説明

アルファアドレナリン受容体モジュレーター

1またはそれ以上のアルファアドレナリン受容体、特にアルファ2C受容体の調節による病気および症状の治療に有用である化合物が本明細書に記載されている。化合物はN−(2,3−置換フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン誘導体を含み得る。これらの化合物を作製、使用、製剤する方法が記載されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本出願は、2009年10月21日に出願された米国仮出願第61/253,654号の利益を主張し、本明細書によりその全体が参照として組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ヒトアドレナリン受容体は、2つの広範なクラス、すなわちアルファおよびベータアドレナリン受容体に分類されている内在性膜タンパク質である。両タイプの受容体はカテコールアミン、ノルエピネフリン、およびエピネフリンの結合時に末梢交感神経系の活性を調節する。
【0003】
ノルエピネフリンはアドレナリン作動性神経終末により産生され、一方でエピネフリンは副腎髄質により産生される。これらの化合物でのアドレナリン受容体の結合親和性は分類化のある基準となる、すなわちアルファ受容体はエピネフリンより強くノルエピネフリンと結合する傾向がある。これらのホルモンの好ましい結合親和性はベータ受容体に対しては逆の傾向である。多くの組織において、アルファ受容体活性により誘発される平滑筋収縮などの機能的応答は、ベータ受容体結合により誘発される応答とは逆である。
【0004】
アルファ受容体とベータ受容体との機能的区別はさらに、様々な動物および組織供給源由来のこれらの受容体の薬理学的特徴化により明らかにされ緻密化している。アルファおよびベータアドレナリン受容体はさらに、アルファ−1(α1)、アルファ−2(α2)、ベータ−1(β1)、およびベータ−2(β2)サブタイプに細分化される。
【0005】
アルファ−1受容体とアルファ−2受容体との機能的相違は認識されてきており、これらの2つのサブタイプ間で選択的な結合を示す化合物が明らかになっている。例えばアルファ−1サブタイプのアドレナリン受容体と選択的に結合するテラゾシンのR(+)エナンチオマーの選択能力が報告されている。この化合物のアルファ−1/アルファ−2選択性は、アルファ−2受容体のアゴニスト刺激がエピネフリンおよびノルエピネフリンの分泌を阻害すると言われている一方で、アルファ−2受容体の拮抗作用は同ホルモンの分泌を増大させると言われていることから、従来重要なものとして知られている。例えば、フェノキシベンザミンおよびフェントラミンなどの非選択性アルファ−アドレナリン阻害剤の使用は、増大した血漿カテコールアミン濃度とそれに付随する生理的続発症(心拍および平滑筋収縮の上昇)がこれらのアルファ−2アドレナリン受容体により、誘導されることにより制限されているといわれている。
【0006】
動物組織由来のアルファ受容体サブタイプのクローニング、配列決定、および発現は結果として、アルファ−1アドレナリン受容体のアルファ−1A、アルファ−1B、およびアルファ−1Dへの細分類化をもたらした。同様に、アルファ−2アドレナリン受容体もまた、アルファ−2A、アルファ−2B、およびアルファ−2C受容体に細分類化されている。各アルファ−2受容体サブタイプは、独自の薬理学的および組織特異性を示すようである。1またはそれ以上のこれらのサブタイプにある程度の特異性を有する化合物は、所定の兆候に関して、(薬剤クロニジリンなどの)アルファ−2受容体パン−アゴニスト(pan−agonist)またはパン−アンタゴニスト(pan−antagonist)よりも効果的な治療薬であり得る。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、概して、特定の複素環化合物およびそのアルファアドレナリン受容体モジュレーターとしての使用に関する。これらの化合物は、アルファアドレナリン受容体の調節に関連する多様な疾患の治療に有用である。さらに、これらの化合物は、アルファアドレナリン調節により軽減される病気及び症状をもつヒトの治療に有用であり、特にアルファ−2Cモジュレーターとして有用である。本明細書に記載の化合物の薬理学的に許容できる量を含む組成物がまた本明細書に記載される。さらに本明細書に記載のような組成物を使用した症状の治療方法が記載され、症状は、緑内障、高眼圧、虚血性神経障害、視神経障害、疼痛、内臓痛、角膜痛、頭痛、片頭痛、癌疼痛、背痛、過敏性腸症候群、筋肉痛および糖尿病性神経障害関連の疼痛の治療に限定されないが、糖尿病性網膜症、他の網膜変性症状、発作、統合失調症、認知障害、精神神経症状、薬物依存および耽溺、禁断症状、強迫性障害、肥満症、インスリン耐性、ストレス関連症状、下痢、多尿、鼻閉、痙性、注意欠陥多動性障害、精神障害、不安症、鬱、腹圧性尿失禁、瞳孔の散大、上昇血圧、治療中の鼻閉、血管狭窄、心虚血、自己免疫疾患、クローン病、胃炎、アルツハイマー病、パーキンソン病性の筋萎縮性側索硬化症(ALS)、および他の神経変性疾患、皮膚病変、皮膚紅斑(発赤)および炎症、酒さ、ざ瘡、乾癬、炎症性腸疾患(IBD)、心的外傷性ストレス障害(PTSD)、トウレット症候群、多発性硬化症、ドライアイ症またはそれらの組み合わせの治療を含む群から選択される。
【0008】
