説明

イソインドリン化合物及びそれらの使用法

新規イソインドリン化合物が開示される。この化合物を使用し、癌、望ましくない血管新生に関連した又はこれを特徴とする疾患及び障害、又はPDE4により媒介された疾患及び障害を治療、予防及び/又は管理する方法も開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(1. 発明の技術分野)
本発明は、新規イソインドリン化合物、並びに癌、及び限定されるものではないが、望ましくない血管新生に関連したもしくはこれにより特徴付けられるもの、及び/又はPDE4阻害により媒介されるものを含む、他の疾患及び障害の治療、予防及び/又は管理におけるその使用法に関する。
【背景技術】
【0002】
(2. 発明の背景)
(2.1癌及び他の疾患の病理生物学)
癌は、所定の正常組織に由来する異常な細胞数の増加、これらの異常な細胞による隣接組織の浸潤、又は隣接リンパ節及び遠位部へのリンパもしくは血液運搬する悪性細胞の播種(転移)により主に特徴付けられる。臨床データ及び分子生物学的研究は、癌は、わずかな前癌性変化で始まり、これがある条件下で新生物に進行する多工程プロセスであることを指摘している。新生物性病巣は、クローン性に進展し、並びに特に新生物細胞は宿主の免疫監視を逃れるような条件下で、侵襲、成長、転移及び異質性の能力の増大を生じる。Roitt, I.、Brostoff, J及びKale, D.の論文、Immunology, 17.1-17.12 (第3版, Mosby, セントルイス, ミズーリ州, 1993)。
【0003】
医学文献に詳細に説明された多くの様々な癌が存在する。例として、肺、結腸、直腸、前立腺、乳房、脳、及び小腸の癌を含む。癌の発生は、一般的集団が高齢化するにつれ、新規癌が発現するにつれ、及び易罹患性集団(例えば、AIDS罹患者又は太陽光に過剰に曝された人)が成長するにつれ、上昇し続ける。従って癌患者を治療するために使用することができる新規方法及び組成物に関する途方もない要求が存在する。
【0004】
多くの種類の癌が、血管新生として公知のプロセスである、新たな血管形成に関連している。腫瘍誘導型血管新生に関連したいくつかの機構が、明らかにされている。これらの機構の最大の中で最も直接的なものは、腫瘍細胞による、血管新生特性を伴うサイトカインの分泌である。これらのサイトカインの例は、酸性及び塩基性線維芽細胞増殖因子(a,b-FGF)、アンギオゲニン、血管内皮増殖因子(VEGF)、及びTNF-αがある。あるいは、腫瘍細胞は、プロテイナーゼの生成、及びそれに続くいくつかのサイトカインが貯蔵されている(例えば、b-FGF)細胞外マトリックスの破壊により、血管新生ペプチドを放出することができる。血管新生は、炎症細胞(特にマクロファージ)の動員及びそれに続くそれらの血管新生サイトカイン(例えば、TNF-α、bFGF)の放出により、間接的に誘導されることもできる。
【0005】
様々なその他の疾患及び障害も、望ましくない血管新生に関連しているか又はこれを特徴としている。例えば、増強された又は調節されない血管新生は、多くの疾患及び病態に関与しており、これは、眼球の血管新生疾患、脈絡膜の血管新生疾患、網膜の血管新生疾患、ルベオーシス(偶角の血管新生化)、ウイルス疾患、遺伝病、炎症疾患、アレルギー疾患、及び自己免疫疾患を含むが、これらに限定されるものではない。このような疾患及び状態の例は、糖尿病性網膜症;未熟児網膜症;角膜移植拒絶反応;血管新生緑内障;水晶体後線維増殖症;及び、増殖性硝子体網膜症を含むが、これらに限定されるものではない。
従って血管新生を制御するか又はTNF-αを含むある種のサイトカインの生成を阻害することができる化合物は様々な疾患及び状態の治療及び予防において有用であることができる。
【0006】
(2.2 治療法)
現在の癌療法は、患者の新生物細胞を根絶するための、手術、化学療法、ホルモン療法及び/又は放射線療法に関連している(例えば、Stoekdaleの論文, 1998年, 「Medicine」、第3巻、Rubenstein及びFederman編集、12章IV項参照)。最近、癌療法は、生物学的療法又は免疫療法にも関連している。これらの方法は全て、患者にとって重大な欠点を有する。例えば手術は、患者の健康状態により禁忌であるか、又は患者にとって受け入れ難いことがある。加えて手術は、新生物組織を完全に取り除くことができないことがある。放射線療法は、新生物組織が、放射線照射に対し正常組織よりもより高い感度を示す場合にのみ有効である。放射線療法は、重篤な副作用を誘発することも多い。ホルモン療法が、単独の作用物質として投与されることは稀である。ホルモン療法が有効であるとしても、これは、他の処置が癌細胞の大半を除去した後に、癌の再発を防止又は遅延するために使用されることが多い。生物学的療法及び免疫療法は、数が限定され、並びに発赤又は腫脹、発熱、悪寒及び疲労を含む流感様症状、消化管の問題又はアレルギー反応などの副作用を生じることがある。
【0007】
化学療法に関して、癌の治療に利用可能な様々な化学療法薬が存在する。癌化学療法の大半は、DNA複製及び付随する細胞分裂を防止するために、直接的、又はデオキシリボヌクレオチド三リン酸前駆体の生合成を阻害することによる間接的のいずれかで、DNA合成を阻害することにより、作用する。Gilmanらの著書、「Goodman and Gilman's: The Pharmacological Basis of Therapeutics」第10版(McGraw Hill, ニューヨーク)。
【0008】
様々な化学療法薬が利用可能であるが、化学療法は多くの欠点を有する。Stockdaleの著書、「Medicine」、第3巻、Rubenstein及びFederman編集、12章10項、1998年。ほとんど全ての化学療法薬は毒性があり、化学療法は、重度の悪心、骨髄抑制及び免疫抑制を含む重大な、時には危険な副作用を引き起こす。加えて、例え化学療法薬の併用投与であったとしても、多くの腫瘍細胞は、それらの化学療法薬に対する耐性があるか又は耐性を生じる。実際、治療プロトコルで使用される特定の化学療法薬に対し耐性がある細胞は、他の薬物に対しても耐性があることがしばしば証明されており、これは例えそれらの物質が、この特定の治療において使用される薬物とは異なる機序により作用したとしてもである。この現象は、多面的薬物耐性又は多剤耐性と称されている。薬物耐性のために、多くの癌は、標準の化学療法プロトコルに対し難治性であることが証明されている。
【0009】
望ましくない血管新生に関連した又はこれを特徴とする他の疾患又は状態も、治療が困難である。しかしプロタミン、ヘパリン及びステロイドなどの一部の化合物は、ある種の特定疾患の治療に有用であることが提唱されている。Taylorらの論文、Nature, 297:307 (1982);Folkmanらの論文、Science, 221:719 (1983);及び、米国特許第5,001,116号及び第4,994,443号。サリドマイド及びそのある種の誘導体が、そのような疾患及び状態の治療に関して提唱されている。D'Amatoの米国特許第5,593,990号、第5,629,327号、第5,712,291号、第6,071,948号及び第6,114,355号。有効であることが報告されている追加の化合物は、米国特許第6,380,239号及び第6,326,388号に開示されており、これらは両方とも本願明細書に参照により全体として組入れられている。
【0010】
更に従来の療法に関連した毒性及び/又は副作用を軽減又は避けながら、癌並びに他の疾患及び状態、特に手術、放射線療法、化学療法及びホルモン療法などの標準治療に対し難治性である疾患を、治療、予防及び管理する安全かつ有効な方法の大きい必要性が存在する。
【0011】
(2.3 PDE4)
アデノシン3',5'-サイクリック一リン酸(cAMP)は、喘息及び炎症などであるが、これらに限定されない多くの疾患及び状態において役割を果たす別の酵素である(Lowe及びChengの論文、Drugs of the Future, 17(9), 799-807, 1992)。報告によると炎症白血球におけるcAMPの上昇は、それらの活性化、それに続くTNF-α及び核因子κB(NF-κB)を含む、炎症メディエーターの放出を阻害することが報告されている。増加したレベルのcAMPは、気道平滑筋の弛緩にもつながる。
【0012】
cAMPの失活に関する主要な細胞機構は、サイクリックヌクレオチドホスホジエステラーゼ(PDE)と称されるアイソザイムファミリーによるcAMPの破壊であると考えられている(Beavo及びReitsnyderの論文、Trends in Pharm., 11, 150-155, 1990)。PDEファミリーには12の公知のメンバーが存在する。PDE IV型(PDE4)の阻害は、炎症が媒介した放出の阻害及び気道平滑筋の弛緩の両方において特に有効であることが認められている(Vergheseらの論文、Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics, 272(3), 1313-1320, 1995)。従ってPDE4を特異的に阻害する化合物は、心臓血管系作用又は抗血小板作用のような、望ましくない副作用は最小で、炎症を阻害し、及び気道平滑筋の弛緩を補助することができる。
【0013】
cAMPに特異的であるPDE4ファミリーは、現在最大であり、並びに少なくとも4種のアイソザイム(a-d)、及び複数のスプライシング変種により構成される(Houslay, M.D.らの論文、Advances in Pharmacology 44, J. Augustらの編集、p.225, 1998)。多くの様々なプロモーターにより調節された細胞特異的パターンで発現される20種を超えるPDE4アイソフォームが存在し得る。選択的PDE4インヒビターが求められる病態は以下である:喘息、アトピー皮膚炎、鬱病、再潅流損傷、敗血症性ショック、毒素ショック、内毒素ショック、成人呼吸窮迫症候群、自己免疫性糖尿病、尿崩症、多発脳梗塞性痴呆、AIDS、癌、クローン病、多発硬化症、脳虚血、乾癬、移植片拒絶反応、再狭窄、潰瘍性大腸炎、悪液質、大脳マラリア、アレルギー性鼻腔結膜炎、骨関節炎、関節リウマチ、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎、好酸球(cosinophilic)肉芽腫、及び自己免疫脳脊髄炎(Houslayらの論文、1998)。PDE4は、脳細胞及び主要炎症細胞に存在し、特にアトピー性皮膚炎又は湿疹、喘息、及び枯草熱を含む、多くの疾患において異常に上昇したレベルが認められている(OHSU flyer、及びJ. of Allergy and Clinical Immunology, 70: 452-457,1982、Greweら参照)。アトピー性疾患に罹患した個体において、上昇したPDE4活性が、個体の末梢血液単核白血球、T細胞、マスト細胞、好中球及び好塩基球において認められる。この増加したPDE活性は、cAMPレベルを低下し、これらの細胞におけるcAMP制御の破壊を生じる。これは、罹患した個体の血液及び組織において増強された免疫応答を生じる。
【0014】
一部のPDE4インヒビターは、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)及び他のアレルギー性障害、例えばアトピー性皮膚炎及び枯草熱のモデルにおいて、目立った活性を伴う抗炎症活性の広いスペクトルを有することが報告されている。使用されるPDE4インヒビターは、テオフィリン、ロリプラム、デンブフィリン、ARIFLO、ROFLUMILAST、CDP 840(トリ-アリールエタン)及びCP80633(ピリミドン)を含む。PDE4インヒビターは、好酸球反応に影響を及ぼし、好塩基球ヒスタミン放出を減少し、IgE、PGE2、IL10合成を低下し、及び抗CD3が刺激するIL-4産生を減少することが示されている。同様にPDE4インヒビターは、好中球機能をブロックすることが示されている。好中球は、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)及び他のアレルギー性障害において大きな役割を果たす。PDE4インヒビターは、肺の構造を破壊し、その結果気道機能を破壊する好中球に関連した、接着分子、活性酸素種、インターロイキン(IL)-8及び好中球エラスターゼの放出を阻害することが示されている。PDE4インヒビターは、多機能性経路に影響を及ぼし、複数の免疫及び炎症の経路に作用し、並びに多数の免疫メディエーターの合成又は放出に影響を及ぼす。J.M. Hanifin及びS.C. Chanの論文「Atopic Dermatitis-Therapeutic Implication for New Phosphopodiesterase Inhibitors」、Monocyte Dysregulation of T Cells in AACI News, 7/2, 1995;J.M. Hanifin らの論文、「Type 4 Phosphodiesterase Inhibitors Have clinical and インビトロ Anti-inflammatory Effects in Atopic Dermatitis」、Journal of Investigative Dermatology, 1996, 107, pp51-56。
【0015】
第一世代のPDE4インヒビターの一部は、PDE4活性の阻害、並びにこの酵素の過剰発現により引き起こされた多くの炎症問題の改善において有効である。しかし、それらの有効性は、特に全身使用された場合に、悪心及び吐気などの副作用により限定される。Huangらの論文、Curr. Opin. In Chem. Biol. 2001, 5:432-438。実際今日までに開発された多くのPDE4インヒビターは、例えば、頭痛、悪心/嘔吐、及び胃液分泌などの、中枢神経系及び胃腸の副作用を伴う小型分子化合物である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明はイソインドリン化合物及びそれらの使用方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
(3. 発明の概要)
本発明は、新規イソインドリン化合物、並びにその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ、及び立体異性体を包含している。
本発明は、癌を治療及び予防する方法も包含している。本発明は、原発性及び転移性癌、更には従来の化学療法に対し不応性又は抵抗性である癌を含む、ある型の癌を治療及び予防する方法も包含している。これらの方法は、治療的又は予防的有効量の本発明の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、立体異性体、もしくはプロドラッグを、そのような治療又は予防が必要な患者へ投与することを含む。
【0018】
本発明は、癌を管理する(例えば、その再発を防止するかもしくは延ばす、又は寛解時間を延長する)方法も包含しており、これは、予防的有効量の本発明の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接体、もしくはプロドラッグを、そのような管理の必要な患者へ投与することを含む。
特定の本発明の方法において、本発明の化合物は、癌を治療、予防又は管理するために通常使用される療法と組合せて投与される。そのような従来の療法の例は、手術、化学療法、放射線療法、ホルモン療法、生物学的療法、及び免疫療法を含むが、これらに限定されるものではない。
【0019】
本発明は、望ましくない血管新生に関連するか又はこれを特徴としている癌以外の疾患及び障害を治療、管理及び予防する方法も包含しており、これは治療的又は予防的有効量の本発明の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接体、もしくはプロドラッグを、そのような治療、管理又は予防が必要な患者へ投与することを含む。
本発明は、PDE4により媒介された疾患及び障害を治療、管理及び予防する方法も包含しており、これは、治療的又は予防的有効量の本発明の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接体、もしくはプロドラッグを、そのような治療、管理又は予防が必要な患者へ投与することを含む。
【0020】
別の本発明の方法において、本発明の化合物は、望ましくない血管新生又はPDE4による媒介に関連又はこれを特徴とする疾患又は障害を治療、予防又は管理するために通常使用される療法と組合せて投与される。そのような従来の療法の例は、手術、化学療法、放射線療法、ホルモン療法、生物学的療法、及び免疫療法を含むが、これらに限定されるものではない。
本発明は、本発明の化合物、及び任意に第二の又は追加の活性物質を含有する、医薬組成物、単位剤形、投薬計画及びキットを包含している。第二の活性物質は、薬物の特定の組合せ、又は「カクテル」を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(4. 発明の詳細な説明)
本発明は、本願明細書に説明された新規イソインドリン化合物、及びその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ、及び立体異性体を包含している。
本発明の別の実施態様は、治療的又は予防的有効量の本発明の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接体、もしくはプロドラッグを、そのような治療又は予防が必要な患者へ投与することを投与することを含む、癌を治療、管理又は予防する方法を包含している。
【0022】
この実施態様に含まれた特定の方法において、本発明の化合物は、他の薬理学的活性物質("第二の活性物質")と組合せて、又は癌を治療、管理又は予防する他の方法と共に投与される。本発明の化合物の投与と組合せて使用することができる方法又は療法は、癌を治療、予防又は管理するために現在使用される、手術、輸血、免疫療法、生物学的療法、放射線療法、及び他の薬物ベースでない療法を含むが、これらに限定されるものではない。
【0023】
本発明の別の実施態様は、望ましくない血管新生を特徴とする癌以外の疾患及び障害を治療、管理又は予防する方法を包含している。これらの方法は、治療的又は予防的有効量の本発明の化合物の投与を含む。
望ましくない血管新生に関連した又はこれを特徴とする疾患及び障害の例は、炎症疾患、自己免疫疾患、ウイルス疾患、遺伝病、アレルギー疾患、細菌疾患、眼内血管新生疾患、脈絡膜の血管新生疾患、網膜の血管新生疾患、及びルベオーシス(偶角の血管新生)を含むが、これらに限定されるものではない。望ましくない血管新生に関連した又はこれを特徴とする疾患及び障害の具体例は、子宮内膜症、クローン病、心不全、進行した心不全、腎不全、内毒血症、毒素ショック症候群、骨関節炎、レトロウイルス複製、るいそう、髄膜炎、シリカ誘導型線維症、アスベスト誘導型線維症、獣医学障害、悪性疾患随伴性高カルシウム血症、脳卒中、循環系ショック、歯周炎、歯肉炎、大球性貧血、不応性貧血、及び5q-症候群を含むが、これらに限定されるものではない。
【0024】
別の本発明の実施態様は、本発明の化合物をPDE4と接触することを含む、PDE4を阻害又は低下する方法を包含する。この発明は、本発明の化合物を患者へ投与することを含む、患者(例えばヒト)においてPDE4レベル又は活性を阻害又は低下する方法も包含している。本発明は、治療的又は予防的有効量の本発明の化合物を投与することを含む、PDE4により媒介された疾患及び障害を治療、管理又は予防する方法も包含している。
【0025】
PDE4により媒介された疾患及び障害の例は、喘息、アトピー性皮膚炎、鬱病、再潅流損傷、敗血症性ショック、毒素ショック、内毒素ショック、成人呼吸窮迫症候群、自己免疫性糖尿病、尿崩症、多発梗塞性痴呆、AIDS、癌、クローン病、多発性硬化症、脳虚血、乾癬、移植拒絶反応、再狭窄、潰瘍性大腸炎、悪液質、大脳マラリア、アレルギー性鼻腔結膜炎、骨関節炎、関節リウマチ、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎、好酸球性肉芽腫、及び自己免疫脳脊髄炎を含むが、これらに限定されるものではない。
【0026】
この実施態様に包含された特定の方法において、本発明の化合物は、第二の活性物質と組合せて、又は疾患又は状態を治療、管理又は予防する他の方法に加えて、投与される。第二の活性物質は、その例が本願明細書に提供されたような小型分子及び大型分子(例えばタンパク質及び抗体)、更には幹細胞を含む。本発明の化合物の投与と組合せて使用することができる方法又は療法は、望ましくない血管新生に関連した又はこれを特徴とする疾患及び状態を治療、予防又は管理するために現在使用される、手術、輸血、免疫療法、生物学的療法、放射線療法、及び他の薬物ベースでない療法を含むが、これらに限定されるものではない。
本発明は、本願明細書に開示された方法において使用することができる医薬組成物(例えば、単位剤形)も包含している。特定の医薬組成物は、本発明の化合物及び任意の第二の活性物質を含有している。
【0027】
(4.1 発明の化合物)
本発明は、本願明細書において説明された、新規イソインドリン化合物、並びにその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ、及び立体異性体を包含している。
ひとつの実施態様において、本発明は、式Iの化合物、並びにその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ、及び立体異性体を包含している:
【化1】

