説明

アレイ基板及びその製造方法

【課題】アレイ基板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】アレイ基板は回路パターンが配置されたベース基板と、前記回路パターンの上面及び側面を覆うと共に接したクラッド層とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アレイ基板およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ(Thin Film Transistor Liquid Crystal Display、以下TFT−LCDという)は現在主流の平板ディスプレイであり、その液晶パネルはセル化して配置されたアレイ基板とカラーフィルタ基板とを備える。構造設計の需要に応じて、ゲートスキャンライン、データライン、共通電極などの回路構造を、アレイ基板とカラーフィルタ基板のそれぞれに配置することができる。
【0003】
サイズが大きく、且つ、解像度が高いTFT−LCDの場合、線抵抗による信号遅延は表示の効果に大きく影響している。よって、低抵抗率の材料を利用することはこの問題を解決ための有効な方法となる。活性金属の抵抗率は、通常他の不活性金属の抵抗率より低い。例えば、活性金属である銅(Cu)の導電率は約1.7×10−6オーム/センチ(Ω/cm)であるのに対して、不活性金属であるモリブデン(Mo)の抵抗率は約5.7×10−6オーム/センチ(Ω/cm)である。そのため、Cuなどの活性金属は、基板における回路パターンの材料としてよく利用される。しかし、Cuは良い導電性を持っているが、いくつかの欠点もある。例えば、(i)Cuとガラス基板又は窒化シリコンとの粘着力が弱い、(ii)Cuは窒化シリコンと直接に接触した場合容易に拡散されるため、窒化シリコンの絶縁特性に影響を与えると共に、シリコンと反応して珪化銅を生成し、(iii)後続のプラズマ化学気相蒸着法(Plasma−Enhanced Chemical Vapor Deposition、以下PECVDという)工程において、設備を汚染し、成膜の性質を影響する。
【0004】
従って、現在よく使用されているのは、下バリア層と、Cu又はCu合金と、上バリア層からなる3層の銅配線構造を形成する方法である。このような技術により、Cuの拡散によるTFT特性の劣化を減少させることができるが、銅配線の側面はバリア層に保護されておらず、依然として外に露出されるため、やはり窒化シリコンの絶縁材料層に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ベース基板と、前記ベース基板に配置された回路パターンと、前記回路パターンの上面及び側面を覆う共に接したクラッド層とを備えるアレイ基板を提供する。
【0006】
上記目的を実現するために、本発明はさらにベース基板に回路パターン薄膜を堆積すると共に、前記回路パターン薄膜に対してパターニングを行って前記回路パターンを形成するステップと、前記回路パターンが形成されたベース基板にクラッド層薄膜を堆積すると共に、前記クラッド層薄膜に対してパターニングを行って、前記回路パターンの上面及び側面を覆うクラッド層のパターンを形成するステップとを備えるアレイ基板の製造方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施例1に係るアレイ基板の一部の上面視構造の概略図である。
【図2】図1のA−A線での断面の側面図である。
【図3】本発明の実施例2に係るアレイ基板の断面の側面図である。
【図4】本発明の実施例3によって製造されたアレイ基板の一部の上面視構造の概略図の一つである。
【図5】図4のB−B線の断面の側面図である。
【図6】本発明の実施例3によって製造されたアレイ基板の一部の上面視構造の概略図の他の一つである。
【図7】図6のC−C線の断面の側面図である。
【図8】本発明の実施例3によって製造されたアレイ基板の一部の上面視構造の概略図のさらに他の一つである。