本発明の一実施形態では、アルファアドレナリン受容体モジュレーターとして有用な新規化合物が提供される。これらの化合物は、アルファアドレナリン受容体の調節に関連する広範な疾患の治療に有用である。さらに、これらの化合物は、アルファアドレナリン調節により軽減される病気及び症状をもつヒトの治療に有用であり、特にアルファ−2Cモジュレーターとして有用である。本明細書に記載の化合物はN−(2,3−置換フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン誘導体である。
【0009】
本発明の別の実施形態では、アルファ2Cアドレナリン受容体の調節に関連する疾患の治療方法が提供される。当該方法は、例えば投与を必要とする被験者に治療有効量の式Iの少なくとも1つの化合物を含有する医薬組成物を投与することにより実施し得る。
【0010】
本発明の別の実施形態では、投与を必要とする被験者に治療有効量の:
N−(2,6−ジクロロフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(2−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(2,6−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;および
N−(2,3−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン
から選択される少なくとも1つの化合物を含有する医薬組成物を投与することによる、アルファ2Cアドレナリン受容体の調節に関連する治療方法が提供される。
【0011】
さらに、本明細書に記載の化合物の薬理学的に許容できる塩、水和物、溶解和物、結晶形、ならびに個々のアイソマー、エナンチオマー、ジアステレオマーおよびプロドラッグが利用され得る。
化合物:
N−(2−クロロフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(2,6−ジクロロフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(2−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(2,6−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;および
N−(2,3−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン
は以下に記載される:
Journal of American Chemical Society 1975, Vol 97 pages 2811−2818, as cyclic amidines for a tautomeric NMR study;
Journal of Medicinal Chemistry(1975), 18(1), 90−9, as amidines and related
compounds in “Structure−activity relations of antihypertensive and antisecretory agents related to clonidine”;
Patent ZA68022962 (1968), as (o−substituted−phenylimino)−1−aza cycloalkanes;
Revue Roumaine de Chimie (1989), 34(11−12), 2101−6, as alpha adrenergic clonidine derivatives。
【発明を実施するための形態】
【0012】
一実施形態では、本発明はしたがって、式I:
【化1】

(式中、
1はメトキシ基、メチル基、クロロ基、フルオロ基、ブロモ基から選択され;
2はメトキシ基、メチル基、クロロ基、フルオロ基、ブロモ基から選択される;
ただし、R1およびR2は同時にメチル基とならない)
を有する化合物を提供する。
【0013】
本明細書に記載の別の実施形態では、
N−(2−クロロフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(2,6−ジクロロフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(2−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(2,6−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(2,3−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(2−ブロモ−3−メチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(3−クロロ−2−メトキシフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(3−クロロ−2−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(2−クロロ−3−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(2−メトキシ−3−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(2−ブロモ−3−メトキシフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(3−メトキシ−2−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(3−フルオロ−2−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;および