【0028】
(式中、C*と記された炭素原子は、nが0ではなく、及びR1はR2と同じではない場合に、キラル中心を構成し;X1及びX2の一方は、アミノ、ニトロ、炭素1〜6個のアルキル、又はNH-Zであり、他方のX1及びX2は、水素であり;R1及びR2の各々は他方から独立して、ヒドロキシ又はNH-Zであり;R3は、水素、炭素1〜6個のアルキル、ハロ、又はハロアルキルであり;Zは、水素、アリール、炭素1〜6個のアルキル、ホルミル、又は炭素1〜6個のアシルであり;並びに、nは、0、1又は2の値を有し、但しX1がアミノであり、及びnは1又は2であるならば、R1及びR2は両方ともヒドロキシではない。)。
【0029】
別の実施態様において、本発明は、式IIの化合物、並びにその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ、及び立体異性体を包含している:
【化2】

【0030】
(式中、C*と記された炭素原子は、nが0ではなく、及びR1はR2ではない場合に、キラル中心を構成し;X1及びX2の一方は、アミノ、ニトロ、炭素1〜6個のアルキル、又はNH-Zであり、他方のX1及びX2は、水素であり;R1及びR2の各々は他方から独立して、ヒドロキシ又はNH-Zであり;R3は、炭素1〜6個のアルキル、ハロ、又は水素であり;Zは、水素、アリール、又は炭素1〜6個のアルキルもしくはアシルであり;並びに、nは、0、1又は2の値を有する。)。
【0031】
具体例は、各々、下記構造を有する2-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-4-カルバモイル-酪酸、及び4-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-4-カルバモイル-酪酸、並びにそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ、及び立体異性体を含むが、これらに限定されるものではない;
【化3】

【0032】
他の代表的化合物は、下記式であり:
【化4】

【0033】
(式中、C*と記された炭素原子は、nが0ではなく、及びR1はR2ではない場合に、キラル中心を構成し;X1及びX2の一方は、アミノ、ニトロ、炭素1〜6個のアルキル、又はNH-Zであり、他方のX1及びX2は、水素であり;R1及びR2の各々は他方から独立して、ヒドロキシ又はNH-Zであり;R3は、炭素1〜6個のアルキル、ハロ、又は水素であり;Zは、水素、アリール、炭素1〜6個のアルキルもしくはアシル、又はフラニルアルキルであり、このときアルキルは1〜6個の炭素を有し;並びに、nは、0、1又は2の値を有する。);並びに、その医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ、及び立体異性体である。
【0034】
具体例は、4-カルバモイル-4-{4-[(フラン-2-イル-メチル)-アミノ]-1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル}-酪酸、4-カルバモイル-2-{4-[(フラン-2-イル-メチル)-アミノ]-1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル}-酪酸、2-{4-[(フラン-2-イル-メチル)-アミノ]-1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル}-4-フェニルカルバモイル-酪酸、及び2-{4-[(フラン-2-イル-メチル)-アミノ]-1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル}-ペンタンジオン酸を含むが、これらに限定されるものではなく、これらは各々下記構造を有し、並びにその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ、及び立体異性体である:
【0035】
【化5】

【0036】
別の化合物の具体例は、下記式であり:
【化6】

【0037】
(式中、X1及びX2の一方は、ニトロ、又はNH-Zであり、他方のX1及びX2は、水素であり;
R1及びR2の各々は他方から独立して、ヒドロキシ又はNH-Zであり;R3は、炭素1〜6個のアルキル、ハロ、又は水素であり;
Zは、水素、フェニル、炭素1〜6個のアシル、又は炭素1〜6個のアルキルであり;並びに
nは、0、1又は2の値を有し;但し
X1及びX2の一方がニトロであり、nが1又は2であるならば、R1及びR2はヒドロキシ以外であり;並びに
-COR1及び-(CH2)nCOR2が異なるならば、C*と記された炭素原子は、キラル中心を構成する。)。他の代表的化合物は、下記式であり:
【0038】
【化7】

(式中、X1及びX2の一方は、炭素1〜6個のアルキルであり;
R1及びR2の各々は他方から独立して、ヒドロキシ又はNH-Zであり;
R3は、炭素1〜6個のアルキル、ハロ、又は水素であり;
Zは、水素、フェニル、炭素1〜6個のアシル、又は炭素1〜6個のアルキルであり;並びに
nは、0、1又は2の値を有し;並びに
-COR1及び-(CH2)nCOR2が異なるならば、C*と記された炭素原子は、キラル中心を構成する。)。
【0039】
別の実施態様において、本発明は、式IIIの化合物、並びにその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ、及び立体異性体を包含し:
【化8】

【0040】
(式中、*と記された炭素原子は、キラル中心を構成し;
Yは、C=O、CH2、SO2又はCH2C=Oであり;Xは、水素、又は炭素原子1〜4個のアルキルであり;
(i) R1、R2、R3、及びR4の各々は、他から独立して、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、アセチル、炭素原子1〜8個のアルキル、炭素原子1〜4個のアルコキシ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、-CH2NR8R9、-(CH2)2NR8R9、もしくは-NR8R9であるか、又は
(ii)隣接炭素原子上のR1、R2、R3、及びR4の任意の2個は、それらが結合した描かれたベンゼン環と共に、ナフチリデン、キノリン、キノキサリン、ベンズイミダゾール、ベンゾジオキソール又は2-ヒドロキシベンズイミダゾールであり;
R5及びR6の各々は、他方から独立して、水素、炭素原子1〜4個のアルキル、炭素原子1〜6個のアルコキシ、シアノ、ベンゾシクロアルコキシ、最大18個の炭素原子のシクロアルコキシ、最大18個の炭素原子のビシクロアルコキシ、最大18個の炭素原子のトリシクロアルコキシ、又は最大18個の炭素原子のシクロアルキルアルコキシであり;
(i) R8及びR9の各々は、他方から独立して、水素、炭素原子1〜8個のアルキル、フェニル、ベンジル、ピリジル、ピリジルメチルであるか;又は
(ii) R8及びR9の一方は水素であり、及び他方は、-COR10、又は-SO2R10ーであり、ここでR10は、水素、炭素原子1〜8個のアルキル、シクロアルキル、最大6個の炭素原子のシクロアルキルメチル、フェニル、ピリジル、ベンジル、イミダゾリルメチル、ピリジルメチル、NR11R12、又はCH2NR14R15であり、ここでR11及びR12は、互いに独立して、水素、炭素原子1〜8個のアルキル、フェニル、又はベンジルであり、並びにR14及びR15は、互いに独立して、水素、メチル、エチル、もしくはプロピルであるか;又は
(iii)R8及びR9は、一緒に、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、-CH=NCH=CH-、又は-CH2CH2X1CH2CH2-である(式中、X1は、-O-、-S-、又は-NH-である。)。)。
【0041】
具体例は、下記化学構造を有する、シクロプロパンカルボン酸{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシ-フェニル)-2-[1,3,4]オキサジアゾール-2-イル-エチル]-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-イル}-アミド、並びにその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ、及び立体異性体を含むが、これらに限定されるものではない:
【化9】

