説明

アレイ基板及び液晶装置、並びに電子機器

【課題】スイッチング素子の特性の劣化防止及び面押し強度の向上を図ることが可能なアルカリガラス基板を用いたアレイ基板及びそのアレイ基板を用いた液晶装置を提供する。
【解決手段】液晶装置の構成要素であるTFDアレイ基板は、第1のアルカリ強化ガラス基板とTFD素子を含む。第1のアルカリ強化ガラス基板は、イオン交換法によりガラス基材(引張り応力層)の表面に圧縮応力層が形成されてなる。このため、第1のアルカリ強化ガラス基板の強度向上が図られている。TFD素子は、アルカリ成分の汚染に対して強いスイッチング素子であり、圧縮応力層上に形成されている。これにより、TFD素子の特性の劣化防止、及びTFDアレイ基板の面押し強度(押圧強度)の向上を図ることができる。よって、このTFDアレイ基板を液晶装置に適用すれば、表示パネル面に押圧力が付与された場合でも液晶表示パネルが割れ難い液晶装置を構成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種情報の表示に用いて好適な液晶装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、液晶装置用のガラス基板としては、アルカリガラス基板や無アルカリガラス基板が知られているが、特に、TFT(Thin Film Transistor)素子に代表されるスイッチング素子を備えるアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置では、無アルカリガラス基板が用いられる。これは、ガラス基板中にアルカリ成分が含まれていると、液晶材料を汚染するだけではなく、TFT素子の電気的特性に悪影響を及ぼすからである。
【0003】
このように、無アルカリガラス基板は、かかる利点を有するものの、アルカリガラス基板に比較して、ガラス基板面を押圧されたときの押圧強度(面押し強度)が低いといった欠点がある。そのため、無アルカリガラス基板を用いた液晶装置は、アルカリガラス基板を用いた液晶装置と比較して、表示パネル面に押圧力が付与された場合に液晶表示パネルが割れ易いといった課題がある。
【0004】
なお、特許文献1には、アルカリ成分を含むソーダライムガラスを素材として、熱収縮量の極めて小さい液晶装置用のガラス基板が記載されている。このようなガラス基板を用いることにより、パターン精度の優れたアクティブ素子(液晶表示素子)の製造が可能になるとされている。
【0005】
【特許文献1】特開平8−133771号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、スイッチング素子の特性の劣化防止及び押圧強度(面押し強度)の向上を図ることが可能なアルカリガラス基板を用いたアレイ基板、及びそのアレイ基板を有する液晶装置、並びにその液晶装置を適用した電子機器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの観点では、アレイ基板は、イオン交換することによりガラス基材の表面に圧縮応力が作用する圧縮応力層が形成されてなるアルカリ強化ガラス基板と、前記アルカリ強化ガラス基板の前記圧縮応力層上に形成されたスイッチング素子と、を備える。
【0008】
ここで、アルカリ強化ガラス基板は、イオン半径の小さい原子をイオン半径の大きい原子に置換するイオン交換により形成される。その具体的な製造方法例としては、ガラス基材を高温の化学強化処理液、例えば硝酸カリウム溶液中に浸漬し、ガラス基材中のナトリウムイオンを硝酸カリウム中のカリウムイオンと置換することにより製造される。これにより、無アルカリガラス基板よりも面押し強度(押圧強度)の大きいアルカリ強化ガラス基板が得られる。また、スイッチング素子としては、アルカリ成分の汚染に対して強い素子、好ましくは二端子素子(例えば、MIM素子、TFD素子)を用いることが好ましい。
【0009】
これにより、スイッチング素子の特性の劣化防止、及びアレイ基板の面押し強度(押圧強度)の向上を図ることができる。好適な例では、上記のアレイ基板と、前記アレイ基板に液晶層を介して対向配置された対向基板と、を備える液晶装置を構成することができる。
これにより、表示パネル面に押圧力が付与された場合でも、液晶表示パネルを割れ難くすることができる。
【0010】
好適な例では、前記アルカリ強化ガラス基板のサイズは2.2[inch]であり、前記アルカリ強化ガラス基板の厚さを600[μm]とし、また、前記圧縮応力層の厚さを20[μm]とした場合、所定の静荷重試験による前記アルカリ強化ガラス基板の強度{耐最大荷重(N)、以下同様}は670〜810[N]である。この所定の静荷重試験は、例えば、前記アルカリ強化ガラス基板の4隅を円柱状の支持台で支持し、前記アルカリ強化ガラス基板の略中心を直径10[mm]の円筒状の押さえ棒で押圧して、前記アルカリ強化ガラス基板の破壊強度を測定することにより行われる。なお、無アルカリガラス基板、アルカリガラス基板についても、前記アルカリ強化ガラス基板と同様の構成(サイズ及び厚さ)の下、上記同様の静荷重試験を行った結果、無アルカリガラス基板の強度は260〜300[N]であり、アルカリガラス基板の強度は340〜400[N]であった。このことから、アルカリ強化ガラス基板は、無アルカリガラス基板及びアルカリガラス基板よりも強度が大きいことが分かった。特に、この測定結果から、アルカリ強化ガラス基板は、無アルカリガラス基板の約2.7倍の強度があることが分かった。よって、アレイ基板の面押し強度(押圧強度)の向上を図ることができる。
