説明

アルドステロン合成酵素および/または11−β−ヒドロキシラーゼおよび/またはアロマターゼが介在する疾患の処置のための縮合イミダゾール誘導体

本発明は、式I
【化1】


で示される化合物を提供し、該化合物はアルドステロン合成酵素、および/または11−β−ヒドロキシラーゼ(CYP11B1)および/またはアロマターゼの阻害剤であり、したがって、アルドステロン合成酵素、アロマターゼまたはCYP11B1が介在する障害または疾患の処置のために使用することができる。したがって、式Iの化合物は、低カリウム血漿、高血圧、うっ血性心不全、腎不全、特に、慢性腎不全、再狭窄、アテローム性動脈硬化症、シンドロームX、肥満、ネフロパシー、心筋梗塞後障害、冠状動脈性心疾患、コラーゲン形成の増加、線維症およびリモデリング後の高血圧および内皮機能障害の処置において使用することができる。最後に、本発明は、また、医薬組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルドステロン合成酵素阻害剤および/または11−β−ヒドロキシラーゼ阻害剤(CYP11B1)および/またはアロマターゼ阻害剤として、ならびに、アルドステロン合成酵素、CYP11B1またはアロマターゼが介在する障害または疾患のために使用される新規イミダゾール誘導体に関する。
【発明の概要】
【0002】
本発明は、式(I):
【化1】

