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)ピペリジン−4−イル]エチルアミン0.27g(0.90mmol)、工程9.1.において得た3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル4−ニトロカルボナート0.29g(0.90mmol)、および320μL(1.81mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンを10mLの1,2−ジクロロエタン中で出発し、エーテル中で研和後、0.26gの予期した生成物を白色粉末の形態で得る。
【0259】
融点(℃):212−215℃、LC−MS:M+H=481
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.70(broad s,1H);7.60(m,2H);7.50(m,2H);7.45(broad s,1H);7.25(m,2H);7.00(m,2H);6.90(s,1H);5.20(s,2H);3.75(m,2H);3.10(m,2H);2.80(s,3H);2.70(m,2H);1.75(m,2H);1.45(m,3H);1.25(m,2H)。
【実施例22】
【0260】
(化合物79)
(±)−[1−(4−クロロフタラジン−1−イル)ピロリジン−3−イルメチル]カルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
22.1.(±)−3−[(3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメトキシカルボニルアミノ)メチル]ピロリジン−1−カルボン酸t−ブチル
この方法は、実施例1(工程1.6.)において説明した手順に従って行う。(±)−1−Boc−3−(アミノメチル)ピロリジン(市販)2.00g(9.99mmol)、工程9.2.において得た3−(メチルカルバモイル)イソオキサゾール−5−イルメチル4−ニトロカルボナート3.52g(10.98mmol)、2.61mL(14.98mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンおよび0.61g(4.99mmol)のジメチルアミノピリジンを100mLの1,2−ジクロロエタン中で出発し、ジクロロメタンとメタノールと28%アンモニア水の100/0/0から98/2/0.2混合物で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製の後、1.32gの予期した生成物をワックスの形態で得る。
【0261】
LC−MS:M+H=383
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.70(bs,1H);7.00(bs,1H);6.80(s,1H);5.25(s,2H);3.40(m,3H);3.00(m,3H);2.80(s,3H);2.20(m,1H);1.90(m,1H);1.60(m,1H);1.40(s,9H)。
【0262】
22.2.(±)−ピロリジン−3−イルメチルカルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル塩酸塩
この方法は、実施例11(工程11.2.)において説明した手順に従って行う。1.30g(3.40mmol)の3−[(3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イル]メトキシカルボニルアミノ)メチル]ピロリジン−1−カルボン酸t−ブチルと、ジオキサン中で4N溶液としての4.25mLの塩化水素とで出発し、ジエチルエーテル中で研和の後、0.82gの白色粉末を得る。
【0263】
融点(℃):187−189℃、LC−MS:M+H=283
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.70(bs,1H);8.00(m,2H);6.80(m,1H);5.25(s,2H);3.60(m,1H);3.45(m,1H);3.30(m,1H);3.10(m,1H);2.90(m,2H);2.80(s,3H);2.50(m,1H);2.05(m,1H);1.70(m,1H)。
【0264】
22.3.(±)−[1−(4−クロロフタラジン−1−イル)ピロリジン−3−イルメチル]カルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