【図9】図8のD−D線の断面の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図を参照しながら本発明の実施例を更に詳しく説明する。
【0009】
本発明の各実施例に係るアレイ基板は、回路パターンが配置されたベース基板を備える。回路パターンには、ゲートスキャンラインと、ゲート電極と、共通電極ラインと、データラインと、活性層と、ソース電極と、ドレイン電極などを備えてもよい。各回路パターンとの間の絶縁を確保するために、通常は間隔をおいて各回路パターンを配置し、又は絶縁層で各回路パターンを隔離する。例えば、ゲート絶縁層によりゲートスキャンラインと、ゲート電極と、共通電極ラインとを覆い、パッシベーション層によりデータラインと、活性層と、ソース電極と、ドレイン電極を覆う。ゲート絶縁層とパッシベーション層には、普通窒化シリコンなどの絶縁材料が採用される。本発明の実施例に係るアレイ基板は、回路パターンの上面及び側面の一部を覆うクラッド層を更に備える。例えば、クラッド層は、ゲートスキャンラインとゲート電極の上面及び側面を覆い、また、アレイ基板にゲートスキャンラインと同じ材料により同時に形成された共通電極ラインがあれば、共通電極ラインの上面及び側面も覆う第1のクラッド、及びデータラインと、ソース電極と、ドレイン電極との上面及び下面を覆う第2のクラッド層を含む。クラッド層が形成されたTFTスイッチは、ゲート電極に活性層が形成され、活性層にソース電極とドレイン電極との端部が対向するように配置され、ソース電極とドレイン電極の上面及び側面は第2のクラッド層に覆われ、且つ第2のクラッド層はソース電極とドレイン電極の端部において切断されて活性層におけるTFTチャネルを露出させるように構成された。
【0010】
本発明の実施例によれば、導電材料により作成される回路パターンは、銅、アルミニウム(Al)などの導電性がよく、且つ、絶縁材料において容易に拡散される低抵抗の金属材料より作成されることができる。回路パターンの上面及び側面には、クラッド層による遮蔽があるため、よく拡散される金属が絶縁層材料において拡散されるのを防止することができ、絶縁層の絶縁性能への影響を防止することができる。ここで、低抵抗の金属材料とは、通常抵抗が10μΩ/cmよりも小さい金属を指す。
【0011】
回路パターンが形成された各種のアレイ基板において、いずれもクラッド層によって回路パターンを覆うことができ、回路パターンは少なくとも銅又はアルミニウムなどの材料からなる基礎導電層を含み、更に、下バリア層及び/又は上バリア層を含んでも良い。下バリア層は、基礎導電層と同時に形成された積層構造であり、且つ基礎導電層の下面に接し、基礎導電層と下層基板との間の粘着力を強化する役割を果す。上バリア層は、基礎導電層と同時に形成された積層構造であり、且つ基礎導電層の上面に接すると共にクラッド層の下にあり、基礎導電層の上層に対する影響を阻止する役割を果す。上バリア層と下バリア層も阻止の役割を果すことができるが、基礎導電層とは一回のパターニング工程において同時に形成されるため、パターンは完全に重なり、基礎導電層の側面を保護することができなくなる。
【0012】
本実施例の技術案において、クラッド層を配置することで、また、クラッド層が基礎導電層の側面まで延されることができるため、下層のベース基板構造に直接に接することができ、基礎導電層とベース基板との間の粘着力を強化し、分離されることが防止できる。また、画素電極はドレイン電極に直接オーバーラップすることができるため、工程の信頼性が向上された。
【0013】
基礎導電層の材料には、Cu、Al、Cu合金又はAl合金が好ましい。クラッド層の材料には、InSn酸化物(ITO)、InZn酸化物(IZO)、Mo、Mo−Nb合金、Mo−Ti合金、Ti又は窒化チタン(TiN)が好ましい。下バリア層及び/又は上バリア層の材料には、Mo、Mo−Nb合金、Mo−Ti合金、Ti又は窒化チタンなどが好ましい。
【0014】
ITO、IZOなどの透明導電材料によりクラッド層を作成することで、TFTの特性を影響することなく、Cu、Alなどの金属が窒化シリコンなどの絶縁層へ拡散されることを防止することができる一方、ITO、IZOとガラスベース基板との粘着力がより強いため、Cu、Alなどの回路パターンが後続の工程で容易に分離されない。
