説明

アンチロック制御装置を有する油圧式車両ブレーキ装置の作動方法

本発明は、そのマスタ・ブレーキ・シリンダ(2)が電気機械式ブレーキ力増幅装置(13)を備えた、アンチロック制御装置(12)を有する油圧式車両ブレーキ装置(1)に関するものである。全ての車両車輪が制御されるアンチロック制御においては車両ブレーキ装置(1)の圧力レベルは低下するので、本発明は、このようなアンチロック制御においてブレーキ力増幅装置(13)の力増幅を低減させることを提案する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念の特徴をもつ、制御可能なブレーキ力増幅装置を備えたマスタ・ブレーキ・シリンダを有する油圧式車両ブレーキ装置の作動方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
独国特許出願公開第10327553号明細書から、ブレーキ力増幅装置以外は通常の構造タイプであるこのような油圧式車両ブレーキ装置が既知である。車両ブレーキ装置は二回路マスタ・ブレーキ・シリンダを有し、二回路マスタ・ブレーキ・シリンダに、2つのブレーキ回路に分割された4つの車輪ブレーキが接続されている。この発明に対して、二回路車両ブレーキ装置は、より多い車輪ブレーキと同様に、必ずしも強制されるものではない。さらに、既知の車両ブレーキ装置は、(ブレーキ)アンチロック制御装置、駆動滑り制御装置、車両動特性制御装置および/または安定性制御装置のような名称で、並びにABS、ASR、FDR、ESPのような略号で呼ばれる車輪滑り制御装置を有している。車輪滑り制御装置の油圧部分は、各車輪ブレーキに対して、ブレーキ昇圧弁およびブレーキ降圧弁を含み、並びに各ブレーキ回路に対して、油圧ポンプと、マスタ・ブレーキ・シリンダがそれにより油圧的にブレーキ回路から遮断可能な遮断弁と、および急速なブレーキ昇圧のためにマスタ・ブレーキ・シリンダがそれにより油圧ポンプの吸込側と結合可能な吸込弁と、を含む。このような車輪滑り制御装置およびその機能方法がそれ自身既知であるので、ここでは詳細に説明されないものとする。
【0003】
負圧式ブレーキ力増幅装置の代わりに、既知の車両ブレーキ装置は、中空軸電動機を備えた電気機械式ブレーキ力増幅装置を有し、中空軸電動機のロータはスピンドル駆動ナットを有し、スピンドル駆動ナットは電動機の回転駆動運動をマスタ・ブレーキ・シリンダを操作するための並進運動に変換する。本発明に対しては、電気機械式ブレーキ力増幅装置の他の構造もまた可能であり、例えばブレーキ力増幅装置は、場合により、マスタ・ブレーキ・シリンダを操作するために電動機の回転駆動運動を並進運動に変換するための、ラックを駆動するためのウォームを備えたラック伝動装置を有していてもよい。リニアモータ、電磁石または圧電素子を有する電気機械式ブレーキ力増幅装置もまた本発明による方法に使用可能である。説明はまだ続く。
【0004】
車両ブレーキ装置は補助力ブレーキ装置であり、即ち、マスタ・ブレーキ・シリンダを操作するための操作力は、一部車両ドライバから筋力として与えられ、残りは電気機械式ブレーキ力増幅装置から外力として与えられる。操作力がもっぱらブレーキ力増幅装置から外力として発生され、且つブレーキ操作のために車両ドライバから与えられる筋力または車両ドライバから与えられる操作ストロークもまた、外力として表わされるブレーキ力増幅装置の力を操作/制御するための目標変数として使用される、外力ブレーキ装置としての作動もまた考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公開第10327553号明細書
【発明の概要】
【0006】