この方法は、実施例12(工程12.5.)において説明した手順に従って行う。0.19g(0.60mmol)のピロリジン−3−イルメチルカルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル塩酸塩、0.17g(0.89mmol)の1,4−ジクロロフタラジンおよび0.21mL(0.15mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミン(15分、150℃)で出発し、ジクロロメタンとメタノールと28%アンモニア水の100/0/0から98/2/0.2混合物で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製の後、0.09gの予期した生成物を白色粉末の形態で得る。
【0265】
融点(℃):159−161℃、LC−MS:M+H=445
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.80(m,1H);8.40(m,1H);8.15(m,1H);8.05(m,2H);7.80(m,1H);6.80(s,1H);5.25(s,2H);3.65(m,1H);3.50(m,2H);3.30(m,1H);3.20(m,2H);2.80(m,4H);2.05(m,1H);1.70(m,1H)。
【実施例23】
【0266】
(化合物82)
{2−[1−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)アゼチジン−3−イル]エチル}カルバミン酸3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
23.1.{2−[1−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)アゼチジン−3−イル]エチル}カルバミン酸t−ブチル
この方法は、実施例14(工程14.4.)において説明した手順に従って行う。3.00g(12.57mmol)の(2−アゼチジン−3−イルエチル)カルバミン酸t−ブチル(市販)、3.00g(16.47mmol)の2−クロロ−4−トリフルオロメチルピリミジンおよび7.73mL(44.35mmol)で出発して、ジクロロメタンとメタノールと28%アンモニア水の100/0/0から98/2/0.2混合物で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製の後、4.00gの生成物をオレンジ色の粉末の形態で得る。
【0267】
融点(℃):95−97℃
23.2. 2−[1−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)アゼチジン−3−イル]エチルアミン
この方法は、実施例11(工程11.2.)において説明した手順に従って行う。3.67g(10.60mmol)の{2−[1−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)アゼチジン−3−イル]エチル}カルバミン酸t−ブチルと、ジオキサン中の塩化水素の4N溶液10.60mL(42.38mmol)とで出発して、ジクロロメタンとメタノールと28%アンモニア水の100/0/0から90/10/1混合物で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製の後、1.75gの生成物を黄色油の形態で得る。
【0268】
LC−MS:M+H=247
H NMR(CDCl)δ(ppm):8.50(d,1H);6.80(d,1H);4.30(m,2H);3.90(m,2H);2.85(m,1H);2.75(m,2H);1.85(m,2H);1.30(bs,2H)。
【0269】
23.3.{2−[1−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)アゼチジン−3−イル]エチル}カルバミン酸3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
この方法は、実施例1(工程1.6.)において説明した手順に従って行う。0.30g(1.22mmol)の2−[1−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イル)アゼチジン−3−イル]エチルアミン、実施例8(工程8.3.)において説明した3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル4−ニトロフェニルカルボナート0.45g(1.46mmol)、0.53mL(3.05mmol)のジイソプロピルエチルアミン、および0.07g(0.61mmol)のジメチルアミノピリジンで出発して、ジクロロメタンとメタノールと28%アンモニア水の100/0/0から98/2/0.2混合物で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製の後、0.41gの生成物を白色粉末の形態で得る。
