説明

イルミネーショングリル

【課題】LED素子及び導光板にて全体が輝くように形成されたイルミネーショングリルを提供する。
【解決手段】横長状の形態からなり、その長手方向には凹溝15を有するとともに、当該凹溝15の底のところには光を反射させるように形成された反射部を有するリフレクタ1と、上記凹溝15の開口部のところに設けられるものであって、長手方向において光を導くように形成されるとともに、その表面側及び裏面側へは光を発するように形成された導光板2と、導光板2の一方の端部のところに設けられるものであって、LED素子等からなる発光体3と、からなる。これら発光体3、導光板2、リフレクタ1等が一体的にまとめられてハウジング8内に収容されるとともに、上記導光板2の前面側には透明性のカバー7が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両等、移動体の主に前面部等に設けられるものであって、主に視認性の確保を目的に設けられるイルミネーショングリルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種のものとしては、例えば特開2003−48499号公報記載のもの等が挙げられる。このものは、車両の前面部に設けられるものであって、当該車両前面部に形成された空気取入口の周りを飾るための部材(パーツ)として設けられるようになっているものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−48499号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来のもにおいては、空気取入口のところに、まず、メッシュ状のスクリーンが設けられるとともに、このメッシュ状スクリーンの前方部のところには、車両前面部の見栄えを良くするためのものとして、ガーニッシュ、あるいはグリル等が設けられるようになっている。しかしながら、この従来のものにおけるグリル等は、単なる装飾体としての体裁を成すものにすぎず、しかも、このものは、昼間の太陽光線下においてしか、その装飾性が発揮され得ないものである。従って、視認性等においては不十分なものと言わざるを得ない。このような問題点を解決するために、グリルの一部に凹陥部を形成させるとともに、この凹陥部内にLED等からなる発光体、更には、当該発光体にて発光した光を所定の範囲内にて光らせるための導光体等からなる発光装置を設けるようにした、視認性に優れたイルミネーショングリルを提供しようとするのが、本発明の目的(課題)である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明においては次のような手段を講ずることとした。すなわち、請求項1記載の発明である第一の発明においては、車両を初めとした移動体の主に前方部等に設けられるものであって視認性確保を目的に設けられるイルミネーショングリルに関して、細長状の形態からなるとともに、その横断面形状において凹陥状の形態を有するハウジングと、当該ハウジング内に設けられるものであって当該ハウジングと略同等の横長状の形態からなり、その長手方向には少なくとも一以上の凹溝を有するとともに、当該凹溝の底のところには光を反射させるように形成された反射部を有するリフレクタと、当該リフレクタを形成する上記凹溝の開口部のところに設けられるものであって、長手方向に光を導くように形成されるとともに、その表面側及び裏面側へは光を発するように形成された導光板と、当該導光板の一方の端部のところに設けられるものであって、所定の光を発信する発光体と、上記リフレクタの前面側に設けられるものであって、透明体からなるとともに上記導光板を保護するために設けられるカバーと、からなるようにした構成を採ることとした。
【0006】
次に、請求項2記載の発明である第二の発明においては、請求項1記載のイルミネーショングリルに関して、上記リフレクタを、その表面が梨地シボ模様、格子シボ模様、または、その他幾何学的模様にて形成されるシボ模様からなるようにした構成を採ることとした。
【0007】
次に、請求項3記載の発明である第三の発明においては、請求項1記載のイルミネーショングリルに関して、上記リフレクタを、その表面が規則正しく形成された複数の凸曲面部または複数の台形状凸面部を含む複数の凸面部の集合体にて形成されるようにした構成を採ることとした。
【0008】
次に、請求項4記載の発明である第四の発明においては、請求項1記載のイルミネーショングリルに関して、上記導光板の表面側、及び裏面側、更には側面部側にも所定のカット模様を形成させるようにした構成を採ることとした。
【0009】