【0042】
特に指示がない限りは本願明細書において使用される用語「医薬として許容し得る塩」は、その用語が意味する化合物の無毒の酸及び塩基付加塩を包含している。許容し得る無毒の酸付加塩は、当該技術分野において公知の有機及び無機の酸又は塩基に由来するものを含み、これは例えば、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、メタンスルホン酸、酢酸、酒石酸、乳酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、ソルビン酸、アコニット酸、サリチル酸、フタル酸、エンボリ酸(embolic acid)、エナント酸などを含む。
【0043】
事実上酸性の化合物は様々な医薬として許容し得る塩基と共に、塩を形成することが可能である。そのような酸性化合物の医薬として許容し得る塩基付加塩を調製するために使用することができる塩基は、無毒の塩基付加塩、すなわち例えばアルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩及び特にカルシウム、マグネシウム、ナトリウム又はカリウム塩などであるが、これらに限定されない、薬理学的に許容し得るカチオンを含有する塩を形成するものである。適当な有機塩基は、N,N-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルマイン(N-メチルグルカミン)、リシン、及びプロカインを含むが、これらに限定されるものではない。
【0044】
一部の化合物の中性型は、塩と塩基又は酸を接触し、及び通常の方法で親化合物を単離することにより生成することができる。化合物の親型は、極性溶媒中の溶解度などのある種の物理特性がその様々な塩の形とは異なるが、しかしこれらの塩は、典型的にはその化合物の親型と本発明の目的に関しては同等である。
【0045】
特に指示がない限りは本願明細書において使用される用語「プロドラッグ」は、生物学的条件下(インビトロ又はインビボ)で、加水分解、酸化又はそれ以外の反応を行い、この化合物を生成することができる化合物の誘導体を意味する。プロドラッグの例は、生体加水分解可能なアミド、生体加水分解可能なエステル、生体加水分解可能なカルバマート(カルバミン酸又はエステル)、生体加水分解可能なカルボナート(炭酸塩又はエステル)、生体加水分解可能なウレイド、及び生体加水分解可能なホスファート(リン酸塩又はエステル)のアナログなどの、生体加水分解可能な部分を含む本発明の化合物の誘導体を含むが、これらに限定されるものではない。他のプロドラッグの例は、-NO、-NO2、-ONO、又は-ONO2部分を含む、本発明の化合物の誘導体を含む。プロドラッグは典型的には、1 Burger's Medicinal Chemistry and Drug Discovery, 172-178, 949-982 (Manfred E. Wolff編集、第5版、1995)、及びDesign of Prodrugs (H. Bundgaard編集、Elselvier, ニューヨーク 1985)に説明されたもののような、周知の方法を用い、調製することができる。
【0046】
特に指示がない限りは、本願明細書において使用される用語「生体加水分解可能なアミド」、「生体加水分解可能なエステル」、「生体加水分解可能なカルバマート」、「生体加水分解可能なカルボナート」、「生体加水分解可能なウレイド」、及び「生体加水分解可能なホスファート」は、各々、1)本化合物の生物学的活性と干渉しないが、その化合物に取り込み、作用の期間又は作用の開始などの、インビボにおいて有利な特性を付与することができるか;又は、2)生物学的に不活性であるが、インビボにおいて生物学的に活性化合物へ転換される;のいずれかである化合物のアミド、エステル、カルバマート、カルボナート、ウレイド、又はホスファートを意味する。生体加水分解可能なエステルの例は、低級アルキルエステル、低級アシルオキシアルキルエステル(アセトキシルメチル、アセトキシエチル、アミノカルボニルオキシメチル、ピバロイルオキシメチル、及びピバロイルオキシエチルエステルなど)、ラクトニルエステル(フタリジル及びチオフタリジルエステルなど)、低級アルコキシアシルオキシアルキルエステル(メトキシカルボニルオキシメチル、エトキシカルボニルオキシエチル及びイソプロポキシカルボニルオキシエチルエステルなど)、アルコキシアルキルエステル、クロリンエステル、及びアシルアミノアルキルエステル(アセトアミドメチルエステルなど)を含むが、これらに限定されるものではない。生体加水分解可能なアミドの例は、低級アルキルアミド、α-アミノ酸アミド、アルコキシアシルアミド、及びアルキルアミノアルキルカルボニルアミドを含むが、これらに限定されるものではない。生体加水分解可能なカルバマートの例は、低級アルキルアミン、置換されたエチレンジアミン、アミノ酸、ヒドロキシアルキルアミン、ヘテロ環式及びヘテロ芳香環式アミン、及びポリエーテルアミンを含むが、これらに限定されるものではない。
【0047】
本発明の様々な化合物は、1個又は複数のキラル中心を有し、及びエナンチオマーのラセミ混合物又はジアステレオマー混合物として存在することができる。本発明は、立体的に純粋な形のそのような化合物の使用に加え、それらの形の混合物の使用を包含している。例えば、本発明の化合物のエナンチオマーを同等又は非同等の量含有する混合物を、本発明の方法及び組成物において使用することができる。本願明細書に開示された特定の化合物の精製された(R)又は(S)エナンチオマーは、その他方のエナンチオマーを実質的に含まずに使用することができる。
【0048】
特に指示がない限りは本願明細書において使用される用語「立体的に純粋」は、化合物のひとつの立体異性体を含み、及びその化合物の他の立体異性体は実質的に含まないような組成を意味する。例えば1個のキラル中心を有する化合物の立体的に純粋な組成は、その化合物の反対のエナンチオマーは実質的に含まないであろう。2個のキラル中心を有する化合物の立体的に純粋な組成は、この化合物の他方のジアステレオマーを実質的に含まないであろう。典型的な立体的に純粋な化合物は、約80質量%よりも多い化合物の一方の立体異性体及び約20質量%未満の化合物の他方の立体異性体を含み、より好ましくは約90質量%よりも多い化合物の一方の立体異性体及び約10質量%未満の化合物の他方の立体異性体を含み、更により好ましくは約95質量%よりも多い化合物の一方の立体異性体及び約5質量%未満の化合物の他方の立体異性体を含み、最も好ましくは約97質量%よりも多い化合物の一方の立体異性体及び約3質量%未満の化合物の他方の立体異性体を含む。
【0049】
特に指示がない限りは本願明細書において使用される用語「立体的にリッチな」とは、約60質量%よりも多い化合物の一方の立体異性体、好ましくは約70質量%よりも多い、より好ましくは約80質量%よりも多い化合物の一方の立体異性体を含む組成を意味する。
特に指示がない限りは本願明細書において使用される用語「エナンチオマー的に純粋」は、1個のキラル中心を有する化合物の立体的に純粋な組成を意味する。同様に用語「エナンチオマー的にリッチは」は、1個のキラル中心を有する化合物が立体的にリッチな組成を意味する。
【0050】
本発明のある化合物は、非溶媒和型に加え、水和型を含む溶媒和型で存在することができる。一般に、溶媒和型は、非溶媒和型と同等である。本発明のある化合物は、多晶型又は非晶質型で存在することができる。一般にすべての物理的形は、本発明により企図された用途に関して同等であり、並びに本発明に包含される。
本発明のある化合物は、不斉炭素原子(光学中心又は立体中心)又は二重結合を有し;ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、幾何異性体及びそれらの混合物は全て、本発明に包含されることが意図されている。
【0051】
本発明の化合物は、そのような化合物を構成している原子の1種又は複数において原子同位体を自然でない割合で含むこともできる。例えば、この化合物は、例えばトリチウム(3H)、ヨウ素-125(125I)又は炭素-14(14C)などの、放射性同位元素により放射標識することができる。放射標識された化合物は、癌治療薬のような治療薬、アッセイ試薬のような研究用試薬、及びインビボ造影剤のような診断薬として有用である。本発明の化合物の全ての同位体変動は、放射性であるかどうかに関わらず、本発明の範囲に包含されることが意図されている。
【0052】
描写された構造及びその構造に与えられた名称の間で矛盾が存在する場合は、描かれた構造により重きが置かれる点に注意しなければならない。加えて例えば太線又は点線により、構造又は構造の一部の立体化学が示されていない場合は、その構造又は構造の一部は、その全ての立体異性体を包含するように理解されなければならない。
【0053】
(4.2 第二の活性物質)
本発明の方法及び組成物において、本発明の化合物は、他の薬理学的活性化合物("第二の活性物質")と組合せることができる。ある組合せは、癌の特定型並びに望ましくない血管新生に関連した又はこれを特徴とするある種の疾患及び状態の治療において相乗的に作用すると考えられる。本発明の化合物は、ある種の第二の活性物質に付随する有害作用を緩和するように働くことができ、及び一部の第二の活性物質は、本発明の化合物に付随する可能性のある有害作用を緩和するために使用することができる。
【0054】
1種又は複数の第二の活性成分又は作用物質を、本発明の方法及び組成物において、本発明の化合物と一緒に使用することができる。第二の活性物質は、大型分子(例えば、タンパク質)又は小型分子(例えば、合成の無機分子、有機金属分子、又は有機分子)であることができる。
【0055】
大型分子の活性物質の例は、造血系増殖因子、サイトカイン、並びにモノクローナル及びポリクローナル抗体を含むが、これらに限定されるものではない。この活性物質の具体例は、抗CD40モノクローナル抗体(例えばSGN-40など);ヒストンデアセチラーゼインヒビター(例えばSAHA及びLAQ 824など);熱ショックプロテイン90インヒビター(例えば17-AAGなど);インスリン様増殖因子1受容体キナーゼインヒビター;血管内皮増殖因子受容体キナーゼインヒビター(例えばPTK787など);インスリン増殖因子受容体インヒビター;リゾホスファチジン酸アシルトランスフェラーゼインヒビター;IκBキナーゼインヒビター;p38MAPKインヒビター;EGFRインヒビター(例えば、ゲフィチニブ及びエルロチニブHClなど);HER-2抗体(例えばトラスツズマブ(Herceptin(登録商標))及びペルツズマブ(Omnitarg(商標)));VEGFR抗体(例えばベバシズマブ(Avastin(商標))など);VEGFRインヒビター(例えば flk-1特異キナーゼインヒビター、SU5416及びptk787/zk222584など);P13Kインヒビター(例えばワートマニンなど);C-Metインヒビター(例えばPHA-665752など);モノクローナル抗体(例えばリツキシマブ(Rituxan(登録商標))、トシツモマブ(Bexxar(登録商標))、エドレコロマブ(Panorex(登録商標))及びG250など);並びに、抗TNF-α抗体がある。
【0056】
典型的大型分子活性物質は、天然の又は人工のタンパク質などの、生物学的分子である。本発明において特に有用なタンパク質は、インビトロ又はインビボにおいて造血前駆細胞及び免疫学的活性能がある産生細胞(poietic cell)の生存及び/又は増殖を刺激するタンパク質を含む。他のものは、インビトロ又はインビボにおいて細胞中の関与する赤血球前駆体の分割及び分化を刺激する。具体的なタンパク質は、以下を含むが、これらに限定されるものではない:インターロイキン、例えばIL-2(組換え型IL-II("rIL2")及びカナリポックスIL-2を含む)、IL-10、IL-12、及びIL-18;インターフェロン、例えばインターフェロンα-2a、インターフェロンα-2b、インターフェロンα-n1、インターフェロンα-n3、インターフェロンβ-Ia、及びインターフェロンγ-Ib;GM-CF及びGM-CSF;及び、EPO。
【0057】
本発明の方法及び組成物において使用することができる具体的なタンパク質は、以下を含むが、これらに限定されるものではない:商品名NEUPOGEN(登録商標) ((Amgen, Thousand Oaks, カリフォルニア州)で、米国において販売されている、フィルグラスチム;商品名LEUKINE(登録商標) (Immunex, シアトル, ワシントン州)で米国において販売されている、サルゴラモスチム;並びに、商品名EPOGEN(登録商標) (Amgen, Thousand Oaks, カリフォルニア州)で米国において販売されている組換えEPO。
【0058】
組換え型及び変異型GM-CSFは、米国特許第5,391,485号;第5,393,870号;及び、第5,229,496号に記載の通りに調製することができ;これらは全て本願明細書に参照により組入れられている。組換え型及び変異型G-CSFは、米国特許第4,810,643号;第4,999,291号;第5, 528,823号;及び、第5,580,755号に記載の通りに調製することができ;これらは全て本願明細書に参照により組入れられている。
【0059】
本発明は、未変性の、天然の、及び組換えのタンパク質の使用を包含している。本発明は更に、インビボにおいてそれらが基にしたタンパク質の薬理学的活性の少なくとも一部を発揮する、天然のタンパク質の変異体及び誘導体(例えば修飾型)を包含している。変異体の例は、そのタンパク質の天然の形の対応する残基とは異なる1種又は複数のアミノ酸残基を有するタンパク質を含むが、これらに限定されるものではない。同じく用語「変異体」は、それらの天然の形には通常存在する糖部分を欠いているタンパク質を包含する(例えば、非グリコシル化型)誘導体の例は、ペグ化された誘導体及び融合タンパク質、例えばIgG1又はIgG3が、対象のあるタンパク質又はタンパク質の活性部分に融合することにより形成されたタンパク質などを含むが、これらに限定されるものではない。例えば、Penichet, M.L.及びMorrison, S.L.の論文、J. Immunol. Methods 248:91-101 (2001)を参照のこと。
【0060】
大型分子活性物質は、抗癌ワクチンの形で投与されてもよい。例えば、IL-2、G-CSF、及びGM-CSFなどのサイトカインを分泌するか、又は分泌を引き起こすワクチンは、本発明の方法、医薬組成物、及びキットにおいて使用することができる。例えば、Emens, L.A.らの論文、Curr. Opinion Mol. Ther. 3(1):77-84 (2001)参照のこと。
【0061】
本発明のひとつの実施態様において、大型分子活性物質は、本発明の化合物の投与に付随する有害作用を低下、排除又は予防する。特定の化合物及び治療される疾患又は障害に応じて、有害作用は、傾眠及び眠気、眩暈及び起立性低血圧、好中球減少症、好中球減少症に起因した感染症、増加したHIV-ウイルス負荷、徐脈、スティーブンズ-ジョンソン症候群及び毒性表皮壊死、並びに発作(例えば、痙攣大発作)を含むが、これらに限定されるものではない。特異的有害作用は、好中球減少症である。
【0062】
小型分子である第二の活性物質は、本発明の化合物の投与に付随する有害作用を緩和するために使用することもできる。しかし一部の大型分子のように、多くは、本発明の化合物と共に(例えば、前、後又は同時に)投与される場合に、相乗作用を提供することが可能であると考えられる。小型分子の第二活性物質の例は、抗癌剤、抗生物質、免疫抑制剤、及びステロイドを含むが、これらに限定されるものではない。
【0063】
抗癌剤の例は、以下を含むが、これらに限定されるものではない:セマキサニブ;シクロスポリン;エタネルセプト;ドキシサイクリン;ボルテゾミブ;アシビシン;アクラルビシン;塩酸アコダゾール;アクロニン;アドゼレシン;アルデスロイキン;アルトレタミン;アムボマイシン;酢酸アメタントロン;アムサクリン;アナストロゾール;アントラマイシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン;アザシチジン;アゼテパ;アゾトマイシン;バチマスタット;ベンゾデパ;ビカルタミド;塩酸ビサントレン;ビスナフィド;ビゼレシン;硫酸ブレオマイシン;ブレキナールナトリウム;ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシン;カルステロン;カラセミド;カルベチメール;カルボプラチン;カルムスチン;塩酸カルビシン;カルゼレシン;セデフィンゴール;セレコキシブ(COX-2インヒビター);クロラムブシル;シロレマイシン(cirolemycin);シスプラチン;クラドリビン;クリスナトールメシレート;シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;ダクチノマイシン;塩酸ダウノルビシン;デシタビン;デキシオルマプラチン(dexormaplatin);デザグアニン;デザグアニンメシレート;ジアジキコン;ドセタキセル;ドキソルビシン;塩酸ドキソルビシン;ドロロキシフェン;クエン酸ドロロキシフェン;プロピオン酸ドロモスタノロン;ヂュアゾマイシン(duazomycin);エダトレキセート;塩酸エフロルニチン;エルサミツルシン(elsamitrucin);エンロプラチン;エンプロメート(enpromate);エピロピジン;塩酸エピルビシン;エルブロゾール;塩酸エソルビシン;エストラムスチン;エストラムスチンリン酸ナトリウム;エタニダゾール;エトポシド;リン酸エトポシド;エトプリン;塩酸ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フロキシウリジン;リン酸フルダラビン;フルオロウラシル;フルオロシタビン;フォスキドン(fosquidone);フォストリエシンナトリウム;ゲムシタビン;塩酸ゲムシタビン;ヒドロキシ尿素;塩酸イダルビシン;イフォスファミド;イルモフォシン;イプロプラチン;イリノテカン;塩酸イリノテカン;酢酸ランレオチド;レトロゾール;酢酸ロイプロリド;塩酸リアロゾール;ロメトレキソールナトリウム;ロムスチン;塩酸ロソキサントロン(losoxantrone);マソプロコール;マイタンシン;塩酸メクロレタミン;酢酸メゲステロール;酢酸メゲストロール;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキセート;メトトレキセートナトリウム;メトプリン;メツレデパ(meturedepa);ミチンドミド;ミトカルシン(mitocarcin);ミトクロミン;ミトギリン;ミトマルシン(mitomalcin);マイトマイシン;ミトスペル(mitosper);ミトタン;塩酸ミトキサントロン;ミコフェノール酸;ノコダゾール;ノガラマイシン;オルマプラチン;オキシスラン;パクリタキセル;ペガスパルガーゼ;ペリオマイシン;ペンタムスチン;硫酸ペプロマイシン;ペルフォスファミド;ピポブロマン;ピポスルファン;塩酸ピロキサントロン;プリカマイシン;プロメスタン;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニムスチン(prednimustine);塩酸プロカルバジン;プロマイシン;塩酸プロマイシン;ピラゾフリン;リボプリン;サフィンゴール;塩酸サフィンゴール;セムスチン;シムトラゼン;スパルフォセートナトリウム;スパルソマイシン;塩酸スピロゲルマニウム;スピロムスチン;スピロプラチン;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェヌル;タリソマイシン;テコガランナトリウム;タキソテレ;テガファー;塩酸テロキサントロン;テモポルフィン;テニポシド;テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン;クエン酸トレミフェン;酢酸トレストロン;リン酸トリシリビン;トリメトレキセート;グルクロン酸トリメトレキセート;トリプトレリン;塩酸ツブロゾール;ウラシルマスタード;ウレデパ;バプレオチド(vapreotide);ベルテポルフィン;硫酸ビンブラスチン;硫酸ビンクリスチン;ビンデシン;硫酸ビンデシン;硫酸ビネピジン;硫酸ビングリシネート;硫酸ビンロイロシン(vinleurosine);酒石酸ビノレルビン;硫酸ビンロシジン(vinrosidine sulfate);硫酸ビンゾリジン;ボロゾール;ゼニプラチン;ジノスタチン;塩酸ゾルビシン。
【0064】
他の抗癌薬は、以下を含むが、これらに限定されるものではない:20-エピ-1,25ジヒドロキシビタミンD3;5-エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アシルフルベン;アデシペノール(adecypenol);アドゼレシン;アルデスロイキン;ALL-TK アンタゴニスト;アルトレタミン;アンバムスチン;アミドックス;アミフォスチン;アミノレブリン酸;アムルビシン;アムサクリン;アナグレリド;アナストロゾール;アンドログラフォリド;血管形成阻害薬;アンタゴニストD;アンタゴニストG.;アンタレリックス;抗背側化形態発生タンパク質-1;抗アンドロゲン前立腺癌治療薬;抗エストロゲン;アンチネオプラストン;アンチセンスオリゴヌクレオチド;アフィジコリングリシン酸塩;アポトーシス遺伝子モジュレーター;アポトーシスレギュレーター;アプリン酸;アラ-CDP-DL-PTBA;アルギニンデアミナーゼ;アスラクリン;アタメスタン;アトリムスチン;アキシナスタチン1;アキシナスタチン2;アキシナスタチン3;アザセトロン;アザトキシン;アザチロシン;バッカチンIII誘導体;バラノール;バチマスタット;BCR/ABLアンタゴニスト;ベンゾクロリン;ベンゾイルスタウロスポリン;βラクタム誘導体;β-アレチン;βクラマイシンB;ベツリン酸;bFGF阻害薬;ビカルタミド;ビサントレン;ビサジリジニルスペルミン;ビスナフィド;ビストラテン(bistratene)A;ビゼレシン;ブレフラート;ブロピリミン;ブドチタン;ブチオニンスルホキシイミン;カルシポトリオール;カルホスチンC;カンプトテシン誘導体;カペシタビン;カルボキサミド-アミノ-トリアゾール;カルボキサミドトリアゾール;CaRest M3;CARN 700;軟骨由来阻害薬;カルゼレシン;カゼインキナーゼ阻害薬(ICOS);カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリックス;クロルリン(chlorins);クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト;cis-ポルフィリン;クラドリビン;クロミフェンアナログ;クロトリマゾール;コリスマイシンA;コリスマイシンB;コンブレタスタチンA4;コンブレタスタチンアナログ;コナゲニン;クランベシジン816;クリスナトール;クリプトフィシン8;クリプトフィシンA誘導体;クラシンA;シクロペンタントラキノン;シクロプラタム;シペマイシン(cypemycin);シタラビンオクホスファート;細胞溶解因子;シトスタチン;ダクリキシマブ(dacliximab);デシタビン;デヒドロジデムニンB(dehydrodidemnib B);デスロレリン;デキサメタゾン;デキシホスファミド;デクスラゾキサン;デクスベラパミル;ジアジコン;ジデムニンB;ジドックス(didox);ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ-5-アザシチジン;ジヒドロタキソール;9-ジオキサマイシン;ジフェニルスピロムスチン;ドセタキセル;ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドキソルビシン;ドロロキシフェン;ドロナビノール;デュオカルマイシンSA;エブセレン;エコムスチン;エデルフォシン;エドレコロマブ;エフロルニチン;エレメン;エミテフル;エピルビシン;エプリステリド;エストラムスチンアナログ;エストロゲンアゴニスト;エストロゲンアンタゴニスト;エタニダゾール;リン酸エトポシド;エキセメスタン;ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスチム;フィナステリド;フラボピリドール;フレゼラスチン;フルアステロン;フルダラビン;塩酸フルオロダウノルニシン(fluorodaunorunicin);フォルフェニメックス(forfenimex);フォルメスタン;フォストリエシン;フォテムスチン;ゴドリニウムタキサフィリン;硝酸ガリウム;ガロシタビン;ガニレリックス(ganirelix);ゼラチナーゼ阻害薬;ゲムシタビン;グルタチオン阻害薬;ヘプサルファム(hepsulfam);ヘレグリン;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ヒペリシン;イバンドロン酸;イダルビシン;イドキシフェン;イドラマントン;イルモフォシン;アイロマスタット;イマチニブ(例えば、Gleevec(登録商標));イミキモド;免疫刺激性ペプチド;免疫刺激性ペプチド;インスリン様成長因子1受容体阻害薬;インターフェロンアゴニスト;インターフェロン;インターロイキン;イオベングアン;ヨードドキソルビシン;イポメアノール;4-イロプラクト;イルソグラジン;イソベンガゾール;イソホモハリコンドリンB;イタセトロン;ジャスプラキノリド;カハラリドF;ラメラリン-Nトリアセテート;ランレオチド;レイナマイシン;レノグラスチム;硫酸レンチナン;レプトルスタチン;レトロゾール;白血病阻害因子;白血球αインターフェロン;ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン;ロイプロレリン;レバミソール;リアロゾール;直鎖ポリアミンアナログ;親油性ジサッカリドペプチド;親油性白金化合物;リソクリンラミド(lissoclinamide)7;ロバプラチン;ロンブリシン;ロメトレキソール;ロニダミン;ロソキサントロン;ロキソリビン;ルルトテカン(lurtotecan);ルテチウムテキサフィリン;リソフィリン;溶解性ペプチド;マイタンシン;マンノスタチンA;マリマスタット;マソプロコール;マスピン;マトリリシン阻害薬;マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害薬;メノガリル;メルバロン;メテレリン;メチオニナーゼ;メトクロプラミド;MIF阻害薬;ミフェプリストン;ミルテフォシン;ミリモスチム;ミトグアゾン;ミトラクトール;マイトマイシンアナログ;ミトナフィド(mitonafide);ミトトキシン (mitotoxin)線維芽細胞増殖因子サポリン;ミトキサントロン;モファロテン;モルグラモスチム;Erbitux, ヒト絨毛性ゴナドトロピン;モノホスホリルリピドA+マイコバクテリア細胞壁sk;モピダモール;マスタード抗癌薬;ミカペルオキシドB;マイコバクテリア細胞壁抽出物;ミリアポロン(myriaporone);N-アセチルジナリン;N-置換ベンズアミド;ナファレリン;ナグレスチップ;ナロキソン+ペンタゾシン;ナパビン;ナフテルピン;ナルトグラスチム;ネダプラチン;ネモルビシン(nemorubicin);ネリドロン酸;ニルタミド;ナイサマイシン(nisamycin);一酸化窒素モジュレーター;ニトロキシド酸化防止剤;ニトルリン(nytrullyn);オブリマーセン(Genasense(登録商標));O6-ベンジルグアニン;オクトレチド;オキセノン;オリゴヌクレオチド;オナプリストン;オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラシン;経口サイトカイン誘導剤;オルマプラチン;オサテロン;オキサリプラチン;オキサウノマイシン;パクリタキセル;パクリタキセルアナログ;パクリタキセル誘導体;パラウアミン;パルミトイルリゾキシン;パミドロン酸;パナキシトリオール;パノミフェン;パラバクチン;パゼリプチン;ペガスパルガーゼ;ペルデシン;ペントサンポリ硫酸ナトリウム;ペントスタチン;ペントロゾール;ペルフルブロン(perflubron);ペルフォスファミド;ペリリルアルコール;フェナジノマイシン;フェニルアセテート;ホスファターゼ阻害薬;ピシバニル;塩酸ピロカルピン;ピラルビシン;ピリトレキシム;プラセチンA;プラセチンB;プラスミノーゲンアクチベーター阻害薬;白金錯体;白金化合物;白金-トリアミン錯体;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニソン;プロピルビス-アクリドン;プロスタグランジンJ2;プロテアソーム阻害薬;プロテインAベースの免疫調節剤;プロテインキナーゼC阻害薬;プロテインキナーゼC阻害薬; ミクロアルガル(microalgal);タンパク質チロシンホスファターゼ阻害薬;プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害薬;プルプリン;ピラゾロアクリジン;ピリドキシル化されたヘモグロビンポリオキシエチレン複合体;rafアンタゴニスト;ラルチトレキセド;ラモセトロン;rasフェルネシルタンパク質転移酵素阻害薬;ras阻害薬;ras-GAP阻害薬;脱メチル化されたレテリプチン;レニウムRe 186エチドロネート;リゾキシン;リボザイム;RIIレチナミド;ログレチミド;ロヒツカイン(rohitukine);ロムルチド;ロキニメックス(roquinimex);ルビギノンB1;ルボキシル;サフィンゴール;サイントピン(saintopin);SarCNU;サルコフィトールA;サルグラモスチム;Sdi 1擬態;セムスチン;セネシン由来の阻害薬1;センスオリゴヌクレオチド;シグナル伝達阻害薬;シゾフィラン;ソブゾキサン;ナトリウムボロカプテート;ナトリウムフェニルアセテート;ソルベロール;ソマトメジン結合タンパク質;ソネルミン;スパルフォシン酸;スピカマイシンD;スピロムスチン;スプレノペンチン(splenopentin);スポンジスタチン1;スクアラミン;スチピアミド(stipiamide);ストロメリシン阻害薬;スルフィノシン;超活性血管作用性腸管ペプチドアンタゴニスト;スラジスタ(suradista);スラミン;スワインソニン;タリムスチン;タモキシフェンメチオジド;タウロムスチン;タザロテン;テコガランナトリウム;テガファー;テルラピリリム;テロメラーゼ阻害薬;テモポルフィン;テニポシド;テトラクロロデカオキシド;テトラゾミン;サリブラスチン(thaliblastine);チオコラリン(thiocoraline);トロンボポイエチン;トロンボポイエチン擬態;サイマルファシン;サイモポイエチン受容体アゴニスト;チモトリナン;甲状腺刺激ホルモン;エチルスズエチオプルプリン;チラパザミン;チタノコンビクロリド;トプセンチン(topsentin);トレミフェン;翻訳阻害薬;トレチノイン;トレチオニン;トリアセチルウリジン;トリシリビン(triciribine);トリメトレキセート;トリプトレリン;トロピセトロン;ツロステリド;チロシンキナーゼ阻害薬;チルホスチン;UBC阻害薬;ウベニメックス;尿生殖器洞由来の増殖阻害因子;ウロキナーゼ受容体アンタゴニスト;バプレオチド;バリオリンB;ベラレソール;ベラミン;ベルジン;ベルテポルフィン(verteporfin);ビノレルビン;ビンキサルチン;ビタキシン;ボロゾール;ザノテロン;ゼニプラチン;ジラスコルブ;及び、ジノスタチンスチマラマー。
【0065】
具体的第二の活性物質は、以下を含むが、これらに限定されるものではない:2-メトキシエストラジオール、テロメスタチン、多発性骨髄腫細胞におけるアポトーシスインデューサー(例えばTRAIL)、スタチン、セマキサニブ、シクロスポリン、エタネルセプト、ドキシサイクリン、ボルテゾミブ、オブリマーセン(Genasense(登録商標))、レミケード、ドセタキセル、セレコキシブ、メルファラン、デキサメタゾン(デカドロン(登録商標))、ステロイド、ゲムシタビン、シスプラチン、テモゾロミド、エトポシド、シクロホスファミド、テモダール、カルボプラチン、プロカルバジン、グリアデル、タモキシフェン、トポテカン、メトトレキサート、アリサ(登録商標)、タキソール、タキソテレ、フルオロウラシル、ロイコボリン、イリノテカン、ゼローダ、CPT-11、インターフェロンα、ペグ化されたインターフェロンα(例えばPEG INTRON-α)、カペシタビン、シスプラチン、チオテパ、フルダラビン、カルボプラチン、リポソームダウノルビシン、シタラビン、ドキセタキソール、パクリタキセル、ビンブラスチン、IL-2、GM-CSF、ダカルバジン、ビノレルビン、ゾレドロン酸、パルミトロネート、ビアキシン、ブスルファン、プレドニソン、ビスホスホネート、三酸化ヒ素、ビンクリスチン、ドキソルビシン(ドキシル(登録商標))、パクリタキセル、ガンシクロビル、アドリアマイシン、エストラムスチンリン酸ナトリウム(Emcyt(登録商標))、スリンダク、及びエトポシド。
【0066】
(4.3 治療及び予防の方法)
本発明の方法は様々な型の癌、望ましくない血管新生に関連した又はこれを特徴とする疾患及び障害、並びにPDE4により媒体された疾患及び障害を治療、予防及び/又は管理する方法を包含しており、これそのような治療、予防及び/又は管理が必要な患者へ有効量の本発明の化合物を投与することを含む。特に指示がない限りは本願明細書において使用される用語「治療する」は、本発明の化合物又は他の追加の活性物質を、特定の疾患又は障害の症状発生後投与することを意味する。特に指示がない限りは本願明細書において使用される用語「予防する」は、特に癌、並びに望ましくない血管新生に関連した又はこれを特徴とする他の疾患及び障害のリスクのある患者に、症状の発生前に、投与することを意味する。用語「予防」は、特定の疾患又は障害の症状の阻害を含む。癌、並びに望ましくない血管新生に関連した又はこれを特徴とする他の疾患及び障害の家族歴のある患者は、予防投薬計画の好ましい候補である。特に指示がない限りは本願明細書において使用される用語「管理する」は、特定の疾患もしくは障害の再発をそれに罹患した患者において予防すること、又は疾患もしくは障害に罹患した患者の寛解である期間を延長することを包含している。
【0067】
特に指示がない限りは本願明細書において使用される用語「有効量」は、治療される状態もしくは障害の1種もしくは複数の症状の発生を防止する、又はある程度緩和することに加え、疾患それ自体の原因を緩和もしくは根絶するのに十分な投与される化合物の量を意味する。
【0068】
本願明細書において使用される用語「癌」は、固形腫瘍及び血液運搬する腫瘍を含むが、これらに限定されるものではない。用語「癌」は、皮膚組織、臓器、血液、及び血管の疾患を意味し、これは膀胱、骨又は血液、脳、乳房、子宮頸部、乳房、結腸、子宮内膜、食道、眼、頭部、腎臓、肝臓、リンパ節、肺、口腔、頸部、卵巣、膵臓、前立腺、直腸、胃、精巣、咽喉、及び子宮の癌を含むが、これらに限定されるものではない。癌は、原発性又は転移性であることができる。具体的な癌は、進行性悪性疾患、アミロイド症、神経芽細胞腫、髄膜腫、非定型髄膜腫、血管周囲細胞腫、多発性脳転移、多形性膠芽腫、膠芽腫、脳幹グリオーマ、予後不良の悪性脳腫瘍、悪性グリオーマ、再発性悪性グリオーマ、未分化星状細胞腫、未分化希突起膠芽細胞腫、神経内分泌細胞腫瘍、直腸腺癌、Dukes C & D結腸直腸癌、切除不能な結腸直腸癌、転移性肝細胞癌、カポシ肉腫、核型(karotype)急性骨髄芽球性白血病、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、皮膚B細胞リンパ腫、散在性ラージB細胞リンパ腫、低悪性度濾胞性リンパ腫、転移性メラノーマを含むが限定されないメラノーマ(眼メラノーマを含む、局所的メラノーマ)、悪性中皮腫、悪性胸水中皮腫症候群、腹膜癌、乳頭状漿液癌、婦人科領域の肉腫、軟組織肉腫、強皮症、皮膚脈管炎、ランゲルハンス細胞組織球増殖症、平滑筋肉腫、進化性骨化性線維形成異常症、ホルモン抵抗性前立腺癌、切除された高リスク軟組織肉腫、切除不能な肝細胞癌、ヴァルデンストロームマクログロブリン血症、多発性骨髄腫、くすぶり型骨髄腫、無痛性骨髄腫を含むが限定されない骨髄腫、ファローピウス管癌、アンドロゲン非依存性前立腺癌、アンドロゲン依存性IV期非転移性前立腺癌、ホルモン不感性前立腺癌、化学療法不感性前立腺癌、乳頭状甲状腺癌、濾胞性甲状腺癌、及び甲状腺髄様癌を含むが限定されない癌腫、並びに平滑筋腫を含むが、これらに限定されるものではない。特定の実施態様において、癌は転移性である。別の実施態様において、癌は、化学療法又は放射線照射に対し不応性又は抵抗性であり;特に、サリドマイド難治性である。
【0069】
特に指示がない限りは本願明細書において使用される用語「望ましくない血管新生に関連した又はこれを特徴とする疾患又は障害」、「望ましくない血管新生に関連した疾患又は障害」、及び「望ましくない血管新生を特徴とする疾患又は障害」は、望ましくない、欲さない又は制御できない血管新生により、引き起こされた、媒介された又は随伴された疾患、障害及び状態を意味し、これは炎症疾患、自己免疫疾患、遺伝病、アレルギー疾患、細菌疾患、眼の血管新生疾患、脈絡膜の血管新生疾患、及び網膜の血管新生疾患を含むが、これらに限定されるものではない。
【0070】
そのような望ましくない血管新生に関連した疾患又は障害の例は、子宮内膜炎、クローン病、心不全、進行性心不全、腎不全、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、角膜移植拒絶反応、血管新生緑内障、水晶体後線維増殖症、増殖性硝子体網膜症、トラコーマ、近視、視神経乳頭小窩、流行性角結膜炎、アトピー性角膜炎、上方輪部角膜炎、翼状片乾性角膜炎、シェーグレン病、酒さ性座瘡、フィレクテヌローシス(phylectenulosis)、梅毒、脂質分解、細菌性潰瘍、真菌性潰瘍、単純ヘルペス感染症、帯状疱疹感染症、原虫感染症、カポシ肉腫、モーレン潰瘍、テリエン辺縁変性、辺縁角質溶解、骨髄異形成症候群、関節リウマチ、全身性紅斑狼瘡、多発性動脈炎、外傷、ヴェゲナー類肉腫、強膜炎、スティーブンズ-ジョンソン症候群、類天疱瘡放射状角膜切開、鎌状赤血球貧血、類肉腫、弾性線維仮性黄色腫、パジェット病、静脈閉塞、動脈閉塞、頸動脈閉塞性疾患、慢性ブドウ膜炎、慢性硝子体炎症、ライム病、イールズ病、ベーチェット病、網膜炎、脈絡膜炎、推定眼ヒストプラスマ症、ベスト病、シュタルガルト病、扁平部炎、慢性網膜剥離、過粘稠度症候群、トキソプラスマ症、ルベオーシス、サルコイドーシス、硬化症、ソリアチス(soriatis)、乾癬、原発性硬化性胆管炎、直腸炎、原発性胆汁性肝硬変(srosis)、突発性肺線維症、アルコール性肝炎、内毒血症、毒素ショック症候群、骨関節炎、レトロウイルス複製、るいそう、髄膜炎、シリカ誘導型線維症、アスベスト誘導型線維症、悪性疾患随伴性高カルシウム血症、脳卒中、循環系ショック、歯周炎、歯肉炎、大球性貧血、不応性貧血、5q-症候群、及びネコ免疫不全ウイルス、ウマ感染性貧血ウイルス、ヤギ関節炎ウイルス、ビスナウイルス、マエディウイルス又はレンチウイルスにより惹起される獣医学障害を含むが、これらに限定されるものではない。
【0071】
本発明の特定の実施態様において、望ましくない血管新生に関連した疾患又は障害は、うっ血性心不全、心筋症、肺浮腫、内毒素媒介型敗血症性ショック、急性ウイルス性心筋炎、心臓移植拒絶反応、心筋梗塞、HIV、肝炎、成人呼吸窮迫症候群、骨吸収疾患、慢性閉塞性肺疾患、慢性肺炎症疾患、皮膚炎、嚢胞性線維症、敗血症性ショック、敗血症、内毒素ショック、血行動態ショック、敗血症症候群、虚血後再潅流損傷、線維化疾患、悪液質、移植片拒絶反応、リウマチ様脊椎炎、骨粗鬆症、潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患、多発性硬化症、全身性紅斑狼瘡、ハンセン病のらい性結節性紅斑、放射線障害、喘息、高酸素肺胞損傷、マラリア及びマイコバクテリア感染症、及びHIVに起因した日和見感染症は含まない。
【0072】
特に指示がない限りは本願明細書において使用される用語「PDE4により媒介された疾患又は障害」は、PDE4活性の調節、例えば低下(例えば阻害)に好ましく反応する状態又は障害を意味する。PDE4調節に対する好ましい反応は、疾患及び/又はその随伴症状の緩和又は停止、疾患又はその臨床症状の阻害(すなわち疾患発生の停止又は軽減)、及び疾患又はその臨床症状の退縮を含む。PDE4により媒介された疾患又は障害は完全に又は部分的にPDE4調節に反応性である。PDE4により媒介された疾患又は障害は、不適切な、例えば、正常よりもより少ない又はより多いPDE4活性に関連することがある。不適切なPDE4機能活性は、通常はPDE4を発現しない細胞におけるPDE4発現、低下したPDE4発現(例えば脂質及び代謝の障害及び疾患につながる)又は増加したPDE4発現の結果として生じ得る。
【0073】
特に指示がない限りは本願明細書において使用される用語「調節する」及び「調節」は、調節される分子(例えば酵素)の活性又は発現が、増加又は減少されることを意味する。一部の実施態様において、調節される分子の活性又は発現は、調節を伴わない分子の活性又は発現と比べて、10%、20%、50%、100%、又は200%もしくはそれよりも多く増強される。別の実施態様において、調節される分子の活性又は発現は、調節を伴わない分子の活性又は発現と比べて、10%、20%、50%、70%、80%又は90%もしくはそれよりも多く減少される。
【0074】
PDE4により媒介された疾患又は障害の例は、喘息、アトピー性皮膚炎、鬱病、再潅流損傷、敗血症性ショック、毒素ショック、内毒素ショック、成人呼吸窮迫症候群、自己免疫性糖尿病、尿崩症、多発性梗塞性痴呆、AIDS、癌、クローン病、多発性硬化症、脳虚血、乾癬、移植拒絶反応、再狭窄、潰瘍性大腸炎、悪液質、大脳マラリア、アレルギー性鼻結膜炎、骨関節炎、関節リウマチ、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎、好酸球性肉芽腫、及び自己免疫脳脊髄炎を含むが、これらに限定されるものではない。
【0075】
本発明は、癌、望ましくない血管新生に関連した又はこれを特徴とする疾患又は障害、もしくはPDE4により媒介された疾患又は障害について治療歴があるが、標準療法に反応しない患者に加え、治療歴のない患者を治療する方法を包含している。本発明は、患者の年齢とは無関係に患者を治療する方法も包含しているが、しかし一部の疾患又は障害は、ある年齢でより一般的である。本発明は更に、組織の疾患又は状態を治療する試みにおいて手術を受けた患者に加え、手術を受けていない患者を治療する方法を包含している。癌並びに望ましくない血管新生を特徴とする又はPDE4により媒介された疾患及び障害を伴う患者は、均一でない臨床症状発現及び変動する臨床の転帰を有するので、患者に施された治療は、患者の予後に応じて様々であってよい。熟練した臨床医は、過度の実験をすることなく、癌及び他の疾患又は障害の個々の患者を治療するために効果的に使用することができる、具体的な第二の作用物質、具体的な併用薬、手術の型、及び薬を基にしない標準療法の型を容易に決定するであろう。
【0076】
本発明に包含される方法は、本発明の1種又は複数の化合物を、癌、望ましくない血管新生に媒介された疾患又は障害、又はPDE4により媒介された疾患又は障害に罹患した、又は罹患する可能性のある患者(例えばヒト)へ投与することを含む。
【0077】
本発明のひとつの実施態様において、本願明細書に説明された状態のための本発明の化合物の推奨される一日量の範囲は、約1mg〜約10,000mg/日の範囲内であり、これは単回の1日1回投与量として、又は好ましくは1日を通じての分割量で投与される。より詳細には、1日投与量は、等しい分割量で1日2回投与される。詳細には、1日量の範囲は、約1mg〜約5,000mg/日、より詳細には、約10mg〜約2,500mg/日、約100mg〜約800mg/日、約100mg〜約1,200mg/日、又は約25mg〜約2,500mg/日である。患者の管理において、この療法は、単回投与量又は分割投与量のいずれかで、比較的低い投与量、恐らく約1mg〜約2,500mgで開始されなければならず、患者の全身の反応に応じて、必要ならば最大約200mg〜約5,000mg/日まで増量される。
【0078】
(4.3.1 第二の活性物質による併用療法)
本発明の特定の方法は、本発明の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、包接体、もしくはプロドラッグを、1種又は複数の第二の活性物質と組合せて、及び/又は放射線療法、輸血もしくは手術と組合せて投与することを含む。第二の活性物質の例も、本願明細書において明らかにされている(例えば4.2項参照)。
【0079】
本発明の化合物及び第二の活性物質の患者への投与は、同じ又は異なる投与経路で同時に又は逐次行うことができる。特定の活性物質に関して使用される特定の投与経路の適性は、活性物質それ自身(例えば、血流に侵入する前に分解されることなく経口的に投与されるかどうか)及び治療される疾患によって決まるであろう。本発明の化合物にとって好ましい投与経路は、経口又は点眼である。本発明の第二の活性物質又は成分に関して好ましい投与経路は、当業者に公知である。例えば、「Physicians' Desk Reference」1755-1760 (第56版、2002)参照のこと。
【0080】