〔式中、
nは0または1であり;
は水素であるか;または、
およびRは、独立して、アルキル、非芳香族性ヘテロシクリル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アルケニルまたはアルキニルであるか;または、
およびRは、それらが結合している炭素原子と一体となって、所望により、3から7員環を形成し;
は、ヘテロシクリル、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、これらそれぞれは、所望により、1から3個のアルキル、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、アルコキシ、シクロアルキル、ヒドロキシまたはシクロアルキル−アルキルから選択される置換基で置換されており;
およびRは、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシまたはアルキルである〕
で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩;またはそれらの光学異性体;または光学異性体の混合物を提供する。
【0003】
好ましくは、本発明は、nが0または1であり;Rが水素であるか;または、RおよびRが、独立して、(C−C)アルキル、(4から9員)−非芳香族性ヘテロシクリル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキルまたは(C−C)シクロアルキル−(C−C)アルキルでありであり;Rが(4から9員)−非芳香族性ヘテロシクリル、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C10)アリールまたは(C−C10)ヘテロアリールであり、これらそれぞれは、所望により、1から3個の(C−C)アルキル、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルキルまたはヒドロキシから選択される置換基で置換されており;RおよびRが、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシまたは(C−C)アルキルであるか;または、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一体となって、所望により、3から7員環を形成する、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩;またはそれらの光学異性体;または光学異性体の混合物を提供する。
【0004】
また、好ましくは、本発明は、Rが水素であるか;または、RおよびRが、独立して、(C−C)アルキル、(4から7員)−非芳香族性ヘテロシクリル、(C−C)シクロアルキルまたは(C−C)シクロアルキル−(C−C)アルキルであり;Rが(4から7員)−ヘテロシクリル、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル−(C−C)アルキル、(C−C10)アリールまたは(C−C10)ヘテロアリールであり、これらそれぞれは、所望により、1から3個の(C−C)アルキル、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルキルまたはヒドロキシから選択される置換基で置換されており;RおよびRが、独立して、水素または(C−C)アルキルであるか;または、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一体となって、所望により、3−から7−員環を形成する、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩;またはそれらの光学異性体;または光学異性体の混合物を提供する。
【0005】
また、好ましくは、本発明は、nが0または1であり;Rが水素または(C−C)アルキルであり;Rが(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル−(C−C)アルキルまたは(C−C)アルケニルであり;Rが(4−から7−員)−ヘテロシクリル、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキルまたは(C−C10)アリールであり、これらそれぞれは、所望により、1から3個の(C−C)アルキル、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、(C−C)アルコキシまたはヒドロキシから選択される置換基で置換されており;RおよびRが、独立して、水素であるか;または、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一体となって、所望により、3から7員環を形成する、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩;またはそれらの光学異性体;または光学異性体の混合物を提供する。
【0006】
また、好ましくは、本発明は、nが0または1であり;Rが水素または(C−C)アルキルであり;Rが(C−C)アルキルであり;Rが(C−C)シクロアルキルまたは(C−C10)アリールであり、これらそれぞれは、所望により、1から3個の(C−C)アルキル、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、(C−C)アルコキシまたはヒドロキシから選択される置換基で置換されており;RおよびRが、独立して、水素であるか;または、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一体となって、所望により、3から7員環を形成する、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩;またはそれらの光学異性体;または光学異性体の混合物を提供する。
【0007】
本明細書を解釈する目的のために、下記定義を適当なときはいつでも適用でき、単数形で使用されている用語は複数形も含み、逆も同様である。
【0008】
本明細書で使用される、“アルキル”なる用語は、完全飽和分岐または非分岐炭化水素部分を意味する。好ましくは、アルキルは1個から20個の炭素原子、より好ましくは1個から16個の炭素原子、1個から10個の炭素原子、1個から7個の炭素原子または1個から4個の炭素原子を含む。アルキルの代表例は、限定はしないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、3−メチルヘキシル、2,2−ジメチルペンチル、2,3−ジメチルペンチル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシルなどを含む。
【0009】
本明細書で使用される、“ハロアルキル”なる用語は、1個以上の本明細書に定義のとおりのハロ基により置換されている、本明細書に定義されているアルキルを意味する。好ましくは、ハロアルキルは、パーハロアルキルを含む、モノハロアルキル、ジハロアルキルまたはポリハロアルキルであってよい。モノハロアルキルは、アルキル基内に1個のヨード、ブロモ、クロロまたはフルオロを有することができる。ジハロアルキルおよびポリハロアルキル基は、アルキル基内に2個以上の同じハロ原子または異なるハロ基の組合せを有することができる。好ましくは、ポリハロアルキルは、12個まで、10個まで、または8個まで、または6個まで、または4個まで、または3個まで、または2個までのハロ基を含む。ハロアルキルの非限定的な例は、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ジフルオロクロロメチル、ジクロロフルオロメチル、ジフルオロエチル、ジフルオロプロピル、ジクロロエチルおよびジクロロプロピルを含む。パーハロアルキルは、全ての水素原子をハロ原子で置換されているアルキルを意味する。
【0010】
“アリール”なる用語は、環部に6−20個の炭素原子を有する単環式または二環式芳香族性炭化水素基を意味する。好ましくは、アリールは(C−C10)アリールである。非限定の例は、フェニル、ビフェニル、ナフチルまたはテトラヒドロナフチルを含み、これらそれぞれは、所望により1−4個のアルキル、トリフルオロメチル、シクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アシル、アルキル−C(O)−O−、アリール−O−、ヘテロアリール−O−、アミノ、チオール、アルキル−S−、アリール−S−、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルキル−O−C(O)−、カルバモイル、アルキル−S(O)−、スルホニル、スルホンアミド、ヘテロシクリルなどのような置換基により置換されていてもよい。
【0011】
さらに、本明細書で使用される、“アリール”なる用語は、単一の芳香環、または一緒に縮合しているか、共有結合しているか、もしくはメチレンまたはエチレン部分のような共通の基に結合している複数の芳香環であり得る芳香族性置換基を意味する。共通の結合する基は、また、ベンゾフェノンなどでのカルボニル、またはジフェニルエーテルなどでの酸素またはジフェニルアミンなどでの窒素であってよい。
【0012】
本明細書で使用される、“アルコキシ”なる用語は、アルキル−O−を意味し、ここで、アルキルは上記に定義されている。アルコキシの典型的な例は、限定はしないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、2−プロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロプロピルオキシ−、シクロヘキシルオキシ−などを含む。好ましくは、アルコキシ基は、約1個−7個の、より好ましくは約1個−4個の炭素を有する。
【0013】
本明細書で使用される、“アシル”なる用語は、カルボニル官能性を介して親構造に結合している、直鎖、分岐鎖または環状配置またはそれらの組合せの1個から10個の炭素原子の基R−C(O)−を意味する。このような基は、飽和または不飽和、および、脂肪族または芳香族性であってよい。好ましくは、アシル残基のRは、アルキルまたはアルコキシまたはアリールまたはヘテロアリールである。また、好ましくは、アシル残基中の1個以上の炭素は、親構造への結合点がカルボニルを維持する限り、窒素、酸素または硫黄により置換されていてもよい。アシルの例は、限定はしないが、アセチル、ベンゾイル、プロピオニル、イソブチリル、t−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルなどを含む。低級アシルは、1個から4個の炭素を含むアシルを意味する。
【0014】
本明細書で使用される、“カルバモイル”なる用語は、HNC(O)−、アルキル−NHC(O)−、(アルキル)NC(O)−、アリール−NHC(O)−、アルキル(アリール)−NC(O)−、ヘテロアリール−NHC(O)−、アルキル(ヘテロアリール)−NC(O)−、アリール−アルキル−NHC(O)−、アルキル(アリール−アルキル)−NC(O)−などを意味する。
【0015】
本明細書で使用される、“スルホニル”なる用語は、Rが水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−アルキル、ヘテロアリール−アルキル、アルコキシ、アリールオキシ、シクロアルキルまたはヘテロシクリルである、R−SO−を意味する。
【0016】
本明細書で使用される、“スルホンアミド”なる用語は、アルキル−S(O)−NH−、アリール−S(O)−NH−、アリール−アルキル−S(O)−NH−、ヘテロアリール−S(O)−NH−、ヘテロアリール−アルキル−S(O)−NH−、アルキル−S(O)−N(アルキル)−、アリール−S(O)−N(アルキル)−、アリール−アルキル−S(O)−N(アルキル)−、ヘテロアリール−S(O)−N(アルキル)−、ヘテロアリール−アルキル−S(O)−N(アルキル)−などを意味する。
【0017】
本明細書で使用される、“ヘテロシクリル”または“ヘテロシクロ”なる用語は、所望により置換された、完全飽和または不飽和の、芳香族性または非芳香族性環状基であって、例えば、炭素原子および少なくとも1つのヘテロ原子を少なくとも1つの炭素原子含有環に有する、4員から7員の単環式、7員から12員の二環式または10員から15員の三環式環状系を意味する。ヘテロ原子を含むヘテロ環基のそれぞれの環は、窒素原子、酸素原子および硫黄原子(窒素および硫黄ヘテロ原子はまた、所望により酸化されていてもよい)から選択される、1、2または3個のヘテロ原子を有することができる。ヘテロ環式基はヘテロ原子または炭素原子で結合することができる。ヘテロシクリルは、縮合または架橋環ならびにスピロ環状環を含むことができる。
【0018】
例示的な単環式ヘテロ環基は、ピロリジニル、ピロリル、ピラゾリル、オキセタニル、ピラゾリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、トリアゾリル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、イソキサゾリニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、フリル、テトラヒドロフリル、チエニル、オキサジアゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロロジニル、2−オキソアゼピニル、アゼピニル、4−ピペリドニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、1,3−ジオキソランおよびテトラヒドロ−1,1−ジオキソチエニル、1,1,4−トリオキソ−1,2,5−チアジアゾリジン−2−イルなどを含む。
【0019】
例示的な二環式ヘテロ環基は、インドリル、ジヒドロインドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾチアジニル、キヌクリジニル、キノリニル、テトラヒドロキノリニル、デカヒドロキノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロイソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピラニル、インドリジニル、ベンゾフリル、クロモニル、クマリニル、ベンゾピラニル、シンノリニル、キノキサリニル、インダゾリル、ピロロピリジル、フロピリジニル(例えば、フロ[2,3−c]ピリジニル、フロ[3,2−b]−ピリジニル]またはフロ[2,3−b]ピリジニル)、ジヒドロイソインドリル、1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソインドル−2−イル、ジヒドロキナゾリニル(例えば、3,4−ジヒドロ−4−オキソ−キナゾリニル)、フタラジニルなどを含む。
【0020】
例示的な三環式ヘテロ環基は、カルバゾリル、ジベンゾアゼピニル、ジチエノアゼピニル、ベンズインドリル、フェナントロリニル、アクリジニル、フェナントリジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、キサンテニル、カルボリニルなどを含む。
【0021】
“ヘテロシクリル”なる用語は、さらに下記の置換基群から選択される1、2または3個の置換基で置換されている、本明細書で定義のヘテロ環式基を意味する:
(a)アルキル;
(b)ヒドロキシ(または保護されたヒドロキシ);
(c)ハロ;
(d)オキソ、すなわち=O;
(e)アミノ、アルキルアミノまたはジアルキルアミノ;
(f)アルコキシ;
(g)シクロアルキル;
(h)カルボキシ;
(i)ヘテロシクロオキシ(ここで、ヘテロシクロオキシは酸素架橋を介して結合しているヘテロ環式基を意味する);
(j)アルキル−O−C(O)−;
(k)メルカプト;
(l)ニトロ;
(m)シアノ;
(n)スルファモイルまたはスルホンアミド;
(o)アリール;
(p)アルキル−C(O)−O−;
(q)アリール−C(O)−O−;
(r)アリール−S−;
(s)アリールオキシ;
(t)アルキル−S−;
(u)ホルミル、すなわちHC(O)−;
(v)カルバモイル;
(w)アリール−アルキル−;および
(x)アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、アルキル−C(O)−NH−、アルキルアミノ、ジアルキルアミノまたはハロゲンで置換されているアリール。
【0022】
本明細書で使用される、“シクロアルキル”なる用語は、3−12個の炭素原子、好ましくは3−9個の炭素原子または3−7個の炭素原子の所望により置換されている飽和または不飽和単環式、二環式または三環式炭化水素基を意味し、これらそれぞれは1個または2個または3個またはそれ以上のアルキル、ハロ、オキソ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル−C(O)−、アシルアミノ、カルバモイル、アルキル−NH−、(アルキル)N−、チオール、アルキル−S−、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルキル−O−C(O)−、スルホニル、スルホンアミド、スルファモイル、ヘテロシクリルなどのような置換基により置換されていてもよい。典型的な単環式炭化水素基は、限定はしないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシルおよびシクロヘキセニルなどを含む。典型的な二環式炭化水素基はボルニル、インジル、ヘキサヒドロインジル、テトラヒドロナフチル、デカヒドロナフチル、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプテニル、6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプチル、2,6,6−トリメチルビシクロ[3.1.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチルなどを含む。典型的な三環式炭化水素基はアダマンチルなどを含む。
【0023】
本明細書で使用される、“スルファモイル”なる用語は、HNS(O)−、アルキル−NHS(O)−、(アルキル)NS(O)−、アリール−NHS(O)−、アルキル(アリール)−NS(O)−、(アリール)NS(O)−、ヘテロアリール−NHS(O)−、(アリール−アルキル)−NHS(O)−、(ヘテロアリール−アルキル)−NHS(O)−などを意味する。
【0024】
本明細書で使用される、“アリールオキシ”なる用語は、−O−アリールおよび−O−ヘテロアリール基の両方を意味し、ここで、アリールおよびヘテロアリールは本明細書で定義されている。
【0025】
本明細書で使用される、“ヘテロアリール”なる用語は、1個から8個のN、OまたはSから選択されるヘテロ原子を有する5−14員単環式または二環式または多環式芳香環系を意味する。好ましくは、ヘテロアリールは5−10または5−7員環系である。典型的なヘテロアリール基は、2−もしくは3−チエニル、2−もしくは3−フリル、2−もしくは3−ピロリル、2−、4−もしくは5−イミダゾリル、3−、4−もしくは5−ピラゾリル、2−、4−もしくは5−チアゾリル、3−、4−もしくは5−イソチアゾリル、2−、4−もしくは5−オキサゾリル、3−、4−もしくは5−イソオキサゾリル、3−もしくは5−1,2,4−トリアゾリル、4−もしくは5−1,2、3−トリアゾリル、テトラゾリル、2−、3−もしくは4−ピリジル、3−もしくは4−ピリダジニル、3−、4−もしくは5−ピラジニル、2−ピラジニル、2−、4−もしくは5−ピリミジニルを含む。
【0026】
“ヘテロアリール”なる用語は、またヘテロ芳香環が1個以上のアリール、脂環式、またはヘテロシクリル環に縮合し、ラジカルまたは結合点がヘテロ芳香環上である基を意味する。非限定例は、限定はしないが、1−、2−、3−、5−、6−、7−、もしくは8−インドリジニル、1−、3−、4−、5−、6−もしくは7−イソインドリル、2−、3−、4−、5−、6−もしくは7−インドリル、2−、3−、4−、5−、6−もしくは7−インダゾリル、2−、4−、5−、6−、7−もしくは8−プリニル、1−、2−、3−、4−、6−、7−、8−もしくは9−キノリジニル、2−、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−キノリニル、1−、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−イソキノリニル、1−、4−、5−、6−、7−もしくは8−フタラジニル、2−、3−、4−、5−もしくは6−ナフチリジニル、2−、3−、5−、6−、7−もしくは8−キナゾリニル、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−キノリニル、2−、4−、6−もしくは7−プテリジニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−4aHカルバゾリル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−カルバゾリル、1−、3−、4−、5−、6−、7−、8−もしくは9−カルボリニル、1−、2−、3−、4−、6−、7−、8−、9−もしくは10−フェナントリジニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−もしくは9−アクリジニル、1−、2−、4−、5−、6−、7−、8−もしくは9−ペリミジニル、2−、3−、4−、5−、6−、8−、9−もしくは10−フェナンスロリニル、1−、2−、3−、4−、6−、7−、8−もしくは9−フェナジニル、1−、2−、3−、4−、6−、7−、8−、9−もしくは10−フェノチアジニル、1−、2−、3−、4−、6−、7−、8−、9−もしくは10−フェノキサジニル、2−、3−、4−、5−、6−もしくはl−、3−、4−、5−、6−、7−、8−、9−もしくは10−ベンズイソキノリニル、2−、3−、4−もしくはチエノ[2,3−b]フラニル、2−、3−、5−、6−、7−、8−、9−、10−もしくは11−7H−ピラジノ[2,3−c]カルバゾリル,2−、3−、5−、6−もしくは7−2H−フロ[3,2−b]−ピラニル、2−、3−、4−、5−、7−もしくは8−5H−ピリド[2,3−d]−o−オキサジニル、1−、3−もしくは5−1H−ピラゾロ[4,3−d]−オキサゾリル、2−、4−もしくは54H−イミダゾ[4,5−d]チアゾリル、3−、5−もしくは8−ピラジノ[2,3−d]ピリダジニル、2−、3−、5−もしくは6−イミダゾ[2,1−b]チアゾリル、1−、3−、6−、7−、8−もしくは9−フロ[3,4−c]シンノリニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、8−、9−、10もしくは11−4H−ピリド[2,3−c]カルバゾリル、2−、3−、6−もしくは7−イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジニル、7−ベンゾ[b]チエニル、2−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾオキサゾリル、2−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾイミダゾリル、2−、4−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾチアゾリル、1−、2−、4−、5−、6−、7−、8−もしくは9−ベンゾキサピニル、2−、4−、5−、6−、7−もしくは8−ベンゾオキサジニル、1−、2−、3−、5−、6−、7−、8−、9−、10−もしくは11−1H−ピロロ[1,2−b][2]ベンザピニルを含む。典型的な縮合ヘテロアリール基は、限定はしないが、2−、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−キノリニル、1−、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−イソキノリニル、2−、3−、4−、5−、6−もしくは7−インドリル、2−、3−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾ[b]チエニル、2−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾオキサゾリル、2−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾイミダゾリル、2−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾチアゾリルを含む。
【0027】
ヘテロアリール基は、単、二、三または多環式、好ましくは単、二または三環式、より好ましくは単または二環式である。
本明細書で使用される、“ハロゲン”または“ハロ”なる用語は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを意味する。
【0028】
本明細書で使用される、“異性体”なる用語は、同じ分子式を有するが原子の配列および配置が異なっている、異なる化合物を意味する。また、本明細書で使用される、“光学異性体”または“立体異性体”なる用語は、得られる本発明の化合物について存在し得る様々な立体異性の立体配置を意味し、幾何異性体を含む。置換基はキラル中心の炭素原子に結合すると理解される。したがって、本発明は化合物のエナンチオマー、ジアステレオ異性体またはラセミ体を含む。“エナンチオマー”は、互いの鏡像を重ね合わせることができない一対の立体異性体である。1:1の一対のエナンチオマーの混合物が“ラセミ体”混合物である。該用語は適当なときラセミ混合物を示すために使用する。“ジアステレオ異性体”は少なくとも2個の不斉原子を有し、互いの鏡像を重ね合わせることができない立体異性体である。絶対立体化学はCahn−lngold−PrelogのR−S系にしたがって特定される。化合物が、純粋なエナンチオマーであるとき、それぞれのキラル炭素での立体化学は、RまたはSのいずれかによって特定され得る。絶対的立体配置が未知である分離された化合物は、ナトリウムD線波長で平面偏光を回転させる方向(右旋性または左旋性)によって、(+)または(−)と示すことができる。本明細書に記載されている特定の化合物は、1個以上の不斉中心を含み、したがって、絶対立体化学の用語において、エナンチオマー、ジアステレオマー、および(R)−または(S)−として定義され得る他の立体異性体形態を生じ得る。本発明は、全てのこのような可能性のある異性体(ラセミ混合物、光学的に純粋な形態および中間的混合物を含む)を含むことを意味する。光学的に活性な(R)−および(S)−異性体は、キラルシントンまたはキラル反応剤を使用して製造できるか、または慣用の技術を使用して分離できる。化合物が二重結合を含むとき、置換基はEまたはZ立体配置であってよい。化合物が二置換シクロアルキルを含むとき、シクロアルキル置換基はシス−またはトランス−立体配置を有してもよい。すべての互変異性体形態も、含まれることが意図されている。
【0029】
本明細書で使用される、“薬学的に許容される塩”なる用語は、本発明の化合物の生物学的有効性および特性を保持する塩であり、生物学的にもその他でも望ましくない塩でないことを意味する。多くの場合、本発明の化合物は、アミノおよび/もしくはカルボキシル基またはそれらに類似の基の存在により、酸および/または塩基との塩を形成できる。薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸および有機酸と形成できる。塩を誘導し得る無機酸は、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などを含む。塩を誘導し得る有機酸は、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸などを含む。薬学的に許容される塩基付加塩は、無機および有機塩基と形成できる。塩を誘導し得る無機塩基は、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウムなどを含み;特に好ましくは、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウムおよびマグネシウム塩である。塩を誘導し得る有機塩基は、例えば、一級、二級および三級アミン、天然に存在する置換されているアミンを含む置換されているアミン、環状アミン、塩基性イオン交換樹脂などを含み、具体的には、例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、およびエタノールアミンである。本発明の薬学的に許容される塩は、慣用の化学方法により親化合物、塩基性または酸性部分から合成できる。一般に、このような塩は、これらの化合物の遊離酸形態と化学量論量の適当な塩基(例えば、水酸化、炭酸または重炭酸Na、Ca、MgまたはKなど)を反応させることによるか、またはこれらの化合物の遊離塩基形態と化学量論量の適当な酸を反応させることにより製造できる。このような反応は、一般的に水もしくは有機溶媒または2つの混合物中で実施する。一般に、実施できるとき、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルのような非水性媒体が好ましい。さらなる適当な塩の一覧は、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 20th ed., Mack Publishing Company, Easton, Pa., (1985)(出典明示により本明細書に包含させる)で見ることができる。
【0030】
本明細書で使用される、“薬学的に許容される担体”なる用語は、当業者に既知であるような、あらゆるすべての溶媒、分散媒体、コーティング剤、界面活性剤、抗酸化剤、防腐剤(例えば、抗菌剤、抗真菌剤剤)、等張剤、吸収遅延剤、塩、防腐剤、医薬、安定化剤、結合剤、賦形剤、崩壊剤、滑剤、甘味剤、香味剤、色素、これらの複数の物質および組合せ(例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th Ed. Mack Printing Company, 1990, pp. 1289- 1329参照、出典明示により本明細書に包含させる)を含む。慣用の担体が活性成分と不適合である場合を除いて、治療または医薬組成物におけるその使用が考慮される。
【0031】
本発明の化合物の“治療有効量”なる用語は、対象の生物学的または薬学的応答を誘導するか、例えば、酵素またはタンパク質活性の減少または阻害、または症状を改善するか、状態を緩和するか、疾患の進行を減速もしくは遅延するか、または疾患を予防する等の本発明の化合物の量を意味する。1つの非限定的な態様において、“治療有効量”なる用語は、対象に投与したとき、(1)(i)アルドステロン合成酵素またはアロマターゼが介在する、または(ii)アルドステロン合成酵素の活性またはアロマターゼ活性と関連する、または(iii)アルドステロン合成酵素またはアロマターゼの異常活性により特徴付けられる状態または障害または疾患を少なくとも部分的に緩和、阻害、予防および/または改善する;または(2)アルドステロン合成酵素またはアロマターゼの活性を減少または阻害する;または(3)アルドステロン合成酵素またはアロマターゼの発現を減少または阻害するために有効である本発明の化合物の量を意味する。さらなる非限定的な態様において、“治療有効量”なる用語は、細胞または組織または非細胞生物材料または培地に投与したとき、アルドステロン合成酵素またはアロマターゼの活性を少なくとも部分的に減少または阻害する;または、アルドステロン合成酵素またはアロマターゼの発現を少なくとも部分的に減少または阻害するために有効である本発明の化合物の量を意味する。
【0032】
本明細書で使用される、“対象”なる用語は、動物を意味する。好ましくは、動物は哺乳動物である。対象は、また、例えば、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス、サカナ、トリなどを意味する。好ましい態様において、対象はヒトである。
【0033】
本明細書で使用される、“障害”または“疾患”なる用語は、なんらかの機能の混乱または異常;病的身体または精神状態を意味する。Dorland's Illustrated Medical Dictionary, (W.B. Saunders Co. 27th ed. 1988)参照。
【0034】
本明細書で使用される、“阻害”または“阻害する”なる用語は、得られる状態、症状もしくは障害もしくは疾患の軽減または抑制、または生物学的活性もしくは処理の基準活性における有意な減少を意味する。好ましくは、状態または症状または障害または疾患は、アルドステロン合成酵素の活性またはアロマターゼが介在する。さらに好ましくは、該状態または症状または障害または疾患は、アルドステロン合成酵素またはアロマターゼの異常活性と関連し、または、該状態または症状または障害または疾患は、アルドステロン合成酵素またはアロマターゼの異常発現と関連する。
【0035】
本明細書で使用される、すべての疾患または障害における“処置”または“処置する”なる用語は、1つの態様において、疾患または障害を改善する(すなわち、疾患またはその少なくとも1つの臨床症状の進行を遅延または阻止または低減する)ことを意味する。他の態様において、“処置”または“処置する”なる用語は、患者が認識していなくてもよい少なくとも1つの物理的パラメーターを緩和または改善することを意味する。さらなる他の態様において、“処置”または“処置する”は、物理的に(例えば、認識できる症状の安定)、生理学的に(例えば、物理的パラメーターの安定)のいずれか、または両方で、疾患または障害を調節することを意味する。他の態様において、“処置”または“処置する”なる用語は、発症または疾患もしくは障害の進行または発達の予防または遅延を意味する。
【0036】
本明細書で使用される、“異常”なる用語は、正常活性または特性と異なる活性または特性を意味する。
本明細書で使用される、“異常活性”なる用語は、野生型または天然の遺伝子またはタンパク質の活性と異なるか、または、健常者における遺伝子またはタンパク質の活性と異なる活性を意味する。異常活性は正常活性より強いか、または弱い。1つの態様において、“異常活性”は、遺伝子から転写されるmRNAの異常(過剰または過小)生産を含む。さらなる態様において、“異常活性”は、遺伝子からポリペプチドの異常(過剰または過小)生産を含む。他の態様において、異常活性は、該mRNAまたはポリペプチドの正常レベルと約15%、約25%、約35%、約50%、約65%、約85%、約100%またはそれ以上異なるmRNAまたはポリペプチドのレベルを意味する。好ましくは、mRNAまたはポリペプチドの異常レベルは、該mRNAまたはポリペプチドの正常レベルより高いか、または低い。さらにさらなる態様において、異常活性は、野生型タンパク質の正常活性と異なるタンパク質の機能活性を意味する。好ましくは、異常活性は、正常活性より強いか、または弱い。好ましくは、異常活性は対応する遺伝子における変異のためであり、該変異は遺伝子のコード領域または非コード領域、例えば、転写プロモーター領域であり得る。該変異は、置換、欠失、挿入であってよい。
【0037】
本明細書で使用される、本発明において(とりわけ特許請求の範囲において)使用される単数表現および同様の用語は、本明細書に異なる指示がされていないか、文脈で明らかな矛盾がない限り、単数および複数の両方を包含すると解釈すべきである。本明細書の値の範囲の列挙は、単に範囲内の個々それぞれの値を示す簡略した方法として使用することを意図する。本明細書に記載のない限り、それぞれの個々の値は、個々に本明細書に示されているのと同様に明細書に包含される。本明細書に記載されているすべての方法は、本明細書に示されているか、文脈で明らかな矛盾がない限り、任意の適当な順序で実施できる。本明細書で提供される、ありとあらゆる例または例示的用語(例えば“のような”)の使用は、単に本発明の理解をより容易にすることを意図し、他に請求されていない限り、特許請求の範囲を制限することを意図しない。明細書の用語は、本発明の実施に不可欠である請求されていない要素を示すと解釈すべきでない。
【0038】
本発明の化合物のすべての不斉炭素原子で(R)−、(S)−または(R,S)−立体配置、好ましくは(R)−または(S)−立体配置が存在できる。不飽和結合を有する原子での置換基は、可能なとき、シス−(Z)−またはトランス−(E)−形態で存在できる。したがって、本発明の化合物は、例えば、実質的に純粋な幾何(シスまたはトランス)異性体、ジアステレオ異性体、光学異性体(アンチポード)、ラセミ体またはそれらの混合物またはそれらの混合物のような可能な異性体またはそれらの混合物の形態であってよい。
【0039】
すべての得られる異性体混合物を、成分の物理化学的差異に基づき、純粋な幾何または光学異性体、ジアステレオマー、ラセミ体に、例えばクロマトグラフィーおよび/または分別結晶により分離できる。
【0040】
最終産物または中間体の得られたすべてのラセミ体を、光学的なアンチポードに、既知の方法により、例えば、光学的に活性な酸または塩基化合物により得たそのジアステレオ異性体塩を分離し、該光学的に活性な酸または塩基化合物を遊離させることにより分割できる。特に、本発明の化合物をそれらの光学アンチポードに、例えば、光学的に活性な酸、例えば、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジ−O,O’−p−トルオイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸またはカンファ−10−スルホン酸で形成される塩の分別結晶により分割するために、そのイミダゾリル部分を利用できる。ラセミ体産物も、キラルクロマトグラフィー、例えば、キラル吸着剤を使用した高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により、分割できる。
【0041】
最後に、本発明の化合物は、遊離形、それらの塩またはそれらのプロドラッグ誘導体のいずれかで得られる。
【0042】
塩基性基が本発明の化合物中に存在するとき、該化合物はその酸付加塩、特に、構造のイミダゾリル部分との酸付加塩、好ましくはその薬学的に許容される塩に変換され得る。これらは、無機酸または有機酸と形成される。適当な無機酸は、限定はしないが、塩酸、硫酸、リン酸または塩酸を含む。適当な有機酸は、限定はしないが、例えば、非置換またはハロゲンにより置換されている、例えば、(C)アルカンカルボン酸、例えば、飽和または不飽和ジカルボン酸、例えば、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸またはフマル酸、例えば、ヒドロキシカルボン酸、例えば、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸またはクエン酸、例えば、アミノ酸、例えば、アスパラギン酸またはグルタミン酸、有機スルホン酸、例えば、(C−C)アルキルスルホン酸、例えば、メタンスルホン酸;または非置換またはハロゲンにより置換されている、アリールスルホン酸を含む。好ましいのは、塩酸、メタンスルホン酸およびマレイン酸と形成される塩である。
【0043】
酸性基が本発明の化合物中に存在するとき、該化合物はその薬学的に許容される塩基との塩に変換され得る。このような塩は、ナトリウム、リチウムおよびカリウム塩のようなアルカリ金属塩;カルシウムおよびマグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩;有機塩基とのアンモニウム塩、例えば、トリメチルアミン塩、ジエチルアミン塩、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩およびN−メチル−D−グルカミン塩;アルギニン、リシンなどのようなアミノ酸との塩を含む。塩は、有利にはエーテル性またはアルコール性溶媒、例えば、低級アルカノールの存在下で、慣用的方法を使用して形成され得る。後者の溶液から、塩をエーテル、例えばジエチルエーテルで沈澱させてもよい。得られた塩を、酸での処理により遊離化合物に変換し得る。これらまたは他の塩は、また、得られた化合物の精製のために使用され得る。
【0044】
塩基性基および酸性基の両方が同じ分子内に存在するとき、本発明の化合物は、また内部塩を形成し得る。
【0045】
本発明は、また、インビボで本発明の化合物に変化する本発明の化合物のプロドラッグを提供する。プロドラッグは、プロドラッグの対象への投与後、化学的にインビボで生理的作用、例えば、加水分解、代謝などを介して本発明の化合物に修飾される活性または不活性化合物である。プロドラッグの製造および使用に関する適合性および技術は当業者に既知である。プロドラッグは、概念的に生体前駆体プロドラッグおよび担体プロドラッグの2つの非限定的なカテゴリーに分けることができる。The Practice of Medicinal Chemistry, Ch. 31-32 (Ed. Wermuth, Academic Press, San Diego, Calif., 2001)参照。一般に、生体前駆体プロドラッグは、不活性であるか、または対応する活性医薬化合物と比較して低い活性を有し、1個以上の保護基を含み、そして代謝または加溶媒分解により活性型に変化する化合物である。活性医薬型およびすべての放出代謝産物の両方は許容できる低い毒性であるべきである。一般的に、活性医薬化合物の形成は下記型の1つである代謝過程または反応を包含する:
【0046】
1.酸化反応、例えば、アルコール、カルボニルおよび酸官能の酸化、脂肪族炭素のヒドロキシル化、脂環式炭素原子のヒドロキシル化、芳香族性炭素原子の酸化、炭素−炭素二重結合の酸化、窒素−含有官能基の酸化、シリコン、リン、ヒ素および硫黄の酸化、酸化N−脱アルキル化、酸化O−およびS−脱アルキル化、酸化脱アミノ化、ならびに他の酸化反応。
2.還元反応、例えば、カルボニル基の還元、アルコール基および炭素−炭素二重結合の還元、窒素−含有官能基の還元および他の還元反応。
3.酸化状態を変化させない反応、例えば、エステルおよびエーテルの加水分解、炭素−窒素一重結合の加水分解、非芳香族性ヘテロ環の加水分解、多重結合での水和および脱水、脱水反応による新たな原子結合、加水分解的脱ハロゲン化、ハロゲン化水素分子の除去およびその他の類似反応。
【0047】
担体プロドラッグは輸送部分を含む、例えば、吸収および/または作用部位への局所的輸送を改良する医薬化合物である。このような担体プロドラッグに関して望ましくは、医薬部分と輸送部分の結合が共有結合であり、プロドラッグが不活性または医薬化合物より低い活性であり、そしてすべての放出輸送部分が許容できる非毒性である。輸送部分が吸収を増強することを意図するプロドラッグにおいて、一般的に輸送部分の放出は迅速であるべきである。他の場合、持続放出を提供する部分、例えば、特定のポリマーまたは他の部分、例えば、シクロデキストリンを利用することが望ましい、Cheng et al., US20040077595, application Ser. No. 10/656,838参照(出典明示により本明細書に包含させる)。このような担体プロドラッグは、しばしば、経口投与医薬において有利である。担体プロドラッグは、例えば、1種以上の下記特性を改良するために使用できる:親油性の増加、薬理学的効果の持続時間の増加、部位特異性の増加、毒性および副作用の減少、および/または医薬製剤の改良(例えば、安定性、水溶解性、望ましくない感覚刺激または生理学特性の抑制)。例えば、親油性はヒドロキシル基と親油性カルボン酸、またはカルボン酸基とアルコール、例えば、脂肪族アルコールのエステル化により増加できる。Wermuth, The Practice of Medicinal Chemistry, Ch. 31-32, Ed. Werriuth, Academic Press, San Diego, Calif., 2001。
【0048】
典型的なプロドラッグは、例えば、遊離カルボン酸ならびにチオール、アルコールまたはフェノールのS−アシルおよびO−アシル(ここで、アシルは本明細書に定義のとおりの意味を有する)誘導体のエステルである。好ましくは、当分野で慣用に使用されている、生理学的条件下で加溶媒分解により親カルボン酸に変換できる薬学的に許容されるエステル誘導体、例えば、低級アルキルエステル、シクロアルキルエステル、低級アルケニルエステル、ベンジルエステル、モノ−もしくはジ−置換低級アルキルエステル、例えば、ω−(アミノ、モノ−もしくはジ−低級アルキルアミノ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル)−低級アルキルエステル、α−(低級アルカノイルオキシ、低級アルコキシカルボニルまたはジ−低級アルキルアミノカルボニル)−低級アルキルエステル、例えば、ピバロイルオキシメチルエステルなどである。加えて、アミンはエステラーゼによりインビボで開裂し遊離医薬およびホルムアルデヒドを放出するアリールカルボニルオキシメチル置換誘導体でマスクされている(Bundgaard, J. Med. Chem. 2503 (1989))。さらに、酸性NH基を含む医薬、例えば、イミダゾール、イミド、インドールなどが、N−アシルオキシメチル基でマスクされている(Bundgaard, Design of Prodrugs, Elsevier (1985))。ヒドロキシ基はエステルおよびエーテルでマスクされる。EP039,051(Sloan and Little)はマンニッヒ塩基ヒドロキサム酸プロドラッグ、その製造および使用を記載している。
【0049】
本化合物、その塩形態の化合物およびプロドラッグの間の密接な関係を考慮して、本発明の化合物は、適当であり、好都合のとき、対応する本発明の化合物のプロドラッグも意味すると理解すべきである。
【0050】
さらに、また、本発明の化合物は、その塩を含めてそれらの水和物の形で得ることができ、またはそれらの結晶化のために使用した他の溶媒を含んでいてよい。
【0051】
本発明の化合物は、重要な薬理学的特性を有する。本発明の化合物は、アルドステロン合成酵素阻害剤として有用である。アルドステロン合成酵素は、副腎皮質におけるアルドステロン生産の最後の工程、すなわち、11−デオキシコルチコステロンのアルドステロンへの変換を触媒するミトコンドリアシトクロムP450酵素である。アルドステロン合成酵素は、すべての心臓血管組織、例えば、心臓、臍帯、腸間膜および肺動脈、大動脈、内皮および血管細胞において発現することが証明された。さらに、アルドステロン合成酵素の発現は細胞のアルドステロン生産と密接な相関関係がある。アルドステロン活性の上昇は様々な疾患、例えば、うっ血性心不全、心筋線維症、心室性不整脈および他の有害事象などを誘発することが発見されている。したがって、アルドステロン合成酵素阻害剤としての本発明の化合物は、また、アルドステロン合成酵素の異常活性により特徴付けられる障害または疾患の処置のために有用である。好ましくは、本発明の化合物は、また、低カリウム血漿、高血圧、うっ血性心不全、腎不全、特に、慢性腎不全、再狭窄、アテローム性動脈硬化症、シンドロームX、肥満、ネフロパシー、心筋梗塞後障害、冠状動脈性心疾患、コラーゲン形成の増加、線維症ならびにリモデリング後の高血圧および内皮機能障害から選択される障害または疾患の処置のために有用である。
【0052】
さらに、本発明の化合物は、アロマターゼ阻害剤として有用である。アロマターゼはシトクロムP450酵素であり、それはエストロゲン、例えば、エストラジオール、エストロンおよびエストロールの性腺外生合成の中心的役割を果たし、筋肉および脂肪組織に広く分布している(Longcope C, Pratt J H, Schneider S H, Fineberg S E, 1977, J. Clin. Endocrinol. Metab. 45:1134- 1145)。アロマターゼ活性の増加は、エストロゲン依存障害または疾患と関連することが確認された。したがって、本発明の化合物は、また、アロマターゼの異常発現により特徴付けられる障害または疾患の処置のために有用である。好ましくは、本発明の化合物は、エストロゲン依存障害または疾患の処置のために有用である。さらに好ましくは、本発明の化合物は、女性化乳房、骨粗鬆症、前立腺癌、子宮内膜症、子宮筋腫、機能不全性子宮出血、子宮内膜増殖症、多嚢胞卵巣障害、不妊症、乳腺線維嚢胞症、乳癌および線維嚢胞性乳腺症から選択されるエストロゲン依存障害または疾患の処置のために有用である。
【0053】
さらに、本発明の化合物は、CYP11B1(11−β−ヒドロキシラーゼ)阻害剤として有用である。CYP11B1はコルチゾール合成の最後の工程を触媒する。コルチゾールはヒトの主なグルココルチコイドである。それはエネルギー動員、したがってストレス応答を調節する。加えて、それはヒト身体の免疫応答に関与する。異常に増加したコルチゾールレベルはクッシング症候群を含む様々な疾患の原因である。したがって、CYP11B1阻害剤としての本発明の化合物は、また、CYP11B1の異常活性または異常レベルにより特徴付けられる障害または疾患または状態の処置のために有用である。本発明の化合物は、障害、疾患または状態、例えば、クッシング症候群、過剰なCYP11B1濃度、異所性ACTH症候群、副腎皮質腫瘤の変化、原発性副腎皮質小結節性異形成(PPNAD)、カーニー複合疾患(CNC)、拒食症、慢性アルコール中毒、ニコチンまたはコカイン禁断症候群、心的外傷後ストレス障害、卒中後の認識機能障害およびコルチゾール誘導ミネラルコルチコイド過剰などの処置のために使用できる。
【0054】
さらに、本発明は、
−医薬として使用するための本発明の化合物;
−アルドステロン合成酵素が介在するか、または、アルドステロン合成酵素の異常活性またはアルドステロン合成酵素の異常発現/レベルにより特徴付けられる障害または疾患の進行の遅延および/または処置のための医薬組成物の製造のための本発明の化合物の使用
−低カリウム血漿、高血圧、うっ血性心不全、腎不全、特に、慢性腎不全、再狭窄、アテローム性動脈硬化症、シンドロームX、肥満、ネフロパシー、心筋梗塞後障害、冠状動脈性心疾患、コラーゲン形成の増加、線維症およびリモデリング後の高血圧および内皮機能障害から選択される障害または疾患の進行の遅延および/または処置のための医薬組成物の製造のための本発明の化合物の使用
を提供する。
【0055】
さらに、本発明は、
−医薬として使用するための本発明の化合物;
−アロマターゼが介在するか、または、アロマターゼの阻害に応答するか、または、アロマターゼの異常活性または発現により特徴付けられる障害または疾患の進行の遅延および/または処置のための医薬組成物の製造のための本発明の化合物の使用
−女性化乳房、骨粗鬆症、前立腺癌、子宮内膜症、子宮筋腫、機能不全性子宮出血、子宮内膜増殖症、多嚢胞卵巣障害、不妊症、乳腺線維嚢胞症、乳癌および線維嚢胞性乳腺症から選択される障害または疾患の進行の遅延および/または処置のための医薬組成物の製造のための本発明の化合物の使用
を提供する。
【0056】
さらに、本発明は、
−医薬として使用するための本発明の化合物;
−CYP11B1が介在するか、または、CYP11B1の異常活性またはCYP11B1の異常発現/レベルにより特徴付けられる障害または疾患または状態の疾患の進行の遅延および/または処置のための医薬組成物の製造のための本発明の化合物の使用
−クッシング症候群、過剰なCYP11B1濃度、異所性ACTH症候群、副腎皮質腫瘤の変化、原発性副腎皮質小結節性異形成(PPNAD)、カーニー複合疾患(CNC)、拒食症、慢性アルコール中毒、ニコチンまたはコカイン禁断症候群、心的外傷後ストレス障害、卒中後の認識機能障害およびコルチゾール誘導ミネラルコルチコイド過剰などから選択される障害または疾患または状態の疾患の進行の遅延および/または処置のための医薬組成物の製造のための本発明の化合物の使用
を提供する。
【0057】
式(I)の化合物は下記の部に記載されている製造法により製造できる。
一般に、式(I)の化合物はスキーム1にしたがって製造できる。合成の最初の部は2つのアプローチによる共通の中間体アミン5の製造である。最初の方法において、アミンを市販で入手できるアルデヒド1(cas #33016-47-6)またはケトン2のいずれかと反応させる(これは、1のグリニャール添加、次に酸化マグネシウム(IV)の酸化により製造することができ、イミンを得、これを還元し、アミン5を得る)。あるいは、既知のアルコール3(cas #127607-62-9, J. Med. Chem. 1996, 39 (19), 3806.)を、最初に、塩化メタンスルホン酸、次にアミン4と反応させ、5を得る。アミン5を塩化α−ブロモ酸6と反応させ、アミド中間体を得、これを加熱後環化し、7の(I)を得る。7をLiHMDSで脱保護し、ヨード化合物でアルキル化し、ジ−置換(I)を得る。あるいは、式(I)の化合物は、また、WO2004/014914に記載の方法にしたがって製造することができる。
【化2】