【0011】
上記のアレイ基板の一つの態様では、前記スイッチング素子は二端子素子であり、前記アルカリ強化ガラス基板の前記圧縮応力層と、前記二端子素子との間には、前記アルカリ強化ガラス基板から前記二端子素子へのアルカリ成分の溶出を防止するための保護層が設けられている。ここで、保護層を構成する材料としては、例えば二酸化珪素(SiO)などが好ましい。
【0012】
これにより、保護層によるバリア機能によって、アルカリ強化ガラス基板に含まれるアルカリ成分が二端子素子側へ溶出するのを防止でき、二端子素子の特性が劣化するのをより防止できると共に、アレイ基板の面押し強度(押圧強度)の向上を図ることができる。好適な例では、上記のアレイ基板と、前記アレイ基板に液晶層を介して対向配置された対向基板と、を備える液晶装置を構成することができる。これにより、表示パネル面に押圧力が付与された場合でも、液晶表示パネルを割れ難くすることができる。
【0013】
上記のアレイ基板の他の態様では、前記スイッチング素子は三端子素子であり、前記アルカリ強化ガラス基板の前記圧縮応力層と、前記三端子素子との間には、前記アルカリ強化ガラス基板から前記三端子素子へのアルカリ成分の溶出を防止するための保護層が設けられている。ここで、保護層を構成する材料としては、例えば二酸化珪素(SiO)などが好ましい。
【0014】
これにより、アルカリ成分の汚染に対して弱い三端子素子(例えば、TFT素子)を用いた場合でも、保護層によるバリア機能によって、アルカリ強化ガラス基板に含まれるアルカリ成分が三端子素子側へ溶出するのを防止でき、三端子素子の特性が劣化するのを防止できると共に、アレイ基板の面押し強度(押圧強度)の向上を図ることができる。好適な例では、上記のアレイ基板と、前記アレイ基板に液晶層を介して対向配置された対向基板と、を備える液晶装置を構成することができる。これにより、表示パネル面に押圧力が付与された場合でも、液晶表示パネルを割れ難くすることができる。
【0015】
本発明の他の観点では、上記の液晶装置を表示部として備える電子機器を構成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0017】
[第1実施形態]
(液晶装置の構成)
まず、本発明の第1実施形態に係る液晶装置の構成について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る液晶装置100の概略構成を模式的に示す平面図である。図1では、主として、液晶装置100の電極及び配線の構成を平面図として示している。ここに、第1実施形態に係る液晶装置100は、二端子素子の一例としてのTFD(Thin Film Diode)素子を用いたアクティブマトリクス駆動方式であって、透過型の液晶装置である。図2は、図1の液晶装置100における切断線A−A’に沿った概略断面図を示す。
【0018】
(液晶装置の断面構成)
まず、図2を参照して、液晶装置100の断面構成について説明し、その後、液晶装置100の電極及び配線の構成について説明する。
【0019】
図2において、液晶装置100は、TFDアレイ基板91と、そのTFDアレイ基板91に対向して配置されるカラーフィルタ基板(対向基板)92とが枠状のシール材3を介して貼り合わされ、シール材3で区画される領域に液晶が封入されて液晶層4が形成されてなる。この枠状のシール材3には、複数の金属粒子などからなる導通性を有する導通部材7が混入されている。
【0020】
まず、TFDアレイ基板91の断面構成は次の通りである。
【0021】
TFDアレイ基板91は、第1のアルカリ強化ガラス基板1と、第1のアルカリ強化ガラス基板1の内面上に形成された各種配線及び電極と、を備える。
【0022】
第1のアルカリ強化ガラス基板1は、ナトリウムイオンを主成分として含み、引張り応力(図2の矢印Y1方向)が作用する引張り応力層1aと、引張り応力層1aの表面に形成され、カリウムイオンを主成分として含み、圧縮応力(図2の矢印Y2方向)が作用する圧縮応力層1bと、を備える。この第1のアルカリ強化ガラス基板1の圧縮応力層1bは、イオン半径の小さい原子をイオン半径の大きい原子に置換するイオン交換法により形成される。その具体的な製造方法例としては、ガラス基材を高温の化学強化処理液、例えば硝酸カリウム溶液中に浸漬し、ガラス基材中のナトリウムイオンを硝酸カリウム中のカリウムイオンと置換することにより製造される。好適な例では、第1のアルカリ強化ガラス基板1の厚さが約600[μm]のとき、圧縮応力層1bの厚さは約20[μm]とされる。
【0023】
第1のアルカリ強化ガラス基板1の圧縮応力層1bの内面上には、表示の最小単位となるサブ画素領域SG毎に、TFD素子27及びITO(Indium Tin Oxide)などの透明性を有する導電材料からなる画素電極10が形成されている。また、第1のアルカリ強化ガラス基板1の圧縮応力層1bの内面上であって且つ相隣接する画素電極10の間には、クロムなどからなるデータ線32が形成されている。各データ線32は、対応する各TFD素子27と電気的に接続されていると共に、各TFD素子27は、対応する各画素電極10に電気的に接続されている。