本発明のひとつの実施態様において、第二の活性物質は、静脈内又は皮下に投与され、約1〜約1000mg、約5〜約500mg、約10〜約350mg、又は約50〜約200mgの量で1日に1又は2回投与される。第二の活性物質の具体的量は、使用される具体的物質、治療又は管理される疾患の型、疾患の重症度及び病期、並びに本発明の化合物及び同時に患者へ投与されるいずれか任意の追加の活性物質の量により左右されるであろう。特定の実施態様において、第二の活性物質は、オブリマーセン(Genasense(登録商標))、GM-CSF、G-CSF、EPO、タキソテレ、イリノテカン、ダカルバジン、トランスレチノイン酸、トポテカン、ペントキシフィリン、シプロフロキサシン、デキサメタゾン、ビンクリスチン、ドキソルビシン、cox-2インヒビター、IL2、IL8、IL18、IFN、Ara-C、ビノレルビン、又はそれらの組合せである。
【0081】
特定の実施態様において、GM-CSF、G-CSF又はEPOは、約1〜約750mg/m2/日の量、好ましくは約25〜約500mg/m2/日の量、より好ましくは約50〜約250mg/m2/日の量、最も好ましくは約50〜約200mg/m2/日の量で、4又は6週のサイクルについて約5日間、皮下投与される。ある実施態様において、GM-CSFは、約60〜約500mcg/m2の量で2時間にわたり静脈内投与されるか、又は約5〜約12mcg/m2/日の量で皮下投与されてもよい。具体的な実施態様において、G-CSFは、最初約1mcg/kg/日の量で皮下投与することができ、及び総顆粒球カウントの上昇に応じて調節することができる。G-CSFの維持量は、約300(小柄な患者において)又は480mcgの量で皮下投与されてもよい。ある実施態様において、EPOは、1週間に3回10,000単位の量で皮下投与されてもよい。
【0082】
別の実施態様において、本発明の化合物は、転移性メラノーマ(眼メラノーマを含むが、これに限定されない局所的メラノーマ)の患者へ、約20mg〜約1,200mg/日の量で、単独で又は第二の活性物質と組合せて投与される。ひとつの実施態様において、約800〜約1,200mg/日の量の本発明の化合物及び約200〜約1000mg/m2/日の量のダカルバジン(DTIC)が、転移性メラノーマ(眼メラノーマを含むが、これに限定されない局所的メラノーマ)の患者へ投与される。別の実施態様において、約800〜1,200mg/日の量の本発明の化合物及びテモゾロミドが、転移性メラノーマ(眼メラノーマを含むが、これに限定されない局所的メラノーマ)の患者へ投与される。別の実施態様において、本発明の化合物は、その疾患が、テモゾロミド、ダカルバジン(DTIC)、IL-2及び/又はIFNによる治療時に進行した転移性メラノーマ又は局所的メラノーマの患者へ投与される。具体的な実施態様において、本発明の化合物は、デキサメタゾンとの併用において、多発性骨髄腫が再発した又は難治性である患者へ投与される。
【0083】
別の実施態様において、本発明の化合物は、アミロイド症の患者へメルファラン及びデキサメタゾンと共に投与される。具体的な実施態様において、本発明の化合物及びステロイドは、アミロイド症の患者へ投与することができる。
別の実施態様において、本発明の化合物は、ゲムシタビン及びシスプラチンと共に、局所的進行性又は転移性移行細胞膀胱癌の患者へ投与される。
【0084】
別の実施態様において、本発明の化合物は、以下の第二の活性成分と組合せて投与される:再発した又は進行した脳腫瘍又は再発性神経芽細胞腫の小児患者への、テモゾロミド;再発した又は進行したCNS癌のための、セレコキシブ、エトポシド及びシクロホスファミド;再発性又は進行性髄膜腫、悪性髄膜腫、血管周囲細胞腫、多発性脳転移、再発性脳腫瘍、又は新規に診断された多形性膠芽腫の患者への、テモダール;再発性膠芽腫患者への、イリノテカン;脳幹グリオーマの小児患者への、カルボプラチン;進行性悪性グリオーマの小児患者への、プロカルバジン;予後不良の悪性脳腫瘍、新たに診断された又は再発した多形性膠芽腫の患者への、シクロホスファミド;悪性度の高い再発性悪性グリオーマについての、グリアデル(登録商標);未分化星状細胞腫への、テモゾロミド及びタモキシフェン;もしくは、グリオーマ、膠芽腫、未分化星状細胞腫又は未分化希突起膠芽細胞腫への、トポテカン。
【0085】
別の実施態様において、本発明の化合物は、メトトレキサート及びシクロホスファミドと共に、転移性乳癌患者へ投与される。
別の実施態様において、本発明の化合物は、テモゾロミドと共に、神経内分泌細胞腫瘍患者へ投与される。
別の実施態様において、本発明の化合物は、ゲムシタビンと共に、再発性又は転移性頭頸部癌患者へ投与される。別の実施態様において、本発明の化合物は、ゲムシタビンと共に、膵癌患者へ投与される。
【0086】
別の実施態様において、本発明の化合物は、アリサ(登録商標)、タキソール及び/又はタキソテレと組合せて、結腸癌患者へ投与される。
別の実施態様において、本発明の化合物は、カペシタビンと共に、難治性結腸直腸癌患者又は結腸もしくは直腸腺癌の一次治療に失敗したもしくは成績が不良である患者へ投与される。
別の実施態様において、本発明の化合物は、フルオロウラシル、ロイコボリン、及びイリノテカンと組合せて、Dukes C & D結腸直腸癌患者又は転移性結腸直腸癌の治療歴のある患者へ投与される。
【0087】
別の実施態様において、本発明の化合物は、カペシタビン、ゼローダ、及び/又はCPT-11と組合せて、難治性結腸直腸癌患者に投与される。
別の実施態様において、本発明の化合物は、カペシタビン及びイリノテカンと共に、難治性結腸直腸癌患者へ、又は切除不能もしくは転移性結腸直腸癌腫患者へ投与される。
別の実施態様において、本発明の化合物は、単独で、又はインターフェロンαもしくはカペシタビンと組合せて、切除不能もしくは転移性肝細胞癌患者へ;又は、シスプラチン及びチオテパと共に、原発性又は転移性肝癌患者へ投与される。
【0088】
別の実施態様において、本発明の化合物は、ペグ化されたインターフェロンαと組合せて、カポジ肉腫患者へ投与される。
別の実施態様において、本発明の化合物は、フルダラビン、カルボプラチン、及び/又はトポテカンと組合せて、難治性又は再発した又は高リスクの急性骨髄性白血病患者へ投与される。
別の実施態様において、本発明の化合物は、リポソームダウノルビシン、トポテカン及び/又はシタラビンと組合せて、好ましくない核型急性骨髄芽球性白血病患者へ投与される。
【0089】
別の実施態様において、本発明の化合物は、ゲムシタビン及びイリノテカンと組合せて、非小細胞肺癌患者へ投与される。ひとつの実施態様において、本発明の化合物は、カルボプラチン及びイリノテカンと組合せて、非小細胞肺癌患者へ投与される。ひとつの実施態様において、本発明の化合物は、ドキセタキソールと共に、カルボ/VP 16及び放射線療法で先に治療された、非小細胞肺癌患者へ投与される。
【0090】
別の実施態様において、本発明の化合物は、カルボプラチン及び/もしくはタキソテレと組合せて、又はカルボプラチン、パクリタキセル及び/又は胸部放射線療法と組合せて、非小細胞肺癌患者へ投与される。具体的な実施態様において、本発明の化合物は、病期IIIB又はIVの非小細胞肺癌患者へ、タキソテレと組合せて投与される。
【0091】
別の実施態様において、本発明の化合物は、オブリマーセン(Genasense(登録商標))と組合せて、小細胞肺癌患者へ投与される。
別の実施態様において、本発明の化合物は、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、皮膚B細胞リンパ腫、散在性大細胞型B細胞リンパ腫、又は再発したもしくは難治性の悪性度の低い濾胞性リンパ腫を含む、が、限定されない様々な型のリンパ腫患者へ、単独で、又はビンブラスチンもしくはフルダラビンなどの第二の活性物質と組合せて投与される。
【0092】
別の実施態様において、本発明の化合物は、眼メラノーマなどの局所性メラノーマ又は転移性メラノーマを含む、メラノーマの様々な型又は段階の患者へ、タキソテレ、IL-2、IFN、GM-CSF、及び/又はダカルバジンと組合せて投与される。
別の実施態様において、本発明の化合物は、悪性中皮腫、又は胸膜移植をした病期IIIB非小細胞肺癌又は悪性胸膜滲出中皮腫症候群患者へ、単独で、又はビノレルビンと組合せて、投与される。
【0093】
別の実施態様において、本発明の化合物は様々な型の多発性骨髄腫の患者へ、デキサメタゾン、ゾレドロン酸、パルミトロネート、GM-CSF、ビアキシン、ビンブラスチン、メルファラン、ブスルファン、シクロホスファミド、IFN、パルミドロネート、プレドニソン、ビスホスホネート、セレコキシブ、三酸化ヒ素、PEG INTRON-A、ビンクリスチン、ドキシル、デカドロン、又はそれらの組合せと一緒に投与される。
【0094】
別の実施態様において、本発明の化合物は、ドキソルビシン(Doxil(登録商標))、ビンクリスチン及び/又はデキサメタゾン(デカドロン(登録商標))と組合せて、再発した又は難治性多発性骨髄腫患者へ投与される。
別の実施態様において、本発明の化合物は様々な型又は病期の卵巣癌、例えば腹膜癌腫、乳頭状漿液癌腫、難治性卵巣癌又は再発性卵巣癌の患者へ、タキソール、カルボプラチン、ドキソルビシン、ゲムシタビン、シスプラチン、ゼローダ、パクリタキセル、デキサメタゾン、又はそれらの組合せと一緒に投与される。
【0095】
別の実施態様において、本発明の化合物は様々な型又は病期の前立腺癌患者へ、ゼローダ、5 FU/LV、ゲムシタビン、イリノテカン+ゲムシタビン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、デキサメタゾン、GM-CSF、セレコキシブ、タキソテレ、ガンシクロビル、パクリタキセル、アドリアマイシン、ドセタキセル、エストラムスチン、Emcyt、又はそれらの組合せと一緒に投与される。
別の実施態様において、本発明の化合物は様々な型又は病期の腎細胞癌患者へ、カペシタビン、IFN、タモキシフェン、IL-2、GM-CSF、Celebrex(登録商標)、又はそれらの組合せと一緒に、投与される。
【0096】
別の実施態様において、本発明の化合物は様々な型又は病期の婦人科領域、子宮又は軟組織の肉腫の患者へ、IFN、COX-2インヒビター、例えばCelebrex(登録商標)及び/又はスリンダクと共に投与される。
別の実施態様において、本発明の化合物は様々な型又は病期の固形腫瘍患者へ、セレブレックス、エトポシド、シクロホスファミド、ドセタキセル、アペシタビン、IFN、タモキシフェン、IL-2、GM-CSF、又はそれらの組合せと一緒に投与される。
【0097】
別の実施態様において、本発明の化合物は、強皮症又は皮膚脈管炎患者へ、セレブレックス、エトポシド、シクロホスファミド、ドセタキセル、アペシタビン、IFN、タモキシフェン、IL-2、GM-CSF、又はそれらの組合せと一緒に投与される。
本発明は、患者(例えばヒト)へ本発明の化合物を投与することを含む、患者へ安全かつ有効に投与することができる抗癌薬又は物質の用量を漸増する方法も包含している。本方法により恩恵を受ける患者は、皮膚、皮下組織、リンパ節、脳、肺、肝臓、骨、小腸、結腸、心臓、膵臓、副腎、腎臓、前立腺、乳房、結腸直腸の特定の癌、又はそれらの組合せを治療するための抗癌薬に関連した有害作用に冒される可能性のある患者である。本発明の化合物の投与は、そうでなければ抗癌薬の量を制限することとなるであろうような重症度である有害作用を、緩和又は軽減する。
【0098】
ひとつの実施態様において、本発明の化合物は、患者への抗癌薬の投与に関連した有害作用の発生の前、同時、又は後に、経口的に、及び毎日約1〜約5,000mg、約10〜約2,500mg、約25〜約2,500mg、約100〜約1,200mg、又は約100〜約800mgの量で投与される。特定の実施態様において、本発明の化合物は、好中球減少症又は血小板減少症などであるが、これらに限定されない、抗癌薬に伴う有害作用を避けるために、ヘパリン、アスピリン、クマジン、又はG-CSFなどの特定の物質と組合せて投与される。
【0099】
ひとつの実施態様において、本発明の化合物は、望ましくない血管新生に関連した又はこれを特徴とする疾患及び障害を伴う患者へ、任意に抗癌薬、抗炎症薬、抗ヒスタミン薬、抗生物質、及びステロイドを含むが、これらに限定されない追加の活性成分と組合せて、投与される。
【0100】
別の実施態様において、本発明は、任意に、癌を治療、予防又は管理するために現在使用される、手術、免疫療法、生物学的療法、放射線療法、又は他の薬物ベースでない療法を含むが、これらに限定されるものではない従来の療法と組み合わせて(例えば、前、同時又は後に)、本発明の化合物を投与することを含む、癌を治療、予防及び/又は管理する方法を包含している。本発明の化合物及び従来の療法の併用は、ある患者において予想外の効果がある独自の治療様式を提供することができる。理論により限定されるものではないが、本発明の化合物は、従来の療法と同時に投与される場合に、相加作用又は相乗作用を提供することができると考えられる。
【0101】
別の実施態様において、本発明は、任意に、望ましくない血管新生に関連した又はこれを特徴とする疾患及び障害を治療、予防又は管理するために現在使用される、手術、免疫療法、生物学的療法、放射線療法、又は他の薬物ベースでない療法を含むが、これらに限定されるものではない従来の療法と組み合わせて(例えば、前、同時又は後に)、本発明の化合物を投与することを含む、望ましくない血管新生に関連した又はこれを特徴とする疾患及び障害を治療、予防及び/又は管理する方法を包含している。本発明の化合物及び従来の療法の組合せは、ある患者において予想外の効果がある独自の治療様式を提供することができる。理論により限定されるものではないが、本発明の化合物は、従来の療法と同時に投与される場合に、相加作用又は相乗作用を提供することができると考えられる。
【0102】
本願明細書において別所記載したように、本発明は、手術、化学療法、放射線療法、ホルモン療法、生物学的療法及び免疫療法を含むが、これらに限定されない、従来の療法に関連した有害作用又は望ましくない作用を軽減、治療及び/又は予防する方法を包含している。1種又は複数の本発明の化合物は、任意に他の活性成分と一緒に、従来の療法に関連した有害作用の発生の前、同時、又は後に患者へ投与することができる。
【0103】
ひとつの実施態様において、本発明の化合物は、従来の療法の使用前、同時又は後に、約1〜約5,000mg、約10〜約2,500mg、約25〜約2,500mg、約100〜約1,200mg、又は約100〜約800mgの量を、経口的に、及び毎日、単独で、又は本願明細書に開示された第二の活性物質(例えば4.2章参照のこと)と組合せて投与することができる。
この方法の具体的な実施態様において、本発明の化合物及びドキセタキソールは、カルボ/VP 16及び放射線療法で先に治療された非小細胞肺癌患者へ投与される。
【0104】
(4.3.2 移植療法との使用)
本発明の化合物は、移植片対宿主疾患(GVHD)のリスクを低下するために使用することができる。従って本発明は、任意に移植療法と組合せて、本発明の化合物を投与することを含む、癌を治療、予防及び/又は管理する方法を包含する。
【0105】
当業者は承知しているように、癌の治療は、疾患の病期及び機序を基にすることが多い。例えば避けられない白血病悪性転換は、ある段階の癌で発症するので、末梢血幹細胞、造血幹細胞調製物又は骨髄の移植が必要であることがある。本発明の化合物及び移植療法の併用は、独自及び予想外の相乗作用を提供する。特に本発明の化合物は、癌患者における移植療法と同時に投与される場合、相加作用又は相乗作用を提供する活性を示す。
【0106】
本発明の化合物は、移植の侵襲的手法及びGVHDのリスクに伴う合併症を軽減するよう移植療法と組合せて作用することができる。本発明は、本発明の化合物を、臍帯血、胎盤血液、末梢血幹細胞、造血幹細胞の調製物又は骨髄を移植する前、同時又は後に患者(例えばヒト)へ投与することを含む、癌を治療、予防及び/又は管理する方法を包含している。本発明の方法における使用に適した幹細胞の例は、R. Haririらの2003年4月11日に出願された、米国特許出願第10/411,655号に開示されており、これは全体が本願明細書に参照により組入れられている。
【0107】
別の実施態様において、本発明は、患者(例えばヒト)へ、臍帯血、胎盤血液、末梢血幹細胞、造血幹細胞調製物又は骨髄を移植する前、同時又は後に、本発明の化合物を投与することを含む、望ましくない血管新生に関連した又はこれを特徴とする疾患及び障害を治療、予防及び/又は管理する方法を包含している。
この方法のひとつの実施態様において、本発明の化合物は、多発性骨髄腫の患者へ、自家末梢血前駆細胞の移植の前、同時又は後に投与される。
別の実施態様において、本発明の化合物は、多発性骨髄腫を再発した患者へ、幹細胞移植後に投与される。
【0108】
別の実施態様において、本発明の化合物及びプレドニソンは、多発性骨髄腫の患者へ、自家幹細胞の移植後の維持療法として投与される。
別の実施態様において、本発明の化合物及びデキサメタゾンは、多発性骨髄腫の患者へ、移植後のリスクを低下するための救済療法として投与される。
別の実施態様において、本発明の化合物及びデキサメタゾンは、多発性骨髄腫の患者へ、自家骨髄移植後の維持療法として投与される。
【0109】
別の実施態様において、本発明の化合物は、化学療法反応性多発性骨髄腫の患者へ、高投与量メルファランの投与及び自家幹細胞の移植後に投与される。
別の実施態様において、本発明の化合物及びPEG INTRO-Aは、多発性骨髄腫の患者へ、自家CD34選択した末梢幹細胞の移植後の維持療法として投与される。
【0110】
別の実施態様において、本発明の化合物は、抗血管新生を評価するために、新たに多発性骨髄腫と診断された患者へ、移植後地固め化学療法と共に投与される。
別の実施態様において、本発明の化合物及びデキサメタゾンは、65歳又はそれ以上の多発性骨髄腫患者への、高投与量メルファラン及び末梢血幹細胞の移植による治療後の、DCEP地固め後に維持療法として投与される。
【0111】
(4.3.3 周期的投与療法)
ある実施態様において、本発明の予防的又は治療的物質は、患者へ周期的に投与される。周期的投与療法は、一定期間の活性物質の投与、それに続く一定期間の休薬、及びこの逐次投与の反復を伴う。周期的投与療法は、1種又は複数の療法に対する耐性の発生を低下し、ひとつの療法の副作用を避けるかもしくは軽減し、及び/又は治療の有効性を改善することができる。
【0112】
結果的に、本発明のひとつの具体的な実施態様において、本発明の化合物は、4〜6週サイクルで、単回又は分割投与量で毎日投与され、1〜2週間休薬する。本発明は更に、投薬サイクルの頻度、回数及び長さを増大することができる。従って本発明の別の具体的な実施態様は、それが単回投与される場合に典型であるものよりも、より多くの周期である本発明の化合物の投与を包含している。更に別の本発明の具体的な実施態様において、本発明の化合物は、同じく第二の活性成分は投与されない患者において典型的には用量規定毒性を生じるような、より大きいサイクル回数投与される。
【0113】
ひとつの実施態様において、本発明の化合物は、投与量約1〜約5,000mg/日で毎日及び連続して3〜4週間投与され、その後1〜2週間休薬される。本発明の化合物は、初回量1〜5mg/日で毎日及び連続して投与され、療法が忍容できる限りは、最大投与量5,000mg/日まで、10〜100mg/日づつ用量漸増(毎週)されることが好ましい。特定の実施態様において、この化合物は、約400、800、又は1,200mg/日の量で、好ましくは約800mg/日の量で、3〜4週間投与され、その後1〜2週間休薬されるという、4〜6週間サイクルで投与される。
【0114】
本発明のひとつの実施態様において、本発明の化合物及び第二の活性成分は経口投与され、本発明の化合物の投与は、4〜6週間のサイクルの間は、第二の活性成分の30〜60分前に行われる。本発明の別の実施態様において、本発明の化合物及び第二の活性成分の組合せは、各サイクルで約90分間かけた静脈内点滴で投与される。具体的な実施態様において、ひとつのサイクルは、本発明の化合物の約400〜約800mg/日及び第二の活性成分の約50〜約200mg/m2/日を毎日の3〜4週間の投与、その後の1又は2週間の休薬を含む。別の具体的な実施態様において、各サイクルは、本発明の化合物の約200〜約400mg/日及び第二の活性成分の約50〜約200mg/m2/日の3〜4週間の投与、それに続く1〜2週間の休薬を含む。典型的には、この組合せ(combinatorial)治療が患者へ投与される期間のサイクルの数は、約1〜約24サイクルであり、より典型的には約2〜約16サイクルであり、さらにより典型的には約4〜約8サイクルである。
【0115】
(4.4 医薬組成物)
医薬組成物を、個別の単位剤形の調製において使用することができる。本発明の医薬組成物及び剤形は、本発明の化合物を含有する。本発明の医薬組成物及び剤形は更に、1種又は複数の賦形剤を含有することができる。
本発明の医薬組成物及び剤形は、1種又は複数の追加の活性成分も含有することができる。結果的に、本発明の医薬組成物及び剤形は、本願明細書に開示された活性成分(例えば、本発明の化合物及び任意に第二の活性物質)を含有する。任意の第二の又は追加の活性成分の例は、本願明細書に開示されている(例えば第4.2項参照)。
【0116】
本発明の単位剤形は、患者への経口、経粘膜(例えば、鼻腔内、舌下、膣内、口腔内、又は直腸内)、非経口(例えば皮下、静脈内、ボーラス注射、筋肉内、又は動脈内)、局所的(例えば点眼又は他の眼科用調製物)、経真皮的又は経表皮的投与に適している。剤形の例は、以下を含むが、これらに限定されるものではない:錠剤;カプレット;軟かい弾性のあるゼラチンカプセル剤などの、カプセル剤;カシェ剤;トローチ剤;舐剤;分散剤;坐薬;散剤;エアロゾル(例えば鼻腔内スプレー又は吸入器);ゲル剤;懸濁剤(例えば、水性又は非水性液体懸濁剤、水中油型乳剤、又は油中水又液体乳剤)、液剤及びエリキシル剤を含む、患者への経口又は経粘膜投与に適した、液体剤形;患者への非経口投与に適した、液体剤形;局所的投与に適した、点眼剤又は他の眼科用調製物;並びに、患者への非経口投与に適した液体剤形を提供するために、再構成することができる、滅菌固形物(例えば結晶又は非晶質固形物)。
【0117】
本発明の組成物、形状及び剤形は、典型的には、それらの用途に応じて異なるであろう。例えば疾患の急性治療において使用される剤形は、同じ疾患の慢性治療において使用される剤形が含有するよりもより多い量の1種又は複数の活性成分を含むことができる。同様に、非経口剤形は、同じ疾患の治療に使用される経口剤形が含有するよりもより少量の1種又は複数の活性成分を含むことができる。本発明に包含される具体的剤形が互いに異なるこれら及び他の方法は、当業者には容易に明らかであろう。例えば「Remington's Pharmaceutical Sciences」、第18版、Mack Publishing, Easton ペンシルバニア州 (1990)を参照のこと。
【0118】
典型的な医薬組成物及び剤形は、1種又は複数の賦形剤を含む。適当な賦形剤は、製薬分野の業者に周知であり、適当な賦形剤の非限定的例は、本願明細書に示されている。特定の賦形剤が、医薬組成物又は剤形への混入に適しているかどうかは、剤形が患者へ投与される方法を含むが、これらに限定されるものではない、当該技術分野において周知の様々な要因により左右される。例えば錠剤のような経口剤形は、非経口剤形における使用に適していない賦形剤を含むことができる。特定の賦形剤の適性は、剤形中の特定の活性成分にも左右されるであろう。例えば、一部の活性成分の分解は、乳糖のようないくつかの賦形剤によるか、又は水への曝露時に、加速することができる。第1級又は第2級アミンを含有する活性成分は、特にそのような加速分解されやすい。結果的に本発明は、存在するとしても、わずかな乳糖、単糖又は二糖を含む医薬組成物及び剤形を包含する。本願明細書において使用される用語「乳糖非含有」は、存在するとしても、存在する乳糖の量が、活性成分の崩壊速度を実質的に増加するのに不充分であることを意味する。
【0119】
本発明の乳糖非含有組成物は、当該技術分野において周知の賦形剤を含有することができ、これは、例えば米国薬局方(USP)25-NF20 (2002)に列記されている。一般に、乳糖非含有組成物は、医薬として相溶性がありかつ医薬として許容し得る量の、活性成分、結合剤/充填剤、及び滑沢剤を含む。好ましい乳糖非含有剤形は、活性成分、微小質セルロース、事前にゼラチン化されたスターチ、及びステアリン酸マグネシウムを含む。
【0120】
本発明は更に、水は、一部の化合物の崩壊を促進することができるので、活性成分を含有する無水医薬組成物及び剤形を包含している。長期間にわたる製剤の貯蔵寿命又は安定性のような特徴を決定するために、例えば水(例えば5%)の添加が、長期貯蔵を模倣する手段として、医薬技術分野において広く受け入れられている。例えば、Jens T. Carstensen, Drug Stability: Principles & Practice, 第2版、Marcel Dekker, NY, NY, 1995, pp.379-80を参照のこと。事実上、水及び熱は、一部の化合物の分解を加速する。従って、水分及び湿度には、製剤の製造、取り扱い、包装、貯蔵、出荷、及び使用時に普通に遭遇するので、製剤に対する水の作用は、非常に重要である。
【0121】
本発明の無水医薬組成物及び剤形は、無水又は低含水の成分を用い、低湿気又は低湿度条件において調製することができる。乳糖及び第1級又は第2級アミンを含む少なくとも1種の活性成分を含有する医薬組成物及び剤形は、製造、包装及び/又は貯蔵時に湿気及び/又は湿度との実質的接触が予想される場合は、無水であることが好ましい。
【0122】
無水医薬組成物は、その無水の性質が維持されるように、調製及び貯蔵されなければならない。従って無水組成物は、水への曝露を防ぐことが公知の材料を使用し、それらが適当な処方薬剤キット中に含まれるように包装されることが好ましい。適当な包装の例は、密封されたフォイル、プラスチック、単位剤形容器(例えばバイアル)、ブリスターパック、及びストリップ包装を含むが、これらに限定されるものではない。
【0123】
本発明は更に、活性成分が分解する速度を低下する1種又は複数の化合物を含む医薬組成物及び剤形を包含している。本願明細書において「安定化剤」と称されるそのような化合物は、アスコルビン酸のような酸化防止剤、pH緩衝液、又は塩緩衝剤を含むが、これらに限定されるものではない。
【0124】
賦形剤の量及び種類のように、剤形中の活性成分の量及び具体的型は、患者へ投与される経路などであるが、これらに限定されない要因に応じて異なる。しかし本発明の典型的剤形は、本発明の化合物を、約0.10〜約150mg含有する。典型的な剤形は、本発明の化合物を約0.1、1、2、5、7.5、10、12.5、15、17.5、20、25、50、100、150又は200mgの量含有する。具体的な実施態様において、好ましい剤形は、約5、10、25又は50mgの量の本発明の化合物を含有する。典型的な剤形は、第二の活性成分を1〜約1000mg、約5〜約500mg、約10〜約350mg、又は約50〜約200mgの量含有する。当然、抗癌薬の具体的な量は、使用される具体的物質、治療又は管理される癌の種類、並びに本発明の化合物の量及び患者へ同時に投与される任意に追加された活性物質により左右されるであろう。
【0125】
(4.4.1) 経口剤形
経口投与に適している本発明の医薬組成物は、錠剤(例えば、チュアブル錠)、カプレット、カプセル剤、及び液剤(例えば、風味をつけたシロップ)などであるが、これらに限定されない、個別の剤形として提供することができる。そのような剤形は、予め決定された量の活性成分を含有し、当業者に周知の製薬方法により調製されることもできる。全般的には「Remington 's Pharmaceutical Sciences」、第18版、Mack Publishing, Easton ペンシルバニア州 (1990)を参照のこと。
【0126】
本発明の典型的経口剤形は、従来の医薬配合技術に従い、少なくとも1種の賦形剤との密な混合物中で活性成分と組合せることにより、調製される。賦形剤は、投与に望ましい調製物の形に応じて多種多様な形であることができる。例えば、経口液剤又はエアロゾル剤形における使用に適した賦形剤は、水、グリコール、油、アルコール、矯味矯臭剤、保存剤、及び着色剤を含むが、これらに限定されない。固形経口剤形(例えば、散剤、錠剤、カプセル剤、及びカプレット)における使用に適した賦形剤の例は、スターチ、糖分、微晶質結晶セルロース、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、及び崩壊剤を含むが、これらに限定されるものではない。
【0127】
それらの投与を容易にするために、錠剤及びカプセル剤は、最も有利な経口単位剤形であるので、この場合固形賦形剤が使用される。望ましいならば、錠剤は、標準の水性又は非水性技術によりコートすることができる。このような剤形は、任意の製薬方法により調製することができる。一般に医薬組成物及び剤形は、活性成分を液体担体、細かく粉砕された固形担体、又は両方と均一かつ密に混合し、必要ならばその後の製品の所望の形への成形することにより調製される。
【0128】
例えば錠剤は、圧縮又は成型により調製することができる。圧縮された錠剤は、適当な機械で、任意に賦形剤と混合された、粉末又は顆粒のような自在流れ形の活性成分を圧縮することにより、調製することができる。成形された錠剤は、適当な機械において、不活性液体希釈剤と湿潤された粉末化された化合物の混合物を成形することにより製造することができる。
【0129】
本発明の経口剤形において使用することができる賦形剤の例は、結合剤、充填剤、崩壊剤、及び滑沢剤を含むが、これらに限定されるものではない。医薬組成物及び剤形における使用に適した結合剤は、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、又は他のスターチ類、ゼラチン、アカシアのような天然及び合成のゴム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、他のアルギン酸塩、粉末化されたトラガカントガム、グアールガム、セルロース及びその誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウムなど)、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、事前にゼラチン化されたスターチ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、2208、2906、2910)、微結晶性セルロース、及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されるものではない。
【0130】
微結晶性セルロースに適した形は、AVICEL-PH-101、AVICEL-PH-103、AVICEL RC-581、AVICEL-PH-105(FMC Corporation, American Viscose Division, Avicel Sales, Marcus Hook, PAから入手可能)として販売されるもの、及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されるものではない。具体的な結合剤は、AVICEL RC-581として販売される、微結晶性セルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウムの混合物である。適当な無水又は低含水の賦形剤又は添加剤は、AVICEL-PH-103(商標)及びStarch 1500 LMを含む。
【0131】
本願明細書に開示された医薬組成物及び剤形において使用するのに適した充填剤の例は、タルク、炭酸カルシウム(例えば顆粒又は粉末)、微結晶性セルロース、粉末セルロース、デキストラン、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、スターチ、事前にゼラチン化されたスターチ、及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されるものではない。本発明の医薬組成物中の結合剤又は充填剤は、典型的には、医薬組成物又は剤形の約50〜約99質量%で存在する。
【0132】
水性環境に曝された場合に崩壊する錠剤を提供するために、本発明の組成物において崩壊剤が使用される。多すぎる崩壊剤を含有する錠剤は、貯蔵時に崩壊することがあるのに対し、少なすぎるものを含有する錠剤は、望ましい速度で又は望ましい条件下で崩壊しないことがある。従って活性成分の放出にを不利に変化させるほどには過不足のない十分量の崩壊剤を使用し、本発明の固形経口剤形を形成しなければならない。使用される崩壊剤の量は、製剤の種類を基に変動し、これは当業者には容易に認められるであろう。典型的医薬組成物は、崩壊剤約0.5〜約15質量%、好ましくは崩壊剤約1〜約5質量%を含有する。
【0133】
本発明の医薬組成物及び剤形において使用することができる崩壊剤は、寒天、アルギン酸、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポピドン、ポラクリンカリウム、グリコール酸ナトリウムデンプン、ジャガイモ又はタピオカデンプン、他のデンプン、事前にゼラチン化されたスターチ、他のスターチ、クレイ、他のアルギン、他のセルロース、ガム、及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されるものではない。
【0134】
本発明の医薬組成物及び剤形において使用することができる滑沢剤は、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、軽油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール、ステレート(ステアリン酸又はエステル)、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、水素化された植物油(例えば、ピーナッツ油、ココナッツ油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油、及び大豆油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル、アガー、及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されるものではない。追加の滑沢剤は、例えば、サイロイドシリカゲル(AEROSIL200、W.R. Grace Co. ボルチモア, メリーランド州により製造)、合成シリカの凝集されたエアロゾル(Degussa Co. Plano, テキサス州から販売)、CAB-O-SIL(Cabot Co. ボストン, マサチューセッツ州から販売される、発熱性二酸化ケイ素製品)、及びそれらの混合物を含む。仮にも使用される場合、滑沢剤は、典型的にはそれらが混入される医薬組成物又は剤形の約1質量%未満の量で使用される。
好ましい本発明の固形経口剤形は、本発明の化合物、無水乳糖、微結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、ステアリン酸、コロイド状無水シリカ、及びゼラチンを含む。
【0135】
(4.4.2 徐放型剤形)
本発明の活性成分は、当業者に周知である制御放出手段又は送達装置により投与することができる。例は、各々本願明細書に参照により組入れられている、米国特許第3,845,770号;第3,916,899号;第3,536,809号;第3,598,123号;及び、第4,008,719号、第5,674,533号、第5,059,595号、第5,591,767号、第5,120,548号、第5,073,543号、第5,639,476号、第5,354,556号及び第5,733,566号に記載されたものを含むが、これらに限定されるものではない。そのような剤形は、変動する割合の所望の放出プロファイルを提供するために、例えばヒドロプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、ゲル、透過可能なメンブレン、浸透圧システム、多層コーティング、微粒子、リポソーム、ミクロスフェア、又はそれらの組合せを使用し、1種又は複数の活性成分の徐放又は制御放出を提供することができる。本発明の活性成分と一緒に使用するための、本願明細書に説明されたものを含む当業者に公知の適当な制御放出型製剤は、容易に選択することができる。従って本発明は、制御放出に適した、錠剤、カプセル剤、ジェルキャップ、及びカプレットなどであるが、これらに限定されない、経口投与に適した単位剤形を包含する。
【0136】
全ての制御放出型の医薬品は、それらの制御されない対応物により達成されるものに勝り薬物療法を改善するという共通の目的を有する。理想的には、医療における最適にデザインされた制御放出の調製物の使用は、最短時間で状態を治癒又は管理するために使用される最小の薬物物質により特徴とされる。制御放出型製剤の利点は、薬物の延長された活性、低下した投薬頻度、及び増加した患者の服薬遵守を含む。加えて制御放出型製剤は、薬物の血中レベルなどの、作用の開始時間及び他の特性に影響を及ぼすように使用することができ、その結果副(例えば有害)作用発生に影響することができる。
【0137】
ほとんどの制御放出型製剤は、所望の治療的作用を迅速に生じる薬物(活性成分)の量を最初に放出するよう、並びに延長された期間にわたり治療的又は予防的作用のこのレベルを維持する薬物の他の量を次第に及び連続して溶出するようにデザインされる。体内のこの一定の薬物レベルを維持するために、この薬物は、体で代謝され及び排泄される薬物の量を補う速度で剤形から放出されなければならない。活性成分の制御放出は、pH、温度、酵素、水又は他の生理的条件もしくは化合物を含むが、これらに限定されるものではない様々な条件により刺激され得る。
【0138】
(4.4.3 非経口剤形)
非経口剤形は、皮下、静脈内(ボーラス注射を含む)、筋肉内、及び動脈内を含むが、これらに限定されるものではない様々な経路により、患者へ投与することができる。それらの投与は典型的には、夾雑物に対する患者の自然の防御を迂回するので、非経口剤形は、無菌であるか、又は患者への投与前に滅菌されることが可能であることが好ましい。非経口剤形の例は、そのまま注射することができる溶液、医薬として許容し得る注射用ビヒクル中にすぐ溶解又は懸濁する乾燥製品、そのまま注射することができる懸濁液及び乳液を含むが、これらに限定されるものではない。
【0139】
本発明の非経口剤形を提供するために使用することができる適当なビヒクルは、当業者に周知である。例は、USP注射用水;塩化ナトリウム注射剤、リンゲル注射剤、デキストロース注射剤、デキストロース及び塩化ナトリウム注射剤、及び乳酸添加リンゲル注射剤などであるがこれらに限定されない、水性ビヒクル;エチルアルコール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコールなどであるが、これらに限定されない、水混和性ビヒクル;並びに、コーン油、綿実油、ピーナッツ油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イロプロピル、及び安息香酸ベンジルなどであるが、これらに限定されない、非水性ビヒクルを含むが、これらに限定されるものではない。
【0140】
本明細書で開示された1種又は複数の活性成分の溶解度を増加する化合物も、本発明の非経口剤形に混入することができる。例えば、シクロデキストリン及びその誘導体を使用し、本発明の化合物の溶解度を増大することができる。例えば、本願明細書に参照により組入れられている、米国特許第5,134,127号を参照のこと。
【0141】
(4.4.4 外用及び経粘膜剤形)
本発明の外用及び経粘膜剤形は、噴霧剤、エアロゾル、液剤、乳剤、懸濁剤、点眼剤、もしくは他の眼科用調製物、又は他の当業者に公知の形を含むが、これらに限定されるものではない。例えば、「Remington's Pharmaceutical Sciences」、第16及び18版、Mack Publishing, Easton ペンシルバニア州 (1980 & 1990);並びに、「Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms」、第4版、Lea & Febiger, フィラデルフィア, (1985)を参照のこと。口腔内の粘膜組織を治療するのに適した剤形は、含嗽剤又は経口ゲル剤として製剤することができる。
【0142】
本明細書に包含される局所用又は経粘膜剤形を提供するために使用することができる適当な賦形剤(例えば担体及び希釈剤)並びに他の物質は、医薬分野の業者に周知であり、並びに所定の医薬組成物又は剤形が適用される特定の組織によって決まる。この事実を考慮し、典型的賦形剤は、無毒及び医薬として許容し得る、液剤、乳剤又はゲル剤を形成するために、水、アセトン、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタン-1,3-ジオール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、鉱油、及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されるものではない。湿潤剤又は保湿剤も、所望であれば、医薬組成物及び剤形へ添加することができる。例えば、「Remington's Pharmaceutical Sciences」、第16及び18版、Mack Publishing, Easton ペンシルバニア州 (1980 & 1990)を参照のこと。
【0143】
医薬組成物又は剤形のpHは、1種又は複数の活性成分の送達を改善するために調節することもできる。同様に、溶媒担体の多極性、そのイオン強度、又は等張性も、送達を改善するように調節することができる。ステアリン酸のような化合物も、送達を改善するために、1種又は複数の活性成分の親水性又は親油性を有利に変更するために、医薬組成物又は剤形へ添加することができる。これに関して、ステアリン酸塩は、製剤の脂質ビヒクルとして、乳化剤又は界面活性剤として、及び送達増強剤又は浸透増強剤として役立つことができる。活性成分の様々な塩、水和物又は溶媒和物を使用し、得られる組成物の特性を更に調節することができる。
【0144】
(4.4.5 キット)
典型的には、本発明の活性成分は、同時に又は同じ投与経路では患者へ投与されないことが好ましい。従って本発明は、医師により使用される場合に、適量の活性成分の患者への投与を簡便化することができるキットを包含している。
【0145】
本発明の典型的キットは、本発明の化合物の剤形を含む。本発明に包含されたキットは更に、オブリマーセン(Genasense(登録商標))、メルファラン、G-CSF、GM-CSF、EPO、トポテカン、ダカルバジン、イリノテカン、タキソテレ、IFN、COX-2インヒビター、ペントキシフィリン、シプロフロキサシン、デキサメタゾン、IL2、IL8、IL18、Ara-C、ビノレルビン、イソトレチノイン、13cis-レチノイン酸、又はそれらの医薬としての活性のある変異体もしくは誘導体、又はそれらの組合せなどの、追加の活性成分を含有することができる。追加の活性成分の例は、本願明細書に開示されたものを含むが、これらに限定されるものではない(例えば、5.2項参照)。
本発明のキットは更に、活性成分を投与するために使用される用具を含む。そのような用具の例は、注射器、点滴バッグ、貼付剤、及び吸入器を含むが、これらに限定されるものではない。
【0146】
本発明のキットは更に、1種又は複数の活性成分を投与するために使用することができる医薬として許容し得るビヒクルに加え、移植のための細胞又は血液を含むことができる。例えば、活性成分が非経口投与のために再構成されなければならない固形剤形で提供される場合、このキットは、その活性成分が溶解され、非経口投与に適している粒子非含有の滅菌液を形成するための、適当なビヒクルの密封された容器を含むことができる。医薬として許容し得るビヒクルの例は、USP注射用水;塩化ナトリウム注射剤、リンゲル注射剤、デキストロース注射剤、デキストロース及び塩化ナトリウム注射剤、及び乳酸添加リンゲル注射剤などであるがこれらに限定されない、水性ビヒクル;エチルアルコール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコールなどであるが、これらに限定されない水混和性ビヒクル;並びに、コーン油、綿実油、ピーナッツ油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イロプロピル、及び安息香酸ベンジルなどであるが、これらに限定されない、非水性ビヒクルを含むが、これらに限定されるものではない。
【0147】
(5. 実施例)
本発明のある実施態様は、下記の非限定的実施例により例証される。
(5.1) 2-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-4-カルバモイル-酪酸
【化10】