N−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン
からなる群から選択される少なくとも1つの化合物の治療有効量を含有する医薬組成物を、投与の必要がある被験者に投与することを含む、アルファ2Cアドレナリン受容体のサブタイプ選択性調節に関連する疾患を治療する方法を提供する。
【0014】
さらに、これらの化合物の薬理学的に許容できる塩、水和物、溶解和物、結晶形ならびに個々のアイソマー、エナンチオマー、ジアステレオマーおよびプロドラッグが利用され得る。
【0015】
本明細書中に使用される、「薬理学的に許容できる塩」は、親化合物の活性を維持し、それを投与する被験者に、およびそれを投与する状況で、親化合物と比較して、いかなる付加的な有害で不都合な作用も与えない任意の塩を示す。薬理学的に許容できる塩はまた、酸、別の塩、または酸または塩に変換されるプロドラッグの投与の結果としてインビボで形成し得る任意の塩を示す。さらに、「薬理学的に許容できる塩」は、生物学的効果および遊離塩基の性質を維持する塩、またこれに限定されないが、塩酸、臭化水素酸、フマル酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸などの酸との反応により得られる塩を示す。
【0016】
酸性官能基の薬理学的に許容できる塩は、有機塩基または無機塩基から得られるものであってよい。塩は、一価または多価イオンを含んでもよい。特に対象になるものは、無機イオン、すなわちリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、およびマグネシウムである。有機塩は、アミン、特にモノ、ジ、およびトリアルキルアミンなどのアンモニウム塩、またはエタノールアミンにより生成してもよい。塩はまた、カフェイン、トロメタミン、および類似する分子により形成してもよい。塩酸または他の薬理学的に許容できる酸は、アミンまたはピリジン環などの塩基性基を含む化合物により塩を形成してもよい。
【0017】
本明細書中に使用される「プロドラッグ」は、投与後に治療活性化合物に変換する化合物を示し、本明細書中でプロドラッグは当業者で一般に理解されているものと同様の範囲で解釈されるべきである。本明細書の記載の範囲を限定するものではないが、変換は、ステル基または他の別の生物学的に不安定な基の加水分解により生じ得る。概して、必ずしもその必要はないが、プロドラッグは不活性であるかまたは変換後の治療活性化合物より低い活性を示す。本明細書に記載の化合物のエステルプロドラッグを意図する。エステルは炭素数1のカルボン酸(すなわち天然のプロスタグランジンの末端カルボン酸)から得てもよく、またはエステルはフェニル環においてなど分子の他部位でのカルボン酸官能基から得てもよい。限定を意図しないが、エステルはアルキルエステル、アリールエステル、またはヘテロアリールエステルであってよい。
【0018】
本明細書中に使用される「互変異性体」は、隣接する単結合と二重結合の間のプロトンの移行を示す。互変異性化プロセスは可逆的である。本明細書に記載の化合物は化合物の物理的特性の範囲内で可能な任意の互変異性化を受け得る。以下は本明細書に記載の化合物で生じ得る互変異性化の一例である:
【化2】

【0019】
本明細書中に使用される「治療有効量」という用語は、研究者、獣医、医師または他の臨床医が探索している治療を必要とする被験者の生物的または医学的反応を誘発する医薬組成物の量を意味する。ある実施形態では、治療を必要とする被験者は、哺乳類である。ある実施形態では、哺乳類とはヒトである。
【0020】
前述の詳細な説明は共に例示的および説明的に過ぎず限定するものではないことを理解すべきである。本明細書中に使用される、単数形の使用は特に明記されない限り、その複数形を包含する。本明細書中に使用される「または」は明記されない限り「および/または」を意味する。さらにまた、「含む(including)」という用語は「含む(includes)」および「含まれた(included)」などの他の形態と同様に制限されない。本明細書に使用される表題は単に系統立てるためであり、記載の対象を限定するものと解釈すべきではない。
【0021】
特定の定義が提供されない限り、本明細書に記載の分析化学、合成有機化学、および合成無機化学に関連して利用される命名法およびそれらの検査方法および手法は当業者に既知のものである。標準の化学記号は当該記号により表される正式な名称と同様な意味で使用される。したがって、例えば用語「メチル」および「CH3」は、同じ意味であることが理解される。標準的な手法が化学合成、化学分析、および製剤に使用され得る。本明細書に示され記載された構造は共に純正のまたはあらゆる混合物での可能なすべての立体異性体/互変異性体を含むことが意図される。
【0022】
明記ない限り、明細書及び特許請求の範囲で使用される成分量、分子量や反応症状などの特徴を表す全ての数字は、全ての場合「約(about)」という用語で修飾されるものとして理解されるべきである。したがって、それとは反対の意を明記しない限り、明細書および添付の特許請求の範囲に記載の数値パラメータは、本発明により得ようと試みる所望の特徴により変化し得る近似値である。最低限でも、また特許請求の範囲と等価の原則の適用を限定する目的としてではなく、各数値パラメータは少なくとも報告の有効数字の数を踏まえて、また通常の四捨五入を適用することにより解釈されるべきである。本発明の広範囲に示す数値の範囲および数値パラメータは近似値であるが、特定の実施例に記載された数値は出来る限り正確に報告されている。しかしあらゆる数字が各々の検査測定に見出される標準偏差から必然的に得られる誤差を本質的に含む。