【0024】
TFD素子27は、破線領域に拡大して示すように、第1のTFD素子27a及び第2のTFD素子27bを有して構成される。第1のTFD素子27a及び第2のTFD素子27bは、タンタルを主成分とするTaW(タンタルタングステン)などからなる島状の第1金属膜322と、この第1金属膜322の表面を陽極酸化することによって形成され、Ta(酸化タンタル)などからなる絶縁膜323と、この表面に形成されて相互に離間する第2金属膜316、336とを有する。このうち、第2金属膜316、336は、クロムなどの導電材料をパターニングしたものであり、前者の第2金属膜316は、データ線32からT字状に分岐したものが用いられる一方、後者の第2金属膜336は、画素電極10に接続するために用いられる。
【0025】
ここで、TFD素子27のうち、第1のTFD素子27aは、データ線32の側からみると順番に、第2金属膜316/絶縁膜323/第1金属膜322となって、金属/絶縁体/金属の構造を採るため、その電流−電圧特性は正負双方向にわたって非線形となる。一方、第2のTFD素子27bは、データ線32の側からみると順番に、第1金属膜322/絶縁膜323/第2金属膜336となって、第1のTFD素子27aとは逆向きの構造を採る。このため、第2のTFD素子27bの電流−電圧特性は、第1のTFD素子27aの電流−電圧特性を、原点を中心に点対称化したものとなる。その結果、TFD素子27は、2つのTFD素子を互いに逆向きに直列接続した形となるため、1つのTFD素子を用いる場合と比べると、電流−電圧の非線形特性が正負双方向にわたって対称化されることになる。なお、データ線32、TFD素子27及び画素電極10等の内面上には図示しない配向膜が形成されている。
【0026】
また、第1のアルカリ強化ガラス基板1の圧縮応力層1bの内面上の左右周縁部には、引き回し配線31が形成されている。引き回し配線31の終端部はシール材3内まで延在しており、当該終端部はシール材3内の導通部材7と電気的に接続されている。
【0027】
一方、第1のアルカリ強化ガラス基板1の外面上には、偏光板11、照明装置としてのバックライト15がこの順に配置されている。バックライト15は、例えば、LED(Light Emitting Diode)等といった点状光源や、冷陰極蛍光管等といった線状光源と導光板を組み合わせたものなどが好適である。
【0028】
次に、カラーフィルタ基板92の断面構成は次の通りである。
【0029】
カラーフィルタ基板92は、第2のアルカリ強化ガラス基板2と、第2のアルカリ強化ガラス基板2の内面上に形成された、R(赤)、G(緑)、B(青)の三色の着色層6R、6G、6B、黒色遮光層BMなどを有する。
【0030】
第2のアルカリ強化ガラス基板2は、第1のアルカリ強化ガラス基板1と同一の構成を有する。即ち、第2のアルカリ強化ガラス基板2は、ナトリウムイオンを主成分として含み、引張り応力(図示略)が作用する引張り応力層2aと、引張り応力層2aの表面に形成され、カリウムイオンを主成分として含み、圧縮応力(図示略)が作用する圧縮応力層2bと、を備える。なお、本発明では、着色層6R、6G、6B等が形成されるガラス基板は、第2のアルカリ強化ガラス基板2であることは必須ではなく、これに代えて、石英ガラスや無アルカリガラスなどからなるガラス基板であっても構わない。
【0031】
第2のアルカリ強化ガラス基板2の圧縮応力層2bの内面上には、サブ画素領域SG毎に、着色層6R、6G、及び6Bが形成されている。本例では、データ線32の延在方向と略直交する方向に対して、着色層6R、6G、及び6Bの配列順序となるように形成されているが、本発明では、それらの配列順序に限定はない。なお、以下の説明において、色を問わずに着色層を指す場合は単に「着色層6」と記し、色を区別して着色層を指す場合は「着色層6R」などと記す。
【0032】
第2のアルカリ強化ガラス基板2の圧縮応力層2bの内面上であって且つ各着色層6を区画する位置には、黒色遮光層BMが形成されている。この黒色遮光層BMは、黒色の樹脂材料、例えば黒色の顔料を樹脂中に分散させたもの等を用いることが可能である。なお、本発明では、これに代えて、R、G、Bの各色の着色層6が相互に重ね合わされて形成された重ね遮光層(図示略)を用いてもよい。第2のアルカリ強化ガラス基板2の圧縮応力層2bの一部、着色層6及び黒色遮光層BMの各内面上には、画素電極10と同一の材料よりなる走査電極8が形成されている。なお、走査電極8の内面上には図示しない配向膜が形成されている。
【0033】
また、走査電極8の一端側はシール材3内まで延在しており、そのシール材3内に混入された導通部材7と電気的に接続されている。このため、カラーフィルタ基板92に形成された走査電極8と、TFDアレイ基板91に形成された引き回し配線31とは、シール材3内に混入された導通部材7を介して上下導通している。
【0034】
一方、第2のアルカリ強化ガラス基板2の外面上には、偏光板12が形成されている。
【0035】