【0148】
工程1:THF(92mL)中のメチル-2-ブロモメチル-3-ニトロ安息香酸(10.6g, 39mmol)及びL-グルタミン-t-ブチルエステル塩酸塩(9.2g, 39mmol)の懸濁液に、攪拌しながらTEA(12mL)を添加した。得られた混合物を、12時間還流し、周囲温度に冷却した。混合物を濃縮し、乾固させ、水(100mL)及びMTBE(100mL)を投入した。このスラリーを、周囲温度で30分間攪拌した。固形物を、減圧濾過により収集し、0.2N水性HCl(30mL)、DI水(30mLx2)、MTBE(30mLx3)で洗浄し、60℃で真空で一晩乾燥し、白色粉末として4-カルバモイル-2-(4-ニトロ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル)酪酸t-ブチルエステル9.37g(収率67%)を得た。 1H NMR (DMSO-d6) :8.48 (d, 1H), 8.17 (d, 1H), 7.84 (t,1H), 7.24 (s, 1H), 6.78 (s, 1H), 4.94 (s, 2H), 4.75-4.81 (m, 1H), 2.10-2.33 (m, 4H), 1.41 (s, 9H)。
【0149】
工程2:TFA(47mL)を、DCM (47mL)中の4-カルバモイル-2-(4-ニトロ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル)-酪酸t-ブチルエステル(9.4g, 26mmol)の攪拌したスラリーに、-15℃で55分間かけて添加した。この混合物を、TEAの添加後、-15℃で更に5分間攪拌した。その後、周囲温度に温め、攪拌を周囲温度で更に5時間継続した。反応溶液を、真空で濃縮し、酢酸エチル95mLと共に周囲温度で16時間攪拌した。固形物を、真空濾過により収集し、EtOAc(10mLx2)で洗浄し、真空で60℃で15時間乾燥し、淡黄褐色粉末4-カルバモイル-2-(4-ニトロ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル)-酪酸7.60g(収率95%)を得た。 1H NMR (DMSO-d6):13.14 (brs, 1H), 8.47 (d, 1H), 8.17 (d, 1H), 7.84 (t, 1H), 7.22 (s, 1H), 6.75 (s, 1H), 4.94 (s, 2H), 4.78-4.84 (m, 1H), 2.11-2.37 (m, 4H)。
【0150】
工程3:4-カルバモイル-2-(4-ニトロ-1-オキソ-1,3-イソインド-2-イル)-酪酸(9.8g, 32mmol)、10%Pd/C(1g)、メタノール(150mL)、及びDI水(50mL)を一緒にし、45〜50psi H2下で6時間周囲温度で振盪した。この反応スラリーを、セライト床を通して濾過し、このセライト床を80mLのメタノールで洗浄した。メタノール洗浄液及び濾液を一緒にし、真空で乾固するまで濃縮した。その後残渣を、DI水(200mL)に溶解し、ドライアイス浴中で凍結し、1週間凍結乾燥し、乳白色固形物2-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロイソインドール-2-イル)-4-カルバモイル-酪酸8.30gを収率90%で得た:mp 158-160℃;1H NMR (DMSO-d6): 7.14-7.28 (m, 2H), 6.76-6.90 (m, 3H), 5.51 (brs, 2H), 4.71-4.77 (m, 1H), 4.16-4.32 (m, 2H), 1.90-2.32 (m, 4H) (MeOH 0.1mol及びH2O 0.4molで示した);13C NMR (DMSO-d6): 173.19, 172.55, 169.06, 143.64, 132.41, 128.81, 125.74, 116.32, 110.44, 53.22, 48.65 (MeOH), 45.26, 31.60, 24.96。C13H13N3O4-0.4H2O/0.1 MeOHの分析の計算値:C 54.69%;H 5.68%;N 14.61%; H2O 2.5%;実測値:C 55.05%;H 5.42%;N 14.39%;H2O 3.6%。
【0151】
(5.2) 4-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-4-カルバモイル-酪酸
【化11】