【0270】
融点(℃):163−165℃、LC−MS:M+H=415
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.65(d,1H);8.15(bs,1H);7.85(bs,1H);7.50(bt,1H);7.05(d,1H);6.80(s,1H);5.20(s,2H);4.20(s,2H);3.70(m,2H);3.10(m,2H);2.75(m,1H);1.80(m,2H)。
【実施例24】
【0271】
(化合物84)
(−)−[1−(4−クロロピリミジン−2−イル)ピロリジン−3−イルメチル]カルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
0.32gの(±)−[1−(4−クロロピリミジン−2−イル)ピロリジン−3−イルメチル]カルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチルを、比率25/75でのプロパノール/n−ヘプタン混合物で溶離するキラルHPLC分取クロマトグラフィー(Chiralpak AD 20μm 50×220mm)によって分離して、塩基形態で得られる0.070gの生成物を得る。
【0272】
:45分
融点(℃):114.4−118.3℃、LC−MS:M+H=429
[α]20℃−9.88(c=0.333、DMSO、589nm)
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.70(bs,1H);8.60(bs,1H);8.05(m,1H);7.00(m,1H);6.80(s,1H);5.25(s,2H);3.45(m,2H);3.30(m,3H);3.10(m,1H);2.80(m,3H);2.50(m,1H);2.00(m,1H);1.70(m,1H)。
【実施例25】
【0273】
(化合物85)
(+)−[1−(4−クロロピリミジン−2−イル)ピロリジン−3−イルメチル]カルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチル
0.32gの(±)−[1−(4−クロロピリミジン−2−イル)ピロリジン−3−イルメチル]カルバミン酸3−メチルカルバモイルイソオキサゾール−5−イルメチルを、比率25/75でのプロパノール/n−ヘプタン混合物で溶離するキラルHPLC分取クロマトグラフィー(Chiralpak AD 20μm 50×220mm)によって分離して、塩基形態で得られる0.090gの生成物を得る。
【0274】
:52分
融点(℃):114.4−118.3℃、LC−MS:M+H=429
[α]20℃+9.55(c=0.222、DMSO、589nm)
H NMR(DMSO)δ(ppm):8.70(bs,1H);8.60(bs,1H);8.05(m,1H);7.00(m,1H);6.80(s,1H)5.25(s,2H);3.45(m,2H);3.30(m,3H);3.10(m,1H);2.80(m,3H);2.50(m,1H);2.00(m,1H);1.70(m,1H)。
【0275】
下の表1は、本発明に記載の多数の化合物の化学構造および物理的特性を例証するものである。
【0276】
この表において:
−すべての化合物は、塩基形態である;
−「m.p.(℃)」列は、生成物の融点を摂氏度(℃)で与えるものである;
−用語「Rot.」は、この化合物の左旋性または右旋性を示す;
−点線「−−−−」は、この分子の残部にこの置換基を連結している結合を表す。
【0277】
【表1】









【0278】
下の表2は、表1の化合物のH NMR分析およびLC−MS分析の結果を与えるものである。この表において、RT列は、保持時間を示す。
【0279】
【表2】








【0280】
本発明の化合物を、酵素FAAH(脂肪酸アミドヒドロラーゼ)に対するこれらの阻害作用を判定するために、薬理試験に付した。
【0281】