以上の構成を有する第1実施形態の液晶装置100において透過型表示がなされる場合、バックライト15から出射した照明光は、図2に示す経路Tに沿って進行する。即ち、バックライト15から出射された照明光は、画素電極10、液晶層4及び着色層6などを通過して所定の色相及び明るさを呈し、観察者に至る。こうして、所望のカラー表示画像が観察者により視認される。
【0036】
(液晶装置の平面構成)
次に、図1、図3及び図4を参照して、本発明の第1実施形態に係るTFDアレイ基板91及びカラーフィルタ基板92の電極及び配線を中心とした平面構成について説明する。
【0037】
図3は、TFDアレイ基板91を図2における観察側から観察したときのTFDアレイ基板91の電極及び配線などの構成を平面図として示す。図4は、カラーフィルタ基板92を図2の観察側(カラーフィルタ基板92の裏面側)から観察したときのカラーフィルタ基板92の電極の構成を平面図として示す。なお、図3及び図4において、電極や配線以外のその他の要素は説明の便宜上図示を省略している。
【0038】
図1において、TFDアレイ基板91の画素電極10と、カラーフィルタ基板92の走査電極8との交差する領域が表示の最小単位であるサブ画素領域SGを構成する。そして、このサブ画素領域SGが紙面縦方向及び紙面横方向に複数個、マトリクス状に並べられた領域が有効表示領域V(2点鎖線により囲まれる領域)である。この有効表示領域Vに、文字、数字、図形等の画像が表示される。なお、図1等において、液晶装置100の外周と、有効表示領域Vとによって区画された領域は、画像表示に寄与しない額縁領域38である。
【0039】
まず、TFDアレイ基板91の電極及び配線を中心とした平面構成は次の通りである。 TFDアレイ基板91は、データ線32、TFD素子27、画素電極10、引き回し配線31、ドライバIC33、複数の外部接続用配線35、及びFPC(Flexible Printed Circuit)40を備えている。
【0040】
各データ線32は、カラーフィルタ基板92の一辺側から外側へ張り出した張り出し領域36から有効表示領域Vにかけて延在するように形成されており、サブ画素領域SGに対応して設けられた各TFD素子27に電気的に接続されている。また、各TFD素子27は、サブ画素領域SGに対応して設けられた各画素電極10に電気的に接続されている。このため、各データ線32は、各TFD素子27を介して各画素電極10に電気的に接続されている。
【0041】
各引き回し配線31は、本線部分31aと、その本線部分31aに対して略直角に且つシール材3側へ折れ曲がる折れ曲がり部分31bとにより構成されている。各本線部分31aは、額縁領域38内を張り出し領域36からその反対側へ延在するように形成されている。各折れ曲がり部分31bは、対応する各本線部分31aの終端部からシール材3内まで延在するように形成されている。そして、各折れ曲がり部分31bの終端部は、シール材3内において導通部材7に電気的に接続されている。
【0042】
ドライバIC33及び外部接続用配線35は、張り出し領域36上に実装されている。
【0043】
ドライバIC33の入力側はACF(Anisotropic Conductive Film:異方性導電膜)を介して、外部接続用配線35の一端側に電気的に接続されている一方、ドライバIC33の出力側は、ACFを介して、各データ線32及び各走査電極8の一端側に電気的に接続されている。
【0044】
FPC40は、図示しない複数の入出力用の配線を有している。その入力用の各配線は、例えば携帯電話や情報端末などの電子機器に電気的に接続されている一方、その出力用の各配線は、複数の外部接続用配線35の他端側にACFを介して電気的に接続されている。
【0045】
以上の電極及び配線構造を有するTFDアレイ基板91では、電子機器側からFPC40、ドライバIC33等を介して、複数のデータ線32にデータ信号が、また、複数の走査電極8に走査信号が夫々出力される。
【0046】
次に、カラーフィルタ基板92の電極を中心とした平面構成は次の通りである。
【0047】
図4に示すように、カラーフィルタ基板92は複数の走査電極8を有する。各走査電極8は、ストライプ状の形状をなし、適宜の間隔をおいて所定の方向(データ線32の延在方向と直交する方向)に延在するように形成されている。各走査電極8の左端部或いは右端部は、図1及び図4に示すように、シール材3内まで延在しており、導通部材7と電気的に接続されている。
【0048】
以上に述べた、TFDアレイ基板91とカラーフィルタ基板92とがシール材3を介して貼り合わされた状態が図1に示されている。図示のように、カラーフィルタ基板92の各走査電極8は、TFDアレイ基板91の各データ線32に対して直交しており、且つ、走査電極8の延在方向に列をなす複数の画素電極10と平面的に重なり合っている。このように、走査電極8と画素電極10とが重なり合う領域が1つのサブ画素領域SGを構成する。
【0049】
また、TFDアレイ基板91の引き回し配線31と、カラーフィルタ基板92の走査電極8とは、図示のように左辺側と右辺側との間で交互に重なり合っており、その引き回し配線31と走査電極8とは、シール材3内の導通部材7を介して上下導通している。つまり、TFDアレイ基板91の各引き回し配線31と、カラーフィルタ基板92の各走査電極8との導通は、図示のように左辺側と右辺側との間で交互に実現されている。このため、カラーフィルタ基板92の走査電極8は、TFDアレイ基板91の引き回し配線31を介してドライバIC33に電気的に接続されている。