【0015】
例えば、Alから基礎導電層を作成し、酸化物を採用してクラッド層とする場合、Alは酸化物に酸化されて絶縁性の酸化アルミニウムを生じるため、下バリア層と上バリア層を同時に作成することが好ましい。また、基礎導電層の側面に酸化アルミニウムを形成することができ、導電性に影響しない。基礎導電層の上面は通常ビアホールを介して上層の他の回路パターンと接するため、基礎導電層の上面の導電性を確保することが好ましい。
【0016】
本発明の実施例のクラッド層に回路パターンが覆われる技術案は、各種のアレイ基板の構造に幅広く応用できる。工程を簡素化するために、本発明はFFS(Fringe Field Switching)型TFT−LCDを好ましい実施例として説明する。
【0017】
実施例1
図1は本発明の実施例1に係るアレイ基板の一部の上面視構造の概略図である。図2は図1のA−A線の断面の側面図である。
【0018】
当該アレイ基板のベース基板1における回路パターンは、画素ユニットを形成するゲートスキャンライン2とデータライン3を備え、更に、各画素ユニットに形成された薄膜トランジスタ(TFT)スイッチと、共通電極5と、共通電極ライン6と、画素電極12とを備える。TFTスイッチはゲート電極4と、活性層7と、ソース電極8と、ドレイン電極9とを有し、共通電極5は画素ユニットを覆うブロック状のパターンであり、画素電極12は隙間を有する櫛状のパターンである。図2に示したように、クラッド層は、ゲートスキャンライン2、ゲート電極4、及び共通電極ライン6を覆う第1のクラッド層13と、データライン3、ソース電極8、及びドレイン電極9を覆う第2のクラッド層14とを有する。第1のクラッド層13はゲートスキャンライン2と、ゲート電極4と、共通電極ライン6との上面及び側面を覆い、且つ第1のクラッド層13は共通電極5と同じ材料により同時に形成することができる。第2のクラッド層14はデータライン3と、ソース電極8と、ドレイン電極9との上面及び側面を覆い、且つ第2のクラッド層14は画素電極12と同じ材料により同時に形成することができる。また、ドレイン電極9に形成された画素電極材料は、一つは第2のクラッド層とし、他の一つは画素電極とドレイン電極9とのオーバーラップ部として機能している。
【0019】
上記技術案の上で、ソース電極8とドレイン電極9との間の活性層7を保護するために、クラッド層と画素電極12が形成されたベース基板1に保護膜11を形成することもできる。当該保護膜層11はパッシベーション層に相当し、保護機能を発揮するが、ビアホールエッチングのパターニング工程を行う必要がなく、平坦化された表面が実現でき、後続のセル化工程の実現に有利である。
【0020】
また、ゲート電極4と、活性層7と、共通電極ライン6との階層構造、及びデータライン3と、ソース電極8と、ドレイン電極9との階層構造はいずれも下バリア層15aと、基礎導電層15bと、上バリア層15cとを含むことができる。上バリア層15cと下バリア層15aはMo、Mo−Nb合金、Mo−Ti合金、Ti又は窒化チタンより作成でき、基礎導電層15bはCu又はCu合金より作成できる。
【0021】
第1のクラッド層13は共通電極5と同様にITOを採用して同一のエッチング工程で成形でき、第2のクラッド層14は画素電極12と同様にITOを採用して同一のエッチング工程で成形でき、この技術案はFFS型アレイ基板において共通電極5と画素電極12のパターンを作成する従来のステップを利用して、第1のクラッド層13と第2のクラッド層14を形成することで、Cu、Alなどの材料の回路パターンがゲート絶縁層10と保護膜層11へ拡散される問題を解決するとともに、エッチングによってクラッド層のパターンを形成するステップを別に追加する必要もない。このため、工程の複雑性を増えず、従来の生産工程において普及しやすい。
【0022】