【0152】
工程1:THF (50mL)中のメチル-2-ブロモメチル-3-ニトロ安息香酸(5.8g, 21mmol)及びL-イソグルタミンt-ブチルエステル塩酸塩(5g, 21mmol)の懸濁液に、TEA(6.5mL)を攪拌しながら添加した。得られた混合物を、24時間還流し、その後周囲温度で冷却した。この混合物を濃縮し、乾固させ、水(75mL)及びMTBE(75mL)を投入した。その後スラリーを、周囲温度で2時間攪拌した。固形物を、減圧濾過により収集し、0.2N水性HCl(15mL)、DI水(20mLx7で中性pH)、MTBE(20mL)で洗浄した。湿潤ケーキを更に周囲温度で16.5時間、MTBE(100mL)及びDI水(50mL)含有する溶媒混合物中で再スラリー化した。固形物を、真空濾過により収集し、MTBE(65mL)で洗浄し、60℃で真空で15時間乾燥し、淡黄褐色粉末として4-カルバモイル-4-(4-ニトロ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル)-酪酸t-ブチルエステル5.30gを得た(収率70%)。 mp 174-176℃;1H NMR(DMSO-d6): 8.45 (d, 1H), 8.16 (d, 1H), 7.82 (t, 1H), 7.64 (s, 1H), 7.27 (s, 1H), 4.98 (dd, 2H), 4.78 (dd, 1H), 2.00-2.25 (m, 4H), 1.33 (s, 9H);13C NMR(DMSO-d6): 171.49, 171.37, 165.81, 143.27, 137.80, 135.00, 129.91, 129.56, 126.73, 79.80, 53.75, 48.17, 31.65, 27.65, 24.83 ppm。C17H31N3O6の分析の計算値:C 56.19%;H 5.83%;N 11.56%;実測値:C 55.89%;H 5.53%;N 11.26%。
【0153】
工程2:TFA(26mL)を、DCM(26mL)中の4-カルバモイル-4-(4-ニトロ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル)-酪酸t-ブチルエステル(5.2g, 14mmol)の攪拌したスラリーへ-15℃で25分かけて添加した。混合物を、TFAの添加後、-15℃で更に5分間攪拌した。その後周囲温度に温め、攪拌を周囲温度で更に4時間継続した。反応溶液を、真空で濃縮し、酢酸エチル52mLと共にで周囲温度で15時間攪拌した。固形物を、真空濾過により収集し、EtOAcで2回(14+21mL)洗浄し、アセトン(20mL)中周囲温度で2時間再スラリー化した。懸濁液を濾過し、固形物をアセトン(27mLx2)で洗浄した。固形物を、真空で60℃で2時間乾燥し、淡黄褐色粉末の4-カルバモイル-4-(4-ニトロ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル)-酪酸4.17gを得た(収率95%)。mp 219-221℃;1H NMR(DMSO-d6): 12.14 (brs, 1H), 8.46 (d, 1H), 8.16 (d, 1H), 7.82 (t, 1H), 7.67 (s, 1H), 7.29 (s, 1H), 5.00 (dd, 2H), 4.77-4.82 (m, 1H), 1.99-2.26 (m, 4H);13C NMR(DMSO-d6): 173.63, 171.65, 165.89, 143.31, 137.85, 135.00, 129.92, 129.59, 126.76, 53.78, 48.19, 30.58, 24.97. C13H13N3O6-0.2 H2Oの分析の計算値:C 50.23%;H 4.34%;N 13.52%;H2O 1.2%;実測値:C 50.23%;H 4.06%;N 13.23%;H2O 1.2%。
【0154】
工程3:4-カルバモイル-4-(4-ニトロ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル)-酪酸(8.8g, 29mmol)、10%Pd/C(0.88g)、メタノール(132mL)、及びDI水(44mL)を一緒にし、45-50psi H2下で6時間、周囲温度で振盪した。反応スラリーを、セライト床を通して濾過し、セライト床をメタノール75mLで洗浄した。メタノール洗浄液及び濾液を一緒にし、真空で濃縮し、乾固した。DI水(100mL)を残渣に添加し、混合物を再度濃縮し乾固した。その後残渣の油状物質を、DI水(200mL)中に溶解し、ドライアイス浴中で凍結し、8日間凍結乾燥して、乳白色固形物の4-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロイソインドール-2-イル)-4-カルバモイル-酪酸7.30gを収率92%で得た。mp 334-336℃;1H NMR(DMSO-d6):12.07 (brs, 1H), 7.54 (s, 1H), 6.76-7.20 (m, 4H), 5.42 (brs, 2H), 4.71-4.75 (m, 1H), 4.32 (dd, 2H), 1.90-2.22 (m, 4H);13C NMR(DMSO-d6):173.62, 172.16, 168.84, 143.39, 132.48, 128.68, 126.06, 116.28, 110.53, 53.26, 45.31, 30.69, 25.09. C13H15N3O4-0.2H2Oの分析の計算値:C 55.59%;H 5.53%;N 14.96%;H2O 1.3%;実測値:C 55.69%;H 5.30%;N 14.83%;H2O 1.4%。
【0155】
(5.3) 4-カルバモイル-4-{4-[(フラン-2-イル-メチル)-アミノ]-1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル}-酪酸
(5.3.1) 3-[(フラン-2-イルメチル)-アミノ]-フタル酸ジメチルエステル
【化12】