プロトコル1:FAAHでのアナンダミド[エタノールアミン 1−H]の加水分解の産物の測定に基づく放射酵素検定(Life Sciences(1995),56,1999−2005およびJournal of Biochemical and Biophysical Methods(2004),60(2),171−177)において阻害活性を立証した。例えば、マウスの脳(小脳なし)を除去し、−80℃で保管する。Precellys(登録商標)マシンを使用して反応バッファー(10mM Tris−HCl、pH=8、150mM NaClおよび1mM エチレンジアミン四酢酸(EDTA))中で組織を均質化することにより、即座に膜ホモジネートを調製する。96ウエルMultiscreenフィルトレーションプレートにおいて70μLの最終量で酵素反応を行う。脂肪酸不含ウシ血清アルブミン(BSA、1mg/mL)を補足した反応バッファーを、酵素反応、化合物の希釈、およびアナンダミド[エタノールアミン 1−H]の希釈に使用する。BSAを含有する反応バッファー(43μL/ウエル)、異なる濃度の希釈試験化合物(1%DMSOを含有する7μL/ウエル)、および膜調製品(10μL/ウエル、即ち、試験1回につき200μgの組織)をウエルに順次添加する。25℃での化合物と酵素の20分間のプレインキュベーションの後、アナンダミド[エタノールアミン 1−H]の添加により反応を開始させる。(15から20Ci/mmolの比活性)を冷アナンダミドで希釈する(10μL/ウエル、10μMの最終濃度、試験1回につき0.01μCi)。25℃で20分間のインキュベーションの後、1.5M NaClバッファーおよび0.5M HCl中で調製した活性炭の5M溶液(50μL/ウエル)を添加することにより、酵素反応を停止させる。この混合物を10分間攪拌し、その後、エタノールアミン[1−H]を含有する水相を真空下での濾過によって回収し、液体シンチレーションによってカウントする。
【0282】
プロトコル2:FAAHでのアラキドノイル7−アミノ−4−メチルクマリンアミド(AAMC)の加水分解の蛍光産物の測定に基づく酵素的検定(Analytical Biochemistry(2005),343:143−151,J.of Biomolecular Screening(2006),11(5):519−527およびJ.of Neurosciences Methods(2007),161:47−54)で、蛍光技術により、阻害活性を立証した。例えば、マウスの脳(小脳なし)を取り出し、−80℃で保管する。Precellys(登録商標)マシンを使用して反応バッファー(10mM Tris−HCl、pH=8、150mM NaClおよび1mM エチレンジアミン四酢酸(EDTA))中で組織を均質化することにより、即座に膜ホモジネートを調製する。黒色ポリスチレン384ウエルプレートにおいて50μLの最終量で酵素反応を行う。脂肪酸不含ウシ血清アルブミン(BSA、1mg/mL)を補足した反応バッファーを、酵素反応、化合物の希釈、およびAAMCの希釈に使用する。BSAを含有する反応バッファー(25μL/ウエル)、異なる濃度の希釈試験化合物(1%DMSOを含有する5μL/ウエル)、および膜調製品(10μL/ウエル、即ち、試験1回につき200μgの組織)をウエルに順次添加する。25℃での化合物と酵素の20分間のプレインキュベーションの後、1ウエルに10μLの基質(AAMC、10μMの最終濃度)を添加することにより反応を開始させる。40分間のインキュベーションの後、生成されたアミノメチルクマリン(AMC)を蛍光カウンティング(Envisionプレートリーダー)によって測定する。
【0283】
これらの条件下で、最も活性が高い本発明の化合物は、0.001μMと1μMの間のIC50値(FAAHの対照酵素活性の50%を阻害する濃度)を有する。一定の化合物は、50nM未満、および特には15nM未満のIC50値を有する。表3は、本発明の化合物で得られたIC50値の例を与えるものである。
【0284】
【表3】

【0285】
このように、本発明に記載の化合物が、酵素FAAHに対する阻害活性を有することは明白である。
【0286】
本発明の化合物のインビボ活性を痛覚欠如の試験で評価した。
【0287】
例えば、体重25から30gのオスOF1マウスへのPBQ(フェニルベンゾキノン;5%エタノールを含有する0.9%塩化ナトリウム溶液中2mg/kg)の腹腔内(i.p.)投与は、注射後5から15分の期間内に腹部伸展、平均で30回の捻転または収縮を生じさせる。Tween 80に0.5%で懸濁させた試験化合物を、PBQの投与の60分または120分前に、経口(p.o.)または腹腔内(i.p.)投与する。これらの条件下、最も強力である本発明の化合物は、1mg/kgと30mg/kgの間の用量範囲にわたって、PBQで誘導された伸展数を30%から80%減少させる。
【0288】
例えば、表の化合物1および19は、120分の時点で、30mg/kg p.o.の用量で、PBQで誘導された伸展数を、それぞれ、55%および30%減少させる。
【0289】