【0058】
一般に、本発明の化合物のエナンチオマーは、当業者に既知の方法により、ラセミ混合物を分割すること、例えば、ジアステレオ異性体塩の形成および再結晶またはキラル固定相を利用するキラルクロマトグラフィーまたはHPLC分離により製造できる。
【0059】
本明細書に記載の方法で本発明の化合物に変換する出発化合物および中間体に存在するアミノ、チオール、カルボキシルおよびヒドロキシ基のような官能基は、所望により、合成有機化学において一般的な慣用の保護基で保護する。保護されたアミノ、チオール、カルボキシルおよびヒドロキシ基は、緩和な条件下で、分子骨格が破壊されるかまたは他の望ましくない副次反応が起こることなく、遊離アミノ、チオール、カルボキシルおよびヒドロキシ基に変換できるものである。
【0060】
保護基を挿入する目的は、所望の化学的変換を行うために使用する条件下で、反応成分との望ましくない反応から官能基を守るためである。特定の反応のための保護基の必要性および選択は、当業者に既知であり、保護すべき官能基の性質(ヒドロキシ基、アミノ基など)、該置換基がその一部である分子の構造および安定性、および反応条件に依存する。
【0061】
これらの条件に合う既知の保護基それらの挿入および除去は、例えば、McOmie, “Protective Groups in Organic Chemistry”, Plenum Press, London, NY (1973);およびGreene and Wuts, “Protective Groups in Organic Synthesis”, John Wiley and Sons, Inc., NY (1999)に記載されている。
【0062】
上記の反応は、標準法にしたがって、好ましくは反応剤に不活性であり、それらの溶媒である希釈剤、触媒、縮合剤または他の反応用剤各々の存在下または非存在下および/または不活性雰囲気中、低温、室温または高温、好ましくは使用する溶媒の沸点または付近で、および大気圧または超大気圧で行う。好ましい溶媒、触媒および反応条件は、下記の説明的実施例に明示する。
【0063】
本発明は、さらに、任意の段階で得られる中間体生成物を出発物質として使用して残りの段階を行うか、または出発物質を反応条件下インサイチュで製造するか、または反応成分をその塩または光学的に純粋なアンチポードの形で使用する、本発明の方法のすべての変法を含む。
【0064】
本発明の化合物および中間体はまた一般的にそれ自体既知の方法にしたがい互いに変換できる。
【0065】
他の局面において、本発明は、本発明の化合物および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。該医薬組成物は、例えば、経口投与、非経腸投与および経直腸投与などのような特定の投与形路に対して処方できる。加えて、本発明の医薬組成物は、カプセル、錠剤、丸薬、顆粒、粉末または坐薬を含む固体形態、または、溶液、懸濁液またはエマルジョンを含む液体形態で製造されてもよい。医薬組成物は、慣用の製薬工程、例えば滅菌に付す、および/または慣用の不活性希釈剤、平滑剤または緩衝剤、ならびにアジュバント、例えば防腐剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤および緩衝剤などを含んでもよい。
【0066】
好ましくは、医薬組成物は、該活性成分を
a)希釈剤、例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロースおよび/またはグリシン;
b)滑剤、例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸、そのマグネシウムまたはカルシウム塩および/またはポリエチレングリコール;錠剤に関してはまた
c)結合剤、例えば、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、デンプンペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースおよび/またはポリビニルピロリドン;所望により
d)崩壊剤、例えば、デンプン、寒天、アルギン酸またはそのナトリウム塩、または起沸性混合物;および/または
e)吸収剤、着色剤、香味剤および甘味剤
と一緒に含む錠剤およびゼラチンカプセルである。
錠剤は、当分野で既知の方法にしたがって、フィルムコーティングまたは腸溶コーティングされていてよい。
【0067】
経口投与用の適当な組成物は、有効量の錠剤、トローチ、水性もしくは油性懸濁液、分散粉末もしくは顆粒、エマルジョン、硬もしくは軟カプセル、またはシロップ剤またはエリキシル剤の形態の本発明の化合物を含む。経口使用用組成物は医薬組成物の製造のための当分野で既知の何れかの方法で製造し、このような組成物は、薬学的に洗練され、そして味の良い製剤を提供するために甘味剤、香味剤、着色剤および保存剤からなる群から選択される1種以上の医薬を含んでもよい。錠剤は活性成分と錠剤の製造のために適当である非毒性の薬学的に許容される賦形剤を一緒に含む。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム;造粒剤および崩壊剤、例えば、コーンデンプン、またはアルギン酸;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチンまたはアカシア;および滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクを含む。錠剤は非被覆であるか、または胃腸管における分解および吸収を遅らせ、それにより長期間にわたって持続作用を提供するために既知の技術により被覆されている。例えば、モノステアリン酸グリセリンまたはジステアリン酸グリセリルのような時間遅延物質を使用できる。経口使用用製剤は、活性成分を不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンと混合した硬ゼラチンカプセル、または、活性成分を水または油媒体、例えば、ピーナッツ油、流動パラフィンまたはオリーブ油と混合した軟ゼラチンカプセルとして保存できる。
【0068】
注射用組成物は、好ましくは水性等張性溶液または懸濁液であり、坐薬は有利には脂肪エマルジョンまたは懸濁液から製造する。該組成物は滅菌してよくおよび/または防腐剤、安定化剤、湿潤剤また乳化剤、溶解促進剤、浸透圧調整用塩および/または緩衝剤のような、アジュバントを含んでいてよい。加えて、それらはまた他の治療的に価値のある物質を含んでいてよい。該組成物は、各々慣用の混合、造粒または被覆方法にしたがい製造し、約0.1−75%、好ましくは約1−50%の本活性成分を含む。
【0069】
経皮適用のための適当な組成物は、有効量の本発明の化合物と担体を含む。有利な担体は、宿主の皮膚を通した移動を助ける、吸収性の薬理学的に許容される溶媒を含む。例えば、経皮デバイスは、裏打ち部材、本化合物を所望により担体と共に含む貯蔵部、所望により、化合物を宿主の皮膚に制御されたおよび予定された速度で長期間にわたり送達するための速度制御バリア、および、皮膚にデバイスを固定させるための手段を含む、バンデージの形である。
【0070】
例えば、皮膚および眼への局所投与用の適当な組成物は、水性溶液、懸濁液、軟膏、クリーム、ゲルまたは、例えば、エアロゾルにより送達するスプレー製剤などを含む。このような局所送達系は、特に皮膚適用、例えば、皮膚癌の処置、例えば、日焼け止めクリーム、ローション、スプレーなどにおける予防使用に対して適当である。したがって、これらは特に化粧品を含む局所的使用に適当であり、当分野で既知の製剤である。このようなものは可溶化剤、安定化剤、張性増強剤、緩衝剤および防腐剤を含んでもよい。
【0071】
本発明は、さらに、水がいくつかの化合物の分解を促進するので、活性成分として本発明の化合物を含む無水医薬組成物および投与形態を提供する。例えば、水の添加(例えば、5%)が、長期の保存寿命または製剤の安定性のような特性を測定するための長期保存をシミュレートする方法として、広く医薬分野で受け入れられている。例えば、Jens T. Carstensen, Drug Stability: Principles & Practice, 2d. Ed., Marcel Dekker, NY, N.Y., 1995, pp. 379-80参照。事実、水および加熱はいくつかの化合物の分解を加速する。したがって、製剤における水の効果は、水分および/または湿気が製造、処理、パッケージング、保存、出荷、および製剤の使用中に通常不可避であるため、重要な意味を有し得る。
【0072】
本発明の無水医薬組成物および投与形態は、無水または少ない水分を含む成分および少ない水分または少ない湿気条件を使用して製造できる。製造、パッケージング、および/または保存中に水分および/または湿気との実質的な接触が予想されるとき、ラクトースおよび一級または二級アミンを含む少なくとも1種の活性成分を含む医薬組成物および投与形態が好ましくは無水である。
【0073】
無水医薬組成物はその無水状態を維持するように製造および保存されるべきである。したがって、無水組成物は、好ましくは水への暴露を防止するため既知の物質を使用して、適当な形式的なキットに包含されるように包装される。適当な包装の例は、限定はしないが、密閉ホイル、プラスチック、単位用量容器(例えば、バイアル)、ブリスター・パックおよびストリップ・パックを含む。
【0074】
本発明は、さらに、活性成分としての本発明の化合物が崩壊する割合を減少させる1種以上の医薬を含む、医薬組成物および投与形態を提供する。本明細書で“安定剤”と称されるこのような医薬は、限定はしないが、抗酸化剤、例えばアスコルビン酸、pH緩衝液または塩緩衝液などを含む。
【0075】
医薬組成物は、治療有効量の上記定義の本発明の化合物を、単独、または、例えば、当分野で報告されているそれぞれの有効な治療量での1種以上の治療剤との組合せのいずれかで含む。このような治療剤は、少なくとも1または2種またはそれ以上の
(i)アンギオテンシンII受容体アンタゴニストまたはその薬学的に許容される塩、
(ii)HMG−Co−Aレダクターゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩、
(iii)アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはその薬学的に許容される塩、
(iv)カルシウムチャネルブロッカー(CCB)またはその薬学的に許容される塩、
(v)二重アンギオテンシン変換酵素/中性エンドペプチダーゼ(ACE/NEP)阻害剤またはその薬学的に許容される塩、
(vi)エンドセリンアンタゴニストまたはその薬学的に許容される塩、
(vii)レニン阻害剤またはその薬学的に許容される塩、
(viii)利尿剤またはその薬学的に許容される塩、
(ix)ApoA−I模倣剤;
(x)抗糖尿病剤;
(xi)抗肥満剤;
(xii)アルドステロン受容体ブロッカー;
(xiii)エンドセリン受容体ブロッカー;
(xiv)CETP阻害剤
(xv)Na−K−ATPase膜ポンプの阻害剤;
(xvi)β−アドレナリン受容体ブロッカーまたはα−アドレナリン受容体ブロッカー;
(xvii)中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害剤;および、
(xviii)強心剤
からなる群から選択されるものを含む。
【0076】
アンギオテンシンII受容体アンタゴニストまたはその薬学的に許容される塩は、アンギオテンシンII受容体のAT1−受容体サブタイプに結合するが、受容体の活性化を生じない活性成分であると理解する。AT受容体阻害の結果として、これらのアンタゴニストは、例えば、抗高血圧として、またはうっ血性心不全処置するために使用できる。
【0077】
AT受容体アンタゴニスト群は異なる構造特性を有する化合物を含み、本質的に好ましいのは非ペプチド化合物である。例えば、バルサルタン、ロサルタン、カンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、サプリサルタン、タソサルタン、テルミサルタン、下記式の名称E−1477の化合物
【化3】

下記式の名称SC−52458の化合物
【化4】

および下記式の名称ZD−8731の化合物
【化5】

からなる群から選択される化合物、
または、それぞれの場合において、それぞれの薬学的に許容される塩である。
【0078】
好ましいAT−受容体アンタゴニストは、市販されている医薬であり、もっとも好ましくはバルサルタンまたはその薬学的に許容される塩である。
HMG−Co−Aレダクターゼ阻害剤(ベータ−ヒドロキシ−ベータ−メチルグルタリル−コエンザイム−Aレダクターゼ阻害剤とも呼ばれる)は、血中のコレステロールを含む脂質濃度を低下するために使用できる活性医薬であると理解されている。
【0079】
HMG−Co−Aレダクターゼ阻害剤群は、異なる構造特性を有する化合物を含む。例えば、アトルバスタチン、セリバスタチン、コンパクチン、ダルバスタチン、ジヒドロコンパクチン、フルインドスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、ピタバスタチン、メバスタチン、プラバスタチン、リバスタチン、シンバスタチンおよびベロスタチンからなる群から選択される化合物、またはそれぞれの場合において、それぞれの薬学的に許容される塩である。
【0080】
好ましいHMG−Co−Aレダクターゼ阻害剤は、市販されている医薬であり、もっとも好ましくはフルバスタチンおよびピタバスタチン、またはそれぞれの場合において、それぞれの薬学的に許容される塩である。
いわゆるACE−阻害剤(アンギオテンシン変換酵素阻害剤とも呼ばれる)でのアンギオテンシンIのアンギオテンシンIIへの酵素分解の妨害は、血圧の調節に対して成功した変法であり、したがって、また、うっ血性心不全の処置のために治療方法で利用できる。
【0081】
ACE阻害剤群は、異なる構造特性を有する化合物を含む。例えば、アラセプリル、ベナゼプリル、ベナゼプリレート、カプトプリル、セロナプリル、シラザプリル、デラプリル、エナラプリル、エナラプリラート、フォシノプリル、イミダプリル、リシノプリル、モベルトプリル、ペリンドプリル、キナプリル、ラミプリル、スピラプリル、テモカプリルおよびトランドラプリルからなる群から選択される化合物、またはそれぞれの場合において、それぞれの薬学的に許容される塩である。
好ましいACE阻害剤は、市販されている医薬であり、もっとも好ましくはベナゼプリルおよびエナラプリルである。
【0082】
CCB群は、本質的にジヒドロピリジン(DHP)および非DHP、例えば、ジルチアゼム型およびベラパミル型のCCBを含む。
該組合せにおいて有用であるCCBは、好ましくは、アムロジピン、フェロジピン、リョシジン、イスラジピン、ラシジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニグルジピン、ニルジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニトレンジピンおよびニバルジピンからなる群から選択される典型的なDHP、好ましくはフルナジリン、プレニラミン、ジルチアゼム、フェンジリン、ガルパミル、ミベフラジル、アニパミル、ティアパミルおよびベラパミルからなる群から選択される典型的な非DHP化合物、およびそれぞれの場合において、それぞれの薬学的に許容される塩である。全てのこれらのCCBが、例えば、抗高血圧、抗狭心症または抗不整脈剤として、治療的に使用される。
【0083】
好ましいCCBは、アムロジピン、ジルチアゼム、イスラジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニトレンジピンおよびベラパミル、または、例えばある種のCCBによっては、それらの薬学的に許容される塩を含む。とりわけDHPとして好ましいものは、アムロジピンまたはその薬学的に許容される塩、とりわけベシル酸塩である。とりわけ好ましい典型的な非DHPは、ベラパミルまたはその薬学的に許容される塩、とりわけ塩酸塩である。
【0084】
好ましいデュアルアンギオテンシン変換酵素/中性エンドペプチダーゼ(ACE/NEP)阻害剤は、例えば、オマパトリレート(EP629627参照)、ファシドトリルまたはファシドトリレート、または適当なとき、それぞれの薬学的に許容される塩である。
好ましいエンドセリンアンタゴニストは、例えば、ボセンタン(EP526708A参照)、さらに、テゾセンタン(WO96/19459参照)、またはそれぞれの場合において、それぞれの薬学的に許容される塩である。
【0085】
適当なレニン阻害剤は、異なる構造特性を有する化合物を含む。例えば、ジテキレン(化学名:[1S−[1R*,2R*,4R*(1R*,2R*)]]−1−[(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル]−L−プロリル−L−フェニルアラニル−N−[2−ヒドロキシ−5−メチル−1−(2−メチルプロピル)−4−[[[2−メチル−1−[[(2−ピリジニルメチル)アミノ]カルボニル]ブチル]アミノ]カルボニル]ヘキシル]−N−α−メチル−L−ヒスチジンアミド);テルラキレン(化学名:[R−(R*,S*)]−N−(4−モルホリニルカルボニル)−L−フェニルアラニル−N−[1−(シクロヘキシルメチル)−2−ヒドロキシ−3−(1−メチルエトキシ)−3−オキソプロピル]−S−メチル−L−システインアミド);およびザンキレン(化学名:[1S−[1R*[R*(R*)],2S*,3R*]]−N−[1−(シクロヘキシルメチル)−2,3−ジヒドロキシ−5−m−エチルヘキシル]−α−[[2−[[(4−メチル−1−ピペラジニル)スルホニル]メチル]−1−オキソ−3−フェニルプロピル]−アミノ]−4−チアゾールプロパンアミド)、好ましくは、それぞれの場合において、それらの塩酸塩、Speedelにより開発されたSPP630、SPP635およびSPP800からなる群から選択される化合物である。
【0086】
好ましい本発明のレニン阻害剤は、式(A)および(B)
【化6】