【0023】
本明細書に記載の具体的な実施形態はさらに、言葉「からなる(consisting of)」および/または「本質的に〜からなる(consisting essentially of)」を用いて特許請求の範囲を限定し得る。特許請求の範囲にて使用した場合、出願または補正書での追加を問わず、移行部の「からなる(consisting of)」という用語は、特許請求の範囲に説明されていない構成要素、ステップ、または成分のいずれをも排除する。移行部の用語「consisting essentially of」は特許請求の範囲を特定された物質もしくはステップ、およびその基礎的で新規の特徴に実質的に影響を及ぼさないものに制限する。請求される本発明の実施形態は固有にまたは明確に記載され使用可能である。
【0024】
本発明を説明する文脈(特に以下の請求項の文脈)において使用される用語「a」、「an」、「the」、および同様な参照対象は、本明細書に明記ない限り、または文脈で反対の意を明記しない限り、単数形および複数形を網羅するように解釈されるべきである。本明細書中の値の範囲の記述は、単に範囲内にある別々の値を個々に表す省略方法としての役割をもつことを意図している。本明細書に明記ない限り、個々の値は、あたかも個々に明細書に記載されたかのように、それぞれ明細書に組み込まれる。本明細書に記載の全ての方法は、本明細書に明記ない限りまたは文脈で反対の意を明記しない限り、任意の好適な順序で実施され得る。本明細書での任意のおよび全ての例または例示的言葉(例えば「などの(such as)」)の使用は単に、本発明をより明確にすることを目的とし、別に請求する特許請求の範囲に限定をもたらすものではない。明細書中のいかなる言葉も、本発明の実施に不可欠な何ら請求していない構成要素を示唆すると解釈されるべきではない。
【0025】
本明細書に記載の本発明の代替要素または実施形態のグループ化は限定されるものと解釈されるべきではない。各グループのメンバーは、個々にまたはそのグループの他のメンバーもしくは本明細書に見出される他の構成要素との任意の組み合わせで、参照されまたは特許請求され得る。1つのグループの1またはそれ以上のメンバーを便宜性および/または特許性の理由で1つのグループに含ませるまたはそのグループから除くことが考えられる。特定の実施形態は本明細書に記載され、本発明を実施するための発明者らが知る最良の形態を含む。もちろん、これらの記載された実施形態の変形は当業者に上記説明を読むことで明らかになるであろう。本発明者らは、当業者が必要に応じて当該変形をおこなうことを予期し、また本発明者らは、本発明が本明細書において具体的に記載したものとは異なるように実行されることを意図する。したがって、本発明は、準拠法に認められるように、添付された特許請求の範囲に記述される対象の全ての変形と等価物を含む。さらに、上記構成要素の全ての可能な変形における上記構成要素のあらゆる組み合わせが、本明細書に明記ない限り、または文脈で反対の意を明記しない限り、本発明により包含される。
【0026】
本明細書に記載の実施形態が本発明の主要部を例示していることを理解すべきである。使用され得る他の変形は、本発明の請求の範囲である。したがって、実施例の方法によって、これに限定されないが、本発明の代替構造を本明細書の教示にしたがい利用してもよい。したがって、本発明は正確に表示および記載した通りの発明に限定されない。
【0027】
本明細書に記載の化合物は、薬物として、またはヒトを含む哺乳類での組成物もしくは製剤において、アルファアドレナリン受容体の調節による治療に対し病気の治療および/または同症状の軽減に有用である。したがって、さらなる例示的実施形態では、アルファアドレナリン受容体の調節に関連した疾患の治療方法が提供される。当該方法は、例えば投与を必要とする被験者に治療有効量の本明細書に記載の少なくとも1つの化合物を含有する医薬組成物を投与することによってなされる。
【0028】
本明細書に記載の化合物を使用して治療可能な症状および病気として、これに限定されないが、緑内障、高眼圧、虚血性神経障害、視神経障害、疼痛、内臓痛、角膜痛、頭痛、片頭痛、癌疼痛、背痛、過敏性腸症候群、筋肉痛および糖尿病性神経障害に関連した疼痛、糖尿病性網膜症、他の網膜変性症状、発作、認知障害、精神神経症状、薬物依存および耽溺、禁断症状、強迫性障害、肥満症、インスリン耐性、ストレス関連症状、下痢、多尿、鼻閉、痙性、注意欠陥多動性障害、精神障害、不安症、鬱、自己免疫疾患、クローン病、胃炎、アルツハイマー病、パーキンソン病性の筋萎縮性側索硬化症(ALS)、および他の神経変性疾患の治療、皮膚病変、皮膚紅斑(発赤)および炎症、酒さ、ざ瘡、乾癬、炎症性腸疾患(IBD)、心的外傷性ストレス障害(PTSD)、トウレット症候群、多発性硬化症、眼球乾燥症またはこれらの組み合わせが挙げられる。
【0029】
上記のように、本明細書に記載の化合物は慢性の疼痛の治療に有用である。「慢性の疼痛」は、これに限定されないが、神経因性疼痛、内臓痛(クローン病および過敏性腸症候群(IBS)によってもたらされる疼痛を含む)、および異痛症などの、急性疼痛以外の疼痛を意味する。
【0030】
本明細書に記載の化合物は薬剤的に有効な用量で投与され得る。当該用量は通常、所望の治療効果が得られるのに必要な最低投与量である。概して、当該用量は、約1mg/日から約1000mg/日の範囲で、より好ましくは約10mg/日から約500mg/日の範囲である。別の例示的実施例では、化合物または化合物(複数)は、組成物または製剤中に約0.5mg/kg/日から約100mg/kg/日または約1mg/kg/日から約100mg/kg/日の範囲で存在し得る。しかし、任意の所与の事例で投与するべき化合物の実際の量は、疼痛の程度、患者の年齢と体重、患者の全身的な身体状態、疼痛の原因、および投与経路などの関連する状況を考慮する医師によって決定される。