次に、請求項5記載の発明である第5の発明においては、請求項1記載のイルミネーショングリルに関して、上記導光板の長手方向側端部のところに設けられる発光体をLED素子からなるようにした構成を採ることとした。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の発明である第一の発明について説明する。本発明によれば、上記構成を採ることにより、発光体からの光は細長状の導光板の全面に渡って発せられることとなり、全体的に、優れた視認性が確保されることとなる。すなわち、視認性に優れた、かつ、見栄えに優れたイルミネーショングリルが形成されることとなる。特に、本発明のものにおいては、夜間においても優れた視認性が確保されることとなる。
【0011】
次に、請求項2記載の発明である第二の発明のものにおいては、リフレクタの反射部のところに梨地シボ模様または格子シボ模様を形成させるようにしたことより、これによって、導光板から発せられた光は、上記梨地シボ模様または格子シボ模様を有する反射部のところで乱反射され、本リフレクタの全面に渡って均等な状態で光が反射されるようになる。その結果、本グリルの全面に渡って光が発信されるようになり、本イルミネーショングリルによる視認性がより高められることとなる。
【0012】
また、請求項3記載の発明である第三の発明のものにおいては、リフレクタの表面部に細かな凸曲面等にて形成される凸面部からなる模様を規則正しく複数個設けるようにしたので、これら反射面のところで反射された光は、一定の方向へと調整された状態で発信されることとなる。その結果、導光板のところから発せられる光は、きれいな平行光線となって、前方へと発信されることとなる。
【0013】
また、請求項4記載の発明である第四の発明のものにおいては、導光板の表面部等にカット模様を形成させるようにしたので、これによって、導光板全体がより明るく輝くようになり、導光板全体、延いては本イルミネーショングリル全体の視認性が、より高められることとなる。
【0014】
また、請求項5記載の発明である第五の発明のものにおいては、発光体としてLED素子を採用することとしたので、導光板を少ない電力にて、より輝度の高い状態、すなわち、明るく輝いた状態で表示させることができるようになり、イルミネーショングリル全体の視認性がより高められることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の全体構成を示す展開斜視図である。
【図2】本発明にかかるイルミネーショングリルの全体構成を示す横断面図である。
【図3】本発明の主要部を成す導光板及び発光体の配置状態を示す図である。
【図4】本発明の主要部を成す導光板周りの構成を示す横断面図である。
【図5】本発明の主要部を成すリフレクタにおける、その反射部についての一実施 例を示す図である。
【図6】本発明の主要部を成すリフレクタにおける、その反射部についての、その他の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明を実施するための形態について、図1ないし図6を基に説明する。本実施の形態にかかるものは、図1または図2に示す如く、横長状の形態からなり、その長手方向には少なくとも一以上の凹溝15を有するとともに、当該凹溝15の底のところには光を反射させるように形成された反射部5を有するリフレクタ1と、当該リフレクタ1を形成する上記凹溝15の開口部12(図3,図4参照)のところに設けられるものであって、長手方向において光を導くように形成されるとともに、その表面側及び裏面側へは光を発するように形成された導光板2と、当該導光板2の一方の端部のところに設けられるものであって、LED素子等からなる発光体3と、からなることを基本とするものである。そして、これら発光体3、導光板2、リフレクタ1等が一体的にまとめられて、凹陥状の形態からなるハウジング8内に収容されるとともに、このように収容された上記リフレクタ1の前面側、具体的には上記導光板2の前面側には透明体からなるカバー7が設けられるようになっている。これによって、上記導光板2、発光体3等の保護が図られるようになっているものである。
【0017】
このような基本構成からなるものにおいて、上記導光板2の設置されるリフレクタ1の、その具体的構成について、図2ないし図4を基に説明する。本リフレクタ1は、基本的には横長状の部材からなるものであって、その長手方向に複数本、本実施の形態のものにおいては2本の凹溝15が設けられるようになっているものである(図1,図2参照)。そして、このような構成からなるものにおいて、上記凹溝15の、少なくとも底の部分には金属メッキ処理等が施され、これによって反射部5が形成されるようになっているものである。なお、本実施の形態のものにおいては、上記凹溝15も含めて、リフレクタ1の前面側が、すべてにわたって金属メッキ処理が成されるようになっている。これによって、リフレクタ1の全体が金属色にて輝くようになり、本イルミネーショングリル全体の視認性が高められることとなる。
【0018】