本実施例において、ゲートスキャンライン2と、ゲート電極4と、共通電極ライン6との基礎導電層15bのために、下バリア層15aを配置することにより、基礎導電層15bと基板1との粘着力を強化して、回路パターンが分離されることを防止できる。また、上バリア層15cを配置することにより、基礎導電層15bの上面と第1のクラッド層13との間の反応を防止できる。好ましくはAlから基礎導電層15bを作成する場合、本実施例の構造は特に最適である。
【0023】
データライン3と、ソース電極8と、ドレイン電極9とのために、下バリア層15aを配置することにより、データライン3と、ソース電極8と、ドレイン電極9とが下層の活性層7へ拡散されることを防止でき、且つ活性層7との間の粘着力を強化できて、回路パターンが分離されることを防止できる。しかし、採用された工程が異なるため、データラインはゲート絶縁層と直接に接触され、ソースドレイン電極は活性層と直接に接触されることがあり、この場合、データラインとソースドレイン電極の下方に下バリア層を配置すれば、活性金属がゲート絶縁層と活性層へ拡散されることを防止できる。また、上バリア層15cを配置することにより、基礎導電層15bの上面と第2のクラッド層14との間の反応を防止できる。特に、Alから基礎導電層15bを作成する場合、本実施例の構造は特に最適である。
【0024】
実施例2
本発明の実施例2に係るアレイ基板の上面視構造は図1に示されたようである。図3は本発明の実施例2に係るアレイ基板の断面の側面図であり、実施例1との相違は以下の通りである。即ち、本実施例における回路パターンは、下バリア層15aと基礎導電層15bだけを備えるものである。実施例1と比べ、本実施例によれば、材料が更に省かれ、上バリア層薄膜を堆積する工程が減少される。
【0025】
同層に形成された回路パターン、例えばゲートスキャンライン、ゲート電極、共通電極ライン、又はデータライン、ソース電極、ドレイン電極であって、その具体的な層構造は必要に応じて設計されることができる。例えば、ゲートスキャンラインと、ゲート電極と、共通電極ラインをベース基板に直接に形成し、下バリア層を配置する必要はなく、基礎導電層の材料が下方の絶縁層へ拡散されることを防止できる。また、クラッド層は回路パターンの側面を覆い、側面に沿って延伸する部分をベース基板に接することで、基礎導電層と基板との粘着力を強化できる。また、データラインと、ソース電極と、ドレイン電極とはその採用される材料により、下バリア層と上バリア層を選択的に配置することができる。
【0026】
本発明のもう1つの実施例によってアレイ基板の製造方法が提供される。この方法は、ベース基板に回路パターン薄膜を堆積すると共に、回路パターン薄膜に対してパターニングを行って回路パターンを形成するステップと、回路パターンが形成されたベース基板にクラッド層薄膜を堆積すると共に、クラッド層薄膜に対してパターニングを行って、回路パターンの上面及び側面を覆うクラッド層のパターンを形成するステップと、を備える。
【0027】
本発明に提供されるアレイ基板の製造方法は、本発明のアレイ基板の製造に用いることができ、従来のアレイ基板の製造方法と比べ、クラッド層薄膜を堆積すると共にエッチングしてクラッド層のパターンを形成するステップが追加された。本発明の製造方法の特徴は、2回のパターニング工程によってクラッド層の回路パターンが含まれたパターンを形成することであり、その中で、第1回パターニング工程で回路パターンを形成し、第2回パターニング工程で回路パターンの上面と側面を覆うクラッド層のパターンを形成する。また、回路パターンがクラッド層のパターンの範囲に入り、回路パターンの上面と側面を覆うように、第2回パターニング工程に使用されるマスクは、第1回パターニング工程に使用されるマスクのパターンの幅よりも広くてよい。これにより、Cu、Alなどの金属材料が絶縁層へ拡散されることを防止する。
【0028】
上記第1回パターニング工程の前に、回路パターン薄膜を堆積するステップは具体的に以下のいくつかの形式を備えてもよい。
【0029】
ベース基板に下バリア層薄膜、基礎導電層薄膜、上バリア層薄膜を連続に堆積して回路パターン薄膜とし、エッチングによって形成された回路パターンは、重なっている下バリア層と、基礎導電層と、上バリア層とを備える。