のRO66−1132およびRO66−1168、またはそれらの薬学的に許容される塩を含む
【0087】
特に、本発明は、式(C)
【化7】

〔式中、Rはハロゲン、C1−6ハロゲンアルキル、C1−6アルコキシ−C1−6アルキルオキシまたはC1−6アルコキシ−C1−6アルキルであり;Rはハロゲン、C1−4アルキルまたはC1−4アルコキシであり;RおよびRは、独立して、分岐C3−6アルキルであり;そして、Rはシクロアルキル、C1−6アルキル、C1−6ヒドロキシアルキル、C1−6アルコキシ−C1−6アルキル、C1−6アルカノイルオキシ−C1−6アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル、C1−6ジアルキルアミノ−C1−6アルキル、C1−6アルカノイルアミノ−C1−6アルキル、HO(O)C−C1−6アルキル、C1−6アルキル−O−(O)C−C1−6アルキル、HN−C(O)−C1−6アルキル、C1−6アルキル−HN−C(O)−C1−6アルキルまたは(C1−6アルキル)N−C(O)−C1−6アルキルである〕で示されるδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミド誘導体;またはその薬学的に許容される塩である、レニン阻害剤に関する。
【0088】
アルキルにおいて、Rは直鎖または分岐であってよく、好ましくは1から6個のC原子、とりわけ1から4個のC原子を含む。例えば、メチル、エチル、n−およびi−プロピル、n−、i−およびt−ブチル、ペンチルおよびヘキシルである。
ハロゲンアルキルにおいて、Rは直鎖または分岐であってよく、好ましくは1から4個のC原子、とりわけ1または2個のC原子を含む。例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、2−クロロエチルおよび2,2,2−トリフルオロエチルである。
アルコキシにおいて、RおよびRは直鎖または分岐であってよく、好ましくは1から4個のC原子を含む。例えば、メトキシ、エトキシ、n−およびi−プロピルオキシ、n−、i−およびt−ブチルオキシ、ペンチルオキシおよびヘキシルオキシである。
【0089】
アルコキシアルキルにおいて、Rは直鎖または分岐であってよい。アルコキシ基は、好ましくは1から4個、とりわけ1または2個のC原子を含み、アルキル基は、好ましくは1から4個のC原子を含む。例えば、メトキシメチル、2−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、4−メトキシブチル、5−メトキシペンチル、6−メトキシヘキシル、エトキシメチル、2−エトキシエチル、3−エトキシプロピル、4−エトキシブチル、5−エトキシペンチル、6−エトキシヘキシル、プロピルオキシメチル、ブチルオキシメチル、2−プロピルオキシエチルおよび2−ブチルオキシエチルである。
【0090】
1−6アルコキシ−C1−6アルキルオキシにおいて、Rは直鎖または分岐であってよい。アルコキシ基は、好ましくは1から4個、とりわけ1または2個のC原子を含み、アルキルオキシ基は、好ましくは1から4個のC原子を含む。例えば、メトキシメチルオキシ、2−メトキシエチルオキシ、3−メトキシプロピルオキシ、4−メトキシブチルオキシ、5−メトキシペンチルオキシ、6−メトキシヘキシルオキシ、エトキシメチルオキシ、2−エトキシエチルオキシ、3−エトキシプロピルオキシ、4−エトキシブチルオキシ、5−エトキシペンチルオキシ、6−エトキシヘキシルオキシ、プロピルオキシメチルオキシ、ブチルオキシメチルオキシ、2−プロピルオキシエチルオキシおよび2−ブチルオキシエチルオキシである。
【0091】
好ましい態様において、Rはメトキシ−またはエトキシ−C1−4アルキルオキシであり、Rは、好ましくはメトキシまたはエトキシである。特に好ましくは、Rが3−メトキシプロピルオキシであり、Rがメトキシである式(III)の化合物である。
分岐アルキルにおいて、RおよびRは、好ましくは3から6個のC原子を含む。例えば、i−プロピル、i−およびt−ブチル、ペンチルおよびヘキシルの分岐異性体である。好ましい態様において、式(C)の化合物のRおよびRは、それぞれの場合においてi−プロピルである。
【0092】
シクロアルキルにおいて、Rは好ましくは3から8個の環炭素原子を含み、3または5個がとりわけ好ましい。いくつかの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロオクチルである。シクロアルキルは、所望により、1個以上の、例えば、アルキル、ハロ、オキソ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、チオール、アルキルチオ、ニトロ、シアノ、ヘテロシクリルなどの置換基により置換されていてもよい。
【0093】
アルキルにおいて、Rはアルキルの形態で直鎖または分岐であってよく、好ましくは1から6個のC原子を含む。アルキルの例は上記に記載されている。メチル、エチル、n−およびi−プロピル、n−、i−およびt−ブチルが好ましい。
1−6ヒドロキシアルキルにおいて、Rは直鎖または分岐であってよく、好ましくは2から6個のC原子を含む。いくつかの例は、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、2−、3−もしくは4−ヒドロキシブチル、ヒドロキシペンチルおよびヒドロキシヘキシルである。
【0094】
1−6アルコキシ−C1−6アルキルにおいて、Rは直鎖または分岐であってよい。アルコキシ基は好ましくは1から4個のC原子、アルキル基は好ましくは2から4個のC原子を含む。いくつかの例は、2−メトキシエチル、2−メトキシプロピル、3−メトキシプロピル、2−、3−もしくは4−メトキシブチル、2−エトキシエチル、2−エトキシプロピル、3−エトキシプロピルおよび2−、3−もしくは4−エトキシブチルである。
【0095】
1−6アルカノイルオキシ−C1−6アルキルにおいて、Rは直鎖または分岐であってよい。アルカノイルオキシ基は好ましくは1から4個のC原子、アルキル基は好ましくは2から4個のC原子を含む。いくつかの例は、ホルミルオキシメチル、ホルミルオキシエチル、アセチルオキシエチル、プロピオニルオキシエチルおよびブチロイルオキシエチルである。
【0096】
1−6アミノアルキルにおいて、Rは直鎖または分岐であってよく、好ましくは2から4個のC原子を含む。いくつかの例は、2−アミノエチル、2−もしくは3−アミノプロピルおよび2−、3−もしくは4−アミノブチルである。
【0097】
1−6アルキルアミノ−C1−6アルキルおよびC1−6ジアルキルアミノ−C1−6アルキルにおいて、Rは直鎖または分岐であってよい。アルキルアミノ基は好ましくはC1−4アルキル基を含み、アルキル基は好ましくは2から4個のC原子を含む。いくつかの例は、2−メチルアミノエチル、2−ジメチルアミノエチル、2−エチルアミノエチル、2−エチルアミノエチル、3−メチルアミノプロピル、3−ジメチルアミノプロピル、4−メチルアミノブチルおよび4−ジメチルアミノブチルである。
【0098】
HO(O)C−C1−6アルキルにおいて、Rは直鎖または分岐であってよく、アルキル基は好ましくは2から4個のC原子を含む。いくつかの例は、カルボキシメチル、カルボキシエチル、カルボキシプロピルおよびカルボキシブチルである。
【0099】
1−6アルキル−O−(O)C−C1−6アルキルにおいて、Rは直鎖または分岐であってよく、アルキル基は好ましくは互いに独立して1から4個のC原子を含む。いくつかの例は、メトキシカルボニルメチル、2−メトキシカルボニルエチル、3−メトキシカルボニルプロピル、4−メトキシ−カルボニルブチル、エトキシカルボニルメチル、2−エトキシカルボニルエチル、3−エトキシカルボニルプロピルおよび4−エトキシカルボニルブチルである。
【0100】
N−C(O)−C1−6アルキルにおいて、Rは直鎖または分岐であってよく、アルキル基は好ましくは2から6個のC原子を含む。いくつかの例は、カルバミドメチル、2−カルバミドエチル、2−カルバミド−2,2−ジメチルエチル、2−もしくは3−カルバミドプロピル、2−、3−もしくは4−カルバミドブチル、3−カルバミド−2−メチルプロピル、3−カルバミド−1,2−ジメチルプロピル、3−カルバミド−3−エチルプロピル、3−カルバミド−2,2−ジメチルプロピル、2−、3−、4−もしくは5−カルバミドペンチル、4−カルバミド−3,3−もしくは−2,2−ジメチルブチルである。好ましくは、Rは2−カルバミド−2,2−ジメチルエチルである。
【0101】
したがって、好ましくは、式
【化8】

〔式中、Rは3−メトキシプロピルオキシであり;Rはメトキシであり;そして、RおよびRはイソプロピルである〕で示される式(C)のδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミド誘導体;またはその薬学的に許容される塩であり、アリスキレンとしても既知の化学的に2(S),4(S),5(S),7(S)−N−(3−アミノ−2,2−ジメチル−3−オキソプロピル)−2,7−ジ(1−メチルエチル)−4−ヒドロキシ−5−アミノ−8−[4−メトキシ−3−(3−メトキシ−プロポキシ)フェニル]−オクタンアミドと定義されるものである。
【0102】
“アリスキレン”なる用語は、具体的に定義されていないとき、遊離塩基およびその塩、とりわけその薬学的に許容される塩、さらに好ましくはそのヘミフタル酸塩の両方と理解すべきである。
【0103】
利尿剤は、例えば、クロロチアジド、ヒドロクロロチアジド、メチルクロチアジドおよびクロロサリドンからなる群から選択されるチアジド誘導体である。もっとも好ましくはヒドロクロロチアジドである。
ApoA−I模倣剤は、例えば、とりわけ式D−W−F−K−A−F−Y−D−K−V−A−E−K−F−K−E−A−FのD4Fペプチドである。
【0104】
抗糖尿病剤は、脾臓のβ−細胞からのインスリンの分泌を促進する性質を有する活性成分であるインスリン分泌エンハンサーを含む。インスリン分泌エンハンサーの例は、ビグアニド誘導体、例えば、メトホルミン、または、適当なとき、その薬学的に許容される塩、とりわけ、その塩酸塩である。他のインスリン分泌エンハンサーは、スルホニルウレア(SU)、とりわけ、細胞膜におけるSU受容体を介してインスリン分泌のシグナルを伝達することにより、脾臓のβ−細胞からインスリンの分泌を促進するもの、(限定はしないが)トルブタミド;クロルプロパミド;トラザミド;アセトヘキサミド;4−クロロ−N−[(1−ピロリジニルアミノ)カルボニル]−ベンゼンスルホンアミド(グリコピラミド);グリベンクラミド(グリブリド);グリクラジド;1−ブチル−3−メタニリルウレア;カルブタミド;グリボヌリド;グリピジド;グリキドン;グリソキシピド;グリブチアゾール;グリブゾール;グリヘキサミド;グリミジン;グリピンアミド;フェンブタミド;およびトリルシクラミド、またはそれらの薬学的に許容される塩を含む。
【0105】
インスリン分泌エンハンサーは、さらに、短時間作用型インスリン分泌エンハンサー、例えば、式;
【化9】