請求項1の特徴を有する本発明による方法は、アンチロック制御の間、ここでは外力として表わされているブレーキ力増幅装置の力を低減させるように設計されている。本発明による方法は、(ブレーキ)アンチロック制御の間、車両ブレーキ装置の全ての車輪ブレーキに適用可能である。アンチロック制御において、通常、制御される車両車輪の車輪ブレーキ内の車輪ブレーキ圧力は、ブレーキ降圧弁を開放することにより低下される。車輪ブレーキ圧力の低下はブレーキ昇圧弁およびブレーキ降圧弁による車輪ブレーキ圧力の調節によってもまた実行可能である。全ての車輪ブレーキ内の車輪ブレーキ圧力が低下されるときは、いずれにせよ、アンチロック制御の開始前に作用していたより高い作動ブレーキ圧力をマスタ・ブレーキ・シリンダ内に正確に保持すること、またはアンチロック制御のないときに作用したであろうブレーキ圧力をマスタ・ブレーキ・シリンダにより形成すること、は必要ではない。ブレーキ力増幅装置の外力の低減は特にブレーキ力増幅装置の増幅の低減により行われる。本発明による方法により、電気機械式ブレーキ力増幅装置の電流消費したがってその熱負荷並びに車両ブレーキ装置を備えている車両の搭載電源の電流負荷が低減される。ブレーキ力増幅装置の外力の低減、したがってマスタ・ブレーキ・シリンダ圧力の低下により、油圧ポンプは低下されたマスタ・ブレーキ・シリンダ圧力に対して吐出するので、通常リターン・ポンプと呼ばれている車輪滑り制御装置の油圧ポンプの吐出出力は低減される。マスタ・ブレーキ・シリンダ圧力の低下、したがって車両ブレーキ装置の圧力レベルの低下は、全体として、その他の油圧部品、例えば車輪滑り制御装置の電磁弁の負荷もまた低減させ、このことは、油圧部品の寿命にも有利に働く。アンチロック制御の間における車輪滑り制御装置の騒音発生もまた、圧力レベルの低下により低減される。外力は連続的にまたは周期的に低減可能である。
【0007】
従属請求項は、請求項1に記載の本発明の有利な形態および変更態様を対象として有している。
【0008】
基本的に、本発明による方法は、車輪滑り制御装置または少なくとも1つの(ブレーキ)アンチロック制御装置を有する油圧式車両ブレーキ装置であって、車両ブレーキ装置のマスタ・ブレーキ・シリンダが制御可能なブレーキ力増幅装置を有する全ての油圧式車両ブレーキ装置に対して適用可能である。制御可能とは、ブレーキ力増幅装置の外力が車両ドライバによる筋力操作のみにより制御されるのではなく、外力がさらに例えば制御装置により操作/制御可能であることを意味する。負圧式ブレーキ力増幅装置においては、外力の制御は、例えば、それによりブレーキ力増幅装置の負圧室が通気可能な電磁弁によって可能である。電磁弁により、操作/制御可能に、負圧式ブレーキ力増幅装置の負圧室内に作業室内の圧力に対する背圧が形成され、この背圧は通常サーボ弁により通気可能であり、サーボ弁はブレーキ力増幅装置の筋力操作により制御される。本発明は、その外力が電気的に操作/制御される電気機械式ブレーキ力増幅装置を備えていることが好ましい(請求項2)。
【0009】
以下に本発明が図面により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明による方法を実行するための油圧式車両ブレーキ装置の油圧回路図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図示されている油圧式車両ブレーキ装置1は、車輪滑り制御装置12(アンチロック制御ASB;駆動滑り制御ASR;走行動特性制御FDR,ESP)を有している。車輪滑り制御装置12は2つのブレーキ回路I、IIを有する二回路ブレーキ装置として形成され、2つのブレーキ回路I、IIはマスタ・ブレーキ・シリンダ2に接続されている。各ブレーキ回路I、IIは遮断弁3を介してマスタ・ブレーキ・シリンダ2に接続されている。遮断弁3はその無通電基本位置において開放する2/2方電磁弁である。遮断弁3にそれぞれ、マスタ・ブレーキ・シリンダ2から車輪ブレーキ4に流動可能な逆止弁5が油圧的に並列配置されている。各ブレーキ回路I、IIの遮断弁3に、車輪ブレーキ4がブレーキ昇圧弁6を介して接続されている。ブレーキ昇圧弁6はその無通電基本位置において開放する2/2方電磁弁である。ブレーキ昇圧弁6に逆止弁7が並列配置され、逆止弁7は車輪ブレーキ4からマスタ・ブレーキ・シリンダ2の方向に流動可能である。
【0012】