【0030】
又は、ベース基板に基礎導電層薄膜、上バリア層薄膜を連続に堆積して回路パターン薄膜とし、エッチングによって形成された回路パターンは重なっている基礎導電層と上バリア層とを備える。
【0031】
又は、ベース基板に下バリア層薄膜、基礎導電層薄膜を連続に堆積して回路パターン薄膜とし、エッチングによって形成された回路パターンは重なっている下バリア層と基礎導電層とを備える。
【0032】
又は、ベース基板に基礎導電層薄膜だけを堆積して回路パターン薄膜とし、エッチングによって形成された回路パターンは基礎導電層だけを備える。
【0033】
アレイ基板の具体的構造設計によって、本発明に提供されるアレイ基板の製造方法は多種の形式を有する。工程と材料を省くために、アレイ基板の既有の回路パターンの材料と工程によりクラッド層を実現することが好ましい。基礎導電層の材料には、Cu、Al、Cu合金又はAl合金が好ましい。クラッド層の材料には、InZn酸化物、InSn酸化物、Mo、Mo−Nb合金、Mo−Ti合金、Ti又は窒化チタンが好ましい。下バリア層及び/又は上バリア層の材料には、Mo、Mo−Nb合金、Mo−Ti合金、Ti又は窒化チタンなどが好ましい。
【0034】
次は、FFS型TFT−LCDの好ましい実施方法について説明する。
【0035】
実施例3
本発明の実施例3にアレイ基板の製造方法が提供される。この方法は以下のステップを備える。即ち、
ステップ110:ベース基板1にマグネトロンスパッタリング法によりゲート金属薄膜を堆積し、ゲート金属薄膜において基礎導電層15bを製造するための材料はCu、又はAl、又はその合金であってもよい。
【0036】
ステップ120:図4と図5に示すように、ゲート金属薄膜に対してパターニング工程を行うことにより、ゲートスキャンライン2と、ゲート電極4と、共通電極ライン6とのパターンを形成して回路パターンとする。
【0037】
ステップ130:前記パターンが形成されたベース基板1に共通電極薄膜を堆積してクラッド層薄膜とする。
【0038】
ステップ140:図6と図7に示すように、共通電極薄膜に対してパターニング工程を行うことにより、クラッド層と共通電極5のパターンを形成し、クラッド層はゲートスキャンライン2と、ゲート電極4と、共通電極ライン6との上面及び側面を覆う。
【0039】
前記ステップ110〜140はゲートスキャンライン2と、ゲート電極4と、共通電極ライン6と、その上のクラッド層とを形成する過程であり、当該クラッド層は第1のクラッド層13と言われ、共通電極5を形成する材料とパターニング工程によって形成され、工程の複雑性が増えない。
【0040】
続いて、後続の回路パターンを作成する。
【0041】
ステップ210:ゲートスキャンライン2と、ゲート電極4と、共通電極ライン6が形成されたベース基板1にゲート絶縁層10を形成する。
【0042】
ステップ220:ゲート絶縁層10に活性層薄膜とデータライン金属薄膜を連続に堆積する。
【0043】
ステップ230:図8と図9に示すように、データライン金属薄膜と活性層薄膜に対してパターニング工程を行って、活性層7と、データライン3と、ソース電極8と、ドレイン電極9とを含むパターンを形成する。
【0044】
ステップ240:前記パターンが形成されたベース基板1に、画素電極薄膜を堆積してクラッド層薄膜とする。
【0045】
ステップ250:図1と図2に示すように、画素電極薄膜に対してパターニング工程を行って、クラッド層と画素電極12を含むパターンを形成し、クラッド層はデータライン3と、ソース電極8と、ドレイン電極9との上面及び側面を覆い、当該クラッド層のTFTチャネルに対応する部分はエッチングされる。
【0046】
前記ステップ210〜250は活性層7と、データライン3と、ソース電極8と、ドレイン電極9と、その上のクラッド層とを形成する過程である。当該クラッド層は第2のクラッド層14と言われ、画素電極12を形成する材料とパターニング工程によって形成され、工程の複雑性が増えない。