【0050】
次に、各種比較例に係るガラス基板と比較した、本発明の第1実施形態に係るアレイ基板等の作用効果について説明する。
【0051】
図5(a)は、各種比較例及び第1実施形態のガラス基板に対する所定の静荷重試験(面押し試験又は押圧試験)方法を示す平面図を示し、図5(b)は、図5(a)の側面図を示す。図5(c)は、前記所定の静荷重試験方法による各種ガラス基板の強度の比較結果を示す図表である。
【0052】
この静荷重試験では、図5(a)及び(b)に示すように、所定のガラス基板62の4隅を円柱状の支持台60で支持し、所定のガラス基板62の略中心を直径10[mm]の円筒状の押さえ棒61で矢印Z1方向に押圧して、所定のガラス基板62の破壊強度{耐最大荷重(N)}を測定する。ここでは、所定のガラス基板62として、アルカリ成分を含まない無アルカリガラス基板、アルカリ成分を含むアルカリガラス基板、上記した製造方法により製造されたアルカリ強化ガラス基板の3種類を用いる。なお、この例では、無アルカリガラス基板として、日本電気硝子株式会社製のOA−10を用いた。また、これらのガラス基板62のサイズは44[mm]×33[mm]、すなわち2.2[inch]であり、それらのガラス基板62の厚さは600[μm]である。また、アルカリ強化ガラス基板の圧縮応力層の厚さは20[μm]である。
【0053】
図5(c)の図表から、アルカリ強化ガラス基板は、無アルカリガラス基板及びアルカリガラス基板よりも強度{耐最大荷重(N)}が大きいことが分かった。特に、この測定結果から、アルカリ強化ガラス基板の強度は670〜810[N]であり、無アルカリガラス基板の強度は260〜300[N]であることから、アルカリ強化ガラス基板は、無アルカリガラス基板の約2.7倍の強度があることが分かった。これは、アルカリ強化ガラス基板の表面に対して、イオン半径の小さいナトリウムイオンをイオン半径の大きいカリウムイオンにて置換されることにより、圧縮応力が作用する圧縮応力層が形成されているからである。
【0054】
よって、液晶装置用のガラス基板として、アルカリ強化ガラス基板を用いれば、無アルカリガラス基板に比較して、ガラス基板面を押圧されたときの押圧強度(面押し強度)を向上させることができ、液晶装置の表示パネル面に押圧力が付与された場合に液晶表示パネルが割れ易いといった課題を改善することができる。但し、アルカリ強化ガラス基板は、アルカリ成分を含むため、そのアルカリ成分がスイッチング素子の一例としてのTFT素子へ溶出するとTFT素子を汚染させてしまい、TFT素子の電気的特性に悪影響を与えてしまう虞がある。
【0055】
そこで、本発明の第1実施形態では、これらの点を考慮し、押圧強度(面押し強度)の大きいアルカリ強化ガラス基板を用い、さらに、アルカリ成分の汚染に対して強いスイッチング素子として、TFT素子ではなく二端子素子{例えば、MIM(Metal Insulator Metal)構造を有するTFD素子}を用いる。
【0056】
即ち、第1実施形態の液晶装置100の構成要素であるTFDアレイ基板91は、イオン半径の小さい原子をイオン半径の大きい原子に置換するイオン交換法により、ガラス基材(引張り応力層1a)の表面に圧縮応力層1bが形成されてなるアルカリ強化ガラス基板1と、アルカリ強化ガラス基板1の圧縮応力層1a上に形成されたTFD素子27と、を備える。
【0057】
これにより、TFD素子27の特性の劣化防止、及びTFDアレイ基板91の面押し強度(押圧強度)の向上を図ることができる。よって、このTFDアレイ基板91を液晶装置100に適用すれば、表示パネル面に押圧力が付与された場合でも液晶表示パネルが割れ難い液晶装置を構成することができる。
【0058】
[第2実施形態]
第1実施形態と第2実施形態とを比較した場合、第2実施形態では、アレイ基板にスイッチング素子としてTFD素子ではなく三端子素子の一例としてのTFT素子を設けていること、さらに、TFT素子側へのアルカリ成分の溶出を防止するために、アルカリ強化ガラスの表面に保護層を更に設けていること、などが第1実施形態と主に異なっている。
【0059】
(液晶装置の構成)
以下、図6及び図7を参照して、本発明の第2実施形態に係る液晶装置の構成について説明する。なお、以下では、第1実施形態と同一の要素については同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0060】
図6は、本発明の第2実施形態に係る液晶装置200の概略構成を模式的に示す平面図である。図6では、紙面手前側(観察側)にカラーフィルタ基板94が、また、紙面奥側に素子基板93が夫々配置されている。図6において、R、G、Bの各色の着色層に対応する領域は1つのサブ画素領域SGを示している。1つのサブ画素領域SGがマトリクス状に並べられた領域が有効表示領域V(2点鎖線により囲まれる領域)である。
【0061】
液晶装置200は、TFTアレイ基板93と、そのTFTアレイ基板93に対向して配置されるカラーフィルタ基板94とが枠状のシール材3を介して貼り合わされ、そのシール材3で区画される領域に液晶が封入されて液晶層4が形成されてなる。
【0062】