【0156】
塩化メチレン(200ml)中の3-アミノ-フタル酸ジメチルエステル(8.23g, 39.32mmol)の攪拌溶液に、窒素大気下で、2-フルアルデヒド(8.14ml, 98.30mmol)及び酢酸(13.57ml, 235.92mmol)を添加した。この混合物を5分間攪拌し、その後トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(25g, 117.96mmol)を添加した。反応液を一晩攪拌し、水(2x200ml)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2x200ml)、及びブライン(200ml)で洗浄し、MgSO4上で乾燥した。溶媒を真空で蒸発させ、褐色油状物(12.42g)を得、これを精製せずに直接使用した。
【0157】
(5.3.2) 3-[(フラン-2-イル-メチル)-アミノ]-フタル酸
【化13】

【0158】
メタノール(100ml)中の粗3-[(フラン-2-イル-メチル)-アミノ]-フタル酸ジメチルエステルの攪拌溶液へ、5N水酸化カリウム(79ml)を添加した。この混合物を、室温で一晩攪拌した。この溶媒を、真空で蒸発させ、残渣を水(50ml)に溶解した。水をジエチルエーテル(2x100ml)で洗浄した。水性部分を、氷浴中で冷却し、濃塩酸の滴下により、pHを2-3に調節した。その後水溶液を、酢酸エチル(3x100ml)で抽出した。一緒にした酢酸エチル抽出物を、ブライン(150ml)で洗浄し、MgS04上で乾燥した。溶媒を真空で蒸発させ、二価酸及びモノメチルエステルの混合物を含む残渣を、更に精製せずに使用した。
【0159】
(5.3.3) 4-カルバモイル-4-{4-[(フラン-2-イル-メチル)-アミノ]-1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル}-酪酸
【化14】

【0160】
ピリジン(20ml)中の3-[(フラン-2-イル-,エチル)-アミノ]-フタル酸(0.5g, 1.93mmol)の攪拌溶液に、4-アミノ-4-カルバモイル-酪酸(0.31g, 2.12mmol)を添加した。反応混合物を、一晩還流加熱した。溶媒を真空で蒸発させた。得られた残渣を、飽和炭酸水素ナトリウム(50ml)中に溶解し、酢酸エチル(2x50ml)で洗浄した。水性部分を、氷浴中で冷却し、濃塩酸の滴下により、pHを2-3に調節した。その後水溶液から、酢酸エチル(3x50ml)を抽出した。一緒にした酢酸エチル抽出物を、ブライン(100ml)で洗浄し、MgSO4上で乾燥した。溶媒を真空で蒸発させ、油状物を得た。油状物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(60%酢酸エチル/39%ヘキサン/1%ギ酸)で精製し、油状物を得、これをジエチルエーテル(30ml)中で摩砕した。得られた黄色固形物を、濾過しかつ乾燥した(0.14g, 20%):mp 120-122℃;1H NMR(DMSO-d6) δ 12.09 (s, 1H), 7.59-7.62 (m, 3H), 7.15 (d, J=8.25Hz, 2H), 7.03-6.93 (m, 2H), 6.41-6.36 (m, 2H), 4.56-4.50 (m, 3H), 2.40-2.17 (m, 4H);13C NMR(DMSO-d6) δ 173.57, 170.04, 169.36, 167.71, 152.07, 145.57, 142.41, 135.60, 132.55, 116.99, 110.70, 110.46, 110.42, 107.41, 51.73, 30.66, 23.52; C18H17N3O6 の分析の計算値;C 57.25;H 4.72;N 11.13 (+0.35 H2O);実測値:C 57.50;H 4.59;N 10.93。
【0161】
(5.4) 4-カルバモイル-2-{4-[(フラン-2-イル-メチル)-アミノ]-1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル}-酪酸
【化15】

【0162】
4-カルバモイル-2-{4-[(フラン-2-イル-メチル)-アミノ]-1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル}-酪酸の合成のために、2-アミノ-4-カルバモイル-酪酸(0.31g, 2.11mmol)を、前記5.3項に説明された手法と実質的に同じ手法を用いて処理した。残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(66%酢酸エチル/33%ヘキサン/1%ギ酸)で精製し、油状物(0.44g)を得た。更なる精製を、分取逆相HPLC(38%アセトニトリル/62%水、定組成溶離)にかけ、油状物を得、これをジエチルエーテル(30ml)中で摩砕した。得られた黄色固形物を濾過し、乾燥した(0.31g, 44%):mp 114-116℃;1H NMR(DMSO-d6) δ 13.14 (s, 1H), 7.59-7.54 (m, 2H), 7.19-7.16 (m, 2H), 7.05-6.97 (m, 2H), 6.70 (s, 1H), 6.41-6.36 (m, 2H), 4.64 (dd, J=4.49Hz及びJ=10.49Hz, 1H), 4.55 (d, J=6.01Hz, 2H), 2.42-2.17 (m, 2H), 2.14-2.02 (m, 2H);13C NMR(DMSO-d6) δ 173.03, 170.61, 169.06, 167.48, 151.99, 145.72, 142.44, 135.94, 132.13, 117.39, 110.89, 110.43, 109.79, 107.43, 50.93, 31.35, 24.02, 15.14;C18H17N3O6の分析の計算値:C 57.38;H 4.71;N 11.15 (+0.30 H2O);実測値:C 57.00;H 4.85;N 10.83。
【0163】
(5.5) 2-{4-[(フラン-2-イル-メチル)-アミノ]-1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル}-4-フェニルカルバモイル-酪酸
【化16】

【0164】
2-{4-[(フラン-2-イル-メチル)-アミノ]-1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル}-4-フェニルカルバモイル-酪酸の合成のために、2-アミノ-4-フェニルカルバモイル-酪酸(0.49g, 2.20mmol)を、前記5.3項に説明された手法と実質的に同じ手法を用いて処理した。残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(45%酢酸エチル/54%ヘキサン/1%ギ酸)で精製し、黄色固形物(0.48g, 53.6%)を得た:mp 146-148℃;1H NMR(DMSO-d6) δ 13.13 (s, 1H), 9.81 (s, 1H), 7.59-7.38 (m, 4H), 7.26-7.14 (m, 3H), 7.04-6.96 (m, 3H), 6.40-6.34 (m, 2H), 4.71 (dd, J=3.80Hz及びJ=9.50Hz, 1H), 4.54 (d, J=5.95Hz, 2H), 2.46-2.22 (m, 4H);13C NMR(DMSO-d6) δ 170.51, 169.95, 169.05, 167.46, 151.99, 145.73, 142.42, 139.07, 135.93, 132.12, 128.50, 122.88, 119.01, 117.39, 110.91, 110.43, 109.80, 107.39, 50.78, 32.75, 23.97;C24H21N3O6の分析の計算値:C 63.63;H 4.81;N 9.28 (+ 0.31 H2O);実測値:C 63.38;H 4.84;N 9.20。
【0165】
(5.6) 2-{4-[(フラン-2-イル-メチル)-アミノ]-1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル}-ペンタンジオン酸
【化17】

【0166】
2-{4-[(フラン-2-イル-メチル)-アミノ]-1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル}-ペンタンジオン酸を合成するために、2-アミノ-ペンタンジオン酸(0.32g, 2.18mmol)を、前記5.3項に説明された手法と実質的に同じ手法を用いて処理した。残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(42.5%酢酸エチル/56.5%ヘキサン/1%ギ酸)により精製し、黄色固形物(0.54g, 73%)を得た:mp 150-152℃;1H NMR(DMSO-d6) δ 12.62 (s, 2H), 9.81 (s, 1H), 7.60-7.54 (m, 2H), 7.17 (d, J=8.58Hz, 1H) , 7.05-6.98 (m, 2H), 6.41-6.36 (m, 2H), 4.72 (dd, J=4.10Hz及びJ=9.80Hz, 1H), 4.56 (d, J=6.05Hz, 2H), 2.38-2.20 (m, 4H);13C NMR(DMSO-d6) δ 173.59, 170.47, 169.04, 167.46, 151.98, 145.74, 142.42, 135.94, 132.10, 117.42, 110.93, 110.42, 109.77, 107.40, 95.55, 50.55, 30.29, 23.69; C18H16N2O7の分析の計算値:C 57.40;H 4.40;N 7.40 (+0.17 H2O + 0.02 EtOAc + 0.02 CH2Cl2);実測値:C 57.01;H 4.18;N 7.27。
【0167】
(5.7) シクロプロパンカルボン酸{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシ-フェニル)-2-[1,3,4]オキサジアゾール-2-イル-エチル]-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-イル}-アミド
【化18】

【0168】
シクロプロパンカルボン酸{2-[1-(3-エトキシ-4-メトキシ-フェニル)-2-[1,3,4]オキサジアゾール-2-イル-エチル]-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-イル}-アミドを、THF(5mL)中で3-[7-(シクロプロパンカルボニル-アミノ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-3-(3-エトキシ-4-メトキシ-フェニル)-プロピオン酸(400mg, 0.9mmol)、CDI(160mg, 1.0mmol)及びギ酸ヒドラジド(0.09g, 1.5mmol)を反応させることにより調製した。その後粗生成物を、アセトニトリル(15mL)中のリン酸オキシクロリド(0.18mL, 1.9mmol)と反応させた。この生成物を、白色固形物(60mg, 収率15%)として得た:mp 181-183℃;1H NMR(CDCl3) δ 0.86-0.92 (m, 2H, シクロプロピルCH2), 1.06-1.11 (m, 2H, シクロプロピルCH2), 1.45 (t, J=7.5Hz, 3H, CH3), 1.58-1.68 (m, 1H, シクロプロピルCH), 3.66 (dd, J=5.15Hz, 1H, CHH), 3.85 (dd, J=10.15Hz, 1H, CHH), 3.87 (s, 3H, CH3), 4.03-4.11 (m, 3H, OCH2CH3 + CHH), 4.43 (d, J=17Hz, 1H, CHH), 5.86-5.91 (m, 1H, NCH), 6.85-6.90 (m, 2H, Ar), 6.96-7.01 (m, 2H, Ar), 7.43 (t, J=7.5Hz, 1H, Ar), 8.35 (s, 1H, Ar), 8.41 (d, J=7.5Hz, 1H, Ar), 10.41 (s, 1H, NH);13C NMR(CDCl3) δ 8.27, 8.29, 14.73, 16.16, 28.04, 46.36, 52.26, 55.98, 64.64, 111.53, 112.36, 116.80, 116.96, 117.80, 119.16, 129.54, 133.43, 138.06, 141.25, 148.84, 149.64, 153.34, 163.79, 169.50, 172.66. C25H25N4O5 + 0.1 H2Oの分析の計算値:C 64.47;H 5.69;N 12.07;実測値:C 64.50;H 5.70;N 11.69。
【0169】
(5.8) MM細胞増殖の阻害
本発明の化合物の多発性骨髄腫(MM)細胞株の増殖に作用する能力を、インビトロ試験において調べた様々なMM細胞株(MM.1S, Hs Sultan, U266及びRPMI-8226)による[3H]-チミジン取り込みを、細胞増殖のインジケーターとして測定した。細胞は、化合物の存在下で48時間インキュベーションし;[3H]-チミジンを、インキュベーション期間の最後の8時間に含めた。
【0170】
(5.9) インビボにおける LPS誘導型TNF-α産生アッセイ
Charles River Laboratoriesから入手した7週齢の雄のCDラットを、使用前1週間順化させた。側面尾静脈に、22ゲージ内径針(over-the-needle)カテーテルを、短期間のイソフルラン麻酔下で皮下カニューレ挿管した。ラットに、尾静脈カテーテルを介した静脈内注射又は経口胃管栄養法のいずれかにより、本発明の化合物を投与し、15〜180分後に0.05mg/kg LPS(E. Coli 055:B5)を注射した。カテーテルを、通常の注射用生理食塩水2.5mL/kgで流した。血液を、LPSチャレンジの90分後に心臓穿刺により採取した。ヘパリンリチウム分離チューブを用い、血漿を調製し、分析するまで-80℃に凍結した。TNF-αレベルを、ラット特異的TNF-α ELISAキット(Busywork)を用いて決定した。ED50値を、TNF-α産生が対照値の50%に低下した、本発明の化合物の投与量として計算した。
【0171】
(5.10) 患者における周期的投与療法
特定の実施態様において、本発明の化合物は、癌患者へ周期的に投与される。周期的投与療法は、ある期間の第一の物質の投与、それに続くある期間の投与休止、並びにこの逐次投与の繰り返しを伴う。周期的投与療法は、1種又は複数の療法に対する耐性の発生を低下し、ひとつの療法の副作用を避けるか又は軽減し、及び/又は治療効率を改善することができる。
【0172】
特定の実施態様において、予防薬又は治療薬は、約4〜6週間周期で、1日1又は2回投与される。ひとつのサイクルは、治療的又は予防的物質の3〜4週間の投与、及び少なくとも1週間又は2週間の休薬を含む。投与される周期の数は、約1〜約24周期であり、より典型的には約2〜約16周期であり、更に典型的には約4〜約8周期である。
【0173】
(5.11) 再発した多発性骨髄腫患者における臨床試験
少なくとも3回の過去の投与計画の失敗したか、又は貧弱な成績状態、好中球減少症又は血小板減少症を提示している、再発した及び難治性のDune-Salmon III期の多発性骨髄腫の患者を、4〜6週間毎の、メルファラン(50mg静脈内投与)、本発明の化合物(約1〜5,000mgの毎日の経口投与)、及びデキサメタゾン(1〜4日の40mg/日の経口投与)の組合せで最大4周期で治療した。毎日の本発明の化合物及び毎月のデキサメタゾンからなる維持療法は、疾患が進展するまで継続した。メルファラン及びデキサメタゾンと組合せた本発明の化合物の投与を含む療法は、高度に活性があり、そうでなければ予後不良である多くの治療が施された多発性骨髄腫患者において一般に忍容性があった。
【0174】
先に説明された本発明の態様は、単に例証でありことを意図されており、並びに当業者は、単に慣習的実験、特定の化合物、材料及び手法の多くの同等物異常は使用せずに、認識又は確証することができるであろう。そのような同等物の全ては、本発明の範囲内であると考えられ、添付された「特許請求の範囲」により包含される。
【0175】
本願明細書に列記された全ての特許、特許刊行物及び参考文献は、それらの全体が本願明細書に参照により組入れられている。しかしそのような参考文献の引用は、そのような参考文献が先行技術であることを承認するものではない。本発明は、「特許請求の範囲」によりより良く説明することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化合物、又はそれらの医薬として許容し得る塩、もしくは溶媒和物:
【化1】