【0047】
本実施例のステップ110〜140と、ステップ210〜250とは独立に実施でき、同一のアレイ基板の製造工程において実施することが好ましい。また、回路パターン薄膜を堆積する場合に、異なる階層構造を堆積すれば、下バリア層15a及び/又は上バリア層15c、及び基礎導電層15bを有する回路パターンが形成できる。
【0048】
ソース電極8とドレイン電極との間の活性層7を保護するために、クラッド層と画素電極12が形成されたベース基板1に保護膜層11を形成することもできる。当該保護膜層11はビアホールエッチングのパターニング工程を行う必要がなく、平坦化された表面が実現でき、後続のセル化工程の実現に有利である。
【0049】
最後に以下のことを説明する。上記実施例は本発明の技術案を説明するものであり、限定するものではない。前記実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者は、上記各実施例に記載の技術案を修正し、又はその中の一部の技術的特徴を均等に取替えてもよいと理解すべきである。これらの修正又は取替えは対応する技術案の本質を本発明の各実施例の技術案の精神と範囲から逸脱させない。
【符号の説明】
【0050】
1 ベース基板
2 ゲートスキャンライン
3 データライン
4 ゲート電極
5 共通電極
6 共通電極ライン
7 活性層
8 ソース電極
9 ドレイン電極
10 ゲート絶縁層
11 保護膜層
12 画素電極
13 第1のクラッド層
14 第2のクラッド層
15a 下バリア層
15b 基礎導電層
15c 上バリア層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アレイ基板であって、
ベース基板と、
前記ベース基板に配置された回路パターンと、
前記回路パターンの上面及び側面を覆うと共に接したクラッド層と、を備えることを特徴とするアレイ基板。
【請求項2】
前記回路パターンは少なくとも基礎導電層を備えることを特徴とする請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項3】
前記回路パターンは、前記基礎導電層の下面の下に配置された下バリア層を更に備え、前記下バリア層は前記基礎導電層の下面に接することを特徴とする請求項2に記載のアレイ基板。
【請求項4】
前記回路パターンは、前記基礎導電層の上面の上に配置された上バリア層を更に備え、前記上バリア層は前記基礎導電層の上面に接し、前記クラッド層の下において前記基礎導電層の上面を覆うことを特徴とする請求項2に記載のアレイ基板。
【請求項5】
前記回路パターンは、前記基礎導電層の上面の上に配置された上バリア層を更に備え、前記上バリア層は前記基礎導電層の上面に接し、前記クラッド層の下において前記基礎導電層の上面を覆うことを特徴とする請求項3に記載のアレイ基板。
【請求項6】
前記基礎導電層の材料はCu、Al、Cu合金又はAl合金であることを特徴とする請求項2に記載のアレイ基板。
【請求項7】
前記クラッド層の材料はInSn酸化物、InZn酸化物、Mo、Mo−Nb合金、Mo−Ti合金、Ti又は窒化チタンであることを特徴とする請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項8】
前記下バリア層の材料はMo、Mo−Nb合金、Mo−Ti合金、Ti又は窒化チタンであることを特徴とする請求項3に記載のアレイ基板。
【請求項9】
前記上バリア層の材料はMo、Mo−Nb合金、Mo−Ti合金、Ti又は窒化チタンであることを特徴とする請求項4に記載のアレイ基板。
【請求項10】
前記ベース基板に複数の画素ユニットを形成するゲートスキャンライン及びデータラインと、
各画素ユニットに形成されたTFTスイッチ及び画素電極とを備えることを特徴とする請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項11】
前記回路パターンは前記ゲートスキャンラインとゲート電極を含むことを特徴とする請求項10に記載のアレイ基板。
【請求項12】