で示されるフェニルアラニン誘導体ナテグリニド[N−(トランス−4−イソプロピルシクロヘキシルカルボニル)−D−フェニルアラニン](EP196222およびEP526171参照)およびレパグリニド[(S)−2−エトキシ−4−{2−[[3−メチル−1−[2−(1−ピペリジニル)フェニル]ブチル]アミノ]−2−オキソエチル}安息香酸]を含む。レパグリニドは、EP589874、EP147850A2、特に61頁の実施例11、およびEP207331A1に記載されている。遊離形または薬学的に許容される塩形における、例えば、商標名NovoNormTMの下に販売されている形態;カルシウム(2S)−2−ベンジル−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)−プロピオネート二水和物(ミチグリニド−EP507534参照);SUの新生代のさらなる代表例、例えばグリメピリド(EP31058参照)を投与できる。同様にナテグリニドなる用語は、例えば、EP0526171B1またはUS5,488,510各々に記載されている結晶変態を含み、とりわけ結晶変態の同定、製造および特徴化に対する対象物、とりわけ該US特許(H−型結晶変態に関する)の請求項8から10の対象物、ならびに、EP196222B1におけるB−型結晶変態において対応するもの、とりわけB−型結晶変態の同定、製造および特徴化に対する対象物を本明細書に包含させる。好ましくは、本発明において、B−またはH−型、さらに好ましくはH−型を使用する。ナテグリニドを、例えば商標名STARLIXTMの下に販売されている形態で投与できる。
【0106】
インスリン分泌エンハンサーは、同様に持続性インスリン分泌エンハンサーDPP−IV阻害剤、GLP−1およびGLP−1アゴニストを含む。
DPP−IVは、GLP−1の不活性化に関する。さらに特に、DPP−IVはGLP−1受容体アンタゴニストを産生し、したがって、GLP−1に対する生理学的応答を短くする。GLP−1は脾臓のインスリン分泌の主な刺激因子であり、糖処理における直接的に有益な効果を有する。
【0107】
DPP−IV阻害剤は、ペプチドまたは、好ましくは、非ペプチドであり得る。DPP−IV阻害剤は、それぞれの場合において、例えばWO98/19998、DE19616486A1、WO00/34241およびWO95/15309に、一般的におよび具体的に記載されている(それぞれの場合において、特に特許請求の範囲の化合物および実施例の最終生成物、最終産物の対象物、医薬および特許請求の範囲をこれらの引用文献の出典明示により本明細書に包含させる)。好ましくはWO98/19998の実施例3およびWO00/34241の実施例1各々に具体的に記載されている化合物である。
GLP−1は、例えば、W.E. Schmidt et al. in Diabetologia, 28, 1985, 704-707およびUS5,705,483により記載された、インスリン分泌促進タンパク質である。
【0108】
本明細書で使用される、“GLP−1アゴニスト”なる用語は、特にUS5,120,712、US5,118666、US5,512,549、WO91/11457およびC. Orskov et al in J. Biol. Chem. 264 (1989) 12826に記載されているGLP−1(7−36)NHの変異体および類似体を意味する。“GLP−1アゴニスト”なる用語は、とりわけArg36のカルボキシ−末端アミド官能基がGLP−1(7−36)NH分子の37th位でGlyで置換されているGLP−1(7−37)のような化合物、GLN−GLP−1(7−37)、D−GLN−GLP−1(7−37)、アセチルLYS−GLP−1(7−37)、LYS18−GLP−1(7−37)、および、特に、GLP−1(7−37)OH、VAL−GLP−1(7−37)、GLY−GLP−1(7−37)、THR−GLP−1(7−37)、MET−GLP−1(7−37)および4−イミダゾプロピオニル−GLP−1を含むその変異体および類似体を含む。特に好ましいものは、また、Greig et al in Diabetologia 1999, 42, 45-50に記載されているGLPアゴニスト類似体エキセンジン−4である。
【0109】
インスリン感受性エンハンサーは損傷したインスリン受容体機能を回復させ、インスリン耐性を減少させ、その結果、インスリン感受性を増強させる。
適当なインスリン感受性エンハンサーは、例えば、適当な血糖降下チアゾリジンジオン誘導体(グリタゾン)である。
【0110】
適当なグリタゾンは、例えば、(S)−((3,4−ジヒドロ−2−(フェニル−メチル)−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)メチル−チアゾリジン−2,4−ジオン(エングリタゾン)、5−{[4−(3−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)−1−オキソプロピル)−フェニル]−メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(ダルグリタゾン)、5−{[4−(1−メチル−シクロヘキシル)メトキシ)−フェニル]メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(シグリタゾン)、5−{[4−(2−(1−インドリル)エトキシ)フェニル]メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(DRF2189)、5−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)−エトキシ)]ベンジル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(BM−13.1246)、5−(2−ナフチルスルホニル)−チアゾリジン−2,4−ジオン(AY−31637)、ビス{4−[(2,4−ジオキソ−5−チアゾリジニル)メチル]フェニル}メタン(YM268)、5−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)−2−ヒドロキシエトキシ]ベンジル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(AD−5075)、5−[4−(1−フェニル−1−シクロプロパンカルボニルアミノ)−ベンジル]−チアゾリジン−2,4−ジオン(DN−108)5−{[4−(2−(2,3−ジヒドロインドル−1−イル)エトキシ)フェニル]メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン、5−[3−(4−クロロ−フェニル])−2−プロピニル]−5−フェニルスルホニル)チアゾリジン−2,4−ジオン、5−[3−(4−クロロフェニル])−2−プロピニル]−5−(4−フルオロフェニル−スルホニル)チアゾリジン−2,4−ジオン、5−{[4−(2−(メチル−2−ピリジニル−アミノ)−エトキシ)フェニル]メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(ロシグリタゾン)、5−{[4−(2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ)フェニル]−メチル}チアゾリジン−2,4−ジオン(ピオグリタゾン)、5−{[4−((3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−イル)メトキシ)−フェニル]−メチル}−チアゾリジン−2,4−ジオン(トログリタゾン)、5−[6−(2−フルオロ−ベンジルオキシ)ナフタレン−2−イルメチル]−チアゾリジン−2,4−ジオン(MCC555)、5−{[2−(2−ナフチル)−ベンゾキサゾール−5−イル]−メチル}チアゾリジン−2,4−ジオン(T−174)および5−(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イルメチル)−2−メトキシ−N−(4−トリフルオロメチル−ベンジル)ベンズアミド(KRP297)である。好ましくは、ピオグリタゾン、ロシグリタゾンおよびトログリタゾンである。
【0111】
他の抗糖尿病剤は、タンパク質チロシンホスファターゼ(PTPases)の阻害剤、抗糖尿病非小分子模倣化合物およびグルタミン−フルクトース−6−リン酸アミドトランスフェラーゼ(GFAT)の阻害剤のようなインスリンシグナル伝達モジュレーター;グルコース−6−ホスファターゼ(G6Pase)の阻害剤、フルクトース−1,6−ビスホスファターゼ(F−1,6−BPase)の阻害剤、グリコーゲンホスホリラーゼ(GP)の阻害剤、グルカゴン受容体アンタゴニストおよびピルビン酸ホスホエノール・カルボキシキナーゼ(PEPCK)の阻害剤、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ・キナーゼ(PDHK)の阻害剤のような脱制御された肝グルコース産生に影響する化合物;胃内容排出物の阻害剤;インスリン;GSK−3の阻害剤;レチノイドX受容体(RXR)アゴニスト;ベータ−3ARのアゴニスト;脱共役タンパク質(UCP)のアゴニスト;非グリタゾン型PPARγアゴニスト;デュアルPPARα/PPARγアゴニスト;抗糖尿病性バナジウムを含有する化合物;グルカゴン−様ペプチド−1(GLP−1)およびGLP−1アゴニストのようなインクレチンホルモン;β−細胞イミダゾリン受容体アンタゴニスト;ミグリトール;およびα−アドレナリンアンタゴニストを含み、ここで、該活性成分は、それぞれの場合において、遊離形または薬学的に許容される塩の形態で存在する。
【0112】
抗肥満剤は、リパーゼ阻害剤、例えば、オルリスタットおよび食欲抑制剤、例えば、シブトラミン、フェンタミンを含む。
アルドステロン受容体ブロッカーは、スピロノラクトンおよびエプレレノンを含む。
エンドセリン受容体ブロッカーは、ボセンタンなどを含む。
【0113】
CETP阻害剤は、コレステロールエステル輸送タンパク質(CETP)を介在する、様々なコレステロールエステルおよびトリグリセリドのHDLからLDLおよびVLDLへの輸送を阻害する化合物を意味する。このようなCETP阻害活性は、標準アッセイ(例えば、米国特許第6,140,343号)にしたがって当業者によって容易に測定される。CETP阻害剤は米国特許第6,140,343号および米国特許第6,197,786号に記載されているものを含む。これらの特許文献に記載されているCETP阻害剤は、化合物、例えば、トルセトラピブとしても既知である[2R,4S]4−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−メトキシカルボニル−アミノ]−2−エチル−6−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルボン酸エチルエステルを含む。CETP阻害剤は、また、(2R)−3−{[3−(4−クロロ−3−エチル−フェノキシ)−フェニル]−[[3−(1,1,2,2−テトラフルオロ−エトキシ)−フェニル]−メチル]−アミノ}−1,1,1−トリフルオロ−2−プロパノールを含む多くのCETP阻害剤を含む米国特許第6,723,752号に記載されている。CETP阻害剤は、また、2004年3月23日出願の米国特許出願10/807,838号に記載されているものを含む。米国特許第5,512,548号はコレステロールエステルのCETP阻害剤として活性を有するポリペプチド誘導体を記載しており、また、CETP−阻害ロゼノノラクチン誘導体およびリン酸含有類似体はJ. Antibiot., 49(8): 815-816 (1996), and Bioorg. Med. Chem. Lett.; 6:1951-1954 (1996)に記載されている。さらに、CETP阻害剤は、また、WO2000/017165、WO2005/095409およびWO2005/097806に記載されているものを含む。
【0114】
Na−K−ATPase阻害剤は細胞膜を通過するNaおよびK交換を阻害するために使用することができる。このような阻害剤は、例えば、ジゴキシンであってよい。
【0115】
β−アドレナリン受容体ブロッカーは、限定はしないが:エスモロール、とりわけその塩酸塩;米国特許第3,857、952号に記載のとおりに製造することができるアセブトロール;蘭国特許出願第6,605,692号に記載のとおりに製造することができるアルプレノロール;米国特許第4,217,305号に記載のとおりに製造することができるアモスラロール;米国特許第3,932,400号に記載のとおりに製造することができるアロチノロール;米国特許第3,663,607または3,836,671号に記載のとおりに製造することができるアテノロール;米国特許第3,853,923号に記載のとおりに製造することができるベフノロール;米国特許第4,252,984号に記載のとおりに製造することができるベタキソロール;米国特許第3,857,981号に記載のとおりに製造することができるベバントロール;米国特許第4,171、370号に記載のとおりに製造することができるビソプロロール;米国特許第4、340,541号に記載のとおりに製造することができるボピンドロール;米国特許第3、663,570号に記載のとおりに製造することができるブクモロール;米国特許第3、723,476号に記載のとおりに製造することができるブフェトロール;米国特許第3、929,836号に記載のとおりに製造することができるブフラロール;米国特許第3,940、489および3,961,071号に記載のとおりに製造することができるブニトロロール;米国特許第3,309,406号に記載のとおりに製造することができるブプランドロール(buprandolol);仏国特許第1,390,056号に記載のとおりに製造することができる塩酸ブチリジン(butiridine);米国特許第4,252,825号に記載のとおりに製造することができるブトフィロロール;独国特許第2,240,599号に記載のとおりに製造することができるカラゾロール;米国特許第3,910,924号に記載のとおりに製造することができるカルテオロール;米国特許第4,503,067号に記載のとおりに製造することができるカルベジロール;米国特許第4,034、009号に記載のとおりに製造することができるセリプロロール;米国特許第4,059、622号に記載のとおりに製造することができるセタモロール;独国特許第2,213、044号に記載のとおりに製造することができるクロラノロール;Clifton et al., Journal of Medicinal Chemistry, 1982, 25, 670に記載のとおりに製造することができるジレバロール;欧州特許出願第41、491号に記載のとおりに製造することができるエパノロール;米国特許第4、045、482号に記載のとおりに製造することができるインデノロール;米国特許第4,012、444号に記載のとおりに製造することができるラベタロール;米国特許第4、463,176号に記載のとおりに製造することができるレボブノロール;Seeman et al., Helv. Chim. Acta, 1971, 54, 241に記載のとおりに製造することができるメピンドロール;チェコスロバキア特許出願第128,471号に記載のとおりに製造することができるメチプラノロール;米国特許第3,873,600号に記載のとおりに製造することができるメトプロロール;米国特許第3,501,7691号に記載のとおりに製造することができるメトプロロール;米国特許第3,935,267号に記載のとおりに製造することができるナドロール;米国特許第3,819,702号に記載のとおりに製造することができるナドキソロール;米国特許第4,654,362号に記載のとおりに製造することができるネビボロール;米国特許第4,394,382号に記載のとおりに製造することができるニプラジロール;英国特許第1、077,603号に記載のとおりに製造することができるオクスプレノロール;米国特許第3,551,493号に記載のとおりに製造することができるペルブトール(perbutolol);スイス特許出願第469,002および472,404号に記載のとおりに製造することができるピンドロール;米国特許第3,408,387号に記載のとおりに製造することができるプラクトロール;英国特許第909,357号に記載のとおりに製造することができるプロネタロール;英国特許第3,337,628および3,520,919号に記載のとおりに製造することができるプロプラノロール;Uloth et al., Journal of Medicinal Chemistry, 1966, 9, 88に記載のとおりに製造することができるソタロール;独国特許第2,728,641号に記載のとおりに製造することができるスフィナロール(sufinalol);米国特許第3,935,259および4,038,313号に記載のとおりに製造することができるタリンドール;米国特許第3,960,891号に記載のとおりに製造することができるテルタトロール;米国特許第4,129,565号に記載のとおりに製造することができるチリソロール;米国特許第3,655,663号に記載のとおりに製造することができるチモロール;米国特許第3,432,545号に記載のとおりに製造することができるトリプロロール;および、米国特許第4,018,824号に記載のとおりに製造することができるキシベノロールを含む。
【0116】
α−アドレナリン受容体ブロッカーは、限定はしないが:米国特許第4,217、307号に記載のとおりに製造することができるアモスラロール;米国特許第3、932,400に記載のとおりに製造することができるアロチノロール;米国特許第4,252,721号に記載のとおりに製造することができるダピプラゾール;米国特許第4,188,390号に記載のとおりに製造することができるドキサゾシン;米国特許第3,399,192号に記載のとおりに製造することができるフェンスピリド;米国特許第3,527,761号に記載のとおりに製造できる可能性のあるインドラミン;上記に記載のとおりに製造できる可能性のあるラベタロール;米国特許第3,997,666号に記載のとおりに製造することができるナフトピジル;米国特許第3,228、943号に記載のとおりに製造することができるニセルゴリン;米国特許第3,511、836号に記載のとおりに製造することができるプラゾシン;米国特許第4、703,063号に記載のとおりに製造することができるタムスロシン;米国特許第2,161,938号に記載のとおりに製造することができるトラゾリン;米国特許第3,669,968号に記載のとおりに製造することができるトリマゾシン;および当業者に既知の方法にしたがって天然物質から単離することができるヨヒンビンを含む。
【0117】
ナトリウム利尿ペプチドは、心房性(ANP)、脳性(BNP)およびC型ナトリウム利尿(CNP)ペプチドを含むペプチドファミリーを構成する。ナトリウム利尿ペプチドは、血管拡張、ナトリウム利尿、利尿、アルドステロン放出の減少、細胞増殖の減少ならびに血圧ならびにナトリウムおよび水分バランスの調節への関与を示す交感神経系およびレニン−アンギオテンシン−アルドステロン系の阻害に作用する。中性エンドペプチダーゼ24.11(NEP)阻害剤は、ナトリウム利尿ペプチドの崩壊を防止し、いくつかの心疾患の管理において有用である可能性がある薬理学的作用を誘導する。該組合せで有用なNEP阻害剤は、カンドキサトリル、シノルファン(sinorphan)、SCH34826およびSCH42495により示される群から選択される薬剤である。
【0118】
強心剤は、ジゴキシン、ジギトキシン、ジギタリス、ドブタミン、ドーパミン、エピネフリン、ミルリノン、アムリノンおよびノルエピネフリン、などからなる群から選択される。
【0119】
本発明の化合物は、同時に、他の活性成分の前後のいずれかで、同じまたは異なる投与形路により別々にまたは同じ医薬で一緒にのいずれかで投与できる。
【0120】
さらに、上記組合せは同時の、別々のまたは連続の投与(使用)を介して対象に投与できる。同時の投与(使用)は、2種または3種またはそれ以上の活性成分で1個の固定された組合せの形態で、または独立して製剤される2種または3種またはそれ以上の化合物を同時に投与することにより実施できる。連続の投与(使用)は、好ましくは組合せの1種(または1種以上)の化合物または活性成分をある時点で、他の化合物または活性成分を異なる時点で投与すること、すなわち、長時間ずらす様式で、好ましくは組合せが独立して単一の化合物を投与するよりも有効性を示す(とりわけ相乗効果を示す)ように投与することを意味する。別々の投与(使用)は、好ましくは異なる時点で互いに独立して組合せの化合物または活性成分を投与すること、好ましくは2種の化合物が両方の化合物の測定できる血中濃度の重複が重複する様式で(同時に)存在しないように投与することを意味する。
【0121】
また、2種または3種またはそれ以上の連続した、別々の、および同時の投与の組合せは、好ましくは組合せ化合物−医薬は、組合せ化合物−医薬をそれらの治療効果において相互作用を見ることができない程に長時間間隔で独立して使用するときに見られる効果を超える複合治療効果を示すこと、とりわけ好ましくは相乗効果を示すことが可能である。
【0122】
あるいは、医薬組成物は、治療有効量の上記本発明の化合物を、単独で、または、例えば、それぞれ、当分野で報告されている治療有効用量の、抗エストロゲン;抗アンドロゲン;ゴナドレリンアゴニスト;トポイソメラーゼI阻害剤;トポイソメラーゼII阻害剤;微小管活性剤;アルキル化剤;抗新生物抗代謝産物;白金化合物;タンパク質もしくは脂質キナーゼ活性またはタンパク質もしくは脂質ホスファターゼ活性を標的/減少する化合物、抗血管形成化合物;細胞分化進行を誘導する化合物;モノクローナル抗体;シクロオキシゲナーゼ阻害剤;ビスホスホネート;ヘパラナーゼ阻害剤;生物反応修飾物質;Ras腫瘍形成イソ型の阻害剤;テロメラーゼ阻害剤;プロテアーゼ阻害剤、マトリクスメタロプロテアーゼ阻害剤、メチオニンアミノペプチダーゼ阻害剤;プロテアソーム阻害剤;Flt−3の活性を標的、減少または阻害する薬剤;HSP90阻害剤;抗増殖性抗体;HDAC阻害剤;セリン/トレオニンmTORキナーゼの活性/機能を標的、減少または阻害する化合物;ソマトスタチン受容体アンタゴニスト;抗白血病化合物;腫瘍細胞を損傷させるもの;EDG結合剤;リボヌクレオチド・レダクターゼ阻害剤;S−アデノシルメチオニン・デカルボキシラーゼ阻害剤;VEGFまたはVEGFRのモノクローナル抗体;光線力学療法;血管形成抑制ステロイド;インプラント含有コルチコステロイド;AT1受容体アンタゴニスト;およびACE阻害剤からなる群から選択される1種以上の治療剤と組み合わせて含む。
【0123】
さらに、本発明は、
−医薬として使用するための本発明の医薬組成物または組合せ;
−アルドステロン合成酵素が介在もしくは関連するか、または、アルドステロン合成酵素の阻害に応答するか、または、アルドステロン合成酵素の異常活性または発現により特徴付けられる障害または疾患の進行の遅延および/または処置のための本発明の医薬組成物または組合せの使用;
−アロマターゼが介在もしくは関連するか、または、アロマターゼの阻害に応答するか、または、アロマターゼの異常活性または発現により特徴付けられる障害または疾患の進行の遅延および/または処置のための本発明の医薬組成物または組合せの使用
−低カリウム血漿、高血圧、うっ血性心不全、心房細動、腎不全、特に、慢性腎不全、再狭窄、アテローム性動脈硬化症、シンドロームX、肥満、ネフロパシー、心筋梗塞後障害、冠状動脈性心臓病、コラーゲン形成の増加、線維症、例えば、心臓または心筋線維症およびリモデリング後の高血圧および内皮機能障害から選択される障害または疾患の進行の遅延および/または処置のための本発明の医薬組成物または組合せの使用
−女性化乳房、骨粗鬆症、前立腺癌、子宮内膜症、子宮筋腫、機能不全性子宮出血、子宮内膜増殖症、多嚢胞卵巣障害、不妊症、乳腺線維嚢胞症、乳癌および線維嚢胞性乳腺症から選択される障害または疾患の進行の遅延および/または処置のための本発明の医薬組成物または組合せの使用
を提供する。
【0124】
本発明の医薬組成物または組合せは、約50−70kgの対象に対して約1−1000mgの活性成分、好ましくは約5−500mgまたは約10−250mgまたは約10−150mgの活性成分の単位用量であってよい。化合物、医薬組成物またはそれらの組合せの治療有効用量は、対象の種、体重、年齢および個々の状態、処置される障害もしくは疾患またはそれらの重症度に依存する。医師、臨床医または獣医は容易に障害または疾患の進行の予防、処置または阻害のために必要なそれぞれの活性成分の有効量を決定できる。
【0125】
上記用量特性は、インビトロおよびインビボ試験で、有利には哺乳動物、例えば、マウス、ラット、イヌ、サルまたは単離した臓器、組織およびそれらの調製物を使用して証明できる。本発明の化合物を、インビトロで溶液、例えば、好ましくは水溶液の形態で、および、インビボで経腸的、非経腸的いずれかで、有利には、静脈内に、例えば、懸濁液または水溶液として適用できる。インビトロの用量は約10−3モルから10−9モル濃度の範囲であり得る。インビボの治療有効量は、投与経路に依存して、約0.1−500mg/kg、好ましくは約1−100mg/kgである。
【0126】
本発明の化合物の活性を、インビトロ&インビボで当分野で既知の下記方法により評価できる。Fieber, A et al. (2005), “Aldosterone Synthase Inhibitor Ameliorates Angiotensin II-Induced Organ Damage,” Circulation, 111:3087-3094参照。本明細書に引用されている文献は、出典明示によりその内容を本明細書に包含させる。
特に、アルドステロン合成酵素およびアロマターゼ阻害活性をインビトロで下記アッセイにより測定できる。
【0127】
ヒト副腎皮質癌腫NCI−H295R細胞系をAmerican Type Culture Collection(Manassas, VA)から得る。インスリン/トランスフェリン/セレン(ITS)−A添加物(100×)、DMEM/F−12、抗生物質/抗真菌剤(100×)およびウシ胎仔血清(FCS)をGibco(Grand Island, NY)から購入する。抗マウスPVTシンチレーション近接アッセイ(SPA)ビーズおよびNBS96ウェルプレートをAmersham(Piscataway, NJ)およびCorning(Acton, MA)から各々得る。固相化黒色96ウェル平底プレートをCostar(Corning, NY)から購入する。アルドステロンおよびアンギオテンシン(AngII)をSigma(St. Louis, MO)から購入する。D−[1,2,6,7−H(N)]アルドステロンをPerkinElmer(Boston, MA)から入手した。Nu血清はBD Biosciences(Franklin Lakes, NJ)の製造物であった。NADPH再生系、ジベンジルフルオレセイン(DBF)およびヒトアロマターゼスーパーソーム(supersomes)(登録商標)をGentest(Woburn, MA)から入手する。
【0128】
インビトロでのアルドステロン活性の測定のために、ヒト副腎皮質癌腫NCI−H295R細胞を10%のFCS、2.5%のNu−血清、1μgのITS/mlおよび1×抗生物質/抗真菌剤で補ったDMEM/F12を含む100μlの増殖培地中で25,000細胞/ウェルの密度でNBS96ウェルプレートにまく。37℃で5%のCO/95%の空気雰囲気下で3日間培養後に培地を交換する。次の日、細胞を100μlのDMEM/F12で濯ぎ、1μMのAngIIおよびクアドリュプリケート(quadruplicate)ウェル中で異なる濃度での化合物を含む100μlの処理培地で37℃24時間インキュベートする。インキュベートの最後に、50μlの培地を、マウス抗アルドステロンモノクローナル抗体を使用するRIAによりアルドステロン製造の測定のために各ウェルから取り出す。
【0129】
アルドステロン活性の測定は、また、96ウェルプレートフォーマットを使用して実施できる。それぞれの試験サンプルを0.1%のTriton X−100、0.1%のウシ血清アルブミンおよび12%のグリセロールを含む全量200μlのリン酸緩衝食塩水(PBS)中の0.02μCiのD−[1,2,6,7−H(N)]アルドステロンおよび0.3μgの抗アルドステロン抗体と室温で1時間インキュベートする。次に抗マウスPVT SPAビーズ(50μl)をそれぞれのウェルに加え、一晩、室温でインキュベートし、Microbetaプレートカウンターでカウントする。それぞれのサンプルにおけるアルドステロンの量を、ホルモンの既知の量を使用して作成された標準曲線と比較することによって計算する。
【0130】
アロマターゼ活性の測定のために、ヒトアロマターゼアッセイは、公開されているプロトコール(Stresser et al, 2000)にしたがい、僅かに改変して、96ウェル平底プレートで実施する。簡潔には、50mMのリン酸カリウムpH7.4中の2.6mMのNADP、6.6mMのグルコース−6−リン酸、6.6mMのMgClおよび0.8U/mlのグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼを含む10μlのNADPH再生系を、試験化合物で所望の濃度で30℃で10分間、全量100μlでプレインキュベートする。後に、100μlの50mMのリン酸カリウムpH7.4中の4pmolのヒトアロマターゼ、20μgの対照ミクロソームタンパク質および4μMのDBFを各ウェルに加え、30℃で90分インキュベートする。反応を75μlの2NのNaOHの各ウェルへの添加により終了させる。2時間後、生成物のフルオレセインを、励起および発光波長のそれぞれ485および538nmを使用して蛍光計により測定する。
【0131】
試験化合物の完全濃度反応曲線を少なくとも3回実施する。IC50値はMicrosoft XLfitの非線形最小二乗曲線当てはめプログラムを使用して得る。
【0132】
アルドステロン合成酵素およびアロマターゼに対するインビボ阻害活性を下記アッセイにより測定できる。
試験化合物(すなわち、可能性あるアルドステロン合成酵素阻害剤)をインビボで急性二次性高アルドステロン症の無麻酔ラットモデルにおいて特性検討する。野生型ラットは、テザー(tether)/スイベル(swivel)システムを介して体外に出されている、長期的に留置している動脈および静脈カニューレを備えている。歩行可能なラットを、動物を威嚇することなく採血および非経口医薬投与を可能にするために、特殊ケージに入れる。アンギオテンシンIIを十分なレベルで連続的に静脈内に注入し、血漿アルドステロン濃度(PAC)を〜200倍、1−5nMに上げる。このPAC増加を少なくとも8−9時間、安定なレベルで維持する。PACが安定レベルに増加したときのアンギオテンシンII注入の1時間後、試験化合物を経腸(経口胃管栄養法を介する)または非経腸的(動脈カテーテルを介して)で投与する。動脈血液サンプルを、最後のPACの測定および試験医薬の濃度測定のために、試験医薬投与前、および投与後、様々な時間(24時間まで)で採取する。これらの測定から、様々なパラメーター、例えば、1)試験医薬によるPAC減少の開始および持続時間、2)試験医薬の薬物動態パラメーター、例えば、半減期、クリアランス、分配量および経口バイオアベイラビリティー、3)用量/PAC応答、用量/試験医薬濃度および試験医薬濃度/PAC反応関係、ならびに4)試験医薬の用量−および濃度−有効性および効力を得ることができる。好結果の試験化合物は、動脈内または経腸投与での約0.01から約10mg/kgの用量範囲において、用量−および時間−依存的にPACを低下させる。
【0133】
インビトロでのCYP11B1に対する阻害活性は、下記アッセイにより測定できる。
細胞系NCI−H295Rを最初に副腎皮質癌腫から単離し、ステロイド産生に不可欠であるステロイドホルモンの刺激的な分泌および酵素の存在を介して文献において特徴付けることができた。したがって、NCI−H295R細胞はCyp11 B1(ステロイド11 p−ヒドロキシラーゼ)を有する。細胞は帯状に分化していないヒト胎児の副腎皮質細胞の生理学的特性を示すが、しかしながら、成体の副腎皮質において表現型的に区別できる3つの地域で形成されるステロイドホルモンを生産する能力を有する。
【0134】
NCI−H295R細胞(American Type Culture Collection, ATCC, Rockville, MD, USA)を、Ulroser SF血清(Soprachem, Cergy-Saint-Christophe, France)、インスリン、トランスフェリン、セレナイト(I-T-S, Becton Dickinson Biosiences, Franklin lakes, NJ, USA)および抗生物質で補ったダルベッコ改変イーグルのHam F−12培地(DME/F12)中で、75cmの細胞培養容器中で37℃で95%の空気−5%の二酸化炭素雰囲気下で培養する。次に細胞をコロニー形成のために24ウェルインキュベーション容器に移す。それらを今回、Ultroser SFの代わりに0.1%のウシ血清で補ったDME/F12培地で24時間培養する。実験は、細胞を0.1%のウシ血清アルブミンおよび試験化合物で補ったDME/F12培地中で、細胞刺激剤の存在または不存在下で72時間培養することにより開始する。試験物質を0.2ナノモルから20ミリモルの濃度範囲で加える。使用できる細胞刺激剤は、アンギオテンシン11(1Dまたは100ナノモル)、カリウムイオン(16ミリモル)、ホルスコリン(10マイクロモル)または2種の刺激剤の組合せである。
【0135】
培養培地へのアルドステロン、コルチゾール、コルチコステロンおよびエストラジオール/エストロンの排出を、製造業者の指示にしたがって、ラジオイムノアッセイにおいて、市販の特異的モノクローナル抗体により検出および定量できる。
或るステロイドの放出の阻害を、加えられた試験化合物によるそれぞれの酵素阻害の測定として使用できる。化合物による酵素活性の用量依存的阻害を、IC50により特徴付けられる阻害プロット法により計算する。
【0136】
活性試験化合物のIC50値を、データ加重なしで阻害プロットを構築するために、単回帰分析により確認する。阻害プロットを、4−パラメーターロジスティック関数を最小二乗法を使用して生データポイントに適合させることにより計算する。4−パラメーターロジスティック関数の方程式は下記のとおりに計算される:Y=(d−a)/((1+(x/c)b))+aI 式中:a=最小データレベル b=傾きI c=ICED d=最大データレベル x=阻害剤濃度。
【0137】
表1.化合物の阻害活性
【表1】

Ent−1:最初に溶離するエナンチオマー。Ent−2:二番目に溶離するエナンチオマー。AS:アルドステロン合成酵素;ARO:アロマターゼ;11B1:CYP11B1;I% パーセント阻害
【0138】
略語
DCM: ジクロロメタン
DIBAL: 水素化ジイソブチルアルミニウム
DMAP: N,N−ジメチルアミノピリジン
DME: ジメトキシエタン
DMF: N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO: ジメチルスルホキシド
ESI: エレクトロスプレーイオン化
h: 時間
HPLC: 高速液体クロマトグラフィー
HRMS: 高分解能質量分析
IPA: イソ−プロピルアルコール
IR: 赤外線分光
LAH: 水素化アルミニウムリチウム
LCMS: 液体クロマトグラフィー/質量分析
LDA: リチウムジイソプロピルアミド
LHMDS: リチウムヘキサメチルジシルアジド
min: 分
MS: 質量分析
NBS: N−ブロモスクシンイミド
NMR: 核磁気共鳴
TBSCl: tert−ブチルジメチルシリルクロライド
TFA: トリフルオロ酢酸
THF: テトラヒドロフラン
TMEDA: テトラメチルエチレンジアミン
TBS: tert−ブチルジメチルシリル
TMSCl: トリメチルシリルクロライド
TLC: 薄層クロマトグラフィー
Tr: トリチル
: 反応時間
【実施例】
【0139】
実施例
以下の実施例は本発明を説明することを意図し、それらに限定して解釈されるものではない。温度は摂氏である。他に記載のない限り、すべての蒸発は減圧条件で、好ましくは約15mmHgから100mmHg(=20−133mbar)の間で実施する。最終産物、中間体および出発物質の構造は、標準的な分析方法、例えば、微量分析および分光学的特徴、例えば、MS、IRおよびNMRにより確認する。使用される略語は当該技術分野において慣用のものである。下記実施例の化合物が、アルドステロン合成酵素に対して約0.1nMから約100,00.00nMの範囲におけるIC50値を有することを見いだした。
【0140】
実施例1
A.[5−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−イミダゾール−1−イル]−酢酸メチルエステル
【化10】