【0031】
別の例示的実施形態では、薬理学的に許容できる担体に少なくとも1つの化合物を含む医薬組成物が提供される。医薬組成物は、固体、溶液、乳剤、分散液、ミセル、リポソーム等の形態で使用され得、得られた組成物は本明細書に記載の1またはそれ以上の化合物を、有機担体もしくは無機担体、または経腸もしくは非経口に適用するために好適な賦形剤と混合した活性成分として含有する。1またはそれ以上の化合物は、錠剤、ペレット、カプセル、坐剤、溶液、乳液、懸濁液、および使用に好適なあらゆる形態にするために、例えば通常の非毒性で薬理学的に許容できる担体と組み合わせてもよい。使用可能な担体として、固体の、半固体の、または液体の形態で使用するために好適なグルコース、ラクトース、アラビアゴム、ゼラチン、マンニトール、デンプン糊、三ケイ酸マグネシウム、タルク、コーンスターチ、ケラチン、コロイド状シリカ、ポテトスターチ、尿素、中鎖トリグリセリド、デキストランおよび他の担体が挙げられる。さらに助剤、安定剤、増粘剤、着色剤、および香料を使用してもよい。本明細書に記載の化合物は、医薬組成物中に、プロセス状況または病状への所望の効果を得るのに十分な量で含まれる。
【0032】
一実施形態では、本明細書に記載の化合物は、錠剤、液体、カプセル、粉末などのあらゆる許容できる形態で経口投与し得る。しかし、特に嘔気がある患者の場合は他の経路が望まれるかまたは必要である。当該他の経路として、例外なく、送達の経皮、非経口、皮下、鼻腔内、髄腔内、筋肉内、静脈内、および直腸内モデルが挙げられ得る。製剤は活性化合物の放出を所定の期間にわたり遅延させるために、または治療過程中の所定時点で放出される薬剤量を注意深く制御するために考案され得る。
【0033】
経口的使用に好適な形態での医薬組成物は、例えば、錠剤、トローチ、薬用ドロップ、水性懸濁液もしくは油性懸濁液、分散性粉末もしくは分散性顆粒、乳液、硬カプセルもしくは軟カプセル、またはシロップもしくエリキシルとして投与される。経口的使用を意図する組成物は、医薬組成物の製造に当分野のあらゆる既知の方法に従い調製してもよく、当該組成物は、薬学的にエレガントで口当たりの良い調剤を生産するために、ラクトース、サッカリン、またはスクロースなどの甘味剤、ペパーミント、冬緑油もしくはチェリーオイルなどの香味料、着色料、および保存料からなる群から選択される1またはそれ以上の作用薬を含んでもよい。非毒性である薬理学的に許容できる賦形剤との混合液中の本明細書に記載の化合物を含有する錠剤もまた、既知の方法により製造し得る。
【0034】
使用する賦形剤は、例えば、(1)炭酸カルシウム、ラクトース、またはリン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤;(2)造粒剤およびコーンスターチ、ジャガイモデンプン、またはアルギン酸などの崩壊剤;(3)トラガカントゴム、コーンスターチ、ゼラチン、またはアカシアなどの結合剤;そして(4)ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またタルクなどの平滑剤であってもよい。錠剤は、コーティングされていなくてもよく、または消化管での崩壊と吸収を遅らせて長期にわたり持続的な活性を提供するため既知の手法によりコーティングされてもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリンまたはジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延物質を使用してもよい。
【0035】
ある事例によっては、経口的使用の製剤は硬ゼラチンカプセルの形態であってもよく、その化合物は活性固体希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンと混合されている。経口的使用の製剤はまた、軟ゼラチンカプセルの形態であってもよく、その化合物は水または油媒体、例えばピーナッツ油、流動パラフィン、またはオリーブ油、と混合されている。
【0036】
医薬組成物はまた、無菌注射剤懸濁液の形態であってもよい。懸濁液は好適な分散剤もしくは湿潤剤および懸濁剤を使用する既知の方法にしたがって製剤してもよい。無菌注射剤製剤はまた、非毒性である非経口的に許容できる希釈剤または例えば1,3−ブタンジオール溶液のような溶剤中で無菌注射剤溶液または懸濁液であってよい。無菌の固定油を従来通り溶剤または懸濁媒体として使用してもよい。そこで、あらゆる無菌性の固定油を使用してもよく、例えば合成モノグリセリドまたはジグリセリド、脂肪酸(オレイン酸を含む)、ゴマ油、ココナッツ油、ピーナッツ油、綿実油などのような天然由来の野菜油、またはオレイン酸エチルのような合成脂肪ビヒクルが挙げられる。緩衝液、保存料、酸化防止剤などを必要な場合に組み合わせる。
【0037】
本明細書に記載の化合物はまた、直腸投与のために坐剤形態で投与してもよい。これらの組成物は、直腸腔で液化および/または溶解し薬剤を放出する、ココアバター、合成グリセリドエステル(synthetic glyceride ester)、またはポリエチレングリコール(polyethyleneglycol)などの好適な非刺激性の賦形剤と化合物を混合することによって調合してもよい。
【0038】