ここに、液晶装置200は、スイッチング素子としてa−Si型のTFT素子を用いたアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置であると共に、透過型表示のみを行う透過型の液晶装置である。
【0063】
まず、TFTアレイ基板93の平面構成について説明する。
【0064】
TFTアレイ基板93の内面上には、主として、ソース線42、ゲート線41、α−Si型TFT素子21、画素電極10、ドライバIC33、外部接続用配線35及びFPC40などが形成若しくは実装されている。
【0065】
各ソース線42は、張り出し領域36から有効表示領域Vにかけて延在するように形成されており、各ソース線42の一端側は、張り出し領域36に実装されたドライバIC33の出力側の端子(図示略)に電気的に接続されている。
【0066】
各ゲート線41は、額縁領域38において張り出し領域36から有効表示領域Vにかけて延在するように形成された第1配線41aと、その第1配線41aの終端部から略直角に且つ有効表示領域Vにかけて延在するように形成された第2配線41bとを備えている。各ゲート線41の第1配線41aの一端側は、ドライバIC33の出力側の端子(図示略)に電気的に接続されている。
【0067】
各α−Si型TFT素子21は、各ソース線42と各ゲート線41の第2配線41bの交差部に対応して設けられており、各ソース線42、各ゲート線41、及び各サブ画素領域SG内に設けられた各画素電極10に夫々電気的に接続されている。
【0068】
次に、カラーフィルタ基板94の平面構成について説明する。
【0069】
カラーフィルタ基板94は、黒色遮光層BM、R、G、Bの3色の着色層6R、6G、6B、及び共通電極81(図7を参照)などを備える。
【0070】
R、G、Bの各色の着色層6R、6G、6Bは、サブ画素領域SGに対応して設けられている。黒色遮光層BMは、各着色層6を区画する位置、並びに各α−Si型TFT素子21に対応する位置などに形成されている。共通電極81は、画素電極と同様にITOなどの透明導電材料からなり、シール材3の内側の領域に略一面に亘って形成されている。共通電極81は、シール材3の隅の領域E2において配線43の一端側と電気的に接続されていると共に、当該配線43の他端側は、ドライバIC33のCOMに対応する出力端子(接地用端子)と電気的に接続されている。
【0071】
以上の構成を有する液晶装置200では次のようにして動作を行う。
【0072】
まず、画像信号を供給するソース線42はα−Si型TFT素子21のソース電極42x(図7を参照)に繋がっており、画素電極10は、α−Si型TFT素子21のドレイン電極47(図7を参照)に接続されている。そして、α−Si型TFT素子21のゲート電極43x(図7を参照)にはゲート線41が繋がっており、スイッチング素子であるα−Si型TFT素子21を一定期間だけそのスイッチを開けることにより、ソース線42から供給される画像信号S1、S2、…、Snを所定のタイミングで書き込む。この画像信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、或いは、相隣接する複数のゲート線32同士に対して、グループ毎に供給するようにしても良い。また、ゲート信号G1、G2、…、Gmは、ゲート線41に所定のタイミングでパルス的に、この順に線順次で印加される。
【0073】
画素電極10を介して液晶層4に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、カラーフィルタ基板94に設けられた共通電極81との間で一定期間保持される。以上のようにして、この液晶装置200では、液晶層4の表示状態が、非表示状態または中間表示状態に切り替えられ、液晶層4内の液晶分子の配向状態が制御されることとなる。これにより、有効表示領域V内において所望の画像を表示することができる。
【0074】
次に、図7を参照して、本発明の第2実施形態に係る液晶装置200の断面構成について説明する。図7は、図6の破線領域E10に対応する液晶装置200の断面構成を示す要部断面図である。
【0075】
図7において、液晶装置700は、TFTアレイ基板93と、そのTFTアレイ基板93に対向して配置されるカラーフィルタ基板(対向基板)94とが枠状のシール材3を介して貼り合わされ、シール材3で区画される領域に液晶が封入されて液晶層4が形成されてなる。
【0076】
まず、図7に示すTFTアレイ基板93の断面構成は次の通りである。
【0077】
TFTアレイ基板93は、第1のアルカリ強化ガラス基板1xと、第1のアルカリ強化ガラス基板1xの内面上に形成された各種配線及び電極と、を備える。
【0078】
第1のアルカリ強化ガラス基板1xは、引張り応力層1aと、その引張り応力層1aの表面に形成された圧縮応力層1bと、その圧縮応力層1bの表面に形成された保護層1cと、を備える。保護層1cは、例えば、二酸化珪素(SiO)などからなり、第1のアルカリ強化ガラス基板1xに含まれるアルカリ成分がα−Si型TFT素子21側へ溶出するのを防止して、α−Si型TFT素子21の汚染を防ぎ、これによりα−Si型TFT素子21の特性が劣化するのを防止する役割を有する。
【0079】