ブロモ−酢酸メチルエステル(3.3g、21.6mmol)をアセトニトリル(200mL)中の4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−1−トリチル−1H−イミダゾール(9.1g、20mmol)の溶液に室温で加える。4時間還流後、得られた混合物を濃縮し、残渣をMeOH(200mL)に溶解する。得られた混合物を2時間還流する。濃縮後、残渣をCHCl(150mL)に溶解する。溶液を水、NaHCO(飽和)、塩水で乾燥させ、無水NaSOで乾燥させる。濾過および濃縮後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより抽出し、表題化合物を得、即座に‘そのまま’次の工程で使用する。
【0141】
B.(5−ヒドロキシメチル−イミダゾール−1−イル)−酢酸メチルエステル
【化11】

エーテル中のHClの溶液(1M、10mL、10mmol)をMeOH(10mL)中の[5−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−イミダゾール−1−イル]−酢酸メチルエステル(0.75g、2.6mmol)の溶液に室温で加える。室温で2時間撹拌後、得られた溶液をCHCl(40mL)および飽和NaHCO溶液(10mL)で希釈する。有機層を分離し、水性層をCHCl(30mL×3)で抽出する。合わせた有機層を飽和NaHCO溶液、塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させる。濃縮後、残渣をフラッシュカラムにより精製し、表題生成物を得る(385mg)。MS(ESI) m/z 171.2(M+H)。
【0142】
C.(5−ホルミル−イミダゾール−1−イル)−酢酸メチルエステル
【化12】

MnO(2.8g、27mmol)を1,4−ジオキサン(20mL、乾燥)中の(5−ヒドロキシメチル−イミダゾール−1−イル)−酢酸メチルエステル(0.385g、2.26mmol)の溶液に室温で加える。得られた混合物を4時間還流し、次に室温に冷却する。濾過および濃縮後、残渣をシリカゲルパッドを介して濾過し、表題化合物を得る(273mg)。MS(ESI) m/z 168.3(M+H)。
【0143】
D.7−(4−フルオロ−ベンジル)−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン
【化13】

4−F−ベンジルアミン(0.811mL、6.9mmol)を1,2−ジクロロエタン(35mL)中の(5−ホルミル−イミダゾール−1−イル)−酢酸メチルエステル(0.97g、5.8mmol)の溶液に0℃で加える。この温度で10分後、Na(OAc)BH(3.86g、17.3mmol)を加える。得られた混合物を23℃で一晩撹拌する。NaHCO(飽和)を反応混合物に注ぐ。有機層を分離し、水性相をCHCl(25mL×4)で抽出する。合わせた抽出物を塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させる。濾過および濃縮後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより抽出し、4−[7−(4−クロロ−ベンジル)−6−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−5−イル]−3−メトキシ−ベンゾニトリルを得る(0.92g、65%収率)。MS(ESI) m/z 246.2(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.41 (s, 1H), 7.25-7.16 (m, 2H), 6.94-6.90 (m, 2H), 6.76 (s, 1H), 4.65 (s, 2H), 4.60 (s, 2H), 4.36 (s, 2H)。
【0144】
E.5−エチル−7−(4−フルオロ−ベンジル)−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン
【化14】

LiHMDS(0.183mL、THF中で1M)の溶液を無水THF(3mL)中の7−(4−フルオロ−ベンジル)−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン(30mg、0.122mmol)の撹拌溶液に−78℃で滴下する。この温度で1時間後、EtI(14□l、0.135mmol)を加えた。得られた混合物を−78℃で5時間撹拌する。飽和NHCl水溶液を加え、CHCl(10mL×3)で抽出する。合わせた抽出物を塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させる。濾過および濃縮後、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物を得る(7.6mg)。MS(ESI) m/z 274.2(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.50 (s, 1H), 7.21-7.18 (m, 2H), 6.99-6.94 (m, 2H), 6.82 (s, 1H), 4.735 (d, J =12 Hz, 1H), 4.565 (d, J = 12 Hz, 1H), 4.35 (s, 2H), 2.07-2.00 (m, 2H), 0.81 (t, J = 8 Hz, 6H)。
【0145】
下記化合物を同様に合成する。
7−(4−フルオロ−ベンジル)−5−プロピル−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン
【化15】

MS(ESI) m/z 288.3(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.40 (s, 1H), 7.19-7.16 (m, 2H), 6.96-6.91 (m, 2H), 6.76 (s, 1H), 4.73 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 4.64 (d, J = 16 Hz, 1H), 4.605 (d, J = 16 Hz, 1H), 4.33 (s, 2H), 1.90 (q, J = 8.0 Hz, 2H), 1.26-1.16 (m, 2H), 0.83 (t, J = 8.0 Hz, 3H)。
【0146】
5−ブチル−7−(4−フルオロ−ベンジル)−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン
【化16】

MS(ESI) m/z 302.3(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.48 (s, 1H), 7.29-7.23 (m, 2H), 7.06-7.00 (m, 2H), 6.86 (s, 1H), 4.83-4.80 (m, 1H), 4.735 (d, J = 16 Hz, 1H), 4.66 (d, J = 16 Hz, 1H), 4.40 (s, 2H), 2.05-1.99 (m, 2H), 1.34-1.16 (m, 4H), 0.86 (t, J = 8.0 Hz, 3H)。
【0147】
実施例2
5,5−ジエチル−7−(4−フルオロ−ベンジル)−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン
【化17】

LiHMDS(0.428mL、THF中で1M)の溶液を無水THF(4mL)中の7−(4−フルオロ−ベンジル)−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン(35mg、0.142mmol)の撹拌溶液に−78℃で滴下する。この温度で1時間後、EtI(38□l、0.357mmol)を加える。得られた混合物を−78℃で4時間撹拌し、次にゆっくり室温に温める。飽和NHCl溶液を加え、CHCl(20mL×3)で抽出する。合わせた抽出物を塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させる。濾過および濃縮後、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物を得る(23mg)。MS(ESI) m/z 302.2(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.38 (s, 1H), 7.21-7.16 (m, 2H), 6.92-6.88 (m, 2H), 6.73 (s, 1H), 4.61 (s, 2H), 4.35 (s, 2H), 2.33-2.24 (m, 2H), 1.85-1.76 (m, 2H), 0.51 (t, J = 8 Hz, 6H)。
【0148】
下記化合物をEtIの代わりに反応剤としてI(CHI(n=4または5)を使用することにより同様に合成する。
7’−(4−フルオロベンジル)−7’,8’−ジヒドロ−6’H−スピロ[シクロペンタン−1,5’−イミダゾール[1,5−a]ピラジン]−6’−オン
【化18】

MS(ESI) m/z 300.3(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.53 (s, 1H), 7.27-7.23 (m, 2H), 7.05-6.99 (m, 2H), 6.84 (s, 1H), 4.69 (s, 2H), 4.42 (s, 2H), 2.64-2.57 (m, 2H), 2.08-1.91 (m, 6H)。
【0149】
7’−(4−フルオロベンジル)−7’,8’−ジヒドロ−6’H−スピロ[シクロヘキサン−1,5’−イミダゾール[1,5−a]ピラジン]−6’−オン
【化19】

MS(ESI) m/z 314.3(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.79 (s, 1H), 7.25-7.18 (m, 2H), 7.05-7.00 (m, 2H), 6.86 (s, 1H), 4.66 (s, 2H), 4.38 (s, 2H), 2.35-2.30 (m, 2H), 2.02-1.88 (m, 4H), 1.73-1.56 (m, 4H)。
【0150】
実施例3
5−tert−ブチル−7−(4−フルオロ−ベンジル)−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン
【化20】

A.(4−フルオロ−ベンジル)−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イルメチル)−アミン
【化21】

Na(OAc)BH(9.39g、44.3mmol)を300mLの乾燥CHCl中の1−トリチル−1H−イミダゾール−4−カルボアルデヒド(5g、14.8mmol)および4−フルオロ−ベンジルアミン(2.09mL、17.7mmol)の溶液に室温でゆっくり加える。得られた混合物を一晩撹拌する。反応を50mLの飽和NaHCO溶液でクエンチする。有機層を分離し、水性層をCHCl(50mL×4)で抽出する。合わせた有機層を塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させる。濾過および濃縮後、残渣をフラッシュカラムにより精製し、黄色固体を得る(4.72g、71%収率)。
全ての他のアミン誘導体は市販で入手できるアミンから同様の方法で製造することができる。
【0151】
B.2−ブロモ−3,3−ジメチル−ブチリルクロライド
【化22】

3,3−ジメチル−酪酸(8g、68.9mmol)、SOCl(32.8g、20mL、275.6mmol)およびCCl(乾燥、8mL)の混合物を65℃に加熱する。45分後、得られた混合物を室温に冷却し、NBS(14.7g、82.7mmol)、CCl(乾燥、20mL)および濃HBr(水中で48%、7滴)を連続的に加える。混合物を70℃に10分加熱し、次にゆっくり80℃に温める。1.5時間後、混合物を室温に冷却し、溶媒を減圧下除去する。固体を濾過により分離し、CClで洗浄する。合わせた溶液を濃縮し、残渣を真空下で蒸留することにより精製し、わずかに黄色の油状物を得る(6.8g)。
【0152】
下記臭化物は対応するカルボン酸から同様の方法で製造することができる。
2−ブロモ−3−シクロプロピル−3−メチル−ブチリルクロライド
【化23】

2−ブロモ−3,3−ジメチル−ペンタノイルクロライド
【化24】

ブロモ−シクロプロピル−アセチルクロライド
【化25】

ブロモ−シクロブチル−アセチルクロライド
【化26】

ブロモ−シクロペンチル−アセチルクロライド
【化27】

ブロモ−シクロヘキシル−アセチルクロライド
【化28】

ブロモ−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−アセチルクロライド
【化29】

【0153】
C.2−ブロモ−N−(4−フルオロ−ベンジル)−3,3−ジメチル−N−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イルメチル)−ブチルアミド
2−ブロモ−3,3−ジメチル−ブチリルクロライド(1.23g、5.82mmol)をCHCl(30mL)中の(4−フルオロ−ベンジル)−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イルメチル)−アミン(2.17g、4.85mmol)およびEtN(1.8mL、12.1mmol)の溶液に0℃で滴下する。この温度で3時間後、混合物を室温にゆっくり温め、一晩撹拌する。溶媒を蒸発させ、飽和NaHCO溶液を加える。水性層をCHCl(30mL×4)で抽出し、合わせた有機層を塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させる。濾過および濃縮後、残渣を得、さらなる精製なしで次の工程で使用する。
【0154】
D.5−tert−ブチル−7−(4−フルオロ−ベンジル)−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン
アセトニトリル(20mL)中の2−ブロモ−N−(4−フルオロ−ベンジル)−3,3−ジメチル−N−(1−トリチル−1h−イミダゾール−4−イルメチル)−ブチルアミド(1.9g、3.0mmol)の溶液をマイクロ波により130℃で6時間加熱する。濃縮後、30mLのメタノールを加え、混合物を還流温度に1.5時間加熱する。溶媒を除去し、飽和NaHCO溶液を加える。混合物をCHCl(60mL×3)で抽出する。合わせた抽出物塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させる。濾過および濃縮後、残渣をフラッシュカラムにより精製し、497mgの表題化合物を得る。MS(ESI) m/z 302.1(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 1.04 (s, 9 H), 4.21 - 4.45 (m, 2 H), 4.49 (s, 1 H), 4.56 (d, J=14.40 Hz, 1 H), 4.82 (d, J=14.40 Hz, 1 H), 6.89 (s, 1 H), 6.97 - 7.10 (m, 2 H) 7.22 - 7.34 (m, 2 H), 7.48 (s, 1 H)。エナンチオマーの分割は移動相としてアセトニトリル中の3%エタノールを有するChiralPak IAカラムを使用するキラルHPLCにより達成し、反応時間t=11.8分およびt=13.2分でエナンチオマーを得る。
【0155】
下記化合物を同様の方法で製造することができる。
7−(4−フルオロ−ベンジル)−5−イソプロピル−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン
【化30】

MS(ESI) m/z 288.3(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.50 (s, 1H), 7.30 (m, 2H), 7.06-7.02 (m, 2H), 6.89 (s, 1H), 4.79 (d, J = 16 Hz, 1H), 4.66-4.59 (m, 2H), 4.42 (d, J = 16 Hz, 1H), 4.36 (d, J =16 Hz, 1H), 2.49-2.41 (m, 1H), 1.10 (d, J = 8.00 Hz, 3H), 0.83 (d, J = 8.00 Hz, 3H)。エナンチオマーの分割は移動相として20%i−PrOH/ヘキサンを有するChiralPak IAカラムを使用するキラルHPLCにより達成し、t=32分およびt=41分でエナンチオマーを得る。
【0156】
7−(3−フルオロ−ベンジル)−5−イソプロピル−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン
【化31】

MS(ESI) m/z 288.2(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.47 (s, 1H), 7.34-6.97 (m, 4H), 6.88 (s, 1H), 4.80 (d, J = 16 Hz, 1H), 4.66-4.63 (m, 2H), 4.46 (d, J = 16 Hz, 1H), 4.39 (d, J = 16 Hz, 1H), 2.48-2.40 (m, 1H), 1.11 (d, J = 4.00 Hz, 3H), 0.85 (d, J = 4.00 Hz, 3H)。エナンチオマーの分割は移動相として20%i−PrOH/ヘキサンを有するChiralPak IAカラムを使用するキラルHPLCにより達成し、t=31分およびt=41分でエナンチオマーを得る。
【0157】
7−ベンジル−5−イソプロピル−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン
【化32】

MS(ESI) m/z 270.3(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.45 (s, 1H), 7.36-7.27 (m, 5H), 6.85 (s, 1H), 4.84 (d, J = 16 Hz, 1H), 4.64-4.60 (m, 2H), 4.41 (d, J = 16 Hz, 1H), 4.36 (d, J = 16 Hz, 1H), 2.48-2.40 (m, 1H), 1.09 (d, J = 8.00 Hz, 3H), 0.83 (d, J =8.00 Hz, 3H)。
【0158】
5−イソプロピル−7−(3−メチル−ベンジル)−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン
【化33】

MS(ESI) m/z 284.0(M+H)。1H NMR (HCl塩, 400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 0.88 (d, J=6.82 Hz, 3 H), 0.99 (d, J=6.82 Hz, 3 H), 2.29 (s, 3 H), 2.32 - 2.45 (m, 1 H), 4.46 - 4.79 (m, 4 H), 5.00 (d, J=6.06 Hz, 1 H), 7.08 - 7.12 (m, 2 H), 7.11 (m, 1 H), 7.13 (s, 1 H), 7.23-7.27 (m, 1 H), 7.62 (s, 1 H), 9.23 (s, 1 H)。エナンチオマーの分割は移動相として40%i−PrOH/ヘキサンを有するChiralPak IAカラムを使用するキラルHPLCにより達成し、反応時間t=14分およびt=17分でエナンチオマーを得る。
【0159】
7−(2−クロロ−ベンジル)−5−イソプロピル−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン
【化34】

MS(ESI) m/z 304.1(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.48 (s, 1H), 7.40-7.21 (m, 4H), 6.88 (s, 1H), 4.91 (d, J = 16 Hz, 1H), 4.86 (d, J =16 Hz, 1H), 4.65 (d, J = 4.00 Hz, 1H), 4.49 (d, J = 16 Hz, 1H), 4.43 (d, J = 16 Hz, 1H), 2.48-2.39 (m, 1H), 1.11 (d, J = 8.00 Hz, 3H), 0.87 (d, J =8.00 Hz, 3H)。
【0160】
7−(2−クロロ−4−フルオロ−ベンジル)−5−イソプロピル−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン
【化35】

MS(ESI) m/z 322.1(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 0.95 (d, J=6.82 Hz, 3 H) 1.13 (d, J=6.82 Hz, 3 H) 2.54 (br s, 1 H) 4.44 - 4.68 (m, 2 H) 4.81 (d, J=14.65 Hz, 1 H) 4.96 (d, J=14.65 Hz, 1 H) 5.07 (br s, 1 H) 7.02 (t, J=8.21 Hz, 1 H) 7.18 (dd, J=8.21, 2.40 Hz, 1 H) 7.37 (br s, 1 H) 7.40 - 7.48 (m, 1 H) 9.37 (br s, 1 H)。エナンチオマーの分割は移動相として30%i−PrOH/ヘキサンを有するChiralPak IAカラムを使用するキラルHPLCにより達成し、反応時間t=21分およびt=24.5分でエナンチオマーを得る。
【0161】
7−(4−クロロ−ベンジル)−5−イソプロピル−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン
【化36】

MS(ESI) m/z 304.0(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 0.83 (d, J=6.82 Hz, 3 H), 1.10 (d, J=6.82 Hz, 3 H), 2.35 - 2.53 (m, 1 H), 4.39 (q, J=15.24 Hz, 2 H), 4.55 - 4.69 (m, 2 H), 4.78 (d, 1 H), 6.88 (s, 1 H), 7.23 (d, 2 H), 7.32 (d, 2 H), 7.47 (s, 1 H)。エナンチオマーの分割は移動相として32%i−PrOH/ヘキサンを有するChiralPak IAカラムを使用するキラルHPLCにより達成し、反応時間t=20.6分およびt=25.8分でエナンチオマーを得る。
【0162】
7−(2,4−ジフルオロ−ベンジル)−5−イソプロピル−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン
【化37】

MS(ESI) m/z 306.0(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 0.92 (d, J=6.57 Hz, 3 H), 1.08 (d, J=6.82 Hz, 3 H), 2.38 - 2.61 (m, 1 H), 4.46 - 4.67 (m, 3 H), 4.94 (d, J=14.65 Hz, 1 H), 5.05 (d, J=4.80 Hz, 1 H), 6.80 - 6.99 (m, 2 H), 7.38 (s, 1 H), 7.41 - 7.50 (m, 1 H), 9.35 (s, 1 H)。エナンチオマーの分割は移動相として30%i−PrOH/ヘキサンを有するChiralPak IAカラムを使用するキラルHPLCにより達成し、t=19.3分およびt=24.1分でエナンチオマーを得る。
【0163】
7−(4−ブロモ−ベンジル)−5−イソプロピル−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン
【化38】

MS(ESI) m/z 349.9(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 0.83 (d, J=6.82 Hz, 3 H), 1.10 (d, J=6.82 Hz, 3 H), 2.37 - 2.51 (m, 1 H), 4.39 (q, J=15.33 Hz, 2 H), 4.54 - 4.67 (m, 2 H), 4.71 - 4.81 (m, 1 H), 6.88 (s, 1 H), 7.18 (d, J=8.34 Hz, 2 H), 7.42 - 7.52 (m, 3 H)。エナンチオマーの分割は移動相として30%i−PrOH/ヘキサンを有するChiralPak IAカラムを使用するキラルHPLCにより達成し、t=15.3分およびt=19.4分でエナンチオマーを得る。
【0164】
7−(3−クロロ−4−フルオロ−ベンジル)−5−イソプロピル−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン
【化39】

MS(ESI) m/z 322.2(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.47 (s, 1H), 7.38-7.10 (m, 3H), 6.90 (s, 1H), 4.72 (d, J = 16 Hz, 1H), 4.65-4.60 (m, 2H), 4.46 (d, J = 16 Hz, 1H), 4.37 (d, J = 16 Hz, 1H), 2.49-2.41 (m, 1H), 1.11 (d, J = 4.00 Hz, 3H), 0.83 (d, J = 4.00 Hz, 3H)。
【0165】
7−(3,4−ジフルオロ−ベンジル)−5−イソプロピル−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン
【化40】

1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.47 (s, 1H0, 7.17-7.03 (m, 3H), 6.89 (s, 1H), 4.74 (d, J = 12 Hz, 1H), 4.66-4.60 (m, 2H), 4.47 (d, J = 12 Hz, 1H), 4.38 (d, J = 12 Hz, 1H), 2.48-2.40 (m, 1H), 1.11 (d, J = 8 Hz, 3H), 0.84 (d, J = 8 Hz, 3H)。
【0166】
7−(4−トリフルオロメチル−ベンジル)−5−イソプロピル−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン
【化41】

MS(ESI) m/z 338.1(M+H)。1H NMR (HCl塩に対応する、400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 0.87 (d, J=6.82 Hz, 3 H) 0.99 (d, J=6.82 Hz, 3 H) 2.30 - 2.42 (m, 1 H) 4.57 - 4.73 (m, 2 H) 4.73 - 4.84 (m, 2 H) 4.97 (d, J=6.06 Hz, 1 H) 7.52 (d, J=7.83 Hz, 2 H) 7.56 (s, 1 H) 7.73 (d, J=8.08 Hz, 2 H) 9.07 (s, 1 H)。エナンチオマーの分割は移動相として30%i−PrOH/ヘキサンを有するChiralPak IAカラムを使用するキラルHPLCにより達成し、t=20.5分およびt=25.5分でエナンチオマーを得る。
【0167】
5−tert−ブチル−7−(4−クロロ−ベンジル)−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン
【化42】