酵素FAAH(Chemistry and Physics of Lipids,(2000),108,107−121)は、様々な脂肪酸のアミドおよびエステルの内因性誘導体、例えばN−アラキドノイルエタノールアミン(アナンダミド)、N−パルミトイルエタノールアミン、N−オレイルエタノールアミン、オレアミドまたは2−アラキドノイルグリセロールの加水分解を触媒する。これらの誘導体は、とりわけカンナビノイドおよびバニロイド受容体との、相互作用によって異なる薬理活性を発揮する。
【0290】
本発明の化合物は、この分解経路を遮断し、これらの内因性物質の組織含有量を増加させる。この関係で、これらを、内因性カンナビノイド、および/または酵素FAAHによって代謝される任意の他の基質が関与する病態の予防および治療に使用することができる。例えば、次の疾患および合併症を挙げることができる:疼痛、特に、神経原性タイプの急性または慢性疼痛:偏頭痛、神経障害性疼痛(疱疹ウイルスおよび糖尿病および化学療法に随伴する形態を含む。)、炎症性疾患に随伴する急性または慢性疼痛:関節炎、関節リウマチ、変形性関節症、脊椎炎、痛風、血管炎(vascularitis)、クローン病、過敏性腸症候群、急性または慢性末梢性疼痛、めまい、嘔吐、悪心、特に、化学療法後の悪心、摂食障害、特に、様々な性質の無食欲症および悪液質、神経および精神病態:震戦、ジスキネジー、ジストニア、痙縮、強制的および強迫行動、ツーレット症候群、任意の性質または起源のうつ病および不安のすべての形態、気分障害、精神病、急性および慢性神経変性疾患:パーキンソン病、アルツハイマー病、老年認知症、ハンチントン舞踏病、脳虚血ならびに頭部および骨髄外傷に随伴する病変、癲癇、睡眠障害(睡眠時無呼吸症を含む。)、心血管疾患、特に、高血圧、心不整脈、動脈硬化症、心臓発作、心虚血、腎虚血、癌:良性皮膚腫瘍、乳頭腫および脳腫瘍、前立腺腫瘍、脳腫瘍(膠芽腫、髄上皮腫、髄芽腫、神経芽腫、胚起源の腫瘍、星状細胞種、星芽腫、上衣腫(ependyomas)、乏突起膠芽腫、叢腫瘍、神経上皮腫、松果体腫瘍、上衣芽種、悪性髄膜腫、肉腫症、悪性黒色腫、シュワン細胞種(schwennomas)、免疫系障害、とりわけ自己免疫疾患:乾癬、エリテマトーデス、結合組織疾患、シェーグレン症候群(Sjogrer’s syndrome)、強直性脊椎炎、未分化脊椎炎、ベーチェット病、自己免疫性溶血性貧血、多発性硬化症、筋委縮性側索硬化症、穀粉症、移植片拒絶反応、プラズマ細胞系統を罹患させる疾患、アレルギー性疾患:即時型または遅延型過敏症、アレルギー性鼻炎またはアレルギー性結膜炎、接触皮膚炎、寄生虫、ウイルスまたは細菌感染症:AIDS、髄膜炎、炎症性疾患、とりわけ関節疾患:関節炎、関節リウマチ、変形性関節炎、脊椎炎、痛風、血管炎(vascularitis)、クローン病、過敏性腸症候群、骨粗しょう症、眼の愁訴:高眼圧、緑内障、肺の愁訴:呼吸路疾患、気管支痙攣、咳、喘息、慢性気管支炎、慢性呼吸路閉塞、気腫、胃腸疾患:過敏性腸症候群、腸炎症性疾患、潰瘍、下痢、尿失禁および膀胱の炎症。
【0291】
上に挙げた病態を治療するための医薬品の調製のための、塩基、または医薬的に許容される酸付加塩、水和物もしくは溶媒和物の形態での、本発明の化合物の使用は、本発明の不可欠部分を構成する。
【0292】
本発明の主題は、式(I)の化合物、または式(I)の化合物の酸付加塩、または代替的に、医薬的に許容される水和物もしくは溶媒和物を含む、医薬品でもある。これらの医薬品は、とりわけ上に挙げた病態の治療の際に、治療利用される。
【0293】
この態様のもう1つのものによると、本発明は、本発明に記載の少なくとも1つの化合物を活性成分として含有する医薬組成物に関する。これらの医薬化合物は、本発明に記載の化合物、または前記化合物の医薬的に許容される酸付加塩、水和物または溶媒和物、および任意により1つ以上の医薬的に許容される賦形剤を含有する。
【0294】
前記賦形剤は、当業者に公知の通常の賦形剤から、この医薬形態および所望の投与形態に従って、選択される。
【0295】
経口、舌下、皮下、筋肉内、静脈内、局所、局部、くも膜下、鼻腔内、経皮、肺、眼または直腸内投与のための本発明の医薬組成物の場合、上の式(I)の活性成分、またはこの可能な酸付加塩、溶媒和物もしくは水和物を、標準的な製薬用賦形剤との混合物として、単位投与形態で、上の障害または疾患の予防または治療のために人間または動物に投与することができる。
【0296】
適切な単位投与形態は、経口形態、例えば錠剤、ソフトまたはハード・ゼラチン・カプセル、粉末、顆粒、チューインガムおよび経口溶液または懸濁液、舌下、口腔内、気管内、眼内および鼻腔内投与形態、吸入による投与のための形態、皮下、筋肉内または静脈内投与形態ならびに直腸内または膣投与形態を含む。局所投与については、本発明に記載の化合物をクリーム、軟膏またはローションで使用することができる。
【0297】