各車輪ブレーキ4にブレーキ降圧弁8が接続され、ブレーキ降圧弁8は共に油圧ポンプ9の吸込側に接続されている。ブレーキ降圧弁8はその無通電基本位置において閉鎖される2/2方電磁弁として形成されている。油圧ポンプ9の吐出側はブレーキ昇圧弁6と遮断弁3との間に接続され、即ち、油圧ポンプ9の吐出側は、ブレーキ昇圧弁6を介して車輪ブレーキ4と、および遮断弁3を介してマスタ・ブレーキ・シリンダ2と結合されている。ブレーキ昇圧弁6およびブレーキ降圧弁8は、より良好な操作性/制御性を目的として比例弁である。油圧ポンプ9はしばしばリターン・ポンプ(戻しポンプ)と呼ばれる。
【0013】
両方のブレーキ回路I、IIの各々は油圧ポンプ9を有し、油圧ポンプ9は共に1台の電動機10により駆動可能である。油圧ポンプ9の吸込側はブレーキ降圧弁8に接続されている。油圧ポンプ9の吸込側に、車輪滑り制御の間にブレーキ降圧弁8の開放により車輪ブレーキ4から流出した油圧液を受け入れ且つ中間貯蔵するための油圧蓄積器11が設けられている。
【0014】
ブレーキ昇圧弁6およびブレーキ降圧弁8は車輪ブレーキ圧力調節弁装置を形成し、車輪ブレーキ圧力調節弁装置により、油圧ポンプ9が駆動されたとき、既知のように且つここでは説明されていない方法で、車輪滑り制御のための車輪ごとのブレーキ圧力制御が可能である。車輪滑り制御においてマスタ・ブレーキ・シリンダ2が操作されていないときはいつでも、車輪ブレーキ4を操作するための油圧を油圧ポンプ9により上昇可能にするために遮断弁3は閉鎖され、即ち車両ブレーキ装置1は油圧的にマスタ・ブレーキ・シリンダ2から切り離されている。マスタ・ブレーキ・シリンダ2が通常のように操作され且つ車両ブレーキ装置1内に油圧がかかっている(ブレーキ)アンチロック制御においては、遮断弁3は通常のように開放したままである。
【0015】
各ブレーキ回路I、II内の吸込弁19により、油圧ポンプ9の吸込側はマスタ・ブレーキ・シリンダ2と結合可能である。吸込弁19は無通電基本位置において閉鎖される2/2方電磁弁である。吸込弁19が開放されたとき、油圧ポンプ9はブレーキ液を直接マスタ・ブレーキ・シリンダ2から吸い込み、これにより、マスタ・ブレーキ・シリンダ2が操作されていないときないしは車両ブレーキ装置1に圧力がかかっていないとき、油圧ポンプ9によってより急速なブレーキ昇圧が可能である。
【0016】
マスタ・ブレーキ・シリンダ2は電気機械式ブレーキ力増幅装置13を有し、ブレーキ力増幅装置13は電動機14によりここでは外力と呼ばれる力を発生し、この外力は、ブレーキ・ペダル15を介して与えられる筋力と共にマスタ・ブレーキ・シリンダ2を操作する。記号で示された電動機14はブレーキ力増幅装置13内に組み込まれている。電動機14は回転モータであってもよく、回転モータの回転運動は変速機を介して変速され且つマスタ・ブレーキ・シリンダ2を操作するための並進運動に変換される。ブレーキ力増幅装置13の設計は電気リニアモータまたは電磁石によってもまた可能である。説明はまだ続く。
【0017】
ブレーキ力増幅装置13を含む車両ブレーキ装置1を操作/制御するために電子制御装置16が設けられている。力センサ17により、ブレーキ・ペダル15に与えられたペダル力が測定可能であり、およびストローク・センサ18により、ブレーキ・ペダル15の位置が測定可能である。
【0018】
本発明により、ブレーキ力増幅装置13がマスタ・ブレーキ・シリンダ2に与える外力は、アンチロック制御(ABS)の間は低減される。ブレーキ力増幅装置13の力増幅は低減される。アンチロック制御が終了したのち、ブレーキ力増幅装置13は再び設定どおりに操作/制御される。本発明による方法は、車両ブレーキ装置1の操作において車両車輪がロックする傾向があるとき、特に、制動される全ての車両車輪がブレーキ操作においてロックする傾向があり且つ滑り制御されるとき、(ブレーキ)アンチロック制御の間に適用される。
【0019】