MS(ESI) m/z 318.0(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 1.03 (s, 9 H) 4.31 (d, 1 H) 4.42 (d, 1 H) 4.48 (s, 1 H) 4.57 (d, J=14.40 Hz, 1 H) 4.80 (d, J=14.40 Hz, 1 H) 6.86 (s, 1 H) 7.23 (d, 2 H) 7.32 (d, 2 H) 7.45 (s, 1 H)。エナンチオマーの分割は移動相として10%EtOH/アセトニトリルを有するChiralPak IAカラムを使用するキラルHPLCにより達成し、t=22分およびt=28分でエナンチオマーを得る。
【0168】
5−tert−ブチル−7−(4−クロロ−3−フルオロ−ベンジル)−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン
【化43】

MS(ESI) m/z 336.1(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 1.04 (s, 9 H) 4.24 - 4.39 (m, 1 H) 4.43 - 4.54 (m, 2 H) 4.56 - 4.66 (m, 1 H) 4.68 - 4.80 (m, 1 H) 6.88 (s, 1 H) 7.02 (dd, J=8.21, 1.39 Hz, 1 H) 7.10 (dd, J=9.47, 1.89 Hz, 1 H) 7.37 (t, J=7.83 Hz, 1 H) 7.46 (s, 1 H)。エナンチオマーの分割は移動相として20%EtOH/ヘキサンを有するChiralPak AS−Hカラムを使用するキラルHPLCにより達成し、t=14.7分およびt=28.5分でエナンチオマーを得る。
【0169】
5−tert−ブチル−7−(3,4−ジフルオロ−ベンジル)−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン
【化44】

MS(ESI) m/z 320.3(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.47 (s, 1H), 7.17-7.05 (m, 3H), 6.88 (s, 1H), 4.745 (d, J = 12 Hz, 1H), 4.595 (d, J = 12 Hz, 1H), 4.50 (s, 1H), 4.48 (d, J = 16 Hz, 1H), 4.36 (d, J = 16 Hz, 1H), 1.04 (s, 9H)。
【0170】
4−(5−tert−ブチル−6−オキソ−5,6−ジヒドロ−8H−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−7−イルメチル)−ベンゾニトリル
【化45】

MS(ESI) m/z 309.1(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 1.04 (s, 9 H) 4.24 - 4.41 (m, 1 H) 4.42 - 4.57 (m, 2 H) 4.76 (s, 2 H) 6.88 (s, 1 H) 7.39 (d, J=8.34 Hz, 2 H) 7.46 (s, 1 H) 7.64 (d, J=8.34 Hz, 2 H)。エナンチオマーの分割は移動相として35%EtOH/ヘキサンを有するChiralPak AS−Hカラムを使用するキラルHPLCにより達成し、t=17.8分およびt=30分でエナンチオマーを得る。
【0171】
7−(4−クロロ−ベンジル)−5−シクロプロピル−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン
【化46】

MS(ESI) m/z 302.0(M+H)。1H NMR (HCl塩に基づいて、400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 0.58 (d, J=21.47 Hz, 1 H) 0.66 - 0.82 (m, 3 H), 1.43 - 1.54 (m, 1 H), 4.51 (d, J=9.60 Hz, 1 H), 4.60 - 4.67 (m, 2 H), 4.73 (d, 2 H), 7.32 (d, J=8.34 Hz, 2 H), 7.43 (d, 2 H), 7.58 (s, 1 H), 9.18 (s, 1 H)。エナンチオマーの分割は移動相として5%EtOH/アセトニトリルを有するChiralPak IAカラムを使用するキラルHPLCにより達成し、t=12分およびt=13.5分でエナンチオマーを得る。
【0172】
7−(4−フルオロ−ベンジル)−5−シクロプロピル−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン
【化47】

MS(ESI) m/z 286(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 0.30 - 0.47 (m, 1 H) 0.58 - 0.74 (m, 2 H) 0.74 - 0.85 (m, 1 H) 1.23 - 1.40 (m, 1 H) 4.29 (d, J=7.58 Hz, 1 H) 4.33 - 4.53 (m, 2 H) 4.70 (s, 2 H) 6.87 (s, 1 H) 7.03 (t, J=8.59 Hz, 2 H) 7.18 - 7.37 (m, 2 H) 7.53 (s, 1 H)。エナンチオマーの分割は移動相として30%EtOH/ヘプタンを有するChiralPak AS−Hカラムを使用するキラルHPLCにより達成し、t=12.5分およびt=15.0分でエナンチオマーを得る。
【0173】
7−(4−メトキシ−ベンジル)−5−シクロプロピル−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン
【化48】

MS(ESI) m/z 298.3(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 0.28 - 0.44 (m, 1 H) 0.58 - 0.73 (m, 2 H) 0.74 - 0.84 (m, 1 H) 1.26 - 1.36 (m, 1 H) 3.79 (s, 3 H) 4.27 (d, J=7.83 Hz, 1 H) 4.31 - 4.48 (m, 2 H) 4.58 - 4.73 (m, 2 H) 6.78 - 6.93 (m, 3 H) 7.20 (d, J=8.59 Hz, 2 H) 7.51 (s, 1 H)。
【0174】
4−(5−シクロプロピル−6−オキソ−5,6−ジヒドロ−8H−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−7−イルメチル)−ベンゾニトリル
【化49】

MS(ESI) m/z 293.2(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 0.29 - 0.47 (m, 1 H) 0.56 - 0.74 (m, 2 H) 0.75 - 0.86 (m, 1 H) 1.25 - 1.39 (m, 1 H) 4.29 (d, J=7.58 Hz, 1 H) 4.38 (d, 1 H) 4.52 (d, 1 H) 4.66 - 4.87 (m, 2 H) 6.87 (s, 1 H) 7.37 (d, J=8.59 Hz, 2 H) 7.54 (s, 1 H) 7.63 (d, J=8.34 Hz, 2 H)。エナンチオマーの分割は移動相として50%EtOH/ヘプタンを有するChiralPak AD−Hカラムを使用するキラルHPLCにより達成し、t=25.3分およびt=41分でエナンチオマーを得る。
【0175】
5−シクロプロピル−7−(3,4−ジフルオロ−ベンジル)−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン
【化50】

MS(ESI) m/z 304.3(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 0.28 - 0.47 (m, 1 H) 0.57 - 0.71 (m, 2 H) 0.73 - 0.84 (m, 1 H) 1.12 - 1.35 (m, 1 H) 4.24 (d, J=7.83 Hz, 1 H) 4.39 - 4.61 (m, 2 H) 4.74 (s, 2 H) 6.75 - 6.96 (m, 3 H) 7.28 - 7.41 (m, 1 H) 7.53 (s, 1 H)。エナンチオマーの分割は移動相として40%EtOH/ヘキサンを有するChiralPak AS−Hカラムを使用するキラルHPLCにより達成し、t=10分およびt=17分でエナンチオマーを得る。
【0176】
7−(4−クロロ−3−フルオロ−ベンジル)−5−シクロプロピル−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン
【化51】

MS(ESI) m/z 320.1(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 0.28 - 0.46 (m, 1 H) 0.56 - 0.73 (m, 2 H) 0.74 - 0.88 (m, 1 H) 1.23 - 1.36 (m, 1 H) 4.28 (d, J=7.83 Hz, 1 H) 4.32 - 4.57 (m, 2 H) 4.68 (d, 2 H) 6.86 (s, 1 H) 7.00 (d, J=8.34 Hz, 1 H) 7.07 (dd, J=9.47, 1.89 Hz, 1 H) 7.35 (t, J=7.83 Hz, 1 H) 7.53 (s, 1 H)。エナンチオマーの分割は移動相として35%i−PrOH/ヘプタンを有するChiralPak AS−Hカラムを使用するキラルHPLCにより達成し、t=22.3分およびt=28.3分でエナンチオマーを得る。
【0177】
5−シクロブチル−7−(4−フルオロ−ベンジル)−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン
【化52】

MS(ESI) m/z 300.0(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 1.63 - 1.79 (m, 2 H) 1.79 - 1.95 (m, 2 H) 1.96 - 2.13 (m, 2 H) 2.72 - 2.89 (m, 1 H) 4.24 - 4.43 (m, 2 H) 4.53 (d, J=14.65 Hz, 1 H) 4.65 (d, J=7.07 Hz, 1 H) 4.75 (d, J=14.65 Hz, 1 H) 6.85 (s, 1 H) 6.93 - 7.07 (m, 2 H) 7.13 - 7.25 (m, 2 H) 7.46 (s, 1 H)。エナンチオマーの分割は移動相として30%EtOH/ヘプタンを有するChiralPak AS−Hカラムを使用するキラルHPLCにより達成し、t=18.5分およびt=22.1分でエナンチオマーを得る。
【0178】
7−(4−フルオロ−ベンジル)−5−シクロペンチル−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン
【化53】

MS(ESI) m/z 314.0(M+H)。1H NMR (HCl塩に基づいて、400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.28 - 1.54 (m, 5 H) 1.54 - 1.76 (m, 3 H) 2.29 - 2.46 (m, 1 H) 4.51 - 4.66 (m, 3 H) 4.67 - 4.76 (m, 1 H) 4.99 (d, J=8.34 Hz, 1 H) 7.09 - 7.26 (m, 2 H) 7.27 - 7.40 (m, 2 H) 7.56 (s, 1 H) 9.11 (s, 1 H)。エナンチオマーの分割は移動相として50%i−PrOH/ヘキサンを有するChiralPak IAカラムを使用するキラルHPLCにより達成し、t=17.5分およびt=21.5分でエナンチオマーを得る。
【0179】
7−(4−クロロ−ベンジル)−5−シクロヘキシル−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン
【化54】

MS(ESI) m/z 344.2(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 0.80 - 0.96 (m, 1 H) 0.97 - 1.12 (m, 1 H) 1.24 (d, J=68.46 Hz, 3 H) 1.43 - 1.86 (m, 5 H) 1.98 - 2.16 (m, 1 H) 4.15 - 4.50 (m, 2 H) 4.55 - 4.80 (m, 3 H) 6.86 (s, 1 H) 7.21 (d, J=8.34 Hz, 2 H) 7.32 (d, J=8.34 Hz, 2 H) 7.45 (s, 1 H)。エナンチオマーの分割は移動相として3%MeOH/CHClを有するChiralPak IAカラムを使用するキラルHPLCにより達成し、t=12.75分およびt=15分でエナンチオマーを得る。
【0180】
7−(4−クロロ−ベンジル)−5−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン
【化55】

MS(ESI) m/z 346.0(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 1.29 - 1.45 (m, 2 H) 1.52 - 1.70 (m, 2 H) 2.10 - 2.30 (m, 1 H) 3.24 - 3.42 (m, 2 H) 3.84 - 4.06 (m, 2 H) 4.30 - 4.49 (m, 2 H) 4.60 - 4.67 (m, 1 H) 4.69 (d, J=4.55 Hz, 2 H) 6.88 (s, 1 H) 7.21 (d, 2 H) 7.32 (d, J=8.59 Hz, 2 H) 7.47 (s, 1 H)。エナンチオマーの分割は移動相として30%EtOH/ヘキサンを有するChiralPak IAカラムを使用するキラルHPLCにより達成し、t=21.4分およびt=30.5分でエナンチオマーを得る。
【0181】
5−イソプロピル−7−ピリジン−4−イルメチル−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン
【化56】

MS(ESI) m/z 271.2(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 8.59 (d, J = 8.00 Hz, 2H), 7.50 (s, 1H), 7.19 (d, J = 8.00 Hz, 2H), 6.90 (s, 1H), 4.78-4.67 (m, 3H), 4.53 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 4.39 (d, J = 16.0 Hz, 1H), 2.49-2.41 (m, 1H), 1.12 (d, J = 4.00 Hz, 3H), 0.87 (d, J = 4.00 Hz, 3H)。
【0182】
7−(3,5−ジメチル−ベンジル)−5−イソプロピル−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン
【化57】

MS(ESI) m/z 298.2(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.45 (s, 1H), 6.93 (s, 1H), 6.89 (s, 2H, overlap), 6.86 (s, 1H), 4.76-4.55 (m, 3H), 4.36 (s, 2H), 2.48-2.44 (m, 1H), 2.29 (s, 6H), 1.11(d, J = 4.00 Hz, 3H), 0.84 (d, J = 4.00 Hz, 3H)。
【0183】
7−シクロヘキシルメチル−5−イソプロピル−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン
【化58】

MS(ESI) m/z 276.3(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.46 (s, 1H), 6.92 (s, 1H), 4.61-4.54 (m, 3H), 4.42 (d, J = 16 Hz, 1H), 3.36 (d, J = 8.00 Hz, 1H), 2.42-2.33 (m, 1H), 1.77-0.87 (m, 16 H)。エナンチオマーの分割は移動相として25%i−PrOH/ヘキサンを有するChiralPak IAカラムを使用するキラルHPLCにより達成し、t=15分およびt=30分でエナンチオマーを得る。
【0184】
5−イソプロピル−7−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン
【化59】

MS(ESI) m/z 278.3(M+H)。1H NMR (HCl塩、400 MHz, MeOD) ・ ppm 9.11 (s, 1H), 7.61 (s, 1H), 4.91 (d, J = 4.00 Hz, 1H), 3.95-3.91 (m, 2H), 4.81 (s, 2H), 3.57-3.30 (m, 5H), 2.46-2.38 (m, 1H), 2.09-2.01 (m, 1H), 1.60-1.57 (m, 2H), 1.41-1.29 (m, 2H), 1.12 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 0.99 (d, J = 6.8 Hz, 3H)。
【0185】
7−シクロヘキシルメチル−5−(1,1−ジメチル−プロピル)−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン
【化60】

MS(ESI) m/z 304.2(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 0.88 - 1.03 (m, 11 H) 1.10 - 1.29 (m, 4 H) 1.31 - 1.44 (m, 1 H) 1.43 - 1.54 (m, 1 H) 1.60 - 1.78 (m, 5 H) 3.26 - 3.41 (m, 2 H) 4.36 (d, J=15.66 Hz, 1 H) 4.53 (s, 1 H) 4.59 (d, J=15.41 Hz, 1 H) 6.91 (s, 1 H) 7.43 (s, 1 H)。エナンチオマーの分割は移動相として30%EtOH/ヘキサンを有するChiralPak IAカラムを使用するキラルHPLCにより達成し、t=23.1分およびt=32分でエナンチオマーを得る。
【0186】
4−[5−(1,1−ジメチル−プロピル)−6−オキソ−5,6−ジヒドロ−8H−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−7−イルメチル]−ベンゾニトリル
【化61】

MS(ESI) m/z 323.3(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 0.88 - 1.02 (m, 9 H) 1.33 - 1.51 (m, 2 H) 4.34 (d, 1 H) 4.51 (d, 1 H) 4.63 (s, 1 H) 4.68 - 4.84 (m, 2 H) 6.92 (s, 1 H) 7.39 (d, J=8.08 Hz, 2 H) 7.57 (s, 1 H) 7.64 (d, J=8.34 Hz, 2 H)。エナンチオマーの分割は移動相として30%i−PrOH/ヘキサンを有するChiralPak AS−Hカラムを使用するキラルHPLCにより達成し、t=27分およびt=56分でエナンチオマーを得る。
【0187】
5−(1,1−ジメチル−プロピル)−7−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン
【化62】

MS(ESI) m/z 306.2(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.48 (s, 1H), 6.91 (s, 1H), 4.63 (d, J = 16 Hz, 1H), 4.54 (s, 1H), 4.38 (d, J = 16 Hz, 1H), 3.98-3.95 (m, 2H), 3.49-3.31 (m, 4H), 2.01-1.95 (m, 1H), 1.55-0.90 (m, 15H)。エナンチオマーの分割は移動相として15%EtOH/ヘプタンを有するChiralPak AS−Hカラムを使用するキラルHPLCにより達成し、t=9.5分およびt=14.3分でエナンチオマーを得る。
【0188】
5−(1,1−ジメチル−プロピル)−7−(4−フルオロ−ベンジル)−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン
【化63】

MS(ESI) m/z 316.3(M+H)。1H NMR (対応するHCl塩に基づいて, 400 MHz, MeOD) δ ppm 9.06 (s, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.42 (m, 2H), 7.09 (m, 2H), 5.01-4.63 (m, 5H), 1.51-0.89 (m, 11H)。エナンチオマーの分割は移動相として23%EtOH/ヘプタンを有するChiralPak AS−Hカラムを使用するキラルHPLCにより達成し、t=9.55分およびt=16.34分でエナンチオマーを得る。
【0189】
5−(1−シクロプロピル−1−メチル−エチル)−7−(1−ヒドロキシ−シクロヘキシルメチル)−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン
【化64】

MS(ESI) m/z 332.3(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 0.15 - 0.26 (m, 1 H) 0.26 - 0.35 (m, 1 H) 0.33 - 0.43 (m, 2 H) 0.64 - 0.79 (m, 1 H) 0.93 (d, J=16.67 Hz, 6 H) 1.20 - 1.37 (m, 1 H) 1.37 - 1.49 (m, 2 H) 1.50 - 1.65 (m, 7 H) 3.54 (d, J=4.55 Hz, 2 H) 4.55 (s, 1 H) 4.58 - 4.68 (m, 1 H) 4.71 - 4.85 (m, 1 H) 6.89 (s, 1 H) 7.50 (s, 1 H)。
【0190】
7−シクロプロピルメチル−5−イソプロピル−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン
【化65】

MS(ESI) m/z 234.3(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.16 (s, 1H), 6.64 (s, 1H), 4.41 (d, J = 16 Hz, 1H), 4.28 (d, J = 4.00 Hz, 1H), 4.23 (d, J = 16 Hz, 1H), 3.44-3.39 (m, 1H), 2.88-2.83 (m, 1H), 2.18-2.10 (m, 1H), 0.81 (d, J = 4.00 Hz, 3H), 0.78-0.71 (m, 1H), 0.59 (d, J = 4.00 Hz, 1H), 0.30-0.22 (m, 2H), 0.08-0.0 (m, 2H)。
【0191】
5−(1−シクロプロピル−1−メチル−エチル)−7−(4−フルオロ−ベンジル)−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン
【化66】

MS(ESI) m/z 328.2(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.30 (s, 1H), 7.09-7.06 (m, 2H), 6.84-6.79 (m, 2H), 6.65 (s, 1H), 4.51 (d, J = 16 Hz, 1H), 4.42 (d, J = 16 Hz, 1H), 4.37 (s, 1H), 4.28 (d, J = 16 Hz, 1H), 4.13 (d, J = 16 Hz, 1H), 1.04-0.98 (m, 1H), 0.74 (s, 3H), 0.64 (s, 3H), 0.45-0.39 (m, 1H), 0.13-0.10 (m, 3H)。エナンチオマーの分割は移動相として15%EtOH/ヘプタンを有するChiralPak AS−Hカラムを使用するキラルHPLCにより達成し、t=33分およびt=76分でエナンチオマーを得る。
【0192】
4−[5−(1−シクロプロピル−1−メチル−エチル)−6−オキソ−5,6−ジヒドロ−8H−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−7−イルメチル]−ベンゾニトリル
【化67】

MS(ESI) m/z 335.2(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 0.13 - 0.38 (m, 4 H) 0.55 - 0.70 (m, 1 H) 0.85 (s, 3 H) 0.95 (s, 3 H) 4.33 (d, J=15.16 Hz, 1 H) 4.48 - 4.70 (m, 3 H) 4.85 (d, J=15.16 Hz, 1 H) 6.86 (s, 1 H) 7.38 (d, J=8.34 Hz, 2 H) 7.51 (s, 1 H) 7.62 (d, J=8.34 Hz, 2 H)。エナンチオマーの分割は移動相として40%EtOH/ヘプタンを有するChiralPak AS−Hカラムを使用するキラルHPLCにより達成し、t=11.2分およびt=20.5分でエナンチオマーを得る。
【0193】
5−(1−シクロプロピル−1−メチル−エチル)−7−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン
【化68】

MS(ESI) m/z 318.4(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 0.19 - 0.26 (m, 1 H) 0.26 - 0.33 (m, 1 H) 0.34 - 0.40 (m, 2 H) 0.63 - 0.74 (m, 1 H) 0.89 (s, 3 H) 0.95 (s, 3 H) 1.34 - 1.46 (m, 2 H) 1.50 - 1.62 (m, 2 H) 3.22 (dd, J=13.39, 7.33 Hz, 1 H) 3.30 - 3.41 (m, 2 H) 3.55 (dd, J=13.52, 7.20 Hz, 1 H) 3.91 - 4.08 (m, 3 H) 4.39 (d, J=15.41 Hz, 1 H) 4.53 (s, 1 H) 4.67 (d, J=15.16 Hz, 1 H) 6.92 (s, 1 H) 7.51 (s, 1 H)。エナンチオマーの分割は移動相として30%i−PrOH/ヘキサンを有するChiralPak AS−Hカラムを使用するキラルHPLCにより達成し、t=14.5分およびt=44分でエナンチオマーを得る。
【0194】
7−(4−フルオロ−ベンジル)−5−イソプロピル−8−メチル−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン
【化69】