例として、錠剤の形態での本発明に記載の化合物の単位投与形態は、次の成分を含み得る:
本発明に記載の化合物 50.0mg
マンニトール 223.75mg
クロスカルメロースナトリウム 6.0mg
トウモロコシデンプン 15.0mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 2.25mg
ステアリン酸マグネシウム 3.0mg
提示形態に依存して、体重1kgにつき0.01から20mgの活性成分の1日あたりの投与を可能にするように、前記単位形態を投薬する。
【0298】
より高いまたはより低い用量が適する特別な症例があり得、このような用量も本発明の一部を構成する。通常の慣例によると、それぞれの患者に適する用量は、投与方式ならびに前記患者の体重および応答に従って医師により決定される。
【0299】
この態様のもう1つのものによると、本発明は、本発明に記載の化合物、この医薬的に許容される酸付加塩、または前記化合物の溶媒和物もしくは水和物の有効用量の投与を含む、上に挙げた病態を治療するための方法にも関する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩基または酸付加塩の形態での、一般式(I)に対応する化合物:
【化1】

(式中、
は、水素もしくはフッ素原子、またはヒドロキシル、シアノ、トリフルオロメチル、C1―6−アルキル、C1―6−アルコキシもしくはNR基を表し;
nは、1、2または3に等しい整数を表し、およびmは、1または2に等しい整数を表し;
Aは、共有結合または基C1―8−アルキレンを表し;
は、1つ以上の基Rおよび/またはRで任意に置換されている基Rを表し;
は、フェニル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、ナフチル、キノリニル、イソキノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニルおよびナフチリジニルから選択される基を表し;
は、ハロゲン原子またはシアノ、−CHCN、ニトロ、ヒドロキシル、C1―6−アルキル、C1―6−アルコキシ、C1―6−チオアルキル、C1―6−ハロアルキル、C1―6−ハロアルコキシ、C1―6−ハロチオアルキル、C3−7−シクロアルキル、C3−7−シクロアルキル−C1−3−アルキレン、C3−7−シクロアルキル−C1−3−アルキレン−O−、NR、NRCOR、NRCO、NRSO、NRSONR、COR、CO、CONR、SO、SONRもしくは−O−(C1−3−アルキレン)−O−基を表し;
は、フリル、ピロリル、チエニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、フェニル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、ナフチル、キノリニル、イソキノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、ナフチリジニル、イミダゾピリミジニル、チエノピリミジニル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ピロロピリジル、フロピリジル、チエノピリジル、イミダゾピリジル、ピラゾロピリジル、オキサゾロピリジル、イソオキサゾロピリジル、チアゾロピリジル、フェニルオキシ、ベンジルオキシおよびピリミジンオキシ;または互いに同一であるもしくは異なる場合がある1つ以上の基Rで置換され得る基Rから選択される基を表し;
は、水素もしくはフッ素原子、基C1―6−アルキルまたはトリフルオロメチル基を表し;
は、フリル、ピロリル、チエニル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリルおよびテトラゾリルから選択される基を表し;
この基は、ハロゲン原子、基C1―6−アルキル、C1―6−ハロアルキル、C3−7−シクロアルキル、C3−7−シクロアルキル−C1−3−アルキレン、C1―6−ハロアルコキシ、シアノ、NR、NRCOR、NRCO、NRSO、NRSONR、COR、CO、CONR、CON(R)(C1−3−アルキレン−NR1011)、SO、SONR、−O−(C1−3−アルキレン)−O−、フェニル、フェニルオキシ、ベンジルオキシ、ピリジル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニルまたはピリミジニルから選択される1つ以上の置換基で任意に置換されており;フェニル、フェニルオキシ、ピリジル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニルおよびピリミジニル基は、ハロゲン原子およびシアノ、ニトロ、C1―6−アルキル、C1―6−アルコキシ、C1―6−チオアルキル、C1―6−ハロアルキル、C1―6−ハロアルコキシ、C1―6−ハロチオアルキル、C3−7−シクロアルキルまたはC3−7−シクロアルキル−C1−3−アルキレン基から選択される1つ以上の置換基で置換され得るものであり;