第1のアルカリ強化ガラス基板1xの内面上には、ゲート線41のゲート電極43x、及び、窒化シリコンなどの透明無機材料よりなり、ゲート電極43xを覆うゲート絶縁膜50などが形成されている。
【0080】
各ゲート電極43xに位置するゲート絶縁膜50の内面上には、α−Si型TFT素子21を構成する、α−Si層46が島状に設けられている。各ソース線42の本線から各α−Si層46側に分岐するソース電極42xは、各α−Si層46と部分的に重なっており、その両者は電気的に接続されている。また、ソース電極42xと一定の間隔をおいて、各α−Si層46と部分的に重なる位置にはドレイン電極47が設けられており、ドレイン電極47の一端側は、各α−Si層46と電気的に接続されている。こうして、各ゲート線41の第2配線43bと各ソース線42との交差位置には、α−Si型TFT素子21が形成されている。
【0081】
α−Si型TFT素子21の内面上及びゲート絶縁膜50の内面上には、無機保護絶縁膜51が設けられている。無機保護絶縁膜51は、α−Si型TFT素子21の近傍にコンタクトホール51aを有する。
【0082】
無機保護絶縁膜51の内面上には、例えば有機絶縁材料よりなる層間絶縁膜52が設けられている。層間絶縁膜52は、無機保護絶縁膜51のコンタクトホール51aに対応する位置にコンタクトホール52aを有する。
【0083】
層間絶縁膜52等の内面上であって、各サブ画素領域SGに対応する位置には、画素電極10が設けられている。画素電極10の一部は、コンタクトホール51a及び52a内に入り込むように形成されており、当該画素電極10の一部は、コンタクトホール51a及び52aを夫々通じて、ドレイン電極47と電気的に接続されている。また、画素電極10等の内面上には、配向膜19が設けられている。一方、第1のアルカリ強化ガラス基板1xの外面上には、偏光板11、バックライト15がこの順に配置されている。
【0084】
次に、図7に示すカラーフィルタ基板94の断面構成は次の通りである。
【0085】
カラーフィルタ基板94は、第2のアルカリ強化ガラス基板2と、第2のアルカリ強化ガラス基板2の内面上に形成された、R、G、Bの三色の着色層6R、6G、6B(図7では着色層6R)、黒色遮光層BMなどを有する。なお、本発明では、第2のアルカリ強化ガラス基板2の代わりに、第1のアルカリ強化ガラス基板1xと同様の構成を有するアルカリ強化ガラス基板、或いは、石英ガラスや無アルカルガラスなどよりなるガラス基板を用いても構わない。
【0086】
第2のアルカリ強化ガラス基板2の内面上であって、各サブ画素領域SGを区画する位置、及び各α−Si型TFT素子21の各々に対応する位置には黒色遮光層BMが設けられている。黒色遮光層BM及び第2のアルカリ強化ガラス基板2の内面上には、サブ画素領域SG毎に、着色層6が設けられている。各着色層6の内面上には、画素電極10と同一の材料よりなる共通電極81が設けられている。また、共通電極81の内面上には、配向膜18が設けられている。一方、第2のアルカリ強化ガラス基板2の外面上には、偏光板12が配置されている。
【0087】
以上の構成を有する液晶装置200において透過型表示がなされる場合、バックライト15から出射した照明光は、図7に示す経路Tに沿って進行し、画素電極10及びR、G、Bの各着色層6等を通過して観察者に至る。この場合、その照明光は、その各着色層6を通過することにより所定の色相及び明るさを呈する。こうして、所望のカラー表示画像が観察者により視認される。
【0088】
次に、本発明に係る第2実施形態の作用効果について説明する。
【0089】
本発明の第2実施形態では、アルカリ成分の汚染に対して弱いスイッチング素子として、三端子素子(例えば、α−Si型TFT素子)を用いている。このため、TFTアレイ基板93において、もし、第1実施形態と同様の第1のアルカリ強化ガラス基板を用い、その第1のアルカリ強化ガラス基板上にTFT素子21を形成した場合には、第1のアルカリ強化ガラス基板に含まれるアルカリ成分がα−Si型TFT素子21へ溶出してα−Si型TFT素子21を汚染させてしまい、これによりα−Si型TFT素子21の特性に悪影響を与える虞がある。
【0090】
そこで、本発明の第2実施形態では、この点を踏まえ、TFTアレイ基板93において、第1のアルカリ強化ガラス基板1xの圧縮応力層1bと、α−Si型TFT素子21との間には、図7の破線領域E11に示すように、第1のアルカリ強化ガラス基板1xからα−Si型TFT素子21へのアルカリ成分の溶出を防止するための保護層1cを設ける。
【0091】
これにより、アルカリ成分の汚染に対して弱いα−Si型TFT素子21を用いた場合でも、保護層1cによるバリア機能によって、第1のアルカリ強化ガラス基板1xに含まれるアルカリ成分がα−Si型TFT素子21側へ溶出するのを防止でき、α−Si型TFT素子21の特性が劣化するのを防止できると共に、TFTアレイ基板93の面押し強度(押圧強度)の向上を図ることができる。よって、このTFTアレイ基板93を液晶装置200に適用すれば、表示パネル面に押圧力が付与された場合でも液晶表示パネルが割れ難い液晶装置を構成することができる。
【0092】
[変形例]
本発明では、第1実施形態に係るTFDアレイ基板91において、第2実施形態のように、第1のアルカリ強化ガラス基板1の圧縮応力層1bと、TFD素子27との間に、第1のアルカリ強化ガラス基板1からTFD素子27へのアルカリ成分の溶出を防止するための保護層1cを設けるようにしても構わない。