MS(ESI) m/z 302.1(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3 〜10%の少ないジアステレオマー) δ ppm 1.08 (d, J=6.82 Hz, 3 H) 1.22 (d, J=6.82 Hz, 3 H) 1.62 (d, J=6.82 Hz, 3 H) 1.65 - 1.71 (m, 1 H) 2.42 - 2.52 (m, 1 H) 4.17 (d, J=14.91 Hz, 1 H) 4.76 (q, J=6.74 Hz, 1 H) 4.96 (d, J=6.32 Hz, 1 H) 5.35 (d, J=14.91 Hz, 1 H) 6.99 - 7.08 (m, 2 H) 7.20 - 7.25 (m, 2 H) 7.32 (s, 1 H) 9.16 (s, 1 H)。
【0195】
7−(4−フルオロ−ベンジル)−5,5−ジメチル−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン
【化70】

MS(ESI) m/z 274.0(M+H)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.77 (s, 6 H), 4.68 (s, 2 H), 4.69 (s, 2H), 7.15 - 7.26 (m, 2 H), 7.27 - 7.41 (m, 2 H), 7.59 (s, 1 H), 9.34 (s, 1 H)。
【0196】
実施例4
4−(1,1−ジメチル−プロピル)−6−(3−フルオロ−ベンジル)−7,8−ジヒドロ−6H−2,3a,6−トリアザ−アズレン−5−オン
【化71】

A.(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)酢酸(cas # 168632-03-9)
【化72】

塩化トリチル(77g、0.276mol)をピリジン(500mL)中の塩酸(1H−イミダゾール−4−イル)酢酸(37.5g、0.23mol)の懸濁液に室温で加える。これを室温で16時間撹拌し、最後にMeOH(200mL)を加える。この溶液を室温で1時間撹拌する。溶媒を蒸発させ、残渣をCHClに取り、1Mの水性クエン酸溶液(2×)および塩水で洗浄した。有機相を無水NaSOで乾燥させ、蒸発させ、粘着性残渣を得、これをジエチルエーテルに取り、蒸発させ、生成物を白色固体として得、これをさらなる精製で使用する。MS(ESI) m/z 368.9(M+H)(J. Org. Chem. 1993, 58, 4606からの製造法、また、WO2003013526の製造法)。
【0197】
B.2−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)エタノール(cas # 127607-62-9)
【化73】

(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)酢酸(41g、0.114mol)をTHF(400mL)に懸濁し、0℃に冷却する。これにBH・THF溶液(222mL、1.0M)を加える。得られた透明な溶液を0℃で1時間撹拌し、LCMSで反応の完了が示されるまで室温に温める。溶液を再び0℃に冷却し、注意深く水(200mL)でクエンチする。得られた溶液をEtOAc(400mL)で希釈し、分液漏斗に移し、水性層をEtOAc(400mL×3)で抽出する。有機相を無水NaSOで乾燥させ、蒸発させ、粘着性残渣を得、これをエタノールアミン(700mL)に取り、90℃に2.5時間加熱する。反応物を分液漏斗に移し、EtOAc(1L)で希釈し、水(3×600mL)で洗浄する。有機相を無水NaSOで乾燥させ、蒸発させ、2−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)−エタノールを白色固体として得、これをさらなる精製なしで使用する。MS(ESI) m/z 354.8(M+H)(J. Med. Chem. 1996, 39(19), 3806の変法により製造する)。
【0198】
C.メタンスルホン酸2−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)−エチルエステル
【化74】

MsClをCHCl中の2−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)−エタノール(41g、115.7mmol)およびEtN(40.62mL、289.2mmol)の溶液に0℃で滴下する。混合物を1時間0℃で撹拌し、次に室温に温める。1時間後、反応を飽和NaHCO(100mL)でクエンチし、CHCl(400mL×4)で抽出する。合わせた有機層を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させる。濾過および濃縮後、固体を得、次の工程で使用する。
【0199】
D.(3−フルオロ−ベンジル)−[2−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)−エチル]−アミン
【化75】

3−フルオロベンジルアミン(10.4mL、90.8mmol)をDMF中のメタンスルホン酸2−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)−エチルエステル(13.2g、30.2mmol)、KCO(12.5g、90.8mmol)、NaI(13.61g、90.8mmol)の懸濁液に滴下する。混合物を100℃に3時間加熱する。濾過後、残渣をCHCl(60mL×3)で洗浄する。溶媒を真空除去する。残渣をフラッシュカラムにより精製し、油状物を得る。
【0200】
E.4−(1,1−ジメチル−プロピル)−6−(3−フルオロ−ベンジル)−7,8−ジヒドロ−6H−2,3a,6−トリアザ−アズレン−5−オン
2−ブロモ−3,3−ジメチル−ペンタノイルクロライド(650mg、2.85mmol)をCHCl(17mL)中の(3−フルオロ−ベンジル)−[2−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)−エチル]−アミン(1.1g、2.38mmol)およびEtN(1mL、37.14mmol)の溶液に0℃で滴下する。2時間後、溶媒を真空蒸発させる。10mLの飽和NaHCOを加え、混合物をCHCl(20mL×4)で抽出する。合わせた抽出物を塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させる。濾過および濃縮後、油状物残渣を得、15mLのDMFに溶解し、170℃に2時間マイクロ波により加熱する。溶媒を除去し、残渣をMeOHに溶解し、還流温度に2時間加熱する。濃縮後、飽和NaHCO溶液を加える。混合物をCHCl(20mL×4)で抽出する。合わせた抽出物を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させる。濾過および濃縮後、残渣をフラッシュカラムにより精製し、342mgの表題化合物を固体として得る。
MS(ESI) m/z 330.2(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.36 (s, 1H), 7.32-7.27 (m, 1H), 7.06-6.96 (m, 3H), 6.81 (s, 1H), 5.02 (s, 1H), 4.93 (d, J = 16 Hz,1H), 4.36 (d, J = 16 Hz, 1H), 3.70-3.65 (m, 1H), 3.41 (brs, 1H), 3.26-3.19 (m, 1H), 2.99-2.92 (m, 1H), 1.57-1.41 (m, 2H), 1.10 (s, 3H), 0.98-0.91 (m, 6H)。エナンチオマーの分割は移動相として20%エタノール/ヘキサンを有するChiralPak AS−Hカラムを使用するキラルHPLCにより達成し、エナンチオマーを得る。
【0201】
下記化合物を同様の方法で製造することができる。
6−(3−フルオロ−ベンジル)−4−イソプロピル−7,8−ジヒドロ−6H−2,3a,6−トリアザ−アズレン−5−オン
【化76】

MS(ESI) m/z 302.2(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.38 (s, 1H), 7.33-7.27 (m, 1H), 7.05-6.97 (m, 3H), 6.83 (s, 1H), 4.92 (d, J = 16 Hz, 1H), 4.58 (d, J = 8 Hz, 1H), 4.35 (d, J = 16 Hz, 1H), 3.92-3.85 (m, 1H), 3.47-3.41 (m, 1H), 3.10-2.92 (m, 2H), 1.15 (d, J = 8 Hz, 3H), 0.90 (d, J = 8 Hz ,3H)。
【0202】
6−(4−フルオロ−ベンジル)−4−イソプロピル−7,8−ジヒドロ−6H−2,3a,6−トリアザ−アズレン−5−オン
【化77】

MS(ESI) m/z 302.1(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.36 (s, 1H), 7.26-7.23 (m, 2H), 7.04-6.99 (m, 2H), 6.81 (s, 1H), 4.85 (d, J = 16 Hz, 1H), 4.57 (d, J =12 Hz, 1H), 4.37 (d, J = 12 Hz, 1H), 3.91-3.83 (m, 1H), 3.47-3.40 (m, 1H), 3.07-2.88 (m, 2H), 2.40-2.25 (m, 1H), 1.14 (d, J = 8 Hz, 3H), 0.89 (d, J = 8 Hz, 3H)。
【0203】
4−シクロブチル−6−(4−フルオロ−ベンジル)−7,8−ジヒドロ−6H−2,3a,6−トリアザ−アズレン−5−オン
【化78】

MS(ESI) m/z 314(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.27 (s, 1H), 7.13-7.09 (m, 2H), 6.96-6.90 (m, 2H), 6.71 (s, 1H), 4.92 (d, J = 12 Hz, 1H), 4.62 (d, J =16 Hz, 1H), 4.41 (d, J = 12 Hz, 1H), 3.79-3.71 (m, 1H), 3.53-3.47 (m, 1H), 3.17-3.10 (m,1H), 2.88-2.85 (m, 2H), 2.34-2.13 (m, 2H), 1.98-1.88 (m, 4H)。エナンチオマーの分割は移動相として25%エタノール/ヘプタンを有するChiralPak IAカラムを使用するキラルHPLCにより達成し、エナンチオマーを得る。
【0204】
4−シクロブチル−6−(3−フルオロ−ベンジル)−7,8−ジヒドロ−6H−2,3a,6−トリアザ−アズレン−5−オン
【化79】

MS(ESI) m/z 314.1(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.35 (s, 1H), 7.31-7.26 (m, 1H), 7.00-6.96 (m, 2H), 6.93-6.90 (m, 1H), 6.80 (s, 1H), 5.01 (d, J = 8.00 Hz, 1H), 4.69 (d, J = 16 Hz, 1H), 4.53 (d, J = 16 Hz, 1H), 3.86-3.79 (m ,1H), 3.62-3.56 (m ,1H), 3.27-3.17 (m, 1H), 3.05-2.96 (m, 2H), 2.36-2.20 (m, 2H), 2.08-1.93 (m, 4H)。
【0205】
4−(4−シクロブチル−5−オキソ−4,5,7,8−テトラヒドロ−2,3a,6−トリアザ−アズレン−6−イルメチル)−ベンゾニトリル
【化80】

MS(ESI) m/z 321.1(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.62 (d, J = 8.00 Hz, 2H), 7.36 (s, 1H), 7.31 (d, J = 8.00 Hz, 2H), 6.82 (s, 1H), 5.02 (d, J = 12 Hz, 1H), 4.77 (d, J = 16 Hz, 1H), 4.57 (d, J = 16 Hz, 1H), 3.90-3.83 (m, 1H), 3.62-3.55 (m, 1H), 3.28-3.19 (m, 1H), 3.03-2.96 (m, 2H), 2.35-2.20 (m, 2H), 2.10-1.90 (m, 4H)。
【0206】
4−(1,1−ジメチル−プロピル)−6−(4−フルオロ−ベンジル)−7,8−ジヒドロ−6H−2,3a,6−トリアザ−アズレン−5−オン
【化81】

MS(ESI) m/z 330(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.35 (s, 1H), 7.28-7.25 (m, 2H), 7.05-6.99 (m, 2H), 6.81 (s, 1H), 5.00 (s, 1H), 4.89 (d, J = 12 Hz, 1H), 4.35 (d, J = 12 Hz, 1H), 3.70-3.65 (m, 1H), 3.39 (brs, 1H), 3.23-3.17 (m, 1H), 2.96-2.89 (m, 1H), 1.56-1.41 (m, 2H), 1.08-0.86 (m, 9H)。
【0207】
実施例5
5−tert−ブチル−7−(4−フルオロ−ベンジル)−5−プロピル−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン
【化82】

LiHMDS(3.6mL、THF中で1.0M)の溶液を7mLの乾燥THF中の5−tert−ブチル−7−(4−フルオロ−ベンジル)−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン(217mg、0.72mmol)の溶液に−78℃で滴下する。得られた混合物を1時間この温度で撹拌する。ヨードプロパン(0.212mL、2.16mmol)を加える。混合物を一晩撹拌し、ゆっくり0℃に温める。飽和NHCl溶液を加え、混合物をCHCl(4×20mL)で抽出する。合わせた抽出物を塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させる。濃縮後、残渣をフラッシュカラムにより精製し、178mgの固体を得る。
MS(ESI) m/z 344.1(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.38 (s, 1H), 7.23-7.20 (m, 2H), 6.98-6.93 (m, 2H), 6.76 (s, 1H), 4.69 (d, J = 16 Hz, 1H), 4.56 (d, J = 16 Hz, 1H), 4.32 (s, 2H), 2.55-2.45 (m ,1H), 1.90-1.80 (m, 1H), 0.90 (s, 9H), 1.10-0.60 (m, 2H), 0.81 (t, J = 8.00 Hz, 3H)。エナンチオマーの分割は移動相として10%i−PrOH/ヘキサンを有するChiralPak IAカラムを使用するキラルHPLCにより達成し、t=25分およびt=27分でエナンチオマーを得る。
【0208】
下記化合物を同様の方法で製造することができる。
5−tert−ブチル−5−エチル−7−(4−フルオロ−ベンジル)−7,8−ジヒドロ−イミダゾ[1,5−a]ピラジン−6−オン
【化83】

MS(ESI) m/z 330.3(M+H)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.46 (s, 1H), 7.31-7.28 (m, 2H), 7.05-7.01 (m, 2H), 6.84 (s, 1H), 4.80 (d, J = 16 Hz, 1H), 4.62 (d, J = 16 Hz, 1H), 4.41 (s, 2H), 2.67-2.65 (m ,1H), 2.05-2.03 (m, 1H), 0.98 (s, 9H), 0.62 (t, J = 8.00 Hz, 3H)。エナンチオマーの分割は移動相として10%i−PrOH/ヘキサンを有するChiralPak IAカラムを使用するキラルHPLCにより達成し、t=23分およびt=26.5分でエナンチオマーを得る。
【0209】
他の態様は当業者に明らかである。前記の詳細な説明は明瞭とする目的のみであり、単なる例示であることは理解されるべきである。本発明の精神および範囲は、上記実施例に限定されず、特許請求の範囲により包含される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

〔式中、
nは0または1であり;
は水素であるか;または、
およびRは、独立して、アルキル、非芳香族性ヘテロシクリル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アルケニルまたはアルキニルであるか;または、
およびRは、それらが結合している炭素原子と一体となって、所望により、3から7員環を形成し;
は、ヘテロシクリル、アルキル、ハロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、これらそれぞれは、所望により、1から3個のアルキル、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、アルコキシ、シクロアルキル、ヒドロキシまたはシクロアルキル−アルキルから選択される置換基で置換されており;
およびRは、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシまたはアルキルである〕
で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩;またはそれらの光学異性体;または光学異性体の混合物。
【請求項2】
nが0または1であり;Rが水素であるか;または、RおよびRが、独立して、(C−C)アルキル、(4−から9−員)−非芳香族性ヘテロシクリル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキルまたは(C−C)シクロアルキル−(C−C)アルキルでありであり;Rが(4−から9−員)−非芳香族性ヘテロシクリル、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C10)アリールまたは(C−C10)ヘテロアリールであり、これらそれぞれは、所望により、1から3個の(C−C)アルキル、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルキルまたはヒドロキシから選択される置換基で置換されており;RおよびRが、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシまたは(C−C)アルキルであるか;または、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一体となって、所望により、3から7員環を形成する、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩;またはそれらの光学異性体;または光学異性体の混合物。
【請求項3】
が水素であるか;または、RおよびRが、独立して、(C−C)アルキル、(4−から7−員)−非芳香族性ヘテロシクリル、(C−C)シクロアルキルまたは(C−C)シクロアルキル−(C−C)アルキルであり;Rが(4−から7−員)−ヘテロシクリル、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル−(C−C)アルキル、(C−C10)アリールまたは(C−C10)ヘテロアリールであり、これらそれぞれは、所望により、1から3個の(C−C)アルキル、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルキルまたはヒドロキシから選択される置換基で置換されており;RおよびRが、独立して、水素または(C−C)アルキルであるか;または、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一体となって、所望により、3から7員環を形成する、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩;またはそれらの光学異性体;または光学異性体の混合物。
【請求項4】
nが0または1であり;Rが水素または(C−C)アルキルであり;Rが(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル−(C−C)アルキルまたは(C−C)アルケニルであり;Rが(4−から7−員)−ヘテロシクリル、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキルまたは(C−C10)アリールであり、これらそれぞれは、所望により、1から3個の(C−C)アルキル、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、(C−C)アルコキシまたはヒドロキシから選択される置換基で置換されており;RおよびRが、独立して、水素であるか;または、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一体となって、所望により、3から7員環を形成する、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩;またはそれらの光学異性体;または光学異性体の混合物。
【請求項5】
nが0または1であり;Rが水素または(C−C)アルキルであり;Rが(C−C)アルキルであり;Rが(C−C)シクロアルキルまたは(C−C10)アリールであり、これらそれぞれは、所望により、1から3個の(C−C)アルキル、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、(C−C)アルコキシまたはヒドロキシから選択される置換基で置換されており;RおよびRが、独立して、水素であるか;または、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一体となって、所望により、3から7員環を形成する、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩;またはそれらの光学異性体;または光学異性体の混合物。
【請求項6】
対象に治療有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを含む、対象におけるアルドステロン合成酵素の活性を阻害する方法。
【請求項7】
対象におけるアルドステロン合成酵素が介在する障害または疾患を処置する方法であって、対象に治療有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを含む方法。
【請求項8】
対象における障害または疾患がアルドステロン合成酵素の異常活性により特徴付けられる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
対象における障害または疾患がアルドステロン合成酵素の異常発現により特徴付けられる、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
障害または疾患が低カリウム血漿、高血圧、うっ血性心不全、腎不全、特に、慢性腎不全、再狭窄、アテローム性動脈硬化症、シンドロームX、肥満、ネフロパシー、心筋梗塞後障害、冠状動脈性心疾患、コラーゲン形成の増加、線維症ならびにリモデリング後の高血圧および内皮機能障害から選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
治療有効量の請求項1に記載の化合物および1種以上の薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項12】
治療有効量の請求項1に記載の化合物および1種以上の(i)HMG−Co−Aレダクターゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩;(ii)アンギオテンシンII受容体アンタゴニストまたはその薬学的に許容される塩;(iii)アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤またはその薬学的に許容される塩;(iv)カルシウムチャネルブロッカー(CCB)またはその薬学的に許容される塩;(v)二重アンギオテンシン変換酵素/中性エンドペプチダーゼ(ACE/NEP)阻害剤またはその薬学的に許容される塩;(vi)エンドセリンアンタゴニストまたはその薬学的に許容される塩;(vii)レニン阻害剤またはその薬学的に許容される塩;(viii)利尿剤またはその薬学的に許容される塩;(ix)ApoA−I模倣剤;(x)抗糖尿病剤;(xi)抗肥満剤;(xii)アルドステロン受容体ブロッカー;(xiii)エンドセリン受容体ブロッカー;および(xiv)CETP阻害剤から選択される治療有効量の化合物を含む医薬組成物。
【請求項13】
医薬として使用するための請求項1に記載の式Iの化合物。
【請求項14】
アルドステロン合成酵素が介在する対象における障害または疾患の処置のための医薬組成物の製造のための請求項1に記載の式Iの化合物の使用。
【請求項15】
対象におけるアルドステロン合成酵素の異常活性により特徴付けられる障害または疾患の処置のための医薬組成物の製造のための請求項1に記載の式Iの化合物の使用。
【請求項16】
対象におけるアルドステロン合成酵素が介在する障害または疾患の処置のための医薬の製造のための請求項11または12に記載の医薬組成物の使用。
【請求項17】
対象におけるアルドステロン合成酵素の異常活性により特徴付けられる障害または疾患の処置のための医薬の製造のための請求項11または12に記載の医薬組成物の使用。
【請求項18】
対象におけるアルドステロン合成酵素の異常活性により特徴付けられる障害または疾患の処置のための医薬の製造のための請求項11または12に記載の医薬組成物の使用。
【請求項19】
障害または疾患が低カリウム血漿、高血圧、うっ血性心不全、腎不全、特に、慢性腎不全、再狭窄、アテローム性動脈硬化症、シンドロームX、肥満、ネフロパシー、心筋梗塞後障害、冠状動脈性心疾患、コラーゲン形成の増加、線維症ならびにリモデリング後の高血圧および内皮機能障害から選択される、請求項16に記載の使用。
【請求項20】
対象におけるアルドステロン合成酵素が介在する障害または疾患の処置のための医薬の製造のための請求項11または12に記載の医薬組成物の使用。
【請求項21】
対象におけるアルドステロン合成酵素の異常活性により特徴付けられる障害または疾患の処置のための医薬の製造のための請求項11または12に記載の医薬組成物の使用。
【請求項22】
対象におけるアルドステロン合成酵素の異常発現により特徴付けられる障害または疾患の処置のための医薬の製造のための請求項11または12に記載の医薬組成物の使用。
【請求項23】
障害または疾患が低カリウム血漿、高血圧、うっ血性心不全、腎不全、特に、慢性腎不全、再狭窄、アテローム性動脈硬化症、シンドロームX、肥満、ネフロパシー、心筋梗塞後障害、冠状動脈性心疾患、コラーゲン形成の増加、線維症およびリモデリング後の高血圧および内皮機能障害から選択される、請求項20に記載の使用。

【公表番号】特表2010−501573(P2010−501573A)
【公表日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−525633(P2009−525633)
【出願日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際出願番号】PCT/US2007/018660
【国際公開番号】WO2008/027284
【国際公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】