、R、R10およびR11は、互いに独立して、水素原子もしくは基C1―6−アルキルを表し、
またはこれらを有する原子と共に、
NRの場合には、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、アゼピン、オキサゼピンおよびピペラジン環から選択され、この環は、基C1―6−アルキルもしくはベンジルで任意に置換されており;
NRCORの場合には、ラクタム環を形成し;NRCOの場合には、オキサゾリジノン、オキサジノンもしくはオキサゼピノン環を形成し;NRSOの場合には、スルタム環を形成し;
NRSONRの場合には、チアゾリジンジオキシドもしくはチアジアジナンジオキシド環を形成する。)。
【請求項2】
が、水素もしくはフッ素原子またはヒドロキシル、C1―6−アルキルもしくはNR基を表すことを特徴とする、塩基または酸付加塩の形態での、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項3】
nが、2に等しい整数を表し、およびmが、2に等しい整数を表すことを特徴とする、塩基または酸付加塩の形態である、請求項1または2に記載の式(I)の化合物。
【請求項4】
Aが、C1―8−アルキレン基を表すことを特徴とする、塩基または酸付加塩の形態である、請求項1から3のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
【請求項5】
が、1つ以上の基Rおよび/またはRで任意に置換されている基Rを表し;Rが、フェニル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、キノリニル、フタラジニルまたはキノキサリニル基を表し;Rが、ニトロ、C1―6−アルキル、C1―6−アルコキシ、C1―6−ハロアルキル、C1―6−ハロアルコキシ、−O−(C1−3−アルキレン)−O−またはハロゲン原子を表し;Rが、互いに同一であるまたは異なることがある1つ以上の基Rで置換され得るフェニル基を表すことを特徴とする、塩基のまたは酸付加塩の形態である、請求項1から4のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
【請求項6】
が、トリフルオロメチル、C1―6−アルキルまたは水素原子を表すことを特徴とする、塩基または酸付加塩の形態である、請求項1から5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
【請求項7】
が、オキサゾリル、イソオキサゾリル、フリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリルおよびトリアゾリル基を表し;この基が、基C1―6−アルキル、COOR、CON(R)(C1−3−アルキレン−NR1011)、CONR、フェニルから選択される1つ以上の置換基で任意に置換されており;フェニル基が、ハロゲン原子および基C1―6−アルコキシから選択される1つ以上の置換基で置換され得るものであり;
およびRが、互いに独立して、水素原子もしくは基C1―6−アルキルを表し、またはこれらを有する原子と一緒に、ピペラジン環を形成し;
10およびR11が、互いに独立して、水素原子または基C1―6−アルキルを表す
ことを特徴とする、塩基または酸付加塩の形態である、請求項1から6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
【請求項8】
が、1つ以上の基Rおよび/またはRで任意に置換されている基Rを表し;
が、フェニル、ピリジル、ピラジニルまたはキノリニル基を表し;Rが、ハロゲン原子を表し;
が、互いに同一であるまたは異なることがある1つ以上の基Rで置換され得るフェニル基を表し;
およびRが、水素原子を表し;
が、3−カルバモイルイソオキサゾール−5−イル基を表し;
nが、2に等しい整数を表し、およびmが、2に等しい整数を表し;
Aが、アルキレン基を表す
ことを特徴とする、塩基または酸付加塩の形態である、請求項1から7のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
【請求項9】
一般式(II)のアミン:
【化2】

(式中A、R、R、mおよびnは、請求項1に記載の一般式(I)に定義したとおりである。)
と一般式(III)のカルボナート:
【化3】