アンチロック制御のために遮断弁3が閉鎖された場合、ブレーキ力増幅装置13の外力は著しく低減され且つ0になるまで低減されてもよい。アンチロック制御におけるブレーキ力増幅装置13の外力の低減は、経験値まで、即ち、アンチロック制御においてブレーキ操作のために通常十分である所定の値または設定可能な値まで可能である。アンチロック制御の間、ブレーキ力増幅装置13は、マスタ・ブレーキ・シリンダ2内のマスタ・ブレーキ・シリンダ圧力が、少なくとも車輪ブレーキ4内の最高車輪ブレーキ圧力と同じ大きさであるように操作/制御されてもよい。マスタ・ブレーキ・シリンダ2内には、より高い圧力は必要ではない。予め1つの係数だけまたは所定の値だけより高いマスタ・ブレーキ・シリンダ圧力が、ブレーキ力増幅装置13の操作/制御により設定されてもよい。他の可能性は、アンチロック制御の間、マスタ・ブレーキ・シリンダ2内のマスタ・ブレーキ・シリンダ圧力が車輪ブレーキ4内のロック圧力より小さくないようにブレーキ力増幅装置13を操作/制御することである。ロック圧力とは、制動される車両車輪をロックするために十分な圧力である。この場合もまた、1つの係数だけまたは所定の値だけより高いマスタ・ブレーキ・シリンダ圧力が操作/制御されてもよい。
【0020】
アンチロック制御の間に油圧ポンプ9が運転された場合、遮断弁3が開放しているとき、油圧ポンプ9の吐出圧力はマスタ・ブレーキ・シリンダ圧力を上昇させ、および/またはリターン・ポンプ9によりマスタ・ブレーキ・シリンダ2内に吐出されるブレーキ液容積はブレーキ・ペダル15を押し戻す。各々の場合に車両ドライバはブレーキ・ペダル15を介して反力を受け、ドライバはこの反力を通常不快に感じ且つこの反力はドライバを不安にさせることがある。したがって、本発明による方法の構成は、ブレーキ力増幅装置13をその位置に操作/制御し、即ちマスタ・ブレーキ・シリンダ・ピストンの移動を操作/制御するように設計されている。この操作/制御は、操作されたブレーキ力増幅装置13の位置が不変のままであるように、または操作/制御が例えばストローク・センサ18および/または力センサ17の関数として可能なように行われる。他の可能性は、ブレーキ力増幅装置13の電動機14のトルク制御である。一般に、ブレーキ力増幅装置13の特性変数の制御/操作が行われてもよく、この場合、選択された特性変数は、油圧ポンプ9の吐出圧力のマスタ・ブレーキ・シリンダ2への作用の少なくとも一部の調整を可能にしなければならない。ブレーキ力増幅装置13の力増幅は、この制御/操作においては上昇され、これにより、油圧ポンプ9がアンチロック制御の間運転されたとき、車両ドライバによりブレーキ・ペダル15に与えられる筋力は、油圧ポンプ9の吐出圧力によって変化することはない。
【0021】
他の方式は、ブレーキ・ペダル15に与えられる筋力を増大させることなく、ブレーキ力増幅装置13の外力の上昇によりマスタ・ブレーキ・シリンダ2内のマスタ・ブレーキ・シリンダ圧力を上昇させることである。言い換えると、アンチロック制御の間ブレーキ力増幅装置13の外力の低減により低下されたマスタ・ブレーキ・シリンダ圧力は、油圧ポンプ9が運転されたとき、上昇される。しかしながら、ブレーキ力増幅装置13の外力は、アンチロック制御なしに与えられたブレーキ操作において存在するであろうよりも低いままである。マスタ・ブレーキ・シリンダ圧力を上昇させる油圧ポンプ9の吐出圧力は、ブレーキ力増幅装置13の外力の上昇により、特にブレーキ力増幅装置13の力増幅の上昇により、少なくとも一部補償される。それにもかかわらず、マスタ・ブレーキ・シリンダ圧力は、アンチロック制御がないときのマスタ・ブレーキ・シリンダ圧力より低いままである。この方式の説明および理解のために、油圧ポンプ9の吐出圧力は、制御技術の意味において、マスタ・ブレーキ・シリンダ圧力を変化させ、特に上昇させる外乱変数とみなし得る。油圧ポンプ9の吐出圧力を補償するために、ブレーキ力増幅装置13の外力即ちブレーキ力増幅装置13の力増幅が上昇される。即ち、マスタ・ブレーキ・シリンダ圧力は例えば経験値だけ上昇され、且つブレーキ力増幅装置13の操作/制御により上昇されたこのマスタ・ブレーキ・シリンダ圧力は、アンチロック制御の間、油圧ポンプ9の運転の間保持される。これにより、油圧ポンプ9のマスタ・ブレーキ・シリンダ2への反作用およびマスタ・ブレーキ・シリンダ2を介してブレーキ・ペダル15への反作用は少なくとも一部調整される。
【符号の説明】
【0022】
1 車両ブレーキ装置
2 マスタ・ブレーキ・シリンダ
3 遮断弁
4 車輪ブレーキ
5、7 逆止弁
6 ブレーキ昇圧弁
8 ブレーキ降圧弁
9 油圧ポンプ
10、14 電動機
11 油圧蓄積器
12 アンチロック制御装置(車輪滑り制御装置)
13 ブレーキ力増幅装置
15 ブレーキ・ペダル