前記TFTスイッチはゲート電極と、活性層と、ソース電極と、ドレイン電極とを有し、前記回路パターンは前記データラインと、ソース電極と、ドレイン電極とを有することを特徴とする請求項10に記載のアレイ基板。
【請求項13】
前記ベース基板に配置された第2の回路パターンと、
前記第2の回路パターンの上面及び側面を覆うと共に接した第2のクラッド層とを備え、
前記TFTスイッチングはゲート電極と、活性層と、ソース電極と、ドレイン電極とを備え、前記第2の回路パターンは前記データラインと、ソース電極と、ドレイン電極とを備えることを特徴とする請求項11に記載のアレイ基板。
【請求項14】
前記ベース基板の各画素領域における共通電極を更に備え、
前記共通電極は画素ユニットを覆うブロック状のパターンであり、前記画素電極は隙間を有する櫛状のパターンであり、前記クラッド層と前記共通電極は同じ材料により同一のステップで形成され、前記第2のクラッド層と前記画素電極は同じ材料により同一のステップで形成されることを特徴とする請求項13に記載のアレイ基板。
【請求項15】
前記ベース基板における共通電極ラインを更に備え、前記クラッド層は前記共通電極ラインの上面及び側面を覆うことを特徴とする請求項10に記載のアレイ基板。
【請求項16】
アレイ基板の製造方法であって、
ベース基板に回路パターン薄膜を堆積すると共に、前記回路パターン薄膜に対してパターニングを行って前記回路パターンを形成するステップと、
前記回路パターンが形成されたベース基板にクラッド層薄膜を堆積すると共に、前記クラッド層薄膜に対してパターニングを行って、前記回路パターンの上面及び側面を覆うクラッド層のパターンを形成するステップと、を備えることを特徴とするアレイ基板の製造方法。
【請求項17】
ベース基板に堆積した回路パターン薄膜は、
ベース基板に下バリア層薄膜、基礎導電層薄膜、及び上バリア層薄膜を連続に堆積してなる前記回路パターン薄膜、又は、
ベース基板に基礎導電層薄膜、上バリア層薄膜を連続に堆積してなる前記回路パターン薄膜、又は、
ベース基板に下バリア層薄膜、基礎導電層薄膜を連続に堆積してなる前記回路パターン薄膜、又は、
ベース基板に基礎導電層薄膜を堆積してなる前記回路パターン薄膜を含むことを特徴とする請求項16に記載のアレイ基板の製造方法。
【請求項18】
ベース基板にゲートスキャンラインとゲート電極を含むパターンを形成して前記回路パターンとし、
前記パターンが形成されたベース基板に共通電極薄膜を堆積すると共に、前記共通電極薄膜に対してパターニングを行って、前記クラッド層と共通電極を含むパターンを形成し、前記クラッド層は前記ゲートスキャンラインと、ゲート電極との上面及び側面を覆うことを特徴とする請求項16に記載のアレイ基板の製造方法。
【請求項19】
ゲートスキャンラインと、ゲート電極とが形成されたベース基板にゲート絶縁層を形成し、前記ゲート絶縁層に活性層と、データラインと、ソース電極と、ドレイン電極とを含むパターンを形成して前記回路パターンとし、
前記パターンが形成されたベース基板に画素電極薄膜を堆積すると共に、前記画素電極薄膜に対してパターニングを行って、前記クラッド層と画素電極を含むパターンを形成し、前記クラッド層は前記データラインと、ソース電極と、ドレイン電極との上面及び側面を覆うことを特徴とする請求項16に記載のアレイ基板の製造方法。
【請求項20】
前記クラッド層と画素電極が形成された後、前記クラッド層と画素電極が形成されたベース基板に保護膜層を更に形成する工程を含むことを特徴とする請求項19に記載のアレイ基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−70200(P2011−70200A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−213510(P2010−213510)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(507134301)北京京東方光電科技有限公司 (90)
【Fターム(参考)】