【請求項2】
下記化合物、又はそれらの医薬として許容し得るプロドラッグ:
【化2】

【請求項3】
下記化合物、又はそれらの医薬として許容し得る立体異性体:
【化3】

【請求項4】
癌を治療、管理、又は予防する方法であり、請求項1、2又は3記載の化合物の治療的又は予防的有効量を、そのような治療、管理又は予防が必要な患者へ投与することを含む、前記方法。
【請求項5】
前記癌が、皮膚組織、臓器、血液、及び血管のものであり、膀胱、骨又は血液、脳、乳房、子宮頸管、胸部、結腸、子宮内膜、食道、眼、頭部、腎臓、肝臓、リンパ節、肺、口腔、頸部、卵巣、膵臓、前立腺、直腸、胃、精巣、咽喉、又は子宮の癌を含むが、これらに限定されるものではない、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記癌が、進行した悪性疾患、アミロイド症、神経芽細胞腫、髄膜腫、血管周囲細胞腫、多発性脳転移、多形性膠芽腫、膠芽腫、脳幹グリオーマ、予後不良の悪性脳腫瘍、悪性グリオーマ、未分化星状細胞腫、未分化希突起膠芽細胞腫、神経内分泌細胞腫瘍、直腸腺癌、Dukes C & D 結腸直腸癌、切除不能な結腸直腸癌、転移性肝細胞癌、カポシ肉腫、核型急性骨髄芽球性白血病、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、皮膚B細胞リンパ腫、散在性ラージB細胞リンパ腫、低悪性度濾胞性リンパ腫、メラノーマ、転移性メラノーマ、局在性メラノーマ、悪性中皮腫、悪性胸水中皮腫症候群、腹膜癌、乳頭状漿液癌、婦人科領域の肉腫、軟組織肉腫、強皮症、皮膚脈管炎、ランゲルハンス細胞組織球増殖症、平滑筋肉腫、進化性骨化性線維形成異常症、ホルモン抵抗性前立腺癌、切除された高リスク軟組織肉腫、切除不可能な肝細胞癌、ヴァルデンストロームマクログロブリン血症、多発性骨髄腫、くすぶり型骨髄腫、無痛性骨髄腫、ファローピウス管癌、アンドロゲン非依存性前立腺癌、アンドロゲン依存性IV期非転移性前立腺癌、ホルモン不感性前立腺癌、化学療法不感性前立腺癌、乳頭状甲状腺癌、濾胞性甲状腺癌、甲状腺髄様癌、又は平滑筋腫である、請求項4記載の方法。
【請求項7】
前記化合物が、1mg〜約10,000mg/日の量で投与される、請求項4記載の方法。
【請求項8】
癌を治療、管理又は予防する方法であり、治療的又は予防的有効量の請求項1、2又は3記載の化合物、並びに治療的又は予防的有効量の第二の活性成分、放射線療法、ホルモン療法、生物学的療法又は免疫療法を、そのような治療、管理又は予防が必要な患者へ投与することを含む、前記方法。
【請求項9】
前記癌が、皮膚組織、臓器、血液、及び血管のものであり、膀胱、骨又は血液、脳、乳房、子宮頸部、胸部、結腸、子宮内膜、食道、眼、頭部、腎臓、肝臓、リンパ節、肺、口腔、頸部、卵巣、膵臓、前立腺、直腸、胃、精巣、咽喉、及び子宮の癌を含むが、これらに限定されるものではない、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記癌が、進行した悪性疾患、アミロイド症、局所的に進行した膀胱癌、転移性移行細胞膀胱癌、再発した脳腫瘍、進行性脳腫瘍、神経芽細胞腫、髄膜腫、血管周囲細胞腫、多発性脳転移、多形性膠芽腫 、膠芽腫 、脳幹グリオーマ、予後不良の悪性脳腫瘍、悪性グリオーマ、未分化星状細胞腫、未分化希突起膠芽細胞腫、転移性乳癌、神経内分泌細胞腫瘍、直腸腺癌、Dukes C & D 結腸直腸癌、切除不能な結腸直腸癌、転移性肝細胞癌、カポシ肉腫、核型急性骨髄芽球性白血病、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、皮膚B細胞リンパ腫、散在性ラージB細胞リンパ腫、低悪性度濾胞性リンパ腫、メラノーマ、転移性メラノーマ、局在性メラノーマ、悪性中皮腫、IIIB期非小細胞肺癌、悪性胸水中皮腫症候群、多発性骨髄腫、腹膜癌、乳頭状漿液癌、婦人科領域の肉腫、軟組織肉腫、強皮症、皮膚脈管炎、ランゲルハンス細胞組織球増殖症、平滑筋肉腫、進化性骨化性線維形成異常症、ホルモン抵抗性前立腺癌、切除された高リスク軟組織肉腫、切除不能な肝細胞癌、ヴァルデンストロームマクログロブリン血症、くすぶり型骨髄腫、無痛性骨髄腫、ファローピウス管癌、アンドロゲン非依存性前立腺癌、アンドロゲン依存性IV期非転移性前立腺癌、ホルモン不感性前立腺癌、化学療法不感性前立腺癌、乳頭状甲状腺癌、濾胞性甲状腺癌、甲状腺髄様癌、又は平滑筋腫である、請求項8記載の方法。
【請求項11】
前記化合物が、1mg〜約10,000mg/日の量で投与される、請求項8記載の方法。
【請求項12】
前記化合物が、第二の活性成分、放射線療法、ホルモン療法、生物学的療法、又は免疫療法の前、同時、又は後に投与される、請求項8記載の方法。
【請求項13】
第二の活性成分が、抗CD40モノクローナル抗体、ヒストンデアセチラーゼインヒビター、熱ショックプロテイン90インヒビター、インスリン様増殖因子1受容体キナーゼインヒビター、血管内皮増殖因子受容体キナーゼインヒビター、多発性骨髄腫細胞におけるアポトーシスインデューサー、スタチン、インスリン増殖因子受容体インヒビター、リゾホスファチジン酸アシルトランスフェラーゼ(acyltransrerase)インヒビター、IκBキナーゼインヒビター、p38MAPKインヒビター、EGFRインヒビター、HER-2抗体、VEGFR抗体、VEGFRインヒビター、P13Kインヒビター、C-Metインヒビター、モノクローナル抗体、抗TNF-α抗体、造血増殖因子、サイトカイン、抗癌剤、抗生物質、cox-2インヒビター、免疫調節剤、免疫抑制剤、コルチコステロイド、又はそれらの薬理学的活性のある変異体もしくは誘導体、又はそれらの組合せである、請求項8記載の方法。
【請求項14】
第二の活性成分が、2-メトキシエストラジオール、テロメスタチン、ゲフィチニブ、塩酸エルロチニブ、トラスツズマブ、ペルツズマブ、ベバシズマブ、ワートマニン、リツキシマブ、トシツモマブ、エドレコロマブ、セマキサニブ、シクロスポリン、エタネルセプト、ドキシサイクリン、ボルテゾミブ、オブリマーセン、メルファラン、G-CSF、GM-CSF、EPO、トポテカン、ペントキシフィリン、タキソテレ、イリノテカン、COX-2インヒビター、シプロフロキサシン、デキサメタゾン、ドキソルビシン、ビンクリスチン、IL-2、IFN、ダカルバジン、Ara-C、ビノレルビン、イソトレチノイン、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは立体異性体、又はそれらの薬理学的に活性のある変異体もしくは誘導体、又はそれらの組合せである、請求項8記載の方法。
【請求項15】
望ましくない血管新生に関連した疾患を治療、管理又は予防する方法であり、請求項1、2又は3記載の化合物の治療的又は予防的有効量を、そのような治療、管理又は予防が必要な患者へ投与することを含む、方法。
【請求項16】
前記疾患又は障害が、子宮内膜症、クローン病、心不全、進行した心不全、腎不全、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、角膜移植拒絶反応、血管新生緑内障、水晶体後線維増殖症、増殖性硝子体網膜症、トラコーマ、近視、骨髄異形成症候群、視神経乳頭小窩、流行性角結膜炎、アトピー性角膜炎、上方輪部角膜炎、翼状片乾性角膜炎、シェーグレン病、酒さ性座瘡、フィレクテヌローシス(phylectenulosis)、梅毒、脂質分解、細菌性潰瘍、真菌性潰瘍、単純ヘルペス感染症、帯状疱疹感染症、原虫感染症、カポシ肉腫、モーレン潰瘍、テリエン辺縁変性、辺縁角質溶解、関節リウマチ、全身性紅斑狼瘡、多発性動脈炎、外傷、ヴェゲナー類肉腫、強膜炎、スティーブンズ-ジョンソン症候群、類天疱瘡(periphigoid)放射状角膜切開、鎌状赤血球貧血、類肉腫、弾性線維仮性黄色腫、パジェット病、静脈閉塞、動脈閉塞、頸動脈閉塞性疾患、慢性ブドウ膜炎、慢性硝子体炎症、ライム病、イールズ病、ベーチェット病、網膜炎、脈絡膜炎、推定眼ヒストプラスマ症、ベスト病、シュタルガルト病、扁平部炎、慢性網膜剥離、過粘稠度症候群、トキソプラスマ症、硬化性胆管炎、ルベオーシス、内毒血症、毒素ショック症候群、骨関節炎、レトロウイルス複製、るいそう、髄膜炎、シリカ誘導型線維症、アスベスト誘導型線維症、獣医学障害、悪性疾患随伴性高カルシウム血症、脳卒中、循環系ショック、歯周炎、歯肉炎、大球性貧血、不応性貧血、又は5q-症候群である、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記化合物が、約1mg〜約10,000mg/日の量で投与される、請求項15記載の方法。
【請求項18】
望ましくない血管新生に関連した疾患を治療、管理又は予防する方法であり、請求項1、2又は3記載の化合物の治療的又は予防的有効量、並びに第二の活性成分の治療的又は予防的有効量を、そのような治療、管理又は予防が必要な患者へ投与することを含む、方法。
【請求項19】
疾患又は障害が、子宮内膜症、クローン病、心不全、進行した心不全、腎不全、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、角膜移植拒絶反応、血管新生緑内障、水晶体後線維増殖症、増殖性硝子体網膜症、トラコーマ、近視、骨髄異形成症候群、視神経乳頭小窩、流行性角結膜炎、アトピー性角膜炎、上方輪部角膜炎、翼状片乾性角膜炎、シェーグレン病、酒さ性座瘡、フィレクテヌローシス、梅毒、脂質分解、細菌性潰瘍、真菌性潰瘍、単純ヘルペス感染症、帯状疱疹感染症、原虫感染症、カポシ肉腫、モーレン潰瘍、テリエン辺縁変性、辺縁角質溶解、関節リウマチ、全身性紅斑狼瘡、多発性動脈炎、外傷、ヴェゲナー類肉腫、強膜炎、スティーブンズ-ジョンソン症候群、類天疱瘡放射状角膜切開、鎌状赤血球貧血、類肉腫、弾性線維仮性黄色腫、パジェット病、静脈閉塞、動脈閉塞、頸動脈閉塞性疾患、慢性ブドウ膜炎、慢性硝子体炎症、ライム病、イールズ病、ベーチェット病、網膜炎、脈絡膜炎、推定眼ヒストプラスマ症、ベスト病、シュタルガルト病、扁平部炎、慢性網膜剥離、過粘稠度症候群、トキソプラスマ症、硬化性胆管炎、ルベオーシス、内毒血症、毒素ショック症候群、骨関節炎、レトロウイルス複製、るいそう、髄膜炎、シリカ誘導型線維症、アスベスト誘導型線維症、獣医学障害、悪性疾患随伴性高カルシウム血症、脳卒中、循環系ショック、歯周炎、歯肉炎、大球性貧血、不応性貧血、又は5q-症候群である、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記化合物が、約1mg〜約10,000mg/日の量で投与される、請求項18記載の方法。
【請求項21】
第二の活性成分が、抗CD40モノクローナル抗体、ヒストンデアセチラーゼインヒビター、熱ショックプロテイン90インヒビター、インスリン様増殖因子1受容体キナーゼインヒビター、血管内皮増殖因子受容体キナーゼインヒビター、多発性骨髄腫細胞におけるアポトーシスインデューサー、スタチン、インスリン増殖因子受容体インヒビター、リゾホスファチジン酸アシルトランスフェラーゼインヒビター、IκBキナーゼインヒビター、p38MAPKインヒビター、EGFRインヒビター、HER-2抗体、VEGFR抗体、VEGFRインヒビター、P13Kインヒビター、C-Metインヒビター、モノクローナル抗体、抗TNF-α抗体、造血増殖因子、サイトカイン、抗癌剤、抗生物質、cox-2インヒビター、免疫調節剤、免疫抑制剤、コルチコステロイド、又はそれらの薬理学的活性のある変異体もしくは誘導体、又はそれらの組合せである、請求項18記載の方法。
【請求項22】
第二の活性成分が、2-メトキシエストラジオール、テロメスタチン、ゲフィチニブ、塩酸エルロチニブ、トラスツズマブ、ペルツズマブ、ベバシズマブ、ワートマニン、リツキシマブ、トシツモマブ、エドレコロマブ、セマキサニブ、シクロスポリン、エタネルセプト、ドキシサイクリン、ボルテゾミブ、オブリマーセン、メルファラン、G-CSF、GM-CSF、EPO、トポテカン、ペントキシフィリン、タキソテレ、イリノテカン、COX-2インヒビター、シプロフロキサシン、デキサメタゾン、ドキソルビシン、ビンクリスチン、IL-2、IFN、ダカルバジン、Ara-C、ビノレルビン、イソトレチノイン、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは立体異性体、又はそれらの薬理学的活性のある変異体もしくは誘導体、又はそれらの組合せである、請求項18記載の方法。
【請求項23】
患者におけるPDE4のレベル又は活性を低下又は阻害する方法であり、請求項1、2又は3記載の化合物の有効量を患者へ投与することを含む、方法。
【請求項24】
PDE4により媒介された疾患又は障害を治療、予防又は管理する方法であり、請求項1、2又は3記載の化合物の治療的又は予防的有効量を、そのような治療、予防又は管理が必要な患者へ投与することを含む、方法。
【請求項25】
前記疾患又は障害が、喘息、アトピー性皮膚炎、鬱病、再潅流損傷、敗血症性ショック、毒素ショック、内毒素ショック、成人呼吸窮迫症候群、自己免疫性糖尿病、糖尿病性尿崩症、多発梗塞性痴呆、AIDS、癌、クローン病、多発性硬化症、脳虚血、乾癬、移植拒絶反応、再狭窄、潰瘍性大腸炎、悪液質、大脳マラリア、アレルギー性鼻腔結膜炎、骨関節炎、関節リウマチ、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎、好酸球性(cosinophilic)肉芽腫、又は自己免疫脳脊髄炎である、請求項24記載の方法。
【請求項26】
請求項1、2又は3記載の化合物を含有する、医薬組成物。
【請求項27】
更に第二の活性成分を含有する、請求項26記載の医薬組成物。
【請求項28】
第二の活性成分が、抗CD40モノクローナル抗体、ヒストンデアセチラーゼインヒビター、熱ショックプロテイン90インヒビター、インスリン様増殖因子1受容体キナーゼインヒビター、血管内皮増殖因子受容体キナーゼインヒビター、多発性骨髄腫細胞におけるアポトーシスインデューサー、スタチン、インスリン増殖因子受容体インヒビター、リゾホスファチジン酸アシルトランスフェラーゼインヒビター、IκBキナーゼインヒビター、p38MAPKインヒビター、EGFRインヒビター、HER-2抗体、VEGFR抗体、VEGFRインヒビター、P13Kインヒビター、C-Metインヒビター、モノクローナル抗体、抗TNF-α抗体、造血増殖因子、サイトカイン、抗癌剤、抗生物質、cox-2インヒビター、免疫調節剤、免疫抑制剤、コルチコステロイド、又はそれらの薬理学的活性のある変異体もしくは誘導体、又はそれらの組合せである、請求項27記載の医薬組成物。
【請求項29】
第二の活性成分が、2-メトキシエストラジオール、テロメスタチン、ゲフィチニブ、塩酸エルロチニブ、トラスツズマブ、ペルツズマブ、ベバシズマブ、ワートマニン、リツキシマブ、トシツモマブ、エドレコロマブ、セマキサニブ、シクロスポリン、エタネルセプト、ドキシサイクリン、ボルテゾミブ、オブリマーセン、メルファラン、G-CSF、GM-CSF、EPO、COX-2インヒビター、トポテカン、ペントキシフィリン、シプロフロキサシン、タキソテレ、イリノテカン、デキサメタゾン、ドキソルビシン、ビンクリスチン、IL-2、IFN、ダカルバジン、Ara-C、ビノレルビン、イソトレチノイン、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、もしくは立体異性体、又はそれらの薬理学的活性のある変異体もしくは誘導体、又はそれらの組合せである、請求項27記載の医薬組成物。

【公表番号】特表2008−508298(P2008−508298A)
【公表日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−523776(P2007−523776)
【出願日】平成17年7月27日(2005.7.27)
【国際出願番号】PCT/US2005/026679
【国際公開番号】WO2006/015060
【国際公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【出願人】(591120033)セルジーン・コーポレーション (84)
【氏名又は名称原語表記】CELGENE CORPORATION
【Fターム(参考)】