(式中のZは、水素原子またはニトロ基を表し、ならびにRおよびRは、請求項1に記載の一般式(I)に定義したとおりである。)
とを、塩基の存在下、溶媒中で、室温と溶媒の還流点の間の温度で反応させることに存する工程を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の式(I)の化合物を調製するための方法。
【請求項10】
一般式(II)のアミン:
【化4】

(この式中のA、R、R、mおよびnは、請求項1に記載の一般式(I)に定義したとおりである。)
とクロロギ酸フェニルまたはクロロギ酸4−ニトロフェニル
とを、塩基の存在下、溶媒中で、0℃と室温の間の温度で反応させて、
一般式(IV)のカルバメート誘導体:
【化5】

(式中のA、R、R、mおよびnは、請求項1に記載の一般式(I)に定義したとおりであり、ならびにZは、水素原子またはニトロ基を表す。)
を得ること;およびその後、
このようにして得られた一般式(IV)のカルバメート誘導体を、塩基の存在下、溶媒中で、室温と溶媒の還流点の間の温度で、一般式HOCHR(IIIa)のアルコール(式中のRおよびRは、請求項1に記載の一般式(I)に定義したとおりである。)の作用により、一般式(I)の化合物に転化させること
に存する工程を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の式(I)の化合物を調製するための方法。
【請求項11】
請求項1から8のいずれか一項に記載の式(I)の化合物であって、Rが、タイプC1―6−アルキル、C3−7−シクロアルキルまたはC3−7−シクロアルキル−C1−3−アルキレンの基Rでまたは一般式(I)に定義したとおりの基Rでとりわけ置換されている基Rを表す化合物を調製するための方法であって、
−アルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールボロン酸による、鈴木型の反応、
−アリールまたはヘテロアリールトリアルキル第一スズ誘導体を使用する、スティル型の反応、
−ハロゲン化アルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール亜鉛酸塩誘導体を使用する、根岸型の反応
から選択される遷移金属によって触媒される反応を、一般式(Ia)の化合物:
【化6】

(式中、A、R、R、R、R、nおよびmは、請求項1に記載の一般式(I)に定義したとおりであり、ならびにUは、塩素、臭素もしくはヨウ素原子またはO−トリフラート基を表し、Uは、この基RまたはRを導入するために望ましい位置にある。)
を用いて行うことに存する工程を含む方法。
【請求項12】
薬剤としてのこの使用のための、塩基または医薬的に許容される酸付加塩の形態である、請求項1から8のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
【請求項13】
塩基、または医薬的に許容される酸付加塩の形態である、請求項1から8のいずれか一項に記載の式(I)の少なくとも1つの化合物と任意に1つ以上の医薬的に許容される賦形剤とを含有する医薬組成物。
【請求項14】
酵素FAAHによって代謝される内因性カンナビノイドおよび/または任意の他の基質が関与する病態を予防または治療するための薬剤の調製のための、塩基または医薬的に許容される酸付加塩の形態である、請求項1から8のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項15】
急性または慢性疼痛、めまい、嘔吐、悪心、摂食障害、神経および精神病態、急性もしくは慢性神経変性疾患、癲癇、睡眠障害、心血管疾患、腎虚血、癌、免疫系障害、アレルギー性疾患、寄生虫、ウイルスもしくは細菌感染症、炎症性疾患、骨粗しょう症、眼の愁訴、肺の愁訴、胃腸疾患または尿失禁を予防または治療するための薬剤の調製のための、塩基または医薬的に許容される酸付加塩の形態である、請求項1から8のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の使用。

【公表番号】特表2012−508785(P2012−508785A)
【公表日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−543799(P2011−543799)
【出願日】平成21年11月13日(2009.11.13)
【国際出願番号】PCT/FR2009/052179
【国際公開番号】WO2010/055267
【国際公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(504456798)サノフイ (433)
【Fターム(参考)】