このような構成からなる凹溝15周りの具体的構成について、図3または図4を基に説明する。まず、上記凹溝15の底の部分には金属メッキ処理等にて形成される反射部5が設けられるようになっている。また、このような凹溝15の、その開口部12のところには、本凹溝15全体を覆うように導光板2が設けられるようになっている。この導光板2は、例えば図1に示す如く、全体的に細長状の形態からなる透明体にて形成されるようになっているものである。そして更に、このものは、図3に示す如く、LED素子等からなる発光体3からの光を、その長手方向に伝播させるとともに、その横断面形における前面部側及び後面部側へは、例えば図3、図4に示す如く、光を透過させるようになっているものである。これによって、上記凹溝15の底の部分に設けられた反射部5のところで反射された光は、本導光板2を透過して、本イルミネーショングリルの前面側へと発信されるようになる。また、このような構成からなる本導光板2の、その横断面形における表面側、裏面側、及び側面部のところには、例えば図2または図3に示す如く、リフレクションカット面22が形成されるようになっている。これによって、導光板2の裏面側においても光の反射作用が起こるようになり、本導光板2から前方へと照射される光の量は増加するようになる。
【0019】
次に、このような構成からなる凹溝15の、その底の部分に設けられる反射部5の構成について説明する。これらのうち、その一つの例としては、反射部5の全面が梨地シボ模様あるいは格子シボ模様からなるものが挙げられる。このような不定形の模様を形成させることによって、上記反射部5のところで反射される光は乱反射状態となって導光板2のところへと導かれ、ここから前方へと照射されるようになる(図4参照)。その結果、導光板2全体が所定の横幅を有する光の帯となって輝くようになり、視認性に優れたイルミネーショングリルが形成されることとなる。
【0020】
次に、上記反射部5のところに形成される模様を、例えば図5に示す如く、規則正しく形成された複数の凸曲面51からなるようにしたもの、あるいは図6に示す如く、規則正しく形成された複数の台形状凸面部52からなるようにしたものが挙げられる。このような規則正しく形成された模様を有する反射部5にて反射された光は、整理された平行光線となって前方へと送られ、導光板2を透過して前方へと照射されようになる。従って、このような平行光線の束(光束)となった状態のものが導光板2のところから前方へと照射されることとなり、この光束は強い輝きをもって遠方まで照射されることとなる。
【符号の説明】
【0021】
1 リフレクタ
12 開口部
15 凹溝
2 導光板
22 リフレクションカット面
3 発光体
5 反射部
51 凸曲面
52 凸面部
7 カバー
8 ハウジング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長状の形態からなるとともに、その横断面形状において凹陥状の形態を有するハウジングと、当該ハウジング内に設けられるものであって当該ハウジングと略同等の横長状の形態からなり、その長手方向には少なくとも一以上の凹溝を有するとともに、当該凹溝の底のところには光を反射させるように形成された反射部を有するリフレクタと、当該リフレクタを形成する上記凹溝の開口部のところに設けられるものであって、長手方向に光を導くように形成されるとともに、その表面側及び裏面側へは光を発するように形成された導光板と、当該導光板の一方の端部のところに設けられるものであって、所定の光を発信する発光体と、上記リフレクタの前面側に設けられるものであって、透明体からなるとともに上記導光板を保護するために設けられるカバーと、からなるようにしたことを特徴とするイルミネーショングリル。
【請求項2】
請求項1記載のイルミネーショングリルにおいて、上記リフレクタを、その表面が梨地シボ模様、格子シボ模様、または、その他幾何学的模様にて形成されるシボ模様からなるようにした構成からなることを特徴とするイルミネーショングリル。
【請求項3】
請求項1記載のイルミネーショングリルにおいて、上記リフレクタを、その表面が規則正しく形成された複数の凸曲面部または複数の台形状凸面部を含む複数の凸面部の集合体にて形成されるようにした構成からなることを特徴とするイルミネーショングリル。
【請求項4】
請求項1記載のイルミネーショングリルにおいて、上記導光板の表面側、及び裏面側、更には側面部側にも所定のカット模様を形成させるようにした構成からなることを特徴とするイルミネーショングリル。
【請求項5】
請求項1記載のイルミネーショングリルにおいて、上記導光板の長手方向側端部のところに設けられる発光体をLED素子からなるようにしたことを特徴とするイルミネーショングリル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−95216(P2013−95216A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238219(P2011−238219)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000105925)サカエ理研工業株式会社 (110)
【Fターム(参考)】