16 電子制御装置
17 力センサ
18 ストローク・センサ
19 吸込弁
I、II ブレーキ回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御可能なブレーキ力増幅装置(13)を備えたマスタ・ブレーキ・シリンダ(2)と、
ブレーキ昇圧弁(6)を介して前記マスタ・ブレーキ・シリンダ(2)に接続されている少なくとも1つの車輪ブレーキ(4)と、
前記少なくとも1つの車輪ブレーキ(4)の車輪ブレーキ圧力がそれにより低下可能なブレーキ降圧弁(8)と、
を含む、アンチロック制御装置(12)を有する油圧式車両ブレーキ装置(1)の作動方法において、
アンチロック制御の間、前記ブレーキ力増幅装置(13)の外力が低減されることを特徴とするアンチロック制御装置を有する油圧式車両ブレーキ装置の作動方法。
【請求項2】
車両ブレーキ装置(1)が電気機械式ブレーキ力増幅装置(13)を有することを特徴とする請求項1に記載の作動方法。
【請求項3】
アンチロック制御装置(12)が少なくとも1つの遮断弁(3)を有し、遮断弁(3)を介して車両ブレーキ装置(1)がマスタ・ブレーキ・シリンダ(2)に接続されていること、および
車輪滑り制御において前記遮断弁(3)が閉鎖されたとき、前記ブレーキ力増幅装置が遮断されること、
を特徴とする請求項1に記載の作動方法。
【請求項4】
アンチロック制御の間、ブレーキ力増幅装置(13)の外力は、車両ブレーキ装置(1)の車輪ブレーキ(4)内の車輪ブレーキ圧力の関数として、マスタ・ブレーキ・シリンダ圧力が車輪ブレーキ(4)内の最高車輪ブレーキ圧力より小さくないように制御されることを特徴とする請求項1に記載の作動方法。
【請求項5】
アンチロック制御の間、ブレーキ力増幅装置(13)の外力は、車両車輪がロックされたときのロック圧力の関数として、マスタ・ブレーキ・シリンダ圧力が前記ロック圧力より小さくないように制御されることを特徴とする請求項1に記載の作動方法。
【請求項6】
アンチロック制御装置(12)が油圧ポンプ(9)を有し、油圧ポンプ(9)の吸込側はブレーキ降圧弁(8)に、および油圧ポンプ(9)の吐出側はブレーキ昇圧弁(6)とマスタ・ブレーキ・シリンダ(2)との間に接続されていること、および
アンチロック制御の間、油圧ポンプ(9)が運転されたとき、前記ブレーキ力増幅装置(13)の特性変数が操作/制御されること、を特徴とする請求項1に記載の作動方法。
【請求項7】
前記ブレーキ力増幅装置(13)の位置またはブレーキ力増幅装置(13)の電動機(14)のトルクが制御/操作されることを特徴とする請求項6に記載の作動方法。
【請求項8】
アンチロック制御装置(12)が油圧ポンプ(9)を有し、油圧ポンプ(9)の吸込側はブレーキ降圧弁(8)に、および油圧ポンプ(9)の吐出側はブレーキ昇圧弁(6)とマスタ・ブレーキ・シリンダ(2)との間に接続されていること、および
アンチロック制御の間、油圧ポンプ(9)が運転されたとき、前記ブレーキ力増幅装置(13)の外力が、油圧ポンプ(9)の吐出側と吸込側との間の圧力差の関数として上昇されること、を特徴とする請求項1に記載の作動方法。

【図1】
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【公表番号】特表2012−517377(P2012−517377A)
【公表日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−549449(P2011−549449)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【国際出願番号】PCT/EP2009/067029
【国際公開番号】WO2010/091756
【国際公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【出願人】(591245473)ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (591)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【Fターム(参考)】