本明細書に記載の化合物はまた、眼科用に許容できる製剤または組成物として投与され得る。眼科用に許容できる液体を製剤し、眼に局所的に投与し得る。製剤の考察(例えば安定性)は時として適正な快適さほど必要としないが、快適さを出来る限り最大に発揮させるべきである。快適さが最大に発揮され得ない場合、液体を局所的な眼科使用に患者が耐えられる液体になるように考案すべきである。加えて、眼科用に許容できる液体は単回使用用に包装されるか、または複数の使用にわたる汚染を防ぐ保存料を含有するかのいずれかであるべきである。眼科への適用のために、溶液または薬物はよく主要なビヒクルとしての生理食塩水を使用して調製される。眼科用の溶液は、好ましくは適した緩衝液系により快適なpHを維持すべきである。製剤はまた、従来の薬理学的に許容できる保存料、安定剤、および界面活性剤を含有してもよい。
【0039】
本明細書に記載の眼科用の組成物に使用し得る保存料として、これに限定されないが、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、チメロサール、酢酸フェニル水銀、および硝酸フェニル水銀が挙げられる。有用な界面活性剤は、例えば、Tween80である。同様に、様々な有用なビヒクルを本明細書に記載の眼科用調剤で使用し得る。これらのビヒクルのとして、これに限定されないが、ポリビニルアルコール、ポビドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポロクサマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよび精製水が挙げられる。
【0040】
等張化剤は必要に応じまたは好適に添加してもよい。等張化剤(tonicity adjuster)として、これに限定されないが、塩、特に塩化ナトリウム、塩化カリウム、マンニトールおよびグリセリン、またはその他の好適な眼科用に許容できる等張化剤が挙げられる。
【0041】
得られた調製物が眼科用に許容できる限りは、pH調整に様々な緩衝液とpH調整手段を用いてもよい。したがって、緩衝液として、酢酸緩衝剤、クエン酸緩衝液、リン酸緩衝液、およびホウ酸緩衝液が挙げられる。酸または塩基を使用して必要応じてこれらの製剤のpHを調整してもよい。
【0042】
一例示的実施形態では、本明細書に記載のような眼科用の組成物は以下の表1に記載された量で使用される成分を有し得る。
【表1】

【0043】
他の実施形態では、眼科用に許容できる液体を眼内注射用に製剤し得る。本明細書に記載の化合物は、液体、ゲルペーストまたはそのようなものとして眼内注射用に製剤し得る。さらに化合物は、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、およびその組み合わせ等の生分解性ポリマーを含む、持続放出性または制御放出性の眼内インプラントを考案し得る。
【0044】
個々の被験者は症状の重症度に大きな差があり、各組成物がその固有の治療特性を有するので、各被験者に使用される正確な投与および用量機序は医療従事者の裁量に委ねられる。
【0045】
本発明はまた、式Iを有する化合物を調製するプロセスに関する。
【0046】
以下に記載される合成スキームは、本発明による化合物を作製する方法を例示する。当業者は、式Iにより網羅される本発明のあらゆる化合物を合成する以下のスキームを常に修正および/または適応させることができる。
【0047】
本発明のN−(2,3−置換フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミンを以下の一般的なスキームにしたがって得た。一級アミンは市販されている。スキーム1では、一級アミンは塩化ホスホリルの存在下でピロリジン−2−オンと反応させて所望のN−(2,3−置換フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミンを形成した。この反応での溶剤はトルエンであった。
【化3】

【実施例】
【0048】
実験詳細
以下の実施例は例示的目的にすぎず、意図するものではなく、いかなる方法によっても本発明を限定すると解釈されるべきではない。当業者は、以下の実施例の変更および修正が本発明の趣旨又は範囲を逸脱せずになされ得ることを認識する。
【0049】
実施例に記載された化合物のIUPAC名はACD version 8で作成された。
【0050】
実施例において特に明記されない限り、化合物の特性化は以下の方法に従い実施される。
【0051】
NMRスペクトルを室温で300MHz Varianで記録し、取得する。化学シフトを内部標準テトラメチルシランまたは残留溶媒信号のいずれかを基準とする百分率で表示する。
【0052】
合成方法が記載されていない全ての試薬、溶剤、触媒はシグマ・アルドリッチ(Sigma Aldrich)、フルカ(Fluka)、ランカスタ(Lancaster)などの化学会社から購入する。
【0053】
通常、本発明の化合物をフラッシュカラムクロマトグラフィにより溶媒系としてMeOH/DCM中の7N NH3を使用して精製した。
【0054】
以下の略語を実施例にて使用する。
POCl3 塩化ホスホリル
DCM ジクロロメタン
NaOH 水酸化ナトリウム
MeOH メタノール
CD3OD 重水素化メタノール
NH3 アンモニア
Na2SO4 硫酸ナトリウム
CD3COOD 重水素化酢酸
【0055】
実施例1:N−(2−ブロモ−3−メチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン
化合物1