【0093】
これにより、保護層1cによるバリア機能によって、アルカリ強化ガラス基板1に含まれるアルカリ成分がTFD素子27側へ溶出するのを防止でき、TFD素子27の特性が劣化するのをより防止できる。
【0094】
また、上記の実施形態では、透過型の液晶装置に本発明を適用したが、これに限らず、半透過反射型又は反射型の液晶装置に対して本発明を適用しても構わない。
【0095】
その他、本発明では、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形をすることが可能である。
【0096】
[電子機器]
次に、本発明の第1、第2実施形態に係る液晶装置100、200を適用可能な電子機器の具体例について図8を参照して説明する。
【0097】
まず、本発明の第1、第2実施形態に係る液晶装置100、200を、可搬型のパーソナルコンピュータ(いわゆるノート型パソコン)の表示部に適用した例について説明する。図8(a)は、このパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。同図に示すように、パーソナルコンピュータ710は、キーボード711を備えた本体部712と、本発明に係る液晶装置100、200を表示パネルとして適用した表示部713とを備えている。
【0098】
続いて、本発明の液晶装置100、200を、携帯電話機の表示部に適用した例について説明する。図8(b)は、この携帯電話機の構成を示す斜視図である。同図に示すように、携帯電話機720は、複数の操作ボタン721のほか、受話口722、送話口723とともに、本発明の液晶装置100、200を適用した表示部724を備える。
【0099】
なお、本発明の液晶装置100、200等を適用可能な電子機器としては、図8(a)に示したパーソナルコンピュータや図8(b)に示した携帯電話機の他にも、液晶テレビ、ビューファインダ型・モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、ディジタルスチルカメラなどが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明の第1実施形態に係る液晶装置の平面図。
【図2】第1実施形態に係る液晶装置の要部断面図。
【図3】第1実施形態に係るTFDアレイ基板の電極等を中心とした平面図。
【図4】第1実施形態に係るカラーフィルタ基板の走査電極を中心とした平面図。
【図5】TFDアレイ基板の第1のアルカリ強化ガラス基板の強度の測定方法及び測定結果を示す図表。
【図6】本発明の第2実施形態に係る液晶装置の平面図。
【図7】第2実施形態に係る液晶装置の要部断面図。
【図8】本発明の液晶装置を適用した電子機器の例を示す。
【符号の説明】
【0101】
1、1x 第1のアルカリ強化ガラス基板、 1a 引張り応力層、 1b 圧縮応力層、 1c 保護層、 2 第2のアルカリ強化ガラス基板、 21 TFT素子(三端子素子)、 27 TFD素子(二端子素子)、 91 TFDアレイ基板、 93 TFTアレイ基板、 92、94 カラーフィルタ基板、 100、200 液晶装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオン交換することによりガラス基材の表面に圧縮応力層が形成されてなるアルカリ強化ガラス基板と、
前記アルカリ強化ガラス基板の前記圧縮応力層上に形成されたスイッチング素子と、を備えることを特徴とするアレイ基板。
【請求項2】
前記スイッチング素子は二端子素子であることを特徴とする請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項3】
前記スイッチング素子は二端子素子であり、
前記アルカリ強化ガラス基板の前記圧縮応力層と、前記二端子素子との間には、前記アルカリ強化ガラス基板から前記二端子素子へのアルカリ成分の溶出を防止するための保護層が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項4】
前記スイッチング素子は三端子素子であり、
前記アルカリ強化ガラス基板の前記圧縮応力層と、前記三端子素子との間には、前記アルカリ強化ガラス基板から前記三端子素子へのアルカリ成分の溶出を防止するための保護層が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載のアレイ基板と、
前記アレイ基板に液晶層を介して対向配置された対向基板と、を備えることを特徴とする液晶装置。
【請求項6】
請求項5に記載の液晶装置を表示部として備えることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−216848(P2008−216848A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−56806(P2007−56806)
【出願日】平成19年3月7日(2007.3.7)
【出願人】(304053854)エプソンイメージングデバイス株式会社 (2,386)
【Fターム(参考)】