8mLトルエンのPOCl3溶液を8mLトルエンの2−ピロリジノン溶液にゆっくり10℃で添加した。その後、この反応物を室温で約3時間撹拌した。8mLトルエンの2−ブロモ−3−メチル−アニリン溶液を添加し、その混合物を一晩加熱還流した。還流した混合物を室温まで冷却し、トルエン層をデカントした。残渣を水とジクロロメタン(DCM)の水溶液中に溶解した。5N NaOH水溶液を用いてpHをアルカリ性に調整した。2層に分離され、有機層を水とブラインで洗浄し、減圧下でNa2SO4で乾燥させて濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィ(MeOH/DCM中の2〜4%7N NH3)により表題化合物が得られた。
1H NMR (300 MHz, CD3OD) δppm 1.98−2.14 (m, 2H) 2.39 (s, 3H) 2.51 (t, J=8.06Hz, 2H) 3.38 (t, J=6.74Hz, 2H) 6.80 (d, J=7.33Hz, 1H) 6.95 (d, J=7.33Hz, 1H) 7.13 (t, J=7.62Hz, 1H)。
【0056】
化合物2〜10を、化合物1に関する実施例1に記載された方法と同様の方法で調製した。各一級アミンは市販されている。得られた結果を表2にて以下に示す。
【表2】

【0057】
実施例2:インビトロ活性
本明細書に記載の化合物を合成し、蛍光イメージングプレートリーダー(FLIPR)アッセイを用いてアルファアドレナリン活性を検定した(Princen et al.、2003、Cytometry Part A. 51、pp. 35-45)。対象の受容体(アルファ−2C)およびG−タンパク質(Gqi5またはG16)を発現している細胞をfluo−4、カルシウム感受性色素で満たした。過剰の色素を洗浄により除去後、細胞をFLIPR TETRA装置に入れた。ベースラインの蛍光を化合物を加える前に読み取った。アゴニストが、受容体のGタンパク質と相互作用をもたらし、細胞内カルシウムの増加を導く。細胞内カルシウムの増加はfluo−4の存在で細胞の蛍光性を増大させる。この傾向性の増大をFLIPR TETRAで記録する。カルシウム過渡信号が基線へと減少した後、標準アゴニストのノルエピネフリンを添加する。化合物がアンタゴニストである場合、開始時のカルシウム信号は生成されず、アンタゴニストがノルエピネフリンからのカルシウム信号の生成を妨げる。蛍光性レベルをノルエピネフリンレベルと比較し、化合物EC50をカーブフィッティングにより決定する。化合物の活性はEC50として表され、その相対的な有効性を標準完全アゴニストと比較する(以下の表3を参照のこと)。本明細書に記載の化合物はアルファアドレナリン受容体を活性化する。
【表3】




【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

(式中、
1はメトキシ基、メチル基、クロロ基、フルオロ基、ブロモ基から選択され;
2はメトキシ基、メチル基、クロロ基、フルオロ基、ブロモ基から選択される;
ただし、R1およびR2は同時にメチル基にならない)
を有する化合物。
【請求項2】
以下の化合物:
N−(2−ブロモ−3−メチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(3−クロロ−2−メトキシフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(3−クロロ−2−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(2−クロロ−3−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(2−メトキシ−3−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(2−ブロモ−3−メトキシフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(3−メトキシ−2−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(3−フルオロ−2−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン
から選択される構造を有する請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式I:
【化2】

(式中、
1はメトキシ基、メチル基、クロロ基、フルオロ基、ブロモ基から選択され;
2はメトキシ基、メチル基、クロロ基、フルオロ基、ブロモ基から選択される;
ただし、R1およびR2は同時にメチル基とならない)
の化合物を含む請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
以下の化合物:
N−(2−ブロモ−3−メチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(3−クロロ−2−メトキシフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(3−クロロ−2−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(2−クロロ−3−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(2−メトキシ−3−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(2−ブロモ−3−メトキシフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(3−メトキシ−2−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(3−フルオロ−2−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン
から選択される少なくとも1つの化合物を含む請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項5】
以下の化合物:
N−(2−クロロフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(2,6−ジクロロフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(2−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(2,6−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(2,3−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン、
から選択される少なくとも1つの化合物を含む医薬組成物。
【請求項6】
式I:
【化3】

(式中、R1はメトキシ基、メチル基、クロロ基、フルオロ基、ブロモ基から選択され、R2はメトキシ基、メチル基、クロロ基、フルオロ基、ブロモ基から選択される)の構造を有する少なくとも1つの化合物の治療有効量を含有する医薬組成物を、投与の必要がある被験者に投与することを含む、2Cアドレナリン受容体のサブタイプ選択性調節に関連する疾患を治療する方法。
【請求項7】
前記化合物が、
N−(2−ブロモ−3−メチル−フェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(3−クロロ−2−メトキシフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(3−クロロ−2−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(2−クロロ−3−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(2−メトキシ−3−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(2−ブロモ−3−メトキシフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(3−メトキシ−2−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(3−フルオロ−2−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(3−ブロモ−2−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン
から選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記病気または症状が、鼻閉からからなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記病気または症状が、疼痛、心虚血、片頭痛、皮膚病変、皮膚紅斑(発赤)および炎症、酒さ、ざ瘡、乾癬、鬱、ならびに統合失調症からなる群から選択される請求項6に記載の方法。
【請求項10】
次の化合物:
N−(2−クロロフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(2,6−ジクロロフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(2−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(2,6−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン;
N−(2,3−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール−5−アミン
から選択される少なくとも1つの化合物の治療有効量を含有する医薬組成物を、投与の必要がある被験者に投与することを含む、アルファ2Cアドレナリン受容体のサブタイプ選択性調節に関連する疾患を治療する方法。
【請求項11】
前記病気または症状が、鼻閉からなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記病気または症状が、疼痛、心虚血、片頭痛、皮膚病変、皮膚紅斑(発赤)および炎症、酒さ、ざ瘡、乾癬、鬱、ならびに統合失調症からなる群から選択される、請求項10に記載の方法。

【公表番号】特表2013−508384(P2013−508384A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535326(P2012−535326)
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【国際出願番号】PCT/US2010/053327
【国際公開番号】WO2011/050030
【国際公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(390040637)アラーガン インコーポレイテッド (117)
【氏名又は名称原語表記】ALLERGAN,INCORPORATED
【Fターム(参考)】